説明

高圧ガス容器

【課題】本発明の課題は、軽量、高強度、高耐熱性を有する高圧ガス容器を提供することにある。
【解決手段】樹脂製容器本体3と、上記樹脂製容器本体3の外周に被覆された繊維層4と、上記繊維層4の外周に被覆された外表面平滑な耐熱性樹脂層5と、上記耐熱性樹脂層5の外周に被覆された繊維強化樹脂層6とからなり、上記容器本体3の外周に被覆されている繊維層4は、耐薬品性硬質粒子14を含有または付着し、垂直方向および面方向にガス透過可能である高圧ガス容器1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製容器本体に繊維層、耐熱性樹脂層、繊維強化樹脂層を被覆した高圧ガス容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の高圧ガス容器としては、金属製本体からなるものと、樹脂製本体からなるものとが提供されているが、軽量化の面から樹脂製本体からなるものが望ましい。
樹脂製本体からなる高圧ガス容器には、補強のために外周に繊維強化樹脂層が設けられる(特許文献1〜3)。
更に水素等の低分子ガスは樹脂製本体外壁を透過するので、上記繊維強化樹脂層の内側に透過したガスを外部に導く流路あるいは微細空隙によって構成される通気層を設ける(特許文献4,5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−141191号公報
【特許文献2】特開2007−162830号公報
【特許文献3】特開平10−220691号公報
【特許文献4】特開2004−176885号公報
【特許文献5】特開2009−174700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記繊維強化樹脂層が設けられた樹脂製高圧ガス容器は、樹脂製容器本体の外周に樹脂を含浸させた繊維を巻き付け、繊維に含浸させた樹脂を硬化させる方法や、樹脂製容器本体の外周に繊維を巻き付けた後、樹脂を含浸せしめ、その後該樹脂を硬化させる方法(両者共フィラメントワインディング法と称される)によって製造されるのが一般的である。
樹脂製容器本体の外周にフィラメントワインディング法によって繊維強化樹脂層を設けた場合、上記樹脂製容器本体外周と、上記繊維強化樹脂層との間に空隙を生じさせて通気層を確保するためには、例えばフープ巻きしたフープ層の上にヘリカル巻きしたヘリカル層を形成し、フープ層を構成する繊維の上をヘリカル層を構成する繊維が乗り越える状態として微細空隙を形成する。
上記方法によって通気路を形成する場合には、繊維に含浸させる樹脂量を調節したり、巻き締め力を調節することが必要であり、このような調節は極めて微妙なものであって、所定の通気性を有する通気路を安定に形成することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記従来の問題点を解決するための手段として、樹脂製容器本体3と、上記樹脂製容器本体3の外周に被覆された繊維層4と、上記繊維層4の外周に被覆された外表面平滑な耐熱性樹脂層5と、上記耐熱性樹脂層5の外周に被覆された繊維強化樹脂層6とからなり、上記容器本体3の外周に被覆されている繊維層4は、耐薬品性硬質粒子14を含有または付着し、垂直方向および面方向にガス透過可能である高圧ガス容器1を提供するものである。
上記繊維層4を構成する繊維の繊度は0.5dtex〜60dtexの範囲に設定され、該繊維層の目付量は40g/m〜500g/mの範囲に設定されていることが望ましく、また上記耐薬品性硬質粒子14の粒径は1μm〜0.5mmの範囲であることが望ましい。更に上記繊維層4には、引張り弾性率が1800MPa以上の繊維が少なくとも70質量%含まれていることが望ましい。更に上記耐熱性樹脂層5は、軟化点が170℃以上のエンジニアリングプラスチックと他の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイであることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
〔作用〕
本発明の高圧ガス容器1は、樹脂製容器本体3と耐熱性樹脂層5との間に介在する垂直方向および面方向にガス透過可能である繊維層4によって通気路4Eが形成されている。該繊維層4によって形成される通気路4Eは、該繊維層4を構成する繊維の繊維径、密度、樹脂を塗布および/または含浸する場合には樹脂の塗布および/または含浸量によって通気性を調節することが容易である。通常上記繊維の繊度は0.5dtex〜60dtexの範囲に設定され、該繊維層4の目付量は40g/m〜500g/mの範囲に設定され、この範囲で構成される該通気路4Eの通気性は、透過ガスを好適に外部に導くことが出来るものとなる。
上記繊維層4には耐薬品性硬質粒子14が含有または付着されているから、上記樹脂製容器本体3が内圧によって膨張して上記繊維層4が該容器本体3と上記耐熱性樹脂層5との間に挟圧された場合でも、上記耐薬品性硬質粒子14がスペーサーとして機能して、通気路4Eは極度に狭窄されることなく、所定の間隙が確保される。
【0007】
上記繊維層には、引張り弾性率が1800MPa以上の繊維が少なくとも70質量%含まれていることが望ましい。繊維層4にこのような高引張り弾性率の繊維が含まれていると、樹脂製容器本体3と耐熱性樹脂層5との間に該繊維層4が挟圧された場合でも、該繊維層4は圧縮されにくいので、上記耐薬品性硬質粒子14のスペーサー効果と相まって通気路4Eの好適な通気性が確保される。
【0008】
上記耐熱性樹脂層5は、該繊維層4を保護するものであり、該繊維層4によって構成される通気路4Eの通気性を好適に確保するものであり、また外力によって該繊維層4が圧縮されるのを防止すると共に、外界からの汚染物質等から該繊維層4を保護するものである。
上記耐熱性樹脂層5は表面平滑であって、外周に形成される繊維強化樹脂層6の均一性を確保し、かつ該繊維強化樹脂層6との良好な密着性を図るものである。
更に上記耐熱性樹脂層5は、上記繊維強化樹脂層6が形成される時の圧力および加熱から該繊維層4を保護する。
【0009】
成形性と耐熱性とを兼備している点からみて、上記耐熱性樹脂層5は、軟化点が170℃以上のエンジニアリングプラスチックと他の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイであることが望ましい。
【0010】
〔効果〕
本発明の高圧ガス容器は、繊維層によって形成される通気路の通気性の設定を容易に行なうことが出来、また上記通気路の通気性を良好に保護することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1〜図7は本発明の一実施例を示すものである。
【図1】高圧ガス容器の斜視図
【図2】容器壁部の部分断面図
【図3】積層体の部分断面図
【図4】製造工程分解状態説明図
【図5】製造工程組付け状態説明図
【図6】繊維強化樹脂層形成工程説明図
【図7】高圧ガス容器側断面図
【図8】他の実施例の製造工程説明図
【図9】更に他の実施例の製造工程説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に、本発明の高圧ガス容器1の一実施態様を示す。図1において高圧ガス容器1は、両端部にボス2,2を取付けた開口部を有する円筒状の容器であって、図2に示すように樹脂製容器本体3と、上記樹脂製容器本体3の外周に被覆され、耐薬品性硬質粒子14を含有または付着した繊維層4と、上記繊維層4の外周に被覆されている外表面平滑な耐熱性樹脂層5と、上記耐熱性樹脂層5の外周に被覆されている繊維強化樹脂層6と、からなる。
【0013】
〔樹脂製容器本体〕
上記樹脂製容器本体3は、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、熱硬化性シリコン樹脂等の熱硬化性樹脂からなる。
【0014】
〔繊維層〕
上記繊維層4の材料としては、通常は例えばポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維等の合成繊維、とうもろこしやサトウキビ等の植物から抽出された澱粉からなる生分解繊維、パルプ、木綿、ヤシ繊維、麻繊維、竹繊維、ケナフ繊維等の天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、石綿繊維等の無機繊維、あるいはこれらの繊維を使用した繊維製品のスクラップを解繊して得られた再生繊維の1種または2種以上の繊維が使用される。
【0015】
本発明の高圧ガス容器1にあっては、ガスの高圧によって上記樹脂製容器本体3が膨張し、上記繊維層4に上記樹脂製容器本体3と後記する耐熱性樹脂層5との間で圧縮力が及ぼされる場合がある。上記圧縮力に耐えるためには、上記繊維層4の材料である繊維として、引張り弾性率が1800MPa以上の繊維を使用するか、あるいは上記繊維が少なくとも70質量%以上含まれている混合繊維を使用することが望ましい。このような繊維およびその一般的な引張り弾性率としては、例えばナイロン6繊維(1800MPa)、ナイロン66繊維(2300MPa)、ナイロンMXD6(5900MPa)ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(2000〜8200MPa)、ガラス繊維(72500MPa)、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維(230000〜588000MPa)、パラ型アラミド繊維(54700〜112400MPa)、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維(180000〜270000MPa)、超高分子ポリエチレン繊維(79000〜123000MPa)、ポリアリレート繊維(74578〜104076MPa)、ポリアセタール繊維(20000MPa)等が例示される。
【0016】
更に上記繊維層4に使用する繊維の全部または一部として、融点が180℃以下である低融点熱可塑性繊維を使用することができる。
上記低融点熱可塑性繊維としては、例えば融点180℃以下のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ポリエステル共重合体繊維、ポリアミド繊維、ポリアミド共重合体繊維等がある。これらの低融点熱可塑性繊維は、単独あるいは2種以上組み合わせて使用される。該低融点熱可塑性繊維の繊度は、0.1〜60dtexの範囲であることが好ましい。本発明に使用する望ましい低融点熱可塑性繊維としては、例えば上記通常繊維を芯部分とし、該低融点熱可塑性繊維の材料樹脂である融点100〜180℃の低融点熱可塑性樹脂を鞘とする芯鞘型繊維がある。該芯鞘型繊維を使用すると、得られる繊維シートの剛性や耐熱性が低下しない。
【0017】
本発明の繊維層4の材料として使用する上記繊維の繊度は通常0.5〜60dtex、望ましくは0.6〜30dtex、更に望ましくは1.0〜10dtexの範囲に設定される。
上記繊維層4は、一般に上記繊維あるいは混合繊維のウェブをニードルパンチングによって絡合する方法(ニードルパンチ法)、あるいは上記混合繊維として上記低融点熱可塑性繊維を30質量%以下の範囲で含有するものを使用し、上記混合繊維のウェブを上記低融点熱可塑性繊維の融点以上の温度に加熱し、上記低融点熱可塑性繊維を軟化させてウェブ中の繊維を結着する方法(サーマルボンド法)によって製造される。上記二つの方法によって製造された繊維層4を一般にニードルパンチ不織布、あるいはサーマルボンド不織布と云う。
上記繊維層4を製造する方法としては、上記以外に、合成樹脂および/または合成樹脂前駆体をバインダーとして使用して繊維を結着する方法(ケミカルボンド法)、繊維や糸のシートを縫糸で絡み合わせる方法(ステッチボンド法)、スチームジェットによって繊維を絡合する方法(スチームジェット法)、繊維を編織する方法等があり、また更に、ガラス繊維等の場合は、チョップドストランド法がある。
【0018】
上記繊維のバインダーとして使用される合成樹脂としては、例えばアクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル(EEA)樹脂、アクリロニトリル・スチレン・アクリルゴム共重合(ASA)樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合(AS)樹脂、アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン共重合(ACS)樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合(EVA)樹脂、エチレンビニルアルコール共重合(EVOH)樹脂、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリブタジエン(BDR)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合(ABS)樹脂、塩素化ポリエチレン(CPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリプロピレン(PP)、酢酸繊維素(セルロースアセテート:CA)樹脂等の熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、特に加熱によりエステル結合を形成して硬化する熱硬化性アクリル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂、アルキルレゾルシン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型ポリエステル等の熱硬化性樹脂が例示されるが、更に上記熱硬化性樹脂を生成するウレタン樹脂プレポリマー、尿素樹脂プレポリマー(初期縮合体)、フェノール樹脂プレポリマー(初期縮合体)、ジアリルフタレートプレポリマー、アクリルオリゴマー、多価イソシアナート、メタクリルエステルモノマー、ジアリルフタレートモノマー等のプレポリマー、オリゴマー、モノマー等の合成樹脂前駆体が使用されてもよい。
上記合成樹脂および/または合成樹脂前駆体は、二種以上混合使用されてもよい。
上記合成樹脂および/または合成樹脂前駆体は、取り扱いが容易な点から水溶液、水性エマルジョン、水性ディスパージョンの形態のものを使用することが好ましいが、懸濁液、粉末状、有機溶剤溶液の形態のものを使用してもよい。
【0019】
上記合成樹脂あるいは上記合成樹脂前駆体には、更に、熱可塑性プラスチックシートと同様に、無機充填材、天然ゴムまたはその誘導体、合成ゴム、水溶性高分子や天然ガム類、有機充填材、高級アルコール、脂肪酸のエステル類、脂肪酸アミド類、天然ワックス類、合成ワックス類、離型剤、有機発泡剤、無機発泡剤、中空粒体、プラスチック発泡体や発泡粒、顔料、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶化促進剤、燐系化合物、窒素系化合物、硫黄系化合物、ホウ素系化合物、臭素系化合物、グアニジン系化合物、燐酸塩系化合物、燐酸エステル系化合物、アミノ系樹脂等の難燃剤、防炎剤、撥水剤、撥油剤、防虫剤、防腐剤、ワックス類、界面活性剤、滑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を添加、混合してもよい。
【0020】
更に本発明の繊維層4にあっては、上記不織布あるいは編織物に、必要に応じて上記合成樹脂および/または合成樹脂前駆体を塗布および/または含浸してもよい。
【0021】
上記繊維層4の目付量(単位面積あたりの質量)は通常40g/m〜500g/mの範囲に設定され、厚みは2.0mm以下、望ましくは1.0mm以下に設定され、垂直方向および面方向にガス透過可能とされている。上記ガス透過性にとって望ましい繊維層4の製造方法は、上記サーマルボンド法およびニードルパンチ法である。
上記繊維層4の目付量が40g/m以下の場合には、外力により繊維の相対的な動きが過度になって繊維層内空間が維持出来なくなり、また目付量が500g/m以上の場合には、ガス透過性が悪くなる。
更に繊維層4の厚みが2.0mmを超えると、繊維層内空間体積が大きくなり、ガス圧力等の外力によって変形し易くなる。
上記繊維層4の繊度が0.5dtex未満の場合には、構造が密になってガス透過性が悪くなり、繊度が60dtexを超える場合も、太い繊維の存在による干渉によってガス透過性が悪くなる。
【0022】
〔耐薬品性硬質粒子〕
上記繊維層4に含有または付着せしめられる耐薬品性硬質粒子14としては、ケイ石粉、ケイ砂、長石粉、陶石粉、マイカ、パーライト、シラスバルーン、電気炉酸化スラグ粉、シリカ粉、アルミナ粉、フェライト粉、ジルコニア粉、炭化ケイ素粉、窒化ケイ素粉等の無機粉、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリアリルエーテル、ポリアミノビスマレイミド、超高分子ポリエチレン等の有機粉が例示される。上記シラスバルーンは軽量であり、望ましい耐薬品性硬質粒子である。
上記耐薬品性硬質粒子14の粒径は1μm〜0.5mmの範囲に設定されることが望ましい。上記耐薬品性硬質粒子14の粒径が1μmに満たない場合には、スペーサーとしての機能を果たすことが困難になり、また0.5mmを超えると、粒子が過大となって繊維層4から分離し易くなる。
【0023】
上記耐薬品性硬質粒子14を上記繊維層4に含有または付着させるには、上記耐薬品性硬質粒子14を上記繊維層4の材料である繊維に混合する方法、上記繊維層4に使用する合成樹脂バインダーに混合分散させておく方法、上記合成樹脂や合成樹脂前駆体に混合分散させ、これを上記繊維層4に塗布および/または含浸させる方法等によって行なう。
上記耐薬品性硬質粒子14の上記繊維層4に対する含有または付着量は、20g/m〜200g/m程度にすることが望ましい。上記耐薬品性硬質粒子14の含有または付着量が20g/mに満たない場合には、上記耐薬品性硬質粒子14のスペーサー効果が顕著でなくなり、また200g/mを超える場合には上記繊維層4の質量が過大となる。
【0024】
〔耐熱性樹脂層〕
本発明において、上記繊維層4の外周に適用される耐熱性樹脂層5は、外表面が平滑であり、望ましくは軟化点が170℃以上の樹脂である。
上記樹脂としては主として熱可塑性であるエンジニアリングプラスチックが使用される。上記エンジニアリングプラスチックとしては、例えばポリアミド(PA)、ポリエステル(PE)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミノビスマレイミド、メチルペンテンコポリマー(TPX)、セルロースアセテート(CA)等の熱可塑タイプ、ポリアリルエーテル等の液晶タイプ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂等の圧縮成形タイプ、アモルファスポリマー、ポリアミノビスマレイミド、ビスマレイミド−トリアジン系熱硬化型芳香族ポリイミド等のエンジニアリングプラスチック、また上記エンジニアリングプラスチックと、他の熱可塑性合成樹脂とのポリマーアロイがある。他の熱可塑性プラスチックとしては上記熱可塑性合成樹脂が例示される。該ポリマーアロイとしては例えば、PPE−ハイインパクトポリスチレンポリマーアロイ、PPE−ポリアミド−ハイインパクトポリスチレンポリマーアロイ、PPE−ポリアミド−ポリスチレンポリマーアロイ、PPE−ポリアミドポリマーアロイ、PE−ハイインパクトポリスチレンポリマーアロイ、PE−ポリアミドポリマーアロイ、ポリアミド−変性ポリオレフィンポリマーアロイ、ポリアミド−アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体(ABS)ポリマーアロイ、ポリアミド−PTFEポリマーアロイ、PBT−アクリルゴムポリマーアロイ、PBT−ABSポリマーアロイ、PBT−ポリエステルエーテルエラストマーポリマーアロイ、PBT−PETポリマーアロイ、PBT−PCポリマーアロイ、PBT−PTFEポリマーアロイ、PET−PTFEポリマーアロイ、PET−PARポリマーアロイ、PC−PTFEポリマーアロイ、PAR−PTFEポリマーアロイ、POM−熱可塑性ポリウレタンポリマーアロイ等であり、該ポリマーアロイ中で特に望ましいものとしては、PPE−ハイインパクトポリスチレンポリマーアロイ、PPE−ポリアミド−ハイインパクトポリスチレンポリマーアロイ、PPE−ポリアミド−ポリスチレンポリマーアロイ、PPE−ポリアミドポリマーアロイ等がある。
【0025】
さらに、本発明において耐熱性樹脂層5として使用されるエンジニアリングプラスチックのうち、特に望ましいものは、ポリフェニレンエーテル(PPE)とポリアミドとのポリマーアロイ、あるいは、ポリフェニレンエーテル(PPE)とポリアミドとスチレン系エラストマーとのポリマーアロイである。上記ポリマーアロイを材料とするシートは良好な成形性を有し、深絞り形状にも容易に対応可能となり、かつ軟化点が170℃以上の耐熱性を有する。上記スチレン系エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、α−メチルスチレン−ブタジエン−α−メチルスチレンブロック共重合体(α−MeS−Bd−α−MeS)、α−メチルスチレン−イソプレン−α−メチルスチレンブロック共重合体、スチレン−水素添加ポリオレフィン−スチレンブロック共重合体(SEBS、SEPS)等が挙げられる。
【0026】
更に上記ポリマーアロイには、各々の成分の相溶性を改良する目的で相溶化剤が添加されてもよい。
該相溶化剤はポリマーアロイの各成分に親和性を有する化合物からなるので、各成分を仲介してポリマーアロイ中の各成分の混和状態を均一にする。従って各成分の特性が有効に発現し、耐熱性、成形性共に極めて良好な材料となり、真空成形やプレス成形等によって箱型形状の成形物が容易に製造されるようになる。
【0027】
例えば、PPE、変性PPE、PPS等の芳香族系エンジニアリングプラスチックと、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなるポリマーアロイ(ゴム状物質を含むポリマーアロイも含む)の相溶化剤としては、例えば、PPEとポリプロピレンとを化学結合で結合させたブロックまたはグラフト共重合体、ポリプロピレンとポリスチレンとのブロックまたはグラフト共重合体、PPEとエチレン−ブテン共重合体とのブロックまたはグラフト共重合体、アルケニル芳香族化合物(例えばスチレン)と共役ジエン(例えばブタジエン、イソプレン)とのジブロック共重合体またはトリブロック共重合体を水素添加したポリマー等が使用される。
【0028】
また上記芳香族系エンジニアリングプラスチックとポリアミド系樹脂からなるポリマーアロイ(ゴム状物質を含むポリマーアロイも含む)の相溶化剤としては、例えば、(a)(i)エチレン性炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合及び;(ii)カルボン酸、酸無水物、酸アミド、イミド、カルボン酸エステル、アミン又はヒドロキシル基;の両者を含む化合物;(b)液状ジエン重合体;(c)エポキシ化合物;(d)ポリカルボン酸又はそれらの誘導体;(e)酸化ポリオレフィンワックス;(f)アシル官能基含有化合物;(g)クロルエポキシトリアジン化合物;及び(h)マレイン酸又はフマル酸のトリアルキルアミン塩が例示される。
上記相溶化剤(a)〜(h)の詳細は特開平9−12497号公報に示されており、更に各相溶化剤(a)〜(h)は米国特許第4,315,086号明細書((a)、(b)および(c)に関する文献)、米国特許第4,873,286号明細書((d)に関する文献)、米国特許4,659,760号明細書((e)に関する文献)、米国特許第4,642,358号明細書および米国特許第4,600,741号明細書((f)に関する文献)、米国特許第4,895,945号明細書、米国特許第5,096,979号明細書、米国特許第5,089,566号明細書および5,041,504号明細書((g)に関する文献)、米国特許第4,755,566号明細書((h)に関する文献)で開示される。
上記相溶化剤は、ポリマーアロイに対して通常0.1〜60質量%添加される。
【0029】
上記耐熱性樹脂層5には難燃剤が添加されてもよい。上記難燃剤としてはハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、無機系難燃剤、珪素系難燃剤、金属塩系難燃剤、弗素系難燃剤、膨張黒鉛等から選ばれる少なくとも1種類の難燃剤が例示される。上記難燃剤は2種以上を混合して使用してもよい。
【0030】
上記難燃剤は上記熱可塑性樹脂に対して通常0.1〜60.0質量%程度添加される。
【0031】
また、上記耐熱性樹脂層5には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、雲母、珪藻土、ドロマイト、石膏、タルク、クレー、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、ガラス粉、石粉、高炉スラグ、フライアッシュ、セメント、ジルコニア粉等の無機充填材;木粉、クルミ粉、ヤシガラ粉、小麦粉、米粉等の有機充填材;ステアリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ブチリルステアレート、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸のエステル類;脂肪酸アミド類;カルナバワックス等の天然ワックス類、合成ワックス類;パラフィン類、パラフィン油、シリコンオイル、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、グリス等の離型剤;アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビス−2,2’−(2−メチルグロピオニトリル)等の有機発泡剤;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム等の無機発泡剤;シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、発泡ガラス、中空セラミックス等の中空粒体;発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン等のプラスチック発泡体や発泡粒;顔料、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶化促進剤、燐系化合物、窒素系化合物、硫黄系化合物、ホウ素系化合物、臭素系化合物、グアニジン系化合物、燐酸塩系化合物、燐酸エステル系化合物、アミノ系樹脂等の難燃剤、防炎剤、撥水剤、撥油剤、防虫剤、防腐剤、ワックス類、界面活性剤、滑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤;DBP、DOP、ジシクロヘキシルフタレートのようなフタル酸エステル系可塑剤やその他のトリクレジルホスフェート等の可塑剤等を添加、混合してもよい。
【0032】
上記耐熱性樹脂層5の厚みは、通常0.1〜1.0mm、比重は通常0.7〜2.0ASTM(D−792)程度に設定される。
上記耐熱性樹脂層5の厚みが0.1mm未満の場合には、繊維層4の表面凹凸形状を充分に被覆することが出来ず、耐熱性樹脂層5の表面に上記繊維層4の表面凹凸形状が影響し、該耐熱性樹脂層5の表面平滑性が悪くなる。一方上記耐熱性樹脂層5の厚みが1.0mmを超える場合には、容器重量が大きくなる。
また上記耐熱性樹脂層5の比重が0.7未満の場合には、該耐熱性樹脂層5の強度が充分でなくなり、該耐熱性樹脂層5の比重が2.0を超える場合には、容器質量が大きくなる。
【0033】
上記繊維層4と上記耐熱性樹脂層5とは、通常前もって接着積層される。上記繊維層4と上記耐熱性樹脂層5との接着積層には、通常ホットメルト接着剤が使用される。上記ホットメルト接着剤は、通常シート状、くもの巣状、ウェブ状、粉末状等で提供され、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系樹脂(ポリオレフィン系樹脂の変性物を含む)、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステル共重合体、ポリアミド、ポリアミド共重合体等の1種または2種以上の混合物等の低融点合成樹脂を材料とする。該ホットメルト接着剤粉末は、通常50〜300メッシュ程度のサイズの粉末とされる。
【0034】
〔繊維強化樹脂層〕
上記耐熱性樹脂層5の外周には、繊維強化樹脂層6が被覆される。
上記繊維強化樹脂層6に使用される繊維(補強繊維)としては、炭素繊維、ガラス繊維、炭化ケイ素繊維、ホウ素繊維、ステンレススチール繊維等の無機繊維、アラミド繊維、PBO繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維、パルプ、木綿、ヤシ繊維、麻繊維、竹繊維、ケナフ繊維等の天然繊維等が例示される。
上記補強繊維は、通常ウェブ、不織布、編織物等として提供され、帯状、紐状、あるいは布状の形態にされる。
【0035】
上記繊維強化樹脂層6のマトリックス樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フラン樹脂、マレイミド樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を使用することが出来るが、耐熱性を考慮して熱硬化性樹脂を使用することが望ましい。
【0036】
〔高圧ガス容器の製造〕
本発明の高圧ガス容器を製造するには、まず図3に示すように耐熱性樹脂層5A,5Bと、耐薬品性硬質粒子14を含有または付着した繊維層4A,4Bとを接着積層して胴部積層材4A,5A,4B,5Bを製造する。上記耐熱性樹脂層5A,5Bと上記繊維層4A,4Bとは前述したように例えばホットメルト接着剤によって接着して胴部積層体7とする。上記胴部積層体7は図4に示すように上下一対(7A,7B)準備される。
更に両端鏡板部にあっては、図4に示すように左右一対の鏡板形状の耐熱性樹脂層5C,5Dと繊維層4C,4Dとの積層体である鏡板部積層体7C,7Dを準備する。なお特に容器内圧力が集中する鏡板部積層体7C,7Dにあっては、該鏡板部積層体7C,7Dの繊維層4C,4Dとして、特に引張り弾性率が10000MPa以上の高剛性繊維を用いるか、またはポリエステル繊維等の層に更に上記高剛性繊維の層を積層したものを用いてもよい。このような高剛性繊維としては、ガラス繊維、PAN系炭素繊維、パラ型アラミド繊維、PBO繊維、超高分子ポリエチレン繊維、アセタール繊維等が例示される。なお繊維層4A,4B,4C,4Dには耐薬品性硬質粒子14として、シラスバルーンが50g/mの割合で混合されている。
【0037】
上記樹脂製容器本体3は、熱可塑性樹脂を材料とする場合には例えばブロー成形、真空および/または圧空成形等によって成形され、両端にはボス2,2を取付けた開口部を有する。
【0038】
上記容器本体3の外周には、図5に示すように上記胴部積層体7A,7Bおよび鏡板部積層体7C,7Dが被着組付けされる。この場合、上記胴部積層体7A,7Bは成形されることなく平板状積層体を撓曲して容器本体3の胴部に被着してもよいし、真空および/または圧空成形、あるいはプレス成形等によって半円筒状に成形したものを被着組付けしてもよい。
上記鏡板部積層体7C,7Dにあっては、通常真空および/または圧空成形、あるいはプレス成形等によって鏡板部形状に成形しておく。
上記胴部積層体7A,7B、鏡板部積層体7C,7Dは相互に接着剤によって接着されたり、例えば高周波等によって相互に融着されたり、更には粘着テープによって相互に止着されてもよい。
【0039】
上記容器本体3の外周に積層体7A,7B,7C,7D(4A,5A,4B,5B,4C,5C,4D,5D)を被着組付けた後、最外層には繊維強化樹脂層6が形成される。上記繊維強化樹脂層6を形成するには、通常図6に示すように前記補強繊維の紐状あるいは帯状の補強繊維材料6Aに前記マトリックス樹脂を含浸させた上で上記積層体外周に巻きつけるフィラメントワインディング法が適用されるが、積層体外周を樹脂含浸布で被覆する方法、あるいは樹脂含浸しない補強繊維材料によって積層体を被覆した後、樹脂を塗布してもよい。
【0040】
上記積層体外周に樹脂含浸補強繊維層を被覆した後、容器1は加熱炉に導入され、上記繊維補強樹脂層6においてマトリックス樹脂として使用される熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に加熱され、該熱硬化性樹脂は上記加熱によって硬化し、このようにして繊維強化樹脂層6が形成される。
上記繊維強化樹脂層6の形成過程において、フィラメントワインディング法が適用される場合には、巻き圧によって内側の繊維層4が圧縮されることが上記耐熱性樹脂層5によって防止され、また上記耐熱性樹脂層5の外表面は平滑であるから、上記繊維強化樹脂層6は厚みが均一になり、かつ耐熱性樹脂層5と良好な密着性を示す。
更に該熱硬化性樹脂を加熱硬化させる場合に、該耐熱性樹脂層5によって、積層体7の変形やそれに伴う繊維強化樹脂層6の変形、更には熱による溶融が好適に防止され、均一な形状の高圧ガス容器1が出来る。
【0041】
上記高圧ガス容器1にあっては、図7に示すように容器内に充填されている高圧ガスが矢印に示すように樹脂製容器本体3を透過した場合、このガスは繊維層4内を矢印に示すように面方向に導かれ、更に出口方向(容器本体3のボス2方向)に導入される。即ち上記高圧ガス容器1にあっては、該繊維層4が通気路4Eとして機能し、上記樹脂製容器本体3を透過したガスは、該通気路4Eによって外部に導かれるために容器内(容器本体3の外部、つまり繊維層4、耐熱性樹脂層5、繊維強化樹脂層6内)にガスが滞留することなく、安全が確保される。
【0042】
上記実施例にあっては、積層体を両端鏡板部7C,7Dと一対の胴部7A,7Bとの四分割としたが、図8に示すように鏡板部と胴部とを一体とした一対の積層体7E,7Fとした二分割方式を採用してもよい。また図9に示すように、ボスを一つだけ有する容器本体3においても図8と同様に鏡板部と胴部とを一体とした一対の積層体7G,7Hとした二分割方式を採用することが出来る。
【0043】
本発明の高圧ガス容器にあっては、軽量でかつ高強度であり、耐熱性に富み、そして樹脂製容器本体から浸透したガスは円滑に外部へ導かれる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の高圧ガス容器は、軽量かつ高強度、耐熱性を有するから、自動車等の燃料電池用水素容器等に有用に使用出来るから、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 高圧ガス容器
2 ボス
3 樹脂製容器本体
4,4A,4B,4C,4D 繊維層
5,5A,5B,5C,5D 耐熱性樹脂層
4E 通気路
6 繊維強化樹脂層
6A 補強繊維材料
7,7A,7B 胴部積層体
7C,7D 鏡板部積層体
7E,7F,7G,7H 積層体
14 耐薬品性硬質粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製容器本体と、
上記樹脂製容器本体の外周に被覆された繊維層と、
上記繊維層の外周に被覆された外表面平滑な耐熱性樹脂層と、
上記耐熱性樹脂層の外周に被覆された繊維強化樹脂層と、
からなり、
上記容器本体の外周に被覆されている繊維層は、耐薬品性硬質粒子を含有または付着し、垂直方向および面方向にガス透過可能である
ことを特徴とする高圧ガス容器。
【請求項2】
上記繊維層を構成する繊維の繊度は0.5dtex〜60dtexの範囲に設定され、該繊維層の目付量は40g/m〜500g/mの範囲に設定されている請求項1に記載の高圧ガス容器。
【請求項3】
上記耐薬品性硬質粒子の粒径は1μm〜0.5mmの範囲である請求項1または請求項2に記載の高圧ガス容器。
【請求項4】
上記繊維層には、引張り弾性率が1800MPa以上の繊維が少なくとも70質量%含まれている請求項1〜3のいずれか1項に記載の高圧ガス容器。
【請求項5】
上記耐熱性樹脂層は、軟化点が170℃以上のエンジニアリングプラスチックと他の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイである請求項1〜4のいずれか1項に記載の高圧ガス容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−127468(P2012−127468A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281520(P2010−281520)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000243892)名古屋油化株式会社 (78)
【Fターム(参考)】