説明

高弾性率ポリウレタン及びポリウレタン/尿素組成物

本発明は、0℃から60℃の温度及び0%から100%の相対湿度で10MPa超の引張り強度、400MPa超の弾性率及び30%超の破断伸度を有するポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物を提供する。本発明はさらに、生体用血管ステント、整形外科用インプラント、薬剤送達コーティングにおける、又は組織工学における本発明の組成物の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高弾性率、高強度及び高伸度を有する加工可能なポリウレタン及びポリウレタン/尿素組成物に関する。この組成物は、組織再生/修復過程が終了するときまで機械的強度の保持を必要とする生体適合性で、生分解性のインプラントとして特に有用である。この組成物は、組織工学用スキャフォールド、整形外科固定、血管ステント、及び骨代替物又はスキャフォールドに使用することができる。
【背景技術】
【0002】
合成医用ポリマーは、大まかに非生分解性ポリマーと生分解性ポリマーとに分類することができる。非生分解性であるポリマーは、医療装置が、無期限に、又はその装置がもはや必要とされず、かつ安全に取り除くことができると決定されるときまで適所にあることが必要とされる場合に、すなわち、永久固定装置に広く使用されている。これらのポリマーは完全に非生分解性であるか、又はそれらが置かれている環境で最小の分解特性を有することを必要とし、例えば、乳房インプラントなどの領域において、骨固定装置などの整形外科用途において、及びより最近では、心臓弁などの重要な組織を置き換えるために広く使用されている。
【0003】
ポリシロキサン、ポリウレタン及び/又はそれらのコポリマーは、このような用途で広く使用されている。その他の例には、Darcronなどのポリエステル及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が含まれる。
【0004】
他方では、生分解性ポリマーは、機械的支持体を提供し、生体内で使用されるときに生物学的組織が再生又は修復するための足場として機能し、生分解性ポリマーの種類及び組織環境に依存してある期間後に分解する。これらの理由のために、生分解性ポリマーは、整形外科用途及び組織工学製品及び治療法に特に有用である。
【0005】
研究された生分解性ポリマーの大部分は、ポリエステルファミリーに属する。これらのポリ(グリコール酸)などのポリ(α−ヒドロキシ酸)の中で、ポリ(乳酸)及び一連のそれらのコポリマーが、歴史的に生分解性ポリエステルについて公開された材料の大部分を含んでおり、多くの臨床用途において合成生分解性材料として歴史的に長く使用されている。これらの用途の中で、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)及びそれらのコポリマー、ポリ(p−ジオキサノン)、及びトリメチレンカーボナートとグリコリドとのコポリマーが最も広く使用されている。それらの主要な用途には、再吸収可能な縫合糸、薬剤送達系、及び整形外科用固定用具(ピン、ロッド及びねじなど)が含まれる。合成ポリマーのファミリーの中で、ポリエステルは、それらのエステル結合の加水分解による分解の容易性、一部の場合にそれらの分解生成物が代謝経路を通して再吸収される事実、及び分解速度を変更するためにそれらの構造の点で調整されるそれらの潜在性のために、これの用途における使用のために魅力あるものであった。
【0006】
合成ポリマーは、適切なモノマー及びモノマーの組合せを選択することによって意図された用途に必要とされる機械的特性及び他の特性を調整するという利点を与える。したがって、種々の共重合法が、ポリエステルファミリーから広範な機械的特性を有するポリマーを調製するために開発されてきた。乳酸、グリコール酸、及びε−カプロラクトンのコポリマーはいくつかの例である。
【0007】
最も高い弾性率及び高い強度のポリマーは一般に、非常に脆く、かつ約10%以下の破壊伸度を有する。例には、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、及びポリ酸無水物が含まれる。同様に、PEEK及びElastEon4(米国特許第6,437,073B1号)などの高い弾性率の生物学的安定性ポリマーは、50%未満の破壊伸度を有する。
【0008】
合成ポリマーの強靭性を改善させるために種々の方策が用いられている。用いられる主たる方策の1つは、ゴム強化であり、脆い非晶質ポリマーにミクロンサイズのゴム粒子を取り込む[J Appl Polym Sci、76、1074頁(2000年)]。この手法には、不適合性及び機械的特性の不一致により、多くの医療移植用途に対して望ましくない第2のポリマーを取り込まなければならないという不利点がある。さらに、伸度の改善は、弾性率及び強度における妥協を伴う。同様に、無機充填剤の取り込みは、弾性率を増加させるが、伸度及び強度における妥協を伴い、このような材料は、高伸度が必要とされる医療用インプラント用途に望ましくない。
【0009】
高強度生分解性ポリマーが、血管ステント、骨折固定用インプラントなどの用途に対して及び脊椎ケージなどの他の整形外科用途において追求されている。その修復過程が完了するまでの期間、機械的特性を保持することができる高弾性率であるが脆性でない材料が特に追求されている。例えば、血管の病変部位のバルーン拡大後の冠動脈ステントにおいて、ステントの機械的支持体は、損傷した血管が修復するのに十分な時間の余地を与える7カ月間が必要とされる。この期間の間に、ステント周辺の細胞成長が起こり、損傷血管を再構築する。生理学的条件(37℃、生体内)下での材料特性の保持がこのような用途に必要とされる。したがって、それらの材料が、生物学的環境でのそのインプラントの最適性能のためにインプラントが脆性破壊することを防止すべく、高い弾性率、強度及び伸度を有することが重要である。
【0010】
合成ポリマーの一分類としてのポリウレタンは、このような特性を持つ材料を設計する際に他の分類のポリマーを超える利点を与える。エラストマーから硬質材料までの範囲にわたる種々の特性を有する広範なポリマーが、種々の比率での反応剤の適切な組合せを選択することによって調製され得る。ジイソシアナート、ポリオール及び鎖延長剤は、ポリウレタンを調製するために用いられる主な3つの反応剤である。高比率のジイソシアナート及び鎖延長剤は一般に、高弾性率及び高強度の硬質ポリウレタンを生成する。鎖延長剤及びジイソシアナートのみを反応させることによって形成されるポリウレタンは一般に、高弾性率を有して非常に硬いが非常に脆く、熱加工することが困難である。例えば、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)及び1,4−ブタンジオール(BDO)から調製されるポリウレタンは、その高い結晶性により非常に脆く、210℃超で溶融する[Polyurethanes Chemistry,Technology and Applications、Ellis Harwood 118頁(1993年)]。さらに、このような材料は高弾性率を有するが、脆性のために用途は非常に限られる。
【0011】
充填剤の取り込み、ゴム強化、ポリマー混合が、強靭性を改善させるための方法としてポリウレタンの文献に報告されている[例えば、J Appl Polym Sci、76、1074頁、(2000年);Polymer、39、865頁、(1998年);Macromolecules、30、2876頁、(1997年);J Appl Polym Sci、63、1335頁、(1997年);J Appl Polym Sci、63、1865頁、(1997年);国際公開第2006010278号を参照されたい]。これらの研究の結果により、破壊までの伸度の増加(強靭性増加)は常に、弾性率の減少を伴うことが示される。ほとんどの場合に、破壊伸度は5%未満であった。
【0012】
脊椎ケージ及び血管ステントなどの医療用インプラントにおいて、材料の初期強度の保持は、そのインプラントの適切な機能のために重要である。脆性材料は、生体系に存在する運動又は他の力により破壊する。同様に、骨折固定のインプラントに用いられる材料は、その固定を安定化させるために十分な機械的強度を有するだけでなく、その損傷骨の適切な治癒のために数週間から数カ月の範囲の期間その強度を保持することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の1つの目的は、荷重負担能力(load bearing capability)を必要とする用途のために高弾性率、高強度及び高破壊伸度を有するポリマー組成物を開発することである。望ましくは、この組成物は、生体適合性であり、かつ再生組織構造が十分な機械的特性を発現させ、その後、さらなる機械的支持が必要とされないときにポリマーが分解するまで、生理学的条件下で初期の機械的特性を保持することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的のために、本発明は、0℃から60℃の温度及び0から100%の相対湿度で、10MPa超の引張り強度、400MPa超の弾性率及び30%超の破断伸度を有するポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物を提供する。
【0015】
好ましくは、本ポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物は、0℃から60℃の温度及び0%から100%の相対湿度で75%超の破断伸度を有する。
【0016】
より好ましくは、本ポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物は、0℃から60℃の温度及び0%から100%の相対湿度で150%超の破断伸度を有する。
【0017】
好ましい実施形態において、本ポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物は、異なるガラス転移温度(Tg)を有する少なくとも2種のポリウレタン及び/又はポリウレタン/尿素を含む。これは好ましくは、ジイソシアナートの組合せを用いることによって達成される。本ポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物は、その場で、又は代わりに少なくとも2種のポリウレタン又はポリウレタン/尿素をブレンドすることによって形成することができ、そのようにして、この実施形態の機械的特性を有するポリウレタン又はポリウレタン/尿素が得られる。
【0018】
本発明のさらなる好ましい実施形態において、本ポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物は、少なくとも1種のジイソシアナートが非対称立体配置のイソシアナート部分を含む少なくとも2種のジイソシアナートから誘導される。
【0019】
本発明のこの実施形態の特に好ましい形態において、ジイソシアナートの少なくとも1種は、対称立体配置のイソシアナート部分を含み、ジイソシアナートの少なくとも1種は、非対称立体配置のイソシアナート部分を含む。
【0020】
「対称の」という用語は、ジイソシアナート構造内の2個のイソシアナート官能基についての構造的対称を指す。このような化合物において、対称線又は対称面が存在し、その結果、ポリウレタン又はポリウレタン/尿素における秩序化又は結晶性ハードセグメントを形成する能力を有する。
【0021】
本発明の代わりの好ましい実施形態において、本ポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物は、環状構造に結合したイソシアナート部分を含む少なくとも1種のジイソシアナートから誘導される。
【0022】
本発明のこの実施形態の特に好ましい形態において、本ポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物は、直鎖構造に結合したイソシアナート部分を含む少なくとも1種のジイソシアナートから誘導される。
【0023】
本発明の任意の実施形態において、本ポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物は好ましくは、2種以上のジイソシアナート、1種若しくは複数のポリオール及び1種若しくは複数の鎖延長剤の混合物を含む。
【0024】
少なくとも1種の鎖延長剤は、加水分解性官能基を含むものであってもよい。
【0025】
本発明による組成物は、好ましくは生体適合性であり、より好ましくは生分解性である。
【0026】
本発明による組成物は、高弾性率、高強度及び高伸度が望まれる用途、例えば、高荷重負担能力を必要とする用途、例えば、医療装置において特に有用であることが見いだされた。
【0027】
本発明による組成物は、生理学的条件(37℃、生体内)下で高弾性率、高強度及び高伸度の特性を保持し、このような生物医学的用途における使用のための利点を与えることも見いだされた。例えば、血管ステントとしての使用のためのインプラントを提供する際に、本発明による組成物は、組織成長及び修復が起こることを可能にするのに十分な期間その材料特性を保持する。さらに、例えば、脊椎ケージなどの身体的に要求の厳しい用途でインプラントを提供する際に、本組成物は機械的強度を保持し、かつ脆性破壊が最小になるように柔軟性も与える。
【0028】
本発明による組成物はまた、生分解性であり、その結果、生理学的条件下で、ある期間の後に、本組成物は生体適合性の分解生成物に分解する。
【0029】
好ましくは、本発明による組成物は、0℃から60℃の温度及び0%から100%の相対湿度で、10から100MPaの範囲の引張り強度、400MPaから3000MPaの範囲の弾性率及び30から400%の範囲の破壊伸度を有する。より好ましくは、本ポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物は、0℃から60℃の温度及び0%から100%の相対湿度で、75%から400%の範囲の破壊伸度を有する。最も好ましくは、本ポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物は、0℃から60℃の温度及び0%から100%の相対湿度で150%から400%の破壊伸度を有する。
【0030】
本組成物は、生理学的環境(37℃、生体内)で初期特性を1週間以上の期間保持することがさらに好ましい。
【0031】
本発明の別の態様において、好ましくは生分解性である生体用血管ステントにおける本発明による任意のポリウレタン及びポリウレタン/尿素組成物の使用が提供される。抗血栓溶解剤、抗炎症剤又は抗増殖剤などの生物活性剤は、ステント上のコーティングとして取り込ませることができ、又は本ポリマーとブレンドすることができる。生物製剤の例には、パクリタクセル、ラパマイシン、及びヘパリンが含まれる。
【0032】
本発明のさらに別の態様において、好ましくは生分解性である整形外科用インプラントにおける本発明による任意のポリウレタン及びポリウレタン/尿素組成物の使用が提供される。例には、脊椎ケージ、骨折固定装置(固定プレートを含む)、ねじ、ピン又はロッドが含まれる。
【0033】
本発明のさらに別の態様において、薬剤送達コーティングにおける本発明による任意のポリウレタン及びポリウレタン/尿素組成物の使用が提供される。
【0034】
本発明のさらに別の態様において、組織修復又は工学で、このような治療を必要とする患者における本発明による任意のポリウレタン及びポリウレタン/尿素組成物の使用が提供され、該使用は、熱溶解積層法(これに限定されない)などのラピッドプロトタイピング技術によって調製される本発明による、生体適合性で、生分解性のポリウレタン又はポリウレタン/尿素スキャフォールドを該患者に挿入することを含む。本ポリウレタン又はポリウレタン/尿素には好ましくは、例えば、損傷骨又は軟骨の修復において助けとなる生物学的添加剤(細胞、前駆細胞、成長因子など)、又は他の好適な材料若しくは他の添加剤(薬剤送達における使用のための医薬品など)が含まれ得る。用いられる生物学的添加剤には好ましくは、骨芽細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、フィブリン、コラーゲン、トランスグルタミナーゼ系などが含まれる。
【0035】
本発明ではまた、例えば、骨及び軟骨修復におけるスキャフォールドとしてなどの組織工学用途における支援のための組織工学スキャフォールドとしての本発明による生体適合性で、生分解性のポリウレタン及びポリウレタン/尿素組成物の使用が提供される。
【0036】
本発明による任意のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物から形成される製造物品も提供される。該物品は、医療用装置、骨固定装置、ステント、脊椎ケージ、医療用インプラント又はスキャフォールドであり得る。
【0037】
本発明の他の実施形態は、以下の本発明の様々な態様の詳細な説明から明らかである。
【0038】
本明細書を通して、「含む(comprises)」若しくは「含む(comprising)」という用語又はその文法的な変形は、記載された特徴、整数、工程又は成分の存在を特定するために採用されるものであるが、具体的に述べられていない1種又は複数の他の特徴、整数、工程、成分又はそれらの群の存在又は添加を排除しない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物の調製に好適なイソシアナートは、対称又は非対称のジイソシアナートからなる群から選択されるものである。
【0041】
本発明のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物の調製に好適な対称ジイソシアナートは、非置換の直鎖状又は環状脂肪族ジイソシアナート、置換又は非置換の芳香族ジイソシアナート及びヒンダードジイソシアナートからなる群から選択されるものである。対称ジイソシアナートの例には、
1.1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート
2.トランス−シクロヘキサンジイソシアナート
3.1,4−ブタンジイソシアナート
4.1,2−エタンジイソシアナート
5.1,3−プロパンジイシアナート
6.パラ−テトラメチルキシレンジイソシアナート
7.4,4’−メチレンジフェニルジイソシアナート
8.1,4−ナフタレンジイソシアナート
9.パラ−フェニレンジイソシアナート
10.4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアナート)
11.メタ−テトラメチルキシレンジイソシアナート
12.シス−シクロヘキサンジイソシアナート
が含まれる。
【0042】
対応するイソチオシアナートも好適な対称ジイソシアナートであり、例には、1,4−ブタン−ジイソチオシアナート及び1,6−ヘキサンジイソチオシアナートが含まれる。
【0043】
本発明のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物の調製に好適な非対称ジイソシアナートは、置換の直鎖状又は環状脂肪族ジイソシアナート、置換又は非置換の芳香族ジイソシアナート及びヒンダードジイソシアナートからなる群から選択されるものである。これらのジイソシアナートは、構造内の2個のイソシアナート官能基に関して構造対称を有さず、その結果、通常、ポリウレタン/尿素中に非晶質又は低秩序化ハードセグメント構造を形成する。非対称ジイソシアナートの例には、
1.イソホロンジイソシアナート
2.トルエンジイソシアナート
3.リシンジイソシアナートエチルエステル
4.リシンジイソシアナートメチルエステル
5.2,4,4−トリメチル1,6−ヘキサンジイソシアナート
が含まれる。
【0044】
本発明のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物の調製にさらに好適なイソシアナートは、そのイソシアナート部分が環状構造に結合しているものである。このようなイソシアナートは、対称又は非対称であってもよい。
【0045】
環状及び直鎖状のジイソシアナートの組合せは、特に望ましい特性を有するポリウレタン及びポリウレタン/尿素組成物を生成することが見いだされた。例えば、トランス−シクロヘキサンジイソシアナート(対称)又はイソホロンジイソシアナート(非対称)は、高いガラス転移温度を有するポリウレタン又はポリウレタン/尿素を生成するが、一方、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(対称)は、低いガラス転移温度を有するポリウレタン又はポリウレタン/尿素を生成する。前述のジイソシアナート又は他の好適なジイソシアナートのいずれかを用いて、高い及び低いガラス転移温度を有するポリウレタン又はポリウレタン/尿素をブレンドすることによって、又はその場で生成させることによって、所望の機械的特性を有する組成物が得られる。
【0046】
本明細書を通して、「ポリオール」という用語は、イソシアナート基と反応して、ウレタン基を形成することができる少なくとも2個以上の官能性ヒドロキシル基を有する分子を意味すると理解されるべきである。ポリオールの例には、ジオール、トリオール、及びポリオール(マクロジオールなど)が含まれるが、これらに限定されない。ポリオールは、ヒドロキシ酸、ヒドロキシ酸とジオール開始剤、又はジカルボン酸とジオールとの縮合反応生成物であり得る。ポリオールは、例えば、ヒドロキシル、チオール又はカルボン酸基で停止され得る。
【0047】
ポリオールの構造は好ましくは、
【化1】


(式中、h及び/又はkは、0に等しいことが可能かjと同様に整数であり、R及びRは、水素、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル(第一級及び第二級の両方)及びカルボキシアルキルから独立して選択され、R、R及びRは、水素であることはできないが、独立して、直鎖状又は分岐状のアルキル、アルケニル、アミノアルキル、アルコキシ又はアリールであることができる。R及びRは、同じであるか異なっていることができ、ポリオール構造内で交互に、ランダムに又はブロックとして分布され得る)である。
【0048】
ポリオールの分子量は好ましくは、350から3000、より好ましくは350から1500である。
【0049】
例えば、ポリオールは、グリコール酸などのヒドロキシル酸と1,4−ブタンジオールとから調製することができる:
【化2】


(ここで、R及びRは、−CH−であり、Rは、−CH−CH−であり、R及びRはHであり、j=1、h+k=5.4、ポリオールの平均分子量は438.34である)。
【0050】
同様に、2種以上のヒドロキシ酸から誘導されるセグメントを含むポリオールは、ε−カプロラクトン、乳酸及びエチレングリコールを反応させることによって調製され得る。以下の構造は、平均分子量620.68のコポリマーポリオール:
【化3】


(ここで、R及びRはそれぞれ、(CH−CH)及び(CHであるが、ポリオール構造内でランダムに分布している。Rは−CH−CH−であり、R及びRはHであり、j=1、h+k=6)。
を例示する。
【0051】
コハク酸などのジカルボン酸と1,4−ブタンジオールとの縮合から誘導されるポリオールも、本発明によるポリウレタン及びポリウレタン尿素を調製するために有用である。
【0052】
ソフトセグメントとして作用し得る他のポリオールの例には、ポリ−(4−ヒドロキシブチラート)ジオール(P4HBジオール)、ポリ−(3−ヒドロキシブチラート)ジオール(P3HBジオール)、ポリプロピレングリコール及びそれらの任意のコポリマー(PLGAジオール、P(LA/CL)ジオール及びP(3HB/4HB)ジオールを含む)が含まれる。
【0053】
ポリエーテルポリオール[ポリ(テトラメチレンオキシド)など]、ポリカーボナートポリオール[ポリ(ヘキサメチレンカーボナート)ジオールなど]もソフトセグメント形成性ポリオールとして使用され得る。
【0054】
本明細書を通して、「鎖延長剤」という用語は、イソシアナートに対して反応性であり、かつ350未満の分子量を有する2個以上の官能基を有する低分子量化合物を意味すると理解されるべきである。反応性官能基の例には、ヒドロキシル(OH)、アミン(NH)、カルボキシル(COOH)及びチオール(SH)が含まれる。従来の鎖延長剤は、好ましくは二官能性であり、ジオール、ジチオール、ジアミン、アミノ酸、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル酸又はジカルボン酸であり得る。ジオールの例には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが含まれる。ジアミン及びアミノ酸の例には、1,4−ブタンジアミン、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、グリシンが含まれる。ヒドロキシルアミンの例には、エタノールアミン、2−ブチルアミノエタノール、プロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−アルキルジエタノールアミンが含まれ、ジチオールの例は、アルキルジチオール、すなわち、エタン又はプロパンジチオールなどが含まれる。鎖延長剤には、リシンなどの三官能アミノ酸も含まれ得る。
【0055】
鎖延長剤には、分解性又は加水分解性骨格を有する官能性モノマーも含まれる。鎖延長剤を用いて、ポリウレタン又はポリウレタン/尿素構造中に分解性ハードセグメントを容易に導入することができる。このような鎖延長剤を取り込むことにより、分解生成物がより少ない容易分解性ポリウレタンの調製が可能になる。例えば、エチル−リシンジイソシアナートと、グリコール酸ベースポリオールと、グリコール酸及びエチレングリコールに基づく鎖延長剤とに基づくポリウレタンは、グルコール酸、リシン、エチレングリコール、二酸化炭素及びエタノールに分解する。
【0056】
本発明の分解性鎖延長剤は、その骨格中に1個又は複数の加水分解性(分解性)官能基を有する。「加水分解性(分解性)官能基」という用語は、鎖延長剤の一部であり得る任意の分子部分を指し、好ましくは生体適合性であり、かつ鎖延長剤から形成される生体適合性で、生分解性のポリウレタン又はポリウレタン尿素の生体内分解後に生体再吸収できる。
【0057】
本発明の分解性鎖延長剤は、その骨格中に遊離のラジカル重合性官能基(複数可)を場合によって含む、α−ヒドロキシ酸又はジカルボン酸のエステルジオールに基づく。これらの鎖延長剤が単独で又は従来の鎖延長剤と組み合わせて用いられ、ポリウレタン又はポリウレタン尿素を形成する場合、該ポリウレタンは、従来の鎖延長剤に基づくものより速い速度で分解する。さらに、ソフトセグメントの速度と匹敵し得る速度での、本発明の鎖延長剤から形成されるハードセグメントの分解のために、本ポリウレタン又はポリウレタン尿素は、低分子量化合物に分解し、これは、分解生成物の中で最小レベルのオリゴマーハードセグメント種をもたらす。ジカルボン酸のエステルジオールに基づく鎖延長剤は、鎖延長剤の骨格内に2個の加水分解性(分解性)官能基を与え、ハードセグメント構造のさらにより速い分解を容易にする。この骨格中の遊離のラジカル重合性官能基の存在は又はハードセグメントの架橋結合を容易にする。これらの鎖延長剤に基づくポリウレタン又はポリウレタン尿素は、加工し、その結果、架橋させて、改善した機械的特性を有する網目構造を形成することができる。
【0058】
好ましい分解性鎖延長剤は、以下に示される式(Ia)及び(Ib)を有する:
【化4】


(式中、R1、R2及びR3は、場合によって置換されたC1〜20アルキレン及び場合によって置換されたC2〜20アルケニレンから独立して選択され、これらの両方は、場合によって置換されたアリール又は場合によって置換されたヘテロシクリル、好ましくは場合によって置換されたC1〜6アルキレン又は場合によって置換されたC2〜6アルケニレンで場合によって中断されていてもよい)。
【0059】
式(Ia)の化合物の代表的な例は、以下の通りである:
【化5】

【0060】
式(Ib)の化合物の代表的な例は以下の通りである:
【化6】

【0061】
本発明による好ましい組成物は、ポリオール、鎖延長剤及び少なくとも2種のジイソシアナートから製造される。
【0062】
より好ましくは、該少なくとも2種のジイソシアナートは異なっている。最も好ましくは、該ジイソシアナートの少なくとも1種は、対称立体配置中にイソシアナート部分を含み、該ジイソシアナートの少なくとも1種は、非対称立体配置中にイソシアナート部分を含む。或いは、該ジイソシアナートの少なくとも1種は、環状構造に結合したイソシアナート部分を含む。この代わりの実施形態において、好ましくは、該ジイソシアナートの少なくとも1種は、直鎖構造に結合したイソシアナート部分を含む。
【0063】
本発明によるジイソシアナート及び鎖延長剤の混合物から誘導された「ハードセグメント」は、そのコポリマーにその物理的強度をもたらすものである。
【0064】
ハードセグメントが100重量%を占める場合、鎖延長剤は、鎖延長剤とポリオールの両方である二重の官能性を有する。
【0065】
本ポリウレタン及びポリウレタン/尿素組成物は、バルク及び溶液重合手順の両方を用いて調製することができる。バルク重合は、好ましい選択であり、一工程、二工程又は反応押出し法を用いてポリマーを合成することができる。一工程処理においては、全ての成分が1つのポット内で一緒に混合され、完全に混合されて、均一な混合物を形成し、その後硬化され、重合処理を完了する。二工程処理においては、ポリオール及び/又は鎖延長剤の一部がジイソシアナート混合物と混合され、残りの鎖延長剤が第2の工程で添加され、完全に混合され、硬化され、重合を完了する。
【0066】
本ポリウレタン及びポリウレタン/尿素組成物は、異なるジイソシアナートの混合物、例えば、対称及び非対称のジイソシアナート、又は環状及び直鎖状のジイソシアナートを用いて調製することができる。ジイソシアナートはポリオールと一緒にプレミックスして添加することができる。或いは、対称ジイソシアナートを、ポリオールに最初に添加し、その後に、非対称ジイソシアナートを添加することができ、又はその逆も同様である。同様な変形が環状及び直鎖状のジイソシアナートの使用にも適用できる。調製法におけるこれらの変形は、「ハードセグメント」の特性及び形態にわたって制御し得る。
【0067】
ハードセグメントは、ポリウレタン又はポリウレタン/尿素の40から100重量%を占め得る。より好ましくは、ハードセグメントは、60から100重量%を占める。ポリオールと鎖延長剤は同じ化合物であってもよく、これは、ハードセグメントがポリウレタン又はポリウレタン/尿素の100重量%に相当する実施形態に相当する。この材料が対象とする用途の特性仕様を満たすべく適切な特性を有するために適度に高い比率のハードセグメントが存在しなければならないことも見いだされた。
【0068】
本ポリウレタン及びポリウレタン/尿素組成物は、異なるジイソシアナートで調製されたポリウレタン及びポリウレタン/尿素の混合物をブレンドすることによって調製され得る。したがって、例えば、非対象と対称のジイソシアナートを用いて別個に調製された組成物は、共押出して、本発明による組成物を与えることができる。同様に、ポリウレタン又はポリウレタン/尿素は、環状と直鎖状のジイソシアナートを用いて別個に調製することができ、本組成物はブレンドすることによって調製することができる。
【0069】
場合によって、重合反応を速めるために、1種の触媒又は2種以上の触媒の組合せを取り込むことができる。好ましい触媒には、オクタン酸第一スズ(2−エチルヘキサン酸第一スズ)、ジブチルスズジラウラート、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン及びトリエチルアミンが含まれる。有用であり得る他の触媒には、チタン酸テトラn−ブチル、チタンアセチルアセトナート、チタン酸トリエタノールアミン、チタンエチルアセト−アセタート、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトライソプロピル、チタン乳酸キレート及びDupont製TYZOR範囲下で利用できる他の触媒が含まれる。
【0070】
本ポリウレタン及びポリウレタン/尿素組成物は、好ましくは無菌を確実にするためにガンマ線を用いて、それらの物理的及び化学的特性に対して危険性なしに殺菌され得る。エチレンオキシド処理などの他の一般的な殺菌法を用いて、ポリマー、又は該ポリマーから調製されたインプラント若しくは他の物品を殺菌することができる。
【0071】
本ポリウレタンは、押出、射出及び圧縮成形などの知られている技術を用いて容易に加工され得る。
【0072】
本ポリウレタンは、THF、クロロホルム、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)を含む一連の一般的な有機溶媒に可溶性である。したがって、本ポリマーを用いて医療用インプラント上にコーティングを調製することができる。例えば、本ポリマーは、ステント上の薬剤送達コーティングとして用いることができる。
【0073】
本ポリウレタンは、X線不透過物質、例えば、硫酸バリウム、炭酸バリウム若しくはハロゲン含有化合物、又は充填剤(リン酸三カルシウム及びヒドロキシアパタイトなど)を取り込むことによってX線不透過にすることもできる。これらの化合物は、ポリマー合成の時点で、又は押出などの加工の間に本ポリウレタンに取り込むことができる。金などのX線不透過マーカーの取り込みも、インプラントをX線不透過にするために異なる位置で、作製したインプラントに取り込むことができる。
【0074】
好ましくは、本発明によって製造された硬化スキャフォールドは、0℃から60℃の温度及び0%から100%の相対湿度で試験したときに、10から100MPaの範囲の引張り強度、400MPaから3000MPaの範囲の弾性率及び30から400%の範囲の破壊伸度を有する。このスキャフォールドは、生理学的環境(37℃、生体内)でそれらの初期物理的特性を1週間以上保持することがさらに好ましい。より好ましくは、この硬化スキャフォールドは、0℃から60℃の温度及び0%から100%の相対湿度で75%から400%の範囲の破壊伸度を有する。最も好ましくは、この硬化スキャフォールドは、0℃から60℃の温度及び0%から100%の相対湿度で150%から400%の破壊伸度を有する。
【0075】
本発明による1つの組成物において、ポリオールは、分子量1033.1の乳酸−co−グリコール酸ポリオールであり、鎖延長剤は、1,4−ブタンジオールであり、イソシアナートは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート及びイソホロンジイソシアナートの混合物である。
【0076】
本発明による別の組成物において、ポリオールは、分子量1027.33のポリ−DL−乳酸であり、鎖延長剤は1,4−ブタンジオールであり、イソシアナートは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート及びイソホロンジイソシアナートの混合物である。
【0077】
以下の例は、本発明の範囲を例示し、かつ再現及び比較を可能にさせることが意図される。それらは、本開示の範囲を限定することは決して意図されない。
【実施例】
【0078】
(例1)
この例は、IPDI及びHDIの80/20(モル比)混合物を用いる、60、70、80、90、及び100%のハードセグメント重量パーセントを有するポリウレタン群の調製を例示する。ソフトセグメントは、分子量1033.1を有するLLA−GA(90:10モル比)ポリオールであり、鎖延長剤は1,4−ブタンジオール(BDO)であった。
【0079】
工程1:乳酸−co−グリコール酸ポリオール(LLA−GA)の調製
材料
グリコール酸(GA)、L−乳酸(LLA)及び1,4−ブタンジオール(BDO)を受け取ったまま用いた。乳酸−co−グリコール酸ポリオールを以下の手順に従って調製した。
【0080】
方法
グリコール酸(142.17g、水中70%)、l−乳酸(1205.6g、水中88%)及びBDO(75.10g)を3Lの五つ口丸底フラスコに秤量した。このフラスコは、凝縮器、窒素入口、温度計、磁気撹拌機ビーズを備えており、この組立てを油浴中に置いた。油浴を190℃に徐々に加熱した。反応は72時間後に停止させた。
【0081】
ポリオールの酸価及びヒドロキシル価は、それぞれ、ASTM D1980−87及びASTM E1899−02の方法に従って決定した。ポリオールの分子量は、ヒドロキシル価(106.09)に基づいて1033.1であり、酸価は2.516であった。
【0082】
工程2:種々のハードセグメントパーセントを有するポリウレタン群の調製
材料
BDOは、合成における使用前に、真空(0.1トール)下で70℃において乾燥させ、水分含量を200ppm未満に減少させた。HDI、IPDI及びオクタン酸第一スズは、受け取ったまま用いた。ポリオール(PLLA:GA、分子量1033.1)は、重合における使用の前に200ppm未満の水まで真空(0.01トール)下で乾燥させた。
【0083】
方法
以下の手順は、一工程法による、80%ハードセグメントを有するポリウレタンの調製を例示する。
【0084】
ポリオール(10.0000g)及びBDO(11.3409g)をガラスビーカーに正確に秤量した。ビーカーをアルミホイルで覆い、乾燥窒素オーブン中に70℃で置いた。IPDI(24.1001g)及びHDI(4.5590g)を吸湿状態で風袋計量した(wet−tared)ポリプロピレンビーカー中に秤量し、ホイルで覆い、乾燥窒素オーブン中に70℃で置いた。このビーカーが温度に達したとき、このイソシアナート混合物にポリオール及びBDOの混合物を添加し、混合物が均一になるまで手で撹拌した。オクタン酸第一スズ(総質量の0.05%)を撹拌しながら添加した。この粘性反応混合物を、その反応発熱がその終了に達したとき、テフロン(登録商標)(Teflon)トレー上に注ぎ、80℃オーブン中に窒素雰囲気下で一晩放置した。
【0085】
同様の手順を用いて、60、70、90及び100%のハードセグメントを有するポリウレタンを、表1に示す試薬の量を用いて調製した。
【表1】

【0086】
引張り試験の試験試料を調製するために、このポリマーを100ミクロン厚のシートに圧縮成形した。圧縮成形は、Wabach Melt Pressを用いて190℃で行った。ポリマー片を0.1mm厚の真ちゅう型板内のダイヤモンド溶融(diamond−fusion)ガラス板の間に置き、最大8トンの圧力にプレスして、190℃でフィルムを成形した。冷却後にフィルムを型から取り出し、5mm×45mmの長方形試験細片に切断し、窒素下80℃で一晩焼きなましをした。この試験試料を、引張り試験前に、水中37℃で24時間調整した。
【0087】
引張り試験を、Merlin2002ソフトウェアを備えたInstron Universal Testing System Model 5568を用いてASTMD638に従って行った。ゲージ長(クロスヘッド距離)は25mmであり、歪み速度は、12.5mm/分であった。特に断らない限り、機械的特性の全ては、37℃で環境室において、37℃で24時間予め浸した試験片で試験した。
【表2】

【0088】
(例2)
この例は、ハードセグメント重量パーセントを60%で一定に保って、HDI及びIPDIのモル比を変えることによるポリウレタンの調製を例示する。ソフトセグメントポリオールは、P(LLA:GA):90:10(分子量1033.1)であり、鎖延長剤はBDOであった。
【0089】
材料
BDOは、合成における使用前に、真空(0.1トール)下で70℃において乾燥させ、水分含量を200ppm未満に減少させた。HDI、IPDI及びオクタン酸第一スズは、受け取ったまま用いた。例1に記載された方法に従って調製したポリオール(PLLA:GA、分子量1033.1は、重合における使用前に、真空(0.01トール)下で90℃において4時間乾燥させた。
【0090】
方法
4種のポリウレタンを、表3に示された通りの反応剤を用いて調製した。以下の手順を用いて試料2−1を調製し、用いた反応剤の品質が表3に示されたものと異なっている以外は、同様の手順を用いて、群内の他の試料を調製した。
【0091】
重合の方法は、表3に示された質量を用いる例1と同じであった。
【表3】

【0092】
試験試料の調製及び引張り試験は、例1に記載された手順を用いて行った。
【表4】

【0093】
例2からの材料2−2を例1に記載された方法を用いて圧縮成形し、乾燥条件下で周囲温度において試験した。このポリマーは、53.2±1.8MPaのUTS、2261±104MPaの弾性率及び160±98%の破断伸度を示した。
【0094】
(例3)
この例は、加工性の評価のために、例1に記載された試料番号1〜3のポリウレタン試料の1kgバッチの二工程重合を例示する。
【0095】
材料
BDOは、合成における使用前に真空(0.1トール)下で70℃において乾燥させた。HDI、IPDI及びオクタン酸第一スズは、受け取ったまま用いた。ポリオール(PLLA:GA、分子量1033.1)を、重合における使用前に、真空(0.01トール)下で200ppm未満の水まで乾燥させた。
【0096】
方法
ポリオール(200.0g)及びBDO(90.72g、必要量の40%)を2Lのガラスビーカーに正確に秤量した。ビーカー上部をアルミホイルで覆い、オーブン中に70℃で置いた。IPDI(482.0g)及びHDI(91.18g)を別個の吸湿状態で風袋計量したガラスビーカーに秤量し、70℃に加熱した。このイソシアナート混合物を、ポリオール及びBDOの混合物に添加し、混合物が均一になるまで手で撹拌した。これに、オクタン酸第一スズ(総混合物の0.05重量%)触媒を常に撹拌しながら添加し、この反応混合物の温度を、熱電対を用いてモニターした。反応の発熱のために、温度は上昇した。反応混合物を窒素下で80℃に冷却させ、残りのBDO(136.08g)を添加し、撹拌して、均一な混合物を形成させた。反応の発熱の終了後に、この粘性ポリマー溶液をテフロン(登録商標)トレー上に注ぎ、オーブン中窒素雰囲気下で80℃において一晩置いた。
【0097】
ゲル透過クロマトグラフィーで決定したポリマーの分子量(Mn)及び多分散性は、それぞれ、111780及び2.05であった。
【0098】
この硬化ポリマーを粒状にし、窒素循環オーブン中80℃で一晩乾燥させ、ペレットに押出した。
【0099】
ポリマーの試料は、示差走査熱量計(DSC)で分析し、DSCトレースを図に示す。ガラス転移温度の開始及び中間点は、それぞれ、70℃及び75℃であった。
【0100】
(例4)
この例は、分解性鎖延長剤を取り込ませたポリマーを例示する。
【0101】
材料
BDOを、合成における使用前に真空(0.1トール)下で70℃において乾燥させた。HDI、IPDI及びオクタン酸第一スズを受け取ったまま用いた。ポリオール(PLLA:GA、分子量1033.1)を、重合における使用前に、真空(0.01トール)下で90℃において4時間乾燥させた。分解性鎖延長剤乳酸−エチレングリコールエステルジオール(LA−EG)を、以下の手順を用いて調製した。
【0102】
方法
l−乳酸(56.7g)を窒素入口、凝縮器及び磁気撹拌機棒を備えた1Lの丸底フラスコに入れた。このフラスコを油浴中に置き、220℃に5時間加熱し、凝縮水を蒸留除去した。得られた生成物であるポリ乳酸を白色固体としてフラスコから収集した。ポリ(乳酸)(43g)及びエチレングリコール(283.6g)を1−L丸底フラスコ中200℃で17時間の期間加熱した。このLA−EGエステルジオールを真空下(0.01から0.0001トール)で50℃においてクーゲルロール(Kugelrohr)装置を用いて反応生成物の蒸留によって精製した。LA−EG留分を収集し、さらに精製のために再蒸留した。精製LA−EGは、透明液体であり、反応収率は53%であった。
【0103】
ポリウレタン合成:例1の方法に従って調製したPLLA:GAポリオール9.8430g(分子量1067.6)をガラスビーカー中に秤量し、BDO(5.3066g)及びLA−EG(7.8981g)分解性鎖延長剤を添加した。ビーカーをアルミホイルで覆い、70℃に加温した。IPDI(20.3523g)及びHDI(6.6000g)を別個の吸湿状態で風袋計量したポリプロピレンビーカー中に秤量し、70℃に加温した。このイソシアナート混合物をポリオール混合物に添加し、混合物が均一になるまでスパチュラを用いて撹拌した。オクタン酸第一スズ(0.0253、総質量の0.05重量%)を混合物に添加し、激しく撹拌し、溶液の粘度が増加したときに、テフロン(登録商標)トレー上に注ぎ、窒素下で80℃において硬化させ、重合を終了した。
【0104】
数平均分子量及び多分散性は、GPC分析に基づいて、それぞれ、54120及び1.96であった。
【0105】
このポリマーの機械的特性は、例1に記載された手順を用いて決定した。ポリマーは、34.4±9.4MPaのUTS、1314±353MPaの弾性率、15.7±5.7MPaの降伏応力及び223±50%の破断伸度を示した。
【0106】
(例5)
材料
DL−乳酸(DLLA)及びブタンジオール(BDO)は、受け取ったまま用いた。ポリオール(DLLA 分子量1027.33)は、200ppm未満の水まで真空(0.1トール)下で80℃において乾燥させた。Poly DLLAポリオールは、以下の手順に従って調製した。
【0107】
方法
DL−乳酸(3854g、水中90%)及びBDO(225.3g)を5Lの五つ口丸底フラスコに秤量した。このフラスコは、頭上撹拌機、凝縮器、窒素入口及び温度計を備えており、その組立てを油浴中に置いた。撹拌機の速度を150±5rpmに設定し、油浴を180℃に徐々に加熱した。油面上のフラスコの部分をアルミホイルで覆って、熱損失を減らし、水の蒸留の一定速度を維持した。この反応混合物は、約30分間撹拌後に透明かつ均一になった。加熱及び撹拌を維持し、48時間の反応後に酸価をモニターした。反応混合物の酸価が4.095に達したとき、反応を停止させ、生成物を雰囲気温度に冷却させた。
【0108】
このポリオールの酸価及びヒドロキシル価を、それぞれ、ASTM法のASTM D1980−87及びASTM E1899−02に従って決定した。ポリオールの分子量は、ヒドロキシル価(105.3)に基づいて1027.33であり、酸価は4.095であった。
【0109】
材料
BDOを、合成における使用前に真空(0.1トール)下で70℃において乾燥させた。HDI、IPDI及びオクタン酸第一スズは、受け取ったまま用いた。ポリオール(PDLLA1027.33)は、重合における使用前に、真空(0.01トール)下で80℃において200ppm未満の水まで乾燥させた。
【0110】
方法
ポリオール(9.8866g)及びBDO(11.2090g)を150mLのボメックス(Bomex)ガラスビーカー中に正確に秤量した。このビーカーをアルミホイルで覆い、オーブン中に70℃で15〜30分間置いた。IPDI(24.3064g)及びHDI(4.5980g)を個別の吸湿状態で風袋計量したガラスパイレックス(登録商標)(Pyrex(登録商標))ビーカー中に秤量し、アルミホイルで覆い、70℃に10〜15分間加熱した。ポリオール及びBDOの混合物を最初に撹拌し、十分に混合した。次いで、このイソシアナート混合物を、ポリオール/BDO混合物に添加し、混合物が均一になるまで手で撹拌した。混合物が極めて粘性かつ高温になるまで常に撹拌しながら、オクタン酸第一スズ(総混合物の0.05重量%)触媒をこれに添加した。この粘性ポリマー溶液をテフロン(登録商標)トレー上に注ぎ、オーブン中に窒素下で100℃において一晩18時間置いた。
【0111】
このポリマーの機械的特性は、例1に記載された手順を用いて37℃で決定した。ポリマーは、39.8±8.0MPaのUTS、1501±21MPaの弾性率、17.9±2.4MPaの降伏応力及び212±154%の破断伸度を示した。
【0112】
(例6)
この例は、促進試験条件下でのポリウレタンの分解を例示する。
【0113】
材料及び方法
ポリウレタン1−3、1−5(例1で調製した)、並びに例4及び例5で調製したポリウレタンをこの試験で用いた。
【0114】
4種のポリウレタン全てを、この試験用の試験試料を調製するために100ミクロン厚のシートに圧縮成形した。圧縮成形は、Wabash Melt Pressを用いて190℃で行った。ポリマー片を0.1mm厚の真ちゅう型板内のダイヤモンド溶融ガラス板の間に置き、最大8トンの圧力にプレスして、190℃でフィルムを成形した。冷却後にフィルムを型から取り出し、5mm×45mmの長方形試験細片に切断し、窒素下80℃で一晩焼きなましをした。
【0115】
各ポリマーからの3個の細片を別個のガラスバイアルに入れ、PBS緩衝液(pH7.4±0.2)で満たし、細片を完全に覆った。蓋をしたバイアルを加温オーブン(incubating oven)中に70℃で置いた。試料を、2週間後にオーブンから取り出し、室温に冷却させ、2から3日間脱イオン水中で調整させ、緩衝液から塩を完全に除去した。この洗浄細片を40℃で4〜5日間乾燥させ、正確に秤量して、質量減少を決定した。表5は、促進分解試験条件下での質量減少データを示す。
【表5】

【0116】
(例7)
例3で調製したポリウレタンをこの実験で用いた。試験試料は、例1に記載された手順に従って調製した。この例は、このポリウレタンも、通常の体温より高い温度で試験したときに、高弾性率及び伸度を示すことを例示する。
【0117】
ポリマーの機械的特性は、例1に記載された手順を用いて決定した;しかし、試験温度は37℃及び40℃であった。ポリマー特性及び試験条件は表6に示す。
【表6】

【0118】
(例8)
材料
BDOは、真空(0.1トール)下で70℃において乾燥させ、ポリオール(LLA−GA 1033.1)は、例1のように調製し、使用前に真空下で脱気し、IPDI及びオクタン酸第一スズは、受け取ったまま用いた。
【0119】
方法
BDO及びポリオールを、ガラスビーカー中に正確に秤量した。このビーカーをアルミホイルで覆い、乾燥窒素オーブン中に70℃で置いた。IPDIを吸湿状態で風袋計量したガラスビーカー中に秤量し、ホイルで覆い、乾燥窒素オーブン中に70℃で置いた。ビーカーが温度に達したときに、IPDIをBDO/ポリオールに添加し、その混合物が均一になるまで手で撹拌した。オクタン酸第一スズ(総質量の0.05%)を撹拌しながら添加した。反応の発熱がその終了に達したときに、この粘性反応混合物をテフロン(登録商標)トレー上に注ぎ、80℃オーブン中窒素雰囲気中で一晩放置した。一連の4種のポリウレタンは、表7に示された配合の詳細を用いて調製した。
【表7】


【表8】

【0120】
ポリマーを100μmフィルムに溶融プレスし、細片を切り取り(5mm×50mm)、次いで、最初に高温空気銃を加熱し、次いで、初期長の約100%に手で伸張させることによって配向させた。40mm長の各延伸ポリマーを測定し、蒸留水中に37℃で20時間置いた。20時間後に、細片を再測定して、収縮パーセントを評価した。
【表9】

【0121】
(例9)
この例は、2種のポリウレタンの調製及びその後の促進分解を例示する。このポリマーの組成は、以下の通りである:
【表10】

【0122】
材料
BDO(Aldrich)は、真空(0.1トール)下で70℃において乾燥させ、IPDI(Aldrich)及びオクタン酸第一スズ(Aldrich)は、受け取ったまま用いた。LA−EGは、例4のように調製し、真空(0.1トール)下で50℃において乾燥させた。
【0123】
方法
鎖延長剤(複数可)をガラスビーカー中に正確に秤量した。このビーカーをアルミホイルで覆い、乾燥窒素オーブン中に70℃で置いた。IPDIを吸湿状態で風袋計量したガラスビーカー中に秤量し、ホイルで覆い、乾燥窒素オーブン中に70℃で置いた。ビーカーが温度に達したときに、IPDIを鎖延長剤(複数可)に添加し、その混合物が均一になるまで手で撹拌した。オクタン酸第一スズ(総質量の0.05%)を撹拌しながら添加した。反応の発熱がその終了に達したときに、この粘性の反応混合物をテフロン(登録商標)トレー上に注ぎ、80℃オーブン中に窒素雰囲気で一晩放置した。
【0124】
ポリマー9−1の繊維を押出して、その機械的特性を、Merlin2002ソフトウェアを備えたInstron Universal Testing System Model 5568で測定した:引張り弾性率=2274MPa±308;破断伸度163MPa±13;UTS 200MPa±15。この繊維の直径は、117±4ミクロンであった。
【0125】
分解:ポリマーを小片に切断し、分解試験のために検量した。ポリマーを個々の丸底フラスコ中に秤量し[10−1(5.0531g)及び10−2(4.9996g)]、250mlの脱イオン水をそれぞれに添加し、それぞれの丸底フラスコは、垂直型凝縮器及び磁気Teflon(登録商標)撹拌機ビーズを備えており、加熱油浴上で還流させるように設定した。
【0126】
ポリマー残渣を様々な時点でサンプルし、GPC(THF)によって分析した。
【表11】

【0127】
(例10)
実時間分解試験
材料及び方法
ポリウレタン1−3、1−5(例1で調製)、及び例4及び例5で調製したポリウレタンをこの試験で用いた。
【0128】
試験のための試験試料は、例6に記載された方法に従って調製した。
【0129】
それぞれの時間点について、各ポリマーからの10個の試験細片(5×4.5mm)を別個のガラスバイアル中に入れ、PBS緩衝液(pH7.4±0.2)で満たし、細片を完全に覆った。蓋をしたバイアルを37℃で振とうインキュベータ中に置いた。試料を、プリセット時間点でインキュベータから取り出し、室温に冷却させ、脱イオン水中で2から3日間調整し、緩衝溶液から塩を完全に除去した。洗浄細片を40℃で4〜5日間乾燥させ、3個の試料を正確に秤量し、質量減少を測定し、残りは、機械的特性を試験するために用いた。表7は、時間経過にわたる機械的特性を示す。
【表12−1】


【表12−2】

【0130】
(例11)
例1で調製したポリマー1−3は、異なる押出条件及び延伸比の下で直径0.20〜0.35mmの繊維に反応性押出成形によって作り変えた。この繊維を100mm長に切断し、水中に37℃で置き、繊維長を時間経過にわたって測定した。6日後に繊維は、0%から最大7%に収縮していた(表13)。
【表13】

【0131】
(例12)
BDO(Aldrich)は、真空(0.1トール)下で70℃において乾燥させ、HDI(Fluka)、トランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアナート(CHDI、Synthon Chemicals、独国)及びジブチルスズジラウラート(DBTL、Aldrich)は受け取ったまま用いた。
【0132】
方法
CHDI及びHDI並びにDBTLをビーカー中に秤量し、80℃で十分混合し、その後、予備加熱したシリンジポンプに添加し、このポンプは85℃で熱を与えた。BDOを真空下で一晩乾燥させ、その後、第2のシリンジポンプに添加した。イソシアナート及び触媒を含むシリンジポンプとBDOを含むシリンジポンプの両方を、適当な質量流量で反応性押出成形機中に注入し、ここで、重合が起こり、繊維に押出された。
【表14】


【表15】

【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
0℃から60℃の温度及び0%から100%の相対湿度で10MPa超の引張り強度、400MPa超の弾性率及び30%超の破断伸度を有するポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物。
【請求項2】
0℃から60℃の温度及び0%から100%の相対湿度で75%超の破断伸度を有する、請求項1に記載のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物。
【請求項3】
0℃から60℃の温度及び0%から100%の相対湿度で150%超の破断伸度を有する、請求項1に記載のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物。
【請求項4】
異なるガラス転移温度を有する少なくとも2種のポリウレタン及び/又はポリウレタン/尿素を含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物。
【請求項5】
前記組成物が、少なくとも2種のジイソシアナートから誘導され、前記ジイソシアナートの少なくとも1種が非対称立体配置のイソシアナート部分を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物。
【請求項6】
前記ジイソシアナートの少なくとも1種が、対称立体配置のイソシアナート部分を含む、請求項5に記載のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物。
【請求項7】
前記組成物が、少なくとも2種のジイソシアナートから誘導され、前記ジイソシアナートの少なくとも1種が環状構造に結合したイソシアナート部分を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物。
【請求項8】
前記ジイソシアナートの少なくとも一種が直鎖構造に結合したイソシアナート部分を含む、請求項7に記載のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物。
【請求項9】
1種又は複数の鎖延長剤をさらに含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物。
【請求項10】
前記鎖延長剤の少なくとも1種が加水分解性結合基を有する、請求項9に記載のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物。
【請求項11】
生体適合性である、請求項1から10までのいずれか一項に記載のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物。
【請求項12】
生分解性である、請求項1から11までのいずれか一項に記載のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物。
【請求項13】
医療装置、血管ステント、整形外科用インプラント、薬剤送達コーティングにおける、又は組織工学における請求項1から12までのいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項14】
請求項1から12までのいずれか一項に記載のポリウレタン又はポリウレタン/尿素組成物から形成された製造物品。
【請求項15】
前記物品が、医療装置、整形外科用インプラント、骨固定装置、血管ステント、脊椎ケージ又はスキャフォールドである、請求項14に記載の物品。

【公表番号】特表2010−540731(P2010−540731A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527289(P2010−527289)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【国際出願番号】PCT/AU2008/001460
【国際公開番号】WO2009/043099
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(510092306)ポリノボ バイオマテリアルズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】