説明

高減衰組成物

【課題】生産性や高減衰部材を形成する際の加工性等に優れる上、現状よりも減衰性能に優れた高減衰部材を形成できる新たな高減衰組成物を提供する。
【解決手段】少なくともエポキシ化天然ゴムを含むベースポリマに、前記ベースポリマ100質量部あたり60質量部以上、140質量部以下のクマロンインデン樹脂を含有させた高減衰組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動エネルギーの伝達を緩和したり吸収したりする高減衰部材のもとになる高減衰組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばビルや橋梁等の建築物、産業機械、航空機、自動車、鉄道車両、コンピュータやその周辺機器類、家庭用電気機器類、さらには自動車用タイヤ等の幅広い分野において、振動エネルギーの伝達を緩和したり吸収したりする、すなわち免震、制震、制振、防振等をするために、ゴム等をベースポリマとして含む高減衰部材が用いられる。
前記高減衰部材は、振動が加えられた際のヒステリシスロスを大きくして減衰性能を高める、すなわち前記振動のエネルギーを効率よく速やかに減衰できるようにするために、前記ベースポリマを含み、損失正接tanδのピークが高減衰部材の使用温度域に入るように調整した高減衰組成物によって形成するのが一般的である。
【0003】
前記高減衰組成物を所定の立体形状に形成するとともに、ベースポリマがゴムである場合は加硫させることで高減衰部材が形成される。
前記高減衰組成物としては、例えばベースポリマに減衰性付与剤としてのシリカとシラン化合物(シリル化剤)とを加え、混練してシリカとシラン化合物とを反応させて調製したもの等が知られている(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−41603号公報
【特許文献2】特開2007−270131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし特許文献1の構成では、高い減衰性能を確保するために、前記シリカを、ベースポリマ100質量部あたり100質量部を超える範囲で多量に加える必要があり、前記シリカの量を増加させるほど高減衰組成物の加工性が低下して、所望の立体形状を有する高減衰部材を特に工場レベルで量産するのが難しくなるという問題を生じる。
またシリカを減衰性付与剤として良好に機能させるためには、前記シリカとシラン化合物とを混練時に十分に反応させておく必要があり、シリカの量を増加させるほど混練に要する時間が長くかかることになって、高減衰組成物の生産性が低下する、生産に要するエネルギーが増大し製造コストが上昇する、といった問題を生じる。
【0006】
本発明の目的は、生産性や高減衰部材を形成する際の加工性等に優れる上、現状よりも減衰性能に優れた高減衰部材を形成できる新たな高減衰組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ベースポリマとして少なくともエポキシ化天然ゴムを含み、かつ前記ベースポリマ100質量部あたり60質量部以上、140質量部以下のクマロンインデン樹脂を含むことを特徴とする高減衰組成物である。
本発明によれば、単体での減衰性性能が従来の天然ゴム等に比べて優れた前記エポキシ化天然ゴムを少なくとも含むベースポリマと、軟化剤としてのクマロンインデン樹脂とを前記の範囲で組み合わせることにより、シラン化合物を全く配合せず、かつシリカの含有割合を現状より少なくしたり全く含有させなかったりしても高減衰部材の減衰性能を大幅に向上することができる。
【0008】
また、前記のようにシラン化合物を省略するとともにシリカを減量、もしくは省略することによりシリカとシラン化合物との反応が不要となる分、高減衰組成物を調製する際の混練時間を短くしてその生産性を向上し、生産に要するエネルギーを減少し、製造コストを低減することもできる。
さらに前記シリカの減量、または省略により、調製した高減衰組成物を用いて高減衰部材を形成する際の加工性を向上するとともに、高減衰組成物の硬さの自由度を高めて、高減衰部材の設計の自由度を拡げることもできる。
【0009】
そのため、例えば本発明の高減衰組成物を形成材料として用いて、高減衰部材としての建築物の制震用ダンパを形成する場合には、1つの建築物中に組み込む前記制震用ダンパの数量を減らすことができる。
なお特許文献2の段落[0040]には、ベースポリマとして天然ゴムとエポキシ化天然ゴムとを併用し、かつ軟化剤として石油系レジンを用いた組成物によって、自動車用タイヤのカーカスプライ等を形成することが記載されている。石油系レジンにはクマロンインデン樹脂が包含されると考えられる。
【0010】
しかし特許文献2の段落[0041]には、前記石油系レジン等の軟化剤を、ベースポリマ100質量部あたり15質量部以下の範囲で含有させるのが好ましいとの記載があり、本発明の高減衰組成物とは、前記軟化剤すなわちクマロンインデン樹脂の含有割合が全く異なっている。そのため特許文献2の構成では本発明と同じ効果を奏することはできない。
【0011】
前記エポキシ化天然ゴムは、エポキシ化率が10モル%以上であるのが好ましい。エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率を、前記範囲内でもできるだけ高い値にすることにより、高減衰部材の減衰性能をより一層向上することができる。
本発明の高減衰組成物には、従来同様にシリカを、減衰性付与剤として含有させてもよい。その場合、本発明によれば前記ベースポリマとクマロンインデン樹脂とを組み合わせることで、先に説明したようにシリカの含有割合を少なくするとともにシラン化合物を省略できるため、高減衰組成物の生産性を向上し、生産に要するエネルギーを減少し、製造コストを低減することができる。また調製した高減衰組成物を用いて高減衰部材を形成する際の加工性を向上するとともに、高減衰組成物の硬さの自由度を高めて、高減衰部材の設計の自由度を拡げることもできる。
【0012】
ただし本発明の高減衰組成物には、前記シリカに代えて炭酸カルシウム、およびカーボンブラックからなる群より選ばれた少なくとも1種の充填剤を含有させるのが好ましい。すなわち本発明の高減衰組成物は、シリカおよびシラン化合物を除く組成物とするのが好ましい。
シリカに代えて前記炭酸カルシウム、および/またはカーボンブラックを含有させる場合には、前記良好な生産性や加工性等を維持するべくその含有割合をシリカと同等程度に少なくした系において、高減衰部材の減衰性能をより一層向上させることができる。
【0013】
また本発明の高減衰組成物には、ベースポリマ100質量部あたり2質量部以上、10質量部以下のステアリン酸カルシウムを含有させるのが好ましい。これにより高減衰部材の伸びを向上させて、例えば地震等による高歪変形に対応させることができる。
また本発明の高減衰組成物においては、ベースポリマとして、前記エポキシ化天然ゴムと他のゴムとを併用するのが好ましく、かかる併用系においては、ベースポリマの総量中に占める前記エポキシ化天然ゴムの割合が70質量%以上、90質量%以下であるのが好ましい。これにより、高減衰部材の減衰性能をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、生産性や高減衰部材を形成する際の加工性等に優れる上、現状よりも減衰性能に優れた高減衰部材を形成できる新たな高減衰組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例、比較例、従来例の高減衰組成物からなる高減衰部材の減衰性能を評価するために作製する、前記高減衰部材のモデルとしての試験体を分解して示すぶんかい斜視図である。
【図2】同図(a)(b)は、前記試験体を変位させて変位量と荷重との関係を求めるための試験機の概略を説明する図である。
【図3】前記試験機を用いて試験体を変位させて得られる、変位量と荷重との関係を示すヒステリシスループの一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の高減衰組成物は、ベースポリマとして少なくともエポキシ化天然ゴムを含み、かつ前記ベースポリマ100質量部あたり60質量部以上、140質量部以下のクマロンインデン樹脂を含むことを特徴とするものである。
エポキシ化天然ゴムとしては、天然ゴムを、例えばクロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法等の任意の方法で処理して、その主鎖中の炭素−炭素二重結合をランダムにエポキシ化したものがいずれも使用可能である。
【0017】
前記エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率は任意に設定できるが、先に説明した、通常の天然ゴム等に比べて単体での減衰性能を向上して、クマロンインデン樹脂と組み合わせた際に高減衰部材の減衰性能を向上することを考慮すると4モル%以上、特に10モル%以上であるのが好ましい。エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率を、前記範囲内でもできるだけ高い値に設定することにより、高減衰部材の減衰性能を向上することができる。
【0018】
ただしエポキシ化率が高すぎると低温での脆性が強くなって、前記低温での高減衰部材の減衰性能が低下するおそれがあるため、エポキシ化率は、前記範囲内でも60モル%以下、特に50モル%以下であるの好ましい。
前記エポキシ化天然ゴムとしては、例えばサイム・ダービー(Sime Darby Berhad、マレーシア)社製のENR10〔エポキシ化率10モル%〕、ENR25〔エポキシ化率25モル%〕、ENR50〔エポキシ化率50モル%〕等の少なくとも1種が挙げられる。
【0019】
前記エポキシ化天然ゴムによる、高減衰部材の減衰性能を向上する効果をできるだけ向上することを考慮すると、ベースポリマとしてはエポキシ化天然ゴムと、他のポリマとを併用するのが好ましい。
エポキシ化天然ゴムと併用してもよい他のポリマとしては、例えばエポキシ化していない通常の天然ゴムが挙げられる他、例えばアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等の、エポキシ化天然ゴムに対して良好な相溶性を有する種々のポリマがいずれも使用可能である。
【0020】
中でもエポキシ化していない通常の天然ゴムや、あるいはスチレンブタジエンゴムが好ましく、特にエポキシ化していない通常の天然ゴムが好ましい。
前記エポキシ化天然ゴムと他のポリマとをベースポリマとして併用した系において、前記ベースポリマの総量中に占めるエポキシ化天然ゴムの含有割合は70質量%以上、90質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満であるか、または前記範囲を外れる場合には、このいずれにおいても、エポキシ化天然ゴムと他のポリマとを併用することによる、先に説明した、高減衰部材の減衰性能を向上させる効果が十分に得られないおそれがある。
【0021】
なお、ベースポリマの総量中に占めるエポキシ化天然ゴムの含有割合は、前記範囲内でもできるだけ小さいことが好ましく、特に80質量%以下であるのが好ましい。
軟化剤であるクマロンインデン樹脂としては、主にクマロンとインデンの重合物からなり、平均分子量1000以下程度の比較的低分子量であって、軟化剤として機能しうる種々のクマロンインデン樹脂が挙げられる。
【0022】
前記クマロンインデン樹脂としては、例えば日塗化学(株)製のニットレジン(登録商標)クマロンG−90〔平均分子量:770、軟化点:90℃、酸価:1.0KOHmg/g以下、水酸基価:25KOHmg/g、臭素価9g/100g〕、G−100N〔平均分子量:730、軟化点:100℃、酸価:1.0KOHmg/g以下、水酸基価:25KOHmg/g、臭素価11g/100g〕、V−120〔平均分子量:960、軟化点:120℃、酸価:1.0KOHmg/g以下、水酸基価:30KOHmg/g、臭素価6g/100g〕、V−120S〔平均分子量:950、軟化点:120℃、酸価:1.0KOHmg/g以下、水酸基価:30KOHmg/g、臭素価7g/100g〕等の1種または2種以上が挙げられる。
【0023】
前記クマロンインデン樹脂の含有割合が、ベースポリマ100質量部あたり60質量部以上、140質量部以下に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち含有割合が前記範囲未満では、クマロンインデン樹脂を前記特定のベースポリマと組み合わせることによる、シラン化合物を省略するとともにシリカを減量、もしくは省略して、なおかつ高減衰部材の減衰性能をこれまでよりも向上する効果が得られない。
【0024】
また前記範囲を超えてクマロンインデン樹脂を加えても、ベースポリマ等と短時間で良好に混練して高減衰組成物を調製することができない。
なお、高減衰部材の減衰性能をできるだけ向上することを考慮すると、前記クマロンインデン樹脂の含有割合は、前記範囲内でも80質量部以上であるのが好ましい。
本発明の高減衰組成物には、従来同様にシリカを、減衰性付与剤として含有させてもよい。その場合、本発明によれば前記ベースポリマとクマロンインデン樹脂とを組み合わせることで、先に説明したようにシリカの含有割合を少なくするとともにシラン化合物を省略できるため、高減衰組成物の生産性を向上し、生産に要するエネルギーを減少し、製造コストを低減することができる。また調製した高減衰組成物を用いて高減衰部材を形成する際の加工性を向上するとともに、高減衰組成物の硬さの自由度を高めて、高減衰部材の設計の自由度を拡げることもできる。
【0025】
前記シリカの含有割合は、ベースポリマ100質量部あたり30質量部以上、特に50質量部以上であるのが好ましく、100質量部以下、特に70質量部以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、シリカを減衰性付与剤として含有させることによる、高減衰部材の減衰性能を向上する効果が十分に得られないおそれがある。
【0026】
また前記範囲を超える場合には、高減衰組成物の加工性が低下して、所望の立体形状を有する高減衰部材を特に工場レベルで量産するのが難しくなるおそれがある。また混練に長時間を要して、高減衰組成物の生産性が低下するといった問題を生じるおそれもある。
前記シリカとしては、その製法によって分類される湿式法シリカ、乾式法シリカのいずれを用いてもよい。
【0027】
またシリカは、減衰性付与剤として良好に機能して高減衰部材の減衰性能を向上する効果をさらに良好に発揮させることを考慮すると、そのBET比表面積が100m/g以上、特に200m/g以上であるのが好ましく、400m/g以下、特に270m/g以下であるのが好ましい。
BET比表面積は、例えば柴田化学機械工業(株)製の迅速表面積測定装置SA−1000等を使用して、吸着気体として窒素ガスを用いる気相吸着法によって測定した値でもって表すこととする。
【0028】
前記シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)製のNipsil(登録商標)KQ、VN3、AQ、ER等の1種または2種以上が挙げられる。
ただし本発明の高減衰組成物には、前記シリカに代えて炭酸カルシウム、およびカーボンブラックからなる群より選ばれた少なくとも1種の充填剤を含有させるのが好ましい。すなわち本発明の高減衰組成物は、シリカおよびシラン化合物を除く組成物とするのが好ましい。
【0029】
シリカに代えて前記炭酸カルシウム、および/またはカーボンブラックを充填剤として含有させる場合には、前記良好な生産性や加工性等を維持するべくその含有割合をシリカと同等程度に少なくした系において、高減衰部材の減衰性能をより一層向上させることができる。
充填剤としての炭酸カルシウム、および/またはカーボンブラックの含有割合は、前記のようにシリカと同等程度とすることができる。すなわちベースポリマ100質量部あたり30質量部以上、特に50質量部以上であるのが好ましく、100質量部以下、特に70質量部以下であるのが好ましい。
【0030】
含有割合が前記範囲未満では、前記充填剤を含有させることによる、高減衰部材の減衰性能を向上する効果が十分に得られないおそれがある。
また前記範囲を超える場合には、高減衰組成物の加工性が低下して、所望の立体形状を有する高減衰部材を特に工場レベルで量産するのが難しくなるおそれがある。また混練に長時間を要して、高減衰組成物の生産性が低下するといった問題を生じるおそれもある。
【0031】
炭酸カルシウムとしては、その製造方法等によって分類される合成炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム等のうち、充填剤として機能しうる粉末状の炭酸カルシウムがいずれも使用可能である。また炭酸カルシウムとしては、ベースポリマやクマロンインデン樹脂等に対する親和性、分散性等を向上するために表面処理を施したものを用いてもよい。
前記炭酸カルシウムとしては、例えば白石カルシウム(株)製の白艶華(登録商標)CC〔合成炭酸カルシウム、一次粒子径:50nm、表面処理剤:脂肪酸〕、白艶華DD〔合成炭酸カルシウム、一次粒子径:50nm、表面処理剤:ロジン酸〕、Calmos(登録商標)〔合成炭酸カルシウム、一次粒子径50nm、表面処理剤:ロジン酸+リグニン酸〕、BF−300〔重質炭酸カルシウム、平均粒子径:8.00μm、比表面積:2700cm/g、見かけ比重:1.26g/ml、DOP吸油量:26ml/100g〕、BF−200〔重質炭酸カルシウム、平均粒子径:5.00μm、比表面積:4000cm/g、見かけ比重:1.17g/ml、DOP吸油量:26ml/100g〕、ホワイトン(登録商標)B〔重質炭酸カルシウム、平均粒子径:3.60μm、比表面積:6000cm/g、見かけ比重:1.03g/ml、DOP吸油量:26ml/100g〕等の1種または2種以上が挙げられる。
【0032】
またカーボンブラックとしては、その製造方法等によって分類される種々のカーボンブラックのうち、充填剤として機能しうる種々のカーボンブラックがいずれも使用可能である。
前記カーボンブラックとしては、例えばHAF、FEF、GPF等の1種または2種以上が挙げられる。
【0033】
本発明の高減衰組成物には、ステアリン酸カルシウムを含有させてもよい。前記ステアリン酸カルシウムは高減衰部材の伸びを向上させる機能を有しているため、前記高減衰部材を、例えば地震等による高歪変形に対応させることが可能となる。
ステアリン酸カルシウムの含有割合は、ベースポリマ100質量部あたり2質量部以上、10質量部以下であるのが好ましい。
【0034】
含有割合が前記範囲未満では、ステアリン酸カルシウムを含有させることによる、高減衰部材の伸びを向上させる機能が十分に得られないおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には、高減衰部材の減衰性能が低下するおそれがある。
本発明の高減衰組成物には、さらに加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等の、ベースポリマを加硫させるための添加剤や、クマロンインデン樹脂以外の他の軟化剤(液状ゴム等)、あるいは老化防止剤、混練時の粘着を防止するための粘着防止剤等の各種添加剤を、適宜の割合で含有させてもよい。
【0035】
本発明の高減衰組成物は、前記の各成分を任意の混練機を用いて混練して得られ、前記高減衰組成物を所定の立体形状に成形するとともに加硫することで、所定の減衰特性を有する高減衰部材を形成できる。
本発明の高減衰組成物を用いて形成できる高減衰部材としては、例えばビル等の建築物の基礎に組み込まれる免震用ダンパ、建築物の構造中に組み込まれる制震(制振)用ダンパ、吊橋や斜張橋等のケーブルの制振部材、産業機械や航空機、自動車、鉄道車両等の防振部材、コンピュータやその周辺機器類、あるいは家庭用電気機器類等の防振部材、さらには自動車用タイヤのトレッド等が挙げられる。
【0036】
本発明によれば、エポキシ化天然ゴムの種類(エポキシ化率等)および含有割合、前記エポキシ化天然ゴムを含むベースポリマに対するクマロンインデン樹脂、シリカ、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ステアリン酸カルシウムその他添加剤の種類および含有割合等を適宜調整することにより、高減衰組成物の良好な生産性等を維持しながら、前記それぞれの用途に適した優れた減衰性能を有する高減衰部材を得ることができる。
【0037】
特に本発明の高減衰組成物を用いて建築物の構造中に組み込まれる制震用ダンパを形成した場合には、前記制震用ダンパが減衰性能に優れるため、1つの建造物中に組み込む制震用ダンパの数量を減らすことができる。
【実施例】
【0038】
以下の実施例、比較例における高減衰組成物の調製、および試験を、特記した以外は温度20±1℃、相対湿度55±1℃の環境下で実施した。
〈実施例1〉
ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム〔クンプーランガスリー(Kumpulan Guthrie Berhad)社製のENR25、エポキシ化率25モル%〕100質量部に、クマロンインデン樹脂〔日塗化学(株)製のニットレジン(登録商標)クマロンG−90〕60質量部、ステアリン酸カルシウム〔日油(株)製のGF−200〕5質量部、液状イソプレンゴム〔(株)クラレ製のクラプレン(登録商標)LIR−50〕25質量部、および減衰性付与剤としてのシリカ〔東ソー・シリカ(株)製のNipsil(登録商標)KQ、BET比表面積:215〜265m/g〕60質量部と、下記表1に示す各成分とを配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。
【0039】
【表1】

【0040】
表1中の各成分は下記のとおり。
ベンズイミダゾール系老化防止剤:2-メルカプトベンズイミダゾール、大内新興化学(株)製のノクラック(登録商標)MB
キノン系老化防止剤:芳香族ケトン−アミン縮合物、丸石化学品(株)製のアンチゲンFR
5%オイル処理粉末硫黄:加硫剤、鶴見化学工業(株)製
スルフェンアミド系加硫促進剤:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学(株)製のノクセラー(登録商標)NS
酸化亜鉛2種:加硫促進助剤、三井金属鉱業(株)製
ステアリン酸:加硫促進助剤、日油(株)製の「つばき」
【0041】
〈実施例2〜5、比較例1、2〉
ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム100質量部あたりのクマロンインデン樹脂の量を50質量部(比較例1)、80質量部(実施例2)、100質量部(実施例3)、120質量部(実施例4)、140質量部(実施例5)、および150質量部(比較例2)としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
【0042】
〈実施例6、7〉
ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム100質量部あたりのクマロンインデン樹脂の量を100質量部とし、かつステアリン酸カルシウムの量を2質量部(実施例6)、および10質量部(実施例7)としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
【0043】
〈実施例8〉
シリカに代えて、充填剤としての同量の合成炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製の白艶華(登録商標)CC〕を用いるとともに、ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム100質量部あたりのクマロンインデン樹脂の量を100質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
【0044】
〈実施例9〉
シリカに代えて、充填剤としての同量の合成炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製の白艶華DD〕を用いるとともに、ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム100質量部あたりのクマロンインデン樹脂の量を100質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
【0045】
〈実施例10〉
シリカに代えて、充填剤としての同量の重質炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製のBF−300〕を用いるとともに、ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム100質量部あたりのクマロンインデン樹脂の量を100質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
【0046】
〈実施例11〉
シリカに代えて、充填剤としての同量のカーボンブラックHAF〔東海カーボン(株)製のシースト3〕を用いるとともに、ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム100質量部あたりのクマロンインデン樹脂の量を100質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
【0047】
〈従来例1〉
ベースポリマとしての、エポキシ化率が0モル%である通常の天然ゴム〔SMR(Standard Malaysian Rubber)−CV60〕100質量部に、クマロンインデン樹脂(ニットレジン クマロンG−90)10質量部、液状イソプレンゴム(クラプレンLIR−50)35質量部、減衰性付与剤としてのシリカ(Nipsil KQ)135質量部、シラン化合物としてのフェニルトリエトキシシラン〔信越化学工業(株)製のKBE−103〕23質量部、石油系レジンとしてのジシクロペンタジエン系石油樹脂〔丸善石油化学(株)製のマルカレッツ(登録商標)M−890A〕25質量部、およびチウラム系加硫促進剤〔大内新興化学(株)製のノクセラーTBT-N〕0.7質量部と、前記表1に示す各成分とを配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。なお表1中のスルフェンアミド系加硫促進剤(ノクセラーNS)の量は1質量部に変更した。
【0048】
〈実施例12〉
ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム〔クンプーランガスリー(Kumpulan Guthrie Berhad)社製のENR10、エポキシ化率10モル%〕100質量部に、クマロンインデン樹脂〔日塗化学(株)製のニットレジン(登録商標)クマロンG−90〕110質量部、ステアリン酸カルシウム〔日油(株)製のGF−200〕5質量部、液状イソプレンゴム〔(株)クラレ製のクラプレン(登録商標)LIR−50〕25質量部、および充填剤としての重質炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製のBF−300〕100質量部と、前記表1に示す各成分とを配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。なお表1中のスルフェンアミド系加硫促進剤(ノクセラーNS)の量は0.5質量部に変更した。
【0049】
〈実施例13〉
ベースポリマとして、エポキシ化率が25モル%であるクンプーランガスリー社製のENR25を同量用いたこと以外は実施例13と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈実施例14〉
ベースポリマとして、エポキシ化率が50モル%であるクンプーランガスリー社製のENR50を同量用いたこと以外は実施例13と同様にして高減衰組成物を調製した。
【0050】
〈比較例3〉
ベースポリマとして、エポキシ化率が0モル%である通常の天然ゴム(SMR−CV60)を同僚用いたこと以外は実施例13と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈実施例15〉
ベースポリマとして、エポキシ化天然ゴム〔クンプーランガスリー(Kumpulan Guthrie Berhad)社製のENR25、エポキシ化率25モル%〕90質量部と、他のポリマとしてのスチレンブタジエンゴム〔JSR(株)製のJSR1502〕10質量部とを併用するとともに、前記ベースポリマの総量100質量部に、クマロンインデン樹脂〔日塗化学(株)製のニットレジン(登録商標)クマロンG−90〕110質量部、ステアリン酸カルシウム〔日油(株)製のGF−200〕5質量部、液状ニトリルゴム〔日本ゼオン(株)製のニポール1312、中高ニトリル〕25質量部、粘着防止剤〔脂肪酸エステル、シル・ウント・ザイラッハー”ストラクトール”(Schill+Seilacher ”Struktol”)社製のストラクトール(登録商標)WB222〕2質量部、充填剤としての重質炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製のBF−300〕100質量部、およびチウラム系加硫促進剤〔大内新興化学(株)製のノクセラーTBT-N〕0.5質量部と、前記表1に示す各成分とを配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。なお表1中のスルフェンアミド系加硫促進剤(ノクセラーNS)の量は0.5質量部に変更した。
ベースポリマの総量中に占めるエポキシ化天然ゴムの割合は90質量%であった。
【0051】
〈実施例16〉
ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴムの量を70質量部、スチレンブタジエンゴムの量を30質量部としたこと以外は実施例15と同様にして高減衰組成物を調製した。
ベースポリマの総量中に占めるエポキシ化天然ゴムの割合は70質量%であった。
〈実施例17〉
ベースポリマとして、エポキシ化天然ゴム〔クンプーランガスリー(Kumpulan Guthrie Berhad)社製のENR25、エポキシ化率25モル%〕90質量部と、他のポリマとしての、エポキシ化率が0モル%である通常の天然ゴム(SMR−CV60)10質量部とを併用したこと以外は実施例15と同様にして高減衰組成物を調製した。
ベースポリマの総量中に占めるエポキシ化天然ゴムの割合は90質量%であった。
【0052】
〈実施例18〉
ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴムの量を70質量部、通常の天然ゴムの量を30質量部としたこと以外は実施例17と同様にして高減衰組成物を調製した。
ベースポリマの総量中に占めるエポキシ化天然ゴムの割合は70質量%であった。
〈混練作業性評価〉
密閉式混練機を用いて各成分を混練して実施例、比較例、従来例の高減衰組成物を調製するのに要した混練時間を計測した。
【0053】
すなわち従来例1では、各成分を密閉式混練機に投入して混練を開始してから、シリカとシラン化合物との反応による蒸気の発生が収まるまでに要した時間を混練時間とした。
また各実施例、比較例では、前記混練を開始してから、樹脂分(クマロンインデン樹脂)が完全に溶けて高減衰組成物の物性が安定するまでに要した時間を混練時間とした。
そして従来例1の混練時間を100としたときの、各実施例、比較例の混練時間の比を求めて混練作業性を評価した。
【0054】
〈減衰特性評価〉
(試験体の作製)
実施例、比較例、従来例で調製した高減衰組成物をシート状に押出成形したのち打ち抜いて、図1に示すように円板1(厚み5mm×直径25mm)を作製し、前記円板1の表裏両面に、それぞれ加硫接着剤を介して厚み6mm×縦44mm×横44mmの矩形平板状の鋼板2を重ねて積層方向に加圧しながら150℃に加熱して円板1を形成する高減衰組成物を加硫させるとともに、前記円板1を2枚の鋼板2と加硫接着させて、高減衰部材のモデルとしての減衰特性評価用の試験体3を作製した。
【0055】
(変位試験)
図2(a)に示すように前記試験体3を2個用意し、前記2個の試験体3を、それぞれ一方の鋼板2を介して1枚の中央固定治具4に固定するとともに、両試験体3の他方の鋼板2に、1枚ずつの左右固定治具5を固定した。そして中央固定治具4を試験機の上側に配設された固定アーム6にジョイント7を介して固定し、かつ2枚の左右固定治具5を、それぞれ前記試験機の下側に配設された可動盤8にジョイント9を介して固定した。それぞれの固定には、図示しないボルトを用いた。
【0056】
次に前記状態(初期状態)から、可動盤8を図中に白抜きの矢印で示すように固定アーム6の方向に押し上げるように変位させて、試験体3のうち円板1を、図2(b)に示すように前記試験体3の積層方向と直交方向に歪み変形させた変形状態とし、次いでこの変形状態から、可動盤8を図中に白抜きの矢印で示すように固定アーム6の方向と反対方向に引き下げるように変位させて、前記図2(a)に示す初期状態に戻す操作を1サイクルとして、3サイクル繰り返し行うことで円板1を繰り返し歪み変形、すなわち振動させた。
【0057】
そして3サイクル目の歪み変形をさせた際の、試験体3の積層方向と直交方向への円板1の変位量(mm)と荷重(N)との関係を示す、図3に示すヒステリシスループを求めた。
最大変位量は、円板1を挟む2枚の鋼板2の、前記積層方向と直交方向のずれ量が、前記円板1の厚みの100%となるように設定した。
【0058】
次いで、前記測定によって求めた図3のヒステリシスループHのうち最大変位点と最小変位点とを結ぶ、図中に太線の実線で示す直線Lを求めるとともに前記直線Lの傾きKeq(N/mm)を求め、前記傾きKeqと、円板1の厚みT(mm)と、前記円板1の、前記積層方向と直交方向の断面積A(mm)とから、式(i):
【0059】
【数1】

【0060】
により等価せん断弾性率Geq(N/mm)を求めた。
また、ヒステリシスループHとの交点からグラフの横軸に垂線Lをおろした。そして図3中に斜線を付して示した、ヒステリシスループHの全表面積で表される吸収エネルギー量ΔWと、同図中に網線を付して示した、前記直線Lと垂線Lとグラフの横軸とで囲まれた直角三角形の領域の表面積で表される弾性歪みエネルギーWとから、式(ii):
【0061】
【数2】

【0062】
により等価減衰定数Heqを求めた。
前記等価減衰定数Heqが大きいほど、試験体3は減衰性能に優れていると判定できる。今回の実施例、比較例、従来例では、前記等価減衰定数Heqが0.75以上であったものを減衰性能極めて良好(◎)、0.25以上であったものを減衰性能良好(○)、0.25未満であったものを減衰性能不良(×)と判定した。
【0063】
以上の結果を表2〜表7に示す。
【0064】
【表2】

【0065】
【表3】

【0066】
【表4】

【0067】
【表5】

【0068】
【表6】

【0069】
【表7】

【0070】
表2〜表7の実施例1〜18、および従来例1を比較した結果から、エポキシ化天然ゴムを含むベースポリマとクマロンインデン樹脂とステアリン酸カルシウムとを組み合わせ、かつシラン化合物を省略するとともにシリカを減量、もしくは省略した本発明の高減衰組成物は、従来に比べて、その混練に要する時間を短縮できるため生産性等に優れる上、前記本発明の高減衰組成物を用いれば、従来に比べて減衰特性に優れた高減衰部材を形成できることが判った。
【0071】
また実施例1〜5と比較例1、2とを比較した結果から、前記効果を得るためには、クマロンインデン樹脂の含有割合は、ベースポリマ100質量部あたり60質量部以上、140質量部以下である必要があることが判った。
また実施例3、6、7を比較した結果から、高減衰組成物の生産性をより一層向上しつつ、高減衰部材の減衰特性をさらに向上させるためには、ステアリン酸カルシウムの含有割合がベースポリマ100質量部あたり2質量部以上、10質量部以下であるのが好ましいことが判った。
【0072】
また実施例3、8〜11を比較した結果から、高減衰組成物の生産性をより一層向上しつつ、高減衰部材の減衰特性をさらに向上させるためには、シリカに代えて炭酸カルシウム、および/またはカーボンブラックを含有させるのが好ましいことが判った。特に前記生産性(混練時間)と減衰特性とのバランスを考慮すると、炭酸カルシウムとしての白艶華CCを用いた実施例8が最も良好であった。
【0073】
また、実施例12〜14と比較例3とを比較した結果から、エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率は10モル%以上であるのが好ましく、前記範囲内でもできるだけ高い値に設定することにより、高減衰部材の減衰性能を向上できることが判った。
また、実施例1〜14と実施例15〜18とを比較した結果から、ベースポリマとしてはエポキシ化天然ゴムと他のポリマとを併用するとともに、前記ベースポリマの総量中に占める前記エポキシ化天然ゴムの割合を70質量%以上、90質量%以下の範囲内とすることにより、高減衰部材の減衰性能を向上できることが判った。
【0074】
さらに、実施例15〜18を比較した結果から、前記併用系において、エポキシ化天然ゴムの割合は前記範囲内でもできるだけ小さいのが好ましいこと、エポキシ化天然ゴムと併用する他のポリマとしては、エポキシ化していない通常の天然ゴム、あるいはスチレンブタジエンゴムが好ましく、特にエポキシ化していない通常の天然ゴムが好ましいことが判った。
【符号の説明】
【0075】
1 円板
2 鋼板
3 試験体
4 中央固定治具
5 左右固定治具
6 固定アーム
7 ジョイント
8 可動盤
9 ジョイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースポリマとして少なくともエポキシ化天然ゴムを含み、かつ前記ベースポリマ100質量部あたり60質量部以上、140質量部以下のクマロンインデン樹脂を含むことを特徴とする高減衰組成物。
【請求項2】
前記エポキシ化天然ゴムは、エポキシ化率が10モル%以上である請求項1に記載の高減衰組成物。
【請求項3】
炭酸カルシウム、およびカーボンブラックからなる群より選ばれた少なくとも1種の充填剤をも含んでいる請求項1または2に記載の高減衰組成物。
【請求項4】
前記ベースポリマ100質量部あたり2質量部以上、10質量部以下のステアリン酸カルシウムをも含んでいる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高減衰組成物。
【請求項5】
前記ベースポリマとしては、前記エポキシ化天然ゴムと他のゴムとを併用しており、かつ前記ベースポリマの総量中に占める前記エポキシ化天然ゴムの割合は70質量%以上、90質量%以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高減衰組成物。
【請求項6】
建築物の制震用ダンパの形成材料として用いる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の高減衰組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−82377(P2012−82377A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259298(P2010−259298)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】