説明

高精細パターンの印刷方法、それにより作製したカラーフィルタ、および印刷装置

【課題】本発明は、次世代ディスプレイ部材の製造に関し、可撓性を有するガラス基材や耐熱性の劣るプラスチックフィルム上に、低コストで高精細なパターンを形成することを可能にする方法である。
【解決手段】(a)インキ剥離性のフィルム基材上に、活性エネルギー硬化型インキ液膜を塗工する工程と、(b)該活性エネルギー硬化型インキ液膜を予備乾燥し、予備乾燥インキ膜を得る工程と、(c)必要な画像パターンを凹部とした凸版を前記予備乾燥インキ膜に接触、剥離させ、非画像パターンを該凸版に転移し、前記インキ剥離性のフィルム基材上に該予備乾燥インキ膜からなる画像パターンを形成する工程と、(d)該画像パターンを半硬化状態にする工程と、(e)該半硬化状態になった該画像パターンを目的の被印刷基材表面上へ転写する工程と、から成ることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基材やプラスチックフィルムなどの可撓性基材上へ、高精細パタ−ンを形成する印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、フラットパネルディスプレイは、省エネルギー、省スペース、可搬性などの点から据え置き型、壁掛け型、携帯型の様々な用途の画像表示装置として利用されている。特に携帯型においては、携帯時に落下させても破損しないような耐衝撃性や、軽量化、薄型化などの点からプラスチック化への要求がある。また、壁掛け型においても円柱状の柱へのディスプレイの設置という点から可撓性のディスプレイへの要求がある。
【0003】
しかしながら、従来のフラットパネルディスプレイは、何れもガラス基板上に製造された物であり、プラスチック基板上に製造することは難しかった。その理由は、従来のフラットパネルディスプレイの部材の作製には高温での加熱工程とフォトリソ工程が含まれているためである。例えば、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造には、感光性樹脂のパターニングにあたって、現像、洗浄、ベーキングなどの工程があり、熱によりプラスチック基板の損傷や伸縮が生じてしまう。
【0004】
また、フォトリソ工程は、成膜、露光、現像、剥離を材料毎に行うので、製造設備も大掛かりとなり、製造のコストが高い。
【0005】
以上のことから、プラスチック基材上への精密なパターニングが可能な印刷方法が求められていた。
【0006】
プラスチック基材上への印刷法の一つとして、インクジェット法が検討されている。インクジェット法は、所定の部分にのみ所定の材料をパターニングできることから材料の利用効率が高く、版も使用しないことから、もっとも簡便なパターニング方法として期待されている。
【0007】
しかしながら、現状のインクジェットのインク液滴の直径は数十μm程度であり、着弾精度も数μm程度ある。また、インクジェット法を用いて精密なパターニングをするためには、あらかじめ基板上にフォトリソ工程により隔壁を形成しなければならず、カラーフィルタのブラックマトリクスや印刷方式の薄膜トランジスタ配線などの10μm程度のパターンを形成する方法としては、採用することができない。
【0008】
インクジェット法以外の方法としては、スクリーン印刷法が挙げられる。スクリーン印刷法は、電子部品における配線や抵抗体、誘電体の印刷などで実用化されている。しかしながら、孔版印刷であることからインキはペースト状の高粘度のものに限られ、また、スクリーンメッシュの精細度から数十μm程度の厚膜の印刷法としては採用できても、やはり10μm程度のパターンを形成する方法としては、採用できない。
【0009】
そこで、インクジェット法およびスクリーン印刷法以外の方法として、反転印刷法が試みられている。
【0010】
反転印刷法は、シリンダーに巻き付けたブランケット上にインキを塗工・予備乾燥して予備乾燥インキ膜を形成し、その後、非画像部パターンが形成された凸版を該予備乾燥イ
ンキ膜に押圧することによりブランケット上に画像パターンを形成し、最後に、ブランケット上の該画像パターンを被印刷基材上に転写し、被印刷基材上に該画像パターンを形成する印刷法である。(特許文献1参照)
反転印刷法は、インキ膜厚を調整することが容易である。この印刷法ではインキ剥離性のブランケット上に画像パターンを形成することから、被印刷基材へのインキ転写性が良好である。また、薄膜での微細パターン形成が可能である。
【0011】
しかしながら、反転印刷法では、シリコーンゴムまたはシリコーン樹脂からなるブランケット上でインキの予備乾燥を行う時に、ブランケット表面のインキ濡れ性や転写性が不安定になるという問題点を有している。これはブランケットがシリンダーに固定されたまま乾燥を行うために均一な予備乾燥が困難であり、塗工されたインキ中の溶剤がブランケット内に吸収され膨潤し、部分的に転写性や精度にバラツキが生じてしまうことが原因である。
【0012】
また、転写後のクリーニングやブランケットの乾燥による膨潤量の調整を転写毎に行う必要があるため、連続加工に不向きである。また、ブランケットがシリンダーに固定されているので、あるパターンが形成された基材上に転写する場合に、ブランケット上のパターンと基材上のマークとの位置合わせが困難であった。
【0013】
反転印刷法における上記のような課題を解決すべく、インキ剥離性のフィルム基材上に、インキ液膜を塗工して設け、該インキ液膜を予備乾燥し、予備乾燥インキ膜を得た後必要な画像パターンを凹部とした凸版を該予備乾燥インキ膜に押し当て、前記予備乾燥インキ膜の非画像部を該凸版の凸部に転移させ、該インキ剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インキ膜による画像パターンを目的の被印刷基材表面上へ転写する印刷方法が提案されている。この印刷方法によれば、順次新しいインキ剥離性のフィルム基材を使用することができるため転写の連続安定性を確保することが可能である。また、インキ剥離性のフィルム基材が光学的に透明であることで、インキ剥離性のフィルム基材表面に残った画像パターンや位置合わせ用のマーク越しに、被印刷基材上の画像パターンや位置合わせ用のマークを確認することができることから、転写位置を正確に合わせこむことが容易であり、高精細パターンを再現性高く作製することが可能である。
【0014】
しかしながら、この反転印刷法では、被印刷基材への画像パターン転写時に、予備乾燥インキ膜に直接外力が加わることにより、該インキ膜の形状が崩れてしまい、画像パターンの潰れや隣接する画像パターンどうしの混色・干渉を引き起こすという問題がある。
【0015】
インキ剥離性のフィルム基材上に形成された画像パターンインキ膜は、予備乾燥状態でありインキ中の溶剤成分が残存しているため、外力により容易に変形してしまうことで、この問題が発生する。
【0016】
一般に、隣接する画像パターンどうしの混色・干渉を防ぐために、画像パターンにブラックマトリクスと呼ばれる遮光パターンを設け、隣接するパターン間に該ブラックマトリクスパターンを配置する。
【0017】
前記ブラックマトリクスパターン上へ画像パターンインキ膜が乗り上げることで混色・干渉を防ぐことはできるが、前記ブラックマトリクスへの乗り上げにより、パターニング基材表面に凹凸が生じてしまい問題となる。
【0018】
また、画像パターンの高解像度化が進むにつれて、ブラックマトリクスパターンの線幅も細くなっていき、高い精度で位置合わせを行った場合であっても、画像パターンの混色・干渉が生じるようになってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特許第3689536号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、上記のような問題を解決すべく為されたものであって、その課題とするところは、ブラックマトリクスパターンヘの画像パターンの乗り上げが無く高品質なパターニング基材を、反転印刷法により簡易に作製する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
(a)インキ剥離性のフィルム基材上に、活性エネルギー硬化型インキ液膜を塗工する工程と、
(b)該活性エネルギー硬化型インキ液膜を予備乾燥し、予備乾燥インキ膜を得る工程と、
(c)必要な画像パターンを凹部とした凸版を前記予備乾燥インキ膜に接触、剥離させ、非画像パターンを該凸版に転移し、前記インキ剥離性のフィルム基材上に該予備乾燥インキ膜からなる画像パターンを形成する工程と、
(d)該画像パターンを半硬化状態にする工程と、
(e)該半硬化状態になった該画像パターンを目的の被印刷基材表面上へ転写する工程と、
から成ることを特徴とする高精細パターンの印刷方法である。
【0022】
また、請求項2に記載の発明は、(d)前記インキ剥離性のフィルム基材上に形成された前記予備乾燥インキ膜による画像パターンを半硬化状態にする工程において、紫外光を照射することを特徴とする請求項1に記載の高精細パターンの印刷方法である。
【0023】
また、請求項3に記載の発明は、(d)前記インキ剥離性のフィルム基材上に形成された前記予備乾燥インキ膜による画像パターンを半硬化状態にする工程において、電子線を照射することを特徴とする請求項1に記載の高精細パターンの印刷方法である。
【0024】
また、請求項4に記載の発明は、 請求項1〜3のいずれかに記載の高精細パターンの印刷方法により作製されたことを特徴とするカラーフィルタである。
【0025】
また、請求項5に記載の発明は、
(a)インキ剥離性のフィルム基材上に、前記活性エネルギー硬化型インキ液膜を塗工する手段と、
(b)該活性エネルギー硬化型インキ液膜を予備乾燥し、前記予備乾燥インキ膜を得る手段と、
(c)必要な画像パターンを凹部とした凸版を前記予備乾燥インキ膜に接触、剥離させ、非画像パターンを該凸版に転移し、前記インキ剥離性のフィルム基材上に前期予備乾燥インキ膜からなる画像パターンを形成する手段と、
(d)該インキ剥離性のフィルム基材上に画像パターンを形成した該予備乾燥インキ膜を半硬化状態にする手段と、
(e)該半硬化状態になったインキ膜による画像パターンを目的の被印刷基材表面上へ転写する手段と、
を有することを特徴とする印刷装置である。
【0026】
また、請求項6に記載の発明は、(d)前記インキ剥離性のフィルム基材上に形成された前記予備乾燥インキ膜による画像パターンを半硬化状態にする手段が、紫外光照射であることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置である。
【0027】
また、請求項7に記載の発明は、(d)該インキ剥離性のフィルム基材上に形成された該予備乾燥インキ膜による画像パターンを半硬化状態にする手段が
電子線の照射であることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、反転印刷方法を介して、可撓性を有するガラス基材や耐熱性の劣るプラスチックフィルムなどの基材に対して、低コストで高精細なパターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】インキ剥離性のフィルム基材の構造を説明した図である。
【図2】インキ剥離性のフィルム基材に活性エネルギー硬化型インキ液膜を形成し、画像パターンインキ膜を形成した後、紫外光照射により半硬化状態として、被印刷基材上へ転写することでパターン基板を作製する工程を説明した図である。
【図3】本発明の印刷装置の一例を説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明による高精細パターンの印刷方法を図1、2に示し、実際の印刷工程に従って説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に用いるインキ剥離性のフィルム基材10は、プラスチック等の可撓性基材を加工し用いる事が可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム、シートを用いる事ができる。さらに光透過性の基材を用いる事により、パターンの重ね合わせ時に位置合わせを容易にする事ができる。
【0031】
図1に示すように、本発明に用いるインキ剥離性のフィルム基材10は、前述のようなフィルム基材11表面へインキ剥離性のシリコーン層12として、シリコーンオイル、シリコーンワニスに代表される離型剤を塗っても良いし、あるいはシリコーンゴムの薄膜層を形成してもよい。また同じ目的でフッ素系樹脂、フッ素系ゴムも利用されうるし、フッ素樹脂微粉末をシリコーンゴムあるいは、汎用の合成ゴムに混ぜて剥離性を出すなどの使い方をしてもよい。
上記インキ剥離層を成す塗膜は通常フィルム基材11との密着が低いが、熱硬化または紫外光硬化性のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、最表面に設けるシリコーン層に対して、より基材との接着性の高い樹脂層を、アンカー層としてあらかじめフィルム基材11上に設け、その上層に設ける事もできる。
いずれも前記活性エネルギー硬化型インキの塗工時には、均一なインキ液膜を形成する事ができると同時に、一度塗工したインキ液膜の完全なインキ剥離性を有する事が望ましい。
【0032】
具体的なシリコーンとしては、ジメチルポリシロキサンの各種分子量のもの、その他メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル塩素化フェニルシリコーンオイル、あるいはこれらポリシロキサンと有機化合物との共重合体など、変成したものを用いる事ができる。
【0033】
シリコーンゴムとしては、二液型のジオルガノポリシロキサンと架橋剤としての三官能性以上のシラン、またはシロキサン及び硬化触媒を組み合わせたもの、あるいは一液型ではジオルガノポリシロキサンとアセトンオキシム、各種メトキシシラン、メチルトリアセトキシシランなどを1種単独、もしくは2種以上の組み合わせで用いる事ができ、その他ゴム硬度を調節するためのポリシロキサンを適宜用いてもよい。
このようにして得られるインキ剥離性のフィルム基材10に対するインキ剥離性は、処理面へインキを滴下した際の接触角が、10°以上90°以下となるのが好ましく、より好ましくは20°以上70°以下である。この接触角が小さいと後工程でのインキ剥離性が低下してパターンの欠陥(再現性不良等)が発生しやすくなり、接触角が大きいとインキ液膜21を形成する際にハジキが生じて、均一なインキ液膜を形成する事が困難になる。上記インキ剥離性のフィルム基材10へ塗工する前記活性エネルギー硬化型インキは、顔料成分や樹脂成分、重合開始剤などからなる画像パターン形成材料を、溶媒に溶解又は分散させたものを用いる事ができる。例えば、カラーフィルタにおけるブラックマトリクスパターンを本発明の印刷方法により形成する場合、顔料成分と樹脂成分を溶媒中に溶解、分散させることにより前記活性エネルギー硬化型インキとなる。
顔料成分には、例えば、赤、緑、青の各色で使用できる顔料として次のものが挙げられる。顔料の種類は、カラーインデックス(C.I.)No.で示す。赤色顔料として、97、122、123、149、168、177、180、192、208、209、215などが、緑色顔料として7、36などが、青色顔料として、15、15:1、15:3、15:6、22、60、64などが挙げられる。黒色顔料として、カーボンブラック、チタンブラックなどが挙げられる。また、これら赤、緑及び青顔料の色調整及びインキの流動性を改善するために、次に挙げる顔料を必要量添加する事ができる。
【0034】
赤色、緑色、青色以外にも、例えば、黄顔料として、17、83、109、110、128などが、紫顔料として、19、23などが、白顔料として、18、21、27、28などが、橙顔料として、38、43などが挙げられる。顔料は、単体以外に、顔料を予め分散剤、有機溶剤に分散させた顔料分散体であってもよい。
【0035】
樹脂成分には、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂からなる群から選ばれる1つ以上のものが使用される。
溶剤には、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤及び炭化水素系溶剤などが使用される。エステル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、アルコール系溶剤として、1-ブタノール、3‐メトキシ‐3‐メチル-1‐ブタノール、1‐ヘキサノール、1,3-ブタンジオール、1‐ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、4-メチル‐2‐ペンタノール、エーテル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール‐t‐ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、炭化水素系溶剤として、ソルベッソ100、ソルベッソ150(製品名 エクソン化学社製)などが挙げられる。
【0036】
また、インキ剥離性のフィルム基材上で画像パターン形成した後、活性エネルギー線(紫外線、電子線など)の照射によりインキを半硬化状態にするために、重合開始剤を用いる事ができる。
【0037】
重合開始剤としては、硬化手段(紫外光照射、電子線照射など)に応じて適宜選択する事ができる。
【0038】
上記光硬化開始剤の具体例として、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アントラキノン
、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾイエチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
【0039】
上記電子線硬化開始剤の具体例として、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインエチルエーテル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
【0040】
また、回路基板において、配線を本発明の印刷方法により形成する場合、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム等の金属微粒子分散液を水やアルコール、グリコール系溶媒に溶解、分散させることによりインキとする事ができる。また、これらのインキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、レベリング剤等が添加されてもよい。なお、本発明のインキはこれらに限定されるものではない。
【0041】
上記インキ剥離性のフィルム基材10上へインキ液膜21を形成する方法としては、活性エネルギー硬化型インキの粘度や溶媒の乾燥性によって公知の塗工方法を用いる事ができる。例えば、ディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等が挙げられる。中でも、ダイコート、キャップコート、ロールコート、アプリケータ等の塗工方法では、広い範囲の粘度の活性エネルギー硬化型インキについて均一なインキ液膜を形成する事ができる。
【0042】
図2(a)に示すように、インキ剥離性のフィルム基材10上へ前記方法により活性エネルギー硬化型インキ液膜21を形成した後に、前記インキ液膜を予備乾燥する。この予備乾燥には自然乾燥、冷風・温風乾燥、マイクロ波、減圧乾燥などを用いる事ができる。
【0043】
この予備乾燥では、前記インキ液膜21の粘度またはチキソトロピー性、脆性を挙げる事を目的とするもので、該インキ液膜21は完全には乾燥させない。乾燥が不十分な場合は、後工程で述べるインキ除去版の凸部を押し当て剥離する際に、該インキ液膜21が断裂し不良が発生する。さらには、被印刷基材上への転写時に画像パターンのつぶれが大きく、隣接する画像パターンとの混色・干渉が起きてしまう。
【0044】
逆に乾燥が行き過ぎた場合は、前記インキ除去版にインキが転写されない。また、被印刷基材上へ転写する場合、均一にインキを設ける事ができない。そのため使用する活性エネルギー硬化型インキの組成によって乾燥状態を調整する。
【0045】
前記予備乾燥においては、インキ組成に対し、溶剤成分の残存率が1重量%〜10重量%が好ましい。ただし、前記溶剤の種類によって、同じ残存率であっても予備乾燥インキの状態は変わるため、これに限定されるものではない。
【0046】
図2(b)、(c)に示すように、前記インキ液膜21を予備乾燥した後、必要な画像パターンを凹部とした凸版であるインキ除去版40にインキ液膜21を押し当て、非画像パターン部となるインキ液膜をインキ除去版40に転移させて、画像パターンインキ膜22を形成する。
【0047】
インキ除去版40としては、無アルカリガラス等の低膨張ガラス表面に感光性樹脂を用いてマスクパターンを形成した後、既存のドライエッチング処理やウェットエッチング処理、もしくはサンドブラスト処理を用いて、2μmから30μmの版深を設けたものを用
いる事ができる。あまり、版深が浅いとインキ液膜が、版底に接触し画像パターンの再現ができなくなる。一定以上の版深を有すれば、得られる画像パターンの形状に変わりはないが、一方で版に設ける画像パターンを高解像化できなくなる弊害がある。
【0048】
また、インキ除去版40にはナイロン、アクリル、シリコーン樹脂、スチレン-ジエン共重合体などからなるものを用いる事もできる。またエチレン-プロピレン系、ブチル系、ウレタン系ゴムなどのゴム製の版を用いる事もできる。このような樹脂製のインキ除去版は、すでに凸版印刷やフレキソ印刷用に用いられており、予め作製した型に所定の樹脂を流し込んで版とする、あるいは彫刻によっても作製する事ができるが、感光性樹脂を用いる方法がより高精度のものを作製できる。
【0049】
インキ剥離性のフィルム基材10上に形成した画像パターンインキ膜22に活性エネルギー線(紫外線、電子線など)を照射するなどの処理を行うことにより、画像パターンインキ膜を半硬化状態にする事ができる。
【0050】
図2(d)に示すように、インキ剥離性のフィルム基材10上に形成した前記画像パターンインキ膜22へ紫外光照射装置50から紫外光を照射することにより、半硬化状態の画像パターンインキ膜23にする事ができる。インキの半硬化状態としては、次工程において被印刷基材への転写時に、画像パターンインキ膜の形状が変形することがなく、インキ剥離性のフィルム基材から被印刷基材へ転移すればよく、前記活性エネルギー硬化型インキの組成及び該インキ膜の乾燥状態に依って紫外光の照射量を変える事ができる。
【0051】
具体的には、インキ膜に半硬化処理を行った後、インキ剥離性のフィルム基材の背面から加圧ローラーにより画像パターンインキ膜を被印刷基材上へ加圧転移する工程において、2.5MPa〜4.0MPaのラミネート圧によりインキ膜が変形しないことが好ましい。
【0052】
インキ剥離性のフィルム基材上に形成した画像パターンインキ膜への紫外光の照射は、インキ剥離性のフィルムブランケットのインキ膜面側とその反対面側とのいずれの側からも行う事ができる。
【0053】
また、活性エネルギー硬化型インキ膜を半硬化状態にする手段は、上記紫外光照射のほかに、電子線照射を用いる事ができる。その場合、該インキ成分中に、電子線重合開始剤を含有させる事ができる。なお、本発明のインキ膜を半硬化状態にする方法はこれらに限定されるものではない。
【0054】
また、活性エネルギー硬化型インキ膜を半硬化状態にする手段として、赤外光照射、熱ローラーなどを用いた加熱工程を導入する事もできるが、加熱工程によりインキ剥離性のフィルム基材が収縮し、画像パターン寸法が変化してしまう可能性がある。そのため、本発明においては、インキ膜を半硬化状態にする手段としては、紫外光照射、電子線照射などの非加熱工程を用いる事が好ましい。
【0055】
図2(e)示すように、インキ剥離性のフィルム基材10上で、半硬化状態の画像パターンインキ膜23とした後、インキ剥離性のフィルム基材10の画像パターンを被印刷基材30と平行に固定し、お互いのパターンや基材上に設けられた位置合わせパターンを基に、位置の微調整を行った後、半硬化状態の画像パターンインキ膜23をインキ剥離性のフィルム基材10上から転移することで、被印刷基材30上に画像パターン20を形成する事ができる。
【0056】
位置合わせの際のインキ剥離性のフィルム基材10と、被印刷基材30との間隔は、インキ剥離性のフィルム基材10の帯電や吸着による基材との接触を起こさないように、ま
た、位置合わせに用いる観察カメラの被写界深度や焦点制御などを考慮し20μmから500μmの距離を保って平行に配置する事が好ましい。
【0057】
上記工程により作製した画像パターンは、隣接する画像パターンどうしの混色が無く、パターニング基板内の平坦性も良好であり、カラーフィルタとして用いる事ができる。
【0058】
図3に本発明の印刷装置の一例を示すが、本発明の印刷装置はこれに限定されるものではない。
【0059】
図3に示す印刷装置は、インキ剥離性のフィルム基材巻き出し部61、インキ剥離性のフィルム基材巻き取り部69、被印刷基材巻き出し部70、被印刷基材巻き取り部71等の長尺状のインキ剥離性のフィルム基材または、被印刷基材の搬送に関わる装置部と、塗工部62、乾燥部63、転写・剥離ステージ64、インキ除去のための凸版65、紫外光照射部66、アライメント部67、被印刷基材への転写部68によって構成される。
【0060】
インキ剥離性のフィルム基材巻き出し部61、インキ剥離性のフィルム基材巻き取り部69、被印刷基材巻き出し部70、被印刷基材巻き取り部71等の搬送部は、それぞれ巻き取りロールで供給される原反を設置または、巻き取るため直径3インチから30インチの芯を装着できるマウンターを備えたシリンダーと、回転やテンションを制御してフィルム基材を搬送するためのモーターを備える。装着されるフィルム原反幅は100〜1000mmが選択できるが、パターンの実用性と転写位置の精度を考慮し300mm幅が選択される。
【0061】
また、インキ剥離性のフィルム基材と被印刷基材とのいずれのフィルム基材もテンション制御は、これら装置以外に搬送系にニップ部を設置して基材を保持することでも調節を行うことができる。ニップ部は、主に搬送ロールに備わったエアー吸着孔による吸着ニップが用いられる。
【0062】
搬送は、各工程で必要な時間差を緩和し、フィルムの連続搬送を行うためのバッファを備えた場合、5m/sec〜10m/secの連続搬送を行うことができるが、インキ剥離性のフィルム基材や被印刷基材を、工程毎に必要な長さ繰り出す方式を用いるのが好ましい。
塗工部62は、可動ステージと、可動ステージ上に設けられたインキ剥離性のフィルム基材に対し前記活性エネルギー硬化型インキを塗工する塗工装置が設置されている。可動ステージは、ボールねじやリニアモーター等で駆動するものを用いることができ、金属製、石製などのものを用いることができるが少なくとも水平方向に水平を保ったまま往復運動することができ、インキ剥離性のフィルム基材を吸着することができる。吸着による表面の凹凸を防ぐためにフィルムのエッジ付近のみ吸着孔を設ける方法や、多孔質性材料を用いた吸着表面を用いる方法を選択する事ができる。
【0063】
塗工装置は、連続加工や膜厚の均一性が優れるダイ方式のものについて説明するが、これに限定するものではない。ダイヘッドには、別に用意されたインキ供給用のポンプから所定量の前記活性エネルギー硬化型インキを供給することができる。このダイヘッドとインキ剥離性のフィルム基材とのギャップは印刷開始前に設定してもよく、また可動式ステージの搬送に合わせてダイヘッドを上下動させて調整してもよい。
【0064】
乾燥部63は、上記塗工部62でインキ剥離性のフィルム基材へ塗工した前記活性エネルギー硬化型インキを予備乾燥させるために設置されるもので、ホットプレート、オーブン、温風、減圧乾燥、などの乾燥装置を設けてもよい。
【0065】
紫外光照射部66は、インキ剥離性のフィルム基材上にインキ膜が形成される側から、紫外光を照射できるように設置されていて、紫外光照射工程時には、インキ剥離性のフィルム基材の画像パターン形成エリアの正面まで可動し、前記活性エネルギー硬化型インキの種類、画像パターン形成時のインキ乾燥状態に応じて、照射量・照射時間を調整し、転写面内で均一に紫外光を照射する事ができる。
【0066】
アライメント部67は、可動性ステージと複数の顕微鏡カメラから構成されており、可動性ステージ上に吸着した被印刷基材上に、インキ剥離性のフィルム基材上の予備乾燥インキ膜面を100〜250μmに近づけた後、インキ剥離性のフィルム基材が透明なことを利用して、インキ剥離性のフィルム基材上に得られたパターンの一部やアライメント用のマークパターンと、被印刷基材上のパターンを透過画像で認識し、それぞれの基材パターンを認識した画像を基に可動性ステージを動作させ転写位置の補正を行う事ができる。
【0067】
また、インキ剥離性のフィルム基材と被印刷基材の間に顕微鏡カメラを挿入し、それぞれの基材上のパターンを認識した画像を基に位置の補正を行う方法も選択できる。
【0068】
上記顕微鏡カメラは光学顕微鏡、CCD(Charge Coupled Device)顕微鏡のどちらであっても良いが、オートフォーカス、電気的に制御可能な手動焦点制御機構のいずれか、もしくはその両方の機能を必要とし、観察の為に外部に設置したモニターや位置補正の為の画像処理装置へのインターフェースを持つものとする事ができる。
【0069】
転写部68は、可動性ステージに固定された被印刷基材と、わずかな隙間をあけて設置されたインキ剥離性のフィルム基材の上からローラーを押し当て、可動性ステージの移動と共にローラーを回転させながら押圧し、つぎにインキ剥離性のフィルム基材を被印刷基材から剥離することにより目的の画像部パターンを被印刷基材上へ転写する事ができる。
【実施例1】
【0070】
以下、本発明を更に詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0071】
実際に作製したCFは、300mm□のガラス基板上に作製し、基板中央部150mm□部に、格子状のブラックマトリクスパターンの線幅20μmによって仕切られた80μm×300μmの開口部を連続して有するパターンとした。
【0072】
(インキ剥離性のフィルム基材)
インキ剥離性のフィルム基材としては、基材厚約120μmのシリコーン系離形ポリエステルフィルム:K1504(東洋紡績社製)を300mm幅、500m長のロール状で用意した。
【0073】
(ブラックマトリクスパターン用インキの調製)
ポリイミド前駆体(東レ社製「セミコファインSP−510」)10重量部、カーボンブラック7.5重量部、溶剤(N-メチルピロリドン)130重量部、分散剤(銅フタロシアニン誘導体)5重量部、光開始剤5重量部をビーズミル分散機で冷却しながら3時間分散しブラックマトリクスパターン用インキを調製した。
【0074】
(ブラックマトリクスパターン基板の作製)
インキ剥離性のフィルム基材上に、ブラックマトリクスパターン用インキを、ダイコートを用いて、200mm□に塗工し、120℃で90秒間予備乾燥させる。
【0075】
次に、前記インキ剥離性のフィルム基材に、ブラックマトリクスパターンが凹部となっ
たインキ除去版を押し当てた後、剥離することで、インキ剥離性のフィルム基材上にブラックマトリクスパターンを形成する。
【0076】
インキ剥離性のフィルム基材上のブラックマトリクスパターンを、ガラス基板へ転写した後、オーブンで230℃、1時間のポストベークを行い、ブラックマトリクスパターン基板を形成した。パターンの膜厚は1.0μmであった。
【0077】
(画像パターン用着色インキの調製)
まず、メタクリル酸20重量部、メチルメタクリレート10重量部、ブチルメタクリレート55重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15重量部を乳酸ブチル100重量部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75重量部を加え70℃にて5時間の反応によりアクリル共重合樹脂を得た。得られたアクリル共重合樹脂を、樹脂濃度が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにて希釈し、アクリル樹脂ワニスとした。
【0078】
着色分散体として、C.I.Pigment Red 254 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッドB−CF」)18重量部、C.I.Pigment Red 177 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)2重量部、さらに上記アクリル樹脂ワニス(固形分20%)108重量部を十分混合したものを用いた。
【0079】
上記分散体100重量部に、メチル化メチロールメラミン MW−30(三洋化成社製) 20重量部、紫外光硬化開始剤としてベンジルジメチルケタール3重量部、レベリング剤としてメガファックF−483SF(DIC社製)1重量部、希釈剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル85重量部を混合し、画像パターン用着色インキとした。
【0080】
まず、上記インキ剥離性のフィルム基材をロールから搬送し、上記画像パターン用着色インキを、ダイコートを用いて、200mm□に塗工する。
【0081】
画像パターン用着色インキを2分間室温乾燥させた後、雰囲気70℃のオーブン内で10mm/sの搬送速度で搬送しながら乾燥させた。
【0082】
つぎに、画像パターンを凹部とするインキ除去版と、インキ剥離性のフィルム基材のインキ膜面を平行に向かい合わせた後、ゴムローラーにて加圧した。
【0083】
インキ除去版は、300mm□のガラス板に版深10μmのパターンを設けたもので、ブラックマトリクスパターンに設けられた開口部の幅と一致する寸法を持つ、80μm×300μmサイズの長方形の連続パターンとした。
【0084】
つぎにガラス製のインキ除去版から、インキ剥離性のフィルム基材を剥離し、インキ剥離性のフィルム基材上に、画像パターンを得た。
【0085】
得られたインキ剥離性のフィルム基材上の画像パターンインキ膜に紫外光を照射(50mJ/cm)し、半硬化状態とした。
【0086】
さらに、上記ブラックマトリクスパターンを設けたガラス基材上に、画像パターンが形成されたインキ剥離性のフィルム基材を、同じように平行に向かい合わせ、画像パターンの外に設けられた位置合わせ用のマークを基準に位置合わせを行った後、ゴムローラーによる加圧を行い、ガラス基材側に画像パターンを転写した。
【0087】
得られたガラス基材を210℃で20分硬化させた。
【0088】
上記ガラス基板に対して、Green、Blueインキを同様の印刷方法により、画像パターンを形成した後、顕微鏡観察を行い、インキ膜の潰れによる画像パターンのブラックマトリクスパターン上への乗り上げ、隣接画像パターン開口部への混色が無い事を確認した。
【実施例2】
【0089】
実施例1において、画像パターン用着色インキの調製時に、紫外光硬化開始剤の代わりに電子線硬化開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド3重量部を含有させたものを用い、インキ剥離性のフィルム基材上に画像パターンを形成した後の半硬化処理に電子線照射を用いたほかは、実施例1と同様の方法により画像パターン基板を作製した。
【0090】
得られた画像パターン基板を顕微鏡にて観察したところ、インキ膜の潰れによる画像パターンのブラックマトリクスパターン上への乗り上げ、隣接画像パターン開口部への混色が無い事を確認した。
【実施例3】
【0091】
実施例1において、被印刷基材としてガラス基材の代わりに、300mm□の東レ社製PETフィルム基材「ルミラーT60」へ形成・半硬化した画像パターンを転写したほかは、実施例1と同様の方法により可撓性の画像パターン基板を作製した。
【0092】
得られた可撓性の画像パターン基板を顕微鏡にて観察したところ、インキ膜の潰れによる画像パターンのブラックマトリクスパターン上への乗り上げ、隣接画像パターン開口部への混色が無い事を確認した。
【0093】
<比較例1>
実施例1において、インキ剥離性のフィルム基材上に画像パターンを形成した後の紫外光照射による半硬化処理を行わないことを除いて、実施例1と同様にして画像パターン基板を作製した。
【0094】
このようにして作製した画像パターン基板を顕微鏡にて観察したところ、画像パターン用着色インキが元寸法よりも潰れておりブラックマトリクスパターンの上に乗り上げていて、画像パターン基板表面に凹凸が生じていた。
【0095】
また、同一の画像パターン基板への2,3回目の印刷により形成された画像パターンでは、ブラックマトリクスパターンの開口部内に画像パターンインキがうまく配置されず、色抜けしてしまった。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、画像パターンインキの潰れによる混色・干渉といった不具合なく、複数のインキ画像パターンからなる高精細パターン基板を作製する事ができ、種々の用途に利用できるが、とりわけカラーフィルタや導電性インキによる配線パターニングに用いる事ができる。
【符号の説明】
【0097】
10・・・インキ剥離性のフィルム基材
11・・・フィルム基材
12・・・インキ剥離性のシリコーン層
20・・・画像パターン
21・・・インキ液膜
22・・・画像パターンインキ膜
23・・・半硬化状態の画像パターンインキ膜
30・・・被印刷基材
40・・・インキ除去版
50・・・紫外光照射装置
61・・・インキ剥離性のフィルム基材巻き出し部
62・・・塗工部
63・・・乾燥部
64・・・転写・剥離ステージ
65・・・凸版
66・・・紫外光照射部
67・・・位置合わせ部
68・・・転写部
69・・・インキ剥離性のフィルム基材巻き取り部
70・・・被印刷基材巻き出し部
71・・・被印刷基材巻き取り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)インキ剥離性のフィルム基材上に、活性エネルギー硬化型インキ液膜を塗工する工程と、
(b)該活性エネルギー硬化型インキ液膜を予備乾燥し、予備乾燥インキ膜を得る工程と、
(c)必要な画像パターンを凹部とした凸版を前記予備乾燥インキ膜に接触、剥離させ、非画像パターンを該凸版に転移し、前記インキ剥離性のフィルム基材上に前記予備乾燥インキ膜からなる前記画像パターンを形成する工程と、
(d)該画像パターンを半硬化状態にする工程と、
(e)該半硬化状態になった該画像パターンを目的の被印刷基材表面上へ転写する工程と、
から成ることを特徴とする高精細パターンの印刷方法。
【請求項2】
(d)画像パターンを半硬化状態にする工程において、紫外光を照射することを特徴とする請求項1に記載の高精細パターンの印刷方法。
【請求項3】
(d)画像パターンを半硬化状態にする工程において、電子線を照射することを特徴とする請求項1に記載の高精細パターンの印刷方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の高精細パターンの印刷方法により作製されたことを特徴とするカラーフィルタ。
【請求項5】
(a)インキ剥離性のフィルム基材上に、活性エネルギー硬化型インキ液膜を塗工する手段と、
(b)前記活性エネルギー硬化型インキ液膜を予備乾燥し、予備乾燥インキ膜を得る手段と、
(c)必要な画像パターンを凹部とした凸版を前記予備乾燥インキ膜に接触、剥離させ、非画像パターンを該凸版に転移し、前記インキ剥離性のフィルム基材上に前記予備乾燥インキ膜からなる前記画像パターンを形成する手段と、
(d)前記インキ剥離性のフィルム基材上に画像パターンを形成した前記予備乾燥インキ膜を半硬化状態にする手段と、
(e)該半硬化状態になった活性エネルギー硬化型インキ膜による画像パターンを目的の被印刷基材表面上へ転写する手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
(d)前記予備乾燥インキ膜を半硬化状態にする手段が、紫外光照射であることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
(d)前記予備乾燥インキ膜を半硬化状態にする手段が電子線の照射であることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−235543(P2011−235543A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109216(P2010−109216)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】