説明

魚肉フレーク類似品及び前記類似品の作製方法

本発明は、約18〜約25%のタンパク質、約3〜約9%の脂肪、及び約60〜約85%の水分を含む魚肉フレーク類似品を提供する。この組成物は、主に、実際の魚肉のフレークを真似た「フレーク」が存在するために、魚肉様のリアルな外観及び組織を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002]本発明は、一般に、食物の類似品に関し、特に、魚肉フレーク様のリアルな外観及び組織を有する魚肉類似品、及び前記類似品を作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]食物の類似品を作製する方法は、食品産業において既知である。通常は、多くの場合、実際の肉の全部又は一部を肉の代用品に置き換えることによってある種の食品のコストを減らすために、外観、組織、及び物理的構造が実際の肉の厚切り又は小片に似た肉類似品への需要がこれまであった。こうした製品は、シチュー、ポットパイ、キャセロール、缶詰食品、及びペットフードなどの食品において、より高価な実際の厚切り肉の部分的又は完全な代替品として使用されている。厚切り肉製品は、ヒト用食物及びペットフードにおいて、美観及び消費者アピールの両面から、非常に望ましい。これらの厚切り製品は、形状、外観、及び組織において実際の厚切り肉を模倣しようとする、より経済的な製品を提供している。
【0003】
[0004]肉の類似品を開発する初期の取組みには、こうした類似品を、植物性タンパク質及び/又は肉の源から、押出・膨張技術又は他の従来手段を用いて製造することが挙げられる。これらの製品は、均一均質な塊の形態をとってはいるが、実際の厚切り肉の構造、組織、及び外観には欠ける。したがって、これらの製品は、模倣した厚切り肉の使用が所望される用途で用いるには適当でない。その後の取組みは、もう少し成功した。肉の類似品の改良が、米国特許第4781939号で開示されている。この特許は、組織、外観、及び硬さが実際の厚切り肉を模倣している、厚切り又は小片の形態をした、層状の非膨張製品を製造する条件下で肉エマルションを加工することを開示している。この製品は、複数の、手で分離できる、並列の肉類似層を有する、特徴的な厚切り又は小片の形態をとり、外観、組織、及び硬さが実際の繊維状厚切り肉に似ている。肉類似品の繊維状の外観及び組織におけるさらなる改良が、米国特許第6379738号に記載されている。この厚切り肉エマルションは、ヒト及び動物用の食物双方における、より高価な天然の厚切り肉の部分的又は完全な代替品としての使用に適当である。この厚切り肉エマルションは、ペットフード製品を含む、高水分缶詰食品の製造において必要であるような、商業的な缶詰・滅菌操作を受けたときに、一体性及び形状を保持している。しかし、これらの方法によって、豚肉、牛肉などの繊維状外観を有する、幾らかは容認できる肉類似品は製造されたものの、実際の魚肉を真似た、外観及び組織が容認できる魚肉類似品は提供できなかった。
【0004】
[0005]魚肉類似品を製造しようとする企図は、国際公開第2008034063号パンフレットに記載がある。この特許出願は、繊維状植物タンパク質と実際の魚肉との混合物を含む魚肉類似品を開示している。この植物タンパク質成分の繊維組織は、魚肉に特徴的ではなく、したがって、実際の魚肉の容認できる模倣品ではない。容認できる模倣魚肉製品は、調理したときに、繊維状ストランドによって相互結合されていない層又はフレークへと容易に分離すべきであり、短く、柔らかい、弾力のない噛みごたえを有すべきである。他の魚肉及び肉の類似品、並びにこうした類似品を作製する方法は、当技術分野において公知である。例えば、米国特許第5188854号は、魚介類似製品を製造する方法を開示しており、天然の厚切り魚肉と結合剤とを混合して、結合剤で厚切りの表面を被覆するステップと、この被覆厚切りを所望の形状に成形するステップと、結合剤で被覆し、成形した厚切りを高温に晒して、厚切りの内部温度を、厚切りを調理して結合剤が固まるのに十分な所定レベルまで上げるステップと、成形し、調理した結合剤被覆厚切りを低温殺菌するステップとを含む。米国特許第5254352号は、隣り合った厚切りの間にあって実質的に厚切りの表面を被覆しているゲル状すり身ペーストを有する厚切り魚肉を含有する、魚肉フィレ又は魚肉ステーキの類似品を開示している。米国特許第5939129号、及び米国特許第6146684号は、魚肉性ひき肉製品又はその類似品を製造する方法を開示しており、この方法では、主要な原材料として、グルコマンナン水和物のゲルと一緒にした魚肉性無塩ひき肉を、又はグルコマンナン水和物のゲルのみを使用する。米国特許第6736053号は、外観がカニ脚肉に似ており、食べたときにカニ脚肉の感触を引き起こすペースト状食品を自動的に製造する装置を開示している。米国特許第6908634号は、トランスグルタミナーゼ結合植物性タンパク質組成物、並びにその組成物、特に大豆性魚肉・肉製品及びその類似品を調製する方法を開示している。米国特許出願公開第2005008758号は、(a)植物性タンパク質を水和して水和植物性タンパク質を形成すること、(b)活性小麦グルテン、乳由来タンパク質、及び水を含有するタンパク質基材を調製すること、及び(c)水和植物性タンパク質とタンパク質基材とを組み合わせることによって肉類似品を調製する方法を開示している。国際公開第04016097号パンフレットは、約0.8未満の相対水分活性を有し、脱脂大豆粉、大豆かす、大豆濃縮物、穀物グルテン(活性又はデンプン含有の形態)、及び卵白粉末からなる群から選択されるタンパク質性材料、結合性・架橋性可食化合物、並びにグリセロール及びグルコースの保湿剤を含む組織状タンパク質性肉類似品を製造する方法、並びにその製品を開示している。国際公開第04045301号パンフレットは、ひき肉及びひき割り穀物に基づいた材料からなるゲル状マトリックス中に分散している、内部が組織化されたタンパク質性押出材料の粒子からなるタンパク質性肉類似品を開示しており、前記押出物と前記マトリックスとの水分含有率は異なり、前記押出物の組織化内部は繊維構造を有する。国際公開第2007090916号パンフレットは、水性分散液を含む接着性混合物、又は熱可逆性結合剤と増白剤とを接合するのに共有結合を使用する、結合剤又は接着剤を含有する粉末混合物を使用して、すり身又は魚肉ミンチに基づくシートを接合することからなる、再構成魚肉製品中に筋分節又は筋節中隔を形成する方法を開示している。
【0005】
[0006]遺憾ながら、魚肉類似品を製造する既知の方法は、主に繊維状外観のために、魚肉様のリアルな外観又は組織を有していない製品を生じる。したがって、魚肉様のリアルな外観及び組織を有する新しい魚肉類似品、及びこうした魚肉類似品を作製する新しい方法の必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0007]本発明の目的は、したがって、魚肉様のリアルな外観を有する魚肉フレーク類似品を提供することである。
【0007】
[0008]本発明の別の目的は、魚肉様のリアルな組織を有する魚肉フレーク類似品を提供することである。
【0008】
[0009]本発明の別の目的は、魚肉様のリアルな外観及び組織を有する魚肉フレーク類似品を作製する方法を提供することである。
【0009】
[0010]本発明のさらなる目的は、魚肉フレーク類似品を容れ、この類似品の外観及び組織を示すのに適当な容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0011]これら又は他の目的の1つ又は複数は、約18〜約25%のタンパク質、約3〜約9%の脂肪、及び約60〜約85%の水分を含む新規な魚肉フレーク類似品を使用して達成される。この魚肉フレーク類似品は、タンパク質、脂肪、及び水の均質なドウ混合物を創製すること、このドウ混合物を温度約130〜約160℃、圧力約60〜約100psiで乳化すること、並びにこのエマルションを温度約15〜約40℃へと冷却し、圧力を大気圧へと下げることにより、作製する。魚肉フレーク類似品は、消費者がこの類似品を眺めて魚肉様のリアルな外観を観察できるようにする透明なウィンドウを有する容器に包装される。
【0011】
[0012]本発明の他の及びさらなる目的、特徴、及び利点は、当業者であれば直ちに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】[0013] 従来技術の肉類似品の写真である。
【図2】[0014] 従来技術の肉類似品の写真である。
【図3】[0015] 本発明の皮なし魚肉フレーク類似品の写真である。
【図4】[0016] 本発明の皮付き魚肉フレーク類似品の写真である。
【図5】[0017] 本発明の実施形態における、魚肉フレーク類似品を製造する工程の概略図である。
【図6】[0018] 本発明の別の実施形態における、魚肉フレーク類似品を製造する工程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
定義
【0014】
[0019]「魚肉類似品(fishanalog)」という用語は、実際の魚肉を模倣するように考案された、製造された食物組成物を意味する。
【0015】
[0020]「動物」という用語は、本発明の魚肉類似品の摂取から利益を得、又はこれを享受する可能性のある任意の動物を意味し、ヒト、鳥類、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、マウス、ヒツジ、又はブタの様々な動物を含む。
【0016】
[0021]「コンパニオンアニマル」という用語は、鳥、猫、犬、フェレット、ハムスター、ネズミ、アレチネズミ、馬、牛、山羊、羊、ろば、豚などの家畜化した動物を意味する。
【0017】
[0022]本明細書で表記するパーセントの全ては、別段の表記がない限り、組成物の全重量に対する重量による。
【0018】
[0023]本明細書で表記する比率の全ては、別段の表記がない限り、重量:重量(w/w)基準である。
【0019】
[0024]本明細書で使用するとき、範囲は、本明細書では簡潔表現として使用しているが、範囲内のあらゆる値を列挙して記載しなければならないことを避けるためである。範囲内の任意の適当な値は、適当な場合、範囲の上限値、下限値、又は末端の値として選択し得る。
【0020】
[0025]本明細書で使用するとき、文脈に明らかに反しない限り、単語の単数形は複数形を含み、逆も然りである。したがって、「a」、「an」、及び「the」という呼称は、各用語の複数形を一般に含む。例えば、「an analog」、「a method」、又は「a food」という呼称は、その複数形である「analogs」、「methods」、又は「foods」を含む。同様に、「comprise」、「comprises」、及び「comprising」という単語は、排他的ではなく、包括的であると解釈されるべきである。同じように、「include」、「including」、及び「or」という用語は、包括的な解釈が文脈から明らかに禁じられない限り、全て包括的であると解釈されるべきである。同様に、「examples」という用語は、特に、その後に用語の列挙がある場合、単なる好例及び例示であって、排他的、又は網羅的と見なされるべきではない。
【0021】
[0026]ここで開示している方法及び組成物、並びにその他の提案は、本明細書に記載した特定の方法論、プロトコル、及び試薬に限定されることはなく、その理由は、当業者であれば理解されようが、それらは様々であってもよいからである。さらに、本明細書で使用する専門用語は、特定の実施形態を記載する目的のみで使用しているのであって、開示又は請求されるものの範囲を限定する意図はなく、実際にもそうしていない。
【0022】
[0027]別段の定義がない限り、本明細書で使用する全ての技術的及び科学的な用語、技術用語、及び頭字語は、本発明の技術分野(複数可)、又はそれらの用語を使用する技術分野(複数可)における通常の業者が普通に理解する意味を有する。本発明の実施に際して、本明細書に記載のものと同様若しくは同等の任意の組成物、方法、製造品、又は他の手段若しくは材料が使用されてもよいが、好ましい組成物、方法、製造品、又は他の手段若しくは材料を、本明細書に記載している。
【0023】
[0028]本明細書に引用又は言及している全ての特許、特許出願、出版物、技術的及び/又は学術的な記事、並びに他の参考資料は、法律が許す範囲で、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。これらの参考資料の検討は、単に、そこでなされた主張を要約することを意図している。こうした特許、特許出願、出版物若しくは参考資料、又はそれらの任意の部分が、関連している、重要である、又は従来技術であるとは認めていない。こうした特許、特許出願、出版物、及び他の参考資料が、関連している、重要である、又は従来技術であるとするいかなる主張の正確性及び適切性に異議を申し立てる権利は、明確に留保されている。
【0024】
本発明
【0025】
[0029]一態様では、本発明は、魚肉フレーク類似品を提供する。この類似品は、約18〜約25%のタンパク質、約3〜約9%の脂肪、及び約60〜約85%の水分を含む。この魚肉フレーク類似品は、実際の魚肉のフレークを真似た「フレーク」が存在するために、魚肉様のリアルな外観及び組織を有する。既知の魚肉類似品を含め、既知の肉類似品は、本発明と比較した場合に、組成物中のタンパク質、脂肪、及び水分の1つ又は複数の量が異なることから、より繊維状の外観を有している。このような既知の魚肉類似品は、少なくとも25%のタンパク質、及び50〜60%の水分を有する。こうした既知の量のタンパク質及び水分のある類似品は、通常の非魚肉性類似品には望ましい場合があるが魚肉類似品には望ましくない繊維状外観を有する。既知の範囲の材料で作製された魚肉類似品は、魚肉様の、快い又はリアルな外観を有していない。対照的に、本発明は、繊維状外観を避けており、実際の魚肉、即ち実際の魚肉フレークに似た組成物を提供する。
【0026】
[0030]様々な実施形態では、魚肉フレーク類似品は、約18〜約25%、好ましくは約19〜約24%、最も好ましくは約20〜約24%のタンパク質と、約3〜約9%、好ましくは約4〜約8%、最も好ましくは約5〜約7%の脂肪と、約60〜約85%、好ましくは約60〜約70%、最も好ましくは約62〜約68%の水分とを含む。
【0027】
[0031]タンパク質は、魚肉フレーク類似品を製造するのに有用な、任意の適当なタンパク質である。好ましくは、タンパク質は、魚肉タンパク質、大豆タンパク質、大豆タンパク質濃縮物、大豆粉、乳タンパク質、乳清タンパク質、血漿タンパク質、卵タンパク質、小麦タンパク質、エンドウ豆タンパク質、又はこれらの組合せである。好ましくは、タンパク質は、魚肉タンパク質、又は魚肉タンパク質と他の適当なタンパク質との組合せである。最も好ましくは、タンパク質は、魚肉タンパク質である。
【0028】
[0032]魚肉タンパク質源には、ホワイトフィッシュ、白色又は薄色の魚のロイン又はフィレ、魚肉ミンチ、魚肉ペースト、オーシャンホワイトフィッシュ丸ごと、魚の頭、えら及び尾などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
[0033]様々な実施形態では、これらの魚肉タンパク質は、魚肉フレーク類似品を製造するのに有用なタンパク質ミックスを開発するために、鶏肉、七面鳥、豚肉、ウサギなどの他の白色又は薄色の肉、又はこれらの組合せと、組み合わせることができる。特定のタンパク質源の量は、タンパク質源によって異なるであろう。こうした肉及び量の選択は、当業者の範囲内にある。例えば、魚肉フレーク類似品の作製に使用するタンパク質は、約30〜約70%の魚肉タンパク質と約70〜約30%の鶏肉タンパク質との混合物、好ましくは各々約50%の混合物であってもよい。一実施形態では、魚肉フレーク類似品の作製に使用するタンパク質は、約30〜約70%の魚肉タンパク質と約70〜約30%の七面鳥タンパク質との混合物、好ましくは各々約50%の混合物であってもよい。別の実施形態では、魚肉フレーク類似品の作製に使用するタンパク質は、約40〜約60%の魚肉タンパク質と約60〜約40%の豚肉タンパク質との混合物、好ましくは各々約50%の混合物であってもよい。
【0030】
[0034]脂肪は、魚肉フレーク類似品を製造するのに有用な、任意の適当な脂肪又は油である。好ましくは、脂肪は、動物又は植物由来の、任意の非水素化脂肪又は油である。様々な実施形態では、脂肪は、1種又は複数種の飽和脂肪、例えば、クリーム、チーズ、バター、及びギーなどの乳製品;スエット、タロー、ラード、及び脂肪性の肉などの動物性脂肪;ココナッツ油;綿実油;ヤシ油;及び魚油に由来する飽和脂肪である。様々な実施形態では、脂肪は、一価不飽和脂肪、多価不飽和脂肪、又はそれらの組合せである。好ましい実施形態では、脂肪は、魚油である。
【0031】
[0035]水分は、材料中に備わっている水分、又は所望の水分含有率を達成するために添加する水分である。一般に、必要な場合には、所望の水分含有率を達成するために、水を添加する。
【0032】
[0036]ある種の実施形態では、魚肉フレーク類似品は、この類似品の色を修正する着色剤をさらに含む。幾つかの実施形態では、着色剤は、類似品の色をより明るくする、具体的には、多くの実際の魚肉又はすり身の白色を真似ることにより、類似品の色を変える。他の実施形態では、着色剤は、特定の魚肉、例えば鮭(ピンク色)又はまぐろ(赤味がかった色)の色を真似ることにより、類似品の色を変える。着色剤には、二酸化チタン、又は酸化鉄などの化合物;アナトー、コチニール、パプリカ、ターメリック、及びカロテノイドなどの天然着色剤;連邦食品薬品化粧品(FD&C)法(FD&CColorants)によって食品での使用が認可されている着色剤;又はこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。特定の着色剤の量は、選択する着色剤によって異なるであろう。こうした量の選択は、当業者の範囲内にある。通常、着色剤は、組成物の約0.05〜約5%、好ましくは約0.1〜約3%、最も好ましくは約0.5〜約2%の量で添加する。一実施形態では、二酸化チタンは、0.1〜約2%、好ましくは約0.5〜約1%の量で添加する。
【0033】
[0037]幾つかの実施形態では、魚肉フレーク類似品は、約2〜約20%、好ましくは約4〜約16%、最も好ましくは約6〜約12%の魚皮をさらに含む。魚皮を類似品に添加するのは、実際の魚肉の外観をより一層真似るためである。好ましくは、魚皮は、魚肉フレーク類似品の表面に魚皮を被覆する方法を使用して、魚肉フレーク類似品に添加する。一実施形態では、魚肉フレーク類似品は、約18〜約25%のタンパク質、約3〜約9%の脂肪、約2〜約20%の魚皮、及び約60〜約85%の水分を含む。別の実施形態では、魚肉フレーク類似品は、約18〜約25%のタンパク質、約3〜約9%の脂肪、約4〜約16%の魚皮、及び約60〜約85%、好ましくは約60〜約70%、最も好ましくは約62〜約68%の水分を含む。
【0034】
[0038]魚皮は、魚肉フレーク類似品を製造するのに有用な、任意の適切な魚皮である。様々な実施形態では、魚皮は、淡水魚、回遊魚、塩水魚、又はこれらの組合せに由来する。好ましくは、魚皮は、ホワイトフィッシュの皮、ナマズの皮、タラの皮、スケトウダラの皮、コダラの皮、淡水性スズキの皮、マスの皮、又はこれらの組合せである。
【0035】
[0039]魚肉フレーク類似品中の水分は、類似品中のタンパク質、脂肪、及び任意選択の魚皮の量に因り、約60〜約85%と様々である。一般に、魚肉類似品が魚皮を有していない場合には、水分含有率は約60〜約70%、最も好ましくは約62〜約68%の範囲で様々である。魚肉類似品が、添加された魚皮を有している場合は、水分含有率はやや高く、約65〜約85%、最も好ましくは約68〜約82%の範囲で様々である。
【0036】
[0040]様々な実施形態では、魚肉フレーク類似品は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、充填剤、旨味増進剤、結合剤、香料、安定化剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、緩衝剤、塩、被覆剤、香辛料、保存剤、プレバイオティクス、プロバイオティクス、薬、薬物、薬剤、及び当業者に公知な物などの追加材料を含む。補助するミネラルの非限定的な例には、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、鉄、塩化物、ホウ素、銅、亜鉛、マグネシウム、マンガン、ヨウ素、セレンなどが挙げられる。補助するビタミンの非限定的な例には、ビタミンA、Bビタミンの任意の物、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンKが挙げられ、前述の物の、様々な塩、エステル、又は他の誘導体も含まれる。追加の栄養補助食品を含んでもよく、例えば、任意の形態の、ナイアシン、パントテン酸、イヌリン、葉酸、ビオチン、アミノ酸など、並びにそれらの塩及び誘導体である。安定化剤には、保存剤、共力剤若しくは金属イオン封鎖剤、容器用ガス、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、及び保湿剤などの、組成物の保存期間を延ばす傾向のある物質が挙げられる。乳化剤及び/又は増粘剤の例には、ゼラチン、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、及び加工デンプンが挙げられる。材料及びその量の選択は、当業者には公知である。各追加材料の特定の量は、組成物中に含まれる材料;動物の種;動物の年齢、体重、一般健康状態、性別、及び食事内容;動物が摂取する率;この食物組成物を動物に与える目的;などの様々な要素に因ることになろう。したがって、成分及び材料の量は、本明細書に記載した好ましい割合と大きく異なってもよく、そこから逸脱してもよい。
【0037】
[0041]他の実施形態では、魚肉フレーク類似品は、動物、好ましくはコンパニオンアニマルに、米国飼料検査官協会(AAFCO)が制定した基準に準拠して、「完全でバランスの良い」栄養を提供するように配合する。さらに他の実施形態では、魚肉フレーク類似品は、スナック、おやつ、おもちゃ、チューズ、又は同様の組成物として配合する。好ましい実施形態では、魚肉フレーク類似品は、とりわけ完全でバランスの良い食物として、ネコ用に配合する。
【0038】
[0042]図を参照すれば、図1は、従来技術の肉類似品、例えば欧州特許第1231846号、米国特許第6379738号、及び米国特許第6649206号を例示している。図1が示すように、この類似品は、繊維組織を有し、厚切り肉様の外観を有するものの、この類似品は魚肉様の外観を有しておらず、特に、実際の魚肉フレーク様の外観を有していない。この繊維状類似品は、この製品のタンパク質、脂肪、及び水分含有率の1つ又は複数が本発明の魚肉フレーク類似品の製造に使用する範囲の外にある方法の製品である。
【0039】
[0043]図2は、従来技術の肉類似品、例えば欧州特許第1231846号、米国特許第6379738号、及び米国特許第6649206号を例示している。図示するように、この類似品は、繊維状・線状の組織を有しており、線状・肉様の外観を有するものの、この類似品は、魚肉様の外観を有しておらず、特に、実際の魚肉フレーク様の外観を有していない。この繊維状・線状の類似品は、この製品のタンパク質、脂肪、及び水分含有率の1つ又は複数が本発明の魚肉フレーク類似品の製造に使用する範囲の外にある方法の製品である。
【0040】
[0044]図3は、本発明の魚皮なし魚肉フレーク類似品を例示している。図示するように、この類似品は、魚肉様のリアルな外観及び組織、とりわけ魚肉フレーク様の外観及び組織を有する。この組成物は、実際の魚肉のフレークという特徴を含め、本質的に、実際の魚肉の外観を有する。
【0041】
[0045]図4は、本発明の魚皮付き魚肉フレーク類似品を例示している。図示するように、この類似品は、魚肉様のリアルな外観及び組織、とりわけ魚肉フレーク様の外観及び組織を有する。この組成物は、実際の魚肉のフレークという特徴、及び実際の魚皮付き魚肉の外観を含め、本質的に、実際の魚肉の外観を有する。
【0042】
[0046]図5は、魚肉フレーク類似品を製造する工程を示す概略図である。工程の一実施形態では、冷凍ホワイトフィッシュのすり身又はペーストを、直径6.35mmのプレート開口部のあるエキストラクター(extructor)・グラインダーで粉砕(size reduced)し、乳化装置を経由してパドルミキサーに送る。温度を、適切な混合を可能にするために、直接水蒸気圧入法によって35℃に上げる。結合機能を補完する動物性若しくは植物性タンパク質又は双方、ビタミン、ミネラル、及び繊維などの少量の乾燥材料をミキサーに添加し、その後、水、油、及び色素などの液状材料を添加する。混合して滑らかなスラリーを得た後、小麦グルテンをミキサー中のスラリーに添加し、均一なドウが形成するまで混合する。ドウの水分は、マイクロ波加熱分析器で決定する。目標範囲は約58〜約68%であり、最も好ましくは約63〜約66%の範囲内である。ドウを、次いで、連続型乳化装置へポンプ圧送する。乳化することに加えて、塊への圧力、及び塊の温度を上げる。温度は、約137〜約160℃、好ましくは約148〜約154℃の範囲で変化させる。圧力は、約60〜約100psi、好ましくは約70〜約90psiの範囲である。加圧肉エマルションは、次いで、被覆冷却水(約5〜32℃)、好ましくは向流方向で流れる被覆冷却水と一緒に、熱交換器へ送る。次いで、熱交換器から出てくる固まったエマルション生成物を、適当な寸法の魚肉「フレーク」に切ってさいの目にする。この時点におけるフレークの水分含有率は、約45〜約65%、好ましくは約50〜約60%である。生成した組成物は、魚肉フレーク、例えば図3に示した魚肉フレーク類似品、の外観を有する。この組成物は、実際の魚肉フィレに似た魚肉フレーク類似品を必要とする様々な製品での使用に向けて貯蔵してもよい。
【0043】
[0047]別の好ましい実施形態では、親水コロイドと魚皮ミンチとのスラリーを作製し、魚肉フレーク類似品の被覆にそのスラリーを使用することにより、魚肉フレーク類似品全体を調製する。魚皮ミンチのスラリーを調製するために、冷凍又は生の魚皮を挽き、最も長い辺(複数可)が約1〜4mmの寸法を有する皮小片を生成する。親水コロイドのガム又はデンプンを高速ガム分散システム中で過量の水に加えることにより、均一な親水コロイド分散液を調製する。ガム分散液と魚皮ミンチとを、次いで、調理用ミキサー中で組み合わせて混合し、均一な皮小片懸濁液を形成する。魚肉フレーク類似品を回転コーターに添加し、魚皮スラリーを、皮が類似品の表面にランダムに接着するまで、連続回転させながら類似品上へ注ぐ。生成した組成物は、全体が魚肉フレーク状の、例えば図4に示すような魚肉フレーク類似品の、外観を有していた。
【0044】
[0048]図6は、本発明の別の実施形態における、魚肉フレーク類似品を製造する工程を示す概略図である。この工程では、すり身、魚肉ペースト、又は丸ごとの魚に比べて結合機能が低い、くず魚、えら及び尾、又は魚の頭などの魚の部分を有効活用する。良好な組織化又は結合を確実にするために、動物性筋肉機能タンパク質、植物性機能タンパク質、又は双方で、類似品を補完する。この工程ではまた、乾燥補助タンパク質及び他の乾燥材料を、ミキサー中の肉・魚肉エマルションに添加する前に、高せん断力分散システム中で水和させる。この工程の残りの部分、及び工程制御パラメーターは、図2で開示した工程のために記載したものと同じ又は類似である。
【0045】
[0049]別の態様では、本発明は、魚肉フレーク類似品を作製する方法を提供する。この方法は、(1)約18〜約25%、好ましくは約19〜約24%、最も好ましくは約20〜約24%のタンパク質を含有する最終魚肉類似品を製造するのに十分な量の1種又は複数種のタンパク質、(2)約3〜約9%、好ましくは約5〜約7%、最も好ましくは約4〜約6%の脂肪を含有する最終魚肉類似品を製造するのに十分な量の1種又は複数種の脂肪、及び(3)約60〜約85%の水分を含有する最終魚肉類似品を製造するのに十分な量の水、の均質なドウ混合物を創製するステップと、そのドウ混合物を、温度を約135〜約160℃、好ましくは約140〜約150℃、最も好ましくは約143〜約149℃に上げ、圧力を約60〜約100psi、好ましくは約65〜約95psi、最も好ましくは約70〜約90psiに上げながら乳化するステップと、そのエマルションを温度約15〜約40℃に冷却し、圧力をおよそ大気圧に下げるステップとを含む。この方法で、魚肉様のリアルな外観及び組織を有する魚肉類似品が製造される。とりわけ、この類似品は、実際の魚肉の特徴である魚肉フレークの外観を有し、既知の肉類似品の繊維状外観を有していない。
【0046】
[0050]一実施形態では、乳化・加熱のステップは、熱交換器中で達成させる。ドウ混合物は、熱交換器の内部で加熱し、加圧する。生成した魚肉類似品は、熱交換器から大気圧中へ出る。類似品は、必要である温度まで冷却するか、又は冷えるままにする。別の実施形態では、乳化・加熱のステップは、押出機中で達成させる。押出機中の工程条件により、温度及び気圧を、必要であるレベルへと上げる。もし必要又は簡便であるならば、押出工程は、必要である圧力を達成するために修正することができ、又はさらなる熱を、当業者に公知である方法、例えば流速、熱水ジャケット又は加熱要素の増加を用いて、この工程に加えることができる。押出機の使用は、魚肉類似品が押出機を出て寸法加工され得るため、又は別な方法に加工、例えば包装、又は他の食物材料と組み合わせ得るため、とりわけ簡便である。
【0047】
[0051]一実施形態では、タンパク質(通常は魚肉タンパク質)は、適当な小片(通常は約7mmの小片)に切り、少し加熱する(約30〜約40℃に)。次いで、他の、類似品の製造に必要である材料(例えば脂肪)又は所望の材料(例えば着色剤)を、通常は約5〜10分間、撹拌しながらタンパク質に添加する。生成したドウ混合物を、乳化装置中に入れ、機械的エネルギーを用いて、温度を約130〜160℃、圧力を約60〜約100psi、好ましくは約65〜約95、最も好ましくは約70〜約90psiに上げる。その後、この加圧エマルションを熱交換器に送り、温度を約15〜約40℃に下げる。次いで、固まったエマルションは熱交換器を出て、これをかなり小さい片、例えば幅約25mm、厚さ8mm、好ましくは幅約20mm、厚さ4mmの寸法を有する細片に切る。細片は、次いで、実際の魚肉小片では通常である、例えば長辺が約2〜約20mm、好ましくは約4〜約12mm、最も好ましくは約5〜約10mmの、不揃いな小片に切ってもよい。生成した魚肉類似品は、そのままで使用してもよく、又は類似品上に魚皮の外観を真似ることによって魚肉様の外観を高めるために、さらに処理してもよい。
【0048】
[0052]一実施形態では、魚肉フレーク類似品を作製する方法は、(1)魚皮ガム分散液の約0.02〜約1%、好ましくは約0.05〜約0.8%、最も好ましくは0.1〜約0.5%を構成するのに十分な量の1種又は複数種のガム、(2)魚皮ガム分散液の約90〜約70%、好ましくは約88〜約80%、最も好ましくは86〜約82%を構成するのに十分な量の水、及び(3)魚皮ガム分散液の約10〜約30%、好ましくは約12〜約20%、最も好ましくは14〜約18%を構成するのに十分な量の魚皮を混合することによって魚皮ガム分散液を創製するステップと、皮付き魚肉の外観を有する魚肉類似品の約30〜約70%、好ましくは約60〜約40%、最も好ましくは約50%を構成するのに十分な量の魚皮ガム分散液を、皮付き魚肉の外観を有する魚肉類似品の約70〜約30%、好ましくは約40〜約60%、最も好ましくは約50%を構成するのに十分な量の本発明の魚肉フレーク類似品と組み合わせるステップとをさらに含む。この方法で、実際の皮付き魚肉の外観を有する魚肉フレーク類似品が製造される。
【0049】
[0053]魚皮ガム分散液と魚肉フレーク類似品とを、任意の適当な方法を用いて組み合わせる。好ましくは、分散液と類似品とは、皮小片が類似品に接着するまで、回転コーター中で混合することにより組み合わせる。一般に、これには約1〜約3分かかる。
【0050】
[0054]ガムは、実際の皮付き魚肉の外観を有する魚肉フレーク類似品を製造するのに使用してもよい魚皮ガム分散液を生成するのに適当な、任意のガムであってもよい。様々な実施形態では、ガムは、藻類ガム、植物種子ガム、植物抽出ガム、発酵ガム、植物滲出液ガム、又はこれらの組合せである。ある種の実施形態では、ガムは、寒天、アルギン酸、カラゲナン、グアー、イナゴマメ、オオバコ、ペクチン、キサンタン、アラビア、又はこれらの組合せである。好ましい実施形態では、ガムは、キサンタンガムである。
【0051】
[0055]魚皮は、実際の皮付き魚肉の外観を有する魚肉フレーク類似品を製造するのに使用してもよい魚皮ガム分散液を生成するのに適当な、任意の魚皮であってもよい。様々な実施形態では、魚皮は、淡水魚、回遊魚、塩水魚、又はこれらの組合せに由来する。好ましくは、魚皮は、ホワイトフィッシュの皮、ナマズの皮、タラの皮、スケトウダラの皮、コダラの皮、淡水性スズキの皮、マスの皮、又はこれらの組合せである。
【0052】
[0056]好ましくは、魚皮は、本工程において有用な魚皮小片を生成するために、切るか、刻むか、ミンチにするか、又は別の方法で処理する。通常は、魚皮はミンチにして、約1〜約10mm、好ましくは約2〜約8mm、最も好ましくは2〜約4mmの寸法を有する魚皮小片が生成する。
【0053】
[0057]様々な態様では、本発明は、本明細書に記載した本発明の方法及び工程を使用して作製した製品を提供する。
【0054】
[0058]別の態様では、本発明は、約18〜約25%のタンパク質、約3〜約9%の脂肪、及び約60〜約85%の水分を含む魚肉フレーク類似品を容れるのに適当な材料、並びに容器の内容物が魚肉フレーク類似品を含有することを示す、1つ又は複数の単語、絵柄、デザイン、頭字語、スローガン、フレーズ、若しくはその他の手段、又はこれらの組合せを備える、容器に貼付するラベルを備える容器を提供する。通常、このような標語は、容器に印刷された、「実際の魚肉の外観」、又は「実際の魚肉を真似て配合した」、又は「完全でバランスの良い栄養を提供する魚肉様製品」、又は「実際の魚肉のように見えて感じる」、又は「実際の魚肉の組織をもつ」、又は同等の表現の言葉を備える。本発明の魚肉フレーク類似品を容れるのに適当な、任意の容器又は包装材料は、本発明において有用であり、例えば紙、プラスチック、箔、金属などから製造する、袋、箱、びん、缶、パウチなどである。好ましい実施形態では、容器は、本発明の魚肉フレーク類似品、好ましくはネコ用に調製した魚肉フレーク類似品を容れる。
【0055】
[0059]様々な実施形態では、容器は、魚肉フレーク類似品が(1)魅力ある魚肉フレーク様の外観、(2)魅力ある魚肉フレーク様の組織、(3)実際の魚肉と同じ又は類似の栄養素プロファイル、(4)「完全でバランスの良い」栄養を動物に提供する配合物、のうちの1つ又は複数を有することを示す、1つ又は複数の単語、絵柄、デザイン、頭字語、スローガン、フレーズ、若しくはその他の手段、又はこれらの組合せをさらに備える。
【0056】
[0060]好ましい実施形態では、この容器は、特に、この包装された製品を購入しようとする人に魚肉フレーク類似品が眺められるようにするウィンドウを備える。この容器は、見る人、特に消費者が、類似品を眺めてその外観を観察できるようにする。ウィンドウは、容器及び魚肉フレーク類似品に相容であり、類似品を容器の外から眺められるようにする、例えば透明の、任意の材料を含み得る。通常は、ウィンドウは、容器に一体化された、例えば気密に容器中に成形された、透明なガラス又はプラスチックのインサートである。好ましい実施形態では、ウィンドウは、容器を創製するのに使用した包装材料の、透き通った、中が透けて見える部分である。
【0057】
[0061]さらなる態様では、本発明は、(1)実際の魚肉の代用品として、特に、魚肉の方を好むが実際の魚肉は得られない(例えば入手に制限がある、又はコストの理由で)動物に栄養素を提供するために、約18〜約25%のタンパク質、約3〜約9%の脂肪、及び約60〜約85%の水分を含む魚肉フレーク類似品を使用していること、(2)魚肉フレーク類似品に関する情報、特にその外観、組織、栄養素内容などに関する情報を提供していること、及び(3)魚肉フレーク類似品は動物に与えること、のうちの1つ又は複数についての情報又は使用説明を伝達する手段を提供する。その手段には、情報又は使用説明を備えた、文書、デジタル蓄積メディア、光学式記憶メディア、音声プレゼンテーション、視覚ディスプレイが挙げられる。ある種の実施形態では、伝達手段は、こうした情報又は使用説明を備えた、ウェブサイト表示、視覚ディスプレイキオスク、小冊子、製品ラベル、容器挿入広告、宣伝、配布物、公表、音声テープ、ビデオテープ、DVD、CD−ROM、コンピュータ可読チップ、コンピュータ可読カード、コンピュータ可読ディスク、コンピュータメモリ、又はこれらの組合せである。有用な情報には、(1)この組成物を与える方法及び技法、(2)動物又はその世話人が、本発明及びその使用について質問がある場合に使用する連絡窓口情報、のうちの1つ又は複数が挙げられる。有用な使用説明には、与える量及び頻度が挙げられる。この伝達手段は、本発明を使用する利益について教示するのに有用である。
【実施例】
【0058】
[0062]本発明は、以下の実施例によってさらに例示し得るが、これらの実施例は単に例示の目的で挙げており、特段の記載がない限り、本発明の範囲を制限することを意図していないことは理解されよう。
【0059】
実施例1
【0060】
[0063]魚肉フレーク類似品を、表1に示した配合物に基づき作製した。冷凍ホワイトフィッシュのすり身145キログラム(kg)を、直径6.35mmのプレート開口部をもつグラインダーで粉砕し、パドルミキサーに送った。温度を、適切な混合を可能にするために、直接水蒸気圧入法によって35℃まで上げた。魚肉用の、小麦グルテン以外の全ての材料(表1)を、乾燥物、油、次いで水の順にとミキサー中のすり身に添加した。この混合物を、均質なミックスが得られるまで5分間ブレンドした。次いで、小麦グルテン(30kg)をスラリーに添加し、均一なドウが形成されるまで5分間混合した。ドウの水分をマイクロ波加熱分析器で決定した。64.5%であり、目標の範囲内であった。次いで、ドウを連続型乳化装置へポンプ圧送した。乳化することに加え、塊への圧力、及び塊の温度を上げた。温度を148〜154℃の範囲、圧力を70〜90psiの範囲で変動させた。次いで、加圧エマルションを、向流方向で流れるジャケット入り冷却水(5〜32℃)の熱交換器中へ供給した。固まったエマルション生成物は、ナイフの格子を通り、およそ幅20mm、厚さ4mmの細片となって熱交換器を出た。次いで、この細片を、さいの目に切って、最も長い辺が6.35〜9.5mmの範囲にある不揃いな小片にした。生成した製品は、実際の魚肉フレークがもつ筋肉の外観を有していた。図3を参照されたい。
【0061】
実施例2
【0062】
[0064]魚皮付き魚肉フレーク類似品を、表1に示した配合物、及び実施例1で調製した魚肉フレーク類似品に基づいて作製した。魚皮付き魚肉フレーク類似品の作製に使用するのに適当な魚皮ミンチスラリーを、次のように創製した。魚皮ミンチスラリー250kgを調製するために、オーシャンホワイトフィッシュの皮の冷凍ブロック40kgをエキストラクターを通して粗挽きにし、次いでさらに粉砕して、最も長い辺が1〜4mmの皮小片を生成した。高速ガム分散システム中で、キサンタンガム500gを水209.5kgにゆっくりと添加することにより、均一なガム分散液を調製した。ガム分散液と魚皮ミンチとを、次いで、調理用ミキサー中で合わせ、混合して、皮小片の均一な懸濁液を有する魚皮ガム分散液を生成した。
【0063】
[0065]魚皮付き魚肉フレーク類似品100kgを、実施例1からの魚肉フレーク類似品50kgを魚皮ガム分散液50kgと回転コーターの中で約1〜2分間組み合わせることにより作製し、その後、皮は、魚肉フレーク類似品に接着した。生成した製品は、皮小片のある実際の魚肉フレークの外観を有していた。図4を参照されたい。
【0064】
【表1】

【0065】
実施例3
【0066】
[0066]魚肉フレーク類似品を、表2に示した配合物に基づいて作製した。類似品は、実施例1で挙げたものと同じ手法を使用して製造したが、構造機能が低い魚肉源に適応させるために、幾つかの変更を加えた。冷凍オーシャンホワイトのくず魚肉111.8kg、及び機械で骨を除いた冷凍鶏肉111.8kgを、エキストラクターで粉砕し、次いで、実施例1に記載のように、直径6.35mmの開口部のあるプレートを通して挽いた。挽いた魚肉及び鶏肉は、次いで、連続型乳化装置の中へポンプ圧送し、温度も、機械的加熱により35℃まで上げた。この乳化生成物をパドルドウミキサー中へとポンプ圧送した。同時に、大豆タンパク質分離物(26kg)、魚油(15.6kg)、セルロース粉末(7.8kg)、二酸化チタン(92.08kg)、乾燥卵白(5.2kg)、塩(5.2kg)、ビタミン・ミネラルのプレミックス(6.24kg)、及び水(171.08kg)のスラリーを、高速高せん断力分散機(Breddo Likwifier)中で作製した。この乾燥物と液状物とを5分間ブレンドし、滑らかなスラリーを得た。このスラリーを、次いで、ドウミキサー中の魚・鶏肉エマルションに添加し、5分間混合した。小麦グルテン(57.2kg)を次いで添加し、混合をさらに5分間続け、その後に均質なドウが形成された。この点からすれば、魚肉の形成に使用した方法は、実施例1で挙げたものと同じであった。
【0067】
[0067]魚皮スラリー480kgを、表2の配合物を使用して、実施例2のように生成した。皮付き魚肉フレーク類似品100kgを、実施例1で挙げた手順を用いて作製した魚肉フレーク類似品52kgに皮スラリー48kgを添加することにより、製造した。魚皮スラリーと魚肉フレーク類似品とを、回転コーター中で約5分間混合した。皮が魚肉フレーク類似品に接着した。生成した組成物は、皮小片のある実際の魚肉フレークの外観を有していた。
【0068】
【表2】

【0069】
[0068]本明細書では、本発明の好ましい典型的な実施形態を開示してきた。特定の用語を使用してはいるが、包括的且つ説明的な意味でのみ使用しており、限定することが目的ではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲中に記載している。上記の教示に照らせば、本発明の多くの修正及び変更が可能なことは明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、特定の記載とは異なって実施されてもよいことが理解されたい。
【0070】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、参照によりその開示を本明細書に組み込んだ、2009年4月27日に出願された米国特許仮出願第61/214698号に対して優先権を主張する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約18〜約25%のタンパク質、約3〜約9%の脂肪、及び約60〜約85%の水分を含む魚肉フレーク類似品。
【請求項2】
タンパク質が、魚肉タンパク質、大豆タンパク質、大豆タンパク質濃縮物、大豆粉、乳タンパク質、乳清タンパク質、血漿タンパク質、卵タンパク質、小麦タンパク質、エンドウ豆タンパク質、又はこれらの組合せである、請求項1に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項3】
タンパク質が、魚肉タンパク質である、請求項1に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項4】
タンパク質が、(1)魚肉タンパク質、大豆タンパク質、大豆タンパク質濃縮物、大豆粉、乳タンパク質、乳清タンパク質、血漿タンパク質、卵タンパク質、小麦タンパク質、エンドウ豆タンパク質、又はこれらの組合せと、(2)他の白色又は薄色の肉との組合せである、請求項1に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項5】
他の白色又は薄色の肉が、鶏肉、七面鳥、豚肉、ウサギ、又はこれらの組合せである、請求項4に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項6】
約30〜約70%の魚肉タンパク質、及び約70〜約30%の他の白色又は薄色の肉を含む、請求項4に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項7】
脂肪又は油が、非水素化動物脂肪、非水素化動物油、非水素化植物脂肪、非水素化植物油、又はこれらの組合せである、請求項1に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項8】
脂肪が、一価不飽和脂肪、多価不飽和脂肪、又はこれらの組合せである、請求項1に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項9】
脂肪が、魚油である、請求項1に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項10】
約60〜約70%の水分を含む、請求項1に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項11】
約62〜約68%の水分を含む、請求項1に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項12】
1種又は複数種の着色剤をさらに含む、請求項1に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項13】
着色剤が、類似品の約0.05〜約5%を構成する、請求項12に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項14】
着色剤が、二酸化チタン、酸化鉄、アナトー、コチニール、パプリカ、ターメリック、カロテノイド、及びこれらの組合せである、請求項12に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項15】
着色剤が、二酸化チタンである、請求項12に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項16】
二酸化チタンが、類似品の約0.1〜約2%を構成する、請求項15に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項17】
約2〜約20%の魚皮をさらに含む、請求項1に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項18】
魚皮が、類似品を被覆する、請求項17に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項19】
約65〜約85%の水分を含む、請求項17に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項20】
約68〜約82%の水分を含む、請求項17に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項21】
魚皮が、ホワイトフィッシュの皮、ナマズの皮、タラの皮、スケトウダラの皮、コダラの皮、淡水性スズキの皮、マスの皮、又はこれらの組合せである、請求項17に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項22】
完全でバランスの良い栄養を動物に供給するように配合された、請求項17に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項23】
完全でバランスの良い栄養を動物に供給するように配合された、請求項1に記載の魚肉フレーク類似品。
【請求項24】
(1)約18〜約25%のタンパク質を含有する最終魚肉類似品を製造するのに十分な量の1種又は複数種のタンパク質、(2)約3〜約9%の脂肪を含有する最終魚肉類似品を製造するのに十分な量の1種又は複数種の脂肪、及び(3)約60〜約85%の水分を含有する最終魚肉類似品を製造するのに十分な量の水、の均質なドウ混合物を創製するステップと、
温度を約135〜約160℃に、圧力を約60〜約100psiに上げながら、ドウ混合物を乳化するステップと、
エマルションを温度約15〜約40℃に冷却し、圧力をおよそ大気圧に下げて、魚肉フレーク類似品を製造するステップと
を含む、魚肉フレーク類似品を作製する方法。
【請求項25】
(1)魚皮ガム分散液の約0.02〜約1%を構成するのに十分な量の1種又は複数種のガム、(2)魚皮ガム分散液の約90〜約70%を構成するのに十分な量の水、及び(3)魚皮ガム分散液の約10〜約30%を構成するのに十分な量の魚皮、を混合することによって魚皮ガム分散液を創製するステップと、
皮付き魚肉の外観を有する魚肉類似品の約70〜約30%を構成するのに十分な量の魚肉フレーク類似品を、皮付き魚肉の外観を有する魚肉類似品の約30〜約70%を構成するのに十分な量の魚皮ガム分散液と組み合わせるステップと
をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ガムが、藻類ガム、植物種子ガム、植物抽出ガム、発酵ガム、植物滲出液ガム、又はこれらの組合せである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ガムが、寒天、アルギン酸、カラゲナン、グアー、イナゴマメ、オオバコ、ペクチン、キサンタン、アラビア、又はこれらの組合せである、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
ガムが、キサンタンガムである、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
皮付き魚肉の外観を有する魚肉フレーク類似品を作製する方法であって、
(1)約18〜約25%のタンパク質を含有する最終魚肉類似品を製造するのに十分な量の1種又は複数種のタンパク質、(2)約3〜約9%の脂肪を含有する最終魚肉類似品を製造するのに十分な量の1種又は複数種の脂肪、及び(3)約60〜約85%の水分を含有する最終魚肉類似品を製造するのに十分な量の水、の均質なドウ混合物を創製するステップと、
温度を約135〜約160℃に、圧力を約60〜約100psiに上げながら、ドウ混合物を乳化するステップと、
エマルションを温度約15〜約40℃に冷却し、圧力をおよそ大気圧に下げて、魚肉フレーク類似品を製造するステップと、
(1)魚皮ガム分散液の約0.02〜約1%を構成するのに十分な量の1種又は複数種のガム、(2)魚皮ガム分散液の約90〜約70%を構成するのに十分な量の水、及び(3)魚皮ガム分散液の約10〜約30%を構成するのに十分な量の魚皮、を混合することによって魚皮ガム分散液を創製するステップと、
皮付き魚肉の外観を有する魚肉類似品の約70〜約30%を構成するのに十分な量の魚肉フレーク類似品を、皮付き魚肉の外観を有する魚肉類似品の約30〜約70%を構成するのに十分な量の魚皮ガム分散液と組み合わせるステップと
を含む方法。
【請求項30】
ガムが、藻類ガム、植物種子ガム、植物抽出ガム、発酵ガム、植物滲出液ガム、又はこれらの組合せである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ガムが、寒天、アルギン酸、カラゲナン、グアー、イナゴマメ、オオバコ、ペクチン、キサンタン、アラビア、又はこれらの組合せである、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
ガムが、キサンタンガムである、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
請求項24に記載の方法の製品。
【請求項34】
請求項25に記載の方法の製品。
【請求項35】
請求項29に記載の方法の製品。
【請求項36】
約18〜約25%のタンパク質、約3〜約9%の脂肪、及び約60〜約85%の水分を含む魚肉フレーク類似品を容れるのに適当な材料、並びに容器の内容物が魚肉フレーク類似品を含有することを示す、1つ又は複数の単語、絵柄、デザイン、頭字語、スローガン、フレーズ、若しくはその他の手段、又はこれらの組合せを有する、容器に貼付されたラベルを備える容器。
【請求項37】
ミルク様飲料が、(1)魅力ある魚肉フレーク様の外観、(2)魅力ある魚肉フレーク様の組織、(3)実際の魚肉と同じ又は類似の栄養素プロファイル、及び(4)「完全でバランスの良い」栄養を動物に供給する配合物、のうちの1つ又は複数を有することを示す、1つ又は複数の単語、絵柄、デザイン、頭字語、スローガン、フレーズ、若しくはその他の手段、又はこれらの組合せをさらに備える、請求項36に記載の容器。
【請求項38】
魚肉フレーク類似品が眺められるようにするウィンドウをさらに備える、請求項36に記載の容器。
【請求項39】
ウィンドウが、包装材料の透明な部分である、請求項38に記載の容器。
【請求項40】
(1)実際の魚肉の代用品として、約18〜約25%のタンパク質、約3〜約9%の脂肪、及び約60〜約85%の水分を含む魚肉フレーク類似品を使用していること、(2)魚肉フレーク類似品についての情報を提供していること、及び(3)魚肉フレーク類似品は動物に与えること、のうちの1つ又は複数についての情報又は使用説明を伝達する手段であって、情報又は使用説明を備えた、文書、デジタル蓄積メディア、光学式記憶メディア、音声プレゼンテーション、又は視覚ディスプレイを含む手段。
【請求項41】
ウェブサイト表示、視覚ディスプレイキオスク、小冊子、製品ラベル、容器挿入広告、宣伝、配布物、公表、音声テープ、ビデオテープ、DVD、CD−ROM、コンピュータ可読チップ、コンピュータ可読カード、コンピュータ可読ディスク、USBデバイス、ファイアワイアデバイス、コンピュータメモリ、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項40に記載の手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−525118(P2012−525118A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507196(P2012−507196)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/001111
【国際公開番号】WO2010/126563
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】