説明

1−アルキニル−2−アリールオキシアルキルアミド及び殺真菌剤としてのその使用。

式中、置換基が請求項に定義されるとおりである化合物は、殺真菌剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なN−アルキニル−2−アルキルチオ−2−(置換アリールオキシ及びヘテロアリールオキシ)アルキルアミド、及びこれらのスルフェニル及びスルホニル誘導体に関係する。また、本発明は、これらの調製方法、これらを含む組成物、及び真菌、特に植物の真菌感染を駆除するためのこれらの使用方法に関係する。
【背景技術】
【0002】
特定のピリジルオキシ(チオ)アルカン酸及びヘテロアリールオキシ(チオ)アルカン酸アミド誘導体、及び農業及び園芸用殺菌剤としてのこれらの使用がWO99/33810及びJP2001−89453に開示されている。特定の置換されたフェノキシブチルアミド、及び抗ウドン粉病剤としてのこれらの使用が、EP0,001,721に開示されている。特定のフェノキシアルカン酸アミド、及び殺真菌剤としてのこれらの使用が、WO04/047537、WO04/048316及びWO04/048315に開示されている。特定のフェノキシ及びヘテロアリールアルコキシアセトアミド誘導体、並びに殺真菌剤としてのこれらの使用が、WO04/052100及びWO04/047538に開示されている。写真材料としての特定の置換された2−アルキルスルホニル−2−フェノキシアルキルアニリドの使用がJP61,86702及びUS4,286,053に開示されている。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、特に、植物殺真菌剤として主に使用するための、N−アルキニル−2−アルキルチオ−2−(置換アリールオキシ及びヘテロアリールオキシ)アルキルアミド、並びにこれらのスルフィニル及びスルホニル誘導体の提供に関する。
【0004】
従って、本発明に従い、以下の一般式(1):
一般式(1)の化合物:
【化1】

(式中、Arは、式(A)
【化2】

の基であって、
式中、
1は、アリール(例えば、フェニル)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アリール(C1-6)アルキル(例えば、ベンジル)、アリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ベンジルオキシ)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル)、ヘテロアリールオキシ(例えば、ピリジルオキシ)、ヘテロアリール(C1-6)アルキル(例えば、ピリジルメチル)又はヘテロアリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ピリジルメトキシ)であり、ここで該アリール又はヘテロアリール部分は、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ及びC1-4アルキルチオから独立に選択される1、2又は3つの置換基で任意的に置換されており、
そしてA2及びA3は、独立に、H、ハロ(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル(例えば、メチル)、ハロ(C1-6)アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、C2-6アルケニル、ハロ(C2-6)アルケニル、C2-6アルキニル(例えば、プロパルギル)、ハロ(C2-6)アルキニル、C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ)、ハロ(C1-6)アルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ)、C2-6アルケニルオキシ(例えば、アリルオキシ)、ハロ(C2-6)アルケニルオキシ、C2-6アルキニルオキシ(例えば、プロパルギルオキシ)、ハロ(C2-6)アルキニルオキシ、アリール(例えば、フェニル)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アリール(C1-6)アルキル(例えば、ベンジル)若しくはアリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ベンジルオキシ)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル)、ヘテロアリールオキシ(例えば、ピリジルオキシ)、ヘテロアリール(C1-6)アルキル(例えば、ピリジルメチル)若しくはヘテロアリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ピリジルメトキシ)、−SF5、−S(O)p(C1-4)アルキル(ここでpは0、1又は2であり、そして該アルキル基はハロで任意的に置換されている)(特にフルオロ、例えば、トリフルオロメチルスルホニル)、−OSO2(C1-4)アルキル(ここで該アルキル基はハロで任意的に置換されている)(特にフルオロ、例えば、トリフルオロメチルスルホニルオキシ)、−CONRpq、−CORp、−CO2p、−CRp=NRq、−NRpq、−NRpCORq、−NRpCO2q、−SO2NRpq又は−NRpSO2o(ここでRoはハロゲンで任意的に置換されたC1-4アルキルであり、そしてRp及びRqは、独立に、H又はハロゲンで任意的に置換されたC1-4アルキル(例えば、−NHCOCF3又は−N(CH32)であり、あるいは−CONRpq又は−SO2NRpqの場合には、1つの窒素原子、1つの硫黄原子、飽和した炭素原子、及び任意的に1つの酸素原子を含有する5−又は6−員環を形成するように連結してもよい)であり;ここでいずれかの上記アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基若しくは部分は、任意的に置換されてよい;あるいは
1及びA2は、ハロ(例えば、フルオロ)、C1-6アルキル(例えば、メチル)、C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ)、オキソ、チオキソ、アリール(例えば、フェニル)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アリール(C1-6)アルキル(例えば、ベンジル)、アリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ベンジルオキシ)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル)、ヘテロアリールオキシ(例えば、ピリジルオキシ)、ヘテロアリール(C1-6)アルキル(例えば、ピリジルメチル)又はヘテロアリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ピリジルメトキシ)で任意的に置換された、飽和した若しくは不飽和の5員環又は飽和した6−、7−若しくは8員環を形成し、ここで該環が飽和した5員環である場合、任意的に1又は2つの炭素原子が、O又はS原子で独立に置き換えられ(例えば、インダニル、1,3−ベンゾヂオキソリル、1,3−ベンゾキサチオリル、1,3−ベンゾヂチオリル)、あるいは
該環が不飽和の5員環である場合、任意的に1つの炭素原子がO又はS原子で置き換えられ(例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル)、そして該飽和した5員環は、ベンゼン又はピリジン環と任意的に融合し(9H−フルオレニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、インデノピリジル、ベンゾフロピリジル、ベンゾチエノピリジル)、これらはハロ又はC1-4アルキルで任意的に置換されており、あるいは
該環は不飽和の6−、7−若しくは8員環(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル)であり、
そしてA3は、H、ハロ(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル(例えば、メチル)、ハロ(C1-6)アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、C2-6アルケニル(例えば、アリル)、ハロ(C2-6)アルケニル、C2-6アルキニル(例えば、プロパルギル)、ハロ(C2-6)−アルキニル、C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ)、ハロ(C1-6)アルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ)、C2-6アルケニルオキシ(例えば、アリルオキシ)、ハロ(C2-6)アルケニルオキシ、C2-6アルキニルオキシ(例えば、プロパルギルオキシ)、ハロ(C2-6)アルキニルオキシ、アリール(例えば、フェニル)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アリール(C1-6)アルキル(例えば、ベンジル)、アリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ベンジルオキシ)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル)、ヘテロアリールオキシ(例えば、ピリジルオキシ)、ヘテロアリール(C1-6)アルキル(例えば、ピリジルメチル)、ヘテロアリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ピリジルメトキシ)、−SF5、−S(O)p(C1-4)アルキル(ここでpは0、1又は2であり、そして該アルキル基はハロで任意的に置換されている)(特にフルオロ、例えば、トリフルオロメチルスルホニル)、−OSO2(C1-4)アルキル(ここで該アルキル基はハロで任意的に置換されている)(特にフルオロ、例えば、トリフルオロメチルスルホニルオキシ)、−CONRpq、−CORp、−CO2p、−CRp=NRq、−NRpq、−NRpCORq、−NRpCO2q、−SO2NRpq又は−NRpSO2O(ここでROはハロゲンで任意的に置換されたC1-4アルキルであり、そしてRp及びRqは、独立に、H又はハロゲンで任意的に置換されたC1-4アルキルであり(例えば、−NHCOCF3又は−N(CH32)、あるいは−CONRpq又は−SO2NRpqの場合には、1つの窒素原子、1つの硫黄原子、飽和した炭素原子、及び任意的に1つの酸素原子を含有する5−又は6−員環を形成するように連結してもよい)であり;ここでいずれかの上記アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基若しくは部分は、任意的に置換されてよい;あるいは
Arは式(B1)又は(B2):
【化3】

の基であって、
式中、
L及びMは共にCQであり、あるいはLはN又はN−オキシドであり、かつMはCQであり、あるいはLはCQであり、かつMはN又はN−オキシドである;
a及びKbは、独立に、H又はFである;
Vは、H、ハロ(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、シアノ、ニトロ、ハロ又はC1-4アルコキシで任意的に置換されたC1-6アルキル、ハロ又はC1-4アルコキシで任意的に置換されたC3-6シクロアルキル、ハロ又はC1-4アルコキシで任意的に置換されたC3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、ハロで任意的に置換されたC2-4アルケニル、ハロで任意的に置換されたC2-4アルキニル、ハロ又はC1-4アルコキシで任意的に置換されたC1-6アルコキシ、ハロで任意的に置換されたC2-4アルケニルオキシ(例えば、アリルオキシ)、ハロで任意的に置換されたC2-4アルキニルオキシ(例えば、プロパルギルオキシ)、アリール(例えば、フェニル)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アリール(C1-6)アルキル(例えば、ベンジル)、アリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ベンジルオキシ)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル)、ヘテロアリールオキシ(例えば、ピリジルオキシ)、ヘテロアリール(C1-6)アルキル(例えば、ピリジルメチル)、ヘテロアリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ピリジルメトキシ)、−SF5、−S(O)p(C1-4)アルキル(ここでpは0、1又は2であり、そして該アルキル基はハロで任意的に置換されている)(特にフルオロ、例えば、トリフルオロメチルスルホニル)、−OSO2(C1-4)アルキル(ここで該アルキル基はハロで任意的に置換されている)(特にフルオロ、例えば、トリフルオロメチルスルホニルオキシ)、−CONRpq、−CORp、−CO2p、−CRp=NRq、−NRpq、−NRpCORq、−NRpCO2q、−SO2NRpq又は−NRpSO2o(ここでRoはハロゲンで任意的に置換されたC1-4アルキルであり、そしてRp及びRqは、独立に、H又はハロゲンで任意的に置換されたC1-4アルキルであり(例えば、−NHCOCF3又は−N(CH32)、あるいは−CONRpq又は−SO2NRpqの場合には、1つの窒素原子、1つの硫黄原子、飽和した炭素原子、及び任意的に1つの酸素原子を含有する5−又は6−員環を形成するように連結してもよい)であり;ここでいずれかの上記アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基若しくは部分は、任意的に置換されてよい;
Qは、アリール(例えば、フェニル)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アリール(C1-6)アルキル(例えば、ベンジル)、アリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ベンジルオキシ)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル)、ヘテロアリールオキシ(例えば、ピリジルオキシ)、ヘテロアリール(C1-6)アルキル(例えば、ピリジルメチル)又はヘテロアリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ピリジルオキシ)であり、ここで該アリール又はヘテロアリール部分は、ハロ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ及びC1-4アルキルチオから独立に選択される1、2又は3つの置換基で任意的に置換されている;
1は、C1-4アルキル(例えば、メチル、エチル)、ハロ(C1-4)アルキル(例えば、CF3、CF2H、CF2Cl、CH2CH2F)又はC3-4シクロアルキルである;
2は、H、C1-4アルキル、C1-4アルコキシメチル又はベンジルオキシメチルであり、ここで該ベンジル部分のフェニル環は、1、2又は3つのC1-4アルコキシ基で任意的に置換されている;
3及びR4は、独立に、ハロ、C1-4アルコキシ、シアノ又は−S(O)m(C1-4)アルキル(ここでmは0、1又は2であり、そして該C1-4アルキル基はハロで任意的に置換されている)で任意的に置換された、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルであり、ただし共にHではなく、あるいは
3及びR4は、任意的に、O、S又はN原子を含有し、そしてハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ又はシアノで任意的に置換されている3又は4員炭素環を形成するように付随する炭素原子と接合する;
5は、H、C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル又はC3-6シクロアルキル(C1-4)アルキルであり、ここで該アルキル又はシクロアルキル基は、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、C1-3アルコキシ(C1-3)アルコキシ、シアノ、C1-4アルキルカルボニル、C1-4アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、C1-4アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ又はモノ−若しくはジ(C1-4)アルキルアミノカルボニルオキシ、トリ(C1-4)アルキルシリルオキシ、−S(O)r(C1-6)アルキル(ここでrは0、1又は2である)で任意的に置換されており、あるいは
5は、任意的に置換されたアリール(例えば、フェニル)、任意的に置換されたアリール(C1-4)アルキル(例えば、ベンジル)、任意的に置換されたアリールオキシ(C1-4)アルキル(例えば、フェノキシメチル)、任意的に置換されたアリール(C1-4)アルコキシ(C1-4)アルキル(例えば、ベンジルオキシメチル)、任意的に置換されたヘテロアリール(例えば、ピリジル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル)、任意的に置換されたヘテロアリールオキシ(C1-4)アルキル(ピリジルメチル、フタリミドエチル)、任意的に置換されたヘテロアリールオキシ(C1-4)アルキル(例えば、チエニルオキシメチル)又は任意的に置換されたヘテロアリール(C1-4)アルコキシ(C1-4)アルキル(例えば、チエニルメトキシメチル)であり、
ここでR5の該任意的に置換されたアリール及びヘテロアリール環又は部分は、ハロ(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル(例えば、メチル)、ハロ(C1-6)アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、C2-6アルケニル(例えば、アリル)、ハロ(C2-6)アルケニル、C2-6アルキニル(例えば、プロパルギル)、ハロ(C2-6)アルキニル、C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ)、ハロ(C1-6)アルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ)、C2-6アルケニルオキシ(例えば、アリルオキシ)、ハロ(C2-6)アルケニルオキシ、C2-6アルキニルオキシ(例えば、プロパルギルオキシ)、ハロ(C2-6)アルキニルオキシ、アリール(例えば、フェニル)、アリールオキシ(フェノキシ)、アリール(C1-6)アルキル(例えば、ベンジル)、アリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ベンジルオキシ)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル)、ヘテロアリールオキシ(例えば、ピリジルオキシ)、ヘテロアリール(C1-6)アルキル(例えば、ピリジルメチル)、ヘテロアリール(C1-6)アルコキシ(例えば、ピリジルメトキシ)、−SF5、−S(O)r(C1-4)アルキル(ここでrは0、1又は2であり、そして該アルキル基はハロで任意的に置換されている)(特にフルオロ、例えば、トリフルオロメチルスルホニル)、−OSO2(C1-4)アルキル(ここで該アルキル基はハロで任意的に置換されている)(特にフルオロ、例えば、トリフルオロメチルスルホニルオキシ)、−CONRst、−CORs、−CO2s、−CRs=NRt、−NRst、−NRsCORt、−NRsCO2t、−SO2NRst又は−NRsSO2r(ここでRrはハロゲンで任意的に置換されたC1-6アルキルであり、そしてRs及びRtは、独立に、H又はハロゲンで任意的に置換されたC1-6アルキル(例えば、−NHCOCF3又は−N(CH32)であり、あるいは−CONRst又は−SO2NRstの場合には、1つの窒素原子、1つの硫黄原子、飽和した炭素原子、及び任意的に1つの酸素原子を含有する5−又は6−員環を形成するように連結してもよい)であり;ここでいずれかの上記アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基若しくは部分は、任意的に置換されてよい;あるいは
nは、0、1又は2である)
が供される。
【0005】
疑いを避けるために、式(A)、(B1)及び(B2)の基において示される連結していない単結合は、式(1)の化合物におけるAr基の分子の残部に対する連結部分を表す。
【0006】
本発明の化合物は、少なくとも1つの不斉炭素原子を含有し、そして鏡像異性体(あるいはジアステレオ異性体の対)として、あるいはこれらの混合物として存在してよい。
【0007】
更に、nが1である場合、本発明の化合物はスルホキシドであり、これは2つの鏡像異性体として存在してよく、そして隣接炭素もまた2つの鏡像異性体として存在してもよい。従って、一般式(1)の化合物はラセミ体、ジアステレオ異性体、又は単一の鏡像異性体として存在してよく、そして本発明は全ての可能な異性体又は全ての割合における異性体混合物を含む。いずれかの与えられた化合物について、一方の異性体は他方よりもより殺真菌活性であることが予想される。
【0008】
他に言及される場合を除き、アルキル基及びアルコキシ、アルキルチオ等のアルキル部分は、直鎖又は分枝鎖中に適当には1〜6個、そして典型的には1〜4個の炭素原子を含む。例は、メチル、エチル、n−及びiso−プロピル、並びにn−、sec−、iso−及びtert−ブチルである。アルキル部分が5又は6個の炭素原子を含有する場合、例は、n−ペンチル及びn−ヘキシルである。アルキル基及びアルキル部分の適当な任意的な置換基の例は、ハロ、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ及びC1-4アルコキシ(C1-4)アルコキシ、任意的に置換されたアリール、及び任意的に置換されたヘテロアリールである。任意的な置換基がハロである場合、ハロアルキル基又はその部分は、典型的には、トリクロロメチル又はトリフルオロメチルである。
【0009】
他に言及される場合を除き、アルケニル及びアルキニル部分はまた、直鎖又は分枝鎖の形態において、適当には2〜6個、そして典型的には2〜4個の炭素原子を含む。例は、アリル、エチニル及びプロパルギルである。任意的な置換基はハロを含む。
【0010】
ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含む。最も一般的にはフルオロクロロ又はブロモであり、通常フルオロ又はクロロである。
【0011】
アリールは、通常フェニルであるが、ナフチル、アントリル、及びフェナントリルも含む。
【0012】
ヘテロアリールは、典型的には、1又は複数のO、N、又はSヘテロ原子を含む5−又は6員芳香環であり、これは1又は複数の他の芳香環又は芳香族複素環、例えば、ベンゼン環と融合してもよい。例は、チエニル、フリル、ピロリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、イソチアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、キノリニル、イソキナゾリニル及びキノキサリニル基、並びに適当な場合にはこれらのN−オキシド及びこれらの塩である。いずれかのアリール又はヘテロアリールは任意的に置換されている。他に言及される場合を除き、存在することができる置換基は、1又は複数の以下のものを含む:ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、C1-6アルキル(特に、メチル及びエチル)、C2-6アルケニル(特に、アリル)、C2-6アルキニル(特に、プロパルギル)、C1-6アルコキシ(特に、メトキシ)、C2-6アルケニルoxy(特に、アリルオキシ)、C2-6アルキニルオキシ(特に、プロパルギルオキシ)、ハロ(C1-6)アルキル(特に、トリフルオロメチル)、ハロ(C1-6)アルコキシ(特に、トリフルオロメトキシ)、−S(O)m(C1-6)アルキル(ここでmは0、1又は2であり、そして該アルキル基は、ハロ、ヒドロキシ(C1-6)アルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C1-4オキシ(C1-4)アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、任意的に置換されたアリール(特に、任意的に置換されたフェニル)、任意的に置換されたヘテロアリール(特に、任意的に置換されたピリジル又はピリミジニル)、任意的に置換されたアリールオキシ(特に、任意的に置換されたフェノキシ)、任意的に置換されたヘテロアリールオキシ(特に、任意的に置換されたピリジルオキシ又はピリミジニルオキシ)、任意的に置換された−S(O)mアリール(ここでmは0、1又は2である)(特に、任意的に置換されたフェニルチオ)、任意的に置換された−S(O)mヘテロアリール(ここでmは0、1又は2である)(特に、任意的に置換されたピリジルチオ又はピリミジニルチオ)、任意的に置換されたアリール(C1-4)アルキル(特に、任意的に置換されたベンジル、任意的に置換されたフェネチル及び任意的に置換されたフェニルn−プロピル)(ここで該アルキル部分はヒドロキシで任意的に置換されている)、任意的に置換されたヘテロアリール(C1-4)アルキル(特に、任意的に置換されたピリジル(C1-4)アルキル又はピリミジニル(C1-4)アルキル)、任意的に置換されたアリール(C2-4)アルケニル(特に、任意的に置換されたフェニルエテニル)、任意的に置換されたヘテロアリール(C2-4)アルケニル(特に、任意的に置換されたピリジルエテニル又はピリミジニルエテニル)、任意的に置換されたアリール(C1-4)アルコキシ(特に、任意的に置換されたベンジルオキシ及びフェネチルオキシ)、任意的に置換されたヘテロアリール(C1-4)アルコキシ(特に、任意的に置換されたピリジル(C1-4)アルコキシ又はピリミジニル(C1-4)アルコキシ)、任意的に置換されたアリールオキシ(C1-4)アルキル(特に、フェノキシメチル)、任意的に置換されたヘテロアリールオキシ(C1-4)アルキル(特に、任意的に置換されたピリジルオキシ(C1-4)アルキル又はピリミジニルオキシ(C1-4)アルキル)、任意的に置換された−S(O)m(C1-4)アルキルアリール(ここでmは0、1又は2である)(特に、任意的に置換されたベンジルチオ及びフェネチルチオ)、任意的に置換された−S(O)m(C1-4)アルキルヘテロアリール(ここでmは0、1又は2である)(特に、任意的に置換されたピリジル(C1-4)アルキルチオ又はピリミジニル(C1-4)アルキルチオ)、任意的に置換された(C1-4)アルキルS(O)mアリール(ここでmは0、1又は2である)(特に、フェニルチオメチル)、任意的に置換された(C1-4)アルキルS(O)mヘテロアリール(ここでmは0、1又は2である)(特に、任意的に置換されたピリジルチオ(C1-4)アルキル又はピリミジニルチオ(C1-4)アルキル)、アシルオキシ、例えば、C1-4アルカノイルオキシ(特に、アセチルオキシ)及びベンゾイルオキシ、シアノ、イソシアノ、チオシアネート、イソチオシアネート、ニトロ、NRgh、−NHCORg、−NHCONRgh、−CONRgh、−CO2g、−SO2i、−OSO2i、−CORg、−CRg=NRh又は−N=CRghであり、ここでRiは、C1-4アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシ、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェニル又はベンジルであり、該フェニル及びベンジル基は、ハロゲン、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシで任意的に置換されており、そしてRg及びRhは、独立に、水素、C1-4アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェニル又はベンジルであり、該フェニル及びベンジル基は、ハロゲン、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシで任意的に置換されている。
【0013】
特に注目のものは、式中、Arが式(A)の基であり、そしてA1がアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ、特にフェノキシ及びピリジルオキシである、化合物(1)である。更に特に注目のものは、式中、Arが式(A)の基であり、そしてA1がアリールオキシ、特にフェノキシである、化合物(1)である。特に注目のものは、Arが3−フェノキシフェニル及び4−フェノキシフェニルである化合物(1)、特にArが3−フェノキシフェニルである化合物(1)である。
【0014】
特に注目のものは、式中、Arが式(A)の基であり、そしてA1及びA2が一緒に1つの炭素原子がO原子で置き換えられており、そして不飽和の5員環がベンゼン環と融合してジベンゾフラン−2イルを形成し、これがハロ又はC1-4アルキルで任意的に置換されてよい、不飽和の5員環を形成する、式(1)の化合物である。
【0015】
特に注目のものは、式中、Arが式(A)の基であり、そしてA1及びA2が一緒に1つの炭素原子がO原子で置き換えられており、そして不飽和の5員環がベンゼン環と融合してジベンゾフラン−2イルを形成し、これがハロ、特にクロロ若しくはブロモ、又はC1-4アルキル、特にメチルで任意的に置換されてよい、不飽和の5員環を形成する、式(1)の化合物である。
【0016】
注目の化合物の他の群は、式中、Arがベンゾフラニル又はベンゾチオフェニルであるものである。
【0017】
特に注目のものは、式中、Arが式(B1)又は(B2)の基である化合物であって、MがNでありかつLがCQ(キノリニル)である化合物である。式中LがNでありかつMがCQ(イソキノリニル)である式(1)の化合物、及び式中L及びMが共にCQ(ナフチル)である式(1)の化合物もまた注目のものである。Vは典型的にはH、ハロ又はメチルであり;最も典型的にはHである。Ka及びKbは典型的にはHである。そしてQは典型的にはアリール、例えば、フェニル、又はアリール(C1-4)アルコキシ、例えば、ベンジルオキシである。好ましくは、上記キノリニルは6位を介して連結される式(1)の化合物、例えば、3−フェニルキノリン−6−イルである。
【0018】
1は、典型的にはメチルである。
【0019】
2は、典型的にはHである。
【0020】
2はまた、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、特にはC1-4アルコキシメチル、及びアリールオキシ(C1-4)アルキル、特にはベンジルオキシメチルを含み、ここで該ベンジル基のフェニル環は任意的に、1、2又は3つのアルコキシ置換基、例えば、メトキシ置換基を有する。
【0021】
3及びR4は、典型的には共にメチルである。しかしながら、これらは異なる基を有してもよく、例えば、R3はエチルであり、そしてR4はメチルであってもよい。
【0022】
典型的にはR5は、H、メチル又はメトキシメチル、好ましくはH又はメチルである。注目の化合物の他の群は、Arがベンゾフラン−5−イル、ベンゾチオフェン−5−イル、ベンゾフラン−6−イル又はベンゾチオフェン−6−イルであり、R1、R3及びR4がメチルであり、R2がHであり、R5がH又はメチルであり、そしてnが0であるものである。
【0023】
本発明の一部を形成する化合物を以下の表1〜72中に表す。
【0024】
表1
表1中の化合物は、式中、Arが3−フェノキシフェニルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。
【表1】

【0025】
表1の化合物番号4(2−(3−フェノキシフェノキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド)の1H NMR特性は本願明細書中に供する。
【0026】
表2
表2中の化合物は、式中、Arがインダン−5−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表2には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【表2】

【0027】
表2の化合物番号4(2−(インダニル−5−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド)の調製を実施例2に記載する。表2の化合物番号4の1H NMR特性は以下に供する。
【0028】
表3
表3中の化合物は、式中、Arが1,3−ベンゾジオキソール−5−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表3には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0029】
表3の化合物番号4(2−(3,4−メチレンジオキシ−フェノキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド)の1H NMR特性は以下に記載する。
【0030】
表4
表4中の化合物は、式中、Arが2−オキソ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表4には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0031】
表5
表5中の化合物は、式中、Arが2−チオキソ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表5には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0032】
表6
表6中の化合物は、式中、Arが1,3−ベンゾキサチオール−5−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表6には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0033】
表7
表7中の化合物は、式中、Arが2−オキソ−1,3−ベンゾキサチオール−5−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表7には90種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0034】
表7の化合物番号4(5−(2−オキソ−1,3−ベンズオキサチオリル)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド)の1H NMR特性は以下に記載する。
【0035】
表8
表8中の化合物は、式中、Arが1,3−ベンゾジチオール−5−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表8には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0036】
表9
表9中の化合物は、式中、Arがインデン−5−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表9には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0037】
表10
表10中の化合物は、式中、Arがベンゾフラン−5−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表10には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【表3】

【0038】
表11
表11中の化合物は、式中、Arが2−フェニル−ベンゾフラン−5−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表11には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0039】
表12
表12中の化合物は、式中、Arが3−メチル−ベンゾフラン−5−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表12には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【表4】

【0040】
表13
表13中の化合物は、式中、Arがベンゾチオフェン−5−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表13には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【表5】

【0041】
表14
表14中の化合物は、式中、Arが9H−フルオレン−3−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表14には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0042】
表15
表15中の化合物は、式中、Arが9−オキソ−9H−フルオレン−3−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表15には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0043】
表16
表16中の化合物は、式中、Arがジベンゾフラン−2−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表16には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0044】
表16の化合物番号4(2−(ジベンゾフラニル−2−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド)の調製は実施例1に記載する。
【0045】
表16の化合物番号4の融点及び1H NMRデータは以下に供される。表16の化合物番号1、5及び7の1H NMR特性も以下に供される。
【0046】
表17
表17中の化合物は、式中、Arが7−メチル−ジベンゾフラン−2−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表17には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0047】
表18
表18中の化合物は、式中、Arが8−クロロ−ジベンゾフラン−2−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表18には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0048】
表18の化合物番号4(2−(8−クロロジベンゾフラニル−2−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド)の調製は実施例1に記載する。1H NMRデータは以下に供される。
【0049】
表19
表19中の化合物は、式中、Arが9−クロロ−ジベンゾフラン−2−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表19には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【表6】

【0050】
表20
表20中の化合物は、式中、Arがジベンゾチオフェン−2−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表20には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0051】
表20の化合物番号4(2−(ジベンゾチエニル−2−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド)の調製は実施例1に記載する。1H NMRデータは以下に供される。
【0052】
表21
表21中の化合物は、式中、Arが5,6,7,8−テトラヒドロナフト−2−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表21には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【表7】

【0053】
表22
表22中の化合物は、式中、Arが式(B1)の3−フェニル−キノリン−6−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表22には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0054】
表22の化合物番号4(2−(3−フェニルキノリニル−6−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド)の調製は実施例3に記載する。1H NMRデータは以下に供される。
【0055】
表23
表23中の化合物は、式中、Arが式(B1)の3−ベンジル−キノリン−6−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表23には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0056】
表24
表24中の化合物は、式中、Arが式(B1)の7−ベンジルオキシ−ナフト−2−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表24には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【0057】
表24の化合物番号4(2−(2−ベンジルオキシナフチル−7−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド)の調製は実施例4に記載する。1H NMRデータは以下に供される。
【0058】
表24A
表73中の化合物は、式中、Arがベンゾフラン−6−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表73には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【表8】

【0059】
表24B
表74中の化合物は、式中、Arがベンゾチオフェン−6−イルであり、nが0であり、R1がメチルであり、R2がHであり、そしてR3、R4及びR5が表1中に与えられる基を有する一般式(1)の化合物である。従って、表73には15種の化合物が存在し、例えば、化合物1は、表1中の化合物1と同じR3、R4及びR5の基を有し、化合物2は、表1中の化合物2と同じR3、R4及びR5の基を有する。
【表9】

【0060】
表25〜50
表25〜50は、表1〜24Bに正確に一致(すなわち、例えば、表25は表1に正確に一致し、表26は表2に正確に一致する)。各表25〜50における唯一の違いは、nが0の代わりに1であることである。
【0061】
表34
表34は表10に正確に一致する。表34における唯一の違いは、nが0の代わりに1であることである。
【表10】

【0062】
表51〜76
表49〜72は、表1〜24に正確に一致(すなわち、例えば、表49は表1に正確に一致し、表50は表2に正確に一致する)。各表49〜72における唯一の違いは、nが0の代わりに2であることである。
【0063】
表60
表60は表10に正確に一致する。表60における唯一の違いは、nが0の代わりに2であることである。
【表11】

【0064】
一般式(1)の化合物は、以下のスキーム1〜5に概要されるとおり調製することができ、ここで式中、Ar、R1、R2、R3、R4、R5及びnは上述の意味を有し、R6はH又はC1-4アルキルであり、示される場合には、RaはH又はC1-3アルキルであり、RbはH又はC1-3アルキルであり、但しRa及びRbが共にアルキルである場合、これらの炭素原子の総数は3を超えないものであり、RcはC1-6アルキル、C1-3アルコキシ(C1-3)アルキル、任意的に置換されたアリール、任意的に置換されたアリール(C1-4)アルキル、任意的に置換されたヘテロアリール、又は任意的に置換されたヘテロアリール(C1-4)アルキルであり、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドであり、NBSはN−ブロモサクシンイミドであり、NCSはN−クロロサクシンイミドであり、そしてMCPBAはm−クロロ過安息香酸である。他の略語は本明細書中に定義される。
【0065】
式(1)の化合物(式中、nは0である)は、スキーム1に示されるとおり調製することができる。式(2)のエステル(式中、R6はC1-4アルキルである)は、周囲温度から溶媒の還流温度において、ラジカル開始剤、例えば、AIBN(アゾ−イソブチロニトリル)及び光源の存在下において、適当な溶媒、例えば、四塩化炭素又はアセトニトリル中、ハロゲン化剤、例えば、N−ブロモサクシンイミド又はN−クロロサクシンイミドとの反応によりハロゲン化することができ、式(3)のハロエステル(式中、Halはハロゲン原子、例えば、臭素、塩素又はヨウ素である)を与える。その後一般式(3)の化合物を、適当な溶媒、例えば、DMF中、塩基、例えば、水素化ナトリウムの存在下において、一般式R1SHのアルカンチオールと反応させ、一般式(6)の化合物を与え、あるいは適当な溶媒、例えば、DMF中で、アルカンチオール塩R1-+(式中、Mは金属、例えば、ナトリウム又はリチウムである)と反応させ、一般式(6)の化合物を与える。
【0066】
【化4】

【0067】
あるいは、0℃から溶媒の還流温度において、適当な溶媒、例えば、四塩化炭素又はアセトニトリル中、ハロゲン化剤、例えば、N−クロロサクシンイミド又はN−ブロモサクシンイミドとの反応により一般式(4)のエステルをハロゲン化し、式(5)のハロエステル(式中、Halはハロゲン原子、例えば、臭素、塩素又はヨウ素である)を与える。式(5)のハロエステルを、周囲温度から溶媒の還流温度において、適当な溶媒、例えば、t−ブタノール、1,4−ジオキサン又はDMF中、塩基、例えば、カリウムt−ブトキシド、炭酸カリウム、又は水素化ナトリウムの存在下において、ヒドロキシ(ヘテロ)アリールArOH(式中、Arは上に定義されるとおりである)と反応させ、式(6)の化合物を与える。周囲温度から溶媒の還流温度において、適当な溶媒、例えば、水性メタノール、エタノール、又はTHF(テトラヒドロフラン)中、アルカリ金属水酸化物M+OH-との反応により、式(6)の化合物を式(7)の酸に加水分解させる。式(7)の酸は、0℃から周囲温度において、適当な活性剤、例えば、HOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)及びEDC(1−エチル−3−N,N−ジメチルアミノプロピル−カルボジイミドハイドロクロライド)を使用して、式(8)のアミンと縮合させ、一般式(1)の化合物(式中、nは0である)を得ることができる。
【0068】
一般式(1)の化合物(式中、nは1又は2である)は、スキーム2に示されるとおり、スルホキシド(nは1である)又はスルホン(nは2である)酸化状態への酸化により調製される。例えば、一般式(6)のエステルは、0℃から周囲温度において、適当な溶媒、例えば、エタノール中で酸化剤、例えば、過ヨウ素酸ナトリウムにより式(9)のスルホキシドに酸化することができる。式(10)のスルホンは、0℃から溶媒の還流温度において、適当な溶媒、例えば、ジクロロメタン中、2当量以上の酸化剤、例えば、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)により、式(6)の化合物から、あるいは1当量以上のm−クロロ過安息香酸により式(9)の化合物から、直接産生することができる。式(6)のスルフィド、式(9)のスルホキシド又は式(10)のスルホンは、0℃から溶媒の還流温度において、適当な溶媒、例えば、エタノール中、アルカリ金属水酸化物での反応、続く酸性化により、対応する酸(7)、(11)又は(12)に加水分解することができる。式(7)、(11)又は(12)の酸は、0℃から周囲温度において適当な活性剤、例えば、HOBT及びEDCを使用して、式(8)のアミンと縮合させ、式(1)の化合物(式中、nは0、1又は2である)を得ることできる。
【0069】
【化5】

【0070】
同様に、式(11)及び式(1)のスルホキシド(式中、nは1である)は、上述したとおり、酸化剤、例えば、メタ過ヨウ素酸ナトリウム又はm−クロロ安息香酸を使用して、式(7)及び式(1)のスルフィド(式中、nはそれぞれ0である)から調製することができる。式(12)及び式(1)のスルホン(式中、nは2である)は、上述したとおり、少なくとも2当量の酸化剤、例えば、m−クロロ過安息香酸を使用して、式(7)及び式(1)のスルフィド(式中、nは0である)から、あるいは1当量以上の酸化剤、例えば、m−クロロ過安息香酸を使用して、式(11)及び式(1)のスルホキシド(式中、nは1である)から調製することができる。
【0071】
式(1)の化合物はまた、スキーム3に示すとおり調製することができ、ここでn=0である。式(13)の酸は、0℃から周囲温度において、適当な活性剤、例えば、HOBT及びEDCを使用して、式(8)のアミンと縮合させ、式(14)の化合物を得ることができる。式(14)の化合物は、0℃から周囲温度において、適当な溶媒、例えば、四塩化炭素又はアセトニトリル中、ハロゲン化剤、例えば、N−ブロモサクシンイミド又はN−クロロサクシンイミドを使用して、式(16)の化合物にハロゲン化することができる。式(16)のアミドはまた、0℃から周囲温度において、適当な溶媒、例えば、ジクロロメタン中、塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下において式(8)のアミンとの反応により式(15)の酸ハロゲン化物から調製することができる。
【0072】
【化6】

【0073】
式(16)のハロスルフィドは、0℃から80℃において、適当な溶媒、例えば、DMF中、塩基、例えば、炭酸カリウム又は水素化ナトリウムの存在下において、ArOHのヒロドキシ(ヘテロ)アリールと反応させ、式(1)の化合物(式中、nは0である)を得ることができる。
【0074】
ヒロドキシ(ヘテロ)アリールArOHは、商業的に入手可能であるか、あるいは標準的な文献の方法により調製することができる(例えば、表10中の化合物の調製に使用されるベンゾフラン-5-オールの調製のためにSynthesis, 1999, 7, 1181- 1187; 表13中の化合物の調製に使用されるベンゾ[b]チオフェン−5−オールの調製のためにSynthetic Communications 1991, 21(7), 959-64; 表24A中の化合物の調製に使用されるベンゾフラン−6−オールの調製のためにJournal of Medicinal Chemistry 2004, 47(20), 4829-4837; 表24B中の化合物の調製に使用されるベンゾ[b]チオフェン−6−オールの調製のためにJournal of the Chemical Society, Perkin Transactions 1: Organic and Bio-Organic Chemistry (1972-1999) (1982), (3), 815-21を参照のこと)。
【0075】
スキーム4に示されるとおり、適当な塩基、例えば、第四級有機アミン塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下において、一般式(18)のシリル保護アミノアルキンは、一般式(17)のアミンと1,2−ビス−(クロロジメチルシリル)エタンと反応させることにより得ることができる。一般式(8)のアミン(式中、R2はH)の例である一般式(20)のアミンは、適当な塩基、例えば、n−ブチルリチウム、続いて適当なアルキル化試薬R5LG、例えば、ヨウ化アルキル、例えば、ヨウ化メチルとの反応を利用する一般式(18)のシリル保護アミノアルキンのアルキル化によって、一般式(19)のアルキル化化合物を形成することにより、調製することができる。それから、例えば、水性酸により該シリル保護基を式(19)の化合物から除去し、一般式(20)のアミノアルキンを形成する。
【0076】
【化7】

【0077】
同様の手順において、一般式(18)のシリル保護アミノアルキンは、適当な塩基、例えば、n−ブチルリチウムを使用して、カルボニル誘導体RaCORb、例えば、ホルムアルデヒドと反応させ、ヒドロキシアルキル部分を含有するアミノアルキン(21)を得ることができる。一般式(21)の化合物は、最初に塩基、例えば、水素化ナトリウム又はカリウムビス(トリメチルシリル)アミド、続いて化合物RcLG(式中、LGは脱離基、例えば、ハロゲン、又はスルホン酸エステル、例えば、OSO2Me若しくはOSO2−4−トリル、例えば、ヨウ化エチルである)で処理し、一般式(23)の化合物を得ることができる。シリル保護基を除去した後、一般式(24)の化合物が得られる。あるいは、該シリル保護基を最初に除去して、一般式(22)の化合物を産生することができる。一般式(22)のアミノアルキンは、シリル化剤、例えば、t−ブチルジメチルシリルクロライドと反応させることにより、更に誘導体化してもよく、一般式(25)の酸素上でシリル化された誘導体を与える。
【0078】
【化8】

【0079】
スキーム5に示されるとおり、一般式(26)のシリル保護アミノアルキンは、適当な塩基、例えば、ナトリウム又はリチウムアミド塩基、例えば、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミノ又はナトリウムアミドの存在下において、一般式(18)のシリル保護アミンと、適当な脱離基、例えば、ブロミド又はヨードを有するクロロアルカンを反応させることにより得ることができる。一般式(8)のアミン(式中、R2はHである)の例である一般式(28)のアミンは、シアニドのクロライド陰イオンの置換、続いて、例えば、水性酸によるシリル保護基の除去により調製することができ、一般式(28)のシアノ化合物を形成する。
【0080】
同様の手順により、一般式(29)のアミドを、例えば、青酸カリウムと反応させ、一般式(30)のシアノアミドアルキンを産生することができる。
【0081】
スキーム6に示されるとおり、一般式(1)の化合物(式中、R5はHである)は、Sonogashira 条件下において、例えば、任意的に置換されたアリールアヘテロアリール塩化物、臭化物、ヨウ化物又はトリフレートと反応させて、一般式(1)の化合物(式中、R5は、任意的に置換されたアリール又はヘテロアリール基である)を形成することができる。適当なパラジウム触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である。
【0082】
【化9】

【0083】
一般式(17)のアミンは、商業的に入手可能であるか、あるいは標準的な文献の方法により調製することができる(例えば、EP−A−0834498を参照のこと)。
【0084】
式(1)の化合物は活性殺真菌剤であり、そして1又は複数の以下の病原体を制御するために使用することができる:稲及び小麦におけるピリキュラリア・オリゼ(Pyricularia oryzae)(マグナポルセ・グリセア(Magnaporthe grisea))及び他の宿主における他のピリキュラリア(Pyricularia)属;小麦におけるプッシニア・トリチシナ(Puccinia triticina)(又はレコンジタ(recondita))、プッシニア・ストリイホルミス(Puccinia striiformis)及び他のサビ菌、大麦におけるプッシニア・ホルデイ(Puccinia hordei)、プッシニア・ストリイホルミス(Puccinia striiformis)及び他のサビ菌、及び他の宿主(例えば、芝、ライ麦、コーヒー、ナシ、リンゴ、ピーナッツ、シュガービート、野菜、及び観賞植物)におけるサビ菌;ウリ科植物(例えば、メロン)におけるエリシフェ・シコラセアラム(Erysiphe cichoracearum);大麦、小麦、ライ麦及び芝におけるブルメリア(Blumeria)(又はエリシフェ(Erysiphe))グラミニス(graminis)(うどん粉病)及び様々な宿主における他のうどん粉菌、例えばホップにおけるファエロセカ・マキュラリス(Sphaerotheca macularis)、ウリ科植物(例えば、キュウリ)におけるファエロセカ・フスカ(Sphaerotheca fusca)(ファエロセカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea))、トマト、ナス及びピーマンにおけるレベイルラ・タウリカ(Leveillula taurica)、リンゴにおけるポドスファエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha)及び蔓草におけるアンシヌラ・ネカター(Uncinula necator);穀草類(例えば、小麦、大麦、ライ麦)、芝及び他の宿主におけるコクリオボラス(Cochliobolus)属、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属、ドレチスレラ(Drechslera)属(ピレノフォラ(Pyrenophora)属)、リンコスポリウム(Rhynchosporium)属、ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)(セプトリア・トリチシ(Septoria tritici))及びファエロスファエリア・ノドラム(Phaeosphaeria nodorum)(スタゴノスポラノドラム(Stagonospora nodorum)又はセプトリア・ノドラム(Septoria nodorum))、シュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella heRpotrichoides)及びガエウマノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis);ピーナッツにおけるセルコサポラ・アラチジコラ(Cercospora arachidicola)及びセルコスポリジウム・ペルソナタム(Cercosporidium personatum)及び他の宿主、例えば、シュガービート、バナナ、エダマメ及び稲における他のセルコスポラ(Cercospora)属;トマト、イチゴ、野菜、蔓草及び他の宿主におけるボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)(灰色かび病)及び他の宿主における他のボトリチス(Botrytis)属;野菜(例えば、ニンジン)、アブラナ、リンゴ、トマト、ジャガイモ、穀草類(例えば、小麦)及び他の宿主におけるオータナリア(Alternaria)属;リンゴ、ナシ、核果、木の実及び他の宿主におけるベンツリア(Venturia)属(ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)(腐敗病)を含む);穀草類(例えば、小麦)及びトマトを含む宿主の範囲におけるクラドスポリウム(Cladosporium)属;核果、木の実及び他の宿主におけるモニリニア(Monilinia)属;トマト、芝、小麦、ウリ科植物及び他の宿主におけるジジメラ(Didymella)属;アブラナ、芝、稲、ジャガイモ、小麦及び他の宿主におけるフォマ(Phoma)属;小麦、材木及び他の宿主におけるアスペルギルス(Aspergillus)属及びアウレオバシジウム(Aureobasidium)属;ナシ、小麦、大麦及び他の宿主におけるアスコチタ(Ascochyta)属;リンゴ及びナシにおける夏病(例えば、炭疽病(グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata))、黒菌病又は斑点病(ボトリオスファエリア・オブツサ(Botryosphaeria obtusa))、黒点病(ミコスファエレラ・ポミ(Mycosphaerella pomi))、リンゴ赤星病(ギムノスポランギウム・ジュニペリ-ビルギニアナエ(Gymnosporangium juniperi-virginianae))、すす点病(グロエオデス・ポミゲナ(Gloeodes pomigena))、黒点病(シュイゾチリウム・ポミ(Schizothyrium pomi))及び白腐れ病(ボトリオスファエリア・ドチデア(Botryosphaeria dothidea)));蔓草におけるプラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola);他のベト病菌、例えば、レタスにおけるブレミア・ラクタカエ(Bremia lactucae)、大豆、タバコ、タマネギ及び他の宿主におけるペロノスポラ(Peronospora)属、ホップにおけるシュードペロノスポラ(Pseudoperonospora)及びウリ科植物におけるシュードペロノスポラ・キュベンシス(Pseudoperonospora cubensis);芝及び他の宿主におけるピチウム(Pythium)属(ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)を含む);ジャガイモ及びトマトにおけるフィトフトラ・インフェタンス(Phytophthora infestans)及び野菜、イチゴ、アボカド、コショウ、観賞植物、タバコ及び他の宿主におけるフィトフトラ(Phytophthora)属;稲及び芝におけるサナテフォラス・キュキュメリス(Thanatephorus cucumeris)及び様々な宿主、例えば、小麦、大麦、ピーナッツ、野菜、綿、及び芝における他のリゾクタニア(Rhizoctonia)属;芝、ピーナッツ、アブラナ、及び他の宿主におけるスクレロチニア(Sclerotinia)属;芝、ピーナッツ及び他の宿主におけるスクレロチウム(Sclerotium)属;稲におけるギベレラ・フジクロイ(Gibberella fujikuroi);芝、コーヒー及び野菜を含む宿主の範囲におけるコレトトリキュム(Colletotrichum)属、芝におけるラエチサリア・フシフォルミス(Laetisaria fuciformis);バナナ、ピーナッツ、柑橘類、パパイア及び他の宿主におけるミコスファエレラ(Mycosphaerella);柑橘類、大豆、メロン、ナシ、ルピナス及び他の宿主におけるジアポルセ(Diaporthe)属;柑橘類、蔓草、オリーブ、ペカン、バラ及び他の宿主におけるエルシノエ(Elsinoe)属;ホップ、ジャガイモ及びトマトを含む宿主の範囲におけるベルチシリウム(Verticillium)属;アブラナ及び他の宿主におけるピレノペジザ(Pyrenopeziza)属;維管束の草枯れをおこす、ココアにおけるオンコバシジウム・セオブロマエ(Oncobasidium theobromae);様々な宿主、特に、小麦、大麦、芝及びトウモロコシにおけるフサリウム(Fusarium)属、チフラ(Typhula)属、ミクロドチウム・ニバレ(Microdochium nivale)、ウスチラゴ(Ustilago)属、ウロシスチス(Urocystis)属、チレチア(Tilletia)属及びクラビセプス・プルプレア(Claviceps puRpurea);シュガービート、大麦及び他の宿主におけるラムラリア(Ramularia)属;収穫後の、特に果実の病気(例えば、オレンジにおけるペニシリウム・ジギタタム(Penicillium digitatum)、ペニシリウム・イタリカム(Penicillium italicum)及びトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、バナナにおけるコレトリキュム・ムサエ(Colletotrichum musae)及びグロエオスポリウム・ムサラム(Gloeosporium musarum)及びブドウにおけるブトリチス・シネレア(Botrytis cinerea));蔓草における他の病原体、特に、エウチパ・ラタ(Eutypa lata)、グイグナルジア・ビドウェリイ(Guignardia bidwellii)、フェリナス・イグニアラス(Phellinus igniarus)、フォモプシス・ビチコラ(Phomopsis viticola)、シュードペジザ・トラケイフィラ(Pseudopeziza tracheiphila)及びステレウム・ヒルスタム(Stereum hirsutum);木における他の病原体(例えば、ロフォデルム・セジチオサム(Lophodermium seditiosum))又は材木における他の病原体、特に、セファロアスカス・フラグランス(Cepハロascus fragrans)、セラトシスチス(Ceratocystis)属、オフィオストマ・ピセアエ(Ophiostoma piceae)、ペニシリウム(Penicillium)属、トリコデルマ・シュードコニンギイ(Trichoderma pseudokoningii)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)、レプトグラフィウム・リンドベルギ(Leptographium lindbergi)及びアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans);及びウイルス病害の真菌ベクター(例えば、大麦黄色モザイクウイルス(BYMV)のベクターとしての、穀草類におけるポリミクサ・グラミニス(Polymyxa graminis)及びリゾマニア(rhizomania)のベクターとしてのシュガービートにおけるポリミクサ・ベタエ(Polymyxa betae))。
【0085】
式(1)の化合物は、病原体の卵菌(Oomycete)類、例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、プラスモパラ属(Plasmopara species)例えば、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)及びピチウム属(Pythium species)、例えば、ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)に対して特に良好な活性を示す。
【0086】
式(1)の化合物は、1又は複数の真菌類に対して、活性となるように植物の組織において求頂的に、求底的に、または局部的に移動することができる。さらに、式(1)の化合物は植物における1又は複数の真菌類に対して、蒸気層において十分に活性となるように揮発性であってよい。
【0087】
このため、本発明は、病原性真菌類の駆除または制御する方法であって、殺真菌的な有効量の式(1)の化合物、又は式(1)の化合物を含む組成物を、植物、植物の種子、植物若しくは種子の場所、又は土壌若しくはいずれかの他の植物成長培地、例えば、栄養液に対して適用することを含んで成る方法を供する。
【0088】
本明細書において使用する「植物」の語は、苗、低木、及び木を含む。さらに、本発明の殺真菌的方法は、保護的処理、治療的処理、浸透的処理、除草的処理、及び抗胞子処理を含む。
【0089】
式(1)の化合物は、好ましくは組成物の形態において、農業、園芸、及び芝草目的に使用される。
【0090】
植物、植物の種子、植物若しくは種子の場所、又は土壌若しくはいずれかの他の育成培地に対して式(1)の化合物を適用するために、式(1)の化合物は、通常、式(1)の化合物に追加して、適当な不活性な希釈剤又は担体、及び任意的な界面活性剤(SFA)を含む組成物に処方される。SFAは、境界面(例えば、液体/固体、液体/気体又は液体/液体境界面)の張力を低くすることにより、そして、これにより他の特性(例えば、分散、乳化及び湿潤)の変化を誘導することにより、境界面の特性を変化させることができる化学薬品である。好ましくは、全組成物(固体及び液体製剤のどちらも)は0.0001〜95重量%、より好ましくは1〜85重量%、例えば5〜60重量%の式(1)の化合物を含んで成る。該組成物は一般に、真菌類の制御のために、式(1)の化合物を1ヘクタールあたり0.1g〜10kg、好ましくは1ヘクタールあたり1g〜6kg、より好ましくは1ヘクタールあたり1g〜1kgの割合で適用するように使用される。
【0091】
種子のドレッシング(種子粉衣)において使用する場合、式(1)の化合物は、種子のキログラムあたり0.0001g〜10g(例えば、0.001g又は0.05g)、好ましくは0.005g〜10g、より好ましくは0.005g〜4gの割合で使用される。
【0092】
他の観点において、本発明は、殺真菌的な有効量の式(1)の化合物、及びその適当な担体又は希釈剤を含んで成る殺真菌組成物を供する。
【0093】
更なる観点において、本発明は、真菌、又は真菌の場所を、式(1)の化合物を含んで成る真菌的有効量の組成物で処理することを含んで成る、場所における真菌を駆除及び制御する方法を供する。
【0094】
上記組成物はいくつかの処方タイプ、例えば、粉剤(DP)、水溶剤(SP)、水溶性顆粒(SG)、顆粒水和剤(WG)、水和剤(WP)、粒剤(GR)(遅いまたは速い放出)、水溶液剤(SL)、油剤(OL)、超微量液剤(UL)、乳剤(EC)、分散性濃縮剤(DC)、エマルジョン(水中油(EW)および油中水(EO)の両方)、マイクロエマルジョン製剤(ME)、懸濁製剤(SC)、エアロゾル、霧/煙状製剤、カプセル懸濁製剤(CS)、及び種子トリートメント製剤から選択することができる。いずれかの例において選択された製剤のタイプは、特に意図した目的並びに式(1)の化合物の物理的、化学的、及び生物学的特性に依存するであろう。
【0095】
粉剤(DP)は、式(1)の化合物を1又は複数の固形希釈剤(例えば、天然粘土、高陵土、葉蝋石、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、チョーク、計藻類土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム及びマグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、タルク、並びに他の有機及び無機の固形担体)と混合し、そして細かい粉末になるまで該混合物を機械的に研和することにより調製できる。
【0096】
水溶剤(SP)は、水の分散能/溶解能を向上させるために、式(1)の化合物を1又は複数の水溶性無機塩(例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、又は硫酸マグネシウム)、あるいは1又は複数の水溶性有機固形物(例えば、ポリサッカライド)、及び任意的に1又は複数の湿潤剤、1又は複数の分散剤、あるいは上記の混合物と混合することにより調製できる。それから、その混合物を細かい粉末になるまで研和する。また同様の組成物を水溶性顆粒(SG)を形成するために粒状にできる。
【0097】
水和剤(WP)は、液体での分散を容易にするために、式(1)の化合物を1又は複数の固形希釈剤又は担体、1又は複数の湿潤剤、及び好ましくは1又は複数の分散剤、及び任意的に1又は複数の懸濁剤と混合することにより調製できる。それから該混合物は細かい粉末に研和される。また、同様の組成物を顆粒水和剤(WG)を形成するために粒状にできる。
【0098】
粒剤(GR)は、式(1)の化合物と1又は複数の粉末にした固体の希釈剤又は担体の混合物を粒状にするか、又は多孔性の顆粒材料(例えば、軽石、アタパルジャイト粘土、フラー土、珪藻土、珪藻類の土、顆粒状のトウモロコシの穂軸)において、式(1)の化合物(又は適当な製剤におけるその溶液)を吸収させることにより、又は硬い物質(例えば、砂、ケイ酸塩、無機カルボネート、硫酸塩、又はリン酸塩)において、式(1)の化合物(又は適当な製剤におけるその溶液)を吸着させ、必要であれば乾燥することにより予備形成した顆粒素材片から形成することができる。一般的に、吸収又は吸着を助けるために使用される薬剤は、溶媒(例えば、脂肪族及び芳香族石油溶媒、アルコール、エーテル、ケトン、及びエステル)、及び吸着剤(例えば、酢酸ポリビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、砂糖、及び植物性油)を含む。また、顆粒中に1又は複数の他の添加剤(例えば、乳化剤、湿潤剤又は分散剤)を含んでもよい。
【0099】
分散性濃縮剤(DC)は式(1)の化合物を、水、又は有機溶媒、例えばケトン、アルコール、又はグリコールエーテルに溶かすことにより調製できる。これらの溶液は、界面活性剤(例えば、水の希釈度を向上させるため、あるいはスプレー缶中での結晶化を防止するため)を含んでもよい。
【0100】
乳剤(EC)、又は水性エマルジョン製剤(EW)は、式(1)の化合物を有機溶媒(任意的な1又は複数の湿潤剤、1又は複数の乳化剤、又は上記薬剤の混合物を含む)に溶かすことで調製できる。ECにおける使用に適当な有機溶媒は芳香族炭化水素(例えば、アルキルベンゼン、又はアルキルナフタレン、SOLVESSO 100、SOLVESSO 150、及びSOLVESSO 200により代表される;SOLVESSOは登録商標である)、ケトン(例えば、シクロヘキサノン、又はメチルシクロヘキサノン)、アルコール(例えば、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール又はブタノール)、N−アルキルピロリドン(例えば、N−メチルピロリドン、又はN−オクチルピロリドン)、脂肪酸のジメチルアミド(例えば、C8−C10脂肪酸ジメチルアミド)、及び塩化炭化水素を含む。EC生成物は、水に加えることにより、自発的に乳化でき、適当な器具を使用するスプレー適用を可能にするために十分な安定性を有するエマルジョンを生成する。EWの調製は、液体(室温において液体でない場合、適当な温度、一般的には70℃以下で溶かしてもよい)としての、又は溶液中(適当な溶媒中に溶かす)の式(1)の化合物を得ること、それからエマルジョンを生成するために、生じた液体、又は溶液を高剪断力下において、1又は複数のSFAを含む水中で乳化することを必要とする。EWにおける使用に適当な溶媒は、植物性油、塩酸化炭化水素(例えば、クロロベンゼン)、芳香族溶媒(例えば、アルキルベンゼン、又はアルキルナフタレン)、及び水中で低い溶解度を有する他の適当な有機溶媒を含む。
【0101】
マイクロエマルジョン製剤(ME)は、自発的に熱力学的に安定な等方性の液体製剤を生産するために、水を1又は複数の溶媒と1又は複数のSFAとの混合物と混合することにより調製できる。式(1)の化合物は、初めに、水又は溶媒/SFA混合物中のいずれかに存在する。MEにおける使用に適当な溶媒は、EC又はEWにおける使用のために本明細書において前述したものを含む。MEは水中油又は油中水系(上記系は伝導性の測定により測定することができる)のいずれであってもよく、同じ薬剤中で、水溶性及び油溶性の殺虫剤を混合するのに適当である。MEは水への希釈に適当であり、マイクロエマルジョンとして残るか、あるいは慣習的な水中油型エマルジョンを形成する。
【0102】
懸濁製剤(SC)は、微細に分割された式(1)の化合物の不溶性固形微粒子の水性又は非水性懸濁液を含んで成ってよい。SCは、化合物の微細な微粒子を生産するために、任意的に1又は複数の分散剤を伴う適当な媒体中で、式(1)の固形化合物のボール又はビーズミリングにより調製できる。1又は複数の湿潤剤を該組成物に含んでよく、そして微粒子が沈殿する割合を減少させるために、懸濁剤を含んでもよい。あるいは、所望する最終生成物を生産するために、式(1)の化合物を乾燥粉末化し、そして前述した薬剤を含む水に加えてもよい。
【0103】
エアロゾル製剤は、式(1)の化合物、及び適当な推進剤(例えば、n−ブタン)を含んで成る。また、非加圧手動スプレーポンプにおける使用のための組成物を供するために、式(1)の化合物を、適当な媒体(例えば、水、又は水混和性液体、例えば、n−プロパノール)に溶解させ、又は分散させることができる。
【0104】
式(1)の化合物は、密閉された場所において、上記化合物を含む煙を発生させるのに適当な組成物を形成するために、乾燥状態において火工品用混合物と混ぜてもよい。
【0105】
カプセル懸濁製剤(CS)は、EW製剤の調製と同様の方法で、但し、油滴の水性の分散剤を得る付加重合工程により調製することができる。該工程で、各油小滴はポリマーシェルによりカプセル化され、そして式(1)の化合物、及びその任意的な担体、又は希釈剤を含む。該ポリマーシェルは、境界面の重縮合反応、又はコアセルベーションの手順のいずれかにより生成できる。上記組成物は式(1)の化合物の制御放出を供することができ、これらは種子トリートメントに使用できる。また、式(1)の化合物は、生物分解性ポリマーマトリックスにおいて、化合物の徐放を供するために処方できる。
【0106】
組成物は、組成物の生物学的性能を向上させるために(例えば、湿潤、保持又は表面分布;処理した表面の雨への耐性;又は式(1)の化合物の吸収、若しくは流動性を向上させることにより)、1又は複数の添加剤を含んでよい。このような添加剤は、界面活性剤、油型スプレー添加物、例えば、一定の無機油又は天然植物油(例えば、大豆、及びアブラナ油)、及び他の生物増強アジュバント(式(1)の化合物の作用を助け、又は変化させる成分)を伴うこれらの混合物を含んでよい。
【0107】
また、式(1)の化合物は、種子トリートメント剤、例えば、乾燥した種子のトリートメント用粉末(DS)、水溶性粉末(SS)、又は分散性粉末(WS)を含む粉末組成物として、あるいは流動性濃縮物(FS)、溶液(LS)、又はカプセル懸濁製剤(CS)を含む液体組成物としての使用のために処方できる。DS、SS、WS、FS、及びLSの組成物の調製はそれぞれ、前述したDP、SP、WP、SC及びDCの組成物の調製と極めて類似している。種子を処理するための組成物は、組成物の種子に対する付着を補助するための薬剤を含んでよい(例えば、無機油、又はフィルム形成障壁)。
【0108】
湿潤剤、分散剤、及び乳化剤は、陽イオン、陰イオン、両性イオン、又は非イオン型のSFAであってよい。
【0109】
陽イオン型の適当なSFAは、第四級アンモニウム化合物(例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド)、イミダゾリン、及びアミン塩を含む。
【0110】
適当な陰イオン型SFAは、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエルテルの塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化芳香族化合物の塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ブチルナフタレンスルホネート、並びにジイソプロピル−及びトリ−イソプロピル−スルホン酸ナトリウムの混合物)、硫酸エーテル、硫酸アルコールエーテル(例えば、ラウレス−3−硫酸ナトリウム)、カルボン酸エーテル(例えば、ラウレス−3−カルボン酸ナトリウム)、リン酸エステル(1又は複数の脂肪族アルコール、及びリン酸の間の反応由来の生産物(主にモノエステル)、又は五酸化リン(主にジエステル)、例えば、ラウリルアルコールとテトラリン酸の間の反応;追加的に、これらの生成物はエトキシ化されてもよい)、スルホスクシナメート、パラフィン又はオレフィンスルホン酸塩、タウリン及びリグノスルホネートを含む。
【0111】
両性イオン型の適当なSFAは、ベタイン、プロピオン酸塩およびグリシン酸塩を含む。
【0112】
非イオン型の適当なSFAは、脂肪族アルコール(例えば、オレイルアルコール又はセチルアルコール)、又はアルキルフェノール(例えば、オクチルフェノール、ノニルフェノール又はオクチルクレゾール)とのアルキレンオキシド、例えば、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、又はその混合物の濃縮生成物、長鎖の脂肪酸又はヘキシトール無水物由来の部分エステル、エチレンオキシドと上記部分エステルの濃縮生成物、ブロックポリマー(エチレンオキシド、及びプロピレンオキシドを含んで成る)、アルカノールアミド、単純エステル(例えば、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル)、アミンオキド(例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド)、及びレシチンを含む。
【0113】
適当な懸濁剤は、親水性コロイド(例えば、ポリサッカライド、ポリビニルピロリドン、又はカルボキシメチルセルロースナトリウム)、及び膨潤性粘土(例えば、ベントナイト、又はアタパルジャイト)を含む。
【0114】
化学式(1)の化合物は、いずれかの公知の殺真菌的化合物の適用方法によって、適用することができる。例えば、葉、茎、枝、又は根を含むいずれかの植物の器官に対して、栽培する前の種子に対して、又は植物が育っている、あるいは、育つべき媒体(例えば、根のまわりの土壌、一般的な土壌、水田の水又は水栽培の培養系)に対して、処方したもの、又は未処方のものを直接適用してもよく、あるいはスプレーしたり、振りかけたり、浸すことにより適用したり、クリーム又はペースト状の製剤として適用したり、蒸気として適用したり、あるいは土壌又は水性の環境において、組成物の分散又は組み込み(例えば、顆粒組成物又は水溶性バッグに入れた組成物)を介して適用することができる。
【0115】
また、化学式(1)の化合物は、電動スプレー技術、又は他の低容量方法を使用する植物に対する注入、又は植物に対するスプレー、あるいは地面又は空気の灌漑系により適用できる。
【0116】
水性の調製剤(水溶液または分散剤)としての使用のための組成物は一般に、高い比率の活性成分を含む濃縮物の形態において供され、その濃縮物は、使用の前に水に加える。これらの濃縮物(DS、SC、EC、EW、ME、SG、SP、WP、WG及びCSを含んでもよい)は、しばしば長期間の保管に耐えること、そしてそのような保管後、慣習的なスプレー器具でそれらを適用できるように十分な期間、均質性を維持する水性調製剤を形成するために水に加えられることが必要とされる。これらの水性調製剤は、これらの使用目的に依存して、様々な量の化学式(1)の化合物を含むことができる(例えば、0.0001〜10重量%)。
【0117】
化学式(1)の化合物は、肥料(例えば、窒素−、カリウム−またはリン−含有肥料)との混合物において使用できる。適当な製剤は肥料の顆粒を含む。該混合物は、好ましくは、25重量%以下の化学式(1)の化合物を含む。
【0118】
従って、本発明はまた、肥料及び化学式(1)の化合物を含んで成る肥料組成物を供する。
【0119】
本発明の組成物は、生物活性を有する他の化合物、例えば、微量栄養素、又は同様の若しくは補足的な殺真菌的活性を有する、あるいは植物成長制御、除草、殺虫、線虫駆除、又はダニ駆除活性を有する化合物を含んでよい。
【0120】
他の殺真菌剤を含むことにより生じる組成物は、化学式(1)の化合物単独よりも広い活性スペクトル、又はより高い内在活性レベルを有することができる。更に、他の殺真菌剤は、化学式(1)の化合物の殺真菌活性において相乗効果を有することができる。
【0121】
化学式(1)の化合物は、上記組成物の唯一の活性成分であってもよく、あるいは適当な場合には、1又は複数の追加的な活性成分、例えば、殺虫剤、殺真菌剤、相乗剤、除草剤、又は植物成長調整剤と混合してもよい。追加的な活性成分は、より広い活性スペクトルを有し、あるいは持続が増大された組成物を供し、化学式(1)の化合物の活性を補強し(例えば、効果の速度を増加すること、あるいは忌避性を解消することにより)、あるいはそれぞれの成分に対する耐性の発達を解消若しくは防止することを助けることができる。特定の追加的な活性成分は、該組成物の示された実用性に依存するであろう。
【0122】
本発明の組成物において含んでもよい殺真菌性の化合物の例は、AC382042(N−(1−シアノ−1,2−ジメチルプロピル)−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)プロピオンアミド)、アシベンゾラル−S−メチル、アラニカルブ、アルジモルフ、アニルアジン、アザコナゾール、アザフェニジン、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ、ビロキサゾール、ビテルタノール、ブラスチシジンS、ボスカリド(ニコビフェンの新名)、ブロムコナゾール、ブピリメート、カプタフォル、カプタン、カルベンダジム、カルベンダジムクロルハイドレート、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、CGA41396、CGA41397、チノメチオネート、クロルベンズチアゾン、クロロタロニル、クロロゾリネート、クロジラコン、銅含有化合物、例えば、銅酸塩化物、銅オキシキノレート、硫酸銅、銅トール(tallate)、及びボルドー混液、シアミダゾスルファミド、シアゾファミド(IKF−916)、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、デバカルブ、ジ−2−ピリジルジスルフィド1,1’−ジオキド、ジクロフルアニド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコット、ジフルメトリム、O,O−ジ−イソ−プロピル−S−ベンジルチオフォスフェート、ジメフルアゾール、ジメトコナゾール、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジノカップ、ジチアノン、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ドデモルフ、ドジン、ドグアジン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エタボキサム、エチリモール、エチル(Z)−N−ベンジル−N([メチル−チオエチルイデンアミノオキシカルボニル)アミノ]チオ)−β−アラニネート、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル(AC382042)、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチンアセテート、フェンチンヒドロキシド、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトオベル、フルモルフ、フルオロイミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルサルファミド、フルトラニル、フルトリアフォル、フォルペット、フォセチル−アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒドロキシイソキサゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジントリアセテート、イプコナゾール、イプロベンフォス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロパニルブチルカルバメート、イソプロチオラン、カスガミシン、クレソキム−メチル、LY186054、LY211795、LY248908、マンコゼブ、マネブ、メフェノキサム、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メタラキシルM、メトコナゾール、メチラム、メチラム−ジンク、メトミノストロビン、メトラフェノン、MOM65500(N−アリル−4,5−ジメチル−2−トリメチルシリルチオフェン−3−カルボキサミド)、ミクロブタニル、NTN0301、ネオアソジン、ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニトロサル−イソプロピル、ヌアリモル、オフレース、有機水銀化合物、オリサストロビン、オキサジキシル、オキサスルフロン、オキサリン酸、オキシポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、フェナジンオキシド、リン酸、フタライド、ピコキシストロビン、ポリオキシンD、ポリラム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブヒドロクロリド、プロピコナゾール、プロピネブ、プロピオン酸、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラゾフォス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、ピロキシフル、ピロルニトリン、第4級アンモニウム化合物、キノメチオネート、キノキシフェン、キノトゼン、シルチオファム(MON65500)、S−イマザリル、シメコナゾール、ナトリウムペンタクロロフェネート、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、チオファネート−メチル、チラム、チアジニル、チミベンコナゾール、トルクロフォス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、チリアジメノール、トリアズブチル、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリエモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリフォリン、トリチコナゾール、バリダマイシンA、ベイパム、ビンクロゾリン、XRD−563、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、及び以下の式の化合物である。
【化10】

【0123】
化学式(1)の化合物は、種子系、土壌系、又は葉系の真菌病害に対する植物の保護のために、土壌、泥炭または、他の媒体と混合してもよい。
【0124】
いくつかの混合物は、同一の慣習的な製剤に対して容易に与えることのないような、有意に異なる物理的、化学的、又は生物学的特性を有する活性成分を含んで成ってよい。これらの状況において他の製剤を調製できる。例えば、1つの活性成分が水に不溶な固形物であり、他方が水に不溶な液体である場合、それにもかかわらず、固形物の活性成分を懸濁液として分散することにより(SCの場合と同様の製剤を使用して)、一方で液体の活性成分を乳化物として分散することにより(EWの場合と同様の調製を使用する)、同一の連続水相中の各活性成分を分散することが可能である。得られる組成物はサスポエマルジョン(SE)製剤である。
【0125】
本発明は、以下の略語を使用して、以下の実施例により説明される。
ml=ミリリットル m.p=融点(未修正)
g=グラム b.p=沸点
THF=テトラヒドロフラン DMSO=ジメチルスルホキシド
+=マスイオン DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
s=単項 HOBT=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
d=二重項 EDC=1−エチル−3−N,N−ジメチルアミノ
bs=ブロード単項 プロピルカルボジイミドハイドロクロライド
t=三重項 HOAT=7−アザ−1−ヒドロキシベンゾトリア ゾール
q=四重項 NMR=核磁気共鳴
m=多重項 HPLC=高速液体クロマトグラフィー
ppm=百万分率
M=モル TLC=薄層クロマトグラフィー
dec.=分解 glc=ガス−液体クロマトグラフィー
【実施例】
【0126】
実施例1
該実施例は、2−(ジベンゾフラニル−2−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド(表16の化合物番号4)の調製を説明する。
【0127】
段階1:2−ブロモ−2メチルチオ酢酸エチルの調製
15℃における四塩化炭素(250ml)中の2−メチルチオ酢酸エチル(40.2g)の撹拌溶液に、添加中20℃以下の反応温度に維持しながら、N−ブロモサクシンイミド(NBS、54g)を一部添加した。該混合物を5時間撹拌し、それから更にNBS(10g)を一部添加し、そして該反応物を更に18時間撹拌した。該混合物を水性炭酸ナトリウム、その後鹹水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして溶媒を減圧下で蒸発させ、10%の未反応の2−メチルチオ酢酸エチルを含有するオレンジ色の液体(56g)を得た。該生成物は更に精製することなく次の段階において使用した。2−ブロモ−2−メチルチオ酢酸エチルの分析用試料は、減圧蒸留により得られた。0.1mmHgにおいて融点54〜56℃であった。
【表12】

【0128】
段階2:2−(ジベンゾフラニル−2−オキシ)−2−メチルチオ酢酸エチルの調製
乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(25ml)中の水素化ナトリウム(6.6g、ミネラルオイル中80%分散)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、周囲温度にて、N,N−ジメチルホルムアミド(150ml)中の2−ヒドロキシジベンゾフラン(36.8g)の溶液を40分間にわたり添加した。該混合物を3.25時間撹拌し、それからN,N−ジメチルホルムアミド(50ml)中の2−ブロモ−2−メチルチオ酢酸エチル(54.2g、90%純度)の溶液を、反応温度が47℃に上昇するまで、20分間にわたり滴下した。添加の完了において、該混合物を21.5時間撹拌し、水に注ぎ、そしてジエチルエーテルで抽出した(3回)。該抽出液をあわせ、希水性水酸化ナトリウム(2回)、水(3回)で洗浄し、それから硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧下で蒸発させた。残渣をクロマトグラフィー(シリカ;ジエチルエーテル:ヘキサン、容量において1:2〜1:1)により分画し、精製することなく次の段階において使用した、必要な生成物を含有する33gのオレンジ色の油を得た。
【表13】

【0129】
同様の手順において、7−クロロ−2−ヒドロキシジベンゾフランを2−ブロモ−2−メチルチオ酢酸エチルと反応させ、2−(7−クロロジベンゾフラニル−2−オキシ)−2−メチルチオ酢酸エチルを得た。
【表14】

【0130】
同様の手順において、2−ヒドロキシジベンゾチオフェンを2−ブロモ−2−メチルチオ酢酸エチルと反応させ、2−(ジベンゾチエニル−2−オキシ)−2−メチルチオ酢酸エチルを得た。
【表15】

【0131】
段階3:2−(ジベンゾフラニル−2−オキシ)−2−メチルチオ酢酸の調製
テトラヒドロフラン(250ml)中の2−(ジベンゾフラニル−2−オキシ)−2−メチルチオ酢酸エチル(15.8g)の撹拌溶液に、周囲温度にて、水(25ml)中の水素化ナトリウム(2.5g)の溶液を添加した。該混合物を2時間撹拌し、そして減圧下において蒸発させテトラヒドロフランを除去した。残渣を水で希釈し、ジエチルエーテルで洗浄し(2回)、そして水相を濃塩酸で酸性化し、それから酢酸エチルで抽出した(3回)。該抽出液をあわせ、鹹水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で蒸発させ、少量のジクロロメタンで洗浄し、黄色の個体が得、これを濾過して5.90gのクリーム色の個体として、融点130〜132℃の2−(ジベンゾフラニル−2−オキシ)−2−メチルチオ酢酸を供した。
【表16】

【0132】
同様の手順において、2−(7−クロロジベンゾフラニル−2−オキシ)−2−メチルチオ酢酸エチルを加水分解し、淡黄色のゴムとして、2−(7−クロロジベンゾフラニル−2−オキシ)−2−メチルチオ酢酸を得た。
【0133】
同様の手順において、2−(ジベンゾチエニル−2−オキシ)−2−メチルチオ酢酸エチルを加水分解し、2−(ジベンゾチエニル−2−オキシ)−2−メチルチオ酢酸を得た。
【表17】

【0134】
段階4
トリエチルアミン(4.17ml)を、DMF(65ml)中の4−アミノ−4−メチル−ペント−2−インハイドロクロライド(1.95g)の撹拌溶液に添加し、白色の懸濁液を得た。該混合物を周囲温度で10分間撹拌し、それからN、N−ジメチルホルムアミド(10ml)中の7−アザ−1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOAT、2.08g)及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDC、2.49g)及び2−(ジベンゾフラニル−2−オキシ)−2−メチルチオ酢酸を添加した。該黄色の懸濁液を周囲温度で2.5時間撹拌し、それから18時間保存した。該混合物を水に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し(3回)、そして該抽出液をあわせ、飽和した水性炭酸水素ナトリウム、水(2回)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で蒸発させた。残った固体をヘキサンで洗浄し、そして濾過し、クリーム色の抗体として、融点119〜120℃の4.40gの必要な生成物を得た。
【表18】

【0135】
同様の手順において、2−(8−クロロジベンゾフラニル−2−オキシ)−2−メチルチオ酢酸を4−アミノ−4−メチル−ペント−2−インと縮合し、黄色のゴムとして2−(8−クロロジベンゾフラニル−2−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド(表18の化合物番号4)を得た。
【表19】

【0136】
同様の手順において、2−(ジベンゾチエニル−2−オキシ)−2−メチルチオ酢酸を4−アミノ−4−メチル−ペント−2−インと縮合し、黄色のゴムとして2−(ジベンゾチエニル−2−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド(表20の化合物番号4)を得た。
【表20】

【0137】
以下の化合物は、以下のNMRデータにより特徴付けた。
【表21】

【0138】
実施例2
該実施例は、2−(インダニル−5−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド(表2の化合物番号4)の調製を説明する。
【0139】
段階1:2−クロロ−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミドの調製
工程1
トリエチルアミン(1.84ml)を、DMF(5ml)中の4−アミノ−4−メチル−ペント−2−インハイドロクロライド(1.278g)の撹拌溶液に周囲温度で添加し、白色の懸濁液を得た。メチルチオ酢酸(1.0g)をDMF(5ml)中に溶かし、それからアミン、続いてHOBT(1.27g)、及び最後にEDC(1.806g)に添加した。該白色懸濁液を室温で6時間撹拌し、そして一晩保存した。水を添加し、そして水相をジエチルエーテルで抽出した。有機相をあわせ、水で連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で蒸発させ、橙色の固体(1.9g)として、2−(メチルチオ)−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミドを得た。
【表22】

【0140】
工程2
工程1の生成物(0.824g)を加温しながら四塩化炭素(15ml)中に溶解した。該溶液を0℃に冷却し、そしてN−クロロサクシンイミド(NCS、0.653g)をゆっくりと添加し、そして該混合物を周囲温度で2時間撹拌した。該反応混合物を濾過し、サクシンイミドを除去し、そして生じた液体を蒸発させ、無色の油(1.4g)として2−(クロロ)−2−(メチルチオ)−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミドを得、これを更に精製することなく使用した。
【0141】
段階2
乾燥1,4−ジオキサン(3ml)中の5−インダノール(0.9mM)の撹拌溶液に水素化ナトリウム(1.0mM、ミネラルオイル中60%分散)を添加し、そして該混合物を窒素雰囲気下で30分間撹拌した。1,4−ジオキサン(2ml)中の2−(クロロ)−2−(メチルチオ)−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド(0.68mM)の溶液を添加し、そして該反応物を周囲温度で18時間撹拌し、そして減圧下で蒸発させた。残渣を水で処理し、そしてクロロホルムで抽出した。該抽出液をあわせ、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させ、そしてクロマトグラフィー(シリカ;ヘキサン:酢酸エチル 4:1〜1:1)で分画し、粘稠性の油として、2−(インダニル−5−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミドを得た。
【表23】

【0142】
同様の手順において、3,4−メチレンジオキシフェノールを2−(クロロ)−2−(メチルチオ)−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミドと反応させ、2−(3,4−メチレンジオキシフェノキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド(表3の化合物番号4)を得た。
【表24】

【0143】
同様の手順において、3−フェノキシフェノールを2−クロロ−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミドと反応させ、2−(3−フェノキシフェノキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド(表1の化合物番号4)を得た。
【表25】

【0144】
同様の手順において、5−ヒドロキシ−1,3−ベンゾキサチオール−2−オンを2−クロロ−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミドと反応させ、5−(2−オキソ−1,3−ベンゾキサチオリル)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド(表7の化合物番号4)を得た。
【表26】

【0145】
実施例3
該実施例は、2−(3−フェニルキノリニル−6−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド(表22の化合物番号4)の調製を説明する。
【0146】
段階1:2−(3−ブロモキノリニル−6−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミドの調製
【0147】
工程1
実施例1の段階2と同様の手順において、1,3−ブロモ−6−ヒドロキシキノリン(Liebigs Ann Chem(1966), 98-106に記載される調製物)を2−ブロモ−2−メチルチオ酢酸エチルと反応させ、淡黄色のゴムとして2−(3−ブロモキノリニル−6−オキシ)−2−メチルチオ酢酸エチルを得た。
【表27】

【0148】
工程2
実施例1の段階3と同様の手順において、2−(3−ブロモキノリニル−6−オキシ)−2−メチルチオ酢酸エチルを加水分解し、無色の固体として、融点166〜167℃の2−(3−ブロモキノリニル−6−オキシ)−2−メチルチオ酢酸を得た。
【表28】

【0149】
工程3
実施例1の段階4と同様の手順において、2−(3−ブロモキノリニル−6−オキシ)−2−メチルチオ酢酸を4−アミノ−4−メチルペント−2−インと縮合させ、無色の固体として、融点135〜137℃の2−(3−ブロモキノリニル−6−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミドを得た。
【表29】

【0150】
段階2
脱酸素化1,4ジオキサン(10ml)中の2−(3−ブロモキノリニル−6−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド(0.200g)、トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジ−パラジウム(0)(0.007g)、フェニルボロン酸(0.060g)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート(0.006g)、フッ化セシウム(0.245g)の混合物を周囲温度で18時間窒素雰囲気下において撹拌した。該混合物を珪藻土で濾過し、それから該濾液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、そして有機相を分離し、鹹水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧下で蒸発させ、ゴムを得た。該ゴムをクロマトグラフィー(シリカ;ヘキサン:酢酸エチル)で分画し、無色のゴムとして、0.028gの必要な生成物を得た。
【表30】

【0151】
実施例4
該実施例は、2−(2−ベンジルオキシナフチル−7−オキシ)−2−メチルチオ−N−(2−メチルペント−3−イン−2−イル)アセトアミド(表24の化合物番号4)の調製を説明する。
【0152】
段階1:2−ベンジルオキシナフト−7−オールの調製
無水炭酸カリウム(4.08g)及びベンジルブロミド(5.13g)を含有するアセトン(50ml)中の2,7−ジヒドロキシナフチレン(4.8g)の撹拌溶液を還流温度で4時間加熱し、周囲温度に冷却し、それから18時間保存した。該混合物を濾過し、該濾液を減圧下で蒸発させ、クロマトグラフィー(シリカ;ヘキサン/酢酸エチル、容量において95:5〜1:1)により分画した淡緑色の固体を与え、1.63gのクリーム色の固体として、融点152〜154℃の2−ベンジルオキシナフト−7−オールを得た。
【0153】
段階2:2−(2−ベンジルオキシナフチル−7−オキシ)−メチルチオ酢酸エチルの調製
実施例1の段階2と同様の手順において、2−ベンジルオキシナフト−7−オールを2−ブロモ−2−メチルチオ酢酸エチルと反応させ、淡桃色の油として2−(2−ベンジルオキシナフチル−7−オキシ)−2−メチルチオ酢酸エチルを得た。
【表31】

【0154】
段階3:2−(2−ベンジルオキシナフチル−7−オキシ)−メチルチオ酢酸の調製
実施例1の段階3と同様の手順において、2−(2−ベンジルオキシナフチル−7−オキシ)−2−メチルチオ酢酸エチルを加水分解し、黄色のゴムとして2−(2−ベンジルオキシナフチル−7−オキシ)−メチルチオ酢酸を得た。
【表32】

【0155】
実施例1の段階4と同様の手順において、2−(2−ベンジルオキシナフチル−7−オキシ)−2−メチルチオ酢酸を4−アミノ−4−メチルペント−2−インハイドロクロライドと縮合させ、緑色のゴムとして必要とする生成物を得た。
【表33】

【0156】
実施例5
該実施例は式(1)の化合物の殺真菌特性を示す。
【0157】
以下に記載する方法を用いてリーフディスクアッセイ(leaf disk assay)において化合物を試験した。試験化合物はDMSO中に溶かし、そして水で200ppmに希釈した。ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)における試験の場合には、これらをDMSO中に溶かし、そして水で20ppmに希釈した。
【0158】
エリシフェ・グラミニスf属ホルデイ(Erysiphe graminis f.sp. hordei)(大麦ウドン粉病):大麦の葉切片を24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして試験化合物の溶液を噴霧した。12〜24時間で完全に乾燥させた後、該リーフディスクに真菌の胞子懸濁液を播種した。適当なインキュベーション後、予防的な殺真菌活性として、播種4日後、化合物の活性を評価した。
【0159】
エリシフェ・グラミニスf属トリチシ(Erysiphe graminis f.sp. tritici)(小麦ウドン粉病):小麦の葉切片を24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして試験化合物の溶液を噴霧した。12〜24時間で完全に乾燥させた後、該リーフディスクに真菌の胞子懸濁液を播種した。適当なインキュベーション後、予防的な殺真菌活性として、播種4日後、化合物の活性を評価した。
【0160】
プッシニア・レコンジタf属トリチシ(Puccinia recondita f.sp. tritici)(小麦褐さび病):小麦の葉切片を24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして試験化合物の溶液を噴霧した。12〜24時間で完全に乾燥させた後、該リーフディスクに真菌の胞子懸濁液を播種した。適当なインキュベーション後、予防的な殺真菌活性として、播種9日後、化合物の活性を評価した。
【0161】
セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)(小麦ふ枯病):小麦の葉切片を24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして試験化合物の溶液を噴霧した。12〜24時間で完全に乾燥させた後、該リーフディスクに真菌の胞子懸濁液を播種した。適当なインキュベーション後、予防的な殺真菌活性として、播種4日後、化合物の活性を評価した。
【0162】
ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)(大麦網斑病):大麦の葉切片を24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして試験化合物の溶液を噴霧した。12〜24時間で完全に乾燥させた後、該リーフディスクに真菌の胞子懸濁液を播種した。適当なインキュベーション後、予防的な殺真菌活性として、播種4日後、化合物の活性を評価した。
【0163】
ピリキュラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)(稲イモチ病):稲の葉切片を24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして試験化合物の溶液を噴霧した。12〜24時間で完全に乾燥させた後、該リーフディスクに真菌の胞子懸濁液を播種した。適当なインキュベーション後、予防的な殺真菌活性として、播種4日後、化合物の活性を評価した。
【0164】
ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)(灰色かび病):豆の葉切片を24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして試験化合物の溶液を噴霧した。12〜24時間で完全に乾燥させた後、該リーフディスクに真菌の胞子懸濁液を播種した。適当なインキュベーション後、予防的な殺真菌活性として、播種4日後、化合物の活性を評価した。
【0165】
フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)(トマトにおけるジャガイモ疫病)(late blight of potato on tomato):トマトの葉切片を24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして試験化合物の溶液を噴霧した。12〜24時間で完全に乾燥させた後、該リーフディスクに真菌の胞子懸濁液を播種した。適当なインキュベーション後、予防的な殺真菌活性として、播種4日後、化合物の活性を評価した。
【0166】
プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)(ブドウべと病):ブドウの葉切片を24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして試験化合物の溶液を噴霧した。12〜24時間で完全に乾燥させた後、該リーフディスクに真菌の胞子懸濁液を播種した。適当なインキュベーション後、予防的な殺真菌活性として、播種7日後、化合物の活性を評価した。
【0167】
ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)(立ち枯れ病):新鮮な液体培養液から調製した真菌の菌糸断片をジャガイモのデキストロースブロスに混合した。ジメチルスルホキシド中の試験化合物の溶液を水で20ppmに希釈し、それから96ウェルマイクロタイタープレートにおき、そして真菌の胞子を含有する栄養ブロスを添加した。試験プレートを24℃でインキュベートし、そして48時間後に成長の阻害を測光法で測定した。
【0168】
以下の化合物(最初に化合物番号、続く括弧中は表番号)は、200ppmにおいて少なくとも60%の以下の真菌感染の制御を与えた:
【0169】
プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)、化合物4(2)、4(7)、1(10)、4(10)、4(12)、4(13)、1(21)、4(21)、4(24A)、4(24B)。
【0170】
フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、化合物4(2)、4(7)、1(10)、4(10)、4(12)、4(13)、4(21)、4(24A)、4(24B)。
【0171】
エリシフェ・グラミニスf属トリチシ(Erysiphe graminis f.sp. tritici)、化合物4(12)、1(16)、4(16)、7(16)。
【0172】
ピリキュラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)、化合物4(16);
【0173】
ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)、化合物4(1)、4(3)、4(16)、4(19)、7(19)、8(19)、4(20)、5(16)、4(12)、4(13)。
【0174】
エリシフェ・グラミニスf属ホルデイ(Erysiphe graminis f.sp. hordei)、化合物1(16)、4(16)、7(19)、4(20)、4(21)、5(16)、7(16);
【0175】
プッシニア・レコンジタf属トリチシ(Puccinia recondita f.sp. tritici)、化合物1(16);
【0176】
セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)、化合物1(16)、4(16)、4(22)、7(16);
【0177】
以下の化合物(最初に化合物番号、続く括弧中は表番号)は、20ppmにおいて少なくとも60%の以下の真菌感染の制御を与えた:
【0178】
ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)、化合物4(2)、4(3)、4(7)、7(16)、1(10)、4(10)、4(13)、4(24A)、4(24B)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)の化合物:
【化1】

(式中、Arは、式(A)
【化2】

の基であって、
式中、
1は、アリール、アリールオキシ、アリール(C1-6)アルキル、アリール(C1-6)アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール(C1-6)アルキル又はヘテロアリール(C1-6)アルコキシであり、ここで該アリール又はヘテロアリール部分は、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ及びC1-4アルキルチオから独立に選択される1、2又は3つの置換基で任意的に置換されており、そしてA2及びA3は、独立に、H、ハロ、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、ハロ(C1-6)アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、C2-6アルケニル、ハロ(C2-6)アルケニル、C2-6アルキニル、ハロ(C2-6)アルキニル、C1-6アルコキシ、ハロ(C1-6)アルコキシ、C2-6アルケニルオキシ、ハロ(C2-6)アルケニルオキシ、C2-6アルキニルオキシ、ハロ(C2-6)アルキニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アリール(C1-6)アルキル若しくはアリール(C1-6)アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール(C1-6)アルキル若しくはヘテロアリール(C1-6)アルコキシ、−SF5、−S(O)p(C1-4)アルキル(ここでpは0、1又は2であり、そして該アルキル基はハロで任意的に置換されている)、−OSO2(C1-4)アルキル(ここで該アルキル基はハロで任意的に置換されている)、−CONRpq、−CORp、−CO2p、−CRp=NRq、−NRpq、−NRpCORq、−NRpCO2q、−SO2NRpq又は−NRpSO2O(ここでROはハロゲンで任意的に置換されたC1-4アルキルであり、そしてRp及びRqは、独立に、H又はハロゲンで任意的に置換されたC1-4アルキルであり、あるいは−CONRpq又は−SO2NRpqの場合には、1つの窒素原子、1つの硫黄原子、飽和した炭素原子、及び任意的に1つの酸素原子を含有する5−又は6−員環を形成するように連結してもよい)であり;ここでいずれかの上記アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基若しくは部分は、任意的に置換されてよい;あるいは
1及びA2は、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、オキソ、チオキソ、アリール、アリールオキシ、アリール(C1-6)アルキル、アリール(C1-6)アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール(C1-6)アルキル又はヘテロアリール(C1-6)アルコキシで任意的に置換された、飽和した若しくは不飽和の5員環又は飽和した6−、7−若しくは8員環を形成し、ここで
該環が飽和した5員環である場合、任意的に1又は2つの炭素原子が、O又はS原子で独立に置き換えられ、あるいは
該環が不飽和の5員環である場合、任意的に1つの炭素原子がO又はS原子で置き換えられ、そして該不飽和の5員環はベンゼン又はピリジン環と任意的に融合し、これらはハロ又はC1-4アルキルで任意的に置換されており、あるいは
該環は不飽和の6−、7−若しくは8員環であり、
そしてA3は、H、ハロ、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、ハロ(C1-6)アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、C2-6アルケニル、ハロ(C2-6)アルケニル、C2-6アルキニル、ハロ(C2-6)−アルキニル、C1-6アルコキシ、ハロ(C1-6)アルコキシ、C2-6アルケニルオキシ、ハロ(C2-6)アルケニルオキシ、C2-6アルキニルオキシ、ハロ(C2-6)アルキニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アリール(C1-6)アルキル、アリール(C1-6)アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール(C1-6)アルキル、ヘテロアリール(C1-6)アルコキシ、−SF5、−S(O)p(C1-4)アルキル(ここでpは0、1又は2であり、そして該アルキル基はハロで任意的に置換されている)、−OSO2(C1-4)アルキル(ここで該アルキル基はハロで任意的に置換されている)、−CONRpq、−CORp、−CO2p、−CRp=NRq、−NRpq、−NRpCORq、−NRpCO2q、−SO2NRpq又は−NRpSO2O(ここでROはハロゲンで任意的に置換されたC1-4アルキルであり、そしてRp及びRqは、独立に、H又はハロゲンで任意的に置換されたC1-4アルキルであり、あるいは−CONRpq又は−SO2NRpqの場合には、1つの窒素原子、1つの硫黄原子、飽和した炭素原子、及び任意的に1つの酸素原子を含有する5−又は6−員環を形成するように連結してもよい)であり;ここでいずれかの上記アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基若しくは部分は、任意的に置換されてよい;あるいは
Arは式(B1)又は(B2):
【化3】

の基であって、
式中、
L及びMは共にCQであり、あるいはLはN又はN−オキシドであり、そしてMはCQであり、あるいはLはCQであり、そしてMはN又はN−オキシドである;
a及びKbは、独立に、H又はFである;
Vは、H、ハロ、シアノ、ニトロ、ハロ又はC1-4アルコキシで任意的に置換されたC1-6アルキル、ハロ又はC1-4アルコキシで任意的に置換されたC3-6シクロアルキル、ハロ又はC1-4アルコキシで任意的に置換されたC3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、ハロで任意的に置換されたC2-4アルケニル、ハロで任意的に置換されたC2-4アルキニル、ハロ又はC1-4アルコキシで任意的に置換されたC1-6アルコキシ、ハロで任意的に置換されたC2-4アルケニルオキシ、ハロで任意的に置換されたC2-4アルキニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アリール(C1-6)アルキル、アリール(C1-6)アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール(C1-6)アルキル、ヘテロアリール(C1-6)アルコキシ、−SF5、−S(O)p(C1-4)アルキル(ここでpは0、1又は2であり、そして該アルキル基はハロで任意的に置換されている)、−OSO2(C1-4)アルキル(ここで該アルキル基はハロで任意的に置換されている)、−CONRpq、−CORp、−CO2p、−CRp=NRq、−NRpq、−NRpCORq、−NRpCO2q、−SO2NRpq又は−NRpSO2o(ここでRoはハロゲンで任意的に置換されたC1-4アルキルであり、そしてRp及びRqは、独立に、H又はハロゲンで任意的に置換されたC1-4アルキルであり、あるいは−CONRpq又は−SO2NRpqの場合には、1つの窒素原子、1つの硫黄原子、飽和した炭素原子、及び任意的に1つの酸素原子を含有する5−又は6−員環を形成するように連結してもよい)であり;ここでいずれかの上記アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基若しくは部分は、任意的に置換されてよい;
Qは、アリール、アリールオキシ、アリール(C1-6)アルキル、アリール(C1-6)アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール(C1-6)アルキル又はヘテロアリール(C1-6)アルコキシであり、ここで該アリール又はヘテロアリール部分は、ハロ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ及びC1-4アルキルチオから独立に選択される1、2又は3つの置換基で任意的に置換されている;
1は、C1-4アルキル、ハロ(C1-4)アルキル又はC3-4シクロアルキルである;
2は、H、C1-4アルキル、C1-4アルコキシメチル又はベンジルオキシメチルであり、ここで該ベンジル部分のフェニル環は、1、2又は3つのC1-4アルコキシ基で任意的に置換されている;
3及びR4は、独立に、ハロ、C1-4アルコキシ、シアノ又は−S(O)m(C1-4)アルキル(ここでmは0、1又は2であり、そして該C1-4アルキル基はハロで任意的に置換されている)で任意的に置換された、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルであり、ただし共にHではなく、あるいは
3及びR4は、任意的に、O、S又はN原子を含有し、そしてハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ又はシアノで任意的に置換されている3又は4員炭素環を形成するように付随する炭素原子と接合する;
5は、H、C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル又はC3-6シクロアルキル(C1-4)アルキルであり、ここで該アルキル又はシクロアルキル基は、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、C1-3アルコキシ(C1-3)アルコキシ、シアノ、C1-4アルキルカルボニル、C1-4アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、C1-4アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ又はモノ−若しくはジ(C1-4)アルキルアミノカルボニルオキシ、トリ(C1-4)アルキルシリルオキシ、−S(O)r(C1-6)アルキル(ここでrは0、1又は2である)で任意的に置換されており、あるいは
5は、任意的に置換されたアリール、任意的に置換されたアリール(C1-4)アルキル、任意的に置換されたアリールオキシ(C1-4)アルキル、任意的に置換されたアリール(C1-4)アルコキシ(C1-4)アルキル、任意的に置換されたヘテロアリール、任意的に置換されたヘテロアリール(C1-4)アルキル、任意的に置換されたヘテロアリールオキシ(C1-4)アルキル又は任意的に置換されたヘテロアリール(C1-4)アルコキシ(C1-4)アルキルであり、
ここでR5の該任意的に置換されたアリール及びヘテロアリール環又は部分は、ハロ、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、ハロ(C1-6)アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、C2-6アルケニル、ハロ(C2-6)アルケニル、C2-6アルキニル、ハロ(C2-6)アルキニル、C1-6アルコキシ、ハロ(C1-6)アルコキシ、C2-6アルケニルオキシ、ハロ(C2-6)アルケニルオキシ、C2-6アルキニルオキシ、ハロ(C2-6)アルキニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アリール(C1-6)アルキル、アリール(C1-6)アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール(C1-6)アルキル、ヘテロアリール(C1-6)アルコキシ、−SF5、−S(O)r(C1-4)アルキル(ここでrは0、1又は2であり、そして該アルキル基はハロで任意的に置換されている)、−OSO2(C1-4)アルキル(ここで該アルキル基はハロで任意的に置換されている)、−CONRst、−CORs、−CO2s、−CRs=NRt、−NRst、−NRsCORt、−NRsCO2t、−SO2NRst又は−NRsSO2r(ここでRrはハロゲンで任意的に置換されたC1-6アルキルであり、そしてRs及びRtは、独立に、H又はハロゲンで任意的に置換されたC1-6アルキルであり、あるいは−CONRst又は−SO2NRstの場合には、1つの窒素原子、1つの硫黄原子、飽和した炭素原子、及び任意的に1つの酸素原子を含有する5−又は6−員環を形成するように連結してもよい)であり;ここでいずれかの上記アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基若しくは部分は、任意的に置換されてよい;あるいは
nは、0、1又は2である)。
【請求項2】
前記式中、Arが式(A)の基であり、そしてA1がアリールオキシ又はヘテロアリールオキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記式中、Arが式(A)の基であり、そしてA1がアリールオキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記式中、Arが3−フェノキシフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記式中、Arがハロ又はC1-4アルキルで任意的に置換されたジベンゾフラン−2−イルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記式中、Arがベンゾフラニル又はベンゾチオフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
前記式中、Arが式(B1)又は(B2)の基であり、MがNでありかつLがCQであり、LがNでありかつMがCQであり、あるいはL及びMが共にCQであり;VがHであり;Ka及びKbがHであり;そしてQがアリール又はアリール(C1-4)アルコキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記式中、Arが3−フェニルキノリン−6−イルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
前記式中、R1がメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記式中、R2がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
前記式中、R3及びR4が共にメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
前記式中、R5がH、メチル又はメトキシメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記式中、R5がH又はメチルである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
前記式中、Arがベンゾフラン−5−イル、ベンゾチオフェン−5−イル、ベンゾフラン−6−イル又はベンゾチオフェン−6−イルであり、R1、R3及びR4がメチルであり、R2がHであり、R5がH又はメチルであり、そしてnが0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
明細書に記載したとおりの、請求項1に記載の化合物の調製方法。
【請求項16】
前記式中nが0である請求項1に記載の化合物を調製するための方法であって、該方法が、(a)式(4)の化合物とハロゲン化剤と反応させる工程、(b)塩基の存在下において生じた式(5)の化合物とAr−OHの化合物(ここでRは請求項1に定義されるとおりである)を反応させ、式(6)の化合物を産生する工程、(c)塩基の存在下における該化合物を式(7)の対応する酸に変換する工程、そして(d)該酸を式(8)のアミンと反応させる工程、を含んで成る方法。
【請求項17】
前記式中nが1又は2である請求項1に記載の化合物を調製するための方法であって、該方法が、(a)式(4)の化合物とハロゲン化剤を反応させる工程、(b)塩基の存在下において生じた式(5)の化合物とAr−OHの化合物(ここでRは請求項1に定義されるとおりである)を反応させ、式(6)の化合物を産生する工程、(c)該化合物を酸化剤で処理し、式(9)又は(10)の化合物を得る工程、(d)塩基の存在下における該化合物を式(11)又は(12)の対応する酸に変換する工程、そして(d)式(11)又は(12)の化合物と式(8)のアミンを反応させる工程、を含んで成る方法。
【請求項18】
前記式中nが0である請求項1に記載の化合物を調製するための方法であって、該方法が、(a)式(2)の化合物とハロゲン化剤と反応させる工程、(b)上記工程により得られた式(3)の化合物を、式R1−SHのアルカンチオール(ここでR1は請求項1に定義されるとおりである)で式(6)の化合物に変換する工程、(c)塩基の存在下における該化合物を式(7)の対応する酸に変換する工程、そして(d)該酸を式(8)のアミンと反応させる工程、を含んで成る方法。
【請求項19】
前記式中nが0である請求項1に記載の化合物を調製するための方法であって、該方法が、(a)式(13)の化合物と式(8)のアミンを反応させて、式(14)の化合物を形成する工程、(b)該化合物をハロゲン化剤で処理して、式(16)の化合物を産生する工程、そして(c)塩基の存在下における該化合物とAr−OH(ここでArは請求項1に定義されるとおりである)を反応させる工程、を含んで成る方法。
【請求項20】
前記式中nが0である請求項1に記載の化合物を調製するための方法であって、該方法が、(a)塩基の存在下における式(15)の化合物と式(8)のアミンを反応させて、式(16)の化合物を形成する工程、そして(b)塩基の存在下における該化合物とAr−OH(ここでArは請求項1に定義されるとおりである)を反応させる工程、を含んで成る方法。
【請求項21】
殺真菌的有効量の請求項1に記載の式(1)の化合物、及びこれに適当な担体又は希釈剤を含んで成る、殺真菌組成物。
【請求項22】
植物病原性真菌を駆除又は制御する方法であって、該方法が殺真菌的有効量の請求項1に記載の式(1)の化合物、又は請求項13に記載の組成物を、植物に、植物の種子に、植物若しくは種子の場所に、又は土壌若しくはいずれかの他の植物成長培地に適用することを含んで成る、方法。

【公表番号】特表2008−521850(P2008−521850A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543759(P2007−543759)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012734
【国際公開番号】WO2006/058699
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【Fターム(参考)】