説明

1−ブテン系ポリマー類の組成物類

1−ブテンポリマー組成物であり、a) アイソタクチック1−ブテンポリマーであって、下記の特徴: i)90%を超える、13C−NMRにより測定したアイソタクチックペンタド(mmmm); ii)90℃を超える融点(TmII);および iii)0.5dl/g〜5.0dl/gからなる、135℃のテトラヒドロナフタレン(THN)中で測定した極限粘度を有する上記ポリマーを10重量%〜90重量%;ならびにb) 1−ブテンと少なくともC〜C12アルファオレフィン誘導単位とのコポリマーであって、0モル%〜10モル%のプロピレンもしくはペンテン誘導単位を含有、および/または0モル%〜5モル%のエチレン誘導単位を含有し、C〜C12アルファオレフィン誘導単位の含量が4.0モル%よりも高く20.0モル%よりも低い前記コポリマーであって、下記の特徴; i)13CNMRにより、アイソタクチックペンタドmmmmが90%以上;ペンタド(mmrr+mrrm)が4よりも低く、そしてペンタドrmmrが検出できない; ii)0.8dl/g〜5.0dl/gからなる、135℃のテトラヒドロナフタレン中で測定した極限粘度(IV) iii)DSCにより測定した融点(TmI)およびC〜C12アルファオレフィン含量が次の関係:TmI<130×C−0.3(式中、CはC〜C12アルファオレフィン誘導単位のモル含量であり、TmIは第1融解転移における最大溶融ピークであり;そうでなければ融点TmIは検出できない)を満たす;を有する前記コポリマー90重量%〜10重量%を含む前記1−ブテンポリマー組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、1−ブテンホモポリマーまたは1−ブテン−エチレンもしくは1−ブテン−プロピレンコポリマー類ならびに1−ブテンとより高級の線状アルファオレフィン類、例えば、1−オクテンもしくは1−デセン等とのコポリマー類を含む組成物に関する。得られるブレンドは改良した熱特性および弾性を有する。
【0002】
ブテン−1系ポリマー類は、当業界で周知であり、それらの高い耐圧性、耐クリープ性、衝撃強度および可撓性のため、幾つかの高需要最終用途における応用を見出してきた。これらの特性は、コモノマーの使用により改質することができる。特に、より高含量のコモノマーを有するブテン−1コモノマーは、プラスチック物質のシール強度、可撓性および軟質性のような特定の特性を調節するために、例えば、他のポリオレフィンもしくはポリマー製品とのブレンドの成分として使用することができる。
【0003】
EP第186287号公報は、50モル%〜99モル%の1−ブテンを含むランダム1−ブテンコポリマー類に関する。これらのコポリマーは、非常に広範囲の特性を持つと記載されている。特に、融点は、使用するコモノマーの種類と量に依存して30〜120℃の範囲に及ぶ。当該公報は、その1−ブテンコポリマー類は、ポリ−1−ブテンのような別の熱可塑性樹脂と混合して使用できると一般的に記載する。
【0004】
EP第1260525号公報は、幾つかある特徴の中でとりわけ、立体規則性指数(mmmm)/mmrr+rmmrが最大で20の特徴を示す1−ブテンコポリマー類に関する。本発明のポリマー類はこの特徴を有しない。当該公報は、これらのコポリマー類を使用できる組成物にも関する。
【発明の概要】
【0005】
発明者は、1−ブテンと1−オクテンまたはそれより高級のアルファオレフィン類との少なくとも1種のコポリマーおよび1−ブテン系ポリマーを含む組成物が単一成分の良好な熱特性および弾性特性を有することを見出した。
【0006】
本発明の目的は1−ブテンポリマー組成物であり、当該組成物は、
a) アイソタクチック1−ブテンホモポリマーまたは1−ブテンと0〜3モル%のエチレン誘導単位を含有するエチレンとのコポリマーおよび/または1−ブテンと0〜15モル%のプロピレン誘導単位を含有するプロピレンとのコポリマーであって、下記の特徴:
i)90%を超える、13C−NMRにより測定したアイソタクチックペンタド(mmmm);
ii)90℃を超える融点(TmII);および
iii)0.5dl/g〜5.0dl/gからなる、135℃のテトラヒドロナフタレン(THN)中で測定した極限粘度
を有する上記ホモポリマーまたはコポリマーを10重量%〜90重量%;ならびに
b) 1−ブテンと少なくともC〜C12アルファ−オレフィン誘導単位、好ましくは、少なくとも1−オクテン誘導単位とのコポリマーであって、0モル%〜10モル%のプロピレンもしくはペンテン誘導単位を含有、および/または0モル%〜5モル%のエチレン誘導単位を含有し、C〜C12アルファ−オレフィン誘導単位の含量が4.0モル%よりも高く20.0モル%よりも低い前記コポリマーであって、下記の特徴;
i)13CNMRにより、アイソタクチックペンタドmmmmが90%以上;ペンタド(mmrr+mrrm)が4よりも低く、そしてペンタドrmmrが検出できない;
ii)0.8dl/g〜5.0dl/g:好ましくは、0.9dl/g〜3.0dl/gからなる、135℃のテトラヒドロナフタレン中で測定した極限粘度(IV)
iii)DSCにより測定した融点(TmI)およびC〜C12アルファオレフィン含量が次の関係: TmI<130×C−0.3(式中、CはC〜C12アルファオレフィン誘導単位のモル含量であり、TmIは、室温で2000バールのオートクレーブ中で10分間エージングし、次いで、少なくとも20時間23℃でエージングした圧縮成型プラークを用いてDSCにより測定して、第1融解転移における最大溶融ピークであり;そうでなければ融点TmIは検出できない)を満たす;
を有する前記コポリマー90重量%〜10重量%
を含む1−ブテンポリマー組成物である。
【0007】
好ましくは、前記1−ブテンポリマー組成物の100%変形永久伸び(%)は、得られる組成物について同じ種類および量のコモノマー内容を有する1−ブテンコポリマーの100%変形永久伸びよりも低く、好ましくは、前記1−ブテンポリマー組成物の100%変形永久伸びは、得られる組成物について同じ種類および量のコモノマー内容を有する1−ブテンコポリマーの100%変形永久伸びよりも20%低く、より好ましくは、前記1−ブテンポリマー組成物の100%変形永久伸びは、得られる組成物について同じ種類および量のコモノマー内容を有する1−ブテンコポリマーの100%変形永久伸びよりも50%低い。
【0008】
本発明の目的のため、組成物およびブレンドという用語は、少なくとも2種のポリマーの混合物を示すことと同じ意味で使用する。
アイソタクチック1−ブテン系成分a)は、1−ブテンのアイソタクチックホモポリマーまたは1−ブテンと0〜5モル%、好ましくは、0.2〜2モル%のエチレン誘導単位を含有するエチレンとおよび0〜15モル%、好ましくは、0.2〜5モル%のプロピレン誘導単位を含有するプロピレンとのコポリマーである。
【0009】
成分a)は、好ましくは、13CNMRにより測定したアイソタクチックペンタド(mmmm)が92%を超え;より好ましくは、95%を超える。成分a)の融点(TmII)は、好ましくは、92℃を超え;より好ましくは、95℃を超え;さらにより好ましくは、100℃を超える。135℃でテトラヒドロナフタレン(THN)中で測定した極限粘度(IV)は、0.5dl/g〜4.0dl/g;好ましくは、それは1.0dl/g〜3.0dl/gである。
【0010】
本発明では、成分a)として有用なアイソタクチック1−ブテン系ポリマーは、MgClに担持されたチタン系触媒系を使用することにより、または、例えば、メタロセン系触媒系のようなシングルサイト系触媒系を使用することにより得ることができる。この種のポリマー類を得るのに有用なプロセスは、例えば、WO99/45043号;WO03/099883号;EP172961号;WO02/100908号;WO02/100909号;WO03/014107号およびWO2004/099269号各公報に記載されている。
【0011】
1−ブテン成分b)のコポリマー類は、好ましくは、アイソタクチックペンタドmmmmが92%より高く、さらにより好ましくは、mmmmが95%より高い。高いアイソタクチック性は、アタクチックポリマー類またはアイソタクチック性の低いポリマー類の固有の粘着性を回避する。
【0012】
好ましくは、存在するとき、DSCにより測定した融点(TmI)とC−C12アルファ−オレフィン含量とは次の関係を満たす。すなわち、TmI<130xC−0.35、より好ましくは、TmI<130xC−0.4である。
【0013】
好適な実施態様では、成分b)は、1−ブテンと少なくともC−C12アルファ−オレフィン誘導単位、好ましくは、少なくとも1−オクテン誘導単位とのコポリマーであり、0モル%〜2モル%のプロピレンもしくはペンテン誘導単位を含有し、8モル%よりも高く20モル%よりも低い、好ましくは、8〜12モル%のC−C12アルファ−オレフィン誘導単位の含量を有し、下記の特徴、すなわち
iv)第2溶融走査において融点TmIIが検出できない;
v)DMTAで測定した引張係数(TM)(MPa)およびコモノマー含量が次の関係:
TM<−14xC+200(式中、CはC−C12アルファ−オレフィン誘導単位のモル含量である)を満たし;
vi)100%変形時の永久伸びが55%よりも低く、好ましくは、50%より低い
特徴を有する。
【0014】
好ましくは、特徴v)において前記関係がTM<−13xC+180、さらにより好ましくは、該関係がTM<−12xC+150である。
成分b)のコモノマーとして使用されるC−C12アルファ−オレフィンの例は、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンである。好ましくは、1−デセンおよび1−オクテンを使用する。
【0015】
好ましくは、1−ブテンポリマー組成物において、成分a)は20重量%〜80重量%の範囲であり、成分b)は80重量%〜20重量%の範囲であり;より好ましくは、成分a)は30重量%〜70重量%の範囲であり、成分b)は70重量%〜30重量%の範囲である。下記の組成物も可能である。すなわち、
【0016】
【表1】

【0017】
本発明の組成物は、単独でとった成分a)および成分b)双方に関して、改良した特性を示す。特に、本発明の組成物は、2成分のモジュラスの秤量平均に等しいモジュラスを有するが、より高い融点の成分の融点に非常に接近した融点を持つ物質をもたらす。結果として、該ブレンドは、改良した熱安定性および弾性特性を示す。
【0018】
本発明のコポリマー類の成分b)は、メタロセン系触媒系を使用することにより製造され、ここで、メタロセン化合物は特定の置換パターンを有する。したがって、本発明の目的の1−ブテンC−C12アルファ−オレフィンコポリマーは、重合条件下、1−ブテンと少なくとも1種のC−C12アルファ−オレフィンと、場合により、プロピレンもしくはペンテンとを、触媒系の存在下で接触させることにより得ることができる。当該触媒系は、
(A)立体剛性(Stereorigid)メタロセン化合物;
(B)アルモキサンまたはアルキルメタロセンカチオンを形成できる化合物;および、場合により、
(C)有機アルミニウム化合物
を接触させることにより得ることができる。
【0019】
好ましくは、立体剛性メタロセン化合物は、下記の式(I):
【0020】
【化1】

【0021】
[式中、Mは4族に属する遷移金属から選択される遷移金属原子;好ましくは、Mはジルコニウムであり;Xは各々等しいか異なり、水素原子、ハロゲン原子、R、OR、OR’O、OSOCF、OCOR、SR、NRもしくはPR基(式中、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和C−C20−アルキル、C−C20−シクロアルキル、C−C20−アリール、C−C20−アルキルアリールまたはC−C20−アリールアルキル基であり、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有することができ;そしてR’はC−C20−アルキリデン、C−C20−アリーリデン、C−C20−アルキルアリーリデン、またはC−C20−アリールアルキリデン基であり;好ましくは、Xは水素原子、ハロゲン原子、OR’OもしくはR基であり、より好ましくは、Xは塩素もしくはメチル基であり;R、R、R、R、R、RおよびRは、互いに等しいか異なり、水素原子、または線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和C−C20−アルキル、C−C20−シクロアルキル、C−C20−アリール、C−C20−アルキルアリールまたはC−C20−アリールアルキル基であり、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有することができ;あるいはRおよびR、および/またはRおよびRは、場合により、飽和もしくは不飽和の5もしくは6員環を形成でき、当該環は置換基としてC−C20−アルキル基を有することができ;ただし、RもしくはRの少なくとも一つは、線状もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和C−C20−アルキル基であり、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有することができ;好ましくは、C−C10−アルキル基であり;好ましくは、R、Rは同一であり、C−C10−アルキル基であり、場合により、1個以上のケイ素原子を含有し;より好ましくは、RおよびRはメチル基であり;RおよびRは、互いに等しいか異なり、好ましくは、C−C10−アルキル基もしくはC−C20−アリール基であり;より好ましくは、それらはメチル基であり;Rは、好ましくは、水素原子もしくはメチル基であり;あるいは、Rと結合して飽和もしくは不飽和の5もしくは6員環を形成でき、当該環は置換基としてC−C20−アルキル基を有することができ; Rは、好ましくは、水素原子もしくはメチル、エチルもしくはイソプロピル基であり;あるいは、それは、上述したように、Rと結合して飽和もしくは不飽和の5もしくは6員環を形成でき;Rは、好ましくは、線状もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和C−C20−アルキル基であり、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有することができ;好ましくは、C−C10−アルキル基であり;より好ましくは、Rはメチルもしくはエチル基であり、そうでなければ、Rが水素原子と異なるとき、Rは、好ましくは、水素原子であり;RおよびRは、互いに等しいか異なり、線状もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和C−C20−アルキル基であり、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有することができ;好ましくは、RおよびRは互いに等しいか異なり、C−C10アルキル基であり;より好ましくは、Rはメチル、もしくはエチル基であり;そしてRはメチル、エチルもしくはイソプロピル基である。]に属し;(A)アルモキサンまたはアルキルメタロセンカチオンを形成できる化合物;および、場合により、(B)有機アルミニウム化合物である。
【0022】
好ましくは、式(I)の化合物は、式(Ia)または(Ib):
【0023】
【化2】

【0024】
(式中、M、X、R、R、R、R、RおよびRは上述の通りであり;Rは、線状もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和C−C20−アルキル基、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有することができ;好ましくは、RはC−C10−アルキル基であり;より好ましくは、Rはメチル、もしくはエチル基である。)を有する。
【0025】
成分B)として使用するアルモキサン類は、水と式HAlU3−jもしくはHAl6−jの有機アルミニウム化合物(式中、U置換基は、同一もしくは異なり、水素原子、ハロゲン原子、C−C20−アルキル、C−C20−シクロアルキル、C−C20−アリール、C−C20−アルキルアリールまたはC−C20−アリールアルキル基であり、場合により、ケイ素もしくはゲルマニウム原子を含有でき、ただし、少なくとも一つのUはハロゲンと異なり、jは0〜1の範囲であり、整数でない数も含む。)と反応させることにおり得ることができる。この反応では、Al/水のモル比は、好ましくは、1:1〜100:1である。アルミニウムおよびメタロセンの金属間のモル比は一般に、約10:1〜約20000:1、好ましくは、約100:1〜約5000:1である。本発明では、触媒に使用するアルモキサン類は、線状、分岐状または環状化合物であると考えられ、当該化合物類は少なくとも次の種類の少なくとも一つの基:
【0026】
【化3】

【0027】
(式中、置換基Uは同一もしくは異なり、上述の通りである。)を含有する。
特に、式:
【0028】
【化4】

【0029】
のアルモキサン類を線状化合物の場合に使用でき、式中、nは0または1〜40の整数であり、Uは上述の通りであり、あるいは、式:
【0030】
【化5】

【0031】
のアルモキサン類を環状化合物の場合に使用でき、式中、nは2〜40の整数であり、U置換基は上述の通りである。本発明で使用するのに適切なアルモキサン類の例は、メチルアルモキサン(MAO)、テトラ−(イソブチル)アルモキサン(TIBAO)、テトラ−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)アルモキサン(TIOAO)、テトラ−(2,3−ジメチルブチル)アルモキサン(TDMBAO)およびテトラ−(2,3,3−トリメチルブチル)アルモキサン(TTMBAO)である。特に、興味ある触媒は、WO99/21899号およびWO01/21674号各公報に記載されている触媒であり、アルキルおよびアリール基が特定の分岐パターンを示す。WO99/21899号およびWO01/21674号各公報に記載されているアルミニウム化合物の非限定的例は:トリス(2,3,3−トリメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ヘプチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ヘプチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−プロピル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3メチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3メチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジエチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2−プロピル−3−メチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−イソプロピル−3−メチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−イソブチル−3−メチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3,3−トリメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3,3−トリメチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3,3−ジメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2−イソプロピル−3,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−トリメチルシリル−プロピル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−3−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−フェニル−プロピル)アルミニウム、トリス[2−(4−フルオロ−フェニル)−プロピル]アルミニウム、トリス[2−(4−クロロ−フェニル)−プロピル]アルミニウム、トリス[2−(3−イソプロピル−フェニル)−プロピル]アルミニウム、トリス(2−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(3−メチル−2−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−フェニル−ペンチル)アルミニウム、トリス[2−(ペンタフルオロフェニル)−プロピル]アルミニウム、トリス[2,2−ジフェニル−エチル]アルミニウムおよびトリス[2,フェニル2−メチル−プロピル]アルミニウム、ならびに、対応する化合物であり、ここで、ヒドロカルビル基の一つは水素原子で置換され、ヒドロカルビル基の一つまたは二つがイソブチル基で置換されているものである。
【0032】
上述のアルミニウム化合物のうち、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)、トリス(2,4,4−トリメチル−ペンチル)アルミニウム(TIOA)、トリス(2,3−ジメチルブチル)アルミニウム(TDMBA)およびトリス(2,3,3−トリメチルブチル)アルミニウム(TTMBA)が好適である。
【0033】
アルキルメタロセンカチオンを形成できる化合物の非限定的例は、式Dの化合物であり、式中、Dはブレンステッド酸であり、プロトンを与え、式(I)のメタロセンのX置換基と不可逆反応でき、Eは相溶性アニオン(compatible anion)であり、2化合物の反応からもたらされる活性触媒種を安定化でき、オレフィンモノマーにより除かれ得るのに足る不安定性を有する。好ましくは、アニオンEは1種以上のホウ素原子を含む。より好ましくは、アニオンEは式BAr(−)のアニオンであり、式中、同一または異なることのできる置換基Arは、フェニル、ペンタフルオロフェニルもしくはビス(トリフルオロメチル)フェニルのようなアリール基である。テトラキス−ペンタフルオロフェニルボレートはこれらの化合物中特に好適な例であり、WO91/02012号公報に記載されている。さらに、式BArの化合物を都合良く使用できる。この種の化合物は、例えば、国際公開WO92/00333号公報に記載されている。アルキルメタロセンカチオンを形成できるその他の化合物の例は、式BArPの化合物であり、式中、Pは置換もしくは無置換ピロール基である。これらの化合物はWO01/62764号公報に記載されている。助触媒のその他の例は、EP775707号およびDE19917985号各公報に見出すことができる。ホウ素原子を含有する化合物は、DE−A−19962814号およびDE−A−19962910号公報の記載にしたがって都合良く担持できる。ホウ素原子を含有する総てのこれらの化合物は、ホウ素およびメタロセンの金属間のモル比が約1:1〜約10:1;好ましくは、1:1〜2:1;さらに好ましくは、約1:1で使用できる。
【0034】
式Dの化合物の非限定的例は:トリブチルアンモニウムテトラキスペンタフルオロフェニルアルミネート、トリブチルアンモニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス(4−フルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルベンジルアンモニウム−テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルヘキシルアンモニウム−テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ジ(プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ(シクロヘキシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等である。
【0035】
化合物(C)として使用する有機アルミニウム化合物は、上述の式HAlU3−jまたはHAl6−jからなる化合物である。本発明の触媒は、不活性担体に担持もできる。これは、メタロセン化合物A)もしくはメタロセン化合物A)と成分B)との反応生成物、もしくは成分B)および次いでメタロセン化合物を、不活性担体上、例えば、シリカ、アルミナ、Al−Si、Al−Mg混合酸化物、ハロゲン化マグネシウム、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー類、ポリエチレンもしくはポリプロピレン等上に付着させることにより達成する。担持処理は、例えば、トルエン、ヘキサン、ペンタンもしくはプロパン等の炭化水素のような不活性溶媒中で、0℃〜100℃の範囲の温度で行い、好ましくは、当該処理は25℃〜90℃の範囲の温度で行い、あるいは、当該処理を室温で行う。
【0036】
使用できる担体の適切なタイプは、活性水素原子を有する基で官能化させた多孔性有機担体により構成されるタイプである。特に適切なものは、有機担体が部分的に架橋されたスチレンポリマーである。このタイプの担体は、欧州出願EP−633272号公報に記載されている。本発明で使用するのに特に適切な不活性担体の別の種類は、ポリオレフィン多孔性プレポリマー類、特にポリエチレンからなる担体である。
【0037】
本発明で使用するための不活性担体のさらに別の適切な種類は、国際出願WO95/32995号公報に記載されているような多孔性ハロゲン化マグネシウムからなる担体である。
【0038】
本発明では、1−ブテンとC−C12アルファ−オレフィン類との重合方法は、液相中で不活性炭化水素溶媒の存在下または不存在下で行うことができる。炭化水素溶媒は、トルエンのような芳香族、またはプロパン、ヘキサン、ヘプタン、イソブタンもしくはシクロヘキサンのような脂肪族のいずれかであることができる。好ましくは、本発明のコポリマー類は、溶液法により得られる、すなわち、ポリマーが反応媒体中で完全にまたは部分的に溶解している液相中で行われる方法である。
【0039】
通例、重合温度は、一般的に、0℃〜+200℃、好ましくは、40℃〜90℃、より好ましくは50℃〜80℃である。重合圧力は、一般的に0.5〜100バールである。重合温度が低いほど得られるポリマー類の得られる分子量が高くなる。
【0040】
本発明の1−ブテン目的組成物は、成分a)および成分b)を機械的に混合(すなわち、例えば、成分a)およびb)を一緒に同じ押出する、成分a)および成分b)の溶液を混合し、次いで溶媒を除去する)ことによるか、または反応器ブレンド(すなわち、この場合、組成物を1以上の反応器中で直接製造し、機械的ブレンドの必要がない)よるかのいずれかで得ることができる。
【0041】
本発明の組成物を一連の2以上の反応器中で直接製造するとき、成分b)がシングルサイト系触媒を使用することにより製造され、成分a)が、MgClに担持されたチタン系触媒を使用することによりもしくは上述したシングルサイト系触媒を使用するかのいずれかで製造できることを考慮して、異なるプロセスが可能である。
【0042】
例えば、成分a)を上述した方法にしたがって1基以上の反応器を使用することによる第1工程、次いで、第2工程で、重合混合物を第2反応器に、もしくは、一連の第2群の反応器に供給でき、ここで、成分b)を得る。
【0043】
次の実施例は例証の目的であり、本発明の範囲を制限することを意図していない。
【実施例】
【0044】
13CNMR分析
13CNMRスペクトルを、DPX−400スペクトロメータを用い、120℃でフーリエ変換モード、100.61MHzで操作して得た。mmmmBBBBペンタドの2B2炭素のピーク(C. J. Carman, R. A. Harrington, C. E. Wilkes, Macromolecules 1977, 10, 535にしたがう用語)は、27.73における内部標準として使用した。試料を、120℃の1,1,2,2−テトラクロロエタン−d中に8%wt/v濃度で溶解させた。パルスおよびCPD(WALTZ 16)間の90°パルス、15秒の遅れを用い、H−13C結合を除いて各スペクトルを得た。約1500トランジエントを、6000Hzのスペクトルウィンドウを使用して32Kデータ点で貯蔵した。
【0045】
1−ブテン/高級オレフィンコポリマー類の組成物を下記のようにしてSαα炭素を使用して算出した:
XX=(SααXX/ΣSαα
BX=(SααBX/ΣSαα
BB=(SααBB/ΣSαα
ここで、Bは1−ブテンであり、Xはより高級のオレフィンである。
【0046】
1−オクテンおよびブテンのモル分率としての総量を下記の関係を使用して算出する:
[X]=XX+0.5BX
[B]=BB+0.5BX。
【0047】
1−ブテン/1−オクテンコポリマー類の13CNMRの割り当てを、表Aに、式(a)に示した炭素ラベルを用いて報告する。
【0048】
【化6】

【0049】
【表2】

【0050】
熱分析
ポリマー類の融点および相対溶融エンタルピー(TmI、TmII、ΔHI、ΔHII)を、N流れ雰囲気中で走査を行うPyris 1 ソフトウエアーを装備したPerkin Elmer DSC−1熱量計を用いる示差走査熱量計(DSC)により測定した。DSC装置は、要求精度で基底線を決定するのに特に注意を払いインジウムおよび亜鉛融点で予め較正した。熱量検討のための試料の製造は、カッターを使用して小片に切断することにより行った。各DSCるつぼ中の試料の重量を、6.0±0.5mgに保った。
【0051】
コポリマーの融点を得るために、秤量した試料をアルミニウム製パン中に密封し、10℃/分の速度で180℃まで加熱した。試料を180℃に5分間維持して総ての結晶質を完全に溶融させ、次いで、10℃/分の速度で−20℃に冷却した。−20℃に2分間放置後、試料を、10℃/分の速度で180℃まで2度目の加熱をした。
【0052】
高圧(2000バール)・室温のオートクレーブ中で、10分間エージングをし、次いで少なくとも24時間23℃でエージングした高圧成形試料について、第1加熱DSC実験における融点(TmI)および相対溶融エンタルピーを検出した。ガラス転移点も、10℃/分の速度で−90℃〜180℃の第2加熱実験におけるDSC分析から検出した。各DSCるつぼ中の試料の重量を、12.0±1.0mgに保った。転移の屈曲点の値をTgとして採用した。
【0053】
応力−歪み
国際標準ISO 527/1に準拠した機械試験装置(INSTRON 4301)を用いて機械的試験を行った。
【0054】
5分間圧縮下融点(200℃)を超える温度で試料を加熱し、次いで、溶融物を30℃/分の冷却速度で室温に冷却することにより、圧縮成形試料を作成した。機械的試験実施前に、これらの圧縮成形試料を、高圧(2000バール)・室温のオートクレーブ(水中)中で10分間エージングをし、次いでさらに24時間23℃でエージングした。30mm長さ、5mm幅および2mm厚さの長方形試験標本を、軸方向に室温で500mm/分の速度で破断するまで引っ張り、応力−歪み曲線を集めた。各試料について、6応力−歪み曲線を集め、平均を取った。このようにして、降伏応力、降伏点伸び、破断点応力および破断点伸びを測定した。
【0055】
永久伸び計算
5分間圧縮下融点(200℃)を超える温度で試料を加熱し、次いで、溶融物を30℃/分の冷却速度で室温に冷却することにより、圧縮成形試料を作成した。引張測定実施前に、これらの圧縮成形ブテンコポリマーを、高圧(2000バール)・室温のオートクレーブ(水)中で10分間エージングをし、次いでさらに24時間23℃でエージングした。ISO 2285法に準拠して永久伸び値を測定した。50mm長さ、2mm幅および2mm厚さの長方形試験標本を、軸方向に最初の長さLから長さL=2Lまで、すなわち、伸びε=[L−L/L]*100=100%(変形速度は一定ではないが高い)引っ張り、この伸びを10分間保ち、次いで、引張を除き、緩和試験標本Lの最終長さを10分後測定した。次の式:t(ε)=[(L−L)/L]*100 を使用して永久伸びを算出した。永久伸び値は2回測定の平均である。
【0056】
DMTA
引張弾性率(23℃時)を、液体窒素冷却用アクセサリー装置を備えたDMTA.Seiko DMS 6100を使用して加熱速度2℃/分および振動数1Hzで測定した。圧縮成形プラークを50x6x1mmの寸法に切断することにより試験標本を作成した。調査温度範囲は、−80℃から軟化点だった。
【0057】
触媒製造
WO01/47939号公報にしたがって、ジメチルシランジイル{(1−(2,4,7−トリメチルインデニル)−7−(2,5−ジメチル−シクロペンタ[1,2−b:4,3−b’]−ジチオフェン)}ジルコニウムジクロリド(A1)を調製した。メチルアルモキサン(MAO)を、Albemarleにより30%wt/wtトルエン溶液として供給し、そのまま使用した。トリイソブチルアルミニウム((TIBA)を、クロンプトン社より純化学品として供給され、無水シクロヘキサンで約100g/リットルに希釈した。総ての化学品は標準的なSchlenk技術を使用して取り扱った。
【0058】
触媒溶液(Altot/Zr=400モル、シクロヘキサン/トルエン中AlMAO/Zr=267モル/モル)の調製
22mgのAlを室温で窒素雰囲気下、磁気攪拌機を備えた、50mlのSchlenkフラスコ中に装填した。MAO Albemarle30%トルエン溶液とTIBAシクロヘキサン溶液の混合物16.2ml(25.3gAltot/L;MAO/TIBA=2/1モル)を室温で窒素雰囲気下、Al(AlMAO/Zr=267;AlTIBA/Zr=133、Altot/Zr=400)を含有するSchlenkフラスコ中に加えた。得られた澄明橙赤色溶液(Al濃度は1.36mg/mL)を、室温で1〜2時間撹拌し、そのまま重合に使用した。
【0059】
重合試験
機械攪拌機および35mlステンレス鋼製バイアルを備え、温度制御のためのサーモスタットを備えた、ジャケット付き4.4リットルのステンレス鋼製オートクレーブ中で、下記の手順を使用して重合試験を行った。重合実験の前に、オートクレーブを1MのAl(i−Bu)ヘキサン溶液を用いて洗浄し、窒素流中70℃で乾燥させることにより浄化した。続いて、MAO/TIBA=2/1モルのトルエン/シクロヘキサンの25.3g(Altot)/L溶液(4ミリモルのAlに相当)アリコットおよび1122gの1−ブテンを室温でオートクレーブ中に装填し、次いで、サーモスタットを70℃に設定した。5mLのシクロヘキサンで希釈した、触媒/助触媒混合物(1.97mgメタロセン/mL溶液)を含有する、上記で調製した触媒系2.8mLをステンレス鋼製バイアル中に装填し、窒素加圧によりオートクレーブに注入した。20分間、一定温度で重合を行った。この後、ステンレス鋼製バイアルを介し窒素加圧により、300gの1−オクテンをオートクレーブ中に注入し、1時間一定温度で重合を行った。次いで、撹拌を中断し、オートクレーブ中の圧力を窒素で20バール−gまで上げ、底部排出バルブを開放し、水を含有する加熱した鋼製タンク中にポリマー/モノマー混合物を排出し、10分間蒸気流で処理した。タンク加熱器のスイッチをオフにし、0.5バール−gの窒素流を供給して水を除去した。鋼製タンクを最終的に開放し、湿ったポリマーを集め、1夜、減圧下オーブン中85℃で乾燥させた。重合結果を表1に示した。
【0060】
成分a)および成分b)の特性を分析するために、2種の別の重合実験を行い、実施例1で製造したものに匹敵するホモポリマー成分a)およびコポリマー成分b)の製造を行い、さらに、組成物の同じモル含量のコモノマーを有する1−オクテンコポリマーを製造した。下記の手順に従い重合実験を行った。
【0061】
重合試験
機械攪拌機および35mlステンレス鋼製バイアルを備え、温度制御のためのサーモスタットを備えた、ジャケット付き4.4リットルのステンレス鋼製オートクレーブ中で、下記の手順を使用して重合試験を行った。重合実験の前に、オートクレーブを1MのAl(i−Bu)ヘキサン溶液を用いて洗浄し、窒素流中70℃で乾燥させることにより浄化した。続いて、スキャベンジャー(4ミリモルのAlに相当するMAO/TIBA=2/1モルのトルエン/シクロヘキサンの25.3g(Altot)/L溶液の量)および次いで所望量(表1)のブテンおよびオクテンをオートクレーブ中に室温で装填した。次いで、オートクレーブを70℃の重合温度に温度設定した。触媒/助触媒混合物を含有する溶液をステンレス鋼製バイアルを介して窒素圧力によりオートクレーブに注入した。モノマーを供給しないで、1時間、一定温度で重合を行った。
【0062】
次いで、撹拌を中断し、オートクレーブ中の圧力を窒素で20バール−gまで上げ、底部排出バルブを開放し、水を含有する加熱した鋼製タンク中にポリマー/モノマー混合物を排出し、10分間蒸気流で処理した。タンク加熱器のスイッチをオフにし、0.5バール−gの窒素流を供給して水を除去した。鋼製タンクを最終的に開放し、湿ったポリマーを集め、1夜、減圧下オーブン中85℃で乾燥させた。重合結果を表1に示した。
【0063】
【表3】

【0064】
上記例で得られたコポリマー類を分析した。
熱分析
上述した手順に従い熱分析を行った。表2に結果を示す
【0065】
【表4】

【0066】
機械的分析
上述した手順に従い応力−歪み、永久伸びおよび引張弾性率測定を行った。機械的分析の結果を表3に示す。
【0067】
【表5】

【0068】
本発明の組成物の永久伸びは18%だったのに対し、同種および同量のコモノマーを有する例2のコポリマーの永久伸びは45%だった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1−ブテンポリマー組成物であり、当該組成物は、
a) アイソタクチック1−ブテンホモポリマーまたは1−ブテンと0〜3モル%のエチレン誘導単位を含有するエチレンとのコポリマーおよび/または1−ブテンと0〜15モル%のプロピレン誘導単位を含有するプロピレンとのコポリマーであって、下記の特徴:
i)90%を超える、13C−NMRにより測定したアイソタクチックペンタド(mmmm);
ii)90℃を超える融点(TmII);および
iii)0.5dl/g〜5.0dl/gからなる、135℃のテトラヒドロナフタレン(THN)中で測定した極限粘度
を有する上記ホモポリマーまたはコポリマーを10重量%〜90重量%;ならびに
b) 1−ブテンと少なくともC〜C12アルファ−オレフィン誘導単位とのコポリマーであって、0モル%〜10モル%のプロピレンもしくはペンテン誘導単位を含有、および/または0モル%〜5モル%のエチレン誘導単位を含有し、C〜C12アルファ−オレフィン誘導単位の含量が4.0モル%よりも高く20.0モル%よりも低い前記コポリマーであって、下記の特徴;
i)13CNMRにより、アイソタクチックペンタドmmmmが90%以上;ペンタド(mmrr+mrrm)が4よりも低く、そしてペンタドrmmrが検出できない;
ii)0.8dl/g〜5.0dl/gからなる、135℃のテトラヒドロナフタレン中で測定した極限粘度(IV)
iii)DSCにより測定した融点(TmI)およびC〜C12アルファオレフィン含量が次の関係:
TmI<130×C−0.3(式中、CはC〜C12アルファオレフィン誘導単位のモル含量であり、TmIは、室温で2000バールのオートクレーブ中で10分間エージングし、次いで、少なくとも20時間23℃でエージングした圧縮成型プラークを用いてDSCにより測定して第1融解転移における最大溶融ピークであり;そうでなければ融点TmIは検出できない)を満たす;
を有する前記コポリマー90重量%〜10重量%
を含む前記1−ブテンポリマー組成物。
【請求項2】
−C12アルファーオレフィンが1−オクテンである、請求項1に記載の1−ブテンポリマー組成物。
【請求項3】
1−ブテンポリマー組成物の100%変形永久伸び(%)は、得られる組成物について同じ種類および量のコモノマー内容を有する1−ブテンコポリマーの100%変形永久伸び(%)よりも低い、請求項1〜2のいずれかに記載の1−ブテンポリマー組成物。
【請求項4】
1−ブテンポリマー組成物の100%変形永久伸び(%)は、得られる組成物について同じ種類および量のコモノマー内容を有する1−ブテンコポリマーの100%変形永久伸び(%)よりも20%低い、請求項1〜3のいずれかに記載の1−ブテンポリマー組成物。
【請求項5】
成分a)の融点(TmII)が92℃を超える、請求項1〜4のいずれかに記載の1−ブテンポリマー組成物。
【請求項6】
成分b)は、1−ブテンと少なくともC−C12アルファ−オレフィン誘導単位、好ましくは、少なくとも1−オクテン誘導単位とのコポリマーであり、0モル%〜2モル%のプロピレンもしくはペンテン誘導単位を含有し、8モル%よりも高く20モル%よりも低いC−C12アルファ−オレフィン誘導単位の含量を有し、さらに下記の特徴、
iv)第2溶融走査において融点TmIIが検出できない;
v)DMTAで測定した引張係数(TM)(MPa)およびコモノマー含量が次の関係:
TM<−14xC+200(式中、CはC−C12アルファ−オレフィン誘導単位のモル含量である)を満たし;
vi)100%変形時の永久伸びが55%よりも低い
特徴を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の1−ブテンポリマー組成物。
【請求項7】
前記特徴v)において、該関係が:TM<−13xC+180 である、請求項6に記載の1−ブテンポリマー組成物。
【請求項8】
前記成分a)が20重量%〜80重量%であり、成分b)が80重量%〜20重量%である、請求項1〜7のいずれかに記載の1−ブテンポリマー組成物。
【請求項9】
成分a)が、好ましくは、92%を超える、13CNMRにより測定したアイソタクチックペンタド(mmmm)を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の1−ブテンポリマー組成物。

【公表番号】特表2011−515518(P2011−515518A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500141(P2011−500141)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際出願番号】PCT/EP2009/052274
【国際公開番号】WO2009/115400
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(506126071)バーゼル・ポリオレフィン・イタリア・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ (138)
【Fターム(参考)】