説明

2’−フルオロ−2’−アルキル−置換又は他の置換されていてもよいリボフラノシルピリミジン類及びプリン類並びにそれらの誘導体の製造

本発明は、(i)2'-デオキシ-2'-フルオロ-2'-メチル-D-リボノラクトン誘導体、(ii)強い抗HCV活性を有するヌクレオシド類及びその類似体への中間体ラクトン類の転化、及び(iii)予め生成された好ましくは天然に生じるヌクレオシドから2'-デオキシ-2'-フルオロ-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシルヌクレオシド類を含む抗HCVヌクレオシド類を製造する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本願は、合衆国法人ファーマセット社及び韓国国民Byoung-Kwon Chun及び中国国民Peiyuan Wang名義のPCT国際特許出願として2005年9月13日に出願されたもので、2004年9月14日出願の仮特許出願第60/609783号、2004年9月15日出願の仮特許出願第60/610035号、及び2005年3月29日に出願の仮特許出願第60/666230号に基づく優先権を主張しており、これら出願の全てをその全体につき出典明示により援用する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、(i)2-デオキシ-2-フルオロ-2-メチル-D-リボノラクトン誘導体、(ii)強い抗HCV活性を有するヌクレオシド類及びその類似体(アナログ)への中間体ラクトン類の転化、及び(iii)予め生成された好ましくは天然に生じるヌクレオシドから2'-デオキシ-2'-フルオロ-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシルヌクレオシドを含む抗HCVヌクレオシド類を製造する方法を提供する。
【0003】
(発明の背景)
HCV感染は世界的な流行レベルに達し、感染した患者に悲劇的な影響をもたらしている。現在、この感染に対する効果的な治療法はなく、慢性C型肝炎の治療に利用できる唯一の薬剤は、単独又はリバビリンとの併用での、様々な形態のαインターフェロン(IFN-α)である。しかしながら、これらの治療法の治療的価値は主に副作用のために評価が落ちており、それが更なる治療の選択肢を開発する必要性を際立たせている。
【0004】
HCVは、ヌクレオカプシド内の〜9.6kbのポジティブな一本鎖RNAゲノムを有するフラビウイルス(Flaviviridae)科の小さなエンベロープを持ったウイルスである。ゲノムは丁度3000を超えるアミノ酸のポリタンパク質をコードする単一のオープンリーディングフレーム(ORF)を含んでおり、これは開裂されて成熟構造及び非構造ウイルスタンパク質を産生する。ORFには数百ヌクレオチド長の5'及び3'非翻訳領域(NTR)が隣接し、これはRNA翻訳及び複製に重要である。翻訳ポリタンパク質は構造コア(C)及びエンベロープタンパク質(E1、E2、p7)をN末端に含み、これに非構造タンパク質(NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5A、NS5B)が続く。成熟構造タンパク質は宿主シグナルペプチダーゼによる開裂によって産生される。NS2及びNS3の間の結合はNS2/NS3プロテアーゼによって自己触媒的に切断される一方、残りの4つの結合はNS4Aと複合体化したNS3のN末端セリンプロテアーゼドメインによって切断される。NS3タンパク質はまた複製中に二本鎖RNAを巻き戻すNTP依存性ヘリカーゼ活性を含んでいる。NS5Bタンパク質はRNA依存性RNAポリメラーゼ(RDRP)活性を有しており、これはウイルス複製のために必須である。HBV又はHIVとは異なり、HCVの複製にはDNAは関与していない。
【0005】
米国特許文献(米国特許出願公開第2005/0009737号)は、1-(2-デオキシ-2-フルオロ-2-C-メチル-β-D-リボフラノシル)シトシン(14)が強力で選択性のある抗HCV剤であることを開示している。この化合物のためのこれまで知られている合成方法(スキーム1−3)はかなり非効率的で非常に低い全収率であり、大規模向きではない。
【0006】

【0007】

【0008】

【0009】
D-キシロース、シチジン、又はウリジンからの(2'R)-2'-デオキシ-2'-フルオロ-2'-C-メチルヌクレオシド及びその類似体のこれまでに知られている製造方法は、キーとなるフッ素化反応に対してDAST又はデオキソフルオロ(Deoxofluor(登録商標))を用いていた。しかしながら、DAST又はデオキソフルオロ(Deoxofluor(登録商標))は高価で、工業的合成には危険であり、しばしば信頼できない結果をもたらしていた。よって、これらのアルキルアミノサルファー三フッ化物は工業的生産には適していない。
【0010】
より良いフッ素化条件を見いだすための努力の一部として、非アルキルアミノサルファー三フッ化物フッ素化剤での環状サルフェートの開環は抗HCVヌクレオシド(2'R)-2'-デオキシ-2'-フルオロ-2'-C-メチルシチジンを合成するための優れた方法であることが発見された。また、この新規な合成経路を、抗HCVヌクレオシドD-2-デオキシ-2-フルオロ-シチジン(Devos等の米国特許第6660721号)、抗HBVヌクレオシドD-及びL-2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシ-2'-フルオロ-ヌクレオシド類(Schinazi等の米国特許第6348587号)(I及びII、図3)並びに他の2'-置換ヌクレオシド類、例えばD-及びL-FMAU(Su等, J Med. Chem, 1986, 29,151-154;Chu等の米国特許第6512107号)を含む他のヌクレオシド類に採用することができることが発見された。
必要とされているものは、HCVに対して活性を有している2-C-アルキル-2-デオキシ-2-置換-D-リボピラノシルヌクレオシドの新規で費用効率が高い合成方法である。
【0011】
発明の概要
ここで開示される本発明は、一般式[I]及び[II]の化合物の製造のための様々な中間体及び合成方法に関する:

[上式中、
Xはハロゲン(F、Cl、Br)であり、
YはN又はCHであり、
Zはハロゲン、OH、OR'、SH、SR'、NH、NHR'、又はR'であり、
2'はC−Cのアルキル、ビニル、又はエチニルであり;
3'及びR5'は同じか異なったH、アルキル、アラルキル、アシル、環状アセタール、例えば2',3'-O-イソプロピリデン又は2',3-O-ベンジリデン、又は2',3'-環状カーボネートであり得;
、R、及びRは独立してH、F、Cl、Br、Iを含むハロゲン、OH、OR'、SH、SR'、N、NH、NHR'、NR'、NHC(O)OR'、C−Cの低級アルキル、C−Cのハロゲン化(F、Cl、Br、I)低級アルキル、例えばCF及びCHCHF、C−Cの低級アルケニル、例えばCH=CH、C−Cのハロゲン化(F、Cl、Br、I)低級アルケニル、例えばCH=CHCl、CH=CHBr及びCH=CHI、C−Cの低級アルキニル、例えばC≡CH、C−Cのハロゲン化(F、Cl、Br、I)低級アルキニル、C−Cの低級アルコキシ、例えばCHOH及びCHCHOH、C−Cのハロゲン化(F、Cl、Br、I)低級アルコキシ、COH、COR'、CONH、CONHR'、CONR'、CH=CHCOH、CH=CHCOR'であり;
R'は、C−C12の置換されていてもよいアルキル又はアシル(特にアルキルがアミノ酸残基である場合)、シクロアルキル、C−Cの置換されていてもよいアルキニル、C−Cの置換されていてもよい低級アルケニル、又は置換されていてもよいアシルである]。
【0012】
(詳細な説明)
C型肝炎ウイルス(HCV)、デング熱ウイルス(DENV)、西ナイルウイルス(WNV)又は黄熱病ウイルス(YFV)を含むフラビウイルス科の感染に対する保護手段は現在ない。唯一の承認された治療法は、αインターフェロン単独での又はヌクレオシドリバビリンとの併用でのHCV感染の治療に対するものであるが、これらの治療法の治療的価値は主に副作用のために評価が落ちている。2'-デオキシ-2'-フルオロ-2'-C-メチルシチジンを含む一群のヌクレオシド類が、レプリコン系におけるHCVの複製に対して強力で選択的な活性を示すことが最近発見されている。しかしながら、このヌクレオシド及び類似のヌクレオシド類の化学合成が困難であるため、フラビウイルス科感染の治療のための臨床薬の開発に必須の更なる生物物理学的、生化学的、薬理学的評価が妨げられている。本発明は、2-デオキシ-2-フルオロ-2-C-メチル-D-リボフラノシル部分を含むヌクレオシド類及び中間体の効率的な調製方法を提供する。
【0013】
定義
「独立して」という用語は、ここでは、独立に適用される変数が適用毎に独立して変わることを示すために使用される。よって、Rが「独立して炭素又は窒素」であるRXYRのような化合物においては、両方のRが炭素であるか、両方のRが窒素であるか、又は一方のRが炭素で他方のRが窒素でありうる。
ここで使用される場合、「鏡像異性的に純粋な」又は「鏡像異性的に富んだ」という用語は、少なくとも約95%、好ましくは約97%、98%、99%又は100%のそのヌクレオシドの単一のエナンチオマーを含むヌクレオシド組成物を意味する。ここで使用される場合、「実質的に含まない」又は「実質的に不存在」という用語は、少なくとも約85又は90重量%、好ましくは約95重量%から98重量%、更により好ましくは99重量%から100重量%のそのヌクレオシドの指定エナンチオマーを含むヌクレオシド組成物を意味する。好適な実施態様では、本発明の方法及び化合物において、その化合物はエナンチオマーを実質的に含まない。
【0014】
ここで使用される「アルキル」という用語は、別の定義がなされない限り、典型的にはCからC10の飽和直鎖状又は分枝状炭化水素鎖を意味し、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、及び2,3-ジメチルブチル等々を含む。その用語には、置換アルキル基と未置換アルキル基の双方が含まれる。アルキル基は、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、サルフェート、リン酸、ホスフェート、又はホスホナートからなる群から選択される一又は複数の部分で任意的に置換されうる。アルキル上の炭素原子に結合している水素原子の一又は複数は、例えばフッ素又は塩素又は双方のような一又は複数のハロゲンで置き換えることができ、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロクロロメチル等々である。炭化水素鎖にはまた例えばN、O又はSのようなヘテロ原子が挿入されていてもよい。
ここで使用される「低級アルキル」という用語は、別の定義がなされない限り、上で定義した置換及び未置換の両形態を含む、C1からC4の飽和直鎖状又は分枝状アルキル基を意味する。本願において別の説明が特になされない限り、アルキルが適切な部分である場合、低級アルキルが好ましい。同様に、アルキル又は低級アルキルが適切な部分である場合、未置換アルキル又は低級アルキルが好ましい。
【0015】
ここで使用される「シクロアルキル」という用語は、別の定義がなされない限り、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルのように、3−8の炭素原子、好ましくは3−6の炭素原子を有する飽和炭化水素環を意味する。シクロアルキル基は、例えばシクロプロピルメチル等のように、環上にアルキル基がまた置換されていてもよい。
「アルキルアミノ」又は「アリールアミノ」という用語は一つ又は二つのアルキル又はアリール置換基をそれぞれ有するアミノ基を意味する。
ここで使用される「保護」という用語は、別の定義がなされない限り、酸素、窒素、又はリン原子に、その更なる反応を防止するため又は他の目的のために加えられる基を意味する。様々な酸素及び窒素保護基が有機合成の当業者に知られている。非限定的な例には、C(O)-アルキル、C(O)Ph、C(O)アリール、CH3、CH2-アルキル、CH2-アルケニル、CH2Ph、CH2-アリール、CH2O-アルキル、CH2O-アリール、SO2-アルキル、SO2-アリール、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、及び1,3-(l,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサニリデン)が含まれる。
【0016】
ここで使用される「アリール」という用語は、別の定義がなされない限り、フェニル、ビフェニル、又はナフチルを意味し、好ましくはフェニルを意味する。その用語には置換部分と未置換部分の双方を含む。アリール基は、未保護か、Greene及びP.G.M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis," 3版, John Wiley & Sons, 1999に教示されているように、必要に応じて保護された、限定されないが、ヒドロキシル、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、サルフェート、リン酸、ホスフェート又はホスホナートを含む一又は複数の置換基で置換することができる。
「アルカリール」又は「アルキルアリール」という用語はアリール置換基を有するアルキル基を意味する。「アラルキル」又は「アリールアルキル」という用語は、例えばベンジルのような、アルキル置換基を持つアリール基を意味する。
ここで使用される「ハロ」という用語はクロロ、ブロモ、ヨード及びフルオロを含む。
【0017】
「アシルエステル」又は「O結合エステル」という用語は、式C(O)R'(上式中、エステル基の非カルボニル部分R'は、直鎖状又は分枝状のアルキル、又はシクロアルキル又は低級アルキル、メトキシメチルを含むアルコキシアルキル、ベンジルを含むアラルキル、フェノキシメチルのようなアリールオキシアルキル、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、CからCアルキル又はCからCアルコキシで置換されていてもよいフェニルを含むアリール、メタンスルホニルを含むアルキル又はアラルキルスルホニルのようなスルホナートエステル、モノ、ジ又はトリホスフェートエステル、トリチル又はモノメトキシトリチル、置換ベンジル、トリアルキルシリル(例えばジメチル-t-ブチルシリル)又はジフェニルメチルシリルである)のカルボン酸エステルを意味する。エステル中のアリール基は最適にはフェニル基を含む。
【0018】
「アシル」という用語は、式R''C(O)-(上式中、R''は、直鎖状又は分枝状アルキル、又はシクロアルキル、アミノ酸、フェニルを含むアリール、アルキルアリール、ベンジルを含むアラルキル、メトキシメチルを含むアルコキシアルキル、フェノキシメチルのようなアリールオキシアルキル;又は置換アルキル(低級アルキルを含む)、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、CからCアルキル又はCからCアルコキシでで置換されていてもよいフェニルを含むアリール、メタンスルホニルを含むアルキル又はアラルキルスルホニルのようなスルホナートエステル、モノ、ジ又はトリホスフェートエステル、トリチル又はモノメトキシ-トリチル、置換ベンジル、アルカリール、ベンジルを含むアラルキル、メトキシメチルを含むアルコキシアルキル、フェノキシメチルのようなアリールオキシアルキルである)の基を意味する。エステル中のアリール基は最適にはフェニル基を含む。特に、アシル基は、アセチル、トリフルオロアセチル、メチルアセチル、シクロプロピルアセチル、シクロプロピルカルボキシ、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ネオ-ヘプタノイル、フェニルアセチル、2-アセトキシ-2-フェニルアセチル、ジフェニルアセチル、α-メトキシ-α-トリフルオロメチル-フェニルアセチル、ブロモアセチル、2-ニトロ-ベンゼンアセチル、4-クロロ-ベンゼンアセチル、2-クロロ-2,2-ジフェニルアセチル、2-クロロ-2-フェニルアセチル、トリメチルアセチル、クロロジフルオロアセチル、ペルフルオロアセチル、フルオロアセチル、ブロモジフルオロアセチル、メトキシアセチル、2-チオフェンアセチル、クロロスルホニルアセチル、3-メトキシフェニルアセチル、フェノキシアセチル、tert-ブチルアセチル、トリクロロアセチル、モノクロロ-アセチル、ジクロロアセチル、7H-ドデカフルオロ-ヘプタノイル、ペルフルオロ-ヘプタノイル、7H-ドデカ-フルオロヘプタノイル、7-クロロドデカフルオロ-ヘプタノイル、7-クロロ-ドデカフルオロ-ヘプタノイル、7H-ドデカフルオロヘプタノイル、7H-ドデカ-フルオロヘプタノイル、ノナ-フルオロ-3,6-ジオキサ-ヘプタノイル、ノナフルオロ-3,6-ジオキサヘプタノイル、ペルフルオロヘプタノイル、メトキシベンゾイル、メチル3-アミノ-5-フェニルチオフェン-2-カルボキシル、3,6-ジクロロ-2-メトキシ-ベンゾイル、4-(1,1,2,2-テトラフルオロ-エトキシ)-ベンゾイル、2-ブロモ-プロピオニル、オメガ-アミノカプリル、デカノイル、n-ペンタデカノイル、ステアリル、3-シクロペンチル-プロピオニル、1-ベンゼン-カルボキシル、O-アセチルマンデリル、ピバロイルアセチル、1-アダマンタン-カルボキシル、シクロヘキサン-カルボキシル、2,6-ピリジンジカルボキシル、シクロプロパン-カルボキシル、シクロブタン-カルボキシル、ペルフルオロシクロヘキシルカルボキシル、4-メチルベンゾイル、クロロメチルイソキサゾリルカルボニル、ペルフルオロシクロヘキシルカルボキシル、クロトニル、1-メチル-1H-インダゾール-3-カルボニル、2-プロペニル、イソバレリル、1-ピロリジンカルボニル、4-フェニルベンゾイルを含む。アシルという用語が使用される場合、それは、アセチル、トリフルオロアセチル、メチルアセチル、シクロプロピルアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ネオ-ヘプタノイル、フェニルアセチル、ジフェニルアセチル、ct-トリフルオロメチル-フェニルアセチル、ブロモアセチル、4-クロロ-ベンゼンアセチル、2-クロロ-2,2-ジフェニルアセチル、2-クロロ-2-フェニルアセチル、トリメチルアセチル、クロロジフルオロアセチル、ペルフルオロアセチル、フルオロアセチル、ブロモジフルオロアセチル、2-チオフェンアセチル、tert-ブチルアセチル、トリクロロアセチル、モノクロロ-アセチル、ジクロロアセチル、メトキシベンゾイル、2-ブロモ-プロピオニル、デカノイル、n-ペンタデカノイル、ステアリル、3-シクロペンチル-プロピオニル、1-ベンゼン-カルボキシル、ピバロイルアセチル、1-アダマンタン-カルボキシル、シクロヘキサン-カルボキシル、2,6-ピリジンジカルボキシル、シクロプロパン-カルボキシル、シクロブタン-カルボキシル、4-メチルベンゾイル、クロトニル、1-メチル-1H-インダゾール-3-カルボニル、2-プロペニル、イソバレリル、4-フェニルベンゾイルの特定の独立した開示であることを意味する。
「低級アシル」という用語は、上で定義されたR''が低級アルキルであるアシル基を意味する。
【0019】
「天然核塩基」及び「修飾核塩基」という用語は、以下に定義する「プリン」又は「ピリミジン」塩基を意味する。
「プリン」又は「ピリミジン」塩基という用語には、限定されるものではないが、アデニン、N-アルキルプリン類、N-アシルプリン類(ここで、アシルはC(O)(アルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキル)である)、N-ベンジルプリン、N-ハロプリン、N-ビニルプリン、N-アセチレンプリン、N-アシルプリン、N-ヒドロキシアルキルプリン、N-アルシル(allcyl)アミノプリン、N-チオアルシルプリン、N-アルキルプリン類、N-アルキル-6-チオプリン類、チミン、シトシン、5-フルオロシトシン、5-メチルシトシン、6-アザシトシンを含む6-アザピリミジン、2-及び/又は4-メルカプトピリミジン、ウラシル、5-フルオロウラシルを含む5-ハロウラシル、C-アルキルピリミジン類、C-ベンジルピリミジン類、C-ハロピリミジン類、C-ビニルピリミジン、C-アセチレンピリミジン、C-アシルピリミジン、N-アセチルシトシン、N-ベンゾイルシトシン、N-アルキルピリミジン、C-ヒドロキシアルキルプリン、C-アミノピリミジン、C-シアノピリミジン、C-ヨードピリミジン、C-ロド(lodo)-ピリミジン、C-Br-ビニルピリミジン、C-Br-ビニルピリミジン、C-ニトロピリミジン、C-アミノ-ピリミジン、N-アルキルプリン類、N-アルキル-6-チオプリン類、5-アザシチジニル、5-アザウラシリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル、及びピラゾロピリミジニルが含まれる。プリン塩基には、限定されるものではないが、グアニン、アデニン、ヒポキサンチン、2,6-ジアミノプリン、及び6-クロロプリンが含まれる。塩基上の官能酸素及び窒素基は必要に応じて又は所望に応じて保護することができる。好適な保護基は当業者によく知られており、トリメチルシリル、ジメチルヘキシルシリル、t-ブチルジメチルシリル及びt-ブチルジフェニルシリル、トリチル、アルキル基、及びアシル基、例えばアセチル及びプロピオニル、メタンスルホニル、及びp-トルエンスルホニルを含む。
【0020】
「アミノ酸」という用語には、天然発生及び合成α、β、γ又はδアミノ酸が含まれ、限定されるものではないが、タンパク質中に見いだされるアミノ酸、つまりグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン及びヒスチジンが含まれる。好適な実施態様では、アミノ酸はL体である。あるいは、アミノ酸は、アラニル、バリニル、ロイシニル、イソロイシニル、プロリニル、フェニルアラニニル、トリプトファニル、メチオニニル、グリシニル、セリニル、スレオニニル、システイニル、チロシニル、アスパラギニル、グルタミニル、アスパルトイル、グルタロイル、リジニル、アルギニニル、ヒスチジニル、β-アラニル、β-バリニル、β-ロイシニル、β-イソロイシニル、β-プロリニル、β-フェニルアラニニル、β-トリプトファニル、β-メチオニニル、β-グリシニル、β-セリニル、β-スレオニニル、β-システイニル、β-チロシニル、β-アスパラギニル、β-グルタミニル、β-アスパルトイル、β-グルタロイル、β-リジニル、β-アルギニニル又はβ-ヒスチジニルの誘導体でありうる。アミノ酸という用語が使用される場合、それは、D体及びL体のα、β、γ又はδグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン及びヒスチジンのエステルのそれぞれの特定の独立した開示であると考えられる。
【0021】
「薬学的に許容可能な塩又はプロドラッグ」という用語は、明細書の全体を通して、患者への投与時に、活性な化合物をもたらす化合物の任意の薬学的に許容可能な形態(例えばエステル、リン酸エステル、エステル又は関連基の塩)を記述するために使用される。薬学的に許容可能な塩には、薬学的に許容可能な無機又は有機塩基及び酸から誘導されるものが含まれる。好適な塩には、製薬分野でよく知られている数多くの他の酸におけるカリウムやナトリウムのようなアルカリ金属、カルシウムやマグネシウムのようなアルカリ土類金属から誘導されるものが含まれる。薬学的に許容可能な塩はまた窒素原子と共に形成される場合、酸付加塩でありうる。そのような塩は薬学的に許容可能な無機又は有機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸等から誘導される。薬学的に許容可能なプロドラッグは、宿主において例えば代謝され、例えば加水分解又は酸化されて本発明の化合物を生成する化合物を意味する。プロドラッグの典型的な例には、活性化合物の官能部分に生物学的に不安定な保護基を有する化合物が含まれる。プロドラッグには、酸化、還元、アミン化、脱アミン化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱加水分解、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、脱リン酸化されて活性化合物を生成し得る化合物が含まれる。
【0022】
本出願人は、14(スキーム1)への重要な中間体の2-C-アルキル-2-デオキシ-2-置換-D-リボフラノース誘導体とその誘導体及び類似体を、キラル触媒を使用して又はそれを使用しないで合成するための新規で実際的で効率的な方法を開発した。14の合成における重要な工程は、キラル触媒を使用する41から42への不斉変換である(スキーム4)。42の過去に開示された合成法では、ジヒドロキニジン(DHQD)及び誘導体のようなシャープレスAD触媒が必要であった。ここに開示する本発明は、キラル触媒を用いないでオスミウム、オスミウム酸塩(オスメート)又は過マンガン酸塩を使用する41から42への立体選択的調製法に関する。本発明の出願人はまた高度に立体特異的で位置選択的な形での環状サルフェート50の求核的開環(スキーム6)を使用することにより42から49を合成するための実際的で効率的な方法を開発した。スキーム4、5及び6に示された手順は、14及び関連の誘導体の調製的合成のための現在選択できる方法である。
【0023】

【0024】

【0025】

【0026】
I.化合物の調製
(i)環状サルファイト(IIIa)及び環状サルフェート(IIIb)の合成
本発明は、高度に立体特異的で位置選択的な形で、式IVのラクトン類を経由して、式IIIの環状サルファイトIIIa(X=SO)、サルフェートIIIb(X=SO)の求核的開環を使用することにより一般式IB及びIB-Lの2'-F-ヌクレオシド類及び他の2'-置換ヌクレオシド類の製造方法に関する。

【0027】
ここで、式IB、IB-L、III、IVは次の詳細事項を有する:
は、独立して、限定しないがメチル、エチルを含む低級アルキル(C−C)、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジルであり;あるいは、Rは、環状ペンチル又は環状ヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;
、Rは、独立して、水素、限定しないがメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、限定しないがフルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、限定しないがハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、限定しないがハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は独立して水素、限定しないがフェニルを含むアリール、限定しないがベンジルを含むアリールアルキル、限定しないがメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキルである。Nuはハロゲン(F、Cl、Br)、N、CN、NO、CF、SCN、OR又はNR(ここで、Rは限定しないがアセチル、ベンゾイルを含むアシル、限定しないがベンジルを含むアリールアルキル、限定しないがメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル、CHR(ここで、Rは水素、限定しないがメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキルである)であり;
XはSO、SO、又はCOであり;
Bは天然又は修飾核塩基である。
【0028】
一実施態様では、式IBは、

であり、ここで、
、Rは、独立して、水素、限定しないがメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、限定しないがフルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、限定しないがハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、限定しないがハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
Bは天然又は修飾核塩基である。
【0029】
ここに開示される本発明は、一般式[I]及び[II]の抗HCVヌクレオシド類の合成において重要な中間体である次の一般式42B(以下)の2-アルキル-4,5-ジ-O-保護-2,3-ジヒドロキシ-ペンタン酸エステルの合成方法に関する。

ここで、R'、R''=イソプロピリデン、ベンジリデン、シクロヘキシリデン等、又はそれぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;R'及びR''は、独立して、C−Cの低級アルキル又はC−C20のアリール、ベンジル及び他の置換されていてもよいベンジル、トリアルキルシリル、t-ブチル-ジアルキルシル、t-ブチルジフェニルシリル、TIPDS、THP、MOM、MEM及び他の任意のエーテル保護基;又はH、アセチル、ベンゾイル及び他の置換されていてもよいアシル(R'及びR''は-C(O)-R(ここで、RはC−Cの低級アルキル又はC−C20のアリール、ベンジル及び他の置換されていてもよいベンジルでありうる)であり得;
、Rは、独立して、水素、アリール(C−C20)及びメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は、独立して、水素、フェニルを含むアリール、限定しないがベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル又はプロピルを含む低級アルキル(C1−6)である。
【0030】
ここに開示された本発明はまた一般式[42B]の2-アルキル-4,5-ジ-O-保護-2、3-ジヒドロキシ-ペンタン酸エステル誘導体から調製される次の一般式49Bの化合物の製造方法に関する。

ここで、R及びRは、独立して、H、CH、Ac、Bz、ピバロイル、又は4-ニトロベンゾイル、3-ニトロベンゾイル、2-ニトロベンゾイル、4-クロロベンゾイル、3-クロロベンゾイル、2-クロロベンゾイル、4-メチルベンゾイル、3-メチルベンゾイル、2-メチルベンゾイル、パラ-フェニルベンゾイル、及び他の置換されていてもよいアシル(R及びRは、-C(O)-R(ここで、Rは独立してC−Cの低級アルキル又はC−C20のアリールである)、ベンジル、4-メトキシベンジル及び他の置換されていてもよいベンジル(R及びRは、独立してC−C20のアリールでありうる)、トリチル、トリアルキルシリル、t-ブチル-ジアルキルシル、t-ブチルジフェニルシリル、TIPDS、THP、MOM、MEM及び他の任意のエーテル保護基(R及びRは、独立してC−C10のアルキルでありうる)であり得、又はR及びRは、-SiR-O-SiR-又は-SiR-(ここで、Rは低級アルキル、例えばMe、Et、n-Pr又はi-Prである)を介して結合している。
【0031】

ここで、
Xはハロゲン(F、Cl、Br)であり、
YはN又はCHであり、
Zはハロゲン、OH、OR'、SH、SR'、NH、NHR'、又はR'であり、
2'はC−Cのアルキル、ビニル、又はエチニルであり;
3'及びR5'は同じか異なったH、アルキル、アラルキル、アシル、環状アセタール、例えば2',3'-O-イソプロピリデン又は2',3-O-ベンジリデン、又は2',3'-環状カーボネートであり得;
、R、R及びRは独立してH、F、Cl、Br、Iを含むハロゲン、OH、OR'、SH、SR'、N、NH、NHR'、NR''、NHC(O)OR'、C−Cの低級アルキル、C−Cのハロゲン化(F、Cl、Br、I)低級アルキル、例えばCF及びCHCHF、C−Cの低級アルケニル、例えばCH=CH、C−Cのハロゲン化(F、Cl、Br、I)低級アルケニル、例えばCH=CHCl、CH=CHBr及びCH=CHI、C−Cの低級アルキニル、例えばC≡CH、C−Cのハロゲン化(F、Cl、Br、I)低級アルキニル、C−Cの低級アルコキシ、例えばCHOH及びCHCHOH、C−Cのハロゲン化(F、Cl、Br、I)低級アルコキシ、COH、COR'、CONH、CONHR'、CONR'、CH=CHCOH、CH=CHCOR'であり;
R'及びR''は同じか異なっており、C−C12の置換されていてもよいアルキル(特にアルキルがアミノ酸残基である場合)、シクロアルキル、C−Cの置換されていてもよいアルキニル、C−Cの置換されていてもよい低級アルケニル、又は置換されていてもよいアシルである。
【0032】
環状硫酸エステル50(スキーム6)のフッ化テトラエチルアンモニウム又はフッ化テトラメチルアンモニウム51(スキーム6)との反応により高度に立体特異的で位置選択的な形でフッ素化サルフェートが定量的に産生された。酸触媒環化によって2'-フルオロ-2-C-メチル-γ-リボノラクトン53が高収率で得られた。
本発明はこの発見に基づいており、ここに記載の反応を使用して、2'-デオキシ-2'-置換ヌクレオシド類I及びIIの製造方法を提供する。
【0033】
(2S,3R,4R)-4,5-O-アルキリデン-2-ジメチル-2,3,4,5-テトラヒドロキシ-2-メチル-ペンタン酸エチルエステル(42B)は、キラル触媒を伴うか伴わないで、ウィッティヒ生成物41の不斉ジヒドロキシル化(AD)又は立体選択的ジヒドロキシル化によって調製することができる。ついで、ウィッティヒ生成物41は保護(R)グリセルアルデヒド(スキーム7、8)から直ぐに調製することができ、ここでRは独立して限定しないがメチル、エチルを含む低級アルキル(C−C)、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジルである。あるいは、Rは、それぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部である。R、Rは、独立して、水素、限定しないがメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、限定しないがフルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、限定しないがビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、限定しないがハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、限定しないがハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;Rは限定しないがアセチル、ベンゾイルを含むアシル、限定しないがベンジルを含むアリールアルキル、限定しないがメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C1−10)、CHR(ここで、Rは水素、限定しないがメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C1−10)である)である。

【0034】
ジオール(42B)は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジンのようなアルキルアミンの存在下での塩化チオニル(SOCl)での処理によって環状サルファイト(IIIa)に転換することができ、これは、ついで、RuCl、KMnO、及びTEMPOからなる第一群、又は第一群とNaIO、KIO、HIO、mCPBA、NaOCl、及びオキソンからなる第二群の一つの組合せから選択される酸化剤を使用して酸化させることができる。この工程の溶媒は、単独で又は水との組合せで、クロロホルム、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、及びトルエンからなる群の一又は複数から選択される。(Gao Y等 J. Am. Chem. Soc. 1988, 110, 7538-7539, Berridge等 J Org. Chem. 1990, 55, 1211-1217)。ジオールは、塩化スルフリル又はスルフリルジイミダゾールでの処理によって環状サルフェート(Vb)に直接転換させることもまた可能である。他方、ジオール42Bは、カルボニルジイミダゾール又はカルボニルジメトキシドでの処理によって環状カーボネート(IIIc)に転換させることができる(スキーム8)。(Chang等 Tetrahedron Lett. 1996, 37, 3219-3222)。

【0035】
(ii)置換2-デオキシ-D-リボノ-γ-ラクトン53Bの合成
環状サルフェート(IIIb、スキーム8)は、アセトン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、又はアセトニトリルのようなプロトン性極性溶媒中において(スキーム9)、限定しないがフッ化テトラメチルアンモニウム(TMAF)、フッ化テトラエチルアンモニウム(TEAF)、又はフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)、又は二フッ化トリス(ジメチルアミノ)サルファー(トリメチルシリル)(TAS-F)(Fuentes J等 Tetrahedron lett. 1998, 39, 7149-7152)を含むフッ化テトラアルキルアンモニウムで処理することによって、高収率及び高位置選択性及び立体特異性をもって式51Bのフッ素化硫酸エステル(スキーム9)に転換することができる。フッ化銀(AgF)、フッ化カリウム(KF)、フッ化セシウム(CsF)、又はフッ化ルビジウム(RbF)のような金属フッ化物を単独で又は触媒量のフッ化テトラアルキルアンモニウム、クラウン-エーテル、ジグライム、又はポリエチレングリコール、又は他の相間移動触媒と共に使用することができる。
【0036】
環状サルフェート(IIIb)は、NaBH、塩化テトラアルキルアンモニウム、臭化テトラアルキルアンモニウム、NaN3又はLiN3、NHOR、NHSCN、CFI-テトラキス(ジメチルアミノ)-エチレン(TDAE)、及び硝酸テトラアルキルアンモニウム(Gao等 J. Am. Chem. Soc. 1988, 110, 7538-7539)、KCN、LiCu(R)2(ここで、Rはメチル、エチル、エチレニル又はエチニルである)での処理によって、式51Bの他の2-置換サルフェートに転換することができる。同様に、環状サルファイト(IIIa)は置換エステル52Bに転換することができる(Chang等 Tetrahedron Lett. 1996, 37, 3219-3222)。ついで、式51B及び52Bの化合物は、メタノール、エタノール又はアセトニトリルのような有機溶媒を含むHO中の酸での処理によって式53Bの置換ラクトン類に転換することができる。
【0037】
式53Bにおいて、R、Rは、独立して、水素、限定しないがメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、限定しないがフルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、限定しないがビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、限定しないがハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、限定しないがハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルである。Nuはハロゲン(F、Cl、Br)、N、CN、NO、CF、SCN、OR又はNR(ここで、Rは限定しないがアセチル、ベンゾイルを含むアシル、限定しないがベンジルを含むアリールアルキル、限定しないがメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C1−10)、CHR(ここで、Rは水素、限定しないがメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C1−10)である)である。

【0038】
(iii)D-リボノ-γ-ラクトン53Bの保護
53Bは、適切な溶媒中において適切な塩基と共に式53Cの5-保護ラクトン類に適切な保護剤で選択的に保護することができる。保護剤には、限定しないが次のものが含まれる:トリチル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、ベンジルオキシメチル、ベンゾイル、トルオイル、4-フェニルベンゾイル、2-、3-、又は4-ニトロベンゾイル、2-、3-、又は4-クロロベンゾイル、他の置換ベンゾイル。塩基には、限定しないが次のものが含まれる:イミダゾール、ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン。溶媒には、限定しないが次のものが含まれる:ピリジン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、テトラヒドロフラン。

【0039】
別法として、ラクトン53Bは、適切な溶媒中において適切な塩基と共に適切な保護剤で完全に保護することができる。保護基(R、R)には、限定しないが次のものが含まれる:メトキシメチル、メトキシエチル、ベンジルオキシメチル、エトキシメチル、トリチル、トリエチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、アセチルを含むアシル、ピバロイル、ベンゾイル、トルオイル、4-フェニルベンゾイル、2-、3-、又は4-ニトロベンゾイル、2-、3-、又は4-クロロベンゾイル、他の置換ベンゾイル。塩基には、限定しないが次のリストが含まれる:イミダゾール、ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン。溶媒には、限定しないが、ピリジン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、テトラヒドロフランが含まれる(スキーム10)。
【0040】
(iv)錯体形成特異的βグリコシル化

CHCl中トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf)の存在下でのシリル化N-ベンゾイルシトシンとの2-デオキシ-2-フルオロ-2-C-メチル-リボフラノシド(54:Nu=F、R=Me、R=R=ピバロイル)のカップリングにより、2/1のα-アノマーの比でα/β-アノマー混合物が得られた。しかしながら、類似の条件下でSnClによって触媒された同じ反応において主要生成物(α/β=1/4.9)としてβ-アノマーが得られた。可能なメカニズムはスキーム10Aに提案する(R及びRはC1−20のアルキル又はアラルキル又はシリル又はアシルでありうるO-保護基である)。CHCl中TMSOTfの存在下でのシリル化N-ベンゾイルシトシンでの54の処理によって、オキソニウム中間体54-iが生成された。シリル化塩基は54-1を上側から攻撃してβ-アノマー55Bを生成し、又は下側から攻撃してα-アノマー55B-αを生成する。2-メチル基によって引き起こされる上側での立体障害のため、シリル化塩基は主として底から(立体障害が少ない側)中間体54-iを攻撃して、2/1のα-アノマーの比でα/β-アノマー混合物を得た。一方、SnClの存在下でのシリル化N-ベンゾイルシトシンでの54の処理によって、オキソニウム54-iの代わりに錯体54-iiが生成された。シリル化N-ベンゾイルシトシンは立体障害が少ない上側から54-iiを攻撃して、1/5のβ-アノマーの比でα/β-アノマー混合物が得られた。
【0041】
化合物54は、式49Bの保護ラクトンから生成することができ、該ラクトンがDIBAL-H又はトリ-tert-ブトキシアルミニウム水素化リチウム及び他の水素化物還元剤でラクトールに還元することができ、ついで該ラクトールを適切な溶媒中適切な塩基の存在下でアシル無水物又はハロゲン化アシルでのアシル化によってアシレートに転換することができる。ハロゲン化アシル又はアシル無水物には、限定しないが次のリストが含まれる:塩化アセチル、置換されていてもよい塩化ベンゾイル、無水酢酸、置換されていてもよい無水安息香酸。塩基には、限定しないが次のものが含まれる:イミダゾール、ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン。溶媒には、限定しないが次のリストが含まれる:ピリジン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、テトラヒドロフラン。
【0042】
(v)L-ヌクレオシドIB-Lの合成
式I及びIIのD体のための方法は(S)-グリセルアルデヒド類からの式IB-LのL-ヌクレオシドの製造に使用することができる(スキーム11)。

【0043】
(vi)2-アルキル-4,5-ジ-O-保護-2,3-ジヒドロキシ-ペンタン酸の合成
現在、一般式I及びIIのヌクレオシド類の合成のための最も好ましい手順は、(i)中間体である一般式Iの2-アルキル-4,5-ジ-O-保護-2,3-ジヒドロキシ-ペンタン酸エステルの合成、(ii)一般式49Bの3,5-保護2-デオキシ-2-フルオロ-2-C-メチル-D-リボノ-γ-ラクトンへの42Bの転換、及び(iii)一般式I及びIIのプリン及びピリミジンヌクレオシド類への49Bの転換を通しての、上記のスキーム4、スキーム5及びスキーム6に示されるI及びIIの2-デオキシ-2-フルオロ-2-C-メチル-D-リボフラノシル部分の誘導体の調製である。スキーム4における重要な工程は、高価なシャープレスAD触媒の存在下での42へのオレフィン中間体41の立体選択的オスミウム触媒ジヒドロキシル化である。シャープレス触媒の代わりに、L-キニジンのような他のキラル触媒を使用するならば、反応はまた円滑に進行し、所望の42を生じる。Kishi等は、アリルアルコール誘導体(エステル、エーテル、アセタール又はケタール)のOsOジヒドロキシル化において、反応の主要な過程が、前もって存在しているヒドロキシル又はアルコキシ基のものと反対のオレフィン結合の面で起こっているであろうと提案した(Tetrahedron Lett, 1983, 24, 3943)。幾つかの例はスキーム12に示される(Tetrahedron Lett, 1983, 24, 3947)。全ての場合において、主生成物は隣接する第2級炭素上の酸素の反対(anti)側からのOsOの付加から生じた。しかしながら、立体選択性は調製的合成のために十分なほど高くない。
【0044】

【0045】
立体化学が、前もって存在しているヒドロキシル又はアルコキシ基のものと反対のオレフィン結合面で起こっている四酸化オスミウムの優先的な接近から生じるものとして説明されることを表すKishiの規則によって促されて、シャープレスAD触媒を含む如何なるキラル触媒も用いないで独自の条件下で41のジヒドロキシル化を実施した。キラル触媒を用いないでKeFe(CN)/KOsO(OH)/KCO系を使用する41のジヒドロキシル化により、収率77%で生成物が得られ、この生成物は主要な異性体が所望の42である異性体の5:1混合物である。キラル触媒を用いないで酸化剤としてN-メチルモルホリンN-オキシド(NMO)を使用するOsOとのオレフィン41の反応により、79%の収率で42とその異性体の5:1混合物が得られた。最も驚いたことは、t-ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)を、バッファーとしてのアセトン及び酢酸アンモニウム中で触媒量のOsOの存在下で酸化剤として使用すると(該試薬の組合せはMasamune及びSharplessによりアルジトール類の合成に使用された(J. Org. Chem, 1982, 47, 1373)))、分離された結晶性生成物は実質的に純粋な所望の42である。従って、この手順はOsO/NMO及びFe(CN)3-法より遙かに優れている。10mmolスケールで、所望のジオール42がもっぱら生成され、87%収率で分離される。他の異性体による汚染は、活性なH NMR分析では、この生成物に検出されなかった。
【0046】
OsO酸化では中間体は環状オスミウム酸塩V(以下参照)であることはよく知られている(Criegee, Liebigs Ann. Chem., 1936, 522, 75)。アルカリ性媒体中での過マンガン酸カリウムでのオレフィン類のシス-ジヒドロキシル化はかなり以前から知られており(Robinson及びRobinson, J. Chem. Soc, 1925, 127, 1628)、この反応は環状エステルVIを介して進行すると思われる。よって、過マンガン酸塩ジヒドロキシル化での試みがなされた。

【0047】
過去の報告では、酸又は中性条件下でのオレフィン類の過マンガン酸塩ジヒドロキシル化が、ケトン類及びカルボキシレート類の同時生成を伴って初期のジオール生成物の過酸化を引き起こすことが示されている。アルカリ性条件下でのみジオール生成物の更なる酸化が減速されうる。41はカルボン酸エステルであるので、反応は水性アルカリ中では行うことができない。Hazra等(J. Chem. Soc. Perkin Trans. I, 1994, 1667)は、0.1当量のKOHの存在下でt-BuOH、ジクロロメタン及び水の混合物中で過マンガン酸テトラデシルトリメチルアンモニウム(TDTAP)を使用する高度に置換したオレフィン類の対応するジオール類への成功裏のジヒドロキシル化を記載している。41のジヒドロキシル化へこの方法を応用すると、8:1の比の42とそのジアステレオマーの混合物が迅速に生成され(室温で10分以内)、これは収率71%で分離される。KOHを用いない同様の反応では酸化は更に速く起こるが、42の収率は改善されない。
Mukaiyama等(Chem. Lett., 1983, 173)は−40℃でのジクロロメタン中でのKMnO及び18-クラウン-6エーテルを用いたオレフィン類のジヒドロキシル化を開示している。異なった温度であるがMukaiyamaの条件での41のジヒドロキシル化の試みは、−40℃で50%の収率で42とそのジアステレオマーの6:1混合物を、また−10℃で94%の収率で同じ混合物をもたらした。
【0048】
驚いたことに、KMnOでの二重結合の酸化がジオールを介して進行し、得られたジオールが塩基なしに更に迅速に酸化されることを開示する従来技術の教唆とは対照的に、ジオール42は、対応の41をアルカリ及びクラウンエーテルの添加なしでKMnOで処理すると、分離することができることが見いだされた。純粋なt-ブタノール中では、2日間の室温条件においてさえも酸化は進行しない。混合物への水の添加は反応を促進する。反応媒質中での水が多いほど、反応がより速やかに進行し42の生産の選択性が乏しくなり;水が少なくなると、反応は遅くなるが、選択性が改善されることが見いだされた。何れにせよ、収率は更なる酸化のためにかなり悪い。
最も驚いたことに、従来技術とは反対に、アセトン中でのKMnOでの41の処理は定量的な収率で10:1の混合物を生じ、所望の42が主要な成分であることが見いだされた。立体選択性は、アセトンとピリジンの混合物中で反応を行わせることによって改善されることが見いだされた。
【0049】
次の実施例は本発明の理解を助けるために記載する。このセクションは、以下に続く特許請求の範囲に記載する発明を限定するものことを意図するものではなく、また決してそのように解釈されるべきではない。
【実施例】
【0050】
実施例1
(2S,3R,4R)-4,5-O-イソプロピリデン-2,3-O-スルフリル-2,3,4,5-テトラヒドロキシ-2-メチル-ペンタン酸エチルエステル(IIIb、R=CH、R=H、R=CH
トリエチルアミン(3.4mL)を含む無水塩化メチレン(40mL)中の(2S,3R,4R)-4,5-O-イソプロピリデン-2,3,4,5-テトラヒドロキシ-2-メチル-ペンタン酸エチルエステル(R=CH、R=H、R=CH)(2.0g、8.06mmol)の溶液に、0℃で塩化チオニル(0.88mL、12.08mmol)を10分かけて滴下して加えた。得られた反応混合物を0℃で10分間攪拌し、冷エーテル(100mL)で希釈し、水(50mL×2)とブライン(50mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、アセトニトリル-テトラクロロメタン(10:10mL)に溶解した残渣(IIIa、R=CH、R=H、R=CH)を得た。得られた溶液に続いて室温で過ヨウ素酸ナトリウム(2.58g、12.06mmol)、三塩化ルテニウム(16mg、0.077mmol)、及び水(14mL)を加えた。得られた反応混合物を室温で10分間攪拌し、エーテル(100mL)で希釈し、水(50mL×2)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(50mL×2)、及びブライン(50mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、トルエン(30mL×3)で同時蒸発させてシロップ残渣のサルフェートIIIb(2.23g、89%)とし、これを更なる精製なしに次の反応に使用した。H NMR(CDCl)δ(ppm)5.04(d,1H,J=9.6Hz,H-3),4.37(m,1H,H-4),4.29(q,2H,J=7.6Hz,CHCH),4.17(dd,1H,J=5.6,9.6Hz,H-5),4.05(dd,1H,J=3.2,9.6Hz,H-5'),1.8(s,3H,CH-2),1.38(s,3H,(CH)C),1.32(t,3H,J=6.8Hz,CHCH),1.31(s,3H,(CH)C)。
【0051】
実施例2
(2R,3S,4R)-2-フルオロ-4,5-O-イソプロピリデン-2-メチル-3-スルホオキシ-3,4,5-トリヒドロキシペンタン酸エチルエステル(51B、R=CH、R=H、R=CH、Nu=F、M=テトラブチルアンモニウム)
方法1:無水テトラヒドロフラン中の実施例1からのサルフェートIIIb(628mg、2.02mmol)の溶液に、0℃でフッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M、4Å分子篩で乾燥)を5分かけて滴下して加えた。得られた反応混合物を0℃で20分間攪拌し、更に2mLのフッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M、4Å分子篩で乾燥、3mL)を加えた後、反応混合物を0℃で2時間攪拌し、ついで濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)によって精製して、フッ素化サルフェートをシロップ(350mg、38%)として得た。H NMR(CDCl)δ(ppm)4.66(dd,1H,J=9.6,25.6Hz,H-3),4.48(dd,1H,J=5.2,8.8Hz,H-4),4.20,4.07(2m,4H,H-5,OCHCH),3.21(m,8H,N(CHCHCHCH)),1.69(d,3H,J=22.4Hz,CH-2),1.59(m,8H,N(CHCHCHCH)),1.39(m,8H,CHCHCHCH))、1.27−1.25(m,9H,OCHCH,(CH)C),0.96(t,12H,J=6.8Hz,CHCHCHCH)
【0052】
方法2:無水テトラヒドロフラン中の環状サルフェートIIIb(480mg、1.55mmol)の溶液に、0℃でフッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M、HF-ピリジンで中和、3.1mL)を5分かけて滴下して加えた。得られた反応混合物を39時間攪拌し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=10:1)によって精製して、フッ素化サルフェートをシロップ(280mg、39%)として得た。
【0053】
実施例3
2-デオキシ-2-フルオロ-2-C-メチル-D-ルボノ-γ-ラクトン(53B、R=H、R=CH、Nu=F)
実施例2の生成物(170mg、0.370mmol)、トリフルオロ酢酸(0.8mL)、及び水(2mL)のアセトニトリル(10mL)中の混合物を80℃で1.5時間加熱し、酢酸エチル(15mL)で希釈し、水(10mL)及び飽和重炭酸ナトリウム溶液(10mL)で洗浄した。水性層をNaClで飽和させ、酢酸エチル(10mL)で抽出した。混合した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して残渣を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1からCHCl:MeOH=20:1)によって精製して所望の化合物を白色固形物(60mg、100%)として得た。H NMR(CDCl)δ(ppm)6.06(d,1H,J=6.8Hz,HO-3),5.16(t,1H,J=4.8Hz,HO-5),4.26(m,1H,H-4),3.98(ddd,1H,J=7.2,8.0,23.2Hz,H-3),3.78(ddd,1H,J=2.0,5.2,12.8Hz,H-5),3.55(ddd,1H,J=4.4,5.6,12.4Hz,H-5'),1.48(d,3H,J=24Hz,CH-2);13C NMR(CDCl)δ(ppm)171.2(d,J=21.2Hz,C-1),92.5(d,J=177.5Hz,C-2),83.37(C-4),70.2(d,J=15.9Hz,C-3),59.0(C-5),17.1(d,J=25.0Hz,CH-C-2)。
【0054】
実施例4
3,5-ジ-O-ベンゾイル-2-デオキシ-2-フルオロ-2-C-メチル-D-ルボノ-γ-ラクトン(49B、R=H、R=CH、R=Bz、R=Bz、Nu=F)
実施例3の化合物(60mg、0.16mmol)を無水ピリジン(1mL)に溶解させ、塩化エンゾイル(0.3mL)を添加した。得られた反応混合物を室温で20分間攪拌し、水(1mL)を加え、20分攪拌し、酢酸エチル(5mL)で希釈し、水(2mL)と1MのHCl(2mL×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過と濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)によって精製して、3,5-ジ-O-ベンゾイル-2-デオキシ-2-フルオロ-2-C-メチル-D-ルボノ-γ-ラクトンを白色固形物(118mg、87%)として得た。H NMR(CDCl)δ(ppm)8.08(m,2H,芳香族),7.99(m,2H,芳香族),7.63(m,1H,芳香族),7.58(m,1H,芳香族),7.49(m,2H,芳香族),7.43(m,2H,芳香族),5.51(dd,1H,J=7.2,17.6Hz,H-3),5.00(m,1H,H-4),4.78(dd,1H,J=3.6,12.8Hz,H-5),4.59(dd,1H,J=5.2,12.8Hz,H-5'),1.75(d,3H,J=23.6Hz,CH-2)。
【0055】
実施例5
(2R,3S,4R)-4,5-ジヒドロキシ-2-フルオロ-4,5-O-イソプロピリデン-2-メチル-3-スルホオキシ-ペンタン酸エチルエステル(51B、R=CH、R=H、R=CH、Nu=F、M=テトラブチルアンモニウム)
方法1:無水N,N-ジメチルホルムアミド(20mL)中のサルフェートIIIb(スキーム9)(1.96g、6.32mmol)の溶液に、0℃でフッ化テトラエチルアンモニウム水素化物(1.39g、9.13mmol)を一回で加えた。得られた反応混合物を30分間攪拌し、濃縮し、トルエンと共に同時蒸発させて半固形物(51b)(3.35g、粗生成物、プロトン性NMRは実質的に一つの生成物であることを示した)を得た。H NMR(CDCl)δ(ppm)4.61(dd,1H,J=9.2,25.6Hz,H-3),4.51(dd,1H,J=5.2,9.2Hz,H-4),4.23−4.05(m,4H,H-5,OCHCH),3.32(q,8H,J=7.2Hz,N(CHCH)),1.69(d,3H,J=23.2Hz,CH-2),1.31−1.24(m,21H,OCHCH,(CH)C,N(CHCH)4。
方法2:無水アセトニトリル(2mL)中のサルフェートIIIb(148mg、0.477mmol)の溶液に、0℃でフッ化テトラエチルアンモニウム水素化物(107mg、0.717mmol)を一回で加えた。得られた反応混合物を24時間攪拌し、濃縮し、トルエンと共に同時蒸発させて半固形物(257mg、粗生成物、プロトン性NMRは実質的に一つの生成物であることを示した)を得た。
【0056】
実施例6
1-(2-デオキシ-2-フルオロ-2-メチル-3,5-O-3,5-ジピバロイル-リボフラノシル)-N-ベンゾイルシトシン(11b、R=R=ピバロイル、R=H、R=Me)
THF(70mL)中の49B(スキーム6)(Nu=F、R=H、R=Me、R=R=ピバロイル、3.44g、10.36mmol)の溶液に−20℃から−10℃でLiAl(t-BuO)H(13.47mmol、THF中1M、13.47mL)を添加し、得られた溶液を−10℃から−15℃で2時間攪拌した。その溶液に更なるLiAl(t-BuO)H(1.35mL、1.35mmol)を添加し、その溶液を−10℃で1時間攪拌した。氷水(50mL)を添加した。混合物をEtOAc(200mL)で抽出し、有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させた(NaSO)。溶媒を除去して粗ラクトールを得、CHCl(50mL)に溶解させた。その溶液にEtN(31.08mmol、4.24mL)、4-ジメチルアミノピリジン(1mmol、122mg)及び塩化トリメチルアセチル(20.7mmol、2.55mL)を添加し、混合物を室温で16時間攪拌した。水(20mL)を添加し、得られた混合物を室温で10分間攪拌した。EtOAc(200mL)を添加し、有機溶液を水、ブラインで洗浄し、乾燥させた(NaSO)。溶媒を除去し、残渣をトルエン(2×20mL)と共蒸発させて粗中間体(5、6.74g)を得て、精製しないで次のカップリング反応に供した。
【0057】
HMDS(16.7mL)中のN-ベンゾイルシトシン(6.06mmol、1.30g)及び(NH)SO(30mmg)の懸濁液を5時間還流し、透明な溶液を減圧下で濃縮乾固させた。残渣を1,2-ジクロロエタン(50mL)に溶解させた。その溶液に、粗54(1.96g、スキーム6)及びSnCl(1.42mL、12.12mmol)を室温で添加した。その溶液を24時間還流し、0℃まで冷却した。その溶液にNaHCO(6.11g、72.72mmol)及びEtOAc(50mL)を添加した。その混合物にHO(2mL)をゆっくりと添加し、得られた混合物を室温で20分攪拌した。固形物を濾過によって除去した。その有機溶液を水、ブラインで洗浄し、乾燥させた(NaSO)。溶媒を除去したところ、β-異性体の比率が4/1の比のβ/α-アノマーの粗混合物としてシロップが得られた。粗生成物を50℃でMeOH(1mL)に溶解させた。その溶液にヘキサン(10mL)を添加した。その混合物を室温で1時間保持し、ついで0℃で2時間保持した。結晶を濾過によって集め、ヘキサンで洗浄して、スキーム6の生成物55(323mg、49から20.3%)を得た。母液を濃縮乾固しカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20−50%EtOAc)によって精製して、55の第二産物を得た。H-NMR(CDCl):δ8.82(br s,1H,NH),8.10,7.89,7.62,7.52(m,7H,H-5,H-6,5Ph-H),6.41(d,J=18.4Hz,1H,H-1'),5.10(m,1H,H-3'),4.45(d,J=9.6Hz,1H,H-4'),4.36(t,J=2.8Hz,2H,H-5'),1.35(d,J=22.0Hz,3H,Me),1.29,1.23[ss,18H,C(Me)]。
【0058】
実施例7
(2S,3R)-3-[(4R)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル]-2,3-ジヒドロキシ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(42)
オスミウム触媒と共に酸化剤として4-メチルモルホリンN-オキシドを使用
アルゴン下でt-BuOH中の化合物41(214mg、0.1mmol)の攪拌溶液に、4-メチルモルホリンN-オキシド(0.47mL、HO中50重量%)及び水(0.2mL)の溶液を添加した。tert-ブチルアルコール(0.51mL)中の四酸化オスミウムの2.5重量%溶液を添加し、混合物を水浴中で室温で5時間攪拌した。混合物を真空蒸発させてシロップにし、これをHO(3×10mL)と共沸させて4-メチルモルホリンを除去した。EtOH(2×10mL)の添加と蒸発によって残渣を乾燥させて残渣を得て、これを、ヘキサン中20%のEtOAcでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、所望の生成物とその異性体(196mg、79%)を固形物として得た。プロトンNMRは、所望の生成物のその異性体に対する比が約5:1であることを示している。ヘキサン/酢酸エチルからの混合物の再結晶化により結晶性固形物として純粋な生成物(91mg、出発物質の37.4%)が得られた。H NMR(DMSO−d)δ1.18(t,J=7.2Hz,3H,-OCHCH)、1.24(s,3H,CH),1.25(s,3H,CH),1.28(s,3H,2-CH),3.67(t,J=7.2Hz,1H),3.85,4.06及び4.12(m,4H),4.97(s,1H,2-OH,DO交換可能),5.14(d,J=7.6Hz,2-OH,DO交換可能)。
【0059】
実施例8
(2S,3R)-3-[(4R)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル]-2,3-ジヒドロキシ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(42)
オスミウム触媒と共に酸化剤としてフェリシアン化カリウムを使用
磁気攪拌器を備えた100mLの丸底フラスコに、5mLのtert-ブチルアルコール、5mLの水、及びKFe(CN)(0.98g)、KCO(0.41g)、及びKOsO(OH)(3.2mg)の混合物を添加する。室温での攪拌により、2つの透明な相が生成された;低い水性相は明黄色の外観である。メタンスルホンアミド(95mg)をこの時点で添加する。混合物を0℃まで冷却し、幾らかの塩が沈殿したところで直ぐに、214mg(1mmol)の化合物41を一度に添加し、不均一なスラリーを0℃で24時間激しく攪拌する。0℃で攪拌しながら、その混合物に固形の亜硫酸水素ナトリウム(1.5g)を添加した後、混合物を室温まで温かくし、30-60分間、攪拌した。酢酸エチル(10mL)を添加し、層の分離後、水性相を更にEtOAcで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、乾固させる。残渣を、ヘキサン中20%のEtOAcを用いてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、固形物として生成物(190mg、77%)を得た。プロトンNMRは、所望の生成物のその異性体に対する比が約5:1であることを示している。ヘキサン/酢酸エチルでの混合物の再結晶化により、純粋なジオール生成物(102mg、出発物質の41%)が結晶性固形物として得られた。この生成物のH NMRスペクトルは、基準物のものと同一である。
【0060】
実施例9
(2S,3R)-3-[(4R)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル]-2,3-ジヒドロキシ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(42)
オスミウム触媒と共に室温で酸化剤としてt-ブチルヒドロペルオキシドを使用
磁気攪拌器を備えた50mLのフラスコに、2mLのアセトン、214mg(1mmol)の化合物41、65mgのEtNOAc・4HO、及び0.3mLのtert-ブチルヒドロペルオキシド(デカン中5〜6M)を添加した。EtNOAcの透明溶液が得られるまで室温で攪拌した後、得られた溶液を氷浴中で冷却し、5mLのOsO(t-BuOH中2.5重量%)を一度に添加する。溶液は直ぐに茶色がかった紫色になる。1時間後、氷浴を取り除き、反応混合物を室温まで温かくして14時間攪拌した。残りの手順は上述のものと正確に同じようにして実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィー後、178mg(72%)の生成物を固形物として得た。展開H NMRでは、生成物中における4%未満の異性体の存在を示すδ1.26に小さな隆起が観察される。
【0061】
実施例10
(2S,3R)-3-[(4R)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル]-2,3-ジヒドロキシ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(42)
オスミウム触媒と共に0℃で酸化剤としてt-ブチルヒドロペルオキシドを使用
磁気攪拌器を備えた250mLのフラスコに、20mLのアセトン、2.14g(10mmol)の化合物41、650mgのEtNOAc・4HO、及び3mLのtert-ブチルヒドロペルオキシド(デカン中5〜6M)を添加した。EtNOAcが溶解するまで室温で攪拌した後、得られた溶液を氷浴中で冷却し、5mLのOsO(t-BuOH中2.5重量%)を一度に添加する。溶液は直ぐに茶色がかった紫色になる。ついで、反応混合物を0℃で6.5時間の間、攪拌する(TLC、ヘキサン:酢酸エチル=4:1、Rf=0.18でモニター)。エーテル(40mL)を0℃で添加し、得られた混合物を、5mLの新たに調製した10%NaHSO溶液で一回で処理した。氷浴を除去し、攪拌を1時間続けた。EtOAc(100mL)とHO(50mL)を混合物に添加した。層の分離後、水性相を更にEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。残渣を、ヘキサン中20%EtOAcを用いたフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、固形物として生成物(2.16g、87%)を得た。この生成物中には活性H NMR分析によって異性体汚染は検出されなかった。
【0062】
実施例11
(2S,3R)-3-[(4R)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル]-2,3-ジヒドロキシ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(42)
酸化剤として過マンガン酸テトラデシルトリメチルアンモニウム(TDTAP)を使用
室温のt-BuOH(10mL)及びCHCl(2mL)中の化合物41(214mg、1mmol)の攪拌溶液に、5分の時間をかけて少しずつKOH(6mg、0.1mmol)の水溶液と続くTDTAP(0.420g、1.12mmol)を添加した。5分後にTLCは、反応が完了していることを示した。その溶液を、10mLの飽和亜硫酸水素ナトリウムを使用して急冷した。反応混合物を真空濃縮し、残渣を酢酸エチル(3×15mL)で抽出し、乾燥させ(NaSO)、蒸発させて白色固形物が得られ、これを5mLのCHClに更に溶解させ、セライトを上に付けたシリカゲルプラグに通し、酢酸エチル(50ml)で洗浄した。濾液を真空で乾燥させて、主要な異性体が表題化合物である8:1の混合物として粘性油(174mg、71%収率)を得た。
【0063】
実施例12
(2S,3R)-3-[(4R)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル]-2,3-ジヒドロキシ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(42)
18-クラウン-6エーテル-A(−40℃)と共に酸化剤として過マンガン酸カリウムを使用
CHCl(10mL)及び18-クラウン-6エーテル(37.5mg、0.1mmol)中の化合物41(214mg、1mmol)の溶液に、−40℃で少しずつKMnO(158mg、1mmol)を添加し、混合物を同じ温度で2時間攪拌した。このとき、反応混合物は暗褐色になる。反応が完了した後、混合物を亜硫酸水素ナトリウム(10mL)の飽和溶液で急冷した。得られた無色の混合物を、フリットを通して濾過し、濾液を酢酸エチル(2×25ml)で抽出し、乾燥させ(NaSO)、濃縮して、6:1の比の所望のジオールとその異性体と共に10−20%の未反応オレフィン出発物質からなる粘性油を得た(H NMR)。オレフィン出発物質は、5%の酢酸エチル:ヘキサンを使用するシリカゲルの小パッドを通過させて除去することができる。所望のジオールの6:1混合物を、20%酢酸エチル/ヘキサンを用いたカラムから溶出させ、溶媒の蒸発時に白色固形物(200mg、〜80%)として得た。
【0064】
実施例13
(2S,3R)-3-[(4R)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル]-2,3-ジヒドロキシ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(42)
18-クラウン-6エーテル-B(−10℃)と共に酸化剤として過マンガン酸カリウムを使用
CHCl(10ml)中の化合物41(214mg、1mmol)の溶液に、37.5mg(0.1mmol)の18-クラウン-6エーテルを添加し、混合物を−10℃まで冷却した。KMnO(237mg、1.5mmol)を少しずつ添加し、混合物を−10℃で2時間攪拌した。このとき、反応混合物は暗褐色になり、それを亜硫酸水素ナトリウム(10mL)の飽和溶液で処理する。得られた混合物を、フリットを通して濾過し、濾液を酢酸エチル(2×25ml)で抽出し、乾燥させ(NaSO)、蒸発させて、6:1の比の所望の生成物とその異性体からなる白色固形物(240mg、94.4%)を得た。
【0065】
実施例14
(2S,3R)-3-[(4R)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル]-2,3-ジヒドロキシ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(42)
1:9 HO/t-BuOH中で酸化剤として過マンガン酸カリウムを使用
0℃のt-BuOH(9mL)及びHO(1mL)中の化合物41(214mg、1mmol)の溶液に、KMnO(237mg、1.5mmol)を少しずつ添加し混合物を同じ温度で2時間攪拌した。更なる量(79mg、0.5mmol)のKMnOを添加し、混合物を更に30分間攪拌した。上述のように処理した後、128mg(50%)の8:1の比の異性体の混合物が、主要成分が所望の生成物である白色固形物として得られる。
【0066】
実施例15
(2S,3R)-3-[(4R)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル]-2,3-ジヒドロキシ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(42)
9:1 HO/t-BuOH中で酸化剤として過マンガン酸カリウムを使用
0℃のHO(9mL)及びt-BuOH(1mL)中の化合物41(214mg、1mmol)の溶液に、KMnO(237mg、1.5mmol)を少しずつ添加し同じ温度で30分間攪拌した。このとき、混合物は暗褐色になる。亜硫酸水素ナトリウム(10mL)の飽和溶液を混合物に添加し、それを濾過し、濾液を酢酸エチル(3×25ml)で抽出し、乾燥させ(NaSO)、濃縮して、表題化合物が主要成分であるジオール異性体の4:1混合物を白色固形物(128mg、50%)として得た。
【0067】
実施例16
(2S,3R)-3-[(4R)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル]-2,3-ジヒドロキシ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(42)
0℃でのHO中で酸化剤として過マンガン酸カリウムの使用
O(10mL)中のKMnO(158mg、1.0mmol)の溶液を化合物41(214mg、1mmol)に添加し、混合物を0℃で1時間攪拌する。反応混合物を亜硫酸水素ナトリウム(10mL)の飽和溶液で急冷し、その混合物を上述のように処理した。得られた白色固形物(80mg、32%)は、表題化合物が主な成分であるジオール異性体の4:1混合物である。
【0068】
実施例17
(2S,3R)-3-[(4R)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル]-2,3-ジヒドロキシ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(42)
アセトン中で酸化剤として過マンガン酸カリウムを使用
アセトン(10mL)中の化合物41(214mg、1mmol)の溶液に37.5mg、0.1mmolを添加し、反応混合物を0℃まで冷却する。この冷却溶液にKMnO(237mg、1.5mmol)を少しずつ添加し、同じ温度で2時間攪拌する。このとき、反応混合物は暗褐色になる。反応混合物を亜硫酸水素ナトリウム(10ml)の飽和溶液で急冷したところ、溶液は無色になる。その反応混合物を酢酸エチル(3×25ml)で抽出し、乾燥させ、混合物を蒸発させて、10:1の比で白色固形物(245mg、96.4%)を得た。
【0069】
実施例18
(2S,3R)-3-[(4R)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル]-2,3-ジヒドロキシ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(42)
アセトンとピリジンの混合物中で酸化剤として過マンガン酸カリウムを使用
0℃のアセトン(9mL)とピリジン(1mL)の混合物中の化合物41(214mg、1mmol)の溶液にKMnO(158mg、1.0mmol)を添加し、同じ温度で1時間攪拌する。上記の反応混合物を検査したところ、実質的に純粋な生成物である164mg(67%)の白色固形物が得られた。活性のあるH NMR分析は、白色粗固形物が約6%の表題化合物のジアステレオマーを含んでいることを明らかにした。
【0070】
実施例19
RuCl/CeCl/NaIO系中の(2S,3R)-3-[(4R)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル]-2,3-ジヒドロキシ-2-メチル-プロピオン酸エチルエステル(42)
磁気攪拌棒を備えた50mLの丸底フラスコにおいて、0.45mLの水中、NaIO(321mg、1.5mmol)及びCeCl.7HO(37mg、0.1mmol)の混合物を攪拌し、明黄色の懸濁液が生成されるまで穏やかに加熱した。0℃への冷却後、EtOAc(1.25mL)とアセトニトリル(1.5mL)を添加し、懸濁液を2分間攪拌する。0.1MのRuCl水溶液を添加し、混合物を2分間攪拌する。EtOAc(0.25mL)中に入った化合物41(214mg、1mmol)の溶液を一回で添加し、得られるスラリーを0℃で1時間攪拌する。固形NaSO(0.5g)の後、EtOAc(3mL)を添加する。固形物を濾過し、濾過ケーキをEtOAcで数回洗浄する。ついで、濾液を飽和NaSO溶液で洗浄し、有機層を乾燥(NaSO)させ乾固させる。残渣を、ヘキサン中20%のEtOAcを用いてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、シロップを得た(150mg、60%)。H NMRは、所望の生成物のその異性体に対する比率がおよそ1.6:1であることを示している。
【0071】
実施例20
化合物49の還元とアシル化
無水THF(400ml)中の3,5-ジベンゾイル-2-フルオロ-2-デオキシ-2-メチル-D-リボノ-ラクトン(49、23g、61.77mmol、スキーム6)の溶液に、LiAl(-OBu)H(75mLのTHF中1M、75.0mmol)を−20から−10℃で15分をかけて添加し、得られた溶液を、出発物質が全て消費されるまで同じ温度で攪拌した。5時間後、〜10−20%の出発物質が残ったので、更に10mLのLiAl(t-OBu)H(10mmol)を同じ温度で添加し、TLCが、出発物質が全て消費されたことを示すときまでの時間、攪拌した。この反応混合物に、DMAP(7.5g)とAcO(58.2g、616mmol)を添加し、その溶液を−10℃で〜2−3時間、攪拌した。反応の完了時(TLCで示される)に、反応混合物を酢酸エチル(400ml)と200mlの水で希釈した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチル(2×100ml)で洗浄した。混合した有機層を水(3×150ml)、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去してトルエン(2×100mL)で同時蒸発させて透明な褐色の油として粗アセテートを得た。この油をシリカゲル(50g)のプラグを通過させ、20%酢酸エチル/ヘキサン類で、全てのアセテートが回収されるまで洗浄した。溶媒を減圧下で蒸発させ、無色の油として所望のアセテート(54、32g)を得た。
【0072】
実施例21
1-(2-デオキシ-2-フルオロ-2-メチル-3-5-O-ジベンゾイル-β-D-リボフラノシル)-N4-ベンゾイルシトシン(55)
400mlのHMDS中に入ったN-ベンゾイルシトシン(20.39g、94.74mmol)の懸濁液に(NH)SO(250mg)を添加し、還流下で4時間加熱した。過剰のHMDSを減圧下で除去した。油性残渣をクロロベンゼン(1L)に溶解させた。この溶液に、クロロベンゼン(250mL)中アセテート(25g)溶液とSnCl(190.4mmol、49g)を添加し、混合物を室温で2時間攪拌した後、,〜65℃で16時間加熱した。その反応混合物を0℃まで冷却し、それにNaHCO(96g、1.14mol)と酢酸エチル(500ml)を添加した後、水(20ml)を注意して加えた。この混合物を室温で30分間、攪拌した。その混合物を真空下で濾過し、残渣を酢酸エチルで洗浄した。有機層を水、ブライン(2×250mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して淡黄色がかった褐色の固形物を得た。これをMeOH(250mL)中に溶解させ、還流下で加熱し、室温まで冷却して濾過し、オフホワイトの固形物として所望の生成物(55、8.0g)を得た。
【0073】
実施例22
1-(2-デオキシ-2-フルオロ-2-C-メチル-β-D-リボフラノシル)シトシン(14)
実施例21の55(16.7g、30.8mmol、スキーム6)の懸濁液を、メタノール性アンモニア(MeOH中、750mL、7M)で処理し、室温で12時間攪拌し、減圧下で乾固して淡黄色の固形物を得た。THF(400mL)を固形物に添加し、還流下で30分加熱し室温まで冷却した。生成された固形物を濾過によって集め、THFで洗浄して、オフホワイトの粉末として14(6.7g、88%)を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式:

の2'-デオキシ-2'-フルオロ-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシルヌクレオシドを合成する方法であって、
(a)式49

のラクトンを、対応する糖に還元した後、アセチル化して式54B

(ここで、Lは任意の離脱基である)の化合物を生成する工程と;
(b)シリル化塩基と触媒中で工程(a)の生成物54Bを縮合して、保護ヌクレオシド55及び55-αの混合物

を生成する工程と;
(c)工程(b)のアノマー55及び55-αを分離する工程と;
(d)工程(c)の保護ヌクレオシド55を脱保護して所望のヌクレオシドを生成する工程とを含んでなる方法。
【請求項2】
工程(b)のシリル化塩基がシリル化N-ベンゾイルシトシンであり、アルコール中の金属アルコラートで脱保護される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
次の一般式:

[上式中、R及びRは、独立してH、CH、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、又は4-ニトロベンゾイル、3-ニトロベンゾイル、2-ニトロベンゾイル、4-クロロベンゾイル、3-クロロベンゾイル、2-クロロベンゾイル、4-メチルベンゾイル、3-メチルベンゾイル、2-メチルベンゾイル、パラ-フェニルベンゾイル、及び他の置換されていてもよいアシル(R及びRは-C(O)-Rで、Rは独立してC−Cの低級アルキル、又はC−C20のアリールであり得る)、ベンジル、4-メトキシベンジル及び他の置換されていてもよいベンジル(R及びRは独立してC−C20のアリールであり得る)、トリチル、トリアルキルシリル、t-ブチル-ジアルキルシル、t-ブチルジフェニルシリル、TIPDS、THP、MOM、MEM及び他の任意のエーテル保護基であり得;あるいはR3'及びR5'は-SiR-O-SiR-又は-SiR-(上式中、Rは低級アルキル、例えばCH、エチル、及びn-Pr又はI-Prである)を介して結合する]
の3,5-ジ-O-保護-2-デオキシ-2-フルオロ-2-C-メチル-D-リボノ-γ-ラクトン。
【請求項4】
次の一般式

[上式中、
は、独立して、メチル、エチルを含む低級アルキル(C−C)、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジルであり;
あるいは、Rは、それぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;
、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は独立して水素、フェニルを含むアリール、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル又はプロピルを含む低級アルキルである]
の環状サルファイト(IIIa)、環状サルフェート(IIIb)、及び環状カーボネート(IIIc)。
【請求項5】
次の一般式:

[上式中、
は、独立して、メチル、エチルを含む低級アルキル(C−C)、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジルであり;
あるいは、Rは、それぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;
、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は独立して水素、フェニルを含むアリール、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル又はプロピルを含む低級アルキル(C6−10)である]
の環状サルフェート(IIIb)。
【請求項6】
式42B:

の化合物を、溶媒中においてトリアルキルアミンである塩基の存在下でチオニル化合物と反応させることを含む請求項4に記載の式IIIaの化合物の製造方法。
【請求項7】
チオニル化合物が塩化チオニル又はチオニルジイミダゾールである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
トリアルキルアミンが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及びピリジンからなる群から選択される請求項6に記載の方法。
【請求項9】
請求項5に記載の式IIIbの化合物の製造方法であって、
(a)請求項4に記載の化合物IIIaを一又は複数の溶媒中で一又は複数の酸化剤と混合し;
(b)あるいは、請求項6に記載の式42Bの化合物を、溶媒中において塩基の存在下で塩化スルフリル又はスルフリルジイミダゾールと混合する、
ことを含む方法。
【請求項10】
塩基が、トリエチルアミンを含むトリアルキルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、及びピリジンからなる群の一又は複数から選択される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
溶媒が、クロロホルム、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、及び水からなる群の一又は複数から選択される請求項6に記載の方法。
【請求項12】
請求項5に記載の式IIIcの化合物の製造方法であって、式42B:

の化合物を、溶媒中において塩基の存在下でカルボニルジイミダゾールと、あるいは高温で炭酸ジメチルと混合することを含む方法。
【請求項13】
酸化剤が、RuCl、KMnO、TEMPO、NaIO、KIO、HIO、mCPBA、NaOCl、及びオキソンからなる群の一又は複数から選択される請求項9に記載の方法。
【請求項14】
塩基がトリアルキルアミン又はピリジンである請求項12に記載の方法。
【請求項15】
溶媒が、クロロホルム、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、ジエチルエーテル、及びテトラヒドロフランからなる群の一又は複数から選択される請求項12に記載の方法。
【請求項16】
次の一般式51B:

[上式中、
は、独立して、メチル、エチルを含む低級アルキル(C−C)、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジルであり;あるいは、Rは、それぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;R、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は独立して水素、フェニルを含むアリール、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C6−10)であり;
Nuはハロゲン(F、Cl、Br)、N、CN、NO、CF、SCN、OR又はNR(ここで、Rはアセチル、ベンゾイルを含むアシル、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル、CHR(ここで、Rは水素、メチル、エチル又はプロピルを含む低級アルキルである)であり;
は、テトラブチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムを含むテトラアルキルアンモニウム、又はナトリウム、カリウム、セシウム、ルビジウム、及び銀カチオンを含む金属カチオンである]
の化合物。
【請求項17】
請求項16に記載の一般式51Bの化合物の製造方法であって、
次の式IIIb:

の化合物を、適切な溶媒中において少なくとも一種のフッ化物源と相間移動触媒と、
NaBH、塩化テトラアルキルアンモニウム、臭化テトラアルキルアンモニウム、NaN又はLiN、NHSCN、CFI-テトラキス(ジメチルアミノ)-エチレン(TDAE)、硝酸テトラアルキルアンモニウム、KCN、NHOR、HNR(ここで、Rは低級アルキル又はアシルである)、LiCu(R)(ここで、Rはメチル、エチル、エチレニル又はエチニルである)と、混合することを含む方法。
【請求項18】
フッ化物源が、フッ化テトラメチルアンモニウム(TMAF)、フッ化テトラエチルアンモニウム(TEAF)、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)、二フッ化トリス(ジメチルアミノ)サルファー(トリメチルシリル)(TAS-F)、フッ化銀(AgF)、フッ化カリウム(KF)、フッ化セシウム(CsF)、及びフッ化ルビジウム(RbF)からなる群から選択される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
溶媒が、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、ジエチルエーテル、ジグライム、ポリエチレングリコール、DMSO、MeCN、及びジオキサンからなる群の一又は複数から選択される請求項17に記載の方法。
【請求項20】
次の一般式52B:

[上式中、
は、独立して、メチル、エチルを含む低級アルキル(C−C)、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジルであり;あるいは、Rはエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;
、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は独立して水素、フェニルを含むアリール、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキルであり;
Nuはハロゲン(F、Cl、Br)、N、CN、NO、CF、SCN、OR又はNR(ここで、Rはアセチル、ベンゾイルを含むアシル、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル、CHR(ここで、Rはメチル、ハロメチル(フルオロメチル)、エチル、エチレニル、又はエチニルである)であり;
は、水素、限定してメチル、ハロメチル(フルオロメチル)、エチルを含む低級アルキル、エチレニル、又はエチニルである]
の化合物。
【請求項21】
式51B

(上式中、R、R、R、R及びMは請求項20に記載の通り)の化合物を、共溶媒を伴うか伴わないで適切な溶媒中で触媒量の酸及び水と混合することを含んでなる請求項20に記載の式52Bの化合物の製造方法。
【請求項22】
酸が、HCl、HPO、HSO、TsOH、CHCOH、CFCOH、HCOH及びRSOH(ここで、Rは4-メチルフェニル、フェニル、メチル、及びエチルである)からなる群の一又は複数から選択される請求項21に記載の方法。
【請求項23】
溶媒が、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム、トルエン、MeCN、エタノール、ベンゼン、及びメタノールからなる群の一又は複数から選択される請求項21に記載の方法。
【請求項24】
相間移動触媒が、クラウン-エーテル、ジグライム、及びポリエチレングリコールからなる群の一又は複数から選択される請求項17に記載の方法。
【請求項25】
式53:

の化合物の製造方法であって、
(a)式51B又は52B:

の化合物を少なくとも一種の溶媒中において酸で処理し、
(b)場合によっては、酸の存在下でベンゼン又はトルエン中で共沸蒸留することを含んでなる方法。
【請求項26】
工程(a)又は工程(b)の何れかの酸が、HCl、HPO、HSO、TsOH、CHCOH、CFCOH及びHCOHからなる群の一又は複数から選択される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
工程(a)の溶媒が、MeOH、EtOH、I-PrOH、CHCN、THF及び水からなる群の一又は複数から選択される請求項25に記載の方法。
【請求項28】
次の一般式53B:

[上式中、
、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
Nuはハロゲン(F、Cl、Br)、N、CN、NO、CF、SCN、OR又はNR(ここで、Rはアセチル、ベンゾイルを含むアシル、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル、CHR(ここで、Rは水素、メチル、エチル、又はプロピルを含む低級アルキルである)である]
の化合物。
【請求項29】
式53Bの化合物の製造方法であって、
(a)式51B又は52B:

の化合物を、溶媒と酸と共に加熱し、ここで溶媒はMeOH、EtOH、i-PrOH、CHCN、THF及び水からなる群の一又は複数から選択され
(b)場合によっては、酸の存在下ベンゼン又はトルエン中で共沸蒸留することを含んでなる方法。
【請求項30】
工程(a)又は工程(b)の何れかの酸が、HCl、HPO、HSO、TsOH、CHCOH、CFCOH及びHCOHからなる群の一又は複数から選択される請求項29に記載の方法。
【請求項31】
溶媒が、MeOH、EtOH、I-PrOH、CHCN、THF及び水からなる群の一又は複数から選択される請求項29に記載の方法。
【請求項32】
次の一般式53C:

[上式中、
、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
はトリチル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、ベンジルオキシメチル、ベンゾイル、トルオイル、4-フェニルベンゾイル、2-、3-、又は4-ニトロベンゾイル、2-、3-、又は4-クロロベンゾイル、他の置換ベンゾイル;及びベンゾイル及びピバロイルを含むC1−20のアシルを含み;
Nuはハロゲン(F、Cl、Br)、N、CN、NO、CF、SCN、OR又はNR(ここで、Rはアセチル、ベンゾイルを含むアシル、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C1−10)、CHR(ここで、Rは水素、メチル、エチル、又はプロピルを含む低級アルキル(C1−10)である)である]
の化合物。
【請求項33】
溶媒中の塩基と保護剤での、式53B:

の5-ヒドロキシの選択的保護を含んでなる式53Cの化合物の製造方法。
【請求項34】
保護剤が、塩化トリチル、塩化t-ブチルジメチルシリル、塩化t-ブチルジフェニルシリル、塩化ベンジルオキシメチル、ハロゲン化アシル又はアシル無水物で、非限定的に塩化ベンゾイル、塩化トルオイル、塩化4-フェニルベンゾイル、及びベンゾイル無水物を含むものからなる群の一又は複数から選択される請求項33に記載の方法。
【請求項35】
塩基が、イミダゾール、ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、及び1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンからなる群の一又は複数から選択される請求項33に記載の方法。
【請求項36】
溶媒が、ピリジン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、及びテトラヒドロフランからなる群の一又は複数から選択される請求項33に記載の方法。
【請求項37】
次の一般式49B:

[上式中、
、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は独立してメチル、ベンジル、置換されていてもよいベンジル、トリチル、トリエチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、メトキシメチル(MOM)、メトキシエチル(MEM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、アセチル、ベンゾイル、2-、3-、又は4-ニトロベンゾイル、2-、3-、又は4-クロロベンゾイル、トルオイル、又は他の置換ベンゾイル;及びベンゾイル及びピバロイルを含むC1−20のアシルを含み;
Nuはハロゲン(F、Cl、Br)、N、CN、NO、CF、SCN、OR又はNR(ここで、Rはアセチル、ベンゾイルを含むアシル、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C1−10)、CHR(ここで、Rは水素、メチル、エチル、又はプロピルを含む低級アルキル(C1−10)である)である]
の化合物。
【請求項38】
請求項35に記載の式49Bの化合物の製造方法であって、化合物53B:

を、溶媒中の塩基と、塩化メトキシメチル、塩化メトキシエチル、塩化ベンジルオキシメチル、塩化エトキシメチル、塩化トリチル、塩化トリエチルシリル、塩化t-ブチルジメチルシリル、塩化t-ブチルジフェニルシリル、塩化アセチル、無水酢酸、安息香酸無水物、塩化ベンゾイル、塩化トルオイル、塩化4-フェニルベンゾイル、塩化4-ニトロベンゾイル、及び塩化4-クロロベンゾイルからなる群の一又は複数から選択される保護剤で処理することを含む方法。
【請求項39】
塩基が、イミダゾール、ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、及び1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンからなる群の一又は複数から選択される請求項36に記載の方法。
【請求項40】
溶媒が、ピリジン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、及びテトラヒドロフラン等からなる群の一又は複数から選択される請求項36に記載の方法。
【請求項41】
次の一般式56:

[上式中、
、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
はメチル、ベンジル、置換されていてもよいベンジル、トリチル、トリエチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、メトキシメチル(MOM)、メトキシエチル(MEM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、アセチル、ベンゾイル、2-、3-、又は4-ニトロベンゾイル、2-、3-、又は4-クロロベンゾイル、トルオイル、又は他の置換ベンゾイル;及びベンゾイル及びピバロイルを含むC1−20のアシルを含み;
Nuはハロゲン(F、Cl、Br)、N、CN、NO、CF、SCN、OR又はNR(ここで、Rはアセチル、ベンゾイルを含むアシル、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル、CHR(ここで、Rは水素、メチル、エチル、又はプロピルを含む低級アルキルである)である]
の化合物。
【請求項42】
請求項41に記載の56の化合物の製造方法であって、式49B:

の化合物を、溶媒中の還元剤で処理することを含む方法。
【請求項43】
還元剤が金属水素化物である請求項42に記載の方法。
【請求項44】
金属水素化物が、DIBAL-H及びトリ-tert-ブトキシアルミニウム水素化リチウムからなる群の一又は複数から選択される請求項43に記載の方法。
【請求項45】
溶媒が、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、及び1,2-ジクロロエタンからなる群の一又は複数から選択される請求項42に記載の方法。
【請求項46】
式57:

[上式中、
、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
はメチル、ベンジル、置換されていてもよいベンジル、トリチル、トリエチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、メトキシメチル(MOM)、メトキシエチル(MEM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、カルバメート、カーボネート、アセチル、ベンゾイル、2-、3-、又は4-ニトロベンゾイル、2-、3-、又は4-クロロベンゾイル、トルオイル、又は他の置換ベンゾイル;及びベンゾイル及びピバロイルを含むC1−20のアシルを含み;
Nuはハロゲン(F、Cl、Br)、N、CN、NO、CF、SCN、OR又はNR(ここで、Rはアセチル、ベンゾイルを含むアシル、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、CHR(ここで、Rは水素、メチル、エチル、又はプロピルを含む低級アルキル(C−C10)である)である]
の化合物。
【請求項47】
式I:

[上式中、
、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
Nuはハロゲン(F、Cl、Br)、N、CN、NO、CF、SCN、OR又はNR(ここで、Rはアセチル、ベンゾイルを含むアシル、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、CHR(ここで、Rは水素、メチル、エチル、又はプロピルを含む低級アルキル(C−C10)である)であり;
Bは天然又は修飾核塩基である]
の化合物の製造方法であって、式57

の化合物を、Rがシリルである場合にはフッ化アンモニウム又はフッ化アルキルアンモニウムで;あるいはRがトリチル又はアルコキシメチルである場合には酸で処理し;ついでRがアシルである場合は塩基、又はナトリウムメトキシドで処理することを含んでなる方法。
【請求項48】
L-エナンチオマーIB-L

[上式中、
は、独立して、メチル、エチルを含む低級アルキル(C−C)、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジルであり;あるいは、Rはそれぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;
、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
Nuはハロゲン(F、Cl、Br)、N、CN、NO、CF、SCN、OR又はNR(ここで、Rはアセチル、ベンゾイルを含むアシル、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル、CHR(ここで、Rは水素、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキルである)であり;
Bは天然又は修飾核塩基である]
の製造方法であって、出発物質として(S)-グリセルアルデヒド

を使用することを含んでなる方法。
【請求項49】
次の中間体:

[上式中、
は、独立して、メチル、エチルを含む低級アルキル(C−C)、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジルであり;あるいは、Rはそれぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;
、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は独立して水素、フェニルを含むアリール、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C10)である]
から請求項47に記載の式Iの化合物を、先の請求項の何れかの方法を使用して製造する方法。
【請求項50】
次の中間体:

[上式中、
は、独立して、メチル、エチルを含む低級アルキル(C−C)、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジルであり;あるいは、Rはそれぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;
、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は独立して水素、フェニルを含むアリール、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C10)である]
から請求項48に記載の式IB-Lの化合物を、先の請求項の何れかの方法を使用して製造する方法。
【請求項51】
式42B、42B-L、42C、42D:

[上式中、
は、独立して、メチル、エチルを含む低級アルキル(C−C)、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジルであり;あるいは、Rはそれぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;
、Rは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は独立して水素、フェニルを含むアリール、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C10)である]
の中間体。
【請求項52】
次の一般式の2-アルキル-4,5-ジ-O-保護-2,3-ジヒドロキシ-ペンタン酸エステル(42B)及びその異性体(42B-L):

[上式中、R'、R''=イソプロピリデン、ベンジリデン、シクロヘキシリデン等、又はそれぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;R'及びR''は、独立して、C−Cの低級アルキル又はC−C20のアリール、ベンジル及び他の置換されていてもよいベンジル、トリアルキルシリル、t-ブチル-ジアルキルシル、t-ブチルジフェニルシリル、TIPDS、THP、MOM、MEM及び他の任意のエーテル保護基;又はH、アセチル、ベンゾイル及び他の置換されていてもよいアシル(R'及びR''は-C(O)-R(ここで、RはC−Cの低級アルキル又はC−C20のアリール、ベンジル及び他の置換されていてもよいベンジルでありうる)であり得;
、Rは、独立して、水素、アリール(C−C20)及びメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は、独立して、水素、フェニルを含むアリール、限定しないでベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル又はプロピルを含む低級アルキル(C−C)である]。
【請求項53】
請求項51に記載の式42Bの化合物の立体選択的製造方法であって、式41

[上式中、R'、R''=イソプロピリデン、ベンジリデン、シクロヘキシリデン等、又はそれぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;R'及びR''は、独立して、C−Cの低級アルキル又はC−C20のアリール、ベンジル及び他の置換されていてもよいベンジル、トリアルキルシリル、t-ブチル-ジアルキルシル、t-ブチルジフェニルシリル、TIPDS、THP、MOM、MEM及び他の任意のエーテル保護基又はH、アセチル、ベンゾイル及び他の置換されていてもよいアシル(R'及びR''は-C(O)-R(ここで、RはC−Cの低級アルキル又はC−C20のアリール、ベンジル及び他の置換されていてもよいベンジルでありうる)であり得;R'及びR''は独立してC−Cの低級アルキル又はC−C20のアリールでありうる)であり;
、Rは、独立して、水素、アリール(C−C20)及びメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は、独立して、水素、フェニルを含むアリール、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル又はプロピルを含む低級アルキル(C1−6)である]
の化合物を、溶媒中においてキラル触媒を伴わないで、触媒又は化学量論量のオスミウム剤と混合する方法。
【請求項54】
オスミウム剤がOsO又はオスミウム酸塩である請求項53に記載の方法。
【請求項55】
酸化剤が、4-N-メチルモルホリン-N-オキシド、ピリジン-N-オキシド、トリアルキルアミン-N-オキシド、フェリシアン化カリウム、過酸化水素、クロライト、過酸化アルキル及び過酸化アシル、及び置換又は未置換の過安息香酸からなる群の一又は複数から選択される請求項53に記載の方法。
【請求項56】
溶媒が、塩化メチレンを含むハロゲン化炭化水素、クロロホルム、四塩化炭素、二塩化エチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド、水、tert-ブタノール、i-PrOH、THF、及びピリジンからなる群の一又は複数から選択される請求項53に記載の方法。
【請求項57】
請求項51に記載の式42Bの化合物の立体選択的製造方法であって、式41

の化合物を、触媒又は化学量論量のオスミウム剤又はルテニウム酸カリウムの存在下で酸化剤、触媒及び不活性溶媒と混合することを含んでなる方法。
【請求項58】
酸化剤が、4-N-メチルモルホリン-N-オキシド、トリアルキルアミン-N-オキシド、フェリシアン化カリウム、過酸化水素、クロライト、過酸化アルキル、アシル及び置換又は未置換の過安息香酸からなる群の一又は複数から選択される請求項57に記載の方法。
【請求項59】
オスミウム剤がOsO又はオスミウム酸塩である請求項57に記載の方法。
【請求項60】
触媒が、ジヒドロキニジン(DHQD)とその誘導体、ジヒドロキニン(DHQ)とその誘導体、キヌクリジン、キニジン、DABCO、N,N'-ジアルキル-2,2'-ビピロリジン配位子、及びN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン等からなる群の一又は複数から選択される請求項57に記載の方法。
【請求項61】
溶媒が、ハロゲン化炭化水素、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド、水、tert-ブタノール、i-PrOH、THF、及びピリジンからなる群の一又は複数から選択される請求項57に記載の方法。
【請求項62】
請求項51に記載の式42Bの化合物の立体選択的製造方法であって、式41

の化合物を、場合によっては塩基と共に、適切な溶媒中で過マンガン酸塩化合物と混合することを含んでなる方法。
【請求項63】
過マンガン酸塩化合物が、KMnO、過マンガン酸テトラデシルトリメチルアンモニウム(TDTAP)、過マンガン酸セチルトリメチルアンモニウム(CTAP)及び他の過マンガン酸第4級アンモニウム塩、例えばRKMnO(ここで、R、R、R、Rは独立してC−C20のアルキルでありうる)からなる群の一又は複数から選択される請求項62に記載の方法。
【請求項64】
溶媒が、ハロゲン化炭化水素、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド、水、tert-ブタノール、i-PrOH、THF、及びピリジンからなる群の一又は複数から選択される請求項62に記載の方法。
【請求項65】
ハロゲン化炭化水素が、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、二塩化エチレンからなる群の一又は複数から選択される請求項64に記載の方法。
【請求項66】
塩基がKOH、NaOH、ピリジン、及びトリアルキルアンモニアを含む請求項63に記載の方法。
【請求項67】
請求項51に記載の式42Bの化合物の立体選択的製造方法であって、式41

の化合物を、場合によっては溶媒中キラル又はアキラル分子と共に、ルテニウム系と混合することを含んでなる方法。
【請求項68】
ルテニウム系がRuCl/CeCl/NaIOを含んでなる請求項67に記載の方法。
【請求項69】
次の一般式の3,5-ジ-O-保護-2-デオキシ-2-フルオロ-2-C-メチル-D-リボノ-γ-ラクトン(49B)及びそのL-異性体(49B-L):

[上式中、R及びRは、独立して、水素、CH、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、又は4-ニトロベンゾイル、3-ニトロベンゾイル、2-ニトロベンゾイル、4-クロロベンゾイル、3-クロロベンゾイル、2-クロロベンゾイル、4-メチルベンゾイル、3-メチルベンゾイル、2-メチルベンゾイル、パラ-フェニルベンゾイル、及び他の置換されていてもよいアシル、-C(O)-R(ここで、RはC−C10の低級アルキル又はC−C20のアリールである)、ベンジル、4-メトキシベンジル及び他の置換されていてもよいベンジル、トリチル、トリアルキルシリル、t-ブチル-ジアルキルシル、t-ブチルジフェニルシリル、TIPDS、THP、MOM、MEM及び他の任意のエーテル保護基であり得;又はR及びRは、-SiR-O-SiR-又は-SiR-(ここで、Rは低級アルキル、例えばCH、エチル、及びn-Pr又はi-Prである)を介して結合している]。
【請求項70】
請求項69に記載のラクトンの製造方法であって、
(a)式39

の化合物を、溶媒中においてウィッティヒ条件下で(1-アルコキシカルボニルエチリデン)トリフェニルホスホランと反応させ;
(b)場合によってはキラル触媒と共にオレフィン中間体41を立体選択的ジヒドロキシル化してジオール42

を生成し;
(c)アルコール中の酸で化合物42を処理して46

を生成し;
(d)第1級及び第2級OH基の選択的O-保護により3,5-ジ-O-保護誘導体47

を生成し;
(e)化合物47をフッ化して所望のラクトンを提供することを含んでなる方法。
【請求項71】
請求項69に記載のラクトンの製造方法であって、
(a)化合物42

の第2級OH基の選択的O-保護によりモノ-O-保護誘導体43

を生成し;
(b)化合物43をフッ化してフッ化生成物44

を提供し;
(c)44を酸でラクトン化してγラクトン45

を生成し;
(d)第1級OHを保護して、所望のラクトンを提供することを含んでなる方法。
【請求項72】
ラクトン53

の合成における中間体の合成方法であって、
(a)式42B

の化合物を、溶媒中塩基の存在下で塩化チオニル又はチオニルジイミダゾールと混合して、中間体50A:

を生成することを含んでなる方法。
【請求項73】
式50B

[上式中、R'、R''=イソプロピリデン又はシクロヘキシリデン等、又はそれぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;R'及びR''は、独立してトリアルキルシリル、t-ブチル-ジアルキルシル、t-ブチルジフェニルシリル、TIPDS、THP、MOM、MEM及び他の任意のエーテル保護基又はH、アセチル、ベンゾイル及び他の置換されていてもよいアシル(R'及びR''は-C(O)-R(ここで、RはC−Cの低級アルキル又はC−C20のアリール、ベンジル及び他の置換されていてもよいベンジルでありうる)であり得;R'及びR''は独立してC−Cの低級アルキル又はC−C20のアリールでありうる)であり;
、Rは、独立して、水素、アリール(C−C20)及びメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は、独立して、水素、フェニルを含むアリール、限定しないがベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル又はプロピルを含む低級アルキル(C1−6)である]
の化合物の製造方法であって、請求項70に記載の生成物50Aを、溶媒又は溶媒混合物中の酸化剤と混合するか、
又は、請求項51に記載の式42Bの化合物を、溶媒中塩基の存在下において塩化スルフリル又はスルフリルジイミダゾールと混合することを含んでなる方法。
【請求項74】
酸化剤が、RuCl、KMnO、TEMPO、NaIO、KIO、HIO、mCPBA、NaOCl及びオキソンからなる群の一又は複数から選択される請求項73に記載の方法。
【請求項75】
次の一般式51B

[上式中、R'、R''はイソプロピリデン又はシクロヘキシリデン等、又はそれぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;R'及びR''は、独立してトリアルキルシリル、t-ブチル-ジアルキルシル、t-ブチルジフェニルシリル、TIPDS、THP、MOM、MEM及び他の任意のエーテル保護基又はH、アセチル、ベンゾイル及び他の置換されていてもよいアシル(R'及びR''は-C(O)-R(ここで、RはC−Cの低級アルキル又はC−C20のアリール、ベンジル及び他の置換されていてもよいベンジルでありうる)であり得;R'及びR''は独立してC−Cの低級アルキル又はC−C20のアリールでありうる)であり;
、Rは、独立して、水素、アリール(C−C20)及びメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は、独立して、水素、フェニルを含むアリール、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル又はプロピルを含む低級アルキル(C1−6)であり;
Nuはハロゲン(F、Cl、Br)、N、CN、NO、CF、SCN、OR、NR'''、NHR'''、又はNR'''(ここで、R'''はH又はアセチル、ベンゾイルを含むアシル、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C6−10)、CHR(ここで、Rは水素、メチル、エチル、又はプロピルを含む低級アルキル(C1−10)である)であり;
は、テトラブチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムを含むテトラアルキルアンモニウム、又はナトリウム、カリウム、セシウム、ルビジウム、及び銀カチオンを含む金属カチオンである]
の化合物。
【請求項76】
請求項75に記載の一般式51Bの化合物の製造方法であって、
(a)次の式50B

[上式中、R'、R''=イソプロピリデン又はシクロヘキシリデン等、又はそれぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;R'及びR''は、独立してトリアルキルシリル、t-ブチル-ジアルキルシル、t-ブチルジフェニルシリル、TIPDS、THP、MOM、MEM及び他の任意のエーテル保護基又はH、アセチル、ベンゾイル及び他の置換されていてもよいアシル(R'及びR''は-C(O)-R(ここで、RはC−Cの低級アルキル又はC−C20のアリール、ベンジル及び他の置換されていてもよいベンジルでありうる)であり得;R'及びR''は独立してC−Cの低級アルキル又はC−C20のアリールでありうる)であり;
、Rは、独立して、水素、アリール(C−C20)及びメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は、独立して、水素、フェニルを含むアリール、o-ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル又はプロピルを含む低級アルキル(C1−6)である]
の化合物を、溶媒中において一種のフッ化物源と、あるいは相間移動触媒との併用で、混合し;又は
(b)あるいは式50Bの化合物を塩基と混合することを含んでなる方法。
【請求項77】
塩基が、NaBH、塩化テトラアルキルアンモニウム、臭化テトラアルキルアンモニウム、NaN又はLiN、NHSCN、CFI-テトラキス(ジメチルアミノ)-エチレン(TDAE)、硝酸テトラアルキルアンモニウム、KCN、NHOR、HNR(ここで、Rは低級アルキル又はアシルである)、LiCu(R)(ここで、Rはメチル、エチル、エチレニル、又はエチニルである)からなる群の一又は複数から選択される請求項76に記載の方法。
【請求項78】
フッ化物源が、フッ化テトラメチルアンモニウム(TMAF)、フッ化テトラエチルアンモニウム(TEAF)、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)、二フッ化トリス(ジメチルアミノ)サルファー(トリメチルシリル)(TAS-F)からなる群から単独で選択され、又はフッ化銀(AgF)、フッ化カリウム(KF)、フッ化セシウム(CsF)、及びフッ化ルビジウム(RbF)からなる群の一又は複数から選択されるフッ化物源と組み合わせ、場合によってはクラウン-エーテル、ジグライム、ポリエチレングリコール又は他の相間移動触媒と併用される請求項75に記載の方法。
【請求項79】
次の一般式52B

[上式中、R'、R''=イソプロピリデン、ベンジリデン、シクロヘキシリデン等、又はそれぞれシクロペンチル又はシクロヘキサニル基を形成するエチレン(-CHCH-)又はトリメチレン(-CHCHCH-)を含む環状基の一部であり;R'及びR''は、独立してトリアルキルシリル、t-ブチル-ジアルキルシル、t-ブチルジフェニルシリル、TIPDS、THP、MOM、MEM及び他の任意のエーテル保護基又はH、アセチル、ベンゾイル及び他の置換されていてもよいアシル(R'及びR''は-C(O)-R(ここで、RはC−Cの低級アルキル又はC−C20のアリール、ベンジル及び他の置換されていてもよいベンジルでありうる)であり得;R'及びR''は独立してC−Cの低級アルキル又はC−C20のアリールでありうる)であり;
、Rは、独立して、水素、アリール(C−C20)及びメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、フルオロメチルを含むハロメチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C−C)、ビニル、ハロビニル(F-CH=C)を含む置換されていてもよいエテニル、ハロエチニル(F-C≡C)を含む置換されていてもよいエチニル、ハロアリル(FHC=CH-CH-)を含む置換されていてもよいアリルであり;
は、独立して、水素、フェニルを含むアリール、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル又はプロピルを含む低級アルキル(C1−6)であり;
Nuはハロゲン(F、Cl、Br)、N、CN、NO、CF、SCN、OR、NR'''、NHR'''、又はNR'''(ここで、R'''はH又はアセチル、ベンゾイルを含むアシル、ベンジルを含むアリールアルキル、メチル、エチル、プロピルを含む低級アルキル(C6−10)、CHR(ここで、Rはメチル、ハロメチル(フルオロメチル)、エチル、エチレニル、又はエチニルである)である]
の化合物。
【請求項80】
式53

の化合物の製造方法であって、
(a)式51B又は52B

の化合物を、溶媒中又は溶媒混合物中において酸と混合し;
(b)場合によっては、酸の存在下ベンゼン又はトルエン中で共沸蒸留することを含んでなる方法。
【請求項81】
酸が、酸性ポリマー樹脂、HCl、HPO、HSO、TsOH、CHCOH、CFCOH、及びHCOHからなる群の一又は複数から選択される請求項80に記載の方法。
【請求項82】
溶媒が、MeOH、EtOH、i-PrOH、CHCN、THF及び水からなる群の一又は複数から選択される請求項80に記載の方法。
【請求項83】
式49B

[上式中、R及びRは、独立して、H、CH、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、又は4-ニトロベンゾイル、3-ニトロベンゾイル、2-ニトロベンゾイル、4-クロロベンゾイル、3-クロロベンゾイル、2-クロロベンゾイル、4-メチルベンゾイル、3-メチルベンゾイル、2-メチルベンゾイル、パラ-フェニルベンゾイル、及び他の置換されていてもよいアシル(R及びRは、-C(O)-R(ここで、RはC−C10の低級アルキル又はC−C20のアリールである)、ベンジル、4-メトキシベンジル及び他の置換されていてもよいベンジルであり得;R及びRは、独立して、C−C20のアリール、トリチル、トリアルキルシリル、t-ブチル-ジアルキルシル、t-ブチルジフェニルシリル、TIPDS、THP、MOM、MEM及び他の任意のエーテル保護基であり得;又はR3'及びR5'は、-SiR-O-SiR-又は-SiR-(ここで、Rは低級アルキル、例えばCH、エチル、及びn-Pr又はi-Prである)を介して結合している]
の化合物の製造方法であって、
式53のヒドロキシ基を、塩化トリチル、塩化t-ブチルジメチルシリル、塩化t-ブチルジフェニルシリル、塩化ベンジルオキシメチル、ハロゲン化アシル又はアシル無水物で、塩化ベンゾイル、塩化トルオイル、塩化4-フェニルベンゾイル、及びベンゾイル無水物を含むものからなる群の一又は複数から選択される保護剤と溶媒中の塩基で保護することを含んでなる方法。

【公表番号】特表2008−513456(P2008−513456A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532391(P2007−532391)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/032406
【国際公開番号】WO2006/031725
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(505442842)ファーマセット,インク. (20)
【Fターム(参考)】