説明

2つ以上の活性剤を呼吸器送達するための組成物、方法および系

定量噴霧式吸入器により2つ以上の活性剤を肺送達または経鼻送達するための組成物、方法および系が提供される。一実施形態では、本組成物は、懸濁媒体、活性剤粒子および懸濁粒子を含み、該組成物中では、活性剤粒子と懸濁粒子とは、懸濁媒体内で共懸濁剤を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般には、2つ以上の活性剤を呼吸器送達するための組成物、方法および系に関する。一定の実施形態では、本開示は、2つ以上の活性剤を呼吸器送達するための組成物、方法および系であって、該活性剤のうち少なくとも1つが、長時間作用性のムスカリン拮抗剤(「LAMA」)、長時間作用性のβアドレナリン作動剤(「LABA」)およびコルチコステロイド活性剤から選択される、組成物、方法および系に関する。
【背景技術】
【0002】
活性剤を作用部位で送達する標的化薬物送達の方法は多くの場合、望ましい。たとえば、活性剤の標的化送達は、望ましくない副作用を減少させ、投与必要量を減少させ、治療費を削減することができる。呼吸器送達に関する場合、吸入器は、活性剤を対象の気道に投与するための周知の器具であり、いくつかの異なる吸入器系が現在市販されている。3つの一般的な吸入器系としては、乾燥粉末吸入器、ネブライザーおよび定量噴霧式吸入器(MDI)が挙げられる。
【0003】
MDIを使用して、可溶化形態の、または懸濁剤としての医薬を送達することができる。典型的には、MDIは、比較的高い蒸気圧の噴射剤を用いて、MDIを作動させたときに、活性剤を含有するエアロゾル化した小滴を気道中に排出する。乾燥粉末吸入器は一般に、患者の吸気努力に依存して、乾燥粉末形態の医薬を気道に導入する。他方、ネブライザーは、液体溶液剤または懸濁剤にエネルギーを賦与することにより、吸入すべき医薬エアロゾルを形成する。
【0004】
MDIは、噴射剤により生じる圧力を利用する能動型の送達器具である。慣用的に、クロロフルオロカーボン(CFC)がMDI系中の噴射剤として使用されているが、その理由は、CFCは、毒性が低く、安定な懸濁剤の製剤にとって望ましい蒸気圧および適合性を有するからである。しかし、伝統的なCFC噴射剤はマイナスの環境影響を有すると理解されており、そのことが、より環境に優しいと考えられる代替的な噴射剤(過フッ化化合物(PFC)およびヒドロフルオロアルカン(HFA)など)の開発につながっている。
【0005】
懸濁剤MDIにより送達される活性剤は、典型的には、噴射剤または2つ以上の噴射剤の組合せ(すなわち、噴射剤「系」)内に分散した微細な微粒子として供給される。この微細な微粒子を形成するために、活性剤は、典型的には微粉化される。噴射剤または噴射剤系中に懸濁している活性剤の微細粒子は、急速に凝集または凝固する傾向がある。このことは、とりわけ、微粉化された形態で存在する活性剤に当てはまる。結果として、これらの微細粒子の凝集または凝固は、活性剤の送達を複雑にすると考えられる。たとえば、凝集または凝固は、機械的な故障(エアロゾル剤容器のバルブ開口部の閉塞が原因と考えられるものなど)につながりかねない。薬物粒子の不要な凝集または凝固は、薬物粒子の急速な沈降またはクリーミングにもつながりかねず、そのような挙動が生じる結果、用量送達が一定でなくなることがあり、このことは、とりわけ、高度に強力な低用量の医薬の場合に厄介であると考えられる。そのような懸濁剤MDI製剤に伴う別の問題は、保管中の薬物が結晶成長する結果、時間が経過するにつれ当該MDIのエアロゾル特性および送達用量均一性が低下することに関する。より最近では、抗コリン作用剤を含有するMDI製剤について、米国特許第6,964,759号で開示されているような解決法が提案されている。
【0006】
乾燥粉末吸入器中でのエアロゾル性能を改善するための1つのアプローチは、微細粒子担体(乳糖など)を組み込むことであった。そのような微細な添加剤の使用は、MDIについてはあまり研究されてこなかった。Youngらによる最近の報告「The influence of micronized particulates on the aerosolization properties of pressurized metered dose inhalers」、Aerosol Science、40、324〜337頁、(2009)では、MDI中でそのような微細粒子担体を使用すると、実際にはエアロゾル性能が低下する結果になることが示唆されている。
【0007】
伝統的なCFC系では、MDI製剤中に存在する活性剤が噴射剤または噴射剤系中に懸濁している場合、凝集の問題を最小化または防止し、実質的に均一な分散を維持する目的で、界面活性物質を使用して活性剤の表面を被覆することが多い。こうした形での界面活性物質の使用は、時に、懸濁剤の「安定化」と呼ばれる。しかし、可溶性であることからCFC系中で有効な多くの界面活性物質は、HFAおよびPFCの噴射剤系中では有効ではなく、その理由は、そのような界面活性物質は、非CFC噴射剤中では異なる溶解性の特徴を呈するからである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、2つ以上の活性剤を呼吸器送達するための組成物、方法および系を提供する。具体的には、一定の実施形態では、本開示は、2つ以上の活性剤をMDIにより呼吸器送達するための医薬組成物、系および方法を包含し、特定の実施形態では、活性剤のうち少なくとも1つは、長時間作用性のムスカリン拮抗剤(「LAMA」)、長時間作用性のβアドレナリン作動剤(「LABA」)およびコルチコステロイド活性剤から選択される。本明細書に記載の組成物は、MDIにより肺送達または経鼻送達するために製剤化してもよい。本明細書に記載の方法は、呼吸器送達のための2つ以上の活性剤を含む製剤を安定化させる方法、ならびに、肺疾患または肺障害を治療するための2つ以上の活性剤をMDIにより肺送達する方法を含む。さらに、本明細書には、2つ以上の活性剤を送達するためのMDI系、ならびに、当該系を調製する方法も記載する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本記載に従って調製した、グリコピロレートとフマル酸ホルモテロールとを含有する共懸濁製剤の送達用量均一性を示すグラフである。
【図2】図1の共懸濁製剤の送達用量比を示すグラフである。
【図3】本記載に従って調製した第2の共懸濁製剤の送達用量均一性を示すグラフである。
【図4】図3の第2の共懸濁製剤の送達用量比を示すグラフである。
【図5】本記載に従って調製した共懸濁製剤中のグリコピロレートおよびフマル酸ホルモテロールの送達用量均一性を、記載のとおりの異なる条件下で保管した場合について示すグラフである。
【図6】本記載に従って調製した例示的な共懸濁製剤の粒子サイズ分布を、記載のとおりの異なる条件下で保管した場合について示すグラフである。
【図7】グリコピロレートとフマル酸ホルモテロールとの組合せを含む例示的な共懸濁剤により達成された粒子サイズ分布を、記載の条件で保管した場合について示すグラフである。
【図8】グリコピロレートとフマル酸ホルモテロールとの組合せを含む例示的な共懸濁剤により達成された粒子サイズ分布を、グリコピロレートまたはフマル酸ホルモテロールのいずれかを単独で含む製剤により達成された粒子サイズ分布との比較で示すグラフである。
【図9】本記載に従って調製した、グリコピロレートとフマル酸ホルモテロールとを含む例示的な共懸濁剤の送達後に達成された、血清中のグリコピロレートおよびホルモテロールの経時濃度レベルを示すグラフである。この例示的な組合せ製剤から送達されたグリコピロレートおよびフマル酸ホルモテロールの血清中濃度時間プロファイルを、グリコピロレートまたはフマル酸ホルモテロールを単独で含有および送達する組成物により達成された該プロファイルと比較する。
【図10】本記載に従って調製した2剤型共懸濁剤(微結晶性のフマル酸ホルモテロール活性剤粒子とグリコピロレート活性剤粒子とを含ませた)により達成されたホルモテロール粒子サイズ分布を、結晶性のフマル酸ホルモテロールを含有するのみの共懸濁剤との比較で示すグラフである。
【図11】本記載に従って調製した2剤型共懸濁剤(微結晶性のグリコピロレート活性剤粒子と、2つの異なる粒子サイズ分布(「細かい」および「粗い」と表示)を有する微結晶性のフマル酸ホルモテロール活性剤粒子、または噴霧乾燥したフマル酸ホルモテロールとを含ませた)により達成されたグリコピロレートの粒子サイズ分布を示すグラフである。
【図12】本記載に従って調製した第2の2剤型共懸濁剤(微結晶性のフマル酸ホルモテロール活性剤粒子と微結晶性のグリコピロレート活性剤粒子とを含ませた)により達成されたフマル酸ホルモテロール粒子サイズ分布を、微結晶性のグリコピロレート活性剤粒子と噴霧乾燥されたフマル酸ホルモテロール粒子とを含有する共懸濁剤との比較で示すグラフである。
【図13】本記載に従って調製した例示的な2剤型共懸濁製剤中のグリコピロレートおよびフマル酸ホルモテロールの送達用量均一性を示すグラフである。
【図14】例示的な3剤型共懸濁剤組成物(微結晶性のグリコピロレート活性剤粒子とフマル酸ホルモテロール活性剤粒子とフロ酸モメタゾン活性剤粒子とを含ませた)中に含まれる各活性剤の送達用量均一性を示すグラフである。
【図15】本記載に従って調製した3剤型共懸濁剤(微結晶性のグリコピロレート活性剤粒子とフマル酸ホルモテロール活性剤粒子とフロ酸モメタゾン活性剤粒子とを含ませた)において達成されたフマル酸ホルモテロールの空気力学的粒子サイズ分布を、2剤型共懸濁剤(グリコピロレートとフマル酸ホルモテロールとを含ませた)において達成された該分布との比較で示すグラフである。
【図16】本記載に従って調製した3剤型共懸濁剤(微結晶性のグリコピロレート活性剤粒子とフマル酸ホルモテロール活性剤粒子とフロ酸モメタゾン活性剤粒子とを含ませた)において達成されたグリコピロレートの空気力学的粒子サイズ分布を、2剤型共懸濁剤(グリコピロレートとフマル酸ホルモテロールとを含ませた)において達成された該分布との比較で示すグラフである。
【図17】本記載に従って調製した3剤型共懸濁剤(グリコピロレート活性剤粒子または臭化チオトロピウム活性剤粒子のいずれかに加え、フマル酸ホルモテロールおよびフロ酸モメタゾンの微結晶性の活性剤粒子を含ませた)により達成されたグリコピロレートおよび臭化チオトロピウムの空気力学的粒子サイズ分布を示すグラフである。
【図18】本記載に従って調製した2つの2成分型共懸濁剤および1つの単一成分型共懸濁剤により達成されたグリコピロレートの空気力学的サイズ分布を示すグラフである。2つの2剤型共懸濁剤間の用量比例性、ならびに、2成分型共懸濁剤と単一成分型共懸濁剤との間の等価性を示す。
【図19】本記載に従って調製した2つの2成分型共懸濁剤および2つの単一成分型共懸濁剤により達成されたフマル酸ホルモテロールの空気力学的サイズ分布を示すグラフである。2つの2成分型共懸濁剤と2つの単一成分型共懸濁剤との間の用量比例性、ならびに、2成分型共懸濁剤と単一成分型共懸濁剤との間の等価性を示す。
【図20】本記載に従って調製した超低用量のフマル酸ホルモテロールの単一成分型共懸濁剤の送達用量均一性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
2つ以上の活性剤を組み込んでいる医薬組成物を製剤化することは多くの場合困難であるが、それは、多数の活性剤を組み込む結果生じる、活性剤間での予測不可能もしくは予想外の相互作用または製剤の変化による。そのような相互作用は「併用効果」として公知であり、MDIから送達される懸濁製剤に関する場合、併用効果は、たとえば、単一の活性剤を含む製剤と2つ以上の活性剤の組合せを含む製剤との間の類似性からの逸脱により、以下の分野:製剤によりもたらされるエアロゾルおよび粒子サイズ分布の特徴、活性剤のうち1つもしくは複数についての送達用量均一性、活性剤のうち1つもしくは複数の送達可能性もしくは吸収、または、活性剤のうち1つもしくは複数について観察される用量比例性のうち1つまたは複数において現れることがある。
【0011】
特定の実施形態では、本明細書に記載の共懸濁剤組成物は、組合せ製剤に伴う併用効果を回避する。本記載の目的では、組成物は併用効果を回避するが、この場合、選択活性剤について、組合せ製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴および送達用量均一性は、唯一の活性剤が選択活性剤である類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴および送達用量均一性から逸脱しない。いくつかの実施形態では、併用効果がないことは、選択活性剤について、以下の場合:組合せ製剤から送達される目標用量の選択活性剤の経時血漿濃度が、唯一の活性剤が該選択活性剤である類似製剤から同じ用量で該選択活性剤が送達されたときに達成される経時血漿濃度から逸脱しない場合に証拠付けられる。
【0012】
本明細書中で使用する場合、語句「逸脱しない(do not deviate)」または「逸脱しない(does not deviate)」は、所与のパラメーターについて、組合せ製剤により達成される成績が、該組合せ製剤中に含まれる活性剤のうち1つのみを含む類似製剤により達成される成績の±20%であることを示す。一定の実施形態では、組合せ製剤により達成される成績は、該組合せ中に含まれる活性剤のうち1つのみを含む類似製剤により達成される成績と変わらない。たとえば、2つ以上の活性剤を含む本明細書に記載のとおりの共懸濁剤は、所与の用量の各当該活性剤に関しては、組合せ共懸濁剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数が、単一の活性剤のみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±20%以内であるとき、併用効果を呈さないとみなされる。いくつかの実施形態では、所与の用量の各活性剤については、本明細書に記載の組合せ共懸濁剤組成物により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数は、単一の活性剤のみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±15%以内である。また他の実施形態では、所与の用量の各活性剤については、本明細書に記載の組合せ共懸濁剤組成物により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数は、単一の活性剤のみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±10%以内である。一定の実施形態では、所与の用量の各活性剤に関しては、本明細書に記載のとおりの組合せ共懸濁剤組成物は、以下の分野:製剤のエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数において、該組合せ中に含まれる活性剤のうち1つのみを含む類似製剤と差を呈さない。
【0013】
本明細書中で提供する組成物中に含まれる2つ以上の活性剤の組合せは、いくつかの実施形態では、単一の活性剤のみを含む医薬製剤に勝る利点を提供できる。たとえば、2つ以上の活性剤の組合せを同時に送達するとき、両方の活性剤の治療上有効な用量は、組み合わされた活性剤のいずれかが単独で送達されるときより相対的に少なくてもよく、それにより、可能性のある副作用が回避されまたは低下する。さらに、2つ以上の活性剤の組合せは、組み合わされた活性剤のうち1つを単独で送達することにより達成できるものと比較して、より迅速な治療利益の発現またはより長い継続期間を達成できる。
【0014】
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載のとおりの共懸濁剤組成物の呼吸器送達による治療を行いやすい肺疾患または肺障害を治療する方法を含む。たとえば、本明細書に記載の組成物、方法および系を使用して、炎症性または閉塞性の肺の疾患または状態を治療することができる。一定の実施形態では、本明細書に記載の組成物、方法および系を使用して、以下:喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、他の薬物療法の結果生じる気道過反応性の増悪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、肺血管収縮、炎症、アレルギー、呼吸障害、呼吸窮迫症候群、肺高血圧症、肺血管収縮、および、たとえば、LAMA、LABA、コルチコステロイドまたは本明細書に記載のとおりの他の活性剤の投与(単独であるか他の療法との組合せであるかを問わない)に応答する可能性のある任意の他の呼吸器の疾患、状態、形質、遺伝子型または表現型から選択される疾患または障害に罹患している患者を治療することができる。一定の実施形態では、本明細書に記載の組成物、系および方法を使用して、嚢胞性線維症に伴う肺の炎症および閉塞を治療することができる。本明細書中で使用する場合、用語「COPD」および「慢性閉塞性肺疾患」は、慢性閉塞性肺疾患(COLD)、慢性閉塞性気道疾患(COAD)、慢性気流制限(CAL)および慢性閉塞性呼吸器疾患(CORD)を包含し、慢性気管支炎、気管支拡張症および気腫を含む。本明細書中で使用する場合、用語「喘息」は、型または起源によらず全ての喘息を指し、以下:内因性(非アレルギー性)喘息および外因性(アレルギー性)喘息、軽度喘息、中等度喘息、重度喘息、気管支喘息、運動誘発性喘息、職業性喘息、ならびに、細菌感染に次いで誘導される喘息を包含する。喘息は、包括的な乳児喘鳴症候群としても理解されたい。
【0015】
本明細書に全般に記載されているような実施形態が例示的なものであることは、容易に理解されよう。以下の、多様な実施形態のより詳細な説明は、本開示の範囲を限定することを意図してはおらず、多様な実施形態を代表するにすぎない。したがって、本明細書中で列挙する詳細は、独立に特許性のある主題を包含することがある。さらに、本明細書中で開示する実施形態に関連して記載する方法のステップまたは行為の順序は、本開示の範囲から逸脱せずに当業者により変更されてもよい。言い換えれば、ステップまたは行為の特定の順序がその実施形態の正しい実施過程に必要でない限り、特定のステップまたは行為の順序または使用は改変されてもよい。
【0016】
I.定義
特に具体的に定義しない限り、技術用語は、本明細書中で使用する場合、当技術分野で理解されるとおりのその通常の意味を有する。明確を期すために、以下の用語を具体的に定義する。
【0017】
用語「活性剤」は、本明細書中では、任意の目的のためにヒトまたは動物に対して使用または投与してもよい任意の薬剤、薬物、化合物、組成物または他の物質(治療剤、医薬剤、薬理剤、診断剤、化粧剤および予防剤および免疫調節剤など)を包含するように使用される。用語「活性剤」は、用語「薬物」、「医薬剤」、「医薬」、「原薬」または「治療剤」と互換的に使用してもよい。本明細書中で使用する場合、「活性剤」は、一般に治療剤とみなされない天然製品またはホメオパシー製品を包含することがある。
【0018】
用語「会合する」、「〜と会合する」または「会合」は、表面(別の化学体、組成物または構造の表面など)に近い状態にある化学体、組成物または構造間の相互作用または関係を指す。会合としては、たとえば、吸着、接着、共有結合、水素結合、イオン結合および静電引力、リフシッツ・ファンデルワールス相互作用および極性相互作用が挙げられる。用語「接着する」または「接着」は、会合の一形態であり、粒子または塊を表面に引き付けさせる傾向がある全ての力についての一般的な用語として使用される。「接着する」は、さらに、粒子を互いに接触させその状態を保つことから、通常の条件下での噴射剤中の粒子の浮力が異なることによる粒子間の目に見える分離が実質的には存在しないことも指す。一実施形態では、表面と付着または結合する粒子は、用語「接着する」により包含される。通常の条件としては、室温での、または重力による加速力下での保管を挙げることができる。本明細書に記載のとおり、活性剤粒子は懸濁粒子と会合させて共懸濁剤を形成でき、その場合、噴射剤内での浮力に差があることによる懸濁粒子と活性剤粒子またはその凝固体との間の目に見える分離は、実質的には存在しない。
【0019】
「懸濁粒子」は、呼吸器送達にとって許容でき、活性剤粒子のためのビヒクルとして作用する物質または物質の組合せを指す。懸濁粒子は、活性剤粒子と相互作用して、送達の標的部位、すなわち気道への活性剤の反復可能な投与、送達または輸送を容易にする。本明細書に記載の懸濁粒子は、懸濁媒体(噴射剤または噴射剤系など)内に分散し、所望の懸濁安定性または活性剤送達性能の達成に適した任意の形状、サイズまたは表面特徴に従って構成できる。例示的な懸濁粒子としては、活性剤の呼吸器送達を容易にする粒子サイズを呈し、本明細書に記載のとおりの安定化された懸濁剤の製剤および送達に適した物理的な構成を有する粒子が挙げられる。
【0020】
用語「共懸濁剤」は、懸濁媒体内に異なる組成の2種以上の粒子を有する懸濁剤を指し、このとき、1種の粒子は、他の粒子種のうち1つまたは複数と少なくとも部分的に会合する。この会合により、懸濁媒体中に懸濁している個々の粒子種のうち少なくとも1種の1つまたは複数の特徴に、観察可能な変化が生じる。この会合により改変される特徴としては、たとえば、以下:凝集または凝固の速度、分離、すなわち沈降またはクリーミングの速度および性質、クリーム層または沈降層の密度、容器壁への接着、バルブ部品への接着、ならびに撹拌時の分散の速度およびレベルのうち1つまたは複数を挙げることができる。
【0021】
共懸濁剤が存在するか否かを調べるための例示的な方法としては、以下を挙げることができる。1つの粒子種の比重瓶密度が噴射剤より高く、別の粒子種の比重瓶密度が噴射剤より低い場合、クリーミング挙動または沈降挙動の目視観察を用いて共懸濁剤の存在を確認できる。用語「比重瓶密度」は、粒子を構成する物質の、粒子内の空隙を除いた密度を指す。一実施形態では、物質は、目視観察のために、製剤化するか、または透明なバイアル(典型的にはガラスバイアル)中に移動させることができる。最初の撹拌後、沈降層またはクリーム層の形成に十分な時間(典型的には24時間)をかけてバイアルを静かに放置する。沈降層またはクリーム層が完全にまたは大部分、均一な単一層であることが観察された場合は、共懸濁剤が存在する。用語「共懸濁剤」は、少なくとも2つの粒子種の大多数は互いに会合するが、少なくとも2つの粒子種のうちいくらかの分離(すなわち、大多数より少ない)が観察されることがある、部分的な共懸濁剤を包含する。
【0022】
例示的な共懸濁剤の試験を異なる噴射剤温度で実施して、室温で噴射剤密度に近い密度を有する粒子種の沈降挙動またはクリーミング挙動を際立たせてもよい。異なる粒子種が同じ分離性質(すなわち、全て沈降または全てクリーム)を有する場合、共懸濁剤の存在は、該懸濁剤の他の特徴(凝集または凝固の速度、分離の速度、クリーム層または沈降層の密度、容器壁への接着、バルブ部品への接着、ならびに撹拌時の分散の速度およびレベルなど)を測定し、その測定値を、同様に懸濁させた個々の粒子種のそれぞれの特徴と比較することにより、決定できる。当業者に公知の多様な分析法を用いて、こうした特徴を測定できる。
【0023】
呼吸可能な凝集体、粒子、液滴など(本明細書に記載の組成物など)を含有または供給する組成物に関する場合、用語「微細粒子用量」または「FPD」は、呼吸可能な範囲内にある、名目用量または計量された用量の全質量または分率いずれかの形態での用量を指す。呼吸可能な範囲内にある用量は、カスケードインパクターのスロートステージを越えて堆積する用量、すなわち、流速30l/分で運転されるNext Generation Impactorにおいてフィルターを通してステージ3で送達される用量の合計であるように、インビトロで測定する。
【0024】
呼吸可能な凝集体、粒子、液滴など(本明細書に記載の組成物など)を含有または供給する組成物に関する場合、用語「微細粒子分率」または「FPF」は、送達される物質の、呼吸可能な範囲内にある送達用量(すなわち、MDIなどの送達器具の作動装置を出る量)に対する比率を指す。呼吸可能な範囲内の送達物質の量は、カスケードインパクターのスロートステージを越えて堆積する物質の量、たとえば、流速30l/分で運転されるNext Generation Impactorにおいてフィルターを通してステージ3で送達される物質の合計としてインビトロで測定する。
【0025】
本明細書中で使用する場合、用語「〜を阻害する」は、現象、症状もしくは状態が生じる傾向、または、当該現象、症状もしくは状態が生じる程度が測定可能に減少することを指す。用語「〜を阻害する」またはその任意の形態は、その最も広い意味で使用され、〜を最小化させる、防止する、低下させる、抑圧する、抑制する、抑える、抑止する、制限する、〜の進行を遅らせるなどを包含する。
【0026】
「空気力学的質量中央径」または「MMAD」は、本明細書中で使用する場合、それを下回ればエアロゾルの質量の50%は、MMADより小さい空気力学的径を有する粒子から成る、エアロゾルの空気力学的径を指し、MMADは、合衆国薬局方(「USP」)のモノグラフ601に従って計算される。
【0027】
本明細書中で言及する場合、用語「光学直径」は、乾燥粉末ディスペンサーを装備したレーザー回折粒子サイズ分析装置(たとえば、Sympatec GmbH、Clausthal−Zellerfeld、ドイツ)を用いてフラウンホーファー回折モードにより測定した場合の粒子サイズを示す。
【0028】
溶液媒介転移という用語は、より可溶性の高い形態の固形物質(すなわち、曲率半径(オストワルド熟成に向かう駆動力)の小さい粒子、または非晶質の物質)が溶解し、その飽和している噴射剤溶液と平衡状態で共存できる、より安定な結晶形に再結晶する現象を指す。
【0029】
「患者」は、本明細書に記載のとおりの活性剤の組合せが治療効果を有するであろう動物を指す。一実施形態では、患者はヒトである。
【0030】
「有孔微細構造体」は、Weersらに付与された米国特許第6,309,623号に記載されている当該物質および調製物などの微細構造に周囲の懸濁媒体を浸透、充填または充満させる空隙、細孔、欠陥、凹み、空間、格子間空間、開口、穿孔または孔を呈する、規定するまたは含む構造マトリックスを備える懸濁粒子を指す。有孔微細構造体の基本的形態は一般にはそれほど重要ではなく、所望の製剤特徴をもたらす任意の全体構成が本明細書中では企図される。したがって、一実施形態では、有孔微細構造体は、ほぼ球形状(中空の、懸濁している噴霧乾燥された微小球など)を含んでもよい。しかし、任意の基本的形態またはアスペクト比の、崩壊した、波形の、変形したまたは砕けた微粒子も適合すると考えられる。
【0031】
本明細書に記載の懸濁粒子に当てはまるように、有孔微細構造体は、選択された懸濁媒体中で実質的に分解または溶解しない任意の生体適合性物質から形成されてもよい。多種多様な物質を使用して粒子を形成してもよいが、いくつかの実施形態では、構造マトリックスは、界面活性物質(リン脂質またはフッ素系界面活性物質など)と会合しているか、またはそれらを含む。必須ではないが、有孔微細構造体、または、より一般的には懸濁粒子中に適合性の界面活性物質を組み込むと、呼吸器用の分散剤の安定性を向上させ、肺堆積量を増し、懸濁剤の調製を容易にすることができる。
【0032】
用語「懸濁媒体」は、本明細書中で使用する場合、中で活性剤粒子および懸濁粒子が分散して共懸濁製剤をもたらすことができる連続相を供給する物質を指す。本明細書に記載の共懸濁製剤中で使用される懸濁媒体は、噴射剤を含む。本明細書中で使用する場合、用語「噴射剤」は、通常の室温で十分に高い蒸気圧を発揮して、MDIの定量バルブの作動時にMDIの缶から患者に医薬を噴射する、1つまたは複数の薬理学的に不活性な物質を指す。したがって、用語「噴射剤」は、単一の噴射剤と、「噴射剤系」を形成する2つ以上の異なる噴射剤の組合せとの両方を指す。
【0033】
用語「呼吸可能な」は、一般に、吸入されて肺の気道に到達できるような大きさになっている粒子、凝集体、液滴などを指す。
【0034】
本明細書に記載の共懸濁剤組成物を指すために使用する場合、用語「物理的な安定性」および「物理的に安定な」は、凝集、凝固、および、溶液媒介転移による粒子サイズ変化のうち1つまたは複数に抵抗性であり、懸濁粒子のMMADおよび微細粒子用量を実質的に維持することが可能な組成物を指す。一実施形態では、物理的な安定性は、組成物を、本明細書に記載のとおりの温度サイクリングによるなど加速分解条件にさらすことにより評価してもよい。
【0035】
活性剤に言及する場合、用語「強力な」は、約0.01mg/kg〜約1mg/kgの範囲の用量以下で治療上有効な活性剤を指す。強力な活性剤の典型的な用量は、一般的に、約100μg〜約100mgの範囲である。
【0036】
活性剤に言及する場合、用語「高度に強力な」は、約10μg/kgの用量以下で治療上有効な活性剤を指す。高度に強力な活性剤の典型的な用量は、一般的に、最大約100μgの範囲である。
【0037】
用語「懸濁安定性」および「安定な懸濁剤」は、活性剤粒子と懸濁粒子との共懸濁剤の特性をある期間にわたり維持することが可能な懸濁製剤を指す。一実施形態では、懸濁安定性は、本明細書に記載の共懸濁剤組成物により達成される送達用量均一性により測定してもよい。
【0038】
用語「実質的に不溶性の」は、組成物が、特定の溶媒中で完全に不溶性であるか、またはその特定の溶媒中での可溶性が乏しいか、そのいずれかであることを意味する。用語「実質的に不溶性の」は、特定の溶質の溶解性が溶媒100部当たり1部であることを意味する。用語「実質的に不溶性の」は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott、Williams&Wilkins、2006、212頁の表16−1に示されているように、「わずかに可溶性の」(溶質1部当たり溶媒100〜1000部)、「非常にわずかに可溶性の」(溶質1部当たり溶媒1000〜10,000部)および「実質的に不溶性の」(溶質1部当たり溶媒10,000部超)という定義を包含する。
【0039】
用語「界面活性物質」は、本明細書中で使用する場合、2つの非混和相間の界面(水と有機ポリマー溶液との間の界面、水/空気界面、または有機溶媒/空気界面など)に優先的に吸着する任意の薬剤を指す。界面活性物質は、一般に親水性部分と親油性部分とを有することから、微小粒子への吸着時には、同じように被覆された粒子を引き付けない連続相に部分を提示し、したがって粒子の凝集を低下させる傾向がある。いくつかの実施形態では、界面活性物質は、薬物の吸着を促進し、薬物の生体利用率を増加させることもできる。
【0040】
「治療上有効量」は、患者の疾患もしくは障害を阻害することにより、または、疾患もしくは障害の発症を予防的に阻害もしくは予防することにより治療効果を達成する化合物の量である。治療上有効量は、患者の疾患もしくは障害の1つもしくは複数の症状をある程度軽減し、該疾患もしくは障害に伴うもしくはその原因となる1つもしくは複数の生理学的もしくは生化学的なパラメーターを部分的もしくは完全のいずれかで正常に戻し、および/または疾患または障害の発症の可能性を低下させる量であってもよい。
【0041】
用語「化学的に安定な」および「化学的な安定性」は、活性剤の個々の分解産物が、ヒトが使用するための製品の品質保持期間中の規制要件により特定される制限(たとえば、ICHガイダンスQ3B(R2)に従うクロマトグラフィーの合計ピーク面積の1%)未満のままであり、活性剤アッセイと総分解産物との間に許容される質量バランスが存在する(たとえば、ICHガイダンスQ1Eで定義されているように)共懸濁製剤を指す。
【0042】
II.組成物
本明細書に記載の組成物は、2つ以上の活性剤を含み、懸濁媒体と、1種または複数種の活性剤粒子と、1種または複数種の懸濁粒子とを含む共懸濁剤である。当然ながら、必要に応じ、本明細書に記載の組成物は、1つまたは複数の追加成分を含んでもよい。さらに、本明細書に記載の組成物の成分の変形および組合せを使用してもよい。
【0043】
本記載による共懸濁剤組成物は、多様な異なる製剤により具体化できる。一定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、第2の活性剤を組み込んでいる少なくとも1種の懸濁粒子と共懸濁している活性剤粒子の形態で供給される第1の活性剤を含む。他の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、活性剤粒子のいずれかの中に含有されているものとは異なる活性剤を組み込んでいる少なくとも1種の懸濁粒子と共懸濁している2つ以上の異なる種の活性剤粒子の形態で供給される2つ以上の活性剤を含む。またさらなる実施形態では、本明細書に記載の組成物は、活性剤粒子のいずれかの中に含有されているものと同じであっても異なっていてもよい活性剤を組み込んでいる少なくとも1種の懸濁粒子と共懸濁している2つ以上の異なる種の活性剤粒子の形態で供給される2つ以上の活性剤を含む。またさらなる実施形態では、本明細書に記載の組成物は、活性剤を含まない1種または複数種の懸濁粒子と共懸濁している2つ以上の異なる種の活性剤粒子の形態で供給される2つ以上の活性剤を含む。本明細書に記載の組成物が2種以上の活性剤粒子を含む場合、そのような組成物を「多剤型」共懸濁剤と呼ぶことがある。たとえば、1種または複数種の懸濁粒子と共懸濁している2種の活性剤粒子を含む組成物を2剤型共懸濁剤と呼ぶことがあり、1種または複数種の懸濁粒子と共懸濁している3種の活性剤粒子を含む組成物を3剤型共懸濁剤などと呼ぶことがある。
【0044】
本記載による組成物においては、多数の異なる種の活性剤粒子が組成物中に存在する場合でも、活性剤粒子は、懸濁粒子との会合を呈することから、活性剤粒子と懸濁粒子とは懸濁媒体内で同一場所に位置する。一般的に、異なる種の粒子と、該粒子が中に懸濁している媒体(たとえば、噴射剤または噴射剤系)との間には密度差があることから、浮力により、噴射剤より低密度の粒子のクリーミングと、噴射剤より高密度の粒子の沈降とが生じる。したがって、異なる密度または異なる凝固傾向を有する異なる種の粒子の混合物から成る懸濁剤においては、沈降挙動またはクリーミング挙動は、異なる粒子種のそれぞれに特異的であると考えられ、懸濁媒体内の異なる粒子種の分離につながると考えられる。
【0045】
しかし、本明細書に記載の噴射剤と活性剤粒子と懸濁粒子との組合せは、活性剤粒子と懸濁粒子とが噴射剤内で同一場所に位置する、2つ以上の活性剤の組合せを含む共懸濁剤をもたらす(すなわち、活性剤粒子が懸濁粒子と会合することから、懸濁粒子と活性剤粒子とは、示差的な沈降またはクリーミングによるなど、クリーム層または沈降層の形成にとって十分な時間の後でも、互いに関しては実質的な分離を呈さない)。特定の実施形態では、たとえば、本明細書に記載の組成物は、懸濁粒子が、温度変動および/または、最大で、たとえば、1g、10g、35g、50gおよび100gならびにそれ以上の加速度での遠心分離により増幅された浮力を受けたときに活性剤粒子と会合された状態のままである共懸濁剤を形成する。しかし、本明細書に記載の共懸濁剤は、特定閾の会合力により定義する必要はない。たとえば、本明細書中で企図されるとおりの共懸濁剤は、活性剤粒子と懸濁粒子との実質的な分離が、典型的な患者の使用条件下で懸濁媒体により形成される連続相内で存在しないように活性剤粒子が懸濁粒子と会合する場合に、首尾よく達成することができる。
【0046】
本記載による活性剤粒子と懸濁粒子との共懸濁剤は、望ましい化学的な安定性、懸濁安定性および活性剤送達特徴をもたらす。たとえば、一定の実施形態では、MDI缶内に存在するとき、本明細書に記載のとおりの共懸濁剤は、以下:活性剤物質の凝固;活性剤粒子および懸濁粒子の示差的な沈降またはクリーミング;活性剤物質の溶液媒介転移;製剤の成分(活性剤物質または界面活性物質を含む)の化学的分解;ならびに、容器施栓系、とりわけ定量バルブ部品の表面への活性剤の損失のうち1つまたは複数を阻害できる。そのような特性は、共懸濁製剤がMDIから送達される際にエアロゾル性能を達成および維持するように働くことから、望ましい微細粒子分率、微細粒子用量および送達用量均一性特徴が達成され、共懸濁製剤が含有されているMDI缶が空になるまで実質的に維持される。加えて、本記載による共懸濁剤は、たとえば、共溶媒、貧溶媒、可溶化剤またはアジュバントの添加による改変を必要としない比較的単純なHFA懸濁媒体を利用しながら、2つ以上の活性剤を、そのような活性剤が顕著に異なる用量で送達される場合でも一定の投与特徴をもたらす物理的および化学的に安定な製剤を提供できる。さらには、本明細書に記載のとおりに調製される組成物は、MDIから送達される際、多数の活性剤を含む製剤でしばしば経験される医薬的効果を排除または実質的に回避する。たとえば、本明細書中で詳細に述べる特定の実施形態により例示されるように、本明細書に記載の組合せ製剤は、その中に含有される活性剤のそれぞれについて、別々に製剤化および送達された場合と同じ活性剤の送達特徴に匹敵する送達特徴をもたらす。
【0047】
本記載による共懸濁剤を提供することにより、所望の活性剤の製剤、送達および投与を単純化することもできる。特定の理論により拘束されるものではないが、活性剤粒子と懸濁粒子との共懸濁剤を達成することにより、そのような分散系内に含有される活性剤の送達、物理的な安定性および投与は、懸濁粒子のサイズ、組成、形態および相対量を制御することを通じて実質的に制御してもよく、活性剤の粒子のサイズおよび形態への依存度は比較的低いと考えられる。さらに、特定の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、貧溶媒、可溶化剤、共溶媒またはアジュバントを実質的に含まない非CFC噴射剤または噴射剤系と共に製剤化できる。
【0048】
本教示により製剤化される共懸濁剤組成物は、その中に含まれる活性剤の物理的および化学的な分解を阻害できる。たとえば、特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、該組成物中に含まれる活性剤の化学的分解、凝固、凝集および溶液媒介転移のうち1つまたは複数を阻害できる。本明細書に記載の共懸濁剤組成物によりもたらされる化学的安定性および懸濁安定性により、送達すべき活性剤のうち少なくとも1つが高度に強力であり、各活性剤の送達用量が相当変動するような場合であっても、該組成物を、多数の活性剤について、MDI缶が空になるまで望ましい送達用量均一性(「DDU」)を達成する方式で分配させることができる。
【0049】
2つ以上の活性剤を含む本明細書に記載のとおりの共懸濁剤組成物は、その中に含まれる活性剤のそれぞれについて±30%またはより良好なDDUを達成できる。そのような一実施形態では、本明細書に記載の組成物は、その中に含まれる活性剤のそれぞれについて±25%またはより良好なDDUを達成する。別のそのような実施形態では、本明細書に記載の組成物は、その中に含まれる活性剤のそれぞれについて±20%またはより良好なDDUを達成する。さらに、本記載による共懸濁剤組成物は、加速分解条件にさらされた後であっても、MDI缶が空になるまでFPFおよびFPDの成績を実質的に維持するように機能する。たとえば、本記載による組成物は、加速分解条件にさらされた後であっても、元のFPFまたはFPDの成績の80%、90%、95%またはそれ以上に相当するほどの高さを維持する。
【0050】
本明細書に記載の共懸濁剤組成物は、非CFC噴射剤を用いて製剤化されていてもそのような成績を達成するという付加利益を提供する。特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、1つのみまたは複数の非CFC噴射剤を含む懸濁媒体を用いて製剤化されていても、目標となるDDU、FPFまたはFPDのうち1つまたは複数を達成し、たとえば、1つまたは複数の共溶媒、貧溶媒、可溶化剤、アジュバントまたは他の噴射剤改変物質の添加によるなど、非CFC噴射剤の特徴を改変する必要はない。
【0051】
(i)懸濁媒体
本明細書に記載の組成物中に含まれる懸濁媒体は、1つまたは複数の噴射剤を含む。一般には、懸濁媒体としての使用に適した噴射剤は、室温での加圧下で液化でき、吸入または局所的な使用の際に安全で毒性学的に無害であるような噴射剤ガスである。加えて、選択される噴射剤は、懸濁粒子および活性剤粒子とあまり反応しないことが望ましい。例示的な適合性のある噴射剤としては、ヒドロフルオロアルカン(HFA)、過フッ化化合物(PFC)およびクロロフルオロカーボン(CFC)が挙げられる。
【0052】
本明細書中で開示する共懸濁剤の懸濁媒体を形成するために使用してもよい噴射剤の具体例としては、以下:1,1,1,2−テトラフルオロエタン(CFCHF)(HFA−134a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパン(CFCHFCF)(HFA−227)、ペルフルオロエタン、モノクロロフルオロメタン、1,1ジフルオロエタン、およびそれらの組合せが挙げられる。さらには、適当な噴射剤としては、たとえば以下:短鎖炭化水素;C1〜4水素含有クロロフルオロカーボン(CHClF、CClFCHClF、CFCHClF、CHFCClF、CHClFCHF、CFCHClおよびCClFCHなど);C1〜4水素含有フルオロカーボン(たとえばHFA)(CHFCHF、CFCHF、CHFCHおよびCFCHFCFなど);ならびにペルフルオロカーボン(CFCFおよびCFCFCFなど)が挙げられる。
【0053】
懸濁媒体として使用してもよい特定のフルオロカーボン、またはフッ化化合物の種類としては以下:フルオロヘプタン、フルオロシクロヘプタン、フルオロメチルシクロヘプタン、フルオロヘキサン、フルオロシクロヘキサン、フルオロペンタン、フルオロシクロペンタン、フルオロメチルシクロペンタン、フルオロジメチルシクロペンタン、フルオロメチルシクロブタン、フルオロジメチルシクロブタン、フルオロトリメチルシクロブタン、フルオロブタン、フルオロシクロブタン、フルオロプロパン、フルオロエーテル、フルオロポリエーテルおよびフルオロトリエチルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。これらの化合物は、単独で、または、より揮発性の高い噴射剤と組み合わせて使用してもよい。
【0054】
前述のフルオロカーボンおよびヒドロフルオロアルカンに加え、多様な例示的なクロロフルオロカーボンおよび置換されているフッ化化合物を懸濁媒体として使用することもできる。この場合、FC−11(CClF)、FC−11B1(CBrClF)、FC−11B2(CBrClF)、FC12B2(CFBr)、FC21(CHClF)、FC21B1(CHBrClF)、FC−21B2(CHBrF)、FC−31B1(CHBrF)、FC113A(CClCF)、FC−122(CClFCHCl)、FC−123(CFCHCl)、FC−132(CHClFCHClF)、FC−133(CHClFCHF)、FC−141(CHClCHClF)、FC−141B(CClFCH)、FC−142(CHFCHCl)、FC−151(CHFCHCl)、FC−152(CHFCHF)、FC−1112(CClF=CClF)、FC−1121(CHCl=CFCl)およびFC−1131(CHCl=CHF)を使用することもできるが、環境上の懸念を伴う可能性があることは認識している。したがって、これらの化合物のそれぞれを、単独で、または他の化合物(すなわち、より揮発性の低いフルオロカーボン)と組み合わせて使用して、本明細書中で開示する安定化させた懸濁剤を形成してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、懸濁媒体は、単一の噴射剤から形成してもよい。他の実施形態では、噴射剤の組合せを使用して懸濁媒体を形成してもよい。いくつかの実施形態では、比較的揮発性の化合物を、より蒸気圧の低い成分と混合して、安定性を高め、または分散された活性剤の生体利用率を高めるために選択された特定の物理的な特徴を有する懸濁媒体を得てもよい。いくつかの実施形態では、より蒸気圧の低い化合物は、沸点が約25℃超のフッ化化合物(たとえばフルオロカーボン)を含むことになろう。いくつかの実施形態では、懸濁媒体中で使用するためのより蒸気圧の低いフッ化化合物としては、以下:臭化ペルフルオロオクチルC17Br(PFOBまたはペルフルブロン)、ジクロロフルオロオクタンC16Cl、ペルフルオロオクチルエタンC17(PFOE)、ペルフルオロデシルブロミドC1021Br(PFDB)またはペルフルオロブチルエタンCを挙げることができる。一定の実施形態では、これらのより蒸気圧の低い化合物は、比較的低レベルで存在する。そのような化合物は、懸濁媒体に直接加えてもよく、または、懸濁粒子と会合させてもよい。
【0056】
本明細書に記載のとおりの組成物中に含まれる懸濁媒体は、追加的な物質(たとえば、貧溶媒、可溶化剤、共溶媒またはアジュバントなど)を実質的に含まない噴射剤または噴射剤系から形成してもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、懸濁媒体は、追加的な物質を実質的に含まない非CFC噴射剤または噴射剤系(HFA噴射剤または噴射剤系など)から形成してもよい。そのような実施形態は、共懸濁剤組成物中に含まれる活性剤の呼吸器送達に適した医薬組成物の製剤および製造を単純化する。
【0057】
しかし、他の実施形態では、噴射剤の選択、懸濁粒子の特性または送達すべき活性剤の性質によっては、利用する懸濁媒体は、噴射剤または噴射剤系以外の物質を含んでもよい。そのような追加的な物質としては、たとえば、以下:たとえば、製剤の蒸気圧、または安定性、または懸濁粒子の溶解性を調節するための適切な貧溶媒、可溶化剤、共溶媒またはアジュバントのうち1つまたは複数を挙げることができる。たとえば、プロパン、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタンまたはジアルキルエーテル(ジメチルエーテルなど)を、懸濁媒体中の噴射剤と共に組み込んでもよい。同様に、懸濁媒体は、揮発性のフルオロカーボンを含有してもよい。他の実施形態では、ポリビニルピロリドン(「PVP」)またはポリエチレングリコール(「PEG」)のうち一方または両方を懸濁媒体に加えてもよい。PVPまたはPEGを懸濁媒体に加えることにより1つまたは複数の所望の機能的な特徴を達成でき、一例では、PVPまたはPEGは、結晶成長阻害剤として懸濁媒体に加えてもよい。一般には、揮発性の共溶媒またはアジュバントを使用する場合、そのようなアジュバントまたは共溶媒は、公知の炭化水素またはフルオロカーボン物質から選択してもよく、懸濁媒体の最大約1%w/wを占めてもよい。たとえば、共溶媒またはアジュバントを懸濁媒体中に組み込む場合、共溶媒またはアジュバントは、懸濁媒体の約0.01%w/w未満、0.1%w/w未満または0.5%w/w未満を構成してもよい。PVPまたはPEGが懸濁媒体中に含まれる場合、そのような成分は、最大約1%w/wで含まれてもよく、または、懸濁媒体の約0.01%w/w未満、0.1%w/w未満または0.5%w/w未満を構成してもよい。
【0058】
(ii)活性剤粒子
本明細書に記載の共懸濁剤中に含まれる活性剤粒子は、懸濁媒体内に分散および懸濁させることが可能であり、共懸濁剤からの呼吸可能な粒子の送達を容易にするようなサイズの物質から形成される。したがって、一実施形態では、活性剤粒子は、活性剤粒子の少なくとも90体積%が約7μm以下の光学直径を呈する微粉化された物質として供給される。他の実施形態では、活性剤粒子は、活性剤粒子の少なくとも90体積%が、約7μm〜約1μm、約5μm〜約2μm、および約3μm〜約2μmの範囲から選択される光学直径を呈する微粉化された物質として供給される。他の実施形態では、活性剤粒子は、活性剤粒子の少なくとも90体積%が、6μm以下、5μm以下、4μm以下または3μm以下から選択される光学直径を呈する微粉化された物質として供給される。別の実施形態では、活性剤粒子は、活性剤粒子物質の少なくとも50体積%が約4μm以下の光学直径を呈する微粉化された物質として供給される。さらなる実施形態では、活性剤粒子は、活性剤粒子物質の少なくとも50体積%が、約3μm以下、約2μm以下、約1.5μm以下および約1μm以下から選択される光学直径を呈する微粉化された物質として供給される。またさらなる実施形態では、活性剤粒子は、活性剤粒子の少なくとも50体積%が、約4μm〜約1μm、約3μm〜約1μm、約2μm〜約1μm、約1.3μmおよび約1.9μmの範囲から選択される光学直径を呈する微粉化された物質として供給される。
【0059】
活性剤粒子は、完全に活性剤から形成してもよく、または、1つもしくは複数の活性剤を1つもしくは複数の添加剤もしくはアジュバントと組み合わせて含むように製剤化してもよい。特定の実施形態では、活性剤粒子中に存在する活性剤は、完全にまたは実質的に結晶性であってもよく、すなわち、大多数の活性剤分子は、長い範囲の外部表面にわたり、規則的に繰返すパターンで配列される。別の実施形態では、活性剤粒子は、結晶状態および非晶質状態の両方で存在する活性剤を含んでもよい。また別の実施形態では、活性剤粒子は、実質的に非晶質状態で存在する活性剤を含んでもよく、すなわち、活性剤分子は、性質が全体的に非晶質であり、長い範囲にわたり維持される規則的に繰返す配列を有さない。またさらなる一実施形態では、2つ以上の活性剤が活性剤粒子として存在する場合、そのような活性剤は全て、結晶性または実質的に結晶性の形態で存在してもよい。存在する2つ以上の活性剤を用いる代替的な実施形態では、少なくとも1つのそのような活性剤は結晶性または実質的に結晶性の形態で存在してもよく、少なくとももう1つの活性剤は非晶質状態で存在してもよい。
【0060】
本明細書に記載の活性剤粒子が、2つ以上の活性剤を1つまたは複数の添加剤またはアジュバントと組み合わせて含む場合、該添加剤およびアジュバントは、使用される活性剤の化学的および物理的な特性に基づいて選択できる。さらに、活性剤粒子の製剤に適した添加剤は、懸濁粒子と会合している本明細書に記載のものを含む。特定の実施形態では、たとえば、活性剤粒子は、たとえば、懸濁粒子と会合している、脂質、リン脂質、炭水化物、アミノ酸、有機塩、ペプチド、タンパク質、アルジトール、合成もしくは天然のポリマーまたは界面活性物質である記載のとおりの物質のうち1つまたは複数と共に製剤化してもよい。
【0061】
他の実施形態では、たとえば、活性剤を、脂質、リン脂質、炭水化物、アミノ酸、金属塩、有機塩、ペプチド、タンパク質、アルジトール、合成もしくは天然のポリマーまたは界面活性物質である物質のうち1つまたは複数の溶液に加え、噴霧乾燥させて、懸濁粒子を形成する物質内に活性剤を含有する懸濁粒子としてもよい。
【0062】
任意の適当なプロセスを用いて、本明細書に記載のとおりの活性剤粒子または懸濁粒子として使用するためまたはその中に含めるための微粉化された活性剤物質を達成してもよい。そのようなプロセスとしては以下:製粉または粉砕プロセスによる微粉化、結晶化または再結晶プロセス、および、超臨界または超臨界近傍の溶媒からの沈殿を用いるプロセス、噴霧乾燥、噴霧凍結乾燥または凍結乾燥が挙げられるが、これらに限定されない。微粉化された活性剤粒子を得るための適当な方法を教示する特許参考文献は、たとえば、米国特許第6,063,138号、米国特許第5,858,410号、米国特許第5,851,453号、米国特許第5,833,891号、米国特許第5,707,634号および国際特許公開第2007/009164号に記載されている。活性剤粒子が1つまたは複数の添加剤またはアジュバントと共に製剤化された活性剤物質を含む場合、微粉化された活性剤粒子は、先に記載のプロセスのうち1つまたは複数を用いて形成でき、そのようなプロセスを利用して、所望のサイズ分布および粒子構成を有する活性剤粒子を達成することができる。
【0063】
活性剤粒子は、懸濁媒体内で任意の適当な濃度で供給されてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、活性剤粒子は、約0.01mg/ml〜約20mg/mlの濃度で存在してもよい。一定のそのような実施形態では、活性剤粒子は、約0.05mg/ml〜約20mg/ml、約0.05mg/ml〜約10mg/ml、および約0.05mg/ml〜約5mg/mlから選択される濃度で存在してもよい。
【0064】
さまざまな治療剤または予防剤を、本明細書中で開示する共懸濁剤組成物中の活性剤として利用できる。例示的な活性剤としては、エアロゾル化された医薬の形態で投与してもよいものが挙げられ、本明細書に記載の組成物中での使用に適した活性剤としては、選択された懸濁媒体内で分散性である(たとえば、実質的に不溶性であるか、または、共懸濁製剤を実質的に維持する懸濁媒体中で溶解性を呈する)形態で存在するかまたはそうした方式で製剤化してもよいものが挙げられ、懸濁粒子と共に共懸濁剤を形成することが可能であり、生理学的に有効な量で呼吸可能に取り込まれやすい。本明細書に記載の活性剤粒子の形成において利用してもよい活性剤は、さまざまな生物活性を有することができる。
【0065】
本記載による組成物中に含ませてもよい特定の活性剤の例は、たとえば以下:短時間作用性のβ作動剤、たとえば、ビトルテロール、カルブテロール、フェノテロール、ヘキソプレナリン、イソプレナリン(イソプロテレノール)、レボサルブタモール、オルシプレナリン(メタプロテレノール)、ピルブテロール、プロカテロール、リミテロール、サルブタモール(アルブテロール)、テルブタリン、ツロブテロール、レプロテロール、イプラトロピウムおよびエピネフリン;長時間作用性のβアドレナリン受容体作動剤(「LABA」)、たとえば、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール;超長時間作用性のβアドレナリン受容体作動剤、たとえば、カルモテロール、ミルベテロール(milveterol)、インダカテロール、および、サリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤;コルチコステロイド、たとえば、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロン;抗炎症薬、たとえばプロピオン酸フルチカゾン、二プロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド、ブデソニド、トリペダン(tripedane)、コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾンまたはトリアムシノロンアセトニド;鎮咳剤、たとえばノスカピン;気管支拡張剤、たとえば、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール、ホルモテロール、イソプレナリン、メタプロテレノール、サルブタモール、アルブテロール、サルメテロール、テルブタリン;ならびにムスカリン拮抗剤(長時間作用性のムスカリン拮抗剤(「LAMA」)など)、たとえば、グリコピロレート、デキシピロニウム(dexipirronium)、スコポラミン、トロピカミド、ピレンゼピン、ジメンヒドリネート、チオトロピウム、ダロトロピウム(darotropium)、アクリジニウム、トロスピウム、イプラトロピウム、アトロピン、ベンズトロピンまたはオキシトロピウムであってもよい。
【0066】
適切な場合、本組成物中で供給される活性剤(本明細書に具体的に記載のものなどであるが、これらに限定されない)は、塩(たとえばアルカリ金属もしくはアミン塩、または酸付加塩として)の形態で、または、エステル、溶媒和物(水和物)、誘導体もしくは遊離塩基として、使用してもよい。加えて、活性剤は、任意の結晶形態または異性体形態または異性体形態の混合物の形態で、たとえば、純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物として、ラセミ化合物として、またはその混合物として、存在してもよい。この場合、活性剤の形態は、活性剤の活性および/または安定性を最適化するように、および/または、懸濁媒体中の活性剤の溶解性を最小化させるように選択してもよい。
【0067】
開示する組成物は非常に低用量の活性剤の再現性のある送達をもたらすので、一定の実施形態では、本明細書に記載の組成物中に含まれる活性剤は、1つまたは複数の強力なまたは高度に強力な活性剤から選択してもよい。たとえば、一定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、1用量当たり約100μg〜約100mg、1用量当たり約100μg〜約10mg、および1用量当たり約100μg〜1mgから選択される用量で送達されるべき1つまたは複数の強力な活性剤を含んでもよい。他の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、1用量当たり最大約80μg、1用量当たり最大約40μg、1用量当たり最大約20μg、1用量当たり最大約10μg、または1用量当たり約10μg〜約100μgから選択される用量で送達されるべき2つ以上の強力なまたは高度に強力な活性剤の組合せを含んでもよい。加えて、一定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、1用量当たり約0.1〜約2μg、1用量当たり約0.1〜約1μg、および1用量当たり約0.1〜約0.5μgから選択される用量で送達されるべき2つ以上の高度に強力な活性剤の組合せを含んでもよい。
【0068】
一定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、LABA活性剤を含む。そのような一実施形態では、該組成物は、LABA活性剤をLAMA活性剤またはコルチコステロイド活性剤と組み合わせて含む。別のそのような実施形態では、該組成物は、LAMA活性剤をLABA活性剤およびコルチコステロイドと組み合わせて含む。そのような実施形態では、LABA活性剤は、たとえば、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、および、サリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤、ならびに、その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物から選択できる。一定のそのような実施形態では、活性剤は、ホルモテロールおよびその薬学的に許容できる塩、そのエステル、異性体または溶媒和物から選択される。
【0069】
ホルモテロールを使用して、炎症性または閉塞性の肺疾患および肺障害(たとえば本明細書に記載のものなど)を治療することができる。ホルモテロールの化学名は(±)−2−ヒドロキシ−5−[(1RS)−1−ヒドロキシ−2−[[(1RS)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]−アミノ]エチル]ホルムアニリドであり、医薬組成物中で、ラセミのフマル酸二水和物塩として通常使用される。適切な場合、ホルモテロールは、塩(たとえばアルカリ金属もしくはアミン塩、または酸付加塩として)の形態で、またはエステルとして、または溶媒和物(水和物)として、使用してもよい。加えて、ホルモテロールは、任意の結晶形態または異性体形態または異性体形態の混合物、たとえば、純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、ラセミ化合物またはその混合物の形態であってもよい。この場合、ホルモテロールの形態は、ホルモテロールの活性および/または安定性を最適化するように、および/または、懸濁媒体中のホルモテロールの溶解性を最小化させるように選択してもよい。ホルモテロールの薬学的に許容できる塩としては、たとえば以下:無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸など)、ならびに、有機酸(フマル酸、マレイン酸、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、グルコン酸、トリカルバリル酸、オレイン酸、安息香酸、p−メトキシ安息香酸、サリチル酸、o−およびp−ヒドロキシ安息香酸、p−クロロ安息香酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ならびに3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸など)の塩が挙げられる。ホルモテロールの水和物は、たとえば、米国特許第3,994,974号および米国特許第5,684,199号に記載されている。特定の結晶形態は、たとえば国際特許公開第95/05805号に記載されており、ホルモテロールの特定の異性体は、米国特許第6,040,344号に記載されている。
【0070】
特定の実施形態では、ホルモテロール粒子を形成するために利用されるホルモテロール物質はフマル酸ホルモテロールであり、そのような一実施形態では、フマル酸ホルモテロールは、二水和物形態で存在する。本明細書に記載の組成物がホルモテロールを含む場合、一定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、ホルモテロールを、MDIの1作動当たり約0.5μg〜約30μg、0.5μg〜約1μg、約1μg〜約10μg、約2μg〜5μg、約2μg〜約10μg、約5μg〜約10μg、および3μg〜約30μgから選択される送達用量を達成する濃度で含んでもよい。他の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、ホルモテロールを、MDIの1作動当たり最大約30μg、最大約10μg、最大約5μg、最大約2.5μg、最大約2μgまたは最大約1.5μgから選択される送達用量をもたらすのに十分な量で含んでもよい。本明細書に記載のとおりの送達用量を達成するために、本明細書に記載の組成物がホルモテロールを活性剤として含む場合、特定の実施形態では、組成物中に含まれるホルモテロールの量は、たとえば、約0.01mg/ml〜約1mg/ml、約0.01mg/ml〜約0.5mg/ml、および約0.03mg/ml〜約0.4mg/mlから選択してもよい。
【0071】
本明細書に記載の医薬共懸濁剤組成物がLABA活性剤を含む場合、一定の実施形態では、活性剤は、サルメテロール(任意の薬学的に許容できるその塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)から選択される。サルメテロールを使用して炎症性または閉塞性の肺疾患および肺障害(たとえば、本明細書に記載のものなど)を治療することができる。また、サルメテロールがLABA活性剤として含まれる場合、いくつかのそのような実施形態では、該組成物は、LAMA活性剤またはコルチコステロイド活性剤も含んでもよい。他のそのような実施形態では、該組成物は、サルメテロールを、LAMA活性剤およびコルチコステロイドと組み合わせて含む。サルメテロール、サルメテロールの薬学的に許容できる塩、および、それを作製する方法は、たとえば、米国特許第4,992,474号、米国特許第5,126,375号および米国特許第5,225,445号に記載されている。
【0072】
サルメテロールがLABA活性剤として含まれる場合、一定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、サルメテロールを、MDIの1作動当たり約2μg〜約120μg、約4μg〜約40μg、約8μg〜20μg、約8μg〜約40μg、約20μg〜約40μg、および約12μg〜約120μgから選択される送達用量を達成する濃度で含んでもよい。他の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、サルメテロールを、MDIの1作動当たり最大約120μg、最大約40μg、最大約20μg、最大約10μg、最大約8μgまたは最大約6μgから選択される送達用量をもたらすのに十分な量で含んでもよい。本明細書に記載のとおりの目標送達用量を達成するためには、本明細書に記載の組成物がサルメテロールを活性剤として含む場合、特定の実施形態では、該組成物中に含まれるサルメテロールの量は、たとえば、約0.04mg/ml〜約4mg/ml、約0.04mg/ml〜約2.0mg/ml、および約0.12mg/ml〜約0.8mg/mlから選択してもよい。たとえば、本明細書に記載の組成物は、MDIの1作動当たり約4μg〜約120μg、約20μg〜約100μg、および約40μg〜約120μgから選択される目標送達用量をもたらすのに十分なサルメテロールを含んでもよい。さらに他の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、MDIの1作動当たり最大約100μg、最大約40μgまたは最大約15μgから選択される目標送達用量をもたらすのに十分なサルメテロールを含んでもよい。
【0073】
一定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、長時間作用性のムスカリン拮抗剤(LAMA)活性剤を含む。本明細書に記載の組成物中で使用してもよいLAMA活性剤の例としては、以下:グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウム(それらの任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、LAMA活性剤をLABA活性剤またはコルチコステロイドと組み合わせて含む。他のそのような実施形態では、本明細書に記載の組成物は、LAMA活性剤を、LABA活性剤およびコルチコステロイド活性剤の両方と組み合わせて含む。該組成物がLAMA活性剤を含む場合、特定の実施形態では、グリコピロレート(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を選択してもよい。
【0074】
グリコピロレートを使用して炎症性または閉塞性の肺疾患および肺障害(たとえば、本明細書に記載のものなど)を治療することができる。抗コリン作用剤として、グリコピロレートは、粘液分泌の増加を特徴とする肺疾患および肺障害の療法における使用にとっての利益である抗分泌効果をもたらす。グリコピロレートは四級アンモニウム塩である。適切な場合、グリコピロレートは、塩(たとえばアルカリ金属もしくはアミン塩、または酸付加塩として)、エステル、溶媒和物(水和物)または選択された異性体の形態で使用してもよい。加えて、グリコピロレートは、任意の結晶形態または異性体形態または異性体形態の混合物、たとえば、純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、ラセミ化合物またはその混合物の形態であってもよい。この場合、グリコピロレートの形態は、グリコピロレートの活性および/または安定性を最適化するように、および/または、懸濁媒体中のグリコピロレートの溶解性を最小化させるように選択してもよい。適当な対イオンは、たとえば以下:フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオン、乳酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、リンゴ酸イオン、マレイン酸イオン、コハク酸イオン、安息香酸イオン、p−クロロ安息香酸イオン、酢酸ジフェニルイオンまたは酢酸トリフェニルイオン、o−ヒドロキシ安息香酸イオン、p−ヒドロキシ安息香酸イオン、1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボキシレート、3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボキシレート、メタンスルホン酸イオンおよびベンゼンスルホン酸イオンなどの薬学的に許容できる対イオンである。本明細書に記載の組成物の特定の実施形態では、グリコピロレートの臭化物塩、すなわち3−[(シクロペンチル−ヒドロキシフェニルアセチル)オキシ]−1,1−ジメチルピロリジニウムブロミドを使用し、米国特許第2,956,062号に記載の手順により調製できる。
【0075】
本明細書に記載の組成物がグリコピロレートを含む場合、一定の実施形態では、該組成物は、MDIの1作動当たり約10μg〜約100μg、約15μg〜約100μg、約15μg〜約80μg、および約10μg〜約80μgから選択される送達用量をもたらすのに十分なグリコピロレートを含んでもよい。他のそのような実施形態では、この製剤は、MDIの1作動当たり最大約100μg、最大約80μg、最大約40μg、最大約20μgまたは最大約10μgから選択される送達用量をもたらすのに十分なグリコピロレートを含む。またさらなる実施形態では、この製剤は、MDIの1作動当たり約9μg、18μg、36μgおよび72μgから選択される送達用量をもたらすのに十分なグリコピロレートを含む。本明細書に記載のとおりの送達用量を達成するためには、本明細書に記載の組成物がグリコピロレートを活性剤として含む場合、特定の実施形態では、該組成物中に含まれるグリコピロレートの量は、たとえば、約0.04mg/ml〜約2.25mg/mlから選択してもよい。
【0076】
他の実施形態では、チオトロピウム(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を、本明細書に記載のとおりの組成物中に含ませるためのLAMA活性剤として選択してもよい。チオトロピウムは、肺の炎症または閉塞を伴う疾患または障害(本明細書に記載のものなど)の治療における使用に適した、公知の長時間作用性の抗コリン作用剤である。チオトロピウム(結晶および薬学的に許容できる塩の形態のチオトロピウムを包含する)は、たとえば、米国特許第5,610,163号、米国特許第RE39820号、米国特許第6,777,423号および米国特許第6,908,928号に記載されている。本明細書に記載の組成物がチオトロピウムを含む場合、一定の実施形態では、該組成物は、MDIの1作動当たり約2.5μg〜約25μg、約4μg〜約25μg、約2.5μg〜約20μg、および約10μg〜約20μgから選択される送達用量をもたらすのに十分なチオトロピウムを含んでもよい。他のそのような実施形態では、この製剤は、MDIの1作動当たり最大約25μg、最大約20μg、最大約10μg、最大約5μgまたは最大約2.5μgから選択される送達用量をもたらすのに十分なチオトロピウムを含む。またさらなる実施形態では、この製剤は、MDIの1作動当たり約3μg、6μg、9μgおよび18μgから選択される送達用量をもたらすのに十分なチオトロピウムを含む。本明細書に記載のとおりの送達用量を達成するためには、本明細書に記載の組成物がチオトロピウムを活性剤として含む場合、特定の実施形態では、該組成物中に含まれるチオトロピウムの量は、たとえば、約0.01mg/ml〜約0.5mg/mlから選択してもよい。
【0077】
さらに他の実施形態では、本明細書に記載の組成物はコルチコステロイドを含む。そのような活性剤は、たとえば、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロン(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択してもよい。いくつかの実施形態では、そのような組成物は、コルチコステロイド活性剤をLAMA活性剤またはLABA活性剤と組み合わせて含む。他のそのような実施形態では、該組成物は、コルチコステロイド活性剤をLAMA活性剤およびLABA活性剤と組み合わせて含む。該組成物がコルチコステロイド活性剤を含む場合、特定の実施形態では、モメタゾンを選択してもよい。
【0078】
モメタゾン、モメタゾンの薬学的に許容できる塩(フロ酸モメタゾンなど)、および、そのような物質の調製は公知であり、たとえば、米国特許第4,472,393号、米国特許第5,886,200号および米国特許第6,177,560号に記載されている。モメタゾンは、肺の炎症または閉塞を伴う疾患または障害(本明細書に記載のものなど)の治療における使用に適している(たとえば、米国特許第5,889,015号、米国特許第6,057,307号、米国特許第6,057,581号、米国特許第6,677,322号、米国特許第6,677,323号および米国特許第6,365,581号を参照のこと)。
【0079】
本明細書に記載の組成物がモメタゾンを含む場合、特定の実施形態では、該組成物は、モメタゾン(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を、MDIの1作動当たり約20μg〜約400μg、約20μg〜約200μg、約50μg〜約200μg、約100μg〜約200μg、約20μg〜約100μg、および約50μg〜約100μgから選択される目標送達用量をもたらすのに十分な量で含む。さらに他の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、モメタゾン(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を、MDIの1作動当たり最大約400μg、最大約200μgまたは最大約100μgから選択される目標送達用量をもたらすのに十分な量で含んでもよい。
【0080】
他の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、フルチカゾンおよびブデソニドから選択されるコルチコステロイドを含む。フルチカゾンおよびブデソニドは両方とも、肺の炎症または閉塞を伴う状態(本明細書に記載のものなど)の治療における使用に適している。フルチカゾン、フルチカゾンの薬学的に許容できる塩(プロピオン酸フルチカゾンなど)、およびそのような物質の調製は公知であり、たとえば、米国特許第4,335,121号、米国特許第4,187,301号および米国特許出願公開第2008125407号に記載されている。ブデソニドも周知であり、たとえば米国特許第3,929,768号に記載されている。一定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、フルチカゾン(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を、MDIの1作動当たり約20μg〜約200μg、約50μg〜約175μg、および約80μg〜約160μgから選択される目標送達用量をもたらすのに十分な量で含んでもよい。他の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、フルチカゾン(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を、MDIの1作動当たり最大約175μg、最大約160μg、最大約100μgまたは最大約80μgから選択される目標送達用量をもたらすのに十分な量で含んでもよい。特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、ブデソニド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を、MDIの1作動当たり約30μg〜約240μg、約30μg〜約120μg、および約30μg〜約50μgから選択される目標送達用量をもたらすのに十分な量で含んでもよい。さらに他の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、ブデソニド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を、MDIの1作動当たり最大約240μg、最大約120μgまたは最大約50μgから選択される目標送達用量をもたらすのに十分な量で含んでもよい。
【0081】
各実施形態では、本明細書に記載のとおりの組成物は、2つ以上の活性剤を含む。いくつかの実施形態では、該組成物は、2種以上の活性剤粒子(単一種の懸濁粒子と共懸濁していてもよい)の組合せを含む。あるいは、組成物は、2つ以上の異なる種の懸濁粒子と共懸濁している2種以上の活性剤粒子を含んでもよい。また別の代替物として、本明細書に記載のとおりの組成物は、単一種の懸濁粒子と懸濁している単一種の活性剤粒子を含んでもよく、このとき、該単一種の活性剤粒子は1つまたは複数の活性剤を組み込んでおり、該単一種の懸濁粒子は1つまたは複数の活性剤を組み込んでいる。さらには、本明細書に記載のとおりの組成物は、単一種の活性剤粒子内で組み合わさった2つ以上の活性剤を含んでもよい。たとえば、活性剤物質に加え1つまたは複数の添加剤またはアジュバントを使用して活性剤粒子が製剤化される場合、そのような活性剤粒子は、2つ以上の異なる活性剤を含む個別の粒子を含んでもよい。
【0082】
(iii)懸濁粒子
本明細書に記載の共懸濁剤組成物中に含まれる懸濁粒子は、該組成物中に含まれる活性剤の安定化および送達を容易にするように機能する。多様な形態の懸濁粒子を使用してもよいが、懸濁粒子は、典型的には、吸入にとって許容でき、選択される噴射剤中で実質的に不溶性の薬理学的に不活性な物質から形成される。一般的に、大多数の懸濁粒子は、呼吸可能な範囲内のサイズになっている。したがって、特定の実施形態では、懸濁粒子のMMADは、約10μmを超えないであろうが、約500nmを下回らない。代替的な一実施形態では、懸濁粒子のMMADは約5μm〜約750nmである。また別の実施形態では、懸濁粒子のMMADは約1μm〜約3μmである。MDIからの経鼻送達のための一実施形態で使用される場合、懸濁粒子のMMADは10μm〜50μmである。
【0083】
記載したMMAD範囲内の呼吸可能な懸濁粒子を達成するには、懸濁粒子は、典型的には、約0.2μm〜約50μmの光学直径体積中央値を呈することになろう。一実施形態では、懸濁粒子は、約25μmを超えない光学直径体積中央値を呈する。別の実施形態では、懸濁粒子は、約0.5μm〜約15μm、約1.5μm〜約10μm、および約2μm〜約5μmから選択される光学直径体積中央値を呈する。
【0084】
本記載による組成物中に含まれる懸濁粒子の濃度は、たとえば、使用する活性剤粒子および懸濁媒体の量に応じて調節できる。一実施形態では、懸濁粒子は、約1mg/ml〜約15mg/ml、約3mg/ml〜約10mg/ml、5mg/ml〜約8mg/ml、および約6mg/mlから選択される濃度で懸濁媒体中に含まれる。別の実施形態では、懸濁粒子は、最大約30mg/mlの濃度で懸濁媒体中に含まれる。また別の実施形態では、懸濁粒子は、最大約25mg/mlの濃度で懸濁媒体中に含まれる。
【0085】
懸濁粒子対活性剤粒子の相対量は、本明細書中で企図されるとおりの共懸濁剤を達成するように選択される。質量により測定した場合の懸濁粒子の量が活性剤粒子の量を超える共懸濁剤組成物を達成してもよい。たとえば、特定の実施形態では、懸濁粒子の全質量対活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、または代替的には約2:1〜8:1であってもよい。あるいは、懸濁粒子の全質量対活性剤粒子の全質量の比率は約1を超えてもよい(使用する懸濁粒子および活性剤粒子の性質に応じ、最大約1.5、最大約5、最大約10、最大約15、最大約17、最大約20、最大約30、最大約40、最大約50、最大約60、最大約75、最大約100、最大約150および最大約200など)。さらなる実施形態では、懸濁粒子の全質量対活性剤粒子の全質量の比率は、約10〜約200、約60〜約200、約15〜約60、約15〜約170、約15〜約60、約16、約60および約170から選択してもよい。
【0086】
他の実施形態では、質量により測定した場合の懸濁粒子の量は、活性剤粒子の量を下回る。たとえば、特定の実施形態では、懸濁粒子の質量は、活性剤粒子の全質量の20%に相当するほど低くてもよい。しかし、いくつかの実施形態では、懸濁粒子の全質量は、活性剤粒子の全質量に近似しているか、または等しくてもよい。
【0087】
本明細書に記載の組成物中での使用に適した懸濁粒子を、吸入送達に適しており懸濁媒体中で実質的に分解または溶解しない1つまたは複数の薬学的に許容できる物質または添加剤から形成してもよい。一実施形態では、本明細書中で定義するとおりの有孔微細構造体を懸濁粒子として使用してもよい。本明細書に記載の懸濁粒子の製剤において使用してもよい例示的な添加剤としては以下:(a)炭水化物、たとえば、単糖(フルクトース、ガラクトース、グルコース、D−マンノース、ソルボースなど)、二糖(ショ糖、乳糖、トレハロース、セロビオースなど)、シクロデキストリン(2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンなど)、および多糖(ラフィノース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプン、キチン、キトサン、イヌリンなど)など、(b)アミノ酸(アラニン、グリシン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリンなど)など、(c)有機酸および有機塩基から調製される金属塩および有機塩(クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸マグネシウム、グルコン酸ナトリウム、塩酸トロメタミンなど)など、(d)ペプチドおよびタンパク質(アスパルテーム、トリロイシン(trileucine)、ヒト血清アルブミン、コラーゲン、ゼラチンなど)など、(e)アルジトール(マンニトール、キシリトールなど)など、(f)合成もしくは天然のポリマーまたはその組合せ(ポリラクチド、ポリラクチドグリコリド、シクロデキストリン、ポリアクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酸無水物、ポリラクタム、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコールなど)、ならびに(g)界面活性物質(飽和および不飽和の脂質、非イオン性界面活性剤、非イオン性ブロックコポリマー、イオン性界面活性物質およびそれらの組合せなどのフッ化化合物および非フッ化化合物を包含する)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、懸濁粒子は、たとえば米国特許第7,442,388号に記載のように、カルシウム塩(塩化カルシウムなど)を含んでもよい。
【0088】
加えて、天然源および合成源の両方に由来するリン脂質を、本明細書に記載の組成物中での使用に適した懸濁粒子の調製において使用してもよい。特定の実施形態では、選ばれるリン脂質は、ゲルから液晶への相転移が約40℃超であろう。例示的なリン脂質は比較的長鎖(すなわち、C16〜C22)の飽和脂質であり、アシル鎖長が16Cまたは18C(パルミトイルおよびステアロイル)の飽和ホスファチジルコリンなどの飽和リン脂質を含んでもよい。例示的なリン脂質としては、以下:ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジアラキドイルホスファチジルコリン、ジベヘノイルホスファチジルコリン、ジホスファチジルグリセロール、短鎖ホスファチジルコリン、長鎖飽和ホスファチジルエタノールアミン、長鎖飽和ホスファチジルセリン、長鎖飽和ホスファチジルグリセロールおよび長鎖飽和ホスファチジルイノシトールなどのホスホグリセリドが挙げられる。追加的な添加剤は、国際特許公開第96/32149号および米国特許第6,358,530号、同第6,372,258号および同第6,518,239号に開示されている。
【0089】
特定の実施形態では、懸濁粒子は、本明細書に記載のとおりの1つまたは複数の脂質、リン脂質または糖を用いて形成してもよい。いくつかの実施形態では、懸濁粒子は、1つまたは複数の界面活性物質を含む。1つまたは複数の界面活性物質から形成されまたはそれらを組み込んでいる懸濁粒子を使用すると、選択された活性剤の吸収を促進し、それにより生体利用率を高めることができる。本明細書に記載の懸濁粒子(たとえば、1つまたは複数の脂質を用いて形成された懸濁粒子など)は、所望の表面粗度(粗さ)を呈するように形成でき、これにより、粒子間の相互作用をさらに低下させ、粒子−粒子相互作用に利用可能な表面積を減少させることによりエアロゾル化を改善できる。さらなる実施形態では、適当な場合、肺中に自然に存在する脂質を懸濁粒子の形成において使用できると考えられるが、その理由は、そのような懸濁粒子は、オプソニン化を低下させる(および、それにより、肺胞のマクロファージによる貪食を低下させる)ことから、肺中でより長寿命の制御放出粒子をもたらす可能性を有するからである。
【0090】
別の態様では、本明細書に記載の組成物中で利用される懸濁粒子は、国際特許公開第2005/000267号で開示されているものと同様に、選択された活性剤の保管安定性を増すように選択してもよい。たとえば、一実施形態では、懸濁粒子は、Tgが少なくとも55℃、少なくとも75℃または少なくとも100℃の薬学的に許容できるガラス安定化用添加剤を含んでもよい。本明細書に記載の組成物中での使用に適したガラス形成剤としては以下:トリロイシン、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、アスコルビン酸、イヌリン、シクロデキストリン、ポリビニルピロリドン、マンニトール、ショ糖、トレハロース、乳糖およびプロリンのうち1つまたは複数が挙げられるが、これらに限定されない。追加的なガラス形成用添加剤の例は、米国特許第RE37,872号、同第5,928,469号、同第6,258,341号および同第6,309,671号に開示されている。
【0091】
懸濁粒子は、望ましい安定性および活性剤送達特徴をもたらすように、所望により設計、サイズ加工および成形してもよい。例示的な一実施形態では、懸濁粒子は、本明細書に記載のとおりの有孔微細構造体を含む。有孔微細構造体を本明細書に記載の組成物中の懸濁粒子として使用する場合、該構造体は、本明細書に記載のとおりの1つまたは複数の添加剤を使用して形成してもよい。たとえば、特定の実施形態では、有孔微細構造体は、以下:脂質、リン脂質、非イオン性界面活性剤、非イオン性ブロックコポリマー、イオン性界面活性物質、生体適合性フッ素系界面活性物質およびそれらの組合せ、とりわけ、肺での使用について認可されているもののうち少なくとも1つを含んでもよい。有孔微細構造体の調製において使用してもよい特定の界面活性物質としては、ポロキサマー188、ポロキサマー407およびポロキサマー338が挙げられる。他の特定の界面活性物質としては、オレイン酸またはそのアルカリ塩が挙げられる。一実施形態では、有孔微細構造体は、約10%w/w超の界面活性物質を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、懸濁粒子は、フルオロカーボン油(たとえば、臭化ペルフルオロオクチル、ペルフロオロデカリン)を使用して水中油エマルションを形成することにより調製してもよく、フルオロカーボン油は、長鎖飽和リン脂質などの界面活性物質を用いて乳化させたものであってもよい。次に、その結果得られる水中ペルフルオロカーボンエマルションを、高圧ホモジナイザーを用いて加工して、油小滴のサイズを小さくしてもよい。有孔微細構造体のマトリックス内に活性剤を含むことが望ましい場合には、ペルフルオロカーボンエマルションを、任意選択的に活性剤溶液と共に噴霧乾燥機に投入してもよい。周知のとおり、噴霧乾燥は、液体の供給原料を乾燥微粒子形態に転換させる1ステッププロセスである。噴霧乾燥は、多様な投与経路(吸入など)のための粉末状医薬物質を得るために使用されている。噴霧乾燥機の運転条件(入口および出口の温度、供給速度、霧化圧、乾燥用空気の流速およびノズル構成など)を調節して、結果的に得られる乾燥微細構造体の収率をもたらす所望の粒子サイズを得ることができる。例示的な有孔微細構造体を作製するそのような方法は、Weersらに付与された米国特許第6,309,623号に開示されている。
【0093】
本明細書に記載のとおりの有孔微細構造体は、凍結乾燥およびそれに次ぐ製粉または微粉化により形成することもできる。凍結乾燥は、組成物を凍結させた後、組成物から水を昇華させる凍結乾燥プロセスである。このプロセスは、高温を用いずに乾燥させることが可能である。またさらなる実施形態では、懸濁粒子は、米国特許第5,727,333号に開示されているような噴霧凍結乾燥プロセスを用いて作製してもよい。
【0094】
さらに、本明細書に記載のとおりの懸濁粒子は、増量剤(ポリマー性粒子など)を含んでもよい。ポリマー性ポリマーは、生体適合性および/または生分解性のポリマー、コポリマーまたはブレンドから形成してもよい。一実施形態では、空気力学的に軽い粒子を形成することが可能なポリマー(官能化ポリエステルグラフトコポリマーおよび生分解性のポリ酸無水物など)を使用してもよい。たとえば、ポリエステルベースのバルク侵食ポリマー(ポリ(ヒドロキシ酸)など)を使用できる。ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)またはそれらのコポリマーを使用して懸濁粒子を形成してもよい。ポリエステルは、荷電基または官能化可能な基(アミノ酸など)を含んでもよい。たとえば、懸濁粒子は、DPPCなどの界面活性物質を組み込んでいる、ポリ(D,L−乳酸)および/またはポリ(D,L−乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)から形成してもよい。
【0095】
懸濁粒子中で使用するための他の潜在的なポリマー候補としては、以下:ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンテレフタレート)など)、ポリビニル化合物(ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテルおよびポリビニルエステルなど)、アクリル酸およびメタクリル酸のポリマー、セルロースおよび他の多糖、ならびにペプチドもしくはタンパク質、またはそのコポリマーもしくはブレンドを挙げることができる。ポリマーは、異なる制御薬物送達用途のために、インビボでの適切な安定性および分解速度で選択しても、またはそれらを有するように改変してもよい。
【0096】
本明細書に記載の組成物は、2種以上の懸濁粒子を含んでもよい。さらには、本記載による組成物は、懸濁粒子中に組み込まれた1つまたは複数の活性剤を含む懸濁粒子を含むことができる。活性剤が懸濁粒子中に組み込まれる場合、懸濁粒子は、呼吸可能なサイズのものであると考えられ、たとえば、本明細書に記載の方法および物質を用いて製剤化および作製できる。
【0097】
本教示により製剤化される組成物は、その中に含まれる活性剤の分解を阻害できる。たとえば、特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、該組成物中に含まれる活性剤物質の凝固、凝集および溶液媒介転移のうち1つまたは複数を阻害する。本明細書に記載の医薬組成物は、強力なおよび高度に強力な活性剤を含む組合せを用いた場合でも、2つ以上の活性剤の組合せ中に含まれる各活性剤の望ましい送達用量均一性(「DDU」)を達成する方式でのMDIによる呼吸器送達に適している。本明細書中に含まれる実施例において詳細に例証するように、非常に低用量の2つ以上の活性剤を送達する場合でも、本明細書に記載の組成物は、MDI缶が空になるまで、各活性剤について±30%またはより良好なDDUを達成できる。そのような一実施形態では、本明細書に記載の組成物は、MDI缶が空になるまで、各活性剤について±25%またはより良好なDDUを達成する。また別のそのような実施形態では、本明細書に記載の組成物は、MDI缶が空になるまで、各活性剤について±20%またはより良好な、活性剤のDDUを達成する。
【0098】
本明細書に記載の医薬組成物は、加速分解条件にさらされた後であっても、MDI缶が空になるまで、FPFおよびFPDの成績を実質的に維持するようにも機能する。たとえば、本記載による組成物は、加速分解条件にさらされた後であっても、MDI缶が空になるまで、元のFPFおよびFPDの成績の80%、90%、95%以上に相当するほどの高さを維持する。本明細書に記載の組成物は、非CFC噴射剤を用いて製剤化されていてもそのような成績を達成し、多数の活性剤を組み込んでいる組成物でしばしば経験される医薬的効果を排除または実質的に回避するという付加利益を提供する。特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、1つのみまたは複数の非CFC噴射剤を含む懸濁媒体を用いて製剤化されていても、目標となるDDU、FPFまたはFPDの成績のうち所望の1つまたは全てを達成し、たとえば、1つまたは複数の共溶媒、貧溶媒、可溶化剤、アジュバントまたは他の噴射剤改変物質の添加によるなど、非CFC噴射剤の特徴を改変する必要はない。
【0099】
一実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約15μg〜約80μgのグリコピロレート送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたグリコピロレート(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と;約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈する有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、第1および第2の種の活性剤粒子は、該複数の懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、懸濁粒子の全質量対第1および第2の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0100】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約5μg〜約20μgのチオトロピウム送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたチオトロピウム(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と;約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈する有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、第1および第2の種の活性剤粒子は、該複数の懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、懸濁粒子の全質量対第1および第2の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0101】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約15μg〜約80μgのグリコピロレート送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたグリコピロレート(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む複数の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に含まれるホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、該複数の懸濁粒子は、約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈し、該複数の活性剤粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、懸濁粒子の全質量対第1および第2の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0102】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約5μg〜約20μgのチオトロピウム送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたチオトロピウム(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む複数の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に含まれるホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、該複数の懸濁粒子は、約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈し、該複数の活性剤粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、懸濁粒子の全質量対第1および第2の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0103】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約15μg〜約80μgのグリコピロレート送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたグリコピロレート(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と;ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第3の種の活性剤粒子と;約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈する有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、第1、第2および第3の種の活性剤粒子が、該複数の懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、第1、第2および第3の種の活性剤粒子の少なくとも90体積%は7μm未満の光学直径を呈し、該懸濁粒子の全質量対第1、第2および第3の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0104】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約15μg〜約80μgのグリコピロレート送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたグリコピロレート(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約30μg〜約50μgのブデソニド送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたブデソニド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第3の種の活性剤粒子と;約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈する有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、第1、第2および第3の種の活性剤粒子は、該複数の懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、第1、第2および第3の種の活性剤粒子の少なくとも90体積%は7μm未満の光学直径を呈し、該懸濁粒子の全質量対第1、第2および第3の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0105】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約5μg〜約20μgのチオトロピウム送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたチオトロピウム(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約30μg〜約50μgのブデソニド送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたブデソニド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第3の種の活性剤粒子と;約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈する有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、第1、第2および第3の種の活性剤粒子は、該複数の懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、第1、第2および第3の種の活性剤粒子の少なくとも90体積%は7μm未満の光学直径を呈し、該懸濁粒子の全質量対第1、第2および第3の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0106】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約15μg〜約80μgのグリコピロレート送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたグリコピロレート(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約20μg〜約100μgのモメタゾン送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたモメタゾン(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第3の種の活性剤粒子と;約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈する有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、第1、第2および第3の種の活性剤粒子は、該複数の懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、第1、第2および第3の種の活性剤粒子の少なくとも90体積%は7μm未満の光学直径を呈し、該懸濁粒子の全質量対第1、第2および第3の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0107】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約5μg〜約20μgのチオトロピウム送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたチオトロピウム(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約20μg〜約100μgのモメタゾン送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたモメタゾン(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第3の種の活性剤粒子と;約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈する有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、第1、第2および第3の種の活性剤粒子は、該複数の懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、第1、第2および第3の種の活性剤粒子の少なくとも90体積%は7μm未満の光学直径を呈し、該懸濁粒子の全質量対第1、第2および第3の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0108】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約15μg〜約80μgのグリコピロレート送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたグリコピロレート(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と;ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を組み込んでいる有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、該懸濁粒子は、約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈し、第1および第2の種の活性剤粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、第1および第2の種の活性剤粒子の少なくとも90体積%は7μm未満の光学直径を呈し、該懸濁粒子の全質量対第1および第2の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0109】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約15μg〜約80μgのグリコピロレート送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたグリコピロレート(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と;ブデソニド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を組み込んでいる有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、該懸濁粒子は、定量噴霧式吸入器の1作動当たり約30μg〜約50μgのブデソニド送達用量をもたらすのに十分なブデソニドを含み、約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈し、第1および第2の種の活性剤粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、第1および第2の種の活性剤粒子の少なくとも90体積%は7μm未満の光学直径を呈し、該懸濁粒子の全質量対第1および第2の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0110】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約15μg〜約80μgのグリコピロレート送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたグリコピロレート(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と;モメタゾン(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を組み込んでいる有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、定量噴霧式吸入器の1作動当たり約20μg〜約100μgのモメタゾン送達用量をもたらすのに十分なモメタゾンを含み、約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈し、第1および第2の種の活性剤粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、第1および第2の種の活性剤粒子の少なくとも90体積%は7μm未満の光学直径を呈し、該懸濁粒子の全質量対第1および第2の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0111】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約5μg〜約20μgのチオトロピウム送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたチオトロピウム(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と;ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を組み込んでいる有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈し、第1および第2の種の活性剤粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、第1および第2の種の活性剤粒子の少なくとも90体積%は7μm未満の光学直径を呈し、該懸濁粒子の全質量対第1および第2の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0112】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約5μg〜約20μgのチオトロピウム送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたチオトロピウム(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と;ブデソニド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を組み込んでいる有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、定量噴霧式吸入器の1作動当たり約30μg〜約50μgのブデソニド送達用量をもたらすのに十分なブデソニドを含み、約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈し、第1および第2の種の活性剤粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、第1および第2の種の活性剤粒子の少なくとも90体積%は7μm未満の光学直径を呈し、該懸濁粒子の全質量対第1および第2の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0113】
別の実施形態では、本記載による定量噴霧式吸入器から送達可能な共懸濁剤組成物は、以下:薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約5μg〜約20μgのチオトロピウム送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたチオトロピウム(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と;定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で該懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と;モメタゾン(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を組み込んでいる有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、定量噴霧式吸入器の1作動当たり約20μg〜約100μgのモメタゾン送達用量をもたらすのに十分なモメタゾンを含み、約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈し、第1および第2の種の活性剤粒子と会合して共懸濁剤を形成する。そのような一実施形態では、第1および第2の種の活性剤粒子の少なくとも90体積%は7μm未満の光学直径を呈し、該懸濁粒子の全質量対第1および第2の種の活性剤粒子の全質量の比率は、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される。
【0114】
III.定量噴霧式吸入器系
本明細書中で提供される方法に関して記載するように、本明細書中で開示する共懸濁剤組成物はMDI系において使用してもよい。MDIは、エアロゾル形態の特定の量の医薬を送達するように構成される。一実施形態では、MDI系は、マウスピースと共に形成された作動装置中に配置された、加圧された液相製剤の充填された缶を備える。MDI系は、懸濁媒体と、少なくとも1種の活性剤粒子と、少なくとも1種の懸濁粒子とを含む本明細書に記載の製剤を含んでもよい。MDIにおいて使用される缶は、任意の適当な構成のものであってもよく、例示的な一実施形態では、缶の体積は、約5mL〜約25mLの範囲(たとえば、19mLの体積を有する缶など)であってもよい。器具を振った後、マウスピースを患者の口の中(口唇と歯との間)に挿入する。患者は、典型的には、大きく息を吐き出して肺を空にしてから、カートリッジを作動させながらゆっくり深呼吸する。
【0115】
例示的なカートリッジの内側には、規定の体積の製剤(たとえば63μl、または、市販の定量バルブ中で得られる任意の他の適当な体積)を保持することが可能な計量室を備える定量バルブがあり、この製剤は、作動時にバルブ軸の遠位端にある膨張室中に放出される。作動装置は缶を保持し、定量バルブのバルブ軸を受けるための、作動装置ノズルの付いたポートを備えていることもある。作動すると、特定の体積の製剤が作動装置ノズルの外の膨張室に移動して高速スプレーとなり、これが、患者の肺の中に吸い込まれる。
【0116】
IV.方法
本明細書中では、少なくとも2つの活性剤を呼吸器送達するための医薬組成物を製剤化する方法が提供される。一実施形態では、この方法は、懸濁媒体と、1種または複数種の活性剤粒子と、1種または複数種の懸濁粒子とを供給するステップ、および、そのような成分を組み合わせて、活性剤粒子が懸濁粒子と会合して懸濁媒体内で懸濁粒子と同一場所に位置する組成物を形成することから本明細書に記載のとおりの共懸濁剤が形成されるステップを含む。そのような一実施形態では、活性剤粒子と懸濁粒子との会合は、噴射剤中での浮力が異なることからこれらの粒子が分離しないようなものである。理解されるであろうが、本明細書に記載のとおりの医薬組成物を製剤化する方法は、2種以上の活性剤粒子を1種または複数種の懸濁粒子と組み合わせて供給することを含むことができる。さらなる実施形態では、この方法は、2種以上の懸濁粒子を、結果として共懸濁剤が得られる方式で2種以上の活性剤粒子と組み合わせて供給することを含んでもよい。さらに他の実施形態では、1種または複数種の活性剤粒子は、本明細書に記載のとおりの1種または複数種の懸濁粒子と組み合わせてもよい。特定の実施形態では、活性剤粒子中に含まれる活性剤物質は、LABA活性剤、LAMA活性剤またはコルチコステロイド活性剤のうち1つまたは複数から選択される。一定の実施形態では、活性剤粒子は、活性剤物質から本質的に成り、追加的な添加剤、アジュバント、安定化剤などを含まない。
【0117】
2つ以上の活性剤の組合せの安定化させた組成物を供給する方法の特定の実施形態では、本開示は、肺送達用の医薬組成物中の活性剤の溶液媒介転移を阻害する方法を提供する。一実施形態では、本明細書に記載のとおりの懸濁媒体(HFA噴射剤により形成される懸濁媒体など)を入手する。懸濁粒子も、本明細書に記載のとおりに入手または調製する。活性剤粒子も入手し、懸濁媒体と懸濁粒子と活性剤粒子とを合わせて、活性剤粒子が懸濁粒子と会合して、懸濁媒体により形成される連続相内で懸濁粒子と同一場所に位置する共懸濁剤を形成する。懸濁粒子不在下での同じ懸濁媒体中に含有された活性剤粒子と比較した場合、本記載による共懸濁剤は、不可逆的な結晶凝集につながる溶液媒介相転移へのより高い耐性を呈し、したがって、安定性および投与均一性の改善につながる可能性があることが見出されている。
【0118】
さらなる実施形態では、肺送達のための2つ以上の活性剤を含む安定化させた組成物を形成する方法は、MDI缶が空になるまで該組成物のFPFおよび/またはFPDを維持することを含む。肺送達のための医薬組成物によりもたらされるFPFおよび/またはFPDを維持する方法の特定の実施形態では、MDI缶が空になるまで、該FPDおよび/または該FPFを、それぞれ最初のFPDおよび/またはFPFの±20%以内、±10%以内またはさらには±5%以内に維持することが可能な、本明細書に記載のとおりの呼吸可能な共懸濁剤が提供される。そのような成績は、2つ以上の活性剤を共懸濁剤中に組み込む場合に、また、共懸濁剤が加速分解条件にさらされた後であっても、達成できる。一実施形態では、本明細書に記載のとおりの懸濁媒体(HFA噴射剤により形成される懸濁媒体など)を入手する。懸濁粒子も、本明細書に記載のとおりに入手または調製する。活性剤粒子も入手し、懸濁媒体と懸濁粒子と活性剤粒子とを合わせて、活性剤粒子が懸濁粒子と会合し懸濁媒体内で懸濁粒子と同一場所に位置する共懸濁剤を形成する。そのような組成物を1つまたは複数の温度サイクリング事象に曝露した後でも、共懸濁剤は、該組成物を多数の温度サイクリング事象に曝露する前に測定したそれぞれの値の±20%以内、±10%以内またはさらには±5%以内のFPDまたはFPFを維持する。
【0119】
2つ以上の活性剤を呼吸器送達するためのMDIを調製する方法を開示する。一定の実施形態では、そのような方法は、本明細書に記載のとおりの缶に、活性剤粒子および懸濁粒子を入れることを含んでもよい。作動装置バルブを缶の末端に取り付け、缶を密封することができる。作動装置バルブは、MDIの1作動当たり、共懸濁剤組成物中に含まれる活性剤の計量された量を分配するように構成してもよい。缶には、薬学的に許容できる懸濁媒体(本明細書に記載のとおりの噴射剤など)を入れることができ、その結果、活性剤粒子と懸濁粒子とは、懸濁媒体中で安定な共懸濁剤をもたらす。
【0120】
本明細書に記載の組成物を用いた2つ以上の活性剤の呼吸器送達を含む方法では、該組成物は、MDIにより送達してもよい。したがって、そのような方法の特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物を入れたMDIを入手し、2つ以上の活性剤を、MDIの作動を介した呼吸器送達により患者に投与する。たとえば、2つ以上の活性剤の肺送達を含む一実施形態では、MDI器具を振った後、マウスピースを患者の口の中(口唇と歯との間)に挿入する。患者は、典型的には、大きく息を吐き出して肺を空にしてから、MDIのカートリッジを作動させながらゆっくり深呼吸する。作動すると、特定の体積の製剤が作動装置ノズルの外の膨張室に移動して高速スプレーとなり、これが、患者の肺の中に吸い込まれる。一実施形態では、MDI缶が空になるまでの各活性剤の送達量は、平均送達用量の30%を超えて上回らず、平均送達用量の30%減を下回らない。したがって、MDIから送達される2つ以上の活性剤の所望のDDUを達成する方法も提供される。そのような実施形態では、この方法は、たとえば、共懸濁剤組成物が送達されるMDI缶が空になるまで、±30%またはより良好なDDU、±25%またはより良好なDDU、および±20%またはより良好なDDUから選択される、MDIから送達される2つ以上の活性剤のそれぞれについてのDDUを達成することを含んでもよい。
【0121】
炎症性または閉塞性の肺疾患または状態に罹患している患者を治療する方法が本明細書中で提供される。特定の実施形態では、そのような方法は、本明細書に記載の医薬組成物の肺送達を含み、一定のそのような実施形態では、該医薬組成物の肺投与は、MDIを用いて該組成物を送達することにより達成される。治療対象となる疾患または状態は、たとえば、本明細書に記載の活性剤の投与に応答する任意の炎症性または閉塞性の肺疾患または状態から選択できる。いくつかの実施形態では、活性剤の組合せは、LAMA活性剤、LABA活性剤またはコルチコステロイド活性剤から選択される少なくとも1つの活性剤を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、以下:喘息、COPD、他の薬物療法の結果生じる気道過反応性の増悪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、肺血管収縮、炎症、アレルギー、呼吸障害、呼吸窮迫症候群、肺高血圧症、肺血管収縮、気腫、および、本明細書に記載の活性剤の組合せの投与に応答する可能性のある任意の他の呼吸器の疾患、状態、形質、遺伝子型または表現型から選択される疾患または障害の治療において使用してもよい。一定の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、嚢胞性線維症に伴う肺の炎症および閉塞の治療において使用してもよい。
【0122】
加えて、MDIから送達される本記載による医薬組成物は、望ましい薬力学的な(PD)成果をもたらす。特定の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物を肺送達する結果、肺活量が急速に著しく改善され、このことは、患者の1秒間努力呼気容量(FEV)の改善により特徴付けることができる。たとえば、特定の実施形態では、FEVの臨床的に意味のある増加を達成する方法が提供され、この場合、そのような方法は、2つ以上の活性剤を含む共懸濁剤組成物であり、それらの活性剤のうち少なくとも1つが、本明細書に記載のとおりのLABA活性剤、LAMA活性剤またはコルチコステロイド活性剤から選択される共懸濁剤組成物を供給すること、および、そのような組成物を、MDIにより、肺の炎症または閉塞を患っている患者に投与することを含む。そのような一実施形態では、該組成物中に含まれる活性剤は、LABA活性剤とLAMA活性剤との組合せ、LABA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せ、LAMA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せ、および、LABA活性剤とLAMA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せのうち1つから選択される組合せを含む。本開示を目的として、FEVの臨床的に意味のある増加は、100ml以上の任意の増加であり、本明細書に記載の方法の一定の実施形態では、本記載による組成物を患者に投与する結果、1時間以内にFEVが臨床的に有意に増加する。他のそのような実施形態では、本明細書に記載のとおりの組成物をMDIにより患者に投与する方法の結果、0.5時間以内にFEV1が臨床的に有意に増加する。
【0123】
さらなる実施形態では、100mlを超えるFEVの増加を達成する方法が提供される。たとえば、一定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、0.5時間以内、1時間以内および1.5時間以内から選択される期間内に150ml以上のFEVを達成する方法を含む。他の実施形態では、本明細書に記載の方法は、0.5時間以内、1時間以内および1.5時間以内および2時間以内から選択される期間内に200ml以上のFEVを達成する方法を含む。一定のそのような実施形態では、該組成物中に含まれる活性剤は、LABA活性剤とLAMA活性剤との組合せ、LABA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せ、LAMA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せ、および、LABA活性剤とLAMA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せのうち1つから選択される組合せを含み、このとき、該組成物はMDIにより患者に送達される。
【0124】
またさらなる実施形態では、FEVの臨床的に有意な増加を達成および維持する方法が提供される。特定の実施形態では、本明細書に記載のとおりの組成物の形態で製剤化された単一用量の活性剤の組合せをMDIにより患者に投与する際、FEVの臨床的に有意な増加は、0.5時間以内、1時間以内および1.5時間以内から選択される期間に達成され、FEVの臨床的に有意な増加は12時間以上まで維持される。一定のそのような実施形態では、FEVの増加は、150ml以上、200ml以上および250ml以上の増加から選択されてもよく、FEVの増加は、最大4時間、最大6時間、最大8時間、最大10時間および最大12時間またはそれ以上から選択される時期にわたり臨床的に有意に維持される。一定のそのような実施形態では、該組成物中に含まれる活性剤は、LABA活性剤とLAMA活性剤との組合せ、LABA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せ、LAMA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せ、および、LABA活性剤とLAMA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せのうち1つから選択される組合せを含み、このとき、該組成物はMDIにより患者に送達される。
【0125】
本明細書に記載の組成物、系および方法は、望ましい薬力学的な成果を短期間に達成するのに適しているだけでなく、高い比率(%)の患者においてそのような結果を達成するであろう。たとえば、本明細書中では、肺の炎症または閉塞を患っている患者の50%以上において10%以上のFEVの増加を達成する方法が提供される。たとえば、特定の実施形態では、患者において10%以上のFEVの増加を達成する方法は、活性剤の組合せを含み、少なくとも1つの活性剤が、本明細書に記載のとおりのLABA活性剤、LAMA活性剤およびコルチコステロイド活性剤から選択される共懸濁剤組成物を供給すること、および、そのような組成物を、肺の炎症または閉塞を患っている患者にMDIにより投与することを含む。一定のそのような実施形態では、該組成物を投与する結果、50%以上の患者において、0.5時間以内、1時間以内、1.5時間以内および2時間から選択される期間内に、10%以上FEVが増加する。他のそのような実施形態では、該組成物を投与する結果、60%以上の患者において、0.5時間以内、1時間以内、1.5時間以内および2時間以内から選択される期間内に、10%以上FEVが増加する。さらに他のそのような実施形態では、該組成物を投与する結果、70%以上の患者において、0.5時間以内、1時間以内、1.5時間以内および2時間以内から選択される期間内に、10%以上FEVが増加する。また他のそのような実施形態では、該組成物を投与する結果、80%以上の患者において、0.5時間以内、1時間以内、1.5時間以内および2時間以内から選択される期間内に、10%以上FEVが増加する。一定のそのような実施形態では、該組成物中に含まれる活性剤は、LABA活性剤とLAMA活性剤との組合せ、LABA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せ、LAMA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せ、および、LABA活性剤とLAMA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せのうち1つから選択される組合せを含み、このとき、該組成物はMDIにより患者に送達される。
【0126】
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、肺の炎症または閉塞を患っている患者の治療を容易にし、この場合、そのような方法は、本明細書に記載のとおりの活性剤の組合せを含む共懸濁剤組成物を供給すること、および、肺の炎症または閉塞を患っている患者に、MDIによりそのような組成物を投与することを含み、MDIにより該組成物を投与する結果、患者は、FEVのベースラインからの増加が少なくとも200mlもしくは12%またはそれ以上、FEVのベースラインからの増加に加えFEVの総増加量が少なくとも150mlのいずれかを経験する。一定のそのような実施形態では、該組成物を投与すると、50%以上の患者において、1時間以内、1.5時間以内、2時間以内および2.5時間以内から選択される期間内に、FEVのベースラインからの増加が少なくとも200mlもしくは12%またはそれ以上、FEVのベースラインからの増加に加えFEVの総増加量が少なくとも150mlのいずれかの結果が得られる。他のそのような実施形態では、該組成物を投与すると、60%以上の患者において、1時間以内、1.5時間以内、2時間以内および2.5時間以内から選択される期間内に、FEVのベースラインからの増加が少なくとも200mlもしくは12%またはそれ以上、FEVのベースラインからの増加に加えFEVの総増加量が少なくとも150mlのいずれかの結果が得られる。さらに他のそのような実施形態では、該組成物を投与すると、70%以上の患者において、1.5時間以内、2時間以内、2.5時間以内および3時間以内から選択される期間内に、FEVのベースラインからの増加が少なくとも200mlもしくは12%またはそれ以上、FEVのベースラインからの増加に加えFEVの総増加量が少なくとも150mlのいずれかの結果が得られる。また他のそのような実施形態では、該組成物を投与すると、80%以上の患者において、1.5時間以内、2時間以内、2.5時間以内および3時間以内から選択される期間内に、FEVのベースラインからの増加が少なくとも200mlもしくは12%またはそれ以上、FEVのベースラインからの増加に加えFEVの総増加量が少なくとも150mlのいずれかの結果が得られる。一定のそのような実施形態では、該組成物中に含まれる活性剤は、LABA活性剤とLAMA活性剤との組合せ、LABA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せ、LAMA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せ、および、LABA活性剤とLAMA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せのうち1つから選択される組合せを含み、このとき、該組成物はMDIにより患者に送達される。
【0127】
本明細書中に含まれる具体的な実施例は、例証目的のみのものであり、本開示への限定とみなされるべきではない。さらに、本明細書中で開示する組成物、系および方法をその一定の実施形態と関連させて説明してきており、多くの詳細を例証の目的で記載してきているが、当業者には、本発明は追加的な実施形態を受け入れる余地があること、および、本明細書に記載の詳細のうち一定のものは、本発明の基本的な原理から逸脱することなく変更できることは明らかであろう。以下の実施例において使用するいずれの活性剤および試薬も、市販されているか、または、有機合成の当業者による標準的な文献手順により調製できるか、そのいずれかである。本明細書中で参照する全ての刊行物、特許および特許出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0128】
[実施例1]
本明細書に記載のとおりの例示的な共懸濁剤組成物を調製および評価した。この組成物には、グリコピロレート(GP)活性剤とフマル酸ホルモテロール(FF)活性剤との組合せを含ませた。GPは、微粉化した結晶性の活性剤粒子として噴射剤中に存在した。GPを、懸濁粒子を形成する物質内に配置されたFFを含んだ噴霧乾燥した懸濁粒子と共懸濁させた。これを達成するため、脂質ベースの懸濁粒子を製造するために使用される原料にFFを溶解した。
【0129】
GP活性剤粒子は、ジェットミルを用いてグリコピロレートを微粉化することにより形成した。グリコピロレート活性剤粒子の粒子サイズ分布は、フラウンホーファー回折モードで、乾燥粉末ディスペンサーを装備したレーザー回折粒子サイズ分析装置(たとえば、Sympatec GmbH、Clausthal−Zellerfeld、ドイツ)を用いるレーザー回折により定量した。50体積%の活性剤粒子は1.7μm未満の光学直径を呈し、90体積%は3.5μm未満の光学直径を呈した。
【0130】
FF含有懸濁粒子を以下のように製造した。654mLの、リン脂質により安定化させたPFOB(臭化ペルフルオロオクチル)の水中フルオロカーボンエマルションを調製し、26.5gのリン脂質、DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)および2.4gの塩化カルシウムを、高せん断ミキサーを用いて276mLの湯(80℃)の中でホモジナイズし、ホモジナイゼーションの間、142mLのPFOBをゆっくり加えた。次に、その結果得られる粗いエマルションを、高圧ホモジナイザー(モデルC3、Avestin、Ottawa、CA)を5パスにわたり最大170MPaの圧力で用いてさらにホモジナイズした。552mgのFFを273mlの温水(50℃)に溶解し、この溶液の大部分を、高せん断ミキサーを用いてエマルションと合わせた。このエマルションを、以下の噴霧乾燥条件:入口温度95℃;出口温度68℃;エマルション供給速度2.4ml/分;および総気体流速498l/分を用いて窒素中で噴霧乾燥させた。噴霧乾燥粉末中のホルモテロールの最終的な質量分率は2%であった。
【0131】
第2ロットのFF含有懸濁粒子を同様の様式で製造した。噴霧乾燥粉末中のFFの質量分率は、このロットについては1%であった。第3ロットの懸濁粒子は、FFを含ませずに製造した。
【0132】
懸濁粒子の粒子サイズ分布(VMD)をレーザー回折により定量した。FF含有懸濁粒子の両方のロットについては50体積%が3.5μm未満であり、該分布の幾何標準偏差は1.7であった。FFを含まない懸濁粒子については、50体積%が3.2μm未満であり、該分布の幾何標準偏差は1.8であった。
【0133】
FF、GPまたは両方を含有するMDIを、目標質量の活性剤粒子および懸濁粒子を体積19mLのフッ化エチレンポリマー(FEP)被覆したアルミニウム缶(Presspart、Blackburn、UK)中に計り入れることにより調製した。この缶を63μlバルブ(#BK357、Bespak、King’s Lynn、UK)でクリンプシールし、バルブ軸を通した過圧により12.4gのHFA134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)(Ineos Fluor、Lyndhurst、UK)を充填した。その結果得られる懸濁剤濃度および目標送達用量(20%が作動装置に堆積すると仮定)を、3つの異なる構成(構成1A〜1C)について表1aに示す。噴射剤の注入後、缶を15秒間超音波処理して、リストアクション振盪機で30分間撹拌した。缶に、0.3mmの開口部のあるポリプロピレン製作動装置(#BK636、Bespak、King’s Lynn、UK)を取り付けた。
【0134】
【表1】

【0135】
充填済のMDIを、以下の2つの異なる条件:5℃で冷蔵、オーバーラップなし、および、制御された25℃の室温/60%RH、フォイルのオーバーラップありで、バルブを下げて保管した。エアロゾル性能および送達用量均一性の試験を、異なる時点で実施した。エアロゾル性能は、製造した後、USP<601>(合衆国薬局方モノグラフ601)に従って調べた。流速30l/分で運転するNext Generation Impactor(NGI)を粒子サイズ分布の定量に使用した。試料缶を作動装置中に設置し、2回の空作動およびさらに2回の呼び水用空作動を行った。5回の作動分を、USPスロートの付いたNGI中で回収した。バルブ、作動装置、スロート、NGIカップ、ステージおよびフィルターを、体積測定して分配した溶媒ですすいだ。試料溶液を、薬物特異的なクロマトグラフィー法を用いてアッセイした。フィルターを通ったステージ3の合計分を用いて微細粒子分率を定義した。USP<601>により記載されているように、用量均一性サンプリング装置を用いて、使用を通した送達用量均一性試験を実施した。前述のように、吸入器を設置し、呼び水作業を行った。使用の開始時点、中間時点および終了時点で、2回の作動分を回収し、アッセイした。
【0136】
エアロゾル性能または送達用量均一性においては、試験の継続期間(3カ月)にわたり、または保管温度の関数として、何ら傾向は観察されなかった。したがって、全てのエアロゾル性能試験結果をプールした。表1bは、異なる構成の平均成績を記載するものである。微細粒子用量は、インパクターのステージ3からフィルター上で回収した質量の合計であり、計量された用量により正規化してある。全3つの構成についての平均エアロゾル性能は同等であった。
【0137】
【表2】

【0138】
本組合せ製品の両方の活性剤について、缶の寿命にわたり用量含有量均一性を試験した。図1および2は、構成1Aおよび1Bそれぞれについての作動装置を出る用量を示すものであり、缶の実際の計量された用量により正規化してある。作動装置での堆積を20%と仮定して、両方の活性剤についての作動装置を出る目標用量は80%であった。個々のFF用量およびGP用量を、それぞれ点および三角形で表す。実線はホルモテロール用量の平均を表し、破線はグリコピロレート用量の平均を表す。図3および4は、構成1Aおよび1Bそれぞれについての作動装置を出る正規化した用量の比率を示すものである。結果から、用量比は缶の寿命を通じて一定に保たれたことが示唆される。さらに、用量比のばらつきは個々の用量のものよりはるかに低く、このことから、一貫した担体対活性剤比率を有する共懸濁剤が形成され、容器の寿命を通じて維持されたことが示唆される。
【0139】
この結果は、本明細書中で提供した開示内容により製剤化すると、活性医薬原料(この場合はFF)のうち1つを含有する懸濁粒子を用いて組合せ製品の共懸濁剤が形成されることを示している。懸濁粒子対活性剤粒子の比率を調節して、同様のエアロゾル性能を維持しながら、目標用量含有量の均一性を達成することができる。
【0140】
[実施例2]
FF、GPまたは両方を含有するMDIを、FFおよびGPそれぞれについて1作動当たり目標濃度2.4μgおよび18μgで調製した。GP活性剤を微粉化したところ、実施例1に記載のようにレーザー回折により測定した場合、それぞれ、d10、d50、d90が得られ、スパンは0.6μm、1.7μm、3.6μmおよび1.9μmであった。FFは、噴霧乾燥した懸濁粒子中に組み込み、2%がFF、91.5%がDSPCおよび6.5%がCaClの組成で実施例1に記載のように調製した。GP、FFおよびGP+FFのMDIを、目標質量の活性剤粒子および懸濁粒子を体積19mLのフッ化エチレンポリマー(FEP)被覆したアルミニウム缶(Presspart、Blackburn、UK)中に計り入れることにより調製した。缶を50μlバルブ(#BK357、Bespak、King’s Lynn、UK)でクリンプシールし、バルブ軸を通した過圧により10.2gのHFA134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)(Ineos Fluor、Lyndhurst、UK)を充填した。噴射剤の注入後、缶を15秒間超音波処理して、リストアクション振盪機で30分間撹拌した。缶に、0.3mmの開口部のあるポリプロピレン製作動装置(#BK636、Bespak、King’s Lynn、UK)を取り付けた。
【0141】
MDI組成物の長期エアロゾル安定性および送達特徴を調べた。とりわけ、当該組成物のエアロゾル粒子サイズ分布および送達用量特徴を、多様な条件下で、場合により、最大12カ月に延長した期間にわたり、実施例1に記載のようにUSP<601>に従って評価した。たとえば、図5に示すように、実施例1に従って調製した組成物によりもたらされる送達用量均一性は、当該組成物を5℃で12カ月の保管後、または、アルミニウムフォイルの小袋内で保管してMDI缶中への水の侵入を最小化させた(すなわち、「保護保管された」)試料については、25℃、60%相対湿度(RH)の条件で4.5カ月後であっても、実質的に維持された。
【0142】
当該組成物のエアロゾル性能も、最長12カ月まで延長する非保護保管条件、および、最長6カ月まで延長する保護保管条件を通じて評価した。図6に示すように、この共懸濁剤組成物によりもたらされたGPおよびFFの粒子サイズ分布は、5℃での保護保管の12カ月後、および、25℃、60%RHでの非保護保管条件の6カ月後、実質的に維持された。図7に示すように、ストレスのかかった条件下(40℃、75%RH)でも、該組成物は6カ月後に定量噴霧式吸入器から送達されたGPおよびFFの粒子サイズ分布において目立った劣化を示さなかった。
【0143】
単一の製剤内でGPおよびFFを組み合わせた場合に、結果として、単一の活性剤を含む組成物と比較してエアロゾル特性が劣化することになるかどうかを評価する目的で、共懸濁剤組成物のエアロゾル特性を、単一の活性剤のみを含む懸濁剤組成物と比較して調べた。
【0144】
図8でわかるように、GP活性剤およびFF活性剤を両方とも含む組合せ共懸濁剤組成物のエアロゾル性能は、GPまたはFFのいずれかを単独で含む懸濁剤組成物により達成されるエアロゾル性能と全く異ならなかったが、このことから、単一成分型共懸濁剤または2成分組合せ型共懸濁剤から達成された場合、個々の活性剤のエアロゾル特性は実質的に同じであることが実証された。
【0145】
[実施例3]
グリコピロレートとフマル酸ホルモテロールとを含有する組合せ共懸濁剤の定量噴霧式吸入器の薬物動態および安全性を臨床試験において評価した。この臨床試験は、MDIにより投与された4つの吸入治療剤を評価するために用いられた、単一施設、ランダム化、二重盲検、単一用量、4期間、4治療剤のクロスオーバー試験であった。4つの治療剤には、フマル酸ホルモテロール(FF)吸入エアロゾル剤、グリコピロレート(GP)吸入エアロゾル剤、GP+FF吸入エアロゾル剤、および、GP吸入エアロゾル剤に次いで直ちにFF吸入エアロゾル剤の送達を行う連続送達を含めた。GP+FF吸入エアロゾル剤、ならびにFF吸入エアロゾル剤およびGP吸入エアロゾル剤は、実施例2に記載のとおりに調製した。さらに、GP+FF吸入エアロゾル剤は、「固定」の組合せのGPおよびFFと名付け、GP吸入エアロゾル剤に次いで直ちにFF吸入エアロゾル剤の送達を行う連続送達を必要とする治療剤は、「ゆるい」組合せと名付けた。
【0146】
対象を試験においてランダム化し、4つの治療順序のうち1つに割り付けたが、各治療順序は全4つの試験治療剤を含んでいた。各対象は、7〜21日で分けられた4つの単一用量の治療剤の投与を受けた。16名の対象を登録し、安全性について分析した。4つの治療剤のうち1つまたは複数の投与を受けなかった結果として3名の対象をPK分析から除外し、さらに2名の対象を、吸入技術が未熟であることから生じた投与エラーを理由に、評価不可能としてPK分析から除外した。
【0147】
GP+FF吸入エアロゾル剤は、各対象に72μg用量のGPおよび9.6μg用量のFF(4回の作動、1作動当たり18μgのGPおよび2.4μgのFF)をもたらすように投与した。GP吸入エアロゾル剤は、各対象に72μg用量のGP(4回の作動、1作動当たり18μgのGP)をもたらすように投与した。FF吸入エアロゾル剤は、各対象に9.6μg用量のFF(4回の作動、1作動当たり2.4μgのFF)をもたらすように投与した。盲検化を目的として、先行する3つの治療剤のそれぞれの前に4回の作動のプラセボMDIを投与した。ゆるい組合せのGP吸入エアロゾル剤に次ぐFF吸入エアロゾル剤は、各対象に72μg用量のGPおよび9.6μg用量のFF(4回の作動、1作動当たり18μgのGPに次ぐ4回の追加作動、1作動当たり2.4μgのFF)をもたらすように投与した。
【0148】
ゆるい組合せおよび固定の組合せの両方のGPおよびFFは安全で忍容性が良好であり、固定の組合せは、治験において評価された他の3つの治療剤について観察されたものと同様の安全性プロファイルを示した。血液試料は、投与前、ならびに、投与後2分、5分、15分および30分ならびに1時間、2時間、4時間、6時間、8時間および12時間時点で、GPおよびFFの血漿濃度を定量するために収集し、この値を用いて多様なPKパラメーターを計算した。投与直後から12時間の期間におけるGPおよびFFの両方についての血漿濃度時間プロファイルを図9に示す。図9でわかるように、固定の組合せからGPおよびFFが投与されると、投与後のGPおよびFFの血漿濃度は、ゆるい組合せのGPおよびFFの投与から結果として得られた血漿濃度に匹敵する結果となった。実施例2で記載したin−vitro送達用量および粒子サイズ分布の成績について言及したように、固定の組合せのGP+FF吸入エアロゾル剤については、インビボでは併用効果が観察されなかった。
【0149】
[実施例4]
本記載による例示的な2剤型共懸濁剤組成物を作製し、該組成物を組み込んでいる定量噴霧式吸入器を調製した。該組成物には、グリコピロレート(GP)とフマル酸ホルモテロール(FF)との組合せを含ませ、それぞれは、微粉化された結晶性の物質として供給された。組合せの結晶性の共懸濁剤MDIを半自動の懸濁剤充填により製造した。この2剤型共懸濁剤は、HFA134a噴射剤中で懸濁粒子と共懸濁させた2つの微結晶性の活性医薬原料(「APIs」、または単数形では「API」とも呼ぶ)であるGPとFFとの組合せから成っていた。2剤型共懸濁剤は、1作動当たり18μgのGPおよび1作動当たり4.8μgのFFの送達用量を供給するように製剤化した。2剤型共懸濁剤組成物の調製においては、一定の組成物中では、使用したFF API物質は「粗い」として表示され、他の組成物中では、使用したFF API物質は「細かい」として表示された。共懸濁剤組成物に組み込まれたのが粗いFFであるか細かいFFであるかによらず、該組成物は、1作動当たり4.8μgの送達FF用量を供給するように製剤化した。この実施例で記載した共懸濁剤組成物の製剤において使用した粗いFF、細かいFFおよびGP API物質の粒子サイズ特徴は、表2に詳細を記載してある。2剤型共懸濁剤組成物に加え、FF活性剤物質のみを組み込んでいる単剤療法型共懸濁剤組成物を製剤化した。このFF単剤療法型共懸濁剤は、粗いFF APIを利用した。当該FF単剤療法型共懸濁剤を使用して単剤療法型MDIを製造し、このFF単剤療法型MDIを、1作動当たり送達用量4.8μgのFFを供給するように製剤化および製造した。
【0150】
懸濁粒子を、噴霧乾燥したエマルションにより以下の条件:供給原料濃度は80mg/mL、組成は93.44%がDSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)および6.56%が無水塩化カルシウム(2:1のDSPC:CaClモル/モル比率と等価)で製造した。エマルション調製の間、DSPCおよびCaClは、高せん断ミキサーを、加熱水(80±3℃)を含有する容器中にて8000〜10000rpmで用いて分散させ、このプロセス中、PFOBをゆっくり加えた。次に、このエマルションを高圧ホモジナイザー(10000〜25000psi)中で6パスにて加工した。次に、このエマルションを、0.42”のアトマイザーノズルを取り付けた噴霧乾燥機により、規定のアトマイザー気体流速18SCFMで噴霧乾燥させた。乾燥気体流速は72SCFMに設定し、入口温度は135℃、出口温度70℃、エマルション流速は58mL/分であった。
【0151】
MDIの製造については、懸濁剤充填用の薬物添加容器(DAV)を以下の方式で調製した。まず、懸濁粒子量の半分を加え、次に、微結晶性の物質を充填し、最後に、残り半分の懸濁粒子を一番上に加える。10%RH未満の湿度制御環境下で該容器に物質を加えた。次に、DAVを4Lの懸濁容器に接続し、HFA134a噴射剤を流してから、穏やかに混合して、スラリーを形成した。次に、このスラリーを懸濁剤混合容器に戻し、追加のHFA−134aで希釈して、インペラで穏やかに撹拌しながら、目標濃度の最終懸濁剤を形成する。バッチ作製全体を通して、容器内部の温度を21〜23℃で維持した。30分間の再循環後、懸濁剤を、50μlバルブ(Bespak、King’s Lynn、UK)経由で、14mLのフッ化エチレンポリマー(FEP)で被覆したアルミニウム缶(Presspart、Blackburn、UK)に充填した。試料缶は、正確な製剤量を確実にするための缶の総合分析用にランダムに選択した。2つのロットの微粉化されたホルモテロール粒子の光学直径および粒子サイズ分布を、実施例1に記載のように、レーザー回折により定量した。表2は、使用した異なるロットの微粉化された物質についてのd10、d50およびd90の値を記載するものである。d10、d50およびd90は、粒子サイズ測定装置により報告された累積体積分布がそれぞれ10%、50%および90%に達する時点の粒子サイズを表す。
【0152】
この実施例4に従って調製した両方の2剤型共懸濁製剤によりもたらされた粒子サイズ分布を、実施例1に従って調製した共懸濁剤組成物によりもたらされた粒子サイズ分布と比較した。この比較の結果を表3に示すが、表中の「FPF FF(%)」および「FPF GP(%)」は、NGIのフィルターを通したステージ3上での特定の活性剤の微細粒子質量を作動装置の質量で割り、100を掛けたものを表す。
【0153】
【表3】

【0154】
【表4】

【0155】
この実施例に従って調製した2剤型共懸濁剤組成物のエアロゾル性能を評価し、実施例1に従って調製した共懸濁剤組成物と比較すると共に、エアロゾル性能を、実施例1に記載のように調べた。そのような比較の結果を図10〜図12に示す。これらの図を参照することにより容易に理解されるように、2剤型共懸濁剤の供給において使用した結晶性のホルモテロール物質が細かいものであったか粗いものであったかどうかに関わらず、2剤型共懸濁剤組成物のFFおよびGPの粒子サイズ分布は、実施例1に従って調製した共懸濁剤組成物により達成された同分布と実質的に同じであった。
【0156】
加えて、この実施例に記載されているとおりの2剤型共懸濁剤組成物によりもたらされたGPおよびFFの送達用量均一性を、実施例1に記載のように調べた。この調査の結果を図13に示す。2剤型共懸濁製剤は、全ての作動分が、平均の±25%以内の想定用量を送達したことから、GPおよびFFの両方について望ましいDDU特徴をもたらした。
【0157】
[実施例5]
キシナホ酸サルメテロール(SX)活性剤粒子とプロピオン酸フルチカゾン(FP)活性剤粒子との2剤型共懸濁剤組成物の製剤について説明する。FPおよびSXは両方とも、微粉化された結晶性の粒子として噴射剤中に存在する。この2種の微粉化された活性剤粒子を、噴霧乾燥された懸濁粒子と共懸濁させる。
【0158】
微粉化されたSX(4−ヒドロキシ−α1−[[[6−(4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ]メチル]−1,3−ベンゼンジメタノール、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボキシレート)をメーカー(Inke SA、ドイツ)により受け入れ、活性剤粒子として使用した。SXの粒子サイズ分布をレーザー回折により定量した。この微粉化された粒子の50体積%は2μm未満の光学直径を呈し、90体積%は3.9μm未満の光学直径を呈した。
【0159】
微粉化されたFP(S−(フルオロメチル)6α,9−ジフルオロ−11β−17−ジヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオエート、17−プロピオネート)は、メーカー(Hovione FarmaCiencia SA、Loures、ポルトガル)により微粉化されたままの状態で受け入れ、活性剤粒子として使用した。FPの粒子サイズ分布をレーザー回折により定量した。この微粉化された粒子の50体積%は2.6μm未満の光学直径を呈し、90体積%は6.6μm未満の光学直径を呈した。
【0160】
懸濁粒子を以下のように製造した。150mLの、リン脂質により安定化させたPFOB(臭化ペルフルオロオクチル)の水中フルオロカーボンエマルションを調製し、12.3gのリン脂質、DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)および1.2gの塩化カルシウムを、高せん断ミキサーを用いて100mLの湯(70℃)の中でホモジナイズし、ホモジナイゼーションの間、65mLのPFOBをゆっくり加えた。次に、その結果得られる粗いエマルションを、高圧ホモジナイザー(モデルC3、Avestin、Ottawa、CA)を3パスにわたり最大140MPaの圧力で用いてさらにホモジナイズした。
【0161】
このエマルションを、以下の噴霧乾燥条件:入口温度90℃;出口温度69℃;エマルション供給速度2.4ml/分;および総気体流速498l/分を用いて窒素中で噴霧乾燥させた。懸濁粒子の粒子サイズ分布、すなわちVMDをレーザー回折により定量した。懸濁粒子の50体積%は2.7μm未満であり、該分布の幾何標準偏差は2.0であった。加えて、懸濁粒子の空気力学的粒子サイズ分布を、時間飛行型の粒子サイズ測定装置を用いて定量した。懸濁粒子の50体積%は空気力学的粒子径が1.6μm未満であった。空気力学的粒子径と光学的粒子径との間の差が大きいことから、この懸濁粒子は0.5kg/l未満の低い粒子密度を有したことが示唆される。このことを電子顕微鏡観察法により検証したところ、懸濁粒子は中空で壁の薄い形態を呈したことが確認された。
【0162】
MDIは、目標質量の微粉化されたFP、SXおよび懸濁粒子を体積19mLのフッ化エチレンポリマー(FEP)被覆したアルミニウム缶(Presspart、Blackburn、UK)中に計り入れることにより調製した。この缶を63μlバルブ(#BK357、Bespak、King’s Lynn、UK)でクリンプシールし、バルブ軸を通した過圧により10mLのHFA134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)(Ineos Fluor、Lyndhurst、UK)を充填した。噴射剤の注入後、缶を15秒間超音波処理して、リストアクション振盪機で30分間撹拌した。缶に、0.3mmの開口部のあるポリプロピレン製作動装置(#BK636、Bespak、King’s Lynn、UK)を取り付けた。エアロゾル性能は、実施例1に記載のように、製造した後すぐに、USP601に従って調べた。結果を以下の表4に報告する。
【0163】
【表5】

【0164】
使用を通して送達用量均一性を試験したところ、全ての個々の送達用量は、平均の±20%以内、相対標準偏差(「RSD」とも呼ぶ)は6.1%であった。共懸濁剤の目視観察をガラスバイアル中で実施したところ、活性剤粒子の沈降は観察されなかった。該バイアルを撹拌せずに24時間静置させた。該懸濁剤はゆっくり凝固し、均質な単一のクリーム層を形成した。
【0165】
[実施例6]
キシナホ酸サルメテロール(SX)活性剤粒子とプロピオン酸フルチカゾン(FP)懸濁粒子との組合せ共懸濁剤組成物の製剤について説明する。SXは、微粉化された結晶性の粒子として噴射剤中に存在する。SXを、該懸濁粒子を形成する物質中に配置された微粉化されたFPを有する噴霧乾燥された懸濁粒子と共懸濁させる。これを達成するために、FP結晶は、脂質ベースの懸濁粒子を製造するために使用される供給原料中に懸濁させる。この実施例で参照される、活性剤粒子および懸濁粒子を形成するために使用するFPおよびSXは、実施例5に記載のとおりであった。
【0166】
FP含有懸濁粒子を次のように製造した。200mLの、リン脂質により安定化させたPFOBの水中フルオロカーボンエマルションを調製し、3.3gのリン脂質(DSPC)および0.8gの微粉化されたFPを分散させ、0.3gの塩化カルシウム二水和物を、高せん断ミキサーを用いて100mLの温水(70℃)に溶解し、分散の間、44mLのPFOBをゆっくり加えた。次に、その結果得られる粗いエマルションを、高圧ホモジナイザーを3パスにわたり140MPaで用いてさらにホモジナイズした。ホモジナイゼーションにより、懸濁しているFP結晶の粒子サイズは低下した。このエマルションを、以下の噴霧乾燥条件:入口温度95℃、出口温度72℃、エマルション供給速度2.4ml/分、および総気体流速525l/分を用いて窒素中で噴霧乾燥させた。
【0167】
MDIを、目標質量の微粉化されたSX活性剤粒子およびFP含有懸濁粒子を体積19mLのフッ化エチレンポリマー(FEP)被覆したアルミニウム缶(Presspart、Blackburn、UK)中に計り入れることにより調製した。この缶を63μlバルブ(#BK357、Bespak、King’s Lynn、UK)でクリンプシールし、バルブ軸を通した過圧により10mlのHFA134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)(Ineos Fluor、Lyndhurst、UK)を充填した。噴射剤の注入後、缶を15秒間超音波処理して、リストアクション振盪機で30分間撹拌した。缶に、0.3mmの開口部のあるポリプロピレン製作動装置(#BK636、Bespak、King’s Lynn、UK)を取り付けた。エアロゾル性能は、先に実施例1に記載したように、製造した後すぐにUSP601に従って調べた。結果を以下の表5に記録する。
【0168】
【表6】

【0169】
使用を通した送達用量均一性を試験したところ、全ての個々の送達用量は、平均の±25%以内、FPのRSDは9.0%、SXのRSDは13%であった。共懸濁剤の目視観察をガラスバイアル中で実施したところ、活性剤粒子の沈降は観察されなかった。該バイアルを撹拌せずに24時間静置させた。懸濁剤はゆっくり凝固し、均質な単一のクリーム層を形成し、SXおよび懸濁粒子の分離の徴候は示されなかった。
【0170】
[実施例7]
ブデソニド活性剤粒子とフロ酸モメタゾン活性剤粒子とを含む2剤型共懸濁剤組成物の製剤について説明する。ブデソニド(BD)およびフロ酸モメタゾン(MF)は、微粉化された結晶性の粒子として噴射剤中に存在し、噴霧乾燥された懸濁粒子と共懸濁させる。
【0171】
BD、16,17−(ブチリデンビス(オキシ))−11,21−ジヒドロキシ−、(11−β,16−α)−プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオンは、メーカー(AARTI、Mumbai、インド)により微粉化されて受け入れ、活性剤粒子として使用した。BDの粒子サイズ分布をレーザー回折により定量した。この微粉化された粒子の50体積%は1.9μm未満の光学直径を呈し、90体積%は4.3μm未満の光学直径を呈した。
【0172】
MF、9α,21−ジクロロ−11β,17−ジヒドロキシ−16α−メチルプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン 17−(2−フロエート)は、メーカー(AARTI、Mumbai、インド)により微粉化されて受け入れ、活性剤粒子として使用した。MFの粒子サイズ分布をレーザー回折により定量した。この微粉化された粒子の50体積%は1.6μm未満の光学直径を呈し、90体積%は3.5μm未満の光学直径を呈した。
【0173】
懸濁粒子を以下のように製造した。500mLの、リン脂質により安定化させたPFOB(臭化ペルフルオロオクチル)の水中フルオロカーボンエマルションを調製し、18.7gのリン脂質、DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)および1.3gの塩化カルシウムを、高せん断ミキサーを用いて400mLの湯(75℃)の中でホモジナイズし、ホモジナイゼーションの間、100mLのPFOBをゆっくり加えた。次に、その結果得られる粗いエマルションを、高圧ホモジナイザー(モデルC3、Avestin、Ottawa、CA)を5パスにわたり最大170MPaの圧力で用いてさらにホモジナイズした。このエマルションを以下の噴霧乾燥条件:入口温度95℃、出口温度72℃、エマルション供給速度2.4ml/分、および総気体流速498l/分を用いて窒素中で噴霧乾燥させた。
【0174】
MDIを、目標質量の微粉化された活性剤および懸濁粒子を体積15mLの被覆したガラスバイアル中に計り入れることにより調製した。缶を63μlバルブ(Valois、Les Vaudreuil、フランス)でクリンプシールし、バルブ軸を通した過圧により9.2gのHFA134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)(Ineos Fluor、Lyndhurst、UK)を充填した。噴射剤の注入後、缶を15秒間超音波処理し、リストアクション振盪機で30分間撹拌した。懸濁剤濃度は、BD活性剤粒子については0.8mg/ml、MF活性剤粒子については1.1mg/ml、懸濁粒子については6mg/mlであった。懸濁粒子対活性剤粒子の比率は、BDについては7.5、MFについては5.5であった。作動装置を出る目標用量は、BDについては40μg、MFについては55μgであった。
【0175】
共懸濁させた構成物の目視観察では、活性剤粒子の沈降は示されなかった。バイアルを撹拌せずに16時間静置させた。共懸濁剤のバイアルの底には、活性剤粒子は視認できなかった。この結果から、異なる種の活性剤粒子を形成する結晶性のブデソニドおよびフロ酸モメタゾン物質は懸濁粒子と会合して、本明細書中で開示する構成の共懸濁剤を形成したことが示された。活性剤粒子と懸濁粒子との間の会合は、活性剤粒子の沈殿が首尾よく阻害されたように、浮力を克服するだけ十分に強かった。
【0176】
[実施例8]
フロ酸モメタゾン(MF)またはブデソニド(BD)のいずれかを含む懸濁粒子を用いて2剤型共懸濁剤組成物を調製し、この組成物を組み込んでいるMDIを調製した。この共懸濁剤組成物は、結晶性のグリコピロレート(GP)活性剤粒子およびフマル酸ホルモテロール(FF)活性剤粒子の組合せを含んでおり、MFまたはBDのいずれかを含む懸濁粒子と共懸濁させた。各APIは、微粉化された、結晶性の物質として供給された。
【0177】
BDまたはMFのいずれかを50%(w/w)含有する懸濁粒子を次のように製造した。400mLの湯(75℃)中に2.8gのDSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)および0.26gの塩化カルシウムを含有する分散系の高せん断ミキサーを用いた高せん断ホモジナイゼーションを実施しながら、56.6gのPFOBをゆっくり加えた。微粉化されたMFまたはBD(DSPCに対し1:1の重量比で)を、その結果得られる粗いエマルションに加え、これを、高圧ホモジナイザー(モデルC3、Avestin、Ottawa、CA)を3〜5パスにわたり最大170MPaの圧力で用いてさらにホモジナイズした。このエマルションを、以下の噴霧乾燥条件:入口温度90〜95℃、出口温度95〜72℃、エマルション供給速度2〜8mL/分、合計乾燥窒素流525〜850L/分を用いて噴霧乾燥させた。その結果得られる粉末の粒子サイズ分布をレーザー回折により定量したところ、懸濁粒子の50体積%は1.8μm未満であり、該分布のスパンは1.6μmであった。
【0178】
懸濁粒子を含有する50%(w/w)のMFまたはBDのいずれかを含有する缶に、それぞれ1作動当たり50μgまたは100μgのMFまたはBDを目標として、HFA134a噴射剤を充填した。MFおよびBDのエアロゾル粒子サイズ分布を実施例1に記載の方法により定量したので、結果を表6に示す。懸濁粒子を含有するMFまたはBDを含有する類似の一連の缶を、GPおよびFFの活性剤粒子と組み合わせて作製した。十分な微粉化されたGPおよびFF API物質を、GPおよびFFについてそれぞれ36μg/作動および6μg/作動の目標送達用量をもたらすのに十分な量で当該缶に加えた。本明細書に記載のとおりに調製したが一切の活性剤を含まない追加的なプラセボ懸濁粒子(「プラセボ」懸濁粒子とも呼ぶ)を、合計共懸濁剤濃度が5.5mg/mlに確実に達するように加えた。
【0179】
この実施例に従って調製した共懸濁剤組成物によりもたらされたエアロゾル粒子サイズ分布を実施例1に記載のように定量したので、結果を表7に示す。単一成分の懸濁剤中のコルチコステロイドの空気力学的質量平均径(mass mean aerodynamic diameter)は、BDまたはMFを含有する懸濁粒子と共懸濁させた2つの異なる種の活性剤粒子を用いて調製された3剤型組合せ製剤中で得られる同値と等価である。2つの異なる活性剤の組合せを含有する該共懸濁剤組成物に当てはまるとおり、本記載に従って調製される3剤型共懸濁剤組成物は、併用効果を回避した。
【0180】
【表7】

【0181】
【表8】

【0182】
[実施例9]
本記載による3剤型共懸濁剤組成物を作製し、該組成物を組み込んでいるMDIを調製した。この組成物は、グリコピロレート(GP)活性剤粒子と、フマル酸ホルモテロール(FF)活性剤粒子とフロ酸モメタゾン(MF)活性剤粒子との組合せを含んでおり、それぞれが、微粉化された結晶性のAPI物質として供給されていた。
【0183】
3剤型共懸濁剤MDIを、半自動の懸濁剤充填により製造した。この3剤型共懸濁剤は、3つの異なる種の活性剤粒子、すなわち、MF(コルチコステロイド)、GP(LAMA)およびFF(LABA)を形成する3つの微結晶性の活性医薬原料の組合せから成っていた。これらの3つの異なる種の活性剤粒子を、HFA134a噴射剤中で懸濁粒子と共懸濁させた。3剤型共懸濁剤を以下の送達用量目標:1作動当たり50μのMF、1作動当たり36μgのGPおよび1作動当たり4.8μgのFFに製剤化した。この3剤型共懸濁剤に加え、MFのみを含む単剤療法型共懸濁剤を作製した。この単剤療法型MF共懸濁剤は、噴射剤中に共懸濁したMF活性剤粒子を、この実施例に記載されているとおりの懸濁粒子と共に含んでおり、目標送達用量である1作動当たり50μgのMFをもたらすように製剤化した。
【0184】
懸濁粒子を、噴霧乾燥したエマルションにより以下の条件:供給原料濃度は80mg/mL、組成は93.44%がDSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)および6.56%が無水塩化カルシウム(2:1のDSPC:CaClモル/モル比率と等価)で製造した。エマルション調製の間、DSPCおよびCaClは、高せん断ミキサーを、加熱水(80±3℃)を含有する容器中にて8000〜10000rpmで用いて分散させ、このプロセス中、PFOBをゆっくり加えた。次に、このエマルションを高圧ホモジナイザー(10000〜25000psi)中で5パスにて加工した。次に、このエマルションを、0.42”のアトマイザーノズルを取り付けた噴霧乾燥機により、規定のアトマイザー気体流速18SCFMで噴霧乾燥させた。乾燥気体流速は72SCFMに設定し、入口温度は135℃、出口温度70℃、エマルション流速は58mL/分であった。
【0185】
MDIの製造については、懸濁剤充填用の薬物添加容器(DAV)を以下の方式で調製した。まず、懸濁粒子量の半分を加え、次に、微結晶性の物質を充填し、最後に、残り半分の懸濁粒子を一番上に加える。10%RH未満の湿度制御環境下で該容器に物質を加えた。次に、DAVを4Lの懸濁容器に接続し、HFA134a噴射剤を流してから、磁気撹拌棒で混合した。バッチ作製全体を通して、容器内部の温度を21〜23℃で維持した。30分間のバッチ再循環後、50μLのEPDMバルブ経由で懸濁剤混合物を缶に充填した。試料缶は、正確な製剤量を確実にするための缶の総合分析用にランダムに選択した。次に、新しく製造した3剤型共懸濁剤MDIバッチを1週間隔離場所に置いてから、最初の製品性能分析を行った。フロ酸モメタゾンのみのMDIは、同じ方式での懸濁剤充填により製造した。
【0186】
全ての微結晶性APIの一次粒子サイズ分布を、実施例1に記載のようにレーザー回折により定量したので、結果を表9に示す。懸濁剤MDIの作動時の全ての成分の空気力学的粒子サイズ分布および空気力学的質量平均径を、実施例1に記載のように薬物特異的なカスケードインパクションにより定量したので、これを表9に示す。
【0187】
【表9】

【0188】
【表10】

【0189】
この実施例に従って調製した3剤型共懸濁剤により達成されたエアロゾル性能および送達用量均一性を、実施例1に示した記載により評価した。図14は、MFのみを含有する2つの缶、および、この実施例に従って調製したMF、GPおよびFFを含有する2つの缶から達成されるGP、FFおよびMFのDDUを例証するものである。MF単剤療法型構成物から送達されるMFのDDUは、3剤型共懸濁剤組成物で達成されるDDUと等価である。この実施例に従って調製した3剤型共懸濁剤組成物のエアロゾル性能も、2つの活性剤、すなわちFFおよびGPのみの組合せを含有する製剤と比較して調べた。FFおよびGPの空気力学的粒子サイズ分布は、2つの活性剤または3つの活性剤いずれを含有する組成物から送達されるかによらず、それぞれ図15および16に示すように等価である。
【0190】
2つの異なる活性剤の組合せを含有する共懸濁剤組成物に当てはまるとおり、本記載に従って調製した3剤型共懸濁剤組成物は、併用効果を回避した。
【0191】
[実施例10]
本記載による例示的な3剤型共懸濁剤組成物を作製し、該組成物中に組み込まれている定量噴霧式吸入器を調製した。該3剤型共懸濁剤は、グリコピロレート(GP)または臭化チオトロピウム(TB)を、フマル酸ホルモテロール(FF)活性剤とフロ酸モメタゾン(MF)活性剤との組合せで含んでおり、各APIは、微粉化された結晶性の物質として使用した。
【0192】
3つの活性医薬原料(API)、すなわちコルチコステロイド、LAMAおよびLABAを含有する2つの別々の懸濁剤MDIバッチを調製した。このAPIは、本明細書に記載のとおりに調製された懸濁粒子と共懸濁させた活性剤粒子として機能した微結晶性の物質として供給された。この実施例に記載のように調製した3剤型共懸濁剤組成物は、活性剤粒子および懸濁粒子をHFA134a噴射剤に加えることにより調製した。
【0193】
第1の3剤型共懸濁剤バッチ(3剤型GFM)を、以下の送達用量目標:1作動当たり40μgのMF、1作動当たり13μgのGPおよび1作動当たり4.8μgのFFに製剤化した。活性剤粒子を、80mg/mLの供給濃度で噴霧乾燥させた93.46%のDSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)と6.54%の無水塩化カルシウムとから成るエマルションを使用して製造した懸濁粒子と共懸濁させた。懸濁粒子のDSPC:CaClモル比は2:1であった。この懸濁粒子を、製剤目標が6mg/mlの懸濁粒子濃度になるように、噴射剤中で活性剤粒子と合わせた。微結晶性の活性剤粒子の一次粒子サイズ(実施例1に記載のようにSympatecレーザー回折測定により定量)を、以下の表11に示す。
【0194】
異なるLAMA API、無水臭化チオトロピウム(TB)をGPの代わりに使用して、第2の3剤型共懸濁剤バッチ(TFM)を調製した。この第2の3剤型共懸濁剤を、以下の送達用量目標:1作動当たり50μgのMF、1作動当たり9μgのTBおよび1作動当たり4.8μgのFFに製剤化した。3剤型GFM共懸濁剤に関して記載したように懸濁粒子を調製し、活性剤粒子を、目標とする懸濁剤濃度6mg/mlで懸濁粒子と共懸濁させた。微結晶性の活性剤粒子の一次粒子サイズ(実施例1に記載のようにSympatecレーザー回折測定により定量)を、以下の表12に示す。
【0195】
3剤型GFM共懸濁剤組成物および3剤型TFM共懸濁剤組成物を使用してMDIを調製し、エアロゾル特性、微細粒子分率および空気力学的質量中央径を、実施例1に記載のように定量した。表13には、3剤型GFMおよび3剤型TFMについてのMMADおよびFPFの成績を記載し、3剤型GFM共懸濁剤および3剤型TFM共懸濁剤により達成される望ましいエアロゾル特性を図17に示す(3剤型GFMおよび3剤型TFMにより得られるGPおよびTBの空気力学的粒子サイズ分布をそれぞれ示す)。
【0196】
【表11】

【0197】
【表12】

【0198】
【表13】

【0199】
[実施例11]
本記載による例示的な2剤型共懸濁剤組成物を作製し、該2剤型共懸濁剤組成物を組み込んでいるMDIを調製した。該組成物は、グリコピロレート(GP)およびフマル酸ホルモテロール(FF)の組合せを含んでおり、それぞれは、表14に示すとおりの粒子サイズ分布を有する微粉化された結晶性の物質として供給された。微結晶性のGPおよびFF物質は2種の活性剤粒子を供給し、懸濁粒子は、実施例4に記載のように調製した。この実施例に記載した2剤型共懸濁剤の調製においては、GP活性剤粒子、FF活性剤粒子および懸濁粒子をHFA134a噴射剤中で合わせた。
【0200】
この実施例に記載した2剤型共懸濁剤は、まず、適切な量のGP活性剤粒子およびFF活性剤粒子および懸濁粒子を、湿度制御したチャンバー(RHは5%未満)内部の薬物添加容器(DAV)中に分配することにより調製した。次に、DAVを窒素雰囲気下で密封し、12kgのHFA−134aを含有する懸濁容器に接続した。次に、0.5〜1kgのHFA−134aをDAV中に加えることによりスラリーを形成し、次いでこのスラリーを懸濁容器から取り出し、穏やかに渦流させる。次に、このスラリーを懸濁剤混合容器に戻し、インペラで穏やかに撹拌しながら、追加のHFA−134aで希釈して目標濃度の最終的な懸濁剤を形成する。次に、この懸濁剤をポンプにより最低限の時間にわたり充填系に再循環させてから、充填を開始する。混合および再循環は充填プロセスを通して続ける。バルブをMDI缶上に設置してから、真空クリンピングプロセス、またはHFA−134aのパージプロセスに次ぐバルブクリンピングのいずれかにより空気をパージする。次に、クリンピングした缶に、バルブを通して適切な量の懸濁剤を充填し、計量シリンダーにより調節する。
【0201】
【表14】

【0202】
圧力充填用の懸濁剤は、まず、適切な量の微粉化されたグリコピロレートおよびフマル酸ホルモテロールの結晶と懸濁粒子とを、湿度制御したチャンバー(RHは5%未満)内部の薬物添加容器(DAV)に分配することにより調製する。本実施例においては、懸濁粒子担体は、第1および第2の添加後、それぞれGPおよびFFの添加をはさんで3回等量で加えた。次に、DAVを窒素雰囲気下で密封し、12kgのHFA−134aを含有する懸濁容器に接続する。次に、0.5〜1kgのHFA−134aをDAV中に加えることによりスラリーを形成し、次いでこのスラリーを懸濁容器から取り出し、穏やかに渦流させる。次に、このスラリーを懸濁剤混合容器に戻し、インペラで穏やかに撹拌しながら、追加のHFA−134aで希釈して、目標濃度の最終的な懸濁剤を形成する。次に、この懸濁剤をポンプにより最低限の時間にわたり充填系に再循環させてから、充填を開始する。混合および再循環は充填プロセスを通して続ける。バルブを缶上に設置してから、真空クリンピングプロセス、またはHFA−134aパージプロセスに次ぐバルブクリンピングのいずれかにより空気をパージする。次に、クリンピングした缶に、バルブを通して適切な量の懸濁剤を充填し、計量シリンダーにより調節する。
【0203】
この実施例に記載した2剤型共懸濁剤を含有するMDIを、2つの異なる用量のGPおよびFFを含有するように調製した。具体的には、第1回分の2剤型共懸濁剤組成物を、1作動当たり18μgのGPおよび1作動当たり4.8μgのFF(「低用量」)をもたらすように調製し、第2回分の2剤型共懸濁剤組成物を、1作動当たり36μgのGPおよび1作動当たり4.8μgのFF(「高用量」)をもたらすように調製した。該2剤型共懸濁剤組成物に加え、単剤療法型FFおよびGP共懸濁剤組成物を調製した。単剤療法型共懸濁剤組成物は、2剤型共懸濁剤について記載のように調製したが、ただし、1種のみの活性剤粒子(GPまたはFFのいずれか)を含ませた。単剤療法型共懸濁剤を製剤化し、単剤療法型MDIを、以下の目標送達用量:1作動当たり18μgのGP、および、1作動当たり0.5μg、1.0μg、3.6μgまたは4.8μgのFFをもたらすように調製した。1作動当たり0.5μgのFFおよび1μgのFFをもたらす該組成物およびMDIを、「超低」用量と呼ぶ。
【0204】
この実施例に従って調製した共懸濁剤組成物を含有するMDIで達成された薬物特異的な空気力学的サイズ分布を、実施例1に記載のように定量した。低用量および高用量の2剤型共懸濁剤から得られるGPの空気力学的サイズ分布の比例性、ならびに、2剤型共懸濁剤と単剤療法型共懸濁剤間の等価性を図18において実証する。同様の方式で、超低用量、低用量および高用量の組成物を含む2剤型共懸濁剤および単剤療法型共懸濁剤から得られるFFの空気力学的サイズ分布の比例性を図19において実証する。
【0205】
超低用量のFF単剤療法型MDIの送達用量均一性も、実施例1に記載のように測定した。1μg/作動および0.5μg/作動の組成物および系についてのDDUを図20に示す。望ましい用量送達均一性は、超低用量の場合でも達成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的に許容できる噴射剤を含む懸濁媒体と、
2つ以上の活性剤と、
1種または複数種の活性剤粒子と、
1種または複数種の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、
前記1種または複数種の活性剤粒子が、前記2つ以上の活性剤のうち少なくとも1つを含み、前記活性剤粒子と懸濁粒子とが会合して共懸濁剤を形成する、
定量噴霧式吸入器から送達可能な医薬組成物。
【請求項2】
前記2つ以上の活性剤が、短時間作用性のβ作動剤、長時間作用性および超長時間作用性のβアドレナリン受容体作動剤(LABA)、コルチコステロイド、抗炎症剤、鎮咳剤、気管支拡張剤、ムスカリン拮抗剤および長時間作用性のムスカリン拮抗剤(LAMA)である活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種の懸濁粒子のうち少なくとも1種が活性剤を含み、前記2つ以上の活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤、ならびにベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
少なくとも2つの異なる種の活性剤粒子を含み、前記少なくとも2つの種の活性剤粒子のそれぞれが、異なる活性剤を含み、前記異なる活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤、ならびにベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項5】
少なくとも3つの異なる種の活性剤粒子を含み、前記少なくとも3つの種の活性剤粒子のそれぞれが、異なる活性剤を含み、前記異なる活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤、ならびにベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択される、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
少なくとも2つの異なる種の活性剤粒子を含み、前記少なくとも2つの異なる種の活性剤粒子のそれぞれが、異なる活性剤を含み、前記少なくとも1種の懸濁粒子のうち少なくとも1種が第3の活性剤を含み、前記異なる活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤、ならびにベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンとから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記活性剤粒子の少なくとも50体積%が5μm以下の光学直径を呈する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の懸濁粒子が有孔微細構造体を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記有孔微細構造体が噴霧乾燥プロセスを用いて調製される、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記有孔微細構造体が、水中の臭化ペルフルオロオクチル、DSPCおよび塩化カルシウムの噴霧乾燥されたエマルションを含む、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
少なくとも1種の懸濁粒子が、脂質、リン脂質、非イオン性界面活性剤、ポリマー、非イオン性ブロックコポリマー、界面活性物質、非イオン性界面活性物質、生体適合性フッ素系界面活性物質、炭水化物、アミノ酸、有機塩、ペプチド、タンパク質、アルジトールおよびそれらの組合せのうち少なくとも1つから選択される添加剤を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記懸濁粒子が、約1mg/ml〜約15mg/ml、約3mg/ml〜約10mg/ml、5mg/ml〜約8mg/ml、および約6mg/mlから選択される濃度で前記懸濁媒体中に含まれる、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1種の懸濁粒子のそれぞれが、約10μm〜約500nm、約5μm〜約750nm、約1μm〜約3μmから選択されるMMADを呈する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1種の懸濁粒子のそれぞれが、約0.2μm〜約50μm、約0.5μm〜約15μm、約1.5μm〜約10μm、および約2μm〜約5μmから選択される光学直径体積中央値を呈する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記噴射剤が、HFA噴射剤、PFC噴射剤およびそれらの組合せから選択される噴射剤を含み、追加成分を実質的に含まない、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記少なくとも1種の懸濁粒子の全質量が、前記少なくとも1種の活性剤粒子の全質量を超える、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1種の懸濁粒子の全質量対少なくとも1種の活性剤粒子の全質量の比率が、約1.5超、最大約5、最大約10、最大約15、最大約17、最大約20、最大約30、最大約40、最大約50、最大約60、最大約75、最大約100、最大約150および最大約200から選択される、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記少なくとも1種の懸濁粒子の全質量対前記少なくとも1種の活性剤粒子の全質量の比率が、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記懸濁粒子が、少なくとも1g、少なくとも10g、少なくとも50gおよび少なくとも100gの加速度から選択される加速度での遠心分離により増幅された浮力を受けたときでも前記活性剤粒子と会合したままである、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項20】
患者における肺疾患または肺障害を治療する方法であって、
薬学的に許容できる共懸濁剤を備える定量噴霧式吸入器を供給するステップであって、ここで、前記共懸濁剤は、
薬学的に許容できる噴射剤を含む懸濁媒体と、
2つ以上の活性剤と、
1種または複数種の活性剤粒子と、
1種または複数種の呼吸可能な懸濁粒子と
を含み、前記1種または複数種の活性剤粒子が前記2つ以上の活性剤のうち少なくとも1つを含み、前記活性剤粒子と懸濁粒子とが会合していることを特徴とするステップと、
前記共懸濁剤を、前記定量噴霧式吸入器を作動させることにより前記患者に投与するステップとを含み、
前記共懸濁剤組成物を投与する前記ステップが、治療上有効量の前記2つ以上の活性剤を前記患者に送達するステップを含む方法。
【請求項21】
薬学的に許容できる共懸濁剤を供給するステップが、短時間作用性のβ作動剤、長時間作用性および超長時間作用性のβアドレナリン受容体作動剤(LABA)、コルチコステロイド、抗炎症剤、鎮咳剤、気管支拡張剤、ムスカリン拮抗剤および長時間作用性のムスカリン拮抗剤(LAMA)である活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択される2つ以上の活性剤を含む共懸濁剤を供給するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記肺疾患または肺障害が、喘息、COPD、慢性気管支炎、気腫、気管支拡張症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、肺血管収縮、炎症、アレルギー、呼吸障害、呼吸窮迫症候群、肺高血圧症、肺血管収縮、嚢胞性線維症に伴う肺の炎症、および嚢胞性線維症に伴う肺の閉塞のうち少なくとも1つから選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
薬学的に許容できる共懸濁剤を供給するステップが、前記少なくとも1種の懸濁粒子のうち少なくとも1種が活性剤を含み、前記2つ以上の活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤、ならびにベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択される共懸濁剤を供給するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
薬学的に許容できる共懸濁剤を供給するステップが、少なくとも2つの異なる種の活性剤粒子を含む共懸濁剤を供給するステップであって、前記少なくとも2種の活性剤粒子のそれぞれが異なる活性剤を含み、前記異なる活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤、ならびにベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択されるステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
薬学的に許容できる共懸濁剤を供給するステップが、少なくとも3つの異なる種の活性剤粒子を含む共懸濁剤を供給するステップであって、前記少なくとも3種の活性剤粒子のそれぞれが異なる活性剤を含み、前記異なる活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤、ならびにベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択されるステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
薬学的に許容できる共懸濁剤を供給するステップが、少なくとも2つの異なる種の活性剤粒子を含む共懸濁剤を供給するステップであって、前記少なくとも2種の活性剤粒子のそれぞれが異なる活性剤を含み、前記少なくとも1種の懸濁粒子のうち少なくとも1種が第3の活性剤を含み、前記異なる活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤、ならびにベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択されるステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
治療上有効量の前記2つ以上の活性剤を前記患者に送達するステップが、治療上有効量の、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤と、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)とを同時に送達するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
治療上有効量の前記2つ以上の活性剤を前記患者に送達するステップが、治療上有効量の、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤と、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)とを同時に送達するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
治療上有効量の前記2つ以上の活性剤を前記患者に送達するステップが、治療上有効量の、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤と、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)とを同時に送達するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
治療上有効量の前記2つ以上の活性剤を前記患者に送達するステップが、治療上有効量の、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤と、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤と、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)とを同時に送達するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
2つ以上の活性剤を患者に呼吸器送達する方法であって、
薬学的に許容できる共懸濁剤を含有する缶を備える定量噴霧式吸入器を供給するステップであって、ここで、前記共懸濁剤が、
薬学的に許容できる噴射剤を含む懸濁媒体と、
2つ以上の活性剤と、
1種または複数種の活性剤粒子と、
1種または複数種の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、前記1種または複数種の活性剤粒子が前記2つ以上の活性剤のうち少なくとも1つを含み、前記活性剤粒子と懸濁粒子とが会合していることを特徴とするステップと、
前記定量噴霧式吸入器を作動させて前記2つ以上の活性剤を前記患者に呼吸器送達するステップと、
を含む方法。
【請求項32】
薬学的に許容できる共懸濁剤を供給するステップが、短時間作用性のβ作動剤、長時間作用性および超長時間作用性のβアドレナリン受容体作動剤(LABA)、コルチコステロイド、抗炎症剤、鎮咳剤、気管支拡張剤、ムスカリン拮抗剤、および長時間作用性のムスカリン拮抗剤(LAMA)である活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択される2つ以上の活性剤を含む共懸濁剤を供給するステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
薬学的に許容できる共懸濁剤を供給するステップが、前記少なくとも1種の懸濁粒子のうち少なくとも1種が活性剤を含み、前記2つ以上の活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤、ならびにベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択される共懸濁剤を供給するステップを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
薬学的に許容できる共懸濁剤を供給するステップが、少なくとも2つの異なる種の活性剤粒子を含む共懸濁剤を供給するステップであって、前記少なくとも2種の活性剤粒子のそれぞれが異なる活性剤を含み、前記異なる活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤、ならびにベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択されるステップを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
薬学的に許容できる共懸濁剤を供給するステップが、少なくとも3つの異なる種の活性剤粒子を含む共懸濁剤を供給するステップであって、前記少なくとも3種の活性剤粒子のそれぞれが異なる活性剤を含み、前記異なる活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤、ならびにベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択されるステップを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
薬学的に許容できる共懸濁剤を供給するステップが、少なくとも2つの異なる種の活性剤粒子を含む共懸濁剤を供給するステップであって、前記少なくとも2種の活性剤粒子のそれぞれが異なる活性剤を含み、前記少なくとも1種の懸濁粒子のうち少なくとも1種が第3の活性剤を含み、前記異なる活性剤および前記2つ以上の活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウムから選択されるLAMA活性剤、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤から選択されるLABA活性剤、ならびにベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド活性剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択されるステップを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記定量噴霧式吸入器を作動させて前記2つ以上の活性剤を呼吸器送達するステップが、治療上有効量の、LAMA活性剤およびLABA活性剤を前記患者に同時に送達するステップであって、前記LAMA活性剤および前記LABA活性剤のそれぞれが、前記缶が空になるまで、±25%またはより良好なDDU、±20%またはより良好なDDU、および±15%またはより良好なDDUから選択されるDDUで前記患者に送達されるステップを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記LAMA活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウム(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択され、前記LABA活性剤が、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記定量噴霧式吸入器を作動させて前記LAMA活性剤およびLABA活性剤を呼吸器送達するステップが、前記LAMA活性剤およびLABA活性剤を最初の微細粒子分率で送達するステップを含み、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記最初の微細粒子分率が、前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が前記最初の微細粒子分率の80%以内に維持されるように実質的に維持される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の90%以内に維持される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の95%以内に維持される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記定量噴霧式吸入器を作動させて前記2つ以上の活性剤を呼吸器送達するステップが、治療上有効量の、LAMA活性剤およびコルチコステロイド活性剤を前記患者に同時に送達するステップであって、前記LAMA活性剤および前記コルチコステロイド活性剤のそれぞれが、前記缶が空になるまで、±25%またはより良好なDDU、±20%またはより良好なDDU、および±15%またはより良好なDDUから選択されるDDUで前記患者に送達されるステップを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項43】
前記LAMA活性剤が、グリコピロレート、デキシピロニウム、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウム(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択され、前記コルチコステロイド活性剤が、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロン(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記定量噴霧式吸入器を作動させて前記LAMA活性剤およびコルチコステロイド活性剤を呼吸器送達するステップが、前記LAMA活性剤およびコルチコステロイド活性剤を最初の微細粒子分率で送達するステップを含み、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記最初の微細粒子分率が、前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が前記最初の微細粒子分率の80%以内に維持されるように実質的に維持される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の90%以内に維持される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の95%以内に維持される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記定量噴霧式吸入器を作動させて前記2つ以上の活性剤を呼吸器送達するステップが、治療上有効量の、LABA活性剤およびコルチコステロイド活性剤を前記患者に同時に送達するステップであって、前記LABA活性剤および前記コルチコステロイド活性剤のそれぞれが、前記缶が空になるまで、±25%またはより良好なDDU、±20%またはより良好なDDU、および±15%またはより良好なDDUから選択されるDDUで前記患者に送達されるステップを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項48】
前記LABA活性剤が、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択され、前記コルチコステロイド活性剤が、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロン(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記定量噴霧式吸入器を作動させて前記LABA活性剤およびコルチコステロイド活性剤を呼吸器送達するステップが、前記LABA活性剤およびコルチコステロイド活性剤を最初の微細粒子分率で送達するステップを含み、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記最初の微細粒子分率が、前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が前記最初の微細粒子分率の80%以内に維持されるように実質的に維持される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の90%以内に維持される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の95%以内に維持される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記定量噴霧式吸入器を作動させて前記2つ以上の活性剤を呼吸器送達するステップが、治療上有効量の、LAMA活性剤、LABA活性剤およびコルチコステロイド活性剤を前記患者に同時に送達するステップであって、前記LAMA活性剤、前記LABA活性剤および前記コルチコステロイド活性剤のそれぞれが、前記缶が空になるまで、±25%またはより良好なDDU、±20%またはより良好なDDU、および±15%またはより良好なDDUから選択されるDDUで前記患者に送達されるステップを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項53】
前記LAMA活性剤が、グリコピロレート、チオトロピウム、トロスピウム、アクリジニウムおよびダロトロピウム(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択され、前記LABA活性剤が、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、ミルベテロール、インダカテロール、およびサリゲニンまたはインドールを含有しアダマンチル誘導性のβ作動剤(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択され、前記コルチコステロイド活性剤が、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロン(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)から選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記定量噴霧式吸入器を作動させて前記LAMA活性剤、LABA活性剤およびコルチコステロイド活性剤を呼吸器送達するステップが、前記LAMA活性剤、LABA活性剤およびコルチコステロイド活性剤を最初の微細粒子分率で送達するステップを含み、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記最初の微細粒子分率が、前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が前記最初の微細粒子分率の80%以内に維持されるように実質的に維持される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の90%以内に維持される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の95%以内に維持される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
定量噴霧式吸入器から送達できる医薬組成物であって、
薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と、
前記定量噴霧式吸入器の1作動当たり約15μg〜約80μgのグリコピロレート送達用量をもたらすのに十分な濃度で前記懸濁媒体中に懸濁させたグリコピロレート(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と、
前記定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で前記懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と、
約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈する有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、前記第1および第2の種の活性剤粒子が前記複数の懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成する医薬組成物。
【請求項58】
前記懸濁粒子の全質量対前記第1および第2の種の活性剤粒子の全質量の比率が、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される、請求項57に記載の医薬組成物。
【請求項59】
定量噴霧式吸入器から送達できる医薬組成物であって、
薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と、
前記定量噴霧式吸入器の1作動当たり約15μg〜約80μgのグリコピロレート送達用量をもたらすのに十分な濃度で前記懸濁媒体中に懸濁させたグリコピロレート(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む複数の活性剤粒子と、
ホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、前記複数の呼吸可能な懸濁粒子が、約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈し、前記定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で前記懸濁媒体中に含まれ、前記複数の活性剤粒子と会合して共懸濁剤を形成する医薬組成物。
【請求項60】
前記懸濁粒子の全質量対前記活性剤粒子の全質量の比率が、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される、請求項59に記載の医薬組成物。
【請求項61】
定量噴霧式吸入器から送達できる医薬組成物であって、
薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と、
前記定量噴霧式吸入器の1作動当たり約15μg〜約80μgのグリコピロレート送達用量をもたらすのに十分な濃度で前記懸濁媒体中に懸濁させたグリコピロレート(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含み、その少なくとも90体積%が7μmの光学直径を呈する第1の種の活性剤粒子と、
前記定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で前記懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と、
ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第3の種の活性剤粒子と、
約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈する有孔微細構造体を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、前記第1、第2および第3の種の活性剤粒子が前記複数の懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成する医薬組成物。
【請求項62】
前記懸濁粒子の全質量対第1、第2および第3の種の活性剤粒子の全質量の比率が、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される、請求項61に記載の医薬組成物。
【請求項63】
定量噴霧式吸入器から送達できる医薬組成物であって、
薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と、
前記定量噴霧式吸入器の1作動当たり約15μg〜約80μgのグリコピロレート送達用量をもたらすのに十分な濃度で前記懸濁媒体中に懸濁させたグリコピロレート(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第1の種の活性剤粒子と、
前記定量噴霧式吸入器の1作動当たり約2μg〜約10μgのホルモテロール送達用量をもたらすのに十分な濃度で前記懸濁媒体中に懸濁させたホルモテロール(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第2の種の活性剤粒子と、
有孔微細構造体、ならびに、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、前記懸濁粒子が、約1.5μm〜約10μmの光学直径体積中央値を呈し、前記第1および第2の種の活性剤粒子と会合して共懸濁剤を形成する医薬組成物。
【請求項64】
前記懸濁粒子の全質量対前記第1および第2の種の活性剤粒子の全質量の比率が、約3:1〜約15:1、および約2:1〜8:1から選択される、請求項63に記載の医薬組成物。
【請求項65】
LAMA活性剤とLABA活性剤との組合せを患者に呼吸器送達する方法であって、
薬学的に許容できる共懸濁剤を含有する缶を備える定量噴霧式吸入器を供給するステップであって、ここで、前記共懸濁剤が、
薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と、
グリコピロレート(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む第1の種の活性剤粒子と、
ホルモテロール(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む第2の種の活性剤粒子と、
複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、前記第1および第2の種の活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合していることを特徴とするステップと、
前記定量噴霧式吸入器を作動させて、前記缶が空になるまで、グリコピロレートおよびホルモテロールを前記患者に±20%またはより良好なDDUで呼吸器送達するステップと、
を含む方法。
【請求項66】
前記定量噴霧式吸入器を作動させてグリコピロレートおよびホルモテロールを前記患者に呼吸器送達するステップが、前記グリコピロレートおよびホルモテロールを最初の微細粒子分率で送達するステップを含み、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記最初の微細粒子分率が、前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が前記最初の微細粒子分率の80%以内に維持されるように実質的に維持される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が前記最初の微細粒子分率の90%以内に維持される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の95%以内に維持される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
LABA活性剤とLAMA活性剤との組合せを患者に呼吸器送達する方法であって、
薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と、
グリコピロレート(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む複数の活性剤粒子と、
ホルモテロール(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、前記複数の活性剤粒子が前記複数の懸濁粒子と会合する薬学的に許容できる共懸濁剤を含有する缶を備える定量噴霧式吸入器を供給するステップ、および
前記定量噴霧式吸入器を作動させて、前記缶が空になるまで、グリコピロレートおよびホルモテロールを前記患者に±20%またはより良好なDDUで呼吸器送達するステップ
を含む方法。
【請求項70】
前記定量噴霧式吸入器を作動させてグリコピロレートおよびホルモテロールを前記患者に呼吸器送達するステップが、前記グリコピロレートおよびホルモテロールを最初の微細粒子分率で送達するステップを含み、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記最初の微細粒子分率が、前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が前記最初の微細粒子分率の80%以内に維持されるように実質的に維持される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の90%以内に維持される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の95%以内に維持される、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
LAMA活性剤、LABA活性剤およびコルチコステロイド活性剤との組合せを患者に呼吸器送達する方法であって、
薬学的に許容できる共懸濁剤を含有する缶を備える定量噴霧式吸入器を供給するステップであって、ここで、共懸濁剤が、
薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と、
グリコピロレート(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む第1の種の活性剤粒子と、
ホルモテロール(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む第2の種の活性剤粒子と、
ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第3の種の活性剤粒子と、
複数の呼吸可能な懸濁粒子であり、前記第1、第2および第3の種の活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合する懸濁粒子とを含むステップと、
前記定量噴霧式吸入器を作動させて、前記缶が空になるまで、グリコピロレート、ホルモテロールおよびコルチコステロイド活性剤を前記患者に±20%またはより良好なDDUで呼吸器送達するステップと、
を含む方法。
【請求項74】
前記定量噴霧式吸入器を作動させてグリコピロレート、ホルモテロールおよびコルチコステロイド活性剤を前記患者に呼吸器送達するステップが、前記グリコピロレート、ホルモテロールおよびコルチコステロイド活性剤を最初の微細粒子分率で送達するステップを含み、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記最初の微細粒子分率が、前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が前記最初の微細粒子分率の80%以内に維持されるように実質的に維持される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の90%以内に維持される、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の95%以内に維持される、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
LAMA活性剤とLABA活性剤とコルチコステロイド活性剤との組合せを患者に呼吸器送達する方法であって、
薬学的に許容できる共懸濁剤を含有する缶を備える定量噴霧式吸入器を供給するステップであって、ここで、前記共懸濁剤が、
薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体と、
グリコピロレート(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む第1の種の活性剤粒子と、
ホルモテロール(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む第2の種の活性剤粒子と、
ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子とを含み、前記複数の活性剤粒子が前記第1および第2の種の懸濁粒子と会合することを特徴とするステップと、
前記定量噴霧式吸入器を作動させて、前記缶が空になるまで、グリコピロレート、ホルモテロールおよび前記コルチコステロイド活性剤を前記患者に±20%またはより良好なDDUで呼吸器送達するステップと、
を含む方法。
【請求項78】
前記定量噴霧式吸入器を作動させてグリコピロレート、ホルモテロールおよびコルチコステロイド活性剤を前記患者に呼吸器送達するステップが、前記グリコピロレート、ホルモテロールおよびコルチコステロイド活性剤を最初の微細粒子分率で送達するステップを含み、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記最初の微細粒子分率が、前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が前記最初の微細粒子分率の80%以内に維持されるように実質的に維持される、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の90%以内に維持される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記缶が空になるまで、前記定量噴霧式吸入器から送達される前記微細粒子分率が、前記最初の微細粒子分率の95%以内に維持される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
定量噴霧式吸入器による患者へのLAMA活性剤とLABA活性剤との組合せの呼吸器送達に適した組成物を調製する方法であって、
薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体を供給するステップと、
グリコピロレート(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む第1の種の活性剤粒子を供給するステップと、
ホルモテロール(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む第2の種の活性剤粒子を供給するステップと、
複数の呼吸可能な懸濁粒子を供給するステップと、
前記懸濁媒体、前記第1および第2の種の活性剤粒子、ならびに前記複数の呼吸可能な懸濁粒子を、前記第1および第2の種の活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成し、前記活性剤粒子中に含まれる前記活性剤のそれぞれについて、前記定量噴霧式吸入器から前記患者に送達した際に前記共懸濁剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数が、グリコピロレートまたはホルモテロールのうち1つのみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±20%以内であるように組み合わせるステップと
を含む方法。
【請求項82】
前記懸濁媒体、前記第1および第2の種の活性剤粒子、ならびに前記複数の呼吸可能な懸濁粒子を、前記第1および第2の種の活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成し、前記活性剤粒子中に含まれる前記活性剤のそれぞれについて、前記定量噴霧式吸入器から前記患者に送達した際に前記共懸濁剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数が、グリコピロレートまたはホルモテロールのうち1つのみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±15%以内であるように組み合わせるステップを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記懸濁媒体、前記第1および第2の種の活性剤粒子、ならびに前記複数の呼吸可能な懸濁粒子を、前記第1および第2の種の活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成し、前記活性剤粒子中に含まれる前記活性剤のそれぞれについて、前記定量噴霧式吸入器から前記患者に送達した際に前記共懸濁剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数が、グリコピロレートまたはホルモテロールのうち1つのみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±10%以内であるように組み合わせるステップを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
定量噴霧式吸入器による患者へのLAMA活性剤とLABA活性剤との組合せの呼吸器送達に適した組成物を調製する方法であって、
薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体を供給するステップと、
グリコピロレート(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む複数の活性剤粒子を供給するステップと、
ホルモテロール(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子を供給するステップと、
前記懸濁媒体、前記活性剤粒子、および前記複数の呼吸可能な懸濁粒子を、前記活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成し、前記共懸濁剤中に含まれる前記活性剤のそれぞれについて、前記定量噴霧式吸入器から前記患者に送達した際に前記共懸濁剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数が、グリコピロレートまたはホルモテロールのうち1つのみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±20%以内であるように組み合わせるステップと
を含む方法。
【請求項85】
前記懸濁媒体、前記活性剤粒子、および前記複数の呼吸可能な懸濁粒子を、前記活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成し、前記共懸濁剤中に含まれる前記活性剤のそれぞれについて、前記定量噴霧式吸入器から前記患者に送達した際に前記共懸濁剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数が、グリコピロレートまたはホルモテロールのうち1つのみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±15%以内であるように組み合わせるステップを含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記懸濁媒体、前記活性剤粒子、および前記複数の呼吸可能な懸濁粒子を、前記活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成し、前記共懸濁剤中に含まれる前記活性剤のそれぞれについて、前記定量噴霧式吸入器から前記患者に送達した際に前記共懸濁剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数が、グリコピロレートまたはホルモテロールのうち1つのみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±10%以内であるように組み合わせるステップを含む、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
定量噴霧式吸入器による患者へのLAMA活性剤、LABA活性剤およびコルチコステロイド活性剤との組合せの呼吸器送達に適した組成物を調製する方法であって、
薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体を供給するステップと、
グリコピロレート(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む第1の種の活性剤粒子を供給するステップと、
ホルモテロール(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む第2の種の活性剤粒子を供給するステップと、
ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む第3の種の活性剤粒子を供給するステップと、
複数の呼吸可能な懸濁粒子を供給するステップと、
前記懸濁媒体、前記第1、第2および第3の種の活性剤粒子、ならびに前記複数の呼吸可能な懸濁粒子を、前記第1、第2および第3の種の活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成し、前記活性剤粒子中に含まれる前記活性剤のそれぞれについて、前記定量噴霧式吸入器から前記患者に送達した際に前記共懸濁剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数が、グリコピロレート、ホルモテロールまたはコルチコステロイドのうち1つのみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±20%以内であるように組み合わせるステップと
を含む方法。
【請求項88】
前記懸濁媒体、前記第1、第2および第3の種の活性剤粒子、ならびに前記複数の呼吸可能な懸濁粒子を、前記第1、第2および第3の種の活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成し、前記活性剤粒子中に含まれる活性剤のそれぞれについて、前記定量噴霧式吸入器から前記患者に送達した際に前記共懸濁剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数が、グリコピロレートまたはホルモテロールのうち1つのみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±15%以内であるように組み合わせるステップを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記懸濁媒体、前記第1、第2および第3の種の活性剤粒子、ならびに前記複数の呼吸可能な懸濁粒子を、前記第1、第2および第3の種の活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成し、前記活性剤粒子中に含まれる前記活性剤のそれぞれについて、前記定量噴霧式吸入器から前記患者に送達した際に前記共懸濁剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数が、グリコピロレート、ホルモテロールまたはコルチコステロイドのうち1つのみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±10%以内であるように組み合わせるステップを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
定量噴霧式吸入器による患者へのLAMA活性剤、LABA活性剤およびコルチコステロイド活性剤との組合せの呼吸器送達に適した組成物を調製する方法であって、
薬学的に許容できるHFA噴射剤を含む懸濁媒体を供給するステップと、
グリコピロレート(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む第1の種の活性剤粒子を供給するステップと、
ホルモテロール(その薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を包含する)を含む第2の種の活性剤粒子を供給するステップと、
ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンから選択されるコルチコステロイド(その任意の薬学的に許容できる塩、エステル、異性体または溶媒和物を含む)を含む複数の呼吸可能な懸濁粒子を供給するステップと、
前記懸濁媒体、前記第1および第2の種の活性剤粒子、ならびに前記複数の呼吸可能な懸濁粒子を、前記第1および第2の種の活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成し、前記共懸濁剤中に含まれる前記活性剤のそれぞれについて、前記定量噴霧式吸入器から前記患者に送達した際に前記共懸濁剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数が、グリコピロレート、ホルモテロール、コルチコステロイドのうち1つのみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±20%以内であるように組み合わせるステップと
を含む方法。
【請求項91】
前記懸濁媒体、前記第1および第2の種の活性剤粒子、ならびに前記複数の呼吸可能な懸濁粒子を、前記活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成し、前記共懸濁剤中に含まれる前記活性剤のそれぞれについて、前記定量噴霧式吸入器から前記患者に送達した際に前記共懸濁剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数が、グリコピロレート、ホルモテロールまたはコルチコステロイドのうち1つのみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±15%以内であるように組み合わせるステップを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記懸濁媒体、前記第1および第2の種の活性剤粒子、ならびに前記複数の呼吸可能な懸濁粒子を、前記活性剤粒子が前記懸濁粒子と会合して共懸濁剤を形成し、前記共懸濁剤中に含まれる前記活性剤のそれぞれについて、前記定量噴霧式吸入器から前記患者に送達した際に前記共懸濁剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数が、グリコピロレート、ホルモテロールまたはコルチコステロイドのうち1つのみを含む類似製剤により達成されるエアロゾル特性、粒子サイズ分布の特徴、送達用量均一性および経時血漿濃度のうち1つまたは複数の±10%以内であるように組み合わせるステップを含む、請求項90に記載の方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2012−528792(P2012−528792A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513319(P2012−513319)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/036676
【国際公開番号】WO2010/138884
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(511288061)パール セラピューティクス,インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】