3次元メモリアレイ用のアーキテクチャ
【課題】アレイ内のセル特性におけるばらつきを補償する技術を提供するとともに、レベルの違いによって起こる複雑性を少なくする3次元集積回路メモリを提供する。
【解決手段】異なるバイアス条件を選択されたビット線に適用することによりアレイ内のメモリセルの閾値電圧のばらつき補償する技術を開示する。また、グローバルビット線を3次元アレイ内の様々なレベルのメモリセルに接続してグローバルビット線間の静電容量差を最小化させる技術を開示する。
【解決手段】異なるバイアス条件を選択されたビット線に適用することによりアレイ内のメモリセルの閾値電圧のばらつき補償する技術を開示する。また、グローバルビット線を3次元アレイ内の様々なレベルのメモリセルに接続してグローバルビット線間の静電容量差を最小化させる技術を開示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、複数のレベルのメモリセルを配列して3次元(3D)アレイを提供するメモリデバイス等、セル特性におけるばらつきがアレイ内で変化する高密度メモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路のデバイスの最小線幅が、一般のメモリセル技術の限界まで縮小されアレイが大型化するのに伴い、アレイ内のメモリセルは、センシングマージンに影響を及ぼす程変化する特性を持つようになる可能性がある。高密度を実現しようとする1つの傾向において、設計者は、記憶容量がより大きくビット当たりのコストがより低いものを実現する技術を探し求めてきた。例えば、非特許文献1及び非特許文献2においては、薄膜トランジスタ技術を電荷トラップメモリ技術に適用している。
【0003】
また、非特許文献3では、交点アレイ技術をアンチヒューズ型メモリに適用している。非特許文献3に記載されている設計では、複数のレベルのワード線とビット線が設けられ、その交点に記憶素子が設けられる。記憶素子は、ワード線に接続されたp+ポリシリコンアノード及びビット線に接続されたn-ポリシリコンカソードを含み、アノードとカソードはアンチヒューズ材料によって分離される。
【0004】
3次元アレイでは、様々なレベルにおける構造の電気的特性の差によって、プログラミング、消去、充電蓄積のダイナミクスにおける違いや、様々なレベルのメモリセルのメモリ状態に対応する閾値電圧のばらつきを引き起す可能性がある。従って、レベル毎に許容できるマージンの範囲内で同じ閾値電圧を達成するために、プログラミング工程及び消去工程を、何らかの方法でターゲットセルのレベルに伴って変えるようにしなければならない。このようなばらつきは、メモリセルの耐久性の問題及び他の複雑な問題を引き起こす可能性がある。
【0005】
3次元アレイでは、様々なレベルのアレイにアクセスするために配列されたグローバルビット線等のアクセス線は、アクセス線に結合された回路が遭遇する静電容量やインダクタンスが、アクセスしているセルの位置(例えば、アレイのどのレベルか等)に基づいて可変となるようにレイアウトすることができる。例えば、グローバルビット線は、典型的には、メモリセルを読み出したり書き込んだりするために用いられるデコーダ回路まで延びる。様々なレベルへの垂直コネクタ間の違い及びレベル間の他の違いによって、グローバルビット線間の静電容量がばらつく可能性がある。静電容量におけるこれらのばらつきは、読み出し動作、プログラム動作、消去動作の間のグローバルビット線電圧に影響を及ぼし、プログラムされた状態と消去された状態の間のマージンを大きくしたり、最悪の場合の静電容量のためにセンシング時間が遅くなったりする等、仕様書要求事項となってしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ライ(Lai)等、「マルチレイヤスケーラブル薄膜トランジスタ(TFT)NAND型フラッシュメモリ(A Multi-Layer Stackable Thin-Film transistor (TFT) NAND-Type Flash Memory)」、米国電気電子学会国際電子デバイス会議(IEEE Int’l Electron Devices Meeting)、2006年12月11日〜13日
【非特許文献2】ジュン(Jung)等、「単結晶Si層のILDへの積層及び30nm超ノード用のTANOS構造を用いた3次元に積層されたNAND型フラッシュメモリ技術(Three Dimensionally Stacked NAND-Type Flash Memory Technology Using Stacking Single Crystal Si Layers on ILD and TANOS Structure for Beyond 30nm Node)」米国電気電子学会国際電子デバイス会議(IEEE Int’l Electron Devices Meeting)、2006年12月11日〜13日
【非特許文献3】ジョンソン(Johnson)等、「ダイオード/アンチヒューズ型メモリセルの3次元アレイを備えた512−MbPROM(512-Mb PROM With a Three-Dimensional Array of Diode/Anti-fuse Memory cells)」、米国電気電子学会国際固体回路会議論文集(IEEE J. of Solid-State Circuits)、第38巻、 第11号、2003年11月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのため、アレイ内のセル特性におけるばらつきを補償する技術を提供するとともに、レベルの違いによって起こる複雑性を少なくする3次元集積回路メモリを提供することが所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書では、異なるバイアス条件を選択されたビット線に適用することによりアレイのメモリセル間の閾値電圧のばらつきを補償する技術を説明する。
【0009】
前記補償技術は、3次元アレイを含むメモリアーキテクチャ及び3次元アレイを含まないメモリアーキテクチャにおいて展開して、閾値電圧のばらつきの原因となる動的セル特性を管理することができる。
【0010】
3次元アレイでは、異なるバイアス条件をアレイの各レベルのビット線、好ましくは、ローカルビット線に適用することによりレベル間の閾値電圧のばらつきを補償するレベルに依存した読み出し動作を説明する。
【0011】
また、グローバルビット線を含むアクセス線を3次元アレイの様々なレベルのメモリセルに接続してグローバルビット線間の静電容量差を最小化する技術も説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本明細書に説明したように動作可能なNANDフラッシュメモリアレイを含む集積回路の簡略化したブロック図である。
【図2】3次元NANDフラッシュメモリアレイの一部分の概略図である。
【図3】3次元NANDフラッシュメモリアレイの一部分の例示的斜視図である。
【図4】下部レベルにおいてメモリセル領域を形成する半導体材料帯片の厚さが上部レベルにおける厚さよりも厚い一例を示す。
【図5】4つの異なるレベルにおける多くのプラグラムされたメモリセルの閾値電圧の例示的分布を示す。
【図6】本明細書に説明するような、レベルに依存した読み出し動作を実施するための動作順序のフローチャートである。
【図7】選択されたメモリセルに対してレベルに依存した読み出し動作を行うために用いるのに適した回路の概略図である。
【図8】図7に示した回路を操作してレベルに依存した読み出し動作を行うための例示的タイミング図である。
【図9】複数のレベルのメモリセルを有する複数のブロックへのグローバルビット線の接続を例示的に示すレイアウト図である。
【図10】図9に示した構造における垂直コネクタの断面図を示す。
【図11】図9に示した構造における垂直コネクタの断面図を示す。
【図12】図9に示した構造における垂直コネクタの断面図を示す。
【図13】図9に示した構造における垂直コネクタの断面図を示す。
【図14】複数のレベルのメモリセルにそれぞれ結合されたグローバルビット線を有する3次元メモリアレイを含む集積回路の簡略化したブロック図である。
【図15】1つの復号化構造においてグローバルビット線をページバッファに接続する方法を示す概略図である。
【図16】複数のレベルのメモリセルにそれぞれ結合されたグローバルビット線を有する3次元NANDフラッシュメモリアレイ構造の斜視図である。
【図17】図16に示した構成に配列されたメモリセルを有する複数のマルチレベルブロックへのグローバルビット線の接続を例示的に示すレイアウト図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書では、異なるバイアス条件を選択されたビット線に適用することによりアレイにおけるメモリセル間の閾値電圧のばらつきを補償する技術を説明する。
【0014】
補償技術は、3次元アレイを含むメモリアーキテクチャにおいて展開することができるとともに、3次元アレイを含まないメモリアーキテクチャにも展開することができ、閾値電圧のばらつきを引き起こす動的セル特性を管理することを提供するものである。
【0015】
本明細書に説明したような集積回路デバイスには、1つのメモリアレイと複数のバイアス回路が含まれる。バイアス回路は、セルに対して読み出し動作又は他の動作を行っている間に異なるバイアス条件を選択されたメモリセル用のビット線に適用することで、メモリアレイの物理的な構成内の選択されたメモリセルの位置と相関するとともにアレイにおけるメモリセルのメモリ状態に対応する閾値電圧のばらつきを補償する。例えば、3次元アレイにおけるメモリセルのレベル又は平面と相関するばらつき等、メモリアレイの物理的配列内における選択されたメモリセルの位置と相関するこれらの閾値電圧におけるばらつきは、セル当たり1ビットよりも多く記憶するための複数の閾値レベルを設定するために誘発される閾値電圧のばらつきから区別されるものである。
【0016】
ページの複数のセルをアレイ内の異なる位置に配置することができるページアクセス中等、異なるバイアス条件を複数のビット線に同時に適用することができる。ページ読み出しの中等の単一の読み出しコマンドに応答して読み出しアクセス中に時間的に重ねてデータを複数のメモリセルから提供することによりバイアス条件が適用される場合、本明細書の目的に対してバイアス条件は「同時に」適用される。
【0017】
3次元アレイにおける、異なる読み出しバイアス条件をアレイの各レベルのローカルビット線に適用してレベル間の閾値電圧のばらつきを補償するレベルに依存した読み出し動作を説明する。レベルに依存した読み出し動作は、異なるワード線WL電圧を印加することなく展開することができる。又は、その動作を可能とするアレイアーキテクチャにおいて異なるWL電圧と組み合わせることによって展開することができる。
【0018】
本明細書に説明した集積回路には、複数のレベルのメモリセルを含むメモリアレイが含まれる。複数のレベルにおけるレベルには、ローカルビット線及び、当該ローカルビット線に結合されたメモリセルが含まれる。グローバルビット線は、アレイのローカルビット線の対応する組に結合される。集積回路は、メモリアレイの中のメモリセルを選択するための復号回路を含む。さらに、集積回路は、選択されたバイアス電圧を提供するためのグローバルビット線に結合されたバイアス回路も含む。バイアス回路は、制御信号に応答して、選択されたメモリセルに対応するグローバルビット線に対するバイアス電圧を選択する。
【0019】
本明細書では、グローバルビット線を3次元アレイにおける様々なレベルのメモリセルに接続して、グローバルビット線間の静電容量差を最小化させることができる技術も説明する。一態様において、グローバルビット線のそれぞれに結合されたレベルのレベル指数の統計関数(例えば、合計、平均等)が定数と等しくなるように、様々なレベルへのコネクタをグローバルビット線の上に配列する。
【0020】
本明細書に説明される集積回路は、複数のブロックを含む。複数のブロックにおけるブロックは、複数のレベルL(z)を含む。複数のレベルにおけるレベルL(z)はそれぞれ、その対応するメモリセルに結合された、行に沿った複数のワード線及び列に沿った複数のローカルビット線を有するメモリセルの2次元アレイを含む。さらに、集積回路は、複数のグローバルビット線も含む。複数のグローバルビット線におけるグローバルビット線は、複数のコネクタを含む。任意のグローバルビット線に結合された複数のコネクタにおけるコネクタは、複数のブロックにおける対応するローカルビット線に結合される。ここに説明する実施形態では、任意のグローバルビット線の上において、複数のブロックのうちの1つのブロックにおける対応するローカルビット線が、複数のブロックのうちの他のブロックにおける対応するローカルビット線とは異なるレベルL(z)上にある。同一のグローバルビット線を線に沿った異なるブロックの異なるレベルに結合させることにより、グローバルビット線の静電容量を調節することができる。また、この設計手法をメモリセルの複数のブロックを共有するグローバルビット線の組に適用することで、グローバルビット線の組の各部材の静電容量を等しくなるように近づけることができる。バイアス回路は、選択されたメモリセルのレベルL(z)に基づいて、選択されたメモリセルのメモリ状態に対応する閾値電圧のばらつきを補償する複数のグローバルビット線に結合させることができる。
【0021】
本発明の実施形態を、図1〜図17を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は、本明細書に説明したように動作可能なNANDフラッシュメモリアレイ160を含む集積回路175の簡略化したブロック図である。実施形態によっては、アレイ160は、複数のレベルのセルを含むことができる。行デコーダ161は、メモリアレイ160の行に沿って配列された複数のワード線162に結合される。ブロック166の列デコーダは、データバス167を介して、この例ではページバッファの組に結合される。グローバルビット線164は、メモリアレイ160の列に沿って配列されたローカルビット線(図示せず)に結合される。バス165においてアドレスを列デコーダ(ブロック166)及び行デコーダ(ブロック161)に供給する。データは、データ入力線173を介して、汎用プロセッサ又は専用アプリケーション回路等の集積回路上の他の回路174(例えば、入出力ポート等)、又は、アレイ160によってサポートされたシステムオンチップ(system on a chip)の機能を提供するモジュールの組み合わせから供給される。データは、入出力ポート又は、集積回路175の内部又は外部の他のデータ送り先へと線173を介して供給される。
【0023】
この例において状態マシン169として実装されたコントローラは、信号を提供して、ブロック168において単一の電源又は複数の電源によって発生した、又は、提供されたバイアス配列供給電圧の印加を制御して、本明細書に説明する様々な動作を実行する。これらの動作には、消去、プログラム及び、アレイ160の各レベルに対して異なる読み出しバイアス条件でレベルに依存した読み出しを行うことが含まれる。コントローラは、当技術分野において公知の専用ロジック回路を用いて実現することができる。代替的実施形態においてコントローラは、同じ集積回路に実装してもよい、デバイスの動作を制御するためにコンピュータプログラムを実行する汎用プロセッサを含む。さらに他の実施形態においては、専用ロジック回路及び汎用プロセッサの組み合わせを、コントローラの実現のために利用してもよい。
【0024】
明確にするために、本明細書で用いた「プログラム」という用語は、メモリセルの閾値電圧を上げる動作を言う。プログラムされたメモリセルに記憶されたデータは、論理「0」又は論理「1」として表すことができる。本明細書で用いた「消去」という用語は、メモリセルの閾値電圧を下げる動作を言う。消去されたメモリセルに記憶されたデータは、論理「1」又は論理「0」のようにプログラムされた状態の逆として表すことができる。また、設計者を満足させるように、マルチビットセルを様々な閾値レベルにプログラムするとともに、単一の最小閾値レベル又は単一の最大閾値レベルに消去することができる。さらに、本明細書に説明した「書込み」という用語は、メモリセルの閾値電圧を変更する動作を説明するものであり、プログラム及び消去の両方を含むことを意図するものである。
【0025】
図2は、図1のデバイスのようなデバイスにおいて使用可能な3次元フラッシュメモリアレイの一部の概略図である。この例では、メモリセルの3レベルを示し、多くのレベルを含むことができるメモリセルのブロックを表す。
【0026】
ワード線WLn-1,WLn,WLn+1を含む複数のワード線は、第1の方向に沿って平行に延びる。ワード線は、行デコーダ261と電気的に連絡している。ワード線は、NANDストリングとして直列に配列される、メモリセルのゲートに接続される。ワード線WLnは、ワード線を表す。図2に示したように、ワード線WLnは、ワード線WLnの下にある様々なレベルのそれぞれのメモリセルのゲートに垂直に接続される。
【0027】
複数のローカルビット線は、列に沿って配列され、メモリアレイの様々なレベルにおいてNANDストリングを形成する。図2に示したように、アレイは、ローカルビット線BL31を第3レベルに、ローカルビット線BL21を第2レベルに、ローカルビット線BL11を第1レベルに備える。メモリセルは、対応するワード線と対応するローカルビット線との間に電荷トラップ構造を有する。この説明図においては、分かりやすくするために、1つのNANDストリングに3つのメモリセルを示す。例えば、第3レベルのローカルビット線BL31によって形成されたNANDストリングは、メモリセル220,222,224を備える。典型的な実施においては、NANDストリングは、16個、32個又はそれ以上のメモリセルを備えることができる。
【0028】
ストリング選択線SSLn-1,SSLn,SSLn+1を含む複数のストリング選択線は、ストリングのグループを選択するグループデコーダ258(行デコーダ261の一部であっても良い)と電気的に連絡している。ストリング選択線は、メモリセルNANDストリングの第1の端部に配列されたストリング選択トランジスタのゲートに接続される。図2に示したように、ストリング選択線のそれぞれは、様々なレベルのそれぞれのストリング選択トランジスタの列のゲートに垂直に接続される。例えば、ストリング選択線SSLn+1は、3つのレベルのストリング選択トランジスタ210,212,214に接続される。
【0029】
特定のレベルにあるローカルビット線は、対応するストリング選択トランジスタによって特定のレベルにある延設部に選択的に結合される。例えば、第3レベルのローカルビット線は、そのレベルにある対応するストリング選択トランジスタによって延設部240に選択的に結合される。同様に、第2レベルのローカルビット線は、延設部242に選択的に結合され、第1レベルのローカルビット線は、延設部244に選択的に結合される。
【0030】
それぞれのレベルの延設部は、対応するグローバルビット線に結合された垂直コネクタと接触するために対応するコンタクトパッドを含む。例えば、第3レベルの延設部240は、コンタクトパッド230及び垂直コネクタ200を介してグローバルビット線GBLn-1に結合される。第2レベルの延設部242は、コンタクトパッド232及び垂直コネクタ202を介してグローバルビット線GBLnに結合される。第1レベルの延設部244は、グローバルビット線GBLn+1に結合される。
【0031】
グローバルビット線GBLn-1,GBLn,GBLn+1は、アレイの追加的なブロック(図示せず)に結合され、ページバッファ263に延びる。このようにして、1本のワード線、全て又は何本かのビット線及び、1本のストリング選択線を用いて選択されたメモリセルのページにアクセスする3次元の復号化ネットワークが確立される。
【0032】
ブロック選択トランジスタは、NANDストリングの第2の端部に配列される。例えば、ブロック選択トランジスタ260は、メモリセル220,222,224によって形成されたNANDストリングの第2の端部に配列される。グランド選択線GSLは、ブロック選択トランジスタのゲートに接続される。グランド選択線GSLは、行デコーダ261と電気的に連絡して、本明細書に説明した動作中にバイアス電圧を受ける。
【0033】
ブロック選択トランジスタを用いて、ブロックにおける全てのNANDストリングの第2の端部を、共通ソース線CSLに提供された基準電圧に選択的に結合させる。共通ソース線CSLは、本明細書に説明した動作中にバイアス回路(ここでは図示せず)からバイアス電圧を受ける。本明細書に説明した動作によっては、共通ソース線CSLは、グランドでの、又は、グランド近くのより伝統的な「ソース」としての役割としてではなく、NANDストリングの他端に結合されたビット線よりも大きい基準電圧にバイアスされる。
【0034】
図3は、選択されたセルのレベルに相関する閾値電圧のばらつきを説明するために、読み出し動作中にレベルに依存したバイアスを適用することができる3次元NANDフラッシュメモリアレイの一例の部分を例示的に示す斜視図である。図3では、3次元アレイを形成するワード線及びビット線が見えるようにするために充填材料は取り除いてある。
【0035】
メモリアレイは、下地の半導体又は他の構造(図示せず)を覆う絶縁層310の上に形成される。メモリアレイは、ワード線WL1,WL2として機能し、行デコーダへの接続のために配列される複数の導電線325−1,325−2を含む。シリサイドの層は、導電線325−1,325−2の上面に形成することができる。
【0036】
導電線325−1,325−2は、様々なレベルにおけるローカルビット線として機能する半導体材料帯片と共形である。例えば、半導体材料帯片312は、第3レベルでローカルビット線として機能し、半導体材料帯片313は、第2レベルでローカルビット線として機能し、半導体材料帯片314は、第1レベルにおいてローカルビット線として機能する。半導体材料帯片は、絶縁層(図示せず)によって分離される。
【0037】
半導体材料帯片は、p型半導体材料であっても良い。導電線325−1,325−2は、同一又は異なる導電型を有する半導体材料又は、他の導電性ワード線材料であっても良い。例えば、半導体材料帯片は、p型ポリシリコン又はp型単結晶シリコンを用いて作成することができる。一方、導電線325−1,325−2は、比較的高密度にドープされたp+型ポリシリコンを用いて作成することができる。
【0038】
或いは、半導体材料帯片は、n型半導体材料であっても良い。導電線325−1,325−2は、同一又は異なる導電型を有する半導体材料であっても良い。このn型帯片の配置が、埋込みチャンネル型空乏層式電荷トラップメモリになる。例えば、半導体材料帯片は、n型ポリシリコン又はn型単結晶シリコンを用いて作成することができる。一方、導電線325−1,325−2は、比較的高密度にドープされたp+型ポリシリコンを用いて作成することができる。n型半導体材料帯片に対する典型的なドーピング濃度は、およそ1018/cm3であってもよく、利用可能な実施形態では、1017/cm3から1019/cm3の範囲内とすることができる。n型半導体材料帯片の使用は、無接合の実施形態において特に有益であり、NANDストリングに沿って電気伝導度を改善させることで、より高い読出し電流を可能とする。
【0039】
メモリセルは、導電線325−1,325−2と、ローカルビット線として機能する半導体材料帯片との間に電荷蓄積構造を有する。例えば、メモリセル380は、導電線325−1と、第3レベルでローカルビット線として機能する半導体材料帯片との間に形成される。この説明図においては、分かりやすくするために、1つのNANDストリングにおいて2つのメモリセルを示す。ここに説明した実施形態では、各メモリセルは、対応する半導体材料帯片と導電線325−1,325−2との間のインターフェースの両側にあるアクティブな電荷蓄積領域を有する二重ゲート電界効果トランジスタである。
【0040】
この例では、電荷蓄積構造は、トンネル層と、電荷トラップ層と阻止層とを備える。ある実施形態では、トンネル層は、シリコン酸化膜(O)、電荷蓄積層は、シリコン窒化膜(N)及び、阻止層は、シリコン酸化膜(O)である。或いは、メモリセルは、例えば、酸窒化ケイ素(SixOyNz)、シリコンリッチ窒化物、シリコンリッチ酸化物、埋込まれたナノ粒子を含むトラップ層等を含む他の電荷蓄積構造を含んでも良い。
【0041】
ある実施形態では、ゼロバイアス下で逆「U」字型価電子帯を形成する材料の複合体を含む誘電体トンネル層を含む、バンドギャップ動作SONOS(BE−SONOS)電荷蓄積構造を用いることができる。ある実施形態では、複合トンネル誘電層は、正孔トンネル層と呼ばれる第1の層と、バンドオフセット層と呼ばれる第2の層と、分離層と呼ばれる第3の層を含む。本実施形態にける層の正孔トンネル層は、例えば、その場発生水蒸気(ISSG)法を、堆積後NOアニール又は堆積の間にNOを雰囲気に加えることによる任意の窒化物形成とともに用いて半導体材料帯片の側面に形成された二酸化ケイ素を含む。二酸化ケイ素の第1の層の厚さは、20Åよりも薄く、15Å以下であることが好ましい。代表的な実施形態での厚さは、10Å又は12Åである。
【0042】
ストリング選択線SSLn,SSLn+1は、メモリセルNANDストリングの第1の端部のストリング選択トランジスタのゲートに接続される。ストリング選択トランジスタは、対応するNANDストリングの半導体材料帯片とマルチレベルストリングゲート構造との間に形成される。例えば、ストリング選択トランジスタ350は、半導体材料帯片312とストリング選択ゲート構造329との間に形成され、ストリング選択ゲート構造329は、コンタクトプラグ365を介してストリング選択線SSLnに結合される。
【0043】
半導体材料帯片は、延設部によって同一レベルの他の半導体材料帯片に選択的に結合される。例えば、第3レベルの半導体材料帯片は、延設部340を介して互いに選択的に結合される。同様に、第2レベルの半導体材料帯片は、延設部342を介して互いに選択的に結合され、第1レベルの半導体材料帯片は、延設部344に選択的に結合される。
【0044】
第3レベルの延設部340は、コンタクトパッド330及び垂直コネクタ300を介してグローバルビット線GBLn-1に結合される。第2レベルの延設部342は、コンタクトパッド332及び垂直コネクタ302を介してグローバルビット線GBLnに結合される。第3レベルの延設部344は、グローバルビット線GBLn+1に結合される。
【0045】
グローバルビット線GBLn―1,GBLn,GBLn+1は、アレイの追加的なブロック(図示せず)に結合され、ページバッファ263に延びる。
【0046】
ブロック選択トランジスタは、NANDストリングの第2の端部に配列される。例えば、ブロック選択トランジスタ351は、半導体材料帯片312によって形成されるNANDストリングの第2の端部に配列される。グランド選択線GSLとして機能するゲート構造349は、ブロック選択トランジスタのゲートに接続される。
【0047】
ブロック選択トランジスタを用いて、ブロックにおける全てのNANDストリングの第2の端部を、共通ソース線CSL370に提供された基準電圧に選択的に結合させる。共通ソース線CSL370は、ワード線と平行に延びる。
【0048】
図3に図示した構造は、例えば、参照することで本明細書に全てが記載されているものとして本明細書に援用される、2011年1月31日に出願された米国特許出願番号第13/018,110号に説明されている技術を用いて製造することができる。
【0049】
動作中、メモリセルのそれぞれは、その閾値電圧に基づいてデータ値を記憶する。選択されたメモリセルの読み出し又は書込みは、適切な電圧をワード線、ビット線、ストリング選択線、グランド選択線、共通ソース線に適用することにより達成することができる。
【0050】
プログラミング動作では、適切な電圧を印加して、選択されたメモリセルの電荷蓄積層への電子のトンネル現象を誘導する。プログラミング動作は、選択されたメモリセルの閾値電圧を増加させる。選択されたメモリセルは、例えば、ファウラーノルドハイム(FN:Fowler−Nordheim)電子トンネル効果を用いてプログラミングしても良い。
【0051】
消去動作では、適切な電圧を印加して、選択されたメモリセルの電荷蓄積層への正孔トンネル現象又は、電荷蓄積層からの電子トンネル現象を誘導する。消去の動作は、選択されたメモリセルの閾値電圧を低減させる。
【0052】
読み出し動作では、適切な読み出し電圧が印加されるので、選択されたメモリセルを流れる電流を感知することができる。データ値は、読み出し動作中に選択されたメモリセルを流れる電流に基づいて決定することができる。読み出し電圧は、消去されたメモリセルが読み出し動作中にターンオン(すなわち、電流を通)し、プログラムされたメモリセルがオフ(すなわち、電流を全く或いは、ほとんど通さない)のままであるように選択しても良い。
【0053】
3次元アレイでは、レベルの差は、電荷蓄積ダイナミクスの差となり、様々なレベルおけるメモリセルのメモリ状態に対応する閾値電圧のばらつきを招く可能性がある。図4は、下部レベルでのメモリセルのチャネル領域を形成する半導体材料帯片の厚さが上部レベルでの厚さよりも厚い例を示す。この、チャネル厚の差は、デバイスを形成するために用いたエッチング工程によって生じることがある。
【0054】
メモリセルの各レベルに対して同一のプログラミング動作及び消去動作を用いる場合、チャネル厚の差及び、レベルの差は、様々なレベルにおけるメモリセルの閾値電圧の分布を広げてしまう可能性がある。図5は、4つの異なるレベルにおける多くのプラグラムされたメモリセルに対する閾値電圧の分布を例示的に示す。図5に示した例では、レベル4のプログラムされたメモリセルは、レベル1のプログラムされたメモリセルの分布510よりも概して高い分布500の範囲内の閾値電圧を有する。
【0055】
従って、メモリセルの各レベルについて特定のメモリ状態対して同じ閾値電圧を実現するためには、プログラミング工程及び消去工程は、何らかの方法で選択したメモリセルのレベルに伴って変化するように構成することができる。このようにすることで、メモリセルの耐久性の問題及び他の複雑な問題を引き起こす可能性がある。
【0056】
また、各レベルに対して同一の読み出し動作を用いる場合、様々なレベルにあるメモリセルの閾値電圧のばらつきにより、プログラムされた状態と消去された状態の間の読み出しマージンが減少する。読み出しマージンが狭くなればなるほど複雑な回路が要求され、読み出しプロセスが遅くなってしまう可能性がある。
【0057】
より広い読み出しマージンを実現する1つの技術として、下部レベルのメモリセルを読み出しかつ検証するために低いワード線電圧を印加し、上部レベルのメモリセルを読み出しかつ検証するために高いワード線電圧を印加するものがある。この手法は、図5においてVREADと表示された読み出し電圧用の4つの異なる線及びVPVと表示されたプログラム検証電圧用の4つの異なる線によって表されている。しかしながらワード線は、図2及び図3に示したアレイ構成において各レベルのメモリセルに結合されるので、選択されたメモリセルのレベルに基づいて異なるワード線電圧を印加することで、各レベルのメモリセルを同時に読み出すことを妨げる。
【0058】
本明細書に説明したレベルに依存した読み出し動作は、異なる読み出しバイアス条件を、アレイ160の各レベルのセルへアクセスするためのビット線に適用することで閾値電圧のばらつきを補償するので、異なるレベルにある読み出し動作用のビット線の電流が、例え異なるレベルにあるメモリセル用の閾値電圧が異なっていても、より狭い分布範囲内に収まったままとなる。そうすることで、本明細書に説明した技術は、各レベルについてプログラムされた状態と消去された状態との間の読み出しマージンを、異なる読み出しワード線電圧を要求することなく比較的広く保つことができる。
【0059】
図6は、本明細書に説明するようにレベルに依存した読出し動作を行うための動作順序600のフローチャートである。
【0060】
ステップ610において、特定のアドレスに対する読み出しコマンドを受ける。
【0061】
ステップ620において、デコーダ回路によってアドレスを復号し、3次元の実施形態におけるレベル等、アドレスに関連付けられた選択されたメモリセルの物理的な位置を特定する。デコーダ回路は、アドレスに対応して選択されたメモリセルの位置を示す制御信号を生成する。
【0062】
ステップ630において、バイアス回路は、制御信号に応答して選択されたメモリセルのビット線を、選択されたメモリセルの位置又はレベルに依存する電圧レベルまで予めチャージする。
【0063】
ステップ640において、読み出し動作を選択したメモリセルに行って記憶されたデータ値を決定する。そして、ステップ650において、データをページバッファから出力する。
【0064】
図7は、選択されたメモリセル700に対してレベルに依存した読み出し動作を行うために用いるのに適した回路の概略図である。この例では、読み出しは、レベルに依存する。他の例では、読み出しは、セクタ又はセグメントの範囲内のセルが特定の範囲内にある読み出し特性を有する、3次元又は2次元アレイの他のセクタ又はセグメントの範囲内にある選択されたメモリセルの位置に依存することができる。
【0065】
選択されたメモリセル700は、アレイの特定のレベルにおけるローカルビット線BL710によって形成されたNANDストリングの一部である。NANDストリングも、メモリセル702及びメモリセル704を含む。ストリング選択トランジスタ712は、ビット線710をコンタクトパッド714及び垂直コネクタ716を介してグローバルビット線720に選択的に結合させる。ストリング選択トランジスタ712のゲートは、ストリング選択線SSL718に接続される。
【0066】
ブロック選択トランジスタ706は、NANDストリングの第2の端部を共通ソース線CSL708に結合させる。
【0067】
グローバルビット線720は、列デコーダ回路(図示せず)によってグローバルビット線720用のページバッファ回路を介してセンシング回路730に結合される。信号であるBLCLAMP、VBOOST、BLPWR、BLPRECHG及び、PBENは、図8のタイミング図を参照して以下に説明する通り、電源及び、プレチャージ間隔及びセンシング間隔を含む読み出し動作のタイミング及び実行を制御するために用いられる制御論理(ボックス750〜754によって概略的に表す)によって提供される。アレイの特定のレベルの選択されたメモリセル又は、他のセクタやセグメントの位置に基づき、セル位置デコーダ760を用いて以下に説明するようにVBOOST信号及びBLCLAMP信号を生成するために用いるセル位置情報を提供する。実施形態によっては、セル位置デコーダ760は、3次元アレイ用の平面復号化のために用いたものと同一の回路である(例えば、図15参照)。
【0068】
クランプトランジスタM1をグローバルビット線720とデータ線DLIBとの間に結合する。信号BLCLAMPは、クランプトランジスタM1のゲートに接続される。
【0069】
プレチャージトランジスタM2は、データ線DLIBに接続された第1の端子と、ビット線電力BLPWR信号に結合された第2の端子と、信号BLPRECHGに結合されたゲートと、を有する。制御可能な電源752は、実行されている制御順序によって決まる電圧レベル及びタイミングでBLPWR信号を印加する。制御回路753は、実行されている制御順序によって決まる電圧レベル及びタイミングでBLPRECHG信号を印加する。
【0070】
信号VBOOSTも、コンデンサC1を介してデータ線DLIBに結合される。制御可能な電源751は、実行されている制御順序によって決まる電圧レベル及びタイミングでVBOOST信号を印加する。
【0071】
イネーブルトランジスタM3は、データ線DLIBとラッチに基づく増幅回路740との間に配列される。制御信号PBENは、イネーブルトランジスタM3のゲートに接続される。制御論理754は、実行されている制御順序によって決まる電圧レベル及びタイミングでPBEN信号を印加する。
【0072】
図8は、図7に示した回路を操作して選択されたメモリセル700に対するレベルに依存した読み出し動作を行うための例示的タイミング図である。集積回路上の制御回路を配列して、図8に示したように、メモリアレイのバイアス回路、ワード線及び、他の回路を制御することにより、読み出し動作中にシーケンスを起こす。
【0073】
読み出し動作を初期化する際に、制御信号BLCLAMP、VBOOST、BLPWR、BLPRECHG、PBENを印加して読み出し動作のタイミングを制御する。
【0074】
時間間隔T0では、選択されていないメモリセル704及び702のゲートに結合されたワード線WL0及びWL2を、選択されていないメモリセル704及び702をターンオンするために十分な電圧値VPASSRまでチャージする。選択したメモリセル700のゲートに結合されたワード線WL1は、電圧値VREADまでチャージされる。VREADは、(1つのビットセルに対して)消去された状態では選択したメモリセル700をターンオンするのに十分であり、プログラムされた状態では選択されたメモリセル700をターンオンするには不十分である。説明した実施形態では、電圧値VREADは、メモリセルの各レベルに対して略同じである。ストリング選択線718を高い値までチャージしてストリング選択トランジスタ712をターンオンする。グランド選択線GSLは低い値に設定してブロック選択トランジスタ706をターンオフする。
【0075】
選択したローカルビット線710は、制御可能な電圧BLCLAMP及びタイミング信号BLPRECHGを高いレベルに設定するとともに制御可能な電圧BLPWRをグランドに設定することによりM1及びM2を通してグランドまで放電される。共通ソース線CSLは、高いレベルまでチャージされ、選択されていないローカルビット線(図示せず)をチャージする。選択されていないビット線は、それぞれのバイアス回路を介して共通ソース線CSLのレベルまで予めチャージされる。
【0076】
時間間隔T1では、BLPWR信号を、例えば2.3ボルト等中間電圧値に変えて、M2を通してデータ線DLIBをチャージする。BLCLAMP信号は、選択されたメモリセル700のレベルに基づいて電圧値VBLCLAMP1までバイアスされる。VBLCLAMP1の値についてタイミング図において4本の線で表したように、選択されたメモリセルによって決まる異なる判断基準を提供するために、異なるバイアスレベルが(このアーキテクチャにおいては、選択されたメモリセルに対応する)各アレイレベルに用いられる。すなわち、アレイの異なるレベルにあるビット線は、異なる電圧レベルに予めチャージされる。このように、異なるプレチャージビット線レベルにより、異なるレベルのセル間の閾値電圧差を補償することができる。予めチャージされたビット線電圧レベルBLは、時間間隔T1でのVBLCLAMP1とトランジスタM1の閾値電圧との差によって与えられる。
【0077】
時間間隔T2では、BLCLAMP信号及びBLPRECHG信号を低いレベルに設定してM1及びM2をオフにすることにより、選択されたビット線710及びデータ線DLIBを浮動させる。グランド選択線GSLを高いレベルまでチャージしてブロック選択トランジスタ706をターンオンすることにより、NANDストリングの第2の端部を共通ソース線CSL708に結合させる(レベルは高いまま)。選択したビット線710は、BLのタイミング図において、高閾値電圧HVTメモリ状態(電流が遮断されているために平坦)の分岐線及び低閾値電圧LVTメモリ状態(電流がCSLからDLIBに流れるために増加)の分岐線を有する4本の線で表したように、選択されたメモリセル700を流れるセル電流に基づいてチャージされる。時間間隔T2では一部で、データ線DLIBの電圧レベルを、選択されたメモリセル700のレベルに基づいてVBOOST信号に対して異なる電圧レベル(VBOOST1)を印加することによってより高い電圧まで昇圧しても良い。これにより、VBOOST及びDLIBのタイミング図において4本の線で表したように、時間間隔T3においてデータ線DLIB上で揺れる電圧をより大きくすることができる。
【0078】
時間間隔T3では一部で、制御信号BLCLAMPを電圧値VBLCLAMP2までバイアスする。VBLCLAMP2も、VBLCLAMP2のタイミング図において4本の線によって表されたように、選択されたメモリセル700のレベルに基づく。VBLCLAMP2の電圧値は、時間間隔T1で印加された電圧値VBLCLAMP1の値よりも大きくすることができる。例えば、VBLCLAMP2は、任意の選択されたメモリセルに対して、VBLCLAMP1よりも大きい0.2ボルトであっても良い。
【0079】
時間間隔T2の後、選択されたビット線710がM1の閾値電圧を引いたVBLCLAMP2の値より低い電圧までチャージされた場合、VBLCLAMP2が印加された時にM1がターンオンする。これにより、選択されたビット線710がデータ線DLIBに結合され、図8のDLIBの配線上の領域800に見られるようにその間の電圧レベルが等しくなる。時間間隔T2の後、選択されたビット線710がM1の閾値電圧を引いたVBLCLAMP2の値より高い電圧までチャージされた場合、M1はターンオフする。これにより、データ線DLIBの電圧レベルが保持される。
【0080】
データ線DLIBにおける電圧レベルを設定した後で、信号VBOOSTを低い値に設定して、センス増幅器でのラッチ設定のために適したDLIBレベルを提供する。センス増幅器は、時間間隔T3のちょうど終わり又は終わる前の時間間隔におけるDLIBの電圧に基づいてデータを感知することができる。
【0081】
時間T4では、全ての信号が初期状態に回復する。
【0082】
従って、説明した集積回路は、メモリアレイが、対応するセンシング回路に結合されるデータ線の組の中から対応するデータ線にそれぞれのクランプトランジスタを介して結合された複数のビット線を含み、バイアス回路が、メモリアレイの選択されたメモリセルの読み出し動作中にタイミング信号に応答し、データ線に接続されたプレチャージ回路及び、選択されたメモリセルに依存するクランプトランジスタの制御端子にバイアス電圧を印加するバイアス電源を含む。
【0083】
この例のメモリアレイは、グランド選択トランジスタとストリング選択トランジスタ、グランド選択線とストリング選択線及び、ワード線をそれぞれが有する複数のNANDストリングを含むとともに、メモリアレイに結合された制御回路とバイアス回路を含み、選択されたNANDストリングおにける選択されたセルの読み出し動作のために、メモリセルの選択されたページのNANDストリングに同時に適用することができるシーケンスを起こすNANDアレイを備える。シークエンスには、以下が含まれる。
第1の時間間隔T0で、読み出すためのターゲットレベルまで選択されたNANDストリングに結合されたワード線をチャージするとともに、グランド選択トランジスタがオフ、かつ、ストリング選択トランジスタがオンの間にプレチャージ回路を介してビット線を低い基準電圧まで放電し、
第2の時間間隔T1で、データ線を読み出し基準電圧まで予めチャージして第1のクランプ電圧を、選択されたメモリセルに依存するクランプトランジスタに印加することにより、データ線及び選択されたNANDストリングのビット線を、選択されたメモリセルによって決まるレベルまで予めチャージし、
第3の時間間隔T2で、クランプトランジスタをターンオフしてプレチャージ回路をデータ線から切断し、読み出しバイアス電圧をソース線に印加する間にグランド選択トランジスタをターンオンし、
第4の時間間隔T3で、第1のクランプ電圧よりも大きい第2のクランプ電圧を、選択されたメモリセルに依存するクランプトランジスタに印加してデータ線のレベルを感知して、選択されたメモリセルに記憶されたデータの値を示す。
【0084】
ここに説明した実施形態では、バイアス回路は、読み出し動作中にタイミング信号に応答するとともに、データ線に結合されて昇圧量によってデータ線の電圧を容量的に昇圧させる昇圧回路を含む。昇圧電源を昇圧回路に結合して選択されたメモリセルによって決まる昇圧量を設定し、シーケンスには、第4の時間間隔又はその前の、データ線のレベルを感知する前にブースト電圧を印加してデータ線を昇圧することが含まれる。
【0085】
本明細書に説明した読み出し動作は、3次元アレイを含むメモリアーキテクチャ及び3次元アレイを含まないメモリアーキテクチャに適用して、異なるWL電圧を印加することなく、又は、それを可能とするアレイアーキテクチャにおいて異なるWL電圧と組み合わせることにより、閾値電圧のばらつきを引き起こす動的セル特性を管理することができる。
【0086】
上述したように、3次元アレイにおいては、グローバルビット線は、垂直コネクタ及びコンタクトパッドを介して様々なレベルのメモリセルのローカルビット線に結合される。
【0087】
様々なレベルへの垂直コネクタ及びコンタクトパッドの違い及びレベル差によって、グローバルビット線間の全体の静電容量に差がでる可能性がある。例えば、図3に戻って参照すると、コンタクトパッド330及びレベル3の垂直コネクタ300は、コンタクトパッド332及びレベル2の垂直コネクタ302とは異なる静電容量を有する。これらの差により、グローバルビット線の全体の静電容量のばらつきを引き起し、ひいては、速度及び電圧と電流の大きさの両方の観点において読み出しマージンが縮小する可能性あり、動作中のアレイの他の特性にも影響を及ぼす可能性がある。
【0088】
図9は、複数のレベルのメモリセルを有する複数のブロックへのグローバルビット線GBL1〜GBL8の接続を例示的に示すレイアウト図である。図10〜図13は、各ブロックの垂直コネクタの断面図を示す。
【0089】
ブロックのそれぞれは、それぞれの2次元アレイのメモリセルを有する複数のレベルを含む。メモリセルの各2次元アレイには、複数のワード線と、アレイの対応するメモリセルに結合された複数のビット線が含まれる。例えば、2次元アレイは、上述したようにNAND構成に実装しても良い。或いは、他のアレイ構成を用いても良い。
【0090】
ブロック大きさ及びブロックの数は、実施形態によって異なる。実施形態によっては、ブロックのそれぞれの大きさは、例えば、2KB(キロバイト)、4KB、8KB、又は16KBとすることができる。
【0091】
グローバルビット線GBL1〜GBL8は、垂直コネクタを介して様々なレベルのブロックにおけるローカルビット線(図示せず)に結合される。この例では、分かりやすくするために、ブロックのそれぞれには、4つのレベルが含まれる。垂直コネクタが、覆っているグローバルビット線を結合するレベルは、レベル指数1,2,3,4によって示される。例えば、グローバルビット線GBL1は、レベル1のコネクタを介してメモリブロックBlockN−1の第1レベル内のローカルビット線に結合され、レベル2のコネクタを介してメモリブロックBlockNの第2レベル内のローカルビット線に結合され、レベル3のコネクタを介してメモリブロックBlockN+1の第3レベル内のローカルビット線に結合され、レベル4のコネクタを介してメモリブロックBlockN+2の第4レベル内のローカルビット線に結合される。
【0092】
この例では、ブロック毎の垂直コネクタは、各レベルのコンタクトパッドを、図3に示したような階段のステップのように配列することにより実装することができる「ローカルビット線への階段状コネクタ構造」と記された領域内に配置される。
【0093】
グローバルビット線GBL1〜GBL8のそれぞれをアレイ全体の様々なレベルに結合させることにより、グローバルビット線GBL1〜GBL8の静電容量差を小さくすることができる。
【0094】
例示した実施形態では、コネクタは、グローバルビット線GBL1〜GBL8のそれぞれに対して対応するローカルビット線のレベル指数の合計が定数と等しくなるように配置される。或いは、コネクタは、例えば、平均等のレベル指数の他の統計関数が定数と等しくなるように配列されても良い。一般的にコネクタは、特定の実施例に合うようにグローバルビット線間の静電容量のばらつきを選択するように配置されても良い。
【0095】
このように、グローバルビット線GBL1〜GBL8の静電容量差を小さくすることができる、又は、選択された極限範囲内で制御することができる。これにより、プログラムされた状態と消去された状態との間の読み出しマージンを広くすることができる。
【0096】
図14は、複数のレベルのメモリセルにそれぞれ結合されたグローバルビット線を有する3次元メモリアレイ1460を含む集積回路1475の簡略化したブロック図である。行デコーダ1466を、メモリアレイ1460の行に沿って配列された複数のワード線1462に結合させる。列デコーダ1466は、この例ではデータバス1467を介してページバッファ1463に結合される。平面デコーダ1464は、ページバッファ1463に結合される。グローバルビット線1464は、メモリアレイ1460の様々なレベルの列に沿って配列されたローカルビット線(図示せず)に結合される。バス1465においてアドレスを列デコーダ1466、行デコーダ1461及び平面デコーダ1464に供給する。データは、入出力ポート又は、集積回路の内部又は外部の他のデータソースから線1473を介して供給される。例示した実施形態では、他の回路1474が、汎用プロセッサ又は専用アプリケーション回路等の集積回路、又は、アレイ1460によって支持されたシステムオンチップの機能を提供するモジュールの組み合わせに含まれる。データは、入出力ポート又は、集積回路の内部又は外部の他のデータ送り先へと線1473を介して供給される。
【0097】
この例において状態マシン1469として実装されたコントローラは、制御信号を提供して、ブロック1468において単一の電源又は複数の電源を介して発生した又は提供されたバイアス配列供給電圧の印加を制御して、消去、プログラム及び、アレイ1460の各レベルに対して異なる読み出しバイアス条件を有するレベルに依存した読み出し等、本明細書に記載した様々な動作を実行する。あわせて、コントローラ1469及びブロック1468は、図7でブロック750〜754で表したバイアス回路及び論理を含むことができる。コントローラは、当技術分野において公知の専用ロジック回路を用いて実現することができる。代替的実施形態においてコントローラは、同じ集積回路に実装してもよい、デバイスの動作を制御するためにコンピュータプログラムを実行する汎用プロセッサを含む。さらに他の実施形態においては、専用ロジック回路及び汎用プロセッサの組み合わせを、コントローラの実現のために利用してもよい。
【0098】
図15は、グローバルビット線GBL1〜GBL8を、その組み合わせが図14のページバッファ1463に対応するページバッファ1511〜1518に接続する方法を示す概略図である。ページバッファ1511〜1518は、例えば、図7の回路のような回路を含むことができる。セル位置に対してバイアスするビット線を補償するバイアス回路を含む実施形態において、ページバッファは、クランプトランジスタ、昇圧コンデンサ、ラッチ、ビット線電源用の充電回路を含む。
【0099】
図14の平面デコーダ1464のような平面デコーダは、複数のグローバルビット線に結合されたスイッチ回路を含み、バイアス電圧を選択されたメモリセルのレベルL(Z)に基づいて選択されたグローバルビット線に印加する。この例のこのスイッチ回路は、電圧スイッチ1500,1502,1504,1506を備える。この例では、アドレスに対して読み出し動作を初期化すると、平面デコーダ1464は、アドレスを復号して、アドレスに関連付けられた選択されたメモリセルの物理的位置やブロック及びレベルを特定する。スイッチ回路は、メモリセルのページにアクセスするために選択されたグローバルビット線に、バイアス電圧を電圧スイッチを介して同時に印加するように構成することができる。
【0100】
電圧スイッチ1500,1502,1504,1506は、ブロック1468(図14参照)における単一の電源又は複数の電源を通して発生した、又は、提供された異なる電圧信号Vsource1、Vsource2、Vsource3、Vsource4を受ける。電圧スイッチ1500,1502,1504,1506は、電圧信号Vsource1、Vsource2、Vsource3、Vsource4のうちの1つを、上述したレベルに依存した制御信号BLCLAMPとして出力する。レベルに依存した制御信号BLCLAMPを、グローバルビット線GBL1〜GBL8に結合されたページバッファ回路内のクランプトランジスタ(図示せず)に提供する。上述したように、レベルに依存した制御信号BLCLAMPは、選択されたメモリセルのグローバルビット線及びローカルビット線を、本明細書に説明したレベルに依存した読み出し動作の間に予めチャージする。
【0101】
図15では、ページバッファ1511〜1518のそれぞれは、異なるグローバルビット線に結合されるので、広く、平行した読み出し動作が可能となる。
【0102】
説明した例では、グローバルビット線GBL1及びGBL8は、各ブロックにおいて同一レベル内の異なる組のビット線に接続される。従って、電圧スイッチ1500の出力は、グローバルビット線GBL1に結合されたページバッファ1(1511)とグローバルビット線GBL8に結合されたページバッファ2(1515)の両方に提供される。
【0103】
図16は、それぞれが複数のレベルのメモリセルに結合されたグローバルビット線を有し、レベルに依存したバイアスを本明細書に説明したように印加できる3次元フラッシュメモリアレイ構造の他の例の斜視図である。この例では、メモリセルの4レベルが示されており、多くのレベルを含むことができるメモリセルのブロックの代表的なものである。
【0104】
絶縁材料は、追加的構造を見えるようにするために図面からは省いてある。例えば、絶縁層は、隆起したスタック状の半導体帯片の間で省かれ、半導体帯片の隆起したスタックの間でも省かれている。
【0105】
多層アレイが絶縁層の上に形成され、多層アレイには、ワード線WLn,WLn-1,...として機能する、複数の隆起したスタックと共形の複数の導電線1625−1,...,1625−n−1,1625−nが含まれる。複数の隆起したスタックには、ローカルビット線として機能する半導体帯片が含まれる。同一レベルの半導体帯片は、階段状に配列されたコンタクトパッドを有する延設部によってまとめて電気的に結合される。
【0106】
全体の構造の後ろから前に向かって1からNへ昇順するワード線の示した番号付けは、メモリページにも適用する。奇数のメモリページには、ワード線の番号付けは、全体構造の後ろから前に向かってNから1へと降順する。
【0107】
示したように、ブロックの第1の端部にある延設部1602,1603,1604,1605は、異なるグローバルビット線GBL1〜GBL4に電気的に接続される。同様に、延設部1652,1653,1654,1655は、異なるグローバルビット線GBL1〜GBL4に電気的に接続される。
【0108】
半導体帯片の任意のスタックは、延設部1602,1603,1604,1605又は延設部1652,1653,1654,1655のどちらか一方に結合されるが、両方には結合されない。半導体帯片のスタックは、ビット線の端部からソース線の端部への方向及びソース線の端部からビット線の端部への方向の2つの反対の方向のうちの一方を有する。
【0109】
延設部1652,1653,1654,1655によって1つの端部で終端された半導体帯片のスタックは、SSLゲート構造1619、グランド選択線GSL1626、ワード線1625−1WL〜1625−NWL、グランド選択線GSL1627を通過し、ソース線1628によって他端で終端される。半導体帯片のこれらのスタックは、延設部1602,1603,1604,1605には到達しない。
【0110】
延設部1602,1603,1604,1605によって1つの端部で終端された半導体帯片のスタックは、SSLゲート構造1609、グランド選択線GSL1627、ワード線1625−NWL〜1625−1WL、グランド選択線GSL1626を通過し、ソース線1628(図の他の部分によって隠されている)によって他端で終端される。半導体帯片のこれらのスタックは、延設部1652,1653,1654,1655には到達しない。
【0111】
電荷蓄積構造は、ワード線1625−1〜1625−nを半導体帯片から分離する。グランド選択線GSL1626及びGSL1627は、ワード線と同様に、複数の隆起したスタックと共形である。
【0112】
グローバルビット線GBL1〜GBL4は、金属層ML1,ML2,ML3に形成される。図の他の部分によって隠されているが、示した例では、各グローバルビット線GBL1〜GBL4は、2つの異なるレベルのメモリセルのブロックに結合される。例えば、図では、グローバルビット線GBL1は、第4レベルでローカルビット線として機能する半導体帯片の組に接続される延設部1605に結合されるとともに、第1レベルにおいてローカルビット線として機能する半導体帯片の組に接続される延設部1652に結合される。このことは、以下、図17でさらに議論する。
【0113】
図17は、図16に示した構成に配列されたメモリセルを有する複数のマルチレベルブロックへのグローバルビット線GBL1〜GBL8の接続を例示的に示すレイアウト図である。
【0114】
グローバルビット線GBL1〜GBL8は、垂直コネクタを介して様々なレベルブロックにおけるローカルビット線(図示せず)に結合される。この例では、分かりやすくするために、ブロックのそれぞれには、4つのレベルが含まれる。垂直コネクタが、覆っているグローバルビット線を結合するレベルは、レベル指数1,2,3,4によって示される。
【0115】
例えば、グローバルビット線GBL1は、レベル1のコネクタを介して、メモリブロックBlockMの第1レベル内のローカルビット線の組に結合され、レベル2のコネクタを介して、メモリブロックBlockMの第2レベル内のローカルビット線の組に結合され、レベル3のコネクタを介して、メモリブロックBlockM+1の第3レベル内のローカルビット線の組に結合される。
【0116】
ブロック毎の垂直コネクタは、各レベルのコンタクトパッドを、図17に示したような階段のステップのように配列することにより実装することができる「ローカルビット線への階段状コネクタ構造」と記された領域内にある。
【0117】
図16及び図17の例では、グローバルビット線GBL1〜GBL8は、第3の金属層にパターン形成され、ストリング選択線SSL1〜SSL8は、第1及び第2の金属層にパターン形成される。ストリング選択線は、下層のストリングと平行である第1の金属セグメント及びワード線と平行である第2の金属セグメントを介してブロックの交互端部のストリング選択トランジスタに結合される。ブロックMにおいてワード線と平行なセグメントは、説明図ではSSL1〜SSL8と記される。金属層間の垂直接続は、「×が付けられた」ボックスで示される。ワード線WLx及び、各ブロックの上部及び底部の偶数と奇数のグランド選択線GSL1及びGSL2は、この例では、ポリシリコン層等のパターン形成された導体層で第1金属層の下に実装される。
【0118】
本発明は、詳述した好適な実施形態及び例を参照して開示されているが、これらの例示は限定する意味においてではなく、例示を意図するものであることが理解される。当業者であれば、本発明の精神及び以下の請求項の範囲内である修正及び組み合わせを容易に行うことができるものと考えられる。
【符号の説明】
【0119】
160 NANDフラッシュメモリアレイ
161 行デコーダ
163 ページバッファ
165 アドレス
166 列デコーダ
168 バイアス配列供給電圧
169 プログラム、消去及びレベルに依存した読み出し動作用の状態マシン
174 他の回路
【技術分野】
【0001】
本技術は、複数のレベルのメモリセルを配列して3次元(3D)アレイを提供するメモリデバイス等、セル特性におけるばらつきがアレイ内で変化する高密度メモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路のデバイスの最小線幅が、一般のメモリセル技術の限界まで縮小されアレイが大型化するのに伴い、アレイ内のメモリセルは、センシングマージンに影響を及ぼす程変化する特性を持つようになる可能性がある。高密度を実現しようとする1つの傾向において、設計者は、記憶容量がより大きくビット当たりのコストがより低いものを実現する技術を探し求めてきた。例えば、非特許文献1及び非特許文献2においては、薄膜トランジスタ技術を電荷トラップメモリ技術に適用している。
【0003】
また、非特許文献3では、交点アレイ技術をアンチヒューズ型メモリに適用している。非特許文献3に記載されている設計では、複数のレベルのワード線とビット線が設けられ、その交点に記憶素子が設けられる。記憶素子は、ワード線に接続されたp+ポリシリコンアノード及びビット線に接続されたn-ポリシリコンカソードを含み、アノードとカソードはアンチヒューズ材料によって分離される。
【0004】
3次元アレイでは、様々なレベルにおける構造の電気的特性の差によって、プログラミング、消去、充電蓄積のダイナミクスにおける違いや、様々なレベルのメモリセルのメモリ状態に対応する閾値電圧のばらつきを引き起す可能性がある。従って、レベル毎に許容できるマージンの範囲内で同じ閾値電圧を達成するために、プログラミング工程及び消去工程を、何らかの方法でターゲットセルのレベルに伴って変えるようにしなければならない。このようなばらつきは、メモリセルの耐久性の問題及び他の複雑な問題を引き起こす可能性がある。
【0005】
3次元アレイでは、様々なレベルのアレイにアクセスするために配列されたグローバルビット線等のアクセス線は、アクセス線に結合された回路が遭遇する静電容量やインダクタンスが、アクセスしているセルの位置(例えば、アレイのどのレベルか等)に基づいて可変となるようにレイアウトすることができる。例えば、グローバルビット線は、典型的には、メモリセルを読み出したり書き込んだりするために用いられるデコーダ回路まで延びる。様々なレベルへの垂直コネクタ間の違い及びレベル間の他の違いによって、グローバルビット線間の静電容量がばらつく可能性がある。静電容量におけるこれらのばらつきは、読み出し動作、プログラム動作、消去動作の間のグローバルビット線電圧に影響を及ぼし、プログラムされた状態と消去された状態の間のマージンを大きくしたり、最悪の場合の静電容量のためにセンシング時間が遅くなったりする等、仕様書要求事項となってしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ライ(Lai)等、「マルチレイヤスケーラブル薄膜トランジスタ(TFT)NAND型フラッシュメモリ(A Multi-Layer Stackable Thin-Film transistor (TFT) NAND-Type Flash Memory)」、米国電気電子学会国際電子デバイス会議(IEEE Int’l Electron Devices Meeting)、2006年12月11日〜13日
【非特許文献2】ジュン(Jung)等、「単結晶Si層のILDへの積層及び30nm超ノード用のTANOS構造を用いた3次元に積層されたNAND型フラッシュメモリ技術(Three Dimensionally Stacked NAND-Type Flash Memory Technology Using Stacking Single Crystal Si Layers on ILD and TANOS Structure for Beyond 30nm Node)」米国電気電子学会国際電子デバイス会議(IEEE Int’l Electron Devices Meeting)、2006年12月11日〜13日
【非特許文献3】ジョンソン(Johnson)等、「ダイオード/アンチヒューズ型メモリセルの3次元アレイを備えた512−MbPROM(512-Mb PROM With a Three-Dimensional Array of Diode/Anti-fuse Memory cells)」、米国電気電子学会国際固体回路会議論文集(IEEE J. of Solid-State Circuits)、第38巻、 第11号、2003年11月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのため、アレイ内のセル特性におけるばらつきを補償する技術を提供するとともに、レベルの違いによって起こる複雑性を少なくする3次元集積回路メモリを提供することが所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書では、異なるバイアス条件を選択されたビット線に適用することによりアレイのメモリセル間の閾値電圧のばらつきを補償する技術を説明する。
【0009】
前記補償技術は、3次元アレイを含むメモリアーキテクチャ及び3次元アレイを含まないメモリアーキテクチャにおいて展開して、閾値電圧のばらつきの原因となる動的セル特性を管理することができる。
【0010】
3次元アレイでは、異なるバイアス条件をアレイの各レベルのビット線、好ましくは、ローカルビット線に適用することによりレベル間の閾値電圧のばらつきを補償するレベルに依存した読み出し動作を説明する。
【0011】
また、グローバルビット線を含むアクセス線を3次元アレイの様々なレベルのメモリセルに接続してグローバルビット線間の静電容量差を最小化する技術も説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本明細書に説明したように動作可能なNANDフラッシュメモリアレイを含む集積回路の簡略化したブロック図である。
【図2】3次元NANDフラッシュメモリアレイの一部分の概略図である。
【図3】3次元NANDフラッシュメモリアレイの一部分の例示的斜視図である。
【図4】下部レベルにおいてメモリセル領域を形成する半導体材料帯片の厚さが上部レベルにおける厚さよりも厚い一例を示す。
【図5】4つの異なるレベルにおける多くのプラグラムされたメモリセルの閾値電圧の例示的分布を示す。
【図6】本明細書に説明するような、レベルに依存した読み出し動作を実施するための動作順序のフローチャートである。
【図7】選択されたメモリセルに対してレベルに依存した読み出し動作を行うために用いるのに適した回路の概略図である。
【図8】図7に示した回路を操作してレベルに依存した読み出し動作を行うための例示的タイミング図である。
【図9】複数のレベルのメモリセルを有する複数のブロックへのグローバルビット線の接続を例示的に示すレイアウト図である。
【図10】図9に示した構造における垂直コネクタの断面図を示す。
【図11】図9に示した構造における垂直コネクタの断面図を示す。
【図12】図9に示した構造における垂直コネクタの断面図を示す。
【図13】図9に示した構造における垂直コネクタの断面図を示す。
【図14】複数のレベルのメモリセルにそれぞれ結合されたグローバルビット線を有する3次元メモリアレイを含む集積回路の簡略化したブロック図である。
【図15】1つの復号化構造においてグローバルビット線をページバッファに接続する方法を示す概略図である。
【図16】複数のレベルのメモリセルにそれぞれ結合されたグローバルビット線を有する3次元NANDフラッシュメモリアレイ構造の斜視図である。
【図17】図16に示した構成に配列されたメモリセルを有する複数のマルチレベルブロックへのグローバルビット線の接続を例示的に示すレイアウト図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書では、異なるバイアス条件を選択されたビット線に適用することによりアレイにおけるメモリセル間の閾値電圧のばらつきを補償する技術を説明する。
【0014】
補償技術は、3次元アレイを含むメモリアーキテクチャにおいて展開することができるとともに、3次元アレイを含まないメモリアーキテクチャにも展開することができ、閾値電圧のばらつきを引き起こす動的セル特性を管理することを提供するものである。
【0015】
本明細書に説明したような集積回路デバイスには、1つのメモリアレイと複数のバイアス回路が含まれる。バイアス回路は、セルに対して読み出し動作又は他の動作を行っている間に異なるバイアス条件を選択されたメモリセル用のビット線に適用することで、メモリアレイの物理的な構成内の選択されたメモリセルの位置と相関するとともにアレイにおけるメモリセルのメモリ状態に対応する閾値電圧のばらつきを補償する。例えば、3次元アレイにおけるメモリセルのレベル又は平面と相関するばらつき等、メモリアレイの物理的配列内における選択されたメモリセルの位置と相関するこれらの閾値電圧におけるばらつきは、セル当たり1ビットよりも多く記憶するための複数の閾値レベルを設定するために誘発される閾値電圧のばらつきから区別されるものである。
【0016】
ページの複数のセルをアレイ内の異なる位置に配置することができるページアクセス中等、異なるバイアス条件を複数のビット線に同時に適用することができる。ページ読み出しの中等の単一の読み出しコマンドに応答して読み出しアクセス中に時間的に重ねてデータを複数のメモリセルから提供することによりバイアス条件が適用される場合、本明細書の目的に対してバイアス条件は「同時に」適用される。
【0017】
3次元アレイにおける、異なる読み出しバイアス条件をアレイの各レベルのローカルビット線に適用してレベル間の閾値電圧のばらつきを補償するレベルに依存した読み出し動作を説明する。レベルに依存した読み出し動作は、異なるワード線WL電圧を印加することなく展開することができる。又は、その動作を可能とするアレイアーキテクチャにおいて異なるWL電圧と組み合わせることによって展開することができる。
【0018】
本明細書に説明した集積回路には、複数のレベルのメモリセルを含むメモリアレイが含まれる。複数のレベルにおけるレベルには、ローカルビット線及び、当該ローカルビット線に結合されたメモリセルが含まれる。グローバルビット線は、アレイのローカルビット線の対応する組に結合される。集積回路は、メモリアレイの中のメモリセルを選択するための復号回路を含む。さらに、集積回路は、選択されたバイアス電圧を提供するためのグローバルビット線に結合されたバイアス回路も含む。バイアス回路は、制御信号に応答して、選択されたメモリセルに対応するグローバルビット線に対するバイアス電圧を選択する。
【0019】
本明細書では、グローバルビット線を3次元アレイにおける様々なレベルのメモリセルに接続して、グローバルビット線間の静電容量差を最小化させることができる技術も説明する。一態様において、グローバルビット線のそれぞれに結合されたレベルのレベル指数の統計関数(例えば、合計、平均等)が定数と等しくなるように、様々なレベルへのコネクタをグローバルビット線の上に配列する。
【0020】
本明細書に説明される集積回路は、複数のブロックを含む。複数のブロックにおけるブロックは、複数のレベルL(z)を含む。複数のレベルにおけるレベルL(z)はそれぞれ、その対応するメモリセルに結合された、行に沿った複数のワード線及び列に沿った複数のローカルビット線を有するメモリセルの2次元アレイを含む。さらに、集積回路は、複数のグローバルビット線も含む。複数のグローバルビット線におけるグローバルビット線は、複数のコネクタを含む。任意のグローバルビット線に結合された複数のコネクタにおけるコネクタは、複数のブロックにおける対応するローカルビット線に結合される。ここに説明する実施形態では、任意のグローバルビット線の上において、複数のブロックのうちの1つのブロックにおける対応するローカルビット線が、複数のブロックのうちの他のブロックにおける対応するローカルビット線とは異なるレベルL(z)上にある。同一のグローバルビット線を線に沿った異なるブロックの異なるレベルに結合させることにより、グローバルビット線の静電容量を調節することができる。また、この設計手法をメモリセルの複数のブロックを共有するグローバルビット線の組に適用することで、グローバルビット線の組の各部材の静電容量を等しくなるように近づけることができる。バイアス回路は、選択されたメモリセルのレベルL(z)に基づいて、選択されたメモリセルのメモリ状態に対応する閾値電圧のばらつきを補償する複数のグローバルビット線に結合させることができる。
【0021】
本発明の実施形態を、図1〜図17を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は、本明細書に説明したように動作可能なNANDフラッシュメモリアレイ160を含む集積回路175の簡略化したブロック図である。実施形態によっては、アレイ160は、複数のレベルのセルを含むことができる。行デコーダ161は、メモリアレイ160の行に沿って配列された複数のワード線162に結合される。ブロック166の列デコーダは、データバス167を介して、この例ではページバッファの組に結合される。グローバルビット線164は、メモリアレイ160の列に沿って配列されたローカルビット線(図示せず)に結合される。バス165においてアドレスを列デコーダ(ブロック166)及び行デコーダ(ブロック161)に供給する。データは、データ入力線173を介して、汎用プロセッサ又は専用アプリケーション回路等の集積回路上の他の回路174(例えば、入出力ポート等)、又は、アレイ160によってサポートされたシステムオンチップ(system on a chip)の機能を提供するモジュールの組み合わせから供給される。データは、入出力ポート又は、集積回路175の内部又は外部の他のデータ送り先へと線173を介して供給される。
【0023】
この例において状態マシン169として実装されたコントローラは、信号を提供して、ブロック168において単一の電源又は複数の電源によって発生した、又は、提供されたバイアス配列供給電圧の印加を制御して、本明細書に説明する様々な動作を実行する。これらの動作には、消去、プログラム及び、アレイ160の各レベルに対して異なる読み出しバイアス条件でレベルに依存した読み出しを行うことが含まれる。コントローラは、当技術分野において公知の専用ロジック回路を用いて実現することができる。代替的実施形態においてコントローラは、同じ集積回路に実装してもよい、デバイスの動作を制御するためにコンピュータプログラムを実行する汎用プロセッサを含む。さらに他の実施形態においては、専用ロジック回路及び汎用プロセッサの組み合わせを、コントローラの実現のために利用してもよい。
【0024】
明確にするために、本明細書で用いた「プログラム」という用語は、メモリセルの閾値電圧を上げる動作を言う。プログラムされたメモリセルに記憶されたデータは、論理「0」又は論理「1」として表すことができる。本明細書で用いた「消去」という用語は、メモリセルの閾値電圧を下げる動作を言う。消去されたメモリセルに記憶されたデータは、論理「1」又は論理「0」のようにプログラムされた状態の逆として表すことができる。また、設計者を満足させるように、マルチビットセルを様々な閾値レベルにプログラムするとともに、単一の最小閾値レベル又は単一の最大閾値レベルに消去することができる。さらに、本明細書に説明した「書込み」という用語は、メモリセルの閾値電圧を変更する動作を説明するものであり、プログラム及び消去の両方を含むことを意図するものである。
【0025】
図2は、図1のデバイスのようなデバイスにおいて使用可能な3次元フラッシュメモリアレイの一部の概略図である。この例では、メモリセルの3レベルを示し、多くのレベルを含むことができるメモリセルのブロックを表す。
【0026】
ワード線WLn-1,WLn,WLn+1を含む複数のワード線は、第1の方向に沿って平行に延びる。ワード線は、行デコーダ261と電気的に連絡している。ワード線は、NANDストリングとして直列に配列される、メモリセルのゲートに接続される。ワード線WLnは、ワード線を表す。図2に示したように、ワード線WLnは、ワード線WLnの下にある様々なレベルのそれぞれのメモリセルのゲートに垂直に接続される。
【0027】
複数のローカルビット線は、列に沿って配列され、メモリアレイの様々なレベルにおいてNANDストリングを形成する。図2に示したように、アレイは、ローカルビット線BL31を第3レベルに、ローカルビット線BL21を第2レベルに、ローカルビット線BL11を第1レベルに備える。メモリセルは、対応するワード線と対応するローカルビット線との間に電荷トラップ構造を有する。この説明図においては、分かりやすくするために、1つのNANDストリングに3つのメモリセルを示す。例えば、第3レベルのローカルビット線BL31によって形成されたNANDストリングは、メモリセル220,222,224を備える。典型的な実施においては、NANDストリングは、16個、32個又はそれ以上のメモリセルを備えることができる。
【0028】
ストリング選択線SSLn-1,SSLn,SSLn+1を含む複数のストリング選択線は、ストリングのグループを選択するグループデコーダ258(行デコーダ261の一部であっても良い)と電気的に連絡している。ストリング選択線は、メモリセルNANDストリングの第1の端部に配列されたストリング選択トランジスタのゲートに接続される。図2に示したように、ストリング選択線のそれぞれは、様々なレベルのそれぞれのストリング選択トランジスタの列のゲートに垂直に接続される。例えば、ストリング選択線SSLn+1は、3つのレベルのストリング選択トランジスタ210,212,214に接続される。
【0029】
特定のレベルにあるローカルビット線は、対応するストリング選択トランジスタによって特定のレベルにある延設部に選択的に結合される。例えば、第3レベルのローカルビット線は、そのレベルにある対応するストリング選択トランジスタによって延設部240に選択的に結合される。同様に、第2レベルのローカルビット線は、延設部242に選択的に結合され、第1レベルのローカルビット線は、延設部244に選択的に結合される。
【0030】
それぞれのレベルの延設部は、対応するグローバルビット線に結合された垂直コネクタと接触するために対応するコンタクトパッドを含む。例えば、第3レベルの延設部240は、コンタクトパッド230及び垂直コネクタ200を介してグローバルビット線GBLn-1に結合される。第2レベルの延設部242は、コンタクトパッド232及び垂直コネクタ202を介してグローバルビット線GBLnに結合される。第1レベルの延設部244は、グローバルビット線GBLn+1に結合される。
【0031】
グローバルビット線GBLn-1,GBLn,GBLn+1は、アレイの追加的なブロック(図示せず)に結合され、ページバッファ263に延びる。このようにして、1本のワード線、全て又は何本かのビット線及び、1本のストリング選択線を用いて選択されたメモリセルのページにアクセスする3次元の復号化ネットワークが確立される。
【0032】
ブロック選択トランジスタは、NANDストリングの第2の端部に配列される。例えば、ブロック選択トランジスタ260は、メモリセル220,222,224によって形成されたNANDストリングの第2の端部に配列される。グランド選択線GSLは、ブロック選択トランジスタのゲートに接続される。グランド選択線GSLは、行デコーダ261と電気的に連絡して、本明細書に説明した動作中にバイアス電圧を受ける。
【0033】
ブロック選択トランジスタを用いて、ブロックにおける全てのNANDストリングの第2の端部を、共通ソース線CSLに提供された基準電圧に選択的に結合させる。共通ソース線CSLは、本明細書に説明した動作中にバイアス回路(ここでは図示せず)からバイアス電圧を受ける。本明細書に説明した動作によっては、共通ソース線CSLは、グランドでの、又は、グランド近くのより伝統的な「ソース」としての役割としてではなく、NANDストリングの他端に結合されたビット線よりも大きい基準電圧にバイアスされる。
【0034】
図3は、選択されたセルのレベルに相関する閾値電圧のばらつきを説明するために、読み出し動作中にレベルに依存したバイアスを適用することができる3次元NANDフラッシュメモリアレイの一例の部分を例示的に示す斜視図である。図3では、3次元アレイを形成するワード線及びビット線が見えるようにするために充填材料は取り除いてある。
【0035】
メモリアレイは、下地の半導体又は他の構造(図示せず)を覆う絶縁層310の上に形成される。メモリアレイは、ワード線WL1,WL2として機能し、行デコーダへの接続のために配列される複数の導電線325−1,325−2を含む。シリサイドの層は、導電線325−1,325−2の上面に形成することができる。
【0036】
導電線325−1,325−2は、様々なレベルにおけるローカルビット線として機能する半導体材料帯片と共形である。例えば、半導体材料帯片312は、第3レベルでローカルビット線として機能し、半導体材料帯片313は、第2レベルでローカルビット線として機能し、半導体材料帯片314は、第1レベルにおいてローカルビット線として機能する。半導体材料帯片は、絶縁層(図示せず)によって分離される。
【0037】
半導体材料帯片は、p型半導体材料であっても良い。導電線325−1,325−2は、同一又は異なる導電型を有する半導体材料又は、他の導電性ワード線材料であっても良い。例えば、半導体材料帯片は、p型ポリシリコン又はp型単結晶シリコンを用いて作成することができる。一方、導電線325−1,325−2は、比較的高密度にドープされたp+型ポリシリコンを用いて作成することができる。
【0038】
或いは、半導体材料帯片は、n型半導体材料であっても良い。導電線325−1,325−2は、同一又は異なる導電型を有する半導体材料であっても良い。このn型帯片の配置が、埋込みチャンネル型空乏層式電荷トラップメモリになる。例えば、半導体材料帯片は、n型ポリシリコン又はn型単結晶シリコンを用いて作成することができる。一方、導電線325−1,325−2は、比較的高密度にドープされたp+型ポリシリコンを用いて作成することができる。n型半導体材料帯片に対する典型的なドーピング濃度は、およそ1018/cm3であってもよく、利用可能な実施形態では、1017/cm3から1019/cm3の範囲内とすることができる。n型半導体材料帯片の使用は、無接合の実施形態において特に有益であり、NANDストリングに沿って電気伝導度を改善させることで、より高い読出し電流を可能とする。
【0039】
メモリセルは、導電線325−1,325−2と、ローカルビット線として機能する半導体材料帯片との間に電荷蓄積構造を有する。例えば、メモリセル380は、導電線325−1と、第3レベルでローカルビット線として機能する半導体材料帯片との間に形成される。この説明図においては、分かりやすくするために、1つのNANDストリングにおいて2つのメモリセルを示す。ここに説明した実施形態では、各メモリセルは、対応する半導体材料帯片と導電線325−1,325−2との間のインターフェースの両側にあるアクティブな電荷蓄積領域を有する二重ゲート電界効果トランジスタである。
【0040】
この例では、電荷蓄積構造は、トンネル層と、電荷トラップ層と阻止層とを備える。ある実施形態では、トンネル層は、シリコン酸化膜(O)、電荷蓄積層は、シリコン窒化膜(N)及び、阻止層は、シリコン酸化膜(O)である。或いは、メモリセルは、例えば、酸窒化ケイ素(SixOyNz)、シリコンリッチ窒化物、シリコンリッチ酸化物、埋込まれたナノ粒子を含むトラップ層等を含む他の電荷蓄積構造を含んでも良い。
【0041】
ある実施形態では、ゼロバイアス下で逆「U」字型価電子帯を形成する材料の複合体を含む誘電体トンネル層を含む、バンドギャップ動作SONOS(BE−SONOS)電荷蓄積構造を用いることができる。ある実施形態では、複合トンネル誘電層は、正孔トンネル層と呼ばれる第1の層と、バンドオフセット層と呼ばれる第2の層と、分離層と呼ばれる第3の層を含む。本実施形態にける層の正孔トンネル層は、例えば、その場発生水蒸気(ISSG)法を、堆積後NOアニール又は堆積の間にNOを雰囲気に加えることによる任意の窒化物形成とともに用いて半導体材料帯片の側面に形成された二酸化ケイ素を含む。二酸化ケイ素の第1の層の厚さは、20Åよりも薄く、15Å以下であることが好ましい。代表的な実施形態での厚さは、10Å又は12Åである。
【0042】
ストリング選択線SSLn,SSLn+1は、メモリセルNANDストリングの第1の端部のストリング選択トランジスタのゲートに接続される。ストリング選択トランジスタは、対応するNANDストリングの半導体材料帯片とマルチレベルストリングゲート構造との間に形成される。例えば、ストリング選択トランジスタ350は、半導体材料帯片312とストリング選択ゲート構造329との間に形成され、ストリング選択ゲート構造329は、コンタクトプラグ365を介してストリング選択線SSLnに結合される。
【0043】
半導体材料帯片は、延設部によって同一レベルの他の半導体材料帯片に選択的に結合される。例えば、第3レベルの半導体材料帯片は、延設部340を介して互いに選択的に結合される。同様に、第2レベルの半導体材料帯片は、延設部342を介して互いに選択的に結合され、第1レベルの半導体材料帯片は、延設部344に選択的に結合される。
【0044】
第3レベルの延設部340は、コンタクトパッド330及び垂直コネクタ300を介してグローバルビット線GBLn-1に結合される。第2レベルの延設部342は、コンタクトパッド332及び垂直コネクタ302を介してグローバルビット線GBLnに結合される。第3レベルの延設部344は、グローバルビット線GBLn+1に結合される。
【0045】
グローバルビット線GBLn―1,GBLn,GBLn+1は、アレイの追加的なブロック(図示せず)に結合され、ページバッファ263に延びる。
【0046】
ブロック選択トランジスタは、NANDストリングの第2の端部に配列される。例えば、ブロック選択トランジスタ351は、半導体材料帯片312によって形成されるNANDストリングの第2の端部に配列される。グランド選択線GSLとして機能するゲート構造349は、ブロック選択トランジスタのゲートに接続される。
【0047】
ブロック選択トランジスタを用いて、ブロックにおける全てのNANDストリングの第2の端部を、共通ソース線CSL370に提供された基準電圧に選択的に結合させる。共通ソース線CSL370は、ワード線と平行に延びる。
【0048】
図3に図示した構造は、例えば、参照することで本明細書に全てが記載されているものとして本明細書に援用される、2011年1月31日に出願された米国特許出願番号第13/018,110号に説明されている技術を用いて製造することができる。
【0049】
動作中、メモリセルのそれぞれは、その閾値電圧に基づいてデータ値を記憶する。選択されたメモリセルの読み出し又は書込みは、適切な電圧をワード線、ビット線、ストリング選択線、グランド選択線、共通ソース線に適用することにより達成することができる。
【0050】
プログラミング動作では、適切な電圧を印加して、選択されたメモリセルの電荷蓄積層への電子のトンネル現象を誘導する。プログラミング動作は、選択されたメモリセルの閾値電圧を増加させる。選択されたメモリセルは、例えば、ファウラーノルドハイム(FN:Fowler−Nordheim)電子トンネル効果を用いてプログラミングしても良い。
【0051】
消去動作では、適切な電圧を印加して、選択されたメモリセルの電荷蓄積層への正孔トンネル現象又は、電荷蓄積層からの電子トンネル現象を誘導する。消去の動作は、選択されたメモリセルの閾値電圧を低減させる。
【0052】
読み出し動作では、適切な読み出し電圧が印加されるので、選択されたメモリセルを流れる電流を感知することができる。データ値は、読み出し動作中に選択されたメモリセルを流れる電流に基づいて決定することができる。読み出し電圧は、消去されたメモリセルが読み出し動作中にターンオン(すなわち、電流を通)し、プログラムされたメモリセルがオフ(すなわち、電流を全く或いは、ほとんど通さない)のままであるように選択しても良い。
【0053】
3次元アレイでは、レベルの差は、電荷蓄積ダイナミクスの差となり、様々なレベルおけるメモリセルのメモリ状態に対応する閾値電圧のばらつきを招く可能性がある。図4は、下部レベルでのメモリセルのチャネル領域を形成する半導体材料帯片の厚さが上部レベルでの厚さよりも厚い例を示す。この、チャネル厚の差は、デバイスを形成するために用いたエッチング工程によって生じることがある。
【0054】
メモリセルの各レベルに対して同一のプログラミング動作及び消去動作を用いる場合、チャネル厚の差及び、レベルの差は、様々なレベルにおけるメモリセルの閾値電圧の分布を広げてしまう可能性がある。図5は、4つの異なるレベルにおける多くのプラグラムされたメモリセルに対する閾値電圧の分布を例示的に示す。図5に示した例では、レベル4のプログラムされたメモリセルは、レベル1のプログラムされたメモリセルの分布510よりも概して高い分布500の範囲内の閾値電圧を有する。
【0055】
従って、メモリセルの各レベルについて特定のメモリ状態対して同じ閾値電圧を実現するためには、プログラミング工程及び消去工程は、何らかの方法で選択したメモリセルのレベルに伴って変化するように構成することができる。このようにすることで、メモリセルの耐久性の問題及び他の複雑な問題を引き起こす可能性がある。
【0056】
また、各レベルに対して同一の読み出し動作を用いる場合、様々なレベルにあるメモリセルの閾値電圧のばらつきにより、プログラムされた状態と消去された状態の間の読み出しマージンが減少する。読み出しマージンが狭くなればなるほど複雑な回路が要求され、読み出しプロセスが遅くなってしまう可能性がある。
【0057】
より広い読み出しマージンを実現する1つの技術として、下部レベルのメモリセルを読み出しかつ検証するために低いワード線電圧を印加し、上部レベルのメモリセルを読み出しかつ検証するために高いワード線電圧を印加するものがある。この手法は、図5においてVREADと表示された読み出し電圧用の4つの異なる線及びVPVと表示されたプログラム検証電圧用の4つの異なる線によって表されている。しかしながらワード線は、図2及び図3に示したアレイ構成において各レベルのメモリセルに結合されるので、選択されたメモリセルのレベルに基づいて異なるワード線電圧を印加することで、各レベルのメモリセルを同時に読み出すことを妨げる。
【0058】
本明細書に説明したレベルに依存した読み出し動作は、異なる読み出しバイアス条件を、アレイ160の各レベルのセルへアクセスするためのビット線に適用することで閾値電圧のばらつきを補償するので、異なるレベルにある読み出し動作用のビット線の電流が、例え異なるレベルにあるメモリセル用の閾値電圧が異なっていても、より狭い分布範囲内に収まったままとなる。そうすることで、本明細書に説明した技術は、各レベルについてプログラムされた状態と消去された状態との間の読み出しマージンを、異なる読み出しワード線電圧を要求することなく比較的広く保つことができる。
【0059】
図6は、本明細書に説明するようにレベルに依存した読出し動作を行うための動作順序600のフローチャートである。
【0060】
ステップ610において、特定のアドレスに対する読み出しコマンドを受ける。
【0061】
ステップ620において、デコーダ回路によってアドレスを復号し、3次元の実施形態におけるレベル等、アドレスに関連付けられた選択されたメモリセルの物理的な位置を特定する。デコーダ回路は、アドレスに対応して選択されたメモリセルの位置を示す制御信号を生成する。
【0062】
ステップ630において、バイアス回路は、制御信号に応答して選択されたメモリセルのビット線を、選択されたメモリセルの位置又はレベルに依存する電圧レベルまで予めチャージする。
【0063】
ステップ640において、読み出し動作を選択したメモリセルに行って記憶されたデータ値を決定する。そして、ステップ650において、データをページバッファから出力する。
【0064】
図7は、選択されたメモリセル700に対してレベルに依存した読み出し動作を行うために用いるのに適した回路の概略図である。この例では、読み出しは、レベルに依存する。他の例では、読み出しは、セクタ又はセグメントの範囲内のセルが特定の範囲内にある読み出し特性を有する、3次元又は2次元アレイの他のセクタ又はセグメントの範囲内にある選択されたメモリセルの位置に依存することができる。
【0065】
選択されたメモリセル700は、アレイの特定のレベルにおけるローカルビット線BL710によって形成されたNANDストリングの一部である。NANDストリングも、メモリセル702及びメモリセル704を含む。ストリング選択トランジスタ712は、ビット線710をコンタクトパッド714及び垂直コネクタ716を介してグローバルビット線720に選択的に結合させる。ストリング選択トランジスタ712のゲートは、ストリング選択線SSL718に接続される。
【0066】
ブロック選択トランジスタ706は、NANDストリングの第2の端部を共通ソース線CSL708に結合させる。
【0067】
グローバルビット線720は、列デコーダ回路(図示せず)によってグローバルビット線720用のページバッファ回路を介してセンシング回路730に結合される。信号であるBLCLAMP、VBOOST、BLPWR、BLPRECHG及び、PBENは、図8のタイミング図を参照して以下に説明する通り、電源及び、プレチャージ間隔及びセンシング間隔を含む読み出し動作のタイミング及び実行を制御するために用いられる制御論理(ボックス750〜754によって概略的に表す)によって提供される。アレイの特定のレベルの選択されたメモリセル又は、他のセクタやセグメントの位置に基づき、セル位置デコーダ760を用いて以下に説明するようにVBOOST信号及びBLCLAMP信号を生成するために用いるセル位置情報を提供する。実施形態によっては、セル位置デコーダ760は、3次元アレイ用の平面復号化のために用いたものと同一の回路である(例えば、図15参照)。
【0068】
クランプトランジスタM1をグローバルビット線720とデータ線DLIBとの間に結合する。信号BLCLAMPは、クランプトランジスタM1のゲートに接続される。
【0069】
プレチャージトランジスタM2は、データ線DLIBに接続された第1の端子と、ビット線電力BLPWR信号に結合された第2の端子と、信号BLPRECHGに結合されたゲートと、を有する。制御可能な電源752は、実行されている制御順序によって決まる電圧レベル及びタイミングでBLPWR信号を印加する。制御回路753は、実行されている制御順序によって決まる電圧レベル及びタイミングでBLPRECHG信号を印加する。
【0070】
信号VBOOSTも、コンデンサC1を介してデータ線DLIBに結合される。制御可能な電源751は、実行されている制御順序によって決まる電圧レベル及びタイミングでVBOOST信号を印加する。
【0071】
イネーブルトランジスタM3は、データ線DLIBとラッチに基づく増幅回路740との間に配列される。制御信号PBENは、イネーブルトランジスタM3のゲートに接続される。制御論理754は、実行されている制御順序によって決まる電圧レベル及びタイミングでPBEN信号を印加する。
【0072】
図8は、図7に示した回路を操作して選択されたメモリセル700に対するレベルに依存した読み出し動作を行うための例示的タイミング図である。集積回路上の制御回路を配列して、図8に示したように、メモリアレイのバイアス回路、ワード線及び、他の回路を制御することにより、読み出し動作中にシーケンスを起こす。
【0073】
読み出し動作を初期化する際に、制御信号BLCLAMP、VBOOST、BLPWR、BLPRECHG、PBENを印加して読み出し動作のタイミングを制御する。
【0074】
時間間隔T0では、選択されていないメモリセル704及び702のゲートに結合されたワード線WL0及びWL2を、選択されていないメモリセル704及び702をターンオンするために十分な電圧値VPASSRまでチャージする。選択したメモリセル700のゲートに結合されたワード線WL1は、電圧値VREADまでチャージされる。VREADは、(1つのビットセルに対して)消去された状態では選択したメモリセル700をターンオンするのに十分であり、プログラムされた状態では選択されたメモリセル700をターンオンするには不十分である。説明した実施形態では、電圧値VREADは、メモリセルの各レベルに対して略同じである。ストリング選択線718を高い値までチャージしてストリング選択トランジスタ712をターンオンする。グランド選択線GSLは低い値に設定してブロック選択トランジスタ706をターンオフする。
【0075】
選択したローカルビット線710は、制御可能な電圧BLCLAMP及びタイミング信号BLPRECHGを高いレベルに設定するとともに制御可能な電圧BLPWRをグランドに設定することによりM1及びM2を通してグランドまで放電される。共通ソース線CSLは、高いレベルまでチャージされ、選択されていないローカルビット線(図示せず)をチャージする。選択されていないビット線は、それぞれのバイアス回路を介して共通ソース線CSLのレベルまで予めチャージされる。
【0076】
時間間隔T1では、BLPWR信号を、例えば2.3ボルト等中間電圧値に変えて、M2を通してデータ線DLIBをチャージする。BLCLAMP信号は、選択されたメモリセル700のレベルに基づいて電圧値VBLCLAMP1までバイアスされる。VBLCLAMP1の値についてタイミング図において4本の線で表したように、選択されたメモリセルによって決まる異なる判断基準を提供するために、異なるバイアスレベルが(このアーキテクチャにおいては、選択されたメモリセルに対応する)各アレイレベルに用いられる。すなわち、アレイの異なるレベルにあるビット線は、異なる電圧レベルに予めチャージされる。このように、異なるプレチャージビット線レベルにより、異なるレベルのセル間の閾値電圧差を補償することができる。予めチャージされたビット線電圧レベルBLは、時間間隔T1でのVBLCLAMP1とトランジスタM1の閾値電圧との差によって与えられる。
【0077】
時間間隔T2では、BLCLAMP信号及びBLPRECHG信号を低いレベルに設定してM1及びM2をオフにすることにより、選択されたビット線710及びデータ線DLIBを浮動させる。グランド選択線GSLを高いレベルまでチャージしてブロック選択トランジスタ706をターンオンすることにより、NANDストリングの第2の端部を共通ソース線CSL708に結合させる(レベルは高いまま)。選択したビット線710は、BLのタイミング図において、高閾値電圧HVTメモリ状態(電流が遮断されているために平坦)の分岐線及び低閾値電圧LVTメモリ状態(電流がCSLからDLIBに流れるために増加)の分岐線を有する4本の線で表したように、選択されたメモリセル700を流れるセル電流に基づいてチャージされる。時間間隔T2では一部で、データ線DLIBの電圧レベルを、選択されたメモリセル700のレベルに基づいてVBOOST信号に対して異なる電圧レベル(VBOOST1)を印加することによってより高い電圧まで昇圧しても良い。これにより、VBOOST及びDLIBのタイミング図において4本の線で表したように、時間間隔T3においてデータ線DLIB上で揺れる電圧をより大きくすることができる。
【0078】
時間間隔T3では一部で、制御信号BLCLAMPを電圧値VBLCLAMP2までバイアスする。VBLCLAMP2も、VBLCLAMP2のタイミング図において4本の線によって表されたように、選択されたメモリセル700のレベルに基づく。VBLCLAMP2の電圧値は、時間間隔T1で印加された電圧値VBLCLAMP1の値よりも大きくすることができる。例えば、VBLCLAMP2は、任意の選択されたメモリセルに対して、VBLCLAMP1よりも大きい0.2ボルトであっても良い。
【0079】
時間間隔T2の後、選択されたビット線710がM1の閾値電圧を引いたVBLCLAMP2の値より低い電圧までチャージされた場合、VBLCLAMP2が印加された時にM1がターンオンする。これにより、選択されたビット線710がデータ線DLIBに結合され、図8のDLIBの配線上の領域800に見られるようにその間の電圧レベルが等しくなる。時間間隔T2の後、選択されたビット線710がM1の閾値電圧を引いたVBLCLAMP2の値より高い電圧までチャージされた場合、M1はターンオフする。これにより、データ線DLIBの電圧レベルが保持される。
【0080】
データ線DLIBにおける電圧レベルを設定した後で、信号VBOOSTを低い値に設定して、センス増幅器でのラッチ設定のために適したDLIBレベルを提供する。センス増幅器は、時間間隔T3のちょうど終わり又は終わる前の時間間隔におけるDLIBの電圧に基づいてデータを感知することができる。
【0081】
時間T4では、全ての信号が初期状態に回復する。
【0082】
従って、説明した集積回路は、メモリアレイが、対応するセンシング回路に結合されるデータ線の組の中から対応するデータ線にそれぞれのクランプトランジスタを介して結合された複数のビット線を含み、バイアス回路が、メモリアレイの選択されたメモリセルの読み出し動作中にタイミング信号に応答し、データ線に接続されたプレチャージ回路及び、選択されたメモリセルに依存するクランプトランジスタの制御端子にバイアス電圧を印加するバイアス電源を含む。
【0083】
この例のメモリアレイは、グランド選択トランジスタとストリング選択トランジスタ、グランド選択線とストリング選択線及び、ワード線をそれぞれが有する複数のNANDストリングを含むとともに、メモリアレイに結合された制御回路とバイアス回路を含み、選択されたNANDストリングおにける選択されたセルの読み出し動作のために、メモリセルの選択されたページのNANDストリングに同時に適用することができるシーケンスを起こすNANDアレイを備える。シークエンスには、以下が含まれる。
第1の時間間隔T0で、読み出すためのターゲットレベルまで選択されたNANDストリングに結合されたワード線をチャージするとともに、グランド選択トランジスタがオフ、かつ、ストリング選択トランジスタがオンの間にプレチャージ回路を介してビット線を低い基準電圧まで放電し、
第2の時間間隔T1で、データ線を読み出し基準電圧まで予めチャージして第1のクランプ電圧を、選択されたメモリセルに依存するクランプトランジスタに印加することにより、データ線及び選択されたNANDストリングのビット線を、選択されたメモリセルによって決まるレベルまで予めチャージし、
第3の時間間隔T2で、クランプトランジスタをターンオフしてプレチャージ回路をデータ線から切断し、読み出しバイアス電圧をソース線に印加する間にグランド選択トランジスタをターンオンし、
第4の時間間隔T3で、第1のクランプ電圧よりも大きい第2のクランプ電圧を、選択されたメモリセルに依存するクランプトランジスタに印加してデータ線のレベルを感知して、選択されたメモリセルに記憶されたデータの値を示す。
【0084】
ここに説明した実施形態では、バイアス回路は、読み出し動作中にタイミング信号に応答するとともに、データ線に結合されて昇圧量によってデータ線の電圧を容量的に昇圧させる昇圧回路を含む。昇圧電源を昇圧回路に結合して選択されたメモリセルによって決まる昇圧量を設定し、シーケンスには、第4の時間間隔又はその前の、データ線のレベルを感知する前にブースト電圧を印加してデータ線を昇圧することが含まれる。
【0085】
本明細書に説明した読み出し動作は、3次元アレイを含むメモリアーキテクチャ及び3次元アレイを含まないメモリアーキテクチャに適用して、異なるWL電圧を印加することなく、又は、それを可能とするアレイアーキテクチャにおいて異なるWL電圧と組み合わせることにより、閾値電圧のばらつきを引き起こす動的セル特性を管理することができる。
【0086】
上述したように、3次元アレイにおいては、グローバルビット線は、垂直コネクタ及びコンタクトパッドを介して様々なレベルのメモリセルのローカルビット線に結合される。
【0087】
様々なレベルへの垂直コネクタ及びコンタクトパッドの違い及びレベル差によって、グローバルビット線間の全体の静電容量に差がでる可能性がある。例えば、図3に戻って参照すると、コンタクトパッド330及びレベル3の垂直コネクタ300は、コンタクトパッド332及びレベル2の垂直コネクタ302とは異なる静電容量を有する。これらの差により、グローバルビット線の全体の静電容量のばらつきを引き起し、ひいては、速度及び電圧と電流の大きさの両方の観点において読み出しマージンが縮小する可能性あり、動作中のアレイの他の特性にも影響を及ぼす可能性がある。
【0088】
図9は、複数のレベルのメモリセルを有する複数のブロックへのグローバルビット線GBL1〜GBL8の接続を例示的に示すレイアウト図である。図10〜図13は、各ブロックの垂直コネクタの断面図を示す。
【0089】
ブロックのそれぞれは、それぞれの2次元アレイのメモリセルを有する複数のレベルを含む。メモリセルの各2次元アレイには、複数のワード線と、アレイの対応するメモリセルに結合された複数のビット線が含まれる。例えば、2次元アレイは、上述したようにNAND構成に実装しても良い。或いは、他のアレイ構成を用いても良い。
【0090】
ブロック大きさ及びブロックの数は、実施形態によって異なる。実施形態によっては、ブロックのそれぞれの大きさは、例えば、2KB(キロバイト)、4KB、8KB、又は16KBとすることができる。
【0091】
グローバルビット線GBL1〜GBL8は、垂直コネクタを介して様々なレベルのブロックにおけるローカルビット線(図示せず)に結合される。この例では、分かりやすくするために、ブロックのそれぞれには、4つのレベルが含まれる。垂直コネクタが、覆っているグローバルビット線を結合するレベルは、レベル指数1,2,3,4によって示される。例えば、グローバルビット線GBL1は、レベル1のコネクタを介してメモリブロックBlockN−1の第1レベル内のローカルビット線に結合され、レベル2のコネクタを介してメモリブロックBlockNの第2レベル内のローカルビット線に結合され、レベル3のコネクタを介してメモリブロックBlockN+1の第3レベル内のローカルビット線に結合され、レベル4のコネクタを介してメモリブロックBlockN+2の第4レベル内のローカルビット線に結合される。
【0092】
この例では、ブロック毎の垂直コネクタは、各レベルのコンタクトパッドを、図3に示したような階段のステップのように配列することにより実装することができる「ローカルビット線への階段状コネクタ構造」と記された領域内に配置される。
【0093】
グローバルビット線GBL1〜GBL8のそれぞれをアレイ全体の様々なレベルに結合させることにより、グローバルビット線GBL1〜GBL8の静電容量差を小さくすることができる。
【0094】
例示した実施形態では、コネクタは、グローバルビット線GBL1〜GBL8のそれぞれに対して対応するローカルビット線のレベル指数の合計が定数と等しくなるように配置される。或いは、コネクタは、例えば、平均等のレベル指数の他の統計関数が定数と等しくなるように配列されても良い。一般的にコネクタは、特定の実施例に合うようにグローバルビット線間の静電容量のばらつきを選択するように配置されても良い。
【0095】
このように、グローバルビット線GBL1〜GBL8の静電容量差を小さくすることができる、又は、選択された極限範囲内で制御することができる。これにより、プログラムされた状態と消去された状態との間の読み出しマージンを広くすることができる。
【0096】
図14は、複数のレベルのメモリセルにそれぞれ結合されたグローバルビット線を有する3次元メモリアレイ1460を含む集積回路1475の簡略化したブロック図である。行デコーダ1466を、メモリアレイ1460の行に沿って配列された複数のワード線1462に結合させる。列デコーダ1466は、この例ではデータバス1467を介してページバッファ1463に結合される。平面デコーダ1464は、ページバッファ1463に結合される。グローバルビット線1464は、メモリアレイ1460の様々なレベルの列に沿って配列されたローカルビット線(図示せず)に結合される。バス1465においてアドレスを列デコーダ1466、行デコーダ1461及び平面デコーダ1464に供給する。データは、入出力ポート又は、集積回路の内部又は外部の他のデータソースから線1473を介して供給される。例示した実施形態では、他の回路1474が、汎用プロセッサ又は専用アプリケーション回路等の集積回路、又は、アレイ1460によって支持されたシステムオンチップの機能を提供するモジュールの組み合わせに含まれる。データは、入出力ポート又は、集積回路の内部又は外部の他のデータ送り先へと線1473を介して供給される。
【0097】
この例において状態マシン1469として実装されたコントローラは、制御信号を提供して、ブロック1468において単一の電源又は複数の電源を介して発生した又は提供されたバイアス配列供給電圧の印加を制御して、消去、プログラム及び、アレイ1460の各レベルに対して異なる読み出しバイアス条件を有するレベルに依存した読み出し等、本明細書に記載した様々な動作を実行する。あわせて、コントローラ1469及びブロック1468は、図7でブロック750〜754で表したバイアス回路及び論理を含むことができる。コントローラは、当技術分野において公知の専用ロジック回路を用いて実現することができる。代替的実施形態においてコントローラは、同じ集積回路に実装してもよい、デバイスの動作を制御するためにコンピュータプログラムを実行する汎用プロセッサを含む。さらに他の実施形態においては、専用ロジック回路及び汎用プロセッサの組み合わせを、コントローラの実現のために利用してもよい。
【0098】
図15は、グローバルビット線GBL1〜GBL8を、その組み合わせが図14のページバッファ1463に対応するページバッファ1511〜1518に接続する方法を示す概略図である。ページバッファ1511〜1518は、例えば、図7の回路のような回路を含むことができる。セル位置に対してバイアスするビット線を補償するバイアス回路を含む実施形態において、ページバッファは、クランプトランジスタ、昇圧コンデンサ、ラッチ、ビット線電源用の充電回路を含む。
【0099】
図14の平面デコーダ1464のような平面デコーダは、複数のグローバルビット線に結合されたスイッチ回路を含み、バイアス電圧を選択されたメモリセルのレベルL(Z)に基づいて選択されたグローバルビット線に印加する。この例のこのスイッチ回路は、電圧スイッチ1500,1502,1504,1506を備える。この例では、アドレスに対して読み出し動作を初期化すると、平面デコーダ1464は、アドレスを復号して、アドレスに関連付けられた選択されたメモリセルの物理的位置やブロック及びレベルを特定する。スイッチ回路は、メモリセルのページにアクセスするために選択されたグローバルビット線に、バイアス電圧を電圧スイッチを介して同時に印加するように構成することができる。
【0100】
電圧スイッチ1500,1502,1504,1506は、ブロック1468(図14参照)における単一の電源又は複数の電源を通して発生した、又は、提供された異なる電圧信号Vsource1、Vsource2、Vsource3、Vsource4を受ける。電圧スイッチ1500,1502,1504,1506は、電圧信号Vsource1、Vsource2、Vsource3、Vsource4のうちの1つを、上述したレベルに依存した制御信号BLCLAMPとして出力する。レベルに依存した制御信号BLCLAMPを、グローバルビット線GBL1〜GBL8に結合されたページバッファ回路内のクランプトランジスタ(図示せず)に提供する。上述したように、レベルに依存した制御信号BLCLAMPは、選択されたメモリセルのグローバルビット線及びローカルビット線を、本明細書に説明したレベルに依存した読み出し動作の間に予めチャージする。
【0101】
図15では、ページバッファ1511〜1518のそれぞれは、異なるグローバルビット線に結合されるので、広く、平行した読み出し動作が可能となる。
【0102】
説明した例では、グローバルビット線GBL1及びGBL8は、各ブロックにおいて同一レベル内の異なる組のビット線に接続される。従って、電圧スイッチ1500の出力は、グローバルビット線GBL1に結合されたページバッファ1(1511)とグローバルビット線GBL8に結合されたページバッファ2(1515)の両方に提供される。
【0103】
図16は、それぞれが複数のレベルのメモリセルに結合されたグローバルビット線を有し、レベルに依存したバイアスを本明細書に説明したように印加できる3次元フラッシュメモリアレイ構造の他の例の斜視図である。この例では、メモリセルの4レベルが示されており、多くのレベルを含むことができるメモリセルのブロックの代表的なものである。
【0104】
絶縁材料は、追加的構造を見えるようにするために図面からは省いてある。例えば、絶縁層は、隆起したスタック状の半導体帯片の間で省かれ、半導体帯片の隆起したスタックの間でも省かれている。
【0105】
多層アレイが絶縁層の上に形成され、多層アレイには、ワード線WLn,WLn-1,...として機能する、複数の隆起したスタックと共形の複数の導電線1625−1,...,1625−n−1,1625−nが含まれる。複数の隆起したスタックには、ローカルビット線として機能する半導体帯片が含まれる。同一レベルの半導体帯片は、階段状に配列されたコンタクトパッドを有する延設部によってまとめて電気的に結合される。
【0106】
全体の構造の後ろから前に向かって1からNへ昇順するワード線の示した番号付けは、メモリページにも適用する。奇数のメモリページには、ワード線の番号付けは、全体構造の後ろから前に向かってNから1へと降順する。
【0107】
示したように、ブロックの第1の端部にある延設部1602,1603,1604,1605は、異なるグローバルビット線GBL1〜GBL4に電気的に接続される。同様に、延設部1652,1653,1654,1655は、異なるグローバルビット線GBL1〜GBL4に電気的に接続される。
【0108】
半導体帯片の任意のスタックは、延設部1602,1603,1604,1605又は延設部1652,1653,1654,1655のどちらか一方に結合されるが、両方には結合されない。半導体帯片のスタックは、ビット線の端部からソース線の端部への方向及びソース線の端部からビット線の端部への方向の2つの反対の方向のうちの一方を有する。
【0109】
延設部1652,1653,1654,1655によって1つの端部で終端された半導体帯片のスタックは、SSLゲート構造1619、グランド選択線GSL1626、ワード線1625−1WL〜1625−NWL、グランド選択線GSL1627を通過し、ソース線1628によって他端で終端される。半導体帯片のこれらのスタックは、延設部1602,1603,1604,1605には到達しない。
【0110】
延設部1602,1603,1604,1605によって1つの端部で終端された半導体帯片のスタックは、SSLゲート構造1609、グランド選択線GSL1627、ワード線1625−NWL〜1625−1WL、グランド選択線GSL1626を通過し、ソース線1628(図の他の部分によって隠されている)によって他端で終端される。半導体帯片のこれらのスタックは、延設部1652,1653,1654,1655には到達しない。
【0111】
電荷蓄積構造は、ワード線1625−1〜1625−nを半導体帯片から分離する。グランド選択線GSL1626及びGSL1627は、ワード線と同様に、複数の隆起したスタックと共形である。
【0112】
グローバルビット線GBL1〜GBL4は、金属層ML1,ML2,ML3に形成される。図の他の部分によって隠されているが、示した例では、各グローバルビット線GBL1〜GBL4は、2つの異なるレベルのメモリセルのブロックに結合される。例えば、図では、グローバルビット線GBL1は、第4レベルでローカルビット線として機能する半導体帯片の組に接続される延設部1605に結合されるとともに、第1レベルにおいてローカルビット線として機能する半導体帯片の組に接続される延設部1652に結合される。このことは、以下、図17でさらに議論する。
【0113】
図17は、図16に示した構成に配列されたメモリセルを有する複数のマルチレベルブロックへのグローバルビット線GBL1〜GBL8の接続を例示的に示すレイアウト図である。
【0114】
グローバルビット線GBL1〜GBL8は、垂直コネクタを介して様々なレベルブロックにおけるローカルビット線(図示せず)に結合される。この例では、分かりやすくするために、ブロックのそれぞれには、4つのレベルが含まれる。垂直コネクタが、覆っているグローバルビット線を結合するレベルは、レベル指数1,2,3,4によって示される。
【0115】
例えば、グローバルビット線GBL1は、レベル1のコネクタを介して、メモリブロックBlockMの第1レベル内のローカルビット線の組に結合され、レベル2のコネクタを介して、メモリブロックBlockMの第2レベル内のローカルビット線の組に結合され、レベル3のコネクタを介して、メモリブロックBlockM+1の第3レベル内のローカルビット線の組に結合される。
【0116】
ブロック毎の垂直コネクタは、各レベルのコンタクトパッドを、図17に示したような階段のステップのように配列することにより実装することができる「ローカルビット線への階段状コネクタ構造」と記された領域内にある。
【0117】
図16及び図17の例では、グローバルビット線GBL1〜GBL8は、第3の金属層にパターン形成され、ストリング選択線SSL1〜SSL8は、第1及び第2の金属層にパターン形成される。ストリング選択線は、下層のストリングと平行である第1の金属セグメント及びワード線と平行である第2の金属セグメントを介してブロックの交互端部のストリング選択トランジスタに結合される。ブロックMにおいてワード線と平行なセグメントは、説明図ではSSL1〜SSL8と記される。金属層間の垂直接続は、「×が付けられた」ボックスで示される。ワード線WLx及び、各ブロックの上部及び底部の偶数と奇数のグランド選択線GSL1及びGSL2は、この例では、ポリシリコン層等のパターン形成された導体層で第1金属層の下に実装される。
【0118】
本発明は、詳述した好適な実施形態及び例を参照して開示されているが、これらの例示は限定する意味においてではなく、例示を意図するものであることが理解される。当業者であれば、本発明の精神及び以下の請求項の範囲内である修正及び組み合わせを容易に行うことができるものと考えられる。
【符号の説明】
【0119】
160 NANDフラッシュメモリアレイ
161 行デコーダ
163 ページバッファ
165 アドレス
166 列デコーダ
168 バイアス配列供給電圧
169 プログラム、消去及びレベルに依存した読み出し動作用の状態マシン
174 他の回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリアレイと、
異なるバイアス条件を選択されたビット線に適用することにより前記アレイ内のメモリセルのメモリ状態に対応する閾値電圧のばらつきを補償するバイアス回路と、を備える集積回路デバイス。
【請求項2】
前記メモリアレイは、対応するセンシング回路に結合されるデータ線の組の中の対応するデータ線にそれぞれのクランプトランジスタを介して結合された複数のビット線を含み、前記バイアス回路は、前記メモリアレイの選択されたメモリセルの読み出し動作中にタイミング信号に応答し、前記データ線に接続されたプレチャージ回路及び、前記選択されたメモリセルに依存する前記クランプトランジスタの制御端子にバイアス電圧を印加するバイアス電源を含む請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記メモリアレイは、グランド選択トランジスタとストリング選択トランジスタ、グランド選択線とストリング選択線及び、ワード線をそれぞれが有する複数のNANDストリングを含むとともに、前記メモリアレイに結合された制御回路と前記バイアス回路を含み、選択されたNANDストリングにおける前記選択されたセルの前記読み出し動作のために、シーケンスを起こすNANDアレイを備え、前記シークエンスでは、
第1の時間間隔T0で、読み出すためのターゲットレベルまで前記選択されたNANDストリングに結合された前記ワード線をチャージするとともに、前記グランド選択トランジスタがオフ、かつ、前記ストリング選択トランジスタがオンの間に前記プレチャージ回路を介して前記ビット線を低い基準電圧まで放電し、
第2の時間間隔T1で、前記データ線を読み出し基準電圧まで予めチャージして第1のクランプ電圧を、前記選択されたメモリセルに依存する前記クランプトランジスタに印加することにより、前記データ線及び前記選択されたNANDストリングの前記ビット線を、前記選択されたメモリセルによって決まるレベルまで予めチャージし、
第3の時間間隔T2で、前記クランプトランジスタをターンオフして前記プレチャージ回路を前記データ線から切断し、読み出しバイアス電圧を前記ソース線に印加する間に前記グランド選択トランジスタをターンオンし、
第4の時間間隔T3で、前記第1のクランプ電圧よりも大きい第2のクランプ電圧を、前記選択されたメモリセルに依存する前記クランプトランジスタに印加して前記データ線のレベルを感知して、前記選択されたメモリセルに記憶されたデータの値を示す請求項2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記バイアス回路は、前記読み出し動作中にタイミング信号に応答するとともに、前記データ線に結合されて昇圧量によって前記データ線の電圧を容量的に昇圧させる昇圧回路と、前記昇圧回路に結合されて前記選択されたメモリセルによって決まる前記昇圧量を設定する昇圧電源と、を含み、前記シーケンスには、前記第4の時間間隔又はその前の、前記データ線のレベルを感知する前にブースト電圧を印加して前記データ線を昇圧することが含まれる請求項3に記載の集積回路。
【請求項5】
前記アレイの前記メモリセルに印加された前記ワード線電圧は、前記異なるバイアス条件の間、略同じである請求項1に記載の集積回路。
【請求項6】
その中のブロックが複数のレベルL(z)を備え、当該複数のレベルの中のレベルL(z)がそれぞれ2次元アレイのメモリセルを含み、当該それぞれの2次元アレイが当該アレイ内の対応するメモリセルに結合された複数のローカルビット線を含む複数のブロックと、
その中のグローバルビット線が複数のコネクタを含み、当該複数のコネクタの中のコネクタが前記複数のブロックにおける対応するローカルビット線に結合された任意のグローバルビット線に結合され、前記複数のブロックのうちの1つのブロックにおける前記対応するローカルビット線が、前記複数のブロックのうちの他のブロックにおける前記対応するローカルビット線とは異なるレベルL(z)上にある複数のグローバルビット線と、
前記複数のグローバルビット線に結合され、選択されたメモリセルの前記レベルL(z)に基づいて対応するグローバルビット線にそれぞれのバイアス電圧を印加するように構成されたスイッチ回路と、を含む集積回路。
【請求項7】
前記複数のブロックのそれぞれにはN個のレベルL(z)(レベル指数z=1〜N)があり、前記コネクタは、前記対応するローカルビット線の前記レベルL(z)に対するレベル指数の統計関数が定数と等しくなるように前記複数のグローバルビット線の各グローバルビット線に配列される請求項6に記載の集積回路。
【請求項8】
前記選択されたメモリセルの前記レベルL(z)に基づいて、選択されたメモリセルのメモリ状態に対応する閾値電圧のばらつきを補償する前記スイッチ回路に結合されたバイアス回路を含む請求項6に記載の集積回路。
【請求項9】
前記複数のグローバルビット線と前記スイッチ回路とに結合されたバッファを含む請求項6に記載の集積回路。
【請求項10】
ローカルビット線と、当該ローカルビット線に結合されたメモリセルを含む複数のレベルのメモリセルを含むメモリアレイと、
前記アレイのローカルビット線の対応する組に結合されたグローバルビット線と、
前記複数のレベルにおけるメモリセルを選択する復号化回路と、
選択されたバイアス電圧を提供するために前記グローバルビット線に結合され、制御信号に応答して、選択されたメモリセルの前記レベルに対応する前記グローバルビット線のバイアス電圧を選択するバイアス回路と、を含む集積回路。
【請求項11】
前記グローバルビット線のうちの任意の1本に結合された前記ローカルビット線の組は、前記メモリアレイの複数のレベルにローカルビット線を含む請求項10に記載の集積回路。
【請求項12】
前記グローバルビット線は、それぞれのクランプトランジスタを介して、対応するセンシング回路に結合されるデータ線の組の中の対応するデータ線に結合され、前記バイアス回路は、前記メモリアレイの選択されたメモリセルの読み出し動作中にタイミング信号に応答し、前記データ線に接続されたプレチャージ回路と、前記選択されたメモリセルの前記レベルに依存する前記クランプトランジスタの制御端子にバイアス電圧を印加するバイアス電源とを含む請求項10に記載の集積回路。
【請求項1】
メモリアレイと、
異なるバイアス条件を選択されたビット線に適用することにより前記アレイ内のメモリセルのメモリ状態に対応する閾値電圧のばらつきを補償するバイアス回路と、を備える集積回路デバイス。
【請求項2】
前記メモリアレイは、対応するセンシング回路に結合されるデータ線の組の中の対応するデータ線にそれぞれのクランプトランジスタを介して結合された複数のビット線を含み、前記バイアス回路は、前記メモリアレイの選択されたメモリセルの読み出し動作中にタイミング信号に応答し、前記データ線に接続されたプレチャージ回路及び、前記選択されたメモリセルに依存する前記クランプトランジスタの制御端子にバイアス電圧を印加するバイアス電源を含む請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記メモリアレイは、グランド選択トランジスタとストリング選択トランジスタ、グランド選択線とストリング選択線及び、ワード線をそれぞれが有する複数のNANDストリングを含むとともに、前記メモリアレイに結合された制御回路と前記バイアス回路を含み、選択されたNANDストリングにおける前記選択されたセルの前記読み出し動作のために、シーケンスを起こすNANDアレイを備え、前記シークエンスでは、
第1の時間間隔T0で、読み出すためのターゲットレベルまで前記選択されたNANDストリングに結合された前記ワード線をチャージするとともに、前記グランド選択トランジスタがオフ、かつ、前記ストリング選択トランジスタがオンの間に前記プレチャージ回路を介して前記ビット線を低い基準電圧まで放電し、
第2の時間間隔T1で、前記データ線を読み出し基準電圧まで予めチャージして第1のクランプ電圧を、前記選択されたメモリセルに依存する前記クランプトランジスタに印加することにより、前記データ線及び前記選択されたNANDストリングの前記ビット線を、前記選択されたメモリセルによって決まるレベルまで予めチャージし、
第3の時間間隔T2で、前記クランプトランジスタをターンオフして前記プレチャージ回路を前記データ線から切断し、読み出しバイアス電圧を前記ソース線に印加する間に前記グランド選択トランジスタをターンオンし、
第4の時間間隔T3で、前記第1のクランプ電圧よりも大きい第2のクランプ電圧を、前記選択されたメモリセルに依存する前記クランプトランジスタに印加して前記データ線のレベルを感知して、前記選択されたメモリセルに記憶されたデータの値を示す請求項2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記バイアス回路は、前記読み出し動作中にタイミング信号に応答するとともに、前記データ線に結合されて昇圧量によって前記データ線の電圧を容量的に昇圧させる昇圧回路と、前記昇圧回路に結合されて前記選択されたメモリセルによって決まる前記昇圧量を設定する昇圧電源と、を含み、前記シーケンスには、前記第4の時間間隔又はその前の、前記データ線のレベルを感知する前にブースト電圧を印加して前記データ線を昇圧することが含まれる請求項3に記載の集積回路。
【請求項5】
前記アレイの前記メモリセルに印加された前記ワード線電圧は、前記異なるバイアス条件の間、略同じである請求項1に記載の集積回路。
【請求項6】
その中のブロックが複数のレベルL(z)を備え、当該複数のレベルの中のレベルL(z)がそれぞれ2次元アレイのメモリセルを含み、当該それぞれの2次元アレイが当該アレイ内の対応するメモリセルに結合された複数のローカルビット線を含む複数のブロックと、
その中のグローバルビット線が複数のコネクタを含み、当該複数のコネクタの中のコネクタが前記複数のブロックにおける対応するローカルビット線に結合された任意のグローバルビット線に結合され、前記複数のブロックのうちの1つのブロックにおける前記対応するローカルビット線が、前記複数のブロックのうちの他のブロックにおける前記対応するローカルビット線とは異なるレベルL(z)上にある複数のグローバルビット線と、
前記複数のグローバルビット線に結合され、選択されたメモリセルの前記レベルL(z)に基づいて対応するグローバルビット線にそれぞれのバイアス電圧を印加するように構成されたスイッチ回路と、を含む集積回路。
【請求項7】
前記複数のブロックのそれぞれにはN個のレベルL(z)(レベル指数z=1〜N)があり、前記コネクタは、前記対応するローカルビット線の前記レベルL(z)に対するレベル指数の統計関数が定数と等しくなるように前記複数のグローバルビット線の各グローバルビット線に配列される請求項6に記載の集積回路。
【請求項8】
前記選択されたメモリセルの前記レベルL(z)に基づいて、選択されたメモリセルのメモリ状態に対応する閾値電圧のばらつきを補償する前記スイッチ回路に結合されたバイアス回路を含む請求項6に記載の集積回路。
【請求項9】
前記複数のグローバルビット線と前記スイッチ回路とに結合されたバッファを含む請求項6に記載の集積回路。
【請求項10】
ローカルビット線と、当該ローカルビット線に結合されたメモリセルを含む複数のレベルのメモリセルを含むメモリアレイと、
前記アレイのローカルビット線の対応する組に結合されたグローバルビット線と、
前記複数のレベルにおけるメモリセルを選択する復号化回路と、
選択されたバイアス電圧を提供するために前記グローバルビット線に結合され、制御信号に応答して、選択されたメモリセルの前記レベルに対応する前記グローバルビット線のバイアス電圧を選択するバイアス回路と、を含む集積回路。
【請求項11】
前記グローバルビット線のうちの任意の1本に結合された前記ローカルビット線の組は、前記メモリアレイの複数のレベルにローカルビット線を含む請求項10に記載の集積回路。
【請求項12】
前記グローバルビット線は、それぞれのクランプトランジスタを介して、対応するセンシング回路に結合されるデータ線の組の中の対応するデータ線に結合され、前記バイアス回路は、前記メモリアレイの選択されたメモリセルの読み出し動作中にタイミング信号に応答し、前記データ線に接続されたプレチャージ回路と、前記選択されたメモリセルの前記レベルに依存する前記クランプトランジスタの制御端子にバイアス電圧を印加するバイアス電源とを含む請求項10に記載の集積回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−150876(P2012−150876A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−2259(P2012−2259)
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【出願人】(599129074)旺宏電子股▲ふん▼有限公司 (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【出願人】(599129074)旺宏電子股▲ふん▼有限公司 (27)
【Fターム(参考)】
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