説明

3次元測定機用寸法標準器

【課題】 3次元測定機に簡単にセットすることができるとともに、3次元測定機の測定範囲を最も長い対角線長に近い測定長で高精度で測定することが可能な3次元測定機用寸法標準器を提供する。
【解決手段】 石英ガラスまたは単結晶石英によって形成されている細長い丸棒状のロッドの両端部に3次元測定機A1のプローブA6先端を接触させる基準測定面を有する不変鋼で形成された一対の基準部材7Bが固定されている棒状ゲージ2と、前記棒状ゲージ2を傾斜した上面で支持する支持体3から構成されており、前記支持体3を、3次元測定機A1の測定テーブルA2上に置かれたマスタブロックMの上面に取り付けて3次元測定機A1の指示誤差の測定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元測定機の検査用マスタに装着して、3次元測定機の指示誤差を簡単に検査するための寸法標準器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用のエンジンや変速機のケース類のような機械部品類の各部寸法の測定には、測定テーブル(ベッド)上にセッティングした被測定物に対してプローブ(測定子)の先端を接触させて3次元方向の測定を行うことが可能な、3次元測定機(座標測定機)が広く用いられている。
【0003】
このような3次元測定機の寸法測定における指示誤差は、ステップゲージ等の寸法標準器を用いて、その寸法測定値が最大許容指示誤差内に入っているか否かで評価しており、測定に用いる寸法標準器の最大測定長は、3次元測定機の測定範囲の最も長い対角線長の66%以上とすることが規定されている(JIS7440−2)。
【0004】
ところが、寸法標準器の最大測定長が長くなると、寸法標準器の各部分が周囲の温度の影響で歪み等を生じて寸法標準器の精度が低下する問題が生じる。
そこで、従来では、特許文献1に記載されているボールステップゲージのように、ゲージ枠体をH形断面に形成してその断面2次モーメントの中立軸に沿って、3次元測定機のプローブ先端を接触させるための複数個のボールを固定することによって、ボール間の間隔を高精度に保持しようとする提案がなされている。
【特許文献1】特開2001−4358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1に記載されているボールステップゲージにおいては、ゲージ枠体を撓みづらいH形断面とし、その断面2次モーメントの中立軸上にボールを配置することにより、ゲージ枠の撓み変形に対して、ボール間の間隔の精度の低下を抑えることはできるものの、ゲージ枠体の長手方向の熱膨張の影響については解消されていなかった。
【0006】
また、このようなボールステップゲージ等の寸法標準器を3次元測定機の測定テーブル上に水平に置いて測定する場合には、3次元測定機の測定範囲の最も長い対角線長に比較して、寸法標準器の最大測定長が制限されるため、高い測定精度が得られない問題があった。
【0007】
一方、3次元測定機の測定範囲の最も長い対角線の方向に寸法標準器の長手方向が向くように傾けて寸法標準器を測定テーブル上にセットすれば、最大測定長が長い寸法標準器を利用できると考えられるが、このような姿勢で長尺な寸法標準器を測定テーブル上に簡単且つ確実に保持することのできる取付治具は従来開発されていなかった。
【0008】
そこで、本発明は、前述したような従来技術における問題を解消することができ、3次元測定機に簡単にセットすることができ、3次元測定機の測定範囲を最も長い対角線長に近い測定長で高精度で測定することが可能な3次元測定機用寸法標準器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明の3次元測定機用寸法標準器は、基準測定面を有する複数の基準ブッシュが筒状のブロック本体の側面と上面に設けられているマスタブロック上に取り付けて、3次元測定機の指示誤差を検査するために用いられる。
【0010】
前記マスタブロックは、本出願人が既に提案したものであって(特許文献2参照)、3次元測定機の測定精度を維持するために、定期的に精度検査や測定誤差の校正を行うために用いられるものであり、複数の基準測定面に3次元測定機のプローブを接触させて各部の寸法を測定し、実測値とマスタブロックの基準値とを比較することにより、3次元測定機のプローブが移動する各軸の方向の真直度、軸間の直角度、各軸方向の表示誤差等の評価を行うためのものである。
【特許文献2】特開平2001−311618号公報(特許第3462180号)
【0011】
本発明の3次元測定機用寸法標準器は、石英ガラスまたは単結晶石英によって形成されている細長い丸棒状のロッドと、前記ロッドの軸方向に所定の間隔をあけて、ロッド外周面から同じ向きに垂直に突出するように固定された一対の取付軸と、前記ロッドの両端部にそれぞれ固定され、3次元測定機のプローブ先端を接触させる基準測定面を有する、不変鋼で形成された一対の基準部材からなる棒状ゲージと、水平な下面に対して傾斜した上面を有し、前記上面に前記一対の取付軸のそれぞれを着脱自在に嵌合させる一対の取付穴が設けられているとともに、前記下面に、ブロック本体上面に設けられた基準ブッシュの中心孔に嵌合させるための一対の取付軸が突設されている支持体から構成されている。
【0012】
本発明の3次元測定機用寸法標準器においては、それぞれの基準部材が、基準測定面を有する基準ブッシュと前記基準ブッシュを保持するブッシュ保持体から構成されていることが望ましい。また、棒状ゲージの一対の取付軸は、ロッドの外周面の一部に形成された、前記ロッドの軸方向に平行な平坦面から垂直に突出し、これらの取付軸を支持体の取付穴にそれぞれ嵌合させたときに、前記平坦面が前記支持体上面に当接して保持されるように構成されていることも望ましい。さらに、棒状ゲージと支持体にそれぞれに設けられている一対の取付軸の外部へ突出している部分の外周面は、一方が単純な円柱状に形成され、他方が左右幅より前後幅が狭い異形の柱状に形成されていることも望ましい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明においては、寸法標準器の主要部分である棒状ゲージが、温度変化による長さの変化をほとんど生じない石英ガラスまたは単結晶石英によって形成されている細長い丸棒状のロッドの両端に、不変鋼で形成された一対の基準部材を固定して構成されているため、周囲の温度変化や部分的に生じている温度差によるロッドの長さ変化がほとんど無く、極めて高い精度で3次元測定機の指示誤差のチェックを行うことができる。
【0014】
また、本発明においては、マスタブロックの上面に支持体を取付け、この支持体の水平な下面に対して傾斜した上面に棒状ゲージを取付けることができるので、3次元測定機の測定テーブル上に置いたマスタブロック上方に、棒状ゲージの長手方向を3次元測定機の測定範囲の最も長い対角線方向に向くようにセットできるため、3次元測定機の測定範囲を最も長い対角線長に近い測定長で高精度で測定することが可能となる。
【0015】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えてさらに、基準部材を、基準測定面を有する基準ブッシュと、前記基準ブッシュを保持するブッシュ保持体の2つの部品に分けて製作し、高精度の加工が容易な基準ブッシュに基準測定面を形成しているため、基準測定面の仕上げ精度を高めることができる。
【0016】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の効果に加えてさらに、一対の取付軸を、ロッドの外周面の一部に形成された、前記ロッドの軸方向に平行な平坦面から垂直に突出している構造としているため、前記ロッドを支持体上面に対して、確実且つ安定した状態で保持することができる。
【0017】
さらに、請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3記載のそれぞれの発明の効果に加えて、棒状ゲージと支持体にそれぞれに設けられている一対の取付軸の外部へ突出している部分の外周面の一方が単純な円柱状に形成され、他方が左右幅より前後幅が狭い異形の柱状に形成されているため、対になっている取付軸の中心間隔がそれぞれ対応する支持体の取付孔の中心間隔あるいは、マスタブロックのブロック本体上面に設けられた基準ブッシュの中心孔間の中心間隔との間に製作誤差を有していても、これらの取付軸を、支持体の取付孔や基準ブッシュの中心孔にがたつきを生じることなく容易に嵌挿することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の3次元測定機用寸法標準器(以下、単に寸法標準器という。)を3次元測定機上にセットした状態を示す斜視図であって、同図に示すように、寸法標準器1は、3次元測定機A1の測定テーブルA2上にセットされた、マスタブロックM上に載せて用いられる。
【0019】
3次元測定機A1は、被測定物を保持する測定テーブルA2に対して、同図のX方向に移動可能な門形の可動フレームA3と、この可動フレームA3上に支持されて、X方向と直交するY方向に移動可能なヘッド部A4と、前記ヘッド部A4に対して、Z方向に昇降移動可能な昇降軸A5とを有しており、この昇降軸A5の下端に保持されているプローブA6の先端を、測定テーブルA2上方で、3次元方向に移動位置決めできるように構成されている。
【0020】
マスタブロックMは、3次元測定機A1の精度検査や校正を行うためのもので、本出願人が提案して特許を取得済みのものである(特許第3462180号、前述の特許文献2参照)。
図2は、このマスタブロックM上に取り付けられる寸法標準器1の構造を示す斜視図であって、寸法標準器1は、棒状ゲージ2と支持体3から構成されており、これらを一体に組み立てて、マスタブロックM上に取り付けて使用するようになっている。
【0021】
マスタブロックMは、石英ガラスまたは単結晶石英の単一の塊から削り出して製作されたブロック本体Vの四方の側面と水平な上面のそれぞれに、同一形状の不変鋼製の基準ブッシュBが固定されて構成されている。
【0022】
これらの基準ブッシュBは不変鋼で製作されていて、ブロック本体Vの表面に露出している端面S1と、中心孔の内周面S2を、図1に示す3次元測定機A1のプローブA6先端を接触させる基準測定面としている。
【0023】
また、本発明の寸法標準器1の主要部分を構成している棒状ゲージ2は細長い丸棒状のロッド4を有している。ロッド4は、マスタブロックMのブロック本体Vと同様に、環境の温度変化によって寸法の変化がほとんど生じない、石英ガラスまたは単結晶石英の単一の塊から削り出して製作されている。
【0024】
ロッド4は、検査を行う3次元測定機A1の最大測定長により、種々の長さのもの、例えば、400mm、600mm、800mm、1000mmが製作される。また、本実施形態においては、ロッド4の外径は60mmとしている。
【0025】
図3は、棒状ゲージ2の側面図、図4はその下面図、図5は、図3のA−A断面及びB−B断面を示す横断面図であって、(a)は、A−A断面、(b)は、B−B断面をそれぞれ示す。これらの図に示すように、ロッド4の外周面下側の一部には、その軸方向に平行で一様な幅の平坦面4Aが形成されていて、この平坦面4Aの中央部分には、ロッド4の軸方向に所定の間隔で、一対の軸穴4B、4Cが形成されている。
【0026】
これらの軸穴4B、4Cには、それぞれ、取付軸5、6の小径部5A、6Aが嵌入されて、接着剤で固定されている。また、これらの取付軸5、6の平坦面4Aから垂直下方に突出している部分は、取付軸5が単純な円柱状に形成されているのに対し、取付軸6は、左右幅よりも前後幅が狭い異形の柱状に形成されている。なお、ここでは、ロッド4の軸方向を前後方向としている。
【0027】
また、これらの取付軸5、6の素材には、本実施形態のものにおいては、クロムモリブデン鋼(SCM21)を用いているが、形状精度が高く耐摩耗性の大きい工業用プラスチック素材を成形加工したものを用いることも可能である。
【0028】
ロッド4の両端部には、同一構造の基準部材7がそれぞれ取り付けられている。これらの基準部材7は、図6及び図7に示すように、ブロック状のブッシュ保持体7Aと、前述したマスタブロックMに取り付けられている基準ブッシュBと同形状の基準ブッシュ7Bから構成されていて、ブッシュ保持体7Aの上面と下面間を垂直に貫通するブッシュ取付孔Hの上面側に基準ブッシュ7Bが嵌挿されて接着固定されている。
【0029】
ブッシュ保持体7A上面に配置される基準ブッシュ7Bの上端面と、その中央部に形成されている中心孔の内周面はそれぞれ、図1に示す3次元測定機A1のプローブA4先端を当接させる基準測定面S1、S2として用いられる。
【0030】
また、それぞれの基準部材7は、ロッド4の両端面中央部にそれぞれ形成されている取付穴(図示せず)内に、円筒状の軸部7Cを嵌入させて、接着剤で固定されている。
【0031】
次に、図8は、支持体3の側面図であって、同図及び図2に示すように、支持体3は側面視が先端を切り落とした直角3角形状に形成されていて、その斜辺は底辺に対して30°の角度をなしている。なお、本実施形態においては、支持体3の底辺の長さは250mm、厚さは50mmで、その素材には鋼鉄(S45C)が用いられている。
【0032】
支持体3の平坦に仕上げられた上面3Aには、前述した棒状ゲージ2に突設されている一対の取付軸5、6にそれぞれ対応する間隔で、一対の差込穴3C、3Dが前記上面3Aに対して垂直に形成されているとともに、下面3Bには、取付軸5と同一形状の取付軸8と、取付軸6と同一形状の取付軸9がそれぞれ垂直に突設されている。
【0033】
これらの取付軸8、9はそれぞれ、図2に示すマスタブロックMのブロック本体V上面に取り付けられている4つの基準ブッシュBのうち、ブロック本体Vの径方向に並んだ2つの基準ブッシュBの中心間隔と等しい間隔で支持体3の下面3Bに配置されている。なお、本実施形態のものにおいては、これらの取付軸8、9の素材には、前述した取付軸5、6と同じものが用いられている。
【0034】
次に、本発明の寸法標準器1の使用方法について説明する。
図1に示すように、寸法標準器1を支持する土台となるマスタブロックMを、3次元測定機1の測定テーブルA2の中央部に固定したジグパレットP上に載せ、図2に示すように、マスタブロックMのブロック本体Vの上面の2つの基準ブッシュBの中心孔にそれぞれ、支持体3側の2つの取付軸8、9を差し込んで、マスタブロックMのブロック本体V上に支持体3を載せる。
【0035】
この際、本実施形態のものにおいては、取付軸8、9間の中心間隔と、これらに対応する2つの基準ブッシュB間の中心間隔との間に誤差が生じていても、取付軸9の前後幅が基準ブッシュBの中心孔内径より小さいため、前記誤差を吸収して無理なく差し込むことができる。
【0036】
また、この際、取付軸9の左右幅は、基準ブッシュBの中心孔内径と適合する寸法となっているため、支持体3の下面3Bは、これらの基準ブッシュBの端面S1上に無理なく容易に取り付けることができる。
【0037】
次に、マスタブロックM上に保持させた支持体3の上面3Aに形成されている2つの差込穴3C、3Dに合わせて、棒状ゲージ2に設けられている取付軸5、6を差し込んで、ロッド4の下部の平坦面4Aを前記上面3Aに保持させる。
【0038】
なお、前述した取付軸8、9と同様に、これらの取付軸5、6においても一方の取付軸6の前後幅が差込穴3Dの内径より小さく形成されているため、これらの取付軸5、6の中心間距離と、差込穴3C、3Dの中心間距離に誤差を生じていても、無理なく差し込むことができるとともに、平坦面4Aが支持体3の上面3Aに当接することによって、棒状ゲージ2は支持体3に対して安定した状態で、無理なく簡単に付けることができる。
【0039】
このようにして、棒状ゲージ2が図1に示すように、3次元測定機A1の測定テーブルA2上にX方向とY方向の両方に対して斜めになるように設置する。なお、ここで用いる棒状ゲージ2は、両端に設けてある基準ブッシュ7B間の中心間隔が、3次元測定機A1のプローブA6先端が移動可能なX、Y、Z方向の最大距離を各辺とした直方体の対角線長の66%以上となるものを用いる。
【0040】
3次元測定機A1の指示誤差の評価は、3次元測定機A1のプローブA6先端を3次元方向に移動させて、棒状ゲージ2の両端の基準ブッシュ7Bのそれぞれの中心間距離を測定し、3次元測定機A1により得られた測定値と、より高精度の測定機で測定して得られている棒状ゲージ2の既定値とを比較して行う。
【0041】
なお、前述した実施形態においては、棒状ゲージ2のロッド4に平坦面4Aを形成し、前記平坦面4Aに取付軸5、6を突設しているが、この平坦面4Aを形成せずに、ロッド4を完全な丸棒状に形成してもよい。この場合には、支持体3の上面3Aをロッド4の外周面に適合する横断面円弧状やV字状に凹んだ面に形成することによって、支持体3の上面3Aにロッド4を安定して保持することができる。
【0042】
また、ロッド4は、重量を増加させずに曲げ強度を高めるために、中空パイプ状に形成してもよい。さらに、実施形態においては、棒状ゲージ2に設けられる基準部材7をブッシュ保持体7Aと基準ブッシュ7Bからなる2つの部品で構成しているが、基準部材7は単一の部品として製作してもよい。
【0043】
また、前述した実施形態においては、寸法標準器1を取り付けるマスタブロックMは、ブロック本体Vが石英ガラスまたは単結晶石英の単一の塊から削り出して製作されたものを用いているが、これに限定するものではなく、ブロック本体Vに、例えば不変鋼のような熱膨張の少ない他の素材で製作したものを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の3次元測定機用寸法標準器は、測定テーブル上でプローブを3次元方向に移動させて精度検査を行う3次元測定機における指示誤差を検査に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の3次元測定機用寸法標準器を3次元測定機上にセットした状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の3次元測定機用寸法標準器の構造を示す斜視図である。
【図3】本発明の3次元測定機用寸法標準器における棒状ゲージの側面図である。
【図4】本発明の3次元測定機用寸法標準器における、棒状ゲージの下面図である。
【図5】図3のA−A断面及びB−B断面を示す横断面図であって、(a)は、A−A断面、(b)は、B−B断面をそれぞれ示す。
【図6】本発明の3次元測定機用寸法標準器における棒状ゲージに設けられた基準部材の斜視図である。
【図7】本発明の3次元測定機用寸法標準器における棒状ゲージに設けられた基準部材の縦断面図である。
【図8】本発明の3次元測定機用寸法標準器における支持体の側面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 寸法標準器
2 棒状ゲージ
3 支持体
3A 上面
3B 下面
3C、3D 差込穴
4 ロッド
4A 平坦面
4B、4C 軸穴
5、6、8、9 取付軸
5A、6A 小径部
7 基準部材
7A ブッシュ保持体
7B 基準ブッシュ
7C 軸部
S1、S2 基準測定面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準測定面を有する複数の基準ブッシュが筒状のブロック本体の側面と上面に設けられているマスタブロック上に取り付けて、3次元測定機の指示誤差を検査するための3次元測定機用寸法標準器であって、
石英ガラスまたは単結晶石英によって形成されている細長い丸棒状のロッドと、前記ロッドの軸方向に所定の間隔をあけて、ロッド外周面から同じ向きに垂直に突出するように固定された一対の取付軸と、前記ロッドの両端部にそれぞれ固定され、3次元測定機のプローブ先端を接触させる基準測定面を有する、不変鋼で形成された一対の基準部材からなる棒状ゲージと、
水平な下面に対して傾斜した上面を有し、前記上面に前記一対の取付軸のそれぞれを着脱自在に嵌合させる一対の取付穴が設けられているとともに、前記下面に、ブロック本体上面に設けられた基準ブッシュの中心孔に嵌合させるための一対の取付軸が突設されている支持体から構成されていることを特徴とする3次元測定機用寸法標準器。
【請求項2】
それぞれの基準部材が、基準測定面を有する基準ブッシュと前記基準ブッシュを保持するブッシュ保持体から構成されていることを特徴とする請求項1記載の3次元測定機用寸法標準器。
【請求項3】
棒状ゲージの一対の取付軸は、ロッドの外周面の一部に形成された、前記ロッドの軸方向に平行な平坦面から垂直に突出し、これらの取付軸を支持体の取付穴にそれぞれ嵌合させたときに、前記平坦面が前記支持体上面に当接して保持されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の3次元測定機用寸法標準器。
【請求項4】
棒状ゲージと支持体にそれぞれに設けられている一対の取付軸の外部へ突出している部分の外周面は、一方が単純な円柱状に形成され、他方が左右幅より前後幅が狭い異形の柱状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の3次元測定機用寸法標準器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−133790(P2009−133790A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−311830(P2007−311830)
【出願日】平成19年12月1日(2007.12.1)
【出願人】(597113871)株式会社浅沼技研 (8)
【Fターム(参考)】