説明

3次元画像表示装置及び3次元画像表示方法

【課題】2次元画像及び立体視用の3次元画像を切り替えて表示可能な表示手段に立体視用の3次元画像を表示する場合において立体視を行う際の視認性を向上させる。
【解決手段】2次元画像と、複数の視点から同一被写体を撮影した複数の画像からなる立体視用の3次元画像の両方を表示することが可能な表示手段と、前記表示手段に対して、2次元画像と立体視用の3次元画像を切り替えて表示するように制御する2D/3D表示制御手段と、前記表示手段に表示された画像に対して重畳して表示されるOSD情報の表示を制御するOSD制御手段と、を備え、前記表示手段に表示された2次元画像に対してOSD情報を表示する場合に比べて、前記表示手段に表示された立体視用の3次元画像に対してOSD情報を表示する場合に、前記表示されたOSD情報を短い時間で消去するようにしたことを特徴とする3次元画像表示装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元画像表示装置及び3次元画像表示方法に係り、特に、装置状態や動作条件等を示すアイコン等を表示するOSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)機能を備えた3次元画像表示装置及び3次元画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどのデジタルカメラには、撮像した被写体画像を背景画像として、この背景画像の上に、例えば装置状態や動作条件を表す各種のメニューやマークを示すキャラクタ画像等を重畳してLCD(液晶ディスプレイ)等の表示手段に表示するOSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)機能を備えているものがある。
【0003】
例えば、デジタルカメラのOSD機能によってLCDに撮影条件等の設定内容を表すアイコンを表示する際、小型ディスプレイの場合にはアイコンが見難いため撮影条件の誤設定があっても見落とす可能性があり、これを防止するためにアイコンを拡大表示してアイコンを見易くしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0004】
また近年、1台のカメラに複数の光学系を設け立体視用の画像を撮影することができるデジタルカメラが開発されており、このようなデジタルカメラにおいては撮影した複数の画像をLCD上で立体視することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−301992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような立体画像撮影用のデジタルカメラにOSD機能を備え、LCDに撮影時の各種情報あるいは再生時の各種情報(OSD情報)を表すアイコン等を表示しようとすると、立体視画像に重畳して表示された2次元表示のOSD情報によって観察者の立体視の邪魔をして、LCDに表示されている立体視画像を立体視し難くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、2次元画像及び立体視用の3次元画像を切り替えて表示可能な表示手段に3次元画像を表示する場合において立体視を行う際の視認性を向上させることのできる3次元画像表示装置及び3次元画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、2次元画像と、複数の視点から同一被写体を撮影した複数の画像からなる立体視用の3次元画像の両方を表示することが可能な表示手段と、前記表示手段に対して、2次元画像と立体視用の3次元画像を切り替えて表示するように制御する2D/3D表示制御手段と、前記表示手段に表示された画像に対して重畳して表示されるOSD情報の表示を制御するOSD制御手段と、を備え、前記表示手段に表示された2次元画像に対してOSD情報を表示する場合に比べて、前記表示手段に表示された立体視用の3次元画像に対してOSD情報を表示する場合に、前記表示されたOSD情報を短い時間で消去するようにしたことを特徴とする3次元画像表示装置を提供する。
【0009】
これにより、2次元画像及び立体視用の3次元画像を切り替えて表示可能な表示手段に3次元画像を表示する場合において、OSD情報が立体視用の3次元画像の表示を邪魔する時間をなるべく短くすることで、立体視を行う際の視認性を向上させることができる。
【0010】
また、請求項2に示すように、前記表示手段に表示された立体視用の3次元画像に対してOSD情報を表示する場合、前記OSD情報表示後、所定操作が行われない無操作状態が所定時間継続した場合に、前記OSD情報を消去することを特徴とする。
【0011】
これにより、ユーザが無操作を続けた場合には装置が自動的にOSD情報を消去するので、ユーザにOSD情報の消去を意識させることなく、立体視を行う際の視認性を向上させることができる。
【0012】
また、同様に前記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、2次元画像と、複数の視点から同一被写体を撮影した複数の画像からなる立体視用の3次元画像の両方を表示することが可能な表示手段に対して、2次元画像と立体視用の3次元画像を切り替えて表示し、前記表示手段に表示された画像に対してOSD情報を重畳して表示するとき、前記表示手段に表示された2次元画像に対してOSD情報を表示する場合に比べて、前記表示手段に表示された立体視用の3次元画像に対してOSD情報を表示する場合に、前記表示されたOSD情報を短い時間で消去するようにしたことを特徴とする3次元画像表示方法を提供する。
【0013】
これにより、2次元画像及び立体視用の3次元画像を切り替えて表示可能な表示手段に立体視用の3次元画像を表示する場合において、OSD情報が3次元画像の表示を邪魔する時間をなるべく短くすることで、立体視を行う際の視認性を向上させることができる。
【0014】
また、請求項4に示すように、前記表示手段に表示された立体視用の3次元画像に対してOSD情報を表示する場合、前記OSD情報表示後、所定操作が行われない無操作状態が所定時間継続した場合に、前記OSD情報を消去することを特徴とする。
【0015】
これにより、ユーザが無操作を続けた場合には装置が自動的にOSD情報を消去するので、ユーザにOSD情報の消去を意識させることなく、立体視を行う際の視認性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、2次元画像及び立体視用の3次元画像を切り替えて表示可能な表示手段に立体視用の3次元画像を表示する場合において、OSD情報が立体視用の3次元画像の表示を邪魔する時間をなるべく短くすることで、立体視を行う際の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の3次元画像表示装置の一実施形態としてのデジタル立体カメラの外観図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図2】第1の実施形態のデジタル立体カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】OSD制御を示すフローチャートである。
【図4】表示画像に重畳してOSD情報が表示されたLCDパネルの様子を示す説明図である。
【図5】表示画像に重畳して表示されたOSD情報が消去されたLCDパネルの様子を示す説明図である。
【図6】(a)〜(d)は、画像再生時におけるトリミング処理におけるエラーメッセージの表示制御を示す説明図である。
【図7】第2の実施形態のOSD表示エリアを示す説明図である。
【図8】第3の実施形態のOSD表示エリアを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る3次元画像表示装置及び3次元画像表示方法について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の3次元画像表示装置の一実施形態としてのデジタル立体カメラの外観図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は背面図である。
【0020】
このデジタル立体カメラ1は、CCDイメージセンサや撮影レンズ等からなる撮像部を2つ有している。図1(a)に示すように、デジタル立体カメラ1の前面には、第1レンズ2及び第2レンズ4が、前面水平方向に一定間隔を保って並設されている。また、デジタル立体カメラ1の上面にはシャッタレリーズ操作に用いられるシャッタボタン(レリースボタン)6が設けられている。
【0021】
また、図1(b)に示すように、デジタル立体カメラ1の背面には、LCDパネル8、及び撮影モード切替ボタン10、2D/3D切替ボタン12、十字ボタン14等の各種操作ボタンが設けられている。
【0022】
LCDパネル8は、第1レンズ2及び第2レンズ4を通して撮像される被写体画像を立体視用画像としてリアルタイムで表示するとともに、再生時には記録した画像を立体視用画像として表示するものである。なお、2次元画像を撮影する場合には、第1レンズ2または第2レンズ4のいずれか一方を通して撮像すればよく、LCDパネル8はこれを2次元画像として表示する。
【0023】
撮影モード切替ボタン10は、動画モードと静止画モードを切り替えるものであり、2D/3D切替ボタン12は、LCDパネル8の表示を通常の2次元画像とするか立体視用画像とするかを切り替えるものである。
【0024】
図2は、デジタル立体カメラ1の電気的構成を示すブロック図である。
【0025】
第1撮像部20は、第1レンズ2、第1レンズバリア22、第1モータ24、第1モータドライバ26、第1CCD28、第1アナログ信号処理手段(CDS/AMP)30、第1A/D変換器32で構成されている。
【0026】
また同様に、第2撮像部40は、第2レンズ4、第2レンズバリア42、第2モータ44、第2モータドライバ46、第2CCD48、第2アナログ信号処理手段(CDS/AMP)50、第2A/D変換器52で構成されている。
【0027】
第1レンズ2は、図2では単純化して図示されているが、ズームレンズ、フォーカスレンズ及び絞り等を含んで構成されており、第1レンズ2及び第1レンズバリア22は、ともに第1モータ24によって駆動される。第1モータ24は第1モータドライバ26に接続されており、第1モータドライバ26はデジタル立体カメラ1の全体の制御を行うCPU60に接続されている。CPU60は、第1モータドライバ26を制御することで、第1レンズバリア22及び第1レンズ2の駆動を行っている。
【0028】
第1レンズ2の後側には撮像手段である第1CCD28が配置されている。第1レンズ2はこの第1CCD28の受光面に被写体像を結像させる。第1CCD28は、光電変換により被写体像を電気信号(画像信号)に変換し、この画像信号を第1アナログ信号処理手段30に送信する。第1アナログ信号処理手段30は、入力された画像信号に対して相関二重サンプリング処理(CDS)を行い、増幅して(AMP)出力する。
【0029】
なお、ここで相関二重サンプリング処理とは、撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィールドスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理である。
【0030】
第1アナログ信号処理手段30において相関二重サンプリング処理後増幅された画像信号は、第1A/D変換器32に入力され、アナログデータからデジタルデータに変換される。そして、右眼用の画像データとして、図示を省略した画像入力コントローラを介して、後述する画像信号処理回路62へ出力される。
【0031】
また、第2撮像部40についても、今述べた第1撮像部20と同様である。すなわち、第2レンズ4を介して第2CCD48によって撮像された被写体像は、第2アナログ信号処理手段(CDS/AMP)で相関二重サンプリング処理し、増幅された後、第2A/D変換器52から左眼用の画像データとして、図示を省略した画像入力コントローラを介して、画像信号処理回路62へ出力される。
【0032】
画像信号処理回路62は、データバス61を介してCPU60に接続されている。また、CPU60には、データバス61を介して、画像信号処理回路62の他に、圧縮・伸長処理回路64、メディアコントロール回路66、音声処理回路70、画像再生処理回路72、ビデオエンコード回路74等が接続されている。
【0033】
CPU60は、画像入力コントローラを制御して画像データを図示を省略したメモリに記憶させる。画像信号処理回路62は、入力された画像データに対して各種画像処理、例えば、階調変換、色変換、ハイパートーン処理、ハイパーシャープネス処理等の画像処理を施す。
【0034】
また、CPU60は、圧縮・伸長処理回路64を制御して、上記メモリに記憶された画像データに対して、JPEG方式等の圧縮形式により圧縮処理を施す。またCPU60は、メディアコントロール回路66を制御して、圧縮処理された画像データをメモリカード等の記録メディア76に記録させる。この記録メディア76に記録された画像を再生する場合は、CPU60がメディアコントロール回路66を制御して記録メディア76から画像データを読み出し、さらに圧縮・伸長処理回路64を制御して、圧縮された画像データの伸長処理を行う。
【0035】
CPU60は、画像再生処理回路72、2D/3D表示制御回路82を制御して、この画像データをLCDパネル8に表示する。なお、このLCDパネル8は、2D/3D対応LCDであり、立体画像の表示に対応している。
【0036】
画像信号処理回路62で所要の信号処理が施された画像データは、表示用のビデオエンコード回路74に出力される。ビデオエンコード回路74にはTVモニタ78が接続されており、撮影モード時に電子ビューファインダとして使用される際には、画像データがビデオエンコード回路74を介してTVモニタ78にライブビュー画像(スルー画像)として表示される。
【0037】
最近は、デジタル信号を入力するTVモニターや電子ビューファインダーも多いが、そのような機器を使用する、場合はそれぞれのTVモニターや電子ビューファインダーに適応した画像信号形式で転送すればよい。
【0038】
また、画像信号処理回路62は、第1レンズ2を介して第1CCD28で撮影され入力された右眼用画像データ、及び第2レンズ4を介して第2CCD48で撮影され入力された左眼用画像データのYC信号を、所定形式の映像信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換した上で、立体表示を行うための立体画像データに合成する。この表示用の画像データは、画像再生処理回路72、2D/3D表示制御回路82を介してLCDパネル(2D/3D対応LCD)8に表示される。
【0039】
CPU60には音声処理回路70が接続されており、音声処理回路70には音声再生回路86が接続され、さらに音声再生回路86には音声出力手段としてヘッドフォン(あるいはスピーカ)88が接続されている。撮影モード時に動画モードが選択されると、CPU60は、音声処理回路70を制御して図示を省略したマイクから取得された音声データを画像データとともに記録メディア76に記憶させる。また、CPU60は、記録メディア76に記録された音声データを再生する際、音声再生回路86を制御してヘッドフォン(あるいはスピーカ)88から音声を出力させる。また例えば、CPU60は、音声再生回路86を制御して、ヘッドフォン(あるいはスピーカ)88から撮影時にシャッタ音を出力させたりもする。
【0040】
また、第1の実施形態のデジタル立体カメラ1は、OSD制御回路84を備えている。OSD制御回路84は、CPU60からの指示に基づいて、カメラの状態や設定されているモード等の情報を表示する文字やキャラクタ等のアイコン(OSD情報)を生成し、2D/3D表示制御回路82を介してLCDパネル8上に画像にとともに(画像に重畳して)表示させるものである。本発明は、このOSD情報の表示の制御に関するものである。なお、これらについて詳しくは後述する。
【0041】
また、CPU60には、操作部90が接続されている。操作部90は、撮影モード切替スイッチや電源スイッチ、シャッタボタン、動画選択ボタン、ズームボタン、メニューボタン等の各種の入力指示手段を備えている。
【0042】
以下、第1の実施形態の作用としてのOSD制御について説明する。
【0043】
図3に、OSD制御のフローチャートを示す。ここでは、画像拡大再生(再生時にズーム操作を行う場合)におけるOSDの表示制御を例にとって説明する。
【0044】
まず、ステップS100において、デジタル立体カメラ1によって撮影され、図示を省略したメモリに記憶されている画像を、LCDパネル8上に表示する。
【0045】
これは、CPU60が、画像再生回路86を制御して、図示を省略したメモリから画像を読み出し、2D/3D表示制御回路82を介してLCDパネル8上に表示する。LCDパネル8は前述したように、2次元画像と立体視用の3次元画像の両方が表示可能な表示素子を含んでいる。
【0046】
例えば、図示は省略するが、LCDパネル8前面にレンチキュラーレンズが配置され、LCDパネル8に表示される立体視画像の表示領域は、右眼用短冊画像領域と左眼用短冊画像領域とから構成され、それぞれが交互に配置されている。そして、この画面を見る観者の右眼は右眼用短冊画像のみを、左眼は左眼用短冊画像のみを見ることとなり、これにより右眼用短冊画像の集合である右眼用画像及び左眼用短冊画像の集合である左眼用画像による左右視差により立体視が可能となる。なお、右眼用画像及び左眼用画像を同じにすれば通常の2次元画像が表示される。
【0047】
もちろん立体視画像の表示方式は、このレンチキュラーレンズを使用したものに限るものではない。
【0048】
次に、ステップS110において、例えば、表示画像中のある部分を拡大して表示しようとして操作部90のズームボタンを操作すると、その部分が拡大されて表示されるとともに、元の全画面における現在の表示位置を示すOSD情報が表示画像に重畳してLCDパネル8に表示される。
【0049】
図4に、表示画像に重畳してOSD情報が表示されたLCDパネル8の様子を示す。
【0050】
図4に示すように、ズームが指定されるとOSD情報として、拡大して表示された被写体(猫)の元の画面における位置を示すズーム枠92と、拡大倍率を表すズームバー94が表示画像に重畳して表示される。
【0051】
拡大画像の元の画像における位置を示すズーム枠92は、元の画像全体を表す枠92aと、その中で拡大している部分を表す枠92bの2つの枠から構成されている。また、拡大倍率を表すズームバー94は、固定バー94aと、その上を移動しその位置によって倍率を表すカーソル94bから構成されている。
【0052】
CPU60は、ズームボタンが操作されると画像再生処理回路72を制御して拡大画像をLCDパネル8に表示させるとともに、OSD制御回路84を制御してズーム情報を表すOSD情報(今の場合、ズーム枠92及びズームバー94)を画像に重畳してLCDパネル8に表示させる。
【0053】
次に、ステップS120において、LCDパネル8の画像表示は2Dか3DかをCPU60が判断する。そして、画像が3D表示の場合には、画像に重畳して表示されたOSD情報が立体視の邪魔をするので立体画像の視認性が悪くなる。そこで、立体画像の視認性を向上させるために、2D表示の場合よりもOSD情報の表示を画面上から早く消すようにする。
【0054】
第1の実施形態においては、2D表示の場合には、ステップS130において、OSD情報表示後、最後の所定の操作からカウントして3秒間無操作状態であったらOSD情報を画面上から消すようにする。また3D表示の場合には、ステップS140において、OSD情報表示後、最後の所定の操作からカウントして1秒間無操作状態であったらOSD情報を画面上から消すようにする。
【0055】
すなわち、ステップS150において、2D表示の場合には最後の所定操作から3秒間、また3D表示の場合には最後の所定操作から1秒間、所定操作が行われない無操作状態が継続した場合には、図5に示すように、CPU60はOSD制御回路84を制御してLCDパネル8の画面上からOSD情報を消す。
【0056】
このように、第1の実施形態においては、3D表示の場合には、OSD情報が画像に重畳して表示されていると立体視の邪魔となり立体画像の視認性が悪化するので、2D表示の場合よりも早くLCDパネル8の画面上からOSD情報を消すようにすることで、立体視の視認性を向上させるようにしている。
【0057】
なお、上記例では、2D表示の場合には最後の所定操作から3秒間無操作の場合に画面上からOSD情報を消すのに対して、3D表示の場合には最後の所定操作から1秒間無操作の場合に画面上からOSD情報を消しているが、3D表示の場合に2D表示の場合よりも早くOSD情報を消すことが重要なのであって、消すまでのカウント時間はこの例で挙げた3秒及び1秒に限定されるものではない。
【0058】
また、画像再生時におけるその他の操作の例について説明する。
【0059】
例えば図6(a)に示すように、LCDパネル8に画像を再生している場合に、操作部90のメニュー表示ボタンを押すと、図6(b)に示すような再生メニューが表示される。そこで、トリミングを選択すると、トリミング操作画面に切り替わるが、何らかの理由でエラーが発生した場合、OSD情報としてエラーメッセージが表示される。
【0060】
例えば、トリミング処理した画像データを保存する際、カード等の記録媒体の残り容量が少ない場合には、図6(c)に示すような「空き容量がありません」というメッセージが表示される。また、例えば、画像サイズが小さくてその画像がトリミングできないサイズの場合には、図6(d)に示すように、そのサイズ(0.3M)と共に「トリミングできません」というメッセージが表示される。また、例えば、再生できないコマをトリミングしようとした場合にも、「トリミングできません」のメッセージが表示される。
【0061】
そして、これらのメッセージ表示後、3秒経過後に、再生メニューを表示する前の図6(a)に示すような画面にもどる。
【0062】
なお、画像を3D表示している場合には、例えば図6(b)の再生メニューを表示しているとき、無操作状態となった場合に、1秒後にこの表示を消して図6(a)の画面にもどるようにしてもよい。さらに、図6(c)、(d)のエラーメッセージを表示している場合にも、画像が3D表示の場合には、無操作状態1秒継続後にエラーメッセージを消すようにしてもよい。
【0063】
また、上の例は、画像再生時におけるOSDの表示制御の例であったが、もちろん本発明を撮影時におけるOSDの表示制御に適用することもできる。
【0064】
例えば、撮影時にはシャッタボタン6を半押しすると撮影条件等を表すOSD情報が表示されるが、このときOSD情報の表示を消すまでの時間カウント(所定操作を行わない無操作状態の時間カウント)を、シャッタボタン6の半押し後から開始してもよいし、撮影モードに入ってから、このカウントを開始するようにしてもよい。
【0065】
なお、撮影時の所定操作としては、様々なものが考えられる。例えば、フラッシュ撮影の設定変更を行う「フラッシュモード設定」、マクロ撮影を行う「マクロ設定」、セルフタイマー撮影を行う「セルフタイマー設定」、フラッシュ発光・シャッター音鳴動を禁止する「マナーモード設定」など、これらの設定変更を行った際に、OSD情報にてガイダンスが表示される場合があるが、この場合にも本発明によるOSD表示制御を適用することが可能である。もちろん、これらの操作に限定されるものではない。
【0066】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、2D表示時及び3D表示時のOSD情報消去までの時間を個別に設定し、3D表示時のOSD情報消去までの時間を2D表示時の場合よりも短く設定することにより、立体視の妨げとなるOSD情報の表示を短くすることができる。その結果、2D/3D切替可能な表示装置を使用する場合に、立体視の視認性を向上させることが可能となる。
【0067】
以下、第2の実施例について説明する。本発明の課題である、「立体視画像に重畳して表示された2次元表示のOSD情報が立体視の邪魔をして、LCDに表示されている背景画像を立体視し難くなる」という課題の解決手段として、OSD情報の表示位置を限定する方法も考えられる。
【0068】
本発明の課題は、複数(例えば左右2枚の)画像の視差によって立体視している画面上に左右の視差が無い2次元画像が表示されることで左右の融合視が阻害されることによる。そのため、左右の画像の視差が大きい場合にその問題が大きくなり、逆に左右の視差が小さい場合には、その中に視差のない2次元画像が存在してもその影響は小さくなる。
【0069】
立体画像を撮影した場合、一般に被写体が近距離の場合に左右の視差が大きくなり、逆に遠距離の場合は左右の視差が小さくなることが知られている。また、通常の撮影の場合は図7のように人や物などの主要被写体が画面の中央部付近に存在する場合が多く、画面の上部には空や背景が位置する場合が多いことも知られている。そのため、本実施例では、画面の上部から略1/3の部分に背景が来ると想定してその部分に2次元表示のOSD情報を表示するようにしている。
【0070】
以下、第3の実施例について説明する。図2の立体カメラで撮影する場合には、主要被写体を検出して明るさやフォーカスが最適になるように制御する。立体カメラで撮影する場合、主要被写体を立体的に見せる必要があるため、主要被写体の視差が大きくなる。逆に言えば明るさが極端に暗い部分や明るい部分は、主要被写体ではない可能性が高く、その部分の視差が小さい可能性が高い。
【0071】
本実施例は、それを利用して主要被写体以外の部分に2次元表示のOSD情報を表示するようにしていることを特徴としている。図示していないが、立体カメラにおいて撮影する場合は、画面を複数のエリアに分割してそれぞれのエリアの明るさを測光する事によって被写体の状態を推定して中心被写体を最適な明るさにする。図8に示すように、エリア毎の測光値を利用して中心被写体から明るさが極端に明るいエリアは空などの背景あるいは、主要被写体と無関係である場合が想定できる。逆に極端に暗いエリアは、被写体とは関係が薄い暗い部分と考えられるため、そのエリアを選択してそのエリア内にあるいはそのエリア周辺にOSD表示を行うようにする。
【0072】
以上、本発明の3次元画像表示装置及び3次元画像表示方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0073】
1…デジタル立体カメラ、2…第1レンズ、4…第2レンズ、6…シャッタボタン、8…LCDパネル、10…撮影モード切替ボタン、12…2D/3D切替ボタン、20…第1撮像部、40…第2撮像部、60…CPU、62…画像信号処理回路、72…画像再生処理回路、80…AF検出回路、82…2D/3D表示制御回路、84…OSD制御回路、90…操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元画像と、複数の視点から同一被写体を撮影した複数の画像からなる立体視用の3次元画像の両方を表示することが可能な表示手段と、
前記表示手段に対して、2次元画像と立体視用の3次元画像を切り替えて表示するように制御する2D/3D表示制御手段と、
前記表示手段に表示された画像に対して重畳して表示されるOSD情報の表示を制御するOSD制御手段と、
を備え、前記表示手段に表示された2次元画像に対してOSD情報を表示する場合に比べて、前記表示手段に表示された立体視用の3次元画像に対してOSD情報を表示する場合に、前記表示されたOSD情報を短い時間で消去するようにしたことを特徴とする3次元画像表示装置。
【請求項2】
前記表示手段に表示された立体視用の3次元画像に対してOSD情報を表示する場合、前記OSD情報表示後、所定操作が行われない無操作状態が所定時間継続した場合に、前記OSD情報を消去することを特徴とする請求項1に記載の3次元画像表示装置。
【請求項3】
2次元画像と、複数の視点から同一被写体を撮影した複数の画像からなる立体視用の3次元画像の両方を表示することが可能な表示手段に対して、2次元画像と立体視用の3次元画像を切り替えて表示し、前記表示手段に表示された画像に対してOSD情報を重畳して表示するとき、
前記表示手段に表示された2次元画像に対してOSD情報を表示する場合に比べて、前記表示手段に表示された立体視用の3次元画像に対してOSD情報を表示する場合に、前記表示されたOSD情報を短い時間で消去するようにしたことを特徴とする3次元画像表示方法。
【請求項4】
前記表示手段に表示された立体視用の3次元画像に対してOSD情報を表示する場合、前記OSD情報表示後、所定操作が行われない無操作状態が所定時間継続した場合に、前記OSD情報を消去することを特徴とする請求項3に記載の3次元画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−24021(P2011−24021A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167981(P2009−167981)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】