説明

4−ヘテロシクロアルキルピリミジン、それらの調製方法及び医薬としての使用

本発明は、過剰又は異常な細胞増殖に特徴づけられる疾患の治療に適した一般式(1)の化合物


(式中、
XおよびR〜Rは請求項1に定義されたとおりである)及び上記特性を有する医薬調製物の調製の為のそれらの使用。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は一般式(1)の新規4-ヘテロシクロアルキルピリミジン

(式中、基X及びR1〜R3は請求項及び明細書に定義された通りである)、それらの異性体、これらの化合物の調製方法およびそれらの医薬としての使用に関する。
【0002】
(発明の詳細な説明)
驚くべきことに、一般式(1)の化合物(式中、基 X、R1、R2 及びR3は以下に定義するとおりである。)が特定の細胞周期キナーゼの阻害剤として働くことが明らかとなった。従って、本発明の化合物は例えば特定の細胞周期キナーゼの活性と関連し過剰又は異常な細胞増殖に特徴づけられる疾患の治療の為に使用されても良い。
【0003】
本発明は 一般式(1)の化合物に関し

式中、
XはCH又はNであり、及び
R1は8-12員ヘテロシクロアルキルであり、任意に1以上の同じ又は異なるR4で置換され、及び
R2はC6-15アリール、3-8員ヘテロシクロアルキル及び5-14員ヘテロアリールから選択される基であり、1以上の同じ又は異なるR4で置換され、及び
R3はハロゲン、-CN、-NRfRf、-ORf、-C(O)Rf、-SRf、-S(O)Rf、-S(O)2Rf、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C3-5シクロアルキル及び3-5員ヘテロシクロアルキルから選択される基であり、及び
R4はRa、Rb及びRaから選択される基であり1以上の同じ又は異なるRc及び/又はRbで置換され;
各Raは互いに独立してC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6員ヘテロアルキル、3-8員ヘテロシクロアルキル、4-14員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12員ヘテロアリール及び6-18員ヘテロアリールアルキルから選択され;
各Rbは適切な基であり、それぞれは独立して=O、-ORc、C1-3ハロアルキルオキシ、-OCF3、=S、-SRc、=NRc、=NORc、-NRcRc、ハロゲン、-CF3、-CN、-NC、-OCN、-SCN、-NO2、-S(O)Rc、-S(O)2Rc、-S(O)2ORc、-S(O)NRcRc、-S(O)2NRcRc、-OS(O)Rc、-OS(O)2Rc、-OS(O)2ORc、-OS(O)2NRcRc、-C(O)Rc、-C(O)ORc、-C(O)NRcRc、-CN(Rf)NRcRc、-CN(OH)Rc、-CN(OH)NRcRc、-OC(O)Rc、-OC(O)ORc、-OC(O)NRcRc、-OCN(Rf)NRcRc、-N(Rf)C(O)Rc、-N(Rf)C(S)Rc、-N(Rf)S(O)2Rc、-N(Rf)C(O)ORc、-N(Rf)C(O)NRcRc、-[N(Rf)C(O)]2Rc、-N[C(O)]2Rc、-N[C(O)]2ORc、-[N(Rf)C(O)]2ORc及び-N(Rf)CN(Rf)NRcRcから選択され;
各Rcは互いに独立して水素又はC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6員ヘテロアルキル、3-8員ヘテロシクロアルキル、4-14員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12員ヘテロアリール及び6-18員ヘテロアリールアルキルから選択され、任意に1以上の同じ又は異なるRd及び/又はReで置換された基であり;
各Rdは互いに独立して水素又はC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6員ヘテロアルキル、3-8員ヘテロシクロアルキル、4-14員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12員ヘテロアリール及び6-18員ヘテロアリールアルキルから選択された任意に1以上の同じ又は異なるRe及び/又はRfで置換された基であり;
各Reは適切な基であり、それぞれは独立して=O、-ORf、C1-3ハロアルキルオキシ、-OCF3、=S、-SRf、=NRf、=NORf、-NRfRf、ハロゲン、-CF3、-CN、-NC、-OCN、-SCN、-NO2、-S(O)Rf、-S(O)2Rf、-S(O)2ORf、-S(O)NRfRf、-S(O)2NRfRf、-OS(O)Rf、-OS(O)2Rf、-OS(O)2ORf、-OS(O)2NRfRf、-C(O)Rf、-C(O)ORf、-C(O)NRfRf、-CN(Rg)NRfRf、-CN(OH)Rf、-C(NOH)NRfRf、-OC(O)Rf、-OC(O)ORf、-OC(O)NRfRf、-OCN(Rg)NRfRf、-N(Rg)C(O)Rf、-N(Rg)C(S)Rf、-N(Rg)S(O)2Rf、-N(Rd)C(O)ORf、-N(Rg)C(O)NRfRf、及び-N(Rg)CN(Rf)NRfRfから選択され;
各Rfは互いに独立して水素又はC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6員ヘテロアルキル、3-8員ヘテロシクロアルキル、4-14員ヘテロシクロ-アルキルアルキル、5-12員ヘテロアリール及び6-18員ヘテロアリールアルキルから選択された任意に1以上の同じ又は異なるRgで置換された基であり;
各Rgは互いに独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6員ヘテロアルキル、3-8員ヘテロシクロアルキル、4-14員ヘテロシクロアルキル、5-12員ヘテロアリール及び6-18員ヘテロアリールアルキルであり、任意に互換異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー及びそれらの混合物の形態であり、任意にそれらの医薬的に許容可能な酸付加塩であり、ただし R2 はハロゲンと異なる少なくとも1つの置換基を有し、以下の化合物を含まない:
4-[5-クロロ-4-(4,5,7,8-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-d]アゼピン-6-イル)-ピリジン-2-イルアミノ]-N,N-ジメチル-フェニルスルホンアミド、(2-99)
4-[5-クロロ-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-ピリジン-2-イルアミノ]-N,N-ジメチル-フェニルスルホンアミド (2-136)
N,N-ジメチル-4-[5-メチル-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-ピリジン-2-イルアミノ]-フェニルスルホンアミド、(2-143)
N,N-ジメチル-4-[5-メチル-4-(4,5,7,8-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-d]アゼピン-6-イル)-ピリジン-2-イルアミノ]-フェニルスルホンアミド、(2-144)
2-(4-(1-ピペリジニル-メチル-)フェニルアミノ)-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン; (1-006)
2-[4-(1,2,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[d]アゼピン-3-イルメチル)-フェニルアミノ]-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン; (1-646)
N,N-ジメチル-4-[4-(4,5,7,8-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-d]アゼピン-6-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イルアミノ]-フェニルスルホンアミド、(2-73)
N,N-ジメチル-4-[4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イルアミノ]-フェニルスルホンアミド、(1-694)
[4-(モルホリン-4-スルホニル)-フェニル]-[4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル]-アミン、(1-695)
[5-メトキシ-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-ピリジン-2-イル]-(4-ピペリジン-1-イルメチル-フェニル)-アミン、(2-139)
N5,N5-ジメチル-N2-(4-ピペリジン-1-イルメチル-フェニル)-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-ピリジン-2,5-ジアミン、(2-145)
[5-イソプロピル-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-ピリジン-2-イル]-(4-ピペリジン-1-イルメチル-フェニル)-アミン、(2-146)
2-4-(カルボキシ-フェニルアミノ)-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン (1-017)
2-4-(2-カルボキシ-1-エチル-)フェニルアミノ)-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン (1-023)
【0004】
1つの態様において、本発明は一般式(1)の化合物に関し、式中XはNである。
【0005】
他の態様において、本発明は一般式(1)の化合物に関し、式中R3はハロゲン、-NRfRf、-ORf、-C(O)Rf、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル及びC3-5シクロアルキルから選択される基である。
【0006】
他の態様において、本発明は一般式(1)の化合物に関し、式中
R2はフェニル及び5-12員ヘテロアリールから選択される基である。
【0007】
他の態様において、本発明は一般式(1A)の化合物に関し、

式中、
Qは5、 6又は 7 員 ヘテロシクロアルキルであり、及び
R2、R3及びR4は本明細書の以下に定義される通りである。
【0008】
(A) R1に関する態様
(A1) 1つの態様において、本発明は一般式(1)の化合物に関し、式中R1は1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イルである。
(A2) 他の態様において、本発明は一般式(1)の化合物に関し、式中R1は4,5,7,8-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-d]アゼピン-6-イルである。
【0009】
(B) R2に関する態様
(B1) 1つの態様において、本発明は一般式(1)の化合物に関し、式中R2は1以上の同じ又は異なるR4で置換された、9員ヘテロアリールである。
(B2) 他の態様において、本発明は一般式(1)の化合物に関し、式中R2は1以上の同じ又は異なるR4で置換された、9員ヘテロシクロアルキルである。
(B3) 他の態様において、本発明は一般式(1)の化合物に関し、式中R2は任意に1以上の同じ又は異なるRc及び/又はRbで置換された、5-6員ヘテロシクロアルキルで置換されたフェニルである。
(B4) 他の態様において、本発明は一般式(1)の化合物に関し、式中R2は-NRcRcで置換されたフェニルである。
(B5) 他の態様において、本発明は一般式(1)の化合物に関し、式中R2は-C(O)Rcで置換されたフェニルである。
(B6) 他の態様において、本発明は一般式(1)の化合物に関し、式中R2は-C(O)NRcRcで置換されたフェニルである。
【0010】
(C) R3に関する態様
(C1) 1つの態様において、本発明は一般式(1)の化合物に関し、式中R3はジメチルアミノである。
(C2) 他の態様において、本発明は一般式(1)の化合物に関し、式中R3はメトキシである。
【0011】
すべての上記態様、R1についての(A1)及び(A2)、R2についての(B1)〜(B6) 及びR3についての(C1)及び(C2)は互いに、必要に応じて組み合わせても良い。
【0012】
以下の表は異なる態様の本発明の式1の化合物の好ましい組み合わせを示している:

他の態様において、本発明は医薬調製物として使用するための一般式(1)又は(1A)の化合物又は医薬的に有効なそれらの塩に関する。
【0013】
他の態様において、本発明は抗増殖活性を有する医薬調製物を調製するための一般式(1)又は(1A)の化合物又は医薬的に有効なそれらの塩に関する。
【0014】
他の態様において、本発明は、活性物質として1以上の一般式(1)又は(1A)の化合物な又は医薬的に有効なそれらの塩を、任意に従来の賦形剤及び/又は担体と共に含む医薬調製物に関する。
【0015】
他の態様において、本発明は癌、感染、炎症及び自己免疫疾患の治療及び/又は予防のための医薬組成物の調製の他面の一般式(1)又は(1A)の化合物の使用に関する。
【0016】
他の態様において、本発明は一般式(1)又は(1A)の化合物及び少なくとも1以上の一般式(1)又は(1A)とは異なる他の抗増殖活性物質であって、任意に、互換異性体、ラセミ体、エナンチオマ-、ジアステレオマー及びそれらの混合物の形態であり、任意に医薬的に有効なそれらの塩であるものを含む医薬調製物に関する。
【0017】
定義
本明細書で使用されるように、別に述べない限り、以下の定義が適用される。
【0018】
アルキル置換基とはそれぞれの場合において飽和、不飽和、直鎖又は分岐脂肪族炭化水素基 (アルキル基)を意味し、飽和 アルキル基及び不飽和 アルケニル及びアルキニル基の両方を含む。アルケニル置換基はそれぞれの場合において直鎖または分岐、不飽和アルキル基であり、少なくとも1つの二重結合を有する。アルキニル置換基はそれぞれの場合において直鎖または分岐、不飽和 アルキル基を意味し、少なくとも一つの3重結合を有する。
【0019】
ヘテロアルキルは1〜3個のヘテロ原子を含む直鎖または分岐脂肪族炭化水素鎖であり、ヘテロアルキル鎖内で利用可能な炭素及びヘテロ原子は任意に独立して置換されヘテロ原子は互いに独立してO、N、P、PO、PO2、S、SOおよびSO2 (例えばジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノメチル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、2-ジイソプロピルアミノエチル、ビス-2-メトキシエチルアミノ、[2-(ジメチルアミノ-エチル)-エチルアミノ]-メチル、3-[2-(ジメチルアミノ-エチル)-エチルアミノ]-プロピル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、メトキシメチル、2-メトキシエチル)から選択される。
【0020】
ハロアルキルは1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロアルキルには例えば -CF3、-CHF2、-CH2F、-CF2CF3、-CHFCF3、-CH2CF3、-CF2CH3、-CHFCH3、-CF2CF2CF3、-CF2CH2CH3、-CF=CF2、-CCl=CH2、-CBr=CH2、-CI=CH2、-C≡C-CF3、-CHFCH2CH3 及び-CHFCH2CF3のような飽和 アルキル基及び不飽和 アルケニル及びアルキニル基の両方が含まれる。
ハロゲン はフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素原子である。
【0021】
シクロアルキルは、環系が飽和環だけでなく不飽和、非-芳香族環又はスピロ化合物である単環式又は多環式環であり、任意に2重結合も含む、例えばシクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプタニル、シクロヘプテニル、ノルボルニル、ノルボルネニル、インダニル、アダマンチル、スピロヘプタニル 及び スピロ[4.2]ヘプタニルを意味する。
【0022】
シクロアルキルアルキルは上記定義された、炭素原子に結合している水素原子がシクロアルキル基で置換されている非-環式 アルキルを含む。
【0023】
アリールは、6〜12個の炭素原子を有する、例えばフェニル及びナフチルのような単環式又は二環式環を言う。
【0024】
アリールアルキルは炭素原子に結合している水素原子がアリール基で置換されている非-環式アルキル基を含む。
【0025】
ヘテロアリールは、1以上の炭素原子の代わりに、1以上の同一又は異なる例えば窒素、硫黄又は酸素原子のようなヘテロ原子を含む単環式又は多環式環を意味する。例としては、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル及びトリアジニルが挙げられる.二環式ヘテロアリール基の例はインドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キノオキサリニル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニル及びベンゾトリアジニル、インドリジニル、オキサゾロピリジニル、イミダゾピリジニル、ナフチリジニル、インドリニル、イソクロマニル、クロマニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ピリドピリジニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、プリニル、ベンゾジオキソリル、トリアジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、プテリジニル、ベンゾチアゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、ジヒドロベンズイソキサジニル、ベンズイソキサジニル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンズイソチアジニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クマリニル、イソクマリニル、クロモニル、クロマノニル、ピリジニル-N-オキシドテトラヒドロキノリニル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロキノリノニル、ジヒドロイソキノリノニル、ジヒドロクマリニル、ジヒドロイソクマリニル、イソインドリノニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾオキサゾリノニル、ピロリル-N-オキシド、ピリジニル-N-オキシド、ピリダジニル-N-オキシド、ピラジニル-N-オキシド、キノリニルN-オキシド、インドリル-N-オキシド、インドリニル-N-オキシド、イソキノリル-N-オキシド、キナゾリニル-N-オキシド、キノオキサリニルN-オキシド、フタラジニル-N-オキシド、イミダゾリル-N-オキシド、イソキサゾリル-N-オキシド、オキサゾリル-N-オキシド、チアゾリル-N-オキシド、インドリジニル-N-オキシド、インダゾリル-N-オキシド、ベンゾチアゾリル-N-オキシド、ベンズイミダゾリル-N-オキシド、ピロリル-N-オキシド、オキサジアゾリル-N-オキシド、チアジアゾリル-N-オキシド、トリアゾリル-N-オキシド、テトラゾリル-N-オキシド、ベンゾチオピラニル-S-オキシド及びベンゾチオピラニル-S,S-ジオキシドである。
【0026】
ヘテロアリールアルキルは、炭素原子に結合している水素原子がヘテロアリール基で置換されている非-環式アルキルを含む。
【0027】
ヘテロシクロアルキルは3〜12個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、非-芳香族単環式-、多環式又は架橋多環式環又はスピロ化合物に関し、1以上の炭素原子の代わりに窒素、酸素又は硫黄のようなヘテロ原子を有する。前記ヘテロ環式基の例にはテトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモモルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、ホモチオモルホリニル、チオモルホリニル-S-オキシド、チオモルホリニル-S,S-ジオキシド、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、ホモチオモルホリニル-S,S-ジオキシド、オキサゾリジノニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル-S-オキシド、テトラヒドロチエニル-S,S-ジオキシド、ホモチオモルホリニル-S-オキシド、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、3,8-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン、2,5-ジアザ-ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、3,8-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン、3,9-ジアザ-ビシクロ[4.2.1]ノナン及び2,6-ジアザ-ビシクロ[3.2.2]ノナンが挙げられる。
【0028】
ヘテロシクロアルキルアルキルは炭素原子に結合している水素原子がヘテロシクロアルキル基で置換されている非-環式アルキル基に関する。
【0029】
「置換」という語は対象の原子に直接結合している水素原子を異なる原子又は異なる原子団に置き換えることを意味する。=O、=S、=NR、=NOR、=NNRR、=NN(R)C(O)NRR、=N2 及びその他のような2価の置換基は対象の原子に直接結合する水素原子によって置換されることを要求する。従って、この種の2価の置換基は芳香族系の置換基ではない。
【0030】
略語のリスト

【0031】
本発明の化合物の調製:
本発明の化合物は本明細書で後述する方法に従って調製されても良く、一般式の置換基(I 〜XIV)は前述の定義の通りである。
【0032】
方法
工程 1
中間化合物III の調製は求核試薬IIによるヘテロ芳香族系Iの例えばハロゲン、SCN 又はメトキシ、好ましくは塩素のような遊離基(LG)の置換によって行われる。
【0033】
スキーム 1

1等量の化合物I及び1 〜1.5等量の化合物IIを、溶媒、例えば 1,4-ジオキサン, THF, DMF, DMA又は2-ブタノール中で攪拌した。15〜25℃の温度で、2〜2.5等量の塩基、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、エチルジイソプロピルアミン又はトリエチルアミンを加えた。反応混合物をさらに12〜72時間 15〜50℃の温度で攪拌した。続いて溶媒を蒸発させ残渣をクロマトグラフィーで精製した。
【0034】
工程 2
最終化合物 Vの調製は、求核試薬IVによりヘテロ芳香族系III中の遊離基、例えばハロゲン、SCN又はメトキシ、好ましくは塩素の置換により行った。
【0035】
スキーム 2

1等量の化合物III及び1〜3等量の化合物IVを溶媒、例えば1,4-ジオキサン、DMF、DMA、N-メチル-2-ピロリジノン又は水中で攪拌した。15〜40℃ の温度で1〜2等量の 無機酸、例えば硫酸又は塩酸を加えた。反応混合物はさらに20〜100℃で12〜72時間攪拌した。続いて溶媒を蒸発させ残渣をクロマトグラフィーで精製した。
【0036】
工程 3A
上記N原子に加えて他のN原子、カルボニル基、ハロゲン原子又は他の官能基を含むR2基はさらに誘導体化して生成物VIIIを得る可能性がある。例えば、さらなるN 原子を含む分子をカルボニル基を有する反応体(VII)と反応させることが可能である。
【0037】
スキーム 3A

1等量の化合物 VI 及び1〜2等量の化合物 VII を溶媒、例えばメタノール又はDMA中で攪拌した。15〜25℃の濃度で、2〜5 等量の還元剤、例えばナトリウムトリアセトキシボロヒドリド又はシアノ水素化ほう素ナトリウムを加えた。反応混合物はさらに15〜25℃で0.5〜18時間攪拌し、続いて水と併せ、無機塩基、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム又は水酸化ナトリウムでpH8〜9に調整した。この混合物は2〜3回、有機溶媒、例えばジエチルエーテル、酢酸エチル又はジクロロメタンで抽出した。併せた有機抽出物は乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残渣はクロマトグラフィー又は結晶化を繰り返すことで精製した。
【0038】
工程 3B
さらに、カルボニル基を有する分子をアミンと反応させた。
【0039】
スキーム 3B

1等量の化合物IX及び1〜2等量の化合物Xを溶媒、例えばメタノール又はDMA中で攪拌した。15〜25℃の温度で、2〜5等量の還元剤、例えばナトリウムトリアセトキシボロヒドリド又はシアノ水素化ほう素ナトリウムを加えた。反応混合物はさらに15〜25℃で0.5〜18時間攪拌した。続いて水と併せ、無機塩基、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム又は水酸化ナトリウムでpH8〜9に調整した。この混合物は2〜3回、有機溶媒、例えばジエチルエーテル、酢酸エチル又はジクロロメタンで抽出した。併せた有機抽出物は乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残渣はクロマトグラフィー又は結晶化を繰り返すことで精製した。
【0040】
工程 3C
さらなるN 原子を有する分子はハロゲン化アルキル(アルキル-Hal)と反応させても良い。
【0041】
スキーム 3C

1等量の化合物 VI及び1〜10 等量の化合物 XII を溶媒、例えば1,4-ジオキサン、THF、DMF又はアセトニトリル中で攪拌した。15〜25℃の温度で、2〜2.5 等量の塩基、例えば 炭酸カルシウム, 炭酸ナトリウム, 炭酸セシウム, エチルジイソプロピルアミン又はトリエチルアミンを加えた。反応混合物はさらに15〜25℃で12〜72時間攪拌し、続いて水と併せ, 無機塩基、例えば炭酸水素ナトリウム又は炭酸カルシウムでpH8〜9に調節した。この混合物は2〜3回、有機溶媒、例えばジエチルエーテル、 酢酸エチル又はジクロロメタンで抽出した。併せた有機抽出物は乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残渣はクロマトグラフィー又は結晶化を繰り返すことで精製した。
【0042】
工程 3D
カルボキシル基を有する分子をアミンと反応させても良い。もしカルボキシル基が保護された形態で存在する場合は、あらかじめ加水分解又は当業者に知られている同様の方法で脱保護した化合物に変換される。
【0043】
スキーム 3D

1等量の化合物XIV、1〜1.5等量の化合物X及び1〜3等量の塩基、例えばトリエチルアミン又はエチルジイソプロピルアミンを溶媒、例えば1,4-ジオキサン、DMF、DMA又はN-メチル-2-ピロリジノン中で攪拌した。15〜25℃の温度で1〜1.5等量のカップリング試薬、例えばN,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N-ジイソプロピルカルボジイミド、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボラート、1-(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド又はO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートを加えた。反応混合物はさらに15〜25℃の温度で4〜24時間攪拌した。続いて溶媒を蒸発させ残渣をクロマトグラフィーで精製した。
【0044】
クロマトグラフィー
分取用中圧クロマトグラフィー (MPLC)には、Millipore社のシリカゲル (Granula Silica Si-60A 35-70 μm)又は Macherey Nagel社の C-18 RP シリカゲル(Polygoprep 100-50 C18)を使用した。
高圧クロマトグラフィーにはWaters社製のカラム (XTerra Prep. MS C18、5 μM、30*100 mm、Symmetrie C18、5 μm、19*100 mm又はXBridge C18、5 μm、19*100)を使用した。
【0045】
質量分析法/ UV-分光計:
これらのデータはAgilent 社のHPLC-MS装置(質量検出器を備えた高速液体クロマトグラフィー)を用いて得た。
装置はクロマトグラフィー (カラム: Zorbax SB-C8、3.5 μm、2.1*50、Agilent社)にダイオードアレイ検出器 (G1315B Agilent社製)及び質量検出器 (1100 LS-MSD SL; G1946D; Agilent)が連続して接続するように構築されている。
この装置は0.6 mL/minの流速で操作される。分離工程の為に3.5以内の勾配をかける(勾配開始時: 95% 水及び5% アセトニトリル、勾配終了時: 5% 水及び95% アセトニトリル; バッファーとして、0.1%のギ酸を両方の溶媒に加える又は5 mM 炭酸水素アンモニウム及び19 mM アンモニアを水に加える)。
【0046】
出発物質
出発物質の調製について記載されていない場合、商業的に入手可能か又は一般的方法を用いて当業者によって容易に得られる。
【0047】
(2,4-ジクロロピリジン-5-イル)-ジメチル-アミン及び誘導体(O'Brien, Darrell E. et al., J. Med. Chem (1966), 9, 121)
4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン (T. Vitali et al., Farmacao, Ed. Sci.20, 636 (1969))
1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン (R. Jain, L.A. Cohen, Tetrahedron, 52 (15) 5363 (1996) or T. Vitali et al., Farmacao, Ed. Sci.20, 636 (1969))
3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン (G. Durant et. al, J. Med. Chem. (1976), 19, 923 or T. Vitali et al., Farmacao, Ed. Sci.20, 636 (1969))
4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ [4,5-d]アゼピン (WO 03/032997)
2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ [4,5-d]アゼピン (WO 03/032997)
2-チオメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ [4,5-d]アゼピン (2- メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ [4,5-d]アゼピンと同様にS-メチルチオウレアを用いて)
【0048】
N-(3-アミノフェニル)ピロリジン-1-カルボキシアミド (WO 2004/048343)
4-モルホリン-4-イル-シクロヘキシルアミン及び4-モルホリン-4-イル-シクロブチルアミン (WO 2006/021544)
2-チオメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ [4,5-d]アゼピン(2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾル[4,5-d]アゼピンと同様にS-メチルチオウレアを用いて)
アミノベンジルアミンは商業的に入手可能であり、Monatsh. Chem. (1969), 100(4) と同様に又は当業者に知られた対応する方法で調製してよい。
アミノベンズイミダゾル は商業的に入手可能であり、Olguin, Luis F.; Synlett (2005), (2), 340-342, Bapat; Shirsat , Indian J. Chem.; 3; 1965; 81, Ainsworth, D. P.; Suschitzky, H. J. Chem. Soc., Org. (1966), (1), 111-13と同様に又は当業者に知られた対応する方法で調製してよい。
4-アミノアニリン は商業的に入手可能であり、WO2006/021548と同様に又は当業者に知られた対応する方法で調製してよい。
1-メチル-4-ピペラジン-1-イル-1H-ピリジン-2-オン は例えば4-ベンジルオキシ-1H-ピリジン-2-オンをメチル化、続いて脱ベンジル化 (Gwaltney, S. L. et al, Bioorganic & Medicinal Chemistr-イルetters (2001), 11(7), 871-874)し、Bocピペラジン(トルエン中、120℃、水分離器)と反応し、続いて当業者に知られた方法で脱保護することにより得ても良い。
【0049】
方法1
4-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン

1.5 gのヒスタミン (x 2 HCl)を100 mLのリン酸バッファー(pH 7)に溶解し1.6 mLのアセトアルデヒドと併せた。反応溶液のpHは1 N NaOHを加えることにより8に調整し、反応溶液を37℃で5日間攪拌した。続いてさらに1 N NaOHを加えてpHを12に調整し、溶媒を減圧下除去し、残渣をエタノールに懸濁しろ過して溶解しない成分をろ過して取り除いた。減圧下エタノールを除去した後、残った粗生成物を、さらに以下の反応に直接使用した。
収量: 1.62 g
MS: 138 (M+H)+
【0050】
4-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン は4-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジンと同様に2.2 mLプロピオンアルデヒドを用いて調製した。

収量: 1.8 g
MS: 152 (M+H)+
【0051】
方法2
(R)-6-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン

a) (S)-1-ブロモメチル2-(3H-イミダゾl-4-イル)-エチルアミン
900 mgの(S)-ヒスチジノール(x 2 HCl)は20 mL HBrの酢酸溶液 (32%)に溶解し110℃まで電子レンジ内で6時間かけて加熱した。溶媒を減圧下除去し、残渣をエタノールに溶解し、再び減圧下溶媒から分離した。この粗生成物を、さらに精製すること無しに次の反応工程に使用した。
収量: 1.5 g
MS: 204/206 (M+H)+
【0052】
b) (R)-2-(3H-イミダゾl-4-イル)-1-メチル-エチルアミン
1.5 gの(S)-1-ブロモメチル2-(3H-イミダゾl-4-イル)-エチルアミン及び1.87 gの酢酸ナトリウムを94 mL 酢酸 (10%)に溶解した。400 mg パラジウム/Cを加えた後、懸濁液を 3.5 バールのH2 圧下、RTで約60時間振とうした。触媒をろ過で取り除いた後、溶媒を減圧下除去し、この粗生成物を、さらに精製すること無しに次の反応工程に使用した。
【0053】
c) (R)-6-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン
0.5 gの(R)-2-(3H-イミダゾl-4-イル)-1-メチル-エチルアミンを50 mL のリン酸バッファー(pH 7)に溶解し1.35 mLのホルムアルデヒドに併せた。pH は1 NのNaOHを加えて8に調整し、反応溶液を37℃で12時間攪拌した。続いてさらに1 N NaOH を加えpHを12に調整し、溶媒を減圧下除去し、残渣をエタノールに懸濁しろ過して溶解しない成分を取り除いた。減圧下エタノールを除去した後、残った粗生成物を、さらに以下の反応に直接使用した。
【0054】
(S)-6-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジンは(R)-6-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジンと同様に900 mg(R)-ヒスチジノール(x 2 HCl)を用いて調製した。

【0055】
方法3
7-メチル-3a.4,5,6,7.7a-ヘキサヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン

a) (1-トリチル-1H-イミダゾl-4-イル)-アセトニトリル
2.5 gの(1H-イミダゾl-4-イル)-アセトニトリルを20 mLのDMFに溶解した。3.6 mL トリエチルアミン and 7.25 g クロロトリフェニルメタンを加えた後、懸濁液を60 時間室温で攪拌しながら放置した。水及び酢酸エチルを加え、有機相を分離しMgSO4 で乾燥させ、溶媒を減圧下除去した。
収量: 8.15 g
MS: 243 (CPh3+)
【0056】
b) 2-(1-トリチル-1H-イミダゾl-4-イル)-プロピオニトリル
9.2 g の(1-トリチル-1H-イミダゾl-4-イル)-アセトニトリルを120 mL THFに溶解し、溶液を-5℃まで冷却し1.8 mLのヨウ化メチル及び1.08 g の水素化ナトリウム (60%)を加えた。懸濁液をRTで12時間攪拌し、直接 RPゲルにアプライしRPクロマトグラフィー(C18、10/90〜90/10 アセトニトリル/水15分間 - 0.2 %のギ酸を両方の溶媒に加えた)で精製した。
収量: 3.23 g
MS: 243 (CPh3+)
【0057】
c) 2-(1-トリチル-1H-イミダゾル-4-イル)-プロピルアミン
3.2 g の2-(1-トリチル-1H-イミダゾl-4-イル)-プロピオニトリルを150 mL アンモニアのメタノール溶液 (7 mol/L)に溶解し、ラネーニッケルを加えた。4 バールのH2 圧下で12 時間後触媒をろ過して取り除き、溶媒を減圧下除去した。この粗生成物は以下の反応工程においてさらに精製することなく使用した。
収量: 3.2 g
MS: 243 (CPh3+)
【0058】
d) 7-メチル-3a.4,5,6,7.7a-ヘキサヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン
3.2 gの2-(1-トリチル-1H-イミダゾl-4-イル)-プロピルアミンをHCl (1 N)水溶液中に懸濁した。2.9 mLのホルムアルデヒドを加えた後、混合物を攪拌しながら95℃まで過熱した。5時間後RTまで冷却し、吸引ろ過で形成した沈殿を取り除き、溶媒を減圧下除去した。この粗生成物は以下の反応工程においてさらに精製することなく使用した。
収量: 2.47 g
MS: 138 (M+H)+
【0059】
実施例 1
2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メトキシ-ピリジン

a) ベンジル 4-(4-ニトロ-フェニル)-ピペラジン-1-カルボキシレート
3.76 mL 4-フルオロニトロベンゼンを40 mL のDMAに溶解し9.25 mL N-エチルジイソプロピルアミン及び7.6 mL 1-(ベンジルオキシカルボニル)-ピペラジンに併せた。反応混合物は80℃で18時間攪拌した。続いて溶媒を減圧下除去し、粗生成物をクロマトグラフィーで精製した。使用した担体材料はシリカゲルであり、溶離剤はシクロヘキサン/酢酸エチル (50/50)から成る混合物であった。
収量: 11.28 g
MS (ESI): 342 (M+H)+
【0060】
b) ベンジル 4-(4-アミノ-フェニル)-ピペラジン-1-カルボキシレート
11.28 g ベンジル 4-(4-ニトロ-フェニル)-ピペラジン-1-カルボキシレートを500 mL MeOHに溶解し1 gラネーニッケルと併せた。混合物を5 barのH2 圧下で18時間水素化した。続いて混合物をろ過して触媒を取り除き、70 mLの1 N 塩酸水溶液を加え溶媒を減圧下除去した.
収量: 10.89 g
MS (ESI):312 (M+H)+
【0061】
c) 2-クロロ-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メトキシ-ピリジン
1 gの2,4-ジクロロ5-メトキシ-ピリジンを4 mLのブタノールに溶解し1.04 g の4,5,6,7-テトラヒドロイミダゾピリジン ジヒドロクロライド及び2.96 mL エチルジイソプロピルアミンに併せた。この混合物を50℃で16時間攪拌し、続いて溶媒を減圧下除去した。粗混合物をカラムクロマトグラフィーで精製した。使用した担体材料はC18-RP-シリカゲルであり、出発点が95%水及び5%アセトニトリル であり、最終点が70%水及び30%アセトニトリルとなるように勾配をかけて流過した。0.2%ギ酸を両方の溶離剤に加えた。適切な画分を凍結乾燥した。
収量: 0.47 g
MS (ESI): 266 (M+H)+
【0062】
d) 2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メトキシ-ピリジン
100 mgの2-クロロ-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メトキシ-ピリジンを0.26 mLの1,4-ジオキサン及び40 μLの水中に懸濁し、196 mgのベンジル 4-(4-アミノ-フェニル)-ピペラジン-1-カルボキシレート 塩酸塩(方法4に従って調製した)と併せた。この混合物を95℃まで加熱し、20時間この温度で攪拌した。得られた懸濁液はDMFで希釈し、続いてカラムクロマトグラフィーで精製した。使用した担体材料はC18-RP-シリカゲルであり、出発点が 95%水及び5%アセトニトリルであり、最終点が 70% 水 及び30% アセトニトリルとなるように勾配をかけて流過した。0.2 %のギ酸を両方の溶離剤に加えた。適切な画分を凍結乾燥した。こうして得られた140 mgの中間生成物を15 mLのDMF、8 mLの水及び30 mg 水酸化パラジウム と併せ7 bar のH2圧下で2時間水素化した。触媒はろ過して取り除き、溶媒を減圧下除去した。
収量: 0.47 g
UV最大値: 282 nM
MS (ESI): 407 (M+H)+
【0063】
実施例2〜52
以下の化合物は実施例1に記載されたものと同様の工程で調製した。2-クロロ-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-ジメチルアミノ-ピリジンの調製は実施例63に記載されている。
【0064】
【表1】

【0065】
【表2】

【0066】
【表3】

【0067】
【表4】

【0068】
【表5】

【0069】
実施例 53
2-[4-(4-イソプロピル)-(ピペリジン-1-イル-フェニルアミノ)-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メトキシ-ピリジン

30 mgの2-(4-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メトキシ-ピリジン (実施例1を参照)を0.2 mLのDMFに溶解した。2 μLの氷酢酸、11 μLの アセトン及び78 mgのナトリウムトリアセトキシボロヒドリドを加えた後、懸濁液を室温で3時間攪拌した。100μLの水を加えた後、反応溶液をクロマトグラフィーで精製した。使用した担体材料はC18-RP-シリカゲルであり、 出発点が 85%の水及び15%のアセトニトリルであり、最終点が 5%の水及び95%アセトニトリルとなるように勾配をかけて流過した。0.2% NH3/KHCO3 を両方の溶離剤に加えた。適切な画分を凍結乾燥した。
収量: 22 mg
UV最大値: 282 nM
MS (ESI): 449 (M+H)+
【0070】
実施例 54〜62
以下の化合物は実施例53に記載されたものと同様の工程で調製した。2-クロロ-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-ジメチルアミノ-ピリジンの調製は実施例63に記載されている。
【0071】
【表6】

【0072】
実施例 63
2-(4-ジメチルアミノメチル-フェニルアミノ)-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-ジメチルアミノ-ピリジン

a) 2-クロロ-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-ジメチルアミノ-ピリジン
5 gの2,4-ジクロロ5-ジメチルアミノ-ピリジンを30 mLのイソプロパノールに溶解し5.82 gの4,5,6,7-テトラヒドロイミダゾピリジン ジヒドロクロライド及び6.06 g 炭酸カルシウムに併せる。6及び8日後、各場合において1 gの4,5,6,7-テトラヒドロイミダゾピリジン ジヒドロクロライド及び1 gの炭酸カルシウムを加える。すべてにおいて、混合物は25℃で10日間攪拌した。反応混合物を400 mLの水で希釈し1時間攪拌した。形成した沈殿を吸引ろ過し洗浄して乾燥した。
収量: 6.24 g
MS (ESI): 279 (M+H)+
b) 2-(4-ジメチルアミノメチル-フェニルアミノ)-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-ジメチルアミノ-ピリジン
50mgの2-クロロ-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-ジメチルアミノ-ピリジンを60μLの1,4-ジオキサン、20 μL水及び90μLの5 M 塩酸 (1,4-ジオキサン溶液)に懸濁し、55 mgの4-ジメチルアミノメチル-フェニルアミンと混合した。この混合物を95℃まで加熱し20時間この温度で攪拌した。得られた懸濁液はDMFで希釈し、続いてカラムクロマトグラフィーで精製した。使用した担体材料はC18-RP-シリカゲルであり、出発点が 95% 水 (10 mM 炭酸水素アンモニウム及び38 mM アンモニア)及び5% アセトニトリルであり、最終点が 50% 水及び50% アセトニトリルとなるように勾配をかけて流過した。画分は凍結乾燥した。残渣をアセトニトリルにとり、塩酸水溶液と併せ、再び凍結乾燥した。
収量: 8 mg
UV最大値: 290 nM
MS (ESI): 393 (M+H)+
【0073】
実施例64〜191
以下の化合物は実施例63に記載されたものと同様の工程で調製した。
【0074】
【表7】

【0075】
【表8】

【0076】
【表9】

【0077】
【表10】

【0078】
【表11】

【0079】
【表12】

【0080】
【表13】

【0081】
【表14】

【0082】
【表15】

【0083】
【表16】

【0084】
【表17】

【0085】
【表18】

【0086】
実施例192
2-[4-(2-ピロリジン-1-イル-エチルカルバモイル)-フェニルアミノ]-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-ジメチルアミノ-ピリジン

35 mgの2-(4-カルボキシ-フェニルアミノ)-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-ジメチルアミノ-ピリジン(実施例63と同様に調製した) を0.2 mL DMFに溶解し、64 μLのトリエチルアミン、33 mgのO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボラート及び1-(2-アミノエチル)-ピロリジンと併せた。室温で 15時間攪拌した後、反応溶液はカラムクロマトグラフィーで精製した。使用した担体材料はC18-RP-シリカゲルであり、出発点が80% 水 (10 mM 炭酸水素アンモニウム及び38 mM アンモニア)及び20% アセトニトリルで、最終点が35% 水及び65% アセトニトリルとなるように勾配をかけて流過した。画分は凍結乾燥した。残渣をアセトニトリルにとり、塩酸水溶液と併せ、再び凍結乾燥した。
収量: 40 mg
UV最大値: 315 nM
MS (ESI): 476 (M+H)+
【0087】
実施例193〜232
以下の化合物は実施例192に記載されたものと同様の工程で調製した。酸成分、例えば228〜232はメチルエステルのけん化により得た(実施例14参照)。
【0088】
【表19】

【0089】
【表20】

【0090】
【表21】

【0091】
【表22】

【0092】
実施例233
2-(3-(4-シアノメチル-ピペラジン-1-イル)-フェニルアミノ)-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-ジメチルアミノ-ピリジン

45 mgの2-(3-ピペラジン-1-イル-フェニルアミノ)-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メトキシ-ピリジン (実施例1と同様に調製した)を0.5 mLのDMAに溶解し6.8 μLのクロロアセトニトリル及び15.2 mgの炭酸カルシウム33mgと併せた。室温で15時間攪拌した後、反応溶液はカラムクロマトグラフィーで精製した. 使用した担体材料はC18-RP-シリカゲルであり、出発点が80%水(10 mM 炭酸水素アンモニウム及び20 mM アンモニア)及び20% アセトニトリルであり、最終点が 35% 水及び65%アセトニトリルとなるように勾配をかけて流過した。適切な画分を凍結乾燥した。残渣をアセトニトリルにとり、塩酸と併せ、再び凍結乾燥した。
収量: 17.5 mg
UV最大値: 244 nM
MS (ESI): 459 (M+H)+
【0093】
実施例234〜236
以下の化合物は実施例233に記載されたものと同様の工程で調製した、対応するアミンは文献に記載されているか又は市販されている。
【0094】
【表23】

【0095】
実施例237
2-[4-(フラン-3-イル)-フェニルアミノ]-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-ジメチルアミノ-ピリジン

a) 4-フラン-3-イル-1-ニトロベンゼン
200 mgの4-ブロモニトロベンゼン、110.8 mgのフラン-3-ホウ酸及び162 mgの パラジウム/Cを3 mL 1,4-ジオキサンに溶解した。続いて965.3 mgの炭酸セシウム (586 μLの水に溶解したもの)を加えた。反応は電子レンジ(110℃)の中で100分後に完了した。 処理(aqueous working up)後、酢酸エチルで抽出し硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下除去した。この粗生成物は、さらに精製すること無しに以下の反応において使用した。
b) 4-フラン-3-イル-フェニルアミン
277 mg の4-フラン-3-イル-1-ニトロベンゼンを40 mlのメタノールに溶解し200 mgのパラジウム/Cと合わせた。懸濁液を25℃で60時間、5バールのH2 圧下で振とうした。続いて溶媒を減圧下除去した。粗混合物をカラムクロマトグラフィーで精製した。使用した担体材料はシリカゲルであり、使用した移動相はシクロヘキサン/ 酢酸エチル 50/50を混合した溶媒である。適切な画分の溶媒を減圧下分離した。
収量: 82 mg
MS (ESI): 160 (M+H)+
c) 2-[4-(フラン-3-イル)-フェニルアミノ]-4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-ジメチルアミノ-ピリジン
この化合物は4-ジメチルアミノメチル-フェニルアミンの代わりに4-フラン-3-イル-フェニルアミンを用いて実施例63と同様に調製した。
収量: 40 mg
UV最大値: 302 nM
MS (ESI): 402 (M+H)+
【0096】
実施例238 - 243
以下の化合物は実施例237に記載されたものと同様の工程で調製した。対応するアミンは文献に記載されているか又は市販されている。
【0097】
【表24】

【0098】
以下の実施例は本発明の生物学的活性を記載するが本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0099】
様々なキナーゼ(例えばセリン・トレオニンキナーゼPDK1)における本発明の化合物の効果は、組換えで調製したタンパク質を用いたin vitroキナーゼアッセイで評価する。化合物は本アッセイにおいて良好から非常に良好な活性、すなわち、例えば1μmol/L未満、一般的には0.1 μmol/L未満のIC50値を示した。
【0100】
PDK1キナーゼアッセイの実施例
そのN末端でHis6に結合した組み替えヒトPDK1酵素 (aa 52-556)をバキュロウィルス感染昆虫細胞から単離した。精製した酵素は例えばUpstate社から得ても良い。以下の成分を96-ウェル ラウンド-ボトムプレート (Greiner bio-one、No. 650101)のウェル内で併せる。:
- 7.5 μL の様々な濃度の試験化合物 (例えば10 μMから開始し1:5で希釈する)の3.33% DMSO (最終濃度1% DMSO)/アッセイバッファー(50 mM Tris pH 7.5, 0.05% β-メルカプトエタノール、10 Mm酢酸マグネシウム)溶液
- 7.5 μL PDK1 (10 ng/well) 及びPepceuticals Limited, Nottingham, United Kingdomによって合成されたPDKtide (KTFCGTPEYLAPEVRREPRILSEEEQEMFRDFDYIADWC);
最終濃度25 μM; PDK1及びPDKtide は同様に共にアッセイバッファーで希釈する; PDKtide はこの混合物中に83.3 μM 溶液として存在する)
- 10 μL ATP溶液(25 μM ATP、0.5 μCi/wellのガンマ-P33-ATP)
【0101】
反応はATP溶液を加えることにより開始しRTで30分間インキュベートした; 反応の開始時プレートを穏やかに振とうする。反応を5 μL/ウェル 0.5 M リン酸(H3PO4)を加えることにより停止しRTで約20分インキュベートする。フィルタプレート上に集めることによって、沈殿を移し(96-ウェル マイクロタイターフィルタープレート: UniFilter GF/C; Perkin Elmer; No. 6005174)、続いて6回50mM H3PO4で洗浄し60℃で乾燥させる。続いてプレートをシール・テープで張りつけ、25 μL/ウェルのシンチレーション溶液(Microscint 0; Perkin Elmer; No. 6013611)を加えP33 沈殿物の量をWallac Betacounterを用いて計測した。測定したデータはStandard Graphpadソフトウェアを用いて評価した。
【0102】
本発明の化合物の抗増殖活性は培養ヒト腫瘍細胞、例えばPC-3細胞で評価した。化合物はPC-3における増殖試験において良好から非常に良好な活性、すなわち例えば5 μmol/L未満、一般的には1μmol/L未満のEC50 値を示した。
【0103】
培養ヒト腫瘍細胞における増殖抑制の測定
培養ヒト腫瘍細胞における増殖を測定する為にヒト前立腺癌細胞株(American Type Culture Collection (ATCC)から入手)をHam's F12培地(Gibco)(10% ウシ胎児血清 (Gibco))内で培養し、対数増殖期に集めた。続いてPC-3細胞を96-ウェルプレート(Costar)に 1000 細胞/ウェルの密度で播種し、インキュベーター内で一晩インキュベーション(at 37℃ and 5% CO2)し、各プレート上で16ウェルをコントロールとして使用した(細胞の入った8ウエルにはDMSO溶液のみを加えた(Alamar Blueは最大値の30 - 50%減少した)、4ウェルは培地のみを含み(培地コントロール、酸化Alamar Blue試薬を加えた後バックグラウンドシグナルを得た)、4ウェルにはまた培地のみを加えた (還元Alamar Blue試薬を加えた後、最大値として使用する))。活性物質を様々な濃度で細胞に加えた(DMSOに溶解; DMSOの最終濃度: 0.1%又は1%) (各場合、2回又は3回計測する。)。5日間インキュベートした後、20 μlのAlamar Blue試薬(Serotec)を各ウェルに加え、細胞をさらに5〜7時間インキュベートする。コントロールとして20 μl の還元Alamar Blue試薬を各4ウェルに加える。インキュベーション後、各ウェルにおけるAlamar Blue試薬の色の変化をSpectraMax Photometer (Molecular Devices) (吸光530 nm、発光 590 nm、測定時間5秒)で測定した。反応したAlamar Blue試薬の量は、細胞の代謝活性を表す。相対的な細胞活性はコントロール(阻害剤無しのPC-3細胞)に対して計算し、細胞活性を50%まで阻害する活性物質の濃度(EC50)を導いた。値は2又は3つの個々の測定の平均値から計算した。
【0104】
本発明の化合物は、他の腫瘍細胞においても試験された。例えばこれらの化合物はすべての種類の組織の癌腫(例えば神経膠腫(U87)、肉腫(例えば MES-SA、SK-UT-1B)、乳癌(MDA-MB468)、大腸癌(HCT116)、肺癌(H460))において有効であり、この種の指標、とくにPI3K-AKT-PDK1シグナル経路における活性化変化を有する指標として使用することができる。これは本発明の化合物のすべての種類の治療への広い範囲の適用を示す。
【0105】
一般式(1)又は(1A)の化合物の生物学的特性に基づいてそれらの異性体及び生理学的に許容可能な塩はそれゆえ過剰又は異常な細胞増殖に特徴づけられる疾患の治療に適している。
【0106】
前記疾患には例えば: ウィルス感染(例えば、HIV及びカポシ肉種);炎症及び自己免疫疾患(例えば大腸炎、関節炎、アルツハイマー病、腎炎、及び創傷治癒); 細菌性、真菌性 及び/又は寄生虫の感染; 白血病、リンパ腫、および固体の腫瘍(例えば癌及び肉腫), 皮膚疾患(例えば乾癬); 細胞数の増殖を特徴とする増生に基づく疾患(例えば線維芽細胞、肝細胞、骨、骨髄細胞、軟骨、平滑筋細胞又は上皮細胞(例えば、子宮内膜増殖症)); 骨疾患及び循環器系疾患(例えば再狭窄と肥大)が含まれる。
【0107】
例えば、以下の癌腫は本発明の化合物で治療されても良いが、これらに制限されない: 例えば聴神経鞘腫などの脳腫瘍、毛様細胞性星細胞腫、線維性星状細胞腫、原形質性星状細胞腫、大円形細胞性星状細胞腫、未分化星状細胞腫及び膠芽腫などの星状細胞腫、脳リンパ腫、脳転移、プロラクチン産生腺腫、HGH (ヒト成長ホルモン)産生腫瘍及びACTH産生腫瘍(副腎皮質刺激ホルモン)のような下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫、髄芽細胞腫、髄膜種、および乏突起膠腫; 神経種(新生物)例えば交感神経神経芽腫、 神経節細胞腫, 傍神経節腫(褐色細胞腫、クロム親和性細胞腫)、および頸動脈小体腫瘍のような自律神経系の腫瘍、切断神経腫、神経繊維腫、神経鞘腫(神経鞘腫、シュワン細胞腫)及び悪性シュワン細胞腫のような末梢神経系の腫瘍、同様に脳及び骨髄腫のような中枢神経系の腫瘍; 例えば直腸、大腸、肛門、小腸、および十二指腸の癌のような腸癌腫;基底細胞腫又は基底細胞癌腫のような眼瞼腫瘍; 膵臓癌腫又は膵臓癌; 膀胱癌腫又は膀胱癌; 例えば 小細胞気管支癌(燕麦細胞癌)及び扁平上皮癌、腺癌 及び大細胞気管支癌のような非小細胞気管支癌のような肺癌腫(気管支癌腫); 例えば湿潤性乳管癌、膠様癌、浸潤性小葉癌、細管癌、腺嚢腫及び乳頭状癌のような乳腺癌のような乳癌; 例えばバーキットリンパ腫腫、低悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)及び菌状息肉のような非ホジキンリンパ腫 (NHL); 子宮癌又は子宮内膜癌又は子宮体癌; CUP症候群 (原発不明癌); 卵巣癌腫又は粘液性、子宮内膜又は嚢胞性腫瘍のような卵巣癌; 胆嚢癌; 例えばクラッキン腫瘍のような胆管癌;例えば精上皮腫及び非精上皮腫のような精巣癌;例えば 悪性リンパ腫、ホジキン病、慢性リンパ性白血病, 白血病性細網内皮症, 免疫細胞腫, 形質細胞腫(多発性骨髄腫), 免疫芽細胞腫、バーキットリンパ腫, T-ゾーン菌状息肉腫、大細胞未分化リンパ芽球腫及びリンパ芽球腫のような非ホジキンリンパ腫(NHL)のようなリンパ腫(リンパ肉腫); 例えば声帯、声門上、声門の腫瘍及び声門下咽頭腫のような咽頭癌; 例えば骨軟骨腫、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、骨腫、類骨腫、骨芽細胞腫、エオジン好性細胞肉芽腫、巨細胞腫、軟骨肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網肉腫、形質細胞腫、巨細胞腫、繊維性異形成症、若年性骨嚢腫及び 動脈瘤性骨嚢腫のような骨癌;例えば唇、舌、口腔底、口腔、歯茎、口蓋、唾液腺、のど、鼻腔、副鼻腔、喉頭、及び中耳の腫瘍のような頭頸部癌;例えば 肝細胞癌又は肝臓癌(HCC)のような肝癌;例えば急性リンパ性/リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄白血病 (AML)のような急性白血病のような白血病; 慢性白血病 (CLL), 慢性骨髄白血病(CML);例えば 乳頭様、管状及び膠様悪性腺腫、印環細胞癌、腺扁平上皮癌, 小細胞癌及び未分化癌のような胃癌腫又は胃癌;例えば表在拡大型、結節性、悪性黒子型及び末端黒子型メラノーマのようなメラノーマ;例えば 腎臓細胞癌又は腎細胞腫又はグラヴィッツ腫瘍のような腎臓癌; 食道癌腫又は食道の癌; 陰茎癌; 前立腺癌腫; 例えば上咽頭癌のような咽頭癌腫又は咽頭の癌、中咽頭癌及び下咽頭癌; 網膜芽細胞腫; 膣癌腫又は膣癌;扁平上皮癌、腺癌、上皮内癌、悪性メラノーマ及び肉腫; 例えば乳頭状、濾胞性及び髄様甲状腺癌同様に未分化癌のような甲状腺癌; 有刺細胞癌、皮膚の類表皮腫及び扁平上皮癌; 胸腺腫、尿道癌及び外陰癌。
【0108】
新規化合物は、上記疾患の予防、短期又は長期治療に使用されてもよく、任意に放射線治療又は例えば細胞分裂阻害又は細胞毒性物質、細胞増殖抑制剤、血管新生阻害物質、ステロイド又は抗体のような他の「最先端の」化合物と組み合わせて使用しても良い。
【0109】
一般式(1)又は(1A)の化合物は、それら自体又は本発明の他の活性物質と組み合わせて使用してもよく、任意に他の薬理学的に活性な物質と組み合わせて使用しても良い。
【0110】
本発明の化合物と組み合わせて投与される化学療法剤には、ホルモン、ホルモン類似体及び抗ホルモン剤(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント、酢酸メゲストロール、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、アミノグルテチミド、酢酸シプロテロン、フィナステリド、酢酸ブセレリン、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロン、オクトレオタイド),アロマターゼ阻害薬 (例えばアナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、ボロゾール、エキセメスタン, アタメスタン(atamestane)、)、 LHRH アゴニスト及びアンタゴニスト (例えば酢酸ゴセレリン、ルプロリド(luprolide))、成長因子阻害剤 (例えば「血小板由来成長因子)及び「肝細胞成長因子)のような成長因子、阻害剤は例えば セツキマブ、ゲフェチニブ、イマチニブ、ラパチニブ及びトラスツズマブのような「成長因子」抗体、「成長因子受容体」抗体及びチロシンキナーゼ阻害剤); 代謝拮抗物質(例えば、メソトレキセート、ラルチトレキセド、5-フルオロウラシル、カペシタビン及びゲムシタビンのような葉酸拮抗剤、メルカプトプリンとチオグアニンとクラドリビンとペントスタチン、シタラビン、フルダラビンのようなプリン及びアデノシン類似体のようなピリジン誘導体); 抗腫瘍抗体 (例えばドキソルビシン、 ダウノルビシン、エピルビシン及びイダルビシンのようなアントラサイクリン、マイトマイシン-C、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ストレプトゾシン); プラチナ誘導体 (例えばシスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン); アルキル化剤 (例えばエストラムスチン、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロマイド、例えばカルムスチン及びロリムスチンのようなニトロソ尿素、チオテパ); 有糸分裂阻害剤 (例えば、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン及びビンクリスチンのようなビンカアルカロイド; 及びパクリタキセル、ドセタキセルのようなタキサン); トポイソメラーゼインヒビター(例えば、エトポシド及びエトポフォスのようなエピポドフィロトキシン、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、ミトキサントロン)及びアミフォスチン、アナグレリド、クロドロネート、フィルグラスチン、インターフェロンα、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミゾール、メスナ、ミトタン、パミドロネート、およびポルフィマーのような様々な化学療法薬が挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
適切な調製物には、例えば錠剤、カプセル、坐薬、溶液、特に注射溶液 (皮下注、静脈注、筋注)及び輸液、エリキシル剤、乳剤、分散可能な粉末が含まれる。医薬的に活性な化合物の内容量は全体の0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜50質量%であり、すなわち 以下に特定する投与量の範囲に達するのに十分な量である。特定される投与量は必要であれば1日数回投与される。
【0112】
適切な錠剤は、例えば、活性物質と既知の賦形剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又は乳糖のような不活性希釈剤、コーンスターチ又はアルギン酸のような崩壊剤、澱粉又はゼラチンのような結合剤、ステアリン酸マグネシウム又はタルクのような潤滑剤及び/又はカルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、又は酢酸ビニルのような放出制御の為の試薬を混合することにより得てもよい。錠剤は数層から成っても良い。
【0113】
被覆錠は、錠剤と同様にして製造したコアを通常錠剤のコーティングに使用される物質、例えばコリドン(collidone)又はシェラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖でコーティングすることにより調製しても良い。放出制御を達成し、又は不適合性を防止するために、またコアは複数の層からなってもよい。同様に、錠剤のコーティングは放出制御を達成する為に多数の層を含み、上記賦形剤を錠剤の為に使用しても良い。
【0114】
本発明の活性物質又はそれらの組み合わせシロップ剤又はエリキシル剤はさらにサッカリン、シクラメート、グリセロール又は糖のような甘味料、例えばバニリンまたはオレンジ抽出物のような香料のような香味強化剤(flavour enhancer)を含んでもよい。それらはまたカルボキシメチルセルロースナトリウムのような懸濁補助剤又は増粘剤、例えば高級アルコール(fatty alcohol)とエチレンオキシドの縮合生成物のような湿潤剤又はp-ヒドロキシベンゾエートのような保存料を含んでもよい。
【0115】
注射溶液及び輸液は通常の方法、例えば等張化剤、p-ヒドロキシベンゾエートのような保存料又はエチレンジアミン4酢酸のアルカリ金属塩のような安定化剤を加え、任意に乳化剤及び/又は分散剤を使用し、例えば水を希釈剤として使用する場合は、有機溶媒を任意に可溶化剤又は溶解補助剤として使用しても良く、注射バイアル又はアンプル又は輸液瓶に入れることにより調製した。
【0116】
1以上の活性物質又は活性物質の組み合わせを含むカプセルは例えば活性物質を乳糖 又はソルビトールのような不活性担体と混合し、ゼラチンカプセルの中に充填することにより調製しても良い。
【0117】
適切な坐薬は中性脂肪、ポリエチレングリコール又はそれらの誘導体のようなこの目的のために提供された担体と混合することにより製造されても良い。
【0118】
使用される賦形剤には、例えば、水、パラフィン(例えば石油留分)のような医薬的に許容可能な有機溶媒、植物油(例えばピーナッツ又はゴマ油)、単-又は多官能性アルコール(例えばエタノール又はグリセロール)、例えば天然鉱物粉末(例えばカオリン、粘土、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば高分散ケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えばショ糖、乳糖及びグルコース)のような担体、乳化剤(例えばリグニン、亜硫酸パルプ廃液(spentsulphiteliquors)、メチルセルロース、デンプン及びポリビニルピロリドン)及び潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸とラウリル硫酸ナトリウム)が含まれる。
【0119】
調製物は通常の方法で、好ましくは経口又は経皮経路で、最も好ましくは経口経路で投与される。経口投与のための錠剤はもちろん上記担体都は別に、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸水素カルシウムのような添加剤をデンプン、好ましくはジャガイモデンプン、ゼラチン等のような様々な添加剤と共に含んでいても良い。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルクのような潤滑剤を同時に錠剤化工程で使用しても良い。水性の懸濁液の場合は、活性物質は上記賦形剤に加えて様々な香味料又は着色料と組み合わせても良い。
【0120】
非経口的使用のためには、適切な液体担体を用いた活性物質の溶液が使用されても良い。静脈内投与の投与量は時間あたり1〜1000 mg、好ましくは時間あたり5〜500 mgである。
【0121】
しかしながら時として、体重、投与経路、薬物の個々の反応その処方の性質及び薬物投与の時間又は感覚に依存して特定の量から出発することが必要な場合もある。従って、上記最少投与量より少ない量の使用で十分な場合もあり、一方上限を超えることもある。大容量を投与する場合、1日にわたってより少ない投与量に分けて投与することが賢明である。
【0122】
以下の処方実施例は本発明の範囲を制限することなく例証する。:
製剤処方の実施例
A)錠剤 1錠あたり
式(1)の活性物質 100 mg
乳糖 140 mg
コーンスターチ 240 mg
ポリビニルピロリドン 15 mg
ステアリン酸マグネシウム 5 mg
500 mg
細粉砕した活性物質、乳糖及びコーンスターチの一部を混合する。混合物をふるいにかけポリビニルピロリドンの水溶液で湿らせ、捏和し、湿式造粒し乾燥させた。顆粒、残りのコーンスターチ及びステアリン酸マグネシウムをふるいにかけ、混合した。混合物を圧縮し、適切な形及び大きさの錠剤を製造した。
【0123】
B)錠剤 1錠あたり
式(1)の活性物質 80 mg
乳糖 55 mg
コーンスターチ 190 mg
微少結晶セルロース 35 mg
ポリビニルピロリドン 15 mg
カルボキシメチルスターチナトリウム 23 mg
ステアリン酸マグネシウム 2 mg
400 mg
【0124】
細粉砕した活性物質、コーンスターチの一部、乳糖、微小結晶セルロース及びポリビニルピロリドンを混合し、混合物をふるいにかけ、残りのコーンスターチ及び水で処理し顆粒を形成し乾燥してふるいにかける。カルボキシメチルスターチナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを加えて混合し混合物を圧縮し適切な大きさの錠剤を形成する。
【0125】
C) アンプル溶液
式(1)の活性物質 50 mg
塩化ナトリウム 50 mg
注射用水 5 ml
活性物質を水にそのままのpH又はpH 5.5〜6.5で溶解し、等張にするため塩化ナトリウムを加えた。得られた溶液をパイロジェンをのぞくためにろ過し、ろ液を無菌条件下アンプルに移し、続いて滅菌し融解して封入した。アンプルは5 mg、25 mg及び50 mgの活性物質を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)の化合物であって、

式中
XはCH又はNであり、及び
R1は8-12員ヘテロシクロアルキルであり、任意に1以上の同じ又は異なるR4で置換され、及び
R2はC6-15アリール、3-8員ヘテロシクロアルキル及び5-14員ヘテロアリールから選択される基であり、1以上の同じ又は異なるR4で置換され、及び
R3はハロゲン、-CN、-NRfRf、-ORf、-C(O)Rf、-SRf、-S(O)Rf、-S(O)2Rf、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C3-5シクロアルキル及び3-5員ヘテロシクロアルキルから選択される基であり、及び
R4はRa、Rb及びRaから選択される基であり1以上の同じ又は異なるRc及び/又はRbで置換され;
各Raは互いに独立してC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリ-ル、C7-16アリ-ルアルキル、2-6員ヘテロアルキル、3-8員ヘテロシクロアルキル、4-14員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12員ヘテロアリ-ル及び6-18員ヘテロアリ-ルアルキルから選択され;
各Rbは適切な基であり、それぞれは独立して=O、-ORc、C1-3ハロアルキルオキシ、-OCF3、=S、-SRc、=NRc、=NORc、-NRcRc、ハロゲン、-CF3、-CN、-NC、-OCN、-SCN、-NO2、-S(O)Rc、-S(O)2Rc、-S(O)2ORc、-S(O)NRcRc、-S(O)2NRcRc、-OS(O)Rc、-OS(O)2Rc、-OS(O)2ORc、-OS(O)2NRcRc、-C(O)Rc、-C(O)ORc、-C(O)NRcRc、-CN(Rf)NRcRc、-CN(OH)Rc、-CN(OH)NRcRc、-OC(O)Rc、-OC(O)ORc、-OC(O)NRcRc、-OCN(Rf)NRcRc、-N(Rf)C(O)Rc、-N(Rf)C(S)Rc、-N(Rf)S(O)2Rc、-N(Rf)C(O)ORc、-N(Rf)C(O)NRcRc、-[N(Rf)C(O)]2Rc、-N[C(O)]2Rc、-N[C(O)]2ORc、-[N(Rf)C(O)]2ORc及び-N(Rf)CN(Rf)NRcRcから選択され;
各Rcは互いに独立して水素又は任意に1以上の同じ又は異なるC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6員ヘテロアルキル、3-8員ヘテロシクロアルキル、4-14員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12員ヘテロアリール及び6-18員ヘテロアリールアルキルから選択されたRd及び/又はReで置換された基であり;
各Rdは互いに独立して水素又は任意に1以上の同じ又は異なるC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6員ヘテロアルキル、3-8員ヘテロシクロアルキル、4-14員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12員ヘテロアリール及び6-18員ヘテロアリールアルキルから選択されたRe及び/又はRfで置換された基であり;
各Reは適切な基であり、それぞれは独立して=O、-ORf、C1-3ハロアルキルオキシ、-OCF3、=S、-SRf、=NRf、=NORf、-NRfRf、ハロゲン、-CF3、-CN、-NC、-OCN、-SCN、-NO2、-S(O)Rf、-S(O)2Rf、-S(O)2ORf、-S(O)NRfRf、-S(O)2NRfRf、-OS(O)Rf、-OS(O)2Rf、-OS(O)2ORf、-OS(O)2NRfRf、-C(O)Rf、-C(O)ORf、-C(O)NRfRf、-CN(Rg)NRfRf、-CN(OH)Rf、-C(NOH)NRfRf、-OC(O)Rf、-OC(O)ORf、-OC(O)NRfRf、-OCN(Rg)NRfRf、-N(Rg)C(O)Rf、-N(Rg)C(S)Rf、-N(Rg)S(O)2Rf、-N(Rd)C(O)ORf、-N(Rg)C(O)NRfRf、及び-N(Rg)CN(Rf)NRfRfから選択され;
各Rfは互いに独立して水素又は任意に1以上の同じ又は異なるC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6員ヘテロアルキル、3-8員ヘテロシクロアルキル、4-14員ヘテロシクロ-アルキルアルキル、5-12員ヘテロアリール及び6-18員ヘテロアリールアルキルから選択されたRgで置換された基であり;
各Rgは互いに独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6員ヘテロアルキル、3-8員ヘテロシクロアルキル、4-14員ヘテロシクロアルキル、5-12員ヘテロアリール及び6-18員ヘテロアリールアルキルであり、任意に互換異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー及びそれらの混合物の形態であり、任意にそれらの医薬的に許容可能な酸付加塩であり、但しR2 はハロゲンと異なる少なくとも1つの置換基を有し、以下の化合物は含まない:
4-[5-クロロ-4-(4,5,7,8-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-d]アゼピン-6-イル)-ピリジン-2-イルアミノ]-N,N-ジメチル-フェニルスルホンアミド、(2-99)
4-[5-クロロ-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-ピリジン-2-イルアミノ]-N,N-ジメチル-フェニルスルホンアミド (2-136)
N,N-ジメチル-4-[5-メチル-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-ピリジン-2-イルアミノ]-フェニルスルホンアミド、(2-143)
N,N-ジメチル-4-[5-メチル-4-(4,5,7,8-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-d]アゼピン-6-イル)-ピリジン-2-イルアミノ]-フェニルスルホンアミド、(2-144)
2-(4-(1-ピペリジニル-メチル-)フェニルアミノ)-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン; (1-006)
2-[4-(1,2,4,5-テトラヒドロ-ベンゾ[d]アゼピン-3-イルメチル)-フェニルアミノ]-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン; (1-646)
N,N-ジメチル-4-[4-(4,5,7,8-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-d]アゼピン-6-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イルアミノ]-フェニルスルホンアミド、(2-73)
N,N-ジメチル-4-[4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イルアミノ]-フェニルスルホンアミド、(1-694)
[4-(モルホリン-4-スルホニル)-フェニル]-[4-(3,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル]-アミン、(1-695)
[5-メトキシ-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-ピリジン-2-イル]-(4-ピペリジン-1-イルメチル-フェニル)-アミン、(2-139)
N5,N5-ジメチル-N2-(4-ピペリジン-1-イルメチル-フェニル)-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-ピリジン-2,5-ジアミン、(2-145)
[5-イソプロピル-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-ピリジン-2-イル]-(4-ピペリジン-1-イルメチル-フェニル)-アミン、(2-146)
2-4-(カルボキシ-フェニルアミノ)-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン (1-017)
2-4-(2-カルボキシ-1-エチル-)フェニルアミノ)-4-(1,4,6,7-テトラヒドロ-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン (1-023).
【請求項2】
XがNである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R3がハロゲン、-NRfRf、-ORf、-C(O)Rf、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル及びC3-5シクロアルキルから選択される基である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
R2がフェニル及び5-12員ヘテロアリールから選択される基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
一般式(1A)の化合物、

式中、
Qは5、6又は7員ヘテロシクロアルキルであり、及び
R2、R3及びR4は請求項1に定義された通りである。
【請求項6】
医薬調製物としての使用する為の請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に有効なそれらの塩。
【請求項7】
抗増殖活性を有する医薬調製物の調製の為の、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に有効なそれらの塩。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の1以上の一般式(1)又は(1A)の化合物又は医薬的に有効なそれらの塩を活性物質として、任意に従来の賦形剤及び/又は担体と組み合わせて含む医薬調製物。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の1以上の一般式(1)又は(1A)の化合物の癌、感染、炎症及び自己免疫疾患の治療及び/又は予防のための医薬の調製の為の使用。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(1)又は(1A)の化合物及び少なくとも1つの式(1)とは異なる他の抗増殖活性物質であって、任意に互換異性体、ラセミ体、エナンチオマ-、ジアステレオマー、及びそれらの混合物及び任意にそれらの医薬的に活性な塩の形態であるものを含む医薬調製物。

【公表番号】特表2009−542604(P2009−542604A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517280(P2009−517280)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056853
【国際公開番号】WO2008/003766
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】