説明

4,7−ジクロロローダミン色素

【課題】現在利用可能なローダミン色素より実質的に狭い発光スペクトル領域
を有するローダミン色素のクラス、および現存のローダミン色素に比べて赤色側
に約15nmまでシフトした吸収スペクトルを有するローダミン色素のクラスを
提供する。
【解決手段】デオキシヌクレオチド、ジデオキシヌクレオチド、およびポリヌ
クレオチドを含む4,7−ジクロロローダミン色素化合物で標識化された試薬。
ジデオキシポリヌクレオチド配列決定およびフラグメント解析法、ならびにこの
ような色素化合物および試薬を用いる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、分子プローブとして有用な蛍光色素化合物に関する。より
詳細には、本発明は、蛍光標識試薬として有用な4,7−ジクロロローダミン色
素に関する。
【背景技術】
【0002】
(参考文献)
【0003】
【表1】

【0004】

【0005】
生物学的分析物の非放射性検出は、現在の分析バイオテクノロジーにおいて、
重要な技術である。放射性標識の必要性をなくすことにより、安全性が高まり、
試薬廃棄物の環境上の影響が著しく低下し、その結果、分析コストが低減される
。このような非放射性検出方法を使用する方法の例には、DNA配列決定、オリ
ゴヌクレオチドプローブ法、ポリメラーゼ連鎖反応生成物の検出、イムノアッセ
イなどが包含される。
【0006】
多くの用途では、混合物中の複数の空間的に重複した分析物の独立した検出、
例えば、単一管の多重DNAプローブアッセイ、イムノアッセイ、多色DNA配
列決定法などが必要である。複数座のDNAプローブアッセイの場合には、多色
検出を提供することにより、反応管の数を減らすことができ、それにより、実験
プロトコルが簡潔化され、そして適用特異的なキットの製造が促進される。自動
化したDNA配列決定の場合には、多色標識化により、単一レーンの4個の塩基
全ての分析が可能となり、それにより、単色法よりも処理能力が増え、レーン間
の電気泳動の可動性の変化に付随した不確実性がなくなる。
【0007】
多重検出では、特に、電気泳動分離および酵素処理が必要な分析(例えば、D
NA配列決定)に対して、色素標識の選択について、非常に多くの厳しい制約が
課せられている。第1に、有機蛍光色素の典型的な発光バンドの半値幅は、約4
0〜80ナノメーター(nm)であり、利用できるスペクトルの幅は、励起光源
により制限されるので、その発光スペクトルが分光的に解析される一連の色素を
見つけるのは困難である。第2に、たとえ、非重複発光スペクトルを有する色素
を見出しても、個々の蛍光効率が低すぎるなら、そのセットは、依然として、適
当ではない。例えば、DNA配列決定の場合には、試料の充填を多くしても、低
い蛍光効率を補填できない(Pringle)。第3に、数個の蛍光色素を同時
に使用するとき、これらの色素の吸収バンドが広範囲に分離するために、同時励
起が困難となる。第4に、これらの色素の電荷、分子サイズおよび立体配座は、
そのフラグメントの電気泳動可動性に悪影響を与えてはならない。最後に、これ
らの蛍光色素は、これらのフラグメントを製造するかまたは操作するのに使用す
る化学物質(例えば、DNA合成溶媒および試薬、緩衝液、ポリメラーゼ酵素、
リガーゼ酵素など)と適合性でなければならない。
【0008】
これらの厳しい制約のために、多色用途(特に、4色DNA配列決定の領域)
で使用できる蛍光色素のセットは、少数発見されているにすぎない(Smith
1992,1995, Prober;Connell)。
【0009】
多色用途において特に有用な蛍光色素の1つのクラスはローダミン色素である
(例えば、テトラメチルローダミン(TAMRA)、ローダミンX(ROX)、
ローダミン6G(R6G)、ローダミン110(R110)など(Bergot
)。(1)代表的に、ローダミンはフルオレセインよりも光安定であり、(2)
ローダミン標識されたジデオキシヌクレオチドは、熱安定性ポリメラーゼ酵素の
よりよい基質であり、そして(3)ローダミン色素の発光スペクトルは、フルオ
レセインの赤(より高波長)より顕著であるので、ローダミン色素はフルオレセ
イン色素に比べて特に魅力的である。
【0010】
しかし、多重検出法の状況下で現在利用可能なローダミン色素の1つの重要な
欠点は、このような色素の比較的広い発光スペクトルである。この広い発光スペ
クトルは、スペクトルが隣接する色素間で低いスペクトル分解能を生じ、それに
よりこのような色素組み合わせの多成分分析を困難にする。図7Aに示される蛍
光スペクトルは、この高程度のスペクトルの重複を実証する。現在利用可能なロ
ーダミン色素の2つ目の欠点は、それらの吸収スペクトルが、現在利用可能な固
体二重周波数緑ダイオードレーザー(例えば、ネオジム固体YAGレーザー、こ
れは約532nmでの発光系列を有する)の波長と調和しないことである。これ
らのコンパクトなサイズ、長い寿命、および電力の効率的な使用のため、このよ
うなレーザーを使用することは非常に有利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、分子プローブとして有用な4,7−ジクロロローダミン色素のクラ
スの発見に関する。
【0012】
本発明の目的は、現在利用可能なローダミン色素より実質的に狭い発光スペク
トル領域を有するローダミン色素のクラスを提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、現存のローダミン色素に比べて赤色側に約15nmまで
シフトした吸収スペクトルを有するローダミン色素のクラスを提供することにあ
る。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1つの局面において、本発明は、以下の式を有する化合物であって:
【0015】
【化8】

【0016】
ここで:
〜Rは、別個に水素、フッ素、塩素、低級アルキル、低級アルケン、低
級アルキン、スルホネート、スルホン、アミノ、アミド、ニトリル、低級アルコ
キシ、連結基およびそれらの組合せからなる群から選択されるか、または、一緒
になった場合のRおよびRがベンゾであるか、もしくは一緒になった場合の
およびRがベンゾであり;
〜Yは、別個に水素および低級アルキルからなる群から選択されるか、
または一緒になった場合のYおよびRがプロパノでありかつYおよびR
がプロパノであるか、もしくは一緒になった場合のYおよびRがプロパノで
ありかつYおよびRがプロパノであり;そして
〜Xは、別個に水素、塩素、フッ素、低級アルキル、カルボキシレート
、スルホン酸、−CHOH、および連結基からなる群から選択される、
化合物。
【0017】
好ましい実施態様において、Xは、カルボキシレートであり得る。
【0018】
別の好ましい実施態様において、XおよびXのうちの1つは、連結基であ
り得る。
【0019】
別の好ましい実施態様において、RおよびRは、別個に水素であり得る。
【0020】
別の好ましい実施態様において、R〜Rは、別個に水素、メチル、および
エチルからなる群から選択され得るか、または一緒になった場合のRおよびR
がベンゾであるか、もしくは一緒になった場合のRおよびRがベンゾであ
り得;Y〜Yは、別個に水素、メチル、およびエチルからなる群から選択さ
れ得るか、または一緒になった場合のYおよびRがプロパノでありかつY
およびRがプロパノであり得るか、もしくは一緒になった場合のYおよびR
がプロパノでありかつYおよびRがプロパノであり得;Xはカルボキシ
レートであり得;そしてXおよびXは、別個に水素および連結基からなる群
から選択され得る。
【0021】
別の好ましい実施態様において、R〜Rは、別個に水素であり得;Y
は、別個に水素であり得;Xはカルボキシレートであり得;そしてX
よびXのうちの1つは、連結基であり、他方は水素であり得る。
【0022】
別の好ましい実施態様において、RおよびRは別個にメチルであり得;R
、R、R、およびRは水素であり得;YおよびYのうち1つはエチ
ルであり、他は水素であり得;YおよびYのうち1つはエチルであり、他は
水素であり得;Xはカルボキシレートであり得;そしてXおよびXのうち
1つは連結基であり、他は水素であり得る。
【0023】
別の好ましい実施態様において、R〜Rは別個に水素であり;Y〜Y
は別個にメチルであり;Xはカルボキシレートであり;そしてXおよびX
のうち1つは連結基であり、他は水素であり得る。
【0024】
別の好ましい実施態様において、RおよびYは一緒になってプロパノであ
り得;RおよびYは一緒になってプロパノであり得;RおよびYは一緒
になってプロパノであり得;RおよびYは一緒になってプロパノであり得;
およびRは水素であり得;Xはカルボキシレートであり得;そしてX
およびXのうち1つは連結基であり、他は水素であり得る。
【0025】
別の好ましい実施態様において、Rはメチルであり得;R〜Rは別個に
水素であり得;YおよびYのうち1つはエチルであり、他は水素であり得;
およびYは別個に水素であり得;Xはカルボキシレートであり得;そし
てXおよびXのうち1つは連結基であり、他は水素であり得る。
【0026】
別の好ましい実施態様において、Rはメチルであり得;R〜Rは別個に
水素であり得;YおよびYのうち1つはエチルであり、他は水素であり得;
およびYは別個にメチルであり得;Xはカルボキシレートであり得;そ
してXおよびXのうち1つは連結基であり、他は水素であり得る。
【0027】
別の好ましい実施態様において、R、R、R、およびRは別個に水素
であり得;YおよびYは別個にメチルであり得;RおよびYは一緒にな
ってプロパノであり得;RおよびYは一緒になってプロパノであり得;X
はカルボキシレートであり得;そしてXおよびXのうち1つは連結基であり
、他は水素であり得る。
【0028】
別の好ましい実施態様において、R、R、R、およびRは別個に水素
であり得;YおよびYは別個に水素であり得;RおよびYは一緒になっ
てプロパノであり得;RおよびYは一緒になってプロパノであり得;X
カルボキシレートであり得;そしてXおよびXのうち1つは連結基であり、
他は水素であり得る。
【0029】
別の好ましい実施態様において、Rはメチルであり得;R、RおよびR
は別個に水素であり得;YおよびYのうち1つはエチルであり、他は水素
であり得;RおよびYは一緒になってプロパノであり得;RおよびY
一緒になってプロパノであり得;Xはカルボキシレートであり得;そしてX
およびXのうち1つは連結基であり、他は水素であり得る。
【0030】
別の好ましい実施態様において、R〜Rは別個に水素であり得;Yおよ
びYは別個に水素であり得;YおよびYは別個にメチルであり得;X
カルボキシレートであり得;そしてXおよびXのうち1つは連結基であり、
他は水素であり得る。
【0031】
別の局面において、本発明は、以下の式を有する標識化ヌクレオチドであって

【0032】
【化9】

【0033】
ここで:
Dは、以下の式を有する色素化合物であり:
【0034】
【化10】

【0035】
(ここで:
〜Rは、別個に水素、フッ素、塩素、低級アルキル、低級アルケン、低
級アルキン、スルホネート、スルホン、アミノ、アミド、ニトリル、低級アルコ
キシ、連結基およびそれらの組合せからなる群から選択されるか、または一緒に
なった場合のRおよびRがベンゾであるか、もしくは一緒になった場合のR
およびRがベンゾであり;
〜Yは、別個に水素および低級アルキルからなる群から選択されるか、
または一緒になった場合のYおよびRがプロパノでありかつYおよびR
がプロパノであるか、もしくは一緒になった場合のYおよびRがプロパノで
ありかつYおよびRがプロパノであり;そして
〜Xは、別個に水素、塩素、フッ素、低級アルキル、カルボキシレート
、スルホン酸、−CHOH、および連結基からなる群から選択される);
Bは、7−デアザプリン、プリン、またはピリミジンヌクレオチド塩基であり

およびWは別個に、HおよびOHからなる群から選択され;
はOH、−PO、−P、−P10、およびそのアナログから
なる群から選択され;
ここで、Bがプリンまたは7−デアザプリンである場合、糖部分はプリンまた
はデアザプリンのN−位に結合しており、そしてBがピリミジンである場合、
糖部分はピリミジンのN−位に結合しており;
ここで、BとDとを連結する連結は、R−RまたはX−Xのうちの1
つの位置でDに結合し;および
ここで、Bがプリンである場合、連結はプリンの8−位に結合し、Bが7−デ
アザプリンである場合、連結は7−デアザプリンの7−位に結合し、そしてBが
ピリミジンである場合、連結はピリミジンの5−位に結合する、
ヌクレオチドに関する。
【0036】
好ましい実施態様において、Bは、ウラシル、シトシン、デアザアデニン、お
よびデアザグアノシンからなる群から選択され得る。
【0037】
別の好ましい実施態様において、上記連結は、以下の式:
【0038】
【化11】

【0039】
であり得る。
【0040】
別の好ましい実施態様において、WおよびWは、両方ともHであり得;お
よびWは、−P10であり得る。
【0041】
別の好ましい実施態様において、Wは、Hであり得;Wは、OHであり得
;およびWが−P10であり得る。
【0042】
別の好ましい実施態様において、BとDとを連結する上記連結は、Xまたは
のうちの1つの位置でDに結合し得る。
【0043】
さらに別の局面において、本発明は、以下の式を有するヌクレオチドを含有す
る標識化ポリヌクレオチドであって:
【0044】
【化12】

【0045】
ここで:
Dは以下の式を有する色素化合物であって:
【0046】
【化13】

【0047】
(ここで:
〜Rは、別個に水素、フッ素、塩素、低級アルキル、低級アルケン、
低級アルキン、スルホネート、スルホン、アミノ、アミド、ニトリル、低級アル
コキシ、連結基およびそれらの組合せからなる群から選択されるか、または、一
緒になった場合のRおよびRはベンゾ、または、一緒になった場合のR
よびRはベンゾであり;
〜Yは、別個に水素および低級アルキルからなる群から選択されるか
、または一緒になった場合のYおよびRがプロパノでありかつYおよびR
がプロパノであるか、もしくは一緒になった場合のYおよびRがプロパノ
でありかつYおよびRがプロパノであり;そして
〜Xは、別個に水素、塩素、フッ素、低級アルキル、カルボキシレー
ト、スルホン酸、−CHOH、および連結基からなる群から選択される、色素
化合物である);
Bは、7−デアザプリン、プリン、またはピリミジンヌクレオチド塩基であり

は、HおよびOHからなる群から選択され;
はH、OH、−PO、およびNucからなる群から選択され、ここでN
ucおよびヌクレオシドはホスホジエステル連結またはそのアナログによって結
合され、該連結はNucの5’−位に結合しており;
はH、−POまたはホスフェートアナログ、およびNucからなる群か
ら選択され、ここでNucおよびヌクレオシドはホスホジエステル連結またはそ
のアナログによって結合され、該連結はNucの3’−位に結合しており;
ここで、Bがプリンまたは7−デアザプリンである場合、糖部分はプリンまた
はデアザプリンのN−位に結合しており、そしてBがピリミジンである場合、
糖部分はピリミジンのN−位に結合しており;
ここで、BとDとを連結する連結は、R〜RまたはX〜Xのうちの1
つの位置でDに結合し;および
ここで、Bがプリンである場合、該連結はプリンの8−位に結合し、Bが7−
デアザプリンである場合、該連結は7−デアザプリンの7−位に結合し、そして
Bがピリミジンである場合、該連結はピリミジンの5−位に結合する、
ポリヌクレオチドに関する。
【0048】
1つの好ましい実施態様において、Bは、ウラシル、シトシン、デアザアデニ
ン、およびデアザグアノシンからなる群から選択され得る。
【0049】
別の好ましい実施態様において、上記連結は、以下の式:
【0050】
【化14】

【0051】
であり得る。
【0052】
さらに別の局面において、本発明は、以下の工程を包含するポリヌクレオチド
配列決定の方法であって:
第1、第2、第3、および第4のクラスのポリヌクレオチドの混合物を形成す
る工程であって、その結果:
第1のクラスの各ポリヌクレオチドは3’−末端ジデオキシアデノシンを含
み、そして第1の色素で標識され;
第2のクラスの各ポリヌクレオチドは3’−末端ジデオキシシチジンを含み
、そして第2の色素で標識され;
第3のクラスの各ポリヌクレオチドは3’−末端ジデオキシグアノシンを含
み、そして第3の色素で標識され;
第4のクラスの各ポリヌクレオチドは3’−末端ジデオキシチミジンを含み
、そして第4の色素で標識され;
ここで、第1、第2、第3、または第4の色素のうちの1つは、4,7−ジ
クロロローダミン色素であり;
全ての色素が互いからスペクトル分離可能である、工程;
ポリヌクレオチドを電気泳動で分離し、それにより類似のサイズのポリヌクレ
オチドのバンドを形成する工程;
色素を蛍光放射させ得る照射ビームでバンドを照射する工程;および
色素の蛍光スペクトルによりバンド中のポリヌクレオチドのクラスを同定する
工程、
を包含し、ここで、4,7−ジクロロローダミン色素は、以下の式:
【0053】
【化15】

【0054】
(ここで:
〜Rは、別個に水素、フッ素、塩素、低級アルキル、低級アルケン、低
級アルキン、スルホネート、スルホン、アミノ、アミド、ニトリル、低級アルコ
キシ、連結基およびそれらの組合せからなる群から選択されるか、または一緒に
なった場合のRおよびRがベンゾであるか、もしくは一緒になった場合のR
およびRがベンゾであり;
〜Yは、別個に水素および低級アルキルからなる群から選択されるか、
または、一緒になった場合のYおよびRがプロパノでありかつYおよびR
がプロパノであるか、もしくは一緒になった場合のYおよびRがプロパノ
でありかつYおよびRがプロパノであり;そして
〜Xは、別個に水素、塩素、フッ素、低級アルキル、カルボキシレート
、スルホン酸、−CHOH、および連結基からなる群から選択される)を有す
る、方法に関する。
【0055】
第1の局面では、本発明の上述の目的および他の目的は、次式を有する化合物
により達成される:
【0056】
【化16】

【0057】
ここで可変置換基は以下のように定義される。R〜Rは、別個に水素、フッ
素、塩素、低級アルキル、低級アルケン、低級アルキン、スルホネート、スルホ
ン、アミノ、アミド、ニトリル、低級アルコキシ、連結基あるいはそれらの組合
せ、または、一緒になった場合のRおよびRがベンゾであるか、または一緒
になった場合のRおよびRがベンゾである。好ましくは、R−Rは、水
素、メチルまたはエチルである。Y−Yは、別個に水素あるいは低級アルキ
ル、または一緒になった場合のYおよびRがプロパノでありかつYおよび
がプロパノであるか、もしくは一緒になった場合のYおよびRがプロパ
ノでありかつYおよびRがプロパノである。X−Xは、別個に水素、塩
素、フッ素、低級アルキル、カルボキシレート、スルホン酸、−CHOH、お
よび連結基である。好ましくは、Xはカルボキシレートであり、かつXおよ
びXは別個に水素または連結基である。
【0058】
第2の局面では、本発明は、次式を有する標識化ヌクレオチドを包含する:
【0059】
【化17】

【0060】
ここで可変置換基および連結は以下のように定義される。Dは、本発明の4,7
−ジクロロローダミン色素化合物である。Bは、7−デアザプリン、プリン、ま
たはピリミジンヌクレオチド塩基、好ましくはウラシル、シトシン、デアザアデ
ニン、またはデアザグアノシンである。WおよびWは別個に、HまたはOH
である。WはOH、−PO、−P、−P10であり、そのアナロ
グを含む。1つの好ましい実施態様において、WはH、WはOH、およびW
は−P10である。第2の好ましい実施態様において、WおよびW
Hであり、Wは−P10である。Bがプリンまたは7−デアザプリンであ
る場合、糖部分はプリンまたはデアザプリンのN−位に結合しており、そして
Bがピリミジンである場合、糖部分はピリミジンのN−位に結合している。B
とDとを連結する連結は、R−RまたはX−Xのうちの1つの位置でD
に結合する。好ましくは、BとDとを連結する連結は、XまたはXのうちの
1つの位置でDに結合する。特に好ましい実施態様において、連結は以下のもの
である:
【0061】
【化18】

【0062】
Bがプリンである場合、この連結はプリンの8−位に結合し、Bが7−デアザプ
リンである場合、この連結は7−デアザプリンの7−位に結合し、そしてBがピ
リミジンである場合、この連結はピリミジンの5−位に結合する。
【0063】
第3の局面において、本発明は以下の式を有するヌクレオチドを含有する標識
化ポリヌクレオチドを含む:
【0064】
【化19】

【0065】
ここで可変の置換基および連結は以下のように定義される。Dは、本発明の4,
7−ジクロロローダミン色素化合物である。Bは、7−デアザプリン、プリン、
またはピリミジンヌクレオチド塩基、好ましくはウラシル、シトシン、デアザア
デニン、またはデアザグアノシンである。Zは、HまたはOHである。Z
H、OH、−PO、またはNuc、隣接ヌクレオチドであり、ここでNucお
よびヌクレオシドはホスホジエステル連結またはそのアナログによって結合され
、この連結はNucの5’−位に結合している。ZはH、−PO(ホスフェ
ートアナログを含む)、またはNucであり、ここでNucおよびヌクレオシド
はホスホジエステル連結またはそのアナログによって結合され、この連結はNu
cの3’−位に結合している。Bがプリンまたは7−デアザプリンである場合、
糖部分はプリンまたはデアザプリンのN−位に結合しており、そしてBがピリ
ミジンである場合、糖部分はピリミジンのN−位に結合している。BとDとを
連結する連結は、R−RまたはX−Xのうちの1つの位置でDに結合す
る。好ましくは、BとDとを連結する連結は、XまたはXのうちの1つの位
置でDに結合する。特に好ましい実施態様において、連結は以下のものである:
【0066】
【化20】

【0067】
Bがプリンである場合、この連結はプリンの8−位に結合し、Bが7−デアザプ
リンである場合、この連結は7−デアザプリンの7−位に結合し、そしてBがピ
リミジンである場合、この連結はピリミジンの5−位に結合する。
【0068】
第4の局面において、本発明はポリヌクレオチド配列決定の方法を包含し、こ
のような方法は以下の工程を含む。第1、第2、第3、および第4のクラスのポ
リヌクレオチドの混合物を形成し、その結果、第1のクラスの各ポリヌクレオチ
ドは3’−末端ジデオキシアデノシンを含み、そして第1の色素で標識され、第
2のクラスの各ポリヌクレオチドは3’−末端ジデオキシシチジンを含み、そし
て第2の色素で標識され、第3のクラスの各ポリヌクレオチドは3’−末端ジデ
オキシグアノシンを含み、そして第3の色素で標識され、第4のクラスの各ポリ
ヌクレオチドは3’−末端ジデオキシチミジンを含み、そして第4の色素で標識
される。色素は、第1、第2、第3、または第4の色素のうちの1つは、本発明
の4,7−ジクロロローダミン色素であり、他の色素は、互いからスペクトル分
離可能であるように選択される。ポリヌクレオチドを電気泳動で分離し、それに
より類似のサイズのポリヌクレオチドのバンドを形成し、色素を蛍光放射させ得
る照射ビームでバンドを照射し、そして色素の蛍光スペクトルによりバンド中の
ポリヌクレオチドのクラスを同定する。
【0069】
本発明のこれらおよび他の局面、目的、特徴、ならびに利点は、以下の説明、
図面、および添付の請求の範囲を参考にしてよりよく理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
本発明の好ましい実施態様を、ここで、詳細に言及する。その例は、添付の図
に示される。本発明は、その好ましい実施態様に関連して記述されているものの
、それらは、本発明をこれらの実施態様に限定する意図はないことが分かる。逆
に、本発明は、添付の請求の範囲で規定した本発明の範囲内に含まれ得る代替、
改良および等価物を含むことを意図している。
【0071】
一般に、本発明は、蛍光色素として有用な新規なクラスの4,7−ジクロロロ
ーダミン化合物、このような色素を分子標識として使用する試薬、およびこのよ
うな色素および試薬を分析生物工学の領域で使用する方法を包含する。本発明の
化合物は、多色蛍光DNA配列決定およびフラグメント解析の領域で、特に用途
が見出されている。
【0072】
本発明は、一部は、4,7−ジクロロローダミンの蛍光特性、および関連色素
の発見をベースとする。それらの放射バンド幅は、4,7−ジクロロ誘導体を欠
くアナログよりも、通常、20〜30%狭く、それらの放射、および最大吸収は
、4,7−ジクロロ誘導体を欠くアナログよりも、通常、約10〜30nm高い
波長に存在する。
【0073】
(I.定義)
他に述べない場合、本明細書で使用する以下の用語および言い回しは、以下の
意味を有することを意図する:
「連結基」(L)は、試薬に結合される「補足的官能基」と反応し得る(例え
ば、色素を試薬に連結する「結合」を形成する反応)官能基を言う。使用される
特定の連結基は、補足的官能基の性質、および所望の結合のタイプに依存する。
いくつかの場合、連結基は、補足的官能基との反応の前に、活性化されなければ
ならない(例えば、ジクロロヘキシルカルボジイミドおよびN−ヒドロキシコハ
ク酸イミドと、N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)エステルを形成するカ
ルボキシレート連結基の活性化)。好ましくは、補足官能基がアミンの場合常に
、本発明の連結基は、イソチオシアネート、イソシアネート、アシルアジド、N
HSエステル、塩化スルホニル、アルデヒドまたはグリオキサール、エポキシド
、カーボネート、ハロゲン化アリール、イミドエステル、カルボジイミド、酸無
水物、4,6−ジクロロトリアジニルアミン、または他の活性カルボキシレート
である。好ましくは、補足官能基が、スルフヒドリルの場合常に、連結基は、ハ
ロアセチル、ハロゲン化アルキル、マレイミド、ハロアセチル、アジリジン、ア
クリロイル、アリール化剤(例えば、フルオロベンゼン、など)である。補足官
能基が、カルボキシレートの場合、連結基は、好ましくは、ジアゾアラン、ジア
ゾアセチル、カルボニルジイミダゾール、およびカルボジイミド(Herman
son)である。特に好ましい実施態様では、連結基は、アミン補足官能基と反
応する活性化NHSエステルであり、活性化NHSエステルを形成する場合、カ
ルボキシレート連結基を含む本発明の色素が、ジシクロヘキシルカルボジイミド
およびN−ヒドロキシコハク酸イミドと反応し、NHSエステルを形成する。以
下の表1は、代表的な連結基のサンプルを、互換性のある補足官能基および得ら
れる結合と共に示す。
【0074】
【表2】

【0075】
用語「低級アルキル」は、1〜8の炭素原子を含む直鎖および分岐の炭化水素
部分(すなわち、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル
、イソブチル、sec−ブチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、など)を
意味する。用語「プロパノ」は、特に、部分−CHCHCH−を意味する
。「低級置換アルキル」は、電子吸引性置換基(例えば、ハロ、シアノ、ニトロ
、スルホ、など)を含む低級アルキルを意味する。「低級ハロアルキル」は、1
つ以上のハロゲン原子置換基(通常、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード
)を有する低級置換アルキルを意味する。「低級アルケン」は、低級アルキルま
たは低級置換アルキル(ここで、1つ以上の炭素−炭素結合が、二重結合である
)を意味する。「低級アルキン」は、低級アルキル、または低級置換アルキル(
ここで、1つ以上の炭素−炭素結合が、三重結合である)を意味する。「スルホ
ネート」は、2つの酸素原子に二重結合し、そして1つの酸素原子に単結合した
硫黄原子を含む部分(それらの一塩基塩、二塩基塩を含む(例えば、ナトリウム
スルホホネート、カリウムスルホネート、ジナトリウムスルホネート、など))
を意味する。「スルホン」は、2つの酸素原子に二重結合した硫黄原子を含む部
分を意味する。「アミノ」は、2つの水素原子、低級アルキル部分、またはそれ
らの任意の組み合わせに結合した窒素原子を含む部分を意味する。「アミド」は
、酸素原子に二重結合し、そしてアミノ部分に単結合した炭素原子を含む部分を
意味する。「ニトリル」は、窒素原子に三重結合した炭素原子を含む部分を意味
する。「低級アルコキシ」は、酸素原子に単結合した低級アルキルを含む部分を
意味する。「アリール」は、単独の、または複数のフェニル、または置換フェニ
ル(例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、など)を意味
する。
【0076】
用語「ヌクレオシド」は、1’位でペントースと結合したプリン、デアザプリ
ン、またはピリミジンヌクレオシド塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシ
ン、ウラシル、チミン、デアザアデニン、デアザグアノシン、など)からなる化
合物(2’−デオキシ型および2’−ヒドロキシル型(Stryer)を含む)
を意味する。本明細書で使用される用語「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドのリ
ン酸エステル(例えば、トリリン酸エステル)を意味し、ここで、エステル化の
最も一般的な位置は、ペントースのC−5位に結合したヒドロキシル基である。
本発明の開示中の多くの場合、用語ヌクレオシドは、ヌクレオシドおよびヌクレ
オチドを含むことを意図する。ヌクレオシドに関する「アナログ」は、修飾され
た塩基部分、修飾された糖部分、および/または修飾されたリン酸エステル部分
(例えば、(Scheit;Eckstein)に記載)を含む合成アナログを
含む。用語「標識化ヌクレオシド」は、式Iの色素化合物を共有結合したヌクレ
オシドを意味する。
【0077】
本明細書で使用する場合、用語「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオ
チド」は、2本および1本鎖のデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、
それらのα−アノマー形、などを含む天然のヌクレオチドモノマーまたはそれら
のアナログの直線状ポリマーを意味する。通常、ヌクレオシドモノマーは、リン
酸ジエステル結合によって結合され、ここで、本明細書中で使用される場合、用
語「リン酸ジエステル結合」は、リン酸ジエステル結合、またはそれらのアナロ
グ(ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホス
ホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホルアニリデート、ホス
ホルアミデート、などを含む(対イオンが存在する場合、結合対イオン(例えば
、H、NH、Naなど)を含む))を意味する。ポリヌクレオチドは、代表的
には、大きさの種類においては、数モノマー単位から、例えば8〜40、数千モ
ノマー単位までの範囲である。ポリヌクレオチドが、文字の配列(例えば、”A
TGCCTG”)によって表される場合常に、ヌクレオチドは、5’〜>3’順
序で、左から右へであり、他の方法で示され無ければ、「A」はデオキシアデノ
シンを意味し、「C」はデオキシシチジンを意味し、「G」はデオキシグアノシ
ンを意味し、および「T」はチミジンを意味することが理解される。
【0078】
本明細書で使用される場合、色素のセットに関する用語「スペクトル分解」は
、色素の蛍光放射スペクトルが、十分に分かれ(すなわち、十分に重なっていな
い)、通常の光検出系(例えば、帯域通過フィルター(band pass f
ilter)および光電子倍増管(photo multiplier tub
e)の系、分光器(spectrograph)と組み合わせた荷電結合素子、
など((Hunkapiller;Wheeless)に記載の系によって例示
される))を用いて、それぞれの色素に結合している試薬(例えば、ポリヌクレ
オチド)が、それぞれの色素によって生じる蛍光シグナルのベースによって区別
され得ることを意味する。
【0079】
(II.4,7−ジクロロローダミン色素化合物)
第一の局面では、本発明は、すぐ下の式Iで示す一般構造を有する新規なクラ
スの4,7−ジクロロローダミン色素化合物を包含する。(本明細書中で提供し
た全ての分子構造は、提示した正確な電子構造だけでなく、それらの全ての共鳴
構造およびプロトン付加状態を含むことを意図していることに注意のこと)。
【0080】
【化21】

【0081】
式Iにおいて、RからRは、別々に、水素、フッ素、塩素、低級アルキル
、低級アルケン、低級アルキン、スルホネート、スルホン、アミノ、アミド、ニ
トリル、低級アルコキシ、連結基、またはそれらの組み合わせである。あるいは
、RおよびRは、一緒になって、ベンゾであり、および/または、Rおよ
びRは、ベンゾである。好ましい実施態様では、RからRは、別々に、水
素、メチル、またはエチルである。より好ましくは、RからRは、別々に、
水素、またはメチルである。
【0082】
からYは、別々に、水素、および低級アルキルからなる群から選択され
る。あるいは、Yは、Rと一緒になってプロパノであり、およびYは、R
と一緒になって、プロパノであり、および/または、Yは、Rと一緒にな
ってプロパノであり、およびYは、Rと一緒になって、プロパノである。好
ましくは、YからYは、別々に、水素、メチル、またはエチルである。
【0083】
〜Xは、別々に、水素、塩素、フッ素、低級アルキル、カルボキシレー
ト、スルホン酸、−CHOH、または連結基である。好ましくは、Xは、カ
ルボキシレートである。好ましい実施態様では、XまたはXの1つは、連結
基である。
【0084】
本発明の1つの特に好ましい化合物(本明細書では、DR110として示す)
では、R〜Rは、別々に、水素であり、Y〜Yは、別々に、水素であり
、Xは、カルボキシレートであり、そしてXおよびXの1つは、連結基(
L)であり、その他は、水素である。DR110の構造を以下に式IIとして示
す。
【0085】
【化22】

【0086】
本発明の第2の特に好ましい化合物(本明細書では、DR6Gとして示す)で
は、RおよびRは、別々に、メチルであり、R、R、RおよびR
、水素であり、YおよびYの一方はエチルであり、他方は、水素であり、Y
およびYの一方はエチルであり、他方は、水素であり、Xは、カルボキシ
レートであり、そしてXおよびXの一方は、連結基であり、他方は、水素で
ある。DR6Gの構造を以下に式IIIとして示す。
【0087】
【化23】

【0088】
本発明の第3の特に好ましい化合物(本明細書では、DTMRとして示す)で
は、R〜Rは、別々に、水素であり、Y〜Yは、別々に、メチルであり
、Xは、カルボキシレートであり、そしてXおよびXの一方は、連結基で
あり、他方は、水素である。DTMRの構造を以下に式IVとして示す。
【0089】
【化24】

【0090】
本発明の第4の特に好ましい化合物(本明細書では、DROXとして示す)で
は、RおよびYは、一緒になって、プロパノであり、RおよびYは、一
緒になって、プロパノであり、RおよびYは、一緒になって、プロパノであ
り、RおよびYは、一緒になって、プロパノであり、RおよびRは、水
素であり、Xは、カルボキシレートであり、そしてXおよびXの一方は、
連結基であり、他方は、水素である。DROXの構造を以下に式Vとして示す。
【0091】
【化25】

【0092】
本発明の色素化合物のいくつかの追加の特に好ましい実施態様を、図1Aおよ
び1Bに示す。化合物1aにおいて、Rは、メチルであり、R〜Rは、別
々に、水素であり、YおよびYの一方はエチルであり、他方は、水素であり
、YおよびYは、別々に、水素であり、Xは、カルボキシレートであり、
そしてXおよびXの一方は、連結基であり、他方は、水素である。化合物1
bにおいて、Rは、メチルであり、R〜Rは、別々に、水素であり、Y
およびYの一方はエチルであり、他方は、水素であり、YおよびYは、別
々に、メチルであり、Xは、カルボキシレートであり、そしてXおよびX
の一方は、連結基であり、他方は、水素である。化合物1cにおいて、R、R
、RおよびRは、別々に、水素であり、YおよびYは、別々に、メチ
ルであり、RおよびYは、一緒になって、プロパノであり、RおよびY
は、一緒になって、プロパノであり、Xは、カルボキシレートであり、そして
およびXの一方は、連結基であり、他方は、水素である。化合物1dにお
いて、R、R、RおよびRは、別々に、水素であり、YおよびY
、別々に、水素であり、RおよびYは、一緒になって、プロパノであり、R
およびYは、一緒になって、プロパノであり、Xは、カルボキシレートで
あり、そしてXおよびXの一方は、連結基であり、他方は、水素である。化
合物1eにおいて、Rは、メチルであり、R、RおよびRは、別々に、
水素であり、YおよびYの一方はエチルであり、他方は、水素であり、R
およびYは、一緒になって、プロパノであり、RおよびYは、一緒になっ
て、プロパノであり、Xは、カルボキシレートであり、そしてXおよびX
の一方は、連結基であり、他方は、水素である。化合物1fにおいて、R〜R
は、別々に、水素であり、YおよびYは、別々に、水素であり、Yおよ
びYは、別々に、メチルであり、Xは、カルボキシレートであり、そしてX
およびXの一方は、連結基であり、他方は、水素である。
【0093】
図8Aおよび8Bは、本発明の4,7−ジクロロローダミン色素の調製のため
の好ましい一般化された合成スキームを示す。各図において示される変換可能な
置換基は、上記で定義されたものである。
【0094】
図8Aは、置換基Xがカルボキシレートより他のものであり得る一般化され
た合成スキームを示す。図において、X’は、Xの前駆体である部分を示す。
図8Aの方法において、2当量の3−アミノフェノール誘導体8a/8b(例え
ば、3−ジメチルアミノフェノール)が、1当量のジクロロベンゼン誘導体8c
(例えば、4−カルボキシ−3,6,ジクロロ−2−スルホ安息香酸環式無水物
(すなわち、ここで、8cのX’部分は、一緒になって以下である))と反応
する。
【0095】
【化26】

【0096】
次いで、反応物を、12時間、強酸(例えば、ポリリン酸、または硫酸)中で、
180℃で加熱する。粗色素8dを、水の添加によって沈澱し、遠心分離によっ
て単離する。対称体の生成物を形成するために、反応物8aおよび8bの置換基
は、同じであり、一方、非対称体の生成物を形成するために、置換基は、異なる

【0097】
図8Bは、置換基Xがカルボキシレートである一般化された合成を示す。図
8Bの方法において、2当量の3−アミノフェノール誘導体8a/8b(例えば
、3−ジメチルアミノフェノール)が、1当量のフタル酸無水物誘導体8e(例
えば、3,6−ジクロロトリメリット酸無水物と反応する。次いで、反応物を、
12時間、強酸(例えば、ポリリン酸、または硫酸)中で、180℃で加熱する
。粗色素8dを、水の添加によって沈澱し、遠心分離によって単離する。対称体
の生成物を形成するために、反応物8aおよび8bの置換基は、同じであり、一
方、非対称体の生成物を形成するために、置換基は、異なる。
III.4,7−ジクロロローダミン色素化合物を利用する試薬
他の局面では、本発明は、式Iの4,7−ジクロロローダミン色素化合物で標
識した試薬を包含する。本発明の試薬は、事実上、本発明の色素が結合できるい
ずれのものでもよい。好ましくは、この色素は、この試薬に直接または結合を介
して共有結合される。試薬には、タンパク質、ポリペプチド、多糖類、ヌクレオ
チド、ヌクレオシド、ポリヌクレオチド、脂質、固体支持体、有機および無機重
合体、およびそれらの組合せおよび集合(例えば、染色体、核、生存細胞(例え
ば、細菌、他の微生物、哺乳類細胞、組織糖タンパク)など)が挙げられる。
A.ヌクレオチド試薬
本発明の好ましい種類の試薬は、本発明の非対称ベンゾキサンテン色素を含有
するヌクレオチドおよびヌクレオシドを包含する。このようなヌクレオチド/ヌ
クレオシド試薬は、酵素合成により形成した標識ポリヌクレオチド(例えば、P
CR増幅、サンガー型ポリヌクレオチド配列決定およびニック翻訳反応の文脈で
使用されるヌクレオチド三リン酸)の文脈で、特に有用である。
【0098】
本発明の好ましいヌクレオチド/ヌクレオシドは、式VIで以下に示されてお
り、
【0099】
【化27】

【0100】
ここで、Bは、ヌクレオシド塩基(例えば、ウラシル、シトシン、デアザアデニ
ンおよびデアザグアノシン)である。WおよびWは、別個に、H、OH、ま
たは−OCH3である。Wは、OH、−PO、−P、−P10
たはそれらのアナログ(例えば、リン酸チオエート、リン酸アニリデート、リン
酸アロニチオエート、リン酸アミジエートおよび他の類似のリン酸アナログ)で
あり、これには、もし存在するなら、会合対イオン(例えば、H、Na、NH
など)が含まれる。Dは、式Iの色素化合物である。
【0101】
Bがプリンまたは7−デアザプリンのとき、その糖部分は、プリンまたはデア
ザプリンのN−位にて結合しており、Bがピリミジンのとき、その糖部分は、
ピリミジンのN−位にて結合している。
【0102】
BおよびDを連結している結合は、R〜RまたはX〜X位の1つで、
Dに結合している。好ましくは、この結合は、XまたはXの1つには結合し
ている。 好ましくは、Bがプリンのとき、BおよびDを結合している結合は、
プリンの8−位に結合しており、Bが7−デアザプリンのとき、結合は、7−デ
アザプリンの7−位に結合しており、Bがピリミジンのとき、結合は、ピリミジ
ンの5−位にて結合している。
【0103】
1つの特に好ましい実施態様では、本発明のヌクレオチドは、以下に式VII
で示す構造を有するジデオキシヌクレオチドトリリン酸エステル(存在する場合
、会合した対イオンを含む)である。
【0104】
【化28】

【0105】
式VIIに示したもののような標識ジデオキシヌクレオチドは、サンガー型D
NA配列決定法(Sanger)において、鎖停止剤すなわち「ターミネーター
」として、特定の用途が見出されている。
【0106】
第二の特に好ましい実施態様では、本発明のヌクレオチドは、以下の式VII
Iに示した構造を有するデオキシヌクレオチド三リン酸である(もし存在するな
ら、会合対イオンを含めて)。
【0107】
【化29】

【0108】
式VIIIに示したもののような標識デオキシヌクレオチドは、例えば、ポリ
メラーゼ鎖反応(Mullis)において、ポリメラーゼ伸長産物を標識する手
段として、特定の用途が見出されている。
【0109】
ヌクレオチド/ヌクレオシド標識化は、公知の結合、連結基および関連する相
補官能性を用いて、非常に多くの公知の連結基および関連する相補官能基を用い
た公知のヌクレオシド/ヌクレオチド標識化技術のいずれかを使用して、達成で
き、好ましい連結基の説明について上記参照。この色素およびヌクレオシドを結
合する結合は、(i)オリゴヌクレオチド標的ハイブリダイゼーションを妨害せ
ず、(ii)適切な酵素(例えば、ポリメラーゼ、リガーゼなど)と相溶性であ
り、そして(iii)この色素の蛍光を消失させてはならない。
【0110】
1つの好ましい実施態様では、本発明の色素は、ピリミジン塩基の5−炭素ま
たは7−デアザプリン塩基の7−炭素に共有結合される。本発明で使用できる数
個の適当な塩基標識化操作が報告されている(Gibson;Gebeyehu
;Haralambidlis;Nelson 1992;Bergstron
;Fung 1998;Ward;Woo.)。
【0111】
好ましくは、この結合は、アセチレン性アミド結合またはアルケン性アミド結
合であり、この色素とヌクレオチド塩基との間の結合は、この色素の活性化N−
ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルと、ヌクレオチドのアルキニルア
ミノまたはアルケニルアミノ誘導体化塩基とを反応させることにより、形成され
る。より好ましくは、得られた結合は、3−(カルボキシ)アミノ−1−プロピ
ニルまたは3−アミノ−1−プロピン−1−イルである(式IX.1)。本発明
の色素をヌクレオシド塩基に結合するための数個の好ましい結合は、式IX.1
、式IX.2および式IX.3にて、以下に示す。
【0112】
【化30】

【0113】
アルキニルアミノ誘導体化ヌクレオシドの合成は、(Hobbs 1989,
1992)によって記載され、要約すると、このアルキニルアミノ誘導体化ヌク
レオチドは、適当なハロジデオキシヌクレオシド(通常、5−ヨードピリミジン
および7−ヨード−7−デアザプリンジデオキシヌクレオシド)およびCu(I
)をフラスコに入れ、アルゴンをフラッシュして空気を取り除き、無水DMFを
添加し、続いて、アルキニルアミン、トリエチルアミンおよびPd(0)を添加
することにより、形成される。この反応混合物は、数時間、または薄層クロマト
グラフィーがハロジデオキシヌクレオシドの消費を示すまで、撹拌し得る。未保
護のアルキニルアミンを使用するとき、このアルキニルアミノヌクレオシドは、
この反応混合物を濃縮し、そして水酸化アンモニウムを含有する溶出溶媒を用い
てシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけて、カップリング反応で生成したヒ
ドロハライドを中和することにより、単離できる。保護アルキニルアミンを使用
するとき、この反応混合物には、メタノール/塩化メチレンを添加し得、続いて
、重炭酸塩形態の強塩基性アニオン交換樹脂を添加し得る。次いで、このスラリ
ーは、約45分間撹拌し得、濾過し得、樹脂は、追加のメタノール/塩化メチレ
ンで洗浄し得る。合わせた濾液は濃縮し得、そしてメタノール−塩化メチレン勾
配を用いたシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し得る。ト
リホスフェートは、標準的な方法により得られる。
【0114】
(B.ポリヌクレオチド試薬)
本発明のさらに他の好ましい種類の試薬には、本発明の4,7−ジクロロロー
ダミン色素で標識したポリヌクレオチドが包含される。このような標識ポリヌク
レオチドは、DNA配列決定プライマー、PCRプライマー、オリゴヌクレオチ
ドハイブリダイゼーションプローブなどを含めた非常に多くの状況で、有用であ
る。
【0115】
本発明のポリヌクレオチドには、次式を有するヌクレオチドが挙げられる:
【0116】
【化31】

【0117】
ここで、Bは、7−デアザプリン、プリンまたはピリミジンヌクレオチド塩基で
ある。Zは、H、OH、−OCHである。Zは、OH、−PO、−P
、−P10またはそれらのアナログ(例えば、リン酸チオエート、リン
酸アニリデート、リン酸アニロチオエート、リン酸アミデートおよび他の類似の
リン酸アナログ(存在するならば、結合対イオン、例えばH、Na、NHなど
)またはNucであり、ここで、Nucは、ヌクレオシド、ヌクレオチドまたは
ポリヌクレオチドを意味する。式XのヌクレオシドおよびNucは、ホスホジエ
ステル結合またはそれらのアナログにより連結され、この結合は、好ましくは、
Nucの5’−位に結合している。Zは、H、HPOまたはそれらのアナロ
グまたはNucであり、ここで、Nucおよびこのヌクレオシドは、ホスホジエ
ステル結合またはそれらのアナログにより連結されており、この結合は、Nuc
の3’−位に結合している。そしてDは、式Iの色素化合物である。塩基Bは、
本発明のヌクレオチド試薬について記述のようにして、この糖部分および色素化
合物に結合される。ここで定義されるように、式Xの標識ヌクレオチドは、5’
−末端ヌクレオチド、3’−末端ヌクレオチド、またはポリヌクレオチドのいず
れかの内部ヌクレオチドであり得る。
【0118】
好ましい1つの実施態様では、本発明の標識ポリヌクレオチドには、供与体色
素と受容体色素との間で、蛍光エネルギーの移動が起こるように配置した複数の
色素(本発明の色素化合物である少なくと1つ)が挙げられる。このような複数
色素ポリヌクレオチドは、分光調整可能なプローブまたはDNA配列決定プライ
マー(Ju;Lee)として用途が見出されている。
【0119】
標識ポリヌクレオチドは、例えば、DNAポリメラーゼまたはリガーゼ(St
ryer)を用いて、酵素的に合成するか、または例えば、ホスホルアミダイト
法、亜リン酸トリエステル法などによる化学合成によるか(Gait)のいずれ
かにより、合成できる。標識は、上記の標識ヌクレオチド三リン酸モノマーを使
用して、酵素合成中に導入してもよく、または合成に引き続いて導入してもよい

【0120】
一般に、この標識ポリヌクレオチドが、酵素合成により製造されるなら、以下
の操作が使用できる。テンプレートDNAが変性され、このテンプレートDNA
に、オリゴヌクレオチドプライマーがアニールされる。この反応系に、デオキシ
ヌクレオチド三リン酸および/またはジデオキシヌクレオチド三リン酸(dGT
P、dATP、dCTP、dTTP、ddTTP、ddGTP、ddATP、d
dCTPおよびddTTPを含めて)が添加され、この場合、このデオキシヌク
レオチドおよび/またはジデオキシヌクレオチドの1個の少なくとも断片は、上
記の本発明の色素化合物で標識される。次に、ポリメラーゼ酵素が活性である条
件下にて、ポリメラーゼ酵素が添加される。ポリメラーゼ鎖合成中に、この標識
デオキシヌクレオチドおよび/またはジオキシヌクレオチドの混入により、標識
ポリヌクレオチドが形成される。別の酵素的合成法では、1個のプライマーの代
わりに2個のプライマーが使用され、1個のプライマーは、この標的の+(プラ
ス)鎖に相補的であり、他は、この標的の−(マイナス)鎖に相補的であり、こ
のポリメラーゼは、熱安定性ポリメラーゼであり、その反応温度は、変性温度と
延長温度の間で反復され、それにより、PCR(Mullis;Innis)に
よって、標識成分が標的配列へと急激に合成される。
【0121】
合成に引き続いて、このポリヌクレオチドは、非常に多くの位置で標識でき
、これらの位置には、5’−末端(Eckstein; Orgel; Smi
th);ホスホジエステル骨格(Eckstein);3’−末端(Nelso
n 1992a ; Nelson 1992b ; Nelson 1995
)が含まれる。オリゴヌクレオチド標識化操作の総説については、(Stein
er)を参照のこと。
【0122】
1つの好ましい合成後化学標識化法では、オリゴヌクレオチドは、以下のよう
にして標識化される。カルボキシ連結基を含む色素は、無水酢酸エチル中にて、
室温で3時間にわたり、およそ1当量の1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ドおよびおよそ3当量のN−ヒドロキシスクシンイミドと反応させることにより
、NHSエステルに転化される。この反応混合物は、5% HClで洗浄され、
硫酸マグネシウムで乾燥され、濾過され、そして固形物になるまで濃縮され、こ
の固形物は、DMSOに再懸濁される。このDMSO色素ストックは、次いで、
過剰で(10〜20倍)、pH 9.4にて、0.25 M重炭酸塩/炭酸塩緩
衝液中のアミノヘキシル誘導体化オリゴヌクレオチドに添加され、そして6時間
反応される(Fung 1998)。この色素標識したオリゴヌクレオチドは、
緩衝液(例えば、0.1Mトリエチルアミン酢酸塩(TEAA))で溶出するサ
イズ排除クロマトグラフィーカラムに通すことにより、未反応色素から分離され
る。この粗標識オリゴヌクレオチドを含有する画分は、勾配溶離液を使用する逆
相HPLCにより、さらに精製される。
【0123】
(IV.本発明の化合物および試薬を使用する方法)
本発明の色素および試薬は、蛍光検出を使用するいずれかの方法(特に、複数
の空間的に重複した分析物の同時検出を必要とする方法)によく適合する。本発
明の色素および試薬は、生化学分離操作(例えば、電気泳動)を受けるポリヌク
レオチドの種類を同定するのに、特によく適合し、この場合、類似の物理化学的
特性(例えば、サイズ、コンホメーション、電荷、疎水性など)を有する標的物
質のバンドまたはスポットが、線状または平面状の配列において存在する。本明
細書中で使用する用語「バンド」は、類似のまたは同一の物理化学的な特性を基
準にして、いずれかの空間的な配置または集塊を含む。通常、バンドは、色素−
ポリヌクレオチド複合体の電気泳動による分離において、生じる。
【0124】
ポリヌクレオチドの分類は、種々の状況において生じ得る。「フラグメント解
析」法または「遺伝解析」法と称する好ましいカテゴリーの方法では、標識プラ
イマーまたはヌクレオチドを用いたテンプレート定方向酵素的合成(例えば、結
合またはポリメラーゼ定方向プライマー伸長による)により、標識ポリヌクレオ
チド断片が生じる。これらの断片は、サイズ依存性分離プロセス(例えば、電気
泳動またはクロマトグラフィー)に供される。分離した断片は、この分離に引き
続いて、例えば、レーザー誘発した蛍光により、検出される。特に好ましい実施
態様では、複数の種類のポリヌクレオチドが同時に分離され、異なる種類のもの
は、分光学的に分析可能な標識により、識別される。
【0125】
このようなフラグメント解析の1方法は、増幅断片長多型検出(AmpFLP
)として知られているが、PCRにより増幅した増幅断片長の多型現象(すなわ
ち、制限断片長の多型現象)に基づいている(Vos)。種々のサイズのこれら
の増幅断片は、系統による次の突然変異遺伝子のための連鎖マーカーとして役立
つ。増幅断片が、染色体上の突然変異遺伝子に近づくほど、この結合の相関が高
くなる。多く遺伝的疾患に対する遺伝子は、同定されていないので、これらの結
合マーカーは、疾患のリスクまたは起源を評価するのに役立つ。このAmpFL
P方法では、このポリヌクレオチドは、標識ポリヌクレオチドPCRプライマー
を用いることにより、またはPCR中の標識ヌクレオチド三リン酸を使用するこ
とにより、標識できる。
【0126】
他の代表的なフラグメント解析法は、可変数のタンデム繰り返し、すなわち、
VNTRを基準にしている(Webber;Caskey)。VNTRは、特定
の配列の隣接した複数コピーを含有する二本鎖DNAの領域であり、繰り返し単
位の数は、可変である。VNTR遺伝子座の例には、pYNZ22、pMCT1
18およびApo Bがある。VNTR法のサブセットには、微小サテライト繰
り返しまたは短タンデム繰り返し(STR)、すなわち、短い(2個〜4個の塩
基)繰り返し配列により特徴付けられるDNAのタンデム繰り返しの検出を基準
にしている。ヒトにて最も豊富に点在した繰り返しDNAファミリーの1つには
、(dC−dA)n−(dG−dT)nジヌクレオチド繰り返しファミリー(こ
れはまた、(CA)nジヌクレオチド繰り返しファミリーとも呼ばれる)である
。ヒトのゲノムには、50,000個〜100,000個程度の(CA)n繰り
返し領域があると考えられ、典型的には、1ブロックあたり、15個〜30個の
繰り返しを有する。これらの繰り返し領域の多くは、長さが多様であり、従って
、有用な遺伝子マーカーとして供され得る。好ましくは、VNTR法またはST
R法では、色素標識PCRプライマーを用いることにより、ポリヌクレオチド断
片に標識が導入される。
【0127】
特に好ましいフラグメント解析法では、本発明に従って同定された種類のもの
は、4個の可能な末端塩基と分光学的に分析可能な色素のセットのメンバーとの
間で、対応が確立されるように、末端ヌクレオチドによって規定される(Fun
g 1989)。このようなセットは、市販の分光光度計を用いて、発光および
吸収バンド幅を測定することにより、本発明の色素から容易に組み立てられる。
さらに好ましくは、DNA配列決定の化学的方法または鎖停止法の状況にて、階
級が生じ、最も好ましくは、この鎖停止法、すなわち、ジデオキシDNA配列決
定すなわちサンガー配列決定の状況において、階級が生じる。この方法は、配列
が決定されるべき一本鎖または二本鎖DNAテンプレートを用いた、インビボで
のDNAポリメラーゼによるDNA合成を包含する。合成は、このテンプレート
にオリゴヌクレオチドプライマーがアニールする1個の部位だけで、開始される
。この合成反応は、連続DNA伸長を支持しないヌクレオチド類似物の含入によ
り、停止される。この鎖停止ヌクレオチド類似物には、2’,3’−ジデオキシ
ヌクレオシド5’−三リン酸(ddNTP)があり、これは、3’から5’への
DNA鎖の伸長に必要な3’−OH基がない。適切な割合のdNTP(2’−デ
オキシヌクレオシド5’−三リン酸)および4個のddNTPの1個を使用する
と、酵素触媒した重合は、このddNTPが含入できる各部位で、鎖集団の断片
において、停止される。各反応に対して、標識プライマーまたは標識ddNTP
を使用するなら、この配列情報は、高分解能電気泳動による分離後、蛍光により
検出できる。
【0128】
上記の各々のフラグメント解析法において、標識ポリヌクレオチドは、好まし
くは、電気泳動操作により、分離される(RickwoodおよびHames;
Osterman)。好ましくは、電気泳動マトリックスのタイプは、約2〜2
0重量%の間の濃度(重量対容量)を有する架橋または非架橋ポリアクリルアミ
ドである。さらに好ましくは、このポリアクリルアミド濃度は、約4〜8%の間
である。好ましくは、DNA配列決定の状況では、特に、この電気泳動マトリッ
クスは、鎖分離または変性剤(例えば、尿素、ホルムアミドなど)を含有する。
このようなマトリックスを構築する詳細な手順は、(Maniatis 198
0;Maniatis 1975;ABI PRISMTM 377 DNA
Sequencer User’s Manual)に与えられる。特定の分離
において使用される最適なポリマー濃度、pH、温度、変性剤の濃度などは、多
くの要因に依存し、これらには、分離されるべき核酸のサイズ範囲、それらの塩
基組成、それらが一本鎖か二本鎖か、およびその情報が電気泳動により追究され
る分類の性質が含まれる。従って、本発明の適用には、特定の分離のための条件
を最適化するためには標準予備試験が要求され得る。
【0129】
電気泳動分離に引き続いて、色素−ポリヌクレオチド複合体は、この色素標識
ポリヌクレオチドからの蛍光発光を測定することにより検出される。このような
検出を行うために、この標識ポリヌクレオチドは、標準的な手段、例えば、高強
度水銀蒸気ランプ、レーザーなどにより照射される。好ましくは、この照射手段
は、488 nmと550 nmの間の波長の照射ビームを有するレーザーであ
る。さらに好ましくは、この色素−ポリヌクレオチドは、アルゴンイオンレーザ
ー(特に、488 nmおよび514 nmの発光系列のアルゴンイオンレーザ
ー)、または532 nmの発光系列のネオジム固相YAGレーザーにより発生
したレーザー光によって、照射される。いくつかのアルゴンイオンレーザーが市
販されており、これらは、これらの系列で、同時にレーザーとして使える(例え
ば、Cyonics、Ltd.(Sunnyvale、Calif.)のMod
el 2001など)。次いで、光感受性検出器(例えば、光電子増倍管、荷電
結合素子など)により、その蛍光が検出される。
【実施例】
【0130】
(IV.実施例)
本発明は、以下の実施例を考慮することにより、さらに明確となるが、これら
の実施例は、単に、本発明の例示であることを意図し、いずれの点でも、本発明
の範囲を限定しない。
【0131】
他に指示がなければ、全ての試薬は、Aldrich Chemical C
o. (Milwaukee、WI)から購入した。3,6−ジクロロトリメリ
ト酸無水物を(Khanna)に記載のように調製した。
【0132】
(実施例1)
DR110(式II)の調製
【0133】
【化32】

【0134】
3−アミノフェノール(0.25g、2.3mmol)、3,6−ジクロロト
リメリト酸無水物(0.33g、1.3mmol)および硫酸(1mL)の混合
物を配合して、そして12時間190℃まで加熱した。水(10mL)を反応液
に加え、そして、得られた黒固形物は濾過により分離した。次いで、固形物を、
アセトニトリル(10mL)で抽出した。得られたオレンジ色の溶液は乾燥状態
に濃縮し、そして、残基は炭酸塩/重炭酸塩緩衝液(250mM、pH 9、1
0mL)に溶解した。溶液を、濃HClで酸性化し、赤い沈澱物を遠心分離によ
って集め、そして減圧遠心分離器において乾燥した。赤い固形物を、得た(32
mg、5%収率)。DR110生成物の溶液の吸光度極大は、40%アセトニト
リル/トリエチルアンモニウムアセテート緩衝液中で、516nmであった。
【0135】
(実施例2)
DTMR(式IV)の調製
【0136】
【化33】

【0137】
3−ジメチルアミノフェノール(3.6mmol、0.5g)(3,6−ジク
ロロメリト酸無水物(500mg、1.9mmol)、およびポリリン酸(PP
A)(5g)の混合物を配合し、12時間180℃まで加熱した。水(20mL
)を赤褐色の反応物に加え、混合物を濾過して、そして5% HClで洗浄した
。暗い固形物を、得た(79mg、0.15mmol、8%収率)。DTMR生
成物の溶液の吸光度極大は、40%アセトニトリル/トリエチルアンモニウムア
セテート緩衝液中で、570nmであった。
【0138】
(実施例3)
DROX(式V)の調製
【0139】
【化34】

【0140】
8−ヒドロキシユロリジン(140mg、0.73mmol)、3,6−ジク
ロロトリメリト酸無水物(0.38mmol、lOOmg)およびポリリン酸(
1g)の混合物を配合して、そして16時間180℃まで加熱した。水(10m
L)を添加し、そして溶液を濾過した。固形物を水性HCIで洗浄し、そして乾
燥させて87mgの紫の固形物(0.14mmol、37%)を得た。
実施例4
DR6G(式III)の調製
【0141】
【化35】

【0142】
3−アミノメチル−p−クレゾール(0.66mmol、100mg)、3,
6−ジクロロトリメリト酸無水物(0.38mmol、100mg)およびポリ
リン酸(0.5g)の混合物を配合して、12時間、180℃まで加熱した。水
(10mL)を赤褐色の反応物に添加し、そして混合物を濾過した。固形物を、
1M炭酸塩/重炭酸塩緩衝液(pH 9、25mL)に入れ、そして濾過した。
濾液を、濃HClで酸性化し、そして固形物を遠心分離によって収集し、そして
乾燥させた。固形物はアセトニトリル(10mL)で抽出し、そして抽出物を粘
着性の固形物に濃縮した。固形物を、ジメチルホルムアミド(0.6mL)に溶
解した。収率を、アリコートを40%アセトニトリル/トリエチルアンモニウム
アセテート緩衝液に希釈すること、およびUV/可視光分光光度計で吸光度を測
定することにより推定した。50,000cm−1−1の吸光係数を使用して
、吸光極大は540nmであり、そして収率は9%であることが見い出された。
【0143】
(実施例5)
DR6GのNHSエステルの調製
【0144】
【化36】

【0145】
ジメチルホルムアミド中のDR6G(0.1mL中に6μmol)の溶液を、
N−ヒドロキシスクシンイミド(22mg、0.2mmol)および1−(3−
ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(12mg、0.
06mmol)と混合した。反応の進行を、ジクロロメタン、メタノールおよび
酢酸(600:60:16)の混合物を溶離液として使用して、シリカゲル上の
薄層クロマトグラフィによって、モニターした。出発物質が消費された後、反応
物をジクロロメタン(10mL)で希釈して、5%HCI(10mL)で洗浄し
た。両方の相に不溶であった物質を捨てた。有機相を、250mM炭酸塩/重炭
酸塩(10mL)および5% HCI(10mL)で連続的に洗浄した。溶液を
乾燥し(MgS0)、そして暗色の油に濃縮した。残留物を、ジメチルホルム
アミド(0.2mL)中に入れて、そして−20℃で保存した。
【0146】
−20℃での3日間の後、金色の反射する結晶がジメチルホルムアミド溶液中
で形成した。上清をデカントし、そして捨てた。残留物を、メチルスルホキシド
(0.1mL)中に、溶解した。アリコートを、40%アセトニトリル/トリエ
チルアンモニウムアセテート緩衝液に希釈した。50.000 cm−1−1
の吸光係数を使用して、吸光度極大が548nmであり、そして収率が7%であ
ることが見い出された。
【0147】
(実施例6)
DR6G標識したジデオキシアデノシン三リン酸の調製
【0148】
【化37】

【0149】
ddATP−NH(5μL、20mM、0.1μmol)(Hobbs 1
989、1992)、DR6G−NHS(0.15μmol)および250mM
炭酸塩/重炭酸塩緩衝液、pH9(5μL)の溶液を混合した。室温での10分
間の後、溶液を陰イオン交換カラムを有するHPLCに供し、そして40%アセ
トニトリル/60% 0.1Mトリエチルアンモニウム重炭酸塩から40%アセ
トニトリル/60% 1.5Mトリエチルアンモニウム重炭酸塩への勾配で溶出
し遊離色素を除去した。色素標識ヌクレオチドおよび標識されていないヌクレオ
チドを含有する画分を減圧遠心分離器で濃縮し、そして逆相カラムを使用して第
2のHPLCに供した。標識されていないヌクレオチドおよび色素標識ヌクレオ
チドの各色素異性体を15%アセトニトリル/85% 0.1Mトリエチルアン
モニウムアセテートから35%アセトニトリル/65% 0.1Mトリエチルア
ンモニウムアセテートへの溶出勾配を使用して分離した。色素標識ヌクレオチド
の含有溶液を、減圧遠心分離器で濃縮し、そして10mM炭酸塩/重炭酸塩緩衝
液(pH 9)に再溶解し、そしてUV/可視光分光光度計において溶液の吸光
度を測定することによって、定量した。収率は、およそ1%であった。
【0150】
(実施例7)
色素標識オリゴヌクレオチドの調製
5’−アミノヘキシル官能化オリゴヌクレオチドの色素標識オリゴヌクレオチ
ドの溶液、(10μL、1mM)およびDR6G−NHS(lOμL、メチルス
ルホキシド12mM中)および炭酸塩/重炭酸塩緩衝液(2μL、1M)を混合
した。アミノヘキシル誘導体化プライマーを、合成の最終サイクルにおいてAm
inolink−2を使用して自動化固相DNA合成(PE Applied
Biosystems p/n 400808)により調製した。室温での10
分間の後、溶液をSephadex G−25上のゲル濾過に供し遊離色素を分
離した。色素標識オリゴヌクレオチドおよび標識されていないオリゴヌクレオチ
ドを含有する画分を収集し、そして逆相カラム上のHPLC精製に供した。標識
されていないオリゴヌクレオチドおよび色素標識したオリゴヌクレオチドの各色
素アイソマーを、10%アセトニトリル/85% 0.1Mトリエチルアンモニ
ウムアセテートから30%アセトニトリル/65% 0.1Mトリエチルアンモ
ニウムアセテートへの溶出勾配を使用して分離した。色素標識オリゴヌクレオチ
ド含有溶液を、減圧遠心機で濃縮し、そして10mM Tris、1mM ED
TA、pH7.0(TE)含有緩衝液に再溶解した。
【0151】
(実施例8)
本発明の4,7−ジクロロローダミンジデオキシヌクレオチドターミネーターを
利用した単色配列決定反応
色素ターミネーター反応を、 ABI PRISMTM Dye Termi
nator Cycle Sequencing Core Kit Manu
al(PE Applied Biosystems p/n 402116)
の基本プロトコルに従って、AmpliTaq(登録商標)DNAポリメラーゼ
、FSで行った。(FS酵素は、二つの点変異(G46DおよびF667Y)を
有する組換えthermus aquaticus DNAポリメラーゼである
)。dNTP混合物および色素ターミネーター以外の全ての試薬は、ABI P
RISMTM Dye Terminator Cycle Sequenci
ng Core Kit(PE Applied Biosystems p/
n 402117)由来であった。反応成分のプレミックスは、以下のように調
製した。容積は、毎反応(per reaction)ベースである:
5×緩衝液 4μL
dNTP混合物 1μL
テンプレート:pGEM(登録商標)−3Zf(+)、0.2μg/μL
5μL
プライマー:−21 M13(正方向)、0.8pmol/μL 2μL
AmpliTaq DNA ポリメラーゼ、FS 0.5μL
水 2.5μL

【0152】
反応物を、Perkin−Elmer 480 DNA Thermal C
ycler(PE Applied Biosystems p/n N801
−lOO)用の0.5mlチューブに準備した。全反応容積は、15μLの上記
の反応プレミックス、適切な量の色素標識ターミネーター、および水を含む20
μLであった。単色色素ターミネーター反応を、AおよびGターミネーターにつ
いては1pモルの色素ターミネーター、あるいはCおよびTターミネーターにつ
いては15pモルで準備した。少数の場合において、CまたはTについての色素
ターミネーターは濃度が低すぎたため、5μLが15pモル未満の色素ターミネ
ーターを生じた。これらの場合には、5μLの色素ターミネーターを使用して、
水は反応物に添加しなかった。30μLのミネラルオイルを各反応物の容量の上
部に添加し、熱サイクルの間の蒸発を低減させた。
【0153】
反応は、以下のように熱サイクルさせた:
96℃ 30秒
50℃ 15秒
60℃ 4分 を25サイクル
続いてサイクルを4℃に保った。
【0154】
全ての反応物をCentri−Sepスピンカラム(Princeton S
eparation, Adelphia, NJ, p/n CS−901)
上でスピンカラム精製により精製した。カラム中のゲル材料を0.8mlの脱イ
オン水で室温で少なくとも30分間水和させた。カラムを水和し、そしてゲル材
料中に泡が混入されていないことが明らかになった後、上側のキャップ次いで下
側のキャップを除去した。カラムを重力により排水させた。次いで、カラムをC
enti−Sepキットに提供される洗浄チューブ中に挿入し、そして可変速度
微小遠心分離器(Eppendorf Model 5415)中で1300×
gで2分間遠心分離した。カラムを洗浄チューブから取り出し、そしてサンプル
回収チューブへ挿入した。反応混合物を油の下からガラスピペットを使用して慎
重に取り出し、そしてCentri−Sepカラムの上に充填した。カラムを可
変速度微小遠心分離器(Eppendorf Model 5415)中で13
00×gで2分間遠心分離した。サンプルを減圧遠心分離器中で乾燥させた。
【0155】
乾燥させたサンプルを25μLのTemplate Suppression
Reagent(PE Applied Biosystems p/n 4
01674)に再懸濁し、ボルテックスし、95℃で2分間加熱し、氷上で冷却
し、再度ボルテックスし、そして遠心分離(13,000×g)した。10μL
の精製サンプルを、PE ABI PRISMTM 310 Genetic
Analyzer (PE Applied Biosystems p/n
310−00−100/120)での使用に適したサンプルバイアル(PE A
pplied Biosystems p/n 401957)にアリコートし
た。Model 310上での電気泳動には、50cmの検出器に対する長さを
有する、長さ61cm、50μmID非被膜融合シリカキャピラリー(PE A
pplied Biosystems p/n 402840)を使用した。キ
ャピラリーを直線状のジメチルポリアクリルアミド(DMA)篩ポリマー(Ma
dabhushi)、緩衝液、および核酸変性剤(PE Applied Bi
osystems p/n 402837)を含有する溶液で満たした。サンプ
ルを、2.5kVで30秒間、電気運動的に注入した。電気泳動をキャピラリー
温度を42℃に維持しながら12.2kVで2時間実施した。
【0156】
図3A〜3Hは、本発明のいくつかの異なるジデオキシターミネーターを使用
した単色C停止反応の電気泳動図を示す。標識を、C末端ジデオキシヌクレオチ
ドターミネーターに付着した。pGEM−3Zf(+)の塩基12〜82を各電
気泳動図に示す。各電気泳動図において使用した特定の色素標識を、以下の表に
示す:
【0157】
【表3】

【0158】
(「1」および「2」という名称は、使用する特定の色素アイソマーを示す。1
アイソマーおよび2アイソマーは、C−8カラムおよび15%アセトニトリル/
85% 0.1Mトリエチルアンモニウムアセテートから35%アセトニトリル
/65% 0.1M トリエチルアンモニウムアセテートへの溶出勾配を利用す
る逆相分離系における遊離色素の溶出順序によって規定する。)
図4A〜4Gは、本発明のいくつかの異なるジデオキシターミネーターを使用
する単色T停止反応の電気泳動図を示す。標識を、T末端ジデオキシヌクレオチ
ドターミネーターに付着した。pGEM−3Zf(+)の塩基7〜84を各電気
泳動図に示す。各電気泳動図において使用した特定の標識を、以下の表に示す:
【0159】
【表4】

【0160】
図5A〜5Iは、本発明のいくつかの異なるジデオキシターミネーターを使用
する単色A停止反応の電気泳動図を示す。標識を、A末端ジデオキシヌクレオチ
ドターミネーターに付着した。PGEM−3Zf(+)の塩基94〜167を各
電気泳動図に示す。各電気泳動図において使用した特定の標識を、以下の表に示
す:
【0161】
【表5】

【0162】
図6A〜6Hは、本発明のいくつかの異なるジデオキシターミネーターを使用
した単色G停止反応の電気泳動図を示す。標識を、G末端ジデオキシヌクレオチ
ドターミネーターに付着した。PGEM−3Zf(+)の塩基185〜252を
各電気泳動図に示す。各電気泳動図において使用した特定の標識を、以下の表に
示す:
【0163】
【表6】

【0164】
以上のデータは、本発明の色素標識したジデオキシターミネーターが、蛍光に
基づくサンガー型のDNA配列決定における使用に適していることを示す。
【0165】
(実施例9)
本発明の4,7ジクロロローダミンジデオキシヌクレオチドターミネーターを利
用する4色配列決定反応
4色のDNA配列決定反応液を調製し、そして実質的に実施例8に記載のよう
に分析した。
【0166】
図2Aは、4色の配列決定反応の電気泳動図を示す。ここでは、4つのジデオ
キシヌクレオチドターミネーターを以下のように標識した:ddGはDR110
色素で、ddAはDR6G−2色素で、ddCはDTMR−1色素で、およびd
dTはDROX−1色素で。図は、PGEM(登録商標)テンプレートの塩基1
96〜238を示す。
【0167】
(実施例10)
本発明の4,7ジクロロローダミンオリゴヌクレオチドプライマーを利用する4
色配列決定反応
色素プライマー反応を、ABI PRISMTMDye Primer Cy
cle Sequencing Core Kit Manual(PE Ap
plied Biosystems, p/n 402114)に総括的に記載
されるようにAmpliTaq(登録商標)DNAポリメラーゼ、FSを使用し
て実施した。プライマーおよびテンプレート以外の全ての試薬は、ABI PR
ISMTMDye Primer Cycle Sequencing Cor
e Kit(PE Applied Biosystems, p/n 402
125)由来であった。色素標識した−21 M13プライマーを、0.4pモ
ル/μLの濃度で溶解した。プライマーを以下のように標識した:C反応はDR
110で、A反応はDR6Gで、G反応はDTMRで、およびT反応はDROX
で。反応成分のプレミックスを以下のように4つの各塩基反応用に調製した:
【0168】
【表7】

【0169】
M13mp18配列決定テンプレートを、0.05μg/μLの濃度で溶解し
た。
【0170】
配列決定反応を、以下のように、0.2mlの薄壁Gene Amp9600
DNAサーマルサイクラーチューブ(PE Applied Biosyst
ems, p/n N801−0540)中に準備した。
【0171】
【表8】

【0172】
反応は、以下の温度プロフィールを使用してサイクルさせた:
96℃ 10秒;
55℃ 5秒
70℃ 1分間 を15サイクル
続いて、
96℃ 10秒
70℃ 1分間 を15サイクル
に続いて4℃での保持サイクル。
【0173】
4つの反応液を80μLの95%エタノール中で混合し、氷上で10分間放置
し、そして微小遠心分離器中で最高速で15分間遠心分離した。エタノール上清
を除去し、そしてペレットを減圧遠心分離器中で乾燥させた。
【0174】
ペレットを6μL充填緩衝液中に再懸濁し、そしてABI PRISMTM
Moel 377 DNA Sequencer(PE Applied Bi
osystems p/n 377−01−200/208)上で、標準フィル
ターセットAまたは長波長セッティングを有する改変フィルターセットのいずれ
か使用して、分析した。図2Bは、塩基50〜塩基93までの得られたデータの
サンプリングを示す。
【0175】
(実施例11)
伝統的なローダミンおよび本発明の4,7,−ジクロロローダミンの蛍光発光ス
ペクトルの比較
伝統的なローダミンで標識したオリゴヌクレオチドについての発光スペクトル
を本発明の4,7,−ジクロロローダミンで標識したオリゴヌクレオチドについ
ての蛍光発光スペクトルと比較した。各標識オリゴヌクレオチドの濃度は、TE
緩衝液中で0.4μMであった。ローダミン色素の励起は、488nmであり、
そして4,7−ジクロロローダミン色素の励起は500nmであった。スペクト
ルを、発光極大に対して標準化した。測定は、Perkin−Elmer LS
−50機器を使用して行った。
【0176】
図7Aは、4つの公知のローダミン色素5−R110、5−R6G、6−TM
R、および6−ROX(Bergot)の発光スペクトルを示す。図7Bは、本
発明の4つの好ましい4,7−ジクロロローダミン色素、DR110、DR6G
−2、DTMR−2、およびDROX−2の発光スペクトルを示す。4,7−ジ
クロロローダミン色素についてのこの減少した発光スペクトル幅は、多数の空間
的に重複する種が検出されるべきである場合に要求される多成分分析技術を実施
するための能力の増加をもたらす。
【0177】
全ての刊行物および特許出願は、本明細書中で、各個々の刊行物または特許出
願が、特異的かつ別々に参照として援用されるように示されているのと同程度に
参考として援用される。
【0178】
以上に少しの実施態様のみが詳細に記載されているが、有機化学の当業者は、
多くの改変が本発明の開示から逸脱することなく、好ましい実施態様において可
能であることを明白に理解する。全てのこのような改変は、以下の請求の範囲内
に包含されることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明は、分子プローブとして有用な4,7−ジクロロローダミン色素のクラ
スであって、現在利用可能なローダミン色素より実質的に狭い発光スペクトル領
域を有するローダミン色素のクラス、および現存のローダミン色素に比べて赤色
側に約15nmまでシフトした吸収スペクトルを有するローダミン色素のクラス
を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0180】
【図1】図1Aおよび1Bは、本発明の数種の好ましい実施態様の色素化合物の構造を示す。
【図2】図2Aおよび2Bは、本発明の色素標識化ジデオキシターミネーター(2A)および色素標識プライマー(2B)を用いた4色配列決定反応の電気泳動図を示す。
【図3A】図3A〜3Dは、本発明の数種の異なるジデオキシターミネーターを用いた単色C終結反応の電気泳動図を示す。
【図3B】図3E〜3Hは、本発明の数種の異なるジデオキシターミネーターを用いた単色C終結反応の電気泳動図を示す。
【図4A】図4A〜4Dは、本発明の数種の異なるジデオキシターミネーターを用いた単色T終結反応の電気泳動図を示す。
【図4B】図4E〜4Gは、本発明の数種の異なるジデオキシターミネーターを用いた単色T終結反応の電気泳動図を示す。
【図5A】図5A〜5Eは、本発明の数種の異なるジデオキシターミネーターを用いた単色A終結反応の電気泳動図を示す。
【図5B】図5F〜5Iは、本発明の数種の異なるジデオキシターミネーターを用いた単色A終結反応の電気泳動図を示す。
【図6A】図6A〜6Dは、本発明の数種の異なるジデオキシターミネーターを用いた単色G終結反応の電気泳動図を示す。
【図6B】図6E〜6Hは、本発明の数種の異なるジデオキシターミネーターを用いた単色G終結反応の電気泳動図を示す。
【図7A】図7Aおよび図7Bは、存在するローダミン化合物で標識されたオリゴヌクレオチド(7A)と、本発明の数種の好ましい4,7−ジクロロローダミンオリゴヌクレオチド化合物(7B)との蛍光発光スペクトルを比較したものである。
【図7B】図7Aおよび図7Bは、存在するローダミン化合物で標識されたオリゴヌクレオチド(7A)と、本発明の数種の好ましい4,7−ジクロロローダミンオリゴヌクレオチド化合物(7B)との蛍光発光スペクトルを比較したものである。
【図8A】図8Aは、本発明の色素化合物の調製のための好ましい合成を示す。
【図8B】図8Bは、本発明の色素化合物の調製のための好ましい合成を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式を有する標識化ヌクレオチドであって:
【化11】

ここで:
Bは、示された糖部分にN−位を介して結合された7−デアザプリンもしくはプリンであるか、または示された糖部分にN−位を介して結合されたピリミジンヌクレオチド塩基であり;
は、HまたはOHであり;
は、HまたはOHであり;
はOH、−PO、−P、−P10またはリン酸アナログであり;
Dは、以下の式を有する蛍光色素部分であり:
【化12】

(ここで:
〜Rは、各々たがいに独立して水素、メチルおよびエチルからなる群から選択されるか、または一緒になった場合のRおよびRがベンゾであるか、もしくは一緒になった場合のRおよびRがベンゾであり;
〜Yは、別個に水素、メチルおよびエチルからなる群から選択されるか、または一緒になった場合のYおよびRが−CHCHCH−でありかつYおよびRが−CHCHCH−であるか、および/または一緒になった場合のYおよびRが−CHCHCH−でありかつYおよびRが−CHCHCH−であり;そして
はカルボキシレートであり;
Lは連結基であり、Bがプリンである場合、該Lはプリンの8−位に結合し、Bが7−デアザプリンである場合、該Lは7−デアザプリンの7−位に結合し、そしてBがピリミジンである場合、該Lはピリミジンの5−位に結合する、
標識化ヌクレオチド。
【請求項2】
Bは、ウラシル、シトシン、デアザアデニンおよびデアザグアノシンからなる群より選択される、請求項1に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項3】
Lは、−C≡C−CH−NH−C(O)−である、請求項1に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項4】
およびWは、各々Hであり、Wは、P10である、請求項1に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項5】
がHであり、WがOHであり、W3がP10である、請求項1に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項6】
以下の式を有する標識化ポリヌクレオチドであって:
【化11】

ここで:
Bは、示された糖部分にN−位を介して結合された7−デアザプリンもしくはプリンであるか、または示された糖部分にN−位を介して結合されたピリミジンヌクレオチド塩基であり;
は、HまたはOHであり;
は、H、OHまたはNucであり、Nucは、示された糖部分に、5’−ホスホジエステル連結基またはそのアナログを介して結合されたヌクレオチドまたはポリヌクレオチドであり;
はOH、−PO、−P、−P10、リン酸アナログ、またはNucであり、Nucは、示された糖部分に、3’−ホスホジエステル連結基またはそのアナログを介して結合されたヌクレオチドまたはポリヌクレオチドであり;
であり;
Dは、以下の式を有する蛍光色素部分であり:

(ここで:
〜Rは、各々たがいに独立して水素、メチルおよびエチルからなる群から選択されるか、または一緒になった場合のRおよびRがベンゾであるか、もしくは一緒になった場合のRおよびRがベンゾであり;
〜Yは、別個に水素、メチルおよびエチルからなる群から選択されるか、または一緒になった場合のYおよびRが−CHCHCH−でありかつYおよびRが−CHCHCH−であるか、および/または一緒になった場合のYおよびRが−CHCHCH−でありかつYおよびRが−CHCHCH−であり;そして
はカルボキシレートであり;
Lは連結基であり、Bがプリンである場合、該Lはプリンの8−位に結合し、Bが7−デアザプリンである場合、該Lは7−デアザプリンの7−位に結合し、そしてBがピリミジンである場合、該Lはピリミジンの5−位に結合する、
標識化ポリヌクレオチド。
【請求項7】
Bは、ウラシル、シトシン、デアザアデニンおよびデアザグアノシンからなる群より選択される、請求項6に記載の標識化ポリヌクレオチド。
【請求項8】
Lは、−C≡C−CH−NH−C(O)−である、請求項6に記載の標識化ポリヌクレオチド。
【請求項9】
以下の工程を包含するポリヌクレオチド配列決定の方法であって:
第1、第2、第3、および第4のクラスのポリヌクレオチドの混合物を形成する工程であって、その結果:
該第1のクラスの各ポリヌクレオチドは3’−末端ジデオキシシチジンを含み、そして第1の色素で標識され;
該第2のクラスの各ポリヌクレオチドは3’−末端ジデオキシグアノシンまたは7−デアザジデオキシグアノシンを含み、そして第2の色素で標識され;
該第3のクラスの各ポリヌクレオチドは3’−末端ジデオキシウラシルを含み、そして第3の色素で標識され;
該第4のクラスの各ポリヌクレオチドは3’−末端ジデオキシアデノシンまたは7−デアザジデオキシアデノシンを含み、そして第4の色素で標識され;
ここで、該第1、第2、第3、または第4の色素が互いからスペクトル分離可能であり、該第1、第2、第3、または第4の色素のうちの1つは、以下の式の4,7−ジクロロローダミン色素であり;
【化103】


(ここで:
〜Rは、各々たがいに独立して水素、メチルおよびエチルからなる群から選択されるか、または一緒になった場合のRおよびRがベンゾであるか、もしくは一緒になった場合のRおよびRがベンゾであり;
〜Yは、別個に水素、メチルおよびエチルからなる群から選択されるか、または一緒になった場合のYおよびRが−CHCHCH−でありかつYおよびRが−CHCHCH−であるか、および/または一緒になった場合のYおよびRが−CHCHCH−でありかつYおよびRが−CHCHCH−であり;そして
はカルボキシレートであり;
Lは連結基であり、Bがプリンである場合、該Lはプリンの8−位に結合し、Bが7−デアザプリンである場合、該Lは7−デアザプリンの7−位に結合し、そしてBがピリミジンである場合、該Lはピリミジンの5−位に結合する、
方法。
【請求項10】
およびRは各々が水素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項11】
〜Rは各々水素であり;そして
−Yが各々水素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項12】
およびRは各々メチルであり;
、R、RおよびRは各々水素であり;
およびYの一方はエチルであり、他方は水素であり;そして
およびYの一方はエチルであり、他方は水素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項13】
〜Rは各々水素であり;Y−Yが各々メチルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項14】
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;そして
およびRは各々水素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項15】
はメチルであり;
−Rは各々水素であり;
およびYの一方はエチルであり、他方は水素であり;そして
およびYは各々水素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項16】
はメチルであり;
−Rは各々水素であり;
およびYの一方はエチルであり、他方は水素であり;そして
およびYは各々メチルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項17】
、R、RおよびRは各々水素であり;
およびYは各々メチルであり;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;そして
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項18】
、R、RおよびRは各々水素であり;
およびYは各々水素であり;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;そして
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項19】
はメチルであり;
、RおよびRは各々水素であり;
およびYの一方はエチルであり、他方は水素であり;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;そして
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項20】
〜Rは各々水素であり;
およびYが各々水素であり;
およびYが各々メチルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標識化ヌクレオチド。
【請求項21】
およびRは各々が水素である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の標識化ポリヌクレオチド。
【請求項22】
〜Rは各々水素であり;そして
−Yが各々水素である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の標識化ポリヌクレオチド。
【請求項23】
およびRは各々メチルであり;
、R、RおよびRは各々水素であり;
およびYの一方はエチルであり、他方は水素であり;そして
およびYの一方はエチルであり、他方は水素である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の標識化ポリヌクレオチド。
【請求項24】
〜Rは各々水素であり;Y−Yが各々メチルである、請求項6〜8のいずれか1項に記載の標識化ポリヌクレオチド。
【請求項25】
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;そして
およびRは各々水素である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の標識化ポリヌクレオチド。
【請求項26】
はメチルであり;
−Rは各々水素であり;
およびYの一方はエチルであり、他方は水素であり;そして
およびYは各々水素である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の標識化ポリヌクレオチド。
【請求項27】
はメチルであり;
−Rは各々水素であり;
およびYの一方はエチルであり、他方は水素であり;そして
およびYは各々メチルである、請求項6〜8のいずれか1項に記載の標識化ポリヌクレオチド。
【請求項28】
、R、RおよびRは各々水素であり;
およびYは各々メチルであり;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;そして
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の標識化ポリヌクレオチド。
【請求項29】
、R、RおよびRは各々水素であり;
およびYは各々水素であり;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;そして
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の標識化ポリヌクレオチド。
【請求項30】
はメチルであり;
、RおよびRは各々水素であり;
およびYの一方はエチルであり、他方は水素であり;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;そして
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の標識化ポリヌクレオチド。
【請求項31】
〜Rは各々水素であり;
およびYが各々水素であり;
およびYが各々メチルである、請求項6〜8のいずれか1項に記載の標識化ポリヌクレオチド。
【請求項32】
およびRは各々が水素である、請求項9に記載の方法。
【請求項33】
〜Rは各々水素であり;そして
−Yが各々水素である、請求項9に記載の方法。
【請求項34】
およびRは各々メチルであり;
、R、RおよびRは各々水素であり;
およびYの一方はエチルであり、他方は水素であり;そして
およびYの一方はエチルであり、他方は水素である、請求項9に記載の方法。
【請求項35】
〜Rは各々水素であり;Y−Yが各々メチルである、請求項9に記載の方法。
【請求項36】
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;そして
およびRは各々水素である、請求項9に記載の方法。
【請求項37】
はメチルであり;
−Rは各々水素であり;
およびYの一方はエチルであり、他方は水素であり;そして
およびYは各々水素である、請求項9に記載の方法。
【請求項38】
はメチルであり;
−Rは各々水素であり;
およびYの一方はエチルであり、他方は水素であり;そして
およびYは各々メチルである、請求項9に記載の方法。
【請求項39】
、R、RおよびRは各々水素であり;
およびYは各々メチルであり;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;そして
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成する、請求項9に記載の方法。
【請求項40】
、R、RおよびRは各々水素であり;
およびYは各々水素であり;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;そして
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成する、請求項9に記載の方法。
【請求項41】
はメチルであり;
、RおよびRは各々水素であり;
およびYの一方はエチルであり、他方は水素であり;
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成し;そして
とYとが一緒になって−CH−CH−CH−を形成する、請求項9に記載の方法。
【請求項42】
〜Rは各々水素であり;
およびYが各々水素であり;
およびYが各々メチルである、請求項9に記載の方法。
【請求項43】
本明細書に記載の標識化ヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたは方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【公開番号】特開2009−73838(P2009−73838A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249238(P2008−249238)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【分割の表示】特願2002−280013(P2002−280013)の分割
【原出願日】平成9年5月21日(1997.5.21)
【出願人】(500069057)アプレラ コーポレイション (120)
【住所又は居所原語表記】850 Lincoln Centre Drive Foster City CALIFORNIA 94404 U.S.A.
【Fターム(参考)】