説明

5−HT1A受容体アンタゴニストの医薬剤形および組成物

本発明は、例えば、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、医薬上許容されるその塩、構造的に関連する化合物および/または代謝産物の送達のための新規製剤および方法、ならびに、疾患を治療するためのこれらの製剤および方法の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2004年3月19日出願の米国仮出願番号第60/554,622号、および同時係属中の2005年3月17日出願の米国特許出願の名称「医薬剤形および組成物(Pharmaceutical Dosage Forms and Compositions)」、Attorney Docket Number AM101649/WYNC−1611に対する優先権を主張するものである。そのそれぞれの全体を参照することにより本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
本発明は、例えば、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、医薬上許容されるその塩、構造的に関連する化合物および/または代謝産物の送達のための新規な製剤および方法、ならびに、疾患を治療するためのこれらの製剤および方法の使用に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、とりわけ、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、医薬上許容されるその塩、構造的に関連する化合物、代謝産物、およびその組合せを含む製剤を提供する。
【0004】
本発明によって提供される化合物は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態(例えば、4−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩)、ならびに構造的に関連する化合物およびその代謝産物を含み、これらに限定されないが、それらには、{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−アミンまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2S)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−(2−ピペラジン−1−イル−プロピル)−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−N−[2−(4−ヒドロキシ−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−N−{2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(8−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、
4−シアノ−N−(2R−2−ピペラジン−1−イル−プロピル)−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(8−{1−[8−(4−{(1S)−2−[(4−シアノベンゾイル)(ピリジン−2−イル)アミノ]−1−メチルエチル}ピペラジン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル]−2−メチルプロピル}−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジン−1−イル]プロピル}−N−ピリジン−2−イルベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(8−{1−[8−(4−{(1S)−2−[(4−シアノベンゾイル)(ピリジン−2−イル)アミノ]−1−メチルエチル}ピペラジン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル]ブチル}−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジン−1−イル]プロピル}−N−ピリジン−2−イルベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(8−{1−[8−(4−{(1S)−2−[(4−シアノベンゾイル)(ピリジン−2−イル)アミノ]−1−メチルエチル}ピペラジン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル]ヘキシル}−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジン−1−イル]プロピル}−N−ピリジン−2−イルベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(8−{[8−(4−{(1S)−2−[(4−シアノベンゾイル)(ピリジン−2−イル)アミノ]−1−メチルエチル}ピペラジン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル]メチル}−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジン−1−イル]プロピル}−N−ピリジン−2−イルベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(8−{1−[8−(4−{(1S)−2−[(4−シアノベンゾイル)(ピリジン−2−イル)アミノ]−1−メチルエチル}ピペラジン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル]エチル}−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジン−1−イル]プロピル}−N−ピリジン−2−イルベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、および4−シアノ−N−[2(R)−(4−シアノ−ベンズアミド)−プロピル]−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩
が含まれる。
【0005】
一実施形態では、化合物は粒子の形態である。一態様では、粒子は約20ミクロン以下の平均径を有する。他の態様では、粒子は約0.75〜約10ミクロンの平均径を有する。他の態様では、粒子は約2〜約8ミクロンの平均径を有する。
【0006】
本発明の組成物は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態(例えば、4−{(2R)−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩)、構造的に関連する化合物、あるいは、本明細書で説明するその代謝産物を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態および1種または複数の構造的に関連する化合物および/または代謝産物を含む。いくつかの実施形態では、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態およびその構造的に関連する化合物および/または代謝産物は、粒子の形態の組成物中に存在する。一態様では、粒子は約20ミクロン以下の平均径を有する。他の態様では、粒子は0.75〜約10ミクロンの平均径を有する。他の態様では、粒子は2〜約8ミクロンの平均径を有する。いくつかの実施形態では、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態(例えば、4−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩)とともに組成物中に含まれる場合、構造的に関連する化合物および/または代謝産物は、それぞれ約0.1重量%未満の量である。いくつかの実施形態では、本発明の組成物はさらに医薬上許容される担体を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態を含む本発明の組成物および剤形には、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドの1つまたは複数の二量体が実質的に存在しない。本文脈では、実質的に存在しないということは、その二量体が、組成物中に、組成物の全重量に対してそれぞれ約0.5重量%未満の量、好ましくはそれぞれ約0.3重量%未満の量、より好ましくはそれぞれ約0.2重量%未満の量、さらにより好ましくはそれぞれ約0.1重量%未満の量で存在し、また、剤形中に、剤形中の活性成分の重量に対して、それぞれ約0.5重量%未満の量、好ましくはそれぞれ約0.3重量%未満の量、より好ましくはそれぞれ約0.2重量%未満の量、さらにより好ましくはそれぞれ約0.1重量%未満の量で存在することを意味する。したがって、本発明は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドの二量体および/または4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドの他の構造的に関連する化合物が実質的に存在しない、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態を含む製剤を提供する。4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドの代表的な二量体を式7および式8に示す。
【0008】
本発明の剤形は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態(例えば、4−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩)、構造的に関連する化合物、あるいは、本明細書で説明するその代謝産物を含む。いくつかの実施形態では、本発明の剤形は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態および1種または複数の構造的に関連する化合物および/または代謝産物を含む。いくつかの実施形態では、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態およびその構造的に関連する化合物および/または代謝産物は、粒子の形態の剤形で存在する。一態様では、粒子は約20ミクロン以下の平均径である。他の態様では、粒子は0.75〜約10ミクロンの平均径である。他の態様では、粒子は約2〜約8ミクロンの平均径である。いくつかの実施形態では、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態(例えば、4−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩)とともに剤形中に含まれる場合、構造的に関連する化合物および/または代謝産物は、それぞれ約0.1重量%未満の量である。
【0009】
いくつかの実施形態では、本発明の剤形中の活性成分は、投与に続いて約1〜約12時間で最大血漿濃度に達するのに効果的である。一態様では、本発明の剤形中の活性成分は、投与に続いて約1〜約4時間で、最大血漿濃度に達するのに効果的である。
【0010】
いくつかの実施形態では、活性成分は、投与に続いて約15時間で最大血漿濃度の約50%の血漿濃度に達するのに効果的な速度で放出される。好ましくは、活性成分は、投与に続いて約1〜約10時間で最大血漿濃度の約50%の血漿濃度に達するのに効果的な速度で放出される。
【0011】
活性成分という用語は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態(例えば、4−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩)、構造的に関連する化合物あるいは代謝産物(本明細書で示すような)およびその医薬上許容される塩を指す。
【0012】
いくつかの実施形態では、医薬組成物および/または剤形は、活性成分(例えば、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態)に加え、少なくとも1種の速度制御ポリマーおよび少なくとも1種の有機酸を含む。いくつかの実施形態では、その有機酸はクエン酸無水物、クエン酸一水和物、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、フマル酸、リンゴ酸または酒石酸である。いくつかの実施形態では、有機酸はクエン酸または多官能性有機酸である。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の放出速度制御ポリマーはメチルセルロースである。いくつかの実施形態では、ポリマーはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートである。いくつかの実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースはヒプロメロース(hypromellose)2208または2910(例えば、Methoce(商標)K4M、Methocel(商標)Kl 5M、Methocel(商標)K100M、Methocel(商標)E10M、Methocel(商標)E4M、Methocel(商標)K100LV、Methocel(商標)E50LV、Methocel(商標)E5、Methocel(商標)E6またはMethocel(商標)E15LVである)。いくつかの実施形態では、有機酸はクエン酸であり、速度制御ポリマーはヒプロメロース2208(例えば、Methocel(商標)K4M premium CRおよび/またはMethocel(商標)K100M Premium CR)である。
【0013】
いくつかの実施形態では、医薬組成物および/または剤形は、少なくとも1種の充填剤(filler)をさらに含む。いくつかの実施形態では、充填剤は微結晶セルロース、乳糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、マルトデキストリン、デキストロース、フルクトース、マルトース、マンニトール、でんぷん、またはスクロースである。いくつかの実施形態では、微結晶セルロースはけい化微結晶セルロースであり、乳糖は乳糖一水和物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物および/または剤形は少なくとも1種の滑剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、滑剤はステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸、またはコロイド状二酸化ケイ素である。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物および/または剤形は、1種または複数の活性成分に加え、少なくとも1種の速度制御ポリマー、少なくとも1種の有機酸、少なくとも1種の充填剤および少なくとも1種の滑剤を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物および/または剤形は、活性成分の部当たり、約2〜約45部または46部の放出速度制御ポリマー、および約1〜約5部の有機酸を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物および/または剤形は約0.4〜約10mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物および/または剤形は約50〜約150mgの速度制御ポリマー、約5〜約50mgの有機酸、約85〜約179mgの充填剤および約1mgの滑剤を含む。いくつかの実施形態では、約2〜約50mgの有機酸が存在する。
【0015】
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物および/または剤形は、活性成分(例えば、4−シアノ−N−{(2R)−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態)に加え、少なくとも1種の充填剤および少なくとも1種の滑剤を含む。いくつかの実施形態では、充填剤は微結晶セルロース、乳糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、マルトデキストリン、デキストロース、フルクトース、マルトース、マンニトール、でんぷん、スクロースまたはその配合物である。いくつかの実施形態では、充填剤は微結晶セルロース、乳糖またはその配合物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物および/または剤形少なくとも1種の滑剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、滑剤はステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸またはコロイド状二酸化ケイ素である。いくつかの実施形態では、滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0016】
いくつかの実施形態では、医薬組成物および/または剤形は、活性成分の部当たり、約15〜約300部の充填剤および約0.1〜約3部の滑剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物および/または剤形は、約0.1〜約5mgの4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の形態を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物および/または剤形は、約80〜約150mgの1種または複数の充填剤および少なくとも約0.75mgの1種または複数の滑剤を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、本発明の剤形は錠剤の形態である。一態様では、その錠剤はフィルムコーティングされている。
【0018】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物または剤形はドライブレンドの形態である。
【0019】
本発明は、本発明の組成物および剤形を提供する方法を提供する。いくつかの実施形態では、組成物を、その錠剤を形成させるのに効果的な時間と条件下で押圧する。いくつかの実施形態では、錠剤をさらにフィルムコーティングする。
【0020】
本発明は、活性成分と、少なくとも1種の速度制御ポリマーと、少なくとも1種の有機酸を混合する工程と、それによってその配合物を形成する工程とを含む方法も提供する。いくつかの実施形態では、この方法は、その錠剤を形成させるのに効果的な時間と条件下でその配合物を押圧する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、錠剤をさらにフィルムコーティングする。
【0021】
本発明は、活性成分と、少なくとも1種の充填剤と、少なくとも1種の滑剤を混合し、それによってその配合物を形成させる工程を含む方法も提供する。いくつかの実施形態では、その方法は、その錠剤を形成させるのに効果的な時間と条件下でその配合物を押圧する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、錠剤をさらにフィルムコーティングする。
【0022】
いくつかの実施形態では、本発明の剤形は塩基を含まない。
【0023】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の剤形、化合物または組成物を、哺乳動物、例えばヒトに投与する方法を提供する。いくつかの実施形態では、剤形、化合物または組成物は経口で投与される。一態様では、これらを12時間毎または24時間毎に1回経口投与する。他の態様では、これらを48時間毎に1回経口投与する。いくつかの特に好ましい実施形態では、剤形、化合物または組成物を、アルツハイマー病を治療するために投与する。
【0024】
(詳細な説明)
本発明は、とりわけ、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、医薬上許容されるその塩、構造的に関連する化合物および/または代謝産物を含む製剤を提供する。本明細書では「製剤」という用語は、例えば即時放出剤形や持続放出剤形などの化合物、組成物および剤形を指す。
【0025】
本発明は、製剤の作製方法および哺乳動物へのその投与方法も提供する。
【0026】
本発明で使用するのに好ましい製剤は、セロトニン作動剤として作用し、かつ5−HT1A結合活性を有するものである。特に好ましい化合物は5−HT1A拮抗薬として作用する。例えば、米国特許第6784294号、同6713、626号、同6469007号、同6586436号、同5710149号および同6127357号、ならびにWO97/03982を参照されたい。その開示全体を参照により本明細書に組み込む。本発明の化合物、ならびに2つ以上の本発明の化合物を含む組成物を、当有機合成分野の技術者は、容易に入手できる試薬や出発材料を利用する既知の方法を用いて調製することができる。例えば、欧州特許第EP0512755B1号、WO97/03982、米国特許第6127357号、同6469007号、同6713626号、同6784294号、および米国特許公開出願第20030208075A1号を参照されたい。その開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0027】
そうした方法は、1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジン塩酸塩を、スルファミン酸塩4,5−ジヒドロ−5S−メチル−3−(2−ピリジンイル)−3H[1.2.3]オキサチアゾール−2,2−ジオキシドでアルキル化し、スルファミン酸中間体を生成し、これを加水分解して{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}ピリジン−2−イル−アミンとし、次いで、{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}ピリジン−2−イル−アミンを、4−シアノベンゾイルクロリドで処理して4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩基を得ることを含む。4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩基を塩酸で処理してその塩酸塩を得る。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態では、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドおよび医薬上許容されるその塩を含む調製物をさらに処理し精製する。例えば、一実施形態では、構造的に関連する化合物、例えば式7および8で表される二量体を除去するために、本明細書で開示する方法で調製された4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドを含む調製物を、有機溶媒中に溶解し、シリカゲルで処理し、ろ過する。例えば4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩を得るために、次いで、残る生成物を濃縮し、再結晶化させることができる。
【0029】
本発明の好ましい製剤は、5−HT1A受容体活性を調節する、例えばこれに拮抗するかまたは作用するために使用することができ、これらに限定されないが、統合失調症(および偏執症、躁うつ病などの他の精神障害)、パーキンソン病および他の運動障害、不安(例えば、全般性不安障害、パニック発作および強迫性障害)、うつ病(例えばセロトニン再摂取阻害剤およびセロトニンノルエピネフリン再摂取阻害剤の増強作用による)、アルツハイマー病、トゥレット症候群、片頭痛、自閉症、注意力欠如障害および多動性障害などを含むCNS障害などの疾患の治療に有用である。好ましい製剤は、睡眠障害、対人恐怖、疼痛、体温調節障害、内分泌障害、尿失禁、管痙攣、脳卒中、例えば肥満症、食欲不振症、過食症などの摂食障害、性機能障害の治療、ならびにアルコール、薬物およびニコチンの禁断症の治療に有用である。
【0030】
本発明の好ましい製剤は、これらに限定されないが、軽い認識機能障害(MCI)関連認知機能障害、アルツハイマー病ならびにレビー小体病、血管性痴呆および脳卒中後痴呆を含む他の痴呆を含む認知機能障害の治療にも有用である。外科的処置、外傷性脳損傷または発作に伴う認知機能障害も本発明によって治療することができる。さらに、好ましい製剤は、認知機能障害が、例えばパーキンソン病、自閉症、注意力欠如障害などの合併症である疾患の治療にも有用である。
【0031】
水へのその高い溶解性(25℃で約51mg/ml)にも関わらず、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドおよびその塩は微粉化した形態で提供されることが好ましい。したがって、本発明は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、医薬上許容されるその塩、構造的に関連する化合物または代謝産物を、微粉化した形態と微粉化していない形態で含む製剤を提供する。本発明のためには、微粉化した形態の化合物は、約20ミクロン以下の平均径を有する粒子の形態である。本発明の化合物は、約20ミクロンを超える平均径を有する粒子の形態、例えば、約20ミクロン〜約300または約500ミクロンの平均径を有する粒子の形態であってよいことを理解されたい。粒子は、約10ミクロンの平均径、より好ましくは約0.75〜約10ミクロン、さらに好ましくは約2〜約8ミクロンの平均径を有することが好ましい。微粉化すなわち粒子の粉砕の方法は周知である。したがって、その詳細は本明細書では述べないこととする。
【0032】
理解されるように、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドは以下の式で表される。
【0033】
【化1】

【0034】
本発明では、式1の化合物は医薬上許容される塩の形態で調製することができる。本明細書では「医薬上許容される塩」という用語は、無機塩および有機塩を含む医薬上許容される非毒性の酸から調製される塩を指す。適切な非毒性塩には、例えば無機酸および有機酸、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。特に好ましいものは塩酸、臭化水素酸、リン酸、および硫酸であり、最も好ましいものは塩酸塩である。
【0035】
特定の実施形態では、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩を含む製剤は、既知の方法を用いて検出し定量化できる1種または複数の構造的に関連する化合物も含む。そうした構造的に関連する化合物の例には、これらに限定されないが、式2〜式9で表される化合物および医薬上許容されるその塩、例えば、{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−アミンまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2S)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−(2−ピペラジン−1−イル−プロピル)−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−[(2R)−2−ピペラジン−1−イル−プロピル]−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−N−[2−(4−ヒドロキシ−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−N−[(2R)−2−(4−ヒドロキシ−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−N−{2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(8−{1−[8−(4−{(1S)−2−[(4−シアノベンゾイル)(ピリジン−2−イル)アミノ]−1−メチルエチル}ピペラジン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル]−2−メチルプロピル}−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジン−1−イル]プロピル}−N−ピリジン−2−イルベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(8−{1−[8−(4−{(1S)−2−[(4−シアノベンゾイル)(ピリジン−2−イル)アミノ]−1−メチルエチル}ピペラジン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル]ブチル}−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジン−1−イル]プロピル}−N−ピリジン−2−イルベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(8−{1−[8−(4−{(1S)−2−[(4−シアノベンゾイル)(ピリジン−2−イル)アミノ]−1−メチルエチル}ピペラジン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル]ヘキシル}−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジン−1−イル]プロピル}−N−ピリジン−2−イルベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(8−{[8−(4−{(1S)−2−[(4−シアノベンゾイル)(ピリジン−2−イル)アミノ]−1−メチルエチル}ピペラジン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル]メチル}−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジン−1−イル]プロピル}−N−ピリジン−2−イルベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(8−{1−[8−(4−{(1S)−2−[(4−シアノベンゾイル)(ピリジン−2−イル)アミノ]−1−メチルエチル}ピペラジン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル]エチル}−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジン−1?イル]プロピル}−N−ピリジン−2−イルベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、および4−シアノ−N−[2(R)−(4−シアノ−ベンズアミド)−プロピル]−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が含まれる。
【0036】
【化2】

【0037】
【化3】

【0038】
【化4】

【0039】
【化5】

【0040】
【化6】

【化7】

【0041】
【化8】

【0042】
【化9】

(式中、Rは、−CH、−CH(CH、−CHCHCH、CHCHCHCHまたは−CHCHCHCHCHである)
【0043】
いくつかの実施形態では、本発明は、式2、3、4、5、6、7、8または9で表される1種または複数の化合物あるいは医薬上許容されるその塩を含む製剤を提供する。本発明のいくつかの態様では、その製剤は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、および式2、3、4、5、6、7、8または9の1種または複数の化合物または医薬上許容されるその塩を含む。いくつかの実施形態では、例えば、本発明の製剤は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−アミンまたは医薬上許容されるその塩、および4−シアノ−N−{(2S)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩を含むことができる。したがって、本発明は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩、{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−アミン、および4−シアノ−N−{(2S)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩を含む製剤を提供する。上記の構造的に関連する化合物が、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩と一緒に存在する場合、好ましくは前者が優位を占めて存在し、後者が約10%未満の量、好ましくは約5%未満の量、より好ましくは約1%または0.1%未満の量、例えば約0.08%〜約0.27%の量で存在することが好ましい。
【0044】
4−シアノ−N−{2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドは1つの不斉中心を含み、これは主にR異性体で用いられる。本発明の製剤、例えば、化合物、組成物または剤形は、R異性体とS異性体の両方を含むことができ、単一の鏡像異性体または特定の鏡像異性体混合物に限定されるものではない。
【0045】
本発明は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドの代謝産物を含む製剤も提供する。代謝産物には、これらに限定されないが、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(8−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩および4−シアノ−N−(2R−2−ピペラジン−1−イル−プロピル)−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が含まれる。理解されるように、これらの代謝産物は式10〜式13で表される。これらの代謝産物は、薬剤として活性な化合物として用いることができ、また、それ自体で、単独で、または他の薬剤として活性な化合物と組み合わせて医薬剤形に使用することができることを理解されよう。
【0046】
【化10】

【0047】
【化11】

【0048】
【化12】

【0049】
【化13】

【0050】
本発明は、5−HT1A結合活性を有する1種または複数の活性成分、例えば4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、医薬上許容されるその塩、構造的に関連する化合物およびその代謝産物を含む即時放出剤形および持続放出剤形を提供する。
【0051】
薬物の「放出速度」は、単位時間当たりに剤形から放出される薬物の量、例えば、時間当たりに放出される薬物ミリグラム(mg/hr)を指す。薬物放出速度は、例えば、当技術分野で周知のインビトロでの剤形溶解試験条件下で算出することができる。本明細書で用いる「投与に続く」指定された時間で得られる薬物放出速度とは、適切な溶解試験の実行に続く指定された時間で得られるインビトロでの薬物放出速度を指す。溶解試験または放出速度アッセイの実施方法は当技術分野で周知である。剤形内の指定された割合の薬物が放出された時間を「T」値と表示する。ただし、「x」は放出された薬物の割合である。経口剤形からの薬物放出を測定するために通常用いられる基準測定値は、剤形内の薬物の70%または90%が放出された時間である。この測定値を、剤形についての「T70」または「T90」と表示する。
【0052】
本発明のためには、「即時放出製剤」という用語は、製剤から活性化合物を比較的迅速にかつ非漸進的に放出させる製剤を指す。例えば、活性化合物と、製剤からの活性化合物の放出を遅延させない急速溶解性担体を含む製剤である。そうした即時放出製剤は、放出速度制御ポリマーまたは活性化合物の製剤からの放出を遅延させる他の種を有していないか、あるいは、そうしたポリマーまたは種を有していない別の同一製剤と比較して、活性化合物の製剤のからの放出を遅延させない程度に十分少ない量でそうしたポリマーまたは種を含む。そうした即時放出製剤の1例は、例えば、FMC corporationのAvicel(登録商標)という銘柄などの、微結晶セルロースに配合された活性成分、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、医薬上許容されるその塩、構造的に関連する化合物または代謝産物である。これは、0.1N HCl溶液中で0.25時間未満の時間で、75%を超える活性成分の溶解をもたらす。
【0053】
本明細書で使用する「持続放出」、「持続放出製剤」、「持続放出投与製剤」等の用語は、上記「即時放出」製剤と比較して、例えば、放出速度制御ポリマーまたは他の放出遅延材料を有していない別の同一製剤と比較して、製剤からの活性化合物の放出を遅延させる材料を含む製剤を指す。したがって、「持続放出」という用語は、任意の数の拡張放出形態に適用することができ、遅延放出、時間放出、延長放出、時間プログラム放出、時間放出された、時間コーティングされた放出、持続放出、緩徐(slow)作用性、長期作用性、遅延作用性、間隔をおいた放出、時間間隔放出、拡張作用性、拡張作用等と実質的に同義語と考えられたい。
【0054】
「緩徐放出」、「中速度放出」および「急速放出」という用語は、お互いに対して遅い速度、中位の速度または速い速度で活性化合物を放出する、本明細書で説明する持続放出製剤を指すものとする。
【0055】
持続放出製剤は、限定的なものではないが、即時放出製剤と比較して、例えば、放出速度制御ポリマーまたは他の放出遅延材料を有していない別の同一製剤と比較して、50%以上、100%以上、150%以上または200%以上の期間、即時放出製剤と比較して最大治療濃度に到達する時間を延長させるのに効果的な速度で活性化合物の剤形からの放出をもたらすことができることを理解されたい。持続放出製剤は、即時放出製剤と比較して限定的なものではないが、例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%、即時放出製剤と比較して前記化合物の最大治療濃度を低下させるのに効果的な速度で活性化合物の剤形からの放出をもたらすこともできる。持続放出製剤は、即時放出製剤と比較して活性化合物の治療有効濃度が維持される時間量を、例えば、限定的なものではないが、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%または少なくとも125%で即時放出製剤と比較して活性化合物の治療有効濃度が維持される時間量を増大させるのに効果的な速度で、剤形からの活性化合物の放出をもたらすこともできる。上述の基準のいずれを満たしても、「持続放出」製剤型の製剤を作製するのに十分である。
【0056】
本発明は、開示した剤形を対象に投与することを含む活性成分の持続放出方法を提供する。一態様では、剤形からの活性化合物の放出速度は零次である。他の態様では、剤形からの活性化合物の放出速度は増大していく。
【0057】
本明細書では「放出速度制御ポリマー」という用語は、剤形からの薬物物質の放出を遅延させる、医薬剤形に適した任意のポリマー材料を意味する。放出速度制御ポリマーは胃内での薬物の放出を阻害することが好ましい。放出速度制御ポリマーは、流体を吸い込み、かつ/または吸収し、それによって胃内での薬物の放出を阻止するヒドロゲルであることが好ましい。適切な放出速度制御ポリマーの例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1990に記載されている。
【0058】
本発明での使用に適したいくつかの好ましい放出速度制御ポリマーには、これらに限定されないが、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリメタクリレート、メタクリル酸−メタクリル酸エステルコポリマー、酢酸セルロースフタレート、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ(エチレン)オキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えばヒプロメロース2208および2910ならびに2つ以上のその組合せが含まれる。適切な放出速度制御ポリマーは、Colorconから入手できるMethocel(商標)K4M、Methocel(商標)K15M、Methocel(商標)K100M、Methocel(商標)E4M、Methocel(商標)K100LV、Methocel(商標)E50LV、Methocel(商標)E5、Methocel(商標)E6、Methocel(商標)El 5LVおよびSureleae(商標)ならびにRohm GmbH & Co.から入手できるEudragit(商標)、RS Eudragit(商標)RLなどが供給メーカーから市販されている。いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、高密度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低密度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはその組合せを含む。
【0059】
異なる放出速度制御ポリマーは、製剤に異なる放出速度特性を付与することを理解されたい。製剤中のそうしたポリマーの種類や量を変えることによって、活性化合物の広範囲の放出プロファイルを実現することができる。当分野の技術者は、活性化合物の所望の放出速度を実現するように適切なポリマーを適切な量で選択することができる。
【0060】
本発明の持続放出製剤は少なくとも1種の放出速度制御ポリマーを含む。製剤中の放出速度制御ポリマーの範囲は、約10%〜約75重量%、より好ましくは約20%〜約60重量%であることが好ましい。本発明の一実施形態では、250mg剤形中の放出速度制御ポリマーの量は約50〜約150mgである。いくつかの実施形態では、放出速度制御ポリマーは、例えば、マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースなどのセルロースエーテル、例えばMethocel(商標)K4M Premium CRまたはMethocel(商標)K100M Premium CRである。
【0061】
少なくとも1種の放出速度制御ポリマーを含むことに加え、本発明の持続放出剤形は一般に少なくとも1種の有機酸を含む。本明細書で用いる「有機酸」という用語は、哺乳動物によって安全に摂取される任意の酸を包含する。特定の理論に拘泥しようとするわけではないが、そうした酸は腸内での薬品の放出を改善するものと考えられる。本発明での使用に適した有機酸の例には、これらに限定されないが、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン塩酸塩、アジピン酸、コハク酸、アスコルビン酸、オレイン酸またはクエン酸が含まれる。好ましい有機酸はクエン酸または多官能性有機酸である。製剤中の有機酸の範囲は好ましくは約1%〜約30%、より好ましくは約2%〜約10重量%である。本発明の一実施形態では、250mg剤形中の有機酸の量は約5〜約50mg、好ましくは約5〜約25mgである。いくつかの実施形態では、有機酸の量は約2〜約50mgである。
【0062】
持続放出製剤には、塩基が実質的に存在しないことが好ましい。本明細書での使用には、塩基が実質的に存在しない製剤、剤形または組成物は、約10%未満の塩基、好ましくは約5%未満の塩基、より好ましくは約1%または0.1%未満の塩基を有する製剤、剤形または組成物を指す。本明細書では「塩基」という用語は、プロトン受容体として機能する化合物を指す。
【0063】
活性化合物および放出速度制御ポリマーに加え、本発明の製剤は、製剤に有益な特性を付与する追加の様々な材料のいずれをも含むことができる。そうした材料には、例えば、界面活性剤例えばラウリル硫酸ナトリウムなどの溶解調整剤、酸性化合物、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、滑剤、安定剤、糖などの水溶性賦形剤、および水分散性賦形剤、例えば微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、けい化微結晶セルロースやでんぷんを含む賦形剤が含まれる。いくつかの実施形態では、製剤は約6以下のpH、例えば約1〜約6のpHで提供される。
【0064】
水溶性賦形剤または水分散性賦形剤の非限定的な例には、乳糖、マンニトール、スクロース等が含まれる。水溶性賦形剤は、必要とされる具体的な治療目的に応じた重量%の範囲で存在することができる。本発明での使用のためには、パーセンテージおよび部は、別段の指定のない限り、重量部または重量%で表す。一般に、水溶性賦形剤の範囲は、例えば、約0%〜約50%もしくは約99%、または約2%〜約25%であってよい。水分散性賦形剤の例には、微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、けい化微結晶セルロース(Prosolv(商標))、でんぷん、クロスカルメロースナトリウム等が含まれる。
【0065】
安定剤の非限定的な例には、BHA、BHT、アスコルビン酸、トコフェロール等の酸化防止剤が含まれる。適切な金属キレート剤の非限定的な例には、EDTA、クエン酸等が含まれる。pH調整剤の非限定的な例には、クエン酸、フマル酸等が含まれる。結合剤の非限定的な例には、でんぷん、PVP(ポリビニルピロリドン)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)等が含まれる。流動助剤の非限定的な例には、ステアリン酸マグネシウム等が含まれる。溶解調整剤の非限定的な例には、ラウリル硫酸ナトリウムまたはポリソルベート(例えば、Tween(商標)80)等の界面活性剤が含まれる。
【0066】
好ましい実施形態では、本発明の持続放出製剤は、活性成分、少なくとも1種の放出速度制御ポリマー、有機酸、少なくとも1種の充填剤および少なくとも1種の滑剤を含む。
【0067】
滑剤の例には、これらに限定されないが、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ベヘン酸グリセリル、タルク、鉱油(PEG中の)、コロイド状二酸化ケイ素等が含まれる。しかし、当技術分野で知られている任意の滑剤を、本明細書で述べる製剤に用いることができることを理解されたい。滑剤の範囲は、例えば、約0.2重量%〜約5重量%である。本発明の一実施形態では、250mg剤形中の滑剤の量は約1mgである。
【0068】
充填剤の例には、これらに限定されないが、けい化微結晶セルロース、微結晶セルロース、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、乳糖一水和物、無水乳糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(例えば、無水第二リン酸カルシウム)、マルトデキストリン、デキストロース、フルクトース、マルトース、マンニトール、でんぷん、でんぷん(例えば、α化したもの)、スクロースおよび乳糖が含まれる。しかし、当技術分野で知られている任意の充填剤を、本明細書で述べる製剤に用いることができることを理解されたい。充填剤の範囲は、例えば、約25重量%〜約75重量%または約99重量%である。本発明の一実施形態では(例えば、典型的な持続放出製剤について)、250mg剤形中に存在する充填剤の量は約85〜約179mgである。
【0069】
本発明の持続放出剤形は、他の成分に対して好都合な任意の割合および部で活性化合物を含むことができる。一般に、製剤は約0.3%〜約25%、好ましくは約0.3%〜約15%の割合で活性成分を含む。いくつかの実施形態では、製剤は約1%〜約25%、好ましくは約2%〜約15%の割合活性成分を含む。
【0070】
例えば、一実施形態では、急速持続放出製剤は、活性成分、例えば、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約10部の放出速度制御ポリマーと約5部の有機酸を含む。
【0071】
他の実施形態では、中速度持続放出製剤は、活性成分、例えば、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約25部の放出速度制御ポリマーと約5部の有機酸を含む。
【0072】
他の実施形態では、緩徐持続放出製剤は、活性成分、例えば、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約30部の放出速度制御ポリマーと約1部の有機酸を含む。
【0073】
他の実施形態では、持続放出製剤は、活性成分、例えば、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約18部の放出速度制御ポリマーと約1部の有機酸を含む。
【0074】
他の実施形態では、持続放出製剤は、活性成分、例えば、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約46部の放出速度制御ポリマーと約1部の有機酸を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、持続放出製剤は、約5mgの活性成分、約50〜150mgの放出速度制御ポリマー、約5〜約50mgの有機酸、約85〜約179mgの充填剤および約1mgの滑剤を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、持続放出製剤は、約2mgの活性成分、約50〜150mgの放出速度制御ポリマー、約2〜約50mgの有機酸、約85〜約179mgの充填剤および約1mgの滑剤を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、典型的な持続放出製剤は、250mg錠剤中に約5mgの活性成分および約50mgの放出速度制御ポリマーを含む。そうした典型的な製剤は、さらに、例えば約169mgの充填剤、約25mgの有機酸(または腸内での放出速度を向上させるための他の薬剤)および約1mgの滑剤を含むことができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、典型的な持続放出製剤は、250mg錠剤中に、約5mgの活性成分と約125mgの放出速度制御ポリマーを含む。そうした典型的な製剤は、さらに、例えば約94mgの充填剤、約25mgの有機酸(または腸内での放出速度を向上させるための他の薬剤)および約1mgの滑剤を含むことができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、典型的な持続放出製剤は、250mg錠剤中に、約5mgの活性成分および約150mgの放出速度制御ポリマーを含む。そうした典型的な製剤は、さらに、例えば約89mgの充填剤、約5mgの有機酸(または腸内での放出速度を向上させるための他の薬剤)および約1mgの滑剤を含むことができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、典型的な持続放出製剤は、250mg錠剤中に、約5mgの活性成分および約92mgの放出速度制御ポリマーを含む。そうした典型的な製剤は、さらに、例えば約150mgの充填剤、約5mgの有機酸(または腸内での放出速度を向上させるための他の薬剤)および約1mgの滑剤を含むことができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、典型的な持続放出製剤は、250mg錠剤中に、約2mgの活性成分および約92mgの放出速度制御ポリマーを含む。そうした典型的な製剤は、さらに、例えば約150mgの充填剤、約2mgの有機酸(または腸内での放出速度を向上させるための他の薬剤)および約1mgの滑剤を含むことができる。
【0082】
本発明で考慮する持続放出製剤は、哺乳動物に投与するのに適した任意の形態であってよく、本明細書で示す例に限定されない。
【0083】
いくつかの実施形態では、本発明の製剤はコーティングしたペレットまたは球状物の形態である。そうした製剤の非限定的な1つの例は、本明細書で開示の放出速度制御ポリマーでコーティングされた不活性なマトリックス中に、活性化合物のコアを含む球状物である。適切な放出速度制御ポリマーの非限定的な例は、ポリメタクリレート、Eudragit(商標)IVS、Eudragit(商標)RS/RL、酢酸セルロースフタレート、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース等の本明細書で記載のpHポリマー依存性または非依存性ポリマーである。
【0084】
いくつかの実施形態では、本発明の製剤はペレットの形態である。そうした製剤の例には、不活性なコア、例えば糖球状物の頂部に活性化合物の層と、1種または複数の放出速度制御ポリマー含有の表面コーティングを含むペレットを含むものが含まれる。他の実施形態では、製剤は、カプセル剤、例えば、硬質ゼラチンまたは軟質ゼラチンのカプセル剤および/または粉剤の形態である。
【0085】
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は錠剤の形態である。この種の代表的製剤中の活性化合物の重量割合は約0.3%〜約25%、好ましくは約0.3%〜約15%である。いくつかの実施形態では、この種の代表的製剤の活性化合物の重量割合は約1%〜約25%、好ましくは約2%〜約15%である。そうした錠剤の非限定的な例は、同時押圧した錠剤、例えば、「錠剤中錠剤」およびマトリックス錠剤である。
【0086】
同時押圧した錠剤はコアと外部押圧コーティングを含むことができる。コアと外部押圧コーティングのどちらかまたはその両方が、活性化合物および/または1種または複数の放出速度制御ポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、剤形は、コアと外部押圧コーティングの両方が活性化合物と少なくとも1種の放出速度制御ポリマー(そのうちの1つは好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースである)を含む同時押圧した錠剤である。好ましいマトリックス形成ポリマーには、Methocel(商標)K4M、Methocel(商標)K15M、Methocel(商標)KI00M、Methocel(商標)E10M、Methocel(商標)E10M、Methocel(商標)E4M、Methocel K4M、Methocel(商標)K100LV、Methocel(商標)E50LV、Methocel(商標)E5、Methocel(商標)E6、Methocel(商標)E15LVから選択されるヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはその2つ以上の組合せが含まれる。
【0087】
いくつかの実施形態では、錠剤はマトリックス錠剤である。マトリックス形成組成物は、ワックス、ゴム、ポリエチレンオキシド、カルバポール(carbapol)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリメタクリレートまたは本明細書で述べた他の放出速度制御ポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、そうしたマトリックス錠剤は、活性化合物とマトリックス形成ポリマーを一緒に配合し、その配合物を押圧することによって調製する。
【0088】
いくつかの実施形態では、錠剤はワックスマトリックスを含むマトリックス錠剤である。そうした錠剤は、例えば、カルナバワックス、セトステアリルアルコールまたは脂肪酸あるいはその組合せなどのワックスを溶融させ、微結晶セルロースならびに他の賦形剤、充填剤、滑剤等などの充填剤と一緒に活性化合物を加え、その混合物を冷却させて調製することができる。調製される製剤は、所望により、1種または複数の水溶性または放出速度制御用の制御放出ポリマーでコーティングするか、またはそれを含むことができる。ワックスは総量で、製剤中に、例えば、約10%〜約60%、好ましくは約20%〜約40%存在することができる。広い範囲の適切なワックスを本発明で用いることができる。そうしたワックスの非限定的な例には、カルナバワックス、セトステアリルアルコール、脂肪酸またはその2つ以上の混合物が含まれる。マトリックス錠剤は本明細書で述べた1種または複数の放出速度制御ポリマーを含むこともできる。
【0089】
いくつかの実施形態では、マトリックス錠剤は、ポリエチレンオキシドマトリックス、例えば、これらに限定されないが、SENTRY POLYOX(商標)(Union Carbide Corp.)などのポリエチレンオキシド樹脂またはその同等物を含む錠剤である。適切なPOLYOX(商標)にはPOLYOX(商標)WSRN−10、N−60K、WSR−1105NまたはWSR303が含まれる。POLYOX(商標)は、例えば100,000〜7,000,000または900,000〜5,000,000の範囲の分子量を有することができる。ポリエチレンオキシドは、製剤中に総重量で、製剤の例えば約5%もしくは約10%〜約40%もしくは約75%、好ましくは約5%〜約40%または約10%〜約20%存在することができる。マトリックス錠剤は、本明細書で述べた1種または複数の放出速度制御ポリマーも含むことができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、マトリックス錠剤は、マトリックス形成ポリマーとして、本明細書で述べた1種または複数の放出速度制御ポリマーを含む錠剤である。いくつかの実施形態では、そうした錠剤は、マトリックス形成ポリマーとして、本明細書で述べた1種または複数のマトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。いくつかの好ましい実施形態では、Methocel(商標)K4Mなどの高粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースを、例えば約15%〜約70%、好ましくは約18%〜約50%の重量で使用することが有利である。例えば、Methocel(商標)Kl5M、Methocel(商標)Kl00MまたはMethocel(商標)E4M等の他の高粘度ポリマーも使用することができる。いくつかの実施形態では、Methocel(商標)E5OLV、Methocel(商標)E5、Methocel(商標)E6またはMethocel(商標)E15LVあるいはその組合せ等の低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用することができる。特定の実施形態では、高粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースと低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースの両方をマトリックス中に使用することができる。いくつかの実施形態では、低密度ヒドロキシプロピルメチルセルロースが約15%〜約70%、好ましくは約25%〜約50%の範囲で存在する場合、高密度ヒドロキシプロピルメチルセルロースは約20重量%〜約50重量%で存在する。
【0091】
一般に、活性化合物または成分は、本発明の剤形の任意の層の中に含まれてよく、活性化合物の持続放出は、活性化合物を含む層内に含まれるか、または、活性化合物を含む層を包含する任意の層内に含まれる放出速度制御ポリマー、例えば腸溶性コーティングの使用によって実現することができる。そうした腸溶性コーティングは活性化合物を含有するペレット、ビーズまたは球状物に塗布することができ、また活性化合物は腸溶性コーティング自体の中に含めることもできる。
【0092】
本発明のマトリックス錠剤製剤のいくつかの実施形態では、活性化合物は約0.02重量%〜約16重量%、好ましくは約0.02重量%〜約4重量%で存在する。
【0093】
本発明の錠剤は、活性化合物の放出速度をさらに制御するために、水溶性フィルムコーティング、着色剤でコーティングするか、またはpH依存性もしくはpH非依存性のポリマーでコーティングすることができる。いくつかの実施形態では、錠剤は、サブコーティング、腸溶性コーティングまたはオーバーコーティング、あるいはその任意の組合せでコーティングされる。いくつかの好ましい実施形態では、本発明の製剤の錠剤はフィルムでコーティングされている。
【0094】
本発明は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、医薬上許容されるその塩、構造的に関連する化合物および/または代謝産物を含む持続放出製剤を調製するための方法を提供する。一実施形態では、少なくとも1種の速度制御ポリマーおよび少なくとも1種の有機酸と一緒に活性成分を含む組成物を、その錠剤を形成するのに効果的な時間と条件下で押圧する。いくつかの実施形態では、錠剤を、例えば、フィルムでさらにコーティングする。
【0095】
他の実施形態では、活性成分を、少なくとも1種の放出速度制御ポリマーおよび少なくとも1種の有機酸と混合し、それによって配合物を形成させる。配合物は、ある時間と条件下でさらに押圧して錠剤を形成させることができる。いくつかの実施形態では、錠剤を、例えばフィルムでさらにコーティングする。好ましい実施形態では、配合物はドライブレンドである。
【0096】
いくつかの実施形態では、製剤はローラー圧縮で調製する。例えば、錠剤は顆粒化し、続いて摩砕して調製することができる。いくつかの実施形態では、活性成分、充填剤(例えば、微結晶セルロース)およびポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を顆粒化し、次いで摩砕する。次いで摩砕した顆粒を、例えばクエン酸、ステアリン酸マグネシウムなどの追加の賦形剤と混合する。
【0097】
本発明によれば、上記の技術、ならびにマイクロカプセル化およびマクロカプセル化、繊維、ポリマー系(高密度および低密度)および非ポリマー系のマトリックス、泡状物、リポソーム、ミセル、ゲル、ポリマー系の多孔性か、若干多孔性かまたは非多孔性のマトリックス中に物理的に分散された薬物、イオン交換樹脂上への吸着、化学的もしくは生物学的に分解性のマトリックスとの混合かまたはそれらへの吸着等の持続放出経口製剤を得るためにある多くの技術のいずれも含まれる。活性化合物は、薬物が単一の最大濃度を達成するような仕方で処方するか、または薬物が2つ以上のピークを有するパルスで処方することができる。経口送達は、液体剤形または固体剤形によることができる。液体剤形にはシロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤等が含まれる。液体担体は、有機塩基または水性塩基を含むことができ、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味剤、香味剤、懸濁剤、増粘剤、色粘性調節剤、安定剤または浸透圧調節剤、あるいはその組合せなどの適切な薬剤用添加剤でさらに改変させることができる。水性担体は、例えば、ポリマー系の物質または油状物も含むことができる。
【0098】
本発明は即時放出剤形も提供する。本発明の即時放出剤形は、活性成分、例えば、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、医薬上許容されるその塩、構造的に関連する化合物または代謝産物を含むことができる。いくつかの実施形態では、持続放出製剤と同様に、活性成分を微粉化する。即時放出製剤は実質的に塩基を含まないことが好ましい。
【0099】
好ましい実施形態では、即時放出製剤は活性成分、少なくとも1種の充填剤および少なくとも1種の滑剤を含む。本発明の製剤は、製剤に有益な特性を付与する様々な材料のいずれかを追加的に含むことができる。そうした材料には、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤などの溶解調整剤、酸性化合物、充填剤、滑剤、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、崩壊剤、結合剤、安定剤、などの水溶性賦形剤ならびに微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、けい化微結晶セルロースおよびでんぷんを含有する水分散性賦形剤を含む賦形剤が含まれる。滑剤の範囲は、一般に例えば0.2重量%〜約5重量%である。本発明の一実施形態では、150mg剤形中の滑剤の量は約0.5〜約1mgである。充填剤の範囲は、例えば約70重量%〜約99重量%であってよい。本発明の一実施形態では、150mg剤形中の充填剤の量は約80〜約149mgである。
【0100】
本発明の即時放出剤形は、他の成分に対して好都合な任意の割合および部で活性化合物を含むことができる。一般に製剤は活性成分を約0.05%〜約10%の割合で含む。
【0101】
例えば、一実施形態では、即時放出製剤は、活性成分、例えば、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約297部の充填剤と約1.5部の滑剤を含む。
【0102】
他の実施形態では、即時放出製剤は、活性成分、例えば4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約29部の充填剤と約0.15部の滑剤を含む。
【0103】
他の実施形態では、即時放出製剤は、活性成分、例えば、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約148部の充填剤と約0.75部の滑剤を含む。
【0104】
他の実施形態では、即時放出製剤は、活性成分、例えば、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約58部の充填剤と約0.3部の滑剤を含む。
【0105】
本発明で考慮する即時放出製剤は哺乳動物に投与するのに適した任意の形態でよく、本明細書で提示する例に限定されるものではない。
【0106】
本発明は、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、医薬上許容されるその塩および/またはその代謝産物を含む即時放出製剤を調製する方法を提供する。一実施形態では、活性成分を、少なくとも1種の充填剤および少なくとも1種の滑剤と一緒に含む組成物を、その錠剤を形成させるのに効果的な時間と条件下で押圧する。いくつかの実施形態では、錠剤を、例えばフィルムでさらにコーティングする。
【0107】
いくつかの実施形態では、活性成分を少なくとも1種の充填剤および少なくとも1種の滑剤と混合し、それによって配合物を形成させる。配合物は、ある時間と条件下でさらに押圧して錠剤を形成させることができる。いくつかの実施形態では、錠剤を、例えばフィルムでさらにコーティングする。
【0108】
いくつかの実施形態では、製剤はローラー圧縮によって調製する。
【0109】
持続放出剤形のような即時放出剤形は、例えばコーティングしたペレット、球状物、カプセル、粉末または錠剤の形態であってよい。
【0110】
したがって、本発明によれば、経口および非経口の持続放出ドーセッジ製剤を含む持続放出および即時放出剤形を提供する。したがって、本発明は、即時放出非経口投与製剤のための多くの技術のそれぞれを含む。本発明による活性化合物の送達は、粘膜、経膣、経直腸、眼、経皮、子宮内の経路等によることができる。
【0111】
したがって、本発明は、とりわけ、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、医薬上許容されるその塩、構造的に関連する化合物および/または代謝産物のための剤形、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、医薬上許容されるその塩、構造的に関連する化合物および/または代謝産物のための即時送達の方法、および4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、医薬上許容されるその塩、構造的に関連する化合物および/または代謝産物の長期間にわたる持続的送達の方法を提供する。いくつかの実施形態では、剤形の投与は、24時間毎に1回、12時間毎に1回、または6時間毎に1回である。
【0112】
いくつかの実施形態では、活性成分は均等な放出速度で放出される。「均等な放出速度」ということは、コアからの時間当たりの平均放出速度が、その前かまたはその後の時間当たりの平均放出速度から、プラスかマイナスにせいぜい約30%、好ましくはせいぜい約25%、最も好ましくはせいぜい10%しか変動しないことを意味する。
【0113】
いくつかの実施形態では、活性成分は長期間で放出される。「長期間」は、少なくとも約4時間、好ましくは6〜8時間またはそれ以上、より好ましくは10時間、15時間またはそれ以上の連続した期間を意味する。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で述べる持続放出投与形態は、投与に続いて約1〜約6時間、または約2〜約6時間以内に均等な放出速度で治療薬の放出を開始し、上記定義のような放出の均等な速度は薬物の約25%から少なくとも約75%、好ましくは少なくとも約85%が剤形から放出されるまで長期間にわたって持続する。治療薬の放出はその後さらに数時間継続されるが、放出速度は一般に均等放出速度より若干遅くなる。
【0114】
いくつかの実施形態では、剤形は、投与に続いて約1〜約12時間で最大血漿濃度に達するのに効果的な速度で活性成分を放出するように処方する。いくつかの実施形態では、剤形は、投与に続いて約1〜約4時間で最大血漿濃度に達するのに効果的な速度で活性成分を放出するように処方する。いくつかの実施形態では、剤形は、投与に続いて約15時間、好ましくは投与に続いて約1〜約10時間で最大血漿濃度の約50%の血漿濃度に達するのに効果的な速度で活性成分を放出するように処方する。
【0115】
他の実施形態では、剤形は、投与に続いて約6または約12時間で最大血漿濃度に達するのに効果的な速度で活性成分を放出するように処方する。
【0116】
「血漿薬物濃度」または「血漿濃度」は対象の血漿中の薬物の濃度を指し、一般にこれは、容量当たりの質量、典型的にはミリリットル当たりのナノグラムで表される。薬物投与に続く任意の時間における血漿薬物濃度投与をC9hまたはC24hのように、Q時間と表す。
【0117】
当分野の技術者は、個々の対象で得られた血漿薬物濃度が、薬物吸収、分配、代謝および排出に影響を及ぼす多くのパラメータの患者間での変動によって変わることを理解されよう。このため、別段の指定のない限り、本明細書では、血漿薬物濃度データを比較し、インビトロで剤形溶解速度とインビボで血漿薬物濃度との間の関係を分析するために、対象の群から得られた平均値を使用する。
【0118】
本明細書で述べた投与製剤は、経口投与を含む多くの経路を経由する哺乳動物への活性化合物の即時放出または持続放出を容易にする。いくつかの好ましい実施形態では、その製剤は化合物4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド、好ましくはその塩酸塩を含む。
【0119】
(実施例)
(実施例1)
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドの代謝産物の同定
M8、M11、M12およびM13で表す4つの代謝産物を、溶媒(10%のメタノールを含有する酢酸エチル)抽出、続く半分取HPLCによって単離した。半分取HPLC分離は、10mM酢酸アンモニウム(pH=4.5)を含むアセトニトリル/水の勾配を移動相として用いてxTerraC18カラム(7.8×300mm、10μm)で実施した。
【0120】
代謝産物の構造はNMRとマススペクトルデータで決定した。NMRのために、すべてのサンプルをCDCN中に溶解した。サンプルM11については、約10%のDOを加えて溶解度を増大させた。すべてのサンプルについてプロトンおよびCOSYのデータを得た。M11およびM12を含むサンプルについて、HSQCおよびHMBCのデータもとって構造を決定した。
【0121】
ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−ピペラジン部分をヒドロキシル化してM11、M12およびM13の代謝産物を形成させた。NMR試験を実施して、これらの代謝産物のヒドロキシル化の位置の判定を行い、M8の構造を確認した。
【0122】
M11:M11のIDプロトンスペクトルは、親化合物の場合の3の代わりに、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン部分の2つの芳香族プロトンを示した。これはベンゼン環でヒドロキシル化が起こっていることを示している。2つのプロトンシグナルは二重線であり、ヒドロキシル化がC位かまたはC位のどちらかで起きていることを示している。Cヒドロキシル化については、ベンゼンプロトンHとピペラジンプロトンとの間に比較的強いNOE相関が予想され、Cヒドロキシル化についてはそれが予想されないので、2つの位置異性体を区別するためにIDNOEを実施した。実際、IDNOE実験においてそうしたNOE相関が観察された。したがって、M11の構造は以下に示す通りである。ここで、ヒドロキシル基は2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン部分のCの位置にある。
【0123】
【化14】

【0124】
M12:M12のIDプロトンスペクトルは代謝産物で予想された以上に複雑であった。しかし、スペクトルの慎重な分析によって、サンプルが異性体を含んでいることが示唆された。M12代謝産物のプロトンスペクトルの親化合物のそれとの比較によって、M12における芳香族部分とピペラジン部分は変わっていないことが示された。しかし、1,4−ジオキシン環のプロトンはまったく異なっている。5.5ppm、5.15ppmおよび5.1ppmで3つのメチンシグナルが観察される。このサンプルについて、これらのメチンプロトンは1当量のプロトンに統合された。HSQCデータは、これらのメチン基の炭素シフトが80ppmと88ppmとの間であり、これは、ジオキシンメチレンのうちの1つでのヒドロキシル化を示唆している。COSYスペクトルは、ダウンフィールド(down−filed)メチンプロトンがジオキサン環のメチレンプロトンと相関することを示しており、ジオキサン環でのヒドロキシル化が確認された。三組以上のシグナルが観されたという事実は、サンプル中にキラル異性体が存在することを示している。キラル異性体が、酵素によって生成したのか、またはサンプル精製工程でのラセミ化によって生成したのかは明確ではない。NMRの結果から、M12の構造は以下のように示される。
【0125】
【化15】

【0126】
M13:M13のプロトンスペクトルとM12のプロトンスペクトルを比較すると、M12とM13が非常に類似していることが示唆される。親化合物中で観察された芳香族プロトンがすべてM13で観察された。これは代謝産物中の芳香族部分が変わっていないことを示している。M13では、ジオキシン環でヒドロキシル化も起こっているようである。M12と同様に、5.5ppm、5.19ppm、5.10ppmおよび4.86ppmで観察される4つのメチンプロトンで示されるように、M13は異性体を含んでいた。これら4つのメチンシグナルの強度は時間とともに変化しており、これは異性体の比が変化していることを示唆していることに注目されたい。M12において同様の変化が観察された。M12の分析結果と合わせると、観察されたM12およびM13のNMRスペクトルは元の成分を示していないようである。NMR分析は、M12およびM13が、それぞれ2位および3位に対応するジオキサン環でのヒドロキシル化によって生成していることを示した。M12とM13は位置を再配置することができ、どちらもラセミ化することができる。
【0127】
【化16】

【0128】
M8:このサンプルについてM8のプロトンおよびCOSYスペクトルを得た。データは、DSMで実施したMS/MS分析により、M8について提示した構造と一致している。ピリジン部分、ピペラジン部分およびシアノ−プロピルベンズアミド部分は変わっていない。親化合物と比較すると、失われている基は2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン部分だけである。
【0129】
【化17】

【0130】
(実施例2)
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドと構造的に関連する化合物の同定
式2〜9で表される構造的に関連する化合物を同定した。構造的に関連する化合物を、分取クロマトグラフィーにより、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドを含む調製物から約90%の純度で約1mgの量を単離した。構造を、核磁気共鳴分光法、エレクトロスプレーイオン化質量分析および交換可能なプロトン数の測定により確認した。
【0131】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩を含む調製物をさらに以下のように処理した。出発材料を水酸化ナトリウム水溶液と酢酸エチルで処理して塩基に転換した。得られた酢酸エチル溶液を共沸により脱水し、ヘプタンで希釈して3:1の酢酸エチルヘプタン混合物を得た。これをシリカゲルで処理した。得られた混合物をろ過し、繰り返し濃縮してヘプタンを除去した。この塩基を酢酸エチル溶液中で、酢酸エチル中の1.0当量の塩化水素で処理した。生成物を高温の変性エタノール中に溶解した。混合物をろ過して濃縮した。生成物を冷却して結晶化させ、ろ過により単離した。最後の湿潤ケーキを乾燥した。この処理によって4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドの二量体不純物の濃度が低下した。
【0132】
実施例3:本発明の代表的な持続放出製剤
【表1】

【0133】
実施例4:本発明の代表的な持続放出製剤
【表2】

【0134】
実施例5:本発明の代表的な即時放出製剤
【表3】

活性成分は4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)ピペリジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩である
a:活性部分(フリーベース)は理論的に、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩薬物物質の93%である。上記表で示したインプットは活性成分の重量をベースとする。
b:塩酸塩薬物物質が100%の効力でない場合、乳糖一水和物インプットに対する調節に対応して、薬物物質インプットに対する調節を行わなければならない。
c:過剰量を含む。理論量は0.075Kgである。
【0135】
【表4】

活性成分は4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)ピペリジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩である
a:活性部分(フリーベース)は理論的に、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩薬物物質の93%である。上記表で示したインプットは活性成分の重量をベースとする。
b:塩酸塩薬物物質が100%の効力でない場合、乳糖一水和物インプットに対する調節に対応して、薬物物質インプットに対する調節を行わなければならない。
c:過剰量を含む。理論量は0.075Kgである。
【0136】
【表5】

活性成分は4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)ピペリジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩である
a:活性部分(フリーベース)は理論的に、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩薬物物質の93%である。上記表で示したインプットは活性成分の重量をベースとする。
b:塩酸塩薬物物質が100%の効力でない場合、乳糖一水和物インプットに対する調節に対応して、薬物物質インプットに対する調節を行わなければならない。
c:過剰量を含む。理論量は0.075Kgである。
【0137】
【表6】

活性成分は4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)ピペリジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩である
a:活性部分(フリーベース)は理論的に、4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩薬物物質の93%である。上記表で示したインプットは活性成分の重量をベースとする。
b:塩酸塩薬物物質が100%の効力でない場合、乳糖一水和物インプットに対する調節に対応して、薬物物質インプットに対する調節を行わなければならない。
c:過剰量を含む。理論量は0.075Kgである。
(実施例6)
【0138】
代表的な即時放出錠剤の代表的な製造指図
1.乳糖一水和物と微結晶セルロースを適切な容器中に分注する。
2.4−シアノ−N−{(2R)−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩を、適当な大きさのタンブラー混合用ボウル中に分注する。分注された乳糖一水和物の一部を少し加え、回転式混合機中で混合する。
3.500μmスクリーンを通して、工程2からの予備配合物、続いて微結晶セルロースを、適当な大きさの回転式混合機のボウル中に送る。混合する。
4.工程3からの予備配合物を、適当な大きさの回転式混合機のボウル中に移す。500μmスクリーンを通して、残る乳糖一水和物を混合用ボウル中に送る。混合する。
5.配合物を計量し、そのバッチに必要なステアリン酸マグネシウムの量を算出する。ステアリン酸マグネシウムを適切な容器中に分注し、工程4からの配合物の一部と混合する。
6.500μmスクリーンに通して、この予備混合物を混合用ボウル中の残りの配合物中に送る。最終配合物を混合する。
7.工程6からの配合物を、適切な装備をした適切な押圧機を用いて押圧して、所要の量と硬さを有する錠剤を作製する。
8.仕上げた錠剤を除塵し、その重量をチェックし、目視検査を行う。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約20ミクロン以下の平均径を有する粒子の形態の4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
約0.75〜約10ミクロンの平均径を有する粒子の形態の請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
約2〜約8ミクロンの平均径を有する粒子の形態の請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドの二量体が実質的に存在しない4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドを含む組成物。
【請求項5】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドの各々の二量体の含有量が約0.1重量%未満である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記二量体が式7および式8からなる群から選択される請求項4または5のいずれか一項に記載の組成物
【化1】

【化2】

(式中、Rは、−CH、−CH(CH、−CHCHCH、CHCHCHCHまたは−CHCHCHCHCHである)。
【請求項7】
{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−アミンまたは医薬上許容されるその塩を含む組成物。
【請求項8】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩をさらに含む請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
4−シアノ−N−{(2S)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩を含む組成物。
【請求項10】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩をさらに含む請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、
{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−アミンまたは医薬上許容されるその塩、および
4−シアノ−N−{(2S)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩
を含む組成物。
【請求項12】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩、
{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−アミン、および
4−シアノ−N−{(2S)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩
を含む請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
約0.1重量%の前記{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−アミン;
約0.1重量%の前記4−シアノ−N−{(2S)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩;および
残りの%の前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミド塩酸塩
を含むある請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1種の放出速度制御ポリマーと少なくとも1種の有機酸をさらに含む請求項11〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩を含む剤形であって、前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が、投与に続いて約1〜約12時間で最大血漿濃度に達するのに効果的な速度で放出される剤形。
【請求項16】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が、投与に続いて約1〜約10時間で前記最大血漿濃度の約50%の血漿濃度に達するのに効果的な速度で放出される請求項15に記載の剤形。
【請求項17】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩を含む剤形であって、前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が、投与に続いて約1〜約10時間で最大血漿濃度の約50%の血漿濃度に達するのに効果的な速度で放出される剤形。
【請求項18】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が、投与に続いて約1〜約12時間で最大血漿濃度に達するのに効果的な速度で放出される請求項17に記載の剤形。
【請求項19】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、
少なくとも1種の放出速度制御ポリマー、および
少なくとも1種の有機酸を含む剤形。
【請求項20】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドの二量体が実質的に存在しない請求項19に記載の剤形。
【請求項21】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドの各々の二量体の含有量が約0.1重量%未満である、請求項20に記載の剤形。
【請求項22】
前記二量体が式7および式8からなる群から選択される請求項20または21のいずれか一項に記載の剤形
【化3】

【化4】

(式中、Rは、−CH、−CH(CH、−CHCHCH、CHCHCHCHまたは−CHCHCHCHCHである)。
【請求項23】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩と、少なくとも1種の前記放出速度制御ポリマーと、少なくとも1種の前記有機酸が互いに混合されている請求項19に記載の剤形。
【請求項24】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり、約2〜約46部の前記放出速度制御ポリマーおよび約0.4〜約10部の前記有機酸を含む請求項19〜23のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項25】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約10部の前記放出速度制御ポリマーおよび約5部の前記有機酸を含む請求項19〜23のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項26】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約25部の前記放出速度制御ポリマーおよび約5部の前記有機酸を含む請求項19〜23のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項27】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約30部の前記放出速度制御ポリマーおよび約1部の前記有機酸を含む請求項19〜23のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項28】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約18部の前記放出速度制御ポリマーおよび約1部の前記有機酸を含む請求項19〜23のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項29】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約46部の前記放出速度制御ポリマーおよび約1部の前記有機酸を含む請求項19〜23のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項30】
約5mgの前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩を含む請求項19〜23のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項31】
約2mgの前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩を含む請求項19〜23のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項32】
約50〜約150mgの少なくとも1種の前記放出速度制御ポリマーおよび約5〜約50mgの少なくとも1種の前記有機酸を含む請求項30に記載の剤形。
【請求項33】
約50〜約150mgの少なくとも1種の前記放出速度制御ポリマーおよび約2〜約50mgの少なくとも1種の前記有機酸を含む請求項31に記載の剤形。
【請求項34】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が微粉化されている請求項19〜33のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項35】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が約20ミクロン以下の平均径を有する粒子の形態である請求項19〜34のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項36】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が約0.75〜約10ミクロンの平均径を有する粒子の形態である請求項19〜35のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項37】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が約2〜約8ミクロンの平均径を有する粒子の形態である請求項19〜36のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項38】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドがその塩酸塩の形態で存在する請求項19〜37のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項39】
塩基が実質的に存在しない請求項19〜38のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項40】
前記有機酸がクエン酸である請求項19〜39のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項41】
少なくとも1種の前記放出速度制御ポリマーがメチルセルロースである請求項19〜40のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項42】
少なくとも1種の前記放出速度制御ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートである請求項19〜40のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項43】
少なくとも1種の前記放出速度制御ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項42に記載の剤形。
【請求項44】
少なくとも1種の充填剤をさらに含む請求項19〜43のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項45】
少なくとも1種の前記充填剤が微結晶セルロースである請求項44に記載の剤形。
【請求項46】
少なくとも1種の滑剤をさらに含む請求項19〜45のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項47】
少なくとも1種の前記滑剤がステアリン酸マグネシウムである請求項46に記載の剤形。
【請求項48】
約5mgの前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、約50mgの前記放出速度ポリマー、約25mgの前記クエン酸を含み、さらに約169mgの充填剤および約1mgの滑剤を含む請求項19に記載の剤形。
【請求項49】
約5mgの前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、約125mgの前記放出速度ポリマー、約25mgの前記クエン酸を含み、さらに約94mgの充填剤および約1mgの滑剤を含む請求項19に記載の剤形。
【請求項50】
約5mgの前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、約150mgの前記放出速度ポリマー、約5mgの前記クエン酸を含み、さらに約89mgの充填剤および約1mgの滑剤を含む請求項19に記載の剤形。
【請求項51】
約5mgの前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、約92mgの前記放出速度ポリマー、約5mgの前記クエン酸を含み、さらに約146mgの充填剤および約1mgの滑剤を含む請求項19に記載の剤形。
【請求項52】
約2mgの前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、約92mgの前記放出速度ポリマー、約2mgの前記クエン酸を含み、さらに約152mgの充填剤および約1mgの滑剤を含む請求項19に記載の剤形。
【請求項53】
錠剤の形態である請求項19〜52のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項54】
フィルム−コーティングした錠剤の形態である請求項19〜53のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項55】
前記化合物が、投与に続いて約1〜約12時間で最大血漿濃度に達するのに効果的な速度で放出される請求項19に記載の剤形。
【請求項56】
前記化合物が、投与に続いて約1〜約10時間で最大血漿濃度の約50%の血漿濃度に達するのに効果的な速度で放出される請求項19に記載の剤形。
【請求項57】
請求項19〜56のいずれか一項に記載の剤形を哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項58】
前記剤形を前記哺乳動物に24時間毎に約1回投与することを含む請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記剤形を前記哺乳動物に24時間毎に約2回投与することを含む請求項57に記載の方法。
【請求項60】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、
少なくとも1種の放出速度制御ポリマー、および
少なくとも1種の有機酸
を含む組成物。
【請求項61】
塩基が実質的に存在しない請求項60に記載の組成物。
【請求項62】
ドライブレンドの形態である請求項60または61に記載の組成物。
【請求項63】
請求項60〜62のいずれか一項に記載の組成物を供給し、その錠剤を形成させるのに効果的な時間および条件下で前記組成物を押圧する工程を含む方法。
【請求項64】
前記錠剤にコーティングを施す工程をさらに含む請求項63に記載の方法。
【請求項65】
請求項63または64に記載の方法による製品。
【請求項66】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩と、少なくとも1種の放出速度制御ポリマーと、少なくとも1種の有機酸を混合し、それによってその混合配合物を形成させることを含む方法。
【請求項67】
前記配合物を、その錠剤を形成させるのに効果的な時間および条件下で押圧することをさらに含む請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記錠剤にフィルムコーティングを施すことをさらに含む請求項67に記載の方法。
【請求項69】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、
少なくとも1種の充填剤、および
少なくとも1種の滑剤
を含む剤形。
【請求項70】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が微粉化されている請求項69に記載の剤形。
【請求項71】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が約10ミクロン以下の平均径を有する粒子の形態である請求項69に記載の剤形。
【請求項72】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が約20ミクロンの平均径を有する粒子の形態である請求項69に記載の剤形。
【請求項73】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩が約0.75〜約10ミクロンの平均径を有する粒子の形態である請求項69に記載の剤形。
【請求項74】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドが塩酸塩の形態で存在する請求項69〜73のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項75】
塩基が実質的に存在しない請求項69〜74のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項76】
少なくとも1種の前記充填剤が微結晶セルロースと乳糖の配合物である請求項69〜75のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項77】
少なくとも1種の前記滑剤がステアリン酸マグネシウムである請求項69〜76のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項78】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩と、少なくとも1種の前記充填剤と、少なくとも1種の前記滑剤が互いに混合されている請求項69〜77のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項79】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約15〜約300部の前記充填剤と約0.1〜約3部の前記滑剤を含む請求項69〜78のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項80】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約297部の前記充填剤と約1.5部の前記滑剤を含む請求項69〜78のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項81】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約29部の前記充填剤と約0.15部の前記滑剤を含む請求項69〜78のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項82】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約148部の前記充填剤と約0.75部の前記滑剤を含む請求項69〜78のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項83】
前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩の部当たり約58部の前記充填剤と約0.3部の前記滑剤を含む請求項69〜78のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項84】
約0.1〜約2.5mgの前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩を含む請求項69〜78のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項85】
約80〜約150mgの少なくとも1種の前記充填剤を含む請求項84に記載の剤形。
【請求項86】
約0.75mgの少なくとも1種の前記滑剤を含む請求項84または85に記載の剤形。
【請求項87】
約0.1mgの前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、約149mgの少なくとも1種の前記充填剤および約0.75mgの少なくとも1種の前記滑剤を含む請求項69〜78のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項88】
約0.5mgの前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、約148mgの少なくとも1種の前記充填剤、および約0.75mgの少なくとも1種の前記滑剤を含む請求項69〜78のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項89】
約1.0mgの前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、約148mgの少なくとも1種の前記充填剤および約0.75mgの少なくとも1種の前記滑剤を含む請求項69〜78のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項90】
約2.5mgの前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、約146mgの少なくとも1種の前記充填剤および約0.75mgの少なくとも1種の前記滑剤を含む請求項69〜78のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項91】
約5.0mgの前記4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、約144mgの少なくとも1種の前記充填剤および約0.75mgの少なくとも1種の前記滑剤を含む請求項69〜78のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項92】
錠剤の形態である請求項69〜91のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項93】
フィルム−コーティングした錠剤の形態である請求項69〜92のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項94】
請求項69〜93のいずれか一項に記載の剤形を哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項95】
前記剤形を前記哺乳動物に24時間毎に約2回投与する請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記剤形を前記哺乳動物に24時間毎に約4回投与する請求項94に記載の方法。
【請求項97】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、
少なくとも1種の充填剤および
少なくとも1種の滑剤
を含む組成物。
【請求項98】
約0.5〜約5mgの4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩、
約140〜約150mgの少なくとも1種の充填剤、および
約0.5〜約1.0mgの少なくとも1種の滑剤
を含む組成物。
【請求項99】
塩基が実質的に存在しない請求項97または98に記載の組成物。
【請求項100】
ドライブレンドの形態である請求項97〜99のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項101】
請求項97〜100のいずれか一項に記載の組成物を提供し、前記組成物をその錠剤を形成させるのに効果的な時間および条件下で押圧する工程を含む方法。
【請求項102】
前記錠剤にコーティングを施す工程をさらに含む請求項101に記載の方法。
【請求項103】
請求項101または102に記載の方法による製品。
【請求項104】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドまたは医薬上許容されるその塩と、少なくとも1種の充填剤と、少なくとも1種の滑剤を混合し、それによってその混合配合物を形成することを含む方法。
【請求項105】
前記配合物を、その錠剤を形成させるのに効果的な時間および条件下で押圧することをさらに含む請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記錠剤にフィルムコーティングを施すことをさらに含む請求項105に記載の方法。
【請求項107】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(8−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドである化合物または医薬上許容されるその塩。
【請求項108】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドである化合物または医薬上許容されるその塩。
【請求項109】
4−シアノ−N−{(2R)−2−[4−(2−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドである化合物または医薬上許容されるその塩。
【請求項110】
4−シアノ−N−(2R−2−ピペラジン−1−イル−プロピル)−N−ピリジン−2−イル−ベンズアミドである化合物または医薬上許容されるその塩。
【請求項111】
請求項107〜110のいずれか一項に記載の化合物を哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項112】
請求項107〜110のいずれか一項に記載の化合物、少なくとも1種の放出速度制御ポリマーおよび少なくとも1種の有機酸を含む組成物。
【請求項113】
請求項107〜110のいずれか一項に記載の化合物、少なくとも1種の放出速度制御ポリマーおよび少なくとも1種の有機酸を含む剤形。

【公表番号】特表2007−529551(P2007−529551A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504154(P2007−504154)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/009142
【国際公開番号】WO2005/092307
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】