説明

C−13アルコキシエーテルマクロライド化合物及びフェニルピラゾール化合物を含む組成物

新規イベルメクチン誘導体並びに哺乳類又は鳥類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物であって、(A)医薬的に有効量の1-N-フェニルピラゾール化合物と、(B)医薬的に有効量の下記式(II)
【化1】


(式中、R14は-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);Yは-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;R15は水素、アルキル又はフェニルを表し;かつR16は-CH3又は-CH2CH3を表し;Zはアルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アルキルアルコキシ、アリール、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケノイル、アルキノイル、又はアロイルである)のイベルメクチン誘導体とを含む組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願〕
この出願は、2005年12月22日提出の米国出願第11/317,932号と、米国を指定し、かつ1996年9月19日提出の仏国出願第96/11446号に対する優先権を主張している1997年9月15日提出の国際出願PCT/FR97/01548号の一部継続出願である1999年3月17日提出の米国出願第09/271,470号(現在、米国特許第6,482,425号)の一部継続出願である、1999年8月17日提出の米国特許出願第09/376,736号(現在、米国特許第6,426,333号)の分割出願である、2002年5月24日提出の米国出願第10/155,397号(現在、米国特許第6,962,713号)の一部継続出願である、現在許可されている、2002年10月24日提出の米国出願第10/279,356号とを参照する。
いずれの前記出願、及びその中で又は出願経過中に引用された全ての文献(「出願引用文献」)及び出願引用文献中で引用又は参照された全ての文献、及び本明細書で引用又は参照された全ての文献(「本明細書引用文献」)、及び本明細書引用文献中で引用又は参照された全ての文献は、本明細書又は本明細書に参照によって組み込まれたいずれの文献で言及されたいずれの製品についてのいずれの製造業者の使用説明書、解説書、製品仕様書、及び製品シートとも一緒に参照によって本明細書に組み込まれ、本発明の実施で使用される。
〔発明の分野〕
この発明は、鳥類及び哺乳類の寄生虫(parasites)を抑制するためのN-フェニルピラゾールと新規イベルメクチン誘導体とを含む組成物に関する。この発明は、鳥類及び哺乳類の寄生虫感染症を根絶、制御、及び阻止するための改良された方法をも提供する。この発明は、新規イベルメクチン誘導体をも提供する。
【背景技術】
【0002】
〔発明の背景〕
鳥類及び哺乳類などの動物は多くの場合、寄生虫感染症にかかりやすい。これらの寄生虫は、昆虫のような外部寄生虫、及びフィラリア及び蠕虫(worm)のような内部寄生虫であってよい。
ネコ及びイヌ等の飼いならされた動物は、以下の外部寄生虫の1種以上に寄生されることが多い。
−ネコ及びイヌのノミ(Ctenocephalides felis、Ctenocephalides sp.など)、
−マダニ(Rhipicephalus sp.、Ixodes sp.、Dermacentor sp.、Amblyoma sp.など)、及び
−ダニ(Demodex sp.、Sarcoptes sp.、Otodectes sp.など)、
−シラミ(Trichodectes sp.、Cheyletiella sp.、Lignonathus sp.など)、
−蚊(Aedes sp.、Culex sp.、Anopheles sp.など)及び
−ハエ(Hematobia sp.、Musca sp.、Stomoxys sp.、Dermatobia sp.、Coclyomia sp.など)。
ノミは、動物又はヒトの健康に有害な影響を及ぼすのみならず、大きな心理的ストレスをも生じさせるので特に問題である。さらに、ノミは動物の病原因子、例えばイヌ条虫(Dipylidium caninum)、及びヒトの病原因子のベクターでもある。
同様に、マダニも動物又はヒトの肉体的及び心理的健康に有害である。しかし、マダニに関連する最も重大な問題は、マダニがヒトと動物の両方で疾患を引き起こす病原因子のベクターであることである。マダニによって引き起こされる主な疾患として、ボレリア症(Borrelia burgdorferiによって引き起こされるライム病)、バベシア症(又はBabesia sp.によって引き起こされるピロプラズマ症)及びリケッチア症(ロッキー山紅斑熱としても知られる)が挙げられる。マダニは、宿主に炎症又は麻痺を生じさせる毒素をも放出する。時には、これらの毒素が宿主の命にかかわる。
さらに、ダニ及びシラミは、これらの寄生虫に作用する活性物質がほとんどなく、かつ頻繁に処理する必要があるので、特に抑制しにくい。
【0003】
同様に、家畜も寄生虫感染症にかかりやすい。例えば、ウシは多数の寄生虫に侵される。家畜の間で非常に蔓延している寄生虫は、マダニ属Boophilus、特に種microplus(ウシマダニ)、decoloratus及びanulatusである。Boophilus microplus等のマダニは、家畜が放牧する牧場内に住むので、特に制御が困難である。ウシ及びヒツジの他の重要な寄生虫を重要度が減少する順に以下に列挙する。
−ハエ幼虫症、例えばヒトヒフバエ(Dermatobia hominis)(ブラジルでBerneとして知られる)及びCochlyomia hominivorax(greenbottle);ヒツジハエ幼虫症、例えばLucilia sericata、Lucilia cuprina(オーストラリア、ニュージーランド及び南アフリカでクロバエ幼虫感染症として知られる)。これらは、その幼虫が動物の寄生虫を構成するハエである。
−ハエ自体、すなわち成虫が寄生虫、例えばHaematobia irritans(ノサシバエ(horn fly))を構成するハエ;
−シラミ、例えばLinognathus vitulorum等;及び
−ダニ、例えばSarcoptes scabiei及びPsoroptes ovis。
上記リストは排他的でなく、他の外部寄生虫が動物及びヒトに有害であることは技術上周知である。これには、例えば移住性双翅目幼虫が挙げられる。
【0004】
動物及びヒトは、内部寄生虫の感染にも苦しむ。例えば、線虫又は回虫と記述される1群の寄生蠕虫によって最も頻繁に引き起こされる蠕虫症が挙げられる。これらの寄生虫は家畜及び家禽を侵すのみならず、ブタ、ヒツジ、ウマ、及びウシの深刻な経済的損失を引き起こす。動物及びヒトの胃腸管中に存在する他の寄生虫として、Ancylostoma、Necator、Ascaris、Strongyloides、Trichinella、Capillaria、Toxocara、Toxascaris、Trichiris、Enterobius並びに血液又は他の組織及び器官で見られる寄生虫、例えばフィラリア蠕虫及びStrogyloides、Toxocara及びTrichinellaの腸管外段階が挙げられる。
寄生虫を処理するための多くの殺虫剤が当技術分野には存在する。これらの殺虫剤は、特定の寄生虫に対するその有効性及びそのコストは様々である。しかしながら、これらの殺虫剤の結果は、例えば、カルバマート、有機リン化合物及びピレトリン類似化合物による場合のように、例えば、寄生虫による該治療薬に対する耐性の発生のため、常に満足できるわけではない。さらに、現在、マダニと腸内寄生虫を両方とも制御するための真に有効な方法はなく、上述した一連の寄生虫を制御する有効な手段が未だにほとんどない。従って、当技術分野では、広範な寄生虫に対する動物、例えば哺乳類、魚類及び鳥類のより有効な抗寄生虫製剤による治療及び保護が要望されている。さらに、当技術分野には、いずれのタイプの家畜にも、その大きさ及びその外被の性質に関係なく使いやすく、かつ哺乳類、魚類又は鳥類の体全体に振り掛ける必要のない抗寄生虫製剤に対する要望がある。
【0005】
1-N-フェニルピラゾールを基礎とする新しいファミリーの殺虫剤が特許EP-A-295,217及びEP-A-352,944に記載されている。これらの特許で定義されたファミリーの化合物は極端に活性であり、これらの化合物の1つである1-[2,6-Cl2-4-CF3フェニル]-3-CN-4-[SO-CF3]-5-NH2ピラゾール、つまりフィプロニルは、作物寄生虫に対してのみならず哺乳類及び鳥類の外部寄生虫に対しても特に有効である。フィプロニルは、排他的ではないが、特にノミ及びマダニに対して有効である。
広範な内部寄生虫に対して活性度を示すエンデクトシダル(endectocidal)化合物が当技術分野では知られている。これらの化合物は大環状ラクトン環を所有し、シラミ、クロバエ(blowfly)、ハエ、蚊、ダニ、移住性双翅目幼虫、及びマダニなどの外部寄生虫、並びに線虫及び回虫などの内部寄生虫に対して特に有効であることが技術上分かっている。この群の化合物としては、エバーメクチン(avermectins)、ミルベマイシン(milbemycins)、及びこれらの化合物の誘導体、例えば、イベルメクチン(ivermectin)又はエマメクチン(emamectin)が挙げられる。該物質は例えば、米国特許第3,950,360号、第4,199,569号、第4,879,749号及び第5,268,710号に記載されている。
抗寄生虫の対象範囲を広げるため、場合によっては種々の殺寄生虫剤を併用できることは技術上既知であるが、特定の動物又は疾患状態にどの組合せが働くかを演繹的に予測することはできない。この理由のため、種々の組合せの結果が常に成功するわけではなく、当技術分野では動物に容易に投与できるさらに有効な製剤が要望されている。1-N-フェニルピラゾール誘導体及びマクロライドラクトン駆虫薬又は抗寄生虫薬、例えばエバーメクチン、イベルメクチン及びミルベマイシンを含む製剤の、特有の宿主の内部寄生虫又は外部寄生虫に対する有効性は、多数かつ複雑な宿主−寄生虫相互作用のため予測が特に難しい。
特許出願AU-A-16 427/95は、フィプロニルなどの種々のタイプの非常に多数の殺虫剤又は殺寄生虫剤に関与する議論の中で非常に広範に置換1-N-ピラゾール誘導体とエバーメクチン、イベルメクチン又はモキシデクチン(moxidectin)の組合せについて述べている。しかし、この特許出願は、1-N-ピラゾール誘導体をエバーメクチン又はミルベマイシンタイプの化合物とどのように調製するかについての具体的な教示、ましてこれらの化合物を含むスポットオン(spot-on)組成物をどのように調製するかについての具体的な教示なんて当業者に提供していない。さらに、該出願は、特有の寄生虫がどんな具体的な組合せに敏感であるかについて示していない。
【0006】
抗寄生虫製剤を調製する種々の方法が技術上周知である。これらには経口製剤、毒餌、栄養補助食品、散剤、シャンプー、ペースト、濃縮溶液、懸濁液、マイクロエマルション、エマルション等が挙げられる。抗寄生虫製剤の局在化局所適用のための製剤も技術上周知である。
1-N-フェニルピラゾール、例えばフィプロニルを含む調製済み(ready to use)溶液は技術上周知であり、その内容を参照によって本明細書に引用したものとする米国特許第6,395,765号に記載されている。
1-N-フェニルピラゾール、例えばフィプロニルを含む、ポアオン(pour-on)溶液は技術上周知であり、その内容を参照によって本明細書に引用したものとする米国特許第6,010,710号に記載されている。
スポットオン製剤は、宿主の限定領域に抗寄生虫剤を局所送達するための周知技術である。1-N-フェニルピラゾール及び大環状ラクトンを含むスポットオン製剤は、米国特許第6,426,333号に記載されている。
ペースト製剤も宿主上のある領域に抗寄生虫剤を送達する有効な手段である。ペースト製剤は、米国特許第6,787,342号に記載されている。
1-N-フェニルピラゾール及び大環状ラクトンを含む組成物は当技術分野で一般的に知られているが、本明細書で使うために述べるイベルメクチン誘導体は新規化合物である。さらに、寄生虫を抑制するための組成物が迅速作用及び長期持続性効果を有していて、寄生虫を抑制するために必要な適用回数を減らすことができれば有利であろう。さらに、寄生虫は既知治療薬に対して耐性が発生する傾向があることは周知であり、寄生虫を抑制するための新規組成物を開発することは有益であろう。
【0007】
この出願の目的のため、本明細書で特に断らない限り、下記用語は以下に示す定義を有する。
(1)アルキルは、直鎖及び分岐の両炭素鎖を表し;個々のアルキル基への言及は直鎖に特有である(例えばブチル=n-ブチル)。アルキルの一実施形態では、炭素原子数が1〜20であり、アルキルの別の実施形態では、炭素原子数が1〜8個の炭素原子であり、アルキルさらに別の実施形態では、炭素原子数が1〜4個の炭素原子である。他の範囲の炭素数も考えられ、該分子上のアルキル部分の位置によって決まる。
(2)アルケニルは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖及び分岐の両炭素鎖を表す。アルケニルの一実施形態では、二重結合の数が1〜3であり、アルケニルの別の実施形態では、二重結合の数が1である。アルケニルの一実施形態では、炭素原子数が2〜20であり、アルケニルの別の実施形態では、炭素原子数が2〜8であり、アルケニルのさらに別の実施形態では、炭素原子数が2〜4である。他の範囲の炭素-炭素二重結合及び炭素数も考えられ、該分子上のアルケニル部分の位置によって決まる。
(3)アルキニルは、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖及び分岐の両炭素鎖を表す。アルキニルの一実施形態では、三重結合の数が1〜3であり、アルキニルの別の実施形態では、三重結合の数が1である。アルキニルの一実施形態では、炭素原子数が2〜20であり、アルキニルの別の実施形態では、炭素原子数が2〜8であり、アルキニルのさらに別の実施形態では、炭素原子数が2〜4である。他の範囲の炭素-炭素三重結合及び炭素数も考えられ、該分子上のアルキニル部分の位置によって決まる。
(4)アリールはC6-C10芳香環構造を表す。アリールの一実施形態では、該部分がフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、フェニルシクロプロピル及びインダニルであり、アリールの別の実施形態では、該部分がフェニルである。
(5)アルコキシは-O-アルキルを表し、アルキルは(1)の定義どおりであり;アルキルアルコキシは-アルキル-O-アルキルを表し、アルキルは(1)の定義どおりである。
(6)アルカノイル又はアシルはホルミル(-C(=O)H)及び-C(=O)-アルキルを表し、アルキルは(1)の定義どおりである。
(7)アルカノイルオキシは-O-C(=O)-アルキルを表し、アルカノイルは(6)の定義どおりである。
(8)アルカノイルアミノは-NH2-C(=O)-アルキルを表し、アルカノイルは(6)の定義どおりであり、アミノ(NH2)部分は、(1)の定義どおりのアルキルで置換されていてもよい。
(9)アミノカルボニルは-NH2-C(=O)を表し、アミノ(NH2)部分は、(1)の定義どおりのアルキルで置換されていてもよい。
(10)アルコキシカルボニルは-C(=O)-O-アルキルを表し、アルコキシは(5)の定義どおりである。
(11)アルケノイルは-C(=O)-アルケニルを表し、アルケニルは(2)の定義どおりである。
(12)アルキノイルは-C(=O)-アルキニルであり、アルキニルは(3)の定義どおりである。
(13)アロイルは-C(=O)-アリールであり、アリールは上記定義どおりである。
(14)プレフィックスとしてのシクロ(例えばシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル)は、環中に3〜8個の炭素原子を有する飽和若しくは不飽和環式環構造を表し、この範囲は上記アリールの定義から分離かつ区別する意図である。シクロの一実施形態では、環サイズの範囲は4〜7個の炭素原子であり、シクロの別の実施形態では、環サイズの範囲は3〜4である。他の範囲の炭素数も考えられ、該分子上のシクロ部分の位置によって決まる。
(15)ハロゲンは、原子フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。「ハロ」(例えば用語ハロアルキルで例示されるように)は、単置換からペルハロ置換の全ての置換度を表す(例えばクロロメチル(-CH2Cl)、ジクロロメチル(-CHCl2)、トリクロロメチル(-CCl3)としてメチルで例示されるように)。
(16)ヘテロ環、ヘテロ環式若しくはヘテロシクロは、少なくとも1つの炭素原子含有環中に少なくとも1つのヘテロ原子を有する、完全に飽和又は芳香族(すなわち「ヘテロアリール」)を含めて不飽和環式基、例えば、4〜7員単環式、7〜11員二環式、又は10〜15員三環式環系を表す。ヘテロ原子を含有するヘテロ環式基の各環は、窒素原子、酸素原子及び/又はイオウ原子から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を有してよい。ここで、窒素及びイオウヘテロ原子は、任意に酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は任意に四級化されていてもよい。ヘテロ環式基は、該環又は環系のいずれのヘテロ原子又は炭素原子で結合していてもよい。
【0008】
典型的単環式ヘテロ環式基として、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロロジニル、2-オキソアゼピニル、アゼピニル、4-ピペリドニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、モルフォリニル、チアモルフォリニル、チアモルフォリニルスルホキシド、チアモルフォリニルスルホン、1,3-ジオキソラン及びテトラヒドロ-1,1-ジオキソチエニル、トリアゾリル、トリアジニル等が挙げられる。
典型的二環式ヘテロ環式基として、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例えばフロ[2,3-c]ピリジニル、フロ[3,2-b]ピリジニル]又はフロ[2,3-b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(例えば3,4-ジヒドロ-4-オキソ-キナゾリニル)、テトラヒドロキノリニル等が挙げられる。
典型的三環式ヘテロ環式基として、カルバゾリル、ベンゾインドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニル等が挙げられる。
特に断るか又は文脈によって明白でない限り、この明細書で使用する場合の「活性薬」又は「活性成分」又は「治療薬」は、本発明のC-13アルコキシエーテルマクロライド化合物又はフェニルピラゾール化合物を意味する。
この開示及び請求項及び/又はパラグラフでは、本発明のC-13アルコキシエーテルマクロライド化合物及び本発明を説明するために使用する用語「フェニルピラゾール化合物」は、その全ての立体異性体及び結晶形(水和形、多形及び15質量%までの結晶構造を有する非晶形が挙げられる)を包含する意図であることにも留意されたい。
この開示及び請求項では、「含む」、「含んだ」、「含んでいる」等の用語は、米国特許法でそれを属させた意味をもつことができ、例えば、それらは「包含する」、「包含した」、「包含している」等を意味しうること;及び「本質的に〜から成っている」及び「本質的に〜成る」等の用語は、米国特許法でそれらが属するものと考えられる意味を有し、それらは明瞭に列挙されていない要素を斟酌するが、先行技術で見られるか又は本発明の基本的若しくは新規な特徴に影響を及ぼす要素を排除することに留意されたい。
さらに、本発明は、USPTO(35 U.S.C. 112、第1項)又はEPO(EPCの第83条)の書面による明細書及び実施可能要件を満たす如何なる以前に開示された製品、製品の製造方法又は製品の使用方法をも本発明の範囲に包含することを意図するものでなく、出願人は如何なる以前に記載された製品、製品の製造方法又は製品の使用方法の権利をも留保することによって、その放棄を開示することに留意されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、哺乳類及び鳥類、特にネコ、イヌ、ウマ、ニワトリ、ヒツジ及びウシの寄生虫を処理又は予防するための組成物を、哺乳類及び鳥類が一般的に遭遇する全ての寄生虫のこれらの宿主を自由にする目的で提供する。本発明は、外部寄生虫、例えばノミ、マダニ、ダニ、例えばヒゼンダニ、蚊、ハエ及びシラミ、並びに動物及びヒトの消化管の内部寄生虫、線虫、例えばフィラリア、鈎虫、ベンチュウ及び回虫の有効かつ長期持続性駆除をも提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
特にこの発明は、哺乳類又は鳥類の寄生虫感染症の治療又は予防用新規組成物であって、
(A)有効量の1-N-フェニルピラゾール誘導体、
(B)有効量のイベルメクチン誘導体、及び
(C)医薬的に有効な担体
を含む組成物を提供する。
本発明は、哺乳類又は鳥類におけるを寄生虫感染症を治療するか又は寄生虫感染症の予防のための簡単な方法であって、有効量の本発明の製剤を前記哺乳類又は鳥類に局所適用する工程を含む方法をも提供する。
この発明は、一分類の治療薬のみを含有する製剤と比較した場合、寄生虫に対して相乗作用活性を示す、1-N-フェニルピラゾール誘導体とイベルメクチン誘導体の組合せを含む組成物をも提供する。
この発明は、新規イベルメクチン誘導体化合物、前記化合物及び前記化合物を含む組成物の製造方法をも提供する。
本発明の方法及び組成物/製剤の非常に高い有効性は、哺乳類又は鳥類の処理後の高い即時有効性のみならず、非常に長い持続時間の有効性をももたらす。本組成物/製剤は、FRONTLINE(登録商標)(フィプロニル)及びK-9 ADVANTIX(登録商標)(イミダクロプリド/ペルメトリン)等の他の市販の抗寄生虫製剤(寄生虫がこれらの製剤に対して耐性を生じた場合)に対する代替物をも提供する。
この発明の目的では、「医薬的な」/「医薬的に」という用語は、動物、ヒト及び鳥類の治療を包含する意図である。
これら及び他の実施形態は、以下の詳細な説明によって開示され、又は以下の詳細な説明から明白であり、かつ以下の詳細な説明に包含される。明らかなように、本発明の一態様の好ましい特徴及び特性を本発明の多くの他の態様に適用できる。
この開示において、「含む」、「含んでいる」、「含有する」及び「有する」などは、米国特許法でそれらが属するものと考えられる意味を有することができ、かつ「包含する」、「包含している」などを意味することがあり;「本質的に〜から成っている」又は「本質的に〜から成る」などは、米国特許法で属するとみなされる意味を有し、かつこの用語は、列挙されたものの基本的又は新規な特性が、列挙された以外のものの存在によって変化しない限り、列挙された以外のものの存在を斟酌する無制限の用語であるが、先行技術の実施形態は排除する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下、非限定例として、添付図面を参照しながら本発明の種々の好ましい特徴及び実施形態をさらに詳細に説明する。
【図1】フィプロニル含有組成物と、フィプロニル及びイベルメクチン誘導体含有組成物とを投与した後にイヌのマダニに対する効力を比較する図である。
【図2】フィプロニル含有組成物と、フィプロニル及びイベルメクチン誘導体含有組成物とを投与した後にマダニがいないイヌの数を比較する図である。
【図3】フィプロニル含有組成物と、フィプロニル及びイベルメクチン誘導体含有組成物とを投与した後にイヌのノミに対する効力を比較する図である。
【図4】フィプロニル含有組成物と、フィプロニル及びイベルメクチン誘導体含有組成物とを投与した後にノミがいないイヌの数を比較する図である。
【図5】フィプロニル含有組成物と、フィプロニル及びイベルメクチン誘導体含有組成物とを投与した後にネコのノミに対する効力を比較する図である。
【図6】フィプロニル含有組成物と、フィプロニル及びイベルメクチン誘導体含有組成物とを投与した後にノミがいないネコの数を比較する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔詳細な説明〕
この発明は、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物であって、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、
R1は、ハロゲン、CN又はアルキルであり;
R2は、S(O)nR3、4,5-ジシアノイミダゾール-2-イル又はハロアルキルであり;
R3は、アルキル又はハロアルキルであり;
R4は、水素、ハロゲン、NR5R6、S(O)mR7、C(O)R7、C(O)OR7、アルキル、ハロアルキル、OR8基又は-N=C(R9)(R10)基を表し;
R5及びR6は、独立に水素、アルキル、ハロアルキル、C(O)アルキル、S(O)rCF3、アルコキシカルボニルを表し;又は
R5とR6が一緒に二価アルキレン基(任意に1又は2個の二価ヘテロ原子で中断されていてもよい)を形成していてもよく;
R7は、アルキル又はハロアルキルを表し;
R8は、アルキル、ハロアルキル又は水素を表し;
R9は、アルキル又は水素を表し;
R10は、任意に置換されていてもよいアリール又は任意に置換されていてもよいヘテロアリール基を表し;
R11及びR12は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CN又はNO2を表し;
R13は、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、S(O)qCF3又はSF5を表し;
m、n、q及びrは、それぞれ独立に、0、1又は2に等しい整数を表し;
Xは、三価窒素原子又はC-R12基(該炭素原子の3つの他の原子価が芳香環の部分を形成する)を表す);
(B)医薬的に有効量の下記式(II)のイベルメクチン誘導体
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、アルキル又はフェニルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アルキルアルコキシ、アリール、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケノイル、アルキノイル、又はアロイルである);
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む組成物を提供する。
【0017】
式(II)の化合物について本発明の別の実施形態では、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物は、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0018】
【化3】

【0019】
(式中、
R1は、ハロゲン、CN又はC1-C8アルキルであり;
R2は、S(O)nR3又はC1-C8ハロアルキルであり;
R3は、C1-C8アルキル又はC1-C8ハロアルキルであり;
R4は、水素、ハロゲン、NR5R6、S(O)mR7、C(O)R7、C(O)OR7、C1-C8アルキル、C1-C8ハロアルキル、OR8基を表し;
R5及びR6は、独立に水素、C1-C8アルキル、C(O)アルキルを表し;又は
R7は、C1-C8アルキル又はC1-C8ハロアルキルを表し;
R8は、C1-C8アルキル、C1-C8ハロアルキル又は水素を表し;
R11及びR12は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CN又はNO2を表し;
R13は、ハロゲン、C1-C8ハロアルキル、C1-C8ハロアルコキシ、S(O)qCF3又はSF5を表し;
m、n、q及びrは、それぞれ独立に、0、1又は2に等しい整数を表し;
Xは、三価窒素原子又はC-R12基(該炭素原子の3つの他の原子価が芳香環の部分を形成する)を表す);
(B)医薬的に有効量の下記式(II)のイベルメクチン誘導体
【0020】
【化4】

【0021】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C8アルキル、C1-C8アシル、又はC1-C8アルキルアルコキシである);
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む。
【0022】
式(II)の化合物について本発明の別の実施形態では、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物は、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0023】
【化5】

【0024】
(式中、
R1は、ハロゲン、CN又はC1-C4アルキルであり;
R2は、S(O)nR3又はC1-C4ハロアルキルであり;
R3は、C1-C4アルキル又はC1-C4ハロアルキルであり;
R4は、水素、フッ素、塩素、臭素、NR5R6、S(O)mR7、C(O)R7、C(O)OR7、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、OR8基を表し;
R5及びR6は、独立に水素、C1-C4アルキル、C(O)アルキルを表し;又は
R7は、C1-C4アルキル又はC1-C4ハロアルキルを表し;
R8は、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル又は水素を表し;
R11及びR12は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CN又はNO2を表し;
R13は、ハロゲン、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、S(O)qCF3又はSF5を表し;
m、n、q及びrは、それぞれ独立に、0、1又は2に等しい整数を表し;
Xは、三価窒素原子又はC-R12基(該炭素原子の3つの他の原子価が芳香環の部分を形成する)を表す);
(B)医薬的に有効量の下記式(II)のイベルメクチン誘導体
【0025】
【化6】

【0026】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである);
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む。
【0027】
式(II)の化合物について本発明の別の実施形態では、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物は、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0028】
【化7】

【0029】
(式中、
R1は、CNであり;
R2は、S(O)nR3であり;
R3は、CF3であり;
R4は、NR5R6を表し;
R5及びR6は、独立に水素を表し;
R11及びR12は、Clを表し;
R13は、CF3を表し;
nは、1であり;
Xは、C-R12を表す
(この化合物はフィプロニルとしても知られる));及び
(B)医薬的に有効量の下記式(II)のイベルメクチン誘導体
【0030】
【化8】

【0031】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである);
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む。
【0032】
式(IIa)についての本発明の別の実施形態では、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物は、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0033】
【化9】

【0034】
(式中、
R1は、ハロゲン、CN又はアルキルであり;
R2は、S(O)nR3、4,5-ジシアノイミダゾール-2-イル又はハロアルキルであり;
R3は、アルキル又はハロアルキルであり;
R4は、水素、ハロゲン、NR5R6、S(O)mR7、C(O)R7、C(O)OR7、アルキル、ハロアルキル、OR8基又は-N=C(R9)(R10)基を表し;
R5及びR6は、独立に水素、アルキル、ハロアルキル、C(O)アルキル、S(O)rCF3、アルコキシカルボニルを表し;又は
R5とR6が一緒に二価アルキレン基(任意に1又は2個の二価ヘテロ原子で中断されていてもよい)を形成していてもよく;
R7は、アルキル又はハロアルキルを表し;
R8は、アルキル、ハロアルキル又は水素を表し;
R9は、アルキル又は水素を表し;
R10は、任意に置換されていてもよいアリール又は任意に置換されていてもよいヘテロアリール基を表し;
R11及びR12は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CN又はNO2を表し;
R13は、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、S(O)qCF3又はSF5を表し;
m、n、q及びrは、それぞれ独立に、0、1又は2に等しい整数を表し;
Xは、三価窒素原子又はC-R12基(該炭素原子の3つの他の原子価が芳香環の部分を形成する)を表す);
(B)医薬的に有効量の下記式(IIa)のイベルメクチン誘導体
【0035】
【化10】

【0036】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、C1-C4アルキル又はフェニルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アルキルアルコキシ、アリール、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケノイル、アルキノイル、又はアロイルである);及び
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む。
【0037】
式(IIa)についての本発明の別の実施形態では、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物は、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0038】
【化11】

【0039】
(式中、
R1は、ハロゲン、CN又はC1-C8アルキルであり;
R2は、S(O)nR3又はC1-C8ハロアルキルであり;
R3は、C1-C8アルキル又はC1-C8ハロアルキルであり;
R4は、水素、ハロゲン、NR5R6、S(O)mR7、C(O)R7、C(O)OR7、C1-C8アルキル、C1-C8ハロアルキル、OR8基を表し;
R5及びR6は、独立に水素、C1-C8アルキル、C(O)アルキルを表し;又は
R7は、C1-C8アルキル又はC1-C8ハロアルキルを表し;
R8は、C1-C8アルキル、C1-C8ハロアルキル又は水素を表し;
R11及びR12は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CN又はNO2を表し;
R13は、ハロゲン、C1-C8ハロアルキル、C1-C8ハロアルコキシ、S(O)qCF3又はSF5を表し;
m、n、q及びrは、それぞれ独立に、0、1又は2に等しい整数を表し;
Xは、三価窒素原子又はC-R12基(該炭素原子の3つの他の原子価が芳香環の部分を形成する)を表す);
(B)医薬的に有効量の下記式(IIa)のイベルメクチン誘導体
【0040】
【化12】

【0041】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C8アルキル、C1-C8アシル、又はC1-C8アルキルアルコキシである)
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む。
【0042】
式(IIa)についての本発明の別の実施形態では、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物は、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0043】
【化13】

【0044】
(式中、
R1は、ハロゲン、CN又はC1-C4アルキルであり;
R2は、S(O)nR3又はC1-C4ハロアルキルであり;
R3は、C1-C4アルキル又はC1-C4ハロアルキルであり;
R4は、水素、フッ素、塩素、臭素、NR5R6、S(O)mR7、C(O)R7、C(O)OR7、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、OR8基を表し;
R5及びR6は、独立に水素、C1-C4アルキル、C(O)アルキルを表し;又は
R7は、C1-C4アルキル又はC1-C4ハロアルキルを表し;
R8は、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル又は水素を表し;
R11及びR12は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CN又はNO2を表し;
R13は、ハロゲン、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、S(O)qCF3又はSF5を表し;
m、n、q及びrは、それぞれ独立に、0、1又は2に等しい整数を表し;
Xは、三価窒素原子又はC-R12基(該炭素原子の3つの他の原子価が芳香環の部分を形成する)を表す);
(B)医薬的に有効量の下記式(IIa)のイベルメクチン誘導体
【0045】
【化14】

【0046】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである);
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む。
【0047】
式(IIa)についての本発明の実施形態では、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物は、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0048】
【化15】

【0049】
(式中、
R1は、CNであり;
R2は、S(O)nR3であり;
R3は、CF3であり;
R4は、NR5R6を表し;
R5及びR6は、独立に水素を表し;
R11及びR12は、Clを表し;
R13は、CF3を表し;
nは、1であり;
Xは、C-R12を表す
(この化合物はフィプロニルとしても知られる));及び
(B)医薬的に有効量の下記式(IIa)のイベルメクチン誘導体
【0050】
【化16】

【0051】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである);
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む。
【0052】
式(III)についての本発明の実施形態では、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物は、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0053】
【化17】

【0054】
(式中、
R1は、CNであり;
R2は、S(O)nR3であり;
R3は、CF3であり;
R4は、NR5R6を表し;
R5及びR6は、独立に水素を表し;
R11及びR12は、Clを表し;
R13は、CF3を表し;
nは、1であり;
Xは、C-R12を表す
(この化合物はフィプロニルとしても知られる));及び
(B)医薬的に有効量の下記式(III)のイベルメクチン誘導体
【0055】
【化18】

【0056】
(式中、
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表す);及び
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む。
【0057】
式(IIb)についての本発明の別の実施形態では、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物は、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0058】
【化19】

【0059】
(式中、
R1は、ハロゲン、CN又はアルキルであり;
R2は、S(O)nR3、4,5-ジシアノイミダゾール-2-イル又はハロアルキルであり;
R3は、アルキル又はハロアルキルであり;
R4は、水素、ハロゲン、NR5R6、S(O)mR7、C(O)R7、C(O)OR7、アルキル、ハロアルキル、OR8基又は-N=C(R9)(R10)基を表し;
R5及びR6は、独立に水素、アルキル、ハロアルキル、C(O)アルキル、S(O)rCF3、アルコキシカルボニルを表し;又は
R5とR6が一緒に二価アルキレン基(任意に1又は2個の二価ヘテロ原子で中断されていてもよい)を形成していてもよく;
R7は、アルキル又はハロアルキルを表し;
R8は、アルキル、ハロアルキル又は水素を表し;
R9は、アルキル又は水素を表し;
R10は、任意に置換されていてもよいアリール又は任意に置換されていてもよいヘテロアリール基を表し;
R11及びR12は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CN又はNO2を表し;
R13は、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、S(O)qCF3又はSF5を表し;
m、n、q及びrは、それぞれ独立に、0、1又は2に等しい整数を表し;
Xは、三価窒素原子又はC-R12基(該炭素原子の3つの他の原子価が芳香環の部分を形成する)を表す);
(B)医薬的に有効量の下記式(IIb)のイベルメクチン誘導体
【0060】
【化20】

【0061】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、C1-C4アルキル又はフェニルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アルキルアルコキシ、アリール、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケノイル、アルキノイル、又はアロイルである);及び
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む。
【0062】
式(IIb)についての本発明の別の実施形態では、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物は、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0063】
【化21】

【0064】
(式中、
R1は、ハロゲン、CN又はC1-C8アルキルであり;
R2は、S(O)nR3又はC1-C8ハロアルキルであり;
R3は、C1-C8アルキル又はC1-C8ハロアルキルであり;
R4は、水素、ハロゲン、NR5R6、S(O)mR7、C(O)R7、C(O)OR7、C1-C8アルキル、C1-C8ハロアルキル、OR8基を表し;
R5及びR6は、独立に水素、C1-C8アルキル、C(O)アルキルを表し;又は
R7は、C1-C8アルキル又はC1-C8ハロアルキルを表し;
R8は、C1-C8アルキル、C1-C8ハロアルキル又は水素を表し;
R11及びR12は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CN又はNO2を表し;
R13は、ハロゲン、C1-C8ハロアルキル、C1-C8ハロアルコキシ、S(O)qCF3又はSF5を表し;
m、n、q及びrは、それぞれ独立に、0、1又は2に等しい整数を表し;
Xは、三価窒素原子又はC-R12基(該炭素原子の3つの他の原子価が芳香環の部分を形成する)を表す);
(B)医薬的に有効量の下記式(IIb)のイベルメクチン誘導体
【0065】
【化22】

【0066】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C8アルキル、C1-C8アシル、又はC1-C8アルキルアルコキシである);
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む。
【0067】
式(IIb)についての本発明の別の実施形態では、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物は、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0068】
【化23】

【0069】
(式中、
R1は、ハロゲン、CN又はC1-C4アルキルであり;
R2は、S(O)nR3又はC1-C4ハロアルキルであり;
R3は、C1-C4アルキル又はC1-C4ハロアルキルであり;
R4は、水素、フッ素、塩素、臭素、NR5R6、S(O)mR7、C(O)R7、C(O)OR7、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、OR8基を表し;
R5及びR6は、独立に水素、C1-C4アルキル、C(O)アルキルを表し;又は
R7は、C1-C4アルキル又はC1-C4ハロアルキルを表し;
R8は、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル又は水素を表し;
R11及びR12は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CN又はNO2を表し;
R13は、ハロゲン、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、S(O)qCF3又はSF5を表し;
m、n、q及びrは、それぞれ独立に、0、1又は2に等しい整数を表し;
Xは、三価窒素原子又はC-R12基(該炭素原子の3つの他の原子価が芳香環の部分を形成する)を表す);
(B)医薬的に有効量の下記式(IIb)のイベルメクチン誘導体
【0070】
【化24】

【0071】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである);
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む。
【0072】
式(IIb)の化合物について本発明の別の実施形態では、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物は、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0073】
【化25】

【0074】
(式中、
R1は、CNであり;
R2は、S(O)nR3であり;
R3は、CF3であり;
R4は、NR5R6を表し;
R5及びR6は、独立に水素を表し;
R11及びR12は、Clを表し;
R13は、CF3を表し;
nは、1であり;
Xは、C-R12を表す
(この化合物はフィプロニルとしても知られる));及び
(B)医薬的に有効量の下記式(IIb)のイベルメクチン誘導体
【0075】
【化26】

【0076】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである);
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む。
【0077】
式(IV)についての本発明の実施形態では、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物は、
(A)医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【0078】
【化27】

【0079】
(式中、
R1は、CNであり;
R2は、S(O)nR3であり;
R3は、CF3であり;
R4は、NR5R6を表し;
R5及びR6は、独立に水素を表し;
R11及びR12は、Clを表し;
R13は、CF3を表し;
nは、1であり;
Xは、C-R12を表す
(この化合物はフィプロニルとしても知られる));及び
(B)医薬的に有効量の下記式(IV)のイベルメクチン誘導体
【0080】
【化28】

【0081】
(式中、
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表す);及び
(C)医薬的に許容しうる担体
を含む。
【0082】
上記各実施形態では、医薬的に許容しうる担体は、組成物の形態に基づいて選択され、組成物の形態としては、経口製剤、毒餌、栄養補助食品、散剤、シャンプー、ペースト、濃縮溶液、懸濁液、マイクロエマルション及びエマルションが挙げられる。医薬組成物製造の技術分野で公知のいずれの方法によっても医薬用途を意図した組成物を調製することができる(Remington−The Science and Practice of Pharmacy(第21版)(2005)、Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics(第11版)(2005)及びAnsel's Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(第8版)、Allenら編、Lippincott Williams & Wilkins, (2005))。
医薬的に許容しうる担体用の有機溶媒は、特に断らない限り、製剤技術で公知の一般的に許容しうる有機溶媒を包含する。これらの溶媒は、例えば、Remington Pharmaceutical Science, 第16版(1986)で見つかる。これらの溶媒として、例えば、アセトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン又はジエチレングリコールモノエチルエーテル(Transcutol)が挙げられる。これらの溶媒を、所望相、例えばC8-C10カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(Estasan又はMiglyol 812)、オレイン酸又はプロピレングリコールの性質に従って種々の賦形剤で補充することができる。
【0083】
医薬担体がマイクロエマルションを含んでもよい。マイクロエマルションは液状担体ビヒクルとしても適切である。マイクロエマルションは、水相、油相、界面活性剤及び共界面活性剤(cosurfactant)を含む四成分系である。マイクロエマルションは、半透明の等方性液体である。
マイクロエマルションは、油相中の水相の微小滴又は逆に水相中の油相の微小滴の安定分散系で構成される。これらの微小滴の大きさは200nm未満である(エマルションでは1000〜100,000nm)。界面膜は、交互の表面活性(SA)分子と共表面活性(Co-SA)分子で構成され、界面張力を下げることによって、マイクロエマルションが自発的に形成される。
油相は、特に、鉱物油若しくは植物油から、不飽和ポリグリコシル化グリセリドから又はトリグリセリドから、或いは該化合物の混合物から形成されうる。油相は、好ましくはトリグリセリド、さらに好ましくは中鎖トリグリセリド、例えば、C8-C10カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドを含む。油相は、特に、マイクロエマルションの約2〜約15%、さらに特に約7〜約10%、好ましくは約8〜9%V/Vに相当するだろう。
水相としては、例えば水又はグリコール誘導体、例えばプロピレングリコール、グリコールエーテル、ポリエチレングリコール又はグリセロールが挙げられる。プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びジプロピレングリコールモノエチルエーテルが特に好ましい。一般的に、水相は、マイクロエマルションの約1〜約4%V/Vの割合に相当するだろう。
マイクロエマルション用の界面活性剤として、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリグリコシル化C8-C10グリセリド又はポリグリセリル-6ジオラートが挙げられる。これらの界面活性剤に加えて、共界面活性剤としては、短鎖アルコール、例えばエタノール及びプロパノールが挙げられる。
【0084】
一部の化合物は上述した三成分、すなわち水相、界面活性剤及び共界面活性剤に共通である。しかし、同一製剤の各成分に異なる化合物を使用することは、十分に専門家のスキルレベル内である。共界面活性剤と界面活性剤の比は、好ましくは約1/7〜約1/2である。好ましくは約25〜約75%V/Vの界面活性剤と約10〜約55%V/Vの共界面活性剤がマイクロエマルション中に存在するだろう。
本発明の一実施形態では、本組成物は、米国特許第6,395,765号に記載されているように、調製済み溶液形態であってよい。式(I)及び式(II)の化合物に加え、調製済み溶液は、結晶化抑制剤、有機溶媒及び有機共溶媒を含有しうる。
調製済み溶液の別の実施形態では、結晶化抑制剤は、特に1〜20%(W/V)、好ましくは5〜15%の割合で存在し、この抑制剤は、以下の内容に従う試験を満足させる:後述する有機溶媒中10%(W/V)の式(I)の化合物と、10%のこの抑制剤とを含む0.3mlの溶液Aを20℃で24時間スライドガラス上に置いた後、裸眼でスライドグラス上にほとんど又は全く結晶が見られない、詳細には10個未満の結晶しか見られず、好ましくは結晶が0個であり;有機溶媒は、10〜35、好ましくは20〜30の誘電率を有し、組成物全体中のこの有機溶媒の含量が好ましくは該組成物の100%を補完する量に相当し;有機共溶媒が100℃未満、好ましくは80℃未満の沸点を有し、かつ10〜40、好ましくは20〜30の誘電率を有し;この共溶媒が有利には有機共溶媒/有機溶媒の質量/質量(W/W)比が1/15〜1/2で組成物中に存在する。この溶媒は、特に乾燥促進剤として作用するように揮発性であり、かつ水及び/又は有機溶媒と混和性である。
結晶化抑制剤は、特に約1〜約20%(W/V)、好ましくは約5〜約15%の割合で存在しうる。この抑制剤は、好ましくは液状担体中10%(W/V)の式(I)の化合物と10%の該抑制剤を含む溶液0.3mlを20℃でスライドガラス上に置き、24時間放置する試験に対応する。次にスライドガラスを裸眼で観察する。許容しうる抑制剤は、その添加がほとんど又は全く結晶をもたらさず、特に10個未満の結晶しかもたらさず、好ましくは結晶が0個である。
製剤は、空気中での酸化を抑制することを意図した酸化防止剤を含むことができ、この薬剤は、特に約0.005〜約1%(W/V)、好ましくは約0.01〜約0.05%の割合で存在する。
本発明で使用できる結晶化抑制剤として以下のものが挙げられる。
−ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとビニルピロリドンのコポリマー、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、マンニトール、グリセロール、ソルビトール、又はソルビタンのポリオキシエチレン化エステル;レシチン又はナトリウムカルボキシメチルセルロース;又はアクリル酸誘導体、例えばメタクリラートその他、
−アニオン界面活性剤、例えばアルカリ性ステアラート、特にステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム又はステアリン酸アンモニウム;ステアリン酸カルシウム又はステアリン酸トリエタノールアミン;アビエチン酸ナトリウム;アルキルスルファート、特にラウリル硫酸ナトリウム及びセチル硫酸ナトリウム;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム又はスルホコハク酸ジオクチルナトリウム;又は脂肪酸、特にヤシ油由来の脂肪酸、−カチオン界面活性剤、例えば式N+R'R''R'"R""Y-の水溶性四級アンモニウム塩(式中、R基は同一又は異なる任意にヒドロキシル化されていてもよい炭化水素基であり、Y-は強酸のアニオン、例えばハライド、スルファート及びスルホナートアニオンであり;セチルトリメチルアンモニウムブロミドが使用可能なカチオン界面活性剤の1つである)、
−式N+R'R''R'"のアミン塩(式中、R基は同一又は異なる任意にヒドロキシル化されていてもよい炭化水素基であり;オクタデシルアミン塩酸塩が使用可能なカチオン界面活性剤の1つである)、
−非イオン性界面活性剤、例えばソルビタンの任意にポリオキシエチレン化されていてもよいエステル、特にPolysorbate 80、つまりポリオキシエチレン化アルキルエーテル;ポリエチレングリコールステアラート、ヒマシ油のポリオキシエチレン化誘導体、ポリグリセロールエステル、ポリオキシエチレン化脂肪アルコール、ポリオキシエチレン化脂肪酸又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、
−両性界面活性剤、例えばベタインの置換ラウリル化合物、
−又は好ましくは上記化合物の少なくとも2つの混合物。
【0085】
特に好ましい実施形態では、結晶化抑制剤対を使用する。このような対として、例えば、ポリマータイプの膜形成剤と表面活性剤との組合せが挙げられる。これらの薬剤は特に、結晶化抑制剤として上述した化合物から選択される。
特に好ましいポリマータイプの膜形成剤として以下のものが挙げられる。
−種々グレードのポリビニルピロリドン、
−ポリビニルアルコール、及び
−酢酸ビニルとビニルピロリドンのコポリマー。
特に好ましい表面活性剤として、非イオン性界面活性剤、好ましくはソルビタンのポリオキシエチレン化エステル、特に種々グレードのポリソルベート、例えばPolysorbate 80製のものが挙げられる。
膜形成剤及び表面活性剤は特に、他のところで述べた結晶化抑制剤の総量の限度内で同様又は同一の量で組み入れることができる。
このようにして構成された対は、注目するに足る様式で、外被上で結晶化しないようにするという目的及び毛皮の美容的外観の維持という目的を確実にする。すなわち、高濃度の活性物質にもかかわらず、粘着するようになる傾向又は粘着性の外観への傾向がない。 特に好ましい酸化防止剤は当技術分野で慣習的なものであり、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、没食子酸プロピル、チオ硫酸ナトリウム又はそれらの最高2種の混合物が挙げられる。
上述した製剤アジュバントはこの技術分野の専門家には周知であり、商業的に又は既知技術を介して得られる。これらの濃縮組成物は一般的に上記構成成分の簡単な混合によって調製され;有利には、出発点が活性材料を主溶媒中で混合することであり、次に他の成分又はアジュバントを加える。
適用する体積は、ネコでは約0.3〜約1ml程度、好ましくは約0.5ml程度、イヌでは約0.3〜約3ml程度であってよく、動物の体重によって決まる。
【0086】
本発明の別の実施形態では、組成物は、米国特許第6,010,710号に記載されているように、ポアオン形態であってよい。ポアオン製剤は、有利には油状であり、一般的に希釈剤又はビヒクルを含み、式(I)の化合物が該希釈剤に溶けない場合には該化合物用の溶媒(有機溶媒)をも含む。
本発明で使用可能な有機溶媒としては特に以下のものが挙げられる:クエン酸アセチルトリブチル、脂肪酸エステル、例えばジメチルエステル、アジピン酸ジイソブチル、アセトン、アセトニトリル、ベンジルアルコール、ブチルジグリコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、エタノール、イソプロパノール、メタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、モノメチルアセトアミド、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリオキシエチレングリコール、プロピレングリコール、2-ピロリドン、特にN-メチルピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール及びフタル酸ジエチル、又はこれらの溶媒の少なくとも2種の混合物。
ビヒクル又は希釈剤としては特に植物油、例えば大豆油、落花生油、ヒマシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、ブドウ種子油、ヒマワリ油など;鉱物油、例えば石油、パラフィン、シリコーン等;脂肪族又は環式炭化水素或いは、例えば、中鎖(特にC8〜C12)トリグリセリドが挙げられる。
好ましくは柔軟化剤及び/又は展着剤及び/又は膜形成剤を添加する。この薬剤は特に以下のものから選択される。
(a)ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとビニルピロリドンのコポリマー、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、マンニトール、グリセロール、ソルビトール、ポリオキシエチレン化ソルビタンエステル;レシチン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、シリコーン油、ポリジオルガノシロキサン油、特にポリジメチルシロキサン(PDMS)油、例えばシラノール官能基を含む当該油、つまり45V2油、
(b)アニオン界面活性剤、例えばアルカリ性ステアラート、特にステアリン酸ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウム;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸トリエタノールアミン;アビエチン酸ナトリウム;アルキルスルファート、特にラウリル硫酸ナトリウム及びセチル硫酸ナトリウム;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム;脂肪酸、特にヤシ油由来のもの、
(c)カチオン界面活性剤、例えば式N+R'R''R'"R""Y-の水溶性四級アンモニウム塩(式中、基Rは任意にヒドロキシル化されていてもよい炭化水素基であり、Y-は強酸のアニオン、例えばハライド、スルファート及びスルホナートアニオンであり;セチルトリメチルアンモニウムブロミドが使用可能なカチオン界面活性剤のうちの1つである)、
(d)式N+R'R''R'"のアミン塩(式中、基Rは任意にヒドロキシル化されていてもよい炭化水素基であり;オクタデシルアミン塩酸塩が使用可能なカチオン界面活性剤のうちの1つである)、
(e)非イオン性界面活性剤、例えば任意にポリオキシエチレン化されていてもよいソルビタンエステル、特にポリソルベート(polysorbate) 80、ポリオキシエチレン化アルキルエーテル;ポリオキシプロピル化脂肪アルコール、例えばポリオキシプロピレン-スチロールエーテル:ポリエチレングリコールステアラート、ヒマシ油のポリオキシエチレン化誘導体、ポリグリセロールエステル、ポリオキシエチレン化脂肪アルコール、ポリオキシエチレン化脂肪酸、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、
(f)両性界面活性剤、例えばベタインの置換ラウリル化合物、又は
(g)上記化合物の少なくとも2つの混合物。
溶媒は、化合物Iの濃度及びこの溶媒中の化合物Iの溶解度と釣り合わせて使用される。例えば、フィプロニルのクエン酸アセチルトリブチル中の溶解度は4.3%m/Vである。可能な最低体積となるように追求するだろう。ビヒクルが100%への差を埋める。
好ましくは体積で0.1〜10%、特に0.25〜5%の割合で柔軟化剤を使用する。
【0087】
本発明の別の実施形態では、組成物がスポットオン形態であってよい。スポットオン製剤では、担体は米国特許第6,426,333号に記載されているように液状担体ビヒクルであってよい。この液状担体ビヒクルは溶媒と共溶媒を含み、溶媒がアセトン、アセトニトリル、ベンジルアルコール、ブチルジグリコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、エタノール、イソプロパノール、メタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、モノメチルアセトアミド、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリオキシエチレングリコール、プロピレングリコール、2-ピロリドン、特にN-メチルピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール、フタル酸ジエチル脂肪酸エステル、例えばジエチルエステル又はアジピン酸ジイソブチル、及びこれらの溶媒の少なくとも2つの混合物から成る群より選択され、共溶媒が無水エタノール、イソプロパノール又はメタノールから成る群より選択される。
液状担体ビヒクルは任意に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アミン塩、両性界面活性剤又はポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとビニルピロリドンのコポリマー、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、マンニトール、グリセロール、ソルビトール、ポリオキシエチレン化ソルビタンエステル;レシチン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、及びアクリル誘導体から成る群より選択される結晶化抑制剤、又はこれらの結晶化抑制剤の混合物を含んでよい。
活性成分を医薬的又は獣医学的に許容しうるビヒクルに溶解させることによってスポットオン製剤を調製することができる。或いは、治療薬を動物の表面上に残すため、活性成分のカプセル化によってスポットオン製剤を調製することができる。これらの製剤は、該組合せ中の治療薬の質量について変化し、これは治療すべき宿主動物の種、感染の重症度とタイプ及び宿主の体重によって決まるだろう。
本発明の別の実施形態では、組成物がペースト形態であってよい。ペースト形態の一実施形態は、その内容を参照によって本明細書に引用したものとする米国特許第6,787,342号に記載されている。上述した1-N-フェニルピラゾール及びイベルメクチン誘導体化合物に加えて、ペーストは、ヒュームド・シリカ;粘度調整剤;担体;必要に応じて吸収促進剤;及び必要に応じて着色剤、安定剤、界面活性剤、又は保存剤をも含有する。
ペースト製剤の調製方法は以下の工程を含む。
(a)混合することによって1-N-フェニルピラゾールとイベルメクチン誘導体化合物を担体中に溶解又は分散させる工程、
(b)この溶解した1-N-フェニルピラゾールとイベルメクチン誘導体化合物を含む担体にヒュームド・シリカを添加して、該シリカが担体中に分散されるまで混合する工程、
(c)工程(b)で形成された中間体を、工程(b)中に取りこまれた空気を逃すのに十分な時間沈殿させる工程;及び
(d)この中間体に混合しながら粘度調整剤を添加して、均質ペーストを生成する工程。
これらの工程は例示であり、限定するものではない。例えば、工程(a)を最後に移してもよい。
本発明のペーストの別の実施形態は、1-N-フェニルピラゾール及びイベルメクチン誘導体化合物、ヒュームド・シリカ、粘度調整剤、吸収促進剤、着色剤;並びにトリアセチン、モノグリセリド、ジグリセリド、又はトリグリセリドである親水性担体を含む。
ペーストのさらなる実施形態として、限定するものではないが、粘度調整剤が、PEG200、PEG300、PEG400、PEG600、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、グリセロール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート(ポリソルベート80又はTween 80)、及びポリオキサマー(例えば、Pluronic L 81)から成る群より選択され;吸収促進剤が、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、デンプン、及びセルロースとその誘導体から成る群より選択され;かつ着色剤が、二酸化チタン、酸化鉄及びFD&C Blue #1 アルミニウムレーキから成る群より選択される、ペーストが挙げられる。
【0088】
ある分類のフェニルピラゾールが技術上周知であり、例えば、米国特許第5,885,607号、米国特許第6,010,710号、米国特許第6,083,519号、米国特許第6,096,329号、米国特許第6,395,765号及び米国特許第6,867,229号(すべてMerial, Ltd.に帰属)並びに米国特許第5,576,429号、米国特許第5,122,530号、及びEP295177に記載されている。これらの開示内容、並びにここで引用される参考文献は、参照によって取りこまれる。この分類の殺虫剤はマダニ及びノミ等の昆虫に対して優れた活性を有することが分かっている。
イベルメクチンは、大環状ラクトンとして知られる、より広い分類の化合物の一部として認識されている。本発明の上記各実施形態では、組成物に追加の大環状ラクトンを添加することができる。該大環状ラクトンの例として、限定するものではないが、エバーメクチン、例えばアベルメクチン(abamectin)、ドラメクチン(doramectin)、エマメクチン、エプリノメクチン(eprinomectin)、イベルメクチン、ラチデクチン(latidectin)、レピメクチン(lepimectin)、セラメクチン(selamectin)及びミルベマイシン、例えばミルベメクチン(milbemectin)、ミルベマイシンD及びモキシデクチン(moxidectin)が挙げられる。前記エバーメクチン及びミルベマイシンの5-オキソ及び5-オキシム誘導体も含まれる。
これらの既知大環状ラクトン化合物は商業的に又は当分野で周知の技術を介して容易に得られる。広範に利用可能な技術及び商業用カタログを参照する。エバーメクチン、イベルメクチン及びアベルメクチンでは、例えば、M.H. Fischer及びH. Mrozikによる研究「イベルメクチンとアベルメクチン」(1989、William C. Campbell、Springer Verlag.出版)、又はAlbers-Schonbergら(1981)、「エバーメクチン構造決定」(J. Am. Chem. Soc., 103, 4216-4221)を参照しうる。ドラメクチンでは、「獣医の寄生虫学(Veterinary Parasitology)」(vol. 49、No. 1、1993年6月、5-15)を特に参考にすることができる。ミルベマイシンでは、とりわけ、Davies H.G.ら(1986)、「エバーメクチンとミルベマイシン」(Nat. Prod. Rep., 3, 87-121、Mrozik H.ら(1983)、「エバーメクチンからミルベマイシンの合成」(Tetrahedron Lett., 24, 5333-5336)、米国特許第4,134,973号及びEP677,054を参照しうる。
【0089】
大環状ラクトンは天然産物又はその半合成誘導体である。エバーメクチン及びミルベマイシンの構造は非常に関連しており、例えば、複雑な16員大環状ラクトン環を共有し;ミルベマイシンはエバーメクチンのグリコシド部分を欠いている。天然産物エバーメクチンは、Albers-Schonbergらに対する米国特許第4,310,519号で開示され、22,23-ジヒドロエバーメクチン化合物は、Chabalaらの米国特許第4,199,569号で開示されている。とりわけ、Kitanoの米国特許第4,468,390号、Beuvryらの米国特許第5,824,653号、欧州特許出願0007812A1(1980年6月2日公開)、英国特許明細書1390336(1975年4月9日公開)、欧州特許出願0002916A2、及びAncareニュージーランド特許第237086号をも参照しうる。天然に存在するミルベマイシンは、Aokiらの米国特許第3,950,360号並びに「The Merck Index」(第12版、S. Budavari編、Merck & Co., Inc. Whitehouse Station, New Jersey (1996))で引用されている種々の参考文献に記載されている。ラチデクチンは、「医薬品国際一般的名称(International Nonproprietary Names for Pharmaceutical Substances)(INN)」(WHO Drug Information, vol. 17, no. 4, pp. 263-286, (2003))に記載されている。これらの分類の化合物の半合成誘導体は技術上周知であり、例えば、米国特許第5,077,308号、米国特許第4,859,657号、米国特許第4,963,582号、米国特許第4,855,317号、米国特許第4,871,719号、米国特許第4,874,749号、米国特許第4,427,663号、米国特許第4,310,519号、米国特許第4,199,569号、米国特許第5,055,596号、米国特許第4,973,711号、米国特許第4,978,677号、米国特許第4,920,148号及びEP 667,054号に記載されている。
上記各実施形態では、条虫駆除剤(cestodal agent)を添加してよく、限定するものではないが、プラジカンテル(praziquantel)、ピランテル(pyrantel)、エスピランテル(espirantel)、ニクロスアミド(niclosamide)、メベンダゾール(mebendazole)、アルベンダゾール(albendazole)、トリクラベンダゾール(triclabendazole)、メトリホナート(metrifonate)、オキサムニキン(oxamniquine)及びモランテル(morantel)が挙げられる。本発明の一実施形態では、少なくとも1つの追加の大環状ラクトン及び/又は条虫駆除剤を組成物に添加し、大環状ラクトンがエプリノメクチンであり、条虫駆除剤がプラジカンテルである。
上記各実施形態では、ニトログアニジン又はピリジルメチルアミン殺虫剤を添加してよい。これらの殺虫剤としては、限定するものではないが、クロチアニジン(clothiandin)、ジノテフラン(dinotefuran)、イミダクロプリド(imidacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、アセタミプリド(acetamiprid)、ニテピラム(nitepyram)及びチアクロプリド(thiacloprid)が挙げられる。
【0090】
適用できる場合、1-N-フェニルピラゾール及びマクロライドラクトンの医薬的に許容しうる酸塩又は塩基塩を本明細書で提供することをも想定する。用語「酸」は、全ての医薬的に許容しうる無機又は有機酸を想定する。無機酸としては、鉱酸、例えば塩酸、ハロゲン化水素酸、例えば臭化水素酸及び塩酸、硫酸、リン酸及び硝酸が挙げられる。有機酸には、全ての医薬的に許容しうる脂肪族、脂環式及び芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸及び脂肪酸が含まれる。好ましい酸は、任意にハロゲン又はヒドロキシル基で置換されていてもよい直鎖又は分岐の飽和又は不飽和C1-C20脂肪族カルボン酸、又はC6-C12芳香族カルボン酸である。該酸の例は、炭酸、ギ酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、吉草酸、α-ヒドロキシ酸、例えばグリコール酸及び乳酸、クロロ酢酸、安息香酸、メタンスルホン酸、及びサリチル酸である。ジカルボン酸の例として、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸及びマレイン酸が挙げられる。トリカルボン酸の例はクエン酸である。脂肪酸には、全ての医薬的又は獣医学的に許容しうる、4〜24個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族又は芳香族カルボン酸が含まれる。例として、酪酸、イソ酪酸、sec-酪酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及びフェニルステリン酸(phenylsteric acid)が挙げられる。他の酸としてはグルコン酸、グリコヘプトン酸及びラクトビオン酸が挙げられる。
用語「塩基」は全ての医薬的又は獣医学的に許容しうる無機又は有機塩基を想定する。該塩基として、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム又はカルシウム塩が挙げられる。有機塩基には通常のヒドロカルビル及びヘテロ環式アミン塩が含まれ、例えば、モルフォリン及びピペリジン塩が挙げられる。
【0091】
本発明の主題は、本発明の組成物を用いて、哺乳類及び鳥類、特にイヌ及びネコの寄生虫を排除する方法でもある。
本発明の一実施形態では、本発明の直接ポアオン皮膚製剤は、動物の背中、好ましくは1つ以上の点で背中のラインに沿って溶液を適用すると、持続性かつ広範の効力を得ることができる。
直接ポアオン製剤を投与するための第一実施形態によれば、本方法は、牧場内の動物に及び/又は動物が牧場に到着する前の動物に溶液を適用することにあり、好ましくは毎月、好ましくは二ヶ月毎に適用を繰返す。
直接ポアオン製剤を投与するための第二実施形態によれば、本方法は、家畜が「飼養用地」に到着する前の家畜に溶液を適用することにあり、この適用が動物を屠殺する前の最後の1回でありうる。
明らかに、本方法は、これらの2つの実施形態を併用すること、すなわち第一実施形態の後に第二実施形態を行うことにあってもよい。
それ自体既知のいずれの手段を用いて本発明の溶液を適用してもよいが、好ましくはアプリケーターガン又は計量フラスコを使用する。
この方法は、動物の上にいる寄生虫のみならず、その残渣及び糞便をも排除することによって、動物の皮膚及び毛をきれいにするのに役立つ。この結果は、動物がもはや寄生虫及びそれらの噛み付きによってステレスを感じないことであり、これは例えば動物自体の成長及び食糧供給の用途に正の結果をもたらす。
【0092】
本発明の別の実施形態では、本発明のスポットオン製剤の適用も、溶液を哺乳類又は鳥類に適用すると、持続性かつ広範の効力を得ることができる。
スポットオン製剤の投与は、時間が断続的であってよく、毎日、毎週、二週間毎、毎月、二ヶ月毎、三ヶ月毎に投与してよく、又はさらに長い持続時間でさえよい。処理間の時間は、処理する寄生虫、感染症の程度、哺乳類又は鳥類のタイプ及び哺乳類又は鳥類が住んでいる環境などの因子によって決まる。特定の状況に特有の投与期間を決めることは、十分に実務家のスキルレベル内である。この発明は、動物が強い寄生虫の圧力を受ける環境内で寄生虫と永久に闘うための方法を想定し、この場合、投与は毎日の投与より少ない頻度である。例えば、イヌ及びネコについては、本発明の処理を毎月行うのが好ましい。
スポットオン製剤の投与は、存在する寄生虫及び寄生虫の排泄物と糞尿の除去によって動物の外被及び皮膚をきれいにする方法をも提供する。このように処理した動物は、目を楽しませてくれ、かつ触るのが心地よい外被を示す。
いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、本発明のスポットオン製剤は、宿主の皮膚、毛皮又は羽毛の天然油中に溶解している用量によって働くと考えられる。そこから、皮膚の皮脂腺を通じて宿主の体じゅうに治療薬が分布する。皮脂腺内にも治療薬が残る。このように、皮脂腺が、治療薬が徐々に濾胞へ流出して治療薬自体を皮膚及び毛に再び適用できるようにする治療薬の天然のレザバーを与える。このため、雨、沐浴などのために宿主が湿っぽくなった後にも用量を再び投与する必要がないのみならず、長期間の適用間隔をもたらす。さらに、本発明の製剤は、皮膚又は毛皮に直接沈着しないため、動物に毛繕いさせることにおいてさらに有利である。皮膚又は毛皮に直接沈着すると、動物が該治療薬を経口摂取することによって、病気になるか又は経口投与している他の治療薬と相互作用する可能性がある。
【0093】
他の投与経路には、ペースト製剤、経口水薬製剤、チュアブル製剤、経皮若しくは経粘膜パッチ又は液体、ゲル又はペースト、吸入用溶液及び注射製剤が含まれる。
別の好ましい実施形態では、本発明は、小型哺乳類、特にイヌ及びネコのノミと闘うための組成物であって、前記動物に許容性のビヒクル中、ノミ及び虫について寄生虫に有効な量及び割合で、上記定義どおりの式(I)の少なくとも1種の化合物(A)と、少なくとも1種のエンデクトシダル(endectocidal)化合物(B)とを含むことを特徴とする組成物を提供する。
特に予防のため、公知の方法で化合物(A)及び(B)を連続して投与することができる。一般的に、体重1kg当たり約0.001〜約10mgの用量を単一用量としてか又は分割用量で1〜5日間投与すれば十分であるが、当然、より多いか少ない薬用量範囲が指示される場合もあり、このことは本発明の範囲内である。特有の宿主及び寄生虫のための特定の投与計画を決定することは、十分に実務家の日常的スキル内である。
好ましくは、実質的に液体の担体中に化合物(A)及び(B)を含む単一製剤を、単回適用、又は少ない回数の反復適用を可能にする形態で、動物の非常に局所的、好ましくは2つの肩間の領域にわたって動物に投与する。顕著なことに、該製剤は、標的とする外部寄生虫及び標的とする内部寄生虫の両方に対して非常に有効であることを発見した。
好ましくは、特に直接局所投与する場合、宿主に単一の機会で、約0.001〜約100mg/kgの誘導体(A)と、約0.1〜約2000μg/kg、さらに好ましくは1000μg/kgのタイプ(B)の化合物を含有する用量を投与するように治療を行う。
鳥類及び小型動物のための化合物(A)の量は好ましくは約0.01mgより多く、特に好ましい方法では約1〜約50mg/kgである。
用量中の有効量は、化合物(A)では、好ましくは約0.001、優先的には約0.1〜約100mgであり、特に好ましい方法では約1〜約50mg/kg(動物の体重)であり、量を増やすと、動物の体の中及び上に非常に長期間放出される。
用量中の化合物(B)の有効量は、好ましくは約0.1μg、優先的には約1μg〜約10mgであり、特に好ましい方法では約5〜約200μg/kg(動物の体重)である。特に好ましくは約0.1〜約10mg/kg(動物の体重)の用量であり、約0.5〜6mg/kgが最も特に好ましい。
化合物(A)と化合物(B)の質量比は、好ましくは約5/1〜約10,000/1である。
本発明の別の実施形態では下記式(II)の新規イベルメクチン誘導体化合物を提供する。
【0094】
【化29】

【0095】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、アルキル又はフェニルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アルキルアルコキシ、アリール、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケノイル、アルキノイル、又はアロイルである。)
本発明の別の実施形態では、下記式(II)の化合物を提供する。
【0096】
【化30】

【0097】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C8アルキル、C1-C8アシル、又はC1-C8アルキルアルコキシである。)
本発明の別の実施形態では、下記式(II)の化合物を提供する。
【0098】
【化31】

【0099】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである。)
本発明の別の実施形態では、下記式(II)の化合物を提供する。
【0100】
【化32】

【0101】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである。)
本発明の別の実施形態では、下記式(IIa)の化合物を提供する。
【0102】
【化33】

【0103】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、C1-C4アルキル又はフェニルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アルキルアルコキシ、アリール、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケノイル、アルキノイル、又はアロイルである。)
本発明の別の実施形態では、下記式(IIa)の化合物を提供する。
【0104】
【化34】

【0105】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C8アルキル、C1-C8アシル、又はC1-C8アルキルアルコキシである)、
(C)医薬的に許容しうる担体。
本発明の別の実施形態では、下記式(IIa)の化合物を提供する。
【0106】
【化35】

【0107】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである)
(C)医薬的に許容しうる担体。
式(IIa)の化合物についての本発明の別の実施形態では、下記式(III)を有する化合物を提供する。
【0108】
【化36】

【0109】
(式中、
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表す。)
本発明の別の実施形態では、下記式(IIb)の化合物を提供する。
【0110】
【化37】

【0111】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、C1-C4アルキル又はフェニルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アルキルアルコキシ、アリール、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケノイル、アルキノイル、又はアロイルである。)
本発明の別の実施形態では、下記式(IIb)の化合物を提供する。
【0112】
【化38】

【0113】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C8アルキル、C1-C8アシル、又はC1-C8アルキルアルコキシである。)
本発明の別の実施形態では、下記式(IIb)の化合物を提供する。
【0114】
【化39】

【0115】
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである。)
式(IIb)の化合物についての本発明の別の実施形態では、下記式(IV)を有する化合物を提供する。
【0116】
【化40】

【0117】
(式中、
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表す。)
【0118】
本発明の別の実施形態は、本発明の新規イベルメクチン誘導体の製造方法である。イベルメクチンは、2つの同族化合物である下記式B1a及びB1b形の混合物である。
【0119】
【化41】

【0120】
(B1a=Z=CH2CH3
B1b=Z=CH3
【0121】
本発明の新規イベルメクチン誘導体化合物の製造方法は以下の工程を含む。
(a)イベルメクチンのC-13位で二糖を開裂してC-13に-OHをもたらす工程;
(b)C-5、C-7及びC-13の-OH基を保護する工程;
(c)C-13の保護された-OH基を選択的に脱保護する工程;
(d)この脱保護された-OHをアルキル化して、成分-(CH2)s(OCH2)tO-アルキル又は-(CH2)s(OCH2CH2)uO-アルキル(ここで、s、t及びuは前記定義どおりである)を形成する工程;
(e)工程(d)で形成された生成物を精製する工程;
(f)C-7及びC-13の保護された-OH基を脱保護し、結果として生じた化合物を精製する工程;及び
(g)必要に応じて、以下の追加工程(i)〜(iii)の1つを行う工程:
(i)C-5の-OHをアルキル化する工程;
(ii)C-5の-OHを酸化して5-オキソ化合物を形成する工程;
(iii)C-5の-OHを酸化して5-オキソ化合物を形成し、かつ必要に応じてさらに該5-オキソ化合物をヒドロキシルアミンと反応させて5-オキシム化合物を形成し、さらに必要に応じて該オキシム部分の-OHをアルキル化する工程。
【0122】
本発明の新規イベルメクチン誘導体の製造方法についての本発明の別の実施形態では、本方法は以下の工程を含む。
(a)酸触媒加水分解によってイベルメクチンのC-13位で二糖を開裂してC-13に-OHをもたらす工程;
(b)C-5、C-7及びC-13の-OH基を、これらの-OH基をt-ブチルジメチルシリルクロリド(TBDMS)と反応させる第1の保護工程後、このTBDMS保護ヒドロキシル基をトリメチルシリルクロリド(TMS)と反応させる第2の保護工程によって保護して、C-7及びC-13のTMS保護ヒドロキシル及びC-5のTBDMS保護ヒドロキシルを得る工程;
(c)ジクロロ酢酸との反応によって、C-13のTMS保護ヒドロキシル基を選択的に脱保護する工程;
(d)この脱保護された-OHを2-メトキシエトキシメチルクロリド(MEMクロリド)でアルキル化して成分-CH2-OCH2CH2-O-CH3を形成する工程;
(e)工程(d)から形成された生成物を結晶化によって精製する工程;及び
(f)C-7及びC-13の保護された-OH基を脱保護し、結果として生じた化合物を結晶化によって精製する工程。
【0123】
二糖の開裂は、当業者に周知のいずれの手段によっても、例えば酸又は塩基触媒加水分解/ソルボリシスによって引き起こすことができる。ヒドロキシル基の選択的保護に適した保護基の選択は技術上周知であり(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、第2章−「1,2-及び1,3-ジオールを含めたヒドロキシル基の保護(Protection for the Hydroxyl Group, Including 1,2- and 1,3-Diols)」、Green及びWuts、John Wiley and Sons、17〜245ページ(1999)参照)、当業者は容易に実施可能である。HPLC、結晶化などの技術上周知のいずれの手段によっても精製を達成することができる。その内容を参照によって本明細書に引用したものとする米国特許第5,015,630号に記載の技術を利用して任意工程(i)〜(iii)を行うことができる。
非限定例として与える以下の説明を読めベ、本発明の他の利点及び特徴が明白になるだろう。
【実施例】
【0124】
実施例1:イベルメクチンのMEM誘導体を製造するための合成手順
イベルメクチンのMEM誘導体は下記式
【0125】
【化42】

【0126】
(式中、B1a形ではR16=-CH2CH3、B1b形ではR15=-CH3
を有する。
イベルメクチンのMEM誘導体を合成するため、1%酸溶液を用いる酸ソルボリシスによってイベルメクチンのC-13位で二糖部分を開裂させて、イベルメクチンアグリコンへの開裂を達成する。次にC-5、C-7及びC-13の-OH基をt-ブチルジメチルシリルクロリド(TBDMS)で保護してから引き続きトリメチルシリルクロリド(TMS)で保護して7,13-ビス-O-TMS-5-O-TBDMSイベルメクチンアグリコンを得る。
この7,13-ビス-O-TMS-5-O-TBDMSイベルメクチンアグリコンを次にジクロロ酢酸を用いて選択的に脱保護して7-O-TMS-5-O-TBDMSイベルメクチンアグリコンを得る。このアグリコンを次に2-メトキシエトキシメチルクロリド(MEMクロリド)でアルキル化し、引き続き結晶化によって精製して13-MEM-7-O-TMS-5-O-TBDMSイベルメクチンアグリコンを得る。 この13-MEM-7-O-TMS-5-O-TBDMSイベルメクチンアグリコンを脱保護して残存シリル基を除去し、イソプロパノールからの結晶化によって精製して、イベルメクチンのMEM誘導体のイソプロパノール溶媒和物を生成する。結果として約65%の全体収率でイベルメクチンのMEM誘導体が得られる。
イベルメクチンMEM誘導体を製造するための合成手順は、当業者に周知である。例えば、その内容全体を参照によって本明細書に引用したものとするCvetovich et al, J. Org. Chem. 62: 3989 - 3993 (1997)を参照されたい。
【0127】
実施例2:ノミに対するイベルメクチンのMEM誘導体の効力
2種のイベルメクチン誘導体(式(III)及び式(IV))を雄イヌ上のノミに対するその効力について試験した。種々の血統及び9.3〜21.6kgの体重の20匹の雌イヌと16匹の雄イヌを用いてノミに対する式(III)及び式(IV)の化合物の効力を示した。処理前(日0)のノミ数に基づいた制約付きランダム化による処理にイヌを割り当てた。処理は、ビヒクル対照、15又は25mg/kgの用量を与えるため1ml/kgで局所適用される1.5%又は2.5%溶液中の式(III)の化合物、10又は15mg/kgの用量を与えるため1ml/kgで局所適用される1%又は1.5%溶液中の式(IV)の化合物だった。ケージ又は屋内囲い内でイヌを個別に飼育した。日-1、13、20及び27に100匹のノミ(Ctenocephalides felis)を各イヌに感染させた。日0、1、2、3、14、15、16、21、22、23、28、29、30及び31に、イヌの毛を手で分けて観察される生きているノミの数を数えることによって、ノミカウントを行った(いわゆる「親指カウント」)。日31の親指カウント後、各イヌの毛を徹底的に櫛で梳いて、櫛で拾い上げられた生きているノミの数を記録した(「櫛カウント」)。
15mg/kgの式(III)の化合物又は式(IV)の化合物で処理したイヌのノミカウントは、日1を除く全ての処理後カウント日で対照カンウントより有意に(p<0.05)低かった。25mg/kgの式(III)の化合物と15mg/kgの式(IV)の化合物との間には如何なる有意な差異もなかった。15mg/kgの式(III)の化合物で処理した群は、日1、22、23及び31のノミカウント(櫛カウント)が10mg/kgの式(IV)の化合物で処理した群より有意に(p<0.05)高く、日30及び31のノミカウント(親指カウント)が15mg/kgの式(IV)の化合物で処理した群より有意に(p<0.05)高かった。日31の櫛カウントに基づく対照からの減少割合は、15mg/kgの式(III)の化合物の46.9%から10mg/kgの式(IV)の化合物の89.1%の範囲だった。
【0128】
実施例3:疥癬に対するイベルメクチンのMEM誘導体の効力
2種のイベルメクチン誘導体(式(III)及び式(IV))を雄イヌの疥癬に対するその効力について試験した。推定年齢が3ヶ月〜7年、かつ自然にイヌセンコウヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei var canis)が感染している体重が2.9〜20.0kgの23匹の雑種イヌと1匹のヒーラー(Heeler)(オーストラリアの牧畜犬)を用いて複数点適用システムに従って局所適用した式(III)及び式(IV)の化合物の効力を比較した。12匹の雄イヌと12匹の雌イヌがいた。
イヌを個別に犬小屋で飼った。動物の利用能とダニカウントに基づいて4匹のイヌの反復実験を形成し;反復実験内では、イヌをランダムにビヒクル処理(L-930,870)群又は用量体積1ml/kgにて式(III)の化合物を15mg/kg(体重)で受けるか又は式IVの化合物を10mg/kg若しくは15mg/kgで受ける群に割り当てた。調査者には処理コードが見えないようにした。全ての処理を日0に局所適用した。ダニの数を日-1又は0、7、14、28、42、及び56に評価した。
試験の間じゅう、ビヒクル処理群の6匹の動物のうち4匹からダニを回収した。日28及びその後、式(III)の化合物で15mg/kgにて処理した6匹のイヌのいずれにもダニが見られなかった。式(III)の化合物又は式(IV)の化合物で処理したイヌでは、各処理後観察時間で対照イヌより、生きているダニが有意に(p<0.05)少なかった。
【0129】
実施例4:鈎虫及び回虫に対するイベルメクチンのMEM誘導体の効力
イヌの鈎虫及び回虫感染に対する局所使用について15mgの式(III)の化合物/kg(体重)並びに10mg及び15mgの式(IV)の化合物/kg(体重)の活性を比較するための研究を行った。イヌ回虫(Toxocara canis)の800個の仮性(larvated)卵及びイヌ鈎虫(Ancylostoma caninum)の150匹の幼虫を日-47に経口投与することによって13匹の雄及び11匹の雌のビーグル子イヌを感染させた。子イヌは15〜16週齢で、体重が4.1〜5.8kgだった。両寄生虫の感染が開存性になった後、それぞれ日-1の回虫の糞便の卵数/gに基づいて4匹の子イヌの6つの反復実験に子イヌを割り当てた。反復実験内では、4つのコード化処理群(1〜4)の1つに子イヌをランダムに割り当てた。処理は以下のとおりだった。
1)ビヒクル対照、1ml/kg(体重);
2)式(III)の化合物、1.5%溶液、1ml/kg、15mg/kg(体重);
3)式(IV)の化合物、1.0%溶液、1ml/kg、10mg/kg(体重);及び
4)式(IV)の化合物、1.5%溶液、1ml/kg、15mg/kg(体重)。
調査者はどの製剤をどのコードに割り当てたかを知らなかった。
日0に、イヌの背中に沿って首の真中と尾の付け根との間に均等に5つの離れた各スポットで皮膚に適用する薬物溶液の総体積の約1/5を1回、試験化合物を局所投与した。処理後24及び48時間に毛の剛さの程度を格付け各付けした。日-5、6、12、及び24時間;並びに処理後2、3、7及び14日に各イヌから、血漿の回収用血液サンプルを採取した。検死時(日14)に各イヌの3つの部位から毛、皮膚スワブ、及び皮膚サンプルを採取した。
全6匹のビヒクル対照子イヌは、成熟したイヌ鈎虫を有した(幾何平均=81.1匹の虫)。15mg/kgの式(III)の化合物は6匹のうち3匹の子イヌの鈎虫を取り除き、対照の鈎虫負担に比べて97.5%だけ鈎虫負担を減らした(p<0.05)。各投与計画(10及び15mg/kg)の式(IV)の化合物は6匹のうち5匹の子イヌの鈎虫を取り除き、対照の鈎虫負担に比べて、それぞれ99.4%及び99.8%だけ鈎虫負担を減らした(p<0.05)。
6匹の対照のうち5匹が検死時にイヌ回虫を有した(幾何平均=4.4匹の虫)。処理子イヌのいずれからも回虫が回収されなかった。イヌ回虫に対する3回の局所適用製剤の各効力は対照に比べて100%だった(p<0.05)。
【0130】
実施例5:マダニ及びノミに対するイヌの併用療法の効力試験
本発明の組成物の効力を試験するため、フィプロニルの10%溶液と共にイベルメクチンのMEM誘導体(式(III)の化合物)の5%又は10%溶液を含むスポットオン組成物を調製し、1研究当たり6匹のイヌの群に投与した。週1回の頻度でマダニ(Rhipicephalus sanguineus)及びノミ(Ctenocephalides felis)の感染について効力を測定し、10%のフィプロニルのみを含む組成物を用いた同試験と比較した。
【0131】
表1−イヌのマダニに対する効力のデータ

【0132】
表から分かるように、本発明のスポットオン組成物のマダニに対する活性は、フィプロニル10%のみよりマダニに対してずっと大きい初期効力を示す。さらに、本発明のスポットオン組成物のマダニに対するこの改善された活性は、30日点を超えても少なくとも2週間見られる。
表1のデータの観察のみに基づく日9〜日30の効力には限界差異のみが存在するようであるが、これらの試験では、完全にマダニがいなくなったイヌの数が大いに変化したことに気づく。図2では、本発明のスポットオン組成物が日16〜日44にフィプロニル10%のみを含む組成物に比べてマダニのいないイヌを維持するのにずっとうまくいったことが分かる。それ自体、本発明の組成物はフィプロニル10%のみを含む組成物よりずっと1ヶ月に1回の投与計画に適している。
同様に、マダニに対してあまり顕著でないが、本発明のスポットオン製剤は、30日点後の期間に特にノミに対して高い効力を示したが(図3参照)、フィプロニル10%のみの組成物に比し、ノミが完全にいないイヌを維持するためにずっと高い効力を示した(図4)。
【0133】
実施例6:ネコでのノミに対する効力試験
本発明の組成物の効力を試験するため、フィプロニルの10%溶液と共にイベルメクチンのMEM誘導体(式(III)の化合物)の5%又は10%溶液を含むスポットオン組成物を調製し、1研究当たり6匹のネコの群に投与した。週1回の頻度でノミ(Ctenocephalides felis)の感染について効力を測定し、10%のフィプロニルのみを含む組成物を用いた同試験と比較した。
【0134】
表2−ネコのノミに対する効力のデータ

【0135】
イヌで見られた効果と同様に、本発明のスポットオン組成物の30日点以降のネコのノミに対する効力は、フィプロニル10%のみの組成物より改善されている。30日点前の効力には限界差異があるが、本発明のスポットオン組成物は、完全にマダニがいないネコを維持する際に非常に改善された効力を示す。29日にわたって、5つの測定データを測定すると、本発明のスポットオン組成物で処理した場合には完全にノミがいないネコの総数の平均が5.0であったが(25匹のネコ/5つの測定データ)、フィプロニル10%のみで処理した場合には完全にノミがいないネコの総数の平均が3.0であった(15匹のネコ/5つの測定データ)。
【0136】
本発明の上記説明は例示であり、限定でないことを意図する。当業者は、本明細書で述べた実施形態の種々の変更又は修正に気づくだろう。本発明の範囲及び精神から逸脱することなくこれらの変更又は修正を加えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(II)
【化1】

(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、アルキル又はフェニルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アルキルアルコキシ、アリール、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケノイル、アルキノイル、又はアロイルである)
の化合物。
【請求項2】
式(II)中、
R14が、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yが、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15が、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16が、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zが、C1-C8アルキル、C1-C8アシル、又はC1-C8アルキルアルコキシである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(II)中、
R14が、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yが、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15が、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16が、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zが、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式(II)中、
R14が、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yが、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15が、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16が、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zが、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
下記式(IIa)
【化2】

(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、C1-C4アルキル又はフェニルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アルキルアルコキシ、アリール、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケノイル、アルキノイル、又はアロイルである)
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記式(IIa)
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C8アルキル、C1-C8アシル、又はC1-C8アルキルアルコキシである)
(C)医薬的に許容しうる担体
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
前記式(IIa)
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである)
(C)医薬的に許容しうる担体
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
下記式(III)
【化3】

(式中、
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表す)
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
下記式(IIb)
【化4】

(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、C1-C4アルキル又はフェニルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アルキルアルコキシ、アリール、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケノイル、アルキノイル、又はアロイルである)
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記式(IIb)
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1又は2である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C8アルキル、C1-C8アシル、又はC1-C8アルキルアルコキシである)
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
前記式(IIb)
(式中、
R14は、-(CH2)s-O-Zを表し(ここで、sは1である);
Yは、-CH(OR15)-、-C(=O)-又は-C(=NOR15)を表し;
R15は、水素、又はC1-C8アルキルを表し;かつ
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表し;
Zは、C1-C4アルキル、C1-C4アシル、又はC1-C4アルキルアルコキシである)
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
下記式(IV)
【化5】

(式中、
R16は、-CH3又は-CH2CH3を表す)
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物であって、
医薬的に有効量の請求項1に記載の化合物と、
医薬的に有効量の下記式(I)
【化6】

(式中、
R1は、ハロゲン、CN又はアルキルであり;
R2は、S(O)nR3、4,5-ジシアノイミダゾール-2-イル又はハロアルキルであり;
R3は、アルキル又はハロアルキルであり;
R4は、水素、ハロゲン、NR5R6、S(O)mR7、C(O)R7、C(O)OR7、アルキル、ハロアルキル、OR8基又は-N=C(R9)(R10)基を表し;
R5及びR6は、独立に水素、アルキル、ハロアルキル、C(O)アルキル、S(O)rCF3、アルコキシカルボニルを表し;又は
R5とR6が一緒に二価アルキレン基(任意に1又は2個の二価ヘテロ原子で中断されていてもよい)を形成していてもよく;
R7は、アルキル又はハロアルキルを表し;
R8は、アルキル、ハロアルキル又は水素を表し;
R9は、アルキル又は水素を表し;
R10は、任意に置換されていてもよいアリール又は任意に置換されていてもよいヘテロアリール基を表し;
R11及びR12は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CN又はNO2を表し;
R13は、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、S(O)qCF3又はSF5を表し;
m、n、q及びrは、それぞれ独立に、0、1又は2に等しい整数を表し;
Xは、三価窒素原子又はC-R12基(該炭素原子の3つの他の原子価が芳香環の部分を形成する)を表す)
の少なくとも1種の化合物と、
医薬的に許容しうる担体とを含む組成物。
【請求項14】
式(I)中、
R1が、ハロゲン、CN又はC1-C8アルキルであり;
R2が、S(O)nR3又はC1-C8ハロアルキルであり;
R3が、C1-C8アルキル又はC1-C8ハロアルキルであり;
R4が、水素、ハロゲン、NR5R6、S(O)mR7、C(O)R7、C(O)OR7、C1-C8アルキル、C1-C8ハロアルキル、OR8基を表し;
R5及びR6が、独立に水素、C1-C8アルキル、C(O)アルキルを表し;又は
R7が、C1-C8アルキル又はC1-C8ハロアルキルを表し;
R8が、C1-C8アルキル、C1-C8ハロアルキル又は水素を表し;
R11及びR12が、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CN又はNO2を表し;
R13が、ハロゲン、C1-C8ハロアルキル、C1-C8ハロアルコキシ、S(O)qCF3又はSF5を表し;
m、n、q及びrが、それぞれ独立に、0、1又は2に等しい整数を表し;かつ
Xが、三価窒素原子又はC-R12基(該炭素原子の3つの他の原子価が芳香環の部分を形成する)を表す、
請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
式(I)中、
R1が、ハロゲン、CN又はC1-C4アルキルであり;
R2が、S(O)nR3又はC1-C4ハロアルキルであり;
R3が、C1-C4アルキル又はC1-C4ハロアルキルであり;
R4が、水素、フッ素、塩素、臭素、NR5R6、S(O)mR7、C(O)R7、C(O)OR7、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、OR8基を表し;
R5及びR6が、独立に水素、C1-C4アルキル、C(O)アルキルを表し;又は
R7が、C1-C4アルキル又はC1-C4ハロアルキルを表し;
R8が、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル又は水素を表し;
R11及びR12が、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、CN又はNO2を表し;
R13が、ハロゲン、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、S(O)qCF3又はSF5を表し;
m、n、q及びrが、それぞれ独立に、0、1又は2に等しい整数を表し;かつ
Xが、三価窒素原子又はC-R12基(該炭素原子の3つの他の原子価が芳香環の部分を形成する)を表す、
請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
式(I)中、
R1が、CNであり;
R2が、S(O)nR3であり;
R3が、CF3であり;
R4が、NR5R6を表し;
R5及びR6が、独立に水素を表し;
R11及びR12が、Clを表し;
R13が、CF3を表し;
nが、1であり;かつ
Xが、C-R12を表す、
請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物であって、
医薬的に有効量の請求項8に記載の化合物と、
医薬的に有効量の下記式(I)の少なくとも1種の化合物
【化7】

(式中、
R1は、CNであり;
R2は、S(O)nR3であり;
R3は、CF3であり;
R4は、NR5R6を表し;
R5及びR6は、独立に水素を表し;
R11及びR12は、Clを表し;
R13は、CF3を表し;
nは、1であり;かつ
Xは、C-R12を表す)
の少なくとも1種の化合物とを含む組成物。
【請求項18】
鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防用組成物であって、
医薬的に有効量の請求項12に記載の化合物と、
医薬的に有効量の下記式(I)
【化8】

(式中、
R1は、CNであり;
R2は、S(O)nR3であり;
R3は、CF3であり;
R4は、NR5R6を表し;
R5及びR6は、独立に水素を表し;
R11及びR12は、Clを表し;
R13は、CF3を表し;
nは、1であり;かつ
Xは、C-R12を表す)
の少なくとも1種の化合物とを含む組成物。
【請求項19】
少なくとも1種の追加の大環状ラクトン化合物をさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項20】
条虫駆除剤をさらに含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記1種の追加の大環状ラクトン化合物がエプリノメクチンであり、条虫駆除剤がプラジカンテルである、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
ニトログアニジン又はピリジルメチルアミン殺虫剤をさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項23】
前記ニトログアニジン又はピリジルメチルアミン殺虫剤がイミダクロプリドである、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
医薬的に有効量の請求項13に記載の組成物を投与する工程を含む、鳥類又は哺乳類の寄生虫感染症の治療又は予防方法。
【請求項25】
前記組成物が、調製済み製剤、ポアオン製剤、スポットオン製剤、ペースト製剤、経口水薬製剤、経皮若しくは経粘膜製剤、チュアブル製剤及び注射製剤から成る群より選択される形態である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記哺乳類がイヌ又はネコである、請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−526065(P2010−526065A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506160(P2010−506160)
【出願日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/010611
【国際公開番号】WO2008/136791
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(304040692)メリアル リミテッド (73)
【Fターム(参考)】