説明

C型ナトリウム利尿ペプチドの変異体

本開示は、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)の変異体、CNP変異体を含む医薬組成物、およびCNP変異体を作製する方法を提供する。CNP変異体は、骨格異形成症(例えば、軟骨無形成症)などの骨関連障害ならびに血管平滑筋障害(例えば、再狭窄およびアテローム動脈硬化症)を含むが、これらに限定されない、CNPに対して反応性を示す疾患の治療のための治療薬として有用である。本開示は、骨関連障害および血管平滑筋障害の治療に有用であるC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)の変異体に関する。本開示は、CNPの機能性を保持すると同時に、例えば、中性エンドペプチダーゼ(NEP)に結合する能力の低下、NEPによるタンパク質分解に対するより大きい抵抗性および/またはクリアランスナトリウム利尿ペプチド受容体C(NPR−C)に対する親和性の低下の結果としての長い血清半減期を有するCNP変異体を含む。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

からなる群から選択されるC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)の変異体。
【請求項2】
CNP変異体および薬学的に許容される賦形剤、キャリアまたは希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項3】
凍結乾燥製剤である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記凍結乾燥製剤を、約4から約6までのpHを有する緩衝液を含む製剤から調製する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記緩衝液がクエン酸/クエン酸塩緩衝液または酢酸/酢酸塩緩衝液である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記凍結乾燥製剤を、等張性調節剤および/または増量剤をさらに含む製剤から調製する、請求項4または5に記載の組成物。
【請求項7】
前記等張性調節剤および/または前記増量剤がマンニトール、スクロース、ソルビトールおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記凍結乾燥製剤を、抗酸化剤をさらに含む製剤から調製する、請求項4から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記抗酸化剤がメチオニン、アスコルビン酸、アスコルビン酸の塩の形態、チオグリセロールおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記CNP変異体が請求項1に記載のCNP変異体である、請求項2から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
骨関節症、低リン酸血症性くる病、軟骨無形成症、低軟骨形成症、低身長、低身長症、骨軟骨異形成症、致死性異形成症、骨形成不全症、軟骨無発生症、点状軟骨異形成症、ホモ接合性軟骨無形成症、点状軟骨異形成症、弯曲肢異形成症、先天性致死性低リン酸血症、周生期致死型骨形成不全症、短肋骨多指症候群、低軟骨形成症、近節短縮型点状軟骨異形成症、ジャンセン型骨幹端異形成症、先天性脊椎骨端異形成症、骨形成不全症、捻曲性骨異形成症、先天性大腿骨短縮症、ランガー型中間肢異形成症、ニーバーゲルト型中間肢異形成症、ロビノウ症候群、ラインハルド症候群、先端異骨症、末梢性骨形成不全症、クニースト異形成症、線維軟骨形成、ロバーツ症候群、遠位中間肢異形成症、小肢症、モルキオ症候群、クニースト症候群、変容性骨異形成症および脊椎骨端骨幹端異形成症からなる群から選択される骨関連障害または骨格異形成症の治療で使用するための請求項1に記載のCNP変異体または請求項2から10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記骨関連障害または骨格異形成症が軟骨無形成症である、請求項11に記載のCNP変異体または医薬組成物。
【請求項13】
高血圧、再狭窄、アテローム動脈硬化症、急性非代償性心不全、鬱血性心不全、心臓浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫、急性腎不全および慢性腎不全からなる群から選択される血管平滑筋障害の治療で使用するための請求項1に記載のCNP変異体または請求項2から10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
切断可能なペプチドもしくはタンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドに連結されたCNP変異体ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドを含む宿主細胞を、該第1および該第2のポリヌクレオチドによりコードされる融合ポリペプチドの発現をもたらす条件下で培地で培養するステップを含み、該融合ポリペプチドが該切断可能なペプチドもしくはタンパク質に直接的に連結された、またはリンカーを介して該切断可能なペプチドもしくはタンパク質に間接的に連結された該CNP変異体ポリペプチドを含む、CNP変異体の組換え産生の方法。
【請求項15】
前記宿主細胞が、前記切断可能なペプチドもしくはタンパク質をコードする前記第2のポリヌクレオチドに連結された前記CNP変異体ポリペプチドをコードする前記第1のポリヌクレオチドを含む発現ベクターにより形質転換されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)誘導ベクターを用いて、前記融合ポリペプチドをコードする前記第1および前記第2のポリヌクレオチドの発現を増大させる、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記宿主細胞を約0.4mM〜約1.5mM IPTGの存在下で約20℃〜約40℃の温度で一定の期間培養する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ベクターがプラスミドである、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記プラスミドがpJexpress、pJexpress401、pJexpress404、pET−15b、pET−21a、pET−22b、pET−31b、pET−32a、pET−41a、pMAL、pMAL−c2X、pQE−30、pET−SUMOおよびpTYB11からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記切断可能なペプチドもしくはタンパク質がヒスチジンタグ、ヒト転写因子TAF12、TAF12断片、TAF12ヒストン折りたたみドメイン、TAF12の突然変異体およびその断片、TAF12(C/A)、TAF12(D/E)、TAF12(4D/4E)、TAF12(6D/6E)、TAF12(10D/10E)、TAF12(C/A&D/E)、TAF12(C/A&4D/4E)、TAF12(C/A&6D/6E)、TAF12(C/A&10D/10E)、ケトステロイドイソメラーゼ、マルトース結合タンパク質、β−ガラクトシダーゼ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、チオレドキシン、キチン結合ドメイン、BMP−2、BMP−2突然変異体、BMP−2(C/A)ならびにそれらの突然変異体および断片からなる群から選択される、請求項14から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記切断可能なペプチドもしくはタンパク質がヒト転写因子TAF12、TAF12断片、TAF12ヒストン折りたたみドメイン、TAF12の突然変異体およびその断片、TAF12(C/A)、TAF12(D/E)、TAF12(4D/4E)、TAF12(6D/6E)、TAF12(10D/10E)、TAF12(C/A&D/E)、TAF12(C/A&4D/4E)、TAF12(C/A&6D/6E)およびTAF12(C/A&10D/10E)からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記切断可能なペプチドもしくはタンパク質が切断剤により切断される、請求項14から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記切断剤がギ酸、臭化シアン(CNBr)、ヒドロキシルアミン、自己切断タンパク質、Xa因子、エンテロキナーゼ、ProTEVおよびSUMOプロテアーゼからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記宿主細胞が細菌宿主細胞である、請求項14から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記細菌宿主細胞がE.coliである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記E.coli細胞がBL21、BL21(DE3)、BL21(DE3)pLysS、BL21(DE3)pGro7、ArcticExpress(DE3)、C41(DE3)、C43(DE3)、OrigamiB(DE3)、OrigamiB(DE3)pLysS、KRXおよびTuner(DE3)からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記E.coli細胞がBL21(DE3)である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記融合ポリペプチドを可溶性タンパク質または封入体として発現させる、請求項14から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記発現した融合ポリペプチドを前記宿主細胞または培地から単離するステップをさらに含む、請求項14から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記単離した融合ポリペプチドを、ギ酸、臭化シアン(CNBr)、ヒドロキシルアミン、自己切断タンパク質、Xa因子、エンテロキナーゼ、ProTEVおよびSUMOプロテアーゼからなる群から選択される切断剤と接触させるステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記切断剤がギ酸である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記単離した融合ポリペプチドを切断剤と接触させる前記ステップを約1%〜約10%ギ酸の存在下で約50℃〜約70℃の温度で行う、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
ギ酸の存在下で接触させる前記ステップを約5時間から約36時間の期間にわたり行う、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
【化28】

【化29】

【化30】

からなる群から選択されるCNP変異体を産生させる、請求項14から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
CNP−22またはCNP−53を産生しない、請求項14から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
【化31】

【化32】

からなる群から選択される、請求項14から33のいずれか一項に記載の方法により産生されるCNP変異体。
【請求項37】
切断可能なペプチドもしくはタンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドに連結されたCNP変異体ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項38】
前記切断可能なペプチドもしくはタンパク質がヒスチジンタグ、ヒト転写因子TAF12、TAF12断片、TAF12ヒストン折りたたみドメイン、TAF12の突然変異体およびその断片、TAF12(C/A)、TAF12(D/E)、TAF12(4D/4E)、TAF12(6D/6E)、TAF12(10D/10E)、TAF12(C/A&D/E)、TAF12(C/A&4D/4E)、TAF12(C/A&6D/6E)、TAF12(C/A&10D/10E)、ケトステロイドイソメラーゼ、マルトース結合タンパク質、β−ガラクトシダーゼ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、チオレドキシン、キチン結合ドメイン、BMP−2、BMP−2突然変異体、BMP−2(C/A)ならびにそれらの突然変異体および断片からなる群から選択される、請求項37に記載の宿主細胞。
【請求項39】
前記宿主細胞が細菌宿主細胞である、請求項37または38に記載の宿主細胞。
【請求項40】
前記細菌宿主細胞がE.coliである、請求項39に記載の宿主細胞。
【請求項41】
前記E.coli細胞がBL21、BL21(DE3)、BL21(DE3)pLysS、BL21(DE3)pGro7、ArcticExpress(DE3)、C41(DE3)、C43(DE3)、OrigamiB(DE3)、OrigamiB(DE3)pLysS、KRXおよびTuner(DE3)からなる群から選択される、請求項40に記載の宿主細胞。
【請求項42】
前記E.coli細胞がBL21(DE3)である、請求項41に記載の宿主細胞。
【請求項43】
前記ベクターがプラスミドである、請求項37から42のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項44】
前記プラスミドがpJexpress、pJexpress401、pJexpress404、pET−15b、pET−21a、pET−22b、pET−31b、pET−32a、pET−41a、pMAL、pMAL−c2X、pQE−30、pET−SUMOおよびpTYB11からなる群から選択される、請求項43に記載の宿主細胞。
【請求項45】
細胞培養前に前記ベクターで形質転換される、請求項37から44のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項46】
前記切断可能なペプチドもしくはタンパク質に直接的に連結された、またはリンカーを介して該切断可能なペプチドもしくはタンパク質に間接的に連結された前記CNP変異体ポリペプチドを含み、前記第1および前記第2のポリヌクレオチドによりコードされる融合ポリペプチドの発現に適する条件下で培地中で培養される、請求項37から45のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項47】
前記融合ポリペプチドが可溶性タンパク質または封入体として発現される、請求項46に記載の宿主細胞。
【請求項48】
前記宿主細胞または培地から前記発現した融合ポリペプチドが単離される、請求項46または47に記載の宿主細胞。
【請求項49】
前記単離した融合ポリペプチドが、ギ酸、臭化シアン(CNBr)、ヒドロキシルアミン、自己切断タンパク質、Xa因子、エンテロキナーゼ、ProTEVおよびSUMOプロテアーゼからなる群から選択される切断剤と接触される、請求項48に記載の宿主細胞。
【請求項50】
前記CNP変異体ポリペプチドがCNP−22でもCNP−53でもない、請求項37から49のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項51】
CNPペプチドまたは変異体が投与されている被験体からの生物学的試料中の少なくとも1つの骨関連バイオマーカーまたは軟骨関連バイオマーカーのレベルをアッセイするステップを含む、被験体における少なくとも1つの骨関連バイオマーカーまたは軟骨関連バイオマーカーのレベルに対するCNPペプチドまたは変異体の効果を評価する方法。
【請求項52】
前記少なくとも1つの骨関連バイオマーカーまたは軟骨関連バイオマーカーのレベルをアッセイする前に前記CNPペプチドまたは変異体を前記被験体に投与するステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
CNP反応性の状態もしくは障害を治療する方法であって、
CNPペプチドまたは変異体を被験体に投与するステップと、
該被験体における少なくとも1つの骨関連バイオマーカーまたは軟骨関連バイオマーカーのレベルをモニターするステップとを含み、
該少なくとも1つの骨関連バイオマーカーまたは軟骨関連バイオマーカーのレベルの増加が該被験体または該状態もしくは障害に対する該CNPペプチドまたは変異体の治療効果を示す、方法。
【請求項54】
前記CNPペプチドまたは変異体の投与の量または頻度を調節するステップをさらに含み、
i)前記少なくとも1つの骨関連バイオマーカーまたは軟骨関連バイオマーカーのレベルが標的レベルを下回っている場合、前記CNPペプチドまたは変異体の投与の量または頻度を増加させ、
ii)該少なくとも1つの骨関連バイオマーカーまたは軟骨関連バイオマーカーのレベルが標的レベルを上回っている場合、該CNPペプチドまたは変異体の投与の量または頻度を減少させる、
請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記少なくとも1つの骨関連バイオマーカーまたは軟骨関連バイオマーカーがCNP、cGMP、II型コラーゲンのプロペプチドおよびその断片、II型コラーゲンおよびその断片、オステオカルシン、増殖細胞核抗原(PCNA)、I型プロコラーゲンのプロペプチド(PINP)およびその断片、I型コラーゲンおよびその断片、アグリカンコンドロイチン硫酸ならびにアルカリホスファターゼからなる群から選択される、請求項51から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記CNPペプチドまたは変異体が
【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

からなる群から選択される、請求項51から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記CNPペプチドまたは変異体がCNP−22でもCNP−53でもない、請求項56に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【公表番号】特表2012−527244(P2012−527244A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512035(P2012−512035)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/035586
【国際公開番号】WO2010/135541
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(506136483)バイオマリン ファーマシューティカル インコーポレイテッド (18)
【Fターム(参考)】