説明

CCR2受容体拮抗薬としてのメルカプトイミダゾール

本発明は、CCR2受容体拮抗特性、特に抗炎症特性を有する式(I)
【化1】


で表される化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCCR2受容体拮抗特性を有するメルカプトイミダゾール誘導体に関する。本発明は、更に、それらの製造方法およびそれらを含んで成る薬剤組成物にも関する。本発明は、また、前記化合物をCCR2受容体、特にCCR2B受容体の活性化が介在する病気を予防または治療するための薬剤を製造する目的で用いることにも関する。
【背景技術】
【0002】
雑草防除用1−メチル−1H−イミダゾール−5−カルボン酸誘導体が特許文献1に開示されている。
【0003】
イミダゾールカルボキシレートが睡眠薬として特許文献2に開示されている。
【0004】
イミダゾール環がカルボキシル官能を有するベンズヒドリル−イミダゾール誘導体が特許文献3に開示されている。そのような化合物は農業および園芸において植物保護および生長調節で価値有る特性を有すると記述されている。
【0005】
特許文献4はイミダゾール炭酸誘導体およびそれらを植物保護の目的で用いることに関する。
【0006】
特許文献5および非特許文献1は1置換5−(ヒドロキシメチル)イミダゾール誘導体の合成に関する。
【0007】
プレニル−蛋白質トランスフェラーゼのビアリール阻害剤が特許文献6に記述されている。
【0008】
効力のある生物学的活性を有するイミダゾール誘導体が非特許文献2に記述されている。
【0009】
特許文献7はドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ阻害剤としての2−メルカプト−1−(フェニルアルキル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸誘導体に関する。
【0010】
特許文献8はドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ阻害剤としての1−アラルキル−5−(ピペラジノメチル)−イミダゾール−2−チオールに関する。
【0011】
特許文献9はイミダゾ[5,1−c](1,4)−ベンゾキサゼピンおよびそれらの製造に関する。
【0012】
治療的に興味の持たれるフェニルエチルイミダゾール誘導体を製造する時に用いるに有用な置換2−メルカプト−イミダゾールが特許文献10に記述されている。
【0013】
特許文献11、12および13はファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤としての縮合複素環系誘導体に関する。
【0014】
特許文献14は1−ベンジルイミダゾールをベンジルアミンとヒドロキシケトンとチオシアネートから生じさせることに関する。
【0015】
特許文献15、16、17および18はアンギオテンシンII受容体拮抗薬を製造する時の中間体としてのイミダゾール誘導体に関する。
【0016】
非特許文献3は効力のある生物学的活性を有するイミダゾール誘導体の合成に関する。
【0017】
特許文献19は免疫系の不全に関する病気の治療で用いるに有用な2−チオ置換イミダゾール誘導体に関する。
【0018】
鎮静薬および鎮痛薬としてのイミダゾール誘導体が特許文献20および21に開示されている。
【0019】
薬剤送達デバイスにおける徐放に適したモデル薬剤として1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノンを生じさせることが特許文献22に記述されている。
【0020】
単球遊走因子の阻害剤である置換ピロールが特許文献23に提供されており、そして特許文献24はMCP−1受容体拮抗薬としてのインドール誘導体に関する。
【0021】
本発明の化合物は、構造の点、これらが薬学的活性を及ぼす点、これらが薬理学的活性および/または薬理学的効力を有する点で従来技術の化合物とは異なる。
【特許文献1】EP 0,240,050
【特許文献2】米国特許第3,354,173号
【特許文献3】米国特許第4,182,624号
【特許文献4】EP 0,000,373
【特許文献5】WO 01/17974
【特許文献6】WO 00/75135
【特許文献7】米国特許第4,762,850号
【特許文献8】EP 294,973
【特許文献9】DE 2,618,370
【特許文献10】EP 146,228
【特許文献11】WO 01/09127
【特許文献12】WO 01/09124
【特許文献13】WO 99/41248
【特許文献14】WO 00/01674
【特許文献15】WO 92/10182
【特許文献16】WO 92/10186
【特許文献17】WO 92/10188
【特許文献18】EP 437,103
【特許文献19】WO/02/066458
【特許文献20】FR 1487326
【特許文献21】FR 6751
【特許文献22】WO 01/05430
【特許文献23】WO 99/40913
【特許文献24】WO 01/51466
【非特許文献1】Organic Process Research and Development、2002、6(5)、674−676
【非特許文献2】Arzneimittel−Forschung、1980、30(7)、1051−1056
【非特許文献3】J.Heterocyclic Chemistry、1982、19(3)、561−566
【発明の開示】
【0022】
本発明の1つの面は、式
【0023】
【化1】

【0024】
[式中、
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、
各Rは、独立して、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し、
は、水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、
は、水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表すか、或は
とRが一緒になって式−C(=O)−NH−NH−C(=O)−で表される二価基を形成していてもよく、
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキル、アリール、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルを表し、ここで、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルは場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、
7aおよびR7bは、各々独立して、水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、−NH−C(O)−HまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか、或は
7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはC1−6アルキルで置換されているピペラジニルを形成しており、
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルまたはアリールを表し、
は、水素またはC1−6アルキルを表し、
nは、1、2、3、4または5であり、
アリールは、フェニル、または各々がハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、フェニルオキシまたはニトロから独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されているフェニルを表し、
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルを表し、ここで、前記複素環は各々が場合により各々がハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノまたはニトロから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいが、但し
またはRの中の少なくとも一方が水素以外であること、そして
がC(=O)−OH、C(=O)−O−C1−6アルキルまたはC(=O)−O−C2−6アルケニルを表す場合にはRが水素以外であること、そして
がCHOHを表しそしてRおよびRが水素を表す場合にはRが水素以外であること、そして
がC(=O)−NH−C1−4アルキル−NHを表しそしてRおよびRが水素を表す場合にはRが水素以外であること、そして

【0025】
【化2】

【0026】
を表しそしてRおよびRが水素を表す場合にはRが水素以外であること、
を条件とする]
で表される化合物、これのN−オキサイド、薬学的に受け入れられる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態に関する。
【0027】
本発明は、また、薬剤として用いるに適したこの上で定義した如き式(I)で表される化合物にも関するが、但し
またはRの中の少なくとも一方が水素以外であること、そして
がC(=O)−OHまたはC(=O)−O−C1−6アルキルを表し、Rがアリールを表しそしてnが1の場合にはRが水素以外であること、そして
がC(=O)−NH−C1−4アルキル−NHまたはC(=O)−OHを表しそしてRおよびRが水素を表す場合にはRが水素以外であること、
を条件とする。
【0028】
従って、本発明は、また、薬剤として用いるに適した化合物にも関し、ここで、前記化合物は、式
【0029】
【化3】

【0030】
[式中、
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、
各Rは、独立して、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し、
は、水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、
は、水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表すか、或は
とRが一緒になって式−C(=O)−NH−NH−C(=O)−で表される二価基を形成していてもよく、
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキル、アリール、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルを表し、ここで、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルは場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、
7aおよびR7bは、各々独立して、水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、−NH−C(O)−HまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか、或は
7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはC1−6アルキルで置換されているピペラジニルを形成しており、
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルまたはアリールを表し、
は、水素またはC1−6アルキルを表し、
nは、1、2、3、4または5であり、
アリールは、フェニル、または各々がハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、フェニルオキシまたはニトロから独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されているフェニルを表し、
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルを表し、ここで、前記複素環は各々が場合により各々がハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノまたはニトロから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいが、但し
またはRの中の少なくとも一方が水素以外であること、そして
がC(=O)−OHまたはC(=O)−O−C1−6アルキルを表し、Rがアリールを表しそしてnが1の場合にはRが水素以外であること、そして
がC(=O)−NH−C1−4アルキル−NHまたはC(=O)−OHを表しそしてRおよびRが水素を表す場合にはRが水素以外であること、
を条件とする]
で表される化合物、これのN−オキサイド、薬学的に受け入れられる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態である。
【0031】
本発明の別の面は、CCR2受容体の活性化が介在する病気を予防または治療、特に炎症性疾患を予防または治療するための薬剤を製造する目的でこの上で定義した如き式(I)で表される化合物を用いることにある。
【0032】
従って、本発明は、また、CCR2受容体の活性化が介在する病気を予防または治療、特に炎症性疾患を予防または治療するための薬剤の製造で化合物を用いることにも関し、ここで、前記化合物は式(I)
【0033】
【化4】

【0034】
[式中、
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、
各Rは、独立して、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し、
は、水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、
は、水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表すか、或は
とRが一緒になって式−C(=O)−NH−NH−C(=O)−で表される二価基を形成していてもよく、
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキル、アリール、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルを表し、ここで、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルは場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、
7aおよびR7bは、各々独立して、水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、−NH−C(O)−HまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか、或は
7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはC1−6アルキルで置換されているピペラジニルを形成しており、
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルまたはアリールを表し、
は、水素またはC1−6アルキルを表し、
nは、1、2、3、4または5であり、
アリールは、フェニル、または各々がハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、フェニルオキシまたはニトロから独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されているフェニルを表し、
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルを表し、ここで、前記複素環は各々が場合により各々がハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノまたはニトロから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいが、但し
またはRの中の少なくとも一方が水素以外であること、
を条件とする]
で表される化合物、これのN−オキサイド、薬学的に受け入れられる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態である。
【0035】
本明細書の上または本明細書の以下でC1−4アルキルを基または基の一部として用いる場合、これは炭素原子数が1から4の直鎖もしくは分枝鎖飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチルなどを定義するものであり、C1−6アルキルを基または基の一部として用いる場合、これは炭素原子数が1から6の直鎖もしくは分枝鎖飽和炭化水素基、例えばC1−4アルキルで定義した基およびペンチル、ヘキシル、2−メチルブチルなどを定義するものであり、C3−7シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルの総称であり、C2−6アルケニルは、二重結合を含有する炭素原子数が2から6の直鎖および分枝鎖炭化水素基、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルなどを定義するものであり、C2−6アルキニルは、三重結合を含有する炭素原子数が2から6の直鎖および分枝鎖炭化水素基、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどを定義するものである。
【0036】
本明細書の上で用いた如き用語(=O)は、これが炭素原子と結合した時にカルボニル部分を形成し、硫黄原子と結合した時にスルホキサイド部分を形成し、そして前記用語の2つが硫黄原子と結合した時にスルホニル部分を形成する。
【0037】
用語「ハロ」はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードの総称である。ポリハロメチルを基または基の一部として本明細書の上および以下で用いる場合、これはモノ−もしくはポリハロ置換メチル、特に1個以上のフルオロ原子で置換されているメチル、例えばジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルなどであると定義し、ポリハロC1−6アルキルを基または基の一部として本明細書の上および以下で用いる場合、これはモノ−もしくはポリハロ置換C1−6アルキル、例えばポリハロメチル、1,1−ジフルオロ−エチルなどとして定義される基であると定義する。ポリハロメチルまたはポリハロC1−6アルキルの定義の範囲内でアルキル基にハロゲン原子が2個以上結合している場合、それらは同一または異なっていてもよい。
【0038】
の定義における用語「ヘテロアリール」は、これに複素環の可能な異性体形態の全部を包含させることを意味し、例えば、ピロリルは1H−ピロリルおよび2H−ピロリルを包含する。
【0039】
本明細書の上または本明細書の以下に記述する如き式(I)で表される化合物の置換基(例えばRおよびRを参照)の定義で挙げたアリール、ヘテロアリールまたは複素環式環系は、特に明記しない限り、適宜環の炭素またはヘテロ原子のいずれかを通して式(I)で表される分子の残りと結合していてもよい。従って、例えば、ヘテロアリールがイミダゾリルの場合、これは1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリルなどであり得る。
【0040】
いずれかの成分の中にいずれかの変数(例えばR7a、R7bなど)が2回以上現われる場合、各定義は独立している。
【0041】
置換基から環系の中に引かれた線は、その結合が適切な環原子のいずれかと結合していてもよいことを示している。
【0042】
治療用途の場合、式(I)で表される化合物の塩は、対イオンが薬学的に受け入れられる塩である。しかしながら、薬学的に受け入れられない酸および塩基の塩もまた例えば薬学的に受け入れられる化合物の調製または精製などでは使用可能である。塩が薬学的に受け入れられるか或は受け入れられないかに拘らず、あらゆる塩が本発明の範囲内に含まれる。
【0043】
本明細書の上に挙げた如き薬学的に受け入れられる付加塩は、これに式(I)で表される化合物が形成し得る無毒の治療的に活性のある酸付加塩形態を包含させることを意味する。後者は、便利に、塩基形態を無機酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸、臭化水素酸など、硫酸、硝酸、燐酸など、または有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロピオン酸、2−オキソプロピオン酸、しゅう酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸などの如き適切な酸で処理することで入手可能である。逆に、塩形態をアルカリで処理することで遊離塩基形態に変化させることも可能である。
【0044】
酸性プロトンを含有する式(I)で表される化合物を適切な有機および無機塩基で処理することで無毒の治療的に活性のある金属もしくはアミン付加塩形態に変化させることができる。適切な塩基塩形態には、例えばアンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基、例えば第一級、第二級および第三級脂肪族および芳香族アミンの塩、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4種類存在するブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリンおよびイソキノリン、ベンザジン、N−メチル−D−グルカミン、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、ヒドラバミンの塩、そしてアミノ酸、例えばアルギニン、リシンなどの塩が含まれる。逆に、塩形態を酸で処理することで遊離酸形態に変化させることも可能である。
【0045】
用語「付加塩」は、また、式(I)で表される化合物が形成し得る水化物および溶媒付加形態も包含する。そのような形態の例は例えば水化物、アルコラートなどである。
【0046】
本明細書の上で用いた如き用語「第四級アミン」は、式(I)で表される化合物が式(I)で表される化合物の塩基性窒素と適切な第四級化剤、例えば場合により置換されていてもよいアルキルハライド、アリールハライドまたはアリールアルキルハライド、例えばヨウ化メチルまたはヨウ化ベンジルなどの間の反応で形成し得る第四級アンモニウム塩を定義するものである。また、良好な脱離基を有する他の反応体、例えばトリフルオロメタンスルホン酸アルキル、メタンスルホン酸アルキルおよびp−トルエンスルホン酸アルキルなどを用いることも可能である。第四級アミンは正に帯電している窒素を有する。薬学的に受け入れられる対イオンにはクロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロアセテートおよびアセテートが含まれる。イオン交換用樹脂を用いて、その選択した対イオンを導入することができる。
【0047】
本化合物のN−オキサイド形態は、これに1個または数個の第三級窒素原子が酸化されていわゆるN−オキサイドになっている式(I)で表される化合物を包含させることを意味する。
【0048】
式(I)で表される化合物およびこれらのN−オキサイド、付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態のいくつかはキラリティーを持つ中心を1個以上含有する可能性があることで立体化学的異性体形態で存在する可能性があることは理解されるであろう。
【0049】
本明細書の上で用いた如き用語「立体化学的異性体形態」は、式(I)で表される化合物およびこれらのN−オキサイド、付加塩、第四級アミンまたは生理学的機能を有する誘導体が持ち得る可能性のある立体化学的異性体形態の全部を定義するものである。特に明記しない限り、化合物の化学的表示は、可能なあらゆる立体化学的異性体形態の混合物を表し、前記混合物は基本的な分子構造を有するあらゆるジアステレオマーおよび鏡像異性体を含有するばかりでなく式(I)の個々の異性体形態およびこれらのN−オキサイド、塩、溶媒和物または第四級アミンの各々を含有し、その他の異性体を実質的に含有しない、即ち伴う他の異性体の量は10%未満、好適には5%未満、特に2%未満、最も好適には1%未満である。従って、式(I)で表される化合物を例えば(E)として明記する場合、これはその化合物が(Z)異性体を実質的に含有しないことを意味する。立体中心(stereogenic center)は特にR形態もしくはS形態を持つ可能性があり、二価の環状(部分)飽和基が有する置換基はシス形態またはトランス形態のいずれかを持ち得る。二重結合を含有する化合物は前記二重結合の所にE(entgegen)立体化学またはZ(zusammen)立体化学を持つ可能性がある。用語シス、トランス、R、S、EおよびZは本分野の技術者に良く知られている。式(I)で表される化合物の立体化学的異性体形態は明らかに本発明の範囲内に含まれることを意図する。
【0050】
式(I)で表される化合物、これらのN−オキサイド、塩、溶媒和物、第四級アミンおよびこれらの製造で用いる中間体のいくつかでは、絶対的立体化学形態を実験で確かめてはいない。そのような場合、実際の立体化学形態を更に言及しないで、最初に単離した立体異性体形態を「A」と表示しそして2番目を「B」として表示する。しかしながら、前記「A」および「B」立体異性体形態は、「A」と「B」が鏡像異性体関係を有する場合、例えばこれらが示す旋光度で明らかに特徴づけ可能である。本分野の技術者は、本技術分野で公知の方法、例えばX線回折などを用いてそのような化合物の絶対的形態を測定することができるであろう。「A」および「B」が立体異性体混合物の場合、それらを更に分離することができ、それによって単離した個々の1番目の画分を実際の立体化学形態で更に言及しないで「A1」および「B1」と表示しそして2番目を「A2」および「B2」と表示する。
【0051】
式(I)で表される化合物のいくつかはまた互変異性体形態でも存在し得る。そのような形態を前記式(I)の中に明らかには示していないが、それらも本発明の範囲内に包含させることを意図する。例えば、式(I)に
【0052】
【化5】

【0053】
である互変異性体形態を包含させることを意図する。従って、本発明の化合物は式
【0054】
【化6】

【0055】
で表される化合物を包含する。
【0056】
用語「式(I)で表される化合物」を本明細書の以下で用いる場合にはいつでも、これにまたそれらのN−オキサイド形態、それらの塩、それらの第四級アミンおよびそれらの立体化学的異性体形態も包含させることを意味する。特に興味の持たれる化合物は、立体化学的に高純度の式(I)で表される化合物である。
【0057】
置換基がいろいろな定義、例えばR7aまたはR7bなどのリストから各々独立して選択可能であることを本明細書の上または本明細書の以下で用いる時にはいつでも、化学的に可能なあらゆる可能な組み合わせを意図する。
【0058】
興味の持たれる化合物の1番目の群は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物で構成される群である:
a) Rが水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、
b) Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、
c) Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7b、C(=O)−Rを表し、
d) R7aおよびR7bが各々独立して水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキルを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルを形成しており、そして
e) Rが水素を表す。
【0059】
興味の持たれる化合物の2番目の群は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物で構成される群である:
a) 各Rが独立してハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシまたはポリハロC1−6アルキルを表し、
b) Rが水素、シアノ、ヒドロキシで置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、
c) Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7bを表し、
d) RとRが一緒になって式−C(=O)−NH−NH−C(=O)−で表される二価基を形成していてもよく、
e) Rが水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルを表し、
f) R7aおよびR7bが各々独立して水素、C1−6アルキル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、−NH−C(O)−HまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1−6アルキルで置換されているピペラジニルを形成しており、
g) RがC1−6アルキルを表し、そして
h) nが1、2また3である。
【0060】
興味の持たれる化合物の3番目の群は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物で構成される群である:
a) Rが水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、
b) 各Rが独立してハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシまたはポリハロC1−6アルキルを表し、
c) Rが水素、シアノ、ヒドロキシで置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、
d) Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7bを表し、
e) Rが水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルを表し、
f) R7aおよびR7bが各々独立して水素、C1−6アルキル、アミノを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルを形成しており、
g) RがC1−6アルキルを表し、
h) nが1、2または3であり、そして
i) Rが水素を表す。
【0061】
興味の持たれる化合物の4番目の群は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物で構成される群である:
a) RがC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、
b) Rが水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルまたはヘテロアリールを表し、
c) 各Rが独立してハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し、
d) Rが水素、シアノ、場合によりC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、
e) Rが水素の場合にはRがシアノ、場合によりC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、
f) RおよびRが各々独立して水素、シアノ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、
g) RがC(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7bを表す場合にはRが水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキルまたはヘテロアリールを表す。
【0062】
興味の持たれる化合物の5番目の群は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物で構成される群である:
a) Rが水素、C1−6アルキル、シクロプロピル、シクロヘキシル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、フェニル、または各々がハロから独立して選択される2個の置換基で置換されているフェニル、特にC1−6アルキルを表し、
b) nが1、2または3であり、特にnが2であり、そして前記2個のR置換基が3位と4位に位置し、
c) 各Rが独立してハロまたはポリハロC1−6アルキル、特にハロを表し、
d) Rが水素、シアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、またはC(=O)−R、特にC(=O)−O−Rを表し、
e) Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7b、特にC(=O)−O−Rを表し、
f) RとRが一緒になって式−C(=O)−NH−NH−C(=O)−で表される二価基を形成していてもよく、
g) Rが水素、C1−6アルキルまたはヒドロキシC1−6アルキル、特にC1−6アルキルを表し、
h) R7aが水素またはC1−6アルキルを表しそしてR7bが水素、C1−6アルキル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピペリジニルを形成しており、
i) RがC1−6アルキルを表し、
j) Rが水素を表す。
【0063】
興味の持たれる化合物の6番目の群は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物で構成される群である:
a) Rが水素、C1−6アルキル、シクロプロピル、シクロヘキシル、フェニル、または各々がハロから独立して選択される2個の置換基で置換されているフェニル、特にC1−6アルキルを表し、
b) nが1、2または3であり、特にnが2であり、そして前記2個のR置換基が3位と4位に位置し、
c) 各Rが独立してハロまたはポリハロC1−6アルキル、特にハロを表し、
d) Rが水素、シアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、またはC(=O)−R、特にC(=O)−O−Rを表し、
e) Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7b、特にC(=O)−O−Rを表し、
f) Rが水素、C1−6アルキルまたはヒドロキシC1−6アルキル、特にC1−6アルキルを表し、
g) R7aが水素またはC1−6アルキルを表しそしてR7bが水素、C1−6アルキルまたはアミノを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピペリジニルを形成しており、
h) RがC1−6アルキルを表し、そして
i) Rが水素を表す。
【0064】
興味の持たれる化合物の7番目の群は、RとRの両方が水素以外である式(I)で表される化合物で構成される群である。
【0065】
興味の持たれる化合物の8番目の群は、Rが水素でありそしてRが水素以外であり、特にRがシアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表す式(I)で表される化合物で構成される群である。
【0066】
興味の持たれる化合物の9番目の群は、Rが水素でありそしてRが水素以外であり、特にRがシアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7bを表す式(I)で表される化合物で構成される群である。
【0067】
興味の持たれる化合物の10番目の群は、Rが水素の時にRがC(=O)−O−R以外である式(I)で表される化合物で構成される群である。
【0068】
興味の持たれる化合物の11番目の群は、Rが水素である式(I)で表される化合物で構成される群である。
【0069】
好適な化合物の群は、Rが水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7b、C(=O)−Rを表し、Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7b、C(=O)−Rを表し、R7aおよびR7bが各々独立して水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキルを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルを形成しておりそしてRが水素を表す式(I)で表される化合物で構成される群である。
【0070】
好適な化合物の別の群は、各Rが独立してハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシまたはポリハロC1−6アルキルを表し、Rが水素、シアノ、ヒドロキシで置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7bを表すか、RとRが一緒になって式−C(=O)−NH−NH−C(=O)−で表される二価基を形成していてもよく、Rが水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルを表し、R7aおよびR7bが各々独立して水素、C1−6アルキル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、−NH−C(O)−HまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1−6アルキルで置換されているピペラジニルを形成しており、RがC1−6アルキルを表しそしてnが1、2また3である式(I)で表される化合物で構成される群である。
【0071】
好適な化合物のさらなる群は、Rが水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、各Rが独立してハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシまたはポリハロC1−6アルキルを表し、Rが水素、シアノ、ヒドロキシで置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7bを表し、Rが水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルを表し、R7aおよびR7bが各々独立して水素、C1−6アルキル、アミノを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルを形成しており、RがC1−6アルキルを表し、nが1、2または3でありそしてRが水素を表す式(I)で表される化合物で構成される群である。
【0072】
より好適な化合物の群は、Rが水素、C1−6アルキル、シクロプロピル、シクロヘキシル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、フェニル、または各々がハロから独立して選択される2個の置換基で置換されているフェニルを表し、nが1、2または3であり、各Rが独立してハロまたはポリハロC1−6アルキルを表し、Rが水素、シアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7bを表すか、RとRが一緒になって式−C(=O)−NH−NH−C(=O)−で表される二価基を形成していてもよく、Rが水素、C1−6アルキルまたはヒドロキシC1−6アルキルを表し、R7aが水素またはC1−6アルキルを表しそしてR7bが水素、C1−6アルキル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピペリジニルを形成しており、RがC1−6アルキルを表しそしてRが水素を表す式(I)で表される化合物で構成される群である。
【0073】
より好適な化合物の群は、Rが水素、C1−6アルキル、シクロプロピル、シクロヘキシル、フェニル、または各々がハロから独立して選択される2個の置換基で置換されているフェニルを表し、nが1、2または3であり、Rが水素、シアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7bを表し、Rが水素、C1−6アルキルまたはヒドロキシC1−6アルキルを表し、R7aが水素またはC1−6アルキルを表しそしてR7bが水素、C1−6アルキルまたはアミノを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピペリジニルを形成しており、RがC1−6アルキルを表しそしてRが水素を表す式(I)で表される化合物で構成される群である。
【0074】
更により好適な化合物の群は、RがC1−6アルキルを表し、nが2であり、各Rが独立してハロを表し、RがC(=O)−O−Rを表し、RがC1−6アルキルを表しそしてRが水素を表す式(I)で表される化合物で構成される群である。
【0075】
最も好適な化合物は化合物番号37、化合物番号39および化合物番号46である。
【0076】
が水素以外、即ち前記RがR3’で表されそしてRが水素である式(I)で表される化合物[この化合物を式(I−a)で表す]の調製は、一般に、式(II)で表される中間体とHC(=O)−O−CH(蟻酸のメチルエステル)を適切な塩基、例えばNaOCHまたはNaOC(CHなどの存在下で反応させた後に適切な酸、例えば塩酸(36%)などおよびKSCNによる処理を適切な溶媒、例えばテトラヒドロフランなどの存在下で行うことで実施可能である。
【0077】
【化7】

【0078】
式(II)で表される立体異性体的に高純度の中間体を用いて出発した時には、前記反応の結果として式(I−a)で表される立体化学的に高純度の化合物が生じる。
【0079】
前記式(II)で表される中間体におけるR3’がCNを表す場合[この中間体を式(II−a)で表す]、前記反応の結果として以下に示すように式(I−a−1)および(I−a−2)で表される化合物が生じ得る。
【0080】
【化8】

【0081】
とRの両方が水素以外である、即ち前記RとR置換基がR3’とR4’で表される式(I)で表される化合物[この化合物を式(I−b)で表す]の調製は、式(II)で表される中間体と式(III)で表される中間体を適切な塩基、例えばNaOCHまたはNaOC(CHなどの存在下で反応させた後に適切な酸、例えば塩酸(36%)などおよびKSCNによる処理を適切な溶媒、例えばテトラヒドロフランなどの存在下で行うことで実施可能である。
【0082】
【化9】

【0083】
前記反応をまた式(III)で表される中間体の代わりにR4’−C(=O)−ClまたはR4’−C(=O)−O−C(CHを用いて実施することも可能である。
【0084】
前記式(II)および(III)で表される中間体におけるR3’およびR4’がC(=O)−O−C1−6アルキルを表す場合[これらの中間体を式(II−b)および(III−b)で表す]、前記反応の結果として以下に示すように式(I−b−1)および(I−b−2)で表される化合物が生じ得る。
【0085】
【化10】

【0086】
がR3’を表す式(I)で表される化合物[この化合物を式(I−c)で表す]の調製は、また、式(IV)で表される中間体とKSCNを適切な酸、例えば塩酸などおよび適切な溶媒、例えばアルコール、例えばエタノールなどの存在下で反応させることでも実施可能である。
【0087】
【化11】

【0088】
とRの両方がシアノでありそしてRが水素である式(I)で表される化合物[この化合物を式(I−b−3)で表す]の調製は、式(V)で表される中間体とCl−C(=S)−Clを適切な塩基、例えばN,N−ジエチルエタンアミンなどおよび適切な溶媒、例えば塩化メチレンなどの存在下で反応させることで実施可能である。
【0089】
【化12】

【0090】
3’がC(=O)−NR7a7bを表す式(I−a)で表される化合物[この化合物を式(I−a−3)で表す]の調製は、Wが適切な脱離基、例えばハロゲン、例えばクロロなどを表す式(VI)で表される中間体と式(VII)で表される中間体、例えばNH(または酢酸のアンモニウム塩)、ピロリジンなどを適切な溶媒、例えばアセトン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの存在下で反応させることで実施可能である。
【0091】
【化13】

【0092】
4’がC(=O)−NR7a7bを表す式(I−b−2)で表される化合物[この化合物を式(I−b−4)で表す]の調製は、式(XX)で表される中間体と式(VII)で表される中間体、例えばNH(または酢酸のアンモニウム塩)、ピロリジンなどを適切な溶媒、例えばアセトン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの存在下で反応させることで実施可能である。
【0093】
【化14】

【0094】
3’がC(=O)−O−R6’(ここで、R6’はC1−6アルキルまたはヒドロキシC1−6アルキルを表す)を表す式(I−a)で表される化合物[この化合物を式(I−a−4)で表す]の調製は、式(VI)で表される中間体と式HO−R6’で表される適切なアルコールを適切な溶媒、例えばテトラヒドロフランなどの存在下で反応させることで実施可能である。
【0095】
【化15】

【0096】
4’がCH−OHを表す式(I−b−2)で表される化合物[この化合物を式(I−b−5)で表す]の調製は、式(XX)で表される中間体と適切な還元剤、例えばNaBHなどを適切な溶媒、例えばテトラヒドロフランなどの存在下で反応させることで実施可能である。
【0097】
【化16】

【0098】
が水素でありそしてRがC(=O)−O−C1−6アルキルである式(I)で表される化合物[この化合物を式(I−d)で表す]の調製は、WがC1−6アルキルチオ、C1−6アルキルオキシまたはC−CH−Sなどを表す式(VIII)で表される中間体とアルコラート塩基、例えばNaOC1−6アルキルなどを相当するアルコールであるC1−6アルキル−OHの存在下で反応させることで実施可能である。
【0099】
【化17】

【0100】
更に、式(I)で表される化合物を本技術分野で公知の基変換反応に従って互いに変化させることで前記式(I)で表される化合物を調製することも可能である。
【0101】
式(I)で表される化合物から相当するN−オキサイド形態への変換は、本技術分野で公知の手順に従い、三価の窒素をN−オキサイド形態に変化させることで実施可能である。前記N−オキサイド化反応は、一般に、式(I)で表される出発材料を適切な有機もしくは無機過酸化物と反応させることで実施可能である。適切な無機過酸化物には、例えば過酸化水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウムなどが含まれ、適切な有機過酸化物には、ペルオキシ酸、例えば過安息香酸(benzenecarboperoxoic acid)またはハロ置換過安息香酸、例えば3−クロロ過安息香酸など、ペルオキソアルカン酸、例えばペルオキソ酢酸など、アルキルヒドロパーオキサイド、例えばt−ブチルヒドロパーオキサイドなどが含まれ得る。適切な溶媒は、例えば水、低級アルコール、例えばエタノールなど、炭化水素、例えばトルエンなど、ケトン、例えば2−ブタノンなど、ハロゲン置換炭化水素、例えばジクロロメタンなど、そしてそのような溶媒の混合物である。
【0102】
3’および/またはR4’がC(=O)−O−C1−6アルキルを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物と適切な還元剤、例えばLiHBEtなどを適切な溶媒、例えばテトラヒドロフランなどの存在下で反応させることでR3’および/またはR4’がCH−OHを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物に変化させることができる。
【0103】
3’および/またはR4’がC(=O)−O−C1−6アルキルを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物と適切な塩基、例えばNaOHなどを適切な溶媒、例えばHO、テトラヒドロフランまたは適切なアルコール、例えばメタノールなどの存在下で反応させることでR3’および/またはR4’がC(=O)−OHを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物に変化させることができる。
【0104】
3’および/またはR4’がC(=O)−O−C1−6アルキルを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物と式NHR7a7bで表される適切な塩基を適切な溶媒、例えばHOなどの存在下で反応させることでR3’および/またはR4’がC(=O)−NR7a7bを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物に変化させることができる。
【0105】
3’またはR4’がシアノまたはC(=O)−O−C1−6アルキルを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物とNHOHを反応させることでR3’またはR4’がアミノカルボニルを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物に変化させることができる。
【0106】
3’またはR4’がシアノを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物と硫化水素をN−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパンアミンの存在下の適切な溶媒、例えばピリジンなど中で反応させることでR3’またはR4’がC(=S)NR7a7bを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物に変化させることができる。
【0107】
3’および/またはR4’がC(=O)−NR7a7bを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物とクロロC1−6アルキル−マグネシウムを適切な溶媒、例えばテトラヒドロフランなど中で反応させることでR3’および/またはR4’がC(=O)−C1−6アルキルを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物に変化させることができる。
【0108】
3’および/またはR4’がC(=O)−C1−6アルキルを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物と適切な還元剤、例えばNaBHなどを適切な溶媒、例えばメタノールなどの存在下で反応させることでR3’および/またはR4’がヒドロキシC1−6アルキルを表す式(I−a)、(I−b)または(I−d)で表される化合物に変化させることができる。
【0109】
3’およびR4’がC(=O)−O−C1−6アルキルを表す式(I−b)で表される化合物と一水加ヒドラジンを適切な溶媒、例えばHOなど中で反応させることでR3’とR4’が一緒になって式−C(=O)−NH−NH−C(=O)−で表される二価の基を形成している式(I−b)で表される化合物に変化させることができる。
【0110】
本発明の式(I)で表される化合物の中の数種および中間体の中の数種は不斉炭素原子を含有し得る。本技術分野の公知の手順を用いることで前記化合物および前記中間体の高純度の立体化学的異性体形態を得ることができる。例えば、物理的方法、例えば選択的結晶化またはクロマトグラフィー技術、例えば向流分配液クロ(counter current distribution,liquid chromatography)などの如き方法を用いてジアステレオ異性体の分離を行うことができる。最初にラセミ混合物に適切な分割剤(resolving agents)、例えばキラリティーを持つ酸などによる変換を受けさせてジアステレオマー塩もしくは化合物の混合物を生じさせた後、前記ジアステレオマー塩もしくは化合物の混合物に物理的分離、例えば選択的結晶化またはクロマトグラフィー技術、例えば液クロなどの方法を用いて物理的分離を受けさせそして最後に前記分離したジアステレオマー塩もしくは化合物を相当する鏡像異性体に変化させることで、鏡像異性体を得ることができる。また、高純度の立体化学的異性体形態の適切な中間体および出発材料を用いることでも高純度の立体化学的異性体形態を得ることができるが、但し介在する反応が立体特異的に起こることを条件とする。
【0111】
式(I)で表される化合物および中間体の鏡像異性体形態を分離する代替様式は、液クロ、特にキラル固定相を用いた液クロの使用を包含する。
【0112】
そのような中間体および出発材料の中の数種は公知の化合物であり、商業的に入手可能であるか或は本技術分野で公知の手順に従って調製可能である。
【0113】
式(II)で表される中間体の調製は、式(IX)で表される中間体とH−C(=O)−を導入する作用剤、例えば蟻酸または蟻酸n−ブチルなどを適切な溶媒、例えばキシレンなど中で反応させることで実施可能である。
【0114】
【化18】

【0115】
式(IX)で表される立体化学的に高純度の中間体を用いて出発すると、前記反応の結果として式(II)で表される立体化学的に高純度の中間体がもたらされ得る。
【0116】
式(IX)で表される中間体の調製は、式(X)で表される中間体とWが適切な脱離基、例えばハロゲン、例えばブロモなどを表す式(XI)で表される中間体を適切な塩基、例えばN,N−ジエチルエタンアミンまたはN,N−ジイソプロピルエタンアミンなどの存在下および適切な溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの存在下で反応させることで実施可能である。
【0117】
【化19】

【0118】
式(X)で表される立体化学的に高純度の中間体を用いて出発すると、前記反応の結果として式(IX)で表される立体化学的に高純度の中間体がもたらされ得る。
【0119】
が水素を表す式(X)で表される中間体[本明細書では式(X−a)で表される中間体と呼ぶ]の調製は、式(XII)で表される中間体に還元を適切な還元剤、例えばHなど、適切な触媒、例えばラネーニッケルなど、適切な触媒毒、例えばチオフェン溶液など、および適切な溶媒、例えばアルコール、例えばメタノールなどの存在下で適切な塩基、例えばNHなどを存在させて受けさせることで実施可能である。別法として、前記反応をまたZnおよび適切な酸、例えば酢酸などの存在下で実施することも可能である。
【0120】
【化20】

【0121】
式(XII)で表される中間体の調製は、式(XIII)で表される中間体とNH−OHを適切な塩基、例えばNaOC(=O)CHなどおよび適切な溶媒、例えばアルコール、例えばメタノールなどの存在下で反応させることで実施可能である。
【0122】
【化21】

【0123】
この上に記述した方法の代替として、式(X)で表される中間体の調製を、また、式(XIV)で表されるアジド誘導体とトリフェニルホスフィンを適切な溶媒、例えばテトラヒドロフランおよびHOなどの存在下で反応させることで実施することも可能である。
【0124】
【化22】

【0125】
式(X)で表される中間体の調製を、また、式(XIV)で表される中間体に接触水添をH、適切な触媒、例えばPt/C(5%)などおよび適切な溶媒、例えばアルコール、例えばメタノールなどの存在下で受けさせることで実施することも可能である。
【0126】
式(XIV)で表される中間体の調製は、式(XV)で表される中間体とホスホラジド酸(phosphorazidic acid)のジフェニルエステルを2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピンおよび適切な溶媒、例えばトルエンなどの存在下で反応させることで実施可能である。
【0127】
【化23】

【0128】
がC1−6アルキルでありそしてRが水素である式(XV)で表される中間体[この中間体を式(XV−a)で表す]の調製は、Rが水素を表す式(XIII)で表される中間体[この中間体を式(XIII−a)で表す]を(C1−6アルキル)Zn、N,N’−1,2ーシクロヘキサンジイルビス[1,1,1−トリフルオロ]メタンスルホンアミド、Ti(i−PrO)およびトルエンと反応させることで実施可能である。
【0129】
【化24】

【0130】
式(IV)で表される中間体の調製は、式(X)で表される中間体とWが適切な脱離基、例えばハロゲン、例えばクロロなどを表す式(XVI)で表される中間体を適切な塩基、例えばN,N−ジエチルエタンアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどおよび適切な溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランなどの存在下で反応させることで実施可能である。
【0131】
【化25】

【0132】
式(V)で表される中間体の調製は、式(XVII)で表される中間体に還元を適切な還元剤、例えばNaBHなどおよび適切な溶媒、例えばテトラヒドロフランおよびアルコール、例えばメタノールなどの存在下で受けさせることで実施可能である。
【0133】
【化26】

【0134】
式(XVII)で表される中間体の調製は、式(XIII)で表される中間体と2,3−ジアミノ−2−ブテンジニトリルをP(無水燐)および適切な溶媒の存在下で反応させることで実施可能である。
【0135】
【化27】

【0136】
がクロロを表す式(VI)で表される中間体[この中間体を式(VI−a)で表す]の調製は、R3’がC(=O)−OHを表す式(I−a)で表される化合物[この化合物を式(I−a−5)で表す]をSOClと反応させることで実施可能である。
【0137】
【化28】

【0138】
がクロロを表す式(XX)で表される中間体[この中間体を式(XX−a)で表す]の調製は、式(I−b−2)で表される化合物をSOClと反応させることで実施可能である。
【0139】
【化29】

【0140】
式(VIII)で表される中間体の調製は、式(XVIII)で表される中間体と式(XIX)で表される中間体を適切な溶媒、例えばトルエンなどの存在下で反応させることで実施可能である。
【0141】
【化30】

【0142】
式(XVIII)で表される中間体の調製は、式(X)で表される中間体を1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチルメタンアミンと反応させることで実施可能である。
【0143】
【化31】

【0144】
前記式(I)で表される化合物はCCR2受容体拮抗特性を示す。
【0145】
C−Cケモカイン受容体2(CCR2)およびこれのリガンドである単球遊走(走化性)因子(MCP−1;新しいケモカイン命名ではまたCCL2とも呼ばれる)は急性および慢性両方の炎症過程に関係していると認識されている。
【0146】
ケモカイン(「走化性サイトカイン」の短縮形)が白血球輸送の最も重要な調節剤である。そのような生物学的役割は7回膜貫通型ドメイン受容体(これらはヘテロ二量体性G蛋白質と共役する)との相互作用(標的細胞上で)によって果たされる。ケモカインはアミノ末端近くの2個の保存システイン残基(Cで表される)の間にアミノ酸(Xで表される)が存在するか否かに応じて主に2ファミリー(C−CまたはC−X−Cファミリー)に分類分けされる。C−Cファミリーのケモカインは一般に単球、マクロファージ、T細胞およびNK細胞を誘引する。
【0147】
CCR2受容体を通して作用するケモカインはこの上に示したようにMCP−1である。従って、CCR2受容体はまた遊走因子受容体としても知られる。MCP−2およびMCP−3はまた少なくともある程度ではあるがそのような受容体を通しても作用し得る。
【0148】
CCR2受容体およびMCP−1はいろいろな炎症性疾患の病態生理である役割を果たすと認識されている。従って、CCR2受容体を阻害するCCR2受容体拮抗薬は炎症状態、例えば関節炎、骨関節炎、関節リウマチ、糸球体腎炎、肺線維症、サルコイドーシス、脈管炎、肝炎、脳の炎症状態、例えばアルツハイマー病、再狭窄、肺胞炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、乾癬、皮膚の遅延型超過敏反応、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ブドウ膜炎などを防除する薬剤として効力を有する。CCR2受容体拮抗薬はまた自己免疫病、例えば糖尿病または移植拒絶、卒中、再潅流障害、虚血および心筋梗塞の治療で用いるにも有用であり得る。
【0149】
本発明の化合物はまたヒト免疫不全ウイルス(HIV)が単球およびリンパ球に入り込まないようにすることでエイズ(後天性免疫不全症候群)の治療でも治療的役割を果たすことで、本発明の化合物をそのような目的で用いることも可能である。
【0150】
CCR2受容体は2種類のアイソフォーム、即ちCCR2AおよびCCR2B受容体として存在する。
【0151】
前記式(I)で表される化合物、これらのN−オキサイド、薬学的に受け入れられる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態は、CCR2受容体拮抗活性、特にCCR2B受容体拮抗活性を有することから、CCR2受容体、特にCCR2B受容体の活性化が介在する疾患または状態の治療または予防で用いるに有用である。CCR2受容体の活性化に関係した疾患または状態には、関節炎、骨関節炎、関節リウマチ、糸球体腎炎、肺線維症、サルコイドーシス、脈管炎、肝炎、脳の炎症状態、例えばアルツハイマー病、再狭窄、肺胞炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、乾癬、皮膚の遅延型超過敏反応、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ブドウ膜炎、自己免疫病(糖尿病、移植拒絶)、卒中、再潅流障害、虚血、心筋梗塞が含まれる。前記式(I)で表される化合物は、特に、炎症性疾患および自己免疫病、特に関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、炎症性腸疾患および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療または予防で用いるに有用である。
【0152】
前記式(I)で表される化合物、これらのN−オキサイド、薬学的に受け入れられる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態は、上述した薬理学的特性を有することを鑑み、薬剤として使用可能である。本化合物は、特に、CCR2受容体、特にCCR2B受容体の活性化が介在する病気を治療または予防するための薬剤の製造で使用可能である。より詳細には、本発明の化合物は、炎症性疾患、特に関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、炎症性腸疾患および慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療または予防するための薬剤の製造で使用可能である。
【0153】
前記式(I)で表される化合物の有用性を鑑み、CCR2受容体の活性化が介在、特にCCR2B受容体が介在する病気に苦しんでいる温血動物(ヒトを包含)を治療する方法またはそれに苦しんでいる温血動物(ヒトを包含)を予防する方法を提供する。前記方法は、式(I)で表される化合物、これらのN−オキサイド、薬学的に受け入れられる付加塩、第四級アミンまたは可能な立体異性体形態を有効量で温血動物(ヒトを包含)に投与することを含んで成る。
【0154】
式(I)で表される本化合物がCCR2受容体を阻害するとMCP−1が有する通常の機能が抑制される。従って、本化合物はまたMCP−1阻害剤としても記述可能であり、従って、MCP−1が介在する病気を予防または治療する目的で使用可能である。
【0155】
本発明は、また、CCR2受容体、特にCCR2B受容体の活性化が介在する病気を予防または治療するための組成物も提供する。前記組成物は式(I)で表される化合物を治療的に有効な量で含有しかつ薬学的に受け入れられる担体または希釈剤を含有して成る。
【0156】
本発明の化合物は投与の目的でいろいろな薬剤形態に調合可能である。適切な組成物として全身投与用薬剤として通常用いられるあらゆる組成物を挙げることができる。本発明の薬剤組成物を調製する時、有効量の個々の化合物を場合により付加塩の形態で活性材料として薬学的に受け入れられる担体との密な混合物として一緒にするが、前記担体に持たせる形態は投与に望まれる調剤の形態に応じて幅広く多様であり得る。本薬剤組成物を特に経口、直腸、経皮投与または非経口注入に適した単位投薬形態にするのが望ましい。例えば、本組成物を経口投薬形態で調製する時、通常の薬剤媒体のいずれも使用可能であり、例えば液状の経口用調剤、例えば懸濁液、シロップ、エリキシル、乳液および溶液などの場合には水、グリコール、油、アルコールなど、または粉末、ピル、カプセルおよび錠剤の場合には固体状担体、例えば澱粉、糖、カオリン、希釈剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などを用いてもよい。投与が容易なことから錠剤およびカプセルが最も有利な経口投薬単位形態に相当し、この場合には明らかに固体状の薬剤担体を用いる。非経口用組成物の場合の担体は少なくとも大部分が一般に無菌水を含んで成るが、他の材料、例えば溶解性を補助する材料などを含有させることも可能である。例えば、注射可能溶液を調製することも可能であり、その場合の担体は食塩水溶液、グルコース溶液、または食塩水とグルコース溶液の混合物を含んで成る。また、注射可能懸濁液を調製することも可能であり、この場合には適切な液状担体、懸濁剤などを用いてもよい。また、使用直前に液状形態の調剤に変換することを意図する固体形態の調剤も含まれる。経皮投与に適した組成物の場合、その担体に場合により浸透向上剤および/または適切な湿潤剤を含めてもよく、それらを場合によりいずれかの性質を有する適切な添加剤と少しの比率で組み合わせてもよく、そのような添加剤は、皮膚に対して有害な影響を大きな度合では与えない添加剤である。前記添加剤は皮膚への投与を助長しそして/または所望組成物の調製に役立ち得る。そのような組成物はいろいろな様式で投与可能であり、例えば経皮パッチ、スポットオン(spot−on)、軟膏などとして投与可能である。
【0157】
本発明の化合物をまた吸入または通気によって投与することも可能であり、この場合、このような様式で投与する目的で本技術分野で用いられる方法および調剤を用いる。このように、本発明の化合物は一般に溶液、懸濁液または乾燥した粉末の形態で肺に投与可能である。経口または鼻吸入または通気によって溶液、懸濁液または乾燥した粉末を送達する目的で開発された如何なる装置も本化合物の投与に適切である。
【0158】
本発明の化合物をまた滴、特に点眼液の形態で局所的に投与することも可能である。前記点眼液は溶液または懸濁液の形態であってもよい。溶液または懸濁液を点眼液として送達する目的で開発された如何なる系も本化合物の投与で用いるに適する。
【0159】
上述した薬剤組成物を単位投薬形態で調合するのが特に有利である、と言うのは、その方が投与が容易でありかつ投薬が均一であるからである。本明細書で用いる如き「単位投薬形態物」は、各単位が要求される薬剤担体と一緒に所望治療効果をもたらすように計算して前以て決めておいた量の活性材料を含有する単位投薬形態物として用いるに適した物理的に個々別々の単位を指す。そのような単位投薬形態物の例は錠剤(切り目が入っている錠剤または被覆されている錠剤を包含)、カプセル、ピル、粉末、パケット、ウエハース、座薬、注射可能溶液もしくは懸濁液など、そしてそれらを複数に分離した物(segregated multiples)である。
【0160】
投与の正確な用量および頻度は、本分野の技術者に良く知られているように、使用する前記式(I)で表される個々の化合物、治療すべき個々の状態、治療すべき状態のひどさ、個々の患者の年齢、体重、性、障害の度合および一般的身体状態ばかりでなく個人が服用している可能性のある他の薬剤にも依存する。その上、1日当たりの有効量をその治療を受けさせる被験体の反応に応じてそして/または本発明の化合物を処方する医者の評価に応じて少なくするか或は多くしてもよいことも明らかである。
【0161】
前記式(I)で表される化合物をまた他の通常の抗炎症薬または免疫抑制薬、例えばステロイド、シクロオキシゲネーゼ−2−阻害剤、非ステロイド系抗炎症薬、TNF−α抗体、例えばアセチルサリチル酸、ブフェキサマク(bufexamac)、ジクロフェナクカリウム(diclofenac potassium)、スリンダック(sulindac)、ジクロフェナックナトリウム(diclofenac sodium)、ケトロラックトロメタモール(ketorolac trometamol)、トルメチン(tolmetine)、イブプロフェン(ibuprofen)、ナプロキセン(naproxen)、ナプロキセンナトリウム、チアプロフェンアシッド(tiaprofen acid)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、メフェナミックアシッド(mefenamic acid)、ニフルミニックアシッド(nifluminic acid)、メクロフェナメート(meclofenamate)、インドメタシン(indomethacin)、プログルメタシン(proglumetacine)、ケトプロフェン(ketoprofen)、ナブメトン(nabumetone)、パラセタモール(paracetamol)、ピロキシカム(piroxicam)、テノキシカム(tenoxicam)、ニメスリド(nimesulide)、フェニルブタゾン(fenylbutazon)、トラマドール(tramadol)、ベクロメタソンジプロピオネート(beclomethasone dipuropionate)、ベタメタソン(betamethasone)、ベクラメタソン(beclamethasone)、ブデソニド(budesonide)、フルチカソン(fluticasone)、モメタソン(mometasone)、デキサメタソン(dexamethasone)、ヒドロコルチソン(hydrocortisone)、メチルプレドニソロン(methylprednisolone)、プレドニソロン(prednisolone)、プレドニソン(prednisone)、トリアムシノロン(triamcinolone)、セレコキシブ(celecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、バルデコキシブ(valdecoxib)、インフリキシマブ(infliximab)、レフルノミド(reflunomide)、エタネルセプト(etanercept)、CPH 82、メトトレキセート(methotrexate)、スルファサラジン(sulfasalazine)、抗リンパ球性免疫グロブリン、抗胸腺細胞免疫グロブリン、アザチオプリン、サイクロスポリン、タクロリマス(tacrolimus)物質、アスコマイシン(ascomycin)、ラパマイシン(rapamycin)、ムロモナブ(muromonab)−CD3などと組み合わせて用いてもよい。
【0162】
このように、本発明は、また、式(I)で表される化合物と他の抗炎症薬または免疫抑制薬の組み合わせにも関する。前記組み合わせを薬剤として用いてもよい。本発明は、また、CCR2受容体の活性化が介在、特にCCR2B受容体が介在する病気を治療する時に同時、個別または逐次的に用いるに適した組み合わせ調剤として(a)式(I)で表される化合物と(b)別の抗炎性もしくは免疫抑制性化合物を含有させた製品にも関する。そのような製品に入れるいろいろな薬剤を薬学的に受け入れられる担体と一緒に単一の調剤として組み合わせてもよい。別法として、そのような製品には、例えば式(I)で表される化合物を含有する適切な組成物が入る容器と別の抗炎症性もしくは免疫抑制性化合物を含有する組成物が入る別の容器を含んで成るキットが含まれ得る。そのような製品は、医者が治療を受けさせるべき患者の診断を基にして各成分の適切な量およびそれを投与する順および時期を選択することができると言った利点を持ち得る。
【実施例】
【0163】
以下の実施例は本発明を説明することを意図したものである。
実験部分
本明細書では以降「DIPE」をジイソプロピルエーテルとして定義し、「DMA」をN,N−ジメチルアセトアミドとして定義し、「DMF」をN,N−ジメチルホルムアミドとして定義し、そして「THF」をテトラヒドロフランとして定義し、「SOCl」は塩化チオニルを意味し、「EtOH」はエタノールを意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し、「EtO」はジエチルエーテルを意味し、「Ti(iPrO)」はテトラキス(イソプロパノラト)チタンを意味し、「P(Ph)」はトリフェニル−ホスフィンを意味し、そして「EtN」はトリエチルアミンを意味する。
A. 中間体化合物の調製
実施例A1
a. 中間体1の調製
【0164】
【化32】

【0165】
1−[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−プロパノン(0.0441モル)をメタノールp.a.(200ml)に入れて氷浴上で撹拌した。NaOAc(0.0883モル)を加え後、塩酸ヒドロキシルアミン(0.0574モル)を加えた。この反応混合物を0℃で90分間そして室温で18時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、その残留物をCHClに入れて撹拌した後、10%のNaHCO水溶液で洗浄した。その有機相を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させ、次にトルエンと一緒に蒸発させた(2x)。収穫:中間体1。
b. 中間体2の調製
【0166】
【化33】

【0167】
中間体1(0.044モル)をCHOH/NH(7N)(250ml)に入れることで生じさせた溶液に水添を14℃でラネーニッケル(触媒量)を触媒として用いてチオフェン溶液(1ml)の存在下で受けさせた。H(2当量、気体)の吸収が起こった後、前記触媒を濾別し、CHOHで洗浄した。その濾液に蒸発を受けさせた後、トルエンを用いた共蒸発を2回受けさせた。その残留物を2−プロパノール(75ml)に溶解させた後、HCl/2−プロパノール(25ml、6N)を用いて塩酸塩(1:1)に変化させた。溶媒を蒸発させた後、その沈澱物(塩)をDIPE(100ml)に入れて撹拌し、濾別し、洗浄した後、乾燥(真空、50℃)させた。収量:中間体2を9.67g(85.3%)。
c. 中間体3の調製
【0168】
【化34】

【0169】
中間体2(0.373モル)と2−ブロモ酢酸メチルエステル(0.045モル)をDMF(p.a.、モレキュラーシーブで乾燥)(100ml)に入れることで生じさせた溶液をN流下で撹拌した後、EtN(0.112モル)を添加して、その反応混合物を室温で20時間撹拌した。追加的2−ブロモ酢酸メチルエステル(1.25ml)を加えた後の混合物を室温で68時間撹拌した。その結果として生じた沈澱物を濾別した後、DMFで洗浄した。その沈澱物/DMF混合物を濾過し、その濾液をEtO(600ml)で処理した後、HO(300mlで3回)で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させ、次にトルエンと一緒に2回蒸発させた。収量:中間体3を10.94g。
d. 中間体4の調製
【0170】
【化35】

【0171】
中間体3(0.0372モル)を蟻酸(3.75ml)とキシレンp.a.(110ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながら6時間還流させた後、この反応混合物を一晩撹拌し、HOで2回、飽和NaHCO溶液そして食塩水で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。収量:中間体4を11.3g。
実施例A2
a. 中間体5の調製
【0172】
【化36】

【0173】
シクロプロピル(3,4−ジクロロフェニル)メタノンオキシム(0.16モル)とZn(75g)を酢酸(750ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で18時間撹拌した後、その反応混合物をセライトの上に置いて濾過し、そしてその濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をHOに入れて撹拌することで溶解させた後、その溶液をNaCOで処理しそしてCHClで抽出した。その有機層を分離し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を2−プロパノールに入れて溶解させた後、HCl/2−プロパノールを用いて塩酸塩(1:1)に変化させた。その沈澱物を濾別し、DIPEで洗浄した後、乾燥させた。収量:中間体5を26.8g。
b. 中間体6と7の調製
【0174】
【化37】

【0175】
(3,4−ジクロロフェニル)フェニルメタノンオキシム(0.132モル)とZn(70g)を酢酸(700ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で18時間撹拌した後、その反応混合物をジカライトの上に置いて濾過し(Znを除去する目的)、そしてその濾液に蒸発を受けさせた。その残留物をHO(±150ml)に溶解させた後、酢酸塩(1:1)に変化させた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。収量:中間体6を31g。その濾液をNaCOで処理した後、CHClで抽出した。その有機層を分離し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を2−プロパノールに溶解させた後、HCl/2−プロパノールを用いて塩酸塩(1:1)に変化させた。その沈澱物を濾別した後、乾燥させた。収量:中間体7を5g。
実施例A3
中間体8の調製
【0176】
【化38】

【0177】
3,4−ジクロロ−α−エチルベンゼンメタンアミン(0.0098モル)と2−クロロ−3−オキソ−酪酸メチルエステル(0.0166モル)をEtN(5ml)に入れることで生じさせた混合物をDMF(50ml)に入れて室温で18時間撹拌した後、この反応混合物をHO(200ml)の中に注ぎ出して、ジエチルエーテル(150ml)で抽出した。そのエーテル層をHO(200ml)で3回洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。収穫:中間体8。
実施例A4
a. 中間体9の調製
【0178】
【化39】

【0179】
N,N’−1,2−シクロヘキサンジイルビス[1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミド](1R−トランス)(0.189g)とTi(iPrO)(0.030モル)をトルエンに入れることで生じさせた混合物に脱気を受けさせ、それをAr流下に置いた後、40℃で20分間撹拌した。この混合物を−78℃に冷却した後、EtZn(0.03モル)を滴下した。20分後、3,4−ジクロロベンズアルデヒド(0.0250モル)をトルエンに入れて滴下した後、その反応混合物を0℃になるまで温めた。この混合物を室温で一晩撹拌した後、2NのHClで反応を消滅させた。この混合物をCHClで抽出した。その有機層を分離して洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。収量:中間体9を5.1g(S−異性体)。
b. 中間体10の調製
【0180】
【化40】

【0181】
中間体9(0.025モル)とホスホラジド酸ジフェニルエステル(0.030モル)をトルエン(50ml)に入れることで生じさせた混合物を0℃で撹拌した。2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン(0.030モル)を加えた後の反応混合物を0℃で2時間に続いて室温で一晩撹拌した。この反応混合物を水とトルエンで希釈した。その有機層を分離し、水で1回そして5%のHClで1回洗浄した後、溶媒を蒸発させた。収穫:中間体10(R−異性体)。
c. 中間体11の調製
【0182】
【化41】

【0183】
中間体10(0.025モル)とP(Ph)(0.027モル)をTHF(70ml)とHO(20ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物を10%のHClで処理した。その酸性層をDIPEで洗浄した後、アルカリにし、次にCHClで抽出した。その有機層を分離し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィーで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。収量:中間体11を1.1g(R−異性体)。
d. 中間体12の調製
【0184】
【化42】

【0185】
中間体11(0.0116モル)をEtN(0.013モル)とDMF p.a.(20ml)に入れることで生じさせた溶液を氷浴上で撹拌した。クロロアセトニトリル(0.0128モル)をDMF p.a.(2.5ml)に入れることで生じさせた溶液を滴下した。この反応混合物を室温で6時間撹拌した。更にクロロアセトニトリルを次の68時間の間に3回添加することで最終的に反応を完了させた。その沈澱物を濾別した。その濾液をEtO(200ml)の中に注ぎ出した後、HO/NaHCO(10%、100ml)そしてHO(2x)で洗浄した。その有機層を分離して乾燥(MgSO)させた後、溶媒を蒸発させそしてトルエンと一緒に蒸発させた。その残留物をシリカゲルの上に置いて精製した(溶離剤:CHCl/MeOHを99:1)。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させそしてトルエンと一緒に蒸発させた。収量:中間体12を2.3g(81.6%)。
e. 中間体13の調製
【0186】
【化43】

【0187】
中間体12(0.00946モル)と蟻酸n−ブチル(15ml)の混合物を撹拌しながら4日間還流させた。溶媒を蒸発させた後、トルエンと一緒に蒸発させた。収量:中間体13を2.68g。
実施例A5
中間体14の調製
【0188】
【化44】

【0189】
化合物22(B14に従って調製)(0.0107モル)をSOCl(20ml)で処理した後、この反応混合物を60℃で2時間撹拌した。余分なSOClを蒸発させた後、その残留物にトルエンを用いた共蒸発を2回受けさせた(2x30ml)。収穫:中間体14。
実施例A6
a. 中間体15の調製
【0190】
【化45】

【0191】
1−(3,4−ジクロロフェニル)エタノン(0.0278モル)と2,3−ジアミノ−2−ブテンジニトリル(0.0278モル)の混合物をEtOH(p.a.)(75ml)に入れてN雰囲気下で撹拌した後、P(無水燐)(0.0106モル)を分割して加え、この反応混合物を2時間撹拌した後、一晩放置した。その結果として生じた沈澱物を濾別し、EtOH、DIPEそしてHOで洗浄した後、乾燥させた。収量:中間体15を2.85g(36.7%)。
b. 中間体16の調製
【0192】
【化46】

【0193】
中間体15(0.01モル)をCHOH(30ml)とTHF p.a.(40ml)に入れることで生じさせた溶液にNaBH(0.013モル)を分割して加えた後、この反応混合物を2時間撹拌した。この混合物をHO(275ml)で希釈した後、CHClで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をCHCl/CHOH(99.5/0.5)に入れて撹拌した後、沈澱物を濾別し、CHClそしてDIPEで洗浄した後、乾燥(真空、45℃)させた。収量:中間体16を0.86g。
実施例A7
a. 中間体17の調製
【0194】
【化47】

【0195】
3,4−ジクロロ−α−エチルベンゼンメタンアミン(0.04モル)を1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチルメタンアミン(80ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら3時間還流させた後、溶媒を蒸発させそしてトルエンと一緒に2回蒸発させた。収穫:中間体17。
b. 中間体18の調製
【0196】
【化48】

【0197】
中間体17(0.035モル)と2−[(フェニルメチル)チオ]−5(4H)−チアゾロン(0.035モル)をトルエンp.a.(200ml)に入れることで生じさせた溶液を60℃で2.5時間撹拌し、室温で一晩撹拌した後、60℃で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、その残留物をシリカゲルの上に置いて濾過することで精製した(溶離剤:CHCl/ヘキサンを50/50)。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させ、次にCHOHと一緒に蒸発させた。収量:中間体18を5.9g。
実施例A8
a. 中間体19の調製
【0198】
【化49】

【0199】
中間体11(A4.cに従って調製)(0.0054モル)とブロモ酢酸メチルエステル(0.0055モル)とEtN(0.006モル)をDMF(適量)に入れることで生じさせた混合物を室温で一晩撹拌した後、水の中に注ぎ出した。この混合物をCHClで抽出した。その有機層を分離して乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。収量:中に19を1.3g(R−異性体)。
b. 中間体20の調製
【0200】
【化50】

【0201】
中間体19(0.0054モル)を蟻酸(3ml)とキシレン(50ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら20時間還流させた。この反応混合物を冷却し、水で洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。収量:中間体20を1.3g(R−異性体)。
実施例A9
a. 中間体21の調製
【0202】
【化51】

【0203】
1−(3,4−ジクロロフェニル)−1−プロパノン(0.345モル)をエタノールp.a.(150ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながらこれにNaCO(0.52モルの一部)を水(150ml)に入れることで生じさせた溶液を加えた後、NaCOの残りを加え、そして激しく撹拌しながら塩酸ヒドロキシルアミン(0.345モル)を分割して加えた。この反応混合物を還流温度に加熱した後、追加的水(75ml)を加え(無機材料の溶解を向上させる目的)た後、その結果として得た混合物を撹拌しながら6時間還流させた。追加的塩酸ヒドロキシルアミン(2.4g)を加えた後の混合物を更に18時間還流させた。再び追加的塩酸ヒドロキシルアミン(3g)を加えた後の反応混合物を24時間還流させそして室温で2日間撹拌した。固体を濾別し、エタノール/水(1/1)で洗浄した後、56℃で乾燥(真空、空気流)させた。収量:中間体21を71.8g(95.4%)。
b. 中間体22の調製
【0204】
【化52】

【0205】
中間体21(0.3モル)をCHOH/NH(7N)(500ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を14℃でラネーニッケル(触媒量)を触媒として用いてチオフェン溶液(6ml)の存在下で受けさせた。H(2当量)の吸収が起こった後、前記触媒を濾別して、その濾液に蒸発を受けさせた後、トルエンを用いた共蒸発を2回受けさせた。その残留物を沸騰している2−プロパノール(250ml)に入れて撹拌した後、その混合物を熱濾別した。その濾液を室温に到達させた後、激しく撹拌しながらHCl/2−プロパノール(6N、150ml)をゆっくり加えた。溶媒を蒸発させた後、その残留物をDIPEに入れて撹拌し、次に濾別し、洗浄した後、60℃で乾燥(真空)させた。収量:塩酸塩として単離した中間体22を53g(73.4%)。
c. 中間体23の調製
【0206】
【化53】

【0207】
モレキュラーシーブで乾燥させておいたDMF p.a.(150ml)に中間体22(0.0748モル)とクロロ酢酸メチルエステル(0.08モル)を入れることで生じさせた溶液をN下室温で撹拌しながらこれにEtN(0.224モル)をゆっくり加えた後、この反応混合物を室温で20時間撹拌しそして追加的クロロ酢酸メチルエステル(3.3ml)を加えた。この混合物を室温で更に20時間撹拌した後、再び追加的クロロ酢酸メチルエステル(2ml)を加えた。その結果として得た混合物を24時間撹拌した後、固体を濾別してDMFで洗浄した。EtO(800ml)を加えた後の混合物を水(500ml)で3回洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させ、次にトルエンと一緒に蒸発させた。残存する油(23.4g)をシリカゲルの上に置いて濾過した(溶離剤:CHCl/CHOHを99/1)。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させ、最後にトルエンと一緒に蒸発させた。収量:中間体23を20.6g(99.7%)。
d. 中間体24の調製
【0208】
【化54】

【0209】
蟻酸(7.5ml)と中間体23(0.0746モル)をキシレンp.a.(225ml)に入れることで生じさせた溶液(2相)を撹拌しながら4時間還流させた後、この反応混合物を室温に到達させた。この混合物を水で2回(2x200ml)、飽和NaHCO溶液(200ml)そして飽和NaCl溶液(200ml)で洗浄した後、その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させた後、濾別した。最後に溶媒を蒸発させた。収量:中間体24を21.3g(93.9%)。
実施例A10
a. 中間体25の調製
【0210】
【化55】

【0211】
N,N’−(1S,2S)−1,2−シクロヘキサンジイルビス[1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミド(0.060g)とTi(iPrO)(8.5g)をトルエンに入れることで生じさせた混合物に脱気を受けさせ、それをAr流下に置いた後、40℃で20分間撹拌した。この混合物を−78℃に冷却した後、ジエチル亜鉛(適量)を滴下した。20分後、3,4−ジクロロ−ベンズアルデヒド(0.025モル)をトルエン(適量)に入れて滴下し、その反応混合物を0℃になるまで温めた後、室温で一晩撹拌し、2NのHClで反応を消滅させた後、CHClで抽出した。その有機層を分離して洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを98/2)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。収量:中間体25(R)を5g。
b. 中間体26の調製
【0212】
【化56】

【0213】
中間体25(0.127モル)とホスホラジド酸ジフェニルエステル(0.153モル)をトルエン(適量)に入れることで生じさせた混合物を0℃で撹拌した。2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン(0.153モル)を滴下し、その反応混合物を0℃で1時間に続いて室温で2時間そして次に50℃で3時間撹拌した。この反応混合物を冷却し、水、0.5MのHClそして水で洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを95.5/0.5)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。収量:中間体26、S−(−)を23.5g。
c. 中間体27の調製
【0214】
【化57】

【0215】
中間体26(0.122モル)をメタノール(適量)に入れることで生じさせた混合物に水添を50℃で5%Pt/C(5g)を触媒として用いて受けさせた。Hの吸収が起こった後、前記触媒を濾別して、その濾液に蒸発を受けさせた。収穫:中間体27。
d. 中間体28の調製
【0216】
【化58】

【0217】
中間体27(0.050モル)とブロモ酢酸メチル(0.060モル)とEtN(15ml)をDMF(100ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で一晩撹拌した。更にブロモ酢酸メチルを加えて、その反応混合物を室温で一晩撹拌した後、水の中に注ぎ出した。この混合物にCHClによる抽出を受けさせた。その有機層を分離して乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。収量:中間体28を12g。
e. 中間体29の調製
【0218】
【化59】

【0219】
中間体28(0.05モル)を蟻酸(100ml)とキシレン(150ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら48時間還流させた。この反応混合物を冷却し、水の中に注ぎ出した後、トルエンで抽出した。その有機層を分離して水で洗浄し、NaHCOで処理し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。収量:中間体29を13.2g。
実施例A11
a. 中間体30の調製
【0220】
【化60】

【0221】
3,4−ジクロロ−α,α−ジメチル−ベンゼンメタンアミン(0.032モル)をブロモ酢酸メチル(6ml)とDMF(50ml)とEtN(15ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で一晩反応させ、変換がある程度起こった後、その反応混合物を45℃に6時間加熱した。この混合物を濾過し、CHClで希釈し、水で5回洗浄した後、乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。収穫:中間体30。
b. 中間体31の調製
【0222】
【化61】

【0223】
中間体30(残留物)を蟻酸(50ml)とキシレン(50ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら18時間還流させた後、この反応混合物を冷却して、水とトルエンの間で分離させた。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを95/5)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。この高純度ではない残留物を高性能液クロで精製した。高純度生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。収量:中間体31を2.1g。
B. 式(I)で表される最終的化合物の製造
実施例B1
a. 化合物1の製造
【0224】
【化62】

【0225】
中間体4(A1.dに従って調製)(0.0177モル)と蟻酸メチルエステル(0.05g)とTHF(p.a.、モレキュラーシーブで乾燥)(30ml)の溶液をN流下で撹拌した後、NaOMe(インサイチュで調製、以下の注を参照)(0.0185モル)を加えた後の反応混合物を室温で20時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、その残留物をHO(40ml)に入れて撹拌した後、EtOで2回洗浄した。その水層を分離して、これにMeOH(35ml)に続いてHCl(36%、p.a.)(4.2ml)を加えた。KSCN(0.03モル)を加えた後、その結果として生じた溶液を50℃で6時間に続いて室温で20時間、80℃で3時間撹拌し、そして最後に室温で一晩撹拌した。その結果として生じた沈澱物を濾別し、CHOH/HO(1/2)で洗浄した後、乾燥(真空、60℃)させた。収量:化合物1を4.25g。
注:NaOMeをNaH(0.74g、鉱油中60%)とMeOH(0.74ml)を用いてTHF(15ml、p.a.、乾燥)中でインサイチュ生成させた。
b. 化合物2の製造
【0226】
【化63】

【0227】
【化64】

【0228】
(A1.dに従って調製)(0.02モル)と蟻酸メチルエステル(0.06モル)をTHF(100ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で撹拌した後、2−メチル−2−プロパノールのナトリウム塩(0.025モル)を加え、そしてその反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、その残留物をHO(±100ml)に入れて15分間撹拌した後、EtOで洗浄した。その水相を分離した後、HCl(濃)(0.06モル)を加えた。CHOH(±100ml)を加えた後にKSCN(0.03モル)を加えて、この反応混合物を60℃で18時間撹拌した。この混合物を室温で2時間撹拌した後、ヘキサンに入れて撹拌した。沈澱物を濾別した後、乾燥させた。収量:化合物2を6.4g。
実施例B2
a. 化合物3の製造
【0229】
【化65】

【0230】
中間体4(A1.dに従って調製)(0.0174モル)とエタン二酸ジメチルエステル(0.03モル)とTHF(p.a.、モレキュラーシーブで乾燥)(30ml)の溶液を撹拌した後、NaOMe(インサイチュで調製、以下の注を参照)(0.0185モル)を加えた後の反応混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、その残留物をHO(50ml)に入れて撹拌した後、EtOで2回洗浄した。その水層を分離して、これにMeOH(35ml)に続いてHCl(36%、p.a.)(4.2ml)を加えた。KSCN(0.03モル)を加えた後、その結果として生じた溶液を50℃で18時間撹拌した。この混合物を室温に到達させた後、追加的HOを加え、そしてその混合物にCHClによる抽出を受けさせた。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを98.5/1.5)で精製した。最も純度の高い生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をFlash Tubes使用フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/THFを95/5)で更に精製した。生成物画分を集め、溶媒を蒸発させた後、その残留物を濾別して、乾燥させた。収量:化合物3を0.0186g。
注:NaOMeをNaH(0.74g、鉱油中60%)とMeOH(0.74ml)を用いてTHF(15ml、p.a.、乾燥)中でインサイチュ生成させた。
b. 化合物4の製造
【0231】
【化66】

【0232】
【化67】

【0233】
(A1.dに従って調製)(0.02モル)とエタン二酸ジメチルエステル(0.04モル)をTHF(100ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で撹拌した後、2−メチル−2−プロパノールのナトリウム塩(0.025モル)を一度に加えて、この反応混合物を60℃で18時間撹拌した。追加的2−メチル−2−プロパノールナトリウム塩(0.025モル)を60℃で分割して加えた後の反応混合物を60℃で一晩撹拌した。再び、追加的2−メチル−2−プロパノールナトリウム塩(0.005モル)を60℃で加えた後の混合物を更に60℃で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、その残留物をHOに入れて撹拌した後、EtOで洗浄した。その水層を分離した後、HCl(濃)(5ml)を加えた。固体が沈澱し、CHOHを添加(溶液が透明になるまで)した後、KSCN(0.03モル)を加えて、その反応混合物を60℃で20時間撹拌した。有機溶媒(CHOH)を蒸発させた後、その水性濃縮液にCHClによる抽出を受けさせた。その有機層を分離し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲルの上に置いて濾過することで精製した(溶離剤:CHCl/CHOHを98/2)。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPEから結晶化させ、濾別した後、乾燥させた。収量:化合物4を2g。
c. 化合物5の製造
【0234】
【化68】

【0235】
NaH(60%)(0.6g)をTHF(50ml)に入れることで生じさせた混合物に中間体13(A4.eに従って調製)(0.0136モル)を加えた後、エタン二酸ジメチルエステル(0.0152モル)を加えて、この反応混合物を室温で5時間撹拌した。この混合物をHOの中に注ぎ出した後、その水層にCHClによる抽出を受けさせた。その有機層を分離し、酸性にした後、その水層にCHClによる抽出を受けさせた。その有機層を濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をCHOH(20ml)、HO(20ml)そしてHCl(5ml、1N)で処理した。KSCN(1g)をHO(10ml)に入れることで生じさせた混合物を加えた後の反応混合物を60℃で18時間撹拌した。その結果として生じた沈澱物を濾別した後、シリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを90/10)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。収量:化合物5を0.700g。
d. 化合物37と68の製造
【0236】
【化69】

【0237】
【化70】

【0238】
(0.0618モル)とエタン二酸ジメチルエステル(0.11モル)をTHF(p.a.モレキュラーシーブで乾燥)(100ml)に入れることで生じさせた溶液をN雰囲気下で撹拌した後、2−メチル−2−プロパノールのナトリウム塩(0.066モル)を加えて、この反応混合物を室温で18時間そして更に24時間撹拌した。最後に、この混合物を60℃で4時間撹拌した。追加的2−メチル−2−プロパノールナトリウム塩(4g)および追加的エタン二酸ジメチルエステル(6g)を加えた後の反応混合物を室温で週末に渡って撹拌した。溶媒を蒸発させ、その残留物をHO(250ml)に溶解させた後、EtOで2回洗浄した。その水層を分離した後、CHOH(200ml)、KSCN(10g)およびHCl(36%、p.a.)(適量)を加えた後の混合物を60℃で18時間撹拌した。溶媒をある程度蒸発させた後、その濃縮液にCHClによる抽出を受けさせた。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物(5g)をシリカゲルの上に置いて濾過することで精製した(溶離剤:CHCl/CHOHを99/1)。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をヘキサン下で磨り潰し、濾別し、洗浄した後、乾燥(真空、50℃)させた。収量:化合物37を5.2g。副生成物が入っている画分を一緒にし、溶媒を蒸発させた後、ヘキサン/DIPEと一緒に蒸発させた。その残留物をEtO/ヘキサンに入れて撹拌し、その結果として生じた沈澱物を濾別し、ヘキサンで洗浄した後、乾燥(真空、50℃)させた。収量:化合物68を0.28g。
実施例B3
化合物6の製造
【0239】
【化71】

【0240】
中間体8(A3に従って調製)(0.0079モル)とKSCN(0.031モル)をHCl(1N)(5ml)に入れることで生じさせた混合物をEtOH(50ml)に入れて80℃で4時間撹拌した。この反応混合物をHOの中に注ぎ出した後、CHClで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相クロマトグラフィーで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を初期体積の50パーセント未満になるまで蒸発させた。その残留物をCHClで抽出した後、その有機層を分離し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。収量:化合物6を0.3g。
実施例B4
化合物7と8の製造
【0241】
【化72】

【0242】
中間体13(A4.eに従って調製)(0.0094モル)と蟻酸メチルエステル(0.027モル)とTHF(p.a.、モレキュラーシーブで乾燥)(15ml)の溶液をN流下で撹拌した。NaOMe(インサイチュで調製、注を参照)(0.01モル)を加えた後の反応混合物を室温で20時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物をHO(20ml)に溶解させた後、EtO(2x20ml)で洗浄した。その水層を分離して、これにMeOH(15ml)を加えた。次に、HCl(36%、p.a.)(2.25ml)を加えた。KSCN(1.52g)を加えた後の反応混合物を50℃で5時間、室温で16時間撹拌した後、5時間還流させた。次に、これを室温になるまで冷却した。その液体層を傾斜法で取り出した。その油状層をCHCl/MeOH(95:5)に溶解させた後、HOで洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/MeOHの勾配)で精製した。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。画分1の収量:化合物7を0.065g、および画分2の収量:化合物8を0.063g。注:NaOMeをNaH(0.4g、鉱油中60%)とMeOH(0.4ml)を用いてTHF(10ml、p.a.、乾燥)中でインサイチュ生成させた。
実施例B5
a. 化合物9の製造
【0243】
【化73】

【0244】
中間体14(A5に従って調製)(0.00158モル)と酢酸アンモニウム塩(0.00649モル)の混合物をアセトン(適量)に入れて室温で2時間撹拌した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相クロマトグラフィーで精製した。生成物画分を集めた後、その水層に蒸発を初期体積の50パーセント未満になるまで受けさせた。その結果として得た濃縮液をCHClで抽出した後、その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。収量:化合物9を0.27g。
b. 化合物10の製造
【0245】
【化74】

【0246】
NH(1ml)を撹拌しながら、これに、3−[1−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)プロピル]−2−メルカプト−3H−イミダゾール−4−カルボニルクロライド(A5に従って調製)(0.0003モル)をTHF(p.a.、モレキュラーシーブで乾燥)(1ml)に入れることで生じさせた溶液を一度に加えた後、この反応混合物を一晩撹拌した。HOを加えた後の混合物をCHClで抽出した。その有機層を分離した後、蒸発させた。その残留物をアセトン(5ml)に溶解させた後、SO流で15分間処理した。溶媒を蒸発させた後、その残留物を逆相高性能液クロで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。CHCl(6ml)およびKCO水溶液(1ml、10%)を加えた後の混合物を5分間撹拌した後、ISOLUTE HM−Nカートリッジを用いて濾過した。その濾液に蒸発を受けさせた。収量:化合物10を0.0289g。
実施例Bb
化合物11の製造
【0247】
【化75】

【0248】
中間体14(A5に従って調製)(0.00126モル)をピロリジン(0.00599モル)に入れることで生じさせた混合物をDMF(適量)に入れて室温で4時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、その残留物をアセトン(50ml)に入れて撹拌した後、SOで10分間処理した。アセトンを蒸発させた後の濃縮液を逆相クロマトグラフィーで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を初期体積の50パーセント未満になるまで蒸発させた。その結果として得た濃縮物をCHClで抽出した後、その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。。収量:化合物11を0.180g。
実施例B7
a. 化合物12の製造
【0249】
【化76】

【0250】
EtOH、p.a.(1ml)を撹拌しながら、これに、3−[1−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)プロピル]−2−メルカプト−3H−イミダゾール−4−カルボニルクロライド(A5に従って調製)(0.0003モル)をTHF(p.a.、モレキュラーシーブで乾燥)(1ml)に入れることで生じさせた溶液を一度に加えた後、この反応混合物を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させた後、その残留物をCHCl/HOに入れて撹拌した。その有機層を分離した後、蒸発させた。その残留物をアセトン(5ml)に溶解させた後、SO流で15分間処理した。溶媒を蒸発させた後、その残留物を逆相高性能液クロで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。CHCl(6ml)およびKCO水溶液(1ml、10%)を加えた後の混合物を5分間撹拌した後、ISOLUTE HM−Nカートリッジを用いて濾過した。その濾液に蒸発を受けさせた。収量:化合物12を0.0369g。
b. 化合物61の製造
【0251】
【化77】

【0252】
1,2−エタンジオール(1ml)を撹拌しながら、これに、3−[1−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)プロピル]−2−メルカプト−3H−イミダゾール−4−カルボニルクロライド(A5に従って調製)(0.0003モル)をTHF(p.a.、モレキュラーシーブで乾燥)(1ml)に入れることで生じさせた溶液を一度に加えた後、この反応混合物を一晩撹拌した。HOを加えた後の混合物にCHClによる抽出を受けさせた。その有機層を分離した後、蒸発させた。その残留物をアセトン(5ml)に溶解させた後、SO流で15分間処理した。溶媒を蒸発させた後、その残留物を逆相高性能液クロで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。CHCl(6ml)およびKCO水溶液(1ml、10%)を加えた後の混合物を5分間撹拌した後、ISOLUTE HM−Nカートリッジを用いて濾過した。その濾液に蒸発を受けさせた。収量:化合物61を0.0215g。
実施例B8
化合物13の製造
【0253】
【化78】

【0254】
中間体16(A6.bに従って調製)(0.000356モル)をCHCl、p.a.(2ml)に入れることで生じさせた混合物をN雰囲気下で撹拌しながらこれにカルボノチオ酸ジクロライド(0.00045モル)に続いてN,N−ジエチルエタンアミン(0.125ml)を加えた後、この反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。この混合物にHOによるクエンチを受けさせ(quenched)後、CHClによる抽出を受けさせた。その有機層を分離し、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相高性能液クロで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その水性濃縮液にCHClによる抽出を受けさせた後、その水層を分離し、濾過した後、溶媒を蒸発させた。収量:化合物13を0.0072g。
実施例B9
化合物14の製造
【0255】
【化79】

【0256】
中間体18(A7.bに従って調製)(0.0001モル)をメタノールp.a.(1.5ml)に入れることで生じさせた溶液にMeOH中のNaOMe(0.4ml)を加えた後、この反応混合物をN流下室温で18時間撹拌した。この混合物に酸性水によるクエンチを受けさせた後、CHClによる抽出を受けさせた。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をFlash Tubeの上に置いて濾過することで精製(溶離剤:CHCl)した後、生成物画分を集め、CHCl/CHOHで取り上げた後、溶媒を蒸発させた。収量:化合物14を0.0136g。
実施例B10
化合物16と17の製造
【0257】
【化80】

【0258】
化合物15
【0259】
【化81】

【0260】
(B1.aまたはB1.bに従って調製)(0.001モル)をProChrom D.A.C.カラム使用キラルカラムクロマトグラフィー[I.D.が5cm;ADキラル相を500g;注入:360mgを1x35mlのエタノールに入れた;溶離剤:エタノール(定組成)]で分離精製した。生成物画分を2グループ集めた後、溶媒を蒸発させた。収量:化合物16[(A)=(+)−(R)]を0.156gおよび化合物17[(B)=(−)−(S)]を0.153g
実施例B11
化合物16の製造
【0261】
【化82】

【0262】
中間体20(A8.bに従って調製)(0.00427モル)と蟻酸メチルエステル(1g)をTHF(20ml)に入れることで生じさせた混合物にNaH、CHOH(0.005モル)を加えた。この混合物を室温で24時間撹拌した。この混合物に蒸発による濃縮を受けさせた後、その濃縮液を水で希釈して、EtOで洗浄した。HCl(5ml)とKCN(1g)をメタノール(25ml)に入れることで生じさせた混合物を水層に加えた後、その結果として得た反応混合物を撹拌しながら一晩還流させた。ゴム状の固体を水層から分離した後、CHClで取り上げた。その有機溶液を乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィーで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。収量:化合物16(R−異性体)を0.50g。
実施例B12
化合物18の製造
【0263】
【化83】

【0264】
化合物15
【0265】
【化84】

【0266】
(B1.aまたはB1.bに従って調製)(0.00032モル)を1MのLiBEt(超無水物)(2.5ml)とTHF(2ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で2時間撹拌した。メタノールを加えた後、再び蒸発させた。その残留物を逆相HPLC(勾配溶離)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。収量:化合物18を0.0142g
実施例B13
化合物19と20の製造
【0267】
【化85】

【0268】
化合物5(B2.cに従って調製)(0.00054モル)とNHOH(適量)を密封型容器に入れて100℃で18時間反応させた後、溶媒を蒸発させ、その残留物を逆相高性能液クロで精製した。生成物画分を2グループ集めた後、各溶媒を蒸発させた。画分グループ1の収量:化合物19を0.075g。画分グループ2の収量:化合物20を0.080g。
実施例B14
a. 化合物22の製造
【0269】
【化86】

【0270】
化合物21
【0271】
【化87】

【0272】
(B1.aまたはB1.bに従って調製)(0.0128モル)をNaOH(25%)(50ml)に入れることで生じさせた混合物を36時間撹拌した後の溶液にHCl(濃)による処理を0℃で受けさせた。その結果として生じた沈澱物を濾別した後、乾燥(真空)させた。収量:化合物22を3.2g。
b. 化合物23の製造
【0273】
【化88】

【0274】
化合物15
【0275】
【化89】

【0276】
(B1.aまたはB1.bに従って調製)(0.004モル)をNaOH(1N)(7.5ml)とCHOH、p.a.(10ml)とTHF、p.a.(20ml)に入れることで生じさせた溶液を室温で20時間撹拌した後、75℃で5日間撹拌した。追加的NaOH(1N)(7.5ml)を加えた後の反応混合物を75℃で1時間撹拌した後、この混合物を室温に到達させた。HO(45ml)に続いてEtO(50ml)を加えた後の反応混合物を30分間撹拌した。その水層を分離し、EtOAc/ヘキサン(2x50ml、1/1)で洗浄した後、HCl(1N)で酸性にしてpHを3にした。この混合物をCHCl/CHOH(95/5)で抽出した後、その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をEtO/ヘキサン/CHCl(1/1/1)に溶解させた後、濃縮を60℃(真空無し)で結晶化が始まるまで行った後、その混合物を30分間放置した。その沈澱物を濾別し、ヘキサン/EtO(3/1)で洗浄し、乾燥(真空、50℃)させた後、真空ポンプを用いて5時間乾燥させた。収量:化合物23を0.55g(41.5%)。
実施例B15
化合物69の製造
【0277】
【化90】

【0278】
化合物46
【0279】
【化91】

【0280】
(B2.a/B2.bに従って調製)(0.00072モル)をCHNH(水溶液)(5ml)に入れることで生じさせた混合物を密封型容器に入れて100℃で18時間撹拌した後、この反応混合物を冷却して、溶媒をN流下で蒸発させた。その残留物を逆相高性能液クロで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を初期体積の50パーセント未満になるまで蒸発させた。その濃縮液にCHClによる抽出を受けさせ、その有機層を分離し、乾燥させた後、溶媒を蒸発させた。収量:化合物69を0.180g。
実施例B16
化合物77の製造
【0281】
【化92】

【0282】
化合物4(0.0005モル)を一水加ヒドラジン(1ml)とHO(4ml)に入れることで生じさせた混合物を密封型容器に入れて100℃で20時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、その結果として得た残留物を用いた。収量:化合物77を0.108g。
実施例B17
化合物78の製造
【0283】
【化93】

【0284】
中間体13(0.0158モル)をTHF(p.a.モレキュラーシーブで乾燥)(600ml)に入れることで生じさせた溶液をN下で撹拌した後、エタン二酸ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル(0.0238モル)に続いて2−メチル−2−プロパノールのナトリウム塩(0.019モル)を加えた。この反応混合物を室温で4時間撹拌した後、追加的2−メチル−2−プロパノールナトリウム塩(0.4g)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をCHOH(40ml)に溶解させた後、チオシアン酸カリウム塩(0.0474モル)をHO(20ml)に入れることで生じさせた溶液を添加した後、36%のHCl(2ml)を添加して、その反応混合物を室温で18時間撹拌した。この混合物を50℃で更に24時間撹拌し、氷水(150ml)の中に注ぎ出した後、CHClで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを99.5/0.5)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相高性能液クロ(標準的勾配)で精製した。生成物画分を集めた後、有機溶媒を蒸発させた。沈澱が起こり、その水性濃縮液を濾過した。その濾液をCHClで抽出し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPEに入れて撹拌した後、結果として生じた固体を濾別し、洗浄した後、50℃で乾燥(真空)させた。収量:融点が172.7−175.2℃の化合物78を0.28g。
実施例B18
化合物79の製造
【0285】
【化94】

【0286】
中間体29(0.0263モル)と蟻酸メチルエステル(10ml)をTHF(150ml)に入れることで生じさせた混合物を0℃で撹拌しながらこれに2−メチル−2−プロパノールのカリウム塩(0.039モル)を分割して加えた。この混合物を0℃で30分間撹拌した。チオシアン酸カリウム塩(3g)を加えた。濃HClを反応混合物のpHがpH=1に到達するまで加えた。この反応混合物を撹拌しながら48時間還流させた後、冷却し、水で希釈した後、CHClで抽出した。その有機層を分離して水で洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを98/2)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。収量:旋光度:[α]20=−251.6゜(c=0.26 CHCl)を示す化合物79を6.4g(70%)[S(−)−異性体]。
実施例B19
化合物80の製造
【0287】
【化95】

【0288】
中間体31(0.0066モル)を蟻酸メチルエステル(5ml)とTHF(適量)に入れることで生じさせた0℃の混合物に2−メチル−2−プロパノールのナトリウム塩(2.5g)を分割して加え、この反応混合物を室温で一晩放置した後、この混合物をエーテルと水で希釈した。その水層をチオシアン酸カリウム塩(適量)、HCl(適量)およびCHOH(適量)で処理し、その結果として得た混合物を20時間加熱し、冷却した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相高性能液クロで精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。収穫:化合物80。
実施例B20
化合物81の製造
【0289】
【化96】

【0290】
化合物106(B6に従って調製)(0.0008モル)をTHF(10ml)に入れることで生じさせた混合物を氷浴の上に置いて0−5℃で撹拌しながらこれにTHF中20%のクロロメチル−マグネシウム(0.002モル)を滴下した後、この反応混合物を1時間撹拌し、そしてTHF中20%のクロロメチル−マグネシウム(0.0044モル)を追加的に滴下した。この混合物を1時間撹拌した後、再びTHF中20%のクロロメチル−マグネシウム(0.002モル)を追加的に滴下し、次に、この反応混合物を1時間撹拌した後、氷を用いた冷却下で1NのHCl(10ml)を滴下した。水を加えた後の混合物をCHClで抽出した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を2−プロパノール(p.a.)に溶解させた後、この溶液の中にSOの流れを20分間通した。溶媒を蒸発させた後、その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:EtOAc)で精製した。生成物画分を集め、CHCl/CHOH(90/10)に溶解させた後、この混合物を濾過し、そしてその濾液の溶媒を蒸発させた。収量:化合物81を0.060g。
実施例B21
化合物82の製造
【0291】
【化97】

【0292】
化合物7(0.0024モル)とN−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパンアミン(0.005モル)をピリジン(25ml)に入れることで生じさせた混合物をオイルバスの上に置いて80℃で撹拌しながらこの溶液の中に硫化水素(気体)を90分間通した後、硫化水素を除去する目的でNを2時間通した。溶媒を蒸発させた後、その残留物をCHClに溶解させた。その溶液をHOそして1NのHClで洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲルで精製した(溶離剤:CHCl/CHOHを95/5)。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPEに入れて撹拌した後、結果として生じた沈澱物を濾別して、乾燥させた。収量:化合物82を0.340g。
実施例B22
化合物83の製造
【0293】
【化98】

【0294】
化合物81(0.0003モル)をCHOH(3ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で撹拌しながらこれにナトリウムヒドロボレート(0.0003モル)を加えた後、この反応混合物を室温で一晩撹拌した。その結果として得た混合物を1NのHClで酸性にした後、溶媒を蒸発させた。その残留物をCHClに溶解させた後、HOで洗浄した。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相(NaHCO)高性能液クロ(標準的勾配)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。収穫:化合物83。
実施例B23
a) 化合物84の製造
【0295】
【化99】

【0296】
化合物68
【0297】
【化100】

【0298】
(0.000257モル)をSOCl(5ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で一晩撹拌した後、溶媒を蒸発させそしてトルエン(p.a.)と一緒に蒸発させた。その結果として得た残留物をそのまま次の段階で用いた。収穫:化合物84。
b) 化合物85の製造
【0299】
【化101】

【0300】
化合物84(0.000257モル)をTHF(p.a.、モレキュラーシーブで乾燥)(10ml)に入れることで生じさせた溶液をN下室温で撹拌した後、ナトリウムヒドロボレート(0.00077モル)を滴下して、この反応混合物を室温で1時間撹拌した。水(15ml)を添加した後、HCl(1N)をpHが2になるまで添加した(発泡)。この混合物をCHClで抽出し、有機層を分離した後、乾燥(MgSO)させ、そして濾過した。溶媒を蒸発させた後、その残留物を逆相高性能液クロで精製した。生成物画分を集めた後、有機溶媒を蒸発させた。その水性濃縮液にCHClによる抽出を受けさせた後、その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。収量:化合物85を0.028g。
実施例B24
化合物86の製造
【0301】
【化102】

【0302】
化合物84(0.000196モル)をTHF(p.a.、モレキュラーシーブで乾燥)(1ml)にN下で溶解させた後の溶液をNH水溶液(1ml)に撹拌しながら加え、この反応混合物を1時間撹拌した後、水(5ml)を加えた。CHCl/CHOH(95/5、5ml)を加えた後、砕氷をいくらか加え、そして濃HClを透明な2相溶液が得られるまで滴下した。その有機層に蒸発を受けさせた後、その残留物を2−プロパノン(5ml、p.a.)に入れて撹拌した。この混合物をSO(気体)で10分間処理した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相高性能液クロで精製した。生成物画分を集めた後、有機溶媒を蒸発させた。その水性濃縮液にCHClによる抽出を受けさせた後、その有機層を分離し、最終的に溶媒を蒸発させた。収量:化合物86を0.025g。
実施例B25
化合物87の製造
【0303】
【化103】

【0304】
化合物84(0.000196モル)をTHF(p.a.、モレキュラーシーブで乾燥)(1ml)にN下で溶解させた後の溶液を40%のメチルアミン(1ml)に撹拌しながら加え、この反応混合物を1時間撹拌した後、氷水(5ml)を加えた。CHCl/CHOH(95/5)(5ml)を加えた後、濃HClを透明な2相溶液が得られるまで滴下した。その有機層を分離して蒸発させた後、その残留物を2−プロパノン(5ml)に入れて撹拌した。この混合物をSO(気体)で10分間処理した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相高性能液クロで精製した。生成物画分を一緒にした後、有機溶媒を蒸発させた。その水性濃縮液にCHClによる抽出を受けさせた後、その有機層を分離して、それに蒸発を受けさせた。収量:化合物87を0.0122g。
実施例B26
化合物88の製造
【0305】
【化104】

【0306】
化合物78(0.0015モル)をCHCl p.a.(25ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれにトリフルオロ酢酸(2ml)を加えた後、この反応混合物を室温で18時間撹拌し(沈澱)、そして24時間放置した。その結果として生じた沈澱物を濾別し、少量のCHClそして多量のDIPEで洗浄した後、最終的に50℃で乾燥(真空)させた。収量:化合物88を0.45g。
実施例B27
化合物89の製造
【0307】
【化105】

【0308】
N−(1−メチルエチル)−2−プロパンアミンのリチウム塩(0.0036モル)をTHF(5ml)に入れることで生じさせた冷(−78℃)溶液に中間体24(0.003モル)を滴下し、30分後の反応混合物にメトキシ−アセチルクロライド(0.006モル)を添加して室温で1時間撹拌した。この混合物にNHCl水溶液によるクエンチを受けさせた後、EtOAcによる抽出を受けさせた。その有機層を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾別した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をメタノール(50ml)とチオシアン酸カリウム塩(1g)と濃HCl(1ml)で取り上げた後、その結果として得た混合物を70℃に18時間加熱した。溶媒を蒸発させ、その残留物をCHClで抽出した後、その有機層を分離して乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相高性能液クロで精製し、生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。収量:化合物89を0.250g。
実施例B28
化合物90、91および92の製造
【0309】
【化106】

【0310】
化合物55
【0311】
【化107】

【0312】
(0.0015モル)(B2.a/B2.bに従って調製)をNH/HO(12ml)に入れることで生じさせた混合物を密封型容器に入れて100℃で18時間撹拌した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を再び追加的NH/HO(12ml)に入れて密封容器の中で110℃で18時間撹拌した。その残留物(0.6g)を逆相高性能液クロで精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。収穫:化合物92、化合物91および化合物90。
【0313】
表1、2および3に、この上に示した実施例の1つに従って調製した式(I)で表される化合物を挙げる(実施例番号)。
【0314】
頭語が「物理的データ」の右縦列の中に当該化合物の質量値に加えて滞留時間を示す。前記データは以下に記述するようにして生じさせたデータである。
【0315】
Waters Alliance HT 2790装置を用い、カラムヒーターを40℃に設定して、HPLC勾配をかけた。カラムから出る流れをWaters 996光ダイオードアレイ(PDA)検出器とWaters−Micromass ZQ質量分析計(正および負イオン化モードで作動するエレクトロスプレーイオン化源が備わっている)に分割した。Xterra MS C18カラム(3.5μm、4.6x100mm)(12分間のカラム)を用い、流量を1.6ml/分にして、逆相HPLCを実施した。3種類の可動相[可動相A:25mMの酢酸アンモニウムが95%+アセトニトリルが5%;可動相B:アセトニトリル;可動相C:メタノール]を用いて、Aが100%からBが50%とCが50%に6.5分間で至らせ、Bが100%に1分間で至らせ、Bが100%に1分間で至らせ、そして再びAが100%の平衡状態に1.5分間置くと言った勾配条件で流した。10μLの注入容積を用いた。
【0316】
0.1秒の滞留時間を用いて100から1000を1秒間で走査することで質量スペクトルを取得した。毛細管針電圧を3kVにしそして源の温度を140℃に維持した。噴霧ガスとして窒素を用いた。コーン電圧を正イオン化モードの時には10Vにしそして負イオン化モードの時には20Vにした。Waters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いてデータ取得を実施した。
【0317】
【表1】

【0318】
【表2】

【0319】
【表3】

【0320】
【表4】

【0321】
【表5】

【0322】
【表6】

【0323】
【表7】

【0324】
【表8】

【0325】
【表9】

【0326】
【表10】

【0327】
【表11】

【0328】
【表12】

【0329】
C. 薬理学的実施例
ヒトTHP−1細胞におけるMCP−1誘発Caフラックスの抑制
いくつか細胞株においてMCP−1がCCR2受容体と結合するとCa2+(二次伝達物質)の迅速かつ過渡的細胞内放出が誘発される(Charo他、PNAS 1994)。Ca2+感受性色素を用いて遊離Ca2+の濃度を測定することができる。CCR2受容体拮抗薬を用いてCCR2受容体を阻害するとMCP−1によって誘発されるCa2+の放出が抑制させる。
【0330】
ヒトTHP−1細胞(単球性細胞株、ATCC TIB−202)をRPMI 1640培地[ウシ胎仔血清(FCS)を10%、L−グルタミンを1%、ペニシリン(50U/ml)およびストレプトマイシン(50μg/ml)(全部GIBCO BRL、Gent)を補充]の中で培養した。遠心分離を受けさせた後の細胞にCa2+感受性蛍光色素Fluo−3 AM(Molecular Probes、Leiden、オランダ)を30分間充填した[Fluo−3 AM含有量が4μMでHEPES含有量が20mMでウシ血清アルブミン(BSA)含有量が0.1%でプロベネシド含有量が5mMのRPMI培地1ml当たり二百万個の細胞]。緩衝液[HEPESが5mM、NaClが140mM、MgClが1mM、KClが5mM、グルコースが10mM、プロベネシドが2.5mM、CaClが1.25mM、BSAが0.1%、さらなるインキュベーションの全部をこの緩衝液の中で実施した]を用いた洗浄を3回行うことで余分な色素を除去した。細胞を壁が暗色の96穴プレート(Costar、Cambridge、MA)に穴1個当たりの細胞数が150000の密度で入れて平板培養した後、遠心分離(1分間)で沈降させた。これらの細胞を試験化合物と一緒に20分間プレインキュベートした。次に、10−7MのhMCP−1(Bachem、Bubendorf、スイス)を加えた。細胞内遊離Ca2+濃度の変化をFluorescent Imaging Plate Reader[FLIPR、Molecular Devices、Munchen、ドイツ]で測定した。蛍光をMCP−1を添加する10秒前から添加して2分間後まで1秒毎に記録した(最初の1分間:1秒間隔で60回記録、次の20分間:3秒間隔で20回記録)。
【0331】
この時間枠の間に得た最大蛍光をさらなる計算で用いた。
【0332】
表4に、式(I)で表される化合物にこの上に記述した試験を受けさせた時に得たpIC50値を報告する。pIC50は−logIC50を定義するものであり、ここで、IC50は、特定のMCP−1が誘発したCa2+フラックスを試験化合物が50%抑制する時のモル濃度である。
【0333】
【表13】

【0334】
【表14】

【0335】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、
各Rは、独立して、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し、
は、水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、
は、水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表すか、或は
とRが一緒になって式−C(=O)−NH−NH−C(=O)−で表される二価基を形成していてもよく、
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキル、アリール、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルを表し、ここで、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルは場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、
7aおよびR7bは、各々独立して、水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、−NH−C(O)−HまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか、或は
7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはC1−6アルキルで置換されているピペラジニルを形成しており、
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルまたはアリールを表し、
は、水素またはC1−6アルキルを表し、
nは、1、2、3、4または5であり、
アリールは、フェニル、または各々がハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、フェニルオキシまたはニトロから独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されているフェニルを表し、
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルを表し、ここで、前記複素環は各々が場合により各々がハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノまたはニトロから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいが、但し
またはRの中の少なくとも一方が水素以外であること、そして
がC(=O)−OH、C(=O)−O−C1−6アルキルまたはC(=O)−O−C2−6アルケニルを表す場合にはRが水素以外であること、そして
がCHOHを表しそしてRおよびRが水素を表す場合にはRが水素以外であること、そして
がC(=O)−NH−C1−4アルキル−NHを表しそしてRおよびRが水素を表す場合にはRが水素以外であること、そして

【化2】

を表しそしてRおよびRが水素を表す場合にはRが水素以外であること、
を条件とする]
で表される化合物、これのN−オキサイド、薬学的に受け入れられる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態。
【請求項2】
が水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7b、C(=O)−Rを表し、Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7b、C(=O)−Rを表し、R7aおよびR7bが各々独立して水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキルを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルを形成しておりそしてRが水素を表す請求項1記載の化合物。
【請求項3】
各Rが独立してハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシまたはポリハロC1−6アルキルを表し、Rが水素、シアノ、ヒドロキシで置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7bを表すか、RとRが一緒になって式−C(=O)−NH−NH−C(=O)−で表される二価基を形成していてもよく、Rが水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルを表し、R7aおよびR7bが各々独立して水素、C1−6アルキル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、−NH−C(O)−HまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはC1−6アルキルで置換されているピペラジニルを形成しており、RがC1−6アルキルを表しそしてnが1、2また3である請求項1記載の化合物。
【請求項4】
が水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、各Rが独立してハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシまたはポリハロC1−6アルキルを表し、Rが水素、シアノ、ヒドロキシで置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7bを表し、Rが水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキルまたはモノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルを表し、R7aおよびR7bが各々独立して水素、C1−6アルキル、アミノを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルを形成しており、RがC1−6アルキルを表し、nが1、2または3でありそしてRが水素を表す請求項1から3のいずれかの請求項記載の化合物。
【請求項5】
が水素、C1−6アルキル、シクロプロピル、シクロヘキシル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、フェニル、または各々がハロから独立して選択される2個の置換基で置換されているフェニルを表し、nが1、2または3であり、各Rが独立してハロまたはポリハロC1−6アルキルを表し、Rが水素、シアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7bを表すか、RとRが一緒になって式−C(=O)−NH−NH−C(=O)−で表される二価基を形成していてもよく、Rが水素、C1−6アルキルまたはヒドロキシC1−6アルキルを表し、R7aが水素またはC1−6アルキルを表しそしてR7bが水素、C1−6アルキル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピペリジニルを形成しており、RがC1−6アルキルを表しそしてRが水素を表す請求項1および3記載の化合物。
【請求項6】
が水素、C1−6アルキル、シクロプロピル、シクロヘキシル、フェニル、または各々がハロから独立して選択される2個の置換基で置換されているフェニルを表し、nが1、2または3であり、Rが水素、シアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、Rが水素、シアノ、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−RまたはC(=O)−NR7a7bを表し、Rが水素、C1−6アルキルまたはヒドロキシC1−6アルキルを表し、R7aが水素またはC1−6アルキルを表しそしてR7bが水素、C1−6アルキルまたはアミノを表すか、或はR7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピペリジニルを形成しており、RがC1−6アルキルを表しそしてRが水素を表す請求項1から5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
がC1−6アルキルを表し、nが2であり、各Rが独立してハロを表し、RがC(=O)−O−Rを表し、RがC1−6アルキルを表しそしてRが水素を表す請求項1から6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
該化合物が化合物番号37、化合物番号39および化合物番号46から選択される請求項1から7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
薬剤として用いるための化合物であって、前記化合物が式(I)
【化3】

[式中、
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、
各Rは、独立して、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し、
は、水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、
は、水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表すか、或は
とRが一緒になって式−C(=O)−NH−NH−C(=O)−で表される二価基を形成していてもよく、
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキル、アリール、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルを表し、ここで、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルは場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、
7aおよびR7bは、各々独立して、水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、−NH−C(O)−HまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか、或は
7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはC1−6アルキルで置換されているピペラジニルを形成しており、
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルまたはアリールを表し、
は、水素またはC1−6アルキルを表し、
nは、1、2、3、4または5であり、
アリールは、フェニル、または各々がハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、フェニルオキシまたはニトロから独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されているフェニルを表し、
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルを表し、ここで、前記複素環は各々が場合により各々がハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノまたはニトロから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいが、但し
またはRの中の少なくとも一方が水素以外であること、そして
がC(=O)−OHまたはC(=O)−O−C1−6アルキルを表し、Rがアリールを表しそしてnが1の場合にはRが水素以外であること、そして
がC(=O)−NH−C1−4アルキル−NHまたはC(=O)−OHを表しそしてRおよびRが水素を表す場合にはRが水素以外であること、
を条件とする]
で表される化合物、これのN−オキサイド、薬学的に受け入れられる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態である化合物。
【請求項10】
該化合物が請求項1から8のいずれか1項記載の化合物である請求項9記載の化合物。
【請求項11】
CCR2受容体の活性化が介在する病気を予防または治療するための薬剤の製造で化合物を用いる使用であって、前記化合物が式(I)
【化4】

[式中、
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、
各Rは、独立して、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し、
は、水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表し、
は、水素、シアノ、場合によりヒドロキシもしくはC1−6アルキルオキシで置換されていてもよいC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR7a7b、C(=S)−NR7a7b、S(=O)−NR7a7bまたはC(=O)−Rを表すか、或は
とRが一緒になって式−C(=O)−NH−NH−C(=O)−で表される二価基を形成していてもよく、
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキル、アリール、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルを表し、ここで、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルは場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、
7aおよびR7bは、各々独立して、水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、−NH−C(O)−HまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか、或は
7aとR7bがこれらが結合している窒素と一緒になってピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはC1−6アルキルで置換されているピペラジニルを形成しており、
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルまたはアリールを表し、
は、水素またはC1−6アルキルを表し、
nは、1、2、3、4または5であり、
アリールは、フェニル、または各々がハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、フェニルオキシまたはニトロから独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されているフェニルを表し、
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルを表し、ここで、前記複素環は各々が場合により各々がハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノまたはニトロから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいが、但し
またはRの中の少なくとも一方が水素以外であること、
を条件とする]
で表される化合物、これのN−オキサイド、薬学的に受け入れられる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態である使用。
【請求項12】
該化合物が請求項1から9のいずれか1項記載の化合物である請求項11記載の化合物の使用。
【請求項13】
前記病気が炎症性疾患である請求項11または12記載の使用。
【請求項14】
薬学的に受け入れられる担体を含有しかつ請求項1から9のいずれか1項記載の化合物を活性材料として治療的に有効な量で含有して成る薬剤組成物。
【請求項15】
請求項14記載の組成物を製造する方法であって、薬学的に受け入れられる担体を治療的に有効な量の請求項1から9のいずれか1項記載の化合物と密に混合することを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1記載の化合物を製造する方法であって、
a)式(II)で表される中間体とHC(=O)−O−CHを適切な塩基の存在下で反応させた後に適切な酸およびKSCNおよび適切な溶媒を用いた処理を行ない、
【化5】

[ここで、R、R、Rおよびnは、請求項1で定義した通りであり、そしてR3’は、請求項1で定義した如きRを表すが、水素以外である]
b)式(II−a)で表される中間体とHC(=O)−O−CHを適切な塩基の存在下で反応させた後に適切な酸およびKSCNを用いた処理を適切な溶媒の存在下で行ない、
【化6】

[ここで、R、R、Rおよびnは、請求項1で定義した通りである]
c)式(II)で表される中間体と式(III)で表される中間体を適切な塩基の存在下で反応させた後に適切な酸およびKSCNを用いた処理を適切な溶媒の存在下で行ない、
【化7】

[ここで、R、R、Rおよびnは、請求項1で定義した通りであり、そしてR3’およびR4’は、それぞれ、請求項1で定義した如きRおよびRを表すが、水素以外である]
d)式(II−b)で表される中間体と式(III−b)で表される中間体を適切な塩基の存在下で反応させた後に適切な酸およびKSCNを用いた処理を適切な溶媒の存在下で行ない、
【化8】

[ここで、R、R、Rおよびnは、請求項1で定義した通りである]
e)式(IV)で表される中間体とKSCNを適切な酸および適切な溶媒の存在下で反応させ、
【化9】

[ここで、R、R、R、Rおよびnは、請求項1で定義した通りであり、そしてR3’は、請求項1で定義した如きRを表すが、水素以外である]
f)式(V)で表される中間体とCl−C(=S)−Clを適切な塩基および適切な溶媒の存在下で反応させ、
【化10】

[ここで、R、Rおよびnは、請求項1で定義した通りである]
g)Wが適切な脱離基を表す式(VI)で表される中間体と式(VII)で表される中間体を適切な溶媒の存在下で反応させ、
【化11】

[ここで、R、R、R、C(=O)−NR7a7bおよびnは、請求項1で定義した通りである]
h)式(XX)で表される中間体と式(VII)で表される中間体を適切な溶媒の存在下で反応させ、
【化12】

[ここで、R、R、R、C(=O)−NR7a7bおよびnは、請求項1で定義した通りである]
i)式(VI)で表される中間体と式HO−R6’で表される適切なアルコールを適切な溶媒の存在下で反応させ、
【化13】

[ここで、R、R、Rおよびnは、請求項1で定義した通りであり、そしてR6’は、C1−6アルキルまたはヒドロキシC1−6アルキルを表す]
j)式(XX)で表される中間体と適切な還元剤を適切な溶媒の存在下で反応させ、
【化14】

[ここで、R、R、Rおよびnは、請求項1で定義した通りである]
k)Wが適切な脱離基を表す式(VIII)で表される中間体とアルコラート塩基、例えばNaOC1−6アルキルなどを相当するアルコールであるC1−6アルキル−OHの存在下で反応させ、
【化15】

[ここで、R、R、Rおよびnは、請求項1で定義した通りである]
そして、望まれるならば、式(I)で表される化合物を本技術分野で公知の変換に従って互いに変化させ、そして更に、望まれるならば、式(I)で表される化合物を酸で処理することで治療的に活性のある無毒の酸付加塩に変化させるか或は塩基で処理することで治療的に活性のある無毒の塩基付加塩に変化させるか或は逆に酸付加塩形態をアルカリで処理することで遊離塩基に変化させるか或は塩基付加塩を酸で処理することで遊離酸に変化させ、そして望まれるならば、それの立体化学的異性体形態、第四級アミンまたはN−オキサイド形態を生じさせることを特徴とする方法。

【公表番号】特表2006−516589(P2006−516589A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501712(P2006−501712)
【出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000957
【国際公開番号】WO2004/069810
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】