説明

CGRP受容体拮抗薬

CGRP受容体の拮抗薬として有用であり、CGRPが関与する疾患の治療もしくは予防において有用である式(I)および式(II)の化合物[変数R、R、R、R、A、B、D、G、J、Q、T、W、XおよびYは本明細書で定義の通りである];これら化合物を含む医薬組成物;CGRPが関与する疾患の予防もしくは治療のためのこれら化合物および組成物の使用。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、カルシトニンメッセンジャーRNAの組織特異的選択的プロセッシングにより生じ、中枢および末梢神経系に広く分布している天然に存在する37アミノ酸ペプチドである。CGRPは主に感覚求心性および中枢性ニューロンに局在しており、血管拡張を含めた幾つかの生理学的作用に介在する。CGRPは、ラットおよびヒトでそれぞれ1個および3個のアミノ酸が異なるα型およびβ型で発現される。CGRP−αおよびCGRP−βは同様の生理学的特性を示す。CGRPは、細胞から放出されたら、主にアデニリルシクラーゼの活性化に結びつく特定細胞表面受容体に結合することによりその生体応答を開始する。CGRP受容体は同定されており、脳、心臓血管、内皮および平滑筋起源のものを含めた数種の組織および細胞において薬理学的に評価されている。
【0002】
薬理特性に基づいて、前記受容体は少なくとも2つのサブタイプ、すなわちCGRP及びCGRPに分類される。7個のN−末端アミノ酸残基を欠くCGRP断片であるヒト□−CGRP−(8−37)はCGRPの選択的拮抗薬であり、CGRPの線状の類縁体であるジアセトアミドメチルシステインCGRP([Cys(ACM)2,7]CGRP)はCGRPの選択的作働薬である。CGRPは、片頭痛および群発性頭痛などの脳血管障害の病理において示唆されている強力な血管拡張薬である。臨床試験において、片頭痛発作時に頸静脈でのCGRPレベルの上昇が生じることが認められている(Goadsby et al., Ann. Neurol., 1990,28, 183-187)。 CGRPは、頭蓋内血管の平滑筋上の受容体を活性化させることで血管拡張をもたらし、それが片頭痛発作の主要な頭痛源であると考えられている (Lance, Headache Pathogenesis: Monoamines, Neuropeptides, Purines and Nitric Oxide, Lippincott-Raven Publishers, 1997, 3-9)。硬膜における主要な動脈である中硬膜動脈は、CGRPなどのいくつかの神経ペプチドを含む三叉神経節からの知覚線維によって支配される。ネコでの三叉神経節刺激によって、CGRPレベルの上昇を生じ、ヒトでは三叉神経系の活性化が顔面紅潮および外頸静脈でのCGRPレベル上昇を引き起こしている(Goadsby et al., Ann. Neurol., 1988, 23, 193-196)。ラットでの硬膜の電気的刺激によって、中硬膜動脈の直径が大きくなり、その効果はペプチド系CGRP拮抗薬であるCGRP(8−37)を事前に投与することで遮断されている(Williamson et al., Cephalalgia, 1997, 17, 525-531)。三叉神経節刺激によって、ラットでの顔面血流が増加し、それはCGRP(8−37)によって阻害されている(Escott et al., Brain Res. 1995, 669, 93-99)。マーモセットでの三叉神経節の電気的刺激によって、顔面血流における上昇が生じ、それは非ペプチド系CGRP拮抗薬BIBN4096BSによって遮断できている(Doods et al., Br. J. Pharmacol., 2000, 129, 420-423)。従って、CGRPの血管効果は、CGRP拮抗薬によって減弱、防止または逆転させることができる。
【0003】
ラット中硬膜動脈のCGRP介在血管拡張は、三叉神経尾状核のニューロンを感作することが明らかになっている(Williamson et al., The CGRP Family: Calcitonin Gene- Related Peptide (CGRP), Amylin, and Adrenomedullin, Landes Bioscience, 2000, 245-247)。同様に、片頭痛時の硬膜血管の拡張が三叉神経ニューロンを感作し得る。頭蓋外痛および顔面異痛などの片頭痛の関連する症状の中には、感作された三叉神経ニューロンの結果である可能性のあるものがある(Burstein et al., Ann. Neurol. 2000, 47, 614-624)。CGRP拮抗薬は、ニューロン感作の効果を減弱、防止または逆転させる上で有効となり得る。
【0004】
本発明の化合物がCGRP拮抗薬として作用する能力により、それらはヒトおよび動物において、特にはヒトにおいてCGRPが関与する障害における有用な薬剤となり得る。そのような障害には、片頭痛および群発性頭痛(Doods, Curr Opin Inves Drugs, 2001, 2(9), 1261-1268; Edvinsson et al., Cephalalgia, 1994, 14, 320-327);慢性緊張型頭痛(Ashina et al., Neurology, 2000, 14, 1335-1340);疼痛(Yu et al., Eur. J. Pharm., 1998, 347, 275-282);慢性疼痛(Hulsebosch et al., Pain, 2000, 86, 163-175);神経性炎症および炎症性疼痛(Holzer, Neurosci., 1988, 24, 739-768; Delay-Goyet et al., Acta Physiol. Scanda. 1992, 146, 537-538; Salmon et al., Nature Neurosci., 2001, 4(4), 357-358);眼球痛(May et al. Cephalalgia, 2002, 22, 195-196)、歯痛(Awawdeh et al., Int. Endocrin. J., 2002, 35, 30-36)、非インシュリン依存性糖尿病(Molina et al., Diabetes, 1990, 39, 260-265);血管障害;炎症(Zhang et al., Pain, 2001, 89, 265)、関節炎、喘息(Foster et al., Ann. NY Acad. Sci., 1992, 657, 397-404; Schini et al., Am. J. Physiol., 1994, 267, H2483-H2490; Zheng et al., J. Virol., 1993, 67, 5786-5791);ショック、敗血症(Beer et al., Crit. Care Med., 2002,30 (8), 1794-1798);アヘン剤禁断症候群(Salmon et al., Nature Neurosci., 2001, 4(4), 357-358)、モルヒネ耐性(Menard et al., J. Neurosci., 1996, 16(7), 2342-2351);男性および女性での顔面紅潮(Chen et al., Lancet, 1993, 342, 49; Spetz et al., J. Urology, 2001, 166, 1720-1723);アレルギー性皮膚炎(Wallengren, Contact Dermatitis, 2000, 43(3), 137-143);脳炎、脳外傷、虚血、卒中、癲癇および神経変性性疾患(Rohrenbeck et al., Neurobiol. of Disease 1999, 6, 15-34);皮膚疾患(Geppetti and Holzer, Eds., Neurogenic Inflammation, 1996, CRC Press, Boca Raton, FL)、神経性皮膚発赤および紅斑などがある。特に重要なものは、片頭痛および群発性頭痛などの頭痛の急性処置または予防的処置である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、CGRP受容体のリガンド、特にはCGRP受容体に関する拮抗薬として有用な化合物、それらの製造方法、治療におけるそれらの使用、それらを含む医薬組成物およびそれらを用いる治療方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、CGRP受容体の拮抗薬として有用であり、頭痛、片頭痛および群発性頭痛などのCGRPが関与する疾患の治療または予防において有用な下記式Iの化合物:
【0007】
【化9】

および下記式IIの化合物:
【0008】
【化10】

(式中、変数R、R、R、R、A、B、D、G、J、Q、T、W、XおよびYは本明細書で定義の通りである。)に関するものである。本発明はまた、これら化合物を含む医薬組成物ならびにCGRPが関与するそのような疾患の予防また治療でのこれら化合物および組成物の使用に関するものでもある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、下記式Iの化合物:
【0010】
【化11】

および下記式IIの化合物:
【0011】
【化12】

【0012】
[式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり;
Bは、(C(Rであり;
Dは、Oであり;
は、
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環;
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択され;
は独立に、
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環;
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択され;
または、同一炭素上または隣接する炭素上のいずれか2つの独立のRが一体となって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキサイド、チオモルホリンS−ジオキサイド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成していても良く、前記環は未置換であるか独立に
(a)未置換であるか独立に
(i)ハロ、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)−O−C1−6アルキル、
(iv)−C3−6シクロアルキル、
(v)−COR10
(vi)−CO10
(vii)−NR1011
(viii)−SO10
(ix)−CONR1011および
(x)−(NR10)CO11
から選択される1〜3個の置換基で置換された−C1−6アルキル、
(b)−SONR1011
(c)ハロ、
(d)−SO10
(e)ヒドロキシ、
(f)−O−C1−6アルキル(未置換であるか1〜5個のハロで置換されている。)、
(g)−CN、
(h)−COR10
(i)−NR1011
(j)−CONR1011
(k)−CO10
(m)−O(CO)NR1011
(n)−(NR)(CO)NR1011および
(o)オキソ
から選択される1〜5個の置換基で置換されており;
10およびR11は独立に、未置換であるかハロゲン、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されたH、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから選択され;R10およびR11が一体となって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成していても良く、その環は未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択され;
は独立に、未置換であるかハロゲン、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されたH、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから選択され;
Wは、O、NRまたはC(Rであり;
Xは、CまたはSであり;
Yは、O、(R、NCN、NSOCHまたはNCONHであるか、またはXがSである場合はYはOであり;
は独立に、Hおよび
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環、
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール、
3)C1−6アルキル、
4)C3−6シクロアルキル、
5)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
6)(F)1−3アルキル、
7)ハロゲン、
8)OR
9)O(CHOR
10)CO
11)(CO)NR1011
12)O(CO)NR1011
13)N(R)(CO)NR1011
14)N(R10)(CO)R11
15)N(R10)(CO)OR11
16)SONR1011
17)N(R10)SO11
18)S(O)10
19)CN、
20)NR1011
21)N(R10)(CO)NR11および
22)O(CO)R
から選択され;
または同一炭素に結合した2個のRが置換基=Oを形成していることで、C(RがC=Oであっても良く、
その場合にHではないR置換基の数は0〜3の範囲であることができ;
は独立に、未置換であるか
a)(F)1−3アルキル、
b)ハロゲン、
c)OR
d)O(CHOR
e)CO
f)(CO)NR1011
g)O(CO)NR1011
h)N(R)(CO)NR1011
i)N(R10)(CO)R11
j)N(R10)(CO)OR11
k)SONR1011
l)N(R10)SO11
m)S(O)10
n)CN、
o)NR1011
p)N(R10)(CO)NR11および
q)O(CO)R
で置換されたH、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから選択され;
G−Jは、N、C(R)、C=C(R)、N−C(R、C=N、C(R)−C(R、C(R)−N(R)およびN−N(R)から選択され;
Q−Tは、C(R−C(R、C(R)=C(R)、N=C(R)、C(R)=N、N=N、N(R)、C(R−(C=O)、N(R)−(C=O)およびC(R−N(R)から選択され;
は独立に、H、置換または未置換C〜Cアルキル、CN、F、ORおよびCOから選択され;
pは、q個の炭素を有する置換基の場合は0〜2q+1であり;
mは、0、1または2であり;
nは、0または1であり;
sは、1、2または3である。]ならびにその化合物の製薬上許容される塩および個々のジアステレオマーを含むCGRP拮抗薬に関するものである。
【0013】
本発明の別の実施形態は、下記式Iaの化合物ならびにその化合物の製薬上許容される塩および個々の立体異性体を含む式IのCGRP拮抗薬である。
【0014】
【化13】

【0015】
式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり;
Bは、(C(Rであり;
Dは、Oであり;
nは、0または1であり;
、R、R、W、R、G−J、Q−Tおよびmは式Iで定義の通りである。
【0016】
本発明のさらに別の実施形態は、下記式Ibの化合物ならびにその化合物の製薬上許容される塩および個々の立体異性体を含む式IのCGRP拮抗薬である。
【0017】
【化14】

【0018】
式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり;
Bは、(C(Rであり;
nは、0または1であり;
、R、R、W、R、G−J、Q−Tおよびmは式Iで定義の通りである。
【0019】
本発明の別の実施形態は、下記式Icの化合物ならびにその化合物の製薬上許容される塩および個々の立体異性体を含む式IのCGRP拮抗薬である。
【0020】
【化15】

【0021】
式中、
、R、R、W、R、G−J、Q−Tおよびmは式Iで定義の通りである。
【0022】
本発明の別の実施形態は、下記式Idの化合物ならびにその化合物の製薬上許容される塩および個々の立体異性体も含む式IのCGRP拮抗薬である。
【0023】
【化16】

【0024】
式中、
Aは、C(R、O、S(O)またはNRであり;
、R、R、W、R、G−J、Q−Tおよびmは式Iで定義の通りである。
【0025】
本発明の別の実施形態は、下記式Ieの化合物ならびにその化合物の製薬上許容される塩および個々の立体異性体を含む式IのCGRP拮抗薬である。
【0026】
【化17】

【0027】
式中、
Aは、C(R、O、S(O)またはNRであり;
、R、R、W、R、G−J、Q−Tおよびmは式Iで定義の通りである。
【0028】
本発明のさらに別の実施形態は、
が、
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011
m)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたH、C〜Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環;
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011および
m)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択され;
が独立に、
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)S(O)
l)CN、
m)NR1011および
n)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたH、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環;
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011および
m)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択され;
または、同一炭素上または隣接する炭素上のいずれか2つの独立のRが一体となって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、チアゾリニル、オキサゾリニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS−オキサイド、チオモルホリニルS−ジオキサイド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルまたはピペラジニルから選択される環を形成していても良く、
前記環は未置換であるか独立に
(a)未置換であるか独立に
(i)ハロ、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)−O−C1−6アルキル、
(iv)−C3−6シクロアルキル、
(v)−COR10
(vi)−CO10
(vii)−NR1011
(viii)−SO10
(ix)−CONR1011および
(x)−(NR10)CO11
から選択される1〜3個の置換基で置換された−C1−6アルキル、
(b)−SONR1011
(c)ハロ、
(d)−SO10
(e)ヒドロキシ、
(f)−O−C1−6アルキル(未置換であるか1〜5個のハロで置換されている)、
(g)−CN、
(h)−COR10
(i)−NR1011
(j)−CONR1011
(k)−CO10
(m)−O(CO)NR1011
(n)−(NR)(CO)NR1011および
(o)オキソ
から選択される1〜5個の置換基で置換されており;
10およびR11が独立に、未置換であるかハロゲン、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されたH、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから選択され;R10およびR11が一体となって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成していても良く、その環は未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択され;
が独立に、未置換であるかハロゲン、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されたH、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから選択され;
Wが、O、NRまたはC(Rであり;
G−Jが、
Nであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R−C(Rである場合に、下記構造:
【0029】
【化18】

が形成されるようになっているもの;
Nであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R)=C(R)である場合に、下記構造:
【0030】
【化19】

が形成されるようになっているもの;
Nであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがN=C(R)である場合に、下記構造:
【0031】
【化20】

が形成されるようになっているもの;
Nであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R)=Nである場合に、下記構造:
【0032】
【化21】

が形成されるようになっているもの;
Nであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがN=Nである場合に、下記構造:
【0033】
【化22】

が形成されるようになっているもの;
C=C(R)であって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがN(R)である場合に、下記構造:
【0034】
【化23】

が形成されるようになっているもの;
Nであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R−(C=O)である場合に、下記構造:
【0035】
【化24】

が形成されるようになっているもの;
N−C(Rであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R−C(Rである場合に、下記構造:
【0036】
【化25】

が形成されるようになっているもの;
C=C(R)であって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R)=C(R)である場合に、下記構造:
【0037】
【化26】

が形成されるようになっているもの;
C=C(R)であって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R)=Nである場合に、下記構造:
【0038】
【化27】

が形成されるようになっているもの;
C=C(R)であって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがN=C(R)である場合に、下記構造:
【0039】
【化28】

が形成されるようになっているもの;
C=Nであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R)=C(R)である場合に、下記構造:
【0040】
【化29】

が形成されるようになっているもの;
N−C(Rであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R−(C=O)である場合に、下記構造:
【0041】
【化30】

が形成されるようになっているもの;
C(R)−C(Rであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがN(R)−(C=O)である場合に、下記構造:
【0042】
【化31】

が形成されるようになっているもの;
C(R)−C(Rであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R−C(Rである場合に、下記構造:
【0043】
【化32】

が形成されるようになっているもの;
C(R)−C(Rであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R−N(R)である場合に、下記構造:
【0044】
【化33】

が形成されるようになっているもの;
C(R)−N(R)であって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R−C(Rである場合に、下記構造:
【0045】
【化34】

が形成されるようになっているもの;
C(R)−C(Rであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがN=C(R)である場合に、下記構造:
【0046】
【化35】

が形成されるようになっているもの;
N−C(Rであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R−N(R)である場合に、下記構造:
【0047】
【化36】

が形成されるようになっているもの;
N−N(R)であって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがC(R−C(Rである場合に、下記構造:
【0048】
【化37】

が形成されるようになっているもの;
N−C(Rであって、G−Jがそのように定義され、しかもQ−TがN=C(R)である場合に、下記構造:
【0049】
【化38】

が形成されるようになっているもの;
および互変異体
から選択され;
が独立に、Hおよび
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環、
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール、
3)C1−6アルキル、
4)C3−6シクロアルキル、
5)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
6)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
7)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
8)(F)1−3アルキル、
9)ハロゲン、
10)OR
11)O(CHOR
12)CO
13)(CO)NR1011
14)O(CO)NR1011
15)N(R)(CO)NR1011
16)N(R10)(CO)R11
17)N(R10)(CO)OR11
18)SONR1011
19)N(R10)SO11
20)S(O)10
21)CN、
22)NR1011
23)N(R10)(CO)NR11および
24)O(CO)R
から選択され;
または同一炭素に結合した2個のRが置換基=Oを形成していることで、C(RがC=Oであっても良く、
その場合にHではないR置換基の数は0〜3の範囲であることができ;
が独立に、H、置換または未置換C〜Cアルキル、CNおよびCOから選択され;
pが、q個の炭素を有する置換基の場合は0〜2q+1であり;
mが、0〜2であり;
sが、1〜3である式I、特には式Ia〜IeのCGRP拮抗薬ならびにその化合物の製薬上許容される塩および個々の立体異性体である。
【0050】
本発明のさらに別の実施形態には、G−JがN、C=C(R)、N−C(RおよびC=Nから選択され;Q−TがC(R)=C(R)、C(R−C(R、N=C(R)、C(R)=N、N=N、N(R)およびC(R=(C=O)から選択されるものが含まれる。
【0051】
理解すべき点として、1以上の上記構造または下位構造において同じ呼称を有する複数の置換基が挙げられている場合、そのような各変数は、各同様の呼称の変数と同一でも異なっていても良い。例えば、Rは式Iで4回挙げられており、式I中の各Rは独立に、R下で定義のいずれの下位構造であっても良い。本発明は、各Rが所定構造について同一でなければならない構造および下位構造に限定されるものではない。ある構造または下位構造において複数回見られる変数に関しても、同じことが当てはまる。
【0052】
本発明の化合物は、1以上の不斉中心を有する可能性があることから、ラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして得られる場合がある。分子上の各種置換基の性質に応じて、別の不斉中心が存在しても良い。そのような各不斉中心は独立に2個の光学異性体が生じるものであり、混合物中および純粋もしくは部分精製された化合物としての可能な光学異性体およびジアステレオマーは全て、本発明の範囲に含まれるものである。本発明は、これら化合物のそのような全ての異性体型を包含するものである。
【0053】
本明細書に記載の化合物の中にはオレフィン性二重結合を有するものがあり、別段の断りがない限り、EおよびZの両方の幾何異性体を含む。
【0054】
これらのジアステレオマーの独立の合成またはそれらのクロマトグラフィー分離は、本明細書に開示の方法に適切な変更を加えることで当業界では公知の方法に従って行うことができる。それらの絶対立体化学は、必要に応じて絶対配置が既知の不斉中心を有する試薬で誘導体化した結晶性生成物または結晶性中間体のX線結晶構造解析によって求めることができる。
【0055】
所望に応じて、前記化合物のラセミ混合物を分離して、個々のエナンチオマーを単離することができる。その分離は、化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し、次に分別結晶もしくはクロマトグラフィーなどの標準的な方法によって個々のジアステレオマーに分離する等の当業界で公知の方法によって行うことができる。そのカップリング反応は多くの場合、エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を用いる塩形成である。次に、付加されたキラル残基の開裂によって、ジアステレオマー誘導体を純粋なエナンチオマーに変換することができる。前記化合物のラセミ混合物を、当業界では公知の方法であるキラル固定相を用いるクロマトグラフィー法によって分離することもできる。
【0056】
あるいは、当業界で公知の方法により、立体配置が既知である光学的に純粋な原料もしくは試薬を用いて立体選択的合成を行うことで、ある化合物のいずれかのエナンチオマーを得ることができる。
【0057】
当業者には明らかなように、R10およびR11置換基の全てが環構造を形成する能力があるとは限らない。さらに、環形成することができる置換基であっても、環構造を形成してもしなくても良い。
【0058】
当業者には明らかなように、本明細書で使用されるハロまたはハロゲンとは、塩素、フッ素、臭素および要素を含むものである。
【0059】
本明細書で使用される場合、「アルキル」とは、二重結合や三重結合を持たない直鎖、分岐および環状の構造を意味するものである。従ってC1−6アルキルは、直鎖または分岐の配置で1、2、3、4、5または6個の炭素を有する基を識別するものと定義され、そこでC1−6アルキルは具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含むものである。「シクロアルキル」は、アルキル、一部または全てが3個以上の原子の環を形成しているアルキルである。CまたはCアルキルとは、直接共有結合の存在を識別するものと定義される。
【0060】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有し、水素が別の炭素−炭素二重結合によって置き換わっていても良い指定数の炭素原子の直鎖もしくは分岐構造およびそれらの組み合わせを意味する。例えばC2−6アルケニルには、エテニル、プロペニル、1−メチルエテニル、ブテニルなどがある。
【0061】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する指定数の炭素原子の直鎖もしくは分岐構造およびそれらの組み合わせを意味する。従ってC2−6アルキニルは、直鎖もしくは分岐配置で2、3、4、5または6個の炭素を有する基を識別するものと定義され、そこでC2−6アルキニルには具体的には2−ヘキシニルおよび2−ペンチニルなどがある。
【0062】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、少なくとも1個の環が芳香族である各環中7員以下の安定な単環式もしくは二環式炭素環を意味するものである。そのようなアリール要素の例には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルまたはビフェニルなどがある。
【0063】
記述がある場合を除き、本明細書で使用される場合の「複素環」または「複素環式」という用語は、安定な5〜7員の単環式もしくは安定な8〜11員の二環式複素環系であって、飽和または不飽和であり、炭素原子およびN、OおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子からなり、その窒素および硫黄ヘテロ原子が酸化されていても良く、窒素ヘテロ原子が4級化されていても良いものを表し、上記で定義の複素環のいずれかがベンゼン環に縮合した二環式の基を含むものである。複素環は、安定な構造を生じるヘテロ原子または炭素原子で結合していることができる。そのような複素環基の例には、アゼチジン、クロマン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキソラン、ヘキサヒドロアゼピン、イミダゾリジン、イミダゾリジノン、イミダゾリン、イミダゾリノン、インドリン、イソクロマン、イソインドリン、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、モルホリノン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、オキセタン、2−オキソヘキサヒドロアゼピン、2−オキソピペラジン、2−オキソピペリジン、2−オキソピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアモルホリン、チアゾリン、チアゾリジン、チオモルホリンおよびそれらのN−オキサイドなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0064】
記述がある場合を除き、本明細書で使用される場合の「ヘテロアリール」という用語は、安定な5〜7員単環式または安定な9〜10員縮合二環式複素環系であって、芳香環を含み、いずれかの環がピペリジニルのような飽和、部分飽和もしくはピリジニルのような不飽和であることができ、炭素原子およびN、OおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子からなり、前記窒素および硫黄ヘテロ原子が酸化されていても良く、窒素ヘテロ原子が4級化されていても良いものを表し、上記で定義の複素環がベンゼン環に縮合している二環式の基を含むものである。複素環は、安定な構造を形成するいずれかのヘテロ原子または炭素原子で結合していることができる。そのようなヘテロアリール基の例には、ベンズイミダゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、カルボリン、シンノリン、フラン、フラザン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキザリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、トリアゾールおよびこれらのN−オキサイドなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
〜Cアルコキシでのような「アルコキシ」という用語は、直鎖、分岐および環状配置の1〜6個の炭素原子のアルコキシ基を含むものを指す。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどがある。
【0066】
本明細書において「製薬上許容される」という表現は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答その他の問題もしくは合併症を起こすことなくヒトおよび動物の組織と接触して使用する上で好適であり、妥当な利益/危険比を有する化合物、材料、組成物および/または製剤を指すのに用いられる。
【0067】
本明細書で使用される場合、「製薬上許容される塩」とは、親化合物をそれの酸または塩基の塩を作ることで修飾した誘導体を指す。製薬上許容される塩の例には、アミン類などの塩基性残基の無機もしくは有機酸塩;カルボン酸類などの酸性残基のアルカリまたは有機塩などがあるが、これらに限定されるものではない。製薬上許容される塩には、例えば無毒性の無機または有機酸から形成された親化合物の従来の無毒性塩または4級アンモニウム塩などがある。例えばそのような従来の無毒性塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導される塩;ならびに酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などの有機酸から製造される塩などがある。
【0068】
ある場合に存在するある変数の数は、存在する炭素数に関して定義される。例えば、変数「p」は、「q個の炭素を有する置換基についてpは0〜2q+1である。」と定義されることがある。置換基が「(F)1−3アルキル」である場合、それは、1個の炭素がある場合、2(1)+1=3個のフッ素があることを意味する。2個の炭素がある場合、2(2)+1=5個のフッ素があり、3個の炭素がある場合、2(3)=1=7個のフッ素がある。
【0069】
変数GおよびJがあり、「G−J」として示されている場合、これは、GとJが一体となって特定の部分を表すことを示している。G−Jは、単一の環原子または複数の環原子の多様な配置を表すことができる。例えばG−Jは、本明細書において、単一の環原子Nと定義される場合があり、他の場合には複数環原子C=C(R)、C=Nなどと定義される。同様に、変数QおよびTがあり、「Q−T」と示される場合、それは、これらの変数が一体となって特定の部分を表すことを示している。この場合、Q−Tは複数環原子の各種配置、例えば特にはC(R−C(R、N=C(R)、C(R)=N、N=N、NおよびC(R=(C=O)を表すことができる。
【0070】
隣接する炭素原子上のR基によって形成される縮合環は必然的に、隣接炭素原子間の結合の性質によって制限されることは明らかである。従って、隣接炭素原子が二重結合で連結されている場合、これら隣接炭素原子上のR基によって形成される縮合環は当然のことながら、必ず炭素−炭素二重結合を含み、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニルおよびジヒドロピラニルがある。
【0071】
本発明の化合物が塩基性である場合、塩は無機および有機酸などの製薬上許容される無毒性酸から製造することができる。そのような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコ酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などがある。本発明の1態様において、塩はクエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸および酒石酸のものである。本明細書で使用される場合、式Iの化合物についての言及は製薬上許容される塩も含むことは明らかであろう。
【0072】
本発明の例には、実施例および本明細書に開示の化合物の使用がある。本発明に包含される具体的な化合物には、下記の実施例に開示の化合物ならびにそれらの製薬上許容される塩およびそれらの個々のジアステレオマーからなる群から選択される化合物などがある。
【0073】
当該化合物は、有効量の化合物の投与を含む拮抗を必要とする哺乳動物などの患者でのCGRP受容体の拮抗方法において有用である。本発明は、本明細書に開示の化合物のCGRP受容体の拮抗薬としての使用に関するものである。霊長類、特にヒト以外に、各種他の哺乳動物を、本発明の方法に従って治療することができる。
【0074】
本発明の別の実施形態は、患者に対して治療上有効量のCGRP受容体の拮抗薬である化合物を投与する段階を有する、その患者でのCGRP受容体が関与する疾患または障害の治療、管理、改善またはリスク低下方法に関するものである。
【0075】
本発明はさらに、本発明の化合物と医薬担体もしくは希釈剤と組み合わせる段階を有する、ヒトおよび動物でのCGRP受容体活性の拮抗用の医薬製造方法に関するものでもある。
【0076】
本方法で治療される被験者は通常、CGRP受容体活性の拮抗が望まれる哺乳動物であり、例えばヒト、男性または女性である。「治療上有効量」という用語は、研究者、獣医、医師または他の臨床関係者が求めている組織、系、動物またはヒトの生理的応答もしくは医学的応答を誘発する当該化合物の量を意味する。本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、前記状態の治療および予防もしくは予防的処置の両方を指し、特にはそのような疾患または障害の素因を有する患者でのものを指す。
【0077】
本明細書で使用される場合の「組成物」という用語は、指定の量で指定の成分を含む製造品、ならびに指定量で指定成分の組み合わせから直接もしくは間接的に得られる製造品を包含するものである。医薬組成物に関するそのような用語は、有効成分および担体を構成する不活性成分を含む製造品、ならびに2種類以上の成分の組み合わせ、複合もしくは凝集から直接もしくは間接的に得られる、または1以上の成分の解離から得られる、または1以上の成分の他の種類の反応もしくは相互作用から得られる製造品を包含するものである。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物および製薬上許容される担体を混合することで製造される組成物を包含する。「製薬上許容される」は、担体、希釈剤または賦形剤が製剤中の他の成分と適合性であり、それの投与を受ける者に対して有害であってはならないことを意味するものである。
【0078】
化合物の「投与」および/またはそれを「投与する」という用語は、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを処置を必要とする個体に提供することを意味するものと理解すべきである。
【0079】
CGRP受容体活性の拮抗薬としての本発明による化合物の有用性は、当業界で公知の方法によって示すことができる。125I−CGRPの受容体への結合の阻害およびCGRP受容体の機能的拮抗を、下記のように測定した。
【0080】
結合アッセイ
SK−N−MC細胞膜での125I−CGRPの受容体への結合を、実質的に文献(Edvinsson et al. (2001) Eur. J. Pharmacol. 415, 39-44)に記載の方法に従って行った。すなわち、膜(25□g)を10μM 125I−CGRPおよび阻害薬を含む結合緩衝液[10mM HEPES、pH7.4、5mM MgClおよび0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)]1mL中でインキュベートした。室温で3時間インキュベーション後、0.5%ポリエチレンイミンで3時間ブロックしておいたGFBガラス繊維フィルタープレート(Millipore)での濾過によってアッセイを終了させた。フィルターを氷冷アッセイ緩衝液で3回洗浄し、プレートを風乾した。シンチレーション液(50 l)を加え、トップカウント(Topcount, Packard Instrument)で放射能をカウントした。プリズム(Prism)を用いてデータ解析を行い、チェン−プルソフ(Cheng-Prusoff)式(Cheng & Prusoff (1973) Biochem. Pharmacol. 22, 3099-3108)を用いることでKを求めた。
【0081】
機能アッセイ
10%ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、0.1mM非必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、100単位/mLペニシリンおよび100g/mLストレプトマイシンを補充した最少必須培地(MEM)にて、37℃、湿度95%および5%COで、SK−N−MC細胞を増殖させた。cAMPアッセイ用に、96ウェルのポリ−D−リジンをコーティングしたプレート(Becton-Dickinson)において細胞5×10個/ウェルで細胞を平板培養し、約18時間培養してからアッセイに供した。細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS, Sigma)で洗浄し、300Mのイソブチルメチルキサンチンの血清を含まないMEM溶液とともに37℃で30分間前インキュベートした。−CGRP−(8−37)を加え、細胞を10分間インキュベートしてから、CGRPを加えた。そのインキュベーションをさらに15分間続け、細胞をPBSで洗浄し、製造者推薦のプロトコールに従ってcAMP測定用に処理した。100nM CGRPを用いることで、基底線を超える最大刺激を定義した。プリズムを用いることで、用量−応答曲線を得た。用量−比(DR)を計算し、それを用いて完全シルドプロットを構築した(Arunlakshana & Schild (1959) Br. J. Pharmacol. 14, 48-58)。
【0082】
特に、下記実施例の化合物は、上記アッセイでCGRP受容体の拮抗薬としての活性を有しており、概してKまたはIC50値は約50□M未満であった。このような結果は、CGRP受容体の拮抗薬としての使用における当該化合物の固有の活性を示すものである。
【0083】
本発明の化合物がCGRP拮抗薬として作用する能力により、この化合物はヒトおよび動物、特にはヒトでのCGRPが関与する障害用の有用な薬剤となる。
【0084】
本発明の化合物は、頭痛;片頭痛;群発性頭痛;慢性緊張型頭痛;疼痛;慢性疼痛;神経性炎症および炎症性疼痛;神経障害性疼痛;眼球痛;歯痛;糖尿病;非インシュリン依存性糖尿病;血管障害;炎症;関節炎;喘息;ショック;敗血症;アヘン剤禁断症候群;モルヒネ耐性;男性および女性での顔面紅潮;アレルギー性皮膚炎;脳炎;脳外傷;癲癇;神経変性性疾患;皮膚疾患;神経性皮膚発赤、バラ色皮膚および紅斑;ならびにCGRP受容体の拮抗によって治療または予防可能な他の状態という状態または疾患のうちの1以上の治療、予防、改善、管理またはリスク低減において有用である。特に重要なものは、片頭痛および群発性頭痛などの頭痛の急性処置または予防的処置である。
【0085】
当該化合物はさらに、本明細書に記載の疾患、障害および状態の予防、治療、管理、改善またはリスク低下の方法において有用である。
【0086】
当該化合物はさらに、他の薬剤と併用して上記疾患、障害および状態の予防、治療、管理、改善またはリスク低下方法で有用である。
【0087】
本発明の化合物は、1以上の他薬剤との併用で、本発明の化合物または前記他薬剤が有用である可能性があり、それら薬剤の組み合わせがいずれかの薬剤単独の場合より安全または有効である疾患または状態の治療、予防、管理、改善またはリスク低下で用いることができる。そのような他薬剤は、本発明の化合物と同時または順次にて、その薬剤について一般に使用される経路および量で投与することができる。本発明の化合物を1以上の他薬剤と同時に用いる場合、そのような他薬剤および本発明の化合物を含む単位製剤での医薬組成物を用いることができる。しかしながら、その併用療法には、本発明の化合物および1以上の他薬剤を異なった形で異なる投与計画で投与する療法も含まれ得る。1以上の他の有効成分と併用する場合、本発明の化合および前記他の有効成分は、それぞれを単独で用いる場合より低い用量で用いることが可能であることも想到される。従って、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物または複数化合物以外に、1以上の他の有効成分を含む組成物も包含される。
【0088】
例えば、本発明の化合物は、例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタンおよびリザトリプタンのようなエルゴタミンもしくは5−HT作働薬、特には5−HT1B/1D作働薬などの抗炎症もしくは鎮痛剤または抗片頭痛薬;例えばロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブまたはパラコキシブのような選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬などのシクロオキシゲナーゼ阻害薬;非ステロイド系抗炎症剤もしくはサイトカイン抑制抗炎症剤;またはステロイド系鎮痛剤、例えばアスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ケトロラク、エトドラク、メフェナミン酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ジクロフェナク、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダップ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサル、サルサラート、オルサラジンまたはスルファサラジンなどの化合物と併用することができる。同様に、本発明の化合物は、アセトアミノフェン、フェナセチン、コデイン、フェンタニル、スフェンタニル、メサドン、アセチルメサドール、ブプレノルフィンまたはモルヒネなどの疼痛緩和剤とともに投与することができる。
【0089】
さらに本発明の化合物は、インターロイキン−1阻害薬などのインターロイキン阻害薬;例えばアプレピタントなどのNK−1受容体拮抗薬;NMDA拮抗薬;NR2B拮抗薬;ブラジキニン−1受容体拮抗薬;アデノシンA1受容体作働薬;例えばラモトリジンなどのナトリウムチャンネル遮断薬;酢酸レボメタジルまたは酢酸メタジルなどのオピエート作働薬;5−リポキシゲナーゼの阻害薬などのリポキシゲナーゼ阻害剤;例えばインドラミンなどのα受容体拮抗薬;α受容体作働薬;バニロイド受容体拮抗薬;mGluR5作働薬、拮抗薬または強化剤;例えばアカンプロセート・カルシウムなどのGABA A受容体調節剤;ニコチンなどのニコチン拮抗薬または作働薬;ムスカリン作働薬または拮抗薬;例えばフルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、エスシタロプラムまたはシタロプラムなどの選択的セロトニン再取り込み阻害薬;例えばアミトリプチリン、ドクサピン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミンまたはイミプラミンなどの三環系抗鬱剤;例えばモンテルカストまたはザフィルルカストなどのロイコトリエン拮抗薬;一酸化窒素の阻害薬または一酸化窒素合成の阻害薬と併用することができる。
【0090】
本発明の化合物はさらに、例えばエルゴタミン、エルゴノビン、エルゴノビン、メチルエルゴノビン、メテルゴリン、メシル酸エルゴロイド類、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロ−I−エルゴクリプチン、ジヒドロ−θ−エルゴクリプチン、エルゴトキシン、エルゴコルニン、エルゴクリスチン、エルゴクリプチン、I−エルゴクリプチン、θ−エルゴクリプチン、エルゴシン、エルゴスタン、ブロモクリプチンまたはメチセルジドなどの麦角アルカロイド類と併用することができる。
【0091】
さらに本発明の化合物は、チモロール、プロパノロール、アテノロールまたはナドロールなどのβ−アドレナリン拮抗薬;例えばフェネルジンなどのMAO阻害薬;例えばフルナリジン、ニモジピン、ロメリジン、ベラパミル、ニフェジピン、プロクロルペラジンまたはガバペンチンなどのカルシウムチャンネル遮断薬;オランザピンおよびクエチアピンなどの神経遮断薬;トピラメート、ゾニサミド、トナゼルサト、カラベルサト(carabersat)またはジバルプロックス・ナトリウムなどの抗痙攣薬;例えばロサルタンおよびカンデサルタン・シレキセチルなどのアンギオテンシンII拮抗薬;リシノプリルなどのアンギオテンシン変換酵素阻害薬;またはボツリヌス毒素A型と併用することができる。
【0092】
本発明の化合物は、カフェイン、H−拮抗薬、シメチコン、アルミニウムまたは水酸化マグネシウムなどの強化剤;フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、シュードエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボ−デスオキシ−エフェドリンなどの鬱血除去薬;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストロメトルファンなどの鎮咳薬;利尿薬;メトクロプラミドまたはドンペリドンなどの運動促進薬および鎮静性もしくは非鎮静性抗ヒスタミン剤と併用することができる。
【0093】
1実施形態において本発明の化合物は、エルゴタミンなどの抗片頭痛薬;5−HT1作働薬、特には5−HT1B/1D作働薬、詳細にはスマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタンおよびリザトリプタン;および選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬などのシクロオキシゲナーゼ阻害薬、特にはロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、メロキシカム、バルデコキシブまたはパラコキシブと併用する。
【0094】
上記の併用には、1種類の他の活性化合物だけでなく、2種類以上の他の活性と本発明の化合物の併用も含まれる。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患または状態の予防、治療、管理、改善またはリスク低下において用いられる他の薬剤と併用することができる。そのような他薬剤は、本発明の化合物と同時または順次にて、それが一般的に使用される経路および量で投与することができる。本発明の化合物を1以上の他薬剤と同時に用いる場合、本発明の化合物に加えてそのような他薬剤を含む医薬組成物が可能である。従って、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加えて、1以上の他の有効成分も含む組成物が包含される。
【0095】
本発明の化合物の他の有効成分に対する重量比は変動させることができ、それは各成分の有効用量によって決まる。一般に、それぞれの有効用量を用いる。従って例えば、本発明の化合物を別の薬剤と併用する場合、本発明の化合物の他薬剤に対する重量比は、約1000:1〜約1:1000、または約200:1〜約1:200の範囲である。本発明の化合物と他の有効成分の組み合わせも上記範囲内であるが、各場合において、各有効成分の有効用量を用いるべきである。
【0096】
そのような組み合わせにおいて、本発明の化合物と他の活性薬剤は、別個にまたは組み合わせて投与することができる。さらに、1種類の要素の投与は、他方の薬剤の前、同時または後に行うことができ、同一もしくは異なる投与経路によるものとすることができる。
【0097】
本発明の化合物は、経口、非経口(例:筋肉、腹腔内、静脈、ICV、嚢内注射もしくは注入、皮下注射またはインプラント)により、吸入噴霧、経鼻、膣、直腸、舌下もしくは局所投与経路によって投与することができ、各投与経路に適した従来の無毒性の製薬上許容される担体、補助剤および媒体を含む好適な単位用量製剤で単独または一緒に製剤することができる。温血動物の治療に加えて、本発明の化合物はヒトでの使用に有効である。
【0098】
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は簡便には単位製剤で提供することができ、製薬業界で公知の方法によって製造することができる。全ての方法が、有効成分を1以上の補助成分を構成する担体と組み合わせる段階を有する。通常、その医薬組成物は、有効成分を液体担体もしくは微粉砕固体またはその療法と均一かつ十分に混合し、次に必要に応じて生成物を成形して所望の製剤とすることで製造される。その医薬組成物において、活性化合物は、疾患のプロセスまたは状態に対して所望の効果を生じるだけの量で含まれる。本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、指定量で指定成分を含む製造品、ならびに指定量で指定成分の組み合わせから直接もしくは間接的に得られる製造品を包含するものである。
【0099】
有効成分を含む医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ剤、水系または油系懸濁液、分散性粉体または粒剤、乳濁液、硬または軟カプセル、またはシロップもしくはエリキシル剤として、経口使用に好適な剤形とすることができる。経口使用向けの組成物は、医薬組成物の製造に関して当業界で公知の方法に従って製造することができ、そのような組成物は、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1以上の薬剤を含むことで、医薬的に見た目が良く、口当たりの良い製剤を提供することができる。錠剤は、錠剤の製造に好適な無毒性で製薬上許容される賦形剤と混合した有効成分を含む。これらの賦形剤は、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;例えばコーンスターチまたはアルギン酸などの造粒剤および崩壊剤;例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシアなどの結合剤;例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの潤滑剤であることができる。錠剤はコーティングしないものであることができるか、あるいはそれらを公知の方法によってコーティングして、消化管での崩壊および吸収を遅らせることで、比較的長期間にわたって持続的作用を提供することができる。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの遅延剤を用いることができる。それらはまた、米国特許第4256108号;同4166452号;および同4265874号に記載の方法によってコーティングして、徐放用の浸透圧治療錠剤を形成することもできる。経口錠剤は、急速溶解錠またはウェハ、急速溶解錠または急速溶解フィルムなど、即時放出用に製剤することもできる。
【0100】
経口用の製剤は、有効成分を例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンなどの不活性固体希釈剤と混合した硬ゼラチンカプセルとして、または有効成分を水または例えば落花生油、液体パラフィンまたはオリーブ油などの油系媒体と混合した軟ゼラチンカプセルとして提供することもできる。
【0101】
水系懸濁液は、水系懸濁液の製造に好適な賦形剤と混合された活性材料を含む。そのような賦形剤には、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガムなどの懸濁剤がある。分散剤または湿展剤には、レシチンなどの天然ホスファチド、または例えばポリオキシエチレンステアレートなどのアルキレンオキサイドと脂肪酸との縮合生成物、またはヘプタデカエチレンオキシセタノールなどのエチレンオキサイドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、またはポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなどのエチレンオキサイドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、または例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートなどのエチレンオキサイドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物があり得る。水系懸濁液には、例えばp−ヒドロキシ安息香酸のエチルもしくはn−プロピルエステルなどの1以上の保存剤、1以上の着色剤、1以上の香味剤、ショ糖もしくはサッカリンなどの1以上の甘味剤を含有させることもできる。
【0102】
油系懸濁液は、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油などの植物油または液体パラフィンなどの鉱油中に有効成分を懸濁させることで製剤することができる。油系懸濁液には、蜜ロウ、硬パラフィンもしくはセチルアルコールなどの増粘剤を含有させることができる。上記のような甘味剤および香味剤を加えて、風味の良い経口製剤を得ることができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤を加えることで防腐することができる。
【0103】
水を加えることで水系懸濁液を調製する上で好適な分散性粉体および粒剤では、有効成分を、分散剤もしくは湿展剤、懸濁剤および1以上の保存剤と混合する。好適な分散剤もしくは湿展剤および懸濁剤の例としては、前述したものがある。例えば甘味剤、香味剤および着色剤などの別の賦形剤を存在させることもできる。
【0104】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型乳濁液の形とすることもできる。油相は、オリーブ油もしくは落花生油などの植物油または液体パラフィンなどの鉱油、またはそれらの混合物とすることができる。好適な乳化剤には、アカシアガムもしくはトラガカントガムなどの天然ガム;例えば大豆レシチンなどの天然ホスファチド;ならびに、ソルビタンモノオレエートなどの脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導されるエステルもしくは部分エステル、および例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどのエチレンオキサイドと前記部分エステルとの縮合生成物があり得る。乳濁液にはさらに、甘味剤および香味剤を含有させることもできる。
【0105】
シロップおよびエリキシル剤は、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールまたはショ糖などの甘味剤を加えて製剤することができる。そのような製剤には、粘滑剤、保存剤ならびに香味剤および着色剤を含有させることもできる。
【0106】
医薬組成物は、無菌の注射用水系もしくは油系懸濁液の形とすることができる。この懸濁液は、上記の好適な分散剤もしくは湿展剤および懸濁剤を用いて、公知の方法に従って製剤することができる。無菌注射製剤は、例えば1,3−ブタンジオール溶液のように、無毒性の非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒中の無菌注射用液剤または懸濁液とすることもできる。使用可能な許容される担体および溶媒には、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液などがある。さらに、従来から溶媒または懸濁媒体として、無菌の固定油が使用されている。それに関しては、合成モノもしくはジグリセリドなどのいかなる種類の固定油も使用可能である。さらに、オレイン酸などの脂肪酸を注射剤の製剤に使用することができる。
【0107】
本発明の化合物は、薬剤の直腸投与用の坐剤の形で投与することもできる。そのような組成物は、常温では固体であるが直腸体温では液体となることで、直腸で融解して薬剤を放出する好適な無刺激性賦形剤と該薬剤とを混和することで製剤することができる。そのような材料には、カカオ脂およびポリエチレングリコール類がある。
【0108】
局所用には、本発明の化合物を含むクリーム、軟膏、ゼリー、液剤または懸濁液などを用いる。同様に、経皮貼付剤も局所投与に用いることができる。
【0109】
本発明の医薬組成物および方法にはさらに、上記の病的状態の治療に通常用いられる前述のような他の治療上活性な化合物を含ませることができる。
【0110】
CGRP受容体活性の拮抗を必要とする状態の治療、予防、管理、改善またはリスク低下では、適切な用量レベルは通常、約0.01〜500mg/kg/日であり、それは単回または複数回で投与することができる。好適な用量レベルは、約0.01〜250mg/kg/日、約0.05〜100mg/kg/日、または約0.1〜50mg/kg/日とすることができる。この範囲内で、用量を0.05〜0.5、0.5〜5または5〜50mg/kg/日とすることができる。経口投与の場合、有効成分を1.0〜1000mg含む錠剤、特には、1.0、5.0、10.0、15.0.20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0および1000.0mg含む錠剤の形で組成物を提供して、治療を受ける患者への用量を症状に応じて調節する。その化合物は、1日当たり1〜4回の投与法で投与することができるか、1日1回もしくは2回投与することができる。
【0111】
頭痛、片頭痛、群発性頭痛その他の本発明の化合物が適応である他の疾患を治療、予防、管理、改善またはリスク低下する場合、本発明の化合物を1日用量約0.1mg〜約100mg/kg動物体重で、単一1日用量として、または2〜6回/日の分割用量で、または徐放製剤で投与すると、ほぼ満足できる結果が得られる。ほとんどの大型哺乳動物において、総1日用量は約1.0mg〜約1000mg、または約1mg〜約50mgである。70kgの成人の場合、総1日用量は約7mg〜約350mgである。この投与法を調節して、至適な治療応答を得るようにすることができる。
【0112】
しかしながら、特定の患者についての具体的な用量レベルおよび投与回数は変動し得るものであって、使用する具体的化合物の活性、代謝安定性およびその化合物の作用期間の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与の形態および時刻、排泄速度、併用薬剤、特定の状態の重度、治療を受けている宿主などの多様な要素によって決まることは明らかであろう。
【0113】
本発明の化合物の製造方法をいくつか、下記の図式および実施例に示す。原料は、当業界で公知の手順に従って製造されるか、または本明細書で説明の方法に従って製造される。
【0114】
本発明の化合物は、容易に入手可能な原料、試薬および従来の合成手順を用い、下記の図式および具体的な実施例またはそれらの変形形態に従って容易に製造することができる。これらの反応では、それ自体が当業者には公知であるが、あまり詳細には言及されていない変形形態を用いることも可能である。本発明で特許請求される化合物を製造する上での一般的手順は、下記の図式を参照することで、当業者には容易に理解および評価できるものである。
【0115】
ラクタムおよび4−ヘテロアリールピペリジン中間体の合成は、図式1〜15に記載の方法に従って行うことができる。
【0116】
反応図式
最終化合物の製造は、式IIIおよび式IVの中間体などの中間体を介して進行するものであり、各中間体の合成について本明細書に記載する。
【0117】
【化39】

【0118】
式IIIおよびIVの中間体は、図式1に示した尿素連結を介してカップリングすることができる。アミン中間体1は、反応性カーバメート、例えばp−ニトロフェニルカーバメート2に変換することができ、それを次に中間体3のアミンのようなアミンと反応させて、尿素4を製造する。当業者に公知の他の活性中間体を用いて、4のような化合物を製造することができる。例えばアミン1は、適切なカルバモイルクロライドで直接アシル化することができる。
【0119】
【化40】

【0120】
3によって表される化合物の合成は、米国特許第6344449号およびそこに引用の文献に記載の手順と同様の手順によって行うことができる。
【0121】
さらに、11によって表される化合物の合成は、図式2に従って行うことができる。例えば、4−ピペリジノン5をカルバゼートによって還元的にアミノ化し、ヒドラゾン6の還元後に、モノアルキル化生成物7を得ることができる。脱保護によるヒドラジン8の取得および9などのベンゾチオニルカーバメートとの縮合/閉環によって、トリアゾリノン10を得る。標準的な条件下での最終的な脱保護によって生成物11を得る。
【0122】
【化41】

【0123】
市販のラクタム12をアルキルブロマイド類などの各種求電子剤で選択的にアルキル化して、アミド13を得ることができる(図式3)。酸性条件下での保護基の脱離によって、一般式14のアミンを得る。
【0124】
【化42】

【0125】
ラクタム15(図式4)は、公知の手順に従って製造することができる(J. Med. Chem., 1988, 31, 422-428)。臭素化およびアジ化ナトリウムによる置き換え後に、標準的な条件下での水素化によってアミン18を得る。1級アミンの保護によって、例えばアルキルブロマイド類などの各種求電子剤によるアミド窒素の選択的アルキル化が可能となり、1級アミンの脱保護はを酸性条件下で行って、一般式21の化合物を得ることができる。
【0126】
【化43】

【0127】
ラクタム22は公知の手順に従って製造することができる(J. Med. Chem., 1988, 31, 422-428)(図式5)。塩基として水素化ナトリウムを用い、そのアミドをアルキルブロマイド類などの各種求電子剤でアルキル化することができる。オキシ塩化リンおよび液体臭素で臭素化することで相当するブロマイド24を得て、それをアジ化ナトリウムと反応させ、最後に標準的な水素化条件下で還元して、一般式26のアミン化合物を得る。
【0128】
【化44】

【0129】
あるいは、カプロラクタム類は、図式6に示したオレフィン複分解戦略に従って組み立てることができる。2,4−ジメトキシベンジルアミン塩酸塩を温和な塩基性条件下で2,3−ジブロモプロペンでアルキル化して、アミン28を得る。公知の手順(J. Chem. Soc., 1962, 3963-3968)に従って市販のD−アリルグリシンから1段階で製造される(2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ペント−4−エン酸29を各種条件下でアミン28にカップリングさせて、アミド30を得ることができる。前記臭化ビニルについて、各種遷移金属触媒交差カップリングを行うことができ、例えばフェニルボロン酸および炭酸ナトリウムを用いるパラジウム介在アリール化によってスチレン誘導体31を得る。塩化メチレン中にてグラブス第2世代ルテニウム触媒の存在下に温和な加熱すると閉環複分解が起こり、それによってラクタム32を得る。ジメトキシベンジル基の脱離および1級アミンのin situ保護を伴う水素化によって、相当する飽和ラクタム34を得る。アルキルブロマイド類などの各種求電子剤によるアミド窒素の選択的アルキル化後、酸性条件下での脱保護によって、一般式36の化合物を得る。
【0130】
【化45】

【0131】
同様の戦略を用いることで、カプロラクタムの6位に各種導入を行うことが可能である(図式7)。グラブス第2世代ルテニウム触媒を用いてビニルブロマイド30に対して閉環複分解を行って、環状ビニルブロマイド37を得ることができる。ジメトキシベンジル基の脱離およびこの場合はボロン酸とのパラジウム介在交差カップリングによって、一般式39のボロン酸を得る。38の39への変換は、ボロン酸誘導体に限定されるものではない。標準的な水素化後、水素化ナトリウムを塩基として用いて、例えばアルキルブロマイドなどの各種求電子剤でアミド窒素を選択的にアルキル化することができる。脱保護によって、一般式42のラクタムを得る。
【0132】
【化46】

【0133】
5−フェニル−3−アミノカプロラクタム誘導体は図式8に従って製造される。公知の一般手順(J. Am. Chem. Soc., 2000, 122, 7226-7232)に従って、4−フェニルシクロヘキサノン(または置換誘導体)を塩化チタン(IV)の存在下にアルキルおよびアリールアジドと反応させて、相当するラクタム44を得ることができる。五塩化リンおよび元素状臭素による臭素化によって、アルキルブロマイド45を得て、それをアジ化ナトリウムと反応させ、標準的な水素化条件下で還元することで、一般式47のラクタムを得る。
【0134】
【化47】

【0135】
オキシアゼパノン類は、図式9に従って製造することができる。イソプロパノール溶媒中にて各種1級アミンと反応させることで、(S)−(−)−スチレンオキサイド(または置換誘導体)を開環させて、相当するアミノアルコール49を得ることができる。51(公知の手順:J. Chem. Soc., Perkins Trans. 1, 1994, 7, 807-816に従って製造)の選択的N−保護とそれに続く三フッ化ホウ素・エーテラート触媒アジリジン開環によって、エーテル52を得る。そのメチルエステルの加水分解、選択的アミン脱保護およびジフェニルホスホリルアジドとのアミド結合形成によって54を得て、標準的な水素化条件後に、それからアミン55を得る。
【0136】
【化48】

【0137】
親カプロラクタムのジアゼパノン類縁体は、図式10に従って製造される。3−アミノプロパン酸エチル・塩酸塩のトランス−β−ニトロスチレン(または置換誘導体)へのマイケル付加および酸性亜鉛懸濁液を用いる直接ニトロ基還元によって、ジアミン57を得る。その1級アミンの選択的還元的アルキル化を、各種アルデヒドおよび水素化ホウ素トリアセトキシナトリウムを用いて行うことができる。エステル加水分解および閉環によって、ジアゼパノン59を得る。アミン保護後、リチウムジイソプロピルアミドによるエノレート生成とそれに続く低温での液体臭素による反応停止によって臭素化を行う。ブロマイドのアジ化ナトリウムによる置き換えと標準的な条件下での水素化によって、一般式63のアミンを得る。
【0138】
【化49】

【0139】
チオアゼパノン類縁体を、図式11に示した戦略に従って得ることができる。N−Boc−D−システイン・メチルエステル(公知の手順:Tetrahedron Asymmetry, 1997, 8, 1453-1466に従って製造)のトランス−β−ニトロスチレン(または置換誘導体)へのマイケル付加によって、チオエーテル65を得る。ニトロ基の還元を、水素およびパラジウム/炭素を用いて高圧で行うことができる。相当するアミン66を、各種アルデヒドおよび水素化シアノホウ素ナトリウムで還元的にアルキル化して、適切なアミン67を得ることができる。エステル加水分解、ジフェニルホスホリルアジドとの閉環および酸性条件下での脱保護によって、一般式69のラクタムを得る。
【0140】
【化50】

【0141】
アルキル置換カプロラクタム42を、硫酸マグネシウムの存在下にベンズアルデヒドと縮合させて、イミンを形成することができる(図式12)。リチウムビス(トリメチルシリル)アミドを用いる脱保護と、それに続く例えば臭化アルキルなどの求電子剤での反応停止および酸触媒イミン加水分解によって、一般式71の置換カプロラクタムを得る。
【0142】
【化51】

【0143】
3−アセチルカプロラクタム誘導体を、図式13に示した方法に従って製造することができる。塩基として水素化ナトリウムを用い、ラクタム22(公知の手順:J. Med. Chem., 1988, 31, 422-428に従って製造)を、臭化アルキルなどの各種求電子剤でアミド窒素で選択的にアルキル化することができる。リチウムジイソプロピルアミドを用いてエノレートを発生させ、次にブロモ酢酸tert−ブチルで反応停止することで、C−アルキル化を行って、エステル72を得る。カルボキシル基の脱保護を、トリフルオロ酢酸を用いて行う。得られたカルボン酸を標準的な条件下にアミン3とカップリングさせることで、一般式74の3−アセチルラクタムを得る。
【0144】
【化52】

【0145】
80などのアミノピロリジノンを、図式14に示した方法に従って製造することができる。ベンゼン誘導体の無水物75によるフリーデルクラフツアシル化によって、76などの酸を得て、それをアミンとカップリングさせて、77などのアミドを得ることができる。脱水環化および二重結合還元によって、ピロリジノン79を得る。塩基による最終的な脱保護によって、アミノピロリジノン8を得る。
【0146】
【化53】

【0147】
前記ピペリジノン類を、図式15の戦略に従って構築することができる。3−ニトロピリジノンの水素化と、それに続くアミノ基のそれのベンジルカーバメートとしての保護によって83を得る。位置選択的ヨウ素化と、それに続く臭化アルキルなどの求電子剤による窒素アルキル化によって85を得る。前記ヨウ化アリールについて各種遷移金属触媒交差カップリングを行うことができ、例えばフェニルボロン酸および炭酸ナトリウムによるパラジウム介在アリール化によってビアリール誘導体86を得る。ベンジルカーバメートの脱保護およびピリジノン環の還元によって、一般式87のピペリジノンを得る。
【0148】
【化54】

【0149】
場合により、例えば置換基の操作によって、最終生成物をさらに修飾することができる。それらの操作には、当業者には一般に公知である還元、酸化、アルキル化、アシル化および加水分解反応などがあり得るが、これらに限定されるものではない。
【0150】
場合により、前記反応図式を実施する順序を変動させて、反応の実施を容易にしたり、望ましくない反応生成物を回避することができる。以下の実施例は、本発明についての理解を深めることを目的として提供される。これらの実施例は例示のみを目的としたものであって、いかなる形でも本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【0151】
実施例
場合により、前記反応図式を実施する順序を変動させて、反応の実施を容易にしたり、望ましくない反応生成物を回避することができる。以下の実施例は、本発明についての理解を深めることを目的として提供される。これらの実施例は例示のみを目的としたものであって、いかなる形でも本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【0152】
(中間体1)
【0153】
【化55】

【0154】
(3R,7R)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−7−フェニルアゼパン−2−オン
段階A:3−ブロモ−7−フェニルアゼパン−2−オン
7−フェニルアゼパン−2−オン(4.50g、23.8mmol)の塩化メチレン(75mL)溶液に0℃で、五塩化リン(4.95g、23.8mmol)を加えた。1時間後、ヨウ素(0.060g、0.24mmol)および臭素(1.22mL、23.8mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液をその順序で加え、混合物を昇温させて室温とした。1.5時間後、亜硫酸ナトリウム水溶液で反応停止した。混合物を塩化メチレンで抽出し(3回)、合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、標題化合物を得た(4.91g)。MS268(M+1)。
【0155】
段階B:(3R,7R)−3−アジド−7−フェニルアゼパン−2−オンおよび(3S,7S)−3−アジド−7−フェニルアゼパン−2−オン
3−ブロモ−7−フェニルアゼパン−2−オンのN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)溶液に、アジ化ナトリウム(8.73g、134mmol)を加え、混合物を加熱して60℃とした。2時間後、反応液を放冷して室温とし、濃縮し、水で希釈した。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水(3回)および飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、ラセミ体のシスおよびトランス化合物を得た。シスエナンチオマーを、100%メタノールで溶離を行うキラルパックADカラムで分離して、標題化合物であるエナンチオマーA(1.09g)およびエナンチオマーB(1.06g)を得た。MS231(M+1)。
【0156】
段階C:tert−ブチル(3R,7R)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イルカーバメート
(3R,7R)−3−アジド−7−フェニルアゼパン−2−オン(0.89g、3.87mmol)のエタノール(10mL)溶液に、10%パラジウム/炭素(0.90g)を加えた。反応容器を排気し、窒素を再充填し(3回)、次に水素(1気圧)を再充填した。18時間後、混合物を濾過し、濃縮した。粗アミンおよびジ−tert−ブチルジカーボネート(0.96g、4.41mmol)の塩化メチレン(20mL)溶液に、トリエチルアミン(0.61mL、4.41mmol)を加えた。1時間後、混合物を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%塩化メチレンから95%塩化メチレン/メタノール)による精製によって、標題化合物を得た(0.79g)。
【0157】
段階D:tert−ブチル(3R,7R)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イルカーバメート
tert−ブチル(3R,7R)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イルカーバメート(100mg、0.33mmol)およびシクロプロピルメチルブロマイド(0.08mL、0.82mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液に0℃で、水素化ナトリウム(60%鉱油中分散品;14.4mg、0.36mmol)を加え、混合物を昇温させて室温とした。6時間後、水で反応停止し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水(3回)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、標題化合物を得た(82mg)。MS359(M+1)。
【0158】
段階E:(3R,7R)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−7−フェニルアゼパン−2−オン
tert−ブチル(3R、7R)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イルカーバメート(82mg、0.23mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2.5mL)を加えた。1時間後、混合物を濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えた。混合物を塩化メチレンで抽出し(2回)、合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(53mg)。H NMR(500MHz、CDCl)□7.40〜7.37(m、2H)、7.34〜7.31(m、3H)、4.97(dd、J=9.3、3.7Hz、1H)、4.05(dd、J=9.8、4.2Hz、1H)、3.24(dd、J=14.4、7.1Hz、1H)、2.69(dd、J=14.2、7.1Hz、1H)、2.16〜2.10(m、2H)、2.03〜1.97(m、1H)、1.92〜1.85(m、2H)、1.65〜1.56(m、1H)、0.69〜0.63(m、1H)、0.34〜0.23(m、2H)、0.09〜0.04(m、1H)、−0.10〜−0.15(m、1H)。
【0159】
(中間体2)
【0160】
【化56】

【0161】
(3S,7S)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−7−フェニルアゼパン−2−オン
段階A:tert−ブチル(3S,7S)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イルカーバメート
(3S,7S)−3−アジド−7−フェニルアゼパン−2−オン(954mg、4.14mmol)のエタノール(10mL)溶液に、10%パラジウム/炭素(95mg)を加えた。反応容器を排気し、窒素を再充填し(3回)、次に水素(1気圧)を再充填した。18時間後、混合物を濾過し、濃縮した。粗アミンおよびジ−tert−ブチルジカーボネート(1.0g、4.6mmol)の塩化メチレン(20mL)溶液に、トリエチルアミン(0.64mL、4.6mmol)を加えた。1時間後、混合物を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(99%塩化メチレンから95%塩化メチレン/メタノール)による精製によって、標題化合物を得た(983mg)。
【0162】
段階B:tert−ブチル(3S,7S)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イルカーバメート
tert−ブチル(3S,7S)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イルカーバメート(143mg、0.47mmol)およびシクロプロピルメチルブロマイド(0.11mL、1.18mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液に0℃で、水素化ナトリウム(60%鉱油中分散品;20.6mg、0.52mmol)を加え、混合物を昇温させて室温とした。14時間後、水で反応停止し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水(3回)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサンから30%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、標題化合物を得た(144mg)。MS359(M+1)。
【0163】
段階C:(3S,7S)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−7−フェニルアゼパン−2−オン
tert−ブチル(3S,7S)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イルカーバメート(144.1mg、0.40mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2.5mL)を加えた。1時間後、混合物を濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えた。混合物を塩化メチレンで抽出し(2回)、合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(110mg)。
【0164】
中間体2の製造について示した手順にほぼ従って、表1の中間体を製造した。
【0165】
【表1】

【0166】
(中間体4)
【0167】
【化57】

【0168】
(3R,6S)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン
段階A:1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン
6−フェニルアゼパン−2−オン(2.50g、13.2mmol)およびシクロプロピルメチルブロマイド(1.92mL、19.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)溶液に0℃で、水素化ナトリウム(60%鉱油中分散品;0.793g、19.8mmol)を加え、昇温させて室温とした。18時間後、混合物を水で反応停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水(3回)および飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%メタノール/塩化メチレンから5%メタノール/塩化メチレン)による精製によって、標題化合物を得た(2.33g)。MS244(M+1)。
【0169】
段階B:3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン
1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン(2.33g、9.57mmol)の塩化メチレン(55mL)の溶液に0℃で、五塩化リン(1.99g、9.57mmol)を加えた。1時間後、ヨウ素(0.024g、0.096mmol)および臭素(0.49mL、9.57mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液をその順序で加え、混合物を昇温させて室温とした。18時間後、亜硫酸ナトリウム水溶液で反応停止した。混合物を塩化メチレンで抽出し(3回)、合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。粗ブロマイドのN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)溶液にアジ化ナトリウム(5.60g、86.2mmol)を加え、混合物を加熱して50℃とした。4時間後、反応液を放冷して室温とし、濃縮し、水で希釈した。混合物を酢酸エチルで抽出し、水(3回)および飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。粗アジドのエタノール(50mL)溶液に、10%パラジウム/炭素(0.50g)を加えた。反応容器を排気し、窒素を再充填し(3回)、次に水素(1気圧)を再充填した。18時間後、混合物を濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%塩化メチレンから95%塩化メチレン/(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、ラセミ体のアミンを得た。MS259(M+1)。
【0170】
段階C:(3R,6S)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン
5%2−プロパノール/90%(0.1%ジエチルアミン含有ヘキサン)/5%メタノールで溶離を行うキラルセルODカラムを用いてシスおよびトランスの両方のエナンチオマーを分離して、標題化合物を得た(247mg)。MS259(M+1)。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.34(t、J=7.6Hz、2H)、7.26〜7.23(m、1H)、7.17(d、J=7.6Hz、2H)、3.86〜3.81(m、2H)、3.62(dd、J=13.9、6.8Hz、1H)、3.32(d、J=11.1Hz、1H)、3.08(dd、J=13.9、7.3Hz、1H)、2.79〜2.74(m、1H)、2.14〜2.12(m、1H)、2.02〜1.97(m、2H)、1.77〜1.67(m、1H)、1.03〜0.99(m、1H)、0.55〜0.49(m、2H)、0.28〜0.25(m、2H)。
【0171】
(中間体5)
【0172】
【化58】

【0173】
(2S,6Rおよび2R,6S)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
段階A:3−[(2−アミノ−1−フェニルエチル)アミノ]プロパン酸エチル
3−アミノプロパン酸エチル塩酸塩(4.16g、27.1mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.43mL、54.2mmol)のアセトニトリル(70mL)溶液に、トランス−□−ニトロスチレン(4.04g、27.1mmol)を加えた。15分後、無水塩酸ガスを、酸性となるまで溶液に吹き込んだ。混合物を濃縮し、エタノール(60mL)および塩酸水溶液(12M;30mL)に再度溶かし、冷却して0℃とした。亜鉛末(8.80g、134mmol)を、5分間かけて少量ずつ加えた。0.5時間後、混合物を濃縮してエタノールを除去し、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加えた。混合物を塩化メチレンで抽出し(3回)、合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(9.5g)。MS237(M+1)。
【0174】
段階B:N−{2−[(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}−β−アラニン酸エチル
3−[(2−アミノ−1−フェニルエチル)アミノ]プロパン酸エチル(6.38g、27.0mmol)、硫酸マグネシウム(10g、83.1mmol)およびシクロプロパンカルボキシアルデヒド(2.02mL、27.2mmol)のジクロロエタン(200mL)中混合物を、酢酸でpH6に調節した。1時間後、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム(5.72g、27.0mmol)を加えた。さらに30分後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を塩化メチレンで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%塩化メチレンから95%塩化メチレン/5%(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって標題化合物を得た(3.14g)。MS291(M+1)。
【0175】
段階C:4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−5−オン
N−{2−[(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}−β−アラニン酸エチル(1.81g、6.22mmol)のメタノール(10mL)溶液に、水酸化ナトリウム(1M;6.53mL、6.53mmol)を加えた。1時間後、混合物を濃縮し、トルエンと共沸させて(3回)、粗酸を得た。粗酸(1.77g、6.22mmol)および4−メチルモルホリン(1.37mL、12.4mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(124mL)溶液に、ジフェニルホスホリルアジド(2.68mL、12.43mmol)を加えた。18時間後、反応液を濃縮し、水で希釈した。混合物を塩化メチレンで抽出し(3回)、合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%塩化メチレンから90%塩化メチレン/10%(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、標題化合物を得た(1.38g)。MS245(M+1)。H NMR(500MHz、CDCl)□7.47〜7.30(m、5H)、3.89〜3.88(m、2H)、3.65(dd、J=13.9、6.6Hz、1H)、3.31〜3.26(m、1H)、3.24〜3.21(m、1H)、3.02〜2.93(m、3H)、2.70〜2.65(m、1H)、1.02〜0.97(m、1H)、0.58〜0.49(m、2H)、0.28〜0.21(m、2H)。
【0176】
段階D:4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−5−オン(0.925g、3.79mmol)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(0.826g、3.79mmol)の塩化メチレン(20mL)溶液に、トリエチルアミン(0.53mL、3.79mmol)を加えた。18時間後、混合物を水で希釈した。混合物を塩化メチレンで抽出し、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%塩化メチレンから95%塩化メチレン/メタノール)による精製によって、標題化合物を得た(1.38g)。MS345(M+1)。
【0177】
段階E:6−ブロモ−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.489g、1.42mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に−78℃で、リチウムジイソプロピルアミド(1M THF溶液;2.13mL、2.13mmol)を加えた。30分後、エノレート溶液をカニューレによって、臭素(0.36mL、7.10mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液に−78℃で5分間かけて滴下した。15分後、混合物を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液で反応停止し、昇温させて室温とした。混合物を酢酸エチルで抽出し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。MS423(M+1)。
【0178】
段階F:シスおよびトランス−6−アジド−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
6−ブロモ−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.609g、1.43mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液に、アジ化ナトリウム(0.841g、12.9mmol)を加え、加熱して70℃とした。1時間後、混合物を放冷して室温とし、水を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出し、水(3回)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、トランス異性体170mgおよびシス異性体24mgを得た。MS386(M+1)。
【0179】
段階G:(2R,6Sおよび2S,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
トランス−6−アジド−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(165mg、0.428mmol)のエタノール(15mL)溶液に、10%パラジウム/炭素(45.5mg)を加えた。反応容器を排気し、窒素を再充填し(3回)、次に水素(1気圧)を再充填した。3時間後、混合物を濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(154mg)。MS360(M+1)。
【0180】
(中間体5a)
【0181】
【化59】

【0182】
(2S,6Sおよび2R,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
シス−6−アジド−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸ブチル(24mg、0.062mmol)のエタノール(5mL)溶液に、10%パラジウム/炭素(24mg)を加えた。反応容器を排気し、窒素を再充填し(3回)、次に水素(1気圧)を再充填した。4時間後、混合物を濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(22mg)。MS360(M+1)。
【0183】
(中間体6)
【0184】
【化60】

【0185】
(2S,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−オキシアゼパン−5−オン
段階A:tert−ブチルシクロプロピルメチル[(2S)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル]カーバメート
(S)−スチレンオキサイド(4.83g、40.3mmol)およびシクロプロパンメチルアミン(4.00g、56.4mmol)をイソプロピルアルコール(100mL)に溶かし、加熱還流した。8時間後、反応液を放冷して室温とし、濃縮した。粗アミンおよびジ−tert−ブチルジカーボネート(8.78g、40.3mmol)の塩化メチレン(100mL)溶液に、トリエチルアミン(5.61mL、40.3mmol)を加えた。18時間後、水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサンから20%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、標題化合物を得た(5.48g)。
【0186】
段階B:N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−O−{(1S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}−D−セリン酸メチル
tert−ブチルシクロプロピルメチル[(2S)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル]カーバメート(2.45g、8.39mmol)および(2R)−アジリジン−1,2−ジカルボン酸1−ベンジル2−メチル(1.97g、8.39mmol)のクロロホルム(20mL)溶液に、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラート(0.10mL、0.84mmol)を加えた。3時間後、反応液を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサンから30%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、標題化合物を得た(1.21g)。
【0187】
段階C:N−[(ベンジル)カルボニル]−O−{(1S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}−D−セリン
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−O−{(1S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}−D−セリン酸メチル(1.30g、2.46mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(1M;3.81mL、3.81mmol)を加えた。18時間後、塩酸水溶液(1M;3.81mL、3.81mmol)を加えた。混合物を塩化メチレンで抽出し(3回)、合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(1.27g)。MS535(M+Na)。
【0188】
段階D:ベンジル(2S,6R)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−オキシアゼパン−6−イルカーバメート
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−O−{(1S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}−D−セリン(1.27g、2.47mmol)の塩化メチレン(15mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(5.0mL)を加えた。2時間後、混合物を濃縮し、トルエンと共沸させて(3回)、粗アミンを得た。粗アミンおよび4−メチルモルホリン(0.82mL、7.41mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(100mL)溶液に、ジフェニルホスホリルアジド(1.07mL、4.95mmol)を加えた。18時間後、混合物を濃縮し、水を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水(2回)および飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、標題化合物を得た(0.426g)。MS395(M+1)。
【0189】
段階E:(2S,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−オキシアゼパン−5−オン
(2S,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−オキシアゼパン−5−オン(179mg、0.454mmol)のエタノール(15mL)溶液に、10%パラジウム/炭素(20mg)を加えた。反応容器を排気し、窒素を再充填し(3回)、次に水素(1気圧)を再充填した。18時間後、混合物を濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(113mg)。MS261(M+1)。H NMR(500MHz、CDCl)□7.40〜7.31(m、5H)、4.53(d、J=8.5Hz、1H)、4.10〜4.03(m、2H)、3.90(dd、J=15.9、7.1Hz、1H)、3.80〜3.65(m、2H)、3.36(d、J=15.9Hz、1H)、3.03(dd、J=13.9、6.6Hz、1H)、1.06〜1.01(m、1H)、0.64〜0.53(m、2H)、0.33〜0.25(m、2H)。
【0190】
中間体6の製造について示した手順にほぼ従って、表2の中間体を製造した。
【0191】
【表2】

【0192】
(中間体9)
【0193】
【化61】

【0194】
(3R)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)アゼパン−2−オン
段階A:tert−ブチル(3R)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソアゼパン−3−イルカーバメート
tert−ブチル(3R)−2−オキソアゼパン−3−イルカーバメート(258mg、1.13mmol)およびシクロプロピルメチルブロマイド(0.27mL、2.83mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)溶液に0℃で、水素化ナトリウム(60%鉱油中分散品;30mg、1.24mmol)を加え、混合物を昇温させて室温とした。6時間後、水で反応停止し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水(3回)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%塩化メチレンから5%メタノール/塩化メチレン)による精製によって、標題化合物を得た(257mg)。MS283(M+1)。
【0195】
段階B:(3R)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)アゼパン−2−オン
tert−ブチル(3R)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソアゼパン−3−イルカーバメート(257mg、0.91mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(5mL)を加えた。1時間後、混合物を濃縮し、塩化メチレンと共沸させて(3回)、粗アミンを得た。
【0196】
中間体9の製造について示した手順にほぼ従って、表3の中間体を製造した。
【0197】
【表3】

【0198】
(中間体13)
【0199】
【化62】

【0200】
シス−3−アミノ−1−イソブチル−5−フェニルピロリジン−2−オン
段階A:4−オキソ−4−フェニル−2−[(トリフルオロアセチル)アミノ]ブタン酸
3−[(トリフルオロアセチル)アミノ]コハク酸無水物(4.00g、19.0mmol)および塩化アルミニウム(5.56g、41.7mmol)のベンゼン(80mL)溶液を5時間還流させ、氷浴で冷却し、水をゆっくり加えることで反応停止した。反応混合物を酢酸エチルおよび10%塩酸で後処理した。残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル、100%塩化メチレンから90/10/1/1塩化メチレン/メタノール/酢酸/水勾配溶離)によって精製した。得られた油状物を塩化メチレン/ヘキサンから再結晶して、標題化合物を白色固体として得た(3.00g)。H NMR(500MHz、(d−アセトン)δ11.56(bs、1H)、8.63(bs、1H)、8.06(dd、J=8.3、1.2Hz、2H)、7.70〜7.67(m、1H)、7.57(t、J=7.7Hz、2H)、5.14〜5.10(m、1H)、3.84(dd、J=18.3、6.8Hz、1H)、3.77(dd、J=18.1,4.6Hz、1H)。
【0201】
段階B:N−イソブチル−4−オキソ−4−フェニル−2−[(トリフルオロアセチル)アミノ]ブタンアミド
4−オキソ−4−フェニル−2−[(トリフルオロアセチル)アミノ]ブタン酸(3.9g、13.5mmol)、イソブチルアミン(2.68mL、27.0mmol)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(5.17g、27.0mmol)、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−オール水和物(3.64g、27.0mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(11.7mL、67.4mmol)の溶液を、ジメチルホルムアミド(20mL)中にて室温で終夜攪拌した。反応を塩化メチレンおよび飽和重炭酸ナトリウムで後処理した。有機抽出液をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル、0%から20%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離)によって、標題化合物を黄色固体として得た(1.41g)。MS345(M+1)。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.95(d、J=7.3Hz、2H)、7.92(bs、1H)、7.63(t、J=7.4Hz、1H)、7.50(t、J=7.7Hz、2H)、6.86(bs、1H)、5.02〜4.99(m、1H)、3.78(dd、J=18.3,2.4Hz、1H)、3.33(dd、J=18.3、9.0Hz、1H)、3.10(t、J=6.4Hz、2H)、1.81〜1.73(m、1H)、0.88(d、6H)。
【0202】
段階C:2,2,2−トリフルオロ−N−(1−イソブチル−2−オキソ−5−フェニル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル)アセトアミド
N−イソブチル−4−オキソ−4−フェニル−2−[(トリフルオロアセチル)アミノ]ブタンアミド(0.500g、1.45mmol)および酢酸(0.831mL、14.5mmol)のトルエン(15mL)溶液を加熱還流した。48時間後、反応液を冷却し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、0%から50%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離)によって精製して、標題化合物を固体として得た(0.412g)。MS327(M+1)H NMR(500MHz、CDCl)δ7.40〜7.36(m、3H)、7.20(d、J=2.0Hz、1H)、7.12〜7.11(m、2H)、5.12(d、J=2.0Hz、1H)、3.53(dd、J=13.9、9.4Hz、1H)、2.61(dd、J=13.9、5.9Hz、1H)、1.89〜1.80(m、1H)、0.87(d、J=6.6Hz、3H)、0.84(d、J=6.6Hz、3H)。
【0203】
段階D:シスおよびトランス−2,2,2−トリフルオロ−N−(1−イソブチル−2−オキソ−5−フェニルピロリジン−3−イル)アセトアミド
2,2,2−トリフルオロ−N−(1−イソブチル−2−オキソ−5−フェニル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル)アセトアミド(300mg、0.919mmol)および10%パラジウム/炭素(50.0mg)のメタノール(6mL)溶液を、水素風船下に攪拌した。2時間後、反応液をセライト層で濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、0%から50%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離)によって精製して、標題化合物をシス/トランス異性体の1.4/1混合物として得た(300mg)。注意深いクロマトグラフィー(シリカゲル、0%から20%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離、次に20%から50%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離)によって、シス異性体(2番目に溶出、150mg)およびトランス異性体(最初に溶出、85mg)それぞれの部分を単離することができ、いくつかの混合分画も得られた。各異性体をそれぞれ次で用いた。シスH NMR(500MHz、CDCl)δ7.42〜7.35(m、3H)、7.26〜7.24(m、3H)、4.60(dd、J=9.3、6.2Hz、1H)、4.53〜4.48(m、1H)、3.48(dd、J=13.7、9.8Hz、1H)、3.21〜3.16(m、1H)、2.46(dd、J=13.7、5.6Hz、1H)、1.88〜1.72(m、2H)、0.81(d、J=6.6Hz、3H)、0.78(d、J=6.8Hz、3H);トランスH NMR(500MHz、CDCl)δ7.55(bs、1H)、7.42〜7.38(m、2H)、7.36〜7.33(m、1H)、7.13(d、J=7.8Hz、1H)、4.77(d、J=8.8Hz、1H)、4.57〜4.52(m、1H)、3.54(dd、J=13.7、9.3Hz、1H)、2.68〜2.65(m、1H)、2.58(dd、J=13.7、5.9Hz、1H)、2.48〜2.41(m、1H)、1.96〜1.88(m、1H)、0.90(d、J=2.2Hz、3H)、0.89(d、J=2.4Hz、3H)。
【0204】
段階E:シス−3−アミノ−1−イソブチル−5−フェニルピロリジン−2−オン
シス−2,2,2−トリフルオロ−N−(1−イソブチル−2−オキソ−5−フェニルピロリジン−3−イル)アセトアミド(50.0mg、0.152mmol)のメタノール(3mL)および水(1mL)溶液に、炭酸カリウム(63.1mg、0.447mmol)を加えた。27時間後、反応溶液を濃縮し、塩化メチレンおよび水で後処理した。有機抽出液を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(32.7mg)。MS233(M+1)。
【0205】
(中間体13a)
【0206】
【化63】

【0207】
トランス−3−アミノ−1−イソブチル−5−フェニルピロリジン−2−オン
トランス−2,2,2−トリフルオロ−N−(1−イソブチル−2−オキソ−5−フェニルピロリジン−3−イル)アセトアミド(63.2mg、0.192mmol)のメタノール(3mL)および水(1mL)溶液に、炭酸カリウム(79.8mg、0.578mmol)を加えた。27時間後、反応溶液を濃縮し、塩化メチレンおよび水で後処理した。有機抽出液を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(44.7mg)。MS233(M+1)。
【0208】
(中間体14)
【0209】
【化64】

【0210】
(2S,6S)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−チオアゼパン−5−オン
段階A:N−(tert−ブトキシカルボニル)−S−(2−ニトロ−1−フェニルエチル)−D−システイン酸メチル
N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−システイン酸メチル(3.04g、12.9mmol)およびβ−トランス−ニトロスチレン(1.93g、12.92mmol)のアセトニトリル(80mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(3.38mL、19.4mmol)を加えた。15分後、反応液を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサンから30%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、標題化合物を得た(4.52g)。
【0211】
段階B:S−(2−アミノ−1−フェニルエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−システイン酸メチル
N−(tert−ブトキシカルボニル)−S−(2−ニトロ−1−フェニルエチル)−D−システイン酸メチル(1.00g、2.60mmol)の酢酸(50mL)溶液に、10%パラジウム/炭素(3.04g)を加えた。反応容器を排気し、窒素を再充填し(3回)、次に水素(約0.34MPa(50psi))を再充填した。18時間後、混合物を濾過し、濃縮し、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加えた。混合物を塩化メチレンで抽出し(3回)、合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(0.73g)。MS355(M+1)。
【0212】
段階C:N−(tert−ブトキシカルボニル)−S−{2−[(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}システイン酸メチル
酢酸でpH6に調節したS−(2−アミノ−1−フェニルエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−システイン酸メチル(583mg、1.65mmol)のメタノール(25mL)溶液に、シクロプロパンカルボキシアルデヒド(104mg、1.48mmol)を加えた。15分後、水素化シアノホウ素ナトリウム(155mg、2.47mmol)を加えた。さらに1時間後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を塩化メチレンで抽出した(2回)。合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲル[100%塩化メチレンから97%塩化メチレン/3%(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、標題化合物を得た(305mg)。MS409(M+1)。
【0213】
段階D:tert−ブチル(2S,6S)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−チオアゼパン−6−イルカーバメート
N−(tert−ブトキシカルボニル)−S−{2−[(シクロプロピルメチル)アミノ]−1−フェニルエチル}−D−システイン酸メチル(507mg、1.24mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)および水(2mL)溶液に、水酸化リチウム(63mg、1.49mmol)を加えた。1時間後、混合物を濃縮し、トルエンと共沸させて(3回)、粗酸を得た。粗酸および4−メチルモルホリン(0.20mL、1.86mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)溶液に、ジフェニルホスホリルアジド(0.53mL、2.48mmol)を加えた。4時間後、混合物を濃縮し、水を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水(2回)および飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサンから20%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、標題化合物を得た(149mg)。MS377(M+1)。
【0214】
段階E:(2S,6S)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−チオアゼパン−5−オン
tert−ブチル(2S,6S)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−チオアゼパン−6−イルカーバメート(90mg、0.239mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2.0mL)を加えた。1時間後、混合物を濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えた。混合物を塩化メチレンで抽出し(2回)、合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た(57mg)。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.38〜7.30(m、5H)、4.36〜4.28(m、2H)、4.06(d、J=9.3Hz、1H)、3.74(dd、J=14.4、1.5Hz、1H)、3.67(dd、J=13.9、7.3Hz、1H)、3.08(dd、J=13.9、6.6Hz、1H)、3.00(dd、J=14.4、9.8Hz、1H)、2.66(dd、J=14.4、1.9Hz、1H)、1.02〜0.99(m、1H)、0.57〜0.53(m、2H)、0.27〜0.23(m、2H)。
【0215】
(中間体15)
【0216】
【化65】

【0217】
(2S,6S)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−チオアゼパン−5−オン・1,1−ジオキサイド
段階A:tert−ブチル(2S,65)−4−(シクロプロピルメチル)−1,1−ジオキシド−5−オキソ−2−フェニル−1,4−チオアゼパン−6−イルカーバメート
tert−ブチル(2S,6S)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−チオアゼパン−6−イルカーバメート(60mg、0.16mmol)のメタノール(7.5mL)および水(7.5mL)溶液に、オキソン(488mg、0.80mmol)を加えた。18時間後、水を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(63mg)。
【0218】
段階B:(2S,6S)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−2−フェニル−1,4−チオアゼパン−5−オン・1,1−ジオキサイド
tert−ブチル(2S,6S)−4−(シクロプロピルメチル)−1,1−ジオキシド−5−オキソ−2−フェニル−1,4−チオアゼパン−6−イルカーバメート(63mg、0.167mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2.0mL)を加えた。1時間後、混合物を濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えた。混合物を塩化メチレンで抽出し(2回)、合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た(50mg)。
【0219】
(中間体16)
【0220】
【化66】

【0221】
3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−5−フェニルピペリジン−2−オン
段階A:3−アミノピリジン−2(1H)−オン
3−ニトロピリジン−2(1H)−オン(1.195g、8.53mmol)および10%パラジウム/炭素(0.156g)を、水素雰囲気(約0.34MPa(50psi))下にエタノール(30mL)中で終夜攪拌した。触媒を溶液から濾過し、溶媒を減圧下に除去して、標題化合物を得た(0.930mg)。
【0222】
段階B:ベンジル2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルカーバメート
3−アミノピリジン−2(1H)−オン(0.930g、8.45mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、重炭酸ナトリウム(1.70g、16.89mmol)およびクロルギ酸ベンジル(1.58g、9.29mmol)を加えた。7時間後、混合物を酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウムで抽出した。有機抽出液を水および飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー[シリカゲル、1%から5%メタノール(10%水酸化アンモニウム)/塩化メチレン勾配溶離]による精製によって、標題化合物を得た(1.304g)。MS245(M+1)。
【0223】
段階C:ベンジル5−ヨード−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルカーバメート
ベンジル2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルカーバメート(0.317g、1.3mmol)の脱水塩化メチレン(10mL)溶液に、N−ヨードコハク酸イミド(0.292g、1.30mmol)を加え、終夜攪拌した。混合物を濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル、0%から50%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離)によって精製して、標題化合物を得た(0.245g)。MS371(M+1)。
【0224】
段階D:ベンジル1−(シクロプロピルメチル)−5−ヨード−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルカーバメート
ベンジル5−ヨード−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルカーバメート(0.245g、0.66mmol)のジメチルホルムアミド(3mL)溶液に、シクロプロピルメチルブロマイド(0.100mL、0.99mmol)および炭酸セシウム(0.323mg、0.99mmol)を加え、終夜攪拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル、10%から50%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離)による精製によって、標題化合物を得た(0.190g)。MS425(M+1)。
【0225】
段階E:ベンジル1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−5−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルカーバメート
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.132mg、0.11mmol)およびベンジル1−(シクロプロピルメチル)−5−ヨード−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルカーバメート(0.097mg、0.229mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液を室温で30分間攪拌した。フェニルボロン酸のエタノール(1mL)溶液を反応混合物に加えた。1時間後、2M炭酸ナトリウム溶液(1mL)を加え、反応液を加熱還流した。3時間後、混合物を放冷して室温とし、酢酸エチルおよび水で抽出した。合わせた有機抽出液を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル、5%から30%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶離)による精製によって、標題化合物を得た(0.061g)。MS375(M+1)。
【0226】
段階F:3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−5−フェニルピペリジン−2−オン
ベンジル1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−5−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルカーバメート(0.061g、0.163mmol)および10%パラジウム/炭素(0.060g)を、水素雰囲気(約0.34MPa(50psi))下にエタノール(15mL)中で6時間攪拌した。触媒を溶液から濾過し、溶媒を減圧下に除去して、標題化合物を得た(0.031mg)。MS245(M+1)。
【0227】
(中間体17)
【0228】
【化67】

【0229】
3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−5−フェニルアゼパン−2−オン
段階A:(アジドメチル)シクロプロパン
封管中、シクロプロピルメチルブロマイド(5.0g、37.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液にアジ化ナトリウム(7.22g、111.1mmol)を加え、混合物を加熱して110℃とした。5時間後、混合物を冷却して室温とした。水を加え、混合物を塩化メチレンで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液を水(3回)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。溶液を傾斜法で分離して、標題化合物を塩化メチレン溶液で得た。
【0230】
段階B:1−(シクロプロピルメチル)−5−フェニルアゼパン−2−オン
(アジドメチル)シクロプロパンの塩化メチレン(0.238M)溶液に、4−フェニルシクロヘキサノン(1.0g、5.74mmol)を加えた。混合物を冷却して0℃とし、塩化チタン(IV)(1M塩化メチレン溶液;14.35mL、14.35mmol)を加えた。5分後、反応混合物を昇温させて室温とした。18時間後、飽和重炭酸ナトリウム(30mL)で反応停止した。混合物を塩化メチレンで抽出し(3回)、合わせた有機抽出液を水(3回)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー[100%塩化メチレンから97%塩化メチレン/3%(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]によって精製した。生成物を逆相HPLC(C−18カラム、0.1%トリフルオロ酢酸含有95%水/アセトニトリルから5%水/アセトニトリル)によって再精製して、標題生成物を得た(0.322g)。MS244(M+1)。
【0231】
段階C:3−ブロモ−1−(シクロプロピルメチル)−5−フェニルアゼパン−2−オン
1−(シクロプロピルメチル)−5−フェニルアゼパン−2−オン(0.35g、1.44mmol)の塩化メチレン(8mL)溶液に0℃で、五塩化リン(0.3g、1.44mmol)をゆっくり加えた。1時間後、ヨウ素(3.6mg、0.01mmol)および臭素(0.07mL、1.44mmol)を加え、混合物を昇温させて室温とした。1時間後、追加の五塩化リン0.3gを加えた。さらに18時間後、飽和重炭酸ナトリウムで反応停止した。混合物を塩化メチレンで抽出し(3回)、合わせた有機抽出液を水(3回)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。
【0232】
段階D:3−アジド−1−(シクロプロピルメチル)−5−フェニルアゼパン−2−オン
3−ブロモ−1−(シクロプロピルメチル)−5−フェニルアゼパン−2−オン(0.3g、0.93mmol)のアセトニトリル(4mL)および水(1mL)溶液に、アジ化ナトリウム(0.24g、3.72mmol)を加え、混合物を加熱して100℃とした。18時間後、混合物を放冷して室温とし、濃縮した。水を加え、混合物を塩化メチレンで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液を水(3回)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。
【0233】
段階E:3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−5−フェニルアゼパン−2−オン
3−アジド−1−(シクロプロピルメチル)−5−フェニルアゼパン−2−オン(0.3g、1.05mmol)のメタノール(4mL)溶液に、10%パラジウム/炭素(30mg)を加えた。反応容器を排気し、窒素を再充填し(3回)、次に水素(1気圧)を再充填した。18時間後、反応液を濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%塩化メチレンから93%塩化メチレン/7%(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、標題化合物を得た(60mg)。ラセミ体生成物を20%プロパノール/ヘキサンから50%プロパノール/ヘキサン(0.1%ジエチルアミン/ヘキサン)を用いてキラルパックAS(250×20mm)カラムで分割して、4つのエナンチオマー的に純粋な異性体を得た。MS259(M+1)。
【0234】
(中間体18)
【0235】
【化68】

【0236】
4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン塩酸塩
米国特許第6344449B1号に記載の手順に従って、4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン塩酸塩を製造した。
【0237】
(中間体19)
【0238】
【化69】

【0239】
4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−イミダゾリジン−2−オン
4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン塩酸塩(510mg、1.82mmol)のメタノール(10mL)溶液を、パラジウム/炭素(100mg)にて1気圧水素で水素化した。4時間後、反応液を濾過し、粗生成物を逆相HPLC(C−18、5%から95%の0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸水溶液勾配溶離)によって精製した。標題化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た(304mg)。MS246(M+1)。
【0240】
(中間体20)
【0241】
【化70】

【0242】
5−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン塩酸塩
段階A:4−[(t−ブトキシカルボニル)ヒドラゾノ]ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル
1−[(9H−フルオレン−9−イル)メチルオキシカルボニル]−4−ピペリドン(16.0g、50.0mmol)およびカルバジド酸tert−ブチル(7.25g、55.5mmol)のエタノール(250mL)溶液を1時間還流した。溶液を冷却し、濃縮した。エーテル(100mL)を加えると、標題化合物が白色沈澱として得られた(21.0g)。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.77(d、J=7Hz、2H)、7.57(d、J=7Hz、2H)、7.40(t、J=7Hz、2H)、7.32(t、J=7Hz、2H)、4.50(brs、2H)、4.24(t、J=6Hz、1H)、3.4〜3.7(brm、4H)、2.47(brs、2H)、2.1〜2.2(brm、2H)、1.56(s、9H)。
【0243】
段階B:4−[(t−ブトキシカルボニル)ヒドラジノ]ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル
4−[(t−ブトキシカルボニル)ヒドラゾノ]ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル(10.0g、22.9mmol)の酢酸(150mL)溶液を、約0.31MPa(45psi)水素下にパール装置で2時間にわたり、酸化白金(1.0g)とともに振盪した。溶液を濾過し、濃縮して標題化合物を得た。
【0244】
段階C:4−ヒドラジノピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル
4−[(tert−ブトキシカルボニル)ヒドラジノ]ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル(20g、45.7mmol)溶液をトリフルオロ酢酸(100mL)に溶かし、室温で1.5時間攪拌した。反応液を濃縮し、残留物をメタノールに溶かし、逆相HPLCによって精製した。純粋な分画を単離し、合わせて、標題化合物のトリフルオロ酢酸塩を得た(3.01g)。H NMR(500MHz、DMSO−d)δ7.89(d、J=8Hz、2H)、7.61(d、J=8Hz、2H)、7.40(t、J=8Hz、2H)、7.32(t、J=8Hz、2H)、4.33(d、J=6Hz、2H)、4.25(t、J=6Hz、1H)、3.5〜4.0(brs、6H)、3.05(brs、1H)、2.80(brs、2H)、1.89(brs、2H)、1.2(brs、2H)。
【0245】
段階D:4−(5−オキソ−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル
4−ヒドラジノピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル・トリフルオロ酢酸塩(2.95g、6.54mmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(1.25mL、7.1mmol)とともにエチルN−ベンゾチオイルカーバメート(1.50g、7.1mmol)(文献(E. P. Papadopoulus, J. Org. Chem., 1976, 41 (6) 962-965)の手順によって製造)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液と2時間還流した。反応液を冷却し、濃縮し、アセトニトリル中で加熱して溶解させた。冷却すると白色固体が結晶化して、標題化合物を得た(2.06g)。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.80(d、J=7Hz、2H)、7.77(d、J=7Hz、2H)、7.61(d、J=7Hz、2H)、7.48(m、3H)、7.40(t、J=7Hz、2H)、7.33(t、J=7Hz、2H)、4.46(d、J=6Hz、2H)、4.36(m、2H)、4.27(t、J=6Hz、1H)、4.26(brs、1H)、3.02(brs、2H)、2.04(brs、2H)、1.94(brm、2H)。
【0246】
段階E:5−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン塩酸塩
4−(5−オキソ−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル(2.06g、4.41mmol)およびジエチルアミン(15mL)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を室温で2時間攪拌した。反応液を濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、0%から10%{5%水酸化アンモニウム/メタノール}/塩化メチレン勾配溶離)によって精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.95g)。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.84(d、J=7Hz、2H)、7.47(m、3H)、4.30(m、1H)、3.25(d、J=13Hz、2H)、2.79(t、J=13Hz、2H)、2.04(d、J=4、12Hz、2H)、1.93(brd、J=10Hz、2H)。
【0247】
(中間体21)
【0248】
【化71】

【0249】
1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2,4−ジオン
段階A:4−[(2−エトキシ−2−オキソエチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
1−boc−4−ピペリドン(500mg、2.51mmol)およびグリシン・エチルエステル塩酸塩(350mg、2.51mmol)のメタノール(12.5mL)溶液に、水素化シアノホウ素ナトリウム(189mg、3.01mmol)を加えた。16時間後、混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で反応停止し、濃縮し、塩化メチレンと飽和重炭酸ナトリウム溶液との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%塩化メチレンから95%塩化メチレン/5%(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、標題化合物を得た(600mg)。
【0250】
段階B:4−(2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−[(2−エトキシ−2−オキソエチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(100mg、0.384mmol)の水溶液(水2mL)に、シアン化カリウム(31mg、0.384mmol)を加えた。次に、酢酸を加えて反応液のpHを4〜5に調節し、混合物を40℃で加熱した。16時間後、反応液を冷却して室温とし、逆相HPLC(C−18、0.1%トリフルオロ酢酸含有95%水/アセトニトリルから5%水/アセトニトリル)によって精製して、標題化合物を得た(33mg)。
【0251】
段階C:1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2,4−ジオン
4−(2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(32mg、0.113mmol)の塩化メチレン(1mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.300mL)を加えた。4時間後、反応液を濃縮して、標題化合物を得た。MS184.04(M+1)。
【0252】
(中間体21A)
【0253】
【化72】

【0254】
4−ピペリジン−4−イルピリダジン−3(2H)−オン
段階A:4−[1−(エトキシカルボニル)ブト−3−エン−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(5.02g、16.4mmol)のTHF(90mL)溶液を−78℃とし、それにリチウムヘキサメチルジシラジド(1.0M THF溶液、18.1mL、18.1mmol)を加えた。1時間後、臭化アリル(2.19g、18.1mmol)を加え、反応液をこの温度で0.5時間攪拌し、昇温させて25℃とした。3時間後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えることで反応停止し、酢酸エチルで抽出した(2回)。合わせた有機層をMgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗生成物を0%から60%EtOAc:ヘキサン勾配で溶離を行うシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(4.08g)。MS:m/z=346.1(M+1)。
【0255】
段階B:4−[1−(エトキシカルボニル)−3−オキソプロピル]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
4−[1−(エトキシカルボニル)ブト−3−エン−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(4.08g、11.8mmol)をTHF(45mL)に溶かし、四酸化オスミウム(0.45mL、2.5%t−ブタノール溶液)を加え、次に過ヨウ素酸ナトリウム(7.57g、35.4mmol)の水溶液(水37mL)を加えた。24時間後、反応液を飽和NaSOおよびNaHCO水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した(4回)。合わせた有機洗浄液を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去した。粗生成物を50%から100%EtOAc:ヘキサンの勾配を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(2.39g)。MS:m/z=348.1(M+1)。
【0256】
段階C:4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
4−[1−(エトキシカルボニル)−3−オキソプロピル]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(2.39g、6.89mmol)を酢酸(100mL)に溶かし、ヒドラジン(4.42g、137mmol)を加えた。この混合物を50℃で24時間加熱し、濃縮して乾固させた。残留物を飽和NaHCO水溶液で希釈し、塩化メチレンで抽出し(3回)、合わせた有機を脱水し、濃縮して、白色固体を得た(1.90g)。この取得物をアセトニトリル(20mL)に溶かし、塩化銅(II)(1.62g、12.0mmol)を加え、反応液を加熱して50℃とした。2時間後、反応液を塩化メチレンを用いてセライトで濾過した。リンス液を水(75mL)で洗浄し、水相を塩化メチレンで逆洗浄した(3回)。合わせた有機洗浄液を1N HClで洗浄し、脱水し、濃縮した。粗生成物を、0%から12%MeOH:DCMの勾配を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(0.90g)。MS:m/z=314.1(M+1)。
【0257】
段階D:4−ピペリジン−4−イルピリダジン−3(2H)−オン
4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(0.90mg、2.88mmol)および10%Pd/C(500mg)のEtOH(25mL)溶液を、風船下に4時間水素化した。反応液を追加のEtOHを用いてセライトで濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(465mg)。MS180.1(M+1)。
【0258】
(中間体22)
【0259】
【化73】

【0260】
(3R,6S)−3−アミノ−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−[2−(メチルチオ)エチル]アゼパン−2−オン
段階A:2−ブロモ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)プロプ−2−エン−1−アミン
2,4−ジメトキシベンジルアミン塩酸塩(11.1g、54.5mmol)および2,3−ジブロモプロペン(10.9g、54.5mmol)の塩化メチレン(200mL)溶液に、トリエチルアミン(16.0mL、114mmol)を加えた。18時間後、水を加え、混合物を塩化メチレンで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%塩化メチレンから95%塩化メチレン/5%(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、標題化合物を得た(7.85g)。
【0261】
段階B:ベンジル(1R)−1−{[(2−ブロモプロプ−2−エンイル)(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]カルボニル}ブト−3−エンイルカーバメート
2−ブロモ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)プロプ−2−エン−1−アミン(73mg、0.256mmol)および(2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ペント−4−エン酸(71mg、0.285mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液に、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(55mg、0.285mmol)を加えた。18時間後、混合物を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサンから30%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、標題化合物を得た(77mg)。MS517(M+1)。
【0262】
段階C:ベンジル(1R)−1−{[[2−(2,3−ジフルオロフェニル)プロプ−2−エンイル](2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]カルボニルブト−3−エンイルカーバメート
ベンジル(1R)−1−{[(2−ブロモプロプ−2−エンイル)(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]カルボニル}ブト−3−エンイルカーバメート(9.2g、17.8mmol)、2,3−ジフルオロフェニルボロン酸(2.95g、18.7mmol)および炭酸ナトリウム(2M水溶液;19.6mL、39.1mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(60mL)溶液に、ジクロロ[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム・塩化メチレン付加物(0.726g、0.889mmol)を加え、加熱して75℃とした。2時間後、混合物を放冷して室温とし、塩化メチレンで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサンから55%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、標題化合物を得た(6.8g)。MS551.2(M+1)。
【0263】
段階D:ベンジル(3R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−オキソ−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン−3−イルカーバメート
ベンジル(1R)−1−{[[2−(2,3−ジフルオロフェニル)プロプ−2−エンイル](2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]カルボニル}ブト−3−エンイルカーバメート(6.8g、12.35mmol)の塩化メチレン(1800mL)溶液に、[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)−(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム](グラブス第2世代触媒)(2.62g、3.09mmol)を加え、加熱して40℃とした。48時間後、追加の触媒(0.52g、0.613mmol)を加え、反応液を加熱して40℃としてさらに48時間経過させた。混合物を放冷して室温とし、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサンから55%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、標題化合物を得た(3.71g)。MS523.1(M+1)。
【0264】
段階E:ベンジル(3R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン−3−イルカーバメート
ベンジル(3R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−オキソ−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン−3−イルカーバメート(3.70g、7.08mmol)の塩化メチレン(40mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(60mL)を加えた。18時間後、混合物を25℃で濃縮し、メタノール(150mL)を加え、沈澱を濾過した。濾液を濃縮し、塩化メチレンで希釈した(100mL)。混合物を水(2回)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2回)および飽和ブラインで抽出し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサンから65%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、標題化合物を得た(1.75g)。MS373.1(M+1)。
【0265】
段階F:tert−ブチル(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−オキソアゼパン−3−イルカーバメート
ベンジル(3R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン−3−イルカーバメート(2.6g、6.98mmol)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(5.03g、23.0mmol)のトルエン(200mL)溶液に、10%パラジウム/炭素(700mg)を加えた。反応容器を排気し、窒素を再充填し(3回)、次に水素(1気圧)を再充填した。24時間後、混合物を濾過し、濃縮した。分取逆相クロマトグラフィー(デルタパック(DeltaPak)C18、15μ、47mm×300mm、70mL/分:60分間かけて80%HO/NHOAc:20%CHCNから100%CHCN)による精製によって、純粋なトランスの標題化合物を得た(1.2g)。MS341.2(M+1)。
【0266】
段階G:tert−ブチル(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−[2−(メチルチオ)エチル]−2−オキソアゼパン−3−イルカーバメート
tert−ブチル(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−オキソアゼパン−3−イルカーバメート(170mg、0.500mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)溶液に0℃で、水素化ナトリウム(60%鉱油中分散品;40mg、0.600mmol)を加えた。5分後、混合物を冷却して−30℃とし、1−ヨード−2−(メチルチオ)エタン[公知の手順(J. Org. Chem., 1987, 52, 2299-2301)に従って製造(158mg、0.782mmol)]を加えた。追加の水素化ナトリウム(33mg、0.495mmol)を加え、4時間後に過剰の水素化ナトリウム(33mg、0.495mmol)および1−ヨード−2−(メチルチオ)エタン(75.6mg、0.374mmol)を加えた。3時間後、最終部分の水素化ナトリウム(33mg、0.495mmol)および1−ヨード−2−(メチルチオ)エタン(75.6mg、0.374mmol)を加え、混合物を−20℃で終夜攪拌した。水で反応停止し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水(3回)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、標題化合物を得た(77mg)。MS415(M+1)。
【0267】
段階H:(3R,6S)−3−アミノ−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−[2−(メチルチオ)エチル]アゼパン−2−オン
tert−ブチル(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−[2−(メチルチオ)エチル]−2−オキソアゼパン−3−イルカーバメート(77mg、0.186mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を加えた。30分後、溶液を濃縮し、トルエンと共沸させた(2回)。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を塩化メチレンで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。MS315.2(M+1)。
【0268】
中間体20の製造について示した手順にほぼ従って、表4の中間体を製造した。
【0269】
【表4】

【実施例】
【0270】
(実施例1)
【0271】
【化74】

【0272】
N−[(3S,6R)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−6−フェニルアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン(131mg、0.51mmol)およびクロルギ酸p−ニトロフェニル(102mg、0.51mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に0℃で、トリエチルアミン(0.070mL、0.51mmol)を加えた。0.5時間後、トリエチルアミン(0.18mL、1.28mmol)および4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジニウムクロライド(142mg、0.51mmol)を加え、混合物を昇温させて室温とした。2時間後、混合物を濃縮した。分取逆相クロマトグラフィー(デルタパックC18、15μ、47mm×300mm、65mL/分:60分間かけて5%CHCNから95%CHCN)による精製によって、ラセミ体化合物を得た。30%2−プロパノール/ヘキサンから70%プロパノール/ヘキサン(0.1%ジエチルアミン/ヘキサン)を溶離液としてキラルセルADカラムを用いて、シスおよびトランスエナンチオマーの両方を分離して、標題化合物を得た(50mg)。MS528.3(M+1)。
【0273】
実施例1の製造について示した手順にほぼ従って、表5の実施例化合物を製造した。
【0274】
【表5】





【0275】
(実施例20)
【0276】
【化75】

【0277】
(2S,6Rおよび2R,6S)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−6−({[4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,4−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
(2R,6Sおよび2S,6R)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(152mg、0.423mmol)およびクロルギ酸p−ニトロフェニル(85mg、0.42mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に0℃で、トリエチルアミン(0.060mL、0.42mmol)を加えた。1時間後、トリエチルアミン(0.18mL、1.26mmol)、4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジニウム・クロライド(118mg、0.42mmol)および塩化メチレン(5mL)を加え、混合物を昇温させて室温とした。4時間後、混合物を飽和炭酸ナトリウム水溶液で希釈した。混合物を酢酸エチルで抽出し、飽和炭酸ナトリウム水溶液および飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%メタノール/塩化メチレンから5%メタノール/塩化メチレン)による精製によって、標題化合物を得た(215mg)。MS629.3(M+1)。
【0278】
(実施例21)
【0279】
【化76】

【0280】
N−[(3S,6R)−1−(シクロプロピルメチル)−7−オキソ−3−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミドおよびN−[(3R,6S))−1−(シクロプロピルメチル)−7−オキソ−3−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
段階A:N−[(3S,6Rおよび3R,6S)−1−(シクロプロピルメチル)−7−オキソ−3−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
(2S,6Rおよび2R,6S)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−6−({[4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(201mg、0.32mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(3mL)を加えた。30分後、混合物を濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えた。混合物を塩化メチレンで抽出し(3回)、合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%塩化メチレンから95%塩化メチレン/[10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、ラセミ体のトランス化合物を得た(183mg)。MS529.2(M+1)。H NMR(500MHz、CDCl)δ9.57(brs、1H)、7.42〜7.35(m、7H)、7.31(t、J=7.2Hz、1H)、7.27〜7.23(m、2H)、6.51(s、1H)、6.24(d、J=4.4Hz、1H)、4.82〜4.80(m、1H)、4.32〜4.27(m、1H)、4.25〜4.18(m、2H)、3.92〜3.86(m、2H)、3.69(dd、J=13.9、6.7Hz、1H)、3.40(dd、J=12.4、2.0Hz、1H)、3.32(d、J=13.9Hz、1H)、3.08(dd、J=13.9、7.3Hz、1H)、2.97(t、J=12.9Hz、2H)、2.85(dd、J=12.2、10.3Hz、1H)、2.02(d、J=10.8Hz、2H)、1.78〜1.63(m、3H)、1.06〜1.01(m、2H)、0.31〜0.25(m、2H)。
【0281】
段階B:N−[(3S,6R)−1−(シクロプロピルメチル)−7−オキソ−3−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミドおよびN−[(3R,6S))−1−(シクロプロピルメチル)−7−オキソ−3−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
60%(0.1%トリフルオロ酢酸含有ヘキサン)および40%イソプロパノールを溶離液とするキラルパックADカラムを用いて、トランスエナンチオマーを分離して、最終生成物を得た。MS両方について529.3(M+1)。
【0282】
(実施例22)
【0283】
【化77】

【0284】
N−[(3S,6Sおよび3R,6R)−1−(シクロプロピルメチル)−7−オキソ−3−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
段階A:(3S,6Sおよび3R,6R)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−6−({[4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル
(2R,6Rおよび2S,65)−6−アミノ−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1、4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(22mg、0.061mmol)およびクロルギ酸p−ニトロフェニル(12.3mg、0.061mmol)のテトラヒドロフラン(2.5mL)溶液に0℃で、トリエチルアミン(0.010mL,0.060mmol)を加えた。1時間後、トリエチルアミン(0.030mL、0.180mmol)、4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジニウム・クロライド(17.1mg、0.061mmol)および塩化メチレン(2.5mL)を加え、混合物を昇温させて室温とした。4時間後、混合物を濃縮して、粗化合物を得た。MS629(M+1)。
【0285】
段階B:N−[(3S,6Sおよび6R,3R)−1−(シクロプロピルメチル)−7−オキソ−3−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
(3S,6Sおよび3R,6R)−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−6−{[4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(38.4mg、0.060mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(3mL)を加えた。30分後、混合物を濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えた。混合物を塩化メチレンで抽出し(3回)、合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[99%塩化メチレンから95%塩化メチレン/[10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、標題化合物を得た(18mg)。MS529.3(M+1)。
【0286】
(実施例23)
【0287】
【化78】

【0288】
N−[(2S,6R)−4−(シクロプロピルメチル)−1−メチル−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
N−[(3R,6S)−1−(シクロプロピルメチル)−7−オキソ−3−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド(11.0mg、0.021mmol)およびヨウ化メチル(3μL、0.040mmol)のアセトン(0.5mL)溶液に、炭酸カリウム(5.8mg、0.040mmol)を加えた。18時間後、混合物を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%メタノール/塩化メチレンから5%メタノール/塩化メチレン)による精製によって、標題化合物を得た(4mg)。MS543.3(M+1)。
【0289】
(実施例24)
【0290】
【化79】

【0291】
N−[(2S,6R)−1−ベンジル−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
N−[(3R,6S)−1−(シクロプロピルメチル)−7−オキソ−3−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド(12.2.0mg、0.023mmol)およびベンジルブロマイド(14μL、0.12mmol)のアセトン(0.5mL)溶液に、炭酸カリウム(6.4mg、0.05mmol)を加えた。18時間後、混合物を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%メタノール/塩化メチレンから5%メタノール/塩化メチレン)による精製によって、標題化合物を得た(11mg)。MS619.3(M+1)。
【0292】
(実施例25)
【0293】
【化80】

【0294】
N−[(2S,6R)−1−アセチル−4−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
N−[(3R,6S)−1−(シクロプロピルメチル)−7−オキソ−3−フェニル−1,4−ジアゼパン−6−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド(16.9mg、0.03mmol)およびトリエチルアミン(9μL、0.06mmol)の塩化メチレン(0.5mL)溶液に、アセチルクロライド(2.1μL、0.03mmol)を加えた。30分後、混合物を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%メタノール/塩化メチレンから5%メタノール/塩化メチレン)による精製によって、標題化合物を得た(17mg)。MS571.3(M+1)。
【0295】
(実施例26)
【0296】
【化81】

【0297】
N−[(3R,7R)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−7−フェニルアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジニウム・クロライド(27mg、0.111mmol)の塩化メチレン(1mL)溶液に0℃で、ジイソプロピルエチルアミン(0.020mL、0.11mmol)およびホスゲン(0.06mL、0.56mmol)を加えた。30分後、混合物を減圧下に濃縮し、塩化メチレンと共沸させて(2回)、粗アミンを得た。粗アミンおよび(3R,7R)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−7−フェニルアゼパン−2−オン(28.7mg、0.11mmol)の塩化メチレン(1mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.04mL、0.22mmol)を加え、混合物を加熱還流した。15分後、混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(1%メタノール/塩化メチレンから5%メタノール/塩化メチレン)によって精製して、標題化合物を得た(38mg)。MS528.3(M+1)。
【0298】
実施例26の製造について示した手順にほぼ従って、表6の実施例化合物を製造した。
【0299】
【表6】

【0300】
(実施例29)
【0301】
【化82】

【0302】
N−[(3R,6S)−1−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−6−フェニルアゼパン−3−イル]−4−(5−オキソ−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R,6S)−3−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−6−フェニルアゼパン−2−オン(9mg、0.035mmol)およびクロルギ酸p−ニトロフェニル(7mg、0.035mmol)のテトラヒドロフラン(0.500mL)溶液に0℃で、トリエチルアミン(0.006mL、0.035mmol)を加えた。0.5時間後、ジイソプロピルエチルアミン(0.027mL、0.14mmol)、5−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン塩酸塩(9mg、0.035mmol)および塩化メチレン(0.500mL)を加え、混合物を加熱還流した。2時間後、混合物を濃縮した。逆相HPLC(C−18、0.1%トリフルオロ酢酸含有95%水/アセトニトリルから5%水/アセトニトリル)による精製によって、標題化合物を得た。MS529.3(M+1)。
【0303】
実施例29の製造について示した手順にほぼ従って、表7の実施例化合物を製造した。
【0304】
【表7】


【0305】
(実施例33)
【0306】
【化83】

【0307】
N−[(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニルイミダゾリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R,6S)−3−アミノ−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)アゼパン−2−オン(25mg、0.084mmol)およびクロルギ酸p−ニトロフェニル(25mg、0.126mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液に0℃で、トリエチルアミン(0.012mL、0.084mmol)を加えた。0.5時間後、トリエチルアミン(0.036mL、0.252mmol)および4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−イミダゾリジン−2−オン(31mg、0.126mmol)を加え、混合物を昇温させて室温とした。1時間後、混合物を水で反応停止し、塩化メチレンで抽出し、1N NaOH溶液で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0.5%メタノール/塩化メチレンから6%メタノール/塩化メチレン)による精製によって、標題化合物を得た(11mg)。MS570.3(M+1)。
【0308】
(実施例34)
【0309】
【化84】

【0310】
N−[(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)−2−オキソアゼパン−3−イル]−4−(2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R,6S)−3−アミノ−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2−メトキシエチル)アゼパン−2−オン(25mg、0.084mmol)およびクロルギ酸p−ニトロフェニル(25mg、0.126mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液に0℃で、トリエチルアミン(0.012mL、0.084mmol)を加えた。0.5時間後、トリエチルアミン(0.036mL、0.252mmol)および1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2,4−ジオン(23mg、0.126mmol)を加え、混合物を昇温させて室温とした。1時間後、混合物を水で反応停止し、酢酸エチルで抽出し、1N NaOH溶液で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0.5%メタノール/塩化メチレンから7%メタノール/塩化メチレン)による精製によって、標題化合物を得た(9mg)。MS508.2(M+1)。
【0311】
(実施例35)
【0312】
【化85】

【0313】
N−[(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)アゼパン−3−イル]−4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R,6S)−3−アミノ−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)アゼパン−2−オン(32mg、0.104mmol)およびクロルギ酸p−ニトロフェニル(20mg、0.104mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液に0℃で、トリエチルアミン(11.5mg、0.104mmol)を加えた。0.5時間後、トリエチルアミン(42mg、0.416mmol)および4−ピペリジン−4−イルピリダジン−3(2H)−オン(19mg、0.104mmol)を加え、混合物を昇温させて室温とした。1時間後、混合物を水で反応停止し、酢酸エチルで抽出し、1N NaOH溶液で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%メタノール/塩化メチレンから10%メタノール/塩化メチレン)による精製によって、標題化合物を得た(30mg)。MS528.1999(M+1)。
【0314】
以上、本発明についてある特定の実施形態を参照しながら説明および記述したが、当業者には、本発明の精神および範囲を逸脱しない限りにおいて、手順およびプロトコールについての各種の調整、変更、修正、置き換え、削除または追加が可能であることは明らかであろう。例えば、上記で示した本発明の化合物でいずれかの適応症を治療される哺乳動物における応答性の変動の結果として、上記の本明細書に記載された特定の用量以外の有効用量が適用可能な場合がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Iの化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩および個々のジアステレオマー。
【化1】

[式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり;
Bは、(C(Rであり;
Dは、Oであり;
は、
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環;
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択され;
は独立に、
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環;
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択され;
または、同一炭素上または隣接する炭素上のいずれか2つの独立のRが一体となって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、チアゾリニル、オキサゾリニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS−オキサイド、チオモルホリニルS−ジオキサイド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルまたはピペラジニルから選択される環を形成していても良く;
前記環は未置換であるか独立に
(a)未置換であるか独立に
(i)ハロ、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)−O−C1−6アルキル、
(iv)−C3−6シクロアルキル、
(v)−COR10
(vi)−CO10
(vii)−NR1011
(viii)−SO10
(ix)−CONR1011および
(x)−(NR10)CO11
から選択される1〜3個の置換基で置換された−C1−6アルキル、
(b)−SONR1011
(c)ハロ、
(d)−SO10
(e)ヒドロキシ、
(f)−O−C1−6アルキル(未置換であるか1〜5個のハロで置換されている)、
(g)−CN、
(h)−COR10
(i)−NR1011
(j)−CONR1011
(k)−CO10
(m)−O(CO)NR1011
(n)−(NR)(CO)NR1011および
(o)オキソ
から選択される1〜5個の置換基で置換されており;
10およびR11は独立に、未置換であるかハロゲン、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されたH、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから選択され;R10およびR11が一体となって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成していても良く、その環は未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択され;
は独立に、未置換であるかハロゲン、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されたH、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから選択され;
Wは、O、NRまたはC(Rであり;
Xは、CまたはSであり;
Yは、O、(R、NCN、NSOCHまたはNCONHであるか、またはXがSである場合はYはOであり;
は独立に、Hおよび
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環、
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール、
3)C1−6アルキル、
4)C3−6シクロアルキル、
5)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
6)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
7)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
(F)1−3アルキル、
9)ハロゲン、
10)OR
11)O(CHOR
12)CO
13)(CO)NR1011
14)O(CO)NR1011
15)N(R)(CO)NR1011
16)N(R10)(CO)R11
17)N(R10)(CO)OR11
18)SONR1011
19)N(R10)SO11
20)S(O)10
21)CN、
22)NR1011
23)N(R10)(CO)NR11および
24)O(CO)R
から選択され;
または同一炭素に結合した2個のRが置換基=Oを形成していることで、C(RがC=Oであっても良く、
その場合にHではないR置換基の数は0〜3の範囲であることができ;
G−Jは、N、C、C=C(R)、N−C(R、C=N、C(R)−C(R、C(R)−N(R)、N(R)−N(R)から選択され;
Q−Tは、C(R−C(R、C(R)=C(R)、N=C(R)、C(R)=N、N=N、NおよびC(R−(C=O)、N(R)−(C=O)、C(R−N(R)から選択され;
は独立に、H、置換または未置換C〜Cアルキル、CNおよびCOから選択され;
pは、q個の炭素を有する置換基の場合は0から2q+1であり;
mは、0、1または2であり;
nは、0または1であり;
sは、1、2または3である。]
【請求項2】
下記式Iaを有する請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩および個々の立体異性体。
【化2】

[式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり;
Bは、(C(Rであり;
Dは、Oであり;
nは、0または1である。]
【請求項3】
下記式Ibを有する請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩および個々の立体異性体。
【化3】

[式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり;
Bは、(C(Rであり;
nは、0または1である。]
【請求項4】
下記式Icを有する請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩および個々の立体異性体。
【化4】

【請求項5】
下記式Idを有する請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩および個々の立体異性体。
【化5】

[式中、Aは、C(R、O、S(O)またはNRである。]
【請求項6】
下記式Ieを有する請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩および個々の立体異性体。
【化6】

[式中、Aは、C(R、O、S(O)またはNRである。]
【請求項7】
が、
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011
m)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたH、C〜Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環;
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011および
m)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択され;
が、
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)S(O)
l)CN、
m)NR1011および
n)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたH、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環;
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011および
m)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択され;
または、同一炭素上または隣接する炭素上のいずれか2つの独立のRが一体となって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、チアゾリニル、オキサゾリニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS−オキサイド、チオモルホリニルS−ジオキサイド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルまたはピペラジニルから選択される環を形成していても良く、
前記環は未置換であるか独立に
(a)未置換であるか独立に
(i)ハロ、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)−O−C1−6アルキル、
(iv)−C3−6シクロアルキル、
(v)−COR10
(vi)−CO10
(vii)−NR1011
(viii)−SO10
(ix)−CONR1011および
(x)−(NR10)CO11
から選択される1〜3個の置換基で置換された−C1−6アルキル、
(b)−SONR1011
(c)ハロ、
(d)−SO10
(e)ヒドロキシ、
(f)−O−C1−6アルキル(未置換であるか1〜5個のハロで置換されている。)、
(g)−CN、
(h)−COR10
(i)−NR1011
(j)−CONR1011
(k)−CO10
(m)−O(CO)NR1011
(n)−(NR)(CO)NR1011および
(o)オキソ
から選択される1〜5個の置換基で置換されており;
10およびR11が独立に、未置換であるかハロゲン、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されたH、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから選択され;R10およびR11が一体となって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成していても良く、その環は未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択され;
が独立に、未置換であるかハロゲン、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されたH、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから選択され;
Wが、O、NRまたはC(Rであり;
G−JおよびQ−Tが、下記のペア:
G−JがNであり、Q−TがC(R−C(Rであるもの、
G−JがNであり、Q−TがC(R)=C(R)であるもの、
G−JがNであり、Q−TがN=C(R)であるもの、
G−JがNであり、Q−TがC(R)=Nであるもの、
G−JがNであり、Q−TがN=Nであるもの、
G−JがC=C(R)であり、Q−TがN(R)であるもの、
G−JがNであり、Q−TがC(R−(C=O)−であるもの、
G−JがN−C(Rであり、Q−TがC(R−C(Rであるもの、
G−JがC=C(R)であり、Q−TがC(R)=C(R)であるもの、
G−JがC=C(R)であり、Q−TがC(R)=Nであるもの、
G−JがC=C(R)であり、Q−TがN=C(R)であるもの、
G−JがC=Nであり、Q−TがC(R)=C(R)であるもの、
G−JがN−C(Rであり、QTがC(R−(C=O)−であるもの、
G−JがC(R)−C(Rであり、QTがN(R)−(C=O)−であるもの、
G−JがC(R)−C(Rであり、QTがC(R−C(Rであるもの、
G−JがC(R)−C(Rであり、QTがC(R−N(R)であるもの、
G−JがC(R)−N(R)であり、QTがC(R−C(Rであるもの、
G−JがC(R)−C(Rであり、QTがN=C(R)であるもの、
G−JがN−C(Rであり、QTがC(R−N(R)であるもの、
G−JがN−N(R)であり、QTがC(R−C(Rであるものおよび
G−JがN−C(Rであり、QTがN=C(R)であるもの
から選択され;
が独立に、Hおよび
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環、
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール、
3)C1−6アルキル、
4)C3−6シクロアルキル、
5)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
6)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
7)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
8)(F)1−3アルキル、
9)ハロゲン、
10)OR
11)O(CHOR
12)CO
13)(CO)NR1011
14)O(CO)NR1011
15)N(R)(CO)NR1011
16)N(R10)(CO)R11
17)N(R10)(CO)OR11
18)SONR1011
19)N(R10)SO11
20)S(O)10
21)CN、
22)NR1011
23)N(R10)(CO)NR11および
24)O(CO)R
から選択され;
または同一炭素に結合した2個のRが置換基=Oを形成していることで、C(RがC=Oであっても良く、
その場合にHではないR置換基の数は0〜3の範囲であることができ;
が独立に、H、置換または未置換C〜Cアルキル、CNおよびCOから選択され;
pが、q個の炭素を有する置換基の場合は0〜2q+1であり;
mが、0〜2であり;
sが、1〜3である式Ia〜Ieを有する
請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項8】
下記式IIの化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩および個々のジアステレオマー。
【化7】

[式中、
Bは独立に、(C(Rであり;
Dは、Oであり;
は、
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環;
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択され;
は独立に、
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環;
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択され;
または、隣接する炭素上の独立のRが一体となって、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニルおよびジヒドロピラニルから選択される環を形成していても良く;
前記環は未置換であるか独立に
(a)未置換であるか1〜3個の置換基で置換されている−C1−6アルキルであって、前記置換基が独立に
(i)ハロ、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)−O−C1−6アルキル、
(iv)−C3−6シクロアルキル、
(v)−COR10
(vi)−CO10
(vii)−NR1011
(viii)−SO10
(ix)−CONR1011および
(x)−(NR10)CO11
から選択されるもの、
(b)−SONR1011
(c)ハロ、
(d)−SO10
(e)ヒドロキシ、
(f)−O−C1−6アルキル(未置換であるか1〜5個のハロで置換されている)、
(g)−CN、
(h)−COR10
(i)−NR1011
(j)−CONR1011
(k)−CO10
(m)−O(CO)NR1011
(n)−(NR)(CO)NR1011および
(o)オキソ
から選択される1〜5個の置換基で置換されており;
10およびR11は独立に、未置換であるかハロゲン、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されたH、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから選択され;R10およびR11が一体となって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成していても良く、その環は未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択され;
は独立に、未置換であるかハロゲン、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されたH、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから選択され;
Wは、O、NRまたはC(Rであり;
Xは、CまたはSであり;
Yは、O、(R、NCN、NSOCHまたはNCONHであるか、またはXがSである場合はYはOであり;
は独立に、Hおよび
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環、
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール、
3)C1−6アルキル、
4)C3−6シクロアルキル、
5)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
6)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
7)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
8)(F)1−3アルキル、
9)ハロゲン、
10)OR
11)O(CHOR
12)CO
13)(CO)NR1011
14)O(CO)NR1011
15)N(R)(CO)NR1011
16)N(R10)(CO)R11
17)N(R10)(CO)OR11
18)SONR1011
19)N(R10)SO11
20)S(O)10
21)CN、
22)NR1011
23)N(R10)(CO)NR11および
24)O(CO)R
から選択され;
または同一炭素に結合した2個のRが置換基=Oを形成していることで、C(RがC=Oであっても良く、
その場合にHではないR置換基の数は0〜3の範囲であることができ;
G−Jは、N、C、C=C(R)、N−C(R、C=N、C(R)−C(R、C(R)−N(R)、N(R)−N(R)から選択され;
Q−Tは、C(R−C(R、C(R)=C(R)、N=C(R)、C(R)=N、N=N、NおよびC(R−(C=O)、N(R)−(C=O)、C(R−N(R)から選択され;
は独立に、H、置換または未置換C〜Cアルキル、CNおよびCOから選択され;
pは、q個の炭素を有する置換基の場合は0〜2q+1であり;
mは、0、1または2であり;
nは、0または1であり;
sは、1、2または3である。]
【請求項9】
が、
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011
m)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたH、C〜Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環;
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011および
m)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択され;
が、
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)S(O)
l)CN、
m)NR1011および
n)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたH、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環;
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011および
m)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール
から選択され;
10およびR11が独立に、未置換であるかハロゲン、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されたH、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから選択され;R10およびR11が一体となって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成していても良く、その環は未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択され;
が独立に、未置換であるかハロゲン、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシで置換されたH、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジルから選択され;
Wが、O、NRまたはC(Rであり;
G−JおよびQ−Tが、下記のペア:
G−JがNであり、Q−TがC(R−C(Rであるもの、
G−JがNであり、Q−TがC(R)=C(R)であるもの、
G−JがNであり、Q−TがN=C(R)であるもの、
G−JがNであり、Q−TがC(R)=Nであるもの、
G−JがNであり、Q−TがN=Nであるもの、
G−JがC=C(R)であり、Q−TがN(R)であるもの、
G−JがNであり、Q−TがC(R−(C=O)−であるもの、
G−JがN−C(Rであり、Q−TがC(R−C(Rであるもの、
G−JがC=C(R)であり、Q−TがC(R)=C(R)であるもの、
G−JがC=C(R)であり、Q−TがC(R)=Nであるもの、
G−JがC=C(R)であり、Q−TがN=C(R)であるもの、
G−JがC=Nであり、Q−TがC(R)=C(R)であるもの、
G−JがN−C(Rであり、QTがC(R−(C=O)−であるもの、
G−JがC(R)−C(Rであり、QTがN(R)−(C=O)−であるもの、
G−JがC(R)−C(Rであり、QTがC(R−C(Rであるもの、
G−JがC(R)−C(Rであり、QTがC(R−N(R)であるもの、
G−JがC(R)−N(R)であり、QTがC(R−C(Rであるもの、
G−JがC(R)−C(Rであり、QTがN=C(R)であるもの、
G−JがN−C(Rであり、QTがC(R−N(R)であるもの、
G−JがN−N(R)であり、QTがC(R−C(Rであるものおよび
G−JがN−C(Rであり、QTがN=C(R)であるもの
から選択され;
が独立に、Hおよび
1)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環、
2)未置換であるか独立に
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
d)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
e)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、その置換基は独立にRから選択される。)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11および
v)O(CO)R
から選択される1以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール、
3)C1−6アルキル、
4)C3−6シクロアルキル、
5)アリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
6)ヘテロアリール(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
7)複素環(未置換であるか1〜5個の置換基で置換されており、前記置換基は独立にRから選択される。)、
8)(F)1−3アルキル、
9)ハロゲン、
10)OR
11)O(CHOR
12)CO
13)(CO)NR1011
14)O(CO)NR1011
15)N(R)(CO)NR1011
16)N(R10)(CO)R11
17)N(R10)(CO)OR11
18)SONR1011
19)N(R10)SO11
20)S(O)10
21)CN、
22)NR1011
23)N(R10)(CO)NR11および
24)O(CO)R
から選択され;
または同一炭素に結合した2個のRが置換基=Oを形成していることで、C(RがC=Oであっても良く、
その場合にHではないR置換基の数は0〜3の範囲であることができ;
が独立に、H、置換または未置換C〜Cアルキル、CNおよびCOから選択され;
pが、q個の炭素を有する置換基の場合は0〜2q+1であり;
mが、0〜2であり;
sが、1〜3である
請求項8に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項10】
下記のものから選択される化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩および個々のジアステレオマー。
【化8】





【請求項11】
不活性担体および請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項12】
有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する、哺乳動物でのCGRP受容体活性の拮抗方法。
【請求項13】
患者に対して、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する、処置を必要とする哺乳動物患者での頭痛、片頭痛または群発性頭痛の治療、管理、改善またはリスク低下方法。

【公表番号】特表2007−519729(P2007−519729A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551371(P2006−551371)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/002199
【国際公開番号】WO2005/072308
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】