説明

CGRP受容体拮抗薬

CGRP受容体の拮抗薬として有用であり、CGRPが関係する疾病、例えば頭痛、偏頭痛および群発性頭痛の治療または予防に有用である、式(I)および式(II)


(式中の可変項R、R、R、A、B、W、X、YおよびZは、本明細書の中で定義するとおりである)の化合物。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにCGRPが関係するこうした疾病の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、カルシトニンメッセンジャーRNAの組織特異的オルタナティブプロセッシングにより生成され、中枢および末梢神経系に広く分布している、天然37アミノ酸ペプチドである。CGRPは、主として求心性および中枢性感覚ニューロンに局在し、血管拡張を含む幾つかの生体作用を媒介する。CGRPは、アルファ形およびベータ形で発現され、ラットおよびヒトでは、それぞれ1つおよび3つのアミノ酸によってこれらの形が変わる。CGRP−アルファおよびCGRP−ベータは、類似した生物学的特性を提示する。細胞から放出されたとき、CGRPは、特異的細胞表面受容体への結合によりこの生体応答を開始し、これらは、多分にアデニリルシクラーゼの活性化と連動する。CGRP受容体は、脳、心血管、内皮および平滑筋起源のものを含む幾つかの組織および細胞において、同定および薬理評価されている。
【0002】
薬理特性に基づき、これらの受容体は、少なくとも2つのサブタイプ(CGRPおよびCGRPを指す)に分けられる。ヒトα−CGRP−(8−37)[7つのN末端アミノ酸残基を欠くCGRPのフラグメント]は、CGRPの選択的拮抗薬であり、これに対してCGRPの線状類似体[ジアセトアミドメチルシステインCGRP([Cys(ACM)2,7]CGRP)]は、CGRPの選択的作動薬である。CGRPは、偏頭痛および群発性頭痛などの脳血管疾患の症状に関連付けられている強力な血管拡張薬である。臨床試験において、頚静脈におけるCGRPのレベル上昇が、偏頭痛発作中に発生することが判明した(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1990,28,183−187)。CGRPは、頭蓋内血管の平滑筋上の受容体を活性化して血管拡張増加を導き、これが、偏頭痛発作中の頭痛の主発生源と考えられている(Lance,Headache Pathogenesis:Monoamines,Neuropeptides,Purines and Nitric Oxide,Lippincott−Raven Publishers,1997,3−9)。中硬膜動脈(硬膜内の主動脈)は、CGRPを含む幾つかの神経ペプチドを含む三叉神経節からの感覚線維による刺激を受ける。ネコでは、三叉神経節刺激の結果、CGRPのレベルが上昇し、ヒトでは、三叉神経系の活性化に起因して、顔が潮紅し、外頚静脈中のCGRPレベルが上昇した(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1988,23,193−196)。ラットにおいて、硬膜の電気刺激は、中硬膜動脈の直径を増大させ、この効果は、CGRP(8−37)[ペプチドCGRP拮抗薬]の事前投与により阻止された(Williamsonら,Cephalalgia,1997,17,525−531)。ラットにおいて、三叉者神経節刺激は、顔の血流を増加させ、これは、CGRP(8−37)により抑制された(Escottら,Brain Res.1995,669,93−99)。マーモセットにおいて、三叉神経節の電気刺激は、顔の血流増加を生じさせ、これは、非ペプチドCGRP拮抗薬BIBN4096BSにより阻止することができた(Doodsら,Br.J.Pharmacol.,2000,129,420−423)。このように、CGRPの血管効果は、CGRP拮抗薬によって減弱、防止または反転させることができる。
CGRPにより媒介されるラット中硬膜動脈の血管拡張は、尾三叉神経核のニューロンを感作することが証明された(Williamsonら,The CGRP Family:Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),Amylin,and Adrenomedullin,Landes Bioscience,2000,245−247)。同様に、偏頭痛中の硬膜血管の拡大は、三叉神経ニューロンを感作し得る。頭蓋外疼痛および顔面異痛を含む一部の偏頭痛関連症状は、三叉神経ニューロン感作の結果であり得る(Bursteinら,Ann.Neurol.2000,47,614−624)。CGRP拮抗薬は、ニューロン感作の影響を減弱、防止または反転させる際に有益であり得る。
【0003】
CGRP拮抗薬として作用する本発明の化合物の能力が、本化合物を、ヒトおよび動物における、しかし特にヒトにおけるCGRPに関係する疾患に有用な薬物にする。こうした疾患としては、偏頭痛および群発性頭痛(Doods,Curr Opin Inves Drugs,2001,2(9),1261−1268;Edvinssonら,Cephalalgia,1994,14,320−327);慢性緊張型頭痛(Ashinaら,Neurology,2000,14,1335−1340);疼痛(Yuら,Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282);慢性疼痛(Hulseboschら,Pain,2000,86,163−175);神経性炎症および炎症性疼痛(Holzer,Neurosci.,1988,24,739−768;Delay−Goyetら,Acta Physiol.Scanda.1992,146,537−538;Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);眼痛(Mayら,Cephalalgia,2002,22,195−196)、歯痛(Awawdehら,Int.Endocrin.J.,2002,35,30−36)、インスリン非依存性糖尿病(Molinaら,Diabetes,1990,39,260−265);血管疾患;炎症(Zhangら,Pain,2001,89,265);関節炎、気管支反応亢進、喘息(Fosterら,Ann.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404;Schiniら,Am.J.Physiol,1994,267,H2483−H2490;Zhengら,J.Virol.,1993,67,5786−5791);ショック、敗血症(Beerら,Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−1798);アヘン剤禁断症候群(Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);モルヒネ耐性(Menardら,J.Neurosci.,1996,16(7),2342−2351);男性および女性におけるのぼせ(Chenら,Lancet,1993,342,49;Spetzら,J.Urology,2001,166,1720−1723);アレルギー性皮膚炎(Wallengren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−143);乾癬;脳炎、脳の外傷、虚血、卒中、癲癇および神経変性疾患(Rohrenbeckら,Neurobiol.of Disease 1999,6,15−34);皮膚病(Geppetti and Holzer,Eds.,Neurogenic Inflammation,1996,CRC Press,Boca Raton,FL)、神経性の皮膚の赤み、バラ色の皮膚(skin rosaceousness)および紅斑;耳鳴り(Herzogら,J.Membrane Biology,2002,189(3),225);炎症性腸疾患、過敏性腸症候群(Hoffmanら,Scandinavian Journal of Gastroenterology,2002,37(4)414−422)ならびに膀胱炎が挙げられる。偏頭痛および群発性頭痛を含む頭痛の急性または予防的治療は、特に重要である。偏頭痛の治療についてのCGRP拮抗薬の効力の注目すべき証拠が、静脈内投与BIBN409BSを用いる臨床試験により提供された。このCGRP拮抗薬は、偏頭痛にとっての安全で有効な急性治療薬であることが判明した(Olesenら,N.Engl.J.Med.,2004,350(11),1104−1110)。
【技術分野】
【0004】
本発明は、CGRP受容体のリガンド、特に、CGRP受容体の拮抗薬として有用である化合物、これらを調製するためのプロセス、治療におけるこれらの使用、これらを含む医薬組成物、およびこれらを使用する治療方法に関する。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、CGRP受容体の拮抗薬として有用であり、CGRPが関係する疾病、例えば頭痛、偏頭痛および群発性頭痛の治療または予防に有用である、式I:
【0006】
【化10】

および式II:
【0007】
【化11】

(これらの式中の可変項R、R、R、A、B、W、X、YおよびZは、本明細書の中で定義するとおりである)の化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物ならびにCGRPが関係するこうした疾病の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、式I:
【0009】
【化12】

(式中、
Zは、
【0010】
【化13】

から選択され;
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり;
Bは、(C(Rであり;
は、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および、
v)O(CO)R]
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R]
から、独立して選択され;この場合、
この場合、任意の2個の独立したRおよびこれらが結合している単数または複数の原子とが場合によっては一緒になって、ジヒドロ−イミダゾリル、テトラヒドロ−ピリミジルおよびテトラヒドロ−ジアゼピニルを含むC5−7複素環から選択される環を形成し;
は、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および、
v)O(CO)R];
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R]、
から、独立して選択され;この場合、
同じまたは隣接した原子上の任意の2個の独立したRが場合によっては一緒になって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS−ジオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成し;
10およびR11は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[非置換または、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され、この場合、R10およびR11は場合によっては一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成し、非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている環であり;
は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[非置換または、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され;
Wは、O、NRまたはC(Rであり;
Xは、CまたはSであり;
Yは、O、(R、NCN、NSOCHまたはNCONHであるか、またはYは、XがSであるときにはOであり;
は、Hおよび:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から、独立して選択され;
Jは、結合、C(R、OまたはNRであり;
Vは、結合、C(R、O、S(O)、NR、C(R−C(R、C(R)=C(R)、C(R−N(R)、C(R)=N、N(R)−C(R、N=C(R)、およびN(R)−N(R)から選択され;
G−Lは、N、N−C(R、C=C(R)、C=N、C(R)、C(R)−C(R、C(R)−C(R−C(R、C=C(R)−C(R、C(R)−C(R)=C(R)、C(R)−C(R−N(R)、C=C(R)−N(R)、C(R)−C(R)=N、C(R)−N(R)−C(R、C=N−C(R、C(R)−N=C(R)、C(R)−N(R)−N(R)、C=N−N(R)、N−C(R−C(R、N−C(R)=C(R)、N−C(R−N(R)、N−C(R)=N、N−N(R)−C(RおよびN−N−C(R)から選択され;
Qは、
(1)=C(R7a)−、
(2)−C(R7a−、
(3)−C(=O)−
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7a)−
から、独立して選択され;
Tは、
(1)=C(R7b)−、
(2)−C(R7b−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7b)−
から、独立して選択され;
は、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから、独立して選択され;
7aおよびR7bは、Rから各々独立して選択され、この場合、R7aおよびR7bとこれらが結合している単数または複数の原子とが場合によっては一緒になって、C3−6シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールから選択される環を形成し、この環は、非置換または、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
pは、0から2q+1(q個の炭素を有する置換基について)であり;
mは、0、1または2であり;
nは、0または1であり;
sは、1、2または3である)
の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩ならびに個々のジアステレオマー、
を含む、CGRP拮抗薬に関する。
【0011】
本発明のさらなる実施形態は、式Ia:
【0012】
【化14】

(式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり;
Bは、(C(Rであり;
nは、0または1であり;ならびに
、R、R、W、Zおよびmは、式Iにおいて定義したとおりである)
の化合物ならびにこれらの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体を含む、式IのCGRP拮抗薬である。
【0013】
本発明の追加の実施形態は、式Ib:
【0014】
【化15】

(式中、R、R、R、W、Zおよびmは、式Iにおいて定義したとおりである)
の化合物ならびにこれらの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体を含む、式IのCGRP拮抗薬である。
【0015】
本発明の追加の実施形態は、式Ic:
【0016】
【化16】

(式中、
Aは、C(R、O、S(O)またはNRであり;
、R、R、W、Zおよびmは、式Iにおいて定義したとおりである)
の化合物ならびにこれらの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体も含む、式IのCGRP拮抗薬である。
【0017】
本発明の追加の実施形態は、式Id:
【0018】
【化17】

(式中、
Aは、C(R、O、S(O)またはNRであり;
、R、R、W、Zおよびmは、式Iにおいて定義したとおりである)
の化合物ならびにこれらの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体を含む、式IのCGRP拮抗薬である。
【0019】
本発明のさらなる実施形態は、
が、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R];および
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、以下から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および、
m)O(CO)R]
から選択され;
この場合、任意の2個の独立したRとこれらが結合している単数または複数の原子とが場合によっては一緒になって、ジヒドロ−イミダゾリル、テトラヒドロ−ピリミジルおよびテトラヒドロ−ジアゼピニルを含むC5−7複素環から選択される環を形成し;
が、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)S(O)
l)CN、
m)NR1011、および
n)O(CO)R];および
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、以下から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R]
から選択され;この場合、
同じまたは隣接した原子上の任意の2個の独立したRが場合によっては一緒になって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS−ジオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成し;
10およびR11が、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[非置換または、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され、この場合、R10とR11が場合によっては一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成し、この環は、非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
が、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[非置換または、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され;
Wが、O、NRまたはC(Rであり;
が、Hおよび:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011および
m)O(CO)R
から、独立して選択され;および
Jが、結合であり、Vが、結合であり、およびZが、Z1であるとき、次の構造:
【0020】
【化18】

を形成するか、または
Jが、結合であり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、およびTが、−C(=O)−であるとき、次の構造:
【0021】
【化19】

を形成するか、または
Jが、結合であり、およびZが、Z1であるとき、次の構造:
【0022】
【化20】

を形成するか、または
Vが、結合であり、およびZが、Z1であるとき、次の構造:
【0023】
【化21】

を形成するか、または
G−Lが、Nであり、およびZが、Z2であるとき、次の構造:
【0024】
【化22】

を形成するか、または
G−Lが、N−C(Rであり、およびZが、Z2であるとき、次の構造:
【0025】
【化23】

を形成するか、または
G−Lが、C=C(R)であり、およびZが、Z2であるとき、次の構造:
【0026】
【化24】

を形成するか、または
G−Lが、C=Nであり、およびZが、Z2であるとき、次の構造:
【0027】
【化25】

を形成するか、または
G−Lが、N−C(R−C(Rであり、およびZが、Z2であるとき、次の構造:
【0028】
【化26】

を形成するように、Jが、結合、C(R、OまたはNRであり、およびVが、結合、C(R、O、S(O)、NR、C(R−C(R、C(R)=C(R)、C(R−N(R)、C(R)=N、N(R)−C(R、N=C(R)またはN(R)−N(R)であり;
Qが、
(1)=C(R7a)−、
(2)−C(R7a−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7a)−
から独立して選択され;
Tが、
(1)=C(R7b)−、
(2)−C(R7b−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7b)−
から独立して選択され;
が、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから、独立して選択され;
7aおよびR7bが、Rから各々独立して選択され、この場合、R7aおよびR7bとこれらが結合している単数または複数の原子とが場合によっては一緒になって、C3−6シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールから選択される環を形成し、この環は、非置換または、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
pは、0から2q+1(q個の炭素を有する置換基について)であり;
mは、0から2であり;
sは、1から3である、
の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体である式Ia−IdのCGRP拮抗薬である。
【0029】
本発明のなお、さらなる実施形態は、式Ia−IeのCGRP拮抗薬であり、式中
が、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)フェニル(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合のヘテロアリールは、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、ジオキサン、ジオキソラン、モルホリン、オキセタン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロフランおよびテトラヒドロピランから選択される)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011
m)O(CO)R]
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、フェニル、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される]
から選択され;
が、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)フェニル(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから各々独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合のヘテロアリールは、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキセタン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアゾリンおよびチアゾリジンから選択される)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011
m)O(CO)R]および
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、フェニル、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される]
から選択され;この場合、
同じまたは隣接した原子上の任意の2個の独立したRが場合によっては一緒になって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS−ジオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成し;
10およびR11が、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[非置換または、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され、この場合、R10とR11とが場合によっては一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成し、この環は、非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
が、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびフェニル[非置換または、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され;
Wが、NRまたはC(Rであり;
が、Hおよび:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から、独立して選択され、
次の構造:
【0030】
【化27】

を形成するように、Jが、結合であり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、Qが、−N(R7a)−であり、およびTが、−C(=O)−であるか、または
次の構造:
【0031】
【化28】

を形成するように、Jが、結合であり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、Qが、−C(R7a−であり、およびTが、−C(=O)−であるか、または
次の構造:
【0032】
【化29】

を形成するように、Jが、結合であり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、Qが、−N=であり、およびTが、=C(R7b)−であるか、または
次の構造:
【0033】
【化30】

を形成するように、Jが、結合であり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、Qが、−C(R7a−であり、およびTが、−C(R7b−であるか、または
次の構造:
【0034】
【化31】

のうちの1つを形成するように、Jが、結合であり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、Qが、−C(R7a)=であり、Tが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン、ピリジンもしくはジアジン環を形成するか、または
次の構造:
【0035】
【化32】

のうちの1つを形成するように、Jが、結合であり、Vが、C(Rであり、Zが、Z1であり、Qが、−C(R7a)=であり、Tが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼンもしくはピリジン環を形成するか、または
次の構造:
【0036】
【化33】

のうちの1つを形成するように、Jが、Oであり、Vが、結合であり、Zが、Z1であり、Qが、−C(R7a)=であり、Tが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼンもしくはピリジン環を形成するか、または
次の構造:
【0037】
【化34】

を形成するように、G−Lが、Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a−であり、およびTが、−C(R7b−であるか、または
次の構造:
【0038】
【化35】

を形成するように、G−Lが、Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、Tが、=C(R7b)−であるか、または
次の構造:
【0039】
【化36】

を形成するように、G−Lが、Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−N=であり、Tが、=C(R7b)−であるか、または
次の構造:
【0040】
【化37】

を形成するように、G−Lが、Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a−であり、およびTが、−C(O)−であるか、または
次の構造:
【0041】
【化38】

を形成するように、G−Lが、C=C(R)であり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であるか、または
次の構造:
【0042】
【化39】

を形成するように、G−Lが、C=C(R)であり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=N−であるか、または
次の構造:
【0043】
【化40】

を形成するように、G−Lが、C=C(R)であり、Zが、Z2であり、Qが、−N=であり、およびTが、=C(R7b)−であるか、または
次の構造:
【0044】
【化41】

を形成するように、G−Lが、C=Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であるか、または
次の構造:
【0045】
【化42】

のうちの1つを形成するように、G−Lが、Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン、ピリジンもしくはジアジン環を形成するか、または
次の構造:
【0046】
【化43】

のうちの1つを形成するように、G−Lが、N−C(Rであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼンもしくはピリジン環を形成するか、または
次の構造:
【0047】
【化44】

を形成するように、G−Jが、C=Nであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン環を形成するか、または
次の構造:
【0048】
【化45】

を形成するように、G−Lが、C=C(Rであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン環を形成するか、または
次の構造:
【0049】
【化46】

を形成するように、G−Lが、N−C(R−C(Rであり、Zが、Z2であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン環を形成し;
が、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから、独立して選択され;
7aおよびR7bが、Rから各々独立して選択され、この場合、R7aおよびR7bとこれらが結合している単数または複数の原子とが場合によっては一緒になって、C3−6シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールから選択される環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されている)を形成し;
pが、0から2q+1(q個の炭素を有する置換基について)であり;
mが、0から2であり;
sが、1から3である、
の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体である、式Ia−IeのCGRP拮抗薬である。
【0050】
本発明のもう1つの実施形態は、式II:
【0051】
【化47】

(式中、B、J、Q、T、V、W、X、Y、R、R、RおよびRは、式Iにおいて定義したとおりである)
の化合物ならびにこれらの医薬的に許容されるおよび個々のジアステレオマーを含む、CGRP拮抗薬を包含する。
【0052】
上で述べた構造またはサブ構造の1つ以上が、同じ呼称を有する多数の置換基を述べている場合、各々のこうした可変項は、各々の同様に呼ばれている可変項と同じである場合もあり、異なる場合もあることは、理解されるはずである。例えば、Rは、式I中に4回示されており、式I中の各Rは、独立して、Rによって定義される構造のいずれであってもよい。本発明は、所与の構造について各Rが同じでなければならない構造およびサブ構造に限定されない。1つの構造またはサブ構造において複数回出現する任意の可変項に関しても同じことが言える。
【0053】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を有することがあり、従って、ラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして発生し得る。分子上の様々な置換基の性質に依存して、追加の不斉中心が存在することもある。各々のこうした不斉中心は、独立して2つの光学異性体を生じさせることとなり、混合物でのおよび純粋な化合物または部分的に精製された化合物としての可能な光学異性体およびジアステレオマーのすべてが、本発明の範囲に包含されると解釈する。本発明は、これらの化合物のすべてのこうした異性体形を包含ものとする。
【0054】
本明細書に記載する化合物の一部は、オレフィン性二重結合を有し、特に別の指定がなければ、E幾何異性体とZ幾何異性体の両方を包含するものとする。
【0055】
これらのジアステレオマーの独立した合成およびこれらのクロマトグラフ分離は、本明細書の中で開示する方法論を適切に変更することにより、当該技術分野において知られているとおり達成することができる。これらの絶対立体化学は、結晶生成物または必要な場合には絶対配置がわかっている不斉中心を有する試薬で誘導体化させた結晶性中間体のX線結晶構造解析によって判定することができる。
【0056】
所望される場合、本化合物のラセミ混合物を分離して、個々のエナンチオマーを単離することができる。この分離は、化合物のラセミ混合物とエナンチオマー的に純粋な化合物とをカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し、続いて、分別結晶またはクロマトグラフィーなどの標準的な方法により個々のジアステレオマーに分離するような、当該技術分野では周知の方法により行うことができる。多くの場合、このカップリング反応は、エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を使用する塩の形成である。次に、これらのジアステレオマー誘導体は、付加させたキラル残基を切断することにより、純粋なエナンチオマーに転化させることができる。本化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を利用するクロマトグラフ法により直接分離することもでき、これらの方法は、当該技術分野において周知である。
【0057】
または、当該技術分野では周知の方法による、光学的に純粋な出発原料または立体配置がわかっている試薬を使用する立体選択的合成により、化合物の任意のエナンチオマーを得ることができる。
【0058】
当業者には理解されるように、環を形成すると述べられているあらゆる置換基または置換基の組み合わせが、あらゆる環境または状況において環構造を形成できるとは限らない。さらに、環を形成することができる置換基でさえ、あらゆる環境または状況において、環構造を形成することもあり、しないこともある。
【0059】
また、当業者には理解されるように、ここで用いるハロまたはハロゲンは、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを包含すると解釈する。
【0060】
ここで用いる「アルキル」は、二重結合および三重結合を有さない線状、分枝状および環状構造を意味すると解釈する。従って、C1−6アルキルは、線状または分枝状配置の1、2、3、4、5または6個の炭素を有すると、この基を特定するために定義し、例えば、具体的に、C1−6アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられる。「シクロアルキル」は、この一部またはすべてが原子数3以上の環を形成している、アルキルである。CまたはCアルキルは、直接共有結合の存在を特定するために定義する。
【0061】
ここで用いる「アリール」は、各環の構成員数が7以下であり、少なくとも1つの環が芳香族である、あらゆる安定な単環式または二環式炭素環を意味すると解釈する。こうしたアリール要素の例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルまたはビフェニルが挙げられる。
【0062】
注記のある場合を除き、ここで用いる用語「複素環」または「複素環式」は、飽和しているか、不飽和であり、ならびに炭素原子とN、OおよびSから成る群より選択される1から4個のヘテロ原子とから成る、安定な5から7員単環式または安定な8から11員二環式複素環構造を表し、この場合、窒素および硫黄ヘテロ原子は、場合によっては酸化されていることがあり、窒素ヘテロ原子は、場合によっては四級化されているされていることがあり、ならびにこの用語は、上で定義した複素環がベンゼン環に融合しているあらゆる二環式の環を包含する。複素環は、結果として安定な構造を生じさせる任意のヘテロ原子または炭素原子で結合することができる。こうした複素環基の例としては、アゼチジン、クロマン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキソラン、ヘキサヒドロアゼピン、イミダゾリジン、イミダゾリジノン、イミダゾリン、イミダゾリノン、インドリン、イソクロマン、イソインドリン、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、モルホリノン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、オキセタン、2−オキソヘキサヒドロアゼピン、2−オキソピペラジン、2−オキソピペリジン、2−オキソピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアモルホリン、チアゾリン、チアゾリジン、チオモルホリンおよびこれらのN−オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
注記のある場合を除きここで用いる用語「ヘテロアリール」は、芳香族環を含有する、および、このいずれかの環が、飽和している(例えば、ピペリジニル)ことがあり、部分飽和していることがあるか、または不飽和である(例えば、ピリジニル)ことがある、および、炭素原子と、N、OおよびSからなる群より選択される1から4個のヘテロ原子とから成る、安定な5から7員単環式または安定な9から10員縮合二環式複素環構造を表し、この場合、前記窒素および硫黄ヘテロ原子は、場合によっては酸化されていることがあり、窒素ヘテロ原子は、場合によっては四級化されていることがあり、ならびにこの用語は、上で定義した複素環のいずれかがベンゼン環と縮合している任意の二環式の基を包含する。複素環は、結果的に安定な構造が生じる任意のヘテロ原子または炭素原子で結合させることができる。こうしたヘテロアリール基の例としては、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、カルボリン、シンノリン、フラン、フラザン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、トリアゾールおよびこれらのN−オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
−Cアルコキシの場合のような用語「アルコキシ」は、直線状、分枝状および環状立体構造の炭素原子数1から6のアルコキシ基を包含することを指すと解釈する。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0065】
「医薬的に許容される」というフレーズは、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触させる使用に適し、過度の毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を伴わず、妥当な損益比に見合っている、化合物、材料、組成物および/または剤形を指すためにここでは用いる。
【0066】
ここで用いる「医薬的に許容される塩」は、親化合物がこの酸または塩基の塩を作ることにより変性されている誘導体を指す。医薬的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。医薬的に許容される塩は、従来の非毒性の塩、または例えば非毒性無機または有機酸から形成された親化合物の第四アンモニウム塩を包含する。例えば、こうした従来の非毒性の塩としては、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などから誘導される塩;ならびに有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などから調製される塩が挙げられる。
【0067】
一定の事例に存在する一定の可変項の数は、存在する炭素原子の数に置き換えて定義している。例えば、可変項「p」は、場合によっては次のように定義している:「pは、(q個の炭素原子を有する置換基については)0から2q+1である」。置換基が、「(F)1−3アルキル」である場合、これは、1個の炭素原子があるときには、2(1)+1=3個のフッ素があることを意味する。2個の炭素があるときには、2(2)+1=5個のフッ素があり、3個の炭素があるときには、2(3)=1=7個のフッ素がある。
【0068】
可変項GおよびLが、「G−L」と表されているまたは示されているとき、これは、GおよびLが一緒に、特定の部分を表すことを示す。G−Lは、単一の環原子を表すこともあり、複数の環原子の様々な取り合わせを表すこともある。例えば、G−Lは、ここでは単一の環原子Nと定義されるときもあり、複数の環原子N−C(R、C=C(R)などと定義されるときもある。
【0069】
本発明の化合物が塩基性であるとき、塩は、無機および有機酸を含む医薬的に許容される非毒性の酸から調製することができる。こうした酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。本発明の1つの態様において、塩は、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸および酒石酸である。ここで用いる場合、式Iの化合物への言及は、これらの医薬的に許容される塩も包含することは理解されるであろう。
【0070】
実施例および本明細書に開示する化合物の使用は、本発明のよい例となる。本発明の範囲内の具体的な化合物としては、以下の実施例に開示する化合物およびこれらの医薬的に許容される塩およびこれらの個々のジアステレオマーから成る群より選択される化合物が挙げられる。
【0071】
本化合物は、CGRP受容体に対する拮抗をこうした拮抗が必要な哺乳動物などの患者において行う方法において有用であり、前記方法は、本化合物の有効量の投与を含む。本発明は、本明細書に開示する化合物のCGRP受容体の拮抗薬としての使用に関する。霊長類、特にヒトに加えて、様々な他の哺乳動物を本発明の方法に従って治療することができる。
【0072】
本発明のもう1つの実施形態は、患者におけるCGRP受容体が関係する疾病もしくは疾患の治療、制御もしくは改善または前記疾病もしくは疾患のリスクの低減のための方法に関し、この方法は、CGRP受容体の拮抗薬である化合物の治療有効量をこの患者に投与することを含む。
【0073】
本発明は、ヒトおよび動物におけるCGRP受容体に拮抗するための医薬品の製造方法にさらに関し、この方法は、本発明の化合物を医薬担体または希釈剤と併せることを含む。
【0074】
本方法において治療される被験者は、一般に、CGRP受容体活性の拮抗が望ましい哺乳動物、例えば、ヒト、男性または女性である。用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床家が探求し続ける、組織、系、動物またはヒトの生体応答または医学的応答を惹起する本化合物の量を意味する。ここで用いる用語「治療」は、挙げられている状態の、特にこうした疾病または疾患の素因を有する患者における、治療と予防または予防的治療の両方を指す。
【0075】
ここで用いる用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、ならびに特性の成分を特定の量で組み合わせることにより直接または間接的に得られる任意の製品を包含すると解釈する。医薬組成物に関してこうした用語は、活性成分(単数または複数)および担体を構成する不活性成分(単数または複数)を含む製品、ならびに任意の2つもしくはそれ以上の成分の組み合わせ、複合もしくは凝集により、または1つもしくはそれ以上の成分の解離により、または1つもしくはそれ以上の成分の他のタイプの反応もしくは相互作用により、直接または間接的に得られる任意の製品を包含すると解釈する。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体を混合することによって製造される任意の組成物を包含する。「医薬的に許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤が、この調合物の他の成分と相溶性でなければならず、またこの受容者に有害でないという意味である。
【0076】
化合物「の投与」および「を投与すること」という用語は、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを治療の必要がある個体に供給することを意味すると理解すべきである。
【0077】
CGRP受容体活性の拮抗薬としての本発明の化合物の使用効果は、当該技術分野において公知の方法論により実証することができる。125I−CGRPの受容体への結合の阻害およびCGRP受容体の機能的拮抗は、次のように判定した:
天然受容体結合アッセイ: 本質的には記載されているとおりに(Edvinssonら,(2001)Eur.J.Pharmacol.415,39−44)、SK−N−MC細胞膜において125I−CGRPの受容体への結合の阻害を行った。簡単に言えば、膜(25μg)を、10pM 125I−CGRPおよび拮抗薬を含有する1mLの結合バッファ[10mM Hepes(pH7.4)、5mM MgClおよび0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)]中でインキュベートした。室温で3時間インキュベートした後、0.5%ポリエチレンイミンで3時間ブロックしておいたGFBガラス繊維フィルタープレート(Millipore)によるろ過によってアッセイを停止させた。フィルターを氷冷アッセイバッファで3回洗浄し、次いで、プレートを空気乾燥させた。シンチレーション液(50μL)を添加し、放射活性をTopcount(Packard Instrument)でカウントした。PrismおよびKを使用することによりデータ解析を行い、Cheng−Prusoffの式(Cheng & Prusoff(1973)Biochem.Pharmacol.22,3099−3108)を用いることによりKを決定した。
【0078】
天然受容体機能アッセイ: SK−N−MC細胞を、10%ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、0.1mM 非必須アミノ酸、1mM ピルビン酸ナトリウム、100単位/mL ペニシリンおよび100μg/mL ストレプトマイシンを補足した最小必須培地(MEM)中、37℃、湿度95%および5%COで成長させた。cAMPアッセイのために、細胞を96ウエル・ポリ−D−リシン被覆プレート(Becton−Dickinson)に細胞数5x10/ウエルでプレーティングし、アッセイ前に〜18時間培養した。細胞をリン酸緩衝食塩液(PBS、Sigma)で洗浄し、次いで、無血清MEM中300μMのイソブチルメチルキサンチンとともに30分間、37℃でプレインキュベートした。拮抗薬を添加し、これらの細胞を10分間インキュベートした後、CGRPを添加した。さらに15分間インキュベーションを続け、次いで、細胞をPBSで洗浄し、製造業者の推奨プロトコルに従ってcAMP判定のために処理した。基底状態に対する最大刺激を100nM CGRPを用いて定義した。Prismに使用により用量応答曲線を作成した。用量比(DR)を計算し、これらを用いて完全Schildプロットを構築した(Arunlakshana & Schild(1959)Br.J.Pharmacol.14,48−58)。
【0079】
組換え受容体: Human CRLR(ジェンバンクアクセッション番号L76380)を5’NheIおよび3’PmeIフラグメントとして発現ベクターpIREShyg2(BD Biosciences Clontech)にサブクローニングした。Human RAMP1(ジェンバンクアクセッション番号AJ001014)を5’NheIおよび3’NotIフラグメントとして発現ベクターpIRESpuro2(BD Biosciences Clontech)にサブクローニングした。293細胞(ヒト胚性腎細胞;ATCC #CRL−1573)を、10%ウシ胎仔血清(FBS)、100単位/mL ペニシリンおよび100ug/mL ストレプトマイシンを補足した、4.5g/Lグルコース、1mM ピルビン酸ナトリウムおよび2mM グルタミンを有するDMEM中で培養し、37℃、湿度95%で維持した。HBSS中0.1%EDTAを伴う0.25%トリプトファンでの処理により、細胞を2次培養した。75cmフラスコの中で10ugのDNAを30ugのLipofectamine 2000(Invtrogen)でコトランスフェクトすることにより、安定な細胞株の作製を達成した。CRLRおよびRAMP1発現構築物を同量でコトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞を希釈し、選択培地(成長培地+300ug/mL ヒグロマイシンおよび1ug/mL ピューロマイシン)を翌日添加した。FACS Vantage SE(Becton Dickinson)を用いる単個細胞堆積により、クローン細胞株を作製した。細胞増殖のために、成長培地を150ug/mL ヒグロマイシンおよび0.5ug/mL ピューロマイシンに調整した。
【0080】
組換え受容体結合アッセイ: 組換えヒトCRLR/RAMP1を発現する細胞をPBSで洗浄し、50mM HEPES、1mM EDTAおよびCompleteプロテアーゼ阻害剤(Roche)を含有する回収バッファに回収した。この細胞浮遊液を実験室用ホモジナイザーで粉砕し、48,000gで遠心分離して、膜を単離した。これらのペレットを回収バッファ+250mM スクロースに再び浮遊させ、−70℃で保管した。結合アッセイのために、10ugの膜を、10pM 125I−hCGRP(Amersham Biosciences)および拮抗薬を含有する1mL 結合バッファ(10mM HEPES(pH7.4)、5mM MgCl、および0.2%BSA)中で3時間、室温でインキュベートした。0.05%ポリエチレンイミンでブロックしておいた96ウエル・GFBガラス繊維フィルタープレート(Millipore)によるろ過により、アッセイを停止させた。フィルターを氷冷アッセイバッファ(10mM HEPES(pH7.4))で3回洗浄した。シンチレーション液を添加し、Topcount(Packard)でプレートをカウントした。非特異的結合を判定し、データ解析を行い、下の式にこの結合CPMデータを代入する非線形最小二乗の使用により見掛けの解離定数(K)を決定した:
【0081】
【数1】

【0082】
式中、Yは、結合したCPMの実測値であり、Ymaxは、全結合数であり、Y minは、非特異的結合数であり、(Y max − Y min)は、特異的結合数であり、%I maxは、最大阻害率であり、%I minは、最小阻害率であり、放射性標識は、プローブであり、ならびにKは、Hot飽和試験により判定したときの受容体についての放射性リガンドについての見掛けの解離定数である。
【0083】
組換え受容体機能アッセイ: 完全成長培地中の細胞を、96ウエル・ポリ−D−リシン被覆プレート(Corning)に、細胞数85,000/ウエルでプレーティングし、アッセイ前に〜19時間培養した。細胞をPBSで洗浄し、次いで、L−グルタミンおよび1g/L BSAを伴うCellgro Complete Serum−Free/Low−Protein medium(Mediatech,Inc)中、37℃、湿度95%で30分間、阻害剤とともにインキュベートした。イソブチル−メチルキサンチンを300μMの濃度で細胞に添加し、30分間、37℃でインキュベートした。ヒトα−CGRPを0.3nMの濃度で細胞に添加し、37℃で5分間、インキュベートしながら放置した。α−CGRP刺激の後、細胞をPBSで洗浄し、製造業者の推奨プロトコル(cAMP SPA直接スクリーニングアッセイシステム;RPA 559;Amersham Biosciences)に従って2段階アッセイ手順を用いてcAMP判定のために処理した。用量応答曲線をプロットし、式 y=((a−d)/(1+(x/c))+d[式中、y=応答、x=用量、a=最大応答、d=最小応答、c=変曲点、およびb=傾き]により定義されるような4変数論理代入によりIC50値を決定した。
【0084】
特に、以下の実施例の化合物は、上述のアッセイにおいてCGRP受容体の拮抗薬としての活性を有し、一般に、約50μMより低いKまたはIC50値を有した。こうした結果は、CGRP受容体の拮抗薬として使用する際の本化合物の固有活性を示している。
【0085】
CGRP拮抗薬として作用する本発明の化合物のこの能力が、本化合物を、ヒトおよび動物における、しかし特にヒトにおけるCGRPに関係する疾患に有用な薬物にする。
【0086】
本発明の化合物は、次の状態または疾病のうちの1つ以上の治療、予防、改善もしくは制御、または次の状態または疾病のうちの1つ以上に関するリスクの低減に有用である:頭痛;偏頭痛;群発性頭痛;慢性緊張型頭痛;疼痛;慢性疼痛;神経性炎症および炎症性疼痛;神経障害性疼痛;眼痛;歯痛;糖尿病;インスリン非依存性糖尿病;血管疾患;炎症;関節炎;気管支反応亢進、喘息;ショック;敗血症;アヘン剤禁断症候群;モルヒネ耐性;男性および女性におけるのぼせ;アレルギー性皮膚炎;乾癬;脳炎;脳の外傷;癲癇;神経変性疾患;皮膚病;神経性の皮膚の赤み、バラ色の皮膚および紅斑;炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、膀胱炎;ならびにCGRP受容体の拮抗により治療または予防することができる他の状態。偏頭痛および群発性頭痛を含む頭痛の急性または予防的治療は、特に重要である。
【0087】
さらに、本化合物は、本明細書で述べる疾病、疾患および状態の予防、治療、制御もしくは改善方法、または前記疾病、疾患および状態のリスクの低減方法において有用である。
【0088】
さらに、本化合物は、他の薬物と併用で、上述の疾病、疾患および状態の予防、治療、制御もしくは改善方法、または上述の疾病、疾患および状態のリスクの低減方法において有用である。
【0089】
本発明の化合物は、1つ以上の他の薬物と、式Iの化合物または前記他の薬物が有用であり得る疾病もしくは状態の治療、予防、制御もしくは改善または前記疾病もしくは状態のリスクの低減の際に併用することができ、この場合、前記薬物の併用は、いずれかの薬物単独より安全またはより有効である。こうした他の薬物(単数または複数)は、これらが通常使用される経路および量で、式Iの化合物と同時にまたは逐次的に投与することができる。式Iの化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用するときには、こうした他の薬物と式Iの化合物とを含有する単位剤形の医薬組成物が好ましい。しかし、本併用療法は、式Iの化合物と1つ以上の他の薬物を重なりのある別スケジュールで投与する治療法も包含する。1つ以上の他の活性成分と併用するとき、本発明の化合物と他の活性成分は、各々を単独で使用するときより低い用量で使用できることも考えられる。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含有するものを包含する。
【0090】
例えば、本化合物は、抗偏頭痛薬、例えばエルゴタミンおよびジヒドロエルゴタミン、もしくは他のセロトニン拮抗薬、特に、5−HT1B/1D作動薬(例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタンおよびリザトリプタン)、5HT1D作動薬(例えば、PNU−142633)、および5HT1F作動薬(例えば、LY334370);シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば、選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブもしくはパラコキシブ);非ステロイド性抗炎症薬もしくはサイトカイン抑制性抗炎症薬、例えば、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ケトロラック、エトドラック、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ジクロフェナク、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダップ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサール、サルサレート、オルサラジンもしくはスルファサラジンなどの化合物と;またはグルココルチコイドと併用することができる。同様に、本化合物は、鎮痛薬、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、フェナセチン、フェンタニル、スフェンタニル、メタドン、アセチルメタドール、ブプレノルフィンまたはモルフィンとともに投与することができる。
【0091】
加えて、本化合物は、インターロイキン阻害剤、例えば、インターロイキン−1阻害剤;NK−1受容体拮抗薬、例えば、アプレピタント;NMDA拮抗薬;NR2B拮抗薬;ブラジキニン−1受容体拮抗薬;アデノシンA1受容体作動薬;ナトリウムチャネル遮断薬、例えばラモトリジン;アヘン剤作動薬、例えば、酢酸レボメタジルまたは酢酸メタジル;リポオキシゲナーゼ阻害剤、例えば、5−リポオキシゲナーゼの阻害剤;アルファ受容体拮抗薬、例えば、インドラミン;アルファ受容体作動薬;バニロイド受容体拮抗薬;レニン阻害剤;グランザイムB阻害剤;サブスタンスP拮抗薬;エンドセリン拮抗薬;ノルエピネルフィン前駆体;抗不安薬、例えば、ジアゼパム、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシドおよびクロラゼペート;セロトニン5HT受容体拮抗薬;オピオイド作動薬、例えばコデイン、ヒドロコドン、トラマドール、デキストロプロポキシフェンおよびフェブタニル;mGluR5作動薬、拮抗薬または強化薬;GABA A受容体モジュレータ、例えばアカンプロセートカルシウム;ニコチン酸性拮抗薬または作動薬(ニコチンを含む);ムスカリン性作動薬または拮抗薬;選択的セロトニン再吸収阻害剤、例えば、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、エスシタロプラムまたはシタロプラム;抗うつ薬、例えばアミトリプチリン、ノルトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、ベンラファキシン、ドキセピン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミンまたはイミプラミン;ロイコトリエン拮抗薬、例えば、モンテルカストまたはザフィルカスト;窒素酸化物の阻害剤または窒素酸化物合成の阻害剤と併用することができる。
【0092】
また、本化合物は、ギャップジャンクション阻害剤;神経性カルシウムチャネル遮断薬、例えばシバミド;AMPA/KA拮抗薬、例えばLY293558;シグマ受容体作動薬;およびビタミンB2と併用することができる。
【0093】
また、本化合物は、エルゴタミンおよびジヒドロエルゴタミン以外のエルゴット麦角アルカロイド、例えば、エルゴノビン、エルゴノビン、メチルエルゴノビン、メテルゴリン、エルゴロイドメシレート、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロ−α−エルゴクリプチン、ジヒドロ−β−エルゴクリプチン、エルゴトキシン、エルゴコルニン、エルゴクリスチン、エルゴクリプチン、α−エルゴクリプチン、β−エルゴクリプチン、エルゴシン、エルゴスタン、ブロモクリプチンまたはメチセリジドと併用することができる。
【0094】
加えて、本化合物は、ベータ−アドレナリン拮抗薬、例えば、チモロール、プロパノロール、アテノロール、メトプロロールまたはナドロールなど;MAO阻害剤、例えばフェネルジン;カルシウムチャネル遮断薬、例えば、フルナリジン、ジルチアゼム、アムロジピン、フェロジピン、ニソリピン、イスラジピン、ニモジピン、ロメリジン、ベラパミル、ニフェジピンまたはプロクロルペラジン;神経弛緩薬、例えば、オランザピン、ドロペリドール、プロクロルペラジン、クロルプロマジンおよびケチアピン;抗痙攣薬、例えば、トピラメート、ゾニサミド、トナベルサット(tonabersat)、カラベルサット(carbersat)、レベチラセタム、ラモトリジン、チアガビン、ガバペンチン、プレガバリンまたはジバプロエクス(divalproex)ナトリウム;抗高血圧薬、例えば、アンギオテンシンII拮抗薬(例えば、ロサルタン、イルべサルチン、バルサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、メドキソミル、カンデサルタンおよびカンデサルタンシレキセチル)、アンギオテンシンI拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、リシノプリル、エナラプリル、カプトプリル、ベナゼプリル、キナプリル、ペリンドプリル、ラミプリルおよびトランドラプリル);またはボツリヌス毒素A型またはB型と併用することができる。
【0095】
本化合物は、増強剤、例えば、カフェイン、H2−拮抗薬、シメチコン、水酸化アルミニウムまたはマグネシウム;うっ血除去薬、例えば、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボ−デスオキシ−エフェドリン;鎮咳薬、例えば、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストロメトルファン;利尿薬;消化管運動促進薬、例えば、メトクロプラミドまたはドンペリドン;鎮静性または非鎮静性抗ヒスタミン薬、例えば、アクリバスチン、アザタジン、ブロモジフェンヒドラミン、ブロモフェニラミン、カルビノキサミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、デクスブロムフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ロラタジン、フェニンダミン、フェニラミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、テルフェナジン、トリプロリジン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミンまたはプソイドエフェドリンと併用することができる。本化合物は、制吐薬とも併用することができる。
【0096】
特に好ましい実施形態において、本化合物は、抗偏頭痛薬、例えば、エルゴタミンまたはジヒドロエルゴタミン;5−HT作動薬、とりわけ5−HT1B/1D作動薬、特に、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン、アビトリプタンおよびリザトリプタン、ならびに他のセロトニン作動薬;およびシクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、特に、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブまたはパラコキシブと併用される。
【0097】
上記併用は、本化合物と、1つの他の活性化合物ばかりでなく2つ以上の他の活性化合物との併用を包含する。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾病もしくは状態の予防、治療、制御もしくは改善または前記疾病もしくは状態のリスクの低減において使用される他の薬物と併用することができる。こうした他の薬物は、これらが通常使用される経路および量で、本発明の化合物と同時にまたは逐次的に投与することができる。本発明の化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用するときには、本発明の化合物に加えてこうした他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の組成物は、本発明の化合物に加えて1つ以上の他の活性成分も含有するものを包含する。
【0098】
本発明の化合物の他の活性成分(単数または複数)に対する重量比は、変化させることができ、これは各成分の有効用量に依存するであろう。一般に、各々の有効用量が使用されるであろう。従って、例えば、本発明の化合物を別の薬剤と併用するとき、本発明の化合物の他の薬剤に対する重量比は、約1000:1から約1:1000、または約200:1から約1:200にわたるであろう。本発明の化合物と他の活性成分の併用も、一般に、上述の範囲内であろうが、各場合、各活性成分の有効用量を使用すべきである。
【0099】
こうした併用において、本発明の化合物と他の活性薬剤は、別々に投与される場合もあり、一緒に投与される場合もある。加えて、1つの要素の投与は、他の薬剤(単数または複数)の投与の前である場合もあり、投与と同時である場合もあり、投与の後である場合もあり、ならびに同じ投与経路による場合もあり、異なる投与経路による場合もある。
【0100】
本発明の化合物は、経口投与、非経口投与(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射もしくは注入、皮下注射、または移植)、吸入スプレーによる投与、経鼻投与、経膣投与、直腸内投与、舌下投与、または局所投与経路により投与することができ、ならびに各投与経路に適する従来どおりの非毒性で医薬的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する適切な投薬単位調合物で、単独でまたは一緒に調合することができる。温血動物の治療に加えて、本発明の化合物は、ヒトでの使用に有効である。
【0101】
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は、単位剤形で適便に提供することができ、薬学技術分野では周知の任意の方法により調製することができる。すべての方法は、1つ以上の補助成分を構成する担体と活性薬剤を会合させる段階を含む。一般に、本医薬組成物は、液体担体もしくは微粉固体担体または両方と活性成分を均一、および、均質に会合させること、およびこの後、必要な場合この生成物を所望の調合物に成形することにより、調製することができる。医薬組成物には、疾病の経過または状態に対して望ましい効果を生じさせるために充分な量で活性化合物が含まれる。ここで用いる用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、ならびに特性の成分を特定の量で組み合わせることにより直接または間接的に得られる任意の製品を包含すると解釈する。
【0102】
活性成分を含有する医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルジョン、溶液、ハードもしくはソフトカプセル、またはシロップもしくはエリキシルのような、経口使用に適する形態であり得る。経口使用するための組成物は、医薬組成物の製造に関する技術分野には公知の任意の方法に従って調製することができ、こうした組成物は、医薬として上品で美味な製剤を提供するために甘味剤、着香剤、着色剤および保存薬から成る群より選択される1つ以上の物質を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性で医薬的に許容される賦形剤との混合物の状態で活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム)、造粒剤および崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム)および滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)であり得る。錠剤は、コーティングされていない場合があるか、または胃腸管での崩壊および吸収を遅らせ、これによって長期にわたる持続作用をもたらすために公知の技法によりコーティングされている場合もある。例えば、時間遅延材料、例えばモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルを利用することができる。これらを米国特許第4,256,108号、同第4,166,452号および同第4,265,874号に記載されている技法によりコーティングして、制御放出のための浸透治療錠剤を形成することもできる。経口錠剤は、ファストメルト錠もしくはウェハース、急速溶解錠または急速溶解フィルムのように、即時放出用に調合することもできる。
【0103】
経口使用のための調合物は、活性成分が不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合されるハードゼラチンカプセルとして、または活性成分が水もしくは油性媒体、例えばピーナッツ油、液体パラフィンもしくはオリーブ油と混合されるソフトゼラチンカプセルとして提供することもできる。
【0104】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤との混合物の状態で活性材料を含有する。こうした賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムであり、分散または湿潤剤は、天然ホスファチド(例えば、レシチン)であってもよいし、脂肪酸とアルキレンオキシドの縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)であってもよいし、長鎖脂肪アルコールとエチレンオキシドの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)であってもよいし、脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)であってもよいし、脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)であってもよい。水性懸濁液は、1つ以上の保存薬(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル)、1つ以上の着色剤、1つ以上の着香剤、および1つ以上の甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン)も含有することがある。
【0105】
油性懸濁液は、植物油(例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油)または鉱物油(例えば、液体パラフィン)に活性成分を懸濁させることにより調合することができる。前記油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有することがある。甘味剤(例えば、上に示したもの)および着香剤を添加して、美味な経口製剤を生じさせることができる。これらの組成物は、抗酸化物質、例えばアスコルビン酸の添加により、保存することができる。
【0106】
水の添加による水性懸濁液の調製に適する分散性粉末および顆粒は、分散または湿潤剤、懸濁化剤および1つ以上の保存薬との混合物の状態の活性成分をもたらす。適する分散または湿潤剤および懸濁化剤は、例えば上で既に述べたものである。追加の賦形剤、例えば甘味剤、着香剤および着色剤が存在する場合もある。
【0107】
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態である場合もある。この油相は、植物油(例えば、オリーブ油もしくは落花生油)であってもよいし、鉱物油(例えば、液体パラフィン)であってもよいし、これらの混合物であってもよい。適する乳化剤は、天然ゴム(例えば、アラビアゴムまたはトラガカントゴム)、天然ホスファチド(例えば、大豆、レシチン)、ならびに脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、ならびにエチレンオキシドと前記部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)であり得る。エマルジョンは、甘味剤および着香剤も含有することがある。
【0108】
シロップおよびエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースを用いて調合することができる。こうした調合物は、粘滑薬、保存薬、着香剤および着色剤も含有することがある。
【0109】
本医薬組成物は、滅菌注射用水性または油性懸濁液の形態である場合もある。この懸濁液は、上で述べた適する分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用し、公知の技術に従って調合することができる。滅菌注射用製剤は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性で非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液である場合もある。利用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および等張食塩液などがある。加えて、滅菌固定油が溶媒または懸濁媒体として従来利用されている。この目的には、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無菌固定油を利用することができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が注射用の製剤として使用されている。
【0110】
本発明の化合物は、薬物の直腸内投与用の坐剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、薬物を、常温で固体であるが直腸内温度では液体であり、従って、直腸内で溶融してこの薬物を放出する、適する無刺激賦形剤と混合することにより、作製することができる。こうした材料は、カカオ脂およびポリエチレングリコールである。
【0111】
局所使用には、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液などを利用する。同様に、経皮パッチも局所投与に用いることができる。
【0112】
本発明の医薬組成物および方法は、上に挙げた病的状態の治療に通常適用される、本明細書に示すような他の治療活性化合物を、さらに含むことができる。
【0113】
CGRP受容体活性に対する拮抗を必要とする状態の治療、予防、制御もしくは改善または前記状態のリスクの低減において適切な投薬レベルは、一般に、1日つき患者の体重のkg当たり約0.01から500mgであろう(これを1回量または複数回分の用量で投与することができる)。適する投薬レベルは、1日につき約0.01から250mg/kg、1日につき約0.05から100mg/kg、または1日につき約0.1から50mg/kgであり得る。この範囲内で、投薬量は、1日につき0.05から0.5、0.5から5または5から50mg/kgである場合もある。経口投与のための組成物は、1.0から1000ミリグラムの活性成分、詳細には、治療する患者への投薬量を症状に基づき調整するのために1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0および1000.0ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。本化合物は、1日に1回から4回の計画で投与してもよいし、1日1回または2回投与してもよい。
【0114】
頭痛、偏頭痛、群発性頭痛もしくは本発明の化合物が指示される他の疾病を治療、予防、制御もしくは改善またはこれらのリスクを低減する際、一般に、本発明の化合物を動物の体重のキログラム当たり約0.1ミリグラムから約100ミリグラムの日用量で投与する(1日1回量として、または1日2回から6回の分割用量で、または持続放出形で与える)と、満足な結果が得られる。最も大きな哺乳動物についての全日用量は、約1.0ミリグラムから約1000ミリグラム、または約1ミリグラムから約50ミリグラムである。70kgの成人の場合、全日用量は、一般に、約7ミリグラムから約350ミリグラムであろう。この薬剤投与計画は、最適な治療応答をもたらすように調整することができる。
【0115】
しかし、いずれの特定の患者についてもこの具体的な用量レベルおよび投薬頻度は、変えることができること、およびこれが、利用される具体的な化合物の活性、この化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事および投与時間、排泄率、薬の組み合わせ、この特定の状態の重症度ならびに治療を受ける宿主を含む様々な因子に依存するであろうことは、理解されるであろう。
【実施例】
【0116】
本発明の化合物の幾つかの調製方法を以下の図式および実施例において説明する。出発原料は、当該技術分野において公知の手順に従ってまたは本明細書で説明するとおり製造する。
【0117】
本発明の化合物は、容易に入手できる出発原料、試薬および従来どおりの合成手順を用い、以下の図式および特定の実施例またはこれらの変法に従って、容易に調製することができる。これらの反応において、あまり詳細には触れていないが、これら自体、通常の当業者には公知である変形を用いることもできる。本発明において特許請求する化合物を製造するための一般手順は、以下の図式を見ることで当業者には容易に理解することができ、正しく認識することができる。中間体および最終化合物の合成は、図式1から8に記載するとおり行うことができる。
【0118】
反応図式
最終化合物の調製は、式IIIおよび式IVのものなどの中間体を通して進行し、ここでは各中間体の合成を説明する。
【0119】
【化48】

【0120】
一般に、式IIIおよびIVの中間体は、図1に示すように尿素結合によりカップリングさせることができる。中間体1の脱保護後、得られたアミンを塩化カルバモイル中間体3とカップリングさせて、尿素4を生じさせることができる。当業者には公知の他の活性化中間体を使用して4のような化合物を調製してもよい。
【0121】
【化49】

【0122】
中間体IVにより表される化合物の合成は、Henningら,J.Med.Chem.,1987,30,814−819; Carpinoら,WO96/35713号; Brownら,J.Chem.Soc.1957,682−686; Barlinら,Aust.J.Chem.1982,35(11),2299−2306;およびこれらに引用されている参考文献に記載されているものに類似した手順により、遂行することができる。
【0123】
加えて、中間体IVにより表される化合物の合成は、図式2に従って遂行することができる。例えば、2,3−ジアミノピリジン5などのジアミノ複素環を6などのケトンで還元的にアルキル化して、モノアルキル化生成物7を得ることができる(図式2)。カルボニルジイミダゾールでの閉環により、イミダゾール8を得る。標準条件下での最終的な脱保護により、中間体9を得る。
【0124】
【化50】

【0125】
カプロラクタムは、図式3に概要を示すようなオレフィン複分解戦略に従って組み立てることができる。塩酸2,4−ジメトキシベンジルアミンを穏やかな塩基性条件下、2,3−ジブロモプロペンでアルキル化して、アミン11を得る。公知の手順(J.Chem.Soc.,1962,3963−3968)に従って市販のD−アリルグリシンから一段階で調製した(2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ペンタ−4−エン酸(12)を様々な条件下でアミン11とカップリングさせて、アミド61を得ることができる。様々な遷移金属触媒クロスカップリングを臭化ビニルを用いて行うことができ、例えば、フェニルボロン酸および炭酸ナトリウムを用いるパラジウム媒介アリール化により、スチレン誘導体14を得ることができる。ジクロロメタン中、Grubbs第二世代触媒の存在下、穏やかに加熱しながら閉環複分解を行って、ラクタム15を得る。ジメトキシベンジル基の除去および水素化とこの第一アミンのインサイチューでの保護により、対応する飽和ラクタム17を得る。Lawesson試薬での処理により、一般式18のチオアミド化合物を得る。
【0126】
【化51】

【0127】
または、図式4に概要を示すように、C6−アリール基を導入することができる。公知のグルタミン酸由来アルデヒド19(Tetrahedron Asymmetry,1998,3381−94)へのニトロメタンの付加、続くインサイチューでの除去により、オレフィン20を得る。ボロン酸誘導体によるアリール基の付加または同様同等のことを、キラル配位子−Rh触媒により立体選択的に遂行することができる。ニトロ還元とベンジルエステル水素化分解を同時に行うことにより、アミノ酸22を得る。標準条件下で閉環し、続いて、t−ブトキシカルボニル基を1つだけ除去することにより、ラクタム24を得る。Lawesson試薬での処理により、一般式25のチオアミド化合物を得る。
【0128】
【化52】

【0129】
同様の戦略を利用することにより、カプロラクタムの6位での変異を導入することができる(図式5)。Grubbs第二世代ルテニウム触媒を使用し、臭化ビニル13に対して閉環複分解を直接行って、環状臭化ビニル26を得ることができる。ジメトキシベンジル基の除去、およびパラジウムにより媒介される(この事例ではボロン酸との)クロスカップリングにより、一般式28の化合物を得る。27から28への変換は、ボロン酸誘導体に限定されない。標準的な水素化の後、Lawesson試薬で処理することにより、一般式30のチオアミド化合物を得る。
【0130】
【化53】

【0131】
または、ニトロオレフィン31へのGrignard試薬または同様の試薬の付加、続くニトロ還元およびベンジルエステル水素化分解により、30などの様々なアミノ酸を得る(図式6)。標準条件下で閉環し、続いて、t−ブトキシカルボニル基を1つだけ除去することにより、ラクタム29を得る。Lawesson試薬での処理により、一般式30のチオアミド化合物を得る。
【0132】
図式6
【0133】
【化54】

【0134】
イミダゾールの合成に必要なアミノアルコールは、市販されていたか、図式7に示すとおり調製した。シアン化トリメチルシリルでのアルデヒドの処理によりシアノヒドリン36を得、これを、水素化アルミニウムリチウムで適切なアミノアルコール37に還元することができる。
【0135】
【化55】

【0136】
環状アミジンは、図式8に示すように調製する。塩化水銀(II)の存在下、チオアミド30を様々なアミノアルコール37と反応させて、アミジン38を得る。塩化メタンスルホニルでのヒドロキシル活性化および閉環により、一般式1の環状アミジンを得る。
【0137】
【化56】

【0138】
中間体および実施例
以下の実施例は、本発明をさらに充分に理解することができるように提供するものである。これらの実施例は、単に実例となるものであり、いかなる点においても本発明を限定すると解釈すべきでない。
【0139】
中間体1
【0140】
【化57】

【0141】
二塩酸2−オキソ−1−(4−ピペリジニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
段階A. 2−アミノ−3−[(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(14.5g、68.7mmol)を、室温でジクロロエタン(75mL)中の2,3−ジアミノピリジン(5.00g、45.8mmol)およびN−(t−ブトキシカルボニル)−4−ピペリドン(9.58g、48.1mmol)の溶液に添加した。5時間後、追加のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.8g)を添加し、さらに2.5時間後に再び添加した。この反応物を一晩攪拌し、5%水酸化ナトリウム水溶液で反応を停止させた。これを塩化メチレンで抽出し、5%水酸化ナトリウム水溶液、水および塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥させた後、この溶液をろ過し、蒸発させて、粗生成物を得た。これをクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中3から5%メタノールの濃度勾配溶出)により精製することによって、表題化合物を得た(4.44g)。MS 293(M+1)H NMR(500MHz,CDOD)δ7.32(dd,J=5,1Hz,1H),6.85(dd,J=8,1Hz,1H),6.59(dd,J=8,5Hz,1H),4.04(d,J=13Hz,2H),3.46(m,1H),2.98(brs,2H),2.01(dd,J=12,2Hz,2H),1.46(s,9H),1.37(qd,J=12,4Hz,2H)。
【0142】
段階B. 2−オキソ−1−(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
カルボニルジイミダゾール(0.70g、4.33mmol)を、室温でアセトニトリル(150mL)中の2−アミノ−3−[(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン(1.15g、3.93mmol)の溶液に添加した。数時間後、追加量のカルボニルジイミダゾール(0.81g)を添加し、この反応物を一晩攪拌した。このアセトニトリルを真空下で蒸発させ、残留物を水とクロロホルムとで分配し、有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。この粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン中1.2から2.5%メタノールの濃度勾配溶出)により精製することによって、表題化合物を得た(1.09g)。H NMR(500MHz,CDCl)δ9.39(brs,1H),8.04(dd,J=5,1Hz,1H),7.33(dd,J=8,1Hz,1H),6.99(dd,J=8,5Hz,1H),4.50(m,1H),4.32(brs,2H),2.86(brs,2H),2.20(m,2H),1.86(d,J=12Hz,2H),1.50(s,9H)。
【0143】
中間体C. 二塩酸2−オキソ−1−(4−ピペリジニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
2−オキソ−1−(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(1.03g、3.23mmol)をメタノール(25mL)に溶解し、エーテル中2Nのエン酸の溶液(8mL)を室温で添加した。2時間後、真空下で揮発成分を除去して、表題化合物を得た(0.92g)。MS 219(M+1)。H NMR(500MHz,CDOD)δ8.01(dd,J=6,1Hz,1H),7.83(d,J=8Hz,1H),7.28(dd,J=8,6Hz,1H),4.60(m,1H),3.59(d,J=12Hz,2H),3.21(t,J=12Hz,2H),2.70(dq,J=13,4Hz,2H),2.12(d,J=13Hz,2H)。
【0144】
中間体2
【0145】
【化58】

【0146】
塩化4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル
ホスゲン(トルエン中20重量%;1.8mL、3.43mmol)を、0℃でジクロロメタン(5mL)中の二塩化−2−オキソ−1−ピペリジニウム−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−4−イウム(100mg、0.343mmol)および2,6−ルチジン(0.50mL、4.293mmol)の懸濁液に添加した。2時間後、この溶液を重炭酸ナトリウム飽和水溶液に添加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水(2x)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。ジクロロメタン(10mL)を添加し、この混合物をろ過して、表題化合物を固体として得た(48mg)。MS 281(M+1)。H NMR(500MHz,(CDSO)δ11.58(s,1H),7.90(d,J=5.1Hz,1H),7.67(d,J=7.6Hz,1H),7.01−6.99(m,1H),4.52−4.46(m,1H),4.31−4.23(m,2H),3.38−3.33(m,1H),3.19−3.14(m,1H),2.32−2.24(m,2H),1.84−1.81(m,2H)。
【0147】
中間体3
【0148】
【化59】

【0149】
塩化4,4,4−トリフルオロ−2−ヒドロキシブタン−1−アミニウム
2−(2,2,2−トリフルオロエチル)オキシラン(5.27g、41.8mmol)をアンモニアの溶液(メタノール中2M;170mL、340mmol)に添加し、この溶液を60℃に加熱した。1.25時間後、この混合物を放置して周囲温度に冷却し、20mLの体積に濃縮した。HCl(ジオキサン中4M;12mL、48mmol)をゆっくりと添加し、この混合物を濃縮して、白色の固体(4.0g)を得た。これは、純度85%であり、15%の二量体副生成物を不純物として有した。MS 144.1(M+H)。H NMR(500MHz,CDOD)δ4.17−4.12(m,1H),3.10(dd,J=12.9,2.9Hz,1H),2.89(dd,J=12.7,9.8Hz,1H),2.50,2.35(m,2H)。
【0150】
中間体4
【0151】
【化60】

【0152】
(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−チオキソアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル
段階A. 2−ブロモ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)プロパ−2−エン−1−アミン
トリエチルアミン(16.0mL、114mmol)を、ジクロロメタン(200mL)中の塩酸2,4−ジメトキシベンジルアミン(11.1g、54.5mmol)および2,3−ジブロモプロペン(10.9g、54.5mmol)の溶液に添加した。18時間後、水を添加し、この混合物をジクロロメタンで抽出した(3x)。併せた有機抽出物を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%ジクロロメタン→95%ジクロロメタン/5%(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、表題化合物を得た(7.85g)。
【0153】
段階B. (1R)−1−{[(2−ブロモプロパ−2−エニル)(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]カルボニル}ブタ−3−エニルカルバミン酸ベンジル
塩酸1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(55mg、0.285mmol)を、ジクロロメタン(5mL)中の2−ブロモ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)プロパ−2−エン−1−アミン(73mg、0.256mmol)および(2R)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ペンタ−4−エン酸(71mg、0.285mmol)の溶液に添加した。18時間後、この混合物を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン→30%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(77mg)。MS 517(M+1)。
【0154】
段階C. (1R)−1−{[[2−(2,3−ジフルオロフェニル)プロパ−2−エニル](2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]カルボニル}ブタ−3−エニルカルバミン酸ベンジル
ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム・ジクロロメタン付加体(0.726g、0.889mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(60mL)中の(1R)−1−{[(2−ブロモプロパ−2−エニル)(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]カルボニル}ブタ−3−エニルカルバミン酸ベンジル(9.2g、17.8mmol)、2,3−ジフルオロフェニルボロン酸(2.95g、18.7mmol)および炭酸ナトリウム(水中2M;19.6mL、39.1mmol)の溶液に添加し、この混合物を75℃に加熱した。2時間後、この混合物を放置して周囲温度に冷却し、ジクロロメタンで抽出した(3x)。併せた有機抽出物を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン→55%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(6.8g)。MS 551.2(M+1)。
【0155】
段階D. (3R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−オキソ−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン−3−イルカルバミン酸ベンジル
[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)−(トリクロロヘキシルホスフィン)ルテニウム](Grubbs第二世代触媒)(2.62g、3.09mmol)を、ジクロロメタン(1800mL)中の(1R)−1−{[[2−(2,3−ジフルオロフェニル)プロパ−2−エニル](2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]カルボニル}ブタ−3−エニルカルバミン酸ベンジル(6.8g、12.35mmol)の溶液に添加し、この溶液を40℃に加熱した。48時間後、追加の触媒(0.52g、0.61mmol)を添加し、この反応物をさらに48時間40℃で加熱し続けた。この混合物を放置して周囲温度に冷却し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン→55%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(3.71g)。MS 523.1(M+1)。
【0156】
段階E. (3R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン−3−イルカルバミン酸ベンジル
トリフルオロ酢酸(60mL)を、ジクロロメタン(40mL)中の(3R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−オキソ−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン−3−イルカルバミン酸ベンジル(3.70g、7.08mmol)の溶液に添加した。18時間後、この混合物を25℃で濃縮し、メタノール(150mL)を添加し、沈殿をろ過した。ろ液を濃縮し、ジクロロメタン(100mL)で希釈し、水(2x)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(2x)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン→65%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(1.75g)。MS 373.1(M+1)。
【0157】
段階F. (3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−オキソアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル
炭素担持10%パラジウム(700mg)を、トルエン(200mL)中の(3R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン−3−イルカルバミン酸ベンジル(2.6g、6.98mmol)および二炭酸ジ−t−ブチル(5.03g、23.0mmol)の溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素を詰め戻し(3x)、次いで、水素(1気圧)を詰め戻した。24時間後、この混合物をろ過し、濃縮した。分取逆相クロマトグラフィー(DeltaPak C18、15μ、47mm x 300mm、70mL/分;60分かけて、80%HO/NHOAc:20%CHCNから100%CHCN)による精製によって、純粋なトランス表題化合物を得た(1.2g)。MS 341.2(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl)δ7.07−7.04(m,2H),6.91−6.89(m,1H),6.04(brs,1H),5.93(d,J=5.6Hz,1H),4.46(dd,J=10.5,4.6Hz,1H),3.65−3.59(m,1H),3.21(dd,J=15.1,7.3Hz,1H),3.05−3.00(m,1H),2.25−2.20(m,1H),2.17−2.10(m,2H),1.79−1.71(m,1H),1.46(s,9H)。
【0158】
段階G. (3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−チオキソアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル
Lawesson試薬[2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド](2.90g、7.18mmol)を、トルエン(250mL)中の(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−オキソアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル(4.79g、14.1mmol)の懸濁液に添加し、この混合物を90℃に加熱した。1時間後、この反応物を放置して周囲温度に冷却し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→85%ジクロロメタン/酢酸エチル)による精製によって、白色の固体を得た。この固体をシリカゲルクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン→30%酢酸エチル/ヘキサン)により再び精製して、表題化合物を得た(4.81g)。MS 357.0(M+1)。H NMR(500MHz,CDCl)δ8.30(s,1H),7.10−7.04(m,2H),6.94−6.91(m,1H),6.50(d,J=6.1Hz,1H),4.62(dd,J=10.3,3.7Hz,1H),4.13−3.88(m,1H),3.36(dd,J=14.7,7.1Hz,1H),3.07(t,J=11.2Hz,1H),2.32−2.21(m,2H),2.14−2.12(m,1H),1.79−1.72(m,1H),1.47(s,9H)。
【0159】
または、(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−オキソアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル(中間体4の調製の段階F)は、次の手法で製造することができる:
段階H: N,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−D−グルタミン酸1−ベンジル5−メチル
DCM(400mL)およびMeOH(100mL)中のBoc−D−Glu−OBn(50.0g、148.2mmol)の溶液に、トリメチルシリルジアゾメタン(ヘキサン中2.0Mの溶液88.9mL、117.8mmol)を0℃で添加漏斗により1滴ずつ添加した。60分間後、この反応物を濃縮した。残留物をCHCN(400mL)で希釈し、(Boc)O(48.5g、222.3mmol)を添加し、続いて、DMAP(18.1g、14.8mmol)を添加した。24時間後、この反応物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(10%→60%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、表題化合物を得た(48.20g、72%)。MS 252.2(M+1−2Boc)。
【0160】
段階I. (2R,5E)−2−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−6−ニトロヘクス−5−エン酸ベンジル
EtO(400mL)中の−78℃のN,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−D−グルタミン酸1−ベンジル5−メチル(48.2g、106.8mmol)に、DIBAL(トルエン中1.0Mの溶液133.4mL、133.4mmol)を、内部温度を−65℃より高くさせないように、ゆっくりと添加した。15分後、さらに20mLのDIBALを添加した。さらに20分間攪拌した後、水(300mL)を添加し、この反応物を室温に温め、30分間攪拌した。この混合物をEtOおよびHOでさらに希釈し、層を分離し、水性相をさらなるEtOで抽出した。併せた有機抽出物を酒石酸カリウムナトリウムの飽和水溶液で洗浄し(2x)、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して、N,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−5−オキソ−D−ノルバリン酸ベンジル(44.4g)を得、これを次の段階に直接持っていった。MS 444.1(M+Na)。この材料をトルエン(310mL)に溶解し、ニトロメタン(57.1mL、1.05mol)および1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(1.3mL、10.5mmol)を0℃で添加した。30分間攪拌した後、ニトロアルドール反応は完了し、そこで塩化メタンスルホニル(12.2mL、158mmol)、続いてトリエチルアミン(22.0mL、158mmol)を0℃で添加し、この反応物を放置して室温に温めた。1時間後、4mLのMsClおよび5.5mLのトリエチルアミンを添加した。さらに30分間攪拌した後、この混合物をEtOおよびNaHCOで希釈し、相を分離し、水性層を別分のEtOで逆洗した。併せた有機部分を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して残留物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(5%→50%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、表題化合物を得た(34.3g、70%)。MS 487.1(M+Na)。
【0161】
段階J. (5S)−N,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−5−(2,3−ジフルオロフェニル)−6−ニトロ−D−ノルロイシン酸ベンジル
ジオキサン(240mL)中の(2R,5E)−2−[ビス(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−6−ニトロヘクス−5−エン酸ベンジル(34.0g、73.2mmol)、2,3−ジフルオロフェニルボロン酸(28.9g、183.0mmol)および水(4.62mL、256.2mmol)の溶液を15分間、アルゴンで脱気した。この溶液に、重炭酸ナトリウム(3.08g、36.6mmol)、(S)−BINAP(1.28g、2.05mmol)およびアセチルアセタノトビス(エチレン)ロジウム(I)(0.472g、1.83mmol)を添加した。この混合物を室温で2分間攪拌し、次いで、35℃に加熱した。4時間後、255mgの(S)−BINAPおよび94mgのアセチルアセタノトビス(エチレン)ロジウム(I)を添加した。さらに2時間後、この反応物をDCM/NaHCOで希釈し、層を分離し、水性層を別分のDCMで逆洗した。併せた有機部分を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して残留物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(5%→60%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、〜5%の5R異性体を不純物として有する表題化合物(37.0g、87%)を得た。MS 379.1(M+1−2Boc)。
【0162】
段階K. (5S)−N,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−5−(2,3−ジフルオロフェニル)−D−リシン
EtOH(175mL、AldrichからのSureSeal)中の(5S)−N,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−5−(2,3−ジフルオロフェニル)−6−ニトロ−D−ノルロイシン酸ベンジル(15.5g、26.8mmol)および10%Pd/C(12.0g)の溶液を55psiで一晩水素化した。18時間後、別の4gの10%Pd/Cを添加し、この反応物を55psiでさらに18時間水素化した。この反応物をさらなるEtOHとともにCeliteに通してろ過し、濃縮して、表題化合物を得た(12.0g)。MS 459.2(M+1)。
【0163】
段階L. (3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−チオキソアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル
DCM(700mL)中の(5S)−N,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−5−(2,3−ジフルオロフェニル)−D−リシン(22.0g、48.0mmol)の溶液に、EDC(11.0g、57.6mmol)およびHOAT(3.27g、24.0mmol)を添加し、続いて、トリエチルアミン(10.0mL、72.0mmol)を添加した。60分間後、NaHCOを添加し、層を分離し、水性相をDCMで逆洗した。併せた有機部分を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(10%MeOH/DCM)により精製して、環化化合物を得た(18.0g)。この物質の一部(2.60g、5.90mmol)をDCM(60mL)で希釈し、TFA(1.20mL、11.8mmol)を添加した。1時間後、NaHCOを添加し、層を分離し、水性相をDCMで逆洗した。併せた有機部分を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(5%→50%EtOAc/DCM)により精製して、表題化合物を得た(1.14g)。MS 341.1(M+1)。
【0164】
中間体5
【0165】
【化61】

【0166】
N−[(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−チオキソアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
段階A: (3R,6S)−3−アミノ−6−(2,3−ジフルオロフェニル)アゼパン−2−チオン
トリフルオロ酢酸(5mL、49.6mmol)を、ジクロロメタン(10mL)中の(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−チオキソアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル(680mg、1.91mmol)の溶液に添加した。1時間後、この反応物を濃縮した。重炭酸ナトリウム飽和水溶液を添加し、この混合物をジクロロメタンで抽出した(3x)。併せた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して、表題化合物を得た(489g)。MS 257.0(M+1)。
【0167】
段階B. N−[(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−チオキソアゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
トリエチルアミン(0.45mL、3.25mmol)を、ジクロロメタン(70mL)中の(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−チオキソアゼパン−3−イルカルバミン酸t−ブチル(416mg、1.62mmol)および塩化4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル(466mg、1.66mmol)の溶液に添加し、この混合物を加熱して還流させた。18時間後、この混合物を放置して周囲温度に冷却し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→95%ジクロロメタン/メタノール)による精製によって、表題化合物を得た(685mg)。MS 501.0(M+1)。
【0168】
中間体6
【0169】
【化62】

【0170】
[(6S,9R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−エチル−2,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−3H−イミダゾ[1,2−a]アゼピン−9−イル]カルバミン酸t−ブチル
段階A: {(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシブチル)イミノ]アゼパン−3−イル}カルバミン酸t−ブチル
塩化水銀(II)(174mg、0.640mmol)を、55℃でエタノール(5mL)中の[(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−チオキソアゼパン−3−イル]カルバミン酸t−ブチル(190mg、0.533mmol)および1−アミノブタン−2−オール(152μL、1.60mmol)の溶液に添加した。30分後、この反応物を放置して周囲温度に冷却した。この混合物をろ過し、濃縮した。炭酸ナトリウム飽和水溶液を添加し、この混合物をジクロロメタンで抽出した(3x)。併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して、表題化合物を得た(238mg)。MS 412.2(M+1)。
【0171】
段階B: [(6S,9R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−エチル−2,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−3H−イミダゾ[1,2−a]アゼピン−9−イル]カルバミン酸t−ブチル
塩化メタンスルホニル(204μL、1.79mmol)を、0℃でアセトニトリル(15mL)中の{(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシブチル)イミノ]アゼパン−3−イル}カルバミン酸t−ブチル(223mg、0.542mmol)およびトリエチルアミン(378μL、2.71mmol)の溶液に添加した。この混合物を放置して周囲温度に温めた。18時間後、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を添加し、この混合物をジクロロメタンで抽出した(2x)。併せた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[100%ジクロロメタン→90%ジクロロメタン/(10%水酸化アンモニウム/メタノール)]による精製によって、表題化合物を得た(122mg)。MS 394.2(M+1)。
【0172】
中間体7
【0173】
【化63】

【0174】
[(6S,9R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−3H−イミダゾ[1,2−a]アゼピン−9−イル]カルバミン酸t−ブチル
本質的には、中間体6の調製について略述した手順に従って調製した。MS 448.2(M+1)。
【0175】
(実施例1)
【0176】
【化64】

【0177】
N−[(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(メチルイミノ)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)アゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
段階A: [(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−チオキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)アゼパン−3−イル]カルバミン酸t−ブチル
水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物;39mg、0.975mmol)を、−25℃でN,N−ジメチルホルムアミド中の[(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−チオキソアゼパン−3−イル]カルバミン酸t−ブチル(202mg、0.567mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(141μL、1.131mmol)の溶液に添加した。15分後、水を添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し(2x)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0%ヘキサン→30%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(105mg)。MS 439.1(M+1)。
【0178】
段階B: (3R,6S)−3−アミノ−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)アゼパン−2−チオン
塩酸(ジオキサン中4.0M;3mL、12.0mmol)を、1,4−ジオキサン(3mL)中の[(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−チオキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)アゼパン−3−イル]カルバミン酸t−ブチル(105mg、0.239mmol)の溶液に添加した。1時間後、この反応物を濃縮して、表題化合物を二塩酸塩として得た(96mg)。MS 339.1(M+1)。
【0179】
段階C: N−[(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−チオキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)アゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
トリエチルアミン(100μL、0.720mmol)を、ジクロロメタン(10mL)中の(3R,6S)−3−アミノ−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)アゼパン−2−チオンの二塩酸塩(90mg、0.240mmol)および塩化4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル(74mg、0.264mmol)の溶液に添加し、この混合物を加熱して還流させた。18時間後、この反応物を放置して周囲温度に冷却し、水を添加し、この混合物をジクロロメタンで抽出した(3x)。併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→95%ジクロロメタン/メタノール)による精製によって、表題化合物を得た(78mg)。MS 583.2(M+1)。
【0180】
段階D: N−[(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−(メチルイミノ)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)アゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
塩化水銀(II)(23mg、0.084mmol)を、エタノール(1mL)中のN−[(3R,6S)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−2−チオキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)アゼパン−3−イル]−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド(32mg、0.055mmol)およびメチルアミン(テトラヒドロフラン中2.0M;274μL、0.547mmol)の溶液に添加した。2時間後、この混合物をろ過し、濃縮した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→100%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含有))による精製によって、表題化合物を二トリフルオロ酢酸塩として得た(33mg)。MS 580.2415(M+1)。
【0181】
本質的には、実施例1の調製について略述した手順に従って、表1の実施例を調製した。
【0182】
【表1】

【0183】
(実施例8)
【0184】
【化65】

【0185】
N−[(6S,9R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−エチル−2,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−3H−イミダゾ[1,2−a]アゼピン−9−イル]−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
段階A: (6S,9R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−エチル−2,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−3H−イミダゾ[1,2−a]アゼピン−9−アミン
塩酸(ジオキサン中4.0M;3mL、12.0mmol)を、1,4−ジオキサン(3mL)中の[(6S,9R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−エチル−2,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−3H−イミダゾ[1,2−a]アゼピン−9−イル]カルバミン酸t−ブチル(122mg、0.310mmol)の溶液に添加した。1時間後、この反応物を濃縮して、表題化合物を二塩酸塩として得た(136mg)。MS 294.1(M+1)。
【0186】
段階B: N−[(6S,9R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−エチル−2,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−3H−イミダゾ[1,2−a]アゼピン−9−イル]−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
トリエチルアミン(17μL、0.124mmol)を、ジクロロメタン(1mL)中の(6S,9R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−エチル−2,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−3H−イミダゾ[1,2−a]アゼピン−9−アミン(13mg、0.035mmol)および塩化4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル(15mg、0.053mmol)の溶液に添加した。18時間後、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を添加し、この混合物をジクロロメタンで抽出した(3x)。併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→30%水/(アセトニトリルと0.1%トリフルオロ酢酸))による精製によって、表題化合物を得た(8mg)。MS 538.2710(M+1)。
【0187】
(実施例9)
【0188】
【化66】

【0189】
N−[(6S,9R)−6−(2,3−ジフルオロフェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−3H−イミダゾ[1,2−a]アゼピン−9−イル]−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
本質的には、実施例8の調製について略述した手順に従って調製した。MS 592.2408(M+1)。
【0190】
本発明のある特定の実施形態を参照して本発明を説明および例証したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく手順およびプロトコルの様々な適応、変更、修飾、置換、削除または追加を行うことができることは、当業者には理解されるであろう。例えば、上に示した本発明の化合物で任意の適応症の治療を受ける哺乳動物の反応の変化の結果として、本明細書に記載する特定の投薬量以外の有効な投薬量が適用可能である場合もある。同様に、観察される具体的な薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物、または医薬担体が存在するかどうか、ならびに利用される調合物のタイプおよび投与方式に従っておよび依存して変わることがあり、結果に関するこうした予想される変化または違いは、本発明の目的および実施に従って熟慮される。従って、本発明は、後続の特許請求の範囲により定義されるものとし、こうした特許請求の範囲は、妥当な限り広く解釈するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

(式中、
Zは、
【化2】

から選択され;
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり;
Bは、(C(Rであり;
は、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および、
v)O(CO)R]
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R]
から、独立して選択され;
この場合、任意の2個の独立したRとこれらが結合している単数または複数の原子とが場合によっては一緒になって、ジヒドロ−イミダゾリル、テトラヒドロ−ピリミジルおよびテトラヒドロ−ジアゼピニルを含むC5−7複素環から選択される環を形成し;
は、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および、
v)O(CO)R]
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R]
から、独立して選択され、この場合、
同じまたは隣接した原子上の任意の2個の独立したRが場合によっては一緒になって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS−ジオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成し;
10およびR11は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[非置換または、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され、この場合、R10およびR11は場合によっては一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成し、非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている環であり;
は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[非置換または、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され;
Wは、O、NRまたはC(Rであり;
Xは、CまたはSであり;
Yは、O、(R、NCN、NSOCHまたはNCONHであるか、またはYは、XがSであるときにはOであり;
は、Hおよび:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から、独立して選択され;
Jは、結合、C(R、OまたはNRであり;
Vは、結合、C(R、O、S(O)、NR、C(R−C(R、C(R)=C(R)、C(R−N(R)、C(R)=N、N(R)−C(R、N=C(R)、およびN(R)−N(R)から選択され;
G−Lは、N、N−C(R、C=C(R)、C=N、C(R)、C(R)−C(R、C(R)−C(R−C(R、C=C(R)−C(R、C(R)−C(R)=C(R)、C(R)−C(R−N(R)、C=C(R)−N(R)、C(R)−C(R)=N、C(R)−N(R)−C(R、C=N−C(R、C(R)−N=C(R)、C(R)−N(R)−N(R)、C=N−N(R)、N−C(R−C(R、N−C(R)=C(R)、N−C(R−N(R)、N−C(R)=N、N−N(R)−C(RおよびN−N=C(R)から選択され;
Qは、
(1)=C(R7a)−、
(2)−C(R7a−、
(3)−C(=O)−
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7a)−
から、独立して選択され;
Tは、
(1)=C(R7b)−、
(2)−C(R7b−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7b)−
から、独立して選択され;
は、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから、独立して選択され;
7aおよびR7bは、Rから各々独立して選択され、この場合、R7aおよびR7bおよびこれらが結合している単数または複数の原子とが場合によっては一緒になって、C3−6シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールから選択される環を形成し、この環は、非置換または、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
pは、0から2q+1(q個の炭素を有する置換基について)であり;
mは、0、1または2であり;
nは、0または1であり;
sは、1、2または3である)
ならびにこの医薬的に許容される塩ならびに個々のジアステレオマー。
【請求項2】
式Iaを有する、請求項1の化合物
【化3】

(式中、
Aは、結合、C(R、O、S(O)またはNRであり;
Bは、(C(Rであり;
nは、0または1である)
ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項3】
式Ibを有する、請求項1の化合物
【化4】

ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項4】
式Icを有する、請求項1の化合物
【化5】

(式中、Aは、C(R、O、S(O)またはNRである)
ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項5】
式Idを有する、請求項1の化合物
【化6】

(式中、Aは、C(R、O、S(O)またはNRである)
ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項6】
請求項1の化合物であって、
が、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R];および
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、以下から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および、
m)O(CO)R]
から選択され;
この場合、任意の2個の独立したRおよびこれらが結合している単数または複数の原子とが場合によっては一緒になって、ジヒドロ−イミダゾリル、テトラヒドロ−ピリミジルおよびテトラヒドロ−ジアゼピニルを含むC5−7複素環から選択される環を形成し;
が、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)S(O)
l)CN、
m)NR1011、および
n)O(CO)R];および
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、以下から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R]
から選択され、この場合、
同じまたは隣接した原子上の任意の2個の独立したRが場合によっては一緒になって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS−ジオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成し;
10およびR11が、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[非置換または、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され、この場合、R10およびR11が場合によっては一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルならびにモルホリニルから選択される環を形成し、この環は、非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
が、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[非置換または、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され;
Wが、O、NRまたはC(Rであり;
が、Hおよび:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011および
m)O(CO)R
から、独立して選択され;および
Zが、Z1であり、ならびに:
Jが、結合であり、およびVが、結合であるか、または
Jが、結合であり、Vが結合であり、およびTが、−C(=O)−であるか、または
Jが、結合であり、Vが、結合、C(R、O、S(O)、NR、C(R−C(R、C(R)=C(R)、C(R−N(R)、C(R)=N、N(R)−C(R、N=C(R)またはN(R)−N(R)であるか、または
Jが、結合、C(R、OもしくはNRであり、Vが結合であるか、または
Zが、Z2であり、ならびに、G−Lが、N、N−C(R、C=C(R)、C=NおよびN−C(R−C(R)から選択され;
Qが、
(1)=C(R7a)−、
(2)−C(R7a−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7a)−
から独立して選択され;
Tが、
(1)=C(R7b)−、
(2)−C(R7b−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7b)−
から独立して選択され;
が、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから、独立して選択され;
7aおよびR7bが、Rから各々独立して選択され、この場合、R7aおよびR7bおよびこれらが結合している単数または複数の原子とが場合によっては一緒になって、C3−6シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールから選択される環を形成し、この環は、非置換または、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
pは、0から2q+1(q個の炭素を有する置換基について)であり;
mは、0から2であり;
sは、1から3である、
化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項7】
請求項1の化合物であって、
が、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)フェニル(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合のヘテロアリールは、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、ジオキサン、ジオキソラン、モルホリン、オキセタン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロフランおよびテトラヒドロピランから選択される)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011
m)O(CO)R]
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、フェニル、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジンおよびチアゾールから選択される]
から選択され;
が、
1)H、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)フェニル(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、ならびにこの場合のヘテロアリールは、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される)、
e)複素環(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基はRから選択され、ならびにこの場合の複素環は、アゼチジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキセタン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアゾリンおよびチアゾリジンから選択される)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R];および
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている、フェニル、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソオキサゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、チアゾール、チオフェンおよびトリアゾールから選択される]
から選択され;この場合、
同じまたは隣接した原子上の任意の2個の独立したRが場合によっては一緒になって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS−ジオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成し;
10およびR11が、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[非置換または、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され、この場合、R10とR11とが場合によっては一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成し、この環は、非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
が、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびフェニル[非置換または、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され;
Wが、NRまたはC(Rであり;
が、Hおよび:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)(F)1−3アルキル、
d)ハロゲン、
e)OR
f)CO
g)(CO)NR1011
h)SONR1011
i)N(R10)SO11
j)S(O)
k)CN、
l)NR1011、および
m)O(CO)R
から、独立して選択され;
Zが、Z1であり、ならびに:
Jが、結合であり、Vが、結合であり、Qが、−N(R7a)−であり、およびTが、−C(=O)−であるか、または
Jが、結合であり、Vが、結合であり、Qが、−C(R7a−であり、およびTが、−C(=O)−であるか、または
Jが、結合であり、Vが、結合であり、Qが、−N=であり、およびTが、=C(R7b)−であるか、または
Jが、結合であり、Vが、結合であり、Qが、−C(R7a−であり、およびTが、−C(R7b−であるか、または
Jが、結合であり、Vが、結合であり、Qが、−C(R7a)=であり、Tが、=C(R7b)−である[この場合、R7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン、ピリジン、もしくはジアジン環を形成する]か、または
Jが、結合であり、Vが、C(Rであり、Qが、−C(R7a)=であり、Tが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼンもしくはピリジン環を形成するか、または
Jが、Oであり、Vが、結合であり、Qが、−C(R7a)=であり、Tが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼンもしくはピリジン環を形成するか、または
Zが、Z2であり、ならびに:
G−Lが、Nであり、Qが、−C(R7a−であり、およびTが、−C(R7b−であるか、または
G−Lが、Nであり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であるか、または
G−Lが、Nであり、Qが、−N=であり、およびTが、=C(R7b)−であるか、または
G−Lが、Nであり、Qが、−C(R7a−であり、およびTが、−C(O)−であるか、または
G−Lが、C=C(R)であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であるか、または
G−Lが、C=C(R)であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=N−であるか、または
G−Lが、C=C(R)であり、Qが、−N=であり、およびTが、=C(R7b)−であるか、または
G−Lが、C=Nであり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であるか、または
G−Lが、Nであり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン、ピリジン、もしくはジアジン環を形成するか、または
G−Lが、N−C(R−であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼンもしくはピリジン環を形成するか、または
G−Lが、C=Nであり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン環を形成するか、または
G−Lが、C=C(R)であり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン環を形成するか、または
G−Lが、N−C(R−C(Rであり、Qが、−C(R7a)=であり、およびTが、=C(R7b)−であり、ならびにR7aおよびR7bが結合している原子が一緒になって、ベンゼン環を形成し;
が、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから、独立して選択され;
7aおよびR7bが、Rから各々独立して選択され、この場合、R7aおよびR7bおよびこれらが結合している単数または複数の原子とが場合によっては一緒になって、C3−6シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールから選択される環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されている)を形成し;
pが、0から2q+1(q個の炭素を有する置換基について)であり;
mが、0から2であり;
sが、1から3である、
化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項8】
式IIの化合物
【化7】

(式中、
Zは
【化8】

選択され、
Bは、(C(Rであり;
は、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および、
v)O(CO)R]
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R]
から、独立して選択され;
この場合、任意の2個の独立したRおよびこれらが結合している単数または複数の原子とが場合によっては一緒になって、ジヒドロ−イミダゾリル、テトラヒドロ−ピリミジルおよびテトラヒドロ−ジアゼピニルを含むC5−7複素環から選択される環を形成し;
は、
1)H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および、
v)O(CO)R]
2)アリールまたはヘテロアリール[非置換または、以下から各々独立して選択される1個以上の置換基で置換されている:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R]
から、独立して選択され;この場合、
同じまたは隣接した原子上の任意の2個の独立したRが場合によっては一緒になって、シクロブチル、シクロペンテニル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、チアゾリル、チアゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピロリル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリン、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS−ジオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成し;
10およびR11は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[非置換または、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され、この場合、R10およびR11は場合によっては一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成し、非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている環であり;
は、H、C1−6アルキル、(F)1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[非置換または、ハロゲン、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシで置換されている]から、独立して選択され;
Wは、O、NRまたはC(Rであり;
Xは、CまたはSであり;
Yは、O、(R、NCN、NSOCHまたはNCONHであるか、またはYは、XがSであるときにはOであり;
は、Hおよび:
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(非置換または、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、Rから独立して選択される)、
d)ヘテロアリール(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
e)複素環(非置換または、Rから各々独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
f)(F)1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR
i)O(CHOR
j)CO
k)(CO)NR1011
l)O(CO)NR1011
m)N(R)(CO)NR1011
n)N(R10)(CO)R11
o)N(R10)(CO)OR11
p)SONR1011
q)N(R10)SO11
r)S(O)10
s)CN、
t)NR1011
u)N(R10)(CO)NR11、および
v)O(CO)R
から、独立して選択され;
Jは、結合、C(R、OまたはNRであり;
Vは、結合、C(R、O、S(O)、NR、C(R−C(R、C(R)=C(R)、C(R−N(R)、C(R)=N、N(R)−C(R、N=C(R)、およびN(R)−N(R)から選択され;
G−Lは、N、N−C(R、C=C(R)、C=N、C(R)、C(R)−C(R、C(R)−C(R−C(R、C=C(R)−C(R、C(R)−C(R)=C(R)、C(R)−C(R−N(R)、C=C(R)−N(R)、C(R)−C(R)=N、C(R)−N(R)−C(R、C=N−C(R、C(R)−N=C(R)、C(R)−N(R)−N(R)、C=N−N(R)、N−C(R−C(R、N−C(R)=C(R)、N−C(R−N(R)、N−C(R)=N、N−N(R)−C(RおよびN−N=C(R)から選択され;
Qは、
(1)=C(R7a)−、
(2)−C(R7a−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7a)−
から、独立して選択され;
Tは、
(1)=C(R7b)−、
(2)−C(R7b−、
(3)−C(=O)−、
(4)−S(O)−、
(5)=N−、および
(6)−N(R7b)−
から、独立して選択され;
は、H、置換または非置換C−Cアルキル、F、CNおよびCOから、独立して選択され;
7aおよびR7bは、Rから各々独立して選択され、この場合、R7aおよびR7bおよびこれらが結合している単数または複数の原子とが場合によっては一緒になって、C3−6シクロアルキル、アリール、複素環およびヘテロアリールから選択される環を形成し、この環は、非置換または、Rから各々独立して選択される1から10個の置換基で置換されており;
pは、0から2q+1(q個の炭素を有する置換基について)であり;
mは、0、1または2であり;
nは、0または1であり;
sは、1、2または3である)
ならびにこの医薬的に許容される塩ならびに個々のジアステレオマー。
【請求項9】
【化9】


から選択される化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々のジアステレオマー。
【請求項10】
不活性担体および請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物の有効量の投与を含む、哺乳動物におけるCGRP受容体活性の拮抗方法。
【請求項12】
頭痛、偏頭痛もしくは群発性頭痛の治療、制御もしくは改善、またはのリスクの低減を、こうした必要がある哺乳動物患者において行うための方法であって、請求項1の化合物の治療有効量を前記患者に投与することを含む、方法。

【公表番号】特表2008−516957(P2008−516957A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536833(P2007−536833)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/036659
【国際公開番号】WO2006/044449
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】