説明

CSF−1Rキナーゼ阻害剤としての4−アニリノキノリン−3−カルボキサミド

本発明は、CSF−1Rキナーゼ阻害活性を有し、従ってそれらの抗癌活性のために有用であり、それ故にヒトまたは動物の身体の治療方法に有用な、式IAまたは式IBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩に関する。本発明はまた、前記化合物の製造方法と、それを含有する医薬組成物と、ヒト等の温血動物において抗癌効果を生じさせる際に使用される医薬の製造におけるその使用とに関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
本発明は、コロニー刺激因子1受容体(CSF−1R)キナーゼ阻害活性を有し、従ってそれらの抗癌活性のために有用であり、それ故にヒトまたは動物の身体の治療方法に有用な化合物またはその医薬的に許容し得る塩に関する。本発明はまた、前記化合物の製造方法と、それを含有する医薬組成物と、ヒト等の温血動物において抗癌効果を生じさせる際に使用される医薬の製造におけるその使用とに関する。
【0002】
受容体型チロシンキナーゼ(RTK)は、細胞シグナル伝達に重要な役割を果たし、かつ細胞の増殖、生存、血管新生、浸潤、転移等の種々の癌関連の過程に関与するタンパク質キナーゼのサブファミリーである。CSF−1Rを含む少なくとも96種の異なるRTKが存在すると考えられている。
【0003】
CSF−1Rまたはc−fmsは、もともとネコ肉腫ウイルス由来の腫瘍遺伝子v−fmsとして同定されたものである。CSF−1Rは、c−Kit、fms関連チロシンキナーゼ3(Flt3)ならびに血小板由来増殖因子受容体αおよびβ(PDGFRα及びPDGFRβ)と同様にクラスIII RTKのメンバーである。これらのキナーゼのすべては、腫瘍形成の過程に関与している。CSF−1Rは、未成熟の130kDaの膜貫通タンパク質として通常は発現し、最終的には成熟した145〜160kDaの細胞表面N結合型グルコシル化タンパク質となる。マクロファージコロニー刺激因子(M−CSFまたはCSF−1)、すなわちCSF−1Rに対するリガンドは前記受容体に結合し、それにより、前記受容体の二量体化や自己リン酸化、その後の下流のシグナル伝達カスケードの活性化が生じる(C.J. Sherr, Biochim Biophys Acta, 1988, 948:225-243)。
【0004】
CSF−1Rは、単核性食細胞系の骨髄性細胞およびその骨髄前駆細胞、ならびに泌乳中(通常の休止時を除く)の乳房組織内の乳管および乳腺小葉の上皮細胞中に通常発現する。CSF−1Rの活性化により、単球/マクロファージ系の細胞の増殖、生存、運動性および分化が刺激される。成熟したマクロファージは、正常な組織の発育および免疫防御に主要な役割を果たす(F.L. Pixley and E.R. Stanley, Trends in Cell Biology, 2004, 14(11):628-638)。例えば、骨芽細胞はCSF−1を分泌し、破骨前駆細胞上の受容体を活性化し、それにより成熟破骨細胞への分化が生じる(S.L. Teitelbaum, Science, 2000, 289: 1504-1508)。CSF−1Rの軸は、胎盤発育、胚着床、乳腺管および小葉腺胞(lobuloalveolar)の発育ならびに泌乳に重要な役割を果たす(E. Sapi, Exp Biol Med, 2004, 229:1-11)。
【0005】
CSF−1の有無にかかわらず、CSF−1Rのトランスフェクションは、NIH3T3、Rat2および卵巣顆粒膜細胞の形質転換およびインビボでの腫瘍形成能を誘導する。自己分泌シグナル伝達機構および/または傍分泌シグナル伝達機構は、上皮系腫瘍および腫瘍関連マクロファージにおけるCSF−1Rの活性化に関与しているとみなされてきた。CSF−1Rおよび/またはそのリガンドの異常な発現および活性化は、ヒト骨髄性白血病、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌および種々の他の癌で明らかにされている。多くの研究により、CSF−1Rの過剰発現は、これらの癌のいくつかにおいては予後不良に関連していることが実証されている。さらに、CSF−1/CSF−1Rの軸は、腫瘍関連マクロファージの調節に主要な役割を果たすが、その腫瘍関連マクロファージは、腫瘍の血管新生、浸潤および進行において重大な役割を果たすとみなされてきたものである(E. Sapi, Exp Biol Med, 2004, 229:1-11)。
【0006】
発明の要旨および発明の詳細な説明
従って、本発明は、式IAまたは式IB:
【0007】
【化1】

【0008】
の化合物またはその医薬的に許容し得る塩を提供するものであって、式中、
【0009】
【化2】

【0010】
は、3〜10員の窒素結合の複素環またはヘテロアリールであり、ここで該複素環またはヘテロアリールが−NH−部分を含有する場合、その窒素はRから選択される基により置換されていてもよく;
は、各存在において独立して、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、ホルミル、シアノ、−COH、−SH、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−NR’R”、−NR’−C(O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキルS(O)−(式中aは0〜2)、−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル、−NR’−SO−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)NR’R”、−SO−NR’R”、−C(O)−NR’R”、カルボシクリル(carbocyclyl)、ヘテロシクロ、ヘテロアリールまたはオキソであり;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、ホルミル、−COH、−SH、シアノ、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、−O−(C−C)シクロアルキル、−OC(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−NR’R”、−NR’−C(O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキルS(O)−(式中aは0〜2)、−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル、−NR’−SO−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)NR’R”、−SO−NR’R”、−C(O)−NR’R”、−OC(O)−NR’R”、カルボシクリル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールまたは(C−C)アルコキシであり;
は、各存在において独立して、ハロ、ニトロ、ホルミル、シアノ、ヒドロキシ、−NR’R”、−COH、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、−NR’−C(O)−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)NR’R”、−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル、−O−C(O)−(C−C)アルキル、−SH、−SO−NR’R”、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルS(O)−(式中aは0〜2)、−NR’−SO−(C−C)アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクロまたはヘテロアリールであり、ここで該ヘテロシクロまたはヘテロアリールが−NH−部分を含有する場合、その窒素が(C−C)アルキルにより置換されていてもよく;または
隣接する炭素上の2つのR基は、S、OまたはNR(式中Rは存在しないか、Hまたは(C−C)アルキルである)から選択される0、1または2個のヘテロ原子を任意に含む5員または6員の飽和、部分的に不飽和、不飽和および/または芳香族の環を形成してもよく;
は水素またはハロであり;
mは0〜3であって、Rの意味は同一または異なってよく;
nは0〜3であって、Rの意味は同一または異なってよく;
pは各存在において独立して1または2であり;そして
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−C(O)−(C−C)アルキル、−S(O)(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイルおよびフェニルスルホニルから選択され;
R’およびR”は、各存在において独立して、H、置換されていてもよい(C−C)アルキル、または、置換されていてもよいアリールであるか、または、それらが結合する窒素と共に、NRから選択される0または1個のさらなるヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和の置換されていてもよい3〜6員環を形成するものであり、ここで該任意の置換基は、1個以上のRから選択でき;
は、独立して(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、−NR、−COORまたは−CONRであり;かつ
およびRは、互いに独立して、水素または(C−C)アルキルであり;ここで
各R、R、R、RおよびRは、炭素上で1個以上のホルミル、−SH、アジド、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−NR’R”、−COH、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、−S−(C−C)アルキル、−SO−(C−C)アルキル、−SONR’R”、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−NR’−C(O)−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル、−NR’−SO−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)NR’R”、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルまたは(C−C)アルコキシにより置換されていてもよい。
【0011】
本発明のさらなる側面において、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩が提供され、式中、
【0012】
【化3】

【0013】
は、3〜8員の複素環またはヘテロアリールであり;
は、各存在において独立して、ハロ、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”またはオキソであり;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシであり;
は、各存在において独立して、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、NR’R”、COH、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、−NR−C(O)−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)NR’R”、−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル、−OC(O)−(C−C)アルキル、SH、−SO−NR’R”、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルS(O)(式中aは0〜2)、−NR’−SO−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクロまたはヘテロアリールであり、ここで該ヘテロシクロまたはヘテロアリールが−NH−部分を含有する場合、その窒素が(C−C)アルキルにより置換されていてもよく;かつ
2つのR基が隣接する炭素上に存在する場合、それらは、S、OまたはNR(式中RはHまたは(C−C)アルキル、SあるいはOである)から選択される0、1または2個のヘテロ原子を任意に含む5員または6員の飽和、部分的に不飽和、または芳香族の環を形成してもよく;
は水素またはハロであり;
mは0〜3であり;
nは0〜3であり;
pは各存在において独立して1または2であり;かつ
R’およびR”は、各存在において独立して、H、(C−C)アルキル、またはアリールであるか、または、それらが結合する窒素と共に、NRから選択される0または1個のさらなるヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和の置換されていてもよい3〜6員環を形成するものであり;かつ
各R、R、RおよびRは、炭素上でアジド、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、NR’R”、−COH、C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、S(C−C)、SO(C−C)アルキル、SONH(C−C)アルキル、SONR’R”、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルまたは(C−C)アルコキシにより置換されていてもよい。
【0014】
本発明のさらなる側面において、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩が提供され、式中、
【0015】
【化4】

【0016】
は、3〜8員の窒素結合の複素環またはヘテロアリールであり、ここで該複素環またはヘテロアリールが−NH−部分を含有する場合、その窒素がRから選択される基により置換されていてもよく;
は、各存在において独立して、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、ホルミル、シアノ、−COH、−SH、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−NR’R”、−NR’−C(O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキルS(O)−(式中aは0〜2)、−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル、−NR’−SO−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)NR’R”、−SO−NR’R”、−C(O)−NR’R”、カルボシクリル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールまたはオキソであり;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、ホルミル、−COH、−SH、シアノ、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、−O−(C−C)シクロアルキル、−OC(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−NR’R”、−NR’−C(O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキルS(O)−(式中aは0〜2)、−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル、−NR’−SO−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)NR’R”、−SO−NR’R”、−C(O)−NR’R”、−OC(O)−NR’R”、カルボシクリル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールまたは(C−C)アルコキシであり;
は、各存在において独立して、ハロ、ニトロ、ホルミル、シアノ、ヒドロキシ、−NR’R”、−COH、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、−NR’−C(O)−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)NR’R”、−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル、−O−C(O)−(C−C)アルキル、−SH、−SO−NR’R”、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルS(O)−(式中aは0〜2)、−NR’−SO−(C−C)アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクロまたはヘテロアリールであり、ここで該ヘテロシクロまたはヘテロアリールが−NH−部分を含有する場合、その窒素が(C−C)アルキルにより置換されていてもよく;または
隣接する炭素上の2つのR基は、S、OまたはNR(式中Rは存在しないか、Hまたは(C−C)アルキルである)から選択される0、1または2個のヘテロ原子を任意に含む5員または6員の飽和、部分的に不飽和、不飽和および/または芳香族の環を形成してもよく;
は水素またはハロであり;
mは0〜3であって、Rの意味は同一または異なってよく;
nは0〜3であって、Rの意味は同一または異なってよく;
pは各存在において独立して1または2であり;かつ
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−C(O)−(C−C)アルキル、−S(O)(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイルおよびフェニルスルホニルから選択され;
R’およびR”は、各存在において独立して、H、置換されていてもよい(C−C)アルキル、または置換されていてもよいアリールであるか、または、それらが結合する窒素と共に、NRから選択される0または1個のさらなるヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和の置換されていてもよい3〜6員環を形成するものであり、ここで該任意の置換基は、1個以上のRから選択することが可能であり;
は、独立して(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、−NR、−COORまたは−CONRであり;かつ
およびRは、互いに独立して、水素または(C−C)アルキルであり;ここで
各R、R、R、RおよびRは、炭素上で1個以上のホルミル、−SH、アジド、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−NR’R”、−COH、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、−S−(C−C)アルキル、−SO−(C−C)アルキル、−SONR’R”、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−NR’−C(O)−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル、−NR’−SO−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)NR’R”、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルまたは(C−C)アルコキシにより置換されていてもよい。
【0017】
式IA−1:
【0018】
【化5】

【0019】
の化合物またはその医薬的に許容し得る塩も提供される。
式IA−2:
【0020】
【化6】

【0021】
(式中、各存在のRは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−C(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”であり、ここで各Rは、炭素上で、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−NR’R”、−COH、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、−S(C−C)アルキル、−SO(C−C)アルキル、−SONR’R”、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルまたは(C−C)アルコキシにより置換されていてもよく、ここでR’、R”およびpは、上記で定義されるものである)の化合物またはその医薬的に許容し得る塩も提供される。
【0022】
式IA−3:
【0023】
【化7】

【0024】
(式中、RおよびRは上記に定義されたものであり;かつ
Xは、O、S、SO、SOまたはN−Rであり、ここでRは、水素、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”または−SONH(C−C)アルキルであり、
ここでRは、炭素上で、アジド、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−NR’R”、−COH、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、−S(C−C)アルキル、−SO(C−C)アルキル、−SONR’R”、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルまたは(C−C)アルコキシにより置換されていてもよく、ここでR’、R”およびpは、上記で定義される)の化合物またはその医薬的に許容し得る塩も提供される。
【0025】
また式IA−3
(式中、RおよびRは上記に定義されたものであり;かつ
Xは、O、S、SO、SOまたはN−Rであり、ここでRは、水素、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”または−SONH(C−C)アルキルであり、
ここでRは、炭素上で、アジド、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、NR’R”、−COH、C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、S(C−C)アルキル、SO(C−C)アルキル、SONH(C−C)アルキル、SONR’R”、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルまたは(C−C)アルコキシにより置換されていてもよく、ここでR’、R”およびpは、上記で定義される)の化合物またはその医薬的に許容し得る塩も提供される。
【0026】
可変基の具体的な例は、以下の通りである。そのような例は、必要に応じて、上または下に規定される定義、請求項または態様のいずれかで用いることができる。
式IAの化合物。
【0027】
式IBの化合物。
【0028】
【化8】

【0029】
は、5〜7員の窒素結合の複素環でり、ここで該複素環が−NH−部分を含有する場合その窒素はRから選択される基により置換されていてもよく;
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−C(O)−(C−C)アルキルおよび−CO(C−C)アルキルから選択され;かつ
各Rは、炭素上で1個以上のシアノ、ヒドロキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−NR’R”、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシにより置換されていてもよく;
R’およびR”は、各存在において独立して(C−C)アルキルである。
【0030】
【化9】

【0031】
は、ピペラジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリノ、ホモピペラジン−1−イルおよびピロリジン−1−イルであり;ここで該ピペラジン−1−イルまたはホモピペラジン−1−イルは、窒素上でRから選択される基により置換されていてもよく;ここで
は、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、アセチル、プロピオニルおよびt−ブトキシカルボニルから選択され;かつ
各Rは、炭素上で1個以上のシアノ、ヒドロキシ、アセトキシ、−NR’R”、シクロプロピルまたはメトキシにより置換されていてもよく;ここで
R’およびR”はメチルである。
【0032】
【化10】

【0033】
は、ピペラジン−1−イル、N−メチルピペラジン−1−イル、N−エチルピペラジン−1−イル、N−イソプロピルピペラジン−1−イル、N−アセチルピペラジン−1−イル、N−(2−ヒドロキシアセチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−シアノエチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル、N−(シクロプロピルメチル)ピペラジン−1−イル、N−(シクロプロピル)ピペラジン−1−イル、N−((R)−2−ヒドロキシプロピオニル)ピペラジン−1−イル、N−((S)−2−ヒドロキシプロピオニル)ピペラジン−1−イル、N−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル、N−(アセトキシアセチル)ピペラジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリノ、ホモピペラジン−1−イル、N−メチルホモピペラジン−1−イル、N−エチルホモピペラジン−1−イル、N−アセチルホモピペラジン−1−イル、N−イソプロピルホモピペラジン−1−イル、N−シクロプロピルホモピペラジン−1−イルおよびピロリジン−1−イルである。
【0034】
【化11】

【0035】
は、N−メチルピペラジン−1−イルである。
はヒドロキシである。
は、各存在においてヒドロキシ、−NR’R”またはオキソであり;ここでR’およびR”は、各存在において独立して(C−C)アルキルである。
【0036】
は、各存在においてヒドロキシ、−NMeまたはオキソである。
nは0または1である。
nは0である。
【0037】
nは1である。
nは0または1であり、かつRはヒドロキシである。
nは0または1であり、かつRはヒドロキシ、−NMeまたはオキソである。
【0038】
は、水素、ハロまたは(C−C)アルコキシであり;ここでRは、炭素上で1個以上の(C−C)アルコキシにより置換されていてもよい。
は、水素、ハロまたは(C−C)アルコキシであり;ここでRは、炭素上で1個以上の(C−C)アルコキシまたはヒドロキシにより置換されていてもよい。
【0039】
は、水素、ハロまたは(C−C)アルコキシである。
は、水素、フルオロ、メトキシ、エトキシまたはイソプロポキシであり;ここでRは、炭素上で1個以上のメトキシにより置換されていてもよい。
【0040】
は、水素、フルオロ、メトキシ、エトキシまたはイソプロポキシであり;ここでRは、炭素上で1個以上のメトキシまたはヒドロキシにより置換されていてもよい。
は、水素、フルオロ、メトキシ、エトキシまたはイソプロポキシである。
【0041】
は、水素、フルオロ、メトキシ、エトキシ、2−(メトキシ)エトキシ、2−ヒドロキシエトキシまたはイソプロポキシである。
は水素である。
【0042】
はフルオロである。
はメトキシである。
はエトキシである。
【0043】
はイソプロポキシである。
は2−(メトキシ)エトキシである。
は2−ヒドロキシエトキシである。
【0044】
は、各存在において独立してハロ、(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシであり;ここでRは、炭素上でハロにより置換されていてもよい。
は、各存在において独立してフルオロ、クロロ、メチル、エチルまたはメトキシであり;ここでRは、炭素上でフルオロにより置換されていてもよい。
【0045】
は、各存在において独立してフルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、エチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシである。
mは1〜3であり;ここでRの意味は同一または異なってよい。
【0046】
mは1である。
mは2であり;ここでRの意味は同一または異なってよい。
mは3であり;ここでRの意味は同一または異なってよい。
【0047】
(Rおよびそれが結合するフェニルは、2,4−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−3−クロロフェニルまたは2−フルオロ−4−メチルフェニルを形成する。
は、水素またはフルオロである。
【0048】
は水素である。
はフルオロである。
それ故、本発明のさらなる側面において、式IAまたはIB(上記に記載)
(式中、
【0049】
【化12】

【0050】
は、5〜7員の窒素結合の複素環であり、ここで該複素環が−NH−部分を含有する場合、その窒素がRから選択される基により置換されていてもよく;
はヒドロキシであり;
nは0または1であり;
は、水素、ハロまたは(C−C)アルコキシであり;
は、各存在において独立してハロ、(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシであり;ここでRは、炭素上でハロにより置換されていてもよく;
mは1〜3であり;ここでRの意味は同一または異なってよく;
は、水素またはフルオロであり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−C(O)−(C−C)アルキルおよび−CO(C−C)アルキルから選択され;ここでRは、炭素上で1個以上のシアノ、ヒドロキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−NR’R”、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシにより置換されていてもよく;かつ
R’およびR”は、各存在において独立して(C−C)アルキルである)の化合物またはその医薬的に許容し得る塩が提供される。
【0051】
それ故、本発明のさらなる側面において、式IAまたはIB(上記に記載)
(式中、
【0052】
【化13】

【0053】
は、5〜7員の窒素結合の複素環であり、ここで該複素環が−NH−部分を含有する場合、その窒素がRから選択される基により置換されていてもよく;
は、各存在においてヒドロキシ、−NR’R”またはオキソであり;
nは0または1であり;
は、水素、ハロまたは(C−C)アルコキシであり;ここでRは、炭素上で1個以上の(C−C)アルコキシまたはヒドロキシにより置換されていてもよく;
は、各存在において独立してハロ、(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシであり;ここでRは、炭素上でハロにより置換されていてもよく;
mは1〜3であり;ここでRの意味は同一または異なってよく;
は、水素またはフルオロであり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−C(O)−(C−C)アルキルおよび−CO(C−C)アルキルから選択され;ここでRは、炭素上で1個以上のシアノ、ヒドロキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−NR’R”、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシにより置換されていてもよく;かつ
R’およびR”は、各存在において独立して(C−C)アルキルである)の化合物またはその医薬的に許容し得る塩が提供される。
【0054】
それ故、本発明のさらなる側面において、式IAまたはIB(上記に記載)
(式中、
【0055】
【化14】

【0056】
は、ピペラジン−1−イル、N−メチルピペラジン−1−イル、N−エチルピペラジン−1−イル、N−イソプロピルピペラジン−1−イル、N−アセチルピペラジン−1−イル、N−(2−ヒドロキシアセチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−シアノエチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル、N−(シクロプロピルメチル)ピペラジン−1−イル、N−(シクロプロピル)ピペラジン−1−イル、N−((R)−2−ヒドロキシプロピオニル)ピペラジン−1−イル、N−((S)−2−ヒドロキシプロピオニル)ピペラジン−1−イル、N−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル、N−(アセトキシアセチル)ピペラジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリノ、ホモピペラジン−1−イル、N−メチルホモピペラジン−1−イル、N−エチルホモピペラジン−1−イル、N−アセチルホモピペラジン−1−イル、N−イソプロピルホモピペラジン−1−イル、N−シクロプロピルホモピペラジン−1−イルおよびピロリジン−1−イルであり;
はヒドロキシであり;
nは0または1であり;
は、水素、フルオロ、メトキシ、エトキシまたはイソプロポキシであり;
は、各存在において独立してフルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、エチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシであり;
mは1〜3であり;ここでRの意味は同一または異なってよく;
は、水素またはフルオロである)の化合物またはその医薬的に許容し得る塩が提供される。
【0057】
それ故、本発明のさらなる側面において、式IAまたはIB(上記に記載)
(式中、
【0058】
【化15】

【0059】
は、ピペラジン−1−イル、N−メチルピペラジン−1−イル、N−エチルピペラジン−1−イル、N−イソプロピルピペラジン−1−イル、N−アセチルピペラジン−1−イル、N−(2−ヒドロキシアセチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−シアノエチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル、N−(シクロプロピルメチル)ピペラジン−1−イル、N−(シクロプロピル)ピペラジン−1−イル、N−((R)−2−ヒドロキシプロピオニル)ピペラジン−1−イル、N−((S)−2−ヒドロキシプロピオニル)ピペラジン−1−イル、N−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル、N−(アセトキシアセチル)ピペラジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリノ、ホモピペラジン−1−イル、N−メチルホモピペラジン−1−イル、N−エチルホモピペラジン−1−イル、N−アセチルホモピペラジン−1−イル、N−イソプロピルホモピペラジン−1−イル、N−シクロプロピルホモピペラジン−1−イルおよびピロリジン−1−イルであり;
は、各存在においてヒドロキシ、−NMeまたはオキソであり;
nは0または1であり;
は、水素、フルオロ、メトキシ、エトキシ、2−(メトキシ)エトキシ、2−ヒドロキシエトキシまたはイソプロポキシであり;
は、各存在において独立してフルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、エチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシであり;
mは1〜3であり;ここでRの意味は同一または異なってよく;
は、水素またはフルオロである)の化合物またはその医薬的に許容し得る塩が提供される。
【0060】
本発明の別の側面においては、本発明の好ましい化合物は、実施例の化合物のいずれか1つまたはその医薬的に許容し得る塩である。
本発明の別の側面においては、本発明の好ましい化合物は、実施例11、12、48、70、83、88、165、166、168または172の化合物のいずれか1つまたはその医薬的に許容し得る塩である。
【0061】
また、提供されるのは、実施例の化合物の1つの化合物である。
また、提供されるのは、医薬的に許容し得る希釈剤または担体といっしょに、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物である。
【0062】
また、提供されるのは、医薬として使用するための式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩である。
また、提供されるのは、ヒト等の温血動物においてCSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる際に使用される医薬の製造における、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用である。
【0063】
また、提供されるのは、ヒト等の温血動物において抗癌効果を生じさせる際に使用される医薬の製造における、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用である。
【0064】
また、提供されるのは、黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫、ならびに皮膚、大腸、甲状腺、肺および卵巣の原発性および再発性の固形腫瘍の治療に使用される医薬の製造における、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用である。
【0065】
また、提供されるのは、乳房腫瘍、卵巣腫瘍、膀胱腫瘍、子宮頚部腫瘍、子宮内膜腫瘍、前立腺腫瘍、肺腫瘍、腎臓腫瘍および膵腫瘍;血液悪性疾患(骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫および慢性リンパ性白血病を含む);ならびに神経膠腫、食道の扁平上皮癌、ブドウ膜悪性黒色腫および濾胞性リンパ腫の治療に使用される医薬の製造における、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用である。また、提供されるのは、腫瘍関連骨溶解、卵巣摘除誘発性骨喪失を含む骨粗鬆症、整形外科移植不成功、全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、関節リウマチを含む関節炎、骨関節炎、腎臓の炎症および糸球体腎炎;炎症性腸疾患;腎臓および骨髄の同種移植ならびに皮膚異種移植を含む移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、肥満、アルツハイマー病およびランゲルハンス細胞組織球症の治療に使用される医薬の製造における、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用である。
【0066】
また、提供されるのは、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、および乾癬を含む慢性皮膚疾患の治療に使用される医薬の製造における、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用である。
【0067】
また、提供されるのは、CSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる治療を必要とするヒト等の温血動物においてCSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる方法であって、有効量の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法である。
【0068】
また、提供されるのは、抗癌効果を生じさせる治療を必要とするヒト等の温血動物において抗癌効果を生じさせる方法であって、有効量の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法である。
【0069】
また、提供されるのは、黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫、ならびに皮膚、大腸、甲状腺、肺および卵巣の原発性および再発性の固形腫瘍の治療を、そのような治療を必要とするヒト等の温血動物において行う方法であって、有効量の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法である。
【0070】
また、提供されるのは、乳房腫瘍、卵巣腫瘍、膀胱腫瘍、子宮頚部腫瘍、子宮内膜腫瘍、前立腺腫瘍、肺腫瘍、腎臓腫瘍および膵腫瘍;血液悪性疾患(骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫および慢性リンパ性白血病を含む);ならびに神経膠腫、食道の扁平上皮癌、ブドウ膜悪性黒色腫および濾胞性リンパ腫の治療を、そのような治療を必要とするヒト等の温血動物において行う方法であって、有効量の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法である。
【0071】
また、提供されるのは、腫瘍関連骨溶解、卵巣摘除誘発性骨喪失を含む骨粗鬆症、整形外科移植不成功、全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、関節リウマチを含む関節炎、骨関節炎、腎臓の炎症および糸球体腎炎;炎症性腸疾患;腎臓および骨髄の同種移植ならびに皮膚異種移植を含む移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、肥満、アルツハイマー病およびランゲルハンス細胞組織球症の治療を、そのような治療を必要とするヒト等の温血動物において行う方法であって、有効量の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法である。
【0072】
また、提供されるのは、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、および乾癬を含む慢性皮膚疾患の治療を、そのような治療を必要とするヒト等の温血動物において行う方法であって、有効量の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法である。
【0073】
また、提供されるのは、ヒト等の温血動物においてCSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる際に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体といっしょに、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物である。
【0074】
また、提供されるのは、ヒト等の温血動物において抗癌効果を生じさせる際に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体といっしょに、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物である。
【0075】
また、提供されるのは、ヒト等の温血動物における黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫、ならびに皮膚、大腸、甲状腺、肺および卵巣の原発性および再発性の固形腫瘍の治療に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体といっしょに、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物である。
【0076】
また、提供されるのは、ヒト等の温血動物における乳房腫瘍、卵巣腫瘍、膀胱腫瘍、子宮頚部腫瘍、子宮内膜腫瘍、前立腺腫瘍、肺腫瘍、腎臓腫瘍および膵腫瘍;血液悪性疾患(骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫および慢性リンパ性白血病を含む);ならびに神経膠腫、食道の扁平上皮癌、ブドウ膜悪性黒色腫および濾胞性リンパ腫の治療に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体といっしょに、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物である。
【0077】
また、提供されるのは、ヒト等の温血動物における腫瘍関連骨溶解、卵巣摘除誘発性骨喪失を含む骨粗鬆症、整形外科移植不成功、全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、関節リウマチを含む関節炎、骨関節炎、腎臓の炎症および糸球体腎炎;炎症性腸疾患;腎臓および骨髄の同種移植ならびに皮膚異種移植を含む移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、肥満、アルツハイマー病およびランゲルハンス細胞組織球症の治療に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体といっしょに、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物である。
【0078】
また、提供されるのは、ヒト等の温血動物における慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、および乾癬を含む慢性皮膚疾患の治療に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体といっしょに、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物である。
【0079】
また、提供されるのは、下記のスキーム1および2に示す式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を製造する方法である。
定義
「アルキル」は、特に明記しない限り1〜6個の炭素原子の直鎖飽和1価炭化水素基、または特に明記しない限り3〜6個の炭素原子の分枝状飽和1価炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ペンチル等を意味する。「プロピル」等の個々のアルキル基を述べる場合は直鎖状のもののみを述べており、「イソプロピル」等の個々の分枝鎖状アルキル基を述べる場合は分枝鎖のもののみを述べている。例えば、「(C−C)アルキル」としては、メチル、プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルが挙げられる。
【0080】
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
「アルケニル」は、特に明記しない限り、少なくとも1個の二重結合を含有する2〜6個の炭素原子の直鎖1価炭化水素基、または特に明記しない限り少なくとも1個の二重結合を含有する3〜6個の炭素原子の分枝状1価炭化水素基、例えば、エテニル、プロペニル等を意味する。「(C−C)アルケニル」の例としては、ビニル、アリルおよび1−プロペニルが挙げられる。
【0081】
上記定義の通り、「アルキニル」は、1個以上の炭素−炭素三重結合を有するアルキル基、例えばエチニルを意味する。「(C−C)アルキニル」の例としては、エチニル、1−プロピニルおよび2−プロピニルが挙げられる。
【0082】
「シクロアルキル」は、特に明記しない限り3〜6個の環炭素の飽和1価環式炭化水素基、例えばシクロプロピル、シクロヘキシル等を意味する。「(C−C)シクロアルキル」の例としては、シクロプロピルやシクロヘキシルが挙げられる。
【0083】
「アリール」は、6〜10個の環原子の1価の単環式または二環式の芳香族または完全に不飽和の炭化水素基を意味する。
「複素環」または「ヘテロシクロ」は、1または2個の環原子がNR(Rは上記で定義された通り)、O、S、SOまたはSOから選択されるヘテロ原子である3〜8個の環原子の飽和または部分的に不飽和の環状の基であって、それは、特に明記しない限り炭素または窒素で連結することができる。
【0084】
「ヘテロアリール」は、特に明記しない限り、N、OまたはSから選択される1、2または3個の環ヘテロ原子を含有し、残りの環原子がCである5または6個の環原子の完全に不飽和および/または芳香族の環であり、それは炭素または窒素で連結することができる。ヘテロアリールという用語には、ピリジル、ピロリル、チエニル、ピラゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、チアジアゾリルおよびその誘導体が包含されるが、これらに限定されるものではない。
【0085】
「カルボシクリル」は、3〜12個の原子を含む飽和、部分飽和または不飽和の単環式または二環式の炭素環であって、ここで−CH−基は、−C(O)−により置き換えられていてもよい。特に「カルボシクリル」は、5または6個の原子を含む単環式の環または9または10個の原子を含む二環式の環である。「カルボシクリル」の適切な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、1−オキソシクロペンチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、ナフチル、テトラリニル、インダニルまたは1−オキソインダニルが挙げられる。「カルボシクリル」の特定の例としては、フェニルが挙げられる。
【0086】
「隣接する炭素上の2つのR基は、S、OまたはNR(式中Rは存在しないか、Hまたは(C−C)アルキルである)から選択される0、1または2個のヘテロ原子を任意に含む5員または6員の飽和、部分的に不飽和、不飽和および/または芳香族の環を形成してもよく」、該環は、二環式の環をそれが結合するフェニルと共に形成する。疑いを回避するために、該環の5員または6員は、それが結合するフェニル環からの2つを含む。それらが結合するフェニルと共に5員環または6員環を形成する隣接する炭素上の2つのR基の適切な例としては、ナフチル、インドール−6−イル、イソインドール−5−イル、ベンゾフラン−4−イル、キノリン−8−イル、1H−インダゾール−7−イルが挙げられる。
【0087】
R’およびR”は、「それらが結合する窒素と共に、NRから選択される0または1個のさらなるヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和の3〜6員環を形成する」。この環の適切な例としては、アゼチジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、N−メチルピペラジン−1−イルおよびピロリジン−1−イルが挙げられる。
【0088】
【化16】

【0089】
は、3〜10員の、窒素結合の、複素環またはヘテロアリールである。該環は、単環式または二環式および/または架橋環であってもよい。この環の適切な例としては、アゼチジン−1−イル、モルホリノ、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、チオモルホリノ、ホモピペラジン−1−イル、ピロール−1−イル、ピラゾール−1−イル、イミダゾール−1−イルおよびトリアゾル−1−イルが挙げられる。さらなる例としては、
【0090】
【化17】

【0091】
が二環式の環である場合、ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−2(1H)−イルや3−メチル−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−7(8H)−イルが挙げられる。さらなる例としては、
【0092】
【化18】

【0093】
が架橋環である場合、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルが挙げられる。特に、
【0094】
【化19】

【0095】
は、3〜8員の、窒素結合の、複素環またはヘテロアリールである。
「(C−C)アルコキシ」の例としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシが挙げられる。「−OC(O)−(C−C)アルキル」の例としては、アセトキシが挙げられる。「−COH」はカルボキシである。「−C(O)−(C−C)アルキル」の例としては、プロピオニルやアセチルが挙げられる。R’およびR”が上記で定義された「−C(O)−NR’R”」の例としては、カルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイルおよびN−フェニル−N−エチルカルバモイルが挙げられる。「−CO(C−C)アルキル」の例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−ブトキシカルボニルおよびt−ブトキシカルボニルが挙げられる。R’およびR”が上記で定義された「−NR’R”」の例としては、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、N−エチル−N−フェニルアミノが挙げられる。R’が上記で定義された「−NR’−C(O)−(C−C)アルキル」の例としては、ホルムアミド、アセトアミド、プロピオニルアミノおよびN−アセチル−N−フェニルアミノが挙げられる。R’が上記で定義された「−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル」の例としては、メトキシカルボニルアミノおよびN−(t−ブトキシカルボニル)−N−フェニルアミノが挙げられる。R’およびR”が上記で定義された「−NR’−C(O)NR’R”」の例としては、ウレイド、N,N’−ジメチルウレイド、N−メチル−N’−プロピルウレイド、N’,N’−ジエチルウレイド、N’−メチル−N’−プロピルウレイド、N−(メチル)−N’−エチル−N’−イソプロピルウレイドおよびN−エチル−N’,N’−ジエチルウレイドが挙げられる。R’が上記で定義された「−NR’−SO−(C−C)アルキル」の例としては、メシルアミノ、N−エチルスルホニル−N−フェニルアミノおよびイソプロピルスルホニルアミノが挙げられる。R’およびR”が上記で定義された「−SO−NR’R”」の例としては、スルファモイル、N−(メチル)スルファモイル、N−(イソプロピル)スルファモイル、N,N−(ジメチル)スルファモイルおよびN−(メチル)−N−(フェニル)スルファモイルが挙げられる。pが上記で定義された「−SO−(C−C)アルキル」の例としては、メシル、エチルスルフィニルおよびイソプロピルスルホニルが挙げられる。p、R’およびR” が上記で定義された「−SONR’R”」の例としては、アミノ(オキシド)スルファニル、スルファモイル、N−(メチル)スルファモイル、N−(イソプロピル)スルファモイル、N−(イソプロピル)アミノ(オキシド)スルファニル、N,N−(ジメチル)スルファモイル、N−(メチル)−N−(フェニル)スルファモイルが挙げられる。「−S(O)(C−C)アルキル」の例としては、メシル、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニルが挙げられる。「−S−(C−C)アルキル」の例としては、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオが挙げられる。「aが0〜2である(C−C)アルキルS(O)−」の例としては、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニルが挙げられる。「ハロ(C−C)アルキル」の例としては、トリフルオロメチル、1−クロロプロピル、3−ブロモ−3−メチルブチルが挙げられる。「−O−(C−C)シクロアルキル」の例としては、シクロプロピルオキシやシクロヘキシルオキシが挙げられる。−OC(O)−NR’R”の例としては、カルバモイルオキシ、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ、ジメチルカルバモイルオキシおよびN−フェニル−N−エチルカルバモイルオキシが挙げられる。
【0096】
本発明の化合物の適切な医薬的に許容し得る塩としては、例えば十分に塩基性の本発明の化合物の酸付加塩、例えば無機酸または有機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸)との酸付加塩である。さらに、十分に酸性の本発明の化合物の適切な医薬的に許容し得る塩としては、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩やカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩やマグネシウム塩)、アンモニウム塩、または生理的に許容し得るカチオンを与える有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリンまたはトリス(2−ヒドロキシエチル)アミンとの塩)がある。
【0097】
式IAまたはIBのいくつかの化合物は、キラル中心および/または幾何異性中心(E異性体およびZ異性体)を有することが可能であり、本発明は、CSF−1Rキナーゼ阻害活性を有するすべてのかかる光学異性体、ジアステレオ異性体および幾何異性体を包含するものであることが理解されなければならない。本発明は、さらに、CSF−1Rキナーゼ阻害活性を有する式IAまたはIBの化合物のいずれかおよびすべての互変異性型に関する。
【0098】
また、式IAまたはIBのある種の化合物は、溶媒和形態ならびに非溶媒和形態、例えば水和形態、で存在し得るということが理解されなければならない。本発明は、CSF−1Rキナーゼ阻害活性を有するすべてのかかる溶媒和形態を包含するものであることが理解されなければならない。
【0099】
本発明の別の側面は、式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を製造する方法を提供するものであって、その方法(可変基は、特に明記しない限り、式IAまたはIBにおいて定義される通りのものである)は:
方法a)式IIAまたは式IIB:
【0100】
【化20】

【0101】
(式中Lは、置換可能な原子または基である)の化合物を、式III:
【0102】
【化21】

【0103】
の化合物と反応させること、
または、
方法b)式IVAまたは式IVB:
【0104】
【化22】

【0105】
(式中Lは、置換可能な原子または基である)の化合物を、式V:
【0106】
【化23】

【0107】
の化合物と反応させること、
または、
方法c)式VIAまたは式VIB:
【0108】
【化24】

【0109】
の化合物またはその活性化誘導体をアンモニアと反応させること、
または、
方法d)式VIIAまたは式VIIB:
【0110】
【化25】

【0111】
(式中Rは、(C−C)アルキル、特にメチルおよびエチル、である)の化合物をホルムアミドおよび塩基と反応させること、
または、
方法e)式VIIIAまたは式VIIIB:
【0112】
【化26】

【0113】
の化合物を加水分解すること、
およびその後必要に応じて、
i)式IAまたはIBの化合物を式IAまたはIBの別の化合物に変化させること、
ii)いかなる保護基も除去すること、
iii)医薬的に許容し得る塩を形成すること、を含んでなる。
【0114】
Lは置換可能な基であり、Lに適切な例としては、クロロ、ブロモ、トシルおよびトリフルオロメチルスルホニルオキシが挙げられる。
上記の反応のための具体的な反応条件は、以下の通りである。
【0115】
方法a)式IIAまたはIIBの化合物を、適切な触媒およびリガンド(例えば、それぞれPd(dba)およびBINAP)および適切な塩基(例えば、ナトリウムtert−ブトキシドや炭酸セシウム)を利用してカップリング化学によって式IIIの化合物と反応させることができる。通常、該反応には、多くの場合80℃〜100℃の範囲の熱条件が必要である。
【0116】
式IIAの化合物は、スキーム1:
【0117】
【化27】

【0118】
の条件に従って製造することが可能である。
式IIBの化合物は、スキーム1に一部修正を加えて製造することができる。
式IIAa、IIAbおよびIIIの化合物は、商業的に入手可能な化合物であるか、もしくは文献の化合物であるか、もしくは当業者に知られている方法により容易に製造される。
【0119】
方法b)式IVAまたはIVBの化合物は、通常、多くの場合70℃〜100℃の範囲の熱条件下でエタノールやジメチルホルムアミド等の溶媒中で式Vの化合物と反応させることができ、場合によっては酢酸の付加により触媒され得る。
【0120】
あるいは、式IVAまたはIVBの化合物は、適切な触媒およびリガンド(例えば、それぞれPd(dba)およびBINAP)および適切な塩基(例えば、ナトリウムtert−ブトキシドまたは炭酸セシウム)を利用したカップリング化学によって式Vの化合物と反応させることができる。通常、該反応には、多くの場合80℃〜100℃の範囲の熱条件が必要である。
【0121】
式IVAまたはIVBの化合物は、スキーム1に一部修正を加えて製造することができる。
式Vの化合物は、商業的に入手可能な化合物であるか、もしくは文献の化合物であるか、もしくは当業者に知られている方法により容易に製造される。
【0122】
方法c)式VIAまたはVIBの酸およびアンモニアは、適切なカップリング試薬の存在下で共に結合し得る。本技術分野で知られている標準的なペプチドカップリング試薬は、適切なカップリング試薬として使用することが可能であり、任意のジメチルアミノピリジンまたは4−ピロリジノピリジン等の触媒の存在下、任意のトリエチルアミン、ピリジン、または2,6−ジ−アルキル−ピリジン(例えば、2,6−ルチジンまたは2,6−ジ−tert−ブチルピリジン)等の塩基の存在下で、例えば、カルボニルジイミダゾールおよびジシクロヘキシル−カルボジイミドを使用することができる。適切な溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、ベンゼン、テトラヒドロフランおよびジメチルホルムアミドが挙げられる。カップリング反応は、−40〜40℃の範囲の温度で都合よく行うことが可能である。
【0123】
適切な活性化酸誘導体としては、酸ハロゲン化物(例えば酸塩化物)および活性エステル(例えばペンタフルオロフェニルエステル)が挙げられる。アミンとのこの種の化合物の反応は、当技術分野でよく知られており、例えば、それらの化合物は、上記のような塩基の存在下、および上記のような適切な溶媒の存在下で反応し得る。該反応は、−40℃〜40℃の範囲の温度で都合よく行うことが可能である。
【0124】
式VIAまたはVIBの化合物は、スキーム1の一部修正、例えば、加水分解ステップと方法a)で概説される手順とを加えることにより調製することができる。
方法d)式VIIAまたはVIIBのエステルは、ホルムアミドおよび塩基と共に反応させることが可能である。好ましくは、この反応は、まずホルムアミドを添加し、その後塩基を添加して連続的に生じる。適切な塩基は、アルコキシド塩基、例えば、メトキシド塩基およびエトキシド塩基(例えばナトリウムメトキシド)である。通常は、該反応は、DMF等の適切な溶媒中で100℃の温度で行われる。式VIIAまたはVIIBの化合物は、スキーム1に一部修正を加えて調製することができる。
【0125】
方法e)式VIIIAまたはVIIIBの化合物は、標準的な酸性または塩基性の条件下で加水分解することができる。
式VIIIAまたはVIIIBの化合物は、スキーム1に一部修正を加えて調製することができる。
【0126】
いうまでもなく、本発明の化合物の各種環置換基の内のいくつかは、前述の方法の前またはその直後に標準的な芳香族置換反応によって導入することができるか、もしくは慣用的な官能基修飾により生成することができ、従って、本発明の方法の側面に含まれる。そのような反応および修飾としては、例えば、芳香族置換反応による置換基の導入、置換基の還元、置換基のアルキル化、置換基の酸化が挙げられる。そのような手順のための試薬および反応条件は、当化学技術分野で周知である。芳香族置換反応の特定の例としては、濃硝酸を使用したニトロ基の導入や、フリーデル・クラフツ条件の下で例えばハロゲン化アシルおよびルイス酸(例えば三塩化アルミニウム)を使用したアシル基の導入;フリーデル・クラフツ条件の下でハロゲン化アルキルおよびルイス酸(例えば三塩化アルミニウム)を使用したアルキル基の導入;ハロ基の導入が挙げられる。修飾の特定の例としては、例えばニッケル触媒による接触水素化や加熱による塩酸の存在下での鉄による処理によるニトロ基のアミノ基への還元や、アルキルスルフィニルまたはアルキルスルホニルへのアルキルチオの酸化が挙げられる。
【0127】
また、いうまでもなく、本明細書において言及される反応の一部において、化合物内のいずれの感受性が高い基も保護することが必要と/望ましくなり得る。保護が必要であるかまたは望ましい場合、および保護に適切な方法は、当業者に知られている。慣用的な保護基が、標準作業方法に従って使用することができる(例示としては、T.W. Green, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, 1991参照)。従って、反応物がアミノ、カルボキシまたはヒドロキシ等の基を含む場合、本明細書に言及される反応の一部において該基を保護することは望ましい場合もある。
【0128】
アミノ基またはアルキルアミノ基に適切な保護基としては、例えば、アシル基、例えばアセチル基等のアルカノイル基、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基)、アリールメトキシカルボニル基(例えばベンジルオキシカルボニル基)、アロイル基(例えばベンゾイル基)がある。上記の保護基のための脱保護条件は、必然的に保護基の選択により異なる。従って、例えば、アシル基、例えばアルカノイル基またはアルコキシカルボニル基またはアロイル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物(例えば水酸化リチウムや水酸化ナトリウム)等の適切な塩基による加水分解により除去することができる。あるいは、t−ブトキシカルボニル基等のアシル基は、例えば、塩酸、硫酸またはリン酸またはトリフルオロ酢酸等の適切な酸による処理により除去することが可能であり、ベンジルオキシカルボニル基等のアリールメトキシカルボニル基は、例えば、触媒(例えばパラジウム担持炭素)による水素化、またはルイス酸(例えばボロントリス(トリフルオロアセタート))による処理により除去することができる。1級アミノ基に適切な代替的な保護基としては例えばフタロイル基があり、フタロイル基は、アルキルアミン(例えばジメチルアミノプロピルアミン)またはヒドラジンによる処理により除去することができる。
【0129】
ヒドロキシ基に適切な保護基としては、例えばアシル基、アルカノイル基(例えばアセチル)、アロイル基(例えばベンゾイル)またはアリールメチル基(例えばベンジル)が挙げられる。上記の保護基のための脱保護条件は、保護基の選択により必然的に異なる。従って、例えば、アルカノイル基やアロイル基等のアシル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物(例えば水酸化リチウムや水酸化ナトリウム)等の適切な塩基による加水分解により除去することができる。あるいは、ベンジル基等のアリールメチル基は、例えば触媒(例えばパラジウム担持炭素)上での水素化により除去することができる。
【0130】
カルボキシ基に適している保護基としては、例えば水酸化ナトリウム等の塩基による加水分解により除去することができる、例えばエステル化する基(例えばメチル基やエチル基)、例えば酸(例えばトリフルオロ酢酸等の有機酸)による処理により除去することができる、例えばt−ブチル基、または例えば触媒(例えばパラジウム担持炭素)上での水素化により除去することができる、例えばベンジル基がある。
【0131】
該保護基は、当化学技術分野でよく知られた慣用的手法を使用する合成における任意の都合のよい時期に除去することができる。
本明細書に記載される特定の中間体は、新規のものであり、従って本発明のさらなる特徴として提供される。例えば、式VIIAおよび式VIIB:
【0132】
【化28】

【0133】
(式中、可変基は、本明細書において上記で定義される通りのものである)の化合物は、本発明のさらなる特徴として提供される。
同様に、式VIAおよび式VIB:
【0134】
【化29】

【0135】
(式中、可変基は、本明細書において上記で定義される通りのものである)の化合物は、本発明のさらなる特徴として提供される。
同様に、式IIA、IIB、IVA、IVB、VIIIAおよびVIIIBの新規な化合物は、さらなる本発明の特徴であると考えられる。
【0136】
先に記載した通り、本発明で定義する化合物は、該化合物のCSF−1Rキナーゼ阻害活性に起因すると考えられる抗癌活性を有する。これらの性質は、例えば下記に記載する手順を使用して評価することができる。
【0137】
生物学的活性
CSF−1RインビトロAlphaScreenアッセイ
精製されたCSF−1Rの活性は、下記のように、CSF−1R基質(ビオチン化されたポリ−グルタミン−チロシンペプチド(pEY-HTRF CisBio 61GT0BLD))のリン酸化を測定するAmplified Luminescent Proximity Homogeneous Assay (ALPHA)(Perkin Elmer)を使用してインビトロで決定した。CSF−1RのHisタグが付けられたキナーゼドメイン(すなわち、アミノ酸568〜912、GeneBank ID NM005211;(配列表については、WO2006/067445の25ページ13〜19行目を参照のこと))は、バキュロウィルスに感染させたSF+Express昆虫細胞(1.4×10細胞/mL)から精製され、次のQiagen Ni-NTA、Superflow Mono Q HR 10/10およびSuperdex 200 SECカラムを用いてフレンチプレスおよびクロマトグラフィーが行われた。一般的な収量は、95%超の純度で245μg/Lの細胞ペレットであった。
【0138】
対象の化合物の存在下および非存在下でCSF−1R基質のリン酸化を決定した。概略説明すると、0.57nMの精製CSF−1R、5nMのpEY基質および化合物は、25℃で30分間、1倍の緩衝液でプレインキュベーションした。反応は、1倍の緩衝液における90μMのアデノシン三リン酸(ATP)の添加により開始し、25℃で60分間インキュベーションを行い、次いで136mMのNaCl、102mMのエチレンジアミン四酢酸、1.65mg/mLのBSA、40μg/mLのStreptavidinドナービーズ(Perkin Elmer 6760002)、40μg/mLのpTyr100アクセプタービーズ(Perkin Elmer 6760620)からなる5μLの検出混合物の添加により反応を停止させた。プレートは、暗所で18時間、25℃でインキュベーションした。リン酸化基質は、680nmの励起(520〜620nmの発光)でEnVisionプレートリーダー(Perkin Elmer)を用いて検出した。データはグラフで示し、IC50はExcel Fit(Microsoft)を使用して算出した。
【0139】
上記のインビトロアッセイにおいてテストした際に、本発明の化合物は、30μM未満の活性を示した。例えば、以下の結果が得られた。
【0140】
【表1】

【0141】
医薬製剤
本発明のさらなる一側面によれば、医薬的に許容し得る希釈剤または担体といっしょに、本明細書で定義される通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物が提供される。
【0142】
該組成物は、例えば錠剤やカプセル剤等の経口投与に適した形態、滅菌溶液、懸濁液または乳液等の非経口的注射(静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射、血管内注射または注入を含む)に適した形態、軟膏またはクリーム等の局所投与に適した形態、あるいは坐剤等の直腸投与に適した形態であり得る。
【0143】
一般に、上記組成物は、従来の賦形剤を使用して従来の方法で調製することができる。
通常、式IAまたはIBの化合物は、1〜1000mg/kgの範囲の単位用量で温血動物に投与されるものであり、これにより、通常、治療的に有効な用量が提供される。好ましくは、10〜100mg/kgの範囲の1日量が用いられる。しかしながら、1日量は、治療される宿主、具体的な投与経路および治療される疾患の重症度に応じて必然的に異なる。従って、最適な投与量は、任意の特定の患者を治療している医師により決定することができる。
【0144】
使用
本発明のさらなる一側面によれば、治療によりヒトまたは動物の身体を治療する方法に使用される先に定義した通りの式IAまたはIBの化合物あるいはその医薬的に許容し得る塩が提供される。
【0145】
我々は、本発明において定義された化合物またはその医薬的に許容し得る塩が有効な抗癌剤であることを見出したが、その性質は、そのCSF−1Rキナーゼ阻害性に起因するものと考えられている。従って、本発明の化合物は、CSF−1Rキナーゼにより単独または部分的に媒介された疾患または病状の治療に有用であると考えられる。すなわち、本発明の化合物は、そのような治療を必要とする温血動物においてCSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせるために使用することができる。
【0146】
従って、本発明の化合物は、CSF−1Rキナーゼの阻害を特徴とする癌を治療する方法を提供するものである。すなわち、該化合物は、CSF−1Rキナーゼの阻害により単独または部分的に媒介された抗癌効果を生じるために使用することができる。
【0147】
本発明のそのような化合物は、CSF1Rおよび/またはCSF1の異常発現が複数のヒト癌および派生細胞株(乳房腫瘍、卵巣腫瘍、子宮内膜腫瘍、前立腺腫瘍、肺腫瘍、腎臓腫瘍および膵腫瘍が含まれるが、これらに限定されない)ならびに血液悪性疾患(骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫および慢性リンパ性白血病が含まれるが、これらに限定されない)に認められるので、広範囲にわたる抗癌性質を有すると考えられる。また、活性化突然変異は、造血性およびリンパ系の組織ならびに肺癌において報告されている。さらに、腫瘍関連マクロファージは、複数の腫瘍型における予後不良に関連しているが、その腫瘍型としては、乳癌、子宮内膜癌、腎臓癌、肺癌、膀胱癌、子宮頸癌、神経膠腫、食道の扁平上皮癌、ブドウ膜悪性黒色腫および濾胞性リンパ腫が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の化合物は、腫瘍に対する直接の効果および/または腫瘍関連マクロファージに対する間接的な効果により、これらの癌に対する抗癌作用を有するものと考えられる。あるいは、特定の癌としては、黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫、ならびに皮膚、大腸、甲状腺、肺および卵巣の原発性および再発性の固形腫瘍が挙げられる。
【0148】
本発明のさらなる一側面においては、式IAまたはIBの化合物はまた、特定のさらなる適応症の治療において有効である。これらの適応症としては、腫瘍関連骨溶解、卵巣摘除誘発性骨喪失を含む骨粗鬆症、整形外科移植不成功、全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、関節リウマチを含む関節炎、骨関節炎、腎臓の炎症および糸球体腎炎;炎症性腸疾患;腎臓および骨髄の同種移植ならびに皮膚異種移植を含む移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、肥満、アルツハイマー病およびランゲルハンス細胞組織球症が挙げられるが、これらに限定されるものではない。それ故、本発明のさらなる一側面は、これらの疾患の1つ以上、特に関節リウマチや骨関節炎等の関節炎の治療を含む。これらの適応症としては、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、および乾癬を含む慢性皮膚疾患も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0149】
従って、本発明の本側面によれば、医薬としての使用のための、先に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩が提供される。
本発明のさらなる一側面によれば、ヒト等の温血動物においてCSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる際に使用するための医薬の製造における、先に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用が提供される。
【0150】
本発明の本側面によれば、ヒト等の温血動物において抗癌効果を生じさせる際に使用するための医薬の製造における、先に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用が提供される。
【0151】
本発明のさらなる特徴によれば、黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫、ならびに皮膚、大腸、甲状腺、肺および卵巣の原発性および再発性の固形腫瘍の治療に使用される医薬の製造における、本明細書において前に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用が提供される。
【0152】
本発明のさらなる特徴においては、乳房腫瘍、卵巣腫瘍、膀胱腫瘍、子宮頚部腫瘍、子宮内膜腫瘍、前立腺腫瘍、肺腫瘍、腎臓腫瘍および膵腫瘍;血液悪性疾患(骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病を含む);ならびに神経膠腫、食道の扁平上皮癌、ブドウ膜悪性黒色腫および濾胞性リンパ腫の治療に使用される医薬の製造における、本明細書において前に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用が提供される。
【0153】
本発明のさらなる特徴によれば、腫瘍関連骨溶解、卵巣摘除誘発性骨喪失を含む骨粗鬆症、整形外科移植不成功、全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、関節リウマチを含む関節炎、骨関節炎、腎臓の炎症および糸球体腎炎;炎症性腸疾患;腎臓および骨髄の同種移植ならびに皮膚異種移植を含む移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、肥満、アルツハイマー病、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、および乾癬を含む慢性皮膚疾患、およびランゲルハンス細胞組織球症の治療に使用される医薬の製造における、本明細書において前に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用が提供される。
【0154】
本発明の本側面のさらなる特徴によれば、CSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる治療を必要とするヒト等の温血動物においてCSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる方法であって、前に定義した通りの有効量の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法が提供される。
【0155】
本発明の本側面のさらなる特徴においては、抗癌効果を生じさせる治療を必要とするヒト等の温血動物において抗癌効果を生じさせる方法であって、前に定義した通りの有効量の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法が提供される。
【0156】
本発明の本側面のさらなる特徴によれば、黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫、ならびに皮膚、大腸、甲状腺、肺および卵巣の原発性および再発性の固形腫瘍の治療を、そのような治療を必要とするヒト等の温血動物において行う方法であって、本明細書において前に定義した通りの有効量の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法が提供される。
【0157】
本発明の本側面のさらなる特徴によれば、乳房腫瘍、卵巣腫瘍、膀胱腫瘍、子宮頚部腫瘍、子宮内膜腫瘍、前立腺腫瘍、肺腫瘍、腎臓腫瘍および膵腫瘍;血液悪性疾患(骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病を含む);ならびに神経膠腫、食道の扁平上皮癌、ブドウ膜悪性黒色腫および濾胞性リンパ腫の治療を、そのような治療を必要とするヒト等の温血動物において行う方法であって、本明細書において前に定義した通りの有効量の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法が提供される。
【0158】
本発明の本側面のさらなる特徴によれば、腫瘍関連骨溶解、卵巣摘除誘発性骨喪失を含む骨粗鬆症、整形外科移植不成功、全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、関節リウマチ等の関節炎、骨関節炎、腎臓の炎症および糸球体腎炎;炎症性腸疾患;腎臓および骨髄の同種移植ならびに皮膚異種移植を含む移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、肥満、アルツハイマー病、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、および乾癬を含む慢性皮膚疾患、およびランゲルハンス細胞組織球症の治療を、そのような治療を必要とするヒト等の温血動物において行う方法であって、本明細書において前に定義した通りの有効量の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法が提供される。
【0159】
本発明のさらなる一側面においては、ヒト等の温血動物においてCSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる際に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体といっしょに、本明細書において前に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物が提供される。
【0160】
本発明のさらなる一側面においては、ヒト等の温血動物において抗癌効果を生じさせる際に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体といっしょに、本明細書において前に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物が提供される。
【0161】
本発明のさらなる一側面においては、ヒト等の温血動物における黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫、ならびに皮膚、大腸、甲状腺、肺および卵巣の原発性および再発性の固形腫瘍の治療に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体といっしょに、本明細書において前に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物が提供される。
【0162】
本発明のさらなる一側面においては、ヒト等の温血動物における乳房腫瘍、卵巣腫瘍、膀胱腫瘍、子宮頚部腫瘍、子宮内膜腫瘍、前立腺腫瘍、肺腫瘍、腎臓腫瘍および膵腫瘍;血液悪性疾患(骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病を含む);ならびに神経膠腫、食道の扁平上皮癌、ブドウ膜悪性黒色腫および濾胞性リンパ腫の治療に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体といっしょに、本明細書において前に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物が提供される。
【0163】
本発明のさらなる一側面においては、ヒト等の温血動物における腫瘍関連骨溶解、卵巣摘除誘発性骨喪失を含む骨粗鬆症、整形外科移植不成功、全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、関節リウマチを含む関節炎、骨関節炎、腎臓の炎症および糸球体腎炎;炎症性腸疾患;腎臓および骨髄の同種移植ならびに皮膚異種移植を含む移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、肥満、アルツハイマー病、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、および乾癬を含む慢性皮膚疾患、およびランゲルハンス細胞組織球症の治療に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体といっしょに、本明細書において前に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物が提供される。
【0164】
本発明のさらなる一側面においては、ヒト等の温血動物においてCSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる際における、先に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用が提供される。
【0165】
本発明の本側面においては、ヒト等の温血動物において抗癌効果を生じさせる際の、先に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用が提供される。
【0166】
本発明のさらなる特徴においては、黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫、ならびに皮膚、大腸、甲状腺、肺および卵巣の原発性および再発性の固形腫瘍の治療における、本明細書において前に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用が提供される。
【0167】
本発明のさらなる特徴によれば、乳房腫瘍、卵巣腫瘍、膀胱腫瘍、子宮頚部腫瘍、子宮内膜腫瘍、前立腺腫瘍、肺腫瘍、腎臓腫瘍および膵腫瘍;血液悪性疾患(骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病を含む);ならびに神経膠腫、食道の扁平上皮癌、ブドウ膜悪性黒色腫および濾胞性リンパ腫の治療における、本明細書において前に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用が提供される。
【0168】
本発明のさらなる特徴によれば、腫瘍関連骨溶解、卵巣摘除誘発性骨喪失を含む骨粗鬆症、整形外科移植不成功、全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、関節リウマチを含むの関節炎、骨関節炎、腎臓の炎症および糸球体腎炎;炎症性腸疾患;腎臓および骨髄の同種移植ならびに皮膚異種移植を含む移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、肥満、アルツハイマー病、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、および乾癬を含む慢性皮膚疾患、およびランゲルハンス細胞組織球症の治療において、本明細書において前に定義した通りの式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用が提供される。
【0169】
先に定義したCSF−1Rキナーゼ阻害治療は、単独療法として適用しても、本発明の化合物のほかに従来の手術または放射線療法または化学療法を含んでもよい。そのような化学療法には、以下のカテゴリーの抗腫瘍剤の1つ以上が含まれ得る。
(i)アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロランブシル、ブスルファン、ニトロソ尿素);代謝拮抗剤(例えば、葉酸代謝拮抗剤(例えば、5−フルオロウラシルやテガフール等のフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素));抗腫瘍抗生物質(例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、ミトラマイシン等のアントラサイクリン);有糸分裂阻害剤(例えば、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン等)やタキソイド(タキソールやタキソテール等));およびトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エピポドフィロトキシン(エトポシドやテニポシド等)、アムサクリン、トポテカン、カンプトセシン)等の、内科的腫瘍学に使用されるような抗増殖薬/抗新生物薬およびそれらの組み合わせ;
(ii)細胞増殖抑制剤(例えば、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン)、エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、酢酸シプロテロン)、LHRH拮抗薬またはLHRH作用薬(例えば、ゴセレリン、リュープリン、ブセレリン)、プロゲストゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、エキセメスタン)、5αレダクターゼ阻害剤(例えばフィナステリド));
(iii)癌細胞浸潤阻害剤(例えば、マリマスタット等のメタロプロテイナーゼ阻害剤やウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体機能阻害剤);
(iv)増殖因子機能阻害剤(例えばそのような阻害剤としては、増殖因子抗体、増殖因子受容体抗体(例えば、抗erbb2抗体トラスツズマブ[ハーセプチン(Herceptin(登録商標))]や抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、MEK阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤、例えば上皮細胞増殖因子ファミリーの阻害剤(例えば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)、6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI1033)等のEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤)、例えば血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、例えば肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤が挙げられる);
(v)血管新生阻害剤(例えば、血管内皮増殖因子の作用を阻害するもの(例えば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体のベバシズマブ[アバスチン(Avastin(登録商標))]や、国際特許出願第WO97/22596号、同第WO97/30035号、同第WO97/32856号および同第WO98/13354号に開示されているような化合物)や、他の機序により作用する化合物(例えば、リノマイド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤、アンジオスタチン));
(vi)血管傷害剤(例えば、コンブレタスタチン(Combretastatin)A4や、国際特許出願第WO99/02166号、同第WO00/40529号、同第WO00/41669号、同第WO01/92224号、同第WO02/04434号および同第WO02/08213号に開示されている化合物);
(vii)アンチセンス療法(例えば、抗rasアンチセンス薬であるISIS2503等、上記の標的に向けられるもの)
(viii)遺伝子療法アプローチ(例えば、異常p53や、異常BRCA1、異常BRCA2等の異常遺伝子を置換するアプローチ、GDEPT(gene-directed enzyme pro-drug therapy:遺伝子標的酵素プロドラッグ療法)アプローチ(例えば、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ、細菌性ニトロレダクターゼ酵素を使用するもの)、多剤耐性遺伝子療法等の化学療法または放射線療法に対する患者または罹患動物の耐容性を増大するアプローチ);
(ix)免疫療法アプローチ(例えば、インターロイキン2、インターロイキン4、顆粒マクロファージコロニー刺激因子等のサイトカインのトランスフェクション等、患者または罹患動物の腫瘍細胞の免疫原性を増大するエクスビボおよびインビボのアプローチ、T細胞アネルギーを低減するアプローチ、サイトカインがトランスフェクトされた樹状細胞等のトランスフェクトされた免疫細胞を使用するアプローチ、サイトカインがトランスフェクトされた腫瘍細胞株を用いるアプローチ、抗イディオタイプ抗体を用いるアプローチ);
(x)細胞周期阻害剤(例えば、CDK阻害剤(例えばフラボピリドール)や他の細胞周期チェックポイント(例えばチェックポイントキナーゼ)阻害剤;有糸分裂および細胞質分裂の調節(例えば有糸分裂キネシン)に関与するオーロラキナーゼや他のキナーゼの阻害剤;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤);および
(xi)エンドセリン拮抗剤(例えば、エンドセリンA拮抗剤、エンドセリンB拮抗剤、エンドセリンAおよびB拮抗剤(ZD4054およびZD1611(WO9640681号)、アトラセンタン、YM598等))。
【0170】
そのような併用治療は、該治療の個々の成分を、同時、連続的または別々に投与することにより達成することができる。そのような併用薬としては、先に記載された用量範囲内の本発明の化合物、および承認された用量範囲内の他の薬学的活性剤を使用する。
【0171】
治療用薬物におけるそれらの使用に加えて、式IAまたはIBの化合物およびそれらの医薬的に許容し得る塩はまた、新規な治療剤の探索の一部としての実験動物(例えば、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラット、マウス)におけるCSF−1Rキナーゼ阻害剤の作用の評価のためのインビトロおよびインビボの試験系の開発および標準化における薬理学的ツールとして有用である。
【0172】
上記の他の医薬組成物、プロセス、方法、使用および医薬製造の特徴においては、本明細書に記載する本発明の化合物の代替態様および好ましい態様も適用することができる。
製造方法
式IAの化合物は、スキーム1および2に示すように製造することができる。スキームに示す経路は、出発材料の選択により式IBの化合物の製造に容易に応用ことが可能である。すなわち、式IBの化合物は、スキーム1の出発材料として
【0173】
【化30】

【0174】
を使用し、またはスキーム2の出発材料として
【0175】
【化31】

【0176】
を使用して得ることができる。
【0177】
【化32】

【0178】
実施例
ここで、本発明を以下の非限定的な実施例により示す。その実施例は、特に明記しない限り、以下に基づく。
(i)温度は、摂氏温度(℃)で示し;作業は、特に明記しない限り室温または周囲温度、すなわち18〜25℃の範囲の温度で実施し;
(ii)有機溶液は、無水硫酸ナトリウムまたは無水硫酸マグネシウムで乾燥し;溶剤の蒸発は、最高60℃の浴温で減圧下(600〜4000のパスカル;4.5〜30mmHg)でロータリーエバポレーターを使用して実施し;
(iii)一般に、反応の経過はTLCで追跡し、反応時間は例示目的のためのみに示し;
(iv)最終生成物は十分なプロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルおよび/または質量スペクトルデータを示し;
(v)収量は例示目的のためのみに示し、必ずしも入念なプロセス開発により得られ得るものではなく;より多くの材料が必要とされる場合に製造を繰り返し;
(vii)NMRデータは、記載されている場合、主要な構造決定に用いるプロトンについてのデルタ値の形態であり、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)を基準とした100万分の一(ppm)で示し、特に明記しない限り溶媒として重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)を使用して400MHzで測定し;
(vii)化学記号は、それらの通常の意味を有し;SI単位およびSI記号を使用し;
(viii)溶媒比は、体積:体積(v/v)で示し;かつ
(ix)質量スペクトルは、直接曝露プローブを使用して化学イオン化(CI)モードで70電子ボルトの電子エネルギーを用いて測定し;その際、所望のイオン化は、電子衝撃(EI)、高速原子衝撃(FAB)またはエレクトロスプレー(ESP)により行い;m/z値で与えられ;一般に、イオンは、親の質量を示すものだけを報告し;特に明記しない限り、質量イオンは(MH)で表される;
(x)合成がそれより前の実施例に記載したものとの同様であると記載されている場合、その使用する量は、前の実施例において使用したものに対するミリモル比当量であり;
(xi)以下の略語を使用し:
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;
EtOAc:酢酸エチル;
MeOH:メタノール;
DIEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;
MP−カーボネート:マクロポーラストリエチルアンモニウムメチルポリスチレンカーボネート;
THF:テトラヒドロフラン;
DMSO:ジメチルスルホキシド;
(xii)「ISCO」は、ISCO,Inc(米国ネブラスカ州リンカーン4700 superior street)から得られる製造業者の説明書に従って使用される12gおよび40gのシリカゲルを予め充填したカートリッジを使用する順相フラッシュカラムクロマトグラフィを指し、
(xiii)「Gilson HPLC」は、移動相として0.1%TFAを含む水/MeCNを使用する寸法20mm/100および50mm/250のYMC−AQC18逆相HPLCカラムを指す。
【0179】
実施例1
4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−メトキシ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキサミド
エチル 4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−メトキシ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキシレート(中間体1;117mg、0.24mmol)およびホルムアミド(47μL、1.2mmol)の無水DMF溶液に、NaOMeのMeOH(0.5M、1.44mL、0.72mmol)溶液をN下、100℃で10分間かけて滴下した。100℃で2時間後、反応混合物を冷却し、水に注いだ。水層を、EtOAcで抽出し、乾燥し(NaSO)、濾過し、次いで濃縮して38mgの固体を得た。1H NMR (CD3OD): 8.92 (s, 1 H), 7.60 (dd, 1 H), 7.39 (m, 3 H), 7.01 (s, 1 H), 4.07 (s, 3 H), 3.50 (m, 2 H), 3.38 (m, 2 H), 3.23 (m, 2 H), 2.92 (s, 3 H), 2.73 (m, 2 H); m/z:460。
【0180】
実施例2〜173
適切な出発材料を使用して実施例1と同様の方法により以下の実施例を調製し、場合によっては中間体および最終的化合物の精製を、ISCOカラムクロマトグラフィまたはGilson HPLCシステムを使用して行った。
【0181】
【表2】

【0182】
【表3】

【0183】
【表4】

【0184】
【表5】

【0185】
【表6】

【0186】
【表7】

【0187】
【表8】

【0188】
【表9】

【0189】
【表10】

【0190】
【表11】

【0191】
【表12】

【0192】
【表13】

【0193】
【表14】

【0194】
【表15】

【0195】
【表16】

【0196】
【表17】

【0197】
【表18】

【0198】
【表19】

【0199】
【表20】

【0200】
【表21】

【0201】
【表22】

【0202】
【表23】

【0203】
【表24】

【0204】
【表25】

【0205】
【表26】

【0206】
【表27】

【0207】
【表28】

【0208】
【表29】

【0209】
【表30】

【0210】
【表31】

【0211】
【表32】

【0212】
【表33】

【0213】
【表34】

【0214】
実施例174
4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−メトキシ−6−ピペラジン−1−イルキノリン−3−カルボキサミドジヒドロクロリド
トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(10mL、1:1)の溶液に、tert−ブチル 4−{3−(アミノカルボニル)−4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−メトキシキノリン−6−イル}ピペラジン−1−カルボキシレート(実施例15、250mg、0.46mmol)を添加した。2時間後、減圧下で溶媒を除去し、残留物をMeOH(3mL)に取り、エーテル性HClで酸性化した。その結果生じる結晶を回収し、EtOで洗浄し、乾燥して固体(160mg)を得た。1H NMR: 11.95 (s, 1 H), 9.28 (s, 2 H), 9.00 (s, 1 H), 8.45 (s, 1 H), 7.86 (s, 1 H), 7.59 (m, 2 H), 7.37 (m, 2 H), 7.21 (s, 1 H), 4.01 (s, 3 H), 3.17 (m, 4 H), 3.07 (m, 4 H); m/z: 445。
【0215】
実施例175〜185
適切な出発材料を使用して、実施例174と同様の方法により、以下の化合物を製造した。いくつかの実施例では、化合物を塩酸塩として単離した。
【0216】
【表35】

【0217】
【表36】

【0218】
実施例186
2−(4−{3−(アミノカルボニル)−4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−メトキシキノリン−6−イル}ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチルアセテート
4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−メトキシ−6−ピペラジン−1−イルキノリン−3−カルボキサミドジヒドロクロリド(実施例174、120mg、0.23mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(160μL、0.92mmol)のTHF(10mL)溶液に、2−クロロ−2−オキソエチルアセテート(30μL、0.28mmol)のTHF(10mL)溶液をN下、−10℃で10分間かけて滴下した。−10℃で1時間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去し、残留物をEtOAcと飽和NaCO水溶液間で分配した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、次いで濃縮し、残留物をEtO/EtOAcから結晶化して100mgの固体を得た。NMR: 8.98 (s, 1 H), 8.46 (s, 1 H), 7.78 (s, 1 H), 7.37 (s, 1 H), 7.25 (d, 1 H), 7.14 (t, 1 H), 6.72 (s, 1 H), 6.58 (d, 1 H), 4.77 (s, 2 H), 3.98 (s, 3 H), 3.44 (m, 4 H), 2.78 (m, 4 H), 2.07 (s, 3 H); m/z: 545。
【0219】
実施例187〜190
適切な出発材料を使用して、実施例186と同様の方法により、以下の化合物を製造した。
【0220】
【表37】

【0221】
実施例191
4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−6−(4−グリコロイルピペラジン−1−イル)−7−メトキシキノリン−3−カルボキサミド
2−(4−{3−(アミノカルボニル)−4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−メトキシキノリン−6−イル}ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチルアセテート(実施例186、70mg、0.13mmol)、KCO(0.5g、3.6mmol)、MeOH(5mL)および水(1mL)の混合物を、1時間激しく撹拌した。減圧下でほとんどの溶媒を除去し、残留物を水(10mL)とEtOAc(10mL)間で分配した。所望の生成物を分液漏斗中で沈殿させ、濾過により回収した。EtOAcを用いてさらに水層を抽出し、一緒にした有機抽出液を乾燥し(NaSO)、濾過し、次いで減圧下で濃縮して、NMRおよびLC−MSにより前の材料と同一の固体を得た。あわせて25mgの固体を得た。NMR: 10.85 (s, 1 H), 9.01 (s, 1 H), 8.43 (s, 1 H), 7.83 (s, 1 H), 7.43 (s, 1 H), 7.33 (dd, 1 H), 7.21 (t, 1 H), 6.78 (s, 1 H), 6.65 (d, 1 H), 4.63 (t, 1 H), 4.14 (d, 2 H), 4.04 (s, 3 H), 3.57 (m, 2 H), 3.45 (m, 2 H), 2.82 (m, 4 H); m/z: 503。
【0222】
実施例192
4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−エトキシ−6−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]キノリン−3−カルボキサミド
4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−エトキシ−6−ピペラジン−1−イルキノリン−3−カルボキサミド(実施例175、67mg、0.146mmol)およびグリコールアルデヒド(26mg、0.43mmol)の混合物をトルエン:MeOH(5:1)混合溶媒(6mL)中で1時間加熱還流した。反応混合物を濃縮し、THF(15mL)に溶解した。水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(155mg、0.73mmol)および酢酸(0.1mL)を添加し、次いで反応混合物を1時間加熱還流した。水を添加し、次いでEtOAc(4×50mL)で混合物を抽出した。混合した有機抽出液を乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮し、次いで逆相HPLCにより残留物を精製して36mgの黄色の固体を得た。NMR: 10.50 (s, 1 H), 8.95 (s, 1 H), 8.40 (s, 1 H), 7.85 (s, 1 H), 7.60 (d, 1 H), 7.52 (s, 1 H), 7.39 (m, 2 H), 7.20 (s, 1 H), 4.25 (q, 2 H), 3.80 (m, 2 H), 3.50 (m, 4 H), 3.20 (m, 4 H), 2.95 (m, 2 H), 1.43 (t, 3 H); m/z: 503。
【0223】
実施例193〜200
適切な出発材料を使用して、実施例192の手順により以下の化合物を調製した。
【0224】
【表38】

【0225】
【表39】

【0226】
実施例201
4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−エトキシ−6−(4−グリコロイルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキサミド
4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−エトキシ−6−ピペラジン−1−イルキノリン−3−カルボキサミド塩酸塩(実施例175、80mg、0.14mmol)、グリコール酸(38mg、0.5mmol)、HATU(106mg、0.28mmol)およびDIEA(72mg、0.56mmol)の混合物を無水DMF(3ml)中で、室温で5時間撹拌した。逆相HPLCで粗製混合物を精製して30mgの黄色の固体を得た。NMR: 12.10 (s, 1 H), 8.98 (s, 1 H), 8.46 (s, 1 H), 7.95 (s, 1 H), 7.65 (d, 1 H), 7.42 (m, 2 H), 7.35 (d, 1 H), 6.96 (s, 1 H), 4.25 (q, 2 H), 4.09 (s, 2 H), 3.60 (m, 4 H), 2.80 (m, 2 H), 2.70 (m, 2 H), 1.25 (t, 3 H); m/z: 518。
【0227】
実施例202〜206
適切な出発材料を使用して、実施例201と同様の方法により、以下の化合物を製造した。
【0228】
【表40】

【0229】
【表41】

【0230】
実施例207
6−(4−シクロプロピル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−4−[(2,4−ジフルオロフェニル)アミノ]−7−エトキシキノリン−3−カルボキサミド
6−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−4−[(2,4−ジフルオロフェニル)アミノ]−7−エトキシキノリン−3−カルボキサミド(実施例183、100mg、0.227mmol)のMeOH(10mL)溶液に、[(1−エトキシシクロプロピル)オキシ]トリメチルシラン(237mg、1.36mmol)、酢酸(136mg、2.27mmol)、4Åモレキュラーシーブ(2g)およびシアノ水素化ほう素ナトリウム(291mg、4.54mmol)を添加した。その結果生じる反応混合物を、終夜還流させながら撹拌した。水を添加し、EtOAc(3×30mL)で混合物を抽出し、次いで混合した有機抽出液を乾燥し(NaSO)、濃縮し、次いでISCOクロマトグラフィシステムにより残留物を精製して100mgの淡黄色の固体を得た。NMR: 10.66 (s, 1 H), 8.89 (s, 1 H), 8.25 (s, 1 H), 7.65 (s, 1 H), 7.35 (m, 1 H), 7.20 (s, 1 H), 6.95 (m, 2 H), 6.68 (s, 1 H), 4.17 (q, 2 H), 3.03 (m, 4 H), 2.73 (m, 4 H), 1.86 (m, 1 H), 1.70 (m, 2 H), 1.42 (t, 3 H), 0.41 (m, 2 H), 0.27 (m, 2 H); m/z: 482。
【0231】
実施例208〜215
適切な出発材料を使用して、実施例207と同様の方法により、以下の化合物を製造した。
【0232】
【表42】

【0233】
【表43】

【0234】
実施例216
4−[(2,4−ジフルオロフェニル)アミノ]−7−(2−ヒドロキシエトキシ)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキサミド
100℃で30分間加熱したエチル 7−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エトキシ)−4−[(2,4−ジフルオロフェニル)アミノ]−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキシレート(中間体162、0.200g、0.33mmol)およびホルムアミド(0.132mL、3.33mmol)のDMF(5mL)溶液に、ナトリウムメトキシドのMeOH(0.5M、0.85mL、0.43mmol)溶液を添加した。16時間後、反応物を冷却し、水(50mL)を添加し、次いでEtOAc(3×50mL)で反応混合物を抽出した。一緒にした有機抽出液を濃縮し、フッ化テトラブチルアンモニウム溶液(THF中1.0M、1mL)を添加した。混合物を1時間静置した。水(10mL)を添加し、EtOAc(3×10mL)で混合物を抽出した。一緒にした有機抽出液を濃縮し、逆相HPLCにより残留物を精製した。生成物を再結晶化(ヘキサン/アセトン)し、85mg(56%)の黄色の固体を得た。1H NMR: 10.73 (s, 1 H), 8.85 (s, 1 H), 8.29 (s, 1 H), 7.66 (s, 1 H), 7.37 (t, 1 H), 7.26 (s, 1 H), 7.03 (m, 2 H), 6.80 (s, 1 H), 4.87 (t, 1 H), 4.16 (m, 2 H), 3.79 (m, 2 H), 2.76 (s, 4 H), 2.37 (s, 4 H), 2.18 (s, 3 H); m/z: 458。
【0235】
実施例217
適切な出発材料を使用して、実施例216と同様の方法により、以下の化合物を製造した。
【0236】
【表44】

【0237】
出発材料の製造
中間体1
エチル 4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−メトキシ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキシレート
エチル 6−ブロモ−4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−メトキシキノリン−3−カルボキシレート(中間体155;400mg、0.82mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(60mg、0.066mmol)、(R,S)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1、1’−ビナフチル(124mg、0.20mmol)、CsCO(390mg、1.2mmol)およびN−メチルピペラジン(227μL、2.05mmol)の混合物を無水トルエン中でN下、100℃で18時間加熱した。反応混合物を濾過し、濃縮し、次いで逆相HPLCにより粗油を精製して117mgの固体を得た;m/z: 489。
【0238】
中間体2〜154
適切な出発材料を使用して、中間体1と同様の方法により、以下の化合物を製造した。
【0239】
【表45】

【0240】
【表46】

【0241】
【表47】

【0242】
【表48】

【0243】
【表49】

【0244】
【表50】

【0245】
【表51】

【0246】
【表52】

【0247】
【表53】

【0248】
【表54】

【0249】
【表55】

【0250】
【表56】

【0251】
【表57】

【0252】
【表58】

【0253】
中間体155
エチル 6−ブロモ−4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−メトキシキノリン−3−カルボキシレート
エチル 6−ブロモ−4−クロロ−7−メトキシキノリン−3−カルボキシレート(中間体233;1.0g、2.9mmol)、2,3−ジクロロアニリン(535mg、3.2mmol)、酢酸(900μL)およびDMF(8mL)の混合物を100℃で2時間加熱した。反応混合物を氷水中に入れ、0.1NのNaOHでpHを9に調整し、その結果生じる沈殿物を濾過して900mgの固体を得た;m/z: 471。
【0254】
中間体156〜232
適切な出発材料を使用して、中間体155と同様の方法により、以下の化合物を製造した。
【0255】
【表59】

【0256】
【表60】

【0257】
【表61】

【0258】
【表62】

【0259】
【表63】

【0260】
【表64】

【0261】
【表65】

【0262】
【表66】

【0263】
中間体233
エチル 6−ブロモ−4−クロロ−7−メトキシキノリン−3−カルボキシレート
この化合物はWO2002092571号に記載されたものであり、Burke T.R.ら、J. Med. Chem., 36 (1993) 425-432に記載の手順に従って製造した。
【0264】
エチル 6−ブロモ−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート(中間体234;8.0g、0.025)のオキシ塩化リン(100mL)溶液を終夜加熱還流した。冷却後、溶液を約400mLの氷水に撹拌しながら慎重に入れた。その結果生じる混合物を、2NのNaOHを用いて少しだけ塩基性にし、次いでEtOAcで抽出した。有機層を、水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮して8.0g(93%)の白色の固体を得た。1H NMR: 9.14 (s, 1 H), 8.55 (s, 1 H), 7.66 (s, 1 H), 4.42 (d, 2 H), 4.09 (s, 3 H), 1.38 (t, 3 H); m/z: 344。
【0265】
中間体234
エチル 6−ブロモ−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
還流下のジフェニルエーテル(180mL)にジエチル {[(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)アミノ]メチレン}マロネート(中間体235;11g、0.029mol)の温ジフェニルエーテル(20mL)溶液を15分間かけて滴下した。3時間後、溶液を冷却し、ヘキサン(200mL)で希釈し、その結果生じた沈殿物を回収して8.9g(93%)の白色の固体を得た。
【0266】
中間体235
ジエチル {[(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)アミノ]メチレン}マロネート
4−ブロモ−3−メトキシアニリン(25g、0.12mol)のCHCN(150mL)溶液にジエチルエトキシメチレンマロネート(27mL、0.13mol)を添加した。20時間後、減圧下で溶媒を除去し、残留物をEtOAcに溶解した。ヘキサンを添加し、その結果生じた沈殿物を回収して37g(80%)のオフホワイトの固体を得た。1H NMR: 10.68 (d, 1 H), 8.38 (d, 1 H), 7.52 (d, 1 H), 7.20 (d, 1 H), 6.91 (dd, 1 H), 4.20 (q, 2 H), 4.11 (q, 2 H), 3.86 (s, 3 H), 1.23 (m, 6 H); m/z: 372。
【0267】
中間体236
エチル 7−ブロモ−4−クロロ−6−メトキシキノリン−3−カルボキシレート
エチル 7−ブロモ−6−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート(中間体237;4.0g、11.6mmol)およびオキシ塩化リン(80mL)の混合物を2.5時間加熱還流した。溶液を冷却し、撹拌しながら氷(800g)上に慎重に移した。2NのNaOHで混合物を慎重に中和し、その結果生じる沈殿物を濾過し、水で洗浄し、次いで乾燥して3.8gの白色の固体を得た。1H NMR (CDCl3): 9.00 (s, 1 H), 8.32 (s, 1 H), 7.54 (s, 1 H), 4.43 (q, 2 H), 4.02 (s, 3 H), 1.39 (t, 3 H)。
【0268】
中間体237
エチル 7−ブロモ−6−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
還流下のジフェニルエーテル(100mL)にジエチル {[(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)アミノ]メチレン}マロネート(中間体238;10g、0.027mol)の温ジフェニルエーテル(100mL)溶液を15分間にわたって滴下した。3時間後、反応混合物を冷却し、石油エーテル(120mL)を固形分に加えし、それを濾過し、次いでヘキサンで洗浄して8gの白色の固体を得た。1H NMR: 8.54 (s, 1 H), 7.92 (s, 1 H), 7.65 (s, 1 H), 4.22 (q, 2 H), 3.95 (s, 3 H), 1.28 (t, 3 H)。
【0269】
中間体238
ジエチル {[(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)アミノ]メチレン}マロネート
3−ブロモ−4−メトキシアニリン(中間体239;8.3g、40.9mmol)およびジエチルエトキシメチレンマロネート(8.85mL、44.2mmol)のCHCN(60mL)溶液を2時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去した。ヘキサンからの残留物の再結晶化により11gの白色の固体を得た。1H NMR (CDCl3): 10.98 (d, 1 H), 8.40 (d, 1 H), 7.40 (d, 1 H), 7.08 (dd, 1 H), 6.91 (d, 1 H), 4.29 (m, 4 H), 3.91 (s, 3 H), 1.37 (m, 6 H)。
【0270】
中間体239
3−ブロモ−4−メトキシアニリン
標記化合物を、Liu Y.-Y.およびMunich, M., J. Label Compd Radiopharm., 18 (1981), 791-797の中の手順に従って製造した。
【0271】
中間体240
エチル 6−ブロモ−4−クロロ−7−エトキシキノリン−3−カルボキシレート
製造a)
エチル 6−ブロモ−7−エトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート(中間体241;16.8g、49mmol)およびオキシ塩化リン(40mL)の混合物を16時間加熱還流した。溶液を冷却し、撹拌しながら慎重に氷水(約500mL)に入れた。その結果生じた固体を濾過し、水で洗浄し、次いで乾燥して17.1gの薄茶色の固体を得た。1H NMR: 9.13 (s, 1 H), 8.54 (s, 1 H), 7.63 (s, 1 H), 4.39 (m, 4 H), 1.46 (t, 3 H), 1.38 (t, 3 H)。
【0272】
代替的製造b)
ジエチル {[(4−ブロモ−3−エトキシフェニル)アミノ]メチル}マロネートのトルエン(125mL)溶液(中間体242;52.9g、0.137mol)に、POCl(209.9g、125mL、1.37mol)を添加した。反応混合物を110℃で48時間撹拌し、冷却後減圧下で濃縮を行った。ガスが全く放出されなくなるまで残留物を慎重に飽和NaHCO溶液で処理し、その結果生じる固体を濾過し、飽和NaHCO溶液および水で洗浄し、次いで熱MeOH(約200mL)中でスラリー化し、冷却および濾過を行って42gの橙色の固体を得た。
【0273】
代替的製造c)
トリエチルアミン(12.8kg、126mol)を、4−ブロモ−3−エトキシアニリン塩酸塩(29.94kg、118mol)のトルエン(119L)および水(60L)懸濁液に周囲温度で添加した。溶液が得られるまで懸濁液を撹拌した。二相混合物を珪藻土(4kg)で濾過し、濾塊をトルエン(10L)で洗浄し、水層を分離して廃棄した。トルエンを蒸留(13L)して混合物を乾燥した。緩やかな還流を維持する速度で70〜80℃でトルエン溶液にジエチルエトキシメチレンマロネート(25.60kg、118mol)を徐々に添加した。減圧下(400mbar、85℃)でトルエンおよびエタノール(70L)を蒸留した。反応温度を60℃に低下させ、HPLCにより反応を解析した。オキシ塩化リン(45.6kg、297mol)を45分間かけて添加した。反応物を2時間以上110℃に加熱し、次いで少なくとも5時間保持した。反応物を70℃に冷却し、HPLCにより解析した。オキシ塩化リンおよびトルエン(50L)を減圧(100〜150mbar、50〜67℃)で留去した。トルエン(40L)を添加し、混合物を再蒸留した(40Lの留出液が回収された)。テトラヒドロフラン(THF)(36L)を添加し、その結果生じる混合物を20〜25℃に冷却した。その結果生じる赤い溶液を、周囲温度で炭酸水素カリウム(99kg、989mol)の水(296L)溶液に徐々に(ガス放出を制御するため約50分間かけて)添加した。反応混合物を、さらなるTHF(3.6L)で洗浄した。その結果生じる懸濁液を1時間撹拌し、その後遠心機で単離した。湿性の生成物をエタノール(119L)中でスラリー化し、次いで70℃まで加熱した。スラリーを周囲温度に冷却し、生成物を遠心機にかけて回収し、エタノール(40L)で洗浄し、次いで減圧下(2mbarで30℃)で乾燥して標記化合物(30.8kg、86mol、73%)を得た。
【0274】
中間体241
エチル 6−ブロモ−7−エトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
ジエチル {[(4−ブロモ−3−エトキシフェニル)アミノ]メチル}マロネート(中間体242;25g、64mmol)の温ジフェニルエーテル(150mL)溶液を、還流下のジフェニルエーテル(約250mL)に15分間かけて滴下した。3時間後、反応混合物を冷却し、その固体にヘキサン(約250mL)を添加し、それを濾過して16.8gの白色の結晶質固体を得て、さらなる精製を行わずに使用した。
【0275】
中間体242
ジエチル {[(4−ブロモ−3−エトキシフェニル)アミノ]メチル}マロネート
4−ブロモ−3−エトキシアニリン(21g、0.1mol)およびジエチルエトキシメチレンマロネート(19mL、0.1mol)のCHCN(150mL)溶液を2時間撹拌し、次いで75℃で16時間加熱した。減圧下で溶媒を除去し、ヘキサンから残留物を再結晶化して25gの白色の固体を得て、さらなる精製を行わずに使用した。
【0276】
中間体243
エチル 6−ブロモ−4−クロロ−7−フルオロキノリン−3−カルボキシレートおよびエチル 6−ブロモ−4−クロロ−5−フルオロキノリン−3−カルボキシレート
エチル 6−ブロモ−7−フルオロ−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボキシレートおよびエチル 6−ブロモ−5−フルオロ−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボキシレート(中間体244;3.2g、10.19mmol)の混合物を、還流下のオキシ塩化リン(4.6ml、50.96mmol)中で3時間撹拌した。冷却後、混合物を減圧下で濃縮し、次いでCHCN(10mL)を添加した。混合物をNaHCO溶液に徐々に注ぎ、その結果生じるスラリーをEtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮し、次いで残留物をカラムクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン勾配)により精製して、0.15g(4.7%)のエチル 6−ブロモ−4−クロロ−5−フルオロキノリン−3−カルボキシレート(1H NMR: 9.17 (s, 1 H), 8.64 (d, 1 H), 8.12 (d, 1 H), 4.48 (q, 2 H), 1.40 (t, 3 H); m/z: 334)および1.4g(44%)のエチル 6−ブロモ−7−フルオロ−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボキシレート(1H NMR: 9.11 (s, 1 H), 8.22 (t, 1 H), 7.96 (d, 1 H), 4.48 (q, 2 H), 1.40 (t, 3 H); m/z: 334)を得た。
【0277】
中間体244
エチル 6−ブロモ−7−フルオロ−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボキシレートおよびエチル 6−ブロモ−5−フルオロ−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボキシレート
ジエチル {[(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)アミノ]メチレン}マロネート(中間体245;6.00g、16.66mmol)およびジフェニルエーテル(10mL)の溶液を250℃で40分間加熱した。冷却後、ヘキサン(10mL)を添加し、その結果生じた沈殿物を濾過し、次いでアセトン(20mL)で洗浄して3.2g(61%)の薄茶色の固体(異性体の不溶性混合物)を得た。
【0278】
中間体245
ジエチル {[(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)アミノ]メチレン}マロネート
4−ブロモ−3−フルオロアニリン(5.00g、28.3mmol)およびジエチルエトキシメチレンマロネート(5.7mL、28.4mmol)のCHCN(15mL)溶液を6日間撹拌した。反応混合物を濾過して6.2グラム(65%)の白色の固体を得た。1H NMR: 10.65 (d, 1 H), 8.36 (d, 1 H), 7.67 (t, 1 H), 7.59 (dd, 1 H), 7.24 (d, 1 H), 4.18 (m, 4 H), 1.29 (m, 6 H)。
【0279】
中間体246
エチル 7−ブロモ−4−クロロ−6−エトキシキノリン−3−カルボキシレート
エチル 7−ブロモ−6−エトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート(中間体247;21g、0.06mol)のオキシ塩化リン懸濁液を2.5時間還流加熱した。冷却後、反応混合物を慎重に2Lの氷水に入れ、次いで濃アンモニア水を用いて中和した。沈殿物を回収し、水で洗浄し、乾燥し、次いでEtOAcから再結晶して17gのオフホワイトの固体を得た。1H NMR: 9.01 (s, 1 H), 8.45 (s, 1 H), 7.63 (s, 1 H), 4.43 (q, 2 H), 4.34 (q, 2 H), 1.48 (t, 3 H), 1.38 (t, 3 H); m/z: 359。
【0280】
中間体247
エチル 7−ブロモ−6−エトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
還流下のジフェニルエーテル(400mL)に、ジエチル {[(3−ブロモ−4−エトキシフェニル)アミノ]メチレン}マロネート(中間体248;33g、0.085mol)の温ジフェニルエーテル(200mL)溶液を30分間かけて滴下した。還流させて3時間後に反応物を冷却した。その結果生じるゲル状の固体に、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテル(各々約150mL)を添加し、次いで混合物を濾過した。その粗製物質を、熱ヘキサンを用いて20分間摩砕して21gの固体を得た。1H NMR: 12.26 (s, 1 H), 8.52 (s, 1 H), 7.91 (s, 1 H), 7.62 (s, 1 H), 4.21 (m, 4 H), 1.41 (t, 3 H), 1.28 (t, 3 H); m/z: 342。
【0281】
中間体248
ジエチル {[(3−ブロモ−4−エトキシフェニル)アミノ]メチレン}マロネート
(3−ブロモ−4−エトキシフェニル)アミン(中間体249;22g、0.1mol)およびジエチルエトキシメチレンマロネート(23mL、0.11mol)のアセトニトリル(150mL)溶液を2時間撹拌した。沈殿物を回収し、ヘキサンを用いて再結晶化/摩砕して、33gの固体を得て、さらなる精製を行わずに使用した。1H NMR (MeOD): 8.42 (s, 1 H), 7.51 (d, 1 H), 7.20 (m, 1 H), 7.05 (d, 1 H), 4.29 (q, 2 H), 4.22 (q, 2 H), 4.11 (q, 2 H), 1.44 (t, 3 H), 1.34 (m, 6 H); m/z: 384。
【0282】
中間体249
(3−ブロモ−4−エトキシフェニル)アミン
2−ブロモ−1−エトキシ−4−ニトロベンゼン(中間体250;27g、0.11mol)、鉄粉末(50g、0.89mol)および50%水性エタノール(200mL)の撹拌懸濁液に、濃HCl(2mL)の50%水性エタノール(20mL)溶液を30分間かけて滴下した。その酸性溶液の半分を添加して反応を開始させた後、加熱を行った。その後、酸の添加速度を調整することにより、反応混合物の還流を続けた。還流は、外部加熱マントルを介して、酸添加後1.5時間維持した。反応混合物を、珪藻土の層を通して高温で濾過した。冷却後、濾過水溶液をクロロホルム(2×300mL)およびEtOAc(2×300mL)で抽出した。有機抽出液を混合し、乾燥し(NaSO)、次いで減圧下で濃縮して22gの固体を得た。1H NMR: 6.82 (m, 1 H), 6.53 (d, 1 H), 6.51 (s, 1 H), 3.91 (q, 2 H), 1.28 (t, 3 H); m/z: 216。
【0283】
中間体250
2−ブロモ−1−エトキシ−4−ニトロベンゼン
ヨードエタン(22.2mL、0.28mol)、2−ブロモ−4−ニトロフェノール(中間体251;24g、0.11mol)および炭酸カリウム(30.6g、0.22mol)の混合物をDMF(200mL)中で18時間撹拌した。反応混合物を氷水(2L)に注ぎ、次いでEtOAc(3×300mL)で抽出した。混合有機抽出液を乾燥し(NaSO)、濾過し、次いで減圧下で濃縮して27.1gの固体を得て、さらなる精製を行わずに使用した。1H NMR: 8.42 (d, 1 H), 8.25 (d, 1 H), 7.31 (d, 1 H), 4.28 (q, 2 H), 1.41 (t, 3 H)。
【0284】
中間体251
2−ブロモ−4−ニトロフェノール
4−ニトロフェノール(50g、0.36mol)、酢酸(400mL)および臭素(27mL、0.52mol)の混合物を18時間撹拌した。過剰の溶媒を減圧下で除去し、次いで残留物をジクロロメタン/ヘキサンから結晶化して60gの固体を得て、さらなる精製を行わずに使用した。1H NMR (MeOD): 8.40 (d, 1 H), 8.12 (dd, 1 H), 7.02 (d, 1 H); m/z: 216。
【0285】
中間体252
1−エチル−1,4−ジアゼパン
tert−ブチル 4−エチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート(中間体253;700mg、3.07mmol)と2MのHClを含むエーテル(10mL)の混合物を室温で2時間撹拌した。白色の固体を濾過し、次いでジエチルエーテルで洗浄した。その固体を20mLのMeOHに溶解し、その溶液に約2gのMP−カーボネート(3.1mmol/g)を添加した。その結果生じる混合物を室温で30分間撹拌し、濾過し、MeOHで洗浄し、次いでその濾過液を濃縮して390mgの淡黄色の油を得た。1H NMR (CD2Cl2): 3.00 (m, 6 H), 2.75 (m, 2 H), 2.62 (m, 2 H), 1.90 (m, 2 H), 1.10 (t, 3 H); m/z: 128。
【0286】
中間体253
tert−ブチル 4−エチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート
tert−ブチル 1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレート(3g、15mmol)、ヨードエタン(3.51g、22.5mmol)および炭酸カリウム(4.14g、30mmol)の混合物をアセトニトリル(15ml)中で20時間加熱還流した。反応混合物を冷却して濾過し、次いでジクロロメタンで洗浄した。濾過液を濃縮し、残留物をISCOクロマトグラフィシステムにより精製して700mgの油を得た。1H NMR (CD2Cl2): 3.60 (m, 4 H), 2.70 (m, 6 H), 1.95 (m, 2 H), 1.61 (s, 9 H), 1.20 (t, 3 H); m/z: 228。
【0287】
中間体254
エチル 4−[(2,4−ジフルオロフェニル)アミノ]−7−イソプロポキシ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキシレート
エチル 4−クロロ−7−イソプロポキシ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキシレート(中間体266;0.25g、0.64mmol)、2,4―ジフルオロアニリン(0.22mL、1.91mmol)および氷酢酸(0.1mL)のEtOAc(5mL)溶液を77℃で16時間加熱した。反応混合物を冷却し、NaHCO溶液(3mL)を添加し、次いで混合物をEtOAc(3×3mL)で抽出した。混合有機抽出液を濃縮し、次いで残留物をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)により精製して80mg(53%)の黄色の固体を得た。1H NMR: 9.69 (s, 1 H), 8.84 (s, 1 H), 7.39 (m, 1 H), 7.26 (s, 1 H), 7.19 (m, 1 H), 7.07 (m, 1 H), 6.96 (s, 1 H), 4.83 (m, 1 H), 4.39 (q, 2 H), 2.75 (s, 4 H), 2.37 (s, 4 H), 2.17 (s, 3 H), 1.34 (d, 6 H), 1.28 (t, 3 H); m/z: 485。
【0288】
中間体255〜265
以下の化合物を、中間体254と同様の方法により製造した。
【0289】
【表67】

【0290】
中間体266
エチル 4−クロロ−7−イソプロポキシ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキシレート
ジエチル ({[3−イソプロポキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}メチレン)マロネート(中間体267;5.7g、13.6mmol)およびオキシ塩化リン(12.4g、20.8mmol)の混合物を108℃で16時間加熱した。反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。その結果生じた暗色の油をアセトニトリル(20mL)で希釈し、NaHCOの撹拌溶液に添加し、次いでEtOAc(3×100mL)で抽出した。混合有機抽出液を乾燥し(NaSO)、濾過し、次いで減圧下で濃縮した。ヘキサン(30mL)を添加し、15分間の超音波処理の後、混合物を濾過して3.1g(58%)の茶色の固体を得た。1H NMR: 8.89 (s, 1 H), 7.45 (s, 1 H), 7.42 (s, 1 H), 4.91 (m, 1 H), 4.39 (q, 2 H), 3.16 (s, 4 H), 2.50 (s, 4 H), 2.23 (s, 3 H), 1.37 (m, 9 H); m/z: 392。
【0291】
中間体267
ジエチル ({[3−イソプロポキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}メチレン)マロネート
[3−イソプロポキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミン(中間体268;5.0g、21.5mmol)およびジエチルエトキシメチレンマロネート(4.65mL、23.24mL)のアセトニトリル(20mL)溶液を16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いでカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)により精製して6.7g(74%)の暗色の粘稠性オイルを得た。1H NMR: 10.68 (d, 1 H), 8.23 (d, 1 H), 6.99 (s, 1 H), 6.84 (s, 2 H), 4.65 (m, 1 H), 4.21-4.00 (m, 4 H), 2.93 (s, 4 H), 2.42 (s, 4 H), 1.27-1.16 (m, 12 H)。
【0292】
中間体268
[3−イソプロポキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミン
1−(2−イソプロポキシ−4−ニトロフェニル)−4−メチルピペラジン(中間体269;6.0g、21.5mmol)および10%パラジウム担持炭素(0.6g)を、MeOH(30mL)中で水素ガス(50psi)下で1時間撹拌し、次いで珪藻土のパッドを通して濾過した。濾過液を減圧下で濃縮して5.01g(94%)の茶色の油を得た。1H NMR: 6.59 (d, 1 H), 6.18 (d, 1 H), 6.08 (dd, 1 H), 4.65 (s, 2 H), 4.45 (m, 1 H), 2.79 (s, 4 H), 2.39 (s, 4 H), 2.17 (s, 3 H), 1.21 (d, 6 H)。
【0293】
中間体269
1−(2−イソプロポキシ−4−ニトロフェニル)−4−メチルピペラジン
1−クロロ−2−イソプロポキシ−4−ニトロベンゼン(中間体270;5.0g、23.2mmol)、1−メチルピペラジン(3.09mL、27.82mmol)および炭酸カリウム(3.99g、23.19mmol)の混合物をDMF(10mL)中で135℃で16時間加熱した。反応混合物を冷却し、水(200mL)に添加し、次いでEtOAc(3×100mL)で抽出した。混合有機抽出液を乾燥し(NaSO)、濾過し、次いで減圧下で濃縮して6.0グラム(93%)の赤色の固体を得た。1H NMR: 7.80 (dd, 1 H), 7.65 (d, 1 H), 7.0 (d, 1 H), 4.71 (m, 1 H), 3.20 (m, 4 H), 2.44 (m, 4 H), 2.21 (s, 3 H), 1.32 (d, 6 H); m/z: 280。
【0294】
中間体270
1−クロロ−2−イソプロポキシ−4−ニトロベンゼン
2−クロロ−5−ニトロフェノール(10.0g、57.6mmol)、2−ヨードプロパン(6.79mL、69.1mmol)、炭酸セシウム(1.87g、5.76mmol)および炭酸カリウム(9.93g、57.6mmol)の混合物をDMF(50mL)中で35℃で24時間加熱した。反応混合物を冷却し、水(200mL)に添加し、次いでEtOAc(3×25mL)で抽出した。混合有機抽出液を乾燥し(NaSO)、濾過し、次いで減圧下で濃縮して12.1グラム(97%)の赤い固体を得た。1H NMR: 7.88 (d, 1 H), 7.80 (dd, 1 H), 7.72 (d, 1 H), 4.87 (m, 1 H), 1.32 (d, 6 H)。
【0295】
中間体271
エチル 4−クロロ−6−モルホリノキノリン−3−カルボキシレート
エチル 4−ヒドロキシ−6−モルホリン−4−イルキノリン−3−カルボキシレート(中間体272;2.2g、7.28mmol)を還流下のオキシ塩化リン(6.6mL、72.8mmol)中で3時間撹拌した。冷却後、混合物を減圧下で濃縮し、次いでCHCN(20mL)を添加した。この混合物を徐々にNaHCO溶液(150mL)に注ぎ、その結果生じるスラリーをEtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮し、次いで残留物をカラムクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン勾配)で精製して1.8g(77%)の白色の固体を得た。1H NMR: 8.86 (s, 1 H), 8.00 (d, 1 H), 7.87 (d, 1 H), 7.38 (s, 1 H), 4.45 (q, 2 H), 3.82 (s, 4 H), 3.38 (s, 4 H), 1.38 (t, 3 H); m/z: 321。
【0296】
中間体272
エチル 4−ヒドロキシ−6−モルホリン−4−イルキノリン−3−カルボキシレート
ジエチル {[(4−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]メチレン}マロネート(中間体273;5.00g、14.35mmol)のジフェニルエーテル(30mL)溶液を250℃に2時間加熱した。冷却後、ヘキサン(20mL)を添加し、その結果生じた沈殿物を濾過し、アセトン(20mL)で洗浄して2.4g(55%)の薄茶色の固体を得た。1H NMR: 12.21 (s, 1 H), 8.45 (s, 1 H), 7.50 (m, 3 H), 4.21 (m, 2 H), 3.78 (s, 4 H), 3.17 (s, 4 H), 1.27 (t, 3 H); m/z: 303。
【0297】
中間体273
ジエチル {[(4−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]メチレン}マロネート
4−(4−アミノフェニル)モルホリン(5.00g、28.1mmol)およびジエチルエトキシメチレンマロネート(6.1mL、30.5mmol)のCHCN(10mL)溶液を24時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)に添加し、塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、次いで濃縮した。ヘキサン(50mL)を残留物に添加し、30分の超音波処理の後、その結果生じたスラリーを濾過して7.2g(74%)の茶色の固体を得た。1H NMR: 10.75 (d, 1 H), 8.35 (d, 1 H), 7.27 (d, 2 H), 6.98 (d, 2 H), 4.22 (m, 4 H), 3.73 (s, 4 H), 3.08 (s, 4 H), 1.25 (m, 6 H)。
【0298】
中間体274
エチル 4−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキシレート
エチル 4−ヒドロキシ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキシレート(中間体275;0.5g、1.5mmol)を、還流下のオキシ塩化リン(1.5mL、15.9mmol)中で3時間撹拌した。冷却後、混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタン(10mL)を添加した。この混合物を徐々にNaHCO溶液(50mL)に注ぎ、その結果生じたスラリーをEtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮し、次いで残留物をヘキサン中に取り、濾過して0.4g(76%)の黒色の固体を得た。1H NMR: 8.84 (s, 1 H), 7.97 (d, 1 H), 7.85 (d, 1 H), 7.35 (s, 1 H), 4.45 (q, 2 H), 3.40 (m, 4 H), 2.47 (m, 4 H), 2.25 (s, 3 H), 1.38 (t, 3 H); m/z: 334。
【0299】
中間体275
エチル 4−ヒドロキシ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキシレート
ジエチル ({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}メチレン)マロネート(中間体276;5.00g、13.8mmol)のジフェニルエーテル(30mL)溶液を250℃に2時間加熱した。冷却後、ヘキサン(20mL)を添加し、その結果生じた沈殿物を濾過し、次いでアセトン(20mL)で洗浄して0.52g(10%)の薄茶色の固体を得た。1H NMR: 12.19 (s, 1 H), 8.43 (s, 1 H), 7.50 (m, 3 H), 4.23 (m, 2 H), 3.19 (m, 4 H), 2.47 (m, 4 H), 2.23 (s, 3 H), 1.27 (t, 3 H)。
【0300】
中間体276
ジエチル ({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}メチレン)マロネート
4−(4−メチルピペラジノ)アニリン(3.0g、15.7mmol)およびジエチルエトキシメチレンマロネート(3.4mL、16.9mmol)のCHCN(10mL)溶液を24時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物にヘキサン(30mL)を添加し、その結果生じたスラリーを濾過して5.0g(88%)の茶色の固体を得た。1H NMR: 10.74 (d, 1 H), 8.34 (d, 1 H), 7.24 (d, 2 H), 6.97 (d, 2 H), 4.14 (m, 4 H), 3.11 (m, 4 H), 2.44 (m, 4 H), 2.21 (s, 3 H), 1.25 (m, 6 H)。
【0301】
中間体277
エチル 4−クロロ−7−(2−メトキシエトキシ)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキシレート
ジエチル ({[3−(2−メトキシエトキシ)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}メチレン)マロネート(中間体278;6.6g、15.15mmol)およびオキシ塩化リン(23.24g、151.5mmol)の混合物を110℃で16時間加熱した。反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。その結果生じた暗色の油をCHCN(20mL)で希釈し、NaHCOの撹拌溶液に添加した。その結果生じた混合物をジクロロメタン(3×25mL)で抽出した。混合有機抽出液を乾燥し(NaSO)、濾過し、次いで減圧下で濃縮した。その結果生じた油をシリカクロマトグラフィ(EtOAc)により精製して1.25g(20%)の淡黄色の粉末を得た。1H NMR: 8.92 (s, 1 H), 7.48 (s, 2 H), 4.41 (q, 2 H), 4.39 (q, 2 H), 4.34 (m, 2 H), 3.78 (m, 2 H), 3.37 (s, 3 H), 3.22 (m, 4 H), 2.53 (s, 4 H), 2.26 (s, 3 H), 1.37 (t, 3 H); m/z: 408。
【0302】
中間体278
ジエチル ({[3−(2−メトキシエトキシ)−4−(4−メチルピペラジン−1イル)フェニル]アミノ}メチレン)マロネート
1−[2−(2−メトキシエトキシ)−4−ニトロフェニル]−4−メチルピペラジン(中間体279;7.0g、23.70mmol)、10%パラジウム担持炭素(0.7g)およびMeOH(20mL)を窒素雰囲気下で混合した。窒素雰囲気を除去し、反応容器を振盪しながら50psiの水素ガスを1時間、適用した。水素ガスを除去し、窒素ガスに置き換えた。ジエチルエトキシメチレンマロネート(4.84mL、24.18mmol)を添加し、その結果生じた混合物を16時間静置した。その結果生じた黒色のスラリーを珪藻土のパッドを通して濾過し、次いで濾過液を減圧下で濃縮した。その結果生じた油をシリカクロマトグラフィ(EtOAc)により精製して6.6グラム(64%)の黄色の油を得た。1H NMR: 6.59 (d, 1 H), 6.18 (d, 1 H), 6.08 (dd, 1 H), 4.65 (s, 2 H), (s, 2 H), 4.45 (m, 1 H), 2.79 (s, 4 H), 2.39 (s, 4 H), 2.17 (s, 3 H), 1.22 (s, 3 H), 1.20 (s, 3 H); m/z: 436。
【0303】
中間体279
1−[2−(2−メトキシエトキシ)−4−ニトロフェニル]−4−メチルピペラジン
1−クロロ−2−(2−メトキシエトキシ)−4−ニトロベンゼン(中間体280;5.0g、23.19mmol)のDMF(10mL)溶液に、N−メチルピペラジン(3.09mL、27.82mmol)を60℃で添加した。130℃で26時間加熱後、反応混合物を冷却し、次いでNaHCO溶液(50mL)に添加した。混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出し、混合有機抽出液を乾燥し(NaSO)、濾過し、次いで減圧下で濃縮して6.1グラム(92.6%)の赤色の固体を得た。1H NMR: 7.80 (dd, 1 H), 7.69 (d, 1 H), 7.0 (d, 1 H), 4.21 (m, 2 H), 3.71 (m, 2 H), 3.34 (s, 3 H), 3.24 (m, 4 H), 2.44 (m, 4 H), 2.22 (s, 3 H); m/z: 296。
【0304】
中間体280
1−クロロ−2−(2−メトキシエトキシ)−4−ニトロベンゼン
2−クロロ−5−ニトロフェノール(10.0g、57.62mmol)、1−ブロモ−2−メトキシエタン(8.4mL、69.14mmol)および炭酸カリウム(11.92g、69.14mmol)のDMF(40mL)溶液を40℃で48時間加熱した。反応混合物を冷却し、NaHCO溶液(100mL)およびジクロロメタン(100mL)に添加した。その結果生じた混合物をジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。混合有機抽出液を乾燥し(NaSO)、濾過し、次いで減圧下で濃縮して赤色の固体を得た。その赤色の固体をシリカゲルのパッドを通して濾過し、9:1の比率のヘキサン:EtOAcで溶出した。濾過液を濃縮して10.3g(77%)の赤橙色の結晶質固体を得た。1H NMR: 7.92 (d, 1 H), 7.85 (dd, 1 H), 7.75 (d, 1 H), 4.35 (m, 2 H), 3.73 (m, 2 H), 3.34 (s, 3 H)。
【0305】
中間体281
エチル 4,6−ジクロロ−7−(2−メトキシエトキシ)キノリン−3−カルボキシレート
エチル 6−クロロ−4−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)キノリン−3−カルボキシレート(中間体282;6.7g、20.56mmol)、塩化チオニル(4.5mL、61.69mmol)およびDMF(1滴)のCHCN(25mL)溶液を60℃で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、徐々にNaHCO溶液(100mL)に添加した。その結果生じたスラリーをEtOAc(3×100mL)で抽出し、次いで有機抽出液を混合し、乾燥した(NaSO)。シリカクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc勾配)による残留物の精製により5.5g(78%)の白色の固体を得た。1H NMR: 9.10 (s, 1 H), 8.34 (s, 1 H), 7.69 (s, 1 H), 4.44 (m, 4 H), 3.81 (m, 2 H), 3.37 (s, 3 H), 1.38 (t, 3 H)。
【0306】
中間体282
エチル 6−クロロ−4−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)キノリン−3−カルボキシレート
Dowtherm A(25mL)の溶液に、ジエチル ({[4−クロロ−3−(2−メトキシエトキシ)フェニル]アミノ}メチレン)マロネート(中間体283;12.7g、34.16mmol)を250℃で添加し、加熱を1時間継続した。反応容器を冷却し、ヘキサン(100mL)を添加し、その結果生じたスラリーを濾過し、次いで乾燥して10.5g(94%)の不溶性の灰色の固体を得た。
【0307】
中間体283
ジエチル ({[4−クロロ−3−(2−メトキシエトキシ)フェニル]アミノ}メチレン)マロネート
窒素下の1−クロロ−2−(2−メトキシエトキシ)−4−ニトロベンゼン(中間体280;10.3g、44.47mmol)、5%白金担持炭素(1.0g)、およびヨウ化亜鉛(II)(2.84g、8.89mmol)の混合物のEtOAc(40mL)溶液を水素(1気圧)に置き換え、24時間撹拌した。水素を窒素で置き換え、ジエチルエトキシメチレンマロネート(9.07mL、24.18mmol)およびNaSO(1g)を添加した。16時間後、その結果生じた黒色のスラリーを珪藻土のパッドを通し濾過し、次いで濾過液を減圧下で濃縮した。その結果生じた油をシリカクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc勾配)により精製して12.7グラム(77%)のオフホワイトの粉末を得た。1H NMR: 10.70 (d, 1 H), 8.40 (d, 1 H), 7.40 (d, 1 H), 7.26 (s, 1 H), 6.98 (d, 1 H), 4.24 (m, 6 H), 3.72 (m, 2 H), 3.34 (s, 3 H), 1.28 (m, 6 H); m/z: 372。
【0308】
中間体284
エチル 7−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エトキシ)−4−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキシレート
ジエチル ({[3−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エトキシ)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}メチレン)マロネート(中間体285;2.0g、3.73mmol)、トリエチルアミン(9.05g、89.59mmol)およびオキシ塩化リン(1.14g、7.47mmol)のトルエン(10mL)溶液を100℃で24時間加熱した。反応混合物を冷却し、アセトニトリル(10mL)を添加し、その結果生じた混合物をNaHCO溶液に添加した。その混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。混合有機抽出液を乾燥し(NaSO)、濾過し、次いで減圧下で濃縮した。その結果生じた油をシリカクロマトグラフィ(EtOAc/MeOH勾配)により精製して0.545g(29%)の淡黄色の固体を得た。1H NMR: 8.84 (s, 1 H), 7.40 (s, 2 H), 4.32 (q, 2 H), 4.22 (m, 2 H), 3.94 (m, 2 H), 3.16 (s, 4 H), 2.45 (s, 4 H), 1.28 (t, 3 H), 0.79 (s, 9 H), 0.00 (s, 6 H); m/z: 508。
【0309】
中間体285
ジエチル ({[3−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エトキシ)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル]アミノ}メチレン)マロネート
窒素下の1−[2−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エトキシ)−4−ニトロフェニル]−4−メチルピペラジン(中間体286;1.5g、3.79mmol)および10%パラジウム担持炭素(0.4g)の混合物のEtOAc(10mL)溶液を水素(1気圧)に置換し、16時間撹拌した。水素ガスを除去し、窒素ガスで置き換えた。ジエチルエトキシメチレンマロネート(0.774mL、3.87mmol)を添加し、24時間撹拌した後、その結果生じた黒色のスラリーを珪藻土のパッドを通して濾過した。濾過液を減圧下で濃縮して2.0g(99%)の白色の固体を得た。1H NMR: 10.72 (d, 1 H), 8.37 (d, 1 H), 7.02 (s, 1 H), 6.86 (s, 2 H), 4.23-4.10 (m, 6 H), 3.92 (m, 2 H), 2.97 (m, 4 H), 2.43 (m, 4 H), 2.20 (s, 3 H), 1.25 (m, 6 H), 0.86 (s, 9 H), 0.07 (s, 6 H); m/z: 536。
【0310】
中間体286
1−[2−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エトキシ)−4−ニトロフェニル]−4−メチルピペラジン
tert−ブチル[2−(2−クロロ−5−ニトロフェノキシ)エトキシ]ジメチルシラン(中間体287;6.0g、18.08mmol)およびN−メチルピペラジン(4.41mL、39.77mmol)のDMF(10mL)溶液を100℃で3日間加熱した。冷却後、水(20mL)を添加し、混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。混合有機抽出液を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮し、次いで残留物をシリカクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc勾配)により精製して5.0g(70%)の黄色の固体を得た。1H NMR: 7.84 (dd, 1 H), 7.70 (d, 1 H), 7.02 (d, 1 H), 4.17 (m, 2 H), 3.96 (m, 2 H), 3.26 (m, 4 H), 2.45 (m, 4 H), 2.21 (s, 3 H), 0.86 (s, 9 H), 0.07 (s, 6 H); m/z: 396。
【0311】
中間体287
tert−ブチル[2−(2−クロロ−5−ニトロフェノキシ)エトキシ]ジメチルシラン
2−クロロ−5−ニトロフェノール(6.0g、34.57mmol)、(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(8.6mL、41.5mmol)および炭酸カリウム(7.15g、41.5mmol)の混合物をDMF(40mL)中で40℃で4日間加熱した。反応混合物を濾過した。塩水(200mL)を添加し、次いで混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。混合有機抽出液を濃縮し、次いで残留物をシリカクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc勾配)により精製して6.5g(57%)の白色の固体を得た。1H NMR: 7.94 (s, 1 H), 7.84 (dd, 1 H), 7.74 (d, 1 H), 4.325 (m, 2 H), 3.96 (m, 2 H), 0.82 (s, 9 H), 0.04 (s, 6 H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IAまたは式IB:
【化1】

(式中、
【化2】

は、3〜10員の窒素結合の複素環またはヘテロアリールであり、ここで該複素環またはヘテロアリールが−NH−部分を含有する場合、その窒素はRから選択される基により置換されていてもよく;
は、各存在において独立して、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、ホルミル、シアノ、−COH、−SH、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−NR’R”、−NR’−C(O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキルS(O)−(式中aは0〜2)、−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル、−NR’−SO−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)NR’R”、−SO−NR’R”、−C(O)−NR’R”、カルボシクリル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールまたはオキソであり;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、ホルミル、−COH、−SH、シアノ、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、−O−(C−C)シクロアルキル、−OC(O)−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−NR’R”、−NR’−C(O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキルS(O)−(式中aは0〜2)、−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル、−NR’−SO−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)NR’R”、−SO−NR’R”、−C(O)−NR’R”、−OC(O)−NR’R”、カルボシクリル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールまたは(C−C)アルコキシであり;
は、各存在において独立して、ハロ、ニトロ、ホルミル、シアノ、ヒドロキシ、−NR’R”、−COH、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、−NR’−C(O)−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)NR’R”、−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル、−O−C(O)−(C−C)アルキル、−SH、−SO−NR’R”、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルS(O)−(式中aは0〜2)、−NR’−SO−(C−C)アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクロまたはヘテロアリールであり、ここで該ヘテロシクロまたはヘテロアリールが−NH−部分を含有する場合、その窒素は(C−C)アルキルにより置換されていてもよく;または
隣接する炭素上の2つのR基は、S、OまたはNR(式中Rは存在しないか、Hまたは(C−C)アルキルである)から選択される0、1または2個のヘテロ原子を任意に含む5員または6員の飽和、部分的に不飽和、不飽和および/または芳香族の環を形成してもよく;
は水素またはハロであり;
mは0〜3であって、Rの意味は同一または異なってよく;
nは0〜3であって、Rの意味は同一または異なってよく;
pは各存在において独立して1または2であり;そして
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−C(O)−(C−C)アルキル、−S(O)(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイルおよびフェニルスルホニルから選択され;
R’およびR”は、各存在において独立して、H、置換されていてもよい(C−C)アルキル、または置換されていてもよいアリールであるか、または、それらが結合する窒素と共に、NRから選択される0または1個のさらなるヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和の置換されていてもよい3〜6員環を形成するものであり、ここで該任意の置換基は、1個以上のRから選択でき;
は、独立して(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、−NR、−COORまたは−CONRであり;そして
およびRは、互いに独立して、水素または(C−C)アルキルであり;ここで
各R、R、R、RおよびRは、炭素上で1個以上のホルミル、−SH、アジド、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−NR’R”、−COH、−C(O)−(C−C)アルキル、−CO(C−C)アルキル、−C(O)−NR’R”、−S−(C−C)アルキル、−SO−(C−C)アルキル、−SONR’R”、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−NR’−C(O)−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)−O(C−C)アルキル、−NR’−SO−(C−C)アルキル、−NR’−C(O)NR’R”、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルまたは(C−C)アルコキシにより置換されていてもよい)の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項2】
請求項1に記載の式IAの化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項3】
請求項1に記載の式IBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項4】
【化3】

は、5〜7員の窒素結合の複素環であり、ここで該複素環が−NH−部分を含有する場合、その窒素はRから選択される基により置換されていてもよく;
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、−C(O)−(C−C)アルキルおよび−CO(C−C)アルキルから選択され;そして
各Rは、炭素上で1個以上のシアノ、ヒドロキシ、−OC(O)−(C−C)アルキル、−NR’R”、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシにより置換されていてもよく;ここで
R’およびR”は、各存在において独立して(C−C)アルキルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項5】
は、各存在においてヒドロキシ、−NR’R”またはオキソであり;ここでR’およびR”は、各存在において独立して(C−C)アルキルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項6】
nは0または1である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項7】
は、水素、ハロまたは(C−C)アルコキシであり;ここでRは、炭素上で1個以上の(C−C)アルコキシまたはヒドロキシにより置換されていてもよい、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項8】
は、各存在において独立してハロ、(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシであり;ここでRは、炭素上でハロにより置換されていてもよい、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項9】
mは1〜3であり;ここでRの意味は同一または異なってよい、請求項1〜8のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項10】
は、水素またはフルオロである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項11】
式IAまたは式IB
【化4】

(式中、
【化5】

は、ピペラジン−1−イル、N−メチルピペラジン−1−イル、N−エチルピペラジン−1−イル、N−イソプロピルピペラジン−1−イル、N−アセチルピペラジン−1−イル、N−(2−ヒドロキシアセチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−シアノエチル)ピペラジン−1−イル、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル、N−(シクロプロピルメチル)ピペラジン−1−イル、N−(シクロプロピル)ピペラジン−1−イル、N−((R)−2−ヒドロキシプロピオニル)ピペラジン−1−イル、N−((S)−2−ヒドロキシプロピオニル)ピペラジン−1−イル、N−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル、N−(アセトキシアセチル)ピペラジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリノ、ホモピペラジン−1−イル、N−メチルホモピペラジン−1−イル、N−エチルホモピペラジン−1−イル、N−アセチルホモピペラジン−1−イル、N−イソプロピルホモピペラジン−1−イル、N−シクロプロピルホモピペラジン−1−イルおよびピロリジン−1−イルであり;
は、各存在においてヒドロキシ、−NMeまたはオキソであり;
nは0または1であり;
は、水素、フルオロ、メトキシ、エトキシ、2−(メトキシ)エトキシ、2−ヒドロキシエトキシまたはイソプロポキシであり;
は、各存在において独立してフルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、エチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシであり;
mは1〜3であり;ここでRの意味は同一または異なってよく;
は、水素またはフルオロである)の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項12】
4−[(2,4−ジフルオロフェニル)アミノ]−7−エトキシ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキサミド;
4−[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]−7−エトキシ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキサミド;
7−エトキシ−4−[(2−フルオロ−5−メチルフェニル)アミノ]−6−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキサミド;
4−[(3−クロロ−2−フルオロフェニル)アミノ]−7−エトキシ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキサミド;
7−エトキシ−4−[(2−フルオロ−5−メチルフェニル)アミノ]−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキサミド;
7−エトキシ−4−[(2−フルオロ−4−メチルフェニル)アミノ]−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキサミド;
4−[(2,4−ジフルオロフェニル)アミノ]−7−(2−メトキシエトキシ)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキサミド;
4−[(2−フルオロ−4−メチルフェニル)アミノ]−7−(2−メトキシエトキシ)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキサミド;
4−[(2−フルオロ−5−メチルフェニル)アミノ]−7−(2−メトキシエトキシ)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン−3−カルボキサミド;および
4−[(2−フルオロ−4−メチルフェニル)アミノ]−6−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−7−(2−メトキシエトキシ)キノリン−3−カルボキサミド、から選択される、式IAまたは式IB:
【化6】

の化合物。
【請求項13】
請求項1に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を製造する方法(ここで、可変基は、特に明記しない限り請求項1に記載ものである)であって、
方法a)式IIAまたは式IIB:
【化7】

(式中Lは、置換可能な原子または基である)の化合物を、式III:
【化8】

の化合物と反応させること、
または、
方法b)式IVAまたは式IVB:
【化9】

(式中Lは、置換可能な原子または基である)の化合物を、式V:
【化10】

の化合物と反応させること、
または、
方法c)式VIAまたは式VIB:
【化11】

の化合物またはその活性化誘導体をアンモニアと反応させること、
または、
方法d)式VIIAまたは式VIIB:
【化12】

(式中Rは、(C−C)アルキル、特にメチルおよびエチルである)の化合物をホルムアミドおよび塩基と反応させること、
または
方法e)式VIIIAまたは式VIIIB:
【化13】

の化合物の加水分解、
およびその後必要に応じて、
i)式IAまたはIBの化合物を式IAまたはIBの別の化合物に変換すること、
ii)いずれの保護基も除去すること、
iii)医薬的に許容し得る塩を形成すること、
を含んでなる方法。
【請求項14】
医薬的に許容し得る希釈剤または担体と一緒に、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物。
【請求項15】
医薬としての使用のための請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
【請求項16】
ヒト等の温血動物においてCSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる際に使用するための医薬の製造における請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用。
【請求項17】
ヒト等の温血動物において抗癌効果を生じさせる際に使用するための医薬の製造における請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用。
【請求項18】
黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍;肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫:ならびに皮膚、大腸、甲状腺、肺および卵巣の原発性および再発性の固形腫瘍、の治療に使用される医薬の製造における、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用。
【請求項19】
乳房腫瘍、卵巣腫瘍、膀胱腫瘍、子宮頚部腫瘍、子宮内膜腫瘍、前立腺腫瘍、肺腫瘍、腎臓腫瘍および膵腫瘍;血液悪性疾患(骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫および慢性リンパ性白血病を含む);ならびに神経膠腫、食道の扁平上皮癌、ブドウ膜悪性黒色腫および濾胞性リンパ腫の治療に使用される医薬の製造における、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用。
【請求項20】
腫瘍関連骨溶解、卵巣摘除誘発性骨喪失を含む骨粗鬆症、整形外科移植不成功、全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、関節リウマチを含む関節炎、骨関節炎、腎臓の炎症および糸球体腎炎;炎症性腸疾患;腎臓および骨髄の同種移植ならびに皮膚異種移植を含む移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、肥満、アルツハイマー病、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、および乾癬を含む慢性皮膚疾患、およびランゲルハンス細胞組織球症の治療に使用される医薬の製造における、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用。
【請求項21】
CSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる治療を必要とするヒト等の温血動物においてCSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる方法であって、有効量の請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法。
【請求項22】
抗癌効果を生じさせる治療を必要とするヒト等の温血動物において抗癌効果を生じさせる方法であって、有効量の請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法。
【請求項23】
黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍;肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫;ならびに皮膚、大腸、甲状腺、肺および卵巣の原発性および再発性の固形腫瘍、の治療を、そのような治療を必要とするヒト等の温血動物において行う方法であって、有効量の請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法。
【請求項24】
乳房腫瘍、卵巣腫瘍、膀胱腫瘍、子宮頚部腫瘍、子宮内膜腫瘍、前立腺腫瘍、肺腫瘍、腎臓腫瘍および膵腫瘍;血液悪性疾患(骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病を含む);ならびに神経膠腫、食道の扁平上皮癌、ブドウ膜悪性黒色腫および濾胞性リンパ腫の治療を、そのような治療を必要とするヒト等の温血動物において行う方法であって、有効量の請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法。
【請求項25】
腫瘍関連骨溶解、卵巣摘除誘発性骨喪失を含む骨粗鬆症、整形外科移植不成功、全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、関節リウマチを含む関節炎、骨関節炎、腎臓の炎症および糸球体腎炎;炎症性腸疾患;腎臓および骨髄の同種移植ならびに皮膚異種移植を含む移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、肥満、アルツハイマー病、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、および乾癬を含む慢性皮膚疾患、およびランゲルハンス細胞組織球症の治療を、そのような治療を必要とするヒト等の温血動物において行う方法であって、請求項1〜12のいずれか1項に記載の有効量の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を該動物に投与することを含んでなる方法。
【請求項26】
ヒト等の温血動物においてCSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる際に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体と一緒に、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物。
【請求項27】
ヒト等の温血動物において抗癌効果を生じさせる際に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体と一緒に、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物。
【請求項28】
ヒト等の温血動物における黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍;肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫;ならびに皮膚、大腸、甲状腺、肺および卵巣の原発性および再発性の固形腫瘍の治療に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体と一緒に、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物。
【請求項29】
ヒト等の温血動物における乳房腫瘍、卵巣腫瘍、膀胱腫瘍、子宮頚部腫瘍、子宮内膜腫瘍、前立腺腫瘍、肺腫瘍、腎臓腫瘍および膵腫瘍;血液悪性疾患(骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病を含む);ならびに神経膠腫、食道の扁平上皮癌、ブドウ膜悪性黒色腫および濾胞性リンパ腫の治療に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体と一緒に、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物。
【請求項30】
ヒト等の温血動物における腫瘍関連骨溶解、卵巣摘除誘発性骨喪失を含む骨粗鬆症、整形外科移植不成功、全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、関節リウマチを含む関節炎、骨関節炎、腎臓の炎症および糸球体腎炎;炎症性腸疾患;腎臓および骨髄の同種移植ならびに皮膚異種移植を含む移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、肥満、アルツハイマー病、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、および乾癬を含む慢性皮膚疾患、およびランゲルハンス細胞組織球症の治療に使用される、医薬的に許容し得る希釈剤または担体と一緒に、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含んでなる医薬組成物。
【請求項31】
ヒト等の温血動物においてCSF−1Rキナーゼ阻害作用を生じさせる際における請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用。
【請求項32】
ヒト等の温血動物において抗癌効果を生じさせる際における請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用。
【請求項33】
黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍;肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫;ならびに皮膚、大腸、甲状腺、肺および卵巣の原発性および再発性の固形腫瘍の治療における、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用。
【請求項34】
乳房腫瘍、卵巣腫瘍、膀胱腫瘍、子宮頚部腫瘍、子宮内膜腫瘍、前立腺腫瘍、肺腫瘍、腎臓腫瘍および膵腫瘍;血液悪性疾患(骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病を含む);ならびに神経膠腫、食道の扁平上皮癌、ブドウ膜悪性黒色腫および濾胞性リンパ腫の治療における、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用。
【請求項35】
腫瘍関連骨溶解、卵巣摘除誘発性骨喪失を含む骨粗鬆症、整形外科移植不成功、全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、関節リウマチを含む関節炎、骨関節炎、腎臓の炎症および糸球体腎炎;炎症性腸疾患;腎臓および骨髄の同種移植ならびに皮膚異種移植を含む移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、肥満、アルツハイマー病、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、および乾癬を含む慢性皮膚疾患、およびランゲルハンス細胞組織球症の治療における、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式IAまたはIBの化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用。
【請求項36】
式VIIAおよび式VIIB:
【化14】

(式中、Rは(C−C)アルキルであり、R〜R、nおよびmは請求項1〜12のいずれか1項に定義した通りである)の化合物。
【請求項37】
式VIAおよび式VIB:
【化15】

(式中、R〜R、nおよびmは、請求項1〜12のいずれか1項に定義した通りである)の化合物。

【公表番号】特表2009−533405(P2009−533405A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504814(P2009−504814)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001338
【国際公開番号】WO2007/119046
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】