説明

EUV光露光用フラーレン誘導体含有レジスト組成物並びにこれを用いたレジストパターン形成方法

【課題】極微細パターンを形成可能なEUVリソグラフィーにおいて、LER及びLWRの低減が可能な分子性材料を基盤材料として含有するレジスト組成物であって、EUV露光時でのアウトガスが低く、またエッチング耐性の高いレジスト膜を与えるレジスト組成物、およびこれを用いたレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】特定の置換基を特定の箇所に有するフラーレン誘導体、露光により酸を発生する酸発生剤、含窒素有機化合物、及び有機溶媒を含有するEUV(極紫外線)光露光用レジスト組成物、酸発生剤としてはオニウム塩系のものが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト組成物およびレジストパターン形成方法に関するものである。詳しくはEUV光を露光源とし、特定の構造を有するフラーレン誘導体を含有するレジスト組成物と、それを用いたパターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、急速にパターンの微細化が進んでいる。パターン微細化の手法としては、一般的に露光源の短波長化が用いられる。具体的には、g線、i線のような紫外線から、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)を露光源とするリソグラフィー技術に移行しており、最近では更なる微細化のために水の屈折率を利用した液浸ArFリソグラフィーや露光を2回行うダ
ブルパターニング技術についても量産化検討が行われている。また、短波長な高エネルギー線を用いる技術として、EB(電子線)や、EUV(極紫外線:13.5nm)光を露光源として用いるリソグラフィー技術が研究されている。EB露光ではスループットの低さが問題になる虞があるのに対して、EUV光を用いた場合は、ArFの波長と比較して1/10以下となり、極微細パターン形成方法の技術として注目を浴びている。
【0003】
レジスト材料には、これらの様々な波長を有する露光源に対する感度、微細パターンを形成できる解像性等のリソグラフィー特性が必要とされる。これらの要求を満たすレジスト組成物として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)等の極性有機溶媒に高溶解性を有するとともに、均一な膜形成が可能で、紫外線、X線、電子ビーム等の種々の露光によって形成されるエネルギー分布に従って光化学反応が生じ、現像液に対する溶解性が変化する基盤成分が用いられる。これら光化学反応の中でも、特に酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基盤成分と、露光により酸を発生する酸発生剤、線幅やレジストパターンの側面のラフネスであるラインエッジラフネス(以下、LERと略記する)、及びライン左右のエッジのLERにより生じるライン幅のラフネスであるラインウイズラフネス(以下、LWRと略記する)を制御するための含窒素有機化合物とを含有する化学増幅型レジスト組成物が微細パターン形成のために用いられる。これらのうち、露光した箇所がアルカリ現像液に溶解するレジストに用いられるレジスト組成物をポジ型レジスト組成物、露光した箇所がアルカリ現像液に溶解しなくなるレジストに用いられるレジスト組成物をネガ型レジスト組成物という。
【0004】
LERとは、フォトレジストパターン壁面にできる凹凸のことを指す。この凹凸の大きさは、配線の断線、ショート等を引き起こすため、極微細パターンを形成するEUVレジストにおいては、LERの低減化が強く求められている。
また、LWRとは、ライン左右のエッジのLERにより生じるライン幅のゆらぎのことを指し、LERとLWRは統計的に強い相関関係があると言われており、LERと同様、LWRの低減も強く求められている。
従来、このような化学増幅型レジスト組成物の基盤成分としては、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、メタクリル樹脂などのポリマーが用いられている。また、これらポリマーの水酸基の一部を酸解離性基に置換することによって、ポジ型レジスト組成物へ適用している。
【0005】
しかしながら、このようなパターン形成材料を用いてパターンを形成した場合、パターンの上面や側面にラフネスが生じる問題がある。例えば、LERは、ラインアンドスペー
スパターンにおけるライン幅のばらつき等の原因となるため、詳細なパターン形成時にはLERの低減化が課題となる。特に線幅32nm以下の微細パターンを形成可能なEUVリソグラフィーにおいては、3nm以下のLERが求められ、LWRは更に低い数値が求められている。
【0006】
しかし、従来用いられている基盤成分となるポリマーは、分子サイズが一般的に3nm以上のことが多い。また、パターン形成時の現像工程においては、現像液に対して通常1
分子単位で溶解するため、レジスト組成物の基盤成分としてポリマーを用いた場合、目標とするLERやLWRを達成するのは極めて困難である。したがってこのような問題に対して、分子サイズがポリマーサイズより小さい基盤成分として、分子性材料を用いるレジスト組成物が提案されている(非特許文献1)。
【0007】
ところで、1990年にC60フラーレンの大量合成方法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に行われている。フラーレンおよびフラーレン誘導体は分子量が小さく、また製造手法によっては単一化合物での製造も可能であるため、微細パターン形成に有利である。また、一般的にレジスト膜の炭素濃度とドライエッチング耐性については相関があるといわれており、炭素濃度が非常に高いフラーレンやフラーレン誘導体はエッチング耐性に優れるといった特徴を有している。これらフラーレン誘導体をレジスト用途に用いられる溶媒への溶解性を付与したフラーレン誘導体が開発され(特許文献1)、実際にKrF露光やEB露光が行われ、それらの有用性が確認されている(特許文献2)。
【0008】
また、極微細パターンを形成可能なEUVリソグラフィーを行うにあたっては、EUV露光時に高真空下で行う必要があるため、LER及びLWRやエッチング耐性に加え、露光時のアウトガスを抑える必要がある。しかしながら、基盤成分として分子性材料を用いた場合は一般的にポリマーよりもアウトガスが発生しやすい傾向にある。
アウトガスとは、露光時にレジスト組成物が分解して発生するガスのことを指す。EUVレジストにおいては、高真空下でのEUV露光を行うため、アウトガスの低減が強く求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−56878号公報
【特許文献2】特開2008−33102号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】J.Photopolymer Sci. and Tech. vol 17, No3, (2004) p435
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
極微細パターンを形成可能なEUVリソグラフィーにおいて、LER及びLWRの低減が可能な分子性材料を基盤成分として含有するレジスト組成物であって、EUV露光時でのアウトガスが低く、またエッチング耐性の高いレジスト膜を与えるレジスト組成物、およびこれを用いたレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定の置換基を特定の箇所に有するフラーレン誘導体をポジ型およびネガ型レジスト組成物、特に化学増幅型レジスト組成物の基盤成分として用いれば、EUV露光時のアウトガスが極めて低く、またLER及びLWRの低減が可能であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、下記(1)〜(9)に存する。
【0013】
(1)下記一般式(1)で表されるフラーレン誘導体(A)、露光により酸を発生する酸発生剤(B)、含窒素有機化合物(C)及び有機溶媒(D)を含有することを特徴とするEUV(極紫外線)光露光用レジスト組成物。
【0014】
【化1】

【0015】
(フラーレン骨格が有する一般式(1)で表わされる部分構造において、C1が水素原
子又は任意の基と結合しており、C6〜C10が各々独立に、下記一般式(2)で表わされ
る基と結合しているとともに、該部分構造を1箇所又は2箇所有している。また、上記一
般式(1)中、C1〜C10は、フラーレン骨格を構成する炭素原子を表わす。)
【0016】
【化2】

【0017】
(一般式(2)中、Arは炭素数6〜18の芳香族性を有する炭化水素基を表し、Rは水素原子又は酸不安定基を表わし、nは1〜3の整数を表す。)
(2)フラーレン誘導体(A)が一般式(2)のRのうち少なくとも1つは酸不安定基を含む部分構造を有し、かつレジスト組成物がポジ型レジスト材料であることを特徴とする上記(1)に記載のレジスト組成物。
(3)レジスト組成物が更に、架橋剤成分(E)を含むネガ型レジスト材料であることを特徴とする上記(1)に記載のレジスト組成物。
(4)酸発生剤(B)がオニウム塩系酸発生剤であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のレジスト組成物。
(5)オニウム塩系酸発生剤が一般式(3)で表されるスルホニウム塩系酸発生剤又は一般式(4)で表されるヨードニウム塩系酸発生剤あることを特徴とする上記(4)に記載のレジスト組成物。
【0018】
【化3】

【0019】
【化4】

【0020】
(式(3)、(4)中、R2〜Rは、それぞれ独立に炭素数1〜20の有機基を表し、
5は直鎖、分岐または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す)
(6)含窒素有機化合物(C)が第3級脂肪族アミンであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のレジスト組成物。
(7)架橋剤成分(E)がメラミン系架橋剤であることを特徴とする、上記(3)〜(6)のいずれかに記載のレジスト組成物。
(8)一般式(2)中の酸不安定基(R)が第3級アルキルオキシカルボニル基であることを特徴とする、上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布しレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を加熱処理する工程、選択的にEUV露光する工程、必要に応じて加熱する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、EUV露光時のアウトガスが極めて低く、またLER及びLWRの低減が可能なフラーレン誘導体を含むレジスト組成物、並びに本発明のレジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。[レジスト組成物]
本発明のレジスト組成物は、EUV光照射により発生した酸の作用により、アルカリ現像液溶解性が変化するフラーレン誘導体(A)、EUV露光により酸を発生する酸発生剤(B)並びに含窒素有機化合物(C)及び有機溶媒(D)を含有する。フラーレン誘導体(A)は、酸の作用によりアルカリ現像液溶解性が増大するものであってもよく、また低減するものであってもよい。本発明のレジスト組成物は、フラーレン誘導体(A)が前者の場合はポジ型レジスト組成物となり、後者の場合はネガ型レジスト組成物となる。本発明のレジスト組成物は、ポジ型レジスト組成物であってもよく、ネガ型レジスト組成物であってもよい。
【0023】
本発明のレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物である場合、通常フラーレン誘導体(A)、EUV露光により酸を発生する酸発生剤(B)並びに含窒素有機化合物(C)及び有機溶媒(D)に加えて、必要に応じて更に架橋剤成分(E)を含有している。
ネガ型レジスト組成物は、レジストパターン形成時にEUV露光により酸が発生すると、当該酸が作用してフラーレン誘導体(A)と架橋剤成分(E)との間で架橋が起こり、レジスト組成物がEUV露光部においてアルカリ現像液可溶性から不溶性へと変化し、アルカリ現像が可能となる。
【0024】
本発明のレジスト組成物が、ポジ型レジスト組成物である場合は、通常フラーレン誘導体(A)として酸不安定基を有するものが用いられる。ポジ型レジスト組成物は、レジストパターン形成時にEUV露光により酸が発生すると、当該酸が作用して酸不安定基が反応し、解離することによって、レジスト組成物がEUV露光部においてアルカリ現像液不溶性から可溶性へと変化し、アルカリ現像工程が可能となる。
【0025】
[フラーレン誘導体(A)]
[フラーレン誘導体の構造]
本発明で用いられるフラーレン誘導体(A)は、特定の部分構造を有するフラーレン誘導体である。ここで、「フラーレン」とは、閉殻構造を有する炭素クラスターであり、フラーレンの炭素数は、通常60〜130の偶数である。
フラーレンの具体例としては、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94、C96及びこれらよりも多くの炭素を有する高次の炭素クラスター等が挙げられる。なお、本明細書では、炭素数i(ここでiは任意の自然数を表す。)のフラーレン骨格を適宜、一般式「Ci」で表す。
また、「フラーレン誘導体」とは、フラーレン骨格を有する化合物又は組成物の総称である。即ち、フラーレン誘導体には、フラーレン骨格上に置換基を有したものの他、フラーレン骨格の内部に金属や化合物等を内包するもの及び他の金属原子や化合物と錯体を形成したもの等も含まれる。
【0026】
本発明の組成物に含有されるフラーレン誘導体が有するフラーレン骨格は制限されないが、中でもC60又はC70が好ましく、C60がより好ましい。C60及びC70はフラーレンの製造時に主生成物として得られるので、入手が容易であるという利点がある。即ち、本発明のフラーレン誘導体は、C60又はC70の誘導体であることが好ましく、C60の誘導体であることがより好ましい。また、コストの観点ではC60誘導体とC70の誘導体の混合物であることが好ましい。この場合、C60誘導体とC70の誘導体の混合比は任意であり、レジスト組成物の特徴によって好ましい範囲を決定すればよい。
【0027】
本発明におけるフラーレン誘導体成分(A)は、下記一般式(1)で表される部分構造を1箇所又は2箇所含有する。ここで、C1は水素原子又は任意の置換基と結合しており、
6〜C10は各々独立に、下記一般式(2)で表わされる基と結合している。なお、以下
の説明において、C1に結合する水素原子及び置換基を総称して、適宜「R10」という。
また、下記一般式(2)で表される基を、適宜「R20」という。
【0028】
【化5】

【0029】
(一般式(1)中、C1〜C10は、フラーレン骨格を構成する炭素原子を表わす。)
【0030】
【化6】

【0031】
(一般式(2)中、Arは炭素数6〜18の芳香族性を有する炭化水素基を表し、Rは水素原子又は酸不安定基を表わし、nは1〜3の整数を表す。)
以下、まずC1と結合している基(即ち、R10)について、詳細に説明する。
一般式(1)中、C1は水素原子又は任意の置換基(即ち、R10)と結合している。前記
の置換基は、本発明のフラーレン誘導体成分として優れた物性を大幅に損ねるものでなければ、その種類に制限は無い。
【0032】
10の例としては、ハロゲン原子、有機基、その他の置換基などが挙げられる。
10がハロゲン原子である場合、その具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。なかでも、製造の容易さから塩素原子及び臭素原子が好
ましい。
10が有機基である場合、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基等の直鎖又は分岐状の鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基;アリル基、クロチル基、シンナミル基等のアルケニル基;ベンジル基、p−メトキシベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基;フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、トルイル基等のアリール基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリーロキシ基;モノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、モノジエチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の置換アミノ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アリーロキシカルボニル基;チエニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、フリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基等の5員複素環基;ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリル基等の6員複素環基;チオホルミル基、チオアセチル基、チオベンゾイル基等のチオカルボニル基;トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、モノメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジエチルシリル基、モノエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジイソプロピルシリル基、モノイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、モノフェニルシリル基等の置換シリル基等が挙げられる。
【0033】
また、R10が有機基である場合には、本発明のフラーレン誘導体成分として優れた物性を大幅に損なわない限り、前記有機基は更に別の置換基を有していてもよい。R10の有機基が有していてもよい置換基の例としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、水酸基(ヒドロキシル基)、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子等が挙げられる。また、これらの置換基が更に一以上の置換基によって多重に置換されていてもよい。
【0034】
さらに、R10が有機基である場合、炭素数は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1以上、また、通常30以下である。R10が置換基を有する場合には、置換基を含めた炭素数が、上記規定の範囲を満たすことが好ましい。
また、R10が上記のハロゲン原子、有機基以外の置換基である場合、その具体例としては、水酸基(ヒドロキシ基)、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、シアノ基、シリル基、ニトロ基等が挙げられる。
【0035】
上記のうち、R10として好ましい基としては、水素原子;ハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;アリル基、クロチル基、シンナミル基等のアルケニル基等が挙げられる。
中でも、R10としては、合成の容易さ及び耐酸化性の観点からアルキル基がより好ましく、EUVアウトガス低減の観点から安定性の高いメチル基が特に好ましい。
【0036】
続いて、一般式(2)で表される基(即ち、R20)について、詳細に説明する。R20は、炭素数6〜18の芳香族性を有する炭化水素基(Ar)に1〜3個のOR基(Rは水素原子又は酸不安定基)が結合した基である。
上記、OR基(Rは水素原子又は酸不安定基)が結合している炭素数6〜18の芳香族性を有する炭化水素基(Ar)の具体的な例としては、フェニル基、ビニルフェニル基、ジビニルフェニル基、トリビニルフェニル基等のビニルフェニル基;ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、アセナフチレニル基、フルオレニル基、フェナレニ
ル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオラセニル基、アセフェナンチレニル基、アセアンチレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、テトラセニル基等の環状炭化水素基が挙げられる。
【0037】
これらの中で、原料調達の観点からフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナレニル基、ピレニル基が好ましく、合成の容易さからフェニル基、ナフチル基が特に好ましい。
上記、炭素数6〜18の芳香族性を有する1価の炭化水素基がフラーレンと結合する位置は限定されず任意であるが、例えばナフタレン骨格の場合、原料調達の観点や合成の容易さからβ−位で結合していることが好ましい。他の骨格に関しては、上記観点で好ましい結合位置を各々決めることができる。
【0038】
一般式(2)において、炭素数6〜18の芳香族性を有する炭化水素基と結合しているOR基(Rは水素原子又は酸不安定基)の数は1〜3個である。通常、合成が容易である観点からはOR基(Rは水素原子又は酸不安定基)の数は1個であることが好ましく、また
現像液溶解性やEUV光が照射された際のプロトン源の増大という観点では、OR基(Rは水素原子又は酸不安定基)の数は2個もしくは3個が好ましい。
【0039】
また、EUVネガ型レジスト組成物として用いる場合は、フラーレン誘導体(A)のOR基のRが水素原子であることが好ましく、EUVポジ型レジスト組成物として用いる場合は、アルカリ現像液に溶解しない程度に酸不安定基を有することが好ましい。水素原子と酸不安定基の比は本発明のレジスト組成物が機能すれば任意である。
なお、OR基(Rは水素原子又は酸不安定基)が芳香族性を有する炭化水素基に結合する位置は限定されず任意であり、複数のOR基がある場合はその相対的な位置関係も、制限されず任意であるが、例えばナフトール基の場合、原料調達の観点からamphi(アンフィ)の位置、即ちβ位(2位)でフラーレンと結合し、6位の位置に水酸基が結合していることが好ましい。
【0040】
本発明に用いられるフラーレン誘導体(A)において、一般式(2)で表される構造の基(即ち、R20)は、合成上の観点から「4−OR−C64」、「3−OR−C64」、「3,4−(OR)2−C63」、「3,5−(OR)2−C63」、「β−(6−OR−C106)」等のフェノール類、カテコール類、ナフトール類が特に好ましい。
本発明に用いられるフラーレン誘導体(A)では、式(1)のC6〜C10は、各々独立に、一般式(2)で表される基(即ち、R20)と結合している。なお、R20は互いに同じ構造の基であってもよく、異なる構造の基であってもよいが、合成が容易である点から、R20は全て同じ構造の基であることが好ましい。
【0041】
本明細書では、一般式(1)のC1が水素原子又は任意の置換基(即ち、R10)と結合し、C6〜C8が各々独立に一般式(2)で表される基(即ち、R20)と結合した部分構造を、「3重付加部分構造」という場合がある。また、一般式(1)のC1が水素原子又は任意の置換基(即ち、R10)と結合し、C6〜C10が各々独立に一般式(2)で表される基(即ち、R20)と結合した部分構造を、「5重付加部分構造」という場合がある。
【0042】
本発明に用いられるフラーレン誘導体(A)の例を以下に挙げる。ただし、本発明のフラーレン誘導体成分(A)は、以下に挙げる例に限定されるものではない。
・フラーレン骨格上に本発明の5重付加部分構造を1つ有する、一般式Ci(R205(R10)で表される5重付加フラーレン誘導体。
・フラーレン骨格上に本発明の3重付加部分構造を1つ、本発明の5重付加部分構造を1つ有する、一般式Ci(R208(R102で表される8重付加フラーレン誘導体。
【0043】
・フラーレン骨格上に本発明の5重付加部分構造を2つ有する、一般式Ci(R2010
(R102で表される10重付加フラーレン誘導体。
これらの中でも、本発明のフラーレン誘導体(A)としては、製造が容易であり、単一化合物が製造できるため、分布の幅を狭められる観点からはフラーレン骨格上に本発明の5重付加部分構造を1つ有する、一般式Ci(R205(R10)で表される5重付加フラーレン誘導体が好ましく、また、 シリコン基板との密着性やEUV露光時のプロトン源増
大、アルカリ現像液への溶解性の観点からはCi(R2010(R102で表される10重付加フラーレン誘導体が好ましい。なお、上記5重付加体、8重付加体及び10重付加体の
構造は中村らによって明らかにされている。
【0044】
[酸不安定基]
次に、一般式(2)中のArに結合しているOR基のうち、Rが酸不安定基である場合について詳細に説明する。フラーレン誘導体成分(A)が、ポジ型レジスト組成物に用いられる場合、一般式(2)中のRのうち少なくとも1つは酸不安定基であることが好ましい。
酸不安定基の具体例としては、第3級(tert−)アルキル基、第3級アルキルオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アルコキシアルキル基、環状エーテル基等があげられる。
【0045】
酸不安定基が第3級アルキル基である場合の具体例としては、tert−ブチル基、tert−アミル基等の鎖状の第3級アルキル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等の、脂肪族環式基を含む第3級アルキル基等があげられる。また、脂肪族環式基は多環式基、単環式基のいずれでもよい。脂肪族環式基の具体的な例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロデカン、アダマンタン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などがあげられる。これら、脂肪族環式基はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、フッ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0046】
酸不安定基が第3級アルキルオキシカルボニル基である場合、第3級アルキル基部位は、上記酸不安定基が第3級アルキル基である場合と同様のものを挙げることができる。第3級アルキルオキシカルボニル基の具体例としては、tert−ブチルオキシカルボニル基、tert−アミルオキシカルボニル基、2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0047】
酸不安定基がアルコキシカルボニルアルキル基の場合、下記一般式(5)で表わされる基が好ましい。
【0048】
【化7】

【0049】
(一般式(5)中、X1は直鎖状、分岐状又は環状アルキル基であって、その構造中にヘテロ原子を含んでいてもよく、mは1〜3の整数である)
X1は、その構造中にヘテロ原子を含んでいてもよい。すなわち、X1は、水素原子の一部又は全部がヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、またX1の炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよい。ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、フッ素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0050】
ヘテロ原子を含む基としては、ヘテロ原子自体であってもよく、またヘテロ原子と炭素原子及び/又は水素原子とからなる基であってもよい。
X1が直鎖状アルキル基の場合、炭素数1〜5であることが好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基等が挙げられ、原料調達の観点からメチル基、エチル基が好ましい。
【0051】
また、X1が分岐状アルキル基の場合、炭素数4〜10であることが好ましく、具体的にはイソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基等が挙げられ、この中でも特にtert−ブチル基が好ましい。
X1が環状アルキル基の場合、炭素数3〜20であることが好ましく、具体的にはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、アダマンチル基等があげられ、この中でも特にアダマチル基が好ましい。
【0052】
また、環状アルキル基の場合、酸素原子と結合している該環状アルキル基の炭素原子が、酸素原子以外に低級アルキル基と結合していることが好ましい。ここの低級アルキル基は炭素数1〜5の直鎖状、分岐状のアルキル基であることが好ましく、特に原料調達の観点からメチル基、エチル基であることが特に好ましい。すなわち、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基が特に好ましい。
【0053】
なお、一般式(5)中におけるmは1〜3の整数であり、原料調達の観点からmは1であることが好ましい。
酸不安定基がアルコキシアルキル基の場合、下記一般式(6)で表わされる基が好ましい。
【0054】
【化8】

【0055】
(一般式(6)中、X2は直鎖状、分岐状又は環状アルキル基であって、その構造中にヘテロ原子を含んでいてもよく、X3は水素原子または低級アルキル基である)
一般式(5)中のX2としては、一般式(4)中のX1と同様のものが挙げられる。中でも、分岐状アルキル基、環状アルキル基が好ましい。
【0056】
一般式(5)中のX3は、水素原子または低級アルキル基である。X3の低級アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基であって、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、原料調達の観点から、水素原子、またはメチル基が好ましく、特に水素原子が好ましい。
【0057】
酸不安定基が環状エーテル基の場合、具体的にテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等があげられる。
これら、酸不安定基のうち、第3級アルキルオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基が好ましく、特に第3級アルキルオキシカルボニル基が好ましい。また、これら酸不安定基は、単独に一種類を用いてもよく、また複数の種類を用いてもよい。複数の種類を用いる場合は、その種類と数、それぞれの酸不安定基の比率等任意である。
【0058】
本発明のレジスト組成物中、フラーレン誘導体(A)の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚に応じて調整すればよい。
通常、EUV光を用いる場合のレジスト膜厚は、通常10nm以上、200nm以下、好ましくは20nm以上、100nm以下、最も好ましくは30nm以上、80nm以下である。また同様に、所望のパターンの最小加工寸法に応じても調整可能である。
【0059】
[酸発生剤(B)]
酸発生剤(B)としては特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト組成物用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、グリオキシム系酸発生剤、ジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤、スルホン酸エステル誘導体等が挙げられる。これらの中でも、オニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤が好ましく、またオニウム塩系酸発生剤が特に好ましく、スルホニウム塩系及びヨードニウム塩系の酸発生剤が最も好ましい。
【0060】
オニウム塩系酸発生剤のうち、スルホニウム塩系の具体例としては、下記一般式(3)の構造を有する化合物が挙げられる。
【0061】
【化9】

【0062】
(式中R2〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜20の有機基を表し、R5は直鎖、分岐ま
たは環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す)
一般式(3)中のR2〜R4は、炭素数1〜20の有機基を表わし、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基や、アリール基、アラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示している。これらの水素原子の一部または全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R2とR3とは環を形成していてもよく、環を形成する場合は炭素数1〜10のアルキレン基を示す。また、R2からR4は互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0063】
一般式(3)中のR2〜R4の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n―ブチル基、sec―ブチル基、tert―ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基、2−オキソプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等のオキソアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基;p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert―ブトキシフェニル基、m−tert―ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基;2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert―ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基;
メチルナフチル基、エチルナフチル基、ジメチルナフル基、ジエチルナフチル基等のアルキルナフチル基;メトキシナフチル基、エトキシナフチル、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等のアラルキル基、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソアルキル基等が挙げられる。
【0064】
これらの中でも、アリール基が好ましく、特にフェニル基やナフチル基が好ましい。
一般式(3)中のR5は直鎖、分岐または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基
を表す。直鎖又は分岐状のアルキル基としては、通常炭素数1〜12であることが好ましく、また炭素数1〜8であることが更に好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、また炭素数5〜10であることが更に好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
【0065】
これら直鎖、分岐または環状のアルキル基の水素原子の少なくとも一部はフッ素原子に置換されていることが好ましい。フッ素原子への置換率は、通常10%〜100%であり、好ましくは50〜100%である。特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したフッ化アルキル基が、酸の強度が高くなるので好ましい。
オニウム塩系酸発生剤のうち、ヨードニウム塩系酸発生剤の具体例としては、下記一般式(4)の構造を有する化合物が挙げられる。
【0066】
【化10】

【0067】
(式中R2及びR3は、それぞれ独立に炭素数1〜20の有機基を表し、R5は直鎖、分岐
または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す)
酸発生剤(B)としては、上述の酸発生剤の1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上組み合わせる場合は、その種類と比率は任意である。
【0068】
本発明においては、酸発生剤(B)として、フッ素化アルキルスルホン酸イオンを有するオニウム塩系酸発生剤を用いることが好ましい。
本発明のレジスト組成物における酸発生剤(B)の含有量は、フラーレン誘導体(A)100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、3〜40重量部が更に好ましく、5〜38重量部が最も好ましい。上記範囲とすることで、EUV露光によるパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
[含窒素有機化合物(C)]
本発明のレジスト組成物は、ポジ型及びネガ型のいずれの場合においても、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等を向上させるために、含窒素有機化合物(C)を含有する。この含窒素有機化合物(C)はこれまでに報告されている任意のものを使用すれば良いが、環状アミン、脂肪族アミンが好ましい。特に、第2級脂肪族アミン、第3級脂肪族アミンが好ましく、第3級脂肪族アミンが最も好ましい。ここで脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、炭素数は1〜15が好ましい。
【0069】
含窒素有機化合物(C)の具体例としては、n‐ヘキシルアミン、n‐ヘプチルアミン、n‐オクチルアミン、n‐ノニルアミン、n‐デシルアミン等の第1級脂肪族アルキルアミン;ジエチルアミン、ジ‐n‐プロピルアミン、ジ‐n‐ブチルアミン、ジ‐n‐ペンチルアミン、ジ‐n‐ヘキシルアミン、ジ‐n‐ヘプチルアミン、ジ‐n‐オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の第2級脂肪族アルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ‐n‐プロピルアミン、トリ‐n‐ブチルアミン、トリ‐n‐ペンチルアミン、トリ‐n‐ヘキシルアミン、トリ‐n‐ヘプチルアミン、トリ‐n‐オクチルアミン、トリ‐n‐ノニルアミン、トリ‐n‐デカニルアミン、トリ‐n‐ドデシルアミン等の第3級脂肪族アルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ‐n‐オクタノールアミン、トリ‐n‐オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン等が挙げられる。
【0070】
また、他の具体例としては、ピペリジン、ピペラジン等の脂肪族単環式アミン;1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン、ヘキサメチレンテトラミン等の脂肪族多環式アミンが挙げられる。
これらの中でも、炭素数5〜10の第3級脂肪族アミンが好ましく、特に炭素数8のトリ‐n‐オクチルアミンが好ましい。
【0071】
含窒素有機化合物(C)としては、これらの含窒素有機化合物の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上組み合わせる場合は、その種類と比率は任意である。
本発明のレジスト組成物における含窒素有機化合物(C)の含有量は、フラーレン誘導体(A)100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、0.1〜10重量部が更に好ましく、1〜5重量部が最も好ましい。
【0072】
含窒素有機化合物(C)の含有量が多すぎる場合はレジスト組成物中の酸を過剰に捕捉しEUV感度が低くなるという問題があり、少なすぎる場合はレジスト組成物中の酸を充分に捕捉できずLERやLWR、及び解像度が悪化するという問題が起きることがある。[有機溶媒(D)]
本発明のレジスト組成物は、ポジ型及びネガ型のいずれの場合においても、有機溶媒(D)を含有する。この有機溶媒(D)は使用する各成分を溶解させ、均一な溶液になればよく、従来の化学増幅型レジスト組成物の有機溶媒としてこれまでに報告されている任意のものを使用することができる。
【0073】
有機溶媒(D)の具体例としては、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル化合物;前記多価アルコール類又は前記エステル化合物のモノメチルエーテル体、モノエチルエーテル体、モノプロピルエーテル体、モノブチルエーテル体等のモノアルキルエーテル体が挙げられる。
【0074】
また、ジオキサン等の環状エーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族系有機溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド等のアミン類などが挙げられる。
【0075】
これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGM
EAと略記する)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGMEと略記する)、乳酸エチル(以下、ELと略記する)が好ましく、EUV露光時のアウトガス低減の観点ではPGMEが最も好ましく、塗布性の観点ではPGMEAが最も好ましい。
有機溶媒(D)としては、これらの有機溶媒の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上組み合わせる場合は、その種類と比率は任意である。
【0076】
有機溶媒(D)の使用量は特に制限はないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定すればよい。本発明のEUVレジスト組成物の固形分濃度としては通常0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲になるように用いられる。
【0077】
[架橋剤成分(E)]
本発明のレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物として用いる場合には、架橋剤成分(E)を含有することが好ましい。この架橋剤成分(E)は特に限定されず、従来の化学増幅型ネガレジスト組成物に用いられている架橋剤の中から任意のものを使用することができる。
【0078】
架橋剤成分(E)の具体例としては、2,3−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルノルボルナン、2−ヒドロキシ−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、シクロヘキサンジメタノール、3,4,8−トリヒドロキシトリシクロデカン、3,4,9−トリヒドロキシトリシクロデカン、2−メチル−2−アダマンタノール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサン等のヒドロキシル基又はヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環状炭化水素、又はその含酸素誘導体が挙げられる。
【0079】
また、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、グリコールウリル等のアミノ基含有化合物にホルムアルデヒド、又はホルムアルデヒドと低級アルコールを反応させ、該アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基、又は低級アルコキシメチル基等で置換した化合物が挙げられる。
これらのうち、アミノ基含有化合物としてメラミンを用いたものをメラミン系架橋剤、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素等を用いたものを尿素系架橋剤、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋剤という。これらのうち、メラミン系架橋剤が特に好ましい。
【0080】
メラミン系架橋剤としては、メラミンとホルムアルデヒドを反応させて、アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基で置換した化合物、メラミンとホルムアルデヒドと低級アルコールとを反応させて、アミノ基の水素原子を低級アルコキシメチル基で置換した化合物等が挙げられる。具体例としては、ヘキサメトキシメチルメラニン、ヘキサエトキシメチルメラニン、ヘキサプロポキシメチルメラニン、ヘキサブトキシメチルメラニン等が挙げられ、なかでもヘキサメトキシメチルメラニンが好ましい。
【0081】
架橋剤成分(E)としては、これらの架橋剤成分の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上組み合わせる場合は、その種類と比率は任意である。
本発明のレジスト組成物における 架橋剤成分(E)の含有量は、フラーレン誘導体(A)100重量部に対して通常1〜50重量部が好ましく、3〜40重量部が更に好ましく、5〜30重量部が最も好ましい。上記範囲とすることで、フラーレン誘導体成分(A)との架橋反応が十分進行し、良好なレジストパターンが形成される上、レジスト組成物の保存安定性が良好であり、EUV感度の経時的劣化が抑制される。
本発明のレジスト組成物においては、その優れた特性を著しく損なわない限り、前述の必
須成分に加えて、1種類又は2種類以上の界面活性剤等の第三成分を含有していてもよい。
【0082】
[レジスト組成物の作製方法]
本発明のレジスト組成物の作製方法は特に制限はないが、通常フラーレン誘導体(A)、酸発生剤(B)、含窒素有機化合物(C)及び有機溶媒(D)を、またネガ型レジスト組成物の場合は更に架橋剤成分(E)を所定の装置で攪拌しながら混合・溶解させる方法、超音波を照射する方法等により調製することができる。
[EUVレジストパターン形成方法]
本発明のEUVレジストパターン形成方法は、上記本発明のレジスト組成物を用いて、基板上に塗布しレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を加熱処理する工程、選択的にEUV露光する工程、必要に応じて加熱する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
【0083】
[EUVレジスト膜を形成する工程]
本発明のレジスト組成物を、基板上に、スプレー法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法などの任意の塗布方法を用いてレジスト膜を形成することができるが、均一な薄膜が形成できる観点でスピンコート法が好ましい。
【0084】
なお、塗布対象となる基板に制限はなく、その寸法、形状は任意である。また、基板の材質にも制限はないが、例えば半導体集積回路の製造プロセスにおいては、通常シリコン基板、さらにシリコンカーバイド(SiC)、窒化物半導体、ダイヤモンド等のワイドギャップ半導体、GaAsやAlGaAs等の化合物半導体基板が用いられる。また、レジスト膜が形成される基板で、ドライエッチングなどにより所望のパターンに加工される薄膜材料としては、ポリシリコン薄膜、またはポリシリコン薄膜と金属薄膜との積層膜、Al、W、Cu、Moなどの金属薄膜、Si酸化膜、Si窒化膜、Si酸窒化膜などの絶縁体薄膜などがあげられる。また上記所望のパターンに加工される薄膜材料上に有機膜を5nm以上、30nm以下、好ましくは10nm以上、25nm以下、最も好ましくは10nm以上、20nm以下に形成し、その上層に本発明のレジスト組成物のレジスト膜を形成することもある。
【0085】
さらにいわゆる多層レジスト構造における上層レジストとして本発明のレジスト組成物のレジスト膜が表面に形成されることもある。典型的な多層レジスト構造は、表面から上層レジスト、中間層、下層構造となる。または、必要に応じてさらに層数が増えることもある。たとえば上記加工すべき薄膜上に、下層として塗布型カーボン膜、中間層として有機Si系膜、その上層に有機膜、最上層にレジスト膜といった順に形成される。下層としては塗布型カーボン膜、スパッタにより形成されたカーボン膜、スピンコートにより形成され、熱処理を施した有機膜などがある。また、中間層としてはSi酸化膜、Si窒化膜、Si酸窒化膜、スピンオングラス(SOG)膜、TiN膜、有機Si系膜などがある。
【0086】
通常、EUV光を用いる場合のレジスト膜厚は、10nm以上、200nm以下、好ましくは20nm以上、100nm以下、最も好ましくは30nm以上、80nm以下である。また、所望のパターンの最小加工寸法に応じても膜厚が決定される。
レジスト膜厚が、薄すぎるとレジストパターンの寸法が所望の寸法から大きく変動する傾向があり、厚すぎると解像度が不良となる傾向がある。
【0087】
[EUVレジスト膜を加熱する工程:プリベーク工程]
上記の本発明のレジスト組成物により形成した膜は、加熱することによりレジスト膜に残留している有機溶媒を除去する。加熱温度は、通常70〜250℃で、好ましくは90〜150℃の範囲で、10〜300秒間、好ましくは30〜150秒間、更に好ましくは
60〜100秒間加熱する。加熱時間が長すぎると製造時の生産性が低下する傾向にあり、短すぎると熱が十分に伝わらず、加熱効果にばらつきが生じるおそれがある。
【0088】
[選択的にEUV露光する工程]
レジスト膜の露光は、EUV露光源を用いて所望のマスクパターンを介して行われる。露光に用いられるEUV露光源としては、LPPと呼ばれる、レーザー光をスズやその化合物、キセノンなどのターゲットに照射して発生したプラズマからEUV光を取り出るEUV露光源、DPPと呼ばれる、タングステンやシリコンカーバイドなどからなる電極の近傍に、スズやその化合物、キセノンを存在させて、高電圧放電により生したプラズマからEUV光を取り出すEUV露光源、レーザー光をターゲットに照射し、かつ放電させて生じたプラズマからEUV光を取り出すEUV露光源、または放射光光源からEUV光を取り出るEUV露光源などが用いられる。
これらのEUV光源からEUV光を取り出すには反射型または透過型のフィルターが使用される。
現像後に得られるレジストパターンの寸法は露光量により変動するので、露光量は所望の寸法となるように調整するのが好ましく、例えば、所望の寸法に対してプラスマイナス10%以内にする露光量が好ましく、プラスマイナス5%以内にする露光量が特に好ましい。
【0089】
[加熱する工程:ポストエクスポージャーベーク]
選択的EUV露光後の膜に対して、露光により発生した酸をレジスト膜中に効果的に拡散させるために加熱する。加熱温度は、通常70〜200℃で、好ましくは80〜150℃の範囲で、10〜300秒間、好ましくは30〜150秒間、更に好ましくは60〜100秒間加熱する。加熱時間が長すぎると製造時の生産性が低下する傾向にあ
り、短すぎると熱が十分に伝わらず、加熱効果にばらつきが生じるおそれがある。
【0090】
[現像工程]
上記工程を施した膜に対して、アルカリ現像液を用いて現像処理することにより、レジストパターンを形成することができる。
アルカリ現像液としては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の水溶液が挙げられ、通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、更に好ましくは2〜3重量%の水溶液を用い、10〜180秒間、好ましくは20〜120秒間、浸漬法、パドル法、スプレー法等の常法により現像する。
現像液中には、本発明のレジストパターン形成方法の優れた特性を著しく損なわない限り、界面活性剤などの任意の成分が含有されていてもかまわない。
【0091】
なお、本発明はEUV露光することが特徴であり、現在開発されている他の露光源を用いるよりも、解像度が優れた微細パターニングが可能である。
【実施例】
【0092】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
【0093】
[合成例1][(A−1):C60{β−(6−OH−C106)}5(−CH3)の製造]
臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体(9.72g、47.3mmol)のテトラヒドロフラン(THF)懸濁液(84mL)を5℃まで冷却した後、2−ブロモ−6−メトキシナフタレンから合成したグリニャール試薬の6−OCH3−C106MgBr/THF溶液(1mol/L;51mL)を加え、25℃まで昇温した。そこにC60(3.0g、4.17mmol)のオルトジクロロベンゼン(ODCB)溶液(135mL)を加え、2時間攪拌した。ここに、ヨウ化メチル(MeI)(3mL、48mmol)を加えさらに8時間攪拌した。反応液を濾過し、THFを除去した後、トルエンで希釈し、シリカを充填剤(固定相)としたカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン及び酢酸エチル)による分離精製を行った。
溶出した溶液を濃縮し、メタノール(500mL)で晶析を行い、50℃で真空乾燥を行うことで、C60{β−(6−OCH3−C106)}5(−CH3)をオレンジ色固体(6.87g、4.52mmol、収率108.5%)の生成物として得た。生成物の中には溶媒のODCBが11重量%残留しれていた。
【0094】
次に、上記のODCBを11重量%含有しているC60{β−(6−OCH3−C106)}5(−CH3)(4.00g、2.63mmol)のオルトジクロロベンゼン(ODCB)溶液(120mL)を調製し、5℃まで冷却したのち、BBr3−塩化メチレン溶液(1.0mol/L、16.0mL)を加え、25℃まで昇温した。室温下で10時間攪拌したあと、イオン交換水(100mL)で反応を停止させ、酢酸エチル(200mL)を加え、分液漏斗にて抽出した。有機層をイオン交換水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過を行った。溶液を濃縮し、ヘキサン(300mL)で晶析を行い、180℃で真空乾燥を5時間行って、目的化合物であるC60{β−(6−OH−C106)}5(−CH3)をオレンジ色固体(2.80g、1.93mmol、収率73.4%、C60からの一貫収率79.6%)の生成物として得た。
【0095】
得られた生成物をプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)及び高圧液体クロマ
トグラフィー(HPLC)にて測定した。なお、1H−NMRはDMSO−d6を溶媒とし、400MHzにて測定し、HPLCは、0.5mg/mLのメタノール溶液を調製し、以下の条件で測定した。
カラム種類:Inertsil ODS−3V
カラムサイズ:150mm×4.6mmφ
溶離液:トルエン/メタノール=2/8
検出器:UV290nm
HPLC測定の結果、保持時間6.42minに、94.6(Area%)のピークが観測された。
【0096】
また、1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(DMSO−d6,400MHz)]
9.85ppm(s,OH,1H),9.84ppm(s,OH,1H),9.81ppm(s,OH,1H),9.76ppm(s,OH,1H),9.70ppm(s,OH,1H),8.2〜8.4ppm(m,Np,4H),7.8〜8.0ppm(m,Np,8H),7.6〜7.7ppm(m,Np,4H),7.54ppm(d,Np,1H),7.24〜7.35ppm(m,Np,2H),7.0〜7.2ppm(m,Np,9H),6.90ppm(m,Np,2H),1.62ppm(s,C60Me,3H)
以上の結果から、得られた生成物が目的化合物C60{β−(6−OH−C106)}5(−CH3)であることが確認された。以下、この化合物を(A−1)と記載する。
【0097】
[合成例2][(A−2):C60(β−6−OH−C10610(−CH32の製造]
臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体(17.28g、84.1mmol)のTHF懸濁液(88mL)を5℃まで冷却した後、2−ブロモ−6−メトキシナフタレンから合成したグリニャール試薬の6−OCH3−C106MgBr/THF溶液(1mol/L;90mL)を加え、25℃まで昇温した。そこに、脱水ピリジン(68mL)を加えさらに20分攪拌した。次に、C60(2.0g、2.78mmol)のODCB溶液(80mL)を加え、25℃で1時間攪拌し、40℃で24時間攪拌した。ここに、MeI(15mL、240mmol)を加え、さらに12時間攪拌した。反応液を濾過し、THFを除去した後、トルエンで希釈し、シリカを固定相とするカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン及び酢酸エチル)による分離精製を行なった。溶出液を濃縮し、メタノール(800mL)で晶析を行ない、50℃で真空乾燥を行なうことで、C60(β−6−OCH3−C10610(−CH32を黄色固体(7.06g;109.6%)の生成物として得
た。
【0098】
次に、C60(β−6−OCH3−C10610(−CH32(2.00g、0.86mmol)のオルトジクロロベンゼン溶液(80mL)を調製し、5℃まで冷却したのち、BBr3−塩化メチレン溶液(1.0mol/L、13.0mL)を加え、25℃まで昇温
した。室温下で10時間攪拌したあと、イオン交換水(100mL)で反応を停止させ、酢酸エチル(200mL)を加え、分液漏斗にて抽出した。有機層をイオン交換水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過を行った。溶液を濃縮し、ヘキサン(300mL)で晶析を行い、50℃で真空乾燥を5時間行うことで、目的化合物であるC60(β−6−OH−C10610(−CH32を黄色固体(1.70g、0.78mmol、収率90.5%、C60からの一貫収率99.2%)の生成物として得た。
【0099】
HPLCの溶離液の比をトルエン/メタノール=5/95に変更する以外は、合成例1と同様にして、得られた生成物をHPLC及び1H−NMR(400MHz)にて測定し
た。
HPLC測定の結果、保持時間1.96minに29.4(Area%)、3.40minに36.1(Area%)、4.03minに34.5(Area%)の3つのピークが観測された。 これら3つのピークは液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−M
S)測定を行った結果いずれもm/zが2179.6であり、上記化合物の異性体混合物であることが確認された。
また、1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
【0100】
1H−NMR(DMSO−d6,400MHz)]
9.50〜9.80ppm(brs,OH,10H),8.6〜6.5ppm(m,Np,60H),1.80ppm(s,C60Me2,6H)
以上の結果から、得られた生成物が目的化合物C60(β−6−OH−C10610(−
CH32の位置異性体混合物であることが確認された。以下、この化合物を(A−2)と記載する。
【0101】
[合成例3][(A−3):C60{β−(6−OH−C106)}2{β−(6−OCO
OtBu−C106)}3(−CH3)の製造]
フラーレン誘導体(A−1)であるC60{β−(6−OH−C106)}5(−CH3
(1.50g,1.03mmol)のTHF(75mL)溶液に、トリエチルアミン(0.75mL)を添加し、氷冷した。そこに、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.68g,3.09mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(225mg,1.86mmol)を加え、氷冷条件下で15分、室温で2時間攪拌した。10重量%塩酸(80mL)で反応を停止させ、クロロホルム(100mL)を加え、分液漏斗にて抽出した。
【0102】
次に、有機層をイオン交換水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過を行った。溶液を濃縮しヘキサン(500mL)で晶析を行ない、50℃真空乾燥を3時間行なうことによって、目的化合物C60{β−(6−OH−C106)}2{β−(6−OCOOtBu−C106)}3(−CH3)を1.56g得た。
合成例1と同様にして、得られた生成物を1H−NMRで測定した。その結果、水酸基
とt−ブトキシカルボニル基(以下BOC基と記す)の積分比からA−1の水酸基数5個のうち、平均3個のBOC基が導入されたことが確認された。よって、保護化率は60%であった。
【0103】
[合成例4][(A−4):C60{β−(6−OH−C106)}4{β−(6−OCO
OtBu−C106)}6(−CH32の製造]
フラーレン誘導体(A−2)であるC60(β−6−OH−C10610(−CH32
1.50g,0.69mmol)のTHF(75mL)溶液に、トリエチルアミン(1.25mL)を添加し、氷冷した。そこに、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.90g,4.09mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(375mg,3.10mmol)を加え、氷冷条件下で15分、室温で3時間攪拌した。10重量%塩酸(100mL)で反応を停止させ、クロロホルム(150mL)を加え、分液漏斗にて抽出した。
【0104】
次に、有機層をイオン交換水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過を行った。溶液を濃縮しヘキサン(500mL)で晶析を行ない、50℃真空乾燥を3時間行なうことによって、表題化合物C60{β−(6−OH−C106)}4{β−(6−OCOOtBu−C106)}6(−CH32を1.53g得た。
合成例3と同様にして、得られた生成物を1H−NMRで測定した。その結果、水酸基
とt−ブトキシカルボニル基(以下BOC基と記す)の積分比からA−3の10個の水酸基のうち、平均6個のBOC基が導入されたことが確認された。よって、保護化率は60%であった。
【0105】
[合成例5][(A−5):C60(4−OH−C6410(−CH32の製造]
臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体(17.28g、84.1mmol)のTHF懸濁液(88mL)を5℃まで冷却した後、4−ブロモフェノールの水酸基をテトラヒドロピラニル基(以下、THPと記す)で保護して合成したグリニャール試薬の4−OTHP−C64MgBr/THF溶液(1mol/L;90mL)を加え、25℃まで昇温した。そこに、脱水ピリジン(68mL)を加えさらに20分攪拌した。次に、C60(2.0g、2.78mmol)のODCB溶液(80mL)を加え、25℃で1時間攪拌し、40℃で24時間攪拌した。ここに、MeI(15mL、240mmol)を加え、さらに12時間攪拌した。反応液を濾過し、THFを除去した後、トルエンで希釈し、アルミナを固定相とするカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン)による分離・精製を行なった。溶出液を濃縮し、メタノール(800mL)で晶析を行ない、50℃で真空乾燥を行なうことで、C60(4−OTHP−C6410(−CH32を黄色固体(5.02g;収率71.6%)の生成物として得た。
【0106】
次に、C60(4−OTHP−C6410(−CH32(2.00g、0.79mmol)の塩化メチレン(30mL)/メタノール(30mL)混合溶液を調製し、メタンスルホン酸(14μL)を加え、室温下で5時間攪拌した。反応液にヘキサン(400mL)を添加し晶析を行った。その後、50℃で真空乾燥を3時間行ない、目的化合物C60(4−OH−C6410(−CH32を黄緑色固体(1.32g、0.79mmol、収率99.1%)の生成物として得た。
HPLCの溶離液の比をトルエン/メタノール=5/95に変更し、用いるカラムをYMC−Pack ODS−AMとしたこと以外は、合成例1と同様にして、得られた生成物をHPLC及び1H−NMR(400MHz)にて測定した。
【0107】
HPLC測定の結果、保持時間1.57minに28.4(Area%)、1.90minに71.6(Area%)のピークが観測された。LC−MS測定の結果、これら2つのピークはいずれもm/z1680であり、目的化合物の異性体混合物であることが確認された。
また、1H−NMRの測定結果は、以下の通りであった。
1H−NMR(DMSO−d6,400MHz)]
9.20〜7.80ppm(brs,OH,10H),7.80〜6.0ppm(m,P
h,40H),1.82ppm(s,C60Me2,6H)
以上の結果から、得られた生成物が目的化合物C60(4−OH−C6410(−CH3
2の位置異性体混合物であることが確認された。以下、この化合物を(A−5)と記載
する。
【0108】
[合成例6][(A−6):C60(4−OH−C645.3(4−OCHCOOtBu−C644.7(−CH32の製造]
フラーレン誘導体(A−5)であるC60(4−OH−C6410(−CH32(0.70g,0.42mmol)のTHF(20mL)溶液に、炭酸カリウム(3.50g)を
添加し、攪拌した。そこにブロモ酢酸−tert−ブチル(0.29g,1.49mmo
l)を加え、60℃で5.5時間攪拌した。10重量%塩酸(50mL)で反応を停止させ、酢酸エチル(100mL)を加え、分液漏斗にて抽出した。
【0109】
次に、有機層をイオン交換水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過を行った。溶液を濃縮しヘキサン(200mL)で晶析を行ない、50℃で真空乾燥を3時間行なうことによって、表題化合物C60(4−OH−C645.3(4−OCH2COOtBu−C6
44.7(−CH32を0.65g得た。
合成例3と同様にして、得られた生成物を1H−NMRで測定した。その結果、水酸基
とt−ブトキシカルボニルメチレン基(以下BOCM基と記す)の積分比からA−5の水酸基数10個のうち、平均4.7個にBOCM基が導入されたことが確認された。よって、保護化率は47%であった。
【0110】
[合成例7][(A−7):C60(4−OH−C643.6(4−OCHCOOtBu−C646.4(−CH32の製造]
フラーレン誘導体(A−5)であるC60(4−OH−C6410(−CH32(0.70g,0.42mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、炭酸カリウム(3.50g)を添加し、攪拌した。そこに、ブロモ酢酸−tert−ブチル(0.39g,2.00mmol)を加え、60℃で5.5時間攪拌した。10重量%塩酸(50mL)で反応を停止させ、酢酸エチル(100mL)を加え、分液漏斗にて抽出した。
【0111】
次に、有機層をイオン交換水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過を行った。溶液を濃縮しヘキサン(200mL)で晶析を行ない、50℃で真空乾燥を3時間行なうことによって、目的化合物C60(4−OH−C643.6(4−OCHCOOtBu−C646.4(−CH32を0.65g得た。
合成例3と同様にして、得られた生成物を1H−NMRで測定した。その結果、水酸基
とt−ブトキシカルボニルメチレン基(BOCM基)の積分比からA−5の水酸基数10個のうち、平均6.4個にBOCM基が導入されたことが確認された。よって、保護化率
は64%であった。
【0112】
[合成例8][(A−8):C60(4−OH−C645(4−OCHCOOtBu−C645(−CH32の製造]
フラーレン誘導体(A−5)であるC60(4−OH−C6410(−CH32(1.10g,0.65mmol)のTHF(44mL)溶液に、炭酸カリウム(5.50g)を添加し、攪拌した。そこに、ブロモ酢酸−tert−ブチル(0.56g,2.90mmol)を加え、60℃で5.5時間攪拌した。10重量%塩酸(100mL)で反応を停止させ、酢酸エチル(200mL)を加え、分液漏斗にて抽出した。
【0113】
次に、有機層をイオン交換水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過を行った。溶液を濃縮しヘキサン(350mL)で晶析を行ない、50℃で真空乾燥を3時間行なうことによって、表題化合物C60(4−OH−C645(4−OCH2COOtBu−C645(−CH32を1.25g得た。
合成例3と同様にして、得られた生成物を1H−NMRで測定した。その結果、水酸基
とt−ブトキシカルボニルメチレン基(BOCM基)の積分比からA−5の水酸基数10個のうち、平均5個にBOCM基が導入されたことが確認された。よって、保護化率は50%であった。
[実施例1]
以下の実施例において、酸発生剤(B)は全てみどり化学(株)製のものを用いた。商品名と構造の対応をまとめて表1に示す。
【0114】
(A−1をフラーレン誘導体成分として含有するネガ型レジスト組成物のパターニング評価及びアウトガス測定)
上記フラーレン誘導体(A−1)、該(A−1)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のトリフェニルスルホニウム塩ノナフレート(以下、TPS−109と記す(商品名))を20重量部、含窒素有機化合物(C)として、トリオクチルアミン(以下TOAと記す)を2重量部、架橋剤成分(E)としてヘキサメトキシメチルメラミンを10重量部混合した組成物を、溶剤PGMEに対して、前記(A−1)が2.5wt%となるように溶かしてネガ型レジスト組成物を作製し、直前にヘキサメチルジシラザンによる表面処理を行ってある8インチシリコンウエハ上に1cc滴下し、スピンコーター&デベロッパー装置としてマーク8(東京エレクトロン社製)を用いて、6000rpmにてスピンコートした。
【0115】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚68nmのレジスト薄膜を形成した。次に放射光施設(Super−ALIS:NTT厚木研究センター)のビームラインSBL−1からの放射光を、2.5度の斜入射ミラーを含むビームライン光学系及びSiZrフィルターを介して、EUV光(波長13.5nm)の光源とし、これを用いて、高NA小フィールドEUV露光装置(HINA)にセットされた該レジスト薄膜が形成されたウエハに微細パターンの露光を行った。露光量は81mJ/cm2であった。
【0116】
露光済みのウエハを取り出し、スピンコーター&デベロッパー装置マーク8(東京エレ
クトロン社製)を使用し、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷却した後、テトラ
メチルアンモニウムヒドロキシド(以下、TMAHと記す)0.13N水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた。次に日立ハイテク社製測長SEM S8840に、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、100nm−hpのネガ型パターンが形成できていることが確認された。
【0117】
次に、このネガ型レジスト組成物を、3インチシリコンウエハ上に0.5cc滴下し、マニュアルコーター(ミカサ社製)を用いて3000rpmにてスピンコートした。110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚73nmのレジスト薄膜を形成した。
次に放射光施設(Super−ALIS:NTT厚木研究センター)のビームラインSBL−2からの放射光を、2.5度の斜入射ミラー及びZrフィルター、45度Mo/Si多層膜(周期長7.5nm)ミラーを介して、EUV光(波長13.5nm近傍)を選択的に照射することができる真空チャンバに、このレジスト薄膜付ウエハをセットし、真空排気(実効排気速度150L/秒)を行った。この時の真空チャンバの到達真空度は5.8×10-8Pa以下であった。EUV光を0.44mW/cm2の強度で、面積2cm2の領域に10分間照射した。この時レジスト薄膜からのアウトガスによる真空チャンバの最大圧力上昇は1.4×10-8Paであった。
[実施例2]
【0118】
(A―3をフラーレン誘導体成分として含有するポジ型レジスト組成物のパターニング
評価及びアウトガス測定)
上記フラーレン誘導体(A―3)、該(A―3)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のTPS−109(商品名)を20重量部、含窒素有機化合物(C)として、TOAを2重量部混合した組成物を、溶剤PGMEに対して、(A−3)が2.5wt%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製し、直前にヘキサメチルジシラザンによる表面処理を行ってある8インチシリコンウエハ上に1cc滴下し、スピンコーター&デベロッパー装置としてマーク8(東京エレクトロン社製)を用いて、6000rpmにてスピンコートした。
【0119】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚57nmのレジスト薄膜を形成した。次に放射光施設(Super−ALIS:NTT厚木研究センター)のビームラインSBL−1からの放射光を、2.5度の斜入射ミラーを含むビームライン光学系及びSiZrフィルターを介して、EUV光(波長13.5nm)の光源とし、これを用いて、高NA小フィールドEUV露光装置(HINA)にセットされた該レジスト薄膜が形成されたウエハに微細パターンの露光を行った。露光量は153mJ/cm2であった。
露光済みのウエハを取り出し、スピンコーター&デベロッパー装置マーク8(東京エレク
トロン社製)を使用し、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷却した後、TMAH
0.26N(2.38wt%)水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた。次に日立ハイテク社製測長SEM S8840に、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、100nm−hpのポジ型パターンが形成できていることが確認された。
【0120】
次に、このポジ型レジスト組成物を、3インチシリコンウエハ上に0.5cc滴下し、マニュアルコーター(ミカサ社製)を用いて3000rpmにてスピンコートした。110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚77nmのレジスト薄膜を形成した。
次に放射光施設(Super−ALIS:NTT厚木研究センター)のビームラインSBL−2からの放射光を、2.5度の斜入射ミラー及びZrフィルター、45度Mo/Si多層膜(周期長7.5nm)ミラーを介して、EUV光(波長13.5nm近傍)を選択的に照射することができる真空チャンバに、このレジスト薄膜付ウエハをセットし、真空排気(実効排気速度150L/秒)を行った。この時の真空チャンバの到達真空度は2.2×10-8Pa以下であった。EUV光を0.39mW/cm2の強度で、面積1cm2の領域に10分間照射した。この時レジスト薄膜からのアウトガスによる真空チャンバの最大圧力上昇は1.1×10-6Paであった。
[実施例3]
【0121】
(A―4をフラーレン誘導体成分として含有するポジ型レジスト組成物のパターニング評価及びアウトガス測定)
上記フラーレン誘導体(A―4)、該(A―4)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のTPS−109(商品名)を30重量部、含窒素有機化合物(C)として、TOAを3重量部混合した組成物を、溶剤PGMEに対して、(A−4)が1.95wt%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製した。次に、小フィールドEUV露光装置(SFET:(株)半導体先端テクノロジーズ所有)にインライン接続してあるスピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に12インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物を3cc滴下し、2000rpmにてスピンコートした。
【0122】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚53nmのレジスト薄膜を形成した。このウエハをDPP光源(イクストリーム社製)から発した光を集光ミラー、照明
光学系およびSi/Zrフィルターを介してEUV光(波長13.5nm)を選択的に露光可能な光源として使用する前記小フィールドEUV露光装置(SFET)にインライン中でセットし、微細パターンの露光を行った。露光量は80mJ/cm2であった。
【0123】
次にインラインにて露光された上記ウエハを、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に送り、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷
却した後、TMAH0.26N(2.38wt%)水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた。次に日立ハイテク社製測長SEM S9380IIに、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、60nm−hpのポジ型パターンが形成されていることが確認された。ただし、ポジ型パターンにおけるライン部が、スペース部に対して、幅の太い形状をしていた。
【0124】
次にこのポジ型レジスト組成物を、直前にヘキサメチルジシラザンによる表面処理を行ってある3インチシリコンウエハ上に3cc滴下し、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12(東京エレクトロン社製))を用いて1000rpmにてスピンコートした。110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して、Si基板上に膜厚72nmのレジスト薄膜を形成した。
【0125】
このウエハをDPP光源(エナジージェティック社製)から発生した光を、SiおよびZrフィルター、45度Mo/Si多層膜(周期長7.5nm)ミラーを介してEUV光(波長13.5nm近傍)を選択的に照射することができる真空チャンバにセットし、真空排気(排気速度150L/秒)を行った。このときの真空チャンバの到達真空度は1.1×10-6Pa以下であった。EUV光を0.0309mW/cm2の強度で、面積1.428cm2の領域に積算露光量30mJ/cm2となるように照射した。この時、レジスト薄膜からのアウトガスによる真空チャンバの最大圧力上昇は1.3×10-7Paであった。
[実施例4]
【0126】
(A―6をフラーレン誘導体成分として含有するポジ型レジスト組成物のパターニング評価及びアウトガス測定)
上記フラーレン誘導体(A―6)、該(A―6)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のビス−tert-ブチルフェニルヨードニウム塩ノナフレート(以
下、BBI−109(商品名)と記す)を30重量部、含窒素有機化合物(C)として、TOAを3重量部混合した組成物を、溶剤PGMEに対して、(A−6)が1.95wt%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製した。
【0127】
次に、小フィールドEUV露光装置(SFET:(株)半導体先端テクノロジーズ所有)にインライン接続してあるスピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に12インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表
面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物を3cc滴下し、1300rpmにてスピンコートした。
【0128】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚60nmのレジスト薄膜を形成した。このウエハをDPP光源(イクストリーム社製)から発した光を集光ミラー、照明光学系およびSi/Zrフィルターを介してEUV光(波長13.5nm)を選択的に露光可能な光源として使用する前記小フィールドEUV露光装置(SFET)にインライン中でセットし、微細パターンの露光を行った。露光量は14.2mJ/cm2であった。
次にインラインにて露光された上記ウエハを、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に送り、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷却した後、TMAH0.26N(2.38wt%)水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた。次に日立ハイテク社製測長SEM S9380IIに、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、45nm−hpのポジ型パターン(ライン線幅:48.6nm)が形成されていることが確認された。このラインパターンのラインウイズラフネス(LWR)は6.8nm(3σ値)であった。
【0129】
次にこのポジ型レジスト組成物を、直前にヘキサメチルジシラザンによる表面処理を行ってある12インチシリコンウエハ上に3cc滴下し、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12(東京エレクトロン社製))を用いて1300rpmにてスピンコートした。110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して、Si基板上に膜厚60nmのレジスト薄膜を形成した。
【0130】
このウエハをDPP光源(エナジージェティック社製)から発生した光を、SiおよびZrフィルター、45度Mo/Si多層膜(周期長7.5nm)ミラーを介してEUV光(波長13.5nm近傍)を選択的に照射することができる真空チャンバにセットし、真空排気(排気速度500L/秒)を行った。このときの真空チャンバの到達真空度は1.1×10-6Pa以下であった。EUV光を0.0408mW/cm2の強度で、面積1.428cm2の領域に積算露光量30mJ/cm2となるように照射した。この時、レジスト薄膜からのアウトガスによる真空チャンバの最大圧力上昇は3.2×10-7Paであった。
[実施例5]
【0131】
(A―7をフラーレン誘導体成分として含有するポジ型レジストのパターニング評価及びアウトガス測定)
上記フラーレン誘導体(A―7)、該(A―7)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のBBI−109(商品名)を30重量部、含窒素有機化合物(C)としてTOAを3重量部混合した組成物を、溶剤PGMEに対して(A−7)が1.95wt%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製した。
【0132】
次に、小フィールドEUV露光装置(SFET:(株)半導体先端テクノロジーズ所有)にインライン接続してあるスピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に12インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表
面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物を3cc滴下し、1300rpmにてスピンコートした。
【0133】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚60nmのレジスト薄膜を形成した。このウエハをDPP光源(イクストリーム社製)から発した光を集光ミラー、照明光学系およびSi/Zrフィルターを介してEUV光(波長13.5nm)を選択的に露光可能な光源として使用する前記小フィールドEUV露光装置(SFET)にインライン中でセットし、微細パターンの露光を行った。露光量は13mJ/cm2であった。
次にインラインにて露光された上記ウエハを、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に送り、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷却
した後、TMAH0.26N(2.38wt%)水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた。次に日立ハイテク社製測長SEM S9380IIに、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、60nm−hpのポジ型パターン(ライン線幅:76.1nm)が形成されていることが確認された。このラインパターンのラインウイズラフネス(LWR)は10.2nm(3σ値)であった。
【0134】
次にこのポジ型レジスト組成物を、直前にヘキサメチルジシラザンによる表面処理を行ってある12インチシリコンウエハ上に3cc滴下し、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12(東京エレクトロン社製))を用いて1300rpmにてスピンコートした。110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して、Si基板上に膜厚60nmのレジスト薄膜を形成した。
【0135】
このウエハをDPP光源(エナジージェティック社製)から発生した光を、SiおよびZrフィルター、45度Mo/Si多層膜(周期長7.5nm)ミラーを介してEUV光(波長13.5nm近傍)を選択的に照射することができる真空チャンバにセットし、真空排気(排気速度500L/秒)を行った。このときの真空チャンバの到達真空度は1.1×10-6Pa以下であった。EUV光を0.0398mW/cm2の強度で、面積1.428cm2の領域に積算露光量30mJ/cm2となるように照射した。この時、レジスト薄膜からのアウトガスによる真空チャンバの最大圧力上昇は5.7×10-7Paであった。
[実施例6]
【0136】
(A―8をフラーレン誘導体成分として含有するポジ型レジストのパターニング評価、酸発生剤量変更)
上記フラーレン誘導体(A―8)、該(A―8)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のBBI−109(商品名)を37重量部、含窒素有機化合物(C)としてTOAを3重量部、及び界面活性剤としてDIC製のR−30を0.5重量部混合した組成物を、溶剤PGMEAに対して(A−8)が2.2wt%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製した。
【0137】
次に、小フィールドEUV露光装置(SFET:(株)半導体先端テクノロジーズ所有)にインライン接続してあるスピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に12インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表
面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物を3cc滴下し、1300rpmにてスピンコートした。
【0138】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚60nmのレジスト薄膜を形成した。このウエハをDPP光源(イクストリーム社製)から発した光を集光ミラー、照明光学系およびSi/Zrフィルターを介してEUV光(波長13.5nm)を選択的に露光可能な光源として使用する前記小フィールドEUV露光装置(SFET)にインライン中でセットし、微細パターンの露光を行った。露光量は8.5〜12.5mJ/cm2
あった。
次にインラインにて露光された上記ウエハを、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に送り、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷
却した後、TMAH0.26N(2.38wt%)水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた。次に日立ハイテク社製測長SEM S9380IIに、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、露光量9mJ/cm2で45n
m−hpの、9.5mJ/cm2で45nm−hpの、10mJ/cm2で35nm−hpの、10.5mJ/cm2で32nm−hpのポジ型パターンが、それぞれ形成されてい
ることが確認された。また露光量9mJ/cm2で形成された45nm−hpのポジ型パ
ターンのラインウイズラフネス(LWR)は7.8nm(3σ値)であった。ただし、ポジ型パターンにおけるライン部が、やや丸みをおび、膜厚が減少しているのが確認された。[実施例7]
【0139】
(A―8をフラーレン誘導体成分として含有するポジ型レジストのパターニング評価、
酸発生剤変更)
上記フラーレン誘導体(A―8)、該(A―8)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のビスフェニルヨードニウム塩ノナフレート(商品名、以下DPI−109と記す)を31重量部、含窒素有機化合物(C)としてTOAを3重量部、及び界面活性剤としてDIC製R−30を0.5重量部混合した組成物を、溶剤PGMEAに対して(A−8)が2.2wt%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製した。
次に、小フィールドEUV露光装置(SFET:(株)半導体先端テクノロジーズ所有)にインライン接続してあるスピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に12インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表
面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物を3cc滴下し、1300rpmにてスピンコートした。
【0140】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚60nmのレジスト薄膜を形成した。このウエハをDPP光源(イクストリーム社製)から発した光を集光ミラー、照明光学系およびSi/Zrフィルターを介してEUV光(波長13.5nm)を選択的に露光可能な光源として使用する前記小フィールドEUV露光装置(SFET)にインライン中でセットし、微細パターンの露光を行った。露光量は1.8〜4.2mJ/cm2であ
った。
次にインラインにて露光された上記ウエハを、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に送り、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷
却した後、TMAH0.26N(2.38wt%)水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた
次に日立ハイテク社製測長SEM S9380IIに、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、露光量2.7mJ/cm2で45nm−h
p及び40nm−hpのポジ型パターンがそれぞれ形成されていることが確認された。ただし、ポジ型パターンにおけるライン部が、やや丸みを帯び、膜厚が減少しているのが確認された。
[実施例8]
【0141】
(A−8をフラーレン誘導体成分として含有するポジ型レジストのパターニング評価、酸発生剤変更)
上記フラーレン誘導体(A−8)、該(A−8)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のMPI−109(商品名)を32.5重量部、含窒素有機化合物(C)としてTOAを3重量部、及び界面活性剤としてDIC製R−30を0.5重量部混合した組成物を、溶剤PGMEAに対して(A−8)が2.2wt%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製した。
次に、小フィールドEUV露光装置(SFET:(株)半導体先端テクノロジーズ所有)にインライン接続してあるスピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に12インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表
面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物を3cc滴下し、1300rpmにてスピンコートした。
【0142】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚60nmのレジスト薄膜を形成した。このウエハをDPP光源(イクストリーム社製)から発した光を集光ミラー、照明光学系およびSi/Zrフィルターを介してEUV光(波長13.5nm)を選択的に露光可能な光源として使用する前記小フィールドEUV露光装置(SFET)にインライン中でセットし、微細パターンの露光を行った。露光量は3〜7mJ/cm2であった。
次にインラインにて露光された上記ウエハを、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に送り、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷
却した後、TMAH0.26N(2.38wt%)水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた。
次に日立ハイテク社製測長SEM S9380IIに、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、露光量4.5mJ/cm2で45nm−h
pのポジ型パターンが形成されていることが確認された。ただし、ポジ型パターンにおけるライン部が、やや丸みを帯び、膜厚が減少していることが確認された。
[実施例9]
【0143】
(A−8をフラーレン誘導体成分として含有するポジ型レジストのパターニング評価、酸発生剤変更)
上記フラーレン誘導体(A−8)、該(A−8)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のTPS−109(商品名)を30重量部、含窒素有機化合物(C)としてTOAを3重量部、及び界面活性剤としてDIC製R−30を0.5重量部混合した組成物を、溶剤PGMEAに対して(A−8)が2.2wt%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製した。
次に、小フィールドEUV露光装置(SFET:(株)半導体先端テクノロジーズ所有)にインライン接続してあるスピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に12インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表
面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物を3cc滴下し、1300rpmにてスピンコートした。
【0144】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚60nmのレジスト薄膜を形成した。このウエハをDPP光源(イクストリーム社製)から発した光を集光ミラー、照明光学系およびSi/Zrフィルターを介してEUV光(波長13.5nm)を選択的に露光可能な光源として使用する前記小フィールドEUV露光装置(SFET)にインライン中でセットし、微細パターンの露光を行った。露光量は24〜36mJ/cm2であった。
次にインラインにて露光された上記ウエハを、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に送り、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷
却した後、TMAH0.26N(2.38wt%)水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた。
次に日立ハイテク社製測長SEM S9380IIに、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、露光量27mJ/cm2で45nm−hp
のポジ型パターンが形成されていることが確認された。ただし、ポジ型パターンにおけるライン部が、丸みを帯び、膜厚が減少していることが確認された。
[実施例10]
【0145】
(A−8をフラーレン誘導体成分として含有するポジ型レジストのパターニング評価、酸発生剤変更)
上記フラーレン誘導体(A−8)、該(A−8)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のMDS−109(商品名)を31.5重量部、含窒素有機化合物(C)としてTOAを3重量部、及び界面活性剤としてDIC製R−30を0.5重量部混合した組成物を、溶剤PGMEAに対して(A−8)が2.2wt%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製した。
次に、小フィールドEUV露光装置(SFET:(株)半導体先端テクノロジーズ所有)にインライン接続してあるスピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に12インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表
面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、上記のレジスト組
成物を3cc滴下し、1300rpmにてスピンコートした。
【0146】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚60nmのレジスト薄膜を形成した。このウエハをDPP光源(イクストリーム社製)から発した光を集光ミラー、照明光学系およびSi/Zrフィルターを介してEUV光(波長13.5nm)を選択的に露光可能な光源として使用する前記小フィールドEUV露光装置(SFET)にインライン中でセットし、微細パターンの露光を行った。露光量は32〜48mJ/cm2であった。
【0147】
次にインラインにて露光された上記ウエハを、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に送り、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷
却した後、TMAH0.26N(2.38wt%)水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた。
【0148】
次に日立ハイテク社製測長SEM S9380IIに、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、露光量38mJ/cm2で45nm−hp
の、露光量40mJ/cm2で40nm−hpの、露光量42mJ/cm2で35nm−hpのポジ型パターンがそれぞれ形成されていることが確認された。ただし、ポジ型パターンにおけるライン部が、やや丸みを帯び、膜厚が減少していることが確認された。
[実施例11]
【0149】
(A−8をフラーレン誘導体成分として含有するポジ型レジストのパターニング評価、酸発生剤変更)
上記フラーレン誘導体(A−8)、該(A−8)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のBDS−109(商品名)を33重量部、含窒素有機化合物(C)としてTOAを3重量部、及び界面活性剤としてDIC製R−30を0.5重量部混合した組成物を、溶剤PGMEAに対して(A−8)が2.2wt%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製した。
次に、小フィールドEUV露光装置(SFET:(株)半導体先端テクノロジーズ所有)にインライン接続してあるスピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に12インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表
面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物を3cc滴下し、1300rpmにてスピンコートした。
【0150】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚60nmのレジスト薄膜を形成した。このウエハをDPP光源(イクストリーム社製)から発した光を集光ミラー、照明光学系およびSi/Zrフィルターを介してEUV光(波長13.5nm)を選択的に露光可能な光源として使用する前記小フィールドEUV露光装置(SFET)にインライン中でセットし、微細パターンの露光を行った。露光量は28〜52mJ/cm2であった。
【0151】
次にインラインにて露光された上記ウエハを、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に送り、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷
却した後、TMAH0.26N(2.38wt%)水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた。
次に日立ハイテク社製測長SEM S9380IIに、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、露光量37mJ/cm2で45nm−hp
の、露光量40mJ/cm2で40nm−hpの、露光量43mJ/cm2で35nm−h
pのポジ型パターンがそれぞれ形成されていることが確認された。また露光量37mJ/cm2で形成された。
また45nm−hpの、露光量40mJ/cm2で形成されたポジ型パターンのライン
ウイズラフネス(LWR)は7.7nm(3σ)であった。ただし、ポジ型パターンにおけるライン部が、やや丸みを帯び、膜厚が減少していることが確認された。
[実施例12]
【0152】
(A―8をフラーレン誘導体成分として含有するポジ型レジストのパターニング評価、酸発生剤変更)
上記フラーレン誘導体(A−8)、該(A−8)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のNAI−106(商品名)を22.8重量部、含窒素有機化合物(C)としてTOAを3重量部、及び界面活性剤としてDIC製R−30を0.5重量部混合した組成物を、溶剤PGMEAに対して(A−8)が2.2wt%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製した。
次に、小フィールドEUV露光装置(SFET:(株)半導体先端テクノロジーズ所有)にインライン接続してあるスピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に12インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表
面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物を3cc滴下し、1300rpmにてスピンコートした。
【0153】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚60nmのレジスト薄膜を形成した。このウエハをDPP光源(イクストリーム社製)から発した光を集光ミラー、照明光学系およびSi/Zrフィルターを介してEUV光(波長13.5nm)を選択的に露光可能な光源として使用する前記小フィールドEUV露光装置(SFET)にインライン中でセットし、微細パターンの露光を行った。露光量は100〜132mJ/cm2であ
った。
次にインラインにて露光された上記ウエハを、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に送り、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷
却した後、TMAH0.26N(2.38wt%)水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた。
次に日立ハイテク社製測長SEM S9380IIに、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、露光量120mJ/cm2で45nm−h
p及び40nm−hpの、露光量116mJ/cm2で35nm−hp及び32nm−h
pの、ポジ型パターンがそれぞれ分離・解像されていることが確認されたが、一部のパターンが基板から剥がれている状態であった。また露光量120mJ/cm2で形成された45nm−hp及び40nm−hpのポジ型パターンのラインウイズラフネス(LWR)はそれぞれ7.8nm及び7.7nm(3σ)であった。
[実施例13]
【0154】
(A―8をフラーレン誘導体成分として含有するポジ型レジストのパターニング評価、酸発生剤の量変更)
上記フラーレン誘導体(A―8)、該(A―8)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のBBI−109(商品名)を30重量部、含窒素有機化合物(C)としてTOAを3重量部、及び界面活性剤としてDIC製R−30を0.5重量部混合した組成物を、溶剤PGMEAに対して(A−8)が2.2wt%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製した。
次に、小フィールドEUV露光装置(SFET:(株)半導体先端テクノロジーズ所有)にインライン接続してあるスピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に12インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表
面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物を3cc滴下し、2000rpmにてスピンコートした。
【0155】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚50nmのレジスト薄膜を形成した。このウエハをDPP光源(イクストリーム社製)から発した光を集光ミラー、照明光学系およびSi/Zrフィルターを介してEUV光(波長13.5nm)を選択的に露光可能な光源として使用する前記小フィールドEUV露光装置(SFET)にインライン中でセットし、微細パターンの露光を行った。露光量は10〜14mJ/cm2であった。
次にインラインにて露光された上記ウエハを、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に送り、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷
却した後、TMAH0.26N(2.38wt%)水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた
【0156】
次に日立ハイテク社製測長SEM S9380IIに、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、露光量11.5mJ/cm2で45nm−
hp及び40nm−hpのポジ型パターンがそれぞれ形成されていることが確認された。それぞれのライン線幅は、45nm−hpで48.2nm、40nm−hpで44.4nmであり、ラインウイズラフネス(LWR)はそれぞれ6.6nm及び7.1nm(3σ)であった。
また露光量12.5mJ/cm2で35nm−hp、32nm−hp、30nm−hp、及び28nm−hpのポジ型パターンがそれぞれ分離・解像されていることが確認されたが、一部のパターンが基板から剥がれている状態であった。
[実施例14]
【0157】
(有機膜の下地剤基板上でA−8をフラーレン誘導体成分として含有するポジ型レジストのパターニング評価)
上記フラーレン誘導体(A−8)、該(A−8)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のBBI−109(商品名)を30重量部、含窒素有機化合物(C)としてTOAを3重量部、及び界面活性剤としてDIC製R−30を0.5重量部混合した組成物を、溶剤PGMEAに対して(A−8)が2.2wt%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製した。
【0158】
次に、小フィールドEUV露光装置(SFET:(株)半導体先端テクノロジーズ所有)にインライン接続してあるスピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に12インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表
面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、別途調整した有機膜組成液を5cc滴下し、1450rpmにてスピンコートし、190℃×90秒のベーク処理を行った後、冷却して厚さ20nmの有機膜を形成した。
次いで、この有機膜上に前記のレジスト組成物を3cc滴下し2000rpmにてスピンコートした。
【0159】
110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して膜厚50nmのレジスト薄膜を形成した。このウエハをDPP光源(イクストリーム社製)から発した光を集光ミラー、照明光学系およびSi/Zrフィルターを介してEUV光(波長13.5nm)を選択的に露光可能な光源として使用する前記小フィールドEUV露光装置(SFET)にインライン中でセットし、微細パターンの露光を行った。露光量は12.5〜16.5mJ/cm2であ
った。
【0160】
次にインラインにて露光された上記ウエハを、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に送り、110℃×90秒の露光後ベークを行い、冷
却した後、TMAH0.26N(2.38wt%)水溶液を用いて現像した。現像時間は30秒であった。続いて30秒間超純水でリンスした後、100℃で30秒間ベークして乾燥させた。
【0161】
次に日立ハイテク社製測長SEM S9380IIに、現像したレジスト薄膜付ウエハをセットし、微細パターンを観察したところ、露光量12.5mJ/cm2で45nm−
hpの、露光量13mJ/cm2で40nm−hpの、また露光量13.5mJ/cm2で35nm−hp及び32nm−hpのポジ型パターンがそれぞれ形成されていることが確認された。それぞれのライン線幅は、45nm−hpで46.5nm、40nm−hpで40.7nm、35nm−hpで35.3nm、及び32nm−hpで35.5nmであり、ラインウイズラフネス(LWR)はそれぞれ45nm−hp:5.7nm、40nm−hp:6.7nm、35nm:9.8nm及び32nm:9.6nm(いずれも3σ)であった。
また露光量13.5mJ/cm2で30nm−hp、28nm−hp、及び26nm−
hpのポジ型パターンがそれぞれ分離・解像されていることが確認されたが、一部のパターンで下部の裾引きと見られるラインパターン間のつながりが見られた。
これらの結果をまとめて表2−1,表2−2に示す。
【0162】
【表1】

【0163】
【表2】

【0164】
【表3】

【0165】
[アウトガス測定例1]
上記フラーレン誘導体(A−1)、該(A−1)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のTPS−109(商品名)を30重量部、及び架橋剤成分(E)としてヘキサメトキシメチルメラミン15重量部混合した本発明のネガ型レジスト組成物前駆体(以下R−5と記す)、及び、本発明の(A)成分に相当しない成分を用いたネガ型レジスト組成物として、前記(A−1)をノボラック樹脂(分子量1000)に変更したネガ型レジスト組成物前駆体(以下R−1と記す)を調整し、これらを所定の比率で混合の上、溶剤PGMEに対して合計2.03重量%となるように溶かしてネガ型レジスト組成物を作製した。
【0166】
R−1とR−5の混合比率は以下の通りである。
R−2・・・R−1/R−5=90/10
R−3・・・R−1/R−5=75/25
R−4・・・R−1/R−5=50/50
【0167】
次に、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に1
2インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物をそれぞれ3cc滴下し1000rpmにてスピンコートした。
【0168】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して前記R−1〜R−4のレジスト薄膜を形成した。それぞれの膜厚はR−1:86nm、R−2:81nm、R−3:81nm、R−4:77nmであった。
これらのウエハをDPP光源(エナジージェティック社製)から発した光をSi/Zrフィルター、45度Mo/Si多層膜(周期長7.5nm)ミラーを介して、EUV光(波長13.5nm近傍)を選択的に照射することができる真空チャンバにセットし、真空排気(排気速度500L/秒)を行った。この時の真空チャンバの到達真空度は1.4×10-6Pa以下であった。EUV光を0.0235mW/cm2の強度で、面積1.428
cm2の領域に積算露光量30mJ/cm2となるように照射した。この時、R−1レジスト薄膜からのアウトガスによる真空チャンバの最大圧力上昇は3×10-8Paであった。
【0169】
同様にして、R−2〜R−4についてアウトガスを測定したところ、真空チャンバの最大圧力上昇は、それぞれR−2:1.8×10-8Pa、R−3:1.6×10-8Pa、R−4:1.0×10-8Paであった。
この結果から、本発明のレジスト組成物R−5の含有割合、即ちフラーレン誘導体(A−1)の含有量が増加すると、アウトガスが減少することが判る。
【0170】
[アウトガス測定例2]
上記フラーレン誘導体(A−3)、該(A−3)100重量部に対して酸発生剤(B)としてみどり化学製のTPS−109(商品名)を30重量部を混合した本発明のポジ型レジスト組成物前駆体(以下R−10と記す)、及び、本発明の(A)成分に相当しない成分を用いたポジ型レジスト組成物として、前記(A−3)をポリヒドロキシスチレン(平均分子量15000)の水酸基の30%をt−ブトキシカルボニル基(BOC基)によって保護したBOC30%保護体に変更したポジ型レジスト組成物前駆体(以下R−6と
記す)を調製し、これらを所定の比率で混合の上、溶剤PGMEに対して合計1.95重
量%となるように溶かしてポジ型レジスト組成物を作製した。
R−6とR−10の混合比率は以下の通りである。
【0171】
R−7・・・R−6/R−10=90/10
R−8・・・R−6/R−10=75/25
R−9・・・R−6/R−10=50/50
次に、スピンコーター&デベロッパー装置(アクト12、東京エレクトロン社製)に1
2インチシリコンウエハをセットし、ヘキサメチルジシラザンによる表面処理を行ない、この表面処理済みの12インチシリコンウエハ上に、上記のレジスト組成物をそれぞれ3cc滴下し1000rpmにてスピンコートした。
【0172】
次に110℃×90秒のプリベークを行い、冷却して前記R−6〜R−10のレジスト薄膜を形成した。それぞれの膜厚はR−6:86nm、R−7:82nm、R−8:77nm、R−9:74nm、R−10:67nmであった。
これらのウエハをDPP光源(エナジージェティック社製)から発した光をSi/Zrフィルター、45度Mo/Si多層膜(周期長7.5nm)ミラーを介して、EUV光(波長13.5nm近傍)を選択的に照射することができる真空チャンバにセットし、真空排気(排気速度500L/秒)を行った。この時の真空チャンバの到達真空度は0.9×10-6Pa以下であった。EUV光を0.031mW/cm2の強度で、面積1.428c
2の領域に積算露光量30mJ/cm2となるように照射した。この時、R−6レジスト薄膜からのアウトガスによる真空チャンバの最大圧力上昇は6.0×10-7Paであった。
【0173】
同様にして、R−7〜R−10についてアウトガスを測定したところ、真空チャンバの最大圧力上昇は、それぞれR−7:5.6×10-7Pa、R−8:5.2×10-7Pa、R−9:4.2×10-7Pa、R−10:0.6×10-7Paであった。
この結果から、本発明のレジスト組成物R−10の含有割合、即ちフラーレン誘導体(A−3)の含有量が増加すると、アウトガスが減少することが判った。
(結果の評価)
レジスト組成物中にフラーレン誘導体を存在させることで、従来のレジスト組成物に比較してアウトガスの発生を著しく低減することができる。また、EUV露光を用いたパターンの形成が可能であった。
【産業上の利用可能性】
【0174】
極微細パターンを形成可能なEUVリソグラフィーに適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるフラーレン誘導体(A)、露光により酸を発生する酸発生剤(B)、含窒素有機化合物(C)及び有機溶媒(D)を含有することを特徴とするEUV(極紫外線)光露光用レジスト組成物。
【化1】


(フラーレン骨格が有する一般式(1)で表わされる部分構造において、C1が水素原
子又は任意の基と結合しており、C6〜C10が各々独立に、下記一般式(2)で表わされ
る基と結合しているとともに、該部分構造を1箇所又は2箇所有している。また、上記一
般式(1)中、C1〜C10は、フラーレン骨格を構成する炭素原子を表わす。)
【化2】


(一般式(2)中、Arは炭素数6〜18の芳香族性を有する炭化水素基を表し、Rは水素原子又は酸不安定基を表わし、nは1〜3の整数を表す。)
【請求項2】
フラーレン誘導体(A)が一般式(2)のRのうち少なくとも1つは酸不安定基を含む部分構造を有し、かつレジスト組成物がポジ型レジスト材料であることを特徴とする請求項1に記載のレジスト組成物。
【請求項3】
レジスト組成物が更に、架橋剤成分(E)を含むネガ型レジスト材料であることを特徴とする請求項1に記載のレジスト組成物。
【請求項4】
酸発生剤(B)がオニウム塩系酸発生剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
【請求項5】
オニウム塩系酸発生剤が一般式(3)で表されるスルホニウム塩系酸発生剤又は一般式(4)で表されるヨードニウム塩系酸発生剤あることを特徴とする請求項4に記載のレジスト組成物。
【化3】


【化4】

(式(3)、(4)中、R2〜Rは、それぞれ独立に炭素数1〜20の有機基を表し、
5は直鎖、分岐または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す)
【請求項6】
含窒素有機化合物(C)が第3級脂肪族アミンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
【請求項7】
架橋剤成分(E)がメラミン系架橋剤であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
【請求項8】
一般式(2)中の酸不安定基(R)が第3級アルキルオキシカルボニル基で有ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のレジスト組成物を基板上に塗布しレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を加熱処理する工程、選択的にEUV露光する工程、必要に応じて加熱する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。

【公開番号】特開2011−28201(P2011−28201A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238842(P2009−238842)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】