説明

Flt3自己リン酸化を阻害するキノリン誘導体およびキナゾリン誘導体並びにそれらを含有する医薬組成物

本発明はFMS様チロシンキナーゼ3(Flt3)の自己リン酸化の阻害が治療上有効である疾患の治療に有効な化合物および医薬の提供をその目的とする。本発明は、Flt3の自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患の治療または予防に用いられる医薬組成物であって、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる医薬組成物である。


(XはCH、Nを表し、ZはO、Sを表し、R、R、RはH、OH、置換可能なアルコキシを表し、RはHを表し、R、R、R、RはH、Hal、アルキル等を表し、Rはt−ブチル等により置換されたアルキル等を表す)

【発明の詳細な説明】
発 明 の 背 景
発明の分野
本発明は、Flt3の自己リン酸化を阻害するキノリン誘導体およびキナゾリン誘導体に関し、さらに詳細には、本発明は、急性骨髄性白血病および骨髄異形成症候群のような造血器悪性腫瘍や、B細胞、樹状細胞、またはナチュラルキラー細胞の異常増殖による免疫疾患の治療に有用なキノリン誘導体およびキナゾリン誘導体に関する。
【背景技術】
細胞の増殖・分化を制御する機構のひとつとして、細胞内シグナル伝達系を挙げることができる。一般に増殖因子が細胞膜表面の受容体に結合することで細胞内シグナル伝達系が活性化されることが知られている。受容体型チロシンキナーゼは、このような細胞内シグナル伝達の開始点のひとつで、細胞質内にチロシンキナーゼ領域を持つ。FMS様チロシンキナーゼ3(FMS−like tyrosine kinase3、以下「Flt3」という)は、KIT、FMSおよびPDGF受容体などと共に受容体型チロシンキナーゼのクラスIIIに属するタンパク質のひとつで、造血系に関与していると考えられている。
Flt3の自己リン酸化を阻害する低分子化合物は、E.Weisberg et al.,Cancer Cell,2002,1,433;熊谷ら、日本癌学会(60回)Abst.611(2001.9);Mark Levis et al.,Blood,2002,99,3885;Mark Levis et al.,Blood,2001,98,885;K−F.Tse et al.,Leulemia,2001,15,1001;Louise M.Kelly et al.,Cancer Cell,2002,1,421;およびWO03/33472において報告されている。
発 明 の 概 要
本発明者等は今般、ある種のキノリン誘導体およびキナゾリン誘導体がFlt3自己リン酸化および/またはFlt3の体細胞変異体(以下、「Flt3−ITD」とする)自己リン酸化阻害作用を有することを見出した。本発明者等はまた、ある種のキノリン誘導体およびキナゾリン誘導体が、ある種のFlt3発現細胞および/またはFlt3−ITD発現細胞に対して増殖抑制効果を有することを見出した。本発明者等は更に、ある種のキノリン誘導体およびキナゾリン誘導体が、ある種のFlt3発現癌細胞および/またはFlt3−ITD発現癌細胞を移植した非ヒト動物に対して抗腫瘍効果を有することを見出した。上記のキノリン誘導体およびキナゾリン誘導体のうちの幾つかについては、優れた物理的安定性および/または優れた水溶性および/または代謝安定性を示した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明は、Flt3および/またはFlt3−ITDの自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患の治療および予防に有効な化合物および医薬の提供をその目的とする。
本発明によれば、FMS様チロシンキナーゼ3(Flt3)の自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患の治療または予防に用いられる医薬組成物であって、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる医薬組成物が提供される。

(上記式中、
Xは、CHまたはNを表し、
Zは、OまたはSを表し、
、R、およびRは、同一または異なっていてもよく、
水素原子、
水酸基、
ハロゲン原子、
ニトロ基、
シアノ基、
アミノ基、
1−6アルキル基、
2−6アルケニル基、
2−6アルキニル基、
1−6アルコキシ基、
−(C=O)OR(Rは水素原子またはC1−4アルキル基を表す)
−(C=O)NR(RおよびはRは同一または異なっていてもよく、水素原子またはC1−4アルキル基を表す)
、R、およびRが表すことがあるC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、およびC1−6アルコキシ基は、水酸基、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルカルボニル基、カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、−(C=O)−NR1011(R10およびR11は、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはR10とR11はそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)、アミノ基(このアミノ基上の1または2の水素原子は、C1−6アルキル基または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、このC1−6アルキル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよい)、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基(この炭素環式基または複素環式基は、水酸基、酸素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシカルボニル基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、これらのC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、この炭素環式基または複素環式基が2つのC1−6アルキル基により置換されている場合にはこの2つのアルキル基は一緒になってアルキレン鎖を形成していてもよく、またこの炭素環式基または複素環式基は他の飽和または不飽和の5〜7員炭素環または複素環と縮合して二環式基を形成してもよい)によって置換されていてもよく、
、R、およびRが表すことがあるアミノ基上の1または2の水素原子は、C1−6アルキル基により置換されていてもよく、このC1−6アルキル基は更に水酸基またはC1−6アルコキシ基により置換されていてもよく、
は水素原子を表し、
、R、R、およびRはすべて水素原子を表すか、あるいはR、R、R、およびRのいずれか一つまたは二つがハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、または水酸基を表し、残りすべてが水素原子を表し、
は、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、または水酸基により置換されていてもよい飽和の3〜9員(好ましくは3〜7員)炭素環式基;C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、または水酸基により置換されていてもよいi−プロピル基;C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、または水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;C1−4アルコキシ基;および−NR(RおよびRは、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)からなる群から選択される置換基により置換されたC1−4アルキル基、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい飽和の3〜9員(好ましくは5〜7員)炭素環式基を表す。)
本発明によればまた、式(Ia)の化合物またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物が提供される。

(上記式中、
Xは、CHまたはNを表し、
Zは、OまたはSを表し、
101およびR104は水素原子を表し、
102およびR103は同一または異なっていてもよく
水素原子、
水酸基、
ハロゲン原子、
ニトロ基、
シアノ基、
−NR111112(R111およびR112は、同一または異なっていても良く、水素原子またはC1−4アルキル基を表す)、
−(C=O)OR113(R113は水素原子またはC1−4アルキル基を表す)、
−(C=O)NR114115(R114およびR115は、同一または異なっていてもよく、水素原子またはC1−4アルキル基を表す)、
1−6アルコキシ基、
1−6アルキル基、
1−6アルケニル基、または
1−6アルキニル基を表し、
上記C1−6アルコキシ基、C1−6アルキル基、C1−6アルケニル基、またはC1−6アルキニル基は、水酸基;ハロゲン原子;C1−4アルコキシ基;−NR116117(R116およびR117は、同一または異なっていてもよく、水素原子またはC1−4アルキル基を表し、このアルキル基は更に水酸基またはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい);または飽和または不飽和の3〜8員炭素環または複素環式基(この環状基は、水酸基、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい)により置換されていてもよく、
105、R106、R107、および108は、すべて水素原子を表すか、あるいはR105、R106、R107、および108のいずれか一つまたは二つが、水酸基、C−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、またはハロゲン原子を表し、残りすべてが水素原子を表し、
109は、−(CH)n−R110(nは2、3、または4を表し、R110は、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基または水酸基により置換されていてもよいi−プロピル基;C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基または水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;またはC1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基または水酸基により置換されていてもよい3〜9員飽和炭素環式基を表す)を表す)
本発明によれば更に、式(II)の化合物またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物が提供される。

(上記式中、
15およびR16は、同一または異なっていてもよく、−O−(CH)r−R22(rは0〜6の整数を表し、−(CH)r−はC1−6アルキル基、水酸基、またはハロゲン原子により置換されていてもよく、R22は水素原子、水酸基、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルカルボニル基、カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、−(C=O)−NR2324(R23およびR24は、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはR23とR24はそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)、アミノ基(このアミノ基上の1または2の水素原子は、C1−6アルキル基または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、このC1−6アルキル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよい)、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基(この炭素環式基または複素環式基は、水酸基、酸素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシカルボニル基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、これらのC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、この炭素環式基または複素環式基が2つのC1−6アルキル基により置換されている場合にはこの2つのアルキル基は一緒になってアルキレン鎖を形成していてもよく、またこの炭素環式基または複素環式基は他の飽和または不飽和の5〜7員炭素環または複素環と縮合して二環式基を形成してもよい)を表す)を表し、
17、R18、R19、およびR20はすべて水素原子を表すか、あるいはR17、R18、R19、およびR20のいずれか一つまたは二つがハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基を表し、残りすべてが水素原子を表し、
21は−(CH)t−R61(tは1〜4の整数を表し、R61は飽和の3〜7員炭素環式基;水酸基により置換されていてもよいi−プロピル基;水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;C1−4アルコキシ基;または
−NR6263(R62およびR63は、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはR62とR63はそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)を表す)、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい飽和の5〜7員炭素環式基を表す。)
発明の具体的説明
化合物
本明細書において、基または基の一部としての「アルキル」、「アルコキシ」、「アルケニル」、および「アルキニル」という語は、基が直鎖または分枝鎖のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、およびアルキニル基を意味する。
1−6アルキルは、好ましくは、C1−4アルキルである。
1−6アルコキシは、好ましくは、C1−4アルコキシである。
2−6アルケニルは、好ましくは、C2−4アルケニルである。
2−6アルキニルは、好ましくは、C2−4アルキニルである。
1−6アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルが挙げられる。
1−6アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシが挙げられる。
2−6アルケニルの例としては、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が挙げられる。
2−6アルキニルの例としては、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基が挙げられる。
本明細書において「により置換されていてもよいアルキル」とは、アルキル上の1またはそれ以上の水素原子が1またはそれ以上の置換基(同一または異なっていてもよい)により置換されたアルキルおよび非置換アルキルを意味する。置換基の最大数はアルキル上の置換可能な水素原子の数に依存して決定できることは当業者に明らかであろう。これらはアルキル以外の置換基を有する基についても同様である。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子を意味する。
飽和または不飽和の3〜8員炭素環は、好ましくは、飽和または不飽和の4〜7員炭素環、より好ましくは飽和または不飽和の5または6員炭素環、であることができる。飽和または不飽和の3〜8員炭素環の例としては、フェニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルが挙げられる。
飽和または不飽和の3〜8員複素環は、酸素原子、窒素原子、および硫黄原子から選択される1以上の異種原子を含む。飽和または不飽和の3〜8員複素環は、好ましくは、1、2、または3個の異種原子を含み、残りの環員原子が炭素原子である複素環であることができる。飽和または不飽和の3〜8員複素環は、好ましくは、飽和または不飽和の4〜7員複素環、より好ましくは飽和または不飽和の5または6員複素環、であることができる。飽和または不飽和の3〜8員複素環式基の例としては、チエニル、ピリジル、1,2,3−トリアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、ピペラジニル、ピペラジノ、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリニル、モルホリノ、ホモピペラジニル、ホモピペラジノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、テトラヒドロピロリル、およびアゼパニルが挙げられる。
飽和または不飽和の炭素環式基および複素環式基は、他の飽和または不飽和の5〜7員炭素環または複素環と縮合して二環式基、好ましくは飽和または不飽和の9〜12員の二環性炭素環式基または複素環式基、を形成していてもよい。このような二環式基としては、ナフチル、キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリル、1,4−ベンゾオキサニル、インダニル、インドリル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、およびフタルイミドが挙げられる。
炭素環式基または複素環式基が2つのC1−6アルキル基により置換されている場合にはこの2つのアルキル基は一緒になってアルキレン鎖、好ましくは、C1−3アルキレン鎖、を形成していてもよい。このような架橋構造を有する炭素環式基または複素環式基としては、アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルおよびノルボルナニルが挙げられる。
は、好ましくは、水素原子を表す。
およびRは好ましくは水素原子以外の基を表し、より好ましくは、同一または異なっていてもよく、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を表す。
より好ましくは、Rが水素原子を表し、かつRおよびRの両方が非置換C1−6アルコキシ基を表すか、あるいはRおよびRのいずれか一つが置換されたC1−6アルコキシ基を表し、他方が非置換C1−6アルコキシ基を表す。
およびRは、好ましくは、同一または異なっていてもよく、−O−(CH)p−R12(pは0〜6の整数を表し、−(CH)p−はC1−6アルキル基、水酸基、またはハロゲン原子により置換されていてもよく、R12は水素原子、水酸基、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルカルボニル基、カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、−(C=O)−NR1314(R13およびR14は、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはR13とR14はそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)、アミノ基(このアミノ基上の1または2の水素原子は、C1−6アルキル基または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、このC1−6アルキル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよい)、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基(この炭素環式基または複素環式基は、水酸基、酸素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシカルボニル基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、これらのC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、この炭素環式基または複素環式基が2つのC1−6アルキル基により置換されている場合にはこの2つのアルキル基は一緒になってアルキレン鎖を形成していてもよく、またこの炭素環式基または複素環式基は他の飽和または不飽和の5〜7員炭素環または複素環と縮合して二環式基を形成してもよい)を表す)を表す。p=0のとき、−(CH)p−は結合を表す。pは好ましくは1〜4の整数を表す。
より好ましくは、Rが水素原子を表し、かつRおよびRの両方が−O−(CH)p−Hを表すか、あるいはRが水素原子を表し、かつRおよびRのいずれか一つが−O−(CH)p−Hを表し、他方が−O−(CH)p−R12(R12は水素原子以外の基を表す)を表す。
、R、R、およびRは、好ましくは、すべて水素原子を表すか、あるいは、R、R、R、およびRのいずれか一つまたは二つがハロゲン原子を表し、残りすべてが水素原子を表す。
より好ましくは、R、R、R、およびRはすべて水素原子を表すか;Rがフッ素原子を表し、R、R、およびRが水素原子を表すか;Rがハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基(好ましくは、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基)を表し、R、R、およびRが水素原子を表すか;あるいはRおよびRがハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基(好ましくは、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基)を表し、RおよびRが水素原子を表す。
は、好ましくは、−(CH)s−R51(sは1〜4の整数を表し、R51は飽和の3〜7員炭素環式基;水酸基により置換されていてもよいi−プロピル基;水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;C1−4アルコキシ基;または−NR5253(R52およびR53は、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはR52とR53はそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)を表す)、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい飽和の5〜7員炭素環式基を表す。
は、より好ましくは、−(CH)s−R51(sは1〜4の整数を表し、R51は飽和の5〜7員炭素環式基;i−プロピル基;水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;C1−4アルコキシ基;または−NR5253(R52およびR53は、同一または異なっていてもよく、C1−4アルキル基を表す)を表す)、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい5〜7員炭素環式基を表し、最も好ましくは、−(CH)s−R51(sは2または3の整数を表し、R51は飽和の5〜7員炭素環式基またはt−ブチル基を表す)、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい5〜7員炭素環式基を表す。
式(I)の化合物は、好ましくは、
Xが、CHまたはNを表し、
Zが、OまたはSを表し、
、R、およびRが、同一または異なっていてもよく、
水素原子、
水酸基、
ハロゲン原子、
ニトロ基、
アミノ基、
1−6アルキル基、
2−6アルケニル基、
2−6アルキニル基、または
1−6アルコキシ基を表し、
、R、およびRが表すことがあるC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、およびC1−6アルコキシ基は、水酸基、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルカルボニル基、カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、−(C=O)−NR1011(R10およびR11は、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはR10とR11はそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)、アミノ基(このアミノ基上の1または2の水素原子は、C1−6アルキル基または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、このC1−6アルキル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよい)、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基(この炭素環式基または複素環式基は、水酸基、酸素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシカルボニル基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、これらのC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、この炭素環式基または複素環式基が2つのC1−6アルキル基により置換されている場合にはこの2つのアルキル基は一緒になってアルキレン鎖を形成していてもよく、またこの炭素環式基または複素環式基は他の飽和または不飽和の5〜7員炭素環または複素環と縮合して二環式基を形成してもよい)によって置換されていてもよく、
、R、およびRが表すことがあるアミノ基上の1または2の水素原子は、C1−6アルキル基により置換されていてもよく、このC1−6アルキル基は更に水酸基またはC1−6アルコキシ基により置換されていてもよく、
が水素原子を表し、
、R、R、およびRがすべて水素原子を表すか、あるいはR、R、R、およびRのいずれか一つまたは二つがハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基を表し、残りすべてが水素原子を表し、
が、飽和の3〜7員炭素環式基;水酸基により置換されていてもよいi−プロピル基;水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;C1−4アルコキシ基;および−NR(RおよびRは、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)からなる群から選択される置換基により置換されたC1−4アルキル基、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい飽和の5〜7員炭素環式基を表すことができる。
式(I)の化合物は、好ましくは、式(Ia)の化合物であることができる。
式(Ia)において、R102およびR103は、
好ましくは、同一または異なっていてもよく、C1−6アルコキシ基(このアルコキシ基は、水酸基;ハロゲン原子;C1−4アルコキシ基;−NR116117(R116およびR117は、同一または異なっていてもよく、水素原子またはC1−アルキル基を表し、このアルキル基は、水酸基またはC1−4アルコキシ基により更に置換されていてもよい);または飽和または不飽和の3〜8員炭素環または複素環式基(この環式基は、水酸基、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい)により置換されていてもよい)を表すことができ、
より好ましくは 同一または異なっていてもよく、C1−6アルコキシ基(このアルコキシ基は、飽和または不飽和の3〜8員炭素環または複素環式基により置換されていてもよく、この環式基は更に水酸基、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい)を表し、
より一層好ましくは、同一または異なっていてもよく、C1−4アルコキシ基(このアルコキシ基は、飽和の5〜7員複素環式基により置換されていてもよく、この環式基は更にC1−4アルキル基により置換されていてもよい)を表す。
式(Ia)において、R102およびR103が表す「置換されたC1−4アルコキシ基」は好ましくは下記基:

(より好ましくはnは2を表す)
または下記基:

(より好ましくはnは2を表す)
を表す。
式(Ia)において、R102およびR103は、好ましくは、一方が非置換C1−アルコキシ基を表し、他方が置換されたC1−6アルコキシ基を表し、より好ましくは、R102が非置換C1−6アルコキシ基(より一層好ましくはメトキシ)を表し、R103が置換されたC1−6アルコキシ基を表す。
式(Ia)において、Xは好ましくはCHを表す。
式(Ia)において、Zは好ましくはOを表す。
式(Ia)において、R105、R106、R107、および108は、好ましくは、すべてが水素原子を表すか、あるいはいずれか一つまたは二つが、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、またはハロゲン原子を表し、残りすべてが水素原子を表す。
式(Ia)において、より好ましくは、R105がメトキシを表し、R106、R107、および108が水素原子を表す。
式(Ia)において、より好ましくは、R105がメチルを表し、R106、R10、および108が水素原子を表す。
式(Ia)において、より好ましくは、R105がハロゲン原子(より一層好ましくは塩素原子またはフッ素原子、最も好ましくはフッ素原子)を表し、R106、R107、および108が水素原子を表す。
式(Ia)において、より好ましくは、R105、R106、R107、および108が、すべて水素原子を表す。
式(Ia)において、R109は、好ましくは、下記基:

(より好ましくはnは2を表す)
または下記基:

(より好ましくはnは2を表す)
を表す。
式(Ia)の化合物のうち特に好ましい化合物は下記の通りである:
1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア;
1−(2−シクロペンチル−エチル)−3−{3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア;および
1−(2−シクロペンチル−エチル)−3−{2−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア。
式(I)の化合物は、好ましくは、式(II)の化合物であることができる。
式(II)において、R15およびR16は好ましくは、両方が−O−(CH)r−Hを表すか、あるいはR15およびR16のいずれか一つが−O−(CH)r−Hを表し、他方が−O−(CH)r−R22(R22は水素原子以外の基を表し、好ましくは、置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよい飽和3〜8員複素環式基を表す)を表す。r=0のとき、−(CH)r−は結合を表す。−(CH)r−は好ましくは非置換である。rは好ましくは1〜4の整数を表す。
17、R18、R19、およびR20は好ましくはすべて水素原子を表すか;Rがフッ素原子を表し、R17、R19、およびR20が水素原子表すか;R17がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基(好ましくは、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基)を表し、R18、R19、およびR20が水素原子を表すか;あるいはR17およびR19がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基(好ましくは、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基)を表し、R18およびR20が水素原子を表す。
21は、好ましくは、−(CH)t−R61(tは1〜4の整数を表し、R61は飽和の5〜7員炭素環式基;i−プロピル基;水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;C1−4アルコキシ基;または−NR6263(R62およびR63は、同一または異なっていてもよく、C1−4アルキル基を表す)を表す)、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい5〜7員炭素環式基を表す。
21は、より好ましくは、−(CH)t−R61(tは2または3の整数を表し、R61は飽和の5〜7員炭素環式基またはt−ブチル基を表す)、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい5〜7員炭素環式基を表す。
式(II)の化合物の好ましい例としては、
15およびR16が−O−(CH)r−H(rは1〜4の整数を表し、−(CH)r−部分は非置換である)を表すか、あるいはR15およびR16のいずれか一つが−O−(CH)r−H(rは1〜4の整数を表し、−(CH)r−部分は非置換である)を表し、他方が−O−(CH)r−R22(rは1〜4の整数を表し、−(CH)r−部分は非置換であり、R22は置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよい飽和3〜8員複素環式基を表す)を表し、
17、R18、R19、およびR20はすべて水素原子を表すか、あるいはR17、R18、R19、およびR20のいずれか一つまたは二つがハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基を表し、残りすべてが水素原子を表し、
21が、−(CH)t−R61(tは1〜4の整数を表し、R61は飽和の5〜7員炭素環式基;i−プロピル基;水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;C1−4アルコキシ基;または−NR6263(R62およびR63は、同一または異なっていてもよく、C1−4アルキル基を表す)を表す)、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい5〜7員炭素環式基を表す化合物が挙げられる。
式(II)の化合物のより好ましい例としては、
15およびR16が−O−(CH)r−H(rは1〜4の整数を表し、−(CH)r−部分は非置換である)を表すか、あるいはR15およびR16のいずれか一つが−O−(CH)r−H(rは1〜4の整数を表し、−(CH)r−部分は非置換である)を表し、他方が−O−(CH)r−R22(rは1〜4の整数を表し、−(CH)r−部分は非置換であり、R22は置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよい飽和3〜8員複素環式基を表す)を表し、
17、R18、R19、およびR20はすべて水素原子を表すか;R18がフッ素原子を表し、R17、R19、およびR20が水素原子表すか;R17がハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基を表し、R18、R19、およびR20が水素原子を表すか;あるいはR17およびR19がハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基を表し、R18およびR20が水素原子を表し、
21が、−(CH)t−R61(tは2または3の整数を表し、R61は飽和の5〜7員炭素環式基またはt−ブチル基を表す)、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい5〜7員炭素環式基を表す化合物が挙げられる。
式(I)の化合物の好ましい例としては、実施例に記載される化合物1〜77が挙げられる。
式(I)の化合物、式(Ia)の化合物、および式(II)の化合物はその薬学上許容される塩とすることができる。好ましい例としては、ナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩のようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属に塩、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、などの無機酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルキルスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、フマル酸、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、アスコルビン酸塩のような有機酸塩、および、グリシン酸塩、フェニルアラニン酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩などが挙げられる。
式(I)の化合物、式(Ia)の化合物、および式(II)の化合物は溶媒和物とすることができる。このような溶媒和物としては、水和物、アルコール和物(例えば、エタノール和物)およびエーテル和物が挙げられる。
化合物の製造
式(I)の化合物、式(Ia)の化合物、および式(II)の化合物は、例えば、スキーム1乃至スキーム11にしたがって製造できる。本発明による化合物の合成に必要な出発物質は市販されているか、または常法によって容易に製造できる。なお、スキーム中のR〜Rは式(I)において定義された内容と同義である。
4−クロロキノリン誘導体はスキーム1に従って製造できる。

4−クロロキノリン誘導体の製造に当たっては、例えば、Org.Synth.Col.Vol.3,272(1955),Acta Chim.Hung.,112,241(1983)およびWO98/47873等に記載される慣用的手段によって合成することができる。2−アミノアセトフェノン誘導体を適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中においてギ酸エステル(例えば、ギ酸エチルエステル)と塩基(例えば、ナトリウムメトキシド)の存在下で反応させると、キノロン誘導体が得られる。キノロン誘導体を塩素化剤(例えば、オキシ塩化リン)の存在下で反応させると4−クロロキノリン誘導体が得られる。
また、4−クロロキナゾリン誘導体は、例えば以下のように得ることができる。2−アミノ安息香酸エステル誘導体を適当な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドとメタノールの混合溶媒)中においてホルムアミドと塩基(例えば、ナトリウムメトキシド)の存在下で反応させると、キナゾロン誘導体が得られる。キナゾロン誘導体を塩素化剤(例えば、オキシ塩化リン)の存在下で反応させると4−クロロキナゾリン誘導体が得られる。
キノリン環またはキナゾリン環を有するウレア誘導体は例えばスキーム2に従って合成できる。

すなわち、適当な溶媒(例えば、クロロベンゼン)中において、ニトロフェノール誘導体に対し4−クロロキノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体を作用させ、4−(ニトロフェノキシ)キノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体を合成した後、適当な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中、触媒(例えば、水酸化パラジウム−炭素あるいはパラジウム−炭素)の存在下、水素雰囲気下において反応をおこなうと4−(アミノフェノキシ)キノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体が得られる。ニトロ基は亜鉛、鉄などによっても還元することが可能である。
あるいはまた、アミノフェノール誘導体に対し、適当な溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)中において塩基(例えば、水素化ナトリウム)の存在下、4−クロロキノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体を作用させると4−(アミノフェノキシ)キノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体が得られる。4−(アミノフェノキシ)キナゾリン誘導体は、アミノフェノール誘導体を水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、適当な有機溶媒(例えば、エチルメチルケトン)に溶解した4−クロロキナゾリン誘導体と相関移動触媒(例えば、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド)の存在下、または触媒なしで、2相系反応をおこなうことによっても製造できる。
得られた4−(アミノフェノキシ)キノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体を適当な溶媒(例えば、クロロホルム)に溶解し、適当な塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下、トリホスゲンあるいはクロロギ酸エステルを添加し、適当なアルキルアミンを作用させることにより、キノリンあるいはキナゾリンを有すウレア誘導体を得ることができる。
キノリン環の7位に特定の置換基を有する誘導体を合成する為の中間体は、例えば、スキーム3に従って製造できる。

市販の4’−ヒドロキシアセトフェノン誘導体を適当な置換基(例えば、ベンジル基)で保護した後、ニトロ化剤(例えば、発煙硝酸−酢酸)を作用させることによりニトロ基を導入できる。ここからは、スキーム1と同様にして行なう。すなわち、ニトロ基を還元しアミノ基とした後、塩基の存在下、ギ酸エステルを作用させてキノロン環を形成させる。次いで塩素化剤を作用させることにより4−クロロキノリン誘導体を製造できる。この塩素化反応においては、塩素化剤としてオキシ塩化リンを用いる場合、塩基(例えば、N、N−ジイソプロピルエチルアミン)を添加することによって更に収率の向上が可能である。
キノリン環の6位に特定の置換基を有する誘導体を合成する為の中間体は、4’−ヒドロキシアセトフェノン誘導体の代わりに3’−ヒドロキシアセトフェノン誘導体を用いることにより、キノリン環の7位の場合と同様に製造できる。
キナゾリン環の7位に特定の置換基を有する誘導体を合成する為の中間体は、例えば、スキーム4に従って製造できる。

市販の4’−ヒドロキシ安息香酸エステル誘導体の水酸基を適当な置換基(例えば、ベンジル基)で保護した後、ニトロ化剤(例えば、発煙硝酸−酢酸)を作用させることによりニトロ基を導入できる。ここからは、スキーム1と同様にして行なう。すなわち、ニトロ基を還元しアミノ基とした後、塩基の存在下、ホルムアミドを作用させてキナゾロン環を形成させる。次いで塩素化剤を作用させることにより4−クロロキナゾリン誘導体を製造できる。この塩素化反応においては、塩素化剤としてオキシ塩化リンを用いる場合、塩基(例えば、N、N−ジイソプロピルエチルアミン)を添加することによって更に収率の向上が可能である。
キナゾリン環の6位に特定の置換基を有する誘導体を合成する為の中間体は、4’−ヒドロキシ安息香酸エステル誘導体の代わりに3’−ヒドロキシ安息香酸エステル誘導体を用いることにより、キナゾリン環の7位の場合と同様に製造できる。
キノリンまたはキナゾリン環の7位に特定の置換基を有するアニリン誘導体は、例えば、スキーム5に従って製造できる。

すなわち、スキーム3もしくはスキーム4で得られた4−クロロキノリン誘導体あるいはキナゾリン誘導体を適当な溶媒(例えば、クロロベンゼン)中において、ニトロフェノール誘導体と反応させ、4−(ニトロフェノキシ)キノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体を合成した後、適当な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中、触媒(例えば、水酸化パラジウム−炭素あるいはパラジウム−炭素)の存在下、水素雰囲気下において反応をおこなうと4−(アミノフェノキシ)キノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体が得られる。ニトロ基は亜鉛、鉄などによっても還元することが可能である。あるいはまた、アミノフェノール誘導体に対し、適当な溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)中において塩基(例えば、水素化ナトリウム)の存在下、4−クロロキノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体を作用させると4−(アミノフェノキシ)キノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体が得られる。4−(アミノフェノキシ)キナゾリン誘導体は、アミノフェノール誘導体を水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、適当な有機溶媒(例えば、エチルメチルケトン)に溶解した4−クロロキナゾリン誘導体と相関移動触媒(例えば、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド)の存在下、または触媒なしで、2相系反応をおこなうことによっても製造できる。なお、スキーム5にはキノリン環またはキナゾリン環の7位に置換基を有する本発明による化合物の合成法が開示されているが、6位に保護基が導入されたキノリン誘導体またはキナゾリン誘導体を出発物質として使用することにより、キノリン環またはキナゾリン環の6位に置換基を有する本発明による化合物を合成することができる。
出発化合物として使用する6位に保護基が導入されたキノリン誘導体は、例えば、スキーム6に従って合成することができる(詳細は、製造例参照のこと)。

4−(キノリルスルファニル)アニリン誘導体あるいは4−(キナゾリニルスルファニル)アニリン誘導体(式(I)においてZ=Sである化合物)は、スキーム7に従って製造できる。

適当な溶媒(例えば、クロロベンゼン)中において、アミノチオフェノール誘導体に対し4−クロロキノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体を作用させると4−(キノリルスルファニル)アニリン誘導体あるいは4−(キナゾリニルスルファニル)アニリン誘導体が得られる。この誘導体からスキーム2に従って、キノリン環またはキナゾリン環の4位に硫黄原子を有するウレア誘導体を製造することができる。
キノリン環またはキナゾリン環の7位に特定の置換基を有するウレア誘導体は、例えば、スキーム8に従って合成できる。

すなわち、スキーム5で得られた4−(アミノフェノキシ)キノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体を適当な溶媒(例えば、クロロホルム)に溶解し、適当な塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下、トリホスゲンあるいはクロロギ酸エステルを添加し、適当なアルキルアミンを作用させることにより、キノリンあるいはキナゾリンの7位の水酸基が保護されたウレア誘導体を得ることができる。このウレア誘導体の水酸基を適当な条件で脱保護し、7−ヒドロキシキノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体を得ることができる。例えば、保護基がベンジル基の場合には、例えばN,N−ジメチルホルムアミド中、水酸化パラジウム−炭素あるいはパラジウム−炭素存在下、水素雰囲気下で反応させる。次に、7−ヒドロキシキノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体に対して、適当な条件(例えばN,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウムの存在下、ハロゲン化アルキル(RHal)を作用させるか、あるいは、光延反応を用いて、アルキルアルコール(ROH)を作用させる)でアルキル化反応を実施することにより、キノリンあるいはキナゾリンの7位に特定の置換基を有するウレア誘導体を得ることができる。キノリン環またはキナゾリン環の6位に特定の置換基を有するウレア誘導体についても、7位と同様にして得ることができる。
あるいはまた、キノリン環またはキナゾリン環の6位あるいは7位に特定の置換基を有するウレア誘導体は、例えば、以下のように合成できる。6,7−ジメトキシ−4−(ニトロフェノキシ)キノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体を適当な溶媒(例えば、クロロホルム)に溶解し、適当なルイス酸(例えば、三塩化アルミニウム)の存在下、加熱還流することにより、キノリンあるいはキナゾリンの6位あるいは7位が水酸基であるキノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体を得ることができる。この誘導体の水酸基を適当な条件で保護し、分離精製することにより、6位あるいは7位が保護された4−(ニトロフェノキシ)キノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体を得ることができる。水酸基は、例えば、ベンジル基により保護することができ、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウムの存在下、ベンジルクロリドを作用させることによりベンジル基を導入できる。得られた誘導体は、スキーム5に記載の方法と同様にして、4−(アミノフェノキシ)キノリン誘導体あるいは相当するキナゾリン誘導体に誘導することができる。この誘導体からスキーム8と同様にして、キノリン環またはキナゾリン環の6位あるいは7位に特定の置換基を有するウレア誘導体を製造することができる(具体例は、スキーム11参照のこと)。
キノリン環またはキナゾリン環の7位に特定の置換基を有するウレア誘導体はWO00/43366に記載の方法を参照して合成することもできる。
医薬用途/医薬組成物
Flt3は、脳、胎盤、肝臓および造血幹細胞において強く発現していることが報告されている(Shibuya et al.,Oncogene,5:519−524,1990;O.Rosn et et al.,Genomics,9:380−385,1991;O.Rosnet et al.,Oncogene,6:1641−1650,1991;O.Ronsnet et al.,Oncogene,6:1641−1650,1991;W.Matthews et al.,Cell,65:1143−1152,1991)。
ノックアウトマウスを用いた遺伝子の解析によれば、Flt3遺伝子の破壊によりリンパ球前駆細胞に障害をきたすことが明らかになった。また、KIT遺伝子を同時に破壊すると汎血球減少を伴う重篤な造血障害が起こることも報告された(K.Mackarehtschian,Immunity,3:147−161,1995)。
また、FLT3リガンドのノックアウトマウスでは、骨髄中の白血球細胞、骨髄前駆細胞およびBリンパ球前駆細胞の減少、脾臓中のナチュラルキラー細胞の欠損、および脾臓、胸腺、リンパ節中の樹状細胞の減少が認められている(H.J.McKenna et al.,BLOOD,95:3489−3497,2000)。
更に、慢性骨髄性白血病(CML)において、慢性期に比較して急性転換後にFlt3の発現が増加する症例が報告されている(Iwai,T.et al.,Leukemia,11:1992−1993.1997)。以上のように、Flt3に異常が起こりシグナル伝達系が亢進すると、造血細胞の増殖・分化が過剰となり細胞の腫瘍化、免疫異常などが引き起こされると考えられる。
最近、急性骨髄性白血病(AML)患者にFlt3の体細胞変異体(Flt3−ITD)が発見された(M.Nakao et al.,Leukemia,10:1911−1918.1996)。この変異は、Flt3の傍膜貫通部にあたるexon11/12の一定の領域内で10〜数10bp程度の短い塩基配列が反復(internal tandem duplication:ITD)を起こすもので、AML患者の約20%、骨髄異形成症候群(MDS)患者の約5%に見られた(S.Yokota et al.,Leukemia,11:1605−1609,1997)。また、Flt3遺伝子の変異(FLT3−ITD)は、AMLの予後不良因子であることや(H.Kiyoi et al.,Blood,93:3074−3080,1999)、再発AMLで初診時と再発時の遺伝子解析を行なうとより再発時に陽性となり、異常になる頻度が高い傾向が見られた。また、FLT3−ITD陽性症例では再発後の生存期間が短いことも明らかになった(Y.Nakano et al.,Br.J.Haematol.,104:659−664.1999)。さらに、Flt3−ITD以外の、Flt3の変異に基づく疾患についての報告があり(British Journal of Haematology,113,983−988(2001))、式(I)の化合物は、これらの変異に基づく疾患にも有効である考えられる。
このように、Flt3および/またはFlt3−ITDを経由したシグナル伝達系の異常は、造血細胞の増殖・分化の異常や免疫異常に関連している。従って、Flt3の自己リン酸化を阻害することにより、Flt3および/またはFlt3−ITDを経由したシグナル伝達系の異常、特に、Flt3および/またはFlt3−ITDを経由したシグナル伝達系の亢進、により引き起こされる疾患を治療および予防することができる。
式(I)の化合物は、ヒト白血病細胞株であるMV4−11のFlt3自己リン酸化を阻害した(薬理試験例1参照)。式(I)の化合物はまた、ヒト白血病細胞株であるMV4−11の増殖をインビトロにおいて実際に抑制した(薬理試験例2)。
式(I)の化合物はまた、ヒト白血病細胞であるMOLM13の増殖を、インビトロおよびインビボにおいて実際に抑制した(薬理試験例3,4,5)。
従って、式(I)の化合物およびその薬学上許容される塩および溶媒和物は、Flt3および/またはFlt3−ITDの自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患の治療および予防に有効である。
Flt3および/またはFlt3−ITDの自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患としては、造血器悪性腫瘍(例えば、急性骨髄性白血病および骨髄異形成症候群)や、B細胞、樹状細胞、またはナチュラルキラー細胞の異常増殖による免疫疾患が挙げられる。
本発明による医薬組成物の好ましい態様としては、造血器悪性腫瘍(より好ましくは、急性骨髄性白血病または骨髄異形成症候群)の治療または予防に用いられる医薬組成物であって、式(Ia)の化合物、式(II)の化合物、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる医薬組成物が挙げられる。
本発明によれば、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を薬学上許容される担体とともに哺乳類に投与する工程を含んでなる、Flt3および/またはFlt3−ITDの自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患の治療または予防方法が提供される。
本発明によればまた、Flt3および/またはFlt3−ITDの自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患の治療または予防に用いられる薬剤の製造のための、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。
本発明による化合物は、経口および非経口(例えば、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸投与、経皮投与)のいずれかの投与経路で、ヒトおよびヒト以外の動物に投与することができる。したがって、本発明による化合物を有効成分とする医薬組成物は、投与経路に応じた適当な剤型に処方される。
具体的には、経口剤としては、錠剤、カプセル剤、散在、顆粒剤、シロップ剤などが挙げられ、非経口剤としては、注射剤、座剤、テープ剤、軟膏剤などが挙げられる。
これらの各種製剤は、通常用いられている賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、希釈剤などを用いて常法により製造することができる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、ブドウ糖、コーンスターチ、ソルビット、結晶セルロースなどが、崩壊剤としては、例えば、デンプン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン末、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、デキストリンなどが、結合剤としては例えばジメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが、滑沢剤としては、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、硬化植物油などがそれぞれ挙げられる。
また、上記注射剤は、必要により緩衝剤、pH調整剤、安定化剤、等張化剤、保存剤などを添加して製造することができる。
本発明による医薬組成物中、本発明による化合物の含有量は、その剤型に応じて異なるが、通常全組成物中0.5−50重量%、好ましくは、1−20重量%である。
投与量は患者の年齢、体重、性別、疾患の相違、症状の程度などを考慮して、個々の場合に応じて適宜決定されるが、好ましくは、1−100mg/kgの範囲であり、これを1日1回または数回に分けて投与する。
本発明による化合物は他の医薬、たとえば抗癌剤と組み合わせて投与することができる。投与は、同時にあるいは経時的にすることができる。抗癌剤の種類や投与間隔等は癌の種類や患者の状態に依存して決定できる。
【実施例】
以下本発明を下記例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。化合物1〜77を合成するために必要な原料の合成については、WO97/17329、WO98/47873、WO00/43366、および特開平11−158149号の記載に従って製造した。これらの公報に記載されていない原料については以下に製造例として示す。


原料5、6、および7の合成スキームはスキーム6に示される通りである。
製造例1(原料1)
4−アミノフェノール(12.21g)、ナトリウムメトキシド(28% メタノール溶液、21.07g)をN,N−ジメチルアセトアミド(140ml)に溶解し室温で1時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、7−(ベンジルオキシ)−4−クロロ−6−メトキシキノリン(21.00g)、N,N−ジメチルアセトアミド(210ml)を加え120℃で22時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、水を300ml加え室温で4時間攪拌した。沈殿を濾過、乾燥し、目的の化合物を24.90g、収率96%で得た。
製造例2(原料2)
7−(ベンジルオキシ)−4−クロロ−6−メトキシキノリン(9.00g)、3−フルオロ−4−ニトロフェノール(5.66g)をクロロベンゼン(60ml)に加え120℃で21時間攪拌した。反応液にクロロホルム(100ml)、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム2.4gを水100mlに溶解)を加え室温で一晩攪拌した。有機層をクロロホルムで抽出し、クロロホルム層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。クロロホルム層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して得られたクルードをヘキサン/酢酸エチル(1/1)で洗浄、濾過、乾燥し目的とする化合物を10.39g,収率82%で得た。
製造例3(原料3)
7−(ベンジルオキシ)−4−(3−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−メトキシキノリン(4.11g)、塩化アンモニウム(2.62g)、および亜鉛(12.80g)をメタノール(80ml)に加え、100℃で3時間攪拌した。反応液をろ過し,濾液を濃縮した。得られたクルードに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え室温で一晩攪拌した。溶液にクロロホルムを加え抽出操作を行い、クロロホルム層を硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し目的とする化合物を1.80g,収率47%で得た。
製造例4(原料4)
7−(ベンジルオキシ)−4−クロロ−6−メトキシキナゾリン(500mg)、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド(230mg)をエチルメチルケトン(20ml)に加えた(溶液A)。4−アミノフェノール(270mg)、水酸化ナトリウム(99mg)を水(10ml)に加えた(溶液B)。溶液Aと溶液Bを混合し2時間加熱還流した。減圧下エチルメチルケトンを留去し、クルードをクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られたクルードをクロロホルム/アセトンで展開するシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し目的とする化合物を定量的に得た。
製造例5:2−アミノ−5−ベンジルオキシ−4−メトキシアセトフェノン(原料5)の製造
3’,4’−ジヒドロキシアセトフェノン(20.1g)をN,N−ジメチルホルムアミド(320ml)に溶解し、炭酸リチウム(24.4g)およびヨウ化メチル(20.5ml)を加え、55℃で一晩攪拌した。反応液を氷冷し、10% 塩酸水溶液を加え酸性にした。クロロホルムを加え、2回抽出した。飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾燥した。生成した固体をN,N−ジメチルホルムアミド(200ml)に溶解し、炭酸カリウム(21.8g)、テトラブチルアンモニウムヨーダイド(4.8g)およびベンジルブロミド(18.9ml)を加え、100℃で1時間攪拌した。水を加え、クロロホルムで2回抽出した。飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾燥した。得られた固体を酢酸(95ml)に溶解し、氷冷下発煙硝酸(13.6ml)を少しずつ加え、室温で3時間攪拌した。氷冷下、10%水酸化ナトリウム水溶液を加え中和した。クロロホルムを加え生成した固体を溶解した。反応液をクロロホルムで2回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾燥した。得られた固体にエタノールを加え、100℃に加熱し溶解した。水(20ml)、アンモニウムクロリド(21.1g)および亜鉛粉末(112g)を加え、100℃で1時間攪拌した。反応液を熱いうちにろ過し、クロロホルム−メタノール混合液で洗浄した。母液を濃縮し、得られた残渣に酢酸エチルおよび10%水酸化ナトリウムを加え激しく攪拌した後,不溶物をろ過した。母液を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾燥した。得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル/ジクロロメタンで展開するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題の化合物を13.1g、収率37%(4工程)で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):2.39(s,3H),3.89(s,3H),5.05(s,2H),6.25(s,1H),7.15(s,1H),7.29−7.45(m,5H)
製造例6:6−ベンジルオキシ−7−メトキシ−4−キノロン(原料6)の製造
2−アミノ−5−ベンジルオキシ−4−メトキシアセトフェノン(13.1g)、テトラヒドロフラン(無水)200ml、ナトリウムメトキシド(13.1g)を加え、室温で30分間攪拌した。ギ酸エチルエステル(19.4ml)を加え、さらに室温で1時間攪拌した。水を加え、室温で1時間攪拌した後、減圧下で濃縮した。10%塩酸水を加え、液性を弱酸性にして、クロロホルムを加え、抽出し、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧下で溜去した。クルードをクロロホルム/メタノールで展開するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題の化合物を11.5g、収率85%で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):δ3.97(s、3H)、5.19(s、2H)、6.28(d、J=7.3Hz、1H)、7.02(s、1H)、7.29−7.41(m、3H)、7.47−7.51(m、2H)、7.71(s、1H)、7.86(d、J=7.3Hz、1H)
製造例7:6−ベンジルオキシ−4−クロロ−7−メトキシ−キノリン(原料7)の製造
6−ベンジルオキシ−7−メトキシ−4−キノロン(2.4g)、ジイソプロピルアミン(7.4ml)、オキシ塩化リン(2.0ml)を加え、110℃で1時間攪拌した。減圧下で濃縮した後、クロロホルム、氷水を加えた。28%アンモニア水を加え、液性を弱アルカリ性にして、クロロホルム抽出し、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧下で溜去した。クルードをクロロホルム/メタノールで展開するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題の化合物を1.6g、収率63%で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):δ4.04(s、3H)、5.32(s、2H)、7.32−7.44(m、4H)、7.45(s、1H)、7.49(s、1H)、7.51−7.55(m、2H)、8.57(d、J=4.9Hz、1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):300(M+1)
製造例8:4−[(6−ベンジルオキシ−7−メトキシ−4−キノリル)オキシ]−3−フロロ−ニトロベンゼン(原料8)の製造
4−[(6,7−ジメトキシ−4−キノリル)オキシ]−3−フロロ−ニトロベンゼン(4.3g)をクロロホルム(200ml)に溶解し、塩化アルミニウム(10g)を加え、2時間加熱還流した。溶媒留去後注意深く水(200ml)を加え、析出する粗結晶(6.5g)をろ取した。この粗結晶をジメチルホルムアミド(150ml)に溶解し、これに炭酸カリウム(9.0g)および塩化ベンジル(4.5g)を加え、5時間室温にて攪拌した。酢酸エチルにて抽出した後飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、n−ヘキサン:酢酸エチル(1:4)画分より表題の化合物を1.4g、収率27%の収率で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):4.04(s,3H),5.26(s,2H),6.57(d,J=5.1Hz,1H),7.15−7.47(m,6H),7.33(s,1H),7.47(s,1H),8.02−8.05(m,1H),8.13−8.16(m,1H),8.57(d,J=5.1Hz,1H)
製造例9:N−(2−ハイドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの製造
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(2.78g)を無水クロロホルム(80ml)に溶解し、トリエチルアミン(10.1g)を加え、続いて無水クロロホルム(5ml)に溶解したクロログリオキシリックアシッドエチルエステル(5.40g)を0℃にて加え、室温にて20時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、n−ヘキサン:酢酸エチル(4:1)の混合溶媒にて溶出し、N−(グリオキシリックエチルエステル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを4.50g、収率94%の収率で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):0.85(t,J=6.8Hz,3H),1.46(s,12H),1.67(s,3H),4.25(q,J=6.8Hz,2H)
N−(グリオキシリックエチルエステル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(4.50g)をテトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、0℃にて水素化アルミニウムリチウム(2.14g)を加えた後、1時間加熱還流した。硫酸ナトリウム・10水和物にて過剰の試薬を壊し、セライトにてろ過した。得られるろ過液を減圧下で濃縮し、表題の化合物を3.40g、収率100%で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):1.02(s,12H),1.41−1.65(m、6H),2.68−2.72(m,2H),2.95(br s,1H),3.41−3.45(m,2H)
化合物1:1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア塩酸塩
4−[(6,7−ジメトキシ−キノリル)オキシ]アニリン(出発原料A)(2g)をクロロホルム(100ml)に溶解し、トリエチルアミン(2ml)を添加した。トリホスゲン(1g)のクロロホルム(4ml)溶液を滴下し、室温で30分間攪拌した。3,3−ジメチルブチルアミン(出発原料B)(750mg)を加え、室温で5時間攪拌した。反応液に水およびクロロホルムを加えクロロホルムで抽出し、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧下で溜去した。クルードをクロロホルム/アセトンで展開するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレアを1.70g、収率59%で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):0.93(s,9H),1.42−1.46(m,2H),3.27−3.32(m,2H),4.03(s,3H),4.03(s,3H),5.03(br,1H),6.44(d,J=5.3Hz,1H),7.11(d,J=9.0Hz,2H),7.41(s,1H),7.43(d,J=8.8Hz,2H),7.55(s,1H),8.46(d,J=5.1Hz,1H),8.84(br,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):424(M+1)
1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレアにメタノール20ml、クロロホルム2mlを加えて溶かし、塩化水素メタノールを加え、酸性にした。濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えろ過し、表題の化合物を1.75g、収率91%で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):0.92(s,9H),1.45−1.49(m,2H),3.24−3.30(m,2H),4.10(s,3H),4.14(s,3H),5.98(br,1H),6.48(d,J=6.6Hz,1H),7.02(d,J=9.0Hz,2H),7.65(s,1H),7.72(d,J=9.0Hz,2H),7.88(s,1H),8.18(d,J=6.6Hz,1H),8.84(br,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):424(M+1)
化合物41:1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{2−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア塩酸塩
4−[(7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−4−キノリル)オキシ]−2−フルオロ−アニリン(出発原料A)(3.0g)を無水クロロホルム(100ml)に溶解し、トリエチルアミン(3.9g)を加え、続いて無水クロロホルム(5ml)に溶解したトリフォスゲン(2.3g)を加え、室温にて30分攪拌した。次いで無水クロロホルム(5ml)に溶解した3,3−ジメチルブチルアミン(出発原料B)(1.6g)を加え、室温にてさらに1時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、攪拌した後、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、クロロホルム:メタノール(98:2)画分より1−[4−([7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−キノリン−4−イルオキシ]−2−フルオロフェニル)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)ウレアを3.9g、収率97%の収率で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):0.93(s,9H),1.43−1.47(m,2H)3.26−3.31(m,2H),4.01(s,3H),4.78(br s,1H),5.30(s,2H),6.45(d,J=5.4Hz,1H),6.57(br s,1H),6.88−6.95(m,2H),7.28−7.49(m,5H),7.44(s,1H),7.50(s,1H),8.14(t,J=8.8Hz,1H),8.45(d,J=5.4Hz,1H)
上記で得られた1−[4−([7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−キノリン−4−イルオキシ]−2−フルオロフェニル)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)ウレア(11g)にトリフルオロ酢酸(20ml)およびメタンスルフォン酸(1ml)に懸濁し、1時間加熱還流した。溶媒を減圧下に留去し、得られる残留物に水を加え、10%水酸化ナトリウム溶液にて溶液をほぼpH7とし、得られる沈殿物をろ取し、1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−[2−フルオロ−4−(7−ヒドロキシ−6−メトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−ウレアを得た。次に、得られた1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−[2−フルオロ−4−(7−ヒドロキシ−6−メトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−ウレア(103mg)、炭酸カリウム(166mg)、4−(2−クロロエチル)モルホリン塩酸塩(出発原料C)(69mg)に、N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)を加え、75−80℃で16時間攪拌した。反応液に水および酢酸エチルを加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧溜去した。クルードをクロロホルム/メタノールで展開する薄層シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{2−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレアを47.7mg、収率37%で得た。
H−NMR(CDCl+CDOD,400MHz):0.96(s,9H),1.45−1.51(m,2H),2.72(br,4H),3.02(t,J=5.6Hz,2H),3.28−3.34(m,2H),3.78−3.81(m,4H),4.02(s,3H),4.40(t,J=5.6Hz,2H),5.16(br,1H),6.51(d,J=5.6Hz,1H),6.89(dd,J=2.7,11.2Hz,1H),6.91(br,1H),6.95−6.97(m,1H),7.52(s,1H),7.55(s,1H),8.24(dd,J=9.0,9.0Hz,1H),8.46(d,J=5.6Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):541(M+1)
1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{2−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア(42.7mg)をクロロホルム(1ml)メタノール(1ml)に溶かし、塩化水素メタノールを加え、エバポレーターで濃縮しポンプで減圧乾燥し、表題の化合物(48.9mg)を得た。
H−NMR(CDCl+CDOD,400MHz):0.96(s,9H),1.45−1.51(m,2H),3.22−3.32(m,4H),3.71−3.80(m,4H),4.00−4.10(m,5H),4.18−4.28(m,2H),4.94(br,2H),6.84(d,J=5.1Hz,1H),6.97(d,J=9.0Hz,2H),7.64(s,1H),8.01(s,1H),8.38(t,J=9.0Hz,1H),8.57(d,J=4.6Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):563(M+Na)
化合物43:1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{2−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア塩酸塩
化合物41と同様にして、4−[(7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−4−キノリル)オキシ]−2−フルオロ−アニリン(出発原料A)と3,3−ジメチルブチルアミン(出発原料B)とから合成した1−[4−([7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−キノリン−4−イルオキシ]−2−フルオロフェニル)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)ウレアを脱ベンジル化して得られた7−ヒドロキシウレア体の粗精製物をジメチルホルムアミド(100ml)に溶解し、これに炭酸カリウム(18g)、1−ブロモ−2−クロロエタン(出発原料C)(11g)を加え、室温にて20時間攪拌した。酢酸エチルにて抽出した後飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られる残留物をn−ヘキサン:酢酸エチル(2:1)の混合溶媒にて洗浄後ろ取し、1−{4−[7−(2−クロロエトキシ)−6−メトキシ−キノリン−4−イルオキシ]−2−フルオロフェニル}−3−(3,3−ジメチル−ブチル)ウレアを、7.7g、収率74%の収率で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):0.94(s,3H),1.44−1.48(m,2H)3.26−3.32(m,2H),3.91−3.95(m,2H),4.01(s,3H),4.41−4.45(m,2H),4.79−4.81(m,1H),6.47(d,J=5.4Hz,1H),6.55−6.57(m,1H),6.89−6.96(m,2H),7.40(s,1H),7.51(s,1H),8.10(t,J=8.8Hz,1H),8.47(d,J=5.4Hz,1H)
上記で得られた1−{4−[7−(2−クロロエトキシ)−6−メトキシ−キノリン−4−イルオキシ]−2−フルオロフェニル}−3−(3,3−ジメチル−ブチル)ウレア(1.98g)、炭酸カリウム(2.82g)、ピペリジン(出発原料D)(2.02ml)に、N,N−ジメチルホルムアミド(80ml)を加え、70−75℃で17時間攪拌した。ピペリジン(出発原料D)(0.8ml)を追加した。さらに70−75℃で23時間攪拌した。反応液に水および酢酸エチルを加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧溜去した。クルードをクロロホルム/メタノールで展開するアルミナ(グレードIII)クロマトグラフィーにより精製し、1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{2−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレアを1.69g、収率78%で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):δ0.95(s,9H),1.43−1.52(m,4H),1.62−1.70(m,4H),2.53−2.62(m,4H),2.92(t,J=5.9Hz,2H),3.24−3.31(m,2H),4.02(s,3H),4.32(t,J=5.9Hz,2H),6.48(d,J=5.4Hz,1H),6.87−6.97(m,2H),7.38(s,1H),7.52(s,1H),8.19−8.26(m,1H),8.43(d,J=5.4Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):539(M+1)
1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{2−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレアにメタノール20ml、クロロホルム2mlを加えて溶かし、塩化水素メタノールを加え、酸性にした。濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えろ過し、表題の化合物を1.75g、収率91%で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):δ0.93(s,9H),1.46−1.52(m,2H),1.78−1.96(m,4H),2.13−2.27(m,2H),3.03−3.12(m,2H),3.21−3.27(m,2H),3.68−3.83(m,4H),4.05(s,3H),4.87−4.94(m,2H),6.82(d,J=6.6Hz,1H),6.87−6.96(m,2H),7.58(s,1H),7.97(s,1H),8.30−8.33(m,1H),8.56(d,J=6.8Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):539(M+1)
化合物50:1−{2−クロロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−2−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
2−ピペリジンエタノール(出発原料A)(1.93g、15mmol)およびトリエチルアミン(5ml)をクロロホルム(25ml)に溶解した。ジtert−ブチルジカーボナート(3.3g、15mmol)をクロロホルム(5ml)に溶解し、これを混合溶液に添加し、室温で2時間攪拌した。溶媒を溜去し、水を加え酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。反応液を濃縮した。ここで得られた化合物(1.5g)、トリフェニルホスフィン(1.5g、5.7mmol)および1−{2−クロロ−4−[7−ヒドロキシ−6−メトキシ−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア(出発原料B)(1.12g、2.5mmol)をテトラヒドロフラン(30ml)に溶解し、0℃に冷却した。40%ジエチルアゾジカルボキシラート(8ml)を添加し、室温に戻し3日間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて、クロロホルム/メタノール(15/1)で展開し、tert−ブチル 2−[({4−[3−クロロ−4−({[(3,3−ジメチルブチル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェノキシ]−6−メトキシ−7−キノリル}オキシ)メチル]−1−ピペリジンカルボキシレートを得た。次に、tert−ブチル 2−[({4−[3−クロロ−4−({[(3,3−ジメチルブチル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェノキシ]−6−メトキシ−7−キノリル}オキシ)メチル]−1−ピペリジンカルボキシレートに25%トリフルオロメチル酢酸を加え、室温で1時間攪拌した。溶媒を溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて、クロロホルム/メタノールで展開し表題の化合物を得た。収率50%、694mg。
質量分析値(ESI−MS,m/z):556(M+1)
化合物61:1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−(2−フルオロ−4−{6−メトキシ−7−[2−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−キノリン−4−イルオキシ}−フェニル)−ウレア
4−(3−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−メトキシ−7−キノリノール(450mg)(出発原料A)および製造例9で製造したN−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラヒドロピペリジン(500mg)(出発原料B)をテトラヒドロフラン(40ml)に溶解し、これにトリフェニルフォスフィン(1.80g)を加え、10分間室温にて攪拌した。これにジエチルアゾカルボキシレート(40%トルエン溶液、3.2ml)を加え、室温にて20時間攪拌した。酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、メタノール:酢酸エチル(1:99)の混合溶媒にて溶出し、4−(3−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−メトキシ−7−[2−(2,2,6,6、−テトラメチルピペリジノ)エトキシ]キノリンを315mg、収率49%で得た。
4−(3−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−メトキシ−7−[2−(2,2,6,6、−テトラメチルピペリジノ)エトキシ]キノリン(315mg)をメタノール(30ml)に溶解し、これに塩化アンモニウム(170mg)および亜鉛(820mg)を加えた後、5時間加熱還流した。セライトにてろ過したのち、得られるろ過液を炭酸水素ナトリウム水溶液で処理し、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、n−ヘキサン:酢酸エチル(3:1)の混合溶媒にて溶出し2−フルオロ−4−({6−メトキシ−7−[2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ)エトキシ]−4−キノリル}オキシ)アニリンを63mg、収率21%で得た。
2−フルオロ−4−({6−メトキシ−7−[2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ)エトキシ]−4−キノリル}オキシ)アニリン(63mg)を無水クロロホルム(15ml)に溶解し、これにトリエチルアミン(68mg)およびトリフォスゲン(40mg)を加えた後、室温にて30分攪拌した。これに3,3−ジメチルブチルアミン(41mg)(出発原料C)を加え、室温にてさらに1時間攪拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液にて処理した後クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得られる残留物を中性アルミナ(グレードIII)クロマトグラフィーにて精製し、メタノール:クロロホルム(0.5:99.5)の混合溶媒にて溶出し表題の化合物70mg、収率90%で得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):0.88(s,9H),1.12(s,12H),1.32−1.52(m,8H),2.95−3.00(m,2H),3.21−3.27(m,2H),3.96(s,3H),4.00−4.17(m,2H),5.03−5.06(m,1H),6.39(d,J=5.4Hz,1H),6.77−6.93(m,3H),7.36(s,1H),7.42(s,1H),8.11(t,J=9.0Hz,1H),8.41(d,J=5.4Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):595(M+1)
化合物1、化合物41、化合物43、化合物50、および化合物61の化学構造は下記に示される通りである。

下記化合物を、上記化合物の合成例に従って合成した。
化合物番号 化合物名
2 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
2−メチル−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウ
レア
3 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
3−メチル−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウ
レア
4 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
2−メトキシ−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−
ウレア
5 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
3−メトキシ−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−
ウレア
6 1−[3,5−ジクロロ−4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−
−4−イルオキシ)−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチ
ル)−ウレア
7 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
2,3−ジメチル−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル
)−ウレア
8 1−[3−クロロ−4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イ
ルオキシ)−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウ
レア
9 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
2−フルオロ−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−
ウレア塩酸塩
10 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
3−フルオロ−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−
ウレア塩酸塩
11 1−[2−クロロ−4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イ
ルオキシ)−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウ
レア
12 1−[3−クロロ−4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イ
ルオキシ)−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−シクロヘキシ
ル)−ウレア塩酸塩
13 1−[3−クロロ−4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イ
ルオキシ)−フェニル]−3−(3,3,5−トリメチル−シクロ
ヘキシル)−ウレア
14 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)
−3−フルオロ−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−シクロヘ
キシル)−ウレア
15 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
3−フルオロ−フェニル]−3−(3,3,5−トリメチル−シク
ロヘキシル)−ウレア
16 1−(2−シクロヘキシル−エチル)−3−[4−(6,7−ジメ
トキシ−キノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロ−フェニル]
−ウレア
17 1−[3−クロロ−4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イ
ルオキシ)−フェニル]−3−(2−シクロヘキシル−エチル)−
ウレア
18 1−(2−シクロペンチル−エチル)−3−[4−(6,7−ジメ
トキシ−キノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロ−フェニル]
−ウレア
19 1−ブチル3−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イル
オキシ)−フェニル]−ウレア
20 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
フェニル]−3−イソプロピル−ウレア
21 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
フェニル]−3−プロピル−ウレア
22 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
フェニル]−3−ヘキシル−ウレア
23 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
フェニル]−3−ペンチル−ウレア
24 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
フェニル]−3−(3−メトキシ−プロピル)−ウレア
25 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
フェニル]−3−(2−ジメチルアミノ−エチル)−ウレア
26 1−シクロヘキシル−3−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン
−4−イルオキシ)−フェニル]−ウレア
27 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
フェニル]−3−メチル−ウレア
28 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
フェニル]−3−エチル−ウレア
29 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
フェニル]−3−(3−メチル−ブチル)−ウレア
30 1−シクロヘキシルメチル−3−[4−(6,7−ジメトキシ−キ
ノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−ウレア
31 1−(2−シクロヘキシル−エチル)−3−[4−(6,7−ジメ
トキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−ウレア
32 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
フェニル]−3−(2,2−ジメチル−プロピル)−ウレア
33 1−(3−シクロヘキシル−プロピル)−3−[4−(6,7−ジ
メトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−ウレア
34 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
フェニル]−3−(4−メチル−ペンチル)−ウレア
35 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−
フェニル]−3−(4,4−ジメチル−ペンチル)−ウレア
36 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−イルオキシ)
−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
37 1−[2−ニトロ−4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イ
ルオキシ)−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウ
レア
39 1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)
−フェニル]−3−(4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブチル
)−ウレア
40 1−{4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エ
トキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−3−(3,
3−ジメチル−ブチル)−ウレア塩酸塩
42 1−{2−クロロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−
1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}
−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
44 1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{3−フルオロ−4−
[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−
キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア
45 1−{2−クロロ−4−[6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−
1−イル−プロポキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル
}−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
46 1−{2−クロロ−4−[6−メトキシ−7−(3−ピペリジン−
1−イル−プロポキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル
}−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
47 1−{2−クロロ−4−[7−(3−ジエチルアミノ−プロポキシ
)−6−メトキシ−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−3
−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
48 1−{2−クロロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピロリジン−
1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}
−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
49 1−{2−クロロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−
4−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}
−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
51 1−(2−クロロ−4−{6−メトキシ−7−[2−(4−メチル
−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−キノリン−4−イルオキ
シ}−フェニル)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
52 1−(2−クロロ−4−{6−メトキシ−7−[3−(4−メチル
−ピペリジン−1−イル)−プロポキシ]−キノリン−4−イルオ
キシ}−フェニル)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
53 1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−(4−{7−[2−(3
,5−ジメチル−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−6−メト
キシ−キノリン−4−イルオキシ}−フェニル)−ウレア
54 1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−(4−{7−[3−(3
,5−ジメチル−ピペリジン−1−イル)−プロポキシ]−6−メ
トキシ−キノリン−4−イルオキシ}−フェニル)−ウレア
55 1−(3,3−ジメチル−シクロヘキシル)−3−{3−フルオロ
−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキ
シ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア
56 1−{3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン
−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル
}−3−(3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル)−ウレア
57 1−{2−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン
−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル
}−3−(3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル)−ウレア
58 1−(2−シクロヘキシル−エチル)−3−{3−フルオロ−4−
[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−
キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア
59 1−(2−シクロペンチル−エチル)−3−{3−フルオロ−4−
[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−
キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア
60 1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−(4−{7−[2−(2
,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−6−メト
キシ−キノリン−4−イルオキシ}−2−フルオロ−フェニル)−
ウレア
62 1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−(4−{7−[2−(2
,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−6−メト
キシ−キノリン−4−イルオキシ}−3−フルオロ−フェニル)−
ウレア
63 1−{2−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン
−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル
}−3−(4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
64 1−(2−シクロヘキシル−エチル)−3−{2−フルオロ−4−
[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−
キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア
65 1−(2−シクロペンチル−エチル)−3−{2−フルオロ−4−
[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−
キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア
66 1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{4−[6−メトキシ−
7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−キノリン−4−イ
ルオキシ]−フェニル}−ウレア
67 1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{2−フルオロ−4−[
6−メトキシ−7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−キ
ノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア
68 1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{4−[7−メトキシ−
6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−キノリン−4−イ
ルオキシ]−フェニル}−ウレア
69 1−(3,3−ジメチル−シクロヘキシル)−3−{2−フルオロ
−4−[6−メトキシ−7−(2−モルホリン−4−イル−エトキ
シ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア
70 1−(3−クロロ−4−{7−[2−(2,6−ジメチル−モルホ
リン−4−イル)−エトキシ]−6−メトキシ−キノリン−4−イ
ルオキシ}−フェニル)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウ
レア
71 1−(2−シクロヘプチル−エチル)−3−(4−{7−[2−(
2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−メ
トキシ−キノリン−4−イルオキシ}−2−フルオロ−フェニル)
−ウレア
72 1−(2−シクロヘキシル−エチル)−3−{2−フルオロ−4−
[6−メトキシ−7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−
キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア
73 1−{2−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−モルホリン
−4−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル
}−3−(3−メチル−ブチル)−ウレア
74 1−{4−[7−(2−アゼパン−1−イル−エトキシ)−6−メ
トキシ−キノリン−4−イルオキシ]−2−クロロ−フェニル}−
3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
75 1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−(4−{6−メトキシ−
7−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]
−キノリン−4−イルオキシ}−フェニル)−ウレア塩酸塩
76 1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−(2−フルオロ−4−{
6−メトキシ−7−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)
−プロポキシ]−キノリン−4−イルオキシ}−フェニル)−ウレ

77 1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−(3−クロロ−4−{6
−メトキシ−7−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−
プロポキシ]−キノリン−4−イルオキシ}−フェニル)−ウレア
これらの化合物の化学構造、出発原料、合成方法、および物質を特定するデータを下記に示す。合成方法の欄に記載の数字は、記載された化合物番号の合成例に従って化合物が合成されたことを示す。


















化合物9:1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロ−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア塩酸塩
H−NMR(CDCl,400MHz):0.96(s,9H),1.45−1.51(m,2H),3.28−3.35(m,2H),4.04(s,3H),4.05(s,3H),4.74(t,J=5.4Hz,1H),6.48−6.53(m,2H),6.92−7.00(m,2H),7.42(s,1H),7.51(s,1H),8.17(t,J=9.0Hz,1H),8.50(d,J=5.4Hz,1H)
化合物10:1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロ−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア塩酸塩
H−NMR(CDCl,400MHz):0.92(s,9H),1.41−1.45(m,2H),3.26−3.32(m,2H),4.02(s,3H),4.04(s,3H),5.36(br,1H),6.39(d,J=5.4Hz,1H),7.07−7.13(m,2H),7.40(s,1H),7.49−7.52(m,1H),7.58(s,1H),7.86(br,1H),8.44(d,J=5.4Hz,1H)
化合物11:1−[2−クロロ−4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア塩酸塩
H−NMR(CDCl,400MHz):0.95(s,9H),1.45−1.50(m,2H),3.27−3.35(m,2H),4.04(s,3H),4.04(s,3H),5.61(br,1H),6.48(d,J=5.4Hz,1H),7.10(dd,J=2.7,9.0Hz,1H),7.17(br,1H),7.18(d,J=2.7Hz,1H),7.43(s,1H),7.51(s,1H),8.29(d,J=9.0Hz,1H),8.49(d,J=5.4Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):458(M+1)
化合物12:1−[3−クロロ−4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−シクロヘキシル)−ウレア
H NMR(CDCl,400MHz):δ0.85(s、3H)、0.89(s、3H)、0.80−2.00(m、8H)、3.68−3.82(m、1H)、3.96(s、3H)、3.98(s、3H)、5.00(d、J=7.6Hz、1H)、6.22(d、J=5.4Hz、1H)、7.05(d、J=8.8Hz、1H)、7.23(dd、J=2.4、8.8Hz、1H)、7.34(s、1H)、7.38(s、1H)、7.53(s、1H)、7.57(d、J=2.7Hz、1H)、8.37(d、J=5.4Hz、1H)
ESI−MS:m/z=484(M+1)、482(M−1)
化合物13:1−[3−クロロ−4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−3−(3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル)−ウレア
H NMR(CDCl,400MHz):δ0.89(d、J=6.6Hz、3H)、0.93(s、3H)、0.97(s、3H)、0.53−2.20(m、7H)、3.80−3.92(m、1H)、4.04(s、3H)、4.05(s、3H)、4.86(d、J=8.1Hz、1H)、6.30(d、J=5.4Hz、1H)、7.11(s、1H)、7.13(d、J=8.8Hz、1H)、7.30(dd、J=2.4、8.8Hz、1H)、7.41(s、1H)、7.60(s、1H)、7.64(d、J=2.7Hz、1H)、8.45(d、J=5.4Hz、1H)
ESI−MS:m/z=498(M+1)、496(M−1)
化合物14:1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロ−フェニル]−3−(3,3−ジメチル−シクロヘキシル)−ウレ
H NMR(CDCl,400MHz):δ0.84(s、3H)、0.88(s、3H)、0.78−2.20(m、8H)、3.64−3.82(m、1H)、3.96(s、3H)、3.97(s、3H)、5.10(d、J=7.8Hz、1H)、6.32(d、J=5.4Hz、1H)、6.98−7.08(m、2H)、7.33(s、1H)、7.43(dd、J=2.1、12.6Hz、1H)、7.51(s、1H)、7.61(s、1H)、8.38(d、J=5.4Hz、1H)
ESI−MS:m/z=468(M+1)、466(M−1)
化合物15:1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロ−フェニル]−3−(3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル)−ウレア
H NMR(CDCl,400MHz):δ0.85(d、J=6.4Hz、3H)、0.89(s、3H)、0.93(s、3H)、0.52−2.20(m、7H)、3.84−3.92(m、1H)、4.01(s、3H)、4.02(s、3H)、5.06(d、J=8.1Hz、1H)、6.37(d、J=5.4Hz、1H)、7.03−7.10(m、2H)、7.38(s、1H)、7.48(dd、J=2.4、12.7Hz、1H)、7.51(s、1H)、7.56(s、1H)、8.42(d、J=5.4Hz、1H)
ESI−MS:m/z=482(M+1)、480(M−1)
化合物40:1−{4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア塩酸塩
H−NMR(CDOD,400MHz):0.97(s,9H),1.48−2.02(m,8H),3.19(m,2H),3.25(m,2H),3.72−3.80(m,4H),4.12(s,3H),4.76(m,2H),6.94(d,J=6.8Hz,1H),7.24(d,J=9.0Hz,2H),7.61(d,J=8.8Hz,2H),7.64(s,1H),7.88(s,1H),8.70(d,J=6.6Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):521(M+1)
化合物42:1−{2−クロロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
H−NMR(CDCl,400MHz):0.97(s,9H),1.42−1.54(m,4H),1.58−1.68(m,4H),2.57(br,4H),2.93(t,J=6.3Hz,2H),3.28−3.36(m,2H),4.01(s,3H),4.34(t,J=6.3Hz,2H),4.74(s,1H),6.47(d,J=5.4Hz,1H),6.70(s,1H),7.10(dd,J=2.7,9.0Hz,1H),7.21(d,J=2.7Hz,1H),7.41(s,1H),7.49(s,1H),8.25(d,J=9.0Hz,1H),8.49(d,J=5.1Hz,1H),
質量分析値(ESI−MS,m/z):555(M+1)
化合物44:1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア
H−NMR(CDCl,400MHz):δ0.93(s,9H),1.41−1.51(m,4H),1.63−1.70(m,4H),2.57−2.64(m,4H),2.96(t,J=6.0Hz,2H),3.25−3.32(m,2H),4.00(s,3H),4.34(t,J=6.0Hz,2H),5.21−5.26(m,1H),6.36(d,J=5.4Hz,1H),7.04−7.07(m,2H),7.40(s,1H),7.49−7.55(m,2H),7.57(s,1H),8.43(d,J=5.4Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):539(M+1)
化合物51:1−(2−クロロ−4−{6−メトキシ−7−[2−(4−メチル−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−キノリン−4−イルオキシ}−フェニル)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
H−NMR(CDCl,400MHz):0.94(d,J=6.1Hz,3H),0.96(s,9H),1.23−1.26(m,2H),1.47−1.51(m,2H),1.64−1.67(m,2H),2.12−2.18(m,2H),2.95(t,J=6.1Hz,2H),3.01−3.04(m,2H),3.29−3.33(m,2H),4.01(s,3H),4.32(t,J=6.1Hz,2H),5.09(t,J=5.4Hz,1H),6.47(d,J=5.4Hz,1H),6.89(s,1H),7.10(dd,J=2.7,9.0Hz,1H),7.19(d,J=2.7Hz,1H),7.41(s,1H),7.50(s,1H),8.27(d,J=9.0Hz,1H),8.49(d,J=5.4Hz,1H)
化合物53:1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−(4−{7−[2−(3,5−ジメチル−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−6−メトキシ−キノリン−4−イルオキシ}−フェニル)−ウレア
H−NMR(CDCl,400MHz):δ0.90(d,J=6.1Hz,6H),0.95(s,9H),0.94−1.10(m,2H),1.42−1.48(m,2H),1.74−1.95(m,3H),3.04−3.16(m,3H),3.26−3.33(m,2H),4.00(s,3H),4.39−4.45(m,2H),4.93(br,1H),6.39(d,J=5.1Hz,1H),6.91(br,1H),7.05(d,J=9.0Hz,2H),7.39−7.44(m,3H),7.54(s,1H),8.43(d,J=5.4Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):549(M+1),547(M−1)
化合物60:1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−(4−{7−[2−(2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−6−メトキシ−キノリン−4−イルオキシ}−2−フルオロ−フェニル)−ウレア
H−NMR(CDCl,400MHz):0.92(s,9H),1.18(d,J=6.3Hz,6H),1.19−1.75(m,8H),2.55−2.61(m,2H),3.17−3.31(m,4H),3.98(s,3H),4.16−4.19(m,2H),5.07−5.09(m,1H),6.44(d,J=5.3Hz,1H),6.82−6.95(m,3H),7.39(s,1H),7.46(s,1H),8.18(t,J=9.0Hz,1H),8.46(d,J=5.3Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):567(M+1)
化合物62:1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−(4−{7−[2−(2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−6−メトキシ−キノリン−4−イルオキシ}−3−フルオロ−フェニル)−ウレア
H−NMR(CDCl,400MHz):0.90(s,9H),1.17(d,J=6.3Hz,6H),1.27−1.67(m,8H),2.54−2.61(m,2H),3.16−3.23(m,2H),3.24−3.29(m,2H),3.99(s,3H),4.02−4.18(m,2H),5.15−5.18(m,1H),6.36(d,J=5.4Hz,1H),7.03−7.09(m,2H),7.37(s,1H),7.54(s,1H),7.46−7.50(m,1H),7.64(brs,1H),8.42(d,J=5.4Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):567(M+1)
化合物66:1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{4−[6−メトキシ−7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア
H−NMR(CDOD,400MHz):0.85(s,9H),1.32−1.38(m,2H),2.54−2.57(m,4H),2.85−2.88(m,2H),3.17−3.23(m,2H),3.64−3.69(m,4H),3.93(s,3H),4.23−4.26(m,2H),5.36−5.38(m,1H),6.34(d,J=5.2Hz,1H),6.99(d,J=8.8Hz,2H),7.39(s,1H),7.40(d,J=5.2Hz,1H),7.47(s,1H),7.71(brs,1H),8.36(d,J=5.2Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):523(M+1)
化合物68:1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{4−[7−メトキシ−6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア
H−NMR(CDCl,400MHz):δ0.94(s,9H),1.43−1.48(m,2H),2.63−2.68(m,4H),2.96(t,J=5.8Hz,2H),3.26−3.33(m,2H),3.73−3.77(m,4H),4.02(s,3H),4.33(t,J=6.0Hz,2H),4.91−4.96(m,1H),6.44(d,J=5.4Hz,1H),6.96(br,1H),7.08(d,J=9.0Hz,2H),7.42−7.47(m,3H),7.59(s,1H),8.42(d,J=5.6Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):523(M+1)
化合物69:1−(3,3−ジメチル−シクロヘキシル)−3−{2−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレア
H−NMR(CDCl,400MHz):δ0.94(s,3H),0.98(s,3H),0.95−1.12(m,2H),1.33−1.40(m,1H),1.50−1.65(m,2H),1.71−1.77(m,1H),2.03−2.10(m,1H),2.61−2.66(m,4H),2.95(t,J=5.9Hz,2H),3.70−3.88(m,6H),4.00(s,3H),4.33(t,J=5.9Hz,2H),4.94(d,J=7.8Hz,1H),6.48(d,J=5.1Hz,1H),6.79(d,J=2.6Hz,1H),6.91(dd,J=2.6,11.5Hz,1H),6.96(d,J=9.0Hz,1H),7.41(s,1H),7.50(s,1H),8.20(t,J=9.0Hz,1H),8.48(d,J=5.1Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):565(M−1)
化合物70:1−(3−クロロ−4−{7−[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−メトキシ−キノリン−4−イルオキシ}−フェニル)−3−(3,3−ジメチル−ブチル)−ウレア
H−NMR(CDCl,400MHz):0.95(s,9H),1.17(s,3H),1.18(s,3H),1.42−1.50(m,2H),1.90−1.98(m,2H),2.85−2.95(m,4H),3.26−3.35(m,2H),3.67−3.77(m,2H),4.03(s,3H),4.33(t,J=5.9Hz,2H),4.82(br,1H),6.30(d,J=5.4Hz,1H),6.88(br,1H),7.14(d,J=8.8Hz,1H),7.31(dd,J=2.7,8.8Hz,1H),7.42(s,1H),7.59(s,1H),7.64(d,J=2.7Hz,1H),8.45(d,J=5.1Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):607(M+Na)
化合物76:1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−(2−フルオロ−4−{6−メトキシ−7−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−キノリン−4−イルオキシ}−フェニル)−ウレア
H−NMR(CDCl,400MHz):0.96(s,9H),1.45−1.52(m,2H),1.84(br,4H),2.01−2.18(m,2H),2.35(s,3H),2.48−2.70(m,6H),3.27−3.36(m,2H),4.01(s,3H),4.25(t,J=6.6Hz,2H),4.80−4.86(m,1H),6.48(d,J=5.4Hz,1H),6.56−6.60(m,1H),6.90−7.00(m,2H),7.42(s,1H),7.49(s,1H),8.17(t,J=9.0Hz,1H),8.48(d,J=5.4Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):568(M+1)
化合物77:1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−(3−クロロ−4−{6−メトキシ−7−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−キノリン−4−イルオキシ}−フェニル)−ウレア
H−NMR(CDCl,400MHz):0.96(s,9H),1.43−1.52(m,2H),1.78(br,4H),2.08−2.18(m,2H),2.38(s,3H),2.52−2.72(m,6H),3.26−3.35(m,2H),4.02(s,3H),4.23−4.29(m,2H),4.77−4.85(m,1H),6.30(d,J=5.1Hz,1H),6.81(br,1H),7.15(d,J=8.8Hz,1H),7.32−7.37(m,1H),7.42(s,1H),7.57(s,1H),7.66(d,J=2.4Hz,1H),8.44(d,J=5.4Hz,1H)
質量分析値(ESI−MS,m/z):584(M)
薬理試験例1:ELISA法を用いるFLT3自己リン酸化阻害活性の測定
ヒト白血病細胞であるMV4−11(ATCC number:CRL−9591)を5%炭酸ガスインキュベーター内において10%ウシ胎仔血清を含むIMDM 培地(SIGMA社より購入)で50〜90%コンフルエントとなるまで培養した。ハーベストした細胞を0.1%ウシ胎仔血清を含むIMDM培地で96ウェルマルチスクリーンプレートに5.0×10個/wellとなるように播種し、ジメチルスルホキシドに溶解させた被験物質を各ウェルに添加して37℃で1時間培養した。培地を除去しリン酸緩衝生理食塩水でWash後、可溶化緩衝液(20mM HEPES(pH7.4)、150mM NaCl、0.2%TritonX−100、10%グリセロール、5mMオルトバナジル酸ナトリウム、5mMエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム、2mM Na)を60μl添加し、4℃で2時間振蕩して細胞抽出液を調製した。
ELISA用マイクロプレート(Maxisorp;NUNC社より購入)に5μg/mlの抗phospho−tyrosine抗体(PY20;Transduction Laboratories社より購入)を含むリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)を50μl加えて、4℃で1晩静置し固相化した。プレートを洗浄した後、ブロッキング液を250μl添加し室温で3時間静置してブロッキングを行った。洗浄後、上記の細胞抽出液を全量移し4℃で1晩静置した。洗浄後、抗FLT3抗体(Flt3/Flk2(C−20)Santa Cruz Biotechnology社より購入)を室温2時間反応させ、さらに洗浄後、ペルオキシダーゼ標識した抗ウサギIg抗体(アマシャム社より購入)を室温1時間反応させた。洗浄後、ペルオキシダーゼ用発色基質(住友ベークライト社より購入)を添加して反応を開始した。適当な発色が得られた後、反応停止液を添加し反応を止めマイクロプレートリーダーにより450nmの吸光度を測定した。薬物無添加での吸光度を100%のFLT3リン酸化活性、大過剰のポジティブコントロール(化合物1、10μM)を添加した場合の吸光度を0%のFLT3リン酸化活性として各ウェルのFLT3リン酸化活性を求めた。被験物質の濃度を数段階に変えて、それぞれの場合におけるFLT3リン酸化阻害活性を求め、被験物質のFLT3リン酸化50%阻害濃度(IC50)を算出した。表1に結果を示す。


薬理試験例2:細胞増殖抑制試験(MV4−11)
ヒト白血病細胞であるMV4−11(ATCC number:CRL−9591)を10%ウシ胎仔血清を含むDMEM培地(GIBCO社より購入)で96ウェル平底プレートに3×10となるように播種し、ジメチルスルホキシドに溶解させた披験物質を各ウェルに添加して5%炭酸ガスインキュベーター内において3日間培養した。3日後Cell Counting Kit(和光純薬工業より購入)中のWST−1溶液を各ウェルに10μl添加し呈色反応を行う。適当な発色が得られた後マイクロプレートリーダーにより測定波長450nm、参照波長650nmにて吸光度を測定した。薬物無添加での吸光度を100%の増殖率、細胞を播種しなかったウェルでの吸光度を0%の増殖率とし各ウェルの増殖率を求めた。被験物質の濃度を数段階に変えて、それぞれの場合における細胞の増殖率を求め、被験物質の細胞増殖率50%阻害濃度(IC50)を算出した。結果は表2に示されるとおりであった。




薬理試験例3:MTT法を用いる細胞増殖阻害活性の測定
ヒト白血病細胞株であるMOLM13(株式会社林原生物化学研究所より分譲)を、それぞれ5%炭酸ガスインキュベーター内において、10%ウシ胎仔血清を含むRPMI培地(旭テクノグラス社より購入)を用いて、最大細胞密度の50〜90%となるまで培養した。それらの細胞を、10%ウシ胎仔血清を含むRPMI培地を用いて、96ウェル平底プレートに1ウェルあたり2×10個となるように播種した。各ウェルの培地の液量は100μlとし、被験物質を1mlあたりそれぞれ500ng、100ng、20ng、4ngの濃度となるように添加した。インキュベーター内において72時間培養したのち、培地に5mg/mlのMTT(3−(4,5−dimethylthiazol−2−yl)−2,5−diphenyl tetrazolium bromide)(SIGMA社より購入)溶液を10μlずつ加え、4時間反応させた。その後、0.04規定塩酸イソプロパノール溶液を100μl加えて、形成されたMTT formazan結晶を完全に溶解した。溶解後、マイクロプレートリーダー(DIGISCAN)を用いて、620nmをレファレンス波長として550nmの吸光度を測定した(MTT法は生細胞数を反映し、1ウェル当たりの細胞数が5×10〜2×10個の範囲では直線性があるとされている)。72時間後の被験物質無添加時のウェルの吸光度から、無細胞の培地のみによる吸光度を減じた値を100%とし、化合物添加時の吸光度を%growthとして表示した。被験物質の細胞増殖率50%阻害濃度(IC50)を3ウェルから得られた値の平均を用いて算出した。結果を表3に示す。


薬理試験例4:細胞増殖抑制試験
MOLM−13
ヒト白血病細胞であるMOLM13(株式会社林原生物化学研究所より分譲)を10%ウシ胎仔血清を含むDMEM培地(GIBCO社より購入)で96ウェル平底プレートに3×10となるように播種し、ジメチルスルホキシドに溶解させた披験物質を各ウェルに添加して5%炭酸ガスインキュベーター内において3日間培養した。3日後Cell Counting Kit(和光純薬工業より購入)中のWST−1溶液を各ウェルに10μl添加し呈色反応を行う。適当な発色が得られた後マイクロプレートリーダーにより測定波長450nm、参照波長650nmにて吸光度を測定した。薬物無添加での吸光度を100%の増殖率、細胞を播種しなかったウェルでの吸光度を0%の増殖率とし各ウェルの増殖率を求めた。被験物質の濃度を数段階に変えて、それぞれの場合における細胞の増殖率を求め、被験物質の細胞増殖率50%阻害濃度(IC50)を算出した。結果は表4に示されるとおりであった。


薬理試験例5:ヒト白血病細胞(MOLM13)に対する腫瘍増殖抑制作用
ヒト白血病細胞MOLM13(株式会社林原生物化学研究所より分譲)をヌードマウスの皮下に移植し、腫瘍体積が100mm程度となった時点で、各群の腫瘍体積平均が均一となるように1群4匹づつに群分けし、0.5%メチルセルロースに懸濁または溶解した被験物質を体重10gあたり0.1mlの用量で1日1回9日間経口投与した。対照群には担体のみを投与した。
投与開始日(day1)の腫瘍体積を1としたときの対照群のdayXにおける腫瘍体積をCX、
被験物質投与群のdayXにおける腫瘍体積をTXとし、
腫瘍増殖抑制率(TGIR) = (1−TX/CX)×100
を求めた。結果は表5に示されるとおりであった。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
FMS様チロシンキナーゼ3(Flt3)および/またはその体細胞変異体(Flt3−ITD)の自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患の治療または予防に用いられる医薬組成物であって、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる医薬組成物。

(上記式中、
Xは、CHまたはNを表し、
Zは、OまたはSを表し、
、R、およびRは、同一または異なっていてもよく、
水素原子、
水酸基、
ハロゲン原子、
ニトロ基、
シアノ基、
アミノ基、
1−6アルキル基、
2−6アルケニル基、
2−6アルキニル基、
1−6アルコキシ基、
−(C=O)OR(Rは水素原子またはC1−4アルキル基を表す)、または
−(C=O)NR(RおよびはRは同一または異なっていてもよく、水素原子またはC1−4アルキル基を表す)
、R、およびRが表すことがあるC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、およびC1−6アルコキシ基は、水酸基、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルカルボニル基、カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、−(C=O)−NR1011(R10およびR11は、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはR10とR11はそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)、アミノ基(このアミノ基上の1または2の水素原子は、C1−6アルキル基または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、このC1−6アルキル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよい)、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基(この炭素環式基または複素環式基は、水酸基、酸素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシカルボニル基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、これらのC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、この炭素環式基または複素環式基が2つのC1−6アルキル基により置換されている場合にはこの2つのアルキル基は一緒になってアルキレン鎖を形成していてもよく、またこの炭素環式基または複素環式基は他の飽和または不飽和の5〜7員炭素環または複素環と縮合して二環式基を形成してもよい)によって置換されていてもよく、
、R、およびRが表すことがあるアミノ基上の1または2の水素原子は、C1−6アルキル基により置換されていてもよく、このC1−6アルキル基は更に水酸基またはC1−6アルコキシ基により置換されていてもよく、
は水素原子を表し、
、R、R、およびRはすべて水素原子を表すか、あるいはR、R、R、およびRのいずれか一つまたは二つがハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、または水酸基を表し、残りすべてが水素原子を表し、
は、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、または水酸基により置換されていてもよい飽和の3〜9員炭素環式基;C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、または水酸基により置換されていてもよいi−プロピル基;C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、または水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;C1−4アルコキシ基;および−NR(RおよびRは、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)からなる群から選択される置換基により置換されたC1−4アルキル基、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい飽和の3〜9員炭素環式基を表す。)
【請求項2】
Flt3および/またはFlt3−ITDの自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患が、造血器悪性腫瘍である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
造血器悪性腫瘍が、急性骨髄性白血病または骨髄異形成症候群である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
Flt3および/またはFlt3−ITDの自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患が、B細胞、樹状細胞、またはナチュラルキラー細胞の異常増殖による免疫疾患である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
Flt3の自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患の治療または予防に用いられる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
Flt3の自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患が、造血器悪性腫瘍である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
造血器悪性腫瘍が、急性骨髄性白血病または骨髄異形成症候群である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
Flt3の自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患が、B細胞、樹状細胞、またはナチュラルキラー細胞の異常増殖による免疫疾患である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項9】
Flt3−ITDの自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患の治療または予防に用いられる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
Flt3−ITDの自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患が、造血器悪性腫瘍である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
造血器悪性腫瘍が、急性骨髄性白血病または骨髄異形成症候群である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
Flt3−ITDの自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患が、B細胞、樹状組胞、またはナチュラルキラー細胞の異常増殖による免疫疾患である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項13】
XがCHを表し、ZがOを表す、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
が水素原子を表し、RおよびRが、同一または異なっていてもよく、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を表す、請求項1〜13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
が水素原子を表し、RおよびRが、同一または異なっていてもよく、−O−(CH)p−R12(pは0〜6の整数を表し、−(CH)p−はC1−6アルキル基、水酸基、またはハロゲン原子により置換されていてもよく、R12は水素原子、水酸基、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルカルボニル基、カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、−(C=O)−NR1314(R13およびR14は、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはR13とR14はそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)、アミノ基(このアミノ基上の1または2の水素原子は、C1−6アルキル基または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、このC1−6アルキル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよい)、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基(この炭素環式基または複素環式基は、水酸基、酸素原子、C−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシカルボニル基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、これらのC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、この炭素環式基または複素環式基が2つのC1−6アルキル基により置換されている場合にはこの2つのアルキル基は一緒になってアルキレン鎖を形成していてもよく、またこの炭素環式基または複素環式基は他の飽和または不飽和の5〜7員炭素環または複素環と縮合して二環式基を形成してもよい)を表す)を表す、請求項1〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
、R、R、およびRはすべて水素原子を表すか;Rがフッ素原子を表し、R、R、およびRが水素原子を表すか;Rがハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基を表し、R、R、およびRが水素原子を表すか;あるいはRおよびRがハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基を表し、RおよびRが水素原子を表す、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
が−(CH)s−R51(sは1〜4の整数を表し、R51は飽和の3〜7員炭素環式基;水酸基により置換されていてもよいi−プロピル基;水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;C1−4アルコキシ基;または−NR5253(R52およびR53は、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはR52とR53はそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)を表す)、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい飽和の5〜7員炭素環式基を表す、請求項1〜16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
Xが、CHまたはNを表し、
Zが、OまたはSを表し、
、R、およびRが、同一または異なっていてもよく、
水素原子、
水酸基、
ハロゲン原子、
ニトロ基、
アミノ基、
1−6アルキル基、
2−6アルケニル基、
2−6アルキニル基、または
1−6アルコキシ基を表し、
、R、およびRが表すことがあるC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、およびC1−6アルコキシ基は、水酸基、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルカルボニル基、カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、−(C=O)−NR1011(R10およびR11は、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはR10とR11はそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)、アミノ基(このアミノ基上の1または2の水素原子は、C1−6アルキル基または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、このC1−6アルキル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよい)、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基(この炭素環式基または複素環式基は、水酸基、酸素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシカルボニル基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、これらのC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、この炭素環式基または複素環式基が2つのC1−6アルキル基により置換されている場合にはこの2つのアルキル基は一緒になってアルキレン鎖を形成していてもよく、またこの炭素環式基または複素環式基は他の飽和または不飽和の5〜7員炭素環または複素環と縮合して二環式基を形成してもよい)によって置換されていてもよく、
、R、およびRが表すことがあるアミノ基上の1または2の水素原子は、C1−6アルキル基により置換されていてもよく、このC1−6アルキル基は更に水酸基またはC1−6アルコキシ基により置換されていてもよく、
が水素原子を表し、
、R、R、およびRがすべて水素原子を表すか、あるいはR、R、R、およびRのいずれか一つまたは二つがハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基を表し、残りすべてが水素原子を表し、
が、飽和の3〜7員炭素環式基;水酸基により置換されていてもよいi−プロピル基;水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;C1−4アルコキシ基;および−NR(RおよびRは、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)からなる群から選択される置換基により置換されたC1−4アルキル基、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい飽和の5〜7員炭素環式基を表す
請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項19】
式(I)の化合物が、式(Ia)で表される、請求項1に記載の医薬組成物。

(上記式中、
Xは、CHまたはNを表し、
Zは、OまたはSを表し、
101およびR104は水素原子を表し、
102およびR103は同一または異なっていてもよく
水素原子、
水酸基、
ハロゲン原子、
ニトロ基、
シアノ基、
−NR111112(R111およびR112は、同一または異なっていても良く、水素原子またはC1−4アルキル基を表す)、
−(C=O)OR113(R113は水素原子またはC1−4アルキル基を表す)、
−(C=O)NR114115(R114およびR115は、同一または異なっていてもよく、水素原子またはC1−4アルキル基を表す)、
1−6アルコキシ基、
1−6アルキル基、
1−6アルケニル基、または
1−6アルキニル基を表し、
上記C1−6アルコキシ基、C1−6アルキル基、C1−6アルケニル基、またはC1−6アルキニル基は、水酸基;ハロゲン原子;C1−4アルコキシ基;−NR116117(R116およびR117は、同一または異なっていてもよく、水素原子またはC1−4アルキル基を表し、このアルキル基は更に水酸基またはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい);または飽和または不飽和の3〜8員炭素環または複素環式基(この環状基は、水酸基、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい)により置換されていてもよく、
105、R106、R107、および108は、すべて水素原子を表すか、あるいはR105、R106、R107、および108のいずれか一つまたは二つが、水酸基、C−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、またはハロゲン原子を表し、残りすべてが水素原子を表し、
109は、−(CH)n−R110(nは2、3、または4を表し、R110は、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基または水酸基により置換されていてもよいi−プロピル基;C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基または水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;またはC1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基または水酸基により置換されていてもよい3〜9員飽和炭素環式基を表す)を表す)
【請求項20】
102およびR103が、同一または異なっていてもよく、C1−6アルコキシ基(このアルコキシ基は、水酸基;ハロゲン原子;C1−4アルコキシ基;−NR116117(R116およびR117は、同一または異なっていてもよく、水素原子またはC1−4アルキル基を表し、このアルキル基は、水酸基またはC1−4アルコキシ基により更に置換されていてもよい);または飽和または不飽和の3〜8員炭素環または複素環式基(この環式基は、水酸基、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい)により置換されていてもよい)を表す、請求項19に記載の医薬組成物:
【請求項21】
102およびR103が、同一または異なっていてもよく、C1−6アルコキシ基(このアルコキシ基は、飽和または不飽和の3〜8員炭素環または複素環式基により置換されていてもよく、この環式基は更に水酸基、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい)を表す、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
102およびR103は、同一または異なっていてもよく、C1−4アルコキシ基(このアルコキシ基は、飽和の5〜7員複素環式基により置換されていてもよく、この環式基は更にC1−4アルキル基により置換されていてもよい)を表す、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
置換されたC1−4アルコキシ基が下記基:

を表す、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
nが2である請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
置換されたC1−4アルコキシ基が、下記基:

を表す、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項26】
nが2である請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
102およびR103の一方が非置換C1−6アルコキシ基を表し、他方が置換されたC1−6アルコキシ基を表す、請求項19〜26のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
102が非置換C1−6アルコキシ基を表し、R103が置換されたC1−アルコキシ基を表す、請求項27に記載の医薬組成物。
【請求項29】
102がメトキシである、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項30】
XがCHを表す、請求項19〜29のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
ZがOを表す、請求項19〜30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
105、R106、R107、および108は、すべて水素原子を表すか、あるいはR105、R106、R107、および108のいずれか一つまたは二つが、C−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、またはハロゲン原子を表し、残りすべてが水素原子を表す、請求項19〜31いずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項33】
105がメトキシを表し、R106、R107、および108が水素原子を表す、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
105がメチルを表し、R106、R107、および108が水素原子を表す、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項35】
105がハロゲン原子を表し、R106、R107、および108が水素原子を表す、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項36】
ハロゲン原子が塩素原子またはフッ素原子を表す、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項37】
ハロゲン原子がフッ素原子を表す、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項38】
105、R106、R107、および108が、すべて水素原子を表す、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項39】
109が下記基:

を表す、請求項19〜38のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項40】
nが2である請求項39に記載の医薬組成物。
【請求項41】
109が下記基:

を表す、請求項19〜38のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項42】
nが2である請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項43】
式(Ia)の化合物が1−(3,3−ジメチル−ブチル)−3−{3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレアである、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項44】
式(Ia)の化合物が1−(2−シクロペンチル−エチル)−3−{3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレアである、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項45】
式(Ia)の化合物が1−(2−シクロペンチル−エチル)−3−{2−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−ウレアである、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項46】
式(I)の化合物が式(II)で表される、請求項1に記載の医薬組成物。

(上記式中、
15およびR16は、同一または異なっていてもよく、−O−(CH)r−R22(rは0〜6の整数を表し、−(CH)r−はC1−6アルキル基、水酸基、またはハロゲン原子により置換されていてもよく、R22は水素原子、水酸基、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルカルボニル基、カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、−(C=O)−NR2324(R23およびR24は、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはR23とR24はそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)、アミノ基(このアミノ基上の1または2の水素原子は、C1−6アルキル基または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、このC1−6アルキル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよい)、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基(この炭素環式基または複素環式基は、水酸基、酸素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシカルボニル基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、これらのC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、およびC2−6アルキニル基は更に水酸基、C1−6アルコキシ基、または飽和または不飽和の3〜8員炭素環式基または複素環式基により置換されていてもよく、この炭素環式基または複素環式基が2つのC1−6アルキル基により置換されている場合にはこの2つのアルキル基は一緒になってアルキレン鎖を形成していてもよく、またこの炭素環式基または複素環式基は他の飽和または不飽和の5〜7員炭素環または複素環と縮合して二環式基を形成してもよい)を表す)を表し、
17、R18、R19、およびR20はすべて水素原子を表すか、あるいはR17、R18、R19、およびR20のいずれか一つまたは二つがハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基を表し、残りすべてが水素原子を表し、
21は−(CH)t−R61(tは1〜4の整数を表し、R61は飽和の3〜7員炭素環式基;水酸基により置換されていてもよいi−プロピル基;水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;C1−4アルコキシ基;または−NR63(R62およびR63は、同一または異なっていてもよく、水素原子または水酸基により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表すか、あるいはR62とR63はそれらが結合している窒素原子と一緒になって飽和の5または6員の複素環式基を表す)を表す)、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい飽和の5〜7員炭素環式基を表す。)
【請求項47】
15およびR16が−O−(CH)r−H(rは1〜4の整数を表し、−(CH)r−部分は非置換である)を表すか、あるいはR15およびRのいずれか一つが−O−(CH)r−H(rは1〜4の整数を表し、−(CH)r−部分は非置換である)を表し、他方が−O−(CH)r−R22(rは1〜4の整数を表し、−(CH)r−部分は非置換であり、R22は置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよい飽和3〜8員複素環式基を表す)を表し、
17、R18、R19、およびR20はすべて水素原子を表すか、あるいはR17、R18、R19、およびR20のいずれか一つまたは二つがハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、ニトロ基、またはアミノ基を表し、残りすべてが水素原子を表し、
21が、−(CH)t−R61(tは1〜4の整数を表し、R61は飽和の5〜7員炭素環式基;i−プロピル基;水酸基により置換されていてもよいt−ブチル基;C1−4アルコキシ基;または−NR6263(R62およびR63は、同一または異なっていてもよく、C1−4アルキル基を表す)を表す)、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい5〜7員炭素環式基を表す、請求項46に記載の医薬組成物。
【請求項48】
15およびR16が−O−(CH)r−H(rは1〜4の整数を表し、−(CH)r−部分は非置換である)を表すか、あるいはR15およびRのいずれか一つが−O−(CH)r−H(rは1〜4の整数を表し、−(CH)r−部分は非置換である)を表し、他方が−O−(CH)r−R22(rは1〜4の整数を表し、−(CH)r−部分は非置換であり、R22は置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよい飽和3〜8員複素環式基を表す)を表し、
17、R18、R19、およびR20はすべて水素原子を表すか;R18がフッ素原子を表し、R17、R19、およびR20が水素原子表すか;R17がハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基を表し、R18、R19、およびRが水素原子を表すか;あるいはR17およびR19がハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基を表し、R18およびR20が水素原子を表し、
21が、−(CH)t−R61(tは2または3の整数を表し、R61は飽和の5〜7員炭素環式基またはt−ブチル基を表す)、または1〜3個のC1−4アルキル基により置換されていてもよい5〜7員炭素環式基を表す、請求項46に記載の医薬組成物。
【請求項49】
請求項1〜48に記載の化合物またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を薬学上許容される担体とともに哺乳類に投与する工程を含んでなる、Flt3および/またはFlt3−ITDの自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患の治療または予防方法。
【請求項50】
Flt3および/またはFlt3−ITDの自己リン酸化の阻害が治療上または予防上有効である疾患の治療または予防に用いられる薬剤の製造のための、請求項1〜48に記載の化合物またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物の使用。
【請求項51】
式(Ia)の化合物またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物。

(上記式中、X、Z、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107、R108、およびR109は請求項19において定義された内容と同義である。)
【請求項52】
式(II)の化合物またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物。

(上記式中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、およびR21は請求項46において定義された内容と同義である。)
【請求項53】
請求項51または52に記載の化合物またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる、医薬組成物。

【国際公開番号】WO2004/039782
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【発行日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−548068(P2004−548068)
【国際出願番号】PCT/JP2003/013848
【国際出願日】平成15年10月29日(2003.10.29)
【出願人】(000253503)麒麟麦酒株式会社 (247)
【Fターム(参考)】