説明

GPS付き車載器

【課題】取付台に対する車載器本体部の取付け及び取り外し作業とともにGPSアンテナ部の回動及び角度調整を行って、コストアップを招くことなく取扱性の向上を図る。
【解決手段】自動車に搭載されるナビゲーション装置であって、車載器本体部11と、GPSアンテナ部12と、取付台2とを備え、GPSアンテナ部は、アンテナ本体部121を回動させる回動軸部122を備え、アンテナ本体部の一部を車載器本体部の裏面部111に接触させるように当該裏面部側に付勢され、取付台は、アンテナ本体部の一部と車載器本体部の裏面部の間に下側から差し込まれる差込部22cと、差込部が差し込まれることにより回動軸部を軸心として回動するように持ち上げられるアンテナ本体部を支持して車載器本体部に対し所定の角度に保持する角度保持部223とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるGPS付き車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車のダッシュボード上に設置されて、目的地までの経路の検索、表示及びドライバーへの通知を行うナビゲーション装置が知られている。
このナビゲーション装置には、自動車の位置測定のために、GPS衛星から送信されたGPS信号を受信するGPSアンテナユニットが搭載されたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、構造を簡略化して、製造及び取付け作業の容易化を図る上で、GPS用アンテナ素子とFM用アンテナ素子とが1ユニット化されたものも開発されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
ところで、GPS衛星からのGPS信号の受信感度が低下すると、自動車の位置を正確に測定することができないことから、GPSアンテナの傾きを調整することができるものも開発されている(例えば、特許文献3参照)。
また、アンテナの角度(倒れ角)の調節構造として、クリック用孔にスプリングに付勢されたクリック用ピンを係合することで角度調節可能としたものも提案されている(例えば、特許文献4参照)。さらに、コイルバネの弾性力を利用することで、アンテナユニットの組立て及び取り外し(分解)の容易化を図ったものもある(例えば、特許文献5参照)。
【0004】
また、ナビゲーション装置として、装置本体と、この装置本体を着脱自在に取付可能な取付台とを備え、装置本体を自動車から取り外して持ち運び自在に構成されたものもある。これにより、ナビゲーション装置を自動車に搭載して所定の目的地に移動する場合だけでなく、徒歩や自転車等の自動車以外の手段にて移動する場合にも、当該ナビゲーション装置を所持し利用することで目的地への移動を容易に行うことができるようになっている。
【特許文献1】特開2000−68722号公報
【特許文献2】特開平10−274535号公報
【特許文献3】特開平7−273520号公報
【特許文献4】特開2002−344218号公報
【特許文献5】特開2003−249805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の持ち運び自在なナビゲーション装置には、GPSアンテナが装置本体部に対して回動自在に設けられて、GPS衛星から送信されたGPS信号を受信するのに適した方向に調整することができるように構成されたものがある。
しかしながら、この構成のナビゲーション装置の場合、取付台に対する装置本体の取付け及び取り外し作業と、GPSアンテナの回動作業を別々に行う必要があり、取扱性が悪く煩わしいといった問題があった。さらに、かかるGPSアンテナの回動構造の場合、GPSアンテナの角度固定のための部品点数が多く、コストアップを招いてしまうといった問題もある。
【0006】
また、装置本体の裏面に取付台に対する取付部とGPSアンテナが横に並んで配設されたものがあるが、かかる構造の場合、装置本体の取付部の位置と重心位置とが大きくずれてしまうために、取付台に力が偏ってかかってしまい、両面テープ等で貼り付けられた取付台がダッシュボード上からはがれてしまうといった問題も生じる。
【0007】
なお、上記特許文献2等には、スプリングを利用してアンテナの角度を調節自在に構成されたものが開示されているが、車載器本体部が本体部取付台に取り付けられていない状態にて、アンテナ本体部の一部を車載器本体部の裏面に接触させるように当該裏面側に付勢されているGPSアンテナ部とは構成が全く異なっている。
【0008】
そこで、本発明の課題は、取付台に対する車載器本体部の取付け及び取り外し作業とともにGPSアンテナ部の回動及び角度調整を行うことができ、コストアップを招くことなく取扱性の向上を図ることができるGPS付き車載器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
車両に搭載されるGPS付き車載器であって、
車載器本体部と、前記車載器本体部の裏面側に取り付けられ、GPS衛星から送信されたGPS信号を受信するGPSアンテナ部と、前記車載器本体部を車両に取り付けるための本体部取付台とを備え、
前記車載器本体部は、
前記本体部取付台に着脱自在に取り付けるための取付部と、
前記取付部が前記本体部取付台に取り付けられる際に、当該車載器本体部を前記本体部取付台に対して位置決め固定する位置決め部とを備え、
前記位置決め部は、前記本体部取付台に対して当該車載器本体部を複数位置で位置決めし、
前記GPSアンテナ部は、
アンテナ本体部と、前記アンテナ本体部を回動させる回動軸部とを備え、前記アンテナ本体部の一部を前記車載器本体部の前記裏面に接触させるように当該裏面側に付勢され、
前記本体部取付台は、
前記取付部が取り付けられる際に、前記アンテナ本体部の前記一部と前記車載器本体部の前記裏面の間に下側から差し込まれる差込部と、
前記差込部が差し込まれることにより前記回動軸部を軸心として回動するように持ち上げられる前記アンテナ本体部を支持して前記車載器本体部に対し所定の角度に保持する角度保持部とを備え、
前記アンテナ本体部は、前記位置決め部によって前記車載器本体部が位置決めされる所定位置に応じて異なる角度で前記角度保持部により保持されるようになっていることを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明は、
車両に搭載されるGPS付き車載器であって、
車載器本体部と、前記車載器本体部の裏面側に取り付けられ、GPS衛星から送信されたGPS信号を受信するGPSアンテナ部と、前記車載器本体部を車両に取り付けるための本体部取付台とを備え、
前記車載器本体部は、
前記本体部取付台に着脱自在に取り付けるための取付部を備え、
前記GPSアンテナ部は、
アンテナ本体部と、前記アンテナ本体部を回動させる回動軸部とを備え、前記アンテナ本体部の一部を前記車載器本体部の前記裏面に接触させるように当該裏面側に付勢され、
前記本体部取付台は、
前記取付部が取り付けられる際に、前記アンテナ本体部の前記一部と前記車載器本体部の前記裏面の間に下側から差し込まれる差込部と、
前記差込部が差し込まれることにより前記回動軸部を軸心として回動するように持ち上げられる前記アンテナ本体部を支持して前記車載器本体部に対し所定の角度に保持する角度保持部とを備えることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のGPS付き車載器において、
前記車載器本体部は、
前記取付部が前記本体部取付台に取り付けられる際に、当該車載器本体部を前記本体部取付台に対して位置決め固定する位置決め部を備え、
前記位置決め部は、前記本体部取付台に対して前記車載器本体部を複数位置で位置決めし、
前記アンテナ本体部は、前記位置決め部によって前記車載器本体部が位置決めされる所定位置に応じて異なる角度で前記角度保持部により保持されるようになっていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、本体部取付台に対して車載器本体部を取付ける場合に、アンテナ本体部の一部と車載器本体部の裏面の間に差込部が差し込まれることにより、アンテナ本体部は回動軸部を軸心として回動するように持ち上げられて角度保持部により本体部取付台に対して所定の角度で保持されるようになっている。また、本体部取付台から車載器本体部を取り外すと、アンテナ本体部は角度保持部による保持が解除されて、車載器本体部の裏面側に付勢されて当該アンテナ本体部の一部が車載器本体部の裏面に接触した状態で収納される。
このように、本体部取付台に対する車載器本体部の取付け及び取り外し作業とともにGPSアンテナ部の回動及び角度調整を行うことができる。従って、GPS付き車載器のコストアップを招くことなく取扱性の向上を図ることができる。
また、位置決め部によって、車載器本体部が本体部取付台に対して複数位置で位置決めされ、このとき、アンテナ本体部は、車載器本体部が位置決めされる所定位置に応じて異なる角度で角度保持部により保持されるので、GPS信号の受信感度が悪い場合等にGPSアンテナ部の角度を調節して受信感度の調整を適正に行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、本体部取付台に対して車載器本体部を取付ける場合に、アンテナ本体部の一部と車載器本体部の裏面の間に差込部が差し込まれることにより、アンテナ本体部は回動軸部を軸心として回動するように持ち上げられて角度保持部により本体部取付台に対して所定の角度で保持されるようになっている。また、本体部取付台から車載器本体部を取り外すと、アンテナ本体部は角度保持部による保持が解除されて、車載器本体部の裏面側に付勢されて当該アンテナ本体部の一部が車載器本体部の裏面に接触した状態で収納される。
このように、本体部取付台に対する車載器本体部の取付け及び取り外し作業とともにGPSアンテナ部の回動及び角度調整を行うことができる。従って、GPS付き車載器のコストアップを招くことなく取扱性の向上を図ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、位置決め部によって、車載器本体部が本体部取付台に対して複数位置で位置決めされ、このとき、アンテナ本体部は、車載器本体部が位置決めされる所定位置に応じて異なる角度で角度保持部により保持されるので、GPS信号の受信感度が悪い場合等にGPSアンテナ部の角度を調節して受信感度の調整を適正に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した好適な一実施形態として例示するナビゲーション装置100を示す側面図である。
なお、図1にあっては、装置本体部1の取付部112及び位置決め用凹部113の図示は省略するものとする。
【0016】
本実施形態のナビゲーション装置100は、図1に示すように、自動車(車両)CのダッシュボードC1上に設置(搭載)されて、目的地までの経路の検索、表示及びドライバーや同乗者への通知を行うものであり、具体的には、装置本体部1と、この装置本体部1をダッシュボードC1上に取り付けるための取付台(本体部取付台)2等を備えている。
なお、以下の説明では、自動車Cの走行方向に沿った方向を前後方向Xとして、前進方向側を前側とし、後進方向(ユーザ)側を後側とする。さらに、前後方向Xに直交する一方向を左右方向(幅方向)Yとし、前後方向X及び左右方向Yの双方に直交する方向を上下方向Zとする。
【0017】
先ず、装置本体部1について説明する。
装置本体部1は、例えば、図1及び図2に示すように、外形が横長の略直方体状に形成された車載器本体部11と、この車載器本体部11のユーザと反対側となる前側に取り付けられ、GPS衛星から送信されたGPS信号を受信するGPSアンテナ部12等を備えている。
【0018】
車載器本体部11は、例えば、図2に示すように、ユーザから向かって裏側となる裏面部111の略中央に取付台2の板状部221(後述;図6参照)に着脱自在に取り付けるための取付部112が設けられている。
【0019】
取付部112は、例えば、図4及び図5に示すように、取付台2に取り付けられる際に板状部221に対する車載器本体部11の移動を案内する左右のガイド部11a、11aと、これら左右のガイド部11a、11aの上端部に連続して設けられ、車載器本体部11の移動を規制するストッパー部11b等を備えている。
ガイド部11aは、例えば、車載器本体部11の裏面から延出されて断面視にて略L字状に形成され、板状部221の両縁部22d、22dの各々に係合するようになっている(図5参照)。
ストッパー部11bは、例えば、ガイド部11aの上端部から内側に延出され、板状部221の上側肩部22b(後述;図6参照)に当接するようになっている。
【0020】
従って、取付台2に車載器本体部11を取り付ける場合には、板状部221の両縁部22d、22dにガイド部11a、11aを係合させることで、当該ガイド部11bにより案内されながら車載器本体部11が自重により下側に移動するようになっている。そして、当該車載器本体部11の移動は、板状部221の上側肩部22bにストッパー部11bが当接することにより規制されるようになっている。
【0021】
また、左右のガイド部11a、11aの間の中央よりも下側には、例えば、板状部221のユーザ側の面に設けられた突状のダボ224(後述)が係合される位置決め用凹部(位置決め部)113が形成されている。
位置決め用凹部113は、例えば、裏面部111から所定の深さ凹んで略半球状に形成されている。そして、位置決め用凹部113の下側には、例えば、ダボ224の移動を案内するダボ案内溝部114が連続して形成されている。
【0022】
従って、取付台2に車載器本体部11を取り付ける場合に、車載器本体部11が下側に移動することでダボ案内溝部114に沿ってダボ224が相対的に移動して、位置決め用凹部113に係合することで車載器本体部11の移動が規制された状態となる。このようにして、車載器本体部11が取付台2に対して位置決め固定されるようになっている。
【0023】
左右のガイド部11a、11aの間の中央よりも上側には、GPSアンテナ部12が配設されている。
GPSアンテナ部12は、例えば、図2及び図3に示すように、略直方体状のアンテナ本体部121と、車載器本体部11の裏面部111に取り付けられ、アンテナ本体部121を左右方向Yの軸心周りに回動させる回動軸部122と、アンテナ本体部121と回動軸部122とを接続する接続部123等を備えている。
【0024】
アンテナ本体部121は、例えば、図示しないねじりコイルバネ等の付勢部材によって、ユーザ側の面(一部)を車載器本体部11の裏面部111に接触させるように当該裏面部111側に付勢されている(図3(a)及び図3(b)参照)。
また、アンテナ本体部121のユーザ側の面の下側縁部には、例えば、R(アール)が付けられており、車載器本体部11の裏面部111との間に板状部221の差込部22c(後述;図6参照)が差し込まれやすくなっている。
【0025】
なお、GPSアンテナ部12は、例えば、アンテナ本体部121が略水平となるように配設された状態がGPS信号の受信感度が最も高くなるようになっている。
【0026】
次に、取付台2について説明する。
取付台2は、例えば、図1及び図6に示すように、ダッシュボードC1上に取り付けられるダッシュボード側取付台部21と、装置本体側に取り付けられる本体側取付台部22と、この本体側取付台部22をダッシュボード側取付台部21に対して角度調節自在に固定する角度調節部23等を備えている。
【0027】
ダッシュボード側取付台部21は、例えば、底面部211と、この底面部211の上面から略垂直に起立した垂直部212等を備えている。
底面部211は、例えば、両面テープやマジックテープ(登録商標)等を介してダッシュボードC1上に取付固定されている。
【0028】
本体側取付台部22は、例えば、装置本体部1の裏面側に設けられる略板状の板状部221(図6参照)と、この板状部221の裏面から延出され、垂直部212の先端部と係合して締結される被締結部222aを具備する軸状部222等を備えている。
【0029】
板状部221は、例えば、図6に示すように、上端部の中央側の部分から上側に延出された延出部22aと、この延出部22aの外側の端部に連続して形成された上側肩部22b等を具備している。
延出部22aの左右方向Yの幅は、例えば、ストッパー部11bの内側の間隔よりも狭くなっており、取付台2に装置本体部1が取り付けられることで、延出部22aがストッパー部11bよりも上側に突出して、上側肩部22bにストッパー部11bが当接するようになっている
なお、上側肩部22bの外側部分には、R(アール)が付けられており、これによって、ガイド部11aに係合しやすくなっている。
【0030】
また、延出部22aの略中央部が下側に切り欠かれることで二股状に分かれている。そして、当該二股状の部分によって、アンテナ本体部121のユーザ側の面と車載器本体部11の裏面部111の間に下側から差し込まれる差込部22cが構成されている。
差込部22cは、例えば、上端部ほど次第に前後方向Xの厚さが薄くなるような形状に形成され、その先端にはR(アール)が付けられている。これにより、差込部22cは、アンテナ本体部121のユーザ側の面と車載器本体部11の裏面部111の間に差し込まれやすくなっている。
【0031】
また、2つの差込部22c、22cの間隔は、例えば、GPSアンテナ部12の接続部123の左右方向Yの幅よりも小さくなっている。これにより、2つの差込部22c、22cがアンテナ本体部121のユーザ側の面と車載器本体部11の裏面部111の間に差し込まれることで、2つの差込部22c、22cの間に接続部123が配設されるようになっている。
【0032】
また、延出部22aの下側であって2つの差込部22c、22c間の切欠きの両端部には、例えば、裏面から当該裏面に対して略垂直となるように前側に延出され、アンテナ本体部121を支持して車載器本体部11に対し所定の角度に保持する角度保持部223が設けられている。
角度保持部223は、例えば、アンテナ本体部121を略水平となるように支持するようになっている。なお、当該アンテナ本体部121の支持角度は、例えば、GPS衛星から送信されてGPSアンテナ部12に到達するGPS信号の角度に応じて適宜任意に変更することができる。
【0033】
また、板状部221のユーザ側の面の軸状部222と反対側の部分には、例えば、ユーザ側に突出されたダボ224が設けられている。
ダボ224は、位置決め用凹部113に係合することで車載器本体部11を取付台2に対して位置決め固定するようになっている。
【0034】
角度調節部23は、例えば、図1に示すように、ユーザにより操作される角度調節ツマミ231を備えている。そして、角度調節ツマミ231を所定方向に回転させることで、垂直部212の先端部と軸状部222の被締結部222aとの締結状態を緩めたり、所定方向と反対方向に回転させることで、垂直部212の先端部と軸状部222の被締結部222aとの締結状態をきつくすることにより、ダッシュボード側取付台部21に対する本体側取付台部22の角度調節を可能となっている。
【0035】
次に、取付台2に対する装置本体部1の取付工程について、図7及び図8を参照して説明する。
なお、図7及び図8にあっては、取付台2のダッシュボード側取付台部21及び角度調節部23の図示は省略するものとする。また、図8にあっては、取付部112、位置決め用凹部113及びダボ224等の図示は省略するものとする。
【0036】
先ず、ダッシュボードC1上に取付台2を取付け固定する。
そして、取付台2の本体側取付台部22の板状部221の縁部22dにガイド部11aを係合させて装置本体部1を自重により下側に移動させる。このとき、車載器本体部11は、板状部221のダボ224がダボ案内溝部114に係合した状態で移動するようになっている。
これにより、アンテナ本体部121のユーザ側の面と車載器本体部11の裏面部111の間に差込部22cが下側から差し込まれ(図8(a)参照)、当該差込部22cが装置本体部1に対して相対的に上側に移動すると、当該移動に従って、アンテナ本体部121が上側に回動していく(図8(b)参照)。
そして、車載器本体部11の移動は、板状部221の上側肩部22bにストッパー部11bが当接することにより規制されて停止する。このとき、アンテナ本体部121は、角度保持部223により下側から支持されて略水平となるように保持された状態となる。
なお、ダボ224が位置決め用凹部113に係合することで車載器本体部11が取付台2に対して位置決め固定される。
【0037】
一方、取付台2から装置本体部1を取り外す場合には、車載器本体部11を上側に引き上げるように移動させる。
これにより、ダボ224と位置決め用凹部113との係合が解除され、さらに、角度保持部223による略水平となるようなアンテナ本体部121の支持が解除されて、アンテナ本体部121は付勢部材による付勢力に応じて下側に回動していく。
そして、差込部22cがアンテナ本体部121のユーザ側の面と車載器本体部11の裏面部111の間から除かれることで、アンテナ本体部121のユーザ側の面が車載器本体部11の裏面部111に当接した状態となる(図8(a)参照)。
【0038】
以上のように、本実施形態のナビゲーション装置100によれば、取付台2に車載器本体部11を取付ける場合に、アンテナ本体部121の一部と車載器本体部11の裏面部111の間に差込部22cが差し込まれることにより、アンテナ本体部121は回動軸部122を軸心として回動するように持ち上げられて角度保持部223により取付台2に対して所定の角度で保持されるようになっている。また、取付台2から車載器本体部11を取り外すと、アンテナ本体部121は角度保持部223による保持が解除され、車載器本体部11の裏面側に付勢されて当該アンテナ本体部121の一部が車載器本体部11の裏面部111に接触した状態でコンパクトに収納される。これにより、自動車Cからナビゲーション装置100を取り外して持ち運ぶ際にGPSアンテナ部12が邪魔にならなくなる。
このように、取付台2に対する車載器本体部11の取付け及び取り外し作業とともにGPSアンテナ部12の回動及び角度調整を行うことができる。従って、ナビゲーション装置100のコストアップを招くことなく取扱性の向上を図ることができる。
【0039】
また、アンテナ本体部121は車載器本体部11の略中央部に配設され、このアンテナ本体部121を左右に挟むように取付部112のガイド部11a、11a及びストッパー部11b、11b等が設けられているので、車載器本体部11の重心となる略中央部を支持することができる。これにより、車載器本体部11の取付構造の安定性が良くなり、取付台2に力が偏ってかかってしまうことを防止して、両面テープ等で貼り付けられた取付台2がダッシュボードC1上からはがれてしまうことがなくなる。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、車載器本体部11を取付台2に対して位置決め固定する位置決め用凹部113を設けるようにしたが、これに限られるものではなく、位置決め用凹部113を設けるか否かは適宜変更することができる。
【0041】
また、位置決め用凹部113を1つ設けるようにしたが、これに限られるものではなく、複数箇所に設けて取付台に対して車載器本体部を複数位置で位置決めするような構成としても良い(図示略)。そして、アンテナ本体部は、位置決め用凹部によって車載器本体部が位置決めされる所定位置に応じて異なる角度で角度保持部により保持されるようになっている。
従って、位置決め用凹部によって、車載器本体部が取付台に対して複数位置で位置決めされ、このとき、アンテナ本体部は、車載器本体部が位置決めされる所定位置に応じて異なる角度で角度保持部により保持されるので、GPS信号の受信感度が悪い場合にGPSアンテナ部の角度を調節して受信感度の調整を適正に行うことができる。
【0042】
さらに、上記実施形態では、アンテナ本体部121は、所定の付勢部材によって付勢されるような構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、アンテナ本体部121の自重により回動して当該アンテナ本体部121のユーザ側の一面と車載器本体部11の裏面部111が接触するような構成としても良い。
【0043】
また、上記実施形態では、角度保持部223によりアンテナ本体部121が略水平となるように保持されるようにしたが、アンテナ本体部121の車載器本体部11に対する保持角度は、GPS衛星から送信されるGPS信号の受信感度等に応じて適宜任意に変更することができる。
【0044】
さらに、取付台2は、角度調節部23を備えるようにしたが、これに限られるものではなく、角度調整可能とするか否かは適宜変更することができる。
【0045】
なお、ナビゲーション装置100の形状、即ち、車載器本体部11、GPSアンテナ部12及び取付台2の形状等は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これらに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明を適用した好適な一実施形態として例示するナビゲーション装置の側面を模式的に示した図である。
【図2】図1のナビゲーション装置に備わる装置本体部の背面を模式的に示した図である。
【図3】図1のナビゲーション装置に備わる装置本体部の側面を模式的に示した図である。
【図4】図1のナビゲーション装置の背面を模式的に示した図である。
【図5】図4のV−V線におけるナビゲーション装置の断面図である。
【図6】図1のナビゲーション装置に備わる取付台を構成する本体側取付台部の背面を模式的に示した図である。
【図7】図1のナビゲーション装置の取付台に対する装置本体部の取付工程を説明するための図である。
【図8】図1のナビゲーション装置の取付台に対する装置本体部の取付工程を説明するための図である。
【符号の説明】
【0047】
100 ナビゲーション装置(GPS付き車載器)
1 装置本体部
11 車載器本体部
111 裏面部
112 取付部
113 位置決め用凹部
12 GPSアンテナ部
121 アンテナ本体部
122 回動軸部
2 取付台(本体部取付台)
22c 差込部
223 角度保持部
C 自動車(車両)
C1 ダッシュボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるGPS付き車載器であって、
車載器本体部と、前記車載器本体部の裏面側に取り付けられ、GPS衛星から送信されたGPS信号を受信するGPSアンテナ部と、前記車載器本体部を車両に取り付けるための本体部取付台とを備え、
前記車載器本体部は、
前記本体部取付台に着脱自在に取り付けるための取付部と、
前記取付部が前記本体部取付台に取り付けられる際に、当該車載器本体部を前記本体部取付台に対して位置決め固定する位置決め部とを備え、
前記位置決め部は、前記本体部取付台に対して当該車載器本体部を複数位置で位置決めし、
前記GPSアンテナ部は、
アンテナ本体部と、前記アンテナ本体部を回動させる回動軸部とを備え、前記アンテナ本体部の一部を前記車載器本体部の前記裏面に接触させるように当該裏面側に付勢され、
前記本体部取付台は、
前記取付部が取り付けられる際に、前記アンテナ本体部の前記一部と前記車載器本体部の前記裏面の間に下側から差し込まれる差込部と、
前記差込部が差し込まれることにより前記回動軸部を軸心として回動するように持ち上げられる前記アンテナ本体部を支持して前記車載器本体部に対し所定の角度に保持する角度保持部とを備え、
前記アンテナ本体部は、前記位置決め部によって前記車載器本体部が位置決めされる所定位置に応じて異なる角度で前記角度保持部により保持されるようになっていることを特徴とするGPS付き車載器。
【請求項2】
車両に搭載されるGPS付き車載器であって、
車載器本体部と、前記車載器本体部の裏面側に取り付けられ、GPS衛星から送信されたGPS信号を受信するGPSアンテナ部と、前記車載器本体部を車両に取り付けるための本体部取付台とを備え、
前記車載器本体部は、
前記本体部取付台に着脱自在に取り付けるための取付部を備え、
前記GPSアンテナ部は、
アンテナ本体部と、前記アンテナ本体部を回動させる回動軸部とを備え、前記アンテナ本体部の一部を前記車載器本体部の前記裏面に接触させるように当該裏面側に付勢され、
前記本体部取付台は、
前記取付部が取り付けられる際に、前記アンテナ本体部の前記一部と前記車載器本体部の前記裏面の間に下側から差し込まれる差込部と、
前記差込部が差し込まれることにより前記回動軸部を軸心として回動するように持ち上げられる前記アンテナ本体部を支持して前記車載器本体部に対し所定の角度に保持する角度保持部とを備えることを特徴とするGPS付き車載器。
【請求項3】
前記車載器本体部は、
前記取付部が前記本体部取付台に取り付けられる際に、当該車載器本体部を前記本体部取付台に対して位置決め固定する位置決め部を備え、
前記位置決め部は、前記本体部取付台に対して前記車載器本体部を複数位置で位置決めし、
前記アンテナ本体部は、前記位置決め部によって前記車載器本体部が位置決めされる所定位置に応じて異なる角度で前記角度保持部により保持されるようになっていることを特徴とする請求項2に記載のGPS付き車載器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−54216(P2008−54216A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−230912(P2006−230912)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】