説明

HDL−コレステロール上昇剤としての2−トリフルオロメチルニコチンアミド誘導体

本発明は、HDL−コレステロール上昇剤で処置することのできる疾患、好ましくは脂質異常症などの治療及び/又は予防のための医薬を調製するための、式(I)[式中、R〜Rは、明細書及び特許請求の範囲と同義である]で示される化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−トリフルオロメチルニコチンアミド誘導体、それらの製造、それらを含有する薬学的組成物、及び医薬としてのそれらの使用に関する。本発明の化合物は、特にHDL−コレステロール上昇剤として有用である。
【0002】
特に本発明は、式
【0003】
【化1】


[式中、
は、低級ヒドロキシアルキル、シクロアルキル(非置換であるか、又はヒドロキシ若しくは低級ヒドロキシアルキルにより置換されている)、及び−CH−CR10−シクロアルキルからなる群より選択され、
は、水素又は低級アルキルであり;
10は、水素又はヒドロキシであり;
は、水素であり;
は、低級アルコキシアルキル、低級ハロゲンアルキル、及び低級ヘテロアリールアルキル(ここで、ヘテロアリール基は、非置換であるか、又は低級アルキルにより単置換若しくは二置換されている)からなる群より選択され;
及びRは、水素であり;
、R及びRは、相互に独立して、水素、低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、低級ハロゲンアルコキシ、低級アルキルスルホニルアミノ及びシアノからなる群より選択される]
で示される化合物及びそれらの薬学的に許容される塩に関する。
【0004】
アテローム動脈硬化症及びそれに関連する冠動脈心疾患は、工業先進国における主な死亡原因である。冠動脈心疾患の発症のリスクは、ある種の血漿脂質レベルと強く相関することが示されている。脂質は、血中でリポタンパク質により輸送される。リポタンパク質の一般構造は、中性脂質(トリグリセリド及びコレステロールエステル)のコア及び極性脂質(リン脂質及び非エステル化コレステロール)のエンベロープである。異なるコア脂質含量が異なる、異なる3種の血漿リポタンパク質がある:コレステリルエステル(CE)に富む低密度リポタンパク質(LDL);同様にコレステリルエステル(CE)に富む高密度リポタンパク質(HDL);及びトリグリセリド(TG)に富む超低密度リポタンパク質(VLDL)。異なるリポタンパク質は、その異なる浮上密度又はサイズに基づいて分離することができる。
【0005】
高LDL−コレステロール(LDL−C)とトリグリセリドレベルとは、正に相関しており、一方高レベルのHDL−コレステロール(HDL−C)は、心血管疾患の発症リスクと負に相関している。
【0006】
完全に満足できるHDL上昇療法は存在しない。ナイアシンは、HDLを顕著に増加させることができるが、重大な認容性の問題があり、このためコンプライアンスが低下する。フィブラート類及びHMG CoAレダクターゼ阻害剤は、HDL−コレステロールをわずかに(−10〜12%)上昇させる。結果として、血漿HDLレベルを顕著に高めることができる、認容性良好な薬剤に対する顕著な未だ満たされていない医学的ニーズがある。
【0007】
したがって、HDL−コレステロール上昇剤は、アテローム動脈硬化症、末梢血管疾患、脂質異常症、高βリポタンパク血症、低αリポタンパク血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心血管障害、狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、再潅流傷害、血管形成再狭窄、高血圧、及び糖尿病、肥満又は内毒素血症の血管合併症の治療及び/又は予防のための医薬として有用でありうる。
【0008】
加えて、HDL−コレステロール上昇剤は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(MTP)/ApoB分泌阻害剤、PPAR活性化因子、胆汁酸再取込み阻害剤、コレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール合成阻害剤、フィブラート、ナイアシン、ナイアシン若しくは他のHM74aアゴニストを含有する調剤、イオン交換樹脂、酸化防止剤、ACAT阻害剤又は胆汁酸吸着剤(bile acid sequestrant)である別の化合物と併用することができる。
【0009】
したがって、本発明の目的は、強力なHDL−コレステロール上昇剤である化合物を提供することである。本発明の式Iで示される化合物は、HDL−コレステロール上昇剤で処置することのできる疾患の治療及び/又は予防に有用であり、すなわち、式Iで示される化合物は、脂質異常症の治療及び/又は予防に特に有用であることが見出された。本発明の目的は、また、治療活性濃度でCB1−レセプターと相互作用しない化合物を提供することである。これは、CB1−レセプターリガンドが、CB1レセプターのアゴニスト及びアンタゴニストの両方としてHDL−コレステロール上昇剤の治療有用性を損ない、容認できないCNS副作用を導くおそれがあるからである。式Iで示される化合物が、公知のCB1−レセプターアンタゴニスト(国際公開公報第2006/106054号)及び混合CB1レセプターアンタゴニスト/HDLコレステロール上昇剤(国際公開公報第2008/040651号)と共通の構造要素をもつことから、この要件はそれらの化合物にとって特に重要である。
【0010】
特に示さない限り、本明細書において本発明を記載するために使用した様々な用語の意味及び範囲を例示及び定義するために、以下の定義を説明する。
【0011】
本明細書において「低級」という用語は、1〜7個、好ましくは1〜4個の炭素原子からなる基を意味するために使用される。
【0012】
「アルキル」という用語は、単独で又は他の基との組合せで、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜16個の炭素原子、さらに好ましくは1〜10個の炭素原子の、分岐又は直鎖の一価飽和脂肪族炭化水素基を表す。
【0013】
「低級アルキル」又は「C1−7−アルキル」という用語は、単独で又は他の基との組合せで、1〜7個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子の、分岐又は直鎖の一価アルキル基を表す。この用語はさらに、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、2−エチルブチルなどの基を例とする。
【0014】
「アルコキシ」という用語は、R’−O−基(ここで、R’はアルキルである)を表す。「低級アルコキシ」又は「C1−7−アルコキシ」という用語は、R’−O−基(ここで、R’は低級アルキルである)を表す。低級アルコキシ基の例は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ及びヘキシルオキシであり、メトキシが特に好ましい。
【0015】
「低級アルコキシアルキル」又は「C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキル」という用語は、上記と同義の低級アルコキシ基で単置換又は多置換されている、上記と同義の低級アルキル基を表す。低級アルコキシアルキル基の例は、例えば、−CH−O−CH、−CH−CH−O−CH、−CH−O−CH−CH及び本明細書に具体的に例示されている基である。最も好ましくは、低級アルコキシアルキルはメトキシエチルである。
【0016】
「低級ヒドロキシアルキル」又は「ヒドロキシ−C1−7−アルキル」という用語は、低級アルキル基の少なくとも1個の水素原子が、ヒドロキシ基により置換されている、上記と同義の低級アルキル基を表す。好ましいのは、C3−7−ヒドロキシアルキル基である。低級ヒドロキシアルキル基の例は、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル及び本明細書に具体的に例示されている基である。
【0017】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を表す。好ましい「ハロゲン」基は、フッ素又は塩素である。
【0018】
「低級ハロゲンアルキル」又は「ハロゲン−C1−7−アルキル」という用語は、ハロゲンで、好ましくはフルオロ又はクロロで、最も好ましくはフルオロで、単置換又は多置換されている低級アルキル基を表す。低級ハロゲンアルキル基の例は、例えば、−CF、−CHF、−CHCl、−CHCF、−CH(CF、−CF−CF及び本明細書に具体的に例示されている基である。
【0019】
「低級ハロゲンアルコキシ」又は「ハロゲン−C1−7−アルコキシ」という用語は、低級アルコキシ基の少なくとも1個の水素原子が、ハロゲン原子、好ましくはフルオロ又はクロロ、最も好ましくはフルオロにより置換されている、上記と同義の低級アルコキシ基を表す。好ましいハロゲン化低級アルキル基には、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ及びクロロメトキシがあり、トリフルオロメトキシが特に好ましい。
【0020】
「シクロアルキル」又は「C3−7−シクロアルキル」という用語は、3〜7個、好ましくは3〜5個の炭素原子の一価炭素環基を表す。この用語はさらに、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルなどの基を例とし、シクロプロピルが特に好ましい。
【0021】
「低級シクロアルキルアルキル」又は「C3−7−シクロアルキル−C1−7−アルキル」という用語は、上記と同義のシクロアルキル基で単置換又は多置換されている、上記と同義の低級アルキル基を表す。低級シクロアルキルアルキル基の例は、例えば、−CH−シクロプロピル、−CH−CH−シクロプロピル、−CH−シクロペンチル及び本明細書に具体的に例示されている基である。
【0022】
「ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素及び/又は硫黄より選択される、1個、2個又は3個の原子を含むことができる、芳香族5員又は6員環を表す。ヘテロアリール基の例は、例えば、フリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、テトラゾリル、ペンタゾリル、又はピロリルである。ヘテロアリール基は、場合により低級アルキルにより単置換又は二置換されていてもよい。「ヘテロアリール」という用語にはまた、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、及びベンゾチエニルなどの、1〜3個のヘテロ原子を含めて9〜10個の環原子を有する、二環式芳香族部分が含まれる。好ましいヘテロアリール基は、イソオキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、及びチアゾリルであって、これらの基は、場合により低級アルキルにより単置換又は二置換されていてもよい。特に好ましいのは、3−メチルイソオキサゾリル、5−メチルイソオキサゾリル、ピリジル、3−メチルピリジル、ピリミジニル、1−メチルイミダゾリル、2−メチル[1,2,4]トリアゾリル及び4−メチルチアゾリルである。
【0023】
「低級ヘテロアリールアルキル」又は「ヘテロアリール−C1−8−アルキル」という用語は、低級アルキル基の少なくとも1個の水素原子が、上記と同義のヘテロアリール基により置換されている、上記と同義の低級アルキル基を表す。
【0024】
「低級アルキルスルホニル」又は「C1−7−アルキルスルホニル」という用語は、R’−SO−基(ここで、R’は低級アルキルである)を表す。低級アルキルスルホニル基の例は、例えばメタンスルホニル又はエタンスルホニルである。「低級アルキルスルホニルアミノ」又は「C1−7−アルキルスルホニルアミノ」という用語は、R’−SO−NH−基(ここで、R’は低級アルキルである)を表す。好ましい低級アルキルスルホニルアミノ基は、メタンスルホニルアミノである。
【0025】
「薬学的に許容される塩」という用語は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸などの無機酸又は有機酸との、式(I)で示される化合物の塩であって、生物に無毒の塩を包含する。酸との好ましい塩は、ギ酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩及びメタンスルホン酸塩であり、塩酸塩が特に好ましい。
【0026】
詳細には、本発明は、一般式
【0027】
【化2】


[式中、
は、低級ヒドロキシアルキル、シクロアルキル(非置換であるか、又はヒドロキシ若しくは低級ヒドロキシアルキルにより置換されている)、及び−CH−CR10−シクロアルキルからなる群より選択され、
は、水素又は低級アルキルであり;
10は、水素又はヒドロキシであり;
は、水素であり;
は、低級アルコキシアルキル、低級ハロゲンアルキル、及び低級ヘテロアリールアルキル(ここで、ヘテロアリール基は、非置換であるか、又は低級アルキルにより単置換若しくは二置換されている)からなる群より選択され;
及びRは、水素であり;
、R及びRは、相互に独立して、水素、低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、低級ハロゲンアルコキシ、低級アルキルスルホニルアミノ及びシアノからなる群より選択される]
で示される化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0028】
本発明の式Iで示される好ましい化合物は、Rが低級ハロゲンアルキル又は低級ヘテロアリールアルキル(ここで、ヘテロアリール基は、非置換であるか、又は低級アルキルにより単置換若しくは二置換されている)である化合物である。
【0029】
さらに好ましいのは、Rが低級ハロゲンアルキルである式Iで示される化合物であり、Rが2,2,2−トリフルオロエチルである式Iで示される化合物が特に好ましい。
【0030】
同様に好ましいのは、Rが低級ヘテロアリールアルキル(ここで、ヘテロアリール基は、非置換であるか、又は低級アルキルにより単置換若しくは二置換されている)である式Iで示される化合物であり、Rがピリジルメチルである式Iで示される化合物が特に好ましい。
【0031】
さらに、Rがヒドロキシにより置換されているシクロアルキルである、本発明の式Iで示される化合物が好ましく、Rが、ヒドロキシにより置換されているシクロヘキシルである化合物が特に好ましい。
【0032】
本発明の式Iで示される好ましい化合物の別の群は、Rが−CH−CR10−シクロアルキルであり、Rがメチルであり、R10がヒドロキシである化合物であり、Rが−CH−CR10−シクロプロピルであり、Rがメチルであり、R10がヒドロキシである、式Iで示される化合物がさらに好ましい。
【0033】
本発明の式Iで示される好ましい化合物のさらなる群は、Rが低級ヒドロキシアルキルである化合物であり、Rが1−ヒドロキシメチル−3−メチルブチルである式Iで示される化合物が特に好ましい。
【0034】
同様に好ましいのは、R、R及びRの少なくとも一つが、低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、低級ハロゲンアルコキシ、低級アルキルスルホニルアミノ及びシアノからなる群より選択される、本発明の式Iで示される化合物である。
【0035】
さらに、R、R及びRの少なくとも一つが、ハロゲン又は低級アルキルスルホニルアミノより選択される、式Iで示される化合物が好ましく、Rがハロゲン又は低級アルキルスルホニルアミノであり、R及びR7が水素である、式Iで示される化合物がさらに好ましい。特に好ましいのは、Rがクロロである、式Iで示される化合物である。
【0036】
同様に好ましいのは、R及びRがハロゲンであり、R7が水素である、本発明の式Iで示される化合物である。特に好ましいのは、R及びRがクロロである、式Iで示される化合物である。
【0037】
本発明の式Iで示される好ましい化合物は、以下:
5−(4−クロロ−フェニル)−N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
N−((R)−2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
N−((S)−2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
5−(3−クロロ−フェニル)−N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1R,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1S,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1S,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
N−(1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル)−5−(4−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−5−(4−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
及びそれらの全ての薬学的に許容される塩からなる群より選択される。
【0038】
特に好ましいのは、5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1R,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドである、本発明の式Iで示される化合物である。
【0039】
本発明の式Iで示される化合物は、式
【0040】
【化3】


[式中、R〜Rは、本明細書において前記と同義である]
で示される化合物を、式
【0041】
【化4】


[式中、R及びRは、本明細書において前記と同義である]
で示されるアミンと、塩基性条件でカップリング剤の助けを借りてカップリングさせること、及び
所望であれば、結果として生じた式Iで示される化合物をその薬学的に許容される塩に変換すること
を含む工程により調製することができる。
【0042】
式IIで示される化合物と式IIIで示されるアミンとの反応のためのカップリング剤は、例えば、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、1−[ビス(ジメチルアミノ)−メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、又はO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)である。好ましいカップリング剤はTBTUである。適切な塩基には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、好ましくはヒューニッヒ塩基が含まれる。
【0043】
又は、アミドカップリングは、IIから対応する酸塩化物IIaを形成させ、次にそれを式IIIで示されるアミンと反応させ、式Iで示される化合物を得ることにより影響を及ぼすことができ、すなわち、本発明の式Iで示される化合物は、式
【0044】
【化5】


[式中、R〜Rは、本明細書において前記と同義である]で示される化合物を式
【0045】
【化6】


[式中、R及びRは、本明細書において前記と同義である]で示されるアミンとカップリングさせること、及び所望であれば、結果として生じた式Iで示される化合物をその薬学的に許容される塩に変換すること
を含む工程により調製することができる。
【0046】
又は、その化合物は、

【0047】
【化7】


[式中、Xはハロゲンであり、R、R及びRは、本明細書において前記と同義である]で示される化合物を、式
【0048】
【化8】


[式中、R〜Rは、本明細書において前記と同義であり、Mはボロン酸又はボロン酸エステルを意味する]で示されるアリール金属種と、Pd触媒の存在下の塩基性条件でカップリングさせること、及び
所望であれば、結果として生じた式Iで示される化合物をその薬学的に許容される塩に変換すること
を含む工程により調製することができる。
【0049】
アリール金属種は、好ましくはアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルである。パラジウム触媒は、好ましくは塩化パラジウム(II)−dppf錯体であり、その触媒は、塩基、好ましくは炭酸ナトリウムの存在下で使用される。Xはハロゲンであり、さらに好ましくはXはブロモ又はヨードである。
【0050】
したがって、式Iで示される化合物は、実施例に示される方法によって、下記スキーム1に記載されるような合成にしたがって製造することができる。出発物質は、市販されているか、或いは下記若しくは実施例に示される方法に類似の方法により、又は当技術分野において公知の方法により調製することができる。
【0051】
【化9】

【0052】
スキーム1の手順にしたがって、化合物AA(5−ブロモ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボン酸エチルエステル(CAS登録番号862111−61−3)を出発物質として使用することができる。AAは、文献(国際公開公報第2005/073192号)の手順にしたがってエチル−4,4,4,−トリフルオロアセタトアセテート及びアクリルアミドから2段階順序により調製することができる。
【0053】
化合物ABは、不活性溶媒、例えばTHF中で、0℃〜溶媒の還流温度までの温度で、好ましくは50℃で、トリフェニルホスフィン及びジエチルアゾジカルボキシレートなどの活性化剤の存在下で、適切に置換されている第一級又は第二級アルコールR−OHとの光延反応によりAAから調製することができる。
【0054】
次に、化合物ACは、当技術分野において公知の方法による化合物ABのけん化により、例えば適切な溶媒、例えばTHFと水の混合物中のアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウムを用いたけん化により得ることができる。
【0055】
以下の段階では、式AFで示される化合物は、化合物AC及び式RNH(III)で示される対応するアミンから適切なアミド結合形成反応により得られる。これらの反応は、当技術分野で公知である。例えば、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、及びO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)などのカップリング試薬を、そのような変換に影響を及ぼすために採用することができる。好都合な方法は、例えば室温の不活性溶媒、例えばジメチルホルムアミド中でTBTU及び塩基、例えばヒューニッヒ塩基(N−エチルジイソプロピルアミン)を使用することである。又は、対応する酸塩化物は、当技術分野で周知の方法により酸ACから調製することができ、次にそれを式IIIで示されるアミンと、場合により塩基の存在下で反応させ、式AFで示される化合物が得られる。
【0056】
式Iで示される化合物はまた、ジメチルホルムアミド又はトルエンなどの不活性溶媒中で、適切な触媒、好ましくはパラジウム触媒、さらに好ましくは酢酸パラジウム(II)/トリフェニルホスフィン混合物又は塩化パラジウム(II)−dppf(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)錯体及び塩基、好ましくはトリエチルアミン又は炭酸ナトリウムの存在下で、適切に置換されている式Bで示されるアリール金属種、好ましくはアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルとAFをカップリングさせることにより調製することができる。
【0057】
スキーム1に記載されるようなけん化、アミドカップリング及び鈴木反応は、必ずしもこの順序で行う必要はない。代替的な実行可能な順序は、鈴木反応(ABからAD)に続いて、けん化(ADからAG)を行い、最終的にアミドカップリングを行って、式Iで示される化合物に到達することであろう。
【0058】
上記出発物質AAを調製するための文献の手順は低収率であり、最初の段階で重合副生成物に悩み、一般に大規模化に適さない(Brown et al. Organic Process Research & Development (1997), 1(5), 370-378参照)。好都合には、化合物AAは、アクリロイルクロリド及び3−アミノ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテン酸エステルに続く、臭素化、脱臭化水素、臭素化の順序から調製することができる。この代替手順(スキーム2)を実験の部に説明するが、より高い収率となって第1段階での重合副生成物を回避するという利点がある。
【0059】
【化10】

【0060】
上記のように、本発明の式Iで示される化合物は、HDL−コレステロール上昇剤で処置することのできる疾患の治療及び/又は予防のための医薬として使用することができる。「HDL−コレステロール上昇剤で処置することのできる疾患」は、アテローム動脈硬化症、末梢血管疾患、脂質異常症、高βリポタンパク血症、低αリポタンパク血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心血管障害、狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、再潅流傷害、血管形成再狭窄、高血圧、及び糖尿病、肥満又は内毒素血症の血管合併症などの疾患を意味する。好ましくは、そのような疾患は、アテローム動脈硬化症、末梢血管疾患、及び脂質異常症である。最も好ましくは、その疾患は脂質異常症である。
【0061】
したがって、本発明はまた、HDL−コレステロール上昇剤で処置することのできる疾患の治療及び/又は予防に有用な、上記と同義の化合物並びに薬学的に許容される担体及び/又は佐剤を含む薬学的組成物に関する。
【0062】
したがって、本発明は、アテローム動脈硬化症、末梢血管疾患、脂質異常症、高βリポタンパク血症、低αリポタンパク血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心血管障害、狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、再潅流傷害、血管形成再狭窄、高血圧、及び糖尿病、肥満又は内毒素血症の血管合併症の治療及び/又は予防のための、上記と同義の薬学的組成物に関する。
【0063】
別の態様では、本発明は、HDL−コレステロール上昇剤で処置することのできる疾患の治療及び/又は予防のための方法に関し、その方法は、それを必要とする患者に、式Iで示される化合物の治療有効量を投与することを含む。
【0064】
加えて、本発明は、HDL上昇剤で処置することのできる疾患の治療及び/又は予防のための医薬を調製するための、上記と同義の式Iで示される化合物の使用に関する。
【0065】
加えて、式Iで示される化合物は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(MTP)/ApoB分泌阻害剤、PPAR活性化因子、コレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)阻害剤、胆汁酸再取り込み阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール合成阻害剤、フィブラート、ナイアシン、ナイアシン若しくは他のHM74aアゴニストを含有する調剤、イオン交換樹脂、酸化防止剤、ACAT阻害剤又は胆汁酸吸着剤からなる群より選択される別の化合物と組合せて、又は別の化合物に関連させて有用である。
【0066】
式Iで示される化合物及び/又はそれらの薬学的に許容される塩は、経腸、非経口又は局所投与用の薬学的組成物の形態で使用することができる。それらは、例えば経口的に、例えば錠剤、コーティング錠、糖衣錠、ゼラチン硬カプセル及び軟カプセル、液剤、乳剤若しくは懸濁剤の形態で、口内に、例えば口腔剤(buccal cavities)の形態で、直腸内に、例えば坐剤の形態で、非経口的に、例えば筋肉内、静脈内若しくは皮下注射用の注射液若しくは輸液の形態で、又は局所的に、例えば軟膏剤、クリーム剤又は油剤の形態で投与することができる。経口投与が好ましい。
【0067】
薬学的組成物の製造は、既述の式Iで示される化合物及び/又はそれらの薬学的に許容される塩を、場合により他の治療的に有益な物質と組合せて、適切な無毒で不活性な治療適合性の固体又は液体担体物質、及び所望であれば通常の薬学的佐剤と一緒に、ガレノス投与形態にすることにより、任意の当業者によく知られているであろう方法で実施することができる。
【0068】
適切な担体物質は、無機担体物質だけでなく、有機担体物質もある。したがって、例えば、乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及びゼラチン硬カプセル用の担体物質として使用することができる。ゼラチン軟カプセルに適した担体物質は、例えば植物油、ろう、脂肪並びに半固形及び液体ポリオールである(しかしゼラチン軟カプセルの場合には、活性成分の性質に応じて担体が必要ないことがある)。液剤及びシロップ剤の製造に適した担体物質は、例えば水、ポリオール、ショ糖、転化糖などである。注射液に適した担体物質は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール及び植物油である。坐剤に適した担体物質は、例えば、天然油又は硬化油、ろう、脂肪及び半流動体又は液体ポリオールである。局所製剤に適した担体物質は、グリセリド、半合成及び合成グリセリド、水素添加油、液体ろう、流動パラフィン、液体脂肪アルコール、ステロール、ポリエチレングリコール及びセルロース誘導体である。
【0069】
通常の安定化剤、保存料、湿潤剤及び乳化剤、粘稠性改良剤、香味改良材、浸透圧を変化させるための塩、緩衝物質、溶解補助剤、着色料及びマスキング剤、並びに酸化防止剤が、薬学的佐剤として考慮される。
【0070】
式Iで示される化合物の治療有効量又は薬用量は、防除する疾患、患者の年齢及び個別の状態、並びに投与様式に応じて広い範囲内を変動することがあり、もちろんそれぞれ特定の場合における個別の要件に適合されるであろう。成人の患者について、約1〜100mg、特に約1〜50mgの1日量が考慮される。疾患の重症度及び正確な薬物動態プロファイルに応じて、化合物は、1日あたり1個又は複数個の投薬単位、例えば1〜3個の投薬単位で投与することができよう。
【0071】
薬学的組成物は、好都合には約1〜100mg、好ましくは5〜50mgの式Iで示される化合物を含有する。
【0072】
以下の試験は、式Iで示される化合物の活性及びそれらの有益な薬理学的性質を決定するために実施した。
【0073】
コレステロール搬出アッセイ
本発明の化合物がコレステロールの搬出を刺激する能力を、96ウェルマイクロプレート中のTHP−1細胞の同型培養で決定する。細胞を150000個/ウェルの初密度で蒔き、10%ウシ胎児血清、3μl/Lのb−メルカプトエタノール、RPMI−1640培地中でPMA(100ng/ml)を添加して72時間マクロファージに分化させる。細胞をRPMI−1640で1回洗浄し、2% FCS、50μg/mlアセチル化LDL、及び10μCi/ml [H]コレステロールを含有するRPMI−1640培地を37℃で48時間ロードする。ロード後に、細胞をRPMI−1640で1回洗浄し、1mg/Ml無脂肪酸ウシ血清アルブミン(BSA)を含有するRPMI−1640培地中で、DMSO溶液からの関心がもたれる化合物と共に追加的に24時間インキュベーションする。インキュベーションしてから細胞を1回洗浄し、化合物の存在下で1mg/Ml BSAを含有するRPMI−1640中で10μg/mlアポリポタンパク質AIを添加することにより、追加的に6時間コレステロールの搬出を誘導する。インキュベーション後に、上清中の放射能を決定し、コレステロールの搬出を、DMSOのみで処理された同型培養に対する刺激率として表現する。XLfit3プログラム(ID Business Solutions Ltd. UK)を使用してS字曲線をあてはめ、EC50値を決定した。
【0074】
本発明の化合物は、コレステロール搬出アッセイで0.1μM〜3.0μMのEC50値を示す。好ましくは、本発明の化合物は、0.1μM〜1.5μMのEC50値を有する。
【0075】
【表1】

【0076】
カンナビノイドCB1レセプターに対する親和性
カンナビノイドCB1レセプターに対する本発明の式Iで示される化合物の親和性は、国際公開公報第2006/106054号の36頁に記載されたように決定した。驚くことに、本発明の化合物は、国際公開公報第2006/106054号の化合物に比べて、CB1レセプターに対して低い親和性しか示さない。
【0077】
本発明の化合物は、CB1−レセプター結合アッセイで1μM〜>30μMのIC50値を示す。好ましくは、本発明の化合物は、>10μM〜>30μMのIC50値を有する。
【0078】
【表2】

【0079】
本発明の化合物の生物学的活性のさらなる実証は、当技術分野において周知の、以下のインビボアッセイにより果たすことができる。
【0080】
痩せた固形飼料給餌ラットにおける血漿脂質レベルに及ぼす効果
式Iで示される化合物が血漿脂質レベルに及ぼす効果は、p.o.強制投与により化合物を投与された、痩せた固形飼料給餌Sprague-Dawleyラットにおいて決定した。1週間環境馴化させた後で、血漿脂質を決定するために血液試料を4時間絶食動物から採取した。次に、HDL−コレステロールレベルに基づいて動物を処置群に割り付けた。式Iで示される化合物は、1日1回5日間強制投与により投与した。対照動物にはビヒクルのみを投与した。血漿脂質分析のために、5日目に4時間絶食ラットから最終処置の2時間後に血液を採取した。比色酵素アッセイ(Roche Diagnostic GmbH, Mannheim, Germany)を使用して総コレステロール、HDL−コレステロール、及びトリグリセリドを測定することにより、総コレステロール、HDL−コレステロール、及びトリグリセリドを決定した。HDL−Cは、SMARTシステム(Pharmacia)を使用したsuperpose-6カラムのサイズ排除クロマトグラフィーを使用してもまた定量した。曲線下面積を計算するために非線形最小二乗カーブフィッティング手順を使用して、各ピークについてガウス分布を仮定してリポタンパク質の分布を計算した。化合物の濃度もまた、血漿から決定した。
【0081】
肥満高脂肪食給餌ラットにおける血漿脂質レベルに及ぼす効果
血漿脂質レベルのモデュレーションにおける化合物の有効性は、化合物を投与した28〜29日後の肥満雄性Sprague Dawleyラットでもまた決定した。10週齢の雄性Sprague-Dawleyラットに3週間高脂肪食を給餌した。処置を開始する1週間前に評価した均一なBW及びFIによって肥満ラットを群に振り分けた。食品混合物として処置を施行した。29日目に、食後条件、すなわち食餌を除去してから4時間後の午前中に、軽度麻酔下で血液を採取した(後眼窩法)。低速遠心分離により血漿を血液から分離し、選ばれた器官を取り出した(例えば肝臓、脂肪)。総コレステロール、HDL−コレステロール、及びトリグリセリドは、比色酵素アッセイ(Roche Diagnostic GmbH, Mannheim, Germany)を使用して総コレステロール、HDL−コレステロール、LDL−コレステロール及びトリグリセリドを測定することにより決定した。HDL−Cは、SMARTシステム(Pharmacia)を使用したsuperpose-6カラムのサイズ排除クロマトグラフィーを使用してもまた定量した。曲線下面積を計算するために非線形最小二乗カーブフィッティング手順を使用して、各ピークについてガウス分布を仮定してリポタンパク質の分布を計算した。化合物の濃度もまた、血漿から決定した。
【0082】
ハムスターにおける血漿脂質レベルに及ぼす効果
血漿脂質レベルのモデュレーションにおける化合物の有効性は、化合物を5日間毎日投与後のハムスターで決定した。6〜8週齢の雄性ハムスターを実験に使用した。1週間環境馴化させた後で、血漿脂質を決定するために血液試料を4時間絶食動物から採取した。次に、HDL−コレステロールレベルに基づいて動物を処置群に割り付けた。化合物は、1日1回5日間強制投与により投与した。対照動物にはビヒクルのみを投与した。血漿脂質分析にために、5日目に4時間絶食ハムスターから最終処置の2時間後に血液を採取した。比色酵素アッセイ(Roche Diagnostic GmbH, Mannheim, Germany)を使用して総コレステロール、HDL−コレステロール、LDL−コレステロール及びトリグリセリドを決定した。HDL−コレステロール、LDL−コレステロール、及びVLDL−コレステロールレベルは、SMARTシステム(Pharmacia)を使用したsuperpose-6カラムのサイズ排除クロマトグラフィーを使用してもまた定量した。曲線下面積を計算するために非線形最小二乗カーブフィッティング手順を使用して、各ピークについてガウス分布を仮定してリポタンパク質の分布を計算した。化合物の濃度もまた、血漿から決定した。
【0083】
コレステロール/脂肪給餌ハムスターにおける血漿脂質レベルに及ぼす効果
血漿脂質レベルのモデュレーションにおける化合物の有効性は、コレステロール/脂肪給餌ハムスターでもまた決定した。10%(w/w)飽和脂肪及び0.05%(w/w)コレステロールを強化した固形飼料を動物に給餌する以外に、プロトコールは上記と同様である。化合物の投与を開始する2週間前に動物にこの高脂肪食を与え、実験全体にわたりこの食餌を継続した。2週間の前処置は、血漿コレステロール及びトリグリセリドレベルの増加を誘導し、LDL−C及びトリグリセリドの変化のよりよい評価を可能にした。
【0084】
実施例
【0085】
実施例1
5−(4−クロロ−フェニル)−N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
【0086】
a) 5−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル
5−ブロモ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボン酸エチルエステル(CAS登録No.862111-61-3)(5.0g、16mmol)を、テトラヒドロフラン(80mL)に溶解した。溶液に、トリフルオロエタノール(1.37mL、19mmol)、トリフェニルホスフィン(5.0g、19mmol)及びアゾジカルボン酸ジエチル(3.7mL、19mmol)を0℃で加えた。混合物を、30分間、0℃で、そして6時間、室温で撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をジクロロメタンに溶解して、水で洗浄した。有機相をプールし、MgSOで乾燥させて、減圧下で濃縮した。残留物をジクロロメタン:ヘプタン 1:2でシリカゲル上クロマトグラフィーにより精製して、生成物を白色の固体として得た。MS(ISP)397(M+H)
【0087】
b) 5−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸
5−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル(4.0g、10mmol)を、テトラヒドロフラン(70mL)及び水(25mL)の混合物に溶解した。水酸化リチウム一水和物(1.26g、30mmol)を加え、混合物を撹拌して、還流温度で3時間加熱した。室温に冷ました後、混合物を塩酸(1N)でpH4に酸性化した。生成物が沈殿し、濾過後乾燥させて、白色の固体(定量)として単離した;MS(ISP)365.8、367.8(M−H)。
【0088】
c) 5−ブロモ−N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
5−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸(1.1g、3.0mmol)を、DMF(25mL)に溶解した。溶液に、TBTU(1.06g、3.3mmol)、N,N−ジイソプロピルアミン(2.54mL、15mmol)及びa−(アミノメチル)−a−メチル−シクロプロパンメタノール(0.38g、3.3mmol)を加えた。混合物を16時間、室温で撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を酢酸エチル(20mL)に溶解して、水酸化ナトリウム溶液(0.5N)及びブラインで洗浄した。有機相をプールし、MgSO4で乾燥させて、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン/酢酸エチル)により精製して、標記化合物(0.38g)を明黄色の固体として得た。MS(ISP)462.9、464.9(M−H)
【0089】
d) 5−(4−クロロ−フェニル)−N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
5−ブロモ−N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド(0.09g、0.19mmol)を、トルエン(4mL)及びジメチルホルムアミド(0.3mL)に溶解した。この溶液に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)CHCl(8mg、0.010mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(32mg、0.20mmol)及び炭酸ナトリウム溶液(2M、0.20mL)を撹拌しながら加えた。この混合物を15時間、90℃に加熱して、室温に冷却した。水(10mL)を加え、相を分離して、水混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相をプールし、MgSO4で乾燥させて、揮発物を減圧下で除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ジクロロメタン/酢酸エチル)により精製して、標記化合物(53mg)を褐色のガム状物として得た;MS(ISP)497.2(M)
【0090】
実施例2
N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
標記化合物を、実施例1dと同様に、出発物質として5−ブロモ−N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド及び3,4−ジクロロフェニルボロン酸を使用して合成した。MS(ISP)531.0、533.0(M)
【0091】
実施例2A
N−((R)−2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
【0092】
a) 5−ブロモ−N−((R)−2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1cと同様に、出発物質として5−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸及び(R)−a−(アミノメチル)−a−メチル−シクロプロパンメタノールを使用して合成した。MS(ISP)462.9、464.9(M−H)。
【0093】
b) N−((R)−2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1dと同様に、出発物質として5−ブロモ−N−((R)−2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド及び3,4−ジクロロフェニルボロン酸を使用して合成した。MS(ISP)531.0(M+H)
【0094】
実施例2B
N−((S)−2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
【0095】
a) 5−ブロモ−N−((S)−2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1cと同様に、出発物質として5−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸及び(S)−a−(アミノメチル)−a−メチル−シクロプロパンメタノールを使用して合成した。MS(ISP)465.0、467.1(M+H)
【0096】
b) N−((S)−2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1dと同様に、出発物質として5−ブロモ−N−((S)−2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド及び3,4−ジクロロフェニルボロン酸を使用して合成した。MS(ISP)531.1(M+H)
【0097】
実施例3
5−(3−クロロ−フェニル)−N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
標記化合物を、実施例1dと同様に、出発物質として5−ブロモ−N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド及び3−クロロフェニルボロン酸を使用して合成した。MS(ISP)531.0、497.1(M)
【0098】
実施例4
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
【0099】
a) 5−ブロモ−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1cと同様に、出発物質として5−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸及び(1R,2R)−2−アミノ−シクロヘキサノールを使用して合成した。MS(ISP)467.0(M+H)
【0100】
b) 5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1dと同様に、出発物質として5−ブロモ−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド及び4−クロロフェニルボロン酸を使用して合成した。MS(ISP)497.2(M)
【0101】
実施例4A
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1S,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
【0102】
a) 5−ブロモ−N−((1S,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1cと同様に、出発物質として5−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸及び(1S,2S)−2−アミノ−シクロヘキサノールを使用して合成した。MS(ISP)465.1、467.1(M+H)
【0103】
b) 5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1S,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1dと同様に、出発物質として5−ブロモ−N−((1S,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド及び4−クロロフェニルボロン酸を使用して合成した。MS(ISP)497.1(M+H)
【0104】
実施例4B(方法A)
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1R,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
【0105】
a) 1,4,5,6−テトラヒドロ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボン酸エチルエステル
3−アミノ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテン酸エチルエステル(529mL、3.47mol)に、アクリロイルクロリド(600mL、6.95mol)を15分かけて滴下した。懸濁液を室温で1時間撹拌した。温度を撹拌しながらゆっくり80℃に上昇させて(HClガス発生)、80℃で5時間維持した。撹拌を一晩、40℃で続けた。混合物を冷却し、トルエン(2L)及びn−ヘプタン(2L)で希釈し、生成物を沈殿させて、さらに15分間、室温で撹拌した。生成物を濾過により単離し、フィルターケークをトルエン/n−ヘプタン(1:2;4×100mL)で洗浄して、40℃、5時間減圧下で乾燥させた。この手順を行って、標記化合物(286g、35%)を白色の固体として得た。MS(ISP)236.1(M−H)。母液の濃縮及びトルエン/n−ヘプタン(1:10)の添加を行って、第二クロップ29.8gを得た。
【0106】
b) 1,6−ジヒドロ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボン酸エチルエステル
テトラクロロメタン(450mL)中の1,4,5,6−テトラヒドロ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボン酸エチルエステル(136.15g、0.57mol)の懸濁液に、N−ブロモスクシンイミド(113g、0.60mol)を加えた。温度を撹拌しながらゆっくり70℃に上昇させて、還流温度を20時間保持した。混合物を冷却して、水(1000mL)及びジクロロメタン(1000mL)で抽出した。水相を2回以上ジクロロメタン(2×500mL)で抽出し、ジクロロメタン相を水(2×1000mL)で洗浄して、MgSO4で乾燥させた。溶媒の除去を行って、標記化合物(153.4g)を得て、それを次の工程でさらに精製することなく使用した。
【0107】
c) 5−ブロモ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボン酸エチルエステル
テトラヒドロフラン(1500mL)中の1,6−ジヒドロ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボン酸エチルエステル(157.6g、0.60mol)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(124.3g、0.66mol)を撹拌しながら加えた。混合物を1時間、室温で撹拌した。溶媒の3分の2を減圧下で除去して、残留物質を冷水(20L)中に撹拌しながら少しずつ注いだ(15分)。生成物を沈殿させて、懸濁液を1時間、室温で撹拌し、濾過して、フィルターケークを水(6×200mL)で広範囲にわたって洗浄した。フィルターケークを酢酸エチル(2000mL)で再溶解し、MgSOで乾燥させ、濃縮して、約300mLの容量にした。この溶液をn−ヘプタン(800mL)中に滴下して、生成物を沈殿させた。濾過、n−ヘプタン/酢酸エチル(4:1、4×50mL)で洗浄及び乾燥(減圧下、40℃)を行って、標記化合物(93g)を白色の固体として得た。母液の濃縮及びn−ヘプタン/酢酸エチル(3:1、150mL)の添加を行って、第二クロップ16.4gを得た。
【0108】
d) 5−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル
5−ブロモ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボン酸エチルエステル(111g、0.35mol)をテトラヒドロフラン(1600mL)に溶解した。溶液に、トリフルオロエタノール(38mL、0.53mol)、トリフェニルホスフィン(117g、0.42mol)及びアゾジカルボン酸ジイソプロピル(89.4mL、0.42mol)を0℃で加えた。混合物を、30分間、0℃で、1時間、室温で、そして18時間、50℃で撹拌した。混合物を冷却し、n−ヘプタン(3.8L)に注いで、80%メタノール(2×3.8L)で抽出した。メタノール相をさらにn−ヘプタン3.8Lで抽出し、n−ヘプタン相を合わせて、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、標記化合物(121.5g)を帯黄色の油状物として得た。
【0109】
f) 5−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸
5−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル(244g、0.61mol)を、テトラヒドロフラン(2100mL)及び水(700mL)の混合物に溶解した。水酸化リチウム一水和物(77g、1.85mol)を加え、混合物を撹拌して、還流温度で1.5時間加熱した。室温に冷ました後、混合物を塩酸(2N、750mL)で酸性化した。混合物をジエチルエーテル(1×1500mL、1×1000mL)で抽出して、有機相をブライン(1000mL)で洗浄した。有機相を合わせ、MgSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させて、標記化合物(224g)をオフホワイトの固体として得た;MS(ISP)365.9、367.9(M−H)。
【0110】
g) 5−ブロモ−N−((1RS,2SR)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
DMF(900mL)中の5−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸(94.0g、0.255mol)の溶液に、TBTU(90.2g、0.28mol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(219mL)及びシス−2−アミノシクロヘキサノール塩酸塩(42.6g、0.28mol)を撹拌しながら加えた。温度を35℃に上げた。3時間撹拌した後、混合物を高真空及び45℃で濃縮した。残留物を冷1N−NaOH(2L)及び酢酸エチル(1×2.5L、1×1.5L)で抽出した。有機相を水(2×1.5L)で洗浄した。有機相を合わせ、MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、約800−900mL容量にした。生成物を沈殿させて、混合物を0℃で約30分間撹拌した。濾過、酢酸エチル/n−ヘプタン1:1(4×50mL)及び減圧下、40℃で18時間乾燥を行って、標記化合物(白色の固体として75.8g)を得た;MS(ISP)465.0、467.0(M+H)
【0111】
h) 5−ブロモ−N−((1R,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
5−ブロモ−N−((1RS,2SR)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド(103g)を、溶離剤として5%イソプロパノール/n−ヘプタンでChiralPak AD上キラルクロマトグラフィーに付した。生成物を第二ピークとして溶出して、溶媒の蒸発後、標記化合物(43.3g)を白色の固体として得た。
【数1】

【0112】
i) 5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1R,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1dと同様に、出発物質として5−ブロモ−N−((1R,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド及び4−クロロフェニルボロン酸を使用して合成した。
【数2】

【0113】
実施例4B(方法B)
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1R,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
【0114】
a) 5−(4−クロロ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸
5−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル(2g、5.05mmol)を、エタノール(30mL)に溶解した。この溶液に、撹拌しながら[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)CHCl(41.2mg、0.05mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(828.8mg、5.3mmol)、水(4.8mL)及び水酸化リチウム(246.7mg、10.1mmol)を加えた。この混合物を2.5時間70℃に加熱して、室温に冷却した。水(12mL)及び水酸化リチウム(370.0mg、15.1mmol)を加えて、70℃で0.5時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水(40mL)及びトルエン(40mL)で処理して、抽出した。相を分離し、有機相を水(30mL)で抽出した。合わせた水相を2N HClで酸性化して、酢酸エチルで抽出した。有機相をプールし、Na2SO4で乾燥させて、揮発物を減圧下で除去した。残留物をエタノール(6mL)に溶解し、水 (12mL)で処理して、結晶化後、標記化合物(1.82g)を明褐色の結晶として得た;MS(ISN)398.0(M−H)
【0115】
b) 5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1R,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
5−(4−クロロ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸(1.5g、3.75mmol)を、THF(15mL)及びDMF(11.4μl)の混合物に溶解した。この溶液に、撹拌しながら塩化オキサル(0.52mL、6.0mmol)を加えて、それによって、室温で、1時間後、対応する酸クロリドを形成した。(1R,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アンモニウム;クロリド(608.9mg、4.02mmol)を、THF(6mL)及び水(6mL)の混合物に溶解した。この溶液を、32% NaOH(1.74mL、18.8mmol)で処理して、室温で1時間撹拌した。この溶液に上記で生成した酸クロリドを加えて、室温で1時間撹拌した。混合物を水(120mL)へ注いで、形成した沈殿を濾過した。褐色の結晶を還流下、エタノール(12mL)に溶解し、室温に冷却して、水(10mL)で処理して、濾過及び乾燥後、標記化合物(1.62g)を明灰色の結晶として得た;MS(ISP)497.1(M+H)
【0116】
c) N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−アセトアミド
(1R,2R)−2−アミノ−シクロヘキサノール塩酸(25.0g、164.9mmol)を、アセトン(160mL)に溶解した。この溶液に、0℃で撹拌しながら炭酸ナトリウム水溶液(163.7mL、169.8mmol)を、10分以内に無水酢酸を加えた。混合物を室温で2時間撹拌して、溶媒を蒸発させた。残留物を室温でエタノール(200mL)で処理して、5分間撹拌した。濾過後、溶媒を蒸発させ、ジクロロメタン(300mL)で処理し、還流で2時間撹拌して、再度濾過した。濾液の溶媒を蒸発させて、標記化合物(25.9g)を白色の固体として得た;MS(ISP)158.2(M+H)
【0117】
d) (3aR,7aS)−2−メチル−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−ベンゾオキサゾール−3−イウム;クロリド
N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−アセトアミド(26.0g、163.7mmol)を、ジクロロメタン(200mL)に溶解して、0℃で10分以内に塩化チオニル(50.4mL、687.5mmol)で処理した。反応物を室温に1時間以内に温めて(橙色の沈殿)、室温で6時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、標記化合物を定量的収率(約90%純度)で得た;MS(ISP)140.3(M+H)
【0118】
e) (1R,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル−アンモニウム;クロリド
(3aR,7aS)−2−メチル−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−ベンゾオキサゾール−3−イウム;クロリド(33g、159.7mmol)を、水(330mL)及びHCl(25%、229mL)の混合物に溶解した。溶液を加熱して1時間還流し、室温に冷却し、スピーデックス(speedex)上で濾過して、溶媒を蒸発させた。残留物を還流下でエタノール(150mL)に溶解し、濾過して、濾液をTBME(300mL)で処理した。形成した結晶を濾過し、乾燥させて、標記化合物(14.2g)を白色の結晶として得た;MS(ISP)116.1(M+H)
【0119】
実施例4C
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1S,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
【0120】
h) 5−ブロモ−N−((1S,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
5−ブロモ−N−((1RS,2SR)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド(103g)を、溶離剤として5%イソプロパノール/n−ヘプタンでChiralPak AD上キラルクロマトグラフィーに付した。生成物を第一ピークとして溶出して、溶媒の蒸発後、標記化合物(42.4g)を白色の固体として得た。
【数3】

【0121】
i) 5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1S,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1dと同様に、出発物質として5−ブロモ−N−((1S,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド及び4−クロロフェニルボロン酸を使用して合成した。
【数4】

【0122】
実施例5
N−(1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル)−5−(4−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
【0123】
a) 5−ブロモ−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル
標記化合物を、実施例1aと同様に、出発物質として5−ブロモ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボン酸エチルエステル(CAS登録No. 862111-61-3)及び2−(ヒドロキシメチル)−ピリジンを使用して合成した。MS(ISP)407.1(M+H)
【0124】
b) 5−ブロモ−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸
標記化合物を、実施例1bと同様に、出発物質として5−ブロモ−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステルを使用して合成した。MS(ISP)375.0(M−H)
【0125】
c) 5−ブロモ−N−(1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル)−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1cと同様に、出発物質として5−ブロモ−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸及びrac−ロイシノールを使用して合成した。MS(ISP)476.1(M+H)
【0126】
d) N−(1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル)−5−(4−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1dと同様に、出発物質として5−ブロモ−N−(1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル)−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド及び4−メタンスルホニルアミノフェニルボロン酸を使用して合成した。MS(ISP)567.2(M)
【0127】
実施例6
N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−5−(4−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
標記化合物を、実施例1dと同様に、出発物質として5−ブロモ−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド及び4−メタンスルホニルアミノフェニルボロン酸を使用して合成した。MS(ISP)556.1(M+H)
【0128】
実施例7
5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドの調製
【0129】
a) 5−ブロモ−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1cと同様に、出発物質として5−ブロモ−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸及び(1R,2R)−2−アミノ−シクロヘキサノールを使用して合成した。MS(ISP)476.1(M+H)
【0130】
b) 5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
標記化合物を、実施例1dと同様に、出発物質として5−ブロモ−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド及び3,4−ジクロロフェニルボロン酸を使用して合成した。MS(ISP)540.1(M+H)
【0131】
実施例8
下記の成分を含有するフィルムコーティング錠は常法により製造することができる:
成分 1錠当たり
核:
式(I)の化合物 10.0mg 200.0mg
微晶質セルロース 23.5mg 43.5mg
含水乳糖 60.0mg 70.0mg
ポビドンK30 12.5mg 15.0mg
デンプングリコール酸ナトリウム 12.5mg 17.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg 4.5mg
(核重量) 120.0mg 350.0mg
フィルムコート:
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.5mg 7.0mg
ポリエチレングリコール6000 0.8mg 1.6mg
タルク 1.3mg 2.6mg
酸化鉄(黄色) 0.8mg 1.6mg
二酸化チタン 0.8mg 1.6mg
【0132】
活性成分を篩にかけ、微晶質セルロースと混合し、そして混合物をポリビニルピロリドンの水溶液と共に造粒する。次に、顆粒をデンプングリコール酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムと混合し、圧縮して、それぞれ120又は350mgの核を得る。上記のフィルムコートの水性溶液/懸濁液を核に塗布する。
【0133】
実施例9
下記の成分を含有するカプセル剤を、常法により製造することができる:
成分 1カプセル当たり
式(I)の化合物 25.0mg
乳糖 150.0mg
トウモロコシデンプン 20.0mg
タルク 5.0mg
【0134】
成分を篩にかけ、混合し、そしてサイズ2のカプセルに充填する。
【0135】
実施例10
注射液は下記の組成を有することができる:
式(I)の化合物 3.0mg
ポリエチレングリコール400 150.0mg
酢酸 pH5.0を調整するのに適切な量
注射用水 1.0mlに調整する
【0136】
活性成分を、ポリエチレングリコール400と注射用水(一部)の混合物に溶解する。酢酸を加えることによりpHを5.0に調整する。水の残量を加えて、容量を1.0mlに調整する。溶液を濾過し、適切な過剰量を使用してバイアルに充填し、滅菌する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
【化11】


[式中、
は、低級ヒドロキシアルキル、シクロアルキル(非置換であるか、又はヒドロキシ若しくは低級ヒドロキシアルキルにより置換されている)、及び−CH−CR10−シクロアルキルからなる群より選択され、
は、水素又は低級アルキルであり;
10は、水素又はヒドロキシであり;
は、水素であり;
は、低級アルコキシアルキル、低級ハロゲンアルキル、及び低級ヘテロアリールアルキル(該ヘテロアリール基は、非置換であるか、又は低級アルキルにより単置換若しくは二置換されている)からなる群より選択され;
及びRは、水素であり;
、R及びR7は、相互に独立して、水素、低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、低級ハロゲンアルコキシ、低級アルキルスルホニルアミノ及びシアノからなる群より選択される]
で示される化合物及びそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が低級ハロゲンアルキル又は低級ヘテロアリールアルキル(該ヘテロアリール基は、非置換であるか、又は低級アルキルにより単置換若しくは二置換されている)である、請求項1記載の式Iで示される化合物。
【請求項3】
が低級ハロゲンアルキルである、請求項1又は2記載の式Iで示される化合物。
【請求項4】
が低級ヘテロアリールアルキル(該ヘテロアリール基は、非置換であるか、又は低級アルキルにより単置換若しくは二置換されている)である、請求項1又は2記載の式Iで示される化合物。
【請求項5】
が、ヒドロキシにより置換されているシクロアルキルである、請求項1〜4のいずれか一項記載の式Iで示される化合物。
【請求項6】
が−CH−CR10−シクロアルキルであり、Rがメチルであり、R10がヒドロキシである、請求項1〜4のいずれか一項記載の式Iで示される化合物。
【請求項7】
が低級ヒドロキシアルキルである、請求項1〜4のいずれか一項記載の式Iで示される化合物。
【請求項8】
、R及びRの少なくとも一つが、低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、低級ハロゲンアルコキシ、低級アルキルスルホニルアミノ及びシアノからなる群より選択される、請求項1〜7のいずれか一項記載の式Iで示される化合物。
【請求項9】
、R及びRの少なくとも一つが、ハロゲン又は低級アルキルスルホニルアミノより選択される、請求項1〜8のいずれか一項記載の式Iで示される化合物。
【請求項10】
がハロゲン又は低級アルキルスルホニルアミノであり、R及びR7が水素である、請求項1〜9のいずれか一項記載の式Iで示される化合物。
【請求項11】
及びRがハロゲンであり、Rが水素である、請求項1〜9のいずれか一項記載の式Iで示される化合物。
【請求項12】
以下:
5−(4−クロロ−フェニル)−N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
N−((R)−2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
N−((S)−2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
5−(3−クロロ−フェニル)−N−(2−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−プロピル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1R,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1S,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1S,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
N−(1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル)−5−(4−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−5−(4−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(ピリジン−2−イルメトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
からなる群より選択される、請求項1記載の式Iで示される化合物及びそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項13】
5−(4−クロロ−フェニル)−N−((1R,2S)−2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−2−トリフルオロメチル−ニコチンアミドである、請求項1記載の式Iで示される化合物。
【請求項14】
a)式
【化12】


[式中、R〜Rは、請求項1と同義である]で示される化合物を、式
【化13】


[式中、R及びRは、請求項1と同義である]で示されるアミンと、塩基性条件でカップリング剤の助けを借りてカップリングさせること、及び
所望であれば、結果として生じた式Iで示される化合物をその薬学的に許容される塩に変換すること、
又はその代わりに、
b)式
【化14】


[式中、R〜Rは、請求項1と同義である]で示される化合物を、式
【化15】


[式中、R及びRは、請求項1と同義である]で示されるアミンとカップリングさせること、及び
所望であれば、結果として生じた式Iで示される化合物をその薬学的に許容される塩に変換すること;
又はその代わりに、
c)式
【化16】


[式中、Xはハロゲンであり、R、R及びRは、請求項1と同義である]で示される化合物を、式
【化17】


[式中、R〜Rは、請求項1と同義であり、Mは、ボロン酸又はボロン酸エステルを意味する]で示されるアリール金属種と、Pd触媒の存在下の塩基性条件でカップリングさせること、及び
所望であれば、結果として生じた式Iで示される化合物をその薬学的に許容される塩に変換すること
を含む、請求項1〜13のいずれかに記載の、式Iの化合物の製造方法。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか一項記載の式Iで示される一つ又は複数の化合物を含む、HDL−コレステロール上昇剤で処置することのできる疾患の治療及び/又は予防のための薬学的組成物。
【請求項16】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜13のいずれか一項記載の式Iで示される化合物。
【請求項17】
アテローム動脈硬化症、末梢血管疾患、脂質異常症、高βリポタンパク血症、低αリポタンパク血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心血管障害、狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、再潅流傷害、血管形成再狭窄、高血圧、及び糖尿病、肥満又は内毒素血症の血管合併症の治療及び/又は予防のための治療活性物質として使用するための、請求項1〜13のいずれか記載の化合物。
【請求項18】
脂質異常症の治療及び/又は予防のための治療活性物質として使用するための、請求項1〜13のいずれか記載の化合物。
【請求項19】
請求項1〜13のいずれか記載の化合物をヒト又は動物に投与することを含む、HDL−コレステロール上昇剤で処置することのできる疾患の治療及び/又は予防のための方法。
【請求項20】
HDL−コレステロール上昇剤で処置することのできる疾患の治療及び/又は予防のための医薬を調製するための、請求項1〜13のいずれか記載の化合物の使用。
【請求項21】
本明細書に記載される発明。

【公表番号】特表2011−516444(P2011−516444A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502334(P2011−502334)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053343
【国際公開番号】WO2009/121740
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】