説明

HM74A受容体活性を有する薬剤

【課題】 ニコチン酸受容体HM74Aの選択的アゴニストであり、この受容体の活性化低下がその疾患の一因であるか、またはその受容体の活性化が有益である疾患の治療、予防、および抑制に有益である化合物が望まれている。
【解決手段】 本発明は、式:


で示される、8−クロロ−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオンである化合物、あるいはその医薬上許容される塩または溶媒和物を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キサンチン誘導体である治療的に活性な化合物、前記誘導体を製造する方法、それらの活性化合物を含有する医薬処方、および療法、特にHM74A受容体の活性化低下がその疾患の一因であるか、またはその受容体の活性化が有益である疾患の治療におけるそれらの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
異常脂質血症は、異常なリポタンパク質プロファイルを有する個体を説明するために用いられる一般的な用語である。臨床上、異常脂質血症を有する、したがって心血管疾患のリスクのある患者の治療に用いられる主な化合物の種類は、スタチン、フィブラート、胆汁酸結合樹脂、およびニコチン酸である。ニコチン酸(ナイアシン、ビタミンB)は、様々な形態の異常脂質血症を有する患者に、40年以上にわたって臨床的に用いられてきた。ニコチン酸の主たる作用様式は、ホルモン感受性トリグリセリドリパーゼ(HSL)の阻害によるものであり、これは血漿非エステル化脂肪酸(NEFA)を低減し、それがさらに肝脂肪代謝を変えて、LDLおよびVLDL(低密度リポタンパク質および超低密度リポタンパク質)の産出量を低減する。VLDLレベルの低減は、コレステロールエステル転送タンパク(CETP)活性を低下して、HDL(高密度リポタンパク質)レベルの増加をもたらし、これは心血管上の利点が認められる原因となると考えられている。このように、ニコチン酸は、リポタンパク質プロファイルに非常に望ましい変化を引き起こし、すなわちVLDLおよびLDLのレベルを低減し、HDLを増大する。ニコチン酸はまた、いくつかの試験において、疾患修飾の利点を有し、アテローム硬化性病変の進行を緩和し、退縮を増大し、心血管系イベントの発生数を低減することが実証されている。
【0003】
観察されるニコチン酸処置によるHSLの阻害は、Gタンパク質を介したアデニリルシクラーゼの阻害に起因する細胞内環状アデノシン一リン酸(cAMP)の減少によって媒介される。近年、Gタンパク質共役型受容体HM74およびHM74Aが、ニコチン酸の受容体として同定された(特許文献1;非特許文献1)。ヒトHM74AのDNA配列は、Genbank、アクセッション番号AY148884に見出すことができる。さらに2件の論文がこの発見を支持しているが(非特許文献2および非特許文献3)、しかしながら命名法に若干の相違がある。Tunaruの論文において、ヒトHM74と称されているものは、実際にはHM74Aであり、Sogaの論文において、HM74bは、HM74Aと同一である。HM74Aおよび/またはHM74を発現するようにトランスフェクトされた細胞は、ニコチン酸に暴露された後、Gi、Gタンパク質媒介性応答を誘出する能力を獲得する。HM74Aの相同体(m−PUMA−G)を欠損しているマウスでは、ニコチン酸は血漿NEFAレベルを低減しない。
【0004】
従来技術において、いくつかのキサンチン誘導体が合成され、開示されている。たとえば、特許文献2は、脳血管障害の潜在的な媒介物としてキサンチン誘導体を開示している。一連のキサンチン誘導体は、非特許文献4によって、アデノシン受容体アンタゴニストとして同定されている。
【0005】
【特許文献1】WO02/84298
【特許文献2】欧州特許第0389282号
【非特許文献1】Wise等、J Biol Chem.2003、278(11)、9869〜9874
【非特許文献2】Tunaru等、Nature Medicine、2003、9(3)、352〜255
【非特許文献3】Soga等、Biochem Biophys Res Commun.2003、303(1)364〜369
【非特許文献4】Jacobson等、J.Med.Chem.1993、36、2639〜2644
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者らは、ニコチン酸受容体HM74Aの選択的アゴニストであり、したがって、この受容体の活性化低下がその疾患の一因であるか、またはその受容体の活性化が有益である疾患の治療、予防、および抑制に有益である一群のキサンチン誘導体を提示する。
【0007】
本発明は、治療的に活性なキサンチン誘導体、ならびに療法、特にHM74A受容体の活性化低下がその疾患の一因であるか、またはその受容体の活性化が有益である疾患、特に糖尿病性異常脂質血症および混合型異常脂質血症などの異常脂質血症または高リポタンパク血症を含む脂質代謝疾患、心不全、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、および高トリグリセリド血症を含む心血管疾患の治療におけるそれらの誘導体の使用を提供する。したがって、これらの化合物は、冠動脈疾患、血栓症、狭心症、慢性腎不全、末梢血管疾患、および脳卒中、ならびにII型真性糖尿病、I型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、拒食症、肥満に関連する心血管適応症の治療剤としても好都合である可能性がある。これらの化合物はまた、以下に示すように、炎症性疾患または状態の治療にも有用である可能性がある。
【0008】
本明細書に記載する中間体、処方、方法、およびプロセスは、本発明のさらなる態様を構成する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、発明者らは、式(I):
【0010】
【化1】

[式中、
は、水素、ならびにCNおよびCFから選択される1つまたは複数の基で所望により置換されていてもよいC1〜4アルキルから選択され、
は、C3〜10非置換アルキル、フッ素およびCNから選択される1つまたは複数の基で置換されたC1〜10アルキル、Cアルケニル、非分枝鎖Cアルケニル、ならびにシクロアルキルで置換されたC1〜4アルキルから選択され、
は、ハロゲンおよびCNから選択され、
ただし、
(i)RがClを表し、Rがエチルを表すとき、Rはプロピル以外であり、
(ii)RがBrを表し、Rがプロピルを表すとき、Rはプロピル以外であり、
(iii)RがClまたはBrを表し、Rがブチルを表すとき、Rはブチル以外であり、
(iv)RがC1〜4アルキル、CHCN、または(CHCFを表すとき、Rは分枝鎖アルキル以外である]
で示される化合物、またはその生理機能誘導体を提供する。
【0011】
これらの化合物は、HM74A受容体の活性化低下がその疾患の一因であるか、またはその受容体の活性化が有益である疾患、特に糖尿病性異常脂質血症および混合型異常脂質血症などの異常脂質血症または高リポタンパク血症を含む脂質代謝疾患、心不全、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、および高トリグリセリド血症を含む心血管疾患の治療において有用である。したがって、これらの化合物は、冠動脈疾患、血栓症、狭心症、慢性腎不全、末梢血管疾患、および脳卒中、ならびにII型真性糖尿病、I型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、拒食症、肥満に関連する心血管適応症の治療剤としても好都合である可能性がある。したがって、本発明の化合物は、HM74Aのアゴニストまたは部分アゴニスト(HM74Aモジュレーター)として使用される可能性がある。
【0012】
特定の実施形態において、Rは、水素、C1〜4アルキル、CHCN、および(CHCFから選択され、より特定の実施形態において、Rは、水素およびメチルから選択される。
【0013】
いくつかの実施形態において、Rは、C3〜10非置換アルキル、1つまたは複数のCN置換を有するC1〜6アルキル、1つまたは複数のフッ素置換を有するC1〜10アルキル、Cアルケニル、非分枝鎖Cアルケニル、およびシクロアルキルで置換されたC1〜4アルキルから選択される。特に、Rは、C3〜10非置換アルキル、(CH1〜5CN、1つまたは複数のフッ素置換を有するC2〜5アルキル、Cアルケニル、およびシクロアルキルで置換されたC1〜4アルキルから選択される。より詳細には、Rは、C4〜6非置換n−アルキル、たとえばペンチル、(CH1〜3CN、たとえば(CH)CNまたは(CHCN、1つまたは複数のフッ素置換を有するC3〜4アルキル、特に末端炭素がフッ素で完全に飽和している場合、たとえば(CH2〜3CF、およびCアルケニル、特に二重結合が1つのみ存在している場合、たとえば二重結合が第4炭素と第5炭素との間に位置している場合(末端アルケニル)から選択される。
【0014】
特定の実施形態において、Rは、ハロゲンを表す。より詳細には、Rは、塩素および臭素から選択される。もっとも詳細には、Rは、塩素を表す。
【0015】
本発明は、特定の実施形態の任意の組合せを含み、上に記載した特定の置換基のあらゆる組合せを包含するものであることが理解される。
【0016】
本発明の特定の化合物には、以下のものが含まれる。
(8−クロロ−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)アセトニトリル、
3−ブチル−8−クロロ−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−1−メチル−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−ブロモ−1−メチル−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−1−プロピル−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
3−ブチル−8−クロロ−1−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
(3−ブチル−8−クロロ−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−1−イル)アセトニトリル、
8−クロロ−3−(2−シクロプロピルエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−1,3−ビス(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
4−(8−クロロ−1−メチル−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)ブタンニトリル、
8−クロロ−1−エチル−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
1−メチル−2,6−ジオキソ−3−ペンチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル、
8−クロロ−3−プロピル−1−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(3−メチルブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−プロピル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
3−ブチル−1−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル、
8−クロロ−3−(4−ペンテン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−ヘキシル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
4−(8−クロロ−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)ブタンニトリル、
8−クロロ−3−ヘキシル−1−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
3−ブチル−8−クロロ−1−エチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
[8−クロロ−3−(2−シクロプロピルエチル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−1−イル]アセトニトリル、
(8−クロロ−2,6−ジオキソ−3−プロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−1−イル)アセトニトリル、
8−クロロ−1−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
2,2’−(8−クロロ−2,6−ジオキソ−6,7−ジヒドロ−1H−プリン−1,3(2H)−ジイル)ジアセトニトリル、
8−クロロ−1−メチル−3−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(2−シクロヘキシルエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
1,3−ジブチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル、
1,3−ジブチル−8−ヨード−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(4−メチルペンチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(6−メチルヘプチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−オクチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−デシル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(シクロヘキシルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
(+/−)−8−クロロ−3−(3−メチルペンチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(2−シクロペンチルエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(シクロプロピルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
(+/−)−8−クロロ−3−(2−メチルブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
(+/−)−8−クロロ−3−(2−メチルペンチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(シクロブチルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(シクロペンチルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(3−シクロプロピルプロピル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(2−シクロブチルエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(4−フルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(3−フルオロプロピル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(5−フルオロペンチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
4−(8−クロロ−1−メチル−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)ブタンニトリル、
3−(3−ブテン−1−イル)−8−クロロ−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
6−(8−クロロ−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)−2,2−ジメチルヘキサンニトリル、
8−クロロ−3−(6−フルオロヘキシル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン。
【0017】
本明細書および添付の特許請求の範囲を通じて、「含む(comprise)」および「含む(include)」という語、ならびに「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、および「含んでいる(including)」などの変形は、包含的に解釈される。すなわち、これらの語は、文脈が許容する場合、特に列挙されていない他の要素または整数を含む可能性を伝えるものである。
【0018】
本明細書では、「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を指す。
【0019】
本明細書では、「アルキル」という用語は(基または基の一部として用いられるとき)、他に指定のない限り、指定された数の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖炭化水素鎖を指す。たとえば、C〜C10アルキルは、少なくとも3個、多くとも10個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖炭化水素鎖を意味する。本明細書で用いられるアルキルの例には、これに限定されるものではないが、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル、およびi−プロピルが含まれる。「n−プロピル」という用語は、特に非分枝鎖炭化水素鎖を指す。
【0020】
本明細書では、「シクロアルキル」という用語は、ヘテロ原子または共役二重結合を含まない、3から6個の炭素原子を含有する炭化水素環を指す。本明細書で用いられるシクロアルキルの例には、これに限定されるものではないが、シクロプロピルおよびシクロヘキシルが含まれる。
【0021】
本明細書では、「アルケニル」という用語は、1つまたは複数の二重結合を含有する、指定された数の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖炭化水素鎖を指す。
【0022】
本明細書では、ある基が別の基で「置換されている」あるいは「1つまたは複数の置換」を有すると称される場合、そのような置換の特定の位置が指定されていない限り、置換はその基の任意の位置に存在できるものとして理解される。
【0023】
本明細書では、「生理機能誘導体」という用語は、本発明の化合物の薬学的に許容される任意の誘導体、たとえばそのアミドを指し、ヒトなどの哺乳動物に投与されると、式(I)の化合物、あるいはその活性代謝産物または残留物を(直接または間接的に)提供することのできる、式(I)の化合物の薬学的に許容される任意の溶媒和物、および式(I)の化合物の薬学的に許容される任意の塩を含む。式(I)の化合物は、化合物の任意の官能基で修飾して、その生理機能誘導体を提供することができ、式(I)の化合物は、複数の位置でそのように修飾できることを当業者は理解するであろう。
【0024】
本明細書では、患者に投与される医薬処方に含有させることのできる成分(活性成分または賦形剤)に関して用いられる「薬学的に許容される」という用語は、その医薬処方に存在する他の任意の成分と適合性であり、その受容者に有害でないという点で許容される成分を指す。
【0025】
本明細書では、「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明では、式(I)の化合物、その塩、またはその生理機能誘導体)と溶媒によって形成された可変化学量の複合体を指す。本発明のためのそのような溶媒は、溶質の生物活性を妨げない可能性がある。用いられる溶媒は、薬学的に許容される溶媒であることができる。薬学的に許容される適切な溶媒の例には、水、エタノール、および酢酸が含まれる。用いることのできる溶媒の一例は水であり、その場合、溶媒和物は対象となる溶質の水和物と称することもできる。
【0026】
医薬として用いられる場合、上述の「塩または溶媒和物」は、薬学的に許容される塩または溶媒和物となることが理解される。しかしながら、他の塩または溶媒和物も、たとえば、式(I)の化合物の調製、あるいは薬学的に許容されるその塩または溶媒和物の調製において使用することができる。
【0027】
薬学的に許容される塩には、Berge、Bighley、およびMonkhouse、J.Pharm.Sci.1977、66、1〜19に記載されているものが含まれる。薬学的に許容される適切な塩には、アルカリ金属水酸化物などのアルカリ金属塩基の付加によって形成されたアルカリ金属塩が含まれる。適切なアルカリ金属塩の例は、ナトリウム塩またはカリウム塩である。薬学的に許容される他の適切な塩には、カルシウム塩またはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、あるいはエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチルミン、コリン、およびメグルミンなどの有機塩基との塩、あるいはアルギニン、リシン、およびヒスチジンなどのアミノ酸との塩が含まれる。
【0028】
式(I)の化合物は、糖尿病性異常脂質血症および混合型異常脂質血症などの異常脂質血症または高リポタンパク血症を含む多くの脂質代謝疾患、心不全、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、および高トリグリセリド血症を含む心血管疾患、II型真性糖尿病、I型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、拒食症、肥満の治療および症状の改善に治療上有益である可能性がある。したがって、これらの化合物はまた、冠動脈疾患、血栓症、狭心症、慢性腎不全、末梢血管疾患、および脳卒中の治療剤として好都合である可能性がある。
【0029】
さらに、HM74およびHM74A受容体は、炎症にも関与していると考えられている。炎症とは、外傷に対する一群の血管性、細胞性、および神経性応答である。炎症は、単球、好中球、および顆粒球などの炎症細胞の組織への移動として特徴付けることができる。これは通常、内皮バリア機能の低下および組織への浮腫に伴う。疾患に関する炎症は、典型的には慢性炎症とされ、生涯続くこともあり得る。そのような慢性炎症は、疾患の症状を通じてそれ自体が発現する可能性がある。したがって、抗炎症療法の目的は、この慢性炎症を軽減し、治癒および組織修復の生理的過程を進行させることである。
【0030】
本発明の化合物が有用性を実証する可能性のある炎症性疾患または状態の例には、関節の疾患または状態、特に関節炎(たとえば、関節リウマチ、変形性関節炎、人工関節不全)、あるいは胃腸管の疾患または状態(たとえば、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに他の炎症性腸疾患および胃腸疾患、感染に起因する胃炎および粘膜の炎症、非ステロイド性抗炎症剤によって誘発された腸疾患)、肺の疾患または状態(たとえば、成人呼吸促進症候群、喘息、嚢胞性線維症、または慢性閉塞性肺疾患)、心臓の疾患または状態(たとえば、心筋炎)、神経組織の疾患または状態(たとえば、多発性硬化症)、膵臓の疾患または状態(たとえば、真性糖尿病およびその合併症に伴う炎症)、腎臓の疾患または状態(たとえば、糸球体腎炎)、皮膚の疾患または状態(たとえば、皮膚炎、乾癬、湿疹、蕁麻疹、火傷)、眼の疾患または状態(たとえば、緑内障)、ならびに移植器官の疾患または状態(たとえば、拒絶反応)、および多臓器疾患(たとえば、全身性エリテマトーデス、敗血症)、およびウイルスまたは細菌感染の炎症性後遺症、およびアテローム性動脈硬化症に伴う炎症状態、および、たとえば脳疾患または虚血性心疾患における、低酸素性または虚血性発作後(再灌流を伴う、または再灌流を伴わない)炎症状態が含まれる。
【0031】
特に、本発明の化合物は、炎症、糖尿病、ならびにアテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、高トリグリセリド血症、および混合型異常脂質血症を含む心血管疾患または状態の治療および予防に有用である。
【0032】
ニコチン酸は著しい副作用プロファイルを有し、これはおそらく高いレベル(1日当たりグラム量)で投与されるためである。もっとも一般的な副作用は、強度の皮膚の紅潮である。本発明のいくつかの実施形態において、それらの化合物は、ニコチン酸に比べて、低減された副作用を示す可能性がある。HM74は低親和性受容体であるが、HM74Aはニコチン酸の高親和性受容体として同定されている。本発明の化合物は、選択的HM74Aアゴニストまたは部分アゴニストとして使用することができ、その場合、HM74よりHM74Aに対して高い親和性を示す。
【0033】
式(I)の化合物がHM74Aを活性化する可能性は、たとえば、以下の酵素およびin vitro全細胞アッセイを用いて実証することができる。
【0034】
(in−vitro試験)
一過性トランスフェクションのために、HEK293T細胞(SV40ラージT抗原を安定に発現するHEK293細胞)を、10%ウシ胎児血清および2mMグルタミンを含有するDMEMに維持した。細胞を90mmの培養皿に播種し、トランスフェクションに先立って、60〜80%コンフルエンスに増殖させた(18〜24時間)。ヒトHM74A(GenBank(商標)アクセッション番号AY148884)を、哺乳動物発現ベクター(pcDNA3、Invitrogen)にサブクローニングし、Lipofectamine試薬を用いてトランスフェクトした。トランスフェクションのために、DNA9μgを、Opti−MEM0.6ml(Life Technologies Inc.)中のLipofectamine30μlと混合し、室温で30分間インキュベートし、その後、Opti−MEM1.6mlを添加した。細胞をLipofectamine/DNA混合物に5時間暴露し、次いで、DMEM中20%(v/v)ウシ胎児血清6mlを添加した。トランスフェクション48時間後、細胞を収集した。16時間、50ngml−1で培地に追加することによって、百日咳毒素処理を行った。すべての一過性トランスフェクション試験は、Gi/oGタンパク質、Go1αに加えて受容体のコトランスフェクションを伴った。
【0035】
安定細胞系を産生するために、上述の方法を用いて、6ウェル皿に播種し、30%コンフルエンスに増殖させたCHO−K1細胞をトランスフェクトした。これらの細胞を、10%ウシ胎児血清および2mMグルタミンを含有するDMEM F−12 HAM培地に維持した。トランスフェクション48時間後、抗生物質耐性細胞を選択するために、400μg/mlのGeneticin(G418、Gibco)を培地に追加した。HM74Aを安定に発現するクローンCHO−K1細胞系を、ニコチン酸の添加後、[35S]−GTPγS結合測定によって確認した。
【0036】
P2膜の調製 原形質膜含有P2粒子画分を、収集後、−80℃で凍結した細胞ペーストから調製した。すべての手順を4℃で行った。細胞ペレットを、1mlの10mM Tris−HClおよび0.1mM EDTA、pH7.5(バッファA)に再懸濁し、Ultra Turraxを用いて20秒間ホモジナイズし、その後、25ゲージの針に通した(5回)。細胞溶解物を、微量遠心分離機において、1000gで10分間遠心分離して、核と未破壊細胞をペレットにし、P2粒子画分を、16000g、30分間の微量遠心分離によって回収した。P2粒子画分をバッファAに再懸濁し、必要になるまで−80℃で保存した。
【0037】
35S]−GTPγS結合 アッセイは、以前に記載された方法(Wieland,T.およびJakobs,K.H.(1994)Methods Enzymol.237、3〜13)に基づく384ウェル形式で、室温で行った。簡潔には、標準化合物または試験化合物の希釈物を調製し、10μlの容量で384ウェルプレートに添加した。各ウェルに添加する20μlの容量が5μgの膜を含有するように、膜(HM74AまたはHM74)を、サポニン(60μg/ml)、Leadseeker WGAビーズ(Amersham、250μg/ウェル)、および10μM GDPを補ったアッセイバッファ(20mM HEPES、100mM NaCl、10mM MgCl、pH7.4)に希釈した。[35S]−GTPγS(1170Ci/mmol、Amersham)をアッセイバッファに希釈し(1:1500)、各ウェルに20μlを添加した。放射性リガンドを添加した後、プレートを密封し、パルススピンし、室温で4時間インキュベートした。インキュベーション終了時に、プレートをLeadseeker装置(VIEWLUX PLUS、Perkin−Elmer)で読み取り、特異的結合のレベルを求めた。
【0038】
(in−vivo試験)
HM74Aアゴニストを、試験前少なくとも12時間絶食させた、雄のSpague−Dawleyラット(200〜250g)で試験した。化合物を静脈内(5ml/kg)または強制経口(10ml/kg)によって投与した。血液サンプル(尾静脈血0.3ml)を、投与前、および投与後に3回(時間は投与後15分から8時間)採取した。各血液サンプルを、ヘパリン管(Becton Dickinson Microtainer、PST LH)に移し、遠心分離して(10000g、5分間)、血漿サンプルを作製した。この血漿サンプルを、市販され入手可能なキット(Randox)を用いて、非エステル化脂肪酸(NEFA)のレベルに関して分析した。投与前レベルに対する、血漿NEFAレベルの抑制を、HM74Aアゴニスト活性の代理として用いた。
【0039】
HM74A化合物がニコチン酸に関連する紅潮反応を示すかどうかを判定するために、HM74A化合物を、麻酔をしたモルモットに投与した。雄のDunkin Hartleyモルモット(300〜800g)を12時間絶食させ、その後、塩酸ケタミン(Vetalar、40mg/kg、筋内)、キシラジン(Rompun、8mg/kg、筋内)、およびペントバルビタールナトリウム(Sagatal,30mg/kg、腹腔内)の混合物で麻酔した。麻酔後、気管開口術を行い、動物を大気で人工的に換気した(10〜12ml/kg、60呼吸数/分)。頸静脈および頸動脈を、それぞれ試験化合物の静脈内投与、および血液採取のためにカニューレ処置した。赤外線温度プローブ(Extech Instruments)を、左耳の先端から3〜5mmに配置した。温度測定値を、試験化合物投与5分前から試験化合物投与40分後まで、毎分記録した。データは自動的にPsionコンピュータに集められ、その後、データ分析のために、エクセルの表計算シートに移した。化合物投与前、および化合物投与後の多くの時点で、頸動脈カニューレから血液サンプル(0.3ml)を採取し、ヘパリンリチウムを含有するMicrotainer(BD)管に移した。サンプルを血液ローラーで完全に混合し、次いで氷上に保存し、その後、1200gで5分間遠心分離した。
【0040】
ニコチン酸(10mg/kg、静脈内)は、10.42±1.44(曲線下面積、任意単位、n=6)に相当する耳内温度の平均(±標準誤差)上昇をもたらした。比較すると、実施例30の化合物(10mg/kg、静脈内)は、1.52±0.39(曲線下面積、任意単位、n=6)に相当する耳内温度の平均(±標準誤差)上昇をもたらし、85%の低減であった。
【0041】
式(I)の化合物は、合成され(下記の合成実施例を参照のこと)、上述の1つまたは複数のアッセイで試験された。例示した化合物はすべて、4.9(±0.3log単位)以上のpEC50を有し、30%以上の有効性を有する。いくつかの特定の化合物を以下に例示する。
【0042】
(一般的な精製および分析方法)
質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレー陽イオン化[(ES+veによりMHおよびM(NH分子イオンを得る]またはエレクトロスプレー陰イオン化[(ES−veにより(M−H)分子イオンを得る]モードを用いて、Fisons VG Platform質量分析計で記録した。
【0043】
H NMRスペクトルは、外部標準としてテトラメチルシランを用い、Bruker DPX 400MHz分光計を用いて記録した。
【0044】
Biotage(商標)クロマトグラフィーは、Dyax Corporation(Flash 40iまたはFlash 150i)から販売されている装置、およびKPSilと共に予め包装されたカートリッジを用いて行う精製である。
【0045】
質量分析自動分取は、流速8ml/分で、次の勾配溶出条件を用い(0〜1.0分5%B、1.0〜8.0分5→30%B、8.0〜8.9分30%B、8.9〜9.0分30→95%B、9.0〜9.9分95%B、9.9〜10分95→0%B)、0.1%HCOH水溶液および95%MeCN、5%水(0.5%HCOH)により、HPLCABZ+5μmカラム(5cm×10mm、内径)で高速液体クロマトグラフィーによって材料が精製された方法である(系2)。Gilson 202フラクションコレクターは、VG Platform質量分析計が対象となる質量を検出することによって始動した。
【0046】
分取HPLCは、流速8ml/分で、「xからy」勾配と表される以下のような勾配系による一般的な勾配溶出条件を用い(0〜1.45分x%B、1.45〜20分x→y%B、20〜24分y→95%B、24〜30分95%B、32〜34分95→x%B)、0.1%HCOH水溶液(A)およびMeCN(0.5%HCOH)(B)により、HPLCABZ+5μmカラム(10cm×21.2mm、内径)で高速液体クロマトグラフィーによって材料が精製された方法である。Gilson233フラクションコレクターは、UV(254nm)で始動した。
【0047】
SPE(固相抽出)は、International Sorbent Technology Ltd.から販売されているカートリッジの使用を指す。
【0048】
Strata Phenyl SPEは、Phenomenexから販売されているカートリッジの使用を指す。予めMeCNで調節し、5%MeCN水溶液と平衡にしたカートリッジに化合物を装填した。化合物は、Combiflash Optix 10において、適切な勾配で0.1%HCOH水溶液およびMeCN(0.5%HCOH)を用いて溶出した。
【0049】
上述のように、式(I)の化合物は、異常脂質血症および高リポタンパク血症の管理において、ヒトまたは動物の医薬に、特にHM74Aの活性化剤として使用することができる。
【0050】
したがって、本発明のさらなる態様として、ヒトまたは動物の医薬、特に糖尿病性異常脂質血症および混合型異常脂質血症などの異常脂質血症または高リポタンパク血症を含む脂質代謝障害、心不全、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、および高トリグリセリド血症を含む心血管疾患、II型真性糖尿病、I型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、拒食症、肥満の治療に用いるための、式(I)の化合物、またはその生理機能誘導体が提供される。したがって、これらの化合物はまた、冠動脈疾患、血栓症、狭心症、慢性腎不全、末梢血管疾患、および脳卒中の治療に用いるために提供される。
【0051】
本発明のさらなる態様として、糖尿病性異常脂質血症および混合型異常脂質血症などの異常脂質血症または高リポタンパク血症を含む脂質代謝障害、心不全、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、および高トリグリセリド血症を含む心血管疾患、II型真性糖尿病、I型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、拒食症、肥満を治療する薬剤の製造に用いるための、式(I)の化合物、またはその生理機能誘導体が提供される。したがって、これらの化合物はまた、冠動脈疾患、血栓症、狭心症、慢性腎不全、末梢血管疾患、および脳卒中の治療に用いるために提供される。
【0052】
本明細書では、治療という言及は、予防、再発の防止、および症状の抑制、ならびに確立した状態の治療に拡大して解釈されることが理解される。
【0053】
本発明の他の態様によれば、異常脂質血症または高リポタンパク血症を含む脂質代謝障害を治療する薬剤の製造における、式(II):
【0054】
【化2】

[式中、
は、水素、ならびにCNおよびCFから選択される1つまたは複数の基で所望により置換されていてもよいC1〜4アルキルから選択され、
は、C2〜10非置換アルキル、フッ素およびCNから選択される1つまたは複数の基で置換されたC1〜10アルキル、Cアルケニル、非分枝鎖Cアルケニル、ならびにシクロアルキルで置換されたC1〜4アルキルから選択され、
は、ハロゲンおよびCNから選択される]
で示される化合物、およびその生理機能誘導体の使用が提供される。特に、糖尿病性異常脂質血症または混合型異常脂質血症、心不全、高コレステロール血症、II型真性糖尿病、I型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、拒食症、肥満、冠動脈疾患、血栓症、狭心症、慢性腎不全、脳卒中、ならびにアテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、および高トリグリセリド血症を含む心血管疾患を治療する薬剤の製造における、式(II)の化合物の使用が提供される。
【0055】
本発明の一実施形態において、異常脂質血症または高リポタンパク血症を含む脂質代謝障害の治療に使用するための、式(II)の化合物が提供される。特に、糖尿病性異常脂質血症または混合型異常脂質血症、心不全、高コレステロール血症、II型真性糖尿病、I型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、拒食症、肥満、冠動脈疾患、血栓症、狭心症、慢性腎不全、脳卒中、ならびにアテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、および高トリグリセリド血症を含む心血管疾患を治療する薬剤の製造における、式(II)の化合物の使用が提供される。
【0056】
特定の実施形態において、Rは、水素、C1〜4アルキル、CHCN、および(CHCFから選択される。より特定の実施形態において、Rは、水素およびメチルから選択される。
【0057】
いくつかの実施形態において、Rは、C3〜10非置換アルキル、フッ素およびCNから選択される1つまたは複数の基で置換されたC1〜10アルキル、Cアルケニル、非分枝鎖Cアルケニル、ならびにシクロアルキルで置換されたC1〜4アルキルから選択される。特に、Rは、C3〜10非置換アルキル、1つまたは複数のCN置換を有するC1〜6アルキル、1つまたは複数のフッ素置換を有するC1〜10アルキル、Cアルケニル、非分枝鎖Cアルケニル、およびシクロアルキルで置換されたC1〜4アルキルから選択される。より詳細には、Rは、C3〜10非置換アルキル、(CH1〜5CN、1つまたは複数のフッ素置換を有するC2〜5アルキル、Cアルケニル、およびシクロアルキルで置換されたC1〜4アルキルから選択される。もっとも詳細には、Rは、C4〜6非置換n−アルキル、たとえばペンチル、(CH1〜3CN、たとえば(CH)CNまたは(CHCN、1つまたは複数のフッ素置換を有するC3〜4アルキル、特に末端炭素がフッ素で完全に飽和している場合、たとえば(CH2〜3CF、およびCアルケニル、特に二重結合が1つのみ存在している場合、たとえば二重結合が第4炭素と第5炭素との間に位置している場合(末端アルケニル)から選択される。
【0058】
特定の実施形態において、Rは、ハロゲンを表す。より詳細には、Rは、塩素および臭素から選択される。もっとも詳細には、Rは、塩素を表す。
【0059】
異常脂質血症または高リポタンパク血症を含む脂質代謝障害の治療、あるいはそれらを治療する薬剤の製造に使用するための特定の化合物には、以下のものが含まれる。
(8−クロロ−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)アセトニトリル、
3−ブチル−8−クロロ−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−1−メチル−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−ブロモ−1−メチル−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−1−プロピル−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
3−ブチル−8−クロロ−1−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
(3−ブチル−8−クロロ−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−1−イル)アセトニトリル、
8−クロロ−3−(2−シクロプロピルエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−1,3−ビス(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
4−(8−クロロ−1−メチル−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)ブタンニトリル、
8−クロロ−1−エチル−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
1−メチル−2,6−ジオキソ−3−ペンチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル、
8−クロロ−3−プロピル−1−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(3−メチルブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−プロピル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
3−ブチル−1−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル、
8−クロロ−3−(4−ペンテン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−ヘキシル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
4−(8−クロロ−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)ブタンニトリル、
8−クロロ−3−ヘキシル−1−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
3−ブチル−8−クロロ−1−エチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
[8−クロロ−3−(2−シクロプロピルエチル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−1−イル]アセトニトリル、
(8−クロロ−2,6−ジオキソ−3−プロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−1−イル)アセトニトリル、
8−クロロ−1−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
2,2’−(8−クロロ−2,6−ジオキソ−6,7−ジヒドロ−1H−プリン−1,3(2H)−ジイル)ジアセトニトリル、
8−クロロ−1−メチル−3−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(2−シクロヘキシルエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
1,3−ジブチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル、
1,3−ジブチル−8−ヨード−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(4−メチルペンチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(6−メチルヘプチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−オクチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−デシル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(シクロヘキシルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
(+/−)−8−クロロ−3−(3−メチルペンチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(2−シクロペンチルエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(シクロプロピルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
(+/−)−8−クロロ−3−(2−メチルブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
(+/−)−8−クロロ−3−(2−メチルペンチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(シクロブチルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(シクロペンチルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(3−シクロプロピルプロピル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(2−シクロブチルエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(4−フルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(3−フルオロプロピル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−(5−フルオロペンチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
4−(8−クロロ−1−メチル−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)ブタンニトリル、
3−(3−ブテン−1−イル)−8−クロロ−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
6−(8−クロロ−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)−2,2−ジメチルヘキサンニトリル、
8−クロロ−3−(6−フルオロヘキシル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、
8−クロロ−3−エチル−1−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン。
【0060】
本発明のこの態様は、特定の実施形態の任意の組合せを含み、式(II)の化合物に関して上に記載した特定の置換基のあらゆる組合せを包含するものであることが理解される。
【0061】
さらに、本発明は、関節の炎症性疾患または状態、特に関節炎(たとえば、関節リウマチ、変形性関節炎、人工関節不全)、あるいは胃腸管の炎症性疾患または状態(たとえば、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに他の炎症性腸疾患および胃腸疾患、感染に起因する胃炎および粘膜の炎症、非ステロイド性抗炎症剤によって誘発された腸疾患)、肺の炎症性疾患または状態(たとえば、成人呼吸促進症候群、喘息、嚢胞性線維症、または慢性閉塞性肺疾患)、心臓の炎症性疾患または状態(たとえば、心筋炎)、神経組織の炎症性疾患または状態(たとえば、多発性硬化症)、膵臓の炎症性疾患または状態(たとえば、真性糖尿病およびその合併症に伴う炎症)、腎臓の炎症性疾患または状態(たとえば、糸球体腎炎)、皮膚の炎症性疾患または状態(たとえば、皮膚炎、乾癬、湿疹、蕁麻疹、火傷)、眼の炎症性疾患または状態(たとえば、緑内障)、ならびに移植器官の炎症性疾患または状態(たとえば、拒絶反応)、および多臓器疾患(たとえば、全身性エリテマトーデス、敗血症)、およびウイルスまたは細菌感染の炎症性後遺症、およびアテローム性動脈硬化症に伴う炎症状態、および、たとえば脳疾患または虚血性心疾患における、低酸素性または虚血性発作後(再灌流を伴う、または再灌流を伴わない)炎症状態を治療する薬剤の製造における、式(I)の化合物、またはその生理機能誘導体の使用を提供する。
【0062】
さらなる態様、または代替の態様において、HM74A受容体の活性化低下がその状態の一因であるか、またはその受容体の活性化が有益である状態を有するヒトまたは動物対象を治療する方法が提供され、その方法は、有効量の式(I)の化合物、あるいは生理的に許容されるその塩または溶媒和物を前記ヒトまたは動物対象に投与することを含む。
【0063】
この場合も、本発明のこの態様は、特定の実施形態の任意の組合せを含み、式(I)の化合物に関して上に記載した特定の置換基のあらゆる組合せを包含するものであることが理解される。
【0064】
より詳細には、本発明は、糖尿病性異常脂質血症および混合型異常脂質血症などの異常脂質血症または高リポタンパク血症を含む脂質代謝障害、心不全、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、および高トリグリセリド血症を含む心血管疾患、II型真性糖尿病、I型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、拒食症、肥満を治療する方法を提供し、その方法は、有効量の式(I)の化合物、あるいは生理的に許容されるその塩または溶媒和物を前記ヒトまたは動物対象に投与することを含む。したがって、これらの化合物はまた、冠動脈疾患、血栓症、狭心症、慢性腎不全、末梢血管疾患、および脳卒中を治療する方法において好都合である可能性があり、その方法は、有効量の式(I)の化合物を前記ヒトまたは動物対象に投与することを含む。
【0065】
所望の生物学的効果を得るために必要とされるHM74Aモジュレーターの量は当然ながら、いくつかの要因、たとえば、投与様式および受容者の正確な臨床状態によって決まる。一般に、1日量は、0.1mg〜1g/kg、典型的には0.1〜100mg/kgの範囲となる。静脈内投与量は、たとえば、0.01mgから0.1g/kg、典型的には0.01mgから10mg/kgの範囲であることができ、これは、好都合には1分当たり0.1μgから1mgの注入液として投与することができる。この目的に適した注入液は、たとえば、1ml当たり0.01μgから0.1mgを含有することができる。単位用量は、たとえば、0.01μgから1gのHM74Aモジュレーターを含有することができる。したがって、注射用アンプルは、たとえば、0.01μgから0.1gを含有することができ、錠剤またはカプセル剤などの経口投与可能な単位用量処方は、たとえば、0.1mgから1gを含有することができる。本発明の化合物が、上述の用量範囲で投与されるとき、毒性作用は示唆/予期されない。
【0066】
本発明の化合物は、HM74A受容体の活性化低下がその疾患の一因であるか、またはその受容体の活性化が有益である疾患の治療にそれ自体化合物として用いることができ、この例は、本発明の化合物が、許容される担体と共に医薬処方の形態で提供される場合である。この担体は当然ながら、その処方の他の成分と適合性であるという点で許容性でなければならず、受容者に有害であってはならない。担体は、固体または液体、あるいは両方であることができ、HM74Aモジュレーターと共に、単位用量処方、たとえば錠剤として処方化されることができ、これは0.05重量%から95重量%のHM74Aモジュレーターを含有することができる。
【0067】
それらの処方には、経口、直腸、局所、口腔内(たとえば、舌下)、および非経口(たとえば、皮下、筋肉内、皮内、または静脈内)投与に適した処方が含まれる。
【0068】
本発明によれば、成分を混合することを含む、そのような医薬組成物を調製する方法も提供される。
【0069】
経口投与に適した処方は、それぞれ所定量のHM74Aモジュレーターを含有するカプセル剤、カシェ剤、ロゼンジ、または錠剤などの個別単位、粉末または顆粒剤、水性液体または非水性液体の液剤または懸濁剤、あるいは水中油型または油中水型エマルションとして提供することができる。一般に、処方は、活性HM74Aモジュレーターを、均一かつ密接に液体担体または微細固体担体、あるいはその両方と混合し、その後、必要であれば生成物を成形することによって調製される。たとえば、錠剤は、所望により1種または複数の補助成分と共に、HM74Aモジュレーターの粉末または顆粒剤を圧縮または成形することによって調製することができる。圧縮錠剤は、適切な機械で、化合物を所望により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、および/または界面活性剤/分散剤と混合した粉末または顆粒剤などの流動形態に圧縮することによって調製できる。成形錠剤は、適切な機械で、不活性液体希釈剤で湿潤させた粉状化合物を成形することによって製造することができる。
【0070】
経口投与用の錠剤およびカプセル剤は、結合剤、たとえば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、デンプン漿剤、またはポリビニルピロリドン、増量剤、たとえば、ラクトース、微結晶性セルロース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、またはソルビトール、滑沢剤、たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール、またはシリカ、崩壊剤、たとえば、ジャガイモデンプン、クロスカルメロースナトリウム、またはデンプングリコール酸ナトリウム、あるいは湿潤剤、たとえばラウリル硫酸ナトリウムなどの従来の賦形剤を含有することができる。錠剤は、当技術分野でよく知られている方法によって被覆することができる。経口液体調剤は、たとえば、水性または油性懸濁剤、液剤、エマルション、シロップ剤、エリキシル剤の形態であることができ、あるいは使用前に、水または他の適切なビヒクルで構成する乾燥製品として提供することもできる。そのような液体調剤は、懸濁化剤、たとえば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、または水素添加食用脂、乳化剤、たとえばレシチン、モノオレイン酸ソルビタン、またはアカシア、非水性ビヒクル(食用油を含むことができる)、たとえば、アーモンド油、分留したヤシ油、油性エステル、プロピレングリコール、またはエチルアルコール、あるいは保存剤、たとえば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはp−ヒドロキシ安息香酸プロピル、またはソルビン酸などの従来の添加剤を含有することができる。これらの調剤は、必要に応じて、緩衝塩、香味剤、着色剤、および/または甘味剤(たとえば、マンニトール)を含有することもできる。
【0071】
口腔内(舌下)投与に適した処方には、通常スクロースおよびアカシアまたはトラガカントなど、香味を付けた基剤にHM74Aモジュレーターを含むロゼンジ、ならびにゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアなどの不活性基剤にHM74Aモジュレーターを含むトローチ剤が含まれる。
【0072】
非経口投与に適した本発明の処方は、好都合には、HM74Aモジュレーターの滅菌水性調剤を含み、その処方は、意図される受容者の血液と等張であることができる。これらの調剤は、静脈内に投与することができるが、皮下、筋内、または皮内注射によって投与を行うこともできる。そのような調剤は、好都合には、HM74Aモジュレーターを水と混合し、生じた溶液を滅菌し、血液と等張にすることによって調製できる。本発明による注射可能な組成物は、一般に、0.1から5重量%のHM74Aモジュレーターを含有する。
【0073】
したがって、本発明による化合物を含む非経口投与に適した本発明の処方は、ボーラス注射または持続注入による非経口投与用に処方化することができ、単位用量形態、たとえば、アンプル、バイアル、小容量輸液、または充填済み注射器、あるいは保存剤を加えた多回投与容器で提供することができる。これらの組成物は、水性または非水性ビヒクル中の液剤、懸濁剤、またはエマルションなどの形態を採ることができ、抗酸化剤、緩衝剤、抗菌剤、および/または毒性調整剤などの処方化剤を含有することができる。あるいは、活性成分は、使用前に、適切なビヒクル、たとえば、発熱物質を含まない滅菌水で構成する粉末形態であることもできる。乾燥固体として提供される処方は、個々の滅菌容器に無菌的に滅菌粉末を充填するか、またはそれぞれの容器に無菌的に滅菌溶液を充填して、凍結乾燥することによって調製することができる。
【0074】
直腸投与に適した処方は、単位用量坐剤として提供することができる。これらの処方は、HM74Aモジュレーターを1種または複数の従来の固体担体、たとえばカカオバターまたはグリセリドと混合し、生じた混合物を成形することによって調製できる。
【0075】
皮膚への局所適用に適した処方は、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ペースト剤、ゲル、スプレー、エアロゾル、または油剤の形態を採ることができる。用いることのできる担体には、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、およびそれらの2種以上の組合せが含まれる。HM74Aモジュレーターは、一般的に、組成物の0.1から15重量%、たとえば0.5から2重量%の濃度で提供される。
【0076】
本明細書で用いられる局所投与には、ガス注入および吸入による投与が含まれる。局所投与用の種々の調剤の例には、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、散剤、ペッサリー、スプレー、エアロゾル、カプセル剤、あるいは吸入器または注入器で用いるカートリッジ、あるいは点滴剤(たとえば、点眼剤または点鼻剤)が含まれる。
【0077】
軟膏剤およびクリーム剤は、たとえば、適切な増粘剤および/またはゲル化剤および/または溶媒を加え、水性または油性基剤を用いて処方化することができる。したがって、そのような基剤には、たとえば、水、および/あるいは流動パラフィン、または落花生油もしくはヒマシ油などの植物油などの油、あるいはポリエチレングリコールなどの溶媒が含まれる。用いることのできる増粘剤には、軟パラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、マイクロクリスタリンワックス、および蜜蝋が含まれる。
【0078】
ローション剤は、水性または油性基剤を用いて処方化することができ、一般に、1種または複数の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、または増粘剤も含有する。
【0079】
外用の散剤は、適切な任意の粉末基剤、たとえば、タルク、ラクトース、またはデンプンを用いて形成することができる。点滴剤は、1種または複数の分散剤、可溶化剤、または懸濁化剤も含む、水性または非水性基剤を用いて処方化することができる。
【0080】
スプレー組成物は、たとえば、適切な噴射剤、たとえば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切なガスを用いて、加圧式包装からデリバリーされるエアロゾルとして、あるいは水溶液または懸濁液として処方化することができる。
【0081】
吸入器または注入器で用いる、たとえばゼラチンなどのカプセル剤およびカートリッジ剤は、本発明の化合物とラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤との混合粉末を含有させて処方化することができる。
【0082】
本発明による医薬組成物はまた、他の治療剤と組み合わせて、たとえば、他の種類の異常脂質血症薬(たとえば、スタチン、フィブラート、胆汁酸結合樹脂、またはニコチン酸)と組み合わせて用いることもできる。
【0083】
本発明の化合物は、1種または複数の他の治療剤と組み合わせて、たとえば、他の種類の異常脂質血症薬、たとえば、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−補酵素A還元酵素阻害剤(スタチン)、またはフィブラート、または胆汁酸結合樹脂、またはニコチン酸と組み合わせて用いることができる。したがって、本発明はさらなる態様において、HM74A受容体の活性化低下がその疾患の一因であるか、またはその受容体の活性化が有益である疾患の治療における、そのような組合せの使用、ならびに糖尿病性異常脂質血症および混合型異常脂質血症などの異常脂質血症または高リポタンパク血症を含む脂質代謝障害、心不全、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、および高トリグリセリド血症を含む心血管疾患、II型真性糖尿病、I型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、拒食症、あるいは肥満の併用療法に用いる薬剤の製造における、式(I)または(II)の化合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、または生理機能誘導体の使用を提供する。
【0084】
本発明の化合物が他の治療剤と組み合わせて用いられるとき、それらの化合物は、都合のよい任意の経路で、連続的または同時に投与することができる。
【0085】
上記の組合せは、好都合には、医薬処方の形態で使用するために提供することができ、したがって、最適に薬学的に許容される担体または賦形剤と共に、上に定義した組合せを含む医薬処方は、本発明のさらなる態様を構成する。そのような組合せの個々の成分は、連続的または同時に、別々の医薬処方として、または組み合わせた医薬処方として投与することができる。
【0086】
同一の処方に組み合わせるとき、2種の成分は、安定であり、互いに適合性であり、かつ処方の他の成分とも適合性でなければならず、投与用に処方化できることが理解されるであろう。別々に処方化されるとき、好都合には当技術分野においてそのような化合物に関して知られている様式で、任意の都合のよい処方で提供することができる。
【0087】
同じ疾患に対して活性な第2の治療剤と組み合わせるとき、各成分の用量は、その化合物が単独で用いられるときとは異なる可能性がある。適切な用量は、当業者には容易に理解されるであろう。
【0088】
したがって、本発明はさらなる態様において、式(I)または(II)の化合物、あるいは生理的に許容されるその塩または溶媒和物を他の治療活性剤と共に含む組合せを提供する。
【0089】
上記の組合せは、好都合には、医薬処方の形態で使用するために提供することができ、したがって、薬学的に許容されるその担体と共に、上に定義した組合せを含む医薬処方は、本発明のさらなる態様を表す。
【0090】
本発明の化合物は、有用な作用持続時間を有する。
【0091】
本発明の化合物、ならびにその塩および溶媒和物は、本発明のさらなる態様を構成する以下に記載の方法によって調製することができる。
【0092】
(方法A)
はHまたはRと同じであり、RはClである式(I)または式(II)の化合物を調製するための本発明による方法は、以下を含む。
【0093】
【化3】

i)臭化アリルでグアニンをアルキル化
ii)亜硝酸ナトリウムでジアゾ化、その後、加水分解によりキサンチンを形成
iii)塩素化
iv)N3をアルキル化、および/またはN1とN3をジアルキル化
v)アリル基をパラジウム触媒で除去
【0094】
(方法B)
はCNである式(I)または式(II)の化合物を調製するための本発明による方法は、方法Aの工程(i)および(ii)、それに続く以下の工程を含む。
【0095】
【化4】

iii)N3をアルキル化
iv)N1をアルキル化
v)LiHMDSでリチオ化し、DMFでクエンチすることにより、C8にアルデヒドを形成
vi)アルデヒドをニトリルに変換
vii)アリル基をパラジウム触媒で除去
【0096】
(方法C)
はClまたはBrである式(I)または式(II)の化合物を調製するための本発明による方法は、方法Bの工程(i)から(iv)、それに続く以下の工程を含む。
【0097】
【化5】

i)NCSまたはNBSを用い、C8をハロゲン化
ii)アリル基をパラジウム触媒で除去
【0098】
(方法D)
はCNである式(I)または式(II)の化合物を調製するための本発明による方法は、方法Bの工程(i)から(iv)、それに続く以下の工程を含む。
【0099】
【化6】

v)エステルを形成
vi)メチルエステルを加水分解
vii)酸をアミドに変換
viii)アミドをニトリルに変換
ix)アリル基をパラジウム触媒で除去
【0100】
(方法E)
はClである式(I)または式(II)の化合物を調製するための本発明による方法は、以下を含む。
【0101】
【化7】

i)N3をアルキル化
ii)N1をアルキル化
iii)脱ベンジル化
iv)C8を塩素化
【0102】
(方法F)
はRと異なり、RはClである式(I)または式(II)の化合物を調製するための本発明による方法は、方法Aの工程(i)から(iv)、それに続く以下の工程を含む。
【0103】
【化8】

v)N1をアルキル化
vi)アリル基をパラジウム触媒で除去
【0104】
(方法G)
はRと異なり、RはClである式(I)または式(II)の化合物を調製するための本発明による方法は、方法Fの工程(i)から(v)(方法FのRは特にSEMまたはMEMである)、それに続く以下の工程を含む。
【0105】
【化9】

vi)MEMまたはSEM保護基を開裂
vii)N3をアルキル化、その後、アリル基をパラジウム触媒で除去
【0106】
(方法H)
はCl、Br、I、またはFである式(I)または式(II)の化合物を調製するための本発明による方法は、方法Bの工程(i)から(iv)、それに続く以下の工程を含む。
【0107】
【化10】

v)アリル基をパラジウム触媒で除去
vi)NCS、NBS、またはNISを用いて、C8をハロゲン化
【0108】
(方法I)
はHまたはアルキルであり、Rはアルキルであり、RはClである式(I)または式(II)の化合物を調製するための本発明による方法は、以下を含む。
【0109】
【化11】


i)ピリミジンジオン形成
ii)ニトロソ化
iii)Naまたは類似の還元剤を用いて還元
iv)キサンチン形成
v)N1をアルキル化(所望による)
vi)NCSを用いて、C8をハロゲン化
【0110】
所望または必要である場合、上述のいずれかの合成方法における最終段階として、得られた式(I)または(II)の化合物を、生理的に許容される塩形態に変換することができ、逆もまた同様であり、あるいはある塩形態を生理的に許容される別の塩形態に変換することができる。
【0111】
略語
THF テトラヒドロフラン
Ac アセチル
DCM ジクロロメタン
DMEM ダルベッコ改変イーグル培地
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸
DMSO ジメチルスルホキシド
NBS N−ブロモスクシンイミド
NCS N−クロロスクシンイミド
NIS N−ヨードスクシンイミド
DMF ジメチルホルムアミド
LiHMDS リチウムヘキサメチルジシリルアミド
DBAD ジベンジルアゾジカルボキシレート
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
PyBOP ベンゾトリアゾ−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
MEM メトキシエチルオキシメチル
SEM 2−(トリメチルシリル)エトキシメチル
TFA トリフルオロ酢酸
RT 室温
△ 加熱
【0112】
以下の非限定的な実施例は、本発明を例示するものである。
【0113】
(合成実施例)
実施例1:8−クロロ−3−(4−ペンテン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0114】
【化12】

【0115】
a)2−アミノ−7−(2−プロペン−1−イル)−1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−オン
【0116】
【化13】

グアノシン(20g、0.071mol)、臭化アリル(14.7ml、0.169mol)、および無水DMSO(100ml)の混合物を、室温、窒素下で18時間撹拌した。濃HCl(37%、50ml)を一度に添加し、混合物を45分間撹拌し、その後、MeOH(600ml)に注入した。このメタノール溶液を、2M NaOH(水)溶液で中和し、生じた白色沈殿物を濾過により回収した。白色固体を、真空下、50℃で18時間乾燥して、表題化合物を得た(粗生成物16g、119%)。m/z 192.2[MH]。
【0117】
b)7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0118】
【化14】

AcOH(900ml)および水(100ml)中の2−アミノ−7−(2−プロペン−1−イル)−1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−オン(40g、0.209mol)混合物を55℃で加熱した。亜硝酸ナトリウム(57.74g、0.837mol)の水(100ml)溶液を滴加した。毒性蒸気に注意。添加が完了した後(約25分)、反応混合物を周囲温度に冷まし、その後、原容量の約1/3に濃縮した。水(500ml)を加え、生じた沈殿物を濾過により回収した。残留物を水で洗浄し、その後、真空下、50℃で2時間、Pで乾燥して、表題化合物(17.20g)を得た。水画分を濃縮し、水(100ml)を添加した。再び、生じた固体を濾過し、乾燥した。これにより、さらに表題化合物(2.31g)を得た。合わせた生成物(19.52g、49%)。m/z 193.2[MH]。
【0119】
c)8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0120】
【化15】

7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(10.52g、54.7mmol)の無水DMF(60ml)溶液に、NCS(8.04g、60.2mmol)を添加した。反応混合物を、窒素下、20℃で6時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮して、コハク色の油を得た。MeOHを添加して、18時間放置した。生じた残留物を濾過し、真空下で乾燥して、表題化合物を得た(7.69g、62%)。m/z 227.2[MH]。
【0121】
d)8−クロロ−3−(4−ペンテン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0122】
【化16】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(0.10g、0.44mmol)を、炭酸ナトリウム(0.12g、0.49mmol)および5−ブロモペンテン(0.07g、0.49mmol)を含有するDMF(1.5ml)に溶解し、混合物を18時間撹拌した。アルキル化の完了時、モルホリン(0.5ml)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.08g、0.07mmol)を添加し、撹拌を3.5時間継続した。この反応物を酢酸エチル(10ml)で希釈し、2N塩酸(2×5ml)およびブライン(3×5ml)で連続して洗浄し、有機相を単離し、乾燥(MgSO)し、濃縮した。粗生成物をメタノール(2ml)に懸濁し、まずメタノールで溶出し、次いで5%酢酸メタノール溶液で溶出することによりアミノプロピルSPE(5g)で精製して、表題化合物を溶出し、それを濃縮後、白色固体として単離した(0.039g、35%)。NMR;(400MHz,d−DMSO)1.75(m,2H)、2.05(m,2H)、3.85(t,2H,J=7Hz)、4.95(m,1H)、5.05(m,1H)、5.8(m,1H)、11.1(br s,1H)、δ13まで交換可能な1個のプロトンは認められなかった;m/z 255[MH
【0123】
実施例2:8−クロロ−3−ヘキシル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0124】
【化17】

ヨウ化ヘキシルを用い、実施例1と同様に調製して、表題化合物を得た。NMR;δ(400MHz,d−DMSO)0.85(t,3H,J=7Hz)、1.25(br s,6H)、1.6(m,2H)、3.85(t,2H,J=8Hz)、11.2(br.s,1H)、δ13まで交換可能な1個のプロトンは認められなかった;m/z 271[MH
【0125】
実施例3および4:(8−クロロ−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)アセトニトリル、および2,2’−(8−クロロ−2,6−ジオキソ−6,7−ジヒドロ−1H−プリン−1,3(2H)−ジイル)ジアセトニトリル
【0126】
【化18】

【0127】
a)[8−クロロ−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル]アセトニトリル、および2,2’−[8−クロロ−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−6,7−ジヒドロ−1H−プリン−1,3(2H)−ジイル]ジアセトニトリル
【0128】
【化19】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(0.445g、2.0mmol)のDMF(8ml)溶液を、炭酸ナトリウム(0.18g、1.7mmol)およびブロモアセトニトリル(0.1ml、1.4mmol)で処理した。撹拌した混合物を、70℃で3時間加熱し、その後、50℃に冷却し、さらにブロモアセトニトリル(0.06ml、0.8mmol)で処理した。混合物をさらに2時間、50℃で維持し、その後、周囲温度に冷却し、蒸発乾固した。残留物を1M塩酸水溶液(20ml)で処理し、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。有機画分を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残留物をジクロロメタン(2ml)に溶解し、20分後、結果として生じる沈殿した固体(未反応8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン)を濾別し、追加のジクロロメタンで洗浄した。濾液を真空で濃縮し、勾配溶出1:3から4:1で溶出剤として酢酸エチル/シクロヘキサンを用い、フラッシュクロマトグラフィーに供した。2つの表題化合物を得た。
[8−クロロ−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル]アセトニトリル
白色固体(0.084g、16%);m/z 266[MH]。
2,2’−[8−クロロ−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−6,7−ジヒドロ−1H−プリン−1,3(2H)−ジイル]ジアセトニトリル
白色固体(0.195g、32%);m/z 305[MH]。
【0129】
b)(8−クロロ−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)アセトニトリル
【0130】
【化20】

[8−クロロ−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル]アセトニトリル(0.084g、0.32mmol)のTHF(5ml)溶液を、反応混合物に真空と窒素圧を連続的に適用することによって脱気した。その溶液を、連続してモルホリン(0.3ml、3.4mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.03g、0.03mmol)で処理した。2時間後、混合物を、2M塩酸水溶液(3ml)およびクロロホルム(5ml)で処理した。この混合物を分離し、有機相を蒸発させた。質量分析HPLCを用い、残留物から生成物を精製して、白色固体として表題化合物を得た(0.018g、25%)。NMR δ(400MHz,d−DMSO)4.95(s,2H)、11.49(s,1H)、14.63(br.s,1H);m/z 226[MH]。
【0131】
c)2,2’−(8−クロロ−2,6−ジオキソ−6,7−ジヒドロ−1H−プリン−1,3(2H)−ジイル)ジアセトニトリル
【0132】
【化21】

(8−クロロ−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)アセトニトリルの合成に関して記載した条件を用い、2,2’−[8−クロロ−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−6,7−ジヒドロ−1H−プリン−1,3(2H)−ジイル]ジアセトニトリルから表題化合物を調製した。白色固体0.06g(4%)として、表題化合物を得た。NMR δ(400MHz,d−DMSO)4.88(s,2H)、5.06(s,2H)、δ14までNHは認められなかった;m/z 282[MNH]。
【0133】
実施例5:8−クロロ−3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0134】
【化22】

アルキル化剤として3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロプロパンを用い、実施例3と同様に調製して、表題化合物を得た。
NMR δ(400MHz,d−DMSO)2.64〜2.76(m,2H)、4.12(t,2H,J=7Hz)、11.30(s,1H)、14.46(br.s,1H);m/z 283[MH
【0135】
実施例6:8−クロロ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0136】
【化23】

アルキル化剤として2−ブロモ−1,1,1−トリフルオロエタン、および塩基として炭酸水素ナトリウムを用い、実施例3と同様に調製して、表題化合物を得た。
δ(400MHz,d−MeOD)4.68(q,2H,J=8.5Hz);m/z 267.1[M−H]
【0137】
実施例7および8:8−クロロ−3−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、および8−クロロ−1,3−ビス(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0138】
【化24】

【0139】
a)8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン、および8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−1,3−ビス(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0140】
【化25】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(1.5g、6.64mmol)、炭酸ナトリウム(844mg、7.9mmol)、および4−ブロモ−1,1,1−トリフルオロブタン(1.39g、7.3mmol)をジメチルホルムアミド(25ml、乾燥)中7日間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと水に分配した。有機相を分離し、塩酸(2N)、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、その後、蒸発乾固した。粗生成物をエーテルで摩砕し、固体を濾過により回収して、白色固体として8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオンを得た(1.23g、57%)。m/z 337[MH]。
【0141】
減量した濾液を、シリカ、SPEカラム(20g)のクロマトグラフィーにかけた。シクロヘキサン:酢酸エチル(10:1から2:1)で溶出して、シロップとして8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−1,3−ビス(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオンを得た(480mg、16%)。m/z 447[MH]。
【0142】
b)8−クロロ−3−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0143】
【化26】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(84mg、0.25mmol)およびモルホリン(220μl、2.5mmol)を、テトラヒドロフラン(3ml)中窒素で脱気し、その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg、0.025mmol)を添加し、この反応物を室温で一晩撹拌した。白色の沈殿物を濾過により回収し、テトラヒドロフランおよびエーテルで洗浄して、表題化合物のモルホリン塩を得た(59mg)。これを2N HClおよびメタノールで処理し、溶媒を蒸発乾固し、その後、DMSO/MeOHに再び溶解し、10から40%勾配を用いて、分取HPLCで精製して、表題化合物を得た(11mg、14.9%)。NMR δ(400MHz,d−MeOD)1.92〜2.03(m,2H)、2.19〜2.33(m,2H)、4.06(t,2H,J=7Hz);m/z 297[MH]。
【0144】
c)8−クロロ−1,3−ビス(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0145】
【化27】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−1,3−ビス(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(478mg、1.1mmol)およびモルホリン(937μl、11mmol)を、テトラヒドロフラン(10ml)中窒素で脱気し、その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(123mg、0.11mmol)を添加し、この反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をジクロロメタンと2N塩酸に分配した。有機相を分離し、減量して、粗生成物を得た。これをアミノプロピルSPE(5g)で精製し、その後、アセトニトリルから再結晶して、表題化合物を得た(75.5mg、16.9%)。NMR. δ(400MHz,CDCl)1.96〜2.13(m,4H)、2.15〜2.29(m,4H)、4.15〜4.23(m,4H)、12.94(br.s,1H);m/z 407[MH]。
【0146】
実施例9:8−クロロ−3−(2−シクロプロピルエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0147】
【化28】

【0148】
a)8−クロロ−3−(2−シクロプロピルエチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0149】
【化29】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(1.5g、6.64mmol)、炭酸ナトリウム(844mg、7.9mmol)、およびメタンスルホン酸2−シクロプロピルエチル(1.19g、7.3mmol)を、ジメチルホルムアミド(25ml、乾燥)中80℃で2日間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと水に分配した。有機相を分離し、塩酸(2N)、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、その後、蒸発乾固した。粗生成物をエーテルで摩砕し、固体を濾過により回収して、白色固体として表題化合物を得た(0.96g、49%)。m/z 295[MH]。
【0150】
b)8−クロロ−3−(2−シクロプロピルエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0151】
【化30】

8−クロロ−3−(2−シクロプロピルエチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(74mg、0.25mmol)およびモルホリン(220μl、2.5mmol)を、テトラヒドロフラン(3ml)中窒素で脱気し、その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg、0.025mmol)を添加し、この反応物を室温で一晩撹拌した。白色の沈殿物を濾過により回収し、テトラヒドロフランおよびエーテルで洗浄して、表題化合物のモルホリン塩を得た(52mg)。これを2N HClおよびメタノールで処理し、溶媒を蒸発乾固し、その後、DMSO/MeOHに再び溶解し、10から40%勾配を用いて、分取HPLCで精製して、表題化合物を得た(22mg、34.6%)。NMR δ(400MHz,d−MeOD)0.00〜0.05(m,2H)、0.37〜0.43(m,2H)、0.67〜0.77(m,1H)、1.61(q,2H,J=7Hz)、4.06〜4.11(m,2H);m/z 255[MH]。
【0152】
実施例10:3−ブチル−8−クロロ−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0153】
【化31】

【0154】
a)3−ブチル−8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0155】
【化32】

3−ブチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(3.34g、13.4mmol)の無水DMF(19ml)溶液に、NCS(1.97g、14.8mmol)を添加し、窒素下、室温で22時間撹拌した。この混合物を真空で濃縮して、黄色固体を得て、それを濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、この工程を繰り返した。最終洗浄後、濾液を、1:1のEtOAc:シクロヘキサンで溶出することによりSPE(Si、20g)カートリッジで精製した。合わせた固体を真空下で乾燥して、表題化合物を得た(2.42g、64%)。m/z 283.3[MH]。
【0156】
b)3−ブチル−8−クロロ−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0157】
【化33】

3−ブチル−8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(100mg、0.35mmol)の無水THF(4ml)および無水DMSO(0.4ml)溶液を、Pd(PPh(61mg、0.053mmol)で処理した。この混合物を、穏やかな真空下で脱気し、モルホリン(308μl、3.5mmol)を添加し、窒素下、室温で4時間撹拌した。黄色の溶液を、2M HCl(水溶液)とEtOAcに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮した。残留物をMeOHに溶解し、アミノプロピルSPE(5g)に通し、MeOHで溶出、次いで5%AcOH/MeOHで溶出した。生成物の画分を合わせ、真空で濃縮して、灰色がかった白色の固体として表題化合物を得た(30mg、35%)。NMR;δ(400MHz,d−DMSO)0.89(t,3H,J=7.5Hz)、1.23〜1.34(m,2H)、1.55〜1.65(m,2H)、3.85(t,2H,J=7Hz)、11.17(s,1H)、14.37(br.s,1H);m/z 243.3[MH]。
【0158】
実施例11:8−クロロ−3−プロピル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0159】
【化34】

3−プロピル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(J.Med.Chem、1993、36(10)、1380〜6)(0.3g、1.5mmol)およびN−クロロスクシンイミド(0.21g、1.5mmol)をDMF(5ml)に溶解し、その溶液を5時間撹拌した。溶液を濃縮し、固体残留物をメタノールで洗浄し、濾過して、白色固体として生成物を得た(0.148g、42%)。NMR;δ(400MHz,d−DMSO)0.85(t,3H,J=7Hz)、1.65(m,2H)、3.8(t,2H,J=7Hz)、11.2(s,1H)、δ13まで交換可能なものは認められなかった;m/z 229[MH
【0160】
実施例12:8−クロロ−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0161】
【化35】

【0162】
a)8−クロロ−3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0163】
【化36】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(100mg、0.44mmol)の無水DMF(3ml)溶液に、炭酸ナトリウム(0.051g、0.484mmol)を添加した。室温で10分間撹拌した後、ヨウ化ペンチル(0.063ml、0.484mmol)を加え、窒素下、室温で18時間撹拌を続けた。反応混合物を水(25ml)で希釈し、EtOAc(2×25ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を、乾燥(MgSO)し、濾過し、蒸発させた。4:1のEtOAc:シクロヘキサンで溶出することにより、SPE(Si、5g)で精製して、白色固体として表題化合物を得た(96mg、74%)。m/z 297.2[MH]。
【0164】
b)8−クロロ−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0165】
【化37】

テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(56mg、0.049mmol)を含むフラスコに窒素を流し、その後、8−クロロ−3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(96mg、0.323mmol)の無水THF(1.5ml)溶液を添加し、続いてDMSO(0.1ml)およびモルホリン(0.28ml、0.049mmol)を添加した。生じた混合物を、窒素下、室温で72時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(25ml)に溶解し、2M HCl水溶液(25ml)で洗浄した。有機抽出物を、乾燥(MgSO)し、濾過し、減圧下で蒸発させた。メタノールで装填および洗浄し、次いで5%酢酸メタノール溶液で生成物を溶出することにより、アミノプロピルSPE(2g)で精製した。生成物を含有する画分を蒸発させて、白色固体として表題化合物を得た(27mg、33%)。NMR;δ(400MHz,d−DMSO)0.85(t,3H,J=7Hz)、1.20〜1.34(m,4H)、1.57〜1.67(m,2H)、3.84(t,2H,J=7Hz)、11.19(s,1H)、14.38(br.s,1H);m/z 257.2[MH]。
【0166】
実施例13:8−クロロ−3−(3−メチルブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0167】
【化38】

【0168】
a)8−クロロ−3−(3−メチルブチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0169】
【化39】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(1.5g、6.6mmol)のDMF(40ml)溶液を、炭酸ナトリウム(0.9g、8.5mmol)および1−ブロモ−3−メチルブタン(1.04g、6.9mmol)で処理した。撹拌した混合物を、50℃で18時間加熱し、その後、冷却し、蒸発乾固した。残留物を水(60ml)で処理し、酢酸エチル(3×80ml)で抽出した。有機画分を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残留物を、ジエチルエーテルとシクロヘキサンの混合物で摩砕し、白色固体として生成物を得て、それを濾別し、乾燥した。これにより、白色固体として表題化合物を得た。m/z 297[MH]。
【0170】
b)8−クロロ−3−(3−メチルブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0171】
【化40】

8−クロロ−3−(3−メチルブチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(0.074g、0.25mmol)のTHF(2ml)溶液を、モルホリン(0.035ml、4.0mmol)で処理し、反応容器に真空および窒素を繰り返し交互に適用することによって、混合物を脱気した。次いで、混合物を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.03g、0.026mmol)の脱気THF(0.5ml)溶液で処理した。2時間後、混合物を、2M塩酸水溶液(2ml)およびジエチルエーテル(3ml)で処理した。沈殿した生成物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。これにより、白色固体として表題化合物を得た(0.036g、56%)。NMR δ(400MHz,d−DMSO);0.91(d,6H,J=6.3Hz)、1.47〜1.62(m,3H)、3.87(t,2H,J=7.5Hz)、11.19(br.s,1H)、14.38(br.s,1H);m/z 257、259[MH]。
【0172】
実施例14:4−(8−クロロ−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)ブタンニトリル
【0173】
【化41】

アルキル化剤として4−ブロモブチロニトリルを用い、実施例13と同様に調製した。NMR δ(400MHz,d−DMSO);1.89〜2.00(m,2H)、2.55(t,2H,J=7.0Hz)、3.95(t,2H,J=6.5Hz)、11.25(br.s,1H)、14.40(br.s,1H);m/z 254[MH]。
【0174】
実施例15:8−クロロ−3−(2−シクロヘキシルエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0175】
【化42】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(100mg、0.442mmol)を、乾燥DMF(3ml)中炭酸ナトリウム(52mg、0.486mmol)と共に30分間撹拌した。臭化シクロヘキシルエチル(93mg、0.486mmol)を添加し、混合物を、窒素下、37〜40℃で65時間撹拌し、その後、90℃で18時間加熱した。冷却した後、数回排気して窒素を導入することによって溶液を脱気し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(76mg、0.066mmol)およびモルホリン(0.385ml、4.42mmol)を添加し、混合物を18時間撹拌した。追加量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(50mg、0.043mmol)およびモルホリン(0.2ml)を添加し、さらに1時間撹拌を続けた。酢酸エチルおよび2M HCl水溶液を加え(それぞれ約10ml)、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、蒸発させた。残留物をTHFに溶解し、5gのアミノプロピルSPEカートリッジに装填した。カートリッジをTHFで洗浄し、続いてMeOHで洗浄し、酸性生成物をAcOHのMeOH溶液(5%から10%)で溶出した。そのようにして得られた生成物をさらに、自動分取HPLCで精製して、表題化合物5.5mg、3%を得た。
NMR δ(400MHz,d−DMSO)0.80〜0.95(m,2H)、1.05〜1.35(m,4H)、1.45〜1.55(m,2H)、1.55〜1.70(m,3H)、1.70〜1.80(m,2H)、3.86(t,2H,J=8Hz)、11.07(s,1H)、交換可能な1個は認められなかった。m/z 297(MH)。
【0176】
実施例16:3−ブチル−1−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル
【0177】
【化43】

【0178】
a)3−ブチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0179】
【化44】

7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(10g、52mmol)の無水DMF(100ml)撹拌溶液を、KCO(7.91g、57.2mmol)で処理し、10分後、Bul(6.51ml、57.2mmol)で処理した。2日間反応させた後、反応混合物を、2M HCl(水溶液)とEtOAcに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、灰色がかった白色の固体を得た。これを温シクロヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥して、表題化合物を得た(8.87g、68%)。m/z 249.3[MH]。
【0180】
b)3−ブチル−1−メチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0181】
【化45】

3−ブチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(1.0g、4.03mmol)の無水DMF(10ml)撹拌溶液を、NaCO(470mg、4.43mmol)で処理し、続いて、ヨウ化メチル(275μl、4.43mmol)で処理した。混合物を35℃で17時間加熱した。KCO(500mg、3.6mmol)およびヨウ化メチル(275μl、4.43mmol)を添加し、その後、50℃でさらに18時間撹拌した。反応混合物を冷まし、2M HCl(水溶液)とEtOAcに分配した。有機層を分離し、水層を再びEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮して、黄色/茶色の油を得た(1.24g)。生成物を、EtOAc/シクロヘキサン混合物で溶出することにより、シリカSPE(10g)で精製した。生成物の画分を合わせ、濃縮して、淡黄色の固体として表題化合物を得た(1.11g、定量)。m/z 263.3[MH]。
【0182】
c)3−ブチル−1−メチル−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルバルデヒド
【0183】
【化46】

予め乾燥したフラスコに3−ブチル−1−メチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(300mg、1.14mmol)および無水THF(6ml)を充填し、窒素下、−75℃に冷却し、その後、LiHMDS(1.37mlの1.0M THF溶液)で処理した。生じた溶液を、1.5時間かけて−60℃に温め、その後、無水DMF(177μl、2.29mmol)を添加した。その溶液を3時間かけて−10℃に温め、次いで、飽和NHCl(水)溶液でクエンチした。混合物を、1M HCl(水溶液)とEtOAcに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮して、茶色の油を得た(350mg)。生成物を、EtOAc/シクロヘキサン混合物で溶出することにより、SPE(Si、10g)で精製して、白色固体として表題化合物を得た(131mg、39%)。NMR;δ(400MHz,d−DMSO)0.91(t,3H,J=7.5Hz)、1.28〜1.39(m,2H)、1.63〜1.73(m,2H)、3.25(s,3H)、4.02(t,2H,J=7.5Hz)、5.03(dd,1H,J=17および1Hz)、5.17(dd,1H,J=10および1Hz)、5.31(app.d,2H,J=5.5Hz)、5.98〜6.09(m,1H)、9.88(s,1H)。
【0184】
d)3−ブチル−1−メチル−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル
【0185】
【化47】

3−ブチル−1−メチル−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルバルデヒドの無水ピリジン(5ml)溶液を、塩酸ヒドロキシルアミン(63mg、0.91mmol)で処理し、50℃で1時間加熱した。混合物を冷まし、濃縮し、無水酢酸(5ml)で処理、その後、100℃で2.5時間、125℃で45分間加熱した。混合物を再び冷まし、次いで、水とEtOAcに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮して、黄色の残留物として表題化合物を得た(粗生成物230mg、114%)。m/z 288.3[MH]。
【0186】
e)3−ブチル−1−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル
【0187】
【化48】

3−ブチル−1−メチル−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル(230mg、0.80mmol)の無水THF(5ml)および無水DMSO(0.5ml)溶液を、Pd(PPh(185mg、0.16mmol)で処理した。この混合物を、穏やかな真空下で脱気し、モルホリン(698μl)を添加し、窒素下、室温で2時間撹拌した。黄色の溶液を、2M HCl(水溶液)とEtOAcに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮した。残留物をMeOHに溶解し、アミノプロピルSPE(5g)に通し、MeOHで溶出、次いで5%AcOH、10%、20%、および30%AcOH/MeOH混合物で溶出した。生成物の画分を合わせ、濃縮して、淡黄色の固体を得た(116mg)。これをMeOHで洗浄して、白色固体の表題化合物を濾過により回収し、真空下で乾燥した(55mg、28%)。NMR;δ(400MHz,d−DMSO)0.90(t,3H,J=7.5Hz)、1.25〜1.35(m,2H)、1.59〜1.68(m,2H)、3.24(s,3H)、3.96(t,2H,J=7Hz)、δ15までNHは認められなかった;m/z 248.2[MH]。
【0188】
実施例17:1−メチル−2,6−ジオキソ−3−ペンチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル
【0189】
【化49】

【0190】
a)3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0191】
【化50】

7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(0.61g、3.2mmol)、炭酸ナトリウム(0.60g、5.7mmol)、およびヨウ化ペンチル(0.64g、3.2mmol)をDMF(5ml)中、50℃で18時間撹拌した。その溶液を冷却し、酢酸エチルとブラインに分離し、有機相を単離し、乾燥(MgSO)し、濃縮した。シリカのクロマトグラフィーによって(ジクロロメタンから5:1ジクロロメタン/酢酸エチルの勾配溶出)、淡黄色の固体として表題化合物を得た(0.47g、56%)。m/z 263[MH]。
【0192】
b)1−メチル−3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0193】
【化51】

3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(0.20g、0.76mmol)、炭酸カリウム(0.4g、2.9mmol)、およびヨウ化メチル(0.5ml、4.9mmol)を撹拌し、DMF(5ml)中、50℃で3時間加熱した。その溶液を冷まし、酢酸エチルとブラインに分離した。有機相を単離し、乾燥(MgSO)し、濃縮して、表題化合物を得た(0.21g、100%)。m/z 277[MH]。
【0194】
c)1−メチル−2,6−ジオキソ−3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルバルデヒド
【0195】
【化52】

1−メチル−3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(1.05g、3.6mmol)のTHF(15ml)溶液に、−78℃で10分かけてLiHMDS(4ml、1Mヘキサン溶液、4mmol)を添加し、その溶液を0.5時間撹拌した。DMF(0.5ml)を加え、溶液を−78℃でさらに0.5時間撹拌し、その後、2時間かけて冷却槽で周囲温度に温めた。この反応を2N塩酸(3ml)でクエンチし、酢酸エチルとブラインに分配した。有機相を単離し、乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカのクロマトグラフィーにかけ(ジクロロメタンから5:1ジクロロメタン/酢酸エチルの勾配溶出)、白色固体として表題化合物を得た(0.35g、30%)。m/z 305[MH]。
【0196】
d)1−メチル−2,6−ジオキソ−3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル
【0197】
【化53】

1−メチル−2,6−ジオキソ−3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルバルデヒド(0.18g、0.6mmol)および塩酸ヒドロキシルアミン(0.053g、0.76mmol)をピリジン(5ml)中、50℃で1時間加熱し、その後、周囲温度に冷却した。無水酢酸(0.08g、0.78mmol)を添加し、その溶液を18時間撹拌した。溶液を濃縮してアセテートを得て、無水酢酸(3ml)に溶解し、130℃に3時間加熱、冷却し、濃縮して、粗生成物を得た。シリカのクロマトグラフィーによって(ジクロロメタンで溶出)、透明の油として表題化合物を得た(0.17g、95%)。m/z 302[MH]。
【0198】
e)1−メチル−2,6−ジオキソ−3−ペンチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル
【0199】
【化54】

1−メチル−2,6−ジオキソ−3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル(0.17g、0.56mmol)およびモルホリン(0.6ml、6.7mmol)を、DMSO(0.5ml)を含むTHF(5ml)に溶解した。その溶液を含有するフラスコを真空下に置き、空気を窒素に交換した(×3)。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13g、0.11mmol)を添加し、溶液を2.5時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(20ml)と2N塩酸(10ml)に分離し、有機相を単離し、ブライン(3×10ml)で洗浄した。有機相を2N水酸化ナトリウム溶液(2×10ml)で洗浄し、水相を2N塩酸で酸性にし、酢酸エチル(2×10ml)で抽出した。有機抽出物を単離し、乾燥(MgSO)し、濃縮して、表題化合物を得た(0.026g、18%)。NMR;δ(400MHz,CDCl)0.92(t,3H,J=7Hz)、1.32〜1.43(m,4H)、1.79(m,2H)、3.54(s,3H)、4.15(t,2H,J=7.5Hz,)、14.35(br.s,1H);m/z 262[MH
【0200】
実施例18:8−クロロ−3−ヘキシル−1−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0201】
【化55】

【0202】
a)8−クロロ−3−({[2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}メチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0203】
【化56】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(6g、26.5mmol)の無水DMF(30ml)溶液に、炭酸ナトリウム(3.09g、29.15mmol)を添加した。室温で10分間撹拌した後、塩化メトキシエトキシメチル(3.03ml、26.5mmol)を加え、窒素下、室温で66時間撹拌を続けた。反応混合物を真空で濃縮し、残留物をEtOAc(100ml)に溶解し、ブライン(100ml)で洗浄し、水抽出物をDCM(100ml)で抽出、有機抽出物を乾燥(MgSO)し、合わせ、真空で濃縮した。残留物をEtOAcで摩砕し、固体を濾別した。濾液を濃縮して、薄茶色の油を得て、それをシリカに吸収させ、1:1EtOAc/シクロヘキサン−EtOAcの勾配で溶出することにより、SPE(Si、50g)で精製して、白色固体として表題化合物を得た(2g、24%)。m/z 315.2[MH]。
【0204】
b)8−クロロ−1−メチル−3−({[2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}メチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0205】
【化57】

8−クロロ−3−({[2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}メチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(2g、6.37mmol)の無水DMF(15ml)溶液に、炭酸ナトリウム(0.743g、7mmol)を添加した。室温で10分間撹拌した後、ヨウ化メチル(0.44ml、7mmol)を添加し、窒素下、室温で18時間撹拌を続けた。反応混合物を真空で濃縮し、残留物をEtOAc(100ml)に溶解し、ブライン(100ml)で洗浄した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、蒸発させて、黄褐色の油として表題化合物を得た(純度85%)(2.98g、定量)。m/z 329.2[MH]。
【0206】
c)8−クロロ−1−メチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0207】
【化58】

8−クロロ−1−メチル−3−({[2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}メチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(2.9g、6.37mmol)のジオキサン(20ml)と水(20ml)の溶液に、5M HCl(20ml)を添加した。生じた混合物を、窒素下、100℃で18時間加熱した。次いで、反応混合物を真空で濃縮し、残留物をEtOAc(100ml)に溶解し、水で洗浄した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、蒸発させた。2:3EtOAc/シクロヘキサンで溶出することにより、SPE(Si、20g)で精製して、白色固体として表題化合物を得た(1.04g、68%)。m/z 241.1[MH]。
あるいは、8−クロロ−1−メチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオンは、SEM保護基を用いて調製することもできる。
【0208】
a)8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3−({[2−(トリメチルシリル)エチル]オキシ}メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0209】
【化59】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(5g、22.1mmol)のDMF(80ml)溶液に、塩化2−2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(4.3ml、24.2mmol)および炭酸ナトリウム(2.6g、24.2mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、さらに塩化2−2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(4.3ml、24.2mmol)および炭酸ナトリウム(1.3g、12.1mmol)を添加し、撹拌を2時間続けた。その後、反応混合物を5%LiCl水溶液と酢酸エチルに分配した。有機抽出物を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮した。シリカカートリッジを用い、1:4〜1:2酢酸エチル/シクロヘキサンで溶出することにより、Biotage(商標)クロマトグラフィーで精製して、表題化合物を得た(3.14g、40%)。m/z 374.2[MNH]。
【0210】
b)8−クロロ−1−メチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3−({[2−(トリメチルシリル)エチル]オキシ}メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0211】
【化60】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3−({[2−(トリメチルシリル)エチル]オキシ}メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(3.14g。8.82mmol)のDMF(50ml)溶液に、ヨウ化メチル(0.659ml、10.58mmol)および炭酸セシウム(3.45g、10.58mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。その反応混合物を、水と酢酸エチルに分配した。有機抽出物を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮して、表題化合物2.99g(92%)を得た。m/z 388[MNH]。
【0212】
c)8−クロロ−1−メチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0213】
【化61】

8−クロロ−1−メチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3−({[2−(トリメチルシリル)エチル]オキシ}メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(2.99g、8.08mmol)のDCM(20ml)溶液に、TFA(10ml)を添加し、この反応を室温で2.5時間撹拌した。その後、反応混合物を濃縮し、残留物をさらにDCMで処理し、再び蒸発させた。1:9〜4:1酢酸エチル/シクロヘキサンで溶出することにより、SPE(Si)で精製して、不純な生成物(1.31g)を得て、それをメタノール(20ml)に溶解し、飽和炭酸カリウム水溶液(20ml)で処理した。一晩撹拌した後、混合物を、2M HCl(1ml)を含有する水と酢酸エチルに分配した。有機抽出物を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮して、表題化合物0.87g(45%)を得た。m/z 241.1[MH]。
【0214】
d)8−クロロ−3−ヘキシル−1−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0215】
【化62】

8−クロロ−1−メチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(100mg、0.42mmol)の無水DMF(3ml)溶液に、炭酸ナトリウム(58mg、0.54mmol)を添加し、10分間撹拌した後、ヨウ化ヘキシル(0.08ml、0.54mmol)を添加し、反応混合物を、窒素下、室温で90時間撹拌した。次いで、Pd(PPh(73mg、0.063mmol)を添加し、反応容器を排気し、窒素を流し(×3)、モルホリン(0.37ml、4.3mmol)を添加して、窒素下、室温で4時間撹拌を続けた。反応混合物をEtOAc(25ml)で希釈し、2M HCl水溶液(25ml)で洗浄した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、蒸発させた。化合物を装填し、MeOHで洗浄し、その後、生成物を5%AcOH/MeOHで溶出することにより、アミノプロピルSPE(5g)で精製して、白色固体として表題化合物を得た(65mg、54%)。NMR;δ(400MHz,d−DMSO))0.85(t,3H,J=7Hz)、1.23〜1.33(m,6H)、1.58〜1.68(m,2H)、3.22(s,3H)、3.91(t,2H,J=7.5Hz)、14.46(br.s,1H);m/z 285.3[MH]。
【0216】
実施例19:8−クロロ−1−メチル−3−プロピル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0217】
【化63】

N3をアルキル化するためにヨウ化プロピルを用い、実施例18と同様に調製した。
NMR δ(400MHz,d−DMSO)0.87(t,3H,J=7.5Hz)、1.61〜1.73(m,2H)、3.22(s,3H)、3.89(t,2H,J=7.5Hz)、14.45(br.s,1H)、m/z 243[MH
【0218】
実施例20:1,3−ジブチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル
【0219】
【化64】

【0220】
a)1,3−ジブチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0221】
【化65】

1,3−ジ−N−ブチルキサンチン(10g、38mmol)の無水DMF(80ml)溶液を、KCO(5.2g、38mmol)で処理し、続いて、臭化アリル(3.6ml、42mmol)で処理した。混合物を、窒素下、55℃で18時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を水とEtOAcに分配した。分離を促進するために、数ミリリットルの2M HCl(水溶液)を加えた。有機層を分離し、水層を再びEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮して、灰色がかった白色の固体として表題化合物を得た(12.23g、106%)。m/z 305.3[MH]。
【0222】
b)メチル1,3−ジブチル−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボキシレート
【0223】
【化66】

1,3−ジブチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(3.0g、9.9mmol)の無水THF(30ml)溶液を、−50℃に冷却し、LiHMDS(18mlの1.0M THF溶液、17.8mmol)で処理した。−50℃で1時間後、クロロギ酸メチル(1.9ml、24.6mmol)を添加し、この混合物を2時間かけて−30℃に温め、その後、飽和NHCl(水)溶液でクエンチした。混合物を、EtOAcと1M HCl(水溶液)に分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮して、濃いオレンジ色の油を得た(4.07g)。この油を15%EtOAc/シクロヘキサンに溶解し、Si Biotage(商標)クロマトグラフィーカラムに通した。生成物の画分を合わせ、濃縮して、黄色固体として表題化合物を得た(1.35g、38%)。m/z 363.2[MH]。
【0224】
c)1,3−ジブチル−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボン酸
【0225】
【化67】

メチル1,3−ジブチル−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボキシレート(1.30g、3.6mmol)のMeOH(15ml)撹拌溶液を、LiOH(215mg)および水(1.5ml)で処理した。室温で3時間後、混合物を水で希釈し、2M HCl(水溶液)でpHを約5に調整した。EtOAcを添加し、その後、分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮して、純度85%の黄色固体として表題化合物を得た(1.2g、88%)。m/z 349.2[MH]。
【0226】
d)1,3−ジブチル−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボキサミド
【0227】
【化68】

1,3−ジブチル−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボン酸(1.0g、2.9mmol)の無水DMF(10ml)撹拌溶液を、DIPEA(1.1ml)、PyBOP、および2M NH(3.6ml)で連続して処理した。2時間後、生成混合物を2M HCl(水溶液)とEtOAcに分配した。有機層を分離し、飽和NaHCO(水)溶液、ブラインで洗浄し、その後、乾燥(MgSO)し、濃縮して、オレンジ色の油を得た(約2g)。生成物を、5%→40%EtOAc/シクロヘキサン混合物で溶出することにより、Biotage(商標)クロマトグラフィーで精製した。適切な画分を合わせ、濃縮して、純度90%のアミドを得た(790mg、78%)。m/z 392.3[M+ギ酸−H]
【0228】
e)1,3−ジブチル−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル
【0229】
【化69】

1,3−ジブチル−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボキサミド(300mg)の無水DMF(7ml)溶液を、0℃で、POCl(237μl)を1滴ずつ加えて処理した。氷浴を除去し、2時間後、混合物を水とEtOに分配した。水層を再びEtOで抽出し、合わせた抽出物を分離し、水(×2)、ブラインで洗浄し、その後、乾燥(MgSO)し、濃縮して、黄色の油を得た(312mg)。その油をシクロヘキサンに溶解し、EtOAc/シクロヘキサン混合物で溶出することにより、SPE(Si、10g)で精製した。生成物の画分を濃縮して、無色の油として表題化合物を得た(150mg、53%)。m/z 330.3[MH]。
【0230】
f)1,3−ジブチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル
【0231】
【化70】

1,3−ジブチル−2,6−ジオキソ−7−(2−プロペン−1−イル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−カルボニトリル(140mg、0.43mmol)の無水THF(4ml)および無水DMSO(0.4ml)溶液を、Pd(PPh(74mg、0.064mmol)で処理した。この混合物を、穏やかな真空下で脱気し、モルホリン(371μl)を添加し、窒素下、室温で4時間撹拌した。黄色の溶液を、2M HCl(水溶液)とEtOAcに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮した。残留物をMeOHに溶解し、アミノプロピルSPE(5g)に通し、MeOHで溶出、次いで5%→50%AcOH/MeOHで溶出した。生成物は少量の不純物と共に溶出し、濃縮後、それをシクロヘキサンで洗い流して、灰色がかった白色の固体として表題化合物を得た(30mg、24%)。NMR δ(400MHz,d−DMSO)0.89(app.td,6H,J=7および3Hz)、1.25〜1.35(m,4H)、12.48〜1.55(m,2H)、1.58〜1.69(m,2H)、3.87(t,2H,J=7Hz)、3.95(t,2H,J=7Hz)、δ15までNHは認められなかった;m/z 290.3[MH]。
【0232】
実施例21:1,3−ジブチル−8−ヨード−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0233】
【化71】

1,3−ジ−N−ブチルキサンチン(100mg、3.39mmol)の無水DMF(3ml)撹拌溶液を、NIS(94mg、3.75mmol)で処理し、窒素下、室温で23時間撹拌した。その混合物を、飽和NaSO(水)溶液とEtOAcに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。生成物を、SPE(Si、5g)カートリッジに通し、EtOAc/シクロヘキサン混合物で溶出することによって精製した。生成物の画分を濃縮して、白色固体として表題化合物を得た(75mg、51%)。NMR;δ(400MHz,d−DMSO)(app.td,6H,J=7.5および4Hz)、1.21〜1.34(m,4H)、1.45〜1.54(m,2H)、1.56〜1.66(m,2H)、3.84(t,2H,J=7.5Hz)、3.93(t,2H,J=7.5Hz)、14.10(s,1H);m/z 391.3[MH]。
【0234】
実施例22:(3−ブチル−8−クロロ−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−1−イル)アセトニトリル
【0235】
【化72】

3−ブチル−8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(200mg、0.707mmol)とCsCO(254mg、0.778mmol)の無水DMF(5ml)中の混合物に、クロロアセトニトリル(0.054ml、0.85mmol)を添加した。その混合物を50℃で18時間加熱し、その後、室温に冷まし、穏やかな真空下で脱気し、窒素を導入した。これを2回繰り返した。Pd(PPh(82mg、0.071mmol)を添加し、混合物を再び脱気し、その後、モルホリン(0.617ml、7.07mmol)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を2M HCl(水溶液)とEtOAcに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮した。残留物をMeOHに溶解し、MeOH、続いて5〜10%AcOH/MeOHで溶出することにより、アミノプロピルSPE(5g)を通した。生成物の画分を濃縮して、表題化合物52mg(26%)を得た。NMR;δ(400MHz,d−DMSO)0.90(t,3H,J=7.5Hz)、1.26〜1.37(m,2H)、1.60〜1.69(m,2H)、3.94(t,2H,J=7.5Hz)、4.87(s,2H)、14.72(br s,1H);m/z 299.2[MNH]。
【0236】
実施例23:(8−クロロ−2,6−ジオキソ−3−プロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−1−イル)アセトニトリル
【0237】
【化73】

【0238】
a)8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3−プロピル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0239】
【化74】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(1.5g、6.6mmol)、1−ヨードプロパン(1.2g、6.9mmol)、および炭酸ナトリウム(0.9g、8.5mmol)のDMF(40ml)中の混合物を、50℃で18時間加熱した。反応混合物を真空で濃縮し、残留物を水(60ml)で処理し、酢酸エチル(3×80ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、蒸発させた。残留物をエーテル/シクロヘキサンで摩砕し、固体を濾別し、乾燥して、表題化合物を得た(0.82g、46%)。m/z 269.1[MH]。
【0240】
b)(8−クロロ−2,6−ジオキソ−3−プロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−1−イル)アセトニトリル
【0241】
【化75】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3−プロピル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(0.067g、0.25mmol)のDMF(2ml)溶液を、炭酸セシウム(0.082g、0.25mmol)およびブロモアセトニトリル(0.044g、0.37mmol)で処理した。混合物を80℃で4時間加熱し、その後、周囲温度に冷却した。DMFを真空で除去し、残留物をTHF(2ml)で処理した。反応混合物に真空と窒素圧を連続して適用することによって、溶媒を脱気した。次いで、混合物を、モルホリン(0.035ml、0.4mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.03g、0.026mmol)で処理した。2時間後、混合物を、2M塩酸水溶液(2ml)で処理し、生成物をクロロホルム(3×5ml)で抽出した。有機画分を合わせ、蒸発させた。残留物を、質量分析HPLCによる精製に供し、白色固体として表題化合物を得た(0.022g、33%)。NMR;δ(400MHz,d−DMSO)、0.88(t,3H,J=7.5Hz)、1.63〜1.74(m,2H)、3.91(t,2H,J=7.5Hz)、4.87(s,2H)、δ14までNHは認められなかった;m/z 268[MH]。
【0242】
実施例24:[8−クロロ−3−(2−シクロプロピルエチル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−1−イル]アセトニトリル
【0243】
【化76】

8−クロロ−3−(2−シクロプロピルエチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオンを用い、(8−クロロ−2,6−ジオキソ−3−プロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−1−イル)アセトニトリル(実施例23)と同様に調製した。
NMR δ(400MHz,d−DMSO)−0.06〜0.00(m,2H)、0.31〜0.39(m,2H)、0.64〜0.74(m,1H)、1.57(q,2H,J=7Hz)、4.04(t,2H,J=7Hz)、4.87(s,2H)、14.68(br.s,1H);m/z 294[MH]。
【0244】
実施例25:8−クロロ−1−エチル−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0245】
【化77】

【0246】
a)8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0247】
【化78】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(1.5g、6.62mmol)の無水DMF(50ml)溶液に、炭酸水素ナトリウム(0.98g、9.25mmol)を添加、続いて1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタン(1.20g、5.72mmol)を添加し、混合物を窒素雰囲気下、50℃で6時間、撹拌しながら加熱した。溶液を10時間で周囲温度に冷まし、次いで、120℃で48時間加熱した。追加の1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタン(0.43g、2.05mmol)を添加し、混合物をさらに3時間、120℃に加熱した。減圧下、溶媒を除去し、残留物をDCMで摩砕し、その後、濾過した。
【0248】
この反応を、無水DMF(125ml)中、8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(3.80g、16.8mmol)、炭酸水素ナトリウム(2.45g、23.1mmol)、および1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタン(4.05g、19.3mmol)を用いて繰り返した。混合物を120℃で16時間加熱し、減圧下、溶媒を除去し、残留物をDCMで摩砕し、その後、濾過した。
【0249】
2つの実験のDCM濾液を合わせ、減圧下で濃縮し、Biotage(商標)クロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル1:1、次いで7:3で溶出)を用いて精製して、白色固体として表題化合物を得た(1.6g、23%)。m/z 309[MH]。
【0250】
b)8−クロロ−1−エチル−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0251】
【化79】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(0.070g、0.23mmol)の無水DMF(2ml)溶液に、炭酸セシウム(0.085g、0.26mmol)を添加し、続いて1−ヨードエタン(0.061g、0.39mmol)を添加した。混合物を80℃で5時間加熱し、その後、窒素雰囲気下、周囲温度で16時間撹拌した。真空遠心分離機を用い、減圧下、溶媒を除去し、残留物を無水THF(2.5ml)に溶解した。その混合物に、パラジウムテトラキス(0.030g、0.026mmol)およびモルホリン(0.040g、0.45mmol)を添加し、窒素を用いて反応混合物を脱気し、その後、周囲温度で72時間撹拌した。混合物をクロロホルムと2N HCl水溶液に分配し、水層を再抽出した。有機抽出物を合わせ、窒素流下、蒸発させ、アミノプロピルSPE(酢酸:メタノール:DCM,1:2:2で溶出)を用いて精製して、純度>95%の白色固体として表題化合物を得た(0.041g、60%)。NMR δ(400MHz,d−MeOD)1.20(t,3H,J=7Hz)、4.03(q,2H,J=7Hz)、4.73(q,2H,J=8.5Hz)、m/z 297[MH]。
【0252】
実施例26:8−クロロ−1−プロピル−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0253】
【化80】

N1をアルキル化するためにヨウ化プロピルを用い、実施例25と同様に調製した。
NMR δ(400MHz,CDCl)0.99(t,3H,J=7.5Hz)、1.68〜1.79(m,2H)、4.07(t,2H,J=7.5Hz)、4.77(q,2H,J=8.5Hz)、δ13までNHは認められなかった;m/z 311[MH]。
【0254】
実施例27:8−クロロ−1−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0255】
【化81】

N1をアルキル化するために4−ブロモ−1,1,1−トリフルオロブタンを用い、実施例25と同様に調製した。
NMR;δ(400MHz,d−MeOD)1.83〜1.95(m,2H)、2.14〜2.32(m,2H)、4.06(t,2H,J=7Hz)、4.74(q,2H,J=8.5Hz)、m/z 377[M−H]
【0256】
実施例28:8−ブロモ−1−メチル−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0257】
【化82】

【0258】
a)1−メチル−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0259】
【化83】

1−メチル−3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(0.45g、1.63mmol)、フェニルシラン(0.25ml、2.03mmol)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.35g、0.3mmol)を、酢酸(6ml)を含有するDCM(10ml)に溶解した。フラスコを排気し、窒素を充填することによって(×3)、フラスコの空気を窒素に交換し、反応混合物を45℃で4時間加熱した。溶液を冷まし、DCMで希釈し、その後、水で洗浄し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を単離し、乾燥し、濃縮して、粗生成物を得た。エーテルで溶出することにより、SPE(シリカ)で精製して、生成物0.06g、16%を得た。m/z 237[MH]。
【0260】
b)8−ブロモ−1−メチル−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0261】
【化84】

1−メチル−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(0.06g、0.25mmol)をDMF(2ml)に溶解し、N−ブロモスクシンアミド(0.045g、0.25mmol)を添加した。混合物を18時間撹拌し、濃縮し、アミノプロピルSPE(5g)を通して最初にメタノール、次いで5%酢酸/メタノールで溶出することによって粗生成物を精製し、生成物を溶出した。生成物をさらに質量分析自動分取で精製して、白色固体として表題化合物を得た(0.01g、12%)。NMR δ(400MHz,d−DMSO)0.86(t,3H,J=7Hz)、1.21〜1.35(m,4H)、1.59〜1.68(m,2H)、3.22(s,3H)、3.91(t,2H,J=7.5Hz)、14.39(br.s,1H);m/z 315,317[MH]。
【0262】
実施例29:8−クロロ−1−メチル−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0263】
【化85】

【0264】
a)8−クロロ−1−メチル−3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0265】
【化86】

8−クロロ−3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(3.9g、13.3mmol)のDMF(35ml)溶液に、炭酸セシウムを添加し、混合物を10分間撹拌し、すぐにヨードメタン(0.91ml、14.6mmol)を添加して、混合物を18時間撹拌した。この反応を酢酸エチルと2N HCl溶液に分配し、有機相を単離し、乾燥(MgSO)し、濃縮した。シクロヘキサン/酢酸エチル(5%〜20%)で溶出することにより、シリカSPEのクロマトグラフィーにかけ、2.78g、68%の油として生成物を得た。m/z 311[MH]。
【0266】
b)8−クロロ−1−メチル−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0267】
【化87】

テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.0、0.90mmol)をフラスコに入れ、フラスコを排気し、その後、窒素を充填した(×3)。8−クロロ−1−メチル−3−ペンチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(2.78g、8.96mmol)のTHF50ml溶液を添加し、フラスコを再び排気し、窒素を導入した。DMSO(4.5ml)およびモルホリン(7.8ml、89.6mmol)を添加し、その溶液を5時間撹拌した。溶液を酢酸エチルと2N HCl溶液に分配し、有機画分をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮した。粗生成物を、最初にメタノール、次いで0〜15%酢酸を含有するメタノールで溶出することにより、アミノプロピルSPEで精製して、白色固体1.12g、46%として表題化合物を得た。NMR δ(400MHz,d−DMSO)0.86(t,3H,J=7Hz)、1.21〜1.35(m,4H)、1.59〜1.68(m,2H)、3.22(s,3H)、3.91(t,2H,J=7.5Hz)、NHは認められなかった;m/z 271[MH]。
【0268】
実施例30:3−ブチル−8−クロロ−1−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0269】
【化88】

出発原料として3−ブチル−8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオンを用いて、実施例29と同様に調製した。
NMR δ(400MHz,d−DMSO)0.88(t,3H,J=7Hz)、1.25〜1.35(m,2H)、1.6〜1.66(m,2H)、3.22(s,3H)、3.91(t,2H,J=7.5Hz)、14.46(br s,1H);m/z 257[MH]。
【0270】
実施例31:4−(8−クロロ−1−メチル−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)ブタンニトリル
【0271】
【化89】

8−クロロ−1−メチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(70mg、0.292mmol)とNaCO(37mg、0.35mmol)のDMF(3ml)中の混合物に、4−ブロモブチロニトリル(0.035ml、0.35mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、その後、穏やかな真空下で脱気し、窒素を導入した。Pd(PPh(50mg、0.044mmol)およびモルホリン(0.254ml、2.92mmol)を連続して添加した。室温で2時間撹拌した後、さらに新しいPd(PPh(50mg、0.044mmol)を添加し、一晩撹拌を続けた。分離を促進するために少量の2M HClを加え、反応混合物を酢酸エチル(20ml)と水(20ml)に分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮した。残留物をMeOHに溶解し、MeOH、続いて3〜5%AcOH/MeOHで溶出することにより、アミノプロピルSPE(5g)に通した。生成物の画分を濃縮して、39.7mg(51%)の表題化合物を得た。NMR;δ(400MHz,d−DMSO)1.91〜2.00(m,2H)、2.55(t,2H,J=7Hz)、3.22(s,3H)、4.03(t,2H,J=7Hz)、14.49(br.s,1H);m/z 268.1[MH]。
【0272】
実施例32:8−クロロ−1−メチル−3−(4,4,4−トリフルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0273】
【化90】

8−クロロ−1−メチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(0.048g、0.2mmol)のTHF(1ml)溶液を、炭酸セシウム(0.78g、0.24mmol)および4−ブロモ1,1,1−トリフルオロブタン(0.044g、0.25mmol)で処理した。混合物を周囲温度で1時間撹拌し、その後、50℃で4時間加熱し、冷却した。混合物に真空と窒素圧を交互に適用することによって、混合物を脱気し、その後、モルホリン(0.17ml、2mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.023g、0.02mmol)で処理した。2時間後、混合物を、2M塩酸水溶液(2ml)で慎重に処理し、生成物をクロロホルム(2×4ml)で抽出した。合わせた有機相を蒸発させ、生成物を逆相質量分析HPLCによって精製して、表題化合物6.2mg(10%)を得た。NMR;δ(400MHz,d−DMSO);1.84〜1.92(m,2H)、2.28〜2.35(m,2H)、3.22(s,3H)、3.99〜4.03(m,2H)14.31(br.s,1H);m/z 311.2[MH]。
【0274】
実施例33:3−ブチル−8−クロロ−1−エチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0275】
【化91】

【0276】
a)3−ブチル−7−(フェニルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0277】
【化92】

7−ベンジル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(17.14g、70.8mmol)[Synthetic Communications、20(16)、2459〜2467、1990]および炭酸カリウム(11.43g、82.8mmol)を、40℃でDMF(400ml)に懸濁した。30分間撹拌した後、ヨウ化ブチル(8.76ml、77.0mmol)を添加し、混合物を40℃で一晩撹拌した。50%酢酸水溶液(60ml)を添加し、溶液を減圧下で濃縮した。残留物を水(500ml)に懸濁し、生成物をクロロホルムに抽出した。有機抽出物を回収、濃縮し、生成物を、1%メタノールのジクロロメタン溶液で溶出することにより、フラッシュクロマトグラフィーを用いて単離して、生成物を得た(9.49g、45%)。H NMR(400MHz;CDCl)δ:0.95(3H,t)、1.34〜1.41(2H,m)、1.70〜1.78(2H,m)、4.05(2H,t)、5.46(2H,s)、7.31〜7.40(5H,m)、7.56(1H,s)、8.21(1H,br.s);m/z 299[MH]。
【0278】
b)3−ブチル−1−エチル−7−(フェニルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0279】
【化93】

3−ブチル−7−(フェニルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(0.429g、1.24mmol)および炭酸カリウム(0.256g、1.85mmol)をDMF(8ml)に懸濁し、ヨードエタン(0.113ml、1.42mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を蒸発乾固し、残留物を水と酢酸エチルに分配した。有機層を水で洗浄し、続いてブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、表題化合物を得た。H NMR(400MHz;CDCl)δ:0.96(3H,t)、1.25(3H,t)、1.36〜1.45(2H,m)、1.72〜1.76(2H,m)、4.05〜4.13(4H,m)、5.50(2H,s)、7.32〜7.40(5H,m)、7.52(1H,s);m/z 327[MH]。
【0280】
c)3−ブチル−1−エチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0281】
【化94】

3−ブチル−1−エチル−7−(フェニルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(0.353g、1.08mmol)を酢酸(30ml)に溶解し、20%水酸化パラジウム炭素(0.238g)を添加し、混合物を水素下(50psi)で一晩振とうした。Celite(登録商標)を通して濾過することによって触媒を除去し、酢酸で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物を得た(0.227g、89%)。H NMR(400MHz;CDCl)δ:0.97(3H,t)、1.28(3H,t)、1.38〜1.47(2H,m)、1.74〜1.82(2H,m)、4.12〜4.17(4H,m)、7.80(1H,s);m/z 237[MH]。
【0282】
d)3−ブチル−8−クロロ−1−エチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0283】
【化95】

3−ブチル−1−エチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(100mg、0.42mmol)およびNCS(56mg、0.42mmol)をMeCN(5ml)に懸濁し、マイクロ波照射下、120℃で加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、HPLCを用いて表題化合物を単離した[精製に用いたHPLC条件:分析時間23分、溶媒:0.1%TFAのMeCN溶液および0.1%TFA水溶液。MeCNは15分かけて直線的に5%から95%に増加。95%で2分間保持。その後、1分かけて直線的に5%に低減、次の注入前、5%で5分間平衡させる]。H NMR(400MHz;CDCl)δ:0.97(3H,t)、1.31(3H,t)、1.38〜1.45(2H,m)、1.72〜1.80(2H,m)、4.09〜4.20(4H,m)、13.40(1H,br.s);m/z 271[MH]。
【0284】
実施例34:8−クロロ−3−(4−メチルペンチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0285】
【化96】

1−ブロモ−メチルペンタン(86mg)から。
MeOHから再結晶。
収量34.8mg(29%)、NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 0.83(d,6H,J=8Hz)、1.12〜1.22(m,2H)、1.55(七重線,1H,J=8Hz)、1.58〜1.68(m,2H)、3.83(t,2H,J=7.5Hz)、11.20(s,1H);m/z 271[MH
【0286】
実施例35:6−(8−クロロ−2,6−ジオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)−2,2−ジメチルヘキサンニトリル
【0287】
【化97】

6−ブロモ−2,2−ジメチルヘキサンニトリル(100mg)から。
MeOHから再結晶。
収量48.5mg(35%);NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 1.27(s,6H)、1.35〜1.44(m,2H)、1.54〜1.59(m,2H)、1.63〜1.72(m,2H)、3.88(t,2H,J=7Hz)、11.24(s,1H);m/z 310[MH
【0288】
実施例36:8−クロロ−3−(6−メチルヘプチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0289】
【化98】

1−ブロモ−6−メチルヘプタン(95mg)から。
MeOHから再結晶。
収量36mg(27%)、NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 0.83(d,6H,J=7.5Hz)、1.10〜1.17(m,2H)、1.20〜1.34(m,4H)、1.48(七重線,1H,J=7.5Hz)、1.58〜1.68(m,2H)、3.84(t,2H,J=8Hz)、11.22(s,1H);m/z 299[MH
【0290】
実施例37:8−クロロ−3−オクチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0291】
【化99】

8−クロロ−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(100mg、0.44mmol)を、乾燥DMF(3ml)中、炭酸ナトリウム(52mg、0.49mmol)と共に撹拌し、次いで、1−ヨードオクタン(118mg、0.49mmol)を添加し、混合物を窒素下、40℃で65時間撹拌した。室温に冷却した後、数回容器を排気して窒素を再充填することによって、混合物を完全に脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(102mg、0.09mmol)を添加し、混合物を再び脱気し、その後、モルホリン(0.385ml、4.4ml)を添加し、6.5時間撹拌を続けた。2M HClおよびEtOAcを加え、その2相系を濾過した。生成物は主に濾過された固体に存在し、それをTHF−アセトニトリルから再結晶し、続いてMeOHから再結晶し、濾過して、純粋な表題化合物を得た。
収量48mg(36%);NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 0.84(t,3H,J=7Hz)、1.18〜1.30(m,10H)、1.57〜1.66(m,2H)、3.84(t,2H,J=7.5Hz)、11.22(s,1H);m/z 299[MH
【0292】
実施例38:8−クロロ−3−デシル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0293】
【化100】

1−ブロモデカン(108mg)から出発して、実施例37の方法で調製した。MeOHからの再結晶、それに続く質量分析自動分取により、さらに精製を行った。
収量2mg(1.4%);NMR;(400MHz,d−メタノール)δ 0.89(t,3H,J=7Hz)、1.26〜1.38(m,14H)、1.68〜1.76(m,2H)、3.97(t,2H,J=7.5Hz);m/z 327[MH]。
【0294】
実施例39:8−クロロ−3−(シクロヘキシルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0295】
【化101】

追加の加熱時間を80℃で18時間行ったことを除いて、実施例37と同様の方法で(ブロモメチル)シクロヘキサン(87mg)から調製した。
MeOHから再結晶
収量31mg(25%);NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 0.90〜1.02(m,2H)、1.08〜1.20(m,3H)、1.53〜1.69(m,5H)、1.77〜1.87(m,1H)、3.70(d,2H,J=7.5Hz)、11.21(s,1H);m/z 283[MH
【0296】
実施例40〜46の一般的な方法
8−クロロ−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(100mg、0.442mmol)の乾燥THF(3ml)溶液に、アルコール(0.442mmol)を添加した。混合物を0℃で撹拌しながら、アゾジカルボン酸ジベンジル(純度94%、280mg、0.88mmol)の乾燥THF(2ml)溶液を添加し、続いてトリフェニルホスフィン(232mg、0.88mmol)の乾燥THF溶液を5分かけて滴加した。さらに30分間0℃の後、室温で18時間撹拌を続けた。数回容器を排気して窒素を再充填することによって、混合物を完全に脱気し、その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(102mg、0.088mmol)を添加し、続いてモルホリン(0.385ml、4.42ml)を添加し、4.5時間撹拌を続けた。EtOAcと2M HClを加え、混合物を濾過して、沈殿した黄色固体を除去した。濾液を分離し、有機相を濃縮、THFとMeOHの混合物に再び溶解した。この溶液をアミノプロピルSPEに通し、THF−MeOH(1:1)、続いてMeOH、その後5%AcOHのDCM−MeOH(1:1)溶液で溶出した。このようにして得られた生成物の画分を濃縮し、MeOHから再結晶して、純粋な表題化合物を得た。
【0297】
実施例40:(±)−8−クロロ−3−(3−メチルペンチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0298】
【化102】

(±)−3−メチル−1−ペンタノール45mgから。
収量20.2mg(17%);NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 0.83(t,3H,J=7.5Hz)、0.90(d,3H,J=6.5Hz)、1.12〜1.21(m,1H)、1.30〜1.48(m,3H)、1.58〜1.68(m,1H)、3.87(t,2H,J=7.5Hz)、11.21(s,1H);m/z 271[MH]。
【0299】
実施例41:8−クロロ−3−(2−シクロペンチルエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0300】
【化103】

2−シクロペンチルエタノール50mgから。
収量24.6mg(20%);NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 1.04〜1.15(m,2H)、1.40〜1.67(m,6H)、1.70〜1.82(m,3H)、3.86(t,2H,J=7.5Hz)、11.22(s,1H);m/z 283[MH
【0301】
実施例42:8−クロロ−3−(シクロプロピルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0302】
【化104】

シクロプロピルメタノール32mgから。
収量22.3mg(21%);NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 0.34〜0.40(m,2H)、0.40〜0.48(m,2H)、1.17〜1.27(m,1H)、3.74(d,2H,J=7.5Hz)、11.23(s,1H);m/z 241[MH]。
【0303】
実施例43:(±)−8−クロロ−3−(2−メチルブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0304】
【化105】

(±)−2−メチル−1−ブタノール39mgから。
収量12mg(9.5%);NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 0.81(d,3H,J=7Hz)、0.86(t,3H,J=7.5Hz)、1.06〜1.17(m,1H)、1.30〜1.41(m,1H)、1.90〜2.00(m,1H)、3.68(dd,1H,J=13.5および8Hz)、3.75(dd,1H,J=13.5および7.5Hz)、11.22(s,1H);m/z 257[MH
【0305】
実施例44:(±)−8−クロロ−3−(2−メチルペンチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0306】
【化106】

(±)−2−メチル−1−ペンタノール45mgから。
収量22.4mg(19%);NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 0.81(d,3H,J=7Hz)、0.84(t,3H,J=7.5Hz)、1.05〜1.16(m,1H)、1.16〜1.43(m,3H)、1.98〜2.09(m,1H)、3.67(dd,1H,J=13.5および8Hz)、3.74(dd,1H,J=13.5および7Hz)、11.22(s,1H);m/z 271[MH
【0307】
実施例45:8−クロロ−3−(シクロブチルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0308】
【化107】

シクロブチルメタノール38mgから。
収量30.5mg(27%);NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 1.73〜1.85(m,4H)、1.86〜1.97(m,2H)、2.66〜2.79(m,1H)、3.90(d,2H,J=7.5Hz)、11.22(s,1H);m/z 255[MH
【0309】
実施例46:8−クロロ−3−(シクロペンチルメチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0310】
【化108】

シクロペンチルメタノール44mgから。
収量15mg(13%);NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 1.20〜1.32(m,2H)、1.42〜1.54(m,2H)、1.54〜1.66(m,4H)、2.32〜2.45(m,1H)、3.79(d,2H,J=8Hz)、11.22(s,1H);m/z 269[MH
【0311】
実施例47:8−クロロ−3−(3−シクロプロピルプロピル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0312】
【化109】

3−シクロプロピル−1−プロパノール(P.J.Wagner、J.Amer.Chem.Soc.1981、103、3837〜3841)(44mg)から。
収量27.7mg(23%);NMR;(400MHz,d−DMSO)δ −0.03−+0.03(m,2H)、0.34〜0.40(m,2H)、0.65〜0.75(m,1H)、1.15〜1.23(m,2H)、1.66〜1.76(m,2H)、3.87(t,2H,J=7Hz)、11.15(s,1H);m/z 269[MH
【0313】
実施例48:8−クロロ−3−(2−シクロブチルエチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0314】
【化110】

2−シクロブチルエタノール(P.Vergnon、Eur.J.Med.Chem.1975、10、65〜71)(44mg)から。
収量21.5mg(18%);NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 1.53〜1.64(m,2H)、1.68〜1.85(m,4H)、1.93〜2.03(m,2H)、2.19〜2.30(m,1H)、3.78(t,2H,J=7Hz)、11.20(s,1H);m/z 269[MH
【0315】
実施例49:8−クロロ−3−(4−フルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0316】
【化111】

【0317】
a)8−クロロ−3−(4−フルオロブチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0318】
【化112】

撹拌器を備えた1.5mlマイクロ波バイアルにおいて、8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(200mg、0.88mmol、1当量)の無水DMSO(1ml)溶液に、炭酸水素ナトリウム(113mg、1.07mmol、1.2当量)を添加し、続いて1−ブロモ−4−フルオロブタン(114μl、165mg、1.06mmol、1.2当量)を添加した。バイアルを密封し、最大出力300Wで、25分間120℃の温度を維持し、マイクロ波を用いて撹拌しながら加熱した。生じた濃い茶色の溶液をメタノール(1ml)で希釈し、質量分析自動分取HPLCによって精製して、白色固体として表題化合物を得た(159mg、60%)。m/z 301.3[MH]。
【0319】
8−クロロ−3−(4−フルオロブチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
8−クロロ−3−(4−フルオロブチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(100mg、0.33mmol、1当量)の無水DCM(2ml)懸濁液に、パラジウムテトラキス(38mg、0.033mmol、10%bw)を添加し、続いて酢酸(115μl、121mg、2.01mmol、6当量)およびフェニルシラン(410μl、360mg、3.33mmol、10当量)を添加した。生じた淡黄色の溶液を周囲温度で16時間撹拌し、濃い紫色の溶液を得た。溶媒を窒素流下で除去し、残留物を加熱しながらDMSO/メタノール溶液(3ml、2:1)に溶解した。ゼラチン状混合物を周囲温度に冷まし、濾過し、その後、質量分析自動分取HPLCによって精製して、白色固体として表題化合物を得た(35mg、43%)。m/z 261.2[MH]NMR(400MHz,MeOD)、δ 4.45(2H,dt,J=47および6Hz)、4.03(2H,t,J=7Hz)、1.90〜1.65(4H,m)。
【0320】
以下の化合物を同様に調製し、必要に応じて分取または質量分析自動分取HPLCによって精製した。
【0321】
実施例50:8−クロロ−3−(3−フルオロプロピル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0322】
【化113】

NMR(400MHz,MeOD)、δ 4.51(2H,dt,J=47および6Hz)、4.11(2H,t,J=7Hz)、2.18〜2.03(2H,m)。m/z 247[MH
【0323】
実施例51:8−クロロ−3−(5−フルオロペンチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0324】
【化114】

NMR(400MHz,MeOD)、δ 4.41(2H,dt,J=48および6Hz)、3.99(2H,t,J=8Hz)、1.84〜1.63(4H,m)、1.52〜1.40(2H,m)。m/z 273.29[MH
【0325】
実施例52:3−(3−ブテン−1−イル)−8−クロロ−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0326】
【化115】

8−クロロ−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(100mg、0.44mmol)を、乾燥DMF(3ml)中、45分間炭酸ナトリウム(52mg、0.49mmol)と共に撹拌し、次いで、4−ブロモ−1−ブテン(66mg、0.49mmol)を添加し、混合物を、窒素下、40℃で65時間撹拌した。室温に冷却した後、数回容器を排気して窒素を再充填することによって、混合物を完全に脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(102mg、0.09mmol)を添加し、混合物を再び脱気し、その後、モルホリン(0.385ml、4.4ml)を添加し、6.5時間撹拌を続けた。2M HClおよびEtOAcを加え、その2相系を濾過して、沈殿した黄色固体を除去した。濾液の有機相を分離し、蒸発させた。残留物を温めながらTHF−MeOH(1:1)に溶解し、アミノプロピルSPE(5g)に装填し、それをTHF−MeOH(1:1)、続いてMeOH、その後5%AcOHのMeOH−DCM(1:1)溶液で溶出した。生成物の画分をさらに質量分析自動分取によって精製して、表題化合物を得た。
収量27.5mg(26%)、NMR;(400MHz,d−DMSO)δ 2.40(dt,2H,J=7および6Hz)、3.93(t,2H,J=7Hz)、4.97〜5.07(m,2H)、5.74〜5.85(m,1H)。11.22(s,1H);m/z 241[MH
【0327】
実施例53:8−クロロ−3−(6−フルオロへキシル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0328】
【化116】

NMR(400MHz,MeOD)、δ 4.40(2H,dt,48および6Hz)、3.98(2H,t,8Hz)、1.80〜1.60(4H,m)、1.52〜1.35(4H,m)。m/z 287[MH
【0329】
実施例54:8−クロロ−3−エチル−1−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0330】
【化117】

【0331】
a)8−クロロ−3−({[2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}メチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0332】
【化118】

8−クロロ−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(6g、26.5mmol)の無水DMF(30ml)溶液に、炭酸ナトリウム(3.09g、29.15mmol)を添加した。室温で10分間撹拌した後、塩化メトキシエトキシメチル(3.03ml、26.5mmol)を加え、窒素下、室温で66時間撹拌を続けた。反応混合物を真空で濃縮し、残留物をEtOAc(100ml)に溶解し、ブライン(100ml)で洗浄し、水抽出物をDCM(100ml)で抽出、有機抽出物を乾燥(MgSO)し、合わせ、真空で濃縮した。残留物をEtOAcで摩砕し、固体を濾別した。濾液を濃縮して、薄茶色の油を得て、それをシリカに吸収させ、1:1EtOAc/シクロヘキサン−EtOAcの勾配で溶出することにより、SPE(Si、50g)で精製して、白色固体として表題化合物を得た(2g、24%)。m/z 315.2[MH]。
【0333】
b)8−クロロ−1−メチル−3−({[2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}メチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0334】
【化119】

8−クロロ−3−({[2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}メチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(2g、6.37mmol)の無水DMF(15ml)溶液に、炭酸ナトリウム(0.743g、7mmol)を添加した。室温で10分間撹拌した後、ヨウ化メチル(0.44ml、7mmol)を添加し、窒素下、室温で18時間撹拌を続けた。反応混合物を真空で濃縮し、残留物をEtOAc(100ml)に溶解し、ブライン(100ml)で洗浄した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、蒸発させて、黄褐色の油として表題化合物を得た(純度85%)(2.98g、定量)。m/z 329.2[MH]。
【0335】
c)8−クロロ−1−メチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0336】
【化120】

8−クロロ−1−メチル−3−({[2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}メチル)−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(2.9g、6.37mmol)のジオキサン(20ml)と水(20ml)の溶液に、5M HCl水溶液(20ml)を添加した。生じた混合物を、窒素下、100℃で18時間加熱した。次いで、反応混合物を真空で濃縮し、残留物をEtOAc(100ml)に溶解し、水で洗浄した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、蒸発させた。2:3EtOAc/シクロヘキサンで溶出することにより、SPE(Si、20g)で精製して、白色固体として表題化合物を得た(1.04g、68%)。m/z 241.1[MH]。
【0337】
d)8−クロロ−3−エチル−1−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン
【0338】
【化121】

8−クロロ−1−メチル−7−(2−プロペン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(100mg、0.42mmol)の無水DMF(3ml)溶液に、炭酸ナトリウム(58mg、0.54mmol)を添加し、10分間撹拌した後、ヨウ化エチル(0.043ml、0.54mmol)を添加し、反応混合物を、窒素下、室温で90時間撹拌した。次いで、Pd(PPh(73mg、0.063mmol)を添加し、反応容器を排気し、窒素を流し(×3)、モルホリン(0.37ml、4.3mmol)を添加して、窒素下、室温で4時間撹拌を続けた。反応混合物をEtOAc(25ml)で希釈し、2MのHCl水溶液(25ml)で洗浄した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、蒸発させた。化合物を装填し、MeOHで洗浄し、その後、生成物を5%AcOH/MeOHで溶出することにより、アミノプロピルSPE(5g)で精製して、白色固体として表題化合物を得た(67mg、70%)。NMR;d(400MHz,d−DMSO)1.20(t,3H,J=7Hz)、3.22(s,3H)、3.97(q,2H,J=7Hz)、14.46(1H,br s);m/z 227.2[M−H]
【0339】
これに限定されるものではないが特許および特許出願を含む、本明細書に引用されたすべての刊行物は、それぞれ個々の刊行物が完全に記載されたかのように参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に指示されたごとく、参照により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

で示される、8−クロロ−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオンである化合物、あるいはその医薬上許容される塩または溶媒和物。
【請求項2】
8−クロロ−3−ペンチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオンである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の化合物と、1個または複数の生理学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体とを含む、医薬処方。
【請求項4】
ヒトまたは動物の医薬に用いるための請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項5】
HM74A受容体の活性化低下がその状態の一因であるか、またはその受容体の活性化が有益であろう状態を有するヒトまたは動物対象の治療にて用いるための請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項6】
脂質代謝障害の治療にて用いるための請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項7】
糖尿病性異常脂質血症、混合型異常脂質血症、心不全、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、および高トリグリセリド血症を含む心血管疾患、II型真性糖尿病、I型糖尿病、インスリン抵抗症候群、高脂血症、拒食症、肥満、冠動脈疾患、血栓症、狭心症、慢性腎不全、末梢血管疾患、または脳卒中の治療に用いるための請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項8】
異常脂質血症、高リポタンパク質血症、高コレステロール血症、または高トリグリセリド血症の治療に用いるための請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項9】
HM74A受容体の活性化低下がその状態の一因であるか、またはその受容体の活性化が有益であろう状態を有するヒトまたは動物対象の治療にて用いるための薬剤の製造における請求項1または請求項2に記載の化合物の使用。
【請求項10】
脂質代謝作用の障害を治療するための医薬の製造における請求項1または請求項2に記載の化合物の使用。
【請求項11】
糖尿病性異常脂質血症、混合型異常脂質血症、心不全、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、および高トリグリセリド血症を含む心血管疾患、II型真性糖尿病、I型糖尿病、インスリン抵抗症候群、高脂血症、拒食症、肥満、冠動脈疾患、血栓症、狭心症、慢性腎不全、末梢血管疾患または脳卒中を治療するための薬剤の製造における、請求項1または請求項2に記載の化合物の使用。
【請求項12】
異常脂質血症、高リポタンパク質血症、高コレステロール血症、または高トリグリセリド血症の治療用の薬剤の製造における請求項1または請求項2に記載の化合物の使用。
【請求項13】
個別または併用式医薬処方にて併せてあるいは個別に、連続してまたは同時に投与するための組合せであって、請求項1または請求項2に記載の化合物と、もう一つ別の治療的に活性な物質とを含む、組合せ。
【請求項14】
(i)請求項1または請求項2に記載の化合物;
(ii)スタチン、フィブラート、胆汁酸結合樹脂、およびニコチン酸から選択される1種または複数の活性成分;および
(iii)1種または複数の生理的に許容される希釈剤、賦形剤、または担体を含む医薬処方。
【請求項15】
請求項1または請求項2に記載の化合物を調製する方法であって、
(i)N7保護キサンチンのN3のアルキル化;
(ii)C8の塩素化;および
(iii)脱保護;
を含む、ただし、脱保護がアルキル化後に行われるところの、方法。

【公開番号】特開2008−120831(P2008−120831A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30344(P2008−30344)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【分割の表示】特願2006−552565(P2006−552565)の分割
【原出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(591002957)スミスクライン・ビーチャム・コーポレイション (341)
【氏名又は名称原語表記】SMITHKLINE BEECHAM CORPORATION
【Fターム(参考)】