説明

ICタグリーダ位置特定装置およびICタグリーダ位置特定方法

【目的】本発明は、複数のICタグをもとに位置を特定するICタグリーダ位置特定装置およびICタグリーダ位置特定方法に関し、空間内に複数の位置情報等を書き込んだICタグを配置することで、移動するリーダの位置およびICタグから読み取った情報(商品情報、場所情報などの情報)を簡易かつ高精度に表示等することを目的とする。
【構成】 位置情報を書き込んで空間内の該当位置に配置する複数のICタグと、ICタグから情報を読み取るリーダと、リーダによって信号強度を可変して送信しICタグから情報を読み出させたときあるいは読み取れなくなったときの信号強度からICタグまでの距離を算出する手段と、算出した複数のICタグまでの距離および複数のICタグからそれぞれ読み取った位置情報をもとにリーダの位置を算出する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のICタグをもとに位置を特定するICタグリーダ位置特定装置およびICタグリーダ位置特定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自分の位置を特定する技術として、カーナビゲーションシステムに代表されるGPS受信機を用いて位置を特定するものがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した技術では、GPS受信機でGPS電波が受信できないような場所、例えば地下鉄の駅構内やデパートの建物内の売り場などの場所では、自分のいる場所を特定できないという問題がある。
【0004】
また、デパートの建物内の売り場などで商品にICタグを貼付し、ICタグリーダを持った人が店内を歩き回り、近くに来たときにその商品に貼付されているICタグから当該商品の情報を取得して画面上に表示し、近くに商品があることを認識することが考えられるが、これでは、ICタグの情報を読み取って画面上に商品情報を表示した状態で、後は目視でその商品を探すこととなってしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、これらの問題を解決するため、位置情報を記録した複数のICタグを空間内の任意の位置に配置し、リーダから電波強度を変えて複数のICタグから位置情報が読み取れたときの強度を求め三角測量の原理で算出したそれぞれの距離およびICタグから読み取った位置情報をもとに地図上のリーダの位置、更に、ICタグの位置を表示すると共に、選択されたICタグ(あるいは読み出した商品情報)へのルート表示、および更に、リーダの移動した移動軌跡を表示するようにしている。
【0006】
従って、空間内に複数の位置情報等を書き込んだICタグを配置することで、移動するリーダの位置およびICタグから読み取った情報(商品情報、場所情報などの情報)を簡易かつ高精度に表示等することが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
本願発明は、空間内に複数の位置情報等を書き込んだICタグを配置することで、移動するリーダの位置およびICタグから読み取った情報(商品情報、場所情報などの情報)を簡易かつ高精度に表示等することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、位置情報を記録した複数のICタグを空間内の任意の位置に配置し、リーダから電波強度を変えて複数のICタグから位置情報が読み取れたときの強度を求め三角測量の原理で算出したそれぞれの距離およびICタグから読み取った位置情報をもとに地図上のリーダの位置、更に、ICタグの位置を表示すると共に、選択されたICタグ(あるいは読み出した商品情報)へのルート表示、および更に、リーダの移動した移動軌跡を表示することを実現した。
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明のシステム構成図を示す。
図1において、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1は、複数のICタグ21から無線で送信する信号強度を可変して情報が読み取れたときあるいは読み取れなくなったときの信号強度をもとに距離変換テーブル11を参照して距離を算出、およびICタグ21から読み取った位置情報をもとに、ICタグリーダの位置を特定するものであって、ここでは、距離測定部2、ICタグ位置情報取得部3、位置計算処理部4、送信部5、表示部6、受信部7、距離変換テーブル11、リーダ12、自分の位置情報テーブル13、地図情報ファイル14、相手側位置情報テーブル15などから構成されるものである。
【0010】
距離測定部2は、リーダ12を制御して信号強度を可変してICタグ21に送信し、ICタグ21から情報が読み取れたとき(最小の信号強度からステップで順次送信する信号強度を大きくしたとき)、あるいは情報が読み取れなくなったとき(最大の信号強度からステップで順次送信する信号の強度を小さくしたとき)の信号強度を測定し、当該信号強度について距離変換テーブル11を参照してリーダ12からICタグ21までの距離を算出するものである(図2から図8を用いて後述する)。
【0011】
ICタグ位置情報取得部3は、ICタグ21から読み出した情報中から位置情報(ICタグの相対座標、あるいは経度・緯度・高度情報)を取得するものである。
【0012】
位置計算処理部4は、距離測定部2で測定した複数のICタグ21とリーダ12との距離、およびICタグ位置情報取得部3がICタグ21から読み取った情報中から取り出した位置情報をもとに、リーダ12の位置(相対座標あるいは緯度経度などの位置)を計算し、自分の位置情報テーブル13に記録したりなどするものである(図2などを用いて後述する)。
【0013】
送信部5は、位置計算処理部4で計算したリーダ12の位置を、他の携帯型ICタグリーダ位置特定装置1に送信して知らせるものである。
【0014】
表示部6は、地図情報ファイル14から地図を読み出して画面上に表示すると共に、自分の位置情報テーブル13から位置情報を読み出して当該地図上に併せてその位置(携帯型ICタグリーダ特定装置1の位置)を表示したり、相手の位置(携帯型ICタグリーダ特定装置1の位置)を表示したりなどするものである。
【0015】
受信部7は、他の携帯型ICタグリーダ特定装置1の位置を受信するものである。
距離変換テーブル11は、リーダ12から送信する信号強度(電波強度)の強さと、ICタグ21から情報を読み取れたとき(あるいは読み取れなくなったとき)の距離とを対応づけて予め実験で測定して設定したものである。
【0016】
リーダ12は、ICタグ21から無線で信号(電波)を送信して、当該ICタグから情報(位置情報(相対座標、緯度経度)、場所情報(○○デパート前)、メッセージ(特売中です))を読み取るものであって、送信する信号強度をステップで最小から最大まで順次可変できるものである。
【0017】
自分の位置情報テーブル13は、位置計算処理部4によって算出したリーダ12の位置情報を一時的に記録するものである。
【0018】
地図情報ファイル14は、地図情報(地図あるいは店のレイアウト、地下鉄の構内レイアウトなど)を予め格納、あるいは必要に応じて図示外のセンタから取得して保持するものである。
【0019】
相手側位置情報テーブル15は、相手の携帯型ICタグリーダ位置特定装置1から受信した位置情報を一時的に格納するものである。
【0020】
ICタグ21は、リーダ12によって無線で情報(位置情報(相対座標、緯度・経度・高度)、場所情報(○○デパート前です)、メッセージ(特売中です))を読み取る対象のICタグである。
【0021】
次に、図2のフローチャートの順番に従い、図1の構成のもとで、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1の位置を算出する手順について詳細に説明する。
【0022】
図2は、本発明の動作説明フローチャート(位置特定)を示す。
図2において、S1は、タグリーダ12の読取電波強度を制御してタグリーダ12から3地点のICタグ21までの距離を求める。これは、例えば後述する図3に示すように、人が保持する携帯型ICタグリーダ位置特定装置1内のタグリーダ12と、3つのICタグ21までの距離をそれぞれ求める。距離は、タグリーダ12から送信する電波強度(信号強度)を可変して送信し、ICタグ21から情報が読み取れたときあるいは読み取れ無くなったときの電波強度(信号強度)を求め、当該電波強度(信号強度)について、後述する図8の(b)の距離変換テーブル11を参照して該当する距離d1,d2,d3をそれぞれ算出する。そして、作業テーブル16に、右側に記載したように一時的に記憶する。尚、2次元の位置を計算するときは、2つのICタグ21からの距離d1,d2を算出すればよい。
【0023】
S2は、3つのICタグ21を読んで位置情報を取得する。これは、S1で位置を算出した3つのICタグ21から位置情報(相対座標、緯度・経度・高度)をそれぞれ読み取り、作業テーブル16にICタグの位置情報として記憶する。
【0024】
S3は、ICタグリーダ12の位置を計算する。これは、S1で求めたICタグリーダ12と3つのICタグ21との間の距離d1,d2,d3、およびS2で取得した3つのICタグ21から読み取った位置情報(相対座標、緯度・経度・高度情報)から、公知の三角測量の原理により、右側に記載した(式1)によって、タグリーダ12の位置(相対座標、緯度・経度・高度情報)を計算する。(式1)で、
・位置情報である
・(x1,y1,z1)はICタグ1から読み取った当該ICタグ1の位置情報
・(x2,y2,z2)はICタグ2から読み取った当該ICタグ2の位置情報
・(x3,y3,z3)ICタグ3から読み取った当該ICタグ3の位置情報
・距離である
・d1はタグリーダ12とICタグ1との距離
・d2はタグリーダ12とICタグ2との距離
・d3はタグリーダ12とICタグ3との距離
・求めるタグリーダ12の位置情報は、
・(x,y,z)
である。求めたタグリーダ12の位置(x,y,z)は作業テーブル16内にICタグリーダ位置情報として記憶する。
【0025】
S4は、その位置に自分のマークイメージを表示する。これは、地図情報ファイル14から取り出した地図を画面上に表示し、更に、自分マークイメージファイル17から取り出したマークイメージを、S3で計算したタグリーダ12の位置(x,y,z)に表示、例えば図4の(1)の顔マークのマークイメージを地下鉄のレイアウト図(地図)の上に重畳表示する。
【0026】
以上によって、ICタグ21に位置情報を書き込んで空間内の該当位置に貼り付けておき、人が持参する携帯型ICタグリーダ位置特定装置1を持って移動したときに、S1からS4の手順により、ICタグリーダ12から信号強度を可変して読み取れたときあるいは読み取れなくなったときのICタグ21に送信した信号強度をもとにテーブルを参照してICタグ21までの距離d1,d2,d3を算出、およびICタグ21から読み取ったそれぞれの位置情報をもとに公知の三角測量の原理によりICタグリーダ12の位置を算出し、地図上に自分のマークイメージで分かり易く表示することが可能となる。更に、他の携帯型ICタグリーダ位置特定装置1でも自身の位置を同様にして計算し、当該位置を受信できたときはその相手のマークイメージを受信した位置に併せて表示することが可能となる。更に、必要に応じて、情報を読み取ったICタグ21の位置情報の地図上の位置に当該ICタグ21自身のメークイメージを表示したり、読み取った情報(位置情報の他の、場所情報(例えば○○デパート前)、メッセージ(○○商品を特売中))を表示したりすることが可能となる(後述する)。
【0027】
図3は、本発明の説明図を示す。これは、建物の室内(例えば店舗内)の天井や壁に、位置情報を書き込んだICタグ21を複数貼付しておき、人が携帯型ICタグリーダ位置特定装置1を持って移動したときに、任意の3つのICタグ21(2次元でよいときは2つのICタグ21)から電波強度を可変したときにその情報が読み取れたあるいは読み取れなくなったときの電波強度(信号強度)をもとに距離変換テーブル11を参照してリーダ12とICタグ21との間の距離d1,d2,d3を求め、更に、ICタグ21から読み取った情報中の位置情報(相対座標(x1,y1,z1)、緯度・経度・高度)をもとに、右側に記載した(式1)によりリーダ12の位置(x,y,z)を算出し、地図上にその位置を表示する様子を示す。
【0028】
図4は、本発明の表示例を示す。図示の地図は、GPSで位置測定困難な例えば地下鉄の改札口近辺の地図であって、既述した図1から図3の構成および手順により、(1)マークイメージと矢印で示した位置に、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1が現在、位置する様子を画面上に示したものである。また、(2)の位置に、他のICタグリーダ位置特定装置1が同様にして算出して送信されたものを(1)のマークイメージの携帯型ICタグリーダ位置特定装置1が受信して表示する様子を示す。
【0029】
以上のように、地下鉄改札口などのGPS電波が届かない空間であって、位置情報を書き込んだICタグを複数配置することにより、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1が3つ(あるいは2つ)のICタグ21から電波強度を可変してその情報を読み取れたとき(あるいは読み取れなくなったとき)の電波強度をもとにテーブルを参照して距離をそれぞれ算出し、当該それぞれの距離d1,d2,d3と、各ICタグ21から読み取った位置情報とをもとにリーダ12(携帯型ICタグリーダ位置特定装置1)の位置を簡易かつ正確に算出し、画面上に(1)に示すように表示することが可能となると共に、他の携帯型ICタグリーダ位置特定装置1から位置情報の送信を受けて併せて画面上に図4の(2)に示すように表示することが可能となる。
【0030】
図5は、本発明の動作説明フローチャート(他の位置表示)を示す。これは、他の携帯型ICタグリーダ位置特定装置1から送信された位置を、既述した図4の(2)に示すように、表示するときのフローチャートである。ここで、S11からS13は、既述した図2のS1からS3と同様であるので、説明を省略する。
【0031】
図5において、S14は、位置情報(自分)の送信を行う。これは、S11からS13で求めた自分の携帯型ICタグリーダ位置特定装置1の位置(x,y,z)を、他の携帯型ICタグリーダ位置特定装置1に向けて送信する。
【0032】
S15は、位置情報(相手)の受信を行う。これは、S14の自分の位置(x,y,z)を送信したことに対応して(あるいは相手から最初に)、その位置情報(携帯型ICタグリーダ位置特定装置1の位置情報)を受信する。
【0033】
以上のS15までにより、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1が空間内の通信可能範囲内に複数存在した場合には、相互にS11からS13で算出した位置情報(x,y,z)をそれぞれ送受信し、取得することが可能となる。
【0034】
S16は、その位置にマークイメージを表示する。
以上によって、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1が空間内の通信可能範囲内に複数存在した場合には、相互に算出した位置情報(x,y,z)をそれぞれ送受信して取得し、例えば図4に示したように、自分の携帯型ICタグリーダ位置特定装置1および通信範囲内にある他の携帯型ICタグリーダ位置特定装置1をそれぞれユニークなイメージで表示することが可能となる。
【0035】
図6は、本発明の動作説明フローチャート(室内での応用例)を示す。
図6において、S21は、自分の位置を表示する。これは、例えば店舗内で、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1の位置(図2のS3、図5のS13で計算した位置)を、地図上の該当位置に表示(マークで表示)する。
【0036】
S22は、タグの位置を表示する。これは、情報の読み取れたICタグ21から読み取った情報中の位置情報をもとに地図上の該当位置にタグのマークで表示する。
【0037】
S23は、タグ情報(商品名)を表示する。これは、ICタグ21から読み取った情報中の商品情報を表示(例えば短い商品名、商品を表すアイコンなどで表示)する。
【0038】
以上によって、地図(店舗のレイアウト)上に、携帯型ICタグリーダ1の位置をマークで表示し、ICタグ21から読み取った情報中の位置情報の位置にICタグ21を表すマークを表示、更に、当該ICタグ21の位置に短い商品名(あるいは商品を表すマーク)を表示することが可能となる。
【0039】
S24は、表示した商品名またはタグ位置を選択する。これは、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1の画面上に表示されたICタグ21のマークあるいは商品名のいずれかが選択されたか判別し、選択されたときに、S25、S26に進む。
【0040】
S25は、S24で選択された商品の詳細情報を表示する。これは、選択されたICタグ21のマークあるいは商品名で指定されたICタグ21から読み取った情報中の商品の詳細情報(あるいはICタグ21から新たに読み取った商品の詳細情報)を表示する。
【0041】
S26は、選択した商品名またはICタグ21の強調表示する。これは、S24で選択された商品名またはICタグ21を強調表示し、選択された商品名またはICタグ21を明確にすることが可能となる。
【0042】
S27は、現在位置の選択位置のルート表示する。これは、現在の自身の携帯型ICタグリーダ位置特定装置1の位置から、S24で選択された商品名またはICタグ21のイメージに対応するICタグ21の位置までのルートを表示(例えば直線で表示、更に、地図に通路(道)情報があるときは最短の道のルートを表示)する。
【0043】
S28は、移動する。これは、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1を持参した人が、画面上に表示されたルートを通って目的とするICタグ21に向かって移動する。
【0044】
S29は、移動軌跡を表示する。これは、S28で携帯型ICタグリーダ位置特定装置1を持参した人が移動したことに対応して、その位置を逐次算出してその軌跡を表示(ルートと異なる色で表示)する。
【0045】
以上によって、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1の画面上に自身の位置をマークで表示すると共に、ICタグ21から読み取った位置情報をもとに地図上に併せて当該ICタグ21の位置あるいは商品名を表示し、いずれかのICタグ21が選択されたときに現在の位置から当該選択されたICタグ21までのルートを表示し、人が携帯型ICタグリーダ位置特定装置1を持って移動したときに現在位置を逐次算出してその軌跡を併せて地図上に表示することが可能となる。
【0046】
図7は、本発明の動作説明フローチャート(室外の応用例)を示す。
図7において、S31は、自分の位置を表示する。これは、例えば道路上の交差点の信号で車が止まった場合に、近傍の信号機などに装着された複数のICタグ21から既述したようにして距離を算出および情報(位置情報、場所情報、メッセージ)を読み取り、当該車に搭載した携帯型ICタグリーダ位置特定装置1の位置(図2のS3、図5のS13で計算した位置)を、地図上の該当位置に表示(マークで表示)する。
【0047】
S32は、場所情報(○○デパート前)を発声(表示)する。これは、S31で携帯型ICタグリーダ位置特定装置1が算出した現在の位置に併せて、ICタグ21から読み取った情報中の場所情報として、ここでは、「○○デパート前です」を発声(あるいは画面上に表示)する。
【0048】
S33は、メッセージを出力(○○商品の特売中)する。これは、S32に併せて、更に、ICタグ21から読み取った情報中のメッセージとして、ここでは、「○○商品の特売中です」を発声(画面上に表示)する。
【0049】
以上によって、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1は、複数のICタグ21から既述したようにして距離を算出および情報(位置情報、場所情報、メッセージ)を読み取り、画面上に地図を表示して現在の位置を併せて表示すると共に、場所情報、メッセージを併せて出力することが可能となる。
【0050】
図8は、本発明の情報/テーブル例を示す。
図8の(a)は、ICタグ情報例を示す。これは、ICタグ21に書き込む情報例であって、図示の下記の情報を書き込む。
【0051】
・タグID:
・位置情報:
・場所情報:
・メッセージ:
・その他:
ここで、タグIDはICタグ21を識別してデータを送受信する一意のID(識別子)である。位置情報はICタグ21を装着(貼付)した位置(相対座標(x1,y1,z1)あるいは(緯度・経度・高度))である。場所情報はICタグ21を装着(貼付)した場所を表す情報(例えば「○○デパート前」)である。メッセージはその場所情報に対するメッセージ(例えば「○○商品の特売中))である。
【0052】
以上のように、ICタグ21にタグID,位置情報、場所情報、メッセージを予め書き込んでおくあるいは必要に応じて更新することにより、人(車)は携帯型ICタグリーダ位置特定装置1を持参(装着)することで、自動的にICタグ21から位置情報およびその距離を自動取得して当該携帯型ICタグリーダ位置特定装置1の位置を簡易かつ高精度に表示したり、更に、必要に応じて、場所情報、メッセージを提供することが可能となる。
【0053】
図8の(b)は、距離変換テーブル例を示す。距離変換テーブル11は、リーダ12から送信する電波強度を可変し、ICタグ21から情報が読めた読出電波強度と、読めた距離との関係を実験で求めて設定したテーブルであって、図示の下記の情報を対応づけて登録したものである。
【0054】
・読出電波強度:
・読めた距離:
ここで、読出電波強度はリーダ12から送信する可変した電波強度である。読めた距離は送信する電波強度を可変してICタグ21から情報が読めたときの距離である。
【0055】
以上のように、実験によって予め読出電波強度と読めた距離との関係を距離変換テーブル11に登録しておくことにより、リーダ12から電波強度を可変してICタグ21から情報が読めたときの電波強度を測定し、当該測定した電波強度(読出電波強度)からリーダ12からICタグ21までの距離(読めた距離)を算出することが可能となる。
【0056】
尚、読出電波強度として図示の最小電波強度から順次強くして読めたときの電波強度ではなく、最大電波強度から順次弱くして情報が読め無くなったときの電波強度(あるいは直前の読めた電波強度)とするようにしてもよい。
【0057】
図8の(c)は、ICタグの位置情報例を示す。これは、リーダ12がICタグ21から読み取った情報のうちの位置情報(既述した図2のS2、図3のS12)、および測定した距離であって、図示の下記の情報である。
【0058】
タグID 位置情報 距離。
ID1 X1、Y1、Z1 d1
ID2 X2、Y2、Z2 d2
ID3 X3、Y3、Z3 d3
ここで、タグIDはICタグ21の一意のIDである。位置情報はICタグ21から読み取った当該ICタグ21を装着した位置の情報である。距離はリーダ12から電波強度を可変してICタグ21から情報が読み取れたときの電波強度をもとに距離変換テーブル11を参照して算出した距離である。
【0059】
図8の(c−1)は、ICタグリーダ(自分)の位置情報を示す。これは、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1の自分の位置情報(図2のS3、図5のS13)であって、ここでは、図示の下記の情報を保存したものである。
【0060】
・個人ID:
・位置情報:
ここで、個人IDは、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1を保持する人の個人IDである。位置情報は現在の位置情報(X、Y、Z)である。
【0061】
図8の(c−2)は、ICタグリーダ(相手)の位置情報を示す。これは、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1を持つ通信可能な相手の位置情報(図5のS15)であって、ここでは、図示の下記の情報を保存したものである。
【0062】
・個人ID:
・位置情報:
ここで、個人IDは、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1で受信した、相手の個人IDである。位置情報は相手の現在の位置情報(X、Y、Z)である。
【0063】
図8の(d)は、個人情報テーブル例を示す。個人情報テーブルは個人IDに対応づけて登録した当該個人をユニークに表すニックネームである。
【0064】
図8の(e)は、イメージ情報テーブル例を示す。これは、携帯型ICタグリーダ位置特定装置1の画面上に表示する個人IDに対応づけたイメージである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、空間内に複数の位置情報等を書き込んだICタグを配置することで、移動するリーダの位置およびICタグから読み取った情報(商品情報、場所情報などの情報)を簡易かつ高精度に表示等することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】本発明の動作説明フローチャート(位置特定)である。
【図3】本発明の説明図である。
【図4】本発明の表示例である。
【図5】本発明の動作説明フローチャート(他の位置表示)である。
【図6】本発明の動作説明フローチャート(室内の応用例)である。
【図7】本発明の動作説明フローチャート(室外の応用例)である。
【図8】本発明の情報/テーブル例である。
【符号の説明】
【0067】
1:携帯型ICタグリーダ位置特定装置
2:距離測定部
3:ICタグ位置情報取得部
4:位置計算処理部
5:送信部
6:表示部
7:受信部
11:距離変換テーブル
12:リーダ(ICタグリーダ)
13:自分の位置情報テーブル
14:地図情報ファイル
15:相手側位置情報テーブル
21:ICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のICタグをもとに位置を特定するICタグリーダ位置特定装置において、
位置情報を書き込んで空間内の該当位置に配置する複数のICタグと、
ICタグから情報を読み取るリーダと、
前記リーダによって信号強度を可変して送信し前記ICタグから情報を読み出させたときあるいは読み取れなくなったときの信号強度からICタグまでの距離を算出する手段と、
前記算出した複数のICタグまでの距離および当該複数のICタグからそれぞれ読み取った位置情報をもとに前記リーダの位置を算出する手段と
を備えたことを特徴とするICタグリーダ位置特定装置。
【請求項2】
前記算出したリーダの位置および必要に応じてICタグから読み取った位置を、地図上に表示する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のICタグリーダ位置特定装置。
【請求項3】
前記ICタグから読み取った商品情報、場所情報、およびメッセージの1つ以上を表示することを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のICタグリーダ位置特定装置。
【請求項4】
前記地図上に表示されたICタグ位置あるいは当該ICタグから読み取った商品情報が選択されたときに、前記リーダから当該選択されたICタグの位置までのルートを併せて表示することを特徴とする請求項2あるいは請求項3記載のICタグリーダ位置特定装置。
【請求項5】
前記地図上に、リーダの移動した軌跡を表示することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のICタグリーダ位置特定装置。
【請求項6】
複数のICタグをもとに位置を特定するICタグリーダ位置特定方法において、
位置情報を書き込んで空間内の該当位置に配置した複数のICタグから、情報を読み取るリーダによって信号強度を可変して送信し、当該ICタグから情報を読み出せたときあるいは読み取れなくなったときの信号強度から当該ICタグまでの距離を算出するステップと、
前記算出した複数のICタグまでの距離および当該複数のICタグからそれぞれ読み取った位置情報をもとに前記リーダの位置を算出するステップと
を有するICタグリーダ位置特定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−118998(P2006−118998A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−307471(P2004−307471)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(598057291)富士通サポートアンドサービス株式会社 (147)
【Fターム(参考)】