説明

ICチップ実装パッケージ

【課題】インナーリード剥がれやテープの波打ちを回避できるICチップ実装パッケージを実現する。
【解決手段】ICチップ実装パッケージ1は、インターポーザ4を介してフィルム基材2とICチップ3とが接続されている。インターポーザ4におけるフィルム基材2側の接続端子は、ICチップ3側の接続端子よりもピッチが大きく形成されている。フィルム基材2にデバイスホール8が設けられており、ICチップ3はデバイスホール8内に配設されている。フィルム基材2におけるインナーリード先端からデバイスホール8の縁までの距離Aは、10μm以上に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばファインピッチの端子を有するICチップの実装パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に搭載される液晶ドライバ(ICチップ)等では、液晶表示装置の高精細化・高性能化に伴って更なる多出力化が要求されていると同時に、チップサイズの縮小化も要求されている。
【0003】
チップサイズを縮小化されたICチップにおいて、同時に多出力化を図るためには、チップに設けられるバンプのファインピッチ(微細)化が必要となる。最近では、ファインピッチ化が可能な、ベアチップ液晶ドライバを実装するSOF(System On Film、COF(Chip On Film)とも言う)が多用されている。
【0004】
最新のSOFパッケージでは、テープキャリアとICチップとを導通させる際、加熱加圧することでICチップ上のバンプとテープキャリア上のインナーリードとを接合させている。しかしながら、このような接合方法の場合、バンプ位置とインナーリード位置とのずれを無くすために、熱変形が小さく、且つ高精細なキャリアテープ材料を用いる必要がある。すなわち、ファインピッチを実現しようとするほど、テープキャリアに使用できる材料は限定されてしまうという欠点があった。
【0005】
また、インナーリードは銅箔で形成されているが、ファインピッチの配線加工を行うには、銅箔の厚さを薄くする必要がある。例えば50μmピッチを形成するTCPの銅箔の厚さは12μmであるが、20μmピッチを形成するには銅箔の厚さを5μm程度にする必要がある。銅箔を薄く形成し、強度を保つためには現行使用している技術を検討しなおし、新規技術の導入、新規加工機器の導入を行う必要があり、技術検討の労力や、新規導入設備に対するコストがかかる。
【0006】
さらには、配線を加工する場合、加工機器の加工精度が配線ピッチを十分上回っていれば、加工後の検査も簡単に行う程度でよいが、配線がファインピッチになり、加工精度が配線ピッチに近づいてくると、加工が十分行われない部分が発生していないか等、加工後十分検査する必要が発生し、検査コストも上昇する。
【0007】
このような欠点を解決する方法として、インターポーザー基板を介してICチップを回路基板(テープキャリア)に接続する方法が特許文献1に開示されている。図14に、特許文献1より引用したパッケージ構造の断面図を示す。
【0008】
ICチップ104は、図14に示すように、インターポーザ101にフリップチップ接続され、さらにインターポーザ101は、回路基板107の電極パターン110にバンプ接続されている。回路基板107には、ICチップ104の配置領域に対応したデバイスホール107Aが形成されている。
【0009】
インターポーザ101はシリコン(Si)基板であり、Siウエハプロセスにより形成されるため、ICチップ104が接続される電極はICチップ104の電極と同等なファインピッチに形成することが可能である。一方、回路基板107に接続される電極は、回路基板107の電極ピッチ、すなわち比較的幅広なピッチに合わせて形成される。そして、ICチップ104に接続される電極と回路基板107に接続される電極は、対応する電極同士がインターポーザ101上で接続されている。なお、回路基板107としては、テープキャリアを好適に用いることができる。
【0010】
すなわち、図14に示すパッケージ構造では、ICチップ104と回路基板107との接続にインターポーザ101を仲介することによって、ICプロセスレベルのファインピッチをテープキャリアレベルの電極ピッチに変換することが可能となる。このため、ICチップのサイズ縮小や多出力化により、接続電極が高度にファインピッチ化されたICチップを実装するSOFパッケージにおいても、製造コストや検査コストの増大を回避することができる。
【特許文献1】特開2004−207566号公報(2004年7月22日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1の構造では、回路基板107にデバイスホール107Aが設けられることにより、その製造過程において、インナーリード剥がれや、デバイスホール107Aの周縁でのテープの波打ちが発生するといった問題が存在する。
【0012】
先ずは、インナーリード剥がれについて以下に説明する。インナーリード剥がれは、回路基板107に対してデバイスホール107Aを形成するための打ち抜き工程時に発生する。すなわち、デバイスホール107Aを形成するための打ち抜き工程は、配線が形成された後の回路基板107に対してなされるが、この打ち抜きの際に生じる基材の変形によってデバイスホール107A周辺でCuパターン捲れ(すなわち、インナーリード剥がれ)が発生しやすい。
【0013】
次に、テープの波打ちについて以下に説明する。テープの波打ちは、回路基板107に対してインターポーザ101を接合するための接合工程時に発生する。すなわち、回路基板107に対するインターポーザ101の接合は、その接合箇所をボンディングツールで加熱および加圧することによって行われる。この時の加熱温度は400°程度であるが、この熱によって基材が膨張し、デバイスホール107Aの周縁でのテープの波打ちを発生させる。
【0014】
このようなインナーリード剥がれやテープの波打ちは何れも、回路基板107にテープキャリアを用いた場合に顕著に発生する。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、インナーリード剥がれやテープの波打ちを回避できるICチップ実装パッケージを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係るICチップ実装パッケージは、上記課題を解決するために、出入力端子群を有するICチップと、上記ICチップを実装するための、接続端子群を有するパッケージ基材とを備えたICチップ実装パッケージにおいて、上記ICチップとパッケージ基材とは、上記接続端子群と接続するように構成されたパッケージ基材側接続端子群と、上記出入力端子群と接続するように構成されたICチップ側接続端子群と、当該パッケージ基材側接続端子群及びICチップ側接続端子群を接続する配線とを有したインターポーザを用いて接続されており、上記ICチップは、上記パッケージ基材に形成されたデバイスホール内に配置されており、上記パッケージ基材における接続端子の先端から上記デバイスホールの縁までの距離は10μm以上に設定されていることを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、上記ICチップと上記パッケージ基材とを上記インターポーザを介して接続し、かつ、上記ICチップを上記パッケージ基材に形成されたデバイスホール内に配置している。この構造では、上記デバイスホールを形成するための打ち抜き工程時において、上記パッケージ基材の変形に起因して上記パッケージ基材に形成された配線の剥がれが発生する。
【0018】
これに対し、上記パッケージ基材における接続端子の先端から上記デバイスホールの縁までの距離を10μm以上に設定することによって、上記打ち抜き工程時におけるパッケージ基材の撓み発生領域を避けて配線を形成することになり、上記配線の剥がれを抑制できる。
【0019】
また、本発明に係る他のICチップ実装パッケージは、上記課題を解決するために、出入力端子群を有するICチップと、上記ICチップを実装するための、接続端子群を有するパッケージ基材とを備えたICチップ実装パッケージにおいて、上記ICチップとパッケージ基材とは、上記接続端子群と接続するように構成されたパッケージ基材側接続端子群と、上記出入力端子群と接続するように構成されたICチップ側接続端子群と、当該パッケージ基材側接続端子群及びICチップ側接続端子群を接続する配線とを有したインターポーザを用いて接続されており、上記ICチップは、上記パッケージ基材に形成されたデバイスホール内に配置されており、上記パッケージ基材における接続端子の先端から上記デバイスホールの縁までの距離は150μm以下に設定されていることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、上記ICチップと上記パッケージ基材とを上記インターポーザを介して接続し、かつ、上記ICチップを上記パッケージ基材に形成されたデバイスホール内に配置している。この構造では、上記インターポーザを上記パッケージ基材に接合する際のボンディングの熱によって、デバイスホールの外縁でパッケージ基材が自由端となり、パッケージ基材の波打ちが発生しやすい。
【0021】
これに対し、上記パッケージ基材における接続端子の先端から上記デバイスホールの縁までの距離を150μm以下に設定することによって、ボンディング時の加熱領域(熱膨張が発生する領域)が小さくなり、上記パッケージ基材の波打ちが抑制される。
【0022】
また、上記ICチップ実装パッケージにおいては、上記ICチップの外縁と上記インターポーザの外縁との距離は、0.20mm以上0.46mm以下に設定されている構成とすることができる。
【0023】
また、上記ICチップ実装パッケージにおいては、上記ICチップの外縁と上記インターポーザの外縁との距離は、周囲の全ての辺で同じ大きさに設定されている構成とすることができる。
【0024】
上記の構成によれば、上記ICチップの外縁と上記インターポーザの外縁との距離を小さく設定することで、上記インターポーザの面積を小さくしてコストダウンを図ることができる。
【0025】
また、上記ICチップ実装パッケージにおいては、上記ICチップの外縁と上記インターポーザの外縁との距離は、短辺同士の間の距離よりも長辺同士の間の距離の方が大きく設定されている構成とすることができる。
【0026】
上記の構成によれば、上記ICチップの外縁と上記インターポーザの外縁との距離に関して、短辺同士の距離よりも長辺同士の距離を敢えて大きめに取ることによって、上記インターポーザに他の機能を持たせることもできる。例えば、上記インターポーザの面積を大きめにすることで、ICチップの放熱性を向上させたり、テープパターンピッチ35μm以上のラフピッチ接合を可能にしたりすることができる。
【0027】
また、上記ICチップ実装パッケージにおいては、上記ICチップの外縁と上記インターポーザの外縁との距離は、長辺同士の間の距離よりも短辺同士の間の距離の方が大きく設定されている構成とすることができる。
【0028】
上記の構成によれば、ICチップの放熱性を向上させたり、テープパターンピッチ35μm以上のラフピッチ接合を可能にしたりすることができると共に、パッケージ基材上での配線引き回しの簡略化によるパッケージ基材の面積縮小も可能となる。
【0029】
また、上記ICチップ実装パッケージにおいては、上記ICチップの外縁と上記デバイスホールの外縁との距離は、30μm以上150mm以下に設定されている構成とすることができる。
【0030】
また、上記ICチップ実装パッケージにおいては、上記ICチップの外縁と上記デバイスホールの外縁との距離は、周囲の全ての辺で同じ大きさに設定されている構成とすることができる。
【0031】
上記の構成によれば、上記ICチップの外縁と上記デバイスホールの外縁との距離を小さく設定することで、上記インターポーザの面積を上記ICチップの面積に対して小さく設定しながら、上記パッケージ基材における接続端子先端からデバイスホールの縁までの距離を上述の好適範囲に設定するためのスペースが確保できる。このため、上記インターポーザの面積を小さくしてコストダウンを図ることができる。
【0032】
また、上記ICチップ実装パッケージにおいては、上記デバイスホールのコーナー部は、Rが付いた形状とされている構成とすることができる。
【0033】
また、上記ICチップ実装パッケージにおいては、上記デバイスホールのコーナー部は、R半径が0.1mm以下に設定されている構成とすることができる。
【0034】
上記の構成によれば、上記デバイスホールのコーナー部において、該コーナー部を起点としたパッケージ基材のクラック等が発生することを回避できる。
【0035】
また、本発明に係るICチップ実装パッケージの製造方法は、上記課題を解決するために、出入力端子群を有するICチップと、上記ICチップを実装するための、接続端子群を有するパッケージ基材とを備えたICチップ実装パッケージの製造方法において、上記ICチップとパッケージ基材とは、上記接続端子群と接続するように構成されたパッケージ基材側接続端子群と、上記出入力端子群と接続するように構成されたICチップ側接続端子群と、当該パッケージ基材側接続端子群及びICチップ側接続端子群を接続する配線とを有したインターポーザを用いて接続されるものであり上記パッケージ基材と上記インターポーザとの接続は、該パッケージ基材の接続端子に形成されたバンプ電極を上記パッケージ基材の接続端子に対してボンディングによって接続するものであり、上記ボンディングに使用されるボンディングツールの外形寸法は、該ボンディングツールの外縁と上記バンプ電極の外縁とを一致させるように設定することを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、上記ボンディングツールによる上記パッケージ基材への加熱領域を最小限とすることができ、該パッケージ基材の波打ちを抑制できる。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係るICチップ実装パッケージは、以上のように、出入力端子群を有するICチップと、上記ICチップを実装するための、接続端子群を有するパッケージ基材とを備えたICチップ実装パッケージにおいて、上記ICチップとパッケージ基材とは、上記接続端子群と接続するように構成されたパッケージ基材側接続端子群と、上記出入力端子群と接続するように構成されたICチップ側接続端子群と、当該パッケージ基材側接続端子群及びICチップ側接続端子群を接続する配線とを有したインターポーザを用いて接続されており、上記ICチップは、上記パッケージ基材に形成されたデバイスホール内に配置されており、上記パッケージ基材における接続端子の先端から上記デバイスホールの縁までの距離は10μm以上に設定されている構成である。
【0038】
それゆえ、上記打ち抜き工程時におけるパッケージ基材の撓み発生領域を避けて配線を形成することになり、上記配線の剥がれを抑制できるといった効果を奏する。
【0039】
また、本発明に係る他のICチップ実装パッケージは、以上のように、出入力端子群を有するICチップと、上記ICチップを実装するための、接続端子群を有するパッケージ基材とを備えたICチップ実装パッケージにおいて、上記ICチップとパッケージ基材とは、上記接続端子群と接続するように構成されたパッケージ基材側接続端子群と、上記出入力端子群と接続するように構成されたICチップ側接続端子群と、当該パッケージ基材側接続端子群及びICチップ側接続端子群を接続する配線とを有したインターポーザを用いて接続されており、上記ICチップは、上記パッケージ基材に形成されたデバイスホール内に配置されており、上記パッケージ基材における接続端子の先端から上記デバイスホールの縁までの距離は150μm以下に設定されている構成である。
【0040】
それゆえ、上記インターポーザを上記パッケージ基材に接合する際のボンディング工程において、ボンディング時の加熱領域(熱膨張が発生する領域)が小さくなり、上記パッケージ基材の波打ちが抑制されるといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明の一実施形態について図1ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。本実施の形態においては、本発明のICチップ実装パッケージを液晶ドライバ実装パッケージ(以下、単に実装パッケージと称する)において適用した場合を例示する。なお、以下の説明では、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲が以下の実施形態および図面に限定されるものではない。
【0042】
図2は、本実施形態における実装パッケージ1の構成を示した平面図であり、図3は、図2に示す実装パッケージ1を切断線A−A’において切断した状態を示した矢視断面図である。
【0043】
実装パッケージ1は、大略的に、フィルム基材(テープキャリア)2と、ICチップ3と、インターポーザ4とを備えて構成されている。図2は、実装パッケージ1をインターポーザ4側から見た状態を示している。また、図3は、説明の便宜上、ICチップ3を図面の下方にした状態で示し、且つ、切断線A−A’において切断した断面の一部を示している。
【0044】
実装パッケージ1には、フィルム基材2にデバイスホール8と呼ばれる穴部が設けられており、ICチップ3がデバイスホール8内に配設されている。
【0045】
上記フィルム基材2に設けられたデバイスホール8の周辺部には、フィルム上配線5・6が形成されている。フィルム上配線5・6のデバイスホール8側の一端と、インターポーザ4とは、第1のバンプ9によって電気的に導通している。詳細は後述するが、インターポーザ4はICチップ3と導通していることから、フィルム上配線5・6は、インターポーザ4を介して、ICチップ3と導通している。すなわち、フィルム上配線5は、ICチップ3から出力された信号(例えば駆動信号)を図示しない液晶表示体に送るための出力用配線であり、フィルム上配線6は、制御信号(例えば画像データ信号)をICチップ3に入力するための入力用配線である。
【0046】
フィルム上配線5・6上には、ソルダーレジスト7が形成されている。ソルダーレジスト7は、配線の絶縁と保護を行うものである。
【0047】
本液晶ドライバ実装パッケージにおいて、ICチップ3は、液晶表示体を駆動するための液晶ドライバとして設けられている。そのため、ICチップ3には、複数の液晶駆動用回路(不図示)が設けられており、当該液晶駆動用回路には、図3に示すように、駆動信号を出力するための駆動信号出力用端子3aと、画像データ信号等を入力するための信号入力用端子3b(出入力端子群)とが設けられている。また、ICチップ3は、駆動信号出力用端子3a及び信号入力用端子3bに第3のバンプ10を有している。
【0048】
インターポーザ4は、一方の表面上において、ICチップ3とフィルム基材2と導通している。具体的には、インターポーザ4には、一方の表面上に、第1のバンプ9及び第2のバンプ11が設けられており、図3に示すように、フィルム基材2とインターポーザ4とは、第1のバンプ9によって導通しており、ICチップ3とインターポーザ4とは、第2のバンプ11と第3のバンプ10とを接続することによって導通している。インターポーザ4の材料としては、半導体材料を用いることができ、シリコンを用いることが好ましい。インターポーザ4のサイズとしては、特に限定されるものではないが、例えば、2mm×20mmで、厚さ400μmとすることができる。
【0049】
図3に示す封止樹脂15は、フィルム基材2のデバイスホール8と、フィルム上配線5・6と、インターポーザ4の第1及び第2のバンプが設けられている面とを被覆するように設けられており、接続部を外部環境から保護するために設けられている。
【0050】
次に、図4及び図5を用いてインターポーザ4の構成について詳細に説明する。
【0051】
図4は、インターポーザ4にICチップ3を実装した状態の構成を示した斜視図である。また、図5は、実装前の段階におけるICチップ3とインターポーザ4との構成を示した斜視図である。なお、図5では、一部が透視図となっている。
【0052】
インターポーザ4には、図5に示すように、ICチップ接続用端子12と、フィルム基材接続用端子13と、インターポーザ上配線14とが設けられている。ICチップ接続用端子12は、ICチップ3の駆動信号出力用端子3a及び信号入力用端子3bと接続される端子である。フィルム基材接続用端子13は、フィルム基材2のフィルム上配線5・6の端子と接続される端子である。インターポーザ上配線14は、ICチップ接続用端子12とフィルム基材接続用端子13とをインターポーザ4内で接続する配線である。
【0053】
具体的には、インターポーザ4には、その中心付近にICチップ接続用端子12が設けられており、インターポーザ4の外周付近にフィルム基材接続用端子13が設けられている。ICチップ接続用端子12上には、第2のバンプ11が設けられており、フィルム基材接続用端子13上には第1のバンプ9が設けられている。第2のバンプ11は、ICチップ3の駆動信号出力用端子3a及び信号入力用端子3bに設けられた第3のバンプ10と合致するように構成されており、第2のバンプ11と第3のバンプ10とが合致することによって、図4に示した構成となる。
【0054】
インターポーザ4における第2のバンプ11のピッチは、ICチップ3における第3のバンプ10と同ピッチとなっている。すなわち、ICチップ3が上記したような多出力の液晶ドライバであるため、第3のバンプ10がファインピッチ化を実現したピッチとなっている。具体的には、0μmを超え、20μm以下のピッチとなるように構成されている。従って、第2のバンプ11のピッチも図5に示すように、20μm以下のファインピッチとなるように構成されている。
【0055】
一方、インターポーザ4における第1のバンプ9のピッチは、第2のバンプ11のピッチよりも広く構成されている。具体的には、図4に示すように、50μm以上のピッチを形成している。すなわち、インターポーザ4におけるフィルム基材接続用端子13は、ICチップ接続用端子12よりもピッチが大きく形成されている。これにより、インターポーザ4の第1のバンプ9によって接続されるフィルム基材2のフィルム上配線5・6の端子のピッチは、第1のバンプ9のピッチに合わせて50μm以上のピッチで形成することができる。
【0056】
このように、本実施形態の実装パッケージ1の構成によれば、インターポーザ4において、ICチップ接続用端子12をICチップ3の端子のピッチに合わせて形成し、フィルム基材接続用端子13をICチップ接続用端子12よりもピッチを拡大させている。従って、ICチップ3の端子がファインピッチで形成されている場合であっても、フィルム基材2のフィルム上配線5・6のピッチをICチップ3に合わせてファインピッチで構成する必要がない。すなわち、フィルム基材2のフィルム上配線5・6(インナーリード)は、ファインピッチで構成する必要がなく、既存の技術を用いて50μm以上のピッチで形成することができる。そのため、銅箔厚を薄くする等の技術革新やそれに対応するための新規加工機器等の設備を備える必要はなく、技術面やコスト面の増加を著しく抑えたICチップ実装パッケージを提供することができる。
【0057】
このように、実装パッケージ1では、インターポーザ4を備えることによって、ICチップ3の端子のピッチを、フィルム基材2の端子ピッチを考慮することなく、可能な限りファインピッチ化することができる。これにより、ICチップ3のチップサイズを縮小することができる。従って、コストの低減を実現することができる。以上のことから、本発明の構成とすることにより、技術革新を必要とすることなく、既存の技術を用いて、ファインピッチのICチップを実装したICチップ実装パッケージを提供することができる。
【0058】
なお、本実施形態においては、液晶表示体を駆動すべく構成された液晶ドライバ実装パッケージとして説明したが、本発明のICチップ実装パッケージは、これに限定されるものではない。すなわち、EL(エレクトロルミネセンス)表示体の駆動素子や、各種携帯用電子機器などの装置内部に搭載される素子の実装用パッケージとして適用することが可能である。
【0059】
次に、上記構成の実装パッケージ1の製造手順の概略を図6(a)〜(e)を参照して説明する。尚、実装直前のフィルム基材2、ICチップ3およびインターポーザ4において必要な配線やバンプ等はすでに形成されているが、これらの製造工程については従来のIC実装パッケージと同様の工程を使用できるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0060】
図6(a)は、ICチップ3およびインターポーザ4を実装する前のフィルム基材2を示す図である。フィルム基材2上には、フィルム上配線5・6およびソルダーレジスト7が既に形成されている。最初に、図6(b)に示すように、このフィルム基材2に対して打ち抜きによってデバイスホール8が形成される。
【0061】
次に、図6(c)に示すように、フィルム基材2に対してインターポーザ4がボンディングされる。この時点で、インターポーザ4には、第1のバンプ9、第2のバンプ11、およびこれらのバンプを接続するインターポーザ上配線が既に形成されている。インターポーザ4のボンディングは、インターポーザ4上の第1のバンプ9をフィルム基材2上の接続端子と位置合わせした状態で、ボンディングツールによって加熱・加圧することによって行われる。
【0062】
続いて、図6(d)に示すように、インターポーザ4に対してICチップ3がボンディングされる。この時点で、ICチップ3には、第3のバンプ10が既に形成されている。ICチップ3のボンディングは、ICチップ3上の第3のバンプ10をインターポーザ4上の第2のバンプ11と位置合わせした状態で、ボンディングツールによって加熱・加圧することによって行われる。
【0063】
最後に、図6(e)に示すように、上記接続箇所を外部環境から保護するために封止樹脂15によって封止し、実装パッケージ1が完成する。
【0064】
尚、上記図6(a)〜(e)の工程は、フィルム基材2が長尺のテープキャリア材料の状態で実施される。そして、このテープキャリア材料から個々の実装パッケージ1を打ち抜くことで、最終製品状態である実装パッケージ1が得られる。
【0065】
上記の工程で製造される実装パッケージ1では、デバイスホール8を形成するための打ち抜き工程時に発生するインナーリード剥がれや、フィルム基材2に対してインターポーザ4を接合するための接合工程時に発生するテープの波打ちの問題を有する。本発明の実装パッケージは、このようなインナーリード剥がれやテープの波打ちを抑制できる構造に特徴を有するものである。以下にその特徴点について詳細に説明する。
【0066】
図1は、インナーリード剥がれやテープの波打ちを抑制するための構成を示す図である。
【0067】
フィルム基材2上に形成される配線のうち、インターポーザ4との接続に使用されるインナーリードは、当然ながらデバイスホール8の外縁の近傍に形成される。このインナーリードの先端は、デバイスホール8の外縁に一致させる(すなわち、インナーリードの先端とデバイスホール8の外縁とのマージンを無くす)ことが実装パッケージ1のサイズの縮小化を図る上では好ましい。しかしながら一方で、インナーリードの先端とデバイスホール8の外縁との間のマージンを無くす(もしくは小さくする)ことは、インナーリード剥がれの問題を発生させる。
【0068】
上記インナーリード剥がれは、上記打ち抜き工程時におけるフィルム基材2の変形に起因して発生する。すなわち、上記打ち抜き工程は、通常、ダイおよびポンチを用いたパンチングによって実施されるが、この時、デバイスホール8の周縁部のフィルム基材2に撓みが発生する。そして、フィルム基材2上に形成された配線、すなわちインナーリードが、この撓みに追従しきれずにその先端部で剥がれが発生する。
【0069】
上記インナーリード剥がれを抑制するには、上記打ち抜き工程時におけるフィルム基材2の撓み発生領域を避けてインナーリードを形成することが好ましい。すなわち、インナーリード先端からデバイスホールの縁までの距離(図1中の距離A)を許容値以上とすることが好ましい。但し、上記距離Aを必要以上に大きくとることは、実装パッケージの面積増大を招くため好ましくない。
【0070】
図7は、インナーリード先端からデバイスホールの縁までの距離Aと、インナーリード剥がれによる不良発生率との関係を示すグラフである。上記図7より、上記距離Aが0μmであれば不良率は63%である。上記距離Aが大きくなれば不良率は低下し、上記距離Aが10μm以上であれば不良率は0%である。これより、上記距離Aは、10μm以上であることが好ましい。また、量産においては、製造工程における精度を考慮したマージンをとって、上記距離Aは30μm以上とすることが好ましい。
【0071】
次に、上記テープの波打ちは、インターポーザ4の接合工程時におけるボンディングの際の加熱に起因して発生する。すなわち、上記接合工程では、図8に示すように、フィルム基材2の裏側からボンディングツールを押し当て、該ボンディングツールによる加熱・加圧によってインターポーザ4における第1のバンプ9をインナーリード先端の端子部に接合させる。
【0072】
この時、上記ボンディングツールによる加熱(400℃程度)によって、フィルム基材2には熱膨張による波打ちが生じて安定した接合の妨げとなる。具体的には、フィルム基材2に波打ちが生じることによって、フィルム基材2における端子配列方向の距離が短くなり、バンプとの位置ずれが発生する虞がある。バンプの位置ずれが発生すれば、バンプと接合端子との接合面積が縮小してインナーリードとバンプとの剥がれが生じやすくなったり、1つのバンプが隣接する2つのインナーリードと接触して隣接配線間のショートが
生じたりするといった不具合が発生する。このようなフィルム基材2における熱膨張は、従来のSOF構造においても発生するが、デバイスホール8が設けられている本発明の構造では、デバイスホール8の外縁でフィルム基材2が自由端となるため上記波打ちが発生しやすい。
【0073】
上記テープの波打ちを抑制するには、バンプによるフィルム基材2とインターポーザ4との接合箇所とデバイスホール8の外縁との距離を許容距離以下に短くすることが好ましい。バンプによるフィルム基材2とインターポーザ4との接合箇所は、インナーリード先端とほぼ同じであるため、インナーリード先端からデバイスホールの縁までの距離(図1中の距離A)を許容値以下とすることが好ましい。すなわち、上記距離Aを短くすることで、ボンディングツールを押し当てられる領域(熱膨張が発生する領域)が小さくなり、テープの波打ちが抑制される。
【0074】
また、上記ボンディングツールの外形寸法は、図1に示すように、ボンディングツールの外縁とバンプの外縁とを一致させるように設定することが好ましい。すなわち、従来であればボンディングツールの外縁をバンプの外縁よりも幾分大きく設定していたが、ボンディングツールの外縁とバンプの外縁とを一致させる構成によって、該ボンディングツールによるフィルム基材2への加熱領域を最小限とすることができ、より効果的にテープの波打ちを抑制できる。
【0075】
図9は、インナーリード先端からデバイスホールの縁までの距離Aと、テープの波打ちによる不良発生率との関係を示すグラフである。さらに、図9では、ボンディングツールの外縁とバンプの外縁とを一致させた場合(ツール適正)と、ボンディングツールの外縁をバンプの外縁よりも幾分大きく設定する場合(ツール大)とについて、テープの波打ちによる不良発生率を調べている。
【0076】
上記図9より、ボンディングツールの外縁とバンプの外縁とを一致させた場合に、ボンディングツールの外縁をバンプの外縁よりも幾分大きく設定する場合に比べて、テープの波打ちによる不良発生率が著しく低下していることが分かる。また、ボンディングツールの外縁とバンプの外縁とを一致させた場合についてみれば、上記距離Aを150μm以下とした場合に不良率が0%以下であり好ましい。
【0077】
図10は、フィルム基材2における波打ちの有無と、フィルム基材2へのインターポーザ4の接合後におけるインナーリード剥がれとの関係を示すグラフである。図10によれば、フィルム基材2における波打ちを抑制することによって、インナーリード剥がれを大幅に低減できることが分かる。また、インナーリード先端からデバイスホールの縁までの距離Aを30〜150μmに設定し、かつ、フィルム基材2における波打ちを抑制することで、インナーリード剥がれの発生率を0%に抑えることができる。
【0078】
また、本実施形態に係る実装パッケージ1においては、ICチップ3、インターポーザ4、およびデバイスホール8のサイズ差や形状等を、コストや信頼性の面から最適に設定することが好ましい。
【0079】
先ずは、ICチップ3とインターポーザ4とのサイズ差について、図12を参照して説明する。ICチップ3の外縁とインターポーザ4の外縁との距離(図12に示される距離a〜d)については、インターポーザ4の面積を最小化してコストダウンを図るために、できるだけ小さくすることが好ましい。具体的には、上記距離a〜dのそれぞれは、0.20mm以上0.46mm以下とすることが好ましい。
【0080】
上記距離a〜dの好適範囲は、図11に示す距離B〜Fの和によって求められる。距離Bは、インターポーザ4の外縁からバンプ9の中心までの距離である。この距離Bは、インターポーザ4をウェハからチップへ単品化する際のダイシングにおいて、チッピング対策や、インナーリードとチップエッジとの接触回避や、インターポーザ4のチップサイズ縮小化の観点から120μmが最適サイズとされる。距離Cは、バンプ9のバンプサイズ(図11では1/2寸法)である。この距離Cは、バンプ9とインターポーザ4との密着強度及び接合ずれ、および、インターポーザ4とインナーリードとの密着強度及び接合ずれを考慮して制定されるものであり、30μmが最適サイズとされる。距離Dは、バンプ9の端部からインナーリード先端までの距離である。この距離Dは、接合時のインナーリード先端剥がれ、およびインナーリードボンディング時のボンディングツールずれを考慮して制定されるものであり、10μmが最適サイズとされる。距離Eは、インナーリード先端からフィルム基材2先端(すなわち、デバイスホール8の縁)までの距離である。この距離Eは、フィルム基材2にデバイスホール8を形成する際のパンチングバリ・ひげ・インナーリード先端剥れ対策、およびインナーリードボンディング時のデバイスホール8の周囲の波打ち抑制を考慮して制定されるものであり、10〜150μmが最適サイズとされる。距離Fは、フィルム基材2先端(すなわち、デバイスホール8の縁)からICチップ3の縁までの距離である。この距離Fは、フィルム基材2にデバイスホール8を形成する際のパンチングズレ、ICチップ3を実装する時のICチップ3とインターポーザ4との接合ズレ、封止時の樹脂流動、ICチップサイズによるウェハでの取れ数(コストへ反映)を考慮して制定されるものであり、30〜150μmが最適サイズとされる。
【0081】
上記距離B〜Fの好適範囲の和を求めることで、上記距離a〜dの好適範囲が、0.20mm以上0.46mm以下であることが求められる。
【0082】
上記距離a〜dを上記範囲に設定することにより、インターポーザ4の面積をICチップ3の面積に対して最小限に設定することができる。また、インターポーザ4上において、ICプロセスレベルのファインピッチをテープキャリアレベルの電極ピッチに変換するための配線形成領域も確保できる。さらには、インナーリード先端からデバイスホールの縁までの距離Aを上述の好適範囲に設定するためのスペースも確保できる。
【0083】
また、ICチップ3の外縁とインターポーザ4の外縁との距離a〜dは、これら全てが最小限の値となるように、a=b=c=dとすることがインターポーザ4の面積を最小化する場合には好適である。
【0084】
但し、ICチップ3の外縁とインターポーザ4の外縁との距離a〜dは、これらを敢えて最小限の値とはせずに、大きめに取ることによって、インターポーザ4に他の機能を持たせることもできる。例えば、インターポーザ4の面積を大きめにすることで、ICチップ3の放熱性を向上させたり、テープパターンピッチ35μm以上のラフピッチ接合を可能にしたりすることができる。インターポーザ4の面積を大きめにとる場合、ICチップ3の外縁とインターポーザ4の外縁との距離a〜dを均等を広げる必要は無く、例えば、a=b>c=dや、a=b<c=dとなる関係としても良い。
【0085】
また、a=b<c=dとする場合は、フィルム基材2上での配線引き回しの簡略化によるテープ縮小も可能となる。すなわち、フィルム基材2とインターポーザ4との接合部分における端子ピッチをテープキャリア上で形成可能なほぼ最小のピッチレベルとした場合、該フィルム基材2をさらに外部の回路基板と接合するための端子との間で、さらにピッチを広げることが行われる。言い換えれば、フィルム基材2上でさらなるピッチのファインアウトが必要となり、そのための配線引き回しにフィルム基材2上での面積が必要となる。
【0086】
これに対し、インターポーザ4において、多くの入出力端子が配置される側の辺(通常、長辺)を大きく取れるように、a=b<c=dとすれば、フィルム基材2とインターポーザ4との接合部分における端子ピッチを、フィルム基材2と他の外部回路基板と接合するための端子ピッチにまで広げておくことも可能となる。この場合、フィルム基材2上でさらなるピッチのファインアウトが不必要となるため(そのための配線引き回しにフィルム基材2上での面積が必要となるため)、フィルム基材2におけるテープ縮小が可能となる。。
【0087】
次に、ICチップ3とデバイスホール8とのサイズ差について、図13を参照して説明する。ICチップ3の外縁とデバイスホール8の外縁との距離(図13に示される距離e〜h)についても、インターポーザ4の面積を最小化してコストダウンを図るために、できるだけ小さくすることが好ましい。具体的には、上記距離e〜hのそれぞれは、30μm以上150μm以下とすることが好ましい。尚、上記距離e〜hのそれぞれは、図11に示す距離Fと同じである。
【0088】
上記距離Fが30μm以下である場合、デバイスホール8内での樹脂の流れ量が少なくなり、ICチップ3断面への樹脂フィレットが成形され難いため、封止強度が低下する。例えば、距離Fを20μmとした場合は、約95%の高い率で不適合品が発生した。また、上記距離Fが150μm以上の場合、デバイスホール8内の部分で樹脂が溜まりやすくなり、ICチップ3とインターポーザ4との間の樹脂充填性に悪影響を与える。すなわち、ICチップ3とインターポーザ4との間での樹脂未充填が発生して気泡が生じやすい。例えば、距離Fを400μmとした場合は、約60%の高い率で不適合品が発生した(但し、封止樹脂をインターポーザ4の周囲からポッティングした場合)。
【0089】
上記距離e〜hを上記範囲に設定することにより、インターポーザ4の面積をICチップ3の面積に対して最小限に設定しながら、インナーリード先端からデバイスホールの縁までの距離Aを上述の好適範囲に設定するためのスペースが確保できる。
【0090】
また、ICチップ3の外縁とデバイスホール8の外縁との距離e〜hは、これら全てが最小限の値となるように、a=b=c=dとすることがインターポーザ4の面積を最小化する場合には好適である。
【0091】
また、デバイスホール8のコーナー部は、該コーナー部を起点としたフィルム基材2のクラック等が発生することを避けるため、Rをつけた形状とすることが好ましい。また、この場合のR径は0.1mm以下とすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、ICチップ実装デバイスにおけるフィルム基材と、ICチップと、インターポーザとの接合部分の構造を示す断面図である。
【図2】本実施形態に係るICチップ実装パッケージの構成を示す平面図である。
【図3】図2に示したICチップ実装パッケージを切断線A−A’において切断した状態を示した矢視断面図である。
【図4】図2に示したICチップ実装パッケージに設けられたICチップ及びインターポーザの構成を示した斜視図。
【図5】図2に示したICチップ実装パッケージに設けられたICチップ及びインターポーザの構成を示した斜視図であり、ICチップをインターポーザに実装する前の段階を示したものである。
【図6】(a)〜(e)は、図2に示したICチップ実装パッケージの製造手順を示す断面図である。
【図7】インナーリード先端からデバイスホールの縁までの距離と、インナーリード剥がれによる不良発生率との関係を示すグラフである。
【図8】図2に示したICチップ実装パッケージにおいて、フィルム基材にインターポーザを接合する際のボンディング工程を示す断面図である。
【図9】インナーリード先端からデバイスホールの縁までの距離と、テープの波打ちによる不良発生率との関係を示すグラフである。
【図10】フィルム基材における波打ちの有無と、フィルム基材へのインターポーザの接合後におけるインナーリード剥がれとの関係を示すグラフである。
【図11】ICチップの外縁とインターポーザの外縁との距離との好適範囲を説明するための図である。
【図12】図2に示したICチップ実装パッケージにおいて、ICチップとインターポーザとのサイズ差を示す平面図である。
【図13】図2に示したICチップ実装パッケージにおいて、ICチップとデバイスホールとのサイズ差を示す平面図である。
【図14】従来技術の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0093】
1 ICチップ実装パッケージ
2 フィルム基材(パッケージ基材)
3 ICチップ
4 インターポーザ
5 フィルム上配線
6 フィルム上配線
8 デバイスホール
9 第1のバンプ(バンプ電極)
12 ICチップ接続用端子(ICチップ側接続端子)
13 フィルム基材接続用端子(パッケージ基材側接続端子)
14 インターポーザ上配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入力端子群を有するICチップと、
上記ICチップを実装するための、接続端子群を有するパッケージ基材とを備えたICチップ実装パッケージにおいて、
上記ICチップとパッケージ基材とは、上記接続端子群と接続するように構成されたパッケージ基材側接続端子群と、上記出入力端子群と接続するように構成されたICチップ側接続端子群と、当該パッケージ基材側接続端子群及びICチップ側接続端子群を接続する配線とを有したインターポーザを用いて接続されており、
上記ICチップは、上記パッケージ基材に形成されたデバイスホール内に配置されており、
上記パッケージ基材における接続端子の先端から上記デバイスホールの縁までの距離は10μm以上に設定されていることを特徴とするICチップ実装パッケージ。
【請求項2】
出入力端子群を有するICチップと、
上記ICチップを実装するための、接続端子群を有するパッケージ基材とを備えたICチップ実装パッケージにおいて、
上記ICチップとパッケージ基材とは、上記接続端子群と接続するように構成されたパッケージ基材側接続端子群と、上記出入力端子群と接続するように構成されたICチップ側接続端子群と、当該パッケージ基材側接続端子群及びICチップ側接続端子群を接続する配線とを有したインターポーザを用いて接続されており、
上記ICチップは、上記パッケージ基材に形成されたデバイスホール内に配置されており、
上記パッケージ基材における接続端子の先端から上記デバイスホールの縁までの距離は150μm以下に設定されていることを特徴とするICチップ実装パッケージ。
【請求項3】
上記ICチップの外縁と上記インターポーザの外縁との距離は、0.20mm以上0.46mm以下に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のICチップ実装パッケージ。
【請求項4】
上記ICチップの外縁と上記インターポーザの外縁との距離は、周囲の全ての辺で同じ大きさに設定されていることを特徴とする請求項3に記載のICチップ実装パッケージ。
【請求項5】
上記ICチップの外縁と上記インターポーザの外縁との距離は、短辺同士の間の距離よりも長辺同士の間の距離の方が大きく設定されていることを特徴とする請求項3に記載のICチップ実装パッケージ。
【請求項6】
上記ICチップの外縁と上記インターポーザの外縁との距離は、長辺同士の間の距離よりも短辺同士の間の距離の方が大きく設定されていることを特徴とする請求項3に記載のICチップ実装パッケージ。
【請求項7】
上記ICチップの外縁と上記デバイスホールの外縁との距離は、30μm以上150mm以下に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のICチップ実装パッケージ。
【請求項8】
上記ICチップの外縁と上記デバイスホールの外縁との距離は、周囲の全ての辺で同じ大きさに設定されていることを特徴とする請求項7に記載のICチップ実装パッケージ。
【請求項9】
上記デバイスホールのコーナー部は、Rが付いた形状とされていることを特徴とする請求項1または2に記載のICチップ実装パッケージ。
【請求項10】
上記デバイスホールのコーナー部は、R半径が0.1mm以下に設定されていることを特徴とする請求項9に記載のICチップ実装パッケージ。
【請求項11】
出入力端子群を有するICチップと、
上記ICチップを実装するための、接続端子群を有するパッケージ基材とを備えたICチップ実装パッケージの製造方法において、
上記ICチップとパッケージ基材とは、上記接続端子群と接続するように構成されたパッケージ基材側接続端子群と、上記出入力端子群と接続するように構成されたICチップ側接続端子群と、当該パッケージ基材側接続端子群及びICチップ側接続端子群を接続する配線とを有したインターポーザを用いて接続されるものであり
上記パッケージ基材と上記インターポーザとの接続は、該パッケージ基材の接続端子に形成されたバンプ電極を上記パッケージ基材の接続端子に対してボンディングによって接続するものであり、
上記ボンディングに使用されるボンディングツールの外形寸法は、該ボンディングツールの外縁と上記バンプ電極の外縁とを一致させるように設定することを特徴とするICチップ実装パッケージの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−147262(P2008−147262A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−329993(P2006−329993)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】