IL−23レセプターのアンタゴニストおよびその使用
サイトカインであるインターロイキン(IL)−23は、炎症性自己免疫疾患の確立および維持において中心的役割を果たし、IBD、乾癬および多発性硬化症における重要な存在として浮上してきた。本発明は、IL−23レセプターのアンタゴニストおよびアゴニストに関する。自己免疫障害および炎症性障害を処置する際のIL−23レセプターアンタゴニストの使用、ならびにIL−23レセプターのアンタゴニストおよびアゴニストを同定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本願は、2007年7月6日出願された米国仮特許出願第60/958,660号の利益を主張する。米国仮特許出願第60/958,660号の開示は、その全体が本明細書中に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、IL−23レセプターのアンタゴニストおよびアゴニスト、それらの使用、ならびにそのようなアンタゴニストおよびアゴニストを同定する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
自己免疫(および炎症)は、種々のヒトにおける苦痛(例えば、炎症性腸疾患(IBD)、乾癬および多発性硬化症)の基礎となっている。現在、IBD、乾癬および多発性硬化症を有する患者の30〜50%を超える患者が、新しい生物製剤(例えば、抗TNF抗体)を含む従来および現在の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)に反応しない。
【0004】
サイトカインであるインターロイキン(IL)−23は、炎症性自己免疫疾患の確立および維持において中心的役割を果たし、IBD、乾癬および多発性硬化症における重要な存在として浮上してきた。抗しがたいヒトの遺伝学的証拠によって、これらの疾患(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5)および機構(非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9)におけるIL−23に対する役割が強く指摘されている。高レベルのIL−23は、IBDを有する患者の腸管組織(非特許文献10)、乾癬性の皮膚病変(非特許文献11)および多発性硬化症のプラーク(非特許文献12)において観察される。種々のストラテジーが、IL−23を、述べた自己免疫疾患における重要な標的として確認しており、そのストラテジーとしては、(動物)遺伝子破壊(非特許文献7)、そのp40サブユニットに対する抗体(非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16)およびIL−23(およびIL−12)の放出の低分子インヒビター(非特許文献17)が挙げられる。
【0005】
IL−23は、サイトカインのIL−12ファミリーに属しており;これらのサイトカインは、構造的に関連している(非特許文献7)。IL−23は、T細胞および主にマクロファージによって産生され、膜貫通型IL−23レセプター(IL−23R)に作用する。IL−23Rは、慢性炎症の誘導および維持に必要なメモリーCD4+Tヘルパー細胞(TH17)上に主に存在する。IL−23の作用は、広くIL−17に媒介される(非特許文献7)。IL−23は、IL−23p19サブユニットおよびIL−12p40サブユニットから構成され、後者をIL−12と共有する。したがって、最近の研究によって、IL−12ではなくIL−23がこの免疫偏移における決定的要因であることが明確に明らかにされるまで、自己免疫性の炎症においてIL−12p40によって果たされる役割は、IL−12に帰すると長い間誤解されてきた(非特許文献18;非特許文献19;非特許文献20)。
【0006】
現在の治療の不首尾は、自己免疫疾患に対する有効な処置が、未だ対処されていない重大な医療ニーズとして残されているという事実を強調している。炎症性プロセスを阻止し、薬理学的処置の副作用を回避する、新しい治療ストラテジーの開発が必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Alifirovaら、Zh Nevrol Psikhiatr Im S S Korsakova Spec No 3:130−135(2006)
【非特許文献2】Cargillら、Am J Hum Genet 80:273−290(2007)
【非特許文献3】Duerrら、Science 314:1461−1463(2006)
【非特許文献4】Seegersら、Genes Immun 3:419−423(2002)
【非特許文献5】Zwiersら、Genes Immun 5:675−677(2004)
【非特許文献6】Gockeら、J Immunol 178:1341−1348(2007)
【非特許文献7】Hunter,Nat Rev Immunol,5:521−531(2005)
【非特許文献8】Langrishら、Immunol Rev 202:96−105(2004)
【非特許文献9】Monteleoneら、Curr Opin Gastro 22:361−364(2006)
【非特許文献10】Stallmachら、Intl J Colorectal Dis 19:308−315(2004)
【非特許文献11】Leeら、J Exp Med 199:125−130(2004)
【非特許文献12】Liら、Brain 130:490−501(2007)
【非特許文献13】Chenら、J Clin Invest 116:1317−1326(2006)
【非特許文献14】Kasperら、Curr Med Res Opin 22:1671−1678(2006)
【非特許文献15】Kruegerら、N Engl J Med 356:580−592(2007)
【非特許文献16】Mannonら、N Engl J Med 351:2069−2079(2004)
【非特許文献17】Burakoffら、Inflamm Bowel Dis 12:558−565(2006)
【非特許文献18】Cuaら、Nature 421:744−748(2003)
【非特許文献19】Holscher,Curr Opin Investig Drugs 6:489−495(2005)
【非特許文献20】Kreymborgら、Expert Opin Ther Targets 9:1123−1136(2005)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要旨
本発明は、IL−23レセプターのアンタゴニストおよびアゴニストを特徴とする。本発明はまた、本発明のIL−23レセプターアンタゴニストを使用して自己免疫障害および炎症性障害を処置する方法、ならびにさらなるIL−23レセプターのアンタゴニストおよびアゴニストを同定する方法も特徴とする。
【0009】
したがって、第1の局面において、本発明は、式T1E2E3E4Q5Q6Y7L8を特徴とする配列(例えば、アミノ酸配列)を含む化合物を特徴とし、ここで、この化合物は、25以下のアミノ酸長であり、この化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
T1は、残基なし、トレオニン、フェニルアラニン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸を定義し;
E2、E3およびE4は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
Q5およびQ6は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリン、ホモセリン、アルファ−アミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
Y7は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニン、ヒスチジン、ピリジルアラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;そして
L8は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0010】
本発明の第1の局面の望ましい実施形態において、本化合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、本化合物は、2、3、4、5、6、7もしくは8個のD−アミノ酸を含むか、または完全にD−アミノ酸からなる。別の望ましい実施形態において、本化合物は、逆(reverse)−Dもしくは逆−LペプチドまたはL−およびD−アミノ酸の組み合わせを含む逆ペプチドである。
【0011】
本発明の第1の局面のさらなる望ましい実施形態において、上記の疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;そして上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。
【0012】
本発明の第1の局面のさらに望ましい実施形態において、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン(napthylalanine)、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。望ましくは、上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;そして上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。
【0013】
本発明の第1の局面の別の望ましい実施形態において、上記1級アリールアルキルアミンは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0014】
本発明の第1の局面の他の望ましい実施形態において、本化合物は、配列TEEEQQYL(配列番号1)、TEEAQQYL(配列番号6)、TAAEQQYL(配列番号7)、TAAAQQYL(配列番号8)、EEEQQYL(配列番号9)、EEQQYL(配列番号10)、EQQYL(配列番号11)、AEEQQYL(配列番号12)、TEEEQQY(配列番号13)、TEEEQQ(配列番号14)、TEEEQ(配列番号15)、TEEE(配列番号16)、TEEEQAYL(配列番号17)またはTEEEAAYL(配列番号18)からなり、ここで、望ましくは、少なくとも1つのアミノ酸は、D−アミノ酸である。
【0015】
本発明の第1の局面のなおも別の望ましい実施形態において、本化合物は、上記配列のアミノ末端に付着されたG1、上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記配列のアミノ末端に付着されたG1および上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンまたは複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンである。望ましくは、上記アシル基は、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン(napthylamine)、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり、上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。
【0016】
本発明の第2の局面は、式K1K2Y3L4V5W6V7Q8を特徴とする配列(例えば、アミノ酸配列)を含む化合物を特徴とし、ここで、この化合物は、25以下のアミノ酸長であり、この化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
K1およびK2は、各々独立して、残基なし、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、シトルリン(citruline)、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ピリジルアラニンまたはアルギニン代替物(surrogate)であり;
Y3は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
L4は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
V5は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
W6は、残基なし、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σもしくは芳香族側鎖;または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
V7は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;そして
Q8は、残基なし、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンまたはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸である。
【0017】
本発明の第2の局面の望ましい実施形態において、本化合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。望ましくは、本発明の第2の局面の化合物は、2、3、4、5、6、7もしくは8個のD−アミノ酸を含むか、または完全にD−アミノ酸からなる。別の望ましい実施形態において、本化合物は、逆−Dもしくは逆−LペプチドまたはL−およびD−アミノ酸の組み合わせを含む逆ペプチドである。
【0018】
本発明の第2の局面の他の望ましい実施形態において、上記の疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;そして上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。
【0019】
本発明の第2の局面のさらなる望ましい実施形態において、上記の疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。
【0020】
本発明の第2の局面のさらに望ましい実施形態において、上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンであり;上記アルギニン代替物は、4−アミジノフェニルアセチル、4−アミジノフェニルプロピオニル、4−アミジノフェニルグリシル、4−アミジノフェニルメチルグリシル、4−グアニジノフェニルアセチル、4−グアニジノフェニルプロピオニル(uanidinophenylpropionyl)、4−グアニジノフェニルグリシルまたは4−グアニジノフェニルメチルグリシルであり;そして上記1級アリールアルキルアミンは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0021】
本発明の第2の局面のなおも他の望ましい実施形態において、本化合物は、上記配列のアミノ末端に付着されたG1、上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記配列のアミノ末端に付着されたG1および上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。望ましくは、上記アシル基は、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;そして上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;そして上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。
【0022】
本発明の第3の局面は、式M1E2E3S4K5Q6L7Q8L9を特徴とする配列(例えば、アミノ酸配列)を含む化合物を特徴とし、ここで、この化合物は、25以下のアミノ酸長であり、この化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
M1は、残基なし、メチオニン、バリン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
E2およびE3は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸、トリメシン酸またはアルファ,オメガ−ジカルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸またはアゼライン酸)またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
S4は、残基なし、セリン、トレオニン、アロトレオニン、ヒドロキシプロリン、ベータ−ヒドロキシバリン、バリンまたはηであり、ここで、ηは、中性の親水性アミノ酸であり;
K5は、残基なし、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、シトルリン、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ピリジルアラニンまたはアルギニン代替物であり;
Q6は、残基なし、アラニン、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンまたはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
L7は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
Q8は、残基なし、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンまたはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;そして
L9は、残基なし、ロイシン、イソロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0023】
本発明の第3の局面の望ましい実施形態において、本化合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。望ましくは、本発明の第3の局面の化合物は、2、3、4、5、6、7、8または9個のD−アミノ酸を含むか、または完全にD−アミノ酸からなる。別の望ましい実施形態において、本化合物は、逆−Dもしくは逆−LペプチドまたはL−およびD−アミノ酸の組み合わせを含む逆ペプチドである。
【0024】
本発明の第3の局面の他の望ましい実施形態において、上記中性アミノ酸は、ヒドロキシバリン、ベータ,ベータ−ジアルキルセリン、ホモ−セリン、アロトレオニンまたはヒドロキシプロリンであり;上記の疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;そして上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンであり;上記アルギニン代替物は、4−アミジノフェニルアセチル、4−アミジノフェニルプロピオニル、4−アミジノフェニルグリシル、4−アミジノフェニルメチルグリシル、4−グアニジノフェニルアセチル、4−グアニジノフェニルプロピオニル、4−グアニジノフェニルグリシルまたは4−グアニジノフェニルメチルグリシルであり;そして上記1級アリールアルキルアミンは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0025】
本発明の第3の局面の他の望ましい実施形態において、本化合物は、配列MEESKQLQL(配列番号2)、MAESKQLQL(配列番号19)、MAASKQLQL(配列番号20)、ESKQLQL(配列番号21)、MEESKQLQI(配列番号22)、MEESKQL(配列番号23)、MEESKQ(配列番号24)、MEESQQLQI(配列番号25)、EESKQLQL(配列番号26)、VQAANALGMEESKQLQLHLDDLVL(配列番号27)またはLVLDDLHLQLQKSEEMGLANAAQV(配列番号28)からなり、ここで、望ましくは、少なくとも1つのアミノ酸は、D−アミノ酸である。
【0026】
本発明の第3の局面のさらなる実施形態において、本化合物は、上記配列のアミノ末端に付着されたG1、上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記配列のアミノ末端に付着されたG1および上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。望ましくは、上記アシル基は、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;そして上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0027】
本発明の第4の局面は、式L1P2D3E4V5T6C7V8を特徴とする配列(例えば、アミノ酸配列)を含む化合物を特徴とし、ここで、この化合物は、25以下のアミノ酸長であり、この化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
L1は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
P2は、残基なし、プロリン、アラニン、N−メチルグリシン、N−イソブチルグリシン、アミノイソ酪酸(Aib)、N−メチル−L−アラニン(MeAla)、trans−4−ヒドロキシプロリン、ジエチルチアゾリジンカルボン酸(Dtc)またはΩであり、ここで、Ωは、構造制約生成(conformational constraint−producing)アミノ酸であり;
D3は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
E4は、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
V5は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
T6は、残基なし、トレオニン、フェニルアラニン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸を定義し;
C7は、残基なし、システイン、セリン、ホモセリン、ホモシステイン、トレオニン、メチオニン、N−アセチルシステイン、シスタチオニン、2−アミノブチレートまたはβ,β−ジメチルシステイン(ペニシラミン)であり、;そして
V8は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0028】
本発明の第4の局面の望ましい実施形態において、本化合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。望ましくは、本発明の第4の局面の化合物は、2、3、4、5、6、7もしくは8個のD−アミノ酸を含むか、または完全にD−アミノ酸からなる。別の望ましい実施形態において、本化合物は、逆−Dもしくは逆−LペプチドまたはL−およびD−アミノ酸の組み合わせを含む逆ペプチドである。
【0029】
本発明の第4の局面の他の望ましい実施形態において、上記の疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;そして上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0030】
本発明の第4の局面のさらなる望ましい実施形態において、上記の疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。
【0031】
本発明の第4の局面のさらに望ましい実施形態において、上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;上記構造制約生成アミノ酸は、アゼチジン−2−カルボン酸、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、4−(アミノメチル)安息香酸、2−アミノ安息香酸またはニペコチン酸であり;そして上記1級アリールアルキルアミンは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0032】
本発明の第4の局面のなおも他の望ましい実施形態において、本化合物は、上記配列のアミノ末端に付着されたG1、上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記配列のアミノ末端に付着されたG1および上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。望ましくは、上記アシル基は、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;そして上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0033】
本発明の第5の局面は、配列番号1〜5のいずれか1つのアミノ酸配列をコードする単離された核酸配列を含むベクターを特徴とする。本発明の第6の局面は、本発明の第5の局面のベクターを含む細胞を特徴とする。本発明の第6の局面の望ましい実施形態において、その細胞は、原核細胞または真核細胞である。
【0034】
本発明の第7の局面は、本発明の最初の4つの局面または第11の局面のうちのいずれか1つの化合物を発現する細胞を特徴とする。本発明の第7の局面の望ましい実施形態において、その細胞は、原核細胞または真核細胞である。
【0035】
本発明の第8の局面は、本発明の最初の4つの局面または第11の局面のうちのいずれか1つの化合物を含む薬学的組成物を特徴とする。
【0036】
本発明の第9の局面は、自己免疫障害または炎症性障害を処置する方法を特徴とする。この方法は、その必要のある被験体に、有効な用量の本発明の最初の4つの局面のうちのいずれか1つの化合物を投与する工程を包含する。本発明の第9の局面の望ましい実施形態において、その自己免疫障害または炎症性障害は、炎症性腸疾患、乾癬または多発性硬化症である。本発明の第9の局面の別の望ましい実施形態において、本化合物は、抗炎症性化合物と組み合わせて投与される。望ましくは、本化合物は、経口的に投与される。
【0037】
本発明の第10の局面は、本発明の最初の4つの局面のうちのいずれか1つの化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズする能力を阻害するか、または増強する候補化合物を同定する方法を特徴とする。この方法は、(i)本発明の最初の4つの局面のうちのいずれか1つの化合物の存在下において、インターロイキン23レセプターをその候補化合物と接触させる工程;および(ii)その候補化合物と接触していないコントロールと比較して、そのインターロイキン23レセプターの生物学的活性の増加または減少についてアッセイする工程(ここで、そのコントロールと比較して生物学的活性の減少は、その候補化合物が、本発明の最初の4つの局面のうちのいずれか1つの化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズする能力を増強することを示唆し、そしてそのコントロールと比較して生物学的活性の増加は、その候補化合物が、本発明の最初の4つの局面のうちのいずれか1つの化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズする能力を阻害することを示唆する)を包含する。
【0038】
本発明の第10の局面の望ましい実施形態において、本発明の最初の4つの局面のうちのいずれか1つの化合物は、検出可能なシグナルを直接または間接的に提供する部分で標識されている。望ましくは、その部分は、放射標識(例えば、125I、14Cまたは3H)であるか、またはその部分は、アルカリホスファターゼもしくは西洋ワサビペルオキシダーゼである。
【0039】
本発明の第11の局面は、式D1L2S3S4G5Y6P7P8D9I10を特徴とする配列(例えば、アミノ酸配列)を含む化合物を特徴とし、ここで、この化合物は、25以下のアミノ酸長であり、この化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアゴナイズし、ここで;
D1は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり;ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
L2は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
S3およびS4は、各々独立して、残基なし、セリン、トレオニン、アロトレオニン、ヒドロキシプロリン、ベータ−ヒドロキシバリン、バリンまたはηであり、ここで、ηは、中性の親水性アミノ酸であり;
G5は、残基なし、グリシン、アラニン、イソロイシンバリン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
Y6は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
P7およびP8は、各々独立して、残基なし、プロリン、アラニン、N−メチルグリシン、N−イソブチルグリシン、アミノイソ酪酸(Aib)、N−メチル−L−アラニン(MeAla)、trans−4−ヒドロキシプロリン、ジエチルチアゾリジンカルボン酸(Dtc)またはΩであり、ここで、Ωは、構造制約生成アミノ酸であり;
D9は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり;ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;そして
I10は、残基なし、イソロイシンバリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0040】
本発明の第11の局面の望ましい実施形態において、本化合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、本発明の第11の局面の化合物は、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のD−アミノ酸を含むか、または完全にD−アミノ酸からなる。別の望ましい実施形態において、本化合物は、逆−Dもしくは逆−LペプチドまたはL−およびD−アミノ酸の組み合わせを含む逆ペプチドである。
【0041】
本発明の第11の局面の他の望ましい実施形態において、上記中性アミノ酸は、ヒドロキシバリン、ベータ,ベータ−ジアルキルセリン、ホモ−セリン、アロトレオニンまたはヒドロキシプロリンであり;上記の疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;そして上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0042】
本発明の第11の局面のさらなる望ましい実施形態において、上記の疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。
【0043】
本発明の第11の局面のなおも他の望ましい実施形態において、上記構造制約生成アミノ酸は、アゼチジン−2−カルボン酸、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、4−(アミノメチル)安息香酸、2−アミノ安息香酸またはニペコチン酸であり;そして上記1級アリールアルキルアミンは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0044】
本発明の第11の局面のさらに望ましい実施形態において、本化合物は、上記配列のアミノ末端に付着されたG1、上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記配列のアミノ末端に付着されたG1および上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1およびは、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。望ましくは、上記アシル基は、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり、そして上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0045】
本発明の第12の局面は、本発明の第11の局面の化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアゴナイズする能力を阻害するか、または増強する候補化合物を同定する方法を特徴とする。この方法は、(i)本発明の第11の局面の化合物の存在下において、インターロイキン23レセプターをその候補化合物と接触させる工程;および(ii)その候補化合物と接触していないコントロールと比較して、そのインターロイキン23レセプターの生物学的活性の増加または減少についてアッセイする工程(ここで、そのコントロールと比較して生物学的活性の減少は、その候補化合物が、本発明の第11の局面の化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアゴナイズする能力を阻害することを示唆し、そしてそのコントロールと比較して生物学的活性の増加は、その候補化合物が、本発明の第11の局面の化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアゴナイズする能力を増強することを示唆する)を包含する。
【0046】
本発明の第12の局面の望ましい実施形態において、本発明の第11の局面の化合物は、検出可能なシグナルを直接または間接的に提供する部分で標識されている。望ましくは、その部分は、放射標識(例えば、125I、14Cまたは3H)であるか、またはその部分は、アルカリホスファターゼもしくは西洋ワサビペルオキシダーゼである。
【0047】
定義
別段定義されない限り、本明細書中で使用される科学用語および科学技術用語ならびに命名法は、本発明が属する分野の当業者が通常理解している意味と同じ意味を有する。分子生物学用語の通常理解されている定義は、例えば、Singletonら、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology,2nded.(1994,John Wiley & Sons,NY)、The Harper Collins Dictionary of Biology(Hale & Marham,1991,Harper Perennial,New York,NY)Riegerら、Glossary of genetics:Classical and molecular,5thedition,Springer−Verlag,New York,1991;およびLewin,Genes VII,Oxford University Press,New York,2000に見られる。一般に、細胞培養、感染、分子生物学の方法などの手順は、当該分野において使用されている通常の方法である。そのような標準的な手法は、参考マニュアル(例えば、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience,New York,2001;およびSambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,N.Y.,2001)に見られる。
【0048】
本明細書中で使用されるとき、20種の天然のアミノ酸およびそれらの省略形は、慣例的な使用法に従う。非慣習的なアミノ酸およびそれらの立体異性体、例えば、D−アミノ酸、例えば、α,α−二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸などもまた、本発明のポリペプチドに適した構成要素であり得る。非慣習的なアミノ酸の例としては、シトルリン、オルニチン、ノルバリン、4−(E)−ブテニル−4(R)−メチル−N−メチルトレオニン(MeBmt)、N−メチル−ロイシン(MeLeu)、アミノイソ酪酸、スタチンおよびN−メチル−アラニン(MeAla)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
用語「芳香族アミン」とは、本明細書中で使用されるとき、6〜10個の炭素原子の環を有する分子のことを指す。例示的な芳香族アミンとしては、フェニルメチルアミン、フェニルエチルアミン、フェニルプロピルアミン、および飽和または不飽和の炭化水素鎖を含むアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
用語「アリールアルキルアミン」とは、本明細書中で使用されるとき、飽和または不飽和の炭化水素鎖を含むアミンのことを指す。1級アリールアルキルアミンは、6〜10個の炭素原子の環から構成される。例示的なアリールアルキルアミンとしては、フェニル、トリル、アルコキシフェニル、アルコキシカルボニルフェニルおよびハロフェニルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0051】
用語「アリール」は、本明細書中で使用されるとき、フェニル、1−ナフチルおよび2−ナフチルである。用語「置換アリール」は、本明細書中で使用されるとき、フェニル、ヘテロアリール、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、−NH(低級アルキル)および−N(低級アルキル)2からなる群から選択される置換基を有する、フェニル、1−ナフチルおよび2−ナフチルであり、ならびにメチル、メトキシ、メチルチオ、ハロ、ヒドロキシおよびアミノから選択される置換基を含む、一置換、二置換および三置換の、フェニル、1−ナフチルならびに2−ナフチルである。
【0052】
用語「アルキル」とは、本明細書中で使用されるとき、最大7個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のラジカルのことを指す。用語「低級アルキル」とは、本明細書中で使用されるとき、最大4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のラジカルのことを指し、用語「アルキル」に対する望ましい部分群である。
【0053】
用語「置換アルキル」とは、本明細書中で使用されるとき、最大7個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のラジカルのことを指し、ここで、1つ以上、望ましくは、1、2または3個の水素原子が、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、−NH(低級アルキル)、−N(低級アルキル)2、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、およびカルボキシ、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される置換基によって置換されている。
【0054】
本明細書中で使用されるとき、20種の天然に存在するL−アミノ酸およびそれらの省略形は、慣例的な使用法に従う。本明細書中で使用されるポリペプチドの表示法では、標準的な使用法および慣例に従って、左側方向が、アミノ末端方向であり、右側方向が、カルボキシ末端方向である。
【0055】
本明細書中で使用されるとき、用語「ペプチド」および「ポリペプチド」とは、多数のアミノ酸またはイミノ酸(またはそれらの等価物)をペプチド結合で含む高分子のことを指す。ペプチドは、望ましくは、25以下のアミノ酸長である。より望ましくは、ペプチドは、5〜15または5〜10アミノ酸長(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸長)である。ペプチドまたはポリペプチドは、翻訳後修飾を含んでいてもよいし、翻訳後修飾を欠いていてもよい。望ましい実施形態において、本ペプチドは、IL−23レセプターの可動部から得られ、望ましくは、本ペプチドは、その可動部に相補的であり、かつ標的化されるドメインの外形に従うように選択される。望ましくは、ペプチドおよびポリペプチドは、IL−23レセプターサブフラグメントペプチド(例えば、D−アミノ酸アンタゴニストペプチド、およびIL−23レセプター活性を阻害することができるペプチドの他の誘導体)である。望ましくは、ペプチド誘導体は、N末端またはC末端のアミノ酸においてD−アミノ酸を含む。望ましい実施形態において、ペプチドは、2305、2307、2309、2303もしくは2301ペプチドまたは本明細書中に記載される式I、II、III、IVもしくはVのペプチドである。例示的な修飾としては、N末端のアセチル化、グリコシル化、ペグ化およびビオチン化が挙げられる。例えば、ポリペプチドは、相互作用ドメインの生物学的活性を変化させることなく、安定性を高めるように修飾され得る。
【0056】
さらに、ペプチドは、特定のサイトカインレセプターの活性化(例えば、オリゴマー化)を阻害する特性を別々に有するが、可動部内で連続しない、2つのペプチドの配列から構成され得る。そのようなペプチドは、内部欠失を有する特定のサイトカインレセプターに対応する配列を有するとも記載され得る。
【0057】
用語「逆−Dペプチド」とは、本明細書中で使用されるとき、L−アミノ酸を含むペプチドに対して逆配列で配列される、D−アミノ酸を含むペプチドのことを指す。例えば、L−アミノ酸ペプチドのC末端残基は、D−アミノ酸ペプチドに対するN末端になるなど。逆D−ペプチドは、望ましくは、L−アミノ酸ペプチドと、同じ3次構造ひいては同じ活性を保持するが、望ましくは、インビトロおよびインビボにおいて酵素的分解に対してより安定であり、ゆえに、もとのペプチドよりも高い治療的な有効性を有し得る(Brady and Dodson,Nature 368:692−693,1994;およびJameson and McDonnel,Nature 368:744−746,1994)。
【0058】
用語「逆−Lペプチド」とは、本明細書中で使用されるとき、親ペプチドに対して逆配列で配列される、L−アミノ酸を含むペプチドのことを指す。親ペプチドのC末端の残基は、逆−Lペプチドに対するN末端になるなど。
【0059】
本明細書中で使用されるとき、「アンタゴニスト」、「ペプチドアンタゴニスト」または「IL−23レセプターアンタゴニスト」とは、IL−23レセプターの生物学的活性を(完全または部分的に)阻害することができる化合物のことを指す。用語「アンタゴニスト」、「ペプチドアンタゴニスト」または「IL−23レセプターアンタゴニスト」は、アンタゴニスト特性を有する公知の化合物の増強物質も包含する。
【0060】
本明細書中で使用されるとき、「アゴニスト」、「ペプチドアゴニスト」または「IL−23レセプターアゴニスト」とは、IL−23レセプターの生物学的活性を刺激することができる化合物のことを指す。用語「アゴニスト」、「ペプチドアゴニスト」または「IL−23レセプターアゴニスト」は、アゴニスト特性を有する公知の化合物の増強物質も包含する。
【0061】
本明細書中で使用されるとき、呼称「機能的誘導体」とは、アミノ酸配列の機能的誘導体の文脈において、もとの配列の生物学的活性(機能または構造)と実質的に類似のものを保持している分子のことを意味する。望ましくは、機能的誘導体または機能的等価物は、天然の誘導体であるか、または合成的に調製される。例示的な望ましい機能的誘導体は、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失または付加を有するアミノ酸配列を含むが、ただし、そのタンパク質の生物学的活性は、保存されている(例えば、それは、IL−23レセプターの非競合的アンタゴニストとして作用する)。置換するアミノ酸は、望ましくは、置換されるアミノ酸の物理化学特性と類似の物理化学特性を有する。望ましい類似の物理化学特性としては、電荷、かさ高さ、疎水性、親水性(hydrophylicity)などの類似性が挙げられる。用語「機能的誘導体」は、本明細書中に開示されるIL−23レセプター結合ペプチドの「フラグメント」、「アナログ」または「化学誘導体」をさらに包含する。
【0062】
用語「生物学的活性」または「IL−23レセプター活性」とは、IL−23レセプターの検出可能な任意の生物学的活性のことを指す。その活性には、望ましくは、IL−23レセプタータンパク質の特異的な生物学的活性(例えば、IL−23誘導性のTNFαまたはSTAT3(シグナル伝達性転写因子3)リン酸化の測定値)が包含される。生物学的活性には、例えば、IL−23レセプターへの、化合物、基質、相互作用タンパク質などの結合も包含される。例えば、阻害するか、または増加する(すなわち、IL−23の応答またはIL−23レセプターの結合もしくは相互作用を調節する)能力に対する被験化合物の作用の測定は、本発明に記載のIL−23レセプターの生物学的活性の測定を包含する。IL−23レセプターの活性または生物学的活性はまた、このレセプターの任意の生化学的な測定値、コンホメーション変化、リン酸化状態、そのレセプターのシグナル伝達の任意の下流の作用(例えば、タンパク質リン酸化(または他の任意の翻訳後修飾、例えば、ユビキチン化、SUMO化(sumolylation)、パルミトイル化(palmytotoylation)、プレニル化など)、キナーゼ作用または当該分野で公知の手法を用いて測定され得るそのペプチドの他の任意の特徴)を包含する。
【0063】
IL−23レセプターの生物学的活性は、本明細書中に記載されるリン酸化(phosporylation)、TNFα産生および組織学的アッセイをはじめとした、当該分野において標準的な種々の方法を用いて測定され得る。
【0064】
用語「バリアント」とは、アミノ酸配列に関連して本明細書中で使用されるとき、構造が実質的に同一のペプチドまたはポリペプチドのことを指し、バリアントは、それが基づいているペプチドまたはポリペプチドの生物学的活性の少なくとも1つを維持している。同様に、用語「バリアント」とは、核酸配列に関連して本明細書中で使用されるとき、それが基づいている核酸配列と構造が実質的に同一の核酸配列のことを指し、バリアントは、そのバリアントが基づいている核酸配列によってコードされるペプチドまたはポリペプチドの生物学的活性の少なくとも1つを有するペプチドまたはポリペプチドをコードする。
【0065】
用語「被験体」または「患者」とは、本明細書中で使用されるとき、処置、観察または実験の対象である哺乳動物、望ましくは、ヒトのことを指す。
【0066】
用語「阻害する」、「減少する」、「妨げる」もしくは「アンタゴナイズする」またはこれらの用語の任意の変化形は、本明細書中で使用されるとき、生物学的活性の測定可能な減少のことを指す。望ましくは、その減少は、コントロールと比較して、生物学的活性の20%、40%、60%、80%、90%または95%の減少である。望ましくは、その測定可能な減少は、生物学的活性の完全な阻害である。例えば、ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物は、細胞とペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物とを接触させた後にTNFα産生またはSTAT3リン酸化の減少が、そのペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物と接触していないコントロール細胞と比較して測定されるとき、IL−23レセプター活性を阻害すると見いだされる。
【0067】
用語「刺激する」、「増加する」もしくは「アゴナイズする」またはこれらの用語の任意の変化形は、本明細書中で使用されるとき、生物学的活性の測定可能な増加のことを指す。望ましくは、その増加は、コントロールと比較して、生物学的活性の20%、40%、60%、80%、90%または95%の増加である。例えば、ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物は、細胞とペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物とを接触させた後にTNFα産生またはSTAT3リン酸化の増加が、そのペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物と接触していないコントロール細胞と比較して測定されるとき、IL−23レセプター活性を刺激すると見いだされる。
【0068】
本明細書中で使用されるとき、用語「精製された」とは、ある分子を天然に伴う他の成分から分離された分子(例えば、IL−23レセプター、ペプチド、ペプチド誘導体、ペプチド模倣物または核酸配列)のことを指す。したがって、例えば、「精製されたペプチド」は、天然において見られないレベルまで精製されている。「実質的に純粋な」分子は、それを天然に伴う他のほとんどの成分を有しない分子、例えば、50重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%または100重量%純粋である分子である。実質的に純粋なペプチドは、化学合成、天然の起源からのペプチドの分離、またはそのペプチドを天然には生成しない組換え宿主細胞におけるそのペプチドの生成によって入手され得る。
【0069】
核酸配列に関連して「単離された」とは、その単離された核酸配列が由来する天然に存在する遺伝子において、その核酸配列の側に位置する核酸配列が存在しない核酸配列のことを意味する。ゆえに、この用語には、例えば、ベクター;自己複製するプラスミドもしくはウイルス;または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNAに組み込まれているか;あるいは他の配列とは独立した別個の分子(例えば、cDNAもしくはゲノムDNA、またはPCRもしくは制限エンドヌクレアーゼ消化によって生成されたcDNAフラグメント)として存在する、組換えDNAが包含される。この用語はまた、さらなるポリペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNAも包含する。
【0070】
対照的に、用語「粗」は、天然ではある化合物を伴う成分から分離されていない化合物のことを意味する。ゆえに、用語「分離する」または「精製する」とは、生物学的サンプルの1つ以上の成分を、そのサンプルの他の1つ以上の成分から取り出す方法のことを指す。化合物、例えば、ペプチドは、Ausubelら(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York,2000)によって説明されているものなどの標準的な手法を用いて当業者によって精製され得る。その化合物は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、カラムクロマトグラフィ、光学濃度、HPLC解析またはWestern解析(Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York,2000)を用いて測定されるとき、好ましくは出発物質よりも少なくとも2、5または10倍純粋である。精製の好ましい方法としては、塩析、ゲル濾過、疎水性相互作用クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、レクチンクロマトグラフィ、逆相クロマトグラフィならびにこれらの方法の組み合わせが挙げられる。ペプチドから分離される例示的な成分としては、他の成分(例えば、タンパク質、炭水化物または脂質)を含み得る、通常水性の溶液中の核酸が挙げられる。
【0071】
「実質的に同一」とは、参照アミノ酸配列または参照核酸配列に対して、少なくとも40%、好ましくは、50%、60%、70%、75%または80%、より好ましくは、85%、90%または95%、最も好ましくは、99%の同一性を示すポリペプチド配列または核酸配列のことを意味する。ポリペプチドの場合、比較配列の長さは、一般に、少なくとも5、6、7、8、9、10または15連続アミノ酸、好ましくは、少なくとも20連続アミノ酸、より好ましくは、少なくとも25、50、75、90、100、150、200、250または300連続アミノ酸、最も好ましくは、完全長アミノ酸配列である。核酸の場合、比較配列の長さは、一般に、少なくとも45連続ヌクレオチド、好ましくは、少なくとも60連続ヌクレオチド、より好ましくは、少なくとも75、150、250、300、450、600、750または900連続ヌクレオチド、最も好ましくは、完全長ヌクレオチド配列である。
【0072】
用語「薬学的に許容可能なキャリア」とは、ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物の生物学的活性の有効性を干渉せず、かつそれを投与される被験体(例えば、ヒト患者)に対して毒性でない、キャリア媒質のことを指す。
【0073】
「治療的に有効な」または「薬学的に有効な」量とは、所望の効果を誘導するのに十分な、本発明のペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物の量のことを指す。そのような結果は、徴候、症状もしくは障害の原因の軽減もしくは低減、または標的の生理学的な系の他の任意の所望の変化であり得る。例えば、本発明の化合物は、細胞および/または組織の生理学またはホメオスタシスがIL−23またはIL−23レセプターの産生または反応の欠陥によって損なわれる自己免疫障害または炎症性障害の処置において治療的な価値を有する。望ましくは、その自己免疫障害は、炎症性腸疾患、乾癬などの炎症性皮膚障害、または多発性硬化症である。
【0074】
「自己免疫障害」とは、本明細書中で使用されるとき、自身の免疫系による身体の組織の攻撃に起因する障害のことを指す。望ましくは、この自己免疫疾患は、真性糖尿病(diabetes melitus)、多発性硬化症、早発性卵巣機能不全、強皮症、シェーグレン疾患、狼瘡、脱毛症(禿頭症)、多腺性不全(polyglandular failure)、グレーブス病、甲状腺機能低下、多発性筋炎(polymyosititis)、セリアック病、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝炎、下垂体機能低下症、ギランバレー症候群、心筋炎(myocardititis)、アジソン病、自己免疫性皮膚疾患(例えば、乾癬)、ブドウ膜炎(uveititis)、悪性貧血、リウマチ性多発筋痛症、グッドパスチャー症候群、副甲状腺機能低下症、橋本甲状腺炎(Hashimoto’s thyoriditis)、レイノー現象、リウマチ性多発筋痛(polymyaglia rheumatica)および関節リウマチである。
【0075】
「炎症性障害」とは、本明細書中で使用されるとき、免疫系が異常に活性化されている任意の疾患、障害もしくは状態、またはIL−23レセプターの活性化がもたらされる損傷のことを指す。望ましくは、その疾患、障害または状態は、上気道および下気道の疾患、例えば、気管支喘息、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息、リンパ腫性気管気管支炎、アレルギー性過敏症または過分泌状態(例えば、慢性気管支炎および嚢胞性線維症);様々な病因の肺線維症(例えば、特発性肺線維症)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、サルコイドーシス、アレルギー性および非アレルギー性の鼻炎;アレルギー性または非アレルギー性のじんま疹;調節解除された炎症、組織リモデリング、血管新生および新生物を特徴とする皮膚関連疾患、消化管の疾患(例えば、クローン病、ヒルシュスプルング病、下痢、吸収不良状態および炎症状態);中枢神経系および末梢神経系の障害(例えば、うつ、不安状態、パーキンソン病、片頭痛および他の形態の頭側疼痛、脳卒中、嘔吐);脾臓組織およびリンパ組織におけるような免疫系の疾患、自己免疫疾患または他の免疫関連疾患;心臓血管系の疾患、例えば、肺浮腫、高血圧症、アテローム性動脈硬化症、子癇前症、2型複合性局所性疼痛症候群、脳卒中および慢性炎症性疾患、例えば、関節炎、骨関連疾患、例えば、関節リウマチ、および疼痛、慢性疼痛、例えば、線維筋痛症、ならびにニューロキニン、タキキニンまたは他の関連物質(例えば、ヘモキニン(hemokinins))の作用がその病原、病理および病因に関与する他の障害である。
【0076】
炎症性障害のさらなる例としては、尋常性ざ瘡;急性呼吸窮迫症候群;アジソン病;アレルギー性眼内炎症性疾患、ANCA関連小血管血管炎;強直性脊椎炎;アトピー性皮膚炎;自己免疫性溶血性貧血;自己免疫性肝炎;ベーチェット病;ベル麻痺;水疱性類天疱瘡;脳虚血;肝硬変;コーガン症候群;接触皮膚炎;クッシング症候群;皮膚筋炎;真性糖尿病;円板状エリテマトーデス;ループス腎炎;好酸球性筋膜炎;結節性紅斑;剥脱性皮膚炎;巣状糸球体硬化症;巣状分節状糸球体硬化症;分節状糸球体硬化症;巨細胞性動脈炎;痛風;痛風関節炎;移植片対宿主病;手湿疹;ヘノッホシェーンライン紫斑病;妊娠性疱疹;多毛症;特発性角膜−強膜炎;特発性血小板減少性紫斑病;免疫性血小板減少性紫斑病、炎症性腸障害または炎症性胃腸障害、炎症性皮膚疾患;扁平苔癬;リンパ腫性気管気管支炎;黄斑浮腫;多発性硬化症;重症筋無力症;筋炎;非特異的な線維化肺疾患;変形性関節症;膵炎;妊娠性類天疱瘡;尋常性天疱瘡;歯根膜炎;結節性多発性動脈炎;リウマチ性多発筋痛症;陰嚢そう痒症;そう痒症/炎症、乾癬;乾癬性関節炎;肺ヒストプラスマ症;再発性多発性軟骨炎;サルコイドーシスが原因の酒さ;強皮症が原因の酒さ;Sweet症候群が原因の酒さ;全身性エリテマトーデスが原因の酒さ;じんま疹が原因の酒さ;帯状疱疹関連痛が原因の酒さ;サルコイドーシス;強皮症;敗血症性ショック症候群;肩腱炎または滑液包炎;シェーグレン症候群;スチル病;Sweet病;全身性エリテマトーデス;全身性硬化症;高安動脈炎;側頭動脈炎;中毒性表皮壊死症;移植片拒絶および移植片拒絶関連症候群;結核;1型糖尿病;潰瘍性大腸炎;ブドウ膜炎;血管炎;およびヴェゲナー肉芽腫症が挙げられる。望ましくは、上記自己免疫障害は、炎症性腸疾患、乾癬などの炎症性皮膚障害または多発性硬化症である。
【0077】
「抗炎症性」化合物とは、本明細書中で使用されるとき、被験体における炎症を減少させる化合物のことを指す。望ましくは、抗炎症性化合物は、IL−23レセプター活性を低下させる。望ましい実施形態において、抗炎症性化合物は、糖質コルチコイドなどのステロイドである。望ましくは、その糖質コルチコイドは、11−アルファ,17−アルファ,21トリヒドロキシプレグン−4−エン−3,20−ジオン;11−ベータ,16−アルファ,17,21−テトラヒドロキシプレグン−4エン−3,20−ジオン;11−ベータ,16−アルファ,17,21−テトラヒドロキシプレグン−1,4−ジエン−3,20−ジオン;11−ベータ,17−アルファ,21−トリヒドロキシ−6−アルファ(arpha)−メチルプレグン−4−エン−3,20−ジオン;11−デヒドロコルチコステロン;11−デオキシコルチゾール;11−ヒドロキシ−1,4−アンドロスタジエン−3,17−ジオン;11−ケトテストステロン;14−ヒドロキシアンドロスト−4−エン−3,6,17−トリオン;15,17−ジヒドロキシプロゲステロン;16−メチルヒドロコルチゾン;17,21−ジヒドロキシ−16−アルファ−メチルプレグナ−1,4,9(11)−トリエン−3,20−ジオン;17−アルファ−ヒドロキシプレグン−4−エン−3,20−ジオン;17−アルファ−ヒドロキシプレグネノロン;17−ヒドロキシ−16−ベータ−メチル−5−ベータ−プレグン−9(11)−エン−3,20−ジオン;17−ヒドロキシ−4,6,8(14)−プレグナトリエン−3,20−ジオン;17−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3,20−ジオン;18−ヒドロキシコルチコステロン;18−ヒドロキシコルチゾン;18−オキソコルチゾール;21−デオキシアルドステロン;21−デオキシコルチゾン;2−デオキシエクジソン;2−メチルコルチゾン;3−デヒドロエクジソン;4−プレグネン−17−アルファ,20−ベータ,21−トリオール−3,11−ジオン;6,17,20−トリヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン;6−アルファ−ヒドロキシコルチゾール;6−アルファ−フルオロプレドニゾロン、6−アルファ−メチルプレドニゾロン、6−アルファ−メチルプレドニゾロン21−アセテート、6−アルファ−メチルプレドニゾロン21−ヘミスクシネートナトリウム塩、6−ベータ−ヒドロキシコルチゾール、6−アルファ,9−アルファ−ジフルオロプレドニゾロン21−アセテート17−ブチレート、6−ヒドロキシコルチコステロン;6−ヒドロキシデキサメタゾン;6−ヒドロキシプレドニゾロン;9−フルオロコルチゾン;アルクロメタゾン;アルドステロン;アルゲストン;アルファダーム(alphaderm);アマジノン(amadinone);アムシノニド;アナゲストン;アンドロステンジオン;酢酸アネコルタブ;ベクロメタゾン;ベタメタゾン;ベタメタゾン17−バレレート;ベタメタゾン酢酸ナトリウム;ベタメタゾンリン酸ナトリウム;ベタメタゾンバレレート;ボラステロン(bolasterone);ブデソニド(budesonide);カルステロン;クロルマジノン;クロロプレドニゾン;酢酸クロロプレドニゾン;コレステロール;シクレソニド;クロベタゾール;クロベタゾン;プロピオン酸クロベタゾール;クロコルトロン;ピバル酸クロコルトロン;クロゲストン;クロプレドノール;コルチコステロン;コルチゾール;酢酸コルチゾール;酪酸コルチゾール;コルチゾールシピオネート;オクタン酸コルチゾール;コルチゾールリン酸ナトリウム;コルチゾールコハク酸ナトリウム;コルチゾールバレレート;21−デオキシコルチゾール;コルチゾン;酢酸コルチゾン;コルチバゾール;コルトドキソン;ダツラオロン(daturaolone);デフラザコート;デヒドロエピアンドロステロン;デルマジノン(delmadinone);デオキシコルチコステロン;デプロドン;デシノロン(descinolone);デソニド;デスオキシメタゾン;デキサフェン(dexafen);デキサメタゾン;デキサメタゾン21−アセテート;デキサメタゾンリン酸ナトリウム;ジクロリゾン;ジフロラゾン;二酢酸ジフロラゾン;ジフルコルトロン;ジヒドロエラテリシン(dihydroelatericin)a;ドモプレドネート(domoprednate);ドキシベタソール(doxibetasol);エクジソン;エクジステロン;エンドリソン(endrysone);エノキソロン;フルオシノロン(flucinolone);フルドロコルチゾン;酢酸フルドロコルチゾン;フルゲストン(flugestone);フルメタゾン;ピバル酸フルメタゾン;フルモキソニド(flumoxonide);フルニソリド;フルオシノロンアセトニド;フルオシノロン;9−フルオロコルチゾン;フルオシノニド;フルオコルトロン;フルオロヒドロキシアンドロステンジオン;フルオロメトロン;酢酸フルオロメトロン;フルオキシメステロン;フルプレドニデン;フルプレドニソロン;フルランドレノリド;フルランドレノロン;フルチカゾン;プロピオン酸フルチカゾン;ホルメボロン(formebolone);フォルメスタン;ホルモコータル(formocortal);ゲストノロン;グリデリニン(glyderinine);ハルシノニド;ハロメタゾン;ハロプレドン;ハロプロゲステロン;ヒドロコルチゾン(hydrocortiosone)シピオネート;ヒドロコルチゾン21−ブチレート;ヒドロコルチゾンアセポネート(aceponate);酢酸ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾンブテプレート;酪酸ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾン;シピオン酸ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾンヘミスクシネート;ヒドロコルチゾンプロブテート;ヒドロコルチゾンリン酸ナトリウム;ヒドロコルチゾンコハク酸ナトリウム;ヒドロコルチゾンバレレート;ヒドロキシプロゲステロン;ヒルカノシド(hyrcanoside);イノコステロン;イソフルプレドン(isoflupredone);酢酸イソフルプレドン;イソプレドニデン(isoprednidene);メクロリソン(meclorisone);メコルトロン(mecortolon);メドロゲストン;メドロキシプロゲステロン;メドリゾン;メゲストロール;酢酸メゲストロール;メレンゲストロール;メプレドニゾン;メタンドロステノロン;メチルプレドニゾロン;アセポン酸メチルプレドニゾロン;酢酸メチルプレドニゾロン;メチルプレドニゾロンヘミスクシネート;メチルプレドニゾロンコハク酸ナトリウム;メチルテストステロン;メトリボロン(metribolone);モメタゾン(mometasone);フロ酸モメタゾン;フロ酸モメタゾン一水和物;ニソン(nisone);ノメゲストロール;ノルゲストメト(norgestomet);ノルビニステロン(norvinisterone);オキシメステロン;パラメタゾン;酢酸パラメタゾン;ポナステロン;プレドニゾラメート(prednisolamate);プレドニゾロン;プレドニゾロン21−ヘミスクシネート;プレドニゾロンアセテート;プレドニゾロンファルネシレート;プレドニゾロンヘミスクシネート;プレドニゾロン−21(ベータ−D−グルクロニド);プレドニゾロンメタスルホベンゾエート;プレドニゾロンリン酸ナトリウム;プレドニゾロンステアグレート;プレドニゾロンテブテート;プレドニゾロンテトラヒドロフタレート;プレドニゾン;プレドニバル(prednival);プレドニリデン;プレグネノロン;プロシノニド(procinonide);トラロニド(tralonide);プロゲステロン;プロメゲストン;ラポンチステロン(rhapontisterone);リメキソロン(rimexolone);ロキシボロン(roxibolone);ルブロステロン(rubrosterone);スチゾフィリン(stizophyllin);チキソコルトール;トプテロン(topterone);トリアムシノロントリアムシノロンアセトニド;トリアムシノロンアセトニド21−パルミテート;トリアムシノロンジアセテート;トリアムシノロンヘキサアセトニド;トリメゲストン(trimegestone);ツルケステロン(turkesterone);またはワートマニンである。
【0078】
本明細書中で使用されるとき、用語「化合物」、「分子」、「作用物質(agent)」および「リガンド」とは、天然、合成または半合成の分子または化合物のことを指す。ゆえに、用語「化合物」は、例えば、化学物質、高分子、細胞または組織抽出物(植物または動物からの)などのことを表す。化合物の非限定的な例としては、ペプチド、ペプチド誘導体(derivaties)、ペプチド模倣物、抗体、炭水化物および医薬品が挙げられる。それらの作用物質は、ランダムスクリーニング、合理的な選択、および例えば、コンピュータモデリングなどのタンパク質またはリガンドのモデリング方法を用いる合理的な設計をはじめとした、種々の手段によって選択され得、スクリーニングされ得る。用語「合理的に選択された」または「合理的に設計された」とは、本発明の相互作用ドメインの配置に基づいて選択された化合物を定義すると意味される。当業者が理解するように、天然に存在しない修飾を有する高分子もまた、用語「化合物」の範囲内である。例えば、製薬業界において周知であり、一般にペプチドアナログと称されるペプチド模倣物は、本明細書中に記載されるようなモデリングによって生成され得る。
【0079】
ペプチド2301、2303、2305、2307および2309は、本明細書中でそれぞれペプチドAPG−2301、APG−2303、APG−2305、APG−2307およびAPG−2309とも呼ばれる。
【0080】
利点
本発明より以前は、レセプターを治療の標的として使用する試みは、それらの天然のリガンドのアナログに焦点を合わせ、同定してきた。リガンドは、本質的にリガンド結合部位(オルトステリック(orthosteric)部位)と相互作用する。しかしながら、このアプローチは、限定的な効果および/または過剰な望まれない副作用を示すことが多かった。対照的に、本明細書中に記載されるリガンドは、生理反応の時間空間的なサインを維持しつつ、レセプターのシグナル伝達効果を変化させることができる。
【0081】
また、密接な関係があるレセプター(例えば、レセプターサブタイプ)の内因性のリガンド結合ポケットは、高選択性のオルトステリックリガンドを得ることを困難にする強い進化的圧力に起因して、一般に、高度に保存されている(例えば、キナーゼドメイン)。アロステリック部位は、あまり保存されていないがゆえに、副作用の小さい選択的分子の開発に対して大きな潜在能力を提供すると考えられている。
【0082】
異なる下流の応答をもたらす独特のレセプターによって会合され得るシグナル伝達パートナーの最近認識された多様性を考慮すると(Terrillonら、EMBO Rep.5(1):30−4(2004))、アロステリックリガンドもまた、そのレセプターの特異的なシグナル伝達様式を標的化することによって、選択性への道を提供し得る。それゆえ、レセプターのアロステリック調節は、超分子のアセンブリーレベルにおいて起こるコンホメーション変化および相互作用のネットワークを解釈することによって、より大きな選択性をもたらす(Changeuxら、Science 308:1424−1428(2005);Christopolousら、Biochem Soc Trans 32:873−877(2004))。
【0083】
さらに、高親和性の選択的オルトステリックリガンドの同定は、いくつかのレセプターについて極めて困難であった。これは、脂質メディエーター、ケモカイン、成長因子およびサイトカインによって活性化されるレセプターに対する場合である。例えば、現在、約50種の異なるケモカインおよび18種のケモカインレセプターが同定されている。同定されたケモカインの数とケモカインレセプターの数の不均衡によって示唆されるように、これらのリガンドは、顕著なレセプター結合乱交を示すことが多い。多くのケモカインが、いくつかのレセプターに結合し、いくつかに対してはアゴニストとして作用し、その他に対してはアンタゴニストとして作用し(Loetscherら、J Leukoc Biol 69:881−884(2001))、そして、ほとんどのレセプターが、様々なリガンドに結合することができ、様々な結果がもたらされる(Ogilvieら、J Immunol 172:6715−6722(2004))。このことが、明らかに、選択的なオルトステリックケモカインリガンドの開発を困難にしている。別個であるが類似の環境では、サイトカインレセプターとそれらのリガンドとの広範な空間的相互作用は、これらのレセプターに対する首尾よいオルトステリックインヒビターの同定を妨げている。まとめると、上記の例は、レセプターのオルトステリックインヒビターに対するアロステリックなインヒビターの利点を強調するものである。
【0084】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、図面および請求項から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、IL−23レセプターの細胞外の部分のモデル化されたグラフィック表示である(このモデルは、Accelrys Discovery Studio 1.7ソフトウェアを使用して構築された)。この図の下部において、矢印が、原形質膜を指し示している。他の矢印は、ペプチドの生成のために標的化されるヒンジ領域を示している。2303、2305、2307および2309ペプチドの位置が示されており、これらのペプチドのアミノ酸配列が、カッコ内に記載されている(配列番号2、1、3および4)。
【図2】図2は、IL−23レセプターから設計されたペプチドの有効性スクリーニングの結果を示しているグラフである。HL−60ヒト単球を特定のペプチド(1μM)とともに30分間プレインキュベートし、IL−23(10ng/ml)で15分間刺激した。リン酸化されたSTAT3および全STAT3のウエスタンブロット解析を細胞可溶化物において行った。免疫ブロットデンシトメトリーを、ImagePro4+ソフトウェアを使用して測定した。ペプチド2301は、アゴニスト特性を示す(アロステリック調節と一致する)が、ペプチド2303、2307ならびに、より高い程度で2305および2309は、IL−23誘導性STAT3リン酸化をアンタゴナイズする。
【図3】図3Aおよび3Bは、IL−23誘導性STAT3リン酸化およびTNFα産生の阻害を示しているグラフである。図3Aは、PMA活性化HL−60単球におけるIL−23(10ng/ml)誘導性STAT3リン酸化の用量依存的阻害を示している。細胞可溶化物においてウエスタンブロット解析を行い、ImagePro4+ソフトウェアを使用して免疫ブロットデンシトメトリーを測定した。図3Bは、PMA活性化HL−60単球におけるIL−23(10ng/ml)誘導性TNFα産生の用量依存的阻害を示している。IL−23による刺激の24時間後に、Quantikine ELISA キット(R&D systems)を用いてTNFα産生をELISAによって定量化した。これらの様々なパラメータを用いて、STAT3リン酸化およびTNFαの測定値について、ほぼ同一のEmax(80〜85%)およびIC50約2nMが得られた。
【図4】図4Aおよび4Bは、ペプチドAPG−2305(1μM)およびAPG−2309(1μM)が、IL−23誘導性STAT3リン酸化を阻害することを示しているグラフである。図4Aは、新しく単離された脾細胞を用いて得られた結果を示しており、図4Bは、分化したTH17細胞を用いて得られた結果を示している。
【図5】図5は、25ng/mlのマウスIL−23の存在下において、マウス脾細胞におけるIL−23誘導性STAT3リン酸化に対するAPG−2305およびAPG−2309についての用量反応を示しているグラフである。
【図6】図6は、マウス脾細胞を用いるSTAT3リン酸化アッセイにおいてAPG−2305誘導体の有効性を示しているグラフである。
【図7】図7は、マウス脾細胞を用いるSTAT3リン酸化アッセイにおいてAPG−2309誘導体の有効性を示しているグラフである。
【図8】図8Aおよび8Bは、IL−23R結合ペプチドの特異性および選択性を示している一連のグラフおよびウエスタンブロットである。図8Aは、IL−23を発現している細胞へのペプチド2305の特異的な結合を示している。[125I]−2305結合を、PMA活性化HL−60細胞においてリン酸緩衝食塩水pH=7.4中で行った。[125I]で標識された、および標識されていない、ペプチド2305を、平衡させるために細胞とともに1時間インキュベートした。次いで、細胞を4回洗浄し、結合した放射能を、CobraII Autogammaガンマカウンター(Packard)を用いて測定した。IL−23Rをほとんど発現しない、活性化されていないHL−60細胞をネガティブコントロールとして使用した(IL−23レセプターのウエスタンブロットにおいて示される)。PMAによるIL−23R発現の頑強な増加が、2つ組のウエスタンブロットにおいて観察された。ペプチド2305は、そのチロシン上において[125I]で容易に標識され;チロシン(例えば、ペプチド2309)の非存在下では、[14C]で標識されたアミノ酸を使用することができる。図8Bは、IL−23アンタゴニストペプチドの選択性を示している。図8Bに示されるように、ペプチド2309は、IL−12誘導性のSTAT4(シグナル伝達性転写因子4)リン酸化を阻害しない。IL−12Rは、IL−23Rに非常に相同である。リン酸化されたSTAT4および全STAT4のウエスタンブロットを細胞可溶化物において行った。
【図9A】図9Aおよび9Bは、ラットにおける炎症性腸疾患のTNBS誘発性モデルにおけるペプチド2309の有効性を示している一連の像である。図9Aは、Sprague−DawleyラットにおけるIBDのTNBS誘発性モデルにおける結腸直腸の炎症の巨視的特徴に対するペプチド2309の保護作用の写真表示である。ペプチド2309で処置されたラットにおいて、炎症誘発性の浮腫および発赤の実質的な抑止が観察される。図9Bは、正常ラット、およびペプチド2309で処置されたかまたは処置されていないラットにおけるIBDのTNBS誘発性モデルにおける、結腸の粘膜および粘膜下層の代表的な組織像を示している。TNBS(10mg)誘発性IBDモデルにおいて、上皮の裸出、過剰な粘膜の白血球浸潤および血管の怒張が見られるのに対し、ペプチド2309処置は、陰窩および表面上皮を保存し、粘膜の白血球浸潤および血管怒張を正常なコントロール腸と識別不能な程度に著明に減少させる。
【図9B】図9Aおよび9Bは、ラットにおける炎症性腸疾患のTNBS誘発性モデルにおけるペプチド2309の有効性を示している一連の像である。図9Aは、Sprague−DawleyラットにおけるIBDのTNBS誘発性モデルにおける結腸直腸の炎症の巨視的特徴に対するペプチド2309の保護作用の写真表示である。ペプチド2309で処置されたラットにおいて、炎症誘発性の浮腫および発赤の実質的な抑止が観察される。図9Bは、正常ラット、およびペプチド2309で処置されたかまたは処置されていないラットにおけるIBDのTNBS誘発性モデルにおける、結腸の粘膜および粘膜下層の代表的な組織像を示している。TNBS(10mg)誘発性IBDモデルにおいて、上皮の裸出、過剰な粘膜の白血球浸潤および血管の怒張が見られるのに対し、ペプチド2309処置は、陰窩および表面上皮を保存し、粘膜の白血球浸潤および血管怒張を正常なコントロール腸と識別不能な程度に著明に減少させる。
【図10】図10Aおよび10Bは、PMA誘発性皮膚炎を処置する際の局所的抗IL−23Rペプチドの有効性を示している一連の像およびグラフである。PMA誘発性皮膚炎は、乾癬性皮膚炎によく似ている慢性(および剥離性(scaling))皮膚炎のモデルとして利用されることが多い。図10Aは、CD−1マウスにおいてPMA誘発性皮膚炎に続発する耳の発赤を減少させる、局所的に適用された抗IL−23Rペプチド(左耳)(PEG−400との混合)の有効性を証明している一連の代表的な写真である。図10Bは、PMAで処置されていないコントロール耳との耳パンチの重量(mg)の差を示しているグラフである。ペプチド2305および2307の局所的投与は、わずかな有効性を示したが、ペプチド2309は、耳浮腫の減少に非常に有効であった(重量の変化によって判断される)。
【図11】図11A〜11Cは、PMA誘発性皮膚炎におけるペプチド2309の局所的投与に対する用量反応を示している一連の像およびグラフである。図11Aは、CD−1マウスにおけるPMA誘発性皮膚炎に対する、ペプチド2309(PEG−400との混合)の局所的投与の用量依存的作用の写真表示である。100nM以上のペプチド2309の濃度が、有意な有効性を示す。図11Bに示されるように、PMA誘発性浮腫の用量依存的減少は、PMAに局所的に曝露された耳からのパンチおよびPMA+100nM以上の濃度のペプチド2309に曝露された耳の重量(mg)の差の拡大によっても検出され、図11Cに示されるように、ペプチド2309で処置された耳における毛細管漏出の減少(エバンスブルー技術を用いて定量化)によっても検出される。
【図12】図12は、PMA誘発性皮膚炎に対する2309ペプチドの腹腔内注射の効果を示している一連の像およびグラフである。1日目に、10μlのPMAの0.01%溶液(アセトン中v/v)をCD−1マウスの左耳の外表面上および内表面上に適用した(左のカラムにおける像)。24時間後、様々な用量の2309ペプチドを腹腔内注射した(0.1mg/kg/日;0.5mg/kg/日;1mg/kg/日、1日2回;各処置群についてn=4)。4日目(最後の2309注射の6時間後)に動物を屠殺した。次いで、すべての耳パンチの重量(右のカラム、上のグラフ)および厚さ(右のカラム、下のグラフ)を測定し、PMAとともにペプチドで処置された耳をPMAのみの耳と比較した。
【図13】図13Aおよび13Bは、PMA誘発性炎症に対するペプチドAPG−2305(図13A)およびAPG−2309(図13B)の作用を示しているグラフである。腹腔内投与は、「i.p.」と省略され(abreviated)、経口投与は、「p.o.」と省略されている。
【図14】図14は、実験的自己免疫性脳炎(EAE)に対するモデルにおけるAPG−2309ペプチドの有効性を示しているグラフである。四角が付されている線は、疾患を発症させたMOG(ミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質)を注射されたマウスを表しており、丸および三角が付されている線は、異なる濃度かつ異なる回数の腹腔内投与においてペプチドAPG−2309で処置された、MOGを注射されたマウスを表している。
【図15】図15は、ペプチドAPG−2309が小脳のEAE誘発性脱髄から保護することを示している一連の像である。動物をAPG−2309で1日に3回(3mg/kg/日)処置し、小脳を、スダンブラック染料を用いて染色した。
【図16】図16は、ペプチドAPG−2309が脊髄のEAE誘発性脱髄から保護することを示している一連の像である。動物をAPG−2309で1日に3回(3mg/kg/日)処置し、脊髄を、スダンブラック染料を用いて染色した。
【発明を実施するための形態】
【0086】
詳細な説明
本明細書中に記載されるIL−23レセプターのアンタゴニストおよびアゴニストは、IL−23レセプター活性をそれぞれ阻害するためか、または刺激するための独特の作用機構および作用部位を有する。特に、本明細書中に記載されるアンタゴニストペプチドおよびアゴニストペプチドは、膜近傍(juxtamembranous)領域、サイトカインレセプターのドメイン間の可動部、およびシグナル伝達を可能にするレセプターの適切なコンホメーションにとって重要なオリゴマー化部位を含む少なくとも1つの細胞外の可動部上に戦略的に位置する。望ましくは、その可動部は、そのレセプターが起こす適切なオリゴマー化およびそれによって生じる活性化に必要である。
【0087】
本明細書中に記載されるIL−23レセプターアンタゴニストのサブフラグメントまたはペプチドは、そのレセプター活性の阻害または活性化をもたらす、サイトカインレセプターの特定のコンホメーションを促進し得るか、または安定化させ得る。しかしながら、本明細書中に記載されるアンタゴニストは、オリゴマー化部位を必ずしも直接干渉しない。代わりに、本アンタゴニストは、例えば、IL−23レセプターの細胞外ドメインの(ホモ二量体ならびにヘテロ二量体のレセプターの)相補的なタンパク質鎖のオリゴマー化を直接または間接的に妨げることによってそのアンタゴニスト活性を発揮し得る。このプロセスは、機能に関与する細胞内レセプタードメインの活性化を効果的に妨げる。それによって、疾患発現に部分的に関与するリガンドおよび/または細胞結合型レセプターの過剰発現をもたらすその後のシグナル伝達事象が、妨げられる。
【0088】
あるいは、IL−23レセプターのサブフラグメントペプチドまたは誘導体は、シグナル伝達を可能にする活性なサイトカインレセプター構造を促進するためか、または安定化させるために使用され得る。そのようなペプチドは、アゴニストと考えられる。アゴニストの例としては、本明細書中に記載されるペプチド2301および式Vの化合物が挙げられる。
【0089】
本明細書中に記載される本発明より以前は、IL−23関連障害に対して標的化される唯一の処置法は、IL−12p40サブユニットに対するモノクローナル抗体、ならびにIL−12とIL−23の両方の形成を阻害する小分子(STA−5326)だった。これらの化合物を用いたヒトの治験ではいくつか成功したにもかかわらず(Burakoffら、Inflamm Bowel Dis 12:558−565(2006);Kasperら、Curr Med Res Opin 22:1671−1678(2006);Kruegerら、N Engl J Med 356:580−592(2007);Mannonら、N Engl J Med 351:2069−2079(2004))、欠点としては、それらのサイズおよびコスト(抗体)、ならびにIL−12の有益な効果を干渉することによる選択性の不足が挙げられる(がこれらに限定されない)。例えば、IL−12は、先天性免疫および免疫能において、立証された重要性を有する。IL−23は、おそらく、慢性炎症の誘導に必要な炎症細胞の活性化および動員にとって重要である(Bowmanら、Curr Opin Infect Dis 19:245−252(2006);Holscher,Curr Opin Investig Drugs 6:489−495(2005);Langrishら、Immunol Rev 202:96−105(2004))。ゆえに、IL−12とIL−23の両方とは対照的にIL−23だけを標的化することは、処置関連の有害作用(感染、腫瘍形成に対する高リスク)を減少させるだろうし、IL−12の潜在的な利点の干渉を妨害するだろう(Beckerら、J Immunol 177:2760−2764(2006);Camoglioら、Eur J Immunol 32:261−269(2002);Shirakiら、Lab Invest 84:1491−1500(2004)。本明細書中に記載されるのは、低分子の選択的なIL−23アンタゴニストである。
【0090】
IL−23レセプターの選択的な小分子インヒビターおよび低分子ペプチド(<10アミノ酸)インヒビターを作製するために、WO2007/004060に記載されているプラットフォーム技術を使用した。この技術は、リガンド結合部位とは異なる特異的な細胞外ドメインを標的化することによってレセプター誘発性の活性を干渉することに基づいて、サイトカイン(および成長因子)レセプターに対するペプチドアンタゴニストの作製を可能にする(Garrettら、Nature 394:395−399(1998);Wardら、Mol Pathol 54:125−132(2001))。作製された分子は、アロステリックなレセプターモジュレーター(modulators)の特性を示し、それらの分子は、非常に特異的である。
【0091】
IL−23R機能を特異的にアンタゴナイズする動力学的に安定な低分子D−ペプチド(≦10アミノ酸)の小さいライブラリーを、IL−23Rサブユニットに対して設計した。これらのペプチドを生成したところ、9個のペプチド中4個が、(ホルボールエステル)活性化ヒト単球においてIL−23誘導性のSTAT3リン酸化および腫瘍壊死因子(TNF)産生を高効率(約75〜95%)かつ高力価(IC50約2〜10nM)で阻害したと示した。それらのペプチドは、IL−12誘導性の効果を干渉しないので、それらは、IL−23含有細胞への特異的な結合を示し、かつIL−23Rに対して選択的である。最初の実験結果から、炎症性腸疾患(IBD)のモデルにおいて炎症の減少におけるこれらの低分子ペプチドの頑強な有効性が明らかになった(TNBS誘導性;Beckerら、J Immunol 177:2760−2764(2006);Camoglioら、Eur J Immunol 32:261−269(2002);Zhangら、Inflamm Bowel Dis 12:382−388(2006))。さらに、この実験結果は、本発明のペプチドが局所的または腹腔内に投与されるとき、PMA誘発性皮膚炎の処置における有効性を証明する(乾癬性皮膚炎のモデル;Rost,Enzymol 266:525−539(1996);Schon,J Investig Derm 112:405−410(1999));毒性は、パイロット研究では検出されなかった。
【0092】
本明細書中に記載されるIL−23Rアンタゴニストペプチドの有意な効果が証明されたので、これらのアンタゴニストおよび誘導体に対する構造と機能の関連データを、活性にとって最も重要な領域を同定するためにさらに調査する。ペプチドAPG−2303、−2305、−2309および−2307に対して、アラニンスキャン変異が行われ得る。スキャニング実験を行うために、アラニンの代わりに他のアミノ酸を使用し得る。さらに、それらのペプチドを(例えば、3’もしくは5’末端において、またはペプチド配列内の内部アミノ酸を欠失させることによって、1、2、3または4アミノ酸だけ)短縮し得、アミノ酸およびアミノ酸アナログが、それらのペプチドにおいて置換され得る。次いで、改変された化合物を、IL−23誘導性の生物学的活性に対する作用について再度試験し得る。例えば、それらの化合物は、活性化されたマクロファージ(例えば、HL60細胞)におけるIL−23(用量反応)誘導性のTNFαおよびSTAT3リン酸化、ならびにナチュラルキラー細胞(例えば、NK−92細胞)におけるIL−23誘導性のIL−17産生に対するそれらの作用を測定するために試験され得る。
【0093】
さらに、本発明の化合物およびそれらの誘導体は、それらがIL−12によって制御される経路(例えば、STAT4リン酸化)に影響を及ぼすか否かを判定することによって、最適化された抗IL−23化合物の選択性を測定することによって、さらに特徴付けられ得る。放射性リガンドの結合および化学的架橋もまた、IL−23RおよびIL−12Rβ1サブユニットでトランスフェクトされた細胞において行われることにより、それらの化合物のIL−23Rに対する選択性が測定され得る。
【0094】
本発明の例示的なIL−23レセプターアンタゴニストは、ペプチド2305、2307および2309から得られ、例示的なIL−23レセプターアゴニストは、以下に記載されるようなペプチド2301から得られる。ペプチドAPG−2305およびAPG−2309の特定の誘導体、ならびにそれらの活性もまた、以下に記載される。
【0095】
ペプチド2305
IL−23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズするペプチド2305(配列番号1)誘導体は、以下の式:
T1E2E3E4Q5Q6Y7L8 式I
を特徴とする配列を包含する。ここで、そのペプチドは、望ましくは、25以下のアミノ酸長、より望ましくは、5〜15アミノ酸長であり、ここで;
T1は、残基なし、トレオニン、フェニルアラニン、アラニンおよびΣから選択され、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸を定義し;
E2、E3およびE4は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
Q5およびQ6は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリン、ホモセリン、アルファ−アミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
Y7は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニン、ヒスチジン、ピリジルアラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;そして
L8は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0096】
式Iの化合物は、望ましくは、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、式I中の2、3、4、5、6、7個またはすべてのアミノ酸が、D−アミノ酸である。
【0097】
式Iの化合物において、疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、望ましくは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。1級アリールアルキルアミンは、望ましくは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0098】
望ましい実施形態において、式Iの化合物は、上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1、上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1および上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、望ましくは、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、望ましくは、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンまたは複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンである。アシル基は、望ましくは、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、望ましくは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。
【0099】
特に、ペプチド2305の生物学的活性の調節にとって重要なそれにおける領域をさらに特徴付けるために、本発明者らは、この親ペプチドの変異体および切断物を作製した。ペプチド2305の誘導体を以下の表1に列挙する。これらのペプチドの生物学的活性は、実施例2および3にさらに記載される。
【0100】
【表1】
ペプチド2305−1から2305−7における、N末端に存在するトレオニンの切断ならびに1〜3個のグルタメートの負電荷の部分的または全体的な除去は、親ペプチド2305と比べて、阻害活性の低下をもたらした。2305−1の場合、それらの改変は、活性の全体的な損失をもたらす。誘導体2305−5および2305−6は、負電荷とN末端のトレオニンの両方の除去に起因して、無視できない活性の損失を示した。ゆえに、2305のN末端部分は、おそらくIL−23R阻害活性にとって重要である(図6を参照のこと)。
【0101】
2305のC末端部分だけが、2305ペプチドの生物学的活性を媒介しないとみられるが(図6;ペプチド2305−5および2305−6を参照のこと)、C末端のチロシンおよび/またはロイシンの除去は、2305ペプチドの活性を無くした(図6;ペプチド2305−8および2305−9を参照のこと)。
【0102】
対照的に、2305ペプチドにおける両方のグルタミン残基をアラニン残基に変異させることによって、そのペプチドの活性が親2305ペプチドと比べて25%増加した(図6;ペプチド2305−13を参照のこと)。また、N末端部分だけをもたらす2305ペプチドの主要な切断物(ペプチド2305−10および2305−11)は、活性を増加させた。これらの結果は、2305ペプチドの活性に対する、2つのグルタミンの阻害性の役割を支持するものである。
【0103】
2305ペプチドの構造上の特徴づけは、このペプチドのN末端の負電荷が、IL−23Rの阻害にとって重要であることを示唆している。対照的に、2305ペプチドのC末端部分におけるグルタミンの置換は、このペプチドのIL−23R阻害活性を親2305ペプチドよりも増加させた。
【0104】
ペプチド2307
IL−23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズするペプチド2307(配列番号3)誘導体は、以下の式:
K1K2Y3L4V5W6V7Q8 式II
を特徴とする配列を包含する。ここで、そのペプチドは、望ましくは、25以下のアミノ酸長、より望ましくは、5〜15アミノ酸長であり、ここで;
K1およびK2は、各々独立して、残基なし、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、シトルリン、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ピリジルアラニンまたはアルギニン代替物であり;
Y3は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
L4は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
V5は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
W6は、残基なし、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σもしくは芳香族側鎖;または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
V7は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;そして
Q8は、残基なし、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンまたはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸である。
【0105】
式IIの化合物は、望ましくは、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、式II中の2、3、4、5、6、7個またはすべてのアミノ酸が、D−アミノ酸である。
【0106】
式IIの化合物において、疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。アルギニン代替物は、望ましくは、4−アミジノフェニルアセチル、4−アミジノフェニルプロピオニル、4−アミジノフェニルグリシル、4−アミジノフェニルメチルグリシル、4−グアニジノフェニルアセチル、4−グアニジノフェニルプロピオニル、4−グアニジノフェニルグリシルまたは4−グアニジノフェニルメチルグリシルである(Feng and Lubell,J.Org.Chem.66(4):1181−1185(2001))。1級アリールアルキルアミンは、望ましくは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0107】
望ましい実施形態において、式IIの化合物は、上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1、上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1および上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、望ましくは、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、望ましくは、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。アシル基は、望ましくは、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0108】
ペプチド2309
IL−23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズするペプチド2309(配列番号4)誘導体は、以下の式:
M1E2E3S4K5Q6L7Q8L9 式III
を特徴とする配列を包含する。ここで、そのペプチドは、望ましくは、25以下のアミノ酸長、より望ましくは、5〜15アミノ酸長であり、ここで;
M1は、残基なし、メチオニン、バリン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
E2およびE3は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸、トリメシン酸またはアルファ,オメガ−ジカルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸またはアゼライン酸)またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
S4は、残基なし、セリン、トレオニン、アロトレオニン、ヒドロキシプロリン、ベータ−ヒドロキシバリン、バリンまたはηであり、ここで、ηは、中性の親水性アミノ酸であり;
K5は、残基なし、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、シトルリン、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ピリジルアラニンまたはアルギニン代替物であり;
Q6は、残基なし、アラニン、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンまたはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
L7は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
Q8は、残基なし、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンまたはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;そして
L9は、残基なし、バリン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0109】
式IIIの化合物は、望ましくは、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、式III中の2、3、4、5、6、7、8個またはすべてのアミノ酸が、D−アミノ酸である。
【0110】
式IIIの化合物において、中性アミノ酸は、望ましくは、ヒドロキシバリン、ベータ,ベータ−ジアルキルセリンおよび(Dettwiler and Lubell J Org Chem.2003 Jan 10;68(1):177−9に記載されているような)ホモ−セリン、アロトレオニンまたはヒドロキシプロリンである。疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。アルギニン代替物は、望ましくは、4−アミジノフェニルアセチル、4−アミジノフェニルプロピオニル、4−アミジノフェニルグリシル、4−アミジノフェニルメチルグリシル、4−グアニジノフェニルアセチル、4−グアニジノフェニルプロピオニル、4−グアニジノフェニルグリシルまたは4−グアニジノフェニルメチルグリシルである。1級アリールアルキルアミンは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0111】
望ましい実施形態において、式IIIの化合物は、上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1、上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1および上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、望ましくは、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、望ましくは、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。アシル基は、望ましくは、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0112】
ペプチド2309の生物学的活性の調節にとって重要なペプチド2309における領域をさらに特徴付けるために、本発明者らは、この親ペプチドの変異体および切断物を作製した。ペプチド2309の誘導体を以下の表2に列挙する。これらのペプチドの生物学的活性は、実施例2および3にさらに記載される。
【0113】
【表2】
図7に示されるように、2309ペプチドのN末端領域は、そのIL−23R阻害活性にとって重要である。第1のグルタメートの除去または変異は、活性を増加させる(図7;ペプチド2309−1および2309−3を参照のこと)。特に、第2のグルタメートのアラニン残基への変異は、IL−23誘導性の活性を完全に無くした(図7)。
【0114】
IL−23RのD3ドメインにおけるループの部分を包含するペプチド2309の25アミノ酸が延長された領域(ペプチド2309−1−1)は、STAT3リン酸化の100%阻害を示した(親2309ペプチドより50%高い)。ゆえに、IL−23Rのこの領域における相互作用は、IL−23Rの活性にとって非常に重要である。逆の25アミノ酸配列(ペプチド2309−2−1;逆−Dペプチド)もまた、IL−23誘導性の作用の阻害において親2309ペプチドより良好な有効性を示した。これらの結果は、より長いアミノ酸配列(例えば、25アミノ酸配列)が、そのレセプターへの結合の親和性および選択性を改善し得る特異的なコンホメーションをとり得ることを示唆している。
【0115】
ペプチド2303
IL−23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズするペプチド2303(配列番号2)誘導体は、以下の式:
L1P2D3E4V5T6C7V8 式IV
を特徴とする配列を包含する。ここで、そのペプチドは、望ましくは、25以下のアミノ酸長、より望ましくは、5〜15アミノ酸長であり、ここで;
L1は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
P2は、残基なし、プロリン、アラニン、N−メチルグリシン、N−イソブチルグリシン、アミノイソ酪酸(Aib)、N−メチル−L−アラニン(MeAla)、trans−4−ヒドロキシプロリン、ジエチルチアゾリジンカルボン酸(Dtc)またはΩであり、ここで、Ωは、構造制約生成アミノ酸であり;
D3は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
E4は、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
V5は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
T6は、残基なし、トレオニン、フェニルアラニン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸を定義し;
C7は、残基なし、システイン、セリン、ホモセリン、ホモシステイン、トレオニン、メチオニン、N−アセチルシステイン、シスタチオニン、2−アミノブチレートまたはβ,β−ジメチルシステイン(ペニシラミン)であり、;そして
V8は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0116】
式IVの化合物は、望ましくは、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、式IV中の2、3、4、5、6、7個またはすべてのアミノ酸が、D−アミノ酸である。
【0117】
式IVの化合物において、疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。構造制約生成アミノ酸は、望ましくは、アゼチジン−2−カルボン酸、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、4−(アミノメチル)安息香酸、2−アミノ安息香酸またはニペコチン酸である(Hanessian and McNaughton−Smith,Tetrahedron 53:12789−12854,1997;Halabら、Biopolymers Peptide Science 55:101−122,2000;Cluzeau and Lubell,J.Org.Chem.69:1504−1512,2004;Feng and Lubell,J.Org.Chem.66:1181−1185,2001)。1級アリールアルキルアミンは、望ましくは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0118】
望ましい実施形態において、式IVの化合物は、上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1、上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1および上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、望ましくは、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、望ましくは、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。アシル基は、望ましくは、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0119】
ペプチド2301
IL−23レセプターの生物学的活性のアゴニストであるペプチド2301(配列番号5)誘導体は、以下の式:
D1L2S3S4G5Y6P7P8D9I10 式V
を特徴とする配列を包含する。ここで、そのペプチドは、望ましくは、25以下のアミノ酸長、より望ましくは、5〜15アミノ酸長であり、ここで;
D1は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり;ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
L2は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
S3およびS4は、各々独立して、残基なし、セリン、トレオニン、アロトレオニン、ヒドロキシプロリン、ベータ−ヒドロキシバリン、バリンまたはηであり、ここで、ηは、中性の親水性アミノ酸であり;
G5は、残基なし、グリシン、アラニン、イソロイシンバリン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
Y6は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
P7およびP8は、各々独立して、残基なし、プロリン、アラニン、N−メチルグリシン、N−イソブチルグリシン、アミノイソ酪酸(Aib)、N−メチル−L−アラニン(MeAla)、trans−4−ヒドロキシプロリン、ジエチルチアゾリジンカルボン酸(Dtc)またはΩであり、ここで、Ωは、構造制約生成アミノ酸であり;
D9は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;そして
I10は、残基なし、イソロイシンバリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0120】
式Vの化合物は、望ましくは、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、式V中の2、3、4、5、6、7、8、9個またはすべてのアミノ酸が、D−アミノ酸である。
【0121】
式Vの化合物において、中性アミノ酸は、望ましくは、ヒドロキシバリン、ベータ,ベータ−ジアルキルセリン、ホモ−セリン、アロトレオニンまたはヒドロキシプロリンである。疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。構造制約生成アミノ酸は、望ましくは、アゼチジン−2−カルボン酸、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、4−(アミノメチル)安息香酸、2−アミノ安息香酸またはニペコチン酸である。1級アリールアルキルアミンは、望ましくは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0122】
望ましい実施形態において、式Vの化合物は、上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1、上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1および上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1およびは、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。アシル基は、望ましくは、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0123】
アンタゴニストペプチドまたはアゴニストペプチドを同定するアッセイ
IL−23レセプターのアンタゴニストまたはアゴニスト(例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、小分子または他の薬物のような候補化合物もしくは候補作用物質または被験化合物もしくは被験作用物質)についてのスクリーニングは、IL−23レセプターの生物学的活性を測定するアッセイに基づき得る。本明細書中に記載されるアッセイは、望ましくは、天然のIL−23レセプターまたは組換えIL−23レセプターを使用する。サイトカイン活性のアンタゴニストまたはアゴニストについての細胞画分または無細胞のスクリーニングアッセイは、インサイチュ精製された、または精製された、組換えサイトカインレセプターを使用し得る。細胞ベースのアッセイは、サイトカインレセプターを天然に発現するか、または組換えサイトカインレセプターを含む、細胞を使用し得る。すべての場合において、サイトカインレセプターの生物学的活性は、直接または間接的に測定され得る。したがって、サイトカインレセプター活性のインヒビターまたはアクチベーターが、同定され得る。そのインヒビターまたはアクチベーター自体が、標準的なコンビナトリアルケミストリー技術によってさらに改変されることにより、最初に同定された化合物の改善されたアナログが提供され得る。
【0124】
本発明の化合物は、IL−23の生物学的役割を理解するための独特のツールとしてインビトロにおいて有用であり、ならびに多くの因子が、影響し、そしてIL−23の産生およびIL−23のそのレセプターへの結合によって影響されると考えられる。本発明のペプチドアンタゴニスト(例えば、ペプチド2303、2305、2307および2309)およびアゴニスト(例えば、ペプチド2301)が、IL−23レセプターに結合する他の化合物の開発を容易にし得る、構造と活性との関連についての重要な情報を提供するので、本発明のアンタゴニストおよびアゴニストは、そのような開発においても有用である。
【0125】
例えば、本明細書中に記載される化合物は、類似の新しいペプチドレセプターアンタゴニストまたはアゴニストについてスクリーニングするか、またはそれらを特徴付けるアッセイにおいて、競合的インヒビターとして使用され得る。そのようなアッセイならびにIL−23レセプター発現を測定するためのアッセイでは、本発明のペプチドまたはペプチド模倣物は、改変せずに使用され得るか、または標識され得る(すなわち、検出可能なシグナルを直接または間接的に提供する部分に共有結合的または非共有結合的に(non−convalently)連結され得る)。標識の例としては、放射標識(例えば、125I、14Cおよび3H)、酵素(例えば、アルカリホスファターゼおよび西洋ワサビペルオキシダーゼ(米国特許第3,645,090号))、リガンド(例えば、ビオチンおよびアビジン)および発光化合物(生物発光標識、リン光性標識、化学発光標識または蛍光標識(米国特許第3,940,475号)を含む)が挙げられる。
【0126】
あるいは、被験化合物がIL−23レセプター複合体の活性を調節する能力の測定は、被験化合物がIL−23レセプター標的分子の下流のエフェクターの活性を調節する能力を測定することによって、達成され得る。例えば、エフェクター分子に対する被験化合物の活性が、測定され得る。
【0127】
創薬および薬物開発の分野の当業者は、本発明の方法にとって、被験化合物の正確な起源が極めて重要ではないことを理解する。そのような被験化合物の例としては、植物、真菌、原核生物または動物に基づく抽出物、発酵ブロスおよび合成化合物、ならびに既存の化合物の改変物が挙げられるが、これらに限定されない。任意の数の化合物(サッカライド、脂質、ペプチドおよび核酸に基づく化合物が挙げられるがこれらに限定されない)のランダム合成または特異的(directed)合成(例えば、半合成または全合成)を生成するための数多くの方法もまた、利用可能である。合成化合物ライブラリーは、Brandon Associates(Merrimack,NH)およびAldrich Chemical(Milwaukee,WI)から市販されている。あるいは、細菌、真菌、植物および動物の抽出物の形態での天然化合物のライブラリーは、Biotics(Sussex,UK)、Xenova(Slough,UK)、Harbor Branch Oceanographics Institute(Ft.Pierce,FL)およびPharmaMar,U.S.A.(Cambridge,MA)をはじめとしたいくつかの供給源から市販されている。さらに、所望であれば、当該分野で公知の方法に従って、例えば、標準的な抽出方法および分画方法によって、天然のライブラリーおよび合成的に生成されたライブラリーが、作製される。さらに、所望であれば、標準的な化学的、物理的または生化学的な方法を用いて、任意のライブラリーまたは化合物が容易に改変される。
【0128】
例えば、IL−23レセプターの活性を調節する化合物、あるいは本明細書中に記載される化合物がIL−23レセプターの生物学的活性を阻害するかもしくは刺激する能力を阻害するかまたは増強する化合物を同定するために、IL−23レセプター複合体またはその生物学的に活性な部分を発現する細胞(天然または組換え)を被験化合物と接触させることにより被験化合物がそのサイトカインレセプターの生物学的活性を調節する能力を測定する、細胞ベースのアッセイが使用され得る。上記細胞ベースのアッセイとしては、増殖アッセイ、チロシンリン酸化アッセイ、遊走アッセイ、および上記サイトカインレセプターの生物学的活性を測定する他の任意のアッセイが挙げられる。
【0129】
被験化合物の活性を測定するためのアッセイにおいて、本発明の相互作用タンパク質の一方または両方の非複合体化型から複合体化型を分離するのを容易にするために、IL−23レセプターまたは本発明の相互作用ペプチドもしくは相互作用ペプチド模倣物を固定化すること、ならびにそのアッセイの自動化に適応することが、望ましい。IL−23レセプタータンパク質への被験化合物の結合、または被験化合物の存在下および非存在下におけるサイトカインレセプタータンパク質と標的分子(例えば、IL−23または本明細書中に記載されるペプチドもしくはペプチド誘導体の1つ)との相互作用は、それらの反応物を入れるのに適した任意の容器内で達成され得る。そのような容器の例としては、マイクロタイタープレート、試験管および微量遠心管が挙げられる。
【0130】
さらに、上記タンパク質の一方または両方をマトリックスに結合させるドメインを付加する融合タンパク質が提供され得る。例えば:グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/IL−23レセプター融合タンパク質またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ/IL−23レセプター融合タンパク質を、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical,St.Louis,MO)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレート上に吸着し得、次いで、それらを、被験化合物、または被験化合物および非吸着型標的タンパク質またはIL−23レセプタータンパク質のいずれかと混合し、そして、その混合物を、複合体形成をもたらす条件下(例えば、塩およびpHについての生理学的条件)においてインキュベートする。インキュベートの後、任意の未結合成分を除去するためにそのビーズまたはマイクロタイタープレートウェルを洗浄し、そして例えば本明細書中に記載されるように、複合体形成を直接または間接的に測定する。あるいは、複合体をマトリックスから解離し、標準的な手法を用いてIL−23レセプターの結合または活性のレベルを測定することができる。
【0131】
マトリックス上にタンパク質を固定化するための他の手法(当該分野で周知)もまた、本発明のスクリーニングアッセイにおいて使用され得る。例えば、IL−23レセプタータンパク質またはIL−23レセプターと相互作用する分子のいずれかを、ビオチンおよびストレプトアビジンの結合体化によって固定化し得る。ビオチン化されたIL−23レセプタータンパク質またはIL−23レセプター相互作用分子を、当該分野で公知の手法(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals,Rockford,IL)を用いてビオチン−NHS(N−ヒドロキシ−スクシンイミド)から調製し、ストレプトアビジンでコーティングされた96ウェルプレート(Pierce Chemical)のウェルに固定化し得る。あるいは、IL−23レセプタータンパク質またはIL−23レセプター相互作用分子と反応性であるが、IL−23レセプタータンパク質がその相互作用分子に結合するのを干渉しない抗体を、そのプレートのウェルに付着させ、未結合の標的またはサイトカインレセプタータンパク質を、抗体結合体化によってそのウェルに捕捉する。そのような複合体を検出するための方法としては、GSTに固定化された複合体について上に記載した方法に加えて、サイトカインレセプタータンパク質または標的分子と反応性である抗体を用いる複合体の免疫検出、ならびにIL−23レセプターまたはIL−23レセプター相互作用分子に関連する酵素活性の検出に依存する酵素結合アッセイが挙げられる。
【0132】
インビボ実験モデルは、インビトロアッセイを行うためにも使用され得ることが、理解されるだろう。
【0133】
インビトロアッセイ
候補ペプチドは、例えば、インビトロキナーゼアッセイを用いて、IL−23レセプタータンパク質もしくはその一部または上流もしくは下流の標的タンパク質のリン酸化状態を調節する能力について試験され得る。簡潔には、IL−23レセプター標的分子(例えば、そのような分子を発現する細胞株から免疫沈降されたレセプター)を、MgCl2およびMnCl2、例えば、10mM MgCl2および5mM MnCl2を含む緩衝液中で、放射性のATP、例えば、ガンマ−32P−ATPとともにインキュベートし得る。インキュベートした後、その免疫沈降されたレセプター標的分子を、還元条件下においてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離し、膜、例えば、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜に転写し、そしてオートラジオグラフィに供され得る。そのオートラジオグラフにおける検出可能なバンドの出現は、そのレセプター基質がリン酸化されていることを示唆する。そのレセプター基質上のどの残基がリン酸化されているかを特定するために、リン酸化された基質のホスホアミノ酸解析も行うことができる。簡潔には、放射性リン酸化タンパク質バンドを、SDSゲルから切り出し、部分的な酸加水分解に供し得る。次いで、その生成物を1次元電気泳動によって分離し、例えば、ホスホイメージャー(phosphoimager)において解析し、ニンヒドリン染色されたホスホアミノ酸標準物質と比較し得る。そのようなアッセイは、例えば、Tamaskovicら(Biol.Chem.380(5):569−78,1999)に記載されている。
【0134】
特に、IL−23レセプターを標的化する候補ペプチドは、本明細書中に記載されているような活性化マクロファージ(例えば、HL60細胞)、脾細胞またはTH17細胞(Streeckら、J.Immunol.Methods 333:115−120,2008;Kebirら、Nat.Med.13:1173−1175,2007)において、IL−23誘導性のTNFαまたはSTAT3リン酸化を測定することによって試験され得る。
【0135】
インビボアッセイ
上に記載されたアッセイは、さらなる開発のために有望なリード化合物を検出するために、最初または第1のスクリーニングとして使用され得る。リードペプチドは、さらなる第2のスクリーニングにおいてさらに評価され得、そのスクリーニングは、これらのレセプターを発現する活性化されたマクロファージもしくはナチュラルキラー細胞株を利用する様々なアッセイまたは他のアッセイを包含し得る。
【0136】
第3のスクリーニングは、臨床症状に対する動物モデルにおいて、同定されたインヒビターまたは刺激物質の研究を包含し得る。したがって、本明細書中に記載されるように同定された化合物(例えば、ペプチドまたはペプチド模倣物)は、望ましくは、ラットまたはマウスなどの適切な動物モデルにおいても試験される。例えば、そのような作用物質による処置の有効性、毒性または副作用を測定するために、動物モデルにおいてペプチドを使用することができる。あるいは、本明細書中に記載されるように同定された作用物質は、そのような作用物質の作用機序を特定するために動物モデルにおいて使用され得る。さらに、本発明は、本明細書中に記載されるような処置(例えば、自己免疫障害または炎症性障害の処置)のための、上に記載したスクリーニングアッセイによって同定される新規作用物質の使用を包含する。そのようなアッセイにおいて使用され得る非限定的な動物モデルとしては:炎症性腸疾患(IBD)、実験的自己免疫性脳炎(EAE)および乾癬性皮膚炎モデルが挙げられる。そのようなモデルは、当該分野において標準的であり、本明細書中に記載される。
【0137】
ペプチド調製
本発明のペプチドまたはペプチド誘導体は、当業者に公知のペプチド合成の任意の方法(合成技術(例えば、排他的(exclusive)固相合成法、部分的固相合成法、フラグメント縮合、従来の溶液合成、ネイティブケミカルライゲーション)および組換え技術を含む)によって入手され得る。例えば、本ペプチドまたはペプチド誘導体は、固相ペプチド合成法によって得ることができ、その方法は、簡潔には、C末端アミノ酸のカルボキシル基を樹脂(例えば、ベンズヒドリルアミン樹脂、クロロメチル化樹脂、ヒドロキシメチル樹脂)に結合すること、およびN−アルファ保護アミノ酸を首尾よく加えることからなる。それらの保護基は、当該分野で公知の任意のそのような基であり得る。新しい各アミノ酸が成長鎖に加えられる前に、その鎖に先に加えられていたアミノ酸の保護基を除去する。そのような固相合成法は、例えば、Merrifield(J.Am.Chem.Soc.85:2149(1964));Valeら、(Science 213:1394−1397(1981))によって、米国特許第4,305,872号および同第4,316,891号、Bodonskyら(Chem.Ind.(London),38:1597(1966));およびPietta and Marshall(Chem.Comm.650(1970))において、Lubellら(“Peptides.”Science of Synthesis 21.11,Chemistry of Amides.Thieme,Stuttgart,713−809(2005))において概説されている手法によって、説明されている。適切な樹脂へのアミノ酸の結合もまた、当該分野で周知であり、米国特許第4,244,946号(Houver−Weyl,Methods of Organic Chemistry.Vol E22a.Synthesis of Peptides and Peptidomimetics,Murray Goodman,Editor−in−Chief,Thieme.Stuttgart.New York 2002に概説)に記載されている。
【0138】
本発明の化合物の調製の任意のプロセス中において、関係する分子のいずれかにおける感度の高い反応基を保護することが、必要であり、そして/または望ましいことがある。これは、T.W.Greene & P.G.M.WutsによるProtective Groups In Organic Synthesis,1991,John Wiley and Sons,New−York;およびSewald and JakubkeによるPeptides:chemistry and Biology,2002,Wiley−VCH,Wheinheim p.142に記載されている保護基などの従来の保護基を用いて達成され得る。例えば、アルファアミノ保護基としては、アシル型保護基(例えば、トリフルオロアセチル、ホルミル、アセチル)、脂肪族ウレタン保護基(例えば、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)、シクロヘキシルオキシカルボニル)、芳香族ウレタン型保護基(例えば、フルオレニル−9−メトキシ−カルボニル(Fmoc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、Cbz誘導体)およびアルキル型保護基(例えば、トリフェニルメチル、ベンジル)が挙げられる。アミノ酸側鎖保護基としては、ベンジル(ThrおよびSerの場合)、Cbz(Tyr、Thr、Ser、Arg、Lys)、メチルエチル、シクロヘキシル(Asp、His)、Boc(Arg、His、Cys)などが挙げられる。それらの保護基は、その後の簡便な段階において、当該分野で公知の方法を用いて除去され得る。
【0139】
さらに、アナログおよび他の改変バリアントを含む本発明のペプチドは、保護基を用い、有機相においてFMOCプロトコルに従って合成され得る。望ましくは、本ペプチドは、C18クロマトグラフィカラムにおける高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いて70%の収率で精製され、そして10〜60%のアセトニトリル勾配で溶出される。ペプチドの分子量は、質量分析(Fields,G.B.“Solid−Phase Peptide Synthesis”Methods in Enzymology.Vol.289,Academic Press,1997に概説)によって確かめることができる。
【0140】
あるいは、本発明のペプチドは、例えば、本ペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を用いる組換え系において調製され得る。ペプチドが、上に記載された修飾の2つ以上を同じペプチド内に含み得ることが理解される。本明細書中に記載されるペプチドまたはそれらの誘導体の薬学的に許容可能な塩複合体もまた、本発明に包含される。
【0141】
合成されたペプチドまたはペプチド誘導体の精製は、標準的な方法(クロマトグラフィ(例えば、イオン交換、サイズ排除および親和性)、遠心分離、沈降、またはペプチドおよびペプチド誘導体の精製のための任意の標準的な手法を含む)によって行われ得る。例えば、薄層クロマトグラフィまたは逆相HPLCが使用され得る。当該分野で周知かつペプチドの単離および精製に適した他の精製手法もまた、使用され得る。
【0142】
本発明に記載の化合物を調製するためのプロセスによって、立体異性体の混合物が得られるが、これらの異性体は、分取クロマトグラフィなどの従来の手法によって分離され得る。本化合物は、ラセミ型で調製され得るか、または個別のエナンチオマーが、エナンチオ特異的な合成によって、もしくは分割によって、調製され得る。本化合物は、例えば、光学活性な酸を用いる塩形成によるジアステレオマーの対の形成の後の分別結晶法および遊離塩基の再生などの標準的な手法によって、それらの成分のエナンチオマーに分割され得る。本化合物はまた、ジアステレオ異性のエステルまたはアミドを形成した後のキラル補助基の除去によって分割され得る。あるいは、本化合物は、キラルHPLCカラムを用いて分割され得る。
【0143】
ペプチド誘導体およびペプチド模倣物の調製
天然に存在するアミノ酸だけからなるペプチドに加えて、ペプチド模倣物またはペプチドアナログもまた、本発明によって包含される。ペプチドアナログは、通常、製薬業界において、鋳型ペプチドの特性と類似の特性を有する非ペプチド薬物として使用されている。その非ペプチド化合物は、「ペプチド擬態物」またはペプチド模倣物と呼ばれる(Fauchereら、Infect.Immun.54:283−287(1986);Evansら、J.Med.Chem.30:1229−1239(1987))。治療的に有用なペプチドと構造的に関連するペプチド擬態物を使用することにより、等しいか、または高い治療的または予防的な効果がもたらされ得る。一般に、ペプチド模倣物は、天然に存在するレセプター結合ポリペプチドなどの範例ポリペプチド(すなわち、生物学的活性または薬理学的活性を有するポリペプチド)に構造的に類似であるが、当該分野で周知の方法によって、−CH2NH−、−CH2S−、−CH2−CH2−、−CH=CH−(cisおよびtrans)、−CH2SO−、−CH(OH)CH2−、−COCH2−などの結合によって必要に応じて置換される1つ以上のペプチド結合を有する(Spatola,Peptide Backbone Modifications,Vega Data,1(3):267(1983));Spatolaら(Life Sci.38:1243−1249(1986));Hudsonら(Int.J.Pept.Res.14:177−185(1979));およびWeinstein.B.,1983,Chemistry and Biochemistry,of Amino Acids,Peptides and Proteins,Weinstein eds,Marcel Dekker,New−York)。そのようなペプチド擬態物は、より経済的な生産、より高い化学安定性、高められた薬理学的特性(例えば、半減期、吸収、作用強度、有効性など)、低い抗原性などをはじめとした、天然に存在するポリペプチドに対して著しい利点を有し得る。
【0144】
あるペプチドが、インビトロにおいてレセプター(例えば、野生型IL−23R)の生物学的活性を阻害する際に有効であり得るが、インビボにおけるそれらの有効性は、プロテアーゼの存在によって低下し得る。血清プロテアーゼは、特定の基質要求性を有する。その基質は、L−アミノ酸と、切断のためのペプチド結合との両方を有していなければならない。さらに、血清中のプロテアーゼ活性の最も著名な成分であるエキソペプチダーゼは、通常、そのペプチドの第1のペプチド結合に対して作用し、遊離N末端を必要とする(Powellら、Pharm.Res.10:1268−1273(1993))。このことに鑑みて、ペプチドの改変バージョンを使用することが有利であることが多い。改変されたペプチドは、IL−23Rに関する生物学的活性を付与するもとのL−アミノ酸ペプチドの構造上の特徴を保持するが、有利にも、プロテアーゼおよび/またはエキソペプチダーゼによる切断の影響を容易に受けない。
【0145】
同じタイプのD−アミノ酸によるコンセンサス配列の1つ以上のアミノ酸の系統的な置換(例えば、L−リシンの代わりにD−リシン)を用いることにより、より安定なペプチドが作製され得る。したがって、本発明のペプチド誘導体またはペプチド模倣物は、順方向または逆方向の順序で、すべてLペプチド、すべてDペプチド、または混合されたD、Lペプチドであり得る。ペプチダーゼが、基質としてD−アミノ酸を利用できないので、N末端またはC末端にD−アミノ酸が存在することは、ペプチドのインビボにおける安定性を高める(Powellら、Pharm.Res.10:1268−1273(1993))。逆−Dペプチドは、L−アミノ酸を含むペプチドに対して逆配列で配列される、D−アミノ酸を含むペプチドである。したがって、L−アミノ酸ペプチドのC末端の残基が、D−アミノ酸ペプチドに対するN末端になるなど。逆D−ペプチドは、L−アミノ酸ペプチドと同じ3次元コンホメーションひいては同じ活性を保持するが、インビトロおよびインビボにおいて酵素的分解に対してより安定であり、ゆえに、もとのペプチドよりも高い治療的な有効性を有する(Brady and Dodson,Nature 368:692−693(1994);Jamesonら、Nature 368:744−746(1994))。同様に、逆−Lペプチドは、標準的な方法を用いて作製され得、ここで、親ペプチドのC末端は、逆−LペプチドのN末端である。さらに、逆ペプチドは、L−およびD−アミノ酸の組み合わせを含み得る。
【0146】
さらに、コンセンサス配列または実質的に同一のコンセンサス配列バリエーションを含む制約されたペプチドは、当該分野で周知の方法によって作製され得る(Rizo and Gierasch,Ann.Rev.Biochem.61:387−418(1992))。例えば、制約されたペプチドは、ジスルフィド架橋を形成することができるシステイン残基を加えることによって、環状ペプチドをもたらすことにより、作製され得る。環状ペプチドは、遊離N末端または遊離C末端を有しない。したがって、それらは、エキソペプチダーゼによるタンパク質分解の影響を受けないが、当然のことながら、ペプチド末端において切断しないエンドペプチダーゼによる影響は受ける。N末端またはC末端にD−アミノ酸を有するペプチドおよび環状ペプチドのアミノ酸配列は、通常、それぞれN末端もしくはC末端のD−アミノ酸残基の存在またはそれらの環状の構造を除いて、それらが対応するペプチドの配列と同一である。
【0147】
分子内ジスルフィド結合を含む環状の誘導体は、アミノ末端およびカルボキシ末端などの環化のために選択される位置に、S保護された適当なシステイン残基またはホモシステイン残基を組み込みつつ、従来の固相合成法によって調製され得る(Sahら、J.Pharm.Pharmacol.48:197(1996))。鎖の構築が完了した後に、環化が、(1)対応する2つの遊離SH官能基の支持体上での最終的な酸化を用いたS保護基の選択的な除去によってS−S結合を形成した後、その支持体からの生成物の従来の除去および適切な精製手順によって、または(2)完全な側鎖の脱保護とともにその支持体からそのペプチドを取り出した後、高度に希薄な水溶液中で遊離SH官能基を酸化することによって、行われ得る。
【0148】
分子内アミド結合を含む環状の誘導体は、環化のために選択された位置においてアミノ側鎖およびカルボキシル側鎖が保護された適当なアミノ酸誘導体を組み込みつつ、従来の固相合成法によって調製され得る。分子内の−S−アルキル結合を含む環状の誘導体は、環化のために選択された位置において適当なアミノ保護された側鎖およびS保護された適当なシステイン残基もしくはホモシステイン残基を有するアミノ酸残基を組み込みつつ、従来の固相化学によって調製され得る。
【0149】
本ペプチドの部分配列における天然に存在しないアミノ酸による天然のアミノ酸の置換もまた、タンパク質分解に対して抵抗性を付与し得る。そのような置換は、例えば、生物学的活性に影響することなく、N末端に作用するエキソペプチダーゼによるタンパク質分解に対して抵抗性を付与し得る。天然に存在しないアミノ酸の例としては、α,α−二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸、C−α−メチルアミノ酸、β−アミノ酸およびβ−メチルアミノ酸が挙げられる。本発明において有用なアミノ酸アナログとしては、β−アラニン、ノルバリン、ノル−ロイシン、4−アミノ酪酸、オルニチン(orithine)、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、システイン酸、シクロヘキシルアラニン、2−アミノイソ酪酸、6−アミノヘキサン酸、t−ブチルグリシン、フェニルグリシン、o−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルメチオニン、3−メチルヒスチジンおよび他の非慣習的なアミノ酸が挙げられ得るが、これらに限定されない。さらに、天然に存在しないアミノ酸を用いるペプチドの合成は、当該分野において通例である。
【0150】
ペプチドのN末端またはC末端の残基に作用するペプチダーゼに対して抵抗性を付与する別の効率的なアプローチは、改変されたペプチドがそのペプチダーゼに対してもはや基質でなくなるように、ペプチド末端に化学基を加えることである。1つのそのような化学修飾は、片方または両方の末端におけるペプチドのグリコシル化である。ある特定の化学修飾、特に、N末端のグリコシル化は、ヒト血清中においてペプチドの安定性を高めると示されている(Powellら、Pharm.Res.10:1268−1273(1993))。血清安定性を高める他の化学修飾としては、1〜20個の炭素の低級アルキルからなるN末端のアルキル基(例えば、アセチル基)の付加、および/またはC末端のアミド基もしくは置換アミド基の付加が挙げられるが、これらに限定されない。特に、本発明は、N末端のアセチル基および/またはC末端のアミド基を有するペプチドからなる改変されたペプチドを包含する。
【0151】
通常はそのペプチドの一部でないさらなる化学部分を含む他のタイプのペプチド誘導体もまた、本発明によって包含されるが、ただし、その誘導体は、そのペプチドの所望の機能活性を保持している。そのような誘導体の例としては、(1)アミノ末端のアミノ基または別の遊離アミノ基のN−アシル誘導体(ここで、そのアシル基は、アルカノイル基(例えば、アセチル、ヘキサノイル、オクタノイル)アロイル基(例えば、ベンゾイル)またはF−moc(フルオレニルメチル−O−CO−)などの保護基であり得る);(2)カルボキシ末端または別の遊離カルボキシ基もしくは遊離ヒドロキシル基の、エステル;(3)アンモニアまたは適当なアミンとの反応によって生成される、カルボキシ末端または別の遊離カルボキシル基の、アミド;(4)リン酸化された誘導体;(5)抗体または他の生物学的リガンドに結合体化された誘導体および他のタイプの誘導体;および(6)ポリエチレングリコール(PEG)鎖に結合体化された誘導体が挙げられる。
【0152】
本発明のペプチドへのさらなるアミノ酸残基の付加に由来するより長いペプチド配列もまた、本発明に包含される。そのようなより長いペプチド配列は、上に記載されたペプチドと同じ生物学的活性(例えば、IL−23レセプターの活性化の阻害)を有すると予想され得る。相当な数のさらなるアミノ酸を有するペプチドが、除外されないが、いくつかの大きなポリペプチドは、有効な配列をマスクすることによって、例えば、IL−23レセプターへの結合を妨げる配置であるとみなされ得ると認識される。これらの誘導体は、競合的アンタゴニストとして作用し得る。したがって、本発明が、伸長を有する本明細書中に記載されるペプチドまたはペプチドの誘導体を包含するが、望ましくは、その伸長は、そのペプチドまたは誘導体のIL−23レセプター調節活性を破壊しない。
【0153】
本発明に包含される他の誘導体は、互いに直接共有結合的に結合されているか、またはスペーサーを介して(例えば、アラニン残基の短い連続またはタンパク質分解(例えば、カテプシンによるもの、例えば、米国特許第5,126,249号および欧州特許第495049号を参照のこと)に対する推定上の部位によって)共有結合的に結合されている、本発明の2つの同じペプチドまたは2つの異なるペプチドからなる二重ペプチドである。本発明のペプチドの多量体は、同じか、または異なるペプチドまたはその誘導体から形成される分子のポリマーからなる。
【0154】
本発明はまた、アミノ末端もしくはカルボキシ末端、またはその両方において、異なるタンパク質のアミノ酸配列に結合された、本明細書中に記載されるペプチドまたはそのフラグメントを含む、キメラタンパク質または融合タンパク質であるペプチド誘導体も包含する。そのようなキメラタンパク質または融合タンパク質は、そのタンパク質をコードする核酸の組換え発現によって生成され得る。例えば、キメラタンパク質または融合タンパク質は、本発明のペプチドの少なくとも6アミノ酸を含み得、望ましくは、本発明のペプチドと等しいか、またはそれより高い機能活性を有する。
【0155】
本発明のペプチド誘導体は、置換、付加または欠失、あるいは機能的に等価な分子または所望のとおり機能的に高められたもしくは低められた分子を提供するアミノ酸残基によって、アミノ酸配列を変更することによって作製され得る。本発明の誘導体としては、1次アミノ酸配列として、機能的に等価なアミノ酸残基の置換を含む変更された配列を含む、本明細書中に記載されるペプチド(例えば、2301、2303、2305、2307または2309ペプチド)のアミノ酸配列の全部または一部を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、配列内の1つ以上のアミノ酸残基は、静的な変更(silent alteration)をもたらす、機能的等価物として作用する類似の極性の別のアミノ酸による置換であり得る。配列内のアミノ酸に対する置換は、そのアミノ酸が属するクラスの他のメンバーから選択され得る。例えば、正に帯電した(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、リシンおよびヒスチジンが挙げられる。非極性の(疎水性)アミノ酸としては、ロイシン、イソロイシン、アラニン、フェニルアラニン、バリン、プロリン、トリプトファンおよびメチオニンが挙げられる。無電荷極性アミノ酸としては、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギンおよびグルタミンが挙げられる。負に帯電した(酸性)アミノ酸としては、グルタミン酸およびアスパラギン酸が挙げられる。アミノ酸グリシンは、非極性のアミノ酸ファミリーまたは無電荷(中性)極性アミノ酸ファミリーのいずれかに含められ得る。アミノ酸のファミリー内で行われる置換は、一般に、保存的置換であると理解されている。
【0156】
ペプチド模倣物を同定するアッセイ
上に記載したように、本発明の方法によって同定されるペプチドの骨格の幾何学およびファルマコフォアディスプレイ(pharmacophore display)を再現するように作製された非ペプチジル化合物(ペプチド模倣物)は、より高い代謝的安定性、より高い作用強度、より長い作用時間およびより良好なバイオアベイラビリティの特質を有することが多い
本発明のペプチド模倣物化合物は、生物学的ライブラリー;空間的に調整可能な平行的(spatially addressable parallel)固相または液相ライブラリー;逆重畳を必要とする合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;およびアフィニティークロマトグラフィ選択を用いる合成ライブラリー法を含む当該分野で公知のコンビナトリアルライブラリー法において、数多くのアプローチのいずれかを用いて入手され得る。生物学的ライブラリーアプローチは、ペプチドライブラリーに限定されるが、他の4つのアプローチは、ペプチド、非ペプチドオリゴマーまたは化合物の小分子ライブラリーに適用可能である(Lam,Anticancer Drug Des.12:145(1997))。分子ライブラリーの合成のための方法の例は、当該分野において、例えば:DeWittら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6909(1993));Erbら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11422(1994));Zuckermannら(J.Med.Chem.37:2678(1994));Choら(Science 261:1303(1993));Carellら(Angew.Chem,Int.Ed.Engl.33:2059(1994)および同書2061);およびGallopら(Med.Chem.37:1233(1994))に見られる。化合物のライブラリーは、溶液中(例えば、Houghten,Biotechniques 13:412−421(1992))またはビーズ上(Lam,Nature 354:82−84(1991))、チップ(Fodor,Nature 364:555−556(1993))、細菌もしくは胞子(米国特許第5,223,409号)、プラスミド(Cullら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865−1869(1992))またはファージ上(Scott and Smith,Science 249:386−390(1990))に、または生成物に対して適切な基質の変換の測定によって検出されるルシフェラーゼおよび酵素的標識で、存在し得る。
【0157】
いったん本発明のペプチドが同定されると、それは、任意のいくつかの標準的な方法(溶解性の差違(例えば、沈降)、遠心分離、クロマトグラフィ(例えば、親和性、イオン交換、サイズ排除など)が挙げられるがこれらに限定されない)またはペプチド、ペプチド模倣物またはタンパク質の精製に対して用いられる他の任意の標準的な手法によって、単離され得、精製され得る。目的の同定されたペプチドの機能的特性は、当該分野で公知の任意の機能的アッセイを用いて評価され得る。望ましくは、細胞内のシグナル伝達における下流のレセプター機能を評価するためのアッセイが使用される(例えば、細胞増殖)。
【0158】
例えば、本発明のペプチド模倣物化合物は、以下の3段階のプロセス:(1)本発明のペプチドをスキャンすることにより、IL−23レセプターに対する認識および活性に必要な二次構造の領域を同定すること;(2)立体構造的に制約されたジペプチド代替物を使用して、骨格の幾何学を洗練させ、これらの代替物に対応する有機プラットフォームを提供すること;および(3)最善の有機プラットフォームを使用して、天然のペプチドの所望の活性を模倣するように設計された候補のライブラリーにおいて有機ファルマコフォア(organic pharmocophore)をディスプレイすること、を用いて入手され得る。より詳細には、この3段階は、以下のとおりである。1段階目では、リード候補ペプチドをスキャンし、それらの活性のための必要条件を特定するためにそれらの構造を簡約化する。一連の、もとのペプチドアナログを合成する。2段階目では、立体構造的に制約されたジペプチド代替物を用いて、最良のペプチドアナログを検討する。インドリジジン−2−オン、インドリジジン−9−オンおよびキノリジジノン(quinolizidinone)アミノ酸(それぞれI2aa、I9aaおよびQaa)を、最良のペプチド候補の骨格の幾何学を研究するためのプラットフォームとして使用する。これらおよび関連のプラットフォーム(Halabら、Biopolymers 55:101−122(2000);およびHanessianら、Tetrahedron 53:12789−12854(1997)に概説)を、そのペプチドの特定の領域に導入することにより、様々な向きでファルマコフォアを方向付け得る。これらのアナログの生物学的評価は、活性に対する幾何学的な必要条件を模倣している改善されたリードペプチドを同定する。3段階目では、最も活性なリードペプチドからのプラットフォームを用いて、天然のペプチドの活性に関与するファルマコフォアの有機代替物をディスプレイする。そのファルマコフォアおよびスキャフォールドが、平行した合成形式で組み合わされる。ペプチドの誘導体化および上記の段階は、当該分野で公知の方法を用いる他の手段によって達成され得る。
【0159】
本発明のペプチド、ペプチド誘導体、ペプチド模倣物または他の小分子から決定される構造と機能の関連性を用いて、類似の特性またはより良好な特性を有する類似の分子構造が洗練され、調製され得る。したがって、本発明の化合物はまた、本明細書中に記載されるペプチドの構造、極性、電荷の特徴および側鎖の特性を共有する分子も包含する。
【0160】
本明細書中の開示に基づいて要約すれば、当業者は、サイトカインレセプター活性を阻害するための化合物を同定するために有用な、ペプチドおよびペプチド模倣物のスクリーニングアッセイを開発することができる。そのように同定された化合物はまた、これらのレセプターを活性化すると示され得る。本発明のアッセイは、ロースループット、ハイスループットまたは超ハイスループットのスクリーニング形式に発展され得る。本発明のアッセイは、自動化になじみやすいアッセイを包含する。
【0161】
薬学的組成物
本発明のペプチド、ペプチド誘導体およびペプチド模倣物は、IL−23レセプターの生物学的活性と関連する状態または疾患(例えば、自己免疫障害または炎症性障害)の処置に有用である。一般に、そのような処置は、その必要のある被験体に、有効量のペプチド、ペプチド誘導体もしくはペプチド模倣物、またはペプチド、ペプチド誘導体もしくはペプチド模倣物を含む組成物を投与することにより、IL−23レセプター活性を阻害することを含む。例えば、ペプチド(例えば、2305、2307、2309もしくは2303ペプチド、または式I、式II、式IIIもしくは式IVに示されるようなそれらの誘導体)および適当な薬学的キャリアを含む有効量の治療的組成物を、被験体に投与することにより、そのペプチドによって標的化されるIL−23レセプターの生物学的活性が阻害されて、症状が予防され得るか、回復し得るか、またはそのサイトカインレセプターを介した異常なシグナル伝達に関係する障害、疾患もしくは状態(例えば、IL−23リガンドの過剰産生もしくは恒常的に活性なレセプターを介するIL−23レセプターの過剰刺激または他の任意の異常)が処置され得る。被験体は、望ましくは、哺乳動物(例えば、ヒト)である。
【0162】
本発明のペプチド、ペプチド誘導体およびペプチド模倣物は、IL−23レセプターの生物学的活性の阻害が有益であり得る任意の疾患状態または障害における症状の処置、予防(prophylaxy)または回復において使用され得る。そのような疾患、状態または障害としては、炎症性障害または自己免疫障害(例えば、炎症性腸疾患、乾癬および多発性硬化症)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0163】
本薬学的組成物は、経口剤形、局所的(topic)クリーム、坐剤、スプレー式点鼻薬および吸入器、ならびに注射可能および注入可能な溶液をはじめとした種々の形態であり得る。薬学的組成物を調製するための方法は、当該分野で周知である。
【0164】
本発明の範囲内の組成物は、望ましくは、有害な副作用を回避しつつ所望の治療効果を達成するのに有効な量で、活性な作用物質(例えば、ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物)を含む。その活性な作用物質の薬学的に許容可能な調製物および塩は、本発明の範囲内であり、当該分野で周知である。ポリペプチドアンタゴニストなどの投与の場合、投与される量は、望ましくは、有害な副作用を回避するように選択される。特定の疾患、障害または状態の処置において有効な治療的組成物または薬学的組成物の量は、疾患の性質および重症度、作用の標的部位、被験体の体重、被験体が従う特別な食餌、併用して使用される薬剤、投与経路、ならびに当業者が認識する他の因子に依存する。投薬量は、従来の因子(例えば、疾患の程度および被験体の様々なパラメータ)に従って臨床医によって適合され得る。代表的には、0.001〜100mg/kg/日が、被験体に投与される。有効な用量は、インビトロまたは動物モデル試験系から得られる用量反応曲線から外挿され得る。例えば、ヒトに対する有効なmg/kg用量を得るために、ラットでの研究から生成されたデータに基づいて、ラットにおける有効なmg/kg投薬量を6で除する。
【0165】
様々な送達系が知られており、それらを用いて、本発明のペプチド、ペプチド誘導体もしくはペプチド模倣物または薬学的組成物が投与され得る。本発明の薬学的組成物は、任意の適当な経路(静脈内注射もしくは筋肉内注射、脳室内注射もしくは髄腔内注射(中枢神経系投与用)、経口的、局所的、皮下、結膜下または鼻腔内、皮内、舌下、膣、直腸もしくは硬膜外を介する経路を含む)によって投与され得る。
【0166】
当該分野で周知の他の送達系は、本発明の薬学的組成物を送達するために、例えば、水溶液、微小粒子(microparticules)またはマイクロカプセル内への封入を介して、使用され得る。
【0167】
本発明の薬学的組成物は、放出制御システムにおいても送達され得る。例えば、重合体の材料が、使用され得る(例えば、Smolen and Ball,Controlled Drug Bioavailability,Drug product design and performance,1984,John Wiley & Sons;Ranade and Hollinger,Drug Delivery Systems,pharmacology and toxicology series,2003,2ndedition,CRRC Pressを参照のこと)。あるいは、ポンプが使用され得る(Saudekら、N.Engl.J.Med.321:574(1989))。
【0168】
本発明の化合物は、モノクローナル抗体を、化合物分子が結合された個別のキャリアとして使用することによってもまた送達され得る。本発明の化合物は、その薬物の放出制御の達成に有用なあるクラスの生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、架橋された両親媒性ブロック共重合体およびヒドロゲル、ポリヒドロキシ酪酸ならびにポリジヒドロピランにも結合され得る。
【0169】
上に記載したように、本発明の薬学的組成物は、望ましくは、薬学的に許容可能なキャリアと混合された、ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物を含む。キャリアなる用語は、本ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物とともに投与される希釈剤、佐剤、賦形剤またはビヒクルのことを指す。そのような薬学的キャリアとしては、水および油(鉱油、植物油(例えば、ダイズ油またはトウモロコシ油)、動物油または合成起源の油を含む)などの滅菌された液体が挙げられる。グリセロールおよびデキストロースの水溶液ならびに食塩水溶液もまた、本発明の薬学的組成物の液体キャリアとして使用され得る。キャリアの選択は、当該分野において十分に認識された因子(例えば、本ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物の性質、その溶解性および他の生理学的特性、ならびに送達および適用の標的部位)に依存する。例えば、血液脳関門を透過し得るキャリアが、中枢神経系における疾患または状態(例えば、炎症性障害または自己免疫障害)の症状の処置、予防または回復に使用される。適当な薬学的キャリアの例は、Alfonso R.GennaroによるRemington:The Science and Practice of Pharmacy,2003,21thedition,Mack Publishing Companyに記載されている。さらに、経口投与に適したキャリアは、当該分野で公知であり、例えば、米国特許第6,086,918号、同第6,673,574号、同第6,960,355号および同第7,351,741号ならびにWO2007/131286(これらの開示は、本明細書によって参考として援用される)に記載されている。
【0170】
本発明の薬学的調製物に組み込まれ得るさらに薬学的に適当な材料としては、吸収促進剤、pH制御剤および緩衝液、オスモル濃度調節剤、保存剤、安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、軟化薬、分散剤、香料、着色剤および湿潤剤が挙げられる。
【0171】
適当な薬学的賦形剤の例としては、水、グルコース、スクロース、ラクトース、グリコール、エタノール、モノステアリン酸グリセロール、ゼラチン、デンプン粉(例えば、米粉)、胡粉、ステアリン酸ナトリウム、麦芽、塩化ナトリウムなどが挙げられる。本発明の薬学的組成物は、溶液、カプセル、錠剤、クリーム、ゲル、粉末の徐放製剤などの形態をとり得る。本組成物は、従来の結合剤およびキャリア(例えば、トリグリセリド)を用いて坐剤として製剤化され得る(Alfonso R.GennaroによるRemington:The Science and Practice of Pharmacy,2003,21thedition,Mack Publishing Companyを参照のこと)。そのような組成物は、被験体への適切な投与のための形態を提供するために、治療有効量の治療的組成物を適当量のキャリアとともに含む。それらの製剤は、投与の様式および作用の標的部位(例えば、特定の器官または細胞型)に適するように設計される。
【0172】
本発明の薬学的組成物は、中性の形態または塩の形態として、製剤化され得る。薬学的に許容可能な塩としては、遊離アミノ基を用いて形成される塩および遊離カルボキシル基と反応する塩が挙げられる。製薬業界において通常使用される、無毒性のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムの塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウムおよびプロタミン亜鉛の塩が挙げられ、これらは、当該分野で周知の方法によって調製される。無毒性の酸付加塩もまた包含され、それらは、一般に、本発明の化合物を適当な有機酸または無機酸と反応させることによって、調製される。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、吉草酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、ラウリン酸塩(laureate)、ホウ酸塩、安息香酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、トシル酸塩(tysolate)、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、ナプシル酸塩などが挙げられる。
【0173】
本発明はまた、いったん被験体に投与されるとより安定であるようなペプチドまたはペプチド誘導体の改変物を提供する(すなわち、いったん投与されると、改変されていない形態と比べて、より長い半減期またはより長期間の有効性を有する)。そのような改変は、本発明が属する分野の当業者に周知である(例えば、ペグ化としても知られるポリエチレングリコール誘導体化、マイクロカプセル化など)。
【0174】
本発明のIL−23レセプターアンタゴニストは、単独で投与されてもよいし、IL−23レセプターに関連する疾患または状態の症状の処置、予防または回復に有用な他の活性な作用物質(例えば、抗炎症性化合物)と組み合わせて投与されてもよい。したがって、本発明の組成物および方法は、IL−23活性を調節する能力(例えば、IL−23レセプターの合成、放出および/またはIL−23レセプターへの結合)またはIL−23レセプター関連疾患(例えば、自己免疫障害または炎症性障害)の症状を減少させる能力を示す他の作用物質と組み合わせて使用され得る。そのような作用物質の例としては、モノクローナル抗体(Pfizer,CP−751,871;Imclone,IMC−A12;Merck 7C10;Schering−Plough,19D12)またはチロシンキナーゼインヒビター(Insmed,INSM18PPP;Biovitrium,Karolinska Institute(Girnitaら、2004;Vasilcanuら、2004);NVP−ADW742,AEW541,Novartis(Mitsiades CS,2004);BMS−536924,BMS−554417,Bristol−Myers Squibb)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0175】
本発明は、以下の非限定的な例によってさらに詳細に例証される。これらの例は、例示のみの目的で提供されるものであり、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきでない。
【実施例】
【0176】
実施例1.IL−23Rのアンタゴニストおよびアゴニストの同定
IL−23レセプターの異なる領域の位置および二次構造分布を確かめるために、ドメイン類似度(IgG様ドメイン)を、ProDom(Boeckmannら、Nucleic Ac Res 31:365−370(2003))、PROSITE(Rost,Enzymol 266:525−539(1996))およびPredict Protein(Rost,Enzymol 266:525−539(1996))を用いて測定した。次いで、疎水性および可撓性のプロファイルを、プログラムProtScale(Kyteら、J Mol Biol 157:105−132,1982)を用いて調べた。上に記載したように、IL−23RとIL−12Rとは、共通のリガンドサブユニットおよびレセプターサブユニットを共有しているので、構造的に類似である。完全なIL−12R活性化の維持は、免疫能を保つために望ましい(Kenakin,Mol.Intervention 4:222−229(2004);Langrishら、Immunol Rev 202:96−105(2004))。しかしながら、IL−12Rβ2およびIL−23Rだけは、24%の類似度を示す。ゆえに、結晶学、分子モデリングおよびヒドロパシープロファイルに基づいて、IL−23Rに特異的な細胞外の領域(IL−23Rの示されるモデルにおいて特定されている;図1)を、これらの配列を再現する低分子ペプチドを設計することによって標的化した。これらのペプチドの予め必要な配列相同性解析(Blast解析;NCBI)を、これらの配列がIL−23Rに特有であることを確かめるために行った。IL−23誘導性STAT3リン酸化における、最初の注目したIL−23Rペプチドライブラリーのスクリーニングによって、明白な有効性を有する4つの化合物(「ヒット」)が同定され、それらを2303、2305、2307および2309と命名した(図2)。さらに、IL−23Rの生物学的活性のアゴニストを同定し、2301と命名した(DLSSGYPPDI;配列番号5)。
【0177】
実施例2.IL−23Rアンタゴニストの特徴付け
D−ペプチド2303、2305、2307および2309(1μM)は、ホルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)活性化ヒト単球(HL−60)においてIL−23誘導性STAT3リン酸化を阻害する(図2)。結果に再現性があったので、同じアッセイにおいて、2309に対する濃度応答をさらに研究したところ、Emax約85%およびIC50=2nMが明らかになった(図3A)。この有効性を、別個の結果パラメータ、詳細には腫瘍壊死因子(TNF)形成を用いてさらに確証した(酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)によって測定した;図3B)ところ、等価なEmax約80%およびIC50=1.6nMが得られた。
【0178】
脾細胞およびTH17細胞において、ペプチドAPG−2305(1μM)は、IL−23誘導性STAT3リン酸化をそれぞれ75%および100%阻害し、ペプチドAPG−2309(1μM)は、IL−23誘導性STAT3リン酸化を50%および75%阻害した(25ng/ml)(図4、6および7)。ペプチドAPG−2305およびAPG−2309は、1nMおよび2nMという作用強度(IC50)を示した(図5)。上で述べたように、ペプチド2305は、D1ドメインとD2ドメインとの領域間と相互作用するIL−23Rサブユニットの第2のドメインにおけるループから得られるものであり、ペプチド2309は、IL−23RのD3ドメインにおけるループから得られるものである(図1を参照のこと)。両方のペプチドが、IL−23誘導性リン酸化を阻害するが、異なる程度で阻害する。これらのペプチドは、そのレセプターの異なる領域またはIL−12b1とのIL−23Rサブユニットの二量体化の異なる領域において相互作用するので、異なるコンホメーション変化を誘導することによって、IL−23Rの生物学的活性に対して異なる作用を有し得る。
【0179】
ペプチド2305は、IL−23Rを発現する、ホルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)によって活性化された単球に特異的に結合したが、IL−23Rを欠いている単球には結合しなかった(図8A)。これらの観察結果と一致して、IL−23Rを発現しているPMA活性化ヒト単球においてペプチド2305の有効性が示されたが、未処置(非活性化)単球では示されなかった(図8Aを参照のこと)。
【0180】
ペプチド2309(高濃度、すなわち、10μMでさえも)がIL−12誘導性STAT4リン酸化を干渉できないことによって、IL−23に対するペプチド2309の選択性が証明された(図8B)。ペプチド2309は、IL−23誘導性STAT3リン酸化を阻害することが可能なままであった(図2)。
【0181】
本明細書中に記載される実験は、以下の材料および方法を用いて行われた。
【0182】
脾細胞の単離
脾臓をマウスから無菌的に取り出し、薄く切り、PBS緩衝液、2%ウシ胎児血清および1mM EDTAの存在下においてすりつぶした。組織をナンバー26シリンジに通し、70μmメッシュナイロンストレーナーで濾過した。生存因子および分化因子として、可欠アミノ酸、2μg/mlの抗CD3および20μg/mlの抗CD−28とともに、細胞を培養した。
【0183】
CD4+細胞の単離およびTH17細胞における分化
製造者の指示に従ってEasySep単離キット(StemCell Technologies)を用いて、CD4+細胞を2.5×108脾細胞から単離した。CD4+細胞細胞を可欠アミノ酸ならびに抗CD3抗体および抗CD28抗体とともに一晩インキュベートした(上記を参照のこと)。翌日、それらの細胞を12ウェルプレートに分割し(1〜2×106細胞/ウェル)、完全RPMI培地(10%FBS、Pen/Strepおよび可欠アミノ酸(1×))ならびに2μg/mlの抗CD3、2μg/mlの抗CD28、5ng/mlのTGFb1、20ng/mlのIL−6、10ng/mlのIL−23、2μg/mlの抗ラット抗IFNγおよび10μg/mlの抗マウスIL−4(最終濃度)を含む分化カクテルとともにインキュベートした。
【0184】
STAT3リン酸化の測定
脾細胞またはTH17細胞を384ウェルプレート(Optiplate;Perkin Elmer)に分配した(100,000細胞/ウェル)。細胞を様々な濃度のペプチドAPG−2305またはAPG−2309とともに30分間プレインキュベートし、25ng/mlのIL−23(R&D systems)とともに10分間インキュベートした。STAT3リン酸化を、製造者の指示に従ってPerkin Elmer製のAlpha Screen SureFire p−STAT−3アッセイというキットを用いて測定した。簡潔には、IL−23とのインキュベート後に、細胞を溶解し、(1)抗p−STAT−3(Tyr705)でコーティングされたプロテインAアクセプター結合体化ビーズおよび(2)ストレプトアビジンでコーティングされたドナービーズと接触させた。生じたシグナルを、Perkin Elmer Wallac En vision 2104 Multilabelリーダーを用いて測定した。GraphPrism4ソフトウェアを使用して、グラフを作成した。
【0185】
実施例3.APG−2305およびAPG−2309の誘導体
IL−23誘導性STAT3リン酸化に対するペプチドAPG−2305およびAPG−2309の誘導体の作用を、CD−1マウスの新しく単離された脾細胞およびAlpha Screen p−STAT3アッセイ(上記の材料および方法を参照のこと)を用いて測定した(図6および7)。APG−2305ペプチドとAPG−2309ペプチドの両方およびそれらの誘導体のいくつかが、マウス脾細胞および炎症促進性TH17細胞においてIL−23誘導性STAT3リン酸化を阻害する際の有効性を示し、ここで、IL−23は、主要な増殖性の役割および抗アポトーシスの役割を果たすと示されている。本明細書中に記載されるような、誘導体の有効性に基づいて、本発明者らは、APG−2305ペプチドおよびAPG−2309ペプチドにおける、IL−23R活性に影響を及ぼす能力にとって重要な領域を同定した。
【0186】
実施例4.ペプチド2309のインビボ有効性
炎症性腸疾患(IBD)を処置する際のペプチド2309の有効性を試験するために、代表的なラットモデルを用いた。そのモデルでは、IBDは、IL−23の役割を評価するために以前使用されたようにTNBS(トリニトロベンゼンスルホン酸)によって誘導された(Beckerら、J Immunol 177:2760−2764(2006);Camoglioら、Eur J Immunol 32:261−269(2002);Zhangら、Inflamm Bowel Dis 12:382−388(2006))。肉眼検査において炎症性の発赤および浮腫が存在しないこと(図9A)ならびに腸管の粘膜および粘膜下層の本質的に正常な組織像(図9B)によって検出されるように、ペプチド2309の全身投与(1mg/kg/日,腹腔内;推定組織濃度10nM)は、TNBS誘発性の腸管の炎症を無くした。
【0187】
局所的に適用されるペプチド2305、2307または2309の、PMA誘発性の皮膚炎に対する有効性を測定した(ある技術分野は、慢性および剥離性の皮膚炎のモデル(乾癬性皮膚炎を示唆する)を認識している(Petersenら、Basic & Clinical Pharm Tox 99:104−115(2006);Schon,J Investig Derm 112:405−410(1999))。ペプチド2305、2307または2309(最終濃度:5μM)をポリエチレングリコール(PEG−400)と混合し、50μlの混合物を、3〜5日の期間にわたって1日に2回耳に塗布した。ペプチド2309は、発赤および耳重量(浮腫の基準)の著明な減少をもたらした;この効果は、ペプチド2307の場合、それほど著明でなかった(図10)。用量反応解析から、浮腫の2つのパラメータ、すなわち重量および毛細管漏出(エバンスブルー血管外遊出によって検出される)の減少において局所的なペプチド2309のEC50約50nMが明らかになった(図11)。これらの結果は、ペプチド2309の有効な経皮的浸透を示唆する。さらに、ペプチド2309の腹腔内注射もまた、発赤および耳重量の減少によって証明されるように、PMA誘発性の皮膚炎を処置することができた(図12)。
【0188】
ペプチドAPG−2305およびAPG−2309を経腸投与によってラットに与えることにより、それらの経口での利用可能性も検証された。様々な濃度のそれらのペプチドを、胃管栄養針(Number20)を用いて胃に注入し(1日に2回;200μl)、これをPMA処置の2日目に開始した。4日目に、全ペプチド用量をボーラスとして与え、4〜6時間後に動物を屠殺した。図13Aに示されるように、経腸的に注入されたAPG−2305は、用量依存的様式で耳の浮腫を妨げた。5mg/kg/日の処置によって、浮腫は完全に妨げられた。APG−2305のスクランブル(Scrambled)ペプチド(5mg/kg/日)および腹腔内APG−2305を、それぞれネガティブコントロールおよびポジティブコントロールとして使用した。APG−2309もまた、経腸的に注入されたが、経口的に投与した20mg/kgにおいてほんのわずかにPMA誘発性の耳の浮腫を阻害した(図13B)。APG−2309は、APG−2305よりも疎水性である。これらの結果から、ペプチド2305および程度は低いが2309が、経口的に投与され得ることが示唆される。
【0189】
実施例5.実験的自己免疫性脳炎モデルにおけるAPG−2309の有効性
多発性硬化症の実験的自己免疫性脳炎(EAE)モデルを用いることにより、脱髄性疾患におけるIL−12ではなくIL−23の主要な関与が証明されている。IL−23は、主要な炎症分子(例えば、IL−22、IL−17、CCL−2およびCCL−5)の分泌に関与するTH17細胞の維持および生存に関わっている。EAEモデルは、多発性硬化症に対して、最も使用されており、かつ現在最も広く認められている動物モデルである。本発明者らは、EAEモデルにおいてAPG−2309ペプチドを試験した。臨床スコアの評価を1日に1回行った。図14に示されるように、ペプチド2309は、MOG誘発性の炎症の臨床成績を遅延させるか、または完全に無くした。2mg/kg/日での1日に2回の2309の投与が、処置マウスにおいてEAEの臨床的徴候の出現を遅延させ、1日に3回の処置は、その疾患症状の誘導を完全に無くした。図15および16に示されるように、APG−2309ペプチドは、小脳および脊髄の脱髄を完全に妨げる。
【0190】
上記の実験は、以下の材料および方法を用いて行われた。
【0191】
C57/BL6マウスに、4mg/mlのMycobacterium tuberculosis H37Raを含む0.1mlの食塩水に溶解され、フロイントアジュバントに乳化された(1:1)MOGペプチド(MEVGWYRSPFSRVVHLYRNGK;配列番号29)を毎日注射した。血液関門(blood−barrier)膜を透過性にするために、マウスにペルツシン(pertussin)トキシンをIV注射した。ペプチドの注射は、MOG注射の3日前から開始した。マウスの体重を毎日測定し、以下の基準に従って臨床スコアをつけた:
臨床スコア:0=正常;1=尾の正常な緊張状態の喪失;2=弛緩した(flactonic)尾;3=1または2本の後肢の不全麻痺;4=後肢(hind)の完全麻痺;5=3または4本の肢の不全麻痺;6=3本の肢の完全麻痺;7=瀕死;8=死亡。処置の3週間後に、マウスを屠殺し、食塩水および固定液(パラホルムアルデヒド溶液)で灌流した。脳および脊髄を回収し、凍結し、30μmの薄さの切片に切断し、そしてスダンブラック染料で染色(脂質染色)することにより、脱髄を可視化した。
【0192】
薬物処置および用量について考慮する二元配置分散分析の後、試験の平均値(means test)間の比較によって、データを解析した。多項式解析のための最小二乗法の方法によって、最良曲線(best−fit curve)を決定した。コントロール群と処置群との間に炎症性パラメータの(少なくとも)65%の差が予想されるので(インビトロ有効性STAT3リン酸化ならびにβ=0.2およびα=0.05でのインビボに基づいて)、各解析因子のために、約9匹の動物が必要であった(コントロールおよび3用量を含む7〜9つの処置)。
【0193】
本明細書において考察される任意の実施形態は、本発明の任意の方法または組成物に関して実行され得ることが企図され、逆もまた同じである。さらに、本発明の組成物およびキットを使用することにより、本発明の方法が達成され得る。
【0194】
本発明の他の目的、特徴および利点は、上で詳述された説明に基づいて当業者に明らかであろう。また、詳述された説明および特定の実施例は、本発明の特定の実施形態を示すが、様々な変更および改変が本発明の精神および範囲内であるので、例示のみの目的で与えられるものであると理解されるべきである。
【0195】
本明細書中で言及されたすべての特許、特許出願公報、特許出願および刊行物は、独立した特許、特許出願公報、特許出願または刊行物の各々が明確かつ個々に参考として援用されると示されるかのように同程度に本明細書中で参考として援用される。
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本願は、2007年7月6日出願された米国仮特許出願第60/958,660号の利益を主張する。米国仮特許出願第60/958,660号の開示は、その全体が本明細書中に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、IL−23レセプターのアンタゴニストおよびアゴニスト、それらの使用、ならびにそのようなアンタゴニストおよびアゴニストを同定する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
自己免疫(および炎症)は、種々のヒトにおける苦痛(例えば、炎症性腸疾患(IBD)、乾癬および多発性硬化症)の基礎となっている。現在、IBD、乾癬および多発性硬化症を有する患者の30〜50%を超える患者が、新しい生物製剤(例えば、抗TNF抗体)を含む従来および現在の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)に反応しない。
【0004】
サイトカインであるインターロイキン(IL)−23は、炎症性自己免疫疾患の確立および維持において中心的役割を果たし、IBD、乾癬および多発性硬化症における重要な存在として浮上してきた。抗しがたいヒトの遺伝学的証拠によって、これらの疾患(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5)および機構(非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9)におけるIL−23に対する役割が強く指摘されている。高レベルのIL−23は、IBDを有する患者の腸管組織(非特許文献10)、乾癬性の皮膚病変(非特許文献11)および多発性硬化症のプラーク(非特許文献12)において観察される。種々のストラテジーが、IL−23を、述べた自己免疫疾患における重要な標的として確認しており、そのストラテジーとしては、(動物)遺伝子破壊(非特許文献7)、そのp40サブユニットに対する抗体(非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16)およびIL−23(およびIL−12)の放出の低分子インヒビター(非特許文献17)が挙げられる。
【0005】
IL−23は、サイトカインのIL−12ファミリーに属しており;これらのサイトカインは、構造的に関連している(非特許文献7)。IL−23は、T細胞および主にマクロファージによって産生され、膜貫通型IL−23レセプター(IL−23R)に作用する。IL−23Rは、慢性炎症の誘導および維持に必要なメモリーCD4+Tヘルパー細胞(TH17)上に主に存在する。IL−23の作用は、広くIL−17に媒介される(非特許文献7)。IL−23は、IL−23p19サブユニットおよびIL−12p40サブユニットから構成され、後者をIL−12と共有する。したがって、最近の研究によって、IL−12ではなくIL−23がこの免疫偏移における決定的要因であることが明確に明らかにされるまで、自己免疫性の炎症においてIL−12p40によって果たされる役割は、IL−12に帰すると長い間誤解されてきた(非特許文献18;非特許文献19;非特許文献20)。
【0006】
現在の治療の不首尾は、自己免疫疾患に対する有効な処置が、未だ対処されていない重大な医療ニーズとして残されているという事実を強調している。炎症性プロセスを阻止し、薬理学的処置の副作用を回避する、新しい治療ストラテジーの開発が必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Alifirovaら、Zh Nevrol Psikhiatr Im S S Korsakova Spec No 3:130−135(2006)
【非特許文献2】Cargillら、Am J Hum Genet 80:273−290(2007)
【非特許文献3】Duerrら、Science 314:1461−1463(2006)
【非特許文献4】Seegersら、Genes Immun 3:419−423(2002)
【非特許文献5】Zwiersら、Genes Immun 5:675−677(2004)
【非特許文献6】Gockeら、J Immunol 178:1341−1348(2007)
【非特許文献7】Hunter,Nat Rev Immunol,5:521−531(2005)
【非特許文献8】Langrishら、Immunol Rev 202:96−105(2004)
【非特許文献9】Monteleoneら、Curr Opin Gastro 22:361−364(2006)
【非特許文献10】Stallmachら、Intl J Colorectal Dis 19:308−315(2004)
【非特許文献11】Leeら、J Exp Med 199:125−130(2004)
【非特許文献12】Liら、Brain 130:490−501(2007)
【非特許文献13】Chenら、J Clin Invest 116:1317−1326(2006)
【非特許文献14】Kasperら、Curr Med Res Opin 22:1671−1678(2006)
【非特許文献15】Kruegerら、N Engl J Med 356:580−592(2007)
【非特許文献16】Mannonら、N Engl J Med 351:2069−2079(2004)
【非特許文献17】Burakoffら、Inflamm Bowel Dis 12:558−565(2006)
【非特許文献18】Cuaら、Nature 421:744−748(2003)
【非特許文献19】Holscher,Curr Opin Investig Drugs 6:489−495(2005)
【非特許文献20】Kreymborgら、Expert Opin Ther Targets 9:1123−1136(2005)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要旨
本発明は、IL−23レセプターのアンタゴニストおよびアゴニストを特徴とする。本発明はまた、本発明のIL−23レセプターアンタゴニストを使用して自己免疫障害および炎症性障害を処置する方法、ならびにさらなるIL−23レセプターのアンタゴニストおよびアゴニストを同定する方法も特徴とする。
【0009】
したがって、第1の局面において、本発明は、式T1E2E3E4Q5Q6Y7L8を特徴とする配列(例えば、アミノ酸配列)を含む化合物を特徴とし、ここで、この化合物は、25以下のアミノ酸長であり、この化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
T1は、残基なし、トレオニン、フェニルアラニン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸を定義し;
E2、E3およびE4は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
Q5およびQ6は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリン、ホモセリン、アルファ−アミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
Y7は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニン、ヒスチジン、ピリジルアラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;そして
L8は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0010】
本発明の第1の局面の望ましい実施形態において、本化合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、本化合物は、2、3、4、5、6、7もしくは8個のD−アミノ酸を含むか、または完全にD−アミノ酸からなる。別の望ましい実施形態において、本化合物は、逆(reverse)−Dもしくは逆−LペプチドまたはL−およびD−アミノ酸の組み合わせを含む逆ペプチドである。
【0011】
本発明の第1の局面のさらなる望ましい実施形態において、上記の疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;そして上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。
【0012】
本発明の第1の局面のさらに望ましい実施形態において、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン(napthylalanine)、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。望ましくは、上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;そして上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。
【0013】
本発明の第1の局面の別の望ましい実施形態において、上記1級アリールアルキルアミンは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0014】
本発明の第1の局面の他の望ましい実施形態において、本化合物は、配列TEEEQQYL(配列番号1)、TEEAQQYL(配列番号6)、TAAEQQYL(配列番号7)、TAAAQQYL(配列番号8)、EEEQQYL(配列番号9)、EEQQYL(配列番号10)、EQQYL(配列番号11)、AEEQQYL(配列番号12)、TEEEQQY(配列番号13)、TEEEQQ(配列番号14)、TEEEQ(配列番号15)、TEEE(配列番号16)、TEEEQAYL(配列番号17)またはTEEEAAYL(配列番号18)からなり、ここで、望ましくは、少なくとも1つのアミノ酸は、D−アミノ酸である。
【0015】
本発明の第1の局面のなおも別の望ましい実施形態において、本化合物は、上記配列のアミノ末端に付着されたG1、上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記配列のアミノ末端に付着されたG1および上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンまたは複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンである。望ましくは、上記アシル基は、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン(napthylamine)、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり、上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。
【0016】
本発明の第2の局面は、式K1K2Y3L4V5W6V7Q8を特徴とする配列(例えば、アミノ酸配列)を含む化合物を特徴とし、ここで、この化合物は、25以下のアミノ酸長であり、この化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
K1およびK2は、各々独立して、残基なし、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、シトルリン(citruline)、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ピリジルアラニンまたはアルギニン代替物(surrogate)であり;
Y3は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
L4は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
V5は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
W6は、残基なし、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σもしくは芳香族側鎖;または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
V7は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;そして
Q8は、残基なし、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンまたはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸である。
【0017】
本発明の第2の局面の望ましい実施形態において、本化合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。望ましくは、本発明の第2の局面の化合物は、2、3、4、5、6、7もしくは8個のD−アミノ酸を含むか、または完全にD−アミノ酸からなる。別の望ましい実施形態において、本化合物は、逆−Dもしくは逆−LペプチドまたはL−およびD−アミノ酸の組み合わせを含む逆ペプチドである。
【0018】
本発明の第2の局面の他の望ましい実施形態において、上記の疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;そして上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。
【0019】
本発明の第2の局面のさらなる望ましい実施形態において、上記の疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。
【0020】
本発明の第2の局面のさらに望ましい実施形態において、上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンであり;上記アルギニン代替物は、4−アミジノフェニルアセチル、4−アミジノフェニルプロピオニル、4−アミジノフェニルグリシル、4−アミジノフェニルメチルグリシル、4−グアニジノフェニルアセチル、4−グアニジノフェニルプロピオニル(uanidinophenylpropionyl)、4−グアニジノフェニルグリシルまたは4−グアニジノフェニルメチルグリシルであり;そして上記1級アリールアルキルアミンは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0021】
本発明の第2の局面のなおも他の望ましい実施形態において、本化合物は、上記配列のアミノ末端に付着されたG1、上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記配列のアミノ末端に付着されたG1および上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。望ましくは、上記アシル基は、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;そして上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;そして上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。
【0022】
本発明の第3の局面は、式M1E2E3S4K5Q6L7Q8L9を特徴とする配列(例えば、アミノ酸配列)を含む化合物を特徴とし、ここで、この化合物は、25以下のアミノ酸長であり、この化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
M1は、残基なし、メチオニン、バリン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
E2およびE3は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸、トリメシン酸またはアルファ,オメガ−ジカルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸またはアゼライン酸)またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
S4は、残基なし、セリン、トレオニン、アロトレオニン、ヒドロキシプロリン、ベータ−ヒドロキシバリン、バリンまたはηであり、ここで、ηは、中性の親水性アミノ酸であり;
K5は、残基なし、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、シトルリン、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ピリジルアラニンまたはアルギニン代替物であり;
Q6は、残基なし、アラニン、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンまたはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
L7は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
Q8は、残基なし、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンまたはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;そして
L9は、残基なし、ロイシン、イソロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0023】
本発明の第3の局面の望ましい実施形態において、本化合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。望ましくは、本発明の第3の局面の化合物は、2、3、4、5、6、7、8または9個のD−アミノ酸を含むか、または完全にD−アミノ酸からなる。別の望ましい実施形態において、本化合物は、逆−Dもしくは逆−LペプチドまたはL−およびD−アミノ酸の組み合わせを含む逆ペプチドである。
【0024】
本発明の第3の局面の他の望ましい実施形態において、上記中性アミノ酸は、ヒドロキシバリン、ベータ,ベータ−ジアルキルセリン、ホモ−セリン、アロトレオニンまたはヒドロキシプロリンであり;上記の疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;そして上記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンであり;上記アルギニン代替物は、4−アミジノフェニルアセチル、4−アミジノフェニルプロピオニル、4−アミジノフェニルグリシル、4−アミジノフェニルメチルグリシル、4−グアニジノフェニルアセチル、4−グアニジノフェニルプロピオニル、4−グアニジノフェニルグリシルまたは4−グアニジノフェニルメチルグリシルであり;そして上記1級アリールアルキルアミンは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0025】
本発明の第3の局面の他の望ましい実施形態において、本化合物は、配列MEESKQLQL(配列番号2)、MAESKQLQL(配列番号19)、MAASKQLQL(配列番号20)、ESKQLQL(配列番号21)、MEESKQLQI(配列番号22)、MEESKQL(配列番号23)、MEESKQ(配列番号24)、MEESQQLQI(配列番号25)、EESKQLQL(配列番号26)、VQAANALGMEESKQLQLHLDDLVL(配列番号27)またはLVLDDLHLQLQKSEEMGLANAAQV(配列番号28)からなり、ここで、望ましくは、少なくとも1つのアミノ酸は、D−アミノ酸である。
【0026】
本発明の第3の局面のさらなる実施形態において、本化合物は、上記配列のアミノ末端に付着されたG1、上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記配列のアミノ末端に付着されたG1および上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。望ましくは、上記アシル基は、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;そして上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0027】
本発明の第4の局面は、式L1P2D3E4V5T6C7V8を特徴とする配列(例えば、アミノ酸配列)を含む化合物を特徴とし、ここで、この化合物は、25以下のアミノ酸長であり、この化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
L1は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
P2は、残基なし、プロリン、アラニン、N−メチルグリシン、N−イソブチルグリシン、アミノイソ酪酸(Aib)、N−メチル−L−アラニン(MeAla)、trans−4−ヒドロキシプロリン、ジエチルチアゾリジンカルボン酸(Dtc)またはΩであり、ここで、Ωは、構造制約生成(conformational constraint−producing)アミノ酸であり;
D3は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
E4は、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
V5は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
T6は、残基なし、トレオニン、フェニルアラニン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸を定義し;
C7は、残基なし、システイン、セリン、ホモセリン、ホモシステイン、トレオニン、メチオニン、N−アセチルシステイン、シスタチオニン、2−アミノブチレートまたはβ,β−ジメチルシステイン(ペニシラミン)であり、;そして
V8は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0028】
本発明の第4の局面の望ましい実施形態において、本化合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。望ましくは、本発明の第4の局面の化合物は、2、3、4、5、6、7もしくは8個のD−アミノ酸を含むか、または完全にD−アミノ酸からなる。別の望ましい実施形態において、本化合物は、逆−Dもしくは逆−LペプチドまたはL−およびD−アミノ酸の組み合わせを含む逆ペプチドである。
【0029】
本発明の第4の局面の他の望ましい実施形態において、上記の疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;そして上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0030】
本発明の第4の局面のさらなる望ましい実施形態において、上記の疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。
【0031】
本発明の第4の局面のさらに望ましい実施形態において、上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンであり;上記構造制約生成アミノ酸は、アゼチジン−2−カルボン酸、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、4−(アミノメチル)安息香酸、2−アミノ安息香酸またはニペコチン酸であり;そして上記1級アリールアルキルアミンは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0032】
本発明の第4の局面のなおも他の望ましい実施形態において、本化合物は、上記配列のアミノ末端に付着されたG1、上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記配列のアミノ末端に付着されたG1および上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。望ましくは、上記アシル基は、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;そして上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0033】
本発明の第5の局面は、配列番号1〜5のいずれか1つのアミノ酸配列をコードする単離された核酸配列を含むベクターを特徴とする。本発明の第6の局面は、本発明の第5の局面のベクターを含む細胞を特徴とする。本発明の第6の局面の望ましい実施形態において、その細胞は、原核細胞または真核細胞である。
【0034】
本発明の第7の局面は、本発明の最初の4つの局面または第11の局面のうちのいずれか1つの化合物を発現する細胞を特徴とする。本発明の第7の局面の望ましい実施形態において、その細胞は、原核細胞または真核細胞である。
【0035】
本発明の第8の局面は、本発明の最初の4つの局面または第11の局面のうちのいずれか1つの化合物を含む薬学的組成物を特徴とする。
【0036】
本発明の第9の局面は、自己免疫障害または炎症性障害を処置する方法を特徴とする。この方法は、その必要のある被験体に、有効な用量の本発明の最初の4つの局面のうちのいずれか1つの化合物を投与する工程を包含する。本発明の第9の局面の望ましい実施形態において、その自己免疫障害または炎症性障害は、炎症性腸疾患、乾癬または多発性硬化症である。本発明の第9の局面の別の望ましい実施形態において、本化合物は、抗炎症性化合物と組み合わせて投与される。望ましくは、本化合物は、経口的に投与される。
【0037】
本発明の第10の局面は、本発明の最初の4つの局面のうちのいずれか1つの化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズする能力を阻害するか、または増強する候補化合物を同定する方法を特徴とする。この方法は、(i)本発明の最初の4つの局面のうちのいずれか1つの化合物の存在下において、インターロイキン23レセプターをその候補化合物と接触させる工程;および(ii)その候補化合物と接触していないコントロールと比較して、そのインターロイキン23レセプターの生物学的活性の増加または減少についてアッセイする工程(ここで、そのコントロールと比較して生物学的活性の減少は、その候補化合物が、本発明の最初の4つの局面のうちのいずれか1つの化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズする能力を増強することを示唆し、そしてそのコントロールと比較して生物学的活性の増加は、その候補化合物が、本発明の最初の4つの局面のうちのいずれか1つの化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズする能力を阻害することを示唆する)を包含する。
【0038】
本発明の第10の局面の望ましい実施形態において、本発明の最初の4つの局面のうちのいずれか1つの化合物は、検出可能なシグナルを直接または間接的に提供する部分で標識されている。望ましくは、その部分は、放射標識(例えば、125I、14Cまたは3H)であるか、またはその部分は、アルカリホスファターゼもしくは西洋ワサビペルオキシダーゼである。
【0039】
本発明の第11の局面は、式D1L2S3S4G5Y6P7P8D9I10を特徴とする配列(例えば、アミノ酸配列)を含む化合物を特徴とし、ここで、この化合物は、25以下のアミノ酸長であり、この化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアゴナイズし、ここで;
D1は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり;ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
L2は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
S3およびS4は、各々独立して、残基なし、セリン、トレオニン、アロトレオニン、ヒドロキシプロリン、ベータ−ヒドロキシバリン、バリンまたはηであり、ここで、ηは、中性の親水性アミノ酸であり;
G5は、残基なし、グリシン、アラニン、イソロイシンバリン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
Y6は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
P7およびP8は、各々独立して、残基なし、プロリン、アラニン、N−メチルグリシン、N−イソブチルグリシン、アミノイソ酪酸(Aib)、N−メチル−L−アラニン(MeAla)、trans−4−ヒドロキシプロリン、ジエチルチアゾリジンカルボン酸(Dtc)またはΩであり、ここで、Ωは、構造制約生成アミノ酸であり;
D9は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり;ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;そして
I10は、残基なし、イソロイシンバリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0040】
本発明の第11の局面の望ましい実施形態において、本化合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、本発明の第11の局面の化合物は、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のD−アミノ酸を含むか、または完全にD−アミノ酸からなる。別の望ましい実施形態において、本化合物は、逆−Dもしくは逆−LペプチドまたはL−およびD−アミノ酸の組み合わせを含む逆ペプチドである。
【0041】
本発明の第11の局面の他の望ましい実施形態において、上記中性アミノ酸は、ヒドロキシバリン、ベータ,ベータ−ジアルキルセリン、ホモ−セリン、アロトレオニンまたはヒドロキシプロリンであり;上記の疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり;そして上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0042】
本発明の第11の局面のさらなる望ましい実施形態において、上記の疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。
【0043】
本発明の第11の局面のなおも他の望ましい実施形態において、上記構造制約生成アミノ酸は、アゼチジン−2−カルボン酸、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、4−(アミノメチル)安息香酸、2−アミノ安息香酸またはニペコチン酸であり;そして上記1級アリールアルキルアミンは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0044】
本発明の第11の局面のさらに望ましい実施形態において、本化合物は、上記配列のアミノ末端に付着されたG1、上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記配列のアミノ末端に付着されたG1および上記配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1およびは、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。望ましくは、上記アシル基は、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルであり;上記の1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンであり、そして上記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0045】
本発明の第12の局面は、本発明の第11の局面の化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアゴナイズする能力を阻害するか、または増強する候補化合物を同定する方法を特徴とする。この方法は、(i)本発明の第11の局面の化合物の存在下において、インターロイキン23レセプターをその候補化合物と接触させる工程;および(ii)その候補化合物と接触していないコントロールと比較して、そのインターロイキン23レセプターの生物学的活性の増加または減少についてアッセイする工程(ここで、そのコントロールと比較して生物学的活性の減少は、その候補化合物が、本発明の第11の局面の化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアゴナイズする能力を阻害することを示唆し、そしてそのコントロールと比較して生物学的活性の増加は、その候補化合物が、本発明の第11の局面の化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアゴナイズする能力を増強することを示唆する)を包含する。
【0046】
本発明の第12の局面の望ましい実施形態において、本発明の第11の局面の化合物は、検出可能なシグナルを直接または間接的に提供する部分で標識されている。望ましくは、その部分は、放射標識(例えば、125I、14Cまたは3H)であるか、またはその部分は、アルカリホスファターゼもしくは西洋ワサビペルオキシダーゼである。
【0047】
定義
別段定義されない限り、本明細書中で使用される科学用語および科学技術用語ならびに命名法は、本発明が属する分野の当業者が通常理解している意味と同じ意味を有する。分子生物学用語の通常理解されている定義は、例えば、Singletonら、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology,2nded.(1994,John Wiley & Sons,NY)、The Harper Collins Dictionary of Biology(Hale & Marham,1991,Harper Perennial,New York,NY)Riegerら、Glossary of genetics:Classical and molecular,5thedition,Springer−Verlag,New York,1991;およびLewin,Genes VII,Oxford University Press,New York,2000に見られる。一般に、細胞培養、感染、分子生物学の方法などの手順は、当該分野において使用されている通常の方法である。そのような標準的な手法は、参考マニュアル(例えば、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience,New York,2001;およびSambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,N.Y.,2001)に見られる。
【0048】
本明細書中で使用されるとき、20種の天然のアミノ酸およびそれらの省略形は、慣例的な使用法に従う。非慣習的なアミノ酸およびそれらの立体異性体、例えば、D−アミノ酸、例えば、α,α−二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸などもまた、本発明のポリペプチドに適した構成要素であり得る。非慣習的なアミノ酸の例としては、シトルリン、オルニチン、ノルバリン、4−(E)−ブテニル−4(R)−メチル−N−メチルトレオニン(MeBmt)、N−メチル−ロイシン(MeLeu)、アミノイソ酪酸、スタチンおよびN−メチル−アラニン(MeAla)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
用語「芳香族アミン」とは、本明細書中で使用されるとき、6〜10個の炭素原子の環を有する分子のことを指す。例示的な芳香族アミンとしては、フェニルメチルアミン、フェニルエチルアミン、フェニルプロピルアミン、および飽和または不飽和の炭化水素鎖を含むアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
用語「アリールアルキルアミン」とは、本明細書中で使用されるとき、飽和または不飽和の炭化水素鎖を含むアミンのことを指す。1級アリールアルキルアミンは、6〜10個の炭素原子の環から構成される。例示的なアリールアルキルアミンとしては、フェニル、トリル、アルコキシフェニル、アルコキシカルボニルフェニルおよびハロフェニルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0051】
用語「アリール」は、本明細書中で使用されるとき、フェニル、1−ナフチルおよび2−ナフチルである。用語「置換アリール」は、本明細書中で使用されるとき、フェニル、ヘテロアリール、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、−NH(低級アルキル)および−N(低級アルキル)2からなる群から選択される置換基を有する、フェニル、1−ナフチルおよび2−ナフチルであり、ならびにメチル、メトキシ、メチルチオ、ハロ、ヒドロキシおよびアミノから選択される置換基を含む、一置換、二置換および三置換の、フェニル、1−ナフチルならびに2−ナフチルである。
【0052】
用語「アルキル」とは、本明細書中で使用されるとき、最大7個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のラジカルのことを指す。用語「低級アルキル」とは、本明細書中で使用されるとき、最大4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のラジカルのことを指し、用語「アルキル」に対する望ましい部分群である。
【0053】
用語「置換アルキル」とは、本明細書中で使用されるとき、最大7個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のラジカルのことを指し、ここで、1つ以上、望ましくは、1、2または3個の水素原子が、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、−NH(低級アルキル)、−N(低級アルキル)2、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、およびカルボキシ、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される置換基によって置換されている。
【0054】
本明細書中で使用されるとき、20種の天然に存在するL−アミノ酸およびそれらの省略形は、慣例的な使用法に従う。本明細書中で使用されるポリペプチドの表示法では、標準的な使用法および慣例に従って、左側方向が、アミノ末端方向であり、右側方向が、カルボキシ末端方向である。
【0055】
本明細書中で使用されるとき、用語「ペプチド」および「ポリペプチド」とは、多数のアミノ酸またはイミノ酸(またはそれらの等価物)をペプチド結合で含む高分子のことを指す。ペプチドは、望ましくは、25以下のアミノ酸長である。より望ましくは、ペプチドは、5〜15または5〜10アミノ酸長(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸長)である。ペプチドまたはポリペプチドは、翻訳後修飾を含んでいてもよいし、翻訳後修飾を欠いていてもよい。望ましい実施形態において、本ペプチドは、IL−23レセプターの可動部から得られ、望ましくは、本ペプチドは、その可動部に相補的であり、かつ標的化されるドメインの外形に従うように選択される。望ましくは、ペプチドおよびポリペプチドは、IL−23レセプターサブフラグメントペプチド(例えば、D−アミノ酸アンタゴニストペプチド、およびIL−23レセプター活性を阻害することができるペプチドの他の誘導体)である。望ましくは、ペプチド誘導体は、N末端またはC末端のアミノ酸においてD−アミノ酸を含む。望ましい実施形態において、ペプチドは、2305、2307、2309、2303もしくは2301ペプチドまたは本明細書中に記載される式I、II、III、IVもしくはVのペプチドである。例示的な修飾としては、N末端のアセチル化、グリコシル化、ペグ化およびビオチン化が挙げられる。例えば、ポリペプチドは、相互作用ドメインの生物学的活性を変化させることなく、安定性を高めるように修飾され得る。
【0056】
さらに、ペプチドは、特定のサイトカインレセプターの活性化(例えば、オリゴマー化)を阻害する特性を別々に有するが、可動部内で連続しない、2つのペプチドの配列から構成され得る。そのようなペプチドは、内部欠失を有する特定のサイトカインレセプターに対応する配列を有するとも記載され得る。
【0057】
用語「逆−Dペプチド」とは、本明細書中で使用されるとき、L−アミノ酸を含むペプチドに対して逆配列で配列される、D−アミノ酸を含むペプチドのことを指す。例えば、L−アミノ酸ペプチドのC末端残基は、D−アミノ酸ペプチドに対するN末端になるなど。逆D−ペプチドは、望ましくは、L−アミノ酸ペプチドと、同じ3次構造ひいては同じ活性を保持するが、望ましくは、インビトロおよびインビボにおいて酵素的分解に対してより安定であり、ゆえに、もとのペプチドよりも高い治療的な有効性を有し得る(Brady and Dodson,Nature 368:692−693,1994;およびJameson and McDonnel,Nature 368:744−746,1994)。
【0058】
用語「逆−Lペプチド」とは、本明細書中で使用されるとき、親ペプチドに対して逆配列で配列される、L−アミノ酸を含むペプチドのことを指す。親ペプチドのC末端の残基は、逆−Lペプチドに対するN末端になるなど。
【0059】
本明細書中で使用されるとき、「アンタゴニスト」、「ペプチドアンタゴニスト」または「IL−23レセプターアンタゴニスト」とは、IL−23レセプターの生物学的活性を(完全または部分的に)阻害することができる化合物のことを指す。用語「アンタゴニスト」、「ペプチドアンタゴニスト」または「IL−23レセプターアンタゴニスト」は、アンタゴニスト特性を有する公知の化合物の増強物質も包含する。
【0060】
本明細書中で使用されるとき、「アゴニスト」、「ペプチドアゴニスト」または「IL−23レセプターアゴニスト」とは、IL−23レセプターの生物学的活性を刺激することができる化合物のことを指す。用語「アゴニスト」、「ペプチドアゴニスト」または「IL−23レセプターアゴニスト」は、アゴニスト特性を有する公知の化合物の増強物質も包含する。
【0061】
本明細書中で使用されるとき、呼称「機能的誘導体」とは、アミノ酸配列の機能的誘導体の文脈において、もとの配列の生物学的活性(機能または構造)と実質的に類似のものを保持している分子のことを意味する。望ましくは、機能的誘導体または機能的等価物は、天然の誘導体であるか、または合成的に調製される。例示的な望ましい機能的誘導体は、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失または付加を有するアミノ酸配列を含むが、ただし、そのタンパク質の生物学的活性は、保存されている(例えば、それは、IL−23レセプターの非競合的アンタゴニストとして作用する)。置換するアミノ酸は、望ましくは、置換されるアミノ酸の物理化学特性と類似の物理化学特性を有する。望ましい類似の物理化学特性としては、電荷、かさ高さ、疎水性、親水性(hydrophylicity)などの類似性が挙げられる。用語「機能的誘導体」は、本明細書中に開示されるIL−23レセプター結合ペプチドの「フラグメント」、「アナログ」または「化学誘導体」をさらに包含する。
【0062】
用語「生物学的活性」または「IL−23レセプター活性」とは、IL−23レセプターの検出可能な任意の生物学的活性のことを指す。その活性には、望ましくは、IL−23レセプタータンパク質の特異的な生物学的活性(例えば、IL−23誘導性のTNFαまたはSTAT3(シグナル伝達性転写因子3)リン酸化の測定値)が包含される。生物学的活性には、例えば、IL−23レセプターへの、化合物、基質、相互作用タンパク質などの結合も包含される。例えば、阻害するか、または増加する(すなわち、IL−23の応答またはIL−23レセプターの結合もしくは相互作用を調節する)能力に対する被験化合物の作用の測定は、本発明に記載のIL−23レセプターの生物学的活性の測定を包含する。IL−23レセプターの活性または生物学的活性はまた、このレセプターの任意の生化学的な測定値、コンホメーション変化、リン酸化状態、そのレセプターのシグナル伝達の任意の下流の作用(例えば、タンパク質リン酸化(または他の任意の翻訳後修飾、例えば、ユビキチン化、SUMO化(sumolylation)、パルミトイル化(palmytotoylation)、プレニル化など)、キナーゼ作用または当該分野で公知の手法を用いて測定され得るそのペプチドの他の任意の特徴)を包含する。
【0063】
IL−23レセプターの生物学的活性は、本明細書中に記載されるリン酸化(phosporylation)、TNFα産生および組織学的アッセイをはじめとした、当該分野において標準的な種々の方法を用いて測定され得る。
【0064】
用語「バリアント」とは、アミノ酸配列に関連して本明細書中で使用されるとき、構造が実質的に同一のペプチドまたはポリペプチドのことを指し、バリアントは、それが基づいているペプチドまたはポリペプチドの生物学的活性の少なくとも1つを維持している。同様に、用語「バリアント」とは、核酸配列に関連して本明細書中で使用されるとき、それが基づいている核酸配列と構造が実質的に同一の核酸配列のことを指し、バリアントは、そのバリアントが基づいている核酸配列によってコードされるペプチドまたはポリペプチドの生物学的活性の少なくとも1つを有するペプチドまたはポリペプチドをコードする。
【0065】
用語「被験体」または「患者」とは、本明細書中で使用されるとき、処置、観察または実験の対象である哺乳動物、望ましくは、ヒトのことを指す。
【0066】
用語「阻害する」、「減少する」、「妨げる」もしくは「アンタゴナイズする」またはこれらの用語の任意の変化形は、本明細書中で使用されるとき、生物学的活性の測定可能な減少のことを指す。望ましくは、その減少は、コントロールと比較して、生物学的活性の20%、40%、60%、80%、90%または95%の減少である。望ましくは、その測定可能な減少は、生物学的活性の完全な阻害である。例えば、ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物は、細胞とペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物とを接触させた後にTNFα産生またはSTAT3リン酸化の減少が、そのペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物と接触していないコントロール細胞と比較して測定されるとき、IL−23レセプター活性を阻害すると見いだされる。
【0067】
用語「刺激する」、「増加する」もしくは「アゴナイズする」またはこれらの用語の任意の変化形は、本明細書中で使用されるとき、生物学的活性の測定可能な増加のことを指す。望ましくは、その増加は、コントロールと比較して、生物学的活性の20%、40%、60%、80%、90%または95%の増加である。例えば、ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物は、細胞とペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物とを接触させた後にTNFα産生またはSTAT3リン酸化の増加が、そのペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物と接触していないコントロール細胞と比較して測定されるとき、IL−23レセプター活性を刺激すると見いだされる。
【0068】
本明細書中で使用されるとき、用語「精製された」とは、ある分子を天然に伴う他の成分から分離された分子(例えば、IL−23レセプター、ペプチド、ペプチド誘導体、ペプチド模倣物または核酸配列)のことを指す。したがって、例えば、「精製されたペプチド」は、天然において見られないレベルまで精製されている。「実質的に純粋な」分子は、それを天然に伴う他のほとんどの成分を有しない分子、例えば、50重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%または100重量%純粋である分子である。実質的に純粋なペプチドは、化学合成、天然の起源からのペプチドの分離、またはそのペプチドを天然には生成しない組換え宿主細胞におけるそのペプチドの生成によって入手され得る。
【0069】
核酸配列に関連して「単離された」とは、その単離された核酸配列が由来する天然に存在する遺伝子において、その核酸配列の側に位置する核酸配列が存在しない核酸配列のことを意味する。ゆえに、この用語には、例えば、ベクター;自己複製するプラスミドもしくはウイルス;または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNAに組み込まれているか;あるいは他の配列とは独立した別個の分子(例えば、cDNAもしくはゲノムDNA、またはPCRもしくは制限エンドヌクレアーゼ消化によって生成されたcDNAフラグメント)として存在する、組換えDNAが包含される。この用語はまた、さらなるポリペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNAも包含する。
【0070】
対照的に、用語「粗」は、天然ではある化合物を伴う成分から分離されていない化合物のことを意味する。ゆえに、用語「分離する」または「精製する」とは、生物学的サンプルの1つ以上の成分を、そのサンプルの他の1つ以上の成分から取り出す方法のことを指す。化合物、例えば、ペプチドは、Ausubelら(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York,2000)によって説明されているものなどの標準的な手法を用いて当業者によって精製され得る。その化合物は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、カラムクロマトグラフィ、光学濃度、HPLC解析またはWestern解析(Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York,2000)を用いて測定されるとき、好ましくは出発物質よりも少なくとも2、5または10倍純粋である。精製の好ましい方法としては、塩析、ゲル濾過、疎水性相互作用クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、レクチンクロマトグラフィ、逆相クロマトグラフィならびにこれらの方法の組み合わせが挙げられる。ペプチドから分離される例示的な成分としては、他の成分(例えば、タンパク質、炭水化物または脂質)を含み得る、通常水性の溶液中の核酸が挙げられる。
【0071】
「実質的に同一」とは、参照アミノ酸配列または参照核酸配列に対して、少なくとも40%、好ましくは、50%、60%、70%、75%または80%、より好ましくは、85%、90%または95%、最も好ましくは、99%の同一性を示すポリペプチド配列または核酸配列のことを意味する。ポリペプチドの場合、比較配列の長さは、一般に、少なくとも5、6、7、8、9、10または15連続アミノ酸、好ましくは、少なくとも20連続アミノ酸、より好ましくは、少なくとも25、50、75、90、100、150、200、250または300連続アミノ酸、最も好ましくは、完全長アミノ酸配列である。核酸の場合、比較配列の長さは、一般に、少なくとも45連続ヌクレオチド、好ましくは、少なくとも60連続ヌクレオチド、より好ましくは、少なくとも75、150、250、300、450、600、750または900連続ヌクレオチド、最も好ましくは、完全長ヌクレオチド配列である。
【0072】
用語「薬学的に許容可能なキャリア」とは、ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物の生物学的活性の有効性を干渉せず、かつそれを投与される被験体(例えば、ヒト患者)に対して毒性でない、キャリア媒質のことを指す。
【0073】
「治療的に有効な」または「薬学的に有効な」量とは、所望の効果を誘導するのに十分な、本発明のペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物の量のことを指す。そのような結果は、徴候、症状もしくは障害の原因の軽減もしくは低減、または標的の生理学的な系の他の任意の所望の変化であり得る。例えば、本発明の化合物は、細胞および/または組織の生理学またはホメオスタシスがIL−23またはIL−23レセプターの産生または反応の欠陥によって損なわれる自己免疫障害または炎症性障害の処置において治療的な価値を有する。望ましくは、その自己免疫障害は、炎症性腸疾患、乾癬などの炎症性皮膚障害、または多発性硬化症である。
【0074】
「自己免疫障害」とは、本明細書中で使用されるとき、自身の免疫系による身体の組織の攻撃に起因する障害のことを指す。望ましくは、この自己免疫疾患は、真性糖尿病(diabetes melitus)、多発性硬化症、早発性卵巣機能不全、強皮症、シェーグレン疾患、狼瘡、脱毛症(禿頭症)、多腺性不全(polyglandular failure)、グレーブス病、甲状腺機能低下、多発性筋炎(polymyosititis)、セリアック病、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝炎、下垂体機能低下症、ギランバレー症候群、心筋炎(myocardititis)、アジソン病、自己免疫性皮膚疾患(例えば、乾癬)、ブドウ膜炎(uveititis)、悪性貧血、リウマチ性多発筋痛症、グッドパスチャー症候群、副甲状腺機能低下症、橋本甲状腺炎(Hashimoto’s thyoriditis)、レイノー現象、リウマチ性多発筋痛(polymyaglia rheumatica)および関節リウマチである。
【0075】
「炎症性障害」とは、本明細書中で使用されるとき、免疫系が異常に活性化されている任意の疾患、障害もしくは状態、またはIL−23レセプターの活性化がもたらされる損傷のことを指す。望ましくは、その疾患、障害または状態は、上気道および下気道の疾患、例えば、気管支喘息、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息、リンパ腫性気管気管支炎、アレルギー性過敏症または過分泌状態(例えば、慢性気管支炎および嚢胞性線維症);様々な病因の肺線維症(例えば、特発性肺線維症)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、サルコイドーシス、アレルギー性および非アレルギー性の鼻炎;アレルギー性または非アレルギー性のじんま疹;調節解除された炎症、組織リモデリング、血管新生および新生物を特徴とする皮膚関連疾患、消化管の疾患(例えば、クローン病、ヒルシュスプルング病、下痢、吸収不良状態および炎症状態);中枢神経系および末梢神経系の障害(例えば、うつ、不安状態、パーキンソン病、片頭痛および他の形態の頭側疼痛、脳卒中、嘔吐);脾臓組織およびリンパ組織におけるような免疫系の疾患、自己免疫疾患または他の免疫関連疾患;心臓血管系の疾患、例えば、肺浮腫、高血圧症、アテローム性動脈硬化症、子癇前症、2型複合性局所性疼痛症候群、脳卒中および慢性炎症性疾患、例えば、関節炎、骨関連疾患、例えば、関節リウマチ、および疼痛、慢性疼痛、例えば、線維筋痛症、ならびにニューロキニン、タキキニンまたは他の関連物質(例えば、ヘモキニン(hemokinins))の作用がその病原、病理および病因に関与する他の障害である。
【0076】
炎症性障害のさらなる例としては、尋常性ざ瘡;急性呼吸窮迫症候群;アジソン病;アレルギー性眼内炎症性疾患、ANCA関連小血管血管炎;強直性脊椎炎;アトピー性皮膚炎;自己免疫性溶血性貧血;自己免疫性肝炎;ベーチェット病;ベル麻痺;水疱性類天疱瘡;脳虚血;肝硬変;コーガン症候群;接触皮膚炎;クッシング症候群;皮膚筋炎;真性糖尿病;円板状エリテマトーデス;ループス腎炎;好酸球性筋膜炎;結節性紅斑;剥脱性皮膚炎;巣状糸球体硬化症;巣状分節状糸球体硬化症;分節状糸球体硬化症;巨細胞性動脈炎;痛風;痛風関節炎;移植片対宿主病;手湿疹;ヘノッホシェーンライン紫斑病;妊娠性疱疹;多毛症;特発性角膜−強膜炎;特発性血小板減少性紫斑病;免疫性血小板減少性紫斑病、炎症性腸障害または炎症性胃腸障害、炎症性皮膚疾患;扁平苔癬;リンパ腫性気管気管支炎;黄斑浮腫;多発性硬化症;重症筋無力症;筋炎;非特異的な線維化肺疾患;変形性関節症;膵炎;妊娠性類天疱瘡;尋常性天疱瘡;歯根膜炎;結節性多発性動脈炎;リウマチ性多発筋痛症;陰嚢そう痒症;そう痒症/炎症、乾癬;乾癬性関節炎;肺ヒストプラスマ症;再発性多発性軟骨炎;サルコイドーシスが原因の酒さ;強皮症が原因の酒さ;Sweet症候群が原因の酒さ;全身性エリテマトーデスが原因の酒さ;じんま疹が原因の酒さ;帯状疱疹関連痛が原因の酒さ;サルコイドーシス;強皮症;敗血症性ショック症候群;肩腱炎または滑液包炎;シェーグレン症候群;スチル病;Sweet病;全身性エリテマトーデス;全身性硬化症;高安動脈炎;側頭動脈炎;中毒性表皮壊死症;移植片拒絶および移植片拒絶関連症候群;結核;1型糖尿病;潰瘍性大腸炎;ブドウ膜炎;血管炎;およびヴェゲナー肉芽腫症が挙げられる。望ましくは、上記自己免疫障害は、炎症性腸疾患、乾癬などの炎症性皮膚障害または多発性硬化症である。
【0077】
「抗炎症性」化合物とは、本明細書中で使用されるとき、被験体における炎症を減少させる化合物のことを指す。望ましくは、抗炎症性化合物は、IL−23レセプター活性を低下させる。望ましい実施形態において、抗炎症性化合物は、糖質コルチコイドなどのステロイドである。望ましくは、その糖質コルチコイドは、11−アルファ,17−アルファ,21トリヒドロキシプレグン−4−エン−3,20−ジオン;11−ベータ,16−アルファ,17,21−テトラヒドロキシプレグン−4エン−3,20−ジオン;11−ベータ,16−アルファ,17,21−テトラヒドロキシプレグン−1,4−ジエン−3,20−ジオン;11−ベータ,17−アルファ,21−トリヒドロキシ−6−アルファ(arpha)−メチルプレグン−4−エン−3,20−ジオン;11−デヒドロコルチコステロン;11−デオキシコルチゾール;11−ヒドロキシ−1,4−アンドロスタジエン−3,17−ジオン;11−ケトテストステロン;14−ヒドロキシアンドロスト−4−エン−3,6,17−トリオン;15,17−ジヒドロキシプロゲステロン;16−メチルヒドロコルチゾン;17,21−ジヒドロキシ−16−アルファ−メチルプレグナ−1,4,9(11)−トリエン−3,20−ジオン;17−アルファ−ヒドロキシプレグン−4−エン−3,20−ジオン;17−アルファ−ヒドロキシプレグネノロン;17−ヒドロキシ−16−ベータ−メチル−5−ベータ−プレグン−9(11)−エン−3,20−ジオン;17−ヒドロキシ−4,6,8(14)−プレグナトリエン−3,20−ジオン;17−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3,20−ジオン;18−ヒドロキシコルチコステロン;18−ヒドロキシコルチゾン;18−オキソコルチゾール;21−デオキシアルドステロン;21−デオキシコルチゾン;2−デオキシエクジソン;2−メチルコルチゾン;3−デヒドロエクジソン;4−プレグネン−17−アルファ,20−ベータ,21−トリオール−3,11−ジオン;6,17,20−トリヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン;6−アルファ−ヒドロキシコルチゾール;6−アルファ−フルオロプレドニゾロン、6−アルファ−メチルプレドニゾロン、6−アルファ−メチルプレドニゾロン21−アセテート、6−アルファ−メチルプレドニゾロン21−ヘミスクシネートナトリウム塩、6−ベータ−ヒドロキシコルチゾール、6−アルファ,9−アルファ−ジフルオロプレドニゾロン21−アセテート17−ブチレート、6−ヒドロキシコルチコステロン;6−ヒドロキシデキサメタゾン;6−ヒドロキシプレドニゾロン;9−フルオロコルチゾン;アルクロメタゾン;アルドステロン;アルゲストン;アルファダーム(alphaderm);アマジノン(amadinone);アムシノニド;アナゲストン;アンドロステンジオン;酢酸アネコルタブ;ベクロメタゾン;ベタメタゾン;ベタメタゾン17−バレレート;ベタメタゾン酢酸ナトリウム;ベタメタゾンリン酸ナトリウム;ベタメタゾンバレレート;ボラステロン(bolasterone);ブデソニド(budesonide);カルステロン;クロルマジノン;クロロプレドニゾン;酢酸クロロプレドニゾン;コレステロール;シクレソニド;クロベタゾール;クロベタゾン;プロピオン酸クロベタゾール;クロコルトロン;ピバル酸クロコルトロン;クロゲストン;クロプレドノール;コルチコステロン;コルチゾール;酢酸コルチゾール;酪酸コルチゾール;コルチゾールシピオネート;オクタン酸コルチゾール;コルチゾールリン酸ナトリウム;コルチゾールコハク酸ナトリウム;コルチゾールバレレート;21−デオキシコルチゾール;コルチゾン;酢酸コルチゾン;コルチバゾール;コルトドキソン;ダツラオロン(daturaolone);デフラザコート;デヒドロエピアンドロステロン;デルマジノン(delmadinone);デオキシコルチコステロン;デプロドン;デシノロン(descinolone);デソニド;デスオキシメタゾン;デキサフェン(dexafen);デキサメタゾン;デキサメタゾン21−アセテート;デキサメタゾンリン酸ナトリウム;ジクロリゾン;ジフロラゾン;二酢酸ジフロラゾン;ジフルコルトロン;ジヒドロエラテリシン(dihydroelatericin)a;ドモプレドネート(domoprednate);ドキシベタソール(doxibetasol);エクジソン;エクジステロン;エンドリソン(endrysone);エノキソロン;フルオシノロン(flucinolone);フルドロコルチゾン;酢酸フルドロコルチゾン;フルゲストン(flugestone);フルメタゾン;ピバル酸フルメタゾン;フルモキソニド(flumoxonide);フルニソリド;フルオシノロンアセトニド;フルオシノロン;9−フルオロコルチゾン;フルオシノニド;フルオコルトロン;フルオロヒドロキシアンドロステンジオン;フルオロメトロン;酢酸フルオロメトロン;フルオキシメステロン;フルプレドニデン;フルプレドニソロン;フルランドレノリド;フルランドレノロン;フルチカゾン;プロピオン酸フルチカゾン;ホルメボロン(formebolone);フォルメスタン;ホルモコータル(formocortal);ゲストノロン;グリデリニン(glyderinine);ハルシノニド;ハロメタゾン;ハロプレドン;ハロプロゲステロン;ヒドロコルチゾン(hydrocortiosone)シピオネート;ヒドロコルチゾン21−ブチレート;ヒドロコルチゾンアセポネート(aceponate);酢酸ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾンブテプレート;酪酸ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾン;シピオン酸ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾンヘミスクシネート;ヒドロコルチゾンプロブテート;ヒドロコルチゾンリン酸ナトリウム;ヒドロコルチゾンコハク酸ナトリウム;ヒドロコルチゾンバレレート;ヒドロキシプロゲステロン;ヒルカノシド(hyrcanoside);イノコステロン;イソフルプレドン(isoflupredone);酢酸イソフルプレドン;イソプレドニデン(isoprednidene);メクロリソン(meclorisone);メコルトロン(mecortolon);メドロゲストン;メドロキシプロゲステロン;メドリゾン;メゲストロール;酢酸メゲストロール;メレンゲストロール;メプレドニゾン;メタンドロステノロン;メチルプレドニゾロン;アセポン酸メチルプレドニゾロン;酢酸メチルプレドニゾロン;メチルプレドニゾロンヘミスクシネート;メチルプレドニゾロンコハク酸ナトリウム;メチルテストステロン;メトリボロン(metribolone);モメタゾン(mometasone);フロ酸モメタゾン;フロ酸モメタゾン一水和物;ニソン(nisone);ノメゲストロール;ノルゲストメト(norgestomet);ノルビニステロン(norvinisterone);オキシメステロン;パラメタゾン;酢酸パラメタゾン;ポナステロン;プレドニゾラメート(prednisolamate);プレドニゾロン;プレドニゾロン21−ヘミスクシネート;プレドニゾロンアセテート;プレドニゾロンファルネシレート;プレドニゾロンヘミスクシネート;プレドニゾロン−21(ベータ−D−グルクロニド);プレドニゾロンメタスルホベンゾエート;プレドニゾロンリン酸ナトリウム;プレドニゾロンステアグレート;プレドニゾロンテブテート;プレドニゾロンテトラヒドロフタレート;プレドニゾン;プレドニバル(prednival);プレドニリデン;プレグネノロン;プロシノニド(procinonide);トラロニド(tralonide);プロゲステロン;プロメゲストン;ラポンチステロン(rhapontisterone);リメキソロン(rimexolone);ロキシボロン(roxibolone);ルブロステロン(rubrosterone);スチゾフィリン(stizophyllin);チキソコルトール;トプテロン(topterone);トリアムシノロントリアムシノロンアセトニド;トリアムシノロンアセトニド21−パルミテート;トリアムシノロンジアセテート;トリアムシノロンヘキサアセトニド;トリメゲストン(trimegestone);ツルケステロン(turkesterone);またはワートマニンである。
【0078】
本明細書中で使用されるとき、用語「化合物」、「分子」、「作用物質(agent)」および「リガンド」とは、天然、合成または半合成の分子または化合物のことを指す。ゆえに、用語「化合物」は、例えば、化学物質、高分子、細胞または組織抽出物(植物または動物からの)などのことを表す。化合物の非限定的な例としては、ペプチド、ペプチド誘導体(derivaties)、ペプチド模倣物、抗体、炭水化物および医薬品が挙げられる。それらの作用物質は、ランダムスクリーニング、合理的な選択、および例えば、コンピュータモデリングなどのタンパク質またはリガンドのモデリング方法を用いる合理的な設計をはじめとした、種々の手段によって選択され得、スクリーニングされ得る。用語「合理的に選択された」または「合理的に設計された」とは、本発明の相互作用ドメインの配置に基づいて選択された化合物を定義すると意味される。当業者が理解するように、天然に存在しない修飾を有する高分子もまた、用語「化合物」の範囲内である。例えば、製薬業界において周知であり、一般にペプチドアナログと称されるペプチド模倣物は、本明細書中に記載されるようなモデリングによって生成され得る。
【0079】
ペプチド2301、2303、2305、2307および2309は、本明細書中でそれぞれペプチドAPG−2301、APG−2303、APG−2305、APG−2307およびAPG−2309とも呼ばれる。
【0080】
利点
本発明より以前は、レセプターを治療の標的として使用する試みは、それらの天然のリガンドのアナログに焦点を合わせ、同定してきた。リガンドは、本質的にリガンド結合部位(オルトステリック(orthosteric)部位)と相互作用する。しかしながら、このアプローチは、限定的な効果および/または過剰な望まれない副作用を示すことが多かった。対照的に、本明細書中に記載されるリガンドは、生理反応の時間空間的なサインを維持しつつ、レセプターのシグナル伝達効果を変化させることができる。
【0081】
また、密接な関係があるレセプター(例えば、レセプターサブタイプ)の内因性のリガンド結合ポケットは、高選択性のオルトステリックリガンドを得ることを困難にする強い進化的圧力に起因して、一般に、高度に保存されている(例えば、キナーゼドメイン)。アロステリック部位は、あまり保存されていないがゆえに、副作用の小さい選択的分子の開発に対して大きな潜在能力を提供すると考えられている。
【0082】
異なる下流の応答をもたらす独特のレセプターによって会合され得るシグナル伝達パートナーの最近認識された多様性を考慮すると(Terrillonら、EMBO Rep.5(1):30−4(2004))、アロステリックリガンドもまた、そのレセプターの特異的なシグナル伝達様式を標的化することによって、選択性への道を提供し得る。それゆえ、レセプターのアロステリック調節は、超分子のアセンブリーレベルにおいて起こるコンホメーション変化および相互作用のネットワークを解釈することによって、より大きな選択性をもたらす(Changeuxら、Science 308:1424−1428(2005);Christopolousら、Biochem Soc Trans 32:873−877(2004))。
【0083】
さらに、高親和性の選択的オルトステリックリガンドの同定は、いくつかのレセプターについて極めて困難であった。これは、脂質メディエーター、ケモカイン、成長因子およびサイトカインによって活性化されるレセプターに対する場合である。例えば、現在、約50種の異なるケモカインおよび18種のケモカインレセプターが同定されている。同定されたケモカインの数とケモカインレセプターの数の不均衡によって示唆されるように、これらのリガンドは、顕著なレセプター結合乱交を示すことが多い。多くのケモカインが、いくつかのレセプターに結合し、いくつかに対してはアゴニストとして作用し、その他に対してはアンタゴニストとして作用し(Loetscherら、J Leukoc Biol 69:881−884(2001))、そして、ほとんどのレセプターが、様々なリガンドに結合することができ、様々な結果がもたらされる(Ogilvieら、J Immunol 172:6715−6722(2004))。このことが、明らかに、選択的なオルトステリックケモカインリガンドの開発を困難にしている。別個であるが類似の環境では、サイトカインレセプターとそれらのリガンドとの広範な空間的相互作用は、これらのレセプターに対する首尾よいオルトステリックインヒビターの同定を妨げている。まとめると、上記の例は、レセプターのオルトステリックインヒビターに対するアロステリックなインヒビターの利点を強調するものである。
【0084】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、図面および請求項から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、IL−23レセプターの細胞外の部分のモデル化されたグラフィック表示である(このモデルは、Accelrys Discovery Studio 1.7ソフトウェアを使用して構築された)。この図の下部において、矢印が、原形質膜を指し示している。他の矢印は、ペプチドの生成のために標的化されるヒンジ領域を示している。2303、2305、2307および2309ペプチドの位置が示されており、これらのペプチドのアミノ酸配列が、カッコ内に記載されている(配列番号2、1、3および4)。
【図2】図2は、IL−23レセプターから設計されたペプチドの有効性スクリーニングの結果を示しているグラフである。HL−60ヒト単球を特定のペプチド(1μM)とともに30分間プレインキュベートし、IL−23(10ng/ml)で15分間刺激した。リン酸化されたSTAT3および全STAT3のウエスタンブロット解析を細胞可溶化物において行った。免疫ブロットデンシトメトリーを、ImagePro4+ソフトウェアを使用して測定した。ペプチド2301は、アゴニスト特性を示す(アロステリック調節と一致する)が、ペプチド2303、2307ならびに、より高い程度で2305および2309は、IL−23誘導性STAT3リン酸化をアンタゴナイズする。
【図3】図3Aおよび3Bは、IL−23誘導性STAT3リン酸化およびTNFα産生の阻害を示しているグラフである。図3Aは、PMA活性化HL−60単球におけるIL−23(10ng/ml)誘導性STAT3リン酸化の用量依存的阻害を示している。細胞可溶化物においてウエスタンブロット解析を行い、ImagePro4+ソフトウェアを使用して免疫ブロットデンシトメトリーを測定した。図3Bは、PMA活性化HL−60単球におけるIL−23(10ng/ml)誘導性TNFα産生の用量依存的阻害を示している。IL−23による刺激の24時間後に、Quantikine ELISA キット(R&D systems)を用いてTNFα産生をELISAによって定量化した。これらの様々なパラメータを用いて、STAT3リン酸化およびTNFαの測定値について、ほぼ同一のEmax(80〜85%)およびIC50約2nMが得られた。
【図4】図4Aおよび4Bは、ペプチドAPG−2305(1μM)およびAPG−2309(1μM)が、IL−23誘導性STAT3リン酸化を阻害することを示しているグラフである。図4Aは、新しく単離された脾細胞を用いて得られた結果を示しており、図4Bは、分化したTH17細胞を用いて得られた結果を示している。
【図5】図5は、25ng/mlのマウスIL−23の存在下において、マウス脾細胞におけるIL−23誘導性STAT3リン酸化に対するAPG−2305およびAPG−2309についての用量反応を示しているグラフである。
【図6】図6は、マウス脾細胞を用いるSTAT3リン酸化アッセイにおいてAPG−2305誘導体の有効性を示しているグラフである。
【図7】図7は、マウス脾細胞を用いるSTAT3リン酸化アッセイにおいてAPG−2309誘導体の有効性を示しているグラフである。
【図8】図8Aおよび8Bは、IL−23R結合ペプチドの特異性および選択性を示している一連のグラフおよびウエスタンブロットである。図8Aは、IL−23を発現している細胞へのペプチド2305の特異的な結合を示している。[125I]−2305結合を、PMA活性化HL−60細胞においてリン酸緩衝食塩水pH=7.4中で行った。[125I]で標識された、および標識されていない、ペプチド2305を、平衡させるために細胞とともに1時間インキュベートした。次いで、細胞を4回洗浄し、結合した放射能を、CobraII Autogammaガンマカウンター(Packard)を用いて測定した。IL−23Rをほとんど発現しない、活性化されていないHL−60細胞をネガティブコントロールとして使用した(IL−23レセプターのウエスタンブロットにおいて示される)。PMAによるIL−23R発現の頑強な増加が、2つ組のウエスタンブロットにおいて観察された。ペプチド2305は、そのチロシン上において[125I]で容易に標識され;チロシン(例えば、ペプチド2309)の非存在下では、[14C]で標識されたアミノ酸を使用することができる。図8Bは、IL−23アンタゴニストペプチドの選択性を示している。図8Bに示されるように、ペプチド2309は、IL−12誘導性のSTAT4(シグナル伝達性転写因子4)リン酸化を阻害しない。IL−12Rは、IL−23Rに非常に相同である。リン酸化されたSTAT4および全STAT4のウエスタンブロットを細胞可溶化物において行った。
【図9A】図9Aおよび9Bは、ラットにおける炎症性腸疾患のTNBS誘発性モデルにおけるペプチド2309の有効性を示している一連の像である。図9Aは、Sprague−DawleyラットにおけるIBDのTNBS誘発性モデルにおける結腸直腸の炎症の巨視的特徴に対するペプチド2309の保護作用の写真表示である。ペプチド2309で処置されたラットにおいて、炎症誘発性の浮腫および発赤の実質的な抑止が観察される。図9Bは、正常ラット、およびペプチド2309で処置されたかまたは処置されていないラットにおけるIBDのTNBS誘発性モデルにおける、結腸の粘膜および粘膜下層の代表的な組織像を示している。TNBS(10mg)誘発性IBDモデルにおいて、上皮の裸出、過剰な粘膜の白血球浸潤および血管の怒張が見られるのに対し、ペプチド2309処置は、陰窩および表面上皮を保存し、粘膜の白血球浸潤および血管怒張を正常なコントロール腸と識別不能な程度に著明に減少させる。
【図9B】図9Aおよび9Bは、ラットにおける炎症性腸疾患のTNBS誘発性モデルにおけるペプチド2309の有効性を示している一連の像である。図9Aは、Sprague−DawleyラットにおけるIBDのTNBS誘発性モデルにおける結腸直腸の炎症の巨視的特徴に対するペプチド2309の保護作用の写真表示である。ペプチド2309で処置されたラットにおいて、炎症誘発性の浮腫および発赤の実質的な抑止が観察される。図9Bは、正常ラット、およびペプチド2309で処置されたかまたは処置されていないラットにおけるIBDのTNBS誘発性モデルにおける、結腸の粘膜および粘膜下層の代表的な組織像を示している。TNBS(10mg)誘発性IBDモデルにおいて、上皮の裸出、過剰な粘膜の白血球浸潤および血管の怒張が見られるのに対し、ペプチド2309処置は、陰窩および表面上皮を保存し、粘膜の白血球浸潤および血管怒張を正常なコントロール腸と識別不能な程度に著明に減少させる。
【図10】図10Aおよび10Bは、PMA誘発性皮膚炎を処置する際の局所的抗IL−23Rペプチドの有効性を示している一連の像およびグラフである。PMA誘発性皮膚炎は、乾癬性皮膚炎によく似ている慢性(および剥離性(scaling))皮膚炎のモデルとして利用されることが多い。図10Aは、CD−1マウスにおいてPMA誘発性皮膚炎に続発する耳の発赤を減少させる、局所的に適用された抗IL−23Rペプチド(左耳)(PEG−400との混合)の有効性を証明している一連の代表的な写真である。図10Bは、PMAで処置されていないコントロール耳との耳パンチの重量(mg)の差を示しているグラフである。ペプチド2305および2307の局所的投与は、わずかな有効性を示したが、ペプチド2309は、耳浮腫の減少に非常に有効であった(重量の変化によって判断される)。
【図11】図11A〜11Cは、PMA誘発性皮膚炎におけるペプチド2309の局所的投与に対する用量反応を示している一連の像およびグラフである。図11Aは、CD−1マウスにおけるPMA誘発性皮膚炎に対する、ペプチド2309(PEG−400との混合)の局所的投与の用量依存的作用の写真表示である。100nM以上のペプチド2309の濃度が、有意な有効性を示す。図11Bに示されるように、PMA誘発性浮腫の用量依存的減少は、PMAに局所的に曝露された耳からのパンチおよびPMA+100nM以上の濃度のペプチド2309に曝露された耳の重量(mg)の差の拡大によっても検出され、図11Cに示されるように、ペプチド2309で処置された耳における毛細管漏出の減少(エバンスブルー技術を用いて定量化)によっても検出される。
【図12】図12は、PMA誘発性皮膚炎に対する2309ペプチドの腹腔内注射の効果を示している一連の像およびグラフである。1日目に、10μlのPMAの0.01%溶液(アセトン中v/v)をCD−1マウスの左耳の外表面上および内表面上に適用した(左のカラムにおける像)。24時間後、様々な用量の2309ペプチドを腹腔内注射した(0.1mg/kg/日;0.5mg/kg/日;1mg/kg/日、1日2回;各処置群についてn=4)。4日目(最後の2309注射の6時間後)に動物を屠殺した。次いで、すべての耳パンチの重量(右のカラム、上のグラフ)および厚さ(右のカラム、下のグラフ)を測定し、PMAとともにペプチドで処置された耳をPMAのみの耳と比較した。
【図13】図13Aおよび13Bは、PMA誘発性炎症に対するペプチドAPG−2305(図13A)およびAPG−2309(図13B)の作用を示しているグラフである。腹腔内投与は、「i.p.」と省略され(abreviated)、経口投与は、「p.o.」と省略されている。
【図14】図14は、実験的自己免疫性脳炎(EAE)に対するモデルにおけるAPG−2309ペプチドの有効性を示しているグラフである。四角が付されている線は、疾患を発症させたMOG(ミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質)を注射されたマウスを表しており、丸および三角が付されている線は、異なる濃度かつ異なる回数の腹腔内投与においてペプチドAPG−2309で処置された、MOGを注射されたマウスを表している。
【図15】図15は、ペプチドAPG−2309が小脳のEAE誘発性脱髄から保護することを示している一連の像である。動物をAPG−2309で1日に3回(3mg/kg/日)処置し、小脳を、スダンブラック染料を用いて染色した。
【図16】図16は、ペプチドAPG−2309が脊髄のEAE誘発性脱髄から保護することを示している一連の像である。動物をAPG−2309で1日に3回(3mg/kg/日)処置し、脊髄を、スダンブラック染料を用いて染色した。
【発明を実施するための形態】
【0086】
詳細な説明
本明細書中に記載されるIL−23レセプターのアンタゴニストおよびアゴニストは、IL−23レセプター活性をそれぞれ阻害するためか、または刺激するための独特の作用機構および作用部位を有する。特に、本明細書中に記載されるアンタゴニストペプチドおよびアゴニストペプチドは、膜近傍(juxtamembranous)領域、サイトカインレセプターのドメイン間の可動部、およびシグナル伝達を可能にするレセプターの適切なコンホメーションにとって重要なオリゴマー化部位を含む少なくとも1つの細胞外の可動部上に戦略的に位置する。望ましくは、その可動部は、そのレセプターが起こす適切なオリゴマー化およびそれによって生じる活性化に必要である。
【0087】
本明細書中に記載されるIL−23レセプターアンタゴニストのサブフラグメントまたはペプチドは、そのレセプター活性の阻害または活性化をもたらす、サイトカインレセプターの特定のコンホメーションを促進し得るか、または安定化させ得る。しかしながら、本明細書中に記載されるアンタゴニストは、オリゴマー化部位を必ずしも直接干渉しない。代わりに、本アンタゴニストは、例えば、IL−23レセプターの細胞外ドメインの(ホモ二量体ならびにヘテロ二量体のレセプターの)相補的なタンパク質鎖のオリゴマー化を直接または間接的に妨げることによってそのアンタゴニスト活性を発揮し得る。このプロセスは、機能に関与する細胞内レセプタードメインの活性化を効果的に妨げる。それによって、疾患発現に部分的に関与するリガンドおよび/または細胞結合型レセプターの過剰発現をもたらすその後のシグナル伝達事象が、妨げられる。
【0088】
あるいは、IL−23レセプターのサブフラグメントペプチドまたは誘導体は、シグナル伝達を可能にする活性なサイトカインレセプター構造を促進するためか、または安定化させるために使用され得る。そのようなペプチドは、アゴニストと考えられる。アゴニストの例としては、本明細書中に記載されるペプチド2301および式Vの化合物が挙げられる。
【0089】
本明細書中に記載される本発明より以前は、IL−23関連障害に対して標的化される唯一の処置法は、IL−12p40サブユニットに対するモノクローナル抗体、ならびにIL−12とIL−23の両方の形成を阻害する小分子(STA−5326)だった。これらの化合物を用いたヒトの治験ではいくつか成功したにもかかわらず(Burakoffら、Inflamm Bowel Dis 12:558−565(2006);Kasperら、Curr Med Res Opin 22:1671−1678(2006);Kruegerら、N Engl J Med 356:580−592(2007);Mannonら、N Engl J Med 351:2069−2079(2004))、欠点としては、それらのサイズおよびコスト(抗体)、ならびにIL−12の有益な効果を干渉することによる選択性の不足が挙げられる(がこれらに限定されない)。例えば、IL−12は、先天性免疫および免疫能において、立証された重要性を有する。IL−23は、おそらく、慢性炎症の誘導に必要な炎症細胞の活性化および動員にとって重要である(Bowmanら、Curr Opin Infect Dis 19:245−252(2006);Holscher,Curr Opin Investig Drugs 6:489−495(2005);Langrishら、Immunol Rev 202:96−105(2004))。ゆえに、IL−12とIL−23の両方とは対照的にIL−23だけを標的化することは、処置関連の有害作用(感染、腫瘍形成に対する高リスク)を減少させるだろうし、IL−12の潜在的な利点の干渉を妨害するだろう(Beckerら、J Immunol 177:2760−2764(2006);Camoglioら、Eur J Immunol 32:261−269(2002);Shirakiら、Lab Invest 84:1491−1500(2004)。本明細書中に記載されるのは、低分子の選択的なIL−23アンタゴニストである。
【0090】
IL−23レセプターの選択的な小分子インヒビターおよび低分子ペプチド(<10アミノ酸)インヒビターを作製するために、WO2007/004060に記載されているプラットフォーム技術を使用した。この技術は、リガンド結合部位とは異なる特異的な細胞外ドメインを標的化することによってレセプター誘発性の活性を干渉することに基づいて、サイトカイン(および成長因子)レセプターに対するペプチドアンタゴニストの作製を可能にする(Garrettら、Nature 394:395−399(1998);Wardら、Mol Pathol 54:125−132(2001))。作製された分子は、アロステリックなレセプターモジュレーター(modulators)の特性を示し、それらの分子は、非常に特異的である。
【0091】
IL−23R機能を特異的にアンタゴナイズする動力学的に安定な低分子D−ペプチド(≦10アミノ酸)の小さいライブラリーを、IL−23Rサブユニットに対して設計した。これらのペプチドを生成したところ、9個のペプチド中4個が、(ホルボールエステル)活性化ヒト単球においてIL−23誘導性のSTAT3リン酸化および腫瘍壊死因子(TNF)産生を高効率(約75〜95%)かつ高力価(IC50約2〜10nM)で阻害したと示した。それらのペプチドは、IL−12誘導性の効果を干渉しないので、それらは、IL−23含有細胞への特異的な結合を示し、かつIL−23Rに対して選択的である。最初の実験結果から、炎症性腸疾患(IBD)のモデルにおいて炎症の減少におけるこれらの低分子ペプチドの頑強な有効性が明らかになった(TNBS誘導性;Beckerら、J Immunol 177:2760−2764(2006);Camoglioら、Eur J Immunol 32:261−269(2002);Zhangら、Inflamm Bowel Dis 12:382−388(2006))。さらに、この実験結果は、本発明のペプチドが局所的または腹腔内に投与されるとき、PMA誘発性皮膚炎の処置における有効性を証明する(乾癬性皮膚炎のモデル;Rost,Enzymol 266:525−539(1996);Schon,J Investig Derm 112:405−410(1999));毒性は、パイロット研究では検出されなかった。
【0092】
本明細書中に記載されるIL−23Rアンタゴニストペプチドの有意な効果が証明されたので、これらのアンタゴニストおよび誘導体に対する構造と機能の関連データを、活性にとって最も重要な領域を同定するためにさらに調査する。ペプチドAPG−2303、−2305、−2309および−2307に対して、アラニンスキャン変異が行われ得る。スキャニング実験を行うために、アラニンの代わりに他のアミノ酸を使用し得る。さらに、それらのペプチドを(例えば、3’もしくは5’末端において、またはペプチド配列内の内部アミノ酸を欠失させることによって、1、2、3または4アミノ酸だけ)短縮し得、アミノ酸およびアミノ酸アナログが、それらのペプチドにおいて置換され得る。次いで、改変された化合物を、IL−23誘導性の生物学的活性に対する作用について再度試験し得る。例えば、それらの化合物は、活性化されたマクロファージ(例えば、HL60細胞)におけるIL−23(用量反応)誘導性のTNFαおよびSTAT3リン酸化、ならびにナチュラルキラー細胞(例えば、NK−92細胞)におけるIL−23誘導性のIL−17産生に対するそれらの作用を測定するために試験され得る。
【0093】
さらに、本発明の化合物およびそれらの誘導体は、それらがIL−12によって制御される経路(例えば、STAT4リン酸化)に影響を及ぼすか否かを判定することによって、最適化された抗IL−23化合物の選択性を測定することによって、さらに特徴付けられ得る。放射性リガンドの結合および化学的架橋もまた、IL−23RおよびIL−12Rβ1サブユニットでトランスフェクトされた細胞において行われることにより、それらの化合物のIL−23Rに対する選択性が測定され得る。
【0094】
本発明の例示的なIL−23レセプターアンタゴニストは、ペプチド2305、2307および2309から得られ、例示的なIL−23レセプターアゴニストは、以下に記載されるようなペプチド2301から得られる。ペプチドAPG−2305およびAPG−2309の特定の誘導体、ならびにそれらの活性もまた、以下に記載される。
【0095】
ペプチド2305
IL−23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズするペプチド2305(配列番号1)誘導体は、以下の式:
T1E2E3E4Q5Q6Y7L8 式I
を特徴とする配列を包含する。ここで、そのペプチドは、望ましくは、25以下のアミノ酸長、より望ましくは、5〜15アミノ酸長であり、ここで;
T1は、残基なし、トレオニン、フェニルアラニン、アラニンおよびΣから選択され、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸を定義し;
E2、E3およびE4は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
Q5およびQ6は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリン、ホモセリン、アルファ−アミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
Y7は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニン、ヒスチジン、ピリジルアラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;そして
L8は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0096】
式Iの化合物は、望ましくは、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、式I中の2、3、4、5、6、7個またはすべてのアミノ酸が、D−アミノ酸である。
【0097】
式Iの化合物において、疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、望ましくは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。1級アリールアルキルアミンは、望ましくは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0098】
望ましい実施形態において、式Iの化合物は、上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1、上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1および上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、望ましくは、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、望ましくは、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンまたは複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンである。アシル基は、望ましくは、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンは、望ましくは、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである。
【0099】
特に、ペプチド2305の生物学的活性の調節にとって重要なそれにおける領域をさらに特徴付けるために、本発明者らは、この親ペプチドの変異体および切断物を作製した。ペプチド2305の誘導体を以下の表1に列挙する。これらのペプチドの生物学的活性は、実施例2および3にさらに記載される。
【0100】
【表1】
ペプチド2305−1から2305−7における、N末端に存在するトレオニンの切断ならびに1〜3個のグルタメートの負電荷の部分的または全体的な除去は、親ペプチド2305と比べて、阻害活性の低下をもたらした。2305−1の場合、それらの改変は、活性の全体的な損失をもたらす。誘導体2305−5および2305−6は、負電荷とN末端のトレオニンの両方の除去に起因して、無視できない活性の損失を示した。ゆえに、2305のN末端部分は、おそらくIL−23R阻害活性にとって重要である(図6を参照のこと)。
【0101】
2305のC末端部分だけが、2305ペプチドの生物学的活性を媒介しないとみられるが(図6;ペプチド2305−5および2305−6を参照のこと)、C末端のチロシンおよび/またはロイシンの除去は、2305ペプチドの活性を無くした(図6;ペプチド2305−8および2305−9を参照のこと)。
【0102】
対照的に、2305ペプチドにおける両方のグルタミン残基をアラニン残基に変異させることによって、そのペプチドの活性が親2305ペプチドと比べて25%増加した(図6;ペプチド2305−13を参照のこと)。また、N末端部分だけをもたらす2305ペプチドの主要な切断物(ペプチド2305−10および2305−11)は、活性を増加させた。これらの結果は、2305ペプチドの活性に対する、2つのグルタミンの阻害性の役割を支持するものである。
【0103】
2305ペプチドの構造上の特徴づけは、このペプチドのN末端の負電荷が、IL−23Rの阻害にとって重要であることを示唆している。対照的に、2305ペプチドのC末端部分におけるグルタミンの置換は、このペプチドのIL−23R阻害活性を親2305ペプチドよりも増加させた。
【0104】
ペプチド2307
IL−23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズするペプチド2307(配列番号3)誘導体は、以下の式:
K1K2Y3L4V5W6V7Q8 式II
を特徴とする配列を包含する。ここで、そのペプチドは、望ましくは、25以下のアミノ酸長、より望ましくは、5〜15アミノ酸長であり、ここで;
K1およびK2は、各々独立して、残基なし、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、シトルリン、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ピリジルアラニンまたはアルギニン代替物であり;
Y3は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
L4は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
V5は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
W6は、残基なし、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σもしくは芳香族側鎖;または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
V7は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;そして
Q8は、残基なし、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンまたはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸である。
【0105】
式IIの化合物は、望ましくは、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、式II中の2、3、4、5、6、7個またはすべてのアミノ酸が、D−アミノ酸である。
【0106】
式IIの化合物において、疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。アルギニン代替物は、望ましくは、4−アミジノフェニルアセチル、4−アミジノフェニルプロピオニル、4−アミジノフェニルグリシル、4−アミジノフェニルメチルグリシル、4−グアニジノフェニルアセチル、4−グアニジノフェニルプロピオニル、4−グアニジノフェニルグリシルまたは4−グアニジノフェニルメチルグリシルである(Feng and Lubell,J.Org.Chem.66(4):1181−1185(2001))。1級アリールアルキルアミンは、望ましくは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0107】
望ましい実施形態において、式IIの化合物は、上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1、上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1および上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、望ましくは、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、望ましくは、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。アシル基は、望ましくは、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0108】
ペプチド2309
IL−23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズするペプチド2309(配列番号4)誘導体は、以下の式:
M1E2E3S4K5Q6L7Q8L9 式III
を特徴とする配列を包含する。ここで、そのペプチドは、望ましくは、25以下のアミノ酸長、より望ましくは、5〜15アミノ酸長であり、ここで;
M1は、残基なし、メチオニン、バリン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
E2およびE3は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸、トリメシン酸またはアルファ,オメガ−ジカルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸またはアゼライン酸)またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
S4は、残基なし、セリン、トレオニン、アロトレオニン、ヒドロキシプロリン、ベータ−ヒドロキシバリン、バリンまたはηであり、ここで、ηは、中性の親水性アミノ酸であり;
K5は、残基なし、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、シトルリン、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ピリジルアラニンまたはアルギニン代替物であり;
Q6は、残基なし、アラニン、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンまたはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
L7は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
Q8は、残基なし、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンまたはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;そして
L9は、残基なし、バリン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0109】
式IIIの化合物は、望ましくは、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、式III中の2、3、4、5、6、7、8個またはすべてのアミノ酸が、D−アミノ酸である。
【0110】
式IIIの化合物において、中性アミノ酸は、望ましくは、ヒドロキシバリン、ベータ,ベータ−ジアルキルセリンおよび(Dettwiler and Lubell J Org Chem.2003 Jan 10;68(1):177−9に記載されているような)ホモ−セリン、アロトレオニンまたはヒドロキシプロリンである。疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。アルギニン代替物は、望ましくは、4−アミジノフェニルアセチル、4−アミジノフェニルプロピオニル、4−アミジノフェニルグリシル、4−アミジノフェニルメチルグリシル、4−グアニジノフェニルアセチル、4−グアニジノフェニルプロピオニル、4−グアニジノフェニルグリシルまたは4−グアニジノフェニルメチルグリシルである。1級アリールアルキルアミンは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0111】
望ましい実施形態において、式IIIの化合物は、上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1、上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1および上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、望ましくは、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、望ましくは、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。アシル基は、望ましくは、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0112】
ペプチド2309の生物学的活性の調節にとって重要なペプチド2309における領域をさらに特徴付けるために、本発明者らは、この親ペプチドの変異体および切断物を作製した。ペプチド2309の誘導体を以下の表2に列挙する。これらのペプチドの生物学的活性は、実施例2および3にさらに記載される。
【0113】
【表2】
図7に示されるように、2309ペプチドのN末端領域は、そのIL−23R阻害活性にとって重要である。第1のグルタメートの除去または変異は、活性を増加させる(図7;ペプチド2309−1および2309−3を参照のこと)。特に、第2のグルタメートのアラニン残基への変異は、IL−23誘導性の活性を完全に無くした(図7)。
【0114】
IL−23RのD3ドメインにおけるループの部分を包含するペプチド2309の25アミノ酸が延長された領域(ペプチド2309−1−1)は、STAT3リン酸化の100%阻害を示した(親2309ペプチドより50%高い)。ゆえに、IL−23Rのこの領域における相互作用は、IL−23Rの活性にとって非常に重要である。逆の25アミノ酸配列(ペプチド2309−2−1;逆−Dペプチド)もまた、IL−23誘導性の作用の阻害において親2309ペプチドより良好な有効性を示した。これらの結果は、より長いアミノ酸配列(例えば、25アミノ酸配列)が、そのレセプターへの結合の親和性および選択性を改善し得る特異的なコンホメーションをとり得ることを示唆している。
【0115】
ペプチド2303
IL−23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズするペプチド2303(配列番号2)誘導体は、以下の式:
L1P2D3E4V5T6C7V8 式IV
を特徴とする配列を包含する。ここで、そのペプチドは、望ましくは、25以下のアミノ酸長、より望ましくは、5〜15アミノ酸長であり、ここで;
L1は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
P2は、残基なし、プロリン、アラニン、N−メチルグリシン、N−イソブチルグリシン、アミノイソ酪酸(Aib)、N−メチル−L−アラニン(MeAla)、trans−4−ヒドロキシプロリン、ジエチルチアゾリジンカルボン酸(Dtc)またはΩであり、ここで、Ωは、構造制約生成アミノ酸であり;
D3は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
E4は、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
V5は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
T6は、残基なし、トレオニン、フェニルアラニン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸を定義し;
C7は、残基なし、システイン、セリン、ホモセリン、ホモシステイン、トレオニン、メチオニン、N−アセチルシステイン、シスタチオニン、2−アミノブチレートまたはβ,β−ジメチルシステイン(ペニシラミン)であり、;そして
V8は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0116】
式IVの化合物は、望ましくは、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、式IV中の2、3、4、5、6、7個またはすべてのアミノ酸が、D−アミノ酸である。
【0117】
式IVの化合物において、疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。構造制約生成アミノ酸は、望ましくは、アゼチジン−2−カルボン酸、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、4−(アミノメチル)安息香酸、2−アミノ安息香酸またはニペコチン酸である(Hanessian and McNaughton−Smith,Tetrahedron 53:12789−12854,1997;Halabら、Biopolymers Peptide Science 55:101−122,2000;Cluzeau and Lubell,J.Org.Chem.69:1504−1512,2004;Feng and Lubell,J.Org.Chem.66:1181−1185,2001)。1級アリールアルキルアミンは、望ましくは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0118】
望ましい実施形態において、式IVの化合物は、上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1、上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1および上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、望ましくは、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、望ましくは、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。アシル基は、望ましくは、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0119】
ペプチド2301
IL−23レセプターの生物学的活性のアゴニストであるペプチド2301(配列番号5)誘導体は、以下の式:
D1L2S3S4G5Y6P7P8D9I10 式V
を特徴とする配列を包含する。ここで、そのペプチドは、望ましくは、25以下のアミノ酸長、より望ましくは、5〜15アミノ酸長であり、ここで;
D1は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり;ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
L2は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
S3およびS4は、各々独立して、残基なし、セリン、トレオニン、アロトレオニン、ヒドロキシプロリン、ベータ−ヒドロキシバリン、バリンまたはηであり、ここで、ηは、中性の親水性アミノ酸であり;
G5は、残基なし、グリシン、アラニン、イソロイシンバリン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
Y6は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニンまたはΣであり、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
P7およびP8は、各々独立して、残基なし、プロリン、アラニン、N−メチルグリシン、N−イソブチルグリシン、アミノイソ酪酸(Aib)、N−メチル−L−アラニン(MeAla)、trans−4−ヒドロキシプロリン、ジエチルチアゾリジンカルボン酸(Dtc)またはΩであり、ここで、Ωは、構造制約生成アミノ酸であり;
D9は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸またはΨであり、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;そして
I10は、残基なし、イソロイシンバリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはφであり、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である。
【0120】
式Vの化合物は、望ましくは、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む。他の望ましい実施形態において、式V中の2、3、4、5、6、7、8、9個またはすべてのアミノ酸が、D−アミノ酸である。
【0121】
式Vの化合物において、中性アミノ酸は、望ましくは、ヒドロキシバリン、ベータ,ベータ−ジアルキルセリン、ホモ−セリン、アロトレオニンまたはヒドロキシプロリンである。疎水性側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸は、望ましくは、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである。構造制約生成アミノ酸は、望ましくは、アゼチジン−2−カルボン酸、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、4−(アミノメチル)安息香酸、2−アミノ安息香酸またはニペコチン酸である。1級アリールアルキルアミンは、望ましくは、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである。
【0122】
望ましい実施形態において、式Vの化合物は、上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1、上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2または上記アミノ酸配列のアミノ末端に付着されたG1および上記アミノ酸配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1およびは、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基またはアシル基であり、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミンまたは芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンである。アシル基は、望ましくは、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである。1〜10個の炭素の脂肪族アミンは、望ましくは、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである。芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンは、望ましくは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである。
【0123】
アンタゴニストペプチドまたはアゴニストペプチドを同定するアッセイ
IL−23レセプターのアンタゴニストまたはアゴニスト(例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、小分子または他の薬物のような候補化合物もしくは候補作用物質または被験化合物もしくは被験作用物質)についてのスクリーニングは、IL−23レセプターの生物学的活性を測定するアッセイに基づき得る。本明細書中に記載されるアッセイは、望ましくは、天然のIL−23レセプターまたは組換えIL−23レセプターを使用する。サイトカイン活性のアンタゴニストまたはアゴニストについての細胞画分または無細胞のスクリーニングアッセイは、インサイチュ精製された、または精製された、組換えサイトカインレセプターを使用し得る。細胞ベースのアッセイは、サイトカインレセプターを天然に発現するか、または組換えサイトカインレセプターを含む、細胞を使用し得る。すべての場合において、サイトカインレセプターの生物学的活性は、直接または間接的に測定され得る。したがって、サイトカインレセプター活性のインヒビターまたはアクチベーターが、同定され得る。そのインヒビターまたはアクチベーター自体が、標準的なコンビナトリアルケミストリー技術によってさらに改変されることにより、最初に同定された化合物の改善されたアナログが提供され得る。
【0124】
本発明の化合物は、IL−23の生物学的役割を理解するための独特のツールとしてインビトロにおいて有用であり、ならびに多くの因子が、影響し、そしてIL−23の産生およびIL−23のそのレセプターへの結合によって影響されると考えられる。本発明のペプチドアンタゴニスト(例えば、ペプチド2303、2305、2307および2309)およびアゴニスト(例えば、ペプチド2301)が、IL−23レセプターに結合する他の化合物の開発を容易にし得る、構造と活性との関連についての重要な情報を提供するので、本発明のアンタゴニストおよびアゴニストは、そのような開発においても有用である。
【0125】
例えば、本明細書中に記載される化合物は、類似の新しいペプチドレセプターアンタゴニストまたはアゴニストについてスクリーニングするか、またはそれらを特徴付けるアッセイにおいて、競合的インヒビターとして使用され得る。そのようなアッセイならびにIL−23レセプター発現を測定するためのアッセイでは、本発明のペプチドまたはペプチド模倣物は、改変せずに使用され得るか、または標識され得る(すなわち、検出可能なシグナルを直接または間接的に提供する部分に共有結合的または非共有結合的に(non−convalently)連結され得る)。標識の例としては、放射標識(例えば、125I、14Cおよび3H)、酵素(例えば、アルカリホスファターゼおよび西洋ワサビペルオキシダーゼ(米国特許第3,645,090号))、リガンド(例えば、ビオチンおよびアビジン)および発光化合物(生物発光標識、リン光性標識、化学発光標識または蛍光標識(米国特許第3,940,475号)を含む)が挙げられる。
【0126】
あるいは、被験化合物がIL−23レセプター複合体の活性を調節する能力の測定は、被験化合物がIL−23レセプター標的分子の下流のエフェクターの活性を調節する能力を測定することによって、達成され得る。例えば、エフェクター分子に対する被験化合物の活性が、測定され得る。
【0127】
創薬および薬物開発の分野の当業者は、本発明の方法にとって、被験化合物の正確な起源が極めて重要ではないことを理解する。そのような被験化合物の例としては、植物、真菌、原核生物または動物に基づく抽出物、発酵ブロスおよび合成化合物、ならびに既存の化合物の改変物が挙げられるが、これらに限定されない。任意の数の化合物(サッカライド、脂質、ペプチドおよび核酸に基づく化合物が挙げられるがこれらに限定されない)のランダム合成または特異的(directed)合成(例えば、半合成または全合成)を生成するための数多くの方法もまた、利用可能である。合成化合物ライブラリーは、Brandon Associates(Merrimack,NH)およびAldrich Chemical(Milwaukee,WI)から市販されている。あるいは、細菌、真菌、植物および動物の抽出物の形態での天然化合物のライブラリーは、Biotics(Sussex,UK)、Xenova(Slough,UK)、Harbor Branch Oceanographics Institute(Ft.Pierce,FL)およびPharmaMar,U.S.A.(Cambridge,MA)をはじめとしたいくつかの供給源から市販されている。さらに、所望であれば、当該分野で公知の方法に従って、例えば、標準的な抽出方法および分画方法によって、天然のライブラリーおよび合成的に生成されたライブラリーが、作製される。さらに、所望であれば、標準的な化学的、物理的または生化学的な方法を用いて、任意のライブラリーまたは化合物が容易に改変される。
【0128】
例えば、IL−23レセプターの活性を調節する化合物、あるいは本明細書中に記載される化合物がIL−23レセプターの生物学的活性を阻害するかもしくは刺激する能力を阻害するかまたは増強する化合物を同定するために、IL−23レセプター複合体またはその生物学的に活性な部分を発現する細胞(天然または組換え)を被験化合物と接触させることにより被験化合物がそのサイトカインレセプターの生物学的活性を調節する能力を測定する、細胞ベースのアッセイが使用され得る。上記細胞ベースのアッセイとしては、増殖アッセイ、チロシンリン酸化アッセイ、遊走アッセイ、および上記サイトカインレセプターの生物学的活性を測定する他の任意のアッセイが挙げられる。
【0129】
被験化合物の活性を測定するためのアッセイにおいて、本発明の相互作用タンパク質の一方または両方の非複合体化型から複合体化型を分離するのを容易にするために、IL−23レセプターまたは本発明の相互作用ペプチドもしくは相互作用ペプチド模倣物を固定化すること、ならびにそのアッセイの自動化に適応することが、望ましい。IL−23レセプタータンパク質への被験化合物の結合、または被験化合物の存在下および非存在下におけるサイトカインレセプタータンパク質と標的分子(例えば、IL−23または本明細書中に記載されるペプチドもしくはペプチド誘導体の1つ)との相互作用は、それらの反応物を入れるのに適した任意の容器内で達成され得る。そのような容器の例としては、マイクロタイタープレート、試験管および微量遠心管が挙げられる。
【0130】
さらに、上記タンパク質の一方または両方をマトリックスに結合させるドメインを付加する融合タンパク質が提供され得る。例えば:グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/IL−23レセプター融合タンパク質またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ/IL−23レセプター融合タンパク質を、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical,St.Louis,MO)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレート上に吸着し得、次いで、それらを、被験化合物、または被験化合物および非吸着型標的タンパク質またはIL−23レセプタータンパク質のいずれかと混合し、そして、その混合物を、複合体形成をもたらす条件下(例えば、塩およびpHについての生理学的条件)においてインキュベートする。インキュベートの後、任意の未結合成分を除去するためにそのビーズまたはマイクロタイタープレートウェルを洗浄し、そして例えば本明細書中に記載されるように、複合体形成を直接または間接的に測定する。あるいは、複合体をマトリックスから解離し、標準的な手法を用いてIL−23レセプターの結合または活性のレベルを測定することができる。
【0131】
マトリックス上にタンパク質を固定化するための他の手法(当該分野で周知)もまた、本発明のスクリーニングアッセイにおいて使用され得る。例えば、IL−23レセプタータンパク質またはIL−23レセプターと相互作用する分子のいずれかを、ビオチンおよびストレプトアビジンの結合体化によって固定化し得る。ビオチン化されたIL−23レセプタータンパク質またはIL−23レセプター相互作用分子を、当該分野で公知の手法(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals,Rockford,IL)を用いてビオチン−NHS(N−ヒドロキシ−スクシンイミド)から調製し、ストレプトアビジンでコーティングされた96ウェルプレート(Pierce Chemical)のウェルに固定化し得る。あるいは、IL−23レセプタータンパク質またはIL−23レセプター相互作用分子と反応性であるが、IL−23レセプタータンパク質がその相互作用分子に結合するのを干渉しない抗体を、そのプレートのウェルに付着させ、未結合の標的またはサイトカインレセプタータンパク質を、抗体結合体化によってそのウェルに捕捉する。そのような複合体を検出するための方法としては、GSTに固定化された複合体について上に記載した方法に加えて、サイトカインレセプタータンパク質または標的分子と反応性である抗体を用いる複合体の免疫検出、ならびにIL−23レセプターまたはIL−23レセプター相互作用分子に関連する酵素活性の検出に依存する酵素結合アッセイが挙げられる。
【0132】
インビボ実験モデルは、インビトロアッセイを行うためにも使用され得ることが、理解されるだろう。
【0133】
インビトロアッセイ
候補ペプチドは、例えば、インビトロキナーゼアッセイを用いて、IL−23レセプタータンパク質もしくはその一部または上流もしくは下流の標的タンパク質のリン酸化状態を調節する能力について試験され得る。簡潔には、IL−23レセプター標的分子(例えば、そのような分子を発現する細胞株から免疫沈降されたレセプター)を、MgCl2およびMnCl2、例えば、10mM MgCl2および5mM MnCl2を含む緩衝液中で、放射性のATP、例えば、ガンマ−32P−ATPとともにインキュベートし得る。インキュベートした後、その免疫沈降されたレセプター標的分子を、還元条件下においてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離し、膜、例えば、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜に転写し、そしてオートラジオグラフィに供され得る。そのオートラジオグラフにおける検出可能なバンドの出現は、そのレセプター基質がリン酸化されていることを示唆する。そのレセプター基質上のどの残基がリン酸化されているかを特定するために、リン酸化された基質のホスホアミノ酸解析も行うことができる。簡潔には、放射性リン酸化タンパク質バンドを、SDSゲルから切り出し、部分的な酸加水分解に供し得る。次いで、その生成物を1次元電気泳動によって分離し、例えば、ホスホイメージャー(phosphoimager)において解析し、ニンヒドリン染色されたホスホアミノ酸標準物質と比較し得る。そのようなアッセイは、例えば、Tamaskovicら(Biol.Chem.380(5):569−78,1999)に記載されている。
【0134】
特に、IL−23レセプターを標的化する候補ペプチドは、本明細書中に記載されているような活性化マクロファージ(例えば、HL60細胞)、脾細胞またはTH17細胞(Streeckら、J.Immunol.Methods 333:115−120,2008;Kebirら、Nat.Med.13:1173−1175,2007)において、IL−23誘導性のTNFαまたはSTAT3リン酸化を測定することによって試験され得る。
【0135】
インビボアッセイ
上に記載されたアッセイは、さらなる開発のために有望なリード化合物を検出するために、最初または第1のスクリーニングとして使用され得る。リードペプチドは、さらなる第2のスクリーニングにおいてさらに評価され得、そのスクリーニングは、これらのレセプターを発現する活性化されたマクロファージもしくはナチュラルキラー細胞株を利用する様々なアッセイまたは他のアッセイを包含し得る。
【0136】
第3のスクリーニングは、臨床症状に対する動物モデルにおいて、同定されたインヒビターまたは刺激物質の研究を包含し得る。したがって、本明細書中に記載されるように同定された化合物(例えば、ペプチドまたはペプチド模倣物)は、望ましくは、ラットまたはマウスなどの適切な動物モデルにおいても試験される。例えば、そのような作用物質による処置の有効性、毒性または副作用を測定するために、動物モデルにおいてペプチドを使用することができる。あるいは、本明細書中に記載されるように同定された作用物質は、そのような作用物質の作用機序を特定するために動物モデルにおいて使用され得る。さらに、本発明は、本明細書中に記載されるような処置(例えば、自己免疫障害または炎症性障害の処置)のための、上に記載したスクリーニングアッセイによって同定される新規作用物質の使用を包含する。そのようなアッセイにおいて使用され得る非限定的な動物モデルとしては:炎症性腸疾患(IBD)、実験的自己免疫性脳炎(EAE)および乾癬性皮膚炎モデルが挙げられる。そのようなモデルは、当該分野において標準的であり、本明細書中に記載される。
【0137】
ペプチド調製
本発明のペプチドまたはペプチド誘導体は、当業者に公知のペプチド合成の任意の方法(合成技術(例えば、排他的(exclusive)固相合成法、部分的固相合成法、フラグメント縮合、従来の溶液合成、ネイティブケミカルライゲーション)および組換え技術を含む)によって入手され得る。例えば、本ペプチドまたはペプチド誘導体は、固相ペプチド合成法によって得ることができ、その方法は、簡潔には、C末端アミノ酸のカルボキシル基を樹脂(例えば、ベンズヒドリルアミン樹脂、クロロメチル化樹脂、ヒドロキシメチル樹脂)に結合すること、およびN−アルファ保護アミノ酸を首尾よく加えることからなる。それらの保護基は、当該分野で公知の任意のそのような基であり得る。新しい各アミノ酸が成長鎖に加えられる前に、その鎖に先に加えられていたアミノ酸の保護基を除去する。そのような固相合成法は、例えば、Merrifield(J.Am.Chem.Soc.85:2149(1964));Valeら、(Science 213:1394−1397(1981))によって、米国特許第4,305,872号および同第4,316,891号、Bodonskyら(Chem.Ind.(London),38:1597(1966));およびPietta and Marshall(Chem.Comm.650(1970))において、Lubellら(“Peptides.”Science of Synthesis 21.11,Chemistry of Amides.Thieme,Stuttgart,713−809(2005))において概説されている手法によって、説明されている。適切な樹脂へのアミノ酸の結合もまた、当該分野で周知であり、米国特許第4,244,946号(Houver−Weyl,Methods of Organic Chemistry.Vol E22a.Synthesis of Peptides and Peptidomimetics,Murray Goodman,Editor−in−Chief,Thieme.Stuttgart.New York 2002に概説)に記載されている。
【0138】
本発明の化合物の調製の任意のプロセス中において、関係する分子のいずれかにおける感度の高い反応基を保護することが、必要であり、そして/または望ましいことがある。これは、T.W.Greene & P.G.M.WutsによるProtective Groups In Organic Synthesis,1991,John Wiley and Sons,New−York;およびSewald and JakubkeによるPeptides:chemistry and Biology,2002,Wiley−VCH,Wheinheim p.142に記載されている保護基などの従来の保護基を用いて達成され得る。例えば、アルファアミノ保護基としては、アシル型保護基(例えば、トリフルオロアセチル、ホルミル、アセチル)、脂肪族ウレタン保護基(例えば、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)、シクロヘキシルオキシカルボニル)、芳香族ウレタン型保護基(例えば、フルオレニル−9−メトキシ−カルボニル(Fmoc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、Cbz誘導体)およびアルキル型保護基(例えば、トリフェニルメチル、ベンジル)が挙げられる。アミノ酸側鎖保護基としては、ベンジル(ThrおよびSerの場合)、Cbz(Tyr、Thr、Ser、Arg、Lys)、メチルエチル、シクロヘキシル(Asp、His)、Boc(Arg、His、Cys)などが挙げられる。それらの保護基は、その後の簡便な段階において、当該分野で公知の方法を用いて除去され得る。
【0139】
さらに、アナログおよび他の改変バリアントを含む本発明のペプチドは、保護基を用い、有機相においてFMOCプロトコルに従って合成され得る。望ましくは、本ペプチドは、C18クロマトグラフィカラムにおける高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いて70%の収率で精製され、そして10〜60%のアセトニトリル勾配で溶出される。ペプチドの分子量は、質量分析(Fields,G.B.“Solid−Phase Peptide Synthesis”Methods in Enzymology.Vol.289,Academic Press,1997に概説)によって確かめることができる。
【0140】
あるいは、本発明のペプチドは、例えば、本ペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を用いる組換え系において調製され得る。ペプチドが、上に記載された修飾の2つ以上を同じペプチド内に含み得ることが理解される。本明細書中に記載されるペプチドまたはそれらの誘導体の薬学的に許容可能な塩複合体もまた、本発明に包含される。
【0141】
合成されたペプチドまたはペプチド誘導体の精製は、標準的な方法(クロマトグラフィ(例えば、イオン交換、サイズ排除および親和性)、遠心分離、沈降、またはペプチドおよびペプチド誘導体の精製のための任意の標準的な手法を含む)によって行われ得る。例えば、薄層クロマトグラフィまたは逆相HPLCが使用され得る。当該分野で周知かつペプチドの単離および精製に適した他の精製手法もまた、使用され得る。
【0142】
本発明に記載の化合物を調製するためのプロセスによって、立体異性体の混合物が得られるが、これらの異性体は、分取クロマトグラフィなどの従来の手法によって分離され得る。本化合物は、ラセミ型で調製され得るか、または個別のエナンチオマーが、エナンチオ特異的な合成によって、もしくは分割によって、調製され得る。本化合物は、例えば、光学活性な酸を用いる塩形成によるジアステレオマーの対の形成の後の分別結晶法および遊離塩基の再生などの標準的な手法によって、それらの成分のエナンチオマーに分割され得る。本化合物はまた、ジアステレオ異性のエステルまたはアミドを形成した後のキラル補助基の除去によって分割され得る。あるいは、本化合物は、キラルHPLCカラムを用いて分割され得る。
【0143】
ペプチド誘導体およびペプチド模倣物の調製
天然に存在するアミノ酸だけからなるペプチドに加えて、ペプチド模倣物またはペプチドアナログもまた、本発明によって包含される。ペプチドアナログは、通常、製薬業界において、鋳型ペプチドの特性と類似の特性を有する非ペプチド薬物として使用されている。その非ペプチド化合物は、「ペプチド擬態物」またはペプチド模倣物と呼ばれる(Fauchereら、Infect.Immun.54:283−287(1986);Evansら、J.Med.Chem.30:1229−1239(1987))。治療的に有用なペプチドと構造的に関連するペプチド擬態物を使用することにより、等しいか、または高い治療的または予防的な効果がもたらされ得る。一般に、ペプチド模倣物は、天然に存在するレセプター結合ポリペプチドなどの範例ポリペプチド(すなわち、生物学的活性または薬理学的活性を有するポリペプチド)に構造的に類似であるが、当該分野で周知の方法によって、−CH2NH−、−CH2S−、−CH2−CH2−、−CH=CH−(cisおよびtrans)、−CH2SO−、−CH(OH)CH2−、−COCH2−などの結合によって必要に応じて置換される1つ以上のペプチド結合を有する(Spatola,Peptide Backbone Modifications,Vega Data,1(3):267(1983));Spatolaら(Life Sci.38:1243−1249(1986));Hudsonら(Int.J.Pept.Res.14:177−185(1979));およびWeinstein.B.,1983,Chemistry and Biochemistry,of Amino Acids,Peptides and Proteins,Weinstein eds,Marcel Dekker,New−York)。そのようなペプチド擬態物は、より経済的な生産、より高い化学安定性、高められた薬理学的特性(例えば、半減期、吸収、作用強度、有効性など)、低い抗原性などをはじめとした、天然に存在するポリペプチドに対して著しい利点を有し得る。
【0144】
あるペプチドが、インビトロにおいてレセプター(例えば、野生型IL−23R)の生物学的活性を阻害する際に有効であり得るが、インビボにおけるそれらの有効性は、プロテアーゼの存在によって低下し得る。血清プロテアーゼは、特定の基質要求性を有する。その基質は、L−アミノ酸と、切断のためのペプチド結合との両方を有していなければならない。さらに、血清中のプロテアーゼ活性の最も著名な成分であるエキソペプチダーゼは、通常、そのペプチドの第1のペプチド結合に対して作用し、遊離N末端を必要とする(Powellら、Pharm.Res.10:1268−1273(1993))。このことに鑑みて、ペプチドの改変バージョンを使用することが有利であることが多い。改変されたペプチドは、IL−23Rに関する生物学的活性を付与するもとのL−アミノ酸ペプチドの構造上の特徴を保持するが、有利にも、プロテアーゼおよび/またはエキソペプチダーゼによる切断の影響を容易に受けない。
【0145】
同じタイプのD−アミノ酸によるコンセンサス配列の1つ以上のアミノ酸の系統的な置換(例えば、L−リシンの代わりにD−リシン)を用いることにより、より安定なペプチドが作製され得る。したがって、本発明のペプチド誘導体またはペプチド模倣物は、順方向または逆方向の順序で、すべてLペプチド、すべてDペプチド、または混合されたD、Lペプチドであり得る。ペプチダーゼが、基質としてD−アミノ酸を利用できないので、N末端またはC末端にD−アミノ酸が存在することは、ペプチドのインビボにおける安定性を高める(Powellら、Pharm.Res.10:1268−1273(1993))。逆−Dペプチドは、L−アミノ酸を含むペプチドに対して逆配列で配列される、D−アミノ酸を含むペプチドである。したがって、L−アミノ酸ペプチドのC末端の残基が、D−アミノ酸ペプチドに対するN末端になるなど。逆D−ペプチドは、L−アミノ酸ペプチドと同じ3次元コンホメーションひいては同じ活性を保持するが、インビトロおよびインビボにおいて酵素的分解に対してより安定であり、ゆえに、もとのペプチドよりも高い治療的な有効性を有する(Brady and Dodson,Nature 368:692−693(1994);Jamesonら、Nature 368:744−746(1994))。同様に、逆−Lペプチドは、標準的な方法を用いて作製され得、ここで、親ペプチドのC末端は、逆−LペプチドのN末端である。さらに、逆ペプチドは、L−およびD−アミノ酸の組み合わせを含み得る。
【0146】
さらに、コンセンサス配列または実質的に同一のコンセンサス配列バリエーションを含む制約されたペプチドは、当該分野で周知の方法によって作製され得る(Rizo and Gierasch,Ann.Rev.Biochem.61:387−418(1992))。例えば、制約されたペプチドは、ジスルフィド架橋を形成することができるシステイン残基を加えることによって、環状ペプチドをもたらすことにより、作製され得る。環状ペプチドは、遊離N末端または遊離C末端を有しない。したがって、それらは、エキソペプチダーゼによるタンパク質分解の影響を受けないが、当然のことながら、ペプチド末端において切断しないエンドペプチダーゼによる影響は受ける。N末端またはC末端にD−アミノ酸を有するペプチドおよび環状ペプチドのアミノ酸配列は、通常、それぞれN末端もしくはC末端のD−アミノ酸残基の存在またはそれらの環状の構造を除いて、それらが対応するペプチドの配列と同一である。
【0147】
分子内ジスルフィド結合を含む環状の誘導体は、アミノ末端およびカルボキシ末端などの環化のために選択される位置に、S保護された適当なシステイン残基またはホモシステイン残基を組み込みつつ、従来の固相合成法によって調製され得る(Sahら、J.Pharm.Pharmacol.48:197(1996))。鎖の構築が完了した後に、環化が、(1)対応する2つの遊離SH官能基の支持体上での最終的な酸化を用いたS保護基の選択的な除去によってS−S結合を形成した後、その支持体からの生成物の従来の除去および適切な精製手順によって、または(2)完全な側鎖の脱保護とともにその支持体からそのペプチドを取り出した後、高度に希薄な水溶液中で遊離SH官能基を酸化することによって、行われ得る。
【0148】
分子内アミド結合を含む環状の誘導体は、環化のために選択された位置においてアミノ側鎖およびカルボキシル側鎖が保護された適当なアミノ酸誘導体を組み込みつつ、従来の固相合成法によって調製され得る。分子内の−S−アルキル結合を含む環状の誘導体は、環化のために選択された位置において適当なアミノ保護された側鎖およびS保護された適当なシステイン残基もしくはホモシステイン残基を有するアミノ酸残基を組み込みつつ、従来の固相化学によって調製され得る。
【0149】
本ペプチドの部分配列における天然に存在しないアミノ酸による天然のアミノ酸の置換もまた、タンパク質分解に対して抵抗性を付与し得る。そのような置換は、例えば、生物学的活性に影響することなく、N末端に作用するエキソペプチダーゼによるタンパク質分解に対して抵抗性を付与し得る。天然に存在しないアミノ酸の例としては、α,α−二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸、C−α−メチルアミノ酸、β−アミノ酸およびβ−メチルアミノ酸が挙げられる。本発明において有用なアミノ酸アナログとしては、β−アラニン、ノルバリン、ノル−ロイシン、4−アミノ酪酸、オルニチン(orithine)、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、システイン酸、シクロヘキシルアラニン、2−アミノイソ酪酸、6−アミノヘキサン酸、t−ブチルグリシン、フェニルグリシン、o−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルメチオニン、3−メチルヒスチジンおよび他の非慣習的なアミノ酸が挙げられ得るが、これらに限定されない。さらに、天然に存在しないアミノ酸を用いるペプチドの合成は、当該分野において通例である。
【0150】
ペプチドのN末端またはC末端の残基に作用するペプチダーゼに対して抵抗性を付与する別の効率的なアプローチは、改変されたペプチドがそのペプチダーゼに対してもはや基質でなくなるように、ペプチド末端に化学基を加えることである。1つのそのような化学修飾は、片方または両方の末端におけるペプチドのグリコシル化である。ある特定の化学修飾、特に、N末端のグリコシル化は、ヒト血清中においてペプチドの安定性を高めると示されている(Powellら、Pharm.Res.10:1268−1273(1993))。血清安定性を高める他の化学修飾としては、1〜20個の炭素の低級アルキルからなるN末端のアルキル基(例えば、アセチル基)の付加、および/またはC末端のアミド基もしくは置換アミド基の付加が挙げられるが、これらに限定されない。特に、本発明は、N末端のアセチル基および/またはC末端のアミド基を有するペプチドからなる改変されたペプチドを包含する。
【0151】
通常はそのペプチドの一部でないさらなる化学部分を含む他のタイプのペプチド誘導体もまた、本発明によって包含されるが、ただし、その誘導体は、そのペプチドの所望の機能活性を保持している。そのような誘導体の例としては、(1)アミノ末端のアミノ基または別の遊離アミノ基のN−アシル誘導体(ここで、そのアシル基は、アルカノイル基(例えば、アセチル、ヘキサノイル、オクタノイル)アロイル基(例えば、ベンゾイル)またはF−moc(フルオレニルメチル−O−CO−)などの保護基であり得る);(2)カルボキシ末端または別の遊離カルボキシ基もしくは遊離ヒドロキシル基の、エステル;(3)アンモニアまたは適当なアミンとの反応によって生成される、カルボキシ末端または別の遊離カルボキシル基の、アミド;(4)リン酸化された誘導体;(5)抗体または他の生物学的リガンドに結合体化された誘導体および他のタイプの誘導体;および(6)ポリエチレングリコール(PEG)鎖に結合体化された誘導体が挙げられる。
【0152】
本発明のペプチドへのさらなるアミノ酸残基の付加に由来するより長いペプチド配列もまた、本発明に包含される。そのようなより長いペプチド配列は、上に記載されたペプチドと同じ生物学的活性(例えば、IL−23レセプターの活性化の阻害)を有すると予想され得る。相当な数のさらなるアミノ酸を有するペプチドが、除外されないが、いくつかの大きなポリペプチドは、有効な配列をマスクすることによって、例えば、IL−23レセプターへの結合を妨げる配置であるとみなされ得ると認識される。これらの誘導体は、競合的アンタゴニストとして作用し得る。したがって、本発明が、伸長を有する本明細書中に記載されるペプチドまたはペプチドの誘導体を包含するが、望ましくは、その伸長は、そのペプチドまたは誘導体のIL−23レセプター調節活性を破壊しない。
【0153】
本発明に包含される他の誘導体は、互いに直接共有結合的に結合されているか、またはスペーサーを介して(例えば、アラニン残基の短い連続またはタンパク質分解(例えば、カテプシンによるもの、例えば、米国特許第5,126,249号および欧州特許第495049号を参照のこと)に対する推定上の部位によって)共有結合的に結合されている、本発明の2つの同じペプチドまたは2つの異なるペプチドからなる二重ペプチドである。本発明のペプチドの多量体は、同じか、または異なるペプチドまたはその誘導体から形成される分子のポリマーからなる。
【0154】
本発明はまた、アミノ末端もしくはカルボキシ末端、またはその両方において、異なるタンパク質のアミノ酸配列に結合された、本明細書中に記載されるペプチドまたはそのフラグメントを含む、キメラタンパク質または融合タンパク質であるペプチド誘導体も包含する。そのようなキメラタンパク質または融合タンパク質は、そのタンパク質をコードする核酸の組換え発現によって生成され得る。例えば、キメラタンパク質または融合タンパク質は、本発明のペプチドの少なくとも6アミノ酸を含み得、望ましくは、本発明のペプチドと等しいか、またはそれより高い機能活性を有する。
【0155】
本発明のペプチド誘導体は、置換、付加または欠失、あるいは機能的に等価な分子または所望のとおり機能的に高められたもしくは低められた分子を提供するアミノ酸残基によって、アミノ酸配列を変更することによって作製され得る。本発明の誘導体としては、1次アミノ酸配列として、機能的に等価なアミノ酸残基の置換を含む変更された配列を含む、本明細書中に記載されるペプチド(例えば、2301、2303、2305、2307または2309ペプチド)のアミノ酸配列の全部または一部を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、配列内の1つ以上のアミノ酸残基は、静的な変更(silent alteration)をもたらす、機能的等価物として作用する類似の極性の別のアミノ酸による置換であり得る。配列内のアミノ酸に対する置換は、そのアミノ酸が属するクラスの他のメンバーから選択され得る。例えば、正に帯電した(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、リシンおよびヒスチジンが挙げられる。非極性の(疎水性)アミノ酸としては、ロイシン、イソロイシン、アラニン、フェニルアラニン、バリン、プロリン、トリプトファンおよびメチオニンが挙げられる。無電荷極性アミノ酸としては、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギンおよびグルタミンが挙げられる。負に帯電した(酸性)アミノ酸としては、グルタミン酸およびアスパラギン酸が挙げられる。アミノ酸グリシンは、非極性のアミノ酸ファミリーまたは無電荷(中性)極性アミノ酸ファミリーのいずれかに含められ得る。アミノ酸のファミリー内で行われる置換は、一般に、保存的置換であると理解されている。
【0156】
ペプチド模倣物を同定するアッセイ
上に記載したように、本発明の方法によって同定されるペプチドの骨格の幾何学およびファルマコフォアディスプレイ(pharmacophore display)を再現するように作製された非ペプチジル化合物(ペプチド模倣物)は、より高い代謝的安定性、より高い作用強度、より長い作用時間およびより良好なバイオアベイラビリティの特質を有することが多い
本発明のペプチド模倣物化合物は、生物学的ライブラリー;空間的に調整可能な平行的(spatially addressable parallel)固相または液相ライブラリー;逆重畳を必要とする合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;およびアフィニティークロマトグラフィ選択を用いる合成ライブラリー法を含む当該分野で公知のコンビナトリアルライブラリー法において、数多くのアプローチのいずれかを用いて入手され得る。生物学的ライブラリーアプローチは、ペプチドライブラリーに限定されるが、他の4つのアプローチは、ペプチド、非ペプチドオリゴマーまたは化合物の小分子ライブラリーに適用可能である(Lam,Anticancer Drug Des.12:145(1997))。分子ライブラリーの合成のための方法の例は、当該分野において、例えば:DeWittら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6909(1993));Erbら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11422(1994));Zuckermannら(J.Med.Chem.37:2678(1994));Choら(Science 261:1303(1993));Carellら(Angew.Chem,Int.Ed.Engl.33:2059(1994)および同書2061);およびGallopら(Med.Chem.37:1233(1994))に見られる。化合物のライブラリーは、溶液中(例えば、Houghten,Biotechniques 13:412−421(1992))またはビーズ上(Lam,Nature 354:82−84(1991))、チップ(Fodor,Nature 364:555−556(1993))、細菌もしくは胞子(米国特許第5,223,409号)、プラスミド(Cullら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865−1869(1992))またはファージ上(Scott and Smith,Science 249:386−390(1990))に、または生成物に対して適切な基質の変換の測定によって検出されるルシフェラーゼおよび酵素的標識で、存在し得る。
【0157】
いったん本発明のペプチドが同定されると、それは、任意のいくつかの標準的な方法(溶解性の差違(例えば、沈降)、遠心分離、クロマトグラフィ(例えば、親和性、イオン交換、サイズ排除など)が挙げられるがこれらに限定されない)またはペプチド、ペプチド模倣物またはタンパク質の精製に対して用いられる他の任意の標準的な手法によって、単離され得、精製され得る。目的の同定されたペプチドの機能的特性は、当該分野で公知の任意の機能的アッセイを用いて評価され得る。望ましくは、細胞内のシグナル伝達における下流のレセプター機能を評価するためのアッセイが使用される(例えば、細胞増殖)。
【0158】
例えば、本発明のペプチド模倣物化合物は、以下の3段階のプロセス:(1)本発明のペプチドをスキャンすることにより、IL−23レセプターに対する認識および活性に必要な二次構造の領域を同定すること;(2)立体構造的に制約されたジペプチド代替物を使用して、骨格の幾何学を洗練させ、これらの代替物に対応する有機プラットフォームを提供すること;および(3)最善の有機プラットフォームを使用して、天然のペプチドの所望の活性を模倣するように設計された候補のライブラリーにおいて有機ファルマコフォア(organic pharmocophore)をディスプレイすること、を用いて入手され得る。より詳細には、この3段階は、以下のとおりである。1段階目では、リード候補ペプチドをスキャンし、それらの活性のための必要条件を特定するためにそれらの構造を簡約化する。一連の、もとのペプチドアナログを合成する。2段階目では、立体構造的に制約されたジペプチド代替物を用いて、最良のペプチドアナログを検討する。インドリジジン−2−オン、インドリジジン−9−オンおよびキノリジジノン(quinolizidinone)アミノ酸(それぞれI2aa、I9aaおよびQaa)を、最良のペプチド候補の骨格の幾何学を研究するためのプラットフォームとして使用する。これらおよび関連のプラットフォーム(Halabら、Biopolymers 55:101−122(2000);およびHanessianら、Tetrahedron 53:12789−12854(1997)に概説)を、そのペプチドの特定の領域に導入することにより、様々な向きでファルマコフォアを方向付け得る。これらのアナログの生物学的評価は、活性に対する幾何学的な必要条件を模倣している改善されたリードペプチドを同定する。3段階目では、最も活性なリードペプチドからのプラットフォームを用いて、天然のペプチドの活性に関与するファルマコフォアの有機代替物をディスプレイする。そのファルマコフォアおよびスキャフォールドが、平行した合成形式で組み合わされる。ペプチドの誘導体化および上記の段階は、当該分野で公知の方法を用いる他の手段によって達成され得る。
【0159】
本発明のペプチド、ペプチド誘導体、ペプチド模倣物または他の小分子から決定される構造と機能の関連性を用いて、類似の特性またはより良好な特性を有する類似の分子構造が洗練され、調製され得る。したがって、本発明の化合物はまた、本明細書中に記載されるペプチドの構造、極性、電荷の特徴および側鎖の特性を共有する分子も包含する。
【0160】
本明細書中の開示に基づいて要約すれば、当業者は、サイトカインレセプター活性を阻害するための化合物を同定するために有用な、ペプチドおよびペプチド模倣物のスクリーニングアッセイを開発することができる。そのように同定された化合物はまた、これらのレセプターを活性化すると示され得る。本発明のアッセイは、ロースループット、ハイスループットまたは超ハイスループットのスクリーニング形式に発展され得る。本発明のアッセイは、自動化になじみやすいアッセイを包含する。
【0161】
薬学的組成物
本発明のペプチド、ペプチド誘導体およびペプチド模倣物は、IL−23レセプターの生物学的活性と関連する状態または疾患(例えば、自己免疫障害または炎症性障害)の処置に有用である。一般に、そのような処置は、その必要のある被験体に、有効量のペプチド、ペプチド誘導体もしくはペプチド模倣物、またはペプチド、ペプチド誘導体もしくはペプチド模倣物を含む組成物を投与することにより、IL−23レセプター活性を阻害することを含む。例えば、ペプチド(例えば、2305、2307、2309もしくは2303ペプチド、または式I、式II、式IIIもしくは式IVに示されるようなそれらの誘導体)および適当な薬学的キャリアを含む有効量の治療的組成物を、被験体に投与することにより、そのペプチドによって標的化されるIL−23レセプターの生物学的活性が阻害されて、症状が予防され得るか、回復し得るか、またはそのサイトカインレセプターを介した異常なシグナル伝達に関係する障害、疾患もしくは状態(例えば、IL−23リガンドの過剰産生もしくは恒常的に活性なレセプターを介するIL−23レセプターの過剰刺激または他の任意の異常)が処置され得る。被験体は、望ましくは、哺乳動物(例えば、ヒト)である。
【0162】
本発明のペプチド、ペプチド誘導体およびペプチド模倣物は、IL−23レセプターの生物学的活性の阻害が有益であり得る任意の疾患状態または障害における症状の処置、予防(prophylaxy)または回復において使用され得る。そのような疾患、状態または障害としては、炎症性障害または自己免疫障害(例えば、炎症性腸疾患、乾癬および多発性硬化症)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0163】
本薬学的組成物は、経口剤形、局所的(topic)クリーム、坐剤、スプレー式点鼻薬および吸入器、ならびに注射可能および注入可能な溶液をはじめとした種々の形態であり得る。薬学的組成物を調製するための方法は、当該分野で周知である。
【0164】
本発明の範囲内の組成物は、望ましくは、有害な副作用を回避しつつ所望の治療効果を達成するのに有効な量で、活性な作用物質(例えば、ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物)を含む。その活性な作用物質の薬学的に許容可能な調製物および塩は、本発明の範囲内であり、当該分野で周知である。ポリペプチドアンタゴニストなどの投与の場合、投与される量は、望ましくは、有害な副作用を回避するように選択される。特定の疾患、障害または状態の処置において有効な治療的組成物または薬学的組成物の量は、疾患の性質および重症度、作用の標的部位、被験体の体重、被験体が従う特別な食餌、併用して使用される薬剤、投与経路、ならびに当業者が認識する他の因子に依存する。投薬量は、従来の因子(例えば、疾患の程度および被験体の様々なパラメータ)に従って臨床医によって適合され得る。代表的には、0.001〜100mg/kg/日が、被験体に投与される。有効な用量は、インビトロまたは動物モデル試験系から得られる用量反応曲線から外挿され得る。例えば、ヒトに対する有効なmg/kg用量を得るために、ラットでの研究から生成されたデータに基づいて、ラットにおける有効なmg/kg投薬量を6で除する。
【0165】
様々な送達系が知られており、それらを用いて、本発明のペプチド、ペプチド誘導体もしくはペプチド模倣物または薬学的組成物が投与され得る。本発明の薬学的組成物は、任意の適当な経路(静脈内注射もしくは筋肉内注射、脳室内注射もしくは髄腔内注射(中枢神経系投与用)、経口的、局所的、皮下、結膜下または鼻腔内、皮内、舌下、膣、直腸もしくは硬膜外を介する経路を含む)によって投与され得る。
【0166】
当該分野で周知の他の送達系は、本発明の薬学的組成物を送達するために、例えば、水溶液、微小粒子(microparticules)またはマイクロカプセル内への封入を介して、使用され得る。
【0167】
本発明の薬学的組成物は、放出制御システムにおいても送達され得る。例えば、重合体の材料が、使用され得る(例えば、Smolen and Ball,Controlled Drug Bioavailability,Drug product design and performance,1984,John Wiley & Sons;Ranade and Hollinger,Drug Delivery Systems,pharmacology and toxicology series,2003,2ndedition,CRRC Pressを参照のこと)。あるいは、ポンプが使用され得る(Saudekら、N.Engl.J.Med.321:574(1989))。
【0168】
本発明の化合物は、モノクローナル抗体を、化合物分子が結合された個別のキャリアとして使用することによってもまた送達され得る。本発明の化合物は、その薬物の放出制御の達成に有用なあるクラスの生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、架橋された両親媒性ブロック共重合体およびヒドロゲル、ポリヒドロキシ酪酸ならびにポリジヒドロピランにも結合され得る。
【0169】
上に記載したように、本発明の薬学的組成物は、望ましくは、薬学的に許容可能なキャリアと混合された、ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物を含む。キャリアなる用語は、本ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物とともに投与される希釈剤、佐剤、賦形剤またはビヒクルのことを指す。そのような薬学的キャリアとしては、水および油(鉱油、植物油(例えば、ダイズ油またはトウモロコシ油)、動物油または合成起源の油を含む)などの滅菌された液体が挙げられる。グリセロールおよびデキストロースの水溶液ならびに食塩水溶液もまた、本発明の薬学的組成物の液体キャリアとして使用され得る。キャリアの選択は、当該分野において十分に認識された因子(例えば、本ペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物の性質、その溶解性および他の生理学的特性、ならびに送達および適用の標的部位)に依存する。例えば、血液脳関門を透過し得るキャリアが、中枢神経系における疾患または状態(例えば、炎症性障害または自己免疫障害)の症状の処置、予防または回復に使用される。適当な薬学的キャリアの例は、Alfonso R.GennaroによるRemington:The Science and Practice of Pharmacy,2003,21thedition,Mack Publishing Companyに記載されている。さらに、経口投与に適したキャリアは、当該分野で公知であり、例えば、米国特許第6,086,918号、同第6,673,574号、同第6,960,355号および同第7,351,741号ならびにWO2007/131286(これらの開示は、本明細書によって参考として援用される)に記載されている。
【0170】
本発明の薬学的調製物に組み込まれ得るさらに薬学的に適当な材料としては、吸収促進剤、pH制御剤および緩衝液、オスモル濃度調節剤、保存剤、安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、軟化薬、分散剤、香料、着色剤および湿潤剤が挙げられる。
【0171】
適当な薬学的賦形剤の例としては、水、グルコース、スクロース、ラクトース、グリコール、エタノール、モノステアリン酸グリセロール、ゼラチン、デンプン粉(例えば、米粉)、胡粉、ステアリン酸ナトリウム、麦芽、塩化ナトリウムなどが挙げられる。本発明の薬学的組成物は、溶液、カプセル、錠剤、クリーム、ゲル、粉末の徐放製剤などの形態をとり得る。本組成物は、従来の結合剤およびキャリア(例えば、トリグリセリド)を用いて坐剤として製剤化され得る(Alfonso R.GennaroによるRemington:The Science and Practice of Pharmacy,2003,21thedition,Mack Publishing Companyを参照のこと)。そのような組成物は、被験体への適切な投与のための形態を提供するために、治療有効量の治療的組成物を適当量のキャリアとともに含む。それらの製剤は、投与の様式および作用の標的部位(例えば、特定の器官または細胞型)に適するように設計される。
【0172】
本発明の薬学的組成物は、中性の形態または塩の形態として、製剤化され得る。薬学的に許容可能な塩としては、遊離アミノ基を用いて形成される塩および遊離カルボキシル基と反応する塩が挙げられる。製薬業界において通常使用される、無毒性のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムの塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウムおよびプロタミン亜鉛の塩が挙げられ、これらは、当該分野で周知の方法によって調製される。無毒性の酸付加塩もまた包含され、それらは、一般に、本発明の化合物を適当な有機酸または無機酸と反応させることによって、調製される。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、吉草酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、ラウリン酸塩(laureate)、ホウ酸塩、安息香酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、トシル酸塩(tysolate)、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、ナプシル酸塩などが挙げられる。
【0173】
本発明はまた、いったん被験体に投与されるとより安定であるようなペプチドまたはペプチド誘導体の改変物を提供する(すなわち、いったん投与されると、改変されていない形態と比べて、より長い半減期またはより長期間の有効性を有する)。そのような改変は、本発明が属する分野の当業者に周知である(例えば、ペグ化としても知られるポリエチレングリコール誘導体化、マイクロカプセル化など)。
【0174】
本発明のIL−23レセプターアンタゴニストは、単独で投与されてもよいし、IL−23レセプターに関連する疾患または状態の症状の処置、予防または回復に有用な他の活性な作用物質(例えば、抗炎症性化合物)と組み合わせて投与されてもよい。したがって、本発明の組成物および方法は、IL−23活性を調節する能力(例えば、IL−23レセプターの合成、放出および/またはIL−23レセプターへの結合)またはIL−23レセプター関連疾患(例えば、自己免疫障害または炎症性障害)の症状を減少させる能力を示す他の作用物質と組み合わせて使用され得る。そのような作用物質の例としては、モノクローナル抗体(Pfizer,CP−751,871;Imclone,IMC−A12;Merck 7C10;Schering−Plough,19D12)またはチロシンキナーゼインヒビター(Insmed,INSM18PPP;Biovitrium,Karolinska Institute(Girnitaら、2004;Vasilcanuら、2004);NVP−ADW742,AEW541,Novartis(Mitsiades CS,2004);BMS−536924,BMS−554417,Bristol−Myers Squibb)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0175】
本発明は、以下の非限定的な例によってさらに詳細に例証される。これらの例は、例示のみの目的で提供されるものであり、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきでない。
【実施例】
【0176】
実施例1.IL−23Rのアンタゴニストおよびアゴニストの同定
IL−23レセプターの異なる領域の位置および二次構造分布を確かめるために、ドメイン類似度(IgG様ドメイン)を、ProDom(Boeckmannら、Nucleic Ac Res 31:365−370(2003))、PROSITE(Rost,Enzymol 266:525−539(1996))およびPredict Protein(Rost,Enzymol 266:525−539(1996))を用いて測定した。次いで、疎水性および可撓性のプロファイルを、プログラムProtScale(Kyteら、J Mol Biol 157:105−132,1982)を用いて調べた。上に記載したように、IL−23RとIL−12Rとは、共通のリガンドサブユニットおよびレセプターサブユニットを共有しているので、構造的に類似である。完全なIL−12R活性化の維持は、免疫能を保つために望ましい(Kenakin,Mol.Intervention 4:222−229(2004);Langrishら、Immunol Rev 202:96−105(2004))。しかしながら、IL−12Rβ2およびIL−23Rだけは、24%の類似度を示す。ゆえに、結晶学、分子モデリングおよびヒドロパシープロファイルに基づいて、IL−23Rに特異的な細胞外の領域(IL−23Rの示されるモデルにおいて特定されている;図1)を、これらの配列を再現する低分子ペプチドを設計することによって標的化した。これらのペプチドの予め必要な配列相同性解析(Blast解析;NCBI)を、これらの配列がIL−23Rに特有であることを確かめるために行った。IL−23誘導性STAT3リン酸化における、最初の注目したIL−23Rペプチドライブラリーのスクリーニングによって、明白な有効性を有する4つの化合物(「ヒット」)が同定され、それらを2303、2305、2307および2309と命名した(図2)。さらに、IL−23Rの生物学的活性のアゴニストを同定し、2301と命名した(DLSSGYPPDI;配列番号5)。
【0177】
実施例2.IL−23Rアンタゴニストの特徴付け
D−ペプチド2303、2305、2307および2309(1μM)は、ホルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)活性化ヒト単球(HL−60)においてIL−23誘導性STAT3リン酸化を阻害する(図2)。結果に再現性があったので、同じアッセイにおいて、2309に対する濃度応答をさらに研究したところ、Emax約85%およびIC50=2nMが明らかになった(図3A)。この有効性を、別個の結果パラメータ、詳細には腫瘍壊死因子(TNF)形成を用いてさらに確証した(酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)によって測定した;図3B)ところ、等価なEmax約80%およびIC50=1.6nMが得られた。
【0178】
脾細胞およびTH17細胞において、ペプチドAPG−2305(1μM)は、IL−23誘導性STAT3リン酸化をそれぞれ75%および100%阻害し、ペプチドAPG−2309(1μM)は、IL−23誘導性STAT3リン酸化を50%および75%阻害した(25ng/ml)(図4、6および7)。ペプチドAPG−2305およびAPG−2309は、1nMおよび2nMという作用強度(IC50)を示した(図5)。上で述べたように、ペプチド2305は、D1ドメインとD2ドメインとの領域間と相互作用するIL−23Rサブユニットの第2のドメインにおけるループから得られるものであり、ペプチド2309は、IL−23RのD3ドメインにおけるループから得られるものである(図1を参照のこと)。両方のペプチドが、IL−23誘導性リン酸化を阻害するが、異なる程度で阻害する。これらのペプチドは、そのレセプターの異なる領域またはIL−12b1とのIL−23Rサブユニットの二量体化の異なる領域において相互作用するので、異なるコンホメーション変化を誘導することによって、IL−23Rの生物学的活性に対して異なる作用を有し得る。
【0179】
ペプチド2305は、IL−23Rを発現する、ホルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)によって活性化された単球に特異的に結合したが、IL−23Rを欠いている単球には結合しなかった(図8A)。これらの観察結果と一致して、IL−23Rを発現しているPMA活性化ヒト単球においてペプチド2305の有効性が示されたが、未処置(非活性化)単球では示されなかった(図8Aを参照のこと)。
【0180】
ペプチド2309(高濃度、すなわち、10μMでさえも)がIL−12誘導性STAT4リン酸化を干渉できないことによって、IL−23に対するペプチド2309の選択性が証明された(図8B)。ペプチド2309は、IL−23誘導性STAT3リン酸化を阻害することが可能なままであった(図2)。
【0181】
本明細書中に記載される実験は、以下の材料および方法を用いて行われた。
【0182】
脾細胞の単離
脾臓をマウスから無菌的に取り出し、薄く切り、PBS緩衝液、2%ウシ胎児血清および1mM EDTAの存在下においてすりつぶした。組織をナンバー26シリンジに通し、70μmメッシュナイロンストレーナーで濾過した。生存因子および分化因子として、可欠アミノ酸、2μg/mlの抗CD3および20μg/mlの抗CD−28とともに、細胞を培養した。
【0183】
CD4+細胞の単離およびTH17細胞における分化
製造者の指示に従ってEasySep単離キット(StemCell Technologies)を用いて、CD4+細胞を2.5×108脾細胞から単離した。CD4+細胞細胞を可欠アミノ酸ならびに抗CD3抗体および抗CD28抗体とともに一晩インキュベートした(上記を参照のこと)。翌日、それらの細胞を12ウェルプレートに分割し(1〜2×106細胞/ウェル)、完全RPMI培地(10%FBS、Pen/Strepおよび可欠アミノ酸(1×))ならびに2μg/mlの抗CD3、2μg/mlの抗CD28、5ng/mlのTGFb1、20ng/mlのIL−6、10ng/mlのIL−23、2μg/mlの抗ラット抗IFNγおよび10μg/mlの抗マウスIL−4(最終濃度)を含む分化カクテルとともにインキュベートした。
【0184】
STAT3リン酸化の測定
脾細胞またはTH17細胞を384ウェルプレート(Optiplate;Perkin Elmer)に分配した(100,000細胞/ウェル)。細胞を様々な濃度のペプチドAPG−2305またはAPG−2309とともに30分間プレインキュベートし、25ng/mlのIL−23(R&D systems)とともに10分間インキュベートした。STAT3リン酸化を、製造者の指示に従ってPerkin Elmer製のAlpha Screen SureFire p−STAT−3アッセイというキットを用いて測定した。簡潔には、IL−23とのインキュベート後に、細胞を溶解し、(1)抗p−STAT−3(Tyr705)でコーティングされたプロテインAアクセプター結合体化ビーズおよび(2)ストレプトアビジンでコーティングされたドナービーズと接触させた。生じたシグナルを、Perkin Elmer Wallac En vision 2104 Multilabelリーダーを用いて測定した。GraphPrism4ソフトウェアを使用して、グラフを作成した。
【0185】
実施例3.APG−2305およびAPG−2309の誘導体
IL−23誘導性STAT3リン酸化に対するペプチドAPG−2305およびAPG−2309の誘導体の作用を、CD−1マウスの新しく単離された脾細胞およびAlpha Screen p−STAT3アッセイ(上記の材料および方法を参照のこと)を用いて測定した(図6および7)。APG−2305ペプチドとAPG−2309ペプチドの両方およびそれらの誘導体のいくつかが、マウス脾細胞および炎症促進性TH17細胞においてIL−23誘導性STAT3リン酸化を阻害する際の有効性を示し、ここで、IL−23は、主要な増殖性の役割および抗アポトーシスの役割を果たすと示されている。本明細書中に記載されるような、誘導体の有効性に基づいて、本発明者らは、APG−2305ペプチドおよびAPG−2309ペプチドにおける、IL−23R活性に影響を及ぼす能力にとって重要な領域を同定した。
【0186】
実施例4.ペプチド2309のインビボ有効性
炎症性腸疾患(IBD)を処置する際のペプチド2309の有効性を試験するために、代表的なラットモデルを用いた。そのモデルでは、IBDは、IL−23の役割を評価するために以前使用されたようにTNBS(トリニトロベンゼンスルホン酸)によって誘導された(Beckerら、J Immunol 177:2760−2764(2006);Camoglioら、Eur J Immunol 32:261−269(2002);Zhangら、Inflamm Bowel Dis 12:382−388(2006))。肉眼検査において炎症性の発赤および浮腫が存在しないこと(図9A)ならびに腸管の粘膜および粘膜下層の本質的に正常な組織像(図9B)によって検出されるように、ペプチド2309の全身投与(1mg/kg/日,腹腔内;推定組織濃度10nM)は、TNBS誘発性の腸管の炎症を無くした。
【0187】
局所的に適用されるペプチド2305、2307または2309の、PMA誘発性の皮膚炎に対する有効性を測定した(ある技術分野は、慢性および剥離性の皮膚炎のモデル(乾癬性皮膚炎を示唆する)を認識している(Petersenら、Basic & Clinical Pharm Tox 99:104−115(2006);Schon,J Investig Derm 112:405−410(1999))。ペプチド2305、2307または2309(最終濃度:5μM)をポリエチレングリコール(PEG−400)と混合し、50μlの混合物を、3〜5日の期間にわたって1日に2回耳に塗布した。ペプチド2309は、発赤および耳重量(浮腫の基準)の著明な減少をもたらした;この効果は、ペプチド2307の場合、それほど著明でなかった(図10)。用量反応解析から、浮腫の2つのパラメータ、すなわち重量および毛細管漏出(エバンスブルー血管外遊出によって検出される)の減少において局所的なペプチド2309のEC50約50nMが明らかになった(図11)。これらの結果は、ペプチド2309の有効な経皮的浸透を示唆する。さらに、ペプチド2309の腹腔内注射もまた、発赤および耳重量の減少によって証明されるように、PMA誘発性の皮膚炎を処置することができた(図12)。
【0188】
ペプチドAPG−2305およびAPG−2309を経腸投与によってラットに与えることにより、それらの経口での利用可能性も検証された。様々な濃度のそれらのペプチドを、胃管栄養針(Number20)を用いて胃に注入し(1日に2回;200μl)、これをPMA処置の2日目に開始した。4日目に、全ペプチド用量をボーラスとして与え、4〜6時間後に動物を屠殺した。図13Aに示されるように、経腸的に注入されたAPG−2305は、用量依存的様式で耳の浮腫を妨げた。5mg/kg/日の処置によって、浮腫は完全に妨げられた。APG−2305のスクランブル(Scrambled)ペプチド(5mg/kg/日)および腹腔内APG−2305を、それぞれネガティブコントロールおよびポジティブコントロールとして使用した。APG−2309もまた、経腸的に注入されたが、経口的に投与した20mg/kgにおいてほんのわずかにPMA誘発性の耳の浮腫を阻害した(図13B)。APG−2309は、APG−2305よりも疎水性である。これらの結果から、ペプチド2305および程度は低いが2309が、経口的に投与され得ることが示唆される。
【0189】
実施例5.実験的自己免疫性脳炎モデルにおけるAPG−2309の有効性
多発性硬化症の実験的自己免疫性脳炎(EAE)モデルを用いることにより、脱髄性疾患におけるIL−12ではなくIL−23の主要な関与が証明されている。IL−23は、主要な炎症分子(例えば、IL−22、IL−17、CCL−2およびCCL−5)の分泌に関与するTH17細胞の維持および生存に関わっている。EAEモデルは、多発性硬化症に対して、最も使用されており、かつ現在最も広く認められている動物モデルである。本発明者らは、EAEモデルにおいてAPG−2309ペプチドを試験した。臨床スコアの評価を1日に1回行った。図14に示されるように、ペプチド2309は、MOG誘発性の炎症の臨床成績を遅延させるか、または完全に無くした。2mg/kg/日での1日に2回の2309の投与が、処置マウスにおいてEAEの臨床的徴候の出現を遅延させ、1日に3回の処置は、その疾患症状の誘導を完全に無くした。図15および16に示されるように、APG−2309ペプチドは、小脳および脊髄の脱髄を完全に妨げる。
【0190】
上記の実験は、以下の材料および方法を用いて行われた。
【0191】
C57/BL6マウスに、4mg/mlのMycobacterium tuberculosis H37Raを含む0.1mlの食塩水に溶解され、フロイントアジュバントに乳化された(1:1)MOGペプチド(MEVGWYRSPFSRVVHLYRNGK;配列番号29)を毎日注射した。血液関門(blood−barrier)膜を透過性にするために、マウスにペルツシン(pertussin)トキシンをIV注射した。ペプチドの注射は、MOG注射の3日前から開始した。マウスの体重を毎日測定し、以下の基準に従って臨床スコアをつけた:
臨床スコア:0=正常;1=尾の正常な緊張状態の喪失;2=弛緩した(flactonic)尾;3=1または2本の後肢の不全麻痺;4=後肢(hind)の完全麻痺;5=3または4本の肢の不全麻痺;6=3本の肢の完全麻痺;7=瀕死;8=死亡。処置の3週間後に、マウスを屠殺し、食塩水および固定液(パラホルムアルデヒド溶液)で灌流した。脳および脊髄を回収し、凍結し、30μmの薄さの切片に切断し、そしてスダンブラック染料で染色(脂質染色)することにより、脱髄を可視化した。
【0192】
薬物処置および用量について考慮する二元配置分散分析の後、試験の平均値(means test)間の比較によって、データを解析した。多項式解析のための最小二乗法の方法によって、最良曲線(best−fit curve)を決定した。コントロール群と処置群との間に炎症性パラメータの(少なくとも)65%の差が予想されるので(インビトロ有効性STAT3リン酸化ならびにβ=0.2およびα=0.05でのインビボに基づいて)、各解析因子のために、約9匹の動物が必要であった(コントロールおよび3用量を含む7〜9つの処置)。
【0193】
本明細書において考察される任意の実施形態は、本発明の任意の方法または組成物に関して実行され得ることが企図され、逆もまた同じである。さらに、本発明の組成物およびキットを使用することにより、本発明の方法が達成され得る。
【0194】
本発明の他の目的、特徴および利点は、上で詳述された説明に基づいて当業者に明らかであろう。また、詳述された説明および特定の実施例は、本発明の特定の実施形態を示すが、様々な変更および改変が本発明の精神および範囲内であるので、例示のみの目的で与えられるものであると理解されるべきである。
【0195】
本明細書中で言及されたすべての特許、特許出願公報、特許出願および刊行物は、独立した特許、特許出願公報、特許出願または刊行物の各々が明確かつ個々に参考として援用されると示されるかのように同程度に本明細書中で参考として援用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式T1E2E3E4Q5Q6Y7L8を特徴とする配列を含む化合物であって、ここで、該化合物は、25以下のアミノ酸長であり、該化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
T1は、残基なし、トレオニン、フェニルアラニン、アラニンおよびΣからなる群から選択され、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸を定義し;
E2、E3およびE4は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸およびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
Q5およびQ6は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリン、ホモセリン、アルファ−アミノアジピン酸およびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
Y7は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニン、ヒスチジン、ピリジルアラニンおよびΣからなる群から選択され、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;そして
L8は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である、
化合物。
【請求項2】
前記化合物が、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
疎水性側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンが、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性の脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
前記1級アリールアルキルアミンが、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物が、配列TEEEQQYL(配列番号1)、TAAEQQYL(配列番号7)、TAAAQQYL(配列番号8)、EEEQQYL(配列番号9)、AEEQQYL(配列番号12)、TEEEQ(配列番号15)、TEEE(配列番号16)、TEEEQAYL(配列番号17)またはTEEEAAYL(配列番号18)からなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
少なくとも1つのアミノ酸が、D−アミノ酸である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物が、前記配列のアミノ末端に付着されたG1、該配列のカルボキシ末端に付着されたG2、または該配列のアミノ末端に付着されたG1および該配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基およびアシル基からなる群から選択され、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミン、芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンおよびヘテロアリールアルキルアミンの複素環式芳香族からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
前記アシル基が、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
前記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンが、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである、請求項13に記載の化合物。
【請求項18】
式M1E2E3S4K5Q6L7Q8L9を特徴とする配列を含む化合物であって、ここで、該化合物は、25以下のアミノ酸長であり、該化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
M1は、残基なし、メチオニン、バリン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
E2およびE3は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸、トリメシン酸またはアルファ,オメガ−ジカルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸またはアゼライン酸)およびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
S4は、残基なし、セリン、トレオニン、アロトレオニン、ヒドロキシプロリン、ベータ−ヒドロキシバリン、バリンおよびηからなる群から選択され、ここで、ηは、中性の親水性アミノ酸であり;
K5は、残基なし、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、シトルリン、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ピリジルアラニンおよびアルギニン代替物からなる群から選択され;
Q6は、残基なし、アラニン、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンおよびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
L7は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
Q8は、残基なし、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンおよびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;そして
L9は、残基なし、ロイシン、イソロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である、
化合物。
【請求項19】
前記化合物が、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
前記中性アミノ酸が、ヒドロキシバリン、ベータ,ベータ−ジアルキルセリン、ホモ−セリン、アロトレオニンまたはヒドロキシプロリンである、請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
疎水性側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである、請求項18に記載の化合物。
【請求項22】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項18に記載の化合物。
【請求項23】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項18に記載の化合物。
【請求項24】
前記アルギニン代替物が、4−アミジノフェニルアセチル、4−アミジノフェニルプロピオニル、4−アミジノフェニルグリシル、4−アミジノフェニルメチルグリシル、4−グアニジノフェニルアセチル、4−グアニジノフェニルプロピオニル、4−グアニジノフェニルグリシルまたは4−グアニジノフェニルメチルグリシルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項25】
前記1級アリールアルキルアミンが、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである、請求項18に記載の化合物。
【請求項26】
前記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンが、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである、請求項18に記載の化合物。
【請求項27】
前記化合物が、配列MEESKQLQL(配列番号2)、MAESKQLQL(配列番号19)、MAASKQLQL(配列番号20)、ESKQLQL(配列番号21)、MEESKQLQI(配列番号22)、MEESKQL(配列番号23)、MEESKQ(配列番号24)、MEESQQLQI(配列番号25)、EESKQLQL(配列番号26)、VQAANALGMEESKQLQLHLDDLVL(配列番号27)またはLVLDDLHLQLQKSEEMGLANAAQV(配列番号28)からなる、請求項18に記載の化合物。
【請求項28】
少なくとも1つのアミノ酸が、D−アミノ酸である、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
前記化合物が、前記配列のアミノ末端に付着されたG1、該配列のカルボキシ末端に付着されたG2、または該配列のアミノ末端に付着されたG1および該配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基およびアシル基からなる群から選択され、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミン、および芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンからなる群から選択される、請求項18に記載の化合物。
【請求項30】
前記アシル基が、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項29に記載の化合物。
【請求項32】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項29に記載の化合物。
【請求項33】
式K1K2Y3L4V5W6V7Q8を特徴とする配列を含む化合物であって、ここで、該化合物は、25以下のアミノ酸長であり、該化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
K1およびK2は、各々独立して、残基なし、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、シトルリン、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ピリジルアラニンおよびアルギニン代替物からなる群から選択され;
Y3は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニンおよびΣからなる群から選択され、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
L4は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
V5は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
W6は、残基なし、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、アラニンおよびΣからなる群から選択され、ここで、Σは、疎水性側鎖Σもしくは芳香族側鎖;または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
V7は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;そして
Q8は、残基なし、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンおよびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸である、
化合物。
【請求項34】
前記化合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
疎水性側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである、請求項33に記載の化合物。
【請求項36】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項33に記載の化合物。
【請求項37】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項33に記載の化合物。
【請求項38】
前記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンが、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである、請求項33に記載の化合物。
【請求項39】
疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである、請求項33に記載の化合物。
【請求項40】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項39に記載の化合物。
【請求項42】
前記アルギニン代替物が、4−アミジノフェニルアセチル、4−アミジノフェニルプロピオニル、4−アミジノフェニルグリシル、4−アミジノフェニルメチルグリシル、4−グアニジノフェニルアセチル、4−グアニジノフェニルプロピオニル、4−グアニジノフェニルグリシルまたは4−グアニジノフェニルメチルグリシルである、請求項33に記載の化合物。
【請求項43】
前記1級アリールアルキルアミンが、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである、請求項33に記載の化合物。
【請求項44】
前記化合物が、前記配列のアミノ末端に付着されたG1、該配列のカルボキシ末端に付着されたG2、または該配列のアミノ末端に付着されたG1および該配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基およびアシル基からなる群から選択され、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミン、および芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンからなる群から選択される、請求項33に記載の化合物。
【請求項45】
前記アシル基が、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである、請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項44に記載の化合物。
【請求項47】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項44に記載の化合物。
【請求項48】
式L1P2D3E4V5T6C7V8を特徴とする配列を含む化合物であって、ここで、該化合物は、25以下のアミノ酸長であり、該化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
L1は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
P2は、残基なし、プロリン、アラニン、N−メチルグリシン、N−イソブチルグリシン、アミノイソ酪酸(Aib)、N−メチル−L−アラニン(MeAla)、trans−4−ヒドロキシプロリン、ジエチルチアゾリジンカルボン酸(Dtc)およびΩからなる群から選択され、ここでΩは、構造制約生成アミノ酸であり;
D3は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸およびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
E4は、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸およびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
V5は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
T6は、残基なし、トレオニン、フェニルアラニン、アラニンおよびΣからなる群から選択され、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸を定義し;
C7は、残基なし、システイン、セリン、ホモセリン、ホモシステイン、トレオニン、メチオニン、N−アセチルシステイン、シスタチオニン、2−アミノブチレートおよびβ,β−ジメチルシステイン(ペニシラミン)からなる群から選択され;そして
V8は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である、
化合物。
【請求項49】
前記化合物が、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む、請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
疎水性側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである、請求項48に記載の化合物。
【請求項51】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項48に記載の化合物。
【請求項52】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項48に記載の化合物。
【請求項53】
前記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンが、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである、請求項48に記載の化合物。
【請求項54】
疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである、請求項48に記載の化合物。
【請求項55】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項54に記載の化合物。
【請求項56】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項54に記載の化合物。
【請求項57】
前記構造制約生成アミノ酸が、アゼチジン−2−カルボン酸、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、4−(アミノメチル)安息香酸、2−アミノ安息香酸またはニペコチン酸である、請求項48に記載の化合物。
【請求項58】
前記1級アリールアルキルアミンが、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである、請求項48に記載の化合物。
【請求項59】
前記化合物が、前記配列のアミノ末端に付着されたG1、該配列のカルボキシ末端に付着されたG2、または該配列のアミノ末端に付着されたG1および該配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基およびアシル基からなる群から選択され、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミン、および芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンからなる群から選択される、請求項48に記載の化合物。
【請求項60】
前記アシル基が、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである、請求項59に記載の化合物。
【請求項61】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項59に記載の化合物。
【請求項62】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項59に記載の化合物。
【請求項63】
配列番号1〜5のいずれか1つのアミノ酸配列をコードする単離された核酸配列を含む、ベクター。
【請求項64】
請求項63に記載のベクターを含む細胞。
【請求項65】
前記細胞が、原核細胞である、請求項64に記載の細胞。
【請求項66】
前記細胞が、真核細胞である、請求項64に記載の細胞。
【請求項67】
請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物を発現する細胞。
【請求項68】
前記細胞が、原核細胞である、請求項67に記載の細胞。
【請求項69】
前記細胞が、真核細胞である、請求項67に記載の細胞。
【請求項70】
請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項71】
自己免疫障害または炎症性障害を処置する方法であって、該方法は、その必要のある被験体に、有効な用量の請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項72】
前記自己免疫障害または炎症性障害が、炎症性腸疾患、乾癬または多発性硬化症である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記化合物が、抗炎症性化合物と組み合わせて投与される、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記投与が、前記化合物の経口投与を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズする能力を阻害するか、または増強する候補化合物を同定する方法であって、該方法は:
(i)請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物の存在下において、該インターロイキン23レセプターを該候補化合物と接触させる工程;および
(ii)該候補化合物と接触していないコントロールと比較して、該インターロイキン23レセプターの生物学的活性の増加または減少についてアッセイする工程であって、ここで、該コントロールと比較して該生物学的活性の減少は、該候補化合物が、請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズする能力を増強することを示唆し、そして該コントロールと比較して該生物学的活性の増加は、該候補化合物が、請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズする能力を阻害することを示唆する、工程
を包含する、方法。
【請求項76】
前記請求項1から62までのいずれか1項に記載の前記化合物が、検出可能なシグナルを直接または間接的に提供する部分で標識されている、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記部分が、放射標識である、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記放射標識が、125I、14Cまたは3Hである、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記部分が、アルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼである、請求項76に記載の方法。
【請求項1】
式T1E2E3E4Q5Q6Y7L8を特徴とする配列を含む化合物であって、ここで、該化合物は、25以下のアミノ酸長であり、該化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
T1は、残基なし、トレオニン、フェニルアラニン、アラニンおよびΣからなる群から選択され、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸を定義し;
E2、E3およびE4は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸およびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
Q5およびQ6は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリン、ホモセリン、アルファ−アミノアジピン酸およびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
Y7は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニン、ヒスチジン、ピリジルアラニンおよびΣからなる群から選択され、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;そして
L8は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である、
化合物。
【請求項2】
前記化合物が、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
疎水性側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンが、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性の脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
前記1級アリールアルキルアミンが、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物が、配列TEEEQQYL(配列番号1)、TAAEQQYL(配列番号7)、TAAAQQYL(配列番号8)、EEEQQYL(配列番号9)、AEEQQYL(配列番号12)、TEEEQ(配列番号15)、TEEE(配列番号16)、TEEEQAYL(配列番号17)またはTEEEAAYL(配列番号18)からなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
少なくとも1つのアミノ酸が、D−アミノ酸である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物が、前記配列のアミノ末端に付着されたG1、該配列のカルボキシ末端に付着されたG2、または該配列のアミノ末端に付着されたG1および該配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基およびアシル基からなる群から選択され、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミン、芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンおよびヘテロアリールアルキルアミンの複素環式芳香族からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
前記アシル基が、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
前記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンが、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである、請求項13に記載の化合物。
【請求項18】
式M1E2E3S4K5Q6L7Q8L9を特徴とする配列を含む化合物であって、ここで、該化合物は、25以下のアミノ酸長であり、該化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
M1は、残基なし、メチオニン、バリン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
E2およびE3は、各々独立して、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸、トリメシン酸またはアルファ,オメガ−ジカルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸またはアゼライン酸)およびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
S4は、残基なし、セリン、トレオニン、アロトレオニン、ヒドロキシプロリン、ベータ−ヒドロキシバリン、バリンおよびηからなる群から選択され、ここで、ηは、中性の親水性アミノ酸であり;
K5は、残基なし、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、シトルリン、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ピリジルアラニンおよびアルギニン代替物からなる群から選択され;
Q6は、残基なし、アラニン、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンおよびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
L7は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
Q8は、残基なし、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンおよびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;そして
L9は、残基なし、ロイシン、イソロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である、
化合物。
【請求項19】
前記化合物が、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
前記中性アミノ酸が、ヒドロキシバリン、ベータ,ベータ−ジアルキルセリン、ホモ−セリン、アロトレオニンまたはヒドロキシプロリンである、請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
疎水性側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである、請求項18に記載の化合物。
【請求項22】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項18に記載の化合物。
【請求項23】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項18に記載の化合物。
【請求項24】
前記アルギニン代替物が、4−アミジノフェニルアセチル、4−アミジノフェニルプロピオニル、4−アミジノフェニルグリシル、4−アミジノフェニルメチルグリシル、4−グアニジノフェニルアセチル、4−グアニジノフェニルプロピオニル、4−グアニジノフェニルグリシルまたは4−グアニジノフェニルメチルグリシルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項25】
前記1級アリールアルキルアミンが、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである、請求項18に記載の化合物。
【請求項26】
前記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンが、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである、請求項18に記載の化合物。
【請求項27】
前記化合物が、配列MEESKQLQL(配列番号2)、MAESKQLQL(配列番号19)、MAASKQLQL(配列番号20)、ESKQLQL(配列番号21)、MEESKQLQI(配列番号22)、MEESKQL(配列番号23)、MEESKQ(配列番号24)、MEESQQLQI(配列番号25)、EESKQLQL(配列番号26)、VQAANALGMEESKQLQLHLDDLVL(配列番号27)またはLVLDDLHLQLQKSEEMGLANAAQV(配列番号28)からなる、請求項18に記載の化合物。
【請求項28】
少なくとも1つのアミノ酸が、D−アミノ酸である、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
前記化合物が、前記配列のアミノ末端に付着されたG1、該配列のカルボキシ末端に付着されたG2、または該配列のアミノ末端に付着されたG1および該配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基およびアシル基からなる群から選択され、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミン、および芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンからなる群から選択される、請求項18に記載の化合物。
【請求項30】
前記アシル基が、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項29に記載の化合物。
【請求項32】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項29に記載の化合物。
【請求項33】
式K1K2Y3L4V5W6V7Q8を特徴とする配列を含む化合物であって、ここで、該化合物は、25以下のアミノ酸長であり、該化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
K1およびK2は、各々独立して、残基なし、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、シトルリン、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ピリジルアラニンおよびアルギニン代替物からなる群から選択され;
Y3は、残基なし、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、アラニンおよびΣからなる群から選択され、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
L4は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
V5は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
W6は、残基なし、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、アラニンおよびΣからなる群から選択され、ここで、Σは、疎水性側鎖Σもしくは芳香族側鎖;または複素環式芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸であり;
V7は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;そして
Q8は、残基なし、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンおよびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸である、
化合物。
【請求項34】
前記化合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
疎水性側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである、請求項33に記載の化合物。
【請求項36】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項33に記載の化合物。
【請求項37】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項33に記載の化合物。
【請求項38】
前記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンが、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである、請求項33に記載の化合物。
【請求項39】
疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである、請求項33に記載の化合物。
【請求項40】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項39に記載の化合物。
【請求項42】
前記アルギニン代替物が、4−アミジノフェニルアセチル、4−アミジノフェニルプロピオニル、4−アミジノフェニルグリシル、4−アミジノフェニルメチルグリシル、4−グアニジノフェニルアセチル、4−グアニジノフェニルプロピオニル、4−グアニジノフェニルグリシルまたは4−グアニジノフェニルメチルグリシルである、請求項33に記載の化合物。
【請求項43】
前記1級アリールアルキルアミンが、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである、請求項33に記載の化合物。
【請求項44】
前記化合物が、前記配列のアミノ末端に付着されたG1、該配列のカルボキシ末端に付着されたG2、または該配列のアミノ末端に付着されたG1および該配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基およびアシル基からなる群から選択され、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミン、および芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンからなる群から選択される、請求項33に記載の化合物。
【請求項45】
前記アシル基が、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである、請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項44に記載の化合物。
【請求項47】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項44に記載の化合物。
【請求項48】
式L1P2D3E4V5T6C7V8を特徴とする配列を含む化合物であって、ここで、該化合物は、25以下のアミノ酸長であり、該化合物は、インターロイキン23(IL−23)レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズし、ここで;
L1は、残基なし、ロイシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
P2は、残基なし、プロリン、アラニン、N−メチルグリシン、N−イソブチルグリシン、アミノイソ酪酸(Aib)、N−メチル−L−アラニン(MeAla)、trans−4−ヒドロキシプロリン、ジエチルチアゾリジンカルボン酸(Dtc)およびΩからなる群から選択され、ここでΩは、構造制約生成アミノ酸であり;
D3は、残基なし、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸およびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
E4は、残基なし、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、ホモセリン、ベータ−ロイシン、ベータ−フェニルアラニン、アルファアミノアジピン酸およびΨからなる群から選択され、ここで、Ψは、疎水性側鎖、芳香族アミン、脂肪族アミンまたは1級アリールアルキルアミンを含む3−アミノ−5−フェニルペンタン酸−アルファ−アミノ酸であり;
V5は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;または複素環式芳香族アミンもしくはヘテロアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸であり;
T6は、残基なし、トレオニン、フェニルアラニン、アラニンおよびΣからなる群から選択され、ここで、Σは、疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含むアルファ−アミノ酸を定義し;
C7は、残基なし、システイン、セリン、ホモセリン、ホモシステイン、トレオニン、メチオニン、N−アセチルシステイン、シスタチオニン、2−アミノブチレートおよびβ,β−ジメチルシステイン(ペニシラミン)からなる群から選択され;そして
V8は、残基なし、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびφからなる群から選択され、ここで、φは、疎水性側鎖;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;または芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミンを含むアルファ−アミノ酸である、
化合物。
【請求項49】
前記化合物が、少なくとも1つのD−アミノ酸を含む、請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
疎水性側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニンまたはアリルグリシンである、請求項48に記載の化合物。
【請求項51】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項48に記載の化合物。
【請求項52】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項48に記載の化合物。
【請求項53】
前記複素環式芳香族アミンまたはヘテロアリールアルキルアミンが、ピリジルアミン、ピリジルメチルアミンまたはトリプタミンである、請求項48に記載の化合物。
【請求項54】
疎水性側鎖Σまたは芳香族側鎖を含む前記アルファ−アミノ酸が、ノル−ロイシン、イソ−ロイシン、tert−ロイシン、シクロヘキシルアラニン、アリルグリシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはΛであり、ここで、Λは、中性脂肪族アミノ酸;1〜10個の炭素の脂肪族アミン;芳香族アミンもしくはアリールアルキルアミン;チロシン;4−ヒドロキシフェニルグリシン;フェニルグリシン;ホモセリン;3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン;または4−クロロフェニルアラニンである、請求項48に記載の化合物。
【請求項55】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項54に記載の化合物。
【請求項56】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項54に記載の化合物。
【請求項57】
前記構造制約生成アミノ酸が、アゼチジン−2−カルボン酸、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、4−(アミノメチル)安息香酸、2−アミノ安息香酸またはニペコチン酸である、請求項48に記載の化合物。
【請求項58】
前記1級アリールアルキルアミンが、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−フェニル−ベンジルアミンである、請求項48に記載の化合物。
【請求項59】
前記化合物が、前記配列のアミノ末端に付着されたG1、該配列のカルボキシ末端に付着されたG2、または該配列のアミノ末端に付着されたG1および該配列のカルボキシ末端に付着されたG2をさらに含み、ここで、G1は、残基なし、水素、1〜8個の炭素の直鎖または分枝鎖アルキル基およびアシル基からなる群から選択され、G2は、残基なし、水素、NH2、1〜10個の炭素の脂肪族アミン、および芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンからなる群から選択される、請求項48に記載の化合物。
【請求項60】
前記アシル基が、アセチル、プロピオニル、ブタニル、イソ−プロピオニルまたはイソ−ブタニルである、請求項59に記載の化合物。
【請求項61】
1〜10個の炭素の前記脂肪族アミンが、メチルアミン、イソ−ブチルアミン、イソ−バレリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルメチルアミンまたはシクロヘキシルアミンである、請求項59に記載の化合物。
【請求項62】
前記芳香族アミンまたはアリールアルキルアミンが、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミン、シンナミルアミンまたはフェニルエチルアミンである、請求項59に記載の化合物。
【請求項63】
配列番号1〜5のいずれか1つのアミノ酸配列をコードする単離された核酸配列を含む、ベクター。
【請求項64】
請求項63に記載のベクターを含む細胞。
【請求項65】
前記細胞が、原核細胞である、請求項64に記載の細胞。
【請求項66】
前記細胞が、真核細胞である、請求項64に記載の細胞。
【請求項67】
請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物を発現する細胞。
【請求項68】
前記細胞が、原核細胞である、請求項67に記載の細胞。
【請求項69】
前記細胞が、真核細胞である、請求項67に記載の細胞。
【請求項70】
請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項71】
自己免疫障害または炎症性障害を処置する方法であって、該方法は、その必要のある被験体に、有効な用量の請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項72】
前記自己免疫障害または炎症性障害が、炎症性腸疾患、乾癬または多発性硬化症である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記化合物が、抗炎症性化合物と組み合わせて投与される、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記投与が、前記化合物の経口投与を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズする能力を阻害するか、または増強する候補化合物を同定する方法であって、該方法は:
(i)請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物の存在下において、該インターロイキン23レセプターを該候補化合物と接触させる工程;および
(ii)該候補化合物と接触していないコントロールと比較して、該インターロイキン23レセプターの生物学的活性の増加または減少についてアッセイする工程であって、ここで、該コントロールと比較して該生物学的活性の減少は、該候補化合物が、請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズする能力を増強することを示唆し、そして該コントロールと比較して該生物学的活性の増加は、該候補化合物が、請求項1から62までのいずれか1項に記載の化合物がインターロイキン23レセプターの生物学的活性をアンタゴナイズする能力を阻害することを示唆する、工程
を包含する、方法。
【請求項76】
前記請求項1から62までのいずれか1項に記載の前記化合物が、検出可能なシグナルを直接または間接的に提供する部分で標識されている、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記部分が、放射標識である、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記放射標識が、125I、14Cまたは3Hである、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記部分が、アルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼである、請求項76に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2011−501941(P2011−501941A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514184(P2010−514184)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002490
【国際公開番号】WO2009/007849
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(510000987)バロリゼイション エイチエスジェイ, ソシエテ アン コマンディテ (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002490
【国際公開番号】WO2009/007849
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(510000987)バロリゼイション エイチエスジェイ, ソシエテ アン コマンディテ (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]