説明

MEK阻害剤及びオーロラキナーゼ阻害剤188を含んでなる組合せ

本発明は、MEK阻害剤及びオーロラキナーゼ阻害剤を含んでなる組合せ治療薬、並びに患者における抗癌効果の産生のための、従って患者の癌の治療において有用である方法に関する。更に具体的には、本発明は:MEK阻害剤及びオーロラキナーゼ阻害剤を含んでなる組合せ治療薬;MEK阻害剤及びオーロラキナーゼ阻害剤を含んでなる組合せ製品、MEK阻害剤及びオーロラキナーゼ阻害剤を含んでなるキット;組合せ治療薬、組合せ製品、又はキットの癌の治療における使用;組合せ治療薬、組合せ製品、又はキットを患者に投与することを含んでなる癌を治療する方法に関する。この組合せ及び本発明の方法は、更にMEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状の治療においても有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEK阻害剤及びオーロラキナーゼ阻害剤を含んでなる治療用の組合せ、並びに患者における抗癌効果の産生のための、従って患者の癌の治療において有用である方法に関する。更に具体的には、本発明は:MEK阻害剤及びオーロラキナーゼ阻害剤を含んでなる組合せ治療薬(治療用組合せ、therapeutic combination);MEK阻害剤及びオーロラキナーゼ阻害剤を含んでなる組合せ製品(combination product)、MEK阻害剤及びオーロラキナーゼ阻害剤を含んでなるキット(kit of parts);組合せ治療薬、組合せ製品、又はキットの癌の治療における使用;組合せ治療薬、組合せ製品、又はキットを患者に投与することを含んでなる癌を治療する方法に関する。この組合せ物及び本発明の方法は、更にMEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状の治療においても有用である。
【背景技術】
【0002】
細胞周期は、細胞がそのDNAを複製し、そしてそれを二つの娘細胞に等しく分離する細胞分裂の過程を説明する。染色体分離の最終段階は、有糸分裂と呼ばれる。有糸分裂中に、染色体は凝縮し、そしてこれらが分裂する前に姉妹染色分体が整列させられて、それぞれの新生細胞は、遺伝子物質の完全な補体を受領する。これは、繊維質構造、即ち微小管ポリマーによって構成されるいわゆる紡錘体によって達成される。有糸分裂、そして特に紡錘体は、ビンカアルカロイド及びタキサンのような化合物による薬物標的として臨床的に確認されている。これらは、微小管の動態を妨げ、そして従って有糸分裂の進行を停止させ、細胞の死に導く。チューブリンが、多くの他の生理学的過程において役割を演じるために、これらの薬剤の毒性は考慮に値する。標的の第二世代の有糸分裂剤は、現在開発中である。これらの薬剤は、有糸分裂の調節に特異的に関係する酵素及び分子を阻害し、そして従ってより低い毒性を伴うことができる。更にこれらの標的は、しばしば癌細胞中で過剰発現することが見出されている。例は、オーロラキナーゼファミリーのメンバーのファミリー、オーロラA及びB、polo様キナーゼ−1、並びにキネシン様モータータンパク質Eg5(Jackson JR et al.“Targeted anti mitotic therapies:can we improve on tubulin agents?”Nature reviews Cancer 2007(7) pp 107−117);を含む。
【0003】
Ras、Raf、MAPタンパク質キナーゼ/細胞外シグナルで制御されるキナーゼキナーゼ(MEK)、細胞外シグナルで制御されるキナーゼ(ERK)経路は、細胞の増殖、分化、生存、不死化、浸潤及び血管新生を含む細胞状況に依存する各種の細胞機能の調節において中心的役割を演じている(Peyssonnaux and Eychene,Biology of the Cell,2001,93,3−62中で概説)。実際に、ras依存性raf−MEK−MAPKカスケードは、細胞の発現及び細胞の運命において変化をもたらす細胞表面から核への分裂促進及び浸潤シグナルの両方を伝達することの原因である鍵となるシグナル伝達経路の一つである。
【0004】
Ras/Raf/MEK/ERK経路は、不死化、増殖因子非依存性増殖、増殖阻害シグナルに対する非感受性、浸潤及び転移する能力、血管新生を刺激すること、並びにアポトーシスの阻害を導入することによって腫瘍原生の表現型に寄与することが報告されている(Kolch et al.,Exp.Rev.Mol.Med.,2002,25 April,http://www.expertreviews.org/02004386h.htm中で概説)。実際、ERKリン酸化は、全てのヒトの腫瘍の概略30%において亢進されている(Hoshino et al.,Oncogene,1999,18,813−822)。これは、RAS及びBRAF遺伝子を含む経路の鍵となるメンバーの過剰発現及び/又は変異の一つの結果であることができる。
【0005】
従って、MAPKキナーゼ経路のタンパク質の阻害剤が、増殖性又は浸潤性疾病の封じ込め及び/又は治療において使用するための抗増殖性、アポトーシス促進性及び抗浸潤性剤として両方の価値がある筈であることが認識される。
【0006】
更に、有糸分裂を含む細胞周期による細胞の発育を制御する細胞経路は、更に、癌のような細胞増殖の正常な調節が喪失された時に起こる制御されない細胞増殖によって特徴づけられる過剰増殖性疾病においても重要であると考えられる。
【0007】
真核生物において、タンパク質リン酸化の秩序あるカスケードが細胞周期による細胞の発育を制御すると考えられる。このカスケードにおいて重要な役割を演じるタンパク質キナーゼのいくつかのファミリーが確認されている。多くのこれらのキナーゼの活性は、正常な組織と比較した場合、ヒトの腫瘍において増加している。これは、タンパク質の発現の増加したレベル(例えば遺伝子増幅の結果として)、或いは活性化補助因子又は阻害タンパク質の発現の変化のいずれかによって起こることができる。
【0008】
有糸分裂を調節し、そして従って細胞周期において重要な役割を演じ、そして更に発癌においても重要であると見受けられるタンパク質キナーゼは、Drosophila aurora及びS.cerevisiae Ipl1タンパク質のヒト同族体を含む。これらの遺伝子の三つのヒト同族体、オーロラ−A、オーロラ−B及びオーロラ−C(更にそれぞれオーロラ2、オーロラ1及びオーロラ3としても知られる)は、細胞周期で調節されるセリン−トレオニンタンパク質キナーゼをコードする(Adams et al.,Trends in Cell Biology,2001,11(2):49−54中に要約)。これらは、細胞周期中のG2及び有糸分裂を通して発現及びキナーゼ活性のピークを示す。いくつかの観察は、癌におけるヒトオーロラタンパク質の関与を意味づける。
【0009】
オーロラAのDNAは増幅され、そしてmRNAは原発性ヒト直腸結腸癌の50%より多くで過剰発現し、ここにおいて、オーロラAタンパク質のレベルは、隣接する正常な組織と比較して非常に増加しているように見受けられる。更に、齧歯類線維芽細胞のヒトオーロラAによる形質移入は、形質転換に導き、軟質寒天中で増殖する能力を与え、そしてヌードマウスにおいて腫瘍を形成する(Bischoff et al.,The EMBO Journal,1998,17(11),3052−3065)。他の研究は、ヒト腫瘍細胞系のアンチセンスオリゴヌクレオチド治療によるオーロラAの発現及び機能の抑止(WO97/22702及びWO99/37788)が、細胞周期の停止に導き、そしてこれらの腫瘍細胞系における抗増殖効果を発揮することを証明している。
【0010】
オーロラBは、癌細胞中で過剰発現し、そしてオーロラBの増加したレベルは、直腸結腸癌の進行した段階と相関することが示されている(Katayama et al.,J.Natl Cancer Inst.,1999,91,1160)。更に、オーロラBの過剰発現が、異数性を誘導し、そしてオーロラBを過剰発現している細胞が転移を発生する更に高悪性度の腫瘍を形成することが報告されている(Ota T.et al.,Cancer Res.,2002,62,5168−5177)。
【0011】
オーロラCに関して、これの発現は、各種の癌系で過剰発現することが見出されているが、精巣に限られていると考えられている(Katayama H et al.,Cancer and Metastasis Reviews,2003,22:451−464)。
【0012】
更に、オーロラA及びオーロラBの小分子阻害剤は、siRNA治療によるオーロラBの発現の単独の選択的抑止を有する(Ditchfield et al.,J.Cell Biology,2003,161(2),267−280)ように、ヒト腫瘍細胞において抗増殖効果を有することが証明されている(Keen et al.2001,Poster #2455,American Association of Cancer Research annual meeting)。これは、オーロラA及び/又はオーロラBの機能の阻害が、ヒトの腫瘍及び他の過剰増殖性疾病の治療において有用であることができる抗増殖効果を有するものであることを示す。
【0013】
有糸分裂及び細胞周期は、全ての腫瘍細胞の増殖において内因性の役割を演じる。従って、癌のような過剰増殖性疾病の治療用方法のような、有糸分裂、そして従って細胞周期の阻害が、増殖性の腫瘍細胞において活性であるものであることが認識されている。MEKのような具体的なシグナル伝達分子を指向する方法は、Raf−MEK−MAPKカスケードを発現し、そしてそれに少なくとも部分的に依存する腫瘍細胞のサブセットにおいて有効であることが期待されるものである。
【0014】
培養された腫瘍細胞中のMEK1/2の阻害は、しばしば細胞周期のG1相における停止を起こし、そしてこれは、時間と共に細胞周期の他の相における細胞の、未処理の細胞に対するパーセントの減少となる。これらの細胞周期の他の相は、S相(DNAの合成が起こる時期)及び有糸分裂(細胞分裂が起こる時期)である。MEK阻害剤が培養培地から除去されたとき、細胞周期のG1相で停止された細胞は、S相に、そして次いで有糸分裂に、MEK阻害からの解放後のある時期において、同期された様式で細胞周期のS相及び有糸分裂における細胞の、未処理の細胞に対するパーセントの増加があるように動き始める。従って、MEK阻害に続くMEK阻害からの解放は、有糸分裂中のものの細胞固体数を、そして従ってオーロラキナーゼ阻害剤のような有糸分裂阻害剤に対して感受性であるものを富化する潜在性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際特許出願公開WO97/22702。
【特許文献2】国際特許出願公開WO99/37788。
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Jackson JR et al.“Targeted anti mitotic therapies:can we improve on tubulin agents?”Nature reviews Cancer 2007(7) pp 107−117。
【非特許文献2】Peyssonnaux and Eychene,Biology of the Cell,2001,93,3−62。
【非特許文献3】Kolch et al.,Exp.Rev.Mol.Med.,2002,25 April,http://www.expertreviews.org/02004386h.htm。
【非特許文献4】Hoshino et al.,Oncogene,1999,18,813−822。
【非特許文献5】Adams et al.,Trends in Cell Biology,2001,11(2):49−54。
【非特許文献6】Bischoff et al.,The EMBO Journal,1998,17(11),3052−3065。
【非特許文献7】Katayama et al.,J.Natl Cancer Inst.,1999,91,1160。
【非特許文献8】Ota T.et al.,Cancer Res.,2002,62,5168−5177。
【非特許文献9】Katayama H et al.,Cancer and Metastasis Reviews,2003,22:451−464。
【非特許文献10】Ditchfield et al.,J.Cell Biology,2003,161(2),267−280。
【非特許文献11】Keen et al.2001,Poster #2455,American Association of Cancer Research annual meeting。
【発明の概要】
【0017】
本発明は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなる治療用組合せ(therapeutic combination, 組合せ治療薬または手段)に関する。治療用組合せは、患者における抗癌効果の産生のための方法において有用であり、従ってこれは、患者の癌の治療において有用である。
【0018】
治療用組合せは、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなる組合せ製品(combination product, 物)の形態であることができる。治療用組合せは、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の別個の製剤を含む複数の部品からなるキット(kit of parts, キット)を含むことができる。MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の別個の製剤は、逐次的に、別個に及び/又は同時に投与することができる。MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の別個の製剤を、同時に(所望により繰返して)投与することができることは当業者にとって明白であるものである。MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の別個の製剤を、逐次的に(所望により繰返して)投与することができることも更に当業者にとって明白であるものである。MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の別個の製剤を、別個に(所望により繰返して)投与することができることも更に当業者にとって明白であるものである。当業者は、更にMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の別個の製剤が、逐次的に又は連続的に投与される場合、これが、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、それに続くオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の投与によるか、或いはオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、それに続くMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の投与によることができることを理解するものである。更に、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の別個の製剤は、別の投与パターンで投与することができる。MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の別個の製剤が逐次的に又は別個に投与される場合、第二の製剤の投与の遅れは、治療用組合せの有益な効果を喪失するようなものであってはならない。従って、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなる治療用組合せは、癌の治療において逐次的に、別個に及び/又は同時に使用することができる。
【0019】
本発明の一つの側面において、
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を含んでなる治療用組合せが提供される。
【0020】
本発明の一つの態様において、
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩を、医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴って含んでなる治療用組合せが提供される。
【0021】
本発明の一つの態様において、
医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴う、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴う、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を含んでなる治療用組合せが提供される。
【0022】
驚くべきことに、本出願人等は、オーロラキナーゼの阻害、それに続くMEKの逐次阻害が特に有益であり、そして単独のオーロラキナーゼの阻害又はMEKの阻害と比較して、in vivoにおける腫瘍細胞の増殖の相乗的阻害が得られることを見出した。オーロラキナーゼの阻害、それに続くMEKの逐次阻害も、更に、単独のオーロラキナーゼ又はMEKのいずれかの阻害により達成されるものであるものより大きい腫瘍細胞の増殖の阻害に導くものであることを提案する。
【0023】
本発明の特別な側面において、
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を含んでなる治療用組合せが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量(dose)は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0024】
本発明のもう一つの態様において:
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を含んでなる治療用組合せが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0025】
本発明のもう一つの態様において:
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を含んでなる治療用組合せが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0026】
本発明のもう一つの態様において:
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を含んでなる治療用組合せが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0027】
本発明のもう一つの態様において:
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を含んでなる治療用組合せが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0028】
本発明の特別な態様において、
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を含んでなる治療用組合せが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与に先だって投与される。
【0029】
本発明のもう一つの態様において:
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を含んでなる治療用組合せが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって投与される。
【0030】
本発明のもう一つの態様において:
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を含んでなる治療用組合せが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって投与される。
【0031】
本発明のもう一つの態様において:
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を含んでなる治療用組合せが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって投与される。
【0032】
本発明のもう一つの態様において:
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を含んでなる治療用組合せが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって投与される。
【0033】
本発明のもう一つの側面において、医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴う、
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を含んでなる組合せ製品が提供される。
【0034】
組合せ製品は、
医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴う、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴うオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
の別個の製剤を含んでなることができる。あるいは、組合せ製品は、医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴う
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
の組合せ製剤を含んでなることができる。
【0035】
本発明の特別の態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0036】
本発明のもう一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0037】
本発明のもう一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0038】
本発明のもう一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0039】
本発明のもう一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0040】
本発明の特別の態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与に先だって投与される。
【0041】
本発明のもう一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって投与される。
【0042】
本発明のもう一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって投与される。
【0043】
本発明のもう一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって投与される。
【0044】
本発明のもう一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって投与される。
【0045】
もう一つの側面において、以下の構成要素:
医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴う、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩;及び
医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴う、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩;
を含んでなるキットが提供される。
【0046】
本発明の一つの態様において、以下の構成要素
医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴う、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩;及び
医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴う、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩;
を含んでなるキットが提供され、
ここにおいて、構成要素は、逐次、別個及び/又は同時投与のために適した形態で提供される。
【0047】
一つの態様において、キットは、
医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴う、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなる第1の容器;及び
医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴う、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなる第2の容器;並びに
前記の第1及び第2の容器を含有するための容器手段;
を含んでなる。
【0048】
一つの態様において、キットは、更に構成要素を逐次、別個及び/又は同時に投与するための説明書を含んでなる。適当には、説明書は、本明細書中で記載したような投与順序を記載する。特別な態様において、説明書は、治療用組合せが、癌の治療において使用することができることを示す。一つの態様において、説明書は、治療用組合せが、MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状の治療において使用することができることを示す。
【0049】
本発明のもう一つの側面において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩との組合わせたMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の治療用に有効な量を、癌を有する、又は有すると疑われる患者に投与することを含んでなる、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療の方法が提供される。
【0050】
本発明のもう一つの側面において、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットの治療用に有効な量を、癌を有する、又は有すると疑われる患者に投与することを含んでなる、癌の治療の方法が提供される。
【0051】
本発明のもう一つの側面において、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットの治療用に有効な量の患者への投与を含んでなる、MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状の治療の方法が提供される。
【0052】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の、治療の方法が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い投与は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い投与の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0053】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の、治療の方法が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0054】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の、治療の方法が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0055】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の、治療の方法が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0056】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の、治療の方法が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0057】
一つの態様において、治療の方法は、更にMEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が必要な患者を選択することを含んでなる。
一つの態様において、治療の方法は、更に癌のための治療が必要な患者を選択することを含んでなる。
【0058】
先に上記で記載したように、癌、又はMEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状の治療の方法は、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回の服用量を、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与する段階を含んでなる場合に有益である。癌、又はMEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状の治療の方法は、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回又はそれより多い服用量を、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回又はそれより多い服用量の投与に先だって投与する段階を含んでなる場合に特に有益である。一つの態様において、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量を、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与中に(しかしその開始後に)投与することができる。もう一つの態様において、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量を、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回又はそれより多い服用量の投与の終了の直後に投与することができる。もう一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回又はそれより多い服用量の投与及びMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回又はそれより多い服用量の投与間に間隔をおくことができる。
【0059】
本発明のもう一つの側面において、医薬の製造における、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットの使用が提供される。
本発明のもう一つの側面において、医薬の製造における、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩と組合せたMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の使用が提供される。
【0060】
一つの態様において、癌の治療のための医薬の製造における、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットの使用が提供される。
一つの態様において、癌の治療のための医薬の製造における、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩と組合せたMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の使用が提供される。
【0061】
本発明のもう一つの側面において、MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状の治療のための医薬の製造における、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットの使用が提供される。
【0062】
一つの態様において、MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状の治療のための医薬の製造における、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩と組合せたMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の使用が提供される。
【0063】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療のための医薬の製造における、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットの使用が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0064】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療のための医薬の製造における、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットの使用が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に服用量される。
【0065】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療のための医薬の製造における、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットの使用が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0066】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療のための医薬の製造における、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットの使用が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0067】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療のための医薬の製造における、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットの使用が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0068】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療のための医薬の製造における、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩と組合せたMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の使用が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0069】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療のための医薬の製造における、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩と組合せたMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の使用が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0070】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療のための医薬の製造における、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩と組合せたMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の使用が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0071】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療のための医薬の製造における、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩と組合せたMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の使用が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0072】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療のための医薬の製造における、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩と組合せたMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の使用が提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって、或いはそれと同時に投与される。
【0073】
一つの態様において、使用は、更にMEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が必要な患者を選択することを含んでなる。
一つの態様において、使用は、更に癌のための治療が必要な患者を選択することを含んでなる。
【0074】
本発明のもう一つの側面において、医薬として使用するための、本明細書中で先に記載したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットが提供される。
本発明のもう一つの側面において、医薬として使用するための、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなる治療用組合せが提供される。
【0075】
本発明のもう一つの側面において、癌の治療において使用するための、本明細書中で先に記載したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットが提供される。
本発明のもう一つの側面において、癌の治療において使用するための、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなる治療用組合せが提供される。
【0076】
本発明のもう一つの側面において、MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状の治療において使用するための、本明細書中で先に記載したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットが提供される。
【0077】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療において使用するための、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与に先だって投与される。
【0078】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療において使用するための、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって投与される。
【0079】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療において使用するための、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって投与される。
【0080】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療において使用するための、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の多数回服用量の投与に先だって投与される。
【0081】
一つの態様において、
癌、又は
MEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が有益である症状
の治療において使用するための、本明細書中で先に定義したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットが提供され、
ここにおいて、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に先だって投与される。
【0082】
一つの態様において、使用は、更にMEK及び/又はオーロラキナーゼの阻害が必要な患者を選択することを含んでなる。
一つの態様において、使用は、更に癌のための治療が必要な患者を選択することを含んでなる。
【0083】
一つの態様において、患者がMEK阻害に対して抵抗性ではない、本明細書中で先に記載したとおりの方法又は使用が提供される。
一つの態様において、患者がオーロラキナーゼ阻害に対して抵抗性ではない、本明細書中で先に記載したとおりの方法又は使用が提供される。
【0084】
一つの態様において、患者の腫瘍が、BRaf変異又は複数の変異、KRas変異又は複数の変異、NRas変異又は複数の変異、及び/又はHRaf変異又は複数の変異のいずれか一つ又はそれより多くを保有する、本明細書中で先に記載したとおりの方法又は使用が提供される。
【0085】
疑義の回避のために、“先だって投与される”によって、本出願人等は、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与が、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与の前に開始されることを意味する。従って、表現“先だって投与される”は、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量が先ず投与され、そしてこれに続いてMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量が投与される状況を包含する。MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与中に(しかしその開始後に)投与することができる。別の方法として、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量は、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与の終了の直後に投与することができる。更に、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与、及びMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与間に間隔をおくことができる。間隔は、阻害剤の抗癌効果を最適化し、そして阻害剤間の好ましくない相互作用を最小化するように計算することができる。阻害剤間の好ましくない相互作用は、単独で使用されたいずれかの阻害剤と比較して減少した効力、又は単独で使用されたいずれかの阻害剤と比較して増加した毒性であることができる。
【0086】
“同時に”によって、本出願人等は、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量が、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与と同時に投与されることを意味する。
【0087】
本発明の特別な態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与、及びMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与間の間隔は、0時間ないし2週間、例えば12時間、24時間、1日、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14日である。
【0088】
更なる態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与、及びMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与間の間隔は、0.5ないし5日である。
【0089】
更なる態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与、及びMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与間の間隔は、1日である。
【0090】
更なる態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与、及びMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与間の間隔は、24時間である。
【0091】
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与、及びMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与は、治療管理中に多くの回数繰返すことができることは認識されるものである。
【0092】
従って、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくは多数回服用量の投与後に、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩を、再び、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量に先だって、或いはそれと同時に投与することができる。一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩のこの事後投与は、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与に直ちに続く。別の態様において、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の事後投与に先立つMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与後に、間隔がおかれる。一つの態様において、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の投与、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回服用量の事後投与の間の間隔は、1日より大きい。
【0093】
一つの態様において、MEK阻害剤は、低分子量化合物である。一つの態様において、MEK阻害剤は、ATP競合的MEK阻害剤、非ATP競合的MEK阻害剤、又はATP非競合的MEK阻害剤のいずれか一つから選択される。国際特許出願公開WO2003/077914は、化合物6−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エトキシ)−アミドを開示し、これは本明細書中でAZD6244と呼ばれる。一つの態様において、MEK阻害剤は、AZD6244、2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド、4−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボキシアミド、PD−0325901(Pfizer)、PD−184352(Pfizer)、XL−518(Exelixis)、AR−119(Ardea Biosciences,Valeant Pharmaceuticals)、AS−701173(Merck Serono)、AS−701255(Merck Serono)、360770−54−3(Wyeth)のいずれか一つから選択される。一つの態様において、MEK阻害剤は、AZD6244、2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド又は4−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボキシアミドから以下に記載するように選択される。
【0094】
一つの態様において、MEK阻害剤は、AZD6244、4−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボキシアミド又は2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミドから以下に記載するように選択される。
【0095】
一つの態様において、MEK阻害剤は、AZD6244又は医薬的に受容可能なその塩から選択される。一つの態様において、MEK阻害剤は、AZD6244硫酸水素塩である。AZD6244硫酸水素塩は、国際特許出願公開WO2007/076245に記載されている方法によって合成することができる。
【0096】
一つの態様において、MEK阻害剤は、6−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エトキシ)−アミド又は医薬的に受容可能なその塩から選択される。一つの態様において、MEK阻害剤は、6−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エトキシ)−アミド硫酸水素塩である。6−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エトキシ)−アミド硫酸水素塩は、国際特許出願公開WO2007/076245に記載されている方法によって合成することができる。
【0097】
もう一つの態様において、MEK阻害剤は、遺伝子の発現を、例えばmRNAの安定性又は翻訳に干渉することによって阻害することができる。一つの態様において、MEK阻害剤は、時に短鎖干渉RNA又はサイレンシングRNAとして知られる低分子干渉RNA(siRNA)、或いは時に低分子ヘアピン型RNAとして知られる短鎖ヘアピン型RNA(shRNA)から選択される。
【0098】
一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤は、MLN8054(Millennium)、MLN−8237(Millennium)、ENMD−981693(EntreMed)、MP235+(Montigen)、MP529(Montigen)、AX39459(GPC/AXXIMA)、Aur A(University Arizona)、Aur A(Aventis)、Aur B(Inploid/NCE/Wolfson)、Aur B(GSK)、Aur B(Boehringer Ingelheim)、PH739358(Nerviano)、MK0457/VX−680(Merck/Vertex)、AT9283(Astex)、R763(Rigel/Serono、MK6592/VX−667(Merck/Vertex)、CYC116(Cyclacel)、SNS−314(Sunesis)、AKI−001(Roche,Genentech)、AKI(Elara Pharmaceuticals)、AKI(Avalon Pharmaceuticals)、A−60/EA−19/E2B8(Telik Inc.)、BMS−739562(Bristol−Myers Squibb)、AKI(Sarem Holdings)、GSK−1070916A(GlaxoSmithKline)、S−081/S−091(Sentinel Oncology)、MK−615(Japon Apricot)、PF−3814735(Pfizer)、ダヌセルチブ(Pfizer)、EN−640402(Amgen)、TTP−607(TransTech Pharma)、VX−689(Vertex)、VE−465(Vertex)、SU−6668、SGI−529(University of Arizona)、KW−2449(Kyowa−Hakko)、XL 228(Exelixis).AB−038(Ambit)、BI 811283(Boehringer Ingelheim)、CHR3520(Chroma)及びRO4612910(Roche)のいずれか一つから選択される。
【0099】
一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤は、国際特許出願公開WO2003/055491、WO2004/058781、WO2004/058781及びWO2006/129064中に記載されているオーロラキナーゼの阻害剤のいずれか一つから選択される。WO2004/058781は、特に、本明細書中でAZD1152と呼ばれる化合物リン酸二水素2−{[3−({4−[(5−{2−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]キナゾリン−7−イル}オキシ)プロピル](エチル)アミノ}エチルを開示している。AZD1152は、本明細書中でAZD1152HQPAと呼ばれる、次の式2−{3−[(7−{3−[エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロポキシ}キナゾリン−4−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−5−イル}−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミドを保有する活性分子に急速に、そして完全に転換される(ヒト血漿中で)プロドラッグである。AZD1152HQPAは、オーロラA、B−INCENP及びC−INCENPに対する強力な活性を持つオーロラキナーゼのATP競合的及び可逆的阻害剤である(Kiはそれぞれ1369±419.2nM、0.359±0.386nM及び17.03±12.2nM)。AZD1152は、一団のヒト直腸結腸(SW620、HCT116、Colo205)及び肺(A549、Calu−6)腫瘍の異種移植片における腫瘍の増殖を、統計的有意性を伴って阻害することが見出されている。AZD1152のマレイン酸共結晶は、国際特許出願公開WO2007/132227中に記載されている。
【0100】
一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤は、AZD1152、又は医薬的に受容可能なその塩である。
一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤は、リン酸二水素2−{[3−({4−[(5−{2−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]キナゾリン−7−イル}オキシ)プロピル](エチル)アミノ}エチル、又は医薬的に受容可能なその塩である。
【0101】
一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤は、AZD1152のマレイン酸共結晶である。AZD1152のマレイン酸共結晶は、WO2007/132227中に記載されている方法によって合成することができる。
【0102】
一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤は、リン酸二水素2−{[3−({4−[(5−{2−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]キナゾリン−7−イル}オキシ)プロピル](エチル)アミノ}エチルのマレイン酸共結晶である。リン酸二水素2−{[3−({4−[(5−{2−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]キナゾリン−7−イル}オキシ)プロピル](エチル)アミノ}エチルのマレイン酸共結晶は、WO2007/132227中に記載されている方法によって合成することができる。
【0103】
もう一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤は、遺伝子の発現を、例えばmRNAの安定性又は翻訳に干渉することによって阻害することができる。一つの態様において、オーロラキナーゼ阻害剤は、例えばsiRNA又はshRNAから選択される。
【0104】
阻害剤の対応する塩、例えば医薬的に受容可能な塩を調製、精製、及び/又は取り扱うことは、好都合又は好ましいものであることができる。MEK阻害剤又はオーロラキナーゼ阻害剤の適した医薬的に受容可能な塩は、例えば十分に塩基性である酸付加塩、例えば無機又は有機酸との酸付加塩であることができる。このような酸付加塩は、制約されるものではないが、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸及びマレイン酸塩、並びにリン酸及び硫酸と共に形成された塩を含む。MEK阻害剤又はオーロラキナーゼ阻害剤の適した医薬的に受容可能な塩は、例えば十分に酸性である塩、例えばアルカリ又はアルカリ土類金属塩であることができる。このようなアルカリ又はアルカリ土類金属塩は、制約されるものではないが、アルカリ金属、例えばナトリウム又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム又はマグネシウム塩、或いは有機アミン塩、例えばトリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、ジベンジルアミン又はリシンのようなアミノ酸の塩を含む。
【0105】
一つの態様において、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩は、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩に結合していることができる。
本発明の治療用組合せ、組合せ製品又はキットは、患者における抗癌効果の産生により相乗的又は有益な効果を産生し、従ってこれは、患者の癌の治療において有用であることが期待される。有益な効果は、例えば反応の程度、反応速度、疾病進行の時間又は生存期間によって測定される効果が、組合せ治療の構成要素のその慣用的服用量における一方又は他方の服用によって達成可能なものに対して、治療用に優れている場合に達成される。有益な効果は、組合せ効果が、MEK阻害剤又はオーロラキナーゼ阻害剤で達成可能な個々の効果の合計に対して、治療用に優れている場合に相乗的であることができる。更に、有益な効果は、効果が、単独のMEK阻害剤又はオーロラキナーゼ阻害剤の生物学的活性のアンタゴニストに対して反応しない(又は反応が不良である)患者の群において達成された場合に得られる。更に、効果は、構成要素の一つがその慣用的な服用量で投与され、そして他の構成要素(類)が減少した服用量で投与され、そして例えば、反応の程度、反応速度、疾病進行の時間又は生存期間によって測定される治療効果が、組合せ治療の構成要素の慣用的な量を投与することによって達成可能なものと同等である場合に有益な効果が得られたと定義される。特に、有益な効果は、MEK阻害剤又はオーロラキナーゼ阻害剤の慣用的な服用量が、反応の程度、反応速度、疾病進行の時間及び生存データの一つ又はそれより多くに損失をもたらさずに、特に、反応の期間に損失をもたらさずに減少することができ、しかしそれぞれの構成要素の慣用的な服用量が使用された場合に起こるものより少ない及び/又はより困難ではない副作用を伴う場合に達成されたと見做される。
【0106】
抗癌効果、従って患者の癌の治療において有用であるものは、制約されるものではないが、抗腫瘍効果、反応速度、疾病進行の時間及び生存率を含む。本発明の治療の方法の抗腫瘍効果は、制約されるものではないが、腫瘍増殖の阻害、腫瘍増殖の遅延、腫瘍の退行、腫瘍の縮小、治療の休止における腫瘍の再増殖に対する増加した時間、疾病進行の緩徐化を含む。本発明の治療用組合せ、組合せ製品又はキットが、癌のための治療を必要とする患者に投与された場合、前記治療用組合せ、組合せ製品又はキットが、例えば、抗癌効果の程度、反応速度、疾病進行の時間及び生存率の一つ又はそれより多くによって測定されるような効果を産生するものであることが期待される。抗癌効果は、予防的治療、並びに既往疾病の治療を含む。
【0107】
阻害剤を、医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と共に含んでなる本発明の医薬的に受容可能な組成物は、経口使用(例えば錠剤、カプセル、水性又は油性懸濁液、乳液或いは分散性粉末又は顆粒として)、局所使用(例えばクリーム、軟膏、ゲル、或いは水性又は油性溶液若しくは懸濁液として;例えば経皮貼布内の使用)、非経口投与(例えば静脈内、皮下、筋肉内又は血管内投与のための滅菌水性又は油性溶液若しくは懸濁液として)のために、又は直腸投与のための座薬として適した形態であることができる。他の態様において、組成物は、内視鏡的、気管内、病巣内、経皮的、静脈内、皮下、腹腔内又は腫瘍組織内的に放出することができる。一般的に、本明細書中に記載される組成物は、当技術において公知である慣用的な賦形剤又は担体を使用して、慣用的な方法で調製することができる。
【0108】
本発明の医薬的に受容可能な組成物は、当技術において公知である慣用的な医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を使用して慣用的な方法によって得ることができる。
【0109】
錠剤の製剤のための適した医薬的に受容可能な希釈剤又は担体は、例えば、ラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム又は炭酸カルシウムのような不活性希釈剤、コーンスターチ又はアルギン酸のような顆粒化及び崩壊剤;ゼラチン又はデンプンのような結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクのような潤滑剤;p−ヒドロキシ安息香酸エチル又はプロピルのような保存剤、及びアスコルビン酸のような抗酸化剤を含む。錠剤の製剤は、被覆されていないか、或いはその崩壊及び胃腸管内の活性成分のその後の吸収を改変するために、又はその安定性及び/又は外観の改良するためにのいずれかのために、いずれの場合も慣用的な被覆剤及び当技術において公知の方法を使用して被覆されている。
【0110】
経口使用のための医薬的に受容可能な組成物は、活性成分が不活性の固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと混合されている硬質ゼラチンカプセル、或いは活性成分が水或いはピーナッツ油、液体パラフィン又はオリーブ油のような油と混合された軟質ゼラチンカプセルの形態であることができる。
【0111】
任意の患者のためのMEK阻害剤及び/又はオーロラキナーゼ阻害剤の投与量は、疾病の重篤度及び種類、体重、性別、食事、投与の時間及び経路、他の医薬、並びに他の関連する臨床的因子を含む薬物の作用を改変することが知られた各種の因子を考慮して担当医によって決定されるものである。治療用に有効な投与量は、in vitro又はin vivoのいずれかの方法によって決定することができる。
【0112】
MEK阻害剤及びオーロラキナーゼ阻害剤の逐次投与は、両方の阻害剤を単一使用のために意図した投与量で投与することを可能にすることにおいて、いずれか又は両方の阻害剤の投与量が恐らくは減少されなければならないものである同時投与と比較して、好都合であることができる。
【0113】
使用される本明細書中に記載されたとおりのMEK阻害剤又はオーロラキナーゼ阻害剤の治療用に有効な量は、例えば治療の対象、投与の経路、及び患者の症状に依存するものである。従って、治療専門家にとって、最適な治療効果を得るために必要なように、投与量を漸増し、そして投与の経路を改変することが好ましい。MEK阻害剤の典型的な日量は、上述の因子によるが、約1mgないし250mg又はそれより多くまでの範囲であることができる。AZD1152、又は医薬的に受容可能なその塩の典型的な日量は、約1mgないし450mg又はそれより多くまでの範囲であることができ、そして投与の計画及び上述の他の因子に依存するものである。典型的には、臨床医は、治療用組合せ、組合せ製品又はキットを、所望の効果を達成する服用量に達するまで投与するものである。別個の医薬的に受容可能な組成物が投与される場合、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩を投与することができるシーケンス(即ち逐次投与が行われるか否か、そして如何なる時点で行われるか)は、医師又は当業者によって決定されることができる。
【0114】
本明細書中に記載された投与量及び計画は、特別な疾病状態及び患者の全体的な症状によって変更することができる。例えば、毒性を減少するために、組合せ治療の構成要素の上述の服用量を減少することが必要又は好ましいことであり得る。服用量及び計画は、更に、本発明の治療用組合せ、組合せ製品又は治療のキットに加えて、一つ又はそれより多い化学療法剤が使用される場合、変更することができる。計画は、いずれもの特定の患者を治療している開業医によって、その専門的技術及び知識を使用して決定することができる。
【0115】
本発明の治療用組合せ、組合せ製品又はキットは、制約されるものではないが、白血病のような非固形腫瘍、例えば急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、血液系腫瘍又はリンパ腫、そして更に黒色腫、非小細胞肺癌、神経膠腫、肝細胞(肝臓)癌腫、神経膠芽腫、甲状腺、胆管細胞癌、胆管、骨、胃、脳/CNS、頭頚部、肝臓、胃、前立腺、乳房、直腸、精巣、卵巣、子宮頚部、皮膚、子宮頚部、肺、筋肉、神経細胞、食道、膀胱、肺、子宮、外陰部、子宮内膜、腎臓、腸、直腸結腸、膵臓、胸膜/腹膜、唾液腺の癌腫のような固形腫瘍並びにその転移、類表皮腫瘍及び血液系腫瘍を含む癌を持つ患者の治療のために特別に有用であることが期待される。
【0116】
本明細書中で先に記載したとおりの治療用組合せ、組合せ製品又はキットは、肺癌、黒色腫、結腸直腸癌、乳癌、卵巣癌、甲状腺癌、膵臓癌、前立腺癌、肝臓癌、及びこれらの転移を持つ患者の治療のために、そして更に急性骨髄性白血病、又は多発性骨髄腫のような白血病を持つ患者の治療のために特に有用であることが期待される。本発明の治療用組合せ、組合せ製品又はキットは、更にRas−Raf−MEK−ERK経路に伴うか、或いはRas−Raf−MEK−ERK経路の生物学的活性に単独で、又は部分的に依存する腫瘍を持つ患者の治療のために特別に有用であることが期待される。
【0117】
本発明の治療用組合せ、組合せ製品又はキットは、更にMEKに伴うか、或いはMEKの生物学的活性に単独で、又は部分的に依存する腫瘍を持つ患者の治療のために特別に有用であることが期待される。
【0118】
本発明の治療用組合せ、組合せ製品又はキットは、更にオーロラキナーゼに伴うか、或いはオーロラキナーゼの生物学的活性に単独で、又は部分的に依存する腫瘍を持つ患者の治療のために特別に有用であることが期待される。
【0119】
本発明の治療用組合せ、組合せ製品又はキットは、単独の療法として使用することができるか、或いはそれに加えて外科手術又は放射線療法、或いは更なる化学療法剤又は治療抗体を含むことができる。
【0120】
このような化学療法剤は、抗腫瘍剤の以下の分類:
(i)アルキル化剤(例えばシス−プラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、テモゾロミド(temozolamide)及びニトロソ尿素);代謝拮抗剤(例えばゲムシタビン並びに5−フルオロウラシル及びテガフールのようなフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキセートのような葉酸代謝拮抗剤、シトシンアラビノシド並びにヒドロキシ尿素);抗腫瘍性抗生物質(例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン及びミトラマイシンのようなアントラサイクリン);有糸分裂阻害剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン及びビノレルビンのようなビンカアルカロイド並びにタキソール及びタキソテールのようなタキソイド並びにポロキナーゼ阻害剤);及びトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエトポシド及びテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカン並びにカンプトテシン);のような、腫瘍内科学において使用されているような他の抗増殖性/抗悪性腫瘍性薬物及びこれらの組合せ;
(ii)抗エストロゲン剤(例えばタモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン及びイドキシフェン(iodoxyfene))、抗アンドロゲン剤(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミド及び酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニスト又はLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、リュープロレリン及びブセレリン)、プロゲストーゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール(vorazole)及びエキセメスタン)並びにフィナステリドのような5α−レダクターゼの阻害剤のような、細胞分裂阻害剤;
(iii)抗浸潤剤(例えば4−(6−クロロ−2,3−メチレンジオキシアニリノ)−7−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]−5−テトラヒドロピラン−4−イルオキシキナゾリン(AZD0530;国際特許出願WO01/94341)、N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−{6−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ}チアゾール−5−カルボキシアミド(ダサチニブ、BMS−354825;J.Med.Chem.,2004,47,6658−6661)及びボスチニブ(SKI−606)のようなc−Srcキナーゼファミリーの阻害剤、並びにマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体機能の阻害剤又はヘパラナーゼの抗体);
(iv)増殖因子機能の阻害剤:例えばこのような阻害剤は、増殖因子抗体及び増殖因子受容体抗体(例えば抗erbB2抗体トラスツズマブ[ハーセプチンTM]、抗EGFR抗体パニツムマブ、抗erbB1抗体セツキシマブ[エルビタックス、C225]及びStern et al.Critical reviews in oncology/haematology,2005,Vol.54,pp11−29によって開示されたいずれもの増殖因子又は増殖因子受容体抗体)を含む;このような阻害剤は、更にチロシンキナーゼ阻害剤、例えば上皮増殖因子ファミリーの阻害剤(例えばN−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、ZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)及び6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)−キナゾリン−4−アミン(CI1033)のようなEGFRファミリーのチロシンキナーゼ阻害剤、ラパチニブのようなerbB2チロシンキナーゼ阻害剤);肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤;インスリン増殖因子ファミリーの阻害剤;イマチニブ及び/又はニロチニブ(AMN107)のような血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤;セリン/トレオニンキナーゼの阻害剤(例えばファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤のようなRas/Rafシグナル伝達阻害剤、例えばソラフェニブ(BAY43−9006)、ティピファーニブ(R115777)及びロナファーニブ(SCH66336))、MEK及び/又はAKTキナーゼによる細胞のシグナル伝達の阻害剤、c−kit阻害剤、ablキナーゼ阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、Plt3キナーゼ阻害剤、CSF−1Rキナーゼ阻害剤、IGF受容体(インスリン様増殖因子)キナーゼ阻害剤;オーロラキナーゼ阻害剤(例えばAZD1152、PH739358、VX−680、MLN8054、R763、MP235、MP529、VX−528及びAX39459)並びにCDK2及び/又はCDK4阻害剤のようなサイクリン依存性キナーゼ阻害剤を含む;
(v)血管内皮増殖因子の影響を阻害するもの[例えば抗血管内皮増殖因子抗体ベバシズマブ(アバスチンTM)、及び例えばバンデタニブ(ZD6474)、バタラニブ(PTK787)、スニチニブ(SU11248)、アキシチニブ(AG−013736)、パゾパニブ(GW786034)及び4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171;WO00/47212内の実施例240)のようなVEGF受容体型チロシンキナーゼ阻害剤、国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856及びWO98/13354中に開示されているもののような化合物、並びに他の機構によって作用する化合物(例えばリノマイド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤及びアンジオスタチン)]のような、抗血管新生剤;
(vi)コンブレタスタチンA4並びに国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434及びWO02/08213中で開示されている化合物のような、血管傷害剤;
(vii)エンドセリン受容体アンタゴニスト、例えばジボテンタン(ZD4054)又はアトラセンタン;
(viii)アンチセンス療法、例えば抗rasアンチセンスISIS 2503のような上記に収載した標的を指向するもの;
(ix)例えば、異常p53或いは異常BRCA1又はBRCA2のような異常遺伝子を置換える方法、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ又は細菌性ニトロレダクターゼ酵素使用するもののようなGDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法)法、及び多剤耐性遺伝子療法のような化学療法又は放射線量法に対する患者の許容性を増加するための方法を含む、遺伝子療法的方法;並びに
(x)例えば、インターロイキン2、インターロイキン4又は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子のようなサイトカインによる形質移入のような患者の腫瘍細胞の免疫原性を増加するためのex−vivo及びin−vivoの方法、T細胞アネルギーを減少するための方法、サイトカインで形質移入された樹状細胞のような形質移入された免疫細胞を使用する方法、サイトカインで形質移入された腫瘍細胞系を使用する方法、及び抗イディオタイプ抗体を使用する方法を含む、免疫療法的方法;
の一つ又はそれより多くを含むことができる。
【0121】
このような併用治療は、治療の個々の構成要素の同時、逐次又は別個投与によって達成することができる。投与が逐次又は別個である場合、更なる化学療法剤又は治療用抗体の投与の遅延は、組合せの有益な効果を喪失するようなものであってはならない。
【0122】
以下の用語は、他に示さない限り、以下の意味を有すると理解されるべきである:
阻害剤は、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、低分子量化合物、オリゴヌクレオチド、オリゴペプチド、siRNA、アンチセンス、組換えタンパク質、抗体、ぺプチボディ(peptibody)、或いはこれらの接合体又は融合タンパク質であることができる。siRNAの概説については、Milhavet O,Gary DS,Mattson MP.(Pharmacol Rev.2003 Dec;55(4):629−48を参照されたい。アンチセンスの概説については、Opalinska JB,Gewirtz AM.Sci STKE.2003 Oct 28;2003(206):pe47を参照されたい。
【0123】
低分子量化合物は、2000ダルトン、1000ダルトン、700ダルトン又は500ダルトンより少ない分子量を持つ化合物を指す。
患者は、ヒトのようないずれもの温血動物である。
【0124】
用語、治療は、治療的及び/又は予防的処置を含む。
オーロラキナーゼ阻害剤は、オーロラキナーゼ阻害活性を、そして特にオーロラA及び/又はオーロラBキナーゼ阻害活性を保有する。
【0125】
MEK阻害剤AZD6244は、国際特許出願公開WO2003/077914に記載されている方法によって、特に実施例10に記載されている方法によって調製することができる。AZD6244硫酸水素塩は、国際特許出願公開WO2007/076245に記載されている方法によって調製することができる。
【0126】
MEK阻害剤4−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボキシアミドは、以下の方法によって調製することができる:
工程A: 2−(2−メチルヒドラゾノ)マロン酸ジエチルの調製:ケトマロン酸ジエチル(95g、546mmol)のEtOH(600mL)中の溶液(熱電対、N管路、凝縮器及び機械式撹拌器を備えた2Lの三口フラスコ)に、MeNHNH(32mL、600mmol)を室温で一度に加えた。反応混合物を60℃(内部温度、加熱マントルによって加熱)に温め、そして6時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、そして一晩攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製の物質を固体の沈殿物と共に得て、これをシリカゲルのプラグ(3:2のヘキサン:EtOAc)によって精製して、81g(74%)の所望の生成物を得た。
【0127】
工程B: 2−(2−メチル−2−プロピオニルヒドラゾノ)マロン酸ジエチルの調製:2−(2−メチルヒドラゾノ)マロン酸ジエチル(100g、494mmol)のTHF(1L)中の0℃の溶液に、LiHMDS(643mL、643mmol)を滴下漏斗によって45分かけて加えた。反応混合物を45分間0℃で攪拌した。塩化プロピオニル(51.6mL、593mmol)を一度に加えた。得られた混合物を室温に温め、そして20時間攪拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(85mL)及び水(85mL)でクエンチした。反応混合物を減圧下で濃縮し、そして更なる水(300mL)を加えた。得られた混合物をEtOAc(3×250mL)で抽出した。混合した有機層を飽和NaHCO水溶液(2×250mL)で、続いてブライン(250mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して、112g(88%)の粗製の生成物を得て、これを更なる精製無しに次の工程で直接使用した。
【0128】
工程C: 4−ヒドロキシ−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸の調製:LiHMDS(331mL、331mmol、THF中の1M)のTHF(430mL)中の−78℃の溶液に、2−(2−メチル−2−プロピオニルヒドラゾノ)マロン酸塩(21.40g、82.86mmol)のTHF(10mL)中の溶液を加えた。得られた混合物を−40℃に1時間かけてゆっくりと温め、そして1.5時間−40℃で攪拌した。反応混合物に、水(500mL)を−40℃で加えた。反応混合物を室温に温め、そして3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、6NのHClで0℃でクエンチし、そしてpH1ないし2に酸性化した。得られた混合物を16時間室温で攪拌した。沈澱物を濾過して取出し、そしてCHClで摩砕して、7.21g(47%)の所望の生成物を得た。濾液をEtOAc(3×)で抽出した。混合した有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗製の物質を得て、これをCHClで摩砕して、更なる3.56g(23%)の所望の生成物を得た。水層を再びEtOAc(3×)で抽出した。混合した有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗製の物質を得て、これをCHClで摩砕して、更なる1.32g(9%)の所望の生成物を得た。合計12.09g(79%)の所望の生成物を得た。
【0129】
工程D: 4−クロロ−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸の調製:4−ヒドロキシ−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸(35.4g、192mmol)、触媒量のDMF(3滴)、及びPOCl(178mL、1.92mol)の混合物を、2日間90℃で加熱し、そして次いでPOClを減圧下で除去した。粗製の物質を氷でクエンチし、そして反応混合物を2時間室温で攪拌した。溶液から形成された沈澱物を濾過して取出し、そしてエーテルで洗浄した。収集した沈澱物をエーテルで摩砕して、11.7g(30%)の所望の生成物を得た。濾液をEtOAc(2×)で抽出した。混合した有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗製の生成物を得て、これをエーテルで摩砕し、そして減圧下で乾燥して、更なる9.56g(24%)の所望の生成物を得た。合計21.29g(55%)の所望の生成物を得た。
【0130】
工程E: 4−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸の調製:4−ブロモ−2−フルオロアニリン(22.6g、116mmol)のTHF(165mL)中の−78℃の溶液に、LiHMDS(174mL、174mmol、THF中の1M溶液)の溶液をゆっくりと加えた。得られた混合物を1時間−78℃で攪拌した。この混合物に4−クロロ−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸(11.0g、54.4mmol)を固体として−78℃で加えた。反応混合物を室温にゆっくりと温め、そして21時間攪拌した。反応をクエンチし、そして10%のHCl水溶液(250mL)で0℃で酸性化した。この混合物に水(100mL)、EtOAc(350mL)、及びブライン(50mL)を加えた。反応混合物を室温に温め、そして30分間攪拌した。有機層を分離し、そして酸性の水層をEtOAc(2×300mL)で抽出した。混合した有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗製の物質を得て、これをエーテル(5×)で摩砕し、濾過し、エーテルで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、14.51g(75%)の所望の生成物を得た。
【0131】
工程F: 4−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボキシアミドの調製:4−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸(14.51g、40.74mmol)及びHOBt(11.01g、81.48mmol)のDMF(165mL)中の懸濁液に、EDCI(15.62g、81.48mmol)を室温で加えた。得られた混合物を1.5時間撹拌した。O−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシルアミン(8.36mL、81.48mmol)及びTEA(11.36mL、81.48mmol)を活性化されたエステルに室温で加えた。1.5時間攪拌した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、そして飽和NHCl水溶液、ブライン、飽和NaHCO水溶液(2×)、及びブラインで洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗製の生成物を得て、これを更なる精製無しに直接使用した。
【0132】
工程G: 4−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボキシアミドの調製:4−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボキシアミド(17.98g、40.75mmol)及び6NのHCl水溶液(13.58mL、81.50mmol)のEtOH/THF(50mL/50mL)中の混合物を、3時間室温で攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、そして水(50mL)で希釈した。得られた混合物をEtOAc(2×)で抽出した。混合した有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗製の生成物を得て、これをシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%CHClからCHCl中の2.5%MeOHまで)によって精製して、9.41g(2工程で56%)の所望の生成物を得た。MS APCI(−)m/z 413,415(M−1,Brパターン)を検出;-H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.38(dd,1H),7.27(d,1H),6.79(t,1H),3.99(t,2H),3.80(s,3H),3.74(t,2H),1.77(s,3H)。
【0133】
MEK阻害剤2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミドは、以下の方法によって調製することができる
工程A. 2−クロロ−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸の調製:2−クロロ−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸を、ジクロロニコチン酸(3.00g、15.6mmol、Aldrich)から、米国特許第3,682,932号に記載されている方法によって調製して、1.31g(48%)の所望の生成物を得た。
【0134】
工程B. 2−クロロ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸メチルエステルの調製:2−クロロ−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(0.644g、3.71mmol)のDMF(20mL)中の溶液に、水素化リチウム(95%、0.078g、9.28mmol)を加え、そして反応混合物を40分間N下で攪拌した。次いでヨウ化メチル(0.508mL、1.16g、8.16mmol)を加え、そして反応混合物を更に45分間攪拌した。反応混合物を2MのHClでpHが6−7になるまでクエンチした。反応混合物をEtOAc及び飽和NaClで希釈し、そして層を分離した。水層をEtOAc(1×)で逆抽出した。混合した有機層を乾燥(NaSO)し、そして減圧下で濃縮して、粗製の黄色の固体を得た。HPLC分析は4:1の比の二つの生成物を示し、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/EtOAC、15:1から10:1まで)によって分離して、0.466g(62%)の純粋な所望の生成物を、白色の結晶質の固体として得た。
【0135】
工程C. 5−ブロモ−2−クロロ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸メチルの調製:2−クロロ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸メチル(0.100g、0.496mmol)のDMF(5mL)中の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(0.177g、0.992mmol)を加え、そして反応混合物を4時間N下の室温で攪拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウムでクエンチし、そして次いでEtOAc及びHOで希釈し、そして層を分離した。水層をEtOAc(2×)で逆抽出した。混合した有機層を乾燥(NaSO)し、そして減圧下で濃縮して、黄色の固体を定量的収率で得た。
【0136】
工程D. 2−クロロ−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸メチルの調製:5−ブロモ−2−クロロ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸メチル(0.400g、1.43mmol)及び1,1’−ビス(ジュフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(0.0587g、0.0713mmol)のジオキサン(8mL)中のN下の0℃の懸濁液に、ジメチル亜鉛(0.713mL、1.43mmol、トルエン中の2M溶液)を加えた。反応混合物を直ちに100℃で30分間加熱した。反応混合物を0℃に冷却し、そしてMeOH(0.800mL)でクエンチした。反応混合物をEtOAcで希釈し、そして1MのHClで洗浄した。水層をEtOAc(1×)で逆抽出した。混合した有機層を飽和NaClで洗浄し、乾燥(NaSO)し、そして暗黄色のゴム状物まで減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/EtOAc、15:1)による精製により、0.164g(53%)の純粋な所望の生成物を、黄色の結晶質の固体として得た。
【0137】
工程E:−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸メチルの調製:2−フルオロ−4−ヨードベンゼンアミン(0.058g、0.31mmol)のTHF(2mL)中のN下の−78℃の溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.56mL、0.56mmol、ヘキサン中の1M溶液)を滴下により加えた。反応混合物を1時間−78℃で攪拌した。次いで2−クロロ−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸メチル(0.060g、0.28mmol)をTHF(1mL)中の溶液として滴下により加え、そして反応混合物を25分間−78℃で攪拌した。反応混合物をHOの添加によってクエンチし、そしてpHを0.1MのHClで調節し、そして次いでEtOAc及び飽和NaClで希釈し、そして層を分離した。水層をEtOAc(1×)で逆抽出した。混合したEtOAc層を乾燥(NaSO)し、そして減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/EtOAc、20:1)による精製により、0.086g(84%)の純粋な所望の生成物を、白色の結晶質の固体として得た。MS ESI(+)m/z 417(M+1)を検出;H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.56(s,1H),7.79(s,1H),7.49(d,1H),7.36(d,1H),6.43(t,1H),3.85(s,3H),3.30(s,3H),2.15(s,3H)。
【0138】
工程F. 2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミドの調製:2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸メチル(0.500g、1.20mmol)のTHF(60mL)中の溶液に、O−(2−ビニルオキシ−エチル)−ヒドロキシルアミン(0.149g、1.44mmol)を加えた。溶液を0℃に冷却し、そしてリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(4.81ml、4.81mmol)(ヘキサン中の1M溶液)を滴下により加えた。反応混合物を室温に温めた。10分間攪拌した後、反応混合物を1MのHClの添加によってクエンチし、そしてEtOAc及び飽和NaCl間に分配した。層を分離し、そして有機層を乾燥(NaSO)し、そして減圧下で濃縮して、粗製の黄色の固体を得て、これを精製無しに次の工程で使用した。
【0139】
工程G: 2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミドの調製:粗製の2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド(0.585g、1.20mmol)のエタノール(10mL)中の溶液に、2MのHClの水溶液(3mL)を加えた。反応混合物を45分間室温で攪拌した。反応混合物のpHを1MのNaOHでpH7に調節した。反応混合物をEtOAc及びHOで希釈した。有機層を分離し、そして飽和NaClで洗浄した。混合した有機層をEtOAc(1×)で逆抽出した。混合した有機層を乾燥(NaSO)し、そして減圧下で濃縮した。シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/MeOH、15:1)による精製により、2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド(0.421g;二工程で76%)を、淡黄色の固体として得た。MS ESI(+)m/z 462(M+1)パターンを検出;H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.77(s,1H),8.50(s,1H),7.47(d,1H),7.36(d,1H),6.43(t,1H),4.04(brs,2H),3.85(brs,1H),3.74(brs,2H),3.29(s,3H),2.14(s,3H).MS ESI(+)m/z 462(M+1)パターンを検出。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】図1は、メスのヌードマウスにおけるCalu−6腫瘍の増殖に対するAZD1152及びAZD6244の組合せシーケンスの効果;マウスの腫瘍接種後の日数において測定された平均腫瘍体積(cm)を示す。
【図2】図2は、AZD1152とそれに続くAZD6244の投与シーケンスの投与後のG−M相(G2M)、倍数性(PP)及び細胞死(Sub G1)中の細胞の比率に対する効果を評価するための、腫瘍の流動細胞計測分析である。
【図3】図3は、AZD6244とそれに続くAZD1152の投与シーケンスの投与後のG2−M相(G2M)、倍数性(PP)及び細胞死(Sub G1)中の細胞の比率に対する効果を評価するための、腫瘍の流動細胞計測分析である。
【発明を実施するための形態】
【0141】
本発明は、ここに以下の非制約的実施例によって例証されるものであり、これらは、例証目的のみのために提供され、そして本明細書中の教示を制約すると解釈されるべきではなく、ここにおいて:
図1は、メスのヌードマウスにおけるCalu−6腫瘍の増殖に対するAZD1152及びAZD6244の組合せシーケンスの効果;マウスの腫瘍接種後の日数において測定された平均腫瘍体積(cm)を示す。黒の菱型は対照を表し;黒の四角は単独のAZD1152を表し;白の三角は単独のAZD6244を表し;白の丸はAZD1152とそれに続くAZD6244の投与を表し;バツ印は、AZD6244とそれに続くAZD1152の投与を表す。
【0142】
図2は、AZD1152とそれに続くAZD6244の投与シーケンスの投与後のG−M相(G2M)、倍数性(PP)及び細胞死(Sub G1)中の細胞の比率に対する効果を評価するための、腫瘍の流動細胞計測分析である。データの棒は、対照グループと比較したパラメータの増加の倍数を表す。それぞれの3本の棒のグループにおいて、左の棒はG2Mを表し、中央の棒はPPを表し、そして右の棒はSub G1を表す。A=対照;B=AZD1152;C=AZD1152とそれに続く24時間の回復期;D=AZD1152とそれに続く24時間の回復期、それに続くAZD6244;E=AZD6244である。
【0143】
図3は、AZD6244とそれに続くAZD1152の投与シーケンスの投与後のG2−M相(G2M)、倍数性(PP)及び細胞死(Sub G1)中の細胞の比率に対する効果を評価するための、腫瘍の流動細胞計測分析である。データの棒は、対照グループと比較したパラメータの増加の倍数を表す。それぞれの3本の棒のグループにおいて、左の棒はG2Mを表し、中央の棒はPPを表し、そして右の棒はSub G1を表す。A=対照;B=AZD6244;C=AZD6244とそれに続く24時間の回復期;D=AZD6244とそれに続く24時間の回復期と、それに続くAZD1152;E=AZD1152である。
【0144】
実施例1: Calu−6ヒト肺癌異種移植モデルにおけるAZD1152及びAZD6244のin vivoの組合せ研究
Calu−6ヒト肺異種移植モデルにおけるAZD1152及びAZD6244の組合せ治療のin vivoの効力を証明するために、メスの胸腺欠損マウス(Swiss nu/nu遺伝子型、≧生後6週間)で実験を行った。Calu−6ヒト肺腫瘍異種移植を、1×10細胞(50%のMatrigel(登録商標)を含有する100μlの体積)を背側の側腹部に皮下的に注射することによってマウスに確立した。腫瘍の体積を、両側のノギス測定を使用し、そして長さを腫瘍の最長の直径、そして幅を対応する垂直として取った、式(長さ×幅)×√(長さ×幅)×(π/6)を使用して計算して、少なくとも週二回評価した。平均腫瘍体積が概略0.2cmに達した時点で、マウスを四つの治療グループ(10匹/グループ)にランダム化した。ランダム化の後、マウスを、以下に記載する治療計画によって、AZD1152又はAZD6244対する薬物ベヒクル、AZD1152、AZD6244、或いはAZD1152プラスAZD6244の組合せで治療した:
計画A:
連続的な皮下注入として投与される、AZD1152に対する薬物ベヒクル(pH9の0.3MのTris緩衝液)又はAZD1152(150mg/kg/日)のいずれかを、2日間マウスに投与した。AZD1152投与の終了後、24時間の期間を経過させ、その後、AZD6244に対する薬物ベヒクル(H.P.M.C.(0.5重量/容量%のMethocel/0.1重量/容量%のTween80))又はAZD6244(25mg/kgを一日二回投与)のいずれかを経口的に14日間投与した。
【0145】
計画B:
AZD6244に対する薬物ベヒクル(H.P.M.C.(0.5重量/容量%のMethocel/0.1重量/容量%のTween80))又はAZD6244(25mg/kgを経口的に一日二回投与)のいずれかを14日間マウスに投与した。AZD6244投与の終了後、24時間の期間を経過させ、その後、連続的な皮下注入として投与される、AZD1152に対する薬物ベヒクル(pH9の0.3MのTris緩衝液)又はAZD1152(150mg/kg/日)のいずれかを2日間投与した。
【0146】
腫瘍増殖の阻害を、研究の35日目における対照及び治療グループ間の腫瘍体積の差の比較によって評価した。組合せ治療シーケンスの効果を、AZD1152及びAZD6244を投与されたマウスのグループの腫瘍の増殖に対する効果を、単一の薬物治療のみを投与したマウスのグループにおける腫瘍の増殖と比較することによって評価した。サブグループのマウスを、AZD1152、AZD6244又は組合せ投与の終了においてそれぞれの治療グループから犠牲にして、腫瘍に対する薬力学的効果を流動細胞計測法を使用して評価した。
【0147】
AZD1152及びAZD6244は、単独療法として投与された場合、ベヒクルを投与されたグループと比較して有意なCalu−6腫瘍の増殖阻害を産生した(それぞれ94.7%、p<0.0005及び57.8%、p<0.005)。組合せで投与された場合、二つの療法は、ベヒクルを投与されたグループと比較して、腫瘍増殖の阻害を産生した(AZD1152+AZD6244シーケンスにおいて105.1%、p<0.0005及びAZD6244+AZD1152シーケンスにおいて74.4%;p<0.0005)(図1)。更に、AZD1152+AZD6244シーケンスは、AZD1152単独療法と比較して増加した抗腫瘍効力を示し(195.57%;p<0.005)、そしてAZD6244+AZD1152シーケンスは、AZD6244単独療法と比較して増加した抗腫瘍効力を示した(39.24%;p<0.05)。最初にAZD1152と、それに続くAZD6244は、最初にAZD6244と、それに続くAZD1152のシーケンスより大きい腫瘍増殖の阻害を産生した(114.8%;p<0.0005)。
【0148】
要約すると、AZD6244の前にAZD1152を投与すると、AZD1152の前にZAD6244を投与することと比較して、より大きい抗腫瘍反応を示した。
流動細胞計測分析は、AZD1152が最初に投与された組合せグループにおいて、AZD6244が最初に投与された組合せグループと比較して、Sub G1相(アポトーシスのレベルの表示)におけるより大きい細胞の比率を示した(対照グループと比較して、それぞれ5.13及び1.95倍の増加があった)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を組合せてなる治療薬。
【請求項2】
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及び
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩
を、医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴って含む、組合せ製品。
【請求項3】
以下の構成要素:
医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴う、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩;及び
医薬的に受容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を伴う、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩;
を含んでなるキットであって、ここにおいて前記構成要素は、逐次、別個及び/又は同時投与のために適した形態で提供される、前記キット。
【請求項4】
前記MEK阻害剤が、6−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エトキシ)−アミド、又は医薬的に受容可能なその塩である、請求項1に記載の組合せ治療薬、請求項2に記載の組合せ製品、又は請求項3に記載のキット。
【請求項5】
前記MEK阻害剤が、2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド、又は医薬的に受容可能なその塩である、請求項1に記載の組合せ治療薬、請求項2に記載の組合せ製品、又は請求項3に記載のキット。
【請求項6】
前記MEK阻害剤が、4−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボキシアミド、又は医薬的に受容可能なその塩である、請求項1に記載の組合せ治療薬、請求項2に記載の組合せ製品、又は請求項3に記載のキット。
【請求項7】
前記オーロラキナーゼ阻害剤が、リン酸二水素2−{[3−({4−[(5−{2−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]キナゾリン−7−イル}オキシ)プロピル](エチル)アミノ}エチル、又は医薬的に受容可能なその塩である、請求項1に記載の組合せ治療薬、請求項2に記載の組合せ製品又は請求項3に記載のキット。
【請求項8】
前記MEK阻害剤が、6−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エトキシ)−アミド、又は医薬的に受容可能なその塩であり、そして前記オーロラキナーゼ阻害剤が、リン酸二水素2−{[3−({4−[(5−{2−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]キナゾリン−7−イル}オキシ)プロピル](エチル)アミノ}エチル、又は医薬的に受容可能なその塩である、請求項1に記載の組合せ治療薬、請求項2に記載の組合せ製品、又は請求項3に記載のキット。
【請求項9】
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩と組合わせたMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の治療用に有効な量を、癌を有する、又は有すると疑われる患者に投与することを含む、癌を治療する方法。
【請求項10】
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量が、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与に先だって投与される、請求項9に記載の癌を治療する方法。
【請求項11】
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与、及びMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与との間に間隔をおく、請求項10に記載の癌を治療する方法。
【請求項12】
前記間隔が24時間である、請求項11に記載の癌を治療する方法。
【請求項13】
前記癌が、肺癌、黒色腫、結腸直腸癌、乳癌、卵巣癌、甲状腺癌、膵臓癌、前立腺癌、肝臓癌、急性骨髄性白血病又は多発性骨髄腫から選択される、請求項9から12のいずれか1項に記載の癌を治療する方法。
【請求項14】
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩と組合わせた、医薬の製造における使用。
【請求項15】
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の、オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩と組合わせた、癌の治療のための医薬の製造における使用。
【請求項16】
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回又はそれより多い服用量が、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回又はそれより多い服用量の投与に先だって投与される、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与、及びMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与との間に間隔をおく、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
前記間隔が24時間である、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
前記癌が、肺癌、黒色腫、結腸直腸癌、乳癌、卵巣癌、甲状腺癌、膵臓癌、前立腺癌、肝臓癌、急性骨髄性白血病又は多発性骨髄腫から選択される、請求項15ないし18のいずれか1項に記載の使用。
【請求項20】
MEK阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩を組合せてなる、医薬として使用するための治療用組合せ。
【請求項21】
MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩、及びオーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩を組合せてなる、癌の治療において使用するための治療用組合せ。
【請求項22】
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量が、MEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与に先だって投与される、請求項21に記載の治療用組合せ。
【請求項23】
オーロラキナーゼ阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量与の投与、及びMEK阻害剤、又は医薬的に受容可能なその塩の一回若しくはそれより多い服用量の投与との間に間隔をおく、請求項22に記載の治療用組合わせ。
【請求項24】
前記間隔が24時間である、請求項23に記載の治療用組合せ。
【請求項25】
前記癌が、肺癌、黒色腫、結腸直腸癌、乳癌、卵巣癌、甲状腺癌、膵臓癌、前立腺癌、肝臓癌、急性骨髄性白血病又は多発性骨髄腫から選択される、請求項21ないし24のいずれか1項に記載の治療用組合せ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−506420(P2011−506420A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537525(P2010−537525)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【国際出願番号】PCT/GB2008/051170
【国際公開番号】WO2009/074827
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】