説明

MIMO伝送路構成方法及びMIMO伝送路構成装置

【課題】試験工程を複雑にせずに、高い性能評価を実現できるMIMO伝送路構成装置を提供すること。
【解決手段】MIMO伝送路構成装置500は、第1および第2の2偏波アンテナ503−1、503−2と、第1および第2の入力信号507−1、507−2から第1および第2の偏波アンテナ503−1、503−2に給電するRF信号を生成するアンテナ給電部502と、を有し、第1の入力信号507−1が第1の偏波状態で第1の2偏波アンテナ503−1より送信され、第2の入力信号507−2が第1の偏波状態と直交する第2の偏波状態で第1の2偏波アンテナ503−1より送信され、第1の入力信号507−1が180度移相された後、第2の偏波状態で第2の2偏波アンテナ503−2より送信され、第2の入力信号507−2が第1の偏波状態で第2の2偏波アンテナ503−2より送信されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MIMO(multiple input multiple output)方式が使用された無線機器の性能評価に用いられる伝送路構成方法及び伝送路構成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線機器の性能評価(performance evaluation)は、機器の品質管理や、製造元の異なる機器間の相互接続性検証(interoperability test)の目的で行われる。性能評価の一つの手法として、屋内外の見通し内(line of sight)や見通し外(non line of sight)環境において、空間に電波(radio wave)を発することで通信試験(communication test)を実施ものがある。また、自由空間(free space)と見なす電波暗室(anechoic chamber)やマルチパス伝搬路(multipath propagation channel)を模擬するシールドルームを利用する場合もあり、これらは送受信機を有線先接続(conducted test)して実施する試験とは区別して、OTA(over the air)環境における通信試験と呼ばれる。
【0003】
IEEE802.11は、無線LAN機器の評価に関していくつかの手法を提案している(非特許文献1参照)。ここで、非特許文献1に記載されたOTA環境における評価手法について図面を参照しながら説明する。
【0004】
図11は、電波暗室内やシールドルーム内など、電磁波がシールドされた壁に囲まれた空間(electric-magnetic shielded enclosure)を利用して、無線機器間の通信試験を行う場合の試験系の構成を示す図であり、非特許文献1の40ページ及びFigure 15に記載されている。非特許文献1において通信試験に使用する無線機器は、DUT(device under test)800とWLCP(Wireless counterpart)801である。DUT800は試験対象であり、主に受信機として動作させる無線機器である。WLCP801は、DUT800と対をなし、主に送信機として動作させる無線機器である。
【0005】
図11に示すように、電波暗室内802において、DUT800は、WLCP801のアンテナ端子(antenna port)803に接続された外部アンテナ(external antenna)804と一定の距離を離して設置される。また、WLCP800は、周辺機器からの干渉等を避けるためシールドボックス805内に置かれる。
【0006】
このように構成されたOTA環境における詳細な試験パラメータが、非特許文献1の41〜42ページ及びtable 6に記載されている。この表において、WLCP801側の外部アンテナ804は床に対して鉛直(perpendicular)となるように固定された条件で試験されることが示されている。同様のアンテナ設置条件が、屋内外環境における試験パラメータにも記載されており、OTA環境における標準的な通信試験は、垂直偏波(vertical polarization)を用いて実施されてきた。
【非特許文献1】IEEE P802.11.2/D0.12, “Draft Recommended Practice for Evaluation of 802.11 Wireless performance”.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、無線LANの分野では、高速伝送を実現するMIMO方式が実用化されている。MIMO方式は、複数の信号系列を空間多重(spatial multiplexing)して同時に伝送するので、アンテナ数に比例して伝送路容量(channel capacity)を増大できる。
【0008】
前述した従来の試験方法は、WLCPのアンテナを鉛直方向に向けた場合、つまり垂直偏波でのみの通信試験となっている。このため、MIMO方式を使用している無線機器の性能評価においても、WLCP側には、複数の垂直偏波アンテナを空間的に離して設置する試験方法が想定される。
【0009】
つまり、従来の試験方法は、対象となる通信システムが、垂直偏波を主偏波として用いる場合を想定している。しかし、実際に無線機器が使用される環境では、その設置条件や無線機器に実装されるアンテナ特性等によって、任意の偏波状態(polarization state)が伝送路における支配的な偏波状態と成り得る。
【0010】
従って、より精度の高い性能評価を実施しようとすれば、先に述べた垂直偏波の通信試験と合わせて、例えばWLCPのアンテナを水平偏波(horizontal polarization)とする条件においても通信試験が必要となる。ただし、この場合は2つ偏波状態夫々が評価項目となるため、試験工程が複雑になり且つその工数が倍増することになる。
【0011】
本発明は、かかる点を考慮してなされたものであり、試験工程を複雑にせずに、高い性能評価を実現できるMIMO伝送路構成方法及びMIMO伝送路構成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のMIMO伝送路構成装置の一つの態様は、第1の2偏波アンテナおよび第2の2偏波アンテナと、第1および第2の入力信号を入力し、前記第1および第2の入力信号から前記第1および第2の偏波アンテナに給電するRF信号を生成するアンテナ給電手段と、を具備し、前記第1の入力信号が第1の偏波状態で前記第1の2偏波アンテナより送信され、第2の入力信号が前記第1の偏波状態と直交する第2の偏波状態で前記第1の2偏波アンテナより送信され、前記第1の入力信号が180度移相された後、前記第2の偏波状態で前記第2の2偏波アンテナより送信され、前記第2の入力信号が前記第1の偏波状態で前記第2の2偏波アンテナより送信される。
【0013】
これにより、第1の2偏波アンテナと第2の2偏波アンテナとから送信される信号のMIMO伝送路は、偏波の傾きに係わらずMIMO伝送路として一定の特性を有する。言い換えれば、直線偏波の傾き角度(slant angle)に依存しないMIMO伝送路が構成される。
【0014】
本発明のMIMO伝送路構成装置の一つの態様は、第1の2偏波アンテナおよび第2の2偏波アンテナと、第1および第2の入力信号を入力し、前記第1および第2の入力信号から前記第1および第2の偏波アンテナに給電するRF信号を生成するアンテナ給電手段と、を具備し、前記第1の入力信号が第1の偏波状態で前記第1の2偏波アンテナより送信され、前記第2の入力信号が前記第1の偏波状態と直交する第2の偏波状態で前記第1の2偏波アンテナより送信され、前記第1の入力信号が第3の偏波状態で前記第2の2偏波アンテナより送信され、前記第1の入力信号が前記第3の偏波状態と直交する第4の偏波状態で前記第2の2偏波アンテナより送信される。
【0015】
これにより、第1の2偏波アンテナと第2の2偏波アンテナとから送信される信号のMIMO伝送路は、偏波状態に係わらずMIMO伝送路として一定の特性を有する。言い換えれば、偏波状態に依存しないMIMO伝送路が構成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、任意の偏波状態に対して、同時に等しい特性が確保されているMIMO伝送路を構成できるため、従来は、各偏波状態に関して個別に実施されていた通信試験の工程を大幅に短縮できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
はじめに、図1〜4を用いて、本発明の実施の形態に係るMIMO伝送路構成装置の基本構成とその特徴について説明する。
【0018】
図1は、本発明のMIMO伝送路構成装置100を用いて、MIMO方式が実装されている無線機器の性能評価を実施する系の全体構成を示している。MIMO伝送路構成装置100は、WLCP101が有するN個のアンテナ端子103−1〜103−Nに接続されており、評価対象であるDUT102との空間にMIMO試験用の無線伝送路(radio channel)104を構成することができる。また、通常は、WLCP101をシールドボックス105内に配置することで、DUT102とWLCP101を電磁界的に分離する。
【0019】
図2は、MIMO伝送路構成装置100の構成を示すブロック図である。図2のように、MIMO伝送路構成装置100は、複数の2偏波アンテナ(dual-polarized antenna)からなる2偏波アンテナアレー(dual-polarized antenna array)201と、アンテナへの給電回路(feeding circuit)を含むMIMO重み行列演算部(MIMO weight matrix calculator)202とを有する。
【0020】
図2に示すように、2偏波アンテナアレー201は、アレー素子数がMであり、各アレー素子203−1〜203−Mは、2つの偏波成分(dual-polarized components)を独立に送受信できるという特徴がある。つまり、各アレー素子203−1〜203−Mは、2つの偏波成分を送受信するために2つの給電端子(feeding ports)を有する。
【0021】
アレー素子203−1〜203−Mの具体的構成例を、図3及び図4に示す。図3(a)、図3(b)は、アレー素子203−1〜203−Mをクロスダイポールアンテナ(cross dipole antenna)300−1〜300−Mで構成した場合を示す。図4(a)、(b)は、アレー素子203−1〜203−Mを偏波共用マイクロストリップアンテナ(dual-polarized microstrip antenna)400−1〜400−Mで構成した場合を示す。ここで、図3及び図4において、参照符号204−11、204−12、…、204−M1、204−M2で示された部分は、給電端子である。
【0022】
なお、本発明のMIMO伝送路構成装置100に適用できるアレー素子203−1〜203−Mは、2つの偏波成分をある程度の分離度(isolation)を保ちながら送受信できるアンテナであれば、その形状が特に限定されるものではない。また、偏波成分間の分離度を示す指標は2つの偏波成分の相互結合度が一般的であり、その値は−15dB以下であることが望ましい。
【0023】
図3や図4に示すような2偏波アンテナは、任意の偏波状態pで電界(electirc field)Eを送受信することができる。ここで、垂直偏波および水平偏波を直交偏波基底(orthogonal polarization basis)として、いくつかの偏波状態に対する複素電界ベクトルの表記を次式(1)ように定義しておく。
【数1】

【0024】
ただし、Eは水平偏波状態のベクトル表記であり、Eは垂直偏波状態のベクトル表記である。同様に、E+45は+45度直線(+45 degree linear)偏波状態、E−45は−45度(−45 degree linear)偏波状態、ERHCは右旋円(left-handed circular)偏波状態、ELHCは左旋円(right-handed circular)偏波状態を示している。
【0025】
また、図2に示すようにMIMO重み行列演算部202は、DUT102との間にMIMO試験用の無線伝送路を生成するために、WLCP101の送信信号に対してMIMO重み行列(MIMO weight matrix)の積算処理を施す。この行列演算後の送信信号は、2偏波アンテナアレー201を通じて空間へ発信される。
【0026】
尚、MIMO重み行列の積算処理は、WLCP101の送信信号に対して、RF回路を用いてアナログ処理を施す方法と、A/D変換後にデジタル処理を施してさらにデジタル処理後の信号をD/A変換する方法とが考えられる。以下では、アナログ処理する場合のRF回路構成について説明しているが、デジタル処理で実現することも可能である。
【0027】
また、RF回路により実現されるMIMO重み行列演算部202は、2偏波アンテナアレー201の給電回路と見なせるため、以下ではMIMO重み行列演算部202をアンテナ給電部と呼ぶこともある。
【0028】
(実施の形態1)
図5は、本実施の形態におけるMIMO伝送路構成装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態におけるMIMO伝送路構成装置500では、2偏波アンテナアレー501のアレー素子数Mが2で、且つWLCP101のアンテナ端子数Nも2の場合を想定している。
【0029】
このため、2偏波アンテナアレー501は、2偏波アンテナ503−1、503−2から構成され、給電端子504−11、504−12、504−21、504−22を有する。また、MIMO重み行列演算部であるアンテナ給電部502はアンテナ端子505−11、505−12、505−21、505−22と、RF端子506−1、506−2とを有する。
【0030】
図5に示すように、2偏波アンテナアレー501は、2偏波アンテナ503−1と、2偏波アンテナ503−2とで構成されている。2偏波アンテナ503−1は、互いに直交する垂直偏波成分と水平偏波成分を独立に送受信できるか、もしくは+45度傾き(+45 degree slant)および−45度傾き(‐45 degree slanted)の直線偏波成分(linear polarized components)を独立に送受信できる構成とされている。2偏波アンテナ503−2も、2偏波アンテナ503−1と同様の構成とされている。
【0031】
アレー素子の具体的な形状は、例えば図3(a)に示したクロスダイポールアンテナ300−1〜300−Mや図4(a)に示した偏波共用マイクロストリップアンテナ400−1〜400−Mを適用できる。また、図3(b)に示した45度傾けのクロスダイポールアンテナ301−1〜301−Mや45度傾けの偏波共用マイクロストリップアンテナ401−1〜401−Mを適用してもよい。
【0032】
以下では、2偏波アンテナ503−1と2偏波アンテナ503−2が共に、垂直偏波成分と水平偏波成分を独立に送受信できるように構成した場合について説明する。
【0033】
図5に示すように、アンテナ給電部502は、RF端子506−1、506−2への入力信号507−1、507−2に対して、4×2のMIMO重み行列を積算する処理を施し、処理後の信号508−11、508−12、508−21、508−22を、2偏波アンテナアレー501の各給電端子504−11、504−12、504−21、504−22に接続された4つのアンテナ端子505−11、505−12、505−21、505−22へ出力する。
【0034】
アンテナ給電部502のアンテナ端子505−11は、2偏波アンテナ503−1の垂直偏波成分が送受信される給電端子504−11に接続され、アンテナ端子505−2は、2偏波アンテナ503−1の水平偏波成分が送受信される給電端子504−12に接続されている。同様に、アンテナ端子505−21は、2偏波アンテナ503−2の垂直偏波成分が送受信される給電端子504−21に接続され、アンテナ端子505−22は、2偏波アンテナ503−2の水平偏波成分を送受信される給電端子504−22に接続されている。
【0035】
RF端子506−1への入力信号507−1とRF端子506−2への入力信号507−2は、WLCP101からの2つの送信信号であり、以下ではこれらの送信信号のベクトル表記をSとする。また、アンテナ給電部502の出力信号508−11、508−12、508−21、508−22のベクトル表記をY、MIMO重み行列をWとすると、アンテナ給電部502における処理は、次式(2)のように表わされる。
【数2】

【0036】
ただし、MIMO重み行列Wの1、2行目をMIMO重み部分行列(MIMO weight sub-matrix)W、3、4行目をMIMO重み部分行列Wとする。
【0037】
ここで、Wによって、アンテナ端子505−11からの出力信号508−11であるy1とアンテナ端子505−12からの出力信号508−12であるy2とが生成される。また、Wによって、アンテナ端子505−21からの出力信号508−21であるy3とアンテナ端子505−22からの出力信号508−22であるy4とが生成される。
【0038】
結果として、y1は2偏波アンテナ503−1の垂直偏波成分の給電端子504−11の入力信号となり、y2は2偏波アンテナ503−1の水平偏波成分の給電端子504−12の入力信号となっている。同様に、y3は2偏波アンテナ503−2の垂直偏波成分の給電端子504−21の入力信号となり、y4は2偏波アンテナ503−2の水平偏波成分の給電端子504−22の入力信号となっている。
【0039】
次式(3)は、本実施におけるMIMO重み行列Wの具体例を示している。以下では、これらのWを用いた場合に構成されるMIMO試験用の伝送路について、その物理的な特性を説明する。ただし、式(3)の行列はそのノルムが一致するように正規化してある。
【数3】

【0040】
ここでは、式(3)に列挙してあるMIMO重み行列の中から、最初に例示した行列を用いる場合を例としてその特徴について述べる。
【0041】
このとき、アンテナ給電部502の出力信号Yは、次式(4)のようになる。
【数4】

【0042】
このように、出力信号Yは、WLCP101の送信信号Sを用いて表現される。つまり、y1(=s1)は、2偏波アンテナ503−1の給電端子504−11を介して垂直偏波で送信され、y2(=s2)は2偏波アンテナ503−1の給電端子504−12を介して水平偏波で送信される。さらに、y3(=s2)は2偏波アンテナ503−2の給電端子504−21を介して垂直偏波で送信され、y4(=−s1)は2偏波アンテナ503−2の給電端子504−22を介して水平偏波で送信される。
【0043】
結果として、図6に示すように、送信信号s1は、2偏波アンテナアレー501の2偏波アンテナ503−1から垂直偏波として空間へ発信されると同時に、位相反転(180度移相)された後に、2偏波アンテナ503−2から水平偏波として空間へ発信されるようになる。また、送信信号s2は、2偏波アンテナ503−1から水平偏波として空間へ発信されると同時に、2偏波アンテナ503−2から垂直偏波として空間へ発信されるようになる。
【0044】
ここで、WLCP101の送信信号Sと、2偏波アンテナアレー501から空間へ発信される電界と、の間に構成されるMIMO伝送路の特性を、偏波の傾き角度に関して分析する。
【0045】
ここで、2偏波アンテナアレー501から空間へ発信される電界ベクトルXに関して、垂直偏波成分(vertical polarization component)Xに対する伝送路行列(channel matrix)をG、水平偏波成分(horizontal polarization component)Xに対する伝送路行列をG、さらに+45度偏波成分X+45に対する伝送路行列をG+45、−45度偏波成分X‐45に対する伝送路行列をG‐45とする。このとき、各伝送路行列は、次式(5)のように定式化できる。ただし、各偏波状態の表記は式(1)に基づいている。
【数5】

【0046】
このとき、垂直偏波成分の伝送路行列Gは2つの列ベクトルが直交し、Gを特異値分解(singular value decomposition)することによって求められる2つの特異値(singular values)σ1とσ2は、共に1となる。同様に、水平偏波成分の伝送路行列G、+45度偏波成分の伝送路行列G+45および−45度偏波成分の伝送路行列G‐45のすべてが、ユニタリ行列であり、2つの列ベクトルが直交しており、その特異値は共に1となる。
【0047】
一般に、MIMO伝送路における通信容量は、伝送路行列を特異分解して得られる特異値を二乗した値を用いて推定できる。すなわち、MIMO伝送路の特性は、行列Gの特異値によって表現される。
【0048】
つまり、アンテナ給電部502と2偏波アンテナアレー501とを用いて構成されるMIMO伝送路は、偏波の傾きに係わらずMIMO伝送路として一定の特性を有する。言い換えれば、本実施の形態のMIMO伝送路構成装置500は、直線偏波の傾き角度(slant angle)に依存しないMIMO伝送路を構成できるという特徴がある。
【0049】
尚、式(3)に列挙してある他のMIMO重み行列Wを用いた場合についても同様に、本実施の形態のMIMO伝送路構成装置500によって構成されるMIMO伝送路は、直線偏波の傾き角度に依存しないという特性を有している。
【0050】
また、式(3)に示したMIMO重み行列Wの1、2行目に当たるMIMO重み部分行列Wと、3、4行目に当たるMIMO重み部分行列Wとを入れ替えた次式(6)で表現されるMIMO重み行列W’を用いた場合も、同様の特性を有するMIMO伝送路を構成できる。
【数6】

【0051】
ただし、この場合は、Wによって、アンテナ端子505−11からの出力信号508−11であるy1とアンテナ端子505−12からの出力信号508−12であるy2とが生成される。また、Wによって、アンテナ端子505−21からの出力信号508−21であるy3とアンテナ端子505−22からの出力信号508−22であるy4とが生成される。
【0052】
また、Wの列ベクトルを入れ替えた式(7)に示すMIMO重み行列W’’を用いた場合でも、前述したのと同様の特性を有するMIMO伝送路を構成できる。さらに、MIMO重み部分行列WとMIMO重み部分行列Wの行ベクトルを同時に入れ替えた式(8)に示すMIMO重み行列W’’’を用いた場合でも、前述したのと同様の特性を有するMIMO伝送路を構成できる。
【数7】

【数8】

【0053】
図7は、上述したMIMO重み行列演算を行うアンテナ給電部502を、RF回路によって実現する場合の回路構成例を示している。この図に示すように、入力信号507−1と入力信号507−2とに対して式(3)の重み行列Wを積算するRF回路は、2系統の電力カプラ(2-way power coupler)600と、一つの系統が180度移相される2系統の180度ハイブリッドカプラ(2-way 180 degree hybrid coupler)601とによって構成される。
【0054】
アンテナ給電部502への入力信号507−1は、RF端子506−1を介して、180度ハイブリッドカプラ601へ入力される。また、入力信号507−2は、RF端子506−2を介して、電力カプラ600へ入力される。
【0055】
図7に示すように、180度ハイブリッドカプラ601の2出力は、一方がアンテナ端子505−11を介して送信信号508−11となり、180度移相されている他方がアンテナ端子505−22を介して送信信号508−22となる。
【0056】
また、電力カプラ600の2出力は、一方がアンテナ端子505−12を介して送信信号508−12となり、他方がアンテナ端子505−21を介して送信信号508−21となる。
【0057】
結果として、WLCP101の送信信号である入力信号207−1は、2偏波アンテナアレーの2偏波アンテナ503−1から垂直偏波として空間へ発信されると同時に、位相反転(180度移相)された後に2偏波アンテナ503−2から水平偏波として空間へ発信されるようになる。また、WLCP101の送信信号である入力信号207−2は、2偏波アンテナ503−1から水平偏波として空間へ発信されると同時に、2偏波アンテナ503−2から垂直偏波として空間へ発信されるようになる。
【0058】
尚、180度ハイブリッドカプラの具体例としては、ラットレース型(rat-race type)のハイブリッドリングカプラなどがある。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1の信号s1を第1の偏波状態で第1の2偏波アンテナ503−1より送信し、第2の信号s2を第1の偏波状態と直交する第2の偏波状態で第1の2偏波アンテナ503−1より送信し、第1の信号s1を180度移相した後、第2の偏波状態で第2の2偏波アンテナ503−2より送信し、第2の信号s2を第1の偏波状態で第2の2偏波アンテナ503−2より送信したことにより、偏波の傾きに依存しないMIMO伝送路を形成することができる。この結果、試験工程を複雑にせずに、従来方法よりも精度の高い性能評価を実現できる伝送路構成方法及びMIMO伝送路構成装置を実現できる。
【0060】
ここで、本実施の形態におけるMIMO伝送路構成装置の特徴および効果を、より明確にするための比較例を示しておく。
【0061】
図8は、比較例の構成を示し、図7と比較してアンテナ給電部502の構成が異なる。図8のアンテナ給電部502は、2つの電力カプラ1100−1と電力カプラ1100−2を用いてRF回路が構成されている。
【0062】
図8の構成の場合、WLCP101の送信信号である入力信号507−1は、2偏波アンテナアレーの2偏波アンテナ503−1から垂直偏波として空間へ発信されると同時に、2偏波アンテナ503−2から水平偏波として空間へ発信される。また、WLCP101の送信信号である入力信号507−2は、2偏波アンテナ503−1から水平偏波として空間へ発信されると同時に、2偏波アンテナ503−2からは垂直偏波として空間へ発信される。
【0063】
また、このような回路構成において、実現されるアンテナ給電部502をMIMO重み行列Wとして表記すると、次式(9)のようになる。
【数9】

【0064】
さらに、各偏波状態に対する伝送路行列G、G、G+45およびG-45は、次式(10)のように定式化される。
【数10】

【0065】
このとき、GとGは、その特異値σ1、σ2が共に1になる一方で、G+45とG‐45は、σ1、σ2が√2、0という組合せになる。
【0066】
つまり、垂直または水平偏波成分に対する伝送路特性と、+45度または−45度偏波成分に対する伝送路特性とが異なる。さらに、+45度または−45度偏波成分に関しては、一つの特異値が0となるため、MIMO方式による空間多重伝送が実現困難な伝送路として、構成されていることが分かる。
【0067】
従って、図8に示したような回路構成のアンテナ給電部502を用いた場合、偏波の傾きに依存して、MIMO方式に対する伝送路特性も変動する。言い換えれば、直線偏波の傾き角度に依存するMIMO伝送路が形成されるので、任意の偏波状態に対して同時に等しい特性が確保されたMIMO伝送路を構成することは困難である。
【0068】
(実施の形態2)
本実施の形態におけるMIMO伝送路構成装置の概略構成は、図5に示した実施の形態1のMIMO伝送路構成装置500とほぼ同様である。
【0069】
すなわち、本実施の形態においても実施の形態1と同様に、アンテナ給電部502は、RF端子506−1、506−2より入力されるWLCP101からの送信信号507−1、507−2に対してMIMO重み行列Wを積算する処理を施した後、処理後の信号508−11、508−12、508−21、508−22を、2偏波アンテナアレー501の各給電端子504−11、504−12、504−21、504−22に接続されているアンテナ端子505−11、505−12、505−21、505−22に出力する。
【0070】
ただし、本実施の形態で用いるMIMO重み行列Wは、実施の形態1で用いた式(3)に例示されている行列とは異なる。次式(11)は、本実施におけるMIMO重み行列Wの具体例を示している。以下では、これらの行列Wを用いた場合に構成されるMIMO試験用の伝送路について、その物理的な特性を説明する。ただし、次式(11)の行列はそのノルムが一致するように正規化してある。
【数11】

【0071】
ここでは、上式(11)に挙げた2つのMIMO重み行列の中から、最初に例示した行列を用いる場合を例として、その特徴について述べる。
【0072】
このとき、アンテナ給電部502の出力信号Yは、次式(12)のようになる。
【数12】

【0073】
このように、出力信号YはWLCP101の送信信号Sを用いて表現される。つまり、y1(=s1)は2偏波アンテナ503−1の給電端子504−11を介して垂直偏波で送信され、y2(=s2)は2偏波アンテナ503−1の給電端子504−12を介して水平偏波で送信される。さらに、y3(=−js1/√2+js2/√2)は2偏波アンテナ503−2の給電端子504−21を介して垂直偏波で送信され、y4(=s1/√2+s2/√2)は2偏波アンテナ503−2の給電端子504−22を介して水平偏波で送信される。
【0074】
結果として、図9に示すように、送信信号s1は、2偏波アンテナアレー501の2偏波アンテナ503−1から垂直偏波として空間へ発信されると同時に、2偏波アンテナ503−2からは右旋円偏波として空間へ発信されるようになる。また、送信信号s2は、2偏波アンテナ503−1から水平偏波として空間へ発信されると同時に、2偏波アンテナ503−2からは左旋円偏波として空間へ発信されるようになる。ただし、偏波状態の定義は前述した式(1)に従うものとする。
【0075】
ここで、WLCPの送信信号Sと、2偏波アンテナアレーから空間へ発信される電界と、の間に構成されるMIMO伝送路の特性を、いくつかの偏波状態に関して分析する。
【0076】
ここで、2偏波アンテナアレー501から空間へ発信される電界ベクトルXに関して、垂直偏波成分Xに対する伝送路行列をG、水平偏波成分Xに対する伝送路行列をG、さらに+45度偏波成分X+45に対する伝送路行列をG+45、−45度偏波成分X‐45に対する伝送路行列をG‐45、さらに右旋円偏波成分XRHCに対する伝送路行列をGRHC、左旋円偏波成分XLHCに対する伝送路行列をGLHC、とする。このとき、各伝送路行列は、次式(13)のように定式化できる。ただし、各偏波状態の表記は式(1)に基づいている。
【数13】

【0077】
このとき、垂直偏波成分の伝送路行列Gの特異値σ1、σ2は、1+1/√2、1−1/√2という組み合わせになる。同様に、水平偏波成分の伝送路行列G、+45度偏波成分の伝送路行列G+45、−45度偏波成分の伝送路行列G−45、右旋円偏波成分の伝送路行列GRHC、左旋円偏波成分の伝送路行列GLHCのすべてにおいて、その特異値が同じ値の組合せ、1+1/√2と1−1/√2になるという特徴を有する。
【0078】
つまり、アンテナ給電部502と2偏波アンテナアレー501とを用いて構成されるMIMO伝送路は、偏波状態に係わらずMIMO伝送路として一定の特性を有する。言い換えれば、本実施の形態のMIMO伝送路構成装置は、偏波状態に依存しないMIMO伝送路を構成できるという特徴がある。
【0079】
尚、式(11)に挙げた、もう一方のMIMO重み行列Wを用いた場合についても同様に、本実施の形態のMIMO伝送路構成装置によって構成されるMIMO伝送路は、偏波状態に依存しないという特性を有している。
【0080】
この場合、送信信号s1は、2偏波アンテナアレー501の2偏波アンテナ503−1から+45度偏波として空間へ発信されると同時に、90度位相された後に2偏波アンテナ503−2から右旋円偏波として空間へ発信されるようになる。また、送信信号s2は、2偏波アンテナ503−1から−45度偏波として空間へ発信されると同時に、2偏波アンテナ503−2からは左旋円偏波として空間へ発信されるようになる。
【0081】
また、式(11)に示したMIMO重み行列Wの1、2行目に当たるMIMO重み部分行列Wと、3、4行目に当たるWとを入れ替えた次式(14)で表現されるMIMO重み行列W’を用いた場合も、同様の特性を有するMIMO伝送路を構成できる。
【数14】

【0082】
また、式(11)のWとW夫々の列ベクトルを個別に入れ替えた式(15)に示すようなMIMO重み行列W’’や、WとW夫々の行ベクトルを個別に入れ替えた式(16)に示すようなMIMO重み行列W’’’を用いた場合についても、前述したのと同様の特性を有するMIMO伝送路を構成できる。
【数15】

【数16】

【0083】
図10は、上述したMIMO重み行列演算を行うアンテナ給電部502を、RF回路によって実現する場合の回路構成例を示している。この図に示すように、入力信号507−1と入力信号507−2とに対して、式(9)の重み行列Wを積算するRF回路は、2系統の電力カプラ700−1〜700−3と、一つの系統が90度移相される2系統の90度ハイブリッドカプラ(2-way 90 degree hybrid coupler)701−1、701−2と、一系統が180度移相される180度ハイブリッドカプラ702によって構成することができる。
【0084】
アンテナ給電部502への入力信号507−1は、RF端子506−1を介して、電力カプラ700−1へ入力される。また、入力信号507−2は、RF端子506−2を介して、電力カプラ700−2へ入力される。
【0085】
図10に示すように、電力カプラ700−1の2出力は、一方がアンテナ端子505−11を介して送信信号508−11として送出され、他方が90度ハイブリッドカプラ701−1へ入力される。同様に、電力カプラ700−2の2出力は、一方がアンテナ端子505−12を介して送信信号508−12として送出され、他方が90度ハイブリッドカプラ701−2へ入力される。
【0086】
また、図10に示すように、90度ハイブリッドカプラ701−1の2出力は、90度移相された出力が、180度ハイブリッドカプラ702の180度移相される系統へと入力され、もう一方の90度移相されない出力が電力カプラ700−3に入力される。さらに、90度ハイブリッドカプラ701−2の2出力は、90度移相された出力が、180度ハイブリッドカプラ702の180度移相されない系統に入力され、もう一方の90度移相されない出力が電力カプラ700−3に入力される。
【0087】
また、180度ハイブリッドカプラ702の合成出力は、アンテナ端子505−21を介して送信信号508−21として送出され、電力カプラ700−3の合成出力は、アンテナ端子505−22を介して送信信号508−22として送出される。
【0088】
結果として、WLCP101の送信信号である入力信号507−1は、2偏波アンテナアレーの2偏波アンテナ503−1から垂直偏波として空間へ発信されると同時に、位相反転(180度移相)された後に、2偏波アンテナ503−2から水平偏波として空間へ発信されるようになる。また、WLCP101の送信信号である入力信号507−2は、2偏波アンテナ503−1から水平偏波として空間へ発信されると同時に、2偏波アンテナ503−2からは垂直偏波として空間へ発信されるようになる。
【0089】
尚、90度ハイブリッドカプラの具体例としては、マイクロストリップ線路(microstrip line)によるブランチラインカプラ(branch-line coupler)などがある。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明によれば、偏波に依存しないMIMO試験用の伝送路を構成できるため、結果として通信試験の工程を簡略化できるという効果を有し、MIMO方式が実装された無線機器のOTA通信試験に有用である。
【0091】
特に、本発明の伝送路構成方法並びに伝送路構成装置は、MIMO方式が実装されている携帯電話や無線LANなどの移動通信システムの無線機器に対する性能評価に適しているだけでなく、アンテナダイバーシチ方式が実装された移動通信システムの無線機器やテレビ放送の受信機の性能評価にも適している。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明のMIMO伝送路構成装置を使用した試験系全体の構成を示す図
【図2】実施の形態に係るMIMO伝送路構成装置の基本構成を示す図
【図3】クロスダイポールアンテナを用いた2偏波アンテナアレーの構成を示す図
【図4】偏波共用マイクロストリップアンテナを用いた2偏波アンテナアレーの構成を示す図
【図5】実施の形態1におけるMIMO伝送路構成装置の構成を示す図
【図6】実施の形態1におけるMIMO伝送路構成装置の送信信号の偏波状態を示す図
【図7】実施の形態1におけるアンテナ給電部の回路構成を示す図
【図8】実施の形態1に対する比較例のアンテナ給電部の回路構成を示す図
【図9】実施の形態2におけるMIMO伝送路構成装置の送信信号の偏波状態を示す図
【図10】実施の形態2におけるアンテナ給電部の回路構成を示す図
【図11】従来の試験方法を示す図
【符号の説明】
【0093】
100、500 MIMO伝送路構成装置
101 WLCP
102 DUT
103、505−11〜505−22 アンテナ端子
104 無線伝送路
105 シールドボックス
201、501、503−1、503−2 2偏波アンテナアレー
202 MIMO重み行列演算部
203−1〜203−M アレー素子
300−1〜300―M、301−1〜301―M クロスダイポールアンテナ
400−1〜400―M、401−1〜401―M 偏波共用マイクロストリップアンテナ
502 アンテナ給電部
504−11〜504−22 給電端子
506−1、506−2 RF端子
508−1、508−2 送信信号
600、700−1、700−2、700−3、1100−1、1100−2 電力カプラ
601、702 180度ハイブリッドカプラ
701−1、701−2 90度ハイブリッドカプラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の信号を第1の偏波状態で第1の2偏波アンテナより送信し、
第2の信号を前記第1の偏波状態と直交する第2の偏波状態で前記第1の2偏波アンテナより送信し、
前記第1の信号を180度移相した後、前記第2の偏波状態で第2の2偏波アンテナより送信し、
前記第2の信号を前記第1の偏波状態で前記第2の2偏波アンテナより送信する
MIMO伝送路構成方法。
【請求項2】
第1の信号を第1の偏波状態で第1の2偏波アンテナより送信し、
第2の信号を前記第1の偏波状態と直交する第2の偏波状態で前記第1の2偏波アンテナより送信し、
前記第1の信号を第3の偏波状態で第2の2偏波アンテナより送信し、
前記第2の信号を前記第3の偏波状態と直交する第4の偏波状態で前記第2の2偏波アンテナより送信する
MIMO伝送路構成方法。
【請求項3】
第1の2偏波アンテナおよび第2の2偏波アンテナと、
第1および第2の入力信号を入力し、前記第1および第2の入力信号から前記第1および第2の偏波アンテナに給電するRF信号を生成するアンテナ給電手段と、
を具備し、
前記第1の入力信号が第1の偏波状態で前記第1の2偏波アンテナより送信され、
前記第2の入力信号が前記第1の偏波状態と直交する第2の偏波状態で前記第1の2偏波アンテナより送信され、
前記第1の入力信号が180度移相された後、前記第2の偏波状態で前記第2の2偏波アンテナより送信され、
前記第2の入力信号が前記第1の偏波状態で前記第2の2偏波アンテナより送信される
MIMO伝送路構成装置。
【請求項4】
第1の2偏波アンテナおよび第2の2偏波アンテナと、
第1および第2の入力信号を入力し、前記第1および第2の入力信号から前記第1および第2の偏波アンテナに給電するRF信号を生成するアンテナ給電手段と、
を具備し、
前記第1の入力信号が第1の偏波状態で前記第1の2偏波アンテナより送信され、
前記第2の入力信号が前記第1の偏波状態と直交する第2の偏波状態で前記第1の2偏波アンテナより送信され、
前記第1の入力信号が第3の偏波状態で前記第2の2偏波アンテナより送信され、
前記第1の入力信号が前記第3の偏波状態と直交する第4の偏波状態で前記第2の2偏波アンテナより送信される
MIMO伝送路構成装置。
【請求項5】
前記第1の偏波状態と前記第2の偏波状態が、垂直偏波と水平偏波の組み合わせである
請求項1又は請求項2に記載のMIMO伝送路構成方法。
【請求項6】
前記第1の偏波状態と前記第2の偏波状態が、垂直偏波と水平偏波の組み合わせである
請求項3又は請求項4に記載のMIMO伝送路構成装置。
【請求項7】
前記第3の偏波状態と前記第4の偏波状態が、右旋円偏波と左旋円偏波の組み合わせである
請求項2に記載のMIMO伝送路構成方法。
【請求項8】
前記第3の偏波状態と前記第4の偏波状態が、右旋円偏波と左旋円偏波の組み合わせである
請求項4に記載のMIMO伝送路構成装置。
【請求項9】
前記第1の偏波状態と前記第2の偏波状態が、+45度偏波と−45度偏波の組み合わせである
請求項1に記載のMIMO伝送路構成方法。
【請求項10】
前記第1の偏波状態と前記第2の偏波状態が、+45度偏波と−45度偏波の組み合わせである
請求項3に記載のMIMO伝送路構成装置。
【請求項11】
前記第1の2偏波アンテナと前記第2の2偏波アンテナのどちらかまたは共にクロスダイポールアンテナである
請求項3、請求項4、請求項6、請求項8又は請求項10に記載のMIMO伝送路構成装置。
【請求項12】
前記第1の2偏波アンテナと前記第2の2偏波アンテナのどちらかまたは共に2偏波共用マイクロストリップアンテナである
請求項3、請求項4、請求項6、請求項8又は請求項10に記載のMIMO伝送路構成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−225013(P2009−225013A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−66192(P2008−66192)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】