説明

N−置換−環状アミノ誘導体の製造方法

【課題】
医薬上有用である式(3)で表される化合物をより効率的及び、より高純度で取得出来る製造方法の提供。
【解決手段】
式(6)で表される化合物(RおよびRは、各々独立して、水素原子等;Rは、C1−6アルキル基等である。)と式(7)で表される化合物(Mは、ピリジンー2−イルーオキシなど)を反応して、式(2)で表される化合物を製造し、式(1)で表される化合物(式中、R1aは、置換されていてもよいC1−6アルキル基;R1bは、置換されていてもよいC1−6アルキル基;R1cおよびR1dは、各々独立して、同一または異なって、置換されていてもよいC1−6アルキル基等であり;Rは、置換されていてもよいC1−6アルキル基;Gは、酸素原子等である。)と、式(2)で表される化合物を反応し、式(3)で表される化合物(式中の記号は前記と同じである。)を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−置換−環状アミノ誘導体の製造方法に関する。より詳しくは、N−置換部分の1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環状アミノ構造を有する化合物において、環上の窒素原子が置換された環状アミノ誘導体として、下記式で表される化合物が知られている(特許文献1)。
【0003】
【化1】

【0004】
[式中、Lは単結合、S(O)、C(O)等であり、Arはアリール又はヘテロアリールであり、Rは水素原子等であり、Rは水素原子、C1−6アルキル等であり、RはC1−6アルキル、アリール等であり、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は各々独立して、水素原子等であり、qは1又は2である。]
【0005】
ここで、ピペリジン環等の窒素原子が置換された化合物は、ピペリジン環等の窒素原子が非置換である化合物に、各種の酸クロリド、もしくはイソシアネートを反応させるか、またはp−ニトロフェニルオキシカルボニルクロリドを反応させた後に、各種アミンを反応させることにより製造することができる(特許文献1のスキーム1及び2)。しかしながら、ピペリジン等の窒素原子に置換されている部位(以下、置換部位と称する場合もある。)が複雑な構造である場合には、かかる製造方法では収率の向上が見込めない。
【0006】
一方、特許文献2には、下記式で表される化合物の製造方法が記載されている。
【0007】
【化2】

【0008】
[式中、Rはアルキル、置換されているアルキル等であり、R及びRは独立して、水素原子、アルキル、置換されているアルキル等であり、R及びRは独立して、水素原子、アシルアミノ、アシルオキシ等である。]
【0009】
特許文献2は、前記化合物の製造方法と、該化合物を用いた第1又は第2級アミン−含有薬剤と反応する1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメートの製造方法が記載されている。特許文献2に記載の製造方法は、前記化合物と第1又は第2級アミン−含有薬剤を反応させることでアキラル、又はキラルな1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメート化合物群を製造することができる。また、前記化合物は、N−ヒドロキシスクシンイミド誘導体を過酢酸やm−クロロ過安息香酸などの過酸存在下、対応するチオカルバメート体と反応させることで、製造している。
【0010】
【化3】

[式中、R、R、R、R、R、R、Rは、特許文献2と同義である。]
【0011】
また、1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメート化合物に関するその他の製造例として、例えば非特許文献1に記載されている製造法等が知られている。すなわち、((2,5−ジオキソピロリジン−1−イルオキシ)カルボニルオキシ)メチル アセテート、及び1−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イルオキシ)カルボニルオキシ)エチル アセテートと1級アミノ基を持っているpseudomycin誘導体を反応させることにより、1−(メチルカルボニルオキシ)−アルキルカルバメート体を製造する方法である。
【0012】
更に、1―(クロロカルボニルオキシ)アルキル アルカノエート体の製造法として、例えば、下記式で表される非特許文献2のような製造方法が知られている。
【0013】
【化4】

【0014】
[式中、Rは非特許文献2に記載のC1−13アルキル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、2−フリル基などを示す。また、Rはメチル、エチル、ブチル、フェニル及び、ベンジル基を示す。]
【0015】
本反応は、Rの選択により純度や収率に影響を与えることが確認されている。高純度の1―(クロロカルボニルオキシ)アルキル アルカノエート体を得るためには、適切なRの選択が重要である。
【0016】
一方、式(1)で表される化合物、又はその薬学上許容される塩は、レニン阻害薬として薬効面に優れた化合物として知られている(特許文献3)。
【0017】
【化5】

【0018】
[式中、G、G、G、G、R1a、R1m、R、R3a、R3b、R3c、R3d及びnは、特許文献3記載の項1と同義である。]
【0019】
また、式(3)で表される化合物、又はその薬学上許容される塩は経口投与可能なレニン阻害薬として薬効や安全性面で非常に優れた化合物である。
【0020】
【化6】

【0021】
[式中、G、G、G、G、R1a、R1m、R、R3a、R3b、R3c、R3d及びnは、特許文献3記載と同義であり、Rは、後述の項1記載のRと同義であり、Rは、後述の項1記載のRと同義であり、Rは、後述の項1記載のRと同義である。]
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】国際公開WO2006/020598号パンフレット
【特許文献2】国際公開WO2005/066122号パンフレット
【特許文献3】国際公開WO2009/078481号パンフレット
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】Bioorg. Med. Chem. Lett. 11, 1875.(2001年)
【非特許文献2】Synthesis 1159.(1990年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
式(3)で表される化合物又はその薬学上許容される塩は、特許文献1に記載の化合物群よりも複雑な構造を持っており、この先行技術を用いて効率よく高純度の式(3)で表される化合物又はその薬学上許容される塩を製造することは困難である。また、式(3)で表わされた化合物又はその薬学上許容される塩は、式(1)で表される化合物又は薬学上許容される塩と既存の方法を組み合わせて用いることで、複数の工程を経て製造することが出来るが、医薬品としての需要に耐えうる、より効率的な製造方法が必要とされている。
【0025】
本発明の課題は、医薬上有用である式(3)で表されるレニン阻害薬をより効率的及び、より高純度で取得出来る製造方法を提供することにある。特許文献1に記載されている製造方法では、構造の複雑さから式(3)で表わされた化合物群を製造することは難しい。また、非特許文献1及び2に記載の既存の方法を組み合わせて複数の工程を経て製造することが出来るが、医薬品としての需要に耐えうる、より効率的な製造方法が必要とされている。
【0026】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、式(1)で表される化合物から、1工程で、式(3)で表される化合物を効率的、かつ高純度で製造できる製造方法を見出した。また、式(2)で表される化合物を効率的、かつ高純度で製造出来る方法を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0027】
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0028】
項1:式(6)で表される化合物
【0029】
【化7】

[式中、RおよびRは、各々独立して、
(a)水素原子、
(b)C1−4アルキル基(該基は、
1−4アルコキシ、
3−6シクロアルキル(該シクロアルキルは、C1−4アルコキシで置換されていてもよい。)、
5員もしくは6員の飽和へテロ環、または
5員もしくは6員の飽和へテロ環オキシで置換されていてもよい。)、
(c)C3−10シクロアルキル基(該基は、1〜2個のフッ素原子、またはC1−4アルコキシで置換されていてもよい。)、
(d)C6−10アリール基(該基は、
ハロゲン原子、または
6−10アリール(ハロゲン原子またはC1−4アルコキシで置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)、
(e)5員もしくは6員の飽和へテロ環基、または
(f)5員〜10員の単環式もしくは多環式のヘテロアリール基(該基は、C1−4アルキル、またはC1−4アルコキシで置換されていてもよい。)であり;
は、
(a)C1−6アルキル基(該基は、
1〜3個のフッ素原子、
ヒドロキシ、
1−4アルコキシ、
カルボキシ、
5員もしくは6員の飽和へテロ環、
3−6シクロアルキル、
1−4アルコキシカルボニル、
1−4アルコキシカルボニルアミノ、
アミノ、
モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)アミノ、
5員〜7員の環状アミン、
1〜2個のニトロオキシ、
アミノカルボニル、または
5員〜7員の環状アミノカルボニルで置換されていてもよい。)、
(b)C3−10シクロアルキル基(該基は、ヒドロキシで置換されていてもよい。)、
(c)C6−10アリール基(該基は、
1−4アルキル、
ハロゲン、
1−4アルコキシ、または
1−4アルキルカルボニルオキシで置換されていてもよい。)、
(d)C1−4アルキルカルボニル基(該基は、ヒドロキシで置換されていてもよい。)、
(e)5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、
(f)5員もしくは6員の飽和へテロ環基(該基は、C1−4アルコキシで置換されていてもよいC1−4アルキルで置換されていてもよい。)、
(g)C1−6アルコキシ基(該基は、C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
(h)C3−6シクロアルキルオキシ基(該基は、C1−4アルコキシで置換されていてもよい。)、または
(i)5員もしくは6員の飽和ヘテロ環オキシ基である。)である。] 、または薬学上許容される塩と、
塩化スルフリルを反応し、引き続いて、式(7)で表される化合物
【0030】
【化8】

[式中、Mは、式(4)または(5)で表される基
【0031】
【化9】

【0032】
[式中、R6a、およびR6bは、各々独立して、水素原子、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、C3−6シクロアルキルカルボニルオキシ基、置換されていてもよいC6−10アリールカルボニルオキシ基、5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリールカルボニルオキシ基、飽和ヘテロ環カルボニルオキシ基、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−6シクロアルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、置換されていてもよいC3−6シクロアルコキシ基、置換されていてもよいC6−10アリール基、置換されていてもよいC6−10アリールオキシ基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリールオキシ基、C1−6アルキルアミノカルボニルオキシ基、C3−6シクロアルキルアミノカルボニルオキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、ヒドロキシ基、またはスルホンアミド基であるか、あるいはR6aおよびR6bは、それらが結合している原子と一緒になって、C3−6シクロアルキル環、飽和ヘテロ環、C5−10シクロアルケニル環、C6−10アリール環、または5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール環を形成してもよく;
は、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基であり;
mは、1、2、3、または4である。] である。] を反応して、
式(2)で表される化合物
【0033】
【化10】

【0034】
[式中、R、R、RおよびMは、前記と同じである。]、またはその薬学上許容される塩を製造する方法。
【0035】
項2:更に、式(1)で表される化合物
【0036】
【化11】

[式中、R1aは、置換されていてもよいC1−6アルキル基であり;
1bは、置換されていてもよいC1−6アルキル基であり;
1cおよびR1dは、各々独立して、同一または異なって、水素原子、または置換されていてもよいC1−6アルキル基であるか、あるいは
1cおよびR1dは、一緒になって下記式
【0037】
【化12】

で表される基(pおよびqは、各々独立して、同一または異なって、0、1または2である。)であり;
は、置換されていてもよいC1−6アルキル基であり;
Gは、酸素原子、または硫黄原子である。]、またはその薬学上許容される塩と、
式(2)で表される化合物
【0038】
【化13】

【0039】
[式中、R、R、RおよびMは、項1と同じである。]、またはその薬学上許容される塩を反応し、
式(3)で表される化合物
【0040】
【化14】

【0041】
[式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R、G、R、RおよびRは、前記と同じである。]、またはその薬学上許容される塩を製造する、項1に記載の方法。
【0042】
項3:Gが、酸素原子である、項1または項2に記載の方法。
【0043】
項4:Gが、硫黄原子である、項1または項2に記載の方法。
【0044】
項5:R1aが、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基である、項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【0045】
項6:R1aが、トリフルオロメチル基である、項5に記載の方法。
【0046】
項7:R1bが、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキルカルボニルアミノで置換されていてもよい、C1−6アルキル基である、項1〜項6のいずれか一項に記載の方法。
【0047】
項8:R1bが、2−(エチルカルボニルアミノ)エチル基である、項7に記載の方法。
【0048】
項9:R1cおよびR1dが、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−4アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基である、項1〜項8のいずれか一項に記載の方法。
【0049】
項10:R1cが、C1−6アルキル基である、項9に記載の方法。
【0050】
項11:R1cが、メチル基である、項10に記載の方法。
【0051】
項12:R1dが、C1−4アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基である、項9〜項11のいずれか一項に記載の方法。
【0052】
項13:R1dが、メチル基である、項12に記載の方法。
【0053】
項14:R1dが、メトキシメチル基である、項12に記載の方法。
【0054】
項15:R1cおよびR1dが、一緒になって下記式:
【0055】
【化15】

で表される基である、項1〜項8のいずれか一項に記載の方法。
【0056】
項16:pおよびqが、下記(i)〜(iii)のいずれかである(ここにおいて、
(i)pおよびqが、同一で2であるか、もしくは、pおよびqのいずれか一方が2であり、他方が1である、または
(ii)pおよびqが、同一で1であるか、または
(iii)pおよびqのいずれか一方が1であり、他方が0である)、項15に記載の方法。
【0057】
項17:R1cおよびR1dが、一緒になって下記式
【0058】
【化16】

で表される基である、項16に記載の方法。
【0059】
項18:Rが、
(1)C3−6シクロアルキルで置換されていてもよいC1−6アルキル基(該C1−6アルキルは1〜3個のハロゲン原子で置換されてもよく、該C3−6シクロアルキルは、ハロゲン原子、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシで置換されていてもよい。);
(2)ハロゲン原子またはC1−4アルキルで置換されていてもよいC3−6シクロアルキル基;
(3)C2−6アルケニル基;および
(4)ハロゲン原子で置換されていてもよいC7−10アラルキル基からなる群から選択される1個の基である、項1〜項17のいずれか一項に記載の方法。
【0060】
項19:Rが、C1−6アルキル基である、項18に記載の方法。
【0061】
項20:Rが、イソプロピル基である、項19に記載の方法。
【0062】
項21:RおよびRが、各々独立して、同一または異なって、水素原子、またはC1−4アルキル基であり、
が、
(1)C1−6アルキル基(該基は、
(a)1〜3個のフッ素原子、
(b)アミノ、
(c)ヒドロキシ、
(d)C1−4アルコキシ、
(e)カルボキシ、
(f)C1−4アルコキシカルボニル、
(g)C1−4アルコキシカルボニルアミノ、
(h)1〜2個のニトロオキシ、
(i)5員もしくは6員の飽和へテロ環、または
(j)C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
(2)C3−10シクロアルキル基、
(3)C1−4アルキルカルボニル基(該基は、ヒドロキシで置換されていてもよい。)、
(4)C6−10アリール基(該基は、
(a)C1−4アルキル、
(b)C1−4アルコキシ、または
(c)C1−4アルキルカルボニルオキシで置換されていてもよい。)、
(5)5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、
(6)5員もしくは6員の飽和へテロ環基、
(7)C1−6アルコキシ基(該基は、C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
(8)C3−6シクロアルキルオキシ基、または
(9)5員もしくは6員の飽和ヘテロ環オキシ基である。)
である、項1〜項20のいずれか一項に記載の方法。
【0063】
項22:Rが、水素原子であり、Rが、C1−4アルキル基である、項21に記載の方法。
【0064】
項23:Rが、メチル基である、項22に記載の方法。
【0065】
項24:Rが、
(1)C1−6アルキル基(該基は、
(a)1〜3個のフッ素原子、
(b)アミノ、
(c)ヒドロキシ、
(d)C1−4アルコキシ、
(e)カルボキシ、
(f)C1−4アルコキシカルボニル、
(g)C1−4アルコキシカルボニルアミノ、
(h)1〜2個のニトロオキシ、
(i)5員もしくは6員の飽和へテロ環、または
(j)C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
(2)C3−10シクロアルキル基、
(3)C1−4アルキルカルボニル基(該基は、ヒドロキシで置換されていてもよい。)、
(4)C6−10アリール基(該基は、
(a)C1−4アルキル、
(b)C1−4アルコキシ、または
(c)C1−4アルキルカルボニルオキシで置換されている。)、
(5)5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、または
(6)5員もしくは6員の飽和へテロ環基である、項21〜項23のいずれか一項に記載の方法。
【0066】
項25:Rが、
(1)C1−4アルキル基(該アルキル基は、
(a)1〜3個のフッ素原子、
(b)C1−4アルコキシ、
(c)5員もしくは6員の飽和へテロ環、または
(d)C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
(2)C3−6シクロアルキル基、
(3)C6−10アリール基(該基は、
(a)C1−4アルキル、または
(b)C1−4アルコキシで置換されていてもよい。)、または
(4)5員もしくは6員の飽和ヘテロ環基である、項24に記載の方法。
【0067】
項26:Rが、C1−4アルキル基である、項25に記載の方法。
【0068】
項27:Rが、イソプロピル基である、項26に記載の方法。
【0069】
項28:R6aおよびR6bが、各々独立して、C6−10アリールカルボニルオキシ基である、項1〜項27のいずれか一項に記載の方法。
【0070】
項29:R6aおよびR6bが、各々独立して、フェニルカルボニルオキシ基である、項28に記載の方法。
【0071】
項30:R6aおよびR6bが、それらが結合している原子と一緒になって、C6−10アリール環を形成する、項1〜項27のいずれかに記載の方法。
【0072】
項31:Rが、水素原子である、項1〜項30のいずれか一項に記載の方法。
【0073】
項32:式(4−1)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
【0074】
【化17】

[式中、R31は、水素原子であり、R41は、C1−4アルキル基であり、R51は、C1−4アルキル基であり、R6a1およびR6b1は、共にフェニルカルボニルオキシ基、もしくはR6a1およびR6b1が一緒になってベンゼン環、またはノルボルネン環である。]
【0075】
項33:式(5−1)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
【0076】
【化18】

[式中、R31は、水素原子であり、R41は、C1−4アルキル基であり、R51は、C1−4アルキル基、Rは、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基であり、
mは、1、2、3、または4である。]
【0077】
項34:式(5−1)で表される化合物が、下記
【0078】
【化19】

で表される化合物である、項33に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
【0079】
項35:Rは、水素原子である、項33または項34に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
【0080】
項36:式(6−1)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
【0081】
【化20】

[式中、R31は、水素原子であり、R41は、C1−4アルキル基であり、R51は、C1−4アルキル基である。]
【0082】
項37:R41が、メチル基であり、R51が、イソプロピル基である、項32〜項36のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
【発明の効果】
【0083】
本発明により、高収率かつ高純度で、式(2)で表される化合物、および式(3)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0084】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。本明細書において「置換基」の定義における炭素の数を、例えば、「C1−4」などと表記する場合もある。具体的には、「C1−4アルキル」なる表記は、炭素数1から4のアルキル基と同義である。また、本明細書において、「置換されていてもよい」なる用語を特に明示していない基については、「非置換」の基を意味する。例えば、「C1−4アルキル」とは、「非置換」であることを意味する。
【0085】
本明細書において「基」なる用語は、特に断らない限り、1価の基を意味する。例えば、「アルキル基」は、1価の飽和炭化水素基を意味する。また、本明細書における各基の説明において、「基」なる用語を省略する場合もある。尚、「置換されていてもよい」もしくは「置換された」で定義される基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数である。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分である場合も包含する。
【0086】
「ハロゲン原子」は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等が挙げられる。
【0087】
「C1−6アルキル基」は、炭素数1〜6個を有する直鎖または分枝状の飽和炭化水素基を意味する。好ましくは、「C1−4アルキル基」等が挙げられる。「C1−6アルキル基」の具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。
【0088】
「C2−6アルケニル基」は、炭素数2〜6個を有し、二重結合を1個含む直鎖状または分枝鎖状の不飽和炭化水素基を意味する。具体的には、例えば、ビニル、プロペニル、メチルプロペニル、ブテニルまたはメチルブテニル等が挙げられる。
【0089】
「C3−10シクロアルキル基」は、炭素数3〜10個を有し、環状の飽和炭化水素基を意味する。好ましくは、「C3−6シクロアルキル基」である。「C3−10シクロアルキル基」の具体例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
【0090】
「C3−6シクロアルキルC1−4アルキル」とは、「C3−6シクロアルキル」が「C1−4アルキル」に結合した基を意味する。具体例としては、例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル等が挙げられる。
【0091】
「C6−10アリール基」は、炭素数6〜10個を有する芳香族炭化水素基を意味する。好ましくは「Cアリール基」(フェニル)等が挙げられる。「C6−10アリール基」の具体例としては、例えば、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチル等が挙げられる。
【0092】
「C7−14アラルキル基」とは、「C6−10アリールC1−4アルキル基」を意味し、前記「アルキル基」に前記「アリール基」が置換した基を意味する。好ましくは、「C7−10アラルキル基」(CアリールC1−4アルキル基)が挙げられる。「C7−14アラルキル基」の具体例としては、例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピルまたは1−ナフチルメチル等が挙げられる。
【0093】
「ヘテロアリール基」としては、例えば、5員〜10員の単環式もしくは多環式の基等が挙げられ、該基は、窒素原子、硫黄原子または酸素原子から選ばれるヘテロ原子を同種または異なって1個以上(例えば1〜4個)を含む。好ましくは、例えば、5員もしくは6員の単環式の基等が挙げられ、該基は、窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個含む。「ヘテロアリール基」の具体例としては、例えば、ピロリル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンズチアゾリル、フリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、ピリダジル、キノリル、イソキノリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、インドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、ジベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、キノキサリル、シンノリル、キナゾリル、インダゾリル、ナフチリジル、キノリノリルまたはイソキノリノリル等が挙げられる。
【0094】
「C1−6アルコキシ基」は、「C1−6アルキルオキシ基」と同義であり、「C1−6アルキル」部分は、前記「C1−6アルキル」と同義である。好ましくは、「C1−4アルコキシ基」等が挙げられる。「C1−6アルコキシ基」の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等が挙げられる。
【0095】
「C1−6アルキルスルホニル」の「C1−6アルキル」部分は、前記「C1−6アルキル」と同義である。好ましくは、「C1−4アルキルスルホニル基」等が挙げられる。「C1−6アルキルスルホニル基」の具体例としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニルまたはヘキシルスルホニル等が挙げられる。
【0096】
「C3−6シクロアルコキシ基」は、「C3−6シクロアルキルオキシ基」と同義であり、「C3−10シクロアルキル」部分は、前記「C3−10シクロアルキル」と同義である。好ましくは、「C3−6シクロアルコキシ基」等が挙げられる。「C3−10シクロアルコキシ基」の具体例としては、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、アダマンチルオキシまたはノルボルニルオキシ等が挙げられる。
【0097】
「C6−10アリールオキシ基」の「C6−10アリール」部分は、前記「C6−10アリール」と同義である。「Cアリールオキシ」(フェニルオキシ)が好ましい。「C6−10アリールオキシ基」の具体的としては、フェノキシ、1−ナフチルオキシまたは2−ナフチルオキシ等が挙げられる。
【0098】
「C7−14アラルキルオキシ基」の「C7−14アラルキル」部分は、前記「C7−14アラルキル」と同義である。好ましくは、「C7−10アラルキルオキシ」である。「C7−14アラルキルオキシ基」の具体的としては、ベンジルオキシ等が挙げられる。
【0099】
「ヘテロアリールオキシ基」としては、前記「アラルキルオキシ基」の「アラルキル」部分が「ヘテロアリール」に置き換わった基を意味する。例えば、「5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリールオキシ基」等が挙げられる。
【0100】
「C1−4アルコキシスルホニル基」の「C1−4アルコキシ」部分は、前記「C1−4アルコキシ基」と同義である。例えば、メトキシスルホニルなどが挙げられる。
【0101】
「C3−6シクロアルコキシスルホニル基」の「C3−6シクロアルコキシ」部分は、前記「C3−6シクロアルコキシ基」と同義である。例えば、シクロプロピルオキシスルホニルなどが挙げられる。
【0102】
「C6−10アリールオキシスルホニル基」の「C6−10アリール」部分は、前記「C6−10アリール基」と同義である。例えば、フェノキシスルホニルなどが挙げられる。
【0103】
「C7−14アラルキルオキシスルホニル基」の「C7−14アラルキルオキシ」部分は、前記「C7−14アラルキルオキシ基」と同義である。例えば、ベンジルオキシスルホニルなどが挙げられる。
【0104】
「C1−4アルコキシカルボニル基」は、前記「C1−4アルコキシ基」がカルボニル基に結合した基を意味する。具体的には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、2−プロポキシカルボニルまたはtert−ブトキシカルボニル等が挙げられる。
【0105】
「C3−6シクロアルコキシカルボニル基」は、前記「C3−6シクロアルコキシ基」がカルボニル基に結合した基を意味する。具体的には、C3−6シクロアルコキシ部分としては、前記のシクロアルコキシ基として例示したものが挙げられる。
【0106】
「C1−6アルキルカルボニル基」は、前記「C1−6アルキル基」がカルボニル基に結合した基を意味する。好ましくは、「C1−4アルキルカルボニル基」である。具体的には、例えばアセチル、プロピオニルまたはブチリル等が挙げられる。
【0107】
「C1−4アルキルチオカルボニル基」の「C1−4アルキル」部分は、前記「C1−4アルキル」と同じである。
【0108】
「C3−6シクロアルキルカルボニル基」は、前記「C3−6シクロアルキル基」がカルボニル基に結合した基を意味する。「C3−6シクロアルキルカルボニル基」の具体例としては、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、アダマンチルカルボニルまたはノルボルニルカルボニル等が挙げられる。
【0109】
「C3−6シクロアルキルC1−4アルキルカルボニル基」は、前記「C3−6シクロアルキルC1−4アルキル基」がカルボニル基に結合した基を意味する。具体例としては、シクロプロピルメチルカルボニル等が挙げられる。
【0110】
「C6−10アリールカルボニル基」とは、前記「C6−10アリール基」がカルボニル基に結合した基を意味する。「C6−10アリール」部分は、前記「C6−10アリール基」と同義である。好ましくは、「Cアリールカルボニル基」(フェニルカルボニル基)が挙げられる。「C6−10アリールカルボニル基」の具体例としては、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイルまたは2−ナフトイル等が挙げられる。
【0111】
「C7−14アラルキルカルボニル基」の「C7−14アラルキル」部分は、前記「C7−14アラルキル基」と同義である。好ましくは、「C7−10アラルキルカルボニル基」である。「C7−14アラルキルカルボニル基」の具体例としては、例えば、ベンジルカルボニル等が挙げられる。
【0112】
「C1−4アルキルカルボニルオキシ基」の「C1−4アルキル」部分は、前記「C1−4アルキル基」と同義である。具体例としては、例えば、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシなどが挙げられる。
【0113】
「C3−6シクロアルキルカルボニルオキシ基」の「C3−6シクロアルキル」部分は、前記「C3−6シクロアルキル基」と同義である。具体例としては、例えば、シクロプロピルカルボニルオキシ、シクロブチルカルボニルオキシ、シクロペンチルカルボニルオキシなどが挙げられる。
【0114】
「C6−10アリールカルボニルオキシ基」の「C6−10アリールカルボニル」部分は、前記「C6−10アリールカルボニル基」と同義である。具体例としては、例えば、フェニルカルボニルオキシ等が挙げられる。
【0115】
「ヘテロアリールカルボニルオキシ基」の「ヘテロアリールカルボニル」部分は、前記「ヘテロアリールカルボニル基」と同義である。具体例としては、例えば、ピリジルカルボニルオキシ等が挙げられる。
【0116】
「C3−6シクロアルキルC1−4アルコキシ」は、前記「C3−6シクロアルキル基」が「C1−4アルコキシ基」に置換した基を意味する。具体例としては、例えば、シクロプロピルメトキシなどが挙げられる。
【0117】
「C3−6シクロアルキルC1−4アルコキシカルボニル基」の「C3−6シクロアルキルC1−4アルコキシ」部分は、前記「C3−6シクロアルキルC1−4アルコキシ」と同義である。具体例としては、例えば、シクロプロピルメトキシカルボニルなどが挙げられる。
【0118】
「C1−4アルキルカルボニルアミノ」とは、前記「C1−4アルキルカルボニル基」がアミノ基に1個置換した基を意味する。具体例としては、例えば、メチルカルボニルアミノなどが挙げられる。尚、「C1−4アルキル」は、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよい。
【0119】
「C1−4アルキルスルホニルアミノ」とは、前記「C1−4アルキルスルホニル基」がアミノ基に1個置換した基を意味する。具体例としては、例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなどが挙げられる。
【0120】
「飽和ヘテロ環基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される同種または異種の原子を1〜3個有する5員もしくは6員の飽和ヘテロ環基等が挙げられる。前記の窒素原子、酸素原子および硫黄原子はいずれも環を構成する原子である。具体的には、ピラニル、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、ヘキサメチレンイミニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、オキソイミダゾリジニル、ジオキソイミダゾリジニル、オキソオキサゾリジニル、ジオキソオキサゾリジニル、ジオキソチアゾリジニル、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピリジニル等が挙げられる。該基は、環を構成する窒素原子が、「基」の結合手となることはない。すなわち、該基には、例えば、ピロリジノ基などの概念は包含されない。
【0121】
前記「飽和へテロ環基」は、6員の芳香族炭化水素または6員の不飽和へテロ環と縮合環を形成してもよい。例えば、前掲の5員もしくは6員の「飽和ヘテロ環基」と6員の芳香族炭化水素または6員の不飽和へテロ環が縮合した二環式の11もしくは12員の「飽和ヘテロ環」が挙げられる。6員の芳香族炭化水素としては、ベンゼンなどが挙げられる。6員の不飽和へテロ環としては、ピリジン、ピリミジンまたはピリダジン等が挙げられる。具体的には、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロプリニル、ジヒドロチアゾロピリミジニル、ジヒドロベンゾジオキサニル、イソインドリニル、インダゾリル、ピロロリジニル、テトラヒドロキノリニル、デカヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、テトラヒドロナフチリジニルまたはテトラヒドロピリドアゼピニル等が挙げられる。
【0122】
「飽和へテロ環オキシ基」の「飽和へテロ環」部分は、前記「飽和へテロ環基」と同義である。具体例としては、4−ピラニルオキシなどが挙げられる。
【0123】
「飽和へテロ環カルボニル」は、前記「飽和へテロ環基」がカルボニル基に結合した基を意味する。具体例としては、4−ピラニルカルボニルなどが挙げられる。
【0124】
「飽和へテロ環C1−4アルキル」は、前記「飽和へテロ環基」が「C1−4アルキル基」に結合した基を意味する。具体例としては、4−ピラニルメチルなどが挙げられる。
【0125】
「飽和へテロ環オキシカルボニル」の「飽和へテロ環オキシ」部分は、前記「飽和へテロ環オキシ」と同義である。具体例としては、4−ピラニルオキシカルボニルなどが挙げられる。
【0126】
「飽和へテロ環C1−4アルキルカルボニル」の「飽和へテロ環C1−4アルキル」部分は、前記「飽和へテロ環C1−4アルキル」と同義である。具体例としては、4−ピラニルメチルカルボニルなどが挙げられる。
【0127】
「4員〜7員の環状アミノ基」は、4員〜7員からなる環状のアミノ基を意味する。該環の窒素原子が直接「基」の結合手となる基を意味する。好ましくは、5員〜7員であり、更に好ましくは5員もしくは6員である。具体例としては、例えば、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノオキシド、チオモルホリノジオキシド、ピペラジノ、2−ピロリドン−1−イル等が挙げられる。該環は、例えば、ハロゲン原子、C1−4アルキル、またはC1−4アルコキシで置換されていてもよいCアリールなどで置換されていてもよい。
【0128】
「4員〜7員の環状アミノ基」は、6員の芳香族炭化水素または6員の不飽和へテロ環と縮合環を形成してもよい。具体例としては、下記で表される「基」等が挙げられる。
【0129】
【化21】

【0130】
「4員〜7員の環状アミノカルボニル基」の環状アミノ部分は、前記「4員〜7員の環状アミノ」と同じである。
【0131】
「置換されていてもよいC1−6アルキル基」、「置換されていてもよいC1−6アルコキシ基」、「置換されていてもよいC3−6シクロアルキル基」および「置換されていてもよいC3−6シクロアルキルオキシ基」における置換基としては、例えば、
(1)1〜3個のハロゲン原子、
(2)シアノ基、
(3)C3−6シクロアルキル基(該基は、
(a)1〜2個のハロゲン原子、
(b)ヒドロキシ、
(c)C1−4アルコキシで置換されていてもよいC1−4アルキル、または
(d)C1−4アルコキシで置換されていてもよい。)、
(4)水酸基、
(5)C1−4アルコキシ基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)シアノ、
(c)C1−4アルキルで置換されていてもよいC3−6シクロアルキル、
(d)モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)アミノカルボニルで置換されていてもよいC3−6シクロアルコキシ、
(e)モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)アミノスルホニル、
(f)C1−6アルキルスルホニル、
(g)モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)で置換されていてもよいアミノカルボニル、
(h)C1−4アルキルカルボニル、
(i)4員〜7員の環状アミノカルボニル、
(j)ヒドロキシ、
(k)C1−4アルコキシ、
(l)5員もしくは6員の飽和ヘテロ環(該環は、C1−4アルキルで置換されていてもよい。)、
(m)C1−4アルコキシカルボニル、および
(n)C6−10アリールオキシ(該アリールは、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)、
(6)C3−6シクロアルキルオキシ基(該基は、C1−4アルコキシで置換されていてもよいC1−4アルキルで置換されていてもよい。)、
(7)C6−10アリールオキシ基(該アリールは、
(a)ハロゲン原子、
(b)シアノ、および
(c)C1−4アルコキシからなる群から選択される同種または異種の基で置換されていてもよい。)、
(8)C7−14アラルキルオキシ基、
(9)ホルミル基、
(10)C1−6アルキルカルボニル基(該基は、C1−4アルコキシで置換されていてもよい。)、
(11)C3−6シクロアルキルカルボニル基、
(12)C6−10アリールカルボニル基、
(13)C7−14アラルキルカルボニル基、
(14)ホルミルカルボニルオキシ基、
(15)C1−4アルキルカルボニルオキシ基、
(16)C3−6シクロアルキルカルボニルオキシ基、
(17)カルボキシル基、
(18)C1−4アルコキシカルボニル基、
(19)C3−6シクロアルコキシカルボニル基、
(20)アミノ基(該基は、
(a)C1−6アルキル(該アルキルは、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよい。)、
(b)C3−6シクロアルキル、
(c)アミノカルボニルで置換されていてもよいC3−6シクロアルキルC1−4アルキル、
(d)C7−14アラルキル、
(e)C3−6シクロアルキルC1−4アルコキシカルボニル、
(f)ホルミル、
(g)C1−4アルキルカルボニル(該アルキルは、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよい。)、
(h)C1−4アルキルスルホニルアミノで置換されていてもよいC3−6シクロアルキルカルボニル、
(i)C1−4アルコキシカルボニル(該アルコキシは、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよい。)、
(j)C1−4アルキルで置換されていてもよい5員もしくは6員の飽和へテロ環C1−4アルキル、
(k)5員もしくは6員の飽和へテロ環カルボニル、
(l)5員もしくは6員の飽和へテロ環オキシカルボニル、
(m)5員もしくは6員の飽和へテロ環C1−4アルキルカルボニル、
(o)C1−6アルキルスルホニル、
(p)C1−4アルキルチオカルボニル、
(q)C1−6アルキルアミノカルボニル、
(r)C1−6アルキルアミノチオカルボニル、
(s)C6−10アリールオキシカルボニル(該アリールは、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(t)5員もしくは6員の単環式へテロアリールオキシカルボニル、
(u)C1−6アルコキシカルボニル、
(v)C1−6アルキルスルホニル、および
(w)C6−10アリールスルホニル(該アリールは、ハロゲン原子及びC1−4アルキルからなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換される。)、
(21)4員〜7員の環状アミノ基(該基は、
(a)C1−4アルキル、
(b)C6−10アリール、
(b)C7−14アラルキル、および
(c)オキソからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
(22)アミノカルボニル基(該アミノは、
(a)C1−6アルキル(該アルキルは、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよい。)、および
(b)C3−6シクロアルキル
からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)、
(23)4員〜7員の環状アミノカルボニル基(該環状アミノは、C1−4アルキルで置換されていてもよい。)、
(24)アミノカルボニルオキシ基(該アミノは、
(a)5員もしくは6員の飽和へテロ環で置換されていてもよいC1−6アルキル、
(b)ヒドロキシで置換されていてもよいC3−6シクロアルキル、および
(c)5員もしくは6員の飽和へテロ環
からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換される。)、
(25)4員〜7員の環状アミノカルボニルオキシ基(該環状アミノは、1〜2個のフッ素原子で置換されていてもよい。)、または
(26)飽和へテロ環基(該環は、
(a)C1−4アルコキシで置換されていてもよいC1−4アルキル、
(b)C1−4アルコキシ、
(c)C1−4アルキルカルボニルアミノ、または
(d)オキソで置換されていてもよい。)、
(27)5員もしくは6員の飽和へテロ環オキシ基(該環は、
(a)C1−4アルキル、
(b)ハロゲン原子で置換されていてもよいC6−10アリール、
(c)飽和へテロ環カルボニル、および
(d)オキソからなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)、
(28)ニトロ基、
(29)C6−10アリール基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)カルボキシで置換されていてもよいC1−4アルキル、
(c)フッ素原子、水酸基、またはカルボキシで置換されていてもよいC1−4アルコキシで置換されていてもよい。)、
(30)C1−6アルキルスルホニル基、
(31)スルホニル基、
(32)C1−4アルコキシスルホニル基、
(33)C3−6シクロアルコキシスルホニル基、
(34)C6−10アリールオキシスルホニル基(該フェニルは、
(a)ハロゲン原子、
(b)シアノ、および
(c)C1−4アルコキシからなる群から選択される同種または異種の基で置換されていてもよい。)、
(35)C7−14アラルキルオキシスルホニル基、
(36)アミノスルホニル基、および
(37)5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロアリールオキシ基(該基は、C1−4アルキルで置換されていてもよい。)などが挙げられる。
【0132】
「置換されていてもよいC6−10アリール基」、「置換されていてもよいC6−10アリールオキシ基」、「置換されていてもよいC6−10アリールカルボニルオキシ基」、「置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロアリール基」および「置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロアリールオキシ基」における置換基としては、例えば、前記(1)〜(37)、およびC1−4アルキル基(該基は、例えば、ハロゲン原子、水酸基、またはアミノなどで置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の基で置換されていてもよい。
【0133】
「置換されていてもよいアミノ基」とは、アミノ基、モノ−もしくはジ−置換されたアミノ基、および4員〜7員の環状アミノ基を意味する。
【0134】
「モノ−もしくはジ−置換されたアミノ基」は、前記(20)(a)〜(20)(w)からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されているアミノ基を意味する。
【0135】
「モノ−もしくはジ−置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、
「モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノ基」(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなど)、
「モノ−もしくはジ−(C3−6シクロアルキル)で置換されたアミノ基」(例えば、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、ジシクロプロピルアミノ、ジシクロブチルアミノ、シクロジペンチルアミノなど)、
「モノ−(C3−6シクロアルキルC1−4アルキル)で置換されたアミノ基」(例えば、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、シクロペンチルメチルアミノなど)、
「(C1−4アルキル)(ベンジル)で置換されたアミノ基」(例えば、N−メチル−N−ベンジルアミノ、N−エチル−N−ベンジルアミノなど)、
「(C3−6シクロアルキル)(ベンジル)で置換されたアミノ基」(例えば、N−シクロプロピル−N−ベンジルアミノ、N−シクロペンチル−N−ベンジルアミノ、N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノなど)、
「C3−6シクロアルキルC1−4アルコキシカルボニルアミノ」(例えば、シクロプロピルメトキシカルボニルアミノなど)、
「5員もしくは6員の飽和ヘテロ環アミノ基」(例えば、3−ピロリジニルアミノなど)、
「飽和へテロ環C1−4アルキルカルボニルアミノ基」(例えば、(4−ピラニルメチルカルボニル)アミノなど)、
「N−(C1−6アルキル)−N−(飽和へテロ環C1−4アルキルカルボニル)−アミノ基」(例えば、N−メチル−N−(4−ピラニルメチルカルボニル)アミノなど)、
「飽和へテロ環カルボニルアミノ基」(例えば、4−ピラニルカルボニルアミノなど)、
「N−(C1−6アルキル)−N−(飽和へテロ環カルボニル)−アミノ基」(例えば、N−メチル−N−(4−ピラニルカルボニル)アミノなど)、
「N−(C1−4アルキルカルボニル)−N−(C1−6アルキル)−アミノ基」(例えば、N−メチル−N−メチルカルボニルアミノなど)、
「(飽和へテロ環オキシカルボニル)アミノ基」(例えば、3−テトラヒドロフリルオキシカルボニルアミノなど)、
「N−(飽和へテロ環C1−4アルキル)−N−(C1−6アルキル)−アミノ基」(例えば、N−メチル−N−(4−ピラニルメチル)アミノなど)、
「N−(飽和へテロ環カルボニル)−N−(C1−6アルキル)−アミノ基」(例えば、N−メチル−N−(4−ピラニルカルボニル)アミノなど)、
「N−(飽和へテロ環C1−4アルキルカルボニル)−N−(C1−6アルキル)−アミノ基」(例えば、N−メチル−N−(4−ピラニルメチルカルボニル)アミノなど)、
「N−(飽和へテロ環オキシカルボニル)−N−(C3−6シクロアルキル)−アミノ基」(例えば、N−シクロプロピル−N−(4−ピラニルオキシカルボニル)アミノなど)、
「N−(飽和へテロ環C1−4アルキルカルボニル)−N−(C3−6シクロアルキル)−アミノ基」(例えば、N−シクロプロピル−N−(4−ピラニルメチルカルボニル)アミノなど)等が挙げられる。
【0136】
「C1−6アルキルアミノカルボニル」は、「モノ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノカルボニル基」を意味する。
【0137】
「C1−6アルキルアミノチオカルボニル」は、前記「C1−6アルキルアミノカルボニル基」のカルボニルがチオカルボニルに置き換わった基を意味する。具体例としては、メチルアミノチオカルボニルなどが挙げられる。
【0138】
「アミノカルボニルオキシ」および「アミノスルホニル」におけるアミノ部分は、前記「置換されていてもよいアミノ」と同じである。
【0139】
「R6aおよびR6bは、それらが結合している原子と一緒になって、C3−6シクロアルキル環、飽和ヘテロ環、C5−10シクロアルケニル環、C6−10アリール環、またはヘテロアリール環を形成してもよく」とは、式(4)で表される化合物がC3−6シクロアルキル環(炭素数3〜6の飽和環状アルキル環)、飽和ヘテロ環(窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる同種または異種の原子を1〜3個有する5員もしくは6員の飽和へテロ環)、C5−10シクロアルケニル環(炭素数5〜10であって、1個の不飽和結合を含む環状アルケニル環)、C6−10アリール環(炭素数6〜10の芳香族環)、またはヘテロアリール環(5員〜10員の単環式もしくは多環式であって、窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個含む。)を含む2環性の化合物であることを意味する(ここにおいて、各々の環における炭素原子には、式(4)で表される化合物におけるR6aおよびR6bが結合する炭素原子も含まれる。)。例えば、下記
【0140】
【化22】

で表される群から選択される化合物が挙げられる(式中、Rは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、またはC1−4アルコキシ基であり、nは、1〜4の整数である。)。
【0141】
下記式
【0142】
【化23】

で表される基としては、例えば、下記群
【0143】
【化24】

で表される化合物が挙げられる。
【0144】
「薬学上許容される塩」としては、例えば塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩または硝酸塩等の無機酸塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム等の無機塩、または酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩またはアスコルビン酸塩等の有機酸塩、またはエタノールアミン、メグルミン、トリエタノールアミン等の有機塩等が挙げられる。
【0145】
本発明は、下記(1)〜(3)を含む式(3)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩を製造する方法である。
(1):式(6)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩と塩化スルフリルを反応する工程2、
(2):前記(1)に引き続いて、式(7)で表される化合物を反応する工程3、及び
(3):(2)で得られる式(2)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩と、式(1)で表される化合物を反応し、式(3)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩を製造する工程1。
【0146】
【化25】

【0147】
本発明は、前記(1)及び(2)を含む式(2)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩を製造する方法であってもよい。
【0148】
以下、本発明における製造方法について、更に説明する。
製造法1:式(3)で表わされる化合物、またはその薬学上許容される塩を製造する方法
【0149】
【化26】

[式中、式中、R1a、R1b、R1c、R1d、G、R、M、R、RおよびRは、項1、または項2と同じである。]
【0150】
工程1において、式(3)で表される化合物(以下、化合物(3)と称する場合もある。)は、化合物(1)と式(2)で表される化合物(以下、化合物(2)と称する場合もある。)を、適当な不活性溶媒中で、必要に応じて適当な塩基存在下で反応させることにより製造することが出来る。反応温度は約−78℃から用いた溶媒の沸点までの範囲であり、好ましくは、−10℃〜40℃である。反応時間は10分間〜5日間である。
【0151】
工程1において使用される場合に使用する塩基の具体例としては、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド、リチウム ジイソプロピルアミド、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド、カリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムアミド、n―ブチルリチウム等の有機金属試薬等が挙げられる。好ましくは4−ジメチルピリジンが挙げられる。使用される塩基の量は、化合物(7)の当量に比して0.1〜100当量であり、好ましくは0.2〜2当量である。
【0152】
工程1における不活性溶媒の具体例としては、アセトン、アセトニトリル、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒もしくはこれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくは、テトラヒドロフランが挙げられる。
【0153】
製造法2:式(2)で表わされる化合物、またはその薬学上許容される塩を製造する方法
【0154】
【化27】

[式中、R、R、RおよびMは、項1、または項2と同じである。]
【0155】
式(6)で表される化合物(以下、化合物(6)と称する場合もある。)は、公知の製造方法(例えば、Synthesis 1990, 12, 1159.等)を利用することで製造することが出来る。式(7)で表される化合物(以下、化合物(7)と称する場合もある。)は、市販されているものを利用するか、もしくは公知の製造方法(例えば、Tetrahydron Letters 1981, 22, 1109.等)を利用して製造したものを用いることが出来る。
【0156】
工程2において、式(6a)で表される化合物(以下、化合物(6a)と称する場合もある。)は、化合物(6)と塩化スルフリルを適当な不活性溶媒中で反応させることにより製造することが出来る。反応温度は約−78℃から用いた溶媒の沸点までの範囲であり、好ましくは、−10℃〜25℃である。反応時間は10分間〜5日間である。使用される塩化スルフリルの量は、化合物(6)の当量に比して0.1〜100当量であり、好ましくは0.8〜2当量である。
【0157】
工程2において不活性溶媒の具体例としては、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、もしくはこれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくは、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、もしくはジクロロメタンが挙げられる。
【0158】
工程2で製造された化合物(6a)は単離されて、もしくは単離されることなく次工程3で使用される。
【0159】
工程3において、化合物(2)は、化合物(6a)と化合物(7)を適当な不活性溶媒中で必要に応じて適当な塩基の存在下、反応させることにより製造することが出来る。反応温度は約−78℃から用いた溶媒の沸点までの範囲であり、好ましくは、−20℃〜40℃である。反応時間は10分間〜5日間である。使用される塩基の量は、化合物(6)、もしくは化合物(6a)の当量に比して0〜100当量であり、好ましくは0.8〜5当量である。
【0160】
工程3において使用される塩基は、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド、リチウム ジイソプロピルアミド、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド、カリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムアミド、n―ブチルリチウム等の有機金属試薬等が挙げられる。好ましくはピリジン、もしくはN−メチルモルホリンが挙げられる。使用される塩基の量は、化合物(7)の当量に比して0.1〜100当量であり、好ましくは1〜3当量である。
【0161】
工程3における不活性溶媒の具体例としては、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、もしくはこれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくは、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、もしくはジクロロメタンが挙げられる。
【実施例】
【0162】
以下に本発明を、参考例、実施例および試験例により、さらに具体的に説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。尚、以下の参考例および実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。
【0163】
なお本明細書において、記載の簡略化のために記載の簡略化のために次の略号を使用することもある。
Boc:tert−ブトキシカルボニル基
Cbz:ベンジルオキシカルボニル基
Ac:アセチル基
Me:メチル基
Et:エチル基
Pr:プロピル基
i−Pr:イソプロピル基
Bu:ブチル基
i−Bu:イソブチル基
t−Bu:tert−ブチル基
Ph:フェニル基
Bn:ベンジル基
Bz:ベンゾイル基
TFA:トリフルオロ酢酸
NMM:N−メチルモルホリン
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
【0164】
参考例1: O-(1-クロロエチル) S-シクロヘキシル カルボノチオエート
【0165】
【化28】

1-クロロエチル クロロホルメート (20g, 140 mmol)とシクロヘキサンチオール (12.2g, 105 mmol)のトルエン (100g)溶液に氷冷下、N-メチルモルホリン (14.9g)を10分間かけて滴下した。同温下、1時間半攪拌した後、室温に昇温させ、さらに3時間攪拌した。反応液に水 100ml)を加え、抽出した。有機層を5% 重曹水 (100ml)、水 (100ml)にて洗浄後、減圧濃縮し、参考例1の化合物 (36.5g, 93%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ:6.60 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 3.48-3.36 (m, 1H), 2.11-1.95(m, 2H), 1.82 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 1.85-1.22 (m, 8H).
【0166】
参考例2:1-{[(シクロヘキシルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート
【0167】
【化29】

参考例1の化合物 (28g, 107 mmol)とイソ酪酸 (14.19g, 161 mmol)のトルエン (28g)溶液に氷冷下、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (20.8g, 161 mmol)の混合液を10分間かけて滴下した。75℃下に加温し、10時間、加熱攪拌した。反応液にトルエン (50ml)と水 (72ml)を加えて抽出した。有機層を5% NaHCO3水溶液 (72ml×2)、水 (72ml×2)で洗浄した。有機層を減圧濃縮し、参考例2の化合物 (26g, 88%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ:6.92 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 3.43-3.22 (m, 1H), 2.62-2.49 (m, 1H), 2.09-1.92 (m, 2H), 1.82-1.68 (m, 2H), 1.65-1.07 (m, 15H).
【0168】
参考例3:(3S,4S)-1-ヒドロキシ-2,5-ジオキソピロリジン-3,4-ジイル ジベンゾエート
【0169】
【化30】

ジベンゾイル−L−酒石酸(50g, 140 mmol)に無水酢酸 (100g, 980 mmol)を室温下、加えた後、80℃下で2時間攪拌した。攪拌しながら室温に放冷し、さらに氷冷下で攪拌した。析出固体を濾過し、(3S,4S)-2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3,4-ジイル ジベンゾエート(44.1g, 93%)を得た。
得られた(3S,4S)-2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3,4-ジイル ジベンゾエート (44g, 129 mmol)のテトラヒドロフラン (220g)溶液に氷冷下、50% ヒドロキシアミン水溶液 (10.3g, 155 mmol)を10分間かけて滴下した。その後、室温に昇温させ、3時間攪拌した。反応液に0.5N 塩酸水 (220ml)と酢酸エチル (440ml)を加え、抽出した。有機層を飽和食塩水 (300ml)で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾別後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣にトルエン (132ml)を加え、80℃下に4時間攪拌した。その後、攪拌しながら氷冷下に冷却し、2時間攪拌した。析出した固体を濾取し、参考例3の化合物 (42.8g, 93%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:8.09-8.06 (m, 4H), 7.67-7.62 (m, 2H), 7.62-7.46 (m, 4H), 5.86 (s, 2H).
【0170】
参考例4: (3R,4R)-1-ヒドロキシ-2,5-ジオキソピロリジン-3,4-ジイル ジベンゾエート
【0171】
【化31】

参考例3に記載の同様の方法にて、ジベンゾイル−D−酒石酸(10.3g, 28.7 mmol)より参考例4の化合物 (5.5g, 73%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:8.11-8.03 (m, 4H), 7.67-7.59 (m, 2H), 7.51-7.41 (m, 4H), 5.89 (s, 2H).
【0172】
参考例5:N-イソプロピル-2,2-ジメチル-3-オキソ-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-4-[2-(プロピオニルアミノ)エチル]-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-6-カルボキサミド
【0173】
【化32】

特許文献3に記載と同様の方法を用いて、参考例5の化合物を合成した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ:7.28-7.08 (m, 3H), 5.91 (brs, 1H), 4.26-2.60 (m, 11H), 2.41-2.10 (m, 2H), 1.69-1.38 (m, 10H), 1.22-1.00 (m, 8H).
【0174】
参考例6:N-イソプロピル-2,2,7-トリメチル-3-オキソ-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-4-[2-(プロピオニルアミノ)エチル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-6-カルボキサミド
【0175】
【化33】

特許文献3に記載と同様の方法にて、参考例6の化合物を合成した。
1H NMR (300 MHz,DMSO-d6) δ:9.00-8.61 (m, 1H), 7.37-7.31 (m, 2H), 3.95-3.86 (m, 2H), 3.62-3.17 (m, 7H), 1.91-1.63 (m, 3H), 1.63-1.42 (m, 8H), 1.23-1.03 (m, 7H).
【0176】
参考例7:N-イソプロピル-7-メチル-3-オキソ-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-4-[2-(プロピオニルアミノ)エチル]-3,4-ジヒドロスピロ[1,4-ベンゾオキサジン-2,1'-シクロブタン]-6-カルボキサミド
【0177】
【化34】

特許文献3に記載と同様の方法にて、参考例7の化合物を合成した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ:7.28-7.10 (m, 2H), 6.86-6.75 (m, 2H), 6.14 (brs,1H), 4.30-3.32 (m, 4H), 3.26-2.57 (m, 4H), 2.49-2.10 (m, 8H), 2.08-1.41 (m, 11H), 1.22-1.01 (m, 6H).
【0178】
参考例8:(2S)-2-(メトキシメチル)-2,7-ジメチル-3-オキソ-N-[(3R)-3-ピペリジニル]-4-[2-(プロパノイルアミノ)エチル]-N-(2-プロパニル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾキサジン-6-カルボキサミド
【0179】
【化35】

【0180】
特許文献3に記載と同様の方法にて合成したN-イソプロピル-2-(メトキシメチル)-2,7-ジメチル-3-オキソ-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-4-[2-(プロピオニルアミノ)エチル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-6-カルボキサミド 塩酸塩を下記の条件にてHPLC分取を行い、表題の化合物を得た。
CHIRALCEL(登録商標) OD-H(0.46 cmI.D. x 25 cmL)、移動層:n-ヘキサン/2-プロパノール/ジエチルアミン(50/50/0.1)、流速:1.0 ml/min、温度:40℃、波長:294nm
RT 4.252 min
【0181】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ6.92-6.72 (m, 2H), 6.30-6.03 (m, 1H), 4.14-3.66 (m, 4H), 3.65-2.61 (m, 10H), 2.30-2.04 (m, 5H), 1.97-1.68 (m, 3H), 1.62-1.43 (m, 3H), 1.31-0.98 (m, 9H). MS (ESI+) 489 (M++1, 100%).
【0182】
実施例1:(3S,4S)-1-[({(1R)-1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)オキシ]-2,5-ジオキソピロリジン-3,4-ジイル ジベンゾエート
【0183】
【化36】

窒素雰囲気下、参考例2の化合物 (10g, 36.5 mmol)のテトラヒドロフラン (20g)溶液に-5℃下、塩化スルフリル (7.4g, 54.7 mmol)を15分間かけて滴下した後、1時間攪拌した。同温下、参考例3の化合物 (10.4g, 29.2 mmol)のテトラヒドロフラン (17ml)溶液を加えた後、N-メチルモルホリン (7.4g, 72.9 mmol)を30分間かけてゆっくりと滴下した。同温下で2時間攪拌した後、反応液をセライト濾過し、ろ液に酢酸エチル (100ml)と水 (100ml)を加え、抽出した。有機層を水 (100ml)、飽和食塩水 (100ml)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾別し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣にヘプタン (100ml)を加え、攪拌した後、濾取し、ジアステレオマー混合物として(3S,4S)-1-[({1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)オキシ]-2,5-ジオキソピロリジン-3,4-ジイル ジベンゾエート (14.4g)を得た。
得られたジアステレオマー混合物 (14.4g)に酢酸エチル (49ml)を加え、50℃下に加熱し、溶解させた後、ヘプタン (24.5ml)を加え、同温下で1時間攪拌した。室温に戻し、3時間攪拌した後、析出した個体 (3.6g)を濾取した。得た個体 (3.6g)に酢酸エチル (25ml)を加えて50℃下で溶解させた後、ヘプタン (16.5ml)を加え、同温下で1時間攪拌した。室温に戻した後、2時間攪拌し、析出した個体を濾取することで、実施例1の化合物 (2.6g, 98.9% d.e.)を得た。
1-{(クロロカルボニル)オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ:6.88-6.78 (m, 1H), 2.68-2.53 (m, 1H), 1.58 (d, J =5.5 Hz, 3H), 1.23-1.12 (m, 6H).
(3S,4S)-1-[({(1R)-1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)オキシ]-2,5-ジオキソピロリジン-3,4-ジイル ジベンゾエート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:8.12-8.07 (m, 4H), 7.68-7.60 (m, 2H), 7.52-7.45 (m, 4H), 6.89 (q, J = 5.4 Hz, 1H), 6.01 (brs, 2H), 2.61 (qq, J = 7.0, 7.0 Hz, 1H), 1.65 (d, J = 5.4 Hz, 3H), 1.20 (dd, J = 7.0, 7.0 Hz, 6H).
CHIRALPAK(登録商標) IC (0.46 cmI.D. x 25 cmL)、移動層: n-ヘキサン/塩化メチレン=60/40、流速:1.0 mL/min、温度:40℃、波長:254nm
RT 17.855 min.
【0184】
実施例2:(3R,4R)-1-[({(1S)-1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)オキシ]-2,5-ジオキソピロリジン-3,4-ジイル ジベンゾエート
【0185】
【化37】

実施例1に記載と同様の方法にて、参考例2の化合物と参考例4の化合物より実施例2の化合物 (97.5% d.e.)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:8.12-8.06 (m, 4H), 7.68-7.61 (m, 2H), 7.53-7.45 (m, 4H), 6.89 (q, J = 5.4 Hz, 1H), 6.01 (brs, 2H), 2.61 (qq, J = 7.0, 7.0 Hz, 1H), 1.65 (d, J = 5.4 Hz, 3H), 1.20 (dd, J = 7.0, 7.0 Hz, 6H).
CHIRALPAK(登録商標) IC (0.46 cmI.D. x 25 cmL)、移動層: n-ヘキサン/塩化メチレン=60/40、流速:1.0 mL/min、温度:40℃、波長:254nm
RT 10.018 min.
【0186】
実施例3:1-({[(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)オキシ]カルボニル}オキシ)エチル 2-メチルプロパネート
【0187】
【化38】

窒素雰囲気下、参考例2の化合物 (1g, 3.64 mmol)のテトラヒドロフラン (18.2 ml)溶液に0℃下、塩化スルフリル (0.59ml, 7.29 mmol)をゆっくりと滴下した後、30分間攪拌した。さらに同温下でヒドロキシフタルイミド (535mg, 3.28 mmol)のテトラヒドロフラン (18.2 ml)溶液をゆっくりと滴下した後、さらにN-メチルモルホリン (1.2 ml)をゆっくりと滴下した。同温下で2時間攪拌後、反応液をセライト濾過した。ろ液に酢酸エチル (20ml)と水 (20ml)を加え、抽出した。有機層を飽和食塩水 (30ml)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾別後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣にイソプロピルアルコール (1.05g)を加え、40℃下で加温し、溶解させた。そこにヘキサン (16.8ml)を加え、30分間攪拌した。自然と室温まで放冷させた後、氷冷下で30分間攪拌した。析出した白色個体を濾取し、白色個体として実施例3の化合物 (660mg, 56%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:8.00-7.71 (m, 4H), 6.87 (q, J = 5.5 Hz, 1H), 2.61 (qq, J = 6.9, 6.9 Hz, 1H), 1.20 (dd, J = 3.1, 3.1 Hz, 3H), 1.31-1.08 (m, 6H).
【0188】
実施例4:(1S)-1-({[(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)オキシ]カルボニル}オキシ)エチル 2-メチルプロパノエート
【0189】
【化39】

参考例2の化合物を下記に示したHPLC条件にて分取し、(1S)-1-{[(シクロヘキシルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート(>98% e.e.)を得た。
実施例3に記載と同様の方法にて、得られた(1S)-1-{[(シクロヘキシルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート (1g, 3.64 mmol)より実施例4の化合物 (736mg, 63%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ:7.91-7.78 (m, 4H), 6.84 (q, J = 5.5 Hz, 1H), 2.58 (qq, J = 7.0, 7.0 Hz, 1H), 1.62 (d, J = 5.5 Hz, 3H), 1.18 (dd, J = 7.0, 7.0 Hz, 6H).
CHIRALPAK(登録商標) AD-H (0.46 cmI.D. x 25 cmL)、移動層: n-ヘキサン/エタノール=98/2、流速:0.5 mL/min、温度:40℃、波長:254nm
RT 7.810 min.
【0190】
実施例5:(1R)-1-({[(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)オキシ]カルボニル}オキシ)エチル 2-メチルプロパノエート
【0191】
【化40】

参考例2の化合物を下記に示したHPLC条件にて分取し、(1R)-1-{[(シクロヘキシルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート (>98% e.e.)を得た。
実施例3に記載と同様の方法にて、得られた(1R)-1-{[(シクロヘキシルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート (1g, 3.64 mmol)より実施例5の化合物 (720mg, 62%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ:7.92-7.79 (m, 4H), 6.86 (q, J = 5.3 Hz, 1H), 2.63 (qq, J = 7.0, 7.0 Hz, 1H), 1.63 (d, J = 5.3 Hz, 3H), 1.19 (dd, J = 7.0, 7.0 Hz, 6H).
CHIRALPAK(登録商標) AD-H (0.46 cmI.D. x 25 cmL)、移動層: n-ヘキサン/エタノール=98/2、流速:0.5 mL/min、温度:40℃、波長:254nm
RT 9.336 min.
【0192】
実施例6:1-[({[1,3-ジオキソ-1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-4,7-メタノイソインドール-2-イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル 2-メチルプロパノエート
【0193】
【化41】

実施例3に記載と同様の方法にて、参考例2の化合物 (581mg, 2.12 mmol)から実施例6の化合物(900mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ:6.79 (q, J = 5.3 Hz, 1H), 6.18 (s, 2H), 3.54-3.22 (m, 4H), 2.58 (qq, J = 7.0, 7.0 Hz, 1H), 1.84-1.49 (m, 5H), 1.20-1.16 (m, 6H).
【0194】
実施例7:1-{[(ピリジン-2-イルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート
【0195】
【化42】

実施例3に記載と同様の方法にて、参考例2の化合物 (1g, 3.64 mmol)から実施例7の化合物 (242mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ:8.44-8.38 (m, 1H), 7.83-7.78 (m, 1H), 7.30-7.13 (m, 2H), 6.85 (q, J = 5.5 Hz, 1H), 2.59 (qq, J = 7.0, 7.0 Hz, 1H), 1.60 (d, J = 5.5 Hz, 3H), 1.16 (dd, J = 7.0, 7.0 Hz, 6H).
【0196】
実施例8:(1R)-1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エチル (3R)-3-[({2,2-ジメチル-3-オキソ-4-[2-(プロパノイルアミノ)エチル]-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンズオキサジン-6-イル}カルボニル)(プロパン-2-イル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート
【0197】
【化43】

参考例5の化合物 (1.87g, 3.64 mmol)のテトラヒドロフラン (18.2ml)溶液に室温下、実施例1の化合物 (1.87g, 3.64 mmol)を加え、2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、実施例8の化合物(2.19g, 90%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ:7.28-7.21 (m, 2H), 6.90-6.80 (m, 1H), 5.90 (brs, 1H),4.25-3.81 (m, 5H), 3.72-3.30 (m, 3H), 3.28-2.71 (m. 2H), 2.60-2.42 (m, 1H), 2.25-2.11 (m, 2H), 1.86-1.33 (m, 13H), 1.25-1.07 (m, 15H).
MS (ESI+) 671 (M+1, 100%).
【0198】
実施例9: 1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エチル (3R)-3-[プロパン-2-イル({2,2,7-トリメチル-3-オキソ-4-[2-(プロパノイルアミノ)エチル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル}カルボニル)アミノ]ピペラジン-1-カルボキシレート
【0199】
【化44】

実施例8に記載と同様の方法にて、参考例6の化合物 (97.4mg, 0.21 mmol)と実施例7の化合物 (53.8mg, 0.21 mmol)から実施例9の化合物 (97.8mg, 75%)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO) δ:8.01-7.94 (m, 1H), 7.33-7.10 (m, 1H), 6.86-6.84 (m, 1H), 6.67-6.65 (m, 1H), 3.85-3.62 (m, 3H), 3.34-3.01 (m, 3H), 2.78-2.70 (m, 2H), 2.16-2.14 (m, 3H), 2.04-1.98 (m, 2H), 1.50-1.35 (m, 13H), 1.13-0.81 (m, 18H).
MS (ESI+) 617 (M+1, 37%).
【0200】
実施例10:(1R)-1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エチル (3R)-3-[プロパン-2-イル({2,2,7-トリメチル-3-オキソ-4-[2-(プロパノイルアミノ)エチル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル}カルボニル)アミノ]ピペラジン-1-カルボキシレート
【0201】
【化45】

窒素雰囲気下、参考例6の化合物 (1.01g, 2.2 mmol)のテトラヒドロフラン (4.5 ml)溶液に室温下、実施例1の化合物 (1.1g, 2.20 mmol)を加え、1時間半攪拌した。反応液に酢酸エチル (5ml)と水 (10ml)を加え、抽出した。有機層を飽和食塩水 (10ml)にて洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾別後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、実施例10の化合物 (1.17g, 88%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:6.93-6.77 (m, 3H), 6.03-5.88 (m, 1H), 4.17-3.86 (m, 6H), 3.80-3.69 (m, 1H), 3.63-3.49 (m, 2H), 3.13-2.72 (m, 3H), 2.58-2.47 (m, 1H), 2.22 (s, 3H), 2.17 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.89-1.70 (m, 2H), 1.54-1.41 (m, 9H), 1.17-1.09 (m, 15H).
MS (ESI+) 617 (M+1, 7%).
CHIRALPAK(登録商標) IC (0.46 cmI.D. x 25 cmL)、移動層:ヘキサン/エタノール=50/50 (v/v)、流速:1.0 mL/min、温度:25℃、波長:254nm、RT 13.706 min.
【0202】
実施例11:(1R)-1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エチル (3R)-3-[({7-メチル-3-オキソ-4-[2-(プロパノイルアミノ)エチル]-3,4-ジヒドロスピロ[1,4-ベンゾキサジン-2,1’-シクロブタン]-6-イル}カルボニル)(プロパン-2-イル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート
【0203】
【化46】

実施例10に記載と同様の方法にて、参考例7の化合物 (1.11g, 2.35 mmol)から実施例11の化合物 (1.23g, 83%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:6.92-6.78 (m, 3H), 6.06-5.96 (m, 1H), 4.21-3.87 (m, 6H), 3.81-3.42 (m, 3H), 3.12-2.15 (m, 13H), 2.04-1.80 (m, 4H), 1.54-1.45 (m, 3H), 1.25-1.09 (m, 15H).
MS (ESI+) 629 (M+1, 100%).
CHIRALPAK(登録商標) IC (0.46 cmI.D. x 25 cmL)、移動層:ヘキサン/エタノール=50/50 (v/v)、流速:1.0 mL/min、温度:25℃、波長:254nm、RT 15.809 min
【0204】
実施例12:(1S)-1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エチル (3R)-3-[({7-メチル-3-オキソ-4-[2-(プロパノイルアミノ)エチル]-3,4-ジヒドロスピロ[1,4-ベンゾキサジン-2,1’-シクロブタン]-6-イル}カルボニル)(プロパン-2-イル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート
【0205】
【化47】

参考例7の塩酸塩 (34.1mg, 0.067 mmol)のテトラヒドロフラン (1ml)溶液に室温下、実施例2の化合物 (34.5mg, 0.067 mmol)と4-ジメチルアミノピリジン (3.3mg, 0.027 mmol)を加えた後、3時間攪拌した。反応液に酢酸エチル (10ml)と水 (10ml)を加え、抽出した。有機層を飽和食塩水 (5ml)で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾別後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、実施例12の化合物 (35.7mg, 85%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:6.91-6.78 (m, 3H), 6.14-6.00 (m, 1H), 4.21-3.88 (m, 6H), 3.82-3.68 (m, 1H), 3.62-49 (m, 2H), 3.14-2.98 (m, 1H), 2.97-2.74 (m, 2H), 2.73-2.64 (m, 1H), 2.62-2.49 (m, 1H), 2.48-2.38 (m, 1H), 2.47-2.13 (m, 5H), 2.05-1.71 (m, 4H), 1.62-1.38 (m, 3H), 1.77-1.08 (m, 15H).
MS (ESI+) 629 (M+1, 100%).
CHIRALPAK(登録商標) IC (0.46 cmI.D. x 25 cmL)、移動層:ヘキサン/エタノール=50/50 (v/v)、流速:1.0 mL/min、温度:25℃、波長:254nm、 RT 9.675 min.
【0206】
実施例13: 1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エチル (3R)-3-[({7-メチル-3-オキソ-4-[2-(プロパノイルアミノ)エチル]-3,4-ジヒドロスピロ[1,4-ベンゾキサジン-2,1’-シクロブタン]-6-イル}カルボニル)(プロパン-2-イル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート
a)
【0207】
【化48】

実施例10に記載と同様の方法にて、参考例7の化合物 (94.9mg, 0.20 mol)と実施例3の化合物 (68mg, 0.21 mmol)から実施例13の化合物 (102mg, 80%)を得た。
b)
【0208】
【化49】

実施例10に記載と同様の方法にて、参考例7の化合物 (13.8mg, 0.029 mol)と実施例6の化合物 (9.9mg, 0.029 mmol)から実施例13の化合物 (15.2mg, 83%)を得た。
【0209】
実施例14:(R)-((R)-1-(イソブチリルオキシ)エチル) 3-((S)-N-イソプロピル-2-(メトキシメチル)-2,7-ジメチル-3-オキソ-4-(2-プロピオナミドエチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-カルボキサミド)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0210】
【化50】

実施例10に記載と同様の方法にて、参考例8の化合物 (1.67g, 3.42 mmol)から実施例14の化合物 (1.13g, 51%)を得た。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ:8.02-7.89 (m, 1H), 7.38-7.04 (m, 1H), 6.88-6.79 (m, 1H), 6.70-6.62 (m, 1H), 4.09-3.72 (m, 5H), 3.67-3.41 (m, 3H), 3.32 (s, 3H), 3.27-3.05 (m, 6H), 2.84-2.62 (m, 2H), 2.21-1.95 (m, 4H), 1.54-1.23 (m, 9H), 1.14-0.89 (m, 12H).
MS (ESI+) 647 (M+1, 91%).
CHIRALPAK(登録商標) IC (0.46 cmI.D. x 25 cmL)、移動層:n-ヘキサン/エタノール=50/50、流速:1.0 mL/min、温度:40℃、波長:254nm、RT 10.753 min
【0211】
前記に記載の式(3)で表される化合物に加えて、例えば、下記表に記載の化合物番号1〜78も、本願製造方法によって同様に製造することができる。
【0212】
【化51】

【0213】
【化52】

【0214】
【化53】

【0215】
【化54】

【0216】
【化55】

【0217】
比較例1:1-クロロ-2-メチルプロピル(3R)-3-[イソプロピル({2,2,7-トリメチル-3-オキソ-4-[2-(プロピオニルアミノ)エチル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-6-イル}カルボニル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート
【0218】
【化56】

窒素雰囲気下、参考例6 (4g, 8.1 mmol)のクロロホルム (40ml)溶液に氷冷下、トリエチルアミン (2.3ml, 16.2 mmol)、1-クロロエチル クロロホルメート (0.9ml, 8.1 mmol)を順次加えた後、室温に昇温させ、3時間攪拌した。反応液に水 (20ml)と飽和食塩水 (20ml)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、1-クロロ-2-メチルプロピル(3R)-3-[イソプロピル({2,2,7-トリメチル-3-オキソ-4-[2-(プロピオニルアミノ)エチル]-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-6-イル}カルボニル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート (3.8g, 84%)を得た。
MS (ESI+) 565 (M+1, 10%)
【0219】
比較例2:
【0220】
【化57】

【0221】
比較例1の化合物(4 g)のクロロホルム(35 ml)溶液に、プロピオン酸(2 mL)、炭酸銀(2.93 g)を加え室温で2時間攪拌した。反応溶液をセライトろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/80)により精製することで実施例9の化合物 (2.5 g, 56%)を得た。
【0222】
比較例3:
【0223】
【化58】

比較例1、および比較例2に記載と同様の方法にて、参考例5の化合物からアキラルな実施例8の化合物(51%, 2steps)を得た。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO) δ:8.15-7.97 (m, 1H), 7.75-7.27 (m, 2H), 6.69-6.46 (m, 1H), 3.92-3.61 (m, 3H), 3.34-2.98 (m, 3H), 2.75-2.69 (m, 2H), 2.08-2.00 (m, 2H), 1.77-1.33 (m, 13H), 1.18-0.81 (m, 18H) .
MS (ESI+) 671 (M+1, 32%).
【0224】
比較例4:
【0225】
【化59】

比較例1、および比較例2に記載と同様の方法にて、参考例7の化合物 (300mg)から実施例13の化合物(187mg, 56%)を得た。
【0226】
本発明記載の製造法にて、実施例9、キラルな実施例8、および実施例13b)を製造した場合の収率は、各々75%、90%、および83%であり、比較例1〜4に記載の収率(47%、51%、および56%)よりも大幅な改善が認められた。すなわち、本発明は優れた式(3)で表された化合物の製造法である。
【0227】
比較例5:
【0228】
【化60】

実施例1に記載と同様の方法にて、参考例2の化合物 (1.0g, 3.64 mmol)に塩化スルフリルを氷冷下で反応させ、1-{(クロロカルボニル)オキシ}エチル 2-メチルプロパノエートを得た。反応液に参考例3の化合物よりも先にN-メチルモルホリン (0.18ml)を加えたところ、1-{(クロロカルボニル)オキシ}エチル 2-メチルプロパノエートの分解が認められた。
【0229】
効率よく高純度の実施例1の化合物を得るためには試薬の加える順序が必要である。すなわち、化合物(2)に塩化スルフリルを反応させ、クロロカルボニルオキシ体の生成を確認した後、化合物(7)を加え、最後にN-メチルモルホリンを滴下することが重要である。
【0230】
比較例6:
【0231】
【化61】

窒素雰囲気下、参考例2の化合物 (258mg, 0.94 mmol)のテトラヒドロフラン (1ml)溶液に0℃下、塩化スルフリル (0.15ml, 1.88 mmol)を加え、1時間攪拌し、1-{(クロロカルボニル)オキシ}エチル 2-メチルプロパノエートが生成していることを確認した。同温下、反応液に参考例7の化合物 (431mg, 0.94 mmol)とN-メチルモルホリン (0.31ml, 2.82 mmol)のテトラヒドロフラン (1ml)溶液をゆっくりと滴下した後、1時間攪拌したが、目的物の生成は確認出来なかった。
【0232】
化合物(1)とクロロカルボニルオキシ体を直接反応させて、効率よく高純度の化合物(3)を得ることは難しい。
【0233】
比較例7:
【0234】
【化62】

参考例1、および2に記載と同様の方法にて、1-クロロエチル クロロホルメート(2.2g, 15.7 mmol)から1-{[(ドデシルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート (6.8g)を得た。
実施例1に記載と同様の方法にて、1-{[(ドデシルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート (151mg, 0.42 mmol))から1-{(クロロカルボニル)オキシ}エチル 2-メチルプロパノエートの合成を試みたが、0℃下では反応が完結せず、室温に昇温させた。しかし、室温下でクロロ体の一部の分解が認められた。さらに実施例1に記載と同様の方法にて参考例3の化合物 (149mg, 0.42 mmol)との反応を試みたが、目的の(3S,4S)-1-[({1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)オキシ]-2,5-ジオキソピロリジン-3,4-ジイル ジベンゾエートはほとんど得られなかった。
1-{[(ドデシルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:6.93 (q, J = 8.0 Hz, 1H), 2.92-2.79 (m, 2H), 2.59-2.49(m, 1H), 1.70-1.46 (m, 5H), 1.43-1.06 (m, 24H), 0.92-0.81 (m, 3H).
【0235】
比較例8:
【0236】
【化63】

参考例1、および2に記載と同様の方法にて、1-クロロエチル クロロホルメート (7.0g, 49.1 mmol)から1-{[(シクロペンチルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート (14g)を得た。
実施例1に記載と同様の方法にて、1-{[(シクロペンチルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート (350mg, 1.34 mmol))から1-{(クロロカルボニル)オキシ}エチル 2-メチルプロパノエートの合成を試みたが、2.5当量の塩化スルフリルを用いても0℃下では反応が完結せず、室温に昇温させた。室温下で一晩攪拌したが、1-{[(シクロペンチルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエートは完全に消失することなく、また1-{(クロロカルボニル)オキシ}エチル 2-メチルプロパノエートもほとんど分解してしまった。
1-{[(シクロペンチルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:6.93 (q, J = 8.0 Hz, 1H), 3.69-3.58 (m, 1H), 2.62-2.52(m, 1H), 2.19-2.05 (m, 2H), 1.80-1.45 (m, 9H), 1.25-1.10 (m, 6H).
【0237】
比較例9:
【0238】
【化64】

参考例1、および2に記載と同様の方法にて、1-クロロエチル クロロホルメート (9.9g, 69.2 mmol)から1-{[(エチルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート (13.7g, 90%: 2 steps)を得た。
窒素雰囲気下、1-{[(エチルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート (1g, 4.5 mmol)のテトラヒドロフラン (22.7ml)溶液に0℃下、塩化スルフリル (0.74ml, 9.1 mmol)を加え、同温下で1時間攪拌することで、目的の1-{(クロロカルボニル)オキシ}エチル 2-メチルプロパノエートを得た。反応液に、同温下で参考例3の化合物 (1.3g, 3.6 mmol)のテトラヒドロフラン (22.7 ml)溶液とN-メチルモルホリン (1ml, 9.1 mmol)を順次、ゆっくりと滴下し、同温下で2時間攪拌した。反応液をサンプリングし、反応確認したところ、目的物はほとんど認められなかった。
1-{[(エチルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:6.94 (q, J = 7.3 Hz, 1H),2.29-2.82 (m, 2H), 2.61-2.50(m, 1H), 1.50 (d, J = 7.3 Hz, 3H), 1.32 (t, J = 10.0 Hz, 3H), 1.19-1.15 (m, 6H).
【0239】
比較例10:
【0240】
【化65】

参考例1、および2に記載と同様の方法にて、1-クロロエチル クロロホルメートから1-{[(tert-ブチルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート (82%: 2 steps)を得た。
実施例1に記載の方法と同様の方法にて、窒素雰囲気下、1-{[(tert-ブチルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート (1.19g, 3.64 mmol)のテトラヒドロフラン (10g)溶液に氷冷下、塩化スルフリル (0.98g, 7.29 mmol)を加え、3時間反応させた。1-{[(tert-ブチルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエートの残存が認められたため、塩化スルフリル (0.49g)を追加し、さらに1時間攪拌した後、室温に昇温させ、さらに2時間攪拌した。1-{[(tert-ブチルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエートの残存が認められたため、さらに塩化スルフリル (0.49g)を追加し、30分間攪拌した。反応液を氷冷下に冷却し、参考例3の化合物 (1.29g, 3.64 mmol)のテトラヒドロフラン (10g)溶液を滴下した後、N-メチルモルホリン (2.58g, 25.5 mmol)を加え、一晩攪拌した。反応液に酢酸エチル (20g)と0.1N 塩酸水 (20g)を加え、抽出した。有機層を減圧濃縮し、油状物を得た。精製を試みたが、純度の高い(3S,4S)-1-[({1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)オキシ]-2,5-ジオキソピロリジン-3,4-ジイル ジベンゾエートは得られなかった。
1-{[(tert-ブチルスルファニル)カルボニル]オキシ}エチル 2-メチルプロパノエート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:6.95-6.89 (m, 1H), 2.60-2.51 (m, 1H), 1.50-1.46 (m, 12H), 1.19-1.15 (m, 6H).
以上の比較例7、8、9、および10の結果から、高純度のクロロカルボニルオキシ誘導体を得るためには適切なスルファニルカルボニルオキシ基の選択が必要である。すなわち、式(6)で表されるシクロヘキシルカルボニルオキシ体と塩化スルフリルの組み合わせが最も反応性よく、効率的に高純度なクロロカルボニルオキシ体を製造することが出来る。また、効率的に高純度な化合物(2)を製造するためには、高純度な化合物(6a)を得ることが重要である。
【産業上の利用可能性】
【0241】
本発明により、高収率かつ高純度で、式(2)で表される化合物、および式(3)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩を製造することができる。従って、スケールアップにも対応できる生産性のよい製造方法である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(6)で表される化合物

[式中、RおよびRは、各々独立して、
(a)水素原子、
(b)C1−4アルキル基(該基は、
1−4アルコキシ、
3−6シクロアルキル(該シクロアルキルは、C1−4アルコキシで置換されていてもよい。)、
5員もしくは6員の飽和へテロ環、または
5員もしくは6員の飽和へテロ環オキシで置換されていてもよい。)、
(c)C3−10シクロアルキル基(該基は、1〜2個のフッ素原子、またはC1−4アルコキシで置換されていてもよい。)、
(d)C6−10アリール基(該基は、
ハロゲン原子、または
6−10アリール(ハロゲン原子またはC1−4アルコキシで置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。)、
(e)5員もしくは6員の飽和へテロ環基、または
(f)5員〜10員の単環式もしくは多環式のヘテロアリール基(該基は、C1−4アルキル、またはC1−4アルコキシで置換されていてもよい。)であり;
は、
(a)C1−6アルキル基(該基は、
1〜3個のフッ素原子、
ヒドロキシ、
1−4アルコキシ、
カルボキシ、
5員もしくは6員の飽和へテロ環、
3−6シクロアルキル、
1−4アルコキシカルボニル、
1−4アルコキシカルボニルアミノ、
アミノ、
モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)アミノ、
5員〜7員の環状アミン、
1〜2個のニトロオキシ、
アミノカルボニル、または
5員〜7員の環状アミノカルボニルで置換されていてもよい。)、
(b)C3−10シクロアルキル基(該基は、ヒドロキシで置換されていてもよい。)、
(c)C6−10アリール基(該基は、
1−4アルキル、
ハロゲン、
1−4アルコキシ、または
1−4アルキルカルボニルオキシで置換されていてもよい。)、
(d)C1−4アルキルカルボニル基(該基は、ヒドロキシで置換されていてもよい。)、
(e)5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、
(f)5員もしくは6員の飽和へテロ環基(該基は、C1−4アルコキシで置換されていてもよいC1−4アルキルで置換されていてもよい。)、
(g)C1−6アルコキシ基(該基は、C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
(h)C3−6シクロアルキルオキシ基(該基は、C1−4アルコキシで置換されていてもよい。)、または
(i)5員もしくは6員の飽和ヘテロ環オキシ基である。)である。]、またはその薬学上許容される塩と、
塩化スルフリルを反応し、引き続いて、式(7)で表される化合物

[式中、Mは、式(4)または(5)で表される基

[式中、R6a、およびR6bは、各々独立して、水素原子、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、C3−6シクロアルキルカルボニルオキシ基、置換されていてもよいC6−10アリールカルボニルオキシ基、5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリールカルボニルオキシ基、飽和ヘテロ環カルボニルオキシ基、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−6シクロアルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、置換されていてもよいC3−6シクロアルコキシ基、置換されていてもよいC6−10アリール基、置換されていてもよいC6−10アリールオキシ基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリールオキシ基、C1−6アルキルアミノカルボニルオキシ基、C3−6シクロアルキルアミノカルボニルオキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、ヒドロキシ基、またはスルホンアミド基であるか、あるいはR6aおよびR6bは、それらが結合している原子と一緒になって、C3−6シクロアルキル環、飽和ヘテロ環、C5−10シクロアルケニル環、C6−10アリール環、または5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール環を形成してもよく;
は、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基であり;
mは、1、2、3、または4である。] である。] を反応して、
式(2)で表される化合物

[式中、R、R、RおよびMは、前記と同じである。]、またはその薬学上許容される塩を製造する方法。
【請求項2】
更に、式(1)で表される化合物

[式中、R1aは、置換されていてもよいC1−6アルキル基であり;
1bは、置換されていてもよいC1−6アルキル基であり;
1cおよびR1dは、各々独立して、同一または異なって、水素原子、または置換されていてもよいC1−6アルキル基であるか、あるいは
1cおよびR1dは、一緒になって下記式

で表される基(pおよびqは、各々独立して、同一または異なって、0、1または2である。)であり;
は、置換されていてもよいC1−6アルキル基であり;
Gは、酸素原子、または硫黄原子である。]、またはその薬学上許容される塩と、
式(2)で表される化合物

[式中、R、R、RおよびMは、請求項1と同じである。]、またはその薬学上許容される塩を反応し、
式(3)で表される化合物

[式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R、G、R、RおよびRは、前記と同じである。]、またはその薬学上許容される塩を製造する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Gが、酸素原子である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
Gが、硫黄原子である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
1aが、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
1aが、トリフルオロメチル基である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
1bが、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキルカルボニルアミノで置換されていてもよい、C1−6アルキル基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
1bが、2−(エチルカルボニルアミノ)エチル基である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
1cおよびR1dが、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−4アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
1cが、C1−6アルキル基である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1cが、メチル基である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
1dが、C1−4アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
1dが、メチル基である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
1dが、メトキシメチル基である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
1cおよびR1dが、一緒になって下記式:

で表される基である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
pおよびqが、下記(i)〜(iii)のいずれかである(ここにおいて、
(i)pおよびqが、同一で2であるか、もしくは、pおよびqのいずれか一方が2であり、他方が1である、または
(ii)pおよびqが、同一で1であるか、または
(iii)pおよびqのいずれか一方が1であり、他方が0である)、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
1cおよびR1dが、一緒になって下記式

で表される基である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
が、
(1)C3−6シクロアルキルで置換されていてもよいC1−6アルキル基(該C1−6アルキルは1〜3個のハロゲン原子で置換されてもよく、該C3−6シクロアルキルは、ハロゲン原子、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシで置換されていてもよい。);
(2)ハロゲン原子またはC1−4アルキルで置換されていてもよいC3−6シクロアルキル基;
(3)C2−6アルケニル基;および
(4)ハロゲン原子で置換されていてもよいC7−10アラルキル基からなる群から選択される1個の基である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
が、C1−6アルキル基である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
が、イソプロピル基である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
およびRが、各々独立して、同一または異なって、水素原子、またはC1−4アルキル基であり、
が、
(1)C1−6アルキル基(該基は、
(a)1〜3個のフッ素原子、
(b)アミノ、
(c)ヒドロキシ、
(d)C1−4アルコキシ、
(e)カルボキシ、
(f)C1−4アルコキシカルボニル、
(g)C1−4アルコキシカルボニルアミノ、
(h)1〜2個のニトロオキシ、
(i)5員もしくは6員の飽和へテロ環、または
(j)C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
(2)C3−10シクロアルキル基、
(3)C1−4アルキルカルボニル基(該基は、ヒドロキシで置換されていてもよい。)、
(4)C6−10アリール基(該基は、
(a)C1−4アルキル、
(b)C1−4アルコキシ、または
(c)C1−4アルキルカルボニルオキシで置換されていてもよい。)、
(5)5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、
(6)5員もしくは6員の飽和へテロ環基、
(7)C1−6アルコキシ基(該基は、C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
(8)C3−6シクロアルキルオキシ基、または
(9)5員もしくは6員の飽和ヘテロ環オキシ基である。)
である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
が、水素原子であり、Rが、C1−4アルキル基である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
が、メチル基である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
が、
(1)C1−6アルキル基(該基は、
(a)1〜3個のフッ素原子、
(b)アミノ、
(c)ヒドロキシ、
(d)C1−4アルコキシ、
(e)カルボキシ、
(f)C1−4アルコキシカルボニル、
(g)C1−4アルコキシカルボニルアミノ、
(h)1〜2個のニトロオキシ、
(i)5員もしくは6員の飽和へテロ環、または
(j)C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
(2)C3−10シクロアルキル基、
(3)C1−4アルキルカルボニル基(該基は、ヒドロキシで置換されていてもよい。)、
(4)C6−10アリール基(該基は、
(a)C1−4アルキル、
(b)C1−4アルコキシ、または
(c)C1−4アルキルカルボニルオキシで置換されている。)、
(5)5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、または
(6)5員もしくは6員の飽和へテロ環基である、請求項21〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
が、
(1)C1−4アルキル基(該アルキル基は、
(a)1〜3個のフッ素原子、
(b)C1−4アルコキシ、
(c)5員もしくは6員の飽和へテロ環、または
(d)C3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。)、
(2)C3−6シクロアルキル基、
(3)C6−10アリール基(該基は、
(a)C1−4アルキル、または
(b)C1−4アルコキシで置換されていてもよい。)、または
(4)5員もしくは6員の飽和ヘテロ環基である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
が、C1−4アルキル基である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
が、イソプロピル基である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
6aおよびR6bが、各々独立して、C6−10アリールカルボニルオキシ基である、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
6aおよびR6bが、各々独立して、フェニルカルボニルオキシ基である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
6aおよびR6bが、それらが結合している原子と一緒になって、C6−10アリール環を形成する、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
が、水素原子である、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
式(4−1)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。

[式中、R31は、水素原子であり、R41は、C1−4アルキル基であり、R51は、C1−4アルキル基であり、R6a1およびR6b1は、共にフェニルカルボニルオキシ基、もしくはR6a1およびR6b1が一緒になってベンゼン環、またはノルボルネン環である。]
【請求項33】
式(5−1)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。

[式中、R31は、水素原子であり、R41は、C1−4アルキル基であり、R51は、C1−4アルキル基、Rは、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基であり、
mは、1、2、3、または4である。]
【請求項34】
式(5−1)で表される化合物が、下記

で表される化合物である、請求項33に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
【請求項35】
は、水素原子である、請求項33または請求項34に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
【請求項36】
式(6−1)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。

[式中、R31は、水素原子であり、R41は、C1−4アルキル基であり、R51は、C1−4アルキル基である。]
【請求項37】
41が、メチル基であり、R51が、イソプロピル基である、請求項31〜35のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。

【公開番号】特開2012−107006(P2012−107006A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235312(P2011−235312)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】