説明

N−(インドールカルボニル)ピペラジン誘導体

【課題】精神病、精神分裂病、うつ病、神経学的障害、記憶障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、ハンチントン病、摂食障害(例えば、過食症、神経性食欲不振)、月経前症候群の処置用、および/または積極情動性強迫挙動(強迫障害、OCD)用に適している新規化合物の提供。
【解決手段】下記式で代表されるN−(インドールカルボニル)ピペラジン誘導体およびその生理学的に許容される塩および溶媒和物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I:
【化1】

【0002】
式中、
1は、フェニルまたはナフチル基であり、これらの基は未置換であるか、またはRおよび/またはRにより置換されており、またはHetであり、
、Rは、それぞれ相互に独立して、Hal、A、OA、OHまたはCNであり、
、Rは、それぞれ相互に独立して、H、CN、アシル、Hal、A、OA、OH、CONH、CONHAまたはCONAであり、
およびRはまた一緒になって、炭素原子3〜5個を有するアルキレン基であり、
Hetは、一核状または二核状の不飽和ヘテロ環状環であり、この環は未置換であるか、または1個または2個のHal、A、OAまたはOHにより置換されていて、またこの基は1個、2個または3個の窒素、酸素またはイオウ原子などの同一または相違するヘテロ原子を含有し、
Aは、炭素原子1〜6個を有するアルキル基であり、
Halは、F、Cl、BrまたはIであり、および
前記インドール環はまたイサチン単位により置き換えられていてもよく、
ただし(1H−インドール−5−イル)−(4−フェネチルピペラジン−1−イル)メタノンは除外する
で表わされる化合物、およびそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物。
【0003】
本発明は,価値ある性質を有する新規化合物、特に医薬の製造に使用することができる化合物を見出すという目的に基づいていた。
式Iで表わされる化合物およびそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物が良好な寛容性とともに価値ある薬理学的性質を有することが見出された。これらの化合物は中枢神経系に対する作用を有する。これらの化合物は、5−HT2Aレセプターに対して強力な親和性を有する:これらの化合物はまた、5−HT2Aレセプター−拮抗作用性を示す。
【0004】
5−HT2Aレセプターに対する親和性のインビトロ検出には、例えば下述の試験(例A1)を用いることができる。5−HT2Aレセプターを[H]ケタンセリン(ketanserin)(この物質はレセプターに対するその親和性が知られている物質である)および被験化合物の両方に処理せしめる。レセプターに対する[H]ケタンセリンの親和性の減少は、被験物質の5−HT2Aレセプターに対する親和性の指標である。この検出は、J.E.Leysen等によるMolecular Pharmacology,1982,21:301−314または例えば、EP0320983の記載と同様にして行う。
【0005】
本発明による化合物の5−HT2Aレセプター拮抗薬としての効果は、W.Feniuk等による「5−ヒドロキシトリプタミン−誘発血管収縮」(Mechanisms of 5−hydroxytryptamine−induced vasoconstriction):5−ヒドロキシトリプタミン−の末梢作用(Peripheral Actions of 5−Hydroxytryptamine)、Fozard JR,Oxford Press,New York,1989,110頁の記載と同様にしてインビトロで測定することができる。すなわち、5−ヒドロキシトリプタミンにより生じるラット尾動脈の収縮は、5−HT2Aレセプターにより媒介される。この試験系では、腹側ラット尾動脈から調製された血管リングを、臓器浴中で酸素飽和溶液による灌流に付す。この溶液に増加する濃度で5−ヒドロキシトリプタミンを導入することによって、5−HTの蓄積濃度に対する応答を得る。被験化合物を次いで、適当な濃度で臓器浴に添加し、第二の濃度曲線を5−HTに対して測定する。5−HT−誘発濃度曲線の5−HT濃度が高い方へ移動に対する被験化合物の強度が、5−HT2Aレセプター−拮抗作用性のインビトロにおける尺度である。
【0006】
5−HT2A−拮抗作用性は、M.D.Serdar等によるPsychopharmacology,1996,128:198−205と同様にしてインビトロで測定することができる。
同様の5−HT−拮抗作用を示す別種の化合物は、例えばEP0320983に記載されている。
抗不整脈作用性を有する類似のピペラジン誘導体は、例えばEP0431945に記載されている。鎮痛作用性を有する別種のインドールカルボニル誘導体は、EP0599240に記載されている。WO99/11641には、5−HT−拮抗作用性を有するフェニルインドール誘導体が記載されている。
【0007】
従って、式Iで表わされる化合物は、中枢神経系の機能的障害およびまた炎症の処置用の動物およびヒト医薬の両方に適している。これらの化合物は、
例えば卒中および脳虚血などの脳梗塞(脳出血)の後遺症の予防および管理に、および神経弛緩の錐体外路性運動副作用およびパーキンソン病の処置に、およびまたアルツハイマー病の短期間および症状治療に、および筋萎縮性側索硬化症の処置に使用することができる。これらの化合物はまた、脳および脊髄外傷の処置に治療剤として適している。しかしながら、特にこれらの化合物は、抗不安剤、抗うつ剤,抗精神病剤、神経弛緩剤、抗高血圧症剤用の、および/または積極情動性強迫挙動(強迫性障害、OCD;例えばWO9524194)、不安状態および例えば、頻脈、震えまたは発汗などの不安状態を伴う精神学的変調(例えば、EP31962)、パニック発作、精神病、精神分裂症、食欲不振、妄想的強迫症、広場恐怖症、偏頭痛、アルツハイマー病、睡眠障害およびまた睡眠無呼吸、遅発性ジスキネジー、学習障害、年齢依存性記憶障害、摂食障害、例えば過食症、薬物乱用、例えばアルコール、アヘン、ニコチン、精神刺激剤(例えばコカインまたはアンフェタミンなどの乱用(例えば、US6004980)、性的機能障害、全種類の痛み症状、および線維粘液腫(例えば、WO9946245)用の医薬活性化合物として適している。
【0008】
式(I)で表わされる化合物は、精神弛緩医薬治療における錐体外路副作(EPS)の処置に適している。EPSの特徴は、パーキンソン病的症状、静座不能およびジストニー反応にある(例えば、EP337136)。これらの化合物はまた、神経性食欲不振、アンギナ、レイナード現象、冠状動脈血管痙攣の処置に、偏頭痛(EP208235)、痛みおよび神経痛(例えば、EP320983)の予防に、自閉的体質を伴うレッテ症候群、アスペルガー症候群、自閉症および自閉的障害、集中力欠如、発達障害、精神的発達不良および常同性挙動状態(例えば、WO9524194)の処置に適している。
【0009】
さらにまた、これら化合物は、高蛋白血症などの内分泌障害の処置に、さらにまた血管痙攣、血栓形成障害(例えば、WO9946245)、高血圧症および胃腸器官障害の処置に適している。
これらの化合物はまた、心臓血管系障害およびまた例えばWO99/11641、2頁、24−30行に記載されているような錐体外路症候群の処置にも適している。
本発明による化合物はまた、眼内圧の減少および緑内障の処置に適している。
これらの化合物はまた、動物に対して、エルゴバリン(ergovaline)の投与における中毒症状の予防および処置にも適している。
【0010】
これら化合物はさらにまた、心臓血管系の障害の処置にも適している(WO99/11641,3頁、14−15行)。
本発明による化合物はまた、精神分裂症の処置において、別種の活性化合物と一緒に使用することもできる。使用可能な別種の活性化合物には、WO99/11641、13頁、20−26行に記載されている化合物がある。
これら化合物はまた、別種の医薬的に活性な化合物を製造するための中間体として使用することができる。
【0011】
本発明は、式Iで表わされるN−(インドールカルボニル)−ピペラジン誘導体およびそれらの生理学的に許容される酸付加塩に関する。本発明はまた、これらの化合物の溶媒和物、例えば水化物またはアルコレートに関する。
従って、本発明は、請求項1に記載の式Iで表わされる化合物および式Iで表わされる化合物の製造方法に関する。
【0012】
請求項1に記載の式Iで表わされる化合物[ただし、(1H−インドール−5−イル)−(4−フェネチルピペラジン−1−イル)メタノンは除外する]の製造方法は、
a)式II:
【化2】

式中、Lは、Cl、BrまたはIであるか、または遊離のまたは反応官能性に変性されているOH基であり、およびRおよびRは、請求項1に示されている意味を有する
で表わされる化合物を、式III:
【化3】

式中、Rは、請求項1に記載の意味を有する
で表わされる化合物と反応させること、または
【0013】
b)式IV:
【化4】

式中、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有する
で表わされる化合物を、式V:
L−CH−CH−R1
式中、Lは、Cl、BrまたはIであるか、または遊離のまたは反応官能性に変性されているOH基であり、およびRは、請求項1に記載の意味を有する
で表わされる化合物と反応させること、または
【0014】
c)適切な場合は、基R、RおよびRの一つを、例えばOA基の分裂によりOH基を形成することによって、および/またはCHO基をCN基に変換することによって、別のR、Rおよび/またはRに変換すること、および/または
得られた式Iで表わされる塩基を、酸で処理することによって、その塩の1種に変換すること、
を特徴とする上記製造方法である。
【0015】
本発明はまた、医薬としての請求項1に記載の式Iで表わされる化合物およびそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物に関する[ただし、(1H−インドール−5−イル)−(4−フェネチルピペラジン−1−イル)メタノンを除外する]。
本発明は特に、5−HT2Aレセプター−拮抗作用を有する医薬としての請求項1に記載の式Iで表わされる化合物およびそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物に関する[ただし、(1H−インドール−5−イル)−(4−フェネチルピペラジン−1−イル)メタノンを除外する]。
【0016】
本発明はまた、式Iで表わされる化合物、ならびにそれらのエナンチオマーおよびジアステレオマー、およびまたそれらの塩に関する。
インドール環はまた、イサチン(isatin)単位によって置き換えられていてもよい。イサチンは、その2−および3−位置がオキソによって置換されているイソロール=インドール−2,3−ジオンである。
数個が存在する基の全部について、例えばAまたはHetの場合、それらの意味は相互に独立しているものとする。
【0017】
基Aは、アルキル基であり、炭素原子1〜6個、好ましくは1個、2個、3個または4個、特に1個または2個を有する。従って、アルキルは特に、例えばメチルであり、さらにまたエチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルであり、さらにまたペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピルであり、さらにまたトリフルオロメチルまたはペンタフルオロエチルである。
【0018】
アシルは好ましくは、炭素原子1〜6個を有し、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルであり、さらにまたトリフルオロアセチルまたはペンタフルオロプロピオニルである。
アルキレンは、プロピレン、ブチレンまたはペンチレンである。
OAは好ましくは、メトキシであり、さらにまたエトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシまたはtert−ブトキシである。
Halは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にフッ素または塩素である。
【0019】
は、未置換の、または好ましくは−示されているとおりの−、モノ置換フェニルまたはナフチル、であり、特に好ましくはフェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−トリフルオロメチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−トリフルオロメトキシフェニル、o−、m−またはp−シアノフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−ジフルオロメトキシフェニル、o−、m−またはp−フルオロメトキシフェニルであり、
【0020】
さらにまた好ましくは2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジブロモフェニル、2−クロロ−3−メチル−,2−クロロ−4−メチル−、2−クロロ−5−メチル−、2−クロロ−6−メチル−、2−メチル−3−クロロ−、2−メチル−4−クロロ−、2−メチル−5−クロロ−、2−メチル−6−クロロ−、3−クロロ−4−メチル−,3−クロロ−5−メチル−または3−メチル−4−クロロフェニル、
【0021】
2−ブロモ−3−メチル−、2−ブロモ−4−メチル−,2−ブロモ−5−メチル−,2−ブロモ−6−メチル−、2−メチル−3−ブロモ−、2−メチル−4−ブロモ−、2−メチル−5−ブロモ−、2−メチル−6−ブロモ−、3−ブロモ−4−メチル−、3−ブロモ−5−メチル−または3−メチル−4−ブロモフェニル、2,4−または2,5−ジニトロフェニル、2,5−または3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニルであり、
【0022】
さらにまた好ましくは2−ニトロ−4−トリフルオロメチルフェニル、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、2−フルオロ−5−または4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル、4−クロロ−2−または4−クロロ−3−トリフルオロメチル−、2−クロロ−4−または2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル、4−ブロモ−2−または4−ブロモ−3−トリフルオロメチルフェニル、p−ヨウドフェニル、2−ニトロ−4−メトキシフェニル、2,5−ジメトキシ−4−ニトロフェニル、2−メチル−5−ニトロフェニル、2,4−ジメチル−3−ニトロフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、4−フルオロ−3,5−ジメチルフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、2,4−ジクロロ−5−メチルフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、2−メトキシ−5−メチルフェニルまたは2,4,6−トリイソプロピルフェニルである。
【0023】
はまた、Hetであることができる。
Hetは好ましくは、2−または−3−フリル、2−または−3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニルであり、
【0024】
さらにまた好ましくは、1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または−5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキソジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、2−、3−、4−、5−または6−2H−チオピラニル、2−、3−または4H−チオピラニル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフリル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾチエニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンゾ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニルである。
【0025】
は、非常に特に好ましくはフェニル、p−クロロフェニル、p−フルオロフェニル、チオフェン−2−イル、5−クロロチオフェン−2−イル、2,5−ジクロロチオフェン−3−イルおよび2−または3−フリルである。
、Rは、それぞれ相互に独立して、好ましくはH、Hal、炭素原子1〜6個を有するアルキル、炭素原子1〜6個を有するアルコキシまたはヒドロキシルであり、さらにまたシアノまたはアシルである。
は、好ましくはH、Hal、A、OA、OH、CNまたはアシルである。Rは好ましくは、Hである。
式Iで表わされる好適化合物は、インドール環の4−、5−、6−または7−位置に、R−CH−CH−ピペラジンカルボニル基が置換されている化合物である。
【0026】
従って、本発明は特に、式Iにおいて、記載されている基の少なくとも1個が上記の好適意味の一つを有する化合物に関する。数種の好適群の化合物は、下記付属式Ia〜Iiにより表わすことができ、これらの付属式は式Iに相当し、下記により詳細に指定されていない基は、式Iに示されている意味を有する:
Iaにおいて、Rはフェニルである;
Ibにおいて、Rはフェニルであり、この基は未置換であるか、または1個のHalにより置換されている;
Icにおいて、Rはフェニルであり、この基は1個のHalにより置換され
ており、またはRはHetである;
Idにおいて、Rはフェニルであり、この基は未置換であるか、または1個
のHalにより置換されており、またはRはHetである;
【0027】
Ieにおいて、Rはフェニルであり、この基は未置換であるか、または1個のHalにより置換されており、またはRはHetである。Hetは不飽和ヘテロ環状環系であり、この環系は未置換であるか、または1個または2個のHalまたはAにより置換されており、また1個または2個の同一または相違するヘテロ原子、例えば窒素、酸素またはイオウを含有する;
Ifにおいて、Rはフェニルであり、この基は未置換であるか、または1個のHalにより置換されており、またはRはHetである、RおよびRは、それぞれ相互に独立して、H、HalまたはAである、Hetは不飽和ヘテロ環状環系であり、この環系は未置換であるか、または1個または2個のHalまたはAにより置換されており、また1個または2個の同一または相違するヘテロ原子、例えば窒素、酸素またはイオウを含有する;
【0028】
Igにおいて、Rはフェニルであり、この基は未置換であるか、または1個のHalにより置換されており、またはRはHetである、RおよびRは、それぞれ相互に独立して、H、HalまたはAである、RおよびRは一緒になってまた、炭素原子3〜5を有するアルキレンであり、Hetはチエニルまたはフリルであり、この基は未置換であるか、または1個または2個のHalまたはAにより置換されている;
Ihにおいて、Rはフェニルであり、この基は未置換であるか、または1個のHalにより置換されており、またはRはHetである、RはH、Hal、CN、アシルまたはAである、RはHである、RおよびRは一緒になってまた、炭素原子3〜5を有するアルキレンである、Hetはチエニルまたはフリルであり、この基は未置換であるか、または1個または2個のHalまたはAにより置換されている;
【0029】
Iiにおいて、Rはフェニルまたはナフチルであり、この基は未置換であるか、または1個のHalにより置換されており、またはRはHetである、RはH、Hal、CN、アシル、AまたはCONHである、RはHである、RおよびRは一緒になってまた、炭素原子3〜5を有するアルキレンである、Hetはチエニルまたはフリルであり、この基は未置換であるか、または1個または2個のHalまたはAにより置換されている、
およびインドール環はまた、イサチン単位により置き換えられていてもよい。
【0030】
式Iで表わされる化合物およびまたこれらの化合物を製造するための出発物質は、別様には、刊行物(例えばHouben−Weyl によるMethoden der Organischen Chemie[有機化学の方法]、Georg Thieme−Verlag,Stuttgart ;Organic Reactions,John Wiley & Sons,Inc.,New York)に記載されているようなそれ自体公知の方法によって、すなわち挙げられている反応に適する公知の反応条件下に製造することができる。この場合、それ自体公知であるが、ここにはさらに詳細に記載されていない変法を使用することもできる。
【0031】
所望により、請求項に記載の方法の出発物質は、これらを反応混合物から単離せずに、さらに直ちに反応させて式Iで表わされる化合物を得るような方法で、その場で生成させることができる。他方、反応を段階的に行うこともできる。
式IIおよび式Vで表わされる化合物において、基Lは好ましくはClまたはBrである;しかしながら、この基はまた、I、OHまたは別様には、好ましくは反応官能性に変性されているOH基、特に炭素原子1〜6個を有するアルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ)または炭素原子6〜10個を有するアリールスルホニルオキシ(例えば、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、1−または2−ナフタレンスルホニルオキシ)または別様に、トリクロロメトキシ、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシ)であることができ、さらにまたフェノキシであることができる。
【0032】
式Iで表わされる化合物は、好ましくは式IIで表わされる化合物を、式IIIで表わされる化合物と反応させることによって得ることができる。
一般に、式IIおよび式IIIで表わされる化合物は、公知である;式IIおよび式IIIで表わされる未知の化合物は、公知化合物と同様にして、容易に製造することができる。
【0033】
式IIで表わされる化合物と式IIIで表わされる化合物との反応は、アミン化合物のアルキル化またはアシル化について刊行物から公知である方法などに従い進行する。しかしながら、これらの化合物を同一溶媒の存在下に反応させることもできる。適当な溶媒は、例えば炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン);ケトン類(例えば、アセトン、ブタノン);アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール);エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン(THF)またはジオキサン);アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)またはN−メチルピロリジン);ニトリル類(例えば、アセトニトリル);であり、適当な場合、これらの溶媒の相互の、または水との混合物もまた、適している。
【0034】
酸結合剤、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩、またはテトラヒドロフラン(THF)またはジオキサン);またはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の、好ましくはカリウム、ナトリウムまたはカルシウムの弱酸の別種の塩、またはトリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジンまたはキノリンなどの有機塩基、または過剰量の式IIで表わされるピペラジン誘導体を好ましく添加することができる。使用される条件に依存して、反応時間は数分から14日間である;反応温度は約0〜150°、通常20〜130°である。
【0035】
さらに、式Iで表わされる化合物は、式IVで表わされるアミン化合物を、基Rを有する式Vで表わされる化合物と反応させることによって製造することができる。
一般に、各化合物は、公知であるか、またはすでに開示されている公知方法によって製造することができる。
【0036】
得られた式Iで表わされる塩基は、酸を用いて対応する酸付加塩に変換することができる。この反応に適する酸は、生理学的に許容される塩を生成させる酸である。従って、無機酸、例えば硫酸、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸または臭化水素酸)、リン酸(例えば、オルトリン酸)、硝酸、スルファミン酸を使用することができ、さらにまた有機酸、特に脂肪族、脂環族、脂肪族−芳香族、芳香族または複素環状の一塩基性または多塩基性カルボン酸、スルホン酸または硫酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、ピバリン酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマール酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、安息香酸、サリチル酸、2−フェニルプロピオン酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタン−またはエタン−スルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンモノ−およびジスルホン酸およびラウリル硫酸を使用することができる。
【0037】
式Iで表わされる遊離塩基は、所望により、追加の酸基が分子中に存在しない場合、強塩基、例えば水酸化ナトリウムまたはカリウム、もしくは炭酸ナトリウムまたはカリウムで処理することによってそれらの塩から遊離させることができる。式Iで表わされる化合物が遊離酸基を有する場合、塩形成はまた、塩基で処理することによって達成することができる。適当な塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、または一級、二級または三級アミンの形態の有機塩基である。
【0038】
本発明はまた、精神病、精神分裂病、うつ病、神経学的障害、記憶障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、ハンチントン病、摂食障害(例えば、過食症、神経性食欲不振)、月経前症候群の処置用、および/または積極情動性強迫挙動(強迫障害、OCD)用の5−HT2Aレセプター拮抗作用を有する本発明による医薬に関する。
本発明はまた、少なくとも1種の本発明による医薬およびまた必要に応じて、ベヒクルおよび/または賦形剤、および/または所望により別種の活性化合物を含有する医薬製剤に関する。この場合、医薬は、少なくとも1種の固形、液体および/または半液体ベヒクルおよび/または賦形剤とともに、および適切な場合は、1種または2種以上の追加の活性化合物と組み合わせて、適当な剤型にすることができる。
【0039】
本発明はまた、本発明による化合物および/またはそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物を、精神病、精神分裂病、うつ病、神経学的障害、記憶障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、ハンチントン病、摂食障害(例えば、過食症、神経性食欲不振)、月経前症候群の処置用の、および/または積極情動性強迫挙動(強迫障害、OCD)用の5−HT2Aレセプター拮抗作用を有する医薬の製造に使用することに関する。
【0040】
これらの医薬製剤は、ヒトまたは動物医療における医薬として使用することができる。適当な担体物質は、経腸(例えば経口)、非経口投与または局所施用に適しており、また新規化合物と反応しない有機または無機物質、例えば水、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、炭水化物(例えば乳糖またはデンプン)、ステアリン酸マグネシウム、タルクおよび石油ゼリーである。特に錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、シロップ、懸濁液、滴剤または座薬は、経腸投与に使用され、溶液、好ましくは油性または水性溶液およびまた懸濁液、エマルジョンまたはインプラントは非経口投与に使用され、および軟膏、クリームまたは粉末は局所施用に使用される。新規化合物はまた、凍結乾燥させることができ、得られる凍結乾燥物は、例えば注射製剤の製造に使用することができる。
【0041】
上記製剤は、殺菌することができおよび/または助剤、例えば滑剤、保存剤、安定剤および/または湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩類、緩衝物質、着色剤、風味付与剤および/または芳香剤を含有することができる。これらの製剤はまた、所望により1種または2種以上の追加の活性化合物、例えば1種または2種以上のビタミン類を含有することができる。
この場合、本発明による物質は一般に、公知製剤と同様に、しかしながら好ましくは投与単位あたりで約0.1〜500mg、特に5〜100mgの用量で投与することができる。一日薬用量は、好ましくは約0.01〜250mg/体重kg、特に0.02〜100mg/体重kgである。
【0042】
この場合、本発明による物質は一般に、好ましくは投与単位あたりで約1〜500mg、特に5〜100mgの用量で投与することができる。一日薬用量は、好ましくは約0.02〜10mg/体重kgである。しかしながら、対象の各患者に対する特定の薬用量は、全部の種々の因子、例えば使用される特定の化合物の効力、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与の時機および経路、および排泄速度、医薬物質の組合わせおよび治療しようとする特定の疾患の重篤度に依存する。経口投与が好ましい。
【0043】
本明細書全体をとおして、温度は全部が℃で示されている。以下の例において、「慣用の仕上げ処理」の用語は、次の意味を有するものとする:必要に応じて溶媒を除去し、必要に応じて水を添加し、必要に応じて、最終生成物の構造に対応して、この混合物のpHを2〜10に調整し、次いで酢酸エチルまたはジクロロメタンにより抽出し、この有機相を分離採取し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、次いで濃縮し、この残留物をシリカゲル上におけるクロマトグラフイにより、および/または結晶化により精製する。
【0044】
例A1
5−HT2Aレセプターの懸濁液の製造:
ラット前頭皮質を氷冷緩衝液中でホモジネート化する。このホモジネートを、4℃および50,000×gで10分間にわたり遠心処理する。このペレットを、氷冷トリス緩衝液2.5ml中に再懸濁し、追加の緩衝液により10mlにし、次いで上記のとおりに遠心処理する。このペレットを次いで、緩衝液中に再懸濁し、次いで稀釈し、物質60mg/mlを含有するホモジネートを得る。
【0045】
インキュベーション管に、この懸濁液0.1ml、[H]ケタンセリンの5nM溶液100μl、被験化合物の溶液(10−5〜10−10モル/リットルの範囲の濃度)を導入し、緩衝液で1mlにする。この管を、37℃で15分間にわたりインキュベートする。この管を氷浴中に浸すことによってインキュベーションを中断した後、冷却された懸濁液をガラスフィルターに通して減圧濾過する。この濾液を、冷緩衝液5mlで3回洗浄し、次いでシンチレーション管に移す。フィルターを、トリトン(Triton)Xシンチレーター液8ml中で液体シンチレーションを用いて分析する。
【0046】
例1
N−メチルピロリドン(NMP)60ml中の4−カルボキシインドール2.0gおよび2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウダイド8.1gの溶液を、NMP20ml中のエチルジイソプロピルアミン(EDIPA)8.2gおよび4−フェネチルピペラジン2.36gの溶液で処理し、次いで室温で3時間にわたり撹拌する。この混合物を、慣用の仕上げ処理に付し、次いで粗製生成物を得る。この生成物をアセトンに溶解し、次いで塩酸塩を水性塩酸を用いて沈殿させる。乾燥後、(1H−インドール−4−イル)−(4−フェネチルビベラジン−1−イル)メタノン、塩酸塩4.59gを得る、融点:289.3°。
【0047】
【化5】

【0048】
同様にして、下記化合物を得る:
(1H−インドール−4−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:250°;
(1H−インドール−4−イル)−[4−(チオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(1H−インドール−4−イル)−[4−(5−クロロチオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(1H−インドール−4−イル)−[4−(チオフェン−3−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(1H−インドール−4−イル)−[4−(2,5−ジクロロチオフェン−3−イル)メタノン、塩酸塩、融点:166〜168°;
【0049】
(1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(1H−インドール−5−イル)−[4−(チオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(1H−インドール−5−イル)−[4−(5−クロロチオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(1H−インドール−5−イル)−[4−(チオフェン−3−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(1H−インドール−5−イル)−[4−(2,5−ジクロロチオフェン−3−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(3−ホルミル−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:240.9°;
【0050】
(1H−インドール−6−イル)−[4−(フェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(1H−インドール−6−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:284.0〜284.4°;
(1H−インドール−6−イル)−[4−(チオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:204.2〜205.7°;
(1H−インドール−6−イル)−[4−(5−クロロフェネチル−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:251.0〜252.5°;
(1H−インドール−6−イル)−[4−(チオフェン−3−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
【0051】
(1H−インドール−6−イル)−[4−(2,5−ジクロロチオフェン−3−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:240〜241°;
(3−ホルミル−(1H−インドール−6−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(3−シアノ−1H−インドール−6−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:280°;
(1H−インドール−7−イル)−(4−フェネチルピペラジン−1−イル)メタノン、塩酸塩、融点:221°;
(1H−インドール−7−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:274°;
(1H−インドール−7−イル)−[4−(チオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
【0052】
(1H−インドール−7−イル)−[4−(5−クロロチオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:251.0〜252.5°;
(1H−インドール−7−イル)−[4−(チオフェン−3−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(1H−インドール−7−イル)−[4−(2,5−ジクロロチオフェン−3−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(3−ホルミル−1H−インドール−7−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:287°;
(3−シアノ−1H−インドール−7−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:>300°;
【0053】
(2,3−ジメチル−1H−インドール−7−イル)−(4−フェネチルピペラジン−1−イル)メタノン;
(2,3−ジメチル−1H−インドール−7−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、融点:86.5〜89°;
(2,3−ジメチル−1H−インドール−7−イル)−[4−(チオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(2,3−ジメチル−1H−インドール−7−イル)−[4−(5−クロロチオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(2,3−ジメチル−1H−インドール−7−イル)−[4−(チオフェン−3−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(2,3−ジメチル−1H−インドール−7−イル)−[4−(2,5−ジクロロチオフェン−3−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
【0054】
(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−カルバゾール−3−イル)−(4−フェネチルピペラジン−1−イル)メタノン、塩酸塩、融点:235〜237°;
(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−カルバゾール−3−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−カルバゾール−3−イル)−[4−(チオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−カルバゾール−3−イル)−[4−(5−クロロチオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−カルバゾール−3−イル)−[4−(チオフェン−3−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
【0055】
(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−カルバゾール−3−イル)−[4−(2,5−ジクロロチオフェン−3−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン;
(3−ホルミル−1H−インドール−6−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:279.3°;
(1H−インドール−6−イル)−[4−(5−クロロチオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:257.5〜259.0°;
(1H−インドール−4−イル)−[4−(5−クロロチオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:266〜267°;
【0056】
(3−シアノ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:210°;
(3−シアノ−1H−インドール−7−イル)−[4−(ナフト−2−イルエチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:284.0〜285.5°;
(3−シアノ−1H−インドール−4−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:284.0〜285.5°;
(3−シアノ−1H−インドール−4−イル)−[4−(2−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:213〜215.5°;
【0057】
(3−シアノ−1H−インドール−7−イル)−[4−(2−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:212.5〜214°;
(3−アミノ−1H−インドール−7−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:280〜281°;
(3−シアノ−1H−インドール−7−イル)−[4−(4−フルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、メタンスルホン酸塩、融点:212.5〜214°;
(3−シアノ−1H−インドール−7−イル)−[4−(5−クロロチオフェン−2−イル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:301.5〜303.0°;
【0058】
(3−シアノ−1H−インドール−7−イル)−(4−フェネチル−ピペラジン−1−イル)メタノン、メタンスルホン酸塩、融点:294.7〜297°;
(3−シアノ−1H−インドール−7−イル)−[4−(2,4−ジフルオロフェネチル)ピペラジン−1−イル]メタノン、塩酸塩、融点:295.6〜297.0°;
7−{4−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]ピペラジン−1−カルボニル}−1H−インドール−2,3−ジオン。
【0059】
下記例は、医薬製剤に関するものである。
例A:注射バイアル
二重蒸留水3リットル中の式Iで表わされる活性化合物100gおよびリン酸水素2ナトリウム5gの溶液のpHを2N塩酸を用いて6.5に調整し、殺菌濾過し、注射バイアルに充填し、凍結乾燥させ、次いで無菌条件下に密封する。各注射バイアルは、活性化合物5mgを含有する。
例B:座薬
式Iで表わされる活性化合物20gと大豆レシチン100gおよびカカオ脂1400gとの混合物を、溶融し、型に注入し、次いで冷却させる。各座薬は、活性化合物20mgを含有する。
【0060】
例C:溶液
二重蒸留水940ml中の式Iで表わされる活性化合物1g、NaHPO×2HO9.38g、NaHPO×12HO28.48gおよびベンザルコニウムクロライド0.1gから溶液を調製する。pH6.8に調整し、1リットルまで満たし、次いで照射により殺菌する。この溶液は点眼剤として使用することができる。
例D:軟膏
式Iで表わされる活性化合物500gを、無菌条件下に、石油ゼリー99.5gと混合する。
【0061】
例E:錠剤
式Iで表わされる活性化合物1kg、乳糖4kg、ジャガイモデンプン1.2kg、タルク0.2gおよびステアリン酸マグネシウム0.1kgの混合物を慣用の方法で圧縮し、各錠剤が活性化合物10mgを含有するように錠剤を形成する。
例F:被覆錠剤
例Eと同様にして、錠剤を圧縮成形し、次いでショ糖、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントガムおよび着色剤のコーティングにより、慣用の方法で被覆する。
【0062】
例G:カプセル剤
式Iで表わされる活性化合物2kgを、各カプセルが活性化合物20mgを含有するように、慣用の方法で硬質ゼラチンカプセルに充填する。
例H:アンプル
二重蒸留水60リットル中の式Iで表わされる活性化合物1kgの溶液を、アンプルに充填し、無菌条件下に凍結乾燥させ、次いで無菌条件下に密封する。各アンプルは、活性化合物10mgを含有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

式中、
1は、フェニルまたはナフチル基であり、これらの基はそれぞれ、未置換であるか、またはRおよび/またはRにより置換されており、またはHetであり、
およびRは、それぞれ相互に独立して、Hal、A、OA、OHまたはCNであり、
は、H、CN、アシル、Hal、A、OA、OH、CONH、CONHAまたはCONAであり、
は、Hであり、
およびRはまた一緒になって、炭素原子3〜5個を有するアルキレン基であり、
Hetは、一環状または二環状の不飽和ヘテロ環状環系であり、この環は未置換であるか、または1個または2個のHal、A、OAまたはOHにより置換されていて、またこの基は1個、2個または3個の窒素、酸素またはイオウ原子などの同一または相違するヘテロ原子を含有し、
Aは、炭素原子1〜6個を有するアルキル基であり、
Halは、F、Cl、BrまたはIであり、および前記
インドール環はイサチン単位により置き換えられていてもよく、
ただし(1H−インドール−5−イル)−(4−フェネチルピペラジン−1−イル)メタノンおよび1−((5−メトキシ−1H−インドール−7−イル)カルボニル)−4−(2−フェニルエチル)ピペラジンは除外する
で表わされる化合物およびその生理学的に許容される塩および溶媒和物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物[ただし(1H−インドール−5−イル)−(4−フェネチルピペラジン−1−イル)メタノンおよび1−((5−メトキシ−1H−インドール−7−イル)カルボニル)−4−(2−フェニルエチル)ピペラジンは除外する]の製造方法であって、
a)式II:
【化2】

(式中、Lは、Cl、BrまたはIであるか、または遊離のまたは反応官能性に変性されているOH基であり、およびRおよびRは、請求項1に定義されているとおりである)
で表わされる化合物を、式III:
【化3】

式中、Rは、請求項1に定義されているとおりである
で表わされる化合物と反応させること、または
b)式IV:
【化4】

式中、RおよびRは、請求項1に定義されているとおりである
で表わされる化合物を、式V:
L−CH−CH−R1
式中、Lは、Cl、BrまたはIであるか、または遊離のまたは反応官能性に変性されているOH基であり、およびRは、請求項1に定義されているとおりである
で表わされる化合物と反応させること、または
c)所望により、基R、RおよびRの一つを、例えばOA基の分裂によりOH基を形成することによって、および/またはCHO基をCN基に変換することによって、別のR、Rおよび/またはRに変換すること、および/または
生成した式Iで表わされる塩基を、酸で処理することによってその塩の1種に変換すること、
を特徴とする上記製造方法。
【請求項3】
医薬としての請求項1に記載の式Iで表わされる化合物、およびそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物[ただし(1H−インドール−5−イル)(4−フェネチルピペラジン−1−イル)メタノンおよび1−((5−メトキシ−1H−インドール−7−イル)カルボニル)−4−(2−フェニルエチル)ピペラジンは除外する]。
【請求項4】
5−HT2Aレセプター拮抗作用を有する医薬としての、請求項1に記載の式Iで表わされる化合物、およびそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物。
【請求項5】
精神病、精神分裂病、うつ病、神経学的障害、記憶障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、ハンチントン病、摂食障害(例えば、過食症、神経性食欲不振)、月経前症候群の処置用、および/または積極情動性強迫障害(OCD)用の、請求項4に記載の医薬。
【請求項6】
少なくとも1種の請求項5に記載の医薬、および所望により、賦形剤および/または助剤、および所望により、別種の活性成分を含む医薬製剤。
【請求項7】
5−HT2Aレセプター拮抗作用を有する医薬の製造における、請求項1に記載の化合物、および/またはその生理学的に許容される塩および溶媒和物の使用。
【請求項8】
精神病、精神分裂病、うつ病、神経学的障害、記憶障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、ハンチントン病、摂食障害(例えば、過食症、神経性食欲不振)、月経前症候群の処置用、および/または積極情動性強迫障害(OCD)用の医薬の製造における、請求項7に記載の使用。

【公開番号】特開2012−6940(P2012−6940A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166851(P2011−166851)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【分割の表示】特願2001−512519(P2001−512519)の分割
【原出願日】平成12年7月7日(2000.7.7)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】