説明

P2X7調節薬としてのジヒドロピリドンアミド

式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩(式中m、n、R、R、R、R、およびRは、本明細書において定義された通りである)。また、前記化合物を製造するための方法、およびP2X7プリン受容体に関連する疾患の処置に前記化合物を使用する方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、P2Xプリン受容体に関連する疾患を処置するために有用な化合物、より具体的には、自己免疫および炎症性の疾患を処置するために使用可能なP2X調節薬に関する。
【0002】
P2Xプリン受容体は、7つのサブタイプを有するATP活性化イオンチャネル型受容体である。P2X7受容体のサブタイプ(P2Z受容体としても公知である)は、マスト細胞、末梢マクロファージ、リンパ球、赤血球、繊維芽細胞および表皮のランゲルハンス細胞にみられる、リガンド開口型イオンチャネルである。このような免疫系細胞上のP2X7受容体が活性化されると、インターロイキン−1βの放出となる。(Solle et al., J. Biol. Chemistry 276,125-132, (2001))。P2X受容体は、中枢神経系内の小膠細胞、シュワン細胞および星状細胞でもみられる(Donnelly-Roberts et al., Br. J. Pharmacol. 151, 571-579 (2007))。P2X7のアンタゴニストは、P2X7媒介性IL−1β放出およびP2X7介在カチオンフラックスをブロックすることが示されている(Stokes et al., Br. J. Pharmacol. 149, 880-887 (2006))。P2X7受容体欠損マウスは、機械的および熱的刺激に対して、炎症性および神経因性の過敏症を示さない(Chessell et al., Pain 114, 386-396 (2005))。したがって、P2X7は、炎症反応(Ferrari et al., J. Immunol. 176, 3877-3883 (2006))、ならびに慢性疼痛の発病および持続(Honore et al., J. Pharmacol. Ex. Ther. 319, 1376-1385 (2006b))において何らかの役割を有していると考えられる。
【0003】
したがって、P2X7受容体の調節薬は、関節リウマチ、変形性関節症、乾癬、アレルギー性皮膚炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、気道過敏症、敗血症性ショック、糸球体腎炎、過敏性腸疾患、糖尿病およびクローン病などの病状の処置において有用性を有する可能性がある。また、P2X7調節薬は、慢性疼痛、神経因性疼痛、ならびに炎症過程および変性状態に関連する疼痛を含む疼痛を処置するためにも有用であり得る。
【0004】
したがって、P2X受容体のアンタゴニストを含む、P2X受容体の調節薬として作用する化合物に加えて、P2Xによって介在される疾患、症状および障害を処置する方法が必要とされている。本発明は、他の要求に加えてこれらの要求も満たす。
【0005】
本発明は、式I:
【0006】
【化1】


で示される化合物、またはその薬学的に許容しうる塩を提供する
(式中、
mは、0または1であり;
nは、0または1であり;
は:
場合により置換されているアリール;
場合により置換されているヘテロアリール;
1−6アルキル;または アダマンチルであり;
は:
場合により置換されているアリール;
場合により置換されているヘテロアリール;
3−6シクロアルキル;または
3−6分岐鎖アルキルであり;そして R、RおよびRはそれぞれ独立して:
水素;または
1−6アルキルである)。
【0007】
また、本発明は、前記化合物を含む医薬組成物、前記化合物を使用する方法、および前記化合物を調製する方法を提供する。
【0008】
定義
特に明記しない限り、明細書および特許請求の範囲を含む本願で使用される以下の用語は、以下に示す定義を有する。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈上特に断りのない限り、複数の対象を含むことに留意しなければならない。
【0009】
「アルキル」は、1〜12個の炭素原子を有する、炭素原子および水素原子のみからなる、一価の直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素部分を意味する。「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子のアルキル基、すなわち、C−Cアルキルを指す。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシルなどを含むが、これらに限定されない。
【0010】
「アルケニル」は、少なくとも1個の二重結合を含む、2〜6個の炭素原子の一価の直鎖炭化水素基、または3〜6個の炭素原子の一価の分岐鎖炭化水素基、例えばエテニル、プロペニルなどを意味する。
【0011】
「アルキニル」は、少なくとも1個の三重結合を含む、2〜6個の炭素原子の一価の直鎖炭化水素基、または3〜6個の炭素原子の一価の分岐鎖炭化水素基、例えばエチニル、プロピニルなどを意味する。
【0012】
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の二価の直鎖飽和炭化水素基、または3〜6個の炭素原子の二価の分岐鎖の飽和炭化水素基、例えばメチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなどを意味する。
【0013】
「アルコキシ」および「アルキルオキシ」は、互換的に用いることができ、式−OR(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキル部分である)で示される部分を意味する。アルコキシ部分の例は、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシなどを含むが、これらに限定されない。
【0014】
「アルコキシアルキル」は、式R−O−R−(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキルであり、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンである)で示される部分を意味する。例示的なアルコキシアルキル基は、一例として、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メチル−2−メトキシエチル、1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピル、および1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピルを含む。
【0015】
「アルコキシアルコキシ」は、式−O−R−R’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は本明細書において定義される通りのアルコキシである)で示される基を意味する。
【0016】
「アルキルカルボニル」は、式−C(O)−R(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキルである)で示される部分を意味する。
【0017】
「アルコキシカルボニル」は、式−C(O)−R(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルコキシである)で示される基を意味する。
【0018】
「アルキルカルボニルアルキル」は、式−R−C(O)−R’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は本明細書において定義される通りのアルキルである)で示される基を意味する。
【0019】
「アルコキシカルボニルアルキル」は、式−R−C(O)−R’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は本明細書において定義される通りのアルコキシである)で示される基を意味する。
【0020】
「アルコキシカルボニルアルコキシ」は、式−O−R−C(O)−R’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は本明細書において定義される通りのアルコキシである)で示される基を意味する。
【0021】
「ヒドロキシカルボニルアルコキシ」は、式−O−R−C(O)−OH(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンである)で示される基を意味する。
【0022】
「アルキルアミノカルボニルアルコキシ」は、式−O−R−C(O)−NHR’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は本明細書において定義される通りのアルキルである)で示される基を意味する。
【0023】
「アルキルアミノアルコキシ」は、式−OR−NHR’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は本明細書において定義される通りのアルキルである)で示される基を意味する。
【0024】
「アルキルスルホニル」は、式−SO−R(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキルである)で示される部分を意味する。
【0025】
「アルキルスルホニルアルキル」は、式−R’−SO−R’’(式中、R’は本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’’は本明細書において定義される通りのアルキルである)で示される部分を意味する。
【0026】
「アルキルスルホニルアルコキシ」は、式−O−R−SO−R’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は本明細書において定義される通りのアルキルである)で示される基を意味する。
【0027】
「アミノ」は、式−NRR’(式中、RおよびR’は、それぞれ独立して、水素または本明細書において定義される通りのアルキルである)で示される部分を意味する。したがって、アミノは、「アルキルアミノ(式中、RおよびR’のうち一方はアルキルであり、他方は水素である)および「ジアルキルアミノ(式中、RおよびR’は両方ともアルキルである)」を含む。
【0028】
「アミノカルボニル」は、式−C(O)−R(式中、Rは本明細書において定義される通りのアミノである)で示される基を意味する。
【0029】
「アルコキシアミノ」は、式−NR−OR’(式中、Rは水素または本明細書において定義される通りのアルキルであり、R’は本明細書において定義される通りのアルキルである)で示される部分を意味する。
【0030】
「アルキルスルファニル」は、式−SR(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキルである)で示される部分を意味する。
【0031】
「アミノアルキル」は、基−R−R’(式中、R’は本明細書において定義される通りのアミノであり、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンである)を意味する。「アミノアルキル」は、アミノメチル、アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピルなどを含む。「アミノアルキル」のアミノ部分は、それぞれ、1回または2回アルキルで置換されて、「アルキルアミノアルキル」および「ジアルキルアミノアルキル」を与えることができる。「アルキルアミノアルキル」は、メチルアミノメチル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノエチルなどを含む。「ジアルキルアミノアルキル」は、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、N−メチル−N−エチルアミノエチルなどを含む。
【0032】
「アミノアルコキシ」は、基−OR−R’(式中、R’は本明細書において定義される通りのアミノであり、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンである)を意味する。
【0033】
「アルキルスルホニルアミド」は、式−NR’SO−R(式中、Rはアルキルであり、R’は水素またはアルキルである)で示される部分を意味する。
【0034】
「アミノカルボニルオキシアルキル」または「カルバミルアルキル」は、式−R−O−C(O)−NR’R’’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’、R’’は、それぞれ独立して、水素または本明細書において定義される通りのアルキルである)で示される基を意味する。
【0035】
「アルキニルアルコキシ」は、式−O−R−R’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は本明細書において定義される通りのアルキニルである)で示される基を意味する。
【0036】
「アリール」は、単環式、二環式、または三環式の芳香環からなる一価の環式芳香族炭化水素部分を意味する。アリール基は、場合により、本明細書における定義の通り置換されてもよい。アリール部分の例は、フェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンズオキサジノニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニルなどを含むが、これらに限定されず、これらの部分的水素化誘導体も含み、それぞれ場合により置換されてもよい。
【0037】
「アリールアルキル」および「アラルキル」は、互換的に用いることができ、基−R(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレン基であり、Rは本明細書において定義される通りのアリール基である)を意味し;例えば、ベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2−メチルペンチルなどのフェニルアルキルがアリールアルキルの例である。
【0038】
「アリールスルホニル」は、式−SO−R(式中、Rは本明細書において定義される通りのアリールである)で示される基を意味する。
【0039】
「アリールオキシ」は、式−O−R(式中、Rは本明細書において定義される通りのアリールである)で示される基を意味する。
【0040】
「アラルキルオキシ」は、式−O−R−R’’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は本明細書において定義される通りのアリールである)で示される基を意味する。
【0041】
「カルボキシ」または「ヒドロキシカルボニル」は、互換的に用いることができ、式−C(O)−OHで示される基を意味する。
【0042】
「シアノアルキル」は、式−R’−R’’(式中、R’は本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’’はシアノまたはニトリルである)で示される部分を意味する。
【0043】
「シクロアルキル」は、単環式または二環式の環からなる一価の飽和炭素環式部分を意味する。好ましいシクロアルキルは、非置換であるか、またはアルキルで置換されている。シクロアルキルは、場合により1つ以上の置換基で置換されてもよく、各置換基は、特に具体的に指示しない限り、独立してヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノである。シクロアルキル部分の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどを含むが、これらに限定されず、これらの部分的に不飽和である(シクロアルケニル)誘導体も含む。
【0044】
「シクロアルキルアルキル」は、式−R’−R’’(式中、R’は本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’’は本明細書において定義される通りのシクロアルキルである)で示される部分を意味する。
【0045】
「シクロアルキルアルコキシ」は、式−O−R−R’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は本明細書において定義される通りのシクロアルキルである)で示される基を意味する。
【0046】
「ヘテロアルキル」は、本明細書に定義される通りのアルキル基であって、ヘテロアルキル基の結合点が炭素原子であるという了解の下、1、2、または3個の水素原子が、独立して−OR、−NR、および−S(O)(式中、nは0〜2の整数である)からなる群より選択される置換基で置換されており、式中、Rは水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり;RおよびRは、互いに独立して水素、アシル、アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり;nが0であるとき、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり、そしてnが1または2であるとき、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアシルアミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである、アルキル基を意味する。代表的な例は、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピルなどを含むが、これらに限定されない。
【0047】
「ヘテロアリール」は、ヘテロアリール基の結合点が芳香環に存在するという了解の下、N、OまたはSから選択される1、2、または3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子はCである少なくとも1個の芳香環を有する5〜12個の環原子の単環式または二環式の基を意味する。ヘテロアリールは、場合により、本明細書における定義の通り置換されてもよい。ヘテロアリール部分の例は、場合により置換されているイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、ベンゾチエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニルなどを含むが、これらに限定されず、これらの部分的に水素化された誘導体も含み、それぞれ場合により置換されている。
【0048】
「ヘテロアリールアルキル」または「ヘテロアラルキル」は、式−R−R’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’’は本明細書において定義される通りのヘテロアリールである)で示される基を意味する。
【0049】
「ヘテロアリールスルホニルは、式−SO−R(式中、Rは本明細書において定義される通りのヘテロアリールである)で示される基を意味する。
【0050】
「ヘテロアリールオキシ」は、式−O−R(式中、Rは本明細書において定義される通りのヘテロアリールである)で示される基を意味する。
【0051】
「ヘテロアラルキルオキシ」は、式−O−R−R’’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’’は本明細書において定義される通りのヘテロアリールである)で示される基を意味する。
【0052】
用語「ハロ」、「ハロゲン」および「ハロゲン化物」は、互換的に使用することができ、置換基フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを指す。
【0053】
「ハロアルキル」は、1個以上の水素が同じであるかまたは異なるハロゲンで置換されている、本明細書において定義される通りのアルキルを意味する。例示的なハロアルキルは、−CHCl、−CHCF、−CHCCl、ペルフルオロアルキル(例えば−CF)などを含む。
【0054】
「ハロアルコキシ」は、式−OR(式中、Rは本明細書において定義される通りのハロアルキルである)で示される部分を意味する。例示的なハロアルコキシは、ジフルオロメトキシである。
【0055】
「ヘテロシクロアミノ」は、少なくとも1個の環原子がN、NH、またはN−アルキルであり、残りの環原子がアルキレン基を形成する飽和環を意味する。
【0056】
「ヘテロシクリル」は、1〜3個の環からなり、1、2、または3、または4個のヘテロ原子(窒素、酸素または硫黄から選択される)が組み込まれた、一価の飽和部分を意味する。ヘテロシクリル環は、場合により、本明細書において定義されるように置換されてもよい。ヘテロシクリル部分の例は、場合により置換されているピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0057】
「ヘテロシクリルアルキル」は、式−R−R’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は本明細書において定義される通りのヘテロシクリルである)で示される部分を意味する。
【0058】
「ヘテロシクリルオキシ」は、式−OR(式中、Rは本明細書において定義される通りのヘテロシクリルである)で示される部分を意味する。
【0059】
「ヘテロシクリルアルコキシ」は、式−OR−R’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は本明細書において定義される通りのヘテロシクリルである)で示される部分を意味する。
【0060】
「ヒドロキシアルコキシ」は、式−OR(式中、Rは本明細書において定義される通りのヒドロキシアルキルである)で示される部分を意味する。
【0061】
「ヒドロキシアルキルアミノ」は、式−NR−R’(式中、Rは水素または本明細書において定義される通りのアルキルであり、R’は本明細書において定義される通りのヒドロキシアルキルである)で示される部分を意味する。
【0062】
「アルコキシアルキルアミノアルキル」は、式―R−NR’−R’’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は水素または本明細書において定義される通りのアルキルであり、R’’は、本明細書において定義される通りのアルコキシアルキルである)で示される部分を意味する。
【0063】
「ヒドロキシアルキルアミノアルキル」は、式−RNR’−R’’(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンであり、R’は水素または本明細書において定義される通りのアルキルであり、R’’は、本明細書において定義される通りのヒドロキシアルキルである)で示される部分を意味する。
【0064】
「ヒドロキシカルボニルアルキル」または「カルボキシアルキル」は、式−R−(CO)−OH(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンである)で示される基を意味する。
【0065】
「ヒドロキシカルボニルアルコキシ」は、式−O−R−C(O)−OH(式中、Rは本明細書において定義される通りのアルキレンである)で示される基を意味する。
【0066】
「ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル」または「ヒドロキシアルコキシカルボニルアルキル」は、式−R−C(O)−O−R−OH(式中、各Rはアルキレンであり、同じであっても異なってもよい)で示される基を意味する。
【0067】
「ヒドロキシアルキル」は、1個以上、好ましくは1、2、または3個のヒドロキシ基で置換された、本明細書において定義される通りのアルキル部分を意味する(ただし、同じ炭素原子は、1個超のヒドロキシ基を有さない)。代表的な例は、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル、および2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピルを含むが、これらに限定されない。
【0068】
「ヒドロキシシクロアルキル」は、シクロアルキル基中の1、2、または3個の水素原子がヒドロキシ置換基で置換された、本明細書において定義される通りのシクロアルキル部分を意味する。代表的な例は、2−、3−または4−ヒドロキシシクロヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。
【0069】
「尿素」または「ウレイド」は、式−NR’−C(O)−NR’’R’’’(式中、R’、R’’、およびR’’’は、それぞれ独立して水素またはアルキルである)で示される基を意味する。
【0070】
「カルバマート」は、式−O−C(O)−NR’R’’(式中、R’およびR’’は、それぞれ独立して水素またはアルキルである)で示される基を意味する。
【0071】
「カルボキシ」は、式−O−C(O)−OHで示される基を意味する。
【0072】
「スルホンアミド」は、式−SO−NR’R’’(式中、R’、R’’、およびR’’’は、それぞれ独立して水素またはアルキルである)で示される基を意味する。
【0073】
「場合により置換されている」は、「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」「シクロアルキル」または「ヘテロシクリル」に関連して使用されるとき、場合により独立して、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、−COR、−SOR(式中、Rは水素、アルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)、−(CR’R’’)−COOR(式中、nは0〜5の整数であり、R’およびR’’は独立して水素またはアルキルであり、Rは水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)、または−(CR’R’’)−CONR(式中、nは0〜5の整数であり、R’およびR’’は独立して水素またはアルキルであり、RおよびRは互いに独立して水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)から選択される、1〜4個の置換基、好ましくは1または2個の置換基で置換された、アリール、フェニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリルを意味する。「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」、「シクロアルキル」、または「ヘテロシクリル」にとって好ましい特定の任意の置換基は、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、アミノおよびアルキルスルホニルを含む。より好ましい置換基は、メチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシ、アミノ、およびメタンスルホニルである。
【0074】
「脱離基」は、有機合成化学において、慣習的にそれに関連する意味を有する基、すなわち置換反応条件下で置換可能な原子または基を意味する。脱離基の例は、ハロゲン、アルカン−またはアリーレンスルホニルオキシ、例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、およびチエニルオキシなど、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されているベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシなどを含むが、これらに限定されない。
【0075】
「調節薬」は、標的と相互作用する分子を意味する。前記相互作用は、本明細書において定義される通り、アゴニスト、アンタゴニストなどを含むが、これらに限定されない。
【0076】
「任意の」または「場合により」は、その後に記載される事象または状況が生じる可能性はあるが、生じる必要はなく、そしてその記載が、前記事象または状況が生じる場合、および前記事象または状況が生じない場合を含むことを意味する。
【0077】
「疾患」および「病状」は、任意の疾患、症状、病徴、障害または徴候を意味する。
【0078】
「不活性有機溶媒」または「不活性溶媒」は、溶媒が、これらと併せて記載される反応条件下で不活性であることを意味し、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレンまたはジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなどを含む。特に逆の指定のない限り、本発明の反応で使用される溶媒は不活性溶媒である。
【0079】
「薬学的に許容しうる」は、一般に安全で、無毒で、生物学的にも他の意味でも不所望ではなく、そして、獣医学的およびヒトの薬学的使用のために許容しうる医薬組成物の調製において有用であることを意味する。
【0080】
化合物の「薬学的に許容しうる塩」は、本明細書において定義されるように、薬学的に許容することができ、そして親化合物の望ましい薬理学的活性を有する塩を意味する。このような塩は、以下を含む:
塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸とともに形成される酸付加塩;または、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸(hydroxynaphtoic acid)、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸などの有機酸とともに形成される酸付加塩;または
親化合物の中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンにより置換されたときに形成される塩類;または有機もしくは無機塩基が配位した塩。許容しうる有機塩基は、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミンなどを含む。許容しうる無機塩基は、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、および水酸化ナトリウムを含む。
【0081】
好ましい薬学的に許容しうる塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛およびマグネシウムから形成される塩である。
【0082】
薬学的に許容しうる塩類に対するすべての言及が、同じ酸付加塩の、本明細書において定義される通りの溶媒付加形態(溶媒和物)または結晶形(多形)を含むと理解すべきである。
【0083】
「保護基(Protective group)」または「保護基(protecting group)」は、合成化学において慣習的にそれに関連する意味で、ある非保護反応部位で化学反応を選択的に実施することができるように、多官能性化合物における別の反応部位を選択的にブロックする化学基を意味する。本発明の特定の工程は、保護基に依存して、反応物中に存在する反応性窒素および/または酸素原子をブロックする。例えば、「アミノ保護基」、および「窒素保護基」という用語は、本明細書において互換的に使用され、合成手順中に不所望の反応から窒素原子を保護することを意図する有機基を指す。例示的な窒素保護基は、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)などを含むが、これらに限定されない。当業者は、除去の容易さ、および以下の反応に耐える能力について基を選択する方法を知るであろう。
【0084】
「溶媒和物」は、化学量論的または非化学量論的のいずれかの量の溶媒を含有する溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物は、固定モル比の結晶性固体状態の溶媒分子を捕捉し、それにより、溶媒和物を形成する傾向を有する。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1個以上の水分子と、内部で水がその分子状態をHOとして保持している物質のうち1つとの組み合わせにより形成され、このような組み合わせは、1つ以上の水和物を形成することができる。
【0085】
「被験体」は、哺乳類および非哺乳類を意味する。哺乳類は、ヒト;チンパンジーおよび他の類人猿などの非ヒト霊長類、ならびにサル種;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギおよびブタなどの家畜;ウサギ、イヌおよびネコなどの家庭動物;ラット、マウスおよびモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物;などを含むが、これらに限定されない哺乳綱の任意のメンバーを意味する。非哺乳類の例は、鳥類などを含むが、これらに限定されない。用語「被験体」は、特定の年齢または性別を意味するものではない。
【0086】
「関節炎」は、身体の関節に損傷を与える疾患または症状、およびこのような関節の損傷に関連する疼痛を意味する。関節炎は、関節リウマチ、変形性関節症、乾癬性関節炎、敗血症性関節炎、および痛風性関節炎を含む。
【0087】
「疼痛」は、炎症性疼痛;術後疼痛;内臓痛;歯痛;月経前疼痛;中枢疼痛;熱傷に起因する疼痛;片頭痛または群発頭痛;神経損傷;神経炎;神経痛;中毒;虚血傷害;間質性膀胱炎;癌性疼痛;ウイルス、寄生虫、または細菌感染症;外傷後傷害;あるいは、過敏性腸症候群に関連する疼痛を含むが、これらに限定されない。
【0088】
「治療上有効量」は、ある病状を治療するために被験体に投与されたとき、前記病状を治療するのに十分な化合物の量を意味する。「治療上有効量」は、化合物、治療されている病状、重症度または治療される疾患、被験者の年齢および相対的な健康、投与の経路および形態、参加する医師または獣医師の判断、ならびに他の要因に依存して変化する。
【0089】
用語「上に定義された」および「本明細書において定義される」は、変数に言及するとき、広い定義の変数に加えて、存在する場合、好ましい、より好ましい、および最も好ましい定義も参照することにより組み込む。
【0090】
病状を「処置すること」または「処置」は、以下を含む:
(i)病状の予防、すなわち、病状に曝されるか、または病状に罹患しやすい可能性があるが、未だ病状を経験していないか、または病状の病徴を示していない被験体において病状の臨床症状を発生させないこと、
(ii)病状の阻害、すなわち、病状またはその臨床症状の発生を妨げること、あるいは
(iii)病状の軽減、すなわち、病状またはその臨床症状を一時的または永続的に後退させること。
【0091】
用語「処理」、「接触」、および「反応」は、化学反応に言及するとき、示されたおよび/または望ましい生成物を生成するのに適切な条件下で2つ以上の試薬を添加または混合することを意味する。指示されたおよび/または望ましい生成物を生成する反応は、必ずしも最初に添加された2つの試薬の組み合わせから直接得られる訳ではない、すなわち、混合物中で生成される1つ以上の中間体が存在し、それが最終的に指示されたおよび/または望ましい生成物の形成を導く場合もあることを理解すべきである。
【0092】
命名法および構造
一般的に、本願において使用される命名法は、IUPACの体系的命名法を作成するためにBeilstein Instituteによりコンピュータ化されたシステムであるAUTONOM(商標)v.4.0に基づく。本明細書に示される化学構造は、ISIS(登録商標)バージョン2.2を使用して作成した。特に指示しない限り、本明細書における構造中の炭素、酸素、硫黄、または窒素原子に出現する任意の空の結合価(open valency)は、水素原子の存在を示す。窒素含有ヘテロアリール環が窒素原子において空の結合価とともに示される場合、R、RまたはRなどの変数は、ヘテロアリール環上に示され、このような変数は、空の結合価を有する窒素に結合または接合することができる。キラル中心が構造中に存在するが、キラル中心について特定の立体化学が示されない場合、前記構造は、キラル中心に関連した両方の鏡像異性体を包含する。本明細書において示される構造が複数の互変異性体形態で存在し得る場合、前記構造は、このような互変異性体をすべて包含する。
【0093】
本明細書において特定される特許および刊行物はすべて、全体を参照により本明細書に組込む。
【0094】
本発明の化合物
本発明は、式I:
【0095】
【化2】


で示される化合物、またはその薬学的に許容しうる塩を提供する
(式中、
mは、0または1であり;
nは、0または1であり;
は:
場合により置換されているアリール;
場合により置換されているヘテロアリール;または
アダマンチルであり;
は:
場合により置換されているアリール;
場合により置換されているヘテロアリール;
3−6シクロアルキル;
1−6アルキル;または
3−6分岐鎖アルキルであり;そして
は:
水素;
1−6アルキル;
アルキルカルボニルアルキル;または
アルコキシカルボニルアルキルであり;
およびRはそれぞれ独立して:
水素;または
1−6アルキルである)。
【0096】
式Iの特定の態様では、R、RおよびRは水素である。
【0097】
式Iの特定の態様では、mは0である。
【0098】
式Iの特定の態様では、nは0である。
【0099】
式Iの特定の態様では、Rは、水素である。
【0100】
式Iの特定の態様では、Rは、水素である。
【0101】
式Iの特定の態様では、Rは、水素である。
【0102】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により置換されているアリールである。
【0103】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により置換されているフェニルである。
【0104】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により1、2、3または4回置換されているフェニルであり、置換基(単数または複数)は、それぞれ独立して、ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;C1−6アルキルスルファニル;C1−6アルキルスルフィニル;フェニル部分が場合によりC1−6アルキルで置換されているフェニルスルホニル;ニトリル;ヒドロキシ;C1−6アルキルカルボニル;アミノカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシカルボニル;ヒドロキシカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルアミノカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルキル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシ;アミノ;アミノ−C1−6アルキル;C1−6アルケニル;C1−6アルキニル;モルホリニル;モルホリニル−C1−6アルキル;ピペラジニル;ピペリジニルオキシ;アミノカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルコキシアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルコキシ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;ジ(ヒドロキシ−C1−6アルキル)アミノ−C1−6アルキル;C1−6アルコキシカルボニルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルキルカルボニルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルキルアミノカルボニル;C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル;C1−6アルキルアミノカルボニル−C1−6アルキル;ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル−C1−6アルキル;C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;ヒドロキシカルボニル−C1−6アルキル;またはニトロから選択されるか;あるいは、2つの隣接する置換基が、C1−2アルキレンジオキシ、またはハロ−C1−2アルキレンジオキシを形成してもよい。
【0105】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により1、2、3または4回置換されているフェニルであり、置換基(単数または複数)は、それぞれ独立して、ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;C1−6アルキルスルファニル;C1−6アルキルスルフィニル;フェニル部分が場合によりC1−6アルキルで置換されているフェニルスルホニル;ニトリル;ヒドロキシ;C1−6アルキルカルボニル;アミノカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシカルボニル;ヒドロキシカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルアミノカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルキル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシ;アミノ;アミノ−C1−6アルキル;C1−6アルケニル;C1−6アルキニル;モルホリニル;モルホリニル−C1−6アルキル;ピペラジニル;ピペリジニルオキシ;アミノカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルコキシアミノ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルコキシカルボニルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルキルカルボニルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルキルアミノカルボニル;C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル;C1−6アルキルアミノカルボニル−C1−6アルキル;C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;ヒドロキシカルボニル−C1−6アルキル;またはニトロから選択されるか;あるいは、2つの隣接する置換基が、C1−2アルキレンジオキシまたはハロ−C1−2アルキレンジオキシを形成してもよい。
【0106】
式Iの特定の態様では、Rは、1、2、3または4回置換されているフェニルであり、置換基(単数または複数)は、それぞれ独立して、フルオロ;クロロ;ブロモ;ヨード;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;トリフルオロメトキシ;メタンスルホニル;メタンスルファニル;メタンスルフィニル;トルエンスルホニル;ニトリル;アセチル;アミノカルボニル;メトキシカルボニル;メトキシカルボニルメトキシ;カルボキシ;ヒドロキシカルボニルメトキシ;メチルアミノカルボニルメトキシ;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;メチルアミノエトキシ;メタンスルホニルプロピルオキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;シクロプロピルメトキシ;アミノ;またはニトロ;モルホリニル;N,N−ジメチルアミノカルボニルメトキシ;boc−ピペラジニル;N−(2−メトキシエチル)−N−メチルアミノメチル;N,N−ジメチルアミノメチル;アミノメチル;boc−アミノメチル;メチルカルボニルアミノメチル;N,N−ジ−(2−ヒドロキシエチル)−アミノメチル;モルホリニルメチル;2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル;メチルアミノカルボニル;ピペリジニルオキシ;tert-ブトキシカルボニルメチル;N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル;n−プロピル;イソプロピル;ヒドロキシカルボニルメチル;ヒドロキシプロポキシから選択されるか;あるいは、2つの隣接する置換基が、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、またはジフルオロメチレンジオキシを形成してもよい。
【0107】
式Iの特定の態様では、Rは、1、2、3または4回置換されているフェニルであり、置換基(単数または複数)は、それぞれ独立して、ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;ニトリル;C1−6アルキコキシ−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキルアミノ;C1−2アルキレンジオキシ;又はC3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシから選択される。
【0108】
式Iの特定の態様では、Rは、1、2、3または4回置換されているフェニルであり、置換基(単数または複数)は、それぞれ独立して、フルオロ;クロロ;ブロモ;ヨード;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;メタンスルホニル;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロポキシ;メチレンジオキシ;またはエチレンジオキシから選択される。
【0109】
式Iの特定の態様では、Rは、2または3回置換されているフェニルであり、置換基は、それぞれ独立して、フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;ジフルオロメトキシ;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロポキシ;メチレンジオキシ;またはエチレンジオキシから選択される。
【0110】
式Iの特定の態様では、Rは、2または3回置換されているフェニルであり、置換基は、それぞれ独立して、フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;およびメトキシから選択される。
【0111】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により1、2または3回置換されているフェニルであり、置換基(単数または複数)は、それぞれ独立して、フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;またはシクロプロピルメトキシから選択される。
【0112】
式Iの特定の態様では、Rは、2−ブロモ−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−フルオロ−5−メトキシ−フェニル;2,4−ジクロロ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル;2−ブロモ−4,5−ジクロロ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−ヨード−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル;2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−メタンスルファニル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−メタンスルホニル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−メタンスルフィニル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−フルオロ−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−4−メトキシカルボニル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−ヒドロキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(メチルアミノ−カルボニル−メトキシ)−フェニル;2−メチル−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシカルボニル−フェニル;2−ブロモ−4−メタンスルホニル−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−メチル−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(メトキシカルボニル−メトキシ)−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(ヒドロキシカルボニル−メトキシ)−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−メトキシエトキシ)−フェニル;4,5−ジメトキシ−フェニル;2−フルオロ−4−クロロ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−メトキシカルボニル−5−メトキシ−フェニル;6−ブロモ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル;2−ブロモ−4−ジフルオロメトキシ−5−メトキシ−フェニル;5−メトキシ−4−メチル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−メチルアミノ−エトキシ)−フェニル;2−ブロモ−4−シアノ−5−メチル−フェニル;2−フルオロ−4−メチル−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−アセチル−フェニル;5−メトキシ−2−メチル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(3−メタンスルホニル−プロポキシ)−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−4−(tert-ブトキシカルボニル)−フェニル;5−メタンスルホニル−2−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(1−ヒドロキシエチル)−フェニル;2−フルオロ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)−4−メチル−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−4−アミノカルボニル−フェニル;6−ブロモ−2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル;2,6−ジフルオロ−フェニル;2−ブロモ−4−シアノ−5−メトキシ−フェニル;2,5−ジメトキシ−フェニル;3−メトキシカルボニル−2−メチル−フェニル;3−メトキシ−フェニル;4−メトキシ−フェニル;2,4−ジメトキシ−フェニル;4−クロロ−5−メトキシ−フェニル;4−フルオロ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−メチル−5−(tert−ブトキシカルボニル)−フェニル;3,4,5−トリメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4,6−ジフルオロ−フェニル;2−エチル−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−メトキシ−フェニル;4−クロロ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−メチル−フェニル;3−メトキシカルボニル−2−メチル−フェニル;2,5−ジメチル−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−フェニル;2,3−ジメチル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−ヒドロキシメチル−フェニル;2−ブロモ−3,5−ジメトキシ−フェニル;4−メトキシ−2−メチル−フェニル;2,4−ジメチル−フェニル;2−ヨード−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−クロロ−4,5−ジメトキシ−フェニル;7−ブロモ−2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;4,5−ジメトキシ−2−トリフルオロメチル−フェニル;2−ブロモ−5−エトキシ−4−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−エトキシ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−5−シクロプロピルメトキシ−4−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−シクロプロピルメトキシ−5−メトキシ−フェニル;2−シアノ−4,5−ジメトキシフェニル;2−ブロモ−5−ジフルオロメトキシ−4−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4,5−ビス−ジフルオロメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−フルオロ−5−(2−メトキシエトキシ)−フェニル;2−ブロモ−4−フルオロ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル;4−フルオロ−4,5−ジメトキシ−フェニル;2,4−ジメチルフェニル;3,5−ジメチルフェニル;4,5−ジメトキシ−2−モルホリン−4−イル−フェニル;3−メトキシ−2−メチル−フェニル;2,3−ジメトキシ−フェニル;4−フルオロ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−2−メチル−フェニル;4−クロロ−4−(3−ヒドロキシ−プロピル)−2−メチル−フェニル;2−ジメチルアミノ−4,5−ジメトキシ−フェニル;4−クロロ−5−ヒドロキシメチル−2−メチル−フェニル;2−ブロモ−4−トリフルオロメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−ジメチルアミノカルボニルメトキシ−フェニル;4−クロロ−5−{[(2−メトキシ−エチル)−メチル−アミノ]−メチル}−2−メチル−フェニル;5−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)−2−メチル−4−クロロ−フェニル;5−アミノメチル−4−クロロ−2−メチル−フェニル;4−クロロ−2−メチル−5−(メチルカルボニルアミノメチル)−フェニル;5−{[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−メチル}−4−クロロ−2−メチル−フェニル;4−クロロ−2−メチル−5−モルホリン−4−イルメチル−フェニル;3−メチル−フェニル;4−クロロ−5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2−メチル−フェニル;2−ブロモ−3,4−エチレンジオキシ−フェニル(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル));3−クロロ−2−メチル−フェニル;3−ヒドロキシメチル−2−メチル−フェニル;2−メチル−3−メチルアミノカルボニル−フェニル;4−クロロ−2−メチル−5−(ピペリジン−4−イルオキシ)−フェニル;2−メチル−3−(tert−ブトキシカルボニルメチル)−フェニル;3−(2−ヒドロキシ−エチル)−2−メチル−フェニル;4,5−ジフルオロ−2−メチル−フェニル;2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−フェニル;3,4−ジメチル−フェニル;2−クロロ−3−メチル−フェニル;2−ブロモ−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル;2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル;3−フルオロ−2−メチル−フェニル;2−ブロモ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−4−メチル−フェニル;2−(2−ヒドロキシ−エチル)−4,5−ジメトキシ−フェニル;4−クロロ−5−ジメチルアミノメチル−2−メチル−フェニル;2−エチル−フェニル;2−プロピル−フェニル;5−メトキシ−2,3−ジメチル−フェニル;および3−(ヒドロキシカルボニルメチル)−2−メチル−フェニルである。
【0113】
式Iの特定の態様では、Rは、2−ブロモ−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−フルオロ−5−メトキシ−フェニル;2,4−ジクロロ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル;2−ブロモ−4,5−ジクロロ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−ヨード−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル;2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−メタンスルファニル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−メタンスルホニル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−メタンスルフィニル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−フルオロ−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−4−メトキシカルボニル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−ヒドロキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(メチルアミノ−カルボニル−メトキシ)−フェニル;2−メチル−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシカルボニル−フェニル;2−ブロモ−4−メタンスルホニル−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−メチル−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(メトキシカルボニル−メトキシ)−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(ヒドロキシカルボニル−メトキシ)−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−メトキシエトキシ)−フェニル;4,5−ジメトキシ−フェニル;2−フルオロ−4−クロロ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−メトキシカルボニル−5−メトキシ−フェニル;6−ブロモ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル;2−ブロモ−4−ジフルオロメトキシ−5−メトキシ−フェニル;5−メトキシ−4−メチル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−メチルアミノ−エトキシ)−フェニル;2−ブロモ−4−シアノ−5−メチル−フェニル;2−フルオロ−4−メチル−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−アセチル−フェニル;5−メトキシ−2−メチル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(3−メタンスルホニル−プロポキシ)−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−4−(tert−ブトキシカルボニル)−フェニル;5−メタンスルホニル−2−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(1−ヒドロキシエチル)−フェニル;2−フルオロ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)−4−メチル−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−4−アミノカルボニル−フェニル;6−ブロモ−2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル;2,6−ジフルオロ−フェニル;2−ブロモ−4−シアノ−5−メトキシ−フェニル;2,5−ジメトキシ−フェニル;3−メトキシカルボニル−2−メチル−フェニル;3−メトキシ−フェニル;4−メトキシ−フェニル;2,4−ジメトキシ−フェニル;4−クロロ−5−メトキシ−フェニル;4−フルオロ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−メチル−5−(tert−ブトキシカルボニル)−フェニル;3,4,5−トリメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4,6−ジフルオロ−フェニル;2−エチル−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−メトキシ−フェニル;4−クロロ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−メチル−フェニル;3−メトキシカルボニル−2−メチル−フェニル;2,5−ジメチル−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−フェニル;2,3−ジメチル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−ヒドロキシメチル−フェニル;2−ブロモ−3,5−ジメトキシ−フェニル;4−メトキシ−2−メチル−フェニル;または2,4−ジメチル−フェニルである。
【0114】
式Iの特定の態様では、Rは、2−ブロモ−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−フルオロ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル;2−メチル−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−メトキシ−エチル)−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル;2−ブロモ−4−ジフルオロメトキシ−5−メトキシ−フェニル;2,5−ジメトキシ−フェニル;2−エチル−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−メチル−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−4−クロロ−フェニル;2,5−ジメチル−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−フェニル;または2−ブロモ−4,5−ジメチル−フェニルである。
【0115】
式Iの特定の態様では、Rは、2−ブロモ−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−フルオロ−5−メトキシ−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル;4,5−ジメトキシ−2−メチル−フェニル;2−ブロモ−4,5−メチレンジオキシ−フェニル(6−ブロモ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル);2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェニル;2−ブロモ−4−ジフルオロメトキシ−5−メトキシ−フェニル;5−メトキシ−2−メチル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−((S)−1−ヒドロキシ−エチル)−フェニル;2−エチル−4,5−ジメトキシ−フェニル;2−ブロモ−4−メトキシ−フェニル;4−クロロ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−2−メチル−フェニル;2,5−ジメチル−フェニル;2−ブロモ−5−メトキシ−フェニル;2,3−ジメチル−フェニル;2−ブロモ−4−クロロ−5−ヒドロキシメチル−フェニル;2−ブロモ−3,5−ジメトキシ−フェニル;2,4−ジメチル−フェニル;3−メトキシ−2−メチル−フェニル;4−フルオロ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−2−メチル−フェニル;4−クロロ−5−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−2−メチル−フェニル;4−クロロ−5−ヒドロキシメチル−2−メチル−フェニル;5−{[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−メチル}−4−クロロ−2−メチル−フェニル;4−クロロ−5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2−メチル−フェニル;2−ブロモ−4,5−エチレンジオキシ−フェニル(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル);3−クロロ−2−メチル−フェニル;3−ヒドロキシメチル−2−メチル−フェニル;または3−(2−ヒドロキシ−エチル)−2−メチル−フェニルである。
【0116】
式Iの特定の態様では、Rは、2−ブロモ−4,5−ジメトキシ−フェニルである。
【0117】
式Iの特定の態様では、Rは、2−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシ−フェニルである。
【0118】
式Iの特定の態様では、Rは、2−ブロモ−4−フルオロ−5−メトキシ−フェニルである。
【0119】
式Iの特定の態様では、Rは、2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニルである。
【0120】
式Iの特定の態様では、Rは、2−メチル−4,5−ジメトキシ−フェニルである。
【0121】
式Iの特定の態様では、Rは、2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−メトキシ−エチル)−フェニルである。
【0122】
式Iの特定の態様では、Rは、2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニルである。
【0123】
式Iの特定の態様では、Rは、2−ブロモ−4−ジフルオロメトキシ−5−メトキシ−フェニルである。
【0124】
式Iの特定の態様では、Rは、2,5−ジメトキシ−フェニルである。
【0125】
式Iの特定の態様では、Rは、2−エチル−4,5−ジメトキシ−フェニルである。
【0126】
式Iの特定の態様では、Rは、2−メチル−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−4−クロロ−フェニルである。
【0127】
式Iの特定の態様では、Rは、2,5−ジメチル−フェニルである。
【0128】
式Iの特定の態様では、Rは、2−ブロモ−5−メトキシ−フェニルである。
【0129】
式Iの特定の態様では、Rは、2−ブロモ−4,5−ジメチル−フェニルである。
【0130】
式Iの特定の態様では、Rは場合により置換されているヘテロアリールである。特定の態様では、このようなヘテロアリールは以下:ピリジニル;インダゾリル;インドリル;キノリニル;キノキサリニルチオフェニル;ベンゾイミダゾリル;ベンゾフラニル;ジヒドロインドリル;テトラヒドロキノリニル;ピラゾリル;2,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル;ベンゾチアゾリル;2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル;2−オキソ−2,3−ジヒドロ−インドリル;4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリニル;3,4−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジニル;2,3−ジヒドロベンゾフラニル;フェニル部分が場合によりC1−6アルキルで置換されているフェニルスルホニルを含んでよく;これらはそれぞれ、場合により、独立して以下:フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;またはシクロプロピルメトキシから選択される置換基(単数または複数)で1回または2回置換されてもよい。
【0131】
特定の態様では、このようなヘテロアリールは以下:ピリジニル;インダゾリル;インドリル;キノリニル;キノキサリニルチオフェニル;ベンゾイミダゾリル;ベンゾフラニル;ジヒドロインドリル;テトラヒドロキノリニル;ピラゾリル;2,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル;ベンゾチアゾリル;2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル;2−オキソ−2,3−ジヒドロ−インドリル;4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリニル;3,4−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジニル;2,3−ジヒドロベンゾフラニルを含んでよく;これらはそれぞれ、場合により、独立して以下:フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;またはシクロプロピルメトキシから選択される置換基(単数または複数)で1回または2回置換されてもよい。
【0132】
式Iの特定の態様では、Rは場合により置換されているヘテロアリールである。特定の態様では、このようなヘテロアリールは以下:ピリジニル;インダゾリル;インドリル;キノリニル;キノキサリニル;チオフェニル;ベンゾイミダゾリル;ベンゾフラニル;ジヒドロインドリル;テトラヒドロキノリニル;ピラゾリル;2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾリル;2,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル;ベンゾチアゾリル;2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル;2−オキソ−3,4−ジヒドロ−インドリル;4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリニル;3,4−ジヒドロキノリニル;3,4−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジニル;2,3−ジヒドロベンゾフラニルを含んでよく;これらはそれぞれ、場合により、独立して以下:フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;またはヒドロキシエチルから選択される置換基(単数または複数)で1回または2回置換されてもよい。
【0133】
式Iの特定の態様では、Rは、以下:ピリジニル;インダゾリル;インドリル;キノリニル;キノキサリニル;チオフェニル;ベンゾイミダゾリル;ベンゾフラニル;ジヒドロインドリル;テトラヒドロキノリニル;ピラゾリル;2,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル;ベンゾチアゾリル;2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル;2−オキソ−2,3−ジヒドロ−インドリル;4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリニル;3,4−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジニル;2,3−ジヒドロベンゾフラニルから選択されるヘテロアリールであり;これらはそれぞれ、場合により、ハロ、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキで1回または2回置換されてもよい。
【0134】
式Iの特定の態様では、Rは、以下:ピリジニル;インダゾリル;インドリル;キノリニル;キノキサリニル;チオフェニル;ベンゾイミダゾリル;ベンゾフラニル;ジヒドロインドリル;テトラヒドロキノリニル;ピラゾリル;2,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル;ベンゾチアゾリル;2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル;2−オキソ−2,3−ジヒドロ−インドリル;4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリニル;3,4−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジニル;2,3−ジヒドロベンゾフラニルから選択されるヘテロアリールであり;これらはそれぞれ、場合により、ハロまたはC1−6アルキルで1回または2回置換されてもよい。
【0135】
式Iの特定の態様では、Rは、以下:ピリジン−2−イル;ピリジン−4−イル;インダゾール−6−イル;インダゾール−5−イル;3,4−ジヒドロキノリン−1−イル;インドリル−6−イル;インドリル−5−イル;キノリン−6−イル;キノリン−7−イル;キノリン−5−イル;キノリン−6−イル;キノキサリン−6−イル;チオフェン−3−イル;ベンゾイミダゾール−5−イル;ベンゾフラン−5−イル;2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−5−イル;ジヒドロインドリル;テトラヒドロキノリニル;ピラゾール−3−イル;2,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル;ベンゾチアゾール−5−イル;ベンゾチアゾール−6−イル;2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル;2−オキソ−3,4−ジヒドロ−インドール−6−イル;4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−6−イル;3,4−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジン−7−イル;2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イルから選択されるヘテロアリールであり;これらはそれぞれ、場合により、ハロまたはC1−6アルキルで1回または2回置換されてもよい。
【0136】
式Iの特定の態様では、Rは、以下:ピリジン−2−イル;ピリジン−4−イル;インダゾール−6−イル;インダゾール−5−イル;3,4−ジヒドロキノリン−1−イル;インドリル−6−イル;インドリル−5−イル;キノリン−6−イル;キノリン−7−イル;キノリン−5−イル;キノリン−6−イル;キノキサリン−6−イル;チオフェン−3−イル;ベンゾイミダゾール−5−イル;ベンゾフラン−5−イル;2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−5−イル;ジヒドロインドリル;テトラヒドロキノリニル;ピラゾール−3−イル;2,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル;ベンゾチアゾール−5−イル;ベンゾチアゾール−6−イル;2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル;2−オキソ−3,4−ジヒドロ−インドール−6−イル;4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−6−イル;3,4−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジン−7−イル;2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イルから選択されるヘテロアリールであり;これらはそれぞれ、場合により、ハロまたはC1−6アルキルで1回または2回置換されてもよい。
【0137】
式Iの特定の態様では、Rは、以下:3−ブロモ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル;5−ブロモ−3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−インダゾール−6−イル;5−ブロモ−3−メチル−インダゾール−6−イル;5−ブロモ−3−メチル−インダゾール−6−イル;1−メチル−インドール−6−イル;7−メチル−キノリン−6−イル;2−ブロモ−チオフェン−3−イル;インドール−6−イル;2−メチル−ベンゾフラン−5−イル;1−メチル−1H−インドール−6−イル;6−メチル−キノリン−7−イル;5−ブロモ−キノリン−6−イル;7−メチル−キノキサリン−6−イル;2,5−ジメチル−ピラゾール−3−イル;2−メチル−ベンゾチアゾール−5−イル;6−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−5−イル;1−メチル−1H−インドール−5−イル;ベンゾチアゾール−6−イル;5−メチル−キノリン−6−イル;6−ブロモ−1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−7−イル;2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル;1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル;1,5−ジメチル−インドール−6−イル;4,6−ジメチル−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−イル;1,3−ジメチル−インダゾール−6−イル;2,3−ジメチル−インダゾール−6−イル;2−メチル−インダゾール−6−イル;2−メチル−インダゾール−5−イル;5−エチル−キノリン−6−イル;7−ブロモ−2,3−ジメチル−インダゾール−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル;7−エチル−キノリン−6−イル;キノリン−5−イル;1−(2−ヒドロキシ−エチル)−5−メチル−1H−インドール−6−イル;1−メチル−インダゾール−6−イル;7−ブロモ−1−メチル−インダゾール−6−イル;および7−ブロモ−2−メチル−インダゾール−6−イルから選択されるヘテロアリールである。
【0138】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により、ハロまたはC1−6アルキルで、1または2回置換されるインダゾリルである。
【0139】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により、ハロまたはC1−6アルキルで、1または2回置換されるキノリニルである。
【0140】
式Iの特定の態様では、Rは場合により置換されているヘテロアリールである。特定の態様では、このようなヘテロアリールは、以下:ピリジニル;インダゾリル;インドリル;キノリニル;またはベンゾフラニルを含んでよく;これらはそれぞれ、場合により、独立して、以下:フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;またはシクロプロピルメトキシから選択される置換基(単数または複数)で1、2または3回置換されてもよい。
【0141】
式Iの特定の態様では、Rは、アダマンチルである。
【0142】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により置換されているアリールである。
【0143】
式Iの特定の態様では、Rは、C1−6アルキルである。
【0144】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により置換されているフェニルである。
【0145】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により1、2、3、または4回置換されているフェニルであり、置換基(単数または複数)は、それぞれ独立して、ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;C1−6アルキルスルファニル;C1−6アルキルスルフィニル;フェニル部分が場合によりC1−6アルキルで置換されているフェニルスルホニル;ニトリル;ヒドロキシ;C1−6アルキルカルボニル;アミノカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシカルボニル;ヒドロキシカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルアミノカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルキル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシ;アミノ;アミノ−C1−6アルキル;C1−6アルケニル;C1−6アルキニル;モルホリニル;モルホリニル−C1−6アルキル;ピペラジニル;ピペリジニルオキシ;アミノカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルコキシアミノ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルコキシカルボニルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルキルカルボニルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルキルアミノカルボニル;C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル;C1−6アルキルアミノカルボニル−C1−6アルキル;C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;ヒドロキシカルボニル−C1−6アルキル;またはニトロから選択されるか;あるいは、2つの隣接する置換基が、C1−2アルキレンジオキシまたはハロ−C1−2アルキレンジオキシを形成してもよい。
【0146】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により1または2回置換されているフェニルであり、置換基(単数または複数)は、それぞれ独立して、:フルオロ;クロロ;ブロモ;ヨード;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;メタンスルホニル;メタンスルファニル;メタンスルフィニル;トルエンスルホニル;ニトリル;アセチル;アミノカルボニル;メトキシカルボニル;メトキシカルボニルメトキシ;カルボキシ;ヒドロキシカルボニルメトキシ;メチルアミノカルボニルメトキシ;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;メチルアミノエトキシ;メタンスルホニルプロピルオキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;シクロプロピルメトキシ;アミノ;またはニトロから選択されるか;あるいは、2つの隣接する置換基が、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、またはジフルオロメチレンジオキシを形成してもよい。
【0147】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により1または2回置換されているフェニルであり、置換基(単数または複数)は、それぞれ独立して、ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;ニトリル;アルコキシアルコキシ;ヒドロキシアルコキシ;アルキルスルホニルアルコキシ;ヒドロキシアルキル;またはC3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシから選択される。
【0148】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により1または2回置換されているフェニルであり、置換基(単数または複数)は、それぞれ独立して、フルオロ;クロロ;ブロモ;ヨード;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;メタンスルホニル;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;またはシクロプロピルメトキシから選択される。
【0149】
式Iの特定の態様では、Rは、場合により1または2回置換されているフェニルであり、置換基(単数または複数)は、それぞれ独立して、フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;またはシクロプロピルメトキシから選択される。
【0150】
式Iの特定の態様では、Rは、1または2回置換されているフェニルであり、置換基(単数または複数)は、それぞれ独立して、ハロ;メチル;メトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;ニトリル;またはメタンスルホニルから選択される。
【0151】
式Iの特定の態様では、Rは、1または2回置換されているフェニルであり、置換基(単数または複数)は、それぞれ独立して、フルオロ;クロロ;メチル;メトキシ;またはニトリルから選択される。
【0152】
式Iの特定の態様では、Rは、フルオロで、1または2回置換されているフェニルである。
【0153】
式Iの特定の態様では、Rは、フェニル;4−フルオロ−フェニル;3−フルオロ−フェニル;2−フルオロ−フェニル;2−クロロ−フェニル;3,4−ジフルオロ−フェニル;3,5−ジフルオロ−フェニル;3−メチル−フェニル;4−メチル−フェニル;または3−シアノ−フェニルである。
【0154】
式Iの特定の態様では、Rは、フェニル;4−フルオロ−フェニル;3−フルオロ−フェニル;2−フルオロ−フェニル;2−クロロ−フェニル;3,4−ジフルオロ−フェニル;または3,5−ジフルオロ−フェニルである。
【0155】
式Iの特定の態様では、Rは、4−フルオロ−フェニルである。
【0156】
式Iの特定の態様では、Rは、3−フルオロ−フェニルである。
【0157】
式Iの特定の態様では、Rは、3,4−ジフルオロ−フェニルである。
【0158】
特定の態様では、式Iで示される化合物は、式IIでより具体的に示すことができる:
【0159】
【化3】


(式中、
pは、0〜3であり;
、R、R、RおよびR10は、それぞれ独立して:水素;ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;C1−6アルキルスルファニル;C1−6アルキルスルフィニル;フェニル部分が場合によりC1−6アルキルで置換されているフェニルスルホニル;ニトリル;ヒドロキシ;C1−6アルキルカルボニル;アミノカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシカルボニル;ヒドロキシカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルアミノカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルキル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシ;アミノ;アミノ−C1−6アルキル;C1−6アルケニル;C1−6アルキニル;モルホリニル;モルホリニル−C1−6アルキル;ピペラジニル;ピペリジニルオキシ;アミノカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルコキシアミノ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルコキシカルボニルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルキルカルボニルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルキルアミノカルボニル;C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル;C1−6アルキルアミノカルボニル−C1−6アルキル;C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;ヒドロキシカルボニル−C1−6アルキル;またはニトロであるか;あるいは、2つの隣接する置換基が、C1−2アルキレンジオキシまたはハロ−C1−2アルキレンジオキシを形成してもよく;そして
各R11は、独立して:ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;またはニトリルである)。
【0160】
式IIの特定の態様では、対象化合物は、より具体的には、式IIaまたは式IIb;
【0161】
【化4】


(式中、p、R、R、R、R、R10、およびR11は、本明細書において定義される通りである)であってよい。
【0162】
特定の態様では、対象化合物は、式IIaで示される。
【0163】
特定の態様では、対象化合物は、式IIbで示される。
【0164】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、R、R、R、RおよびR10のうち少なくとも2つは水素ではない。
【0165】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、R、R、R、RおよびR10のうち少なくとも3つは水素ではない。
【0166】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、R、R、R、RおよびR10は、それぞれ独立して、水素;フルオロ;クロロ;ブロモ;ヨード;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;トリフルオロメトキシ;メタンスルホニル;メタンスルファニル;メタンスルフィニル;トルエンスルホニル;ニトリル;アセチル;アミノカルボニル;メトキシカルボニル;メトキシカルボニルメトキシ;カルボキシ;ヒドロキシカルボニルメトキシ;メチルアミノカルボニルメトキシ;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;メチルアミノエトキシ;メタンスルホニルプロピルオキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;シクロプロピルメトキシ;アミノ;またはニトロ;モルホリニル;N,N−ジメチルアミノカルボニルメトキシ;boc−ピペラジニル;N−(2−メトキシエチル)−N−メチルアミノメチル;N,N−ジメチルアミノメチル;アミノメチル;boc−アミノメチル;メチルカルボニルアミノメチル;N,N−ジ−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノメチル;モルホリニルメチル;2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル;メチルアミノカルボニル;ピペリジニルオキシ;tert−ブトキシカルボニルメチル;N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル;n−プロピル;イソプロピル;ヒドロキシカルボニルメチル;ヒドロキシプロポキシであるか;あるいは、2つの隣接する置換基は、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、またはジフルオロメチレンジオキシを形成してもよい。
【0167】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、R、R、R、RおよびR10のうち2つは水素であり、R、R、R、RおよびR10のうち残りの1つは、それぞれ独立して:水素;フルオロ;クロロ;ブロモ;ヨード;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;メタンスルホニル;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロポキシ;メチレンジオキシ;またはエチレンジオキシである。
【0168】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、R、R、R、RおよびR10のうち2つは水素であり、R、R、R、RおよびR10のうち残りの1つは、それぞれ独立して:水素;フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;ジフルオロメトキシ;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロポキシ;メチレンジオキシ;またはエチレンジオキシである。
【0169】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、R、R、R、RおよびR10のうち2つは水素であり、R、R、R、RおよびR10のうち残りの1つは、それぞれ独立して:水素;フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;およびメトキシである。
【0170】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、R、R、R、RおよびR10は、それぞれ独立して、水素;ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;ニトリル;アルコキシアルコキシ;ヒドロキシアルコキシ;アルキルスルホニルアルコキシ;ヒドロキシアルキル;またはC3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシである。
【0171】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、R、R、R、RおよびR10は、それぞれ独立して、水素;フルオロ;クロロ;ブロモ;ヨード;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;メタンスルホニル;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;またはヒドロキシエチルである。
【0172】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、R、R、R、RおよびR10は、それぞれ独立して、水素;フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;またはシクロプロピルメトキシである。
【0173】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、RおよびR10は、水素である。
【0174】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、Rは、水素;ハロ;またはメチルである。
【0175】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、Rは、水素;メトキシ;ハロ;メチル;またはジフルオロメトキシである。
【0176】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、Rは、メトキシ;水素;2−ヒドロキシ−エトキシ;2−メトキシ−エトキシ;1−ヒドロキシ−エチル;またはシクロプロピルメチルである。
【0177】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、pは、0、1または2である。
【0178】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、pは、1または2である。
【0179】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、pは、1である。
【0180】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、各R11は、独立して、ハロ;C1−6アルキル;またはアルコキシC1−6である。
【0181】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、各R11は、独立してフルオロまたはメチルである。
【0182】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、R11は、ハロである。
【0183】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、R11は、フルオロである。
【0184】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、
は、水素;ハロ;メチル;またはエチルであり;
は、水素;メチル;メトキシ;またはメトキシカルボニルであり;
は、水素;メトキシ;ハロ;メチル;またはジフルオロメトキシであり;
は、水素;メトキシ;水素;2−ヒドロキシ−エトキシ;2−メトキシ−エトキシ;または1−ヒドロキシ−エチルであり;そして
10は、水素;またはハロである。
【0185】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、
は、ハロ;またはメチルであり;
は、水素であり;
は、メトキシ;ハロ;メチル;またはジフルオロメトキシであり;
は、メトキシ;2−ヒドロキシ−エトキシ;2−メトキシ−エトキシ;または1−ヒドロキシ−エチルであり;そして
10は、水素;またはハロである。
【0186】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、
は、ブロモ;またはメチルであり;
は、水素であり;
は、メトキシ;クロロ;フルオロ;メチル;またはジフルオロメトキシであり;
は、メトキシ;2−ヒドロキシ−エトキシ;2−メトキシ−エトキシ;または1−ヒドロキシ−エチルであり;そして
10は、水素である。
【0187】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、pは、1または2であり、R11は、ハロである。
【0188】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、pは、1または2であり、R11は、フルオロである。
【0189】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、pは、1であり、R11は、フルオロである。
【0190】
任意の式II、IIaおよびIIbの特定の態様では、pは、1であり、R11は、4位においてフルオロである。
【0191】
特定の態様では、式Iで示される化合物は、より具体的には、式III:
【0192】
【化5】


(式中、R、R、RおよびR11は本明細書において定義される通りである)であってよい。
【0193】
式IIIの特定の態様では、対象化合物は、より具体的には、式IIIaまたは式IIIb;
【0194】
【化6】


(式中、R、R、RおよびR11は本明細書において定義される通りである)であってよい。
【0195】
特定の態様では、対象化合物は、式IIIaで示される。
【0196】
特定の態様では、対象化合物は、式IIIbで示される。
【0197】
式III、IIIaおよびIIIbの任意の特定の態様では、Rは、ハロ;メチル;またはエチルである。
【0198】
式III、IIIaおよびIIIbの任意の特定の態様では、Rは、メトキシ;ハロ;メチル;またはジフルオロメトキシである。
【0199】
式III、IIIaおよびIIIbの任意の特定の態様では、Rは、メトキシ;2−ヒドロキシ−エトキシ;2−メトキシ−エトキシ;または1−ヒドロキシ−エチルである。
【0200】
式III、IIIaおよびIIIbの任意の特定の態様では、Rは、ブロモ;またはメチルである。
【0201】
式III、IIIaおよびIIIbの任意の特定の態様では、Rは、メトキシ;クロロ;フルオロ;メチル;またはジフルオロメトキシである。
【0202】
式III、IIIaおよびIIIbの任意の特定の態様では、Rは、メトキシ;2−ヒドロキシ−エトキシ;2−メトキシ−エトキシ;または1−ヒドロキシ−エチルである。
【0203】
式III、IIIaおよびIIIbの任意の特定の態様では、R11は、ハロである。
【0204】
式III、IIIaおよびIIIbの任意の特定の態様では、R11は、フルオロである。
【0205】
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10またはR11のいずれかは、アルキルであるか、またはアルキル部分を含有する場合、このようなアルキルは、好ましくは低級アルキル、すなわち、C−Cアルキルであり、多くの態様において、C−Cアルキルである。
【0206】
また、本発明は、P2X受容体により介在されるか、または他の点で関連する疾患または症状を処置するための方法であって、有効量の本発明の化合物を、投与を必要としている被験体に投与することを含む方法を提供する。
【0207】
また、本発明は、炎症、呼吸器、または糖尿病の症状を処置するための方法であって、有効量のP2X3阻害剤とともに有効量の本発明の化合物を、投与を必要としている被験体に投与することを含む方法を提供する。
【0208】
前記疾患は、関節炎、より具体的には、関節リウマチ、変形性関節症、乾癬、アレルギー性皮膚炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、気道過敏症、敗血症性ショック、糸球体腎炎、過敏性腸疾患、およびクローン病などの炎症性疾患であり得る。
【0209】
前記疾患は、炎症性疼痛;術後疼痛;内臓痛;歯痛;月経前疼痛;中枢疼痛;熱傷に起因する疼痛;片頭痛または群発頭痛;神経損傷;神経炎;神経痛;中毒;虚血傷害;間質性膀胱炎;癌性疼痛;ウイルス、寄生虫、または細菌感染症;外傷後傷害;あるいは、過敏性腸症候群に関連する疼痛などの疼痛症状であり得る。
【0210】
前記疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、または気管支痙攣などの呼吸器障害、あるいは過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、胆石仙痛、および他の胆管障害、腎仙痛、下痢主徴(diarrhea-dominant)IBS、GI膨満に関連する疼痛などの胃腸(GI)障害であり得る。
【0211】
前記疾患は、糖尿病であり得る。
【0212】
本発明の方法に係る代表的な化合物をP2X7のpIC50値とともに表1に示す。
【0213】
【表1】





































































【0214】
合成
本発明の化合物は、以下に図示および説明する実例となる合成反応スキームに示される様々な方法によって製造することができる。
【0215】
これらの化合物の調製に用いられる出発物質および試薬は、一般的に、Aldrich Chemical Co.などの商業的供給元から入手可能であるか、またはFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-15; Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds, Elsevier Science Publishers, 1989, Volumes 1-5 and Supplementals; and Organic Reactions, Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-40などの参照文献に記載されている手順に従って当業者に公知の方法により調製される。以下の合成反応スキームは、本発明の化合物を合成することができるいくつかの方法の単なる例示であり、これらの合成反応スキームに対して様々な変更を行ってもよく、前記変更は、本願に含まれる開示を参照した当業者に示唆される。
【0216】
必要に応じて、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含むが、これらに限定されない従来の技術を使用して、合成反応スキームの出発物質および中間体を単離し、そして精製することができる。このような物質は、物理定数およびスペクトルデータを含む、従来の手段を使用して特性評価することができる。
【0217】
特に逆の指定のない限り、本明細書に記載される反応は、好ましくは、不活性雰囲気下で、大気圧で、約−78℃〜約150℃、より好ましくは約0℃〜約125℃、最も好ましくは、そして簡便には約室温(すなわち、周囲温度)、例えば約20℃の反応温度範囲で実施される。
【0218】
以下のスキームAは、式Iで示される具体的な化合物(式中、R、R、R、R、R10およびR11は、本明細書において定義された通りである)を調製するのに使用可能な1つの合成手順を例示する。
【0219】
【化7】

【0220】
スキームAでは、アリールイソシアネート化合物aが、アリールジヒドロピリドン化合物b(アルキルリチウム試薬またはリチウムビス(トリメチルシリル)アミドでbを処理することにより調製できる)のリチウム塩と反応して、ジヒドロピリドン尿素化合物IIが得られる。
【0221】
上述のように、化合物IIは式Iで示される化合物である。
【0222】
アリールイソシアネートaは、対応するアリールアミンをホスゲンで処理することにより調製することができる。以下の実験例において例示されるように、このようなアリールアミン化合物は、多くの態様において、対応するアリールニトロ化合物の還元により作製することができる。
【0223】
アリールジヒドロピリドンbは、塩化ベンゾイルの存在下で、対応するアリールグリニャール試薬を4−メトキシ−ピリジンと反応させ、次いで加水分解することにより調製することができる。
【0224】
スキームAの態様において、アリールイソシアネートaは、フェニル化合物として示され、アリールジヒドロピリドンbは、フェニル化合物として示される。以下の実験例において例示されるように、これらの化合物のフェニル部分は、多くの態様において、インドリル、インダゾリル、ピリジニルなどの様々なヘテロアリールにより置換してよい。
【0225】
スキームAについて多くの変更が可能であり、当業者に変更が示唆される。本発明の化合物を生成するための詳細は、以下の実施例の項に記載される。
【0226】
有用性
本発明の化合物は、関節リウマチ、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節症、全身性エリテマトーデスおよび若年性関節炎、変形性関節症、痛風性関節炎および他の関節炎症状を含むが、これらに限定されない関節炎などの広範囲にわたる炎症性疾患および症状を処置するために使用可能である。対象化合物は、成人型呼吸窮迫症候群、肺サルコイドーシス、喘息、珪肺症、および慢性肺炎症性疾患を含む肺障害または肺炎症の処置にも有用である。
【0227】
また、本発明の化合物は、関節炎(関節リウマチおよび変形性関節症を含む)に関連する疼痛などの炎症性疼痛、術後疼痛、内臓痛、歯痛、月経前疼痛、中枢疼痛、熱傷に起因する疼痛、片頭痛または群発頭痛、神経損傷、神経炎、神経痛、中毒、虚血傷害、間質性膀胱炎、癌性疼痛、ウイルス感染症、寄生虫感染症、または細菌感染症、外傷後傷害(骨折およびスポーツ傷害を含む)、および過敏性腸症候群などの機能性腸障害に関連する疼痛を含むが、これらに限定されない、広範囲にわたる原因による疼痛に関連する疾患または症状の処置において、鎮痛剤としての有用性が見出されると予測される。
【0228】
さらに、本発明の化合物は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、気管支痙攣などを含む呼吸器障害を処置するために有用である。
【0229】
さらに、本発明の化合物は、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、胆石仙痛、および他の胆管障害、腎仙痛、下痢主徴IBS、GI膨満に関連する疼痛などを含む胃腸障害を処置するために有用である。
【0230】
また、本発明の化合物は、筋肉硬化症を処置するために有用である。
【0231】
投与および医薬組成物
本発明は、本発明の少なくとも1つの化合物、あるいはその個々の異性体、異性体のラセミ混合物もしくは非ラセミ混合物、または薬学的に許容しうる塩もしくは溶媒和物とともに、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体、場合により他の治療成分および/または予防成分を含む医薬組成物を含む。
【0232】
一般的に、本発明の化合物は、類似の有用性を有する薬剤について許容されている任意の投与方法により、治療上有効量を投与される。適切な用量は、処置される疾患の重症度、被験体の年齢および相対的健康、用いられる化合物の効力、投与の経路および形態、投与の対象となる徴候、ならびに関与する医師の嗜好および経験などの多くの要因に依存して、典型的には、毎日1〜500mg、好ましくは毎日1〜100mg、最も好ましくは毎日1〜30mgである。このような疾患を処置する当業者は、過度の実験をすることなく、そして個々の知識および本願の開示に依存して、所与の疾患に対する本発明の化合物の治療上有効量を確認できる。
【0233】
本発明の化合物は、経口(頬側および舌下を含む)、直腸内、鼻腔内、局所、肺内、膣内、または非経口(筋肉内、動脈内、髄腔内、皮下、および静脈内を含む)投与に適しているものを含む医薬製剤として、または吸入もしくは吹送による投与に適している形態で投与してよい。好ましい投与方法は、一般的に、病気の程度によって調節することができる便利な一日用量用法を使用する経口投与である。
【0234】
本発明の化合物(単数または複数)は、1つ以上の従来の佐剤、担体または希釈剤とともに、医薬組成物および単位剤形の形態にしてもよい。医薬組成物および単位剤形は、さらなる活性化合物または成分を含むまたは含まない、従来の比率の従来の成分で構成されてよく、単位剤形は、用いられる予定一日用量範囲に相応する、任意の適切な有効量の活性成分を含有してよい。医薬組成物は、錠剤もしくは充填カプセル剤などの固体、半固体、散剤、徐放性製剤、または液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、もしくは経口用途用の充填カプセル剤などの液体として;あるいは直腸または膣内投与用の坐剤の形態で;あるいは非経口用途用の無菌注射剤溶液の形態で用いてよい。したがって、錠剤当たり、約1mg、またはより広く約0.01〜約100mgの活性成分を含有する製剤が、適切な代表的な単位用量剤形である。
【0235】
本発明の化合物は、広範囲にわたる経口投与剤形に製剤化してよい。医薬組成物および剤形は、活性成分として本発明の化合物(単数または複数)、またはその薬学的に許容しうる塩を含んでよい。薬学的に許容しうる担体は、固体または液体のいずれであってもよい。固体形態の製剤は、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤および分散性顆粒剤を含む。固体担体は、希釈剤、着香剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤または封入材料としても作用しうる1つ以上の物質であってよい。散剤では、担体は、一般的に、微粉活性成分を含む混合物である、微粉固体である。錠剤では、活性成分は、一般的に、必要な結合能を有する担体と適切な比率で混合され、望ましい形状および大きさに圧縮される。散剤および錠剤は、好ましくは、約1〜約70パーセントの活性化合物を含有する。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ろう、カカオ脂などを含むが、これらに限定されない。用語「製剤」は、活性成分が、担体とともにまたは担体を含まずに、それに関連する担体により包まれたカプセル剤を提供する、担体として封入材料を含む活性化合物の製剤を含むことを意図する。同様に、カシェ剤およびトローチ剤(lozenge)も含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤およびトローチ剤(lozenge)は、経口投与に適している固体形態であり得る。
【0236】
経口投与に適している他の形態は、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水溶液、水性懸濁液を含む液体形態の製剤、または使用直前に液体形態の製剤に変換することを意図する固体形態の製剤を含む。乳剤は、溶液、例えばプロピレングリコール水溶液中で調製してもよく、または例えば、レシチン、モノオレイン酸ソルビタンもしくはアラビアゴムなどの乳化剤を含有してもよい。水溶液は、水に活性成分を溶解させ、そして適切な着色剤、好味剤、安定剤、および増粘剤を添加することにより調製できる。水懸濁液は、天然または合成のゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および他の周知の懸濁化剤などの粘着性物質とともに、水中に微粉活性成分を分散させることにより調製できる。固体形態の製剤は、液剤、懸濁剤、および乳剤を含み、活性成分に加えて、着色剤、好味剤、安定剤、緩衝剤、人工および天然の甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有してもよい。
【0237】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例えば大量注射または持続点滴による)用に製剤化することができ、そして、アンプル、プレフィルドシリンジの単位剤形で、少量点滴、または保存剤を添加した複数回用量容器で提示してもよい。組成物は、油性または水性の溶剤中の懸濁液、溶液、またはエマルション、例えば、ポリエチレングリコール水溶液などの形態をとってよい。油性または非水性の担体、希釈剤、溶媒、または溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えばオリーブ油)および注射可能な有機エステル(例えばオレイン酸エチル)を含み、そして保存剤、湿潤剤、乳化剤もしくは懸濁化剤、安定剤、および/または分散剤などの製剤化剤を含有してもよい。あるいは、活性成分は、無菌固体を無菌的に単離することによるか、または適切な溶剤、例えば、無菌の発熱物質不含水を用いて、使用前に構成するために溶液を凍結乾燥することによって得られる粉末形態であってもよい。
【0238】
本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤またはローション剤、あるいは経皮貼布として表皮に局所投与するために製剤化してよい。軟膏剤およびクリーム剤は、例えば、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を添加した水性または油性の基剤を用いて製剤することができる。ローション剤は、水性または油性の基剤を用いて製剤することができ、そして、一般的に、1つ以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤または着色剤も含有する。口内の局所投与に適している製剤は、好味基剤、通常、スクロース、およびアラビアゴムまたはトラガント中に活性物質を含むトローチ剤(lozenge);ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアラビアゴムなどの不活性基剤中に活性成分を含むトローチ剤(lozenge);および適切な液体担体中に活性成分を含む口内洗浄液を含む。
【0239】
本発明の化合物は、坐剤として投与するために製剤化してもよい。脂肪酸グリセリドの混合物またはカカオ脂などの低融点ろうを、まず融解させ、そして、例えば撹拌によって、活性成分を均質に分散させる。次いで、融解した均質な混合物を便利な大きさの型に注ぎ、冷却し、そして固化させる。
【0240】
本発明の化合物は、膣内投与するために製剤化してもよい。活性成分に加えて担体なども含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、発泡剤、または噴霧剤は、適切であることが当技術分野において公知である。
【0241】
対象化合物は、鼻腔内投与用に製剤化してもよい。液剤または懸濁剤は、例えば、滴瓶、ピペットまたはスプレーを用いて、従来の手段によって鼻腔に直接適用される。製剤は、単回または複数回用量形態で提供してよい。後者の滴瓶またはピペットの場合、これは、患者が適切な所定の体積の液剤または懸濁剤を投与することによって達成され得る。スプレーの場合、これは、例えば、計量霧化噴霧ポンプによって達成され得る。
【0242】
本発明の化合物は、鼻腔内投与を含む、特に呼吸器官へのエアロゾル投与用に製剤することができる。化合物は、一般に、例えば約5ミクロン以下のオーダーの小さな粒径を有する。このような粒径は、当技術分野において公知の手段、例えば微粒子化によって得ることができる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、もしくはジクロロテトラフルオロエタン、または二酸化炭素もしくは他の適切な気体などの適切な噴射剤を含む加圧パックで提供される。エアロゾルは、また、便利なようにレシチンなどの界面活性剤を含有してもよい。薬の用量は、計量バルブによってコントロールすることができる。あるいは、活性成分は、乾燥粉末の形態、例えば、ラクトース、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの澱粉誘導体、およびポリビニルピロリジン(PVP)などの適切な粉末基剤中の化合物の混合粉体で提供されてもよい。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、例えばゼラチンのカプセルまたはカートリッジで単位剤形として、または吸入器を用いて粉末を投与することができるブリスターパックとして提示してもよい。
【0243】
望ましい場合、活性成分の持続または制御放出投与に適合した腸溶コーティングが施された製剤を調製してもよい。例えば、本発明の化合物は、経皮または皮下薬物送達デバイスに製剤することができる。化合物の持続放出が必要なとき、および患者が治療投与計画を遵守することが重要なとき、これらの送達システムは有利である。経皮送達システムにおいて化合物は、皮膚接着性固体支持体に付着していることが多い。また、対象化合物は、透過促進剤、例えばAzone(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と混ぜ合わせてもよい。持続放出送達システムは、外科的処置または注射によって皮下層に皮下挿入される。皮下インプラントは、脂質可溶性膜、例えばシリコーンゴム、または生分解性ポリマー、例えばポリ乳酸中に化合物を封入している。
【0244】
医薬製剤は、好ましくは単位用量剤形である。このような形態では、製剤は、適切な量の活性成分を含有している単位用量に細分される。単位用量剤形は、パッケージ化製剤であってもよく、前記パッケージは、パケット化(packeted)錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の散剤などの個別の製剤を含む。また、単位用量剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤もしくはトローチ剤(lozenge)自体であってもよく、またはパッケージ化形態の適切な数の任意のこれら剤であってもよい。
【0245】
他の適切な薬学的担体およびそれらの製剤は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvania.に記載されている。本発明の化合物を含有する代表的な医薬製剤を以下に記載する。
【0246】
実施例
当業者が本発明をより明白に理解し、そして実施することを可能にするために以下の製剤および実施例を示す。それらは、本発明の範囲を限定するとみなすべきではなく、単に本発明の例示および代表例である。
【0247】
特に明記しない限り、融点(すなわちMP)を含むすべての温度は、摂氏(℃)である。指示されたおよび/または望ましい生成物を生成する反応は、必ずしも最初に添加された2つの試薬の組み合わせから直接得られる訳ではない、すなわち、混合物中で生成される1つ以上の中間体が存在し、それが最終的に指示されたおよび/または望ましい生成物の形成を導く場合もあることを理解すべきである。製剤および実施例において以下の略称を使用してよい。
【0248】
略称
BETBDMS 2−ブロモエトキシtertブチルジメチルシラン
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCM ジクロロメタン/メチレンクロリド
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)
DME 1,2−ジメトキシエタン(グライム)
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMFDMA N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール
DMSO ジメチルスルホキシド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
ECDI 1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
gc ガスクロマトグラフィー
HMPA ヘキサメチルホスホラミド
HOBt N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
hplc 高速液体クロマトグラフィー
IPA イソプロパノール
IPBAPE イソプロペニルボロン酸ピナコールエステル
mCPBA m−クロロ過安息香酸
MeCN アセトニトリル
NMM N−メチルモルホリン
NMP N−メチルピロリジノン
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
TBAF テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
LDA リチウムジイソプロピルアミン
TBDMS tert−ブチル−ジメチルシリルクロリド
TLC 薄層クロマトグラフィー
Xantphos 4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチル−キサンテン
【0249】
調製1
(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(1−メチル−1−フェニル−エチル)−シクロヘキサノールクロロホルマート
この調製で使用する合成手順をスキームBに概説する。
【化8】

【0250】
JACS 1994, 116, 4719-4728に報告されている手順に従って、0℃で、(−)−8−フェニルメントール(12.66g、54.4mmol)およびキノリン(15.88mL、134.1mmol)のトルエン(210mL)溶液に、トルエン(45mL、87.9mmol)中20%のホスゲンを添加した。混合物を30分間0℃で撹拌し、そして16時間室温で撹拌した。ジエチルエーテルおよび2NのHClを添加し、混合物を5分間撹拌した。層を分離し、合わせた有機物を水、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、そして濃縮して乾燥させた。得られた粗5−メチル−2−(1−メチル−1−フェニル−エチル)−シクロヘキシルクロロホルマート(14.43g)を、さらに精製することなく使用した。
【0251】
調製2
4−メトキシ−3−トリイソプロピルシリル−ピリジン
この調製で使用する合成手順をスキームCに概説する。
【化9】

【0252】
JACS 1994, 116, 4719-4728に報告されている手順に従って、−25℃で4−メトキシピリジン(14.0g、128.3mmol)のTHF(150mL)溶液に、ヘプタン/THF/エチルベンゼン(76.9mL、153.9mmol)中2.0MのLDAを添加した。混合物を30分間−25℃で撹拌した。トリイソプロピルシリルクロリド(35.3mL、166.8mmol)を添加し、混合物を15分間−25℃で撹拌し、そして次いで16時間室温で撹拌した。水を添加し、EtOAcで混合物を抽出した。抽出物を、水、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、そして濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル8:2〜1:1)によって残留物を精製して、オレンジ色の固体として4−メトキシ−3−トリイソプロピルシラニル−ピリジン(7.56g、22%)を得た。
【0253】
調製3
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オン
この調製で使用する合成手順をスキームDに概説する。
【化10】

【0254】
工程1 2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−5−トリイソプロピルシラニル−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸5−メチル−2−(1−メチル−1−フェニル−エチル)−シクロヘキシルエステル
JACS 1994, 116, 4719-4728に報告されている手順に従って、−25℃で4−メトキシ−3−トリイソプロピルシラニル−ピリジン(6.06g、22.8mmol)のトルエン(160mL)溶液に、5−メチル−2−(1−メチル−1−フェニル−エチル)−シクロヘキシルクロロホルマート(6.73g、26.2mmol)のトルエン(140mL)溶液を添加した。15分後、混合物を−78℃に冷却し、THF中の1.0Mの4−フルオロフェニルマグネシウム臭化物(26.1mL、26.2mmol)をゆっくり添加した。混合物を1時間、−78℃で撹拌した。2NのHClを添加し、前記混合物を室温に加温し、さらに15分間撹拌した。前記混合物を酢酸エチルで抽出し、水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル9:1)によって残留物を精製して、白色の固体として2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−5−トリイソプロピルシラニル−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸5−メチル−2−(1−メチル−1−フェニル−エチル)−シクロヘキシルエステル(1.06g、48%)を得た。
【0255】
工程2 (S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オン
2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−5−トリイソプロピルシラニル−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸5−メチル−2−(1−メチル−1−フェニル−エチル)−シクロヘキシルエステル(7.78g、12.8mmol)のメタノール(95mL)溶液に、メタノール(29.4mL、128.4mmol)中の25%のナトリウムメトキシドを添加した。混合物を還流させながら16時間加熱した。室温に冷却した後、シュウ酸(46.3g、512mmol)を添加し、混合物を2時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、乾燥させた。酢酸エチルと水との間で粗製物を分配した。有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(hex:EtOAc/2:8〜0:1)によって精製して、黄色の固体として、(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オン(0.886g、36%、ee、99.3%)を得た。
【0256】
適切な置換フェニルグリニャール試薬を使用して、以下を同様に調製した:
(S)−2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オン;
(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オン;および
(S)−2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オン。
【0257】
実施例1
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4,5−ジメトキシ−フェニル)−アミド
この実施例で使用する合成手順をスキームEに概説する。
【化11】

【0258】
工程1 2−ブロモ−4,5−ジメトキシ−アニリン
JACS 1996, 118, 1028-1030に報告されている手順に従って、4−アミノベラトロール(3.06g、20.0mmol)を、室温でジクロロメタン(80mL)およびメタノール(40mL)の混合物に溶解させた。テトラブチルアンモニウム三臭化物(1.15eq、11.09g)を添加し、混合物を20分間撹拌した。亜硫酸ナトリウム飽和水溶液で前記混合物を抽出した。水で有機層を洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして真空内で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(勾配10:1〜7:3のヘキサン/酢酸エチル)により残留物を精製して、黄色の油状物である2−ブロモ−4,5−ジメトキシ−アニリンを1.403g(30%)得た。
【0259】
工程2 1−ブロモ−2−イソシアナト−4,5−ジメトキシ−ベンゼン
室温で、2−ブロモ−4,5−ジメトキシアニリン(464mg、2.0mmol)を10mLのトルエンに溶解させた。DMAP(1eq、245mg)およびピリジン(1.3eq、0.22mL)を添加し、次いでホスゲン(1.33eq、20%トルエン溶液1.33mL)を添加した。混合物を4時間90℃に加熱した。冷却時に、混合物を濾過し、真空内で濾液を濃縮して、薄茶色の油状物として、1−ブロモ−2−イソシアナト−4,5−ジメトキシ−ベンゼン(542mg、定量的)を得た。
【0260】
工程3 (S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4,5−ジメトキシ−フェニル)−アミド
調製3で得られた(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オン(57mg、0.30mmol)を、10mLのTHFに溶解させ、−40℃に冷却した。n-BuLi(1.1eq、2.5M溶液0.12mL)を滴下し、紫色の懸濁液を形成させた。この混合物を、紫色が白色に変化するまで30分間撹拌した。1−ブロモ−2−イソシアナト−4,5−ジメトキシ−ベンゼン(1eq、77mg)を添加した。混合物を−40℃で15分間撹拌し、次いで室温に加温し、2時間撹拌した。次いで、塩化アンモニウム飽和溶液で反応をクエンチした。前記混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして真空内で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル7:3)によって残留物を精製し、茶色の油状物として(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4,5−ジメトキシ−フェニル)−アミド(82mg、61%)を得た。MS(ES+)m/z 449(M+H)。
【0261】
同様の方法で、以下の化合物を調製した:
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−フルオロ−5−メトキシ−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシ−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−アミド;
(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(4,5−ジメトキシ−2−メチル−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル)−アミド;
(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(5−メトキシ−2−メチル−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(3−メトキシ−4−メチル−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2,4−ジクロロ−5−メトキシ−フェニル)−アミド;
(S)−5−ブロモ−4−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]アミノ}−2−メトキシ−安息香酸メチルエステル;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−ジフルオロメトキシ−5−メトキシ−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−シアノ−5−メトキシ−フェニル)−アミド;
2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(1−メチル−1H−インドール−6−イル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(5−アセチル−2−ブロモ−4−クロロ−フェニル)−アミド;
(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4,5−ジメトキシ−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4,5−ジクロロ−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メチルスルファニル−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−ヨード−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−5−シアノ−4−メチル−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−5−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド;
(S)−4−オキソ−2−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシ−フェニル)−アミド;
(Rac)―4−オキソ−2−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4,5−ジメトキシ−フェニル)−アミド;および
(S)−4−ブロモ−2−クロロ−5−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]−アミノ}−安息香酸メチルエステル。
【0262】
上記手順によって調製されるさらなる化合物を表1に示す。
【0263】
実施例2
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[5−ブロモ−3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール−6−イル]−アミド
この実施例で使用する合成手順をスキームFに概説する。
【化12】

【0264】
工程1 3−メチル−6−ニトロ−1H−インダゾール
一般にOrganic Synthesis 1955, Coll. Vol. 3, 660; 1940, 20, 73に報告されている手順に従って、2−エチル−5−ニトロアニリン(1.021g、6.14mmol)を氷酢酸(40mL)に溶解させ、混合物を0℃に冷却した。亜硝酸ナトリウム(1eq、424mg)の水溶液(1mL)をすべて一度に添加した。25℃で15分間撹拌を継続した。3時間後、残留固形物を濾過し、廃棄し、そして濾液は、室温で3日間静置した。溶液を真空内で濃縮させ、そして残留物を2mLの水で希釈し、激しく撹拌した。固体生成物を濾過し、冷水で十分に洗浄し、乾燥させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(4:1ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、固体として3−メチル−6−ニトロ−1H−インダゾール(436mg、40.5%)を得た。
【0265】
工程2 3−メチル−6−ニトロ−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール
室温で25mLのジクロロメタンに3−メチル−6−ニトロ−1H−インダゾール(436mg、2.46mmol)を溶解させた。DMAP(5mg)およびピリジン(1.1eq、0.38mL)を添加し、次いで塩化トシル(1.1eq、516mg)を添加した。混合物を、室温で一晩撹拌した。前記混合物を濾過し、そして真空内で濾液を濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(勾配9:1〜4:1のヘキサン/酢酸エチル)によって残留物を精製して、薄茶色の結晶性固体として、3−メチル−6−ニトロ−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール(850mg、定量的)を得た。
【0266】
工程3 3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール−6−イルアミン
室温で30mLのメタノールに3−メチル−6−ニトロ−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール(750mg、2.26mmol)を溶解させた。10%のパラジウム炭素(200mg)を添加し、そして混合物を水素バルーン下で一晩撹拌した。celiteを通して前記混合物を濾過し、そして真空内で濾液を濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(勾配9:1〜4:1のヘキサン/酢酸エチル)によって残留物を精製して、薄い黄褐色の結晶性固体として、3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール−6−イルアミン(265mg、38.9%)を得た。
【0267】
工程4 5−ブロモ−3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール−6−イルアミン
室温で1,2−ジクロルエタン(80mL)およびメタノール(40mL)に、3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール−6−イルアミン(301mg、1.0mmol)を溶解させた。混合物を80℃に加熱し、次いで、そしてテトラブチルアンモニウム三臭化物(1.0eq、482mg)を添加した。10分間撹拌を継続し、そして次いで、前記混合物をジエチルエーテルと亜硫酸ナトリウム飽和水溶液との間で分配した。有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして真空内で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(勾配9:1〜4:1のヘキサン/酢酸エチル)によって残留物を精製して、白色の粉末として、5−ブロモ−3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール−6−イルアミン(280mg、73.7%)を得た。
【0268】
工程5 5−ブロモ−6−イソシアナト−3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール
室温で5mLのトルエンに、5−ブロモ−3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール−6−イルアミン(138mg、0.36mmol)を溶解させた。DMAP(1eq、44mg)、ピリジン(1.3eq、0.04mL)を添加し、次いでホスゲン(1.33eq、20%トルエン溶液0.24mL)を添加した。混合物を2時間室温で撹拌し、細かい白色の沈殿物を形成させた。前記混合物を濾過し、そして真空内で濾液を濃縮した。ジクロロメタンで残留物を希釈し、そして再度真空内で濃縮して、白色の結晶性固体として5−ブロモ−6−イソシアナト−3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール(150mg、定量的)を得た。
【0269】
工程6 (S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[5−ブロモ−3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール−6−イル]−アミド
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オン(58mg、0.30mmol)を10mLのTHFに溶解させ、そして−40℃に冷却した。n-BuLi(1.1eq、2.5M溶液0.16mL)を滴下し、紫色の懸濁液を形成させた。この混合物を、紫色が白色に変化するまで30分間撹拌した。5−ブロモ−6−イソシアナト−3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール(1eq、146mg)を添加し、混合物を−40℃で1時間撹拌し、次いで室温に加温し、そして2時間撹拌した。次いで、塩化アンモニウム飽和水溶液で反応をクエンチした。前記混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして真空内で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(勾配9:1〜1:1のヘキサン/酢酸エチル)によって残留物を精製して、黄色の泡状物として、(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[5−ブロモ−3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール−6−イル]−アミド(140mg、65.1%)を得た。
【0270】
工程7 (S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[5−ブロモ−3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール−6−イル]−アミド
室温でジメチルスルフィド(5mL)に、(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[5−ブロモ−3−メチル−1−(トルエン−4−スルホニル)−1H−インダゾール−6−イル]−アミド(40mg、0.07mmol)を溶解させた。トリフルオロ酢酸(1mL)を添加し、そして混合物を室温で一晩撹拌した。真空内で溶液を濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(勾配9:1〜1:1のヘキサン/酢酸エチル)によって残留物を精製して、オフホワイトの泡状物である、(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(5−ブロモ−3−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−アミドを30mg(90.0%)得た。MS(ES+)m/z 443(M+H)。
【0271】
実施例3
2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−フルオロ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−アミド
この実施例で使用する合成手順をスキームGに概説する。
【化13】

【0272】
工程1 炭酸4−フルオロ−2−メチル−フェニルエステルメチルエステル
J. Med. Chem. 1999, 42, 5369の手順に従って、4−フルオロ−2−メチルフェノール(10.0g、79.0mmol)をTHFに溶解させ、そして混合物を0℃に冷却した。NaH(1eq、60%油分散3.16g)を慎重に添加した。ガス発生が停止した後、クロロギ酸メチル(1eq、6.8mL)を添加した。前記混合物を室温に加温し、3時間撹拌した。前記混合物を冷水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして次いで真空内で濃縮して、油状物として炭酸4−フルオロ−2−メチル−フェニルエステルメチルエステル(12.8g、88.0%)を得た。
【0273】
工程2 炭酸4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロ−フェニルエステルメチルエステル
炭酸4−フルオロ−2−メチル−フェニルエステルメチルエステル(12.8g、69.5mmol)を8mLの濃硫酸に懸濁させ、そして0℃に冷却した。濃硫酸(8mL)中の濃硝酸(8mL)の混合物をゆっくり添加し、反応温度を50℃未満に維持した。添加後、前記混合物を2時間撹拌した。反応混合物を氷水に注いで、沈殿物を形成させ、前記沈殿物を濾過し、そして乾燥させて、白色の粉末として、炭酸4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロ−フェニルエステルメチルエステル(8.0g、50.3%)を得た。
【0274】
工程3 4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロ−フェノール
炭酸4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロ−フェニルエステルメチルエステル(1.8g、7.8mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解させ、そして0℃に冷却した。三臭化ホウ素(ジクロロメタン中1M、8mL)を添加した。混合物を室温に加温し、一晩撹拌した。溶液に、1Nの水酸化ナトリウム(25mL)を添加し、そして混合物を1時間激しく撹拌した。層を分離し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして真空内で濃縮させて、赤色の結晶性固体として、4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロ−フェノール(1.083g、80.6%)を得た。
【0275】
工程4 1−フルオロ−4−メトキシ−5−メチル−2−ニトロ−ベンゼン
4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロ−フェノール(1.08g、6.3mmol)をアセトン(100mL)に溶解させた。これに、固体炭酸ナトリウム(2eq、1.34g)およびヨードメタン(10eq、3.75mL)を添加した。混合物を、室温で一晩撹拌した。前記混合物を濾過し、そして真空内で濾液を濃縮して、淡黄色の固体として、1−フルオロ−4−メトキシ−5−メチル−2−ニトロ−ベンゼン(1.18g、定量的)を得た。
【0276】
工程5 2−フルオロ−5−メトキシ−4−メチル−フェニルアミン
1−フルオロ−4−メトキシ−5−メチル−2−ニトロ−ベンゼン(1.18g、6.4mmol)を室温で40mLのメタノールに溶解させた。10%のパラジウム炭素(200mg)を添加し、そして混合物を水素バルーン下で一晩撹拌した。celiteを通して前記混合物を濾過した。真空内で濾液を濃縮して、固体として2−フルオロ−5−メトキシ−4−メチル−フェニルアミン(990mg、定量的)を得た。
【0277】
工程6 1−フルオロ−2−イソシアナト−4−メトキシ−5−メチル−ベンゼン
2−フルオロ−5−メトキシ−4−メチル−フェニルアミン(78mg、0.50mmol)を室温で10mLのトルエンに溶解させた。DMAP(1eq、61mg)、ピリジン(1.3eq、0.06mL)を添加し、次いでホスゲン(1.33eq、20%トルエン溶液0.34mL)を添加した。混合物を3時間室温で撹拌し、細かい白色の沈殿物を形成させた。前記混合物を濾過し、そして真空内で濾液を濃縮した。ジクロロメタンで残留物を希釈し、そして再度真空内で濃縮して、透明な油状物として1−フルオロ−2−イソシアナト−4−メトキシ−5−メチル−ベンゼン(90mg、定量的)を得た。
【0278】
工程7 2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−フルオロ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−アミド
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オン(95mg、0.50mmol)をTHFに溶解させ、−40℃に冷却した。n-BuLi(1.1eq、2.5M溶液0.34mL)を滴下し、紫色の懸濁液を形成させた。この混合物を、紫色が白色に変化するまで30分間撹拌した。1−フルオロ−2−イソシアナト−4−メトキシ−5−メチル−ベンゼン(1eq、90mg)を添加した。混合物を−40℃で1時間撹拌し、次いで室温に加温し、そして2時間撹拌した。塩化アンモニウム飽和溶液で反応をクエンチした。前記混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空内で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(勾配9:1〜1:1ヘキサン/酢酸エチル)によって残留物を精製して、泡状物として、2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−フルオロ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−アミド(46mg、24.7%)を得た。MS(ES+)m/z 373(M+H)。
【0279】
実施例4
(S)−5−ブロモ−4−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]−アミノ}−2−メトキシ−ベンズアミド
この実施例で使用する合成手順をスキームHに概説する。
【化14】

【0280】
工程1 4−ニトロ−2−メトキシ安息香酸tert−ブチル
60mLのTHFに溶解した5gの4−ニトロ−2−メトキシ安息香酸に、0.84gの4−(ジメチルアミノ)ピリジンおよび20gの二炭酸ジ−tert−ブチルを添加した。窒素下で72時間、室温にて溶液を撹拌し、次いで、氷水に注いだ。混合物のpHを炭酸ナトリウムでpH10に調整し、そしてジクロロメタンで混合物を抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして真空内で濃縮した。ヘキサン中5%の酢酸エチルを用いてSiO上で残留物をクロマトグラフィー分離して、6gの4−ニトロ−2−メトキシ安息香酸tert−ブチルを得た。
【0281】
工程2 4−アミノ−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチル
エタノールに4−ニトロ−2−メトキシ安息香酸tert−ブチルを溶解させ、0.75gの10%パラジウム炭を添加した。18時間、大気圧で水素下にて、室温で反応混合物を撹拌し、次いで、グラスファイバー紙を通して濾過して、触媒を除去した。真空内で濾液を濃縮して、白色の粉末として、3gの4−アミノ−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチルを得た。
【0282】
工程3 4−イソシアナト−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチル
実施例1の工程2の手順を使用して、4−アミノ−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチルおよびホスゲンから4−イソシアナト−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチルを調製した。
【0283】
工程4 (S)−5−ブロモ−4−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]−アミノ}−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチルエステル
実施例1の工程3の手順に従って、4−イソシアナト−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチルと(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オンとの反応により、(S)−5−ブロモ−4−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]−アミノ}−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチルエステルを調製した。
【0284】
工程5 (S)−5−ブロモ−4−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]−アミノ}−2−メトキシ−安息香酸
(S)−5−ブロモ−4−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]−アミノ}−2−メトキシ−安息香酸tert−ブチルエステル(170mg)を、0.1mLのトリフルオロ酢酸とともに10mLのジクロロメタン中で5時間撹拌した。リン酸緩衝液(pH7)を添加し、層を分離し、そしてジクロロメタンを真空内で除去した。残留物をアセトンに溶解させ、そして水をゆっくり添加することによって再結晶させた。結晶を濾過し、乾燥させて、108mgの(S)−5−ブロモ−4−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]−アミノ}−2−メトキシ−安息香酸を得た。
【0285】
工程6 (S)−5−ブロモ−4−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]−アミノ}−2−メトキシ−ベンズアミド
(S)−5−ブロモ−4−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]−アミノ}−2−メトキシ−安息香酸(72mg)を、アルゴン下で2mLのジクロロメタンおよび0.001mLのジメチルホルムアミドに溶解させた。この溶液に、0.02mLの塩化オキサリルを添加し、そして溶液を3時間撹拌した。次いで、0℃でジオキサン中0.5MのNHに前記溶液をゆっくり添加した。10分間撹拌した後、混合物を真空内で濃縮し、そしてクロマトグラフィー分離して(ジクロロメタン)、26mgの(S)―5−ブロモ−4−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]−アミノ}−2−メトキシ−ベンズアミドを得た。MS(M+H) 463。
【0286】
実施例5
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェニル]−アミド
この実施例で使用する合成手順をスキームIに概説する。
【化15】

【0287】
工程1 5−アミノ−2−クロロ−フェノール
2−クロロ−5−ニトロフェノール(20.0g、115.2mmol)のエタノール(150mL)および水(150mL)溶液に、鉄粉(32.2g、576.2mmol)および塩化アンモニウム(32.1g、599.3mmol)を添加した。混合物を還流させながら2時間加熱し、次いで室温に冷却し、そして濾過した。減圧下で濾液を濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(hex:EtOAc/9:1)によって残留物を精製して、白色の固体として、5−アミノ−2−クロロ−フェノール(15.85g、96%)を得た。
【0288】
工程2 5−アミノ−4−ブロモ−2−クロロ−フェノール
5−アミノ−2−クロロ−フェノール(15.85g、110.4mmol)のジクロロメタン(300mL)およびMeOH(150mL)溶液に、テトラブチルアンモニウム三臭化物(58.6g、121.4mmol)を添加した。混合物を20分間室温で撹拌し、そして次いで、NaSO飽和水溶液とEtOとの間で分配した。有機層を分離し、水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(hex:EtOAc/7:3)によって残留物を精製して、白色の固体として、5−アミノ−4−ブロモ−2−クロロ−フェノール(4.38g、18%)を得た。
【0289】
工程3 2−ブロモ−5−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−4−クロロ−フェニルアミン
5−アミノ−4−ブロモ−2−クロロ−フェノール(0.338g、1.52mmol)のNMP(5mL)溶液に、炭酸セシウム(0.644g、1.97mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.228g、1.52mmol)および2−ブロモエトキシtertブチルジメチルシラン(0.424g、1.97mmol)を添加した。混合物を2時間100℃に加熱し、次いで室温に冷却した。水を添加し、そしてEtOAcで混合物を抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(hex:EtOAc/8:2)によって残留物を精製して、白色の固体として、2−ブロモ−5−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−4−クロロ−フェニルアミン(0.505g、78%)を得た。
【0290】
工程4 [2−(4−ブロモ−2−クロロ−5−イソシアナト−フェノキシ)−エトキシ]−tert−ブチル−ジメチル−シラン
2−ブロモ−5−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−4−クロロ−フェニルアミン(0.15g、0.393mmol)のトルエン(3mL)溶液に、ピリジン(0.038mL、0.472mmol)、DMAP(0.048g、0.393mmol)、およびトルエン中の20%のホスゲン(0.224mL、0.433mmol)を添加した。混合物を2時間室温で撹拌した。前記混合物を濾過し、そして濾液を減圧下で濃縮して乾燥させて、白色の固体として、[2−(4−ブロモ−2−クロロ−5−イソシアナト−フェノキシ)−エトキシ]−tert−ブチル−ジメチル−シラン(0.155g)を得て、それを次の工程で直接使用した。
【0291】
工程5 (S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸{2−ブロモ−5−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−エトキシ]−4−クロロ−フェニル}−アミド
−78℃で(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オン(0.073g、0.381mmol)のTHF(3mL)溶液に、ヘキサン中の2.5Mのn-BuLi(0.152mL、0.381mmol)を添加した。混合物を−78℃で10分間撹拌した。[2−(4−ブロモ−2−クロロ−5−イソシアナト−フェノキシ)−エトキシ]−tert−ブチル−ジメチル−シラン(0.155g、0.381mmol)のTHF(2mL)溶液を添加し、混合物を−78℃で30分間、及び室温で30分間撹拌した。塩化アンモニウム飽和水溶液を添加し、そしてEtOAcで混合物を抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(hex:EtOAc/1:1)によって残留物を精製して、白色の泡状物として、(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸{2−ブロモ−5−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−エトキシ]−4−クロロ−フェニル}−アミド(0.198g、87%)を得た。
【0292】
工程6 (S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェニル]−アミド
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸{2−ブロモ−5−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−エトキシ]−4−クロロ−フェニル}−アミド(0.095g、0.158mmol)のTHF(5mL)溶液に、THF中の1.0MのTBAF(0.35mL、0.348mmol)を添加した。混合物を3時間室温で撹拌した。緩衝液(pH2)を添加し、そしてEtOAcで混合物を抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(hex:EtOAc/1:1)によって残留物を精製して、白色の泡状物として、(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェニル]−アミド(0.198g)を得た。MS(M+H) 484。
【0293】
同様の方法で、以下の化合物を調製した:
(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェニル]−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[2−ブロモ−4−クロロ−5−(3−メタンスルホニル−プロポキシ)−フェニル]−アミド(工程3において、使用されたアルキル化剤は、トルエン−4−スルホン酸3−メタンスルホニル−プロピルエステルであった、J. Med. Chem. 1995, 38, 2009を参照されたい);
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[2−ブロモ−4−クロロ−5−(2−メトキシ−エトキシ)−フェニル]−アミド)(BETBDMSの代りに工程3で、1−ブロモ−2−メトキシ−エタンを使用した);
(S)−(4−ブロモ−2−クロロ−5−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]−アミノ}−フェノキシ)−酢酸;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メチルカルバモイルメトキシ−フェニル)−アミド;
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−ヒドロキシ−フェニル)−アミド;
(S)−(4−ブロモ−2−クロロ−5−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]−アミノ}−フェノキシ)−酢酸メチルエステル(工程6から得られるフェノールを、ブロモ酢酸メチルでアルキル化した);
(S)−(4−ブロモ−2−クロロ−5−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボニル]−アミノ}−フェノキシ)−酢酸;および
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メチルカルバモイルメトキシ−フェニル)−アミド(工程6から得られるフェノールを、2−クロロ−N−メチルアセトアミドでアルキル化した)。
【0294】
実施例6
2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[2−ブロモ−4−クロロ−5−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−アミド
この実施例で使用する合成手順をスキームJに概説する。
【化16】

【0295】
工程1 1−(5−アミノ−4−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−エタノン
1−(5−アミノ−2−クロロ−フェニル)−エタノン(2.4g、14.15mmol)のジクロロメタン(30mL)およびMeOH(15mL)溶液に、テトラブチルアンモニウム三臭化物(5.5g、11.3mmol)を添加した。混合物を20分間室温で撹拌し、そして次いで、NaSO飽和水溶液とEtOとの間で分配した。有機層を分離し、水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(hex:EtOAc/85:15)によって残留物を精製して、黄色の固体として、1−(5−アミノ−4−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−エタノン(0.330g、9.5%)を得た。
【0296】
工程2 1−(5−アミノ−4−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−エタノール
1−(5−アミノ−4−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−エタノン(0.25g、1.00mmol)のメタノール(5mL)溶液に、NaBH4(0.076g、2.01mmol)を添加した。室温で2時間、混合物を撹拌し、次いで、2NのHClを添加することによってクエンチし、pH7の緩衝液でpHを中性にした。混合物をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(hex:EtOAc/7:3)によって残留物を精製して、透明な油状物として、1−(5−アミノ−4−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−エタノール0.195g(77%)を得た。
【0297】
工程3 5−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−4−クロロ−フェニルアミン
1−(5−アミノ−4−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−エタノール(0.195g、0.778mmol)のDMF(3mL)溶液に、tert−ブチル−ジメチルシリルクロリド(0.152g、1.011mmol)およびイミダゾール(0.069g、1.011mmol)を添加した。混合物を6時間室温で撹拌した。水を添加し、そしてEtOAcで混合物を抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(hex:EtOAc/9:1)によって残留物を精製して、透明な油状物として、2−ブロモ−5−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−4−クロロ−フェニルアミン(0.262g、92%)を得た。
【0298】
工程4 1−(4−ブロモ−2−クロロ−5−イソシアナト−フェニル)−エトキシ]−tert−ブチル−ジメチル−シラン
実施例5の工程4の手順を使用して、2−ブロモ−5−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−4−クロロ−フェニルアミンから1−(4−ブロモ−2−クロロ−5−イソシアナト−フェニル)−エトキシ]−tert−ブチル−ジメチル−シランを調製した。
【0299】
工程6 2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸{2−ブロモ−5−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−4−クロロ−フェニル}−アミド
実施例5の工程5の手順を使用して、2−ブロモ−5−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−4−クロロ−フェニルアミンと(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オンを反応させて、2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸{2−ブロモ−5−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−4−クロロ−フェニル}−アミドを得た。
【0300】
工程6 2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[2−ブロモ−4−クロロ−5−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−アミド
2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸{2−ブロモ−5−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−4−クロロ−フェニル}−アミド(0.144g、0.247mmol)を含むフラスコに、酢酸(4.5mL)、水(1.5mL)およびTHF(1.5mL)の混合物を添加した。混合物を16時間室温で撹拌した。水を添加し、そしてEtOAcで混合物を抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)によって精製して、白色の泡状物として、2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸[2−ブロモ−4−クロロ−5−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−アミド(0.082g、71%)を得た。MS(M+H) 468。
【0301】
実施例7
2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メタンスルホニル−フェニル)−アミド
この実施例で使用する合成手順をスキームKに概説する。
【化17】

【0302】
工程1 2−ブロモ−4−クロロ−5−メチルスルファニル−フェニルアミン
2−ブロモ−4−クロロ−5−ヨード−フェニルアミン(0.573g、1.72mmol)のジオキサン(10mL)溶液に、Pd(dba)(0.197g、0.2155mmol)、Xantphos(0.249g、0.431mmol)、ヒューニッヒ塩基(0.60mL、3.448mmol)およびナトリウムチオメトキシド(0.133g、1.72mmol)を添加した。混合物を6時間80℃で加熱した。前記混合物を室温に冷却し、pH2の緩衝液を添加した。混合物をEtOAcで抽出し、そして合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(hex:EtOAc/7:3)によって残留物を精製して、油状物として、2−ブロモ−4−クロロ−5−メチルスルファニル−フェニルアミン(0.22g、50%)を得た。
【0303】
工程2 1−ブロモ−5−クロロ−2−イソシアナト−4−メチルスルファニル−ベンゼン
2−ブロモ−4−クロロ−5−メチルスルファニル−フェニルアミン(0.10g、0.396mmol)のトルエン溶液(3mL)に、ピリジン(0.042mL、0.515mmol)、DMAP(0.048g、0.396mmol)およびトルエン(0.225mL、0.436mmol)中の20%のホスゲンを添加した。混合物を2時間室温で撹拌し、次いで濾過した。濾液を濃縮して乾燥させて、白色の固体として、1−ブロモ−5−クロロ−2−イソシアナト−4−メチルスルファニル−ベンゼン(0.095g)を得て、これを次の工程で直接使用した。
【0304】
工程3 (S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メチルスルファニル−フェニル)−アミド
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オン(0.065g、0.341mmol)のTHF(3mL)溶液に、−78℃でヘキサン中の2.5Mのn-BuLi(0.150mL、0.341mmol)を添加した。混合物を−78℃で10分間撹拌した。上記イソシアネート(0.095g、0.341mmol)のTHF(2mL)溶液を添加し、−78℃で30分間、及び30分間室温で撹拌した。飽和塩化アンモニウムを添加し、EtOAc(3×)で生成物を抽出した。抽出物を、水、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、そして濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(hex:EtOAc/1:1)によって精製して、白色の泡状物として、(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メチルスルファニル−フェニル)−アミド(0.130g、81%)を得た。
【0305】
工程4 2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メタンスルフィニル−フェニル)−アミド
2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メチルスルファニル−フェニル)−アミド(0.070g、0.149mmol)のメタノール(2mL)およびアセトニトリル(2mL)溶液に、オキソン(ペルオキシ一硫酸カリウム、0.064g、0.104mmol)および水(0.3mL)を添加した。混合物を2時間室温で撹拌した。水を添加し、そしてEtOAcで混合物を抽出した。有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)によって残留物を精製して、白色の泡状物として、2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メタンスルフィニル−フェニル)−アミドの2つのジアステレオ異性体を0.020gおよび0.021g得た。
【0306】
工程5 2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メタンスルホニル−フェニル)−アミド
2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メチルスルファニル−フェニル)−アミド(0.050g、0.106mmol)のメタノール(2mL)およびアセトニトリル(2mL)溶液に、オキソン(0.131g、0.213mmol)および水(0.3mL)を添加した。混合物を2時間室温で撹拌した。水を添加し、そしてEtOAcで混合物を抽出した。有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)によって残留物を精製して、白色の泡状物として、2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−クロロ−5−メタンスルホニル−フェニル)−アミド(0.009g)を得た。MS(M+H) 502。
【0307】
実施例8
4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−[2,3’]ビピリジニル−1−カルボン酸(2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−アミド
この実施例で使用する合成手順をスキームLに概説する。
【化18】

【0308】
工程1 2−トリメチルシリル−エタンスルホン酸ピリジン−3−イルメチレンアミド
3−ホルミルピリジン(0.228mL、2.42mmol)および2−(トリメチルシリル)エタンスルホンアミド(0.438g、2.42mmol)のトルエン溶液(30mL)に、Ar下でホウ素トリフルオリドエーテラート(0.02mL、0.15mmol)を添加した。Dean-Starkトラップを使用して、20時間還流させながら混合物を加熱した。冷却後、10%の重炭酸ナトリウム水溶液を添加し、酢酸エチルで混合物を抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして減圧下で濃縮して乾燥させ、粗2−トリメチルシリル−エタンスルホン酸ピリジン−3−イルメチレンアミド(669mg)を得、それを次の工程で直接使用した。
【0309】
工程2 1−(2−トリメチルシリル−エタンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−[2,3’]ビピリジニル−4−オン
2−トリメチルシリル−エタンスルホン酸ピリジン−3−イルメチレンアミド(665mg)のトルエン溶液(4.5mL)に、ダニシェフスキー(Danishefsky's)ジエン(0.46mL、2.4mmol)をAr雰囲気下で添加した。混合物を還流させながら90分間加熱した。真空内でトルエンを除去し、残留物(esidue)をジクロロメタン(約10mL)に溶解させ、5分間2NのHCl(約10mL)で処理した。10%の重炭酸ナトリウム水溶液を慎重に添加して、pHを8に調整した。相を分離し、ジクロロメタンで水相を抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして減圧下で蒸発させて乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(勾配ヘキサン/酢酸エチル)によって残留物を精製して、1−(2−トリメチルシリル−エタンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−[2,3’]ビピリジニル−4−オン(322mg、全体的に40%)を得た。
【0310】
工程3 2,3−ジヒドロ−1H−[2,3’]ビピリジニル−4−オン
1−(2−トリメチルシリル−エタンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−[2,3’]ビピリジニル−4−オン(106.1mg、0.31mmol)のDMF溶液(0.5mL)に、フッ化セシウム(153.5mg、1.0mmol)をAr雰囲気下で添加した。混合物を90℃で2時間加熱し、次いで室温に冷却した。酢酸(0.062mL、1.085mmol)を添加し、混合物を酢酸エチルで希釈し、そして濾過した。減圧下で濾液を乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール95:5)によって残留物を精製して、2,3−ジヒドロ−1H−[2,3’]ビピリジニル−4−オン(51mg、93.5%)を得た。
【0311】
工程4 4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−[2,3’]ビピリジニル−1−カルボン酸(2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−アミド
実施例1の工程3の手順を使用して、2,3−ジヒドロ−1H−[2,3’]ビピリジニル−4−オンを1−ブロモ−2−イソシアナト−4−メトキシ−5−メチル−ベンゼンと反応させて、4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−[2,3’]ビピリジニル−1−カルボン酸(2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−アミドを得た。MS(M+H) 417。
【0312】
同様の方法で、以下の化合物を調製した:
2−(2−クロロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−アミド;および
2−(2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−5−メトキシ−4−メチル−フェニル)−アミド。
【0313】
実施例9
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(3−ブロモ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−アミド
この実施例で使用する合成手順をスキームMに概説する。
【化19】

【0314】
工程1 6−アミノ−5−ブロモ−ピリジン−2−オール
6−アミノ−ピリジン−2−オール(5g、45.4mmol)の氷酢酸(60mL)溶液に、Ar雰囲気下で臭素(2.33mL、45.4mmol)を添加した。混合物を20分間撹拌し、次いで、水を添加し、そして酢酸エチルで前記混合物を抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮して乾燥させて、粗6−アミノ−5−ブロモ−ピリジン−2−オール(4.53g)を得た。
【0315】
工程2 3−ブロモ−6−メトキシ−ピリジン−2−イルアミン
6−アミノ−5−ブロモ−ピリジン−2−オール(1.0g)のDMF溶液(30mL)に、0℃でトルエン中の0.5Mカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(11.7mL、5.83mmol)を、Ar雰囲気下で添加した。10分間撹拌した後、0℃で硫酸ジメチル(0.64mL、5.26mmol)を添加した。前記混合物を室温に加温し、そしてさらに2時間撹拌した。緩衝液(pH7)を添加し、そしてジエチルエーテルで混合物を抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、そして濃縮して乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン45:55)によって残留物を精製して、純3−ブロモ−6−メトキシ−ピリジン−2−イルアミン(260mg、全工程で13%)を得た。
【0316】
工程3 3−ブロモ−2−イソシアナト−6−メトキシ−ピリジン
実施例1の工程2の手順を使用して、3−ブロモ−6−メトキシ−ピリジン−2−イルアミンとホスゲンとの反応により、3−ブロモ−2−イソシアナト−6−メトキシ−ピリジンを調製した。
【0317】
工程4 (S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(3−ブロモ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−アミド
実施例1の工程3の手順を使用して、3−ブロモ−2−イソシアナト−6−メトキシ−ピリジンと(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オンとの反応により、(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(3−ブロモ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−アミドを調製した。MS(M+H) 421。
【0318】
実施例10
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−メタンスルホニル−5−メトキシ−フェニル)−アミド
この実施例で使用する合成手順をスキームNに概説する。
【化20】

【0319】
工程1 2−メトキシ−1−メチルスルファニル−4−ニトロ−ベンゼン
2−ヨード−5−ニトロアニソール(5.58g、20.0mmol)、Pd(dba)(0.025eq、457mg)、Xantphos(0.05eq、578mg)、ヒューニッヒ塩基(1eq、3.48mL)およびナトリウムメタンチオラート(1eq、1.40g)をTHFに溶解させた。混合物を還流させながら一晩加熱した。冷却時に、celiteを通して前記混合物を濾過した。真空内で濾液を濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(4:1ヘキサン/酢酸エチル)によって残留物を精製して、黄色の結晶性固体として、2−メトキシ−1−メチルスルファニル−4−ニトロ−ベンゼン(2.72g、68.3%)を得た。
【0320】
工程2 1−メタンスルホニル−2−メトキシ−4−ニトロ−ベンゼン
2−メトキシ−1−メチルスルファニル−4−ニトロ−ベンゼン(797mg、4.0mmol)をメタノール(10mL)およびアセトニトリル(10mL)に溶解させた。オキソン(1.5eq、3.7g)の水溶液(8mL)を添加し、そして混合物を4時間室温で撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして真空内で濃縮して、黄色の結晶性固体として、1−メタンスルホニル−2−メトキシ−4−ニトロ−ベンゼン(631mg、68.2%)を得た。
【0321】
工程3 4−メタンスルホニル−3−メトキシ−フェニルアミン
実施例3の工程5の手順に従って、1−メタンスルホニル−2−メトキシ−4−ニトロ−ベンゼンの還元により4−メタンスルホニル−3−メトキシ−フェニルアミンを調製した。
【0322】
工程4 4−イソシアナト−1−メタンスルホニル−2−メトキシ−ベンゼン
実施例3の工程6の手順に従って、4−メタンスルホニル−3−メトキシ−フェニルアミンとホスゲンとの反応により4−イソシアナト−1−メタンスルホニル−2−メトキシ−ベンゼンを調製した。
【0323】
工程5 (S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−メタンスルホニル−5−メトキシ−フェニル)−アミド
実施例3の工程7の手順に従って、4−イソシアナト−1−メタンスルホニル−2−メトキシ−ベンゼンと(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オンとの反応により、(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−4−メタンスルホニル−5−メトキシ−フェニル)−アミドを調製した。
【0324】
実施例11
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−5−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
この実施例で使用する合成手順をスキームOに概説する。
【化21】

【0325】
工程1 2−メトキシ−4−ニトロ−1−トリフルオロメチル−ベンゼン
JACS 2003, 125, 12502に報告されている手順に従って、2−ヨード−5−ニトロアニソール(2.79g、10.0mmol)、ヨウ化銅(I)(2.2eq、4.19g)およびフッ化カリウム(2.2eq、1.28g)をDMFに溶解させた。ClFCCOCH(4.4eq、4.7mL)を添加し、混合物を一晩120℃に加熱した。冷却時に、水およびジエチルエーテルで混合物を希釈し、そしてceliteを通して濾過した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして真空内で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(勾配9:1〜1:1ヘキサン/酢酸エチル)によって残留物を精製して、黄色の油状物として、2−メトキシ−4−ニトロ−1−トリフルオロメチル−ベンゼン(1.13g、51.1%)を得た。
【0326】
工程2 3−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミン
実施例3の工程5を用いて、2−メトキシ−4−ニトロ−1−トリフルオロメチル−ベンゼンの還元により、3−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミンを調製した。
【0327】
工程3 4−イソシアナト−2−メトキシ−1−トリフルオロメチル−ベンゼン
実施例3の工程6の手順に従って、3−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミンとホスゲンとの反応により、4−イソシアナト−2−メトキシ−1−トリフルオロメチル−ベンゼンを調製した。
【0328】
工程4 (S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−5−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
実施例3の工程7の手順に従って、4−イソシアナト−2−メトキシ−1−トリフルオロメチル−ベンゼンおよび(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オンから、(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−5−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを調製した。
【0329】
実施例12
(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−ブロモ−5−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
この実施例で使用する合成手順をスキームPに概説する。
【化22】

【0330】
工程1 1−ブロモ−4,5−ジメトキシ−2−ニトロ−ベンゼン
J. Org. Chem. 1960, 25, 721の手順に従って、10℃で維持された濃硝酸(122mL)および酢酸(365mL)の撹拌溶液に、4−ブロモベラトロール(16.28g、75.0mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を15℃で1時間撹拌し、次いで、水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして真空内で濃縮した。残留物はをエタノールから結晶化させて、黄色の結晶として、1−ブロモ−4,5−ジメトキシ−2−ニトロ−ベンゼン(13.144g、66.9%)を得た。
【0331】
工程2 1−イソプロペニル−4,5−ジメトキシ−2−ニトロ−ベンゼン
1−ブロモ−4,5−ジメトキシ−2−ニトロ−ベンゼン(6.55g、25.0mmol)、炭酸カリウム(2eq、6.91g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.125eq、3.61g)をジオキサンに溶解させた。イソプロペニルボロン酸ピナコールエステル(1eq、4.7mL)を添加し、混合物を一晩100℃に加熱した。冷却時に、celiteを通して前記混合物を濾過した。濾液を真空内で濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(勾配9:1〜1:1ヘキサン/酢酸エチル)によって残留物を精製して、黄色の油状物として、1−イソプロペニル−4,5−ジメトキシ−2−ニトロ−ベンゼン(1.59g、28.5%)を得た。
【0332】
工程3 2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェニルアミン
1−イソプロペニル−4,5−ジメトキシ−2−ニトロ−ベンゼン(446mg、2.0mmol)を室温で50mLのメタノールに溶解させた。10%のパラジウム炭素(200mg)を添加し、混合物を水素バルーン下で一晩撹拌した。celiteを通して前記混合物を濾過した。濾液を真空内で濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(4:1ヘキサン/酢酸エチル)によって残留物を精製して、黄褐色の油状物として2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェニルアミン(369mg、94.6%)を得た。
【0333】
工程4 1−イソシアナト−2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンゼン
実施例1の工程2の手順に従って、2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェニルアミンとホスゲンとの反応により、1−イソシアナト−2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンゼンを調製した。
【0334】
工程5 (S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸(2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−フェニル)−アミド
実施例1の工程3の手順に従って、1−イソシアナト−2−イソプロピル−4,5−ジメトキシ−ベンゼンを(S)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリジン−4−オンと反応させた。
【0335】
実施例13
製剤
以下の表に示すように、様々な経路によって送達するための医薬製剤を製剤化する。以下の表で用いられるとき、「活性成分」または「活性化合物」は、式Iで示される化合物のうち1つ以上を意味する。
【0336】
【表2】

【0337】
成分を混合し、各々約100mgを含有するカプセルに分配する;1個のカプセルは、おおよそ総一日用量である。
【0338】
【表3】

【0339】
成分を混ぜ合せて、メタノールなどの溶媒を用いて顆粒化する。次いで、その製剤を乾燥させて、適切な打錠機で錠剤(約20mgの活性化合物を含有する)に成形する。
【0340】
【表4】

【0341】
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
【0342】
【表5】

【0343】
活性成分を注射用水の一部に溶解させる。次いで、十分な量の塩化ナトリウムを撹拌しながら添加して、等張溶液を作製する。注射用水の残りを用いて溶液の重量を調整し、0.2ミクロンのメンブランフィルターを用いて濾過し、無菌条件下でパッケージ化する。
【0344】
【表6】

【0345】
成分を一緒に融解させ、蒸気浴上で混合し、全重量2.5gを収容する型に注ぐ。
【0346】
【表7】

【0347】
水以外の成分をすべて合わせて、撹拌しながら約60℃に加熱する。次いで、約60℃の十分な量の水を激しく撹拌しながら添加して、成分を乳化させ、次いで、適量である約100gの水を添加する。
【0348】
鼻内噴霧製剤
鼻内噴霧製剤として約0.025〜0.5パーセントの活性化合物を含有しているいくつかの水懸濁剤を調製する。前記製剤は、場合により、例えば、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロースなどの不活性成分を含有してもよい。塩酸を添加してpHを調節してもよい。鼻内噴霧製剤は、典型的には、1回の作動当たり約50〜100μLの製剤が鼻内噴霧定量ポンプを介して送達され得る。典型的な投与スケジュールは、4〜12時間毎に2〜4回噴霧である。
【0349】
実施例14
細胞内カルシウムフラックス(FLIPR)アッセイ
化合物および試薬の調製
10mMのDMSO原液として、粉末から化合物の原液を調製した。DMSO原液の凍結解凍を防ぐために、2週間のこれら実験期間中室温でこれらの溶液を保管した。10μMの濃度で適切なアッセイバッファにDMSO原液を添加し、そして次いで、試験した終末濃度まで段階希釈した。この工程中、どの時点においても、目に見える沈殿物は形成されなかった。実験中は毎日、化合物に加えてATP(Sigma A7699)およびBzATP(Sigma B6396)を含む水溶液を新たに調製した。
【0350】
細胞培養:1321N1−hP2XおよびHEK293−rP2X
完全長ヒトP2X遺伝子を安定的に発現する1321N1細胞(1321N1−hP2X)および完全長ラットP2X遺伝子を安定的に発現するHEK293細胞(HEK293−rP2X)は、Roche Cell Culture Facilityから入手した。1321N1−hP2X細胞を、10%のFBSおよび250μg/mLのG418を添加した高グルコースダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で増殖させた。HEK293−rP2X細胞を、10%のFBS、1mMのCaCl、2mMのMgCl、2mMのL−グルタミンおよび500μg/mLのG418を添加したDMEM/F−12中で増殖させた。>70%コンフルエントにならないように、細胞を分割した。
【0351】
細胞内カルシウムフラックス(FLIPR)アッセイ
実験の前日に、1321N1−hP2XまたはHEK293−rP2X細胞を、カルシウム不含PBS+Verseneを含む懸濁液に放出し、遠心分離によってカルシウム不含PBSで洗浄してVerseneを除去した。細胞内カルシウムフラックス実験の約18時間前に、2.5x10細胞/mLの密度で増殖培地に細胞を再懸濁させ、壁が黒色で底部が透明である96ウェルプレートに接種した(50,000細胞/ウェル)。
【0352】
実験日に、BIO−TEK 96チャネルプレート洗浄機を使用して、FLIPRバッファ(10mMのHepes、2.5mMのプロベネシドおよび2mMの塩化カルシウムを添加したカルシウムおよびマグネシウム不含ハンクス液(HBSS))でプレートを洗浄し、37℃で1時間2mMのfluo−3色素と共にインキュベーションした。次いで、プレートを洗浄することにより色素を除去し、室温で20分間、アンタゴニストまたは溶剤(FLIPRバッファ)で細胞を平衡化した。アゴニスト(hP2Xの場合、100μMのBzATP終末濃度;rP2Xの場合、5μMのBzATP終末濃度)をFLIPRと共にオンラインで添加し、60秒間1秒間隔で、次いでさらに4分間3秒間隔で蛍光測定を行った(合計5分間)。5μMのイオノマイシンを最後に添加し、最大BzATP誘起蛍光を、最大イオノマイシン誘起蛍光に対して正規化した。
【0353】
実施例14
ヒト白血球IL−1β放出アッセイ
化合物および試薬の調製
DMSO(Sigma D2650)中10mMの化合物原液を調製し、そのまま、または−20℃で保存した後に用いた。DMSOで化合物の適切な(200×)段階希釈液を作製し、次いで、血液中の終末DMSO濃度が常に0.5%と等しいように、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS;Mediatech Inc., 21-030)で新たに1〜20(10×)希釈した。
【0354】
50mMのHEPES(Gibco 15630)中で、使用する直前に、30mMのATP(Sigma A7699)を調製し、1Mの水酸化ナトリウムでpHを7.2に調節した。
【0355】
血液ドナー
ヒト血液ドナーは、薬剤を服用しておらず、採血前の少なくとも24時間アルコールまたはカフェインの利用が制限された。同日、ナトリウムヘパリンバキュテーナーチューブに血液を回収し、使用した。
【0356】
アッセイ方法
アッセイで用いられるOptEIAヒトIL−1βELISAセット、OptEIAコーティングバッファ、アッセイ用希釈剤、およびTMB基質試薬セットは、BD Pharmingenから購入した。血液をダルベッコPBSで1:1に希釈し、終末濃度が25ng/mLになるようにLPS(Escherichia Coli 0127:B8, Sigma L3129)を添加し、37℃で2時間インキュベーションした。このLPSで感作された血液48μLを、96ウェルポリプロピレンプレートの適切なウェル内の、5%DMSO/PBS中10×化合物6μLに添加した。血液および化合物を混合し、37℃で30分間インキュベーションした。LPS感作血液+化合物に30mMのATP6μLを添加し、十分混合し、37℃でさらに30分間インキュベーションした。各ウェルにELISAアッセイバッファ96μLを添加し、4℃で10分間1,200rpmにてプレートを遠心分離した。上清を除去し、製造業者のプロトコルに従ってOptiEIAキットを用いてIL−1βについてアッセイした(血清は、アッセイ前−20℃で冷凍してよい)。XLfitを使用して、IC50を計算した。
【0357】
実施例15
喘息および肺機能についてのインビボアッセイ
BALb/cJマウスを標準的な免疫プロトコルで免疫する。簡潔に述べると、0日目および14日目に、マウス(N=8/群)をアルム(alum)中の卵白アルブミン(OVA;10μg)でi.p.免疫する。次いで、21日目および22日目に、エアロゾル化されたOVA(5%)にマウスを曝露する。動物に溶剤(p.o.)または本発明の化合物(100mg/kg、p.o.)を投与し、これらは全て20日目に開始した。
【0358】
23日目に、Buxcoシステムを使用して、エアロゾルメタコリン曝露に応答するPenHを測定することにより、肺機能を評価する。次いで、マウスを安楽死させて、研究の最後に血漿サンプルを回収する。
【0359】
本発明はその特定の態様を参照して記載されているが、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な変更を行ってもよく、また、等価物に置換できることを当業者は理解すべきである。さらに、本発明の客観的趣旨および範囲に、特定の状況、物質、合成物、プロセス、プロセス工程または工程を適応させるために多くの変更を行ってもよい。このような変更は全て、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲内であることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化23】


で示される化合物、またはその薬学的に許容しうる塩
(式中、
mは、0または1であり;
nは、0または1であり;
は:
場合により置換されているアリール;
場合により置換されているヘテロアリール;または
アダマンチルであり;
は:
場合により置換されているアリール;
場合により置換されているヘテロアリール;
3−6シクロアルキル;
1−6アルキル;または
3−6分岐鎖アルキルであり;そして
、RおよびRはそれぞれ独立して:
水素;または
1−6アルキルである)。
【請求項2】
mが0である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
nが0である、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
、R、およびRが水素である、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
が場合により置換されているフェニルである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
が、それぞれ独立して、ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;C1−6アルキルスルファニル;C1−6アルキルスルフィニル;フェニル部分が場合によりC1−6アルキルで置換されているフェニルスルホニル;ニトリル;ヒドロキシ;C1−6アルキルカルボニル;アミノカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシカルボニル;ヒドロキシカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルアミノカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルキル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシ;アミノ;アミノ−C1−6アルキル;C1−6アルケニル;C1−6アルキニル;モルホリニル;モルホリニル−C1−6アルキル;ピペラジニル;ピペリジニルオキシ;アミノカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルコキシアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルコキシ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;ジ(ヒドロキシ−C1−6アルキル)アミノ−C1−6アルキル;C1−6アルコキシカルボニルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルキルカルボニルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルキルアミノカルボニル;C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル;C1−6アルキルアミノカルボニル−C1−6アルキル;ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル−C1−6アルキル;C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;ヒドロキシカルボニル−C1−6アルキル;またはニトロから選択される置換基(単数または複数)で1、2、3、または4回置換されているフェニルであるか;あるいは、2つの隣接する置換基が、C1−2アルキレンジオキシ、またはハロ−C1−2アルキレンジオキシを形成してもよいフェニルである、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
が、それぞれ独立して、ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;C1−6アルキルスルファニル;C1−6アルキルスルフィニル;フェニル部分が場合によりC1−6アルキルで置換されているフェニルスルホニル;ニトリル;ヒドロキシ;C1−6アルキルカルボニル;アミノカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシカルボニル;ヒドロキシカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルアミノカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルキル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシ;アミノ;アミノ−C1−6アルキル;C1−6アルケニル;C1−6アルキニル;モルホリニル;モルホリニル−C1−6アルキル;ピペラジニル;ピペリジニルオキシ;アミノカルボニル−C1−6アルコキシ;C1−6アルコキシアミノ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルコキシカルボニルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルキルカルボニルアミノ−C1−6アルキル;C1−6アルキルアミノカルボニル;C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル;C1−6アルキルアミノカルボニル−C1−6アルキル;C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル;ヒドロキシカルボニル−C1−6アルキル;またはニトロから選択される置換基(単数または複数)で1、2、3、または4回置換されているフェニルであるか;あるいは、2つの隣接する置換基が、C1−2アルキレンジオキシ、またはハロ−C1−2アルキレンジオキシを形成してもよいフェニルである、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
が、それぞれ独立して、フルオロ;クロロ;ブロモ;ヨード;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;トリフルオロメトキシ;メタンスルホニル;メタンスルファニル;メタンスルフィニル;トルエンスルホニル;ニトリル;アセチル;アミノカルボニル;メトキシカルボニル;メトキシカルボニルメトキシ;カルボキシ;ヒドロキシカルボニルメトキシ;メチルアミノカルボニルメトキシ;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;メチルアミノエトキシ;メタンスルホニルプロピルオキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;シクロプロピルメトキシ;アミノ;またはニトロ;モルホリニル;N,N−ジメチルアミノカルボニルメトキシ;boc−ピペラジニル;N−(2−メトキシエチル)−N−メチルアミノメチル;N,N−ジメチルアミノメチル;アミノメチル;boc−アミノメチル;メチルカルボニルアミノメチル;N,N−ジ−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノメチル;モルホリニルメチル;2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル;メチルアミノカルボニル;ピペリジニルオキシ;tert−ブトキシカルボニルメチル;N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル;n−プロピル;イソプロピル;ヒドロキシカルボニルメチル;ヒドロキシプロポキシから選択される置換基(単数または複数)で1、2、3、または4回置換されているフェニルであるか;あるいは、2つの隣接する置換基が、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、またはジフルオロメチレンジオキシを形成してもよいフェニルである、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
が、それぞれ独立して、ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;ニトリル;C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルコキシ;ヒドロキシ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキルアミノ;C1−2アルキレンジオキシ;またはC3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシから選択される置換基(単数または複数)で1、2、3、または4回置換されているフェニルである、請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
が、それぞれ独立して、フルオロ;クロロ;ブロモ;ヨード;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;メタンスルホニル;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;ヒドロキシプロポキシ;メチレンジオキシ;またはエチレンジオキシから選択される置換基(単数または複数)で1、2、3、または4回置換されているフェニルである、請求項1〜9のいずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
が、場合により、それぞれ独立して、フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;またはシクロプロピルメトキシから選択される置換基(単数または複数)で1、2、または3回置換されているフェニルである、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
が場合により置換されているフェニルである、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
が、場合により、それぞれ独立して、フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;またはシクロプロピルメトキシから選択される置換基(単数または複数)で1、2、または3回置換されているフェニルである、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
が、それぞれ独立して、フルオロ;クロロ;メチル;メトキシ;またはニトリルから選択される置換基(単数または複数)で1または2回置換されているフェニルである、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
がフルオロで1または2回置換されているフェニルである、請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物。
【請求項16】
化合物が式IIで示される、請求項1記載の化合物:
【化24】


(式中、
pは0〜3であり;
、R、R、RおよびR10は、それぞれ独立して:水素;ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;C1−6アルキルスルファニル;C1−6アルキルスルフィニル;フェニル部分が場合によりC1−6アルキルで置換されているフェニルスルホニル;ニトリル;ヒドロキシ;アルキルカルボニル;アミノカルボニル;アルコキシカルボニル;アルコキシカルボニルアルコキシ;ヒドロキシカルボニル;ヒドロキシカルボニルアルコキシ;アルキルアミノカルボニルアルコキシ;アルコキシアルコキシ;ヒドロキシアルコキシ;アルキルアミノアルコキシ;アルキルスルホニルアルコキシ;ヒドロキシアルキル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシ;アミノ;アミノアルキル;またはニトロであるか;あるいは、2つの隣接する置換基が、C1−2アルキレンジオキシまたはハロ−C1−2アルキレンジオキシを形成してもよく;そして
各R11は、独立して:ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;またはニトリルである)。
【請求項17】
、R、R、RおよびR10のうち少なくとも2つが水素ではない、請求項16記載の化合物。
【請求項18】
、R、R、RおよびR10が、それぞれ独立して、水素;フルオロ;クロロ;ブロモ;ヨード;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;トリフルオロメトキシ;メタンスルホニル;メタンスルファニル;メタンスルフィニル;トルエンスルホニル;ニトリル;アセチル;アミノカルボニル;メトキシカルボニル;メトキシカルボニルメトキシ;カルボキシ;ヒドロキシカルボニルメトキシ;メチルアミノカルボニルメトキシ;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;メチルアミノエトキシ;メタンスルホニルプロピルオキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;シクロプロピルメトキシ;アミノ;またはニトロ;モルホリニル;N,N−ジメチルアミノカルボニルメトキシ;boc−ピペラジニル;N−(2−メトキシエチル)−N−メチルアミノメチル;N,N−ジメチルアミノメチル;アミノメチル;boc−アミノメチル;メチルカルボニルアミノメチル;N,N−ジ−(2−ヒドロキシエチル)−アミノメチル;モルホリニルメチル;2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル;メチルアミノカルボニル;ピペリジニルオキシ;tert−ブトキシカルボニルメチル;N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル;n−プロピル;イソプロピル;ヒドロキシカルボニルメチル;ヒドロキシプロポキシであるか;あるいは、2つの隣接する置換基が、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、またはジフルオロメチレンジオキシを形成してもよい、請求項16または17記載の化合物。
【請求項19】
、R、R、RおよびR10が、それぞれ独立して、水素;ハロ;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;ニトリル;アルコキシアルコキシ;ヒドロキシアルコキシ;アルキルスルホニルアルコキシ;ヒドロキシアルキル;またはC3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシである、請求項16〜18のいずれか一項記載の化合物。
【請求項20】
、R、R、RおよびR10が、それぞれ独立して、水素;フルオロ;クロロ;ブロモ;ヨード;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;メタンスルホニル;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;またはシクロプロピルメトキシである、請求項16〜19のいずれか一項記載の化合物。
【請求項21】
、R、R、RおよびR10が、それぞれ独立して、水素;フルオロ;クロロ;ブロモ;メチル;エチル;メトキシ;エトキシ;トリフルオロメチル;ジフルオロメトキシ;ニトリル;メトキシエトキシ;ヒドロキシエトキシ;ヒドロキシメチル;ヒドロキシエチル;またはシクロプロピルメトキシである、請求項16〜20のいずれか一項記載の化合物。
【請求項22】
およびR10が水素である、請求項16〜21のいずれか一項記載の化合物。
【請求項23】
が、水素;ハロ;またはメチルである、請求項16〜22のいずれか一項記載の化合物。
【請求項24】
が、水素;メトキシ;ハロ;メチル;またはジフルオロメトキシである、請求項16〜23のいずれか一項記載の化合物。
【請求項25】
が、メトキシ;水素;2−ヒドロキシ−エトキシ;2−メトキシ−エトキシ;1−ヒドロキシ−エチル;またはシクロプロピルメチルである、請求項16〜24のいずれか一項記載の化合物。
【請求項26】
pが、0、1、または2である、請求項16〜25のいずれか一項記載の化合物。
【請求項27】
11が、ハロ、好ましくはR11がフルオロである、請求項16〜26のいずれか一項記載の化合物。
【請求項28】
前記化合物が、式III:
【化25】


(式中、R、R、RおよびR11は、請求項15に列挙した通りである)で示される、請求項16記載の化合物。
【請求項29】
(a)薬学的に許容しうる担体;および
(b)請求項1〜28のいずれか一項記載の化合物、
を含む、医薬組成物。
【請求項30】
関節炎を処置する方法であって、有効量の請求項1〜28のいずれか一項記載の化合物を、投与を必要としている被験体に投与することを含む方法。
【請求項31】
炎症性疼痛、術後疼痛、内臓痛、歯痛、月経前疼痛、中枢痛、熱傷に起因する疼痛、片頭痛または群発頭痛、神経損傷、神経炎、神経痛、中毒、虚血傷害、間質性膀胱炎、癌性疼痛、ウイルス感染症、寄生虫感染症、または細菌感染症、外傷後傷害、または過敏性腸症候群に関係する疼痛から選択される疼痛症状を処置するための方法であって、有効量の請求項1〜28のいずれか一項記載の化合物を、投与を必要としている被験体に投与することを含む方法。
【請求項32】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息および気管支痙攣から選択される呼吸器障害を処置するための方法であって、有効量の請求項1〜28のいずれか一項記載の化合物を、投与を必要としている被験体に投与することを含む方法。
【請求項33】
炎症性障害の処置で使用するための請求項1〜28のいずれか一項記載の化合物。
【請求項34】
上記本明細書に記載された本発明。

【公表番号】特表2012−513435(P2012−513435A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542762(P2011−542762)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067032
【国際公開番号】WO2010/072599
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】