PBG(フォトニックバンドギャップ)材料を使用するアンテナ、並びに、このアンテナを使用するシステム及び方法
本発明は、フォトニック禁止帯(Photonic Forbidden Band:PFB)材料を使用するアンテナに関し、この場合に、デフォルトの状態では、アンテナの共振空洞(8)内において電磁波を注入及び/又は受信する表面(26)は、少なくとも動作周波数の波長以上の幅又は長さ又は直径を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PBG(Photonic Band Gap:フォトニックバンドギャップ)材料を使用するアンテナと、このアンテナを使用するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナが存在している。これらのアンテナは、少なくとも1次元の周期性並びに送信及び/又は受信において放射性を有する外部面を有する第1PBG材料と、このPBG材料のストップバンド内において少なくとも1つの狭い通過帯域を生成することが可能である第1共振空洞を形成するPBG材料の少なくとも1つの周期性欠陥であって、この共振空洞は、放射性を有する外部面の反対側のPBG材料の下部面によって形成された上部壁及び当該上部壁と対向する下部壁を有するようなPBG材料の少なくとも1つの周期性欠陥と、上記共振空洞を共振させることが可能である少なくとも1つの励起装置であって、この励起装置は、狭い通過帯域内に含まれる動作周波数において電磁波を注入及び/又は受信する表面を有し、この表面は、空洞の下部壁と同一平面上にあるような少なくとも1つの励起装置とを具備する。
【0003】
これらの既存のアンテナについては、例えば、C.N.R.S.(Centre National de la Recherche Scientifique:フランスの国立科学研究センタ)によって出願された下記の特許文献1に記述されている。
【0004】
既存のアンテナにおいては、励起装置は、通常、パッチアンテナ、ダイポール、プローブアンテナ、又はワイヤパッチアンテナである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許出願第9914521号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナは、高利得及び高指向性を有する。しかしながら、いくつかの応用分野では、このようなアンテナの指向性を更に増大させる必要がある。
【0007】
本発明は、同一の欠陥を有するPBG材料を使用しつつ、既知のアンテナと比べて増大した指向性を有するアンテナを提案することにより、上記の必要性を充足することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明は、PBG材料を使用するアンテナに関し、この場合に、電磁波を注入及び/又は受信する表面は、少なくともλを上回る幅又は長さ又は直径を有する。ここで、λは、動作周波数の波長である。
【0009】
上記電磁波を注入及び/又は受信する表面が波長λを上回る寸法(即ち、ここでは、幅又は長さ又は直径)を有する励起装置を使用するという事実により、PBG材料を使用するアンテナの指向性が増大することが判明した。
【0010】
更に正確には、本明細書に記載の「同一平面上にある(flush)」とは、実質的に反射器プレーン(接地プレーン)6(例えば、後述の図1参照)によって規定されたプレーン内にある表面を意味する。従って、電磁波を注入及び/又は受信する表面は、反射器プレーン6の上方又は下方の非常に小さな距離hに位置することが可能である。通常、反射器プレーンに対して垂直の方向zにおいて計測される距離hは、−λ/10から+λ/20である際に非常に小さいものと見なされ、この場合に、−λ/10は、反射器プレーンの下方の最大距離に対応し、且つ、+λ/20は、反射器プレーンの上方(即ち、共振空洞側)の最大距離に対応する。
【0011】
このアンテナの実施例は、以下の特徴の中の1つ又は複数のものを有することが可能である。
【0012】
電磁波を注入及び/又は受信する表面上における電磁波の電力の分布は、電力が最大である地点を有する。この地点は、その表面の周辺部から離れており、且つ、電力は、表面のプレーン内にあると見なされる直線の方向とは無関係に、この地点から周辺部に向かって延長する直線に沿って継続的に減少する。
【0013】
励起装置は、共振空洞内において開放された遠端と、電磁波生成器及び/又は受信機に接続可能である近端とを備える少なくとも1つのフレア電磁導波路を有し、遠端の横断断面(transverse cross−section)の表面面積は、近端の横断断面の表面面積を正確に上回っており、且つ、導波路の遠端は、前述の電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、下部壁と同一平面上にある。
【0014】
フレア導波路は、その横断断面が一定であり、且つ、近端の断面と等しい供給導波路と、その横断断面が、近端の横断断面と同一である小さな断面から遠端の横断断面と同一である大きな断面に増大するフレア部分とを有し、フレア部分の小さな断面は、供給導波路に対して端と端を接した状態(end−to−end)で配置され、且つ、供給導波路の横断断面の寸法は、供給導波路内において電磁波の1つの伝播モードのみを許容するのに適している。
【0015】
供給導波路の横断断面の寸法は、TE10又はTE11伝播モードのみを許容するのに適している。
【0016】
フレア部分の大きな断面からフレア部分の小さな断面を分離する最短距離は、dminを上回っており、ここで、dmin=0.25*aであり、且つ、aは、大きな断面の最大幅又は長さ又は直径に等しい。
【0017】
励起装置は、それ自体が、欠陥を有するPBG材料を使用する構造であり、励起装置の前述の電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、少なくとも1次元の周期性と、共振空洞の下部壁と同一平面上にある外部面とを有する第2PBG材料(114)とを具備する。
【0018】
励起装置は、共振空洞の下部壁に対して平行な方向において電磁波を導波する複数の横方向壁を有する導波路であり、これらの壁の中の1つのものは、前述の電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、導波される電磁波に対して透過性を有し、且つ、共振空洞の下部壁と同一平面上にある。
【0019】
励起装置は、接地プレーンと、接地プレーンの表面に固定され、且つ、接地プレーンから電気的に絶縁された導電性材料のストリップとを有し、ストリップは、電磁波生成器及び/又は受信機に接続された際に、前述の電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、共振空洞の下部壁と同一平面上にある状態において固定される。
【0020】
電磁波を注入及び/又は受信する表面は、厳密に放射外部面の表面面積未満であり、且つ、好ましくは、放射外部面の表面面積の2倍未満である。
【0021】
共振空洞の下部壁と電磁波を注入及び/又は受信する表面とは、同一プレーン内にある。
【0022】
アンテナは、共振空洞の下部壁と同一平面上にある電磁波を注入及び/又は受信する表面をそれぞれが有する複数の励起装置を備える。
【0023】
これらのアンテナの実施例は、以下の利点を更に有する。
【0024】
電波の電力の分布が最大値を有し、且つ、電磁波(電波)を注入及び/又は受信する表面の周辺部に向かって減少するため、同一のPBG材料により、既知のアンテナと同一の放射通過帯域を維持しつつ、指向性を増大させることが可能である。
【0025】
励起装置としてフレア導波路を使用することにより、アンテナの利得を更に増大させることが可能である。
【0026】
供給導波路を使用することにより、アンテナの動作の最も適切な電磁波伝播モードを選択することが可能である。
【0027】
TE10又はTE11伝播モードを使用することにより、アンテナの動作が最適化される。
【0028】
dminを上回る距離により、電磁波を注入及び/又は受信する表面の領域内において電磁波の良好な位相の均一性を得ることが可能になり、この結果、アンテナの性能が改善される。
【0029】
PBG材料を使用する構造を励起装置として使用することにより、フレア導波路を使用した場合と比べて、その性能を同一に維持しつつ、アンテナの空間要件を節減することが可能である。
【0030】
横方向壁の中の1つのものが、導波される電磁波に対して透過性を有する導波路を使用することにより、励起装置がフレア導波路であるアンテナと比べて、アンテナの空間要件を節減することが可能である。
【0031】
電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく導電性材料のストリップを使用することにより、励起装置がフレア導波路である場合と比べて、PBG材料を使用するアンテナの寸法を節減することが可能である。
【0032】
又、本発明は、電磁波を送信及び/又は受信するシステムにも関し、このシステムは、システムによって送信及び/又は受信される電磁波を合焦する装置であって、この装置は、焦点を有するような装置と、送信又は受信において放射性を有し、且つ、実質的に電磁波を合焦する装置の焦点のレベルに配置された外部面を有するマルチバンドルアンテナとを備え、この場合に、マルチバンドルアンテナは、PBG(フォトニックバンドギャップ)を使用するアンテナであって、少なくとも1次元の周期性並びに送信及び/又は受信において放射性を有する外部面を有する第1PBG材料と、PBG材料のストップバンド内において少なくとも1つの狭い通過帯域を生成することが可能である第1共振空洞を形成するPBG材料の少なくとも1つの周期性欠陥であって、この共振空洞は、放射外部面の反対側のPBG材料の下部面によって形成された上部壁と、上部壁と対向する下部壁とを有するようなPBG材料の少なくとも1つの第1周期性欠陥と、共振空洞を共振させることが可能である複数の励起装置であって、これらの励起装置は、狭い通過帯域内に含まれる動作周波数において電磁波を注入及び/又は受信する表面を有し、この表面は、共振空洞の下部壁と同一平面上にあるような複数の励起装置とを有する。
【0033】
それぞれの電磁波を注入及び/又は受信する表面は、少なくともλを上回る幅又は長さ又は直径を有し、ここで、λは、対応する励起装置の動作周波数の波長である。
【0034】
又、本発明は、PBG材料を使用する前述のアンテナを利用して電磁波を送信及び/又は受信する方法にも関する。
【0035】
本発明は、添付の図面を参照しながら、非限定的な例としてのみ提供される以下の説明を参照することにより、更に理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナのアーキテクチャの概略的な斜視断面図である。
【図2】欠陥を有するPBG材料を使用する既知のアンテナの斜視図である。
【図3】図1及び図2のアンテナを利用して取得した放射図のグラフである。
【図4】図1及び図2のアンテナを利用して取得した放射図のグラフである。
【図5】図1及び図2のアンテナを利用して取得した放射図のグラフである。
【図6】図1及び図2のアンテナの天頂指向性(zenithal directivity)をその個々の動作周波数の関数として示すグラフである。
【図7】欠陥を有するPBG材料を使用するマルチソースアンテナの第2実施例の斜視断面図である。
【図8】電磁波を合焦する装置を有する電磁波送信/受信システムの概略図である。
【図9】図1又は図7のアンテナにおいて使用可能なフレア導波路の様々な構造の概略図である。
【図10】図1又は図7のアンテナにおいて使用可能なフレア導波路の様々な構造の概略図である。
【図11】図1又は図7のアンテナにおいて使用可能なフレア導波路の様々な構造の概略図である。
【図12】図1又は図7のアンテナにおいて使用可能なフレア導波路の様々な構造の概略図である。
【図13A】リッジ導波路(又は、リッジホーンアンテナ)の正面図である。
【図13B】リッジ導波路(又は、リッジホーンアンテナ)の側面図である。
【図14】図1又は図7のアンテナにおいて使用可能なコルゲート導波路(corrugated waveguide)の概略図である。
【図15】PBG材料を使用するアンテナのその他の実施例の概略図である。
【図16】PBG材料を使用するアンテナのその他の実施例の概略図である。
【図17】PBG材料を使用するアンテナのその他の実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、31.2GHzの動作周波数において動作するべく設計されたPBG材料を使用するアンテナ2を示す。アンテナ2は、PBG材料4と、電磁波を反射する反射器プレーン6と、PBG材料4と反射器プレーン6との間に形成された共振空洞8と、共振空洞8の励起用の装置(励起装置)10とを有する。
【0038】
例えば、PBG材料4、共振空洞8、及び反射器プレーン6は、C.N.R.S.(Centre National de la Recherche Scientifique)による1999年11月18日付けで公開された国際公開第1137373号(WO1137373)の開示内容に従って製造される。
【0039】
一例として、PBG材料4は、ここでは、垂直方向zにおいて、異なる誘電率の平坦なレイヤを積層することによって製造される。レイヤの各々は、方向zに対して直交する方向x及び方向yによって規定された水平プレーン内において延長している。
【0040】
更に正確には、アンテナ2は、その相対誘電率εγが5.4である材料から製造された2つの平坦なレイヤ14及び16と、2つのレイヤ14及び16の間に介在する空気のレイヤ18とを有する。空気のレイヤは、例えば、方向zにおいて2.3ミリメートル(mm)の厚さを有する。
【0041】
ここで、レイヤの各々は、矩形であり、且つ、161ミリメートルの長さl(エル)と、100ミリメートルの幅Lとを有する。
【0042】
レイヤ14は、積層体の最上部に配設されており、且つ、従って、方向x及び方向yに対して平行な放射外部面20を有する。
【0043】
共振空洞8は、レイヤ16の下部面によって形成された上部壁と、反射器プレーン6の上部面によって形成された下部壁とを有する。共振空洞は、空気で充填されており、且つ、方向zにおいて4.75ミリメートルの高さを有する。
【0044】
反射器プレーン6は、方向x及び方向yに対して平行に延長している。例えば、方向x及び方向yにおける反射器プレーン6の寸法は、レイヤ14及び16のものと同一である。反射器プレーン6は、電磁波に対して不透過性を有する。例えば、反射器プレーン6は、金属等の導電性材料から製造される。
【0045】
開口部26が、実質的に反射器プレーン6の中央に形成されている。開口部26は、ここでは、14.4ミリメートル×14.4ミリメートルの正方形の断面を有する。
【0046】
装置10は、電磁波生成器/受信機30と、この電磁波生成器/受信機30によって生成された電磁波を共振空洞8に向かって導波し、且つ、表面(放射外部面)20によって受信された電磁波を生成器/受信機30に導波する機能を有するフレア導波路32とを備える。図1においては、送信される電磁波の伝播方向が、方向zに対して平行な波状の上向き矢印Fによって表されている。逆に、受信された電磁波の伝播方向は、方向zに対して平行な波状の下向き矢印Rによって表されている。
【0047】
導波路32は、ここでは、フレア部分36に対して端と端を接した状態で配置された供給導波路34によって形成されたピラミッド形ホーンである。
【0048】
供給導波路34は、一定の矩形の横断断面を有する。ここでは、「横断断面」という表現は、電磁波の伝播方向に対して垂直のプレーンにおける断面を意味する。横断断面の寸法は、TE10モードによる電磁波の伝播のみを許容するべく選択される。ここでは、例えば、31.2GHzの動作周波数の場合に、供給導波路34の横断断面は、それぞれ、4.3mm及び8.6mmの幅及び長さを有する。
【0049】
導波路34の近端は、電磁波生成器/受信機30に対して直接的に接続され、反対側の端部は、フレア部分36に対して端と端を接した状態で直接的に接合される。
【0050】
セクション(フレア部分)36は、導波路34の端部に対して端と端を接した状態で接合された一端(エンドツーエンド(end−to−end)端部)を有する。導波路34の端部に対して端と端を接した状態で接合された一端は、8.6mm×4.3mmの矩形断面を有する。又、導波路は、共振空洞8内において開放された遠端をも有する。更に正確には、フレア部分36の遠端は、開口部26内において開放されている。遠端及び開口部26は、同一の寸法を有する。従って、遠端は、ここでは、反射器プレーン6によって規定されたものと同一のプレーン内において製造されている。
【0051】
フレア部分36の横断断面の幅及び長さは、フレア部分36のエンドツーエンド端部と遠端との間において徐々に増大している。
【0052】
通常、フレア部分36のエンドツーエンド端部と遠端との間の方向zにおける距離dは、0.25aを上回り、且つ、好ましくは、a2/2を上回り、ここで、aは、μm(ミクロン)を単位として表現された遠端の最大幅である。ここで、距離dは、0.5×lcから6×Lcであり、ここで、lc及びLcは、それぞれ、フレア部分36の遠端の横断断面の幅及び長さである。ここでは、横断断面は正方形であるため、lc及びLcは等しい。
【0053】
例えば、距離dは、ここでは、19.4ミリメートルになるように選択されている。
【0054】
フレアセクション(フレア部分)36の遠端は、共振空洞8内において電磁波を注入及び受信する表面を形成している。この表面は、ここでは、伝播方向F及びRに対して垂直である。上記表面は、ここでは、開口部26のものと同一の寸法を有する。具体的には、アンテナ2の動作周波数が31.2GHzであるため、表面の幅及び長さは、1.5λに等しく、ここで、λは、動作周波数の波長であることに留意されたい。これらの条件下において、アンテナ2の指向性は、図3〜図6に示されているように、同一の放射通過帯域を維持しつつ、欠陥を有するPBG材料を使用する既存のアンテナの指向性よりも良好である。
【0055】
図2は、仏国特許出願第9914521号(FR9914521)の開示内容に従って製造されたPBG材料を使用する既存のアンテナ40を示す斜視図である。更に正確には、アンテナ40は、装置10によって励起される代わりに、パッチプローブ42によって励起されるという点のみがアンテナ2と異なっている。パッチプローブ42は、それぞれ、2.9ミリメートル及び4.3ミリメートルの幅及び長さを有し、31.2GHzの動作周波数において電磁波を共振空洞8内に注入することが可能である。パッチプローブ42の寸法は、その動作周波数によって決定され、且つ、従って、必然的に波長λを下回る。更に正確には、パッチプローブ42の長さは、λ/2に等しい。
【0056】
図3〜図5は、それぞれ、プレーンE内におけるアンテナ2及び40の放射図、45°のプレーン内におけるアンテナ2及び40の放射図、並びに、プレーンH内におけるアンテナ2及び40の放射図を示すものである。
【0057】
これらのグラフにおいては、X軸は、アンテナの天頂方向との関係における計測方向の角度を表している。Y軸は、デシベルを単位として表現された指向性を表している。図3〜図5のグラフ上において、破線は、アンテナ40の放射図を表し、実線は、アンテナ2の放射図を表している。
【0058】
理解されるように、アンテナ2の最大指向性は、天頂方向において発生する。アンテナ2の最大指向性は、アンテナ40の最大指向性を1.7デシベルだけ上回っている。このアンテナの最大指向性は、ここでは、実質的に22.9デシベル(dB)に等しい。
【0059】
更には、アンテナ2の二次ローブは、放射図の計測のために考慮されたプレーンとは無関係に、アンテナ40の二次ローブを明らかに下回っている。これは、アンテナ40に対するアンテナ2の更なる利点である。
【0060】
図6のグラフは、異なる動作周波数fにおける天頂方向におけるアンテナ2及び40の(天頂における)最大指向性を示すものである。Y軸は、デシベルを単位とする電力を表し、X軸は、動作周波数を表している。
【0061】
図6において、破線及び実線は、それぞれ、アンテナ40及びアンテナ2について得られた計測値を表している。
【0062】
図6のグラフは、−3dBという同一の通過帯域において、アンテナ2は、アンテナ40のほぼ2倍の指向性である最大指向性を有することを示している。従って、その幅、長さ、又は直径が少なくとも波長λを上回る電磁波を注入及び/又は受信する表面を有する励起装置を使用することにより、同一の最大指向性において、アンテナの通過帯域を増大させることが可能である。実際に、このような励起装置によれば、選択性の低いPBG材料を使用することにより、PBG材料を使用する従来のアンテナと同一の指向性を得ることが可能である。
【0063】
図7は、欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナ50の別の実施例を示す斜視断面図である。例えば、アンテナ50は、共振空洞8の励起のために複数の励起装置を有するという点を除いて、アンテナ2と同一である。図7を簡単にするべく、2つの励起装置52及び54のみが示されている。
【0064】
例えば、励起装置52は、アンテナ2の装置10と同一である。
【0065】
又、励起装置54も、電磁波生成器/受信機30が、励起装置52によって使用される動作周波数とはわずかに異なる動作周波数において受信及び送信するのに適しているという点を除いて、装置10と同一である。
【0066】
従って、アンテナ50は、マルチバンドルアンテナである。励起装置52及び54は、好ましくは、部分的にオーバーラップする放射スポット56及び58を放射外部面20上に形成するべく、国際公開第2004/040696号(WO2004/040696)の開示内容に従って相互の関係において配列されている。
【0067】
図8は、電磁波を送信及び受信するシステム60を示す概略図である。システム60は、電磁波を焦点64に向かって合焦する装置62を有する。例えば、装置62は、パラボラ電磁波反射器又は凹面電磁波反射器である。又、装置62は、受信した電磁波を焦点64上に合焦するのに適したレンズであってもよい。
【0068】
又、システム60は、マルチバンドルアンテナ66をも有し、この放射面は、焦点64のレベルに配置されている。ここで、マルチバンドルアンテナ66は、例えば、アンテナ50と同一である。
【0069】
図9〜図14は、図1との関連において記述した導波路32の代わりに使用可能である様々なタイプの導波路を示す概略図である。
【0070】
更に正確には、図9は、ピラミッド形ホーンという名称で知られる導波路70を示すものである。
【0071】
図9において、伝播及び受信方向は、それぞれ、波状の矢印F及びRによって表されている。
【0072】
導波路32と同様に、導波路70は、フレア部分74に対して端と端を接した状態で配置された供給導波路72を有する。
【0073】
供給導波路72の横断断面は、矩形であり、且つ、一定である。この断面の長さ及び幅は、図9には、a1及びb1として示されている。
【0074】
フレア部分74の横断断面は、供給導波路72のものに等しい横断断面から、更に幅の広い遠位横断断面に向かって徐々に増大している。この遠位横断断面の長さ及び幅は、図9には、a及びbとして示されている。アンテナ2において使用するには、幅a又は長さbの少なくとも1つのものは、動作波長λを上回らなければならない。
【0075】
ピラミッド形ホーンに関する更なる情報については、「電磁ホーンの設計のためのいくらかのデータ(Some data for the design of electromagnetic horns)」(イー.エイチ.ブラウン(E. H. BRAUNE),アンテナ及び伝播に関するIRE会報(IRE Trans. Antennas and Propag.),第AP4巻、第1号、29〜31頁、1956年1月)という参考文献を参照されたい。
【0076】
図10は、円錐ホーンという名称で知られる別のタイプの導波路を示すものである。
【0077】
円錐ホーンは、フレア部分80に接続された供給導波路78を有する。供給導波路78及びフレア部分80の両方の横断断面は、円形である。導波路70の横断断面の寸法は、電磁波のTE11伝播モードのみを許容するべく決定される。
【0078】
アンテナ2において使用するには、部分80の遠位横断断面の最大幅、即ち、ここでは、直径dは、動作波長λを上回らなければならない。
【0079】
フレア部分80の内部は、滑らかであってよく、或いは、図11に示されているように、羽根82を有することも可能である。羽根82により、電磁場は、壁に対して垂直の状態において強制的に打ち消される。
【0080】
円錐ホーンに関する更なる情報については、「円錐ホーンの電磁場(Electromagnetic field of a conical horns)」(エム.ジー.ショール(M.G.SCHORR)及びエフ.ジェイ.ベック(F. J. BECK),アンテナ及び伝播に関するIRE会報(IRE Trans. Antenna and Propag.),第AP4巻、第1号、29〜31頁、1956年1月)の論文を参照されたい。
【0081】
図12は、「トラップホーン」という名称で知られる導波路86の異なる実施例を示すものである。
【0082】
導波路86は、供給導波路88及びフレア部分90を有する。供給導波路88は、円形導波路である。
【0083】
フレア部分90は、λ/4に近い深さを有する同軸リングによって構成される。ここで、λは、動作波長である。アンテナ2内において使用するには、これらの同軸リングの最大のものの直径は、波長λを上回らなければならない。
【0084】
図13A及び図13Bは、「リッジホーン」という名称で知られる導波路94を示すものである。
【0085】
導波路94は、そのフレア部分内に、電磁波の均一な位相シフトをもたらすべく設計された曲線に沿って、端と端を接した状態で接合された端部から遠端に向かって延長する2つの羽根96、98を有しており、この結果、更に大きな帯域幅を得ることが可能である。
【0086】
フレア部分の遠端の横断断面は、例えば、正方形である。正方形の幅は、アンテナ2において使用するには、波長λを上回らなければならない。
【0087】
このタイプの導波路に関する更なる情報については、「1GHz〜18GHzの広帯域ダブルリッジ・ホーンアンテナの分析及びシミュレーション(Analysis and simulation of 1 to 18 GHz broadband double ridge horns antenna)」(バーンズ シー.(Burns C.)及びロイチマン ピー.(Leuchtmann P.),電磁適合性に関するIEEE会報(IEEE Trans. On Electromagnetic compatibility)、第454巻、第1号、55〜60頁、2003年2月)の論文を参照されたい。
【0088】
図14は、「コルゲートホーン」という名称によっても知られているコルゲート導波路100を示すものである。
【0089】
このタイプのコルゲートホーンは、ホーンのフレア部分104の内周に沿って延長する複数のリブ102を有する。
【0090】
このようなコルゲートホーンは、回転対称であり、且つ、1オクターブを超過することが可能な通過帯域幅を有する。
【0091】
導波路70と同様に、フレア部分の遠端の矩形横断断面の長さa2及び幅b2の少なくとも1つのものは、アンテナ2において使用するには、動作波長λを上回らなければならない。
【0092】
コルゲートホーンのリブ102により、電磁波のHE11伝播モードを生成することが可能である。
【0093】
このタイプの導波路に関する更なる情報については、「コルゲートホーン設計用のカットオフ・コルゲート表面の特性(Properties of cutoff corrugated surfaces for corrugated horns design)」(シー.エー.メンゼル(C. A. Mentzer)及びエル.ピータース(L. Peters),アンテナ伝播に関するIEEE会報(IEEE Trans. Antennas Propag.),第AP22巻、第2号、191〜196頁、1974年3月)及び「コルゲートホーンアンテナのパターン分析(Pattern analysis of corrugated horns antennas)」(シー.エー.メンゼル(C. A. Mentzer)及びエル.ピータース(L. Peters),アンテナ伝播に関するIEEE会報(IEEE Trans. Antennas propag.),第AP24巻、第3号、304〜309頁、1976年3月)という論文を参照されたい。
【0094】
図15は、励起装置10が共振空洞8の励起用の装置112によって置換されているという点を除いて、アンテナ2と同一である、欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナ110を示す概略図である。
【0095】
装置112は、それ自体が、欠陥を有するPBG材料を使用する構造である。この装置112は、PBG材料114と、反射器プレーン116と、共振空洞118であって、この上部壁は、PBG材料114の下部面によって形成され、且つ、この下部壁は、プレーン116の上部面によって形成されるような共振空洞118と、アンテナの励起用の装置120とを有する。
【0096】
装置112は、仏国特許出願第9914521号(FR9914521)の開示内容に従って設計されている。共振空洞118内に配置された励起装置120は、ここでは、パッチプローブ、ダイポール、スロットアンテナ又はワイヤパッチアンテナ、或いは、フレア導波路である。
【0097】
装置112は、上部面122を有する。上部面122は、共振空洞8内において電磁波を注入及び受信するべく、反射器プレーン6内に形成された開口部26の内部と同一平面上にある。
【0098】
図15において、波状の矢印F及びRは、それぞれ、送信及び受信における電磁波の伝播方向を表している。
【0099】
上部面122は、例えば、矩形であり、且つ、長さa3及び幅b3を有する。好ましくは、長さa3及び幅3bは、同一の放射通過帯域幅を維持しつつ、アンテナの指向性及び利得を増大させるべく、アンテナ110の動作波長λを上回る。
【0100】
ここでは、上部面122は、反射器プレーン6の表面と同一のプレーン内に配置されている。
【0101】
図16は、欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナ130を示す概略図である。アンテナ130は、励起装置が励起装置132によって置換されているという点を除いて、アンテナ2と同一である。
【0102】
装置132は、下部横方向壁134及び上部横方向壁136の端部に形成された導波路である。下部横方向壁134及び上部横方向壁136は、導波される波の伝播方向に対して平行であり、且つ、反射器プレーン6に対しても平行である。
【0103】
矢印Gは、装置132の内部における電磁波の伝播方向を表している。以前の図と同様に、波状の矢印F及びRは、アンテナ30によって送信及び受信される電磁波の伝播方向を表している。
【0104】
装置132は、導波された電磁波を受け入れる開口部138と、下部横方向壁134及び上部横方向壁136に対して垂直である端部140とを有する。端部140は、好ましくは、電磁波に対して不透過性を有するプレートによって閉鎖されている。
【0105】
上部横方向壁136は、装置132によって導波された電磁波が共振空洞8に向かって逃避することを許容するべく、電磁波に対して透過性を有する材料から製造される。
【0106】
ここで、上部横方向壁136は、反射器プレーン6によって形成されたものと同一のプレーン内において共振空洞8の内部と同一平面上にある。
【0107】
上部横方向壁136を除いて、電磁波を導波するためのものであるその他の壁は、電磁波が逃避することを防止するべく、電磁波に対して不透過性を有する。
【0108】
図17は、欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナ150を示す概略図である。アンテナ150は、励起装置が励起装置152によって置換されているという点を除いて、アンテナ2と同一である。励起装置152は、反射器プレーン6と、反射器プレーン6に対して平行に延長する導電性材料のストリップ154と、電磁波生成器/受信機156とを有する。
【0109】
ストリップ154は、反射器プレーン6から電気的に絶縁され、且つ、電磁波生成器/受信機156に対して接続されている。ストリップは、一定の幅a4及び長さb4を有する。長さb4は、波長λを上回る。ストリップ154は、電磁波を注入及び受信する表面を形成している。
【0110】
アンテナ150内において、反射器プレーン6は、導電性材料から製造されている。又、反射器プレーン6は、接地等の基準電位にも接続されている。
【0111】
方向zにおいて計測される反射器プレーン6とストリップ154との間の距離hは、ここでは、λ/40未満であり、従って、電磁波を注入及び/又は受信する表面は、反射器プレーン6と同一平面上にあると見なされる。
【0112】
多数のその他の実施例が可能である。例えば、アンテナ2は、ここでは、動作周波数が31.2GHzである特定のケースについて記述されている。しかしながら、本明細書に提供された開示内容によるPBG材料を使用するアンテナは、0.5GHz〜50GHzの動作周波数用に設計することも可能である。
【0113】
本明細書に記述されたフレア導波路を有する様々な励起装置用の供給導波路は、供給源30が、正しい電磁波伝播モードのみを直接的に生成するのに適している場合には、省略可能である。変形例として、供給導波路の横断断面が動作周波数λを上回る幅又は長さ又は直径を有する場合には、フレア部分を省略することが可能である。
【0114】
多数のその他のタイプの導波路を供給装置として使用することが可能である。例えば、ポッタホーン(Potter horn)を使用することが可能である。このタイプのホーンに関する更なる情報については、「抑圧されたサイドローブ及び同等のビーム幅を有する新しいホーンアンテナ(A new horn antenna with suppressed side lobes and equal beamwidths)」(ピー.ディー.ポッタ(P. D. Potter),マイクロ波ジャーナル(Microwave J.),第6巻、71〜78頁、1963年6月)を参照されたい。
【0115】
但し、すべてのケースにおいて、反射器プレーンと同一平面上にあるような電磁波を注入/受信する表面は、動作波長λを上回る寸法、即ち、ここでは、幅、長さ、又は直径を有しなければならない。
【0116】
好ましくは、反射器プレーンと電磁波を注入/受信する表面との間の距離hは、−λ/20から+λ/40である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、PBG(Photonic Band Gap:フォトニックバンドギャップ)材料を使用するアンテナと、このアンテナを使用するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナが存在している。これらのアンテナは、少なくとも1次元の周期性並びに送信及び/又は受信において放射性を有する外部面を有する第1PBG材料と、このPBG材料のストップバンド内において少なくとも1つの狭い通過帯域を生成することが可能である第1共振空洞を形成するPBG材料の少なくとも1つの周期性欠陥であって、この共振空洞は、放射性を有する外部面の反対側のPBG材料の下部面によって形成された上部壁及び当該上部壁と対向する下部壁を有するようなPBG材料の少なくとも1つの周期性欠陥と、上記共振空洞を共振させることが可能である少なくとも1つの励起装置であって、この励起装置は、狭い通過帯域内に含まれる動作周波数において電磁波を注入及び/又は受信する表面を有し、この表面は、空洞の下部壁と同一平面上にあるような少なくとも1つの励起装置とを具備する。
【0003】
これらの既存のアンテナについては、例えば、C.N.R.S.(Centre National de la Recherche Scientifique:フランスの国立科学研究センタ)によって出願された下記の特許文献1に記述されている。
【0004】
既存のアンテナにおいては、励起装置は、通常、パッチアンテナ、ダイポール、プローブアンテナ、又はワイヤパッチアンテナである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許出願第9914521号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナは、高利得及び高指向性を有する。しかしながら、いくつかの応用分野では、このようなアンテナの指向性を更に増大させる必要がある。
【0007】
本発明は、同一の欠陥を有するPBG材料を使用しつつ、既知のアンテナと比べて増大した指向性を有するアンテナを提案することにより、上記の必要性を充足することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明は、PBG材料を使用するアンテナに関し、この場合に、電磁波を注入及び/又は受信する表面は、少なくともλを上回る幅又は長さ又は直径を有する。ここで、λは、動作周波数の波長である。
【0009】
上記電磁波を注入及び/又は受信する表面が波長λを上回る寸法(即ち、ここでは、幅又は長さ又は直径)を有する励起装置を使用するという事実により、PBG材料を使用するアンテナの指向性が増大することが判明した。
【0010】
更に正確には、本明細書に記載の「同一平面上にある(flush)」とは、実質的に反射器プレーン(接地プレーン)6(例えば、後述の図1参照)によって規定されたプレーン内にある表面を意味する。従って、電磁波を注入及び/又は受信する表面は、反射器プレーン6の上方又は下方の非常に小さな距離hに位置することが可能である。通常、反射器プレーンに対して垂直の方向zにおいて計測される距離hは、−λ/10から+λ/20である際に非常に小さいものと見なされ、この場合に、−λ/10は、反射器プレーンの下方の最大距離に対応し、且つ、+λ/20は、反射器プレーンの上方(即ち、共振空洞側)の最大距離に対応する。
【0011】
このアンテナの実施例は、以下の特徴の中の1つ又は複数のものを有することが可能である。
【0012】
電磁波を注入及び/又は受信する表面上における電磁波の電力の分布は、電力が最大である地点を有する。この地点は、その表面の周辺部から離れており、且つ、電力は、表面のプレーン内にあると見なされる直線の方向とは無関係に、この地点から周辺部に向かって延長する直線に沿って継続的に減少する。
【0013】
励起装置は、共振空洞内において開放された遠端と、電磁波生成器及び/又は受信機に接続可能である近端とを備える少なくとも1つのフレア電磁導波路を有し、遠端の横断断面(transverse cross−section)の表面面積は、近端の横断断面の表面面積を正確に上回っており、且つ、導波路の遠端は、前述の電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、下部壁と同一平面上にある。
【0014】
フレア導波路は、その横断断面が一定であり、且つ、近端の断面と等しい供給導波路と、その横断断面が、近端の横断断面と同一である小さな断面から遠端の横断断面と同一である大きな断面に増大するフレア部分とを有し、フレア部分の小さな断面は、供給導波路に対して端と端を接した状態(end−to−end)で配置され、且つ、供給導波路の横断断面の寸法は、供給導波路内において電磁波の1つの伝播モードのみを許容するのに適している。
【0015】
供給導波路の横断断面の寸法は、TE10又はTE11伝播モードのみを許容するのに適している。
【0016】
フレア部分の大きな断面からフレア部分の小さな断面を分離する最短距離は、dminを上回っており、ここで、dmin=0.25*aであり、且つ、aは、大きな断面の最大幅又は長さ又は直径に等しい。
【0017】
励起装置は、それ自体が、欠陥を有するPBG材料を使用する構造であり、励起装置の前述の電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、少なくとも1次元の周期性と、共振空洞の下部壁と同一平面上にある外部面とを有する第2PBG材料(114)とを具備する。
【0018】
励起装置は、共振空洞の下部壁に対して平行な方向において電磁波を導波する複数の横方向壁を有する導波路であり、これらの壁の中の1つのものは、前述の電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、導波される電磁波に対して透過性を有し、且つ、共振空洞の下部壁と同一平面上にある。
【0019】
励起装置は、接地プレーンと、接地プレーンの表面に固定され、且つ、接地プレーンから電気的に絶縁された導電性材料のストリップとを有し、ストリップは、電磁波生成器及び/又は受信機に接続された際に、前述の電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、共振空洞の下部壁と同一平面上にある状態において固定される。
【0020】
電磁波を注入及び/又は受信する表面は、厳密に放射外部面の表面面積未満であり、且つ、好ましくは、放射外部面の表面面積の2倍未満である。
【0021】
共振空洞の下部壁と電磁波を注入及び/又は受信する表面とは、同一プレーン内にある。
【0022】
アンテナは、共振空洞の下部壁と同一平面上にある電磁波を注入及び/又は受信する表面をそれぞれが有する複数の励起装置を備える。
【0023】
これらのアンテナの実施例は、以下の利点を更に有する。
【0024】
電波の電力の分布が最大値を有し、且つ、電磁波(電波)を注入及び/又は受信する表面の周辺部に向かって減少するため、同一のPBG材料により、既知のアンテナと同一の放射通過帯域を維持しつつ、指向性を増大させることが可能である。
【0025】
励起装置としてフレア導波路を使用することにより、アンテナの利得を更に増大させることが可能である。
【0026】
供給導波路を使用することにより、アンテナの動作の最も適切な電磁波伝播モードを選択することが可能である。
【0027】
TE10又はTE11伝播モードを使用することにより、アンテナの動作が最適化される。
【0028】
dminを上回る距離により、電磁波を注入及び/又は受信する表面の領域内において電磁波の良好な位相の均一性を得ることが可能になり、この結果、アンテナの性能が改善される。
【0029】
PBG材料を使用する構造を励起装置として使用することにより、フレア導波路を使用した場合と比べて、その性能を同一に維持しつつ、アンテナの空間要件を節減することが可能である。
【0030】
横方向壁の中の1つのものが、導波される電磁波に対して透過性を有する導波路を使用することにより、励起装置がフレア導波路であるアンテナと比べて、アンテナの空間要件を節減することが可能である。
【0031】
電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく導電性材料のストリップを使用することにより、励起装置がフレア導波路である場合と比べて、PBG材料を使用するアンテナの寸法を節減することが可能である。
【0032】
又、本発明は、電磁波を送信及び/又は受信するシステムにも関し、このシステムは、システムによって送信及び/又は受信される電磁波を合焦する装置であって、この装置は、焦点を有するような装置と、送信又は受信において放射性を有し、且つ、実質的に電磁波を合焦する装置の焦点のレベルに配置された外部面を有するマルチバンドルアンテナとを備え、この場合に、マルチバンドルアンテナは、PBG(フォトニックバンドギャップ)を使用するアンテナであって、少なくとも1次元の周期性並びに送信及び/又は受信において放射性を有する外部面を有する第1PBG材料と、PBG材料のストップバンド内において少なくとも1つの狭い通過帯域を生成することが可能である第1共振空洞を形成するPBG材料の少なくとも1つの周期性欠陥であって、この共振空洞は、放射外部面の反対側のPBG材料の下部面によって形成された上部壁と、上部壁と対向する下部壁とを有するようなPBG材料の少なくとも1つの第1周期性欠陥と、共振空洞を共振させることが可能である複数の励起装置であって、これらの励起装置は、狭い通過帯域内に含まれる動作周波数において電磁波を注入及び/又は受信する表面を有し、この表面は、共振空洞の下部壁と同一平面上にあるような複数の励起装置とを有する。
【0033】
それぞれの電磁波を注入及び/又は受信する表面は、少なくともλを上回る幅又は長さ又は直径を有し、ここで、λは、対応する励起装置の動作周波数の波長である。
【0034】
又、本発明は、PBG材料を使用する前述のアンテナを利用して電磁波を送信及び/又は受信する方法にも関する。
【0035】
本発明は、添付の図面を参照しながら、非限定的な例としてのみ提供される以下の説明を参照することにより、更に理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナのアーキテクチャの概略的な斜視断面図である。
【図2】欠陥を有するPBG材料を使用する既知のアンテナの斜視図である。
【図3】図1及び図2のアンテナを利用して取得した放射図のグラフである。
【図4】図1及び図2のアンテナを利用して取得した放射図のグラフである。
【図5】図1及び図2のアンテナを利用して取得した放射図のグラフである。
【図6】図1及び図2のアンテナの天頂指向性(zenithal directivity)をその個々の動作周波数の関数として示すグラフである。
【図7】欠陥を有するPBG材料を使用するマルチソースアンテナの第2実施例の斜視断面図である。
【図8】電磁波を合焦する装置を有する電磁波送信/受信システムの概略図である。
【図9】図1又は図7のアンテナにおいて使用可能なフレア導波路の様々な構造の概略図である。
【図10】図1又は図7のアンテナにおいて使用可能なフレア導波路の様々な構造の概略図である。
【図11】図1又は図7のアンテナにおいて使用可能なフレア導波路の様々な構造の概略図である。
【図12】図1又は図7のアンテナにおいて使用可能なフレア導波路の様々な構造の概略図である。
【図13A】リッジ導波路(又は、リッジホーンアンテナ)の正面図である。
【図13B】リッジ導波路(又は、リッジホーンアンテナ)の側面図である。
【図14】図1又は図7のアンテナにおいて使用可能なコルゲート導波路(corrugated waveguide)の概略図である。
【図15】PBG材料を使用するアンテナのその他の実施例の概略図である。
【図16】PBG材料を使用するアンテナのその他の実施例の概略図である。
【図17】PBG材料を使用するアンテナのその他の実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、31.2GHzの動作周波数において動作するべく設計されたPBG材料を使用するアンテナ2を示す。アンテナ2は、PBG材料4と、電磁波を反射する反射器プレーン6と、PBG材料4と反射器プレーン6との間に形成された共振空洞8と、共振空洞8の励起用の装置(励起装置)10とを有する。
【0038】
例えば、PBG材料4、共振空洞8、及び反射器プレーン6は、C.N.R.S.(Centre National de la Recherche Scientifique)による1999年11月18日付けで公開された国際公開第1137373号(WO1137373)の開示内容に従って製造される。
【0039】
一例として、PBG材料4は、ここでは、垂直方向zにおいて、異なる誘電率の平坦なレイヤを積層することによって製造される。レイヤの各々は、方向zに対して直交する方向x及び方向yによって規定された水平プレーン内において延長している。
【0040】
更に正確には、アンテナ2は、その相対誘電率εγが5.4である材料から製造された2つの平坦なレイヤ14及び16と、2つのレイヤ14及び16の間に介在する空気のレイヤ18とを有する。空気のレイヤは、例えば、方向zにおいて2.3ミリメートル(mm)の厚さを有する。
【0041】
ここで、レイヤの各々は、矩形であり、且つ、161ミリメートルの長さl(エル)と、100ミリメートルの幅Lとを有する。
【0042】
レイヤ14は、積層体の最上部に配設されており、且つ、従って、方向x及び方向yに対して平行な放射外部面20を有する。
【0043】
共振空洞8は、レイヤ16の下部面によって形成された上部壁と、反射器プレーン6の上部面によって形成された下部壁とを有する。共振空洞は、空気で充填されており、且つ、方向zにおいて4.75ミリメートルの高さを有する。
【0044】
反射器プレーン6は、方向x及び方向yに対して平行に延長している。例えば、方向x及び方向yにおける反射器プレーン6の寸法は、レイヤ14及び16のものと同一である。反射器プレーン6は、電磁波に対して不透過性を有する。例えば、反射器プレーン6は、金属等の導電性材料から製造される。
【0045】
開口部26が、実質的に反射器プレーン6の中央に形成されている。開口部26は、ここでは、14.4ミリメートル×14.4ミリメートルの正方形の断面を有する。
【0046】
装置10は、電磁波生成器/受信機30と、この電磁波生成器/受信機30によって生成された電磁波を共振空洞8に向かって導波し、且つ、表面(放射外部面)20によって受信された電磁波を生成器/受信機30に導波する機能を有するフレア導波路32とを備える。図1においては、送信される電磁波の伝播方向が、方向zに対して平行な波状の上向き矢印Fによって表されている。逆に、受信された電磁波の伝播方向は、方向zに対して平行な波状の下向き矢印Rによって表されている。
【0047】
導波路32は、ここでは、フレア部分36に対して端と端を接した状態で配置された供給導波路34によって形成されたピラミッド形ホーンである。
【0048】
供給導波路34は、一定の矩形の横断断面を有する。ここでは、「横断断面」という表現は、電磁波の伝播方向に対して垂直のプレーンにおける断面を意味する。横断断面の寸法は、TE10モードによる電磁波の伝播のみを許容するべく選択される。ここでは、例えば、31.2GHzの動作周波数の場合に、供給導波路34の横断断面は、それぞれ、4.3mm及び8.6mmの幅及び長さを有する。
【0049】
導波路34の近端は、電磁波生成器/受信機30に対して直接的に接続され、反対側の端部は、フレア部分36に対して端と端を接した状態で直接的に接合される。
【0050】
セクション(フレア部分)36は、導波路34の端部に対して端と端を接した状態で接合された一端(エンドツーエンド(end−to−end)端部)を有する。導波路34の端部に対して端と端を接した状態で接合された一端は、8.6mm×4.3mmの矩形断面を有する。又、導波路は、共振空洞8内において開放された遠端をも有する。更に正確には、フレア部分36の遠端は、開口部26内において開放されている。遠端及び開口部26は、同一の寸法を有する。従って、遠端は、ここでは、反射器プレーン6によって規定されたものと同一のプレーン内において製造されている。
【0051】
フレア部分36の横断断面の幅及び長さは、フレア部分36のエンドツーエンド端部と遠端との間において徐々に増大している。
【0052】
通常、フレア部分36のエンドツーエンド端部と遠端との間の方向zにおける距離dは、0.25aを上回り、且つ、好ましくは、a2/2を上回り、ここで、aは、μm(ミクロン)を単位として表現された遠端の最大幅である。ここで、距離dは、0.5×lcから6×Lcであり、ここで、lc及びLcは、それぞれ、フレア部分36の遠端の横断断面の幅及び長さである。ここでは、横断断面は正方形であるため、lc及びLcは等しい。
【0053】
例えば、距離dは、ここでは、19.4ミリメートルになるように選択されている。
【0054】
フレアセクション(フレア部分)36の遠端は、共振空洞8内において電磁波を注入及び受信する表面を形成している。この表面は、ここでは、伝播方向F及びRに対して垂直である。上記表面は、ここでは、開口部26のものと同一の寸法を有する。具体的には、アンテナ2の動作周波数が31.2GHzであるため、表面の幅及び長さは、1.5λに等しく、ここで、λは、動作周波数の波長であることに留意されたい。これらの条件下において、アンテナ2の指向性は、図3〜図6に示されているように、同一の放射通過帯域を維持しつつ、欠陥を有するPBG材料を使用する既存のアンテナの指向性よりも良好である。
【0055】
図2は、仏国特許出願第9914521号(FR9914521)の開示内容に従って製造されたPBG材料を使用する既存のアンテナ40を示す斜視図である。更に正確には、アンテナ40は、装置10によって励起される代わりに、パッチプローブ42によって励起されるという点のみがアンテナ2と異なっている。パッチプローブ42は、それぞれ、2.9ミリメートル及び4.3ミリメートルの幅及び長さを有し、31.2GHzの動作周波数において電磁波を共振空洞8内に注入することが可能である。パッチプローブ42の寸法は、その動作周波数によって決定され、且つ、従って、必然的に波長λを下回る。更に正確には、パッチプローブ42の長さは、λ/2に等しい。
【0056】
図3〜図5は、それぞれ、プレーンE内におけるアンテナ2及び40の放射図、45°のプレーン内におけるアンテナ2及び40の放射図、並びに、プレーンH内におけるアンテナ2及び40の放射図を示すものである。
【0057】
これらのグラフにおいては、X軸は、アンテナの天頂方向との関係における計測方向の角度を表している。Y軸は、デシベルを単位として表現された指向性を表している。図3〜図5のグラフ上において、破線は、アンテナ40の放射図を表し、実線は、アンテナ2の放射図を表している。
【0058】
理解されるように、アンテナ2の最大指向性は、天頂方向において発生する。アンテナ2の最大指向性は、アンテナ40の最大指向性を1.7デシベルだけ上回っている。このアンテナの最大指向性は、ここでは、実質的に22.9デシベル(dB)に等しい。
【0059】
更には、アンテナ2の二次ローブは、放射図の計測のために考慮されたプレーンとは無関係に、アンテナ40の二次ローブを明らかに下回っている。これは、アンテナ40に対するアンテナ2の更なる利点である。
【0060】
図6のグラフは、異なる動作周波数fにおける天頂方向におけるアンテナ2及び40の(天頂における)最大指向性を示すものである。Y軸は、デシベルを単位とする電力を表し、X軸は、動作周波数を表している。
【0061】
図6において、破線及び実線は、それぞれ、アンテナ40及びアンテナ2について得られた計測値を表している。
【0062】
図6のグラフは、−3dBという同一の通過帯域において、アンテナ2は、アンテナ40のほぼ2倍の指向性である最大指向性を有することを示している。従って、その幅、長さ、又は直径が少なくとも波長λを上回る電磁波を注入及び/又は受信する表面を有する励起装置を使用することにより、同一の最大指向性において、アンテナの通過帯域を増大させることが可能である。実際に、このような励起装置によれば、選択性の低いPBG材料を使用することにより、PBG材料を使用する従来のアンテナと同一の指向性を得ることが可能である。
【0063】
図7は、欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナ50の別の実施例を示す斜視断面図である。例えば、アンテナ50は、共振空洞8の励起のために複数の励起装置を有するという点を除いて、アンテナ2と同一である。図7を簡単にするべく、2つの励起装置52及び54のみが示されている。
【0064】
例えば、励起装置52は、アンテナ2の装置10と同一である。
【0065】
又、励起装置54も、電磁波生成器/受信機30が、励起装置52によって使用される動作周波数とはわずかに異なる動作周波数において受信及び送信するのに適しているという点を除いて、装置10と同一である。
【0066】
従って、アンテナ50は、マルチバンドルアンテナである。励起装置52及び54は、好ましくは、部分的にオーバーラップする放射スポット56及び58を放射外部面20上に形成するべく、国際公開第2004/040696号(WO2004/040696)の開示内容に従って相互の関係において配列されている。
【0067】
図8は、電磁波を送信及び受信するシステム60を示す概略図である。システム60は、電磁波を焦点64に向かって合焦する装置62を有する。例えば、装置62は、パラボラ電磁波反射器又は凹面電磁波反射器である。又、装置62は、受信した電磁波を焦点64上に合焦するのに適したレンズであってもよい。
【0068】
又、システム60は、マルチバンドルアンテナ66をも有し、この放射面は、焦点64のレベルに配置されている。ここで、マルチバンドルアンテナ66は、例えば、アンテナ50と同一である。
【0069】
図9〜図14は、図1との関連において記述した導波路32の代わりに使用可能である様々なタイプの導波路を示す概略図である。
【0070】
更に正確には、図9は、ピラミッド形ホーンという名称で知られる導波路70を示すものである。
【0071】
図9において、伝播及び受信方向は、それぞれ、波状の矢印F及びRによって表されている。
【0072】
導波路32と同様に、導波路70は、フレア部分74に対して端と端を接した状態で配置された供給導波路72を有する。
【0073】
供給導波路72の横断断面は、矩形であり、且つ、一定である。この断面の長さ及び幅は、図9には、a1及びb1として示されている。
【0074】
フレア部分74の横断断面は、供給導波路72のものに等しい横断断面から、更に幅の広い遠位横断断面に向かって徐々に増大している。この遠位横断断面の長さ及び幅は、図9には、a及びbとして示されている。アンテナ2において使用するには、幅a又は長さbの少なくとも1つのものは、動作波長λを上回らなければならない。
【0075】
ピラミッド形ホーンに関する更なる情報については、「電磁ホーンの設計のためのいくらかのデータ(Some data for the design of electromagnetic horns)」(イー.エイチ.ブラウン(E. H. BRAUNE),アンテナ及び伝播に関するIRE会報(IRE Trans. Antennas and Propag.),第AP4巻、第1号、29〜31頁、1956年1月)という参考文献を参照されたい。
【0076】
図10は、円錐ホーンという名称で知られる別のタイプの導波路を示すものである。
【0077】
円錐ホーンは、フレア部分80に接続された供給導波路78を有する。供給導波路78及びフレア部分80の両方の横断断面は、円形である。導波路70の横断断面の寸法は、電磁波のTE11伝播モードのみを許容するべく決定される。
【0078】
アンテナ2において使用するには、部分80の遠位横断断面の最大幅、即ち、ここでは、直径dは、動作波長λを上回らなければならない。
【0079】
フレア部分80の内部は、滑らかであってよく、或いは、図11に示されているように、羽根82を有することも可能である。羽根82により、電磁場は、壁に対して垂直の状態において強制的に打ち消される。
【0080】
円錐ホーンに関する更なる情報については、「円錐ホーンの電磁場(Electromagnetic field of a conical horns)」(エム.ジー.ショール(M.G.SCHORR)及びエフ.ジェイ.ベック(F. J. BECK),アンテナ及び伝播に関するIRE会報(IRE Trans. Antenna and Propag.),第AP4巻、第1号、29〜31頁、1956年1月)の論文を参照されたい。
【0081】
図12は、「トラップホーン」という名称で知られる導波路86の異なる実施例を示すものである。
【0082】
導波路86は、供給導波路88及びフレア部分90を有する。供給導波路88は、円形導波路である。
【0083】
フレア部分90は、λ/4に近い深さを有する同軸リングによって構成される。ここで、λは、動作波長である。アンテナ2内において使用するには、これらの同軸リングの最大のものの直径は、波長λを上回らなければならない。
【0084】
図13A及び図13Bは、「リッジホーン」という名称で知られる導波路94を示すものである。
【0085】
導波路94は、そのフレア部分内に、電磁波の均一な位相シフトをもたらすべく設計された曲線に沿って、端と端を接した状態で接合された端部から遠端に向かって延長する2つの羽根96、98を有しており、この結果、更に大きな帯域幅を得ることが可能である。
【0086】
フレア部分の遠端の横断断面は、例えば、正方形である。正方形の幅は、アンテナ2において使用するには、波長λを上回らなければならない。
【0087】
このタイプの導波路に関する更なる情報については、「1GHz〜18GHzの広帯域ダブルリッジ・ホーンアンテナの分析及びシミュレーション(Analysis and simulation of 1 to 18 GHz broadband double ridge horns antenna)」(バーンズ シー.(Burns C.)及びロイチマン ピー.(Leuchtmann P.),電磁適合性に関するIEEE会報(IEEE Trans. On Electromagnetic compatibility)、第454巻、第1号、55〜60頁、2003年2月)の論文を参照されたい。
【0088】
図14は、「コルゲートホーン」という名称によっても知られているコルゲート導波路100を示すものである。
【0089】
このタイプのコルゲートホーンは、ホーンのフレア部分104の内周に沿って延長する複数のリブ102を有する。
【0090】
このようなコルゲートホーンは、回転対称であり、且つ、1オクターブを超過することが可能な通過帯域幅を有する。
【0091】
導波路70と同様に、フレア部分の遠端の矩形横断断面の長さa2及び幅b2の少なくとも1つのものは、アンテナ2において使用するには、動作波長λを上回らなければならない。
【0092】
コルゲートホーンのリブ102により、電磁波のHE11伝播モードを生成することが可能である。
【0093】
このタイプの導波路に関する更なる情報については、「コルゲートホーン設計用のカットオフ・コルゲート表面の特性(Properties of cutoff corrugated surfaces for corrugated horns design)」(シー.エー.メンゼル(C. A. Mentzer)及びエル.ピータース(L. Peters),アンテナ伝播に関するIEEE会報(IEEE Trans. Antennas Propag.),第AP22巻、第2号、191〜196頁、1974年3月)及び「コルゲートホーンアンテナのパターン分析(Pattern analysis of corrugated horns antennas)」(シー.エー.メンゼル(C. A. Mentzer)及びエル.ピータース(L. Peters),アンテナ伝播に関するIEEE会報(IEEE Trans. Antennas propag.),第AP24巻、第3号、304〜309頁、1976年3月)という論文を参照されたい。
【0094】
図15は、励起装置10が共振空洞8の励起用の装置112によって置換されているという点を除いて、アンテナ2と同一である、欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナ110を示す概略図である。
【0095】
装置112は、それ自体が、欠陥を有するPBG材料を使用する構造である。この装置112は、PBG材料114と、反射器プレーン116と、共振空洞118であって、この上部壁は、PBG材料114の下部面によって形成され、且つ、この下部壁は、プレーン116の上部面によって形成されるような共振空洞118と、アンテナの励起用の装置120とを有する。
【0096】
装置112は、仏国特許出願第9914521号(FR9914521)の開示内容に従って設計されている。共振空洞118内に配置された励起装置120は、ここでは、パッチプローブ、ダイポール、スロットアンテナ又はワイヤパッチアンテナ、或いは、フレア導波路である。
【0097】
装置112は、上部面122を有する。上部面122は、共振空洞8内において電磁波を注入及び受信するべく、反射器プレーン6内に形成された開口部26の内部と同一平面上にある。
【0098】
図15において、波状の矢印F及びRは、それぞれ、送信及び受信における電磁波の伝播方向を表している。
【0099】
上部面122は、例えば、矩形であり、且つ、長さa3及び幅b3を有する。好ましくは、長さa3及び幅3bは、同一の放射通過帯域幅を維持しつつ、アンテナの指向性及び利得を増大させるべく、アンテナ110の動作波長λを上回る。
【0100】
ここでは、上部面122は、反射器プレーン6の表面と同一のプレーン内に配置されている。
【0101】
図16は、欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナ130を示す概略図である。アンテナ130は、励起装置が励起装置132によって置換されているという点を除いて、アンテナ2と同一である。
【0102】
装置132は、下部横方向壁134及び上部横方向壁136の端部に形成された導波路である。下部横方向壁134及び上部横方向壁136は、導波される波の伝播方向に対して平行であり、且つ、反射器プレーン6に対しても平行である。
【0103】
矢印Gは、装置132の内部における電磁波の伝播方向を表している。以前の図と同様に、波状の矢印F及びRは、アンテナ30によって送信及び受信される電磁波の伝播方向を表している。
【0104】
装置132は、導波された電磁波を受け入れる開口部138と、下部横方向壁134及び上部横方向壁136に対して垂直である端部140とを有する。端部140は、好ましくは、電磁波に対して不透過性を有するプレートによって閉鎖されている。
【0105】
上部横方向壁136は、装置132によって導波された電磁波が共振空洞8に向かって逃避することを許容するべく、電磁波に対して透過性を有する材料から製造される。
【0106】
ここで、上部横方向壁136は、反射器プレーン6によって形成されたものと同一のプレーン内において共振空洞8の内部と同一平面上にある。
【0107】
上部横方向壁136を除いて、電磁波を導波するためのものであるその他の壁は、電磁波が逃避することを防止するべく、電磁波に対して不透過性を有する。
【0108】
図17は、欠陥を有するPBG材料を使用するアンテナ150を示す概略図である。アンテナ150は、励起装置が励起装置152によって置換されているという点を除いて、アンテナ2と同一である。励起装置152は、反射器プレーン6と、反射器プレーン6に対して平行に延長する導電性材料のストリップ154と、電磁波生成器/受信機156とを有する。
【0109】
ストリップ154は、反射器プレーン6から電気的に絶縁され、且つ、電磁波生成器/受信機156に対して接続されている。ストリップは、一定の幅a4及び長さb4を有する。長さb4は、波長λを上回る。ストリップ154は、電磁波を注入及び受信する表面を形成している。
【0110】
アンテナ150内において、反射器プレーン6は、導電性材料から製造されている。又、反射器プレーン6は、接地等の基準電位にも接続されている。
【0111】
方向zにおいて計測される反射器プレーン6とストリップ154との間の距離hは、ここでは、λ/40未満であり、従って、電磁波を注入及び/又は受信する表面は、反射器プレーン6と同一平面上にあると見なされる。
【0112】
多数のその他の実施例が可能である。例えば、アンテナ2は、ここでは、動作周波数が31.2GHzである特定のケースについて記述されている。しかしながら、本明細書に提供された開示内容によるPBG材料を使用するアンテナは、0.5GHz〜50GHzの動作周波数用に設計することも可能である。
【0113】
本明細書に記述されたフレア導波路を有する様々な励起装置用の供給導波路は、供給源30が、正しい電磁波伝播モードのみを直接的に生成するのに適している場合には、省略可能である。変形例として、供給導波路の横断断面が動作周波数λを上回る幅又は長さ又は直径を有する場合には、フレア部分を省略することが可能である。
【0114】
多数のその他のタイプの導波路を供給装置として使用することが可能である。例えば、ポッタホーン(Potter horn)を使用することが可能である。このタイプのホーンに関する更なる情報については、「抑圧されたサイドローブ及び同等のビーム幅を有する新しいホーンアンテナ(A new horn antenna with suppressed side lobes and equal beamwidths)」(ピー.ディー.ポッタ(P. D. Potter),マイクロ波ジャーナル(Microwave J.),第6巻、71〜78頁、1963年6月)を参照されたい。
【0115】
但し、すべてのケースにおいて、反射器プレーンと同一平面上にあるような電磁波を注入/受信する表面は、動作波長λを上回る寸法、即ち、ここでは、幅、長さ、又は直径を有しなければならない。
【0116】
好ましくは、反射器プレーンと電磁波を注入/受信する表面との間の距離hは、−λ/20から+λ/40である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
欠陥を有するPBG(フォトニックバンドギャップ)材料を使用するアンテナにおいて、
少なくとも1次元の周期性と、送信及び/又は受信において放射性を有する外部面(20)とを有する第1PBG材料(4)と、
前記PBG材料のストップバンド内において少なくとも1つの狭い通過帯域を生成することが可能である第1共振空洞(8)を形成する前記PBG材料の少なくとも1つの第1周期性欠陥であって、前記第1共振空洞は、前記放射外部面の反対側の前記PBG材料の下部面によって形成された上部壁及び前記上部壁と対向する下部壁とを有するようなPBG材料の少なくとも1つの第1周期性欠陥と、
前記共振空洞を共振させることが可能である少なくとも1つの励起装置(10、70、86、94、100、112、132及び152)であって、前記励起装置は、前記の狭い通過帯域内に含まれる動作周波数において電磁波を注入及び/又は受信する表面(26、122)を有し、前記表面は、前記共振空洞の前記下部壁と同一平面上にあるような少なくとも1つの励起装置とを具備し、
前記電磁波を注入及び/又は受信する表面は、少なくともλを上回る幅又は長さ又は直径を有し、ここで、λは、前記動作周波数の波長であることを特徴とするアンテナ。
【請求項2】
前記電磁波を注入及び/又は受信する表面上における前記電磁波の電力の分布は、前記電力が最大である地点を有し、前記地点は、前記表面の周辺部から離れており、且つ、前記電力は、前記表面のプレーン内にあると見なされる直線の方向とは無関係に、前記地点から前記周辺部に向かって延長する直線に沿って連続的に減少する請求項1記載のアンテナ。
【請求項3】
前記励起装置は、前記共振空洞内において開放される遠端と、電磁波生成器及び/又は受信機(30)に対して接続可能である近端とを備える少なくとも1つのフレア電磁導波路(32、52、54、70、86、94及び100)を有し、前記遠端の横断断面の表面面積は、前記近端の横断断面の表面面積を正確に上回り、且つ、前記導波路の前記遠端は、前記電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、前記下部壁と同一平面上にある請求項2記載のアンテナ。
【請求項4】
前記フレア導波路(32、52、54、70、86、94及び100)は、その横断断面が一定であり、且つ、前記近端の前記断面と等しい供給導波路(34、72、78及び88)と、その横断断面が前記近端の前記横断断面と同一である小さな断面から前記遠端の前記横断断面と同一である大きな断面に増大するフレア部分(36、74、80、90及び104)とを有し、前記フレア部分の前記小さな断面は、前記供給導波路に対して端と端を接した状態で配置され、且つ、前記供給導波路の前記横断断面の寸法は、前記供給導波路内において1つの電磁波伝播モードのみを許容するのに適する請求項3記載のアンテナ。
【請求項5】
前記供給導波路(34、72、78及び88)の前記横断断面の前記寸法は、TE10又はTE11伝播モードのみを許容するのに適する請求項4記載のアンテナ。
【請求項6】
前記フレア部分(36、74、80、90、104)の前記大きな断面から前記小さな断面を分離する最短距離は、dminを上回り、ここで、dmin=0.25*aであり、且つ、aは、前記大きな断面の最大の幅又は長さ又は直径に等しい請求項4又は5記載のアンテナ。
【請求項7】
前記励起装置は、それ自体が、前記励起装置の前記電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、少なくとも1次元の周期性と、前記共振空洞の下部壁と同一平面上にある外部面(122)とを有する第2PGB材料(114)を具備する構造であって、欠陥を有するPBG材料を使用する構造(112)である請求項2記載のアンテナ。
【請求項8】
前記励起装置(132)は、前記共振空洞の前記下部壁に対して平行な方向において前記電磁波を導波する複数の横方向壁を有する導波路であり、これらの壁の中の1つのもの(136)は、前記電磁波を注入及び/又は受信する面を形成するべく、導波される前記電磁波に対して透過性を有し、且つ、前記共振空洞の前記下部壁と同一平面上にある請求項1記載のアンテナ。
【請求項9】
前記励起装置は、接地プレーン(6)と、前記接地プレーンの表面に対して固定され、且つ、前記接地プレーンから電気的に絶縁された導電性材料のストリップ(152)とを有し、前記ストリップ(152)は、電磁波生成器及び/又は受信機(30)に対して接続された際に、前記電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、前記共振空洞の前記下部壁と同一平面上にある状態において嵌め込まれる請求項1記載のアンテナ。
【請求項10】
前記電磁波を注入及び/又は受信する表面は、厳密に前記放射外部面(20)の表面面積未満であり、且つ、好ましくは、前記放射外部面の前記表面面積の2倍未満である、請求項1から9のいずれか一項に記載のアンテナ。
【請求項11】
前記共振空洞の前記下部壁と前記電磁波を注入及び/又は受信する表面とは、同一プレーン内にある請求項1から10のいずれか一項に記載のアンテナ。
【請求項12】
前記アンテナは、それぞれが前記共振空洞の前記下部壁と同一平面上にある電磁波を注入及び/又は受信する表面を有する複数の励起装置(52、54)を備える請求項1から11のいずれか一項に記載のアンテナ。
【請求項13】
電磁波を送信及び/又は受信するシステムにおいて、
前記システムによって送信及び/又は受信される前記電磁波を合焦する装置(62)であって、前記装置は、焦点(64)を有するような装置と、
送信及び受信において放射性を有し、且つ、実質的に前記電磁波を合焦する装置の前記焦点のレベルに配置された外部面を有するマルチバンドルアンテナ(66)とを備え、
前記マルチバンドルアンテナは、
少なくとも1次元の周期性と、送信及び/又は受信において放射性を有する外部面とを有する第1PBG材料(4)と、
前記PBG材料のストップバンド内において少なくとも1つの狭い通過帯域を生成することが可能である第1共振空洞(8)を形成する前記PBG材料の少なくとも1つの第1周期性欠陥であって、前記共振空洞は、前記放射外部面の反対側の前記PBG材料の下部面によって形成された上部壁と、前記上部壁に対向する下部壁とを有するような前記PBG材料の少なくとも1つの第1周期性欠陥と、
前記共振空洞を共振させることが可能である複数の励起装置(10、70、86、94、100、112、132及び152)であって、前記励起装置は、前記狭い通過帯域内に含まれる動作周波数において電磁波を注入及び/又は受信する表面(26、122)を有し、前記表面は、前記共振空洞の前記下部壁と同一平面上にあるような複数の励起装置とを有する、PBG(フォトニックバンドギャップ)材料を使用するアンテナであり、
それぞれの電磁波を注入及び/又は受信する表面は、少なくともλを上回る幅又は長さ又は直径を有し、ここで、λは、対応する前記励起装置の前記動作周波数の波長であることを特徴とするシステム。
【請求項14】
電磁波を送信又は受信する方法において、
請求項1から12のいずれか一項に記載のアンテナを利用して前記電磁波を送信する段階又は受信する段階を有することを特徴とする方法。
【請求項1】
欠陥を有するPBG(フォトニックバンドギャップ)材料を使用するアンテナにおいて、
少なくとも1次元の周期性と、送信及び/又は受信において放射性を有する外部面(20)とを有する第1PBG材料(4)と、
前記PBG材料のストップバンド内において少なくとも1つの狭い通過帯域を生成することが可能である第1共振空洞(8)を形成する前記PBG材料の少なくとも1つの第1周期性欠陥であって、前記第1共振空洞は、前記放射外部面の反対側の前記PBG材料の下部面によって形成された上部壁及び前記上部壁と対向する下部壁とを有するようなPBG材料の少なくとも1つの第1周期性欠陥と、
前記共振空洞を共振させることが可能である少なくとも1つの励起装置(10、70、86、94、100、112、132及び152)であって、前記励起装置は、前記の狭い通過帯域内に含まれる動作周波数において電磁波を注入及び/又は受信する表面(26、122)を有し、前記表面は、前記共振空洞の前記下部壁と同一平面上にあるような少なくとも1つの励起装置とを具備し、
前記電磁波を注入及び/又は受信する表面は、少なくともλを上回る幅又は長さ又は直径を有し、ここで、λは、前記動作周波数の波長であることを特徴とするアンテナ。
【請求項2】
前記電磁波を注入及び/又は受信する表面上における前記電磁波の電力の分布は、前記電力が最大である地点を有し、前記地点は、前記表面の周辺部から離れており、且つ、前記電力は、前記表面のプレーン内にあると見なされる直線の方向とは無関係に、前記地点から前記周辺部に向かって延長する直線に沿って連続的に減少する請求項1記載のアンテナ。
【請求項3】
前記励起装置は、前記共振空洞内において開放される遠端と、電磁波生成器及び/又は受信機(30)に対して接続可能である近端とを備える少なくとも1つのフレア電磁導波路(32、52、54、70、86、94及び100)を有し、前記遠端の横断断面の表面面積は、前記近端の横断断面の表面面積を正確に上回り、且つ、前記導波路の前記遠端は、前記電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、前記下部壁と同一平面上にある請求項2記載のアンテナ。
【請求項4】
前記フレア導波路(32、52、54、70、86、94及び100)は、その横断断面が一定であり、且つ、前記近端の前記断面と等しい供給導波路(34、72、78及び88)と、その横断断面が前記近端の前記横断断面と同一である小さな断面から前記遠端の前記横断断面と同一である大きな断面に増大するフレア部分(36、74、80、90及び104)とを有し、前記フレア部分の前記小さな断面は、前記供給導波路に対して端と端を接した状態で配置され、且つ、前記供給導波路の前記横断断面の寸法は、前記供給導波路内において1つの電磁波伝播モードのみを許容するのに適する請求項3記載のアンテナ。
【請求項5】
前記供給導波路(34、72、78及び88)の前記横断断面の前記寸法は、TE10又はTE11伝播モードのみを許容するのに適する請求項4記載のアンテナ。
【請求項6】
前記フレア部分(36、74、80、90、104)の前記大きな断面から前記小さな断面を分離する最短距離は、dminを上回り、ここで、dmin=0.25*aであり、且つ、aは、前記大きな断面の最大の幅又は長さ又は直径に等しい請求項4又は5記載のアンテナ。
【請求項7】
前記励起装置は、それ自体が、前記励起装置の前記電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、少なくとも1次元の周期性と、前記共振空洞の下部壁と同一平面上にある外部面(122)とを有する第2PGB材料(114)を具備する構造であって、欠陥を有するPBG材料を使用する構造(112)である請求項2記載のアンテナ。
【請求項8】
前記励起装置(132)は、前記共振空洞の前記下部壁に対して平行な方向において前記電磁波を導波する複数の横方向壁を有する導波路であり、これらの壁の中の1つのもの(136)は、前記電磁波を注入及び/又は受信する面を形成するべく、導波される前記電磁波に対して透過性を有し、且つ、前記共振空洞の前記下部壁と同一平面上にある請求項1記載のアンテナ。
【請求項9】
前記励起装置は、接地プレーン(6)と、前記接地プレーンの表面に対して固定され、且つ、前記接地プレーンから電気的に絶縁された導電性材料のストリップ(152)とを有し、前記ストリップ(152)は、電磁波生成器及び/又は受信機(30)に対して接続された際に、前記電磁波を注入及び/又は受信する表面を形成するべく、前記共振空洞の前記下部壁と同一平面上にある状態において嵌め込まれる請求項1記載のアンテナ。
【請求項10】
前記電磁波を注入及び/又は受信する表面は、厳密に前記放射外部面(20)の表面面積未満であり、且つ、好ましくは、前記放射外部面の前記表面面積の2倍未満である、請求項1から9のいずれか一項に記載のアンテナ。
【請求項11】
前記共振空洞の前記下部壁と前記電磁波を注入及び/又は受信する表面とは、同一プレーン内にある請求項1から10のいずれか一項に記載のアンテナ。
【請求項12】
前記アンテナは、それぞれが前記共振空洞の前記下部壁と同一平面上にある電磁波を注入及び/又は受信する表面を有する複数の励起装置(52、54)を備える請求項1から11のいずれか一項に記載のアンテナ。
【請求項13】
電磁波を送信及び/又は受信するシステムにおいて、
前記システムによって送信及び/又は受信される前記電磁波を合焦する装置(62)であって、前記装置は、焦点(64)を有するような装置と、
送信及び受信において放射性を有し、且つ、実質的に前記電磁波を合焦する装置の前記焦点のレベルに配置された外部面を有するマルチバンドルアンテナ(66)とを備え、
前記マルチバンドルアンテナは、
少なくとも1次元の周期性と、送信及び/又は受信において放射性を有する外部面とを有する第1PBG材料(4)と、
前記PBG材料のストップバンド内において少なくとも1つの狭い通過帯域を生成することが可能である第1共振空洞(8)を形成する前記PBG材料の少なくとも1つの第1周期性欠陥であって、前記共振空洞は、前記放射外部面の反対側の前記PBG材料の下部面によって形成された上部壁と、前記上部壁に対向する下部壁とを有するような前記PBG材料の少なくとも1つの第1周期性欠陥と、
前記共振空洞を共振させることが可能である複数の励起装置(10、70、86、94、100、112、132及び152)であって、前記励起装置は、前記狭い通過帯域内に含まれる動作周波数において電磁波を注入及び/又は受信する表面(26、122)を有し、前記表面は、前記共振空洞の前記下部壁と同一平面上にあるような複数の励起装置とを有する、PBG(フォトニックバンドギャップ)材料を使用するアンテナであり、
それぞれの電磁波を注入及び/又は受信する表面は、少なくともλを上回る幅又は長さ又は直径を有し、ここで、λは、対応する前記励起装置の前記動作周波数の波長であることを特徴とするシステム。
【請求項14】
電磁波を送信又は受信する方法において、
請求項1から12のいずれか一項に記載のアンテナを利用して前記電磁波を送信する段階又は受信する段階を有することを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2010−504674(P2010−504674A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528759(P2009−528759)
【出願日】平成19年9月24日(2007.9.24)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001555
【国際公開番号】WO2008/037887
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(505152457)サントル ナシオナル デチュード スパシアル (12)
【出願人】(501089863)サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェサイアンティフィク(セエヌエールエス) (173)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月24日(2007.9.24)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001555
【国際公開番号】WO2008/037887
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(505152457)サントル ナシオナル デチュード スパシアル (12)
【出願人】(501089863)サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェサイアンティフィク(セエヌエールエス) (173)
【Fターム(参考)】
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