説明

PCB汚染電気機器の無害化装置及び方法

【課題】汚染トランスからPCB油を迅速に分離する。
【解決手段】PCB油に汚染された汚染トランス2の処理容器1に、汚染トランス2の誘導加熱設備3と、ガス供給設備4と、誘導加熱によって汚染トランス2から揮散したガスを凝縮させる冷却容器5と、処理容器1内を所定圧力に保ちつつ揮散したガスを冷却容器5に導き、かつ凝縮させたガスからPCB油を捕捉した後のガスを、冷却容器5から系外に放出させる誘引ファン6を設置する。処理中は、酸素濃度を5容積%以下に調整した不活性ガスで処理容器1の内部を満たす。処理容器1の内部圧力を大気圧よりも低い圧力に制御してPCB油の揮散を促進し、揮散したガスを冷却容器5で凝縮させてPCB油を捕捉すると共に、系外へのPCB油含有ガスの漏洩を防止する。
【効果】真空加熱法よりも時間とコストを低減でき、また洗浄法よりも洗浄廃液の発生がない上に人件費を低減して、PCB油を迅速に分離できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ塩化ビフェニル(以下、PCBという。)を含有する絶縁油(以下、PCB油という。)によって汚染された電気機器から、PCB油を分離して無害化する装置、及びこの装置を用いた無害化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有機塩素化合物であるPCBは、高い絶縁性によって電気絶縁油として電気機器に広く利用されていたが、その反面、PCBの持つ有害性によって、1972年に生産が中止された。
【0003】
その後、紆余曲折を経て、2001年になって、ようやく「PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」の施行など、行政の対応も本格化し、処理が進められるようになってきた。
【0004】
PCB油は高濃度と低濃度の二種類に分類して処理が進められている。このうち、全国で2×107 kgを超える保有量が見込まれる高濃度PCB油を含有する柱上変圧器やコンデンサなどの電気機器(以下、汚染トランスなどという。)は、全国5箇所に設置された日本環境安全事業株式会社において、2001年から処理が進められている。
【0005】
一方、電気絶縁油の再生など、何らかの原因でごく微量のPCBが混入した電気絶縁油を使用した「低濃度PCB油」は、主に柱上変圧器に使用されており、全国の保有量が合計4×106台にものぼり、主に保有している事業主体である電力会社などにおいて、自家処理が進められている。
【0006】
これらPCB油の処理は、汚染トランスなどからのPCB油の分離と、分離済みPCB油の分解による無害化の二段階から成っている。
日本環境安全事業株式会社において実施されている高濃度PCB油の処理方法には、分離技術として洗浄法、真空加熱法が、また分解技術として水熱酸化分解法、金属ナトリウム分散体法などがある。
【0007】
また、主に電力会社などにおいて実施されている低濃度PCB油の処理方法は、分離技術は高濃度PCB油と同様の洗浄法が主流となっており、分解技術はアルカリ触媒分解法や有機アルカリ金属分解法が採用されている。
【0008】
また、特許文献1では、誘導加熱による加熱方式を採用した処理方法が提案されている。
【0009】
上述のPCB油の処理は、「PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」に定めた処理期限である2016年までに処理することが義務付けられている。しかしながら、高濃度PCB油、低濃度PCB油ともに、処理装置のトラブルなどによって計画通りに進んでいないのが実情である。
【0010】
特にPCBを汚染トランスなどから分離する技術に関して、洗浄法は人件費が嵩む上にPCB油が混入した多量の洗浄液が発生し、分解工程に供する汚染液が増大することが問題になっている。
【0011】
また、真空加熱法では、バッチ式の間接加熱方式による昇温時間と、冷却工程の所要時間が長く、コストが嵩むことが問題となっている。
【0012】
このような状況においても、特に汚染トランスを構成する鉄芯や巻き線の内部に浸透したPCB油の除去が困難であるために、現状ではこれらの洗浄法と真空加熱法に頼らざるを得ないのが実情である。
【0013】
また、特許文献1に開示された誘導加熱による処理方式は、迅速な昇温が実現できると予想されるが、本技術における螺旋型のばね状に巻いたS型コイルでは、加熱対象物の部位によって昇温速度に差が生じて対象物全体を均一に加熱できない。
【0014】
従って、局所的な急激な加熱を防止するために、全体の平均昇温速度を下げざるを得ないことや、例えば汚染トランスの銅製の巻き線部分などは鉄芯に比べて加熱されにくいなどの問題がある。
【0015】
以上の背景から、汚染トランスなどからPCB油を迅速に分離できる方法の確立が望まれている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)は本発明のPCB汚染電気機器の無害化装置の第1の例の概略構成を示す図、(b)は(a)図の汚染トランスと誘導加熱コイルの相対位置関係を示す平面図である。
【図2】本発明のPCB汚染電気機器の無害化装置の第2の例を示す図1と同様の図である。
【図3】汚染トランスの模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図4】本発明のPCB汚染電気機器の無害化装置を用いた本発明方法によって汚染トランスを昇温した際の昇温特性と、輻射式の真空加熱法によって加熱した場合の昇温特性を示した図である。
【図5】本発明による加熱の手順と汚染トランスの各部の温度の時間変化を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明では、汚染トランスなどからPCB油を迅速に分離するという目的を、処理中は、内部圧力を大気圧よりも低い圧力になるように制御した処理容器の内部を、酸素濃度を5容積%以下に調整した不活性ガスで満たすことで実現した。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態と共に各種の形態を図1〜図3を用いて詳細に説明する。
図1及び図2は本発明のPCB汚染電気機器の無害化装置の一例を示す概略構成図、図3は汚染トランスの模式図である。
【0026】
図1及び図2において、1はPCB油によって汚染された例えばトランス(以下、汚染トランスという。)2を収容する処理容器である。この処理容器1には、処理時に、処理容器1内に収納した汚染トランス2を誘導加熱する設備3と、処理容器1内にガスを供給する設備4と、誘導加熱によって汚染トランス2から揮散したガスを凝縮させる冷却容器5と、この冷却容器5からガスを系外に放出させる誘引ファン6が備えられている。
【0027】
なお、図1及び図2中の、4aはガス供給設備4と処理容器1の内部を繋ぐ配管、5aは冷却容器5と処理容器1の内部を繋ぐ配管、6aは誘引ファン6と冷却容器5の内部を繋ぐ配管、6bは誘引ファン6から系外にガスを放出するための配管を示す。
【0028】
前記誘導加熱設備3は、前記汚染トランス2を内部から加熱するために、処理容器1の内部に設置する誘導加熱コイル3aを備えている。この誘導加熱コイル3aの処理容器1内への設置部分は、処理容器1内に設置される汚染トランス2との接触による電気的短絡を防止するために、絶縁材で被覆されている。
【0029】
そして、絶縁及び耐熱を保つ手段3bを介して、高周波電源3cからの電源線3dと、冷却ライン3eからの冷却配管3fを、処理容器1の外部から内部に導入し、前記誘導加熱コイル3aに繋いでいる。
【0030】
なお、絶縁及び耐熱を保つ手段3bとしては、誘導加熱コイル3aに電流と冷却液を供給するための金属管が導入される処理容器1の側壁部分(以下、側壁の孔部という。)において、金属管と側壁の孔部との間に、例えば碍子などの耐熱性と電気絶縁性を備えた材質の部材(以下、碍子様部材という。)を設置して、例えば銀蝋づけなどの方法で金属管と碍子様部材、碍子様部材と側壁の孔部のそれぞれの接触部分を固定し、処理容器1の内部の雰囲気を外部に対して密封できる構造のものを使用する。
【0031】
ところで、本発明では、前記誘導加熱コイル3aは、例えばP型コイルかS型コイルのどちらか一方を採用する。P型コイルとは、円盤形状をなし、コイルの一端を円盤の中心に据え、中心から外に向かって同一平面内で渦巻き状に巻いて最外円の部分から他端を取り出す形状のコイルである。また、S型コイルとは、ばね状に巻いた螺旋型の形状を有するコイルである。
【0032】
このP型コイルを採用した場合の例を図1に、S型コイルを採用した場合の例を図2に示す。P型コイルを採用する場合、図1に示したように、円盤形状のP型コイルを立てて設置し、円盤の面部分が汚染トランス2の方を向くように設置する。
【0033】
また、前記冷却容器5は、冷却剤9を満たした槽10内に挿入されて冷却容器5の内部温度が243K〜323Kの範囲になるようにし、処理時、処理容器1から配管5aを経由して導入された揮散PCB油を凝縮して回収する。
【0034】
図1及び図2に示す例では、処理容器1の外表面にヒータ7を設け、処理容器1を外部から加熱して、処理時に処理容器1の内部で揮散したガスが処理容器1の内壁に凝縮することを防止している。
【0035】
また、処理容器1と冷却容器5の内部を繋ぐ配管5aの外表面にも保温用ヒータ8を設け、配管5aを外部から加熱して、前記揮散したPCB油が配管5aの内部で凝縮して配管5aを閉塞しないようにしている。
【0036】
本発明のPCB汚染電気機器の無害化装置は上記のような構成であり、次に、この無害装置を使用して、汚染トランス2を構成する鉄芯2aや巻き線2bの内部に浸透したPCB油の分離を行う本発明方法について説明する。
【0037】
先ず、汚染トランス2は、図3に示したように、リング状に加工した積層鋼板からなる一つの鉄芯2aに対し、その円周上において向かい合う二つの部分を取り巻くように取付けた銅製の巻き線2bからなる構成である。
【0038】
このような構成の汚染トランス2で、例えば20kVAの電気容量を持つものを処理容器1内に設置し、P型コイルを使用する場合は図1のように、S型コイルを使用する場合は図2のようにして、誘導加熱コイル3aを設置する。なお、P型コイルを使用する場合、誘導加熱コイル3aは、図3に想像線で示した位置に配置する。
【0039】
以上のように汚染トランス2と誘導加熱コイル3aを処理容器1の内部に配置した後は、処理容器1の内部にガス供給設備4から例えば窒素ガスを供給し、処理容器1の内部の酸素濃度が5容積%以下になるように保つ。この際、処理容器1に導入する窒素ガスを予熱するために、配管4aの外表面に予熱用ヒータ11を設置しても良い。
【0040】
次に、誘引ファン6を稼動して、処理容器1の内部圧力が例えば−980Pa〜−98Paの範囲となるように保って、汚染トランス2から揮散したPCB油を冷却容器5に導くようにするのとともに、系外へのPCB含有ガスの漏洩を防止する。
【0041】
次に、処理容器1の外表面に設けたヒータ7を稼動し、続いて誘導加熱コイル3aを、出力が2.4kW、周波数が20kHzの条件で稼動して、汚染トランス2の温度を773Kになるように昇温し、この状態を7200秒間保持する。この間に、汚染トランス2から揮散したPCB油が冷却容器5において凝縮されて回収される。
【0042】
以上の手順によって汚染トランス2からのPCB油の分離作業が終了すると、高周波電源3c、処理容器1のヒータ7、及び配管5aの保温用ヒータ8を停止する。処理容器1の外表面温度が323Kに低下した段階で、ガス供給設備4及び誘引ファン6を停止する。
【0043】
以上の実施手順によって得られた、P型コイル(実線)を使用した場合と、S型コイル(破線)を使用した場合の汚染トランス内部の昇温特性を、図4に示す。図4中の符号は図3に示した測定点におけるデータであることを示す。比較のため、汚染トランス2を輻射式の真空加熱法によって加熱した場合(想像線)の昇温特性を、図4中に併せて示す。
【0044】
なお、この真空加熱法による加熱の条件は、容器内部の奥行きが9m、横幅が3.3m、高さが4mで、電気ヒータの出力が170kWであり、温度測定は、汚染トランス2の表面で行った結果である。
【0045】
図4より、従来の輻射式の真空加熱法に比べて、本発明では迅速な昇温速度が得られると共に、特にP型コイルを使用する場合は、S型コイルを使用する場合に比べて、昇温速度のばらつきが少なく、汚染トランス2を均一に昇温できることが分かった。
【0046】
なお、上述の誘導加熱コイル3aの設置条件及び運転条件と、昇温時の到達温度、保持時間、処理容器1及び配管4aのヒータ7,8の設定温度、誘引ファン6の運転による処理容器1の内部圧力は、対象となる汚染トランス2の種類や形状、含浸したPCB油の量などによって適宜変更するものであって、上記の例に限るものではない。
【0047】
例えば、以下に説明するような本発明方法でも良い。
例えば20kVAの電気容量を持つ汚染トランス2を1個、内径が800mm、高さが800mmの処理容器1内に設置し、図1のように誘導加熱コイル(外径が360mmのP型コイル)3aを設置する。なお、誘導加熱コイル(P型コイル)3aは、図3に想像線で示した位置に配置する。
【0048】
以上のように汚染トランス2と誘導加熱コイル3aを処理容器1の内部に配置した後は、処理容器1の上蓋をセットし、配管5aを接続する。ガス供給設備4から処理容器1の内部に例えば窒素ガスを毎分30リットル供給し、処理容器1の内部を−0.1kPaG程度に保持しながら処理容器1の内部を窒素ガスに置換した。酸素計の測定値が1容積%以下になれば、置換完了とみなし、加熱を開始した。
【0049】
加熱の手順を、図5を用いて以下に説明する。
高周波電源3cを入れ10kWに設定すると同時に、各ヒータ7,8,11を同時に入れ、汚染トランス2の鉄芯2aが500℃に到達するまで昇温した(図5の例では2.4時間)。この昇温後の巻き線2bの温度は850℃であった。
【0050】
昇温の完了後は、汚染トランス2の鉄芯2aは450℃以上、巻き線2bは850℃以下を保持するように、高周波電源3cをON−OFF運転した。図5の例では、19分間の電源OFF後、19分間10kWで昇温したとき、鉄芯2aは450℃以上、巻き線2bは800℃超えを保持できた。その後、47分間の電源OFF後、34分間2kWで昇温したとき、鉄芯2aは450℃以上を保持できた。
【0051】
前記汚染トランス2の鉄芯2a、巻き線2bの温度測定は、シースK熱電対を使用して行った。測定位置は、図3にa〜eで示す5点である。すなわち、鉄芯2aは、誘導加熱コイル3aの近傍位置(a点)と、誘導加熱コイル3aより離れた位置(b点)の2点の温度を測定した。また、巻き線2bは、誘導加熱コイル3aの近傍の厚み方向中央位置(1次巻き線と2次巻き線の間:c点)と、誘導加熱コイル3aの近傍の厚み方向外周位置(2次巻き線:d点)と、誘導加熱コイル3aより離れた位置の厚み方向外周位置(2次巻き線:e点)の3点で行った。
【0052】
所定時間(図5の例では119分間)、高周波電源3cをON−OFF運転した後、高周波電源3cを切ると同時に、配管4aの予熱用ヒータ11、処理容器1のヒータ7を同時にOFFした。配管5aの保温用ヒータ8は加熱容器出口ガス温度を保持するように調整した。
【0053】
汚染トランス2の温度が100℃以下に下がった後、処理容器1の上蓋を外し、汚染トランス2を取り出した。以上の作業により、汚染トランス2から揮散したPCB油が冷却容器5において凝縮されて回収される。
【0054】
図5に汚染トランスの各部の温度の時間変化を併せて示した。
図5より、昇温過程においては、鉄芯2aの測定箇所bの昇温速度が最も遅かったが、処理温度500℃に到達する時間は約2.4時間であり、約10時間程度要すると言われている真空加熱分離法における昇温時間に比べて極めて速かった。
【0055】
下記表1に、加熱前後の汚染トランス2への付着PCB濃度を示す。下記表1より、500℃×2時間(昇温2.4時間)の加熱処理によって、何れの部位もPCB濃度を基準値以下に低減できることが分かった。
【0056】
【表1】

【0057】
本発明は、各請求項に記載の技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
【0058】
例えば処理容器1に付帯する設備3〜6の取付け位置は、図1や図2に示した位置に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油によって汚染された電気機器から前記絶縁油を分離する装置であって、
前記電気機器を収容する処理容器と、
この処理容器に設置された前記電気機器の誘導加熱設備と、
前記処理容器内へのガス供給設備と、
前記誘導加熱によって前記電気機器から揮散したガスを凝縮させる冷却容器と、
前記処理容器内を所定圧力に保ちつつ前記揮散したガスを前記冷却容器に導き、かつ前記凝縮させたガスから前記絶縁油を捕捉した後のガスを、前記冷却容器から系外に放出させる誘引ファンと、
を備えたことを特徴とするPCB汚染電気機器の無害化装置。
【請求項2】
前記誘導加熱設備は、
前記電気機器を内部から加熱するために、前記処理容器の内部に配置される誘導加熱コイルと、
絶縁及び耐熱を保って、前記処理容器の外部から、電源線を介して前記誘導加熱コイルに電源を供給する高周波電源、及び内部に導入される冷却配管と、
を具備し、
前記誘導加熱コイルの処理容器内への設置部分は、処理容器内に設置される前記電気機器との接触による電気的短絡を防止するための絶縁材で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載のPCB汚染電気機器の無害化装置。
【請求項3】
前記誘導加熱コイルは、
円盤形状をなし、コイルの一端を円盤の中心に据え、中心から外に向かって同一平面内で渦巻き状に巻いて最外円の部分から他端を取り出す形状であることを特徴とする請求項2に記載のPCB汚染電気機器の無害化装置。
【請求項4】
前記処理容器の外表面にヒータを具備し、
処理時に処理容器内部で揮散したガスの、処理容器内壁への凝縮を防止可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のPCB汚染電気機器の無害化装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載のPCB汚染電気機器の無害化装置を使用し、
処理中は、酸素濃度を5容積%以下に調整した不活性ガスで処理容器の内部を満たしつつ、処理容器の内部圧力を大気圧よりも低い圧力になるように制御して前記絶縁油の揮散を促進し、
揮散したガスを前記冷却容器で凝縮させて前記絶縁油を捕捉すると共に、前記絶縁油を含有したガスの系外への漏洩を防止することを特徴とするPCB汚染電気機器の無害化方法。
【請求項6】
前記請求項1〜4の何れかに記載のPCB汚染電気機器の無害化装置を使用し、
処理中は、酸素濃度を5容積%以下に調整した不活性ガスで処理容器の内部を満たしつつ、処理容器内のPCB汚染電気機器を450〜850℃の温度範囲で2時間以上保持することを特徴とするPCB汚染電気機器の無害化方法。
【請求項7】
前記処理容器内のPCB汚染電気機器の前記温度範囲の保持を、高周波電源の高周波出力を調整することにより行うことを特徴とする請求項6に記載のPCB汚染電気機器の無害化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−233657(P2009−233657A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32508(P2009−32508)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【Fターム(参考)】