説明

PHS端末、その動作方法及び動作プログラム、並びに乗客用列車降車駅報知システム

【課題】インフラとしては既存の設備のみで実施可能で新たな設備を必要とせず、正確に降車駅に近づいたことを知ることができるPHS端末を提供する。
【解決手段】PHS端末は、無線基地局との間で無線通信を行う無線部と、アラーム機能と、路線の路線情報を記録する路線情報データベースと、路線の乗車駅及び降車駅を入力する入力部と、入力された乗車駅及び降車駅と、路線情報データベースの路線情報とに基づいて、路線上の乗車駅及び降車駅間の途中の停車駅数を算出すると共に、列車の運行中に無線部を介して無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより停車駅数を計測し、停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、アラーム機能を起動させる制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PHS(Personal Handy-phone System)端末、その動作方法及び動作プログラム、並びに乗客用列車降車駅報知システムに係り、特にPHS端末を用いた乗客用列車降車駅報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地下鉄を利用して移動している場合、読書に熱中したり、または居眠りしたりする等により降車駅に気が付かず降りる駅を乗り過ごすことがある。このような場合の乗り過ごし防止に関連する技術が、特許文献1、2、3に記載されている。
【0003】
特許文献1には、携帯端末側に、降車駅を設定する手段と、狭帯域無線通信手段と、降車駅に近接したことを通知する通知手段とを備え、運行車両側に、現在位置を取得する測位手段と、携帯端末の狭帯域無線通信手段と通信する狭帯域無線通信手段とを備えた降車駅案内システムが記載されている。この場合の測位手段として、GPS(Global Positioning System)衛星からの位置情報を受信したり、或いは運行路線のトンネル側面に配置した位置情報の発信機能を持つ装置からの信号を受信したりするものが示されている。
【0004】
特許文献2には、列車情報記憶手段、降車駅記憶手段、列車走行位置検出手段、及び降車駅接近通知手段を有し、列車走行位置検出手段が検出する走行位置に基づく次の停車駅と降車駅記憶手段に記憶した降車駅が一致する場合に乗客に降車駅の接近を通知する降車駅接近表示システムが記載されている。この場合、列車走行位置検出手段としては、例えば位置を特定するための標識を線路に沿って設置し、この標識を信号等により検出するものが示されている。
【0005】
特許文献3には、利用路線、現在駅、降車駅を入力することで、降車駅の到着時刻を、あらかじめ端末内部の駅間の所要時間データから算出し、降車駅手前でアラームなどで利用者に知らせる携帯型の電車用目覚ましが記載されている。
【特許文献1】特開2003−179542号公報
【特許文献2】特開平7−172318号公報
【特許文献3】実用新案登録第3078399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、位置を特定するためにGPS機能が使用できない環境(地下鉄の場合)ではトンネルの側面に位置情報の発信機能を持つ装置の設置が必要であり、新たな設備投資が必要である。
【0007】
特許文献2は、位置を特定するための標識を線路に沿って設置することとしており、特許文献1と同様に、新たな設備投資が必要となる。
【0008】
特許文献3は、降車駅到着時刻を、あらかじめ端末内部の駅間所要時間データから算出することとしており、ラッシュ時や事故等による運行遅れが発生した場合には、降車駅を正確に知ることができない。
【0009】
本発明は、インフラとしては既存の設備のみで実施可能で新たな設備を必要とせず、正確に降車駅に近づいたことを知ることができるPHS端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係るPHS端末は、路線上を運行する列車の乗客が携帯するPHS端末であって、無線基地局との間で無線通信を行う無線部と、アラーム機能と、前記路線の路線情報を記録する路線情報データベースと、前記路線の乗車駅及び降車駅を入力する入力部と、入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、前記路線上の乗車駅及び降車駅間の途中の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記停車駅数を計測し、前記停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、前記アラーム機能を起動させる制御部と、を有することを特徴とする。
【0011】
前記路線情報は、前記路線の地上区間か地下区間かを識別する地上/地下区間情報を含み、前記制御部は、入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、1)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地下区間のみの場合は、前記地下区間の途中の停車駅数に応じて駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致したとき、2)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間のみの場合は、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、3)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間と前記地下区間とを含む場合は、前記地下区間の途中の停車駅数に応じて駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致し、且つ、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、
それぞれ前記アラーム機能を起動させてもよい。
【0012】
前記路線情報は、更に、前記無線基地局との間で通信可能な圏内区間か通信不可の圏外区間かを識別する圏内/圏外区間情報を含み、前記制御部は、入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、1)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地下区間のみの場合は、前記圏内/圏外区間情報から前記地下区間の駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致したとき、2)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間のみの場合は、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、3)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間と前記地下区間とを含む場合は、前記圏内/圏外区間情報から前記地下区間の駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致し、且つ、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、それぞれ前記アラーム機能を起動させてもよい。
【0013】
前記路線情報は、更に、前記路線の各駅毎に急行列車の停車駅か否かを識別する急行停車情報を含み、前記入力部は、更に急行列車か否かを識別する列車種別を入力し、前記制御部は、入力された列車種別が急行列車の場合は、前記路線情報データベースの急行停車情報に基づいて前記停車駅数を算出してもよい。
【0014】
本発明に係るPHS端末の動作方法は、路線上を運行する列車の乗客が携帯し、且つ、無線基地局との間で無線通信を行う無線部と、アラーム機能とを有するPHS端末の動作方法であって、前記路線の路線情報を路線情報データベースに記録し、前記路線の乗車駅及び降車駅を入力し、入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、前記路線上の乗車駅及び降車駅間の途中の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記停車駅数を計測し、前記停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、前記アラーム機能を起動させることを特徴とする。
【0015】
本発明に係るPHS端末の動作プログラムは、地上区間及び地下区間を含む路線上を運行する列車の乗客が携帯し、且つ、無線基地局との間で無線通信を行う無線部と、アラーム機能とを有するPHS端末の動作プログラムであって、コンピュータに、前記路線の路線情報を路線情報データベースに記録する処理と、前記路線の乗車駅及び降車駅を入力する処理と、入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、前記路線上の乗車駅及び降車駅間の途中の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記停車駅数を計測し、前記停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、前記アラーム機能を起動させる処理と、を実行させることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る乗客用列車降車駅報知システムは、上記いずれかに記載のPHS端末を有し、前記制御部による前記アラーム機能の起動により前記乗客に前記降車駅が近づいたことを前記PHS端末に搭載された所定の出力装置を介して知らせることを特徴とする。
【0017】
前記出力装置は、表示装置であり、前記アラーム機能は、前記表示装置の表示画面上に所定のアラーム情報を表示させる機能であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、インフラとしては既存の設備のみで実施可能で新たな設備を必要とせず、正確に降車駅に近づいたことを知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係るPHS端末、その動作方法及び動作プログラム、並びに乗客用列車降車駅報知システムの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
本実施の形態に係るPHS端末及びこれを用いた乗客用列車降車駅報知システムは、PHS端末の利用者がそのPHS端末を携帯して地下鉄(列車、電車、又は車両:以下の説明では「列車」と総称する。)に乗車している場合に、携帯しているPHS端末において無線基地局との間で通信不可状態の圏外となる回数をカウント(計測)し、その回数により通過駅数をカウントして降車駅が近づいたことを利用者に知らせることができるものである。この場合、PHS端末に乗車駅と降車駅を入力することにより、あらかじめPHS端末に登録されている路線情報から乗車駅と降車駅間に通過する駅間数および圏外回数を算出する。その結果、列車に乗車し、列車が移動中に算出した結果と等しい圏外回数をカウントしたら、PHS端末が持っているアラーム機能を起動させ、PHS端末の利用者(所持者)に降車駅が近づいたことを知らせる。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係るPHS端末の全体構成を示す。同図に示すPHS端末11は、無線基地局21との間で無線通信を行うもので、主制御部12と、路線情報DB(データベース)13と、入力部14と、表示部15と、無線部16と、アラーム機能17とを有する。なお、同図には、PHS端末11で用いられる既知の通話回路等、本発明に直接関係しない構成部分については図示していない。
【0022】
主制御部12は、プログラム制御で動作するCPU(Central Processing Unit)121と、CPU121により実行される制御プログラム(動作プログラム)122a等を格納するメモリ122と、タイマー123とを有し、CPU121がメモリ121の制御プログラム122aを実行することにより、圏内圏外判定、圏外回数カウント、待ち受け状態監視、その他PHS端末11の制御機能動作を行う。その詳細は後述する。
【0023】
路線情報DB13は、メモリ等の記録装置で構成され、予め設定された列車(電車)が運行する路線に関する路線情報を記録している。その詳細は後述する。
【0024】
入力部14は、テンキー等のキーやタッチパネル等の入力装置で構成され、利用者が電話をかける場合の相手先電話番号を入力したり、乗車駅、降車駅を入力したりする。
【0025】
表示部15は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置(出力装置)で構成され、入力部14により入力したダイヤルや乗降車駅名を表示したり、アラーム機能17の動作と連携してアラーム情報を表示したりする。
【0026】
無線部16は、アンテナ部、送受信部(変復調回路等)、ベースバンド処理部等の既知の要素を有し、無線基地局21との間で無線通信を行う。
【0027】
アラーム機能17は、主制御部12からの制御信号に基づいて起動し、表示部15と連携して表示部15の表示画面上に所定のアラーム情報を表示させる機能を有するが、本発明はこれに限定されず、例えば、PHS端末11の図示しないスピーカ部(音声出力部)と連携してスピーカ部から所定のアラーム音(発生音)を出力させたり、PHS端末11の図示しないバイブレータ部(振動生成部)と連携してバイブレータ部を振動させたりしてもよい。要は、主制御部12によるアラーム機能17の起動により利用者(乗客)に降車駅が近づいたことをPHS端末11に搭載された所定の出力装置を介して知らせることができる構成であれば、いずれのアラーム機能17でも適用可能である。
【0028】
図2は、図1に示す路線情報DB13内に記録される路線情報の一例である。
【0029】
図2に示す路線情報には、路線の各駅の駅名131に対応付けて、地下区間及び地上区間の各駅と地下区間の各駅間とのそれぞれに対し、無線基地局21との通信が可能な圏内区間か、通信が不可の圏外区間かを識別可能な圏内/圏外区間情報132と、各駅停車の普通列車の他に急行列車(特急列車、準急列車等も含む)の停車駅か否かを識別可能な急行停車情報133と、地上区間か地下区間かを識別可能な地上/地下区間情報134とが記録されている。
【0030】
図2の例では、地上/地下区間情報134は、「ST1」−「ST19」駅が地上区間、「ST20」−「ST26」駅が地下区間であることを示している。また、圏内/圏外区間情報132は、地上区間の「ST1」−「ST19」駅に対しては圏内区間で構成され、地下区間の「ST20」−「ST26」駅に対してはそれぞれ駅内が圏内区間、隣接する2つの駅間が圏外区間であることを示している。さらに、急行停車情報133は、図中の○印で示すように、「ST1」、「ST3」、「ST6」、「ST8」、「ST11」、「ST12」、「ST13」、「ST16」、「ST19」駅が各駅停車の普通列車に加え急行列車の停車駅であり、図中の空欄で示されるその他の駅は全て各駅停車の普通列車のみの停車駅であることを示している。図2の例に示す「ST1」−「ST26」駅は、一例として東急田園都市線の「中東林間」−「表参道」駅に対応している(同図参照)。
【0031】
次に、本実施の形態の動作について説明する。
【0032】
図3は、PHS端末11の動作を説明する路線の例である。同図の例は、乗車駅が「ST16」駅、降車駅が「ST25」駅の場合を示す。
【0033】
図4及び図5は、PHS端末11の動作を示すフローチャートである。図4及び図5に示されるフローチャートの処理は、本実施の形態では、主制御部12のCPU121がメモリ122内に実装されている制御プログラム122aを実行することにより行われる。
【0034】
図4において、PHS端末11の利用者は、列車の乗車前に、入力部14を操作して乗車駅と、降車駅とを入力する(ステップS1、S2)。そうすると、主制御部12は、入力された乗降車駅情報と路線情報DB13内の路線情報とから、列車が通過する区間(部分)が地上区間(地上部分)のみか、トンネル内の地下区間(地下部分)のみか、地上区間及び地下区間の両方であるかの通過区間を判断する(ステップS3)。
【0035】
例えば、図3に示すように、乗車駅が「ST16」駅で降車駅が「ST25」駅とすると、図2の路線情報DB13内の路線情報から、地上区間の「ST17」駅−「ST19」駅を通過してから地下区間の「ST20」−「ST24」駅を通過すると判断できる。
【0036】
このように列車の通過する区間が、地上区間を通過してから地下区間を通過すると判断できる場合(ステップS12:Yes)は、図5に示すように、主制御部12は、図2の路線情報DB13内の路線情報から地上区間の途中の停車駅数を算出する(ステップS13)。図3の例では、地上区間の停車駅数は、「ST17」、「ST18」、「ST19」の3駅である。
【0037】
この場合、PHS端末11は、無線部16の動作により、「ST16」駅から「ST19」間は全て圏内区間であるが、列車が駅間を移動している間はハンドオーバー(無線基地局21を切り替える)を繰り返す。例えば、「ST17」駅に乗降のために停止した列車は移動しないため、ハンドオーバーはせず、ある特定の無線基地局21に対して待ち受け状態となる。この待ち受け状態では、図5に示すように、主制御部12は、タイマー123を利用して、待ち受け時間が一定時間(例:30秒)以上経過したかどうか判断する(ステップS14)。その結果、主制御部12は、待ち受け時間が一定時間以上経過したと判断したら(ステップS14:Yes)、駅に停車したものとしてカウント(計測)する(ステップS15)。一方、主制御部12は、待ち受け時間が一定時間以上経過していないと判断したら(ステップS14:No)、上記ステップS14に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0038】
そして、主制御部12は、停車駅数のカウント値(計測値)がその算出値(図3の例では3回)を経過したと判断したら(ステップS16:Yes)、路線情報DB13内の路線情報から地下区間の駅間の圏外回数を算出する(ステップS17)。図3の例では、地下区間の駅間の圏外回数は、「ST19」−「ST20」駅間、「ST20」−「ST21」駅間、「ST21」−「ST22」駅間、「ST22」−「ST23」駅間、「ST23」−「ST24」駅間、「ST24」−「ST25」駅間の6回である。一方、主制御部12は、停車駅数のカウント値がその算出値を経過していないと判断したら(ステップS16:No)、上記ステップS14に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0039】
次に、主制御部12は、無線部16の動作を通じて無線基地局21との間で通信が不可か否かの圏外判定を行い(ステップS18)、圏外であると判定された場合(ステップS18:Yes)、圏外となった回数をカウント(計測)する(ステップS19)。一方、主制御部12は、圏外でないと判定された場合(ステップS18:No)、上記ステップS18に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0040】
次に、主制御部12は、圏外回数のカウント値(計測値)がその算出値(図3の例では6回)に達したか否かを判断し(ステップS20)、その圏外回数の算出値に達したと判断された場合(ステップS20:Yes)、アラーム機能17を起動させる(ステップS29)。一方、主制御部12は、圏外回数のカウント値がその算出値に達していないと判断された場合(ステップS20:No)、上記ステップS20に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0041】
一方、上記ステップS3にて、入力した乗車駅、降車駅により、列車の通過する区間が地上区間のみと判断できる場合は、図4に示すように、地上区間の途中の停車駅数のみをカウントすればよく、上記ステップS13−S16と同様に、地上区間の停車駅数の算出及び停車駅数のカウントを行い(ステップS4、S5、S6、S7)、停車駅数のカウント値がその算出値に達したと判断された場合(ステップS7:Yes)、アラーム機能17を起動させる(ステップS29)。これにより、表示部15の表示画面上にアラーム情報を表示させ、利用者に降車駅が近づいたことを知らせる。
【0042】
また、上記ステップS3にて、入力した乗車駅、降車駅により、列車の通過する区間が地下区間のみと判断できる場合は、図4に示すように、主制御部12は、地下区間の途中の駅間の圏外回数のみをカウントすればよく、上記ステップS17−S20と同様に、地下区間の駅間の圏外回数の算出及び圏外回数のカウントを行い(ステップS8、S9、S10、S11)、圏外回数のカウント値がその算出値に達したと判断された場合(ステップS11:Yes)、アラーム機能17を起動させる(ステップS29)。これにより、表示部15の表示画面上にアラーム情報を表示させ、利用者に降車駅が近づいたことを知らせる。
【0043】
さらに、上記ステップS3にて、入力した乗車駅、降車駅により、列車の通過する区間が、地下区間を通過してから地上区間を通過すると判断できる場合(ステップS12:No)は、図4に示すように、主制御部12は、上記ステップS17−S20と同様に、地下区間の駅間の圏外回数の算出及び圏外回数のカウントを行う(ステップS21、S22、S23、S24)。その後で、主制御部12は、上記ステップS13−S16と同様に、地上区間の停車駅数の算出及び停車駅数のカウントを行い(ステップS25、S26、S27、S28)、停車駅数のカウント値がその算出値に達したと判断された場合(ステップS28:Yes)、アラーム機能17を起動させる(ステップS29)。これにより、表示部15の表示画面上にアラーム情報を表示させ、利用者に降車駅が近づいたことを知らせる。
【0044】
図3の例は、PHS端末11の利用者が、東急田園都市線を利用して、「溝の口(ST16)」駅で乗車し、「渋谷(ST25)」駅で降りる場合に対応する。この場合、利用者は、乗車前に、PHS端末11の入力部14を利用して、乗車駅として「溝の口」を入力する。また、降車駅として「渋谷(ST25)」を入力する。PHS11の路線情報DB13には、あらかじめ田園都市線の路線情報が記録されており、その路線情報から地上区間の途中停車駅数は3駅、地下区間の圏外回数は6回、地上区間と地下区間とを合わせた圏内回数は7回であることがわかる。
【0045】
利用者は、上記設定を行ったPHS端末11を携帯して田園都市線に「溝の口(ST16)」駅から乗車する。この場合、PHS端末11は、「溝の口(ST16)」駅から「二子玉川駅(ST19)」間は圏内区間であるが、列車が駅間を移動している間はハンドオーバー(無線基地局21を切り替える)を繰り返す。例えば、「高津(ST17)」駅に乗降のために停止した列車は移動しないため、PHS端末11は、ハンドオーバーはせず、ある特定の無線基地局21に対して待ち受け状態となる。主制御部12は、待ち受け状態が一定時間(例:30秒)以上継続したら、駅に停車したものと判断する。PHS端末11は、この待ち受け時間を計測し、待ち受け時間が一定時間以上継続した回数を、駅に停車した回数としてカウントし記録する。
【0046】
その後、「二子玉川(ST19)」駅を発車すると地下区間を移動することになり、駅間においては圏外区間となる。そこで、PHS端末11にて圏外の回数をカウントし、圏外回数が6回になったら、PHS端末11のアラーム機能17を起動させる。これにより、表示部15の表示画面上にアラーム情報を表示させ、利用者に前記降車駅が近づいたことを知らせる。
【0047】
なお、東急田園都市線の列車種別として、急行か各駅停車がある。例えば、「あざみ野(ST11)」駅で乗車し「渋谷(ST25)」駅で降車する場合、急行と各駅停車のどちらに乗車するかによって、停車駅が異なる。この場合、入力部14により乗降駅を入力するときに(図4のステップS1、S2)、更に乗車する列車種別を入力するようにしてもよい。この場合、主制御部12は、入力された列車種別が急行の場合、路線情報DB13の急行停車情報133に基づいて地上区間の途中の停車駅数を算出するようにしてもよい。この例では、急行を指定した場合の地上区間の途中の停車駅数は3駅となり、各駅停車を指定した場合は8駅となる。以降の動作フローは、上記と同じであるため、説明を省略する。
【0048】
従って、本実施の形態によれば、PHS端末11の主制御部12が、入力部14により入力された乗車駅及び降車駅と、路線情報DB13の路線情報とに基づいて、1)乗降車駅間が地下区間のみの場合は、地下区間の駅間の圏外回数を算出し、列車運行中に無線基地局21との間で通信不可となる圏外回数を計測し、計測値と算出値とが一致したとき、2)乗降車駅間が地上区間のみの場合は、地上区間の停車駅数を算出し、列車運行中に無線基地局21に対する待ち受け状態の時間を測定して地上区間の停車駅数を計測し、計測値と算出値とが一致したとき、3)乗降車駅間が地上区間と地下区間とを含む場合は、上記1)、2)両方の計測値と算出値とが一致したとき、それぞれアラーム機能を起動させるようにしたため、インフラとしては既存の設備のみで実施可能で新たな設備を必要とせず、列車の乗客は正確に降車駅に近づいたことを知ることができる。
【0049】
なお、地下区間において、駅間の距離が短く圏外となる区間がないような場合は、地上区間と同様にして停車駅数を算出するようにしてもよい。
【0050】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、路線情報DB13は、路線の各駅及びその駅間毎に無線基地局との間で通信可能な圏内区間か通信不可の圏外区間かを識別する圏内/圏外区間情報132と、路線の地上区間か地下区間かを識別する地上/地下区間情報134とを含む構成としているが、本発明は必ずしもこれに限定されず、圏内/圏外区間情報132を含まない構成でもよい。
【0051】
例えば、上記の図2、図3の例では、乗車駅が地上区間の「ST16」駅、降車駅が地下区間の「ST25」駅の場合、地下区間の停車駅は5駅で、圏外回数は6回となり、
乗車駅が地下区間の「ST20」駅、降車駅が地下区間の「ST25」駅の場合、地下区間の停車駅は4駅で、圏外回数は5回となる。つまり、地下区間の停車駅数をnとし、地下区間の駅間の圏外回数をmとすると、m=n+1の関係がある。このため、地上/地下区間情報134から地下区間の停車駅数nが分かれば、地下区間の駅間の圏外回数mは算出可能となる。この場合、圏内/圏外区間情報132は、必ずしも必要ではない。
【0052】
このことを上記の図4、図5の例に適用すると、図4のステップS8、図5のステップS17、S21の各処理において、地上/地下区間情報134から地下区間の停車駅数nを算出し、その停車駅数から地下区間の駅間の圏外回数mを算出するように変更すればよい。その他の処理は、上記と同様である。
【0053】
すなわち、本実施の形態に係るPHS端末は、路線情報DBの路線情報として、路線の地上区間か地下区間かを識別する地上/地下区間情報を含む。そして、制御部は、入力された乗車駅及び降車駅と、路線情報DBの路線情報とに基づいて、1)路線上の乗車駅及び降車駅間が地下区間のみの場合は、地下区間の途中の停車駅数に応じて駅間の圏外回数を算出すると共に、列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致したとき、アラーム機能を起動させる。また、2)路線上の乗車駅及び降車駅間が地上区間のみの場合は、地上区間の停車駅数を算出すると共に、列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより地上区間の停車駅数を計測し、地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、アラーム機能を起動させる。さらに、3)路線上の乗車駅及び降車駅間が地上区間と地下区間とを含む場合は、地下区間の途中の停車駅数に応じて駅間の圏外回数を算出すると共に、列車の運行中に無線部を介して無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致し、且つ、地上区間の停車駅数を算出すると共に、列車の運行中に無線部を介して無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより地上区間の停車駅数を計測し、地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、それぞれアラーム機能を起動させる。
【0054】
従って、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果に加え、更に圏内/圏外区間情報を用いない分、路線情報DBの記憶容量を低減し、より簡素な構成を構築することができる利点もある。
【0055】
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態では、路線情報DB13は、圏内/圏外区間情報132と、地上/地下区間情報134とを含む構成とし、第2の実施の形態では、路線情報DB13は、地上/地下区間情報134を含む構成としているが、本発明は必ずしもこれに限定されない。
【0056】
第1、第2の実施の形態では、地上空間では、待ち受け状態の時間を測定し、地下区間では、駅間の圏外回数を計測しているが、地下区間でも、地上空間と同様に待ち受け状態の時間を測定して停車駅数を計測することも可能である。この場合、地上/地下区間情報134も、必要ではない。
【0057】
このことを上記の図4、図5の例に適用すると、図4のステップS3、S8〜S12、図5のステップS12〜S28の各処理を省略し、図4のステップS4において、地上区間と地下区間の有無に関係なく、入力された乗車駅と降車駅間の途中の停車駅数を算出するように変更すればよい。以後のステップS5〜S7、S29の各処理については、前述と同様である。
【0058】
すなわち、本実施の形態に係るPHS端末は、路線上を運行する列車の乗客が携帯するPHS端末であって、無線基地局との間で無線通信を行う無線部と、アラーム機能と、路線の路線情報を記録する路線情報DBと、路線の乗車駅及び降車駅を入力する入力部と、入力された乗車駅及び降車駅と、路線情報DBの路線情報とに基づいて、路線上の乗車駅及び降車駅間の途中の停車駅数を算出すると共に、列車の運行中に無線部を介して無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより停車駅数を計測し、停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、アラーム機能を起動させる制御部と、を有する構成であればよい。
【0059】
本実施の形態では、第1、第2の実施の形態と同様の効果に加え、更に地上/地下区間情報134を用いない分、路線情報DB13の記憶容量を低減し、より簡素な構成を構築することができる利点もある。
【0060】
なお、上記のPHS端末は、そのハードウェア及びソフトウェア構成は特に限定されるものではなく、上述した各部の機能(手段)を実現可能なものであれば、いずれのものでも適用可能である。例えば、各部の機能毎に回路を独立させて構成したものでも、複数の機能を1つの回路にまとめて一体に構成したものでも、いずれのものであってもよい。或いは、全ての機能を主にソフトウェアの処理で実現するものでもあってもよい。
【0061】
また、上記のPHS端末を構成する各部の少なくとも一部の機能を、プログラムコードを用いて実現する場合、かかるプログラムコード及びこれを記録する記録媒体は、本発明の範疇に含まれる。この場合、オペレーティングシステム(OS)、ミドルウェア、アプリケーションソフトウェア等の他のプログラムと協働して上記機能が実現される場合は、それらのプログラムコードも含まれる。
【0062】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、PHS端末、その動作方法及び動作プログラム、並びに乗客用列車降車駅報知システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係るPHS端末の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】図1に示す路線情報DB内の路線情報の一例を示す図である。
【図3】図1に示すPHS端末の動作を説明する路線図である。
【図4】図1に示すPHS端末の動作を説明する概略フローチャートである。
【図5】図4に続き、図1に示すPHS端末の動作を説明する概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
11 PHS端末
12 主制御部
13 路線情報DB(データベース)
14 入力部
15 表示部
16 無線部
17 アラーム機能
121 CPU
122 メモリ
122a 制御プログラム
123 タイマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路線上を運行する列車の乗客が携帯するPHS端末であって、
無線基地局との間で無線通信を行う無線部と、
アラーム機能と、
前記路線の路線情報を記録する路線情報データベースと、
前記路線の乗車駅及び降車駅を入力する入力部と、
入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、前記路線上の乗車駅及び降車駅間の途中の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記停車駅数を計測し、前記停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、前記アラーム機能を起動させる制御部と、
を有することを特徴とするPHS端末。
【請求項2】
前記路線情報は、前記路線の地上区間か地下区間かを識別する地上/地下区間情報を含み、
前記制御部は、入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、
1)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地下区間のみの場合は、前記地下区間の途中の停車駅数に応じて駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致したとき、
2)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間のみの場合は、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、
3)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間と前記地下区間とを含む場合は、前記地下区間の途中の停車駅数に応じて駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致し、且つ、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、
それぞれ前記アラーム機能を起動させることを特徴とする請求項1記載のPHS端末。
【請求項3】
前記路線情報は、更に、前記無線基地局との間で通信可能な圏内区間か通信不可の圏外区間かを識別する圏内/圏外区間情報を含み、
前記制御部は、入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、
1)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地下区間のみの場合は、前記圏内/圏外区間情報から前記地下区間の駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致したとき、
2)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間のみの場合は、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、
3)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間と前記地下区間とを含む場合は、前記圏内/圏外区間情報から前記地下区間の駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致し、且つ、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、
それぞれ前記アラーム機能を起動させることを特徴とする請求項2記載のPHS端末。
【請求項4】
前記路線情報は、更に、前記路線の各駅毎に急行列車の停車駅か否かを識別する急行停車情報を含み、
前記入力部は、更に急行列車か否かを識別する列車種別を入力し、
前記制御部は、入力された列車種別が急行列車の場合は、前記路線情報データベースの急行停車情報に基づいて前記停車駅数を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のPHS端末。
【請求項5】
路線上を運行する列車の乗客が携帯し、且つ、無線基地局との間で無線通信を行う無線部と、アラーム機能とを有するPHS端末の動作方法であって、
前記路線の路線情報を路線情報データベースに記録し、
前記路線の乗車駅及び降車駅を入力し、
入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、前記路線上の乗車駅及び降車駅間の途中の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記停車駅数を計測し、前記停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、前記アラーム機能を起動させることを特徴とするPHS端末の動作方法。
【請求項6】
前記路線情報は、前記路線の地上区間か地下区間かを識別する地上/地下区間情報を含み、
更に、入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、
1)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地下区間のみの場合、前記地下区間の途中の停車駅数に応じて駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致したとき、
2)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間のみの場合、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、
3)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間と前記地下区間とを含む場合、前記地下区間の途中の停車駅数に応じて駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致し、且つ、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、
それぞれ前記アラーム機能を起動させることを特徴とする請求項5記載のPHS端末の動作方法。
【請求項7】
前記路線情報は、更に、前記無線基地局との間で通信可能な圏内区間か通信不可の圏外区間かを識別する圏内/圏外区間情報を含み、
更に、入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、
1)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地下区間のみの場合は、前記圏内/圏外区間情報から前記地下区間の駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致したとき、
2)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間のみの場合は、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、
3)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間と前記地下区間とを含む場合は、前記圏内/圏外区間情報から前記地下区間の駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致し、且つ、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、
それぞれ前記アラーム機能を起動させることを特徴とする請求項6記載のPHS端末の動作方法。
【請求項8】
前記路線情報は、更に、前記路線の各駅毎に急行列車の停車駅か否かを識別する急行停車情報を含み、
更に、前記急行列車か否かを識別する列車種別を入力し、
入力された列車種別が前記急行列車の場合は、前記路線情報データベースの急行停車情報に基づいて前記停車駅数を算出することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載のPHS端末の動作方法。
【請求項9】
地上区間及び地下区間を含む路線上を運行する列車の乗客が携帯し、且つ、無線基地局との間で無線通信を行う無線部と、アラーム機能とを有するPHS端末の動作プログラムであって、
コンピュータに、
前記路線の路線情報を路線情報データベースに記録する処理と、
前記路線の乗車駅及び降車駅を入力する処理と、
入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、前記路線上の乗車駅及び降車駅間の途中の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記停車駅数を計測し、前記停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、前記アラーム機能を起動させる処理と、
を実行させることを特徴とするPHS端末の動作プログラム。
【請求項10】
前記路線情報は、前記路線の地上区間か地下区間かを識別する地上/地下区間情報を含み、
コンピュータに、更に、入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、
1)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地下区間のみの場合、前記地下区間の途中の停車駅数に応じて駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致したとき、
2)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間のみの場合、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、
3)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間と前記地下区間とを含む場合、前記地下区間の途中の停車駅数に応じて駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致し、且つ、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、
それぞれ前記アラーム機能を起動させる処理、
を実行させることを特徴とする請求項9記載のPHS端末の動作プログラム。
【請求項11】
前記路線情報は、更に、前記無線基地局との間で通信可能な圏内区間か通信不可の圏外区間かを識別する圏内/圏外区間情報を含み、
コンピュータに、更に、入力された乗車駅及び降車駅と、前記路線情報データベースの路線情報とに基づいて、
1)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地下区間のみの場合は、前記圏内/圏外区間情報から前記地下区間の駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致したとき、
2)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間のみの場合は、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、
3)前記路線上の乗車駅及び降車駅間が前記地上区間と前記地下区間とを含む場合は、前記圏内/圏外区間情報から前記地下区間の駅間の圏外回数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局との間で通信不可となる圏外回数を計測し、前記地下区間の駅間の圏外回数の算出値とその計測値とが一致し、且つ、前記地上区間の停車駅数を算出すると共に、前記列車の運行中に前記無線部を介して前記無線基地局に対する待ち受け状態の時間を測定することにより前記地上区間の停車駅数を計測し、前記地上区間の停車駅数の算出値とその計測値とが一致したとき、
それぞれ前記アラーム機能を起動させる処理、
を実行させることを特徴とする請求項10記載のPHS端末の動作プログラム。
【請求項12】
前記路線情報は、前記路線の各駅毎に急行列車の停車駅か否かを識別する急行停車情報を含み、
コンピュータに、更に、
前記急行列車か否かを識別する列車種別を入力する処理と、
入力された列車種別が前記急行列車の場合は、前記路線情報データベースの急行停車情報に基づいて前記停車駅数を算出する処理と、
を実行させることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載のPHS端末の動作プログラム。
【請求項13】
請求項1から4のいずれか1項に記載のPHS端末を有し、
前記制御部による前記アラーム機能の起動により前記乗客に前記降車駅が近づいたことを前記PHS端末に搭載された所定の出力装置を介して知らせることを特徴とする乗客用列車降車駅報知システム。
【請求項14】
前記出力装置は、表示装置であり、
前記アラーム機能は、前記表示装置の表示画面上に所定のアラーム情報を表示させる機能である請求項13記載の乗客用列車降車駅報知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−74505(P2010−74505A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−239377(P2008−239377)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】