説明

PPARのモジュレーターとしての、二環式の置換されたトリアゾール、およびこれらの調製方法

本発明は、式Iによって表される一定の新規のトリアゾール化合物、並びにこれらの薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、水和物、およびプロドラッグに向けられる。また、本発明は、グルコース代謝、脂質代謝、およびインスリン分泌などのPPARによって媒介される多くの疾患、特に2型糖尿病、高インスリン血症、高脂血症、高尿酸血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、心臓血管疾患に関する1つまたは複数の危険因子、X症候群、高トリグリセリド血症、高血糖症、肥満症、および摂食障害を治療するための、このような化合物およびこのような化合物を含む薬学的組成物を製作し、使用する方法に向けられる。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2004年5月25日に出願された米国特許出願第60/574,471号の恩典を主張し、その内容は、参照として本明細書に組み入れられる。
【0002】
連邦によって後援された研究開発下で行われた発明に対する権利に関する記載
該当なし
【0003】
コンパクトディスクで提出される「配列表」、表、またはコンピュータープログラム表に対する参照
該当なし
【0004】
発明の背景
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)は、2型糖尿病、高インスリン血症、高脂血症、高尿酸血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、心臓血管疾患に関する1つまたは複数の危険因子、X症候群、高トリグリセリド血症、高血糖症、肥満症、摂食障害、および食欲抑制を含む多数の生物学的過程並びに疾病状態に関係する。
【0005】
糖尿病、高インスリン血症、高トリグリセリド血症、高血糖症、アテローム性動脈硬化症、および心臓血管疾患
一般に糖尿病と呼ばれる真性糖尿病は、複数の原因因子に由来し、かつ高血糖症といわれる高レベルの血漿グルコースによって特徴づけられる疾患過程をいう。たとえば、LeRoith, D. et al., (eds.), DIABETES MELLITUS (Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, PA U.S.A. 1996(非特許文献1))およびその中で引用される全ての参照を参照されたい。米国糖尿病協会によれば、真性糖尿病は、世界人口のおよそ6%に影響を及ぼすと推定される。高血糖症が制御されないことにより、腎症、神経障害、網膜症、高血圧症、脳血管障害、冠状動脈性心疾患、およびその他の心臓血管疾患を含む、微小血管性疾患および巨大血管性疾患に対するリスクが増大されることによる死亡率の増大および早発死を付随する。したがって、グルコースホメオスタシスの制御は、糖尿病の治療のためのきわめて重要なアプローチである。
【0006】
糖尿病には2つの主要な形態:1型糖尿病(以前は、インスリン依存性糖尿病またはIDDMとも称された);および2型糖尿病(以前は、インスリン非依存性糖尿病またはNIDDMとも称された)がある。
【0007】
1型糖尿病は、インスリン(グルコース利用を調節するホルモン)の完全な欠乏の結果である。このインスリン欠乏は、通常、膵臓におけるランゲルハンス島内のβ細胞破壊によって特徴づけられ、これにより、通常、完全なインスリン欠乏に至る。1型糖尿病は、2つの形態:膵臓のβ細胞における細胞を媒介した自己免疫性破壊により生じる免疫媒介真性糖尿病;および公知の病態を有さない疾患の形態をいう特発性真性糖尿病を有する。
【0008】
2型糖尿病は、グルコースおよび脂質代謝の欠陥によって特徴づけられる複合疾患である。典型的には、空腹時血漿グルコースレベル、遊離脂肪酸レベル、およびトリグリセリドレベルの増大(高トリグリセリド血症)、並びにHDL/LDLの比率の減少を含む多くの代謝パラメーターの乱れがある。糖尿病の主要な根底にある原因のうちの1つは、筋肉細胞、脂肪細胞、および肝細胞が規定濃度のインスリンに応答することができない(インスリン耐性)ときであると考えられる。インスリン耐性は、これらの細胞上のインシュリン受容体の数が減少したこと、もしくは細胞内のシグナリング経路の機能障害、または両方のためであり得る。インスリン耐性は、特徴的に、相対的(絶対的ではない)インスリン欠乏を伴う。2型糖尿病は、比較的インスリン欠乏である主インスリン耐性からいくらかのインスリン耐性を伴う主インスリン欠乏の範囲であることができる。
【0009】
インスリン耐性の個体におけるβ細胞は、最初に、異常に大量のインスリンを分泌することによって(高インスリン血漿)このインスリン耐性を補う。時間とともに、これらの細胞は、正常なグルコースレベルを維持するのに十分なインスリンを産生することができなくなり、2型糖尿病への進行を示す。インスリン耐性を補うために、および適切にグルコースを制御するために十分な量のインスリンが存在しないときに、グルコース寛容減損状態が発病する。かなりの数の個体では、インスリン分泌がさらに落ちて、血漿グルコースレベルが上昇し、臨床的に糖尿病の状態を生じる。2型糖尿病は、主なインスリン感受性組織:筋肉、肝臓、および脂肪組織におけるグルコース並びに脂質代謝に対するインスリン刺激の調整効果に対して完全に耐性であるためであり得る。このインスリン応答性に対する耐性により、筋肉におけるグルコース摂取、酸化、および貯蔵の不十分なインスリン活性化、並びに脂肪組織における脂肪分解および肝臓におけるグルコース産生および分泌の不十分なインスリン抑制を生じる。2型糖尿病では、遊離脂肪酸レベルが、肥満および一部の非肥満患者において上昇することが多く、脂質酸化が増大される。
【0010】
2型糖尿病は、高脂肪食餌、運動不足、および老化を含む遺伝性並びに後天性の危険因子の組み合わせによってもたらされる。世界的に、2型糖尿病は、流行病となっており、肥満症および坐位の生活様式、西洋食習慣の広範囲にわたる採用、および多くの国の人口の一般的老化が増大したことによって促進された。1985年には、約30,000,000人が、世界的に糖尿病を有し、2000年までに、この値は、5倍の約154,000,000人まで増大された。糖尿病である人々の数は、現在と2025年では2倍の約300,000,000になると予想される。
【0011】
末梢インスリン耐性を減少することを目的とした療法を利用できる。本発明に最も関連するものは、チアゾリジンジオン(TZD)クラスの薬物、すなわちトログリタゾン、ピオグリタゾン、およびロシグリタゾである。米国では、これらは、それぞれ名称Rezulin(商標)、Avandia(商標)、およびActos(商標)下で市場に出されてきた。これらの薬物の主な効果は、グルコースホメオスタシスを改善することである。特に、TZDで治療される糖尿病患者では、筋肉および脂肪の両方におけるインスリン感受性の増大の指標である末梢グルコース処理速度の増加がある。
【0012】
アテローム性動脈硬化症の早発性の発症、並びに心臓血管疾患および末梢血管疾患の割合の増大は、糖尿病である患者の特徴であり、高脂血症は、これらの疾患のための重要な誘発因子である。
【0013】
高脂血症
高脂血症は、一般に、血流における血清脂質の異常な増大によって特徴づけられる状態であり、上記のように、アテローム性動脈硬化症および冠状動脈性心疾患を発症する重要な危険因子である。脂質代謝の障害の総説については、たとえば、Wilson, J. et al., (ed.), Disorders of Lipid Metabolism, Chapter 23, Textbook of Endocrinology, 9th Edition, (W.B. Sanders Company, Philadelphia, PA U.S.A. 1998(非特許文献2);この参照およびその中の全ての引例は、本明細書に参照として組み入れられる)を参照されたい。血漿リポタンパク質は、循環における脂質のための担体である。これらは、これらの密度にしたがって:カイロミクロン;超低密度リポタンパク質(VLDL);中間型密度リポタンパク質(IDL);低密度リポタンパク質(LDL);および高密度リポタンパク質(HDL)に分類されている。高脂血症は、通常、一次または二次高脂血症として分類されている。一次高脂血症は、一般に遺伝子欠損によって生じ、一方、二次高脂血症は、一般に種々の疾病状態、薬物、および食餌因子などのその他の因子によって生じる。または、高脂血症は、一次および二次高脂血症の原因の両方の組み合わせによっても生じ得る。
【0014】
高コレステロール血症
高コレステロール血症(高脂血症の形態)は、過剰な高レベルの血液コレステロールによって特徴づけられる。血液コレステロールプールは、一般に小腸からのコレステロールの食餌摂取および体、特に肝臓の全体にわたってコレステロールの生合成に依存する。血漿中の大部分のコレステロールは、超低密度リポタンパク質(VLDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、中間型密度リポタンパク質(IDL)、および高密度リポタンパク質(HDL)などのリポタンパク質含有アポリポタンパク質B上に保有される。高コレステロール血症は、高LDLコレステロールレベルによって特徴づけられる。男性における冠状動脈疾患のリスクは、LDLおよびVLDLレベルが増大するときに増大する。逆に、高HDLレベルは、冠状動脈疾患に対して保護的である(Gordon, D. and Rifkind, B. N. Engl. J. Med. 1989 321: 1311-15(非特許文献3);および Stein, O and Stein, Y. Atherosclerosis 1999 144: 285-303(非特許文献4)を参照されたい)。したがって、LDLが上昇するレベルは、より低いことが望ましく、HDLレベルが増大することも望ましい。
【0015】
高コレステロール血症のための初期の治療は、適切な身体運動と合わせて、患者を低脂肪/低コレステロール治療食に据えることである。LDLを低くする目標が治療食および運動単独によっては対処されないときに、薬物療法が続く。HMG-CoAレダクターゼ阻害剤(スタチン)は、高LDLレベルと関連する状態を治療するために有用である。その他の重要な抗脂肪血症薬物は、ゲムフィブリルおよびクロフィブラートなどのフィブラート、コレスチラミンおよびコレスチポールなどの胆汁酸隔離剤、プロブコール、並びにニコチン酸類似体を含む。
【0016】
上昇したコレステロールレベルは、その結果として、冠状動脈疾患、狭心症、頚動脈疾患、脳卒中、脳動脈硬化症、および黄色腫を含む多くの疾病状態に関連している。
【0017】
異脂肪血症
異脂肪血症、または血漿中のリポタンパク質の異常なレベルは、糖尿病患者の中で頻発に生じ、糖尿病被験体における冠状動脈事象および死亡の発病率が増大されることの主な誘因のうちの1つであることが示された(たとえば、Joslin, E. Ann. Chim. Med. (1927) 5: 1061-1079(非特許文献5)を参照されたい。それ以来、疫学調査により、関連が確認され、非糖尿病被験体と比較したときに、糖尿病被験体の中で冠動脈死の数倍の増加が示された(たとえば、Garcia, M. J. et al., Diabetes (1974) 23: 105-11(非特許文献6);および Laakso, M. and Lehto, S. Diabetes Reviews (1997) 5(4): 294-315(非特許文献7)を参照されたい)。糖尿病被験体の中で、いくらかのリポタンパク質異常が記述された(Howard B., et al., Atherosclerosis (1978) 30: 153-162(非特許文献8))。
【0018】
肥満症
肥満症は、世界的に流行比率に達し、1,000,000,000人を越える成人が過体重で、彼らのうちの少なくとも300,000,000人が臨床的に肥満であり、心臓血管疾患問題、2型糖尿病および癌の一定のタイプなどのインスリン耐性と関連する状態を含む慢性疾患の世界的苦悩の主要な一因である。2型糖尿病および高血圧症を発病する可能性は、体肥満が増大することによって急傾斜で上昇する。減量により、多数の肥満症に関連した内分泌および代謝障害の更生に至る。
【0019】
肥満症の発病のリスクがある個体およびグループのための有効な体重管理には、長期ストラテジーの範囲を含む。これらには、予防、体重維持、同時罹患率の管理、および体重減少を含む。既存の治療ストラテジーには、熱量制限プログラム、外科手術(胃をステープルで留めること)、および薬物介入を含む。現在利用可能な抗肥満薬は、2つのクラス:中枢作用性および末梢作用性に分けることができる。3つの市場に出された薬物は、ゼニカル(オルリスタット)、メリダ(シブトラミン)、およびアディペックス(Adipex)-P(フェンテルミン)である。ゼニカルは、短期および長期の肥満症管理のために指示されている非全身作用性GIリパーゼ阻害剤である。メリダは、主にノルエピネフリンおよびセロトニンの再取り込み阻害によって摂食を減少させる。アディペックス-Pは、交感神経様作用活性をもつフェンテルアミンであり、食欲を抑制する。これは、短期使用の用途にのみ指示される。永久的体重減少のためのより強烈な解法は、胃サイズの大規模な減少によりカロリーの吸収を制限する外科手術および胃バイパスである。
【0020】
余分な体重および体脂肪を有すると、糖尿病の発症に近づくことになる。過体重(25を越えるBMI)である人々は、正常な体重の個体よりも2型糖尿病を発病するリスクが非常に大きい。2型糖尿病であるほぼ90%の人々は、過体重である。
【0021】
X症候群、高尿酸血症、摂食障害、および食欲抑制
X症候群(代謝症候群を含む)は、高インスリン血症、高尿酸血症、肥満症、トリグリセリド、フィブリノーゲン、低密度LDL粒子、およびプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤1(PAI-1)レベルの上昇、並びにHDL-cのレベルの減少を含む、一まとまりの異常として、ゆるく定義される。これらの異常は、摂食障害、特に過度の食欲と関連する。
【0022】
PPAR
PPARは、転写因子の核内受容体スーパーファミリー(リガンド依存的転写活性化および抑制を媒介するタンパク質の大きく、かつ多様な群)のメンバーである。これらは、脂質代謝を調節するタンパク質の発現を制御する役割を果たす。さらにまた、PPARは、脂肪酸および脂肪酸代謝産物によって活性化される。3つのPPARサブタイプ:PPARα、PPARβ(δまたはNUC1とも称する)およびPPARγが単離された。それぞれの受容体は、PPAR応答エレメント(PPRE)と呼ばれるDNA配列エレメントに結合することによって、異なるパターンの遺伝子発現を示す。加えて、それぞれの受容体は、構造的に多様な化合物による活性化において相違を示す。現在までに、PPREは、脂質代謝を調節するタンパク質をコードする多数の遺伝子のエンハンサーにおいて同定されており、PPARがダイポジェニック(dipogenic)シグナル伝達カスケードおよび脂質恒常性において重要な役割を果たすことを示唆する(Keller, H. and Wahli, W. Trends Endoodn. Met. (1993) 4:291-296(非特許文献9))。PPARαは、肝臓、心臓、腎臓、筋肉、褐色脂肪組織、および腸で見いだされ、脂肪酸のβ酸化の刺激に関与する。PPARαは、齧歯類における、およびヒトにおけるコレステロールレベルの制御時にも関与する。フィブラートは、脂質障害の治療に有効な弱いPPARαアゴニストである。ヒトにおいて、これらは、より低い血漿トリグリセリドおよびLDLコレステロールを示した。加えて、PPARαアゴニストは、糖尿病を予防し、並びに肥満および糖尿病性齧歯類におけるインスリン感受性を改善し、および体脂肪蓄積を減少させることも報告された(Koh, E. H. et al. Diabetes (2003) 52:2331-2337(非特許文献10);および Guerre-Millo, M. et al. J. Biol. Chem. (2000) 275: 16638-16642(非特許文献11)を参照されたい)。
【0023】
PPARβは、遍在性に発現されている。齧歯類およびサルにおいて、PPARβの活性化は、HDLレベルを増大する(Oliver, W.R. et al. PNAS (2001) 98:5306-5311(非特許文献12);および Leibowitz, M.D. et al. FEBS Letters (2000) 473:333-336(非特許文献13)を参照されたい)。さらに、PPARβは、骨格筋細胞における脂質異化反応およびエネルギー脱共役の重要な制御因子であることが最近示された(Dressel, U. et al. Mol Endocrinol. (2003) 17:2477-2493(非特許文献14))。齧歯類では、PPARβの活性化により、骨格筋および脂肪組織における脂肪β酸化を誘導し、食餌誘発性肥満症および糖尿病に対する保護に至る(Wang, Y. X. et al. Cell (2003) 113:159-170(非特許文献15);および Tanaka et al. PNAS (2003) 100:15924-15929(非特許文献16)を参照されたい)。ヒトマクロファージでは、PPARβ活性化により、逆コレステロール輸送体ATP-結合カセットA1を増大し、アポリポタンパク質A1特異的なコレステロール流出を誘導する(Oliver, W.R. et al. PNAS (2001) 98:5306-5311(非特許文献12)を参照されたい)。
【0024】
PPAR-γは、脂肪組織において最も豊富に発現され、脂肪細胞分化を調節すると考えられる。チアゾリジンジオン(TZD)クラスの薬物、すなわちトログリタゾン、ピオグリタゾン、およびロシグリタゾンは、強力かつ選択的なPPAR-γの活性化因子である。ヒトにおいて、これらは、インスリン作用を増大し、血清グルコースを減少させ、2型糖尿病患者における血清トリグリセリドレベルを減少させる際に、小さいが、しかし有意な効果を有する。
【0025】
PPARの1つもしくは複数を活性化するか、またはさもなければ相互作用するいくらかの化合物は、動物モデルにおけるトリグリセリドの制御およびコレステロールレベルに関係していた。(たとえば、米国特許第5,859,501号(特許文献1)およびPCT刊行物国際公開公報第97/28149号(特許文献2)および第99/04815号(特許文献3)を参照されたい)。
【0026】
ひとまとめにして、これらのデータは、PPARアゴニストが、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、肥満症、および2型糖尿病を治療するのに有用なことを明らかに示す。
【0027】
抗脂肪血症、抗肥満症、および抗糖尿病薬剤は、一部には容認できない副作用のために、患者のコンプライアンスが乏しいので、いまだ均一な有効性を有さないと考えられている。抗脂肪血症および抗肥満症薬剤については、これらの副作用には、下痢および胃腸の不快感を含む。抗糖尿病性薬剤については、これらには、体重増加、浮腫、および肝毒性を含む。さらにまた、薬物のそれぞれのタイプが、全ての患者において同程度に十分に作用するというわけではない。
【0028】
当技術分野において必要であるのは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体、インスリン耐性、フィブリノーゲンレベル、レプチンレベル、LDL粒径を低密度から正常密度のLDLに移すLDLcを調整するために有用な新規化合物および方法である。また、当技術分野において必要であるのは、2型糖尿病、高インスリン血症、高脂血症、高尿酸血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、心臓血管疾患の1つまたは複数の危険因子、X症候群、高トリグリセリド血症、高血糖症、肥満症、摂食障害、および食欲抑制のためを治療するために有用な新化合物並びに方法である。本発明は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体、インスリン耐性、フィブリノーゲンレベル、レプチンレベル、LDL粒径を低密度から正常密度のLDLに移すLDLcを調整するために、このような化合物、組成物、および方法を提供することによって、この需要およびその他の需要を満たす。また、本発明は、2型糖尿病、高インスリン血症、高脂血症、高尿酸血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、心臓血管疾患のための1つまたは複数の危険因子、X症候群、高トリグリセリド血症、高血糖症、肥満症、摂食障害、および食欲抑制を治療するために有用な化合物、組成物、並びに方法を提供する。
【0029】
【特許文献1】米国特許第5,859,501号
【特許文献2】国際公開公報第97/28149号
【特許文献3】国際公開公報第99/04815号
【非特許文献1】LeRoith, D. et al., (eds.), DIABETES MELLITUS (Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, PA U.S.A. 1996
【非特許文献2】Wilson, J. et al., (ed.), Disorders of Lipid Metabolism, Chapter 23, Textbook of Endocrinology, 9th Edition, (W.B. Sanders Company, Philadelphia, PA U.S.A. 1998
【非特許文献3】Gordon, D. and Rifkind, B. N. Engl. J. Med. 1989 321: 1311-15
【非特許文献4】Stein, O and Stein, Y. Atherosclerosis 1999 144: 285-303
【非特許文献5】Joslin, E. Ann. Chim. Med. (1927) 5: 1061-1079
【非特許文献6】Garcia, M. J. et al., Diabetes (1974) 23: 105-11
【非特許文献7】Laakso, M. and Lehto, S. Diabetes Reviews (1997) 5(4): 294-315
【非特許文献8】Howard B., et al., Atherosclerosis (1978) 30: 153-162
【非特許文献9】Keller, H. and Wahli, W. Trends Endoodn. Met. (1993) 4:291-296
【非特許文献10】Koh, E. H. et al. Diabetes (2003) 52:2331-2337
【非特許文献11】Guerre-Millo, M. et al. J. Biol. Chem. (2000) 275: 16638-16642
【非特許文献12】Oliver, W.R. et al. PNAS (2001) 98:5306-5311
【非特許文献13】Leibowitz, M.D. et al. FEBS Letters (2000) 473:333-336
【非特許文献14】Dressel, U. et al. Mol Endocrinol. (2003) 17:2477-2493
【非特許文献15】Wang, Y. X. et al. Cell (2003) 113:159-170
【非特許文献16】Tanaka et al. PNAS (2003) 100:15924-15929
【発明の開示】
【0030】
本発明の簡単な概要
一つの局面において、本発明は、以下の式を有する化合物を提供する:

式中、Ar1は、フェニル、ナフチル、イミダゾリル、ベンズイミダゾイル、ピロリル、インドリル、チエニル、ベンゾチエニル、フラニル、ベンゾフラニル、およびベンゾジオキソールからなる群より選択される単環式または二環式の芳香環系を表す。これらの環のそれぞれは、1〜4個のR7置換基で置換されていてもよい。
【0031】
上記式において、記号Ar2は、融合された二環式のアリール基を表す。種々のAr2アリール基が、所望の活性を有する化合物を提供する。特に、適切な二環式アリール基の1つの群は、以下の式を有する:

【0032】
この図において、破線は、結合が二重結合または単結合であってもよいことを示す。これらの環のそれぞれは、1〜4個のR8置換基で置換されていてもよい。
【0033】
Ar1およびAr2の中で、変数R7およびR8は、これらのそれぞれの環上の1〜4個の置換基を表し、存在する各置換基は、同じか、または他のいずれの置換基とも異なることができる。より詳細には、R7置換基は、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-OR2、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、(C3-C7)シクロアルキル、(C3-C7)シクロアルキル(C1-C4)アルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、アリール(C2-C8)アルケニル、アリール(C2-C8)アルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-CN、-S(O)r1R2、-X1OR2、-X1COR2、-X1CO2R2、-X1NR2R3、-X1NO2、-X1CN、および-X1S(O)r1R2からなる群より独立して選択される。より詳細には、R8置換基は、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-OR2、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、(C3-C7)シクロアルキル、(C3-C7)シクロアルキル(C1-C4)アルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、アリール(C2-C8)アルケニル、アリール(C2-C8)アルキニル、-COR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-CN、-S(O)r1R2、-X2OR2、-X2COR2、-X2CO2R2、-X2NR2R3、-X2NO2、-X2CN、および-X2S(O)r1R2からなる群より独立して選択される。これらの名称の中で、R2およびR3のそれぞれは、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-X3OR9、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、およびヘテロアリールからなる群より独立して選択されるメンバーであるか、または任意で、両方が同じ置換基上に存在する場合は、共に連結して3〜8員環系を形成していてもよい。
R9は、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、およびヘテロアリールからなる群より選択されるメンバーである。X1、X2、およびX3のそれぞれは、(C1-C4)アルキレン、(C2-C4)アルケニレン、および(C2-C4)アルキニレンからなる群より独立して選択されるメンバーである。添字r1は、0〜2の整数である。
【0034】
式Iに戻って、Lは、共有結合または1〜6個の主鎖原子を有し、かつ式-Y1m1Y2m2Y3m3-を有する連結基からなる群より選択されるメンバーであり、式中Lは、Ar2のうちの任意の利用できる環員に付着することができる。
【0035】
同様に、Kは、共有結合または1〜6個の主鎖原子を有し、かつ式-Y4m4Y5m5Y6m6-を有する連結基からなる群より選択されるメンバーであり、式中Kは、Ar2のうちの任意の利用できる環員に付着することができる。Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6のそれぞれは、(CR4R5p、C=O、C=ONR2、C=NOR2、NR2C=O、NR2、O、S(O)r2、NR2SO2、およびSO2NR2からなる群より独立して選択されるメンバーを表し;式中、R2およびR3は、上記記載の通りである。R4およびR5のそれぞれは、H、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、OR2、アリール、ヘテロアリール、およびアリール(C1-C4)アルキルからなる群より独立して選択されるメンバーであるか、または任意で、両方が同じ置換基上に存在する場合は、共に連結して3〜8員環系を形成していてもよく、もしくは隣接した炭素原子上に存在する場合は、化合して、これらが付着する原子間で二重結合または三重結合を形成していてもよい。それぞれ添字m1〜m6は0〜1の整数であり、添字r2は、0〜2の整数であり;添字pは、1〜2の整数である。より好ましくは、添字m1およびm6は、0であり、添字r2は、0であり;並びに添字m2〜m4は、1である。より好ましくは、添字pは、1である。
【0036】
式Iに戻って、Zは、CH2OR6、CO2R6、CN、テトラゾール-5-イル、CONHSO2R2、およびCHOからなる群より選択され;式中、R6は、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-X4OR2、-X4NR2R3、(C2-C8)アルケニル、(C3-C7)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール(C1-C4)アルキル、およびアリール(C2-C8)アルケニルからなる群より選択さるメンバーである。X4は、(C1-C4)アルキレン、(C2-C4)アルケニレン、および(C2-C4)アルキニレンからなる群より独立して選択されるメンバーである。R2およびR3は、上記記載の通りである。
【0037】
記号R1は、H、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C3-C7)シクロアルキル(C1-C4)アルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリル(C1-C4)アルキルからなる群より選択されるメンバーを表す。
【0038】
上記の式Iを有する化合物に加えて、本発明は、これらの全ての塩および、特にこれらの薬学的に許容される塩をさらに含む。なおさらに、本発明は、上記式の単一の異性体である化合物(たとえば、単一のキラル中心を有する化合物の単一の鏡像異性体)、並びにこれらの溶媒和化合物、水和物、およびプロドラッグ形態を含む。
【0039】
他の局面において、以下に詳細に提供されるように、本発明は、単独で、またはその他の医薬品と共に、式Iの1つまたは複数の化合物を含む組成物、並びにこのような化合物および組成物の使用のための方法を提供する。特に、本発明は、2型糖尿病、高インスリン血症、高脂血症、高尿酸血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、心臓血管疾患に関する1つまたは複数の危険因子、X症候群、高トリグリセリド血症、高血糖症、肥満症、摂食障害、および食欲抑制の治療のために、化合物および/または組成物を使用する方法を提供する。加えて、本発明は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体、インスリン耐性、フィブリノーゲンレベル、レプチンレベル、LDL粒径を低密度から正常密度のLDLに移すLDLcを調整するために、化合物および/または組成物を使用する方法を提供する。加えて、本発明は、ペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPAR)の任意のアイソフォームによって調整される疾患の治療のために、化合物および/または組成物を使用する方法を提供する。
【0040】
発明の詳細な説明
略語および定義
特に明記しない限り、本明細書に使用される略語は、従来どおりである:
AcOH:酢酸;BPO:過酸化ベンゾイル;CBr4:テトラブロモメタン;Cs2CO3:炭酸セシウム;CH2Cl2:ジクロロメタン;CuCl2:塩化銅;DIBAL:ヒドリドアルミン酸ジイソブチル;DMSO:ジメチルスルホキシド;EtOAc:酢酸エチル;H2:水素;H2O:水;HBr:臭化水素;HCl:塩化水素;KCN:シアン化カリウム;LiAlH4:水素化アルミニウムリチウム;LiOH:水酸化リチウム;MeCN:アセトニトリル;MeOH:メタノール;N2:窒素;Na2CO3:炭酸ナトリウム;NaHCO3:炭酸水素ナトリウム;NaNO2:亜硝酸ナトリウム;NaOH:水酸化ナトリウム;Na2S2O3:硫酸水素ナトリウム;Na2SO4:硫酸ナトリウム;NBS:N-ブロモ琥珀酸アミド;NH4Cl:塩化アンモニウム;NH4OAc:酢酸アンモニウム;NMR:核磁気共鳴;Pd/C:炭素上のパラジウム;PPh3:トリフェニルホスフィン;SOCl2:塩化チオニル;THF:テトラヒドロフラン;TLC:薄層クロマトグラフィー。
【0041】
特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲に使用される用語は、以下の意味を有する。
【0042】
「アルキル」は、接頭辞に示された炭素原子数を有する直鎖状の飽和した一価の炭化水素ラジカルまたは分枝の飽和した一価の炭化水素ラジカルをいう。たとえば、(C1-C8)アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、2-ブチル、tert-ブチル、ペンチル等を含むことを意味する。本明細書において定義したもの(たとえば、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アラアルキルオキシ)のそれぞれについては、アルキル部分の主鎖炭素原子の数を示すために接頭辞が含まれないときに、ラジカルまたはこれらの一部は、6以下の主鎖炭素原子を有すると考えられる。
【0043】
「アルキレン」は、接頭辞に示された炭素原子数を有する直鎖状の飽和した二価の炭化水素ラジカルまたは分枝の飽和した二価の炭化水素ラジカルをいう。たとえば、(C1-C8)アルキレンは、メチレン、エチレン、プロピレン、2-メチルプロピレン、ペンチレン等を含むことを意味する。
【0044】
「アルケニル」は、接頭辞に示された炭素原子数を有し、かつ少なくとも1つの二重結合であるが、3つを越えない二重結合を含む直鎖状の一価の炭化水素ラジカルまたは分枝の一価の炭化水素ラジカルをいう。たとえば、(C2-C6)アルケニルは、エテニル、プロペニル、1,3-ブタジエニル等を含むことを意味する。
【0045】
「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を含み、かつ接頭辞に示した炭素原子数を有する直鎖状の一価の炭化水素ラジカルまたは分枝の一価の炭化水素ラジカルを意味する。また、「アルキニル」という用語は、1つの三重結合と1つの二重結合とを有するアルキル基を含むことが意味される。たとえば、(C2-C6)アルキニルは、エチニル、プロピニル等を含むことが意味される。
【0046】
「アルコキシ」、「アリールオキシ」、または「アラアルキルオキシ」は、Rが、本明細書に定義したとおりのアルキル、アリール、またはアリールアルキルであるラジカル-OR、たとえばメトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ等をいう。
【0047】
「アリール」は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アリルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、COR(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、フェニル、またはフェニルアルキル)、-(CR'R")n-COOR(式中、nは、0〜5の整数であり、R'およびR"は、独立して水素またはアルキルであり、およびRは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)、または-(CR'R")n-CONRxRy(式中、nは、0〜5の整数であり、R'およびR"は、独立して水素またはアルキルであり、およびRxおよびRyは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはフェニルアルキルから選択される)から独立して選択される1〜4個の置換基、好ましくは1個、2個、または3個の置換基で独立して置換された6〜10環原子の一価の単環式または二環式の芳香族炭化水素基をいう。より具体的には、アリールという用語は、フェニル、ビフェニル、1-ナフチル、および2-ナフチル、並びにこれらの置換された形態を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0048】
「アラアルキル」または「アリール(C1-CX)アルキル」は、RXがアルキレン基(8以下の主鎖炭素原子を有する)であり、かつRyが上記記載の通りのアリール基であるラジカル-RxRyをいう。したがって、「アラアルキル」は、たとえば3-(4-ニトロフェニル)-2-メチルブチルなどの基をいう。同様に、「アラアルケニル」は、Rxがアルケニレン基(1つまたは2つの二重結合を有するアルキレン基)であり、かつRyが上記記載の通りアリール基、たとえばスチリル、3-フェニル-2-プロペニル等であるラジカル-RxRyを意味する。
【0049】
「シクロアルキル」は、3〜7環炭素の一価の環状炭化水素ラジカルをいう。シクロアルキル基は、1つの二重結合を有してもよく、また、アルキル、置換されていてもよいフェニル、または-C(O)RZ(この場合、RZは、水素、アルキル、ハロアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、または置換されていてもよいフェニルである)から選択される1個、2個、または3個の置換基で独立して置換されていてもよい。より具体的には、シクロアルキルという用語は、たとえばシクロプロピル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニルシクロヘキシル、4-カルボキシシクロヘキシル、2-カルボキサミドシクロヘキセニル、2-ジメチルアミノカルボニル-シクロヘキシル等を含む。
【0050】
「シクロアルキル-アルキル」は、Rxがアルキレン基であり、かつRyが本明細書で定義されたようなシクロアルキル基であるラジカル-RxRy、たとえばシクロプロピルメチル、シクロヘキセニルプロピル、3-シクロヘキシル-2-メチルプロピル等を意味する。炭素原子数(たとえば、C4-C10)を示す接頭辞は、シクロアルキル部分およびアルキル部分の両方からの総炭素原子数をいう。
【0051】
「ハロアルキル」は、1つもしくは複数の同じか、または異なるハロ原子で置換されているアルキル基、たとえば-CH2Cl、-CH2F、-CH2Br、-CFClBr、-CH2CH2Cl、-CH2CH2F、-CF3、-CH2CF3、-CH2CCl3等をいい、全ての水素原子がフッ素原子によって置換されているペルフルオロアルキルなどのアルキル基をさらに含む。接頭辞「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、置換基を記述するために使用するときは、-F、-Cl、-Br、および-Iをいう。
【0052】
「ハロアルコキシ」は、1つもしくは複数の同じか、または異なるハロ原子で置換されているアルコキシ基、たとえば-CH3OCHCl、-CH3OCHF、-CH3OCHBr、-CH3OCHCH2Cl、-CH3CH2OCHF、-CH3OCHCF3などをいう。
【0053】
「ヘテロアルキル」は、シアノ、-ORW、-NRxRy、および-S(O)nRZ(nが0〜2の整数である場合)から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基をもつ、本明細書で定義されたとおりのアルキルラジカルを意味し、ヘテロアルキルラジカルの付着の位置は、ヘテロアルキルラジカルの炭素原子を介すると理解される。RWは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、アリール、アラアルキル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキシアミド、またはモノもしくはジアルキルカルバモイルである。Rxは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、アリール、またはアラアルキルである。Ryは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、アリール、アラアルキル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキシアミド、モノもしくはジアルキルカルバモイル、またはアルキルスルホニルである。RZは、水素(nが0であることを条件とする)、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、アリール、アラアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、またはヒドロキシアルキルである。代表例は、たとえば、2-ヒドロキシエチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、2-メトキシエチル、ベンジルオキシメチル、2-シアノエチル、および2-メチルスルホニル-エチルを含む。上記のそれぞれについては、RW、Rx、Ry、およびRZは、アミノ、フッ素、アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、OH、またはアルコキシによってさらに置換することができる。加えて、炭素原子数を示す接頭辞(たとえば、C1-C10)は、シアノ、-ORW、-NRxRy、または-S(O)nRZ部分を除くヘテロアルキル基部分の総炭素原子数をいう。
【0054】
「ヘテロアリール」は、N、O、もしくはSから選択される1個、2個または3個の環ヘテロ原子を含む少なくとも1つの芳香環を有し、残りの環原子は、Cである5〜12環原子の一価の単環式または二環式のラジカルを意味し、ヘテロアリールラジカルの付着位置は、芳香環上であろうことが理解される。ヘテロアリール環は、独立してアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、-COR(Rが、水素、アルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである場合)、-(CR'R”)n-COOR(nが、0〜5の整数である場合、R'およびR"は、独立して水素またはアルキルであり、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)、または-(CR'R”)n-CONRXRY(nが、0〜5の整数である場合、R'およびR"は、独立して水素またはアルキルであり、RxおよびRyは、互いに独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)から選択される1〜4個の置換基、好ましくは1個または2個の置換基で置換されていてもよい。より具体的には、ヘテロアリールという用語は、ピリジル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾイル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、キノリル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、またはベンゾチエニル、およびこれらの誘導体を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0055】
「ヘテロシクリル」または「シクロヘテロアルキル」は、1〜4個の環原子がO、NR(Rが、独立して水素またはアルキルである場合)、またはS(O)n(nが、0〜2の整数である場合)から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子はCである(この場合、1個もしくは2個のC原子は、カルボニル基によって置換されていてもよい)3〜8つの環原子の飽和または不飽和の非芳香族環状のラジカルを意味する。ヘテロシクリル環は、独立してアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、-COR(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)、-(CR'R”)n-COOR(式中、nは、0〜5の整数であり、R'およびR"は、独立して水素またはアルキルであり、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)、または-(CR'R”)n-CONRxRy(式中、nは、0〜5の整数であり、R'およびR"は、独立して水素またはアルキルであり、RxおよびRyは、互いに独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)から選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されていてもよい。より具体的には、ヘテロシクリルという用語は、ピリジル、テトラヒドロピラニル、ピペリジノ、N-メチルピペリジン-3-イル、ピペラジノ、N-メチルピロリジン-3-イル、3-ピロリジノ、2-ピロリドン-1-イル、フリル、キノリル、モルホリノ、チエニル、ベンゾチエニル、チオモルホリノ、チオモルホリノ-1-オキシド、チオモルホリノ-1,1-ジオキシド、ピロリジニル、およびこれらの誘導体を含むが、これらに限定されるわけではない。炭素原子数を示す接頭辞(たとえば、C3-C10)は、ヘテロ原子の数を除いたシクロヘテロアルキルまたはヘテロシクリル基の部分の総炭素原子数をいう。
【0056】
「ヘテロシクリルアルキル」または「シクロヘテロアルキル-アルキル」は、RXがアルキレン基であり、かつRYが、本明細書で定義したようなヘテロシクリル基、たとえばテトラヒドロピラン-2-イルメチル、4-(4-置換されたフェニル)ピペラジン-1-イルメチル、3-ピペリジニルエチル等であるラジカル-RxRyを意味する。
【0057】
明細書の全体にわたって使用される「任意の」または「任意で」という用語は、その後に記述された事象または環境が生じてもよいが生じる必要はないこと、並びに記述が、事象または環境が生じる例と、それがない例とを含むことを意味する。たとえば、「任意でアルキルで一または二置換されてもよいヘテロシクロ基は、アルキル基が、存在してもよいが存在する必要はないこと、および記述には、ヘテロシクロ基がアルキル基で一または二置換されている状況とヘテロシクロ基がアルキル基で置換されていない状況とが含まれることを意味する。
【0058】
「置換されていてもよい」とは、独立して置換基で置換されていてもよい環を意味する。
【0059】
上記定義のそれぞれについて、「ジアルキルアミノ」という用語は、同じか、または異なることができる2個のアルキル基を有するアミノ部分をいう。
【0060】
本明細書に使用される「カルボン酸同等物」という用語は、カルボン酸部分と同等として使用される部分をいう。このような基は、一般に当業者に公知である(たとえば、The Practice of Medicinal Chemistry; Wermuth, C.G., ed., Academic Press, New York, 1996, page 203を参照されたい)。適切なアイソスターまたは同等物は、C(O)NHSO2R(式中、Rは、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アラアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ジハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アラアルキルアミノ、ジアラアルキルアミノ、またはその部分に対して全体で酸性の特徴を提供するその他の基であることができる);スルホン酸;スルフィン酸;ホスホン酸;ホスフィン酸;活性化されたスルホンアミド(たとえば、-SO2NHX(式中、Xは、アシル基またはアリール基などの、アルキル基と比較して電子吸引基である);活性化されたカルボキサミド(たとえば-C(O)NHCN);ヒドロキサム酸(-C(O)NHOH);酸性複素環または置換された複素環(たとえば、テトラゾール、トリアゾール、ヒドロキシピラゾール、ヒドロキシオキサゾール、ヒドロキシチアジアゾール);および酸性アルコール(たとえば、-C(CF32OH、または-CH(CF3)OH)を含む。また、「カルボン酸同等物」という用語は、インビボでカルボン酸部分に変換され得る部分をいう。このような基は、一般に当業者に公知である。これらの基は、当初酸性でなくてもよいことが認識されるが、適切なインビボの同等物は、ニトリル(CN)、アルデヒド(CHO)およびアルコールCH2OH、並びにエステルCH2OR(式中、Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アラアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ジハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アラアルキルアミノ、ジアラアルキルアミノ、または容易に切断されて、インビボで酸化されてカルボン酸を提供することができるヒドロキシル基を提供することができるその他の基であることができる)を含む。
【0061】
同じ分子式を有するが、これらの原子の結合形成の性質もしくは配列または空間におけるこれらの原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれる。空間におけるこれらの原子配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。互いの鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いに重ねることができない鏡像であるものは、「鏡像異性体」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有するとき、たとえばこれが4個の異なる基に結合されているときは、一対の鏡像異性体が生じ得る。鏡像異性体は、その不斉中心の絶対配置によって特徴づけることができ、CahnおよびPrelogのR-およびS-シーケンシング規則によって、または分子が偏光面を回転する様式および右旋性または左旋性として命名すること(すなわち、それぞれ(+)または(-)異性体)によって記述される。キラル化合物は、個々の鏡像異性体として、またはこれらの混合物として、いずれで存在することもできる。同等の比率の鏡像異性体を含む混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0062】
本発明の化合物は、これらが1つもしくは複数の不斉中心または不斉性の置換をもつ二重結合を有し、したがって、個々の立体異性体として、または混合物として生成することができる場合、立体異性の形態で存在してもよい。特に明記しない限り、記述には、個々の立体異性体、並びに混合物を含むことが企図される。立体化学の決定および立体異性体の分離のための方法は、当技術分野において周知である(Chapter 4 of ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY, 4th edition J. March, John Wiley and Sons, New York, 1992の考察を参照されたい)。
【0063】
化合物の「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、かつ親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。このような塩は、以下を含む。
(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸が形成されるか;もしくは酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2‐ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、樟脳スルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等の有機酸と形成される酸付加塩か;または、
(2)酸性プロトンが、金属イオン、たとえばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンによって置換されたか、またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、N-メチルグルタミン等の有機塩基と配位したか、いずれかのときに親化合物に存在するときに形成される塩。
【0064】
「プロドラッグ」は、このようなプロドラッグが哺乳類被験体に投与されたときに、インビボで式Iに従った活性親薬物を放出する任意の化合物を意味する。式Iの化合物のプロドラッグは、修飾がインビボで切断されて親化合物を放出し得るような方法で式Iの化合物に存在する官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグは、式Iの化合物のヒドロキシ、アミノ、またはスルフヒドリル基が、インビボで切断されて、それぞれ遊離のヒドロキシル、アミノ、またはスルフヒドリル基を再生し得る任意の基に結合された式Iの化合物を含む。プロドラッグの例は、式Iの化合物のヒドロキシ官能基のエステル(たとえば、アセテート、ホルマートおよびベンゾアート誘導体)、アミド、カルバメート(たとえば、N,N-ジメチルアミノカルボニル)等を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0065】
「保護基」は、分子マスク内の反応基に付着されたときに、その反応性を減少させ、または防げる原子のグループ化をいう。保護基の例は、T.W. Greene and P.G. Wuts, PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC CHEMISTRY, (Wiley, 2nd ed. 1991)およびHarrison and Harrison et al., COMPENDIUM OF SYNTHETIC ORGANIC METHODS, Vols. 1-8 (John Wiley and Sons. 1971-1996)に見いだすことができる。代表的なアミノ保護基には、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、トリメチルシリル(TMS)、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル(SES)、トリチルおよび置換されたトリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、ニトロ-ベラトリルオキシカルボニル(NVOC)等を含む。代表的なヒドロキシ保護基は、ベンジルおよびトリチルエーテル、並びにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル、およびアリルエーテルなどの、ヒドロキシ基がアシル化されたか、またはアルキル化されたものを含む。
【0066】
次に本発明の組成物を参照すると、「薬学的に許容される担体または賦形剤」という用語は、一般に安全で、非有毒で、かつ生物学的に他に望ましくなくないことはない、薬学的組成物を調製する際に有用である担体または賦形剤を意味し、獣医学的使用、並びにヒト薬学的使用のために許容される担体または賦形剤を含む。本明細書および特許請求の範囲に使用される「薬学的に許容される担体または賦形剤」は、このような担体または賦形剤の1つおよび複数の両方を含む。
【0067】
本発明の方法に関して、以下の用語は、記述した意味で使用される。
【0068】
疾患の「治療すること」または「治療」という用語は、以下を含む。
(1)疾患を予防すること、すなわち、疾患に曝露され得るか、または疾患になり得るが、いまだ症候を経験し、または示していない哺乳類において疾患臨床症状が発症しないようにさせること、
(2)疾患を阻害すること、すなわち、疾患もしくはその臨床症状の発症を抑え、または低減させること、または、
(3)疾患を軽減すること、すなわち、疾患またはその臨床症状の退行を生じさせること。
【0069】
「治療上有効量」という用語は、研究者、獣医、医学博士、またはその他の臨床家によって探求されている組織、系、動物、またはヒトにおいて生物学的または医学的反応を誘発すると考えられる被験体化合物の量を意味する。「治療上有効量」は、疾患を治療するために哺乳類に投与したときに、疾患に対してこのような治療を行うために十分である化合物の量を含む。「治療上有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、並びに治療される哺乳類の年齢、重量、その他に応じて変化する。
【0070】
「患者」という用語は、ヒトを含む全ての哺乳類を意味する。患者の例は、ヒト、ウシ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、およびウサギを含むが、これらに限定されるわけではない。
【0071】
「哺乳類」という用語は、ヒト、家畜(たとえば、イヌまたはネコ)、家畜(ウシ、ウマ、またはブタ)、サル、ウサギ、マウス、および実験動物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0072】
「インスリン耐性」という用語は、一般に糖代謝の障害として定義することができる。より具体的には、インスリン耐性は、インスリンが、広範な濃度にわたってその生物作用を及ぼす能力が減弱され、予想される生物学的効果よりも少ない効果を生じることとして定義することができる。(Reaven, G. M. J. Basic & Clin. Phys. & Pharm. (1998) 9: 387-406および Flier, J. Ann Rev. Med. (1983) 34: 145-60)。インスリン耐性の人は、適切にグルコースを代謝する能力が減弱され、インシュリン治療に対して十分に(全くの場合も)反応しない。インスリン耐性の徴候は、筋肉におけるグルコース摂取、酸化、および貯蔵における不十分なインスリン活性化、並びに脂肪組織における脂肪分解および肝臓におけるグルコース産生および分泌における不適当なインスリン抑制を含む。インスリン耐性は、多嚢胞性卵巣症候群、耐糖能障害(IGT)、妊娠糖尿病、高血圧症、肥満症、アテローム性動脈硬化症、および種々のその他の障害を生じさせ、または寄与し得る。最終的には、インスリン耐性の個体は、糖尿病状態に達する点にまで進行し得る。グルコース不耐性、血漿トリグリセリドの増大、および高密度リポタンパク質コレステロール濃度の減少、高血圧、高尿酸血症、より低密度の低密度リポタンパク質粒子、並びにプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤-1のより高い循環レベルとインスリン耐性の結合は、「X症候群」と称する(たとえば、Reaven, G. M. Physiol. Rev. (1995) 75: 473-486を参照されたい)。
【0073】
「真性糖尿病」または「糖尿病」という用語は、一般に体における適切な血糖値を維持することができなくなるグルコースの産生および利用の代謝欠陥によって特徴づけられる疾患または状態を意味する。これらの欠陥の結果、血液グルコースが上昇され、「高血糖症」といわれる。糖尿病の二つの主要な形態は1型糖尿病および2型糖尿病である。上述の通り、1型糖尿病は、一般にインスリン(グルコース利用を調節するホルモン)の絶対欠損の結果である。2型糖尿病は、インスリンが正常またはより高いレベルにかかわらず生じることが多く、組織が適切にインスリンに応答する能力がないことにより生じ得る。多くの2型糖尿病患者は、インスリン耐性であり、インスリン分泌によっても、インスリンに応答する末梢組織の耐性を補償することができないという点で、インスリン相対的欠損を有する。加えて、多くの2型糖尿病患者は、肥満である。グルコースホメオスタシスの障害のその他の型は、正常グルコースホメオスタシスと糖尿病との間の代謝期中間である耐糖能障害および1型または2型糖尿病の前歴のない女性の妊娠中のグルコース不耐性である妊娠糖尿病を含む。
【0074】
「二次糖尿病」という用語は、以下を含むその他の定義可能な病因によって生じる糖尿病である:β細胞機能の遺伝的欠損(たとえば、「MODY」と称される、常染色体遺伝を伴う2型糖尿病の早期発症形態である年少者の成熟発症型糖尿病;たとえば、Fajans, S. et al. Diabet. Med. (1996) (9 Suppl 6): S90-5およびBell, G. et al., Annu. Rev. Physiol. (1996) 58: 171-86を参照されたい;インシュリン作用の遺伝的欠損;膵臓外分泌部の疾患(たとえば、血色素症、膵炎、および嚢胞性線維症);過剰なホルモンがインシュリン作用を妨害する一定の内分泌性疾患(たとえば、末端肥大症における成長ホルモンおよびクッシング症候群におけるコルチゾール);インスリン分泌を抑制する(たとえば、フェニトイン)またはインシュリン作用を阻害する(たとえば、エストロゲンおよび糖質コルチコイド)一定の薬物;および感染によって生じる糖尿病(たとえば、風疹、コクサッキー、およびCMV);並びにその他の遺伝的症候群。
【0075】
2型糖尿病、グルコース寛容減損、および妊娠糖尿病のための診断のための指針は、米国糖尿病協会によって概説されている(たとえば、The Expert Committee on the Diagnosis and Classification of Diabetes Mellitus, Diabetes Care, (1999) Vol 2 (Suppl 1): S5-19を参照されたい)。
【0076】
「高インスリン血症」という用語は、血液における異常に上昇したインスリンのレベルの存在をいう。同様に、「高尿酸血症」という用語は、血液における異常に上昇した尿酸のレベルの存在をいう。「高脂血症」という用語は、血液における異常に上昇した脂質のレベルの存在をいう。高脂血症は、少なくとも3つの形態で現れ得る:(1)高コレステロール血症(すなわち、コレステロールレベルの上昇);(2)高トリグリセリド血症(すなわち、トリグリセリドレベルの上昇);および(3)複合高脂血症(すなわち、高コレステロール血症および高トリグリセリド血症の組み合わせ)。
【0077】
「分泌促進物質」という用語は、分泌を刺激する物質または化合物を意味する。たとえば、インスリン分泌促進物質は、インスリンの分泌を促進する物質または化合物である。
【0078】
「ヘモグロビン」または「Hb」という用語は、主に酸素運搬の役割を果たす赤血球に存在する呼吸色素をいう。ヘモグロビン分子は、4つのポリペプチドサブユニット(それぞれ、2つのα鎖系および2つのβ鎖系)を含む。それぞれのサブユニットは、プロトポルフィリン鉄複合体である1つのグロビンタンパク質と1つのヘム分子との会合によって形成される。正常な成人の溶血血液に見いだされるヘモグロビンの主要なクラスは、α2β2サブユニットを有する成体ヘモグロビンである(「HbA」と称され;また、下に記述した糖化されたヘモグロビン(これは「HbA1」と称する)からそれを区別するために、HbA0ともいう)。HbA2(α2δ2)などの微量成分も、正常な成人溶血血液において見いだすことができる。
【0079】
成体ヘモグロビンHbAsのクラスの中で、糖化されたヘモグロビン(「HbA1」または「グリコシル化ヘモグロビン」と称する)があり、これらは、イオン交換樹脂分画によりさらにHbA1a1、HbA1a2、HbA1b、およびHbA1cに分画され得る。これらのサブクラスの全ては、同じ一次構造を有し、これらは、正常なヘモグロビンHbAのβサブユニット鎖のN末端のバリンのアミノ基およびグルコース(または、グルコース-6-リン酸もしくはフルクトース)によるアルジミン(シッフ塩基)の形成、続くアマドリ転位によるケトアミンの形成によって安定化される。
【0080】
「グリコシル化ヘモグロビン」という用語(また、「HbA1c」、「GHb」、「グリコシル化されたヘモグロビン」、「糖尿病制御指標」および「グリコヘモグロビン」とも称され;以下に「ヘモグロビンA1c」と称する)は、血漿グルコースによるヘモグロビンのβ鎖の非酵素的グリコシル化による安定な産物をいう。ヘモグロビンA1cは、血液中の糖化されたヘモグロビンの主部分を含む。グリコシル化ヘモグロビンの比率は、血糖値に比例する。したがって、ヘモグロビンA1c生成速度は、血漿グルコースレベルの増加につれて直接増大する。グリコシル化は、赤血球の120日の寿命の間に一定の割合で生じるので、グリコヘモグロビンレベルの測定は、前述の2〜3ヶ月の間の個体に関する平均的血糖値を反映する。したがって、グリコヘモグロビンHbA1cの量の決定は、炭水化物代謝制御のための優れた指標であり得る。したがって、この2ヵ月の血糖値は、総ヘモグロビンHbに対するHbA1cの比に基づいて推定することができる。血中のヘモグロビンA1cの解析を測定として使用して、血糖値の長期制御が可能になる(たとえば、Jain, S. et al., Diabetes (1989) 38: 1539-1543; Peters A. et al., JAMA (1996) 276: 1246-1252を参照されたい)。
【0081】
糖尿病の「症候」という用語は、これらの一般的な用法を取り込んで、本明細書に使用される多尿、多飲症、および多食症を含むが、これらに限定されるわけではない。たとえば、「多尿」は、特定の期間の間に大量の尿が通過することを意味し;「多飲症」は、慢性の過剰な渇きを意味し;および「多食症」は、過剰摂食を意味する。糖尿病のその他の症候は、たとえば、一定の感染(特に、真菌およびブドウ球菌感染)、悪心、およびケトアシドーシス(血液におけるケトン体の産生が増強されること)に対する感受性が増大されることを含む。
【0082】
糖尿病の「合併症」という用語は、微小血管の合併症および大血管合併症を含むが、これらに限定されるわけではない。微小血管の合併症は、一般に、小血管損傷を生じるこれらの合併症である。これらの合併症は、たとえば、網膜症(眼における血管損傷のための視覚の機能障害または喪失);神経障害(神経系に対する血管損傷による神経損傷および足問題);および腎症(腎臓の血管損傷による腎臓病)を含む。大血管合併症は、一般に大きな血管損傷により生じる合併症である。これらの合併症は、たとえば心臓血管疾患および末梢血管疾患を含む。心臓血管疾患は、心臓血管の疾患をいう。たとえば、Kaplan, R. M. et al.,「Cardiovascular diseases」、HEALTH AND HUMAN BEHAVIOR, pp. 206-242 (McGraw-Hill, New York 1993)を参照されたい。心臓血管疾患は、一般に、たとえば高血圧症(高血圧とも称する)、冠状動脈性心疾患、脳卒中、およびリウマチ性心疾患を含むいくつかの形態のうちの1つである。末梢血管疾患は、心臓の外側の血管の任意の疾患をいう。これは、血液を脚および腕の筋肉へ運ぶ血管の狭小化であることが多い。
【0083】
「アテローム性動脈硬化症」は、医薬の分野に関連した開業医師によって認識され、および理解される血管疾患および状態を包含する。アテローム硬化型心臓血管疾患、冠状動脈性心疾患(冠状動脈疾患または虚血性心疾患としても知られる)、脳血管障害、および末梢血管疾患は、全てアテローム性動脈硬化症の臨床症状であり、したがって、「アテローム性動脈硬化症」および「アテローム硬化型の疾患」という用語に包含される。
【0084】
「抗高脂血症」という用語は、血中の過剰な脂質濃度を所望のレベルに低下させることをいう。同様に、「抗尿酸」という用語は、血中の過剰な尿酸濃度を所望のレベルに低下させることをいう。
【0085】
「調整する」という用語は、機能または状態の治療、予防、抑制、増強、または誘導をいう。たとえば、本発明の化合物は、ヒトにおけるコレステロールを低下させることによって、高脂血症を調整し、これにより高脂血症を抑制することができる。
【0086】
本明細書に使用される「トリグリセリド」(「TG」)という用語は、その一般的な用法を取り込む。TGは、グリセロール分子にエステル化された3つの脂肪酸分子からなり、貯臓脂肪酸として役立ち、エネルギー産生のために筋細胞によって使用されるか、または脂肪組織に取り込まれて貯蔵される。
【0087】
コレステロールおよびTGは、水不溶性であるので、これらが血漿中で運搬されるためには、「リポタンパク質」として公知の特別な分子複合体中にパックされなければならない。リポタンパク質は、過剰産生および/または欠損除去により、血漿中に蓄積し得る。サイズ、組成物、密度、および機能が異なる少なくとも5つの異なるリポタンパク質がある。小腸の小さな細胞では、食餌脂質が、高TGおよび低コレステロール組成を有する「カイロミクロン」と呼ばれる大きなリポタンパク質複合体にパックされる。肝臓では、TGおよびコレステロールエステルがパックされて、超低密度リポタンパク質(「VLDL」)と呼ばれるTGリッチなリポタンパク質として血漿に放出され、その主要機能は、肝臓において作製され、または脂肪組織によって放出されるTGの内因性輸送である。酵素の作用を介して、VLDLは、還元されて肝臓により取り込まれるか、または中間型リポタンパク質(「IDL」)に形質転換することができる。IDLは、次に、肝臓に取り込まれるか、または低密度リポタンパク質(「LDL」)を形成するようにさらに修飾される。LDLは、肝臓により取り込まれて破壊されるか、または肝臓外の組織によって取り込まれる。高密度リポタンパク質(「HDL」)は、逆コレステロール輸送と呼ばれるプロセスで末梢組織からコレステロールを除去するのを補助する。
【0088】
「異脂肪血症」という用語は、リポタンパク質の抑制され、および/または上昇したレベル(たとえば、LDL、VLDLの上昇したレベルおよびHDLの抑制されたレベル)を含む、血漿中のリポタンパク質の異常なレベルをいう。
【0089】
例示的な原発性高脂血症は、以下を含むが、これらに限定されるわけではない。
(1)家族性高キロミクロン血症、脂肪分子を破壊する酵素であるLPリパーゼの欠損を生じさせる珍しい遺伝的疾患。LPリパーゼ欠損は、血液における大量の脂肪またはリポタンパク質の蓄積を生じ得る;
(2)家族性高コレステロール血症、根底にある欠陥がLDL受容体遺伝子における一連の突然変異であり、LDL受容体の機能不全および/またはLDL受容体の欠如を生じる場合に生じる、比較的一般的遺伝的疾患。これは、LDL受容体によってLDLが有効にクリアランスされず、血漿中のLDLおよび総コレステロールレベルの上昇を生じさせる;
(3)多発性リポタンパク質型高脂血症としても知られる、家族性高脂血症。患者およびこれらの影響を受けた一等親血縁者が、種々の時期に、高コレステロールおよび高いトリグリセリドとして現れる遺伝障害。HDLコレステロールのレベルは、適度に減少されることが多い;
(4)比較的一般的な常染色体優性遺伝異常である、家族性欠陥アポリポタンパク質B-100。欠陥は、LDL受容体に対するLDL粒子の親和性の減少を生じさせ得る、グルタミンのアルギニンへの置換を生じる一塩基変異によって生じる。したがって、これは、高血漿LDLおよび総コレステロールレベルを生じさせ得る;
(5)III型高リポ蛋白血症とも称する、家族性異βリポ蛋白血症。異常なアポリポタンパク質E機能と共に、血清TGおよびコレステロールレベルの中等度から重度の上昇を生じる、まれな遺伝障害である。HDLレベルは、通常正常である;および、
(6)血漿VLDLの濃度が上昇する一般的遺伝障害である、家族制高トリグリセリド血症。これは、軽度から適度のトリグリセリドレベルの上昇(および、通常コレステロールレベルではない)生じさせることができ、低血漿HDLレベルと関連し得ることが多い。
【0090】
例示的な続発性高脂血症の危険因子は、以下を含むが、これらに限定されるわけではない:(1)1型糖尿病、2型糖尿病、クッシング症候群、甲状腺機能低下症、および一定の型の腎不全歴などの疾患危険因子;(2)生存制御ピル;エストロゲンおよび副腎皮質ステロイドなどのホルモン;一定の利尿剤;および種々のβ遮断薬を含む薬物危険因子;(3)40%を超える総カロリーあたりの食餌脂肪摂取;10%を超える総カロリーあたりの飽和脂肪摂取;1日あたり/300mgを超えるコレステロール摂取;習慣的および過剰なアルコール使用;および肥満症を含む食餌危険因子。
【0091】
「肥満」および「肥満症」という用語は、世界保健機構によれば、男性について27.8kg/m2および女性について27.3kg/m2を超える肥満度指数(BMI)をいう(BMIは、重量(kg)/高さ(m2)に等しい)。肥満症は、糖尿病および高脂血症を含む種々の医学的状態にリンクされる。また、肥満症は、2型糖尿病の発症に関する公知の危険因子である(たとえば、Barrett-Conner, E. Epidemol. Rev. (1989) 11: 172-181;および Knowler, et al. Am. J. Clin. Nutr. (1991) 53:1543-1551を参照されたい)。
【0092】
全般
本発明は、式Iの化合物が、糖代謝、脂質代謝、およびインスリン分泌と関連する多くの疾患を治療し、または制御する際に有用であるという発見に由来する。より詳しくは、本発明の化合物は、2型糖尿病、高インスリン血症、高脂血症、高尿酸血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、心臓血管疾患のための1つまたは複数の危険因子、X症候群、高トリグリセリド血症、高血糖症、肥満症、摂食障害、食欲抑制を治療する際に有用である。理論に拘束されることは意図しないが、式Iの化合物は、PPARの1つまたは複数のアイソフォームと関連する受容体相互作用の調整を経て作動すると考えられる。その結果、本化合物は、PPARと関連するその他の疾患状態または状態を治療する際に有用性を有する可能性が高いと考えられる。
【0093】
化合物
一つの局面において、本発明は、以下の式を有する化合物を提供する:

式中、Ar1は、フェニル、ナフチル、イミダゾリル、ベンズイミダゾイル、ピロリル、インドリル、チエニル、ベンゾチエニル、フラニル、ベンゾフラニル、およびベンゾジオキソールからなる群より選択される単環式または二環式の芳香環系を表す。
【0094】
Ar2は、以下の式を有する群から選択される二環式芳香環系を表す:

式中、破線は、結合が二重結合または単結合であってもよいことを示す。
【0095】
式Iに戻ると、Ar1およびAr2は、これらの各環上に置換基を有していてもよく、それぞれの置換された存在は、同じか、または他のいかなる置換基とも異なることができる。より詳しくは、Ar1は、0〜4個の置換基、より好ましくは、0〜3個の置換基、さらに好ましくは0、1個、または2個のR7置換基を有していてもよい。R7置換基は、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-OR2、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、(C3-C7)シクロアルキル、(C3-C7)シクロアルキル(C1-C4)アルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、アリール(C2-C8)アルケニル、アリール(C2-C8)アルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-CN、-S(O)r1R2、-X1OR2、-X1COR2、-X1CO2R2、-X1NR2R3、-X1NO2、-X1CN、および-X1S(O)r1R2からなる群より独立して選択される。
【0096】
Ar2は、0〜4個の置換基、より好ましくは、0〜3個の置換基、さらに好ましくは0、1個、または2個のR8置換基を有していてもよい。R8置換基は、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-OR2、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、(C3-C7)シクロアルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C1-C4)アルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、アリール(C2-C8)アルケニル、アリール(C2-C8)アルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-CN、-S(O)r1R2、-X2OR2、-X2COR2、-X2CO2R2、-X2NR2R3、-X2NO2、-X2CN、および-X2S(O)r1R2からなる群より独立して選択される。
【0097】
Lは、共有結合および1〜6個の主鎖原子を有し、かつ式-Y1m1Y2m2Y3m3-を有する連結基からなる群より選択されるメンバーを表し、式中Lは、Ar2のうちの任意の利用できる環員に付着することができ;並びに、Y1、Y2およびY3のそれぞれは、(CR4R5p、C=O、C=ONR2、C=NOR2、NR2C=O、NR2、O、S(O)r2、NR2SO2、およびSO2NR2からなる群より独立して選択されるメンバーである。
【0098】
Kは、共有結合および1〜6個の主鎖原子を有し、かつ式-Y4m4Y5m5Y6m6-を有する連結基からなる群より選択されるメンバーを表し、式中Kは、Ar2のうちの任意の利用できる環員に付着することができ、並びにY4、Y5、およびY6のそれぞれは、(CR4R5p C=O、C=ONR2、C=NOR2、NR2C=O、NR2、O、S(O)r2、NR2SO2、およびSO2NR2からなる群より独立して選択されるメンバーである。
【0099】
Zは、CH2OR6、CO2R6、CN、テトラゾール-5-イル、CONHSO2R2、およびCHOからなる群より選択されるカルボン酸同等物を表す。
【0100】
R1は、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C3-C7)シクロアルキル(C1-C4)アルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリル(C1-C4)アルキルからなる群より選択される記号を表す。
【0101】
R2およびR3のそれぞれは、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-X3OR9、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、ヘテロアリールからなる群より独立して選択されるメンバーを表すか、または任意で、両方が同じ置換基上に存在する場合は、共に連結して3〜8員環系を形成していてもよい。
【0102】
R4およびR5のそれぞれは、H、OR2、アリール、ヘテロアリール、およびアリール(C1-C4)アルキルからなる群より独立して選択されるメンバーを表すか、または任意で、両方が同じ置換基上に存在する場合は、共に連結して3〜8員環系を形成していてもよく、もしくは隣接した炭素原子上に存在する場合は、化合して、これらが付着する原子間で二重結合または三重結合を形成していてもよい。
【0103】
R6は、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-X4OR2、-X4NR2R3、(C2-C8)アルケニル、(C3-C7)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール(C1-C4)アルキル、およびアリール(C2-C8)アルケニルからなる群より選択されるメンバーである。
【0104】
R9は、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、およびヘテロアリールからなる群より選択されるメンバーである。
【0105】
X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは、(C1-C4)アルキル、(C2-C4)アルケニル、および(C2-C4)アルキニルからなる群より独立して選択されるメンバーである。
【0106】
添字m1、m2、m3、m4、m5、およびm6は、それぞれ0〜1の整数であり;添字r1およびr2は、0〜2の整数であり;および添字pは、1〜2の整数である。
【0107】
上記式Iを有する化合物に加えて、本発明は、これらの全ての塩および、特にこれらの薬学的に許容される塩をさらに含む。またさらに、本発明は、上記の式の単一の異性体である化合物(たとえば、単一のキラル中心を有する化合物の単一の鏡像異性体)、並びにこれらの溶媒和化合物、水和物、およびプロドラッグ形態を含む。
【0108】
その他の態様の複数の群が好ましく、これらは以下に記載される。
【0109】
第1の態様の群において、Ar1は、ハロゲン、ハロ(C1-C8)アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、および-OR2からなる群より独立して選択される1〜3個のR7置換基で置換されていてもよいベンゾジオキソールまたはフェニル部分である。
【0110】
Ar1フェニル基は、好ましくはハロゲン、(C1-C4)ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、または-OR2から独立して選択される1〜3個のR7置換基で置換される。この態様内においてさらに好ましくは、Ar1は、

であり、
式中、Xは、ハロゲンであり;および、なおさらに好ましくは、Ar1は、

であり、
式中、破線は、分子の残りに対する付着の位置を示す。
【0111】
各R1は、好ましくは、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、アリール、およびヘテロシクリル(C1-C4)アルキルからなる群より選択される。より好ましくは、R1は、CH3、CH(CH32、CF3、CF3CH2、フェニル、および

からなる群より選択され、
式中、R10は、ハロゲンまたは(C1-C8)アルコキシであり;並びに、破線は、分子の残りに対する付着の位置を示す。この態様内において、R10は、好ましくはCl、Oi-Pr、またはOCH3である。最も好ましくは、R1は、CH3である。
【0112】
連結基LおよびKに関して、好ましい態様は、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6が、(CR4R5p、C=O、NR2、O、およびS(O)r2からなる群より独立して選択されるメンバーである化合物であり;R2は、Hであり; R4およびR5のそれぞれは、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキルからなる群より独立して選択されるメンバーであるか、または任意で、両方が同じ置換基上に存在する場合は、共に連結して3〜8員環系を形成していてもよく、もしくは隣接した炭素原子上に存在する場合は、化合して、これらが付着する原子間で二重結合または三重結合を形成していてもよく;およびr2は、0である。Y1が(CR4R5pであり、Y2がCH2またはC=Oであり、かつY3がNH、O、またはSである化合物は、さらに好ましい。Y1がCH2であり、Y2が(CH22であり、かつY3がOまたはSであるこの態様内の化合物は、さらに好ましい。もう一つの態様において、少なくとも1つのm1、m2、またはm3が0である化合物が好ましい。
【0113】
Lは、好ましくは、以下からなる群より選択されるメンバーである:CH2、(CH22、-CH2S、CH(CH3)S、C(CH32S、(CH22S、CH(CH3)CH2S、C(CH32CH2S、(CH23S、CH2O、-CH(CH3)O、C(CH32O、(CH22O、CH(CH3)CH2O、C(CH32CH2O、(CH23S、および(C=O)NH。
【0114】
もう一つの態様において、Y4がCR4R5またはOであり、Y5がCR4R5であり、かつm6が0である化合物が好ましい。この態様内において、Kが以下からなる群より選択されるメンバーである化合物がなおさらに好ましい:-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH32-、-CH=CH2E-、-CH=CH2Z-、-CH≡CH-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、および-OC(CH32-。本態様において、Eは、エントゲーゲン(entgegen)異性体を表し、およびZはツザメン(zusamen)異性体を表す。
【0115】
基R4およびR5に関して、それぞれ、好ましくは独立してH、CH3、CF3であるか、または共に連結してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルからなる群より選択される3〜6員環系を形成する。R4およびR5の両方がHである化合物が、さらに好ましい。
【0116】
その他の好ましい態様において、Zは、CH2OR6、CO2R6、CN、テトラゾール-5-イル、CONHSO2R2、およびCHOからなる群より選択されるカルボン酸またはその同等物を表す。好ましいカルボン酸同等物は、テトラゾール-5-イルを含む。なおも好ましくは、Zは、カルボン酸である。さらに好ましい群の態様は、ZがCO2R6であるものである。
【0117】
Ar2は、好ましくは以下の式を有する群から選択される:

各Ar2基は、好ましくは上記記載の通りの1〜3個のR8置換基で置換される。複数の置換基が存在するとき、それぞれはその他から独立して選択される。この態様はAr1がベンゾジオキソールまたはフェニルであるとき特に好ましく、この態様はLおよびKが上記の好ましい態様を含むときと同様である。
【0118】
さらに好ましくは、Ar2

である態様である。
【0119】
もう一つのさらに好ましい態様は、Ar2

から選択されるものである。これらの態様のそれぞれにおいて、Ar2は、好ましくは上記記載の通りの1〜2個のR8置換基で置換されている。
【0120】
もう一つの態様において、好ましい化合物は、以下の式:

を有し;
式中、

は、以下の式:

を有し;
各R8は、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群より選択され;lは、0〜2である。この態様内において、R8は、好ましくはハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、および-OR2からなる群よりそれぞれ独立して選択され;およびlは、0〜2である。
【0121】
部分:

は、多数の好ましい向きを有する。これらは、以下の式:

から選択されるもの;
並びに以下の式:

から選択されるものを含み、
式中、破線は、Kに付着する位置を示し、波線は、Lに付着する位置を示す。一定のその他の好ましい態様において、Ar2は、破線がLに付着する位置を示し、および波線がKに付着の位置を示す上記の式を有する。最も好ましい実施例において、Ar2は、

であり、
式中、破線および波線は、LまたはKに付着する位置を示す。特に好ましい化合物は、

である。
【0122】
第二の態様の群において、Ar2は、

であり、
式中、破線は、Kに付着する位置を示し、および波線は、Lに付着する位置を示す。その他の好ましい態様は、Ar2が上記の式を有し、式中、破線がLに付着する位置を示し、かつ波線がKに付着する位置を示し、上記のように置換されていてもよい化合物である。
【0123】
種々の化合物が所望の活性を有する。特に、一つの群の好ましい化合物を図1に提供する。
【0124】
さらに他の好ましい態様の群を下記の実施例に提供する。式Iの化合物の例は、以下を含む。
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
3-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-プロピオン酸;
2-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-プロピオン酸;
2-メチル-2-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-プロピオン酸;
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インダゾール-1-イル}-酢酸;
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インダゾール-l-イル}-酢酸;
{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インダゾール-1-イル}-酢酸;
{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インダゾール-1-イル}-酢酸;
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾチアゾール-2-イル}-酢酸;
{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾチアゾール-2-イル}-酢酸;
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-1H-インドール-3-イル}-酢酸;
{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-1-(1H-テトラゾール-5-イルメチル)-1H-インドール;
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-酢酸;
{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;
{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル}-酢酸;
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル}-酢酸;
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル}-酢酸;
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾオキサゾール-2-イル}-酢酸;
{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾオキサゾール-2-イル}-酢酸;
{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-1H-インドール-3-イル}-酢酸;
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル}-酢酸;
(5-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;
(5-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インダゾール-1-イル)-酢酸;
(6-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-ベンゾフラン-3-イル)-酢酸;
(6-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-酢酸;
(5-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-酢酸;
(5-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-ベンゾフラン-3-イル)-酢酸;
(5-{2-メチル-2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-プロポキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;
(6-{2-メチル-2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-プロポキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;
(5-{2-[5-トリフルオロメチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;
(5-{2-[2-(3,4-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;
(5-{2-[2-(3-クロロ-4-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;(5-{2-[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;
(5-{2-[2-(3,5-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;
{5-[5-エチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{5-[5-イソプロピル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{5-[5-(2,2,2-トリフルオロ-エチル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{5-[5-フェニル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[2-(3,4-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{5-[2-(3-クロロ-4-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{5-[2-(3-フルオロ-4-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{5-[5-トリフルオロメチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{5-[2-(4-クロロ-3-フルオロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{5-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{5-[2-(4-クロロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{5-[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{5-[2-(2-フルオロ-4-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{5-[2-(3,5-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{1-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イルオキシ}-酢酸;
2-{1-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イルオキシ}-プロピオン酸;
2-メチル-2-{1-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イルオキシ}-プロピオン酸;
{1-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-6-イルオキシ}-酢酸;
{3-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-ベンゾフラン-5-イルオキシ}-酢酸;
{3-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-ベンゾ[b]チオフェン-5-イルオキシ}-酢酸;
{1-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インダゾール-5-イルオキシ}-酢酸;
{1-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インダゾール-6-イルオキシ}-酢酸;
(1-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エチル}-1H-インドール-5-イルオキシ)-酢酸;
(1-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エチル}-1H-インドール-6-イルオキシ)-酢酸;
{5-[5-メチル-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{5-[2-(4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;
{1-[5-イソプロピル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イルオキシ}-酢酸;
{6-[5-フェニル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;
{6-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;
{6-[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;
2-{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-プロピオン酸;
1-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-シクロプロパンカルボン酸;
1-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-シクロブタンカルボン酸;
1-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-シクロペンタンカルボン酸;
1-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-シクロヘキサンカルボン酸;
2-{5-[5-[4-(4-メトキシ-フェニル)-ピペラジン-1-イルメチル]-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-2-メチル-プロピオン酸;
{5-[2-(2-フルオロ-4-チオフェン-2-イル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-酢酸;および
{1-メチル-6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-1H-インドール-3-イル}-酢酸。
【0125】
その他の化合物の例は、以下を含む。
{6-[5-フェニル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;
{6-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;
{6-[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;および
2-メチル-2-{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-プロピオン酸。
【0126】
本発明の特に好ましい化合物は、{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸である。
【0127】
上に列記した全ての好ましい化合物および最も好ましい化合物は、選択的hPPARδアゴニストである。
【0128】
本発明の化合物の調製
本発明の化合物は、有機合成技術の分野の業者になじみがある多数の方法で調製することができる。本明細書に概説した化合物は、典型的には合成化学者によって利用される方法、および一般に合成化学分野の業者に公知であるこれらの方法の組み合わせまたはバリエーションとともに、一般にスキーム1に概説した方法を使用して合成することができる。本発明の化合物の合成の経路は、下記に概説した方法に限定されるわけではない。当業者であれば、本発明において主張した合成化合物に対して下記に概説したスキームを使用することができると想定される。個々の化合物には、種々の官能基に適応するために条件の操作が必要であり得る。当業者に一般に公知の種々の保護基が必要であってもよい。精製は、必要に応じて、適切な有機溶媒系で溶出するシリカゲルカラムで達成することができる。また、逆層HPLCまたは再結晶を使用してもよい。
【0129】
式Iの化合物は、一般にスキーム1に概説した方法を使用して調製することができる。
【0130】
スキーム1

【0131】
スキーム1によれば、求電子性の、式(i)のアリールトリアゾール(市販か、または公知の方法もしくはスキーム3において、下記に概説した方法にしたがって調製される)を、一般に溶媒および非求核性塩基の存在下において、最適に置換された求核性アリール化合物(ii)と縮合させ、化合物(iii)を形成させる。一般に溶媒および非求核性塩基の存在下において、最適に置換された、求電子性カルボン酸同等物(iv)での(iii)の処置により、目標化合物(v)を形成させる。適切な非求核性塩基の例は、炭酸カリウム、重炭酸セシウム、水素化ナトリウム等を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0132】
たとえば、スキーム2に示したように、アリールトリアゾール5(後述するように調製される)を炭酸セシウムの存在下において5-ヒドロキシインドールと縮合させて、化合物15を提供する。炭酸セシウムの存在下におけるブロモ酢酸エチルエステルでの15の処置により、目標化合物16を提供する。生じるエステル16の水酸化リチウムとの加水分解により、エステルをカルボン酸化合物20Aに変換する。
【0133】
スキーム2

【0134】
このようなトリアゾール中間体の合成は、スキーム3にAr1が4-トリフルオロメチル-ベンゼンである中間体で図示してある。したがって、中間体5A〜Cは、トリフルオロメチルフェニル-ヒドラジンを2-ヒドロキシイミノ-3-オキソ-酪酸エステルと縮合させ、塩化チオニルで処置することによって調製することができる。または、トリフルオロメチルフェニル-、または、トリフルオロメチルフェニル-ジアゾニウム中間体を3-オキソ-酪酸エステルと縮合させ、塩化銅で処置することができる。中間体エステルトリアゾール3AおよびBは、水素化アルミニウムリチウムで対応するヒドロキシルアルキル誘導体4AおよびBか、またはメチルグリニヤールなどのアルキル陰イオンで誘導体4Cに変換することができる。アルキルブロミド5A、アルキルクロリド5B、またはアルキルトリフレート5Dへの変換は、それぞれ臭化水素、塩化チオニルまたはトリフリック無水物で処置することによって達成される。次いで、化合物5A〜Cは、スキーム2に述べたように使用してもよい。
【0135】
スキーム3

【0136】
または、一定の態様において、式5の化合物は、シアン化カリウムでニトリル誘導体6を形成し、塩酸のエタノール溶液でエステル誘導体7を形成し、水素化アルミニウムリチウムでヒドロキシルエチル誘導体8を形成する連続した処置によって中間体9Aまたは9Bに変換することができる。トリフェニルホスフィンおよび四臭化炭素での処置により、中間体9Aを形成し、一方でトリフェニルホスフィンおよびヨウ素での処置により、中間体9Bを形成する。
【0137】
または、一定の態様において、式3の化合物は、水素化ジイソブチルアルミニウムでアルデヒド誘導体10を形成し、カルボエトキシメチレン-トリフェニルホスホランでエステル誘導体11を形成し、水素および炭素上のパラジウムでエステル誘導体12を形成し、水素化アルミニウムリチウムでヒドロキシルメチル誘導体13を形成し、トリフェニルホスフィンおよび四臭化炭素で中間体14を形成する連続した処置によって中間体14に変換することができる
【0138】
これらの後者の経路は、より長い連結基Kを有するスキーム1の式(i)の特に有用な形態の中間体である。上で概説した方法を使用することにより、異なる長さの連結基をもつ標的化合物をスキーム4および5に概説したように調製することができる。
【0139】
スキーム4

【0140】
したがって、スキーム4では、2-ブロモエチル-トリアゾール9が、出発材料としての役割を果たす。酸クロリドを5-ヒドロキシインドールで処置して、置換されたインドール-トリアゾール18を提供する。ブロモ酢酸エチルでの18の処置により、目標化合物19を提供する。エステル19の水酸化リチウムでの処置により、エステルをカルボン酸化合物260に変換する。
【0141】
同様に、スキーム5では、Y1がCH2であり、Y2がCH2CH2であり、かつY3がOである式Iの化合物を、5-ヒドロキシインドールで2-ブロモプロピル-トリアゾール14を処置して置換されたインドール-トリアゾール21を提供することによって調製することができる。ブロモ酢酸エチルでの21の処置により、目標化合物22を提供する。エステル22の水酸化リチウムでの処置により、エステルをカルボン酸化合物820に変換する。
【0142】
スキーム5

【0143】
化合物20のインドール窒素を基準として、4、6、または7位のいずれかに付着されたY3を有する構造異性体は、対応する4、6、または7-ヒドロキシインドールから調製することができる。
【0144】
なおさらに、スキーム1〜5に概説した一般的スキームを、Arが別の環系である式Iの化合物を調製するために使用することができる。これらの化合物を得るためには、5-ヒドロキシ-インドールが対応するヒドロキシ置換された環系によって置換される。したがって、スキーム6では、アリールトリアゾール5(上記の通りに調製される)を炭酸セシウムの存在下において6-ヒドロキシ-ベンゾフランエステルと縮合させて、化合物24を提供する。生じるエステル24の水酸化リチウムとの加水分解により、エステルをカルボン酸化合物770に変換する。ベンゾフラン環系を水素付加して、ジヒドロベンゾフラン700を提供することができる。
【0145】
スキーム6

【0146】
同様に、スキーム1〜6で概説した一般的なスキームを、LまたはKが代わりに官能性をもたせた連結基である式Iの化合物を調製するために使用することができる。具体的には、次いで、リンカーLおよびK上の炭素原子を、スキーム7に示したように、異なって置換することができる。したがって、トリアゾールエステル16を水素化ナトリウムの存在下において適切なハロゲン化アルキルと縮合させて、化合物50、780、790、800、および810を提供してもよい。
【0147】
スキーム7

【0148】
同様に、次いで、R1をスキーム8に示したように差動的に置換させることができる。したがって、トリアゾールエステル3Aを、上記のようにメルカプトフェノールおよびハロプロピオン酸エステルで修飾して、ヒドロキシメチルトリアゾールエステル29を提供してもよい。次いで、ヒドロキシメチルトリアゾールを、4-メトキシフェニルピペラジンなどの適切な複素環基でメシレート化および縮合させて、目標化合物31を提供することができる。水酸化リチウムでのエステル31の処置により、エステルをカルボン酸化合物820に変換する。
【0149】
スキーム8

【0150】
同様に、異なるAr1およびAr2環、並びに異なる長さおよび置換のリンカーLおよびKをもつ関連化合物を、市販の供与源から入手可能であるか、または文献方法に従って調製することができる多くの適切に置換されたアリール化合物で開始して、同様の方法で調製することができる。より具体的な詳細は、下記の実施例に提供してある。それぞれのスキーム1〜8において、反応条件(たとえば、反応物の量、溶媒、温度、およびワークアップ条件)は、ガイドとして下記の実施例を使用して選択することができる。
【0151】
加えて、合成経路は、求電子性トリアゾール化合物の調製に関して図示してあるが、本発明は、限定されず、合成経路は、使用されるトリアゾール中間体が求核性であり(化合物4、8、および13)、Ar2含有中間体が求電子性である場合が想定される。これはスキーム6に図示される。
【0152】
アルコール、エーテル、ニトリル、アミド、およびアルデヒドの調製
上記の一般的合成スキームは、Zがカルボン酸またはエステルである式Iの化合物の調製を図示するために提供される。これらの基のそれぞれの対応するアルコール、エーテル、ニトリル、アミド、またはアルデヒドへの変換は、当業者に一般に公知の方法を使用して達成することができる。還元(および酸化)のためのいくつかの方法を、本発明のさらなる化合物を調製する際に使用される過程を図解として下記に提供してある。
【0153】
カルボン酸のアルコール、エーテル、ニトリル、アミド、およびアルデヒドへの変換
本発明のカルボン酸は、スキーム9に示した経路A〜Dを含む多くの方法によって対応するアルコール、エーテル、ニトリル、アミド、およびアルデヒドに変換することができる。所与の場合に使用される方法は、Rの性質およびそれに対する置換基に依存する。種々の有用な方法が、Larock, COMPREHENSIVE ORGANIC TRANSFORMATIONS, VCH Publishers Inc, New York(1989)に記述されている。特に、アシルクロリド32をアルデヒド33に(p 620)、エステル31をアルデヒド33に(p 621)、エステル31をカルビノール35に(p 549)、カルボン酸31をカルビノール35に(p 548)、エステル31をアミド34に(p 987)、およびエステル31をニトリル36に(p 988)変換するための方法が記述されている。
【0154】
方法A、スキーム9では、カルボン酸31を最初に対応する酸クロリド32に変換する。この変換は、酸31を塩化オキサリル、五塩化リン、または好ましくは、塩化チオニルと反応することによって遂行される。反応は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、または好ましくは、1,2-ジクロロエタンなどの非プロトン溶媒中で行われる。次いで、酸クロリド32を、Tetrahedron Lett. 22:11 (1981)に記載されているように、-70℃における水素化ホウ素ナトリウムのDMF溶液の使用によって、またはより好ましくは、触媒として亜硫酸バリウム上の5%のパラジウムを使用する水素付加によって(たとえば、J. Amer. Chem. Soc., 108:2608 (1986)を参照されたい)など、化学還元によってアルデヒド33に変換させる。反応は、トルエン、または好ましくはキシレンなどの非プロトン溶媒中で行われる。アルデヒド33は、還元によって、たとえば9BBN、水素化リチウムアルミニウムトリ三級ブトキシ、またはより好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムとの反応によって、カルビノール35に変換させる(J. Amer. Chem. Soc. 71:122 (1949)を参照されたい)。反応は、エタノール、または好ましくはイソプロパノールなどのプロトン性溶媒中で行われる。
【0155】
または、エステル31は、還元によって、たとえば水素化アルミニウムナトリウム、または好ましくはジイソブチルアルミニウム水素化物の使用によって(たとえば、Synthesis, 617 (1975)を参照されたい)、アルデヒド3に直接変換することができる。反応は、ベンゼン、または好ましくはトルエンなどの無極性溶媒中で行われる。
【0156】
方法B、スキーム9では、エステル5を、ヒドロキシピリジンおよび対応するアミンでエステル転移反応によってアミド4に変換させる(J.C.S. C. 89 (1969)を参照されたい)。反応は、ジオキサン、または好ましくはテトラヒドロフランなどのエーテルの溶媒中で行われる。
【0157】
方法C、スキーム9では、エステル5を、水素化アルミニウムリチウムで、または好ましくは水素化ホウ素リチウムで、還元によってカルビノール4に変換させる(J. Amer. Chem. Soc., 109:1186 (1987)を参照されたい)。反応は、ジオキサン、または好ましくはテトラヒドロフランなどのエーテル溶媒中で行われる。
【0158】
または、カルボン酸31をカルビノール35に変換することができる。この変換は、水素化アルミニウムリチウムなどの還元剤と、または好ましくはORGANIC SYNTHESES, 64:104 (1985)に記載されているようにジボランとカルボン酸を反応することによって遂行される。反応は、ジオキサン、または好ましくはテトラヒドロフランなどのエーテル溶媒中で行われる。
【0159】
カルビノール35(R6=H)は、エーテル35(R6=C1-C8)に変換することができる。この変換は、アルキル化反応によって、たとえばアルキルクロリド(C1-C8)Clとカルビノール35を反応することよって遂行される。反応は、ジクロロメタン、または好ましくはテトラヒドロフランなどの非プロトン溶媒中で、トリエチルアミン、または好ましくはピリジンなどの有機塩基の存在下において行われる。
【0160】
方法D、スキーム9では、エステル31をニトリル36に変換させる。この変換は、Tett. Lett., 4907 (1979)に記載されているように、ジメチルアルミニウム窒化物などの脱水剤とエステルを反応することによって遂行される。
【0161】
スキーム9

【0162】
さらにまた、テトラゾール誘導体は、都合よくは、36のような化合物を、ミツノブ プロトコルを使用してアルコールにカップリングさせる一般的プロセスによって調製してもよい(Synthesis 1, (1981))。
【0163】
式1の全ての化合物が、実施例に記述したいくつかの反応条件と適合し得るというわけではない。このような制限は、有機合成技術分野の業者に直ちに明らかであり、代わりに代替法が使用されなければならない。
【0164】
異性化合物
本発明の化合物のいくらかは、1つまたは複数のキラル中心を有し、それぞれの中心は、RまたはS配置で存在してもよい。本発明は、全てのジアステレオ異性形態、鏡像異性形態、およびエピマー形態、並びにこれらの適切な混合物を含む。本発明の多くの化合物については、単一のキラル中心が存在し(R2を有する炭素原子にて)、鏡像異性体のラセミ混合物を生じる。上記の如く、本発明は、単一の異性体(または単一の鏡像異性体)が提供され、または使用される化合物、組成物、および方法をさらに含む。キラル化合物を調製する方法は、実施例に提供してある。または、鏡像異性体の混合物は、塩形成、キラル塩基での結晶化、

キラルクロマトグラフィー(たとえば、キラル分解のための市販のカラムを使用するHPLC)などの当技術分野において公知の方法を経て、および疑似移動床式クロマトグラフィー(たとえば、米国特許第5,518,625号を参照されたい)などの方法を経てこれらの個々異性体に分離することができる。
【0165】
一定の本発明の好ましい態様において、式Iの化合物の、実質的にその(+)異性体がない(-)異性体が使用される。この状況において、「実質的にない」とは、望まれない異性体が約20%、より好ましくは10%、なお多く好ましくは5%、さらにより好ましくは2%未満、および最も好ましくは約1%未満まで混入した化合物をいう。本発明のその他の好ましい態様において、式Iの化合物の、実質的にその(-)異性体がない(+)異性体が使用される。
【0166】
加えて、本発明の化合物は、幾何異性体として存在してもよい。本発明は、シス(cis)、トランス(trans)、シン(syn)、アンチ(anti)、エントゲーゲン(E)、およびツザメン(Z)異性体の全て、並びにこれらの適切な混合物を含む。
【0167】
いくつかの状況において、化合物は、互変異性体として存在してもよい。全ての互変異性体は、式Iの範囲内に含まれ、本発明によって提供される。
【0168】
本発明の化合物の溶媒和形態
加えて、本発明の化合物は、溶媒和されずに、並びに水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒と共に溶媒和させた形態で存在することができる。一般に、溶媒和された形態は、本発明の目的のためには溶媒和されていない形態と同等であるとみなされる。
【0169】
本発明の化合物のプロドラッグ形態
いくつかの態様において、本発明の化合物は、プロドラッグ形態で存在する。特に、本発明は、また、たとえばCO2Hがエステル化されて-CO2R6(式中、R6は、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-X4OR2、-X4NR2R3、(C2-C8)アルケニル、(C3-C7)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール(C1-C4)アルキル、およびアリール(C2-C8)アルケニルからなる群より選択されるメンバーである)を形成する式Iの化合物を提供する。
【0170】
R2およびR3は、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-X3OR9、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、ヘテロアリールからなる群より独立して選択されるメンバーであるか、または任意で、両方が同じ置換基上に存在する場合は、共に連結して3〜8員環系を形成していてもよい。X3およびX4のそれぞれは、(C1-C4)アルキレン、(C2-C4)アルケニレン、および(C2-C4)アルキニレンからなる群より独立して選択されるメンバーである。
【0171】
本発明の化合物のエステルは、本明細書に記述したとおりに、または従来法に従って調製されてもよい。
【0172】
疾患および状態を治療する薬学的組成物および方法
本発明によれば、式Iの化合物の治療上有効量は、糖尿病を治療し、高脂血症を治療し、高尿酸血症を治療し、肥満を治療し、トリグリセリドレベルを低下させ、コレステロールレベルを低下させ、高密度リポタンパク質の血漿レベルを上昇させるために、および発症中のアテローム性動脈硬化症のリスクを治療し、予防し、または減少させるために有用な薬学的組成物の調製のために使用することができる。
【0173】
本発明の組成物は、式Iの化合物、これらの薬学的に許容される塩、またはこれらの加水分解性前駆体を含むことができる。一般に、化合物は、治療上有効量の適切な担体または賦形剤と混合される。「治療的に有効な用量」、「治療上有効量」、または互換的に、「薬理学的に許容される用量」もしくは「薬理学的に許容される量」とは、所望の結果を達成する、たとえば2型糖尿病の症候または合併症を軽減するために、本発明の化合物の十分な量と薬学的に許容される担体とが存在することを意味する。
【0174】
本発明の方法に使用される式Iの化合物は、治療的投与のための種々の製剤に取り込むことができる。より詳しくは、式Iの化合物は、適切な薬学的に許容される担体または希釈剤と組み合わせることによって薬学的組成物に処方することができ、錠剤、カプセル、丸剤、粉末、顆粒、ドラゼー、ゲル、スラリー、軟膏、溶液、坐薬、注射、吸入薬、およびエアロゾルなどの固体、半固体、液体、またはガス状形態の標品内に処方することができる。したがって、化合物の投与は、経口、頬側、経直腸、非経口的、腹腔内、皮内、経皮、気管内の投与を含む種々の方法で達成することができる。さらに、化合物は、デポーまたは徐放製剤において、全身性ではなく局部的様式で投与することができる。加えて、化合物は、リポソーム内で投与することができる。
【0175】
式Iの化合物は、共通の賦形剤、希釈剤、または担体と共に処方すること、錠剤に圧縮すること、または便利な経口投与のためのエリキシルもしくは溶液として処方すること、または筋肉内もしくは静脈内経路によって投与することができる。化合物は、経皮的に投与することができ、徐放剤型等として処方することができる。式Iの化合物は、単独で、互いに組み合わせて投与することができ、またはこれらは、その他の公知の化合物と組み合わせて使用することができる(下記のCombination Therapyを参照されたい)。
【0176】
本発明に使用するために適した製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company (1985) Philadelphia, PA, 17th ed.)において見いだされ、これは参照として本明細書に組み入れられる。そのうえ、薬物送達のための方法の簡単な総説については、Langer, Science (1990) 249:1527-1533を参照され、これは、参照として本明細書に組み入れられる。本明細書に記述した薬学的組成物は、当業者に公知の様式で、すなわち従来の混合すること、溶解すること、顆粒化すること、ドラゼー作製すること、微粒子状にすること、乳化すること、カプセル化すること、閉じこめること、または凍結乾燥することによって製造することができる。以下の方法および賦形剤は、単に例示的であり、決して限定することはない。
【0177】
注射のためには、化合物は、植物またはその他の同様の油、合成脂肪酸グリセリド、より高脂肪酸のエステル、もしくはプロピレングリコールなどの水性または非水性溶媒にこれらを、必要に応じては、可溶化剤、等張薬、懸濁剤、乳化剤、安定剤、および防腐剤などの従来の添加物と共に溶解し、懸濁し、または乳化することによって製剤に処方することができる。好ましくは、本発明の化合物は、水溶液に、好ましくはハンクス溶液、リンゲル液、または生理食塩水緩衝液などの生理的に適合性の緩衝液に処方することができる。経粘膜投与のためには、浸透させる障壁に適した浸透剤が製剤に使用される。このような浸透剤は、一般に当技術分野において公知である。
【0178】
経口投与のためには、式Iの化合物は、当技術分野において周知である薬学的に許容される担体と組み合わせることによって容易に処方することができる。このような担体により、化合物を、治療される患者による経口摂取のために、錠剤、丸剤、ドラゼー、カプセル、乳剤、親油性および親水性懸濁液、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液等として処方することができる。経口的使用のための医薬製剤は、固体の賦形剤と化合物を混合し、任意に生じる混合物を挽いて、必要に応じて適切な添加剤を添加した後に、顆粒の混合物を加工して、タブレットまたは糖衣錠コアを得ることによって得ることができる。適切な賦形剤は、特に、乳糖、ショ糖、マンニトール、またはソルビトールを含む糖;たとえばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース製剤などの充填剤である。必要に応じて、架橋したポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのこれらの塩などの崩壊剤を添加することができる。
【0179】
糖衣錠コアは、適切なコーティングと共に提供される。この目的のためには、濃縮砂糖溶液を使用することができ、これは、任意にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒もしくは混合溶媒を含むことができる。活性化合物用量の種々の組み合わせを同定するために、または特徴づけるために、色素またはピグメントを錠剤または糖衣錠コーティングに添加することができる。
【0180】
経口的に使用することができる医薬製剤は、ゼラチンでできているプッシュフィットカプセル、並びにゼラチンとグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤とでできている軟らかい、密封されたカプセルを含む。プッシュフィットカプセルは、乳糖などの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および任意に、安定剤と共に、混合物中に活性成分を含むことができる。軟カプセルでは、活性化合物を脂肪油、流動パラフィン、もしくは液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解し、または懸濁することができる。加えて、安定剤を添加することができる。経口投与のための全ての製剤は、このような投与のために適した投薬量であるべきである。
【0181】
頬側投与については、組成物は、従来の様式で処方される錠剤またはロゼンジの形をとることができる。
【0182】
吸入法による投与のためには、本発明による使用のための化合物は、都合よくは、適切な噴霧剤、たとえばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、もしくはその他の適切なガスを用いて、または噴霧剤なしの乾燥粉末吸入器から、加圧されたパックまたは噴霧器からのエアゾールスプレー提示の形態で送達される。加圧されたエアロゾルの場合、用量単位は、メーターで測った量を送達するための弁を提供することによって決定することができる。たとえば、吸入器または通気器に使用するためのゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、化合物と乳糖またはデンプンなどの適切な粉末基材との粉末配合を含んで処方することができる。
【0183】
化合物は、注射によって、たとえば大量瞬時投与または連続注入によって非経口投与のために処方することができる。注射のための製剤は、単位剤形で、たとえば添加された保存剤と共に、アンプルに、または多用量容器に提示することができる。組成物は、油性または水性媒体中の懸濁液、溶液、または乳剤としてこのような形態をとることができ、懸濁薬、安定化薬、および/または分散薬などの処方薬を含むことができる。
【0184】
薬学的非経口投与用製剤は、水溶性形態の活性化合物の水溶液を含む。加えて、活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射懸濁液として調製することができる。適切な親油性溶媒または媒体は、ゴマ油などの脂肪油またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドまたはリポソームなどの合成脂肪酸エステルを含む。水性注射懸濁液は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの懸濁液の粘性増大物質を含むことができる。任意で、懸濁液は、また、高度に濃縮された溶液の調製を可能にするために適切な安定剤または化合物の溶解度を増大する薬剤を含むことができる。または、活性成分は、使用前に適切な媒体、たとえば無菌の発熱性物質なしの水で構成するための粉末形態であることができる。
【0185】
また、化合物は、たとえば、カカオ脂、カルボ蝋、ポリエチレングリコール、もしくはその他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を含む坐薬または保持浣腸などの直腸組成物に処方することができ、これらの全てが、体温で融解し、さらに室温で凝固する。
【0186】
以前に記述した製剤に加えて、化合物は、またデポー製剤として処方することができる。このような長時間作用性製剤は、移植によって(たとえば、皮下または筋肉内に)または筋肉内注射によって投与することができる。したがって、化合物は、たとえば適切な重合体または疎水性材料(たとえば、許容される油中の乳剤として)もしくはイオン交換樹脂と共に、またはゆるやかな可溶性誘導体として、たとえばゆるやかな可溶性塩として処方することができる。
【0187】
または、疎水性の薬学的化合物のためのその他の送達系を使用することができる。リポソームおよび乳剤は、疎水性薬物のための送達媒体または担体の周知の例である。好ましい本実施例において、長期循環する、すなわちステルスリポソームを使用することができる。このようなリポソームは、Woodle、et al., 米国特許第5,013,556号に一般に記述されている。また、本発明の化合物は、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号、および第4,008,719号に記述したものなどの、徐放手段および/またはデリバリー装置によって投与することができる。
【0188】
また、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの一定の有機溶媒は、通常、高い毒性コスト状態にあるが、使用することができる。加えて、化合物は、治療薬を含む固体疎水性重合体の半透性母体などの、徐放性の系を使用して送達することができる。様々な形の徐放性材料が確立されており、当業者に周知である。徐放性カプセルは、これらの化学的性質に応じて、100日以上までの数時間の間化合物を放出することができる。
【0189】
また、薬学的組成物には、適切な固体もしくはゲル相の担体または賦形剤を含むことができる。このような担体または賦形剤の例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールなどの重合体を含むが、これに限定されるわけではない。
【0190】
本発明に使用するために適した薬学的組成物は、活性成分が治療上有効量で含まれる組成物を含む。投与される組成物の量は、もちろん、治療されている被験体に、被験体の重量に、苦痛の重症度に、投与の様式に、および処方する医師の確定診断に依存する。有効量の決定は、特に本明細書に提供した詳細な開示を考慮して、十分に当業者の能力内である。
【0191】
本発明の方法に使用されるいずれの化合物については、治療上有効な用量は、最初に細胞培養アッセイ法または動物モデルから推定することができる。
【0192】
さらに、本明細書に記述した化合物の毒性および治療有効性は、細胞培養または実験動物の標準的薬学的手順によって、たとえば、LD50(集団の50%にとって致命的な用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定することによって、決定することができる。毒性効果と治療的効果との間の用量比が治療係数であり、LD50およびED50間の比率として表すことができる。高い治療指標を示す化合物が好ましい。これらの細胞培養アッセイ法および動物試験から得られたデータは、ヒトに使用するための有毒でない投薬量範囲に処方する際に使用することができる。このような化合物の投薬量は、好ましくはほとんど毒性がないか、全く毒性がないED50を含む循環濃度の範囲内にある。投薬量は、使用される投与形態および利用した投与経路に応じて、この範囲内で変更することができる。正確な製剤、投与経路、および投薬量は、患者の状態からみて、個々の医師によって選択することができる。(たとえば、Fingl et al. 1975 In: The Pharmacological Basis of Therapeutics, Ch. 1を参照されたい)。
【0193】
単一の剤形を製造するために担体物質と組み合わせることができる活性化合物の量は、治療される疾患、哺乳類種、および特定の投与様式によって変化する。しかし、一般的指針として、本発明の化合物のための適切な単位投与量は、たとえば、好ましくは100mg〜約3000mgの間の活性化合物に含むことができる。好ましい単位投与量は、500mg〜約1500mgの間である。より好ましい単位投与量は、500mg〜約1000mgの間である。このような単位投与量は、70kgの成人のための1日の総投薬量が、投与あたり被験体のkg重量あたり0.1〜約250mgの範囲であるように、1日に1回より多く、たとえば1日に2、3、4、5または6回、しかし好ましくは1日に1または2回投与することができる。好ましい投薬量は、投与あたり被験体のkg重量あたり5〜約250mgであり、このような療法では、数週または数月間、場合によっては何年も延長することができる。しかし、任意の特定の患者のための具体的服用レベルは、使用される具体的化合物の活性;治療される個体の年齢、体重、一般的健康、性、および食餌;投与の時間および経路;排泄の割合;以前に投与された他剤;並びに療法を受けている特定の疾患の重症度を含む種々の因子に依存することが理解され、同様に当領域の当業者によって十分に理解される。
【0194】
典型的投薬量は、1日に1回、もしくは1日に複数回接種される10〜約1500mgの錠剤か、または1日に1回接種され、かつ比例してより高い含量の活性成分を含む徐放性カプセルまたは錠剤のものであることができる。徐放性効果は、種々のpH値にて溶解するカプセル材料によって、浸透圧によってゆっくりと放出するカプセルによって、または任意のその他の公知の徐放手段によって得ることができる。
【0195】
当業者に公知であるように、一部の場合には、これらの範囲外の投薬量を使用することが必要であり得る。さらに臨床家または治療医師は、個々の患者の応答と組み合わせて、どのように、およびいつ療法を中断し、調整し、または終了するかを知っているであろう点に留意されたい。
【0196】
併用療法
上記のとおり、本発明の化合物は、いくつかの例において、所望の効果をもたらすためにその他の治療薬と組み合わせて使用される。さらなる薬剤の選択は、主に、所望の標的療法に依存する(たとえば、Turner, N. et al. Prog. DrugRes. (1998) 51: 33-94; Haffner, S. Diabetes Care (1998) 21: 160-178;および DeFronzo, R. et al. (eds.), Diabetes Reviews (1997) Vol. 5 No. 4を参照されたい)。多くの研究では、経口剤での併用療法の利益を調査してきた(たとえば、Mahler, R. J. Clin. Endocrinol. Metab. (1999) 84: 1165-71; United Kingdom Prospective Diabetes Study Group: UKPDS 28, Diabetes Care (1998) 21; 87-92; Bardin, C. W.,(ed.), CURRENT THERAPY IN ENDOCRINOLOGY AND METABOLISM, 6th Edition (Mosby - Year Book, Inc., St. Louis, MO 1997); Chiasson, J. et al., Ann. Intern. Med. (1994) 121: 928-935; Coniff, R. et al., Clin. Ther. (1997) 19: 16-26; Coniff, R. et al., Am. J. Med. (1995) 98: 443-451;およびIwamoto, Y. et al., Diabet. Med. (1996) 13 365-370; Kwiterovich, P. Am. J. Cardiol (1998) 82(12A): 3U-17Uを参照されたい)。これらの研究は、糖尿病および高脂血症の調整は、治療計画に対して第二の薬剤を添加することによってさらに改善することができることを示す。併用療法には、式Iの一般的構造を有する化合物と1つまたは複数のさらなる活性薬剤とを含む単一の薬学的投薬量製剤の投与、並びにそれ自体別々の薬学的投薬量製剤の式Iの化合物とそれぞれの活性薬剤との投与を含む。たとえば、式Iの化合物とHMG-CoAレダクターゼ阻害剤とを錠剤もしくはカプセルなどの単一の経口投薬組成物において共にヒト被験者に投与することができ、またはそれぞれの薬剤を別々の経口投薬製剤に投与することができる。別々の投薬量製剤が使用される場合、式Iの化合物および1つもしくは複数のさらなる活性薬剤とを、本質的に同時に(すなわち、共に)、または別々に互いにずれた時に(すなわち、連続して)投与することができる。併用療法は、これらの処方計画の全てを含むことが理解される。
【0197】
アテローム性動脈硬化症を調整する(関連する症候または合併症の発症を予防する)併用療法の例は、式Iの化合物が、以下の活性薬剤の1つまたは複数と組み合わせて投与され:抗高脂血症薬;血漿HDL-上昇薬;コレステロール生合成阻害剤などの抗高コレステロール血症薬、たとえばヒドロキシメチルグルタリル(HMG)CoAレダクターゼ阻害剤(また、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、およびアトルバスタチンなどのスタチンとも称する)、HMG-CoAシンターゼ阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、またはスクアレンシンテターゼ阻害剤(スクアレンシンターゼ阻害剤としても知られる);メリナミドなどのアシル-コエンザイムAコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤;プロブコール;ニコチン酸およびこれらの塩、並びにナイアシンアミド;β-シトステロールなどのコレステロール吸収阻害剤;コレスチラミン、コレスチポール、または架橋されたデキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体などの胆汁酸隔離剤陰イオン交換樹脂;LDL(低密度リポタンパク質)受容体誘導因子;フィブラート(たとえばクロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート、およびゲムフィブリゾール);ビタミンB6(ピリドキシンとしても知られる)およびHCl塩などのこれらの薬学的に許容される塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとしても知られる);ビタミンB3(ニコチン酸およびナイアシンアミドとしても知られる、前記);ビタミンCおよびEおよびβカロチンなどの抗酸化剤ビタミン;β遮断薬;アンギオテンシンIIアンタゴニスト;アンジオテンシン変換酵素阻害薬;並びにフィブリノーゲン受容体アンタゴニスト(すなわち、糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニスト)およびアスピリンなどの血小板凝集阻害薬。上記のように、式Iの化合物は、複数のさらなる活性薬剤、たとえばHMG-CoAレダクターゼ阻害剤(たとえば、ロバスタチン、シンバスタチン、およびプラバスタチン)およびアスピリンと式Iの化合物の組み合わせ、またはHMG-CoAレダクターゼ阻害剤およびβ遮断薬と式Iの化合物を組み合わせて投与することができる。
【0198】
併用療法のもう一つの例は、肥満症治療または肥満症に関連した障害において参照することができ、式Iの化合物は、たとえば、フェニルプロパノールアミン、フェンテラミン、ジエチルプロピオン、マチンドール;フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンチラミン、β-3アドレナリン受容体作用薬;シブトラミン、胃腸リパーゼ阻害剤(オルリスタットなど)、およびレプチンと組み合わせて効率的に使用することができる。肥満症または肥満症に関連した障害を治療する際に使用されるその他の薬剤は、式Iの化合物が、たとえばニューロペプチドY、エンテロスタチン、コレシトキニン、ボンベシン、アミリン、ヒスタミンH3受容体、ドーパミンD2受容体、メラニン細胞刺激ホルモン、コルチコトロピン放出因子、ガラニン、およびγアミノ酪酸(GABA)と組み合わせて効率的に使用することができる。
【0199】
併用療法のさらに別の例は、糖尿病を調整する(または糖尿病およびその関連した症候、合併症、および障害を治療する)際に参照することができ、式Iの化合物は、たとえば、スルホニル尿素(クロルプロパミド、トルブタミド、アセトヘキサミド、トラザミド、グリブリド、グリクラジド、グリナーゼ、グリメピリド、およびグリピジドなど)、ビグアナイド(メトホルミンなど)、チアゾリジンジオン(シグリタゾン、ピオグリタゾン、トログリタゾン、およびロシグリタゾン);デヒドロエピアンドロステロン(DHEAまたはその抱合された硫酸エステルのDHEA-SO4とも称される);抗糖質コルチコイド;TNFα阻害剤;α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ミグリトール、およびボグリボースなど)、プラムリンチド(ヒトホルモンアミリンの合成類似体)、その他のインスリン分泌促進物質(例えば、レパグリニド、グリキドンおよびナテグリニド)、インスリン、並びにアテローム性動脈硬化症を治療するために、論議される活性薬剤と組み合わせて効率的に使用することができる。
【0200】
併用療法のさらなる例は、高脂血症を調整する(高脂血症およびその関連した合併症を治療する)際に見ることができ、式Iの化合物は、たとえば、スタチン(フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、またはシンバスタチンなど)、胆汁酸結合樹脂(コレスチポールまたはコレスチラミンなど)、ニコチン酸、プロブコール、ベータカロテン、ビタミンE、またはビタミンCと組み合わせて効率的に使用することができる。
【0201】
加えて、式Iの化合物の有効量および以下からなる群より選択される1つまたは複数の活性薬剤の治療上有効量は、上記治療のために有用な薬学的組成物の調製のために、共に使用することができる:抗高脂血症薬;血漿HDL上昇薬;コレステロール生合成阻害剤、たとえばHMG-CoAレダクターゼ阻害剤、HMG-CoAシンターゼ阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、またはスクアレンシンテターゼ阻害剤などの抗高コレステロール血症薬(スクアレンシンターゼ阻害剤としても知られる);アシル-コエンザイムAコレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤;プロブコール;ニコチン酸およびこれらの塩;ナイアシンアミド;コレステロール吸収阻害剤;胆汁酸隔離剤陰イオン交換樹脂;低密度リポタンパク質受容体誘導因子;クロフィブラート、フェノフィブラート、およびゲムフィブロジル;ビタミンB6およびこれらの薬学的に許容される塩;ビタミンB12;抗酸化剤ビタミン;β遮断薬;アンギオテンシンIIアンタゴニスト;アンジオテンシン変換酵素阻害薬;血小板凝集阻害薬;フィブリノーゲン受容体アンタゴニスト;アスピリン;フェンチラミン、β-3アドレナリン作動性受容体アゴニスト;スルホニル尿素、ビグアナイド、α-グルコシダーゼ阻害剤、その他のインスリン分泌促進物質、およびインスリン。
【0202】
キット
加えて、本発明は、式Iの化合物の単位投与量を、経口または注射用の用量のいずれかで伴う、キットを提供する。単位投与量を含む容器に加えて、2型糖尿病と関連する症候および/または合併症を軽減し、並びに高脂血症および高尿酸血症を軽減し、またはPPARに依存的な状態を軽減するための薬物の使用および付随する利益を記述する情報の添付文書が提供される。好ましい化合物および単位投与量は、本明細書に上で記述したものである。
【0203】
上で提供した組成物、方法、およびキットについては、当業者であれば、それぞれに使用するための好ましい化合物が、上記の好ましい化合物および特に、式Iおよび図1に提供した化合物であることを理解すると考えられる。組成物、方法、およびキットのためのなおさらなる好ましい化合物は、下記の非制限的実施例に提供した化合物である。
【0204】
実施例
実験節
一般的方法
中間体
中間化合物3Aの合成

4-トリフルオロメチル-アニリン塩化水素のAcOH、H2O、および濃HCl溶液を≦5℃に冷却し、NaNO2(1.2eq)のH2O溶液を混合物にゆっくり添加した。生じる混合物を0℃にてアセト酢酸エチル(1eq)のEtOH溶液およびNaOAcの1N Na2CO3溶液の混合物にゆっくり添加した。生じる混合物を2時間撹拌して、H2Oで希釈し、次いで、EtOAcで抽出した。有機相を合わせて、H2O(ブライン)で洗浄し、Na2SO4を通して乾燥させて、蒸発させて、粗生成物を得て、これを精製することなく次の反応にて使用した。
【0205】
上記の反応の粗生成物のエタノール溶液にCuCl2.2H2O(2.2eq.)およびNH4OAc(10eq)を添加した。反応混合物を12時間還流し、次いで室温に冷却した。反応混合物を氷および濃HClの混合物に注いだ。次いで、反応混合物を濾過して、2N HClで洗浄した。生じる固体をエタノールからの再結晶によって精製し、所望の生成物を得た。

【0206】
中間化合物3Bの合成

4-トリフルオロメチル-アニリン塩化水素のAcOH、H2O、および濃HCl溶液を≦5℃に冷却し、NaNO2(1.2eq)のH2O溶液を混合物にゆっくり添加した。生じる混合物を0℃にて3-オキソ-3-フェニル-プロピオン酸エチルエステル(1eq)のEtOH溶液およびNaOAcの1N Na2CO3溶液の混合物にゆっくり添加した。生じる混合物を2時間撹拌して、H2Oで希釈し、次いで、EtOAcで抽出した。有機相を合わせて、H2O(ブライン)で洗浄し、Na2SO4を通して乾燥させて、蒸発させて、粗生成物を得て、これを精製することなく次の反応にて使用した。
【0207】
上記の反応の粗生成物のエタノール溶液にCuCl2.2H2O(2.2eq.)およびNH4OAc(10eq)を添加した。反応混合物を12時間還流し、次いで室温に冷却した。反応混合物を氷および濃HClの混合物に注いだ。次いで、反応混合物を濾過して、2N HClで洗浄した。生じる固体をエタノールからの再結晶によって精製し、所望の生成物3Bを得た。
【0208】
中間化合物4Aの合成

化合物3A(3.5g、11.7mmol)のTHF無水物(50mL)溶液にLiAlH4(0.89g、23.4mmol)を0℃にて添加した。反応混合物を0℃にて2時間保持し、次いで10%のNaOHでクエンチした。反応混合物を濾過して、EtOAcで洗浄した。濾液を濃縮して2.6gの化合物4Aを得た。

【0209】
中間化合物4Bの合成

化合物3BのTHF無水物(50mL)溶液にLiAlH4(2eq)を0℃にて添加した。反応混合物を0℃にて2時間保持し、次いで10%のNaOHでクエンチし、濾過して、EtOAcで洗浄し、濃縮して、化合物4Bを得た。
【0210】
中間化合物5Aの合成

化合物4A(1.6g)、48%のHBr(10mL)、およびAcOH(10mL)の混合物を100℃にて2時間加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、濾過して、水で洗浄し、風乾して、1.1gの化合物5Aを得た。

【0211】
中間化合物5Bの合成

化合物4BのCH2Cl2溶液に、室温でSOCl2(3eq)を添加した。混合物を5時間還流し、混合物を室温に冷却して、蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーによって精製して所望の生成物を得た。

【0212】
中間化合物5Cの合成

化合物4AのCH2Cl2溶液に、室温でSOCl2(3eq)を添加した。混合物を5時間還流し、混合物を室温に冷却して、蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーによって精製して所望の生成物を得た。

【0213】
以下の化合物は、上記手順に従って作製した。
化合物5D


化合物5E


化合物5F


化合物5G


化合物5H


化合物5I


化合物5J


【0214】
中間化合物6の合成

化合物5AおよびKCN(2eq)のエタノール溶液の混合物を6時間還流した。揮発性物質を蒸発させて、残渣をEtOAcと水との間で分けた。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4を通して乾燥させ、濃縮して、フラッシュクロマトグラフィーによって精製して所望の生成物6を得た。

【0215】
中間化合物7Aの合成

HClの飽和したエタノール性溶液に、化合物6を添加して、混合物を3時間還流した。溶媒を蒸発させて、残渣をEtOAcとpH 7緩衝液との間で分けた。有機相を分離し、ブラインで洗浄して、Na2SO4を通して乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、所望のエステル7Aを得た。
【0216】
中間化合物7Bの合成

HClの飽和メタノール性溶液に、化合物6を添加して、混合物を3時間還流した。溶媒を蒸発させて、残渣をEtOAcとpH 7緩衝液との間で分けた。有機相を分離し、ブラインで洗浄して、Na2SO4を通して乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、所望のエステル7Bを得た。

【0217】
中間化合物8の合成

化合物7AまたはBのTHF無水物溶液に0℃にてLiAlH4(2eq.)を添加した。混合物を0℃にて2時間保持し、次いで10%のNaOHでクエンチした。次いで反応混合物を濾過して、EtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、化合物8を得た。

【0218】
化合物9Aの合成

化合物8およびCBr4の溶液に、室温でPPh3を添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌した。揮発性物質を蒸発させて、生じる残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、化合物9Aを得た。
【0219】
化合物9Bの合成

化合物8(0.19mg、0.7mmol)、イミダゾール(95mg、1.4mmol)、およびPPh3(367mg、1.4mmol)のCH2Cl2溶液に、I2(215mg、1.4mmol)を0℃にて添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAcで希釈して、Na2S2O3、ブラインで洗浄し、Na2SO4を通して乾燥させて、蒸発させた。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、0.22gの化合物9Bを得た。

【0220】
中間化合物10Aの合成

化合物3AのCH2Cl2無水物溶液に、DIBAL(1.leq)を-78℃にてN2下で添加した。混合物を-78℃にて4時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Clでクエンチし、次いでセライトのプラグを介して濾過した。濾液をEtOAcと水との間で分けた。有機相をブラインで洗浄し、NaSO4を通して乾燥させて、蒸発させ、残渣をシリカゲルの上のクロマトグラフィーによって精製し、化合物10Aを得た。
【0221】
中間化合物10Bの合成

化合物10AのTHF無水物溶液に、MeMgBr(2eq)を0℃にてN2下で添加し、混合物を室温に温めた。反応混合物を飽和NH4Clでクエンチして、EtOAcで希釈した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO4を通して乾燥させ、蒸発させて、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、化合物10Bを得た。

【0222】
中間化合物10Cの合成

化合物3AのTHF無水物溶液に、MeMgBr(4eq)を0℃にてN2下で添加し、混合物を室温に温めた。反応混合物を飽和NH4Clでクエンチして、EtOAcで希釈した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO4を通して乾燥させ、蒸発させて、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、化合物10Cを得た。

【0223】
中間化合物11の合成

アルデヒド10Aおよび(カルボエトキシメチレン)-トリフェニルホスホラン(1.1eq)のトルエン溶液の混合物を100℃にて3時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、化合物11を得た。
【0224】
中間化合物12の合成

11のMeOH溶液を10%、Pd/Cと共に室温にて一晩H2下で撹拌した。反応をセライトのプラグを介して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、所望の化合物12を得た。
【0225】
中間体化合物13の合成

化合物12のTHF無水物溶液に、0℃にてLiAlH4(2eq)を添加した。反応混合物を0℃にて2時間保持し、次いで10%のNaOHでクエンチした。次いで、反応混合物を濾過して、EtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、化合物13を得た。
【0226】
中間化合物14の合成

化合物13およびCBr4の混合物に、PPh3を室温で添加した。混合物を室温で5時間撹拌した。揮発性物質を蒸発させて、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、化合物14を得た。
【0227】
実施例1A
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸(化合物20)

5Aおよび1H-インドール-5-オールのアセトニトリル溶液をCs2CO3と共に40℃にて一晩撹拌した。混合物をEtOAc中に吸収させ、生じる混合物をH2O、ブラインで洗浄して、乾燥させて、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製し、所望の生成物15を得た。
【0228】
15のDMF溶液を室温で15分間NaHで処置して、ブロモ酢酸エチルを添加した。反応混合物を1時間撹拌して、EtOAcで希釈した。生じる混合物をH2O、ブラインで洗浄し、乾燥させて、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製し、所望の生成物16を得た。
【0229】
16のTHF/H2O溶液を室温にて1時間LiOH(2N)で処置した。反応混合物のpHをpH 7に合わせて、揮発性物質を減圧下で除去した。固体を濾過して、H2Oで洗浄した。粗製固体をカラムクロマトグラフィーによって精製した。

【0230】
エステルのTHF溶液に(5mL)、LiOH水溶液(4mL、4mmol)を添加した。混合物を1時間室温で撹拌し、1N HClで酸性化して、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させて、濃縮した。残渣をヘキサンおよび酢酸エチルから再結晶させ、360mgの白色固体を得た。

【0231】
以下の標記化合物を類似の手順を使用して調製した。
【0232】
実施例1B
{5-[5-メチル-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸


【0233】
実施例1C
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インダゾール-1-イル}-酢酸


【0234】
実施例2
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸(化合物20)の合成

(5-ヒドロキシ-インドール-1-イル)-酢酸エチルエステル(0.12g、0.55mmol)のMeCN(3mL)溶液に、Cs2CO3(215mg、0.66mmol)および4-ブロモメチル-5-メチル-2-(トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール(176mg、0.55mmol)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌し、セライトを通して濾過して、酢酸エチルで洗浄した。溶媒を蒸発させた。残渣をTHF(2mL)に溶解して、LiOH水溶液(1.7mL、1.7mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、1N HClで酸性化して、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させて、濃縮した。残渣をヘキサンおよび酢酸エチルから再結晶させて、119mgの白色固体を得た。

【0235】
実施例3
{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸(化合物130)

6-ヒドロキシインドール(0.1g、0.75)のMeCN(3mL)溶液に、Cs2CO3(244mg、0.75mmol)および4-ブロモメチル-5-メチル-2-(トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール(0.19g、0.6mmol)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌し、セライトを通して濾過して、酢酸エチルで洗浄した。溶媒を蒸発させて、残渣クロマトグラフィーによって精製し、121mgの所望の生成物を得た。
【0236】
得られた生成物をDMF(4mL)に溶解して、NaH(12mg、60%)を室温で添加した。30分後にブロモ酢酸エチル(0.2g)を添加した。混合物を2時間撹拌し、EtOAcで希釈して、NaSO4を通して乾燥させて、水、ブラインで洗浄し、蒸発させた。残渣をクロマトグラフィーによって精製し、125mgの所望のエステルを得た。
【0237】
上記のエステルのTHF溶液(2mL)に、LiOH水溶液(0.8mL、0.8mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、1N HClで酸性化して、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させて、濃縮した。残渣をキサンおよび酢酸エチルから再結晶させ、60mgの白色固体を得た。

【0238】
実施例4A
{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸(化合物160)

(6-ヒドロキシ-ベンゾフラン-3-イル)-酢酸メチルエステル(0.23g、1.2mmol)および化合物5A(0.32g、1mmol)のMeCN(10 mL)溶液の混合物に、Cs2CO3(0.49g、1.5mmol)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。溶媒を蒸発させて、残渣をTHF(10mL)に溶解し、LiOH水溶液(5mL、5mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、1N HClで酸性化して、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させて、濃縮した。残渣をヘキサンおよび酢酸エチルから再結晶させて、0.34gの白色固体を得た。

【0239】
実施例4B
2-メチル-2-{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-プロピオン酸

化合物160(0.9g、2mmol)のエステルのTHF溶液(10mL)に、-78℃にてKHMDS(5mL、5mmol)を添加し、混合物を-78℃にて1時間撹拌した。MeI(0.85g、6mmol)を-78℃にて添加し、溶液を室温に温めた。反応をH2Oでクエンチし、酢酸エチルで希釈して、溶媒をブラインで洗浄し、NaSO4を通して乾燥させ、蒸発させて、残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、0.75gの所望のエステルを得た。
【0240】
エステル(0.21g、0.44mmol)のTHF溶液(5mL)およびメタノール(5mL)にLiOH水溶液(2mL、2mmol)を添加し、混合物を1時間還流して、1N HClで酸性化し、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄して、乾燥させ、濃縮して、残渣をヘキサンおよび酢酸エチルから再結晶させて、58mgの白色固体を得た。

【0241】
実施例4C
{6-[5-フェニル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸

以下の化合物は、実施例4Aの手順に従って化合物5Bを使用して作製した。

【0242】
実施例4D
{6-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸(化合物570)

以下の化合物は、実施例4Aの手順に従って化合物5Eを使用して作製した。

【0243】
実施例4E
{6-[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸(化合物580)

以下の化合物は、実施例4Aの手順に従って化合物5Iを使用して作製した。

【0244】
実施例4F
{6-[2-(4-クロロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸

以下の化合物は、実施例4Aの手順に従って化合物5Dを使用して作製した。

【0245】
実施例5
{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸(化合物700)

120mgの化合物160および20mgの10% Pd/CのEtOAc(20ml)溶液の混合物を50psiにて48時間水素付加した。混合物を、セライトのパッドを通して濾過して、EtOAcで洗浄した。溶媒を蒸発させて、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、55mgの所望の生成物を得た。

【0246】
実施例6
PPARγ、δ、およびαトランス活性化活性の測定
本発明の化合物がPPAR依存的な様式で遺伝子発現を活性化する能力を評価するために、キメラ受容体を、酵母転写因子GAL4 DNA結合ドメインがマウスPPARγ、マウスPPARδ、またはマウスPPARαのいずれかのリガンド結合ドメインに融合されたものを構築した。キメラ受容体発現プラスミド(GAL4-mPPARγ、GAL4-mPPARδ、およびGAL4-PPARα)および5×GAL4結合部位を含むリポータープラスミド(pFR-Luc、Stratageneから得た)を、リポフェクトアミン2000試薬(Invitrogen)を使用して、製造業者の説明書に従って、HEK293T細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの6時間後、培地を更新して、細胞を以下のいずれかの存在下において20時間インキュベートした:1)DMSO(媒体)、2)本発明の化合物、または3)比較のための参照化合物。ロシグリタゾン(WDF Pharmaから得た)をPPARγアッセイ法のための参照化合物として使用し;GW501516(Sznaidman et al. Bioorg. Med. Chem. Lett. (2003) 13:1517-1521に記載されているように調製した)をPPARδアッセイ法のための参照化合物として使用し、GW7647(Sigmaから得た)をPPARαアッセイ法のための参照化合物として使用した。ルシフェラーゼ活性は、遺伝子発現のリポーターとして測定した。Steady-Glo試薬を使用する細胞可溶化物でのルシフェラーゼ活性は、製造業者の説明書に従って測定した。
【0247】
(表1)図1からの選択化合物に関するPPARトランス活性化アッセイの結果

ND:30μMにて活性が検出されなかった。
【0248】
上記試験結果から明らかなように、本発明の化合物は、PPARの優れたモジュレーターである。
【0249】
本発明の態様を図示し、記述したが、これらの態様は、本発明の全ての可能性を形成し図示し、記述することは企図されない。むしろ、明細書に使用される語句は、限定よりむしろ説明の語句であり、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、種々の変更を行ってもよいことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0250】
(図1A〜5A)本発明の種々の好ましい化合物を図示する。
【図1A】

【図2A】

【図3A】

【図4A】

【図5A】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式を有する化合物、並びにこれらの薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、水和物、およびプロドラッグ:

式中、
Ar1は、フェニル、ナフチル、イミダゾリル、ベンズイミダゾイル、ピロリル、インドリル、チエニル、ベンゾチエニル、フラニル、ベンゾフラニル、およびベンゾジオキソールからなる群より選択される単環式または二環式の芳香環系であり、これらのそれぞれは、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-OR2、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、(C3-C7)シクロアルキル、(C3-C7)シクロアルキル(C1-C4)アルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、アリール(C2-C8)アルケニル、アリール(C2-C8)アルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-CN、-S(O)r1R2、-X1OR2、-X1COR2、-X1CO2R2、-X1NR2R3、-X1NO2、-X1CN、および-X1S(O)r1R2からなる群より独立して選択される1〜5個のR7置換基で置換されていてもよく;
Ar2は、以下の式:

を有する群より選択される二環式の芳香環であり;
式中、破線は、結合が二重結合または単結合であってもよいことを示し;これらのそれぞれは、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-OR2、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、(C3-C7)シクロアルキル、(C3-C7)シクロアルキル(C1-C4)アルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、アリール(C2-C8)アルケニル、アリール(C2-C8)アルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-CN、-S(O)r1R2;-X2OR2、-X2COR2、-X2CO2R2、-X2NR2R3、-X2NO2、-X2CN、および-X2S(O)r1R2からなる群より独立して選択される1〜4個のR8置換基で置換されていてもよく;
Lは、共有結合、および1〜6個の主鎖原子を有し、かつ式-Y1m1Y2m2Y3m3-を有する連結基からなる群より選択されるメンバーであり、式中Lは、Ar2のうちの任意の利用できる環員に付着することができ;
Kは、共有結合、および1〜6個の主鎖原子を有し、かつ式-Y4m4Y5m5Y6m6-を有する連結基からなる群より選択されるメンバーであり、式中Kは、Ar2のうちの任意の利用できる環員に付着することができ;
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6のそれぞれは、(CR4R5p、C=O、C=ONR2、C=NOR2、NR2C=O、NR2、O、S(O)r2、NR2SO2、およびSO2NR2からなる群より独立して選択されるメンバーであり;
Zは、CH2OR6、CO2R6、CN、テトラゾール-5-イル、CONHSO2R2、およびCHOからなる群より選択され;
R1は、H、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C3-C7)シクロアルキル(C1-C4)アルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリル(C1-C4)アルキルからなる群より選択され;
R2およびR3のそれぞれは、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-X3OR9、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、およびヘテロアリールからなる群より独立して選択されるメンバーであるか、または任意で、両方が同じ置換基上に存在する場合は、共に連結して3〜8員環系を形成していてもよく;
R4およびR5のそれぞれは、H、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、OR2、アリール、ヘテロアリール、およびアリール(C1-C4)アルキルからなる群より独立して選択されるメンバーであるか、または任意で、両方が同じ置換基上に存在する場合は、共に連結して3〜8員環系を形成していてもよく、もしくは隣接した炭素原子上に存在する場合は、化合して、これらが付着する原子間で二重結合または三重結合を形成していてもよく;
R6は、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、-X4OR2、-X4NR2R3、(C2-C8)アルケニル、(C3-C7)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール(C1-C4)アルキル、およびアリール(C2-C8)アルケニルからなる群より選択さるメンバーであり;
R9は、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、およびヘテロアリールからなる群より選択されるメンバーであり;
X1、X2、X3、およびX4のそれぞれは、(C1-C4)アルキレン、(C2-C4)アルケニレン、および(C2-C4)アルキニレンからなる群より独立して選択されるメンバーであり;
添字m1、m2、m3、m4、m5、およびm6は、それぞれ0〜1の整数であり;
添字r1およびr2は、0〜2の整数であり;
添字pは、1〜2の整数である。
【請求項2】
Ar1が、ハロゲン、ハロ(C1-C8)アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、および-OR2からなる群より独立して選択される1〜3個のR7置換基で置換されていてもよいベンゾジオキソールまたはフェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Ar1が、

であり、
式中、Xは、ハロゲンであり;および、
破線は分子の残りに対する付着の位置を示す、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項4】
Ar1が、

であり、
式中、破線は分子の残りに対する付着の位置を示す、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
R1が、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、アリール、およびヘテロシクリル(C1-C4)アルキルからなる群より選択される、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
R1が、CH3、CH(CH32、CF3、CF3CH2、フェニル、および

からなる群より選択され、
R10は、ハロゲンまたは(C1-C8)アルコキシであり;および破線は、分子の残りに対する付着の位置を示す、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
R10が、Cl、Oi-Pr、またはOCH3である、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
R1が、CH3である、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6が、(CR4R5p、C=O、NR2、O、およびS(O)r2からなる群より独立して選択されるメンバーであり;R2が、Hであり;R4およびR5のそれぞれが、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキルからなる群より独立して選択されるメンバーであるか、または任意で、両方が同じ置換基上に存在する場合は、共に連結して3〜8員環系を形成していてもよく、もしくは隣接した炭素原子上に存在する場合は、化合して、これらが付着する原子間で二重結合または三重結合を形成していてもよく;並びにr2が、0である、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
Y1が、(CR4R5pであり、Y2が、CH2またはC=Oであり、およびY3が、NH、O、またはSである、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
Y1が、CH2であり、Y2が、(CH22であり、およびY3が、OまたはSである、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
m1、m2、またはm3の少なくとも1つが0である、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
Lが、CH2、(CH22、CH2S、CH(CH3)S、C(CH32S、(CH22S、-CH(CH3)CH2S、C(CH32CH2S、(CH23S、CH2O、CH(CH3)O、C(CH32O、(CH22O、-CH(CH3)CH2O、C(CH32CH2O、(CH23S、および(C=O)NHからなる群より選択されるメンバーである、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項14】
Y4が、CR4R5またはOであり、Y5がCR4R5であり、およびm6が0である、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
Kが、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH32-、-CH=CH2E-、-CH=CH2Z-、-CH≡CH-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、および-OC(CH32-からなる群より選択されるメンバーであり、式中Eは、エントゲーゲン(entgegen)異性体を表し、かつZはツザメン(zusammen)異性体を表す、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項16】
R4およびR5のそれぞれが、独立してH、CH3、CF3であるか、または共に連結してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルからなる群より選択される3〜6員環系を形成する、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項17】
R4およびR5が、Hである、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項18】
Zが、CO2R6である、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項19】
R6が、Hである、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項20】
Ar2が、以下の式:

を有する群から選択され、
これらの各R8置換基は、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群よりそれぞれ独立して選択される1〜3個のR8置換基で置換されていてもよい、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項21】
Ar2が、以下の式:

を有する群から選択され、
これらのR8置換基は、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群よりそれぞれ独立して選択される1〜3個のR8置換基で置換されていてもよい、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項22】
Ar2が、H、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、およびハロ(C1-C8)アルキルからなる群よりそれぞれ独立して選択される1〜2個のR8置換基で置換されていてもよい、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項23】
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6が、(CR4R5p、C=O、NR2、O、およびS(O)r2からなる群より独立して選択されるメンバーであり;R2が、Hであり;並びに、R4およびR5のそれぞれが、H、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキルからなる群より独立して選択されるメンバーであるか、または任意で、両方が同じ置換基上に存在する場合は、共に連結して3〜8員環系を形成していてもよく、もしくは隣接した炭素原子上に存在する場合は、化合して、これらが付着する原子間で二重結合または三重結合を形成していてもよく、r2は、0である、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項24】
Y1が、(CR4R5pであり、Y2が、CH2またはC=Oであり、およびY3が、NH、O、またはSである、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項25】
Y1が、CH2であり、Y2が、(CH22であり、およびY3が、OまたはSである、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項26】
m1、m2、またはm3の少なくとも1つが0である、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項27】
Lが、CH2、(CH22、CH2S、CH(CH3)S、C(CH32S、(CH22S、-CH(CH3)CH2S、C(CH32CH2S、(CH23S、CH2O、CH(CH3)O、C(CH32O、(CH22O、-CH(CH3)CH2O、C(CH32CH2O、(CH23S、および(C=O)NHからなる群より選択されるメンバーである、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項28】
Y4が、CR4R5またはOであり、Y5が、CR4R5であり、およびm6が、0である、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項29】
Kが、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH32-、-CH=CH2E-、-CH=CH2Z-、-CH≡CH-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、および-OC(CH32-からなる群より選択されるメンバーであり、式中Eは、エントゲーゲン異性体を表し、かつZはツザメン異性体を表す、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項30】
R4およびR5のそれぞれが、H、CH3、CF3であるか、または共に連結してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルからなる群より独立して選択される3〜6員環系を形成する、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項31】
R4およびR5が、Hである、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項32】
Ar2が、以下の式:

を有し;
ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群よりそれぞれ独立して選択される1〜2個のR8置換基で置換されていてもよい、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項33】
Ar2が、以下の式:

を有し;
ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群よりそれぞれ独立して選択される1〜2個のR8置換基で置換されていてもよい、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項34】
Ar2が、以下の式:

を有し;
式中、

は、以下の式:

を有し;
各R8は、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群より独立して選択され、かつ1は、0〜2である、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項35】
R8が、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、および-OR2からなる群より独立して選択され、1が、0〜2である、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項36】

が、以下の式:

を有し;
R8が、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群より独立して選択され;
lが、0〜2であり;かつ、
破線は、Lに付着する位置を示し、および波線は、Kに付着する位置を示す、請求項34記載の化合物。
【請求項37】
Ar2が、以下の式:

を有し;
R8は、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群より独立して選択され;
lが、0〜2であり;かつ、
破線は、Lに付着する位置を示し、および波線は、Kに付着する位置を示す、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項38】
Ar2が、以下の式:

を有し;
R8が、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群より独立して選択され;
lが、0〜2であり;かつ、
破線は、Lに付着する位置を示し、および波線は、Kに付着する位置を示す、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項39】

である、請求項37記載の化合物。
【請求項40】

が、以下の式:

であり;
R8が、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群より独立して選択され;
lが、0〜2であり;かつ、
破線は、Lに付着する位置を示し、および波線は、Kに付着する位置を示す、請求項34記載の化合物。
【請求項41】
Ar2が、以下の式:

を有し;
R8が、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群より独立して選択され;
lが、0〜2であり;かつ、
破線は、Lに付着する位置を示し、および波線は、Kに付着する位置を示す、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項42】

が、以下の式:

を有し;
R8が、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群より独立して選択され;
lが、0〜2であり;かつ、
破線は、Kに付着する位置を示し、および波線は、Lに付着する位置を示す、請求項34記載の化合物。
【請求項43】
Ar2が、以下の式:

を有し;
R8が、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群より独立して選択され;
lが、0〜2であり;かつ、
破線は、Kに付着する位置を示し、および波線は、Lに付着する位置を示す、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項44】
Ar2が、以下の式:

を有し;
R8が、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群より独立して選択され;
lが、0〜2であり;かつ、
破線は、Kに付着する位置を示し、および波線は、Lに付着する位置を示す、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項45】

が、以下の式:

を有し;
R8が、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群より独立して選択され;
lが、0〜2であり;かつ、
破線は、Kに付着する位置を示し、および波線は、Lに付着する位置を示す、請求項34記載の化合物。
【請求項46】
Ar2が、以下の式:

を有し;
R8が、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-OR2、-X2OR2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C1-C4)アルキル、-COR2、-CO2R2、-NR2R3、-NO2、-X2NR2R3、-CN、および-S(O)r1R2からなる群より独立して選択され;
lが、0〜2であり;かつ、
破線は、Kに付着する位置を示し、および波線は、Lに付着する位置を示す、前記請求項のいずれか1項記載の化合物。
【請求項47】
以下からなる群より選択される化合物:
{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;3-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-プロピオン酸;2-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-プロピオン酸;2-メチル-2-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-プロピオン酸;{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インダゾール-1-イル}-酢酸;{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インダゾール-1-イル}-酢酸;{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インダゾール-1-イル}-酢酸;{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インダゾール-l-イル}-酢酸;{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾチアゾール-2-イル}-酢酸;{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾチアゾール-2-イル}-酢酸;{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-1H-インドール-3-イル}-酢酸;{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-1-(1H-テトラゾール-5-イルメチル)-1H-インドール;{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-酢酸;{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル}-酢酸;{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル}-酢酸;{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル}-酢酸;{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾオキサゾール-2-イル}-酢酸;{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾオキサゾール-2-イル}-酢酸;{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-1H-インドール-3-イル}-酢酸;{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル}-酢酸;(5-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;(5-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インダゾール-1-イル)-酢酸;(6-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-ベンゾフラン-3-イル)-酢酸;(6-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-酢酸;(5-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-酢酸;(5-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-ベンゾフラン-3-イル)-酢酸;(5-{2-メチル-2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-プロポキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;(6-{2-メチル-2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-プロポキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;(5-{2-[5-トリフルオロメチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;(5-{2-[2-(3,4-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;(5-{2-[2-(3-クロロ-4-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;(5-{2-[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;(5-{2-[2-(3,5-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エトキシ}-インドール-1-イル)-酢酸;{5-[5-エチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[5-イソプロピル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[5-(2,2,2-トリフルオロ-エチル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[5-フェニル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[2-(3,4-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[2-(3-クロロ-4-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[2-(3-フルオロ-4-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[5-トリフルオロメチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[2-(4-クロロ-3-フルオロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[2-(4-クロロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[2-(2-フルオロ-4-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[2-(3,5-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{1-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イルオキシ}-酢酸;2-{1-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イルオキシ}-プロピオン酸;2-メチル-2-{1-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イルオキシ}-プロピオン酸;{1-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-6-イルオキシ}-酢酸;{3-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-ベンゾフラン-5-イルオキシ}-酢酸;{3-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-ベンゾ[b]チオフェン-5-イルオキシ}-酢酸;{1-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インダゾール-5-イルオキシ}-酢酸;{1-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インダゾール-6-イルオキシ}-酢酸;(1-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エチル}-1H-インドール-5-イルオキシ)-酢酸;(1-{2-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-エチル}-1H-インドール-6-イルオキシ)-酢酸;{5-[5-メチル-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{5-[2-(4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-インドール-1-イル}-酢酸;{1-[5-イソプロピル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イルオキシ}-酢酸;{6-[5-フェニル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;{6-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;{6-[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;2-{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-プロピオン酸;1-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-シクロプロパンカルボン酸;1-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-シクロブタンカルボン酸;1-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-シクロペンタンカルボン酸;1-{5-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-シクロヘキサンカルボン酸;2-{5-[5-[4-(4-メトキシ-フェニル)-ピペラジン-1-イルメチル]-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-2-メチル-プロピオン酸;{5-[2-(2-フルオロ-4-チオフェン-2-イル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-インドール-1-イル}-酢酸;および、{1-メチル-6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-1H-インドール-3-イル}-酢酸。
【請求項48】
以下からなる群より選択される化合物:
{6-[5-フェニル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;{6-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;{6-[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-5-メチル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-酢酸;および、2-メチル-2-{6-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメトキシ]-ベンゾフラン-3-イル}-プロピオン酸。
【請求項49】
1つもしくは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物とを含む組成物。
【請求項50】
受容体を、請求項1〜48のいずれか1項記載の少なくとも1つの化合物と接触させる工程を含む、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体を調整する方法。
【請求項51】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体の2型糖尿病を治療する方法。
【請求項52】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体のインスリン耐性を調整する方法。
【請求項53】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体の高インスリン血症を治療する方法。
【請求項54】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体の高脂血症を治療する方法。
【請求項55】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体の高尿酸血症を治療する方法。
【請求項56】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体の高コレステロール血症を治療する方法。
【請求項57】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体のアテローム性動脈硬化症を治療する方法。
【請求項58】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体の心臓血管疾患に関する1つまたは複数の危険因子を治療する方法。
【請求項59】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体のX症候群を治療する方法。
【請求項60】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体の高トリグリセリド血症を治療する方法。
【請求項61】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体の高血糖症を治療する方法。
【請求項62】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体のフィブリノーゲンレベルを減少させる方法。
【請求項63】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体のLDLcを減少させる方法。
【請求項64】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体のLDL粒径を低密度から正常密度LDLに移す方法。
【請求項65】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体の肥満症を治療する方法。
【請求項66】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体の摂食障害を治療する方法。
【請求項67】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体の食欲を抑制する方法。
【請求項68】
被験体に対して請求項1〜48のいずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与する工程を含む、被験体のレプチンレベルを調整する方法。

【公表番号】特表2008−500358(P2008−500358A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515287(P2007−515287)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/018319
【国際公開番号】WO2005/115384
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(504214280)メタボレックス インコーポレーティッド (21)
【Fターム(参考)】