PUFAポリケチドシンターゼ系を用いた異種生物における多価不飽和脂肪酸の生産方法
新規アシル-CoAシンテターゼおよび新規アシルトランスフェラーゼ、それをコードする核酸分子、そのような核酸分子を含む組換え核酸分子および組換え宿主細胞、それを含む遺伝的に改変された生物(微生物および植物)、ならびにそれを作製および使用する方法を開示する。PUFA(PUFA PKS系またはPUFAシンターゼ)の産生のためにPKS様の系を発現するように遺伝的に改変された生物(例えば、植物、微生物)も開示され、ここで該生物は、アシル-CoAシンテターゼを発現するように、アシルトランスフェラーゼを発現するように、生物によって発現される脂肪酸シンターゼ(FAS)を欠失もしくは不活性化させるように、生物におけるマロニルCoAをめぐるPUFAシンターゼとの競合が減少するように、またはマロニルCoAのレベルが上昇するように改変されており、1つの局面においては、KASIIもしくはKASIIIを阻害するように改変されている。さらなる改変、ならびにそのような生物の作製および使用の方法が、そのような生物から得られたPUFAおよび油に加えて、そのようなPUFAおよび油を含むさまざまな産物とともに単独で開示される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
長鎖PUFA遊離脂肪酸(FFA)のアシル-CoAへの変換を触媒するアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)をコードする核酸配列を含む、単離された核酸分子であって、核酸配列が以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するACoASと少なくとも60%同一なアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)をコードする、核酸分子:SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:93、SEQ ID NO:95、SEQ ID NO:97およびSEQ ID NO:99。
【請求項2】
核酸配列が、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)をコードする、請求項1記載の単離された核酸分子:SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:93、SEQ ID NO:95、SEQ ID NO:97およびSEQ ID NO:99。
【請求項3】
核酸配列が、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードする、請求項1記載の単離された核酸分子:SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:85およびSEQ ID NO:97。
【請求項4】
核酸配列が、以下からなる群より選択される、請求項1記載の単離された核酸分子:SEQ ID NO:82、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:86、SEQ ID NO:88、SEQ ID NO:90、SEQ ID NO:92、SEQ ID NO:94、SEQ ID NO:96およびSEQ ID NO:98。
【請求項5】
リン脂質(PL)またはトリアシルグリセロール(TAG)の生成においてPUFA-CoAを基質として利用するタンパク質をコードする核酸配列を含む、単離された核酸分子であって、タンパク質が以下からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも60%同一なアミノ酸配列を含む、核酸分子:SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO:110およびSEQ ID NO:113。
【請求項6】
核酸配列が、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、請求項5記載の単離された核酸分子:SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO:110およびSEQ ID NO:113。
【請求項7】
核酸配列が、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、請求項5記載の単離された核酸分子:SEQ ID NO:102およびSEQ ID NO:104。
【請求項8】
核酸配列が、以下からなる群より選択される、請求項5記載の単離された核酸分子:SEQ ID NO:100、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:109、SEQ ID NO:111およびSEQ ID NO:112。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項記載の核酸分子によってコードされる、単離されたタンパク質。
【請求項10】
発現制御配列と機能的に連結された、請求項1〜8のいずれか一項記載の核酸分子を含む組換え核酸分子。
【請求項11】
請求項10記載の組換え核酸分子を含む組換え宿主細胞。
【請求項12】
微生物である、請求項11記載の組換え宿主細胞。
【請求項13】
植物細胞である、請求項11記載の組換え宿主細胞。
【請求項14】
請求項1〜8のいずれか一項記載の単離された核酸分子を発現するように遺伝的に改変されている、遺伝的に改変された生物。
【請求項15】
請求項1〜4のいずれか一項記載の少なくとも1つの単離された核酸分子を発現するように遺伝的に改変されている、遺伝的に改変された生物。
【請求項16】
請求項5〜8のいずれか一項記載の少なくとも1つの単離された核酸分子を発現するように遺伝的に改変されている、遺伝的に改変された生物。
【請求項17】
請求項1〜4のいずれか一項記載の少なくとも1つの単離された核酸分子および請求項5〜8のいずれか一項記載の少なくとも1つの単離された核酸分子を発現するように遺伝的に改変されている、遺伝的に改変された生物。
【請求項18】
請求項3記載の少なくとも1つの単離された核酸分子および請求項7記載の少なくとも1つの単離された核酸分子を発現するように遺伝的に改変されている、遺伝的に改変された生物。
【請求項19】
PUFAシンターゼおよびホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)を発現する、請求項14〜18のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項20】
前記シンターゼおよびPPTアーゼを発現するように遺伝的に改変されている、請求項19記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項21】
少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を生成するPUFAシンターゼおよびホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)を発現し、かつ、長鎖PUFA遊離脂肪酸(FFA)のアシル-CoAへの変換を触媒する1つまたは複数の異種アシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)またはその相同体を発現するための遺伝的改変を含む、遺伝的に改変された生物。
【請求項22】
PUFAシンターゼを内因的に発現する生物由来のアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)またはその相同体をコードする核酸配列を含む核酸分子によって形質転換されている、請求項21記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項23】
長鎖PUFA遊離脂肪酸(FFA)のアシル-CoAへの変換を触媒する、クリプテコディニウム-コーニイ(Crypthecodinium cohnii)由来のアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)またはその相同体をコードする核酸配列を含む核酸分子によって形質転換されている、請求項21記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項24】
長鎖PUFA遊離脂肪酸(FFA)のアシル-CoAへの変換を触媒する、ヤブレツボカビ目(Thraustochytriales)の微生物由来のアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)またはその相同体をコードする核酸配列を含む核酸分子によって形質転換されている、請求項21記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項25】
長鎖PUFA遊離脂肪酸(FFA)のアシル-CoAへの変換を触媒する、シゾキトリウム属(Schizochytrium)由来のアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)またはその相同体をコードする核酸配列を含む核酸分子によって形質転換されている、請求項21記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項26】
請求項1〜4のいずれか一項記載の核酸分子によって形質転換されている、請求項21記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項27】
生物によって発現される脂肪酸シンターゼ(FAS)を欠失または不活性化させるためのさらなる遺伝的改変を含む、請求項21〜26のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項28】
生物における、マロニルCoAをめぐるPUFAシンターゼとの競合を減少させるため、またはマロニルCoAのレベルを上昇させるためのさらなる遺伝的改変を含む、請求項21〜27のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項29】
PUFAを内因的に産生する生物由来の1つまたは複数の異種タンパク質を発現するためのさらなる遺伝的改変を含み、該タンパク質がリン脂質(PL)またはトリアシルグリセロール(TAG)の生成においてPUFA-CoAを基質として利用する、請求項21〜28のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項30】
少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を生成するPUFAシンターゼおよびホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)を発現し、かつ、生物によって発現される脂肪酸シンターゼ(FAS)を欠失または不活性化させるための遺伝的改変を含む、遺伝的に改変された生物。
【請求項31】
生物における、マロニルCoAをめぐるPUFAシンターゼとの競合を減少させるため、またはマロニルCoAのレベルを上昇させるためのさらなる遺伝的改変を含む、請求項30記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項32】
少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を生成するPUFAシンターゼおよびホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)を発現し、かつ、生物における、マロニルCoAをめぐるPUFAシンターゼとの競合を減少させるため、またはマロニルCoAのレベルを上昇させるための遺伝的改変を含む、遺伝的に改変された生物。
【請求項33】
生物によって発現される脂肪酸シンターゼ(FAS)を欠失または不活性化させるためのさらなる遺伝的改変を含む、請求項32記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項34】
少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を生成するPUFAシンターゼおよびホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)を発現し、かつ、PUFAを内因的に産生する生物由来の1つまたは複数の異種タンパク質を発現するための遺伝的改変を含む、遺伝的に改変された生物であって、該タンパク質がリン脂質(PL)またはトリアシルグリセロール(TAG)の生成においてPUFA-CoAを基質として利用する、遺伝的に改変された生物。
【請求項35】
前記タンパク質がDAGATまたはLPAATである、請求項34記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項36】
リン脂質(PL)またはトリアシルグリセロール(TAG)の生成においてPUFA-CoAを基質として利用するヤブレツボカビ科(Thraustochytrid)またはラビリンチュラ科(Labyrinthulid)由来のタンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子によって形質転換されている、請求項34記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項37】
リン脂質(PL)またはトリアシルグリセロール(TAG)の生成においてPUFA-CoAを基質として利用するシゾキトリウム属由来のタンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子によって形質転換されている、請求項34記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項38】
請求項5〜8のいずれか一項記載の核酸分子によって形質転換されている、請求項34記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項39】
長鎖PUFA遊離脂肪酸(FFA)のアシル-CoAへの変換を触媒する1つまたは複数の異種アシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)またはその相同体を発現するためのさらなる改変を含む、請求項34〜39のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項40】
生物によって発現される脂肪酸シンターゼ(FAS)を欠失または不活性化させるためのさらなる遺伝的改変を含む、請求項34〜40のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項41】
生物における、マロニルCoAをめぐるPUFAシンターゼとの競合を減少させるため、またはマロニルCoAのレベルを上昇させるためのさらなる遺伝的改変を含む、請求項34〜41のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項42】
PUFAシンターゼが、ヤブレツボカビ科またはラビリンチュラ科由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項43】
PUFAシンターゼが、ヤブレツボカビ目の微生物由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項44】
PUFAシンターゼが、以下からなる群より選択される生物由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:シゾキトリウム属、ヤブレツボカビ属(Thraustochytrium)、ウルケニア属(Ulkenia)およびラビリンチュラ属(Labyrinthula)。
【請求項45】
PUFAシンターゼが、シゾキトリウム属由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項46】
PUFAシンターゼが、シゾキトリウム属American Type Culture Collection(ATCC)番号20888、ヤブレツボカビ属23B ATCC番号20892および該微生物のいずれかの突然変異株からなる群より選択される生物由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項47】
PUFAシンターゼが、海洋細菌由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項48】
PUFAシンターゼが、シュワネラ属(Shewanella)、モリテラ属(Moritella)およびフォトバクテリウム属(Photobacterium)からなる群より選択される生物由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項49】
PUFAシンターゼが、以下を含む1つまたは複数のタンパク質からなる、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:
a)少なくとも1つのエノイル-ACPレダクターゼ(ER)ドメイン;
b)少なくとも4つのアシルキャリアータンパク質(ACP)ドメイン;
c)少なくとも2つのβ-ケトアシル-ACPシンターゼ(KS)ドメイン;
d)少なくとも1つのアシルトランスフェラーゼ(AT)ドメイン;
e)少なくとも1つのβ-ケトアシル-ACPレダクターゼ(KR)ドメイン;
f)少なくとも2つのFabA様β-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ(DH)ドメイン;および
g)少なくとも1つの鎖長因子(CLF)ドメイン;
h)少なくとも1つのマロニル-CoA:ACPアシルトランスフェラーゼ(MAT)ドメイン。
【請求項50】
PUFAシンターゼが、以下を含む1つまたは複数のタンパク質からなる、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:
a)2つのエノイルACP-レダクターゼ(ER)ドメイン;
b)8つまたは9つのアシルキャリアータンパク質(ACP)ドメイン;
c)2つのβ-ケトアシル-ACPシンターゼ(KS)ドメイン;
d)1つのアシルトランスフェラーゼ(AT)ドメイン;
e)1つのケトレダクターゼ(KR)ドメイン;
f)2つのFabA様β-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ(DH)ドメイン;
g)1つの鎖長因子(CLF)ドメイン;および
h)1つのマロニルCoA:ACPアシルトランスフェラーゼ(MAT)ドメイン。
【請求項51】
PUFAシンターゼが少なくとも約25℃の温度でPUFAを生成する細菌PUFAシンターゼであり、PUFAシンターゼが、以下を含む1つまたは複数のタンパク質からなる、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:
a)少なくとも1つのエノイルACP-レダクターゼ(ER)ドメイン;
b)少なくとも6つのアシルキャリアータンパク質(ACP)ドメイン;
c)少なくとも2つのβ-ケトアシル-ACPシンターゼ(KS)ドメイン;
d)少なくとも1つのアシルトランスフェラーゼ(AT)ドメイン;
e)少なくとも1つのケトレダクターゼ(KR)ドメイン;
f)少なくとも2つのFabA様β-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ(DH)ドメイン;
g)少なくとも1つの鎖長因子(CLF)ドメイン;
h)少なくとも1つのマロニル-CoA:ACPアシルトランスフェラーゼ(MAT)ドメイン;および
i)少なくとも1つの4'-ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)ドメイン。
【請求項52】
PUFAシンターゼが、以下からなる群より選択される1つまたは複数の配列を含む、または以下からなる群より選択される1つまたは複数の配列によりコードされる、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:SEQ ID NO:1〜32のいずれか1つ、およびSEQ ID NO:35〜80のいずれか1つ。
【請求項53】
PUFAシンターゼをコードする1つまたは複数の核酸配列が、生物におけるPUFAシンターゼの発現を改善するために最適化されている、請求項21〜52のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項54】
以下からなる群より選択される少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を産生する、請求項21〜53のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:EPA(C20:5、n-3)、DHA(C22:6、n-3)、DPA(C22:5、n-6またはn-3)、ARA(C20:4、n-6)、GLA(C18:3、n-6)および/またはSDA(C18:4、n-3))。
【請求項55】
以下からなる群より選択される少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を産生する、請求項21〜53のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:DHA、EPAおよびDPAn-6。
【請求項56】
DHAおよびDPAn-6を産生する、請求項21〜53のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項57】
ARAを産生する、請求項21〜53のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項58】
生物における総脂肪酸プロフィールが、PUFAシンターゼによって生成される少なくとも1つのPUFAを、少なくとも0.5重量%含む、請求項21〜53のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項59】
微生物である、請求項21〜58のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項60】
微生物がPUFA PKS系を内因的に発現する、請求項59記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項61】
微生物がヤブレツボカビ目の微生物および海洋細菌からなる群より選択される、請求項59記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項62】
微生物がPUFA PKS系を発現するように遺伝的に改変されている、請求項59記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項63】
微生物が酵母または細菌である、請求項59記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項64】
植物または植物細胞である、請求項21〜53のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項65】
PUFAシンターゼおよびPPTアーゼの発現が、植物または植物細胞のプラスチドに対してターゲティングされている、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項66】
植物が油糧種子植物である、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項67】
植物が双子葉植物である、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項68】
植物が以下からなる群より選択される、請求項64記載の遺伝的に改変された生物:キャノーラ、ダイズ、ナタネ、アマニ、トウモロコシ、ベニバナ、ヒマワリおよびタバコ。
【請求項69】
前記少なくとも1つのPUFA以外の、PUFAシンターゼによって生成される総脂肪酸が、植物または植物細胞によって産生される総脂肪酸の約10重量%未満を構成する、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項70】
前記少なくとも1つのPUFA以外の、PUFAシンターゼによって生成される総脂肪酸が、植物または植物細胞によって産生される総脂肪酸の約5重量%未満を構成する、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項71】
植物、植物の部分または植物細胞における総脂肪酸プロフィールが、少なくとも20個の炭素および4つまたはそれ以上の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を少なくとも約0.5重量%含み、植物または植物の部分における総脂肪酸プロフィールが、以下のすべてのPUFAを合計で5%未満含む、請求項64記載の遺伝的に改変された生物:γ-リノレン酸(GLA;18:3、n-6)、18個の炭素および4つの炭素-炭素二重結合を有するPUFA、20個の炭素および3つの炭素-炭素二重結合を有するPUFA、ならびに22個の炭素および2つまたは3つの炭素-炭素二重結合を有するPUFA。
【請求項72】
植物、植物の部分または植物細胞における総脂肪酸プロフィールが、少なくとも20個の炭素および4つまたはそれ以上の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を少なくとも約0.5重量%含み、植物または植物の部分における総脂肪酸プロフィールが、以下のPUFAをそれぞれ1%未満含む、請求項64記載の遺伝的に改変された生物:γ-リノレン酸(GLA;18:3、n-6)、18個の炭素および4つの炭素-炭素二重結合を有するPUFA、20個の炭素および3つの炭素-炭素二重結合を有するPUFA、ならびに22個の炭素および2つまたは3つの炭素-炭素二重結合を有するPUFA。
【請求項73】
植物、植物の部分または植物細胞における総脂肪酸プロフィールが、少なくとも20個の炭素および4つまたはそれ以上の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を少なくとも約0.5重量%含み、植物または植物の部分における総脂肪酸プロフィールが、γ-リノレン酸(GLA;18:3、n-6)およびジホモ-γ-リノレン酸(DGLAまたはHGLA;20:3、n-6)を2%未満含む、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項74】
植物、植物の部分または植物細胞における総脂肪酸プロフィールが、γ-リノレン酸(GLA;18:3、n-6)およびジホモ-γ-リノレン酸(DGLAまたはHGLA;20:3、n-6)を1重量%未満含む、請求項73記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項75】
植物、植物の部分または植物細胞における総脂肪酸プロフィールが、少なくとも20個の炭素および4つまたはそれ以上の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を少なくとも約0.5重量%含み、植物または植物の部分における総脂肪酸プロフィールが、γ-リノレン酸(GLA;18:3、n-6)を1%未満含む、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項76】
植物、植物の部分または植物細胞における総脂肪酸プロフィールが、γ-リノレン酸(GLA;18:3、n-6)を0.5重量%未満含む、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項77】
請求項21〜76のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物から得られた油。
【請求項78】
請求項21〜76のいずれか一項記載の生物を成育させる段階を含む、少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む油を生産するための方法。
【請求項79】
請求項78記載の方法によって生産された油。
【請求項80】
検出可能な量のDHA(ドコサヘキサエン酸(C22:6、n-3))およびDPA(ドコサペンタエン酸(C22:5、n-6)を含む植物油であって、DPAn-6のDHAに対する比が1:1であるか1:1を上回る、請求項64〜76のいずれか一項記載の植物または植物細胞から得られた、植物油。
【請求項81】
請求項64〜76のいずれか一項記載の植物から得られた種子。
【請求項82】
以下からなる群より選択される少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む、請求項77、79または80のいずれか一項記載の油:EPA(C20:5、n-3)、DHA(C22:6、n-3)、DPA(C22:5、n-6またはn-3)、ARA(C20:4、n-6)、GLA(C18:3、n-6)および/またはSDA(C18:4、n-3))。
【請求項83】
以下からなる群より選択される少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む、請求項77、79または80のいずれか一項記載の油:EPA(C20:5、n-3)、DHA(C22:6、n-3)、DPA(C22:5、n-6またはn-3)またはDTA(C22:4、n-6)。
【請求項84】
以下からなる群より選択される少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む、請求項77、79または80のいずれか一項記載の油:EPA(C20:5、n-3)、DHA(C22:6、n-3)および/またはDPA(C22:5、n-6またはn-3)。
【請求項85】
請求項77、79もしくは80のいずれか一項記載の油、または請求項81記載の種子を含む、食品。
【請求項86】
請求項77、79または80のいずれか一項記載の油を含む医薬生成物。
【請求項87】
請求項81記載の種子から油を回収する段階を含む、少なくとも1つのPUFAを含む油を生産するための方法。
【請求項88】
請求項21〜76のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物から油を回収する段階を含む、少なくとも1つのPUFAを含む油を生産するための方法。
【請求項89】
請求項21〜76のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物を成育させる段階を含む、少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を生産するための方法。
【請求項90】
請求項21〜76のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物からPUFAを入手または回収する段階を含む、少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を生産するための方法。
【請求項91】
少なくとも1つのPUFAを含む栄養補助食品または治療用生成物を個体に対して提供するための方法であって、個体に対して、請求項21〜76のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物もしくはその部分、請求項81記載の種子、請求項77、79もしくは80記載の油、請求項85記載の食品、または請求項86記載の医薬生成物を提供する段階を含む方法。
【請求項92】
PUFAを発現させるために生物を形質転換するための方法であって、PUFAシンターゼをコードする核酸分子、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)をコードする核酸分子、および請求項1〜8のいずれか一項記載の少なくとも1つの核酸分子によって生物を形質転換する段階を含む方法。
【請求項93】
生物が、該生物によって発現される脂肪酸シンターゼ(FAS)を欠失または不活性化させるための遺伝的改変を含む、請求項92記載の方法。
【請求項94】
生物が、該生物における、マロニルCoAをめぐるPUFAシンターゼとの競合を減少させるため、またはマロニルCoAのレベルを上昇させるための遺伝的改変を含む、請求項92記載の方法。
【請求項95】
生物が植物である、請求項92記載の方法。
【請求項96】
生物が微生物である、請求項92記載の方法。
【請求項1】
長鎖PUFA遊離脂肪酸(FFA)のアシル-CoAへの変換を触媒するアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)をコードする核酸配列を含む、単離された核酸分子であって、核酸配列が以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するACoASと少なくとも60%同一なアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)をコードする、核酸分子:SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:93、SEQ ID NO:95、SEQ ID NO:97およびSEQ ID NO:99。
【請求項2】
核酸配列が、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)をコードする、請求項1記載の単離された核酸分子:SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:93、SEQ ID NO:95、SEQ ID NO:97およびSEQ ID NO:99。
【請求項3】
核酸配列が、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードする、請求項1記載の単離された核酸分子:SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:85およびSEQ ID NO:97。
【請求項4】
核酸配列が、以下からなる群より選択される、請求項1記載の単離された核酸分子:SEQ ID NO:82、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:86、SEQ ID NO:88、SEQ ID NO:90、SEQ ID NO:92、SEQ ID NO:94、SEQ ID NO:96およびSEQ ID NO:98。
【請求項5】
リン脂質(PL)またはトリアシルグリセロール(TAG)の生成においてPUFA-CoAを基質として利用するタンパク質をコードする核酸配列を含む、単離された核酸分子であって、タンパク質が以下からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも60%同一なアミノ酸配列を含む、核酸分子:SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO:110およびSEQ ID NO:113。
【請求項6】
核酸配列が、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、請求項5記載の単離された核酸分子:SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO:110およびSEQ ID NO:113。
【請求項7】
核酸配列が、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、請求項5記載の単離された核酸分子:SEQ ID NO:102およびSEQ ID NO:104。
【請求項8】
核酸配列が、以下からなる群より選択される、請求項5記載の単離された核酸分子:SEQ ID NO:100、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:109、SEQ ID NO:111およびSEQ ID NO:112。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項記載の核酸分子によってコードされる、単離されたタンパク質。
【請求項10】
発現制御配列と機能的に連結された、請求項1〜8のいずれか一項記載の核酸分子を含む組換え核酸分子。
【請求項11】
請求項10記載の組換え核酸分子を含む組換え宿主細胞。
【請求項12】
微生物である、請求項11記載の組換え宿主細胞。
【請求項13】
植物細胞である、請求項11記載の組換え宿主細胞。
【請求項14】
請求項1〜8のいずれか一項記載の単離された核酸分子を発現するように遺伝的に改変されている、遺伝的に改変された生物。
【請求項15】
請求項1〜4のいずれか一項記載の少なくとも1つの単離された核酸分子を発現するように遺伝的に改変されている、遺伝的に改変された生物。
【請求項16】
請求項5〜8のいずれか一項記載の少なくとも1つの単離された核酸分子を発現するように遺伝的に改変されている、遺伝的に改変された生物。
【請求項17】
請求項1〜4のいずれか一項記載の少なくとも1つの単離された核酸分子および請求項5〜8のいずれか一項記載の少なくとも1つの単離された核酸分子を発現するように遺伝的に改変されている、遺伝的に改変された生物。
【請求項18】
請求項3記載の少なくとも1つの単離された核酸分子および請求項7記載の少なくとも1つの単離された核酸分子を発現するように遺伝的に改変されている、遺伝的に改変された生物。
【請求項19】
PUFAシンターゼおよびホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)を発現する、請求項14〜18のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項20】
前記シンターゼおよびPPTアーゼを発現するように遺伝的に改変されている、請求項19記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項21】
少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を生成するPUFAシンターゼおよびホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)を発現し、かつ、長鎖PUFA遊離脂肪酸(FFA)のアシル-CoAへの変換を触媒する1つまたは複数の異種アシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)またはその相同体を発現するための遺伝的改変を含む、遺伝的に改変された生物。
【請求項22】
PUFAシンターゼを内因的に発現する生物由来のアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)またはその相同体をコードする核酸配列を含む核酸分子によって形質転換されている、請求項21記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項23】
長鎖PUFA遊離脂肪酸(FFA)のアシル-CoAへの変換を触媒する、クリプテコディニウム-コーニイ(Crypthecodinium cohnii)由来のアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)またはその相同体をコードする核酸配列を含む核酸分子によって形質転換されている、請求項21記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項24】
長鎖PUFA遊離脂肪酸(FFA)のアシル-CoAへの変換を触媒する、ヤブレツボカビ目(Thraustochytriales)の微生物由来のアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)またはその相同体をコードする核酸配列を含む核酸分子によって形質転換されている、請求項21記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項25】
長鎖PUFA遊離脂肪酸(FFA)のアシル-CoAへの変換を触媒する、シゾキトリウム属(Schizochytrium)由来のアシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)またはその相同体をコードする核酸配列を含む核酸分子によって形質転換されている、請求項21記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項26】
請求項1〜4のいずれか一項記載の核酸分子によって形質転換されている、請求項21記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項27】
生物によって発現される脂肪酸シンターゼ(FAS)を欠失または不活性化させるためのさらなる遺伝的改変を含む、請求項21〜26のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項28】
生物における、マロニルCoAをめぐるPUFAシンターゼとの競合を減少させるため、またはマロニルCoAのレベルを上昇させるためのさらなる遺伝的改変を含む、請求項21〜27のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項29】
PUFAを内因的に産生する生物由来の1つまたは複数の異種タンパク質を発現するためのさらなる遺伝的改変を含み、該タンパク質がリン脂質(PL)またはトリアシルグリセロール(TAG)の生成においてPUFA-CoAを基質として利用する、請求項21〜28のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項30】
少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を生成するPUFAシンターゼおよびホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)を発現し、かつ、生物によって発現される脂肪酸シンターゼ(FAS)を欠失または不活性化させるための遺伝的改変を含む、遺伝的に改変された生物。
【請求項31】
生物における、マロニルCoAをめぐるPUFAシンターゼとの競合を減少させるため、またはマロニルCoAのレベルを上昇させるためのさらなる遺伝的改変を含む、請求項30記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項32】
少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を生成するPUFAシンターゼおよびホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)を発現し、かつ、生物における、マロニルCoAをめぐるPUFAシンターゼとの競合を減少させるため、またはマロニルCoAのレベルを上昇させるための遺伝的改変を含む、遺伝的に改変された生物。
【請求項33】
生物によって発現される脂肪酸シンターゼ(FAS)を欠失または不活性化させるためのさらなる遺伝的改変を含む、請求項32記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項34】
少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を生成するPUFAシンターゼおよびホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)を発現し、かつ、PUFAを内因的に産生する生物由来の1つまたは複数の異種タンパク質を発現するための遺伝的改変を含む、遺伝的に改変された生物であって、該タンパク質がリン脂質(PL)またはトリアシルグリセロール(TAG)の生成においてPUFA-CoAを基質として利用する、遺伝的に改変された生物。
【請求項35】
前記タンパク質がDAGATまたはLPAATである、請求項34記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項36】
リン脂質(PL)またはトリアシルグリセロール(TAG)の生成においてPUFA-CoAを基質として利用するヤブレツボカビ科(Thraustochytrid)またはラビリンチュラ科(Labyrinthulid)由来のタンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子によって形質転換されている、請求項34記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項37】
リン脂質(PL)またはトリアシルグリセロール(TAG)の生成においてPUFA-CoAを基質として利用するシゾキトリウム属由来のタンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子によって形質転換されている、請求項34記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項38】
請求項5〜8のいずれか一項記載の核酸分子によって形質転換されている、請求項34記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項39】
長鎖PUFA遊離脂肪酸(FFA)のアシル-CoAへの変換を触媒する1つまたは複数の異種アシル-CoAシンテターゼ(ACoAS)またはその相同体を発現するためのさらなる改変を含む、請求項34〜39のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項40】
生物によって発現される脂肪酸シンターゼ(FAS)を欠失または不活性化させるためのさらなる遺伝的改変を含む、請求項34〜40のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項41】
生物における、マロニルCoAをめぐるPUFAシンターゼとの競合を減少させるため、またはマロニルCoAのレベルを上昇させるためのさらなる遺伝的改変を含む、請求項34〜41のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項42】
PUFAシンターゼが、ヤブレツボカビ科またはラビリンチュラ科由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項43】
PUFAシンターゼが、ヤブレツボカビ目の微生物由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項44】
PUFAシンターゼが、以下からなる群より選択される生物由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:シゾキトリウム属、ヤブレツボカビ属(Thraustochytrium)、ウルケニア属(Ulkenia)およびラビリンチュラ属(Labyrinthula)。
【請求項45】
PUFAシンターゼが、シゾキトリウム属由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項46】
PUFAシンターゼが、シゾキトリウム属American Type Culture Collection(ATCC)番号20888、ヤブレツボカビ属23B ATCC番号20892および該微生物のいずれかの突然変異株からなる群より選択される生物由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項47】
PUFAシンターゼが、海洋細菌由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項48】
PUFAシンターゼが、シュワネラ属(Shewanella)、モリテラ属(Moritella)およびフォトバクテリウム属(Photobacterium)からなる群より選択される生物由来のPUFAシンターゼからの少なくとも1つの機能性ドメインを含む、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項49】
PUFAシンターゼが、以下を含む1つまたは複数のタンパク質からなる、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:
a)少なくとも1つのエノイル-ACPレダクターゼ(ER)ドメイン;
b)少なくとも4つのアシルキャリアータンパク質(ACP)ドメイン;
c)少なくとも2つのβ-ケトアシル-ACPシンターゼ(KS)ドメイン;
d)少なくとも1つのアシルトランスフェラーゼ(AT)ドメイン;
e)少なくとも1つのβ-ケトアシル-ACPレダクターゼ(KR)ドメイン;
f)少なくとも2つのFabA様β-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ(DH)ドメイン;および
g)少なくとも1つの鎖長因子(CLF)ドメイン;
h)少なくとも1つのマロニル-CoA:ACPアシルトランスフェラーゼ(MAT)ドメイン。
【請求項50】
PUFAシンターゼが、以下を含む1つまたは複数のタンパク質からなる、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:
a)2つのエノイルACP-レダクターゼ(ER)ドメイン;
b)8つまたは9つのアシルキャリアータンパク質(ACP)ドメイン;
c)2つのβ-ケトアシル-ACPシンターゼ(KS)ドメイン;
d)1つのアシルトランスフェラーゼ(AT)ドメイン;
e)1つのケトレダクターゼ(KR)ドメイン;
f)2つのFabA様β-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ(DH)ドメイン;
g)1つの鎖長因子(CLF)ドメイン;および
h)1つのマロニルCoA:ACPアシルトランスフェラーゼ(MAT)ドメイン。
【請求項51】
PUFAシンターゼが少なくとも約25℃の温度でPUFAを生成する細菌PUFAシンターゼであり、PUFAシンターゼが、以下を含む1つまたは複数のタンパク質からなる、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:
a)少なくとも1つのエノイルACP-レダクターゼ(ER)ドメイン;
b)少なくとも6つのアシルキャリアータンパク質(ACP)ドメイン;
c)少なくとも2つのβ-ケトアシル-ACPシンターゼ(KS)ドメイン;
d)少なくとも1つのアシルトランスフェラーゼ(AT)ドメイン;
e)少なくとも1つのケトレダクターゼ(KR)ドメイン;
f)少なくとも2つのFabA様β-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ(DH)ドメイン;
g)少なくとも1つの鎖長因子(CLF)ドメイン;
h)少なくとも1つのマロニル-CoA:ACPアシルトランスフェラーゼ(MAT)ドメイン;および
i)少なくとも1つの4'-ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)ドメイン。
【請求項52】
PUFAシンターゼが、以下からなる群より選択される1つまたは複数の配列を含む、または以下からなる群より選択される1つまたは複数の配列によりコードされる、請求項21〜42のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:SEQ ID NO:1〜32のいずれか1つ、およびSEQ ID NO:35〜80のいずれか1つ。
【請求項53】
PUFAシンターゼをコードする1つまたは複数の核酸配列が、生物におけるPUFAシンターゼの発現を改善するために最適化されている、請求項21〜52のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項54】
以下からなる群より選択される少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を産生する、請求項21〜53のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:EPA(C20:5、n-3)、DHA(C22:6、n-3)、DPA(C22:5、n-6またはn-3)、ARA(C20:4、n-6)、GLA(C18:3、n-6)および/またはSDA(C18:4、n-3))。
【請求項55】
以下からなる群より選択される少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を産生する、請求項21〜53のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物:DHA、EPAおよびDPAn-6。
【請求項56】
DHAおよびDPAn-6を産生する、請求項21〜53のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項57】
ARAを産生する、請求項21〜53のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項58】
生物における総脂肪酸プロフィールが、PUFAシンターゼによって生成される少なくとも1つのPUFAを、少なくとも0.5重量%含む、請求項21〜53のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項59】
微生物である、請求項21〜58のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項60】
微生物がPUFA PKS系を内因的に発現する、請求項59記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項61】
微生物がヤブレツボカビ目の微生物および海洋細菌からなる群より選択される、請求項59記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項62】
微生物がPUFA PKS系を発現するように遺伝的に改変されている、請求項59記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項63】
微生物が酵母または細菌である、請求項59記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項64】
植物または植物細胞である、請求項21〜53のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項65】
PUFAシンターゼおよびPPTアーゼの発現が、植物または植物細胞のプラスチドに対してターゲティングされている、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項66】
植物が油糧種子植物である、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項67】
植物が双子葉植物である、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項68】
植物が以下からなる群より選択される、請求項64記載の遺伝的に改変された生物:キャノーラ、ダイズ、ナタネ、アマニ、トウモロコシ、ベニバナ、ヒマワリおよびタバコ。
【請求項69】
前記少なくとも1つのPUFA以外の、PUFAシンターゼによって生成される総脂肪酸が、植物または植物細胞によって産生される総脂肪酸の約10重量%未満を構成する、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項70】
前記少なくとも1つのPUFA以外の、PUFAシンターゼによって生成される総脂肪酸が、植物または植物細胞によって産生される総脂肪酸の約5重量%未満を構成する、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項71】
植物、植物の部分または植物細胞における総脂肪酸プロフィールが、少なくとも20個の炭素および4つまたはそれ以上の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を少なくとも約0.5重量%含み、植物または植物の部分における総脂肪酸プロフィールが、以下のすべてのPUFAを合計で5%未満含む、請求項64記載の遺伝的に改変された生物:γ-リノレン酸(GLA;18:3、n-6)、18個の炭素および4つの炭素-炭素二重結合を有するPUFA、20個の炭素および3つの炭素-炭素二重結合を有するPUFA、ならびに22個の炭素および2つまたは3つの炭素-炭素二重結合を有するPUFA。
【請求項72】
植物、植物の部分または植物細胞における総脂肪酸プロフィールが、少なくとも20個の炭素および4つまたはそれ以上の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を少なくとも約0.5重量%含み、植物または植物の部分における総脂肪酸プロフィールが、以下のPUFAをそれぞれ1%未満含む、請求項64記載の遺伝的に改変された生物:γ-リノレン酸(GLA;18:3、n-6)、18個の炭素および4つの炭素-炭素二重結合を有するPUFA、20個の炭素および3つの炭素-炭素二重結合を有するPUFA、ならびに22個の炭素および2つまたは3つの炭素-炭素二重結合を有するPUFA。
【請求項73】
植物、植物の部分または植物細胞における総脂肪酸プロフィールが、少なくとも20個の炭素および4つまたはそれ以上の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を少なくとも約0.5重量%含み、植物または植物の部分における総脂肪酸プロフィールが、γ-リノレン酸(GLA;18:3、n-6)およびジホモ-γ-リノレン酸(DGLAまたはHGLA;20:3、n-6)を2%未満含む、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項74】
植物、植物の部分または植物細胞における総脂肪酸プロフィールが、γ-リノレン酸(GLA;18:3、n-6)およびジホモ-γ-リノレン酸(DGLAまたはHGLA;20:3、n-6)を1重量%未満含む、請求項73記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項75】
植物、植物の部分または植物細胞における総脂肪酸プロフィールが、少なくとも20個の炭素および4つまたはそれ以上の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を少なくとも約0.5重量%含み、植物または植物の部分における総脂肪酸プロフィールが、γ-リノレン酸(GLA;18:3、n-6)を1%未満含む、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項76】
植物、植物の部分または植物細胞における総脂肪酸プロフィールが、γ-リノレン酸(GLA;18:3、n-6)を0.5重量%未満含む、請求項64記載の遺伝的に改変された生物。
【請求項77】
請求項21〜76のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物から得られた油。
【請求項78】
請求項21〜76のいずれか一項記載の生物を成育させる段階を含む、少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む油を生産するための方法。
【請求項79】
請求項78記載の方法によって生産された油。
【請求項80】
検出可能な量のDHA(ドコサヘキサエン酸(C22:6、n-3))およびDPA(ドコサペンタエン酸(C22:5、n-6)を含む植物油であって、DPAn-6のDHAに対する比が1:1であるか1:1を上回る、請求項64〜76のいずれか一項記載の植物または植物細胞から得られた、植物油。
【請求項81】
請求項64〜76のいずれか一項記載の植物から得られた種子。
【請求項82】
以下からなる群より選択される少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む、請求項77、79または80のいずれか一項記載の油:EPA(C20:5、n-3)、DHA(C22:6、n-3)、DPA(C22:5、n-6またはn-3)、ARA(C20:4、n-6)、GLA(C18:3、n-6)および/またはSDA(C18:4、n-3))。
【請求項83】
以下からなる群より選択される少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む、請求項77、79または80のいずれか一項記載の油:EPA(C20:5、n-3)、DHA(C22:6、n-3)、DPA(C22:5、n-6またはn-3)またはDTA(C22:4、n-6)。
【請求項84】
以下からなる群より選択される少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む、請求項77、79または80のいずれか一項記載の油:EPA(C20:5、n-3)、DHA(C22:6、n-3)および/またはDPA(C22:5、n-6またはn-3)。
【請求項85】
請求項77、79もしくは80のいずれか一項記載の油、または請求項81記載の種子を含む、食品。
【請求項86】
請求項77、79または80のいずれか一項記載の油を含む医薬生成物。
【請求項87】
請求項81記載の種子から油を回収する段階を含む、少なくとも1つのPUFAを含む油を生産するための方法。
【請求項88】
請求項21〜76のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物から油を回収する段階を含む、少なくとも1つのPUFAを含む油を生産するための方法。
【請求項89】
請求項21〜76のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物を成育させる段階を含む、少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を生産するための方法。
【請求項90】
請求項21〜76のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物からPUFAを入手または回収する段階を含む、少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(PUFA)を生産するための方法。
【請求項91】
少なくとも1つのPUFAを含む栄養補助食品または治療用生成物を個体に対して提供するための方法であって、個体に対して、請求項21〜76のいずれか一項記載の遺伝的に改変された生物もしくはその部分、請求項81記載の種子、請求項77、79もしくは80記載の油、請求項85記載の食品、または請求項86記載の医薬生成物を提供する段階を含む方法。
【請求項92】
PUFAを発現させるために生物を形質転換するための方法であって、PUFAシンターゼをコードする核酸分子、ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)をコードする核酸分子、および請求項1〜8のいずれか一項記載の少なくとも1つの核酸分子によって生物を形質転換する段階を含む方法。
【請求項93】
生物が、該生物によって発現される脂肪酸シンターゼ(FAS)を欠失または不活性化させるための遺伝的改変を含む、請求項92記載の方法。
【請求項94】
生物が、該生物における、マロニルCoAをめぐるPUFAシンターゼとの競合を減少させるため、またはマロニルCoAのレベルを上昇させるための遺伝的改変を含む、請求項92記載の方法。
【請求項95】
生物が植物である、請求項92記載の方法。
【請求項96】
生物が微生物である、請求項92記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2009−529890(P2009−529890A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500611(P2009−500611)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/064104
【国際公開番号】WO2007/106903
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508004410)マーテック バイオサイエンシーズ コーポレーション (26)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/064104
【国際公開番号】WO2007/106903
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508004410)マーテック バイオサイエンシーズ コーポレーション (26)
【Fターム(参考)】
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