説明

SOFCスタック用の薄く細粒で完全高密度のガラス−セラミックスシール

固体酸化物セラミックは、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、チタン酸ランタンストロンチウム(LST)、マンガン酸ランタンストロンチウム(LSM)および酸化ニッケル−YSZ複合材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、1つの表面を画定する基板を含む。固体酸化物セラミックはさらに、表面の少なくとも一部分をコーティングし、サンボルナイト(BaO・2SiO)結晶相、ヘキサセルシアン(BaO・Al・2SiO)結晶相および残留ガラス相を含み、前記表面において基板の熱膨張係数以下の熱膨張係数を有するシールを含む。ガラス組成物のガラス結晶化温度とガラス転移温度の差は、約20℃/分の加熱速度で約200℃〜約400℃の範囲内であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2009年12月31日出願の米国仮特許出願第61/335,155号明細書の利益を主張する。上記出願の教示は全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、化学反応により電気を発生させるデバイスである。典型的には、燃料電池内ではOなどの酸素ガスがカソードにおいて酸素イオン(O2−)へと還元され、Hなどの燃料ガスが酸素イオンで酸化されて、アノードにおいて水を形成する。さまざまなタイプの燃料電池のうち、固体酸化物燃料電池(SOFCs)は、例えばアノード、カソード、電解質およびインターコネクトなどの燃料電池の構成要素を形成するために金属酸化物(例えば酸化カルシウムまたは酸化ジルコニウム)の硬質セラミック化合物を使用する。燃料電池は一般にスタックとして設計されており、これにより、各々カソード、アノードおよびカソードとアノードの間の固体電解質を含むサブアセンブリが、1つのサブアセンブリのカソードと別のサブアセンブリのアノードの間に電気的インターコネクトを位置づけることによって直列に組立てられる。
【0003】
一般に、燃料ガスは、漏れ止めシールを用いて酸素ガス流から分離されている。一般に、SOFC内で、酸素ガスから燃料ガスを分離する漏れ止めシールは、正常な動作中、高温(例えば600〜800℃)に曝露される。典型的にはガラスまたはガラス−セラミック材料がこのような漏れ止めシールのために使用されてきた。このようなシールに対する要件としては、密閉性、完全高密度、機械的強度がある。これらの要件は典型的に、比較的厚い(約0.5mm〜約2mm)シールを利用することによって達成される。しかしながら、一部のSOFCスタック設計においては、スタックに対しシールが誘発する応力を削減するために、シール厚みを可能なかぎり薄く保つことが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
平面固体酸化物燃料電池(SOFC)スタック内で高い電力密度を達成するためには、信頼性の高い封止技術が必要とされる。平面SOFCにおいて、シーラントは、電池の他の全ての構成要素と接触状態にあり、したがって、気密性、熱膨張係数(CTE)の整合、および高温(800〜1000℃)での酸化雰囲気内と湿潤還元雰囲気内の両方における熱安定性などの厳しい要件に付される。ガラスの結晶化(すなわち結晶の性質、形状および体積分率)を制御することにより材料のCTEを電池構成要素、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、チタン酸ランタンストロンチウム(LST)、マンガン酸ランタンストロンチウム(LSM)および酸化ニッケル−YSZ複合材料のCTEと整合するように調整できることから、ガラス−セラミックスは最も有望なシーラントの1つである。その上、ガラス−セラミックスは、機械的堅牢性、電池動作温度での長期安定性、電気絶縁挙動、電池構成要素の優れた濡れ性そして、ペースト内に分散したガラス−フリット粉末としてまたは後に焼結および結晶化の熱処理に付されるテープキャストシートとしての封止すべき表面に対する容易な貼付性を示す。しかしながら、親ガラスは電池構成要素を濡らし効率良く焼結して多孔性を全く残さないよう充分な流動性を有していなくてはならないものの、材料は流出しないように充分な粘度を有する必要があることから、この封止プロセスは材料に追加の制約条件を加える。したがって、理想的なガラスは、粘度が焼結のために最適(約10Pa・s〜10Pa・s)である温度よりわずかに高い温度で結晶化しなければならない。ガラスのレオロジーを制御するための1つの典型的アプローチは、Bの添加によるものであったが、このような添加は、電池動作温度でのシールの長期安定性にとって不利となる可能性がある。
【0005】
したがって、上述の問題を克服するか最小限におさえる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は一般に、固体酸化物燃料電池スタックのためのガラス−セラミックシールに関する。
【0007】
一実施形態において、本発明はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、チタン酸ランタンストロンチウム(LST)、マンガン酸ランタンストロンチウム(LSM)および酸化ニッケル−YSZ複合材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、1つの表面を画定する基板を含む固体酸化物セラミックに関する。固体酸化物セラミックはさらに、表面の少なくとも一部分をコーティングし、サンボルナイト(BaO・2SiO)結晶相、ヘキサセルシアン(BaO・Al・2SiO)結晶相および残留ガラス相を含み、前記表面において基板の熱膨張係数以下の熱膨張係数を有するシールを含む。ガラス組成物のガラス結晶化温度とガラス転移温度の差は、約20℃/分の加熱速度で約200℃〜約400℃の範囲内であり得る。SiO:BaOのモル比は約1:1〜約4:1であり得る。存在するAlの量は典型的には約3.5モル%〜約12モル%の範囲内で存在する。一部の実施形態において、SiO:BaOのモル比は約2:1である。シールは、室温で約1μm〜約500μmの範囲内の厚みを有し得る。一部の実施形態において、シールは、室温で約10μm〜約250μmの範囲内の厚みを有し得る。他の実施形態において、シールは、室温で約20μm〜約100μmの範囲内の厚みを有し得る。ガラス組成物は、約200nm〜約50μmの範囲内の平均粒径(d50)を有する結晶を含み得る。一部の実施形態において、結晶の平均粒径(d50)は、約200nm〜約5μmの範囲であり得る。一部の実施形態において、結晶の平均粒径(d50)は、約500nm〜約2μmの範囲内であり得る。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、固体酸化物セラミック表面の少なくとも一部分を封止する方法に関する。この方法は、加熱時点でサンボルナイト(BaO・2SiO)結晶相、ヘキサセルシアン(BaO・Al・2SiO)結晶相および残留ガラス相を形成するガラス組成物を形成するステップと;ガラス組成物を微粉砕して、約500nm〜約100μmの範囲内の平均粒径(d50)を有するガラス粉末を生成するステップと;ガラス粉末を結合剤および液体と混合してスラリーを形成するステップとを含む。この方法はさらに、約300℃〜約500℃の範囲内の温度まで約1時間〜約24時間の範囲内の時間、コーティングされた固体酸化物セラミック部分を加熱することによりコーティングされた固体酸化物セラミック部分を焼結させる前に結合剤を除去するステップをさらに含むことができる。ガラス粉末の平均粒径(d50)は、約500nm〜約50μmの範囲内であり得る。一部の実施形態において、ガラス粉末の平均粒径(d50)は、約500nm〜約5μmの範囲内である。他の実施形態において、ガラス粉末の平均粒径(d50)は、約500nm〜約2μmの範囲内である。この方法はさらに、固体酸化物セラミックの表面の少なくとも一部分をスラリーでコーティングするステップであって、表面が基板により画定され、基板が、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、チタン酸ランタンストロンチウム(LST)、マンガン酸ランタンストロンチウム(LSM)および酸化ニッケル−YSZ複合材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含むステップと、コーティングされた固体酸化物セラミック部分のコーティングを焼結させるステップと、固体酸化物セラミック部分のコーティングを加熱して、約200nm〜約50μmの範囲内の平均粒径(d50)を有する結晶を形成し、こうして封止された固体酸化物セラミック部分を形成するステップであって、シールが前記表面における基板の熱膨張係数以下の熱膨張係数を有するステップとを含む。固体酸化物セラミック部分のコーティングを焼結させ加熱して結晶を形成するステップは、3MPa未満の圧力で実施され得る。加熱後の固体酸化物セラミック部分のコーティングは、室温で約1μm〜約500μmの範囲内の厚みを有することができる。一部の実施形態において、加熱後の固体酸化物セラミック部分のコーティングは、室温で約10μm〜約250μmの範囲内の厚みを有し得る。他の実施形態において、加熱後の固体酸化物セラミック部分のコーティングは、室温で約20μm〜約100μmの範囲内の厚みを有する。コーティングされた固体酸化物セラミック部分は、約半時間〜約8時間の範囲内の時間、約750℃〜約950℃の範囲内の温度で焼結され得る。一部の実施形態において、コーティングされた固体酸化物セラミック部分は、約1時間〜約3時間の範囲内の時間、約800℃〜約900℃の範囲内の温度で焼結され得る。コーティングされた固体酸化物セラミック部分を、約半時間〜約8時間の範囲内の時間、約850℃〜約1100℃の範囲内の温度で加熱して結晶を形成することができる。一部の実施形態において、コーティングされた固体酸化物セラミック部分を、約2時間〜約4時間の範囲内の時間、約925℃〜約1025℃の範囲内の温度で加熱して結晶を形成することができる。さらに別の実施形態において、本発明は、上述の方法により製造される固体酸化物セラミックに関する。
【0009】
本発明は、SOFCスタック用に比較的薄く完全高密度の密閉シールを可能にすることならびにシール材料内にホウ素が全く存在せず、したがって燃料電池の寿命全体にわたりシール材料の揮発性および泡立ちが削減されることを含め、多くの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のガラス−セラミック組成物の領域を示すBaO、Al、SiO(BAS)系の三元組成図である。
【図2】20℃/分で記録された試料A−EのDSC曲線のグラフである。
【図3】ガラス転移、開始およびピーク結晶化温度(左軸)、および過冷却液体領域温度(右軸)を示す試料A−EについてのAl含有量の一関数としての温度のグラフである。
【図4】1000℃で2時間の等温処理(5℃/分の加熱および冷却勾配)後の試料A−Eについての温度の一関数としての膨張曲線のグラフ、および、11.7・10−6−1のCTEでの理想的膨張目標曲線である。
【図5】指示された温度で2時間焼鈍されたガラスセラミック試料A−Eの膨張曲線から30℃〜850℃で計算された、試料A−EについてのAl含有量の一関数としてのCTEのグラフである。800℃で調製された試料C−Eについて、CTEは25℃〜300℃で計算された。
【図6】約50ミクロンのシール厚みで、シールが試料Cのガラス−セラミック組成を有する、スタック−シール界面のSEM画像の写真である。
【図7】シールが試料Bのガラス−セラミック組成を有し、約2ミクロンという結晶の平均粒径(d50)を示す、シール材料微細構造のSEM画像の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以上のことは、添付図面に示されている本発明の例示的実施形態についての以下のより詳細な説明から明らかである。図面は必ずしも原寸に比例しておらず、その代りに、本発明の実施形態を示すことが重要視されている。
【0012】
BaO、AlおよびSiO(BAS)の混合物に基づくガラス−セラミック材料、特に、以下それぞれBSおよびBASと呼ばれる、サンボルナイト(BaO・2SiO)結晶相とヘキサセルシアン(BaO・Al・2SiO)結晶相を結び合わせるAlkemadeライン上に存在する、図1に示されたガラス組成物から得られたものが、その高いCTEおよび電池動作温度におけるその熱安定性に起因して、SOFC封止利用分野のための有望な材料である。BSのCTEおよびBASの高温形態が、それぞれ13.5・10−6−1および8.0・10−6−1であることを考えると、電池の平均CTE(約11.7・10−6−1)にほぼ整合する2つの結晶相(および残留ガラス相)のガラス−セラミック混合物を得ることができる。
【0013】
一実施形態において、本発明は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、チタン酸ランタンストロンチウム(LST)、マンガン酸ランタンストロンチウム(LSM)および酸化ニッケル−YSZ複合材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、1つの表面を画定する基板を含む固体酸化物セラミックに関する。これらの材料のCTEは表1に列挙されている。
【0014】
【表1】

【0015】
固体酸化物セラミックはさらに、表面の少なくとも一部分をコーティングし、サンボルナイト(BaO・2SiO)結晶相(BS)、ヘキサセルシアン(BaO・Al・2SiO)結晶相(BAS)および残留ガラス相を含み、前記表面において基板の熱膨張係数以下の熱膨張係数を有するシールを含んでいる。BASは、BAS系内の主要三元化合物であるが、それは単斜晶系、六方晶系および斜方晶系多形(以下それぞれm−BAS、h−BASおよびo−BASと呼ぶ)を提示する。熱膨張が少ないm−BAS(CTE=2.3・10−6−1)は、最高1590℃まで安定しており、この温度を超えると、h−BAS(CTE=8.0・10−6−1)へと変態し、これはその融点(1760℃)まで安定している。しかしながら、m−BASからh−BASへの変態が緩慢であることに起因して、h−BASは、全温度範囲にわたって準安定的に存続する傾向が強い。さらに、室温から約300℃まで加熱した時点で、h−BASからo−BASへの可逆的変態が発生し、これには約3%の体積膨張が付随し、これは封止の利用分野にとって問題を呈し得る応力の源である。したがって、ガラス−セラミック封止材料内に存在するh−BASの量を減少させるために、BS結晶相および残留ガラス相との混合物を得ることができる。図1に示されたBAS平衡相図によると、ガラス−セラミックの結晶化は、それぞれ、約12.4・10−6−1および約10.3・10−6−1のCTEを有する約42体積%〜約80体積%のBSおよび約20体積%〜約58体積%のBASで構成された結晶化画分を示すガラス−セラミックスを生み出すはずである。SiO:BaOのモル比は典型的には、約1:1〜約4:1である。存在するAlの量は、約3.5モル%〜約12モル%の範囲内である。好ましい実施形態において、SiO:BaOのモル比は約2:1である。本発明のガラス−セラミック組成物を表わす三元図の領域は、図1に示されている。
【0016】
ガラス組成物は典型的に、SOFCシール利用分野に適したものであるように優れた焼結可能性を示す必要がある。ガラス−セラミック材料については、通常、ガラス転移温度(T)超の温度でのガラス成形体の加熱中に焼結プロセスと結晶化プロセスの間の競合が存在する。所与の加熱速度での所与のガラス粉末についての焼結および結晶化開始温度間の差異が大きくなればなるほど、結晶化前にそれを焼結するのが容易になる。示差走査熱量測定法(DSC)は、ガラス粉末試料の加熱中のこれらの熱事象の発生を識別するために広く使用されている技術である。ガラス粉末試料について実行されるDSCにおいて識別される主要な熱事象は、T、ガラス結晶化開始温度(T)および液相線温度(T)である。ガラス粉末の焼結はガラス転移温度(T)よりもわずかに高い温度で開始し、結晶化開始温度であるTにおいて著しく減速する。したがってΔ△(T−T)として表わされた基準は、所与の加熱速度での所与の組成のガラス粉末成形体の易焼結性の優れた指標である。本発明のガラス組成は、約20℃/分の加熱速度で、約200℃〜約400℃の範囲内、好ましくは約225℃超、そしてより好ましくは約245℃超という、ガラス結晶化温度(T)とガラス転移温度(T)間の差を有することができる。
【0017】
ガラスは、以上でモル%単位で説明した適切な量の予備焼成済みのアルミナ(Al)、炭酸バリウム(BaCO)およびシリカ(SiO)を含む粉末混合物を溶融させることにより調製可能である。溶融段階は、約1500℃〜約1600℃の範囲内の温度でジュール加熱された白金るつぼ内で実施可能である。溶融液は、水焼き入れの前に約1時間〜約3時間の時間精製させることができ、結果としてガラスフリットが得られる。ガラスフリットは第1に、アルミナ粉砕機を用いることによってより小さい粒径の粒子に破砕され得る。結果として得られたガラス粉末は、遊星ボールミルで粉砕し篩掛けして、約500nm〜約100μm、好ましくは約1μmの範囲内の平均粒径を有するガラス粉末を生成することができる。結果として得られた粉末の粒径分布(PSD)および比表面積(SSA)は、それぞれHoriba(Horiba Instruments,Inc.,Irvine,CA)LA920 laser scattering PSD分析装置およびMicromeritics(Micromeritics Instrument Corp.,Norcross,GA)Tri−Star ASAP 2000 SSA分析装置を用いて決定できる。
【0018】
ガラス粉末をポリマー結合剤および有機溶媒と混合して、ガラス粒子のスラリーを生成することができる。このスラリーを次に、例えば空気噴射、プラズマ溶射およびスクリーン印刷などのさまざまな技術により、固体酸化物セラミック部分の上に薄層として被着させることができる。好ましい技術は空気噴射である。アセンブリの焼成により、結果としてガラス層の焼結および結晶化がもたらされ、これにより固体酸化物セラミック部分の上に薄く完全高密度で高度に結晶化されたシール層が提供される。シールの焼成サイクルは、入念に制御され、通常2段階で実施されるが、1段階プロセスでもあり得る。2段階とは、第1にコーティング済みの固体酸化物セラミック部分を焼結させること、そして第2に固体酸化物セラミック部分のコーティングを加熱して、約200nm〜約50μmの範囲内の平均粒径(d50)を有する結晶を形成し、こうして封止された固体酸化物セラミック部分を形成することであり、ここでこのシールは、固体酸化物セラミック部分のもの以下の熱膨張係数を有している。固体酸化物セラミック部分のコーティングを焼結し加熱して結晶を形成するステップは、3MPa未満の圧力で行なうことができる。実際、本発明のシールの利点は、以上で説明したガラス−セラミック組成物を使用することにより、圧力を加えることなく完全高密度のシールを得ることができるという点にあり、このことは特に、例えばスタックに隣接するセラミック層を封止するために有用である。加熱後の固体酸化物セラミック部分のコーティングは、室温で約1μm〜約500μmの範囲内の厚みを有することができる。一部の実施形態において、加熱後の固体酸化物セラミック部分のコーティングは、室温で約10μm〜約250μmの範囲内の厚みを有することができる。他の実施形態において、加熱後の固体酸化物セラミック部分のコーティングは、室温で約20μm〜約100μmの範囲内の厚みを有することができる。さらにシール厚みは、それぞれコーティング−乾燥−コーティング−乾燥−焼成またはコーティング−乾燥−焼成−コーティング−乾燥−焼成アプローチを用いてシールの厚みを構築することにより具体的目的に適合するように制御可能である。ガラススラリー被膜を乾燥させ、所望の厚みを達成するために乾燥済みガラス粉末上に反復的に連続した被膜を被着させることができる。各々の連続する被膜について、別の被膜を塗布する前に先の被膜を乾燥させることが好ましく、その後多重被膜シールを単一の熱処理において一緒に焼成することができる。あるいは、すでに焼成したシール層の上にシール材料の追加層を被着させ、所望のシール厚みを達成するようにプロセスを多数回反複することもできる。
【0019】
この方法はさらに、約300℃〜約500℃の範囲内の温度まで約1時間〜約24時間の範囲内の時間、コーティングされた固体酸化物セラミック部分を加熱することにより、コーティングされた固体酸化物セラミック部分を焼結させる前に結合剤を除去するステップをさらに含むことができる。
【0020】
この方法は次に、コーティングされた固体酸化物セラミック部分のコーティングを、約半時間〜約8時間の範囲内の時間、約750℃〜約950℃の範囲内の温度で、好ましくは約1時間〜約3時間の範囲内の時間、約800℃〜約900℃の範囲内の温度で焼結させるステップが含まれる。
【0021】
固体酸化物セラミック部分のコーティングを、約半時間〜約8時間の範囲内の時間、約850℃〜約1100℃の範囲内の温度で、好ましくは、約2時間〜約4時間の範囲内の時間、約925℃〜約1025℃の範囲内の温度で加熱して結晶を形成することができる。結晶の平均粒径(d50)は、約200nm〜約50μmの範囲内、好ましくは約200nm〜約5μmの範囲内、より好ましくは、約500nm〜約2μmの範囲内であり得る。結晶のサイズが小さくなればなるほど、結果として得られるシールの機械的特性は良くなる。結晶サイズは、Δ(T−T)の値を決定する出発時のガラス組成、および出発ガラス粉末の粒径によって決定される。図1に示された本発明の組成物は、約20℃/分の加熱速度で約170℃超、好ましくは約200℃超、より好ましくは約225℃超、そして最も好ましくは約245℃超のΔ(T−T)値を有する。上述の通り、出発ガラス粉末の平均粒径(d50)は、約500nm〜約100μm、好ましくは約1μmの範囲内であり得る。
【実施例】
【0022】
下表2中に示した量の構成要素を含む粉末混合物を溶融させることにより、ガラスを調製した。約1510℃(試料A)、約1550℃(試料BとC)および約1600℃(試料DとE)でジュール加熱された白金るつぼ上で溶融を行ない、水焼き入れする前に約1時間〜約3時間の範囲内の時間、精製させた。表2に示されている結果として得られるガラスフリットの化学組成は、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)によって得られたものである。試料A−Eの目標SiO/BaO比は2.0であり、表2に示されているように、目標Al含有量からの最大偏差はわずか0.4モル%であった。化学的分析は、ガラスが、炭酸バリウム原料と共に取込まれたSrOの不純物を0.13モル%〜0.15モル%を含んでいることも示した。
【0023】
【表2】

【0024】
上述の粉末調製手順にしたがって、ガラスフリットを微粉砕した。Pt−Rhるつぼ内で約20℃/分の加熱速度でNetzsch(Netzsch GmbH、Selb、Germany)DSC404C装置を用いて室温から1350℃で示差走査熱量測定(DSC)を実施し、各々の試料測定の前にはベースライン取得とサファイヤ較正ランを行なった。ガラスフリットの焼結挙動を、アルゴン雰囲気および5gの負荷適用の下で、5℃/分で室温から1100℃までの加熱について、Setaram(SETARAM,Inc.,Newark,CA)SETSYS熱機械的分析装置(TMA)を用いて検討した。測定値に対してベースライン補正を適用した。1400kgの負荷の下で7×1×0.8cmの鋼製ダイを用いて、ガラス粉末試料を常温圧縮成形して棒材を形成し、これをその後、800、850、900、950、1000、1050および1100℃(5℃/分の加熱および冷却速度)での2時間恒温から成る異なる熱処理に付した。
【0025】
これらの熱処理の結果として得られたガラス−セラミックスの熱膨張を、シリカ試料ホルダーとシリカ押し棒を備え、Linseisにより提供されたアルミナ二次標準器で較正されたLinseis(Linseis,Inc.,Princeton Junction,NJ)75HD膨張計を用いて約20mmの供試体内で5℃/分で室温から1000℃まで測定した。
【0026】
DSCによる熱分析から、ガラス転移温度(T)、ガラス結晶化反応の開始とピーク温度(それぞれTおよびTp)および結晶相の溶融または系内で発生している何らかの吸熱プロセスの温度(下表3でTepと呼ばれているピーク温度)を決定することが可能となる。図2は、20℃/分で記録した試料A−EガラスについてのDSCトレースを示している。ガラス転移、ガラス結晶化および吸熱プロセスが発生する温度範囲は、図2に示されている。試料A−Eについてのこれらの点の温度値は、過冷却液体領域Δ(T−T)と合わせて下表3に列挙されている。
【0027】
【表3】

【0028】
表3に示されているように、ガラスのアルミナ含有量が大きくなればなるほど、Tは高くなる。これとは対照的に、図3に示されているように、アルミナ含有量の増大に伴う失透温度に関する明白な傾向は全く存在しないが、一方では試料A−Bについて、そして他方では試料C−Eについての2つのタイプの結晶化挙動が存在する(図2〜3参照)。この異なる失透挙動は、試料A−Bと試料D−Eがそれぞれ置かれているサンボルナイトおよびセルシアンフィールド(field)を分離するサンボルナイト−セルシアン−トリディマイト共晶融点を導く境界曲線に近いところに試料Cがあるという事実に関連している。
【0029】
熱膨張測定は、800、850、900、950、1000、1050および1100℃(5℃/分の加熱および冷却速度)での2時間恒温の後、試料A−Eガラスから得たガラス−セラミックスについて実施した。1000℃で調製したガラス−セラミックスの結果は図4に示されており、ここには、膨張測定値に反映されているように、2つのガラス−セラミック系ファミリー(それぞれ試料A−Bおよび試料C−E)を識別することができる。図4に示されているように、サンボルナイトフィールド組成物から得たガラスセラミックス(試料A−B)は、相のCTE差(それぞれ13.5・10−6−1および8.0・10−6−1)に起因して、セルシアンフィールドガラスセラミックス(試料C−E)よりも高い熱膨張を有する。図4は同様に、11.75・10−6−1のCTEでの目標膨張曲線も示しており、サンボルナイトフィールド組成物から得ることのできるガラス−セラミクスの熱膨張が比較的目標CTEに近いことを強調している。
【0030】
図5は、800℃と1100℃の間の2時間恒温により調製された異なるガラス−セラミクスについての、30℃〜850℃で計算されたCTEを示す。800℃で調製された試料C−Eについては、これらの試料についての残留ガラスの軟化が約800℃であることを理由として、CTEを25℃〜300℃で計算した。
【0031】
図2〜5で示したDSCとCTEの測定値から、試料Cは約20℃/分の加熱速度で249℃の最大Δ(T−T)を有し、したがって優れた焼結特性を有する確率が高く、試料Bは目標CTEとほぼ整合するCTEと約20℃/分の同じ加熱速度で201℃という適正に高いΔ(T−T)を有することを理由として、試料B−Cが、封止の利用分野のために最も望ましいガラス系であると思われた。図6は、約50ミクロンのシール厚みで、シールが試料Cのガラス−セラミック組成を有する、スタック−シール界面を示す。図7は、シールが試料Bのガラス−セラミック組成を有し、約2ミクロンという平均結晶サイズを示すシール材料微細構造を示している。
【0032】
参照による援用
以上で識別された全ての参考文献の教示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0033】
等価物
本発明はその例示的実施形態を基準にして詳細に示され記述されてきたが、当業者であれば添付のクレームにより包含されている本発明の範囲から逸脱することなく形態および詳細にさまざまな変更を加えてよいということを理解するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体酸化物セラミックにおいて、
a)イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、チタン酸ランタンストロンチウム(LST)、マンガン酸ランタンストロンチウム(LSM)および酸化ニッケル−YSZ複合材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、1つの表面を画定する基板と;
b)前記表面の少なくとも一部分をコーティングし、サンボルナイト(BaO・2SiO)結晶相、ヘキサセルシアン(BaO・Al・2SiO)結晶相および残留ガラス相を含み、前記表面において前記基板の熱膨張係数以下の熱膨張係数を有するシールと;
を含む固体酸化物セラミック。
【請求項2】
前記ガラス組成物のガラス結晶化温度とガラス転移温度の差が、約20℃/分の加熱速度で約200℃〜約400℃の範囲内である、請求項1に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項3】
前記ガラス組成物が、約200nm〜約50μmの範囲内の平均粒径(d50)を有する結晶を含む、請求項2に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項4】
SiO:BaOの前記モル比が約1:1〜約4:1である、請求項3に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項5】
存在するAlの前記量が約3.5モル%〜約12モル%の範囲内であり、SiO:BaOの前記モル比が約1:1〜約4:1の範囲内である、請求項4に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項6】
SiO:BaOの前記モル比が約2:1である、請求項5に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項7】
前記シールが、室温で約1μm〜約500μmの範囲内の厚みを有する、請求項1に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項8】
前記シールが、室温で約10μm〜約250μmの範囲内の厚みを有する、請求項7に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項9】
前記シールが、室温で約20μm〜約100μmの範囲内の厚みを有する、請求項8に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項10】
前記結晶の前記平均粒径(d50)が約200nm〜約5μmの範囲内である、請求項3に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項11】
前記結晶の前記平均粒径(d50)が約500nm〜約2μmの範囲内である、請求項10に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項12】
固体酸化物セラミックの表面の少なくとも一部分を封止する方法において、
a)加熱時点でサンボルナイト(BaO・2SiO)結晶相、ヘキサセルシアン(BaO・Al・2SiO)結晶相および残留ガラス相を形成するガラス組成物を形成するステップと;
b)前記ガラス組成物を微粉砕して、約500nm〜約100μmの範囲内の平均粒径(d50)を有するガラス粉末を生成するステップと;
c)前記ガラス粉末を結合剤および液体と混合してスラリーを形成するステップと;
d)前記固体酸化物セラミックの表面の少なくとも一部分を前記スラリーでコーティングするステップであって、前記表面が基板により画定され、前記基板が、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、チタン酸ランタンストロンチウム(LST)、マンガン酸ランタンストロンチウム(LSM)および酸化ニッケル−YSZ複合材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、ステップと;
e)前記コーティングされた固体酸化物セラミック部分のコーティングを焼結させるステップと;
f)前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングを加熱して、約200nm〜約50μmの範囲内の平均粒径(d50)を有する結晶を形成し、こうして前記封止された固体酸化物セラミック部分を形成するステップであって、前記シールが前記表面における前記基板の熱膨張係数以下の熱膨張係数を有するステップと;
を含む方法。
【請求項13】
前記ガラス組成物のガラス結晶化温度とガラス転移温度の差が、約20℃/分の加熱速度で約200℃〜約400℃の範囲内である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記コーティングされた固体酸化物セラミック部分を焼結させるステップが、約3MPa未満の圧力で実施される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングを加熱して結晶を形成するステップが、約3MPa未満の圧力で実施される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
加熱後の前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングが、室温で約1μm〜約500μmの範囲内の厚みを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
加熱後の前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングが、室温で約10μm〜約250μmの範囲内の厚みを有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
加熱後の前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングが、室温で約20μm〜約100μmの範囲内の厚みを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
約300℃〜約500℃の範囲内の温度まで約1時間〜約24時間の範囲内の時間、前記コーティングされた固体酸化物セラミック部分を加熱することにより、前記コーティングされた固体酸化物セラミック部分を焼結させる前に前記結合剤を除去するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
SiO:BaOの前記モル比が約1:1〜約4:1である、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
存在するAlの前記量が約3.5モル%〜約12モル%の範囲内であり、SiO:BaOの前記モル比が約1:1〜約4:1の範囲内である、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
SiO:BaOの前記モル比が約2:1である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ガラス粉末の前記平均粒径(d50)が、約500nm〜約50μmの範囲内である、請求項12に記載の方法。
【請求項24】
前記ガラス粉末の前記平均粒径(d50)が、約500nm〜約5μmの範囲内である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ガラス粉末の前記平均粒径(d50)が、約500nm〜約2μmの範囲内である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記コーティングされた固体酸化物セラミック部分が、約半時間〜約8時間の範囲内の時間、約750℃〜約950℃の範囲内の温度で焼結される、請求項12に記載の方法。
【請求項27】
前記コーティングされた固体酸化物セラミック部分が、約1時間〜約3時間の範囲内の時間、約800℃〜約900℃の範囲内の温度で焼結される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングを加熱して結晶を形成するステップが、約半時間〜約8時間の範囲内の時間、約850℃〜約1100℃の範囲内の温度で実施される、請求項12に記載の方法。
【請求項29】
前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングを加熱して結晶を形成するステップが、約2時間〜約4時間の範囲内の時間、約925℃〜約1025℃の範囲内の温度で実施される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記コーティングの前記結晶の前記平均粒径(d50)が約200nm〜約5μmの範囲である、請求項12に記載の方法。
【請求項31】
前記コーティングの前記結晶の前記平均粒径(d50)が約500nm〜約2μmの範囲内である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
a)加熱時点でサンボルナイト(BaO・2SiO)結晶相、ヘキサセルシアン(BaO・Al・2SiO)結晶相および残留ガラス相を形成するガラス組成物を形成するステップと;
b)前記ガラス組成物を微粉砕して、約500nm〜約100μmの範囲内の平均粒径(d50)を有するガラス粉末を生成するステップと;
c)前記ガラス粉末を結合剤および液体と混合してスラリーを形成するステップと;
d)前記固体酸化物セラミックの表面の少なくとも一部分を前記スラリーでコーティングするステップであって、前記表面が基板により画定され、前記基板が、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、チタン酸ランタンストロンチウム(LST)、マンガン酸ランタンストロンチウム(LSM)および酸化ニッケル−YSZ複合材料からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、ステップと;
e)前記コーティングされた固体酸化物セラミック部分のコーティングを焼結させるステップと;
f)前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングを加熱して、約200nm〜約50μmの範囲内の平均粒径(d50)を有する結晶を形成し、こうして前記封止された固体酸化物セラミック部分を形成するステップであって、前記シールが前記表面における前記基板の熱膨張係数以下の熱膨張係数を有するステップと;
を含む方法によって製造される固体酸化物セラミック。
【請求項33】
前記ガラス組成物のガラス結晶化温度とガラス転移温度の差が、約20℃/分の加熱速度で約200℃〜約400℃の範囲内である、請求項32に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項34】
前記コーティングされた固体酸化物セラミック部分を焼結させるステップが、3MPa未満の圧力で実施される、請求項32に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項35】
前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングを加熱して結晶を形成するステップが、約3MPa未満の圧力で実施される、請求項32に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項36】
加熱後の前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングが、室温で約1μm〜約500μmの範囲内の厚みを有する、請求項32に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項37】
加熱後の前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングが、室温で約10μm〜約250μmの範囲内の厚みを有する、請求項36に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項38】
加熱後の前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングが、室温で約20μm〜約100μmの範囲内の厚みを有する、請求項37に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項39】
約300℃〜約500℃の範囲内の温度まで約1時間〜約24時間の範囲内の時間、前記コーティングされた固体酸化物セラミック部分を加熱することにより、前記コーティングされた固体酸化物セラミック部分を焼結させる前に前記結合剤を除去するステップをさらに含む、請求項32に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項40】
SiO:BaOの前記モル比が約1:1〜約4:1である、請求項32に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項41】
存在するAlの前記量が約3.5モル%〜約12モル%の範囲内であり、SiO:BaOの前記モル比が約1:1〜約4:1の範囲内である、請求項32に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項42】
SiO:BaOの前記モル比が約2:1である、請求項41に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項43】
前記ガラス粉末の前記平均粒径(d50)が、約500nm〜約50μmの範囲内である、請求項32に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項44】
前記ガラス粉末の前記平均粒径(d50)が、約500nm〜約5μmの範囲内である、請求項43に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項45】
前記ガラス粉末の前記平均粒径(d50)が、約500nm〜約2μmの範囲内である、請求項44に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項46】
前記コーティングされた固体酸化物セラミック部分が、約半時間〜約8時間の範囲内の時間、約750℃〜約950℃の範囲内の温度で焼結される、請求項32に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項47】
前記コーティングされた固体酸化物セラミック部分が、約1時間〜約3時間の範囲内の時間、約800℃〜約900℃の範囲内の温度で焼結される、請求項46に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項48】
前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングを加熱して結晶を形成するステップが、約半時間〜約8時間の範囲内の時間、約850℃〜約1100℃の範囲内の温度で実施される、請求項32に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項49】
前記固体酸化物セラミック部分の前記コーティングを加熱して結晶を形成するステップが、約2時間〜約4時間の範囲内の時間、約925℃〜約1025℃の範囲内の温度で実施される、請求項48に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項50】
前記コーティングの前記結晶の前記平均粒径(d50)が約200nm〜約5μmの範囲である、請求項32に記載の固体酸化物セラミック。
【請求項51】
前記コーティングの前記結晶の前記平均粒径(d50)が約500nm〜約2μmの範囲内である、請求項50に記載の固体酸化物セラミック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−516378(P2013−516378A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547079(P2012−547079)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/056859
【国際公開番号】WO2011/081736
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(593150863)サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド (139)
【Fターム(参考)】