説明

TOLL様受容体(TLR7)モジュレーターとしての9−置換−8−オキソ−アデニン化合物

本発明は、式


〔式中、n、R、R、A、X、Y、Z、XおよびYは明細書において定義の通り。〕
の化合物およびその薬学的に許容される塩、ならびにその製造方法、それを含む医薬組成物およびtoll様受容体(TLR7)モジュレーターとしてのその使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アデニン誘導体、その製造、それを含む医薬組成物および治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫系は、先天性および後天性免疫から成り、その両方が協調して働き、宿主を微生物感染から保護する。先天性免疫は、免疫細胞の細胞表面上に発現するトール様受容体(TLR)を介した保存された病原関連分子パターンを認識できることが示されている。侵襲病原体の認識が、続いて貪食細胞上のサイトカイン産生(インターフェロンアルファ(IFNα)を含む)および共刺激分子の上方制御の引き金を引き、T細胞機能の調節をもたらす。それ故、先天性免疫は後天性免疫と密接に関連し、後天性応答の発達および制御に影響を与え得る。
【0003】
TLRは、NH末端細胞外ロイシンリッチリピートドメイン(LRR)およびToll/IL−1受容体(TIR)相同ドメインと呼ばれる保存された領域を含むCOOH末端細胞内テイルにより特徴付けられるI型膜貫通型受容体のファミリーである。この細胞外ドメインは様々な数のLRRを含み、これがリガンド結合に関連すると考えられる。11個のTLRが、ヒトおよびマウスで今日まで報告されている。それらは互いにリガンド特異性、発現パターン、およびそれらが誘導できる標的遺伝子が異なる。
【0004】
TLRを介して作用するリガンド(免疫応答修飾因子(IRMS)としても既知)、例えば、性器疣贅の処置用の製品Imiquimodを含むUS特許4689338に記載のイミダゾキノリン誘導体、およびWO98/01448およびWO99/28321に記載のアデニン誘導体が開発されている。
【0005】
本特許出願は、ウイルスまたはアレルギー性疾患および癌の処置に有用な、TLR7を介して作用する免疫調節特性を有する9−置換−8−オキソアデニン化合物群を記載する。
【発明の概要】
【0006】
本発明によって、式
【化1】

〔式中、
は水素、ヒドロキシル、またはC−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリールまたはC−Cシクロアルキル基であり、各基は、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ(NH)、(モノ)−C−Cアルキルアミノおよび(ジ)−C−Cアルキルアミノから独立して選択される1個以上の置換基により置換されていてよく;
は単結合またはC−Cアルキレンであり;
は単結合、酸素または硫黄原子、スルホニル(SO)またはNRであり;
はC−CアルキレンまたはC−Cシクロアルキレン基であり、各基は所望により少なくとも1個のヒドロキシルで置換されていてよく;
はNRであり;
は単結合またはC−Cアルキレンであり;
nは整数0、1または2であり;
各R基は、独立してハロゲン、シアノ、S(O)、OR10、SONR1011、CONR1011、NR1011、NR10SO、NR10CO、NR10COR、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキルであり、後6者の基は、所望によりハロゲン、シアノ、S(O)12、OR13、SONR1314、CONR1314、NR1314、NR13SO12、NR13CO12、NR13COR12、C−Cアルキル、C−CハロアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
は水素またはC−Cアルキルであり;
はCO、SO、COR、SONRまたはCONRであり;

(i) NR、S(O)または酸素から独立して選択される1個または2個の環ヘテロ基を含む3−8員飽和ヘテロ環式環であり、本環は、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、C−CアルキルおよびC−Cアルコキシから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、または
(ii) C−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール基であり、その各々は、所望によりハロゲン、シアノ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、S(O)、OR10、CO10、SONR1011、CONR1011、NR1011、NR10SO、NR10COおよびNR10CORから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、または
(iii) C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基であり、その各々は、所望によりハロゲン、シアノ、C−Cシクロアルキル、S(O)12、OR13、COR13、CO13、SONR1314、CONR1314、NR、NR13SO12、NR13CO12、NR13COR12、C−C10アリールおよびC−C10ヘテロアリールから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、後2者の置換基は、それ自体、所望によりC−Cアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、メチルスルホニルおよびシアノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
【0007】
は水素原子またはC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル基およびヘテロ環式部分から選択される基であり、その基は、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、シアノ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、OR15、S(O)15、CO16、COR16、NR1617、CONR1617、NR16COR17、NR16CO15、SONR1617、NR16SO15、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリールおよびヘテロ環式部分から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、後3者の置換基は、それ自体、所望によりC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ハロゲン、S(O)15、CO16、COR16、ヒドロキシおよびシアノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、そして
は水素原子またはC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基であり、各基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、カルボキシ、シアノ、OR15、ヒドロキシおよびNR1819から独立して選択される1個以上の置換基により置換されていてよく、または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により窒素、S(O)および酸素から選択されるさらなる環ヘテロ基を含んでよい3−8員の飽和または部分的に飽和の環ヘテロ環式環を形成し、本ヘテロ環式環は、所望により、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、OR20、NR2122、S(O)23、COR24、CO24、NR2425、CONR2425、NR24COR25、NR24CO23、SONR2425、NR24SO23、C−C10アリール、ベンジル、C−C10ヘテロアリール、ヘテロ環式部分、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、後8者の置換基は、それ自体、所望により、ハロゲン、オキソ、シアノ、OR21、S(O)23、COR24、CO24およびNR2425から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
各R、R10、R11、R13、R14、R16、R17、R18、R19、R21、R22、R24およびR25は、独立して水素原子またはC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基であり;
各R、R12、R15およびR23は、独立して、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
20は、所望によりハロゲン、ヒドロキシルおよびOR23から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよいC−Cアルキル基であり;
m、p、q、r、t、v、w、x、yおよびzは、各々独立して、0、1または2であり;そして
AはC−C10アリールまたはC−C12ヘテロアリール基である。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0008】
本発明の化合物はTLR7アゴニストとして有効であり、さらに、医薬化合物について有利な低毒性、良好な選択性および/または良好な代謝安定性のような特性を有し得る。
【0009】
本明細書の文脈において、特記しない限り、アルキル、アルケニルまたはアルキニル置換基または置換基のアルキル、アルケニルまたはアルキニル部分は直鎖でも分枝鎖でもよい。C−Cアルキル基/部分の例は、メチル、エチル、プロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−−メチル−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルおよびn−ヘキシルを含む。C−CアルケニルおよびC−Cアルキニル基/部分の例は、エテニル、プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、1,3−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、1,4−ペンタジエニル、1−ヘキサジエニル、エチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニルおよび1−ヘキシニルを含む。同様に、アルキレン基/部分は直鎖でも分枝鎖でもよい。C−Cアルキレン基/部分の例は、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1−、2−または3−メチルプロピレンおよび1−、2−または3−エチルプロピレンを含む。C−CハロアルキルまたはC−Cハロアルコキシ置換基/部分は、少なくとも1個のハロゲン原子、例えば1個、2個、3個、4個または5個のハロゲン原子を含み、その例は、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたはペンタフルオロエチルを含む。ジ−C−Cアルキルアミノ基/部分のアルキル基は互いに同一でも異なってもよい。C−C10アリールまたはC−C12ヘテロアリール置換基/部分は、単環式または多環式(例えば二環式または三環式)であってよく、その中の2個以上の環が縮合している。ヘテロアリール置換基/部分は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子(例えば独立して、1個、2個、3個または4個の環ヘテロ原子)を含む。アリールおよびヘテロアリール基/部分の例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、フリル、チエニル、ピロリル、ピリジル、インドリル、イソインドリル、キノリル、イソキノリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリルおよびオキサゾリルを含む。
【0010】
ヘテロ環式部分は、窒素、S(O)または酸素(ここで、kは0、1または2である)から選択される少なくとも1個の環ヘテロ基を含む、飽和のまたは部分的に飽和の3−8員環として定義され、その環は、上記で定義のC−C10アリールまたはC−C12ヘテロアリール基と縮合していてよい。ヘテロ環式部分の例は、モルホリン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、3−ピロリン、イソインドリン、テトラヒドロキノリンおよびチオモルホリンを含む。疑いを避けるため、式(I)におけるヘテロアリール基およびヘテロ環式部分の定義は、不安定構造または何らかのO−O、O−SまたはS−S結合を含むことを意図せず、そして、存在するならば、置換基は適当な環原子に結合してよいことは当然である。
【0011】
式(I)中の何らかの化学部分または基が所望により置換されていてよいと記載されているとき、その部分または基は、置換されていなくても、1個以上の特定した置換基で置換されていてもよい。置換基の数および性質は、立体的に望ましくない組合せをさけるように選択するのは当然である。
【0012】
式(I)において、Rは水素、ヒドロキシル、または
−C、好ましくはC−C、アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシまたはn−ヘキソキシ)、
−Cアルコキシカルボニル(例えばエトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルまたはn−ペントキシカルボニル)、
−C、好ましくはC−C、ハロアルキル(例えばトリフルオロメチルまたはペンタフルオロエチル)、
−C、好ましくはC−C、ハロアルコキシ(例えばトリフルオロメトキシ)、
−C10、好ましくはC、アリール(例えばフェニル、インデニル、ナフチルまたはアズレニル)、
−C10、好ましくはC−C、ヘテロアリール(例えばピリジニル、ピリダジニル、ピラジル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、キノリル、イソキノリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、(1,2,3,)−および(1,2,4)−トリアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリルおよびオキサゾリル)
および
−C、好ましくはC−C、シクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)、
から選択され、この基は、ハロゲン(例えば塩素、フッ素、臭素またはヨウ素)、ヒドロキシル、C−C、好ましくはC−C、アルキル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)、C−C、好ましくはC−C、ハロアルキル(例えばトリフルオロメチルまたはペンタフルオロエチル)、C−C、好ましくはC−C、アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシまたはn−ヘキソキシ、
−C、好ましくはC−C、ハロアルコキシ(例えばトリフルオロメトキシ)、
−Cアルコキシカルボニル(例えばエトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルまたはn−ペントキシカルボニル)、
アミノ、(モノ)−C−C、好ましくはC−C、アルキルアミノ(例えばメチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノまたはn−ヘキシルアミノ)および(ジ)−C−C、好ましくはC−C、アルキルアミノ(例えばジメチルアミノまたはジエチルアミノ)から独立して選択される1個以上(例えば1個、2個、3個または4個)の置換基で置換されていてよい。
【0013】
本発明の一態様において、Rは水素、ヒドロキシル、またはC−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、フェニル、C−CヘテロアリールまたはC−Cシクロアルキル基であり、各基は、所望によりフッ素、塩素、ヒドロキシル、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ、(モノ)−C−Cアルキルアミノおよび(ジ)−C−Cアルキルアミノから独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されていてよい。
他の態様において、Rは水素である。
【0014】
は単結合またはC−C、好ましくはC−C、アルキレン(例えばメチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1−、2−または3−メチルプロピレンまたは1−、2−または3−エチルプロピレン)である。
【0015】
本発明の一態様において、YはC−Cアルキレンである。
他の態様において、YはCアルキレン、特にn−ブチレンである。
【0016】
本発明の一態様において、Xは酸素である。
本発明の一態様において、Xが酸素であるとき、YはC−Cアルキレンであり、そしてRは水素である。
【0017】
はC−C、好ましくはC−C、アルキレン(例えばエチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1−、2−または3−メチルプロピレンまたは1−、2−または3−エチルプロピレン)またはC−Cシクロアルキレン(例えばシクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレンまたはシクロヘキシレン)基であり、各基は、所望により、少なくとも1個、例えば、1個、2個または3個のヒドロキシル基で置換されていてよい。
【0018】
本発明の一態様において、ZはC−Cアルキレン、好ましくはCアルキレン(例えばn−プロピレン)である。
はNR(式中、RはCO、SO、COR、SONRまたはCONRである)である。
本発明の一態様において、RはCORである。
【0019】
は単結合またはC−C、好ましくはC−C、アルキレン(例えばメチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1−、2−または3−メチルプロピレンまたは1−、2−または3−エチルプロピレン)である。
本発明の一態様において、YはC−Cアルキレン、特にメチレンである。
【0020】

(i) NR、S(O)または酸素から独立して選択される1個または2個の環ヘテロ基を含む3−8、好ましくは5−6員飽和ヘテロ環式環であり、本環は、所望により、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、ヒドロキシル、C−C、好ましくはC−C、アルキル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)およびC−C、好ましくはC−C、アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシまたはn−ヘキソキシ)から独立して選択される1個以上(例えば1個、2個、3個または4個)の置換基で置換されていてよく、または
(ii) C−C10、好ましくはC、アリールまたはC−C10、好ましくはC−C、ヘテロアリール基(その例は、Rについて上記で定義したものと同様のアリールおよびヘテロアリール基である)であり、そのアリールまたはヘテロアリール基は、所望により、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、シアノ、C−C、好ましくはC−C、アルキル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)、C−Cハロアルキル(例えばトリフルオロメチルまたはペンタフルオロエチル)、S(O)、OR10、CO10、SONR1011、CONR1011、NR1011、NR10SO、NR10COおよびNR10CORから独立して選択される1個以上(例えば1個、2個、3個または4個)の置換基で置換されていてよく、または
(iii) C−C、好ましくはC−C、アルキル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)、
−C、好ましくはC−C、アルケニル(例えばエテニル、プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、1,3−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、1,4−ペンタジエニルまたは1−ヘキサジエニル)、
−C、好ましくはC−C、アルキニル(例えばエチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニルまたは1−ヘキシニル)および
−C、好ましくはC−C、シクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)、
から選択される基であり、この基は、所望により、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、シアノ、C−C、好ましくはC−C、シクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)、S(O)12、OR13、COR13、CO13、SONR1314、CONR1314、NR、NR13SO12、NR13CO12、NR13COR12、C−C10、好ましくはC、アリールおよびC−C10、好ましくはC−C、ヘテロアリールから独立して選択される1個以上(例えば1個、2個、3個または4個)の置換基で置換されていてよく、後2者の置換基は、それ自体、所望によりC−C、好ましくはC−C、アルキル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、ヒドロキシ、メチルスルホニルおよびシアノから独立して選択される1個以上(例えば1個、2個、3個または4個)の置換基で置換されていてよい。
【0021】
本発明の一態様において、Rは、NR、S(O)または酸素から独立して選択される1個または2個の環ヘテロ基を含む5−6員飽和ヘテロ環式環であり、本環は、所望により、フッ素、塩素、ヒドロキシル、C−CアルキルおよびC−Cアルコキシから独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されていてよい。
【0022】
他の態様において、RはフェニルまたはC−Cヘテロアリールであり、その各々、所望により、フッ素、塩素、シアノ、C−Cアルキル、トリフルオロメチル、S(O)、OR10、CO10、SONR1011、CONR1011、NR1011、NR10SO、NR10COおよびNR10CORから独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されていてよい。
【0023】
さらに他の態様において、RはC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC−Cシクロアルキルから選択される基であり、その基は、所望により、フッ素、塩素、シアノ、C−Cシクロアルキル、S(O)12、OR13、COR13、CO13、SONR1314、CONR1314、NR、NR13SO12、NR13CO12、NR13COR12、フェニルおよびC−Cヘテロアリールから独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されていてよく、後2者の置換基は、それ自体、所望により、C−C、アルキル、フッ素、塩素、ヒドロキシ、メチルスルホニルおよびシアノから独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されていてよい。
【0024】
さらに別の態様において、Rは、所望によりフッ素、塩素、シアノ、C−Cシクロアルキル、S(O)12、OR13、COR13、CO13、SONR1314、CONR1314、NR、NR13SO12、NR13CO12、NR13COR12、フェニルおよびC−Cヘテロアリールから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよいC−Cアルキルであり、後2者の置換基は、それ自体、所望により、C−Cアルキル、フッ素、塩素、ヒドロキシ、メチルスルホニルおよびシアノから独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されていてよい。
【0025】
他の態様において、Rは、所望によりOR13、CO13、CONR1314、NR、フェニルおよびC−Cヘテロアリールから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよいC−Cアルキルであり、後2者の置換基は、それ自体、所望により、C−Cアルキルおよびメチルスルホニルから独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されていてよい。
【0026】
さらなる態様において、Rは、所望により、OR13、CO13、CONR1314、NR、フェニルおよびC−Cヘテロアリール(例えばトリアゾリルまたはピラジニル)から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよいC−C、好ましくはC−C、アルキルであり、後2者の置換基は、それ自体、所望により、C−Cアルキル(例えばメチル)およびメチルスルホニルから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよい。
【0027】
本発明の一態様において、Rは水素原子または
−C、好ましくはC−C、アルキル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)、
−C、好ましくはC−C、アルケニル(例えばエテニル、プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、1,3−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、1,4−ペンタジエニルまたは1−ヘキサジエニル)、
−C、好ましくはC−C、アルキニル(例えばエチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニルまたは1−ヘキシニル)、
−C、好ましくはC−C、シクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)および
ヘテロ環式部分、
から選択される基であり、この基は、所望によりハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、ヒドロキシル、オキソ、シアノ、C−C、好ましくはC−C、アルキル、C−C、好ましくはC−C、アルケニル、C−C、好ましくはC−C、アルキニル、C−C、好ましくはC−C、シクロアルキル、OR15、S(O)15、CO16、COR16、NR1617、CONR1617、NR16COR17、NR16CO15、SONR1617、NR16SO15、C−C10、好ましくはC、アリール、C−C10、好ましくはC−C、ヘテロアリールおよびヘテロ環式部分から独立して選択される1個以上(例えば1個、2個、3個または4個)の置換基で置換されていてよく、後3者の置換基は、それ自体、所望により、C−C、好ましくはC−C、アルキル、C−C、好ましくはC−C、シクロアルキル、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、S(O)15、CO16、COR16、ヒドロキシおよびシアノから独立して選択される1個以上(例えば1個、2個、3個または4個)の置換基で置換されていてよく;
そして
は水素原子またはC−C、好ましくはC−C、アルキル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)、
−C、好ましくはC−C、アルケニル(例えばエテニル、プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、1,3−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、1,4−ペンタジエニルまたは1−ヘキサジエニル)、
−C、好ましくはC−C、アルキニル(例えばエチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニルまたは1−ヘキシニル)、またはC−C、好ましくはC−C、シクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)基であり、各基は、所望により、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、C−C、好ましくはC−C、シクロアルキル、C−C10、好ましくはC、アリール、C−C10、好ましくはC−C、ヘテロアリール、カルボキシ、シアノ、OR15、ヒドロキシおよびNR1819から独立して選択される1個以上(例えば1個、2個、3個または4個)の置換基で置換されていてよい。
【0028】
本発明の一態様において、RおよびRは、各々C−C、好ましくはC−C、アルキル基、例えばメチルである。
【0029】
本発明の別の態様において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により、窒素、S(O)および酸素から選択されるさらなる環ヘテロ基を含んでよい、3−8、好ましくは5−6員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環式環を形成し、そのヘテロ環式環は、所望により、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、OR20、NR2122、S(O)23、COR24、CO24、NR2425、CONR2425、NR24COR25、NR24CO23、SONR2425、NR24SO23、C−C10、好ましくはC、アリール、ベンジル、C−C10、好ましくはC−C、ヘテロアリール、ヘテロ環式部分、C−C、好ましくはC−C、アルキル、C−C、好ましくはC−C、アルケニル、C−C、好ましくはC−C、アルキニルおよびC−C、好ましくはC−C、シクロアルキルから独立して選択される1個以上(例えば1個、2個、3個または4個)の置換基で置換されていてよく、後8者の置換基は、それ自体、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、オキソ、シアノ、OR21、S(O)23、COR24、CO24およびNR2425から独立して選択される1個以上(例えば1個、2個、3個または4個)の置換基で置換されていてよい。
【0030】
本発明の一態様において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により、窒素、S(O)および酸素から選択されるさらなる環ヘテロ基を含んでよい、5−6員飽和ヘテロ環式環を形成し、そのヘテロ環式環は、所望により、上記で定義の通りに置換されていてよい。
【0031】
他の態様において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、ベンジルで置換されたピペラジニル環を形成する。
【0032】
各R、R10、R11、R13、R14、R16、R17、R18、R19、R21、R22、R24およびR25基は、独立して、水素原子またはC−C、好ましくはC−C、アルキル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)またはC−C、好ましくはC−C、シクロアルキル(すなわちシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)基である。
【0033】
本発明の一態様において、各R、R10、R11、R13、R14、R16、R17、R18、R19、R21、R22、R24およびR25基は、独立して、水素原子またはC−C、好ましくはC−C、アルキル基である。
【0034】
他の態様において、各R、R10、R11、R13、R14、R16、R17、R18、R19、R21、R22、R24およびR25基は、独立して、C−Cアルキル基、特にメチル基でる。
【0035】
各R、R12、R15およびR23基は、独立して、C−C、好ましくはC−C、アルキル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)またはC−C、好ましくはC−C、シクロアルキル(すなわちシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)である。
【0036】
本発明の一態様において、各R、R12、R15およびR23は、独立して、C−Cアルキル基、特にメチル基である。
【0037】
20は、所望によりハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、ヒドロキシルおよびOR23から独立して選択される1個以上(例えば1個、2個、3個または4個)の置換基で置換されていてよいC−C、好ましくはC−C、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)である。
【0038】
AはC−C10アリールまたはC−C12、好ましくはC−C、ヘテロアリール基である。
本発明の一態様において、AはC−C10アリール基、例えばフェニルである。
式(I)において、nは整数0、1または2である。
【0039】
nが1または2であるとき、各R基は、独立して、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、シアノ、S(O)、OR10、SONR1011、CONR1011、NR1011、NR10SO、NR10CO、NR10COR、C−C10、好ましくはC、アリール、C−C10、好ましくはC−C、ヘテロアリール、C−C、好ましくはC−C、アルキル、C−C、好ましくはC−C、アルケニル、C−C、好ましくはC−C、アルキニルまたはC−C、好ましくはC−C、シクロアルキルであり、後6者の基は、所望により、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、シアノ、S(O)12、OR13、SONR1314、CONR1314、NR1314、NR13SO12、NR13CO12、NR13COR12、C−C、好ましくはC−C、アルキル、C−CハロアルキルおよびC−C、好ましくはC−C、シクロアルキルから独立して選択される1個以上(例えば1個、2個、3個または4個)の置換基で置換されていてよい。
本発明の一態様において、nは0である。
【0040】
本発明の一態様において、
は水素であり;
はCアルキレンであり;
は酸素原子であり;
はCアルキレンであり;
はNRであり;
はメチレンであり;
nは0であり;
はCORであり;
は、所望により、OR13、CO13、CONR1314、NR、フェニルおよびC−Cヘテロアリールから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよいC−Cアルキルであり、後2者の置換基は、それ自体、C−Cアルキルおよびメチルスルホニルから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよく;
およびRは、両方ともC−Cアルキルであるか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、ベンジルで置換されたピペラジニル環を形成し;
各R13およびR14は、独立して、C−Cアルキルであり;そして
AはC−C10アリールである。
【0041】
本発明の化合物の例は、次のものを含む:
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジルアセトアミド、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−2−メトキシアセトアミド、
メチル4−[[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル](ベンジル)アミノ]−4−オキソブタノエート、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−3−メトキシプロパンアミド、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−N',N'−ジメチルスクシンアミド、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミド、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)アセトアミド、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−2−(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アセトアミド、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−3−ピラジン−2−イルプロパンアミド、および
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−N,N−ジメチル−β−アラニンアミド、
およびそれらの薬学的に許容される塩。
【0042】
上記の化学化合物の各々は、本発明の特定のおよび独立した局面を代表することは注意すべきである。
【0043】
本発明は、さらに、上記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、
(a) Rが基CORであるとき、式
【化2】

〔式中、n、R、R、A、X、Y、ZおよびYは式(I)において定義の通りである。〕
の化合物と、式(III)の化合物、R−C(O)−L(式中、Lはハロゲンまたはヒドロキシであり、そしてRは式(I)において定義の通りである)の化合物を、必要に応じて塩基またはカップリング剤の存在下で反応させるか;
【0044】
(b) Rが基CORであり、そしてRが基C−Cアルキル−NRであるとき、式
【化3】

〔式中、R30はC−Cアルキル基であり、Lは脱離基(例えばハロゲン、メシレートまたはトリフラート)であり、そしてn、R、R、A、X、Y、ZおよびYは式(I)において定義の通りである。〕
の化合物と、式(V)の化合物、NHR(式中、RおよびRは式(I)において定義の通りである)を、塩基の存在下で反応させるか;
【0045】
(c) Rが基SOであるとき、上記(a)で定義した式(II)の化合物と、式(VI)の化合物、L−S(O)−R(式中、Lは脱離基(例えばハロゲン)であり、そしてRは式(I)において定義の通りである)を塩基の存在下で反応させるか;
【0046】
(d) Rが基COであるとき、上記(a)で定義した式(II)の化合物と、式(VII)の化合物、L−C(O)−OR(式中、Lは脱離基(例えばハロゲン)であり、そして、Rは式(I)において定義の通りである)を、塩基の存在下で反応させるか;
【0047】
(e) Rが基SONRであるとき、上記(a)で定義した式(II)の化合物と、式(VIII)の化合物、L−S(O)−NR(式中、Lは脱離基(例えばハロゲン)であり、そしてRおよびRは式(I)において定義の通りである)を、塩基の存在下で反応させるか;
または
【0048】
(f) Rが基CONRであるとき、上記(a)で定義した式(II)の化合物と、式(IX)、L−C(O)−NR(式中、Lは脱離基(例えばハロゲン)であり、そしてRおよびRは式(I)において定義の通りである)を、塩基の存在下で反応させ;
所望により、その後に次の工程の1つ以上を行う:
●式(I)の化合物を他の式(I)の化合物に変換する、
●何らかの脱離基を除去する、
●薬学的に許容される塩を形成する
ことを含む方法を提供する。
【0049】
上記方法(a)において、本反応は、好都合には、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、アセトニトリルまたはN−メチルピロリドンのような有機溶媒中、0℃〜150℃の範囲の温度で行う。式(III)のLがハロゲン原子であるならば、本反応は適当な塩基の存在下で行い、その例はジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンおよびピリジンを含む。式(III)のLがヒドロキシであるならば、本反応はカップリング剤の存在下で行い、その適当な例はベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBop)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミド(EDC)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)を含む。
【0050】
上記方法(b)において、本反応は、好都合には、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはアセトニトリルのような有機溶媒中、0℃〜150℃の範囲の温度で行う。適当な塩基はジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンおよびピリジンを含む。
【0051】
上記方法(c)、(d)、(e)および(f)の各々において、本反応は、好都合には、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンまたはアセトニトリルのような有機溶媒中、0℃〜150℃の範囲の温度で行う。適当な塩基はジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンおよびピリジンを含む。
【0052】
式(II)の化合物は、式
【化4】

〔式中、n、R、R、A、X、Y、ZおよびYは式(II)において定義の通りである。〕
の化合物と酸を反応させることにより製造し得る。本反応は、メタノール、テトラヒドロフランまたはジオキサンのような有機溶媒中、塩酸、臭化水素酸または硫酸のような無機酸、またはトリフルオロ酢酸のような有機酸のいずれかを使用して行い得る。
【0053】
がC−Cアルキレンである式(XX)の化合物は、式(XI)
【化5】

〔式中、R、X、YおよびZは式(XX)において定義の通りである。〕
の化合物と、式
【化6】

〔式中、Yは結合またはC−Cアルキレン基であり、そしてn、AおよびRは式(XX)において定義の通りである。〕
の化合物を反応させることにより製造し得る。本反応は、適当な還元剤(例えば、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライドまたは水素化ホウ素ナトリウム)の存在下、1−メチル−2−ピロリジノン、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフランまたはメタノールのような有機溶媒中、例えば0℃〜150℃の範囲の温度で行い得る。
【0054】
が単結合である式(X)の化合物は、上記の式(XI)の化合物と、式
【化7】

〔式中、Lは、ハロゲンまたはメシレートのような脱離基であり、そしてn、AおよびRは式(X)において定義の通りである。〕
の化合物を、塩基の存在下で反応させることにより製造し得る。本反応は、ジメチルホルムアミド、ジオキサンまたはアセトニトリルのような有機溶媒中、例えば25℃〜150℃の範囲の温度で行い得る。適当な塩基はジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンおよび炭酸カリウムを含む。
【0055】
式(XI)の化合物は、式
【化8】

〔式中、PGは保護基(例えばフタルイミドまたはFmoc)であり、そしてR、X、YおよびZは式(XI)において定義の通りである。〕
の化合物を、ヒドラジンと、エタノール中でまたはピペリジンのような有機塩基と反応させることにより製造し得る。
【0056】
式(XIV)の化合物は、式
【化9】

〔式中、R、XおよびYは式(XIV)において定義の通りである。〕
の化合物と、式(XVI)の化合物、L−Z−NH−PG(式中、Lは脱離基(例えばハロゲン、メシレートまたはトリフラート)であり、そしてZおよびPGは式(XIV)において定義の通りである)の化合物を反応させることにより製造し得る。本反応は、好都合には、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはアセトニトリルのような有機溶媒中、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム)またはアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム)または金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)と、例えば、0℃〜150℃の範囲の温度で、好ましくは室温(20℃)で行い得る。
【0057】
が酸素原子である式(XV)の化合物は、次の反応スキームに説明した通りに製造し得る:
【化10】

式(B)の化合物は、式(A)の化合物とアンモニアを、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジグライム、アセトニトリルまたは前記溶媒のいずれか一つの水性混合物のような有機溶媒中で反応させることにより製造する。本反応は、オートクレーブ中、例えば、20℃〜200℃の範囲の温度で行う。
【0058】
式(C)の化合物は、式(B)の化合物と、式
【化11】

〔式中、RおよびYは式(XV)において定義の通りである。〕
のアルコールを、水素化ナトリウムのような塩基の存在下、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジグライム、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドのような有機溶媒中、好ましくは高温で、例えば20℃〜150℃の範囲の温度で反応させることにより製造し得る。あるいは、ナトリウムのようなアルカリ金属をC−Cアルカノールに溶解し、次いで、式(B)の化合物と、好ましくは高温で、例えば20℃〜150℃の範囲の温度で反応させてよい。
【0059】
式(D)の化合物は、式(C)の化合物の臭素化により製造し得る。本反応は、臭素、ヒドロ過臭素酸またはN−ブロモスクシンイミドのような臭素化剤を使用して、四塩化炭素、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸または二硫化炭素のような有機溶媒中で行い得る。反応温度は、一般に、0℃乃至溶媒の沸点までの範囲である。
【0060】
式(E)の化合物は、式(D)の化合物とナトリウムメトキシドを、メタノールのような有機溶媒中、例えば、20℃〜150℃の範囲の温度で反応させることにより製造する。
【0061】
式(F)の化合物は、式(E)の化合物を、トリフルオロ酢酸のような酸で、メタノールのような有機溶媒中、処理することにより得られ得る。
他の式(XV)の化合物は、当分野で既知の方法により製造し得る。
【0062】
式(IV)の化合物は、式(II)の化合物と、式(XVIII)の化合物、HO−C(O)−R30−L(式中、R30およびLは式(IV)において定義の通りである)を、上記方法(a)で使用したのと類似の反応条件下に反応させることにより製造し得る。
【0063】
式(III)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(XII)、(XIII)、(XVI)、(XVII)および(XVIII)の化合物は、市販されており、文献において既知であるか、または、既知技術を使用して容易に製造し得る。
【0064】
本発明の方法において、反応体中のヒドロキシルまたはアミノ基のようなある種の官能基が保護基により保護する必要があるかもしれないことは当業者には当然である。それ故、式(I)の化合物の化合物は、適当な段階での、1個以上の保護基の除去を含み得る。
【0065】
官能基の保護および脱保護は‘Protective Groups in Organic Chemistry’, edited by J.W.F. McOmie, Plenum Press (1973)および‘Protective Groups in Organic Synthesis’, 3rd edition, T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Wiley-Interscience (1999)に記載されている。
【0066】
上記式(I)の化合物は、その薬学的に許容される塩、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ピルビン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩のような酸付加塩に変換してよい。
【0067】
式(I)の化合物は立体異性形態で存在できる。本発明は、式(I)の化合物の全ての幾何および光学異性体(アトロプ異性体を含む)およびラセミ体を含むその混合物の使用を包含することは理解すべきである。互変異性体およびその混合物の使用も本発明の一局面を構成する。エナンチオマー的に純粋な形態が特に望ましい。
【0068】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩は医薬として、特にトール様受容体(特にTLR7)活性のモジュレーターとしての活性を有し、それ故、次のものの処置に使用し得る:
1. 呼吸器:次のものを含む気道の閉塞性疾患:間欠性および永続性両方の、そして全ての重症度の、および気道過敏反応性の他の原因を含む、気管支、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬剤誘発性(アスピリンおよびNSAID誘発を含む)および粉塵誘発性喘息を含む、喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性および好酸球性気管支炎を含む気管支炎;気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;原因不明線維化肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗新生物治療および、結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染を含む慢性感染に付随する線維症を含む、肺線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管炎性および血栓性障害、および肺高血圧;気道の炎症性および分泌状態に関連する慢性咳、および医原性咳の処置を含む、鎮咳活性;薬物性鼻炎、および血管運動性鼻炎を含む急性および慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む通年性および季節性アレルギー性鼻炎;鼻のポリープ症;一般的な風邪、および呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染を含む、急性ウイルス感染;
【0069】
2. 皮膚:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎、および遅延型過敏症反応;植物および光皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭、スウィート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;感染性および非感染性両方の蜂巣炎;脂肪織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫皮膚癌および他の形成異常病巣;固定薬疹を含む薬剤誘発性障害;
【0070】
3. 眼:眼瞼炎;通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む結膜炎;虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;自己免疫性、網膜に影響する変性または炎症性障害;交感神経性眼炎を含む眼炎;サルコイドーシス;ウイルス、真菌、および細菌を含む感染;
【0071】
4. 尿生殖器:間質性および糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;急性および慢性(間質性)膀胱炎およびハンナー潰瘍を含む膀胱炎;急性および慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎および卵管炎;外陰部腟炎;ペイロニー病;勃起不全(男女両方);
【0072】
5. 同種移植片拒絶反応:例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚または角膜の移植後のまたは輸血後の急性および慢性のもの;または慢性移植片対宿主病;
【0073】
6. リウマチ性関節炎、過敏性腸症候群、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群およびセザリー(Sazary)症候群を含む、他の自己免疫およびアレルギー性障害;
【0074】
7. 腫瘍学:前立腺、乳房、肺、卵巣、膵臓、腸および結腸、胃、皮膚および脳の腫瘍および骨髄(白血病を含む)およびリンパ増殖性系に影響する悪性腫瘍、例えばホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含む、一般的癌の処置;転移疾患および腫瘍再発、および新生物随伴症候群の予防および処置を含む;および
【0075】
8. 感染症:性器疣贅、尋常性疣贅、足底疣贅、B型肝炎、C型肝炎、単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫、痘瘡、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザのようなウイルス疾患;結核およびマイコバクテリウム・アビウム、ハンセン病のような細菌疾患;真菌疾患、クラミジア、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス髄膜炎、カリニ肺炎、クリプトスポリジウム症、ヒストプラスマ症、トキソプラズマ症、トリパノソーマ感染およびリーシュマニア症のような他の感染症。
【0076】
それ故、本発明は、治療に使用するための、前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0077】
さらなる局面において、本発明は、治療に使用するための医薬の製造における、前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0078】
本明細書の文脈において、用語“治療する”は、反する具体的な指示がない限り、“予防”も含む。用語“治療”および“治療的”はこれに従い解釈すべきである。
【0079】
予防は、当該疾患または状態の以前のエピソードに罹患しているか、または他の方法で特にリスクが高いと見なされるヒトの処置に特に適する。特定の疾患または状態を発症するリスクが高いヒトは、該疾患または状態の家族歴があるか、または、遺伝子試験またはスクリーニングにより該疾患または状態の発症に特に感受性であることが同定されているヒトを含む。
【0080】
特に、本発明の化合物(薬学的に許容される塩を含む)は、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、癌、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染および皮膚症の処置に使用し得る。
【0081】
本発明は、さらに、異常な細胞増殖を含むまたはそれに起因する疾患または状態(例えば癌)を処置するまたはリスクを軽減する方法であって、それを必要とする患者に治療的有効量の前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0082】
本発明は、また、閉塞性気道疾患または状態(例えば喘息またはCOPD)を処置するまたはリスクを軽減する方法であって、それを必要とする患者に治療的有効量の前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0083】
上記の治療的使用について、投与する投与量は、もちろん、用いる化合物、投与方式、望む処置および適応される障害により変わる。例えば、本発明の化合物の1日投与量は、吸入ならば、0.05マイクログラム/体重キログラム(μg/kg)〜100マイクログラム/体重キログラム(μg/kg)の範囲であり得る。あるいは、化合物を経口投与するならば、本発明の化合物の1日投与量は0.01マイクログラム/体重キログラム(μg/kg)〜100ミリグラム/体重キログラム(mg/kg)の範囲であり得る。
【0084】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩は、それ自体で使用してよいが、一般には式(I)化合物/塩(活性成分)が薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と組み合わさった医薬組成物の形で投与される。適当な医薬製剤の選択および製造のための慣用法は、例えば、“Pharmaceuticals - The Science of Dosage Form Designs”, M.E.Aulton, Churchill Livingstone, 1988に記載されている。
【0085】
投与の方式によって、本医薬組成物は、好ましくは0.05〜99%w(重量パーセント)、より好ましくは0.05〜80%w、なお好ましくは0.10〜70%w、さらに好ましくは0.10〜50%wの活性成分を含み、全ての重量パーセントは全組成物に基づく。
【0086】
本発明はまた、前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を含む、医薬組成物も提供する。
【0087】
本発明は、さらに、前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を混合することを含む、本発明の医薬組成物の製造法を提供する。
【0088】
医薬組成物は、局所的に(例えば皮膚または肺および/または気道に)、例えば、クリーム、溶液、懸濁液、ヘプタフルオロアルカン(HFA)エアロゾルおよび乾燥粉末製剤の形で、例えば、Turbuhaler(登録商標)として既知の吸入器中の製剤の形で;または全身的に、例えば錠剤、カプセル剤、シロップ剤、散剤または顆粒剤の形で経口投与により;または注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内または輸液を含む)用滅菌溶液、懸濁液またはエマルジョンの形で非経腸投与により;または坐薬の形での直腸投与により投与してよい。
【0089】
本発明の化合物(薬学的に許容される塩を含む)の乾燥粉末製剤および加圧HFAエアロゾルは、経口または経鼻吸入により投与し得る。吸入用に、本化合物は望ましくは粉砕する。粉砕した化合物は、好ましくは10マイクロメーター(μm)未満の質量中央粒子径を有し、噴射剤混合物に、分散剤、例えばC−C20脂肪酸またはその塩(例えば、オレイン酸)、胆汁塩、リン脂質、アルキルサッカライド、過フッ素化またはポリエトキシル化界面活性剤、または他の薬学的に許容される分散剤の助けを借りて分散し得る。
【0090】
本発明の化合物はまた乾燥粉末吸入器の手段により投与し得る。本吸入器は、単回または多回投与量吸入器であってよく、呼気駆動型乾燥粉末吸入器であってよい。
【0091】
一つの可能性は、粉砕した本発明の化合物と担体物質、例えば、モノ−、ジ−またはポリサッカライド、糖アルコール、または他のポリオールの混合である。適当な担体は、糖類、例えば、ラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール;およびデンプンである。あるいは、粉砕した化合物を他の物質でコーティングしてよい。本粉末混合物はまた硬ゼラチンカプセルに分配してもよく、各々所望量の活性化合物を含む。
【0092】
他の可能性は、粉砕した粉末の、吸入過程中に破壊する球体への加工である。この球体化粉末を、多回投与量吸入器、例えば、Turbuhaler(登録商標)(投与ユニットが所望量を定量し、次いでそれが患者により吸入される)として既知の吸入器の薬剤貯蔵部に充填してよい。このシステムで、活性成分は、担体物質を伴って、または伴わずに、患者に送達される。
【0093】
経口投与用に、本発明の化合物をアジュバントまたは担体、例えば、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール;デンプン、例えば、ポテトデンプン、コーンデンプンまたはアミロペクチン;セルロース誘導体;結合剤、例えば、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン;および/または平滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、蝋、パラフィンなどと混合し、次いで錠剤に圧縮してよい。コーティング錠が必要であれば、上記の通りに製造したコアを、例えば、アラビアゴム、ゼラチン、タルクおよび二酸化チタンを含み得る濃縮糖溶液でコーティングしてよい。あるいは、錠剤を、易揮発性の有機溶媒に溶解した適当なポリマーでコートしてよい。
【0094】
軟ゼラチンカプセルの製造のために、本発明の化合物を、例えば、植物油またはポリエチレングリコールと混合してよい。硬ゼラチンカプセルは、上記の錠剤用賦形剤のいずれかを使用して、化合物の顆粒を含み得る。また本発明の化合物の液体または半固体製剤を硬ゼラチンカプセルに充填してよい。
【0095】
経口適用用液体製剤は、シロップ剤または懸濁剤、例えば、バランスが糖とエタノール、水、グリセロールおよびプロピレングリコールの混合物である本発明の化合物を含む溶液の形であり得る。所望により、そのような液体製剤は、着色剤、風味剤、サッカリンおよび/または濃化剤としてカルボキシメチルセルロースまたは当業者に既知の他の賦形剤を含み得る。
【0096】
本発明の化合物(すなわち、式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩)はまた上記状態の処置に使用するための他の化合物と組み合わせて投与してもよい。
【0097】
それ故、本発明は、さらに、本発明の化合物または本発明の化合物を含む医薬組成物もしくは製剤を、記載の状態の1種以上の処置のために、他の1種または複数種の治療剤と同時に、または連続的に、または組み合わせ製剤として投与する組み合わせ治療に関する。
【0098】
前記で定義の抗癌治療は、唯一の治療として適用してよく、または、本発明の化合物に加えて、通常の手術または放射線療法または化学療法を含んでよい。このような化学療法は、次のカテゴリーの抗腫瘍剤の1種以上を含み得る:−
(i) 内科的腫瘍学において使用されているような、他の抗増殖性/抗新生物剤およびそれらの組み合わせ、例えばアルキル化剤(例えばシスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、テモゾラミドおよびニトロソウレア);代謝拮抗剤(例えばゲムシタビンおよび葉酸代謝拮抗剤、例えばフルオロピリミジン、例えば5−フルオロウラシルおよびテガフール、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、およびヒドロキシウレア);抗腫瘍抗生物質(例えばアントラサイクリン、例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンおよびミトラマイシン);有糸分裂阻害剤(例えばビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンおよびタキソイド、例えばタキソールおよびタキソテールおよびポロキナーゼ阻害剤);およびトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエピポドフィロトキシン、例えばエトポシドおよびテニポシド、アムサクリン、トポテカンおよびカンプトテシン);
(ii) 細胞増殖抑制剤、例えば抗エストロゲン(例えばタモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェン)、抗アンドロゲン(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミドおよびシプロテロンアセテート)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、ロイプロレリンおよびブセレリン)、プロゲストーゲン(例えばメゲストロールアセテート)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールおよびエキセメスタン)および5α−レダクターゼの阻害剤、例えばフィナステリド;
(iii) 抗侵襲剤(例えばc−Srcキナーゼファミリー阻害剤、例えば4−(6−クロロ−2,3−メチレンジオキシアニリノ)−7−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]−5−テトラヒドロピラン−4−イルオキシキナゾリン(;国際特許出願WO01/94341)およびN−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−{6−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ}チアゾール−5−カルボキサミド(ダサチニブ、BMS−354825;J. Med. Chem., 2004, 47, 6658-6661)、およびメタロプロテイナーゼ阻害剤、例えばマリマスタット、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクティベーター受容体機能の阻害剤またはヘパラナーゼに対する抗体);
【0099】
(iv) 増殖因子機能の阻害剤:このような阻害剤は例えば増殖因子抗体および増殖因子受容体抗体(例えば抗erbB2抗体トラスツマブ[HerceptinTM]、抗EGFR抗体パニツムマブ(panitumumab)、抗erbB1抗体セツキシマブ[Erbitux, C225]およびStern et al. Critical reviews in oncology/haematology, 2005, Vol. 54, pp11-29により記載の何らかの増殖因子または増殖因子受容体抗体)を含む;このような阻害剤はまたチロシンキナーゼ阻害剤、例えば上皮細胞増殖因子ファミリーの阻害剤(例えばEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えばN−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、ZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI 774)および6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)−キナゾリン−4−アミン(CI 1033)、erbB2チロシンキナーゼ阻害剤、例えばラパチニブ、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤、血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、例えばイマチニブ、セリン/スレオニンキナーゼの阻害剤(例えばRas/Rafシグナル伝達阻害剤、例えばファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばソラフェニブ(BAY 43-9006))、MEKおよび/またはAKTキナーゼを介する細胞シグナル伝達の阻害剤、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤、c−kit阻害剤、ablキナーゼ阻害剤、IGF受容体(インシュリン様増殖因子)キナーゼ阻害剤;オーロラキナーゼ阻害剤(例えばAZD1152、PH739358、VX-680、MLN8054、R763、MP235、MP529、VX-528およびAX39459)およびサイクリン依存性キナーゼ阻害剤、例えばCDK2および/またはCDK4阻害剤;
【0100】
(v) 抗血管新生剤、例えば血管内皮細胞増殖因子の作用を阻害するもの[例えば抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ(AvastinTM)およびVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えば4−(4−ブロモ−2−フルオロアニリノ)−6−メトキシ−7−(1−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)キナゾリン(ZD6474;WO01/32651の実施例2)、4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171;WO00/47212の実施例240)、バタラニブ(PTK787;WO98/35985)およびSU11248(スニチニブ;WO01/60814)、例えば国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856およびWO98/13354に記載の化合物および他の機構により作用する化合物(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能およびアンジオスタチンの阻害剤)];
(vi) 血管傷害剤、例えばコンブレタスタチンA4および国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434およびWO02/08213に開示の化合物;
(vii) アンチセンス治療、例えば上記の標的を指向したもの、例えばISIS 2503、抗rasアンチセンス;
(viii) 例えば異常遺伝子、例えば異常p53または異常BRCA1またはBRCA2を置換するためのアプローチ、GDEPT(遺伝子特異的酵素プロドラッグ治療)アプローチ、例えばシトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌ニトロレダクターゼ酵素を使用したもの、および化学療法または放射線療法に対する患者耐容性を上げるためのアプローチ、例えば多剤耐性遺伝子治療を含む遺伝子治療アプローチ;および
(ix) 例えば患者腫瘍細胞の免疫原性を上昇させるためのエキソビボおよびインビボアプローチ、例えばサイトカイン、例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子でのトランスフェクション、T細胞アネルギーを低下させるためのアプローチ、トランスフェクト免疫細胞、例えばサイトカイントランスフェクト樹状細胞を使用したアプローチ、サイトカイントランスフェクト腫瘍細胞株を使用したアプローチおよび抗イディオタイプ抗体を使用したアプローチを含む免疫治療アプローチ。
【0101】
さらに、炎症性疾患COPD、喘息およびアレルギー性鼻炎の処置のために、本発明の化合物を、例えば腫瘍壊死因子アルファ(TNF−アルファ)阻害剤、例えば抗TNFモノクローナル抗体(例えばRemicade、CDP-870およびアダリムマブ)およびTNF受容体免疫グロブリン分子(例えばEnbrel);局所的に投与するものであれ全身的に投与するものであれ非選択的シクロオキシゲナーゼCOX−1/COX−2阻害剤(例えばピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸類、例えばナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェン、フェナメート、例えばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アザプロパゾン、ピラゾロン類、例えばフェニルブタゾン、サリチレート類、例えばアスピリン)、COX−2阻害剤(例えばメロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ(lumarocoxib)、パレコキシブおよびエトリコキシブ);グルココルチコステロイド(局所、経口、筋肉内、静脈内、または関節内経路のいずれで投与するものであれ);メトトレキサート、レフノミド;ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、オーラノフィンまたは他の非経腸または経口金製剤と組み合わせ得る。
【0102】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト例えば;ジロートン;ABT-761;フェンレウトン;テポキサリン;Abbott-79175;Abbott-85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド;2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン類;メトキシテトラヒドロピラン類、例えばZeneca ZD-2138;化合物SB-210661;ピリジニル−置換2−シアノナフタレン化合物、例えばL-739,010;2−シアノキノリン化合物、例えばL-746,530;またはインドールまたはキノリン化合物、例えばMK-591、MK-886、およびBAY x 1005の組み合わせに関する。
【0103】
本発明は、さらに、本発明の化合物とフェノチアジン−3−1s、例えばL-651392;アミジノ化合物、例えばCGS-25019c;ベンゾキサルアミン類、例えばオンタゾラスト;ベンゼンカルボキシミドアミド類、例えばBIIL 284/260;および化合物、例えばザフィルカスト、アブルカスト(ablukast)、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(verlukast)(MK-679)、RG-12525、Ro-245913、イラルカスト(CGP 45715A)、およびBAY x 7195から成る群から選択されるロイコトリエン類(LTB4、LTC4、LTD4、およびLTE4)の受容体アンタゴニストの組み合わせに関する。
【0104】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、例えばテオフィリンおよびアミノフィリンを含むメチルキサンタニン;PDE4阻害剤、アイソフォームPDE4Dの阻害剤、またはPDE5の阻害剤を含む選択的PDEアイソザイム阻害剤の組み合わせに関する。
【0105】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、経口的、局所的または非経腸的に適用する;ヒスタミン1型受容体アンタゴニスト、例えばセチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アクリバスチン、テルフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、レボカバスチン、クロルフェニラミン、プロメタジン、シクリジン、またはミゾラスチンの組み合わせに関する。
【0106】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と胃保護性ヒスタミン2型受容体アンタゴニストの組み合わせに関する。
本発明は、さらに、本発明の化合物とヒスタミン4型受容体のアンタゴニストの組み合わせに関する。
【0107】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とアルファ−1/アルファ−2アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮剤交感神経刺激剤、例えばプロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、シュードエフェドリン、ナファゾリンヒドロクロライド、オキシメタゾリンヒドロクロライド、テトラヒドロゾリンヒドロクロライド、キシロメタゾリンヒドロクロライド、トラマゾリンヒドロクロライドまたはエチルノルエピネフリンヒドロクロライドの組み合わせに関する。
【0108】
本発明は、さらに、本発明の化合物とムスカリン受容体(M1、M2、およびM3)アンタゴニスト、例えばアトロピン、ヒヨスチン、グリコピロレート、イプラトロピウムブロマイド、チオトロピウムブロマイド、オキシトロピウムブロマイド、ピレンゼピンまたはテレンゼピンを含む抗コリン剤の組み合わせに関する。
【0109】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とベータ−アドレナリン受容体アゴニスト(ベータ受容体サブタイプ1−4を含む)、例えばイソプレナリン、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロールメシレート、およびピルブテロールの組み合わせに関する。
【0110】
本発明は、さらに、本発明の化合物とクロモン、例えばクロモグリク酸ナトリウムまたはネドクロミルナトリウムの組み合わせに関する。
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とインシュリン様増殖因子I型(IGF−1)模倣剤の組み合わせに関する。
【0111】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とグルココルチコイド、例えばフルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、ブデソニド、フルチカゾンプロピオネート、シクレソニドまたはモメタゾンフロエートの組み合わせに関する。
【0112】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)、すなわち、ストロメライシン、コラゲナーゼ、およびゼラチナーゼ、ならびにアグリカナーゼ;特にコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、およびストロメライシン−3(MMP−11)およびMMP−9およびMMP−12の阻害剤の組み合わせに関する。
【0113】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とケモカイン受容体機能のモジュレーター、例えばCCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11(C−Cファミリーについて);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4およびCXCR5(C−X−Cファミリー)およびC−X3−CファミリーについてCX3CR1のアンタゴニストの組み合わせに関する。
【0114】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と、サイトカインシグナル伝達経路に作用する薬剤を含む、アルファ−、ベータ−、およびガンマ−インターフェロン;インターロイキン(IL)1〜15を含むIL、およびインターロイキンアンタゴニストまたは阻害剤を含む、サイトカインまたはサイトカイン機能のモジュレーターの組み合わせに関する。
【0115】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と免疫グロブリン(Ig)またはIg製剤またはアンタゴニストまたはIg機能を調節する抗体、例えば抗IgE(オマリズマブ)の組み合わせに関する。
本発明は、さらに、本発明の化合物と他の全身的または局所的に適用する抗炎症剤、例えばサリドマイドまたはその誘導体、レチノイド、ジトラノールまたはカルシポトリオールの組み合わせに関する。
【0116】
本発明は、さらに、本発明の化合物と抗細菌剤、例えばペニシリン誘導体、テトラサイクリン、マクロライド、ベータ−ラクタム、フルオロキノロン、メトロニダゾール、吸入アミノグリコシド;アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、シドフォビル、アマンタジン、リマンタジン、リバビリン、ザナミビル(zanamavir)およびオセルタミビル(oseltamavir)を含む抗ウイルス剤;プロテアーゼ阻害剤、例えばインジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、およびサキナビル;ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばジダノシン、ラミブジン、スタブジン、ザルシタビンまたはジドブジン;または非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばネビラピンまたはエファビレンツの組み合わせに関する。
【0117】
本発明を以下の説明的実施例を参照してさらに説明し、その中で、次の略語を使用する:
【表1】

【0118】
特記しない限り有機溶液は硫酸マグネシウムで乾燥させた。RPHPLCは、アセトニトリルと水性酢酸アンモニウム、アンモニア、ギ酸またはトリフルオロ酢酸のいずれかを適宜緩衝液として使用する、Waters Symmetry C8、XterraまたはPhenomenex Geminiカラムを使用した逆相分取高速液体クロマトグラフィーを意味する。カラムクロマトグラフィーはシリカゲルで行った。
【実施例】
【0119】
実施例1
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジルアセトアミド
【化12】

(i) 2−クロロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
2,6−ジクロロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン(55g)をメタノール中7N−水性アンモニア(500ml)に溶解し、100℃で密封フラスコ中、6時間加熱した。反応混合物をrtに冷却し、一夜静置した。濾過により副題化合物を得た。
収量40g。
1H NMR δ (CDCl3) 8.02 (1H, s), 5.94 (2H, brs), 5.71 (1H, dd), 4.15 - 4.22 (1H, m), 3.75 - 3.82 (1H, m), 1.27 - 2.12 (6H, m).
【0120】
(ii) 2−ブトキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
工程(i)の生産物(40g)をブタノール中19%(w/w)−ナトリウムブトキシド(250ml)に溶解した。反応混合物を還流下で6時間撹拌した。得られた懸濁液をrtに冷却し、水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させ、真空で濃縮した。副題化合物をジエチルエーテル/イソヘキサン(1/1、300ml)から結晶化させ、濾過により得た。収量19g。
1H NMR δ (CDCl3) 7.87 (1H, s), 5.56 - 5.68 (3H, m), 4.31 - 4.35 (2H, t), 4.14 - 4.17 (1H, m), 3.76 - 3.80 (1H, m), 1.49 - 2.08 (10H, m), 0.98 (3H, t).
【0121】
(iii) 8−ブロモ−2−ブトキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
工程(ii)の生成物(30g)を乾燥DCM(200ml)に溶解した。溶液をrtでN−ブロモスクシンイミド(27g)を少しずつ添加しながら撹拌した。混合物をrtで一夜撹拌した。20%(w/v)−硫酸ナトリウム(200ml)を添加し、分離した水性相をDCMで抽出した。合わせた有機相を飽和NaHCO溶液および塩水で洗浄した。真空濃縮後、残渣をEtOAcに溶解し、水、塩水で洗浄し、乾燥させた。溶液をシリカゲルを通して濾過した。濾液を真空濃縮し、ジエチルエーテルおよびイソヘキサン(1/1、200ml)混合物に溶解して、副題化合物(26g)を得た。溶媒を除去して残渣を得て、それをカラムクロマトグラフィー(EtOAc/イソヘキサンで精製して、2.5gを得た。固体を合わせて、副題化合物を黄色固体として得た。収量28.5g。融点:148−150℃
1H NMR δ (CDCl3) 5.59-5.64 (3H, m), 4.32 (2H, m), 4.17 (1H, m), 3.74 (1H, m), 3.08 (1H, m), 2.13 (1H, d), 1.48 - 1.83 (8H, m), 0.98 (3H, t).
【0122】
(iv) 2−ブトキシ−8−メトキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
ナトリウム(3.7g)を無水メタノール(400ml)に窒素雰囲気下に添加した。この溶液に、工程(iii)の生成物(28.5g)を添加し、混合物を65℃で9時間撹拌した。混合物を真空濃縮し、500mlの水を添加した。水性相をEtOAcで抽出し、塩水で洗浄し、乾燥させた。副題化合物をジエチルエーテルからの結晶化後に得た。収量14.2g。
1H NMR δ (CDCl3) 5.51(1H, dd), 5.28 (2H, brs), 4.29 (2H, t), 4.11 - 4.14 (4H, m), 3.70 (1H, m), 2.76 - 2.80 (1H, m), 2.05 (1H, d), 1.47 - 1.81 (8H, m), 0.97 (3H, t).
【0123】
(v) 2−ブトキシ−8−メトキシ−9H−プリン−6−アミン、TFA塩
工程(iv)の生成物(24g)を無水メタノール(300ml)に溶解し、30mlのTFAを添加した。反応混合物をrtで3日間撹拌し、真空濃縮した。副題化合物を、メタノール/EtOAcでトリチュレーション後に白色結晶固体として得た。収量21g。
1H NMR δ (CD3OD) 4.48 (2H, t), 4.15 (3H, s), 1.80 (2H, quintet), 1.50 (2H, sextet), 0.99 (3H, t).
【0124】
(vi) 2−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−メトキシ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
工程(v)の生成物(15g)を乾燥DMF(200ml)に溶解し、18gのKCOを添加した。懸濁液をrtで15分間撹拌後、2−(3−ブロモプロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(14g)を添加し、懸濁液をrtで10時間激しく撹拌した。反応混合物をEtOAcで抽出し、水および塩水で洗浄し、乾燥させた。副題化合物を、EtOAc/ジエチルエーテルからの結晶化後に得た。収量16g。
1H NMR δ (DMSO-d6) 7.83 (4H, m), 6.73 (2H, brs), 4.06 (2H, t,), 4.01 (3H, s), 3.89 (2H, t), 3.58 (2H, t), 2.07-2.14 (2H, m), 1.55-1.62 (2H, m), 1.31-1.40 (2H, m), 0.90 (3H, t).
【0125】
(vii) 9−(3−アミノプロピル)−2−ブトキシ−8−メトキシ−9H−プリン−6−アミン
工程(vi)の生成物(1g)をエタノール(10ml)に溶解し、ヒドラジン一水和物(1ml)を添加し、環境温度で10時間撹拌した。生成物を減圧下濃縮し、残渣をDCM(10ml)に懸濁し、1時間撹拌した。懸濁液を濾過し、DCMで洗浄した。溶液を水で洗浄し、乾燥させた。溶液を減圧下で濃縮して、副題化合物を得た。収量700mg。
1H NMR δ (DMSO-d6) 6.77 (2H, brs), 4.16 (2H, t), 4.05 (3H, s), 3.89 (2H, t), 2.46-2.52 (2H, m), 1.61-1.76 (4H, m), 1.35-1.45 (2H, m), 0.92 (3H, t).
【0126】
(viii) 6−アミノ−9−[3−(ベンジルアミノ)プロピル]−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン、ジヒドロクロライド
工程(vii)の生成物(4g)およびベンズアルデヒド(1.6g)をTHF(40ml)に溶解し、rtで24時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.8g)および5滴のメタノールを添加し、rtで一夜撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をEtOAcおよび塩水に分配した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をMeOH(100ml)に溶解し、濃HCl(10ml)を添加し、rtで72時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をMeOH/EtOAcでトリチュレートした。収量3.64g。
1H NMR δ (DMSO-d6) 10.96 (1H, s); 9.23 (2H, brs); 7.53-7.38 (5H, m); 4.26 (2H, t); 4.11 (2H, t); 3.78 (2H, t); 2.93-2.91 (2H, m); 2.10-2.03 (2H, m); 1.71-1.64 (2H, m); 1.46-1.36 (2H, m); 0.93 (3H, t)
MS: APCI (+ve): 371
【0127】
(ix) N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジルアセトアミド
アセチルクロライド(0.08ml)を、NMP(5ml)中の工程(viii)の生成物(250mg)およびトリエチルアミン(0.6ml)の混合物に添加し、2時間撹拌した。混合物をRPHPLCで精製した、収量85mg。
1H NMR δ (DMSO-d6)ロータマーは9.86および9.82 (1H, 2xs); 7.35-7.10 (5H, m); 6.41および6.39 (2H, 2xs); 4.56および4.46 (2H, 2xs); 4.14-4.10 (2H, m); 3.68-3.60 (2H, m); 3.25-3.18 (2H, m); 2.01および1.99 (3H, 2xs); 1.95-1.80 (2H, m); 1.65-1.60 (2H, m); 1.41-1.35 (2H, m); 0.91 (3H, t)を示す
MS: APCI (+ve): 413
【0128】
実施例2
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−2−メトキシアセトアミド
【化13】

表題化合物を、メトキシアセチルクロライドを使用して、実施例1の方法により製造した。
1H NMR δ (DMSO-d6)ロータマーは9.87 (1H, s); 7.34-7.11 (5H, m); 6.42および6.40 (2H, 2xs); 4.51および4.48 (2H, 2xs); 4.14および4.11 (2H, m); 4.07および4.05 (2H, 2xs); 3.67-3.60 (2H, m); 3.26-3.13 (5H, m); 1.96-1.81 (2H, m); 1.66-1.59 (2H, m); 1.42-1.33 (2H, m); 0.91 (3H, t)を示す
MS: APCI (+ve): 443
【0129】
実施例3
メチル4−[[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル](ベンジル)アミノ]−4−オキソブタノエート
【化14】

PyBop(0.47g)を、DMF(8ml)中の実施例1 工程(viii)の産物(0.25g)、EtN(0.7ml)およびコハク酸モノメチルエステル(0.16g)の混合物に添加し、rtで4日間撹拌した。MeOH(10ml)を添加し、溶媒を減圧下蒸留し、残渣をRPHPLCで精製した、収量46mg。
1H NMR δ (DMSO-d6)ロータマーは9.86および9.82(1H, 2xs); 7.34-7.09 (5H, m); 6.41および6.39 (2H, 2xs); 4.60および4.47 (2H, 2xs); 4.14-4.10 (2H, m); 3.70-3.58 (2H, m); 3.57および3.56 (3H, 2xs); 3.26-3.21 (2H, m); 2.60-2.57 (2H, m); 1.98-1.78 (2H, m); 1.65-1.60 (2H, m); 1.40-1.34 (2H, m); 0.91 (3H, t)を示す
MS: APCI (+ve): 485
【0130】
実施例4−10は実施例3と同じ方法で製造した。
実施例4
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−3−メトキシプロパンアミド
【化15】

1H NMR δ (DMSO-d6)ロータマーは9.86および9.82 (1H, 2xs); 7.33-7.10 (5H, m); 6.41および6.39 (2H, 2xs); 4.58および4.48 (2H, 2xs); 4.12 (2H, t); 3.68-3.50 (4H, m); 3.25-3.23 (2H, m); 3.20および3.17 (3H, 2xs); 1.96-1.78 (2H, m); 1.67-1.58 (2H, m); 1.40-1.35 (2H, m); 0.91 (3H, t)を示す
MS: APCI (+ve): 457
【0131】
実施例5
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−N',N'−ジメチルスクシンアミド
【化16】

1H NMR δ (DMSO-d6)ロータマーは9.85 (1H, s); 7.35-7.10 (5H, m); 6.41および6.39 (2H, 2xs); 4.60および4.47 (2H, 2xs); 4.13-4.10 (2H, m); 3.69-3.60 (2H, m); 3.27-3.20 (2H, m); 2.97および2.95 (3H, 2xs); 2.80および2.79 (3H, 2xs); 2.54 (2H, s); 1.98-1.79 (2H, m); 1.64-1.59 (2H, m); 1.40-1.35 (2H, m); 0.91 (3H, t)を示す
MS: APCI (+ve): 498
【0132】
実施例6
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミド
【化17】

1H NMR δ (DMSO-d6)ロータマーは9.89および9.82 (1H, 2xs); 7.84-7.81 (2H, m); 7.44-7.11 (7H, m); 6.44-6.39 (2H, 2xs); 4.66および4.50 (2H, 2xs); 4.13-4.08 (2H, m); 3.84 (2H, s); 3.70-3.60 (2H, m); 3.29-3.26 (2H, m); 3.20および3.18 (3H, 2xs); 2.01-1.80 (2H, m); 1.66-1.56 (2H, m); 1.41-1.29 (2H, m); 0.92-0.86 (3H, m)を示す
MS: APCI (+ve): 567
【0133】
実施例7
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)アセトアミド
【化18】

1H NMR δ (DMSO-d6)ロータマーは9.86および9.81 (1H, 2xs); 7.33-7.12 (10H, m); 6.41および6.39 (2H, 2xs); 4.66および4.48 (2H, 2xs); 4.15-4.09 (2H, m); 3.69-3.56 (2H, m); 3.41および3.35 (2H, 2xs); 3.32-3.14 (2H, m); 3.11および3.01 (2H, 2xs); 2.43-2.18 (8H, m); 2.02-1.75 (2H, m); 1.66-1.58 (2H, m); 1.41-1.31 (2H, m); 0.93-0.87 (3H, m)を示す
MS: APCI (+ve): 587
【0134】
実施例8
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−2−(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アセトアミド
【化19】

1H NMR δ (DMSO-d6)ロータマーは9.86 (1H, brs); 7.39-7.12 (5H, m); 6.42および6.39 (2H, 2xs); 5.12および5.03 (2H, 2xs); 4.66および4.49 (2H, 2xs); 4.11 (2H, t); 3.73-3.61 (2H, m); 3.28-3.24 (2H, m); 2.24および2.20 (3H, 2xs); 2.15および2.12 (3H, 2xs); 2.06-1.80 (2H, m); 1.64-1.57 (2H, m); 1.40-1.33 (2H, m); 0.93-0.88 (3H, m)を示す
MS: APCI (+ve): 508
【0135】
実施例9
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−3−ピラジン−2−イルプロパンアミド
【化20】

1H NMR δ (DMSO-d6)ロータマーは9.84および9.82 (1H, 2xs); 8.55 (1H, d); 8.50 (1H, d); 8.43 (1H, dd); 7.32-7.04 (5H, m); 6.40 (2H, s); 4.61および4.46 (2H, 2xs); 4.13-4.08 (2H, m); 3.70-3.57 (2H, m); 3.29-3.21 (2H, m); 3.04-3.00 (2H, m); 2.83-2.79 (2H, m); 1.97-1.78 (2H, m); 1.64-1.58 (2H, m); 1.38-1.34 (2H, m); 0.92-0.87 (3H, m)を示す
MS: APCI (+ve): 505
【0136】
実施例10
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−N,N−ジメチル−β−アラニンアミド
【化21】

1H NMR δ (DMSO-d6)ロータマーは9.87および9.82 (1H, 2xs); 7.36-7.10 (5H, m); 6.41および6.39 (2H, 2xs); 4.59および4.47 (2H, 2xs); 4.12 (2H, t); 3.69-3.60 (2H, m); 3.28-3.18 (2H, m); 2.46-2.32 (4H, m); 2.06-2.04 (6H, 2xs); 1.96-1.80 (2H, m); 1.65-1.59 (2H, m); 1.41-1.34 (2H, m); 0.93-0.88 (3H, m)を示す
MS: APCI (+ve): 470
【0137】
生物学的アッセイ
ヒトTLR7アッセイ
組み換えヒトTLR7を、既にpNiFty2−SEAPレポータープラスミドを安定に発現するHEK293細胞株に安定に発現させた;レポーター遺伝子の統合は、抗生物質ゼオシンでの選択により維持した。ヒトTLR7の最も一般的な変異配列(EMBL配列AF240467により示される)を、哺乳動物細胞発現ベクターpUNOにクローン化し、このレポーター細胞株にトランスフェクトした。安定に発現するトランスフェクタントを抗生物質ブラストサイジンを使用して選択した。このレポーター細胞株で、分泌アルカリホスファターゼ(SEAP)の発現を、近位ELAM−1プロモーターと組み合わさった5個のNFkB部位を含むNFkB/ELAM−1複合性プロモーターにより制御する。TLRシグナル伝達はNFkBの転位およびプロモーターの活性化に至り、SEAP遺伝子の発現をもたらす。TLR7特異的活性化を、37℃で標準化合物との、0.1%(v/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)存在下、一夜のインキュベーション後の、SEAPのレベルの測定により評価した。化合物による濃度依存的SEAP産生誘導を、その化合物についてSEAPの最大レベルの半分をもたらす化合物の濃度として示した(pEC50)。得られた結果を下記表1に示す。
【0138】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

〔式中、
は水素、ヒドロキシル、またはC−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリールまたはC−Cシクロアルキル基、各基は、所望によりから独立して選択される1個以上の置換基により置換されていてよくハロゲン、ヒドロキシル、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ、(モノ)−C−Cアルキルアミノおよび(ジ)−C−Cアルキルアミノであり;
は単結合またはC−Cアルキレンであり;
は単結合、酸素または硫黄原子、スルホニルまたはNRであり;
はC−CアルキレンまたはC−Cシクロアルキレン基であり、各基は所望により少なくとも1個のヒドロキシルで置換されていてよく;
はNRであり;
は単結合またはC−Cアルキレンであり;
nは整数0、1または2であり;
各R基は、独立してハロゲン、シアノ、S(O)、OR10、SONR1011、CONR1011、NR1011、NR10SO、NR10CO、NR10COR、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキルであり、後6者の基は、所望によりハロゲン、シアノ、S(O)12、OR13、SONR1314、CONR1314、NR1314、NR13SO12、NR13CO12、NR13COR12、C−Cアルキル、C−CハロアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
は水素またはC−Cアルキルであり;
はCO、SO、COR、SONRまたはCONRであり;

(i) NR、S(O)または酸素から独立して選択される1個または2個の環ヘテロ基を含む3−8員飽和ヘテロ環式環であり、本環は、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、C−CアルキルおよびC−Cアルコキシから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、または
(ii) C−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール基であり、その各々は、所望によりハロゲン、シアノ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、S(O)、OR10、CO10、SONR1011、CONR1011、NR1011、NR10SO、NR10COおよびNR10CORから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、または
(iii) C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基であり、その各々は、所望によりハロゲン、シアノ、C−Cシクロアルキル、S(O)12、OR13、COR13、CO13、SONR1314、CONR1314、NR、NR13SO12、NR13CO12、NR13COR12、C−C10アリールおよびC−C10ヘテロアリールから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、後2者の置換基は、それ自体、所望によりC−Cアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、メチルスルホニルおよびシアノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
は水素原子またはC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル基およびヘテロ環式部分から選択される基であり、その基は、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、シアノ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、OR15、S(O)15、CO16、COR16、NR1617、CONR1617、NR16COR17、NR16CO15、SONR1617、NR16SO15、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリールおよびヘテロ環式部分から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、後3者の置換基は、それ自体、所望によりC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ハロゲン、S(O)15、CO16、COR16、ヒドロキシおよびシアノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、そして
は水素原子またはC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基であり、各基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、カルボキシ、シアノ、OR15、ヒドロキシおよびNR1819から独立して選択される1個以上の置換基により置換されていてよく、または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により窒素、S(O)および酸素から選択されるさらなる環ヘテロ基を含んでよい3−8員の飽和または部分的に飽和の環ヘテロ環式環を形成し、本ヘテロ環式環は、所望により、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、OR20、NR2122、S(O)23、COR24、CO24、NR2425、CONR2425、NR24COR25、NR24CO23、SONR2425、NR24SO23、C−C10アリール、ベンジル、C−C10ヘテロアリール、ヘテロ環式部分、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、後8者の置換基は、それ自体、所望により、ハロゲン、オキソ、シアノ、OR21、S(O)23、COR24、CO24およびNR2425から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
各R、R10、R11、R13、R14、R16、R17、R18、R19、R21、R22、R24およびR25は、独立して、水素原子またはC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基であり;
各R、R12、R15およびR23は、独立して、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
20は、所望によりハロゲン、ヒドロキシルおよびOR23から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよいC−Cアルキル基であり;
m、p、q、r、t、v、w、x、yおよびzは、各々独立して、0、1または2の整数であり;そして
AはC−C10アリールまたはC−C12ヘテロアリール基である。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がC−Cアルキレンである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が酸素原子である、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
がC−Cアルキレンである、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
がNRであり、そしてRがCORである、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
が、所望によりフッ素、塩素、シアノ、C−Cシクロアルキル、S(O)12、OR13、COR13、CO13、SONR1314、CONR1314、NR、NR13SO12、NR13CO12、NR13COR12、フェニルおよびC−Cヘテロアリールから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよいC−Cアルキルであり、後2者の置換基が、それ自体、所望により、C−Cアルキル、フッ素、塩素、ヒドロキシ、メチルスルホニルおよびシアノから独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されていてよい、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
がC−Cアルキレンである、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
AがC−C10アリールである、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
次のものである、請求項1に記載の化合物:
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジルアセトアミド、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−2−メトキシアセトアミド、
メチル4−[[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル](ベンジル)アミノ]−4−オキソブタノエート、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−3−メトキシプロパンアミド、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−N',N'−ジメチルスクシンアミド、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミド、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)アセトアミド、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−2−(3,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アセトアミド、
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−3−ピラジン−2−イルプロパンアミド、または
N−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N−ベンジル−N,N−ジメチル−β−アラニンアミド、
またはそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項11】
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、
(a) Rが基CORであるとき、式
【化2】

〔式中、n、R、R、A、X、Y、ZおよびYは式(I)において定義の通りである。〕
の化合物と、式(III)の化合物、R−C(O)−L(式中、Lはハロゲンまたはヒドロキシであり、そしてRは式(I)において定義の通りである)の化合物を、必要に応じて塩基またはカップリング剤の存在下で反応させるか;
(b) Rが基CORであり、そしてRが基C−Cアルキル−NRであるとき、式
【化3】

〔式中、R30はC−Cアルキル基であり、Lは脱離基であり、そしてn、R、R、A、X、Y、ZおよびYは式(I)において定義の通りである。〕
の化合物と、式(V)の化合物、NHR(式中、RおよびRは式(I)において定義の通りである)を、塩基の存在下で反応させるか;
(c) Rが基SOであるとき、上記(a)で定義した式(II)の化合物と、式(VI)の化合物、L−S(O)−R(式中、Lは脱離基であり、そしてRは式(I)において定義の通りである)を塩基の存在下反応させるか;
(d) Rが基COであるとき、上記(a)で定義した式(II)の化合物と、式(VII)の化合物、L−C(O)−OR(式中、Lは脱離基であり、そして、Rは式(I)において定義の通りである)を、塩基の存在下で反応させるか;
(e) Rが基SONRであるとき、上記(a)で定義した式(II)の化合物と、式(VIII)の化合物、L−S(O)−NR(式中、Lは脱離基であり、そしてRおよびRは式(I)において定義の通りである)を、塩基の存在下で反応させるか;
または
(f) Rが基CONRであるとき、上記(a)で定義した式(II)の化合物と、式(IX)、L−C(O)−NR(式中、Lは脱離基であり、そしてRおよびRは式(I)において定義の通りである)を、塩基の存在下で反応させ;
所望により、その後に次の工程の1つ以上を行う:
●式(I)の化合物を他の式(I)の化合物に変換する、
●何らかの脱離基を除去する、
●薬学的に許容される塩を形成する
ことを含む方法。
【請求項12】
請求項1から10のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を含む、医薬組成物。
【請求項13】
アレルギー性またはウイルス疾患または癌の処置に使用するための、請求項1から10のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、癌、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染または皮膚炎の処置に使用するための、請求項13に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
アレルギー性またはウイルス疾患または癌を処置するまたはリスクを軽減する方法であって、それを必要とする患者に治療的有効量の請求項1から10のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。

【公表番号】特表2010−522150(P2010−522150A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554080(P2009−554080)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000952
【国際公開番号】WO2008/114006
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】