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X線及び熱分析装置
説明

X線及び熱分析装置

【課題】隔壁、炉体カバー等が用いられているX線及び熱分析の同時測定装置において複数試料を自動的に順次に交換して測定できるようにする。
【解決手段】隔壁17内で炉体によって試料18を加熱し、炉体カバーで均熱化を行い、X線測定装置2及び熱分析測定装置3によって同時測定を行うX線及び熱分析の同時測定装置において、把持部材81を持った搬送装置4によって炉体カバーを隔壁17内からカバー載置部91へ取出した状態で、交換試料18を試料載置部98から隔壁17内へと搬送装置4によって搬送するようになっており、カバー載置部91には炉体カバーの位置決め用ブロック99が設けられ、試料載置部98には試料容器の位置決めを行う部材が設けられている。炉体カバーや試料容器を隔壁17内でX線通路X1に対して常に一定の相対位置に配置して、X線の進行を邪魔しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線分析のための測定と熱分析のための測定とを同時に行うX線及び熱分析装置に関する。特に、複数の試料に関して自動的に連続して測定を行うX線及び熱分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線分析のための測定と熱分析のための測定とを同時に行うX線及び熱分析装置が特許文献1に開示されている。この種の装置では、一般に、試料が炉体に収容され、さらにその炉体が隔壁に収容される。そして、複数の試料を順次に測定する際には、1つの試料についての測定が終わるたびに測定者の手動によって隔壁が取り外され、試料が交換される。
【0003】
従来、熱分析装置に好適に用いられる試料搬送装置が特許文献2に開示されている。この熱分析装置では、炉体であるヒートシンク13が断熱容器、すなわち隔壁9内に収容され、ヒートシンク13の上部開口及び隔壁9の上部開口がカバー7によって覆われる。この試料搬送装置によれば、複数の試料容器52が試料搬送部4によって隔壁9内の試料載置部18aとターンテーブル36との間で1つずつ順次に搬送される。この試料搬送の際には、カバー7が隔壁9及びヒートシンク13のそれぞれの上部開口から取り外される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−295244号公報(第2〜4頁、図1)
【特許文献2】特開2004−264096号公報(第4〜8頁、図4,5,6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
X線測定と熱分析測定とを同時に行う際には、隔壁及び炉体にX線を通過させるための部分が設けられていなければならない。場合によっては、炉体の上部開口を覆うカバーにもX線を通過させるための部分が必要である。また、測定の自動化を実現するためには、隔壁及び炉体への試料及びカバーの出し入れを自動的に行うことを考慮しなければならない。
【0006】
このような試料やカバーの出し入れの際には、測定を受けるための所定位置に試料容器やカバーが配置されたときに、それらがX線通路を遮ってはならない。このような問題があるため、従来は、X線測定と熱分析測定とを同時に行うこと(以下、X線及び熱分析の同時測定ということがある)を複数の試料に関して自動的に順次に繰り返して行うことは非常に困難であると考えられていた。実際、X線測定単独や熱分析測定の単独の場合には自動測定を行う提案がなされているものの、X線測定と熱分析測定とを同時に行う装置に関しては、複数の試料に対しての自動測定を行うということは行われていなかった。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解消するために成されたものであって、炉体、カバー、及び隔壁によって包囲された状態でX線及び熱分析の同時測定を受けようとしている試料が複数ある場合に、それらの試料を順次に自動的に交換して測定することができるX線及び熱分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る第1のX線及び熱分析装置は、(1)試料を収容した試料容器が置かれる内部側容器載置部と、(2)該内部側容器載置部を収容し開口を備えた炉体と、(3)該炉体を収容し開口を備えた隔壁と、(4)前記隔壁の開口を開閉する開閉蓋と、(5)前記内部側容器載置部に置かれた試料容器に収容された試料に対して熱分析のための測定を行う熱分析測定装置と、(6)前記内部側容器載置部に置かれた前記試料容器に収容された試料にX線を照射したときに該試料から出た2次X線をX線検出器によって検出するX線測定装置と、(7)前記隔壁内の内部側要素載置部に置かれることができ、且つ該内部側要素載置部から取り外されることができる内部要素と、(8)前記隔壁の外側に設けられており前記試料容器を置くための外部側容器載置部と、(9)前記隔壁の外側に設けられており前記内部要素を置くための外部側要素載置部と、(10)前記内部側容器載置部と前記外部側容器載置部との間で前記試料容器を搬送し、さらに前記内部側要素載置部と前記外部側要素載置部との間で前記内部要素を搬送する搬送手段と、(11)前記開閉蓋、前記熱分析測定装置、前記X線測定装置、及び前記搬送手段の動作を制御する制御手段とを有し、(12)前記試料容器はX線を通過できる部分を一部に有しており、(13)前記制御手段は、(ア)前記内部要素が前記内部側要素載置部に置かれ、且つ前記開閉蓋が前記隔壁の開口を閉じた状態において、前記熱分析測定装置及び/又は前記X線測定装置を用いて測定を行わせ、さらに(イ)前記開閉蓋が前記隔壁の開口を開いており且つ前記内部要素が前記外部側要素載置部上に置かれた状態で、前記外部側容器載置部と前記内部側容器載置部との間で前記試料容器を前記搬送手段によって前記隔壁の開口及び前記炉体の開口を通して搬送させることを、(ウ)前記外部側容器載置部上に配置された複数の試料容器に対して順次に繰り返して行い、(14)前記搬送手段は、前記試料容器を前記内部側容器載置部上に配置するとき、前記試料容器のX線を通過できる部分を前記X線測定装置におけるX線通路に位置的に合わせることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るX線及び熱分析装置によれば、炉体の開口及び隔壁の開口を通して搬送手段によって試料容器を炉体の内部と炉体の外部とで搬送でき、それ故、複数の試料を搬送手段によって交換しながら自動的に繰り返して測定を行うことができる。
また、試料容器はX線を通過できる部分を一部に有しているので、当該部分をX線測定装置のX線通路に合わせることにより、X線測定を支障無く行うことができる。もちろん、熱分析測定も支障無く行うことができる。
また、搬送手段は、試料容器を炉内に配置させる際、試料容器のX線を通過できる部分をX線測定装置のX線通路に自動的に合わせるので、複数の試料に対して自動的に繰り返して行われるX線測定を一定の条件で安定して行うことができる。
【0010】
上記構成において、「内部要素」は、隔壁の内部に設けられる要素のことであり、例えば、炉体の上方に配置される蓋等が考えられる。本発明では熱分析測定とX線測定とが同時に行われるので、蓋等といった「内部要素」はX線測定におけるX線通路を遮らないような位置に配置されたり、X線通路を遮らない構造(すなわちX線を通過できる部分)を有していることが望ましい。
【0011】
内部要素をどうしてもX線通路を遮る位置に配置せざるを得ない場合には、内部要素を所定の位置にどのような角度状態で配置した場合でも、その内部要素をX線が通過できる構造にその内部要素が構成されていることが望ましい。
なお、内部要素がX線通路を遮る位置に配置せざるを得ない場合であって、X線を通過させることができる部分がその内部要素の一部分だけにしか備えられていない場合は、その内部要素の配置の仕方によっては、X線の進行が妨げられてしまって、X線測定に支障が出るおそれがある。そのような場合には、下記の第2発明を用いることが望ましい。
【0012】
本発明に係る第2のX線及び熱分析装置は、(1)試料を収容した試料容器が置かれる内部側容器載置部と、(2)該内部容器載置部を収容し開口を備えた炉体と、(3)該炉体を収容し開口を備えた隔壁と、(4)前記隔壁の開口を開閉する開閉蓋と、(5)前記内部側容器載置部に置かれた試料容器に収容された試料に対して熱分析のための測定を行う熱分析測定装置と、(6)前記内部側容器載置部に置かれた前記試料容器に収容された試料にX線を照射したときに該試料から出た2次X線をX線検出器によって検出するX線測定装置と、(7)前記内部側要素載置部に置かれることができ、且つ該内部側要素載置部から取り外されることができ、さらに前記X線測定装置におけるX線通路を遮る位置に配置されるが該X線通路を遮らない構造を有した内部要素と、(8)前記隔壁の外側に設けられており前記試料容器を置くための外部側容器載置部と、(9)前記隔壁の外側に設けられており前記内部要素を置くための外部側要素載置部と、(10)前記内部側容器載置部と前記外部側容器載置部との間で前記試料容器を搬送し、さらに前記内部側要素載置部と前記外部側要素載置部との間で前記内部要素を搬送する搬送手段と、(11)前記開閉蓋、前記熱分析測定装置、前記X線測定装置、及び前記搬送手段の動作を制御する制御手段とを有し、(12)前記試料容器はX線を通過できる部分を一部に有しており、(13)前記制御手段は、(ア)前記内部要素が前記内部側要素載置部に置かれ、且つ前記開閉蓋が前記隔壁の開口を閉じた状態において、前記熱分析測定装置及び/又は前記X線測定装置を用いて測定を行わせ、さらに(イ)前記開閉蓋が前記隔壁の開口を開いており且つ前記内部要素が前記外部側要素載置部上に置かれた状態で、前記外部側容器載置部と前記内部側容器載置部との間で前記試料容器を前記搬送手段によって前記隔壁の開口及び前記炉体の開口を通して搬送させることを、(ウ)前記外部側容器載置部上に配置された複数の試料容器に対して順次に繰り返して行い、(14)前記搬送手段は、(ア)前記内部要素を前記内部側要素載置部に配置するとき、前記内部要素のX線通路を遮らない構造を前記X線測定装置におけるX線通路に位置的に合わせ、さらに、(イ)前記試料容器を前記内部側容器載置部上に配置するとき、前記試料容器のX線を通過できる部分を前記X線測定装置におけるX線通路に位置的に合わせることを特徴とする。
【0013】
第1のX線及び熱分析装置においては、蓋等といった内部要素がX線測定装置におけるX線通路を遮るかどうかについては考慮しなかった。X線通路を遮る場合でも遮らない場合でも請求項1の発明の技術的範囲に含まれるものである。上記第2のX線及び熱分析装置においては、内部要素が位置的にはX線測定装置のX線通路を遮る位置に配置されるが、その部分の内部要素がX線を遮らない構造(すなわちX線を通過させることができる部分)を備えている。
【0014】
第2のX線及び熱分析装置において、搬送手段が試料容器を炉内に配置させる際、試料容器のX線を通過できる部分をX線測定装置のX線通路に自動的に合わせることに関しては、第1X線及び熱分析装置と同じである。第2のX線及び熱分析装置においては、そのことに加えて、搬送手段が内部要素を隔壁内の内部側要素載置部に配置するとき、内部要素のX線通過を遮らない構造部分を搬送手段が自動的にX線測定装置のX線通路に合わせるようになっている。従って、内部要素を炉内から取り外したり、炉内の所定位置に装着したりする作業を繰り返して行ったとしても、常に、X線測定を正常な条件で安定して行うことができる。
【0015】
上記第2のX線及び熱分析装置において、前記搬送手段が、前記内部要素を前記内部側要素載置部に配置させるとき、前記内部要素のX線通路を遮らない構造を前記X線測定装置におけるX線通路に位置的に合わせることは、前記外部側要素載置部に前記内部要素のための位置決め部材を設けることと、前記搬送手段が前記内部要素を搬送中に回転させないこと、とによって達成できる。この構成は、簡単な構成でありながら、非常に安定した位置決め効果を得ることができる。
【0016】
上記第2のX線及び熱分析装置において、前記外部側要素載置部に設けられた位置決め部材は、位置決め用の平面を有するブロック部材とすることができ、前記内部要素は前記ブロック部材の位置決め用平面に嵌合する形状を有することができる。例えば、外部側要素載置部の側に突出部分を設けておき、内部要素の側にその突出部分に嵌り合う形状部分を設けておくことができる。
【0017】
上記第2のX線及び熱分析装置において、前記内部要素は前記炉体の開口を覆う炉体カバーとすることができる。そしてこの場合、前記X線測定装置のX線通路を遮らないような炉体カバーの構造は、X線を通過可能な部材によって形成された箔部材を該炉体カバーに部分的に設けた構造とすることができる。炉体カバーは熱分析測定装置において高い頻度で使用される機器である。
【0018】
上記第1及び第2のX線及び熱分析装置において、前記搬送手段が、前記試料容器を前記内部側容器載置部上に配置するとき、前記試料容器のX線を通過できる部分を前記X線測定装置におけるX線通路に位置的に合わせることは、前記外部側容器載置部に前記試料容器のための位置決め部材を設けることと、前記搬送手段が前記試料容器を搬送中に回転させないこと、とによって達成できる。この構成は、簡単な構成でありながら、非常に安定した位置決め効果を得ることができる。
【0019】
上記第1及び第2のX線及び熱分析装置において、前記外部側容器載置部に設けられた位置決め部材は、前記試料容器と平面視で相似形の凹部とすることができる。この構成によれば、測定の開始に先立って測定者が試料容器を外部側容器載置部へセットする作業を非常に簡単に行うことが可能となる。試料容器及び凹部の平面形状は、例えば正方形状、長方形状等といた矩形状とすることができる。
【0020】
上記第1及び第2のX線及び熱分析装置において、前記試料容器におけるX線を通過させることができる部分は、該試料容器の側壁の一部の高さが他部よりも低い部分であるとすることができる。この構成は、試料容器の構造を複雑にすることが無い構成であり、しかも、把持部材によって試料容器を把持する際には、高さの高い方の側壁を把持できるので、非常に好都合である。
【0021】
上記第1及び第2のX線及び熱分析装置において、前記開閉蓋は板状の部材とすることができ、さらに該開閉蓋は前記隔壁の開口を塞ぐ位置と該開口を開く位置との間で平行移動できる構成とすることができる。この構成は、非常に小型に形成でき、隔壁が小型である場合でもその内部に容易に設置することができる。開閉蓋のうち隔壁の開口を覆う部分には金属よりも柔らかい材料によってパッドを設けておくことが望ましい。さらには、パッドと接触する部分にOリング等といった封止部材を設けておくことが望ましい。
【0022】
上記第1及び第2のX線及び熱分析装置において、前記搬送手段は棒状の把持部材を有することができ、該把持部材は前記隔壁の開口及び前記炉体の開口を通過できることが望ましい。この構成により、隔壁の開口及び炉体の開口を徒に広く形成する必要がなくなり、また、搬送手段の移動領域もできるだけ狭い範囲に限定できる。
【0023】
上記第1及び第2のX線及び熱分析装置において、前記搬送手段は、互いに直交する3軸方向のそれぞれで往復直進移動する移動部を備えた3軸直進移動機構によって構成することができる。3軸直進移動機構は動きが直線的であるので、試料容器や内部要素の角度位置を一定に保持し易い。従って、把持部材の角度位置を正確に維持することが望まれる本発明に関しては好都合である。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るX線及び熱分析装置によれば、炉体の開口及び隔壁の開口を通して搬送手段によって試料容器を炉体の内部と炉体の外部とで搬送でき、それ故、複数の試料を搬送手段によって交換しながら自動的に繰り返して測定を行うことができる。
また、試料容器はX線を通過できる部分を一部に有しているので、当該部分をX線測定装置のX線通路に合わせることにより、X線測定を支障無く行うことができる。もちろん、熱分析測定も支障無く行うことができる。
また、搬送手段は、試料容器を炉内に配置させる際、試料容器のX線を通過できる部分をX線測定装置のX線通路に自動的に合わせるので、複数の試料に対して自動的に繰り返して行われるX線測定を一定の条件で安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るX線及び熱分析装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の装置の主要部である試料支持ユニットを示す分解斜視図である。
【図3】図2のD−D線に従った断面図である。
【図4】図2に示す構造の内部構造であるDSCユニットを示す斜視図である。
【図5】図4に示すDSCユニットの断面図である。
【図6】炉体カバーの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図7】把持部材の一実施形態を示す図である。
【図8】試料容器の一実施形態を示す斜視図である。
【図9】外部容器載置部、外部カバー載置部、外部蓋載置部のそれぞれの一実施形態を示す斜視図である。
【図10】本発明に係るX線及び熱分析装置における制御系の一実施形態を示すブロック図である。
【図11】図10の制御系によって実現される制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るX線及び熱分析装置を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。
【0027】
図1は、本発明に係るX線及び熱分析装置の一実施形態を示している。本実施形態では、X線分析のための測定を行う装置(以下、X線測定装置という)としてX線回折装置を例示し、熱分析のための測定を行う装置(以下、熱分析測定装置という)としてDSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量分析)測定装置を例示するが、必要に応じてその他の装置を用いることができる。
【0028】
例えば、X線測定装置はX線を用いて測定を行う任意の装置であり、X線回折装置以外に例えばX線散乱装置、蛍光X線装置、その他がある。また、熱分析測定装置は、試料の温度を変化させながら測定を行う任意の装置であり、DSC測定装置以外にDTA(Differential Thermal Analysis:示差熱分析)測定装置も考えられる。
【0029】
図1に示すX線及び熱分析装置1は、X線測定装置としてのX線回折装置2と、熱分析測定装置としてのDSC測定装置3と、試料搬送装置4と、試料支持ユニット5とを有している。試料支持ユニット5は着脱可能な外装ケース16を有している。
【0030】
(X線回折装置)
X線回折装置2は、ゴニオメータ6と、X線発生部7と、X線検出器8とを有している。ゴニオメータ6は、中心部から前方へ延びている支持軸13と、中心部から左方向へ延びている第1アーム11と、中心部から第1アーム11の反対側へ延びている第2アーム12とを有している。
【0031】
X線発生部7は第1アーム11によって支持されている。X線発生部7の中には、X線を発生するX線源9が設けられている。X線源9は、例えばCu(銅)の特性X線を含むX線を発生する。
【0032】
X線検出器8は、第2アーム12によって支持されている。X線検出器8は、例えばSC(Scintillation Counter)等のような位置分解能を持たない0次元カウンタや、X線受光素子をX線検出器8の回転移動方向(すなわち矢印B−B’方向)に沿って直線的に並べて成る半導体センサ等によって構成されている。
【0033】
ゴニオメータ6の支持軸13は回転しないように固定されている。詳しくは後述するが、この支持軸13によって試料支持ユニット5が回転しないように固定支持されている。なお、試料支持ユニット5をゴニオメータ6によって支持することに代えて、別途備えられたテーブル(図示せず)の上に固定しても良い。試料支持ユニット5をゴニオメータ6によって支持した場合、その試料支持ユニット5の重量が重くなると、ゴニオメータ6に歪みが生じるおそれがある。試料支持ユニット5をゴニオメータ6から外してテーブル上に置くことにすれば、そのようなゴニオメータ6の歪みの心配がなくなる。試料支持ユニット5は着脱可能な外装ケース16を有している。外装ケース16の内部には隔壁17が設けられている。隔壁17の内部に標準物質19及び測定対象である試料18が配置される。
【0034】
第1アーム11は支持軸13の中心線(後述する試料軸線と一致している)を中心として矢印A−A’で示すように回転できる。従って、X線発生部7は支持軸13の中心線を中心として同様に回転できる。第2アーム12は支持軸13の中心線を中心として矢印B−B’で示すように回転できる。従って、X線検出器8は支持軸13の中心線を中心として同様に回転できる。
【0035】
本実施形態のゴニオメータ6は、試料18を固定支持し、X線源9とX線検出器8とを試料18を中心として同じ角速度で反対方向へ回転させる方式の、いわゆるθ−θ型のゴニオメータである。具体的には、図5において試料18のX線照射面を通り水平方向(図5の紙面を貫通する方向)へ延びる線を試料軸線ωと呼ぶとき、X線源9から試料18へ入射するX線の入射角度θを試料軸線ωを中心として一定方向へ所定の角速度で変化させながら、同時に、X線検出器8のX線取込口の中心が試料18の中心を見込む線と試料18の表面との成す角度θを入射角度θと同じ角速度で試料軸線ωを中心として反対方向へ回転させる。
【0036】
なお、X線検出器8はX線源9のθ回転と同じ角速度の回転であるが、このX線検出器8の回転はX線入射角度がθであるときに、試料18において回折角度2θ(θの2倍の角度)で発生した回折線を取り込むための回転であり、従って、X線検出器8のこの回転は、通常、2θ回転と呼ばれている。
【0037】
図1において、X線源9から放射されたX線は試料18に入射する。X線源9と試料18との間には、必要に応じてスリット、モノクロメータ、X線フィルタ、その他のX線光学要素が設けられる。これらのX線光学要素とX線源9とによって入射側X線光学系が構成されている。一方、試料18から2次X線、本実施形態では回折線が発生した場合、その回折線はX線検出器8によって検出される。X線検出器8は、取り込んだX線の強度に対応した電気信号を出力する。試料18とX線検出器8との間には、必要に応じてスリット、アッテネータ、その他のX線光学要素が設けられる。これらのX線光学要素とX線検出器8とによって受光側X線光学系が構成されている。
【0038】
X線源9から出て試料18に入射する入射X線の中心線が入射側X線光軸である。X線検出器8のX線取込口の中心が試料18の中心を見込む線が受光側X線光軸である。本実施形態では、入射側X線光軸とそれに連続する受光側X線光軸とをX線光軸X1と呼ぶことにする。また、X線光軸をX線通路と呼ぶこともある。
【0039】
(試料支持ユニット)
図2は、図1の外装ケース16の中に収納された機器を外装ケース16を外した状態で示している。図3は図2のD−D線に従って隔壁17の内部構造を示している。これらの図において、隔壁17は、円筒形状の伝熱材14と、その伝熱材14を覆っている同じく円筒形状の断熱材15とによって構成されている。伝熱材14は、熱を伝え易い材料、例えばアルミニウム等といった金属によって形成されている。伝熱材14の壁内には通液路20が設けられている。断熱材15は、できるだけ熱を通し難い材料によって形成されている。伝熱材14と断熱材15とは一体となって隔壁17を形成しているので、これ以降の説明では伝熱体14及び断熱材15のそれぞれを隔壁17と呼ぶことがある。図2の支持軸13から延びている棚部材27に、後で詳しく説明するDSCユニット30が固定されている。そのDSCユニット30の上に隔壁17が取外し可能に取付けられている。
【0040】
隔壁17を構成している伝熱材14の側壁の入射側X線光学系側の部分に、入射X線通過部であるX線通過用窓22が設けられている。このX線通過用窓22と反対側の伝熱材14の側壁に出射X線通過部であるX線通過用窓23が設けられている。これらの窓は、X線を通過させることができ、しかも機械強度が強い材料、例えばポリイミドフィルムによって形成されている。隔壁17を構成している伝熱材14の上壁には内部空間に通じる開口24が設けられている。この開口24は図1の外装ケース16の開口21と位置的に合っている。開口24の周囲に密閉用の封止部材であるO(オー)リング25が設けられている。
【0041】
図2において隔壁17の側壁の手前部分に上下2つの通液ポート26a,26bが設けられている。下部通液ポート26aは隔壁17の伝熱材14の壁内部へ冷却液、例えば冷却水を供給するためのポートである。上部通液ポート26bは隔壁17の壁内部から冷却液を回収するためのポートである。必要に応じて下部通液ポート26aから供給された冷却液は、図3の通液路20を流れて隔壁17の内部を冷却し、その後、図2の上部通液ポート26bから回収される。
【0042】
隔壁17に隣接して棚部材27上に門型形状の部材であるスタンド28が設けられており、このスタンド28の上板29の下部に電動モータ31が固定されている。このモータ31の出力軸が上板29を貫通し、その出力軸上に回転板32が取付けられている。回転板32はモータ31によって駆動されて1つの方向へ回転する。そして、さらに、その回転板32の適所にピン33が設けられている。ピン33にはローラ34が回転自在に設けられている。
【0043】
隔壁17の上壁に、平面視で長方形状である案内用ケース36がボルト、その他の締結手段によって固定されている。案内用ケース36は隔壁17の上壁との間に適宜の高さの扁平の空間を形成している。そして、その扁平の空間内に開閉蓋39が設けられている。開閉蓋39は長方形状の板状部材である。案内用ケース36の上板に円形状の貫通孔44が開けられている。この貫通孔44は隔壁17の上壁の開口24と位置的に合っている。
【0044】
開閉蓋39の支持軸13側(すなわち奥側)の端面に近い部分には、X線通路X1を含む面に対して平行の方向に延びる長孔41が設けられている。開閉蓋39の支持軸13から離れた側(すなわち手前側)の端面に近い部分には円形状の密閉用のパッド42が設けられている。パッド42は、比較的硬質であるが金属よりも柔らかい合成樹脂によって形成されている。パッド42の直径はOリング25の直径よりも大きくなっている。パッド42の厚さは開閉蓋39の厚さよりも厚くなっている。長孔41とパッド42との間の部分の開閉蓋39に円形状の貫通孔43が開けられている。
【0045】
回転板32に設けられたピン33のローラ34は、開閉蓋39の長孔41に嵌合している。回転板32がモータ31によって駆動されて回転すると、ピン33がモータ出力軸を中心として回転する。すると、ピン33によって押されて開閉蓋39が案内用ケース36にガイドされて矢印C−C’で示すようにX線通路X1を含む面と直角方向にスライド移動、すなわち往復直線移動する。
【0046】
回転板32は、ピン33を最もX線通路に近い位置に置く角度位置と、ピン33をX線通路から最も離す位置に置く角度位置と、の間で180°の回転角度ごとに一定方向へ回転するように制御される。ピン33がX線通路X1から最も離れた位置に在るとき、開閉蓋39のパッド42が隔壁17の上壁開口24を覆う。このとき、パッド42は、案内用ケース36内で図3に示すようにOリング25の上に乗り上げ、さらに、案内用ケース36の上板に設けた2つの押圧ピン46によってOリング25へ押し付けられる。これにより、開口24はパッド42によって密閉される。
【0047】
押圧ピン46の外周面にはネジが設けられており、従って押圧ピン46を測定者が指で回せば、押圧ピン46を案内用ケース36に対して移動させることができ、その結果、押圧ピン46の先端の案内用ケース36の内部空間内への突出量を調節できる。この突出量の調節により、パッド42のOリング25への押圧力を調節できる。
【0048】
図2の回転板32のピン33がX線通路X1へ最も近づく位置まで回転して停止すると、開閉蓋39が最も前方へ移動する。このとき、開閉蓋39の貫通孔43が隔壁17の上壁開口24と位置的に一致する。このとき、図1の外装ケース16の開口21を通して図2の開閉蓋39の開口43及び隔壁17の上壁開口24を通して、隔壁17の内部を見ることができる。
【0049】
図4は図2の構造から隔壁17を取り外してDSCユニット30を示している。図5はそのDSCユニット30の断面構造を示している。図2の隔壁17の内部には、図4及び図5に示すようなDSCユニット30が収容されている。このDSCユニット30は、棚部材27に固定された円筒形状の第1支持部材47と、その第1支持部材47にネジその他の締結手段によって固定された第2支持部材48と、第2支持部材48の上端湾曲縁部の下面にネジその他の締結手段によって固定されて垂下している炉体49とを有している。
【0050】
第2支持部材48は内部円筒部分と外部円筒部分とを有する二重円筒構造となっている。第1支持部材47、第2支持部材48、及び炉体49の材料及び機能は特開2001−050913に詳しく説明されている。炉体49は概ね円筒形状であり、その外周には加熱手段としてのヒータ線51が巻き付けられている。ヒータ線51は通電によって発熱する。ヒータ線51への通電は温度制御装置55によって制御される。
【0051】
炉体49の上部の内部は空間52となっており、その空間52は外部へ通じる開口53を有している。空間52を形成している炉体49のX線入射側の一部は切欠かれていて横孔54aが形成されている。また、横孔54aに対向する部分の炉体49の一部も切欠かれていて横孔54bが形成されている。横孔54aは炉体の内部へ入射するX線を通過させる入射X線通過部として機能し、他方の横孔54bは炉体から外部へ出るX線と通過させる出射X線通過部として機能する。
【0052】
空間52には、内部容器載置部としての感熱板56が設けられている。そして、この感熱板56の片側は、上面の一部が試料18を収容した試料容器57を載せるための内部容器載置部として機能し、感熱板56のもう1つの片側は、標準物質19を収容した試料容器57を載せるための内部容器載置部として機能する。感熱板56のこれらの領域は、試料容器57を安定な状態で載せる事ができるように、平面板の形状や、皿状の形状であっても良い。これらの感熱板56の試料容器を載せる感熱点に当る部分のそれぞれの下面には熱電対58の測温点が溶接その他の固着手法によって固着されている。図1のDSC測定装置3がこの熱電対58に接続されている。
【0053】
第2支持部材48の上面に案内用リング部材59が容易には取り外せないように固定されている。案内用リング部材59の上部には段部61が形成されている。炉体49の上部の周囲が炉体カバー62によって覆われている。炉体カバー62は案内用リング部材59によって案内されながら、炉体49に対して着脱される。炉体カバー62は、主に、炉体49内の空間52内の温度分布を均一化するため、いわゆる均熱化するために用いられている。
【0054】
炉体カバー62は図6に示すように、内カバー63、箔部材64、外カバー65及びツマミ66を有している。内カバー63及び外カバー65は、例えばステンレス等の金属によって形成されている。箔部材64は、X線を通過させることができる材料、例えばポリイミドフィルムによって形成されている。
【0055】
内カバー63の直径上の2カ所は切り欠かれて開口72が形成されている。開口72は、内カバー63の上面から側面にかけて形成されている。箔部材64は、内カバー63の開口72の幅よりも広い幅の略長方形状に形成されている。箔部材64は、折り曲げられることにより、内カバー63の両方の開口72を覆っている。外カバー65にも、内カバー63の開口72と略同じ形状の開口73が形成されている。
【0056】
外カバー65の内径は内カバー63の外径よりも、少なくとも箔部材64の厚さ以上に大きくなっている。これにより、箔部材64を間に挟んで内カバー63の外側に外カバー65を密着して嵌め込んで箔部材64を挟持できる。この場合には、内カバー63の開口72と外カバー65の開口73とが位置的に合致するように、外カバー65が内カバー63の外側に嵌め込まれる。
【0057】
内カバー63の中央部には雌ネジ68が切られている。箔部材64、外カバー65及びツマミ66の中央部には、それぞれ、貫通孔69、70、71が設けられている。ネジ74をツマミ66、外カバー65、そして箔部材64のそれぞれの貫通孔71、70、69に通し、そして内カバー63の雌ネジ68に締め付けることにより、図4に示すような単体としての炉体カバー62が組み立てられる。
【0058】
この炉体カバー62において、外カバー65の2カ所の開口73から外部へ臨み出ている2カ所の箔部材64の部分が、それぞれ、入射X線通過部又は出射X線通過部として機能する。炉体カバー62は図5に示すように、炉体49内の空間52の開口53を含んだ炉体49の上部に被される。このとき、炉体カバー62の2つの箔部材64の部分が、それぞれ、炉体49の入射側横孔54a及び出射側横孔54bに位置的に一致するように(互いに対向するように)、炉体カバー62が炉体49に被される。
【0059】
これにより、図5において、入射X線が炉体カバー62の入射側箔部材64及び炉体49の入射側横孔54aを通って入射角度θで試料18へ照射される。入射角度θは、通常、所定の角速度で連続的又はステップ的に変化させられる。そして、試料18から回折角度2θで回折線が発生したときには、その回折線が炉体49の出射側横孔54b及び炉体カバー62の出射側箔部材64を通ってX線検出器8に取り込まれる。
【0060】
図6において、ツマミ66は、炉体カバー62の全体を後述する把持部材によって持ち上げる際に把持される部分である。ツマミ66は、被把持部76と、当該被把持部76の径方向へ張り出しているフランジ77とによって形成されている。被把持部76の平面断面形状は矩形状(すなわち、正方形状又は長方形状)に形成されている。すなわち、被把持部76は立方体形状又は直方体形状等といった角柱形状に形成されている。被把持部材76は後述するように把持部材に把持されるのであるが、被把持部材76を上記のように角柱形状に形成し、把持部材によってこの方形状の被把持部材76を把持することにより、把持部材に把持された炉体カバー62が自身の中心軸線X2を中心として回転することを防止できる。
【0061】
図5において、案内用リング部材59の段部61に蓋78が載せられている。蓋78は図4に示すように円板形状となっている。蓋78の中央部にはツマミ79が設けられている。このツマミ79は、炉体カバー62のツマミ66と同様に、被把持部79aとフランジ79bとによって形成されている。炉体カバー62はX線通路X1に対する向き(角度位置)を考慮しなければならないので、その被把持部76を角柱形状に形成した。これに対し、蓋78は単なる円板であるので、X線通路X1に対する向きを考慮する必要が無い。そのため、蓋78の被把持部79aは、炉体カバー62の被把持部76とは違って、円筒形状に形成されている。しかしながら、蓋78の被把持部79aは角柱形状に形成しても差し支えは無い。蓋78は、炉体カバー62と同様に、炉体49内の空間52の均熱化のために用いられる。なお、場合によっては、蓋78は用いなくても良い。
【0062】
(DSC測定装置)
図5において、DSC測定装置3は、熱電対58によって伝送される試料18の温度情報及び標準物質19の温度情報に基づいて、試料18と標準物質19とに流入する熱量の差を演算する。標準物質19は温度変化によって特性が変化しない物質であり、試料18はそれ自身の特性に従って温度変化に応じて特性が変化する。例えば、温度が所定温度まで上昇すると、試料18は相変態して流入熱量が変化する。DSC測定装置3は標準物質に対するそのような試料18の熱量変化を経時的に測定する。
【0063】
(試料搬送装置)
図1において、試料搬送装置4は、試料支持ユニット5の前方位置に設けられている。試料搬送装置4は図示しない適宜の支持装置によって固定状態で支持されている。試料搬送装置4は、これから測定を受ける試料や測定を終わった試料等が置かれるテーブル83と、把持部材81を支持している前後移動ユニット82Xと、左右移動ユニット82Yと、上下移動ユニット82Zとを有している。把持部材81は棒状の部材によって形成されている。各ユニットはそれぞれにパルスモータ、サーボモータ等といった動作量を制御可能な駆動源を有している。
【0064】
前後移動ユニット82Xは、動力源によって駆動されて前後方向Xへ往復直進移動できる。左右移動ユニット82Yは、動力源によって駆動されてX方向と直角な左右方向Yへ往復直進移動できる。上下移動ユニット82Zは、動力源によって駆動されて前後方向X及び左右方向Yの両方向に対して直角なZ方向へ往復直進移動できる。以上により、把持部材81は、XYZの3次元方向へ適宜量、移動することにより、テーブル83上と外装ケース16の開口21との間を自由に移動できる。
【0065】
把持部材81が外装ケース16の開口21まで移動した場合に、図3において隔壁17の開口24が開状態となっており、蓋78及び炉体カバー62が取り外されていて炉体49の開口53が開状態となっていれば、把持部材81を図1のZ方向の下方向へ移動させることにより、当該把持部材81を、外装ケース16の開口21と、隔壁17の開口24と、炉体49の開口53とを通って、炉体49の内部空間52内へ挿入することができる。また、逆の経路で把持部材81を外部へ搬送することができる。
【0066】
把持部材81の先端には、図7(a)に示すように、把持用チップ84がネジ86によって固定されている。把持用チップ84は概ね角柱形状であり、その先端部には角形状の溝87が水平方向に形成されている。これらの溝87の上下方向の幅hは、図5に示された炉体カバー62のツマミ66のフランジ77の厚さ及び蓋78のツマミ79のフランジ79bの厚さの両方よりも広く設定されている。これにより、フランジ77及び79bは把持部材81の溝87の中に入ることができる。
【0067】
互いに対向している一対の把持部材81の上端部は、図1の前後移動ユニット82Xの内部において、図7(b)に示すように、軸88によって回転可能に支持されている。そして、一対の把持部材81は、図示しない弾性部材、例えばバネの弾性力によって矢印Eで示すように互いにすぼまる方向へ回転移動するように付勢されている。これらの把持部材81の間には楔状部材89が設けられている。楔状部材89をパルスモータ、サーボモータ等90によって駆動して一対の把持部材81の間に割り込む方向へ移動すれば、把持部材81を開くことができる。他方、楔部材89を把持部材81から離れる方向へ移動させれば、一対の把持部材81をバネの弾性力によって閉じることができる。
【0068】
図5において炉体49内の感熱板56に載せられた試料容器57は、図8に示すように、平面視で矩形状(正方形状又は長方形状)であり、該試料容器57の一対の対辺93,93の壁の高さは、隣接する対辺94,94の壁の高さよりも高くなっている。測定対象である試料(図5の符号18)又は標準物質(図5の符号19)は底壁95の上に載せられる。試料は固形状、粉末状、液状等、種々の形態である。
【0069】
試料容器57の低い方の壁94は、図5においてX線通路X1に沿って試料18に入射するX線及び試料18から出射するX線の邪魔にならない高さに設定されている。特に、入射X線の試料18への入射角度θ及び試料18から出た回折線の回折角度2θが小さい場合でも壁94がX線の進行を邪魔しないように設定する。試料容器57の高い方の壁93は、図7(a)の把持用チップ84が把持し易いように高く形成されている。
【0070】
図1において、テーブル83には、図4の炉体カバー62を置くための場所である外部側要素載置部としての外部カバー載置部91と、図4の蓋78を置くための場所である外部側要素載置部としての外部蓋載置部92と、図8の試料容器57を置くための場所である2つのパレット96が設けられている。パレット96は1つであっても良い。パレット96は、図9に示すように、1枚の平板状の部材であり、ガイド97によって案内されながら、矢印Fで示すように、平行移動によって出し入れできるようになっている。図示の位置が所定の位置へ収納された状態であり、図示しないストッパの作用により、パレット96はこれ以上の前方には挿入できないようになっている。
【0071】
各パレット96には、平面視で四角形状の外部側容器載置部としての凹部98が複数、形成されている。1つのパレット96には2列の凹部98群が設けられている。1列の凹部98群には6個の凹部98が含まれている。各凹部98の平面形状は、図8の試料容器57の平面形状と相似形状であり、試料容器57よりも、わずかに大きい形状となっている。従って、試料容器57は凹部98の中にその全体が入れられることができ、そのように入れられたとき、試料容器57は凹部98の側壁部によって、位置移動できないように位置決めされる。つまり、凹部98の側壁が試料容器57の側壁93,94の移動を規制するための位置決め構造として機能する。
【0072】
凹部98は全部で6個×4列=24個、形成されている。そして、それらの凹部98には番地が付されている。本実施形態では、1〜24の数字が付されている。なお、複数の凹部98の識別が容易である場合には、必ずしも数字は付さなくても良い。本実施形態では、1番と2番の凹部98に標準物質19を収容した試料容器57を入れ、3番〜24番の凹部98に試料18を収容した試料容器57を入れる、という取り決めになっている。
【0073】
また、一対の把持部材81はパレット96の長手方向に並べて設けられている。従って、凹部98に入れられる試料容器57は、高い壁93(図8参照)がパレット96の長手方向に対して直角となるように配列される。この配列は、測定者が試料容器57をパレット96へ置くときに達成される。なお、測定者が試料容器57をパレット96へ置く作業を行う際には、パレット96をガイド97から取り外して、作業のやり易い所へ持っていてその作業を行うことが好都合である。
【0074】
外部カバー載置部91には、位置決め用のブロック部材99が容易には取り外されないように固定されている。例えば、ボルト止め、接着等によって固定されている。このブロック部材99は、間隔をおいて設けられた2つの凸部101を有している。これらの凸部101は、図6に示すように、炉体カバー62の内カバー63の開口72を形成している縁壁が嵌り合う形状となっている。従って、炉体カバー62を図9の外部カバー載置部91まで持ち運び、ブロック部材99の上にその炉体カバー62を置けば、凸部101が開口72に自動的に嵌り込み、炉体カバー62の角度位置が自動的に位置決めされる。
【0075】
(測定動作)
図10は、図1のX線及び熱分析装置1の制御系のブロック図を示している。図11は、制御の流れを示すフローチャートを示している。以下、これらの図を用いて本実施形態の測定動作を説明する。図10において、X線回折装置2、DSC測定装置3及び試料搬送装置4は図1で同じ符号で示した機器と同じである。
【0076】
ディスプレイ102は、例えば液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイによって構成されている。入力装置103はキーボード、マウス等によって構成されている。制御装置104は、CPU(Central Processing Unit/中央処理装置)105、ROM(Read Only Memory)106、RAM(Random Access Memory)107、メモリ108を備えたコンピュータによって構成されている。各機器はバスライン109によって互いに接続されている。
【0077】
メモリ108は、機械式メモリや半導体メモリ等といった任意の構成の記憶媒体によって構成されている。また、メモリ108は、1つの記憶媒体によって形成するだけでなく、いくつかの記憶媒体によって形成しても良い。メモリ108内には、X線回折装置2によってX線回折測定を行わせるためのX線測定プログラム111と、DSC測定装置3によってDSC測定を行わせるためのDSC測定プログラム112と、試料搬送装置4によって試料の交換処理を行わせるための試料交換プログラム113とが記憶されている。
【0078】
また、メモリ108には、X線回折装置2による測定及びDSC測定装置3による測定によって得られたデータ(生データと呼ばれることがある)を記憶する領域である測定データファイル114と、生データに解析を加えて得られた解析データを記憶する領域である解析データファイル115とが設けられている。解析データは、例えばピークサーチ処理や、バックグラウンド処理等である。
【0079】
制御系が起動されると、まず、図11のステップS1で装置の初期化が行われる。具体的には、図2の開閉蓋39が矢印C’方向へ移動させられて隔壁17の上部開口24がパッド42によって閉じられる。また、図1の把持部材81が所定の待機位置に置かれる。なお、図3において、炉体カバー62及び蓋78が炉体49を覆う位置に測定者によってセットされる。前回の測定後に炉体カバー62等が炉体49を覆う位置に置かれたならば、測定者は炉体カバー62等を改めてセットする必要はない。
【0080】
測定者は、標準物質を試料容器57に入れたもの、及び測定を希望する1つ又は複数の試料を個々に試料容器57に入れたものを準備する。そして、測定者は、標準物質を収容した試料容器57を図9の1番及び2番の凹部98のいずれか又は両方に入れる。さらに、測定者は、試料を入れた試料容器57を3番から24番の凹部のいずれかにセットする。そして、測定者は、図10の入力装置103を操作して、標準物質を入れた試料容器57を入れた凹部98の番地を指示し、さらに、試料を入れた試料容器57を入れた凹部98の番地を指示する。
【0081】
CPUは、測定者によって入力された試料に関する上記のデータを、ステップS2において読み込む。そして、測定者によって測定開始の指示があると(ステップS3でYES)、ステップS4において図2の開閉蓋39が移動して隔壁17の開口24が開状態に開かれる。
【0082】
次に、ステップS5において蓋の取出し処理が実行される。すなわち、図1の把持部材81が移動ユニット82X、82Y、82Zによって搬送されて、テーブル83上の初期の待機位置から試料支持ユニット5の外装ケース16の上部開口21の上方位置まで運ばれる。さらに、把持部材81は図3の蓋78のツマミ79まで降ろされ、さらに開移動及び閉移動を行ってツマミ79を把持する。このとき、図7(a)の把持用チップ84の横溝87がツマミ79のフランジ79b(図5)に嵌り込む。
【0083】
次に、把持部材81が上方へ持ち上げられて図1の外装ケース16の開口21の外部へ持ち出される。把持部材81は、さらに、テーブル83の外部蓋載置部92まで移動し、さらに開移動して蓋78を外部蓋載置部92へ入れる。これにより、ステップS5の蓋取出し処理が終了する。
【0084】
次に、ステップS6において炉体カバーの取出し処理が実行される。すなわち、図1において、把持部材81が再び外装ケース16の開口21まで運ばれ、さらに図3において炉体カバー49のツマミ66まで降ろされる。さらに、把持部材81は開移動及び閉移動を行ってツマミ77(図5)を把持する。このとき、図7(a)の把持用チップ84の横溝87がツマミ66のフランジ77に嵌り込む。
【0085】
次に、把持部材81が上方へ持ち上げられて図1の外装ケース16の開口21の外部へ持ち出される。把持部材81は、さらに、テーブル83の外部カバー載置部91まで移動し、さらに開移動して炉体カバー62を外部カバー載置部91へ入れる。このとき、炉体カバー62は図9のブロック部材99によって常に一定の状態に位置決めされる。以上により、ステップS6の炉体カバー取出し処理が終了する。
【0086】
次に、ステップS7において標準物質の配置処理が行われる。具体的には、図9において標準物質19が入れられた1番又は2番凹部98の所まで把持部材81が持ち運ばれ、把持部材81が開移動及び閉移動を行って、標準物質19を収容した試料容器57が高い壁93(図8)の所で把持される。壁93は高いので把持は失敗することなく行われる。
【0087】
次に、把持部材81は図1においてテーブル83上から外装ケース16の開口21の上方位置まで運ばれ、さらに、図5において炉体49の内部の感熱板56の標準物質の載置位置まで降ろされ、その位置に標準物質入りの試料容器57を置く。これにより、ステップS7の標準物質の配置処理が終了する。
【0088】
上記の試料容器57の搬送処理の際、試料容器57は図9の凹部98によって位置決めされて常に一定の向きに置かれているので、把持部材81によって感熱板56上に載せられた試料容器57は常に一定の向きとなっている。具体的には、試料容器57は、常に、低い壁94がX線通路X1に対応して置かれる向きにセットされる。
【0089】
次に、ステップS8において試料の配置処理が行われる。具体的には、図9において試料18が入れられた番地の凹部98の所まで把持部材81が持ち運ばれ、把持部材81が開移動及び閉移動を行って、試料18を収容した試料容器57が高い壁93(図8)の所で確実に把持される。
【0090】
次に、把持部材81は図1においてテーブル83上から外装ケース16の開口21の上方位置まで運ばれ、さらに、図5において炉体49の内部の感熱板56の試料の載置位置まで降ろされ、その位置に試料入りの試料容器57を置く。これにより、ステップS8の試料の配置処理が終了する。
【0091】
この試料容器57の搬送処理の際、試料容器57は図9の凹部98によって位置決めされて常に一定の向きに置かれているので、把持部材81によって感熱板56上に載せられた試料容器57は常に一定の向きとなっている。具体的には、試料容器57は、常に、低い壁94がX線通路X1に対応して置かれる向きにセットされる。このため、図5においてX線測定が行われるとき、試料容器57の壁がX線の進行を邪魔することがなくなる。
【0092】
次に、ステップS6において図9の外部カバー載置部91に取出されていた炉体カバー62が、ステップS9において、把持部材81によって再び図5の炉体49を覆う位置にセットされる。このとき、図9の外部カバー載置部91に置かれていた炉体カバー62はブロック部材99によって常に一定の向きに位置決めされていた。そして、把持部材81の把持用チップ84(図7(a))の溝87が炉体カバー62(図6)のツマミ66のフランジ77に嵌り込み、さらにチップ84の先端面がツマミ66の角柱形状の被把持部76を挟むので、炉体カバー62は把持部材81によって搬送される間、回転することがない。
【0093】
以上により、図5の炉体49を覆う位置に置かれた炉体カバー62は、X線通路X1に対して常に一定の向き、具体的には、X線通過用部材である箔部材64が常にX線通路X1上に存在する向きにセットされる。次に、ステップS5において図9の外部蓋載置部92に取出されていた蓋78が、ステップS10において、把持部材81によって再び図5の案内用リング部材59の段部61にセットされる。その後、ステップS11においてX線回折測定及びDSC測定を行う指示を行う。
【0094】
この指示を受けて、図1及び図10のX線回折装置2によって所定のX線回折測定が行われ、同時にDSC測定装置3によって所定のDSC測定が行われて、それぞれ、X線強度データ及びDSCデータが得られる。これらのデータは、ステップS12において、図10のメモリ108の測定データファイル114に記憶される。そして、必要な解析が行われた場合には、結果の解析データが解析データファイル115に記憶される。
【0095】
測定者によって図10のディスプレイ102の画面に測定結果を画像表示することの指示が行われた場合には(ステップS13でYES)、ステップS14において、例えばメモリ108に格納してある画像生成プログラムによって、測定データに基づいて画像表示データを生成し、さらに、その画像表示データをディスプレイ102に内蔵又は外部に配備した画像表示ドライバにその画像表示データを供給して、測定データを画面上に画像表示する。
【0096】
1つの試料に対して所定の測定が終了した場合には(ステップS15でYES)、ステップS16において図2の開閉蓋39を作動して隔壁17の上部開口24を開状態に開き、次にステップS17において図5の蓋78を図1の試料搬送装置4によってテーブル83上の外部蓋載置部92へ取出す。さらに、ステップS18において図5の炉体カバー62を図1の試料搬送装置4によってテーブル83上の外部カバー載置部91へ取出す。次に、測定を終了した試料が入っている試料容器57を、ステップS19において、図5の感熱板56上の位置から取出し、図9のパレット96内の元の番地の凹部98まで搬送する。
【0097】
以上の処理は図9のパレット96上に供された全ての試料に関して終了するまで繰り返される(ステップS20でNO、ステップS21)。全ての試料に関しての測定が終了したら(スタップS20でYES)、ステップS19において試料入りの試料容器が取出された後の図5の感熱板56から、ステップS22において標準物質19入りの試料容器57を外部へ取出して図9のパレット96内の元の凹部98へ戻す。
【0098】
次に、ステップS18において図9の外部カバー載置部91に取出しておいた炉体カバー62をステップS23において図5の炉体49内へ戻す。さらに、ステップS17において図9の外部蓋載置部92に取出しておいた蓋78をステップS24において図5の炉体49の内部へ戻す。さらに、ステップS25において図2の隔壁17の上部開口24を開閉蓋39のパッド42によって閉じる。そしてさらに、ステップS26において、図1の把持部材81をテーブル83上の所定の待機位置へセットして、制御を終了する。
【0099】
以上説明したように、本実施形態によれば、図6に示した箔部材64をX線通過部として有している炉体カバー62を炉体49に対して出し入れしながら、複数の試料に対してX線測定及びDSC測定を繰り返して行う場合でも、図9の外部カバー載置部91と炉体カバー62とに、それぞれ、ブロック部材99(図9)及びそれに嵌り合う開口72(図6)を設けて、炉体カバー62のX線通路X1に対する位置を常に一定位置に位置決めすることにしたので、複数の試料に関して正確なX線回折測定及びDSC測定を安定して繰り返して自動的に行うことが可能となった。
【0100】
創薬の分野においては、非常に多数の試料に対してX線回折測定による分子又は原子の構造解析を行うと共に、DSC測定による熱的特性の分析を行うことが要求される。従来は、箔部材等といったX線通過部を部分的に有している炉体カバーの出し入れ又は着脱をX線通路との関係で常に一定の位置関係を維持しながら行うことが非常に難しく、実際には、自動測定ができなかった。これに対し、本実施形態によれば、測定者の手を煩わせることなく、多数の試料を自動的に連続して測定することが可能となり、創薬の開発を飛躍的に進展させることが可能となった。
【0101】
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0102】
例えば、上記実施形態ではθ−θ方式のゴニオメータを例示したが、本発明はθ−2θ方式のゴニオメータに適用することもできる。θ−2θ方式のゴニオメータは、X線発生部を固定配置し、試料を所定方向へθ回転させ、X線検出器をθ回転と同じ方向へ2倍の角速度で回転させる方式である。
【0103】
上記実施形態では、測定開始にあたって、図3において、炉体カバー62及び蓋78が炉体49を覆う位置に測定者によってセットされるとした。これに代えて、測定開始にあたって、図1において、炉体カバー62を外部カバー載置部91に置き、蓋78を外部蓋載置部92に置くことからプログラムをスタートさせることもできる。この場合には、図11のステップS5(蓋取出し工程)及びステップS6(炉体カバー取出し工程)が不要であり、さらにステップS23(炉体カバーセット工程)及びステップS24(蓋セット工程)が不要である。
【0104】
上記実施形態では、伝熱材14と断熱材15の2重円筒構造によって隔壁17を形成した。しかしながら、隔壁17はDSCユニット30を外部から隔絶させるための部材であり、必ずしも2重構造である必要はない。単一の筒構造であっても良いし、3重以上の筒構造であっても良い。また、実施形態では、通液路20を用いたが、通液路を用いない場合もある。
【符号の説明】
【0105】
1.X線及び熱分析装置、 2.X線回折装置(X線測定装置)、 3.DSC測定装置(熱分析測定装置)、 4.試料搬送装置、 5.試料支持ユニット、 6.ゴニオメータ、 7.X線発生部、 8.X線検出器、 9.X線源 11.第1アーム、 12.第2アーム、 13.支持軸、 14.伝熱材、 15.断熱材、 16.外装ケース、 17.隔壁、 18.試料、 19.標準物質 20.通液路、 21.開口、 22.X線通過用窓(入射X線通過部)、 23.X線通過用窓(出射X線通過部)、 24.開口、 25.Oリング、 26a,26b.通液ポート、 27.棚部材、 28.スタンド、 29.上板、 30.DSCユニット、 31.電動モータ、 32.回転板、 33.ピン、 34.ローラ、 36.案内用ケース、 39.開閉蓋、 41.長孔、 42.パッド、 43.貫通孔、 44.貫通孔、 46.押圧ピン、 47.第1支持部材、 48.第2支持部材、 49.炉体、 51.ヒータ線、 52.空間、 53.開口、 54a.入射側横孔(入射X線通過部)、 54b.出射側横孔(出射X線通過部)、 55.温度制御装置、 56.感熱板(内部側容器載置部)、 57.試料容器、 58.熱電対、 59.案内用リング部材、 61.段部、 62.炉体カバー(内部容器)、 63.内カバー、 64.箔部材、 65.外カバー、 66.ツマミ、 68.雌ネジ、 69,70,71.貫通孔、 72,73.開口、 74.ネジ、 76.被把持部、 77.フランジ、 78.蓋(内部要素)、 79.ツマミ、 79a.被把持部、 79b.フランジ、 81.把持部材、 82X.前後移動ユニット、 82Y.左右移動ユニット、 82Z.上下移動ユニット、 83.テーブル、 84.把持用チップ、 86.ネジ、 87.溝、 88.軸、 89.楔状部材、 90.パルスモータ、サーボモータ等、 91.外部カバー載置部(外部側要素載置部)、 92.外部蓋載置部(外部側要素載置部)、 93.対辺(高い)、 94.対辺(低い)、 95.底壁、 96.パレット、 97.ガイド、 98.凹部(外部側容器載置部)、 99.ブロック部材、 101.凸部、 104.制御装置、 108.メモリ、 109.バスライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を収容した試料容器が置かれる内部側容器載置部と、
該内部側容器載置部を収容し開口を備えた炉体と、
該炉体を収容し開口を備えた隔壁と、
前記隔壁の開口を開閉する開閉蓋と、
前記内部側容器載置部に置かれた試料容器に収容された試料に対して熱分析のための測定を行う熱分析測定装置と、
前記内部側容器載置部に置かれた前記試料容器に収容された試料にX線を照射したときに該試料から出た2次X線をX線検出器によって検出するX線測定装置と、
前記隔壁内の内部側要素載置部に置かれることができ、且つ該内部側要素載置部から取り外されることができる内部要素と、
前記隔壁の外側に設けられており前記試料容器を置くための外部側容器載置部と、
前記隔壁の外側に設けられており前記内部要素を置くための外部側要素載置部と、
前記内部側容器載置部と前記外部側容器載置部との間で前記試料容器を搬送し、さらに前記内部側要素載置部と前記外部側要素載置部との間で前記内部要素を搬送する搬送手段と、
前記開閉蓋、前記熱分析測定装置、前記X線測定装置、及び前記搬送手段の動作を制御する制御手段と、を有し、
前記試料容器はX線を通過できる部分を一部に有しており、
前記制御手段は、
前記内部要素が前記内部側要素載置部に置かれ、且つ前記開閉蓋が前記隔壁の開口を閉じた状態において、前記熱分析測定装置及び/又は前記X線測定装置を用いて測定を行わせ、さらに
前記開閉蓋が前記隔壁の開口を開いており且つ前記内部要素が前記外部側要素載置部上に置かれた状態で、前記外部側容器載置部と前記内部側容器載置部との間で前記試料容器を前記搬送手段によって前記隔壁の開口及び前記炉体の開口を通して搬送させることを、
前記外部側容器載置部上に配置された複数の試料容器に対して順次に繰り返して行い、
前記搬送手段は、
前記試料容器を前記内部側容器載置部上に配置するとき、前記試料容器のX線を通過できる部分を前記X線測定装置におけるX線通路に位置的に合わせる
ことを特徴とするX線及び熱分析装置。
【請求項2】
試料を収容した試料容器が置かれる内部側容器載置部と、
該内部容器載置部を収容し開口を備えた炉体と、
該炉体を収容し開口を備えた隔壁と、
前記隔壁の開口を開閉する開閉蓋と、
前記内部側容器載置部に置かれた試料容器に収容された試料に対して熱分析のための測定を行う熱分析測定装置と、
前記内部側容器載置部に置かれた前記試料容器に収容された試料にX線を照射したときに該試料から出た2次X線をX線検出器によって検出するX線測定装置と、
前記内部側要素載置部に置かれることができ、且つ該内部側要素載置部から取り外されることができ、さらに前記X線測定装置におけるX線通路を遮る位置に配置されるが該X線通路を遮らない構造を有した内部要素と、
前記隔壁の外側に設けられており前記試料容器を置くための外部側容器載置部と、
前記隔壁の外側に設けられており前記内部要素を置くための外部側要素載置部と、
前記内部側容器載置部と前記外部側容器載置部との間で前記試料容器を搬送し、さらに前記内部側要素載置部と前記外部側要素載置部との間で前記内部要素を搬送する搬送手段と、
前記開閉蓋、前記熱分析測定装置、前記X線測定装置、及び前記搬送手段の動作を制御する制御手段と、を有し、
前記試料容器はX線を通過できる部分を一部に有しており、
前記制御手段は、
前記内部要素が前記内部側要素載置部に置かれ、且つ前記開閉蓋が前記隔壁の開口を閉じた状態において、前記熱分析測定装置及び/又は前記X線測定装置を用いて測定を行わせ、さらに
前記開閉蓋が前記隔壁の開口を開いており且つ前記内部要素が前記外部側要素載置部上に置かれた状態で、前記外部側容器載置部と前記内部側容器載置部との間で前記試料容器を前記搬送手段によって前記隔壁の開口及び前記炉体の開口を通して搬送させることを、
前記外部側容器載置部上に配置された複数の試料容器に対して順次に繰り返して行い、
前記搬送手段は、
前記内部要素を前記内部側要素載置部に配置するとき、前記内部要素のX線通路を遮らない構造を前記X線測定装置におけるX線通路に位置的に合わせ、さらに、
前記試料容器を前記内部側容器載置部上に配置するとき、前記試料容器のX線を通過できる部分を前記X線測定装置におけるX線通路に位置的に合わせる
ことを特徴とするX線及び熱分析装置。
【請求項3】
前記搬送手段が、前記内部要素を前記内部側要素載置部に配置させるとき、前記内部要素のX線通路を遮らない構造を前記X線測定装置におけるX線通路に位置的に合わせることは、
前記外部側要素載置部に前記内部要素のための位置決め部材を設けることと、前記搬送手段が前記内部要素を搬送中に回転させないこと、とによって成される
ことを特徴とする請求項2記載のX線及び熱分析装置。
【請求項4】
前記外部側要素載置部に設けられた位置決め部材は、位置決め用の平面を有するブロック部材であり、
前記内部要素は前記ブロック部材の位置決め用平面に嵌合する形状を有する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のX線及び熱分析装置。
【請求項5】
前記内部要素は前記炉体の開口を覆う炉体カバーであり、
該炉体カバーにおける前記X線測定装置におけるX線通路を遮らない前記構造は、X線を通過可能な部材によって形成された箔部材を該炉体カバーに部分的に設けた構造であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1つに記載のX線及び熱分析装置。
【請求項6】
前記搬送手段が、前記試料容器を前記内部側容器載置部上に配置するとき、前記試料容器のX線を通過できる部分を前記X線測定装置におけるX線通路に位置的に合わせることは、
前記外部側容器載置部に前記試料容器のための位置決め部材を設けることと、前記搬送手段が前記試料容器を搬送中に回転させないこと、とによって成される
ことを特徴とする請求項1から請求項5記載のいずれか1つに記載のX線及び熱分析装置。
【請求項7】
前記外部側容器載置部に設けられた位置決め部材は、前記試料容器と平面視で相似形の凹部であることを特徴とする請求項6記載のX線及び熱分析装置。
【請求項8】
前記試料容器におけるX線を通過させることができる部分は、該試料容器の側壁の一部の高さが他部よりも低い部分であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のX線及び熱分析装置。
【請求項9】
前記開閉蓋は板状の部材であり、該開閉蓋は前記隔壁の開口を塞ぐ位置と該開口を開く位置との間で平行移動できることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1つに記載記載のX線及び熱分析装置。
【請求項10】
前記搬送手段は棒状の把持部材を有し、該把持部材は前記隔壁の開口及び前記炉体の開口を通過できることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1つに記載記載のX線及び熱分析装置。
【請求項11】
前記搬送手段は、互いに直交する3軸方向のそれぞれで往復直進移動する移動部を備えた3軸直進移動機構であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1つに記載記載のX線及び熱分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−203843(P2010−203843A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48071(P2009−48071)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000250339)株式会社リガク (206)
【Fターム(参考)】