説明

X線検出器素子

本発明は、X線放射の検出器素子に関し、この素子は、特にフラットダイナミックX線検出器(FDXD)に利用される。検出器素子において、直接変換式変換層(2)は、電極層(1)と画素電極(4)のマトリクスの間に配置され、画素電極(4)と変換層(2)の間には、光導電性分離層(3)が配置される。未照射状態では、分離層(3)は、変換層(2)の自由電荷キャリアに対する電気的なバリアとして作用する。この自由電荷キャリアは、X線放射によって生じ、電極(1、4)間で電場内を移動する。画素電極(4)内を移動する電荷の読み出しが行われた後、分離層(3)には、ダイオード配列(6)からのリセット光の照射によって導電性が付与され、その界面に蓄積された電荷が除去される。リセット操作を繰り返すことにより、分離層(3)が摂動ダーク電流を防ぎ、同時に電荷の蓄積が解消される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直接変換式変換層を有するX線放射の検出器素子に関する。さらに本発明は、フラットダイナミックX線検出器およびそのような検出器素子を用いてX線像を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットダイナミックX線検出器(FDXD)は公知であり、例えば欧州特許出願EP440282A1号に記載されている。そのような検出器は、間接変換方式で作動することができる。すなわちX線は、まずシンチレーション層において光に変換され、次に感光層で電気信号に変換される。また、吸収X線放射を直接電気信号(例えば自由電子―ホール対)に変換する、直接変換式検出器もある。これらの場合、通常、対応する変換層は、比較的大きなバンドギャップを有する半導体で構成される。例えば、セレン、ヨウ化鉛、酸化鉛、ヨウ化水銀およびテルル化カドミウム亜鉛である。一般に変換層は、薄膜電子素子のマトリクスに直接設置され、電気信号の空間解像再生用またはX線像用の、個々の画素電極が形成される。
【0003】
直接変換式材料を有するX線検出器の一つの欠点は、ダーク電流の存在である。ダーク電流は、X線が検出器に照射されない場合であっても、電極に電圧が印加された際の変換層の導電性を無視することができないために生じる。またダイナミック撮像式の検出器が用いられた場合、X線照射の完了後に摂動残留信号が生じる場合もある。これらの残留信号は、露光の間に捕獲された放出されにくい電荷キャリアによって生じる。
【0004】
蒸気の問題を最小限に抑制するため、米国特許第5,729,021号では、特殊な方法で直接式変換層がドープされ、その変換層の上に追加層が配置される。予備層は、一方では、外部の影響および電極材料との化学反応から変換層を保護する役割を有する。さらに、予備層には、例えば電極からの電荷キャリアの侵入を防ぎ、電位バリアによりダーク電流を抑制することによって、検出器素子の電気的特性を改善させる役割がある。ただし予備層には、検出器素子の機能に悪影響を及ぼすという大きな問題がある。例えば、誘電体層が厚くなりすぎると、この層を横断する電極間で、ほとんどの電位が消費され、X線感応変換層に電荷の分離が生じ、検出器素子からの信号の低下につながる。検出器素子がX線照射状態で使用される期間が続くと、さらに電気絶縁性予備層には、その変換層との界面で、キャパシタのような帯電が生じる。この帯電現象が継続すると、これは印加電場と対抗するため、さらなる信号の減少につながる。
【特許文献1】欧州特許出願第440282A1号明細書
【特許文献2】米国特許第5,729,021号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、ダーク電流が抑制され、良好な信号効率特性の急激な低下のない、X線放射の検出手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題は、請求項1に記載の特徴を備える検出器素子、請求項8の特徴を有するフラットダイナミックX線検出器および請求項9に記載の特徴を有する方法によって達成される。有意な構成は、従属項に示されている。
【0007】
本発明によるX線検出器素子は、以下の構成部材を有し、隣接構成部材の各々の組は、その界面で相互に接合される:
導電性材料で構成された、例えばアルミニウムのような金属の電極層。
b)X線を電気信号、好ましくは自由電子−ホール対のような形態の電荷キャリア、に直接変換する変換層。
c)変換層の少なくとも一つの側に設置された光導電性分離層であって、光(赤外線、可視光、紫外線など)にさらすことにより電気抵抗が低下する光導電性分離層。分離層に好適な材料は、例えばアモルファスシリコン、有機半導体またはセレンである。
d)表面に分散配置された複数の画素電極であって、各々が信号メモリ(キャパシタンス;通常は電極自身で構成される)と、信号メモリの読み出しを制御する再生回路とを有する複数の画素電極。
e)分離層が感応する波長の光によって、光導電性分離層を選択的に照射する照射手段。
【0008】
前記構成部材が検出器素子に配置される順番は、前述の掲載符号を用いて「a-[c]-b-[c]-d-e」で表される。ここで角括弧[…]は、追加配置を表し、少なくとも一つの層cが存在する。
【0009】
前述の検出器配置を用いて、電極層と画素電極間に電圧を印加することによって、およびX線放射の吸収により変換層で生じた自由電荷キャリアによる電荷の流れを記憶させることによって、X線放射を検出することができる。その後変換層の表面に設置された分離層は、未照射状態では絶縁体として作用し、あるいは極めて薄い層の場合、少なくとも、電荷キャリアが容易に通過することのできないバリアとして作用する。これは、変換層にX線が照射されていない場合でも生じる摂動ダーク電流を、回避することができるという好適な影響をもたらす。一方、検出器素子の照射手段での照射によって、分離層の電電率は選択的に増大し、絶縁性が喪失する。これは、2回のX線露光の間に分離層の表面から電荷を逸散させることに利用することができ、変換層における電場の妨害が生じなくなる。別のX線露光の前に、光導電性分離層を照射することによって、検出器素子は、所定の初期状態にリセットされる。
【0010】
光導電性分離層は、(可視光スペクトル範囲またはそれに隣接する範囲の電磁放射線で)照射されない場合、変換層からの電荷キャリアに対する電位バリアを形成するように構成されることが好ましい。このことは、電荷キャリアが、変換層から分離層を通り画素電極に到達することが、完全に不可能ではないことを意味する。しかしながら電荷キャリアは、この電位バリアを超えるだけのエネルギーを有する必要がある。最大でも変換層内の数電荷キャリアしか、このようなエネルギーを有さないため、電荷キャリアは、実質的に分離層を通過して移動することはできない。
【0011】
照射されていない分離層の(絶対)電気抵抗は、変換層の(絶対)電気抵抗の約5%から80%であることが好ましく、約10%から20%であることがより好ましい。前記抵抗は、それぞれ、層の面に対して垂直に測定されたものであり、この値は、電荷キャリアが存在して、これらが変換層から電極間を移動するときの抵抗に相当する。分離層の電気抵抗の前記範囲では、分離層を横断した電極層と画素電極間での電圧低下の割合が、あまり大きくなく、換言すれば、変換層内には、未だ所望の電荷分離が十分に可能な大きな電場が存在することを意味する。
【0012】
光導電性分離層は、電極層と変換層の間、変換層と画素電極の間、または変換層の両側に配置されても良い。分離層は、変換層と画素電極の間に設けられることが好ましい。この場合、分離層は、検出器素子の裏側からの放射線には容易にアクセスされるものの、変換層によって、検出X線放射から「シールド」されるため、特に利点がある。
【0013】
X線像が形成された後、未照射分離層に帯電した電荷は、分離層の照射によるリセット操作時に、画素電極および対応する再生電子素子を介して逸散される。ただし、任意で、分離層は、追加の電極配線に接続されても良い。前記電荷は、これを介して収集され逸散される。必要に応じて、逸散される電荷量を適当な機器で測定して、全吸収ビーム線量の指標に利用しても良い。
【0014】
検出器素子の好適実施例では、検出器素子表面と平行に発光ダイオードが配置される。発光ダイオードは、検出器素子の画素電極と対向する側(裏側)に設置することが好ましく、これによりX線放射を遮蔽することができる。分離層の導電性を変化させる必要がある場合、発光ダイオードの配置を利用することで、直接的または効率的な方法で、分離層への照射を制御することができる。
【0015】
別の方法として、検出器素子の端部に照射装置を配置することもできる。これには検出器素子の実施例に応じて、構成を変えることができるという利点がある。この場合、分離層および隣接する構成部材(変換層、画素電極)の屈折率は、光ファイバの原理により、分離層の内部で光の良好な伝播が得られる(すなわち反射光が分離層に戻るように放射される)ように選択される。
【0016】
本発明はさらに、フラットダイナミックX線検出器(FDXD)に関し、このX線検出器は、前述の種類の検出器素子を有する。これは検出器素子が、電極層、片側または両側に、光導電性分離層が設置された直接変換層、複数の画素電極および光導電性分離層を照射する照射手段を、この順に有することを意味する。必要に応じて検出器素子に対して、前述の代替実施例による変更を行っても良い。
【0017】
さらに本発明は、前述の種類の検出器素子、または前述のフラットダイナミックX線検出器FDXDを用いてX線像を形成する方法に関する。この方法は、以下のステップを有する:
a)電極層を一方とし、画素電極を他方として、両者の間に電圧を印加するステップ(これは、画素電極が全て同じ電位であることを意味する)。電圧は、変換層を介して電極層と画素電極の間に電場を形成する。
b)検出されるX線放射を変換層に放射するステップ。同時に光導電性分離層は、ダークな状態、すなわちこの層が感応するスペクトル範囲の光が照射されていない状態となる。X線放射は、変換層で自由電荷キャリア(電子およびホール)に変換され、分離層は、電気的なバリアとして機能する。変換層内の電場は、そこで生じた自由電荷キャリアを、その極性により電極層または画素電極の方向に移動させる。バリアとして作用する分離層のため、電荷キャリアのほとんどは、電極に到達することはできないものの、変位電流のため、画素電極の信号メモリには、多量の電荷が蓄積する。
c)次に、画素電極の信号メモリ内の前記電荷量が読み出される。この読み出しの間、X線照射が終了または中断され、分離層は、依然としてダークな状態にあることが好ましい。信号メモリ内の電荷量は、画素電極の上部の対応領域にある変換層に吸収された放射線量を表す。
d)読み出し処理が完了した後、光導電性分離層は、それが感応するスペクトル範囲の光で露光され、光導電性分離層が高導電性状態に至る。従って変換層との界面に蓄積された電荷は、分離層の内部を自由に移動し逸散する。この逸散は、例えば画素電極を介して行われる。しかしながら蓄積電荷は、画素電極の評価電子素子の過負荷を回避するため、別の配線を介して逸散されることが好ましく、これにより蓄積電荷は、速やかに逸散される。逸散された電荷量は、検出器素子によって吸収された全ビーム線量の指標を有するため、必要であれば測定しても良い。各々が分離層のサブ領域にのみ影響を及ぼす、分離層の一連の露光によって、さらに放電が局部的に、領域毎に別々に行われる。
【0018】
本発明のこれらのおよび他の態様は、以下に示す実施例を参照することでより明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1には、本発明によるX線放射の検出器素子の層構造の断面を概略的に示す。図には、2つの画素または画素電極4のサブ区画のみが示されている。一般には全検出器素子は、より多くの画素(通常2000×2000)で構成される。さらに、個々の構成部材は、明確化のため、正しいスケールでは示されておらず、これらの構成部材は、特に垂直方向において誇張されている。
【0020】
検出器素子の重要構成部材は、(直接式)変換層2であり、この層には入射X線が量Xだけ吸収され、自由電子―ホール対に変換される。発生する自由電荷キャリア量は、吸収放射線量に依存する。
【0021】
変換層2の上側には電極層1があり、この層は薄膜導電性材料で構成され、X線放射に対して透明である。例えば、この層は蒸着形成された金属で構成される。変換層2の反対側には、マトリクス状に配置された画素電極4があり、各画素電極の領域は、検出器素子を用いて形成されるX線像内の画像点(画素)の寸法に対応している。また、画素電極4は、電荷メモリ(キャパシタ)を構成し、読み出し回路に接続されており、画素電極は、読み出し回路を介してアドレス指定され、電荷メモリが読み出される。そのような画素電極4は、薄膜電子素子として形成されることが好ましい。画素電極4は、厚さ約1mmのガラスプレート5の上に設置される。
【0022】
これに関連して、図2には、4つの画素が正確に配置された画素電極4の2次元平面図を示す。各画素領域内には、読み出し回路(トランジスタ)10が設置される。ギャップ9は、行列方向にストリップとして伸びており、個々の画素電極4の間に設置される。
【0023】
X線放射の検出の際、電極層1と画素電極4(図1)の間には、電圧Vが印加され、この電圧により、変換層2と垂直な電場が形成される。この電場内では、X線吸収量Xによって生じた自由電荷キャリアが、反対極性の電極の方向に誘導される。
【0024】
図1に示す本発明による配置では、変換層2の下側であって、変換層2と画素電極4の間の位置に、光導電性分離層3(先に説明していない)が配置される。その代わりに、あるいはそれに加えて、そのような光導電性層は、電極層1と変換層2の間にも設置することができる。光電導性分離層3は、例えばアモルファスシリコン、有機半導体および/またはセレンで構成される。この製作は、薄膜電子素子4の製作過程と容易に一体化することができる。可視領域または隣接領域(赤外、紫外)の光による露光によって、光導電性分離層3の挙動は変化し、より導電性になる。換言すれば、照射されていない光導電性分離層3は、絶縁層として作用し、または薄膜の実施例の場合には、少なくとも、電荷キャリアが変換層2から画素電極4に到達することを妨げるバリア層として作用する。分離層3の絶対電気抵抗(すなわち分離層3と垂直な方向の抵抗、または画素電極4と変換層2の間の抵抗)は、分離層3の材料の電気抵抗および層の厚さと比例関係にある。この絶対抵抗は、あまり大きくすることはできない。未照射状態にある分離層3内で、印加電圧の大きな低下が生じるからである。従って変換層2の内には、未だ効率的な電荷輸送が生じる程の十分に大きな電場が存在する。しかしながら、電荷キャリアに対するバリア効果を得るため、未照射時の分離層3の材料の比抵抗は、変換層2の比抵抗よりも実質的に大きい。この代わりに、あるいはこれに加えて、分離層3の仕事関数は、画素電極4および変換層2の仕事関数とを組み合わせて、分離層3が、対応する電荷キャリアに対する電位バリアを形成するように選定しても良い。光導電性分離層3が適切な波長の光で照射された場合、分離層3の抵抗またはバリア高さは、十分に低下され、これにより変換層2との界面に蓄積した電荷を速やかに除去することができる。分離層3の最小膜厚は、画素電極4の均一被覆性に対する要求仕様によって定められる。
【0025】
分離層3の導電性の大きな変化が可能となるように、図1の実施例では、発光ダイオードが配置される。発光ダイオード6は、この場合、薄膜電極の下側またはガラスプレート基板5の上に、検出器素子の画素配置に対応した格子状態で配置される。発光ダイオードからの光は、光導電性分離層3の導電性を十分に高めるため、画素電極4の金属層間のギャップ9を介して、光導電性分離層3に十分な光が到達する程度の強度にする必要がある。図1に示す配置とは別の配置として、光導電性分離層3を、端部から照射することもできる。この場合、光の波長は、分離層の全ての領域に光が到達するように選択される必要がある。この場合、光導電性分離層3の屈折率の差異によって、変換層2と薄膜電子素子4の上部では導光効果が生じ、実質的に光導電性分離層3のみが照射される。
【0026】
照射装置6によって照射されるリセット光の波長は、特定の幾何配置および材料の観点から選択される必要があるが、これは可視光または赤外領域の範囲のいずれであっても良い。例えば下からの可視光での露光の場合、画素電極を可視光に対して透明な導体で構成することができるという利点があり、例えば金属の代わりにインジウム−スズ酸化物(ITO)を用いることができる。
【0027】
図1に示す検出器素子では、以下の順のステップによって、X線像がパルス形成される:
1.まず、X線感応変換層2がX線放射Xで照射されて電子-ホール対が形成され、印加電場において電荷分離が生じる。次に未照射の分離層がバリアとして作用し、わずかの電荷キャリアしか、変換層2からこのバリアを横断することはできない。ただし得られる変位電流は、画素電極4の電荷メモリに信号として保管される。
2.検出器素子が、例えば従来の方法で列毎に読み出され、画素電極4の電荷メモリ内の電荷が、適当な配線および増幅器(図示されていない)を介して記憶される。
3.X線露光の後、電荷キャリアは、変換層2と分離層3の間の界面に蓄積する。読み出し段階の後のリセット操作で、それらの電荷は、光パルスを用いて光導電性分離層3に導電性を付与することによって除去される。この例では、光パルスは、発光ダイオードの配列6によって生じる。蓄積された電荷は、画素電極4の画素電子素子を通じて、または追加の配線8を通じて逸散される。この配線8は、スイッチ7によって切り替えられ、分離層3の端部に接続される。前者の場合、逸散する電荷は、個々の画素電極の信号としては用いられない。電極層1と画素電極4の間の印加電圧は、リセット操作の間、変化しない。リセット操作の後、検出器素子は、再び別のX線露光に備えられる。
【0028】
検出器素子が前述の構成の場合、直接変換検出器の特徴を十分に利用できるという利点がある。追加の光導電性分離層3は、リセット光がない場合に、ダーク電流を十分に抑制する変換層2と電極間のバリアとして働き(X線がない場合)、X線照射の後にはいかなる電流も流れない。従って検出器の信号対ノイズ比は、著しく改善される。さらにX線照射後には、残留信号が低下することが予想されるため、検出器のダイナミック特性も改善される。さらに、分離層3の帯電に関連した問題が解消される。そのような帯電は、各リセット操作によって除去されるからである。従ってX線パルスの開始時に、全電圧が変換層2に印加される同じ状況を、常に作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による検出器素子の、2つの画素が近接した状態の概略断面図である。
【図2】図1の検出器素子の4つの画素電極の平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成部材として、
a)電極層と、
b)X線放射を電気信号に直接変換する変換層と、
c)該変換層の少なくとも一つの側に配置された光導電性分離層と、
d)各々が信号メモリと再生回路を有する、複数の画像素子と、
e)前記光導電性分離層を選択的に照射する照射手段と、
を有するX線放射の検出器素子。
【請求項2】
前記光導電性分離層は、照射されないときには、前記変換層からの電荷キャリアに対する電位バリアを構成することを特徴とする請求項1に記載の検出器素子。
【請求項3】
前記分離層の電気抵抗は、照射されないときには、前記変換層の電気抵抗の約5%乃至80%であって、より好ましくは約10%から20%であることを特徴とする請求項1に記載の検出器素子。
【請求項4】
前記前記光導電性分離層は、前記画素電極と前記変換層の間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の検出器素子。
【請求項5】
前記前記光導電性分離層は、電荷の除去を制御することの可能な電気配線に接続されることを特徴とする請求項1に記載の検出器素子。
【請求項6】
当該検出器素子の表面と平行に発光ダイオードの配列が、好ましくは前記画素電極と同じ側に、配置されることを特徴とする請求項1に記載の検出器素子。
【請求項7】
当該検出器素子の端部に、照射装置が配置されることを特徴とする請求項1に記載の検出器素子。
【請求項8】
少なくとも請求項1乃至7のいずれかに記載の検出器素子を備えることを特徴とするフラットダイナミックX線検出器。
【請求項9】
少なくとも請求項1乃至7のいずれかに記載の検出器素子を用いてX線画像を形成する方法であって、
a)前記電極層と前記画素電極の間に電圧を印加するステップと、
b)検出されるX線を前記変換層に放射するステップであって、前記光導電性分離層は、ダーク状態のままである、ステップと、
c)前記画素電極の前記信号メモリを読み出すステップと、
d)前記光導電性分離層を露光して、該光導電性分離層の表面に蓄積された前記電荷を逸散させるステップと、
を有する方法。
【請求項10】
蓄積された前記電荷は、ステップb)において分離配線を通じて逸散されることを特徴とする請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−527987(P2007−527987A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506503(P2006−506503)
【出願日】平成16年4月14日(2004.4.14)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001215
【国際公開番号】WO2004/095067
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】