説明

basmati米香味料、2−アセチル−1−ピロリン、を安定化させるための改良された方法

2−アセチル−1−ピロリン、basmati米香味料、を安定化させるための改良された方法である。本発明は、basmati芳香を発生する主成分の2−アセチル−1−ピロリンを安定化させる改良された方法であって、乳化剤数滴を含む水中に結合剤を溶解させる工程、2−アセチル−1−ピロリンのエタノール溶液を加える工程、3〜5分間均質化する工程、および溶液を乾燥させ、分散し得る乾燥粉末の形態にある安定化された芳香成分2−アセチル−1−ピロリンを得る工程を含んでなる方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、2−アセチル−1−ピロリン、basmatiおよび他の様々な、芳香米(scented rice)の主要芳香成分、を安定化させるための改良された方法、および処理した穀草および穀粒製品に関する。
【0002】
本発明の主用途は、(i)容易に分散し得る形態にあるbasmati米香味料の製造および(ii)敏感な芳香化学物質を安定化させることである。これらの製品は、食品、例えば米およびパン製品および関連する調製品に香りを付ける技術に有用である。
【背景技術】
【0003】
背景および先行技術文献
芳香米は、調理した時に特徴的な、強い芳香を有する様々な米1−6の一種である。東南アジアにおける様々なBasmati、米国におけるDella、フィリピンにおけるMilagrosa、タイにおける「Khao Dawk Mali 105」、インドネシアにおける「Seratus Malam」および日本におけるHeiriは、主要な芳香米の種類である。世界中の、これらの品種が収穫されるところでは、芳香米が非常に望ましく、特殊な用途に使用されることがある。
【0004】
2−アセチル−1−ピロリンは、Buttery et al.7−8により1982年に最初に米中で同定された。その香りは、調理した米およびポップコーン状の香りとして記載されている。その合成方法は、2−アセチルピロールから出発すると記載されている。その定量分析方法は、Buttery et al.10により開発され、後にTanchotikul et al.11により洗練された。この化合物は、すべての芳香米品種で様々な量で見出され、非芳香米品種で見られるそれよりも多い(表1)。
分子式:CON
分子量111
CAS登録番号:99583−29−6
構造式
【化1】

【0005】
表1 芳香米品種中の2−アセチル−1−ピロリンのレベル

米試料 ppb
Malagkit Sungsong(玄米) 760
Basmati 370(玄米) 610
IR 841-76-1(玄米) 560
Texas long grain(Bluebell var、(精米) 60
Khao Dawk Mali 105(玄米) 710
Azucena(玄米) 570
Hieri(玄米) 360
【0006】
2−アセチル−1−ピロリンは、その保持時間およびMSデータを、基準または文献中に報告されているデータと比較することにより、特徴付けることができる。2−アセチル−1−ピロリンの質量スペクトルは、m/z 111(M’5%多、83(11)、69(11)、68(8)、67(0.2)、55(2)、52(0.9)、54(0.2)および43(100)、42(24)および41(50)に大きなピークを有する。そのKovats指数は、Carbowax 20Mで被覆したPyrexガラス毛管カラムで1320である。そのCCl中のIRスペクトルは、1695、1620、1435、1370、1340、1250、1080、1000、975および940cm−1で吸収極大を示す。
【0007】
この化合物は、新しく調製し、精製した時は無色の液体である。この化合物は、直ちに光および空気から保護し、密封したガラスビン中、温度−20℃未満、真空下で保存する必要がある。これらの条件下でも、貯蔵中に赤色に変化し、長期間の貯蔵で最終的には暗色になることが報告されている。カルボニル基と他の分子の5位置の共役により重合体状生成物が形成されることから生じる共役重合体が、不安定性の原因であると考えられている。この理由から、この化合物は、特に水溶液中に希釈することにより、より安定し、保存性が良くなり、低温(<−20℃)で数ヶ月安定している。
【0008】
2−アセチル−1−ピロリンは、パンの芳香性化合物2−アセチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリジンと類似の起源を有するのが妥当であると思われる12。プロリン残基の脱カルボキシル後に形成される中間体が加水分解し、1−ピロリンを形成すると考えられる。2−アセチル−1−ピロリンは、2−オキソプロパナールによる1−ピロリンのアセチル化から得られる。2−アセチル−1−ピロリンの多くの合成が最近の文献中に報告されている13−17
【0009】
米国特許第6,274,183号明細書、2001(Richard、Travis)によれば、食品被覆組成物が、香りの良い、または芳香米(香りのある米)から製造され、2−アセチル−1−ピロリン濃度が少なくとも重量で40ppbである芳香米を予め決められた粒子径に予め決められた温度で粉砕することにより、食品に一様に密着する、砕け易さが改良された食品被覆組成物が得られる。得られる食品被覆組成物は、2−アセチル−1−ピロリンに由来する独特で明瞭な芳香および味覚を与えることが特許権請求されている。この組成物の主な欠点は、最終製品中で希釈により得られる芳香のレベルが低いことである。
【0010】
米国特許第5,280,127号、1994(Duby、Philippe(Prilly, CH)、Huynh-Ba、Tuong(Pully, CH))、第5,401,521号および第5,446,171号、1995(Duby、Philippe、Huynh-Ba、Tuong)、および第5,512,290号、1996(Duby、Philippe、Huynh-Ba、Tuong)の各明細書では、マルトデキストリンおよび/またはシクロデキストリンの担体と共に配合された2−アセチル−1−ピロリンの粉末形態組成物が記載されている。この組成物は、2−(1−アルコキシエテニル)−1−ピロリンを酸で加水分解して反応媒体を形成し、この反応媒体に等モル量の塩基を加え、2−アセチル−1−ピロリンを含む中和された反応媒体を形成し、この中性反応媒体をマルトデキストリンおよび/またはシクロデキストリンと組み合わせて担体溶液を形成し、この担体溶液を凍結乾燥させることにより、製造する。これらの方法の主な欠点は、塩基で中和することにより芳香を前駆物質から放出させる必要があり、形成された塩が製品中に残ることである。
【0011】
別の米国特許第4,522,838号明細書、1985(Buttery、Ronald G、Ling、Louisa C、Juliano、Bienvenido O)では、化合物2−アセチル−1−ピロリンおよびその、食品に香りを付ける、特に食品に芳香米の香りを付与する方法が開示されている。この発明の欠点は、香味料をその塩の形態で使用しており、従って、使用前に放出させる必要があることである。
【0012】
発明の目的
本発明の主目的は、主要basmati芳香成分である2−アセチル−1−ピロリンを安定化させるための、先行技術で開示されている方法の上記の欠点を解決する、改良された方法を提供することである。
【0013】
発明の概要
従って、本発明は、basmati米芳香成分の2−アセチル−1−ピロリンを安定化させる改良された方法であって、公知の方法により2−アセチル−1−ピロリンを合成すること、乳化剤を使用し、水性エマルションの形態で、該芳香成分を結合材料、例えば植物起源のガムまたはデンプン、中に取り入ること、続いて混合物を、温度30〜60℃および24”の減圧下での真空中装置乾燥、または入口空気温度140℃、出口温度80℃、供給速度80ml/分で噴霧乾燥により乾燥させ、米および関連製品に香りを付けるための、容易に分散し得る乾燥粉末の形態で芳香を得る、方法を提供する。
発明の詳細な説明
【0014】
そこで、本発明は、バスマチ(basmati)芳香を発生する主成分の2−アセチル−1−ピロリンを安定化させる改良された方法であって、
a)乳化剤数滴を含む水中に結合剤を溶解させ、
b)2−アセチル−1−ピロリンのエタノール溶液を工程(a)の溶液に加え、
c)工程(b)の溶液を3〜5分間均質化し、および
d)工程(c)の均質化された溶液を乾燥させ、分散し得る乾燥粉末の形態にある安定化された芳香成分2−アセチル−1−ピロリンを得ることを含んでなる方法を提供する。
【0015】
本発明の一実施態様では、工程(a)で使用する結合剤は、植物を供給源とし、ガムアカシア、デンプンまたはそれらの混合物からなる群から選択される。
【0016】
本発明の別の実施態様では、2−アセチル−1−ピロリンと使用する結合剤の比は、0.1:2000〜1.0:2000である。
【0017】
請求項1に記載する方法で、工程(a)で使用する乳化剤は、トウィーン(Tween) 80、Tween 60からなる群から選択され、より好ましくはTween 60である。
【0018】
さらに別の実施態様では、使用する2−アセチル−1−ピロリンは、公知の方法を採用して製造される。
【0019】
さらに別の実施態様では、工程(d)における乾燥を、真空装置乾燥または噴霧乾燥により行う。
【0020】
さらに別の実施態様では、真空装置乾燥を24”の減圧下、温度30〜60℃で行い、噴霧乾燥を供給速度80ml/分、入口空気温度140℃、出口温度80℃で行う。
【0021】
本発明の別の実施態様では、得られた安定化された芳香成分を、米および関連製品に香りを付けるために使用する。
【実施例】
【0022】
下記の例は、本発明を例示するためであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0023】
例1
典型的な実験で、ガムアカシア(200g)を水2リットルに溶解させ、2−アセチル−1−ピロリン(純度>95%、合成試料)100mgをエタノール(3ml)に入れた溶液を加え、混合物を3分間均質化させ、下記の条件下、すなわち入口空気温度140℃、出口温度80℃、供給速度80ml/分で噴霧乾燥させた。収率は90%であった。
【0024】
甘くしたbasmati米の製造
A)米(basmati香味料を加える)
米(100g)を採り、水(1:3)を加え、15分間調理した。調理した米をミキサー中で1分間粉砕した。濃縮ミルクを水で希釈(1:1)し、希釈したミルク(150ml)およびカプセル封入されたbasmati香料(原料米にタイして1%w/w)を調理した米に加え、冷却した。
B)天然basmati米
芳香を付けていない米(100g)を採り、水(1:3)を加え、15分間調理した。調理した米をミキサー中で1分間粉砕した。濃縮ミルクを1:1希釈したもの(150ml)を調理した米に加え、冷却した。
【0025】
甘くしたbasmati米の評価
basmati香料を加えた米および天然basmati米を、10名の判定員による感覚的分析により、品質特性、例えば芳香、感触および全体的な容認度、に関する10点尺度で評価した。これらの結果から、香料を加えた米が、天然basmati米と比較して、芳香および全体的な品質に関して、より好ましいことが分かった。
【0026】
例2
典型的な実験で、結合剤(下記の表参照)を水2リットルに溶解させ、Tween 60(4滴)および2−アセチル−1−ピロリン(純度>95%、合成試料)をエタノール(3ml)に入れた溶液を加え、5分間均質化させ、下記の条件下、すなわち30〜60℃/24”で真空装置乾燥させた。結果を下記の表にまとめる。
【0027】

結合剤 量 2−AP(mg) カプセル封入された
(g) 製品の収率(g)
ガムアカシア 200 100 143
デンプン(HICAP) 200 45 89
ガムアカシア+ 100+100 45 98
デンプン(HICAP)
【0028】
例3
別の実験で、デンプン(200g)を水2リットルに溶解させ、Tween(4滴)および2−アセチル−1−ピロリン(純度>95%、合成試料)110mgをエタノール(3ml)に入れた溶液を加え、混合物を5分間均質化させ、下記の条件下、すなわち入口空気温度140℃、出口温度80℃、供給速度80ml/分で噴霧乾燥させた。収量は162.2gであった。
【0029】
合成basmati香料の米への配合およびその天然basmati米との比較
甘くしたbasmati米の製造
A)米(basmati香味料を加える)
米(100g)を採り、水(1:3)を加え、15分間調理した。調理した米をミキサー中で1分間粉砕した。濃縮ミルクを水で希釈(1:1、150ml)したもの、およびカプセル封入されたbasmati香料(原料米にタイして1%w/w)を調理した米に加え、冷却した。
B)天然basmati米
米(100g)を採り、水(1:3)を加え、15分間調理した。調理した米をミキサー中で1分間粉砕した。濃縮ミルクを希釈したもの(150ml)を調理した米に加え、冷却した。
【0030】
甘くしたbasmati米の評価
basmati香料を加えた米および天然basmati米を、10名の判定員による感覚的分析により、品質特性、例えば芳香、感触および全体的な容認度、に関する10点尺度で評価した。これらの結果から、香料を加えた米が、天然basmati米と比較して、芳香および全体的な品質に関して、より好ましいことが分かった。しかし、感触は、両方の試料で「糊のよう」であると記載された。
【0031】
文献
1.食品および飲料における揮発性化合物(Volatile Compounds in Foods and beverages)、Maarse H, Marcel Dekker, New York, 1991, pp79-89。
2.Buttery R G, Turnbaugh J GおよびLing L C、米芳香に対する揮発成分の寄与(Contribution of volatiles to rice aroma)、J Agric Food Chem., 1988, 36(5), 1006-1009。
3.Lin C F, Hsieh, T C.-YおよびHoff B L、"pop-の同定および定量。
4.Seitz L.M, Wright R L, Waniska R DおよびRooney L W、湿った粉砕トウジンヒエから来る臭気に対する2−アセチルピロリンの寄与(Contribution of 2-acetyl pyrroline to odorsfrom wetted ground pearl millet)、J Agric Food Chem., 1993, 41(6), 955-958。
5.Widjaja R, Craske J DおよびWootton M、非芳香米および芳香米の揮発成分に関する比較研究(Comparative studies on volatile components of non-fragrant and fragrant rices)、J Sci Food Agric, 1996, 70, 151-161。
6.Paule C MおよびPowers J J、芳香および非芳香米の感覚的および化学的試験(Sensory and chemical examination of aromatic and non-aromatic rices)、J Food Sci., 1989, 54(2), 343-346。
7.Buttery R G, Ling L CおよびJuliano B O、2−アセチル−1−ピロリン、調理した米の重要な芳香成分(2-acetyl-1-pyrroline : an important aroma component of cooked rice)、Chem and Ind, 1982, 958-959。
8.Buttery R G, Juliano B OおよびLing L C、タコノキの葉の中にある米芳香化合物2−アセチル−1−ピロリンの同定(Identification of rice aroma compound 2-acetyl-1-pyrroline in pandana leaves)、Chem and Ind, 1983, 478。
9.Buttery R G, Ling L C, Juliano B GおよびTurnbaugh J G、調理した米の芳香および2−アセチルピロリン(Cooked rice aroma and 2-acetyl pyrroline)、J Agric Food Chem., 1983, 31(4), 823-826。
10.Buttery R G, Ling L CおよびMon T R、2−アセチルピロリンの定量分析(Quantitative analysis of 2-acetyl pyrroline)、J Agric Food Chem., 1986, 34(1), 112-114。
11. Tanchotikul UおよびHsieh T C.-Y、芳香米中の「ポップコーン」状芳香、2−アセチル−1−ピロリンの、高分解能ガスクロマトグラフィー/質量スペクトル/選択イオン監視による改良された定量方法(An improved method for quantification of 2-acetyl-1-pyrroline, a"popcorn"-like aroma, in aromatic rice by high-resolution gas chromatography / mass spectrometry / selected ion monitoring)、J Agric Food Chem., 1991, 39(5), 944-947。
12.Schieberle PおよびGrosch W、コムギパン外皮の揮発性芳香化合物の同定−ライ麦パン外皮との比較(Identification of the volatile flavour compounds of wheat bread crust - comparison with rye bread crust)、Zeitschrift fur Lebensmittelunterschung and Forschung, 1985, 180(6), 474-478。
13.De Kimpe N, Stevens C VおよびKeppens M、主要米芳香成分2−アセチルピロリンの合成(Synthesis of 2-acetyl pyrroline, the principle rice flavour component)、J Agric Food Chem., 1993, 41(9), 1458-1461。
14.De Kimpe NおよびKeppens M、パンおよび調理した米の主要芳香成分の新規な合成(Novel syntheses of the major flavour components of bread and cooked rice)、J Agric Food Chem., 1996, 44(6), 1515-1519。
15.Hofmann TおよびSchieberle P、重要な、焼けたポップコーン状の臭気を有する食品芳香化合物2−アセチル−1−ピロリンおよび2−アセチルテトラヒドロピリジンの、それらの対応する環状αアミノ酸からの新規で集中的な合成(New and convergent synthesis of the important roasty, pop-corn like smelling food aroma compounds, 2-acetyl-1-pyrroline and 2-acetyltetrahydropyridine from their corresponding cyclic α-amino acids)、J Agric Food Chem., 1998, 46(6), 2270-2277。
16.Hofmann TおよびSchieberle P、食品中の重要な焼けた臭気の芳香物質2−アセチル−1−ピロリンおよび2−プロピオニル−1−ピロリンの、ペニシリンアシラーゼにより仲介される合成。β−シクロデキストリンとの包接複合体およびそれらのNMRおよびMS分析(Pencilin acylase-mediated synthesis of 2-acetyl-1-pyrroline and 2-propionyl-1-pyrroline, key roast smelling odourant in Food. Inclusion complexes with β-cyclodextrin and their NMR & MS characterisation)、J Agric Food Chem., 1998, 46(6), 616-619。
17.Favino T F, Fronza G, Fuganti C, Fuganti D, GrasselliおよびMele A、2−オキソプロパノール、ヒドロキシ−2−プロパノンおよび1−ピロリン−焼けた臭気の食品芳香化合物2−アセチル−1−ピロリンおよび2を発生させる際の重要な中間体(2-oxopropanol, hydroxy-2-propanone and 1-pyrroline - important intermediates in the generation of the roast-smelling food flavour compounds, 2-acetyl-1-pyrroline and 2)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスマチ芳香を発生する主成分の2−アセチル−1−ピロリンを安定化させる改良された方法であって、
a)乳化剤数滴を含む水中に結合剤を溶解させ、
b)2−アセチル−1−ピロリンのエタノール溶液を工程(a)の溶液に加え、
c)工程(b)の溶液を3〜5分間均質化し、および
d)工程(c)の均質化された溶液を乾燥させ、分散し得る乾燥粉末の形態にある安定化された芳香成分2−アセチル−1−ピロリンを得ることを含んでなる、方法。
【請求項2】
工程(a)で、前記使用する結合剤が植物を供給源とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記使用する結合剤が、ガムアカシア、デンプンまたはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
2−アセチル−1−ピロリンと前記使用する結合剤の比が0.1〜1.0:2000である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程(a)で、前記使用する乳化剤が、Tween 80、Tween 60からなる群から選択され、より好ましくはTween 60である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
使用する2−アセチル−1−ピロリンが、公知の方法を採用して製造される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
工程(d)における前記乾燥が、真空装置乾燥または噴霧乾燥により行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記真空装置乾燥が24”の減圧下、温度30〜60℃で行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記噴霧乾燥が、供給速度80ml/分、入口空気温度140℃、出口温度80℃で行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
得られた安定化された芳香成分が、米および関連製品に香りを付けるために使用される、請求項1に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスマチ芳香を発生する主成分の2−アセチル−1−ピロリンを安定化させる改良された方法であって、
a)乳化剤数滴を含む水中に結合剤を溶解させ、
b)2−アセチル−1−ピロリンのエタノール溶液を工程(a)の溶液に加え、
c)工程(b)の溶液を3〜5分間均質化し、および
d)工程(c)の均質化された溶液を乾燥させ、分散し得る乾燥粉末の形態にある安定化された芳香成分2−アセチル−1−ピロリンを得ることを含んでなる、方法。
【請求項2】
工程(a)で、前記使用する結合剤が植物を供給源とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記使用する結合剤が、ガムアカシア、デンプンまたはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
2−アセチル−1−ピロリンと前記使用する結合剤の比が0.1〜1.0:2000である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程(a)で、前記使用する乳化剤が、Tween 80、Tween 60からなる群から選択され、より好ましくはTween 60である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
使用する2−アセチル−1−ピロリンが、公知の方法を採用して製造される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
工程(d)における前記乾燥が、真空装置乾燥または噴霧乾燥により行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記真空装置乾燥が24”の減圧下、温度30〜60℃で行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記噴霧乾燥が、供給速度80ml/分、入口空気温度140℃、出口温度80℃で行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
得られた安定化された芳香成分が、米および関連製品に香りを付けるために使用される、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2006−516659(P2006−516659A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561705(P2004−561705)
【出願日】平成14年12月20日(2002.12.20)
【国際出願番号】PCT/IB2002/005529
【国際公開番号】WO2004/056202
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
PYREX
【出願人】(595023873)カウンシル・オブ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ (69)
【Fターム(参考)】