抗菌剤及び皮膚外用剤
【課題】皮膚の炎症の原因菌に対して抗菌活性を示す、抗菌剤及び皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】式(1)等で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、抗アクネ菌剤または抗黄色ブドウ球菌剤である抗菌剤及び皮膚外用剤。
【解決手段】式(1)等で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、抗アクネ菌剤または抗黄色ブドウ球菌剤である抗菌剤及び皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌剤及び皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
グラム陽性菌の1種であるアクネ菌(Propionibacterium acnes)やブドウ球菌(Staphylococcus属細菌)は、皮膚の常在菌として知られる一方で、皮膚の炎症にも深く関与している。
アクネ菌は、皮脂をグリセリンと脂肪酸に分解して皮膚を弱酸性に保つことで病原菌の侵入や繁殖を抑える役割を担っている。皮脂が毛穴等に詰まった状態が続くと、皮脂を栄養源としてアクネ菌が増殖し、これが原因となってニキビ等の炎症が引き起こされる。
一方、ブドウ球菌は、ヒトの皮膚や腸等に存在し、通常は無害の細菌である。しかし、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のように毒性の強いものは、傷口の化膿やとびひ等の原因菌としても知られる。黄色ブドウ球菌が炎症を起こした傷口から体内に侵入して髄膜炎、肺炎、腹膜炎、敗血症等を引き起こすこともある。
【0003】
皮膚の炎症の予防・改善には、炎症の原因菌の増殖を効果的に制御することが重要であり、皮膚の健康の維持・改善に有用な新たな抗菌剤及び皮膚外用剤の開発が望まれている。例えば、特許文献1及び非特許文献1には、抗アクネ菌活性や抗黄色ブドウ球菌活性を有する化合物を含有する皮膚外用剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−65014号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Phytochemistry,vol.71,p.104-109,2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、皮膚の炎症の原因菌に対して抗菌活性を示す抗菌剤及び皮膚外用剤の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、皮膚の炎症の原因菌に対して抗菌活性を有する化合物を新たに見い出した。本発明はこの知見に基づき完成させるに至ったものである。
【0008】
本発明は、下記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする抗菌剤に関する。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
また、本発明は、前記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする皮膚外用剤に関する。
【0014】
また、本発明は、前記式(1)で表される化合物に関する。
さらに、本発明は、前記式(2)で表される化合物に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤は、皮膚の炎症の原因菌に対して抗菌活性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤は、下記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物のうち塩の形態をとり得るものについては、前記化合物を塩の形態で本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤に含有させてもよい。このような塩としては特に限定されず、例えば、ナトリウム,カリウム,カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、アルミニウム、亜鉛等の両性金属塩、アミノ酸塩、アミン塩等が挙げられる。
【0022】
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤において、前記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の1種を単独で有効成分としてもよいし、2種以上を組合わせて有効成分としてもよい。
【0023】
本発明に用いる前記化合物は、通常の方法により化学合成してもよいし、特定の植物から抽出してもよい。
本発明に用いる前記化合物を抽出することができる植物として、アキノキリンソウ(Solidago virgaurea)が挙げられる。例えば、アキノキリンソウの任意の部位(例えば、根、茎、全草、葉、花等)を原料として特定の溶媒を用いて抽出操作を行い、アクネ菌やブドウ球菌等に対する抗菌活性を有する抽出物を得、該抽出物を液液分配やカラムクロマトグラフィー等の通常の分画手法を組合わせて順次分画していき、得られた画分の抗菌活性を指標に比活性の高い画分を得ていくことで、本発明に用いる有効成分を得ることができる。
【0024】
アキノキリンソウ抽出物の調製には、アキノキリンソウの任意の部位をそのまま、又は乾燥粉砕して用いることができ、これらの水蒸気蒸留物又は圧搾物を用いてもよい。また、これらを精油等により精製したものを用いてもよい。本発明に用いることができるアキノキリンソウ抽出物を得るには、任意の部位の1種のみから抽出してもよいし、2種以上の部位から抽出してもよい。本発明に用いることができるアキノキリンソウ抽出物を得るには、アキノキリンソウの茎部を抽出することが好ましい。また、アキノキリンソウ抽出物として、市販品を用いてもよい。
【0025】
アキノキリンソウ抽出物を得る方法は特に限定されず、通常の抽出方法を採用することができる。
抽出に用いる溶媒に特に制限はなく、植物成分の抽出に通常用いられる溶媒を用いることができる。このような溶媒として、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;及びピリジン類等が挙げられ、これら2種以上混合溶媒を用いることができる。本発明において、水性アルコールを含有する溶媒を用いることが好ましく、エタノールを含有する溶媒を用いることがより好ましい。エタノールを含有する溶媒はエタノール水溶液であることが好ましく、エタノールの含有量は20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。
【0026】
アキノキリンソウ抽出物を得るための抽出条件も通常の条件を適用できる。例えば、抽出原料となるアキノキリンソウの任意の部位を、好ましくは0〜100℃、より好ましくは5〜60℃、さらに好ましくは10〜30℃の温度下で、好ましくは1時間〜4週間、より好ましくは5時間〜1週間、上記溶媒中に浸漬又は加熱還流することでアキノキリンソウ抽出物を得ることができる。
【0027】
本明細書において「抗菌」とは、菌の増殖を抑制すること、菌を死滅させること、の両概念が包含される。本発明に用いる有効成分は、アクネ菌やブドウ球菌等のグラム陽性菌に対して優れた抗菌活性を示す。このうち、後述する実施例でも示すように、前記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物は、アクネ菌や黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性に特に優れる。
【0028】
本発明において、前記有効成分を抗菌剤及び皮膚外用剤としても用いてもよいし、前記有効成分と前記有効成分以外の成分とを本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤に含有させてもよい。本発明に用いることができる有効成分以外の成分としては特に制限はなく、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、精製水、乳糖、デンプン、アルコール、界面活性剤、油性物質、保湿剤、皮膚老化防止剤、美白剤、高分子化合物、防腐剤、増粘剤、乳化剤、薬効成分、粉体、紫外線吸収剤、色素、香料、乳化安定剤、pH調整剤等が挙げられる。
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤の形態に特に制限はなく、例えば、液体、流動体、粉体、固体、半固形体、乳化物、ゲル、クリーム、軟膏、ローション等が挙げられる。
【0029】
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤における前記有効成分の含有量に特に制限はないが、固形分換算で0.000001〜10質量%であることが好ましく、0.0001〜5質量%であることがより好ましい。
【0030】
本発明の抗菌剤は、医薬品、医薬部外品及び化粧料でありうる。本発明の抗菌剤の形態に特に制限はなく、用途に応じて皮膚外用剤、経口剤、注射剤、点鼻剤、坐剤、点滴剤、点眼剤等の形態をとることができる。
皮膚外用剤の形態では、水溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、ゲル系、軟膏系、クリーム、ミスト、エアゾール、水−油2層系、水−油−粉末3層系など、幅広い形態をとりうる。また、皮膚外用剤の形態における製品形態としては、ボディー化粧料、化粧水、乳液、クリーム及びパック等のフェーシャル化粧料、ファンデーション、おしろい、頬紅、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ及びサンスクリーン等のメーキャップ化粧料、メーク落とし、洗顔料及びボディーシャンプー等の皮膚洗浄料、ヘアーリンス及びシャンプー等の毛髪化粧料、浴用剤、軟膏、制御放出パッチ剤、貼付剤、あぶら取り紙、芳香化粧料等が挙げられる。
経口剤の形態の例としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、チュアブル剤、ペレット剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤及び吸入剤などが挙げられる。
【0031】
本発明の皮膚外用剤は、医薬品、医薬部外品及び化粧料でありうる。本発明の皮膚外用剤の形態に特に制限はなく、水溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、ゲル系、軟膏系、クリーム、ミスト、エアゾール、水−油2層系、水−油−粉末3層系など、幅広い形態をとりうる。また、本発明の皮膚外用剤の製品形態も任意であり、例えば、ボディー化粧料、化粧水、乳液、クリーム及びパック等のフェーシャル化粧料、ファンデーション、おしろい、頬紅、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ及びサンスクリーン等のメーキャップ化粧料、メーク落とし、洗顔料及びボディーシャンプー等の皮膚洗浄料、ヘアーリンス及びシャンプー等の毛髪化粧料、浴用剤、軟膏、制御放出パッチ剤、貼付剤、あぶら取り紙、芳香化粧料等が挙げられる。
【0032】
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤の使用量は、前記有効成分の含有量により異なるが、例えば、クリーム状、軟膏状及び液状製剤の場合、皮膚面1cm2当たり0.00001〜20mg使用するのが好ましい。
【0033】
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤は、前記化合物の少なくとも1種を有効成分とし、皮膚炎の炎症原因菌であるアクネ菌、黄色ブドウ球菌等のブドウ球菌等に対する抗菌作用を示す。この抗菌作用により、ニキビや化膿等の皮膚炎の症状を予防することができ、また、これらの皮膚炎の症状を緩和・改善することができる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
製造例 式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の抽出
アキノキリンソウの茎部の乾燥物(American botanicals社より入手)160.79gを50体積%エタノール水溶液800mLに3日間常温で浸漬した。この浸漬液をろ過して得られたろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、固形分24.82gを得た。この固形分を液液分配(酢酸エチル/水)に供し、酢酸エチル相を濃縮することで酢酸エチル可溶画分4.67gを得た。これをハイフラッシュカラム(山善社製;60×180mm)に通し、ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で溶出させることで15の画分(画分EA−1〜EA−15)を得た。
これらの画分のうち、画分EA−3(全量:532.2mg)の523.8mgをULTRPACK Bカラム(山善社製;26×300mm)に通し、クロロホルム/メタノール混合溶媒で溶出させて、12の画分(画分EA−3−1〜EA−3−12)を得た。
これらの画分のうち、画分EA−3−6(全量:67.6mg)の46.71mgをODS−3カラム(GLサイエンス社製;10×250mm)に通し、アセトニトリル/水(0.1%ギ酸)混合溶媒で溶出させて、11の画分(画分EA−3−6−1〜EA−3−6−11)を得た。また、画分EA−3−8(全量:290.2mg)の46.71mgをODS−3カラム(GLサイエンス社製;10×250mm)に通し、アセトニトリル/水(0.1%ギ酸)混合溶媒で溶出させて、13の画分(画分EA−3−8−1〜EA−3−8−13)を得た。
【0036】
このようにして得られた画分のうち、EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8の各画分に存在する単離成分(以下、それぞれ、単離成分EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8という)に関して、NMRスペクトルを測定した。
得られたNMRスペクトルの結果、及びこれらのNMRスペクトルから決定した各単離成分の化学構造を表1〜4に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
試験例1 アクネ菌に対する抗菌試験
単離成分EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8を各々エタノールに溶解し、濃度1mg/mLの評価用サンプル溶液を調製し、終濃度0.1mg/mLでアクネ菌に対する抗菌活性を評価した。抗菌活性は、ルシフェラーゼを利用してATP量を定量する市販キット(商品名:BacTiter-GloTM Microbial Cell Viability Assay、Progega社製)を用いて評価した。
変法GAM培地(日水製薬社製)を用いて37℃で3日間嫌気培養したアクネ菌JCM6425株の培養液10μLと、変法GAM培地80μL及び評価用サンプル溶液10μLを96穴プレートのウェル内で混合し、37℃で20時間嫌気培養した。培養後、BacTiter-GloTM 試薬100μLをウェルに添加し、1420 Multilabel Counter(Wallac社製)を用いて、530nmの蛍光強度(励起光:488nm)を定量した。また、上記単離成分に代えて、エタノールを添加した系を陰性コントロールとして同様の試験を行った。
結果を下記表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】
表5より、単離成分EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8について蛍光強度の明らかな低下が認められた。したがって、前記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物がアクネ菌に対して優れた抗菌活性を示し、本発明の抗菌剤が抗アクネ菌剤として好適であることが明らかとなった。
【0044】
試験例2 黄色ブドウ球菌に対する抗菌試験
単離成分EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8を各々エタノールに溶解し、濃度1mg/mLの評価用サンプル溶液を調製し、終濃度0.1mg/mLで黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性を評価した。抗菌活性は、ルシフェラーゼを利用してATP量を定量する市販キット(商品名:BacTiter-GloTM Microbial Cell Viability Assay、Progega社製)を用いて評価した。
SCD培地(ダイゴ社製)を用いて37℃で1日間好気培養した黄色ブドウ球菌IFO13276株の培養液10μLと、SCD培地80μL及び評価用サンプル溶液10μLを96穴プレートのウェル内で混合し、37℃で20時間好気培養した。培養後、BacTiter-GloTM 試薬100μLをウェルに添加し、1420 Multilabel Counter(Wallac社製)を用いて、530nmの蛍光強度を定量した。また、上記単離成分に代えて、エタノールを添加した系を陰性コントロールとして同様の試験を行った。
結果を下記表6に示す。
【0045】
【表6】
【0046】
表6より、単離成分EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8において明らかな蛍光強度の低下が認められた。したがって、前記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物が黄色ブドウ球菌に対して抗菌活性を示し、本発明の抗菌剤が抗黄色ブドウ球菌剤として好適であることが明らかとなった。特に単離成分EA−3−8−3及びEA−3−8−8において、黄色ブドウ球菌に対して高い抗菌活性が認められた。
【0047】
試験例3 単離成分を配合したローション(皮膚外用剤及び抗菌剤の一形態)の評価
単離成分(EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8)を用いて、これらを1%(w/v)配合したローション(1)〜(4)を下記表7に示す処方で調製した。
【0048】
【表7】
【0049】
上記ローション(1)〜(4)について、上記試験例1と同様に市販キットを用いて、培養液中の終濃度10%(単離成分の終濃度1mg/mL)でのアクネ菌に対する抗菌評価を行った。その結果、単離成分を含まないローションを用いたコントロールに比べて、単離成分を含むローション(1)〜(4)では蛍光強度が有意に減少していた。すなわち、前記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物は、皮膚外用剤の形態においても抗菌活性を示すことがわかった。
【0050】
以上のように、式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物は、アクネ菌や黄色ブドウ球菌等のグラム陽性菌に対して優れた抗菌活性を示す。したがって、式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする抗菌剤及び皮膚外用剤は、皮膚の炎症の原因菌に対する抗菌作用を有する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌剤及び皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
グラム陽性菌の1種であるアクネ菌(Propionibacterium acnes)やブドウ球菌(Staphylococcus属細菌)は、皮膚の常在菌として知られる一方で、皮膚の炎症にも深く関与している。
アクネ菌は、皮脂をグリセリンと脂肪酸に分解して皮膚を弱酸性に保つことで病原菌の侵入や繁殖を抑える役割を担っている。皮脂が毛穴等に詰まった状態が続くと、皮脂を栄養源としてアクネ菌が増殖し、これが原因となってニキビ等の炎症が引き起こされる。
一方、ブドウ球菌は、ヒトの皮膚や腸等に存在し、通常は無害の細菌である。しかし、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のように毒性の強いものは、傷口の化膿やとびひ等の原因菌としても知られる。黄色ブドウ球菌が炎症を起こした傷口から体内に侵入して髄膜炎、肺炎、腹膜炎、敗血症等を引き起こすこともある。
【0003】
皮膚の炎症の予防・改善には、炎症の原因菌の増殖を効果的に制御することが重要であり、皮膚の健康の維持・改善に有用な新たな抗菌剤及び皮膚外用剤の開発が望まれている。例えば、特許文献1及び非特許文献1には、抗アクネ菌活性や抗黄色ブドウ球菌活性を有する化合物を含有する皮膚外用剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−65014号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Phytochemistry,vol.71,p.104-109,2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、皮膚の炎症の原因菌に対して抗菌活性を示す抗菌剤及び皮膚外用剤の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、皮膚の炎症の原因菌に対して抗菌活性を有する化合物を新たに見い出した。本発明はこの知見に基づき完成させるに至ったものである。
【0008】
本発明は、下記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする抗菌剤に関する。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
また、本発明は、前記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする皮膚外用剤に関する。
【0014】
また、本発明は、前記式(1)で表される化合物に関する。
さらに、本発明は、前記式(2)で表される化合物に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤は、皮膚の炎症の原因菌に対して抗菌活性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤は、下記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物のうち塩の形態をとり得るものについては、前記化合物を塩の形態で本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤に含有させてもよい。このような塩としては特に限定されず、例えば、ナトリウム,カリウム,カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、アルミニウム、亜鉛等の両性金属塩、アミノ酸塩、アミン塩等が挙げられる。
【0022】
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤において、前記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の1種を単独で有効成分としてもよいし、2種以上を組合わせて有効成分としてもよい。
【0023】
本発明に用いる前記化合物は、通常の方法により化学合成してもよいし、特定の植物から抽出してもよい。
本発明に用いる前記化合物を抽出することができる植物として、アキノキリンソウ(Solidago virgaurea)が挙げられる。例えば、アキノキリンソウの任意の部位(例えば、根、茎、全草、葉、花等)を原料として特定の溶媒を用いて抽出操作を行い、アクネ菌やブドウ球菌等に対する抗菌活性を有する抽出物を得、該抽出物を液液分配やカラムクロマトグラフィー等の通常の分画手法を組合わせて順次分画していき、得られた画分の抗菌活性を指標に比活性の高い画分を得ていくことで、本発明に用いる有効成分を得ることができる。
【0024】
アキノキリンソウ抽出物の調製には、アキノキリンソウの任意の部位をそのまま、又は乾燥粉砕して用いることができ、これらの水蒸気蒸留物又は圧搾物を用いてもよい。また、これらを精油等により精製したものを用いてもよい。本発明に用いることができるアキノキリンソウ抽出物を得るには、任意の部位の1種のみから抽出してもよいし、2種以上の部位から抽出してもよい。本発明に用いることができるアキノキリンソウ抽出物を得るには、アキノキリンソウの茎部を抽出することが好ましい。また、アキノキリンソウ抽出物として、市販品を用いてもよい。
【0025】
アキノキリンソウ抽出物を得る方法は特に限定されず、通常の抽出方法を採用することができる。
抽出に用いる溶媒に特に制限はなく、植物成分の抽出に通常用いられる溶媒を用いることができる。このような溶媒として、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;及びピリジン類等が挙げられ、これら2種以上混合溶媒を用いることができる。本発明において、水性アルコールを含有する溶媒を用いることが好ましく、エタノールを含有する溶媒を用いることがより好ましい。エタノールを含有する溶媒はエタノール水溶液であることが好ましく、エタノールの含有量は20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。
【0026】
アキノキリンソウ抽出物を得るための抽出条件も通常の条件を適用できる。例えば、抽出原料となるアキノキリンソウの任意の部位を、好ましくは0〜100℃、より好ましくは5〜60℃、さらに好ましくは10〜30℃の温度下で、好ましくは1時間〜4週間、より好ましくは5時間〜1週間、上記溶媒中に浸漬又は加熱還流することでアキノキリンソウ抽出物を得ることができる。
【0027】
本明細書において「抗菌」とは、菌の増殖を抑制すること、菌を死滅させること、の両概念が包含される。本発明に用いる有効成分は、アクネ菌やブドウ球菌等のグラム陽性菌に対して優れた抗菌活性を示す。このうち、後述する実施例でも示すように、前記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物は、アクネ菌や黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性に特に優れる。
【0028】
本発明において、前記有効成分を抗菌剤及び皮膚外用剤としても用いてもよいし、前記有効成分と前記有効成分以外の成分とを本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤に含有させてもよい。本発明に用いることができる有効成分以外の成分としては特に制限はなく、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、精製水、乳糖、デンプン、アルコール、界面活性剤、油性物質、保湿剤、皮膚老化防止剤、美白剤、高分子化合物、防腐剤、増粘剤、乳化剤、薬効成分、粉体、紫外線吸収剤、色素、香料、乳化安定剤、pH調整剤等が挙げられる。
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤の形態に特に制限はなく、例えば、液体、流動体、粉体、固体、半固形体、乳化物、ゲル、クリーム、軟膏、ローション等が挙げられる。
【0029】
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤における前記有効成分の含有量に特に制限はないが、固形分換算で0.000001〜10質量%であることが好ましく、0.0001〜5質量%であることがより好ましい。
【0030】
本発明の抗菌剤は、医薬品、医薬部外品及び化粧料でありうる。本発明の抗菌剤の形態に特に制限はなく、用途に応じて皮膚外用剤、経口剤、注射剤、点鼻剤、坐剤、点滴剤、点眼剤等の形態をとることができる。
皮膚外用剤の形態では、水溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、ゲル系、軟膏系、クリーム、ミスト、エアゾール、水−油2層系、水−油−粉末3層系など、幅広い形態をとりうる。また、皮膚外用剤の形態における製品形態としては、ボディー化粧料、化粧水、乳液、クリーム及びパック等のフェーシャル化粧料、ファンデーション、おしろい、頬紅、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ及びサンスクリーン等のメーキャップ化粧料、メーク落とし、洗顔料及びボディーシャンプー等の皮膚洗浄料、ヘアーリンス及びシャンプー等の毛髪化粧料、浴用剤、軟膏、制御放出パッチ剤、貼付剤、あぶら取り紙、芳香化粧料等が挙げられる。
経口剤の形態の例としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、チュアブル剤、ペレット剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤及び吸入剤などが挙げられる。
【0031】
本発明の皮膚外用剤は、医薬品、医薬部外品及び化粧料でありうる。本発明の皮膚外用剤の形態に特に制限はなく、水溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、ゲル系、軟膏系、クリーム、ミスト、エアゾール、水−油2層系、水−油−粉末3層系など、幅広い形態をとりうる。また、本発明の皮膚外用剤の製品形態も任意であり、例えば、ボディー化粧料、化粧水、乳液、クリーム及びパック等のフェーシャル化粧料、ファンデーション、おしろい、頬紅、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ及びサンスクリーン等のメーキャップ化粧料、メーク落とし、洗顔料及びボディーシャンプー等の皮膚洗浄料、ヘアーリンス及びシャンプー等の毛髪化粧料、浴用剤、軟膏、制御放出パッチ剤、貼付剤、あぶら取り紙、芳香化粧料等が挙げられる。
【0032】
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤の使用量は、前記有効成分の含有量により異なるが、例えば、クリーム状、軟膏状及び液状製剤の場合、皮膚面1cm2当たり0.00001〜20mg使用するのが好ましい。
【0033】
本発明の抗菌剤及び皮膚外用剤は、前記化合物の少なくとも1種を有効成分とし、皮膚炎の炎症原因菌であるアクネ菌、黄色ブドウ球菌等のブドウ球菌等に対する抗菌作用を示す。この抗菌作用により、ニキビや化膿等の皮膚炎の症状を予防することができ、また、これらの皮膚炎の症状を緩和・改善することができる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
製造例 式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の抽出
アキノキリンソウの茎部の乾燥物(American botanicals社より入手)160.79gを50体積%エタノール水溶液800mLに3日間常温で浸漬した。この浸漬液をろ過して得られたろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、固形分24.82gを得た。この固形分を液液分配(酢酸エチル/水)に供し、酢酸エチル相を濃縮することで酢酸エチル可溶画分4.67gを得た。これをハイフラッシュカラム(山善社製;60×180mm)に通し、ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で溶出させることで15の画分(画分EA−1〜EA−15)を得た。
これらの画分のうち、画分EA−3(全量:532.2mg)の523.8mgをULTRPACK Bカラム(山善社製;26×300mm)に通し、クロロホルム/メタノール混合溶媒で溶出させて、12の画分(画分EA−3−1〜EA−3−12)を得た。
これらの画分のうち、画分EA−3−6(全量:67.6mg)の46.71mgをODS−3カラム(GLサイエンス社製;10×250mm)に通し、アセトニトリル/水(0.1%ギ酸)混合溶媒で溶出させて、11の画分(画分EA−3−6−1〜EA−3−6−11)を得た。また、画分EA−3−8(全量:290.2mg)の46.71mgをODS−3カラム(GLサイエンス社製;10×250mm)に通し、アセトニトリル/水(0.1%ギ酸)混合溶媒で溶出させて、13の画分(画分EA−3−8−1〜EA−3−8−13)を得た。
【0036】
このようにして得られた画分のうち、EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8の各画分に存在する単離成分(以下、それぞれ、単離成分EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8という)に関して、NMRスペクトルを測定した。
得られたNMRスペクトルの結果、及びこれらのNMRスペクトルから決定した各単離成分の化学構造を表1〜4に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
試験例1 アクネ菌に対する抗菌試験
単離成分EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8を各々エタノールに溶解し、濃度1mg/mLの評価用サンプル溶液を調製し、終濃度0.1mg/mLでアクネ菌に対する抗菌活性を評価した。抗菌活性は、ルシフェラーゼを利用してATP量を定量する市販キット(商品名:BacTiter-GloTM Microbial Cell Viability Assay、Progega社製)を用いて評価した。
変法GAM培地(日水製薬社製)を用いて37℃で3日間嫌気培養したアクネ菌JCM6425株の培養液10μLと、変法GAM培地80μL及び評価用サンプル溶液10μLを96穴プレートのウェル内で混合し、37℃で20時間嫌気培養した。培養後、BacTiter-GloTM 試薬100μLをウェルに添加し、1420 Multilabel Counter(Wallac社製)を用いて、530nmの蛍光強度(励起光:488nm)を定量した。また、上記単離成分に代えて、エタノールを添加した系を陰性コントロールとして同様の試験を行った。
結果を下記表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】
表5より、単離成分EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8について蛍光強度の明らかな低下が認められた。したがって、前記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物がアクネ菌に対して優れた抗菌活性を示し、本発明の抗菌剤が抗アクネ菌剤として好適であることが明らかとなった。
【0044】
試験例2 黄色ブドウ球菌に対する抗菌試験
単離成分EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8を各々エタノールに溶解し、濃度1mg/mLの評価用サンプル溶液を調製し、終濃度0.1mg/mLで黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性を評価した。抗菌活性は、ルシフェラーゼを利用してATP量を定量する市販キット(商品名:BacTiter-GloTM Microbial Cell Viability Assay、Progega社製)を用いて評価した。
SCD培地(ダイゴ社製)を用いて37℃で1日間好気培養した黄色ブドウ球菌IFO13276株の培養液10μLと、SCD培地80μL及び評価用サンプル溶液10μLを96穴プレートのウェル内で混合し、37℃で20時間好気培養した。培養後、BacTiter-GloTM 試薬100μLをウェルに添加し、1420 Multilabel Counter(Wallac社製)を用いて、530nmの蛍光強度を定量した。また、上記単離成分に代えて、エタノールを添加した系を陰性コントロールとして同様の試験を行った。
結果を下記表6に示す。
【0045】
【表6】
【0046】
表6より、単離成分EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8において明らかな蛍光強度の低下が認められた。したがって、前記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物が黄色ブドウ球菌に対して抗菌活性を示し、本発明の抗菌剤が抗黄色ブドウ球菌剤として好適であることが明らかとなった。特に単離成分EA−3−8−3及びEA−3−8−8において、黄色ブドウ球菌に対して高い抗菌活性が認められた。
【0047】
試験例3 単離成分を配合したローション(皮膚外用剤及び抗菌剤の一形態)の評価
単離成分(EA−3−6−5、EA−3−6−9、EA−3−8−3及びEA−3−8−8)を用いて、これらを1%(w/v)配合したローション(1)〜(4)を下記表7に示す処方で調製した。
【0048】
【表7】
【0049】
上記ローション(1)〜(4)について、上記試験例1と同様に市販キットを用いて、培養液中の終濃度10%(単離成分の終濃度1mg/mL)でのアクネ菌に対する抗菌評価を行った。その結果、単離成分を含まないローションを用いたコントロールに比べて、単離成分を含むローション(1)〜(4)では蛍光強度が有意に減少していた。すなわち、前記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物は、皮膚外用剤の形態においても抗菌活性を示すことがわかった。
【0050】
以上のように、式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物は、アクネ菌や黄色ブドウ球菌等のグラム陽性菌に対して優れた抗菌活性を示す。したがって、式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする抗菌剤及び皮膚外用剤は、皮膚の炎症の原因菌に対する抗菌作用を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする抗菌剤。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【請求項2】
前記抗菌剤が抗アクネ菌(Propionibacterium acnes)剤である、請求項1記載の抗菌剤。
【請求項3】
前記抗菌剤が抗黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)剤である、請求項1記載の抗菌剤。
【請求項4】
下記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする皮膚外用剤。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【請求項5】
下記式(1)で表される化合物。
【化9】
【請求項6】
下記式(2)で表される化合物。
【化10】
【請求項1】
下記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする抗菌剤。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【請求項2】
前記抗菌剤が抗アクネ菌(Propionibacterium acnes)剤である、請求項1記載の抗菌剤。
【請求項3】
前記抗菌剤が抗黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)剤である、請求項1記載の抗菌剤。
【請求項4】
下記式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする皮膚外用剤。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【請求項5】
下記式(1)で表される化合物。
【化9】
【請求項6】
下記式(2)で表される化合物。
【化10】
【公開番号】特開2013−35800(P2013−35800A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174678(P2011−174678)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
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