説明

車両空調システム

【課題】無駄な電力消費を抑制しエネルギー効率のよい車両空調システムの提供を課題とする。
【解決手段】空調装置を制御する空調制御手段と、シートの位置及びリクライニングを制御するシート制御手段と、車窓の開閉を制御する車窓制御手段とを備える車両の車両空調システムであって、ユーザの行動パターンに基づいて乗車意思を判定する乗車意思判定手段と、乗車意思が判定されたとき、到達時間を予測する到達時間予測手段と、車内温度、車内設備情報、及び太陽光に関する情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段とを有し、車内温度と、予め定められた車内の目標温度と、到達時間とに応じて、空調手段による空調装置の制御、シート制御手段によるシートの位置及びリクライニングの制御、又は車窓制御手段による車窓の開制御を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、乗車前にエアコンの作動時刻を設定し、乗車時に合わせて車室内温度が適温範囲になるように冷暖房を行う車両空調装置(カーエアコン)が知られている。
【0003】
これに関連する技術として、車両に乗車する前に予め指示した予備的な運転指示を検出したとき車室内の温度が予め定めた設定温に対する適温範囲から外れているか否かを検出し、その適温範囲外のときにカーエアコンの運転を開始するカーエアコン自動運転方法及び装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公昭61−10324号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザの乗車前に車両室温を適温範囲にするための車両空調システムにおいては、適温範囲への到達までに時間がかかる場合があるので、ユーザの乗車意思をいち早く検出して、適切なタイミングで車両空調を開始(制御)できるようにすることが肝要である。
【0005】
しかしながら、上述する車両空調装置や特許文献1に記載される発明において、乗車前のカーエアコンは、例えば、スマートキー検知時やドア開動作時などにエアコン動作が制御され、車室内外の環境によっては、この制御タイミングでは、乗車者の乗車時に適切な車室温度にすることが困難な場合がある。また、タイマやリモート操作などでエアコン動作を制御する場合、早すぎたりして無駄な電力を消費してしまうこともある。
【0006】
そこで、本発明は、無駄な電力消費を抑制しエネルギー効率のよい車両空調システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、第1の発明に係る車両空調システムは、空調を行う空調装置を制御する空調制御手段と、シートの位置及びリクライニングを制御するシート制御手段と、車窓の開閉を制御する車窓制御手段とを備える車両の車両空調システムであって、
ユーザの行動パターンに基づいて前記ユーザの乗車意思を判定する乗車意思判定手段と、
前記乗車意思判定手段により前記ユーザの乗車意思が判定されたとき、乗車意思が判定された時から前記ユーザが前記車両に到達する時までの到達時間を予測する到達時間予測手段と、
車内温度、車内設備情報、及び太陽光に関する情報を含む前記車両情報を取得する車両情報取得手段とを有し、
前記車両情報取得手段により取得された車内温度と、予め定められた車内の目標温度と、前記到達時間とに応じて、前記空調手段による空調装置の制御、前記シート制御手段によるシートの位置及びリクライニングの制御、又は前記車窓制御手段による車窓の開制御を行なうことを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明に係る車両空調システムにおいて、
前記車内温度が前記目標温度より低く、前記空調装置による暖房によって前記到達時間以内に車内温度が前記目標温度に至る場合には、前記シート制御手段は、シートの位置及びリクライニングを、前記車両情報取得手段により取得された太陽光に関する情報に基づいて、移動させ、
前記車内温度が前記目標温度より低く、前記空調装置による暖房によって前記到達時間以内に車内温度が前記目標温度に至らない場合には、前記空調制御手段は、前記空調装置による暖房を作動させることを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、第1又は2の発明に係る車両空調システムにおいて、
前記車内温度が前記目標温度より高く、前記空調装置による冷房によって前記到達時間以内に車内温度が前記目標温度に至る場合には、前記車窓制御手段は、車窓を開制御して、
前記車内温度が前記目標温度より高く、前記空調装置による冷房によって前記到達時間以内に車内温度が前記目標温度に至らない場合には、前記空調制御手段は、前記空調装置による冷房を作動させることを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、第1ないし3いずれかの発明に係る車両空調システムにおいて、
前記乗車意思判定手段により、前記ユーザの乗車意思の判定を継続し、前記ユーザの乗車意思がないと判定されたとき、前記空調制御手段、前記シート制御手段、及び/又は、前記車窓制御による制御を停止することを特徴とする。
【0011】
第5の発明は、第4の発明に係る車両空調システムにおいて、
前記シート制御手段は、シートの位置及びリクライニングを移動前の位置に戻してから、制御を停止し、
前記車窓制御手段は、車窓を閉制御してから、制御を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無駄な電力消費を抑制しエネルギー効率のよい車両空調システムが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0014】
図1は、本発明による車両空調システム1の一実施例を示すシステム構成図である。本実施例の車両空調システム1は、車両の外部に配置される乗車意思検出装置10と、車両に搭載される車載器30とからなる。
【0015】
乗車意思検出装置10は、運転者判定部12、運転者挙動検知部14、時計16、データベース17、乗車パターン判定部18及び通信部20を含む。以下、これらの主な機能を説明するが、詳細は後述する。
【0016】
運転者判定部12は、ホームからの外出者が予め登録された車両の運転者であるか否かを判定し、運転者挙動検知部14に対して、運転者情報を通知する。ここで、ホームとは、典型的には、運転者の自宅や会社のような、運転者が車両をそばに駐車して長時間生活する場所である。ホームからの外出者が予め登録された車両の運転者であるか否かは、例えばユーザが所持しているはずの車両キー(例えばスマートキーのような携帯キー)や電子免許証を所持しているか否かを非接触センサ(字受信機を含む)を用いて検出し、次いで、当該車両キーや電子免許証のIDに係るユーザが予め登録されたユーザであるか否かを判定してもよい。このとき、非接触センサは、ホームの所定の出入口に設けられてもよい。また、非接触センサは、会社の通用口等に設けられてもよく、退社する際に検知する電子社員証のデータから、ユーザが予め登録されたユーザであるか否かを判定してもよい。運転者情報は、検知したユーザが所持する車両キーのID、携帯電話の番号、顔などの生体情報を含んでもよい。
【0017】
運転者挙動検知部14は、運転者情報に基づいて、各地点に設置されたカメラやアンテナ(共にインフラ設備)、携帯電話のGPS信号等により運転者の存在や挙動(移動軌跡、移動方向、顔向き、視線等)を検知する。
【0018】
時計16は、現在時刻を管理し、現在時刻等の時刻情報を乗車パターン判定部18に通知する。
【0019】
データベース17には、運転者挙動検知部14にて検知されたユーザの過去の行動パターンであって、ユーザが乗車したときの行動パターン(乗車パターン)や、ユーザが乗車しなかったときの行動パターン(非乗車パターン)が記憶される。
【0020】
乗車パターン判定部18は、運転者挙動検知部14にて検知された挙動や、時計16からの時刻情報と、データベース17に記憶されたユーザの過去の乗車時の行動履歴パターンとを比較し、運転者の車両の乗車意思を検出すると共に、運転者(及びその同乗者)の車両への到達時間を予測する。到達予測時間は、現時刻から何秒後に到達するかを表す形態であるとする。但し、到達予測時間は、例えば絶対時刻で表されてもよい。
【0021】
通信部20は、車両の車載器30に対して、車両への到達予測時間や乗車前制御開始許可情報(乗車前制御開始指示)を無線通信により伝達する。
【0022】
車載器30は、通信部32、車両情報取得部34、乗車前制御内容判定部36、及び、制御装置38を含む。以下、これらの主な機能を説明するが、詳細は後述する。
【0023】
通信部32は、運転者の車両への到達予測時間や乗車前制御開始許可情報を表す信号を、乗車意思検出装置10の通信部20から受信し、運転者の車両への到達予測時間や乗車前制御開始許可情報を、乗車前制御内容判定部36に伝達する。
【0024】
車両情報取得部34は、各種の車載センサを介して現在の車両の状態(例えば室内温度、シート位置といった車内環境や車内設備状況、また乗車意思を表す基本情報)を取得する。なお、この乗車意思を表す基本情報(以下、乗車意思基本情報という)は、実際に乗車があったことを表す情報であり、ドアのアンロック操作及びドアの開放操作が検出されたことにより生成されてもよい。また、乗車意思基本情報は、ドアのアンロック操作及びドアの開放操作に加えて、車載センサ(例えば車載カメラや、運転席シートに埋設されたシート荷重センサ、スマートレシーバー等)により車室内に運転者が存在することが検出された場合に生成されてもよい。また、車両情報取得部34は、乗車意思基本情報を取得した場合には、乗車意思基本情報を、通信部32を介して乗車意思検出装置10に通知する。
【0025】
乗車前制御内容判定部36は、乗車意思検出装置10から得られる運転者の到達予測時間と、車両情報取得部34からの現状の車両状態、制御に要する時間(既知情報)に基づいて、乗車前の各種制御内容(タイミングを含む)を判定(決定)する。
【0026】
制御装置38は、車室温度を変化させる装置を制御する装置であり、例えば、冷暖房を行うカーエアコンといった空調装置の空調制御装置、太陽光を最大限受熱可能な位置にシート(電動シートなど)やリクライニングを制御するシート制御装置、車窓の開閉を制御する車窓制御装置等を含む。制御装置38は、乗車前制御内容判定部36にて決定された制御内容にしたがって、空調に係る各種制御を実施する。
【0027】
図2は、車両空調システム1により実現される乗車前制御に関連する基本処理を示すフローチャートである。
【0028】
ステップ100では、運転者判定部12において、ホームからの外出者が検出された場合に、ホームからの外出者が運転者条件を満たしているか否かが判定される。運転者条件とは、外出時に車両キーを携帯しているか、更に、運転免許証を携帯しているか、予め車両の使用が許可されているものであるか、といった条件である。ホームからの外出者が運転者条件を満たしている場合には、ステップ102に進み、それ以外は今回周期の処理はそのまま終了する。
【0029】
ステップ102では、運転者挙動検知部14において、ホームからの運転者の挙動(行動パターン)が検知される。例えば、外出時の出発時間、歩行ルート、歩行ルート上の各地点への到達時間、歩中の顔向き、視線、しぐさ等が検知されてもよい。
【0030】
ステップ104では、乗車パターン判定部18において、運転者挙動検知部14において現に検知されている行動パターンが、データベース17に記憶された過去の乗車時(又は非乗車時)の行動パターンと比較・対比される。
【0031】
ステップ106では、運転者挙動検知部14において、上記ステップ104の比較の結果、運転者に乗車意思があるか否かが判定される。具体的には、運転者挙動検知部14において現に検知されている行動パターンが、データベース17に記憶された過去の乗車時の行動パターンに整合した場合には、運転者に乗車意思があると判定される。他方、運転者挙動検知部14において現に検知されている行動パターンが、データベース17に記憶された過去の乗車時の行動パターンに整合しない場合には、運転者に乗車意思がない(又は不明)と判定される。
【0032】
ステップ108では、車載器30において制御装置38により乗車前制御が開始される。制御装置38は、乗車前制御内容判定部36にて決定された制御内容にしたがって、空調に係る各種制御を実施する。
【0033】
このように図2に示す基本処理によれば、ユーザによる特別な操作を必要とせず、乗車前に必要な制御・サービスが実施できるので、乗車時の快適性を向上させることができる。
【0034】
次に、上述の主要な各部の機能を、より詳細な具体例を通して説明していく。
【0035】
図3は、運転者判定部12における処理(図2のステップ100の処理の詳細)の一例を示すフローチャートである。
【0036】
ステップ200では、ホームからの外出者が検知されたか否かが判定される。例えばホームが自宅である場合、自宅の玄関ドアの開閉動作等に基づいてホームからの外出者が検知されてもよい。また、ホームが通勤先の会社である場合、退場門通過時に外出者が検知されてもよい。また、ホームがお店である場合、お店の出入口通過時に外出者が検知されてもよい。
【0037】
ステップ202では、車両キー検出処理が実行される。具体的には、外出者が車両キーを携帯しているか否かが判定される。例えば、車両キーがスマートシステムで用いられるスマートキーである場合には、スマートキーからの電波の受信状況に基づいて外出者が車両キーを携帯しているか否かが判定されてもよい。
【0038】
ステップ204では、上記ステップ200及び202の処理結果に基づいて、運転者条件が成立したか否かが判定される。運転者条件とは、外出時に車両キーを携帯しているか、更に、運転免許証を携帯しているか、予め車両の使用が許可されているものであるか、といった条件である。ホームからの外出者が運転者条件を満たしている場合には、ステップ206に進み、それ以外は今回周期の処理はそのまま終了する。
【0039】
ステップ206では、運転者挙動検知部14に対して運転者挙動検知処理を開始するように指示が送信される。
【0040】
図4は、運転者挙動検知部14、乗車パターン判定部18及び通信部20により実現される処理(図2のステップ102,104,106の処理の詳細)の一例を示すフローチャートである。
【0041】
ステップ300では、通信部20を介して、運転者情報(例えばキーID)と乗車前制御開始指示が車両に送信される。キーIDに対応した車両の車載器30にて乗車前制御開始指示が受信されると、当該車載器30により乗車前制御が開始される。尚、乗車前制御開始指示は、後述のステップ308で肯定判定された段階で車両に送信されるようにしてもよい。
【0042】
ステップ302では、現在時刻を表す時刻情報が時計16から取得される。
【0043】
ステップ304では、運転者挙動検知部14において、運転者の歩行ルートが検出され、ステップ306では、運転者の歩行速度が検出される。本ステップ304,306では、例えばホームから車両(駐車場)間に複数設置された路上カメラにより、運転者の動作が検知されてもよい。また、ホームから車両(駐車場)間に複数設置されたアンテナにより、運転者が携帯するスマートキーやRFIDを検出し、運転者の歩行ルートや運転者の歩行速度が検知されてもよい。また、ユーザの所有する携帯電話のGPS情報を利用して、運転者の移動軌跡や方向、速度が検出されてもよい。
【0044】
ステップ308では、乗車パターン判定部18において、上記ステップ304,306で検知された運転者の行動パターンが、データベース17に記憶された乗車パターン(運転者が過去に乗車したときの行動パターン)と一致(整合)するか否かが判定される。乗車パターンと一致した場合には、ステップ310に進み、一致しない場合にはステップ314に進む。
【0045】
ステップ310では、乗車パターン判定部18において、過去の乗車パターンと、現在の行動パターンとを比較することで、運転者(及びその同乗者)の車両までの到達予測時間及び予想接近方向が算出される。
【0046】
ステップ312では、上記ステップ310にて算出された車両までの到達予測時間及び予想接近方向を表す情報が、通信部20を介して車両の車載器30に送信される。
【0047】
ステップ314では、乗車パターン判定部18において、上記ステップ304,306で検知された運転者の行動パターンが、データベース17に記憶された非乗車パターン(運転者が過去に乗車しなかったときの行動パターン)と一致(整合)するか否かが判定される。尚、非乗車パターンは、典型的には、例えば運転者が車両に忘れ物を取りに来ただけで乗車しなかったときの行動パターンや、運転者が車両の様子を見に来ただけで乗車しなかったときの行動パターンや、運転者が車両以外の別の目的で外出したときの行動パターン等からなる。今回検知された運転者の行動パターンが、非乗車パターンと一致した場合には、運転者に乗車意思が無いと判定して、ステップ320に進む。他方、今回検知された運転者の行動パターンが、非乗車パターンと一致しない場合には、ステップ316に進む。
【0048】
ステップ316では、今回検知された運転者の行動パターンが乗車パターンと一致しなかった時点からの経過時間が限度時間内であるか否かが判定される。限度時間は、ホームを外出してから車両に到達するまでの一般的な時間に対応してもよい。経過時間が限度時間内である場合には、ステップ318に進み、経過時間が限度時間を超えた場合には、ステップ320に進む。
【0049】
ステップ318では、通信部20が車載器30からの乗車意思基本情報を受信したか否かが判定される。尚、乗車意思基本情報は、上述の如く、ドアのアンロック操作及びドアの開放操作等を介して乗車が検出されたことを表す情報である。乗車意思基本情報が受信された場合には、ステップ320に進み、乗車意思基本情報が受信されない場合には、ステップ302に戻り、ステップ302以降の処理が繰り返される。
【0050】
ステップ320では、通信部20を介して、乗車前制御を終了させる指示(乗車前制御終了指示)が車両に送信される。これを受けて、車載器30の乗車前制御内容判定部36は、後述の如く、各種乗車前制御を終了・中止する。ステップ320の送信処理が終了すると図4の処理ルーチンは終了する。
【0051】
図5は、車載器30の乗車前制御内容判定部36により実現される処理(図2のステップ108の処理の詳細)の一例を示すフローチャートである。
【0052】
ステップ400では、通信部32が乗車意思検出装置10からの乗車前制御開始指示及び運転者情報を受信したか否かが判定される。通信部32が乗車前制御開始指示及び運転者情報を受信した場合には、ステップ402に進む。
【0053】
ステップ402では、通信部32が乗車意思検出装置10からの到達予測時間及び予想接近方向(図4のステップ312参照)を受信したか否かが判定される。通信部32が到達予測時間及び予想接近方向を受信した場合には、ステップ404に進み、通信部32が到達予測時間及び予想接近方向を受信していない場合には、ステップ410に進む。
【0054】
ステップ404では、車両情報取得部34を介して車両情報及び周辺情報が取得される。具体的には、車室温度やシートポジション(シート位置及びリクライニングの角度)といった車室内、車内設備の状況や、周囲の明るさ、(車外)気温、天候、太陽光に関する情報といった車両周辺の状況の情報が、各種車載センサ等を用いて検出・取得される。なお、太陽光に関する情報は、太陽光を最大限受熱可能な位置にシート(電動シートなど)やリクライニングを移動させるために用いられる情報であるので、例えば、太陽光の有無、太陽光(日差し)の車内への差込みの有無、太陽光の強さなどを含む。
【0055】
ステップ406では、上記ステップ402,404で得られた情報に基づいて制御内容が判定され、ステップ408では、制御内容に応じて空調に係る各種制御が実行される。各種制御の実施態様の詳細は後述する。
【0056】
ステップ410では、通信部32が乗車意思検出装置10からの乗車前制御終了指示(図4のステップ320参照)を受信したか否かが判定される。尚、本ステップ410では、この判定に代えて、車両情報取得部34にて乗車意思基本情報が検出されたか否かが判定されてもよい。かかる構成では、図4に示したステップ320の処理は省略されてもよい。本ステップ410において、乗車前制御終了指示を受信した場合には、ステップ412に進み、乗車前制御終了指示を受信していない場合(即ち車両情報取得部34にて乗車意思基本情報が検出されていない場合)には、ステップ402に戻る。
【0057】
ステップ412では、制御装置38による各乗車前制御を終了させる。この場合、制御装置38による乗車前制御が未だ実行開始されていない場合には、そのまま実行開始されない状態に維持される。他方、制御装置38による乗車前制御が既に実行中である場合には、当該実行を中止させる。この場合、必要に応じて、例えばシート位置やリクライニングを乗車前制御実行前の状態に戻すような復帰制御が実行されてもよい。尚、乗車前制御終了指示が受信されるような状況下においても、例えばワイヤレスキーを用いたドアアンロック動作等のような、乗車前制御以外の制御については、当然ながら実行可能な状態が維持される。
【0058】
図6は、本発明のその他の実施例による車両空調システム2を示すシステム構成図である。図6に示す車両空調システム2は、車載器30が乗車意思確認部40及びデータベース42を新たに備える点が、図1に示した車両空調システム1と異なり、その他は同様であってよい。
【0059】
乗車意思確認部40は、車載カメラと画像処理装置とを含み、車載カメラは、車両外部の風景を撮像するカメラであればよいが、好ましくは、車両に近づいてくるユーザ(運転者)を撮像できるように配置されたカメラである。乗車意思確認部40は、乗車意思検出装置10からの到達予測時間及び予想接近方向(図4のステップ312参照)からユーザの車両への接近を検知し、ユーザの視線(特にユーザの車両への注視)を検出する。
【0060】
データベース42には、乗車意思確認部40にて検知された運転者の過去の注視パターン(視線パターン)であって、運転者が乗車したときの注視パターンが記憶される。
【0061】
図7は、乗車意思確認部40における処理の一例を示すフローチャートである。
【0062】
ステップ500では、通信部32が乗車意思検出装置10からの乗車前制御開始指示を受信したか否かが判定される。通信部32が乗車前制御開始指示を受信した場合には、ステップ502に進む。
【0063】
ステップ502では、通信部32により、車両周辺(又は車両)に到達するまでの予測時間T、及び、車両への予想接近方向が乗車意思検出装置10から受信される。
【0064】
ステップ504では、予測時間Tが到来(経過)したか否かが判定される。予測時間Tが到来した場合には、ステップ506に進み、予測時間Tが到来していない場合には、ステップ502に戻る。
【0065】
ステップ506では、予想接近方向において運転者の顔ないし視線が画像認識(検出)されたか否かが判定される。尚、車載カメラの撮像方法が可変である場合には、車載カメラの撮像方向は予想接近方向に向くように調整されてもよい。顔ないし視線の画像認識方法は、多種多様の方法が提案され知られており、任意の適切な方法が使用されてもよい。予想接近方向において運転者の顔ないし視線が検出された場合には、ステップ508に進み、検出されない場合には、ステップ514に進む。
【0066】
ステップ508では、上記ステップ506における運転者の顔ないし視線の検出結果に基づいて、運転者の車両への注視が検出されたか否かが判定される。尚、この判定には、所定時間に亘って撮像された画像(複数フレームの画像)に対する画像認識結果が考慮されてもよい。運転者の車両への注視が検出された場合には、ステップ510に進み、運転者の車両への注視が検出されない場合には、ステップ514に進む。
【0067】
ステップ510では、乗車意思確認部40において現に検知されている注視パターンが、データベース42に記憶された乗車時の注視パターンと一致(整合)するか否かが判定される。乗車意思確認部40において現に検知されている注視パターンが、データベース42に記憶された乗車時の注視パターンと一致する場合には、ステップ512に進み、一致しない場合には、ステップ514に進む。
【0068】
ステップ512では、運転者に乗車意思があることが確認(最終判定)され、乗車前制御内容判定部36に乗車意思確認情報が送信される。乗車前制御内容判定部36に乗車意思確認情報が送信されると、制御装置38による各乗車前制御が継続的に実行される。乗車意思確認情報の利用態様の一例は図12を参照して後述する。
【0069】
ステップ514では、ユーザに乗車意思があることが確認できないために、乗車前制御内容判定部36に乗車前制御終了指示が送信される。乗車前制御内容判定部36に乗車前制御終了指示が送信されると、上述の図5のステップ412と同様、制御装置38による各乗車前制御が終了される。
【0070】
この図6に示すその他の実施例による車両空調システム2によれば、車両側に、運転者の乗車意思を確認する乗車意思確認部40を設けることで、運転者の乗車意思を精度良く検出することができ、乗車前制御の信頼性を高めることができる。
【0071】
図8は、本発明の更なるその他の実施例による車両空調システム3を示すシステム構成図である。図8に示す車両空調システム3は、乗車意思検出装置10がパターン学習部24を新たに備える点が、図1に示した車両空調システム1と異なり、その他は同様であってよい。
【0072】
パターン学習部24は、上述の乗車パターン及び非乗車パターンを学習してデータベース17内に蓄積するよう構成される。
【0073】
図9は、パターン学習部24における処理の一例を示すフローチャートである。
【0074】
ステップ600では、通信部32が乗車意思検出装置10からの乗車前制御開始指示を受信したか否かが判定される。通信部32が乗車前制御開始指示を受信した場合には、ステップ602に進む。
【0075】
ステップ602では、運転者挙動検知部14により取得された各種データ(運転者情報や、各挙動、時刻データ等)が保持される。
【0076】
ステップ604では、通信部20が車載器30からの乗車意思基本情報を受信したか否かが判定される。尚、乗車意思基本情報は、上述の如く、ドアのアンロック操作及びドアの開放操作等を介して乗車が検出されたことを表す情報である。乗車意思基本情報が受信された場合には、ステップ606に進み、乗車意思基本情報が受信されない場合には、ステップ608に進む。
【0077】
ステップ606では、上記ステップ602で保持されたデータであって、運転者挙動検知処理開始時(図3のステップ206参照)からのデータが、乗車パターンとしてデータベース17に保存される。このとき、複数のユーザが同一の車両を使用するような環境を考慮して、乗車パターンは運転者に対応付けて記憶されてもよい。
【0078】
ステップ608では、乗車前制御開始指示が受信されてから一定時間経過したか否かが判定される。ここで、一定時間は、ホームからの外出が検出されてからの経過時間に基づいて乗車を伴わない外出を検出するための閾値に相当し、ホームから車両に至るまでの一般的な時間に応じて適切に決定されてもよい。乗車前制御開始指示が受信されてから一定時間経過した場合には、乗車を伴わない外出であると判定して、ステップ610に進み、一定時間経過していない場合には、ステップ602に戻る。
【0079】
ステップ610では、上記ステップ602で保持されたデータであって、運転者挙動検知処理開始時(図3のステップ206参照)からのデータが、非乗車パターンとしてデータベース17に保存される。このとき、複数のユーザが同一の車両を使用するような環境を考慮して、乗車パターンは運転者に対応付けて記憶されてもよい。
【0080】
この図8に示すその他の実施例による車両空調システム3によれば、乗車パターン及び非乗車パターンを学習してデータベース17内に蓄積するパターン学習部24を設けることで、運転者の乗車意思を運転者の行動パターンに基づいて精度良く検出することができ、乗車前制御の信頼性を高めることができる。
【0081】
図10は、本発明の更なるその他の実施例による車両空調システム4を示すシステム構成図である。図10に示す車両空調システム4は、乗車意思検出装置10が個人認証部26を新たに備える点が、図1に示した車両空調システム1と異なり、その他は同様であってよい。
【0082】
個人認証部26は、運転者判定部12における運転者判定時に個人認証を実施し、外出者が誰であるかを特定する。図11は、ホームからの外出時の個人認証態様の幾つかの例を模式的に示す図である。ホームが自宅の場合には、個人認証は、車両キー(又は、自宅のキーのような、その他の個人携帯用のキー)、携帯電話、運転免許証などの所有物認証、ドア付近での顔認証やドアノブでの指紋認証のような生体認証、又は、ホームセキュリティコントローラ等への入力による知識認証のいずれか1つ若しくは任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、ホームが通勤先の場合には、個人認証は、ホームが自宅の場合と同様の認証の他、退社時の通門証による所有物認証が実行されてもよい。また、上述の所有物認証に関して、車両キーの認証は、スマートキーシステムを利用して実現されてもよく、携帯電話の認証は、Bluetooth(登録商標)による通信やGPS情報を利用して実現されてもよく、運転免許証の認証は、運転免許証に埋設されたIDタグを検出することにより実現されてもよい。その他、特開2005−226284号に記載の技術が適用されてもよい。
【0083】
この図10に示すその他の実施例による車両空調システム4によれば、個人認証部26を設けることで、運転者の特定を精度良く実現することができ、乗車前制御の信頼性を高めることができる。
【0084】
次に、上述の各実施例による車両空調システム1,2,3,4において好適な車内空調を提供する乗車前制御の具体例について幾つか説明する。
【0085】
図12は、車載器30の乗車前制御内容判定部36により実現される乗車前制御の一例を示すフローチャートである。図12の処理は、図5に示した処理のより具体的な例に相当する。ここで、図12の処理は、上述の車両空調システム1において実現される場合について説明する。
【0086】
乗車前制御内容判定部36は、乗車意思検出装置10から得られる運転者の(到達)予測時間と、車両情報取得部34からの現状の車両状態、制御に要する時間(既知情報)に基づいて、乗車前の空調に係る制御内容(タイミングを含む)を判定(決定)する。空調に係る制御装置38は、乗車前制御内容判定部36にて判定された制御内容にしたがって、空調に係る制御を実施する。
【0087】
ステップ1202では、通信部32が乗車意思検出装置10からの乗車前制御開始指示及び運転者情報を受信したか否かが判定される。通信部32が乗車前制御開始指示及び運転者情報を受信した場合には、ステップ1204に進む。
【0088】
ステップ1204では、乗車意思検出装置10から送信された到達予測時間T(図4のステップ312参照)が受信される。
【0089】
ステップ1206では、車両情報取得部34から車両情報を取得する。上述したように、車内温度、シートポジション(シート位置及びリクライニングの角度)といった車室内、車内設備の状況や、車外温度、周囲の明るさ、天候、太陽光に関する情報といった周辺の状況を表す情報を車両情報取得部34から取得する。なお、太陽光に関する情報は、太陽光を最大限受熱可能な位置にシート(電動シートなど)やリクライニングを移動させるために用いられる情報であるので、例えば、太陽光の有無、太陽光(日差し)の車内への差込みの有無、太陽光の強さなどを含む。
【0090】
ステップ1208では、上記ステップ1206の現在の車内温度に基づいて、カーエアコンを作動させたときに現在の車内温度を所定の目標温度まで調整するのに要する制御時間tが算出される。所定の目標温度は、前回の運転終了時(降車直前)の車内温度であってもよいし、運転者により設定された過去の空調装置の設定温度であってもよい。
【0091】
ステップ1210では、車内温度と目標温度が比較される。車内温度が、目標温度より高ければ、ステップ1212に進む。一方、車内温度が、目標温度より低ければ、ステップ1218に進む。
【0092】
ステップ1212では、予測時間Tが制御時間t以下か否かが判定される。予測時間Tが制御時間t以下の場合には、ステップ1214に進む。また、予測時間Tが制御時間tより大きい場合には、ステップ1216に進む。
【0093】
ステップ1214では、制御装置38を介して乗車前制御が開始される。即ち、カーエアコンの制御装置38は、乗車前制御内容判定部36にて決定された制御内容にしたがって、冷房制御を行ない、カーエアコンの冷房を作動させる。これにより、できる限り車内温度を目標温度まで下げる。
【0094】
ステップ1216では、制御装置38を介して乗車前制御が開始される。予測時間Tが制御時間tより大きい場合には、カーエアコンによる空調は余剰時間の無駄な電力を消費してしまう虜がある。この場合、無駄な電力消費を抑えるため、カーエアコン駆動を行なわず自然換気、即ち窓開による内外気循環を行なうので、窓開閉の制御装置38により、乗車前制御が開始される。この場合、窓開が行われ外気を車内に循環させることで、車内温度を目標温度まで近づける制御を行う。
【0095】
一方、ステップ1218では、予測時間Tが制御時間t以下か否かが判定される。予測時間Tが制御時間t以下の場合には、ステップ1220に進み、予測時間Tが制御時間tより大きい場合には、ステップ1222に進む。
【0096】
ステップ1220では、制御装置38を介して乗車前制御が開始される。即ち、カーエアコンの制御装置38は、乗車前制御内容判定部36にて決定された制御内容にしたがって、暖房制御を行ない、カーエアコンの暖房を作動させる。これにより、できる限り車内温度を目標温度まで上げる。
【0097】
ステップ1222では、制御装置38を介して乗車前制御が開始される。予測時間Tが制御時間tより大きい場合には、カーエアコンによる空調は余剰時間の無駄な電力を消費してしまう虜がある。この場合、無駄な電力消費を抑えるため、カーエアコン駆動を行なわずシート制御により太陽光の熱エネルギー変換を実施するため、シートの制御装置38により、乗車前制御が開始される。この場合、シート制御が行われ太陽熱を車内に取り込むことで、車内温度を目標温度まで近づける制御を行う。具体的には、シートポジション(シート位置、リクライニングの角度)、太陽光の有無、太陽光(日差し)の車内への差込みの有無、太陽光の強さなどが取得されているので、この情報に基づいて、シートやリクライニングを効率的に太陽光を受熱できる位置や角度に移動させる。またさらに、シート又はシート背面などの一部には、太陽光を吸収し熱に変換する繊維、太陽光を吸収しやすい濃い色の素材を用いられるとよい。これにより、車内温度を目標温度まで近づける制御を行う。
【0098】
ステップ1224では、通信部32が乗車意思検出装置10からの乗車前制御終了指示(図4のステップ320参照)を受信したか否かが判定される。尚、本ステップ1224では、この判定に代えて、車両情報取得部34にて乗車意思基本情報が検出されたか否かが判定されてもよい。乗車前制御終了指示を受信した場合には、ステップ1226に進み、乗車前制御終了指示を受信していない場合(即ち車両情報取得部34にて乗車意思基本情報が検出されていない場合)には、ステップ1204に戻る。
【0099】
ステップ1226では、上述した各制御装置38による乗車前制御を停止させる。なお、乗車前制御を開始していた場合には、当該乗車前制御終了指示を受信した時点で乗車前制御が停止される。
【0100】
ところで、ワイヤレスアンロック操作やドア開閉動作時に開始されるような従来の空調に係る乗車前制御では、車内外の環境によっては開始タイミングが遅く、乗車時に適切な車内環境を整えることが困難であるという問題がある。
【0101】
この点、図12に示す処理によれば、乗車までの行動パターンを学習して乗車意思を早い段階から検出することで、運転者や同乗者が乗車する際、予め車室内外の環境を考慮して空調サービスにかかる時間に応じて、乗車前制御を実施することが可能となる。
【0102】
このように乗車意思が確認されたときであって、乗車者が到達する時間的猶予があるときは、空調装置(冷房)を使用せずに窓開が行なって外気を車内に循環させることで車内温度を目標温度まで近づける制御を行うことで、又は空調装置(暖房)を使用せずに窓開シートが太陽光を最大受熱できる面積となるようにシート位置や角度の制御を行なうことで、車両のエネルギーを効率よく空調準備に使用できる。また、乗車意思がないと判定された場合には、空調を停止して無駄なエネルギー消費を抑制できる。以上、本発明によれば、無駄な電力消費を抑制しエネルギー効率のよい車両空調システムの提供が可能となる。
【0103】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明による車両空調システム1の一実施例を示すシステム構成図である。
【図2】車両空調システム1により実現される乗車前制御に関連する基本処理を示すフローチャートである。
【図3】運転者判定部12における処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】運転者挙動検知部14、乗車パターン判定部18及び通信部20により実現される処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】車載器30の乗車前制御内容判定部36により実現される処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明のその他の実施例による車両空調システム2を示すシステム構成図である。
【図7】乗車意思確認部40における処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の更なるその他の実施例による車両空調システム3を示すシステム構成図である。
【図9】パターン学習部24における処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の更なるその他の実施例による車両空調システム4を示すシステム構成図である。
【図11】ホームからの外出時の個人認証態様の幾つかの例を模式的に示す図である。
【図12】空調に係る乗車前制御の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0105】
1,2,3,4 車両空調システム
10 乗車意思検出装置
12 運転者判定部
14 運転者挙動検知部
16 時計
17 データベース
18 乗車パターン判定部
20 通信部
24 パターン学習部
26 個人認証部
30 車載器
32 通信部
34 車両情報取得部
36 乗車前制御内容判定部
38 制御装置
40 乗車意思確認部
42 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調を行う空調装置を制御する空調制御手段と、シートの位置及びリクライニングを制御するシート制御手段と、車窓の開閉を制御する車窓制御手段とを備える車両の車両空調システムであって、
ユーザの行動パターンに基づいて前記ユーザの乗車意思を判定する乗車意思判定手段と、
前記乗車意思判定手段により前記ユーザの乗車意思が判定されたとき、乗車意思が判定された時から前記ユーザが前記車両に到達する時までの到達時間を予測する到達時間予測手段と、
車内温度、車内設備情報、及び太陽光に関する情報を含む前記車両情報を取得する車両情報取得手段とを有し、
前記車両情報取得手段により取得された車内温度と、予め定められた車内の目標温度と、前記到達時間とに応じて、前記空調手段による空調装置の制御、前記シート制御手段によるシートの位置及びリクライニングの制御、又は前記車窓制御手段による車窓の開制御を行なうこと、
を特徴とする車両空調システム。
【請求項2】
前記車内温度が前記目標温度より低く、前記空調装置による暖房によって前記到達時間以内に車内温度が前記目標温度に至る場合には、前記シート制御手段は、シートの位置及びリクライニングを、前記車両情報取得手段により取得された太陽光に関する情報に基づいて、移動させ、
前記車内温度が前記目標温度より低く、前記空調装置による暖房によって前記到達時間以内に車内温度が前記目標温度に至らない場合には、前記空調制御手段は、前記空調装置による暖房を作動させること、
を特徴とする請求項1に記載の車両空調システム。
【請求項3】
前記車内温度が前記目標温度より高く、前記空調装置による冷房によって前記到達時間以内に車内温度が前記目標温度に至る場合には、前記車窓制御手段は、車窓を開制御して、
前記車内温度が前記目標温度より高く、前記空調装置による冷房によって前記到達時間以内に車内温度が前記目標温度に至らない場合には、前記空調制御手段は、前記空調装置による冷房を作動させること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の車両空調システム。
【請求項4】
前記乗車意思判定手段により、前記ユーザの乗車意思の判定を継続し、前記ユーザの乗車意思がないと判定されたとき、前記空調制御手段、前記シート制御手段、及び/又は、前記車窓制御による制御を停止すること、
を特徴とする請求項1ないし3いずれか一項に記載の車両空調システム。
【請求項5】
前記シート制御手段は、シートの位置及びリクライニングを移動前の位置に戻してから、制御を停止し、
前記車窓制御手段は、車窓を閉制御してから、制御を停止すること、
を特徴とする請求項4に記載の車両空調システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−280063(P2009−280063A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133587(P2008−133587)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】