説明

β−ヌクレオシドの新規な合成

本発明は、β−ヌクレオシド、例えば、2’−デオキシ−2,2’−ジフルオロシチジンを立体選択的に合成する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2007年11月6日に出願された米国仮出願第60/985,754号および2008年1月25日に出願された米国仮出願第61/023,566号の利益を主張する。2つの仮出願の内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
2’−デオキシヌクレオシドおよびその類似体は治療に重要な物質である。例えば、ゲムシタビン、すなわち2’−デオキシ−2,2’−ジフルオロシチジンは、ウイルス感染およびガンの治療に用いられうる。例えば、米国特許第4,526,988号および4,808,614号参照。
【0003】
一般的に、2’−デオキシヌクレオシドは、各々、1より多くのキラル中心を有し、多数の立体異性体として生じうる。全ての立体異性体が治療的に活性であるわけではない。2−デオキシ−β−ヌクレオシドの立体選択的合成経路はいくつか開発されてきた。これらは満足のいくものではない。
【0004】
立体選択的に2’−デオキシヌクレオシドを合成するためのより効果的な経路を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
概要
本発明の一形態は、化学式(I):
【0006】
【化1】

【0007】
この際、RはH、アルキル、アラルキル、アルキルジアリールシリル、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、アルキルカルボニル、またはアリールカルボニルであり;RはRC(O)−、RR’NC(O)−、R℃(O)−、RC(S)−、RR’NC(S)−、またはR℃(S)−であり;RおよびR’は各々、独立して、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;RおよびRは各々、独立して、Hまたはフルオロであり;ならびにBは、
【0008】
【化2】

【0009】
ここで、RはH、アルキル、またはアリールであり;RはH、アルキル、アルケニル、ハロゲン(halo)、またはアリールであり;XはNまたはC−R”であり、R”はH、アルキル、アルケニル、ハロゲン(halo)、またはアリールであり;Yはアミノ保護基である:
のβ−ヌクレオシドを合成する方法に関する。この方法は、化学式(II):
【0010】
【化3】

【0011】
この際、R、R、R、およびRは、上記で定義したとおりであり;Lはフルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードである:
のテトラヒドロフラン化合物を遷移金属塩の存在下、下記化学式:
【0012】
【化4】

【0013】
この際、R、R、およびYは、上記で定義したとおりであり、Zは水酸基保護基である:の核酸塩基誘導体と反応させることを含む。上記反応は、25〜100℃で行うことができる。
【0014】
化学式(I)に関して、この化学式のβ−ヌクレオシド化合物の一部は、次の特徴を一以上持つ:Rがトリチル、(CHC、アルキルジアリールシリル、トリアルキルシリル、またはトリアリールシリルである、Rがアルキル−C(O)−またはアリール−C(O)(例えば、PhC(O)−)である、RおよびRの各々がフルオロである。化学式(II)に関して、この化学式のテトラヒドロフラン化合物の一部は、次の特徴を一以上持つ:LがIである、Rがトリチル、(CHC、アルキルジアリールシリル、トリアルキルシリル、またはトリアリールシリルである、Rがアルキル−C(O)−またはアリール−C(O)(例えば、ベンゾイル)である、RおよびRの各々が、フルオロである。上述した核酸塩基誘導体は、RおよびRの各々がトリメチルシリル(TMS)であるという特徴を有しうる。
【0015】
上記方法の一例は、
【0016】
【化5】

【0017】
をAgClO、AgNO、またはAgCO存在下、
【0018】
【化6】

【0019】
と反応させて、
【0020】
【化7】

【0021】
を生成させる。
【0022】
本発明の方法は、該β−ヌクレオシド化合物を化学式(III):
【0023】
【化8】

【0024】
この際、R、R、およびBは上記で定義したとおりである:の化合物に変換することをさらに含みうる。
【0025】
上記方法中、化学式(II)の化合物、テトラヒドロフラン誘導体は、下記化学式(IV):
【0026】
【化9】

【0027】
この際、R、R、およびBは、上述したとおりである:
のラクトン化合物を下記化学式:
【0028】
【化10】

【0029】
この際、R、R、およびBは、上述したとおりである:
のフラノース化合物に還元し、このフラノース化合物を化学式(II)のテトラヒドロフラン化合物に変換することによって準備することができる。同様に、化学式(IV)の化合物は、下記化学式:
【0030】
【化11】

【0031】
およびRの各々は、独立して、Hまたはハロゲン(halo)であり;RはH、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり;RおよびRの各々は、独立して、Hまたは水酸基保護基であり、あるいはRおよびRはともにC1−3アルキレンである:
の化合物を酸で最初に処理し、ついで上記処理で得られた生成物を下記化学式:
【0032】
【化12】

【0033】
この際、Rはアルキル、アラルキル、アルキルジアリールシリル、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、アルキルカルボニル、またはアリールカルボニルであり;L’は脱離基である:
の化合物と反応させて、化学式(V):
【0034】
【化13】

【0035】
この際、R、R、およびRは上記で定義したとおりである:
の化合物を生成させ、最後に、化学式(V)の化合物中の遊離のOH基をRで保護することによって準備することができる。脱離基は、直接的な置換またはイオン化によって、電子対とともに共有結合の一つから脱離することができる(例えば、F.A.Carey and R.J.Sundberg、Advanced Organic Chemistry、3rd Ed.Plenum Press、1990参照)。脱離基の例としては、限定されるものではないが、メタンスルホン酸塩、トリフラート、p−トルエンスルホナート、ヨウ化物、臭化物、塩化物、およびトリフルオロ酢酸塩が挙げられる。
【0036】
本発明の他の形態は、上記方法中に用いられる中間体に関する。中間体の一は、下記で示される化学式(VI)を有する
【0037】
【化14】

【0038】
この式中、Rはトリチル(すなわち、トリフェニルメチル)、(CHC、アルキルジアリールシリル、トリアルキルシリル、またはトリアリールシリルのような巨大な水酸基保護基であり;Rは、H、アルキルカルボニル、またはアリールカルボニルであり;RおよびRの各々は、独立してHまたはハロゲン(halo)である。
【0039】
上記化学式(VI)に関して、この化学式でカバーされる化合物の一部は、Rがトリチルであり、RがHまたはベンゾイルであり、RおよびRの各々がフルオロであるこという特徴を有する。一例として、化合物1:
【0040】
【化15】

【0041】
が示される。
【0042】
他の中間体は、下記で示される化学式(VII)を有する:
【0043】
【化16】

【0044】
この化学式中、R’は、アルキルカルボニルまたはアリールカルボニルであり、RおよびRの各々は、独立してHまたはハロゲン(halo)であり、Bは
【0045】
【化17】

【0046】
(ここで、Rは、H、アルキル、またはアリールであり;RはH、アルキル、アルケニル、ハロゲン(halo)、またはアリールであり;XはNまたはC−R’であり、R’はH、アルキル、アルケニル、ハロゲン(halo)、またはアリールであり;Yはアミノ保護基である。)である。
【0047】
上記化学式(II)に関し、この化学式でカバーされる化合物の一部は、R’がベンゾイルまたはアセチルであり、RおよびRの各々がフルオロであり、Bは
【0048】
【化18】

【0049】
であるという特徴を有する。
【0050】
一例として下記化合物2:
【0051】
【化19】

【0052】
が示される。
【0053】
「アルキル」という用語は、1〜6の炭素原子を含む、直鎖または分岐の炭化水素を指す。アルキル基の例としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、およびt−ブチルが挙げられる。「アルコキシ」という用語は、O−アルキルラジカルを指す。アルコキシ基の例としては、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、およびブトキシが挙げられる。「アルキレン」という用語は、アルキルジラジカル基を指す。「アルキレン」の例としては、限定されるものではないが、メチレンおよびエチレンが挙げられる。
【0054】
「アルケニル」という用語は、一以上の炭素−炭素二重結合を有する、直鎖または分岐の炭化水素を指す。アルケニル基の例としては、限定されるものではないが、エテニル、1−ブテニル、および2−ブテニルが挙げられる。
【0055】
「アラルキル」という用語は、一以上のアリール置換基を有するアルキル部分を指す。アラルキル基の例としては、限定されるものではないが、ベンジルおよびトリチル(すなわち、PhC)が挙げられる。
【0056】
「アリール」という用語は、6−炭素単環、10−炭素二環式、14−炭素三環式の芳香族環状系を指す。アリール基の例としては、限定されるものではないが、フェニル、ナフチル、およびアントラセニルが挙げられる。
【0057】
「アルコキシカルボニル」という用語は、アルキル−O−カルボニルラジカルを指す。アルコキシカルボニル基の例としては、限定されるものではないが、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、およびt−ブトキシカルボニルが挙げられる。「アリールオキシ(aroxy)カルボニル」という用語は、アリール−O−カルボニルラジカルを指す。アリールオキシカルボニル基の例としては、限定されるものではないが、フェノキシカルボニルおよび1−ナフタレノキシ(naphthalenoxy)カルボニルが挙げられる。「アミノカルボニル」という用語は、(R)(R’)N−カルボニルラジカル(ここで、RおよびR’の各々は、独立して、H、アルキル、またはアリールである)を指す。アミノカルボニル基の例としては、限定されるものではないが、ジメチルアミノカルボニル、メチルエチルアミノカルボニル、およびフェニルアミノカルボニルが挙げられる。
【0058】
本明細書におけるアルキル、アリール、アルケニル、およびアルコキシは、置換および非置換部分の双方を含む。置換基の例としては、限定されるものではないが、ハロゲン(halo)、水酸基、アミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、アルカンスルホニル、アルキルカルボニル、カルバミド、カルバミル、カルボキシル、チオウレイド、チオシオナト、スルホンアミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、ヘテロアリール、シクリル(cyclyl)、およびヘテロシクリルが挙げられ、これらは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アリール、ヘテロアリール、シクリル、およびヘテロシクリルでさらに置換されていてもよい。
【0059】
「フラノース」という用語は、糖の五員環アセタール型を指す。
【0060】
本発明の他の特徴、目的および利点は、下記詳細な説明および特許請求の範囲から明白であろう。
【発明を実施するための形態】
【0061】
詳細な説明
本発明は、2’−デオキシヌクレオシド、より具体的には、ゲムシタビン(gemcitabine)を立体選択的に合成するための効率的な方法、および本方法中で生成する新規中間体に関する。
【0062】
本発明を実行するために従来の化学変換を用いることができる。本分野における当業者であれば、これらの変換に最適な化学剤、溶媒、保護基、および反応条件を決定することができるであろう。関連する情報は、例えば、R.Lar℃k,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);T.W.Greene and P.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,John Wiley and Sons(1999);L.Fieser and M.Fieser、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons (1994);およびL.Paquette、ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)ならびにこれらの続版に記載されている。説明のために、本発明の方法の具体例が本明細書に記載されている。
【0063】
下記図解1において要点が説明されているように、本発明の化合物1は、既知の方法によって準備することができる化合物3から合成することができる。例えば、L.W.Hertel US4,526,988またはT.S.Chou、et al.Synthesis,1992,565−570参照。化合物3中のアセトニドの除去は、適当な有機溶媒および水の混合物中で高温でトリフルオロ酢酸とともに行うことができ、トリヒドロキシペンタノエート4、3,5−ジヒドロキシラクトン5、およびトリヒドロキシペンタン酸6の混合物が生成する。次いで混合物を100℃よりかなり低い温度にてトリチルクロライドで処理すると、高収率で5−保護ラクトン1が得られる。ラクトン1は、精製せずに次の反応段階に用いることができる。
【0064】
【化20】

【0065】
下記図解2は、化合物1からβ−ヌクレオシド化合物への合成経路を示す。
【0066】
【化21】

【0067】
化合物1の水酸基が最初に保護されて、対応する安息香酸エステル7が生成し、このエステルは還元剤によりフラノース8に変換される。化合物8のヨウ化物10への変換は、2つの方法で行うことができる。一つは、トリアルキルホスフィンまたはトリアルキルホスファイト、および塩基存在下で、フラノース8をIと反応させる。もう一つは、フラノース8を対応する塩化物、臭化物、スルホン酸アルキル、およびスルホン酸アリール9に変換し、次いで、得られるメシラートと、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、またはヨウ化テトラアルキルアンモニウムのようなヨウ化物と、の間で高温で反応させる。ヨウ化物10は次の核酸塩基との反応によって、ヌクレオシドを準備するために用いることができる。例えば、上記で示されるように、ヨウ化物10は、TMSで保護された核酸塩基と反応してβ−ヌクレオシド11が生成するが、β−ヌクレオシド11は、3−ベンゾイル−ゲムシタビン2を提供するために、選択的に脱保護される。化合物11の選択的脱保護は、β−アノマー(anomer)(すなわち、化合物2)をさらに高めることができる。塩基とともに化合物2を鹸化することにより、ゲムシタビンを生成することができる。
【0068】
本発明は、ヨウ化物10のアノマー混合物(すなわち、α−アノマー:β−アノマー比が約1:1である)から主生成物としてβ−ヌクレオシド11が生成することが特徴である。理論によって結び付けられることなしに、該反応は、β−ヌクレオシド11の立体化学を得るために、図解3中で示されるS1メカニズムを遂行しうる。下記で示されるように、良好な脱離基であるヨウ素原子が化合物10から脱離し、結果として化合物はカチオン中間体となる。脱離は、Agのような遷移金属イオンによって促進する。カチオン中間体は、六員環オキソニウムを形成することにより、テトラヒドロフラン環のC−3位のエステル基によって安定する。エステル基はテトラヒドロフラン環の底部に位置するため、六員環オキソニウムとなる。その結果、立体障害を最小限にするために、テトラヒドロフラン環の上部から核酸塩基部分がオキソニウムを攻撃し、結果β−ヌクレオシド11が生成する。
【0069】
【化22】

【0070】
本発明を行うためには、保護および脱保護技術が必要となる。例えば、スキームはゲムシタビンの合成において、水酸基およびアミノ保護基を使用することを示す。すなわち、上記で示されるフラノースは、2つの水酸基保護基を含み、上記で示される核酸塩基もまたアミノ保護基を含む。保護基は、活性部分(例えば、水酸基またはアミノ基)に結合して、これらの部分が続いての反応を阻害することを妨げ、反応後には従来の方法によって除去することができる。水酸基保護基の例としては、限定されるものではないが、アルキル、ベンジル、アリル、トリチル(すなわち、トリフェニルメチル)、アシル(例えば、ベンゾイル、アセチル、またはHO℃−X”−CO−(X”はアルキレン、アルケニレン、シクロアルキレン、またはアリーレンである))、シリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、およびt−ブチルジメチルシリル)、アルコキシルカルボニル、アミノカルボニル(例えば、ジメチルアミノカルボニル、メチルエチルアミノカルボニル、およびフェニルアミノカルボニル)、アルコキシメチル、ベンジルオキシメチル、およびアルキルメルカプトメチルが挙げられる。アミノ保護基の例としては、限定されるものではないが、アルキル、アシル、およびシリルが挙げられる。水酸基およびアミノ保護基は、T.W.Greene and P.G..M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2nd.Ed.,John Wiley and Sons(1991)中で論じられている。水酸基およびアミノ保護基の双方は、反応後、従来の方法によって除去することができる。
【0071】
上述の合成方法において、反応の完了は、従来の方法、例えば、紫外スペクトル、赤外線スペクトル、核磁気共鳴、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、および高速液体クロマトグラフィーによってモニターすることができる。反応終了後は、生成物は、その高い収率ゆえ、精製することなくすぐに使用することができ、または、クロマトグラフィー、再結晶、抽出または蒸留のような一以上の従来の分離方法によって反応混合物から分離することができる。文献に記載されている既知の方法によって、より高いエナンチオマー純度を得るために、さらに精製してもよい。例えば、米国特許第5,223,608号参照。本発明の化合物は、精製せずに用いてもよいし、有機溶媒を用いた再結晶またはクロマトグラフィーによって精製してもよい。
【0072】
下記具体例は、単なる説明として解釈されるべきであり、多少なりとも開示の残余を限定するものと解釈すべきではない。さらに詳述することなく、当業者であれば本明細書の記載に基づいて、最大限に本発明を利用することができる。本明細書で引用される全ての文献は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0073】
ゲムシタビンの合成
(1)エチル3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシペンタノエートの精製
【0074】
【化23】

【0075】
粗エチル3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシペンタノエート12(8g)を米国特許出願第11/416,380号に記載の方法にしたがって、準備した。用いる前に、シリカゲルクロマトグラフィーによってヘキサン/CHCl/EtOAcで抽出して精製し、(3R)−アルコール13 4.6g、(3S)−アルコール14 0.9g、およびこれら2つの混合物 0.5gを得た。
【0076】
(2)5−トリチル−(3R)−ヒドロキシ−δ−ラクトン(化合物1)の準備
【0077】
【化24】

【0078】
純(3R)−ヒドロキシペンタノエート3(216g、850mmol)、アセトニトリル(1200mL)、水(60mL)およびトリフルオロ酢酸(16mL)を2−リットル二口丸底フラスコに投入し、次いで攪拌しながら、3〜4時間、70〜75℃まで加熱した。溶液を室温にまで冷却した。溶媒を除去した後、残留物をトルエンで(2×100mL)共沸した。
【0079】
得られた残留物を真空下静置した。(4、5、および6を含んだ)ものに対して、トリフェニルメチルクロリド(トリチルクロリド、250.5g、1.06当量、901mmol)、無水EtOAc(600mL)、DMAP(1.0g、0.01当量、8.5mmol)、およびピリジン(72.9mL、1.06当量、901mmol)を室温で連続して添加した。懸濁を約6〜16時間、55℃(内部)まで加熱して、次に1時間0℃まで冷却した。次いで、混合物をセライト(celite)パッドを通してろ過し、パッドを冷EtOAcで洗った。化合物1を有する結合されたろ液を次の段階のために用いた。
【0080】
5−トリチル−(3R)−ヒドロキシ−2,2−ジフルオロ δ−ラクトン:HNMR(CDCl):δ3.41−3.45(dd,1H),3.63−3.3.66(dd,1H),4.45(m,1H),4.53(m,1H),7.25−7.55(m,15H)。
【0081】
(3)5−トリチル−3−ベンゾイル−δ−ラクトンの準備
【0082】
【化25】

【0083】
EtOAc中の5−トリチル−δ−ラクトン1の溶液を、5〜10℃にまで冷却した。この溶液に、DMAP(1.0g、0.01当量、8.5mmol)およびピリジン(78.6mL、1.1当量、935mmol)を連続して添加し、続いて塩化ベンゾイルを滴下した。添加の間、内部の温度は8℃より下に保った。
【0084】
冷却槽を除き、混合物を16時間、室温で攪拌し、次いで0℃まで冷却した。セライトパッドを通して得られた混合物をろ過し、パッドを冷EtOAcで洗った。結合したろ液を濃縮して、5−トリチル−3−ベンゾイル−δ−ラクトン7 405.35gが得られた。HNMR(CDCl):δ3.49−3.53(dd,1H),3.67−3.3.71(dd,1H),4.74(m,1H),5.81(m,1H),7.25−7.55(m,20H)。
【0085】
NMR(CDCl):δ3.27(d,1H,OH),3.44(m,2H),4.58(m,1H),5.50(m,1H),5.89(m,1H),7.2−8.1(m,20H)。
【0086】
(4)(2R,3R)−4,4−ジフルオロ−5−ヒドロキシ−2−(トリチルオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾアートの準備
【0087】
【化26】

【0088】
5−トリチル−3−ベンゾイル−δ−ラクトン7(405.35g、788.6mmol)を窒素雰囲気下、tert−ブチルメチルエーテル(1970mL)で5−リットル二口または三口丸底フラスコに移した。5−リットルフラスコに付けた漏斗をRed−Al(238.83mL、1.06当量、836mmol)で満たした。この溶液を、内部温度を3〜8℃に維持しながら、上記ラクトン7の溶液に0℃で80分以上かけて滴下した。
【0089】
添加終了後、得られた溶液を追加で20分間攪拌した。この溶液に、イソプロピルアミン(75.5mL、982.5mmol)をこの温度で添加し、内部の温度を8℃より下に維持しながら、ナトリウム滴定(titrate)二塩基二無水物の20%水溶液(1360mL)を添加した。添加終了後、分離した2層が観察されるまで混合物を攪拌した。水層をEtOAc(2×500mL)で抽出した。集めた有機層をブラインで洗い(2×100mL)、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して、(2R,3R)−4,4−ジフルオロ−5−ヒドロキシ−2−(トリチルオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾアート8 395g(765.5mmol)を得た。HNMR(CDCl):δ3.27(d,1H,OH),3.44(m,2H),4.58(m,1H),5.50(m,1H),5.89(m,1H),7.2−8.1(m,20H)。
【0090】
(5)(2R,3R)−4,4−ジフルオロ−5−(メチルスルホニルオキシ)−2−(トリチルオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾアートの準備
【0091】
【化27】

【0092】
5−トリチル−3−ベンゾイルラクトール8(220g、426.4mmol)およびジクロロメタン(880mL)を2口丸底フラスコに〜0℃で投入した。EtN(64.7g、639.6mmol)を得られた溶液に添加し、次いで内部温度を10℃より下に維持するために、ジクロロメタン(88mL)中の塩化メシル溶液(73.2g、639.6mmol)を滴下添加した。得られた溶液を追加で1時間攪拌した後、ブライン(200mL)を添加した。層が分離した。有機層をMgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して、粗メシラート9 334.4gが得られた。HNMR(CDCl):δ3.02(s,3H),3.56(m,2H),4.50(m,1H),5.60(dd,1H),6.03(d,1H),7.21−8.15(m,20H)。
【0093】
(6)(2R,3R)−4,4−ジフルオロ−5−ヨード−2−(トリチルオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾアートの準備
【0094】
【化28】

【0095】
化合物8から、(2R,3R)−4,4−ジフルオロ−5−ヨード−2−(トリチルオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾアート10を準備するために2つのアプローチがとられた。
【0096】
方法1:
(2R,3R)−4,4−ジフルオロ−5−(メチルスルホニルオキシ)−2−(トリチルオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾアート9(2g、3.37mmol)、アセトン(20mL)、およびNaI(5g、33.56mmol)を丸底フラスコに投入した。得られた混合物を6時間以上再還流した。HPLCは、全ての出発物質9が消費されたことを示した。反応混合物を室温にまで冷却し、ろ過した。溶媒を真空下で除去した。残留物をジクロロメタン(105mL)および水(65mL)で分配した。水層をジクロロメタン(30mL)で抽出した。集めたジクロロメタン層をNaHSOの5%水溶液(2×30mL)、水およびブラインの1:1混合物(20mL)、ならびにブライン(2×20mL)で続けて洗った。溶液をMgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して、(2R,3R)−4,4−ジフルオロ−5−ヨード−2−(トリチルオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾアート10 1.68gが得られた。HNMR(CDCl):δ3.44−3.57(dd,2H),4.41(m,1H),5.60−5.65(dd,1H),6.95(d,1H),7.21−8.15(m,20H)。
【0097】
方法2:
(0.524g)およびジクロロメタン(8mL)を暗所で丸底フラスコに投入した。この溶液に、ジクロロメタン(8mL)中のPhP(0.634g)溶液を室温で滴下添加した。得られた懸濁をこの温度で30分間攪拌し、イミダゾール(0.734g)を添加した。得られた懸濁を室温で5分間攪拌した後、ジクロロメタン(8mL)中のラクトール8(0.8g)溶液を滴下し、得られた溶液を室温でオーバーナイト攪拌した。ヘキサン(30mL)を添加し、次いで、10分間懸濁を攪拌し、ろ過し、濃縮して、(2R,3R)−4,4−ジフルオロ−5−ヨード−2−(トリチルオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾアート10 1.1gが得られた。
【0098】
(7)(2R,3R,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−4,4−ジフルオロ−2−(トリチルオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾアートの準備
【0099】
【化29】

【0100】
シトシン(9.5g)、HMDS(26.3g)、および(NHSO(250.2mg)の混合物を125〜130℃で4時間加熱した。真空(60torr、125℃)で過剰のHMDSを除去した。残留物をアセトニトリル(30mL)で溶解し、次いでAgCO(4.6g、1.1当量)を添加した。得られた溶液を30分間60℃で攪拌した。上記ヨウ化物10(9.5g)のアセトニトリル(10mL)溶液を60℃で添加した。48時間後、反応混合物を室温まで冷却した。精査の後、ベータ:アルファ比が5.6:1である、粗化合物11 9.8gが得られた。HNMR(CDCl):δ3.52−3.63(dd,2H),4.33(m,1H),5.74(m,1H),5.78(d,1H),6.40(bt,1H),7.21−8.15(m,22H)。
【0101】
アセトニトリルを、1,4−ジオキサン、トルエン、EA、THF、DCE、3−ペンタノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、ベンゾニトリル、プロピオニトリル、またはスルホランに変更したこと以外、同じ条件下での反応も行った。これらの溶媒のほとんどで、高いβ:α比および/またはより高い収率である、βリッチな化合物7が得られた。
【0102】
また、種々のAgCO当量(0.3、0.6、および0.9当量)、種々のシトシン当量(3.5、7、10、および15当量)、および種々の温度(50−80℃)について、反応用に試験した。これらの場合において、βリッチな化合物11が良好な収率で得られることが示された。
【0103】
さらに、種々の濃度および種々の水分含量の全てにおいて、所望のβ−リッチ化合物11を得ることができた。
【0104】
(8)(2R,3R,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−4,4−ジフルオロ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾアートの準備
【0105】
【化30】

【0106】
粗化合物11(16.3g)およびアセトニトリル(20mL)を丸底フラスコに投入した。この溶液に濃HCl(6N、3mL)を添加し、得られた懸濁を16時間攪拌した。反応混合物をろ過し、次いで45℃でEtOAc(30mL)で希釈した。懸濁をろ過し、乾燥して、良好なβ:α比の(2R,3R,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−4,4−ジフルオロ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル ベンゾアート15 3.0gが得られた。HNMR(DMSO−d):δ3.73−3.84(dd,2H),4.48(m,1H),5.59(m,1H),6.13(d,1H),6.35(t,1H),7.60(m,2H),7.73(t,1H),8.08(m,3H),8.60(bs,1H),9.60(bs,1H)。
【0107】
(9)ゲムシタビンの準備
【0108】
【化31】

【0109】
化合物15を化合物16に変換するために2つの方法を用いた。
【0110】
方法1:
化合物5(80.6g、200mmol)およびMeOH(146mL)を攪拌しながら、丸底フラスコに投入した。この懸濁に、MeOH中7N NH(285.7mL、10当量)をゆっくりと添加し、得られた懸濁をオーバーナイト攪拌した。溶媒を真空下、除去した。得られた残留物を加熱して水(310mL)に溶解した。得られた水溶液をt−ブチルメチルエーテルで洗い、層が分離した。この方法を全ての有機物が除去されるまで、数回繰り返した。この水溶液に、炭(7g)を攪拌しながら添加した。懸濁を40℃で30分間加熱し、(冷却せずに)セライトパッドでろ過した。体積は〜45mLまで減り、イソプロピルアミン(180mL)を攪拌しながら添加した。この溶液に、濃HCl(6N、105mL)を室温で攪拌しながら添加した。次いで、攪拌した懸濁を0−4℃にまで冷却し、オーバーナイトで0−4℃に保った。得られた懸濁をろ過した。固体残留物を冷やした、イソプロピルアミンおよび水の4:1混合物で洗い(2×10mL)、乾燥し、ゲムシタビン16を44.25g得た。HNMR(DO):δ3.79(dd,1H),3.97(dd,1H),4.05(m,1H),4.30(m,1H),6.16(m,1H),6.22(d,1H),7.95(d,1H)。
【0111】
方法2:
化合物15(8.3g、20mmol)およびMeOH(14mL)を攪拌しながら丸底フラスコに投入した。この懸濁に、CFCHOH(5mL)およびKCO(2.6g)を添加した。得られた懸濁をオーバーナイト攪拌した。溶媒を真空下で除去した後、得られた残留物を加熱しながら水(310mL)に溶解し、t−ブチルメチルエーテルで数回洗った。水層を分離し、攪拌しながら炭(0.5g)で処理した。懸濁を40℃で30分間加熱し、(冷却せずに)セライトパッドでろ過した。体積は約5mLにまで減じ、イソプロピルアミン(2mL)を攪拌しながら添加した。この混合物に、濃HCl(6N、10mL)を室温で添加した。次いで、懸濁を0−4℃にまで冷却し、オーバーナイトで0−4に保った。ろ過後、固体残留物を冷やした、イソプロピルアミンおよび水の4:1混合物で洗い(2×5mL)、乾燥し、ゲムシタビン16を4.5g得た。HNMR(DO):δ3.79(dd,1H),3.97(dd,1H),4.05(m,1H),4.30(m,1H),6.16(m,1H),6.22(d,1H),7.95(d,1H)。
【0112】
他の実施形態
本明細書に記載されている全ての特徴は、いかなる組み合わせでも組み合わせうる。本明細書に記載されている各特徴は、同じ、等価の、または同様の目的に供する代替的な特徴によって置換しうる。したがって、他で明示的に言及されていない限り、開示されている各特徴は、同様の特徴を有する等価な包括的一群の単に一例に過ぎない。
【0113】
上記記述から、当業者は容易に本発明の本質的性質を確かめることができ、本発明の思想および範囲から逸脱することなく、種々の使用や状況に本発明を適応するために、本発明の種々の変形および改良を行うことができる。したがって、他の実施形態もまた、本特許請求の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(I):
【化1】

この際、RはH、アルキル、アラルキル、アルキルジアリールシリル、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、アルキルカルボニル、またはアリールカルボニルであり;
は、RC(O)−、RR’NC(O)−、ROC(O)−、RC(S)−、RR’NC(S)−、またはROC(S)−であり;ここでRおよびR’の各々は、独立して、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;RおよびRの各々は、独立して、Hまたはフルオロであり;ならびに
Bは、
【化2】

ここで、RはH、アルキル、またはアリールであり;RはH、アルキル、アルケニル、ハロゲン、またはアリールであり;XはNまたはC−R”であり、ここでR”はH、アルキル、アルケニル、ハロゲン、またはアリールであり;およびYはアミノ保護基である:
のβ−ヌクレオシド化合物を調製する方法であって、
遷移金属塩存在下、化学式(II):
【化3】

この際、R、R、R、およびRは上記で定義したとおりであり、Lはフルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードである:
のテトラヒドロフラン化合物を下記化学式:
【化4】

この際、R、R、およびYは、上記で定義したとおりであり、Zは水酸基保護基である:
の核酸塩基誘導体と反応させることを含む、方法。
【請求項2】
前記遷移金属塩が銀塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記遷移金属塩がAgClO、AgNO、またはAgCOである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
およびRの各々がフルオロである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
がトリチルであり、LがIである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
がベンゾイルである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記核酸塩基誘導体が、
【化5】

である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
がトリチル、(CHC、アルキルジアリールシリル、トリアルキルシリル、またはトリアリールシリルであり;RがRC(O)−であり、ここでRはアルキルまたはアリールであり;および遷移金属塩がAgClO、AgNO、またはAgCOである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
がトリチルであり、LがIである、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
がベンゾイルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記核酸塩基誘導体が、
【化6】

である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記テトラヒドロフラン化合物が、
【化7】

であり;前記核酸塩基誘導体が、
【化8】

であり;前記遷移金属塩がAgClO、AgNO、またはAgCOであり;前記β−ヌクレオシド化合物が、
【化9】

である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
さらに、前記β−ヌクレオシド化合物を化学式(III):
【化10】

この際、R、R、およびBは請求項1で定義したとおりである:
の化合物へ変換することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
さらに、前記β−ヌクレオシド化合物を化学式(III):
【化11】

この際、R、R、およびBは請求項1で定義したとおりである:
の化合物へ変換することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
さらに、前記β−ヌクレオシド化合物を下記で示される化合物:
【化12】

に変換することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
さらに、反応の前に、次の化学式(IV):
【化13】

この際、R、R、およびBは請求項1で定義したとおりである:
のラクトン化合物を次の化学式:
【化14】

のフラノース化合物に還元し、ならびに前記フラノース化合物を化学式(II)のテトラヒドロフラン化合物に変換することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
さらに、還元の前に、次の化学式:
【化15】

この際、RおよびRの各々は、独立して、Hまたはハロゲンであり;Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり;ならびにRおよびRの各々は、独立して、Hまたは水酸基保護基であり、あるいはRおよびRはともに、C1−3アルキレンである;
の化合物を酸で処理し、
上記処理で得られた生成物を、次の化学式:
【化16】

この際、Rはアルキル、アラルキル、アルキルジアリールシリル、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、アルキルカルボニル、またはアリールカルボニルであり;ならびにL’は脱離基である:
の化合物と反応させて、化学式(V):
【化17】

この際、R、R、およびRは上記で定義したとおりである;の化合物を生成させ、前記化学式(V)の化合物を前記化学式(IV)の化合物に変換することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
がベンゾイルであり、L’がクロロ、ブロモ、またはヨードである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
がトリチルであり、RおよびRの各々が、フルオロであり、Bが
【化18】

である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
さらに、前記β−ヌクレオシド化合物を化学式(III):
【化19】

この際、R、R、およびBは請求項1で定義したとおりである:
の化合物に変換することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
化学式(VI):
【化20】

この際、Rは、トリチル、ベンジル、(CHC、アルキルジアリールシリル、トリアルキルシリル、またはトリアリールシリルであり;RはH、アルキルカルボニル、またはアリールカルボニルであり;ならびに
およびRの各々は、独立して、Hまたはハロゲンである:
の化合物。
【請求項22】
およびRの各々がフルオロである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
がトリチルであり、RがHである、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
がトリチルであり、Rがベンゾイルである、請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
がHである、請求項22に記載の化合物。
【請求項26】
化学式(VII):
【化21】

この際、R’はアルキルカルボニルまたはアリールカルボニルであり;RおよびRの各々は、独立して、Hまたはハロゲンであり;ならびにBは
【化22】

(ここで、RはH、アルキル、またはアリールであり、RはH、アルキル、アルケニル、ハロゲン、またはアリールであり、XはNまたはC−R’であり、ここでR’はH、アルキル、アルケニル、ハロゲン、またはアリールであり、ならびにYはアミノ保護基またはブレンステッド酸である)である:
の化合物。
【請求項27】
およびRの各々がフルオロである、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
’がベンゾイルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
Bが、
【化23】

である、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
前記化合物が、次の立体化学:
【化24】

を有する、請求項26に記載の化合物。
【請求項31】
およびRの各々がフルオロである、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
’がベンゾイルである、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
Bが、
【化25】

である、請求項32に記載の化合物。

【公表番号】特表2011−503093(P2011−503093A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533234(P2010−533234)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/082597
【国際公開番号】WO2009/061894
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(508197376)ファーマエッセンティア コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】