説明

γ−アミノ酪酸高含有組成物の製造方法

【課題】高濃度のGABA含有組成物を短時間に容易に得ることができる方法を提供する。
【解決手段】アスパラガスから得られる組成物を含有する培地に、γ−アミノ酪酸産生能を有する微生物、好ましくは乳酸菌、より好ましくはラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌、最も好ましくはラクトバチルス ブレビス(L.brevis) UAS−4株(FERM−P20710)又はラクトバチルス ブレビス(L.brevis) UAS−6株(FERM−P20711)を接種し、培養して得られた培養物からGABAを得ることを特徴とするGABA高含有組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスパラガスから得られる組成物を含む培地にγ−アミノ酪酸産生能を有する微生物を接種し、培養することを特徴とするγ−アミノ酪酸高含有組成物の製造方法並びにそれを含有する飲食品及び飼料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
γ−アミノ酪酸(γ−amino butyric acid、以下、GABAと略す。)は生物界に微量ながら広く存在する非タンパク質構成アミノ酸であり、ヒトにおいては脳内で神経伝達物質として働くことが知られている。食品素材としてのGABAは血圧降下作用、精神安定作用、脳機能改善作用、更年期障害症状緩和作用、中性脂肪増加抑制作用等の健康維持意識の高い現代人にとって有効な生理作用を有している。その上、GABAはヒトが多量に摂取しても副作用が無いので、安全性の面でも有利であり、食事療法が効果的な生活習慣病、特に高血圧症を予防する成分として食品に付加させる開発が多くなされている。
【0003】
そのようなものとして、米胚芽、米糠、小麦胚芽などの中に元来含まれる酵素の作用を利用してGABA富化穀物を製造する技術(例えば、特許文献1及び2参照)、トマト、カボチャ等の野菜などの中に含まれる酵素の作用を利用してGABA富化組成物を製造する技術(例えば、特許文献3〜5参照)、茶葉を嫌気処理することによってGABA含量の高い茶葉を製造する技術(例えば、特許文献6参照)などが報告されている。
【0004】
また、一部の微生物がグルタミン酸からGABAを生産する能力に優れていることが知られており、GABAを乳酸菌で製造する技術(例えば、特許文献7、8)や麹菌で製造する技術(例えば、特許文献9参照)、などが報告されている。これらの中でも乳酸菌はGABAの生産効率が良く、例えばラクトバチルス ブレビス(Lactobacillus brevis)(例えば、特許文献10参照)、ラクトバチルス・ヒルガルディー(L.hilgardii)(例えば、特許文献8参照)、ラクトバチルス プランタラム(L.plantarum)(例えば、特許文献11参照)、ラクトバチルス ラクティス(L.lactis)(例えば、特許文献12参照)などが開示されている。一方で、乳酸菌のGABA産生能促進因子として大豆抽出液を培地に添加する方法が開示されている(例えば、特許文献13参照)。
【特許文献1】特許第2590423号公報
【特許文献2】特開2004−159617号公報
【特許文献3】特公平7−12296号公報
【特許文献4】特公平7−14333号公報
【特許文献5】特開2001−252091号公報
【特許文献6】特許第3038373号公報
【特許文献7】特開2001−352940号公報
【特許文献8】特開2003−70462号公報
【特許文献9】特開平11−103825号公報
【特許文献10】特開2004−215529号公報
【特許文献11】特許2704493号公報
【特許文献12】特開2001−120179号公報
【特許文献13】特開2003−157713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来開示された方法はGABAの生産効率は低く、例えばラクトバチルス プランタラムで最終的に培養液の2質量%以下(特許文献7、10)、ラクトバチルス ブレビスでは1.1質量%程度(特許文献10)、ラクトバチルス ラクティスでは1質量%以下(特許文献12)、ラクトバチルス・ヒルガルディーでは48時間後で培養液の4.8質量%(特許文献8)であった。また、本発明者らが単離したラクトバチルス ブレビス UAS−4株は48時間後で培養液の質量10.0%、ラクトバチルス ブレビスUAS−6株は48時間後で培養液の10.2質量%と、かなり効率よくGABAの生産を可能とすることを見出したため、すでに特許出願を行った(特願2005−330200号)が、いまだ満足いくものではなく、より短時間で多量のGABAが産生される方法が求められていた。
【0006】
一方で、乳酸菌のGABA産生能促進因子として大豆抽出液を培地に添加する方法(特許文献13)では、大豆煮汁を90%含有する培地で7日間培養を行っても、培養液の5質量%のグルタミン酸を100%変換するに至らず、決して満足できるものではなかった。
【0007】
本発明は、高濃度のGABAを含有する組成物を短時間に容易に製造することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記した課題について、乳酸菌のGABA産生能促進因子を含む材料を鋭意検討した結果、培地中にアスパラガスから得られる組成物を含有せしめることで、乳酸菌のGABA産生能を高め、効率よくGABAを生産できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の第一は、アスパラガスから得られる組成物を含有する培地に、γ−アミノ酪酸産生能を有する微生物を接種し、培養して得られた培養物からGABAを得ることを特徴とするGABA高含有組成物の製造方法を要旨とするものであり、好ましくは、γ−アミノ酪酸を有する微生物が乳酸菌であり、より好ましくはラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌であり、最も好ましくはラクトバチルス ブレビス(L.brevis) UAS−4株(FERM−P20710)又はラクトバチルス ブレビス(L.brevis) UAS−6株(FERM−P20711)である前記の製造方法である。また、前記したGABA高含有組成物の製造方法において、好ましくは、培地にグルタミン酸及び/又はグルタミン酸塩及び/又はそれらの含有物を添加する方法であり、また、好ましくは培地に酵母エキスを添加する方法である。また、前記したGABA高含有組成物の製造方法において、好ましくは、培地の糖濃度(ブリックス換算)が0.1〜40%である方法であり、また好ましくは、培養中の培地のpHを3.5〜8.0に調整する方法であり、さらに好ましくは、培養中の培地のpHを3.5〜8.0に調整する方法が、グルタミン酸及び/又はグルタミン酸塩及び/又はそれらの含有物を添加する方法である前記のGABA高含有組成物の製造方法である。
【0010】
本発明の第二は、前記したいずれかの製造方法によって得られることを特徴とするGABA高含有組成物を要旨とするものである。
【0011】
本発明の第三は、本発明の第二のGABA高含有組成物を含有することを特徴とする飲食品又は飼料を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高濃度のGABA含有組成物を短時間に容易に得ることができる。また、本発明のGABA含有組成物は高濃度のGABAを含んでいるため、飲食品に配合する場合も少量で効果が期待でき、飲食品の味に悪影響を及ぼすことがない。また、GABAの作用による血圧降下、リラックス、ストレス緩和、更年期障害症状改善、不眠改善、利尿、腎機能改善、肝機能改善等、中性脂肪低減効果が期待できるだけでなく、アスパラガス組成物を含有せしめることでGABAの作用を相乗的に高めることや、胃腸障害改善、抗疲労効果も期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
先ず、本発明における、アスパラガスから得られる組成物の作製方法について説明する。
【0015】
本発明におけるアスパラガスから得られる組成物とは、アスパラガスを粉砕、破砕、磨砕、細断、抽出、圧搾、濃縮、固液分離、加熱滅菌、濾過滅菌、酵素処理、乾燥等公知の技術を単独或いは2つ以上組み合せて処理することで得られるものである。
【0016】
本発明で用いられるアスパラガスは、本発明の効果を損なうものでない限りいかなるものでもよい。アスパラガスには日光に当てて栽培するグリーンアスパラガス、土などで遮光しながら栽培するホワイトアスパラガス、細く短いうちに刈り取りを行うミニアスパラガスなどがあるが、これらの中ではコストが安く、アミノ酸などの栄養成分に富むグリーンアスパラガスが好ましい。産地は特に限定されず、国産でも海外からの輸入品でもよい。使用する部位も特に限定されず、茎部分でも先端部分でもよいが、茎部分を用いることが好ましい。中でも、商品となるアスパラガスの長さを揃える時にカットされた最下位は、安価で入手できることから最も好ましい。
【0017】
粉砕、破砕、磨砕、細断とは物理的に植物体を粉々に砕く方法であり、粉砕、破砕は衝撃により、磨砕は摩擦により、細断は切断によって砕く。粉砕、破砕、磨砕、細断はハンマーや乳鉢、包丁、カッターナイフ、ハサミなどを用いて手作業で行っても良いが、大量の植物体を短時間で処理しようとする場合には装置を使用する。そのような装置としては、例えば、ミル、ハンマー式粉砕機、石臼式粉砕機、ミキサー、ブレンダー、超音波破砕機などが挙げられ、また野菜用の細断機を用いてもよい。粉砕、破砕、磨砕、細断された植物体の大きさは特に限定されないが、2cm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。
【0018】
抽出とは、溶媒を加え植物体の成分をそこに移行せしめる操作である。加える溶媒としては水が最も好ましいが、有機溶媒を併用してもよい。有機溶媒は、抽出時に水と併用してもよいし、抽出は有機溶媒単独で行い、その後水と混合してもよい。また、抽出は有機溶媒単独で行い、その後濃縮乾固等の操作により有機溶媒を除去した後、水を加えてもよい。有機溶媒の種類は特に限定されないが、食品に使用可能な点でエタノールが好ましい。抽出する際の溶媒の温度は、水の場合は0℃〜100℃が好ましく、10℃〜80℃がより好ましく、また、有機溶媒の場合は−20℃〜200℃が好ましく、0℃〜120℃がより好ましい。
【0019】
圧搾とは、植物体に物理的な圧力をかけて液を搾り出し、成分を搾汁に移行せしめる方法である。圧力は一方向のみにかけてもよいし、二以上の方向からかけてもよく、せん断力を伴わせることもできる。圧搾の操作は市販の圧搾機を用いれば容易であるが、手搾り、足踏み搾りなど機械を用いない方法で行ってもよい。このとき、植物体に水や湯を加えて圧搾してもよい。
【0020】
濃縮とは、他の成分を減少させること無く水分量、溶媒量を減らす操作であり、減圧濃縮、加熱濃縮、濾過膜を用いた濃縮などいかなる方法で行ってもよいが、20℃〜60℃の範囲での減圧濃縮を行うことが好ましい。
【0021】
固液分離とは、溶媒およびそこに溶解している成分と、不溶性の固形分を分離する方法であり、分離方法としては、例えばフィルター濾過、圧搾濾過、遠心分離、デカンテーションなどあらゆる方法が使用できる。清澄な植物抽出液を得る場合には、珪藻土などの濾過助剤を使用したフィルター濾過を行うことが好ましい。
【0022】
加熱滅菌とは、熱を加えて殺菌することであり、温度は60℃〜121℃が好ましく、70℃〜110℃がさらに好ましい。この温度範囲より低ければ、滅菌の効果が不十分になる問題があり、この温度範囲より高ければ有効成分が分解する問題がある。
【0023】
濾過滅菌とは、微生物が通過できないサイズの膜を、加圧或いは減圧して通過させることで除菌する操作である。膜の孔径としては0.1〜1.0μmが好ましく、より好ましくは0.2〜0.45μmである。
【0024】
酵素処理とは、植物体の構成成分の分解を促進する生体触媒で処理することであり、酵素の種類としては特に限定されないが、セルラーゼ、ペクチナーゼ、アラバナーゼ、プロテアーゼ、グルタミナーゼ等が好ましく例示される。酵素処理の条件は、各酵素に適した温度、pH、添加量で行えばよい。酵素処理後の反応物は、そのまま以後の発酵に用いてもよいが、失活させるのが好ましい。失活方法は、特に限定されないが、加熱処理が好ましい。
【0025】
乾燥とは、試料中の水分等の溶媒を除去することであり、自然蒸発、加熱乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥等公知のいかなる技術を用いても良い。
【0026】
これらの技術の組み合せで好ましく例示されるのは、アスパラガスを細断し水で抽出した後加熱殺菌して濾別し、濾液を濃縮した後濾過滅菌したものである。
【0027】
本発明においては、以上のようにして得られた組成物を用いて培地を作製する。アスパラガス由来の組成物は、それ単独で乳酸菌の培養に用いてもよく、その場合でも乳酸菌のGABA産生能が促進されるが、公知の乳酸菌用培地と混合して使用することも可能である。かかる培地としては、GYP培地(D−グルコース1%、ペプトン0.5%、酵母エキス1%、酢酸ナトリウム3水和物0.2%、ツイン80 0.05%、硫酸マグネシウム7水和物0.02%、硫酸マンガン4水和物10ppm、硫酸鉄7水和物10ppm、塩化ナトリウム10ppm)、市販のGAM培地(日水製薬)、MRS培地(Difco)等が挙げられる。これらの培地はその全成分を添加してもよいし、任意の1または複数の成分のみを添加してもよい。特に、酵母エキスを混合した場合に乳酸菌のGABA産生能が最も高くなる。アスパラガス由来の組成物以外の培地成分を混合する場合には、それらが培地全体に占める割合としては、固形分として、0〜90質量%が好ましく、0〜50質量%がさらに好ましく、0〜30質量%が最も好ましい。
【0028】
酵母エキスとは、酵母菌体の有用な成分を自己消化や酵素、熱水などの処理を行うことにより抽出された水溶性抽出物であるが、菌体等の水に不溶性の成分が入っていても構わない。酵母菌体の種としては食経験のあるものであれば何れでも良く、ビール酵母やパン酵母として使用されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)やトルラ酵母として使用されるカンジダ・ユーティリス(Candida utilis)等が例としてあげられる。また、酵母エキスは市販のもの(Difco社、キリンビール社、アサヒビール社等)でも良いし、自家調整したものでも構わない。
【0029】
酵母エキスの添加量は特に限定されないが、培地に対して0.01〜10質量%添加すればよく、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。酵母エキス濃度がこの範囲を下回るとその効果はほとんど得られず、この範囲を上回っても効果の増大は見込めずコスト高になる、加熱時にフロックが生じる、味質に大きな影響を及ぼす、といった悪影響が生じる。
【0030】
本発明においては以上のようにして作製した培地の糖濃度(ブリックス(Brix)換算)は、0.1〜40%であるのが好ましく、0.1〜20%であるのがより好ましく、0.5〜5%であるのがもっとも好ましい。糖濃度(Brix換算)がこの範囲を外れると、乳酸菌の増殖が極めて悪くなる。糖濃度(ブリックス(Brix)換算)が0.1%に満たない場合には、濃縮して大きくすることができる。糖濃度(ブリックス(Brix)換算)が40%を超える場合には、加水して少なくすればよい。
【0031】
本発明においては、上記のようにして作製された培地に、さらに、グルタミン酸又は/及びその塩又は/及びそれらの含有物を添加するのが好ましい。これらのうち、グルタミン酸塩としてはいかなるものも使えるが、食品添加物となっており、水への溶解性に優れるグルタミン酸ナトリウムが好ましい。また、グルタミン酸及び/又はその塩の含有物としてはいかなる物も使えるが、食品に添加可能な酵母エキス等のような調味料が好ましい。これらの内、水への溶解性に優れるグルタミン酸ナトリウムと、GABA産生に伴うpHの上昇を抑えられるという点でグルタミン酸が望ましく、さらに好ましくはそれらの併用である。
【0032】
また本発明においては、グルタミン酸又は/及びその塩又は/及びそれらの含有物を添加する代わりに、あるいは添加すると供に、アスパラガスから得られる組成物中のタンパク質やグルタミンを酵素処理してグルタミン酸の量を増加させることも可能である。ここで用いられる酵素の種類としては、食品添加物になっているプロテアーゼ、ペプチダーゼ、グルタミナーゼなどが挙げられる。酵素分解を行うために使用する酵素の量は、酵素の種類、力価にもよるが、固形分に対して0.0001質量%〜10質量%が好ましく、0.001質量%〜5質量%がより好ましい。この範囲よりも少ない場合には十分な酵素分解が期待できない問題があり、この範囲よりも多い場合にはもはや酵素分解の増加は期待できず、製品中に酵素による味質の変化を及ぼす問題がある。酵素分解を行う際の温度は、0℃〜80℃が好ましく、10℃〜60℃がより好ましい。この範囲より低い場合には酵素反応の進行が遅く、タンパク質の分解に長い時間を要する傾向があり、この範囲より高い場合には酵素が失活してしまうおそれがある。また、乳酸菌を添加する前には酵素失活処理を行うのが好ましい。酵素失活処理の温度は50℃〜120℃が好ましく、70℃〜100℃がより好ましい。酵素失活処理時間は、温度により変化するが、5〜30分が好ましく、より好ましくは5〜15分である。
【0033】
前記方法によって増加したグルタミン酸又は/及びその塩又は/及びそれらの含有物の量は、グルタミン酸の終濃度として0.1〜40質量%となる量が好ましく、0.2〜25質量%がより好ましく、0.5〜20%が最も好ましい。この範囲より少なければ得られるGABAの量が少なくなり、この範囲より多ければグルタミン酸及び/又はグルタミン酸塩が残存してしまうか、全量GABAに変換されたとしても長時間かかる問題がある。また、グルタミン酸及び/又はその塩及び/又はそれらの含有物を添加する場合は培養前に1回で所定量を添加してもよいし、あるいは培養中に複数回に分けて添加し前記した濃度としてもよい。培養中に添加する場合、添加時期は特に限定されない。作業性の面では1回で全量添加することが好ましいが、急激なpHの変動を引き起こすため、少量ずつ添加することが好ましく、培養開始時は溶解性に優れたグルタミン酸ナトリウムを、培養後期、特にGABA産生中はpHが上昇するためグルタミン酸を複数回添加するのが好ましい。
【0034】
本発明において用いられるGABA産生能を有する微生物は、食品に用いても安全であり、GABA生産能を持つことが必要である。そのような微生物としては乳酸菌、酵母、麹菌等が挙げられる。中でも、GABA産生能が高いことから、乳酸菌が好ましい。乳酸菌としては、Lactbacillus brevis、L.hilgardii、L.plantaram、L.casei、L.paracasei、L.helveticus、L.bulgaricus、L.acidophilus、L.sp.、Streptococcus lactis、S.thermophilus、Enterococcus casseliflavus等に属する乳酸菌が挙げられる。これらに属する乳酸菌株のうち、アスパラガスから得られる組成物のGABA産生促進効果が高く顕れるL.brevisに属する乳酸菌が好ましい。中でも、L.brevis UAS−4(FERM P−20710)、L.brevis UAS−6(FERM P−20711)、L.brevis IFO3345、L.brevis IFO12005はGABA生産能が高く、より好ましい。
【0035】
上記のL.brevis UAS−4(FERM P−20710)、L.brevis UAS−6(FERM P−20711)は、本発明者らがアスパラガスを分離源として分離した菌であり、以下の表1の様な性質を有する。
【0036】
【表1】

また、UAS−4及びUAS−6の16S rRNAのうち5’−末端側の約500塩基についてDNAシーケンサーを用いて特定した結果、いずれも全米バイオテクノロジー情報センター(National center for biotechnology information:NCBI)の保有するラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)の16S rRNA配列と99%以上の相同性を有していた。
【0037】
UAS−6株については、L−アラビノースの資化性が陰性であり、一般的なL.brevisがL−アラビノースを良好に資化することから鑑みると、この株に特徴的な性質である。また、UAS−4株及びUAS−6株のいずれも、後述するようにグルタミン酸又はグルタミン酸塩からγ−アミノ酪酸の産生能が従来公知のラクトバチルス・ブレビスと比較して顕著に高いことから、新規な乳酸菌であると判断し、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託手続を行い、UAS−4株は、受領番号FERM P−20710として、またUAS−6株は、受領番号FERM P−20711として、平成17年11月11日に受託された。
【0038】
本発明においては、次にアスパラガスから得られる組成物を含有する培地にGABA産生能を有する微生物を接種し、培養を行うが、その条件について述べる。
【0039】
微生物の添加方法は、上記のように調製されたアスパラガスから得られる組成物またはそれを含有する培地に直接少量の菌体を接種することで増殖させることができるが、短期間で菌体濃度を上昇させる為には、前培養した菌液を接種することが好ましい。前培養液としては、本培養と同じアスパラガスから得られる組成物またはそれを含有する培地でもよいし、前記した公知のあらゆる培地を使用することもできる。前培養した菌液を接種する量としては、本培養の培地量の100000分の1〜2分の1であり、1000分の1〜10分の1が好ましく、200分の1〜30分の1がさらに好ましい。この範囲より接種量が少なければ、菌体濃度の増加に時間がかかる問題があり、この範囲より多ければもはや前培養の時点で大きなスケールになっており、本培養を行う必要性がないということである。
【0040】
培養温度は用いる菌株にもよるが、5℃〜45℃であり、好ましくは15℃〜40℃であり、さらに好ましくは20℃〜35℃である。培養温度がこの温度範囲より高くても低くても著しく増殖速度が劣る問題がある。
【0041】
培養中の培養液のpHは用いる菌株にもよるが、3.5〜8.0に調整することが好ましく、4.0〜6.5に調整することがより好ましく、4.5〜5.5に調整するのが最も好ましい。pHがこの範囲を外れると、グルタミン酸脱炭酸酵素の活性が低下し、GABAの産生速度が低下する問題がある。pH調整に用いる薬品はいかなる物も使用でき、例えば塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、グルタミン酸、酢酸、酪酸、乳酸、蟻酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア水、グルタミン酸ナトリウム等が挙げられる。本発明ではGABAの産生に応じてpHは上昇する傾向になり調整は主に酸を添加して行うため、これらの中で好ましくは、塩酸、リン酸、グルタミン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸であり、さらに好ましくは塩酸、グルタミン酸、乳酸、酢酸であり、グルタミン酸がGABAの基質としても用いられるため最も好ましい。
【0042】
培養時の酸素条件は用いる菌株にもよるが、嫌気条件下でも好気条件下でも増殖させることができる。ただし、好気条件下では増殖は可能でもGABA生産能が低下する菌株が存在するので、嫌気条件か緩やかに攪拌する程度の好気条件にする方が好ましく、例えばバブリングや速い攪拌等を行う必要は無い。
【0043】
培養時間は特に限定されないが、2時間〜10日間が好ましく、5時間〜5日間がより好ましく、8時間から〜3日間が最も好ましい。発酵時間がこの範囲を下回るとグルタミン酸からGABAへの変換が不十分になり、この範囲を上回っても、更なる効果は望めず、雑菌の混入や増殖の可能性も高くなる。
【0044】
以上のようにして培養を行うことにより、培養物中にGABAが蓄積することとなり、培養物がそのままで、あるいは必要に応じて以下の処理を行うことでGABA高含有組成物を得ることができる。処理としては、殺菌、除菌、固液分離、乾燥等の操作を行い、清澄液や粉末の形態にすることも可能である。また、適当な担体を添加した後常法により顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ゲル状、ペースト状、乳状、懸濁状、液状、飲料等の食用に適した形態に成形してもよい。
【0045】
固形状に調製する際には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、着色剤等常法で用いられているものを用いればよく、そのような担体の例としては、賦形剤としては乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット、デキストリン、デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、プルラン、無水ケイ酸、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等を、結合剤としては結晶セルロース、白糖、マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デキストラン、プルラン、水、エタノール等を、崩壊剤としてはデンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、結晶セルロース等を、滑沢剤としてはステアリン酸およびその金属塩、タルク、ホウ酸、脂肪酸ナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、無水ケイ酸等を、矯味矯臭剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等を例示できる。
【0046】
液体状に調製する際には、乳化剤、可溶化剤、分散剤、懸濁化剤、粘調剤、緩衝剤、安定化剤、矯味矯臭剤等常法で用いられているものを用いればよく、乳化剤および可溶化剤としてはレシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム等を、分散剤および懸濁化剤としては、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、メチルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン等を、粘調剤としてはメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン等を、緩衝剤としてはクエン酸塩、コハク酸塩等を、安定化剤としてはレシチン、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロースを、矯味矯臭剤としては上記したものを例示できる。
【0047】
また、味質の改善のために、糖類、糖アルコール類、塩類、油脂類、アミノ酸類、有機酸類、果汁、野菜汁、香料、香辛料、アルコール類、グリセリン等を添加することができる。また、pH調整のために、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、酪酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、シュウ酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア水等を添加することができる。
【0048】
次に本発明の第三の飲食品および飼料について説明する。
【0049】
本発明の飲食品及び飼料は、上述のようにして製造したGABA高含有組成物を含有することを特徴とするものである。飲食品及び飼料中のGABA高含有組成物の含有量は、特に限定されずGABA高含有組成物それ自身を飲食品及び飼料とすることも可能であるが、概ねGABAに換算して1日当たりに摂取する量が10〜500mgになるように配合することが好ましい。この範囲より少ない場合は効果が望めない可能性があり、この範囲より多い場合はもはや効果の増大は見込めない可能性がある。
【0050】
GABA高含有組成物を既存の飲食品及び飼料に含ませる場合は、ベースとなる飲食品及び飼料としては特に限定されないが、例えば、うどんやパスタ等の加工麺、ハム・ソーセージ等の食肉加工食品、かまぼこ・ちくわ等の水産加工食品、バター・粉乳・醗酵乳等の乳加工品、ゼリー・アイスクリーム等のデザート類、パン類、菓子類、調味料類等の加工食品、清涼飲料水、アルコール類、果汁飲料、野菜汁飲料、乳飲料、炭酸飲料、コーヒー飲料、アルコール類等の飲料が好ましい。
【0051】
飲食品及び飼料に含ませる本発明のGABA高含有組成物の形態は特に限定されず、飲料、グミ、キャンデーなどにおいては液体状の物を、錠剤、顆粒、カプセル、飼料などにおいては粉末状の物を使用するなどすればよい。
【実施例】
【0052】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、アミノ酸の定量分析は、以下の方法により行った。すなわち、高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)により以下の条件で測定し、蛍光検出器を用いて検出した。
HPLC:島津製作所(株)製LC−10A
カラム:Shim−pack Amino−Li(100mmL.×6.0mmI.D.)
移動相:アミノ酸移動相キットLi形 グラディエント溶出
流速:0.6ml/分
カラム温度:39℃
反応液:オルト−フタルアルデヒド(ポストカラム)
反応液速度:0.3ml/分
反応温度:39℃
検出波長:励起波長350nm、蛍光波長450nm
【0053】
参考例1〔乳酸菌のGABA産生能促進素材の選別〕
表2に載せている全15種類の食品を、各々1kgに水1Lを添加して家庭用のミキサーで粉砕、抽出を行った。85℃、30分加熱殺菌した後、珪藻土を添加して濾紙(ADVANTEC東洋製No.5C)を用いて吸引濾過を行い、清澄な濾液を得た。この各濾液を濃縮或いは水で希釈しBrixを1.0%に調整した。各原料の濾液1LにGYP培地の全成分と、グルタミン酸ナトリウム1水和物1質量%とを溶解しオートクレーブ滅菌を行って培地を作製した。この培地に通常のGYP培地で前培養したL.brevis UAS−4株(FERM P−20710)を10ml接種し、30℃静置で培養を行った。1時間ごとにサンプリングして、アミノ酸分析を行った。GABA産生能は、培養開始時のグルタミン酸濃度やGABA濃度が異なるため、グルタミン酸がグルタミン酸ナトリウム1水和物換算で1質量%減少するのに要した時間で判定した。結果を表1に示す。
【0054】
【表2】

この結果から、アスパラガスに優れたGABA産生能促進効果が確認された。なお、GABA含量はグルタミン酸減少分からの理論値とほぼ同じ値増加しており、グルタミン酸がGABAへの変換以外に使われていなかった。
【0055】
実施例1〔乳酸菌種による効果の違い〕
参考例1でアスパラガスから得られる組成物にGABA産生能促進効果が確認されたので、L.brebis UAS−4株以外の乳酸菌に対する効果を調べた。
【0056】
通常のGYP培地で前培養した表2の乳酸菌株4株の培養液10mlを、各々実施例1と同じ方法で作製した培地1Lもしくは通常のGYP培地1Lに添加し、30℃で静置培養を行った。24時間後に培地中のGABA含量を測定した。培養開始時からのGABA増加量の結果を表3に示す。
【0057】
【表3】

この結果から、アスパラガスから得られる組成物を添加した培地で、全ての菌株でGABA産生能が促進された。特に、ラクトバチルス属に対してその効果が高かった。
【0058】
実施例2〔酵母エキスの効果〕
アスパラガス1kgに水1Lを添加して家庭用のミキサーで粉砕、抽出を行った。85℃、30分加熱殺菌した後、珪藻土を添加して濾紙(ADVANTEC東洋製No.5C)を用いて吸引濾過を行い、清澄な濾液を得た。この濾液を濃縮しBrixを3.0%に調整し、オートクレーブ滅菌した。このアスパラガス抽出液と、GYP培地、MRS培地、酵母エキス(1質量%溶液)を用いて表3の7通りの培地を作製した。なお、全ての培地にグルタミン酸ナトリウム1水和物を1質量%溶解した。この培地に通常のGYP培地で前培養したラクトバチルス ブレビス UAS−4株(FERM P−20710)の培養液10mlを添加し、30℃で静置培養を行った。1時間ごとにサンプリングし、グルタミン酸濃度を測定した。GABA産生能は、培養開始時のグルタミン酸濃度やGABA濃度が異なるため、グルタミン酸がグルタミン酸ナトリウム1水和物換算で1質量%減少するのに要した時間で判定した。結果を表4に示す。
【0059】
【表4】

この結果から、アスパラガス抽出液単独でも優れたGABA産生能が得られたが、酵母エキスの添加によりさらに促進された。
【0060】
実施例3〔グルタミン酸等の添加〕
アスパラガス20kgをミートチョッパーで粉砕、水20Lを添加して抽出を行った。85℃、30分加熱殺菌した後、珪藻土を添加して濾紙(ADVANTEC東洋製No.5C)を用いて吸引濾過を行い、清澄な濾液を得た。この濾液をエバポールで濃縮しBrixを3.0%に調整し、121℃20分間滅菌した。濃縮液10Lに、GYP培地で前培養したラクトバチルス ブレビス UAS−4株(FERM P−20710)の培養液100mlとグルタミン酸ナトリウム1水和物2質量%を添加し、30℃で静置培養を開始した。16時間後アスパラガス抽出濃縮液10Lを添加し、グルタミン酸ナトリウム1水和物3質量%、グルタミン酸6.5質量%を添加し緩やかに攪拌しながら培養を継続した。培養開始30時間後と36時間後に3質量%ずつさらにグルタミン酸を添加した。培養開始42、48時間後サンプリングしてグルタミン酸とGABA濃度を測定したところ、グルタミン酸が42時間の時点で82.8%、48時間の時点で95.3%の変換率で変換されていた。
【0061】
実施例4〔酵母エキス+グルタミン酸等の添加〕
アスパラガス20kgをミートチョッパーで粉砕、水20Lを添加して抽出を行った。85℃、30分加熱殺菌した後、珪藻土を添加して濾紙(ADVANTEC東洋製No.5C)を用いて吸引濾過を行い、清澄な濾液を得た。この濾液をエバポールで濃縮しBrixを3.0%に調整し、酵母エキスを1質量%添加し、121℃20分間滅菌した。濃縮液10Lに、GYP培地で前培養したラクトバチルス ブレビス UAS−4株(FERM P−20710)の培養液100mlとグルタミン酸ナトリウム1水和物2質量%を添加し、30℃で静置培養を開始した。16時間後酵母エキス加アスパラガス抽出濃縮液10Lを添加し、グルタミン酸ナトリウム1水和物3質量%、グルタミン酸6.5質量%を添加し緩やかに攪拌しながら培養を継続した。培養開始30時間後と36時間後に3質量%ずつグルタミン酸を添加した。培養開始42、48時間後サンプリングしてグルタミン酸とGABA濃度を測定したところ、グルタミン酸が42時間の時点で93.2%、48時間の時点で98.9%の変換率で変換されていた。
【0062】
実施例5〔酵母エキス+グルタミン酸等の添加〕
アスパラガス20kgをミートチョッパーで粉砕、水20Lを添加して抽出を行った。85℃、30分加熱殺菌した後、珪藻土を添加して濾紙(ADVANTEC東洋製No.5C)を用いて吸引濾過を行い、清澄な濾液を得た。この濾液をエバポールで濃縮しBrixを3.0%に調整し、酵母エキスを1質量%添加し、121℃20分間滅菌した。濃縮液10Lに、GYP培地で前培養したラクトバチルス ブレビス UAS−6株(FERM P−20711)の培養液100mlとグルタミン酸ナトリウム1水和物2質量%を添加し、30℃で静置培養を開始した。16時間後酵母エキス加アスパラガス抽出濃縮液10Lを添加し、グルタミン酸ナトリウム1水和物3質量%、グルタミン酸6.5質量%を添加し緩やかに攪拌しながら培養を継続した。培養開始30時間後と36時間後に3質量%ずつグルタミン酸を添加した。42時間後サンプリングしてグルタミン酸とGABA濃度を測定したところ、グルタミン酸が89.0%の変換率で変換されていた。
【0063】
実施例6〔GABA高含有粉末〕
実施例4で得られた培養液を100℃で5分間処理した後、珪藻土を添加して濾紙(ADVANTEC東洋製No.5C)を用いて吸引濾過を行い、清澄な濾液を得た。この濾液にデキストリン3kgを溶解しスプレードライに供したところ、淡褐色の粉末5.7kgが得られた。この粉末のGABA含量を測定したところ、36.6%であった。
【0064】
実施例7〔GABA含有ウーロン茶〕
ウーロン茶200mlに実施例6で得られたGABA高含有粉末50mgを溶解させ、GABA含有するウーロン茶を得た。粉末は速やかに溶解し、味質、臭いにほとんど変化は無かった。
【0065】
実施例8〔GABA含有うどん〕
実施例6にて得られたGABA高含有粉末を0.5w/w%になるよう中力粉と混合し、うどんの麺を作製した。この麺を調理したうどんを食したところ、微かに甘味と爽やかな香りを感じる良好な麺であった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスパラガスから得られる組成物を含有する培地に、γ−アミノ酪酸産生能を有する微生物を接種し、培養して得られた培養物からγ−アミノ酪酸を得ることを特徴とするγ−アミノ酪酸高含有組成物の製造方法。
【請求項2】
γ−アミノ酪酸産生能を有する微生物が、乳酸菌である請求項1記載のγ−アミノ酪酸高含有組成物の製造方法。
【請求項3】
乳酸菌が、ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌である請求項2記載のγ−アミノ酪酸高含有組成物の製造方法。
【請求項4】
ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌が、ラクトバチルス ブレビス(L.brevis) UAS−4株(FERM−P20710)又はラクトバチルス ブレビス(L.brevis) UAS−6株(FERM−P20711)である請求項3記載のγ−アミノ酪酸高含有組成物の製造方法。
【請求項5】
アスパラガスから得られる組成物を含有する培地に、さらにグルタミン酸及び/又はグルタミン酸塩及び/又はそれらの含有物を添加する請求項1〜4のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸高含有組成物の製造方法。
【請求項6】
アスパラガスから得られる組成物を含有する培地に、さらに酵母エキスを添加する請求項1〜5記載のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸高含有組成物の製造方法。
【請求項7】
培地の糖濃度(ブリックス換算)が0.1〜40%である請求項1〜6のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸高含有組成物の製造方法。
【請求項8】
培養中の培地のpHを3.5〜8.0に調整する請求項1〜7のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸高含有組成物の製造方法。
【請求項9】
培養中の培地のpHを3.5〜8.0に調整する方法が、グルタミン酸及び/又はグルタミン酸塩及び/又はそれらの含有物を培地に添加する方法である請求項8記載のγ−アミノ酪酸高含有組成物の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか記載の方法によって製造されることを特徴とするγ−アミノ酪酸高含有組成物。
【請求項11】
請求項10記載のγ−アミノ酪酸高含有組成物を含有することを特徴とする飲食品。
【請求項12】
請求項10記載のγ−アミノ酪酸高含有組成物を含有することを特徴とする飼料。


【公開番号】特開2007−289108(P2007−289108A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−122399(P2006−122399)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 日本栄養・食糧学会大会会頭横越英彦,第60回日本栄養・食糧学会大会講演要旨集,平成18年4月1日
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【Fターム(参考)】