説明

がんの治療方法

本発明は、4-キナゾリンアミン類とその他の抗新生物性化合物を投与することによる、哺乳動物のがんの治療方法に関する。特にその方法は、その他の抗新生物性化合物と併用してN-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンならびにその塩および溶媒和物を投与することによる、がんの治療方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4-キナゾリンアミン類をその他の抗新生物性化合物と併用して投与することによる、哺乳動物のがんの治療方法に関する。特にその方法は、その他の抗新生物性化合物とともにN-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンならびにその塩および溶媒和物を投与することによる、がんの治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
がん治療のために有効な化学療法は腫瘍学分野で継続中の目標である。一般的に、がんは細胞分裂、分化およびアポトーシス性細胞死を制御する正常な過程の脱制御による結果である。アポトーシス(プログラムされた細胞死)は、胚発生、ならびに退行性神経疾患、心血管疾患およびがんなどの各種の疾病の発病機序において必須の役割を持っている。最も一般的に研究されている経路はアポトーシスのキナーゼ調節が関与するものであるが、これは細胞表面の成長因子受容体から核への細胞シグナル伝達の1つである(Crews and Erikson, Cell, 74:215-17, 1993)。特に、erbBファミリーの成長因子受容体からの細胞シグナル伝達である。
【0003】
erbBファミリー間には顕著な相互作用があり、これらの受容体が介在する細胞作用を調節している。EGFRに結合する6種類のリガンドとして、EGF、トランスフォーミング増殖因子、アムフィレギュリン、ヘパリン結合性EGF、ベータセルリンおよびエピレギュリンが含まれる(Alroy & Yarden, FEBS Letters, 410:83-86, 1997; Burden & Yarden, Neuron, 18: 847-855, 1997; Klapperら、ProcNatlAcadSci, 4994-5000, 1999)。別のクラスのリガンド、ヘルギュリンはHER3および/またはHER4に直接結合する(Holmesら、Science, 256:1205, 1992; Klapperら、1997, Oncogene, 14:2099-2109; Pelesら、Cell, 69:205, 1992)。特異的リガンドの結合はerbBファミリーのメンバー内での受容体のホモ-またはヘテロ二量体化を誘発する(Carraway & Cantley, Cell, 78:5-8, 1994; Lemmon & Schlessinger, TrendsBiochemSci, 19:459-463, 1994)。その他のErbB受容体メンバーとは対照的に、HER2についてはまだ可溶性リガンドが確認されていなく、これはヘテロ二量体化の後転写活性化されるものと見られる。erbB-2受容体とEGFR、HER3、およびHER4とのヘテロ二量体化がホモ二量体化よりも好ましい(Klapperら、1999; Klapperら、1997)。受容体の二量体化の結果、受容体の触媒部位へのATPの結合、受容体のチロシンキナーゼの活性化、およびC末端のチロシン残基の自己リン酸化がもたらされる。リン酸化されたチロシン残基が次にGrb2、Shc、およびホスホリパーゼCなどのタンパク質のためのドッキング部位となり、これが次に、Ras/MEK/ErkおよびPI3K/Akt経路などの下流シグナル伝達経路を活性化し、これによって転写因子、ならびに増殖、細胞運動性、血管新生、細胞生存および分化などの生物学的応答に関与するその他のタンパク質を調節する(Alroy & Yarden, 1997; Burgering & Coffer, Nature, 376:599-602, 1995; Chanら、AnnRevBiochem, 68:965-1014,1999; Lewisら、AdvCanRes, 74:49-139,1998; Liuら、Genes and Dev, 13:786-791, 1999; Muthuswamyら、Mol&CellBio, 19,10:6845-6857,1999; Riese & Stern, Bioessays, 20:41-48, 1998)。
【0004】
がん細胞中でerbBファミリー受容体を標的とし、その活性化をブロックするために、モノクローナル抗体(Mab)、免疫コンジュゲート、抗EGFワクチン、およびチロシンキナーゼインヒビターを含むいくつかの戦略が開発された((Sridharら、Lancet, 4,7:397-406,2003)中で概説されている)。ErbB2含有ヘテロ二量体が最も安定であってシグナル伝達にとって好ましい開始事象であるので、erbB2およびEGFRの両方の同時遮断が魅力的な治療戦略の1つである。がんについての臨床前モデルで効力を持つ、一連の6-チアゾリルキナゾリンerbB-2/EGFR TK二重インヒビターが合成された(Cockerillら、BiorgMedChemLett, 11:1401-1405,2001 ; Rusnakら、CanRes, 61:7196-7203, 2001a; Rusnakら、MolCanTher, 1:85-94,2001b)。GW572016は6-フラニルキナゾリンであり、経口活性で、EGFRおよびerbB2キナーゼの両方の可逆的二重キナーゼインヒビターである(Rusnakら、2001b)。ヒト異種移植片研究において、GW572016は用量依存性キナーゼ阻害を示し、EGFRまたはerbB2を過剰発現する腫瘍細胞を選択的に阻害する(Rusnakら、2001b; Xiaら、Oncogene, 21:6255-6263, 2002)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
併用療法はがん治療において例外的というよりも、急速に標準になりつつある。腫瘍学者は、併用して使用したときに、がんの作用に苦しんでいる個体に、より有効かつ/または強化された治療を提供する抗新生物性化合物を常に探し求めている。典型的には、成果を上げる併用療法とは、単独療法よりも改善され、さらには相乗的な効果を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで本発明者らは、その他の抗新生物性化合物と併用してN-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミン(GW572016)ならびにその塩および/または溶媒和物を投与することを含む、新規がん治療方法を確定した。
【0007】
発明の概要
本発明の第1の態様中、哺乳動物の乳房がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化1】

【0008】
および(ii) トラスツズマブの投与を含んでなる方法が提供される。
【0009】
本発明の第2の態様中、哺乳動物の乳房がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化2】

【0010】
および(ii) レトロゾールの投与を含んでなる方法が提供される。
【0011】
本発明の第3の態様中、哺乳動物の乳房がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化3】

【0012】
および(ii) カペシタビンの投与を含んでなる方法が提供される。
【0013】
本発明の第4の態様中、哺乳動物の乳房がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化4】

【0014】
および(ii) トポテカンの投与を含んでなる方法が提供される。
【0015】
本発明の第5の態様中、哺乳動物の肺がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化5】

【0016】
および(ii) ドセタキセルの投与を含んでなる方法が提供される。
【0017】
本発明の第6の態様中、哺乳動物の肺がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化6】

【0018】
および(ii) トポテカンの投与を含んでなる方法が提供される。
【0019】
本発明の第7の態様中、哺乳動物の結腸直腸がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化7】

【0020】
および(ii) トポテカンの投与を含んでなる方法が提供される。
【0021】
本発明の第8の態様中、哺乳動物の乳房がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化8】

【0022】
および(ii) 抗エストロゲン化合物の投与を含んでなる方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
発明の詳細な説明
本明細書で使用する用語「新生物」とは、細胞または組織の異常増殖物を称し、良性物、すなわち非がん性増殖物、および悪性物、すなわちがん性増殖物を含むものと解釈すべきである。用語「新生物性」は新生物またはこれに関係することを意味する。
【0024】
本明細書で使用する用語「有効な量」とは、例えば研究者または医師が模索中の組織、器官系、動物またはヒトの生物学的もしくは医学的応答を誘発する薬物または医薬の量を意味する。さらに、用語「治療上有効な量」とは、その量を受容しなかった対応する対象体に比較して、治療、治癒、予防、または疾病、障害、もしくは副作用の改善の向上、あるいは疾病もしくは障害の進行速度の低下の結果をもたらす量を意味する。この用語は正常な生理学的機能を強化するのに有効な量もその範囲内に含む。
【0025】
当分野で周知のように、腫瘍は転移性であることが多く、その場合、最初の(原発)がん性腫瘍増殖位置から1以上の解剖学的に別の部位に拡散する。本明細書で使用する場合、対象体中の「腫瘍」への言及には原発腫瘍のみでなく、転移性腫瘍増殖も含まれる。同様に、がんまたはがん治療への言及には、原発および転移がん、そして原発がんと同様に転移がん部位の治療も含まれる。
【0026】
「erbB-1」としても知られている「EGFR」、および「erbB-2」は、erbBファミリーのタンパク質チロシンキナーゼ膜貫通成長因子受容体である。タンパク質チロシンキナーゼは細胞増殖および分化の調節に関与する各種タンパク質中の特異的チロシン残基のリン酸化を触媒する(A.F. Wilks, Progress in Growth Factor Research, 1990, 2, 97-111; S.A. Courtneidge, Dev. Supp.l, 1993, 57-64; J.A. Cooper, Semin. Cell Biol., 1994, 5(6), 377-387; R.F. Paulson, Semin. Immunol., 1995, 7(4), 267-277; A.C. Chan, Curr. Opin. Immunol., 1996, 8(3), 394-401)。I型受容体チロシンキナーゼのerbBファミリーとして、ErbB1(表皮成長因子受容体(EGFRもしくはHER1)としても知られている)、erbB2(Her2としても知られている)、erbB3、およびerbB4が含まれる。これらの受容体チロシンキナーゼは上皮、間葉、および神経組織で広範に発現し、そこで細胞増殖、生存、および分化の調節にある役割を持つ(Sibilia and Wagner, Science, 269: 234 (1995); Threadgillら、Science, 269: 230 (1995))。野生型erbB2もしくはEGFRの発現の増大、または構成的に活性化された受容体変異体の発現は、in vitroで細胞をトランスフォームする(Di Fioreら、1987; DiMarco et al, Oncogene, 4: 831 (1989); Hudziakら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 84:7159 (1987); Qianら、Oncogene, 10:211 (1995))。erbB2またはEGFRの発現の増大は、いくつかの乳房がんおよび多様なその他の悪性物でのより不良な臨床結果と相関性があった(Slamonら、Science, 235: 177 (1987); Slamonら、Science, 244:707 (1989); Bacusら、Am. J. Clin. Path, 102:S13 (1994))。
【0027】
本発明の目的のためのこれらの溶媒は溶質の生物学的活性を妨害することはない。好適な溶媒の例として、限定するわけではないが、水、メタノール、エタノールおよび酢酸が含まれる。好ましくは、使用する溶媒は製薬上許容される溶媒である。製薬上許容される好適な溶媒の例として限定するわけではないが、水、エタノールおよび酢酸が含まれる。最も好ましくは、使用する溶媒は水である。
【0028】
上記のように、本発明は、その他の抗新生物性化合物と併用してN-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミン(GW572016)ならびにその塩および/または溶媒和物を投与することを含む、がん治療方法を目的としている。
【0029】
本明細書で開示するがん治療方法には式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の投与が含まれる:
【化9】

【0030】
別の実施形態中、化合物は、式(I)の化合物の二トシル酸塩である、式(I')の化合物またはその無水物もしくは水和物形態である。式(I)の化合物の一水和二トシル酸塩は化学名がN-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミン(GW572016)二トシル酸であり、ラパチニブ(lapatinib)としても知られている。
【化10】

【0031】
(I')
1実施形態中、化合物は式(I')の化合物の無水二トシル酸塩である。別の実施形態中、化合物は式(I")の化合物であり、これは式(I')の化合物の一水和二トシル酸塩である。
【化11】

【0032】
式(I)の化合物の遊離塩基、HCl塩、および二トシル酸塩は、上に言及した国際特許出願番号PCT/EP99/00048(1999年1月8日出願、WO 99/35146として1999年7月15日公開)および国際特許出願番号PCT/US01/20706(2001年6月28日出願、WO 02/02552として2002年1月10日公開)の操作法にしたがい、また下記の適切な実施例にしたがって、調製することができる。式(I)の化合物の二トシル酸塩を調製するためのこれらの操作法の1つを手順1にしたがって提供する。
【0033】
手順1
【化12】

【0034】
手順1中、式(III)の化合物の二トシル酸塩の調製は、4段階によって進行させる: 段階1: 指定した二環式化合物とアミンの反応による指定したヨードキナゾリン誘導体の生成; 段階2: 対応するアルデヒド塩の調製; 段階3: キナゾリン二トシル酸塩の調製; および段階4:一水和二トシル酸塩の調製。
【0035】
典型的には、本発明の塩は製薬上許容される塩である。用語「製薬上許容される塩」の中に包含される塩とは、本発明の化合物の非毒性塩である。本発明の化合物の塩として、本発明の化合物の置換基上の窒素から誘導される酸付加塩が含まれる。代表的な塩として以下のものの塩が含まれる:酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、炭酸水素、硫酸水素、酒石酸水素、ホウ酸、臭化物、カルシウムエデト酸、カムシル酸、炭酸、塩化物、クラブラン酸、クエン酸、二塩酸、エデト酸、エジシル酸、エストール酸、エシル酸、フマル酸、グルセプト酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコリルアルサニル酸、ヘキシルレソルシン酸、ヒドラバミン、臭酸、塩酸、ヒドロキシナフトエ酸、ヨウ化物、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、マレイン酸、マンデル酸、メシル酸、メチル臭化物、メチル硝酸、メチル硫酸、マレイン酸一カリウム、粘液酸、ナプシル酸、硝酸、N-メチルグルカミン、シュウ酸、パモ酸(エンボン酸)、パルミチン酸、パントテン酸、リン酸/二リン酸、ポリガラクチュロン酸、カリウム、サリチル酸、ナトリウム、ステアリン酸、次酢酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、テオクル酸、トシル酸、トリエトヨウ化物、トリメチルアンモニウムおよび吉草酸。製薬上許容されないその他の塩も、本発明の化合物の調製において有用であることがあり、それらは本発明の別の態様を形成する。
【0036】
1実施形態中、がん治療方法は、トラスツズマブとともに式(I")の化合物を投与する、乳房がんの治療方法である。
【0037】
トラスツズマブはHER2(erbB2)の細胞外ドメインに選択的に結合する組換えDNA由来のヒト化モノクローナル抗体であり、HERCEPTIN(登録商標)としてI.V. 注入用の凍結乾燥粉剤で市販されている。トラスツズマブは、以前に1または2種の化学療法剤投薬を受けたことがある、erbB2を過剰発現する転移性乳房がん患者の治療のために、単剤として指定されている。
【0038】
1実施形態中、がん治療方法は、少なくとも1種の抗エストロゲン化合物とともに式(I")の化合物を投与する、乳房がんの治療方法である。抗エストロゲン化合物とは、エストロゲン受容体の拮抗体またはエストロゲン合成のインヒビターである。代表的なエストロゲン受容体の拮抗体として限定するわけではないが、フルベストラント、タモキシフェンおよびその代謝物、4-OH-タモキシフェン、ならびにトレミフェンが含まれる。代表的なエストロゲン合成のインヒビターとして、アロマターゼインヒビターである、レトロゾール、アナストロゾール、およびエキセメスタンが含まれる。
【0039】
フルベストラント、7-アルファ-[9-(4,4,5,5-ペンタフルオロスルホニル)ノニル]エストラ-1,3,5-(10)-トリエン-3,17-ベータ-ジオール、はFASLODEX(登録商標)として注射液で市販されている。フルベストラントは、閉経後の女性のホルモン陽性転移性乳房がんの治療のために、抗エストロゲン療法後に指定されている。フルベストラントはエストロゲン受容体に競合的様相で結合するエストロゲン受容体の拮抗体であって、ヒト乳房がん細胞中のERタンパク質をダウンレギュレートする。
【0040】
タモキシフェン、(Z)2-[4-(1,2-ジフェニル-1-ブテニル)フェノキシ]-N,N-ジメチルエタンアミン 2ヒドロキシ-1,2,3-プロパントリカルボン酸塩(1:1)、はNOLVADEX(登録商標)として10または20 mg錠剤で市販されている。タモキシフェンは男性および女性の転移性乳房がんの治療のため、また乳房がんの補助治療として指定されている。タモキシフェンはエストロゲン受容体に競合的様相で結合するエストロゲン受容体の拮抗体である。
【0041】
トレミフェン、2-{p[(Z)-4クロロ-1,2-ジフェニル-1-ブテニル]フェノキシ}-N,N-ジメチルエチルアミン クエン酸塩(1:1)、はFARESTON(登録商標)として60 mg錠剤で市販されている。トレミフェンは、閉経後の女性の転移性乳房がん中、エストロゲン受容体陽性または未知の腫瘍の治療用に指定されている。トレミフェンはエストロゲン受容体に結合する選択的エストロゲン受容体モジュレーターであり、治療期間、人種、性別、標的器官、または選択する終点に応じて、エストロゲン性または抗エストロゲン性活性を発揮することができる。
【0042】
別の1実施形態中、がん治療方法は、レトロゾールとともに式(I")の化合物を投与する、乳房がんの治療方法である。
【0043】
レトロゾールは4-4'-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチレン)ジベンゾニトリルであり、FEMARA(登録商標)として2.5 mg錠剤で市販されている。レトロゾールは経口投与される非ステロイドアロマターゼインヒビターである。特定すると、アンドロゲンからエストロゲンへの転換を阻害する点で、エストロゲン合成のインヒビターの1つである。レトロゾールは、抗エストロゲン療法後、疾病が悪化した閉経後の女性の進行性乳房がんの治療用に、指定されている。
【0044】
アナストロゾールは1,3-ベンゼンジアセトニトリルα,α,α',α'-テトラメチル-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)は、ARIMIDEX(登録商標)として1 mg錠剤で市販されている。アナストロゾールは、経口投与される非ステロイドアロマターゼインヒビターである。特定すると、アンドロゲンからエストロゲンへの転換を阻害する点で、エストロゲン合成のインヒビターの1つである。アナストロゾールは、閉経後の女性の早期乳房がんの補助治療用に、指定されている。
【0045】
エキセメスタンは6-メチルエナンドロスタ-1,4-ジエン-3,17-ジオンであり、AROMASIN(登録商標)として25 mg錠剤で市販されている。エキセメスタンは、経口投与されるステロイドアロマターゼインヒビターである。特定すると、アンドロゲンからエストロゲンへの転換を阻害する点で、エストロゲン合成のインヒビターの1つである。エキセメスタンは、タモキシフェン療法後、疾病が悪化した閉経後の女性の進行性乳房がんの治療用に、指定されている。
【0046】
1実施形態中、がん治療方法は、カペシタビンとともに式(I")の化合物を投与する、乳房がんの治療方法である。
【0047】
カペシタビン、5'-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-シチジン、はXELODA(登録商標)として150または500 mg錠剤で市販されている。カペシタビンは経口投与される5'-デオキシ-5-フルオロウリジン(5'-DFUR)のプロドラッグであり、これはin vivoで5-フルオロウラシルに転換される。カペシタビンはパクリタキセルおよびアントラシクリンを含有する治療方式の両方に耐性の転移性乳房がんの治療用に指定されている。
【0048】
1実施形態中、がん治療方法は、トポテカンとともに式(I")の化合物を投与する、乳房がんの治療方法である。
【0049】
トポテカンHCl、(S)-10-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-エチル-4,9-ジヒドロキシ-1H-ピラノ[3',4',6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-3,14-(4H,12H)-ジオン一塩酸、はHYCAMTIN(登録商標)として注射液で市販されている。トポテカンはカンプトテシンの誘導体であり、これはトポイソメラーゼI - DNA複合体に結合して、DNA分子のねじれひずみに応答したトポイソメラーゼIによる一本鎖切断物の再連結を抑制する。トポテカンは卵巣および小細胞肺がんの転移性がんの二次治療用に指定されている。トポテカンHClの用量規定副作用は骨髄抑制および原発好中球減少症である。
【0050】
1実施形態中、がん治療方法は、ドセタキセルとともに式(I")の化合物を投与する、肺がんの治療方法である。1実施形態中、肺がんは非小細胞肺がんである。
【0051】
ドセタキセル、(2R,3S)-N-カルボキシ-3-フェニルイソセリン,N-tert-ブチルエステル,5β-20-エポキシ-1,2α,4,7β,10β,13α-ヘキサヒドロキシタクス-11-エン-9-オン4-酢酸2-安息香酸塩、三水和物との13-エステル、は、TAXOTERE(登録商標)として注射液で市販されている。ドセタキセルは乳房がんの治療用に指定されている。ドセタキセルは、セイヨウイチイ(European Yew)の針葉から抽出した、天然の前駆体、10-デアセチル-バッカチンIIIを使用して調製した、パクリタキセルq.v.の半合成誘導体である。ドセタキセルの用量規定毒性は好中球減少症である。
【0052】
1実施形態中、がん治療方法は、トポテカンとともに式(I")の化合物を投与する、肺がんの治療方法である。1実施形態中、肺がんは非小細胞肺がんである。
【0053】
トポテカンは上記の通りである。
【0054】
1実施形態中、がん治療方法は、トポテカンとともに式(I")の化合物を投与する、結腸直腸がんの治療方法である。
【0055】
トポテカンは上記の通りである。
【0056】
1実施形態中、がん治療方法は、少なくとも1種のbcl-2インヒビターとともに式(I")の化合物を投与する、乳房がんの治療方法である。
【0057】
アポトーシスまたはプログラムされた細胞死は、体内の過剰な、望ましくない、または損傷した細胞が排除される1機序である。大部分の悪性物は異常なアポトーシス性経路に苛まれるものであり、その場合アポトーシスはブロックまたは阻害されて、細胞生存が強化され、治療への抵抗性ももたらされ得る。Bcl-2はアポトーシス調節因子のファミリーの1つである。Bcl-2はアポトーシス経路の抑制因子であり、がん細胞中で過剰発現されると、がん発生および増殖の促進にある役割を持つらしい。このため、bcl-2インヒビターはがん治療に効果的だと考えられる(Saraら、Current Med Chem, 11:1031-1040, 2004; Lie et al, CurrMed Chem - AntiCancerAgents, 3:217-223, 2003.)。既知のbcl-2インヒビターの1つがHA14-1であり、これはエチル[2-アミノ-6-ブロモ-4-(1-シアノ-2-エトキシ-2オキソエチル)]-4H-クロメン-3-カルボキシレートであり、Calbiochem of San Diego, Californiaから入手可能である。
【0058】
こうして、本発明にしたがう併用療法には、式(I")の化合物と、その他の抗新生物薬の少なくとも1種の投与が含まれる。こうした薬剤の組み合わせは一緒にまたは別々に投与することができ、別々に投与する場合は、同時に、または連続的に任意の順番で時間的に近接および離してのどちらでも実施することができる。式(I")の化合物およびその他の医薬として活性な薬剤(群)の量ならびに相対的な投与のタイミングは、所望の併用治療効果を達成するように、選択されることとなる。
【0059】
本発明では、式(I")の化合物および少なくとも1種の抗新生物性薬剤を含む配合医薬も想定している。こうした式(I")の化合物および少なくとも1種の抗新生物性薬剤は上に記載したが、本発明のがんの治療方法で上記のあらゆる組み合わせを利用することができる。
【0060】
本発明のがん治療方法での使用のために、式(I")の化合物ならびにその塩もしくは溶媒和物の治療上有効な量を原化学物質として投与することは可能であるが、活性成分を医薬組成物として提供することも可能である。したがって、本発明ではさらに、本発明のがん治療方法で投与することができる、医薬組成物が提供される。その医薬組成物は治療上有効な量の式(I")の化合物およびその塩もしくは溶媒和物と、1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む。担体(群)、希釈剤(群)または賦形剤(群)は、製剤のその他の成分と適合性があるという意味で許容されるものでなければならず、またその受益対象に有害であってはならない。
【0061】
医薬製剤は、単位用量について既定量の活性成分を含有する単位剤形で提供される。こうした1単位には、治療する病状、投与経路、ならびに患者の年齢、体重および状態に応じて、式(I)の化合物を例えば0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、より好ましくは5mg〜100mg含有させるか、あるいは医薬製剤を、単位用量について既定量の活性成分を含有する単位剤形で提供することができる。好ましい単位剤形は活性成分を本明細書中、上に記載した1日の用量または未満用量、あるいはその適切な分割量、含有する。さらに、こうした医薬製剤は製薬分野で周知の方法のいずれによっても調製することができる。
【0062】
式(I")の化合物は、どんな適切な経路によっても投与することができる。好適な経路として、経口、経直腸、経鼻、局所(バッカルおよび舌下を含む)、経膣および腸管外(皮下、筋内、静脈、皮内、髄腔内、および硬膜外を含む)が含まれる。好ましい経路は、例えば配合物の受益対象の症状によって変更することができるものと理解されるべきである。
【0063】
経口投与に適応させた医薬製剤は以下のような個別単位で提供することができる:カプセルもしくは錠剤; 粉剤もしくは顆粒; 溶液または水性もしくは非水性液体中の懸濁液; 可食性フォームもしくはホイップ; あるいは水中油液状エマルジョンもしくは油中水液状エマルジョン。
【0064】
例えば、錠剤もしくはカプセルの形態の経口投与用には、活性薬物成分を経口用の非毒性で、製薬上許容される、エタノール、グリセロール、水などの不活性担体と配合することができる。粉剤は、化合物を好適な細粒度に粉砕し、同様に粉砕した可食性炭水化物、例えばでんぷんもしくはマンニトール、などの医薬担体と混合することによって、調製する。香味剤、保存剤、分散剤および着色剤も存在させてもよい。
【0065】
カプセルは、上記の粉末混合物を調製し、成形したゼラチンシートに充填することによって、調製することができる。充填操作の前に、粉末混合物に、コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体ポリエチレングリコールなどの流動促進剤および潤滑剤を添加することができる。寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤を添加して、カプセルが摂取されたときに医薬の利用性を向上させることもできる。
【0066】
その上、所望または必要な場合は、混合物に好適な結合剤、潤滑剤、崩壊剤および着色剤を組み込むこともできる。好適な結合剤として以下が含まれる:でんぷん、ゼラチン、グルコースもしくはベータラクトースなどの天然糖、コーン甘味料、アカシア、トラガカントもしくはアルギン酸ナトリウムなどの天然もしくは合成ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなど。これらの剤形で使用する潤滑剤として以下が含まれる:オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなど。崩壊剤として限定するわけではないが、でんぷん、メチルセルロース、アガー、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれる。錠剤は、例えば粉末混合物を調製し、顆粒化またはスラグ(slug)化し、潤滑剤および崩壊剤を添加し、加圧して錠剤にすることによって、製剤化することができる。粉末混合物は、好適に粉砕した化合物と希釈剤もしくは上記の基剤、および場合によって以下のものと混合することによって、調製することができる:カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解遅延剤、第四級塩などの吸収促進剤および/またはベントナイト、カオリンもしくはリン酸二カルシウムなどの吸着剤。粉末混合物は、シロップ、でんぷんペースト、アラビアゴム粘液またはセルロース性もしくはポリマー物質の溶液などの結合剤とともに湿潤化し、スクリーンを強制通過させることによって、顆粒化することができる。顆粒化の別法として、粉末混合物を錠剤機にかけて、その結果不完全に形成されたスラグを破砕して顆粒にすることができる。顆粒はステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱物油の添加によって、潤滑化して、錠剤成形ダイに貼りつくのを防止することができる。次に潤滑化した混合物を圧縮して錠剤にすることができる。本発明の化合物を自由流動性の不活性担体と配合して、顆粒化またはスラグ化の段階を経由しないで、直接錠剤に圧縮することもできる。シェラックのシールコート、糖もしくはポリマー材料のコートおよびワックスの光沢コートからなる、透明もしくは不透明保護コーティングを施すこともできる。別種の単位剤形を識別するために、これらのコーティング剤に染料を添加することができる。
【0067】
溶液、シロップおよびエリキシルなどの経口液剤を単位剤形として調製して、所定の量が既定量の化合物を含有するようにすることができる。シロップは好適に香味を付けた水性溶液に化合物を溶解させることによって調製することができ、一方エリキシルは非毒性のアルコール性ビヒクルの使用によって調製する。懸濁液は化合物を非毒性ビヒクルに分散させることによって製剤化することができる。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤、ペパーミントオイルなどの香味添加剤、あるいは天然甘味剤またはサッカリンもしくはその他の人工甘味剤などを添加することもできる。
【0068】
必要に応じて、経口投与用の単位剤形製剤をマイクロカプセルに封入することができる。この製剤は、例えばコーティングまたは粒子状物質のポリマー、ワックスなどへの埋め込みによって、放出を延期または持続させるように調製することができる。
【0069】
本発明に従って使用する薬剤を、小型単層小胞、大型単層小胞および多層小胞などのリポソーム送達方式の形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロールなどの多様なリン脂質、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから形成することができる。
【0070】
本発明に従って使用する薬剤を、その化合物分子を連結させる個別的な担体としてモノクローナル抗体を使用することによって、送達することもできる。化合物を、標的化が可能な薬物担体として、可溶性ポリマーに連結することもできる。こうしたポリマーとして以下が含まれる:ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシン。さらに、化合物を、薬物の制御放出を達成させるのに有用な、例えば以下のような生分解性ポリマーの1クラスに連結させることができる:ポリ乳酸、ポルエプシロン(polepsilon)カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレートおよびヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロックコポリマー。
【0071】
経皮投与に適応させた医薬製剤を、受益対象の表皮と長期間の密着を持続させることを目的として、個別パッチとして存在させることができる。例えば、活性成分を、Pharmaceutical Research, 3(6), 318(1986)に一般的に記載されている、イオントフォレシス(iontophoresis)によって、パッチから送達することができる。
【0072】
局所投与用に適応させた医薬製剤を、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ジェル、スプレー、エアロゾルまたはオイルとして製剤化することができる。
【0073】
眼、または例えば口および皮膚などのその他の外部組織の治療用には、製剤は好ましくは局所軟膏またはクリームとして施用する。軟膏に製剤化する場合、活性成分をパラフィンまたは水混和性軟膏基剤のいずれかとともに使用する。あるいは、活性成分を水中油クリーム基剤または油中水基剤とともにクリームに製剤化することができる。
【0074】
眼への局所投与に適応させた医薬製剤として、活性成分を好適な担体、特に水性溶媒に溶解または懸濁させた点眼剤が含まれる。
【0075】
口内への局所投与に適応させた医薬製剤として、キャンディ、トローチおよびうがい薬が含まれる。
【0076】
直腸投与に適応させた医薬製剤は、坐剤または浣腸剤として提供することができる。
【0077】
鼻への投与に適応させた、担体が固体である場合の医薬製剤として、例えば粒子サイズが20〜500ミクロンの範囲の粗粉剤が含まれ、吸い込みが実施される様相で、すなわち鼻に密着させた粉剤容器から鼻腔を経由する急速吸入によって、これを投与する。担体が液体である場合の鼻スプレーまたは点鼻剤としての投与のために好適な製剤として、活性成分の水性または油性溶液が含まれる。
【0078】
吸入による投与に適応させた医薬製剤として、微粒子ダストまたはミストが含まれ、これを各種の型の定量加圧エアロゾル、ネブライザーまたは吹き込み器によって製造することができる。
【0079】
膣投与に適応させた医薬製剤として、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、フォームまたはスプレー製剤が含まれる。
【0080】
腸管外投与に適応させた医薬製剤として、抗酸化剤、バッファー、静菌剤、および製剤を想定する受益対象の血液と等張性にする溶質を含有する水性および非水性滅菌注射溶液、ならびに懸濁剤および濃化剤を含む水性および非水性滅菌懸濁液が含まれる。製剤は単位投与または数次投与容器、例えば密封アンプルおよびバイアルとして提供することができ、フリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存して、使用直前に滅菌液体担体、例えば注射用の水の添加のみでよいようにすることができる。即席注射溶液および懸濁液を滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
【0081】
上に特に記載した成分の外に、該当する製剤のタイプに関連する分野で常套的なその他の薬剤を製剤に含ませる、例えば経口投与に好適な製剤に香味剤を含ませることができるものと理解すべきである。
【0082】
記載したように、特定の式(I)の化合物の治療上有効な量を、哺乳動物に投与する。典型的には、本発明の投与薬剤の治療上有効な量は、例えば以下を含む多数の要因によって決められる:哺乳動物の年齢および体重、治療を要する的確な症状、症状の重篤度、製剤の性質、ならびに投与の経路。究極的には担当する医師または獣医の裁量によるものとなる。
【0083】
典型的には、式(I)の化合物を、1日に受益対象(哺乳動物)の体重について0.1〜100 mg/kgの範囲、さらに通常は1日に体重について1〜10 mg/kgの範囲を与えることとなる。
【0084】
以下の実施例は説明のみを想定するものであって、どんな意味でも本発明の範囲を限定する意図はない。
【0085】
(実施例)
本明細書で使用する場合、これらの方法、手順および実施例で使用する記号および常法は、最新の科学文献、例えば以下で使用されているものと一致させている:Journal of the American Chemical SocietyまたはJournal of Biological Chemistry。標準的1文字または3文字短縮語は一般的にアミノ酸残基を示すために使用し、これは別に明記する以外はL-配置を想定している。別に明記する以外は、すべての出発物質を市販業者から取得し、それ以上の精製をしないで使用した。特に、以下の短縮語を実施例および明細書全体で使用する場合がある:
【表1】

【0086】
別に指示する以外は、全温度を℃(摂氏度)で表現する。別に明記する以外は、全反応を不活性雰囲気中、室温で実施する。
【0087】
GW572016Fはラパタニブで、その化学名はN-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミン二トシル酸一水和物である。
【実施例1】
【0088】
GW572016Fの調製
段階 1
【化13】

【0089】
トルエン(5 vol)中の3H-6-ヨードキナゾリン-4-オン(化合物A)の撹拌懸濁液を、20〜25℃で、トリ-n-ブチルアミン(1.2 eq.)で処理し、その後90℃まで加熱した。オキシ塩化リン(1.1 eq)を添加し、次に反応混合物を還流加熱した。反応混合物を50℃に冷却し、トルエン(5 vol)を添加した。化合物C(1.03 eq.)を固体として添加し、そのスラリーを90℃に再加温し、1時間撹拌した。スラリーを第2容器に移し、第1容器をトルエン(2 vol)で洗い流し、反応混合物に加えた。反応混合物を70℃に冷却し、スラリーを撹拌しながら、内容物を68〜72℃に維持して、1.0 M水性水酸化ナトリウム溶液(16 vol)を1時間かけて滴下した。混合物を65〜70℃で1時間撹拌し、その後1時間かけて20℃まで冷却した。懸濁液を20℃で2時間撹拌し、生成物をろ過によって回収し、水(3 x 5 vol)およびエタノール(IMS, 2 x 5 vol)で順次洗浄し、その後50〜60℃で真空乾燥した。
【0090】
容量(vol)は使用した化合物Aの量に対するものである。
【0091】
観測された収率パーセント: 白色または黄色結晶として90〜95%。
【0092】
段階 2
【化14】

【0093】
N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-ヨード-4-キナゾリンアミン-化合物D(1 wt)、ホウ酸-化合物E(0.37 wt, 1.35 equiv)、および活性炭上の10%パラジウム(0.028 wt ,50%水 wet)の混合物をIMS(15vol)中でスラリー化した。生成した懸濁液を5分間撹拌し、ジイソプロピルエチルアミン(0.39 vol, 1.15 equiv)で処理し、その後反応が完了する(HPLC分析によって判定)まで約3時間、約70℃で加熱した。混合物をテトラヒドロフラン(THF, 15 vol)で希釈し、その後熱ろ過して、触媒を除去した。容器をIMS(2 vol)で洗い流した。
【0094】
65℃に維持したろ過溶液に、水(1.5 vol)中のp-トルエンスルホン酸一水和物(1.5 wt, 4 equiv)の溶液を5〜10分かけて添加した。結晶化後、懸濁液を60〜65℃で1時間撹拌し、1時間で約25℃まで冷却し、この温度でさらに2時間撹拌した。ろ過によって固体を回収し、IMS(3 vol)で洗浄し、その後約50℃で真空乾燥して、化合物Fを黄色-橙色結晶状固体(約5%w/w EtOHを含有するエタノール溶媒和物として単離)として取得した。
【0095】
段階 3
【化15】

【0096】
化合物F#(1 wt)および2-(メチルスルホニル)エチルアミン塩酸(0.4 wt, 1.62 equiv.)をTHF(10 vol)中に懸濁させた。酢酸(0.354 vol., 4 equiv.)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA, 1.08 vol., 4.01 equiv.)を順次添加した。生成した溶液を30〜35℃で約1時間撹拌し、その後約22℃まで冷却した。次に、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(0.66 wt, 2.01 equiv.)を、約15分間の連続添加として添加した(この時点でいくらか泡立ちが見られる)。生成した混合物を約22℃で約2時間撹拌し、その後HPLC分析用にサンプルを採った。水性水酸化ナトリウム(25% w/w, 3 vol.)、その後水(2 vol.)の添加によって、反応を停止させ、約30分撹拌した(苛性物の添加時に、いくらかの泡立ちが見られた)。
【0097】
次に水性相を分離し、THF(2 vol)で抽出し、その後まとめたTHF抽出物を25% w/v水性塩化アンモニウム溶液(2 x 5 vol)2で2回洗浄した。水(1 vol)1中のp-トルエンスルホン酸一水和物(p-TSA, 0.74 wt, 2.5 equiv.)の溶液を調製し、約60℃に加温し、GW572016F(化合物G)(0.002 wt)核種を添加した。
【0098】
p-TSA溶液にGW572016の遊離塩基のTHF溶液を少なくとも30分かけて添加し、その間バッチ温度を60±3℃に維持した。生成した懸濁液を約60℃で1〜2時間撹拌し、1時間で20〜25℃まで冷却し、この温度で約1 hr熟成させた。ろ過によって固体を回収し、95:5 THF:水(3 x 2 vol)で洗浄し、約35℃で真空乾燥して、GW572016F-化合物Gを明黄色結晶状固体として取得した。予測収量を理論値の80%として、117% w/w。
【0099】
1 最少反応容積、約1 vol。
【0100】
2 最大反応容積、約17 vol。
【0101】
# アッセイ用に補正。
【0102】
段階 4
【化16】

【0103】
テトラヒドロフラン(THF, 14 vol)および水(6 vol)中のN-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンの二トシル酸一水和塩-化合物G(1 wt)の懸濁液を約55〜60℃に30分間加熱して溶液とし、これをろ過によって清澄化し、反応系をTHF/水(7:3比, 2 vol)で結晶化容器に洗い入れた。生成した溶液を還流加熱し、大気圧でテトラヒドロフラン(9 vol, 95% w/w, 水との共沸混合物)を蒸留除去した。
【0104】
溶液にN-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミン二トシル酸一水和物(0.002 wt)を播種した。結晶化が確立された後、反応温度を55℃より上に維持しながら、水(6 vol)を添加した。混合物を約2時間かけて5〜15℃まで冷却した。固体をろ過によって回収し、テトラヒドロフラン/水(3:7比, 2 vol)で、その後テトラヒドロフラン/水(19:1比, 2 vol)で洗浄し、45℃で真空乾燥して、N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル] アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミン二トシル酸一水和物 (化合物G) を明黄色結晶状固体として取得した。
【実施例2】
【0105】
ラパチニブとドセタキセルもしくはトポテカンの投薬
細胞系をAmerican Type Culture Collectionから取得した。細胞を組織培養フラスコ中、10%ウシ胎仔血清(FBS, HyClone # SH30071.03)を含むRPMI 1640(Invitrogen # 22400-089)中に維持し、IC50決定のためのプレーティングまで、5% CO2雰囲気中、37℃でインキュベートした。IC50決定のために、細胞を96ウェル組織培養皿で適切な培地中、1ウェルについて5,000細胞でプレーティングし、インキュベーターにもどして一晩置いた。最初の播種後、約24時間目に、細胞をGW 572016の二トシル酸塩型であるGW 572016F単独、トポテカンもしくはドセタキセル単独、またはGW 572016Fとトポテカンもしくはドセタキセルの配合物に曝露した。5% FBS、50マイクログラム/mlゲンタマイシンおよび0.3% DMSOを含有する50% RPMIおよび50%低グルコースDMEM培地中の細胞に、添加した。すべての添加を同時に実施し、各薬物のGW 572016Fに対する用量比率は各細胞系での各薬物の相対的効力をほぼ反映するように調整した。大部分の場合、薬物を1つの固定した比率で添加した。いくつかの事例では、マトリックスフォーマットでの添加によって作製したCI値もデータに含ませた。マトリックス添加からのCI値は、両方の添加フォーマットでの添加比率が1:1の場合に含ませた。以下の添加フォーマットを参照されたい。
【0106】
化合物曝露の3日後、増殖培地を吸引によって除去した。細胞バイオマスを、0.1 ml/ウェルのメチレンブルー(Sigma #M9140, in 50:50,エタノール:水中、0.5%)で染色後、室温で少なくとも30分のインキュベーションによって、評価した。染色液を吸引し、脱イオン化水への浸漬によってプレートを洗浄後、風乾した。可溶化溶液 (1.0% N-ラウリルサルコシン、ナトリウム塩, Sigma #L5121 in PBS) 0.1 mlの添加によって、細胞から染色物を放出させた。プレートを室温で40分インキュベートした。Tecan Spectraマイクロプレートリーダー中、620 nMで吸収を読み取った。細胞増殖のパーセント阻害を未処理の対照ウェルに対して算出した。LevenbergおよびMarquardt(Mager, 1972)の方法ならびに等式: y = Vmax * [1 - (xn/(Kn + xn))]、式中"K"はIC50に等しい、を使用して、IC50値を内挿した。
【0107】

個々の薬物それぞれおよび併用について、IC50値を作製した。IC50値を、ChouおよびTalalayによる以下の併用指数(CI)式に代入した:
Da,comb/Da +Db,comb/Db、式中、DaおよびDbは各薬物単独のIC50である。Da,combは効果が50%阻害となる併用物中の薬物aの量である。Db,combは効果が50%阻害となる併用物中の薬物bの量である。薬物を互いに1:1の比率で投与する場合は、Da,comb = Db,combである。1より大きい数値は拮抗作用を示唆する。1より小さい数値は相乗作用を示唆する。拮抗作用または相乗作用の程度は1.0からの数値の差が反映されるものと推定される。すなわち、0.5の方が0.8よりも相乗性が高く、また2.0の方が1.5よりも拮抗性が高い。数値1.0は相加性であると予測されることに留意することは重要である。ある併用について、各薬物単独よりも大きな阻害性を与えるが、なお拮抗性も考えられることはあり得る。これは、併用効果が数学的モデルで予測されるほど大きくはない場合におきる。併用物を最善の単独薬と比較する、別の解析テンプレートが開発中である。ChouおよびTalalayのモデルでは、各薬物が独立して、または独立した経路で作用して、互いに排他性であることも仮定している。薬物がGW 572016Fと同一の機序で(互いに排他的でなく)作用していると仮定するモデルを使用すると、CI値のいくつかが増加するが、このデータセットの順位を変更はしない。下記の表には、相互排他的および相互非排他的CI測定の両方の併用指数を含ませている。
【表2】

【実施例3】
【0108】
BT474対ラパチニブとドセタキセルの併用
BT474腫瘍があるマウスに、ラパチニブ単独(200および100 mg/kg; SID X 21日、またはドセタキセルの1日および2日前)およびドセタキセルとの併用で(25および50 mg/kg IP、週に1回 X 3 週間)投与した。
【0109】
両実験で、ドセタキセル50 mg/kg単独、およびラパチニブとの併用が非常に有効であった。しかし、両実験で、25および50 mg/kgのTaxotereは3週間の投薬後、体重減少をもたらした。第1実験では死亡したものはなかったが、第2実験で、ドセタキセル(25 mg/kg)およびラパチニブ(200 mg/kg X 21日)を投薬された8匹のマウスの群で、1匹死亡した。全生存マウスが投薬の完了後、急速に体重をとりもどした。この治療群および結果は以下の通りである。
【表3】

【実施例4】
【0110】
トラスツズマブと併用したラパチニブの臨床研究
免疫組織化学および/または蛍光in situハイブリダイゼーションのいずれかによって確認された、erbB2タンパク質2+または3+を過剰発現する、進行性または転移性乳房がんの患者(pts)を登録した。トラスツズマブの毎週の標準的投薬(4 mg/kgの負荷用量後、毎週2 mg/kgの注入)と併用して、漸増させた投薬量のラパチニブ(750 - 1500 mg)を、毎日q4週間投与した。3名の患者を各投与量で、用量規定毒性が発生する6回まで、治療した。限定した薬理学サンプルを取得して、最高濃度と治療による毒性間の何らかの相関関係を判定した。用量規定量の一症例として、グレード3の疲労感とグレード3の悪心が1500 mg/dの投薬量で別々に報告された。グレード1〜2の下痢、食欲不振、疲労感および発疹は共通する毒性である。RECIST基準での臨床応答の評価を8週目、その後8週間毎に実施した。
【0111】
26名の患者を治療した(750の集団 - 3; 1000の集団 - 10; 1250の集団 - 10; 1500の集団 - 3)。年齢の中央値は54歳(30-81)である。75治療周期(4 週間 = 1治療周期)を完了した。中央値 2。20名の患者が応答について評価可能だった: 4 PR、期間1-4ヶ月; 9 SD、期間1-5ヶ月、および7 PD、1-6ヶ月以内。
【0112】
152治療周期後の応答評価: 5 PR、それぞれ期間1.9、2.6、3.9、5.0+、および6.7+ヶ月、および1 CR、7.7+ヶ月。
【0113】
CR -標的の病変の消失として定義して、完全な応答
PR -標的の病変の少なくとも30 %の減退として定義して、部分的な応答
SD -標的の病変の非増殖またはいくらかの減退として定義して、安定な疾患
【実施例5】
【0114】
レトロゾールとの併用でのラパチニブの臨床研究
併用療法に応答するものと見られる、進行性乳房がん、ERもしくはPR陽性、またはその他の腫瘍(例えば卵巣、子宮内膜)の患者(pts)を登録した。レトロゾールの標準的投薬(2.5 mg/d)と併用して、漸増させた投薬量のラパチニブ(1250 - 1500 mg)を、毎日q4週間投与した。3名の患者を各投与量で、用量規定毒性(DLT)が発生する6回まで、治療した。
【0115】
17名の患者(17 F、中央値50歳、32-74歳の範囲; Karnofsky中央値 PS 90%)を2種の投薬量で登録した((1250 mgの集団 -4 pts, 1500 mgの集団 - 13 pts)。33治療周期(4 週間 = 1治療周期)を完了した。中央値2。DLTの一例(グレード3の下痢)が1500 mg/dの投薬量で報告された。最適寛容処方様式をレトロゾール 2.5 mg + ラパチニブ 1500 mg/dと判定した。グレード1〜2の下痢、悪心、発疹および疲労感が、共通する非血液学的毒性であった。16名の評価可能な患者の内、3名が 2ヶ月のSD(乳房-1名、膀胱-1名、子宮内膜-1名、および子宮頚部-1名)、そして4名の患者が2-4ヶ月未満のPDを体験した。
【実施例6】
【0116】
カペシタビンとの併用でのラパチニブの臨床研究
進行性固形腫瘍の45名の患者(pts)で、ラパチニブとカペシタビンの併用の、2つの面についてフェーズI研究を実施した: (A) 用量漸増フェーズ(24名)および(B) 最適に寛容される処方様式(OTR)での薬理学的フェーズ(21名): M/F (23:22)、年齢中央値57歳(34-78)、ECOG(0/1/2:29/13/3)、重度:軽度事前治療(23:22)、腫瘍型(H&N(8); 乳房(8), 結腸直腸(7), 肺(6), その他(16))およびサイクル中央値3(1-9)。患者を3週間毎に14日のカペシタビン(C)(1500-2500 mg/m2)および毎日のラパチニブ(L)(1250-1500 mg)で治療した。
【0117】
用量規定毒性(DLT)は以下である:グレード3 粘膜炎、疲労感および食欲不振- 1250 L/2000 C(n=1);グレード3 発疹(n=1)、グレード3 下痢 (n=1)- 1500 L/2000 C およびグレード2 出血性口内炎(n=1)、グレード3 下痢(n=1)- 1250 L/2500 C。その他の毒性として以下が含まれる: 口内炎(36%)、悪心/嘔吐(30%)、下痢(45%)、間接型高ビリルビン血(14%)、疲労感(19%)、発疹(38%)および手足症候群(29%)。OTRは1250 L/2000 Cである。応答(RECIST基準)として、トラスツジマブおよび化学療法に抵抗性の炎症性乳房がんの女性に1 CRがあった。その腫瘍はerbB2(3+)を過剰発現し、低TSだった。その上、4 PR(1 エルロチニブ耐性H&N; タキセン抵抗性-H&N; 乳房; 胃)および6 SD >12 週間が観察された。
【実施例7】
【0118】
ラパチニブとBcl-2インヒビターの併用
MCF-7ヒト乳房がん細胞、HER-2/neuトランスフェクトMCF-7細胞系およびタモキシフェン(TAM)耐性MCF-7細胞系の増殖に対するラパタニブとBcl-2インヒビター(HA14-1)の併用の効果を試験した。MTTテトラゾリウム染色アッセイを使用して、細胞増殖を判定した。細胞に単剤療法としてラパチニブおよびHA14-1を添加した。3細胞系のそれぞれについて、ラパチニブ(1-10 uM)およびHA14-1(1-10 uM)の両方が用量依存性増殖阻害を示した。EGFR/erbB-2インヒビターであるラパチニブとBcl-2インヒビターであるHA14-1の併用による処置の結果、3細胞系すべてについて相乗的増殖阻害となった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の乳房がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化1】

および(ii) トラスツズマブの投与を含んでなる方法。
【請求項2】
哺乳動物の乳房がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化2】

および(ii) レトロゾールの投与を含んでなる方法。
【請求項3】
哺乳動物の乳房がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化3】

および(ii) カペシタビンの投与を含んでなる方法。
【請求項4】
哺乳動物の乳房がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化4】

および(ii) トポテカンの投与を含んでなる方法。
【請求項5】
哺乳動物の肺がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化5】

および(ii) ドセタキセルの投与を含んでなる方法。
【請求項6】
哺乳動物の肺がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化6】

および(ii) トポテカンの投与を含んでなる方法。
【請求項7】
哺乳動物の結腸直腸がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化7】

および(ii) トポテカンの投与を含んでなる方法。
【請求項8】
哺乳動物の乳房がんの治療方法であって、該哺乳動物に治療上有効な量の(i) 式(I")の化合物:
【化8】

および(ii) 抗エストロゲン化合物の投与を含んでなる方法。

【公表番号】特表2008−501708(P2008−501708A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515618(P2007−515618)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/019568
【国際公開番号】WO2005/120512
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(501412463)スミスクライン ビーチャム (コーク) リミテッド (11)
【Fターム(参考)】