説明

ばら荷を選別し、さらに搬送する装置

【課題】錠剤、カプセル、糖衣錠等のような小石状の個別部分からなるばら荷を選別し、さらに搬送するための装置において、性能を高めるとともに、個別部分の形状に起因した詰まりや渋滞を防ぐことができるものを提供する。
【解決手段】ばら荷1を選別し、さらに搬送するための選別・搬送装置にあって、ばら荷1から個別部分を予備選別する役割を果たすべく、搬送方向の下流にホッパーが配置された貯蔵容器4において、貯蔵容器4の底部が、振動レールとして作動する複数の桟棒27からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤、カプセル、糖衣錠等のような、貯蔵容器中に貯えられたばら荷、特には小石状の個別部分からなるばら荷を選別し、さらに搬送するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような装置において、搬送方向から見て貯蔵容器の後にホッパーが配置され、該ホッパーのホッパー口が貯まり通路に対して口を開いており、この貯まり通路は、ホッパー口のところで、ホッパー側にある壁が、第1の回転駆動可能なディスクからなる。
【0003】
このような装置は、実務上公知であり、貯蔵容器中に貯えられたばら荷を個別かつ入念に包装するのに用いられる。すなわち、例えば錠剤の形で存在する薬剤を貯蔵容器から取り出し、ブリスターパッケージング(blister packaging)のレーンにおけるボウル部に移すのに用いられる。重要なのは、装置の性能、すなわち、ブリスターパッケージングのレーンにおけるボウル部中へと、貯蔵容器から取り出されて移されることのできる、毎分当たりのばら荷個別部分の数である。また、個別部分の形によって能力低下を来すことなく、スムーズで確実な作動を行うことである。
【0004】
しかしながら、従来公知の装置であると、実質上両面凸状である小石状の複数の個別部分を処理する上で問題がある。複数の個別部分が、該公知の装置の搬送経路において、部分的に重なり合い、積み重なり、これにより生じる楔(くさび)作用によって個別部分が詰まってしまい、生産が妨げられることがあるからである。このような詰まりは、コストを掛けて取り除く必要がある。または、このような詰まりを避けるために、前記公知の装置の作動速度を低くすることが求められた。
【特許文献1】ドイツ特許出願公開DE2350755A
【特許文献2】英国特許出願公開GB373026A
【特許文献3】英国特許出願公開GB1120173A
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の根底をなす課題は、冒頭に述べたような装置について、性能が高められ、個別部分の形状によってひき起こされる停滞に陥りやすいということを軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、前記課題は、冒頭に述べたような装置において、次により解決される。第1のディスクの周面上に、窪みが全周にわたって均等に分布するように配設される。また、貯まり通路の側壁の一方が、少なくとも長さ領域の一部において、第1のディスクの周面によって形成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明により得られる利点は、ホッパーから貯まり通路中へと個別部分が整然と引き渡され、貯まり通路内においても、第1のディスクの周囲に配設された窪みにより、個別部分が相互間での所定の状態と位置を維持することである。これにより、個別部分は、重なり合ったり詰まったりすることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の枠内では次のようであるなら好ましい。貯まり通路の側壁のうち第1のディスクによって形成される部分が、直接ホッパー口に接続される。この実施態様においては、予防の意味で、既に貯まり通路の始めのところで、個別部分の楔作用による詰まりが防止されている。個別部分相互間の正しい配置は、貯まり通路をさらに通過して初めて調整されるのでなく、場合によっては再度作り出されるというものでもない。
【0009】
本発明の特に好ましい実施態様は、次のことを特徴としている。第1のディスクの周面が、実質上水平な軸の周りを、ホッパー口にて個別部分についての重力によって決まる搬送方向に抗して走行するように回転駆動可能である。この実施態様であると、第1のディスクが重力に抗して作用する。そのため、窪みに配された個別部分が、その搬送方向に抗して持ち上げられる。これにより、一方では、個別部分が持続的にかき混ぜられるので、この点で確実に詰まりが防止されているのであり、他方では、既に詰まりが形成され始めた場合にも、この詰まりに加わった個別部分が上方へと戻されて取り除かれる。そのため、渋滞は早急に解消される。このような、さらなる特徴は、明白な性能向上につながる。
【0010】
窪みを、周方向に延びる波形断面輪郭形状として設けるならば好ましいことが知られた。このような形態であると、第1のディスクの周面に、縁部や尖端部がない。これにより、個別部分について、保護するようにして取り扱うことができる。個別部分のすべり面が用意されており、個別部分は該すべり面に沿って窪み中にすべり込むことができる。
【0011】
また、次のことが想定されている。波形断面輪郭形状の振幅及び波長は、個別部分の形に適したものとすることができる。すると、窪み中に、個別部分が嵌合または係合して受け入れられるからである。これにより、力の伝達が均一になり、装置の信頼性が向上する。たとえ、第1のディスクが、規格化された装置構造様式の部分として設けられ、個別部分の外寸の変更の際に交換を要するとしてもである。
【0012】
また、上記の利点は、第1のディスクの周面に、周方向に延び、個別部分の横断面形状に沿って構成された溝が構成されているならば、さらに高めることができる。この溝によって、特には、個別部分が小石状である場合、横方向の湾曲の程度を考えに入れることができる。
【0013】
本発明の枠内における、さらなる好ましい実施態様によると、ホッパー口のところでホッパー後壁が第2のディスクによって形成され、該第2のディスクが第1のディスクに実質上平行に配されて回転駆動可能に取り付けられていることを特徴とする。この第2のディスクは、第1のディスクが、ホッパー口の前に並んでいるばら荷を持続的にかき混ぜるのを助ける。このかき混ぜは、塊の形成を妨げる。ここで、構造を簡単にする意味においては、第1のディスクと第2のディスクが共軸に配されているなら好ましい。
【0014】
また、第2のディスクは、第1のディスクと同じ回転方向に駆動可能であるなら好ましい。このようであると、第2のディスクによってバラ荷内のかき混ぜのみが強められるのでなく、第1のディスクが、搬送方向に抗して個別部分を持ち上げる際に、サポートを受けるからである。
【0015】
装置の構造を簡単な構成に保つ他の方策は、次のようにして与えられる。第1のディスクと第2のディスクを等しい角速度で駆動可能とする。また、第1のディスクと第2のディスクを共通の駆動軸上に配する。ここで、第1のディスクと第2のディスクが一体に構成されていても良い。
【0016】
装置の省スペース構造に寄与するためには、第2のディスクによって定められる平面に、ホッパー後壁が、第2のディスクを受け入れる受入部を有するプレートを備える。
【0017】
このプレート上にあって貯蔵容器を向く側に、長手方向に可動の桟棒が配設されているならば好ましいことが明らかになった。該桟棒は、振動レールの意味において貯蔵容器中のばら荷のかき混ぜをひき起こし、貯蔵容器からホッパー中へのばら荷の移行を促進するものである。
【0018】
装置そのものの性能は、以下によって明瞭に向上させることができる。まず、該装置の規格化された構造に対する適合性を最大限に用いる。したがって、第1のディスクが、周方向に延びるように分布する複数の窪みを、軸方向に平行な方向に数個配設することのできる厚みを有する。また、隣り合う貯まり通路が張り出しによって分離されている。
【0019】
また、これに代えて、貯蔵容器と、第1のディスク、貯まり通路及びホッパーとによって形成される構成単位が、幾つか、直線的に配設されるのであっても良い。
【0020】
構成単位を直線的に配設する際、一のホッパーのホッパー前壁が、隣接するホッパーのホッパー後壁によって形成されていることによって、コンパクトな構造様式が生じる。ここで、これに代えて、該直線的な構成単位におけるホッパー前壁が固定の壁部によって形成されていても良い。
【0021】
第1のディスクを問題なくホッパー側壁中に統合することができるためには、第1のディスクが割り当てられている1つのホッパー側壁が、第1のディスクのための収納部を有する側壁支持構造体を備えることが想定されている。
【0022】
側壁支持構造体中に少なくとも貯まり通路の始まりが構成されているなら好ましい。特には、該貯まり通路が側壁支持構造体を2つの部分に分けており、これらの部分が、貯まり通路を個別部分の大きさに適合させるために、互いに相対的に移動可能であるなら好ましい。これにより得られる、さらなる利点は、語別部分が、正しい位置・姿勢にて貯まり通路に導かれるときには、詰まりが後で生じるおそれが劇的に低減されているということである。
【0023】
構造上の無駄を僅少に保ち、可動部分の数を小さく保つために、さらに次のことが想定される。側壁支持構造体における受入部を有する部分が固定されており、側壁支持構造体の他の部分は、第1のディスクによって特定された平面内を移動可能に取り付けられている。
【0024】
ホッパー口に、第1のディスクと向き合って回転駆動可能な第3のディスクが配されていても、ホッパー口のところでの個別部分の塊の形成が妨げられる。ここで、第3のディスクの回転方向は、第1のディスクの回転方向に一致するならば好ましい。これにより、ホッパー口の入口のところで、第1のディスクの周面への個別部分の取り込みを助けるからである。
【0025】
この効果を得るためには、第3のディスクの直径が、少なくともその5倍だけ、第1のディスクの直径よりも小さいなら十分である。
【0026】
ホッパー口に、貯まり通路中への気流のための流入開口、特には空気流のための流入開口が構成されているなら、装置の信頼性をさらに向上できることが明らかになった。この気流は、搬送装置中にあって、貯まり通路を通じた個別部分の搬送をサポートする。そのため、貯まり通路中に、均一な個別部分の流れが得られる。これにより、後から続く個別部分が先を進む個別部分に追いついて、貯まり通路中で詰まるということがない。
【0027】
この効果をさらに向上させることが、貯まり通路におけるホッパー口とは逆の端部に、減圧吸引の発生源が接続されることで可能となる。
【0028】
本発明の枠内において、第1のディスクに向き合うホッパー側壁が、垂直に配されるのが好ましい。このような形態であると、ホッパー口が狭くなり、ホッパー口のところで、隣り合って当接可能となる個別部分の数が非常に限られたものとなる。そのため、重なり合って詰まりを生じるにしても、これは、重なり合う個別部分の数は、非常に限られるのでり、通常は2つの個別部分の重なり合いに限られる。このことから、重なり合いによる詰まりやこれによる渋滞を解消するためには、第1のディスクによって一つの個別部分を取り去るだけで充分である。
【0029】
上記に代えて、両方のホッパー側壁が垂直線に対して傾斜して延びるのであっても良い。ここで、両方のホッパー側壁が互いに90度よりも大きな角度を成しているなら好ましい。この実施態様であると、個別部分が、好ましいことに倒れ込んだ姿勢でホッパー口に近づくのであり、重なりによる詰まりの形成に必要な具合に方向付けされていないので、重なり合いによる詰まりの形成が妨げられる。この効果は、ホッパー口のところで第1のディスクに向き合うホッパー側壁が、底部にある第1のディスクから離れる方向に延びることで、さらに高められる。ここで、第1のディスクに向き合うホッパー側壁は、折れ曲がりの方向転換点が、第1のディスクの軸よりも上方にあることが想定されている。これにより、第1のディスクの周面の有効領域が、貯まり通路の短縮により減少しないことを確実にするためである。
【0030】
個別部分の予備選別のために、次のことが想定されている。ホッパー上方にあって貯蔵容器を向いた側に、桟棒及び通過開口が配設される。そして、該桟棒が長手方向に移動可能に取り付けられて貯蔵容器の底部を形成する。
【0031】
本発明の他の好ましい実施態様は、貯まり通路が下方へ延びるにあたり、第1のディスクの周囲に沿って延びることを特徴とする。
【0032】
以下において、図面に描かれた実施例を用いて本発明が詳細に説明される。
【0033】
図1において、例えば錠剤、カプセル、糖衣錠等によって形成されるばら荷1を選別し、さらに搬送するのに役立つ装置が示されている。該装置は、例えばブリスターパッケージング経路の複数のボウル部(不図示)中で、選別されず無秩序に供給されたばら荷1を個別に包装することができるようにするためのリンク部材として機能する。そのため、ばら荷1は、収集容器2と、該容器に接続された供給ホッパー付きの振動シュート3とを介して、装置の貯蔵容器4に供給される。該貯蔵容器4の下流側にはホッパー5が配されている。ホッパー5のホッパー口6が貯まり通路7中へと開いており、ホッパー口6のところで、ホッパー側壁8が第1のディスク9によって形成されている。
【0034】
第1のディスク9の周面上には、全周にわたって均等に分布するように配設された窪み10が備えられ、該周面が、ホッパー側壁8の一部を形成するだけでなく、貯まり通路7の全長にわたって、該貯まり通路の側壁11の1つをも形成する(図2)。
【0035】
貯まり通路7は、側壁11が第1のディスク9によって形成される部分の長さ領域が、図示された実施例において、直接ホッパー口6につながっている。ここで、第1のディスク9は、回転駆動可能に取り付けられている。また、矢印12で示すように、貯まり通路中の個別部分についての重力により定められる搬送方向とは逆の回転方向に回転駆動可能である。
【0036】
第1のディスク9の周面に設けられた窪み10が波形断面輪郭形状として設けられている。該波形断面輪郭形状における振幅と波長とが個別部分13の形に合わせられているので、該個別部分13は、窪み10中に、嵌合または係合して受け入れることができる。ここで、第1のディスク9の周面に、周方向に延び、個別部分13の横断面形状に合わせられた溝14が設けられ、これが、個別部分13と窪み10との良好な嵌合に寄与している。
【0037】
ホッパー後壁が、ホッパー口6のところでは第2のディスク15によって形成されている。第2のディスク15は、図示された実施例において、第1のディスク9に平行に配されており、回転駆動可能に取り付けられている。図面中、図1及び図2、並びに、図9及び図12に描かれた実施例においては、第1のディスク9と第2のディスク15が互いに共軸に配されており、第2のディスク15が第1のディスク9と同じ回転方向に駆動可能である(矢印16)。第1のディスク9及び第2のディスク15の回転により、ホッパー5中にある個別部分13が、常にかき混ぜ状態に保たれ、部分的な流れ(矢印17)が生じる。個別部分13が第1のディスク9と第2のディスク15によって搬送方向に抗して持ち上げられ、重力の作用を受けて再び落ち込むからである。
【0038】
第1のディスク9と第2のディスク15とを等しい角速度で駆動することができる。ここで、第1のディスク9と第2のディスク15が一体に構成されていおり、共通の駆動軸によって駆動されるという図9及び図10に描かれた実施態様が考えられる。
【0039】
また、図1及び図2から知られるように、ホッパー後壁は、第2のディスク15によって定められる平面に、該第2のディスクを開口中に受け入れるためのプレート18を備えている。また、図2に示されるように、貯蔵容器4と、第1のディスク9と、貯まり通路7及びホッパー5によって形成される構成単位が、直線的に、多重に配されている。この結果、規格化された装置構造様式に基づき、具体的な要求に応じることのできる性能が付与される。
【0040】
これに代えて、図7及び図8に示された実施例も可能である。第1のディスク9には、周方向に延びる窪み10を、軸方向に平行にいくつも重ねて配設することを可能にする厚みが備えられる。また、貯まり通路をなすための張り出し19が備えられている。該張り出しの機能は、図9及び図10に示された実施態様においては第2のディスク15によって引き受けられている。
【0041】
省スペースの構造様式が実現されている。構成単位の直線的な配置において、一のホッパー5のホッパー前壁が、その隣のホッパー5のホッパー後壁により、特には第2のディスク15及びプレート18により形成されているからである。しかしながら、構成単位の直線的な配置において、上記に代えて、ホッパー前壁が、一つの固定された壁20により形成されるのであっても良い。
【0042】
一方、図2中に示すように、第1のディスク9が割り当てられている一のホッパー側壁8には、第1のディスク9のための受入部を有する側壁支持構造体21が備えられる。側壁支持構造体21には、貯まり通路7からの引き出し通路が少なくとも一つ形成されている。この引き出し通路は、側壁支持構造体21の外側で、他の装置中に、さらに続くのであっても良い。
【0043】
貯まり通路7が側壁支持構造体21を2つの部分に分けており、これら2つの部分は、貯まり通路7の幅を個別部分の大きさに適したものとするために、相互間の相対移動が可能である。ここで、側壁支持構造体21にあって、前記受入部を形成する部分が固定されており、他の部分が、第1のディスク9によって決められる平面内で移動可能(矢印26)なように取り付けられている。
【0044】
図7〜12に描かれた実施例において、ホッパー口6のところには、第1のディスク9に向き合うように、回転駆動可能な第3のディスク22が配されている。第3のディスク22の回転方向(矢印23)は、第1のディスク9の回転方向に対応している。第1のディスク9の直径は、第3のディスク22の直径よりも少なくとも5倍だけ大きい。本実施例において、ホッパー口6に面した、第3のディスク22の上方の個所には、貯まり通路7中へのガス流、特には空気流のための入り込み開口24が設けられている。ここで、貯まり通路7には、ホッパー口とは逆側の端部に、減圧吸引の発生源が接続されている。そのため、貯まり通路7中における重力作用を受けた個別部分13の搬送が、全体として、ガス流によって促進される。
【0045】
一方、図7〜12の実施例において、第1のディスク9と向き合うホッパー側壁25が垂直に配されている。そのため、ホッパー口6は、狭く形成されており、個別部分が多数同時に入るスペースを有しない。
【0046】
これに対して、図1及び図2に示す実施例においては、両方のホッパー側壁8、25が垂直線に対して、傾斜して延び、相互間に90度より大きな角度をなす。また、ホッパー口6にあって第1のディスク9に対向するホッパー側壁25は、第1のディスク9から離れて延びるにあたり、貯蔵容器4を向いた弓状をなす。ここで、第1のディスク9に対向するホッパー側壁25がなす折れ曲がりの方向転換点は、第1のディスク9の軸より上方にある。
【0047】
ホッパー6の上方には、貯蔵容器4を向いた側に、桟棒27及び通過開口が配設されている。桟棒27は、長手方向に移動可能に取り付けられており、貯蔵容器4の底部を形成する。桟棒27の自由端は少なくとも片側で捕捉されており、個別部分13が桟棒27の間に入れ込まれて、最初の予備的な選別が行われるようにしている。
【0048】
図示された全ての実施例で見てとれるように、貯まり通路7は、第1のディスク9の周囲に沿って延びている。少なくとも、重量の利用に必要な下向き成分が認められる限りである。
【0049】
以下においては、本発明の装置について機能的な面から説明する。本発明の装置は、小石状の個別部分13についての選別、さらなる搬送、及び個別化(一つ一つに分離)を行う上で、格別の性能を示す。小石状の個別部分13は、図3のように実質上両凸状の表面を有し、したがって、互いに積み重なって、狭い搬送路中にて詰まることがあるものである(図3,5)。装置が特に高性能であることを望むならば、装置には第1のディスク9が組み込まれ、この第1のディスク9に周方向に設けられた窪み13が、個別部分13の寸法に合わせられている。第1のディスク9は、規格化された部分として、好ましくはローラー28から構成される(図8)。これにより交換が容易になるからである。
【0050】
しかしながら、このような交換は通常必要でない。対応しての調整を行わなくとも、装置の高い信頼性が与えられているからである。高い信頼性は、作動開始前に、貯まり通路7の幅を、個別部分13の寸法に適したものとすることで得られる。すなわち、側壁支持構造体21が、対応して移動されるのである。
【0051】
第1のディスク9及び第2のディスク15が回転により位置をずらされ、他方、プレート18上に配設された長手方向に可動の桟棒27はかき混ぜ運動により位置をずらされる。この作動状態において、供給ホッパー付きの振動シュートを通じて、複数の個別部分13を有するばら荷1を貯蔵容器4中に充填することが可能である。該貯蔵容器4からは、個別部分13が桟棒27によって予備選別されてホッパー5中に送られる。該ホッパー5中では、個別部分がホッパー口6へと落ち、第1のディスク9の周面の窪み10、及び第2のディスク15の側面との接触を保っている個別部分13は、搬送方向に抗して持ち上げられる。これにより、矢印17によって示される効果が起こされるのであり、個別部分13は、常にかき混ぜ状態に保たれ、詰まるのが防止されている。
【0052】
個別部分13は、第1のディスク9との摩擦や嵌合・係合が持ち上げのためには十分でない場合、貯まり通路7中に入り、重力の作用を受けて貯まり通路7を通過する。このとき、第1のディスク9中に構成された窪み10は、貯まり通路7中にて、小石状の個別部分13のいくつかが重なり合うということを防ぐ。もしも、好ましくない条件の下で、重なり合いが生じ、これにより貯まり通路7内での楔打ち状の詰まりや、これによるホッパー5中の個別部分13の渋滞が生じうるならば、このような、重なり合いは、回転する第1のディスク9と第2のディスク15によって解消され、元の状態に戻る。
【0053】
貯まり通路7による個別部分13の搬送は、ホッパー口から貯まり通路7中へと搬送方向に気流が吹き込まれ、その上、逆側の端部にて減圧吸引の発生源に接続されることにより、さらに促進される。
【0054】
ホッパー口6中、及び、貯まり通路7中においても、個別部分13が塊をなしたり楔作用で詰まったりすることが防止されている。そのため、貯まり通路7の終端にて、ばら荷1の個別部分13は、次の加工のために、特には小分け包装のために、一つ一つに分けられて供給される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】供給ホッパー及び振動シュートを備えた状態における本発明の装置の模式的な斜視図である。
【図2】ホッパー中にばら荷が充填された状態における、図1の装置の模式的な斜視図である。
【図3】ばら荷をなす個別部分についての側面図及び正面図である。
【図4】貯蔵容器から、平行に配された2つのホッパー中へと個別部分を導く工程についての模式図である。
【図5】厚さの異なる3つの小石状の個別部分についての側面図である。
【図6】第1のディスクの縦断面である。
【図7】ホッパー側壁の一方と、貯まり通路の側壁の一部とを形成する第1のディスクについての模式的な正面図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】他の実施態様についての図7に対応する図である。
【図10】図9のX−X断面部である。
【図11】他の実施態様についての図7に対応する図である。
【図12】図11のXII−XII断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 ばら荷 4 貯蔵容器 6 ホッパー口 7 貯まり通路
8 ホッパー側壁 9 第1のディスク 10 第1のディスク9の周面上の窪み
11 貯まり通路の側壁 15 第2のディスク
18 ホッパー後壁をなすプレート 21 側壁支持構造体
27 通過開口をなす桟棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤、カプセル、糖衣錠等のような、貯蔵容器4中に貯えられたばら荷(1)、特には小石状の個別部分(13)からなるばら荷(1)を選別し、さらに搬送するための選別・搬送装置であって、搬送方向から見て貯蔵容器(4)の後にホッパー(5)が配置され、該ホッパー(5)のホッパー口(6)が貯まり通路7に対して口を開いており、該ホッパー(5)の一のホッパー側壁(8)が、ホッパー口(6)のところでは、第1の回転駆動可能なディスク(9)から形成されているものにおいて、第1のディスク(9)の周面上には、複数の窪み(10)が全周にわたって均等に分布するように配設され、貯まり通路(7)の側壁(11)の一方が第1のディスク(9)の周面によって形成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、第1のディスク(9)によって形成されたところの貯まり通路(7)の側壁(11)が、直接、ホッパー口(6)に接続していることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置において、第1のディスク(9)は、その周面が、ホッパー口(6)のところでの個別部分の重力によって定められる搬送方向に逆行するようにして、実質上水平な軸の周りを回転駆動可能であることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の装置において、複数の窪み(10)が、周方向に延びる波形断面輪郭形状として形成されていることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置において、波形断面輪郭形状の振幅と波長が個別部分(13)の形に適合していることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の装置において、第1のディスク(9)の周面には、周方向に延び、個別部分(13)の横断面形状に適合した溝(14)が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の装置において、ホッパー口(6)のところではホッパー後壁が第2のディスク(15)によって形成されており、該第2のディスク(15)は、第1のディスク(9)に対して実質上平行に配されて、回転駆動可能に取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置において、第1のディスク(9)と第2のディスク(15)とが共軸に配されていることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の装置において、第2のディスク(15)が、第1のディスク(9)と同じ回転方向に駆動可能であることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれかに記載の装置において、第1のディスク(9)と第2のディスク(15)とが等しい角速度で駆動可能であることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれかに記載の装置において、第1のディスク(9)と第2のディスク(15)が共通の駆動軸上に配設されていることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項7〜11のいずれかに記載の装置において、第1のディスク(9)と第2のディスク(15)が一体に設けられていることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項7〜12のいずれかに記載の装置において、ホッパー後壁には、第2のディスク(15)によって定められる平面内に、第2のディスク(15)を開口中に受け入れるプレート(18)が備えられることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、プレート(18)上には、貯蔵容器(4)の側に、長手方向に可動の桟棒(27)が配されていることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の装置において、第1のディスク(9)には、周方向にわたって配設される複数の窪み(10)を、軸方向に平行な方向にて多重に配することを可能にする厚みが備えられ、隣り合う貯まり通路(7)が張り出し(19)によって分けられていることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれかに記載の装置において、貯蔵容器(4)と、第1のディスク(9)、貯まり通路(7)及びホッパー(5)とによって形成される構成単位が、いくつも備えられて直線的に配列されたことを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、前記構成単位が直線的に配列されるにあたり、一のホッパー(5)のホッパー前壁が、隣のホッパー(5)のホッパー後壁によって形成されていることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項16に記載の装置において、前記構成単位が直線的に配列されるにあたり、ホッパー前壁が固定の壁部(20)によって形成されていることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかに記載の装置において、第1のディスク(9)が割り当てられている一つのホッパー側壁には、第1のディスク(9)のための受入部を有する側壁支持構造体(21)が備えられることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置において、側壁支持構造体(21)中に、少なくとも貯まり通路(7)の始まり部分が構成されていることを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置において、貯まり通路(7)が側壁支持構造体(21)を2つの部分に分けており、これらの部分は、個別部分(13)の大きさに貯まり通路(7)を適合させるため、相互間の相対的な移動が可能であることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置において、側壁支持構造体(21)における受入部を有する部分が固定され、側壁支持構造体(21)の他の部分が、第1のディスク(9)によって特定される平面内を移動可能に取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれかに記載の装置において、ホッパー口(6)には、第1のディスク(9)に向き合わせて、回転駆動可能な第3のディスク(22)が配されることを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置において、第3のディスク(22)の回転方向が第1のディスク(9)の回転方向に一致していることを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項23または24に記載の装置において、第3のディスク(22)は、少なくともその5倍だけ、第1のディスク(9)に比べて小さいことを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれかに記載の装置において、ホッパー口(6)のところに、気流、特には空気流を貯まり通路(6)に導くための導入開口(24)が設けられたことを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれかに記載の装置において、貯まり通路(7)には、ホッパー口(6)の逆側の端部に、減圧発生源が接続されたことを特徴とする装置。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれかに記載の装置において、第1のディスクに向き合うホッパー側壁(25)が、垂直に配されていることを特徴とする装置。
【請求項29】
請求項1〜27のいずれかに記載の装置において、両方のホッパー側壁(8,25)が垂直線に対して傾斜して延びることを特徴とする装置。
【請求項30】
請求項29に記載の装置において、両方のホッパー側壁(8,25)が互いに90度より大きな角度を成していることを特徴とする装置。
【請求項31】
請求項29〜30に記載の装置において、第1のディスク(9)に向き合うホッパー側壁(25)が、ホッパー口(6)のところでは、底部にある第1のディスク(9)から離れる方向に延びることを特徴とする装置。
【請求項32】
請求項31に記載の装置において、第1のディスク(9)に向き合うホッパー側壁(25)は、折れ曲がりの方向転換点が第1のディスク(9)の軸より上方にあることを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項1〜32のいずれかに記載の装置において、ホッパー(5)の上方にあって貯蔵容器(4)に向けられた側に、桟棒(27)及び通過開口が配設されており、該桟棒が、長手方向に移動可能に取り付けられて貯蔵容器(4)の底部を形成することを特徴とする装置。
【請求項34】
請求項1〜33のいずれかに記載の装置において、貯まり通路(7)が下方に延びるにあたり、第1のディスク(9)の周囲に沿って延びていることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−7172(P2009−7172A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178075(P2008−178075)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【分割の表示】特願2002−217236(P2002−217236)の分割
【原出願日】平成14年7月25日(2002.7.25)
【出願人】(502023516)ウールマン パック−ジステメ ゲーエムベーハー ウント コンパニ カーゲー (19)
【氏名又は名称原語表記】Uhlmann Pac−Systeme GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Uhlmannstrasse 14−18, 88471 Laupheim, Deutschland
【Fターム(参考)】